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【ミ】『ヨハネスブルグの明星』 その2

100『ヴァージンロード・クルセイダーズ』:2017/01/13(金) 02:17:00
>>94(エイノー)
応急処置を続けながら、
エイノーは『床下』の菊川とのやりとりを続ける。

(──正直、戦況は押されてる)
(チャペルでは、『スイート・バイト』と浜岡さんの激突に、
 ウィルが加勢してる。ここはまだまし)

(──壇に近い場所では、『ハピオル』『ナツメグ』対ルンクス。
 井上は胴体真っ二つで『半死半生』、『ナツメグ』は片目を潰された。
 ルンクスの右足に『肉』を詰められたみたいだけど、
 これで押し切れる相手とは思えない。決め手が欲しいところ)

(──最悪なのは、鐘楼室の高遠だ。
 ぼくを狙いに来た『ヒトマル』と対峙して、
 右手を吹っ飛ばされたとこだ・・・・かなりヤバい)

教会を司る菊川に聞かされた階下の情報は、
自陣にとって芳しくないものだった。
エイノー自身、二体の石像を下したとはいえ、満身創痍だ。
加勢についたところで、どの程度戦力になるかわからない。

(──誰を助けに行くかで最短ルートは変わるけど、
 『ヒトマル』が開けた大穴は気にしておいて。
 ルンクスに逃げられたら、この作戦は失敗だから)

(──それと、ぼくの『ジ・ユーズド』は、部分的に解除もできる。
 もし教会を壊す必要があるなら、先に合図さえくれれば、
 その周囲だけ『壊せる』ようにするよ)

(──もっとも、これ以上外壁に入口は作りたくないけどね)

応急手当が、完了した。
これで少しはましに、跳んだり走ったりできそうだ。


>>96(ウィル)
『スイート・バイト』と浜岡頼子、
鏡合わせとなった二体の『ウィンター・ブランケット』。

『深淵』側の左手を掴んだ浜岡側だが、
落下する『巨大ベッド』を防御しようと動いた左手の隙を抜いて、
『深淵』の右手が手刀の『突き』を繰り出す。

「ミス・ハマオカッ!防御を!」

                ──ドズゥウ !!

果たして、声は間に合ったのか。
肉に突き刺さる手指の手応え。床に散る血の色。その香り。
『深淵』の頬を緩めたそれらは、次の刹那、硬直した。

──手刀が突き刺さったのは、浜岡の胸ではない。
スタンドの左前腕だ・・・・そして貫かれてはいない。

「・・・・ま、そう動くさねぇ。
 『あたし』なら、逃す機会じゃないからねぇ」

うそぶく浜岡が浮かべるは、苦笑。
頭を庇う動きはフェイク──
『深淵』の一撃を誘う、偽の隙だったのだ。

                           ──バスゥ!!

放たれた『針弾』がチャペルの大気を穿ち、
光線のようにまっすぐ、『深淵』のスタンドを目指す。

「──見え透いてンだよッッ」

連携の声掛けが災いし、
『スイート・バイト』にウィルの存在は気付かれている。
その瞳がウィルを捕捉し、『針弾』を、その射線を視界に収め──

           バシュ!

布製の『アイマスク』が『深淵』の目を閉ざしたのは、その寸前だ。
『認知発動』をいち早く封じる、浜岡の『認知発動』。
この勝負──読み勝ったのは、浜岡だった。

両腕を封じられた『深淵のスタンドに逃げ場はなく、


           タスゥ!

その左肩に、『ヴェノム&ファイア』の針が突き立った!!


      ゴ
        ガァン!!

直後、響き渡る『割れ鐘』の音色。
回転する『巨大ベッド』、その金属製の脚が、浜岡のスタンドの頭部を直撃する。

101『ヴァージンロード・クルセイダーズ』:2017/01/13(金) 02:19:04
>>99(井上)
『ナツメグ』:
「・・・・言ってくれんぜ。
 あんな汚ねぇ『返し技』がなけりゃあ、
 『御自慢のイチモツ』まで『肉詰め』できたんだよ」

 ドガガガガガガガ!!!
   ガガガガガガガガガガガガ!!
     ガガガガガガガガガガガガガガ!!

ラッシュ勝負を継続しながら、
井上を操作し、『ナツメグ』へと近づける。
壁際まで飛ばされた井上からは『5m』ばかり。
異常な操作を施すまでもなく、腕のみで移動する程度は造作もない。
上半身のみという状況も、自重が半分という意味では幸運だ。

ルンクス:
「・・・・・・・・・・・・・」

  ガキィン!
    ガガガガガガガガガガ!!!
      ドガドガドガピチャドガドガ!!
        ガガガガガガガガガガガガガガ!!

真っ赤に染まった床から起き上がり、
両生類のように這い出した井上だが、

「そこを動くんじゃねぇよ、ボンクラぁ〜〜っ」

むしろ『ナツメグ』の方から転がって来た。
『ハッピー・オルガン』に頼まれるまでもない、という動きだ。

「オレのスタンドなら、上と下を『繋ぎ直せる』。
 もう『5秒』粘りやがれぇ、悪魔野郎!
 汚ねぇ『唾』には気をつけてなぁ」

井上の血に汚れるのも構わず、
巨漢は滑り込むように井上の傍に回ると、
スタンドで下半身に手を伸ばすと、無造作に両者を取り上げた。

暴れまわる足首の妨害のおかげだろう。、
上下に分かれて続くラッシュ勝負は、『ハピオル』優勢な状態のまま、
拮抗している──ルンクスの顔で色褪せぬ、不敵な表情を除いてだが。

  ドガガガガガガガ!!!
    ガガガガガガガガガガガガ!!
      ガガガガガガガガガガガガガガ────ッ!!

102『ヴァージンロード・クルセイダーズ』:2017/01/13(金) 02:19:24
>>98(高遠)
               ゴゴ  ゴゴ
                            ゴ ゴゴ

『踊り』を根幹とする『クレモンティーヌ』にとって、
その強制的な停止は、単なる解除ならぬ『疑似的な死』をもたらす。
再発現までは『5分』が必要となる──
今の高遠にとって、黄泉路を越えるに十分すぎる時間だ。

恐怖を振り切れたのは、あの日の浜岡の教えか。
それとも、曲がりなりにも潜り抜けた修羅場のおかげか。

とっさに左手後方に残された、壁の向うへと跳んだ──
引き下がった『イチマル』から遮蔽される位置だ。
全身の筋肉が強張り、鉛のように重いが、気にする余裕はない。

      バッッ!  ゴロロロ────ッ

転がり込むように身を投げ、壁に背をつけて息を吐くと、
その重みが一気にのしかかって来た。
「もう絶対に動けない」・・・・そんな弱音が出るつらさだ。
平凡な日常を生きていたなら、その言葉とともに投げ出しているだろう。

スタンドの発現・・・・
それを試そうとして、高遠は違和感に気付く。
左手に握られたスタンドの右手が、残されたままだ。
自身の右手は置いて来てしまったが、
強制解除されたなら、この右手も消えているはず──

                ──キュルルルルルルル!!

部屋を覆う煙幕を突き破り、
高遠に向かって回転する物質が向かってくる。
『クレモンティーヌ』だ・・・・
それは、ダンスの途中で手を放した際に見せる動き。
片腕を千切られるという衝撃的な『手放し』だったが、
『クレモンティーヌ』にとっては、『まだ終わっていない』らしい。

        フシュ ウ

高遠に触れた『クレモンティーヌ』は、
本体の傷付いた顔を覗き込むようにしながら、その姿を消した。
これは『強制解除』ではない。
呼び出せばすぐにもスタンドを発現できる。
失ったのが腕だったのが、不幸中の幸いというところか──

                  …キチ カチカチ ルル

息を潜め、耳を澄ませると、背後からかすかな駆動音が聞こえる。
位置が把握できる大きさではないが、確実にそこにいる・・・・
爆発は相手にとっても至近距離だったはずだが、
果たして、影響はあるのかどうか。

(──まだ生きてる?)

壁に寄せた耳に、唐突に囁く声があった。

(──ぼくと『ジ・ユーズド』は復活したよ。
 教会の外壁に張り付いてる。
 ヤドカリみたいにチェストを被ってね)

(──この壁は決して『壊れない』。
 敵が動いたら教えるから、しばらく休んでいい。
 その傷を放置すると、遠からず死ねるし)

右手首の断面が、スプリンクラーのように
鮮血を振りまいていることに、言われて高遠は気が付いた。

103井上正『ハッピー・オルガン』:2017/01/14(土) 04:24:13
>>101
井上が血泡にまみれた口を開く。

「ゴボッ! 5秒?5秒って言ったのか?
俺が、シャワー浴びてる間に朝食を準備して、新聞まで取りに行ってくれって頼んだのか? 脳にまで脂肪が回ったんじゃあないだろうなァ〜ッ!? ゴボボッ!」

バ ッ シ ィ ン ッ ! !

井上の両腕を酷使し、床に打ち付け跳躍する、
飛び上がれば、ルンクスと井上を隔てるものは何もない、『射線が通る』

ベギリ

井上は自身の歯を噛み砕く、それは脆弱な弾丸だ。
人間の限界を超えた肺活量で吹き出したとしても、カスリ傷一つつけることも叶わない。
だが、それをルンクスは知らない、感知できるのは、高速で何かが近づいてくるということだけ。
他でもないルンクスならば、死角からの狙撃にも、凄みで反応できる、『してしまう』
ホンの少しの、飛来する何かを意識する間は、俺へのもう一手が打てない。

【5秒何もしなきゃあ5度死ねるぜェ〜
チョイと元気良すぎたみたいだがァ〜…まァ、お前もプロだろォ〜? なんとかしてくれやァ〜】

行動としては、
井上は腕を使って真上に跳躍、歯を噛み砕いてルンクス目掛けて吹き出す。
勿論、腕も肺も極限まで酷使するぜ。
ハピオルはラッシュを続けている。
両腕は自由だから、何かしらの攻撃があっても反応できるはずだ。

104ウィル『ヴェノム&ファイア』:2017/01/14(土) 22:08:30
>>100

>「──見え透いてンだよッッ」

「ちぃっ!」

舌打ち。亜音速となる拳銃弾、それよりも更に早い『ファイア』の針弾。
それですら、『視認発動』の前には間に合わないということか。
仮定に意味はなく、また戦士としての浜岡に一切の不満はないが、
ここにいるのがアウレア・グラウコーピデだったなら声かけの必要もなかったろう。
防がれるのを覚悟で、二発目、三発目を撃とうとした時。

「─────『アイマスク』ッ!」

なるほど、それも『寝具』だ。そして針弾は命中(Bullseye)。
『割れ鐘』の音。この場にいないエイノーは無事か?被弾する浜岡。傷はどの程度だ?
だが、幾つもの思考の中で、何よりも優先すべきは『スイート・バイト』の排除。
左肩から心臓に徐々に移動するように少し狙いをずらしつつ、二発目、三発目、更に四発目も撃ち込む。
『アイマスク』で視界が防がれている今がチャンスだ。

「仕留めさせてもらうッ!」

105エイノー『フィストフル・オブ・クォーターズ』:2017/01/15(日) 07:11:25
>>100-102
ソーラー電卓から
『光発電』、USBライターから『発熱』カートリッジを作成しつつ
菊川に依頼する。

「ではすまないが今私のいる屋根(聖堂内壇から告解室寄り上方)
 の2立方メートルの解除をお願いする。1分(2レス後)で下に戻るよ」

そして胸の『D・S(ディスク・システム)』に『書き込み』を試みる。
『F・O・Q(フィストフル・オブ・クォーターズ)』のデータをだ。

106高遠 嶺『クレモンティーヌ』:2017/01/15(日) 20:02:51
>>102
不滅のダンサーは帰ってきた……。
『クレモンティーヌ』の覗き込む顔に、一瞬だけ、泣きたくなった。

「りょう、……かい……ッ」

息つく間もなく菊川の指摘に、反射的に返答し
腕の断面を、己の着ている社交ダンス用服を破いた端切れで縛りにかかる。

……縛りながら高遠の記憶は、昔に遡る。

 同じように壁に身を寄せ座り込んでいた事があった。

 子供の頃は……そう、踊りをしたかった。

 見てもらえることは、恥ずかしいけど嬉しかった、そう思っていた気がする。


攻撃の気配、移動の気配、菊川の声に意識を向けながら
ボディにムチを打って応急処置を行う。 

踊る準備はしておきたい、出来るところまで無理するが、動けるところまで。

(……確認して良い?
 今のその状況ではチェストが動かされたら教会を影響下に置けなくなる?)

菊川の入ったチェストが外に叩き出された後、
『ジ・ユーズド』の影響が及んでいるかと読み違えたそれに付いて、確認しておきたい。
大穴が空いたあの時、教会に効果が及んでおらずチェストが無事だったのは、何故か。

能力を……なんと言えばいいか、張り巡らせる操作も瞬時ではないということだろうか。

107『ヴァージンロード・クルセイダーズ』:2017/01/20(金) 01:14:29
>>103(井上)

       バ ッ シ ィ ン ッ ! !

『ナツメグ』:
「!!! このバカ・・・・!」

ナツメグの静止をものともせず、
井上は両腕を床に打ち付け、バッタの如く真上に跳躍する。
本来の身長ほどに到達したところで、
さらに顎と肺を『酷使』──

ベギリ
       パウッ!!

自ら噛み砕いた歯を、呼気とともに吹き放った!
目標はスタンドではなく、ルンクス。
黒人は半ば座した状態で『ハッピー・オルガン』の猛攻を凌いでいる。
距離にして『5m』、真上に跳んだことで射線はより通りやすく、
慣れない『吹き矢』とはいえ、何とか狙える位置取りだった。
歯の弾丸では殺傷力に欠けるが、
無視するわけにもいかないはず、というのが『ハピオル』の読みだ。

果たして──『エンジェルス・ラダー』が反応した。
先刻同様、馬の首を回すと、

       『ブヒュゥウウウウウウウ────ッ』

口をすぼめ、猛烈な勢いで『吐息』を放出した!
突風の如きその威力に、歯の弾丸は軌道を反らされ、
ルンクスに到達することなく、床に転がる。
『口撃』に対しては、『口撃』で十分というところか。


    ドガガガ!! ガガガガ!!
       ガガガガガガガガガガガガ!!

ラッシュは激しい演奏を続けている。
この攻防の軍配はルンクスに上がったが、
アドバンテージは『ハッピー・オルガン』が握っている。

ルンクス:
「・・・・・・・・・・・・・・・・・・・」 ニヤン!
           
その──はずだ。


『ナツメグ』:
「無茶しやがって・・・・『繋ぐ』より先に殺す気かぁ!?」

【殺し屋】のスタンドの手が、
落下する井上の上半身を、乱暴に引き戻す。
すでに確保した下半身とともに床に並べると、
上着を脱ぎ、二つの断面を繋ぐように巻き付け始めた。


>>104(ウィル)
『巨大ベッド』が【護り屋】の背後に落下する。
その向こうで、浜岡の額から鮮血が噴き出すのが見えた。
顔も首も朱に染まり、表情は虚ろだ。
だが──倒れない。
傷は軽くは見えず、たたらも踏んだが、
スタンドも浜岡も不動のまま、掴んだ敵の手を離さない・・・・!

「・・・・やり・・・・な・・・・ウィル」

今度は、言葉にする必要はなかった。

      パス! パスパスゥ!

引き金を引く間も惜しむほどの連射弾。
狙いは同じ左肩、そこから心臓へと的をずらす。
『スイート・バイト』の手は、与えた『鏡アレルギー』によって
『火傷』に似た症状を感じているはずだ。
握ったスマホが突然、『焼け火箸』に変わって驚かない人間はいない。
加えて、片手と両目を封じられた状態──達人であれ、避けるすべはない。

    トッ!

咄嗟に身を捻ったのは流石の『深淵』だが、
それでも逃げられず、追撃の『針弾』が同じ左肩に命中!
さらに二発目も当たり、三発目は外れるも、
『深淵』とそのスタンドは、木目の床に自ら倒れ伏し──

「・・・・ちくしょう!」

              ヴンッッ!

乱れた水面の像のように、その姿が大きく揺れ、かき消えた。
後には虚ろな音を響かせる置き土産。
『スイート・バイト』の持っていたスマホが、床で踊っている・・・・

108『ヴァージンロード・クルセイダーズ』:2017/01/20(金) 01:14:56
>>105(エイノー)

         カシュ! カシュ!

ソーラー電卓から『光発電』、
USBライターから『発熱』カートリッジを作成した。

(──いつでもOKだよ。
 付近に『ヒトマル』がいるから気をつけて。
 相手の現在位置は把握してるから、知りたければ聞いてね)

『D・S』を使い、自身のスタンドの『書き込み』をしようと試みたが、
これちらは『不可能』だった・・・・
『セルフコピー』そのものが出来ない仕様らしい。


>>106(高遠)
自分を見つめる『クレモンティーヌ』の顔、
その顔に奇妙な『情』を感じる高遠。
いや、それも当然の感情であろう。
『彼』は己が『分身』にして、永久不変の『パートナー』なのだから。

突如湧き出した涙に感化されたのか、
ふと、今の状況に遠い過去を思い出す。
状況はそれどころではないが、
束の間、高遠の心は幼い自分を眺めていた。
『踊り』を捨てる前──まだ髪の黒かった『高遠 嶺』を。

服の一部を千切り、右手の切断面に巻き始める。
出血は目に見えて収まるが、片手では骨の折れる作業だ。
完全に巻き終えるまで、果たして『ヒトマル』は待ってくれるか。

目、耳、肌。
感覚を総動員して、高遠は襲撃に備える。
すでに塵の煙幕は収まった。壁越しに覗けば互いを発見できる。

(──『ジ・ユーズド』の対象は『1つ』だけ。
 さっき攻撃された時は、チェストを対象に切り替えて凌いだのさ。
 
(──今は教会が対象で、チェストはただの隠れ蓑。
 切り替えはすぐに出来るけど、瞬時ってほどじゃない。
 『瞬間移動』はヤバいね。あれは死んだと思ったよ)

(──『ヒトマル』は今、君から『8m』先で立ち上がった。
 至近距離で撃ったダメージが、自分にもあったみたいだ。
 もっとも体はピンピンしてて、主砲に狂いが出た程度だけど)

(──彼女は、君の位置をもうわかってる。
 ぼくの時もそうだった。そういう能力があるんだ。
 今、主砲の照準を、君の背中の壁に合わせた)

(──これでもう少し時間が稼げるかな。
 そこから動いちゃ、ダメだよ)


              ゴ ゴ ゴ     ゴ ゴ ゴ

109エイノー『フィストフル・オブ・クォーターズ』:2017/01/21(土) 02:54:04
>>107-108
「感謝する菊川氏」

菊川に返答して左肩に『光発電』カートリッジ接続、
シンガポールの日照で蓄電開始と同時に自分の今いる屋根の位置と
USBライターのそれぞれの『強度』カートリッジを作成する。

今の地点で聖堂広間やや西側かと思っていたがまあそこはいい、
高遠が次の手を打つ隙を作れるのも悪くは無い。
『D・S』も諦めよう、上手くいけば誰かにインストールと思ったが
出来ないものは仕方ない。

110ウィル『ヴェノム&ファイア』:2017/01/21(土) 21:56:03
>>107

「はぁっ はぁっ・・・」「やった・・・のかしら?」

姿がかき消えた『スイート・バイト』。
念のため、彼女が落としたスマートフォンにも針弾を撃ち込んで破壊しておく。
そしてすぐさま浜岡に駆け寄ろう。

「やったわ ミス・ハマオカ」
「貴女のおかげよ・・・そして早速で悪いのだけれど布を出してもらえるかしら」
「貴女の止血をしなければ」

浜岡が寝具を出せそうならばお願いするが、負傷で難しいようなら
ベストを脱いで、片側の袖に裾を通して傷口を縛るようにする。

同時に床に顔を寄せ、菊川と連絡を取り状況を確認したい。
浜岡はもう動けないかもしれないが、自分は援護に向かう事ができる。

「ミスター・キクカワ」「ミスター・ニョルズとミス・タカトオの様子はどうかしら?」

距離的には今すぐナツメグや井上の加勢に向かいたいが、菊川が万が一やられてしまったら、
ルンクスを逃してしまうかもしれない。高遠の状況次第では、そちらへの援護の方が重要度が高い。

111高遠 嶺『クレモンティーヌ』:2017/01/22(日) 22:26:59
>>108
先程放っておいた瓦礫(>>98)はもうとっくに音を立てて居ることだろう。デコイにはなりそうにないか。

(見ても居ない周りの状況を捉えて、射程を外しつつ
 更に引き撃ちなんて、とんだ格闘殺しだわね…
 自爆もためらわない辺り機械人形っぽさが見え隠れする。突くとしたらそこか)

止血を続行しながら忠告通りじっとして……いや待て。

(ルンクスの奴の話と兄のやってたゲームとかの情報から総合するに
 『戦車』……らしいんだけどさ、アレ)

(対人兵装って、戦車は備えてるもん?
 ナパームとか焼夷弾みたいな人を焼くためのものとか)

『ジ・ユーズド』の能力を感知していないのなら無駄打ちとして考えられるが
そうでないときがちょっと怖い。

手を離してもなんとか止血が解けずにすむ様にできた場合、
砲撃の瞬間を教えてもらいその時だけ身を捩り壁の影に『クレモンティーヌ』を呼び出し
座り込んだ今の姿勢から直立まで持っていきたい。

現在の踊りの感覚を見るのも兼ねてだ。

間に合わない場合、生命線になる足を壁側に向け腕で頭部をかばいつつ続行する。

112井上正『ハッピー・オルガン』:2017/01/23(月) 13:53:50
>>107
ラッシュを続けながら、ハピオルは奇妙な既視感を覚えていた。
それは、この状況を打破する希望ともなり得るが、同時に敗北のメタファーでもある。
やれば確実に状況は動く、良いか悪いかはわからん。
しかし他に頼るものはない、死にかけの本体とマザコンデブに何の希望を見いだす?

人間なぞは信用できん、だが、遺したものには価値がある。そこには不変の意志があるからだ。それが俺の『人間賛歌』だ。
次にくり出す一撃は『覚悟』と『尊敬』を込める。
『スタンド』とは『精神力』の発露、俺が情熱的じゃないワケがあるか。

フワリ…

蹴り足が力尽きたように勢いを無くす。
ヤツは喜び勇んで俺の足をもぎ取ろうと手を伸ばすだろう。
それが狙いだ、油断したヤツの両腕を両脚で圧し広げガードを開く。突き出された腕は横からの衝撃に弱い、直進にパワーを使っているから、横方向の過重に耐えることは困難だ。

ガシン!

そして! ガラ空きの頭に両手を交差させた手刀を食らわせる! もうわかるだろう!
これが! あの!

『稲妻十字空裂刃(サンダークロススプリットアタック)』だッ!!!!!

113『ヴァージンロード・クルセイダーズ』:2017/01/29(日) 02:32:27
>>109(エイノー)
エイノーの現在位置は、
鐘楼から東(地図下)に『5m』。北(左)に『7m』。
地図上では、一階聖堂の『左上辺り』のはずだ。

 シャコッ 
        ル ルルルルル・・・・

『光発電』カートリッジが『フィストフル』の左腕表面に、
『発電パネル』を展開する。
だが、蓄電の速度は遅い・・・・
シンガポールとはいえ、現時刻は『早朝』だ。
陽が昇り切れば話は別だが、実用に十分な蓄電までは、
あまりに遠いように思われる・・・・

その間に、『USBライター』と『天井部分』(白石)の
『強度』カートリッジを抜き取った。

(『D・S』は『フィストフル』自身に他スタンドの能力を
 コピーする能力であり、他者にインストールすることは出来ない、
 と判断する)


>>110(ウィル)

──パス!パスゥ!
              パリィン!

『深淵』の置き土産はひび割れ、鏡の役目を失った。

乱雑に詰められた長椅子の海上を跳ぶようにして、
ウィルは浜岡に駆け寄る。

「効いち・・・・まったねぇ・・・・
 咄嗟に『頭突き』で・・・・弾いたつもりだったけど」


すでに『巨大ベッド』の影はなく、
【護り屋】は崩れ落ちるように、膝を屈していた。
だが、意識はあるようだ──
スタンドの手に『タオルケット』が発現し、
ゆっくりとだが、自身の傷口にあてがう。

「・・・・ありがとうよ、ウィル」

「けど、まだだ・・・・
 『スイート・バイト』を倒せちゃいない。
 『鏡の世界』に追い返しただけだ・・・・
 『入口』があれば・・・・いつだって・・・・戻ってくる」

浜岡の息は荒く、まだ視線は定まらない。
致命傷ではなさそうだが、今敵が現れれば抵抗は不可能だろう。

そして、浜岡の様子を見ながら、
ウィルは床に頬を寄せ、菊川と交信を試みる。

(──お疲れだね、ウィル。
 『スイート・バイト』の排除、おめでとう)

(──屋根上ではエイノーが二体の『石像』を撃破。
 満身創痍だけど、手当が終わり次第、一階に戻る予定だよ)

(──高遠は、ぼくを狙う『ヒトマル』と交戦。
 至近距離の砲撃で、右手を失った)

(──これまでの情報から察するに、相手は擬人化された『戦車』だ。
 本物と同程度のパワーと速度、装備と装甲を持ってる。
 ヤバい相手だ・・・・君にとって『天敵』かもしれない)

(──でも、高遠はまだ、あきらめていないよ)

114『ヴァージンロード・クルセイダーズ』:2017/01/29(日) 02:37:53
>>111(高遠)

(──ゲームのキャラ、だって?
 それなら、調べれば出てくるかもね)

(──もう少しだけ待ってくれるかい?)

押し黙った菊川をよそに、
高遠は予告された砲撃を危惧する。
菊川は自信があるようだが、万一読みが外れていれば、
壁ごと粉砕されるのは高遠自身だ。

手首の包帯は、まだ半ばまでしか巻けていない。
手を離せば今にも出血しそうだ。
仕方なく、高遠は足のみ壁側に寄せ、頭を庇う防御態勢を取った。
──その直後。

    
          『ズ ガァァァァアアアン !!!』

『アルメニアン教会』を掴み上げ、
『地上50m』から叩き落したような衝撃が、建物を揺るがした。
震源地もかくやという横揺れの振動は、
確実に教会が爆破されていただろう威力を物語っていた。
『ジ・ユーズド』の能力下でなければ、
シンガポールの観光名所が一つ、地図から消えたに違いない。

(──砲弾っていうのは、閉所で使う武器じゃない。
 まして、絶対壊れない『密室』で使えば、
 その威力は『数倍』にもなって、『密室』の中で荒れ狂う。
 ──『ガソリンエンジン』が、その力を利用するように。
 室内に人間がいたなら、ひとたまりもないよ)

(──ま、相手は人じゃないし、君に被害が及ばぬよう、
 廊下側の窓を一つ開けて威力は逃がしたけどね)

(──とはいえ、これで少しは時間は稼げるはず)

ビリビリと震え続ける壁の向うで囁く声には、
わずかにだが高揚が混じっているように思われた。

(──おっと、検索検索。
 『ヒトマル』『ゲーム』『戦車』・・・・)

115『ヴァージンロード・クルセイダーズ』:2017/01/29(日) 02:40:23
>>112(井上)

膠着するラッシュ勝負──
終わりの見えない拳の暴風雨に幕を降ろすべく、
『ハッピー・オルガン』は一計を案じる。

フワリ…

その蹴り足が突如、力を失い、ゆっくりした動きで
『エンジェルス・ラダー』へと差し出される。

ルンクスの反応は早い──
まさに食いつくように、その踝へと両手を伸ばす。
だがそれは、まさに『ハピオル』の思惑通りの動きだ。

ガシン!

同時に、素早くその両腕を両脚で圧し広げる。
同時に前屈することで、堅牢なガードを突破、
交差した手刀を、敵の首筋に叩き込む──


        ガ シ ィ

──はずだった『ハピオル』の計画は、
両脚を半ばまで開いた時点で『中断』を余儀なくされた。
両足首をしっかりと掴まれたのは誤算だが、
それでもなお、互角のパワーを持って脚を開き切れば、
ガードの突破は可能のはず。
だが、それが・・・・『出来ない』。
寸前まで、五分の勝負を続けてきた敵のパワーが、
いつのまにか、こちらを凌駕している・・・・
・・・・いや、自分の脚力が『衰えている』!

「ハッハァ・・・・
 やあっと効いてきたカ」

床に座り込み、『ハピオル』を見上げるルンクスが、
分厚い舌で上唇を舐めた。

「オレの能力──体液による『嫁化』は、
 スタンド使いの『心』を奪うには時間がかかる。
 だが、体だけでいいなら、『数秒』で十分。
 おまえみたいな『化け物』の体でも、だ──」

言われて、気が付く。
捉えられた両脚は、見慣れた悪魔のそれではない。
天上の美女もかくやという、優美な輪郭に変化している──
おそらくは、脚より上の部分までも!

「『唾をつけられた』のに、最後まで気付けなかったか?
 つまらん『時間稼ぎ』も、もう終わりだ。
 ここからは・・・・『お楽しみ』の時間だゼ」


   グィイ───z________ ン!!


猛々しい膂力に蹂躙され、
『ハッピー・オルガン』の脚が、無理やり押し開かれる。
彼我のパワー差は歴然だ。抵抗の余地はない。
加えてルンクスが主導するそれは、当然ながら
ルンクスに有利に働く・・・・技を合わせる余裕はない。


            ク パ ァ

引き下ろされ、圧し広げられた下腹部に繰り出される、
『エンジェルス・ラダー』最大の『凶器』。
下腹部から聳え立つそれは、無防備な『ハッピー・オルガン』の股間に
無慈悲な銃口のようにあてがわれ──


「オレの『嫁』になりナ、『ハッピー・オルガン』」


     ドズゥ ウ!!


──寸毫の容赦もなく、貫いた

116『ヴァージンロード・クルセイダーズ』:2017/01/29(日) 02:59:12
>全員

         『ズ ガァァァァアアアン !!!』

大きな爆発音と同時に、
教会が激しく揺れ動くのを感じた。
地震ではなく、建物全体が揺らされたような感覚だった。

117井上正『ハッピー・オルガン』:2017/01/30(月) 02:12:19
>>115
【うッグおッ!?】

スタンドに痛覚はない、が性感はあるのか?
恐らく改造…いや『開発』されるのかもしれんが、言ってる場合じゃないな。
コイツに有利なことしか出来ない?
ならやってやろうじゃないか、女の戦いをな。

挿入されたモノを激しく、精密に締め付ける! パス性AAA

雄が最も無防備になる瞬間、それが『射精』だ、近パ型の締め付けはキツかろう。

下半身だけが攻撃ではない、まだ完全に支配されていないはずだ、ラッシュする時間はない、渾身の左拳を『エンジェルズ・ラダー』のアへ顔目掛けて叩き込んでやる。パス精AAA

まだ終わらないぞ、井上はもう動けるか?
ナイフはまだ持っているか?
本体を操作する能力はまだ生きてるか?
これを確認する。

118エイノー『フィストフル・オブ・クォーターズ』:2017/01/31(火) 13:11:49
>>113-116
>>105で言った帰還を果たそう。
エイノー本体で実用が難しそうな左肩
『光発電』カートリッジを『発熱』カートリッジに交換、
『硬度』カートリッジごとUSBライターを回収し
天井『硬度』カートリッジを蹴り外す。
『F・O・Q』は即座にエイノーの下に回ってスタンドガード、
『(まだある場合の)天井の残り構造材』の破壊と『落下』の
衝撃相殺に努める。

「すまない遅くなった!」

119ウィル『ヴェノム&ファイア』:2017/02/01(水) 22:19:08
>>113

「・・・やはり倒せてはいないのね」「まさか 負ったダメージも回復して出てくるの?」

聞く限りでは、『スイート・バイト』は呪いのような存在だ。
この場に現れた個体を倒した程度では打ち破れないということか。
まだ『鏡』───『体液』も勿論だが───には注意しなければならない。
そして菊川から得た情報を吟味する。

「まだ完璧には『排除』できていないわ」「『鏡』には気をつけてね」

「ミス・タカトオが右手を・・・ッ?!」「元が戦車・・・対生物用の能力である『ヴェノム&ファイア』とは相性が悪い」
「それで諦めるつもりはないけれど・・・・・」

しかし、高遠はまだ勝ちの目を諦めてはいないようだ。ならば、仲間を信じよう。
高遠が敵を抑えている間に『ルンクス』を倒す。それが最も効率的に自分を使える手段だろう。

「Thank(ありがとう) ミスター・キクカワ」「・・・もしそちらが危なくなったら教えて」

通信を終了。
まずは自分に再度、『鏡』アレルギーを起こす。そして『鏡』の位置を、把握しておく。
動かせる鏡でなければ遠くまで行けないとはいえ、『ルンクス』戦を邪魔されては叶わない。

「行ってくるわ ミス・ハマオカ」

そして浜岡に声をかけ、井上やナツメグのところへと向かう。あちらの状況はどうなっている?

120高遠 嶺『クレモンティーヌ』:2017/02/04(土) 00:02:16
>>114
流石にルンクスには危害は及ばないようにしてるのか?

「しかし、マシンにしたってひどすぎるでしょこんなの……」

この爆発の中でも多分ピンピンしてるだろうが、
時間が稼げるならいいのだが、敵はどうなっているんだろうか。聞いておきたい。

こちらはこちらで応急処置を続行続けさせてもらう。
時間は無いが、かと言って疎かにしたら自分の仕事が出来ない。


(……もしかして、こう卓上で敵を翻弄するのかなりお好きなタイプ?)

だとしたら『ジ・ユーズド』の使い手としては実に『向いている』。
意外な一面だ。言っている場合ではないが。


確実なことは、腕を失うような状況に至ってまで
救助しようとしたのは無駄ではなかったということだ。


 たんく
(戦車娘コレクション……とかなんとかいう名前の奴だったはず。
 壁が破壊不能になったのを貴方の能力と察知したらまた索敵し始めるかも……気をつけて)

121『ハッピー・オルガン』は狂騒する:2017/02/15(水) 01:16:42

これまでの人生を一言で表すと──『失意』。



井上 正(31)は、貧乏な家庭に生まれた。
暴力を振るう父親、浪費家の母親。
生来の大人しい性格が災いし、両親からは苛立ちを、
学校では嘲笑と侮蔑を受けて育った彼は、
自尊心というものをすっかり失ってしまった。

人並みに恋もしたが、それは自分のような人間が
享受するものではないと思い知らされただけだった。
境遇を覆し、幸せを掴むすべは何処にもなく、、
何もしないことこそが『幸福』という境地に、井上は若くして達していた。

とはいえ、井上が愛に無縁だったわけではない。
愛情の対象とは──ペット。
ハムスターやスナネズミといった小動物。      チュウ
                            チュー

若くして働きに出た稼ぎは、殆ど動物たちのために使われた。
彼らは飼い主の世話なくして生きてはいけず、
曇りのない眼差しで、主人を見上げてくれる。
彼は充実していた。愛を注ぐ対象を見つけたからだ。
それはささやかかもしれないが、井上の人生という
垂れ込めた暗雲から差し込んだ、『一筋の光』だった。

だが、その幸せのサイクルは、
ある日を境に、軋みの音を帯び始める。

122『ハッピー・オルガン』は狂騒する:2017/02/15(水) 01:17:51

直接の原因は、ネズミの『共食い』だった。
ペットがエサに貪りつく姿を喜ぶ井上は、
懐事情もあり、エサの料を減らしがちだった。

                       チュー
その晩、帰宅した井上は、
二匹のハムスターを入れたケージの中に、
半ば骨と化した死骸と、何食わぬ顔の一匹を発見した。

──井上は、戦慄した。
手のひらサイズのペットすら、野生の牙を持っている。
自分は、どうだ・・・・?
自分を見上げるつぶらな瞳から、井上は目を反らした。
食事を与えられることなく、そのハムスターは餓死した。


サイクルに生じた亀裂は──広がっていく。
井上は次第に、ペットの愛情を疑うようになった。
可愛い仕草の陰で、自分を馬鹿にしているのではないか?
エサをくれる存在として、都合よく利用されてはいないか?
一度疑ってしまったネズミは、もう愛せない。
エサをやらず餓死させ、新たなペットを購入する。
幸せのサイクルは死臭を放ち、
小さな死骸を量産して回り続けたが、
かつての充足を取り戻すことは、もう叶わなかった。

直接の原因は『共食い』だったかもしれない。
だが、根本的な原因は、自分の中にあるのだろう。
井上は変わることを欲した。閉塞感の打破を望んだ。

そして噂を聞きつけた。
とある町の『廃屋』に住まう謎の男は、
訪れた者から、ある種の『才能』を引き出してくれる。
ただし、素質がなければ『死ぬ』・・・・そんな噂。

井上は躊躇わなかった。
勇気ではない。
死を恐れる程、人生に希望を抱えてはいなかったのだ。
そして──井上は『才能』に目覚めた。


                           ゴ ゴ    ゴ ゴ

123『ハッピー・オルガン』は狂騒する:2017/02/15(水) 01:19:40

「スタンドの名は、『ハッピー・オルガン』。
 『本体』を操作する『完全自立型スタンド』・・・・・・・・。
 今、この時を持って・・・・お前の『全て』は『ハッピー・オルガン』の支配下だ」


    「『食事』や『睡眠』、『排泄』等といった日常的な行為は勿論、
     骨格の構成、筋肉の動き、心臓の鼓動、に至るまで『全て』が、
     『ハッピー・オルガン』の意思一つで思う儘となる・・・・・・・・」


「また、『ハッピー・オルガン』の性格は、『残虐』にして『冷徹』。
 本体の事など、ただの『道具』としか思っていないようだな・・・・・・」


    「・・・・・・・・まさに『不運』としか言い様のない『能力』だが、
     たった一つだけ・・・・『ハッピー・オルガン』にも『支配』出来ないものもある。
     それは・・・・・・『心』。お前の『心』だけはどんな状況でも『保たれる』らしい。
     これを『幸運』と捕らえるか『不運』と捕らえるか・・・・・・難しい所だな・・・・・・・」


          ド ド ド
                     ド  ド   ド   ド





今の人生を一言で表すと──『絶望』。

矮小であろうとも、愛のあった彼が産み落とした『最悪』。
何故、『最悪』が生まれたのか。
何故、『ハッピー・オルガン』が生まれなければならなかったのか。


井上の問いに答える者はない。
この世の何処にもいないのだろう・・・・『唯一人』を除いては。

124『ヴァージンロード・クルセイダーズ』:2017/02/15(水) 01:23:51
>>117(『ハッピー・オルガン』)


  ド ド  ド

         【うッグおッ!?】
                        ド  ド  ド  ド  


『エンジェルス・ラダー』の『シンボル』は、
間違いなく、自身の下腹部を貫通している。
ルンクスの言葉がハッタリでなければ、これは『致命的』だ。

だが──まだ、意識はある。

      ギュルルル!!ギュバ!

下半身の筋肉で『シンボル』を締め上げると同時に、
全力で左拳を飛ばす──
『馬面』は無表情のままだが、そのド真ん中に、だ。

                                     バ オッ 
閃光と化したナックルが、空を切る。
『馬面』は動いていない・・・・動けるはずもない。
外したのは自分。他ならぬ『ハッピー・オルガン』自身。
『馬面』の横で停止した拳が開手し、長い首に絡みつく。
細くしなやかに変わり果てた、その腕と指──

意識の奥底から湧き出す異質な『何か』。
そこから逃れるように、『ハッピー・オルガン』は井上に意識を飛ばす。

井上の手にナイフはない。両断された際に落としたのだろう。

胴体はナツメグのシャツで巻き縛られ、上下を繋ぎ合わせられている。
中がどうなっているかはわからず、
見た目は血で真っ赤だが、生きている。痛みも感じていない。

そして、『操作可能』かどうかは・・・・
                         ク!   ク!


『ハッピー・オルガン』の意識は、そこで強引に引き戻される。
見たくもない『馬面』に、陶然となる眼差し。
いや。見たくもないというのは『ごまかし』だ。
すでにまぎれもない『本心』から、『愛して』いる──
『暗黒大陸』からやって来た、ルンクスという名の一匹の『雄』を。




      ゴ ゴ      ゴ ゴ 
                        ゴ  ゴ   ご



『ハッピー・オルガン』 ⇒ 『嫁化』

125『ヴァージンロード・クルセイダーズ』:2017/02/15(水) 01:24:54
>>117(井上)

                        ガッシィ !

井上が意識を取り戻したのは、
地獄さながらの『血の池』の中だった。

だが、すぐにそこが『アルメニアン教会』のチャペルだと気付く。
祭壇は倒れ、長椅子が散乱し、床は血で真っ赤だが、
ここは『天国や地獄』の類ではない・・・・現実のままだ。

「『接触発動』を疑ってたが、あながちハズレちゃいなかったなあ。
 文字通り『オンナにする』とは、 予想の斜め上だったがよぉお〜〜〜っ」

野太い声には聞き覚えがある。
自分に生ゴミを見る目を向けるデブの【殺し屋】だ。
名は確か、『ナツメグ』。
そのデブ男が、何故か自分の傍に座り、
血まみれの床に倒れ伏した自分の体を、強烈な力で押さえつけている。

「・・・・下手な動きすンじゃねぇぞ、てめぇ。
 つっても、おまえは『操作』されるだけか。
 苦労して繋いだ胴体だがよ、 ルンクスの『駒』を生かしとくつもりはねぇ。
 即座に解除すんぜ・・・・てめぇが勝手に動いてもなぁ」

『ナツメグ』の台詞の意味は、
祭壇横に立ち尽くす『馬面』のスタンドを見て、初めて理解できた。
逞しいその胸に抱き着き、腰を振っているのは、、
他ならぬ『ハッピー・オルガン』ではないか・・・・!

その腹には『馬面』の長大な『一物』が貫通しているが、
ダメージを受けた様子はない。
だが、何よりも違和感を覚えたのは、その姿だ。
『魔王』然とした凶悪さはそのままだが、
筋骨隆々だった四肢は、鞭のように細くしなやかに。
腰や首、胸のラインは女性的な輪郭を帯び、
『悪魔』から『夢魔』に近い変貌を遂げていた。


だが・・・・
井上が感じる最大の違和感は、それらではなかった。
心臓を握られたような、魂の呪縛・・・・
『ハッピー・オルガン』の生まれた日から消えたことのない、
奴隷の『くびき』・・・・それがどこにも、感じられない。


                   バッゴォォォン!!

──天井を突き破って、
すぐそばに白人の男が降って来た。

                             「すまない遅くなった!」

126『ヴァージンロード・クルセイダーズ』:2017/02/15(水) 01:25:49
>>118(エイノー)
               ガシャコ!
左肩の『カートリッジ』を、
『光発電カートリッジ』から『発熱』に交換する。

そして、天井に設置しておいた『硬度』カートリッジを、
爪先で『蹴り外す』──
  
               ガゴ ォン!

エイノーの自重を支えきれなくなった天井に穴が開き、
『フィストフル』を先頭に、教会内へと飲み込んだ。
当然、天井内部の資材の強度はそのままだが、

      バッゴォォォン!!

『フィストフル』が文字通り一蹴──微塵も問題はない。
次の瞬間、エイノーは白い壁に囲まれた広い空間に飛び出した。
『5m』下から、急速で接近する板間の床に、
『フィストフル』が二の足を繰り出し、衝撃を相殺する。

                                   バ ン !!

両足に走る痛みに思わず顔をしかめる。
エイノーの目に最初に飛び込んだのは、祭壇そばで立ち尽くす二体のスタンドだった。
『エンジェルス・ラダー』と『ハッピー・オルガン』。
しかし、この神聖な場所におよそ相応しくない、
両者の状況はどういうことか・・・・明らかに『交わって』見える!

「使い捨ての『石像』二つに、手間取ったか?。
 一手遅れたナ・・・・『エイノー・ニョルズ』」

『馬面』の足元に座り込んだ黒人の姿を、
エイノーはようやく発見した。
表情は不敵だが、その右足首は不自然に膨れ、蠢いている。
そのせいで立ち上がれないらしい・・・・
絶好の好機のはずだが、『ハッピー・オルガン』に攻撃の気配はない。
                         ・・・・・・・
むしろその逆だ──伸ばした腕を『馬首』に絡め、自ら腰を使っている!

>>119(ウィル)
浜岡:
「それはないね・・・・だが・・・・
 受けた『アレルギー』は・・・・消せるかもしれない」

浜岡は、まだ立ち直れていない。
ここで敵が現れれば、一転、ピンチになる。

(──ぼくの調べた限り、この教会に大きな『鏡』はもうないよ。
 チャペルの窓は、全て『すりガラス』か『ステンドグラス』。
 廊下側の普通の窓には、さっきぼくがヒビを入れておいた)

(──残った可能性は、水たまりの表面くらい。
 そっちの処理はぼくには出来ないから、お任せするよ)

(──助けを呼びたいののは山々だけど、
 そうもいかない状況だよね、これって。

(ともかく、お互いに──『Good Luck』)

菊川の苦笑を最後に、床越しの通信を終えると、
ウィルは自身に『鏡アレルギー』を付与する。

                      チク チクン
大小さまざまな『鏡面』が、
ウィルの鼻腔を刺激し、その位置を教える・・・・
破片や金属パーツ、眼球、アクセサリー。
鏡面は無数に存在するが、中でも大きいものは──『2つ』。

一つは『深淵』が姿を現した、祭壇前の『体液』の水たまり。
もう一つは、その南(地図左)側の壁際に広がった血の池だ。
そこには倒れ伏した井上と、座った『ナツメグ』が
半ば重なるようにして、待機している。

祭壇方向に目を転じたウィルは、思わず声を失った。

祭壇の左方向に座り込んだルンクスと、
その上に立ち尽くす『エンジェルス・ラダー』。
その『馬面』の胸に抱きついているのは、
『ハッピー・オルガン』の巨躯ではないか・・・・!

その腹部は『馬面』のシンボルに貫かれ、
恍惚たる表情を含め、身に覚えのある『変化』が、
『ハピオル』に現れていることをウィルは悟った──

      バッゴォォォン!!

そこに、天井を破って降って来る男の影。
井上らの傍に着地したエイノーに対し、
ルンクスが挑発めいた言葉を投げる・・・・!
黒人の右足首が、異常に膨らんでいることに気が付いた。

127『ヴァージンロード・クルセイダーズ』:2017/02/15(水) 01:26:27
>>120(高遠)

(──シミュレーションゲームとか好きだよ?
 例に漏れず、ぼくはオタクだからね)

どこか空疎な返答を聞きながら、高遠は自身の応急処置を急ぐ。

(──戦車娘コレクション・・・・
 ・・・・あった。
 10式戦車(ひとまるしきせんしゃ)、通称は『ヒトマル』)

(──2010年に日本で配備された、国産最新鋭の戦車。
 その特徴は、圧倒的な『軽量化』と『情報共有』。
 それでいて火力、防御性能は高く、前代の90式を凌駕する。
 対テロ、機甲戦闘、都市部戦闘を想定した『第4世代』の戦車)

(──小型・軽量化したことで、機動性は向上し、被弾率は低減。
 小型でありながら、主砲は『44口径120mm滑腔砲』を維持し、
 主砲同軸に『74式車載7.62mm機関銃』、
 砲塔上面には『12.7mm重機関銃M2』を備える)

(──防御力は、
 炭素繊維・セラミックスを使用した『複合装甲』で、軽量かつ堅牢。
 さらに取り外しのきく『モジュール型装甲』を追加し、
 作戦用途に合わせた防御性能を選択可能)

(──走行中も主砲の照準を目標に指向し続ける『自動追尾機能』。
 レーザーセンサー、赤外線、ミリ波レーダーによる『自動索敵機能』あり)

(──『広範囲ネットワーク情報共有化システム、『C4I機能』を備える。
 他の車両と情報を共有し、指揮統制することで、
 連隊を一体化させ、作戦効率を劇的に向上させることが可能。
 自衛隊では『走るコンピューター』の異名をとる)

(──ゲーム中では、
 『速い、硬い、エグい』の三拍子が揃った『Sレア』。
 清楚で寡黙だが、隠れドエス。勝利ポーズは『ワインで乾杯』)

(──情報は、こんなところかな。
 んー・・・・あの『瞬間移動』は何なんだ?)


──ひとまず、右手の手当てが終わった。

128井上正『ハッピー・オルガン』:2017/02/15(水) 02:52:40
>>125
「い…ギ…痛い…生きてる…なんでだ…」

目の前の惨状は、魂の解放を意味していた。
失った人間性も、これから取り戻せばいい。逃げないと、ここから逃げ出して、俺は人間にならないと。

「『あいつ』は、もういないよ…俺の中のどこにもいなくなってしまった、あんたらの邪魔はしないし、できないよ、もう家に帰してくれ、ハムスターを飼うんだ、今度は餌もケチらないし、テキトーな名前もつけない、手に乗せて、背中をなぜてやるんだ、そうすると喜ぶんだよ、知ってる?」

「なんだってするから助けてくれ…ケツを舐めろってんならそうするし、鼻からスパゲッティーだって食べて見せる、お願いだ…後生だよ…」

129『ヴァージンロード・クルセイダーズ』:2017/02/15(水) 07:37:22
現在の状況:


■■■■■■■■×■扉扉■■■■■■■■■■
■□□□□□□□□□□□□□□□□□□□□■
■□■■扉■■■■■扉■■■■■■扉■■□■
■□■□□□■□■□□□□□×□□□□×□×
■□■□□□■□■□□□□□■高□□□×□×
■□■□□□扉□■■■■■■■□□□□×□×
■□■□□□■■□□□□〓□■□□□□×□×
■□□■■■■■□□祭壇□〓■■■■■□□■
■■扉■■■■□ル□□□□〓〓■■■■扉■■
■ナ□□□□□□□□□水□〓〓〓□□□□□■
■井□□エ□□□□□□□□□〓〓□女□□□■
■□〓〓〓□〓〓〓〓〓□□□□ウ□〓〓〓□■
■□〓〓〓□〓〓〓〓□〓□□□□浜□〓〓□■
■□〓〓〓□〓〓〓〓□〓□□□□□□〓〓〓■ ⇒ 北
■□〓〓〓□〓〓〓〓□□〓〓〓□□〓〓〓〓■
■□〓〓〓□〓〓〓〓□□〓〓〓〓□〓〓〓□■
扉□〓〓〓□〓〓〓〓□□□□〓〓□〓〓〓□扉
■□〓〓〓□〓〓〓〓□□〓〓〓〓□〓〓〓□■
■□〓〓〓□〓〓〓〓□□〓〓〓〓□〓〓〓□■
■□〓〓〓□〓〓〓〓□□〓〓〓〓□〓〓〓□■
■□〓〓〓□〓〓〓〓□□〓〓〓〓□〓〓〓□■
■□〓〓〓□〓〓〓〓□□〓〓〓〓□〓〓〓□■
■□〓〓〓□〓〓〓〓□□〓〓〓〓□〓〓〓□■
■□□□□□□□□□□□□□□□□□□□□■
■■■■■■■■■■扉扉■■■■■■■■■■

□:約1m×1m ■:壁 〓:椅子 ×:破壊された壁
祭壇:倒れている
ナ:ナツメグ ハ:ハピオル エ:エイノー 高:高遠
ウ:ウィル 浜:浜岡
ル:ルンクス ス:スイート・バイト 女:花嫁(行動不能)

130ウィル『ヴェノム&ファイア』:2017/02/19(日) 00:03:36
>>126

一瞬だが、思わず目を瞑り、頭に手を当てる。なんとも頭の痛い話だ。

「『アレルギー』が解除されてしまうかもしれないの・・・まいったわね」
「先ほど本来なら『再起不能』まで追い込んだはずだけれど」
「わたしの『ヴェノム&ファイア』は脳や心臓に影響を及ぼす『再起不能』・・・
 それらが存在しない生き物ならば効果は薄いかもされないわ」

再出現までどの程度クールタイムがあるのかは分からないが、なるべく長くかかる事を祈るしかない。
一番問題となりそうなのはやはり祭壇の『水たまり』、そしてもう一つ─────?

「ミスター・イノウエ!『ナツメグ』ッ!」

あの血の量、果たして二人は大丈夫なのか?
ナツメグはともかくとして、特に井上はスタンドがスタンドだ。
『ハッピー・オルガン』、彼に道具として扱われているのだから。
────いや、違う。あれは。あの姿は。

「No」

「Not He・・・He is already・・・」「Lady」

接近しつつ、新たに天井から降りて来た姿に目を向けながら、血だまりの中にいる二人に声をかける。

「そこから離れて 二人とも!」
「『鏡』の近くにいてはダメよ!『スイート・バイト』がやってくるわ!」

131高遠 嶺『クレモンティーヌ』:2017/02/20(月) 02:34:29
>>127
(多分、『ルンクス』のヤツの能力だわ。『モナ・リザ』の時と同じように……)

>ttp://jbbs.shitaraba.net/bbs/read.cgi/netgame/9003/1433430833/787
>「ルンクスのスタンド 『エンジェルズ・ラダー』は『本体の体液に触れた生物を僕にする能力』」
>「『僕(しもべ)』となった生物には 特長的な『才能』や『スタンド』に目覚めることがある」

ウィルさんも、確かそんなようなことを言っていた。


攻撃面はカッコウ砲……主砲と機関銃二機。
防御面は用途に合わせて付け替えが効くとかいう憎たらしい頑強素材で、
先程みたいに走りながら自動照準したり、菊川さんを探し当てたみたいに優秀なレーダーもちと、至れり尽くせりだ。

……で、ベースが既に凶悪な戦闘力だから補助的な能力でも脅威そのものだ。


自分の回復に手間を掛けた以上、自爆に巻き込まれた『ヒトマル』も既に活動を再開できてる可能性はある。

壁に接しながら速やかに立ち上がる。
余裕があれば一時的に耳を離すことになるにしろ周囲180度を見ながら
菊川に『ヒトマル』の位置を聞きたい。

ただ、菊川さんを追おうとした奴が瞬間移動したあの時、耳に聞こえるような『音』はしていただろうか。
していなかった場合単純移動だけでなく瞬間移動も警戒し、
菊川に聞かずに『クレモンティーヌ』を発現しながら離れ臨戦態勢を取る。テンポを中程度に。

132ウィル『ヴェノム&ファイア』:2017/02/20(月) 18:51:45
>>130

水たまりの近くには寄らないようにする。
なので、ルンクスへは若干回り込むようにしたい。
>>96で離した毛布が近くにあれば、それを水たまりへと被せておこう。
光を浴びなければ、水たまりも『鏡』とはならないはずだ。

133エイノー『フィストフル・オブ・クォーターズ』:2017/02/25(土) 12:13:06
>>125-127 >>129
「言葉もない。しかし花婿としては愛のない言葉だ」

ルンクスの言葉に足の激痛もあって思い切り
渋り顔で返答、『F・O・Q』左手を本体が危険な
レベルまで『加熱』させながらまたカートリッジに
手を添え庇い射程のない『ハッピー・オルガン』の
強襲やる『エンジェル・ラダー』の投擲に万一の
ルンクス本人の射撃に用心しながらルンクスの
スタンド射程(仮定2m)手前までかなうべく足早に
祭壇中央まで近づく。
確率は高くないが超高速(スピードA)であれ
方向がわかっていれば相手の攻撃を避ける事も
不可能ではないだろう。
近づけたならウィル達に話す。

「悪いが援護はいらない。かわりに1分(次レス終了まで)
『時間をくれ』。人間の『花嫁』をつれてこの聖堂を出るか
 無理なら長椅子を盾に伏せてくれ」

134『ヴァージンロード・クルセイダーズ』:2017/03/02(木) 22:01:17
>>133(エイノー)

ルンクス:
「オレの『愛』に言葉は不要だからナ」

                     ブルンッ
                           ビク! ビクン

そのスタンドがこれ見よがしに腰を動かし、
変わり果てた『ハッピー・オルガン』を達させる。

【Aaaaa〜〜〜〜〜!
 ………………『最高』よォ、あんた。
 控えめに言っても『グレート』って感じ。
 『チンコ野郎』なんて言って悪かったワ……
 ウウン、今なら『敬意』を込めて、同じ呼び名を使えるカモ】

「ハッハ──ッ!
 『嫁』は満足させる』『敵も殺す』。
 『両方』やらなくっちゃあならないってのガ『旦那』の辛いところだなァ。
 覚悟はいいか?オレはできてる」


                      ザッ ザッ 
奇襲、強襲、飛び道具。
敵の反応、その兆しに目を配りながら、
エイノーは二人の立つ祭壇側へと歩を進める。
スタンドの左腕が静かに熱を高め、
エイノーの肌をチリチリと焼きながら、陽炎を登らせている。


【それを支えるのが『妻』の役目、ねェェ〜〜〜ッ】


      バ ボン!

『ハッピー・オルガン』が人差し指を立てる。
突如──ルンクスの足が『爆ぜた』。             「うおっ」

驚いたのはエイノーもだ。
足を止め、状況を見守る。

『小爆発』を起こしたのは、ルンクスの左足首だ。
血と肉が飛び散り、シュウシュウと音を立てている。
体液の類はエイノーには至らなかったが、
床に尻をつき、投げ出されたその脚は、さらなる異常に見舞われる。


 メギ! グジュグジュ
             ブジュルルルル……!

破れた表皮、紐の如く千切れた肉が蠢き、
まるで生き物のように元の位置に戻っていくではないか。
さながら映像を逆再生するように、
肉は隆起し、血管は繋がり、皮膚は張り合わされ、数瞬で傷を閉じた。

【──アッハ! 驚いたァ?
 でも痛覚遮断したから、痛くなかったでショ?】

「ああ・・・・『最高』だぜ、オマエもナ」

        ザッ

なおも前に出るエイノー。

両者の距離が『3m』に近づいた時、
二体のスタンドは、どちらからともなく離れた。
そして、ルンクスもまた立ち上がる。
『悪魔』と『馬面』、エイノーを射る二条の視線。


                          ゴ       ゴ ゴ 

突き付けられた刃の鋭さを覚えながら、
エイノーは右後方のウィルに声をかける。


               「・・・・・・・・・・」【………………】

顔を見合わせるルンクスと『ハッピー・オルガン』。
同時に訪れる・・・・『失笑』。


   ゴ ゴ ゴ   ゴ ゴ ゴ

135『ヴァージンロード・クルセイダーズ』:2017/03/02(木) 22:02:05
>>128(井上)

自ら生んだ『悪魔』からの、解放。
それは井上にとって、これ以上ない福音だった。

だが、『ナツメグ』は容易には信用しない。
井上の渾身の懇願に目もくれず、
ルンクスと『ハッピー・オルガン』の動きを見つめている。

「クソが・・・・そういうことかよ」

【殺し屋】がそう吐き捨てたのは、
ルンクスの足が『爆破』『治癒』された直後だ。

「スタンドを『嫁』にしたことで、
 本体の扱いまで奪いやがったか。
 サディストな性格は『嫁』で打ち消されてる。
 『本体操作』で傷が治せるとか・・・・厄介すぎんぜおい」

その場面は、井上も目の当たりにした。
確かに『ハッピー・オルガン』は自分を自由に動かせる。
だが、血を止める程度ならいざ知らず、
怪我を治癒された覚えはない・・・・
『嫁』となった影響によるものか、或いはその気がなかったのか?

「だがまぁ、
 これでおまえは『使える』とわかった」

自分を床に抑える圧力が、多少緩むのを井上は感じた。

「井上・・・・井上だったよなぁ?
 てめぇがろくでもない人生を歩んできて、
 ロクな死に方しないだろうことは、想像がつく」

「無理に手伝え、戦えとは言わねぇ。
 やる気のない味方は敵より厄介だからよ。
 だが、どのみち、おまえの道は前にしか開いてねぇ」

「今のおまえは、オレの『肉詰め』で繋がってるだけの『肉袋』だ。
 千切れた神経や血管、潰れた内臓まで、全部『詰め直した』。
 脊髄だけはどうにもならねぇから、筋肉で『ギブス』を当てて、
 神経類は別で代用してる状態だ」

「つまり、オレの周囲『50m』から離れれば、
 おまえはもう一度『真っ二つ』になる。
 ・・・・言いたいこと、わかるよなぁ〜〜っ?」

祭壇傍では、エイノーが単身、
立ち上がったルンクスと『ハピオル』へと向かっていく。
すでに交戦圏内に入った北欧人は、
仲間に「援護無用」と呼びかけている──

136『ヴァージンロード・クルセイダーズ』:2017/03/02(木) 22:02:49
>>130>>132(ウィル)

浜岡:
「いや・・・・『鏡』に戻っても・・・・
 ハァ・・・・能力は解除されない・・・・」

「考えてごらんよ・・・・
 でなけりゃ、あいつは『嫁』のままでなんかいない。
 能力は・・・・『鏡の中』に持ち込まれるってことさ」

「・・・・ただ、たいていの能力には『射程距離』がある。
 鏡の中がどういなってるかは知らないが、
 違う鏡から出入りしてるんだ・・・・『距離』の概念はあるんだろ。
 なら、安全な鏡の中で遠ざかって、『アレルギー』を解除してくるのは
 容易いんじゃないかってことさ・・・・
 世界中に『嫁』がいるらしい、厄介な旦那は例外としてね」

「──よし。ちょっとマシになった」

浜岡が首を振り、口端を持ち上げる。
ウィルとのやりとりで、意識が回復したようだ。
そして護衛の役割を果たすべく、ウィルの傍らにやってくる──
熊のような『ウィンター・ブランケット』を従えて。

ウィルは先刻落とした毛布を拾い上げ、
水たまりへと投げつけた。
距離は『4m』ばかりあるが、さして問題なく、
汚水の表面を厚地の寝具が覆い隠した。
おそらくは数秒とかからず、毛布が水を吸うだろうが、
覆った時点で鏡の役目を果たさないのは疑いない。

同時に、血の『鏡』の上にいる仲間たちに警告を放つ。
だが、『ナツメグ』と井上は、小声で何かを話しており、
こちらの声に反応はない・・・・
いや、肥満漢が首を横に振るのが見えた。『問題ない』という意味か?

この時点で、ルンクスまでの距離は『9m』。
(地図左下から回り込んでいる)
あと一歩踏み込めば、射程に入る──そのタイミングで。

「悪いが援護はいらない。かわりに1分『時間をくれ』。
 人間の『花嫁』をつれてこの聖堂を出るか
 無理なら長椅子を盾に伏せてくれ」

単身、ルンクス達に近づいていたエイノーの声が飛ぶ。
何か考えがあるのだろう・・・・

だが、女性化した『ハッピー・オルガン』は抱合を解き、
臨戦態勢を取っている。
さらには『ナツメグ』の攻撃を受けたルンクスの左足を、
自ら『爆破』し、さらに『治癒』してのける──
井上にそうしていたように、ルンクス本体を『操作』している!

137『ヴァージンロード・クルセイダーズ』:2017/03/02(木) 22:03:50
>>131(高遠)

菊川:
(──そりゃあ厄介だ。
 そっちの能力は『Wiki』にも書いてないだろうし)

菊川の口調は、依然呑気に響く。


    ググ グ……

壁を背に、ゆっくりと立ち上がる高遠。
体は重い。筋肉痛は確実にあるが、
今はそれより重い『役割』を背負っている自覚がある。

そして思い出す。
『ヒトマル』が瞬間移動する際、かすかにだが、
虫の羽音のような『ヴゥン』という音を聞いたことを。


(──『ヒトマル』の位置は、南の壁際。
 壁越しにまっすぐ『6m』)

(──ダメージは思ったより大きい。
 それだけヤバい攻撃力だったってことだけど。
 正面、肩の装甲が落ちてる。『中破』ってところかな)

(──ちょっと待って、高遠。
 こいつ、さっきから誰かに連絡を取ってる。
 小声だけど、壁際だからぼくには『丸聞こえ』だ)

(──『ヒトマル』ノキトウヲキョカセズ。
 ──ホンタイニテキキセッキンチュウ)

(──どういうこと?)


注:まだ『クレモンティーヌ』は発現していない

138エイノー『フィストフル・オブ・クォーターズ』:2017/03/04(土) 13:20:12
>>134-137
やる事はひどく簡単だ、そして『瞬時』に済む。

『フィストフル・オブ・クォーターズ』左手の『発熱』に
可及的速やかにスタンドパワー・精神力・生命力の
全てを注ぎ込む。

先に言っておこう、おそらくこれで
『ルンクス』は倒せない。
何の妨害もないと仮定しておそらく『発熱』は
『F・O・Q』のカートリッジとエイノー本人を瞬時に
燃焼させてしまう、これでは時間的にルンクスに
届かせる『熱量』が足りていない。
ひるがえってその場合ルンクスが『無傷』でいられる
可能性も極端に低くなるが。

ルンクスが対処した場合、つまり「カートリッジを破壊する」
「左手もしくは本体を両側の超級スタンド達に砕かせる」場合
どこまで充填できているかはわからないが物質でない『人間の思考』は
相対性理論に括られないので『発熱』へのエネルギー供給開始は
『エンジェル・ラダー』『ハッピー・オルガン』の神速より早い。
短時間であれパワーAにあるいはプラスアルファのあるスタンド熱源に
近接してただで済む可能性も低いだろう。
そして『ハッピーオルガン』の『本体操作』をもってしてもルンクスは
まだ『祭壇中央』、つまり『行き止まり』にいる。
この『発熱』をすり抜ける事はまずできないし『上』は
『熱の集積場』だ。
あとウィル達が心配していた『水溜り』も蒸散させられるかも
しれないしルンクスにまだ『持ち札』があるなら防御の為に
ここに出す確率も高い。

残念ながら『フィストフル・オブ・クォーターズ』はスピードB、
パス精AAAのスタンドと同じレンジで当たればどうしても
『当て負けて凌ぎ切れない』。

だからこの一手を打つ、『ルンクスの戦力を削ぎウィル達の
突破口を見せる確率の一番高い』手だ。

139ウィル『ヴェノム&ファイア』:2017/03/06(月) 22:43:18
>>136

「・・・仕留め切れなければダメということね」

『ヴェノム&ファイア』が起こしたアレルギーによる二次被害は、射程距離を越えても解除はされない。
というよりは、できない。『炎症』を起こした皮膚は治らず、脳や心臓が『再起不能』になってしまえば
本体であるウィルにもどうしようもない。
あと一発、『スイート・バイト』に撃ち込めていれば、無力化させられただろうに。

「もう動いて大丈夫なの?ミス・ハマオカ」「・・・・・・・・よろしく頼むわね」

無茶はするなと言いかけて、やめる。無茶をせずに勝てる相手ではない事は何より彼女が分かっているだろう。
一方『ナツメグ』は自信満々だ。スイート・バイトを相手にしても問題ないということか?
あるいは、鏡を潰す手段を彼は既に見つけたか。

「ミスター・ニョルズ!ヤツは自分の身体を治せるわ!生半可な攻撃では効かないわよッ!」

『ハッピー・オルガン』、人間に可能な行動だけを極端に強化するのみかと思えば、
吹き飛んだ肉片ごと再生するような真似もやるというのか。
仮に井上がこのスタンドを支配下に置いていたなら、どれほど恐ろしい能力だったか。
だが、その圧倒的な能力を持つが故に扱えなかった『ハッピー・オルガン』、それをルンクスが支配下に置いてしまった。
優先的に、このスタンドを狙わなくてはならないが…。

「ミス・ハマオカ!伏せてッ!」

止むを得ず、ひとまずは長椅子を使って影に隠れる。
何をするのかは分からないが、エイノーの邪魔になることは避けたい。

140井上正『ハッピー・オルガン』:2017/03/07(火) 16:16:26
>>135
「…ヒヒッ…ヒーッヒッヒ…」

井上は床に伏せ、笑う、ついに気が触れたのか?

「『あいつ』…! やりやがった! やりやがったぞ! ヒヒヒ! なぁおい見たかよ!?
『あいつ』は治療なんてできないんだよ!
ただ『くっつけた』だけだ! いいか? あいつの能力が解除されたらまた弾け飛ぶんだよ! ただの都合の良い『肉バイブ』でしかねえんだよ! 菊川って言ったか? こいつを他のやつらにも教えてやれよ! 」

井上は愉快に笑う、今井上にできるのはこれだけだ。

「それとだ! 菊川! 他の『嫁』と戦っているやつらがいるなら教えてやってくれ、今すぐここに来いってな、『あいつ』は自分以外の存在を許すヤツじゃない、そうだ『嫉妬』だよ! 『あいつ』は確実に『嫉妬』する! 」

井上はうつ伏せのまま笑っている、逆転と言える策ではない、ただ愉快だから笑っているだけだ。

141高遠 嶺『クレモンティーヌ』:2017/03/07(火) 20:48:41
>>137
>(──『ヒトマル』ノキトウヲキョカセズ。
> ──ホンタイニテキキセッキンチュウ)

『ヒトマル』が『連絡を取っている誰かに』言ったものか
それとも『連絡を取っている誰かが』言ったものか判断はつく?

142『ヴァージンロード・クルセイダーズ』:2017/03/07(火) 22:11:14
>>141(高遠・回答)

ニュアンスから、
『ヒトマル』の復唱だと思われた。

143高遠 嶺『クレモンティーヌ』:2017/03/08(水) 00:35:41
>>142
回答感謝。


>>137
……本隊に敵機接近中?

「司令部……?」

こいつに指示を飛ばしている『何か』が何処かにあって
それに接近してるのか、本体に接近しているのか……。


『ジ・ユーズド』の事を知らなかっただろうことから、復唱内容がブラフの可能性は低いが、
力押しでは勝てない、しかしクレモンティーヌに器用な闘い方は難しい。

そうなるとこいつを統率している本体……本隊?を叩くべきか。

しかし敵が接近している『から』ヒトマルを帰投させないのか?どういうことだろう。


「菊川さん、こいつとの会話みたいな音
 発してるのって、感知範囲内で分かる?」

手がかりをもう少し得ておきたい。訊く。

144『ヴァージンロード・クルセイダーズ』:2017/03/24(金) 02:12:54
>>138(エイノー)


           ── ボ ! !

突き出した左腕、
その手甲に出現した『電熱コイル』が赤熱する。
周辺の大気は歪み、陽炎となって踊り始めた。

同時に──『ハッピー・オルガン』が動いた。
『フィストフル』をも上回る速度(A)──だが、
エイノーの狙いは、直接の打撃ではない。


     オ     オ オオオ


全身全霊、全エネルギーを費やし、『発熱』に注ぎ込む。
エイノーの目的は、自ら臨界点を超える『自爆』だ。
その『高熱』によって、二人を含む周囲全てを焼き尽くす──
スピードに劣る自身に残された、それが最後の策だと考えた。

 
         シュ ォ  ウ ウウ ウウウ


『電熱コイル』は、エイノーの覚悟を受け、熱量を上げる。
『コイル』は白い輝きを帯び、その熱はエイノーの髪を焦がし、肌を焼く。
『2m』前に立つルンクスも、熱風に煽られるように一歩引き下がったほどだ。
しかし──熱の猛威は『そこまで』だった。

エイノーの思惑は、『誤算』と言わざるを得ない。
彼のスタンド、『フィストフル・オブ・クォーターズ』の能力とは、
作り出された機能の『カートリッジ』化。
それによる『抽出』と『増設』にある。
『機能』の出力は『増設』先のサイズによって増大するが、
同時に『増設』先を超えるパワーは『決して発揮されない』。

加えて、『自爆』という『機能』は『ライター』には『ない』。
まして『USBライター』は、炎を生まないことで、
安全に着火することを目的とする器具だ。
その加熱範囲はガスライターより短く、
間接的に攻撃するには明らかに不向きな『機能』──
元より『攻撃的』でない器具を選んだことが、最大の失敗だった。


                  ─── ビュ バッ!


揺れ動く大気のスクリーンに見えたのは、
左の視界の端に滑り込む、『ハッピー・オルガン』の影。
その手が白い閃光と化して襲い来る。
スタンドの狙いは容易に予想出来た。
スタンドの左肩、『カートリッジ』。
或いはその延長線にある喉笛までも。

──『フィストフル』は動けない。
全身全霊を注いだが故、反応する余力は残されていない。


   「ヒャッハ──!
    無駄死に、ご苦労チャ〜〜〜〜ン」

『ハッピー・オルガン』の嘲りが耳に刺さる。
その顔を追う余裕すらなかったが、想像は出来た。
これ以上ないほどに悪魔めいた、愉悦の表情を。

145『ヴァージンロード・クルセイダーズ』:2017/03/24(金) 02:15:27
>>139(ウィル)

先刻の状況は、両腕を封じられた『深淵』を始末する最大の好機だった。
浜岡は自身の怪我を顧みず、それを作り出してくれた。

敵を仕留めきれず、『鏡』の中へ逃がしたことに
ほぞを噛むウィルだったが、改めて思い返す内に、
不気味な疑惑が浮かんで来る。

命中した『ファイア』の『針弾』は三発。全て左肩だ。
一発目で『深淵』をアレルギー体質に変え、
二発目で『麻痺』させ、
三発目で『麻痺』を前腕・左胸まで拡大させた。
四発目は外れたが、これが胸か肩に当たっていれば、
『麻痺』は胸内の心臓に至り、『再起不能』をもたらしたはずだ。

だが、改めて状況を再現すれば、
四発目の外れ方は、明らかに『不自然』だとわかる。
的として狙うには、四発目がもっとも大きく、外しにくい。
『深淵』の体術は確かに巧みだったが、
急所を隠せこそすれ、避け切るほどの切れはなかった。
連射の一環故、緊張による誤射とも考え難い。
それでいて、四発目は明確に『外れた』──

いや、『外れた』のではない。
『外した』のではないか・・・・そういう疑惑だ。

浜岡:
「この状況でお荷物になんて、なれないからね」

普段通りの様子で返す浜岡の目は、
女性化した『ハッピー・オルガン』に向いている。
超速度で移動する『自律型』は、生きた飛び道具に等しい。
『9m』離れてなお、油断できない相手ということだ。

祭壇左部では、エイノーがルンクス・『ハピオル』と対峙する。
そのただならぬ様子を受け、
ウィルは素早く前方の長椅子の陰に身を隠す。
だが、浜岡はそれを追わず──かすかに息を飲むのが伝わる。

「駄目だ──ウィル、援護射撃を!
 あんたなら間に合う、エイノーを護るんだ!」

長椅子の隙間から覗いたウィルの視界では、
エイノーの狙いは依然としてわからない。
一方、『ハピオル』は一瞬で、エイノーの左後方に移動している。
エイノーからはほぼ死角。ルンクスと挟まれる位置。
その企みが何であれ、エイノーが無事で済むとは思えない・・・・!

>>140(井上)

(──やあ。
 ぼくのこと覚えてくれてたんだね)

笑う井上に、床が返答する。

(──残念だけど、それはどっちも笑えないと思うな)

(──治療が一時的なものだとしても、
 この場で解除されない限り、ぼくらの脅威は変わらない)

(──それに『嫉妬』もね。
 『嫁』同士は戦えないようになってるって、
 ウィルくんが言ってたと思うよ。
 仮に嫉妬しても、『同士討ち』は望みが薄いんじゃないかな)


『ナツメグ』:
「チイッ、『自殺願望』でもあンのか、
 あの学者はよお〜〜〜ッ」

                ガッシ!

突如、襟首を力強い手に掴まれる。

「だが、『飛車』を捨てて勝てる将棋じゃねぇ。
 『交換』するなら、こっちの『ト金』だ。
 持って行きやがれ──オラァッ!」

    バオォ  ン!!

大気が顔を叩いた次の瞬間、井上は滑空していた。
スタンドで投げられた、と理解するより先に、
エイノーの左後方に突撃する──
そこにあるのは、現れたばかりの『ハッピー・オルガン』の白い背中だ。
『フィストフル』の『左腕』を警戒してだろう、
大きな弧を描いて移動した為、かろうじて『ハピオル』の超速に間に合った。

   『ハピオル』:
   「ヒャッハ──!
    無駄死に、ご苦労チャ〜〜〜〜ン」
                                      ギ ャン!
とはいえ、覚悟も構えも準備もない。
『ハピオル』がこちらに気付いているかもわからない──
エイノーが仕留められる前に、邪魔が出来るものか?
そして・・・・生きて帰れるのか?

146『ヴァージンロード・クルセイダーズ』:2017/03/24(金) 02:16:05
>>143(高遠)

菊川:
(──会話の相手は特定できてないね。
 『ジ・ユーズド』の盗聴は壁が基準だから、
 小声だと、よほど壁際でないと拾えないんだ)

(──あと、現状を報告しとくと、
 現在、教会内にいる敵勢力は『3人』。
 ルンクスと『ヒトマル』、それに『ハッピー・オルガン』。
 浜岡さんの『深淵』は、鏡の中に追い払えたけど、
 ついさっき、『ハピオル』が『嫁』堕ちしちゃった)

(──あー、女性にはすっごく説明しづらいんだけど、
 ルンクスの『アレ』に刺されると、一発で『嫁』になるみたい)

(──向うの状況は、エイノーがピンチ。
 ルンクスと『ハピオル』を正面突破しようとして、
 挟み撃ちになってるところ)


(──おっと、悪い話が一つ増えた。
 『ヒトマル』が動き出したよ・・・・こっちも戦闘再開だ)



       ゴ ゴ      ゴ ゴ

147エイノー『フィストフル・オブ・クォーターズ』:2017/03/24(金) 07:54:48
>>144-146
『ここまで』と思ったが『続き』があるならやらねばなるまい。
正直気合いすぎて腕を突き出していたのはミスだった。
熱など上に行くので垂らしておこうと思っていたが。

と言って大した事ではない。
『F・O・Q』の背中にエイノーの頭を預ける形で
今度こそ床に手を触れない範囲で『発熱』の手を下げ
ごく自然に『F・O・Q』ともどもエイノーも膝を落とす。

一見して『落胆』のポーズだがそうではない、
『発熱』が全開で継続している以上この近辺に
先の『過熱』では見込めなかった『熱量』は
放散しつつも溜まる。
これで祭壇近くの水溜りの蒸散くらいは確実だろうし
低確率だが「反応が鋭い」ゆえの『ハッピー・オルガン』の
攻撃も空振りさせられるかもしれない。
あと今度こそ『カートリッジの溶解』『エイノーの火傷』も
確実だが『ハッピー・オルガン』や『エンジェル・ラダー』
も直接攻撃では『熱気圏』突入確定だ。
投擲についてだが『ハッピー・オルガン』が投げてくるのはいい、
一秒でも長く生きてルンクスと『エンジェル・ラダー』を
少しでも『熱気圏』に巻き込む。
『エンジェル・ラダー』対策については少し『F・O・Q』右腕に
力を戻しておく。
運が良ければパワー不足(A対B)なりに投擲物を逸らせるだろうし
間に合わなくても今の地点にルンクスを追い詰める火柱一本立てられる、
最悪でもウィルや井上のいない方向に飛ばされるくらいできるだろう。

外したなりに状況は変わっていないのでウィル達にかける言葉はない。
近づくとどう危険なのかはそれなりわかってもらえただろうし
まず『体力』がない。
いきなり高温過熱で自爆という可能性もなくなった以上むしろ
『予想外の危険』がウィルや井上になくなったのはいい事だろう
もっとも火傷と低酸素で次こそ最後か次の次には現状維持の
限界ではあるだろうが。

148ウィル『ヴェノム&ファイア』:2017/03/25(土) 22:54:17
>>145

(─────まさか)

ここに来て、進行しているのか。いや、むしろ今まで問題なく動けたのが幸運だったのか?
念のため、何らかの液体が身体に付着していないか軽く調べる。
衣服に付いていた場合、すぐにでも脱がなければ。
そして万が一手遅れの場合は、自ら針弾を───。

「ッ!Got it(了解)!」

浜岡の言葉に反応し、即座に動く。
最悪の展開を想像するよりも、まずは目先の展開に対処する必要があるようだ。
エイノーの策は通じなかったか、一旦彼にも下がってもらい、態勢を整えなければ。
長椅子の陰から頭と『ファイア』を出し、『ハッピー・オルガン』に向けて二発撃ち込む。
当たらなくても良い、まずはエイノーへの攻撃を止めさせる。

「下がって!ミスター・ニョルズ!」「ここで負けるわけにはいかないのッ!」

149井上正『ハッピー・オルガン』:2017/03/30(木) 13:09:39
>>145
「うるせえぞスタンド博士、先に言っとけ! さっきから聞いてたがやたら大威力の攻撃も『嫁』のものだろうが、ルンクスや他の『嫁』に誤射する可能性があればやたらと連射はできねーんじゃねえのか!? 近接距離での乱戦になれば、互いが互いを邪魔して攻撃できなくなるかもしれねーだろ!
ルンクスの足のダメージもだ!
『ハッピーオルガン』を能力を使用できない状況に追い込めば、ルンクスに大きなダメージを与えられる! 攻撃目標が定まるだろ! 劣る戦力で打倒するには火力の集中が必須だって学校で習わなかったのか?
ともかく伝えろ! できるできねーの前に可能性まで否定してんじゃねーよ! このままじゃ全員死ぬんだよ! 集団で戦うなら情報の共有はイロハのイだヴぉアアアアあッ!?」

人は極限状態に追い込まれると普段では考えられないパワーを発揮することがある、井上はいやに冷静に饒舌にわめき散らし…あえなくブン投げられた。

「!!!??!?!?!」

状況はわからないが、今ここで行動しないと終わりだ、『ハッピー・オルガン』に攻撃しても意味がない、スタンドだしな。

「後ろだ伏せろおおおおああああ!」

エイノーの脚に抱きついて転ばせる!
肉詰めされてスピードもパワーも上がってる、間に合え!

150エイノー『フィストフル・オブ・クォーターズ』:2017/04/01(土) 04:34:32
申し訳ない>>145を受けて>>147訂正。

後は焼ききれるまで発熱、と言うわけには
いかないようだ。
『発熱』を通常ライター程度(約600度)まで抑え
『F・O・Q』暫定体機能回復、手早く(エイノー本体も
少し送れて)負傷した右腕で飛んでくる井上を
巻き付くようにソフトキャッチ、返すパワーの戻った
『発熱』の左側で『ハッピー・オルガン』に防御体制を
とりながら井上とともに飛ばされて離脱したい。

個人的には悪くない状態だったと思うが相談もしなかった、
それで他の面々を不安にさせたならエイノーに非はある、
何とか一時離脱しつつ仕切り直したい。

151高遠 嶺『クレモンティーヌ』:2017/04/02(日) 21:09:25
>>146
タンクなんとかのHQについて聞いておけばよかったな、
と後悔しつつ、意識の中だけで目を覆う。
よりにもよって『ハッピー・オルガン』が敵の手に落ちるか

(……スヴァルトの言っていた『女は危険』ってそういうことね)
『ハッピー・オルガン』は男だったはずだが、
やろうと思えばこんな僅かな間でも侵食、支配できるのか。

(これはいよいよ菊川さん連れて撤収するか考えたほうがいいかしらね)

それか、司令塔を破壊するか、だ。
……しかし悔しいが司令塔の手がかりは得られても、
司令部の正体、位置についての考えに至れない。

そうなれば前者の方法を取るしか無い。
しかし、連れ出せるかどうか……

(外にでて、入り込んだチェストを教会内に蹴り込めばいけそうかしら)

それだけ言って、ゆっくり壁を離れる。

まずは『クレモンティーヌ』を発現させ、穴をぶち開けた所まで移動を開始する。

152『ヴァージンロード・クルセイダーズ』:2017/04/17(月) 02:40:52
>>147-150(エイノー)
腕を自然に突き出したのは、
『灼熱』の間合いを少しでも早くルンクスに近づける為、
当然の選択だ──それでさえ、後退するルンクスに届かなかったが。
確実に『自爆』に巻き込むならば、
相手の体を掴むなどして、確実に間合いを詰めて行うべきだった。

とはいえ、覆水はもはや盆には返らない。
現時点でエイノーに取れる選択は限られている。
『ハッピー・オルガン』の攻撃が到達するまでの、小数点未満の刹那。
防御も回避も、ましてや反撃する余力など残ってはいない。
そんな状況下でエイノーが最終的に選んだもの──
それは、『仲間の安全』であった。

>>148(ウィル)
体に付着した液体はないか?
一刻を争う状況下、念入りに調べる余裕はない。
だが、間違いなく、ウィルは体液と思しき液体には触れていない。
いや、近づいてすらいない・・・・水たまりに被せた毛布は、
わざわざ遠間から投げる年の入れようだった。
ルンクスとの距離も、射程の『8m』ギリギリからほぼ近づいていない。

しかし、『嫁』と化したウィルの体は、感じていた。
この教会に辿り着き、ルンクスと再びまみえて以来、
『見えざる秒針』が動き始めたことを。
恋する乙女が、慕う相手の傍にただいるだけで、
ひたすらに想いを募らせ、追い詰められていくように──
ウィルを犯す『嫁』の要素は、
ルンクスの傍にいる限り、加速を続けていく、その事実を。

その限界は、いつ来るのだろうか?
感覚的には、まだしばらくは問題ない。
戦う気力、反抗の意思、ともに堅持されている。
だが、今日この場を逃した後、『台場ウィリアム』でいられるだろうか?
それは保証できない・・・・いや、おそらくは『不可能』。
カウントダウンは、そこまで進んでしまっており、
状況次第でさらに加速する可能性すらある・・・・

「ッ!Got it(了解)!」

長椅子の隙間に銃口を向け、『ハッピー・オルガン』に狙いを定める。
未来の話をする時間は、今はない。
生き延びる為、眼前の危機を切り払う現在(いま)があるだけだ。

>>149(井上)
果たして、菊川に聞こえているだろうか?
思いつくまま、解決手段を口走りながら、
井上は飛来する──撃ち込まれた弾丸さながらに。

行動を強制されるのは、『ハッピー・オルガン』で慣れている。
だが、エイノーの脚を見据える己が眼差し。
支離滅裂ながら迸る己が声。
『本体操作』に匹敵し、かつ己が意思で動く『超肉体』。
ついぞ『ハッピー・オルガン』に与えらなかったそれらは、
井上自身が戦場に立つ覚悟を決めた証明であり──『ギフト』だ。

「後ろだ伏せろおおおおああああ!」

声に反応してか、『ハッピー・オルガン』が振り返った。
だが、こちらに反応までは出来ない。
腕を振り回し、空中で泳ぐようにしながらエイノーの下半身に手を伸ばす。

      ──チッ!

その指先が、『ハッピー・オルガン』の脚を『掠めた』。
痺れるような指先の感触──スタンドに『触れた』?

153『ヴァージンロード・クルセイダーズ』:2017/04/17(月) 02:41:44
>>147-150(エイノー、ウィル、井上)


  ──バシュ!バシュウ!
                  メ ギャンッ!

滑空する井上と、神速の『針弾』が宙で交差し、
ともに『ハッピー・オルガン』の背後に迫る!


「うお、ッッとォ!!」
            ビュ!  バ!

すでに『フィストフル』への攻撃に入っていた『ハピオル』だったが、
まさに悪魔的な反応でその身を翻し、『針弾』を躱してのけた。
跳躍ですらない、足場なく超速度の移動を可能とする
『スタンド』ならではの軌道で、天地を入れ替えた後、天井へと『着地』する。

   カカッ! 

標的を失った『針弾』は壁に突き立ち、

                    ドバッシィィィィ ン!!

井上は、エイノーに猛烈なタックルを決め、
ともに転倒しながら、祭壇奥の壁に激突した。

     シュウウ ウ

二人の火傷が軽度で済んだのは、
寸前でエイノーが自ら威力を弱めたことと、
肩の『カートリッジ』が砕かれたからだ。
『女悪魔』の魔の指は、思わぬ反撃を受けながらも、
最低限の仕事は果たしていったことになる。

激突の衝撃が気付けになったか、
精神がリブートするのをエイノーは感じた。
二人まとめて壁際に転がった状況こそ最悪だが、
もうスタンドは動かせる──致命傷も避けられた。

──だが、しかし。

     ド ド ド   
              ド ド ド ド  ド ド ド 
 

井上とエイノー、目を開けた二人が最初に見たのは、
『2m』という至近距離で立ち尽くす、ルンクスの異形だった。
当然のように傍らに聳える、『エンジェルズ・ラダー』。
その『馬面』は、主の興奮を伝えるように鼻息も露わだ。

「・・・・この国じゃア、
 こういうのを『スエゼン』と言ったカ?」
                         『ブルルルッ!』

              ガゴォン!

『エンジェルズ・ラダー』の右拳が動き、奥の壁を叩いた。
ノックするような軽い動きだったが、反響は重く、
壁には亀裂とともに腕が通るほどの穴が開く。

「ヨシ・・・・いいぞ。
 我が『新妻』は、『真面目』で『働き者』だ」

謎めいた言葉を吐く男の瞳は、
闇に灯された松明のように燃えている。

二人に理解できる事実は二つだけ。
教会から、菊川の『ジ・ユーズド』が解除されていること。
そして、最悪の状況で、最凶の敵が現れたことだ──!

154『ヴァージンロード・クルセイダーズ』:2017/04/17(月) 02:42:04
>>151(高遠)
壁を背で押すようにして、立ち上がる高遠。
わずかな時間ではあるが、応急処置は終えた。休息も取れた。
後は全力で『踊る』しかない──
撤収を視野に入れるにせよ、容易くさせてくれる相手ではない。

    ズギュ! ♪──

『クレモンティーヌ』を発現。
失った右手の先端を労わるように、スタンドの左手が添えられる。
もう一方の手は互いに握り合い、溢れ出す『音楽』に身を委ね、
ゆっくりと旋回し、壁沿いに西(地図上)へと歩を進める。

改めて見回した司祭室は、台風でも過ぎ去ったようだ。
本棚、調度品、小物、衣類。
簡素ながら生活には十分な量のそれらは、
破壊され、引き裂かれた残骸のみを、部屋に残している。
部屋の角の柱に飾られた青銅の聖母像も、
針金の骨格をさらけだし、かろうじて手足を繋いだ状態だ。

        シュル スルスル

床の障害物を弾き飛ばしながら、『踊り子』は進む。
壁際を『3m』進み、先刻ブチ抜いた壁の穴の前に出た。
穴は隣りの鐘楼室に通じている。
菊川の情報が正しければ、『ヒトマル』はまだ、、
鐘楼室に立ち尽くして見えるはずだ──

  ド  ド ド ド

回転の合間から、盗み見るように覗いた鐘楼室は、
司祭室が無難に思えるほどの惨状だった。
『ヒトマル』の砲撃を密室に封じた為、壁、床、天井以外の全てが
焼き尽くされ、消し炭と化している──
あるのは南西の壁端で半ば溶解した鐘楼だけだ。

そう・・・・

           ゴ ゴ     ゴ ゴ

『ヒトマル』の姿が・・・・何処にも、ない。


    ガゴォン!

突如、鐘楼室の東(地図下)壁が悲鳴を上げた。
石壁に亀裂が走り、腕一本通るほどの小穴が目の高さに開く。
壁の向うからの攻撃だ・・・・それはつまり、
『ジ・ユーズド』の喪失を意味する・・・・!

155『ヴァージンロード・クルセイダーズ』:2017/04/17(月) 02:44:24
現在の状況:
                西
                ↑
■■■■■■■■×■扉扉■■■■■■■■■■
■□□□□□□□□□□□□□□□□□□□□■
■□■■扉■■■■■扉■■■■■■扉■■□■
■□■□□□■□■鐘□□□□×高□□□×□×
■□■□□□■□■?□□□□■□□□□×□×
■□■□□□扉□■■■×■■■□□□□×□×
■□■□□□■■エ□□ル〓□■□□□□×□×
■□□■■■■■□□祭壇□〓■■■■■□□■
■■扉■■■■□□□□□□〓〓■■■■扉■■
■ナ□□□□□□ハ□□毛□〓〓〓□□□□□■
■□□□エ□□□□□□□□□〓〓□女□□□■
■□〓〓〓□〓〓〓〓〓□□□ウ□□〓〓〓□■
■□〓〓〓□〓〓〓〓□〓□□浜□□□〓〓□■
■□〓〓〓□〓〓〓〓□〓□□□□□□〓〓〓■ ⇒ 北
■□〓〓〓□〓〓〓〓□□〓〓〓□□〓〓〓〓■
■□〓〓〓□〓〓〓〓□□〓〓〓〓□〓〓〓□■
扉□〓〓〓□〓〓〓〓□□□□〓〓□〓〓〓□扉
■□〓〓〓□〓〓〓〓□□〓〓〓〓□〓〓〓□■
■□〓〓〓□〓〓〓〓□□〓〓〓〓□〓〓〓□■
■□〓〓〓□〓〓〓〓□□〓〓〓〓□〓〓〓□■
■□〓〓〓□〓〓〓〓□□〓〓〓〓□〓〓〓□■
■□〓〓〓□〓〓〓〓□□〓〓〓〓□〓〓〓□■
■□〓〓〓□〓〓〓〓□□〓〓〓〓□〓〓〓□■
■□□□□□□□□□□□□□□□□□□□□■
■■■■■■■■■■扉扉■■■■■■■■■■

□:約1m×1m ■:壁 〓:椅子 ×:破壊された壁
祭壇:倒れている
ナ:ナツメグ ハ:ハピオル(天井) エ:エイノー&井上
ウ:ウィル 浜:浜岡 毛:毛布  高:高遠
ル:ルンクス 女:花嫁(行動不能)
?:『ヒトマル』がいたはずの場所

156エイノー『フィストフル・オブ・クォーターズ』:2017/04/17(月) 22:04:26
>>152-155
「助かったよ感謝する」

井上に礼を言い立ち上がる。
現在できる事で有効そうな手はあまりない。
なのでそのうちの一つに賭ける他ない。
USBライターの『硬度』カートリッジを抜き
『F・O・Q』左肩に装填し『F・O・Q』右腕を
完全にガードに回しエイノーも前進、
ルンクス本体に左ストレートを打つ。

この場で『F・O・Q』の『速度』で追いつける可能性があるのは
強化されているとはいえルンクス本体しかない。
『エンジェル・ラダー』『ハッピー・オルガン』が防御に来るなら
むしろ本来追いつけないこの2体のスタンドに当てられる可能性がある。
ウィルの受難の最初の日の首に感じた『殺気』を考えると
もう距離はむしろ詰めるべきだろう。
過剰の『発熱』であれば『壁』になると思ったがもうそれは当座できない。
「『ハッピー・オルガン』に防がれて残り二者にエイノー本体が倒される』
のが最悪のパターンだがそれは今更守りに入っても同じだ。
高遠を入れて他の5人(流石に菊川も今回は最善で『気絶』だろう)
の動きはもう各々に任せるよりない。
何か頼まれれば聞いてやりたいが今回はそこまでの余裕はないだろう。

157エイノー『フィストフル・オブ・クォーターズ』:2017/04/18(火) 05:46:46
>>156追加
破壊されれば解除される筈だが念のため
立ち上がると同時に『発熱』カートリッジは
意図して解除する。

158ウィル『ヴェノム&ファイア』:2017/04/18(火) 23:25:06
>>152-153

「・・・・・」

時間がない。分かっていたことだが、それでも変化を目の当たりにすると恐ろしくなる。
この場にいる誰よりも、自分にとって長期戦は不利だ。
なるべく『ハッピーオルガン』を倒さずに済むのであれば、それに越したことはない。

そして何より。

「ミスター・キクカワ・・・・?!」

『壁が破壊された』。つまり、この作戦の要である『ジ・ユーズド』が解除されている。果たして菊川は無事なのか?
万が一ルンクスに逃げられでもしたら、全てが水の泡となる。
その前に仕留めなければならない。

「『ミス・ハマオカ』・・・『ナツメグ』と協力して防戦に専念した場合
 『ハッピー・オルガン』を相手にどれくらい持たせられるかしら?」

訊ねつつ左側へと移動し、若干祭壇の方へと近付く。仮にルンクスが壁の向こう側へと逃げた場合でも、針弾を撃てるように。

159高遠 嶺『クレモンティーヌ』:2017/04/19(水) 18:55:01
>>154
質問
1:ヒトマルが『転移』を行う際に起きるであろう音は聞こえていたか。
(あるいは音が出ていたとしても、音の大きさ的に『踊りの音楽』で聞こえない可能性はあったか)
2:北側、場外で何か異変は見られたか。

160『ヴァージンロード・クルセイダーズ』:2017/04/20(木) 23:25:02
>>159(高遠・回答)

>1:ヒトマルが『転移』を行う際に起きるであろう音は聞こえていたか。
>(あるいは音が出ていたとしても、音の大きさ的に『踊りの音楽』で聞こえない可能性はあったか)

音は聞こえなかった。
『転移』時の音は低温かつ小さく、同室内でなければ聞き逃す可能性が高い。
『踊り』の音楽に紛れた可能性も存在する。

>2:北側、場外で何か異変は見られたか。

その方向はまだ確認していない。
明確に感じ取れるであろう音などの異常も
現時点ではまだ、感じ取れない。

161井上正『ハッピー・オルガン』:2017/04/21(金) 02:12:27
>>153
「ヒッ…!」
悲鳴を噛み殺す。
初めてじゃないか、『ハピオル』じゃあない、俺が戦っているんだ。
深い絶望の中で奇妙な興奮がある、興奮の中で思考は冷たく、僅かでも生還の可能性を探る。
パワー、スピード、精密性、どれをとっても圧倒的、おまけにチンコもデカい。
勝てない、比較じゃ勝てない、それじゃあ勝てる状況を作ろう。
遠距離、ダメ、中距離、何度も試してる、近距離、違う、更に、もっと近距離へ!
超至近距離にしか活路は無い、お互いにパンチもできないほどに密着しなければ!

「これしかねえ! 悪く思うなよ!」

肉詰めパワーアップした身体でエイノーの背中にドロップキックを食らわせる。
エイノーがどう行動しても、『エンジェルズ・ラダー』は正確に合わせてくるだろう。
そこに不確定要素を加える、予想外の急加速によってエイノーは懐に飛び込むことができるはずだ。

「遊んでんなよデブ! これ外したら終わりだ! 全滅だ! 聞いてんのかデ…ナツメグ!!」

162高遠 嶺『クレモンティーヌ』:2017/04/22(土) 21:59:09
>>160
回答感謝・再質問

>>154
>部屋の角の柱に飾られた青銅の聖母像も、
>針金の骨格をさらけだし、かろうじて手足を繋いだ状態だ。

・この聖母像はどれ位の大きさ?
・この聖母像は四肢をまだ備えたままか?
・この聖母像まで現在の高遠らの位置から何mある?

163『ヴァージンロード・クルセイダーズ』:2017/04/25(火) 01:55:33
>>162(高遠・回答)

>・この聖母像はどれ位の大きさ?
身長『1m』程度。

>・この聖母像は四肢をまだ備えたままか?
ひび割れ、骨格であろう針金が一部露出しているが、
四肢は残されている。

>・この聖母像まで現在の高遠らの位置から何mある?
北西(地図右上)の角。
高遠からは『4m』。

164高遠 嶺『クレモンティーヌ』:2017/04/26(水) 11:41:34
>>163
解凍感謝。

>>154
既に危険域を脱せないレベルまでミスが積み重なっているような。
そんな漠然とした不安に心を支配されそうになる。

……待て、萎えるな。今萎えてどうする。


ありえること
『迷彩』……目眩まししているだけ。解除されている理由を埋めづらい。薄い。
『菊川が支配下に落ちていて実はブラフの山』……これも薄い
 というか『支配下』同士は同士討ちを忌避する傾向があるはず、無いか。

『転移』……再びヒトマルに菊川が攻撃され、最悪死亡。あるいは負傷。
      または最良でも『ジ・ユーズド』をチェストのみにせざるを得ない状況が発生した。
『それ以外』……別の何かに攻撃され『転移』同様の事態がおき『ヒトマル』は自由行動中。

『転移』と思われるが、ヤツの攻撃は大火力が主体だったと思……他の手段が有るのか?

……安否を確認する必要は、ある。

だが壁向こうの攻撃……わざわざ味方がそのようなことをする可能性は低い。
おそらく『敵』……『ルンクス』だ。

直近の壁を蹴って敵らしきモノが今しがた開けた開けた『穴』へ蹴り飛ばしながら
移動の向きを反転、崩れかけた『聖母像』へ接近する。

狙いは北部屋外の様子を見に行きつつ『パートナー』交代を必要に応じて行えるように。
視界に映る北の屋外の様子は、どうなっている……!

165『ヴァージンロード・クルセイダーズ』:2017/05/08(月) 11:02:58
>156-157>>161(エイノー、井上)

カシュ カチャ!

          ───シュゴォォォン

エイノーは唯一残された左肩のスロットに、
USBライターから抜き出した『硬度』カートリッジを刺す。
(破壊された『発熱』カートリッジは解除されている)
ライターの素材(明示を)そのままの『硬度』が、
左腕全体を覆い、『強化』が施された。


だが、エイノーの背後で身を起こした井上の目には、
その仕込みはあまりにも『隙だらけ』に映った。
敵との間合い『2m』で行う『内職』は、死を確約する。
相手がルンクスであれば、なおのことだ。


  ・  ・
        ・ ・

しかし何故か、死神の鎌は振り下ろされない。
そして井上は──見た。
『弱者』としての人生、小動物のような『観察眼』で、
眼前に立ちはだかる黒人の一瞬の反応を。

『フィストフル』が動いた際によぎった怖れ。
右半身をわずかに引く、『逃げ』の前兆。
ライターから『カートリッジ』を抜くのを見た安堵。

それらは、どれもかすかなものだ。
この距離でなければ、余裕ぶった笑みにごまかされたに違いない。
何より、人の顔色を窺って生きてきた、井上ならばこその──

「これしかねえ! 悪く思うなよ!」

                  ドンッ !


態勢的にドロップキックは無理だが、
背中から床に倒れこみながら、井上はエイノーの背を両足で蹴り飛ばした。
ルンクスの反応は、鈍かった。
仲間が蹴るという意外性故か、井上の見た逡巡からか。

だが、それでも、『2m』という距離はやや遠い。
エイノーが攻撃態勢になかったこともあり、
エイノーと『フィストフル』が懐を取るより早く、
ルンクスは後方に飛びのいた──『人体操作』の機動力。

だが・・・・
              ガ ゴッ !

    「ッオッ!!!」

その脚が、後方に押し寄せていた長椅子に引っかかる。
ルンクスは姿勢を崩し、椅子の上に尻もちをつきながら
後方に転倒、長い天板の上を滑っていく。


          ビュ バババ!

同時に、壁の穴から瓦礫が飛び出す。
援護の正体は、『音楽』によって明かされた。
穴の向うから聞こえてくる、リズミカルな『メロディ』。

井上はさらに、『ナツメグ』に呼びかける。
床に倒れ、逆になった視界に、
憤怒も露わに天井を蹴る『ハッピー・オルガン』の巨体が見えた。
そして、その向こうに。

    ド ド ド   ド ド ド ド ド 

サバンナを突き進むサイの如く、
全身の筋肉で疾駆してくる、『ナツメグ』の姿が。

「『挟み打ち』にはさせねェぜ・・・・『女悪魔』ぁ!」 
 

エイノーとルンクスの距離──『2m』。
『ハピオル』と井上の距離──『6m』(上下差含む)。

166『ヴァージンロード・クルセイダーズ』:2017/05/08(月) 11:04:05
>>158(ウィル)

刻一刻と迫る『成婚』の期限。
『ジ・ユーズド』の消滅。衰えないルンクス勢の戦力。
ここで仕留めきれなければ、
ウィルにとっての敗北は確定する。

焦りが一筋の汗となり、頬を伝った。
祭壇付近の状況は、エイノーと井上の二人が、
ルンクスを壁際に追い詰めたように見える。
だが、敵の手に堕ちた『ハッピー・オルガン』が、
彼らの後方、天井から戦局を睥睨している。
『主人』の危機を見逃すはずがない。

「『ミス・ハマオカ』・・・『ナツメグ』と協力して防戦に専念した場合
 『ハッピー・オルガン』を相手にどれくらい持たせられるかしら?」

「今の『ナツメグ』は、数に入れない方がいいね」

浜岡の返答は、意外なものだ。
とは言え、辛辣な口調ではない。

「あいつが前に出ないのは、サボってるんじゃない。
 『スイート・バイト』を封じているからさ。
 落ち着いて、そこらの椅子に触れてごらん。
 床が震えてるだろ? ほとんど気付かないほど微かにだがね。
 教会全体を『微震』させることで、水面を波立たせ、
 『鏡』を作ることを阻止してる。それも、あたしらに影響がないように。
 繊細な『肉』の操作も『フランキー・アヴァロン』の長所さ」

「だが、強いスタンドには弱点も付き物だ。
 『詰め物』を操作する間、スタンド自身の操作は疎かになる。
 それが『フランキー・アヴァロン』の一つ目の弱点。
 ただでさえ格上の敵に、ハンデつきで戦いを挑むなんてことは、
 リスクを嫌う【殺し屋】の選択肢にはないだろうからね」

「それにもう一つ・・・・あの『肉』は『露出』に弱い。
 『詰め物』の能力だからね。『ガワ』がなくなれば解除される。
 井上の包帯が外れたら、元通りの『真っ二つ』さ。
 敵に気付かれても不味いから、伝えなかったんだろうがね」

「そういうわけで、『ナツメグ』は当てにできない。
 やるならあたしとあんただ・・・・
 高速の『麻痺弾』は、拘束には『うってつけ』だよ。
 最悪に近い相手だが、『1秒』は動きを止めてみせるさ。
 【護り屋】の名にかけてねえ」

                     バ ッ

ウィルは左手に動き、ルンクスを射線に収めようとする。
射程は問題ない・・・・だが、事態は意外な方向に転がった。
エイノーの奇襲?に意表を突かれたか、
後方に跳んだルンクスが、背後の長椅子に躓き、椅子の上に転がったのだ。
長椅子の背もたれに隠れ、ウイルからは黒人の姿が消える──

      ドシュ! バババ!

さらに、壁の穴から吹っ飛んできる複数の瓦礫!
狙いは出鱈目だが、こちらに命中しないとは限らない!

167『ヴァージンロード・クルセイダーズ』:2017/05/08(月) 11:05:05
>>164(高遠)

         ────ガッ ゴォ
                       ン! !

側近の壁を蹴り砕き、瓦礫を壁の穴に叩き込む。
狙い外さず、複数の大きな瓦礫が、穴の向うに吸い込まれた。
手応えはない──命中はしていない。

だが、壁の向うから、ガタガタと音が聞こえた。
回避だけにしては若干派手だ。何かしら効き目はあったかもしれない。

────♪

その反動を利用し、一気に『聖母像』のかけられた角(地図右上)に移動した。
青銅の聖母像は、半ば柱と一体化した構造だ。
本来は柱に添えられていた両腕は砲撃の余波で外れ、
針金の骨格が露出している。四肢はかろうじて無事というところだ。
身長は『1m』ばかりで、ちょうど小学生の子供程のサイズ。
『パートナー』に選ぶには、ひとまず問題ないと思われた。

それだけの情報を一瞥で得た後、
高遠は部屋の北側、砲撃でブチ抜かれた廊下と、その先の庭先に目をやる。
そして──息を飲む。

残された壁の右手(地図右下)方向から、
かすかな駆動音とともに『ヒトマル』が姿を現したからだ。
まだ弱弱しい朝の光で照らされた芝生の上を、
散らばった無数の瓦礫を意にも介さず轢き潰しながら。

菊川の情報通り、
『機甲少女』の胸と肩の装甲は破壊され、失われている。
ダメージというよりは、取り外された印象だが、
防御力が低下しているのは間違いない。

だが、何よりも高遠を絶句させたのは、その肩の上。
見覚えのあるチェストが、右肩に担がれている。
おそらくは・・・・『中身』を伴って。

           ゴ  ゴ

「・・・・敵機『高遠 嶺』、確認」

『ヒトマル』が呟き、こちらを向いた。
互いの距離は『6m』──『一触即発』の距離だ。


                       ゴ ゴ     ゴ ゴ

168ウィル『ヴェノム&ファイア』:2017/05/11(木) 00:11:28
>>166

「数に入れない方がいい・・・?」
「ミス・ハマオカ」「それはどういう─────」

浜岡の言葉に生じた疑問は、同じく彼女によってすぐに納得した。
先ほどナツメグが『スイート・バイト』は問題ないと答えたのは、こういった理由があったのか。

>「あいつが前に出ないのは、サボってるんじゃない。
> 『スイート・バイト』を封じているからさ。
> 落ち着いて、そこらの椅子に触れてごらん。
> 床が震えてるだろ? ほとんど気付かないほど微かにだがね。
> 教会全体を『微震』させることで、水面を波立たせ、
> 『鏡』を作ることを阻止してる。それも、あたしらに影響がないように。
> 繊細な『肉』の操作も『フランキー・アヴァロン』の長所さ」

だが、逆に言えばナツメグが倒れたなら、それはもはや詰みを意味する。
頼れる仲間を失うだけでなく、更に強大な敵が復活するという事なのだから。

「わかったわ」「仲間を信頼する・・・今これがわたしのすべき事」
「coward(ルンクス)は三人に任せましょう」「この悪魔はわたしたちが何とかするわ」

そして飛んでくる瓦礫。被弾する確率は低いだろうが、威力は想定できない。
肩膝を立てながら座り、両手を顔の前で交差させる。
できれば浜岡の助力も頼りたい所だ。
瓦礫が通り過ぎたなら、『ハッピー・オルガン』の動向を見る。

169エイノー『フィストフル・オブ・クォーターズ』:2017/05/11(木) 00:42:52
>>165-167
「たいしたものだ、『ハッピー・オルガン』が『天災』なら
 井上氏は『天佑』のようだ」

また『一手』遅れるところを押し込んでもらった。
どういう経緯か知らないがルンクスも効果的な回避はしていない。
ここで『前進』しない手はない、苦痛をおしても長椅子なり
隙間なりをエイノー本体ごと駆け抜けて『F・O・G』
右手ガードの体勢からルンクス本体に左全力ストレート。

『エンジェル・ラダー』『ハッピー・オルガン』『瓦礫』は
右ガードがきくか避けられる可能性に賭けるしかない。
ガードには『即死を防ぐ』以上の期待はしていない、
今大事なのは『F・O・Q』射程内にいるルンクス本体に
とにかく『くらわせる』事だけだ。

170高遠 嶺『クレモンティーヌ』:2017/05/15(月) 20:29:40
>>167
脳裏に浮かぶのは『初仕事』。


(『伊吹』……『セージ』……)

人質を取られた相手に単独で戦い、自らの未熟で勝ちを逃したあの時。

……違うのは、『試合』が『殺し合い』で有ること。
敵が遠距離攻撃を備えていて、相性はとてつもなく悪いこと。
自分が死ねば向こうで戦っている『殺し屋』達にとっても最悪の破壊兵器であること。

……そして、自分が未熟なりに命を繋いできたこと。

故に考える。
生きている可能性が高い。後ろに担いでいるのは、単純に殺す事が難しいだろうという事と、
そのほうがこちらを釣れるという考えからだろう。

ただ、菊川が敵の手に落ちているという時点でこちらの取りたかった方針は封殺されたに等しい。

 ここでもし菊川を見捨てたらどうなるか。
 間違いなく転移なり戦車特有の人間置いてけぼりな速度なりで菊川をこちらの手の届かないところに捨てて、
 ヒトマル自身は悠々と戻り『殺し屋』たちへの攻撃を開始するだろう。

 であれば戦うか? 単独である以上攻撃は慎重に行くしかない。
 下手に攻め込めば先程の二の舞いで、こんどこそ死ぬ。
 だが、私がここで戦うということは、逆に考えればヒトマルを足止めする事ができる。

こちらを攻撃対象として定めるのか、意に介さず転移などで姿を消すのか、
その場合菊川も一緒に連れて行かれるのか。そこはまだわからないが……敵機扱いしている以上


高速移動しつつの攻撃……おそらくは手指から発射されるであろう機銃なり砲台なりに警戒をしながら
まずは聖母像を取り外しにかかる……パートナーチェンジをしなくても柱から取り外せるだろうか。

一回転しながら『クレモンティーヌ』が手をかけるだけで取り外せそうなら取り外したい。
そうでなければ、ヒトマルに向けて回転をゆっくりにしつつ接近を行う。


「菊川さん。見ているか!!」

同時に声を上げる。
扉向こうの者達にも、菊川はまだ死んではいない……だろう事を
本人へ語りかける口調によって伝える。届くだろうか。
何かリアクションがあれば生きているはず。まずはそれを得る。

171高遠 嶺『クレモンティーヌ』:2017/05/16(火) 00:29:04
>>170
ついでに確認する。
・『中身』を担いでいるチェストの扉部分はどちらを向いており、ヒトマルはどう担いでいるか。

172井上正『ハッピー・オルガン』:2017/05/18(木) 10:33:46
>>165
やることはやった、必要な手だった。
僅かな延命でも『納得』できればいい、『納得』のある行動には『誇り』がある。

クイクイ

手を天井に向けて差し伸べ、手招きして挑発する。カンフー映画のようにな。

「ふゥ〜…来いよ、お前が誰から生まれたか教えてやる」

ここから先はオマケだ、人生のロスタイムだ。虚勢張ってカッコつけて死んでやる。
とはいえ無策ではない、ハピオルは一刻も早く俺をブチ殺し、ルンクスの元へ駆けつけたいだろう、

173井上正『ハッピー・オルガン』:2017/05/18(木) 10:48:19
>>172続き
ハピオルは俺の体に何らかの強化がされているのも知っているはずだ、一撃で仕留めなければ反撃も有りうることは考えているだろう。
だから頭を狙ってくる。面積は胴の方が大きいが、肉体を操作していれば、僅かな時間は行動できる、当然知っているはずだ。
一瞬で全行動をシャットアウトできる頭部破壊をあいつは狙ってくるはずだ。
更に、それは右手での攻撃だ、俺の利き手が右だからな。

天井からの打ち下ろし、狙いは俺の脳ミソ、右拳を使う。間違っていたとしても、どうせ見てからなんて反応できない。

俺のとる行動は、ハピオルの姿が消えた瞬間、右ハイキックだ。右足を振り上げれば頭の位置は左に流れ、回避と攻撃が同時に行われる。

174『ヴァージンロード・クルセイダーズ』:2017/05/27(土) 15:27:43
>>169(エイノー)
唐突に蹴り飛ばされた一瞬の焦りも、
長椅子の上に転んだルンクスの姿を見れば、霧消する。

     ダ ッ

エイノーの反応はシンプルだった。
勢いに乗って全力前進し、左ストレートを叩きこむ。
反撃に備え、右腕はガードを上げるが、
基本、防御や策は講じない、『強行突破』だ。

「ハッハ・・・・ガツガツ来るナ、エイノー。
 意外に『肉食系』ってヤツか?」

軽口とは裏腹に、明らかにルンクスの状況は不利だ。
『エンジェルズ・ラダー』が本体前に飛び出すのは流石だが、
カウンターを撃つ余裕はない──

ガ キィィン!

『フィストフル』の強化された拳が、
十字に交差された『エンジェルズ』のアームブロックにめり込む。

すんでのところで防御された。
だが、パワーは感じられない。
『アイスホッケーのパック』のように、
『エンジェルズ』とルンクスはまとめて滑り押され、
長椅子の向うへと落下する──

──ドッ ゴォ!!

その時を狙い澄まし──『エンジェルズ』が『前蹴り』を放った!
狙いはエイノーではない。
両者の間に横たわる、今滑り落ちたばかりの、長椅子の端!
爪先を引っ掛け、圧倒的なパワーで蹴り上げることで、

        ガゴォォ オオ!

椅子に乗りかかったエイノーごと、長椅子を屹立させた!
エイノーから見れば、足場が突如、目前の壁に変わる衝撃!
当然、ルンクスの姿も壁の向うに隠れる──!

175『ヴァージンロード・クルセイダーズ』:2017/05/27(土) 15:30:04
>>172-173(井上)

「ふゥ〜…来いよ、お前が誰から生まれたか教えてやる」

クイクイ


迫りくる巨凶を前に、挑発してのける井上。
傍から見ても、その効果は絶大だった。

『ハッピー・オルガン』:
「……アァン? 
 捨てられたクズ人形如きが……、何だァその『一人前』面はァ?」

「それともそりゃ、後ろのブタ野郎の仕業か?『操作』か?
 だったらわかるぜ。
 テメーにそんな根性あるわけねーよな、『負け犬』ゥ。
 揺りかごから墓場まで他人のおもちゃ、
 誰かに利用されまくってくたばる運命の、てめーがよォ」

「だがァ……、そのツラは気に入らねぇな。
 『元主人』として、躾け直しだ。
 地べたにクンニしながら、生まれたことを後悔しやがれ!」

   ビュ バッ !

空に踊った『ハッピー・オルガン』の姿が、加速する。
常人ならば消えて見える程の超スピードだ。
井上はそれをよく知っている──故に、先手を打つ。

相手など見ない。反応に期待しない。
『元本体』として知りうる『ハッピー・オルガン』の動きを予測し、
                     ・ ・ ・ ・ ・
あるだろう攻撃を想定した上で、あらかじめ『迎撃』する──

それは、完全に『博打』の発想だ。
だが、スピード差を埋める為、井上に残された数少ない手段だった。

井上の読みは、『上方から頭部狙いの右腕攻撃』。
対するは、『身を捻りこんでかわしながらの、右ハイキック』。

眼前から姿を消した『悪魔』を前に、
井上は文字通り、我が身を『投げ捨てた』。

     ブ ン ッ


               ──ビキィ イ !

身を捻った為、視界はない。
伝えるのは聴覚と触覚。
亀裂が走るような打撃音と、右足甲の心地よい痛み。

命中──した!

176『ヴァージンロード・クルセイダーズ』:2017/05/27(土) 15:30:53
>>168(ウィル)

  バッ
       ──ビュン! ドゴ!ドゴ!

長椅子の背に隠れることで、
飛来した瓦礫は容易にかわすことが出来た。

改めて、祭壇上の攻防を見守るウィル。
戦いは、エイノーvsルンクスと、
井上vs『ハッピー・オルガン』に二分されている。
突進するナツメグの参戦は、わずかにだが間に合わない。

エイノーは長椅子上のルンクスをガード上から殴り飛ばすが、
ルンクスは椅子から落ちざま、長椅子を蹴り上げ、
エイノーごと椅子を立ち上げ、壁を作り出した。
ルンクスは壁に背を叩きつけられ、そのまま床に落ちる。

井上は、天井から殺到する『ハピオル』に、右の上段蹴りを放つ。
まるで未来を読んだかのように、その初動は早い。
だが、弾丸のように飛び込む『女悪魔』に隙はなかった。
井上の初動を見るなり、
宙で回転し、右の『回し蹴り』を繰り出す──
体格で勝る『ハッピー・オルガン』が脚で戦えば、
人間である井上の迎撃は『物理的』に到達しない。
その判断力、反応速度──さながら『悪魔』のそれだ。

だが・・・・『悪魔』にもミスはある。
それは、舞台への『遅刻』が確定した出演者、
背後に迫る『ナツメグ』の存在だった。
『ハッピー・オルガン』の言動から、
井上の動きを『ナツメグ』の『操作』だと認識していることが
伺えたが、即ちそれは、『ナツメグ』の手が間に合わない、との認識故。
その認識をあざ笑うが如く──

   ビッス!!

突進する肉塊から、『弾丸』が放たれた。
『指弾』だ──ノーモーションで放たれるそれは、
『近距離パワー型』が放てば、実弾に等しい威力を得る。

『弾丸』の正体は、『肉詰め』された『飴玉』。
タイミングは、『ハピオル』が蹴りを放った、その瞬間。

「──── ッ!!」

咄嗟に身を反らし、
背後の『弾丸』を躱したのは流石の反応──
だが、意思の薄れた蹴り足は井上の頭を捉え切れず──

     ブ ン ッ


               ──ビキィ イ !

逆に、井上渾身の上段蹴りの餌食となった。

浜岡:
「・・・・あれだよ、ウィル。
 今日の敵は、どいつも一級品のスピードを持ってる。
 用心深くて、隙もない・・・・
 真正直に狙って撃っても、当たりゃあしない。
 連中は『弾丸を見て避けられる』んだからね」

「なら、どうするか?
 動きの先を読む・・・・これさ。
 生まれるだろう隙に対して先回りし、
 あらかじめ弾丸を『置いておく』んだ。
 どこに隙が生まれるか、予測だけじゃない。
 隙を『作ってやる』・・・・その動きが大事さ。
 あんたは一人じゃない。『仲間』がいるんだからだね」

「もちろん、あたしもさ。
 必要なら、どんな『寝具』だって貸してあげるよ」


     ド ド ド    ド ド ド ド

177『ヴァージンロード・クルセイダーズ』:2017/05/27(土) 15:31:57
>>170-171(高遠)

脳裏に蘇るは、【護り屋】になって初めての戦い。
四肢を『換装』するセージに圧倒され、
仲間だった伊吹は人質に取られ、苦い敗北を喫した。

あれから、どれくらい時が流れたか。
どれだけ戦い続けたか・・・・
その成果が今、試されようとしている。

ビュン──♪
          ガコォン!

小柄なマリア像は、爆撃の余波に耐える程、
柱に強固に設置されていたが、
『踊り子』の手にかかれば造作なく引き外せた。

リズムに合わせたターンで人形を振り回しながら、
高遠は菊川に聞こえるべく、声を張り上げる。

「菊川さん。見ているか!!」

果たして返答は──あった。

    ガコ!ガコ!

『ヒトマル』の抱えたチェストから、乱暴な打撃音。
大声を出せない状況なのだろうか?
(そういえばマスクをかぶっていた)
ともあれ、菊川が人質に取られていることは、これで確定した。

担ぎ上げられたチェストの扉部分は、
下方向──即ち『ヒトマル』の左肩に接している。

救い出すには、外庭に出る必要がある。
広さは十分だが、地面には破壊された壁材が散乱した場所だ。
『踊る』にはやや不利──知ってか知らずか、『地の利』は的にある。


    キ! カシャ カコ

『ヒトマル』の右肩が変形し、未知の砲口が出現した。
砲身はごく短く、口径は大きい。

         バシュッ! バシュッ!

無造作に放たれる二発の『砲弾』。
しかしそれは、威力も速度もない。
狙いも出鱈目に思える──
高遠まで届かず、その途中、庭の芝生に転がる始末だ。


                 シュウ・・・・ シュウシュウ

178エイノー『フィストフル・オブ・クォーターズ』:2017/05/27(土) 21:26:37
>>174-177
突如長椅子が直立した、がそこにエイノーを潰す
『パワー』は感じられない。
ゆえに最速の手順としてまずガードの右手で長椅子を
跳ね返す。
ルンクスは十分避けられるだろうし避けなくても大した被害はない。
だがその反応はただちに確認できる。
『エンジェル・ラダー』も近くこちらもガードをほどいたが
まだルンクスに近寄って一発全力でストレートを入れられる距離には
十分留まれている筈だ、そこに賭けてさらに追撃する。

179ウィル『ヴェノム&ファイア』:2017/05/28(日) 23:45:07
>>176

「ミスター・ニョルズ・・・!」

両者の攻防は、一旦長椅子という仕切りに区切られる。
『フィストフル』の格闘性能の高さは知っているが、だがそれでも『体液』というハンデを加えて
あの『エンジェルズ』にどこまで食い下がれるか。加勢したい気持ちを抑え、まずは目の前の『ハッピー・オルガン』を見る。

『ナツメグ』のフォローを受け、井上の蹴りが直撃したようだが、果たして効果はあるのだろうか?
ただ何にせよ、あの『悪魔』も無敵ではないということが証明された。
いかに膂力が並外れていようと、手足の速度が素早かろうと、目は二つしかないことに変わりはない。

「・・・・・なるほど」
「承知したわ ミス・ハマオカ」「では『寝袋』の準備をお願いするわね」

無論、実際に手で扱うわけではなく、『視認発動』だ。ここぞという一瞬に、『ハッピー・オルガン』のスキを作る。
寝袋には顔まで覆うタイプのものがある、あの膂力では寝袋も容易く破壊できるだろうが、視界も同時に奪えばさらなる時間を奪える。
理想は井上が蹴りを直撃させた今回のように、浜岡以外の所に注目が向かった瞬間だ。
まずは自分が動き、『ナツメグ』や『井上』と同時に視界に映らないようにしながら
『ハッピー・オルガン』に向けて引き金を引く。当然当たらないが、予測される井上への反撃を遅らせつつ、他の二人の行動を起こしやすくさせたい。

180高遠 嶺『クレモンティーヌ』:2017/06/01(木) 21:01:33
>>177
質問。
・落ちた『砲弾』と『クレモンティーヌ』『ヒトマル』それぞれの距離はいかほどか。
・『砲弾』同士の間は離れているか。
・足元に破壊された壁材はどれほどあるか。また大きさは?

181『ヴァージンロード・クルセイダーズ』:2017/06/03(土) 15:23:53
>>180(高遠・回答)

>・落ちた『砲弾』と『クレモンティーヌ』『ヒトマル』それぞれの距離はいかほどか。
両者の距離は『6m』で、ちょうど中間点。
つまり、双方から『3m』ほどの距離。二発ともに同じ。

>・『砲弾』同士の間は離れているか。
左右に『1m』ほど離れている。

>・足元に破壊された壁材はどれほどあるか。また大きさは?
煉瓦ほどの壁材が、幾つか転がっている。

182高遠 嶺『クレモンティーヌ』:2017/06/04(日) 19:25:03
>>181
回答感謝。

>>177
菊川さんからのリアクションはあった。喉を潰されでもしたか……何かのヒントかもしれない。
考えねばならないが今は目の前への対処を。

狙いがヘボ? コイツに限ってそんなことはない、
おそらくは意図的にそこ(高遠との間)へ落とした。

想定される弾丸は
           バクハツブツ メツブシ・メクラマシ  ミミツブシ
危険度の高い順に榴  弾、閃光・煙幕弾、音響爆弾

>                 シュウ・・・・ シュウシュウ

 音から察するに考えられる弾丸は……榴弾は薄そうな気がする。
 威力のある戦車砲弾がいくらでもあるはずだし、ちょうど中間という位置では自分も巻き込むことになる。
 爆発物なら多分敵の足元。自爆したくないだろ。私だってそうする。敵だってきっとそうする。
 であれば閃光の目潰しか煙幕の目眩まし……これだと次の攻撃の対処がしづらくなる。
 更に悪い状況は目潰しに爆音も付随して見当識を失わせるスタングレネードのパターンだが……
 スタン弾も多分真ん中には置かないしは少なくとも戦車には使わない、人を攻撃するための兵装なんじゃないかな。

戦車に対人を想定した兵装があるのかは気になる所だけど、
可能性の高そうな中で一番ヤバイ閃光と爆発音と、次いで最も可能性の高そうな煙幕を想定。

敵との距離6m、砲弾への距離は3m……直接叩くには難しい。

煙幕弾であれば杞憂に終わることだが
閃光であったことを想定して片目は瞑る。

「弾が『落ち』た!」

同時に菊川へ伝達。こちらの声は聞こえているはずだ。
 私と同じ想定に至ってくれれば、ヒトマルが動いたとき
 今の様に音を出して教えてくれる、と思う。その場合煙幕なら敵を見失わずに済む。
 それを狙って声をかけ耳を澄ます。

 とはいえ、スタン弾だったら台無しの割と博打だし
 ヒトマルがどう反応するかも考えておく必要はある。
 あくまで人質として連れ回すか、投げ捨てて身軽になるか……。こうまでして拾った人質をむざむざ捨てたりはしない
 盾に取る可能性はあるが、『ジ・ユーズド』の無敵さならば死にはしないと思う。

叩く音を出してもらえたのであればそれを頼りにその場所へ足元の煉瓦大の壁材を蹴り出して攻撃する。
狙いは音の鳴った方角(音が移動していくのであれば移動先に狙いを置いておく偏差射撃を。)で、敵アーマーが取り外されていた胴体の高さ。

183井上正『ハッピー・オルガン』:2017/06/06(火) 01:08:46
>>175
「は?」

当たった? マジで? なんで俺死んでないの?
なんて考えてる場合じゃないぞ、目の前には選択肢が二つ。

①ハピオルを追撃
②エイノーの援護

言うまでもなく②だ。折角拾った命だ。とことんまで生還に使わせてもらう。

援護と言っても駆けつけられない、スピードは足りない。足元には瓦礫が転がっているが、今の位置からではルンクスは狙えない。
だが狙いはそこじゃない、成功に倣おう。

手頃な瓦礫か椅子の破片かを拾い、投擲する。パス精CCC
狙いはエイノーの膝の裏。ルンクスも予知できるわけではない、状況を予測し、最短距離で最適解を出し続けているだけだ。
俺の行動によってエイノーの動きが変化することも、いくらか予想の範疇ではあるだろう、しかし、高速戦闘状態において、不確定要素があるってのはそれだけでこちらの利になる。エイノーには悪いが、タイマン張るには相手が悪すぎる。

「エイノーッ! 前だ! 敵は前にいる!
倒れるなッ! そのまま行けっ! 」

叫んだ後は床に伏せる、そろそろ怒り心頭、発情期の猫みたいに元気ハツラツのハピオルが俺の背骨を折りにやってくる頃合いだろうからな。

今回の行動は長そうに見えて、投げる、叫ぶ、伏せる、の三つだ。たぶん行ける。

184『ヴァージンロード・クルセイダーズ』:2017/06/15(木) 21:30:18
>>178(エイノー)

 ガ ドォン!

眼前に屹立した長椅子の『壁』。
エイノーは咄嗟にスタンドのガードを緩め、
最短の手順で障害の排除──即ち、
長椅子を前方に跳ね飛ばそうとする。

       ビュ! ──ビッシ!

その時、膝裏を叩く、鈍い衝撃。
ルンクスからでは──ない。

井上:
「エイノーッ! 前だ! 敵は前にいる!
 倒れるなッ! そのまま行けっ! 」

仲間の援護だと理解するが、
そのまま進むのは、流石に無理がある。
後方からの思いがけぬ奇襲に、
無理を押してきたエイノーの脚は、
想像以上にあっさりと崩れ落ち、
エイノーを強制的に『正座』させていた。

一方の『フィストフル』は、思わぬ事態に対処しきれない。
その右拳が長椅子の座面に触れ、弾き飛ばす──

  カ
     ドババババババ!!!
 
  ドゴドゴドゴドゴ!
             ドッパァァァ────ン

まさにその瞬間、長椅子の上半分が、
突き出された無数の拳によって、粉砕された。
無数の木片が跳ね散らかり、エイノーの髪の上を通過する。

長椅子をブラインドにした、
『エンジェルズ・ラダー』のラッシュ──
井上の機転がなければ、
粉砕されたのはエイノーの頭蓋骨だったに違いない。
ラッシュの間合いは浅く、『フィストフル』に到達しなかったのも
エイノーにとっては幸運だった。

「手応えあり・・・・いや、ナシか?」

半分になった長椅子の向うから聞こえる声。
出所は低い。ルンクスの体勢も、床に近いのだろう。

「『繁殖期のカバ』みてーに突っ込んでくると思ったが、
 意外に粘るじゃねーカ・・・・仕切り直すべきカ?」

185『ヴァージンロード・クルセイダーズ』:2017/06/15(木) 21:31:28
>>184(井上)
それは、一瞬の判断だった。

手頃な廃材を引っ掴むと、エイノーの膝裏めがけて投げつける。
攻撃ではない・・・・援護だ。
パワー、スピード、精確さ。全てで上回る敵を前に、
突破口となるのは、『意外性』だと踏んだ。

  ビュ! ──ビッシ!

狙い過たず、手加減して投じた廃材は、
小学生の悪戯よろしく、エイノーの膝を後ろから折る。
前に行けと呼びかけたが、エイノーはほとんど正座だ。
予想以上に『効いた』らしい・・・・
だが、この場面における、井上の判断は『正解』だった。

  カ
     ドババババババ!!!
 
  ドゴドゴドゴドゴ!
             ドッパァァァ────ン

次の瞬間、長椅子の上半分が吹っ飛んだからだ。
長椅子をブラインドにした、
『エンジェルズ・ラダー』のラッシュ──
膝を折らなければ、エイノーの上半身も巻き添えだった。
ここまで見越しての、一連の動きに違いない。


              バッ

だが、それ以上エイノーに加担する余裕は、井上にはない。
床上で身を捻り、伏せることで『ハッピー・オルガン』に備える。

果たして、こちらの予想も『正解』だ──
見上げた先、床からわずかに浮いた『女悪魔』は、
悪夢もかくやという形相で、井上を凝視している。

玄関先の『マリア像』で傷付いた『右腕』。
今しがた、自分がへし折ったらしい『右脚』。

『ハピオル』は痛みを感じない──それはスタンドだから。
そのことを十分に承知する井上だが、
機能的損傷以上の『ダメージ』を与えられたことを、
その表情から確信する。
即ち──『プライド』を傷つけたのだ。

「この『タンカス』が・・・・
 タンツボで産み落とされた・・・・『便所ウジ』が・・・・ッ」


           ゴ ゴ   ゴ ゴ     ゴ ゴ

『窮鼠』は、猫を噛むことに成功した。
それでは猫は、『窮鼠』をどうするのか──?

186『ヴァージンロード・クルセイダーズ』:2017/06/15(木) 21:32:31
>>179(ウィル)
浜岡:
「『寝袋』は出せるがね。
 『認知発動』で捕まえるとかは期待しないどくれよ。
 あたしの『寝具』にゃ、出せる状態ってのがあるのさ。
 でなけりゃとっくに、『ハピオル』をお縄にしてる。
 あたしの『寝具』は、『破壊不可能』だからね」

「『寝具』の着用対象にするには、適正なサイズと状態がいるんだ。
 『寝袋』なら、全身が収まるサイズでないとダメ。
 もちろん、お行儀のいい姿勢でなけりゃ『対象外』さ。
 あの暴れん坊はどっちも『望み薄』だし、
 ルンクスはあの股座の時点で、どうしようもない」

「さっきの『アイマスク』も、
 例えば目元に手を当てるだけで、簡単に防がれる。
 ここぞって時にしか使わないのは、そういう理由なんだ。
 二度目が通用すると思わない方がいい」

「後は、射程距離『5m』ってのが難儀でね。
 自分を護るにはいいが、誰かを護るにはちと足りない。
 こういう場面では特にそう感じるねえ。
 かといって、あんたを連れて
 『近距離型のステージ』に上がるには、相当の『覚悟』が必要だ。
 だからあたしは、ここにいるのさ」

現在、ウィルは『ハピオル』とルンクス、
両者を『8m』の射程距離に収めている。
ルンクス本体は長椅子に隠れて見えないが、
隠れて移動しない限り、どちらも狙える好位置だ。
一方で、これ以上近づけば、
確実に『近距離型のステージ』に上がる、という間隔がある。
このラインを越えるには、
確かに相応の覚悟が必要に違いない。

ウィルの照星はルンクスを追わず、『ハピオル』に焦点を定める。
井上の反撃は、見事の一言に尽きた。
『悪魔』の右足は蹴り砕かれ、膝下からねじ曲がっている。
人間であれば開放型骨折確実だが、
スタンドであれ、もはや攻撃には使用できないだろう。
傷付いた右腕とともに、戦力を大きく削いだことになる。

一方で、『ハッピー・オルガン』の顔に苦痛はない。
『自律型スタンド』故かもしれないが、
『ハッピー・オルガン』に痛覚は存在しない・・・・
あっても、押し殺せる程度のものなのだろう。

代わりに、その顔に殺到するのは──『憤怒』。
『嫁化』によって得られた美しさは、
爆発的な男性の怒りではなく、
突き刺さるような女性の怒りを、『ハピオル』にもたらした。
当然、その穂先が向いているのは、
ウィルではない──元本体である、井上だ。

その井上は、咄嗟に瓦礫を投げ、
間一髪でエイノーの危機を救った。

一瞬の動作だが、立ち直った『ハピオル』に背を向けたのを見て、
ウィルは躊躇うことなく、引き金を引いた。

                     パシュ! パシュウ!
          ス

『ハッピー・オルガン』が一歩引き、『針弾』を避けた。
怒りに我を忘れてはいないようだ──だが、
『無敵』故の余裕も感じられない。
浮遊するスタンドに対して、足の機動力減は期待できないが、
それ以上の精神的影響が、あの一撃にはあったと確信する。

ウィルの援護が時を稼ぎ、
井上は身を翻して、床に伏せた体制を取った。
さらに『ハピオル』の背後に到達する、『ナツメグ』の巨体。


『ハッピーオルガン』:
「この『タンカス』が・・・・
 タンツボで産み落とされた・・・・『便所ウジ』が・・・・ッ」

悪魔の呪詛が、ここまで聞こえてくる。
手負いの『悪魔』を三方から追い詰める、絶好の布陣だが──

187『ヴァージンロード・クルセイダーズ』:2017/06/15(木) 21:34:02
>>182(高遠)
『ヒトマル』と自分、中間地点に落下した謎の『砲弾』。
一瞬でその種別を想定し、
高遠はひとまず、片目を閉じる──『目くらまし』対策だ。


シュウ シュウシュウ            オ      オ
                      オ      オ
      シュォ オオ オオオオ

果たして、二発の砲弾が噴き出したのは、
大量の白煙──『煙幕』だった。

中庭に風はなく、煙幕は綿菓子のように膨れながら、
高遠の踊る屋内と屋外の境界を埋めていく。

その味、臭いなどから、おそらくは毒性のないタイプ。
だが、『煙幕』としては十分過ぎる性能を持つ。
ものの数秒で視界は白く塞がり、
『ヒトマル』はおろか、目前の地面までも見えなくなった。

「弾が『落ち』た!」

高遠の声に反応して、煙幕の中から
ガンガンと何かを叩く音が返ってくる。
菊川が高遠の意図を汲んでいるかは不明だが、
とりあえずは狙い通り。

音だけで精確な位置は掴めないが、
この間合いならば、およその方角と距離は掴める。
『射撃武器』ならば、ひとまず十分──

────♪
            コ! ガゴッ!

右方向より接近する音に対して、
胸の高さを狙い、煉瓦を蹴り飛ばした!
『クレモンティーヌ』の投擲技に
『踊り』ほどの精確さは望めないが、
この状況では、いずれにせよ『運頼み』だ。

煉瓦はまっすぐに白煙に突き刺さり、即座に

               ガ ンッ

と、激しい音を立てた。

記憶する限り、その方向に立ち木の類はない。
命中した『はず』・・・・だが、敵の反応が『ない』。


直後──煙幕から轟く、声。

菊川:
「──ブハッ!」
「──逃げろ、高遠ッ!」
 『ヒトマル』がおまえを狙ってる!」

188エイノー『フィストフル・オブ・クォーターズ』:2017/06/18(日) 13:24:27
>>184-187
幸い膝は無傷だ、畳まれたのを膝立ちから前に倒すように
少しでもルンクスへの射程を稼ぎつつ、なおも『F・O・Q』
ルンクスに左拳をくらわせに最速で匍匐前進する。

今回の井上のフォローでかすかに見えた事がある。
確かに無傷ではすまないかもしれないが『エイノー抹殺』ではなく
『遮蔽物からの攻撃と本体のかがんでの回避』、おそらく
ルンクスは『殺し合い』ではなく『防御』を、しかも戦略的に
ではなく反射的に選択している。
ならば『エンジェル・ラダー』のスタンピングに先んずれば
一瞬速くルンクスに当てられる可能性はある。

189ウィル『ヴェノム&ファイア』:2017/06/19(月) 21:03:04
>>186

「そうだったわね・・・あなたの『寝具』は破壊不可能」
「あの悪魔の裏を突くならば 『視認発現』ではなくその特長を用いるべきかしらね」

確かに破壊不可能な寝具を拘束するように発現できていたなら、そもそも最初から使用しているだろう。
『スウィート・バイト』の本領は、視認発現ができることではなく、その創り出した寝具の性質にある。
恐らくは『ハッピー・オルガン』もその性質は知らないはずだ、過去に井上と浜岡が関わっていない限りは。

しかし、井上の一撃が『ハッピー・オルガン』にかなりの有効打となったのは謎であるが、
とにかく幸運な事に変わりはない。リスクは高いが、井上も戦えるということだ。
あるいは『ナツメグ』が井上の身体に何かをしたのか?
恐らくあの様子からして、女悪魔は隙あらば井上を最優先して殺しにかかるだろう。
それは行動を先読みするためには、『使える』。
だがその為に仲間と連携を取るにも、自分は『スウィート・バイト』や『ナツメグのスタンド』について
詳しく知っているわけではない。
作戦を立てた所で、どこまで予定通りにことが進むか。

「ハマオカ・・・『ベッド』などは床に固定された状態で発現できるの?」
「これからミスター・イノウエへの攻撃は激しさを増すと思うわ」「もちろんわたしたちへもそうでしょうけど」

「それと・・・覚悟はいいかしら?」

更に接近、『5m』の距離へと近付く。危険だろうが、少なくとも現在の状況では
自分の優先度は低いと推測する。あの女悪魔を追い詰めるためには、
少しでも手数が必要だ。そのためには、後方で待ち構えて浜岡を防御に専念させていてはなし得ない。
元より命を懸けている、自分も彼らも。

190井上正『ハッピー・オルガン』:2017/06/19(月) 21:16:20
>>185
おっとまだ生きてるぞ俺。
生きてるってことは即座に反撃されなかったってことだ、つまり動揺してるんだヤツは。
有り得ない状況が重なり、正常な判断力を失っている。
あいつは今、俺を殺すことしか考えられない。そして俺をブチ殺す瞬間、決定的な隙が生まれる。その隙でなんとかしてくれ。
ハピオルが行動不能になればルンクスの足を直した能力も解除される。今まで封じられてた痛覚が一気に襲ってくるんだ、意地とか我慢とかそんなレベルじゃない大激痛だ。
そこまでお膳立てすれば、エイノーの勝機も生まれる。

俺の行動は、立ち上がり、振り向かずハピオルに背中を見せたまま、腕を挙げて中指を勃てる。

「お前そんなに頭悪かったのか?
そのウジ虫から生まれたお前だろうが」

一番困るのが、冷静になられることだ。
俺を無視してルンクスの援護に向かわれたらそこでおしまい、全滅は必至。
頼むぜウィル、ナツメグ、よく狙ってくれ。
ハピオルのスピードは今まで散々見た通りだ、今じゃなく、未来を狙うんだぜ。

191高遠 嶺『クレモンティーヌ』:2017/06/21(水) 10:13:02
>>187
質問

『何か』に瓦礫が激突した際の激しい音について。
・チェストに飛翔物が激突した際の音は先程のヒトマルの機銃が当たる音で判別できるはずだが、
 チェストに当たった感じか、それとも別の何かに当たったような音だったか判断できるか?

・激しい音以外に、周囲から何か聞こえなかったか。

・菊川の声はどの方角、(上下も)から聞こえるか判断は付くか。

192『ヴァージンロード・クルセイダーズ』:2017/06/22(木) 09:24:42
>>191(高遠)

>『何か』に瓦礫が激突した際の激しい音について。
>・チェストに飛翔物が激突した際の音は先程のヒトマルの機銃が当たる音で判別できるはずだが、
> チェストに当たった感じか、それとも別の何かに当たったような音だったか判断できるか?

銃弾と瓦礫では激突音が異なる為、確実にはわからない。
コンクリートや金属など、硬質な感じではなかった。

>・激しい音以外に、周囲から何か聞こえなかったか。
特には聞こえなかった。
或いは音や曲に掻き消されている。

>・菊川の声はどの方角、(上下も)から聞こえるか判断は付くか。
激突音がした方向に、ほぼ同じ。

193高遠 嶺『クレモンティーヌ』:2017/06/23(金) 00:26:56
>>192
回答感謝

>>187
煙幕であることは良い。
毒物の可能性は考えていなかったがそちらも外れたようだ。

音を立てて目印を与えてくれたので狙ったとおりに攻撃、それも良い。

しかし、こちらからの一手が有効打か分からない。
何かに当たったのは確かだ、考えられる状況は

1:ヒトマルに当たったが大したダメージはない。
2:チェストの木の部分にあたっている。

どちらにせよヒトマルがこちらを狙っているだろうことに変わりはない。

こちらを消し飛ばすべく、このタイミングで殺しにかかる……だろう。
次いで考えるならそれは左肩に担いでいたチェストではなく右肩が変形した大砲と見た。

そして移動はキャタピラで行っていた。その音もないのであれば
『瞬間移動』を使用していないのであれば移動はしていない。
便利な、こちらからしたら厄介極まりないものだが、おそらくは乱発できないと思われる。

で、このタイミングなら奴はルンクスを気にせずぶっ放せる。
敵は西南西を向いていて、こちらは東北東の位置取りのはずだ。

コレも予想だ。転移出来てて全く別の位置から狙っている可能性もある。
その場合はおそらくこちらの真後ろからだ。死角の塊だから。

テンポを加速させ回転速度を増し、風圧を巻き起こしながら後方へ女神像を投げつける。
と同時に少なくともチェストがある方を向いて、右前方へ飛び込む。
位置的に廊下に突っ込みに行く。

194『ヴァージンロード・クルセイダーズ』:2017/07/07(金) 16:57:29
>>188(エイノー)
                         グ ン ッ

膝を屈した状態から脚を伸ばし、
床に身を投じるようにして前進するエイノー。
彼我の間は、高さ半分になった長椅子によって隔てられている。
即ち、互いの挙動は確認できない状態だが、
ルンクスのこれまでの行動から、
『ここで止めを刺して来ることはない』──
確信の上で、前へと突き進んだ。

        ──ズズズズッ!

長椅子の底が床と擦れ、前方に押しやられる。
何かに当たる気配はない。
顔を上げ、長椅子の向うに敵の姿を求める──と、見つけた。


         ド ド ド   ド ド ド ド

──闇色の肌を持つ屈強なモヒカンの立ち姿。
自身の傍に『馬面』のスタンドを従え、
股間の『一物』を隆と持ち上げて、こちらを見下ろしている。

距離はわずかに『1m』。
背後は壁。完全に追い詰められている──だが、しかし。

          シュドドド!

『エンジェルズ・ラダー』の鉄槌のような肘が閃き、
立て続けに壁に撃ち込まれる。
                    ボッゴォ! シュウウ

『ジ・ユーズド』の加護を失った教会は、
その歴史に相応しい脆さで崩れ落ち、
黒人の背後に、十分な大きさの『非常口』を開いた。

「フウッ・・・・ひとまず、これでよし」

うそぶくルンクスの声音に、
エイノーは自身の得た感覚が正解だったと知る。
今の状況──エイノーに止めを刺すのは容易だったはずだ。
だが、祭壇には仲間が集まりつつある。
逃げ遅れ、包囲されるリスクが、ある程度存在する・・・・
ルンクスという男は、その『リスク』を徹底して嫌う。
『暴力』の信奉者でありながら、
自身の『生存』を至上の命題とする──
男の信奉する誇りやこだわりをあざ笑うかのように。
それがこの男の生きざまであり、処世術なのだ。

     ザッ

だが・・・・ルンクスにまだ、逃げる素振りはない。
退路を確保した上で、その目がエイノーを見下ろす。

「オレの『脱出経路』は完成したわけだが・・・・
 追ってくるかね? エイノー教授。
 それとも、そこで這いつくばったまま、仲間の到着を待つか?」

本体とスタンド、対となる『隆起』を並べて、
ルンクスはエイノーの反応を待つ。

すでにお互いの射程距離内。
体勢的にはエイノーが不利。だが、見送れば逃走は確実となる。
ルンクスの言葉は、罠か?挑発か?それとも・・・・?


           ガガガガ

その時、ルンクスの背後から銃声が届いた。
距離があるようだが、『脱出経路』の先も戦場のようだ。

195『ヴァージンロード・クルセイダーズ』:2017/07/07(金) 16:58:18
>>190(井上)
振り返るまでもない。張り詰め切った空気が、
背後で立ち尽くす『女悪魔』の怒りを伝えてくれる。
怒れる女というのは恐ろしいものだが、
それが巨大な『悪魔』となれば、規格外の戦慄をはらむ。
今まで生きてきた人生の中で、これほど煮えたぎった憎悪を
向けられたことは、一度もなかったかもしれない。

その一方で、頭の一部が奇妙に冷めた自分がいる。
冷めただけではなく・・・・冴えている。
極限の状況で、恐怖を感じる線が切れてしまったのか。
ともあれ、この状況下で、井上は大胆な一手を選ぶ。

激情を立ち昇らせる『ハピオル』に対して、
あえて無防備な背中を見せつけたまま、挑発したのだ──
中指まで立てながら。

台詞を終えた瞬間、大気に亀裂が走るのを感じた。
『ハピオル』に蓄積された感情の開放。
かつて経験しえない、究極の暴力の予感は、
それゆえに、開始までに致命的な『隙』を生み出す。
そう・・・・井上の計算通りに!

                      ── ガオ ォンッ!

まさにここというタイミングで、
『ナツメグ』のスタンドが、剛腕を放つ。
渾身の右フック──その速度は速いが、
本来の『ハッピー・オルガン』とは比べるべくもない。
このタイミングでなければ、余裕をもって躱されただろう一撃を、

「──ッ!」
          ガシィイ!

かろうじて右腕で防いだのは、恐るべしの一言だが、
衝撃を受け止めきれず、奥の壁際に押し込まれる!

『ハッピー・オルガン』の右腕は、『マリア像』との戦いで負傷し、
『嫁』となった後でも治療されていない・・・・加えて機能不全の右脚。
当然、本調子でない部分を意図して狙った攻撃だ。

「──邪魔してんじゃアねーゾ、ブタの分際でェ!」

                          グルゥン!

怒りの矛先を『ナツメグ』に変え、『ハピオル』が身を翻す。
だが、その左手に差し掛かる人影二つ。

会衆席の側にいたウィルと浜岡が、この機に乗じて接近したのだ。
その距離、『5m』。
井上を含めれば三方を包囲し、残る一方は壁というこの状況。
ようやくにして・・・・追い詰めた・・・・!


                    ボッゴォ! シュウウ

だが、ルンクスとそれを追うエイノーの状況にも
変化が生じている。
背後の壁を破壊し、ルンクスが退路を作ったのだ。
『ハピオル』を背後に、そちらを気にする余裕はないが、
エイノーの状況は不利なままに思われる。

二つの戦闘のはざまに立つ、井上の次の一手は──

196『ヴァージンロード・クルセイダーズ』:2017/07/07(金) 16:59:06
>>189(ウィル)

浜岡:
「取り付け可能な『寝具』ならね。
 『ハンモック』なんかは、両端を括った状態で発現できる。
 もっとも柱や壁が対象で、生命は対象に取れない。
 『固定式ベッド』なら対象は床だけ。『寝棚』なら壁だけさ」

浜岡の説明を聞きながら、
仲間のスタンドへの理解が足りていなかったことを痛感する。
飛行機内のブリーフィング時に、突っ込んで訊くべきだっただろうか。
とはいえ、時は取り戻せない。
不完全な情報をもとに、互いの信頼を信じて動く他にない。

「『ウィンター・ブランケット』は『静』のスタンドだ。
 『寝具』は自ら動かないし、攻撃には向かない。
 だから待ち構える──敵の動きを読んで、『罠』を張るのさ」

会話しながら、浜岡の脚は、前へと出る。
ウィルの覚悟に応じた前進。ウィルの盾としての動きだ。

そして、二人が接近する間も、戦場は動き続ける。


まるで生まれ変わったように、
背中越しに中指を立て、『ハッピー・オルガン』を挑発する井上。

極限に至った緊張に楔を打ち込む、『ナツメグ』の右フック。

怒りに反応が遅れたか、『ハピオル』は背中越しの防御がやっと。
奥の壁際に押し込められ、怒り心頭のまま『ナツメグ』に対峙する。
『ハピオル』の右手足はともに重症だ。
【殺し屋】が抜け目なく、その弱点を突いているのがわかる。
肉体的弱体化、そして精神的な揺さぶり。
その積み重ねが無敵の『ハッピー・オルガン』に穴を穿ち、
追い詰めているのがわかる──あとは、『どう仕留めるか』だ。


      ザッ ザッ ザッ

ウィルと浜岡は、射程『5m』の間合いに踏み込んだ
そこは『近距離型』の王国。
空気には戦慄が帯電し、
焦げ付く拳の熱と臭いすら感じられる、修羅の世界だ。

「さあ・・・・終わらせるよ、ウィル」

197『ヴァージンロード・クルセイダーズ』:2017/07/07(金) 16:59:47
>>193(高遠)
高遠の現在位置は、ほぼ教会北西端(地図左上)。
『ヒトマル』の位置は、そこから北東(地図右下)方向に、
『5〜6m』と推察される。

高遠の想定通り、敵が大砲を撃つとすれば、位置取りは絶好だ。
命中の是非を問わず、大砲は教会の一角をブチ抜くのみ。
フレンドファイアの心配は無用となる・・・・
教会が倒壊しなければ、の話だが。

同時に、想定されるのは『瞬間移動』。
その全貌は明らかになっていないが、
攻防ともに究極であろう能力を、敵はここまでほぼ使用していない。
理由があるのか、それとも温存なのか。
ともあれ、戦略を考えるうえで、無視できるファクターではない──

────♪!

高鳴った『リズム』に乗って、
『踊り子』がひときわ大きなロンデ(回転)を放つ!

      ビュン!

後方──壁を失った鐘楼室へと女神像を投げ込むと同時に、
圧倒的な蹴り足の衝撃波で、周囲の煙幕を吹き飛ばした!

女神像に手応えは『ない』──
見るまでもなくそれを理解させたのは、
切り裂いた煙幕の向うに浮かんだ、『機甲乙女』の姿。

左手で『チェスト』を盾のように構えたまま、
右手から飛び出した銃口──
主砲同軸の『7.62mm機関銃』が火を噴いた。

     ガガガ!
          チュイン!チュイン!

『不滅』となった高遠の背中が、弾丸を弾くも、


 ガガガガガ!!
         バス!バス!

『回転』によって生じる隙を、
ねっとりと絡みつく蛇のような弾幕が、逃さない。
煙幕の有無など考慮しない、
まさに機械的な『精密性』の暴力──!

『・・・・・・・・・・・・・!』

『クレモンティーヌ』の右肩口から背中にかけて、
数発の弾丸が突き刺さるのを、高遠は感じた。
苦痛やダメージはない。自分は『不滅の踊り子』なのだ。
だが、『クレモンティーヌ』はそうはいかず、
『踊り』が終われば、高遠にもダメージは降りかかる。

    グ ラ

『クレモンティーヌ』の足並みが乱れ、『回転』の軸が歪む。
同時に廊下に飛び込む予定が、
『回転』が乱れたことで挙動が遅れ、その場に釘付けとなった。


ガガガガ!
      ギュン!
          チュイン!チュイン!

終わりを知らぬ弾幕の葬送曲に背を向け、
かろうじて『踊り子』が弾から身を守るも、
『回転』が続く限り、被弾は免れない。

──かつて、高遠が【護り屋】新米だった頃、
浜岡は『クレモンティーヌ』を称してこう言った。

「『護る』には向かないスタンド」だと。

その言葉の意味を、高遠は痛感する──


           「──凌げ、凌ぐんだ、高遠!」

絶望の闇の中、高遠に届く声があった。

           「──君に『勝機』はある・・・・たった今思いついた!
            凌いで、距離を詰めて来い」

銃声の裂け目から、聞こえる声。


           「──こいつが調子に乗ってる、今だけがチャンスだ!」

──菊川の声だ。
感情のない『壁の囁き』が嘘のような大声で、
高遠を鼓舞している──

198エイノー『フィストフル・オブ・クォーターズ』:2017/07/08(土) 19:32:16
>>194-197
「『這い進む』さ」

ルンクスに応えながらも現状から膝と肘で速やかにルンクスに向かう。
そして応えるまでもなく見れば知られるが今度こそ『F・O・Q』が
左腕を構えルンクスに左ストレートを見舞うべく『1m』の距離を
飛び掛る、この距離であれば操作すればそういう行動も
スタンド独自にとれる。

「立ち上がる」──格好は良いだろう。
しかしこの至近距離で今度こそそんな『タイムロス』は出来ない。
這っても進める、手を伸ばせば届く、なら『近づく』だけだ、
立つまでする必要はない。
微塵にされる危険は承知で一撃を与える、もしくは『足止め』する。

199井上正『ハッピー・オルガン』:2017/07/11(火) 16:21:07
>>195
ザム!

もはや前進あるのみだ。

ザム! ザム!

偶然と執念が重なり、奇跡を現実に引き寄せる。俺は、ただ死にたくなかっただけなのにな。

ザム! ザム! ザム!

「何処へでも逃げろよチキン野郎
だがお前は二度と勃起できないぜ、こんなくたばり損ないのボロ雑巾よりチンコが小さいってお前がお前で証明するんだ。
逃げるが勝ち、確かにそうだな、お前が空調の効いたホテルのスイートで、ドンペリ開けながら女にシャブらせるその時に、お前は『敗北』を知るだろうよ、逃げてみろ、インポ野郎」

ザム…ドシュウッ!

俺の打てる手は挑発だけだ。
パワー、スピード、全てで勝る相手と戦うには、それ以外で戦わければならない。
スタンドとは精神の発露、精神攻撃が無意味なワケ無いだろうが。

俺は全速でルンクスへと殺到する。
俺の読み通り事が運ぶなら、すぐ決着はつく。

「『ハッピー・オルガンはここで仕留めろ!』 そうすれば勝てる! できなきゃ死ねッ!」

200高遠 嶺『クレモンティーヌ』:2017/07/12(水) 07:57:42
>>197
(まだ死んでいない。)

血が凍るような感覚。

(『私を使って、遊んでやがる』から……)

思い浮かぶのはそれ。

コイツは、明らかに自分が優位に立っているのを利用して、こちらをいたぶってきている。
でなければ速やかにこちらを焼き払った後ルンクスの援護に入るはずだ。
このような時間を費やす真似をするはずがない。

あぁ……確かに『調子に乗っている』。

遠くなりかける気を現実に押し戻したのは思い出す言葉と、いま飛んでくる言葉。

確かに、どうにも『護り』には向かないのだ。
守勢に回っている状況ではなかった。なれば転じるしかない。


『クレモンティーヌ』は『踊り子』たる高遠本体を
右手を軸にクレモンティーヌの左手で回転させ、弾幕の前に立たせる。
いわゆるジルバ上級足型。本来なら男側が自身を軸にして女性を回転させるが
今の状況では回転させながら移動を開始する。

幸か不幸か高遠は右手首をふっとばされている。
高遠の手首を支えるクレモンティーヌの左手、回転の軸となる手のつながりを断つ弾には気をつけて、確り握る。

ジルバの状態に入り込めたら高遠はクレモンティーヌをかばうように
派手に回転し体、服を持って弾丸を弾く、あわよくば相手の方へ打ち返す。


右前方、チェストの側まで向かう。

201ウィル『ヴェノム&ファイア』:2017/07/12(水) 23:09:52
>>196

『近距離型』の間合いに入り込む緊張感に、無意識に唾を飲み込む。
自分の『ヴェノム&ファイア』とてそこまで射程が長いほどではないが、
それでも今まで相対した相手は、ほとんどが自分より得意距離が短い相手だった。
それに対し、自ら踏み込むのは初めての経験かもしれない。

「『ナツメグ』・・・ッ!」

だが、確実に流れはこちらに向いてきている。
予想通り、怒髪天を衝くといった様子の『ハッピー・オルガン』には確実に乱れが生じている。
それ故に、『ナツメグ』の剛腕を回避しきれずに防いでしまった。
そのアドバンテージを活かすには、こちらが冷静であり続けなければならない。
調子に乗って攻め込めば、そこは百戦錬磨の女悪魔だ。すぐに戦況をひっくり返されかねない。

さて、現在『ハッピー・オルガン』を三方向から囲んでいる状況だ。
攻めるには申し分ないタイミングであり、5分前の自分であれば躊躇なく引き金を引いていただろう。

だが、ここはあえて『攻めない』。
それにより、容易に『ハッピー・オルガン』に『ナツメグ』を退けさせる。
元よりあの女悪魔は三人で同時に攻撃して抑えるのがやっと、という存在だ。
故にナツメグ一人が相手ならば、一撃反撃を加えるなど難しい事ではないだろう。

そして、反撃をした後どう動くか?
恐らく更に挑発を重ねる井上(>>199)の元へと即座に攻め込むはずだ。ナツメグへの追撃も忘れて。
自分や浜岡も、井上への道を意図して開けるように動いておく。
この策での心配はナツメグの負傷だが、彼ならば何度も『ハッピー・オルガン』に追撃をされない限り問題あるまい。

そして(>>196)井上への攻撃を邪魔してきたナツメグを少しでも排除し、
更にプライドを逆なでしてきた井上へと攻撃を仕掛ける『ハッピー・オルガン』は、最も勢いに乗っているだろう。

「───ミス・ハマオカ」「お願いするわね」

そこで『ウィンター・ブランケット』。
女悪魔の進行先を塞ぐように、壁と祭壇、あるいは壁と椅子の間に『ハンモック』を視認設置してもらう。
間に塞ぐようなものがなければ、床に『固定式ベッド』でも良い。
とにかく『オルガン』の攻撃を止めるモノで不意を突き。そこに即座に『ファイア』の針弾を頭部目掛けて撃ち込む。
装填されているアレルゲンは『体液』。もし悪魔にまだ体液が付着していれば
さらなる隙を生み出せるが、どちらにせよ頭部目掛けて何発も引き金は引く。
それこそ防がれるか、かわされるまでだ。

もし井上の挑発を受けて、即座にナツメグも忘れて井上へ攻撃するようでも行動は変わらない。
動き出すタイミングが早くなるだけだ。
だがもしナツメグへと追撃するようであれば、彼の防御を最優先し浜岡にそちらへと寝具を設置してもらう。
その場合、自分は井上のフォローに回るとしよう。

202『ヴァージンロード・クルセイダーズ』:2017/08/01(火) 09:02:36
>>198-199(エイノー、井上)

ズズッ・・・・!

傷だらけだ──本体もスタンドも。
それでも、エイノーは前進を止めない。
満身創痍の体を、膝と肘で這い進ませ、
眼前の『ヨハネスブルグ』を、スタンドの射程に収める。

同時に、井上がありったけの挑発を並べて、
エイノーの背中を追う。
背後の『ハッピー・オルガン』の始末は仲間に任せた。
この判断が吉と出るか、凶と出るか。
それを決められる者は、この場に誰もいない。
だが井上に迷いはない。
必要な『盤上の一手』を打った──ただ、それだけだ。

さして離れたわけでもない、
床を這うエイノーに追いつくのは訳もない。
天井に向いた二足の靴底が、己の裸足に触れんとした時。

   ズ ギュン!

顔を上げたエイノーが、
『フィストフル・オブ・クォーターズ』を解き放つ。
その行動は誰もが予想する通り。
最後の気力を注ぐ如くの、渾身の『左ストレート』だ。

「・・・・・・・・・・・」 

その拳の前に立ち塞がるは、隆と聳える股間の『剛角』──

     ピクン
           ──バッシィ!

いや、拳を止めたのは、『エンジェルズ・ラダー』の左掌だ。
斜め下から突き出された正拳を受け止め、握りしめる。

                   ニィイ

いつになく真剣な表情から一転、黒人が白い歯を覗かせる。

「・・・・安い挑発だガ、乗っておくカ」

「オマエだけは、確実に始末する必要があった。
 永遠に『這い進め』・・・・『地獄』までな」


            ガ  オォ ン!


間髪入れず、『馬面』の右拳が閃く。
今度こそ疑いない、迸るような殺意を伴って──!

203『ヴァージンロード・クルセイダーズ』:2017/08/01(火) 09:03:07
>>201(ウィル)
星が眠りにつく時刻、シンガポールに上陸してから、
どれほどの時間が経過しただろう。
ひどく長いようにも、短いようにも思われる。
その間、浜岡とともに過ごした戦いの中で、
いつしか生まれた想いがある。

「・・・・ああ、任せな」
「おまえさんも外すんじゃないよ、ウィル」

振り返ることもせず、
大地に根を張るような、揺るぎない応え。
背中越しに届いた浜岡の声に、ウィルはその想いを確信する。


「──ブッ飛びなァ!」

                ブ ウン!

『ナツメグ』のスタンドが、
壁際に追い詰めた『ハッピー・オルガン』に剛腕を振るう。
床すれすれから天を衝く『アッパー』だ。
大ぶりな一撃だが、【殺し屋】があえてそれを選んだことに、
ウィルは瞬時に気が付いた。
下から上を狙うモーションならば、『上』にだけは逃げられない。
そして、敵に生じた隙を、見逃すような『女悪魔』ではない。


            「テメェがなァ!」

『アッパー』を身を反らして避けると同時に、
『ナツメグ』の胸倉へ横蹴り──        ドボォ!

「うグゥ!」

まともに打ち込まれ、大きく退く『ナツメグ』と、
その反動を利して、一気に逆方向に跳躍する『ハッピー・オルガン』。


    ──メ ギャンッ!

・・・・そう。
背を向けた井上の方向に、だ。

気付いてか気付かずか、井上の反応はない。
片目の端の視界では、
ルンクスに追いすがるエイノーの後を追っているようだが、
集中して確認する余裕はない・・・・何故なら。

「・・・・いいコだ。
 あたしらの『読み通り』さね」

   バ!!
        ガッシィィイ!     「!!?」

次の瞬間、空中に出現した『ハンモック』が、
『ハピオル』の行く手を塞いだのだから。
突如出現した『寝具』の一端は壁に。
もう一つの端は浜岡の『ウィンター・ブランケット』の手に握られ、
『女悪魔』の上半身に被さり、弾みながらも猛進を食い止める。
井上の後頭部までわずかに数センチで、『悪魔』の指先は届かない。

「ク」「ソ」「バ」
          「バ」

             バシュ! バシュ!バシュ!

間髪入れず、『ヴェノム&ファイア』が火を噴いた。
バウンドして勢いを殺したその瞬間。
あえて撃たず、狙い澄ましたその一瞬で、
三発の『針弾』が『悪魔』の頭部に突き刺さり、『麻痺』を促す・・・・!

204『ヴァージンロード・クルセイダーズ』:2017/08/01(火) 09:06:40
>>200(高遠)


   ♪ !   ♪    

                ド ド     ド ド ド

──『発明』を産み出すのは、常に『逆境』だ。

比類なき精密性を誇る弾幕の暴力を前に、
『護り』の脆さを露呈した高遠が選んだ『踊り』──それは『ジルバ』。

リーダー役の『クレモンティーヌ』が掲げた左手を軸に、
パートナーである高遠の『踊り子』のみを回転させる・・・・
『ヒトマル』との間に立ち塞がるそれは、隙を作らぬ、絶対無敵の『盾』となる。

  キン!キン! キキキキキン!

弾かれた弾幕が火花を散らす中、『踊り手』は前進する。
破砕した壁の残骸が残る地面は『踊り』の障害だが、
『ジルバ』のスタイルはキックを多用出来ない。
『フロアクラフト』の如く隙間を縫う、繊細な足取りも十分に可能だ。
一方で、それは『ヒトマル』への攻撃チャンスが、
ほぼ一度きりであることを意味する──
得意とする『連続蹴り』は、軸となるリーダーに誤爆するからだ。

『ヒトマル』:
『・・・・テキキ、セッキン』

弾丸が切れたのだろうか。
突如途切れた弾幕に合わせて、『ヒトマル』がナチュラルな後退を見せる。
武道家もかくやという移動術は足裏のキャタピラと、
日本の誇る高性能サスペンションの賜物だ。
同時にそれは、前進さながら移動速度をも確保する。

しかし──キャタピラとて万能ではない。
障害物の踏破を主目的とするそれは、
同時に最高速を出せはしない・・・・まさに今、そうであるように。

            ♪ ギャンッ

追いすがる高遠。両者の距離が縮む。『4m』──『3m』。

「──高遠。
 こいつは『知恵』をつけてる。
 ──この短い戦いの中でさえ、『経験値』を積んでいる」

「──ここで止めないと、ヤバい相手だ」


          カキ! ガガガガガガ!

装填を終え、右手の機銃が火を噴いた。
狙いは『踊り手』の要、繋がれた手だ。
しかし、それは高遠も計算済み。
左右に揺らし、懸命に弾幕の毒牙を回避する。
のみならず──   キン!

全ては無理だが、弾丸を弾き返し、『ヒトマル』に叩き込む。

                 ガイン!
いや、命中しない。
当たったのは、『ヒトマル』の抱えたチェストの表面だ。
『ヒトマル』の構え、その動き──確信する。
菊川の入ったチェストを、『盾』として使っている!
敵の能力の『逆利用』・・・・
棄損した防御力を補強するための、新たな『防具』というわけだ。

            ガガガガ! ガガガガ!

近づくにつれて、弾幕の威力と精度は増していく。
手の軸をいつまで避け続けられるか。
微かな恐怖が冷汗とともに滴り落ちる。

「──多くは言えない。察してくれ」

菊川の言葉に、『ヒトマル』への警戒を感じた。

        ・ ・ ・ ・ ・ ・ ・ ・
「──高遠。ぼくに遠慮するな」

その声は、高みから見下ろすように飄々としていた。

  ゴ      ゴ ゴ


          ガガガ!! キンキンキン!

「──これしかない」


互いの距離──『2m』。
『一足一蹴り』の間合い──

205エイノー『フィストフル・オブ・クォーターズ』:2017/08/01(火) 18:23:31
>>202-204
『F・O・Q』の右腕はレベルダウンしている、
だが『他』はそうではない。
そして『F・O・Q』に視聴覚がない以上そこは
エイノーの立ち位置から本体によるそれになる。
『エンジェルズ・ラダー』右手の一撃を膠着している
左手を起点に体当たりに近い額の頭突きで受ける。
『狙い』が見えている以上『速度』の差も『精密さ』も
差こそあれギリギリ対応できるはずだ。
そしてルンクスはまた『守った』、『F・O・Q』が
立ち上がりきる前に左拳を受け右手でとどめに来た。
『エンジェルズ・ラダー』も異形ながら人型である以上
今ルンクスの頭を守るのは自前の頭蓋骨だけだ。
確認する暇もないがどうやらエイノーの後方から
誰か(井上)来ているらしい、声をかける余裕もないが
その誰かの攻撃の一助になって欲しい。

206ウィル『ヴェノム&ファイア』:2017/08/01(火) 21:28:45
>>203

(─────Nice work)

咄嗟に『ナツメグ』がこちらに合わせたのを感じ、心の中で賞賛を送る。
本来ならば、あまりに厄介極まりない『ハッピー・オルガン』。
しかし、ヤツの性格をよく知る井上により、平静さを失ってしまったヤツには既に突破口ができている。

「ここは教会よ」「汚い言葉は慎みなさい」

そして放った針弾は、狙い通りの罠にかかった『ハッピー・オルガン』の頭部に突き刺さる。
だが、まだ『足りない』。頭部周辺は深い麻痺に覆われているだろうが、
あと『1発』。あるいは『体液』に触れることによる、後押しが必要だ。

「『ナツメグ』ッ!」

彼の『肉』を詰める能力、果たして『血液』は同様に設置されるのか?
仮にそうならば援護に期待しつつ、自身もあと『1発』を更に頭部目掛けて撃ち込む。
コイツを少しでも早く鎮静させなければ、今度はエイノーが危険だ。

207高遠 嶺『クレモンティーヌ』:2017/08/08(火) 23:53:34
>>204

>「──多くは言えない。察してくれ」
>「──高遠。ぼくに遠慮するな」
>「──これしかない」

[『ジ・ユーズド』を解除する]
[自分もろともコイツを破壊しろ]

と。

接近したこの瞬間が最大の機会……しかし。
チェストと奥の『戦車』を破壊する威力を、生身の本体が食らったらどうする。

思考は一瞬。対案が出ない。逡巡。……

「『弱点』」

胸部を狙う事を予め伝える。
高遠を軸にポールダンスするように前に出、

「―――――――――っ!!」

声にならない声を上げて、フルパワー。つま先を立てて蹴りかかる。
足の狙う部位は胸部の装甲パージ部分。ここなら破壊できる。

蹴り足はチェストを突き破るだろう。菊川がチェストの中で動く等の自己防衛を祈るほかない。

208井上正『ハッピー・オルガン』:2017/08/09(水) 03:01:30
>>202
『ハッピー・オルガン』の『人体操作』は自動的ではない。特に細かい動作などは面倒くさい、負傷箇所を破裂させ、再構築し、かつ痛覚をカット、崩壊しないよう維持するなんてのは面倒すぎてする気も失せる、ジョギングしながら編み物をするようなものだ。
だが不可能ではない、ハッピー・オルガンが規格外なのはその精密性にある。難なくやってのけるだろう、『邪魔が入らなければ』

後方の味方に期待するのは『ハッピー・オルガン』の集中を乱すことそれだけだ。
ヤツの操るラジコンのコントローラーから手を離させて欲しい、そうすればルンクスの傷は開き、深いダメージを与えられる、そうした上で決定打が必要になるんだが…

「お前はなんですぐ死にそうになるんだよバァーカ!!」

エイノーの足を思い切り蹴り飛ばす!
もちろん肉詰めされたパワーがある、一撃を避ける程度には身体をズラすことはできるはずだ。

「お前そのすぐ死のうとするのやめろ!
大人しく格好つけてあきらめんな!! 俺に言われたくねーってんなら生き残ってから言ってくれ!」

209『ヴァージンロード・クルセイダーズ』:2017/08/18(金) 22:24:22
>>206(ウィル)

3発の『針弾』は、
狙い通り、『ハッピー・オルガン』の頭部に突き立った。
鞭のように引き締まった『女悪魔』の体から、
急速に力が抜けていくのを感じる。『麻痺』に成功したのだ。

『ハンモック』の網がたわみ、『ハピオル』を包んだまま、
弾み、壁からぶら下がる──本来の『寝具』として。

『ナツメグ』は胸の一撃をこらえきれず、
背中から床に倒れていく。助力は無理だろう。
そう判断するや否や、ウィルは──


                 バシュ!
──冷静に。
外科医が幹部に注射を撃ち込むように、冷静に。
網の中の頭部目がけて、
ウィルは『ヴェノム&ファイア』の引き金を引いた。


 「・・・・・・グゥ」

今度こそ止めの『針弾』を受け、
『ハッピー・オルガン』がうめく。
本来の巨体から比べれば、女体化した今の体躯は
一回りは小柄に見える。それでもなお、ウィルより長身だが。

       ・ ・ ・
「・・・・このアタシが」

見開かれた眼差しから、急速に失われる光。

「このアタシが・・・・・・・『死』・・・・・・・」


   ピシ パキ! パキ!


                    ボシュウ!
                             ウ  ゥ

虚ろになった目元からヒビが走り、
艶めかしい肢体に亀裂を走らせた次の瞬間、
『ハッピー・オルガン』は砕け散り、蒸発を始めた。
網目から噴煙の如く立ち昇るのは、スタンドの残滓。
それは祭壇の前で、神々しい光を放ちながら──霧散した。


                      オ     オ  オ オ


── 一方の戦局では、
エイノーを捕捉したルンクスによる『処刑』が始まっている。
『ハピオル』を食い止める数秒が故に、
それを止める手立ては、ウィルに残されていないが──
その選択は、結果としてエイノーを救うことになる。

210『ヴァージンロード・クルセイダーズ』:2017/08/18(金) 22:26:53
>>205>>208(エイノー、井上)

                     ──『ガォォ オン』!

突き下ろされる、非常の鉄拳。
エイノーが咄嗟に講じた策は、防御であり攻撃──

  ギ ャ ン!

精一杯その身を突き上げての、頭突きによる『迎撃』だった。

                 ドガ ギィイン!

火花の幻すら散るような、衝撃と音。
額が割れ、熱い血が鼻梁を伝うのを、
薄れ行く意識の中で、エイノーは感じる。
首は折れていない。死んでもいない。迎撃は『成功』だ。
だが──

「『オージョーギワ』が悪くねーカ? 教授」

『エンジェルズ・ラダー』の攻撃は止まらない。
防御をものともせぬ、右拳のみのラッシュ──

    バッシ!!

ここでようやく、井上の蹴りが間に合った。
エイノー本体を蹴り飛ばし、ルンクスから遠ざける!
強化された井上の筋力ならば、十分可能な策のはずだったが、

             ガシィ! グィイン

エイノーの体は、ルンクスを中心に弧を描くばかり。
理由はスタンドだ──
『エンジェルズ・ラダー』に掴まれた『フィストフル』の拳。
スタンドを制されれば、繋がる本体は離れられず、
当然、エイノーのスタンドも逃れられない・・・・!

「オマエもな・・・・同じ手は通用シナイ」

ルンクスの口ぶりは、
井上の救出を想定したかのようだ。

                           バ! ババババ!

無数に分裂した『馬面』の拳が、流星雨と化し、降り注ぐ。
エイノーは意識を朦朧とし、井上は蹴りを放ったばかり。
『フィストフル』は敵の手に掴まれ、逃げる余地なし──

「終わりダ。
 さらば、エイノー・ニョルズ教授」

        ドバッ シュウウ!


非情の『処刑宣言』とともに、
渾身のラッシュが着弾した──噴き広がる血飛沫。


        ブシュウウウ────ッ!
  
「・・・・・・・ッ!?」

だが、その血は、エイノーのものばかりではない。
激しい出血を見せたのは、ルンクスの右脚だ。
肉は爆ぜ、骨が露出するほどの重症──!

全て、井上の読み通りだった。
そこは『嫁』となった『ハッピー・オルガン』が癒した箇所だ。
ウィルや『ナツメグ』達は、かろうじて『間に合った』らしい。
『ハッピー・オルガン』が止まれば、
その能力による治療も破たんする・・・・『ナツメグ』と同じ道理。


   ドゴゴ ゴゴゴゴゴゴゴ────ッ!!!

床へと崩れ落ちるルンクス。
その影響で、ラッシュは狙いを外し、
その大半が真下の石床に叩き込まれる・・・・


    ビキ! バキ!
               バ ゴォン!!

その場の誰が、この展開を予想し得たか。
突如、陥没した石床に開いた大穴が、
身を捩じるルンクスを呑み込み、底の見えぬ縦穴へ突き落す。

「う・・・・うぉぉおおおおぉおおおお!!!」

エイノーは井上に蹴られたこともあり、
かろうじて穴の外にその身を横たえているが、
『馬面』の手は落ちながらなお、
『フィストフル』の右拳を掴んだままだ・・・・!

211『ヴァージンロード・クルセイダーズ』:2017/08/18(金) 22:32:07
>>207(高遠)

選択の余地は──『見つからない』。

            ♪
                シュ バ!
                        ♪
『踊り子』は最後の回転から、
床を蹴りつけて右脚を繰り出す。
破城槌のように爪先を伸ばし、
まっしぐら、『ヒトマル』の損壊した胸ぐらを目がけて。
菊川生存の祈りを込めて。

『ヒトマル』の対応は、憎らしいほどに完璧なものだ。
『クレモンティーヌ』の近距離攻撃は蹴りのみと見切った上での、
『無敵の盾』──菊川入りのチェストによるガード。
いかな『不滅の踊り子』であれ、攻撃の瞬間は無防備となる。
それを踏まえての右機関銃の二段備え。必勝の構えだ。
しかし『盾』が、その役割を放棄すれば──


       ズ ドォォオ オッッ!


『踊り子』渾身の直蹴りが、
構えたチェストをぶち抜き、その向うまで貫いた。
すでに装甲を失った『ヒトマル』の胸部に、防御力はないも同然。
無敵の『瞬間移動』は、己が慢心に封じられた格好だ。

『ヒトマル』:
「………………ア……」

「胸……ブ…………被ダン……
 テッタイ……キョカ…………ヲ……
 …………司……レ………………』

     ザ      ザザザ
        ザ
                     ザ !   ザ ア ッ


           ・・・ ・・・ ・・ ・・ ・・

──最後に人間めいた『困惑』の表情を浮かべ。
ルンクスに召喚された『機甲少女』は、
『踊り子』の脚に貫かれたまま、
無数の『走査線』と化し、シンガポールの空に散った。


残されたのは、右脚に貫かれたチェストのみ。

ドパッ ドパッ ドパ……

その底から滴る液体が、
足元に真紅の鏡を広げていることに、高遠は気が付いた。      


     ………  …… …   ……  ……
   …  …  ………   ………    ……
…… … …  ……… …    ……
  … … … … ………    ………… …… ………
    …… … … ………… …… … … …………
      …  ……… ……… …… …… ……… …… ……
           ……… …… … ………… …… …… … 
           …… …  ……… ………… ……
      …   …     ……     … …

212エイノー『フィストフル・オブ・クォーターズ』:2017/08/19(土) 07:17:11
>>209-211
「何度もすまないね、井上氏。だが私は
『格好良く諦めない』のだ!『今』が心配を
 かけ続けてもぎ取った打倒ルンクスの
 多分『最大最後のチャンス』だ!」

言い終えるより前にエイノー本体が
『F・O・Q』に導かれルンクス目掛けて
穴の中に落ちる。

少し計画は狂ったが『ハッピー・オルガン』の脱落で
目処はついた、『同じパワーで掴んで止める』、
実にルンクスらしい『最善の安全策』だ。
しかし今『F・O・Q』左拳の特性は『硬さ』だ、
『鉄槌』を『青銅の盾』に押し続けていつまで『盾』がもつものか、
そして『エンジェルズ・ラダー』には性質上間違いなく
『ダメージ・フィードバック』はある、あのルンクスがスタンドであれ
『快楽』を逃がすわけがない。
そしてこの『想定外の落下』、今この瞬間ルンクスは何から身を守る?
『重力』か?できるだろう、さっきエイノーも『F・O・Q』で天井からやった。
『F・O・Q』か?できるだろう、今でも『エンジェルズ・ラダー』は
今の『F・O・Q』の戦闘力を凌駕する。
だが『全て一度に』は無理だ。
あまつさえ現状は『想定外』なのだ、『どうすれば安全か』など
瞬時に出せる答えではない。
そしてその『瞬時』にあらん限りの敵意をもって『F・O・Q』の左拳が
押し込まれランク落ちした右腕が今こそルンクスに、そして
『エンジェルズ・ラダー』にラッシュで叩き込まれ、
とるに足りずしかし最大の気迫でエイノー本人もルンクス目掛けて
落ちて行く。

「huuda,huudahuudahuudahuudahuudahuudahuudahuuda,huudahdus!」

少しでもルンクスの平常心を更に削ぐべく闘志を乗せた叫び声も
ルンクスに叩きつける。

うまくいけばさっきの天井同様ルンクスへの打撃が落下の衝撃を
相殺する、かもしれない。
そもそも今回は「パニックのルンクスを死ぬまで殴り倒す」以上の
ビジョンは基本的にはない、ので絶対ルンクスは何とかするので
とりあえず井上氏には『すまない』。

213井上正『ハッピー・オルガン』:2017/08/20(日) 11:46:28
>>210
中指をおっ勃て、ルンクスに突きつける。

「してやったぜ」

と格好つけてる場合じゃないな、死にたがりが自分の手首を噛み切る前に、助けてやらなければ。
エイノーのところへと移動し、その頭を床に叩きつける。
ルンクスが掴んでいるのはエイノーのスタンドだよな? だからエイノーは自らの意思では解除できない。『じゃあ解除してやればいい』本体が意識を失えば当然スタンドは解除される。
急げ、俺のこの体もいつ限界が来るかわからない。

214ウィル『ヴェノム&ファイア』:2017/08/25(金) 00:40:25
>>209




「─────Sweet dreams,violet devil(おやすみよ)」



やった。
とうとう、戦闘力だけなら恐らく『ルンクス』を上回るであろう『ハッピー・オルガン』を仕留めた。
未だ興奮は冷めやらぬ、諸手を上げて感傷に浸りたいところだ。だが、それをするにはまだ早い。
『ルンクス』がいる限り、あのような恐ろしい敵があと何人産まれてもおかしくはない。

「ミスター・ニョルズッ!」

浜岡を連れながら、彼の元へと接近する。まずは状況を確認しなければ。
今『ルンクス』はどうなっている?エイノーは無事か?そして肝心の『ファイア』、
まだ残弾は少しはあるだろうが、あと何発残っているか?

215高遠 嶺『クレモンティーヌ』:2017/08/25(金) 21:32:02
>>211

…………あぁ

遠慮するなと貴方は言った。

だが……私は

どうしようもなく腹が立つ。

ヒトマルにも

ルンクスにも


……貴方を助ける手立てを思いつかな
かった私にも貴方の『命』が『鏡』に
なっていることに気づいてしまう私に
も貴方を確認しようとするより現れる
      テキ
であろう『深淵』に反射的に体が動いて
しまう私にも


右足を引き抜き、『真紅の鏡』……ひいては地面を全力で踏み砕きながら飛ぶ。
足元を崩し鏡が出来る余地がない様、地面……土を巻き上げながら
今いる場所を離脱し教会側への跳躍を行う。

あわよくば手はチェストを抱え、あるいは押し……なんでも良い、チェストを鏡から遠ざけたい。

216『ヴァージンロード・クルセイダーズ』:2017/09/21(木) 09:48:01
>>212>>213(エイノー、井上)

──もはや執念と呼ぶべき、エイノーの特攻。
自らのスタンドの拳を捕縛され、
突如出現した謎の『縦穴』へのルンクスの誘いに対し、
恐怖ではなく、狂喜で対応する!

  グ 
       ォ ォ    オ
                   ン !

ルンクスを飲み込んだ穴が
エイノーの眼前に待ち構える。
穴の直径は『1m弱』。
一般的な『マンホール』よりやや広いその先は、
まさに底知れぬ闇へと続いている。
どこまで落ちるものか、測るすべもない。


絶対的な信頼を置いた『超硬度』の左拳を突き出し続けるエイノーだが、
敵が落下を始めた今、その効果は物理的にゼロに等しい。
だが、敵が落下を止めた時には、押し当てた拳は真価を発揮する。
その意味において、エイノーの選択は正しい・・・・
己が身の安全を度外視すれば、の話だが。


                      ──ズズズ ズズズルゥッ!

胸を床で擦るようにして、
エイノーの上半身が穴の真上に躍り出る。
自ら前に出るつもりだったが、疲労と負傷のピーク。
脚はもはや動かず、引きずられるに任せる形だ。

それでも臆することなく、真下のルンクスを凝視する。
男の黒い肌は穴の闇に溶けていたが、
それでもはっきりと、自分を見上げる表情が浮かんで見えた。
唇を裂いて発せられる驚愕の叫び声。
それを呑み込み、引き絞った唇の端が、かすかに上がる・・・・


        ガ ズゥウ!

──そこで、エイノーの意識は途切れた。
井上の救いの一手が間に合ったのだ。
乱暴なやり口だが、本体の意識を断つことで、
『フィストフル』を強制解除し、ルンクスの『命綱』を断ち切る──


「・・・・・!!!
 アあぁぁ、アあぁァァああああアあああァア──────ッ!!!」


希代の『好色漢』の絶叫が、
地の底へと遠ざかり──そして途切れた。


一方、井上の体にも、異常が訪れる。
『電池切れ』のような全身の脱力感。
腹部から鳴り響く『異音』。

               グウゥゥウウ



この異常には覚えがある・・・・極度の『空腹』だ。

217『ヴァージンロード・クルセイダーズ』:2017/09/21(木) 09:48:44
>>214(ウィル)
仲間との協力の末、
ウィルは、ついに『ハピオル』を制する。
この戦いの『天王山』を制したといって、過言ではないだろう。

だが、快挙を祝う余裕はない。
ウィルは浜岡とともに、ルンクスの落ちた『縦穴』へと近づく。
そこでは、今しもエイノーが、
自らのスタンドに引きずられ、頭から滑り落ちんとするところだ。

『ヴェノム&ファイア』の残弾は、『4発』。
だが、この距離とタイミングでエイノーを止める手立てはない・・・・

        ガ ズゥウ!

そこに殺到した井上が、
エイノーの頭を取り上げ、穴の縁に叩き付けるのが見えた。
『ナツメグ』に与えられた怪力を発揮し、
エイノーを気絶させ、落下を食い止めたようだ。

「・・・・・!!!
 アあぁぁ、アあぁァァああああアあああァア──────ッ!!!」

穴の中から響きわたる、ルンクスの叫び声。
みるみる遠く、小さくなったそれが聞こえなくなった時、


               グウゥゥウウ

奇妙な音とともに、井上が崩れ落ちた。

「・・・・『ガス切れ』だあ。
 まぁ、『ギリギリ間に合った』ってところか」

背後から届く、『ナツメグ』の言葉。

>>215(高遠)

──遠慮するな。
それが菊川の、最後の言葉だった。

だが、やるせない感情が高遠の胸を突き上げるのは、当然のことだ。
敵への、そして自身への怒り。無力感。
そして、この状況でも冷静に戦局を判断する
『戦士』としての自分にも。

♪ パシ!
           ドッ ゴォォオオオッッ

残された片手でチェストを掴み上げ、大地へ強烈な一蹴り。
こぼれた血は土に吸われ、水たまりが生じるほどではないが、
瓦礫や家具の残骸にも土を浴びせ、万一の危険も消滅させた。

同時に、反動で前線を離脱。
『ヒトマル』の開けた穴から、教会へと戻ろうとする──

──ぼくは置いて行くんだ。高遠。

耳元で囁く声が、高遠の脚を止めた。
抱え上げたチェストを伝わるそれは、聞き慣れた『ジ・ユーズド』だ。




──自分でわかる・・・・ぼくはもう助からない。



──幸運にもここは『教会』で・・・・
   このチェストは・・・・おあつらえ向きの『棺桶』だ。

  

──ルンクスを倒した後で、
   そこら辺に埋めてくれれば、それでいい。



── ・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・

218井上正『ハッピー・オルガン(?)』:2017/09/22(金) 03:39:17
>>216
「あぁ…う…」
ケツの毛まで毟り取られてもう屁も出ない。全身血まみれクソまみれ、どっこい生きてる、生きてんだよ。

「おれ…保険とか入ってないけど大丈夫かな…? 金もないし…」

体は元通りになるのか? とか、『ハッピー・オルガン』はどうなった? とか、考えるべきことは沢山あるが、まず心配なのは金のことだ、大冒険の後にも生活がある。
俺は、俺だけの『普通』の人生を勝ち取ったのだから。

219高遠 嶺『クレモンティーヌ』:2017/09/23(土) 01:16:01
>>217
声への硬直は一瞬。


「…… だ」


          「……やだ。置いてくものか!」


チェストを下ろし、戸を開ける。
目的は一つ。菊川をパートナーに変える。

さらなる敵が居るかもしれないが
確認は行動をしながらでも出来る。

躊躇していては……。

   「こんなところで朽ちるなんて、させるものか!」

                          「『不滅』なら、まだ……っ!」

『殺さない覚悟』という、『護り屋の信念』を、
壊れてしまったそれをかき集めて動く。

220ウィル『ヴェノム&ファイア』:2017/09/23(土) 23:55:11
>>217

状況を確認。穴の中に落ちるルンクスと、それに引っ張られるエイノー。
マズい、『ヴェノム&ファイア』。『麻痺』はあれど、それを発揮させるには時間が足りない。

「─────」

しかし、そこでまたもや井上が妙手を出す。
エイノーを気絶させることにより、『フィストフル・オブ・クォーターズ』を強制解除。
ルンクスは、一人で底の見えない穴の中へと落ちていく。

「・・・・・『棒野郎』の最後が『穴の中』とは 最高にお似合いね」「あら 失礼」

はしたない言葉を口にした後、わざとらしく唇を抑える。

「『ガス切れ』・・・ミスター・イノウエは大丈夫なのかしら?」

どちらにしろ、エイノーともども早く病院に連れて行きたいが、まだ安心はできない。
周囲を見回しながら、敵影や動くものが確認できなければ、
次に自分の身体の変化を確かめる。もしルンクスが『再起不能』であれば、戻りつつあってもおかしくはないが…。

221『ヴァージンロード・クルセイダーズ』:2017/10/07(土) 00:06:58
>>218(井上)

『空腹』は馴染みのある不幸だが、
これほどまでの空腹は、記憶にないほどだ。
全身の力が抜け、井上は文字通り床に崩れ落ちる。
今、穴の中からルンクスが飛び出したとしても、
到底対処出来そうにない・・・・それほどまでの脱力感だ。

この症状の原因は、間違いなく『ナツメグ』の能力だろう。
肥満漢自身、井上と大差ない状態で座り込んでいる。
かろうじて寝そべっていないというだけだ。

「手持ちの食い物が尽きちまった。
 誰か、何でもいい。口に入るもんを持ってこい。
 さもないと」

ちらりと井上を一瞥し、

「大事な仲間の一人が、胴体から真っ二つになるぜぇ」

浜岡:
「やれやれだねえ。
 確か、すぐ隣に司祭が住んでる別棟があったかい。
 行けるとすりゃ、あたしかウィルだが・・・・」

ウィルに振り向いた浜岡が、瞠目する。
その身体に異変、いや『変異』が生じている・・・・!

>>220(ウィル)
「『おめでた』なんてことにならなきゃいいがね」

苦笑する浜岡だが、その目は笑っていない。
穴に近づき、底まで見通さんばかりに睨む──
すでに悲鳴は消え、気配は感じられないが、
その表情は依然として険しい。

一方、井上と『ナツメグ』の突然のダウンは、
『フランキー・アヴァロン』の能力に寄るものらしい。
さかんに食物を求める『ナツメグ』に対し、
自分かウィルが動くべきかと応じた浜岡だが、
振り返ったその目が、大きく見開かれ、
そしてようやくにして、ウィルは気が付いた。

      シュウ
            シュウ シュウ・・・・

湯気のような無数の『粒子』が、
女物の衣服の隙間から噴き出している。
熱を帯び、スチームと化す肉体。
何かを失うと同時に得ていくような、
奇妙な感覚の中で、ウィルは確信に至る。

──『婚約』が、破棄されたことを。


     ド    ド ド ド

ウィル『ヴェノム&ファイア』 ⇒ 『嫁化』解除


                   ド  ド  ド  ド  ド

222『ヴァージンロード・クルセイダーズ』:2017/10/07(土) 00:07:41
>>219(高遠)
チェストを開けようとする高遠だが、
古い木製のそれは、『クレモンティーヌ』の膂力でさえ
びくともしない。『ジ・ユーズド』の効果だ。


(──高・・・・遠・・・・)

(──『社長』に拾われる前・・・・ぼくは『引きこもり』だった)

(──義理の父親が、折檻にアイロンを愛用しててね。
 ──父親はいつしかいなくなったけど、もう外に出ようとは思えなかった)

(──母親と二人、永遠に同じ部屋で生きるはずだった)

(──でも、現実は甘くなかった。
   引きこもったぼくに嫌な顔一つしなかった母は、
   名前も知れないチンピラの強盗に襲われ、殺された)

(──二階の部屋にいたぼくは、何も知らなかった。
 ──ゲームに没頭してたんだ・・・・ヘッドホンをしてね)

(──強盗に気付かれなかったぼくが、母の異変に気付いたのは、
   ・・・・それから三日も後だった)

(──その後、餓死寸前だったぼくは、
   『社長』に見出され、『力』を託された)

(──ぼくにお似合いの、インドアな能力さ。
   もっと早く目覚めていれば、なんて思わなくもないけどね)


(──・・・・・・何が、言いたかったんだっけ)

(──・・・・ああ、そう・・・・
   『ヒトマル』を自爆させた時は・・・・本当に嬉しかった。
   さっきの決断もそうさ・・・・満足してる・・・・本当さ)


                      ドクッ
                           ドクッ

223『ロヴァニエミの確認』:2017/10/07(土) 00:09:04



──パタンパタン カタン

           ──パタンパタン カタン


目覚めて最初に聞いたのは、
奇妙で何処か懐かしい、そんな物音だった。

同時に、エイノーの鼻は懐かしむ。
過剰に温められた部屋に、かすかに残る潮の名残り。
暖炉にくべられた薪の香ばしさと、
燃やされるのを待つ薪の、どっしりした香り。

この空気を、エイノーは知っている。



       ──パタンパタン カタン

224エイノー『フィストフル・オブ・クォーターズ』:2017/10/07(土) 14:22:47
>>223
軽く頭を揺する。
兄が送ってくれた冒険小説の余韻だろうか?
ずいぶんと凄い夢を見ていた気がする。
エイノー・ニョルズ ──『私』、いや『僕』は
そう思いながら部屋を見回す。
居間ならここで、自室なら扉を開けて祖父母に
挨拶しなくてはならない。
何時、という事も気にせず

「お祖父さん、お祖母さん、おはよう。昨夜は寒くなかったですか?」

225『ロヴァニエミの確認』:2017/10/10(火) 02:28:49
>>224(エイノー)

エイノー・ニョルズは、
フィンランドの貿易商の、三男一女の末子として生まれた。

母方の祖父母から商会を引き継いだ両親は、
兄姉の就学も重なった為、
エイノーの養育を祖父母に託した。

町の名は、ロヴァニエミ。
フィンランド最北のラッピ州の中心街であり、
オーロラ目当ての観光客が多く訪れる他は、
いたって平凡な北欧の地方都市だ。

エイノーは、この町で中学生まで育てられた。
祖父母の孫への印象は、「良い子だけどちょっと危なっかしい」。
決して乱暴ではなく、利発、活発でありながら、
目を離すと何処に行ってしまうかわからない。
例えば、
「湖に散歩に行って外国人カメラマンにガイド頼まれて
 祖父母に電話入れて三日間付き合う」──

そんな無邪気な『危うさ』をはらむ少年だった。


────────────────────────────


エイノーは軽く頭を振り、
混乱した記憶を落ち着かせる。
先刻まで見ていたはずの夢は波乱に満ち、
生々しいほどの疲労と痛みもあった気がするが、
そうしていると、次第に記憶の彼方に追いやられた。
とどのつまり、夢──よくある夢に過ぎない。

エイノーは起き上がり、周囲を見回す。
寝ていたのは、書斎のソファの上だ。
ここは曾祖父が残した、もっとも古い部屋で、
彼の愛した多くの遺品──
その大半は日本からの輸入品だ──が、
書架に並ぶ本に匹敵する数、飾られている。

祖父母は日頃、この書斎に鍵をかけ、
大事な来客の時以外、使うことがなかった。
だがエイノーは持ち前の好奇心で鍵を見つけると、
祖父母の昼寝の隙を見ては、
こっそりと曾祖父のコレクションを堪能していたのだった。

・・・・よく覚えてはいないが、
もし今回もそうだったなら、祖父母に挨拶する必要はない。


          ──パタンパタン カタン


先刻の音が、再び耳に届く。

ぼんやりと視線を向けたエイノーが見たのは、
雪のちらつく窓辺に腰かけた、一人の老人だった。
長く白い髭。深紅の外套。同色のナイトキャップ。

そう・・・・
老人は『サンタクロース』だった。

          ──パタンパタン カタン

その手に持っているのは、
日本の民芸品、『変わり屏風』だ。

ttps://www.youtube.com/watch?v=RH-MVuMHxQ0

棒の先に連なる複数の板、『屏風』に似たそれは、
老人が手首を返すごと、小気味よい音を立てながら裏返り、
その色を鮮やかに変化させる。
単純だが、初見の者を驚かせるには十分なからくりだ。

洋風の衣装を着たサンタが、にこりともせず、
和風のからくりを操る図は何とも奇妙だったが、
意外に調和し、違和感はさほど感じられない。

「目が覚めたか、エイノー」

老人が、思い出したようにつぶやく。
声に覚えはない。祖父のものではない。
その目はエイノーに向けられることなく、
反転を続ける変わり屏風に、じっと注がれている。

226エイノー『フィストフル・オブ・クォーターズ』:2017/10/10(火) 05:44:58
おっといけない、『僕』は開きかけた口を閉ざす。
それにしても珍しい、この『書斎』に入るときは
きちんと堪能して出て行くまでの調整をしているのに。
ここは曽祖父が遺した『夢』だ、無駄なく堪能するのだ。

そして『音』の方に目をやり『老人』を見て挨拶。

「Moi,herra Joulupukki(こんにちは、サンタさん)」

ここはフィンランドだ、犬がしゃべろうがカバが歩こうが
驚いていては国民はつとまらない。
だが『変わり屏風』は別だ。

「いいなあ、プレゼントのお披露目ですか?良ければ
 曽祖父の『秘密箱(寄せ木細工のからくり箱)を
 ご覧になりますか?」

普通驚くところだがこれはきっと『別の夢』だ。
なら珍しい『日本の細工物』を見せてくれた老人を
歓待しない理由はない、が、

「『目が覚めたか』?ひょっとして『僕』は『現実』を見ている
 のでしょうか?」

それはそれで良い事だ、あの『変わり屏風』をもっと良く
見せてもらえるかもしれない。

227井上正『ハッピー・オルガン(?)』:2017/10/10(火) 12:02:45
>>221
「やだぁ…死んじゃう…」

死にたくない一心で戦ってきたのにこんなのはあんまりだ、移動はできないので捜索はできない、これはマジでヤバいぞ。
とりあえず舌の先端を強く噛み出血させる。
自分の血でも消化すれば栄養だ、顎の筋肉は人体の中でもかなり強い、衰弱していてもできる、と思う

228ウィル『ヴェノム&ファイア』:2017/10/11(水) 22:41:59
>>221

─────あぁ。実際女性になってからそう時間が経っているわけではないけれど、
ここまでとても長い道のりであったような気がする。
ようやく、これで何の気兼ねもなく愛する彼女を迎えに行ける。

「・・・・・とはいえ まずは謝罪が先かな」「何かプレゼントを買っていくべきかな?」

などと嬉しさのあまり独り言が漏れるが、状況が状況だ。
事は一刻を争う、まずは井上を救うのことが最優先だ。

「いいや まずは『立役者』を救うのが先だね」
「ぼくが隣の別棟へと向かおう」

だが、念のため警戒は怠らない。
仲間から距離を置いて、自分を『スタンド使いアレルギー』にしておこう。
ルンクスが『再起不能』になっていることをこの目で確認するまでは、安心できない。

229高遠 嶺『クレモンティーヌ』:2017/10/14(土) 08:09:33
>>222
感じた印象を一言で表すと『天岩戸』。


テンポを上げる。
そして、話す。

「私は、不自由はなかった…」

「親は健在、兄妹達の一番下だったわ」

「末っ子は可愛がられるって、知ってる?
 他の人と話してやっと気づいたことなんだけど」

「私の目の前にはいつも私より秀でた誰かがいた。
 仕事とか、勉強とか……何でも兄さん達の方が上手くて……」

「気がついたら私の道先にすべて壁としてそびえてた。
 それも、したいことを代わりにやってくれるような、居心地の良すぎる壁として」

「小さなことから気づいた『スタンド使い』の道を行こうって決めた時は……怖かった。
 でも、一度もしてないこと……『知らない世界へ歩き出したい』って思ったから」

「…『クレモンティーヌ』は自分だけが踊るのではなく私や誰かを踊『らせる』能力。
 最初は、自分の精神が表に出たようで恥ずかしかったし、悶絶したわ」

「だけど、今死にかけて思った。ティーヌさんは
 精神的に、一人じゃ歩けない自分を立たせてくれていたんだって」


「……何を言おうとしたのか忘れちゃったじゃない。

 そうよ、死にかけた時でないと自分から動こうとか出来なかった私だって
 一つ今決めたことがあるのよ。だから……」
 
一呼吸置いて周りを確認。
こんなクソ恥ずかしい告白誰にも聞かせられない。敵にも、味方にも。

居なければ、チェストの穴の中に『クレモンティーヌ』の手を入れ、手を、足を探す。

「貴方を見出した社長のところまで皆を送る。
 そう足掻かなきゃ、命を保たせようとしなければ私が満足できないって言ってるの!ね!?」

やりたいことは最優先から順に菊川のパートナー化・『ジ・ユーズド』の解除、菊川の取り出し。

230『ロヴァニエミの確認』:2017/10/15(日) 21:50:08
>>226(エイノー)

ロヴァニエミ時代のエイノー少年の興味を引いたのは、
曾祖父の集めたコレクションだった。

曽祖父は冬戦争・継続戦争の従軍経験者だったからか
戦争相手のロシアに勝ったという日本という国を好み
様々な資料を集めていた。

膨大な書籍。東洋の香り漂う複製画集。
精巧な軍艦模型。精緻を極めたからくり細工。

エイノーが日本に憧れたのは、未だ見ぬ曾祖父の影響だった。
この小さな町では、自分が『異邦人』であるという無意識もあったのかもしれない。

まずは曽祖父の形見の研究から始め、
進学にともなってヘルシンキに戻ってからは
自分で収集・学習を始め、大学院出論文を認められるまでにこぎつけた。
『国民の義務』──兵役時代の貯金と、大学の講義室での翻訳や
資料作成などの給金で、ついに憧れの日本に渡航し、現在に至る──


────────────────────────────────


エイノーの陽気な挨拶にも、赤衣の老人は頷きもしない。
豊かな白髭に隠された口元は無論、皺の刻まれた目元にも表情はない。
老人の仮面を被っているのかと思えるほどだ。

老人は、音もなくエイノーに歩み寄ると、
その手の『変わり屏風』を差し出し、握らせた。
老人の背が殊の外高いこと、
自身の背が意外に低いことをエイノーは感じた。


「『現実』かどうかは、
 おまえが決めることだ・・・・エイノーよ」

少年を見下ろしながら、
老人が静かに、そうつぶやくのを聞いた。


「おまえは異国の地に旅立ったのだろう?
 ・ ・ ・ ・ ・ ・ ・ ・
 私のコレクションに感銘を受けて、だ・・・・そうじゃなかったか?」


   ド
         ク 
            ン

231<ガオンッ>:<ガオンッ>
<ガオンッ>

232『ヴァージンロード・クルセイダーズ』:2017/10/15(日) 22:27:00
>>227(井上)
──自分の血肉を飲んでも生き延びたい。
その一心で舌を歯の間に挟む井上だが、
もはや顎に力が入らない・・・・舌を傷つける力さえない。

「おう・・・・井上・・・・だったか?」

なすすべなく床を舐める井上に声をかけたのは、『ナツメグ』だ。

「『悪魔』に一泡吹かせた男が、情けねえ顔してんじゃねェよ。
 限界近いが、オレはまだ余力がある。
 今すぐくたばるなんてことはねェ・・・・安心しな」

「それより先に、確かめておくことがある。
 おまえのスタンド──『ハッピー・オルガン』だ。
 あいつぁ完全な『自律型』だったようだが、
 あれで『くたばった』のか・・・・それとも『強制解除』されたのか?
 『操られ』るおまえに感じ取れるかわからねぇが、
 それがわかるとすれば、おまえしかいねぇはずだからな」


>>228(ウィル)

  シュウ
          シュウ シュウ
                      ・・・・ バ ウンッ!

自身から生じた霧が弾け、
ウィルの肉体は、唐突に『男性』を取り戻した。
失ったものも、得たものも何一つない。完全に『元通り』だ。
衣服も普段のスーツを着て来たので、問題は生じない。

これでアウレアも安堵することだろう。
シンガポールに着いてから、久しぶりに恋人の顔が目に浮かんだ。


「あたしは残るよ。ここには戦力外しかいないからね」

ウィルの申し出に、浜岡が応じた。

「そうだよ、ウィル。油断するんじゃない。
 あたしらはまだ、ルンクスの死を確認してないからね」

その横顔に、安堵の色は微塵もない。
油断を戒める『残心』だろうか?
あるいは、何か深刻な懸念があるのか?

ウィルは仲間から距離を取り、
『スタンド使いアレルギー弾』を自らに撃ち込む。

エイノー、『ナツメグ』、井上、浜岡の直近の反応。
そして北東の方角『18m』ばかりに、『2つ』の反応あり──
この『2つ』はほぼ同座標に重なり、移動していない。

233『ヴァージンロード・クルセイダーズ』:2017/10/15(日) 23:05:54
>>229(高遠)

テンポを上げ、踊り続ける『クレモンティーヌ』。
その手は、片一方を失ってなお、
高遠を繋ぎ留め、振るい立たせている──

語られた高遠の過去は、果たして、
チェストの中の『アマテラス』に届いたのか。

返答を聞かぬまま、
高遠はチェストの穴に手を伸ばす。
蹴り貫いたそれは、手が潜るに十分な大きさがある。
扉を開けるまでもなく、中の菊本を探り──そして、手の感触を探し出す。


          ズ ギュン!


『クレモンティーヌ』の『パートナー』が、
高遠から菊本へと変更された。

『不滅の踊り手』は、踊り続ける限り、
物理的な死を迎えない・・・・延命手段として至上の効果を持つ。

それに気が付き、実行したのは高遠の手柄だったが、
その一方で──

                   ガ  クン

片腕を失い、ひたすらに踊り続けた高遠には、
膨大に累積した肉体への負荷が襲い掛かる。
全身を引き裂くような筋肉痛と、
失血から来る貧血に挟み撃ちにされた高遠は、
その場に崩れ落ち、二度と立てない状態に・・・・



             ──── ガ シ ィ !

あわやというところで、
その体を掬い上げたのは、小柄な男性だった。
『クレモンティーヌ』と手を繋ぎ、チェストを脱ぎ捨てたその男は、
傍から見れば『王子』のように映っただろう・・・・
『ヨーダ』のマスクさえ被っていなければ。

『踊り子』は『クレモンティーヌ』の絶対支配下にある。
ならば、傷ついた高遠を抱き上げたそれは、
『クレモンティーヌ』の無言の意思だったのだろうか。
それとも高遠自身の無意識の願望の現れなのか──?

「──君には、負けたよ。
 ──確かにこの『力』は、『自殺』に使うものじゃない」

朝焼けを見上げた『ヨーダ』の虚ろな瞳は、
何故か涙をこらえているように思われた。

「──今度は、ぼくが君を救う番だ。
    さあ、ぼくに君を運ばせてくれ」

「──『踊る』のは初めてだけど、笑わないでくれよ。
    女の子を抱き上げるのもね」

234高遠 嶺『クレモンティーヌ』:2017/10/16(月) 17:12:15
>>233
あ、やばい、『限界』だ。

頭はともかく、体は今までにないぐらい酷使したし下手すると死ぬほど疲れてる。
冗談じゃないわよこんなところで膝から落ちたら間違いなく意識飛ぶし
飛ばしたら……

>             ──── ガ シ ィ !

頭の中に走り回る危険信号にあくせくするまもなく掬い上げられた。


「……頼んだわ、アマテラスさん」

『クレモンティーヌ』によるのか、自分の意識なのか
根っこの所でつながって、おそらく一如なんだろう。しかし彼にも何か響くものを打てたらいいな、そう思う。

ヨーダ王子と自分の体は『クレモンティーヌ』に任せる。
二人一組のダンスとともに運び上げてもらいながら、教会の元へ。

ルンクスは倒せたのだろうか……自分は周囲の警戒に転じる。
この状態で何か来たら2人共どうしようもないが、生きている限り警戒は緩められない。

235井上正『ハッピー・オルガン(?)』:2017/10/17(火) 02:46:44
>>232
「うう…わかんねえよ…ただあいつが俺から離れた時から、頭がいやに軽くなったよ、長く伸びすぎた髪とか爪を切ったみたいな感じがしたし、今もしてる。それがあいつが居なくなったってことなのかもしれない、またいつか現れるかもしれないし、とにかくわからない、それしか言えない、俺は自分でスタンドを発現? したこともないんだ」

今、もしかしたら、求めれば、あいつは帰ってくるのかも知れない、スタンドとは精神の発露だ、ならば、それならば。
俺は何も考えない、あいつについて思い出したりなんてしない。
あいつは確かに俺の一部だ、何もかもに絶望し、諦めてうつむいて、理由のない怒りと憎しみが形を得たものだ。
俺が彼らにしたように、あいつは俺を虐げたのだ

236井上正『ハッピー・オルガン(?)』:2017/10/17(火) 02:56:31
>>235続き
あいつは消えた、死んだんだ、俺の忌むべき精神はルンクスが引き受け、そのまま持っていった。
俺はこれから普通の人生をやり直す、生まれ変わるんだ。

「…まぁ、そんな話はいいじゃないか、それより床に開いた穴、あれはスタンドだろ?
あんなに都合のいい穴がスポッと現れるワケがない、きっとルンクスには仲間がいるんだ、負けそうなヤツを回収して、今頃逃げ帰ってるんだ、穴を探しても多分無駄だぜ、だから早く帰ろう? ね?」

237エイノー『フィストフル・オブ・クォーターズ』:2017/10/17(火) 15:15:40
>>230

   ド
         ク 
            ン

この極寒の地の暖炉より熱い『焦がれ』が沸き立ってくる。
憧れの地を知る期待。
ふと見た『非日常』への興奮。そして───────

『変わり屏風』を受け取り握り締めて老人を見上げる。

「そうでした。『僕』──『私』は貴方と同じように
『希望』の為に『絶望』と戦っていたのでした。 
 ですが全ての始まりは貴方の遺した『憧れ』への
『緊張感』でした。
 貴方と同じように『私』も『全う』しに戻ります」

扉へと歩く。
まずはここを出る事だ。 
最後に少し振り向き老人を見る。

「貴方の『憧れ』の国の住人は期待に違わず
『絶望』に抗う人たちでした。
 今あの国を知る傍らその抗いの手助けができるのは
何とも心躍るものです。
 有難うございました、会えてこう言える事が嬉しいです。
 できるかはわかりませんが『戻ります』、いつかまた、
『曽祖父さん』」

扉を開ける。
還ろう──あの日あの時のシンガポールに。
ルンクスとの『決着』に。

238ウィル『ヴェノム&ファイア』:2017/10/18(水) 19:07:56
>>232

(───そうだ ミス・タカトオとの戦いは決着が付いたのか?)
(反応が『2つ』 更に現在は静かになっていることを考えれば 良い結果だと信じたいが)

「まずはこちらだね」

ひとまず『ルンクス』らしき反応はない。一応進行方向は常に警戒しつつも、
スピード優先で隣の別棟へ向かい、食料を持ってこよう。

239『ロヴァニエミの確認』:2017/11/09(木) 23:25:58
>>237(エイノー)

──彼の足跡を辿るにつれ、一つの推測が浮かび上がる。

即ち、エイノー・ニョルズの深層は、
『憧れ』ではなく『好奇心』ではなかったかと。

そうでなければ、『憧れ』の国の研究を始めようという時に
帰らぬ客もいるという『奇妙な喫茶店』で、
土産を持って茶を飲もうなどと思うだろうか?

研究者然でありながら、より酔狂を好むその傾向。
『論理』に根差しながら、『賭け』に打って出る行動力。
その片鱗は幼少期にも見られていた。
そして何よりの証左は、
彼の獲得した『フィストフル・オブ・クォーターズ』。

結果として今、エイノー・ニョルズは
この上もなく『刺激的な状況』に身を置く事となる。


──────────────────────────────


「それでいい・・・・我が『曾孫』よ」

扉に向かって歩き出すエイノーの背に、
老人の声が呼びかける。

振り向いたエイノーは、
改めて髭の奥に隠されたその顔が、
写真でのみ見覚えのある、『曾祖父』であると知る。

            ・ ・
「・・・・迷った時は、それを思い出せ。
 『からくり』に必要なのは、『科学』ではない。
 『驚き』を生む『アイデア』だ・・・・それを忘れるな」

曾祖父の言葉が意味するものが、
渡された『変わり屏風』にあることは明らかだ。
『変化』と『意外性』──
それはエイノーの能力に通ずるものでもある。


    ギ・・・・

ドアノブを回すと、重く古めかしい扉が開く。
ノブを握る手は、いつのまにか大人のものだった。
そして、扉の向こうから溢れ出す淡い光。


「おまえの『戦果』を、ここから祈っている」


その言葉を最後に、
エイノーの意識は光の中を浮上し──



                           ──そして、目を開いた。

240『ヴァージンロード・クルセイダーズ』:2017/11/09(木) 23:26:53
>>234(高遠)

「──確かに、君は『アメノウズメ』だったよ」

全身を叩く筋肉痛が、疲労に霞む意識と鬩ぎ合う。
ひとまず気を失う心配はなさそうだが、
気を抜けば一気に持っていかれそうでもある。

ともあれ、『クレモンティーヌ』と新たな『踊り手』は、
高遠を抱えたまま、華麗に壁の穴をくぐり、
教会の通路を踊りぬけていく。

神の慈悲が残されてたのか、
新たな敵と遭遇することもなく、
扉を蹴り開け、礼拝堂へと躍り出た。

菊川を救助すべく、この礼拝堂から飛び出して、
どれほどの時間が経過しただろう?
体感的には恐ろしく長かったが、
時計の針は全周の四分の一も進んでいない。

だが──神聖なる祈りの場の荒廃ぶりは、
こちらでも凄まじい戦いがあったことを如実に知らしめている。
整然と並んだ椅子の四分の一、
扉を出た周辺の長椅子は、潮が引くように押し開けられ、
不自然な広場を生み出している。

一方では、祭壇側に押し寄せられた長椅子の群れ。
こちらは教会が傾いたかのように、
長椅子が整然と詰められ、足の踏み場もないほどだ。

そして──
その長椅子の波の向こう、祭壇の上に。
高遠は仲間の顔ぶれを発見する。

床に座り込んだ『ナツメグ』の巨体。
同じく隙だらけで泣きべそをかいている井上。
満身創痍で床に倒れ伏したエイノー。
そして油断なく立ち尽くす浜岡の四人だ・・・・!

241『ヴァージンロード・クルセイダーズ』:2017/11/09(木) 23:27:21
>>235(井上)
自身で感じるままの状況を『ナツメグ』に伝えると、
巨漢は座り込んだまま、思案顔になった。

『ナツメグ』:
「・・・・オレも『完全自律型』は詳しくねぇ。
 ただ、未だにスタンドが『見えてる』なら、
 おまえはスタンド使いってことになる」

「・・・・ま、『藪蛇』覚悟で確かめる必要はまだねぇか」

自分を納得させるようにつぶやいた。

「いや、あの穴はおそらく元からあるもんだよ。
 ルンクスの味方が開けたにしちゃあ深すぎる。
 それに、逃がすのが目的なら、穴を閉じるだろうさ」

井上の問いに応じたのは、浜岡だ。

「教会に入った時、確か、菊川が言ってた。
 ここの地下に隠された通路があるとか・・・・
 通路ってよりはただの穴だし、別物かもしれないけど、
 この教会の地下が、どこかに繋がってるのは間違いない」

「早く帰る・・・・ねぇ」

腕組みする浜岡も、思案顔だ。

「けど、あんたもルンクスが死んだとは思っちゃいない。
 もしそうだとしたら、帰るわけにはいかないさね。
 あたしらも道楽でここに来たんじゃないからね」

その時、会衆席の方向から、大きな音が聞こえた。
同時に響き渡る、リズミカルな音楽。
飛び出したのは、高遠の『クレモンティーヌ』だ。

ただしスタンドと踊っているのは『ヨーダ』の仮面を被った菊川で、
高遠は全身傷だらけの状態で、二人の間に担がれている。
回転しながら会衆席中央に躍り出たその顔が、壇上の自分たちを見つけた。

>>239(エイノー)

エイノーは、うっすらと目を開いた。

焦点の合わない視線が最初に見出したのは、
無垢と言えるほどに白く高い天蓋だった。

──アルメニアン教会。
自分のいる場所と状況を、一瞬で思い出した。

>>238(ウィル)

「『鏡』にはまだ気を付けるんだよ、ウィル」


浜岡の言葉を背で受け止め、ウィルは教会を抜け出した。
進入時、曙光を浴びていたシンガポールは、
すでに通常の朝へと時を移している。
緑で満たされた敷地内を、隣接する住居棟へと向かった。

ちらりと周囲を見回すウィル。
異常はない。スタンドやスタンド使いの反応もない。
だが・・・・何故か違和感は感じられる。

すぐに思い当たった。
『ハピオル』が殺害し放置した死体・・・・
複数あったそれが、痕跡もなく消えてしまっている。

ほどなくウィルは、住居棟の入り口に到着した。
扉も壁も石造り、古めかしくも由緒正しいものだ。
近くには窓もあり、格子の類も見当たらない。
どの方法であれ、侵入は容易そうだ。

242エイノー『フィストフル・オブ・クォーターズ』:2017/11/10(金) 19:46:07
>>239>>241
──帰ってきた。
まず無理のない範囲で自分のダメージと残存体力を探る。
言いたい事、言うべき事は多いが誰が今いるかもわからない状況で
仰向けの状態から皆に質問。

「失礼、ルンクスは『どうなった』かね?」

243ウィル『ヴェノム&ファイア』:2017/11/11(土) 22:01:42
>>241

「Thanks,ミス・ハマオカ」

浜岡に礼を述べ、住居棟へと向かう。
『スウィート・バイト』はまだ倒せたわけではない。
確かに自分の嫁化は解除されたとしても、それで『ルンクス』の能力が解除されたと考えるのは早計か。



「・・・・・・・・・・・・・・・」

『┣¨┣¨┣¨┣¨┣¨┣¨』

「これは・・・死体が?」

仲間へと報告する必要がある。だが、それも『食料』を入手してからだ。
窓へは近づかない。それは『鏡』になりかねないからだ。
石畳も磨き上げればあるいは警戒すべきだが、年季を経てるのであればこちらは問題ないだろう。
中に入り、食料となりそうなものを探す。

244井上正『ハッピー・オルガン(?)』:2017/11/12(日) 03:56:57
>>241
「正直言うと俺自身今なんでここにいるのかわかってない、あいつに連れてこられただけだし…とにかく早く食い物をくれよ、死んじゃうよ、いっそ食い物じゃなくても消化できそうなものならなんでもいいよ」

床でも舐めてみようか、ペロペロ、この程度のことは虐待が日常だった俺としてはなんでもないことだ。

「ペロペロ……あの穴、あれ逃走経路だったんじゃないか? だとしたら出口付近に車か何か待機させてるはずだな、ルンクスは用心深いやつなんだろ、どこに出るのかわからないけど、あんたらの中でそういう調査とかするやついないの?」

245高遠 嶺『クレモンティーヌ』:2017/11/12(日) 18:37:48
>>240
もう1/4も進む前に全ては決まるのだろう。
動き続ける運命に引きずられるか導かれるか決まるのは、これからだ…。


「二人共瀕死を無事といって良いかは怪しいけど
 なんとか戻ってこれました……『ルンクス』は?」

生きている者たちの元へ行き、状況の確認。
死んでいる者は……『ハッピー・オルガン』は何処へいった?

246『ヴァージンロード・クルセイダーズ』:2017/11/16(木) 22:59:15
>>242(エイノー)
倒れまま動かず、まずは己の被害を省みる。

頭部──額が痛み、出血している。
首筋もむち打ちのような鈍痛がするが、致命的ではない。

腕──右上腕に重度の火傷。対『女神』時の自傷だ。
痛みと引き連れで肩はろくに動かず、使い物にならない。
『フィストフル』の腕も同様で、『スロット』機能が失われている。

両脚──『血の蟻』に両脛を食われ、焼き潰している。
応急手当を施し、ここまで何とか使って来たが、
いよいよ動かなくなってしまった。
暖炉に足を突っ込んだような熱が、痛みに感じられる。
アドレナリンの麻酔効果も、遂に切れてしまった。

「おや、目が覚めたかい」

母親のような気さくさで応じたのは、浜岡の声だ。

「あんたが見たままさ──そこの穴に落ちた。
 ウィルの『女性化』は解けたが、生死は確認できてない。
 『ナツメグ』が『ガス切れ』になっちまったからね・・・・
 今、ウィルが食料を調達に行ったよ」

周囲の会話も聞こえる。
この場には浜岡の他、
高遠、井上、『ナツメグ』、菊川が揃っているようだ。

>>244(井上)
床に頬を押し当て、舌を動かす井上。
人間性を捨てて栄養を求めたが、石畳の床はまったくの無味無臭だった。
舌を動かすエネルギーを損しただけに終わる。

『ナツメグ』:
「逃走経路を用意してた可能性はある・・・・が、
 あの状況でそれを使う意味がねぇ。
 状況はルンクス有利だった。
 あのまま続けてりゃあ、エイノーは『九割九分』死んだ」

「それに奴は、壁に穴を開けて脱出口を作ってた。
 あの状況で穴に落ちるのは、奴にとって『予定外』。
 オレはそう考えるね・・・・くそう、腹減ったぜぇ」

考察に賛同するような『腹の虫』に、嘆息した。

「菊川が戻れば調査できるが・・・・って、おいおい」

そこに戻った高遠と菊川の惨状に、改めて目を?く。

見れば、『クレモンティーヌ』と踊っているのは、
高遠ではなく菊川の方だ。
さらに男の胸には、文字通りの『トンネル』が開通している。
素人目に見ても致命傷間違いなしだ。
能力故だろうが・・・・生きて戻って来たのは奇跡に違いない。

247『ヴァージンロード・クルセイダーズ』:2017/11/16(木) 23:01:00
>>245(高遠)
浜岡:
「高遠・・・・よく戻ったねえ。
 あの『機械嫁』を倒したんだね。よくやったよ」

両手を広げ、高遠を迎える浜岡だったが、
菊川の状態に気付き、血相を変えた。

「こりゃあ・・・・ひどいね。
 『ナツメグ』、悪いがもうひと働きしてもらうよ。
 無茶でも何でも、このコの傷を塞いでおくれ」

「・・・・オレに命令してんじゃねぇぞ、ババァ。
 だが・・・・その穴を降りて死体を探すよりは、
 菊川を蘇らせた方が早いか・・・・」

渋々という様子で、巨漢が身を起こす。

「誰か、そいつの胸に包帯でも巻いてやれ。
 それからこっちに連れてこい・・・・
 限界近い人間に仕事させるんだ、それくらい手伝いやがれ」

「あんたが見たままさ──そこの穴に落ちた。
 ウィルの『女性化』は解けたが、生死は確認できてない。
 『ナツメグ』が『ガス切れ』になっちまったからね・・・・
 今、ウィルが食料を調達に行ったよ」

目覚めたエイノーに、浜岡が説明する。
およその状況は、それで高遠にも伝わった。
だが、『ハピオル』の姿がないのは、何故だ・・・・?

>>243(ウィル)
窓を警戒し、扉を開ける。
鍵はかかっておらず、侵入は想像以上に容易だった。

・・・・入った先は台所。ここは裏口らしい。

人の気配はなく、
ウィルはすぐさま、食料の確保に乗り出す。

冷蔵庫、食料棚、倉庫──
居住区の住人が何人いるかはわからないが、
幸いにして、物資は十分に蓄えられていた。
その中ですぐに食べられる保存食、
缶詰、菓子類、レトルト等加工食品の類を優先して確保する。
数人分の腹を満たすには十分以上の量がある。

家探しの最中も警戒していたが、
家屋内に『アレルギー』の反応はなく、
人の気配もまるで感じられない。

これはこれで奇妙な話だ・・・・
このアルメニアン教会では、本日、国賓レベルの『結婚式』が挙げられる。
その関係者である神父や関係者が、
早朝とはいえ、家を留守にしているのは不自然だ。

忍び込んだウィルには好都合だが、
不可解な状況には気を留めておく必要がある。

248エイノー『フィストフル・オブ・クォーターズ』:2017/11/17(金) 04:04:02
>>246-247
己の『惨状』は理解したので左手をついて
人が集まり始めているナツメグたちの方へ転がる。
穴を警戒する選択もあったが左手一本の
迎撃がやっとのこちらに対し(生きていれば)
ルンクスはフリーハンドだ、不利に過ぎる。

「ありがとう浜岡婦人。ウィル君が名実共に
『彼』に戻ったのは大変めでたい。ところで
 左腕1本と電話でできる事で何か用事は
 ないかね?悪いが現状私も他にできる事が
 なさそうだ」  

『気がかり』は多いが現在全力をつぎ込んで『戦力外』だ。
高遠と菊川も戻ったようだが『無事』にはほど遠そうだ。
『迎え』のあてがあるなら撤収したい。+
ああ、そうだ。

「浜岡婦人、お手すきなら今日の本来の花嫁を一応
 拘束していただけないか?」

ルンクスも彼女を使った小細工はしないと言ったが
その時とは状況が変わった。

249井上正『ハッピー・オルガン(?)』:2017/11/19(日) 13:00:44
>>246
「床おいしくなぁい…」
落胆した、血とか汗とかなんかなかったのか。

「あぁ? スタンドプレーに走ってチームを危険に晒したマヌケがご帰還か? まぁいいや、ちょっとこっち来て血をくれよ、そんだけ大穴空いてりゃちょっとくらいいいだろ? こっちも死にそうなんだよ」

帰って来たやつらに話しかける、声ちゃんと出せてるか?

250高遠 嶺『クレモンティーヌ』:2017/11/20(月) 00:17:27
>>247
よくわからないがウィルさんが解除されて男に戻ったというのは喜ばしい
しかしターゲットの生死確認が出来ない以上索敵などは菊川さんを復帰させたほうが早いのだろう。
ナツメグの見解と同じ結論に達した。

「踊り」のテンポをできるだけ下げ、踊りもスローモーションにし
ナツメグの言う状況に持っていきやすいようにする。

自分が減速の阻害になるようであれば浜岡隊長に頼んで降ろさせてもらうとして

「ハピオルは…あぁ」

なぜ居ないのか、と言いかけて菊川さんが言ってた事を思い出した
女にされてヤラレチャッタとか。

それでこの場にいないとなると……『排除』されたか。

251ウィル『ヴェノム&ファイア』:2017/11/20(月) 17:53:44
>>247

「What a stroke of luck(これはラッキーだ)」「神に感謝しよう」

日本風に言うならば、ワタリにフネというところか。
ワタリとは誰のことなのかは分からないが。とにかくすぐさま食料の確保に乗り出す。

「・・・・・ミス・タカトオたちの戦闘は 特に大きな音を出していたはずだけれど」
「ここまで騒ぎにならないものなのだろうか?それに人気もあまりにない・・・」

もしや『ヤング・ダイヤモンド』の誰かが手を貸したのだろうか?
その場合は、この場にいない人間の安否が気になるが…どちらにしろ油断はならない。
仮に『ルンクス』を倒せていたなら、彼らにとって自分らは用済みかもしれない。
食料を適当な袋に集めて片腕に持ち、急いで戻る。仲間は無事だろうか?

252『ヴァージンロード・クルセイダーズ』:2017/11/27(月) 20:00:02
>>248(エイノー)

ゴロ ゴロ ロロ・・・・

深刻なダメージを負った身体を転がし、
『ナツメグ』に接近する。

同時に、『クラモンティーヌ』が
巨漢に菊川を手渡し、治療を施すのが見えた。
ヨーダマスクの男の胸に即席の包帯を巻きつけると、
『ナツメグ』のスタンドがそれに触れる。
『クレモオンティーヌ』の『不滅』を脱した菊川は、
枯れた藁のように力を失い、崩れ落ちたが、
おそらくは『ナツメグ』の能力を受けたことで、
生気を取り戻し、ゆっくりとだが自力で立ち上がった。

一方の高遠は、こちらも片手を失い、衰弱が激しい。
エイノー自身のみならず、ほとんど全員が満身創痍の状況と見た。

比較的動けるのは浜岡と、
この場にはいないウィルだけのようだ。

浜岡:
「その状態じゃあ、何も頼めないねえ。
 そこのデブが頑張るなら、話は別だけど」

『ナツメグ』:
「無茶言いやがれ、ババァ。
 ・・・・これ以上、ミンチ一片だって出せやしねぇぞ」

浜岡:
「・・・・だろうさねえ。
 ウィルが戻るまで、この話はもう少しお待ちよ」

「『仕事』があるのか、もうないのか。
 『後片付け』をやるか、やらないのか。
 決めるのは、それからでもいいはずさ。
 どのみち、今はまだ動けない。誰もね」

エイノーの進言に、浜岡は思い出したように首を振る。

「ああ、そうだったね。
 おそらくはもう『嫁』じゃなくなってるが、
 確かめる必要はあるだろう。
 ここから出ていく時に、役立ってくれるかもしれないしね」

のっそりと祭壇を離れ、会衆席北方向へと向かった。

>>249(井上)
仮にあったとしても、栄養価は乏しいものだろう。


「ハピオルは…あぁ」

返答があったのは高遠だけだが、
これは床に倒れた際に漏れたため息だったのかもしれない。
そう思えるほどに、高遠の憔悴は激しい。
片手を失ったこと以上に、全身を酷使した結果だろう。

その高遠が『ナツメグ』に託した菊川は、
井上にも覚えのある『肉詰め』を受け、致命傷を脱したようだ。
とはいえ、こちらもまだ口を開ける状態ではない。

エイノーは床を転がって移動する重傷だが、
口は動き、浜岡と会話している。

253『ヴァージンロード・クルセイダーズ』:2017/11/27(月) 20:00:23
>>250(高遠)
『クレモンティーヌ』を操作し、
『ナツメグ』の傍に自分を横たえ、菊川を差し出す。

「クソが・・・・
 死ぬんじゃねぇぞてめぇ・・・・」

呪詛のように呻きながら、『ナツメグ』は身を起こし、
菊川の胸に即席の包帯を巻きつけ、『フランキー・アヴァロン』で『触れた』。

『クレモンティーヌ』が手を放すと、
菊川はがくりとその肩を落とすが、
それを支えながら、能力を発動する──

                     ズキュン! ズキュン!

包帯の下に開いた大穴が塞がり、
マスクの下の顔に生気が蘇る・・・・そんな気がした。

「言っとくが、これで本気の『打ち止め』だ。
 これ以上治すなら食い物がいるし、それにしたって限度がある。
 あと高遠だったか?その手はあきらめろ。
 なくしたパーツは、オレの能力じゃ戻らねぇ」

>>251(ウィル)
手間を取らず、そのまま食べられる食品を選び、
適当な二つの袋に詰め込むと、急ぎ引き返す。

──果たして、
敵や一般人に出会うこともなく、
ウィルはアルメニアン教会に、再び戻ることが出来た。

祭壇上には、高遠と菊川の顔が増えていたが、
揃って床に身を横たえ、野戦病院さながらの様相を呈している。
菊川は『ナツメグ』の治療を受けている。
高遠は片手を失い、到底無事とは言えない状況だが、
ひとまず、戦死者はいないようだ・・・・


>ALL

両手に袋を下げたウィルが、教会に戻って来た。
高遠は話通り、その身が男性に戻っていることに気が付く。

254ウィル『ヴェノム&ファイア』:2017/11/28(火) 18:16:53
>>253

警戒に反して、無事に戻って来られたことにまずは胸をなで下ろす。
だが、菊川と高遠の身体の状態を見れば、そう安心してもいられない。
スタンドの性質上仕方ないとはいえ、この中で一番軽傷である事に多少の申し訳なさを覚えた。

「すまない 二人とも」「そして・・・・・ありがとう」

感謝の言葉を述べ、すぐさま『ナツメグ』に袋に入った食料を渡す。

「ミスター・ナツメグ よろしく頼むよ」
「これで足りなければ更に持ってこようと思うのだけれど・・・・・」

「ただ少し皆に伝えたい事もあるんだ」

食料を取りに行った際に、外にあった死体が消えていたこと。
そして戦闘で轟音を上げたにも関わらず、周囲に駆けつける人間もおらず、本来いるはずの神父たちすら留守にしていたこと。
死体を含めて、あまりに人気がなさすぎる。



「・・・・・・・・・・・・・・・生きているのは ここにいる人間だけなのか」

できれば、そうではないと信じたいが。

255井上正『ハッピー・オルガン(?)』:2017/11/29(水) 15:45:51
>>253
「はや…く…くれ…しぬ…」

なんでもいいから早く食わせてくれ、さっさと回復してここから出ないといけない。
追撃にしても撤退にしても、あれほど大騒ぎしておいて何もないとは考えられない、ルンクスの手の者が騒ぎを聞き付けてやって来ると考える方が自然だ。

256エイノー『フィストフル・オブ・クォーターズ』:2017/11/29(水) 17:27:20
>>252-253
「無事ではないようだが高遠君、菊川氏
 生きて再会できて何よりだ。ウィル君も
『戻った』ようだね。どうせなら司祭服も
 探してくれば良かったのに」

帰還組に声をかける。
司祭服云々はまあ冗談だ、何せ女性の時と
服まで変わってはいないだろうから。

「さて私もとりあえずここから脱出したいが
 どうももう歩けないらしい。運べないなら
 置いていってくれて構わない。あと人目は
 あまり気にしなくて良いと思う。屋根での
 戦いで周辺も見えたが殊更人が来る気配もなかった。
『聖母像』も纏っていたが多分近辺の人々は
 私の足にくらいついた『血の蟻』になったか
 食われたかした可能性が高い。『天使像』の
 ラッパの能力だろうから蟻自体は霧散しているだろうが
 効果範囲スレスレで無事な人間は様子見だろうね。
 ロンパリ氏も無事ならいいがね」

脱出と運搬不可能な場合の自分の放置を提案しつつ
とりあえずエイノーのみ知りうる『教会周辺の様子』を
皆に伝える。

257高遠 嶺『クレモンティーヌ』:2017/11/30(木) 18:42:14
>>253
「相性激悪なやつと戦って、生きてるだけで十分よ。
 貴方には手間を掛けるわ……」

ナツメグに返しつつ自分に鞭打つ。

意識を飛ばしさえしなければ踊る事自体はできる。
とりあえず座位程度の姿勢にはなれるか?

「菊川さん……感知出来る?
 ルンクスが死んでいるなら……何処かに死体になってるはず。

 嬉しくない事態は死んでいない事と、もう一つ、懸念するのは……スタンド使いを配下にしてて
 ルンクスは死んでも『そいつ』は動いていた時よね……」

念のためすぐに『クレモンティーヌ』を発現できるようには心構えしておく。

258『ヴァージンロード・クルセイダーズ』:2017/12/14(木) 22:51:06
>>254(ウィル)

食料を渡された『ナツメグ』は、
井上もろとも、飢えた豚のようにむさぼり始めた。
袋を開ける労力すら惜しいらしく、
袋ごとかぶりつき、破れ目から中身を口に移していく。
しばし周囲が言葉を失うほどの、それは食欲だった。

これで足りるかというウィルの問いに二人の反応はないが、
空気の抜けた風船のごとく萎んでいく食料袋が、
何より雄弁な回答だった。

餓鬼と化した二人を置いて、
ウィルは見知った周囲の状況を語る。
エイノーもまた、鐘楼塔から見た状態を説明し、
二つの状況が一致することが、すぐにわかった。

「・・・・ふうむ。
 ま、スヴァルトの助力ってのが一番の有り線だね」

腕組みした浜岡の感想は、ウィルと一致する。

「結婚式を邪魔させない目的で、
 ルンクスの配下が動くって可能性もあるが、
 それなら今、黙ってるわけがない」

「少なくともあたしらに協力的な勢力ってことさ。
 ま、期待しすぎるわけにはいかないし、
 おそらくはあたしらを監視してるはず。そう、今もね」

>>255(井上)
ウィルから受け取ったビニル袋に飛びつくと、
引き裂くようにして貪り始めた。『ナツメグ』も大差ない獣ぶりだ。

ガブ! ガツ!
         ッグチ ゴク ゴク!

かつて、これほどまでに美味い食事があっただろうか?
食事マナーは文明とは対極の退行ぶりだったが、
その味は疑いなく、古今東西のあらゆる美食を凌駕している。

本能が、細胞が、栄養と水分を渇望している。
暴力的な過食の嵐のさなかで、ようやく人心地が着くのを感じた。


>>256(エイノー)

「──エイノーも、よく生き残ったね」

「──ぼくは死に損なっただけだけど、
 君は命を懸けてルンクスを追い詰めた」

「──ルンクスの生死は確かめなくちゃだけど、
 高遠ともども、君には感謝してもしきれない」

胸に即席の包帯を巻いた菊川が頭を下げた。

ウィルの服装は男女兼用のもので、違和感はない。
おそらくは戻った後のことも想定していたのだろう。

菊川:
「──『ナツメグ』が食べ終えれ、
 また『肉詰め』ができるようになるはずだよ。
 自分の肉にこだわりがあるんじゃなければ、歩いて帰れる。
 医者は頭を抱えるかもしれないけどね」

浜岡:
「死体は『蟻』で説明できるけど、
 警察が来ないのは別の理由があるはずだね」

「どっちにしても、急ぐ必要がある。
 さっさと食い終えな、『ナツメグ』」

259『ヴァージンロード・クルセイダーズ』:2017/12/14(木) 22:51:26
>>257(高遠)
全身の力を絞り出し、何とか床に座ることが出来た。
何十キロも遠泳したように、全身が強張り、悲鳴を上げている。
倒れたままでは、昏睡してしまいそうだ。
食事──特に水分が欲しいが、手を伸ばす気力も尽きつつある。

菊川:
「──うん、わかってる。
 今、ぼくがするべき『最優先事項』が何かってね」

血色の戻った菊川が立ち上がり、
床に口を開けた大穴まで歩いていく。

「──これは多分、『通風口』だね」

「『懺悔室』で見つけた抜け穴と違って、
 『アルメニアン教会』の一部じゃない。
 だから、『ジ・ユーズド』で気付かなかった」

「──つまりこの下には、
 相応の『施設』が存在するってことだね」

菊川は穴の縁で腰を下ろし、その手を穴の内側に伸ばす。

「──調べろ・・・・『ジ・ユーズド』」

                   ズギュン !


つぶやく菊川を、無言で見つめる浜岡。
顔を上げた菊川も、しばしその視線を受け止める・・・・

260エイノー『フィストフル・オブ・クォーターズ』:2017/12/16(土) 20:59:42
>>258-259
「ああウィル君失礼」

そういえばとウィルに詫び

「お互い命がけでお互い仲間に助けられた。 
 その点私も菊川氏に感謝しているよ。 
 さて、『ジ・ユーズド』で勝利が確認できれば
 いいが『まだ先がある』ならナツメグ氏、
 私も治す余力はないか?『短期決戦』で
 到着した空港まで逃げるのが最善だが
 その場合『F・O・Q』が持ち直せばやり易い」

とりあえず『硬度』カートリッジ解除、有効時間は
それほどないが『光発電』カートリッジを装着し
室内の弱い光で少しずつ電気をため始める。

261井上正『ハッピー・オルガン(?)』:2017/12/17(日) 13:23:45
>>258
「グェェェェブウゥッ ブブッ」

極めつけに汚いゲップをもって食事の終了を告げる。さっそく思考開始だ、あのチンコ野郎は多分、いや間違いなく生きてる、一刻も早く窮地を脱し、仲間と合流したいはずだ。
地下への落下が予想外の出来事なら、ヤツに残された時間は少ない、片足がフッ飛んだ猛烈な痛みと出血は並じゃない、加えて地下には灯りもない、そんな中で適切に止血し、真っ直ぐに出口を目指すのは至難というか、不可能だ。
だが俺は生存を確信している、ヤツのスタンド能力があればたやすいだろう、『嫁』を呼び寄せるか、その場で『嫁』を造るか、どうにでもなる、とにかくヤツは脱出してくる。

『逃走経路を把握し先回りしなければならない』

「なあ、誰か車持ってない? 地下の構造の把握は今やってくれてると思うけど、ルンクスが仲間と合流する前に叩かないとマズくないか?」

262高遠 嶺『クレモンティーヌ』:2017/12/18(月) 22:44:38
>>259
「み、水……」

探査してくれている仲間が居て自分が前衛である以上やることは一つ
少しでも前衛としての役割を遂行できるよう回復すること。

でも水分になるようなものは余ってるかな……。
飢えた男が二人も貪ってるぐらいだ、声にはなんとか出したい。誰でも良いから分けて。

吹っ飛んだ右手首の応急処置は崩れていないだろうか。
失血が再開してましたでは洒落にならない。体力が減少する原因は0に近づけておきたい。

263ウィル『ヴェノム&ファイア』:2017/12/19(火) 21:44:16
>>258

「おやおや」

凄まじい食欲に、思わず笑みがこぼれる。
今回は自分が作ったわけではないが、ああも気持ちよく食べてくれると気持ちが良いものだ。
自分も無事に家に帰ったら、アウレアの機嫌を取るために彼女の好きな食事を作るとしようか。

「ミスター・スヴァルト・・・このままぼくたちを見逃してくれるだろうか」
「日本のYAKUZAは筋を通すと聞いたけど 彼らは南米のマフィアだ」

そしてエイノーの話を聞き、頷く。

「・・・・・ミスター・マンティコア」「この場にも 周囲にもいないということは・・・その『蟻』に?」

死体を見つけるまではなるべく認めたくはないが、彼の話によればその死体すらもなくなっているかもしれない。
彼も自分の意思で戦場に赴いたとはいえ、それでも容易く受け止められるほど自分は器用ではない。
だが、悲しみに暮れるのは、こちらも生き延びてからだ。十字を切り、少しの間祈りを捧げ、そして菊川を見る。

「っと ミス・タカトオ」「大丈夫かい?」

食料袋の中で、何か果物などがあれば高遠に渡そう。
もしなければ、再度来た道を戻り今度は飲料を探す。一番負傷の少ない自分が、今は一番動く必要がある。

264『ヴァージンロード・クルセイダーズ』:2017/12/29(金) 22:45:14
>>260(エイノー)

ウィルに頭を下げた後、
野獣のような食事を終わらせた肥満漢に話を向ける。

『ナツメグ』:
「ふうぅぅ〜〜〜ッう・・・・ようやく『人心地』だ。
 ああ、いいぜエイノー。
 オレの『肉』は相手を選ぶが、おまえのスタンドは役に立つ。
 一時的にだが、おまえの体を健常に戻してやるさぁ」

男が立ち上がり、エイノーに迫る。
背後に立ち現れたスタンドは、
『フィストフル』に匹敵するサイズの巨体を折り曲げ、
座り込んだエイノーの肩へと手を伸ばす──

          ズギュン!

「ただし、先に言っておくがよ。
 オレの『肉』の射程は、ほんの『50m』。
 今日のように『先走る』と、元の『ポンコツ』に逆戻りだ。
 そこのところを考えて戦えよ・・・・いいな」


   ズギュン! ズギュン!

「それと、おまえに詰める『肉』は『人間用』だ。
 あのスタンドなら、十分に戦える。
 質のいい『肉』は、切り札にとっておく必要があるんでな」

触れられた右肩から、
粘液状の熱い塊が、体内に流れこんで来る。
若干の痛みを伴うも、それは瞬時に苦痛と疲労を押し流し、
やがて湯治にも似た快感で、エイノーを満たした。

酷使した肉体が、文字通り『入れ替わって』いる──
継戦する敵にとって、これほど恐ろしい能力もないだろう。


      ──ズギュ! カシィン!

一方、エイノーは『光発電』カートリッジを取り出し、
左肩の『スロット』に装填、充電を開始する。
(『硬度』カートリッジはすでに解除されていた)

室内の光は十分ではなく、攻撃に転嫁するほどの電力は、
なかなか溜まりそうにない。

一方で、朗報もある。
体力が回復したことで、『フィストフル』右肩の
『スロット』もまた、復活を果たしている・・・・!


>>261(井上)
女性陣のしかめ面などおかまいなく、派手なゲップで食事を締めくくる。

『ナツメグ』:
「調子づいてやがんな、井上」

浜岡:
「用意があれば、紅茶の一杯も入れてやるんだがねえ。
 気持ちはわかるが、まあ落ち着きな。
 ここはシンガポールだ。誰も車なんて用意しちゃいない。
 それどころか、土地勘もろくにないんだ。
 『逃走経路』なんてもんがあったって、外から追うのはまず無理さ。
 ま・・・・そんなもんは『ない』とあたしは思うがね」

「とりあえず、菊川の調査を待つこったよ」

265『ヴァージンロード・クルセイダーズ』:2017/12/29(金) 22:46:03
>>262(高遠)
渇きのうめきを聞いてだろう、
すぐにウィルがミネラルドリンクの瓶を渡してくれた。
片手で受け取り、口をつける。
ただの水だが、五臓六腑に染み渡る美味を感じた。

千切れ飛んだ手首の先は、即席の包帯で巻いたままだ。
布地は赤く染まっているが、色が広がる様子はなく、
止血は成功していると思われた。
とはいえ、このまま放置していいはずもない。
一刻も早く入院し、医師の治療を必要とする──

ここが戦場でなく、もう敵がいなければ、の話だが。


>>263(ウィル)
二人の健啖ぶりは、日本に置いて来た恋人の姿を思い出させる。
ここまで不作法ではないが、本能に忠実なところは似ていなくもない。
『ナツメグ』はエイノーにも能力を行使し、
怪我人を治療する体制は、ここに整ったとみてよいだろう。
高遠にも水を手渡し、体力回復を助けてやる。
満身創痍だった仲間たちは、徐々にだが戦力を取り戻しつつある。

一方、自分たちを取り巻く状況は、懸念を孕む。
『ヨハネスブルグ』の幹部、『ヤング・ダイヤモンド』の一角であるスヴァルトは、
同じく幹部であるルンクスを抹殺すべく、ウィルたちを助力している。
お互いに利用し合う関係だが、ことが成される寸前であろう今、
スヴァルトがどう出るかは考えておく必要があるだろう──
日本で『仁義』と呼ばれる感覚が、南アフリカに存在するか否か。


「──見つけた」

その時──菊川が静かにつぶやくのが聞こえた。
会話していた全員が押し黙り、注目する・・・・



>ALL

菊川:
「──この穴の底に、男が一人倒れている」


「──ペニスケースをつけた黒人男性」

「──ルンクスだ。
 ・・・・生命反応はない・・・・」



                      「──死んでいる」


      ド        ド  ド  


                      ド   ド ド    ド   ド

266エイノー『フィストフル・オブ・クォーターズ』:2018/01/01(月) 12:42:57
>>264-265
「有難うナツメグ氏、これでまだ勝負が出来る」

肉体とスタンドの回復を有難く思いつつ皆に提案。

「これからなんだが菊川氏が探ってくれたルンクスの死体に
 ここの自家発電機かそとの車のガソリンかけて火をつけて
 逃げないか?花嫁だけ100mほど外に置いておけば
『巻き添え』ももう出るまい。あとウィル君の以外の組織
 所属の方々、撤退について指示はないかね?なければ燃料を
 確認してシンガポールに来た飛行機か国際空港で身元だけ
『F・O・Q』でごまかして国際線で日本に帰ろう。
 途中何人か服は着替えがいるだろうが『順序』は変わった。
 我々は『目的』を果たした。次は『厄介ごと』がまだあるなら
 迎撃して生きて帰る事だ」

267高遠 嶺『クレモンティーヌ』:2018/01/01(月) 13:41:48
>>265
「……か。ふっ…… あ、りがと」

ウィルに礼を述べる。
活動能力は得た。後は行動だ

「……『死体処理』すれば確実。
 単純に上から重いものを落とす、というのも早さで言えば良いけど……」

挽き潰すための重い物ならそこら辺に長い椅子があるからそれでいい。
ただ、万一の復活されないよう不可逆な状態にしたいならやはり

「一番はやっぱ焼き払う事よね」

「確認。
 これまで探知してたルンクスと一致するような、間違いなくルンクスで合ってる?
 後、他に生き物やスタンドの存在はわかる?」

死体損壊の方法を探りながら菊川さんに確認をとる

268ウィル『ヴェノム&ファイア』:2018/01/01(月) 23:59:29
>>265-267

「・・・・・・・・・・」「やはり『火葬』が確実ではあるかな」

死体を損壊させることに抵抗がないと言えばウソになるが、『フープル社』の存在を知る自分としても
ここで確実に復活しないよう、念押ししておくという事の大事さは分かる。
ましてや相手はあの『ルンクス』だ。このチャンスを逃せば、次はないかもしれない。

「ミスター・キクカワ」「先ほど言ったその『施設』・・・・・その詳細は分かるかい?」

あらかじめ、こちらの襲撃を想定してこの場所で結婚式を挙げるつもりだったのか?
その場合、地下の施設はルンクスが作っておいたのだろうが、あるいは第三者がこの展開を見越しておいたのか?

269井上正『ハッピー・オルガン(?)』:2018/01/05(金) 15:21:31
>>264
「おまえらもうちょっと下調べとかした方がいいんじゃない? まぁ俺がいたから事なきを得たけどなあーッ!」

『ハッピー・オルガン』とおさらばして、初めて勝ち取った勝利だ、高揚くらいする。

「は? 死んだ? ウッソマジで?
『やったか?』はやってないフラグだろ? えっじゃあもうここにいる意味ないじゃん、帰ろうぜ、飛行場まで徒歩でいくってワケないよな?」

「あと聞いときたいんだけどこの『肉』って射程距離どれくらいあるんだ? あんたらと別れた途端バラバラになって死ぬとか嫌だぞ、ああそうだ、報酬の話は飛行機の中でするからな」

270『ヴァージンロード・クルセイダーズ』:2018/01/19(金) 01:51:51
>>266(エイノー)

「名案だね、エイノー。
 まずはその手を試すとしよう」

まず賛意を示したのは浜岡だ。

「逃げる手順もよく考えたもんだ。
 もっともスヴァルトの手下が約束を守るなら、
 帰りの便は手配済みだと思うがね」

「・・・・そうさ。目的は果たした。
 今は安全な間に、一刻も早く帰るのが先決だよ」

『ナツメグ』:
「・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・」


>>267(高遠)

菊川:
「──ぼくの『ジ・ユーズド』は、
 生物・非生物の区別を能力で判別する。
 ルンクスの外見は特徴的だし、確実に『生きてはいない』。
 ──他の生命体、スタンドの存在も・・・・感じられない」

仮面の下の声がかすかに上ずって聞こえるのは、
気のせいだろうか?
その表情もまた仮面に隠され、皆目判断がつかない。

>>268(ウィル)

菊川:
「──この穴の下には、『地下墓地』が広がっている。
   『カタコンベ』とかじゃない。大きな公園ほどの広さがある
   教会より遥かに新しい施設だよ。」

「──おそらくだけど、一般に知られていない場所じゃないかな。
   例えば富豪層を対象にした秘密の墓地とか。
   豪奢だけど、墓の数は全然少ないから」

浜岡:
「やはり、あらかじめ用意した場所じゃなかったようだね。
 あの下衆の最後の場所としちゃ贅沢すぎる気もするが、
 このまま大人しく眠ってもらうとしよう」


                    ザ ッ

おもむろに立ち上がった浜岡は、
一同の状態を確認するように、視線を巡らせる。


「死体の確認は、あたしがしといてやるよ。
 あんたらは先に帰るといいよ。
 もちろん、そのデブ助も連れてね・・・・
 そいつの射程は『50m』しかない。
 離れすぎると、病院行く前に終わっちまうから気をつけな」

>>269(井上)
杜撰すぎる一行の計画に呆れる井上。
ルンクス討伐の成功は、自分の存在あってこそだとアピールしておく。

浜岡:
「『フランキー・アヴァロン』──
 その『肉』の射程は『50m』までさ。
 あんたは特に気をつけな。
 下半身とおさらばしたいんじゃないならね」

浜岡が改めて説明する。
いずれにせよ、ルンクスが倒れた以上、
ここに長居する理由は寸毫もない。
ルンクスの止めを引き受けるという浜岡の申し出は、
井上にとっても願ったりかなったりだ──



「・・・・・・・・・・・・・・」


「・・・・・・・・何の『茶番』だこりゃ? ババァ」


身じろぎもせず言い放ったのは、床に座り込んだ『ナツメグ』だ。

「てめぇが『嫁』にされるタイミングはなかったはずだよな?
 それにてめぇもだ、菊川・・・・」

「ルンクスが『落下死』した・・・・?
 そんな都合のいい話を信じると思ってるのか?」

「【殺し屋】が仕事を終えるのは、
 骸になった標的を、自分の目で確認した時だけだ。
 そんなことも知らねぇてめぇらじゃないだろうが・・・・?」

271井上正『ハッピー・オルガン(?)』:2018/01/19(金) 20:25:12
>>270
「俺らのどうにもできないレベルで仲間割れすんのやめろよ…ともかく行くなら行くでもう腹くくってるからな俺は、ナツメグから離れられんし、なぁナツメグ、あんたのスタンドなら安全に降りられるんだろ? ホラ肉とか使ってさ。
あと灯りが欲しい、誰か調達してくんない? スマホのライトでもいいけど俺は持ってない」

どっちみち行かなきゃいけない気はしていた、さっさと行こうと意思表示しておく。

「あとさぁ…替えのパンツとかないかな?」

自身の下半身のことは考えたくもないが、流石にこれ以上この格好でシリアスは演じられない。

272エイノー『フィストフル・オブ・クォーターズ』:2018/01/19(金) 21:48:22
>>770
「そう疑う事はないよ、ナツメグ氏。どのみちルンクスの
 死体と焼却には全員で降りるのだから。効率は悪いが
 今更分散するのもよくない、まず菊川氏に『下に向かう
 階段を探してもらおう。それからガソリンとロープと丈夫な
 布を皆で探しに行こう。私も『手持ち』がしばらくは打ち止めだ、
 外の『自動車』の『機能』を少し調達したい」

浜岡の申し出は有難いが何せルンクスだ、死んだふりを
信じさせるために今回ウィルを諦めるくらいはするだろう。
そして生きていれば多分もう振り出しにも戻れない、
次はスヴァルトが呆れて協力しないだろう。
ここは『確実』を期するに越した事はない。

>>771
「それとこれが最初でいいし『見るな』といえばこちらも
 できればそうしたいのでさっきウィル君が食料を探した
 生活棟に水も石鹸も『着替え』も、上手くすれば浴室も
 あるだろう、洗って着替えると良いよ。お互いナツメグ氏
 からあまり離れられない身だ、壁一枚くらいしか離れられない
 のは諦めてくれ」

恩人に思う事ではないが今の井上と『密着』というのは
それなりつらい、あと救急箱と裁縫箱でもあれば
万一の用心になる。

273ウィル『ヴェノム&ファイア』:2018/01/20(土) 22:40:26
>>270

「─────地下墓地だって?」

しかも公式に置かれているものではない。何者かの意図で隠匿されたもの。
菊川の予想した用途の可能性もあるが、あるいは違う可能性もある。
果たしてこれが警戒し過ぎだと言えるだろうか?

「・・・・・ミスター・スヴァルトの言葉を信じるなら 脱出を急ぐ必要はない」
「死体をどうにかするまでは チームを分けなくても良いのではないかな」

「ミスター・キクカワ」「『ルンクス』の死体までの距離はどの程度だい?」

菊川の能力を疑うわけではないが、何らかの手段を用いて死を偽装している可能性もある。
『アレルギー探知』で更にチェックをしておきたい。射程距離内ならば良いが。

「ミス・ハマオカ」「近くに発電機・・・あるいは車などのガソリンを使うものはあったかな?」

274高遠 嶺『クレモンティーヌ』:2018/01/21(日) 01:53:03
>>270
「……  ……  。」

菊川さんの声、沈黙。
そしてナツメグと浜岡さんの会話。

 ぶるっ

一つの『結論』が頭を貫く。
間違いであってほしいという願望と、恐らくそうだという諦観を伴いながら。

まぁもしその通りのサイアクな状況だとしても、逝くしかない。是非はないのだ

「……降り方はどうすればいいかしら。」

菊川へ、問う。

275『ヴァージンロード・クルセイダーズ』:2018/02/01(木) 01:25:20
>>271(井上)

『ナツメグ』:
「ああ、降りるだけなら余裕だ。『だけ』ならな。
 でもって、それはルンクスも同じだ。
 究極に近い、あのクラスの『近距離パワー型』が簡単に死ぬかよ。
 例え噴火口に突き落としたって、油断なんて出来ねぇ」

『ナツメグ』の言い分を聞きながら、
井上は周囲に着替えを所望する。
この場に下着売り場はなさそうだが、
外に調達に出たウィルならば、在り処を知っていそうだ。
エイノーも外に出たがっており、応じてくれた。

>>272(エイノー)
『ナツメグ』:
「全員で確認に行く・・・・
 それをさせない為の『方便』じゃあねぇか言ってんのさ。
 菊本とババァ、二人が揃って示し合わせてな」

「・・・・ま、オレの推理が外れなら、
 全員仲良く死体を確認に行けば済む話だ。
 てめぇの想定と違って、全員まだ『やる気』みてーだからよ、
 ババァ」

エイノー自身は新たな『装備』と、井上の着替えの調達を希望する。
敷地内で自動車は見当たらなかったが、
これだけの観光地に駐車場がないとも考えにくい。
探せば必ず見つかるはずだ。


>>273(ウィル)
ウィルは菊本の報告をもとに、自論を述べる。

改めて菊川にルンクスの状態を問うが、なぜか返答はない。
仮面の下の表情は不明だが、
『ナツメグ』の詰問を受けてから、微動だにしない。
それは浜岡も同じだ・・・・
普段の泰然自若ぶりに、明らかな陰りが感じ取れる。

「車は探せばあるさね・・・・
 だけどさウィル・・・・本気で『続ける』気かい?
 おまえさんが律儀なのは百も承知だよ。
 だけど、もう『嫁化』は解除された。
 ルンクスを追う理由は、おまえさんにはもうないんだ。
 『手負いの虎』を追って、虎穴に飛び込むなんて、
 誰かを待たせてる人間が、そんなことをするもんじゃない・・・・
 あたしはそう思っちまうんだよ。違うかい?」

>>274(高遠)
悪い予感というのはよく当たる──
そして、その予感が間違いないという『確信』もまた。

脳裏を過った一つの結論に身震いしながら、
高遠は菊本に問う・・・・返答は彼らしからぬ、たどたどしいものだ。

「──・・・・懺悔室・・・・
 ──床に隠し扉と長い階段が・・・・
 ──いや・・・・でも・・・・」


『ナツメグ』:
「・・・・おい、菊川。
 おまえはオレらの『目』だ。
 おまえが地下に何を見たか知らねぇが、
 嘘の情報流す『目』なんざいらねぇんだよ」

「いいか・・・・一度しか言わねぇぞ、てめぇ。
 この場でぶっ殺されたくなけりゃあ、
 てめーが見たままの状況を、ありのままに説明しろ」

「どうせルンクスは生きてるんだろうが、
 ババァと口裏合わせてまで全員を止めようとする、
 その『虎穴』とやらの状況だよ」


菊本:
「──わかった・・・・よ」

嘆息の後、ヨーダの青年は顔をあげ、そして語り始める。

276『ヴァージンロード・クルセイダーズ』:2018/02/01(木) 01:26:32
>ALL

菊本:
「──地下の設備については、嘘は言ってない」

「──懺悔室の床に隠し扉があって、
 そこから階段で地下墓地まで降りられるのも本当だ」

「──ただ・・・・その穴の底に、ルンクスはいない」

「──生きている。
 ──すでに移動を開始し、地下墓地を彷徨っている。
 ──すでに一人じゃない・・・・『スイートバイト』が一緒だ。

 ──彼らが最初にしたことは・・・・」

浜岡:
「水道管か何かを壊して、周囲を水浸しにする・・・・だろ?」

菊本:
「──大当たり」

浜岡:
「だろうねえ。あたしだってそうするよ」

「『鏡面』なら何処でも出現する凄腕の【殺し屋】の相手を、
 天然の『ミラーハウス』でやるってのがまず自殺行為さ。
 加えてこっちの戦力は、半数が『肉詰め』で凌いでる状態だよ。
 致命的な『急所』を引き摺ったまま、
 ルンクスの前まで行ける可能性は、限りなく低い。十分な対策が必要だ」

「片足を失ったルンクスが追い詰められてるのは間違いない。
 地面を掘って地上に上がるのは、幾ら近距離型でも骨折りだ。
 穴を登るのも同じさ。そこをあたしらに見つかれば、まずおしまいだ」

「だが、あのルンクスは『供与者』に近いスタンド使いだ。
 時間を与えれば、どんな新戦力を増やすかわからない。
 確実に仕留めるなら急ぐしかないが、急げば暗殺の格好の的。
 こうしてあたしらが悩むところまで、あいつの計算の内かもねえ」

「この穴の底で始まるのは、手傷を負った敵の楽な『後始末』じゃあない。
 逆襲を誓う手負いの獣の巣穴に頭を突っ込む、危険すぎる『賭け』だ。
 深追いは禁物だと言うけど、この穴の奥はまさにそれさ」

「・・・・はっきり言った方がいいかい?」

「全員でこの穴を降りる選択をすれば、
 高い確率で全滅、良くても何人かの犠牲が出るはずさ。
 あたしは【護り屋】として、あんたたちの誰も死なせたくない」

「だから、菊本に嘘をつかせたのさ。
 行くのはあたし一人で十分だ。
 仮に失敗したとしても、怪我が癒えたあんた達なら、
 いつか必ず、ルンクスを止められるだろう。
 それは未来に繋がる。今、無茶をする必要はないのさ」

『ナツメグ』:
「・・・・・・・・・・・・・・・・・・」


浜岡:
「みんな。あたしに、最後の確認をさせてくれるかい。
 『つきあい』で命を賭けるなんて馬鹿々々しい話だろ?

 まず、あたしが手を挙げる。
 どうしても今、ルンクスを倒しておきたい・・・・
 そう思う者だけ、一緒に手をあげとくれ。

 『肉詰め』の射程については考えなくていいよ。
 あたしに考えがある。
 もちろん恨みっこもなしだ。
 嫌々戦ったところで、戦力になんてなりゃしない。
 そうだろう? ねぇ、『ナツメグ』」

「・・・・・・・・チッ」

やりこまれた『ナツメグ』が、苦虫をほおばった。


浜岡:
「自分の運命、決められるのは自身だけさ。
 さあ・・・・今、どうするか決めるんだ」


一同を見回した後、厳かに宣言する浜岡。
その手がゆっくりと、率先して真上に挙がる──



  ゴ ゴ ゴ ゴ

                 ゴ ゴ    ゴ ゴ ゴ

277エイノー『フィストフル・オブ・クォーターズ』:2018/02/01(木) 04:16:53
>>275-276
肩をすくめて息一つつく。

「いや実に『燃やそう』というのも穴から大量のガソリンを
 投下して火種を落とそうという話でね。現状私は
『全員離れない事』が生存への道だと思っているよ。
 井上氏と菊川氏、それに私はナツメグ氏から離れれば
 死ぬか行動不能、高遠君も十全とはいえないだろう。
 そういうわけでむしろ残れるのはウィル君と浜岡婦人だったが
 実のところ片足でもルンクスと、私は知らないが浜岡婦人と
 同じスタンドを使う『花嫁』相手に万一奇襲されたら
 正直難しいと思う。 手早く(せいぜい1〜2レス)洗って、着て、
 準備を整えてルンクスを追い斃す、私はそれが最善と考える。
 浜岡婦人の肉詰めのフォローを信じない訳ではないが
 私は行く。機内でも言ったがああいう男とは相容れない。
 あと先ほどの状況限りかもしれなかったが『F・O・Q』は確実に
 始末したいとルンクス氏は言っていた、『厄ネタ』になりに
 行かない理由はないだろう?」

ルンクス追撃志願に挙手する。

278エイノー『フィストフル・オブ・クォーターズ』:2018/02/01(木) 04:23:39
>.277追加
『猶予』がない為『自動車』を諦め先のウィルの
食料調達先で何かの『機械』を探そうと思う。
ウィルに聞けばおおまかに何があったかわかるだろう。
この際贅沢は言わない、『工具箱』や『竈』でも何か
役立つ『機能』はあるだろう。

279井上正『ハッピー・オルガン(?)』:2018/02/03(土) 12:11:26
>>276
「うるせえぞ、俺はもう決めてるんだ。
俺は『生まれ変わる』これは俺の人生の最後の選択だ。くだらない過去はついさっき糞まみれのパンツと一緒に脱ぎ捨てた。
俺は井上正だ、これが人生を選択する俺なんだッ!」

気合十分に挙手する、が、それは最悪の選択も覚悟しなければならないということだ。
死ではない、それよりもっと恐ろしいこと。
『ハッピー・オルガン』の発現だ。どうだ? 出るのか? 今初めてスタンドの発現を試みる。

パンツの調達なんかは省略して構わない。
できたかできなかったかだけ結果を知りたい。

280ウィル『ヴェノム&ファイア』:2018/02/05(月) 21:44:18
>>275-276

「・・・・・・・・・・・・・・・」

状況を整理する。やはり『ルンクス』は生きている。
それも、より危険な罠を用意して、だ。
確かにルンクス自体は手傷を負い、当初よりも弱体化はしているだろう。
だがこちらも負傷した人物は数多く、『ナツメグ』が倒れれば半数は命を落としかねない。
そしてなによりも、この地下はあの『スイート・バイト』の独壇場だ。
エルガマルの言葉は常に心に刻んであるが、冷静に考えてあちらに踏み込むのは極めて危険だろう。

「──────────」

地に倒れ、拘束されている元『花嫁』を見る。
彼女は幸せだったのかもしれない。例え強制的な洗脳だろうと、そこに幸福があった事は間違いない。
そういう『能力』だからだ。
だが、彼女はルンクスと出会う前に、想いを秘めた相手がいたのではないか?
あるいは、既に誰かと恋仲になっていたかもしれない。そんな心を、我欲のために無理矢理塗り潰す事は正しいか?
いずれルンクスは倒すとしても、それまであの男の好きにさせれば、またこのような事態が何度でも起きるだろう。
それならば。

「許すわけにはいかない」

頷き、挙手をする。

「それとミス・ハマオカ」「帰りを待つ人の話だけれど・・・ぼくが貴女の帰りを待っていないとでも?」

彼女一人に戦わせるなどもっての他だ。心配されているのは、自分だけではない。

「ミスター・ニョルズ」「何か必要なものがあれば共に取りに行こうか?」

281井上正『ハッピー・オルガン(?)』:2018/02/06(火) 04:49:20
>>276
「盛り上がってるとこ悪いんだけどさぁ、『流水』って『鏡面』扱いになるのか?流石にないと思うんだけどな、水道管を破壊したなら水は止められない、つまり溜まらない。ビチャビチャ溢れる水は鏡にはならねえよ。
それともう一つ、『光』が無けりゃ鏡はただのガラス板だろ、これ全員覚えといてくれよな、地下墓地だとしたら自然光はない、ただ人の入る所だ、必ず灯りはある、まぁ電気だよな、ブレーカー落とすのも考えたがそうすると俺らも難儀する、いざと言うときは混戦覚悟で灯りを潰すのも考えといていいんじゃないか?
というわけでだな、あんまりビビるなよ」

「何もかも俺の予想と期待が合致したんなら、多分俺一人…まぁ一人か、うん、一人でも片付けられると思う、あんまり現実味ないから言わないけどな」

282高遠 嶺『クレモンティーヌ』:2018/02/06(火) 10:22:09
>>276
「……むう」

生きている上『深淵』までいる。居てほしくなかった奴が戻ってきてしまった。
あと、ルンクスが足を壊してるってことは、その水は奴の血が混じってる可能性がある。
触れれば恐らく悪影響を与えるだろう。

思わず顔を覆う……つもりで上げた右手が空を切り我にかえる。

奴はこちらに目をつけていたことと、これから往くつもりの者がいることを考える。
……やはり放っておくわけには行かないのだ。

「やるわ」

右腕をあげ応える。

そういえば、手首から先はさっきの戦場の何処かにあるだろうか。
余裕があれば『ジ・ユーズド』の手を借りて探したい。なければ無理はしない

283『ヴァージンロード・クルセイダーズ』:2018/02/10(土) 20:27:18
>ALL

「・・・・おやおや、全員かい。
 一人くらい賢い人間がいると思ったがねえ」

嘆息する浜岡の表情は、
言葉とは裏腹に、涼やかな風を受けたようだった。

「適当言ってんじゃねぇぞ、ババァ。
 誰も降りそうにないから、ハッタリかましたんだろーが。
 オレが突っ込まなけりゃ、こいつら全員帰りの船の上だ。
 間抜けのお守りが続くと思うと、うんざりするぜぇ」

魚肉ソーセージにかぶりつきながら毒づく
『ナツメグ』の口端にも、笑みが浮かんで見える。

「──状況は最悪だけど、それは『お互いさま』だね。
 それに、こっち側に有利な点もある。
 ──ぼくが生き残ってるってことさ」

ヨーダマスクの顎を撫ぜる
菊川の台詞は、まんざら冗談でもない響きだ。


「まったく、しょうがないね。
 あたしは【護り屋】だ。
 全員『護る』のが役割だけどさ・・・・
 護りきれなくても、恨みっこはなしだよ?」


呼応する三人、微笑する四人。
ルンクス打倒の最終戦へと、七名が駒を進めることを決める──!



>>277-278(エイノー)

菊川:
「──地下墓地は公園ほどもあるし、穴の真下に敵はいない。
 公園全体を焼き払う量のガソリンは調達が難しいと思うよ」

「──そうか。地下の見取り図が必要だよね。
 君たちが調達してる間に書いておくよ」

立ち上がるエイノーに対し、ウィルが同行を申し出る。

>>279>>281(井上)
浜岡:
「動いてる水なら、鏡にはならないはずさ。
 さっきまではそこのファットマンが、『肉』で教会を揺らして
 『鏡』を封じてた」

『ナツメグ』:
「同じ手は期待すんじゃねーぞ。
 教会よりでかい『地下』なんざ、流石に無理だ。
 おまえらに『肉』を余計に回してるしな」

菊川:
「──君の想像通りだよ。
 地下墓地の灯りは人工のものだけだ。
 ただ、ブレーカーを落とすのは難しいかもね。
 ──やっぱり、地図を描いて説明した方がいいねこれ」



そして──
最終戦への参加を決めた井上は、
同時にもっとも恐ろしい『敵』と対峙することを決めた。

脳裏に焼き付いた、あの巨大なヴィジョン。
自分を支配し、玩具にする『悪魔』の姿を呼び起こし──念じる。
それは、井上にとって初めての感覚だったが・・・・




             ズ  ギュン  ! !



   ド ド ド 
             ド ド ド   ド ド ド ド 


次の瞬間、眼前に『ハッピー・オルガン』が発現する。
女性の姿ではない。『悪魔』と恐れられた以前の状態だ。
腕を組んだ仁王立ちのまま、邪悪な笑みを浮かべる・・・・

だが・・・・その一方で井上自身は、
以前とは異なる感覚を、己の中に感じ取る・・・・!

284『ヴァージンロード・クルセイダーズ』:2018/02/10(土) 20:27:36
>>280(ウィル)
ウィルを決断させたのは、
ルンクスに対する恨みや怒りではなく、
未来の女性への被害を考慮した『正義』だった。

浜岡:
「・・・・ふふっ、ありがとうよ、ウィル。
 顔や姿だけじゃなく、あんたは本物の『紳士』さね。
 女なら誰だって、あんたをほっとかないだろう。
 もっとも、ルンクスみたいな奴は御免だろうがね・・・・ふふっ」

立ち上がったエイノーに呼応し、
自分も調達に向かうと伝える。
居住区域ならば一度立ち入った自分が、一番把握しているはずだ。


>>282(高遠)

──ただ、一言。
短く宣言し、参加を決めた。


右手首から先は、砲弾の直撃を受け、爆散している。
焼け焦げ、四散した欠片を集めても、再生は難しいだろう。

285エイノー『フィストフル・オブ・クォーターズ』:2018/02/11(日) 02:56:19
>>283-284
「ではウィル君、ご足労だが付き合って欲しい。
『大工箱』「工具箱」『包丁』、あと人間用の『機械類』全般、
 種類は問わないので探して欲しい。無駄手間になるかも
 しれないので申し訳ないがその中から使えそうなものを
 私が選ぶ。あと『機能』に関係なく懐中電灯は使えるので
 それもよろしく」

ウィルと『道具』探しに食料の合った部屋に向かう。
ついでに行動を阻害しない着替えや長靴もあれば
欲しいがこれはなければないで構わないくらいのつもりで。

286ウィル『ヴェノム&ファイア』:2018/02/13(火) 21:54:01
>>281

「ブレーカー・・・なるほど」「その案は素晴らしいね ミスター・イノウエ」
「落とせる手段はできれば見つけておきたいな」

井上の案に賛同する。

>>284-285

「それは何とも買いかぶりだよ ミス・ハマオカ」
「もっともどちらにせよ・・・ぼくが愛を捧げる相手は既に決まっているからね」

エイノーの言葉に頷き、必要なら肩を貸して立ち上がらせる。

「You got it(承りました)」

手早く戻り、エイノーに言われた物品と、その『包丁』を集める際に
自身も『ペティナイフ』を懐に忍ばせる。それと、世界中にありふれた飲み物の、『コーラ』のペットボトルも。
水を汚せば、『鏡』とはなり得ない。予想される水量に対しあまりに心許ないが、ないよりはマシだ。

287井上正『ハッピー・オルガン(?)』:2018/02/15(木) 06:12:20
>>283
「…」
【…】
目的の達成のため、精神と肉体は今までにない完璧な調和をもたらしている。あらゆる手段も方法も関係ない。
自身のプライドすら問題にならない。
言葉はない、必要ない。でも一応言っておこう。

「【あのカマ野郎のチンコ切り取って、自分のケツにブチ込んでやる】」

言うが早いか『ハピオル』は穴に飛び込む。
落下中腕を突っ張り、制止する、足りなきゃ足も使う、スタンドに質量はないため、チョイと指をかけるだけでも止まるはずだ。
落ちる瓦礫も少ないはずだ、自然に落ちてきたものと区別はつくまい。止まったあとはゆっくりと下降する。

目的は『偵察』そして『挟撃』のための待機だ。そう、これは『作戦行動』だ。
『寝具』による拘束は脅威だが、あれはおそらく認識発動、光源の乏しい穴をずっと見上げてるなんてのはとてもやらないだろう。

井上は椅子にされなかったことをとりあえず安堵し、違和感の正体を探る。

>>ALL
「ハピオルは穴の中で待機してる、あっちの情報が俺に伝わるかはわからないけど、挟み撃ちには最適なポジションだと思う、覚えておいてくれ」

288高遠 嶺『クレモンティーヌ』:2018/02/17(土) 21:05:41
>>283
あわよくば程度の観測ではあったがやはりだめそうだ。

(失ったものより今有るものに目を向けよ、エンパワーメントエンパワーメント)

菊川本人に「生き残っていることが有利な点」
といわせただけ、踏ん張った甲斐はあった。
重傷多数とはいえ、ほとんど欠けていない状態でここまで来られたことも。

明るいことを考えないと人間やってられないからね。ちょっと希望的にとらえてみる。

「さて、図示というとあれだけど、詳しい間取りを教えて頂戴」

さしあたって得られる情報は得ていきたい。それに対してナツメグ・浜岡両名がどういう見解なのかも。

289『ヴァージンロード・クルセイダーズ』:2018/02/25(日) 15:57:20
>>285(エイノー)

エイノーとウィルは連れ立ち、住居棟へと向かう。

ウィルの手引きもあり、
台所への潜入は問題なく完了した。

まず包丁──これはすぐに見つかった。
多少時間がかかったが、
『工具箱』も物置の奥から入手することが出来た。
電動工具こそ入っていないが、一通りの工具が揃っている。
ずっしりと重い、金属製の頑丈な造りだ。

大工箱は、台所にも物置にも見当たらない。

着替えはすぐに見つかった。
多少サイズに違和感があるが、着れなくはないものを見繕える。
神父服のスペアも見つかった。
長靴は・・・・ここには見当たらない。

>>286(ウィル)

エイノーとウィルは連れ立ち、住居棟へと向かう。

エイノーを案内し、まずは台所へ。
状況に変化はなく、人の気配はしない。

ペティナイフを見つけ、懐に忍ばせた。
コーラも発見。
小型のペットボトルを一本、持ち出すことにした。

>>287(井上)
井上と『ハッピー・オルガン』。
隷従と支配の関係にあった両者の意思は、
図らずもこの時、完全な同調を見せた。


           ── バッ !

閃くような身のこなしで、
『ハピオル』は床に開いた穴に飛び込み、
地の底へと向かう。
スタンドに重量は存在せず、『落下死』もあり得ない。
壁に手をつけ、落下速度を制御しながら、
真っ暗な穴の中を降下していく──



         ザ ウッ!


長い滞空を経て、ついに足裏が地の底を捉えた。
土ではない。湿ったコンクリートの触感。
周囲は依然として、伸ばした手の先も見えない闇だが、
西方向に、かすかな『星』が浮かんでいる。
ちっぽけだが複数の、『星』のような光の粒が。


一方の井上は、依然と異なる感覚について考えるが、
現時点では茫洋として、はっきりとはわからない。
今回は望む方向に動いてくれたが、
『ハッピー・オルガン』が自身の意思で動かせるように
なったわけでもない・・・・『暴君』の性質に変化もない。

ただ・・・・奇妙な『確信』がある。
いざという時。
自分は必ず『ハッピー・オルガン』を『止められる』と。

290『ヴァージンロード・クルセイダーズ』:2018/02/25(日) 15:57:48
>>288(高遠)
菊川:
「──下手かもしれないけど、大体こんな感じ」

菊川は尖った瓦礫を拾いあげると、
床にざっくりと地図を描いていく。
高遠と井上、それに浜岡、『ナツメグ』がそれを覗き込む。



『アルメニアン教会 地下墓地』 ↑北


      ■■■            ■■■
      ■通■            ■通■
?■■■■秘■■■■■■■■■■秘■■■■■■■■
?□□□□□□□□□□□□□□□□□□□□秘□通■
?□□□□墓□□墓□□墓□□墓□□□□□□■■■■
?□□□□□□□□□□□□□□□□□□□□■
?□□□□□□□□□□□□□□□□□□□□■
?□□□□墓□□墓□□墓□□□□□□□□□■■■■
?□□□□□□□□□□□□□□□□□□□□秘□通■
?□□□□□□□□□□□□□□□□□□□□■■■■
?□□□□墓□□墓□□墓□□□□□□□□□■
?□□□□□□□□□□□□□□□小屋□□□■■■■
?□□□□□□□□□□□□□□□小屋□□□秘□階■
?■■■■秘■■■■■■■■■■■■秘■■■■■■
      ■□■               ■通■
      ■□■■              ■■■
      ■□.エ■
      ■■■■

通:通風孔 階:階段 エ:エレベーター
秘:隠し扉

菊川:
「──先に言っておくけど、この『地下墓地』の全貌は、
 ぼくの能力だと見通せない」

「──ここは人口の施設だけど、元々あった鍾乳洞を利用してる。
 東側は整備が進んだ『人工物』だけど、西側は手つかずの自然なんだ。
 こっち側が?なのは、そういうこと。
 ──水音は聞こえるので、滝か何かがあるんだと思う」

「──といっても、こっちに逃げ道はないと思う。
 ルンクスは墓場に留まっているし、ここは地下鉄より深い
 地下の底の底だし」

「──問題は、階段の他に、エレベーターがあること。
 これが何処に繋がっているかは、ぼくにもわからない。
 ──ぼくらにとってラッキーなことに、
 通風孔や階段、エレベーターは、景観を損なわないよう、
 どの入り口も自然物に偽装されてる。
 そのおかげでルンクスには見つかってないけど、いつそうなるか限らない」

「──南側には、小さな小屋がある。
 中がどうなっているかはぼくにもわからない。
 箱の中の箱の中身まで『ジ・ユーズド』は干渉できないんだ。
 ──小屋の外見は古びた民家風で、休憩所やトイレじゃないかと
 思うけど・・・・現場で確認しないと不明のまま」

「──地下墓地全体は、土の地面で覆われているけど、
 石畳が墓所の間に巡らされていて、そこに水が撒かれてる。
 ──水の出どころは壁に巡らされた水道管。
 その一部を破って、水をまき散らしてる」

「──照明は、天井に設置されたLED灯。
 ──壁の中の配線は無数にあって、全部を消すのは骨だね。
 ブレーカーは、ぼくにわかる範囲では存在しない。
 ──もしかすると、小屋の中かもしれない」

291エイノー『フィストフル・オブ・クォーターズ』:2018/02/26(月) 06:29:42
考えた結果『包丁』『錐』『ペンチ』『鉄やすり』を選び
使わなかった服にくるんで腰に括りつける。
一応分けて4つの包みを作る事にする。
着るのは『神父服』にした。
『長靴』は諦める、どのみち『念のため』以上の必要性は
なかった(一応靴はまだそれほど破損していないだろう)。

「お待たせした、協力有難うウィル君。戻ろうか」

292井上正『ハッピー・オルガン(?)』:2018/02/26(月) 15:36:44
>>289
【…】

ヒュッ

その場で跳躍、穴の中に戻り、両腕を突っ張ってその場に留まる。光の粒は何らかの射撃と判断した。あくまで慎重に、冷静にファックしてやる。


井上は持てるだけの食糧を持って準備完了だ。液体や流動食が好ましい。

「早く行こうぜ、一度受けた攻撃を二度食らうヤツじゃあないと思うが、信用はできない」

他の者の準備が終わり次第出発する。

293ウィル『ヴェノム&ファイア』:2018/03/01(木) 23:15:52
>>289>>291

「心許ないけれど・・・それでもないよりはマシだね」

>「お待たせした、協力有難うウィル君。戻ろうか」


「Roger.(了解)」

懐の得物の感触を確かめながら、左手にペットボトルを持ちエイノーと合流する。
自分が刃物を持った所で『エンジェルズ・ラダー』や『スイート・バイト』と
殴り合えるわけではないが、この使い道は相手を傷付けるだけではあるまい。

「・・・・・しかし Mr.ニョルズ」
「勇猛果敢な闘いぶりを見せ 先程の追撃戦へ真っ先に名乗りを上げた貴方に訊ねたいのですが」
「・・・・・貴方は死を恐れないのですか?」

仲間の元へ歩きつつ、隣の大学講師にふと訊いてみる。

294高遠 嶺『クレモンティーヌ』:2018/03/02(金) 19:11:52
>>290
天井にしかついていない以上、何か水分を含んだモノでLED灯を割る、という話になるが
明かりを消すならスイッチを止めるか
コンセントとかを利用してショートさせ無理やり落とす、あたりか。


小屋の中身とエレベータの行き先、奥地が見通せないのは未確定要素だが他がはっきりしただけマシだ。

「先程のように、鏡やらには警戒しつつ援護をお願い」

こちらが動くために必要な情報としては足元の状況、
更に『ジ・ユーズド』で操作できるモノがあるかどうか、ルンクスの位置などはどうなっているだろうか、
確認しつつ、仲間を待つ。

295『ヴァージンロード・クルセイダーズ』:2018/03/15(木) 00:53:06
>>291>>293(エイノー、ウィル)
『包丁』『錐』『ペンチ』『鉄やすり』を選び、
それぞれ余剰の衣服に包んで、腰に括った。

神父服は袖丈はやや短いが、
裾の寸法はエイノーにぴったりのサイズだ。

準備を終えたエイノーとともに、
ウィルは住居棟を後にした。
チャペルに戻る道中、ふと胸に浮かんだ疑問を口にしてみる。

と、二人は住居棟の陰に、簡素な小屋を発見した。
木製の簡素な建物で、ガレージか物置のようだ・・・・

>>292(井上)
謎の『星光』を訝り、素早く頭上へと跳躍する『ハッピー・オルガン』。
穴の途中に留まり、攻撃の気配を待つが、
それらしき物音は届かない──杞憂だったようだ。

       ……ピチャン ……ピチャン

どこかからかすかに響く滴の音。
そして穴の壁越しに感じられる、かすかな振動。
穴も壁も明らかに人工物だが、
ここが海に囲まれた島の地下深くであり、
岩盤一つ隔てた先に深海が広がる事実を如実に想起させる。

一方、井上は持てる限りの食料を袋詰めにし、携帯した。
『ナツメグ』も同様の準備を行ったので独り占めにはできないが、
当座の食料としては十分な量だと思われる。

二人はまだ戻らないが、出発の準備は万端だ。

>>294(高遠)

「──それは、任せてよ」

ヨーダマスクの鼻の下を擦りながら、菊川が請け負う。
高遠の疑問に対して、菊川から得られrた情報は次の通りだ。

・墓地の地面は土砂で覆われているが、
 墓の周囲は石畳で舗装された通路になっている。
 また、一部芝生の植えられた個所もある。
 地盤の強度的な問題は、おそらくない。
・ルンクスの現在位置は、マップ参照。
 ルンクスは先刻までスマホを確認していたが、今は墓所の調査にかかっている。
・『スイート・バイト』の現在位置は『不明』。

『アルメニアン教会 地下墓地』 ↑北


      ■■■            ■■■
      ■通■            ■通■
?■■■■秘■■■■■■■■■■秘■■■■■■■■
?□□□□□□□□□□□□□□□□□□□□秘□通■
?□□□□墓□□墓□□墓□□墓□□□□□□■■■■
?□□□□□□□□□□□□□□□□□□□□■
?□□□□□□□□□□□□□□□□□□□□■
?□□□□墓□□墓ル□墓□□□□□□□□□■■■■
?□□□□□□□□□□□□□□□□□□□□秘□通■
?□□□□□□□□□□□□□□□□□□□□■■■■
?□□□□墓□□墓□□墓□□□□□□□□□■
?□□□□□□□□□□□□□□□小屋□□□■■■■
?□□□□□□□□□□□□□□□小屋□□□秘□階■
?■■■■秘■■■■■■■■■■■■秘■■■■■■
      ■□■               ■通■
      ■□■■              ■■■
      ■□.エ■
      ■■■■

通:通風孔 階:階段 エ:エレベーター
秘:隠し扉 ル:ルンクス

296エイノー『フィストフル・オブ・クォーターズ』:2018/03/15(木) 21:39:12
>>293
「それは死にたくはないとも。ただ状況と序列があって
 さっきは私が前線にいるのが私を含めて生還の確率が
 一番高かっただけだよ。アウレア君のために生き
 アウレア君のために魂をかける、ウィル君のそういう
 気持ちと少ししか違いはないさ。だから生きて彼女の
 元に返ってくれ。君の生還が我々の勝利だ」

微笑んで答える。

>>295
小屋を見つけた。
だが分散しているこの状況で焦れない。

「ウィル君、一度戻って皆、特に菊川氏に伝えよう。
 我々だけで探索して戻るのが遅れるのはまずい」

ウィルに撤退を提案し賛成されたら他のメンバーと合流する。
様子見を提案されたらスマートフォンを取り出し画面ライトと
ズームを使えるようにしてウィルに後衛を任せ近づく。

297高遠 嶺『クレモンティーヌ』:2018/03/20(火) 14:33:13
>>295
「ルンクスが死ぬまで泣くんじゃないわよ
 ……譬え私がそうなろうともね」

電話のレンズ機能を使った鏡アプリは……
有効なら水浸しにする必要はなさそうだし除外して良い。

「墓所の中の小屋といえば整備用品とかありそうだけれど
 自由な出入りができる状況でいたほうが潰しがきくであろうし
 『スイート・バイト』がいる線は低いかしら…」

独白がてら井上にも問うてみる。

298ウィル『ヴェノム&ファイア』:2018/03/22(木) 00:32:49
>>295-296

「・・・・・それは少なくともぼくの『勝利』ではありません ミスター・ニョルズ」
「ぼくの目指していた『勝利』は誰一人欠けることなくルンクスを倒すこと・・・でした」

もはやそれは叶わなくなったが。しかし『勝利』が望めなくなったとしても、諦めるわけにはいかない。
残された中で、こちらにとって最善の結果を出すのが戦士というものだ、そう聞いた。

「だからこそ これ以上『敗北』に近付くわけにはいきません」「ミスター・ニョルズ」
「ぼくはあなたを日本に連れて帰ります」

微笑みながら、しかしそう誓う。
と、そこで二人して小屋を見つける。

「承知しました ミスター・ニョルズ」「しかしひとまず『探知』だけはしてみます」

スマホを取り出し、菊川へと連絡を試みる。同時にエイノーから離れながら、
自分を『人間アレルギー』に。小屋の中に人間がいないか確かめる。

299井上正『ハッピー・オルガン(?)』:2018/03/22(木) 11:28:45
>>295
【…】

スッ

降りて探索を再開する、『星光』は一体何だ? 近づいていくが、それも罠かもしれない、足元に注意して進む。
いざとなれば岩盤を砕くのもアリだが、時間はかかるな、あまり現実的ではない。

ハピオルが井上の視界を共有することは過去にやったが、逆は可能か?

>>297高遠
「何が聞きたいのかよくわかんねえけどいるんじゃないの? あ、そうだあんたは俺から離れないでいてくれないかな、ルンクス一人と戦う状況になった時、ハピオルとあんたがいればほぼ勝ち確だからさ」

300『ヴァージンロード・クルセイダーズ』:2018/03/31(土) 11:20:39
>>296>>298(エイノー、ウィル)
ウィルの問いに、微笑みを返すエイノー。
そんな仲間に、ウィルは日本への生還を誓った。

──ドギュ!

相談の末、ウィルは小屋を『探知』する。


              キィィ ン

『人間アレルギー』に対する反応──『なし』。
小屋のみならず、教会の敷地内に仲間以外の『反応』は感じ取れない。

RRR・・・・

「──菊川だよ。どうしたの?」

菊川の静かな声が、スマホを通じて届いた。

>>297>>299(高遠、井上)
井上に問うと、答えがあった。

浜岡:
「・・・・さっきは止め損ねたけど、大丈夫かい?」

浜岡の言葉も、井上に向けられたものだ。

「『怒り』に駆られて単独先行しちゃ、相手の思うツボだ。
 ま、本体のあんたにアイツを止められないのは知ってるけどさ。
 ・・・・そこら辺、何かわかることはあるかい?」

探るような眼差しの含む意味は、
ただ『ハピオル』の動向に対するものではない。
自らを害する『完全自律型』を『再起動』したこと──
そして、その判断を下した井上自身の『関係性』の変化を、
早くも感じ取っているようだ。

井上は、『ハピオル』の視界を意識したが、
それを感じ取ることまでは出来ない。

ただ、『ハピオル』のいる距離や方向が、
大雑把に感じ取れる感覚がある・・・・ただの錯覚でなければ、だが。


>>299(ハピオル)
──再度、穴の底に着地する。

横穴の表面は冷えたコンクリート製。
濡れてはいないが、湿気が強く、じっとりとしている。
闇の奥を見通すと、やはり、星のような複数の小さな灯りが在る。
よくよく見ると──光が動く様子はなく、
光の群れの高さが、ある程度揃っている。

すぐに、何かの隙間から、
かすかに光が漏れているのだと気が付いた。

『ハピオル』は慎重に、横穴を進み、
『8m』ばかり進んだところで、光の前に到達した。

・・・・想像通りだ。
通路は格子状の通風孔で塞がっている。
格子の目は荒いが、外側で何かに塞がれているのか、
漏れ出ている光は、ごく僅かしかない。
見たところ、構造や強度は単純なものだ・・・・
ルンクスがそうしただろうと同様に、
『ハピオル』なら簡単に持ち上げ、潜り抜けられそうだ。

301エイノー『フィストフル・オブ・クォーターズ』:2018/03/31(土) 11:53:26
>>300
「そうだね。何、『この場にいない』から死んでると
 決めたものでもないさ。天井から帰って来た私が
 言うんだ」

ウィルを励ましつつ少しだけさっき探し物をした
テーブルに戻り『粘着テープ』があれば一巻き
持って行く、さして邪魔にはならないはずだ。
またウィルに話しかける。

「通話しながらでいいがとにかく戻ろう。
 むこうでも策を練っているだろうしあの小屋を
 探るなら探るで全員でやろう。エレベーターか
 隠し階段なら菊川氏がわかるだろうし
『降り方』はそれから考えよう」

302井上正『ハッピー・オルガン』:2018/04/08(日) 11:11:06
>>300
「少し違う、今の『ハッピー・オルガン』にあるのは怒りでなく『殺意』だ、怒りをぶつけて発散するのは目的じゃあない、
手段を選ばず、殺すことのみが今のあいつだよ、そしてあいつはもう一人では勝てないことを理解している、工夫、機転、奇跡、偶然、そういうものを否定する、グーがチョキに勝つように、当たり前に殺したいと考えてるはずだ、なんでわかるかっていうと、基本的には思考のベースは同じだからな。
ところで出発はまだ?」

……
………
【ここから逃げたか? 仮にそうだとして、追跡はリスクが高いな】

通風口の格子なんてのはほとんど誰も触らない、サビやホコリ、動かした痕跡を調べる。
血の跡も調べたいが、なるほど水道管を破壊したのはそのためか。

303ウィル『ヴェノム&ファイア』:2018/04/08(日) 22:16:22
>>300-301

「了解しました ひとまずは皆の元へと」

二人だけでの行動は止めようというエイノーに対して、頷き同意する。まずは自身の『アレルギー』を解除。
エイノーと共にチャペルへ戻りつつ、菊川と会話する。

「ミスター・キクカワ・・・住居棟の陰に物置のような小屋を見つけた」
「『ジ・ユーズド』で中に何があるか分かるかい?」「ちなみに今ぼくたちは戻っているところだよ」

304高遠 嶺『クレモンティーヌ』:2018/04/09(月) 11:03:31
>>299>>300
「承知、よ」

菊川のためと思って飛び出した先刻も、結局は単独で戦えてはいなかった。
それでいて今生きている。コレは実力ではなく得られた助力で成り立ったこと。
『スイート・バイト』をどう戦線から遠ざけるかだが、単独行動が出来るスタンドと相手じゃない以上やることは一つだ。

確か地下へ繋がる階段は懺悔室の床だったか。
エイノー、ウィル両名の合流を待ちつつそちらへ向かう。

『ルンクス』が落ち、【ハピオル】が入り込んでいった穴は
そもそも何処につながっていたのだろうか。

305『ヴァージンロード・クルセイダーズ』:2018/04/18(水) 21:45:12
>>301(エイノー)
一旦戻り、『粘着テープ』を確保した。
ウィルを励ましながら、再びチャペルへと向かう。

>>303(ウィル)
住居棟に引き返したエイノーを見送りながら、
再度、菊川とやりとりする。

「──物置のような小屋ね」

「──残念だけど、ぼくの『ジ・ユーズド』の対象は、
 『建物』や『箱物』に限られてる。
 だから住居棟も、その物置の中身も探れない」

「──けど、推理くらいは出来るかな。
 住居棟の方向に、最後の通風孔があるはずなんだ。
 野ざらしには出来ない構造だし、その物置がビンゴかもしれないね」

そこに、エイノーが戻ってきた。
二人は互いの成果を確認しつつ、チャペルの仲間と合流する。
菊川の前には、教会の地下であろう地図が描かれている──

>>303(井上)
ほぉ、と浜岡が感心したように瞠目する。

「このデブ助がやけに肩を持つと思ってたけど、なるほどねえ。
 まるで生まれ変わっちまったみたいだよ、あんた。
 いや、いい意味で言ったのさ・・・・頼もしい限りだってね」

「もし『ハピオル』に伝えられるなら、追加しておくれよ。
 
 『引き続き、偵察よろしく。
 ただし鏡と水には絶対近づかないように』ってね」

そこに、エイノーとウィルが戻ってきた。
準備が終わり、全員が揃った。突撃の時刻だろうか?

>(『ハピオル』)

    ス
               ス ス

『ハッピー・オルガン』は用心深く通風口に近づき、観察する。
金属製の蓋部は錆びてはいないが、全体的に黒く汚れている。
──その一端に、不自然な痕跡を発見した。
ちょうど人の手が握ったような形で、汚れが拭われている。
数は二つ。大柄な男の肩幅に等しい間隔がある。
蓋部両端の稼働部分も、一部泥が落ちている個所を見つけた。

一方、血の跡は見つからない。
水たまりになるほどではないが、床を濡らす水分が、
血痕を薄めてしまったのかもしれない。

>>304(高遠)
菊川:
「──今の状況を説明するよ。
 通風孔と階段の場所は、こんな感じ」


      ■■■            ■■■
      ■通■            ■通■
?■■■■秘■■■■■■■■■■秘■■■■■■■■
?□□□□□□□□□□□□□□□□□□□□秘□通■←住居棟?
?□□□□墓□□墓□□墓□□墓□□□□□□■■■■
?□□□□□□□□□□□□□□□□□□□□■
?□□□□□□□□□□□□□□□□□□□□■
?□□□ル墓□□墓□□墓□□□□□□□□□■■■■
?□□□□□□□□□□□□□□□□□□□□秘ハ通■←落ちた穴
?□□□□□□□□□□□□□□□□□□□□■■■■
?□□□□墓□□墓□□墓□□□□□□□□□■
?□□□□□□□□□□□□□□□小屋□□□■■■■
?□□□□□□□□□□□□□□□小屋□□□秘□階■←懺悔室から
?■■■■秘■■■■■■■■■■■■秘■■■■■■
      ■□■               ■通■
      ■□■■              ■■■
      ■□.エ■
      ■■■■

通:通風孔 階:階段 エ:エレベーター
秘:隠し扉 ル:ルンクス □:3m×3m

「──『ハピオル』はその穴の奥、隠し扉の前。
 ──こっちの通風孔が、住居棟の方向の奴」


「──ルンクスが移動してるね。
 これ以上西へ行かれると、ぼくの感知範囲から外れる。
 ──つまり、人工の建造範囲から出るってこと。
 ──逃げ道は絶対にないと思うけど・・・・急ぐに越したことはないかも」

高遠の望む答えは、ほぼ与えられた。
そこに、エイノーとウィルが戻ってくる。
エイノーの手荷物を見るに、成果は十分だったようだ。

浜岡:
「さて・・・・どうしようかい?」

『ナツメグ』:
「これ以上ダラダラするなら、オレぁ先に行くぜ?」

306エイノー『フィストフル・オブ・クォーターズ』:2018/04/19(木) 16:36:27
>>305
「では行こうか。それで確認だが通風口かルンクスの作った穴から
 落ちるか階段なりを使うかどれにする?ウィル君は浜岡夫人と組めば
 飛べるだろう、井上氏とナツメグ氏ははフィジカルで、高遠君と私は
 ちょっと高遠君が空中舞踏になるのが難しいがお互いスタンドで何とか
 なるだろう。力だけは我々と互角以上でない『エンジェル・ラダー』で
 ルンクス氏が生き延びたのだ、我々も何とかならないでもないだろう」

全員に『進み方』を問う。
特に意見がなければ自分はルンクスと同じルートで落ちようと思う。
ここはルンクスの根城だ、『罠』がどこであれある可能性は高いが
この穴と落下先だけはアクシデントだ、そういう危険は少ないと考えた。

307高遠 嶺『クレモンティーヌ』:2018/04/22(日) 22:34:05
>>305
「少しだけ、悩んだんだけどね…」

出来る限り急ぎたい=穴からの侵入を、と思ったが
井上は穴から降りて大丈夫かということと、ハピオルと同じ位置に降りてもどうなのだろうという考えもある。

井上の睨んだ方針にもよるが、特に異議を持たれなければ階段からの侵入を選びたい。

308ウィル『ヴェノム&ファイア』:2018/04/24(火) 11:28:27
>>305

「─────」「ぼくは『懺悔室』の階段から行こうと思う」

流石に一人の身であれば、銃器という己のスタンドの性質上単独行動は避けるべきだが、ここには浜岡がいる。
『エンジェルズ・ラダー』のスピードもまた『ファイア』に匹敵する速度といえど、
挟撃されればやすやすとは捌けまい。人間の視界は限られている。

それに、降りた先の『小屋』の中もなるべく調べておきたいからだ。
もしそこに主電源があれば、井上の言う通り、一つの切り札となるだろう。

309井上正『ハッピー・オルガン』:2018/04/25(水) 14:15:55
>>305
「何度も死んでるしな、それじゃ行くぞ、
あいつの我慢がいつまで保つかわからん。
菊川、案内してくれ、駆け足だぞ」

移動は全員でだ、全員で接敵し、全員で叩く。


……
………
ハピオルは通風口に入る。
前進してルンクスの捜索を行う。
相手に時間的余裕を与えるのはマズい、足止めをしなければ。
この中ですばやい動きは可能か?

310『ヴァージンロード・クルセイダーズ』:2018/05/01(火) 20:14:25
>>306-309(全員)

ルンクスを追う者たちは、
各自、潜入方法について意見を出す。

エイノー:中央ルート(穴)
高遠、ウィル:地図下ルート(懺悔室)
井上:全員一緒

浜岡:
「あたしとこのおデブは、中央から行くよ。
 『フランキー・アヴァロン』の射程(50m)の問題もある。
 どっちかに偏ると、いざって時に不味いからね。
 前線にも基本は出られないから、戦いはあんたらに任せることになる。
 なんせ、こいつを狙われたら終わっちまうからねえ」

「ルンクスの位置は掴んでるんだ。
 全員一緒でも手分けしても、下に降りるまでに問題はないさね。
 ただ、降りる途中で『スイートバイト』が襲ってくる可能性は考えられる。
 単独行動だけはやめといた方がいいだろうね・・・・さて、どうする?」

全員行動を主張した井上の方を向き、浜岡が改めて問うた。


>>309(『ハピー・オルガン』)
通風口に潜入するべく、蓋部に手をかける。
さして抵抗なく蓋部は持ち上がり、
かすかな軋みとともにその扉を開けた。

       ド ド  ドドドドドドド・・・・

最初に耳に入ったのは、滝のような水音。
とはいえ、体感的には遠く、音量は開けるまで気づかない程度だ。
現在位置への影響は、まず皆無と見てよい。

次に気付いたのは、高度──
通気口の出口は、広大な空間を囲む壁の高みに設けられていた。
天井に手が届く現時点の高度は、『10m』というところか。
ほぼ二階層、吹き抜けに近しい間取りで、
壁は一面、蔦やシダ植物といった緑に覆われている。

そして眼下に広がる地面は、地上と見違うばかりの芝生帯だった。
天井に幾つも設置され人工灯が淡い光を落とし、
早朝にも似た厳かな雰囲気で、芝生に彩られた墓地を照らしている。
壁の真下から『20m』ばかり先まで芝生が続き、
その向こうに『10個』の墓塔が間隔を開け、整然と並んでいるのが見えた。
左手すぐには、小さな小屋が壁際に建てられてる。距離にして『10m』。

そして──『ハピオル』の目と耳は、すぐに水音の音源を発見する。
墓が並んだ周辺の壁が何か所か破壊され、そこから水が噴出している。
数条の放物線を描いたそれは、墓塔の先端を洗うように叩きながら、
周辺の芝生や石畳を濡らし、輝かせている・・・・今しも。

墓所の向こうには照明はなく、この位置からではよく見えない。
ただ、そちらに芝生は植えられておらず、むき出しの岩壁に囲まれているのは見て取れた。
後に拡大予定なのか、手つかずのままという様子だ──

そして人影は、どこにも見当たらない。

311ウィル『ヴェノム&ファイア』:2018/05/04(金) 23:56:51
>>310

確かに浜岡の言う通り、現時点で手傷を受けている戦力だが
ナツメグが倒れてしまったら、恐らく勝ちの目はなくなる。そして『ルンクス』もそれを理解しているだろう。
真っ先に叩きに来る可能性も高い。浜岡の判断は正しい。

「Yes,ma'am.」

だが高遠もこちらから降りてくれるのであれば、心強い。仮に道中『スイート・バイト』が現れても、二人ならばどうにかなるだろう。
後は井上の返答次第だ。
やや初動が遅くなるが、安全第一で皆同じ場所から降りることを推すのであればそれも有りだろう。
降りてから散開することもできる。

312井上正『ハッピー・オルガン』:2018/05/08(火) 11:16:21
>>310
「チッ 俺はナツメグたちと行く『肉』の射程から離れられないしな、数の優位が最大の利点なんだから、早く来いよ、相手は分断を狙ってるはずだからな。
それとハピオルがまた移動したが、戦闘は起こってない、追跡のみしてるようだ、驚きだ」

穴を下降するが…これ大丈夫か? 死なない?


……
………
【停電は意味ないな、逃走のチャンスを与えるだけだ】

地面に降りる、いきなり飛ぶわけでなく、壁に『掴まって』地面の様子を見てからだ。
ただの石壁に指を突き立てるなど造作もない。ルンクスともう一人に隠せるタイプの罠を仕掛けることはできないはずだが、知らない能力か、新しい『嫁』か、危惧すべきことは山ほどある。

313高遠 嶺『クレモンティーヌ』:2018/05/09(水) 06:59:59
>>310-312
井上が穴からいくとなれば、こちらもその方が良いと決める。

「ウィルさん、そうなるとやはり穴から全員で降りた方が良さそうです」

高遠、ウィルともにルンクスのような『自在に動かせる破壊力に優れたスタンドの使い手』ではない以上、
おりるのであれば『ウィンター・ブランケット』で抱えてもらう、などする必要はあるだろう。
しかしそれでも離れたところを狙われる危険をさらすよりはいいか
浜岡さんにその旨を打診しつつ(場合により自分も降りる手助けを受けたい)良さそうであれば行動に移りたい。

314エイノー『フィストフル・オブ・クォーターズ』:2018/05/14(月) 16:51:35
>>310
「片足のルンクスのスタンドガードが有効だったのだ、
 用意していれば何とかなるさ。隣りの階段は気になるが
 時間が惜しい、行こう。誰か掴まるなら言ってくれ、二人位
 何とかなるだろう」

中央の穴から『F・O・Q』のスタンドガードで降りる事にする。

315『ヴァージンロード・クルセイダーズ』:2018/05/21(月) 23:04:04

 ハァ ハァ
        ハァ 
             ハァ


夕刻か早朝を思わせる仄暗い明りの下を、
片足のない黒人が、不器用に進んでいく。
黒曜石の彫刻もかくやたる、鋼の筋肉を備えた漆黒の体躯。
鶏冠のようなモヒカンヘアはやや乱れ、
股ぐらから聳え立つ特大のコテカ(ペニスケース)の先端には、
男の荒い息遣いが直接触れんばかりだ。

「──Fucking。
 こんな地の底で『バッテリー切れ』トハ」

光を失ったスマートフォンの画面が、
男の恨めしそうな表情を映す。

「『ゲームアプリ』が電気を食うと聞いちゃいたガ、
 これほど早く・・・・とはな!
 『予備バッテリー』を用意しておけば・・・・Fucking(クソが)」

怒りとともに、握ったスマホを振り上げるも、
かろうじて捨てることは留まる──
今は手鏡同然のガラクタだが、この中には大量の個人情報が詰まっている。
万が一、敵対勢力の手に渡れば、面倒なことになるだろう。

「落ち着け・・・・落ち着け、ルンクス。
 まだ『敗北』じゃあない・・・・
 片足を失い、新たな『嫁』を呼ぶ手立てがなくとも、
 オレはまだ生きてる・・・・『意思』は折れない。
 そうとも・・・・『ネルソン・マンデラ』は言っていた」

「『生きるうえで最も偉大な栄光は、
  決して転ばないことにあるのではない。
  転ぶたびに起き上がり続けることにある』」

「偉大な言葉だ・・・・今のオレの為にあるような。
 この地の底にも、必ず『出会い』はある。
 墓の下のババァ以外との『出会い』が、ダ」

「必要なのは──新たな『嫁』だ。
 それは完璧な存在でなければならない。
 オレをこの窮地から救い出すばかりでなく、
 追手のクソカスどもを蹴散らし、一片残さず食らい尽くす。
 傷ついたオレを癒し、十全にフォローし、従軍する。
 そんな存在との『出会い』が・・・・必要ダ」

                       ハァ ハァ ハァ

黒い肌の男は呪詛のように呟きながら、
林立する墓石の間を抜け、灯りの照らす範囲を脱する。
男の選んだ方向が闇雲でない証拠は、
その先から届く湿り気を帯びた風と、大気を震わせる水の音にあった。

闇の先は、一面の岩肌。
穴や洞の入り口はない。都合のよい逃げ道はない。
しかし・・・・

         ド ド
                ド ド  ド ド ド ド


水煙を前に、分厚い唇が笑みを形作る。


「いいぞ・・・・ようやく『出会えた』。
 この地の『女王』・・・・今のオレにこそ相応しい相手だ」

「そう・・・・彼はこうも言っていた。
 
 『成功するために大切なのは、
  どこから始めるのかではなく、
  どれだけ高く目標を定めるかである』」


         ズギュン!
                 ズギュン!



             「かしずくがいい・・・・・・『未来の王』に」



  ド ド    ド ド
                 ド ド  
                         ド ド   ド ド

316『ヴァージンロード・クルセイダーズ』:2018/05/21(月) 23:04:49
>>311-314(全員)

相談の結果、
全員が中央の穴から降りることとなった一行。

エイノーはウィルを、
浜岡は高遠を、それぞれのスタンドが剛腕で引き受ける。
そのまま、穴へと強行しようとするエイノーだったが、

「お待ちよ。
 もう少しスマートな手があるさ」

ズギュン!

浜岡の『ウィンター・ブランケット』が手を伸ばし、
穴の上に丸形の『マットレス』を発現した。
スプリングがよく効いたそれは、穴の口径に対して一回り大きい。

「さ、乗っていきな。
 これなら勝手に減速するし、下からの奇襲も避けられる」

「・・・・本当かぁ?」

疑問を呈する『ナツメグ』を皮切りに、
全員が『マットレス』に乗り込んだ。
最後に浜岡が脚を踏み入れ、
スタンドの掌底で柔らかな床を押し込む──

 
       グニュ ウ ゥウウ


 ズ 
   ズ
     ズ
        アァア────────────ッ!


誂えたエレベーターのように、
円形の『マットレス』は穴に嵌まり込み、
全員を乗せたまま、ゆっくりと降下していく。
時間にして『10秒』。
マットの擦れる音以外は無音に等しい移動によって、
一行は体力を費やすことなく、穴の底に降り立った。

・・・・そこは、水気の多いコンクリート製の通路だ。
地上に残った菊川の説明にあった、
地下墓所へと続く通路が、真っ暗な闇の中に続いている。
いや、完全な闇ではない。闇の向こうに。星のような光が見える。

先行したはずの『ハッピー・オルガン』の姿は、ここにはない。


浜岡:
「さぁーて。
 言うまでもないけど、ここからは『戦場』だ。
 油断した奴から命を落とすことになる。
 あたしの手は二本限り。護れる命には限りがある。
 お願いだから、この手から零れてくれるんじゃないよ」

『ナツメグ』:
「・・・・しめっぽいババァだぜ。
 もう少し景気のいいこと言えねぇのかよ」

浜岡:
「・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・」

317ウィル『ヴェノム&ファイア』:2018/05/24(木) 21:44:30
>>315-316

「Leave saith.(ではそのように)」

井上の言う通り、数の利点を活かすためにひとまず集団で降り、その後ルンクスを囲むとしよう。
真正面から襲いかかり、一人ずつ撃退されるという愚は当然避けるべきであるし、神出鬼没の
『スイート・バイト』がいる以上、リスクは可能な限り減らしておきたいというのも頷ける。

「おや、ミスター・ナツメグ」「ぼくはそのロマンティックな言葉は素晴らしいと思うけれど」

さて、この先に敵がいるのだろうか。不意打ちに備え、『探知』をしておこう。
仲間から『2m』以上後ろに離れて、自分を『スタンドアレルゲン』にする。
この『探知』があればこそ、自分は『暗闇』でもある程度戦える。
『ファイア』の音は極めて小さい。こちらだけが相手の位置を把握して、神速の飛び道具で一方的に攻撃ができる。
とはいえ、自分一人だけが戦えるのでは決め手に欠ける可能性もある。
停電は最終手段にしておこう。

318井上正『ハッピー・オルガン』:2018/05/25(金) 01:16:54
>>316
「ここじゃないな…ええと…あそこだ、あの光が漏れてるところ、あそこらへんにハピオルはいる、ここが地下墓地と思ったが違うみたいだ、なんだ? 通風口みたいなものか?」

光を目指して先に進む。

ハピオルは地下墓地に降り立ったはずだがどうなった?

319エイノー『フィストフル・オブ・クォーターズ』:2018/05/25(金) 13:11:58
>>315-316
「ご厚意に甘えよう。

有難く『マットレス』の上に乗らせてもらう。
LEDスモールライトくらいはあるがあえて使わない。
わざわざルンクスにこちらの場所を教えてやる事はないし
ルンクスに行けた場所は自分達にも行ける筈だ、
ルンクスが何かの『障害』を発動させていなければ、だが。

320高遠 嶺『クレモンティーヌ』:2018/05/25(金) 20:51:22
>>316
「問題の敵の『手』がいくつあるかの方が気になりますよ私は」

おそらく的確に気づいてはいない、とは思うが
こちらが追撃に来るだろう事はルンクスもわかっているはずだ。

問題になるものを置いているかによるが、今の所は光の元へ向かっていく。

踊り出せる姿勢にだけはなったまま、出来れば井上の少し前か並ぶ辺りの位置取りがいいか。

321『ヴァージンロード・クルセイダーズ』:2018/06/05(火) 02:45:10
>>317(ウィル)
『ナツメグ』:
「ロマンで生き残れるなら、幾らでも褒めてやるがな。
 『現実』はクリームほどに甘くはねえ。
 油断はするな・・・・それだけの話だ」

浜岡:
「あたしの言った通りじゃないか」

いつもの口喧嘩を始める二人を他所に、
ウィルは一行から後退し、『2m』の距離を開けた後、
『アレルギー感知』を開始する。

                        チク チクン

通路は薄暗いが、至近距離の仲間たちの動きが、
『アレルギー反応』によって読み取れる。
他に感じられるものはと言えば、前方に進む通路の先、
その真下『10m』ばかりの位置で立ち尽くす、大きな『反応』。
──恐らくは、先行した『ハッピー・オルガン』に相違ない。

と・・・・その時だった。

>>319(エイノー)
エイノーは問題なく、穴の底に到達した。
暗い場所だが頭上からの光で、かろうじて周囲の輪郭がわかる。
手探りで動く分には、移動に支障はなさそうだ。

>>320(高遠)
浜岡:
「それは考えておく必要があるね。
 まずは、あいつの手元に『嫁』が残っているかどうかだ。
 高遠、あんたが倒した相手は携帯のゲームのキャラだって?
 もしそうなら、奴が携帯を持ってる限り、幾らでも呼び出せるかもしれない」

『ナツメグ』:
「スマホだ、ババァ」

浜岡:
「うるさいねえ、意味は通じてるだろ?」

菊川:
「──こんな地の底で、電波を拾えるかな?
 いや、人工施設なら基地局があってもおかしくないか。
 ──でも、他に『嫁』がいるなら、地上で温存する理由も・・・・」

同じく、穴の底に降り立った菊川も、ぶつぶつと考察を続けている。
そんな三人を護るが如く、高遠は通路を前に進み出た。
同時に、井上も前進を開始する。
通路は狭く、二人が並び歩ける幅はない。
井上の少し前でゆっくりと歩を進めていく──
『5m』ほど進むと、やがて通路の突き当たりが見えてきた。

クーラーの遮蔽カバーにも似た構造の、
巨大な蓋部に閉ざされた、通風孔の出入り口だ。
蓋部は金属製で格子状の隙間が設けられており、
星のような光は、その先から漏れ出ているようだった。


>>318(井上)
通路の先の闇へと、足を踏み入れる井上。
いちはやく前に出た高遠の背中を追うように、通風孔へと向かう。


一方──
その通風孔から一足先に出た『ハッピー・オルガン』は、
壁に捕まり、十分に地面を観察した上で、『地下墓地』へと降り立っていた。

そこは、神秘的な空間だった。
地下とは思えない天井の高さと広さ、豊富な緑。
光量は乏しいが、それが逆に夜明けや黄昏を思わせ、
独特の空気感を演出しているともいえる。

そして、もう一つの演出の主役は『水』だ。          
耳に心地よい水の音色。落下する滝の砕ける音。
大気には十二分に湿気が保たれ、うっすらと霧すら立ち込めている。

だが・・・・

              ド ド      ド ド ド

『ハッピー・オルガン』は、思わず天井を見上げる。
──この、無数に舞い降りる、無音で真っ白な物質は何だ?

雪だ。
地下墓地に、『雪』が降り始めている・・・・!


>ウィル
ウィルの『アレルギー感知』もまた、通風孔の先の異変を感じ取る。
無数に出現した、『スタンド』を含む微小な物質。
それは自ら動く様子こそないものの、まさに雪のごとく、
上から下へと降り続けていく──

322ウィル『ヴェノム&ファイア』:2018/06/08(金) 20:29:15
>>321

「うん 息が合ってるというのは頼もしいね」

もはや見慣れた光景を目にしながら、後退する。
例え仲が悪くとも、戦闘時の呼吸さえ合えば問題はあるまい。
今回、なるべく浜岡にはナツメグを特に守ってもらうべきだろう。
そしてアレルギー反応があり、薄暗闇の中でもその存在をはっきりと教えてくれる。

「『10m』先 『ハッピー・オルガン』・・・・他に反応はない」「・・・・・?いや これは」

「『スタンド』・・・?あるいは『スタンドが作り出した物質』?」
「まるで舞い落ちる『花びら』か『雪』のように・・・」

「・・・・・もし『体液』が含まれていたら危険だ」「警戒して近付こう」

323井上正『ハッピー・オルガン』:2018/06/09(土) 14:36:14
>>321
【おいおいィ〜…】

『低温』の攻撃はマズい。スピードもパワーも通用しないかもしれない、ルンクス早くブッ殺さないと数の利すら覆されかねない。

井上を手元に呼び寄せる、急いで走れ。
盾にしろ武器にしろ、無手ではマズい。

低温から連想されるのは氷、氷で鏡を作れば何処でも身を隠すことができる、故事に倣い、石かなにか拾っておこう。

324高遠 嶺『クレモンティーヌ』:2018/06/09(土) 20:32:03
>>321
「……さっき鏡にツイてちょっと考えたんだけど
 電話(スマートフォン)って、何も写してなきゃ黒く光沢のある平面の板でしょう?」

「あるかも、が無かった」より、「無いかも、があった」ほうが圧倒的に危険だ。
鏡アプリとか考えたけど単純に構造がその可能性がある時点で警戒しなければ


さて、この蓋だが、目立つ破壊などなくきれいに取り外すとしたら『ウィンター・ブランケット』が適役か。
他に自分(クレモンティーヌ)、ナツメグ、ウィルは適さないだろう。

蓋に鏡のようにモノを映す面があるかや、蓋に異常がないかを確認し、開封を頼んでみる。

325エイノー『フィストフル・オブ・クォーターズ』:2018/06/11(月) 20:47:53
>>321
「通風孔,空けていいかね?」

この先に行くなら一番疑わしいのが向うで
『F・O・Q』なら『固定」『硬度』を外せば
カーテンをめくるように簡単に入れる。
しかしエイノーに向うの様子を知る術はない、
ウィルか菊川の意見が聞きたい。
ナツメグが強行突入するなら浜岡が止めない限り
一蓮托生に続くしかなくなるが。

326『ヴァージンロード・クルセイダーズ』:2018/06/15(金) 14:49:10
>>322(ウィル)
【護り屋】と【殺し屋】、二人の頭領格のやりとりには、
親子のやりとりでは明らかになけれど、ある種の気安さがある。
かつての二人の関係についてウィルは知らないが、
現状から感じる両者の距離感は、そう悪くはない。

同時に、
『アレルギー反応』で感知した『舞い降る何か』を警告した。
高遠の、そしてエイノーの前進が、その言葉で止まる。

>>324(高遠)
浜岡:
「ああ、そうなるねぇ。
 『スイートバイト』が出てくるには、スマホは小さすぎるだろうが、
 この世界に留まる『条件』は満たせるってことさ」

高遠は『3m』前方の通気口の蓋を観察する。
薄暗がりだが、表面は汚れ、鏡の役目は果たしそうにない。
異常も特に見当たらない・・・・
『ハッピー・オルガン』が通過したはずだが、破壊はしなかったらしい。

>>325(エイノー)
ウィル:
「『スタンド』・・・?あるいは『スタンドが作り出した物質』?」
「まるで舞い落ちる『花びら』か『雪』のように・・・」

「・・・・・もし『体液』が含まれていたら危険だ」「警戒して近付こう」

確認の言葉を発した時、ウィルの警告を耳にした。
通風孔の蓋は巨大だが、開閉機構に異常がなければ、
能力を使うまでもなく、『フィストフル』の腕力で開けられそうだ。

高遠とともに、足を止めるエイノー。
だが、そんな中、前進を続ける存在があった。


      ──ダダ  ダ ダ ダンッ!
 
                               ガシャア!!


             バンッ


>>323(井上)
壁際に立つ『ハッピー・オルガン』にも、雪は無差別に降りかかる。

急ぎ、井上に『命令』を下す──
井上に生じた『変化』を、『ハッピー・オルガン』はまだ知らない。
それを感じさせる現象も、現時点では『ない』・・・・


      ──ダダ  ダ ダ ダンッ!
 
                               ガシャア!!


             バンッ

ウィルの警告を無視する格好で、
井上は高遠の脇を駆け抜け、通風孔の蓋を持ち上げると、
躊躇うことなく『地下墓所』へと飛び降りた。

そして、手ごろな石を拾い上げた『ハッピー・オルガン』は、
本体の到達と同時に、二つの点に気が付く。

── 一つ。
この『雪』はスタンド現象で間違いないが、透けてはおらず『実体化』している。
──二つ。
この『雪』は・・・・・・『冷たくない』。

327『ヴァージンロード・クルセイダーズ』:2018/06/15(金) 14:49:46
>ALL(通路側)
浜岡:
「やれやれ・・・・行っちまったよ」

大きく口を開けた通風孔。
その先に見えるは、階下に広がる緑の『地下墓地』と、
降りしきる一面の『雪景色』。
雪化粧はまだ進んでおらず、謎の『雪』が今しも
降り始めただろうことがわかる。

『ナツメグ』:
「先行してる『ナツメグ』の判断だ。
 即死するような攻撃じゃあないってこったろ」

浜岡:
「ウィルの言う『体液』の危険性は?」

『ナツメグ』:
「ウィルが『嫁』にされるまで、相当かかったって話だ。
 即効性があるのは『股間の一発』だけとみていいだろ。
 ここで終わらせられるなら、問題ねえ」

浜岡:
「ま、そうなるさね。
 とはいえ、これで未知の『嫁』げ出たのは確定だ。
 十分以上に用心するんだよ・・・・高遠、それにエイノー」

菊川:
「──ぼくの『ジ・ユーズド』は、
 浮遊体や軽薄な物質の探知に『弱い』んだ。
 『雪』なんか、その最たるものさ。
 積もった『雪』の変化はわかるけど、大気中のそれは読み取れない。
 ──この先の状況把握は、ウィルくんにも頼らないとだね」

328井上正『ハッピー・オルガン』:2018/06/16(土) 13:38:53
>>327
「冷たくない…ってことは」
【『雪』は低温の産物ではなく、そのものが能力ってことだなァ〜】

「気味が悪いな」
【お前がなァ〜】

「…」
【…】

【するべきことはァ〜?】「分かるよ…ウンザリだけど」

ハピオルは井上の足首を持って持ち上げる、井上は身体をピンと伸ばし、傘のようになる。井上アンブレラだ。

他の奴らもまだ来ない、未知の能力に対して二の足を踏んでいるんだろう。
当然、この『雪』は攻撃だ、見るからに無差別範囲攻撃だな、雪自体に指向性がないのなら、ルンクスだけを避けることもできない。
つまり『ルンクスは雪の降らない場所にいる』

確か建物か何かなかったか? 
一旦通風口まで退避して、そこから建物、雪を防げそうな場所を探す。

329エイノー『フィストフル・オブ・クォーターズ』:2018/06/19(火) 14:39:06
>>326-327
「仕方ないね」

スマートフォンケース、包丁、鑢から
『防水』『切断』『研磨』カートリッジの
作成を始める。
タイムリミットがあるので仕方ない面はあるが
状況に対応しようと思えば一手遅れるのは
『F・O・Q』の弱点だ。
『防水』カートリッジは上着にスロットを
後から作って差し込もうと思う。
ルンクスが既に何か対応した以上無防備で
そこに飛び込むのは危険だ。

330高遠 嶺『クレモンティーヌ』:2018/06/22(金) 07:36:46
>>326-327
「げっ」
一対多で一番面倒くさい真似をしてきたようだ、広範囲無差別攻撃。
このままならハピオルも害を受けうるはず。ならば避けるべく戻ってくる、かもしれない。

本当は無差別でないかもしれないが……そんなことができる奴をわざわざ出し惜しみしてたとは考えにくい。
嫁を現地調達したならこんなところにいるのは人間ではないはず。対象を選ぶ知能があったりそういう能力になりうるのだろうか?

考えに纏まりがなくなってきたが、前半の推測をもとにおそらく無差別攻撃であろうと見当付け、ハピオルが戻れるならそれを待つ。
一応、一番遅いテンポで『クレモンティーヌ』を発現させ、ハピオル以外が入ってこないか防御の構えをしつつ待つ。

風か何かを起こされてこの雪のような物体が入ってきても困るが、ハピオルが戻らないことの方が問題だ

331ウィル『ヴェノム&ファイア』:2018/06/23(土) 21:36:43
>>327

「ぼくはあれから追加で『体液』を浴びることはなかったけれど・・・」
「重ねて何度も浴びることで『嫁化』が促進することはないだろうか」

しかし果たして嫁化が目的でないとすれば、雪自体に何らかの能力が付加されているのか。
直に体感してもらう形で申し訳ないが、既に先行している『ハッピー・オルガン』から情報を得るしかない。

「パワーがあるスタンドなら その『通風孔』の蓋は傘代わりに使えそうだね」

ギリギリまで仲間と接近しつつ、『雪』の動向に気をつけて、何らかの指向性がないか調べてみる。

332『ヴァージンロード・クルセイダーズ』:2018/07/04(水) 10:43:29
>>328(井上)

──冷たくない、という表現は厳密には異なる。
肌に触れる雪は冷たい。
冷たいが、氷のそれではない・・・・
この地下の気温は当然、地上に比べ冷ややかだが、
それに準じた温度、すなわち『冷蔵庫に置かれた水』のような冷たさだ。

冬場の海に入るようなもので、
急激に体調を損なうものではないだろうが、
長期的に見れば、悪影響を及ぼす可能性はある。

もちろん、それはこれが『ただの雪』ならば、という話だ。


    バ サア ッ ッ

『ハピオル』は井上の足首を掴んで持ち上げ、
頭上でその体を広げさせることで、『雪避け』に使う。

雪に指向性は感じられない。
墓所にはそよとも風は吹かず、舞い散る雪の方向は、
ほぼ天井から真下の地面へと直線的である。

『傘』として固定された井上の体の上は、見る見る白く染まっていく。
そのスピードは一般的なそれより早い。
全く『解けない』からだ・・・・それ以外の変化は感じないが、
不気味な底冷えに井上は戦慄を覚えた──体は微動だにしなかったが。

『ハッピー・オルガン』の肩にも、まばらにだが雪はまとわりつく。
巨体に対し、貧弱な井上の体に『傘』の役目は厳しい。
せいぜい『破れ傘』というところだ。

『ハッピー・オルガン』は、雨宿りの出来そうな場所を探す。
最初に思いつくのは後退。壁を登り通風口まで戻れば、屋根はある。
次に左方向『10m』ほど先の壁際に建っている小さな小屋。
粗末だが雪を凌ぐには十分だが、扉は閉じており、中は伺えない。


            バ ッ ッ

ひとまずの選択として、『ハピオル』は通風孔に戻った。
大きく跳躍し、壁を強烈に蹴ることで足場に変え、
何なく壁の高みに設置された通風孔に戻る。

開かれた蓋を潜り、横穴に飛び込んだ。
目前には高遠を筆頭に、全員が揃っている。
『偵察』の帰還を待っていたのかもしれない。

高所から墓場を俯瞰するも、雪を凌げる建物は他に見当たらない。
視界は雪に阻まれ、さらに狭まっているのを知った。


>>329(エイノー)

カシュ!カシュカシュ!

スマートフォンケース、包丁、鑢から
『防水』『切断』『研磨』カートリッジをそれぞれ浮き出した。

>>330(高遠)
『ハピオル』が戻ると考え、それを待つ。
ゆっくりとしたリズムで『クレモンティーヌ』を発動し、
万が一の敵の侵入に備える──と。
                  バッ

熊のような『ハピオル』の巨体が飛び込んで来た。
その手には真っ白になった井上の体が、道具のように握られている。
ひとまず、異常はないようだ・・・・

>>331(ウィル)
浜岡:
「『ない』とは言い切れないけどね。
 教会でやり合った際には、それを使おうって気配は感じなかった。
 そこのおデブが脚を掴んだ時とかね」

『ナツメグ』:
「あぁ・・・・ま、『連射』はしなかったがよぉ?」

否定も肯定も出来ない、というのが、
二人の意見のようだ。
ともあれ、この『雪』を完全に避けて進むのは不可能に近い。
『ハピオル』の体験から安全性を測ることになりそうだ。

降り続ける雪に指向性は感じられない。
風もなく、通風孔に舞い込む様子もなかった。


                  バッ

熊のような『ハピオル』の巨体が飛び込んで来た。
その手には真っ白になった井上の体が、道具のように握られている。

333エイノー『フィストフル・オブ・クォーターズ』:2018/07/06(金) 17:11:00
>>332
>>331のウィルの言葉を受けて通風孔の扉を外して
スロット設置、『防水』カートリッジを押し込む。

「傘ができたよ。井上氏、『ハッピー・オルガン』でもいいが
『大丈夫』かね?」

申し訳ないが先行偵察した井上たちが異変を感じたか知りたい。
いずれにせよ前進はするが対処が可能かもしれない。

334井上正『ハッピー・オルガン』:2018/07/08(日) 17:56:50
>>332
井上の硬直を解除、井上は体から雪をかき集め、掌に乗せる。
ハピオルはそれをよく観察する、多分視力もいいだろう、この『雪』自体が『スタンド』であることも考慮している。『能力』でなく『群体型スタンド』
井上の手に起こる異常も観察したい。一定量集まるとダメージを与える可能性がある。

「雪は案外冷たくない、水が凍って雪になったのではなく、雪そのものが能力だと思う、もしくは群体型のスタンド、ルンクスがこの地下で何を見つけたかのヒントになるはずだ、それと小さな小屋があった、ルンクスはそこに籠城してると思うが…」

【早口キモいなこいつ】

「くっ…血痕を追いたいけど、雪が隠してしまう、誰か『血液を追跡』できるやつはいないか?」

敵の体制が整う前に奇襲をかけたいが、能力に不明な点が多すぎるので突出は控える。
エイノーがくれた蓋はハピオルが受け取る。

335ウィル『ヴェノム&ファイア』:2018/07/08(日) 23:16:47
>>332>>334

「『探知』ならばぼくの得意分野だ」

井上の言葉に従い、『スタンド』アレルゲンの他にもう一つ、『ヴェノム』を己の唾液に触れさせ
『体液』アレルゲンを取得。自身を『体液アレルギー』にして他者から『2m』以上離れながら、内部の様子を伺う。
ルンクスによる仕込みを警戒し、念のため『体液』アレルギーとしたが、
あまりに反応が多いようなら『血液』アレルギーにして絞り込むか。

「さて・・・『血痕』は見つかるかな」

336高遠 嶺『クレモンティーヌ』:2018/07/11(水) 11:41:03
>>332
(二の足を踏んでいる自分が歯がゆいなぁ…)

知らずしらず眉根に皺が寄る。多分今日だけでもう一生分はシワを作ってる気がする。

この『雪のようなスタンド物』、考えられるのは
物理ダメージ、精神ダメージ、あるいは何かしらの影響下に置く、
もしくは本格的な攻撃のためのカムフラージュかサイティング、のどれかだ。


野生動物を対象に急ごしらえで作ったなら攻撃の前段階だろうが
コレ自体が攻撃という可能性も捨てきれない。

井上が集めて観察するようだが、何かのトリガーになるなら多分『量』ではあるだろう。

コレに乗じた攻撃か何かが外から来ないか、引き続き雪世界を凝視しながら
高遠を入り口に踊らせ、クレモンティーヌがその後ろから警戒する。
何かといっても多分飛び道具、直接的な攻撃。対処が面倒なのは前者、奥に通さないようにしたい。

337『ヴァージンロード・クルセイダーズ』:2018/07/24(火) 08:40:16
>>333(エイノー)

ガゴンッ        ──ジャコッ!

エイノーは通路の最前列に進み出ると、
通風孔の扉を外し、『防水』仕様に変えた。

扉は孔と同じサイズで、容易に引き込むことは出来ない。
必然的に、孔から腕を差し出して、『庇(ひさし)』を支える格好となる。
幸い、『ハピオル』の剛腕が、その役目を引き受けてくれる。

エイノーが言うまでもなく、
『ハピオル』もまた井上を利用した『実験』に興味津々のようだ。

エイノーの背後に降り立った井上に変化が生じたのは、その時だった。

>>335(ウィル)
──ズギュ!

井上の言葉に従い、自身に『体液アレルギー』を付与する。

まず感じられるのは、仲間の『体液』。
体内の血液などは感知されない・・・・
反応するのは体や包帯に残った血痕、それに汗だけのようだ。

井上の持ち込んだ『雪』に、体液は含まれていない。
そして墓所の方向にも──ほぼほぼ感じ取れない。
『ゼロ』ではないが、あまりにも薄められ、検知しきれない感覚だ。
例えば『アレルギー体』を大量の水で薄めれば、こんな感じになるかもしれない。

>>336(高遠)
井上の『実験』を横目に、
扉を支える『ハピオル』の一歩後ろ、エイノーの前で、
高遠は警戒し、『踊り』続ける──
これは間違いなくルンクス側の『攻撃』だ。油断は出来ない。

雪が降りしきる墓所の視界は悪く、階下はほぼ見えない。
だが、思いがけぬ変化は、外ではなく、高遠の背後で生じる──

>>334(井上、全員)
『ハピオル』はエイノーから扉を受け取る。
扉は孔と同じサイズで、容易に引き込むことは出来ない。
必然的に、孔から腕を差し出して、『庇(ひさし)』を支える格好となる。

井上を『傘』から『人』に戻し、雪を救い上げる。
手のひらに乗りきらないほどのそれをかき氷のように小山に盛り、
変化が生じないか観察した。

不気味な『雪』は、手のひらでもやはり解ける様子がない。
手のひらに冷たさは感じるが、温度は『水』であり、『氷』のそれではない。
そして、それ以外の変化は今のところ感じられない・・・・
と、その時だった。

       シュウ ウ ウ
                               ・・・・バシャァ!


突如、井上の触れていた『雪』が、溶解した。
手のひらの上も、そこに乗り切らず床に落としたものも、全て──
一瞬で液体に変容し、井上の脚元に大きな水たまりを作り出す。


      ゴ
                        ゴ      ゴ

338エイノー『フィストフル・オブ・クォーターズ』:2018/07/28(土) 14:32:36
>>337
『F・O・Q』で井上を抱えて『水』から離脱する。
『ハッピー・オルガン』がそうしてくれる、
もしくはエイノーの手が届かない場合右肩に
『研磨』カートリッジ設置、かなうべく早く
ハンマーを削りぬく。
どうも『鏡面』は危険らしいので不純物で濁して
濁したい、量的に間に合うかは次の課題だ、
効果があるかも怪しいし今削れる限界がハンマー
1本分程度だろう。

339ウィル『ヴェノム&ファイア』:2018/07/30(月) 21:31:54
>>337

「・・・・・すまない」
「近くに存在する『体液』は感じ取れるが・・・墓場方向にはほんの僅かしか分からない」
「だが 確実に体液は存在する・・・・・けれど他の何かで薄められているような感覚だ」

井上が所持していた、融けた雪の方を見る。

「それには『体液』は含まれていない」
「一体どういう攻撃なんだ・・・あの男の目的は?」

340井上正『ハッピー・オルガン』:2018/07/31(火) 10:31:06
>>337
「ペッ」
井上は水溜りにタンを吐き出す、飯食って歯磨いてないから汚いぞ。

「溶けるってのは自動だな、地面に降った雪が溶けてないのは、生物もしくはスタンドに付着するってのがトリガーか? いや…何か…違うような…」

『雪』はどこから降っているんだ?
ハピオルは天井を目指して移動する、壁に腕や脚を突き刺しながら移動する。スA
猛烈なスピードで移動すれば体に積もる雪も吹き飛ばされるだろう

「……この水は能力が解除されて水に戻ったってことか? 『雪化』が能力とか? だとすると低温以上にヤバいが…現時点では材料が足りない、そろそろ行くから覚悟しとけよ」

341高遠 嶺『クレモンティーヌ』:2018/07/31(火) 15:03:57
>>337
雪が水に戻ったとなると『スイート・バイト』だ

足元のコレから少しでもこちらを見ることがあれば
位置情報をルンクスはつかんでしまうだろう。

もちろん単純に攻撃に出てこられても困るので
防御の構えから徐々に動き出すためにテンポを上げていきながら回転し、穴の先と水面を交互に見る。
水面に不自然な動きが見えたらすぐに足を強く打ち鳴らし水面を揺らす。

「人為的に集まるとか、あるいは重力以外で動かされて密度が上がるとか?」

このトリガーをなんとかして見ておきたいのだが…、単純に変えるだけなのか攻撃なのかも未知では起きた事象から推測していくしか無い、弱る。

342『ヴァージンロード・クルセイダーズ』:2018/08/16(木) 21:14:07
>>338(エイノー)

                    ── バ バッ!!

咄嗟に『フィストフル』で井上を抱きかかえ、
水たまりから後ずさる。
その大きさはマンホール程度。
放置すれば、間違いなく『鏡面』になるだろう・・・・

通路は狭く、『1m』程度しか後退できなかったが、
ひとまず不自然に発生した『水面』にそれ以上の変化はない。

・・・・いや。

                    キシ キシキシ


>>339(ウィル)
周囲の『反応結果』を、仲間に伝えた。

浜岡:
「いいや、十分だよウィル。
 『雪』に触れたせいで『嫁化』する可能性は、これで消えた」

「何が目的かは、あたしにもまだ見えない。
 けど、いつまでも待っちゃいられないよ。
 この『雪』を使って、ルンクスが新手の脱出経路を見つけることだって、
 十分に有り得るんだからねえ」

>>341(高遠)
井上はエイノーが抱え、謎の『水』から遠ざけた。

高遠はその場で『踊り』を舞いながら、
床に広がる『水たまり』を観察する──
わずかな変化にも応じて、床を踏み鳴らすつもりだ。


                    キシ キシキシ

何かが軋むような、かすかな音。
それが『水』から聞こえると知った瞬間、『クレモンティーヌ』は動いた。


       ?──♪──
                     ガッシ!!

踵を打ち付け、 そのパワーをもって床ごと揺らす──!


                        ィ イ イ イイ


コンクリートの床に亀裂が走り、通路全体がかすかに揺れた。
『クレモンティーヌ』が全力を出せば、通路に大穴を開けることすら可能だが、
それは本意ではない為、ある程度はセーブしている・・・・が。

眼下で揺れる床の上で、その水たまりは微動だにしない。
いや、床とともに揺れてはいるが、さざ波一つ立ってはいない。
まるで床に張り付いたかのように・・・・


            ゴ    ゴ



瞠目と同時に、高遠は状況を理解する。

『水たまり』が『凍って』いる・・・・それも『瞬時』にして。



                               ゴ  ゴ  ゴ 


            ゴ       ゴ  ゴ

343『ヴァージンロード・クルセイダーズ』:2018/08/16(木) 21:14:18
>>340(井上)
「ぺっ」
痰を吐いた井上だが、咄嗟に横合いから伸びたスタンドの腕が邪魔し、
汚い飛び道具の狙いを外した。

『フィストフル』──エイノーのスタンドだ。
通路は狭く、『1m』ほどだが、水たまりから離れ、庇ってくれている。

同時に、一連の状況から、
目の前の水たまりが、一瞬で『凍結』したことを知る。


一方、『ハッピー・オルガン』は通風孔から再度、墓所の天井へと飛び出した。
壁に手足を突き立て、移動できるのはすでに検証済みだ。
まといつく吹雪を振り払うようにして天井まで到達した『ハピオル』だが、
改めて確認すると、この『雪』の発生自体が異常であることに改めて気が付いた。

自然の雪は雪雲から降るものだが、天井付近にそれらしいものは『ない』。
天井付近の空間から、突然雪の結晶が出現し、それが無数に落下しているのだ。
当然、天井に張り付いた『ハピオル』は、そのさ中にある。
体を震わせ、動物のように雪をはねのけるが・・・・これではきりがない。


天井から見た墓所の俯瞰図は、一段と深さを増した雪景色だ。
目測だが、すでにくるぶし程度まで埋まるほどの積雪量になっている。
もし『雪』が無限に降り続けるならば・・・・
墓所自体が雪の下に埋もれることすら考えられる速度だった。


>ALL

『ナツメグ』:
「『ハピオル』の言う通りだな。
 これ以上様子見を続けても、こっちが不利になる。
 オレの持ってきた食糧だって無限じゃねえ。
 博打は好きじゃねぇが、そろそろ飛び出す頃合いだぜ」

『ナツメグ』はそう言うと、
『肉詰め』で膨らませた肩に、菊川を抱え上げた。

「レーダー役は二人いる。
 鏡面にさえ気をつけとけば、そう不意を打たれることはねぇはずだ」

344ウィル『ヴェノム&ファイア』:2018/08/21(火) 15:53:44
>>343

「──────────」

「あまりに『早い』・・・凍結するのが」「この上で足を止めれば すぐに動けなくなりそうだ」
「とはいえ焦り過ぎても 転倒に繋がりかねないけれど」
「そして鏡面か・・・・・」

足止めにはうってつけの能力か。
このタイミング、隠し球を持っていたのか、それとも偶然がヤツに味方をしたのか?
とはいえ、ナツメグの言う通り時間をかけてはいられない。

『スタンドアレルゲン』を削除し、自分の身体から『人間アレルゲン』を採取。
このスタンドが混じる雪が降る状態では、スタンドアレルゲンによる探知は使えない。

「行こうか」

浜岡に先導を頼みつつ、『2m』以上距離を開けて前に進む。
『人間アレルゲン』ならば、スタンドには影響しない。飛び道具に関しては、『スイート・バイト』に期待したい。
ついでに手近な氷の床は、可能であれば細かく砕いてもらえれば言うことなしだ。

345高遠 嶺『クレモンティーヌ』:2018/08/25(土) 07:20:58
>>342
攻撃というよりは、この雪の主の攻撃性を補助するためのツール…だろうか。


「熱源が一定以上つくと溶け、もう一度離れると凍るとか」

……踏めば滑るだろうか。氷は踏まれて融けることで靴と氷の間に水があることで滑るようになる。
あるいは再度踏んだらまた融ける可能性もある。
何にせよ足元が不安になるということは完全に『クレモンティーヌ』が不利だ。

確かすでに水浸しになっていたな。全面氷のリンクだけは避けたいのだが……

菊川、ウィル2人の探知を頼りに、テンポを中速のまま突入を開始したい。
エイノー先生が来てくれればそれに合わせて、通風孔から外へ。

346井上正『ハッピー・オルガン』:2018/08/26(日) 16:16:08
>>343
「あ、ヤバい誰か来て死n」

バッ

ハピオルは井上の痛覚をカット、全身の汗腺を開放、体内の水分を汗として放出し、着衣を水浸しにする、脚部酷使による跳躍。声帯は停止していない、やさしさがある。
ハピオル自身は着地し、跳んできた井上をキャッチする。

【フゥ〜…もういいだろォ〜?】

井上はへばりついた汗塗れの衣服を剥ぎ取り、頭上で回転させる、ピザ生地をクルクル回して伸ばすみたいな感じだ、濡れた衣服は遠心力で拡がり雪を受ける、これで凍ったのならより傘としての安定性が増す。

【降りてこいグズ共がァ〜ッ!】

347エイノー『フィストフル・オブ・クォーターズ』:2018/08/27(月) 08:56:52
>>342-343
「邪魔をしたならすまないね。とりあえず行こうか」

井上に謝りナツメグに続く。
得体の知れなさはあるが『雪』にすぐさまの致命性は
なさそうだ、それとナツメグから50m離れたら『戦線離脱』
になるのでそれは避けたい。

348『ヴァージンロード・クルセイダーズ』:2018/09/05(水) 21:37:59
>>346(井上、『ハッピー・オルガン』)

 バッ!

井上は『ハピオル』の操作を受け、
全身の汗腺から異常な汗を迸らせつつ、
『フィストフル』の腕から飛び出し、通風孔から飛び降りた。
同時に『ハピオル』も天井を蹴り、
空中で井上を捉え、ともに壁際の雪原へと降り立つ。

井上は素早く上着を剥ぎ取り、頭上で回転させることで、
『雪』から身を護る。
完全に・・・・ではないが、その狙いは成功する。
衣服が凍る様子は一切なく、
大量に発汗したことで、喉が急激に渇き出してはいたが。

【降りてこいグズ共がァ〜ッ!】

まだ穴に留まる仲間を一喝するも、

                          ── ドッゴォォオ !!


返答は、重機の激突を思わせる、轟音だった。



     ド ド ド
                   ド   ド   ド   ド   ド


>>344(ウィル)

凍結現象の異常すぎる速度にウィルは戦慄する。
新たな敵の能力、そして目的は依然不明だが、
『水を凍らせる』だけだとしても、間接的な危険性が窺い知れる。

果たして、これはルンクスの秘蔵の『嫁』なのか、
地の底で見出した奇跡の『出会い』なのか・・・・?

ウィルは『アレルギー検知』を『人間』に切り替え、
浜岡の後ろ、『ナツメグ』の前方で『2m』を維持しながら、
通風孔から墓所に降りるべく、前に進む・・・・

その時、だった。

浜岡:
「待ちな、高遠!
 その『鏡』・・・・ヤバいよ!」

目前の浜岡の背中が急停止する。

背中が邪魔で前方はよく見えない。
ひとまず、『人間』の反応は『ない』・・・・
その直後──


                             ── ドッゴォォオ !!

轟音が、通路を揺るがした。

349『ヴァージンロード・クルセイダーズ』:2018/09/05(水) 21:38:53
>>345>>347(高遠、エイノー)

突如、『氷鏡』と化した水面を前に、当然警戒する二人。
井上は命知らずに飛び出し、『ハピオル』を追っていったが、
エイノーはもちろん、高遠が出遅れたのは当然だ。

『ナツメグ』の強行案を受け、
エイノーと高遠が通風孔に出ようとした、その時だった。


「待ちな、高遠!
 その『鏡』・・・・ヤバいよ!」

磨かれた鏡のように天井を映す『氷鏡』、
その中から飛び出した『異物』にいちはやく高遠が気付けたのは、
『鏡』の中に『スイート・バイト』の影を探していたからだ。


    バ バ  ッ


咄嗟に足を止め、突き出された『異物』を避ける二人。
巨大な『サンドバッグ』にも似た、円柱状のそれは。


        ── ドッゴォォオ !!


上端を天井に突き刺すなり、さらに『膨張』した。
通路を隙間なく塞ぐ、『布とフレームの融合体』──
歪だが、間違いなく見覚えがある、その形状。

これは──浜岡愛用の『巨大ベッド』だ。
剛腕で『雑巾』のように絞られたそれが、
限られた『氷鏡』を通して射出され、
今しも、通路を塞ぐ『寝具の壁』と化した!!


  ド ド ド
    
              ド   ド    ド    ド






   
               キシ キシキシ
                         キシ キシキシ


さらに──通路を構成する壁、天井が奏でる『軋み音』。


『ナツメグ』:
「先手を打たれたってとこか。クソったれ」

菊川:
「──想定しとくべきだったね」
「──この場所の壁は、少しだけど水で濡れていた。
 ──少量の水でも、薄膜みたいに『凍らせ』れるなら」




>『ハピオル』組以外の全員


            キシ キシキシ
     キシ キシキシ
                     キシ キシ
            キシ   キシ
     キシ  キシ


それはまたしても、音と同時に『完成』していた。
通路一帯、そこかしこに張り付いた薄膜の『鏡』──
薄暗い中、そこに映るのは自身の影か、果たして別物か。

墓所に降り立つことなく、
『ハピオル』を除いた一行は分断され、追い詰められる・・・・!

350エイノー『フィストフル・オブ・クォーターズ』:2018/09/07(金) 13:11:31
>>349
「『鏡』でなければいいのだね?」

『F・O・Q』で足元から床を蹴り砕き破片を拾って
近場から床や天井に投げつける。
迂遠な手だが『鏡面』といえる滑らかさを濡れた
場所から奪うには今一番確実な手段だろう。
あとベッドが倒れこんできた場合の非難ルートを
探しておきたい。

351高遠 嶺『クレモンティーヌ』:2018/09/12(水) 12:40:25
>>349
直接攻撃の他にこうしてブツだけ投げ入れることも出来るのか……
警戒してなければいけなかったと言われればそうだが!

何にせよ破壊できない物体が通路を塞ぐのは非常に、ものすごくまずい。

つまりできうる手段は
1:これ以上の物体の投入の排除(鏡の無力化)、
2:投入されたブツの無害化

1はエイノー先生がしてくれている。自分がやるのは……2。

(してやられた、でも……やるしかない!)

横の壁を全力で墓地側へ向けて蹴り、その幅を広げる。
要は潰されないように通風孔の幅を広くしなければならない。

同時に浜岡さんへお願いを飛ばす。
破壊はできないが『スイート・バイト』という技の関係上、おそらく曲げたり縮めたりする事はできるはずだ。
破壊力・精密Aであるウィンターブランケットならあるいは

「ねじ込められたそいつ、縮め直せますか!」

352ウィル『ヴェノム&ファイア』:2018/09/13(木) 09:22:00
>>349

「破壊不可能・・・ならば床や壁を破壊して通るしかないのか・・・?」
「でも やり過ぎれば地下が崩壊するか・・・」

後ろに下がりながら、もし足元にも『氷』が張っていたなら『コーラ』の蓋を取り、かけておきたい。
そして『ファイア』を壁面や天井の氷へと向けておく。
こういう時、敵は見え辛い死角から攻め込むのが定石だろう。
大人しく『鏡面』が破壊されるのを、黙ってみてくれるはずはない。

353井上『ハッピー・オルガン』:2018/09/22(土) 19:24:38
>>348
ハピオル、しばし沈思黙考(0.2秒)
井上は持っていた食料を口に流し込む、衣服は捨てる。

「結局のところ」
【俺だけでやるしかね〜ってワケだなァ〜】「ビビってるか?」
【うるせェぞゴミ肉体】
「お前もなクソ精神」

「【イくぞ】」

『ハッピー・オルガン』は井上を肩に載せ新雪の野を奔る。
目標は小屋、目前で一旦止まる。

354『ヴァージンロード・クルセイダーズ』:2018/09/30(日) 13:10:17
>>352(ウィル)

横幅『2m』もない、狭い通風路の出口寸前で、
まさに『密封』を施してきた『スイート・バイト』の『巨大ベッド』。
そのフレームはひしゃげ、高級感漂う底板は大きくたわんでいたが、
決して『壊れてはいない』・・・・『破壊不能』が故に。

ウィルの攻略は、同時に懸念を備えていた。
ここは地上から遥か下の『地下墓地』だ。
強固に作られているとはいえ、圧倒的破壊力を持つ超人たちが
内部から暴れることを想定して造られているとは思えない。
まして、水が染みだす程度の構造・・・・建築技術の程度も知れている。
どの程度の破壊までなら許されるのか。
見極めながらの対応は、ウィルたちの戦力を削ぐことだろう。

──だが、前方ではすでに戦いが始まってしまった。
エイノーの『フィストフル』が床を殴り砕き、
高遠『クレモンティーヌ』が壁を蹴り砕く、その轟音が鼓膜を打つ。
ウィルは後方に下がる──すでに高遠から『5m』離れた。
通風口からは『7m』。背後の『ナツメグ』含め、もはや後退は出来ない。

コーラに手をかけ、周囲の壁、床、天井に目を走らせる。
今いる通路の最奥では、『氷化』は到達していない。
壁や天井をしっとりと濡らす水気の状況は同じにも関わらず、だ・・・・

    バッ!

畢竟、『ファイア』の銃口の向きは前方の壁面に張り付いた『鏡』となるが、
その数はあまりに膨大だ。
そしてあまりにも高遠・エイノーらに『近すぎる』・・・・
いつ、どこから攻撃されてもおかしくない上、狭すぎて射線がほぼ通らない。
援護射撃は絶望的な状況だ・・・・

「ウィル。
 『スタンド感知』をしてるなら、切っときな」

前に立つ浜岡の背中が、振り返ることなく言う。
浜岡も後退し、ウィルに危険を及ぼす『2m』内に入っている。
これは『ナツメグ』も同様だ・・・・文字通り『追い詰められている』!

『ナツメグ』:
「ここまでは『氷』が届いてねえ。
 ・・・・『射程距離』か? だがまぁ油断は禁物だがよぉ」


>>350(エイノー)
                         ──ドギャアッ!!
          バギ!バキ!

『フィストフル』の蹴りが床を砕く。
その破片を拾い、周囲ぐるりの天井、床へ投じる──

 バババババ!!
             ガガガガン!!

同じ強度のコンクリートではさしたる破壊は望めないが、
表面を傷つけ、『鏡』に必要な滑らかさを奪うには十分。
だが・・・・エイノー自身も自覚していた『迂遠さ』を
見逃すほど、『世界クラスの殺し屋』は甘くはなかった。



             ── ド ッゴ オ!


頭が千切れ飛ぶような衝撃を横合いから撃ち込まれ、
エイノーは弾けるようにして、右の壁に叩きつけられる。

首、そして頭蓋骨に響く骨の砕ける音。
視界が白く、そして赤く染まるのを見ながら、
力なく壁際で崩れ落ちる──!

355『ヴァージンロード・クルセイダーズ』:2018/09/30(日) 13:11:08
>>351(高遠)
剛力で圧縮したとはいえ、『ベッド』のサイズは人間大はあった。
『寝具』を通す『鏡』にも相応の面積が必要なのは間違いない。
とはいえ、この狭い場所で一方的に攻撃される危険な状況。
地の利は、完全に敵側にある──!

──?  ギャンッ
        
           バ ゴォォォオオオ!!

高遠は身を躍らせ、右横の壁に全力で蹴りを叩き込む。
通路全体を揺るがす振動、そして轟音。
コンクリート製の壁は爆発したように四散し、
大量の瓦礫を吐き出す──それと同時に。

       ブシュウウウウ

                 ザ ザバァァ

大量の水が、さながら出血したように開いた穴から流れ込んできた。
勢いはさほどでもないが、瓦礫に覆われた床を広がり、
見る見る足元に水面が広がっていく。

目論見通り、壁には人一人が入れるほどの大穴が開いた。
だが、被害はそこに留まらない。
穴を中心に無数の亀裂が通路全体に広がり、それは真上の天井にまで
到達している。いつ崩落してもおかしくないほどだ。

浜岡:
「それ以上はおよし、高遠。生き埋めになっちまう」

「でもって、そのでっかい『キャップ』だがね。
 引っこ抜くことは出来るけど、多少時間がかかるよ。
 当然、あいつもそこを狙うつもりだろう。
 『鏡』を先にどうにかしなきゃいけない。
 『氷』と『鏡』・・・・厄介な組み合わせだよまったく!」

その時だった。

            ── ド ッゴ オ!


高遠の前で床を砕き、破片を撒いていたエイノーが、
凄まじい衝撃をもって、右の壁に叩き付けられた。
頭部から激しく出血しながら、崩れ落ちる・・・・

そして、左の壁から彼のいた場所に突き出された、
見覚えのあるスタンドの拳・・・・


                    「──まーずは、ひとーり」

唄うように、
『魔女』がつぶやくのが聞こえる──

356『ヴァージンロード・クルセイダーズ』:2018/09/30(日) 13:11:45
>>353(井上、ハピオル)

逡巡は刹那の間のみ。
本体とそのスタンドは、次の瞬間には雪原に吹く風と化す。
その左手には通風孔の蓋、右手には井上を携えて。

            ───ギャッ!

行く手を阻むものもなく、両者は小屋の前に辿り着いた。
小屋は丸太造りで、山小屋風の外見をしており、
地下にはありえぬ『雪景色』に、異常な親和性を見せていた。

大きさも小屋程度、屋内は二部屋あるかないかだろう。
窓は全て板製の雨戸が塞いでおり、中の様子は伺えない。


      サコッ  サコッ

その音を捉えられたのは、
無音に等しい雪原ならばこそだった。

降りしきる雪の中、こちらに近づいてくる足音。
そして、降雪のはざまに浮かび上がる、黒すぎる『人影』に。


    ゴ ゴ ゴ 

                 ゴ ゴ ゴ ゴ ゴ

357井上正『ハッピー・オルガン』:2018/10/02(火) 22:31:17
>>356
井上は『自分の意思』で地に降り、持っていた食料を口に詰め込んだ。
『ハッピー・オルガン』は動かない。ルンクスは紛れもなく強敵だ、情報を集め、彼我の戦力差を比較し、有効な戦略を構築し、ファックしなければならない。
『人影』は『ルンクス』だと思うが、まずは足を見る、ダメージが残っているのかは重要だ。

「なぁ、タバコ持ってないか? へんな匂いがする…塩素みたいな」
【頭脳がマヌケかァ〜? あるワケねェ〜だろうがァ〜…でも確かにするな、栗の花みてェなァ〜?】
「どこからするんだろーなー」
【おッ? おいおいッ! ヤツだぜェ〜! そうに決まってるぜェ〜!】
「こいつはヤベーッ! 丸めたティッシュに気をつけろッ! 三日は臭いがとれねーぜッ!」

「ウヒヒヒヒヒヒヒ!」
【ギャハハハハハハ!】

ふたりで息ピッタリの小粋なトークでペースを自分のものにする。
まだ動かないぞ、相手の状況をよく見極めるんだ。

358ウィル『ヴェノム&ファイア』:2018/10/04(木) 21:00:51
>>354

「本体を倒すしかないか・・・だがこの『状況』・・・」
「?!」
「一刻の猶予もない・・!!」

ここまでは届いていない、『射程距離』か?他に何らかの条件があるのか?
あるいは時間をかければ更に遠くまで凍らせることができるかもしれない。
『浜岡』の言葉に頷き、『スタンドアレルゲン』を解除。自らは前へと進む。

『氷』化している所と、そうでない所の境目には何かあるだろうか?
何か発見できなくても、せめてコーラを遠くからかけることで多少なりとも援護したい。
あまりに不利な状況だ。

359高遠 嶺『クレモンティーヌ』:2018/10/10(水) 22:35:52
>>354-355
「せッ……先生ェッ!!」

まずい、まずい、まずい!

高遠が拳の先を見据えるうちに『クレモンティーヌ』でエイノー先生へ手を伸ばす。
手を握れるかが怪しいのでパートナーチェンジを行う事は出来ない。なにより時間もない。
すくい上げてクレモンティーヌがエイノー先生を、高遠がそのクレモンティーヌを包むような体勢で
浜岡らの場所まで跳躍かステップし離脱したい。

高遠は、少なくとも離脱が完了するまでは不滅化したまま離脱の殿になる。

おそらく高遠がエイノー先生を見捨てられないだろう事は敵もわかっており
そこをついてくるに違いない。不滅化した高遠でなんとかして受けたいところではあるが、
質量で遮断されたらおしまいだ、故にできるだけ殻を包むように密着しておきたい。

跳躍が出来たのであれば、手か足を握れていればパートナー化をエイノーへ付与したい。無理そうならただ引くしかない。


一方で頭だけは回転を止めない。一つ立つ仮説。

……水たまりが瞬時に凍ったあの瞬間、
自分がやったことは足を地面に叩きつけたことだ。

そして壁際の凍結と瞬時に凍る前のあの音………『衝撃』、あるいは『重力』のような『押す力』、
(その『圧』か何かを影響下の水が受ける事で『凍結』に変換しているのか……?)

360エイノー『フィストフル・オブ・クォーターズ』:2018/10/12(金) 02:52:28
>>354-355
優先事項からまず確認する。

1.意識はあるか。
2.通常の思考は可能か。
3.『スタンド』は使用できそうか。
4.頚椎をやられたが声は出せるか。
5.今現在の運動能力はどの程度か。

道すがらに聞けば井上は上下に裂かれて
ナツメグに治療されたという、あの鏡の敵を
殺すまでしなければ骨と神経は治療して
もらえるだろう。
あとは『F・O・Q』が使えれば『脱出手段』がある。

361『ヴァージンロード・クルセイダーズ』:2018/10/18(木) 02:10:23
>>360(エイノー)
エイノーの意識は暗黒の淵に沈められ、
半ば以上、失われてしまっている。

自身を強引に持ち上げる腕の強さと、
振り回される風切り音を耳に感じるも、
どちらも遥か遠い世界のように感じている・・・・

当然、スタンドは解除されている。


>>359(高遠)
動揺を受けた心音が、明らかな不協和音を奏でる。


  ?
     ──── バッ !

高遠『氷面』から突き出された拳を見据えながら、
『クレモンティーヌ』をエイノーの救援に向かわせる。
崩れ落ちた教授に向けられたその右手には、手首から先がない。
発現条件である『手を握る』を満たすためには、
指の残されたスタンドの左手を使わざるを得ないからだ。
──即ち、『踊り子』を維持しながら対象の手を握り、
次の『踊り子』とする高遠の得意戦法は、今は封じられている。

壁にもたれるた状態のエイノーを前腕で掬い上げた瞬間、
エイノーを仕留めた腕が引っ込むのが見えた。
床と天井の氷はあらかたエイノーが破壊したが、
両脇の壁には無数の薄氷がこびりついたままだ。

危険は承知だが、これしか手はない・・・・
                              ギ ャ ン !!


さらにその二人を、高遠自身が飛び込み、盾となって『護──


         ──ゴギィン!!


壁側に向けた高遠の後頭部が、鐘を打つような金属音を発した。
『スイート・バイト』は甘くない──
エイノーを囮にし、高遠をも絶命させるはずの一撃だった。
・・・・相手が『不滅』でさえなければ。

『スイート・バイト』
「チッ!・・・・そうだったねえ。
 『本体強化』が能力だったよ。あたしとしたことが」

『鏡』の中から届く、歯噛みするような声。
『踊り子』の高遠にはダメージは愚か、反動一つさえない。
九死に一生を得た高遠は、エイノーごと後方に跳躍し、浜岡の足元に着地する。
(まだエイノーの『不滅化』は果たしていない)

同時に、突き出された腕も引っ込む──

362『ヴァージンロード・クルセイダーズ』:2018/10/18(木) 02:11:49
>>358(ウィル)

『スタンドアレルゲン』を解除し、
体内から湧き上がりかけた『不快感』を消しておく。
そのまま前に進み、浜岡の右横にまで到達した。

今しも、エイノーを救出した高遠が、
敵の反撃を受けつつも後退し、浜岡の手前まで撤退したところだ。
二人の降り立った場所までは、かろうじて『氷化』は届いていない。

    ブシュ!ブシュウ!!

ペットボトルを振り、さらに前方の凍った床にコーラを振りまく。
たいした面積ではないが、氷の表面は黒い液体で汚された。
凍結は・・・・していない。コーラはコーラのままだ。
瓶の中身は、これで使い切ってしまった。

             キシ キシキシ

さらにその向こう、エイノーが立っていた出口付近の床が、
軋み音とともに一面、氷で覆われた。
高遠が破壊した壁の穴から漏れ出た地下水、それが一瞬で『凍結』したようだ。
エイノーが破壊した床の凹凸をものともせず、
数秒とかからぬ間に、スケートリンクのような滑らかさを取り戻している。

『氷化』した個所とそうでない箇所の境目に違いは見いだせない。
言うまでもない違いであれば、距離だ。
通風孔に近い場所は『凍って』おり、
自分たちが追い詰められた穴の突き当たりまでは届いていない。

『安全地帯』は前後『3m』ほどしかなく、この人数では『満席』に等しい。
『氷面』の支配は、通風孔まで『5m』の通路に至っており、
さらには『巨大ベッド』が出入り口を塞いでいるという念の入りようだ。

『ナツメグ』:
「これ以上追い詰められたら『詰み』ってとこだがよ。
 『前に来ない』のは何でだ?・・・・理由があるみてーだなぁ」

      ガ シイ!

『フランキー・アヴァロン』が、巨大な掌を壁に貼り付けた。

「とりあえず、水漏れは塞ぐとして」

                  ズギュン! ズギュン!


「連中の目的は、『ハピオル』とオレらの分断だ。
 なるたけ危険を犯さず、一刻も早くここを出る算段がいるわけだが・・・・」

363『ヴァージンロード・クルセイダーズ』:2018/10/18(木) 02:12:00
>>357(井上、『ハピオル』)

ガツ! バク バクゥ

井上は所持していた食糧を広げ、慌てて胃に移す。
手持ちの分は全てなくなったが、腹は十分に膨らんだ。
通常ならば数時間は優に満たされるはずだが、『肉詰め』の消費量は夥しい。
どれだけ持つかは怪しいところだ。

一方、『ハッピー・オルガン』は油断なく来訪者を睨み付ける。
最初に観察するのは、足だ。
井上と自身、そして『ナツメグ』の共闘で破壊したルンクスの片足は、
足首から爆ぜ、足の用を足さない重症のはず。
ならば今、この雪原を歩いて進んで来られる理由とは・・・・?

         ザッ ザッ

「・・・・その手の下ネタジョークは大好きだゼ。
 夜通しだってつきあってられル」
                   「が」
黒い人影・・・・
その右の足首は、純白に輝いていた。
足首を固定する『氷のギブス』・・・・歩行を可能にする、これが答えだった。
 


        ゴ  ゴ ゴ  ゴ ゴ ゴ


長身の黒人──【性豪】ことルンクス。
降りしきる雪の中、男が立ち止まったのは、井上たちから『10m』ばかり先だ。
傍らの小屋を除けば立ち木の一本とてなく、
脛まで埋まる雪原を除いては、両者を阻む障害物は一切ない。


「あいにく、夜明けを待つ余裕はねぇ。
 『運命的花嫁』がくれた好機を、逃すわけにはいかねえからナ。
 『覚悟』はいいか? オレは出来てる」

                           ズギュン!

黒人の傍らに発現する、『馬面』の戦士。
その股間には、野太刀もかくやという『一物』が喉元まで反り返っている。
──『エンジェルズ・ラダー』。
筋骨隆々たるその腕が足元に伸び、積もったばかりの雪をえぐり取った。


「『ユキガッセン』・・・・だったか?
 オレは『初体験』だが・・・・オマエはどうだ?」

        ギ ギ ギ ギ

人の頭ほどもある雪塊が、圧倒的な握力で圧縮されていく・・・・!

364井上正『ハッピー・オルガン』:2018/10/21(日) 11:14:40
>>363
「相当切羽詰まってるな、動けねーから飛び道具、順当ではあるが…ねぇ?
足は失血死を免れただけで痛みがなくなったわけじゃあない、チビりそーな激痛をガマンしてるのはエラいけどな、
マスかいた手で握った雪玉にも効果判定あるのか? あと、お前らの行動パターンも大体把握した。
基本的に『罠』だ、無策で雪合戦する意味もない、多分足元か、雪に『白いの』を紛れ込ませるのもアリだな」

話し続ける。余裕がないって告白してくれたが、反面こっちには余裕がある。
ハナから一対一の勝負なんてのは考えてない、するにしても相手の土俵で戦ってもまず負ける。
こちらのステージに上がってもらわないと困るわけだ。
後ろのやつらが合流するまでダラダラ引き伸ばしたいが、まぁ無理だろう。

まずは『雪のスタンド』の謎を解く、もしくは本体を速やかにブチのめす。でなければ勝機はない。
ハピオルと井上は小屋がルンクスとの遮蔽物になるように動く。スA

365エイノー『フィストフル・オブ・クォーターズ』:2018/10/23(火) 17:07:40
>>361
(有難う高遠君)
 
高遠の援護に感謝しつつ何としても意識を保つ。
『F・O・Q』を使える所まで生き延びなければ
『無駄死に』だ。
今はナツメグの治療効果に期待する。

366高遠 嶺『クレモンティーヌ』:2018/10/23(火) 23:31:50
>>361
初めて出し抜けた。

その実感を腕にすくい上げたエイノー先生に感じる。
しかし敵の攻撃は冷徹なまでに正確な頭部破壊だ。そのままでは死を待つばかり。

「ナイトキャップと肉詰めを……!」

頭を覆い、その中身を肉詰めしてダメージを食い止める。ことをお願いする。


……「ウィンター・ブランケット」以外ベッドをどかすのであれば
『F・O・Q』のカートリッジ化で『破壊不能』特性をベッドから抽出することで破壊できる様になるかもしれない。

しかし指を咥えて見ている『スイートバイト』ではない。
となれば排除するべきは『氷鏡』だ……。

自分が立てた仮説……氷結は衝撃や圧力に呼応してるのか、
あるいは外れていて別の条件なのか。はっきりさせないことには……。

現在凍っていない場所と『氷面』の見た目の違いはあるのか、
エイノー先生を下ろしながら、回転速度を落としながら防御のための警戒と観察とを行う。

足元に何か蹴り飛ばせそうなものがあればベッドに接している通風孔の壁めがけて軽く蹴りつけてみたい。

367ウィル『ヴェノム&ファイア』:2018/10/25(木) 00:49:35
>>362

「Well done(お見事)、ミス・タカトー」

間一髪でエイノーを救った高遠に賞賛を送る。
『浜岡』と『ナツメグ』は恐らく高遠の援護に回るだろう。
自分は空になったペットボトルを、目の前の床目掛けて放り投げる。
コーラは凍結していないが、漏れ出た水は即座に凍結した。違いはなんだろうか?
無差別に凍結できるのなら、既に地下全てを『鏡』の支配下に置いているはずだ。
液体に対して『衝撃』、あるいは『風』などが吹き付けると凍結の条件が揃うのか?
それらを考えつつ、両手で『ファイア』を構えて『スイート・バイト』を牽制する。
ひとまずは高遠達への追撃を一旦止めさせたい。

368『ヴァージンロード・クルセイダーズ』:2018/11/11(日) 03:49:25
>>366(高遠)

浜岡:
「いいとも。さ、およこし」

ズギュ!

『クレモンティーヌ』の手から渡ったエイノーの頭に、
星模様の『ナイトキャップ』を被せた後、『ナツメグ』へと手渡す。

「チッ、また怪我人かよ。
 このままだとキリがねぇぜ」

           ガシィ   ズギュン!

悪態をつきながらも、『ナツメグ』のスタンドが
帽子を被ったエイノーの頭を握り、『肉詰め』を行う。

その成否を確かめることなく、
高遠は『クレモンティーヌ』を防御に回しながら、
足元に転がっていた瓦礫の一つを軽く蹴り飛ばした。

 カコッ
          ────カッ!

わずか数秒の救出劇のうちに、
高遠らの逃げ延びた『安全地帯』を除いた通路の内側は、
完全に『氷面』で覆われてしまっている。

ほぼ狙い通りの位置に飛来したコンクリート片は、
薄氷の張った壁に命中し、その表面に亀裂を走らせ、転がった。
だが・・・・次の瞬間。

 キシ キシキシ

消しゴムをかけるかのように、亀裂は溶解し、姿を消す。
後には元通りの滑らかな鏡面が甦っている。
さながら『生命体』のようだ・・・・!

浜岡:
「こいつは想像以上に、面倒な能力かもだねえ。
 だがどうにかしないと、あたしらは閉じ込められたままだ。
 さあ、どうしようか?」

>>365(エイノー)

高遠から浜岡を経て『ナツメグ』の手へ。
ベルトコンベアのような救出作業は、棺桶に頭半分を突っ込み、
黄昏めいたエイノーの意識でも感じ取れるものだった。

「チッ、また怪我人かよ。
 このままだとキリがねぇぜ」     ズギュン!

『殺し屋』の悪態と同時に、闇が駆逐され視界が開ける。
エイノーはゆっくりと目を開けた。
場所は変わらず、乏しい明かりで薄闇に等しい環境だったが、
死の淵の昏さに比べれば、陽光の下も同然だ──

>>367(ウィル)

エイノーの救助を横目に、ウィルはこの状況の調査に入る。

ヒュッ 
      カ! カランカラン

床に投じた空のペットボトルは、
まず『安全地帯』の床で跳ね、次いで『氷面』の上で跳ねて転がった。
いずれの場合も、床への影響はない・・・・
高遠の蹴った瓦礫に比べて質量が軽いためか、亀裂すら入らない。

今や全面『鏡張り』と化した前方の通路に銃口を向けながら、
ウィルは油断なく、追撃の目を絶つ。
通路は人二人がかろうじて並べる程度の狭さだ。
大柄な『ウィンター・ブランケット』はもちろん、
『スイートバイト』が姿を現せる範囲はごく限られる。
油断さえしなければ、対応が遅れるとは思われない。

「──まずいね」

背後でそうつぶやいたのは、
『フランキー・アヴァロン』に抱えられた菊川だ。
その掌は通路の壁にあてがわれている。

「──『ハッピー・オルガン』と井上が敵と遭遇してる」
「──相手はルンクスだ。
   この分断が続けば、『雪』の加勢で『ハピオル』の不利だ」

369『ヴァージンロード・クルセイダーズ』:2018/11/11(日) 03:50:25
>>364(『ハッピー・オルガン』)

ルンクス:
「フッ、案外そうでもナイさ。
 とんだり跳ねたりは難しいかもしれないが、
 この『雪原』なら、そんなアクションは必要ないからナ」

「痛みも、見かけほどじゃあナイ。
 限度を超えた苦痛は、脳が無意識にカットするそうだが、
 おそらくそれだナ・・・・
 どのみち、おまえ達を仕留めるまで保てバ、それでいい」

スタンドの剛力で急激に圧縮された雪玉を弄びながら、
ルンクスは続ける。

「『ハッピー・オルガン』・・・・
 一度は『嫁』にしたオマエを、誰よりも理解しているのがオレだ。
 力に任せた粗暴な戦いが目立つが、オマエが真に『悪魔的』なのは、
 パワーやスピードのみならず、それを最大に生かせる『頭脳』にある」

「『意外性』という意味では、そこの『おまけ』も侮れない。
 『二度目のラッキーはナイ』と断言させてもらおう」

「そんなおまえたちが今考えるとすれば──こうだ。
 
 『『時間稼ぎ』が必要だ』
 『『雪』の正体を見極め、仲間が駆けつけるための『時間』が』

 ──なるほど、確かに『正解』だ」

顎に手を当て、ひとりうなずく。

「だが、オレはこうも考える。
 『時間』があれば有利になるのは、こちらも同じだ、と。
 『新妻』となった『彼女』は、まだ新たな能力に慣れていない。
 『時間』が過ぎるほどに、彼女は能力を開花させていく」



               ────ギャンッッ


ルンクスの独白を置き去りにするように、
井上を抱えた『ハッピー・オルガン』は加速する。
雪原を駆け抜け、小屋の東側に飛び込んで遮蔽物とする──
スタンドである『ハピオル』にとって、足場の悪さは意味をなさない。
ルンクスが追ってくる気配もない・・・・届くのは声のみだ。

「正直な話をするが、ここに落ちた時、
 オレはおまえたちに『追い詰められた』と思ったよ」

「この地の底で追い詰められれば、逃げ場がない。
 世界を手中に収める野望もろとも、葬り去られるかもしれないと。
 そんなオレの弱さが、オマエを『嫁』から解放しタ」

「だが・・・・
 今は、この場所にオレを連れてきたオマエたちに感謝している。
 絶望の果てに、オレは究極の『嫁』と巡り合えタ。
 今では『彼女』なしの野望は思い描けないほどだ」

「その礼と言ってはなんだが、
 『彼女』の能力について教えてやろう」





            「──『彼女』は『水』を支配する。
             『水の星』において、いずれは『女王』となる能力だ」

370ウィル『ヴェノム&ファイア』:2018/11/18(日) 01:02:26
>>368

(衝撃ではない・・・接触でもない)
(やはり単純に『能力範囲』・・・・・なのか?)

だとするなら、もし敵本体がこちらに距離を詰めてくれば、成すすべもなく皆凍結してしまうかもしれない。
しかし、問題はそれだけに止まらない。
菊川の情報によれば、既に井上はルンクスと接敵しているようだ。
ここで確実に『スイート・バイト』を倒している時間もないかもしれない。
突破を最優先にすべきか。

『人間アレルゲン』を削除し、『ヴェノム』から『スタンドアレルゲン』を採取、『ファイア』に装填。
これを一発当てて『スイート・バイト』を『スタンドアレルギー』にして、
あのベッドの方へと吹っ飛ばせば、解除せざるを得ないはずだ。
だが、それには奇襲を仕掛ける彼女に対して反撃を加える手段があれば、の話だ。

「『ナツメグ』・・・きみの能力 肉から血液を出せたりはしないのかい?」

今のところ、氷を封じる有効な手段は汚すことしかない。
肉詰めからスタンド血液のようなものを出せたりはしないだろうか?

371エイノー『フィストフル・オブ・クォーターズ』:2018/11/20(火) 23:01:47
>>368
「ありがとう、助かった」

とりあえず高遠達に礼を言う。
そして提案。

「とりあえず縦一列で前方のベッドに接近しないか?
 鏡のスタンド使いに聞かれたくないが突破法がある」

372高遠 嶺『クレモンティーヌ』:2018/11/24(土) 13:57:15
>>368
おかしい、段々早くなっている
単純な水の三態変化を操作している、とも考えられる。

しかし、だとするとこの速度は……。

「自動ではなく手動で操作しているかのような…」

消しゴムをかける速度であれば次々に破砕していけば追いつかなくなるだろうか。

進めるようであれば進みたい。が
最前列にいられるよう、低速のまま氷の前、
『スイート・バイト』の手が出てきてもわかる距離を維持する。

373井上正『ハッピー・オルガン』:2018/12/01(土) 10:14:55
>>369
ハピオルは小屋の壁を蹴り壊し、中を確認する。パスAA
中になにかいる、もしくはあるとしたら、瓦礫の散弾を受けるだろう

374『ヴァージンロード・クルセイダーズ』:2018/12/08(土) 20:40:07
>>370(ウィル)
自分たちに能力が及ばない理由を『射程距離』と推理したのは
『ナツメグ』だったが、そこに根拠はない。
強いて言うなら【殺し屋】の勘というところだろう。

だが、他の原因を見いだせない今、
ウィルもまた、彼の推理が正解ではないかと思い始めている。

だが、もしそうだとすれば。
射程距離が固定されたように『動いてこない』のは何故か、という
新たな謎が発生する──

 
 カシュ シャコッ
 
ウィルは『ヴェノム』を操作し、自身の体から
『スタンドアレルギー』を抜き取ると、『ファイア』に装填する。
先刻まで、『スタンドアレルギー』だったウィルには、
この氷の洞窟そのものがスタンドに等しいことを知っている。
命中させさせれば、ベッドに近づくまでもなく
強度の『アレルギー』が『スィートバイト』を襲うはずだ。

同時に、ウィルは『ナツメグ』に問う。

『ナツメグ』:
「生憎だが、そりゃあ無理な相談だぜぇ。
 仕事を始める前に説明したろうがよ。
 オレの『肉詰め』の弱点は、『露出』だ。
 中の『肉』が見える状況になれば、それは解除される。
 つまり血が噴き出すような状況はありえねえってことさ」

唇を歪め笑う肥満漢。
だが、それは冷笑の類ではない。

「だが・・・・おまえの考えは間違ってねえぜ。
 『氷』を砕かなくとも、『鏡』でなくせば十分なんだ。
 持ち込んだドリンクは、色の薄いもんばっかだがよ・・・・
 氷を着色する手がありゃあ、このくそ狭い場所からおさらば出来る」

>>371(エイノー)
高遠に礼を言い、提案をする。

浜岡:
「あたしはいいがね、誰が先頭に立つんだい?
 その帽子が飛んだら、あんたはもっかいぶっ倒れるってこと、
 忘れるんじゃないよ?」

>>372(高遠)
高遠の肌感覚は正しい。
『凍結』の速度そのものに大差はないが
これまでが一点から広がるような『凍結』だったのに対して、
今、目にした現象は、『全体』が『同時』に『凍結』したようだ。

クレヨンを初めて持った幼児は、最初は紙の端を少しづつ塗るが、
慣れるに従って大胆に画用紙全体を塗り始める・・・・そんな感じだ。

手をこまねいては危険性が高まるが、
高遠は打つ手なく、氷の前で回り続ける。

──その時だった。
目を覚ましたエイノーが、何かを思いついたらしい。



>>373(井上)
           バッ ギャゴォオオオ ン!!


ルンクスの長話の相手をせず、
『ハッピー・オルガン』は木製の小屋の壁を破壊する。
強度は見た目通り知れており、優に人二人は潜れそうな穴が開いた。

だが、小屋の中は外装とは大違いだった。
手前には山小屋的な暖炉、テーブルや椅子などが並ぶが、
その奥の壁を覆うのは、近代的な電子装備だ。
複数のコンソールに見慣れぬグラフや図形が踊っている・・・・
壁が木だったのが幸いして、機材は瓦礫の被害を受けていない。

そして、小屋の中は無人だ。
奥の壁に扉が一つあるが、小屋のサイズからみて、
その先に大きな部屋があるとは思われない。扉はそれだけだ。

ルンクス:
「それじゃあ、始めるとするカ。
 ──覚悟はいいか?オレは出来てル」

ルンクスの傍に立つ『馬面』のスタンドが、
ギリシャの彫刻の如き上腕を振り上げる。
そして、投じた──雪を握り込んだ『雪玉』を。


                       ──ギャンッッ

狙い過つ外ことなく、
『ハッピー・オルガン』の背中に迫る!(パスAA)

375井上正『ハッピー・オルガン』:2018/12/17(月) 22:00:30
>>374
「覚悟はできてるって? ちゃんとトイレは済ませただろうな」
井上が話しているか喋らされているのか分からないがどっちでもいい

ハピオルは井上を掴んで、振り向かず右に2m移動、その後後方に1m、左に1m移動し、その後振り向く、スA
ただの雪玉を投げるだけとは思えない、追尾してくると仮定した上で行動する。
井上はルンクスの方を向けておく、井上が見えればハピオルは視界の共有ができる。

【遺言にしちゃあセンスねェなァ〜】

376ウィル『ヴェノム&ファイア』:2018/12/19(水) 00:48:23
>>374

(敵本体はこれ以上動けない・・・あるいは元から動けないのか?)
(例えば 嫁に元々歩くための機能がないとしたら あるいは)
(凍結に条件があるパターンも 想定から捨てるわけにもいかないけれど)

「雑巾から水を絞るように『血液』だけを出せたなら良かったけど・・・そう上手くはいかないか」

洞窟に攻撃を加えて砂埃で鏡を汚すプランもあったが、加減を間違えると危険かもしれない。
『ファイア』を構えている限りは牽制になるが、さてどうする?

>>371


「何か策を思いついたのかい?」

エイノーに訊ねる。
従うまでもなく、自分は一歩下がった位置にいる。
誰かが進むなら、銃で後ろから援護しよう。

377高遠 嶺『クレモンティーヌ』:2018/12/19(水) 10:23:26
>>374
「……氷を着色する手が、あればいいのよね」

踊った状態のママ、浜岡さんを近くへ呼び、下記のことを伝えておきたい。
これから、確実に死期が早まり、『スイートバイト』の的になることをするからだ

やりたいことは単純。
『踊りを解除し、腕の止血を解き、血を吹き出させ鏡ではなくする。
 最低限床と片方の壁。』

止められなければ実行に移す。

378エイノー『フィストフル・オブ・クォーターズ』:2018/12/19(水) 15:55:20
>>374>>376
「ベッドまでたどり着けば
『破壊不能』の機能を抜けると思う。
 私からも浜岡婦人と菊川氏、
 ナツメグ氏に尋ねたい。」

とりあえず何もしない手もない、
元に戻った鑢でハンマーを『F・O・Q』に
削らせつつウィルに答え3人に質問する。

「浜岡婦人、鏡の貴女はベッドに潜めるのだろうか?
 菊川氏、大雑把に今の場所の構造を知りたい。
 私は壁越しに殴られた、通路があるならそれを使うのも
 いいだろう。そしてナツメグ氏、状況を整えたら回復は
 諦めるので鏡の浜岡婦人と肉で接合して拘束できないか?
 この状況で彼女を『殺さない』数少ない手段なのだが」

379『ヴァージンロード・クルセイダーズ』:2019/01/09(水) 18:16:33
>>375(井上)

──ギュ! ギャ! ギャンッ!

雪玉を警戒し、『コ』の字を描いて移動する『ハッピー・オルガン』。
そのまま小屋の大穴の傍に立ち、
自身は雪玉を、井上にはルンクスを凝視させる。

壁に激突した雪玉は四散したが、新たに抉られた頭大の穴が、
圧縮された雪の硬さと、敵の剛腕を物語っている。
井上の目に映るルンクスは、早くも周囲の雪を拾い上げ、
『次弾』の圧縮を始めている──当然だが、黒人の視線に隙はない。

「『小便』の心配が必要なのは、おまえらの方だナ」


ブシュ!
       シュウシュウシュウゥ・・・・

突如、異音を放ったのは、雪玉の破片だ。
砕けた雪・・・・いや氷の塊が、水に浸けたドライアイスのように溶け出し、
白い蒸気を噴き上げている・・・・
『煙幕弾』のように急速に、小屋の中の視界が塞がっていく!


>>376(ウィル)

『ナツメグ』:
「『肉』から『体内』になら、血を巡らせも出来るんだがよぉ。
 どういうやり方でも『体外』は無理だった。
 『フランキー・アヴァロン』の最大の制限に引っかかる。
 『内で完結する』って制限にな」

口ぶりから察して、『ナツメグ』も過去に試したことがあるようだ。

>>377(高遠)

浜岡:
「・・・・いいとも、やりな。
 ただし限界が来る前に引くんだ。
 そいつに頼めば、血も含めて『詰めて』もらえるんだからね」

背後の『ナツメグ』を一瞥し、首肯する。

「だがね・・・・おそらくその考えは、相手も『想定内』だ。
 それでもやるしかない以上、それ前提の対応が重要さ。
 あたしが護衛につく。ウィルは反撃を狙い済ます。
 血で汚れなかった氷に気を付けな。呼吸を合わせて突破するよ──」

>>378(エイノー)

浜岡:
「あのベッドじゃあ無理だね。圧縮されすぎてる。
 鏡ばりのベッドだったらあり得たかもしれないがねえ」

菊川:
「──この通路以外に隠し通路なんてないよ。
   さっきの『スイート・バイト』の攻撃は、壁を覆った氷越しだった。
 ──通路は周囲をコンクリートで覆われていて、その向こうは岩盤だね。
 ──壁の中には水道管と電気配線があるけど、今漏れ出てる水は岩盤から
   湧き出した地下水だよ。
 ──壁の強度については・・・・保証出来ないな」

『ナツメグ』:
「『接合』は無理だな。
 オレの『フランキー・アヴァロン』は『内』に限られる能力だ。
 だが、掴みさえすれば体内に『肉詰め』して操作する。
 『5秒』確保出来りゃあ、全身を操作してみせる」

ギャギャギャギャギャ!!

ハンマーから削り取った鉄粉が、見る間に小山を築いていく。
掌に二掴みほどの量だ。

そして高遠もまた、自らの出血を使い、氷の洞窟を突破するようだ。



    ド ド 
     
                 ド ド      ド  ド  ド

380井上正『ハッピー・オルガン』:2019/01/14(月) 19:52:44
>>379
井上の呼吸を止める、蒸気を吸い込んだ後、肺の中で水に戻されては困る。

【大体察しはついたがァ〜 まだチョッと材料が足りねェんだよなァ〜】

ハピオルは井上を肩に担いだまま『歩いて』ルンクスへと近づく。
極めて力強く、床を踏み壊しながら歩く。いきなり足元を凍らされてもいいようにな
『投げる』という攻撃は必ず予備動作がある、大きな予備動作を必要としない投擲は威力が落ちる。
敵が振りかぶった瞬間だけ、高速で右方向に30cm移動する。

381ウィル『ヴェノム&ファイア』:2019/01/15(火) 20:43:02
>>378-379

>浜岡:
>「あのベッドじゃあ無理だね。圧縮されすぎてる。
> 鏡ばりのベッドだったらあり得たかもしれないがねえ」

「つまり『正面以外』 警戒すべきは『氷』による鏡面だけか・・・」

「そうか そして『フィストフル・オブ・クォーターズ』」

「相手のスタンド能力により付加された『機能』も抜き出せるのか・・・!」

希望が見えてきた。
これならば、確実に『破壊不可能』なベッドを通ることができる。
必然、相手はこちらを攻撃するために出てこざるを得ない。
焦りがあれば、反撃のチャンスも出てくる。

>>377

「ミス・タカトオ」「ぼくの血を使ってくれ」
「ぼくはこの中で一番軽傷だ」「戦闘スタイル的にも そこまで動くことはないからね」

『ペティナイフ』を銃を持たない左手で取り出し、血を出す準備をしておく。
『出血』は肉詰めで止めてもらえばいいだろう。

382高遠 嶺『クレモンティーヌ』:2019/01/21(月) 13:38:37
>>379
>>381
「それも考えたけど今この場で遠距離からの行動ができるのはウィルさんだけ。
 迎撃と反撃を近距離二人でやるのは難しい、反撃を優先して」

ウィルさんにはそう返し、止血を解き、血を撒き始める。

踊り中の『不滅』が故意の出血を阻害するようであれば解除して行う。
まず左側の壁から。血液は重力に従い垂れる。上から下へ流すように撒く。

迎撃は完全に『ウィンター・ブランケット』に任せ、
血を失うことによる体の変調を把握しながらまくことに注力する。

383エイノー『フィストフル・オブ・クォーターズ』:2019/01/23(水) 20:10:56
>>379
「浜岡婦人、毛布を何枚か用意して欲しい。
 高遠君の血とこの粉では多分2m程足りない」

高遠と『クレモンティーヌ』の足場になるよう
ハンマーの削り粉を撒く。

「あとウィル君と浜岡婦人、ナツメグ氏は先行して欲しい。
 ナツメグ氏にある遠慮は花嫁の鏡の浜岡夫人にはないだろう、
 私が最後尾で護衛を勤めよう」

言葉通りの意味に『自分を囮にする』意図を隠して提案する。
ウィルに感謝しなくてはならない、地上で携帯を提案された
『粘着テープ』をしまった状態で「F・O・Q」に手を入れさせ
「粘着」カートリッジを作成する。

384『ヴァージンロード・クルセイダーズ』:2019/02/10(日) 02:03:33
>>381(ウィル)
浜岡:
「ああ、確かにエイノーの能力なら、『破壊不能』だって関係がない。
 時間をかけずに突破するなら、それしかなさそうだね」

ナイフを取り出し、高遠と代わろうとするウィル。
だが、高遠の返答は否だ。

ウィルの返答を待たず、高遠は『鏡の洞窟』に足を踏み入れる。
エイノーの撒いた鉄粉の上を一歩進み、スタンドを解除した状態で、
その手から血を吹き出し、左側の壁を塗り替える──
同じく前進した浜岡が、その一歩後ろで構えを取る。
一触触発の状況──それを百も承知の上の動きだ。
彼女の意識が右の壁と天井に向いているのが、ウィルの位置からはわかる。

>>382(高遠)

ウィルの提案を拒み、自ら前に出る高遠。
『不滅』状態では傷は固定されてしまうので、解除した。
エイノーが削り出した鉄粉を床にまき、花道ならぬ『鉄道』を作ってくれる。
少なくとも床は『鏡』でなくなった・・・・後は壁と天井だけだ。


            バッ  ブシュウウウ!!


腕の包帯を取るなり、手首に詰められた『肉』が溶け去るのを感じる。
同時に襲い掛かる激痛、疲労、虚脱感──
すっかり忘れていたが、地上の激戦を終えた後の感覚が甦ってくる。

だが──目的のためであれば、何ほどのこともない。
貧血にふらついた体をしっかと足で留め、傷口を左の壁上方に掲げた。
まさにシャワーのように噴き出す鮮血が壁を真っ赤に染める──
『鏡の洞窟』が、みるみる紅に染め上げられていく。

「油断するんじゃないよ」

すぐ後ろでつぶやく女の声。
振り向かずともわかる、誰よりも頼もしい声音だ。

>>333(エイノー)
浜岡:
「生憎だが、これ以上はあげられないよエイノー。
 あたしの『寝具』は同時に三つしか出せない。
 あんたの帽子は、特別のプレゼントだ。
 他に被せるなら上着を使っておくれ」

「・・・・なに、気にすることはないさ。
 それは大事に被っておくんだよ。いいね」

振り向くこともなく、エイノーの次の返事を読むように言うと、
浜岡は高遠のカヴァーに出る。

                   
                ガ シィ
                             バッッ ! !

そのさらに先、凍てついた通路の床に向けて、
『フィストフル』は削り出した鉄粉を掴むと、力士のように力強く、振りました。
床の表面が黒い粉にまぶされ、汚される。
少なくともこの瞬間、床は『鏡』ではない──
そこに高遠が乗り出し、腕の切断面から鮮血を噴出させる!

浜岡:
「ああ、任せたよ」

浜岡の了解を受け、エイノーは最後尾に移動する。
『ナツメグ』の体格で窮屈な隙間を抜け、地上に通じる大穴の真下に出た。

菊川:
「──穴の上に人の気配はないよ。」

粘着テープから、『カートリッジ』を作成する。

385『ヴァージンロード・クルセイダーズ』:2019/02/10(日) 02:03:44
>>380(井上)

突如、室内を満たす『噴霧』・・・・
井上の息を止め、『ハピオル』は急ぎ小屋の外に出る。

雪景色の向こうに見えるルンクスの黒い影。
その位置は移動前と寸毫も変わらず、距離にして『15m』。
無論、その傍に立つ『エンジェルズ・ラダー』の馬面も健在だ。
唯一の違いは、その足元に転がった無数の『雪玉』か。

井上を担ぎ、ルンクスの投げのモーションを盗んで前進に臨んだ『ハピオル』だったが、
予想外があったとすれば、飛び出したその瞬間、まさにルンクスの投じた雪玉が、
風を切り裂き、飛来したことだ。

                             ─── メ ギャンッ!!


だが、この弾の速度は何故か『遅い』。
一般的には比類なき剛速球だが、A級のスタンドにすればキャッチボールレベルの飛球(スB)だ。
はや目前に迫った雪玉に対し、『ハピオル』の次の対応は・・・・

386ウィル『ヴェノム&ファイア』:2019/02/15(金) 16:59:29
>>384

「・・・・・I get it.(分かったよ)」
「女性ばかりに傷を負わせるのは あまり気分は良くないけれど」

それも、勝つ為に必要ならば仕方あるまい。
今は自分がなすべき事を成す。この場合は、周囲の『警戒』『反撃』だ。
『ペティナイフ』をしまい、改めて両手で『ファイア』を構える。
『浜岡』が右や天井を警戒するのであれば、自分はそれ以外の部分。床やその先など注視しておこう。
どちらにせよ、浜岡が警戒している部分も視界内には入っている。
彼女が『迎撃』してさえくれれば、即座に『反撃』はできる。
無論、自分が警戒している場所から出現するなら、出鼻をくじくことも可能だ。

387井上正『ハッピー・オルガン』:2019/02/18(月) 22:16:01
>>385
投擲メインの戦法ってことはつまり、近づかれたくないってことだ。
妥当な判断だ、片足が十全に機能しない状況での近接高速戦闘は自殺行為に等しい、加えてその速度域では『水』の支援も受けられないだろう。
恐らく『水』のスタンドは目視で状況を把握しているわけではない、今俺が一人で戦っているのがいい証明になる。分断された戦力も恐らく『水』の攻撃を受けているはずだ。
『寝具』のスタンドだけではあの全員を抑えてはおけない、目視で発現する能力であればそれは不可能だ。右を見ながら左は見れないからな。
『スタンド空間』とでも呼ぼうか、その空間内は大まかには把握できるが、細かいもの、動きの速いものは補足しづらくなる『慣れ』れば正確に操縦できるかもだが…。
飛来する雪玉は『操作しやすいように』わざわざスピードを落としているんだろう、どんな変化をするのか見ておきたいな。
能書きを垂れたのは自分自身に言い聞かせ、冷静さを保つためだ、行動の筋道があるのとないのとでは大違いだからな。

ズ バ ァ ッ !

ハピオルはルンクスへ向けてジグザグに移動。スA
雪玉は井上が腕を伸ばしてキャッチする。パス精BBA(ハピオルが操作しているため)
キャッチしたら井上の手首を『切り飛ばす』

388ようこそ、名無しの世界へ…:2019/02/19(火) 13:31:03
>>384
「いや、面倒をかけている身で
 申し訳ない」 

浜岡に詫びやや屈み気味にナツメグに続き
『F・O・Q』右肩に『粘着』カートリッジを装填する。
警戒するのは対応が遅れる左壁と床だ。
鏡の存在でも実体化すれば写るだろう、
どうであれ出がかりを掴んで捕縛する。
後方は影で警戒する。
同行者については不死身でなくとも
『クレモンティーヌ』を発現させている高遠と浜岡の護衛があるウィルはまず大丈夫だろう、ナツメグ相手なら『F・O・Q』の射程圏内だ。
あと気付いた事を呼びかける。

「やり難いかもしれないが出来るだけお互い近付こう。『ベッド』で分断されるのは良くない」

389エイノー『フィストフル・オブ・クォーターズ』:2019/02/19(火) 13:33:56
>>388
名前入力忘れ失礼しました。

390高遠 嶺『クレモンティーヌ』:2019/02/19(火) 18:41:21
>>384
「ふ……ぅ……」

忘れた頃にやってくる痛みが一番、しんどい。

だが悲鳴なぞ上げてられない、相手が攻めてくるならこれしかないはずだ。

背後からかけられるこの声……この声だ。
そのためなら何だってやってやる。
賭したことは数えるほどもないが命だって張れる。今のように。

左ができていれば次は『上』へ。
自分の視界は上、左側へ位置取って左壁から上を通って右上に行くように、時計回りに血を噴射する角度を移動させながら撒く。

人間、上下の視界は狭い。視界外が一番危険だ。上を潰せば敵はおそらく右側からでてくるしかなくなるはず。

傾斜のない天井に液体を吹きかければ、液体の水滴は付着してすぐに
表面張力ででき始めの鍾乳石のような状態になり、吹きかけた勢いにまかせて滑っていく。
この凍っていく状況で血をかければすぐに固まって『鏡』でなくなるはずだ。
勢いが足りない血液は床を更に汚せるだろう。

血を撒きながら、自分の変調に注意しつつ、
敵が投げ込むであろう攻撃物や敵『スイート・バイト』とそのスタンドを警戒する。

391『ヴァージンロード・クルセイダーズ』:2019/02/25(月) 08:25:30
>>387(井上)

『ハッピー・オルガン』の読みは、果たして正解なのか?
だが一つ言えることは、この『水のスタンド』がこれまで、
本体はもちろん、ヴィジョンすら姿を見せていないことだ。

遠距離型ではなく、本体も視野の外にある状況下で、
仲間の足を止め続けているとすれば、一般的なスタンドの形態ではあり得ない。


   ──シュルルルル

『ハピオル』が前傾姿勢を取ると同時に、低速の『雪玉』が間合いに入った。


                      グ ンッ

井上を『操作』し、人外の速度・精度をもって右腕を繰り出す。
このスピードであれば、今の井上なら掴むのに造作も──




        《   バ  ム ン ッッ !! 》


──『雪玉』が爆ぜたのは、まさにその瞬間だった。
本体とスタンド、双方の全身を叩く針のような激痛。
思わず閉じた目を井上が再び開いた時、その視野に伸ばした腕はどこにもない。
鮮血に染まった右肩ごと──『消し飛んでいた』。


ルンクス:
「・・・・『手榴弾』の原理は知ってるかイ?
 殺傷力を生むのは爆発じゃアない。
 爆発で四散する『破片』こそが、敵兵を引き裂くのさ」

「高圧生成した『氷』・・・・『蒸気爆発』・・・・
 我が『花嫁』お手製の『氷爆弾』のお味はいかがカナ?」


血と肉で真っ赤に染まった雪原の向こうで、
ルンクスとその分身が、唇を歪めて嗤うのが見えた。
──その手に、次の『雪玉』があることも。

「もっとも、殺傷範囲は想定より狭イ。
 『5m』くらいは吹っ飛ばせルと思ったガ・・・・」

     ゴ    ゴ ゴ

予定では敵の投擲を掻い潜り、接敵するはずだった。
だが・・・・予定は変えざるを得ないらしい。
井上や自分のダメージではない。
この程度であれば突き進む覚悟が、今の二人にはある。


                         ・・・・バラ バラ

その問題とは・・・・井上の腹から垂れ下がる、複数枚の布。
ナツメグが教会のカーテンでこしらえ、切断面を保護していた『包帯』が、
氷の散弾に切り裂かれ、今にもほどけ落ちようとしている・・・・

高速移動などすれば、間違いなく傷口が『露出』する!


「まずはその『オモチャ』から潰しておくかナ」



       ゴ    ゴ    ゴ
                              ゴ     ゴ  ゴ

392『ヴァージンロード・クルセイダーズ』:2019/02/25(月) 08:27:29
>>390(高遠)

       ウ
     ウ   ウ
  シュ      ウ
            ウ
ブ            ウ
               ウ────ッ!!


噴き出す鮮血が頭上でアーチを描き、
天井、そして右方向の壁面を深紅に染め上げる。
その間にも視線は上、そして右側へ。
敵の迎撃を想定し、油断なく目配りを忘れない。


        バ!ババ! バババババ!!

高遠の想定と異なり、『氷面』に塗布された血は固着しない。
そもそも低温ではないスタンドの『氷』なのだ。
血は高遠の体温を伝えたまま壁を叩き、液状のまま温度を下げていく。
だが、鏡となる表面を汚すという目的においては、
血が凝結するより液体のままの方が、効率的となる。

明らかな貧血症状──眩暈と視野狭窄を覚えながらも、
高遠は文字通り血を吐いて得た『成果』に満足した。
もはや三方、いや床を含む四方に於いて、『鏡』は存在しない──



                      ズ ウウ



ならば、重機のように太いこの腕は、一体どこから伸びてきたのだろうか。
高遠の視界の端に現れ出たそれは、貧血の生んだ幻なのか。

──そうではない。
左だ。真っ先に血で塗り染めた左方向の壁・・・・
振り返り確かめる余裕はない。
だが、何が起こったのかはわかった。
眼前、今塗ったばかりの右の壁で、同じ現象を目の当たりにしたからだ。

血糊が一瞬で『流れ落ちる』──
洗剤で浮かせたガラスの汚れが、『スチームクリーナー』を浴びたように。
汚れの落ちたその後には、輝かんばかりの『鏡面』が当たり前のように顔を出す。

壁の『鏡』が水を凍らせて作られたものならば。
その表面の薄い一枚のみを水に戻せば──汚れは容易に『洗い流せる』。


       グ ァ   バ

腕が掌を広げ、喉元に伸びてくるのを感じる。
だが避けられない。動けない。あまりにも失った。失い過ぎた。

その太い五指が、無造作に『首』を掴み──

                                     ベ ギン!!

──無造作に、へし折った。

393『ヴァージンロード・クルセイダーズ』:2019/02/25(月) 08:30:00
>>386(ウィル)

ウィルは両手で『ファイア』を構え、迎撃態勢を取る。
無防備な高遠の第一護衛が浜岡なら、第二の護衛がウィルだ。

通風口から漏れ入るわずかな光、それも『ベッド』に遮られた中、
通路の見通しはお世辞にもよくはない。
氷の『鏡面』から出現するであろう『スイート・バイト』に対応するには、
範囲を限定することは必須であり、ウィルはその対象を、
床および高遠より奥の通路に設定した。

そしてもう一つは、【護り屋】浜岡の動き──
眼前の背中が動いた時には彼女の援護をするべく、警戒の糸を巡らせる。


                ブシュウウウウウウ──!

今しも高遠が手首を失った腕を掲げ、天井に血飛沫を浴びせた。
続いて腕は右方向へ。
床、奥方向に異常はない。
浜岡は彫像のように動かない。何事も──

──ない、かと思われたその時。
真横から高遠へと伸びた腕に気付いたのは、その時だった。

ドドドドドドドド

ウィルの反応が遅れたのは、無理もない。
その腕は、一番に警戒から外した左側の壁から出現していたのだ。
鮮血で汚されたはずのそこは、何故か洗い流されたようにすっきりと、
汚れを落とされ、鏡と化した表面を曝け出している。

何が起こったのか、理解したのは次の瞬間だった。
眼前、今塗られたばかりの右の壁で、同じ現象が始まったのだ。

血糊が一瞬で『流れ落ちる』──
洗剤で浮かせたガラスの汚れが、『スチームクリーナー』を浴びたように。
汚れの落ちたその後には、輝かんばかりの『鏡面』が当たり前のように顔を出す。

壁の『鏡』が水を凍らせて作られたものならば。
その表面の薄い一枚のみを水に戻せば──汚れは容易に『洗い流せる』。

『氷解』による無音の『洗浄』・・・・
ウィルの反応が遅れたのは、無理もない。
いや、もっと気付くのが遅れたかもしれない。

浜岡の動きに、気を配っていなければ。


       グ ァ   バ

腕が掌を広げ、高遠の喉元に迫る。
高遠は避けられない。血を失い過ぎている。

その太い五指が、無造作に『首』を掴み──

                                     ベ ギン!!

──無造作に、へし折った。


 ド     ド ド


間一髪で高遠を庇った、『ウィンター・ブランケット』の『手首』を!


                     ド   ド   
      ド   ド                    ド   ド 


>>388-389(エイノー)

最後尾であるエイノーには、前方の対応は不可能だ。
まして『ナツメグ』の巨体が壁となるため、視覚的情報はゼロに近く、
前進する肥満漢の尻につきあい、歩を進める以外にない。

仲間に聞こえるよう声をかけ、『粘着』カートリッジを右肩に装填した時、
突如として『ナツメグ』が前進を止めた。

同時に通路を震わせる、浜岡の声──


>All

浜岡:
「ぐうッ・・・・何してんだい、早く脱出しな!
 こいつはあたしの『深淵』だ・・・・
 ここであたしが抑えとく・・・・その間に・・・・行くんだ!」

394エイノー『フィストフル・オブ・クォーターズ』:2019/03/02(土) 20:13:10
>>393
「ナツメグ氏、脇を空けるか足を開いてくれ、通る」

ナツメグが作った隙間を『F・O・Q』と
重なる形で頭を両肘で庇いスライディングで抜ける。
床は自分の影で鏡たりえない、『ベッド』を出されてもパワーAなら押さえる事も出来るだろう。
何より濡れた石床はそれなりに滑りが良いだろう。

ここからは距離と速度の問題だが可能なら『F・O・Q』左手に包丁を持たせて心苦しいが浜岡の掴まれたスタンド相当の腕を切断する、それで自由は回復するはずだ。
それが無理でなおかつ先まで行けるなら高遠に前方ベッドまで蹴り出してもらう。
いずれも無理なら悔しいが『出遅れた』、そういう事になる。

395エイノー『フィストフル・オブ・クォーターズ』:2019/03/02(土) 20:14:50
>>393
「ナツメグ氏、脇を空けるか足を開いてくれ、通る」

ナツメグが作った隙間を『F・O・Q』と
重なる形で頭を両肘で庇いスライディングで抜ける。
床は自分の影で鏡たりえない、『ベッド』を出されてもパワーAなら押さえる事も出来るだろう。
何より濡れた石床はそれなりに滑りが良いだろう。

ここからは距離と速度の問題だが可能なら『F・O・Q』左手に包丁を持たせて心苦しいが浜岡の掴まれたスタンド相当の腕を切断する、それで自由は回復するはずだ。
それが無理でなおかつ先まで行けるなら高遠に前方ベッドまで蹴り出してもらう。
いずれも無理なら悔しいが『出遅れた』、そういう事になる。

396ウィル『ヴェノム&ファイア』:2019/03/04(月) 18:54:50
>>393

「バカなッ!」「『部分解除』が可能・・・?」
「いや それよりもッ!『視られて』いるッ!」

この対応方法、間違いなく血液が付着させられていることを理解しなければできない。
あるいは、鏡の中にいる『スイート・バイト』が何らかの手段で連絡を取ったのか?
何にせよ、汚れを付着させる手段はこれで使えなくなった。
『ファイア』の狙いを腕に付けるが、間に合わない。

「─────ミス・ハマオカッ!」

即座に『スタンドアレルゲン』を壁から出てきた腕めがけて撃つ。スA
当たれば即座に『スタンドアレルギー』となり、『ウィンター・ブランケット』の手首を握ってはいられないだろう。
そしてこれが成功しようとしまいと。浜岡の言葉に従い、前へと、ベッドへと向けて走り出す。
もし高遠が動けないようなら、その肩を支えて連れて行く。

「すまない」「そしてありがとう・・・」

397井上正『ハッピー・オルガン』:2019/03/04(月) 21:52:33
>>391
右肩の筋肉、血管を収縮させ、出血を抑える。痛覚はカット。

【最悪だなァ〜】「最悪だな」
【何するか分かってんのかァ〜?】「だから最悪だって言ってるだろ」
【遺言はァ?】「クソッタレ、クソッタレだ」

ギュビッ ブオンッ

井上は頭を抱え込んで丸まる、『井上ボール』だ、これで頭部、腹部を多少保護できる。
ハピオルは『井上ボール』をルンクス目がけ、高速で回転させながら『山なり』に投げる。パス精CCA
ハラワタが飛び出るかもしれないが脳に酸素が供給されてればすぐには死なない、まぁ死んでもいい。
投擲直後にハピオルは腕を床に突っ込み、走りながら地面を抉り、破片を浴びせつつ直進する。パスAB

398高遠 嶺『クレモンティーヌ』:2019/03/09(土) 15:12:43
>>392-393
リソースを割いておきながら敵の先制を許す、完全に『失敗』だ。
これやばいと思うマもなく死

>                                     ベ ギン!!

ぬ…前に庇われた。まず動かないと。スタンド。動け。

このままほうっておけば間違いなくこのまま全滅だ、自分が死したとしても
他を活かすために『行け』というこの人の判断は絶望的に正しい。

私がそれはダメだと異を唱えたくても思いつかぬほどに、絶望的に。

動く。

『敵ウィンター・ブランケット』は今腕しか出していない状態のはず。
逆に言えば、抑え『られ』てる今が、端へ抜ける好機なのだと。

『クレモンティーヌ』を発現(テンポを速く)
蹴り足で声を上げているエイノー氏を前に滑らせる動きを取り、自分も進み始める。

この水を変えるスタンド使い、どうやって状況を把握してるのだろうか。
この場で操作してるかのような動き……今この状況を認識している『小さいなにか』、あるいは『水そのものの生き物』かなにかでないと考えつかない。

399『ヴァージンロード・クルセイダーズ』:2019/03/20(水) 21:56:34
>>396(ウィル)
ウィルを襲う二つの衝撃──
特に後者の事実は、異次元的な敵の危険性を意味する。
『ナツメグ』が『射程距離外』だと推測した後方の安全地帯。
そこが『視界』の外だったのか、それとも内だったかは不明だが、
氷に覆われた通路の領域、ここから先は間違いなく、
敵の攻撃範囲──いや、敵の『手中』にあるといってよい。

水を自在に操作する能力を前に、
氷で覆われた空間に足を踏み出す・・・・
その意味を、ウィルは改めて、戦慄とともに理解した。


「─────ミス・ハマオカッ!」

                     ──バシュウ!


氷壁から伸びた太い腕。
その指は浜岡のスタンドの手首を握り砕いているが、
浜岡のスタンドもまた、その手首を握り返している。
片腕を犠牲にして、神出鬼没の『深淵』を捉えた形だ。
そして、固定された腕を狙うのは、ウィルにとって容易い──!


     バス!
            カラ カララ・・・・

腕に突き刺さった針弾は、しかし突き刺さることなく床に転がる。
同時に、ウィルはその理由に気が付いた。

『袖』だ──『スィート・バイト』のスタンドの腕が、
長い袖に包まれている。
恐らくはネグリジェなどの『寝具』・・・・
極薄の布地であれ、『破壊不能』であれば針は『通らない』。
ウィルの迎撃を見越した上での『仕込み』だろう──

高遠がスタンドを発現し、狭い通路で回転を始める。
ウィルは氷の支配する世界へ駆け出す──
壁、天井、そして床の氷が崩れ、羊水のように溢れ出る・・・・
全身に冷えた水が浴びせられる・・・・!

間違いなく『危険』・・・・
だが、『希望』は、その先にしか有り得ない。


>>394(エイノー)

『ナツメグ』:
「ああ、行け。『ベッド』を『破壊』しろ」

巨体が『回転扉』のように回り、エイノーに道を譲る。
エイノーは頭から飛び込み、スライディングを試みる──
床は凍結し、鉄粉によって『鏡』でもない。
何より、『深淵』は浜岡が抑えている。問題なく滑り抜けられるはず・・・・


          バッ シャアア!!

だが、そうはさせじと『氷』が溶解した。
床は氷のリンクから瞬時にしてみぞれ交じりの『ぬかるみ』へと変わり、
滑り込んだエイノーの勢いを削ぎ取る。
全身ずぶ濡れのまま、エイノーの前進は浜岡の足元で停止を余儀なくされる。

氷壁から伸びた太い腕を、かいま見上げるエイノー。
その指は浜岡のスタンドの手首を握り砕いているが、
浜岡のスタンドもまた、その手首を握り返している。
片腕を犠牲にして、神出鬼没の『深淵』を捉えた形だ。

浜岡の目的を考えれば、今なすべきことは彼女の開放ではない・・・・!

?
     グ ンッッ
             ?

情熱的な音楽とともに、体に力が加わるのを感じた。
陽炎の如きエネルギーを伴い、回転する高遠──
その爪先がエイノーの襟元を引っ掛け、通路の先へと押しやる。


   ザ バシャァ アアアア

くるぶしほどもある水の抵抗をものともせず、
『数m』もの投げ飛ばされたエイノーは、弾力ある壁に衝突し、
再び水たまりに没した。
薄闇でほとんど見えないが、間違いない・・・・
眼前に立ち塞がるのは、『スィートバイト』の残した『巨大ベッド』の壁だ。

400『ヴァージンロード・クルセイダーズ』:2019/03/20(水) 21:57:33
>>398(高遠)
危機的状況から『護り』に入ったのは、
想像通り、【護り屋】の上司である浜岡だった。

彼女自身、危険な状況なのは容易にわかる。
だが、それ以上に今を逃して通路を脱するチャンスは『ない』。
落ち着いて考えれば、全員が助かる手があるかもしれないが、
そんな時間は与えられない・・・・
時は『有限』。今は『選ぶ』しかない。

ズギュ!!
          ♪

『クレモンティーヌ』を発現し、自身を『不滅』のパートナーに変える。
通路は狭く、踊れるパターンは限られているが、
これまでに培った技法を駆使し、浜岡の傍を抜け、前へ出る。
上司は無言だったが、かすかに微笑んだ気配を感じた。

背後で聞こえるエイノーの声。
一気に滑りぬけようとしたようだが、周囲の『氷』は呼応するように溶け出し、
床はみぞれ交じりの『ぬかるみ』へと変化して、エイノーを食い止める。
だが・・・・幸いにして、高遠の足元には到達した。

?
    グ ンッッ
            ?

爪先を襟元に引っ掛け、勢いよく通路の前方へとエイノーを『蹴り投げる』──
『クレモンティーヌ』の膂力をもってすれば、『ぬかるみ』も何のその。
天井、壁の氷も溶け出した突然の『豪雨』を貫いて、
エイノーの体は『数m』先の闇にぶつかり、停止した。
薄闇でよく見えないが、おそらくそこが『巨大ベッド』の壁だ・・・・


現在の状況:

※通路出口:
※エイノー<<<高遠<浜岡<ウィル<ナツメグ

沛然と降り注ぐ水は、高遠、『クレモンティーヌ』の区別なく
全身を濡らしていく。ただの『水』でないのは間違いない・・・・!



>>397(井上)

            ギシィ! ググン

傷ついた肩の筋肉を収縮させ、出血を止める。
同時に井上を体を丸め、解け掛けた腹部の包帯を護る・・・・
『井上ボール』の完成だ。

主人の『遺言』を尻目に、
『ハッピー・オルガン』は『15m』先で立ち尽くす
漆黒の『性豪』に対峙する。

ルンクスに移動する気配はない。
足元に転がった『雪玉』からも、『砲撃戦』の意図が窺える。

対する『ハッピー・オルガン』の選択は──
井上を利用した『同時攻撃』と『前進』だった。

  ブ ン ッ


『井上ボール』を山なりに投じると同時に、
二本の剛腕を雪原深くに叩き込む。


            グァ! バ!!

その有り余るパワーを以って、『除雪機』さながら
積もり切った雪を掘り起こし、地面までも露出させる。
積雪の深さは『50cm』程度もあったが、
『ハッピー・オルガン』にかかっては、掘り起しは問題ない。

ただし、想定外が一つ。
雪下の地面は一面の芝生であり、瓦礫の生じる岩盤ではないことだ。
このまま吹っ飛ばしても『散弾』には使えない・・・・それは『雪』も同様だ。

一方、放物線の頂点に至った『井上ボール』に対し、
ルンクスは動じる様子もなく、手にした『雪玉』を一つ、投げ上げる。
こちらもさしたるスピードではない。
両者の視界内で、二つの『玉』がみるみる接近していく・・・・

401<ガオンッ>:<ガオンッ>
<ガオンッ>

402エイノー『フィストフル・オブ・クォーターズ』:2019/03/23(土) 13:39:10
>>399
左手でベッドから『破壊不能』カートリッジの作成を試みる。
残念ながら『F・O・Q』のこの能力は即時性に欠ける、後は『鏡からの奇襲』に警戒する他ない。
ただ気付いた事を一言伝える。

「判ってどうなるものではないが一つ思い出した。神話の質問に来た学生がこの現象と良く似た事のできるゲームを見せてくれた、雪を瞬時に気化した水の司の大天使ガブリエル」

403ウィル『ヴェノム&ファイア』:2019/03/27(水) 22:55:04
>>399

「『無敵の鎧』というわけか・・・」

『破壊不能』は変形不能というわけではない。この眼前のベッドが最たる例だ。
故に、打撃などの衝撃ではなく貫いて効果を発揮する『ファイア』の弾丸とは相性がかなり悪い。
だが、この場でそれを攻略することにまごついているわけにはいかない。
まず最優先は、この通路の先を急ぐことだ。

高遠の幾分手荒い助けにより、エイノーはベッドの元へと辿り着くことができた。
後はそれが無事完了するのを見守るだけだが、敵も黙ってやらせるとは思えない。
『スイート・バイト』は浜岡が拘束している今、ずぶ濡れの水を凍結させて、妨害してくるか?
ひとまずエイノーの肩を掴んで立ち上がらせ、なるべく床や壁に触れる面積を減らしておく。
凍らせるとしても、床や壁伝いに来るのではないだろうか。

404井上正『ハッピー・オルガン』:2019/03/30(土) 18:50:30
>>400
【ヨーイィ…ドンだ】

ゴバッ!

掬い上げた大量の雪やら土やらを井上のいるあたり目がけて空中に吹き飛ばす。
『水』のスタンドの最大の謎は探知方法だったが、五感のなかで最も近いものを挙げるとするなら恐らくは『触覚』
動物のような皮膚感覚ではないだろうが、体内で動いているものを漠然と把握する感じと結論付ける。
それ故に素早く正確な操作は難しい、それを踏まえた上で、『雪玉の周りに大量の雪を撒き散らす』
この行動により雪玉の正確な補足を妨害し、着弾、炸裂のタイミングをズラす。

雪玉を手で受けたら肩まで吹き飛ばされた、このことから雪玉の爆殺半径は1m以上2m未満であることがわかる。
炸裂のタイミングと着弾部位をズラすことができれば被弾は抑えられるはず。そこで次の策だ。
現在井上は体を丸めて高速回転している、回転の中心が重心であるためキレイな回転で飛んでいるが、ここで『井上は空中で直立のポーズをとる』
この行動によって重心がブレ、回転が乱れ、軌道が変化する。勿論人間には不可能な挙動だ。
しかし井上には常識を超えた被操作能力と、肉詰めによる身体強化がある。

以上の行動は疾走しながらでも可能だ。ハピオルはルンクス目がけて走る。スA

405高遠 嶺『クレモンティーヌ』:2019/03/31(日) 11:37:35
>>400
全身が濡らされていく。

あり得ることは……凍結による行動阻止と転倒
気化させたのを見てはいないが、それがあれば視界塞ぎもある。


単純に凍らされるだけなら力を込めて破壊できるだろうが、移動しようとした矢先の転倒は厄介だ
『クレモンティーヌ』にはステップなどはせず足をついたままでの移動と
ダンスの形式を高遠が回転し『クレモンティーヌ』が回転の中心になるよう。重心を安定させておきたい。

破壊不能カートリッジが取り出されるまで周囲・水の観察に廻り、取り出された場合、蹴破る。

406『ヴァージンロード・クルセイダーズ』:2019/04/15(月) 23:38:25
>>402-403(エイノー、ウィル)

ズギュ!

『フィストフル』指で触れたベッドの表面に、『カートリッジ』が現れ出る。
後はこれを引き抜けば、『破壊不能』という『ベッド』の機能は失われる。

「『ガブリエル』。
 とりあえず、この『雪』のスタンドをそう呼ぶとするかよ。
 もっとも、まず最初にブッ殺す相手だ・・・・
 名前はすぐにいらなくなるだろうがよぉ〜〜ッ」

真後ろに迫った『ナツメグ』がつぶやく。
至近距離にはウィル、そして高遠。


             パキ パキパキ・・・

床にたまった水と濡れた衣服が、みるみる『凍結』していく。
だが、いち早くウィルがエイノーを抱き起してくれた。
靴は回避が間に合わず床に『固定』されるが、水量は知れている。
抜け出せないというほどではないはずだ。

>>405(高遠)
目前ではウィルがエイノーを抱え起こし、
『カートリッジ』の生成を成功させた。

高遠の全身もずぶ濡れになり、みるみる『凍結』していく。
その速度は凄まじく、逃がれようもないほどだが、所詮は『氷』だ。
『不滅』の踊り子と『クレモンティーヌ』を束縛できる強度ではない。

    ビキ! ビキィ!

魅惑のダンスをもって破砕し、純白の破片を撒き散らした。

すぐ背後には『ナツメグ』の巨大な腹が迫る。
その向こうでは、見えははしないが
浜岡と『スイートバイト』の拮抗が続いているに違いない。

浜岡:
「行きな、高遠。
 大丈夫。あたしにゃちゃんと『策』があるのさ。
 ・・・・前にも言ったろ?
 いつか必ず、この日が来るとわかってた」

「過去の自分に決着をつける、この日がね」

「・・・・・・・・・・」

「あんたも心配そうな顔してんじゃないよ、デブ助。
 あたしゃ【護り屋】だよ・・・・『約束』だって『護る』。
 おまえの大事なママを、消しちまったりしない」

「だから・・・・早く、行くんだ・・・・!」

407『ヴァージンロード・クルセイダーズ』:2019/04/15(月) 23:40:12
>>404(井上)

ゴバッ!!


頭上に投じた井上、それを迎撃するルンクスの『雪玉』。
『ハッピー・オルガン』は咄嗟に腕の向きを上げ、
掘り出した雪と土砂を、井上目がけて巻き上げた!

両者の超常的な速度域に比して、
井上と『雪玉』のスピードはスローそのものだ。
壁のように立ち上がった土塊は空中の両者に十分に追いつき、
井上の周囲を煙幕のように覆う。
果たして、読み通り『雪』の索敵を騙せるかどうか。

同時に、『雪玉』が『爆破範囲』に到達した。
やにわに井上は高速回転しながら直立する。
常人では決して選択できないであろう、
背筋からつま先までピンと伸ばした状態で回転し、
計算した『危険爆破範囲』から軌道を逸らして逃れる──


  バ
      ゴ ォ ォ
              ン  !!


井上から『3m』離れた位置で、『雪玉』が爆発した。
氷の破片が飛散し、肩や背中に突き刺さる激痛。
だが、致命傷ではない。腕が吹っ飛ぶ威力は感じられない。

それを感じ取りつつ、『ハッピー・オルガン』は猛進する。
もはや雪を巻き上げず、まっしぐらにルンクスを目指して。
障害がなければ、距離『15m』など一拍程度だ。

同時に、井上も頭上に到達するはず──


        ドサッ!!

突如、雪原の傍らに落下する、大きな塊。
中型犬ほどもあるそれは、勢いよく新雪に突っこんだ。
スキー板のように突き出した棒状のそれは、直立する人間の両足。
そして、白い雪に赤い染みが広がっていく・・・・

『爆破危険範囲』の想定は間違っていない。
『ハッピー・オルガン』の過ちは、
破れる寸前だった腹部の包帯と、それを防護させることを失念したこと。
包帯を破る程度の威力は『3m』先でも十分に発揮されることは、
すでに証明済みだ──

回転の主軸たる井上の上半身は、鮮血を巻きながら、
あらぬ方向へと落下を続けている最中だ。

そして今、『ハッピー・オルガン』は、唯一人、立ち尽くす。
傲然と笑みを浮かべるルンクスと、
彼の最強の『花嫁』が支配する世界のさなかで、対峙する──

ルンクス:
「すいぶんとせっかちじゃねェか。
 そんなにオレが恋しかったかヨ? えエ・・・・『元嫁』」


   ゴ ゴ ゴ
               ゴ ゴ ゴ ゴ ゴ


彼我の距離──『3m』。

408井上正『ハッピー・オルガン』:2019/04/16(火) 12:17:47
>>407
『ハッピー・オルガン』が立ち尽くすわけないだろ、訂正を要求する

409『ヴァージンロード・クルセイダーズ』:2019/04/17(水) 01:24:23
>>408(井上)
了解。

それでは、距離『3m』にて突進中、に訂正する。

410ウィル『ヴェノム&ファイア』:2019/04/21(日) 22:14:36
>>406

エイノーが動けそうなら、自分は『靴』を動かして、完全に固定される前に抜け出せるか試す。
ここより先にも凍る水面はあるのだろう。できればここで『靴』を失うことは避けたい。

「動けますか?ミスター・ニョルズ」

彼が既に『スタンド』を構えていたら、自分が『破壊不能』カートリッジを抜き取り、
『F・O・Q』に攻撃してもらおう。あるいは高遠の『クレモンティーヌ』か。
とはいえ、このカートリッジの扱いを心得ているのは彼だ。やはりエイノーに持ってもらいたい。
扱いを心得えているといえば、この教会を訪れた時に奪った拳銃の様子を確認しておこう。
先ほど水がかかってしまったが、内部まで水に浸ってはいないか?
また、周囲を警戒しておこう。凍結以外の手段を用いてくる可能性もある。

411井上正『ハッピー・オルガン』:2019/04/30(火) 17:40:51
>>407
スピードを殺さないままルンクスの右側面に回り込みつつ右ジャブ。
そのまま後方に回り込み左ジャブ、円を描くようにルンクスの周囲を動き続ける。
スピードは維持したままルンクスを連続で打ち据える、すなわち脚と腕との同時ラッシュ。パス精AAA
発想は単純だが、誰もやろうとしなかった、否、できなかった。
『高速で動きながら高速で殴ると強い』これを行う。
『エンジェルズ・ラダー』の視界が本体と共有されているかわからないが、どっちにしてもを足を片方失った状態でこの攻撃についてこれるか?

加えておくが、ハピオルは『エンジェルズ・ラダー』の動きもよく見ている、唾液なんて見逃すワケないからな。

412エイノー『フィストフル・オブ・クォーターズ』:2019/05/01(水) 23:25:24
>>406
温度変化の要素がない以上『衣服に染み込んだ水』が凍結しようと力は使うがまだ動ける、故に『破壊不能』カートリッジを『F・O・Q』左手で抜き破壊可能になったベッドに右肩ショルダーアタック、本体はウィル共々低い姿勢で前進を試みる。

「高遠君、ナツメグ氏、ベッドの残骸が飛んてこないか用心してほしい。聞いた『ウィンター・ブランケット』の限界だと二重張りや三重張りもある、再展開される前に『横』のある空間まで進みたい。あと浜岡婦人、『帽子』の返却はいらないか?『肉の固定』にアテができた」 

『粘着』がなくても戻っても『テープ』で巻いていけば固定は叶うだろう、それも服の処理もまずこの袋小路に活路を開いた後になるが優先順位として仕方ない。

413高遠 嶺『クレモンティーヌ』:2019/05/01(水) 23:36:41
>>406
ウィル・エイノー両氏が氷の破壊が難しそうであればその手助けをしておきたい。
その後引き抜かれるのを待つ。そして引き抜かれ破壊『可能』になったベッドを蹴り飛ばす。 破ス精ABB

封じられた穴を突き破り、抜ける。
その先にいるはずだ。『ハッピー・オルガン』、そしてルンクス。
仮称『ガブリエル』の本体も……おそらく。

「……きっと、です……!」


そのキットのために『深淵』を支配しているルンクスをどう焼き切るかだ。
道が開ければ眼前に飛び込む風景も見えてくる、進む。

414『ヴァージンロード・クルセイダーズ』:2019/05/07(火) 22:42:12
>>411(『ハッピー・オルガン』)

──ドヒュオ!

             ドバ! ババババ!!

ルンクスの前方に立ち塞がる『エンジェルズ・ラダー』に対して、
一片の気後れすらなく、突撃する。
雪原を滑るように加速しつつ、右側面に回り込むと、
大気を攪拌するような右ジャブの連打。
スピードに乗ったまま、さらに後方に至ると、左ジャブに切り替える。
人間相手ならば、原型を留めないだろう猛攻の嵐だ。
だが・・・・

          ガ       ガガ


       ッギギギ 
              ギ ギ ギ ン!!


互角の実力を備える『エンジェルズ・ラダー』の防御はそれを上回る。
超高速のジャブは両腕を掲げた堅牢なガードに阻まれ、
或いは同速のジャブで弾き落とされる。
股間から聳え立つ『剛角』が、楯となって中心線を護るのも変わらずだ。

スタンドならではの高速移動による旋回も、
こと防御に徹する限りであれば、ルンクスの周囲を『エンジェルズ』が回れば、
脚の怪我も関係なく、『ハッピー・オルガン』に利を与えない。

何より、この展開。
教会堂内で戦った時にも感じられたことだが。

ヨハネスブルグの闇の支配者、
『ヤング・ダイヤモンド』の一角を担う、このルンクスという男──
『近距離パワー型』との戦い方を、『知り尽くしている』。


   ── ボッ!!

紫電の攻防のさなか、『エンジェルズ・ラダー』の馬面が唇を窄めた。
『ハピオル』の顔面目がけ放たれる、『第三の攻撃』。
その攻撃は予期していた。だからこそ気付けた。

──これは『唾』ではない。
一回りも大きな、何かの『塊』だ・・・・!

415『ヴァージンロード・クルセイダーズ』:2019/05/07(火) 22:44:02
>>412(エイノー)

──カシュ!

『破壊不能カートリッジ』を引き抜くと同時に、
高遠の蹴りがベッドに突き刺さった。

                         ドッゴォオオ!!

その威力は炸裂と呼ぶに相応しく、
布地や骨組みをバラバラに粉砕して、通風孔から排出する。

ビュオオ オォッ

残骸の心配は不要だった。
一気に視界が明るくなり、冷たい風が頬を叩く。
目前には白く飾られた広大な天井。
孔の下には、同色に染められた雪原が広がっている。
視界は吹雪によって明瞭ではないが、景色が見えないほどではない。
雪原までは10mばかりも降下する必要があるが、
この積雪量ならスタンドの助けを得ずとも問題なさそうだ。

浜岡:
「餞別だよ・・・・持ってきな。
 けど、いつ消えてもいいように手は打つんだね」

浜岡の声に余裕はない。
通路の後方では、無音の対峙が続いている。
『いつ消えても』という言葉に、大げさな響きはない。

>>410(ウィル)
ウィルの手助けより早く、エイノーは『カートリッジ』を引き抜き、
間髪入れぬ高遠の前蹴りが『巨大ベッド』を破壊し、通路を復活させた。
頬に風が甦り、視界が多少明るさを取り戻す。

パキ パキパキ

靴が床に接着されないよう、小刻みに歩を進める。
こうすれば少なくとも、靴を奪われることはなさそうだ。
他のスタンド使いと異なり、ウィルに自力で氷を砕く術はない。
慎重を期するのは当然だろう。

念のため拳銃を引き抜くが、射撃に問題があるかはわからない。
明らかに濡れているというわけではないので、可能性は低いと思われた。
むしろここで確認している間にも滴が付着し、故障に繋がりそうだ。

周囲に追加された『異常』はない・・・・
とはいえ、『氷』はあらゆる手段を用いて、ウィルたちの足止めを目論んでいる。
言葉がなくとも、その意思は明確に伝わってくる・・・・そんな気がした。

ナツメグ:
「おい、急げ」

【殺し屋】の声が、ことさらに苛立ちを増す。

「井上の『肉』から反応が消えた。
 状況はわからねぇが、とりあえず『真っ二つ』は確定だ。
 『悪魔』がどう動くかはわからんが、不利になったのは間違いねぇ」

>>413(高遠)
                         ドッゴォオオ!!

エイノーがカートリッジを引き抜いた直後、
『踊り子』が身を翻し、強烈な前蹴りを『巨大ベッド』にくれる。

『破壊不能』でなくなったそれは、
本来収まるはずもなかった通風孔に押し込められたダメージもあり、
孔が自ら吐き出すように、想像以上の凄まじい勢いで吹っ飛ばされた。

一気に視界が明るくなり、冷たい風が頬を叩く。
目前には白く飾られた広大な天井。
孔の下には、同色に染められた雪原が広がっている。
視界は吹雪によって明瞭ではないが、景色が見えないほどではない。
残念ながら『ハピオル』も『ガブリエル』も見えないが、
そう離れた位置にいるはずはない・・・・こちらには菊川もいる。

雪原までは10mばかりも降下する必要があるが、
この積雪量ならスタンドの助けを得ずとも問題なさそうだ。

                オ    オ オ

「おい、急げ」

【殺し屋】の声が、ことさらに苛立ちを増す。

「井上の『肉』から反応が消えた。
 状況はわからねぇが、とりあえず『真っ二つ』は確定だ。
 『悪魔』がどう動くかはわからんが、不利になったのは間違いねぇ」

どうやら、立ちすくむ余裕はなさそうだ。


     オ オ オ  
                      オ オ    オ オ

416エイノー『フィストフル・オブ・クォーターズ』:2019/05/08(水) 01:28:29
>>415
『テープ』をきつめに頭に巻き付け
ウィルと高遠に掴まるか訊いた上で『F・O・Q』でスタンドガードして降りる。
罠や埋まるなどの事態は用心したい。
服はまだ処分しなくても動けるだろう、
菊川のナビとナツメグの肉の感覚で井上とルンクスの戦場まで急ぎたい。
あと『ドライヤー』の『送風』『発熱』が再使用可能か探ってみる。
地底湖に落ちたわけではない、『水』がなくならなくとも『乾気』は充分有用だ。
今使い道はないが『破壊不能』カートリッジは残しておく。

417ウィル『ヴェノム&ファイア』:2019/05/13(月) 00:39:31
>>415-416

「Please.(よろしくお願いします)」

拳銃をしまい、エイノーの助けを借りて下へと降りる。
どうやら井上の負傷は深刻なようだ。
あの『ハルク』のような怪力無双の『ハッピー・オルガン』といえど、
本体である井上が死亡してしまったなら、流石に打つ手はないだろう。クリプトナイトのようなものだ。
もう一つの手段、『才能弾』を『ファイア』に装填しておく。
状況次第では、即座にコレを使う事態になりそうだ。

418高遠 嶺『クレモンティーヌ』:2019/05/16(木) 17:28:22
>>415
「反応が消え…」

下手すると井上は到着した頃には事切れている可能性すらある。急ぐ

念の為、単独で『クレモンティーヌ』と共に回転しつつ飛び降りる。

落下中もナツメグに大まかな場所を聞き、その方向へ向かいたい。

またテンポを加速させておきつつも視界から出る情報を逃さないようにしたい。
『不滅』であればスタンド雪が目に入っても平気のはず。

419井上正『ハッピー・オルガン』:2019/05/17(金) 22:26:57
>>414
吐き出したものはまず間違いなく唾液を凝結させたものだろう、途中で破裂する寸法だ。
最強のパワーとスピードをもつハッピーオルガンといえど、これには抗えない、回避するしかない…

と思うじゃん?

ハピオルは右手でその吐き出された塊を掴み、即座に左の手刀で右手首から先を切り落とす。
この展開はさしものルンクスも予想できまい、一瞬の思考の空白を突き、またぐらを蹴り上げる。
狙いは陰茎ではなく『睾丸』当然、スタンドにはないだろうな、だが本体にはある。衝撃はダメージフィードバックとして伝わる。
たくましくいきり勃つ陰茎が唯一守れない死角、それが『根本』だ。
言うまでもないが、これらの行動は全て超スゴイパワー、スピード、精密性で行われる。

420『ヴァージンロード・クルセイダーズ』:2019/05/29(水) 03:42:38
>>419(『ハッピー・オルガン』)

『ハッピー・オルガン』の判断は正しく、そして対応は早い。

   ボ!  シュバ!

目前に迫る『凝結弾』を右手を繰り出して受け止める。
近接戦のレンジでありながら対応できたのは、警戒あってこそだ。

そして、この『唾』の危険性も熟知している。
その対策に! 掴んだ『唾』を右手ごと切り飛ばす!
左の手刀が閃き、一瞬で右拳が宙に舞う。

さらにはこの自傷の意外性によって生じた隙に乗じ、
スタンドの『股ぐら』へと蹴りを──



ド ボォ  オ !!

          ビキ!バキ!


異音を鳴らし巨拳に砕かれたのは、
『ハッピー・オルガン』の胸板の方だった。
右と左、両方の胸板を──右と左、二つの拳によって。
蹴りが繰り出される、なお速く。

スピードにおいては、両者のそれは高次元で互角。
どちらの攻撃が先に到達するかは、ひとえに手順による『遅延』次第となる。

『唾』を放った直後に繰り出された双拳が、
『唾』への対処、手首切断の後に放たれた蹴りに先んじるのは当然の帰結だった。


ルンクス:
「グレートな反応速度だが、オレに勝つには『手数』が足りねェ」

雪風を突き破り、『10m』ばかりも先の雪原に背中から叩き付けられる。
蹴りを出そうとしたため、不安定な態勢になっていたのがせめてもの救いだ。
胸板に亀裂が走る甚大なダメージだが、致命傷ではない。


「オレは『新妻』を見出し、おまえは『相方』を捨てた。
 その差だ・・・・人を強くするのは『愛』だけダ。
 永遠に『独り』のおまえにはわからないかもダガ」

ザッ

「『強さ』が欲しいカ?オレに勝ちたいカ?
 ならば、再び我が『愛』を受け入れるがいい。
 オレは寛大な男だ・・・・たとえ『元妻』が相手でもな・・・クク」


ザッ

「その胸も右手も治してやろうじゃあないカ・・・・さあ」


                          ザッ

421『ヴァージンロード・クルセイダーズ』:2019/05/29(水) 03:44:14
>>418(高遠)
遅れれば間に合わない可能性もある。
高遠は『クレモンティーヌ』と舞いながら、単身、雪原へと飛び降りた。

菊川:
「──あそこだ。左前方『35m』。
 小さく赤い点が見える」

『ナツメグ』:
「『肉』の反応はねえ。『真っ二つ』だ」

吹雪は今はさほどではなく、眼下に広がる雪原を一望できる。
奥に行くほどに傾斜がかかり、なだらかなスロープ状のようだ。
少し前に菊川が『地下墓地』の大まかな地図を描いてくれたのを思い出す。
そこにはかなり大きなサイズの墓が並んでいたはずだが、雪原上にそれらの姿はない。
破壊されたのでなければ、雪に埋没したに違いない。

『不滅』があれば、雪の目つぶしは問題ない。
だが、この雪原は『クレモンティーヌ』に不利な戦場だ。
果たしてどこまで『踊り』の足場を確保できるだろう・・・・?


>>416(エイノー)
時間が経過し、『ドライヤー』の機能は再利用できそうだ。
『破壊不能』カートリッジも問題なく確保している。

帽子の中に手を入れれば、その隙間で解除されかねない。
エイノーは帽子の上からターバンのようにテープを巻き、手早く固定する。
万一『ナイトキャップ』が解除されても、自身の頭部が露出しなければいいのだ。

「・・・・急ぎな。
 なんだか嫌な予感がしやがる」

珍しく『ナツメグ』がスタンドで介護のの手助けをする。
尊大と言っていいほどの【殺し屋】に似つかない対応だが、
それだけ焦りがあるのだろう・・・・横顔にも不安の影が張り付いている。

菊川:
「──あそこだ。左前方『35m』。
 小さく赤い点が見える」

『ナツメグ』:
「『肉』の反応はねえ。『真っ二つ』だ」


             バッッ


『ナツメグ』のおかげでさしたる時間を取らず、
エイノーはウィルもろとも、断崖の下へと飛び降りた。


>>417(ウィル)
『才能弾』を『ファイア』に装填した後、
エイノーの手を借りて、断崖に臨む。

吹雪は今はさほどではなく、眼下に広がる雪原を一望できる。
奥に行くほどに傾斜がかかり、なだらかなスロープ状のようだ。
少し前に菊川が『地下墓地』の大まかな地図を描いてくれたのを思い出す。
そこにはかなり大きなサイズの墓が並んでいたはずだが、雪原上にそれらの姿はない。
破壊されたのでなければ、雪に埋没したに違いない。


             バッッ




>ALL


      ビュウ  ウウウ ・・・



                       ザシュ !!


──まずは高遠。
続いてエイノーとウィル、『ナツメグ』と菊川の各コンビが雪原に着陸した。
雪は柔らかく足首まで埋もれたが、これは自然な現象と言える。
それ以上の変化はない・・・・罠の作動する様子もない。


『ナツメグ』:
「・・・・・・・・・・いや、急ぐのが先だ」

怪訝そうな顔をする『ナツメグ』だが、
すぐに気を取り直して、そうつぶやく。

菊川の言った『35m』先に、かすかに人影が浮かんでいる。
舞う雪にまぎれそうな薄い姿だが、
二つの人影がぶつかりあい、再び離れる──『戦っている』。


      ゴ  ゴ          ゴ   ゴ 
                                 ゴ  ゴ

422ウィル『ヴェノム&ファイア』:2019/06/05(水) 21:32:47
>>421

「There isn't a moment to lose.(事態は一刻を争う)」
「急ごう!」

とはいえ、墓標が埋没するほど雪が降り積もっているとなれば、その深さは計り知れない。
自分が着ているベストを脱ぎ、『ソリ』として使いスロープ状の雪を急いで下る。
これなら足を取られて雪に埋まることなく移動できるはずだ。

423エイノー『フィストフル・オブ・クォーターズ』:2019/06/08(土) 09:13:38
>>421
「雪は嵩張るのでそこまで水量はないだろうが『地面を隠す』『一度溶けて足首あたりで再凍結して足止め』くらいは可能かもしれない、慎重に進もう。」

ドライヤーから『送風』『発熱』カートリッジを作り始める。

「何、数秒もすれば道も見えるし服も乾かせる、すまないがそういう便宜的都合で最後尾に回して欲しい」

カートリッジ作成と慎重な行進は基本方針だが誰かに尤もな異議があれば『慎重』『最後尾』は撤回して別案に従う。

424井上正『ハッピー・オルガン』:2019/06/12(水) 21:14:35
>>420
【あァ〜…】

雪原に大の字になって天井を見上げる、降りしきる雪がロマンティックだ。
そろそろノロマどもは到着したかな? 認めたくはないが、一人じゃ勝てん、てゆーか2対1じゃんズルくね?
井上? あんなもん役に立たんわホント、もう、やってられないぞ。あーもう、行くぞ。

起き上がって井上(上)と井上(下)を回収しに行く。スA
ダメージは受けたが移動スピードではルンクスには負けないだろう。こっちに向かって歩いてきてるなら足元に並べた雪玉からも離れているという事だ、
数発投げつけてくることはあっても連射はない、投げるのを見てからでも間に合うだろう。
グルッと見回して周りを見ておくのも忘れないぞ。

425高遠 嶺『クレモンティーヌ』:2019/06/14(金) 18:06:28
>>421
想定以上に遠い。
『ハッピー・オルガン』の膂力と速度を甘く見ていた。

地に足をつけない挙動はバランス的に刈り取られたら為す術がないが
かといってゆっくりしているわけにも行かない。


まず高遠を前方へ向けて風を飛ばすように一回転。
成人女性サイズとはいえ人一人分の雪としての性質を保った状態であればある程度は吹き飛ばせるはず。

後は足元の感触を踏み確かめながら全開の力と速度で先行する。

できるだけ、前方の注視をしておきたい。

426『ヴァージンロード・クルセイダーズ』:2019/06/24(月) 01:06:00
>>422(ウィル)
残念ながら、スロープは手前から奥に向かって上昇する
緩やかな坂になっている。登るにあたってさしたる障害ではないが、
少なくとも滑り降りることはできない。

ナツメグ:
「オレが前に出る。
 頭上と、足元と、雪の動きに気をつけろ。
 ・・・・はっはは、我ながら無茶な要求だけどよ」

   ザッ ザッ ザッ

『ナツメグ』に続き、、そのまま雪を踏んで前進を始めた。
雪は深く、足取りは捗らない。走ることすら出来ない。
視界の彼方で『ハッピー・オルガン』の巨体が立ち上がる。
まだ無事のようだが、ルンクスに追われているようにも見える。
その背中が、雪が赤く染まった一帯へと向かう──

>>403(エイノー)

カシュ!カシュ!

仲間の最後尾を志願し、
ドライヤーから『送風』『発熱』カートリッジを作り終えた。
先頭には菊川を抱えた『ナツメグ』が立っている。
その恰幅ある背中は、さながら除雪車の頼もしさだ。

この距離でも移動する『ハッピー・オルガン』の巨体と、
ルンクスであろう黒、井上であろう赤だけは見分けがつく。
『ハピオル』が立ち上がり、『赤』へと向かう──

>>425(高遠)
空中で旋回し雪を吹き飛ばすが、吹雪の中では蟷螂之斧に思われる。

着地した高遠は、即座に気が付く──
新雪の積もったこの空間は、『クレモンティーヌ』殺しだ。
柔らかく頼りない足場、足を取る大量の雪。

エイノー:
「雪は嵩張るのでそこまで水量はないだろうが『地面を隠す』『一度溶けて足首あたりで
 再凍結して足止め』くらいは可能かもしれない、慎重に進もう」

さらに加えて、この忠告が正しければ、敵の妨害は対処するべくもない。
ここはエイノー命名するところの『ガブリエル』の『聖域』なのだ。
雪が消えでもしない限り、『クレモンティーヌ』の維持は困難になるだろう。
かといって、道なりの雪を踏み固める時間はありそうにない。

無策で雪上を進むとなれば、30mの距離はけして近くはないのだ。
ともあれ、最小限の足場でスタンドを維持しながら、高遠はウィルの背中を追う。


>>424(『ハッピー・オルガン』)

傲岸不遜が具現化したような『ハッピー・オルガン』だが、
彼は『愚鈍』ではない・・・・その高い知能も『悪魔』たる所以だ。

大の字のまま思案するのも束の間、
すぐさま頭を切り替え、立ち上がった。

                             ビキ ビキッ


『完全自律型』でなければ確実に『再起不能』であろう胸の穴から、
さらに小さな亀裂が広がる。
四肢の動きに影響は感じないが・・・・これ以上のダメージは間違いなく『ヤバい』。
スタンドという存在の中心から崩壊が広がれば、消滅は免れない。


        バ   
              ビュンッ !


接近するルンクスを軽く置き去りにし、鮮血に染まった雪の縁に到達した。
縁、と表現したのは、そこに『穴』が生じていたからだ。

井上の半身二つが転がった場所──それは血の色で明らかなのだが、
そのどちらにも井上の姿はなく、代わりに人間サイズの穴が、
雪上にぽっかりと口を開いているのだ。
そしてよく見れば、雪の赤は照り返しの色で、雪上に血は一滴も残っていない。
照り返しの元となる『赤』は、謎の穴の底にあるようだ・・・・

改めて周囲を確認する『ハピオル』。
ルンクスはこちらに向かってくるが、雪原上の移動は当然遅い。距離『10m』。
想像通り、積み上げた『雪玉』からは離れている。

そして、こちらも想像通り──
見覚えのあるビヤ樽のような巨体が、雪原の彼方に現れているのが見えた。
『ナツメグ』だ。後ろに『ノロマども』も続いている。距離は『30m』程度か。
『2vs1』の一方的な戦いに終止符を打つ為の駒は、ひとまず揃った形だ。

しかし・・・・その時だった。

427『ヴァージンロード・クルセイダーズ』:2019/06/24(月) 01:10:35
>ALL

            ・・・ ズ   ゴ ゴ ゴ ゴ ゴ


             ゴ   ゴ  ゴ
ゴ       ゴ               ゴ  ゴ 

   ゴ                            ゴ

                  ゴ       ゴ

──突如、雪原が揺れ始めた。
一同が思わず立ちすくみ、バランスを取る。
揺れは『大地震』というほどではないが、地下空洞を不気味な反響で満たし、
未知の地底の怪物の存在を想起させた。


  ズ  ズ ン !

続いて、雪の床に異変が生じる。

               ズ  ズ ン !

地響きを立てて床が『落ちた』。
足元だけではない。地下墓地全体を対象に。


                            ズ ズ ン !

二度、三度、立て続けに。


地震ではない・・・・『地盤沈下』だ。
床ごと宙に投げ出されたような『浮遊感覚』。
底の見えない穴を落下していくような『恐怖』── !!

428エイノー『フィストフル・オブ・クォーターズ』:2019/06/25(火) 21:23:04
>>426-427
『送風』カートリッジを『F・O・Q』左肩に急ぎ装填し他の3人に呼びかける。

「全員急いで私に近付いてくれ、『手助け』はする」



429エイノー『フィストフル・オブ・クォーターズ』:2019/06/25(火) 21:59:14
>>428
途中送信失礼。

『F・O・Q』が背後を向き全力で『送風』する(自身は影響ないよう『F・O・Q』前面に密着、ついでに一度『粘着』カートリッジを抜く)。
言うまでもないが零から風を起こす能力が『送風』ではない、従って逆方向からはパワーAの『吸引』現象が生じるのだ、これで可能な限りの仲間を引き戻し次に『送風』を下方に向ける。
運が良ければ短時間のホバリング、そうでなくとも軟着陸の手助けにはなるだろう。
後はルンクスの『花嫁』に『虚空を作り出す能力』持ちがいない事を願うしかない。
それさえなければ絶対に『行き着く底』はあるのだ、反攻は不可能ではない。
実際ルンクスの罠の可能性は無視できないが低いとは思う。
そうであれば追ってきた全員が地下に着いた刹那発動させればルンクスは安全に逃走出来た筈でその方がルンクスの勝率は高かった、何か凄い『拾いもの』を見つけたらしいが麻雀だと安牌があるならめくり合いはせず逃げる時は逃げて決定的勝機を探すのがルンクスという男だろう。

430ウィル『ヴェノム&ファイア』:2019/07/01(月) 22:47:58
>>427

「空洞の 更に下が…ッ?!」

ここはエイノーに委ねる他ない。
後は『ナツメグ』が肉のクッションを作れたならいいが、『肉詰め』に丁度いいものがあるかどうか。
だがこの落下、果たしてあの『ルンクス』はどうするつもりなのか?
一応下を見て着地、あるいは受け身を取る準備をしつつも、まだ地面が見えなければ、敵やハッピー・オルガンの動向を伺う。

431高遠 嶺『クレモンティーヌ』:2019/07/03(水) 21:45:31
>>426-427
「落ち……ッ」

予期せぬ落下。


姿勢を縦に保ち、空中で出来るかはわからないがエイノーに接近を行う。

コレは、確実に自分が一番死ぬ『攻撃』だ。……おそらくは『ガブリエル(仮)』の

すぐに行わなかったのは……おそらく下準備に時間がかかること。
こちらもあの通風孔を抜けるのがスムーズでなかったが為にこの攻撃を許してしまったのだろう。

最悪、この状態で雪を溶かし、凍らせる真似もしてこないとも限らないし
ルンクスはコレを把握済みでもおかしくない。

飛来物にだけ気を配り後は防衛に務める

432井上正『ハッピー・オルガン』:2019/07/04(木) 05:45:53
>>427
【おォ〜? いいねェ!】

井上を持ったまま壁に飛び、脚を埋め込んで留まる。上から瓦礫が落ちてきても問題ない、当たらんからな。
ルンクスから目を離さないでおく、追撃してもいいけどまぁ防がれるだろうしな。
下まで落ちてまだ生きてたら戦うことにしよう。

433『ヴァージンロード・クルセイダーズ』:2019/07/26(金) 12:07:05
>>428-429 >>431(エイノー、高遠)

突如、真下に遠ざかる雪原という名の『床』。
宙に投げ出された高遠は懸命にもがくが、
足場を失った『クレモンティーヌ』に移動の術はない。
そのまま落下を余儀なくされるかと思われたが──

         ヴォ!!
               ヴォ!
                     ヴォ!!

エイノーの咄嗟の機転!
反転した『フィストフル』の『送風』能力によって、
『接近』と『吸引』を同時に行い、最速で高遠を回収した。

前方の三人はと見れば、あちらも『ナツメグ』が救出に入ったようだ。
エイノーはひとまず『送風』ノズルを下方に向け、
沈下を続ける雪原への降下に備える。

強化された『送風』機能だが、人二人を飛行させるほどの性能は流石にない。
だが、エイノーだけであれば地面に噴射して『ホバリング』程度は期待出来る。
人二人でも、着地のショックの軽減には十分すぎるはずだ・・・・
この落下がどこまで続くのかはともあれ。

エイノーの加護を受けた高遠は、落ち着いて周囲の状況を確認できる。
その眼下に進行する状況とは──


>>430(ウィル)

「用心しろとは言ったが、まぁさか床が抜けるとはよ」

苦笑交じりの声と同時に、ウィルの肩を巨大な手が掴む。
『フランキー・アヴァロン』──『ナツメグ』のスタンドだ。
宙を踊るウィルを引っ張り、そのまま草食獣のような本体の右肩に乗せ変えた。
反対の肩では、菊川が顔を歪めながら『ナツメグ』の首に齧りついている。


「──雪の下は岩盤と人工芝だよ。底が抜けるわけない!」

分析の声も興奮気味だ。

「──これは『雪』を解除しただけだ。じきに収まるはず。
 ──それより、なんで足止めの『雪』を消すのかが『謎』だよ。
 ──ルンクスは、何を考えてるんだ・・・・?」

ウィルは改めて、ルンクスに目を移す。
スロープの坂上に立っていた『性豪』は、ウィルたちより高所から
落下を余儀なくされており、同様に中空にある状態だ。
『ハッピー・オルガン』の姿は、いつのまにか消えている。

『35m』の距離では黒人の表情までは窺えないが、動揺の気配は感じられない。
菊川の予想が正しく、この事態そのものがルンクスの指図ならば、それも道理だ。
一方でこの状態であれば、投擲の類の攻撃は問題なさそうだ。

そしてこちらも菊川の予言通り。
雪原の沈下は、ほどなくして止まった。

──意外すぎる光景を伴って。


>>432(ハッピー・オルガン)

                        ビュ バ!


手負いとはいえ、その反射速度に衰えはない。
落下の瞬間、『ハッピー・オルガン』は雪原を疾り、雪に沈んだ井上の身体を掘り出す。
想像よりは浅い場所にあった上半身を引き抜くと、浮遊し手応えのない足場を滑るように
壁際へと向かい、

             ドッ ゴム!!

岸壁に蹴り足を打ちこんで、落下を免れた。

ルンクスはといえば、当然ではあるが、落下を余儀なくされている。
しかし、態勢を崩すでもなく、顔はこちらに向けたままだ。
『ハピオル』がそうであるように、動揺も隙も見当たらない──
仮に今攻撃したところで、『エンジェルズ・ラダー』の防御は鉄壁だろう。


ペンキ缶から取り出した刷毛のように出血する、
井上の体を引っ提げたまま、『ハッピー・オルガン』はしばし、
状況の動向を注視する──

434『ヴァージンロード・クルセイダーズ』:2019/07/26(金) 12:08:19
>ALL

雪崩にも似た雪原の崩落は、
意外にもさしたる時間は続かなかった。

高度にして『5m』あったかどうか──
建物にすれば、一階分の落下というところだ。
巨大な墓石が完全に露出しているのを見る限り、
『雪』が解除されたという菊川の見立ては正しかったらしい。


各自の対策が功を奏し、怪我をすることもなく、
『ハピオル』以外のメンバーは沈下を終えた床に降り立った。

全員が思わず身構えたのは、戦慄から──ではない。
着地した地面が、鏡のような『氷面』だったからだ。

地下墓所の地面全てが、分厚い『氷』で舗装されている!
さながら『スケートリンク』の様相だ・・・・!


「ようやく・・・・仕上がったなァ。
 オレの新たな『花嫁』を紹介すルが『舞台』が」


自信に満ちたルンクスの声が、『鏡張り』の床に反響する。
同時に、全員が感じた・・・・

墓所の奥、その先の闇に生じた、重々しい『気配』を。



           ゴ        ゴ           ゴ    
                                      
     ゴ

435高遠 嶺『クレモンティーヌ』:2019/08/22(木) 19:29:04
>>433
とりあえず着『氷』までは踊りようがないが、降り得たらまず『氷』以外の床
……墓石はどれだけ氷から露出しているか見つつテンポを落とし
近場であればそちらの墓石へ飛び移ることを試みる。(滞空中に解除されていたら再発現)

ただのスケートリンクであればフィギュアスケートと同じ、クレモンティーヌの踊り場だが
相手によって作り出され相手が自在に操作できるという一点において絶望的に致命。

かつ敵『達』からすれば盤石な状況であることは間違いないわけで
まず足元の危険を減らしたいが、すぐにでも動けそうになければ守りの構えと『気配』の主を探るに留める。

436ウィル『ヴェノム&ファイア』:2019/08/24(土) 00:55:27
>>434

地面を見る。これが『ルンクス』の用意した舞台ということか。
『氷』ということは、機動力が奪われる。新手の嫁は、それに影響がないということか?

「新たな『被害者』の間違いではないかな?」

『ファイア』を構えながら、その新手の『スタンド使い』の方を見る。
『ルンクス』もこの展開は読んでいなかったと思うが、果たしてどんな姿なのか。
もしスケートのように足場を移動するなら、近距離パワー型の仲間に氷を壊してもらう必要があるか。

437エイノー『フィストフル・オブ・クォーターズ』:2019/08/24(土) 14:45:07
>>433-434
まず『発熱』カートリッジを『F・O・Q』に装填、しかるのち井上と『ハッピー・オルガン』の位置を確認し最前まで出て井上達を外す形でルンクスか物音の方向に『100℃の最大風力』を叩きこむ(井上も『ハッピー・オルガン』も確認できない場合即死する行為ではないので『幸運を祈る』)。

『水操作』の気化して吹き飛んた水がどれ位で復元するか、あるいは一時乾燥するか『』

438エイノー『フィストフル・オブ・クォーターズ』:2019/08/24(土) 14:46:07
>>433-434
まず『発熱』カートリッジを『F・O・Q』に装填、しかるのち井上と『ハッピー・オルガン』の位置を確認し最前まで出て井上達を外す形でルンクスか物音の方向に『100℃の最大風力』を叩きこむ(井上も『ハッピー・オルガン』も確認できない場合即死する行為ではないので『幸運を祈る』)。

『水操作』の気化して吹き飛んた水がどれ位で復元するか、あるいは一時乾燥するか『程度』と『限界』

439エイノー『フィストフル・オブ・クォーターズ』:2019/08/24(土) 14:52:41
>>437-438
多重投稿て途中送信申し訳ない。

『程度』と『限界』を知りたい。
ルンクス達に影響があるならそれに越した事もない。

440『ヴァージンロード・クルセイダーズ』:2019/08/28(水) 02:04:24



──当ミッションを『終了』する。


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