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【デルタフォース】クラスの三バカの日常Part5

1Ψ:2011/02/05(土) 22:54:39 ID:7MRi28Lg
「クラスの三バカ」こと上条当麻、青髪ピアス、土御門元春、並びに途中でできたバカップル【例:上条×ミサカ・土御門×白雪・青髪ピアス×白井・一方通行×打ち止め 等】はもちろんクラスメートや先生達、常盤台の生徒やオリジナルキャラも登場可能なリレー形式で学園都市や魔術世界の日常をどんどん書いていくスレです。ギャグ中心でシリアスは控えめに。雑談も控えめに。

初心者大歓迎です。

次スレは>>970 の人が建てること。(無理な場合は新しい番号指定お願いします。)

Part1↓
ttp://jbbs.livedoor.jp/bbs/read.cgi/movie/6947/1210612236/

Part2↓
ttp://jbbs.livedoor.jp/bbs/read.cgi/movie/6947/1262012651/

Part3↓
ttp://jbbs.livedoor.jp/bbs/read.cgi/movie/6947/1266059443/

Part4↓
ttp://jbbs.livedoor.jp/bbs/read.cgi/movie/6947/1273412014/

まとめwiki↓(2月5日現在、停止中)
ttp://www31.atwiki.jp/kinsho_second/pages/14.html

45:2011/03/07(月) 21:31:58 ID:zLHwC5f2
多分明日には皆さんに追いつけると思います。

46:2011/03/09(水) 21:09:05 ID:pV/yFWxk
ようやくここまで追いついた・・・・
昨日はいろいろと用事とかあったから。
さて。私はとりあえず自分なりの展開を絡ませるタイミングと待つとしましょう。

47±:2011/03/12(土) 11:24:57 ID:3oBksz9Y
「削板に五和!?何でお前たちがここに?つーか、何だその格好!?」
「それはこの姿じゃなければ俺の根性が8割減だからなぁーーー!!」
「ふふふ、前に聞いたのですよ当麻さん!男性は皆、メイドとブルマーに萌えるという事を!」

 2人の発言に対してその場にいた全員が同じ事を思った、もうどうでもいいやと。
 しかし、ふと五和の発言に疑問を抱いた白雪が五和に話しかけた。

「ねえ、五和さん」
「何ですか、白雪さん?」
「別にさ、その2つで全員が萌えるなんてことはないし、その2つを合わせたってもっと萌えるとかはないと思うよ」
「…!まさか、土御門さんとそこの青髪の方の発言は間違っているのですか!?」

 五和のカミングアウトを聞いた瞬間、白雪はそのまま戦いの跡地に向かった。
 そして、そこで横たわっている土御門を発見するとその真横に氷の剣を突き刺した。

「……も―とはるう♪」
「な、なな何のようですかにゃー、月夜?麦野並みにコワいにゃー…」
「ブ・チ・コ・ロ・シ・か・く・て・い・だ・ぞ♪」

 次の瞬間、土御門を中心に氷の竜巻が発生し、その近くにいた仲間達をものみこんだ。
 ちなみにその時の白雪の笑顔を見て、土御門は思った。
 ああ、もう死んでもいいかもと。
 なお、当然ながら白雪が加減していたため、巻き添えをくらったものも軽傷ですんだので試合への影響はなかった。

――――――――――

 一方、何とか攻撃を逃れた浜面達。
 その逃げた先に現れたのは覆面を被った『歩く教会』チームの面々であった。

「絹旗に麦野…何やってんだ?」
「ちょ、超人違いです!私の名前はシルクです!」
「そ、そうだぞ。私はムギムギだ。決して麦野たる人物とは何の関係もない!」

 バレバレの変装をしている2人に浜面は呆れていると、向こうで姫神と謎の覆面シスター(見るからにインデックス)が口論していた。

「例え、あいさが敵でも負けないんだよ!そして私の名前はピュワシスターなんだよ!」
「バスケの主役は。私。誰にも。負けない。」

 2人はいがみ合いながら火花を散らしていた。
 この後、決勝がサッカーになってしまうが姫神が浜面と半蔵を使い、大活躍するのはまた別の話。

48:2011/03/12(土) 12:23:50 ID:scF6agI.
一方通行がぶっ飛ばされなかったか。惜しい惜しい。
わがままだとは思いますが、球技大会中じゃなくてもいいですから機会があったら
一方通行に街中をぶらぶらさせてくれませんか?
こっちが考えている新キャラを絡ませるタイミングが掴みずらくって・・・・。

49:2011/03/12(土) 12:40:33 ID:scF6agI.
サッカーの対戦(予定)チームは・・・・

上条当麻               クールビューティー
一方通行               ピュアシスター
井ノ原真夜              ムギムギ
井野原真昼              シルク
浜面仕上               シガレット
服部半蔵        VS     エツァリ
姫神秋沙               ショチトル
土御門元春              五和
白雪月夜               削板軍覇
東原(キーパー)           心理掌握(キーパー)
???                結標淡希

こんな感じでしょうか?

50:2011/03/12(土) 12:41:34 ID:scF6agI.
井ノ原って打ち間違えやすい・・・

51:2011/03/12(土) 12:48:56 ID:scF6agI.
翔太が???に加われば少林サッカーの炎のシュートと
雪の竜巻シュートのコラボができそうなんだけれど・・・・

52■■■■:2011/03/12(土) 14:06:30 ID:hyBRXwr2
地震やばし

53■■■■:2011/03/12(土) 14:51:21 ID:TrLYhi4Q
情報屋は入れたほうがいいんじゃないですか?

54ё:2011/03/12(土) 15:18:51 ID:R/cwqP5.
「じゃーな上条。決勝で根性入ったいい勝負しようぜ!」
「私も失礼します。決勝で私、当麻さんと愛の篭ったベースボールが出来るのを楽しみにしてます」

 五和と削板に宣戦布告されて上条は気付いた、あいつらエツァリ達と同じチームなのかと。
 決勝がとんでもないことになりそうだと予感した上条と一方通行がげんなりしていると、

「おはようございます、とクールビューティーは未来のだんな様と学園都市最強ぺドに丁寧に挨拶します」

 友愛高校の体操服に身を包み、覆面の上に軍用ゴーグルを装着した人物が朝の挨拶をしてきた。
 上条も一方通行も最初は本当に誰なのか分からなかったが特徴のある喋り方、こんな所に現れそうな人物をピックアップした結果、

「あ、あの〜、もしかしてあなた様は御坂妹さんではないでせうか?」
「はい、確かにその通りなのですが今のクールビューティーはクールビューティーなのです、とクールビューティーは」
「クールビューティークールビューティーうっせェぞ! つーかまず俺に対して謝るのがスジってもンだろうがァ! 誰が学園都市最強ぺドだァ!」
「貴方以外に該当する人物が見当たりません。それに上位個体と週1で一緒にお風呂に入ってる時点で覆りようの無い事実ではとクールむぐっ」

 【妹達】の中で1番関わりの深いミサカ10032号こと御坂妹だと判断できた。
 その後で仲間内でも知りえない一方通行の禁断の事実を御坂妹が口にしたので、慌てて一方通行は彼女の口を塞いだ(手遅れだが)。
 一方通行は目をギラギラさせながら自分と打ち止めの秘密をどうやって知ったのか尋ねると、考えれば妥当な答えが返ってきた。

「ミサカネットワークを通じて上位個体が惚気てくるから仕方ありません、とクールビューティーは聞くこっちの身になれと貴方に愚痴ります」
(あンのクソガキィ……。後で会ったら久々に説教してやらねェとなァ)
「ですがご安心下さい。上位個体もさすがにアホではないらしく番外個体の眠ってる間にミサカネットワークを使用しています、とクールビューティーは安心させてあげます」

 上条は思う、『絶対能力進化』計画で関わりを持ったこの2人がいい意味で変わったなぁと。
 その僅かな隙をついて御坂妹は上条の右手を両手でそっと握って自分の胸へと導こうとしていた。

「ちょ! 何してんだよ御坂妹!」
「何と言われましても同じ競技で参加できない寂しさを埋めようとしてるだけです、とクールビューティーはドキドキしながらあ、貴方に触れられ」
「何だそこに居たのかい、クールビューティー。そろそろ僕たちの試合が始まるから皆が待って……ゲッ! か、上条当麻……」

 上条を救ってくれた(?)のは同じく友愛高校の体操服に身を包み、覆面をした背の大きな少年だった。
 一見すると正体不明に見えるが、その少年は煙草を銜えていたので一発で上条にも正体を看破されることに。

「ステイル? お前まで何やってんだよ! しかも御坂妹と同じような覆面を被りやがっ」
「ち、違う! ぼ、僕は君の知ってるステイル=マグヌスではない! 今日の僕はそう、ピュアシスターの守護者ことシガレットさ! ではそうゆうことで」
「名残惜しいですがまた後でお邪魔させてもらいます、とクールビューティーは当麻さんにだけさよならの挨拶をします」

 シガレットことステイルに連れられて去って行った御坂妹を見送った上条は、インデックスも居るのかと考えると気のせいではなく気疲れを感じ始めていた。
 それは一方通行も同じだが上条が自分達の秘密に触れてこないことを受けて、内心でラッキーと思いながら準決勝前のチーム練習を始めるのだった。

――――――――――

「あっ、来た来た。おーいっ、飾利ー、涙子ー」

 上条を中心とした騒動から少し経った頃、友愛高校正門前では美琴が初春と佐天の2人と合流していた。
 今日はみんなで一緒に球技大会を見に行こうと約束していたのだが、いつも居そうな面子が居ないことに気付いた美琴が初春に尋ねる。

「今日は2人だけ? 黒子はとっくに○○さん、春上さんは土御門さんと白雪さんの所へ向かったのは分かるけどそっちのいつもの人達は?」
「建宮さんはすでに食堂に詰めていて、火織お姉ちゃんは後から合流、シェリーさんは個展会場で作品のチェックで第九学区に。とまあ、こんな感じで」
「あれ? 最愛は?」
「最愛ならいずれ分かりますよ、美琴姉さん♪」

 最愛、球技大会に出てるわね、美琴は佐天が楽しげな笑みを浮かべて答えたのを見て妙な確信を得ていた。
 そのことについて考えてる美琴に突然、初春が抱きついてきたことで絹旗のことは頭の中から綺麗に吹っ飛んでしまう。

55:2011/03/12(土) 15:30:44 ID:kab0MQaY
>>12アナザーワールド・・・となると
このスレに外伝のキャラ(柵川中学剣道部員等)をそれなりに絡めるのは×でしょうか。
モブ程度ならよろしいとか?

あと、前の試合でキーパー東原の出番があったのがよかった。
下心もあったとはいえ野原と違って割と普通に熱血君やっていたから
彼の活躍が当日全くないとなると寂しいもんなあ。

56ё:2011/03/12(土) 15:59:32 ID:R/cwqP5.
「かっ、飾利? きゅ、急に何するのよ!」
「えっとですね、私考えてたんですよ。美琴お姉さんとは義理とはいえ姉妹。だから妹の私がこうやって甘えるのは普通かなって♪ ダメ、ですか?」
「まあ、あんた達なら黒子みたいに邪な気持ちは持ってないものね。分かった、飾利と涙子と最愛ならいいわよ。むしろ歓うわわっ!」
「美琴姉さんに許可貰った記念であたしは後ろからー♪」

 最初は初春、2週間の渡英期間中は美琴と会えないのでちょっと甘えるだけだったが、ついでに今後も義妹トリオのハグの許可をゲットする辺りは抜け目無い。
 その後、初春と佐天とのじゃれ合いもそこそこに、美琴は2人と一緒に友愛高校へと入るのだった。

―――――――――――

 準決勝参加チームがそれぞれの試合会場に向かう中、情報屋だけは体育館へと足を運んでいた。
 目的は当然ながら吹寄だが、彼女を中心に最後の調整を行っているので気軽に声をかけられずに見守るだけだったが、

「あっ、紫木君だ〜。吹寄さん、紫木君が話したそうな顔してるよ」
「そ、そう……。まったくあいつも試合があるのにあ、茜川さん?」
「そんな固いこと言わないの♪ ほら、紫木君に喝でも愛でも入れてくる!」

 情報屋の存在に気付いた茜川に言われるまま押されるまま、自分の所まで来てくれた吹寄を前に緊張してしまう。

「う〜ん、初々しいね〜♪ ……ところで野原君は何でそんなに悔しそうな顔してるの?」
「決まってるだろ! 情報屋が妬ましい、ただそれだけだっ! いっそのこと情報屋が振られギャンッ!」
「はいはい、2人の邪魔しないの。私達は練習練習♪(頑張ってね紫木君、そして吹寄さん)」

 醜い嫉妬に塗れた野原にバレーボールを投げつけて黙らせた茜川は吹寄と情報屋の邪魔にならないように2人から離れる。
 茜川と野原のやり取りに全く気付いていない吹寄、情報屋の緊張を解くという意味で喝を入れた、しかも思いっきり。

――――――――――

上条のクラスの決勝メンバー、正直言うとかなり迷ってます(情報屋は出したいけど)。
とりあえず真昼は不参加、真夜は前半不参加で考えてます(フラグは立ってるはず)。

57±:2011/03/12(土) 16:15:10 ID:bzCeTFXk
☆さん
>>12のいう外伝とは『とある死神と少年少女』のことではないのでしょうか?
僕個人としてはやはりIFの世界として『とある死神と少年少女』を受け止めさせていただいております。
しかし、僕としては他の外伝で登場した魅力的なキャラは出したいと思います。
まあ、どれだけ絡めるかは別として柵川中学剣道部員の方々は比較的だしやすいので日常になれば絡ませることができると思います。
僕個人の意見なので他の方々の賛成が得られれば…ということになりますが皆様はどうでしょうか?

あと、これは個人的なことなのですが
今柵川メンバーとオリキャラで外伝を書こうと思っているのですが☆さんの出した柵川中学剣道部員の方々を使用してもよろしいでしょうか?

決勝のメンバーに関することですが一方通行の充電が90分なので途中で力尽きるので前半か後半のどちらかだけの参加ではないかと思います。
自分としては情報屋も出したいですが茜川も出したいです。
でも削板なんかボールをすごいパンチしそうだなぁ……

58:2011/03/12(土) 17:55:38 ID:CzL3IwzM
ううーん、私が出したキャラを独自に使う分にはいいんですけど、前半の話に関しては難しいところです。
というのも、★や☆として出したキャラや展開は私的には完全に独立しているわけではなく、
例えば朝陽さんとアロネウスが知りあいだったという風に相互に絡み合っているところも否定できないからです。
私としては「アルカトラズ少年院」の関係者をオリキャラとして出したいなとは思いますが・・・・。

59とある通気管:2011/03/13(日) 09:54:54 ID:RCJJgnkk
生存報告なのよな
みんな!生きてるか!?

60:2011/03/13(日) 16:23:44 ID:OTEQ5DCQ
こっちは九州だから大丈夫。

61±:2011/03/13(日) 17:21:51 ID:Ts8j78uc
「情報屋、顔を上げなさい」
「えっ、はい」

 言われるがままに顔を上げる情報屋。
 次の瞬間情報屋に向かって飛んできたのは吹寄のおでこであった。

「いったあー!」
「これで緊張は解けたでしょ?」
「だからってこれはないだろ、吹寄!」
「あ、それともう一つ」
「…?」
「今度、遊びにいく権利の条件の変更よ。活躍したらから優勝したらに変えるわ」
「えっ、それってつまり…」
「だから、この後の試合も頑張りなさい!ほら、行った!」

 そう言い終えると吹寄はそのまま情報屋を体育館の外に押し出した。
 しかし、押し出された情報屋の方は…

(この間までは、活躍したらっていう曖昧な条件だったけど、これでようやくゴールが見えてきたぜ!)

 などと考えていたとか。
 なお、バレー組はそのあとの試合で苦戦しながらも勝ったため、決勝へとコマを進めるのだった。

――――――――――

 一方、バスケ組
 姫神達は目の前にいる準決勝の相手チームを無視して乱入者チームの対策をねるために作戦会議をしていた。

「まさか乱入者が。彼らだったとは」
「しかも麦野と絹旗までいるとは…姫神様、どうします?」
「姫神様、浜面、青ピ、俺にいい作戦がある」
「なんや、半蔵はん。詳しく教えてくれや」
「ああ、まず相手の麦野に浜面をぶつけるんだ」
「ちょっと待て、半蔵!それじゃ俺、死ぬから!」
「半蔵。流石。名案。」
「はっ!お褒めいただき光栄であります、姫神様!」
「あの、少しは俺の話を…」

 自分の命のために必死に抵抗する浜面。
 しかし、そのやたらと必死な行動があの方の逆鱗に触れてしまった。

「浜町のクセに。生意気。」
「ギャー!姫神様、お許しをーーぉ!!」

 そんなコントをやりながら試合が始まっているバスケ組。
 しかし、完全にアウトオブ眼中の準決勝の相手チーム。
 一度も見向きもされぬまま、姫神チームに完敗するのであった。

――――――――――

 その頃、サッカー組
 こちらでは大変な事態が発生していた。

「あれ、真夜。いつの間にそんなに色白に?」
「真昼さん、それは俺じゃなくて白雪さんだから」
「……真昼ちゃん、本当に大丈夫?」
「大丈夫だって、ほら」
「いや、凄くフラフラしてるからね、真昼さん!」

 サッカー組は真昼が風邪をこじらせてしまったため、どうすべきか悩んでいるのだった。

62:2011/03/13(日) 18:56:20 ID:eb9AMA9k
「アルカトラズ少年院」などについての設定やキャラをこの作品に出すのは果たしてOKですか?

あと真夜と月夜って似ているのか・・・・・。

63ё:2011/03/13(日) 21:17:35 ID:DTjRWpU.
「大丈夫だって。花粉症ってのは目も痒くなるだろ? そのせいで視界が悪くなって月夜が真ぶわっくしょん!!」
「まだ風邪を花粉症って言い張るのかよ! 井ノ原姉ってやっぱりバぎゃんっ!」

 真昼に対する暴言を雪の翼の一薙ぎで阻止した白雪、しかしそれは真夜が怒って東原も大変なことになるのを防いだに過ぎない。
 現に白雪に吹っ飛ばされた東原を見て、真夜は拳を握る手から力を抜いているのだから。

「けど本当にどうするの? キャプテンとしては真昼ちゃん抜きで準決勝に臨みたいけど……嫌だよね? 真昼ちゃん」
「当ったり前だろ! こんなにみんなと頑張ってんのにここに来て俺だけのけ者は嫌だかぶえっくしょん! そもそも風邪じゃなくて花粉しょうわわっ!」

 まだ風邪を花粉症と言い張る真昼、しかし彼女にとってはこれが人生初の風邪なので仕方ないのかもしれない。
 クシャミも激しく足元もフラフラながらも頑固な真昼を大人しくさせたのは彼女を無理やりおぶった真夜だった。

「前半は俺が真昼さんを背負ってディフェンスに集中するよ。もちろん東原にも見せ場は作るようにする。オフェンスで白雪さんに負担掛かるけどいいかな?」
「……分かったよ。ただし! 井ノ原くんが真昼ちゃんを背負って試合するのは前半だけだよ! 後半はゴールポストにもたれて動かないことを約束して!」
「お、おうっ……」

 条件付きとはいえ試合参加を認められた真昼、しかし白雪に怒鳴られたことと真夜に負担をかけていると思ってしゅんとなってしまう。
 そんな真昼を見て変な萌え方をしてるのは白雪の応援団の一部で、彼女達が井ノ原ツインズを姉弟ではなく兄弟として見ているのが原因である。

「弟さまに甘えるお兄さま、何とも仲睦まじいですわー♪」
「強気なお兄さまにしっかり者の弟さまが背中を貸す……兄弟愛を超えた素晴らしい絆を感じます」
(落ち着きのある弟さまが攻めでやんちゃなお兄さまが受けというのもいいものですわね!)

 口に出したり心の中で考えてる以上に井ノ原ツインズは世間的に禁断気味な関係なのだが知ってる者や信じてる者は意外と多くない。
 そんな外野の動きなど全く関係なく準決勝が開始、前半は0対0で折り返した。
 相手は1年生ということもあり能力者のレベルも総じて高く、攻めの起点が白雪1人なこと、真昼に負担をかけまいと動きを制限された真夜と不利な条件が並んだが、

「ナイスだよ東原くん! シュートを10本も打たれたのに全部セーブするなんて!」
「まあな! それもこれも球技大会でファンになってくれた娘たちの熱い視線があればこそだぜ!」

 球技大会のきつい練習と本番の試合で本人自体の身体能力が向上し、【技術盗賊】を存分に活かしている東原の功績で互角に持っていけたのだ。

「ホントに東原には助けられたよ。けど後半はそんなに負担はかけないから。ここから俺も得点してもいいって木山先生に許可貰ってるし」
「そっか井ノ原弟も本格的にオフェンス参加……ん? 負担はかけないって相手に攻めさせないってことじゃないよな?」
「そのつもりだけど。東原のことは信じてるけど後半は真昼さんがゴールポストで休むだろ? 万が一があったら大変だからさ」

 じゃあベンチで休ませろよ、東原は言いたかったが白雪が出した条件なだけに心の中で思うことに。
 そして後半、真夜がボールをキープすると【瞬間超人】全箇所70で強化された状態でシュートを放つ。
 その結果、シュートをカットしに行った相手チーム全員を蹴散らしてゴールネットへと突き刺さり先制点を叩き出す。

「よっしまずは1点…………あれ? 何だか皆、静か過ぎるんだけど」
「井ノ原くん、さっきのシュートは誰が見ても引くよ。元春も言ってたでしょ? 全力でシュートするなって。シュートも力をセーブするなら私も許可するから」

 あれでも8割だったんだけど、真夜はそう言おうとしたが止めた、理由は何となく。
 ならばと今度は一度やってみたかった11人抜きを敢行、見事に達成して2点目をゲット。

「うーん、何だか井ノ原くん見てたら私もテンション上がってきたよーっ!」

 そして白雪の闘志にも火が付いて雪の竜巻シュートとか吹雪のシュートとか雪の翼シュートをガンガン決める。
 試合は終わってみれば白雪が7得点、真夜が4得点を挙げて11対0の圧勝で白雪たちが決勝へと駒を進めた。
 ちなみに相手チームの被害は白雪の必殺シュートで齎したものが大きかったりする。

――――――――――

 そして舞台は上条たちの野球組、吹寄の喝でテンション大幅アップした情報屋が仕切っていた。

64±:2011/03/14(月) 20:03:50 ID:YKcxrroI
「いくぞ、野郎ども!目指すは優勝じゃあーぁーーー!」
「「「「「「「「おおっーー!」」」」」」」」
「掛け声が小さい!もう一回じゃああーー!!」
「「「「「「「「おおっー!!」」」」」」」」
「もういっぺんじゃあー!!!!!」
「「「「「「「「おおっー!!!!!」」」」」」」」

 ようやく目標が完全に決まった情報屋。
 その異常に高いテンションは野球組内に伝染しており凄まじいモチベーションとなっていた。
 なお、その異常なテンションを見た相手チームは

(な……何だあの異常な熱気は……?)×相手チーム全員

 となっていた。

「プ、プレイボール!」

 審判の掛け声で試合が開始。
 上条チームの攻撃の時には…

「チョロいんだにゃー」
「甘いよ」
「チョロ甘なンだよォ!」

 と3人に連続で打たれ、そして…

「…ここだぁ!」

 情報屋が満塁ホームランを打ち上げた。
 そして上条チームの守備の時には…

「おらよっ!」
「君ってさーもしかしてあの子の事が好きなの?」
「え、あ、はい……って、うわっ!」

 上条の豪速球と情報屋の【思考漏洩】のコンボに手も足も出なかった。
 かくして、上条率いる野球組は異常なテンションのまま、決勝へとコマを進めた。
 しかし、この時の彼らは知らない。
 上条達のクラスの全チームが決勝に勝ち進んだため、決勝戦が某次世代ゲームのサッカーゲームよろしくのサッカーへとなる事に…

――――――――――

 すべての準決勝が終わり、決勝まで勝ち進んだチームすべてが再びグラウンドに集められた。
 しかし、そこにいる猛者たちは知らない。
 この先にどんな不幸が待ち受けているかを…

「何で俺たちはこんな所に集められているでせうか?」
「さァな。だが決勝戦前の挨拶とかじゃなさそゥだなァ」
「皆さん、とっても重要なお話があるのです!」

 マイクを限界まで下げて段の上にたつ小萌先生。
 そして、小萌先生はこの後の決勝戦の内容とそれに関することを告げた。

65ё:2011/03/15(火) 21:18:42 ID:7hnYmf9w
「私、というか先生達は思っても無かったのですよ。私のクラス全チームが決勝に残るなんて。バスケくらいは負けると思ってたんですけどね〜」

 小萌先生ひどっ、上条のクラスの生徒全員が同じことを思っていた。
 しかし小萌のぶっちゃけトークはまだまだ続く。

「そう考えるともう私のクラスの精鋭さんVS相手の決勝進出チームの精鋭さんの1試合で決勝戦やっちゃおうってことになったのです〜。なんかめんどくさいし」
「めんどくさいって何すかそれ! 小萌先生ともあろう方がそんな言葉を吐くなんて予想外にも程がありますよ!」
「上条ちゃんシャラップ。いいじゃないですか、これで勝った方が各種目の優勝もゲットということで。総力戦、響きが何かかっこいいじゃないですか〜♪」

 このアイディア、小萌先生のじゃ無いな、普段はおちゃらけてるがやる時はとてもやる土御門はすぐに察した。
 こんなことを考える教師はたった1人しかいないと踏んでいる土御門は、首謀者たる木山に質問する。

「それで木山センセ、オレ達がやる種目ってのは何なんだ? 球技大会を何だかんだで仕切ってるのはアンタだ、この決勝も当然アンタの仕切りだろう。さ、ちゃっちゃと話すぜよ」
「(初春の言った通り土御門は本当は凄い切れ者だったか)いいだろう。種目はサッカー、試合時間は45分ハーフ。相手への直接攻撃ならびに能力使用が禁止されてる以外は普通のサッカーだ、殆どな」

 決勝の種目がサッカーと聞いて嘆いたのは当然ながらサッカーを選択していなかった者達。
 反対に最初からサッカーを選択していたそれぞれの主力メンバーと思しき者達は、

(成程、昨日の試合終了後に木山先生から全く新しいチームになるかもしれないと仰っていたのはこうゆうことだったのですね。それにしてもアク様と試合とは私は何と幸運なのでしょう!)
「良かったよ〜、他の種目ならどうしようかと思ったもん。これも私や井ノ原くんや真昼ちゃんの日頃の行いがいいせいかもね♪」
「ま、まあな。しっかし花粉症がここまでふぇ、ふぇっくしょん! はっくしょん! へっきしょん! ぶえっくしょい!」
(確かにサッカーというのは運がいいけど真昼さんがこの調子じゃあなぁ……)

 細かい所が違えどもラッキーと思っていた。
 最初は騒いでいた決勝進出者達も1試合で終われるならそれもいいかと思い始め、決勝のスペシャルマッチを受け入れることに。
 生徒全員が納得した所で木山は上条クラスの相手チームのメンバーを発表する。

「上条達の相手チームは僭越ながら私が選抜した。では発表する。エツァリ、ショチトル、削板軍覇、五和、心理掌握、結標淡希、そして【歩く教会】チーム。以上だ」
「【歩く教会】チーム? 一応聞いておきますけどそれってインデックスとかが覆面被ってる変な一だあだだだだっ! か、噛むなよインデックス!」
「違うんだよ! 私は清純可憐なあのインデックスじゃないんだよ! 私はピュアシスター! とうまの言い方はインデックスに失礼って分からないかな!」

 もの凄く久しぶりにインデックスに噛まれてる上条、最初は久々の衝撃に驚いたがすぐに順応してしまった、難儀なことに。
 噛み続けてるインデックスを器用に頭からぶら下げたまま、上条はパッと見で分からない少女が落ち込んでいるのを発見した。

「あ、あの〜そこのお嬢さん。わたくし上条当麻が何か気に障ることでもしたのでせうか?」
「……お兄ちゃん超酷いです。他の人たちはともかく私のことまで超変な一団扱いだなんて……。私はお兄ちゃんと超一緒に遊びたかっただけなのに」
「その喋り方……最愛かよ! ゴメン! 他の連中はともかく最愛は変じゃないもんな。けど俺としてはちょっと嬉しいかな。最愛がここまでして俺と兄妹のスキンシップを取るなんてさ」
「おっ、お兄ちゃんのそうゆう所はお兄ちゃんらしいとは思いますけど相手を超選ぶことを進言します。それと私以外の【歩く教会】の面々が超怒ってることも」

 絹旗は素直に自分のことを気にかけてくれるのは嬉しかったが、思わせぶりな言葉がフラグ立てになることもそれとなく忠告した。
 その後、覆面を脱ぎ捨てた(御坂妹はゴーグル着用)絹旗以外の【歩く教会】チームから集団リンチを受けてる上条を尻目に土御門は自分達のチーム選びについて木山に尋ねる。

66ё:2011/03/15(火) 21:19:55 ID:7hnYmf9w
「なあ木山センセ。こっちのチーム選びはどうするぜよ? あんたが選んだ選抜メンバーがギリギリということを考えるとこっちも11人キッカリしか参加できないのかにゃー?」
「そっちの交代は自由だ。何せ選抜チームは全員が全員、優れた実力を持っている。そっちは君を含め実力者揃いといっても無能力者が少なくない。それくらいは融通してやらないとな」

 それを聞いて安心してチームメンバーを選べると思った土御門は、今度は声を落として試合に関する制限について尋ねた。
 声を落としたのは参加者の中に魔術サイドの人間が数名混じってることが理由である。

「ところで制限とかはどうなるんだ? 能力者はともかく魔術師はあんたは専門外だ。どうするつもりぜよ」
「基本、得物は持たせないつもりだ。魔力で生み出した武器は別としてな。後は闇咲先生にお願いしてある。能力者に関しては対象者のみ決勝開始前に集めて私が説明するさ」
「ま、誰が対象者かは想像はつくとしてだ、オレから頼みがある。井ノ原弟に能力のフル使用を認めてくれ。相手を考えるとチトきついぜい」
「(フル使用でなくとも全箇所70ずつでも今の真夜なら充分なのだが……)それは無理だな。詳しいことは本人に聞くといい。というわけで全員解散」

 木山の解散の合図を受けて小萌と木山は職員室へと、決勝選抜メンバーと上条のクラス以外の生徒達は昼食を摂る為に思い思いに移動を開始した。
 土御門は木山の言葉が気になり、真夜に彼の能力について尋ねると意外な答えが返ってきた。

「うん、確かに今からだと無理かな。フル使用、つまり全箇所90の強化にするには一旦能力を解除するかリミット待たないといけないし」
「だったら何の問題も無いはずぜよ。リミットはともかく一旦解除してすぐに【瞬間超人】の全箇所90強化するがいいんだにゃー♪」
「だからそれが出来ないんだよ、すぐには。自分で解除、リミットで能力オフになるにしてもインターバルで450分待たないと能力使用出来ないんだ」

 そう、真夜の【瞬間超人】の最大使用時間は強化できる数値の総量の分数(今なら450なので450分)なのだ。
 しかも最初に使用した総合数値をその状態から引き上げることは出来ず、総合数値を上げる場合は自分で解除してから再度使用する必要がある。
 そして再度使用する場合のインターバルはどれだけ強化しても最大使用時間と同じ時間が必要となることが最近の木山の調べでようやく判明したのだった。

「(例外は上条の右手でキャンセルされた時だったかな、バレンタインで殴られた時はすぐに能力使用出来たし)まあ、そうゆうこと。それと決勝は真昼さんの看病したいから出るつもりは無いよ」
「びえっくし! ぶわっくしょい! はっくしょん! あ゛〜、ようやぐ風邪の実感が出てきた気がするぜ……。頭痛ぇし体寒ぃし……」
「はーい真昼ちゃん鼻水出てるからチーンしようねー。真夜君、私も一緒に看病する?」
「赤音さんは試合に出て球技大会楽しんでよ。こっちは俺1人で大丈夫だから。じゃあ行くよ、真昼さんをベッドで休ませたいから」

 最後に真夜は今日の弁当をみんなで分けるように茜川に頼み込むと、真昼を背負って保健室へと向かうのだった。
 土御門も真夜の恋人優先主義は知ってるので何も言わずに了承したが、戦力と考えていた二人が抜けたのはかなり痛かった。

(まさか双子が出ないとは誤算もいいところだ。井ノ原弟は可能性はあるだろうがフル出場は望めないだろうな。アクセラは打ち止めちゃんに充電してもらえればフル出場はいけるが……)
「サッカーってのは予定外だがやるこたァ同じだ。正々堂々と敵をブッ倒して優勝だァ! 見てろよ打ち止め、俺なりのフェアプレイってのをよォ!」
「一方通行のフェアプレイがすっごく楽しみだから頑張って応援するねってミサカはミサカは宣言してみる!」

 今のアクセラは充電を受け付けないだろうな、土御門は青春してる学園都市最強を見て断念した(能力の使用時間、残り55分)。
 上条の方を見ると絹旗以外の【歩く教会】チームのフルボッコが継続中なので、仕方なく土御門は上条と井ノ原ツインズ以外のクラスメートを集めて参加する選手について話し合うことに。

67:2011/03/15(火) 21:34:52 ID:iMNL8gbg
もし>>62の質問に何も意見がなければ好きにさせてもらいます。

68:2011/03/15(火) 21:38:03 ID:iMNL8gbg
なんというか、自分の中ではそろそろ☆と★の物語が交錯しそうなもので・・・・・

69■■■■:2011/03/15(火) 21:55:05 ID:7hnYmf9w
☆さんの書かれているSSは面白いのですが外伝という意味では違うと思うんです。
外伝とは本編の補助となるような伝記や注釈などを意味するもので☆さんの書かれているSSの時系列を考えると明らかに本編に取れるんです。
それにアルカトラズ少年院にしろノイル=マージにしろ、絡めるとなるとこのスレの決まりごとでもあるギャグ中心にはならずシリアスになります。
書いてる側としては使いたい設定なのですがシリアス控えめのスレなのでそうゆう意味ではOKとは言えないです、ごめんなさい。
夏の戦争も基本シリアス抑えるつもりなのでがっつりシリアスにはしない風で考えています、戦争なのに。

前にも書きましたが☆さんのSSはこのデルタフォースSSの外伝としてというよりはデルタフォースSSの平行世界やアナザールート、ifの物語として楽しんでいます。

70:2011/03/15(火) 22:10:07 ID:iMNL8gbg
ありがとうございます。
数スレ分スルーさてれいたのでやきもきしていたところでした。
じゃあ、私の考えているキャラは外伝の方で独自の絡め方をさせたいと思います。

71:2011/03/16(水) 00:31:56 ID:Hp7Khz3M
>>69まあ確かにノイル=マージなんか出しちゃったらギャグというよりブラック・ユーモアになりそうだもんなあ。

72±:2011/03/16(水) 17:25:19 ID:akdxlRhc
「とりあえずサッカーだった月夜と東原は確定として、他をどうするぜよ」
「ん〜、私は元春がいればどんなチームでもいいよ」
「白雪、それはお前がただ土御門と一緒にサッカーやりたいだけで戦略も何もないじゃないか!白雪って意外とばイタタッ!何をする、茜川!」
「土御門くんのことならともかくー月夜ちゃんを馬鹿にした発言は月夜ちゃんの親友たるこの私が許さんー!」
「元春ならともかくって何!?元春をバカにした発言はいくら赤音ちゃんでも許さないよ!」
「貴様ら、全員静まれ!重要な作戦会議中だ!」

 白雪をバカ呼ばわりしかけた東原にくってかかった茜川と茜川の土御門を軽視した発言にきれかけた白雪2人を頭突きで止めた吹寄。
 その吹寄の様子をみて全員落ち着いたらしく、再び作戦会議という名の参加メンバー決めを再開した。

「しかし、どうするぜよ?他のメンバーにサッカー経験者はいないんだにゃー」
「それでもあれだけ強力な相手だと上条くんや一方通行くんは入れたほうがいいんじゃないのかな?」
「でもさー上条くんはともかくとしてー一方通行くんの充電は大丈夫なのかなー」
「残りの使用時間じゃァ………前半か後半のどっちかしか出られねェな」
「……………今から打ち止めのところに行って充電してもらってこい」
「そンなことしたら俺なりのフェアプレイができなくなるだろゥがァ!」

 いきなり駄々をこね始める一方通行。
 この様子を見て、その場にいたクラスメイト全員が思った、学園都市最強の威厳もあったもんじゃねえと。
 この様子を見て土御門が何かを決断した。

「わかったぜい、一方通行。お前は前半に出て点をとりまくれ。それが一番打ち止めが喜ぶ!」
「ありがとゥ、土御門ォ!」

 ガシッ、と土御門の肩をつかもうとした一方通行だったが、土御門がひらりと身をかわしたためその手は空を切ることとなった。
 ひらりと身をかわした土御門はその場にいる全員に確認を取り始めた。

「とりあえず、カミやんとアクセラの参加に意義のあるやつはいるかにゃー?」
「「「「「異議なしっ!!!」」」」」

 上条と一方通行の参加に特に反対意見も出なかったため、彼らの参加は決定した。
 しかし、上条の本人確認がないまま勝手に参加メンバーに入れられたのはやはり上条の日ごろの不幸のせいだろう。

――――――――――

 僕は一方通行を前半で出して、後半に真夜と交代と思っております。
 とりあえずあと7人、他の方に任せようと思っております。

73■■■■:2011/03/16(水) 22:47:10 ID:OhLrwMhA
心理掌握って魔術師にトラウマがありませんでしたっけ?
一緒のチームにいて大丈夫なんですか?

74■■■■:2011/03/16(水) 22:53:44 ID:odPuFq3Y
>>73
派閥のリーダーとして虚勢を張っているのではないのでしょうか

それよりインデックスの頭の中を覗いて、原典の毒に侵されないのか心配

75:2011/03/16(水) 23:36:46 ID:YiBFH.Rw
あ。それ私の考えているネタにちょっと掠るところです。
いずれ私なりに解釈してみるつもりです。

76ё:2011/03/17(木) 17:00:08 ID:hMNpjr6Q
「そんでもって翔太も確定ぜよ。お前さんの【火炎地獄】は充分強いし身体能力もまあまあ高いから戦力になる」
「で、でも僕、あ、淡希と戦うなんていくら球技大会といっても気が……」
「分かってないにゃー。確かに結標だってお前さんと戦いたくはないだろう。だがしかし! 球技大会で頑張る恋人の雄姿をあいつは望んでるんだぜい!」
「そう、かな? もし球技大会で僕が頑張ったら淡希、褒めてくれるかな?」

 何も言わずサムズアップと共にスマイルで答えた土御門を見て、翔太が5人目のプレイヤーに。
 翔太以外は気付いていた、土御門のスマイルがもの凄く胡散臭いものだということに。

「(翔太のおかげで完璧とはいかなくても結標封じは上手くいきそうだな)じゃあ次は茜川、お前さんも参加決定ぜよ」
「まっかせて! 真夜君と真昼ちゃんが居ないのは残念だけど月夜ちゃんと2人、親友の息の合ったコンビネーションを見せてあげるから♪」
「頑張るよ赤音ちゃん! 私達とみんなの力を合わせて優勝を勝ち取るんだから!」

 茜川の参加を取り付けた土御門、最初はさっきの自分切っ掛けの喧嘩で不安だったが見た限りでは大丈夫だと思い込むことにした。
 残る5名について考えているとバスケの準決勝で【歩く教会】チームの戦い方を見ていた浜面が進言する。

「なあ土御門。さっき絹旗たちのチームの戦い方を見てたんだけどよ、あいつら途中からガラッと動きが変わったんだよ。まるで相手チームの全部を見透かしたみてぇに」
「(相手チームを見透かす……成程、禁書目録か。あいつの完全記憶能力で相手チームの動き、癖、フォーメーション、戦い方を把握するってことか)浜面、ナイスな報告ぜよ」
「気にすんな、俺たち仲間だろ!」

 友情のスクラムを組んできた浜面を真っ正面から受け止めた土御門を見た一方通行は柄にも無く寂しいとか思っていた。
 そんな一方通行の心情など知る由も無い土御門は浜面と服部を参加メンバーに指名する。

「浜面と半蔵、お前ら2人はバスケの時みたいなコンビネーションを見せてくれ。月夜と茜川、そしてお前ら。攻撃の起点として期待するぜよ」
「任せろ土御門! 当然我らが姫神さまも最初から出場するんだよな! 俺たちと姫神さまの大活躍で優勝ってのが当ぜ」
「いや、姫神は出ない。あと念押しでオレもだ」
「「ふっざけんな! そんなこと認めうぎゃっ! 目が、目があああああっ!」

 人の話は最後まで聞けっての、土御門はそう思いながら浜面と服部の両目を思いっきり指で突いて大人しくさせた。
 両目に走る痛みに耐えながらこっちを見上げる浜面と服部、そして恨めしそうにこちらを睨む姫神に土御門は簡単に説明する。

「【歩く教会】チームの戦いを察するに前半と後半、全く違うチームにする必要がある。だからこその人選だ。詳しいことは後で話すが要はオレと姫神は秘密兵器ってやつですたい♪」
「秘密兵器。何て素晴らしい響き。任せて土御門くん。秘密兵器でキャプテンの私が。クラスを優勝に導いてみせる」
「「さすが姫神さま! 心が広い!」」

 キャプテンにした覚えは無いんだがにゃー、そんな土御門の呟きなど聞いていない姫神は上機嫌で浜面と服部と共に下がった。
 気持ちを切り替えて土御門は次に選んだ参加メンバーを告げようとしたが、

「土御門、貴様の意見は聞かない。あたしと情報屋は試合に出るわよ」
「そうゆうわけで俺も試合に出たい、頼む土御門!(ホントは怖いけど吹寄だったら試合に出ないで優勝したら約束が反故にされそうだし……)」
「(この2人は流れ的に最初から出すつもりだったから手間が省けたぜい)ああ、頼む」

 最初から張り切ってる吹寄、一身上の都合で張り切ってる情報屋からの名乗りで2人の参加が決定。
 残るあと1枠を考えて土御門は大いに悩む、戦力としてではなく人間として。

「ここはボクの出番や! 黒子はんに赤見に白子ちゃんが見に来るのに参加せんわけにはいかんねん!」
「彼女持ちは大人しくしてろってーの! 俺が大活躍してうちの生徒だけでなく見学に来てる女の子やお姉さん方を惚れさせる崇高な目的を邪魔すんな!」
「何が崇高や! そんなんただモテようとしとるだけやないか! そないな邪な願望持った野原に決勝は任せられへん!」

 いがみ合ってるのは青ピと野原、この2人のどちらかからあと1人を選ぼうと思っていた土御門だが本気で悩んでいた。

77ё:2011/03/17(木) 17:10:55 ID:hMNpjr6Q
上条チーム現状確認。
スターティングメンバー:上条、一方通行、浜面、服部、吹寄、白雪、茜川、情報屋、東原、翔太。
スターティングメンバー(仮):青ピor野原。
控え(姫神的にスーパーサブ):土御門、姫神、真夜(予定)。

心理掌握の魔術師トラウマの解決方法は私なりに考えていますがそこはその時の書く人に任せようとも思ってます。
少なくとも今の心理掌握はむやみやたらと相手の心を覗いたりはしないのでインデックスの一〇万三〇〇〇冊の魔道書に侵される可能性は低いはずですし。

78±:2011/03/17(木) 21:41:05 ID:bmjFGxlE
(あたりに強い青ピか、念動力でボールのスピードを落とせる野原か……どっちでもいいんだがにゃー)
「ほな、ここは公平にツッチーに決めてもらいましょうか!」
「おお、確かに公平だ!おい、土御門!」

 一瞬にして土御門との間合いをつめた青ピと野原。
 土御門はさすがに慄き、そのスキをすかさず二人に攻められた。

「なあ、ツッチー!こんなモテようとしとるだけの野原より僕の方が百倍ええよな!」
「何を言うか、青ピ!お前と違って俺は能力を使ってボールの速度を落とせるんだぞ!お前より百倍使えるわ!」
「ふ、2人ともおちつくんだにゃー」
「「どっちだ(や)、土御門(ツッチー)!」」

 あんまりに決断しない土御門に青ピと野原はさらに土御門に近寄り始めた。
 しかし、その体勢は傍から見れば、非常に誤解されやすい体制であったため………

「○○くん(青ピの本名)、野原くん、そんなに元春に近づいていいのは私だけーーぇ!!!」
「「ギャーァーーーー!!」」

 当然といえば当然ながら、土御門の彼女である白雪に2人とも氷付けにされてしまうわけであった。

「はあ……はあ……、助かったぜい月夜」
「元春のためだもん。このぐらいどうってことないよ!」
「ん………月夜……」
「元春……」

 土白が2人の世界に入りかける。
 2人の唇が少しまずつ近づいていく。
 あと数cm………

「黒子はんとも昨日はイチャイチャを自粛したのに目の前で見せられてたまりますか!」
「そのとおりだ、青ピ!そしてこんな氷の中で寝静まってたまるか!」

 土白の二人の世界を壊すかのように青ピと野原が氷の中から復活!
 せっかくいちゃついていたのを妨害されたことにより白雪が不機嫌になるが土御門が考えをまとめたように口を開き始めた。

「前半は野原、後半は青ピでいくにゃー」
「………それは分かったけど、何でそんな風にするん?」
「ついさっきも言ったが前半と後半で全く違うチームにする必要がある。そのためだぜい」
「…わかった。とりあえずこれで俺は前半で活躍できるようだしな!」
「僕も後半で黒子はんや赤見、白子ちゃんにかっこいいところをみせることができるしな。それでいいでー!」

 ようやく土御門の許可をもらいまとまった青ピと野原。
 しかし、その2人以外は思った。土御門、お前白雪といちゃつきたいがために適当に決めただろ、と。
 だがこれで試合に参加する11人が決定し、あとは木原先生たちに報告をするだけとなった。

79:2011/03/18(金) 19:21:28 ID:rJI2PMjE
前々から言っていた
一方通行×新キャラ×打ち止め×心理掌握の外伝を今書いているのですが、(本編も書きたいけれど、スポーツもの
苦手なんだよなあ)誰か打ち止めと心理掌握がお互いをなんと呼び合っているのか
設定してくれませんか?

80:2011/03/18(金) 19:40:33 ID:rJI2PMjE
現在の執筆段階ではお互い
「打ち止めさん」「心理掌握」と呼び合っている設定です
(もっとも、心理掌握から打ち止めへの呼称は未だ使われていませんが)

81ё:2011/03/18(金) 21:08:39 ID:SGzLR8NU
呼称が特にないんですけどね、打ち止めと心理掌握の間には。
球技大会初日に困ってた打ち止めに心理掌握が声をかけたけど打ち止めが心理掌握のことを『優しいおねーちゃん』って呼んだだけ。
対して心理掌握は打ち止めのことを特に呼称つけて呼んでないんです、というかここで初めて2人がまともに出会うので。

打ち止めのことは☆さんの考えるとおり『打ち止めさん』でいいと思います。
心理掌握は私の中で『メン子』呼びにしようと画策してます、いつまでも心理掌握だと固いですしw

82:2011/03/18(金) 21:26:44 ID:rJI2PMjE
参考にさせてもらいます。
あと、アナザーワールド設定の外伝キャラの内、ノイルの方は☆としてのストーリーで後々活躍する予定があるのですが、
麗奈様とレオ君は何というか、勢いと願望で作っちゃったようなキャラなので、今の所日常パートで絡んでくれたら
面白いだろうなというようなキャラです。
ですからこの2人に関しては特例というか、むしろこのスレで他の人々に上手く使ってもらいたいと思います。

83:2011/03/18(金) 21:37:55 ID:rJI2PMjE
私の執筆してきたもの見てもらえればわかるんですけど
コメディというか、ドタバタしたノリとかを描くのはどうも苦手でして・・・・

84:2011/03/19(土) 08:50:09 ID:TlDbIGTc
メン子・・・・古い子供の遊び見たいでお嬢様としては野暮ったいかな・・・
「こころちゃん」という呼び名が「なかったシーンをあったかのように語るスレ」で言われていたけれど。

85:2011/03/19(土) 18:48:51 ID:TlDbIGTc
特に異議がなければ当初の設定(「打ち止めさん」「心理掌握」)のまま、
20時ごろに外伝スレに自作SSを投稿します。

86ё:2011/03/19(土) 21:08:56 ID:sS82oX1A
「さて心理掌握、君には覚えているサッカーのルールや戦略をサッカーを知らないメンバーに覚えさせてもらいたい」
「つまり私の能力で持っているサッカーの知識を他の皆さんにインストールしろということですわね」
「流石に察しがいいな。とはいえあくまでサッカーを知らない者達だけに施す処置だということを忘れるなよ」

 その少し前、木山は心理掌握を呼び出して彼女の仲間となるメンバーにサッカーの知識を能力を駆使して詰め込むように指示を出していた。
 ちなみに対象者はインデックス(上条と同居時に気まぐれに覚えた)、五和(天草式に必要になると考え一通り)以外だったりする。
 入学当初ならまだしも、精神の成長途上の心理掌握なら余計なことはしないと踏んでいる木山、ふとあることを思い出し尋ねることに。

「そういえば君は確か魔術師にトラウマがあると聞いたことがあるが……大丈夫か?」
「え、ええ……。自分でトラウマの影響を最小限に抑えていますので……。本当は今すぐにでもトラウマを乗り越えたいのですがその……」
「時間も無いしまあ仕方あるまい。エツァリとショチトルと五和はあまり知らないがインデックスとステイルはいい奴らだ。気軽に接してやってくれ」
(私の中で1番のトラウマがそのステイルさんということは言えませんわね……)

 少し震えて汗もそれなりに出てはいるが大丈夫だろう、木山はかなり適当な判断を下していた。
 心理掌握がトラウマを『消し去る』ではなく『最小限に抑える』に留めたのは、『消し去る』を実行した場合にトラウマに付随する全ての記憶を消去する必要があるのだ。
 その場合、記憶の齟齬が生まれてしまい新たなる混乱が生まれるだけなので『最小限に抑える』に留めるだけにしたのだ。
 ちなみに心理掌握が能力を使わずに魔術師のトラウマを乗り越えようと頑張ってるのは、尊敬する真夜が過去に麦野に対するトラウマを乗り越えたと聞いたからだったりする。

「チームワークは難しいだろうが試合中に培ってくれ。君の能力で意思の統一を図れば簡単だろうがそれでは球技大会の醍醐味が無くなるからな」
「分かってますわ。能力を使って簡単にチームワークを形成するのは虚しいだけ。やはりスポーツならば少しづつ仲間の和を育むべきですもの」

 この子、本当にいい方向に変わりつつあるな、木山は心理掌握に影響を与えている一方通行と真夜を思い出して少しだけ微笑んだ。
 心理掌握は普段あまり感情を出さない木山の微笑みを見て少し驚きながらも丁寧に挨拶をして職員室を後にした、入れ違いに入ってきた土御門にも頭を下げて。

「あのお高く留まった心理掌握がオレに頭を下げるとはな。っと、そんなことよりもホラ木山センセ。オレ達のクラスの出場メンバー表、持って来たぜよ」
「ご苦労。……ふむ、なかなか興味深い選出だな。これなら面白い試合が見られそうだ」
「そいつはどーも。相手チームの全員が曲者揃いってのが困りもんですたい。禁書目録もそうだが絹旗と削板、あの2人が最高に厄介だからにゃー」
「気付いていたか。だが安心しろ。削板はともかく絹旗には1つだけ禁止事項を設けてある。君なら察しはついてるだろう?」

 まあアレを禁止にしたとしても絹旗は脅威だけどな、土御門はそう言いながら職員室を後にした。
 誰も居ない職員室で木山は気まぐれで作ってきたサンドウィッチを出して、コーヒーを淹れに給湯室へと足を伸ばすのだった。

――――――――――

 その頃、美琴は1人で上条を探していた、早起きして作った愛妻(?)弁当を携えて。
 最初に合流した初春と佐天、途中で合流した黒子、打ち止め、春上はというと、

「私と涙子さんは火織お姉ちゃんと合流してから最愛さんの所へ行きますのでまた後で」
「ではお姉さま、黒子も○○様とお昼をご一緒したいのでここで失礼しますわ」
「ミサカは一方通行にお弁当食べてもらうんだーってミサカはミサカは猛ダッシュで探しに行く!」
「あたしは元春お兄ちゃんと月夜お姉ちゃんを探しに行くの」

 思い思いのお昼を過ごす為に一旦別れることに。
 するとそこに【歩く教会】チーム(絹旗除く)の集団リンチから解放された上条が姿を現した。
 その痛々しい姿に美琴は切れそうになったがかつての茜川との約束を思い出すと何とか踏みとどまり、上条を看病しながら事情を尋ねる。

87■■■■:2011/03/20(日) 00:24:49 ID:dch5660c
ン?科学の街なのに、発明好きな少年少女がいないヽ('ー'#)/

88:2011/03/20(日) 09:05:29 ID:Id3n.XDM
ёさん申し訳ありません。

89:2011/03/20(日) 09:06:17 ID:Id3n.XDM
野暮ったいとか言って結局なんも変えずに投稿してしまって。

90±:2011/03/21(月) 20:08:49 ID:C/paurEg
「と……当麻ぁ!」
「うう………み……美琴……?」

 とりあえずそのまま上条に膝枕をする美琴。
 すると上条は落ち着いた表情になり、ゆったりとし始めた。

「当麻、大丈夫?」
「ああ、美琴の膝枕のおかげで痛みが引いてきたぜ」
「もう!当麻ったら〜♪」

 上条の発言でハートマークをだしながら照れる美琴。
 その様子を見て上条は笑うが、美琴は思い出したかの様に上条に何があったのか聞き始めた。

「ねえ、当麻」
「ん、どうしたんだ美琴?」
「なんかボコられてたみたいだけど何があったの?」
「ああ、あれな。あれは『歩く教会』チームの面々――インデックスにステイルに御坂妹、麦野に最愛なんだけど――間違えて変な覆面集団って言っちまったのが勘に触ったらしくそのままボコられただけさ」

 変に誤魔化してもしょうがないのでありのままの事を話す上条。
 それを聞き終えた美琴はすぐに手をださなくてよかったと思いつつ、もう一度上条に詳しく聞いた。

「本当にそれで全部?」
「あ!最愛はフルボッコに参加してないな」
「そう……ねえ、当麻。何か欲しいものある?」
「ん〜、そうだな……」

 そう言って少し考え始める上条。
 そしてすぐに上条は欲しいものを思いつき、美琴におねだりをした。

「んじゃあ、美琴のキスが欲しいかな」
「うん、分かった!」

 そう言ってそのまま上条にキスをする美琴。
 そうしてその後、美琴エナジーを貰い元気になった上条がサッカーにて大暴れをする事になる。

――――――――――

 その頃、初春と佐天は神裂と合流して絹旗の所に向かっていた。

「そういえば神裂さん、どうして遅れたんですか?」
「実は教師の仕事があって……サボろうとしたんですがあいにくあと一歩のところで同僚に見つかってしまったので」
「火織お姉ちゃん、サボリはダメですよ!」

 神裂がサボリをしようとしたのを知り、怒る初春。
 その怒る初春を可愛いと思いながら神裂は初春の怒りを鎮めるために行動をとった。

91:2011/03/21(月) 22:25:15 ID:dCgcgEq6
「大丈夫ですよ。ちゃんとこなしてきましたし、むしろ皆さんに間に合うように早めに済ませてきたんですよ。ですからほら。頭なでなでしてくれたら・・・・・」
「もう、しょうがないですねえ。」
 まるで犬がパタパタ尻尾を振ってじゃれるように頭を突きだしてくる神裂の頭を優しく撫でる初春。
 ハ―ッと、まるで温泉に入っているかのように気持ちよさそうにしている神裂。人目をはばからずにそんな風にして歩いた3人は、やがて覆面を被った絹旗と合流した。
「あ。飾利、涙子、神裂先生。超丁度良かったです。今から会場に超一緒に行きましょう。」
 そう
言って彼女らを引っ張っていく絹旗だが、神裂はその方向を見て疑問を呈した。
「絹旗、どこへ?そっちは常磐台でも友愛高校でもなさそうですが。」
「あ、神裂先生。ひょっとして超聞いてませんでしたか?」
「神裂お姉ちゃんは昨日からの仕事を大急ぎで終わらせてきたから知らないんですよ。」
「そうですか。それは超可哀そうです。では、教えてあげましょう。」
 そう言って、絹旗は、昨日自分達対抗選手に、ついさっき友愛高校チームに言わ渡されたことを報告した。
「サッカーの試合は、第20学区のドームで超行われるんです。
 あまりに使用される能力のインフレが激しく、激戦が予想されるんで、実際にプロの試合が超行われるような超広大なフィールドの方が超目一杯実力を発揮できるだろうということだそうですよ。」

初めて本編に参加しました。上手く通るといいんですが・・・・・

92:2011/03/21(月) 22:26:29 ID:dCgcgEq6
そう
言って彼女らを引っ張っていく絹旗だが、神裂はその方向を見て疑問を呈した

はミスです。繋がっています。

93ё:2011/03/22(火) 20:30:02 ID:x4noRo1M
 何だかんだでそれぞれに昼食を済ませ、友愛高校の生徒と教師、【歩く教会】チームなどの助っ人達、観覧希望者は第二十学区の全天候スタジアムに集結した。
 決勝に出場する選手たちはそれぞれの控え室へと通される。

「じゃあ俺と真昼さんは医務室で応援してるから。みんなは試合頑張って」
「井ノ原弟、お前さんも一応控えに入ってることは忘れるなよ。いざとなったら試合に出てもらうからな」

 そうならないように祈ってる、真夜は真昼を背負って医務室へと向かった。
 いや、絶対にいざという時は来る、上条達全員が同じことを思っていた。

「さて、試合前にやっときたいことがあるぜよ」
「やっときたいことって何なん?」
「チームのキャプテンを決めるんだにゃー♪ ちなみにオレは監督兼選手だから外ぐおっ!」

 決勝に臨むにあたってキャプテン選びを提案した土御門だが、いきなり後頭部に打撃をもらってしまう。
 頭が割れそうな痛みに耐えながら後ろを振り返った土御門が見たもの、それは魔法のステッキ(ヘッドクラッシュ)を構えた姫神だった。

「土御門くん。寝言は寝てから言って。チームのキャプテンは秘密兵器の私」
「「その通りです姫神さま!!」」
「ちょっと待ちなさい! 大事な決勝戦のキャプテンはクラス委員長のこのあたしよ!」
「ふ、吹寄には悪いけどお、俺もキャプテンに立候補する! この試合に対する思いは誰よりも強いんだからな!」
「ハッ、テメェら雑魚どもに決勝戦のキャプテンっつー大役が務まるわけねェだろうがァ! つーわけでレベル5第一位の俺がやってやンよォ!」
「アクセラくんは打ち止めちゃんにカッコいい所見せたいだけでしょ! キャプテンは最初からサッカーに参加してるこの私だよ♪」

 姫神、吹寄、情報屋、一方通行、白雪のキャプテン立候補者たちが誰一人として譲ることなくもめ始める。
 東原と野原はあの雰囲気に入れず、茜川は真夜が居ないなら白雪でいいと考え、浜面と服部は姫神の応援、上条と翔太は巻き込まれたくないのでキャプテンに立候補していない。
 このままでは埒が明かないと思った土御門は、

「分かった分かった。そんなにキャプテンになりたいならジャンケンで決めたらいいぜよ。カミやんを含めた6人でパパッとやって欲しいですたい」
「ちょっと待て土御門! 何で俺まで入ってんだよ! キャプテンに立候補してないって分かってるよな!」
「こうゆうことはカミやんが居ないと始まらないですたい。ま、カミやんがジャンケンに勝てるなんて思ってないから気軽にやってくれ」

 上条も巻き込んでのキャプテン決定ジャンケンを提案すると、キャプテン立候補者達はあっさりと受け入れた。
 キャプテンなんかやりたくねぇのに……不幸だ、いつもの言葉を呟いた上条はジャンケンに負けるつもり満々である。
 ジャンケンの勝者がキャプテンというルールのもと、上条のクラスのキャプテン選出ジャンケンが幕を開けた。

――――――――――

 その頃、相手チームの控え室前では【歩く教会】チームと美琴、初春が顔を合わせていた。
 初春と大抵一緒に行動している神裂は、五和の上半身メイド下半身ブルマーの服装を見て別の部屋で五和に説教中。
 佐天はショチトルを発見、久々の再会を楽しんでいる最中である。

「……まあ、インデックスが居るからステイルさんも居る、最愛が居るからオバサンが居る、それは分かる。でも……なんでアンタがここに居るの?」
「何でと言われる意味がサッパリ分かりません、とクールビューティーはお姉様に未来のだんな様と試合で出来ることを自慢してやります」
「オーケー妹。今のは考えるまでも無く攻撃してもいいって合図よね」

 どや顔をする御坂妹(彼女なりに)に切れる寸前の美琴の前に割って入った初春、見事に美琴の怒りを抑えることに成功。
 ちなみにオバサン呼ばわりされた麦野も美琴に対して怒っているがこちらは絹旗が何とか抑え込んでいる。

「ダメですよ美琴お姉さん、妹(まい)さん。こんな所で姉妹ゲンカは」
「オーナー初春がそう言うなら、とクールビューティーは素直に引き下がると共に便宜上の名前は観阪 妹(みさか まい)と告白します」
「…………え? 何、アンタ達知り合い? というか便宜上って?」

 初春曰く、冥土返しの病院に通院しているうちに【妹達】と知り合いになり、今では仲良くさせてもらってるとのこと。
 そんな時、御坂妹からレンタルショップの会員証を作るのにミサカ10032号では作りづらいと相談を受ける。
 最初は初春も迷ったが、冥土返しに尋ねたら力になってくれと後押しされて学園都市に居る【妹達】に色々と便宜を図るようになったのだ。

94ё:2011/03/22(火) 21:20:16 ID:x4noRo1M
「そうゆうわけでクールビューティー達は彼女をオーナーと崇め、頼まれごとを引き受けるようになったのです、とクールビューティーは現状説明を終えます」
「いつかは世界中の【妹達】さん達もと思ってるんですけど今の私の力では学園都市の【妹達】さん達が精一杯で……」
「知らなかったわ、飾利とあんた達がそんな関係だったなんて。……ね、ねぇちょっと待って。まさか飾利、あんた……」

 今までの会話を聞いて信じたくない1つの事実に気付いた美琴、血の気が一気に引くのが分かった。
 目の前の義妹から侮蔑の視線を送られる、罵倒を浴びせられる、そう考えると怖くて堪らない美琴を襲ったもの、それは初春からの抱擁だった。

「大丈夫ですよ美琴お姉さん。【妹達】さん達のことも【絶対能力進化】計画のことも知ってます。でもそれで美琴お姉さんを嫌いにはなりません」
「……嘘。だったらあんたは私のしたことも知ってるんでしょ? なら」
「言ったはずです、それで美琴お姉さんを嫌いにはならないって。悪いのは小さい美琴お姉さんを騙してDNAマップを提供させた人達です」

 それ以上の言葉は美琴には出せなかった、初春の小さい体ながらも包み込むような抱擁の不思議な力によって。

「責めたくなる時もあるでしょう、たとえ乗り越えた今でも。でも美琴お姉さんはこうやって生きています。本当なら許せないはずの一方通行さんとも仲良くなって」
「飾利……」
「全てを受け入れて未来に向かって生きてる美琴お姉さんの味方ですよ、私。たとえこの先どんなことがあったとしても。もちろん一方通行さんもでわぷっ」

 初春の言葉を遮って美琴は目の前の少女に抱きついて声を出して泣き続けた、時々ありがとうと呟いて。
 年不相応過ぎる包容力を見せる初春を見てその場に居る面々は思った、精神年齢が実年齢の倍以上はあるだろうと。
 そして泣き止んだ美琴に何度も大丈夫と尋ねた初春、本人のスッキリした表情を見て気持ちを思いっきり切り替えた。

「じゃあ皆さん、試合頑張って下さい♪ 私達は観客席から皆さんの頑張りを見てますから」
「待つんだよかざり。私たち、いい加減この覆面脱ぎたいんだけどどうしたらいいかな? このままだとうまに私たちが参加してるって分かってもらえないし」
「……インデックス、あんた本気で言ってるの?」
「みことには悪いけどとうまは追試と補習を逃れたことが無いくらいのおバカさんなんだよ。私たちの正体なんて検討すらついてないかも」

 いや、そこまでバカじゃあ無い、インデックス以外の全員が思ったがバカ自体を否定していないのはあんまりな話だろう。
 しかしインデックスが納得していないので初春が彼女に覆面を脱ぐタイミングを教えることに。

「だったら試合開始前に皆さんで一斉に脱いだらどうでしょう? それならきっと当麻お兄ちゃんも驚いてくれますよ」
「確かにそれなら上条当麻も驚いてくれるだろうね(驚くよりも呆然としそうだけど……)」
「でしたらクールビューティーも従います、とクールビューティーは覆面を脱いでもゴーグルは取らないことを宣言します」
「幻想殺しはともかく浜面の驚くツラが見られるならそれが一番良いタイミングか。本当ならもっと派手にバラしたかったけど」
(お兄ちゃんにはとっくに超ばれてるとは言えませんね。けど麦野の言うとおり浜面のバカっぽく驚く顔は超見ものかもしれません)

 他の【歩く教会】チームのメンバーが肯定的なことを受けてインデックスも初春の案を受け入れることに。
 そこに闇咲が現れ、ステイル、五和、エツァリ、ショチトルを呼び寄せて別室での禁止事項についての説明を始めた。
 なおインデックスは禁止するような事項は無いので対象外となったが、そのことで少しむくれたのは本人だけの秘密である。
 合流した神裂に抱きかかえられながら初春は美琴、佐天と一緒に観客席へと向かうのだった。

――――――――――

 その頃、数十回のあいこを経て上条のクラスのチームのキャプテン選出ジャンケンが終了、それはすなわちキャプテンが決定した瞬間でもあった。

95:2011/03/22(火) 22:52:31 ID:GsyTvnjI
 当事者たちは逆に気付かなかったのだが、この決定事項はつい昨日学園都市にいきわたったばかりなのだが、顔ぶれの豪華さ・・・・何しろ、未だ詳細不明の第7位と、現在その生死さえ定かになっていない第2位を除く全ての超能力者達、更にはバレンタインの決闘のビデオが出回ったことにより、最強の無能力者としてその名を学園都市中に轟かせていた上条当麻やら層々たる面子で、
この試合がもはや従来のサッカーの枠を超えた、SFカンフー映画もびっくりの大覇星祭並みのショーになるであろうことは誰の目にも明らかえ、球技大会が他の学校より早く始まってちょうど休日に行われたこともあって、ドームは満杯だった。
 美琴、初春、佐天がいるところから少し隔てた席では、質素かつカジュアルなファッションに身を包んだのカップルらきし2人が、これから行われるであろう試合について興奮を抑えきれずにいた。
「楽しみですねえ麗奈様。」
「本当ね。新坂君、どっちが勝つと思う?これ見る限り。」
 くるくる巻き毛の上品さを漂わせている美女は、試合前に渡された各選手のプロフィールと、彼らの前日の試合の様を映した小型ビデオを見ながら問いかけた。
「麗奈様はどっちだとお考えですか?」
「私は貴方に聞いてるのよ。」
「はっはい。ええと・・・・」
 少し凄みを増した声におののきつつも、彼はそれらのデータを「分析」した。
「友愛高校の人達・・・特に元からサッカーにいたチームなんかは確かにすごい力ですけれどなんというか・・・なまじっか癖のありすぎるチームかなあと・・・・」
「ふうん・・・・」
「最も身体能力が高い井ノ原姉弟の登場も出奥でそうですし。一見地味ですけれど、【歩く協会】とか名乗るチームの方は、特に司令塔たる『ピュアシスター』と『シガレット』、『ムギムギ』と『シルク』のコンビが整っていて、『ピュアシスター』を中心としたチームワークというか、統制力がちゃんと取れている感じがしますね。 
 あとは能力面ですけれど・・・・」
「ほう?」
「多分・・・対策は取れていると思いますよ。恐らく統制を採っているあの『ピュアシスター』、これまで見てきた限りでは相手チームの動きをきちんと把握してきてる頭がよさそうな感じの娘ですし、それに『ムギムギ』や『シルク』もそれぞれ超能力者、大能力者なんでしょう?あとはそう、超能力者の『心理掌握』と『削板軍覇』がいかに動くかがポイントでしょうね。」
「ふうん、つまりあなたは【歩く協会】チームの方を買っているわけ?」
「はい、麗奈様は?」
「奇偶ね。私は友愛高校チームに一票よ。」
「どこが奇偶なんですか?」
「これで賭けれるしょう?どっちが勝つか。」
「・・・・ちなみに根拠は?」
「第1位の一方通行は恐らく他の超能力者達なんか圧倒する実力でしょうし、白雪とかいう娘の攻撃のバラエティもすごいし、井ノ原姉弟がやっぱり粒ぞろいよあのチームは。ほら、それから神裂先生に鍛えられたバレーボールチームも出るっていうし。」
「個々の実力がよくても、チームで上手く動くとは限りませんよ。ブラジルなんかも選手は強いですけれど、日本はチームプレーで勝負して対抗するタイプですから。」
なまじっか皆と比べて突出しているがためにチーム競技が比較的苦手な麗奈と、周囲や他人との和を重視するタイプの早坂とでは、試合に関する観点が違うらしい。
「だから賭けましょうって言っているのよ。もしあなたが勝ったら新坂君、あなたが勝っただった今度1日だけ家に泊めてあげるわ。」
「ほ、ほんとほんと!出来れば夏休みにお願いします!」
本当に、心から嬉しそうに顔をほころばせる早坂。
「ええ、じゃあ私が勝ったらどうしようかしらね・・・・・」
 ふーん、人さし指を顎に当ててしばし楽しそうに思案した麗奈は、携帯からインターネットにつないであるリンクを出した。
「これに付き合いなさい。」
「え。ええと・・・夏休み蛍体験・・・・・?」
 古い趣を色々残してある学園都市外の都市、京都で夏に行われる、自然の蛍を眺める夜のキャンペーン。
「そう。京都に行く旅行ついでに参加するんだけど、あなたにこの京都旅行に付き合っていろいろ雑用と押しつけたいから。」
「はは、わかりました。なんとか父さんと母さんを説得してきますよ・・・・。」
(よしよし、さあ、勝ちなさい、友愛高校チーム)
 居丈高に友愛高校を応援した麗奈は、離れに観たことある者たちの塊を見つけた。


ついに彼女達を絡めてしまいました。もうやるっきゃない!

96:2011/03/22(火) 22:53:01 ID:GsyTvnjI
「フレー、フレー、浜面さーん、半蔵さーん。」
「絶対勝つよな俺達のチーム」
「あったんまえだろ。いつもは憎ったらしいが、一方通行だっているしよぉ。」
「あの2人の運動神経とチームワーク、そして2人が神のように崇めているっていう姫神さんとかいう人の未知数の実力あれば能力者連中なんて目じゃねえぜ。」
 友愛高校チーム応援していたのは、半蔵達が取りまとめているのスキルアウトのチームだった。
「貴方達も来てたの。」
「ウゲッ麗奈、新坂・・・」
「つれないわねえ、植森君、今日は別に喧嘩なんて野暮なことはしないわよ。貴方達だって、自分達のリーダーを応援しているだけでしょう?」
 普段自分達の柵川中学及びその生徒への手出しを止めつづめて、柵川中学を第13学区に次ぐアンタッチャブルゾーンにしている天敵といっていい2人に出会ってそれまでの浮かれモードから一転、白けた雰囲気になっていくスキルアウト。そんな彼らを盛り上げたのは、人のいい天然君、新坂だった。
「ねえねえみんな。麗奈様も友愛高校チーム応援しているんだって。僕の方は【歩く協会】チームの方応援しているんだよ。それでさ、少し待ってて。」
 そう言って彼は、麗奈の方に言って何か耳打ちして、それに対してあわてた感じで手を振るものの結局うなだれた感じで折れた麗奈。新坂は2人のところへ行って告げた。
「もし君達と麗奈様が勝ったらね。この京都旅行プランに連れてってくれるって。」
「ほんとかよそれ!!」
「旅費は?」
「ああ、それだったら団体プランがあるから、負けた僕の方がおごるよ。だから今日は普段のことは忘れて、楽し・・・」
「ウヒョウ!やっぱ金持ちって最高だなおい!」
 実は親が結構資産家な新坂は新たな条件をつけて、彼らと麗奈の仲を取り持とうとし、結果として敵同士でありながら彼らと共にワイワイはしゃぐこととなった。一方勝手に2人きりの純和風デート計画をつぶされた麗奈は・・・
(バカバカ馬鹿坂!何勝手に賭けの内容変更してんのよ!私の下僕の分際で!)
 普段は敵対しているものの、調子のいいスキルアウト達にかこまれながらどっちを応援するべきか本気で悩んだ。

97:2011/03/22(火) 22:56:05 ID:GsyTvnjI
とんでもない伏線はっちゃいましたが、
万一友愛高校チームが勝っても、半蔵や浜面や姫神がとりなせば、
別の条件で彼らを納得させられると思います。

98:2011/03/22(火) 23:11:25 ID:GsyTvnjI
 その10分後、試合開始がかなり近い頃、銀髪の、背が日本の小学生並みに低く幼い容姿を持つ少女がしょぼーんとした感じで夫婦に背負われる形で入ってきた。
「パパ、ママ、ほんとごめんなさい、やっぱりブレーキの調子直しとけば・・・・」
「過ぎたことを言っても仕方ないだろう。それよりもセレナ。いるんだろう?お前の恩人が。」
「うん!一方通行様凄い活躍してくれるのかなぁ。」
「ちゃんと拍手したりして精一杯応援しなきゃね。」
 自分を背負っている父親や母親に励まされて試合に対する興味を一層、当初出かける時より盛り上げた少女。目当ての少年が活躍するのは前半のみなのだが、打ち止めに見せるためのそのフェアプレーが、別の少女のハートをも射止めることになろうとは予想もしなかったろう。

99:2011/03/22(火) 23:27:42 ID:GsyTvnjI
「だから賭けましょうって言っているのよ。もしあなたが勝ったら新坂君、あなたが勝っただった今度1日だけ家に泊めてあげるわ。」→「だから賭けましょうって言っているのよ。もしあなたが勝ったら新坂君、今度1日だけ家に泊めてあげるわ。」

100:2011/03/22(火) 23:33:41 ID:GsyTvnjI
未だ詳細不明の第7位と、現在その生死さえ定かになっていない第2位

そして中学生の超電磁砲

101:2011/03/22(火) 23:34:51 ID:GsyTvnjI
未だ詳細不明の第7位と、現在その生死さえ定かになっていない第2位、そして
中学生の超電磁砲を除く5人もの超能力者達

に、変更してください。

102■■■■:2011/03/23(水) 09:34:38 ID:tRw2YiR2
7位は、削板じゃなかったけ?
6位では?

103:2011/03/23(水) 09:36:00 ID:wDXo9kHk
月夜が入ったから8人になっているんですよ。
外伝では、7月以降にまた7人になりますけれど。

104:2011/03/23(水) 09:37:37 ID:wDXo9kHk
ちなみに裏設定では、外伝に出ているセレナードと一方通行の出会いは
この日の朝です。

105■■■■:2011/03/23(水) 09:40:46 ID:z6l1Ty.2
あー!なるほど(o^-')b

106ё:2011/03/25(金) 21:10:34 ID:sfu9G7Ig
 何かスタジアムが人でいっぱいで盛り上がってるとかどうでもいいと思ってる人間が1人居た。
 その人物は自分の身に降りかかった不幸に思いっきり落ち込んでいる最中である。

「不幸だ……。よりにもよってやりたくもねぇキャプテンになるなんて神さま、上条さんは悪いことをしたのでせうか?」

 不覚にもジャンケンで勝ってしまった上条、自分のクラスのチームのキャプテンになったことを心底嫌がっていた。
 というのもこれでまた目立って街中で追い掛け回される確率が増える不幸に見舞われる、それが上条の考えである。
 しかしそんなものは全くもって今さらな話な上に、最近では追い掛け回されることが減って来ている傾向にあるのだが本人は分かっていない。

「ちくしょおおおおおおおっ! せっかくキャプテンになって頑張って吹寄にもっと認めてもらおうって思っグギャッ!」
「な、何言ってるのよこのバカ! しかし何て屈辱! まさか上条にジャンケンで負けるだなんてあたしのクラス委員長の威厳が……っ!」
「確かに屈辱。だけどそれ以上に。上条くんが。キャプテンになったことを。不幸とか言ってるのが。すっごく腹が立つ」
「そうだよ! せっかくキャプテンになれたのに上条くんの贅沢者!」
「全くだなァ。不幸とか抜かしてるせいで考えてねェのか? キャプテンになったテメェを御坂が更に惚れ直すって羨ましい展開をよォ」

 口々に不満や愚痴を言っているのは上条のグーに敗北したキャプテン立候補者達、その中で一方通行の言っていたことが根強く印象に残った上条。
 そしてイメージするのはキャプテンになった自分を何故かチアリーダーとして応援する美琴の可愛い姿だった。

「いよっしゃあああああっ! 俺は不幸じゃない! すっげー幸せ! つーわけで俺がキャプテンをやるからには絶対勝つぞーーーーっ! みんなもしっかりついて来いよ!」

 ポジティブシンキングになっていつも以上に大張り切りする上条にその場に居た全員が思った、爽やかだけど暑苦しいと。
 これでようやくいつもの上条のクラスに戻り、皆もいつもの調子を取り戻した所で白雪が土御門に尋ねる。

「ところで元春って魔術の使用制限とかされてないの?」
「使っただけで大ダメージ受けるんだぞ? 制限される以前にオレの方が使う気起きないぜよ。ま、月夜が居れば魔術に頼る必要性も無いからにゃー」

 純粋に自分を頼ってくれた土御門の態度が嬉しくなった白雪、人目も憚らずに自分の恋人に抱きついた。
 その様子を羨ましそうに見ていたのは一方通行、青ピ、浜面、服部、茜川の恋人が近くに居ない面々(上条は美琴のチアリーダー妄想で平気)。

「にゃー、何か色々と盛り上がってるみたいだからこっちでポジション勝手に決めちまうか。オレもルールくらいは知ってるからな」
「土御門、ちゃんと勝てるポジション選びしなさいよ。貴様のせいで負けたとか思いたくないから」
「わーってるって。吹寄さんのご所望通り、情報屋がカッコよく見えるようなグオッ! ……冗談ですたい」

 吹寄に頭突きを喰らうというアクシデントに見舞われつつも、土御門は自分のチームのポジションをテキパキと選び始めるのだった。

――――――――――

「では君達の得物はこちらで預からせてもらう。試合が終われば返すから安心してくれ」

 こちらでは魔術師の禁止事項の説明が終わった所で、闇咲がそれぞれの危険な武器を預かっている所だ。
 要は魔術師達のそれぞれの得物を預かることが禁止事項を守らせることと同義となるのだ。
 特にエツァリとショチトルは得物を取り上げられたことで落ち込んでいたが、持っている身体能力だけで頑張ると前向きに考えた。

「闇咲、僕のルーンのカードは預かりはしないのかい?」
「ステイル、君の場合はルーンのカードそのものに攻撃性を感じないと感じたからだ。イノケンティウスを使わなければ問題は無い」

 勿論相手への直接攻撃は禁止だ、そう闇咲が付け足したのを受けてステイルは素直に頷いて部屋から出て行った。
 ちなみにエツァリとショチトルが得物を取り上げられたのは魔術自体が危険なこととプレーが度々止まるを防ぐことが理由である。

107ё:2011/03/25(金) 21:38:29 ID:sfu9G7Ig
「では闇咲さん、私の海軍用船上槍、確かにお預けします。これはサッカーには不要な物ですから」
「分かった。それと五和、後で他の魔術師達にも伝えておいてくれ。君達の得物を返すのは私ではなく」
「いやー悪い悪い。ちょいと遅れちまったのよ。で闇咲、俺が預かることになる……のは……」

 エツァリとショチトルも既に部屋を出ており闇咲と五和だけしか居ない部屋に入ってきたのは建宮だが、その建宮は五和の上半身メイド下半身ブルマーを前に固まってしまう。
 ちなみに建宮を呼んだのは闇咲で、彼も初春と対馬と同じ便でロンドンに向かう都合上、あと少しでここを発たないといけないという理由がある。

「い、五和……。お前さんとうとうそこまで手段を選ばんようになっちまったのか。教皇代理として実に悲しいのよな……。ま、それはともかく写真に収めヒイッ!」
「建宮さん、突き刺されたいんですか? それとも切り刻まれたいんですか?」
「じょ、冗談なのよね……。しっかし海軍用船上槍を取り上げられるとは……まあ球技大会だから当たり前か。けどこれで五和の戦力も半減って思ったがそうでも無いのな」
「流石に見抜いてましたか。というわけで試合、期待してて下さいね。私と当麻さんの愛に満ち溢れたサッカーを♪」

 そっち方面じゃ期待してねえっての、建宮は口にしたら殺されかねないことを心の中で思っていた。
 しかし上半身メイド下半身ブルマーの服装が天草式魔術としての効果を顕していたことには感心していたりする。
 闇咲に後を任された建宮は目の前にある魔術師達の得物を慎重かつ丁寧に管理をするのだった(特にエツァリの原典)。

108☆〜:2011/03/26(土) 12:52:10 ID:FacEPk/w
皆さん、はじめまして。☆〜と申します。初投稿で、まだまだ未熟者ですが、どうぞよろしくお願いします。

109☆〜:2011/03/26(土) 17:51:00 ID:FacEPk/w
あ、打ち間違えました。
私、読み専門の、初コメントでした。
このSSを書いていらっしゃる皆さんは、何というか凄くて、私には到底真似出来ません。
皆さん、これからも頑張ってください*

110■■■■:2011/03/27(日) 11:52:41 ID:Z2EH7To.
segaってね☆

111Ψ:2011/03/28(月) 10:27:40 ID:hdZ988zM
超お久しぶり〜
もう忘れてかけていると思いますがΨです〜
にしても本当に読み専になっていますが、7つも小説を書いていたりブログをしていたりしているので、時間なんて取れないに等しいですよねorz
で、今日は何で書いたのかと言うと、書けない代わりに要望でも言っておこうかとのでw
ただ単にあるキャラを出して欲しいだけなんですけどねw
っていう事で、誰でも良いからフレメアを出してくれると嬉しいです♪
うん、それだけです。なんか出てきたら面白そうな気がしたのでw
っていう事でお願いします。俺はこちらに書ける時間がないに等しいので。

ところで、球技大会が終わったら何するの?

112Ψ:2011/03/28(月) 10:55:39 ID:hdZ988zM
追記、
絹旗の一方口調も出して欲しいですw

113:2011/03/28(月) 12:21:00 ID:5IBjUJZQ
Ψさん、どこでどんな名前で小説書いているか教えてくれませんか?
というか、ここに来る皆さんは、やっぱりここ以外でも色々書いているようですね。
できたらみつけてみたいです。

114:2011/03/28(月) 12:25:37 ID:5IBjUJZQ
球技大会終わった後・・・・
今まで出ている案としては
「GW・情報屋&吹寄デート見守り」と
「夏の戦争準備編」でしょうか。

115Ψ:2011/03/28(月) 14:32:22 ID:hdZ988zM
★さん
教えて欲しいですか。
小説は良いのですが、ブログは……結構痛いです。
一応載せておきますけど。
『七つの罪を断罪せし者 “Judgement Sanctuary”』というサイトです。
小説の方の名前は竹馬プシーと言う名を使ってます。
ってかもはや公開すると言うねw

116:2011/03/28(月) 15:56:36 ID:5IBjUJZQ
ありがとうございます。
さがしてみます。

117■■■■:2011/03/30(水) 20:37:50 ID:svXZh.Go
多分、能力者への禁止事項書かないと進められそうに無い予感がしたので僭越ながら。

――――――――――

「というわけで以上が君達専用の禁止事項だ。さあ、復唱したまえ」
「復唱ってアンタねぇ……。私らがそんなに信用できないっての?」
「言わないと分からなさそうな人間がいるからね。じゃあ早速だがムギムギ、君から」

 上条のクラスの相手チームで呼び出された対象者達、木山の子供扱いに噛み付いたのは麦野。
 しかし試合開始前からやる気満々の削板を見て仕方ないといった感じで折れることに。
 そして禁止事項の復唱が御坂妹、結標、麦野、絹旗、削板の順で開始された(心理掌握は元からサッカーなので除外)。

「当麻さんへのセクハラは禁止、とクールビューティーはここに宣言します」
「ボールとサッカーゴールの【座標移動】は絶対にしない」
「浜面へのセクハラの禁止……チッ。左腕でボールに触れたらハンド扱い。【原子崩し】使用の際は出力を抑える」
「【窒素装甲】でボールを掴んだら移動は超禁止です」
「【念動砲弾】を使う時は周囲に迷惑をかけない! 分かってるって! そんな根性入ってねぇマネはしねぇから安心しろ!」

 一部、能力と全く関係ない禁止事項があるが誰も気にしてはいなかった(相手への能力使用、攻撃禁止は基本なので省略)。
 木山は多少は不安ではあったが、目の前の少年少女を信じて控え室へと帰した。
 それから少しして今度は上条チームで唯一呼び出された一方通行が入ってきた、不満そうに。

「どうしたんだい? 私に呼び出されたのがそんなに不満なのか?」
「何で俺だけなンだよォ! 白雪は元からサッカーだからってのは分かンだけどよォ、茜川呼ばねェってのはえこひいきですかァ!」
「茜川は普段から知ってるからね、自分でやってはいけないことの区別はついているだろう。私がわざわざ言わなくてもね」

 白雪のダチってだけでアウトだろォ、一方通行は一瞬そんなことを思ったが茜川の普段の行動を思い返して何とか納得した。
 ちなみに茜川は衝撃波に周囲の人間を巻き込まないようにと考える一方で、土御門が提案した掛け声に紛れて相手への音波攻撃を考えていたりする(鼓膜破らないように)。
 木山はしかめっ面の一方通行など気にすることなく禁止事項を淡々と告げた。

「相手への能力使用の厳禁、これは基本だな。君個人の禁止事項は反射、黒翼と黒い悪魔の右腕の現出だ」
「妥当っちゃあ妥当だなァ。反射なンぞサッカーが盛り上がらねェし、翼と右腕はこンな所で見せるモンじゃねェしな。後は好きにしていいンだろ?」
「勿論だ。他の能力者達も私の設けた禁止事項の穴を察して能力を使ってくるだろうからな。それを見つけるのもこの試合の醍醐味というわけさ」

 一方通行は理解していた、黒翼と黒い悪魔の右腕は自分の切り札と共にその先、純白の翼に小さな輪を冠した天使を思わせる状態への取っ掛かりだ。
 自分の手の内を一般人が多く見守る中で見せるつもりは最初から無かったが、木山がそのことを配慮していたかのような禁止事項に一方通行は関心していた。
 それと同時にまるで木山が自分の能力について把握してるのではという疑問が湧き上がったが、上条の影響なのか木山を信用して深く考えることを中断する。

「私からは以上だ。試合、頑張りたまえ」
「テメェに言われるまでもねェ。それと相手がどンなトンデモ軍団だろうと勝つのは俺たちだ。俺らのクラスの団結力なめンなよ」

 あの学園都市最強が団結力を口にするとはな、木山はそう呟いて部屋から出て行った一方通行の成長とも呼べる変化を微笑ましく思っていた。
 自分のやるべきことを終えた木山は手早く部屋を片付けた後で、観客席へと向かうのだった。

――――――――――

『ええっ! 決勝戦は友愛高校じゃなくて第二十学区の全天候型スタジアムで行われるんですか!』
「ああ」

 試合開始まであと5分、闇咲は対馬と電話で話しており内容は学園都市出立の件についてである。
 電話越しでも対馬の驚きを感じ取っていた闇咲、冷静に彼女に指示を下し始めた。

「対馬、君は後半が始まる前までにタクシーをこちらに付けておいてくれ。地図は後で転送しておく。私達の荷物は空港にもう送ったのだろう?」
『は、はい。おそらくそれが飛行機に間に合う為の最良のスケジュールなんですよね? 闇咲さん』
「その通りだ……と言いたいが問題が出て来てしまった。初春のことだ」
『おおかた女教皇様がベッタリで抜け出すのが難しいんでしょうけど心配無用です。初春もそれを考えていなかったわけでは無さそうですから』

118ё:2011/03/30(水) 20:57:22 ID:svXZh.Go
>>117は私です。

――――――――――

 イギリス清教では後輩にあたる闇咲に対して対馬が敬語な理由、それは年上として普通に尊敬できるという建宮が聞いたら怒りそうなものだった。
 普段の初春と神裂を思い返した闇咲、よくよく考えるとそれほど問題ではないと初春の件について結論付けることに。
 対馬との電話を終えてから少しして、グラウンドの方から大歓声が聞こえてきたので、闇咲は選手が入場したことを察するのだった。

――――――――――

 主審の災誤、線審の黄泉川と小萌に続いて上条クラスのチームと決勝進出チーム連合軍がグラウンドへと入場していた。
 チームの先頭はチームのキャプテンで上条とインデックス(【歩く教会】メンバーは覆面着用)で、左腕にはキャプテンマークが付いている。
 そしてセンターサークルに到着した選手たちは互いに相手チームと向かい合うことになる。

119ё:2011/04/11(月) 21:03:08 ID:Fl5LaQhA
……4月になって書き込みゼロ。
サッカーの試合が書きづらいのかそれとも……。
このままというのは寂しいので試合を進めようと思うのですが書いていいのでしょうか?

120読者:2011/04/12(火) 17:32:40 ID:NpMxnPW2
はじめまして!
Wikiにあるところより結構進んでますね・・・
こういう掲示板にはじめて書き込むんですけど、僕見たいなんが書き込んでいいのか少々不安です・・・。

続き楽しみにしてます!!
ssとか書いたことないので、どれだけ苦労しているかあまりわかりませんが、がんばってください。

121タク:2011/04/13(水) 23:59:34 ID:HZ0yT6mI
お久です。
最近は、スポーツばかりでなかなか書けないんだよね。
だから書ける人が書いていけば良いのでは?

122ё:2011/04/15(金) 19:13:51 ID:PBbC6BZo
読者さん、タクさん、ありがとうございました。
ふんぎりが付いたので投下します。

――――――――――

「ふっふっふっ、とうとうこのマスクを脱ぐ時が来たんだよ。とうまはとうまだからこのピュアシスターの正体に」
「おいインデックス、お前の正体なんてとっくにバレバレだっつーの。つーかさっきも俺、お前のこと名前で呼んだだろ」

 意気揚々とマスクに手をかけて素顔披露に入ろうとした時、上条からの予想外(インデックス的に)の発言に体が止まってしまう。
 まさか上条に正体がばれてるとはこれっぽっちも思っていないインデックスがショックを受けていたが、

「超ありえません! 馬鹿の体現者と言われてる浜面に私達の正体が見破られるなんて!」
「私の正体を見破るなんてさすがは浜面、運命の赤い鎖で私が繋いでるだけのことはあるわね。馬鹿なのは否定しないけど」
「お前らホントひでーよ! だいたい絹旗、俺が馬鹿の体現者って言ってるのってお前だけだからな! むしろそのフレーズは上条にがふっ!」
「浜面のくせにお兄ちゃんに対する超暴言、許せません! 次、お兄ちゃんのことを馬鹿って言ったら超殴りますよ!」

 もう殴ってんじゃげふっ! そう言いつつ浜面が絹旗に殴られて宙を舞っているのを見て冷静になった。
 ちなみに浜面が麦野を完全にスルーしたのはこれ以上、面倒になるのは御免だったからだったりする。
 【歩く教会】チームが覆面を脱ぎ捨てた所でそれぞれのチームで因縁のある者同士で会話が交わされる。

「とうま、今日は勝たせてもらうんだよ。そして思い出させてあげる。私ととうまの立場ってものをね」
「インデックスが勝利を望んでいる。だから上条当麻、今日は容赦なく君を叩き潰してあげるよ」
「当麻さん、今日はいい試合にしましょうね♪ そして堪能して下さい、天草式蹴球術を改良した五和流ご奉仕サッカーを!」
「こうしてあなたと楽しい時間を過ごせることを嬉しく思います、とミサカは抑えられない気持ちを口にします。そしてあなたの唇を奪ってあげましょう」
「上条! サバイバル合宿では負けたが今日は勝ってやるぜ! 俺の根性入ったプレイを見せてやる!」
(何で俺ばっかりこんなに絡まれるんだよ……はぁ、久々に不幸だ)

 インデックス、ステイル、五和、御坂妹、削板からの言葉を聞いた上条、ちょっとだけげんなりした。

「上条当麻のことは試合で判断するとして……土御門さん。今までに受けた数々の仕打ちの恨み、貴方に勝利することで晴らさせて頂きます」
「私個人としてはお前に恨みなどさらさら無いがエツァリがこう言ってるんだ、勝たせてもらう」
(こうゆう絡まれ方はカミやんの専売特許だっつーのに……。ショチトルはともかくエツァリに教えてやらんとな。人として魔術師としてどっちが上かを)

 エツァリは個人的な恨みを晴らす為、ショチトルはそのエツァリの為にも打倒土御門を宣言した。
 土御門は土御門で【グループ】の一員としてエツァリに立場をいうものを分からせてやる為に闘志を燃やす。

「あ、あの、ア、アク様。きょ、きょきょ今日は宜しくお願いいたします! 私、胸を借りるつもりで試合をさせていただきますので!」
「知るか。テメェがどうしようが俺の知ったこっちゃねェンだよ。胸でも何でも勝手によろしくやってろっての」
「ありがとうございます! ……ところで井ノ原先輩は?」
「(ンだコイツ? 何で礼なンぞ言ったンだァ?)だから好きにしろっての……。双子なら姉が風邪ひいて弟はその看病で居ねェよ」

 一方通行は気付いていない、いつもなら心理掌握のことは適当に受け流すか無視するのだが言葉は悪くともそれなりに相手するのはかなりの譲歩ということに。
 困惑している一方通行から井ノ原ツインズのことを聞いた心理掌握は、特に真夜に成長した姿を見せられないことを残念に思っていた。

123ё:2011/04/15(金) 20:35:29 ID:PBbC6BZo
「しょーたっ♪ 今日はよろしくね」
「う、うんっ! ぼ、僕も負けないよ!」
「(もー翔太ったらかーわーいーいー♪)ねぇ翔太、この試合で勝った方が相手に1つだけお願いできるってのはどう?」
「い、いいよ。でも安心して淡希。僕、淡希が嫌がることは絶対にお願いしないから」

 敵同士なのにいちゃついてる月結を見て対抗心みたいなものが芽生えた麦野が浜面に宣言する。

「よし浜面。この試合、私達が勝ったらいっぱ」
「それ以上はアウトだっつーの! ていうかそれ以前に俺とお前の間で賭けなんて成立しねぇ!」
「ちっ、だったら試合で浜面をボロボロにしてから拉致してヤッちまうか(冗談だよ冗談。今日はいい試合しような)」
「頼むから本音を口にするの止めて! 普通は建前を口にするもんだろ!」

 自重することを全くしない麦野に浜面は試合開始前だというのに疲れを感じていた。
 そこへ笑顔で上条と話していた絹旗が戻ってくるとさっきまでの可愛らしい笑顔はどこへやら、実にふてぶてしく浜面に告げる。

「浜面、今日は超思い知らせてやります。ここ最近、超調子に乗ってる浜面に自分の本来の立場を。そう、自分がいかに超下っ端かということをね」
「上等だ! その生意気で可愛げの無い態度、今日こそひっ! う、腕を振り上げたって怖くねーからな!」

 絹旗が軽く腕を上げただけで服部の後ろに隠れた浜面を見た絹旗、明らかに見下した視線を浜面に送った。
 そしてお互いのチームが礼儀正しく挨拶を交わすと、それぞれのチームのキャプテンを中心に円陣を組み、

「俺たちの目指すものはただ1つ、優勝だけだ! 勝つぞーーーーーーーーっ!!」
「おーーーーーーーーっ!!」×上条以外のチームメイト
「私達は元はバラバラのチーム。当然目的も違う。だけど勝ちたい気持ちは一緒。だからみんな、頑張って勝利を掴むんだよ」
「おうっ!」×インデックス以外のチームメイト

 気合を入れるとそれぞれのポジションについた、以下の通りに。
 上条チーム:GK東原、DF上条、吹寄、野原、情報屋、MF一方通行、浜面、服部、翔太、茜川、FW白雪。
 決勝進出連合チーム:GK心理掌握、DF結標、ステイル、削板、MFインデックス、五和、エツァリ、ショチトル、麦野、FW御坂妹、絹旗。

「そちらは白雪さんの1トップですか。しかし土御門がベンチとは私達も超なめられたものですね」
「そんなことないよ絹旗ちゃん。これも元春が勝利の為に考え抜いた手なんだよ。……それにしても隣のゴーグルの子って美琴ちゃん?」
「ミサカはお姉様ではありません、とミサカはあなたにならオーナー初春からミサカのことを話してもいいと言われているので後日説明することを約束します」

 このようなちょっとした会話の後で災誤の試合開始のホイッスルが鳴らされた。
 決勝進出連合軍ボールで始まった決勝戦、御坂妹は絹旗へとボールをパスするとそれを絹旗は手でキャッチして投げる体勢へと入る。
 絹旗の行動をハンドだと思っていた上条チームのスターティングメンバー、油断していたがプレイが止まる気配を見せないことに疑問を抱いていると、

「何やってんだ! 早く絹旗を止めろ! そいつにハンドは適用されないんだぞ!」
「後の祭りですよ土御門。まずは1点、超いただきます!」

 土御門の焦りをはらんだ檄が飛ぶが絹旗は構わず全力でボールをゴール目掛けて投げた。
 【窒素装甲】にとって投げられたボールは並外れた速度とパワーを伴ってゴールへと向かう、土御門の言葉の意味に気付いた一方通行、浜面、服部が向かうが間に合わない。

「え? 何でプレイ止まぐえっ!!」

 全く警戒していなかった東原ごと絹旗のシュートはゴールへと吸い込まれた、開始わずか9秒で。

124:2011/04/15(金) 22:43:45 ID:WsbYqYno
ドームで覆面を脱ぎ捨てた【歩く協会】チーム。それに対する観客達それぞれの反応。
例えばスキルアウト達は・・・・

「浜面さんと話している奴らって『アイテム』だっけ確か?」
「3人いたってな確か。1人は浜面さんの彼女で俺達も見たことあっただろ?もう1人は浜面さんに2回程ぶっ倒された第4位。あれは3人目か?」
 もしこれを聞いたら麦野は直ちにこの少年を殺し、浜面はそれにプラス『今こそあんたをぶったおしてどっちが上かわからせちゃおうかねえーはーまづらー』っていう展開を予想して青い顔をしていただろう。
 比較的控え目な印象を与えるスキルアウトの少女が側の仲間に尋ねた。
「改めて見ますと、超能力者って何人いましたっけ?」
「ええと1位3位4位5位6位8位・・・・6人。」
「・・・・私達にとっては・・・・。」
「・・・・爆撃飛び交う戦場に裸一貫で踊り出るようなもんだろうな。
 人それを無謀という。」

「絹旗って大能力者よね。」
「ええ・・・窒素を使う・・・接近戦じゃ無敵のチート能力者って・・・ハア、ハア・・・」
「・・・・笹川中学(こっち)の体育大会や球技大会とんでもないことになりそうね。」
「うちって・・ウッ・・強能力者以上って他に・・・いましたっけ?」
「生徒会として全校生徒の名簿全部見ているから断言できる。いないわ。」
「・・・・球技はチームです、はい。ところで、ハア、麗奈様・・・・?」
「何、新坂?」
「(あ、機嫌悪い)僕何か悪いことしました?」
ドス!!
「さあ?」
 そう言って彼女は目の前の新坂少年の肩に肘を乗せ、黙って競技を観戦した。
 先ほどから関節技を掛けられ続けたことに加えて、先ほどのひざ蹴りによる背中へのダメージで涙目になっている後輩には目もくれなかった。
(これでも公衆の面前である分、椅子や足置きマットにしなかっただけましと思いなさい新坂。)

 そこからかなり離れた親子連れでは、社交界のマダムのような上品な感じを漂わせている母親が「綺麗な子たちねえ。」と【歩く協会チーム】の女子勢をほほえましく眺めていて、一方真面目なビジネスマン風の父親は、彼女らをついさっき渡された紹介と照らし合わせていた。
「『原子崩し』って試合に使うのかな。ビーム出す能力なんて。
 ・・・・ん?ナターシャ?」
「・・・・ハ!!あ、あれが一方通行さんですよぉほらあの白い髪と肌と赤い眼の人ぉ」
「え!?学園都市1位!?」
パンフで知った相手の正体に仰天する父は気付かなかった。自分の娘が気になっていたのはむしろ先ほど彼が気にしていた『原子崩し』の方で、セレナードが彼女を見て凄い形相でいることに。
(麦野・・・・やっぱりアイツか!!)
 セレナードは麦野とフレンダが大っ嫌いだった。
 能力や技術の差を鼻にかけて筆舌つくしがたいいじめをしかけてくるやら、暗部にひたっている自分達のことを棚に上げて人の家族をクズ呼ばわりするやら。
(幸いフレンダの方はあの日とうの麦野にぶち殺されてくれたし、あいつの方も無能力者に少なくとも2回は負けて隻眼隻腕になったとかで溜飲が下げられたけど。)
 あの麦野の腰ぎんちゃく。力のある奴には謙りまくるくせに自分より弱い奴をいびるのが趣味のような女のことだ。その下衆な八方美人の根性が裏目に出たんだろう。だとしたらなんともあいつらしい死に方だ。
(あーあ。誰か麦野・・・もう絹旗でもいいです。この試合の中でもう一度くらいぶっ飛ばしてくれませんかねぇ。確かあれが・・・・浜面仕上ですかぁ。あれじゃ少なくとも絹旗は無理そうですねぇ。)
 とりあえず一方通行と浜面仕上に、かなり邪悪なものも含めた期待を込めて彼女に対する憎しみを抑えると、そこでもう一人の顔見知りに気付いた。
(あ。ピュアシスター確か)

125:2011/04/15(金) 22:50:05 ID:WsbYqYno
ぶっ飛ばしてくれませんかねぇ→ぶっ飛ばされてくれませんかねぇ

126:2011/04/15(金) 22:51:25 ID:WsbYqYno
あと3位(美琴)は出ていなかったから5人でした。

127:2011/04/16(土) 12:16:30 ID:txgXpBBo
 急にそわそわし始めたインデックスに気付いたステイルは試合の中でさりげなく近づき声を掛けた。
「どうしたんだいインデックス?具合でも悪いのかい?」
「な・・・なんでもないんだよ・・・?」
「(トイレにでも行きたいのかな)試合は続けられるかい?」
「もちろん!続けるんだよ!」
 インデックスは体調に問題あるわけではなかった。
 彼女が落ち着かなくなってしまったのは、観客席を見てしまったからだった。
 絶対記憶能力と言う特殊な頭脳を持っている彼女は、街で見た人々の顔を皆覚えているわけで、特に少しでも関わったものの顔は絶対に忘れない。
 したがってこの満員のドームの中でも自分が見かけた者、関わったものの顔はすぐにみつかり、そしてその中には・・・・

 セレナードとインデックスの出会い。それはちょうど一方通行とインデックスのそれと同じようなものだった。
 道に迷って空腹でぐったりしている純白シスターさんを彼女と同じくらいの長さと色の髪の少女が拾い、空腹を健気に訴える彼女を側のレストランに連れて行ったのだが・・・・
「それでねそれでね。ステイルが今日も仕事でまた教会に1人ぼっちにされちゃってね。一応お金はたくさんあったんだけれど迷ってへとへとになっているうちにどんどん消えちゃったわけでね。そんなところにあなたが来てくれて凄く嬉しいんだよ。『喰わせ殺し』以外の料理も楽しめて新鮮だったし。」
 要はステイルとやらを初めとして面倒を見てくれている人達が仕事で構ってくれなくて1人ぼっちになりがちだということだった。この少女の口ぶりから察するにそれは「とうま」とかいう昔の人とところと変わらないいつものことらしい。
「まったくみんな薄情なんだよ。科学なんてわからない私をこんな街に一人っきりにしておくなんて。しかもこっちのおなかと背中がくっつきそうなほど留守にしておくか勝手に余計なことに首を突っ込んで傷ついて帰ってくるやらでとうま並みのおひとよしぶりなんだけれど心配される私の身にもなって・・・・」
「あんたさぁ。」
 それまでインデックスの愚痴を最初は割と親身に。途中から話し半分で聞いていた彼女は、耐えられなくなった風に切り出した。
「ん?なんなんだよ?」
「私はねぇ、『何かをしてくれるから』その人を好きになるってのはどうかと思いますけどぉ。」
「む?ステイルやとうまとはそんな関係じゃないんだよ。そりゃぁ・・・」
「だからってさぁ。


 相手が自分の為に何かしてくれるのを当然って思うのってどうですか?」


 そこで碧眼の少女は物音を立てない優雅な振る舞いで席を立ったのだが。
(な・・・・なんだよこれは・・・・?)
 緑色の瞳の少女は彼女に何か言い表せない感覚を抱いた。
 だがもし裏社会に身を置いていたか、人を見る目が磨かれた者がそのときの彼女を見ていたら察していただろう。


 この少女は、守られることや他人が自分の為にすることに対して死ぬほどの・・・・いや、死ぬことすら許されぬような苦悩を味わい続けてきたのだと。


「これ食べれる?」
「う、うん。食べられるんだよ。」
「じゃぁこれあげます。そろそろ私のサイフ的に限界なのでこれでぇ。安心してください。奢りですから。」
 こうして彼女は、全く手をつけないでいてかなり冷めた自分の料理をインデックスに譲ると、これ以上彼女と一緒にいたくないという風に伝票を持ってカウンターへと行った。
(食べる気ありませんよぉあんなの見たら)
 銀髪緑眼シスターの、品性や食べ物への敬意といったものが欠片なく、もはや『食べる』というより『貪っている』とでも形容すべき暴食ぶりを思い出してげんなりしつつ、かなり高くついた勘定を払った。
 彼女の方は、財布的にかなり痛手となったもののその後彼女のことを特に鮮明に思い出すでもなく普通に過ごし続けていたのだが、起こったことを忘れられない銀髪緑眼の少女の方にはいつまでもそれがわだかまりつづけることとなった。
こうして以後セレナードが教会と関わるようになった後も、インデックスは彼女の前ではまるで警察にたまたま遭遇した犯罪者かのように気まずい気分を感じ続けることとなった。

『アイテム』ほど彼女を邪険にすることこそなかったものの、人物の好き嫌いが激しい気があったセレナードは獄中の姉への手紙でインデックスについて
「全くシスターらしいところがなかった。」と書き、プライベートでは浦上に対して
「あの人(ステイル)は何であんなぐうたらでわがままで卑しい人を好きになったんでしょうか」と言っていたりしたことが確認されている。

128:2011/04/16(土) 12:22:31 ID:txgXpBBo
セレナードがレギュラーキャラ達に示した嫌悪感ですが
私としては「納得してもらえる嫌悪感」にしてみるよう心がけました。
同じ人物でも、見る人によって違う面を見せるというか、
麦野やフレンダが弱い者いじめをしていたりするのを「ありえそう」と感じてもらったり
インデックスに関するセレナードの評価に納得してもらえるのがとりあえずの目標です。

セレナードはまだ月夜と初春には会っていません。
特に初春とは、彼女に心酔してゆく様をなんとか描いてみたいです。

129:2011/04/16(土) 12:23:36 ID:txgXpBBo
『アイテム』ほど→『アイテム』に対するものほど

130:2011/04/16(土) 12:50:07 ID:txgXpBBo
(な・・・・なんだよこれは・・・・?)
    ↓
(な・・・・なんなんだよこれは・・・・?)

131Ψ:2011/04/16(土) 18:02:59 ID:tAxFpmmU
う〜ん……久々に来たけど余り言う事も無かったりww
けど☆さんにだけ一つ言うことが。
「・・・」では無くて、「…」の方に変えてくれると良いですよ。

132:2011/04/16(土) 19:24:16 ID:/Hmgqd3w
…ですね。わかりました。
Wordで打っていたのをコピーしていましたので。

あと集合<彼女のときもそうだったんですけど絹旗って今回
浜面に個人的に恨みでもあるんでしょうか?

133Ψ:2011/04/16(土) 22:04:38 ID:tAxFpmmU
いや、恨みというより浜面に対しては毎回そんな感じですよ。建宮の時と同じような感じだと。

134:2011/04/17(日) 05:36:47 ID:Qz3hhheM
いや、「最近超調子に乗っている」といっていたからなんのことかと。

135■■■■:2011/04/17(日) 08:30:45 ID:rxMbnCtU
青髪ピアスが学級委員な件

136ё:2011/04/17(日) 19:40:10 ID:B8YwhG1E
 絹旗が先取点を取ったことで決勝進出連合チームがはしゃぐ中、納得いかない吹寄が審判の災誤に詰め寄ろうとした。
 それを止めたのは絹旗をよく知っている浜面で、吹寄が納得出来るように説明を始める。

「絹旗の奴は直接ボールに触ってるわけじゃないから反則にはならないんだよ。あのパワーも全部あいつの能力の賜物ってやつだ」
「(だとしたらあの子は念動力系の能力者って所ね、しかもかなり強力の)分かった。説明ありがとう浜面」
「浜面の奴、吹寄にありがとうって言われてやがる……。くそっ、こっちも負けてられん! 吹寄にあの絹旗って子の情ほヒッ!」
「余計なコト喋ンじゃねェ。テメェが五体満足でデコ女とデートしてェならなァ」

 情報屋が何かを言おうとしたことに気付いた吹寄だが、一方通行が肩に手を回して脅してるのを仲良くしてるのだと勘違いしてその場を離れた。
 その一方で、絹旗の【窒素装甲】による殺人シュートをまともに喰らった東原を心配してるのは上条と野原のみ。

「お、おい大丈夫か? 東原。さ……あの子のシュートのダメージが酷いなら土御門に言って交代」
「だ、大丈夫だ、か、上じょゲホッゲホッ! こ、これくらい、し、白雪との練習で、な、慣れっこだし、ここで交代したらお、女の子に、モテねぇよ」
「よく言った東原! その頑張る姿に試合会場の女の子の何人かは感動してるはずだ! よし、俺も負けてられん。女の子にモテる為にも!」
(野原も東原も何であそこまで女の子にモテたいって思うんだ? 俺には分からんな。ま、モテたことなんて一度も無いわけだけど)

 熱血のベクトルを間違った方向へと向けてる東原と野原を見て上条は口に出してたら周囲からリンチに遭いそうなことを考えていた。
 そして試合が再開される、上条チームのボールで。

「さて、さっきは油断したけど今度はこっちの」
「言ってるそばから油断とは余裕ですね、とミサカは第五位へと立ち向かいます」

 ボールをキープしてる白雪に挑む御坂妹、能力の強度に差はあるが一対一を制したのは御坂妹だった。
 ミサカネットワークで得た効果的なプレッシャーのかけ方でパスを出せない白雪に放電で目くらましをし、その隙にボールを奪うという手段で。

「め、目がっ! ちょ、ちょっと今のはズルイよ!」
「油断してる方が悪いのです、とミサカはさらっと抗議を受け流します。それにこの程度で喚いていては試合には勝てませんよ」
《妹さん、ボールを五和さんへ。こちらの臨戦態勢を完全なものにする為に》
《了解です、とミサカは第六位ことメン子さんの指示に従うと共に念話もミサカネットワークでの会話もさして変わらないかもと感想を口にします》

 御坂妹はメン子呼ばわりされたことで喚いている心理掌握を無視して五和へとパスする。
 パスを受けた五和は全身で感じ取っていた、自分に対して視線が集まり、力が漲ってくるのを。

(周囲の期待の視線を自分の力へと変換するこの術式、上手く機能してますね。上半身メイド、下半身ブルマーの注目を集める服装が功を奏しました)
「おーい邪道メイド。さっさと攻め込めよ。あんたがしくじっても私らがフォローしてやるからさ」
「……上着を下乳がギリギリ見える所まで着崩してる貴女に邪道って言われたくありません。では天草式十字凄教五和、参ります!」

 変則的な強化術式を組み込んだ上半身メイド下半身ブルマーに身を包んだ五和、いつも以上の運動性能を発揮して相手ゴールへと疾駆する。
 ただでさえ強化されてドリブルのスピードが速い上に、鋭いフェイントで翻弄する五和は白雪、茜川、翔太、浜面、服部をあっさりと抜いた。
 見事な五和のプレーに観衆が湧き立つ中、一方通行が不敵な笑みを浮かべて五和の前へと立ちはだかる。

137±:2011/04/18(月) 16:10:59 ID:VDVAHm6A
えーと……どうもお久しぶりです………
ようやく時間ができたためここに来ることが出来ました
だけどもう暫く忙しそうなのでたまにしか来れませんが、来れるときに頑張ろうかと思います……
――――――――――

「ふン、この教育上よろしくなェ変態メイドがァ、でしゃばってンじゃねェぞォ!」
「例え白モヤシでも今の私は止められませんよ!……覚悟!」
「だったら見せてやるよォ……学園都市最強のフェアプレイって奴をよォ!!」

 一方通行はそう叫ぶや否やその場で足踏みをし、ベクトル変換で辺りの土を宙に巻き上げた。
 当然、そんな事をすれば五和のキープするボールは宙を舞い、更にその土埃のせいで五和の姿は観客には見えなくなってしまった。

「しっ…………しまった!!!」
「どォした、変態メイドォ!さっきまでのキレがねェぞォ!!」

 そう、一方通行の巻き上げた土埃によって五和の姿が見えなくなってしまった事により五和が用いていた自分に向けられる視線を力に変える魔術の効果が薄れたのだった。
 当然ながらそんな魔術だとは一方通行が知るはずもないが、やはりそれは運が良かったのだろう。

「はン、このままゴールまで一直線だァ!」

 そのまま一気に加速する一方通行。
 いきなりの加速にディフェンス陣は呆気にとられ、その隙に一方通行はゴールを目指した。

「おい、第六位!ソッチ行ったが大丈夫か?」
「アク様が…………アク様が私のもとに向かってきているぅーーー!」
「こんな第六位で学園都市は大丈夫なのでしょうか?とミサカは今気付いた不安を口にだしてみます」

 御坂妹が呟いた不安の通り、大丈夫ではなかった。
 何故なら現在心理掌握は一方通行に見とれている。
 つまり一方通行が蹴ろうとしているボールの軌道やらを全く見ていない。

「コレが学園都市最強のフェアプレイって奴だァ!!」

 当然、そんな事になればシュートはド真ん中にでも行かなければ普通に決まってしまうのだった。
 コレにより開始1分で上条チームが得点、スコアは1―1と降り出しに戻った。

138:2011/04/18(月) 20:03:41 ID:fqm/5SEw
 序盤からの能力による激しい攻防。だが、この攻防を通して一番評価が上がったのは大能力者のシュートを(得点にはなってしまったものの)能力を使わずに受け止めて
そのまま試合を続行させるという根性を見せた東原だったりする。

139ё:2011/04/19(火) 09:23:06 ID:qBDTR.QQ
東原は絹旗のシュートを受け止めたわけじゃなくて、無警戒で反応できずにボールごとゴールへ突き刺さっただけですが。
あと根性の根源が女の子にモテたいだけなのである意味、欲まみれの執念かと。

――――――――――

「アク様が私に、アク様が私にきゃんっ!」
「はいはいトリップは試合が終わってから。こっちも一方通行のノーモーションの加速に反応出来なかったから大きいことは言えないけどね」
「俺はあの第一位の一方通行が真っ正面から突っ込んでくるっつー根性入ったプレイに関心してただけだ! 次はちゃんとやるから任せとけ!」

 夢見心地の心理掌握をチョップ一発で現実へと引き戻した結標、自身の油断に反省しつつ削板の態度に若干呆れていた。
 そこへ残りのチームメイトが集まってきたのを確認した心理掌握はインデックスに尋ねる。

「インデックスさん、相手チームの行動パターンを完全に記憶するのに時間はどれだけ有しますか?」
「う〜ん、20分あれば何とか。よく知ってる人達なら時間はかからないけど、あまり知らない人も居るから」
「分かりましたわ。皆さんも相手チームのプレーを多く引き出すようにご協力、お願いします」

 心理掌握の謙虚な態度にチームメイト達は頷くと、迅速にポジションへと就く。
 そして決勝進出連合軍のボールで試合再開、反撃が始まるかと思われたが、

「ハッ遅ェ! そンなハエが止まりそうな動きしてンじゃねェよ!」

 足元のベクトル変換を使っての鋭いスライディングで御坂妹からボールを奪った一方通行に阻まれる。
 すぐさま五和、エツァリ、ショチトル、麦野が一方通行に詰めようとするがインデックスがそれを制する。

「そのまま行かせて。白い人のプレースタイルを確認したいから。それにゴールならさいあいが向かってるしぐんはも居るから大丈夫、シュートは防げるんだよ」
(これが一〇万三〇〇〇冊の魔道書を記憶している禁書目録ですか。見た目と違い、冷静な判断力を持っているとは実に頼もしいですね)
「エツァリ、私達は絹旗たちが止めたボールを受け取るためにこのまま待機だ。前線は既に五和と麦野が上がっている」

 エツァリとショチトルは絹旗と削板を信じてすぐにボールを受け取れる場所まで下がり、五和と麦野はいつでも攻められるように上がっていた。
 そんな相手チームの動向などお構いなしな一方通行は完全フリーの状態でシュートを放つ、コースは真っ正面に。

「これで2点目ェ!」
「それはどうでしょうねアクセラ! 私が居るかぎりはそう簡単にゴールはぬぐっ! うおおおおおおおおおっ!」
「口だけは達者じゃねェか絹旗ァ! けどテメェに【窒素装甲】があってもその小せェナリじゃあボールは受けれても止められやしねェンだよ!」

 一方通行のシュートに立ち向かう絹旗、シュートこそキャッチ出来たもののシュートの威力に体が押されてしまう。
 何とかグラウンドに足をつけてふんばって威力を殺そうとするもそれだけでは足りず、なおも押される絹旗の真後ろに削板が現れる。

「よく踏ん張ったな絹旗、いい根性してやがる。後は俺が根性入れて踏ん張ってやるからお前はボールをグラウンドに叩きつけろ!」
「超了解です! やあっ!」

 削板の指示通りに絹旗が無理矢理ボールをグラウンドに押し込めるように叩きつけると、削板は両足に力を入れて絹旗を支える。
 その結果、PA(ペナルティエリア)まで2人の体は持っていかれたもののシュートを止めることに成功した。
 一瞬の沈黙の後、スタジアムから大歓声が湧き起こる中、絹旗はグラウンドに半分埋まってしまったボールを引っこ抜いてエツァリへと渡す。

140:2011/04/19(火) 21:32:09 ID:FvYKWmjU
観客からの視点ではそんな感じかなと。

141±:2011/04/20(水) 18:13:40 ID:x1TEhjp2
「エツァリさん、超パスです!」
「任せてください、絹旗さん!」

 そう言って絹旗からパスを貰ったエツァリはすぐさまボールを持って敵陣へと駆け上がった。
 一方の上条チームは一方通行が止められた事に驚きながらもすぐさま態勢を立て直し始めた。

「浜面、半蔵、出番よ!」
「分かった吹寄!行くぞ浜面!麦野を止めるぞ!!」
「分かった……って何で麦野行き!?」
「いいから行かんか!」

 麦野を止めに行けと言われて戸惑う浜面。
 しかし吹寄の一喝で恐怖心を捨てて半蔵と共に麦野を止めに行く。

「(ん?このままだと私と浜面の1対1!これはチャンス!)おい、エツァリ!コッチにボールをまわせ!」
「(なんという自信………コレなら!)分かりました!いきますよ!」

 浜面と戦えるという事だけに目をつけて麦野はエツァリからボールを要求。(半蔵はアウトオブ眼中)
 それを見たエツァリはその並々ならぬ自信にかけてあえて2対1の麦野へとパスをだした。

「やっと1対1で戦えるなぁー、はーまづらあ♪」
「いやいやいや、半蔵もいるから2対1だ!」
「そんな奴知らねー、失せろ!」

 そう言って麦野は向かってきている半蔵が通るルートの地面に【原子崩し】を放った。(当然言われたとおり威力は加減したが)
 だがしかしそれでも威力は高く、グラウンドの土が持ち上がりさすがの半蔵も足を止めた。

「すまん、浜面!1対1で頼む!!」
(クソッ!こうなったらやるしかないのか!?)

 浜面は意を決して麦野との1対1へと挑む。

142ё:2011/04/23(土) 21:40:19 ID:az1GoChw
「どーしたどーしたはーまづらぁ。遠慮しないで私からボール奪いに来いよ」

 浜面と麦野の1対1の構図が出来上がって3分、お互いに動く気配を見せずに膠着状態に。
 麦野の場合はこのシチュエーションを楽しんでいるだけなのだが、浜面の方は全く違っていた。

(どうする? ここは素直に麦野の挑発にのるべきなのか? いや、ここで動いたら麦野の思う壺だし……)

 学園都市で一番麦野のことを知っている男子こと浜面仕上、彼の頭に麦野に対する油断はこれっぽっちも存在しない。
 そして本来気の長い方どころか超の付くほどの短気の麦野が行動に移る。

「てめぇ浜面ぁ! さっさと私を攻めろよコラァ! この1対1で私が勝ったら私の右胸、浜面が勝ったら私の左胸を好きにしていいんだぞ!」
「何だよその俺に全く得のねぇふざけた提案は! いや別に麦野の胸がダメ胸ってわけじゃなくてだな、俺には滝壺がうおっ! な、何だぁ!」

 浜面が驚くのも無理は無い、この2人のやり取りを見て観客から物凄い歓声が聞こえてきたのだ。
 とはいえ、男による浜面への嫉妬に塗れた罵声や怒号が半分以上を占めているのだが。
 そして浜面と麦野の1対1の構図を打ち破る者が現れる、青ピの次に上条のクラスの変態こと野原である。

「はーまーづーらー! 俺と代われーーっ! そんでもって俺がその美人のお姉さんの両胸をーっ!」
「また野原君は吹寄さんの男の子のイメージを落とすよーなことを! 衝撃波はもったいないしそれに今のこの状況なら……いけるかも♪」

 野原の欲望まみれの突貫を防ごうとする茜川、今の大歓声(大ブーイングとも言う)に包まれたスタジアムにあることを閃く。
 そして上条、一方通行、白雪に耳をトントンするジェスチャーをした後で、

「野原君ストーーーーーーーーーーーーーーーーップ!!!!!!!!」

 野原を諌める言葉に紛れて【鼓膜破砕】による超音波の大声を炸裂させた。
 超音波の大声に対処出来なかった麦野は脳を揺さぶられて能力を行使するどころかまともに動くことすら出来ずにいた。
 それは浜面も同じ、というか敵も味方も観客も茜川の大声に目を回していた、3人を除いては。

「やるじゃねェか茜川のヤツ。さすが白雪のマブダチ、能力もすっかり凶悪になってンなァ! ホラよ上条ォ!」
「任せろアクセラ! この逆転シュートを美琴に捧げるぜ!」
「よしアクセラくん後で殴る♪ けど今は上条くんの逆転シュートのフォローをしないとね、とりゃー!」

 茜川からのサインを受け取った上条は【幻想殺し】で、一方通行は超音波の大声をベクトル操作で相殺、白雪は雪の耳栓で事なきを得ていたのだ。
 一方通行が脚力のベクトル変換で麦野の距離を詰めてボールを奪って上がってきた上条に絶妙のパス、パスを受け取った上条はダイレクトシュート、そのシュートに白雪が雪でコーティングするという協力プレイを披露。
 雪でコーティングされた上条の強烈シュートだが立ちはだかる者が居た、超音波のダメージから何とか立ち直って炎剣を構えたステイルである。

143±:2011/04/24(日) 13:03:00 ID:CNekwKEE
「悪いが…………シュートは入れさせない!」
「すっ、すているっ!」
「インデックス、ここは僕に任せてくれ。―――僕は君のために生きて死ぬ!」
「いや、ただシュートを止めるだけだから死なないと思うんだよ」

 そう言ってステイルは颯爽と飛んでくるシュートのもとへと走り出す。(インデックスの呟くは耳に届いてない)
 ぐんぐんステイルとボールの間の距離が縮まっていき、ステイルは炎剣で勢いがころせると確信した。
 しかし、そんな幻想は粉々に壊されてしまった。

「「―――がはっ!!」」
「ビックリなんだよ!倒れていたえつぁりにつまづいてすているが転ぶなんて」
「エツァリ!君は何でこんな所に倒れている!」
「そんな事よりステイルさん!ボールは!?」

 シュートばかり意識していたため、足下を見ていなかったステイルは【鼓膜破砕】で倒れていたエツァリにつまづいてしまった。
 そしてエツァリに言われて上条のダイレクトシュートの事を思い出すステイル。
 振り返ってみるとゴールへと向かって凄い勢いで飛んでいくボールが見えた。

「しっ、しまったーーーぁ!!!」
「大丈夫なんだよ!まだ最後の壁があるんだよ!」
「「最後の壁?」」

 その場にいたエツァリとステイルはインデックスが指している最後の壁たる人物が思いつかなかった。
 しかし、すぐにそれが誰なのか分かった。

「ステイル!インデックス!エツァリ!あとは俺の根性に任せろ!!」
「「「削板(ぐんは)(さん)!!!」」」

 この時一瞬削板軍覇は誰よりも頼もしいと、『歩く教会』チーム全員が思った。
 そう、一瞬である。

「すごいパーンチ」

 そう言いながら削板は飛んできたボールを殴りつけた。
 一瞬にして会場が静まり返った。

「ハンドッ!」
「えっ、何でいきなり試合が止まるんだ?」
「何やってんだ、お前ぇーーー!!!」×10

 次の瞬間、『歩く教会』チーム全員による削板しばきあげタイムに突入した。

144:2011/04/24(日) 21:17:18 ID:yclSzFSg
「痛ってーあの馬鹿ゴエ女。観客(俺達)まで巻き込むことはねえだろ。まだジンジンする。」
「なんかそうしている間に凄いことが起こったっぽいようですね。」
 スキルアウト達が気絶から除々に目を覚まし、口ぐちに赤音への不平を述べた。
 彼らだけでなく観客全体にもそういった不満はうずまいていたのだが、ついさっき自分達の安全が保障されないことが証明された今、明からさまなやじや怒声を飛ばしたりすることなく、ヒソヒソガヤガヤと言い合う程度であった。
「得点に変動はないようだが…ん?ナンバー8にイエローカード?」
「ハンドですよ。」
「おっ。新坂。」
「皆さん大丈夫ですか?ちょっと早く眼覚めたんですが、起きていたのは上条当麻と一方通行と第5位だったみたいですよ。」
「ああ、『幻想殺し』は何か能力が効かないようだし一方通行も音のベクトル反射したんだな。第5位はどうしたんだろ。合図でもしていたのかなあらかじめ。」
「よくそんなの見れたなお前。」
「ええ、こういうのからの立ち直りは早いんですよ。」
「やっぱりあの女王様に苛められまくってるからか?」
「えっ!い、いえ、そう、なのかな……あっ。そういえば麗奈様ですけど。」
 そう言って少年が目を向ける先には未だ気絶していた麗奈がいた。
 なんというか、目がなるとになってもおかしくなさそうな気絶ぶりだった。
「まだ目覚めないんですよね。よっぽどショックだったみたいで。」
「ああ、Sって打たれ弱いって聞くから。」
 誰も気付いていないが、新坂はごくっと生唾を飲み込んでいた。
 普段から無敵に感じていた麗奈がふいをつかれたことによってさらけ出した、普段見ない無防備な姿の斬新さに、
さしもの草食系少年もざわめいたのだ。
「フウ。仕方ないですね。」
 彼はとりあえずゴロン、と彼女を寝かせてその頭を自分の膝に乗せた。
 数分後、膝枕に気付いた部長が顔を真っ赤にさせた直後、観客席のある方面からとんで
もない轟音が響いてきて、とある少年の幻想殺し並みの天然ジゴロ&不幸体質が発揮されることになるのは別の話。


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