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【デルタフォース】クラスの三バカの日常Part5

1Ψ:2011/02/05(土) 22:54:39 ID:7MRi28Lg
「クラスの三バカ」こと上条当麻、青髪ピアス、土御門元春、並びに途中でできたバカップル【例:上条×ミサカ・土御門×白雪・青髪ピアス×白井・一方通行×打ち止め 等】はもちろんクラスメートや先生達、常盤台の生徒やオリジナルキャラも登場可能なリレー形式で学園都市や魔術世界の日常をどんどん書いていくスレです。ギャグ中心でシリアスは控えめに。雑談も控えめに。

初心者大歓迎です。

次スレは>>970 の人が建てること。(無理な場合は新しい番号指定お願いします。)

Part1↓
ttp://jbbs.livedoor.jp/bbs/read.cgi/movie/6947/1210612236/

Part2↓
ttp://jbbs.livedoor.jp/bbs/read.cgi/movie/6947/1262012651/

Part3↓
ttp://jbbs.livedoor.jp/bbs/read.cgi/movie/6947/1266059443/

Part4↓
ttp://jbbs.livedoor.jp/bbs/read.cgi/movie/6947/1273412014/

まとめwiki↓(2月5日現在、停止中)
ttp://www31.atwiki.jp/kinsho_second/pages/14.html

145読者:2011/04/25(月) 22:17:50 ID:yYrzLdb.
おお〜
結構進みましたね〜
すごく面白いです!!

質問なんですけど、Wikiのほうって更新しないんですか?
『エツァリ』でとまってますけど・・・

146ё:2011/04/26(火) 21:44:29 ID:L.ir0.C.
読者さんの言葉はこちらとしても凄く励みになるので嬉しいです、ありがとうございます。
Wikiの方は……そちらに掛かるほどの余裕がまだ作れない状況なので。
他の方もやられてるようではあるんですけどね。

――――――――――

 削板がハンドしたのは上条チームにとっては幸運なことにPA内だったのでPKを獲得。
 とりあえず削板しばきあげタイムを終了させた決勝進出連合軍改め【歩く教会】チームが削板に指示を出してるのを見ながら、

「じゃあPKは情報屋に任せる。みんなもそれでいいよな?」

 上条の一言で情報屋がPKを蹴ることを提案、殆どのチームメイトが情報屋の事情を知っているだけにあっさり賛成。
 情報屋の事情を知らない東原と野原は一方通行と白雪が黙らせ、吹寄の方は上条自ら説得して納得させた。

「ついてますわね。てっきりアク様か白雪さんが蹴るとばかり思ってましたわ。失礼ですが名前を存じ上げないあなたが相手なら止められるかもしれません」
「……さすがにその2人と比べられるのはキツイけど能力が戦闘向きじゃない心理掌握ならいける! ……かも」

 自分に対する心理掌握の評価の低さに凹みつつも、情報屋は同じ精神系能力者なら運動もさほど得意では無いと前向きに考えた。
 そしてPK、情報屋は左上ゴール隅のギリギリの所に奇跡的にシュートを放ち、誰もがゴールを決めたかと思われたが、

「はっ!!」

 心理掌握の華麗なダイビングキャッチに阻まれてしまう。
 ここで勘違いの無いように言っておくが心理掌握は運動神経が悪いわけではない、むしろいい方である。
 しかし今までの自分から手を下さないスタイル=本人は運動出来ない人のイメージが世間では固まっていただけに過ぎないのだ。

「ふうっ、能力を使わずに相手のシュートコースを読むのは苦労しますわね。ダイビングキャッチのせいで顔が汚れてしまいましたが……悪くないものですわ」
「やったねめんこ! 逆転されるピンチを防いでくれてとっても感謝してるんだよ!」
「イ、インデックスさん! わ、私のことをそのように呼ぶのは」

 試合開始前に翠嵐が控え室にやって来て心理掌握のことをメン子呼ばわりしたことで、チーム内でも数名がメン子のあだ名が浸透することに。
 心理掌握は何度もメン子と呼ぶインデックスに再度注意しようとするが、他の皆もメン子と呼びつつも労ってきたので仕方なく受け入れることにした。

「削板さん、あなたのその、すごいパーンチ、でしたか? 直接殴らなくとも衝撃を撃ち出せるのですから今度からはお願いしますわよ」
「任せとけメン子! どんなシュートだろうと俺のすごいパーンチと根性で吹っ飛ばしてやるぜ!」
「他の皆さんはインデックスさんの解析が終わるまで引き続き相手チームのプレーを引き出すように心がけて下さい。麦野さん、今は自制なさって下さいませ。これも勝つためですから」

 他の皆がポジションに付く中、麦野が少し渋っていたが解析が終了したらいくらでもと心理掌握が約束してくれたので納得してポジションに付いた。
 ダイビングキャッチのせいで付いた汚れを気にする事無く、心理掌握はボールをエツァリへと投げて渡す。
 心理掌握の今のプレーで観客が上条チームよりも【歩く教会】チームに好感を持ちつつあるのだが、それが表面化するのは少し先のことである。

「さて、先ほどは麦野さんに渡しましたが今度は自分たちで攻めましょう、ショチトル」
「分かってる。だが忘れるなよエツァリ、相手チームのプレーを引き出すことも大事ということを」

 ショチトルの言葉に返事をする代わりに頷くことで肯定の意を示したエツァリは、浜面と服部のコンビネーション並みに息の合ったパスワークで上条チームゴールへと駆け上がる。
 しかも上条チームのディフェンスを引き出すように攻め上がる様子は見事としか言いようが無いほどである。
 そしてエツァリは浜面と麦野の間に割って入ろうとした野原がブロック出来るようにシュートを放った、目的は野原の能力を使わせる為である。

147±:2011/04/27(水) 21:46:49 ID:dPewwEgU
「はっ!そんぐらい楽勝だぜ!」

 そう叫びながら野原はシュートコース内に動いて【襲撃緩和】を発動、ボールの勢いを緩和してボールを手に入れる。
 野原はそのまま前線へと駆け上がり始めた。

「野原!コッチにパスよ!」
「了解だぜ、吹寄!」
「フォローは任せてー」

 サッカー内で一気に攻め上がり始める元バレー組の吹寄、茜川、野原。
 意外とコンビネーションのいい3人にディフェンスの削板と結標は翻弄されていた。

「あー、あそこまでボールが動き回られると【座標移動】の狙いがつけられないじゃないの」
「くっ………なかなかな根性だ……………敵ながら天晴れだ!」

 そんな風に2人が惑わされている間に、颯爽と抜き去る3人。
 そしてシュートに対し茜川が2人に提案する。

「ねーねー、バレーの練習中にボツにしたさー、アレやらない?」
「えっ………アレって俺がダメージおってしばらく手が使えなくなったアレか?」
「ああ、バレー的には反則のアレね。分かったわ、フォローはするからやるわよ茜川さん」
「えっ!マジでやんの!?俺はまだ――」
「いいから、さっさと配置につきなさい野原」
「は、はい………」

 あんまりやりたくない、と言いたげながらも野原は仕方なくゴールに背を向けた。
 当然、能力を使用してない心理掌握には野原の意図は読めなかった。
 しかし、心理掌握の直感が告げた。――あれはマズい。

『結標さん、今すぐゴール前に絹旗さんと削板さんの転送を!絹旗さんと削板さんはディフェンスの準備を!』
「分かったわ」
「超了解しました!」
「任せろ、俺の根性にかけて!!」

 削板達に念話で作戦を伝えて準備を終える心理掌握。
 しかしそれと同時に元バレー組も準備を終えた。

「よーし、行くよー野原君ー♪」
「あーもうヤケクソだぁー!どんとこい!」
「よし………行くわよ!」

 そう吹寄が合図をするとともにボールを上へと蹴り上げた。
 それと同時に茜川は野原に向かって走り出し、野原はまるでアンダーハンドパスをするかのように手を構えた。
 そして茜川は野原の手に足を乗せ、それを野原が茜川の身体を思いっきり上に向かって打ち上げた。

「食らえ、必殺のオーバーヘッドシュート!ワッ!」

 そのまま空中でのオーバーヘッドキック+【鼓膜破砕】による衝撃波を加えた高速シュートを放つ茜川。

148±:2011/04/27(水) 21:47:15 ID:dPewwEgU
 しかしそのゴールとの間には【座標移動】で飛んできた絹旗と削板が立ちふさがっていた。

「2点目は超あげませんよ!」
「絶対に止めてやる………俺の根性で!」

――――――――――

自分が削板を使うと何故か所々に根性ってワードがはいるな………
削板って本当にこんなのでよかったっけ?

149:2011/04/28(木) 00:20:36 ID:TWbHDf.c
「ん?」
「あっ気付きましたか?」
 目に飛び込んできたのは日陰が指している物の慈愛に満ちた笑み。
「!!!!!!!!!!!!」
 ガンッ!!
 直後、自分が想い人に膝枕されているという状況を察知して、
彼に盛大な頭突きをくらわすことになるのも構わず猛スピードで起きあがった。
「わわわわわわたしわたしわたしわたしどどどどどどどうしどうし」
「イタタタ・・・・おおおおおお落ち着いてください麗奈様」
「やめろって苑内!」
 らしからぬパニック状態で暴れまくる彼女を、不良集団達が必死で引き押さえるという
普段とは逆のシチュエーションが展開され、ようやく静まった麗奈に、周囲の者達が事情を説明してやったところ・・・。
「あれ?どうかしましたか?」
(よ・・・・よりによって新坂や、(不良共)あいつらの前で・・・・しかも、しかも、その後、膝枕なんか・・・・)
 顔から火が出そうになってジッとうつむく麗奈。そんな彼女の心配を、少年は変な風に察した。
「しっ心配いりませんよ。皆さん試合に集中していますから麗奈様が見つかることは・・・。」
「違うわよ馬鹿!」
 あれ?違ったかな?といった表情を見せた新坂。
 彼らはその関係を知られないように、外を連れ立って歩くときは麗奈は普段の巻き毛をまとめて軽く化粧を施したりし、おしゃれに興味がない新坂の方も、軽く服装なんかを変えたりしていて、彼女達2人の関係を知っているのは、皮肉にも彼ら2人と幾度となく抗争を繰り広げているスキルアウトや不良達だったりする。もっともそれは、「そんじょそこらの風紀委員を凌駕する最強カップル」としての恐怖の対象としてのものだったが。
 未だ気持ちの整理がつかずうつむき続けている少女の様子にスキルアウト達も戸惑っていた。
 もっともそれは大抵男子で、女子の方は「まったく男ってやつは」といった表情を浮かべていたが。

ポン

 肩に置かれた手に顔を上げると、ある意味混乱の原因となっている少年が、しかしそんな自覚などなく穏やかな笑みを浮かべて言った。
「見ましょう。」
「は?」
「ほら、試合。いまいいところなんですよ。」
 そこでようやく試合を見るためにグラウンドに顔を向けると、なんだかものすごいシュートを2人の能力者が止めようと壁と作っている所だった。
「どっちが勝つか。あなたと私の賭けはまだついてないでしょう?まだ1対1なんですよ。」
 その言葉を聞いたとき、それまで心ここにあらずといった表情でいた麗奈の心に再び負けず嫌いと興奮の火がついた。
「ふっ・・・ふふふふふ・・・・確かにね。見ものねほんと。
 止めれるかしらあのシュート?」
「2人とも力強いですからねえ。」
「あら、でももうひとひねりくらい・・・そう!そこよ!」
「あっ取って取って!!」
 別々のチームを応援して興奮しまくっている両者を見て、スキルアウトはとりあえず騒ぎが収まったことにほっとした。
「やれやれ。」
「それにしても隅に置けないわね新坂君も。」
「結局気絶前より彼女と盛り上がってるもんね。」
「ほんのときどきすごいとこあるよなあいつ。」
「なんだかんだで肝心な時にあの女王様を上手く手なずけてるもんな。」
「普段は下僕っぽいんだけどね。」
「まあ・・・災難に遭いやすいことは確かだな。。」

150:2011/04/28(木) 00:23:08 ID:TWbHDf.c
いいと思いますよ。

151ё:2011/04/28(木) 21:09:56 ID:x01fUnjQ
 自分と同じ中学の生徒が騒いでることなど全く知らない絹旗、茜川の衝撃波が加わった高速シュートを迎え撃つ。
 絹旗は考える、この試合を更に盛り上げ、どこかで応援してるであろう美琴、初春、佐天が喜んでくれそうなプレーを。

「(見た目のインパクトやカウンターの威力を超上げることを考えたらこれでしょう!)どっせいっ!!」

 なんと絹旗は向かってくるボールを【窒素装甲】の右ストレートで思いっきり殴りつけたのだ。
 このまま一気にカウンターシュートを決めようとするが茜川のシュートの威力が予想以上に大きく、その場でせめぎ合うことに。

(くうっ! あの人のシュート、アクセラには及ばないにしても超パワーあるじゃないですか! このままでは……)
「最愛さんガンバレー!」
「負けるな最愛ーっ! あたし達が付いてるぞーっ!」
「最愛、あんたは私と当麻の義理でも自慢の妹! 私達が誇れるプレー、見せなさい♪」
「(聞こえた、超聞こえました! 飾利と涙子、そしてお姉ちゃんの超応援が! これで超漲ります!)ぬおおおおおおっ!!」

 自分のプレーで歓声が再び大きくなって普通は聞こえない美琴、初春、佐天の応援が絹旗には聞こえた、決して空耳などではない。
 3人の応援が絹旗に活力を与え、ボールとの互角のせめぎ合いから徐々に絹旗が押し始めると、

「削板さん! 私がボールを超殴り飛ばしたらすごいパーンチを撃って下さい!」
「了解だ! そんな根性あるプレーを見せたんだ、俺も根性入ったシュートくらいは見せねぇとなぁ!」
「じゃあ超いきますよ、ぬおりゃーーっ!!」
「すごいパーンチ!!」

 絹旗が撃ち返したボールを削板が上手くタイミングを合わせて【念動砲弾】を撃ち出した結果、とんでもないカウンターシュートが発生。
 【窒素装甲】のパワー+【念動砲弾】のパワーが加わったシュートが上条チームのゴールへと襲い掛かる。
 型破りにも程がある絹旗と削板のコンビのシュートに上条チームの殆どの者が反応できない中、主人公たる上条がPA内で立ちはだかる。

「やるな最愛、それと削板! けどこのシュートで逆転するって幻想があるならそんな幻想、この俺がブルゥヘ!」
「アッチの根性バカと同じことやろうとすンなバ上条ォ! チッ、体勢が不安定だが何もしねェよりはマシだからなァ! うおりゃっ!!」

 キャプテンになったことでテンションの上がってる上条、考え無しにシュートを右腕で殴り飛ばそうとしていた、【幻想殺し】が発動しないのに。
 それを阻止したのは上条を横から右の飛び膝蹴りでぶっ飛ばした一方通行、その際に左足を出してシュートの軌道を変えることに成功。
 おかげで軌道が逸れてゴールの外へとボールは飛んでいくはずだったのだが、

「さすがです白い人。ですが私をフリーにするのは甘いとしか言いようがありませんよっと!」
「詰めが速いっ! くそっ、届けっ!」

 五和が猛ダッシュで詰めていて、力強い跳躍でヘディングシュートを放った。
 キーパーの東原が反応出来ていたが、五和のヘディングシュートの速度が速くて後一歩の所で間に合わず逆転ゴールを許してしまう。
 前半15分、再びリードをもぎ取った【歩く教会】チームが五和を中心に喜ぶのとは対照的に、上条はさっきやろうとしていたプレーについて吹寄に説教されていた。

152:2011/04/28(木) 23:06:30 ID:yMqn2GzU
外伝の方も、見直しが終わったら明日にでも投下できそうです。
読んでいる人は楽しみにしてください。

・新坂礼男
 (上条さんの不幸&フラグ体質+浜面の下僕気質+真夜の性格)÷3
みたいな人と考えてください。

153±:2011/04/29(金) 11:33:12 ID:xiFFffuc
「上条!貴様何やっている!!」
「ギャーァッ!ゴメン!吹寄ぇーーっ!」

 まるでついさっきの削板のように吹寄にしばかれていく上条。
 その様子を見て、野原は恐怖におののきながら情報屋に聞いた。

「なあ、紫木………お前一体吹寄のどこに惚れたんだ?やっぱり胸――」
「ちっがーーう!そこじゃない!俺は吹寄の優しさに惚れたんだ!断じて身体じゃない!」

 吹寄の魅力が身体とか言い出す野原に珍しく情報屋はキレ、大声で吹寄の魅力について叫びだした。
 無論、そんな大声では辺りに聞こえるため、ちゃんと吹寄にもその叫びは届いていたりする。

「………あの馬鹿……」
「ふ、吹寄さん?顔赤いでせうよ?もしかして情報屋の事―――」
「―――っ!だっ、黙れー!」

 情報屋の愛の叫び(?)を聞いて、顔を真っ赤にした吹寄。
 その様子にしばかれつつも茶々を入れた上条はそのまま照れ隠しの頭突きをくらうはめに。

「い、いいか、上条!金輪際あんな事はしようとするな!そしてついさっきの件についての話題には触れるな!分かったな!」
「はっ………はいっ!」

 そして試合再開のホイッスル。

「とられたら取り返す………行くぜ翔太!情報屋!」
「うん、行こう!」
「ついさっきのPKが決まっていれば逆転されなかったんだ……俺も行くぜ!」

 先ほどミスを取り返すため、攻めあがる上条とそのフォローにあがる翔太、そして情報屋。
 その3人を警戒してか、心理掌握は絹旗と削板に指示をだした。

『絹旗さん、削板さん。2人は自陣ゴール前で待機を!このまま守りきりますよ!』
「攻めあがれないのは残念ですけど……超わかりました」
「うーん、それが指示ならしょうがねえ……」
『エツァリさんとショチトルさんは2人であの3人のもとへお願いします』
「分かった。……行くぞエツァリ」
「ええ、行きましょう」

 心理掌握の指示に従い絹旗と削板は自陣ゴール前で待機、エツァリとショチトル上条達のもとへ向かった。

「さあ、上条当麻!僕達の因縁に決着を!」
「お前に恨みはない。だがここを通す訳には行かない」
「エツァリにショチトル!例えお前らが強くても俺達3人には勝てないぞ!なあ、情報屋!翔太!」
「ああ、そうだな!上条行くぞ!」
「じゃあ足止めは僕が!それっ!」
「くっ……!足元に火が!」
「コレでは進めん……」

154±:2011/04/29(金) 11:33:52 ID:xiFFffuc
 翔太は【火炎地獄】によってエツァリとショチトルのまわりのグラウンドを燃やす。
 その火によって2人は思うように進めなくなってしまった。

「ナイスだ、翔太!」
「うん、でもまずは同点にしよう!それっ!」
「なっ!超いきなり炎の壁が!」
「まさか……俺の熱い思いが俺達のまわりに炎を―――っ!」
『そんな訳ないでしょう!敵の能力です!』

 今度は【火炎地獄】を使って絹旗、削板のまわりに炎の壁を作り出す。
 2人が呆気にとられている間に一気にゴール前に3人は攻めあがった。

「よしっ!決めてこい、情報屋!」
「おっしゃぁー!行くぜぇ!」
「ついでにコレも!」

 上条からボールを貰った情報屋は渾身のシュートを放つ。
 さらにそのシュートに翔太が【火炎地獄】で炎を纏わせ、即席の炎のシュートへと変わった。

「まっ、マズい!」

 心理掌握はボールを止めようとするも纏われた炎のせいで止めきれず、見事にシュートはゴールに突き刺さった。
 ついに同点となり上条達は喜んだが、しかし彼らは気付かなかった。
 つい先ほどのプレーによってインデックスが全員の癖を見抜いた事に………

155ё:2011/04/30(土) 10:40:34 ID:PBYIG.dk
「めんこー、とうま達のチームプレーの記憶、終わったんだよ。とはいってもとりあえずはなんだけど」
「そうですか、ありがとうございますインデックスさん。前半23分で同点、上出来といってもいいでしょう」

 インデックスの報告を聞いた心理掌握、前半の半分で同点という事態に満足していた。
 というのも正直な話、インデックスの記憶完了までは上条チームにリードを許していると踏んでいたからである。
 心理掌握は他のチームメイトも招集すると、

「皆さん、インデックスさんの方が準備を終えました。ここからは思いっきりプレーして下さって構いません。特に五和さんはもっと伸び伸びとプレーなさって下さい」
「分かりました任せて下さい!(オフェンスでもディフェンスでも活躍し、そんな私の勇姿に惚れた当麻さんが……いや〜ん♪)」
「それから絹旗さんはディフェンスよりもオフェンスに力を入れてくださって大丈夫です。五和さん、ステイルさん、結標さん、削板さんで充分に対処出来ますので」

 様子見のプレーを解除、数名に指示を送る以外は自由にプレーするようにチームメイトに伝えた(五和には違う意味で不安を覚えたが)。
 そして各々が所定のポジションに付く前にインデックスが麦野に頼みごとをする。

「しずり待って。しずりには白い人のマークに付いて欲しいんだよ。そのピカピカしてる腕を使って」
「あぁ? 冗談でしょ? 私はこれからずーっと浜面をピッタリねっとりマークすんだよ。それをよりにもよって第一位って」
「これはしずりにしか出来ない大事な大事なことなの。今の白い人を抑えられるのはしずりだけなんだよ。言わばしずりはこの試合のキーマンだね」
「(第一位を抑えられるのは私だけ……私にしか出来ないこと……私が試合のキーマン、か。いいねぇ♪)オッケー任せなさい」

 インデックスは麦野から協力を得られたことに安心すると同時に、絹旗に言われたとおりに言ったらあっさり通ったことにほんの少しだけ驚いていた。
 ちなみに当初、閃光のアーム使用を禁じられていた麦野だがそれでは試合にならないと木山に直談判して出力を抑えてという条件付きで許可を得たという裏話があったりする。
 そして【歩く教会】チームボールで試合再開、早速絹旗がボールを掴んで全力でボールをゴール目掛けて投げた。

「ぬおりゃアあああああああああああああっ!!」
「絹旗ちゃん甘いよ!」

 しかし白雪が6枚の雪の翼を前面に出し、絹旗のシュートを受け止める。
 絹旗のシュートに押されながらも、途中で浜面と服部を吹っ飛ばしたものの見事に受け切ってみせた。
 白雪がボールを自分のやや前方に蹴り上げ、体を少し傾けるのを見たインデックスが心理掌握の念話を介してステイルと結標に指示を送る。

《つきよの翼のシュートが来るよ! ステイルにあわき、お願い!》
「当然っ! 灰は灰に――― ―――塵は塵に―――」

 炎剣を出したステイルが追加呪文の詠唱するのを聞いた土御門は、白雪の動きに合わせるかのようなステイルの行動に疑問を抱く。
 しかしすぐさまその意味を理解すると大慌てでベンチから白雪に大声で指示を出すも、

「月夜撃つなっ! 今すぐそこから離れるんだ!」
「も、元春? 何で急にって嘘っ!」
「―――吸血殺しの紅十字!!―――」

 一度動き出した雪の翼を白雪が止められるはずも無かった。
 そして結標の【座標移動】で白雪の前に飛んで来たステイルの二本の炎剣と、白雪の雪の翼がぶつかり合う。

156±:2011/04/30(土) 21:29:37 ID:oYA6IqZk
 ステイルの炎剣で白雪の雪の翼が相殺。
 それによって翼を失った白雪はそのまま空中に投げ出された。

「つっ、月夜ーーぉ!!」
「うわっ!危ないなぁ、もう!」

 ベンチから土御門が心配して叫ぶが、白雪何とか空中で着地姿勢をとり見事に着地成功。
 しかし、ボールは奪われてしまいそのボールは結標のもとへ。

「それじゃあ行くわよ………五和!」
「はい、承りました!」

 一瞬で結標の足元にあったボールは消え去り最前線にいた五和の足元へ。
 いきなりのカウンターに上がっていたディフェンス陣は誰も反応出来なかった。

「さあ、コレで3点目です!ソレッ!」
「そうはさせるか!フンヌッ!」

 ゴールギリギリを狙ってきた五和のシュートを何とかして弾く東原。
 しかしその弾かれたボールを今度はエツァリが拾い、再びシュート体勢に入る。

「決めさせてもらいますよ………それっ!」
「だからさせねぇよ!!」

 今度は逆サイドを狙ってきたエツァリのシュートを今度は気合いで外に飛ばす東原。
 そんな絶体絶命のピンチを止めたおかげか、まるで東原を応援するかの様に大歓声が会場を包み込んだ。

「ナイスセーブだ、東原ぁ!」
「イテテッ、上条!まだ今日は一球も止めてねーんだ。こんぐらいで誉めんな」
「調子のってンじゃねェよ、三下がァ」
「………久々に見たな、一方通行のツンデレ」
「あァン!?誰がツンデレだァ、野原クンよォ?」

 ギャーギャー騒いでいる中、その一方で心理掌握達は再び作戦会議をしていた。

「あのGKの人………ついさっき見た時と動きが違うんだよ!」
「おそらく彼の能力【技術盗賊】が関係してるんでしょう」
「確か………一度見た技を覚える能力、でしたっけ?」
「まさか止められるとは………不覚です」
「でもずっと動いてなかったから体力が有り余ってるだけなんだよ!ずっと攻めれば倒せるんだよ!」
「インデックスさんの言うとおりです。どんどん攻めていきましょう」

 心理掌握の言葉に一同は賛成、すぐに次のプレーの準備に入る。
 そして運命のフリースローが始まった。

157とある読み専:2011/05/01(日) 10:14:15 ID:cf1/5JO.
そういえば心理掌握の名字が「食蜂」と判明したわけなんですが使用しないのでしょうか?

158:2011/05/01(日) 13:10:34 ID:wtZKox7Q
私は原作「しか」読まないのでどこから出したのか分からないのですけど
「とある科学の超電磁砲」あたりからですか?
甘いような痛いような苗字ですけれど何と読むんでしょうかそれ。

159Ψ:2011/05/01(日) 16:26:36 ID:TSfVnhio
なんか来てみたら、今月の電撃大王に第五位である「食蜂」の話をしているな。
ちなみに☆さん、読み方は「しょくほう」です。

160:2011/05/01(日) 18:50:51 ID:s9WXRJyw
ありがとうございます。
フルネームが早く判明することを祈ります。

個人的にはハーフタイムでどうしてもやりたいことがありますので、
展開が進むのを楽しみにしています。

161ё:2011/05/01(日) 18:56:42 ID:E3HOHXz6
確かに心理掌握の苗字が食蜂って判明したけど……私は今の所は使う気にはなれないです、球技大会中は少なくとも。
ところで±さんに質問です。
「運命のフリースロー」ってあるんですけどサッカーにフリースロー、無いですよ。
コーナーキックかスローインのどっちかだと思うのでどちらなのか教えて欲しいです。
それとさり気なく結標がボールを【座標移動】してますけどボールの【座標移動】は禁止事項です。
これの処置はこっちで既に考えてるので安心して下さい。

162±:2011/05/01(日) 21:28:07 ID:D3OnWXF6
なんと……素で間違えてました………超恥ずかしい…
「運命のフリースロー」のところはスローインでお願いします。
あと【座標移動】の件よろしくお願いします!

163:2011/05/01(日) 23:24:04 ID:qCMAngNs
セレナ×初春の絡みは果たしてどこで出すべきでしょうか…
この球技大会か、その次か…セレナに、初春を
凄いと思わせるような展開にしなきゃならないから難しい。

164ё:2011/05/02(月) 08:44:34 ID:JAVR5o42
セレナ×初春……って言われても正直すごく困ります。
☆さんの外伝はこっち、つまり本スレのパラレルストーリーとして観させてもらってますので。
パラレルストーリーのメインオリキャラを本スレでもというのはちょっとって思ってしまいます、申し訳ないですが。
出すとするなら新坂や苑内のように登場させやすい設定、例えば魔術とか関係無い所での友人とかにした方が良いような気がします。

――――――――――

 【歩く教会】チームのスローインが始まる前に審判の災誤が結標にイエローカードを突きつけていた、先の五和へのボールの【座標移動】の件である。
 今回は直接ゴールに入れたわけではなくパスだったこと、災誤自身もすぐに気付かなかったということもあってイエローカードだけに処分を留めたのだ。

「次、同じようにボールを能力で飛ばしたら即退場だ。分かったな?」
「はいはい」
「……反省の色があまり見えないがまあいいだろう」

 ちなみに結標のボールの【座標移動】に気付いたのは木山、彼女はこの試合の一責任者として常に注意を払っているのだ。
 そして試合が再開、御坂妹のスローインを絹旗が受けるがその表情は笑っていた。

「どんどん攻めてスタミナ切れを待つなんて私の性に超合いません。というわけでどりゃーーーーっ!!」

 絹旗はその場でボールを思いっ切り殴りつけてゴール目掛けてシュートを放つ。
 一方通行が脚力のベクトル変換を使って地面に足を付けずに滑走して絹旗のシュートを止めようとするが、

「おおっと、こっから先は行き止まりだよ第一位」
「なっ! チッ、味なマネしてくれンじゃねェかエロデレ女ァ! そのイカレた腕で俺をマークするなンざよォ!」
「てめぇのその移動方法は確かに速い。けど動きが直線、目標に到達するまで足は地面に付いてねぇ。いつもなら反射織り交ぜて障害物壊して進むんだろうけど」
(読まれてやがる!)
「今までのプレー見てると反射の使用、禁止されてんだろ? それで私の【原子崩し】のアームを蹴散らすなんて出来るわけねぇよなぁ!」

 進路上に背中を見せ、閃光のアームを巨大化させてマークに付いた麦野に阻まれてしまう。
 反射が使えればそのまま突っ切れただろうがそれを禁止されている状態では急制動をかけて回避、迂回して移動するしか出来なかった。
 その僅かな時間の間に絹旗のシュートは上条チームのゴールへとグングン進むが、進路上に野原が立っていた。

「げえっ! アクセラの奴、間に合わねぇのかよ! ちくしょー! こうなったら【襲撃緩和】でぐぎゃっ!」

 一方通行以外に頼れる面々の上条と翔太と茜川は距離的に遠く、白雪はステイルの執拗なマークで自由にさせてもらえない状況なのでやけくそ気味で野原が奮起。
 しかし【襲撃緩和】で迫る物体の威力と速度が二割減としても絹旗の【窒素装甲】で殴られたボールの威力も速度も高すぎて、あえなくぶっ飛ばされしまう。
 それでもボールはゴールへ迫ることはなく、野原の真上に上がったので彼の犠牲は無駄にはならなかった、ほんの一瞬だが。

「能力や技術すらも蹴散らすのに必要なのは圧倒的なパワー! 参考になりました絹旗さん! やあっ!!」
「は、速いけど真っ正面ならぐっ! う、うわああああっ!!」

 宙に舞ったボールに反応したのは五和で、華麗なジャンプからのボレーシュートを放った。
 五和のボレーシュートに東原は反応できたものの、周囲からの期待の視線を強化の力へと変えた五和のパワーに負けて体ごとゴールへと突き刺さる。
 前半30分、【歩く教会】チームが再び逆転。

165ё:2011/05/02(月) 09:27:12 ID:JAVR5o42
 逆転を許した上条チーム、目下の心配は東原と野原のダメージで土御門も駆けつけていた。

「大丈夫か? 東原に野原。何だったら代わってもいいんだぜい?」
「ゲホッゲホッ! し、心配すんなよ土御門。俺なら、へ、平気だし、それに……このチームで勝ちてぇんだ」
「分かった。だが次にお前さんに何かあったらその時は有無を言わせずに交代させるぜい。野原はどうかにゃー?」
「お、俺もが、頑張る(くっそーっ! 正直もう交代してぇよ! けど東原の奴は引っ込まねぇしそれに女の子にボロボロでも頑張る所をアピールすれば……ぐへへ)」

 土御門はここでの交代はまだ早いと考えていたので東原と野原の続投に安心していた。
 そして上条チームボールで試合再開、白雪が攻めるかと思われたが猛スピードで一方通行がボールへと突っ込んできた。

「調子こいてンじゃねェぞ三下チームがァ! コイツですぐさま同点にしてやンよォ!」

 先ほど、麦野のマークにあしらわれる形になった一方通行が怒りのシュートを放った。
 絹旗のシュートより威力も速度も上と思われるシュートを前にしても、心理掌握は慌てることなく念話で指示を送る。

《結標さん、削板さんを手筈通りに》
「オッケー。行くわよ削板」
「おおよ!」

 心理掌握の指示で結標は削板を【座標移動】で上空へと飛ばした、一方通行のシュートのコースに重なるように。
 上空へ飛ばされた削板がしたこと、それは【念動砲弾】で一方通行のシュートを押し潰すという力技だった。

「空からのすごいパーンチ! おおっ、すごいパーンチ喰らっても突き進むたぁ根性入ったシュートじゃねぇか!」
「あ、あンなのアリかァ!」
「超有りですよアクセラ。真っ正面から受ける必要なんて超無いってことです。インデックス、超任せますよ」

 削板のすごいパーンチで押し潰されたものの、PA内まで進んだ一方通行のシュートは脅威の一言に尽きるもの。
 埋まってしまったボールを引っこ抜いて絹旗がインデックスにボールを投げて渡すも、翔太の華麗なインターセプトに阻まれてしまう。

「僕だって負けないよ! ここで同点にしないと勝負が厳しくなるからね!」
「くうっ! 小さいのにやりますわね。結標さん、今すぐ……結標、さん?」
「翔太カッコいい、翔太可愛い、翔太激萌え……」

 翔太の近くに居た結標だが、自分の恋人の勇姿に見蕩れてしまい、鼻血を出しながらあっちの世界へと旅立ってしまった。
 そんな結標の姿を見て【歩く教会】チームの面々は揃って思った、この役立たずと。
 結標の状態に気付かない翔太はそのままシュートを放つ、【火炎地獄】を使ってボールに炎を纏わせて。

「さっきも止められなかったんだから今度だって!」
「甘い、甘いぞ小僧! そんな炎、俺の根性で消し飛ばしてやる! すごいパーンチ」

 翔太の炎のシュートは削板のすごいパーンチによって炎は消し飛ばされ、シュートの勢いも殺されて不発に終わる。
 そして削板はボールを自分の前に上げて再度すごいパーンチを放つ。

「すごいパーンチ。こいつで引き離してや」
「させないよ! ワアアアアアアアッ!!」

 すごいパーンチで撃ったシュートで追加点を狙った削板だが、茜川の横からの衝撃波に威力を殺されてしまう。
 こぼれ球を御坂妹が拾い、華麗なドリブルで攻め上がるとDFの上条が立ち塞がるという御坂妹にとってある意味、理想的なシチュエーションが発生した。

166:2011/05/02(月) 10:54:54 ID:lR4PKALs
>>164
ですよねえ…ただ、初春の「代理」ができるような人がいたら
彼女が気兼ねなく海外で活躍できそうで便利なんですが…

167:2011/05/02(月) 11:08:34 ID:ZfhpyRsE
とりあえず今はあまり欲張らずに、一方通行とのフラグに専念します。

168:2011/05/02(月) 12:10:56 ID:l4KElwzI
相手のプレーを分析していたのはなにもインデックスだけではなかった。

・ベンチ

(やっぱりこういうのでは絹旗のアドバンテージが大きいな…彼女を止める方法としては2つ。)

 戦闘面だけではなく、相手の裏をかきつづけることにも秀でている土御門は、【歩く協会】有利で進む戦況を見据え、逆転への糸口を紡ぎ出す。

(1つは直接的方法…丁度さっき麦野が一方通行にしたように、彼女をマークするとかして動きを止める方法。
 もう1つは、彼女に2回反則をさせて、レッドカードで退場にすること。
 …そうだ!決定的な利がこっちにあった!!)

・観客席(スキルアウト+剣道部員)

「やった!【歩く協会】有利で進んでますよ。」
(どうやらピュアシスターが本領を発揮したようですね)
「ちっくしょーう。手を使える怪力ショットとかあの『すごいぱーんち』とかマジで反則だろう。」
「かろうじてゴールキーパーが頑張っているようですけどね。」

 【歩く協会】チームが相手チームを掌握している状況を、楽しそうに眺める少年と、不良達。
 だがそんな中、苑内麗奈は1人思案していた。
 今ははっきり言って微妙だが、曲がりなりにも1度宣言した以上友愛高校チームを応援する立場にいた彼女は、その明晰な頭脳で、自然とこの状況を逆転しうる方法を模索していた。

(でも、問題は…イエローカード…)

・ベンチ

(そう…あっちの持っているイエローカードは計2枚。
 【座標移動】と第8位。いずれも、絹旗に次ぎこの試合の主戦力たりうる能力者。
 加えてもう一つ、あっちのチームにある不利は―――人手不足。)

 わざわざ結標が転校扱いにしてまでエツァリとショチトルを引っ張って来たことからも分かるとおり、【歩く協会】はいわば寄せ集めに近いチームだ。
 彼ら1人1人が一筋縄ではいかない能力や実力を持つ者達だが、試合前に前半後半でどのようにチームを振り分けるかに腐心していた土御門はこの違いを生々しく実感していた。

(つまりあいつらは補充というのを考えていないんだ。
 1人2人抜けても代わりがでるとかいうことはできず、そのままでプレーするしかない。
 たとえ補充ができたとしても、あいつらの穴を埋められるほどの奴が出せるのかどうかも分からない)

・観客席(セレナード)

(あれ?ピュアシスターってあんなに役に立つんでしょうかねぇ。)
 どうも彼女の指示を中心に動いているっぽい【歩く協会】チームの快進撃に戸惑い始めたセレナードは、一方通行への応援と麦野への嫌悪から、友愛高校チームの立場で解決策を思案しはじめた。
(まぁ絹旗さんは、あのしゃべり方を除いたら、性格や思考に超問題があるような人物じゃぁありませんしねぇ…口癖移っちゃったなもぅ。)

 しかし彼女は、もう1つのあからさまな利点に気付いていた。

(ただ、あの2人の方は…なんかあの熱くなりやすい人と、ショタッ子の前ではダメダメになってしまった当の2人だったらもしかしたら…)

 そしてセレナードは、急遽ルールブックの【特設ルール】の項を開いた。

 サッカーにおける通常のルール。
 能力者としての彼らに設けられた制限(ハンディ)。
 彼ら自身の性格・趣向の穴。
 そしてこの試合における表・裏・両方における諸事情。
 それらが、試合の熱に浮かされることなく冷静に優れた思考を巡らせ続ける3人の頭の中で絡み合い…

「あっ!!!
 …ある…逆転の方法。」
 苑内が。

「あとは…あのチームの中にそれに気付ける人がいるかどうかですねぇ。」
 セレナードが。

 そして、他の2人以上にこれらの事情を熟知していた土御門も当然…

169:2011/05/02(月) 12:11:52 ID:l4KElwzI
ルールブック→パンフレット

でした。

170:2011/05/02(月) 12:18:39 ID:l4KElwzI
ええーっとすいません、よく考えていませんこっから先。

171:2011/05/02(月) 12:33:21 ID:l4KElwzI
なのでもし思いつかなかったらスル―してもらってかまいません。

172±:2011/05/02(月) 22:58:27 ID:ioxQWHVE
☆さん
本当に個人的なお願いなんですけど、オリキャラを使用する時に前から出ている既出キャラとできれば組ませて出しては貰えないでしょうか?
どうにも自分の中ではこのキャラはあのキャラとはこんな感じの関係ってのがないと物語が作りにくいんです(☆さんの考えてる設定もできる限り無視したくないので)
――――――――――

「ここは通さないぞ、御坂妹!」
「当麻さんとの1対1………とミサカは抑えきれない興奮を露わに―――」
「うわっ!超考えてる事が麦野と一緒です!」
「「失敬な!(とミサカは怒りを露わにします)」」

 御坂妹の発言に絹旗が失言、それが麦野と御坂妹を怒らせた。
 しかしその怒った隙に上条は御坂妹からボールを頂き、一方通行は麦野のマークを振り切り前線へと上がる。

「いくぜェ……上条ォ!」
「一方通行………いくぞ!」

 そういいながらパスを回しつつあがってくる上条と一方通行。
 ある種の最強コンビたるこの2人。
 彼らをそう簡単に止められるものはそういない。
 ―――そう、彼らを除いて。

「一瞬の隙をついて抜き去るとはなかなかな根性だ………いいぞ、相手になってやる!!」
「ふふふ、白モヤシさん………当麻さんとコンビを組んでいいのはこの私だけです!」
「誰が好き好ンでこンな三下と組まなきゃいけねェんだァ!!」
「俺だって好き好んで一方通行と組みたくはねーよ!どうせ組むなら美琴がいい!!」

 上条たちの前に立ちふさがる削板と五和。
 自分こそ上条のベストパートナーと信じて疑わない五和にとって、この上条の発言は怒らせるものだった。

「ふふふ、当麻さん………私のこのプレーで目を覚まさせて上げます!」
「ふふん、上条さんのめは覚めてるし、頭の中は美琴一色だ!」
「いや、少しはサッカーの事考えろォ……」
「惚れた女の事をずっと考えているなんて………何たる根性だ………」
「おい、それ根性関係ねェぞォ」

 愛の為に戦う馬鹿×2と根性の為に戦う馬鹿。
 こんなのに挟み込まれた一方通行はもはや不憫としか言えなかった。

「いくぞ、一方通行!美琴への愛の為に!!」
「あ、あァ……(何て答えりゃいいンだ?)」

 その言葉と同時に上条は一方通行にパスを送る。
 パスを貰った一方通行は前を見ると一気に迫ってきた削板との1対1になっていた。(五和は上条にマーク中)

173:2011/05/02(月) 23:05:09 ID:VDAws21M
前から出ている既出キャラってどの範囲をいうんですか?
苑内さんや新坂君を、当麻や土御門たちと組ませて出してくれと?

174:2011/05/02(月) 23:17:27 ID:VDAws21M
苑内さん、新坂君、ノイルさんは笹川中学が主な活躍の場であるため
高校生達と絡みにくいんですよねえ。

逆にセレナードは、初春へのほれ込みや「アイテム」との亀裂など、色々な人との関係を書き表したいとは思うんですが
いかんせん現在観客席なものでして…。

175:2011/05/03(火) 07:43:30 ID:Ndrcr.qM
柵川中学でした。

176ё:2011/05/03(火) 08:30:19 ID:c.7SjyRY
「ハッ、レベル5の一番下っ端が俺とやり合おうってかァ? 出直して来い三下の中の三下ァ!」
「小せぇ、小せぇなぁ第一位。数字の上での序列なんかを気にしてるなんて根性足りてねぇ証拠だ。そんな数字の差、根性で埋まんだよ!」

 言葉では強がってる一方通行だが、削板を前になかなか抜くことが出来ずにいた。
 サッカー経験があまりない一方通行にフェイントは使えず、高速で左右に振っても付いて来れる削板を振り切れないのだ。

(正面突破は難しい、かといって他の奴らへのパスは間違いなくコイツにカットされる。となるとあとはコッチしかねェか)
「ぬっ!」

 一方通行が取った策はボールを宙へと上げる、つまり上から削板を振り切るというものだった。
 宙へと上げられたボールに一瞬気を取られた隙に一方通行は脚力のベクトル変換で空高く舞い上がりシュートを撃とうとする。

「コイツで同て」
「気を抜きすぎじゃない? 一方通行」
「む、結標ェ!」

 一方通行のシュートは【座標移動】で彼よりも速く、そして高く宙に躍り出た結標にボールをキープされて阻まれてしまう。
 結標は冷静に下を見渡した後でショチトルにパスを出すと自分は【座標移動】で颯爽とグラウンドに降り立った、鼻血の跡が残ってて今ひとつ決まらないが。

「ナイスだ淡希! このチャンス、無駄には」
「そうはいくか!」

 ドリブルで攻め上がろうとしたショチトルからボールを奪ったのはスライディングタックルを決めた浜面。
 そしてそのまま服部と一緒に攻め上がる浜面の前に立ちはだかったのはエツァリだった。
 浜面と服部のコンビネーションプレーを知ってる者からすればエツァリに止められる道理は無いのだが、

《エツァリ、しあげと地味な人の言葉に惑わされないで。地味な人の指にだけ注意を払って。それが2人の本当の狙いだから》
「浜面こっちだ!」

 完全記憶能力で一通りの上条チームのプレーの癖を記憶したインデックスが居るのでその道理は覆される。
 エツァリは浜面にパスを求める服部の右指を注視、一瞬だけ人差し指が前を向いていたのを見て確信し、

「(パスではなく浜面さんがそのままドリブルということなのでしょう。だったら)ボールの奪うのは容易いですね、自分ならば」
「「何っ!!」」

 パスコースを塞がずにドリブルしている浜面から華麗にボールを奪ったエツァリ、浜面と服部の驚きを無視して前線へと大きくボールを蹴り上げる。
 そのボールを拾ったのは絹旗で、PAの外からボールを【窒素装甲】でボールを殴りつけてシュートを放った。

「じょ、冗談じゃねぇよ! あんなシュートくらったら命がいくつあっても足りやしねぇ!」
「あーもう野原君邪魔! 私がやるから離れて! ワアアアアアッ!」

 先ほど絹旗のシュートでぶっ飛ばされた野原には絹旗に対する恐怖が刻み込まれて臆してしまっている。
 代わりに絹旗のシュートの防いだのはまたしても茜川の横からの衝撃波だが、

「ゴホッゴホッ!(強めの衝撃波を間をあまり空けずに撃っちゃったからな〜、喉が限界かも……)」
「茜川さん!」
「だ、大丈夫。それより吹寄さんはゆ、紫木君にパスを!」

 追加点を二度に渡って防いだ茜川の払った代償は大きかった。
 そんな茜川を心配したのはこぼれ球をキープした吹寄で、茜川に言われるままに情報屋へとボールを繋げる。
 吹寄にいい所を見せたい情報屋がドリブルで攻め上がるとインデックスが進路を阻む。

177ё:2011/05/03(火) 10:02:20 ID:c.7SjyRY
「私だってやる時はやるんだよ(この人、確かもとはるが前に教えてくれた……)」
「こんな小さい子が相手なら何とかなるかも(この子って前に上条と一緒に住んでたシスターだな。……少しくらいなら)」

 ボールを奪おうとするインデックス、ボールをキープしつつインデックスを抜こうとする情報屋の攻防は一進一退。
 しかしながら2人が考えているのはサッカーとはあまり関係の無いことだったりする。
 吹寄との明るい未来の為の勝利を目指していた情報屋、久々に悪い癖がぶり返すがそれが致命的なミスを招く結果に。

「そういえば君ってつい最近、外から来」
「やっぱり聞いてた通りの人なんだね。答えてもいいけど忠告してあげる」
「ちゅ、忠告?」
「もし私が答えることを聞いたらあなたの平穏な日常はおしまい。誰に助けられる事無く殺されるかもね。平穏な日常を犠牲にする勇気あるの?」

 情報屋の特有の欲を出して【思考漏洩】でインデックスから情報を引き出そうとした情報屋、しかし逆にインデックスの忠告めいた脅しに固まってしまう。
 ちなみにインデックスに忠告を教えたのは土御門で彼に言わせれば思いっ切りソフトな部類に入るらしい。
 情報屋が固まってる隙にインデックスはボールを奪い、フリーになっている御坂妹へとパスする。

「当麻さんも学園都市最強ぺドも居ないのならミサカにも追加点が取れます、とミサカはボールに雷を纏わせてシュートします」

 DFでオーバーラップした上条には五和が、攻守の要とも言える一方通行には一方通行がそれぞれマークに付いてディフェンスに参加出来ずにいた。
 そして御坂妹がチャンスとばかりに雷を纏ったシュートを放つが、先ほどの汚名返上を狙って野原がシュートを防ぎにかかった。

「今度こそ観客の女の子にいい所をあばばばばっ! こっ、こここなくそっ!」

 【襲撃緩和】でシュートは受け止めたものの、雷のダメージを受けてしまう。
 しかしモテたい執念が体のダメージと痺れを一瞬だけ凌駕し、ボールをクリアすることに成功した後で野原は立ったまま気絶した。

「テメェにしちゃあ上等だ野原ァ! 後は俺にチッ! 邪魔すンじゃねェエロデレ女ァ!」
「ああ、もう邪魔しねぇから安心しなよ。てめぇの出だしさえ抑えりゃ後は私が攻めるだけだからさぁ」
「攻めるだァ? テメェにそんな手段が……マジかよ」
「ばいばーい♪」

 クリアされたボールをキープしようとした一方通行の飛び出しを阻止したのは麦野の閃光のアームを駆使した巧みなマーク。
 そして麦野は閃光のアームを伸ばして上条チームのクロスバーを壊さないように掴むと縮む勢いでボールへと迫ってキープ、そのままゴールへと突き進む。
 東原の【技術盗賊】を過小も過大もせずに適切な評価をしている麦野は、

(こいつなら右でも左でも反応して防がれる。パワーで潰すには私のシュートじゃあ足りないし絹旗も削板もこっからは遠いし)
「「麦野さんっ!」」

 東原からゴールを奪う為の手段を割り出すも、決定的な答えを導き出せずにいると自分を呼ぶ2人分の声が聞こえた。
 その声を聞いた麦野はすぐさま決断し、閃光のアームをクロスバーから離してPA外からゴール左隅と見せかけて逆方向のゴール右隅へとシュート。
 それを読んでいた東原は横っ飛びで麦野のシュートをパンチングで防ごうとするが、

「これなら防げませんよね!」

 麦野のシュートにダイビングヘッドで合わせてきた五和がシュートコースを逆方向に変えた。
 ところが東原はそんな五和のプレーにも反応し、クロスバーを掴んで思いっ切り足を伸ばしてシュートを防いだ。

「よしっ! このこぼれ球を誰かが拾ってくれれば」
「いえ、残念ながらこれで終わりです」

 ピンチを凌ぎ切ったと思っていた東原の目に映ったもの、それはこぼれ球をヘディングでゴールへ押し込むエツァリの姿だった。
 五和とエツァリの呼びかけが聞こえた麦野の決断が導いた追加点が前半40分に【歩く教会】チームへと入り、4対2と上条チームを引き離す。

「くそっ! 防ぎ切ったと思ったのに痛っ!」
「無理はいけませんよキーパーさん。五和さんのシュートを防ぐ為に随分と無茶をしたのですから」
「あ、ああ、ありがとな。け、けどまさかあんたまで詰めてるとはやられたぜ……」
「これが自分たちのあなたへの評価ですよ。ここまでしないと追加点は取れなかったでしょう。ナイスプレーでした」

 痛めた右腕を心配してくれたエツァリに感動した東原は左腕で握手を求めるとエツァリもそれに応えた。
 その際、どさくさに紛れてショチトルを紹介してくれと頼むもやんわりかつキッパリとエツァリに断られたのだった。

178ё:2011/05/03(火) 10:14:07 ID:c.7SjyRY
「それにしても驚きましたよ五和さん。てっきり詰めているのは自分だけと思ってましたから本当に助かりました」
「いえいえ。それに当麻さん分をフルチャージしたのでマークに付く必要無くなりましたから♪」
(ああ、五和さんの表情が輝いてる理由はそれですか。上条当麻も苦労してますねぇ)

 何があったのかは知らないが上条が疲れた表情をしているのを見て、エツァリは他人事ではあるが同情した。
 一方の上条チームは負傷した東原に交代を勧めるも前半が終わるまでということで残すことにしたものの、問題は別にあった。
 御坂妹の雷シュートをクリアして立ったまま君り……もとい、気絶してる野原である。

179■■■■:2011/05/03(火) 11:45:17 ID:fSvyvkmo

オリキャラは、どこまで増えるのだろうか?

2スレから読み続けているが、一読者としてみれば増やしすぎは読みづらい。正直、オリキャラは白雪・井ノ原親子の取り巻きまでよかったのでは?

書き手も、以前と比べて減ったのもそこに理由があると思う。

一読者のくだらない感想なので、気にせず是非とも完結させてください。

180:2011/05/03(火) 12:54:27 ID:Pmmzg8vA
井ノ原親子の取り巻きって誰?

181±:2011/05/03(火) 14:05:37 ID:Mkj2YDqQ
「野原………は流石に無理か」
「仕方ないにゃー。交代ぜい、青ピ!」

 野原の容態を確かめる上条だが、野原はうんともすんとも言わなかった。
 そのため、土御門は危険を感じて先にアップさせていた青ピとの交代を決めた。

「やあ、ツッチー。ようやく僕の出番?」
「ああ。本当は後半からの出場の予定だったが野原はもう無理にゃー」
「任せてツッチー!僕の活躍で残りの前半は無失点で切り抜けたるわー!」
(………何故だが今日の青ピは何かやりそうな気がするにゃー)

 実は青ピは今日の朝に黒子や弟子達と会い、凄い活躍を見せる事を約束していた。
 そのためか、今日の青ピはいつもとは違う雰囲気を醸し出していた。

「キーパーが超負傷している今が好機です!追加得点頂きま―――」
「悪いけど、そんな事はさせませんでぇ!」

 五和が開始早々ボールを奪い絹旗にパス、絹旗必殺の【窒素装甲】による投げシュートのパターンに入ろうとする。
 しかし、それをよんでいた青ピは災誤とのぶつかり稽古で鍛え上げられた自らの身体をパスコースに割り込んでのトラッピングを敢行する。

「(本当にツッチーの言ったとおりや。絹旗ちゃんは攻めの機転やな)ほら、行きますでー、白雪はん!」
「オッケー、ナイスだよ、〇〇くん(青ピの本名)!」

 白雪が青ピからボールを貰い、一気に攻めあがる。
 しかし目の前にいたステイルはすぐさま反応し、炎剣を繰り出す。

『ステイル!炎剣を地面に向けて放って!コレでつきよのだいたいの攻撃パターンは潰せるんだよ!そのあと蜃気楼で近づいてボールを奪うんだよ!!』
「分かった!それっ!」

 言われたとおり、足元に炎剣を放ち、炎の噴出を引き起こすステイル。
 白雪が炎の壁で足を止めた隙に蜃気楼で近づきボールを奪い去った。

「あ!何時の間に!」
「悪いけど君と遊んでる暇はないんだ。悪く思わないでくれ」
「行かせないよ!」

 白雪を抜き去ったステイルの前に出てきたのはおなじみショタっ子こと月詠翔太だった。
 炎の能力者vs炎の魔術師。
 なかなかな対戦カードか今ココに揃った。

182Ψ:2011/05/03(火) 17:01:57 ID:tBwtOGFs
オリキャラね…… >>179が言うとおり確かに多いよな……
まぁ初期のオリキャラは1スレ目の無名の方とかが追加していたのが最初でしたので、その後はそのキャラを使って書いていったという感じですからね。
でもって中盤、翔太以外のオリキャラは自然に追加されたような感じですが、まぁ翔太以外は打ち止めのクラスメイトの名前を追加しただけですので、最低限度で追加しただけですからね。
それで今は……外伝の方からのオリキャラが追加された感じかな?
まぁ、向こうを読めばオリキャラの性格などが分かるのですが、外伝を読んでいない方は困ると思うのですよね。
その前でも14人もオリキャラがいたのに、またさらに増えるという事はさすがに多すぎると思うのですよ。
それによって読んでいる方も理解が出来なくなっているかもしれません。俺もその内の一人ですし。
っとなるとやっぱりオリキャラの削減になるのでしょうね。
それで一番の削減するとしたら今までで余り使っていないオリキャラと、外伝のキャラになると思うんですよね。
けど、今までで余り使っていないオリキャラでもある野原と東原は今になって何故か重要な立ち位置に居るような感じなので削減は出来ませんね。
そうなると外伝のキャラしか削減するしかないのかと思うのですよ。☆さんには悪いですけどね。
やっぱり外伝は外伝で、こっちはこっちでやった方が良いのかと思います。
まぁ、登場数を減らすとかしかできないんですけどね。せめて球技大会だけとか。
とまぁ、言いたいことは最低限度のオリキャラで十分だという事です。これ以上増やすのはどうかと思いますしね。それで書きたいのに書けないという方もいるとは思いますし。
俺は小説を書いていますが、無駄になるようなキャラはいませんからね。それぞれ活用できるようになるべくキャラの数は少なくしておりますので。
以上、読み専の代表として述べさせてもらいました。読み専の代表なのかは分かりませんがww
それでは。

どういえば今書いている方で古くから書いている方ってёになるのかな? 俺もかなり古くから書いていたものですがww

183:2011/05/03(火) 17:51:27 ID:4oLXlUPg
…分かりました。柵川中学剣道部員の方は、本スレでは最小限しか出さない傾向にします。

ですがハーフタイムではあと1人だけ、今後の展開において便利になりそうでどうしても出したいキャラと、
セレナと既出キャラとの絡みがあるのですがよろしいでしょうか?

あと、>>168は、やっぱりスル―の方針でしょうか?

184:2011/05/03(火) 17:56:26 ID:4oLXlUPg
ハーフタイムではあと1人だけ、今後の展開において便利になりそうでどうしても出したいキャラや、
セレナと既出キャラのこれまで、そしてこれからの関係を明示あるのですがよろしいでしょうか?
でした。

185:2011/05/03(火) 17:56:48 ID:4oLXlUPg
ハーフタイムではあと1人だけ、今後の展開において便利になりそうでどうしても出したいキャラや、
セレナと既出キャラのこれまで、そしてこれからの関係を明示するシーンを計画してあるのですがよろしいでしょうか?
でした。

186:2011/05/03(火) 19:44:41 ID:/f07XYNE
いや、やっぱり新キャラは直接出すのはやめておきます。

187:2011/05/04(水) 08:46:00 ID:aP/y/MGE
以後は本編には新キャラをあまり出さない方でいきます。
外伝の方は、「(キャラ的に)余裕があったら見てください」的な。

188ё:2011/05/04(水) 09:13:54 ID:IlWp8kFM
「ふむ、炎対炎ですか。なかなか興味深いですね」
「ていうかステイルさんの相手って当麻兄さんの同級生なんですね、あんなに童顔で背も小っちゃいのに」

 観客席からステイルと翔太を見ているのは神裂と佐天、お互いに興味を持っていたがその内容は別物だった。
 その一方で2人の対決にそれほど興味を持てない者達も一緒だった、美琴と初春である。

「あーあ、サッカーのせいなのかなー。当麻があんまり活躍してなくて物足りなーい」
「まあまあ美琴お姉さん。きっと後半になったら当麻お兄ちゃんも活躍しますよ(さて、私もそろそろ)」

 美琴、神裂、初春、佐天の周りには実は人は少なかった、神裂がこっそり張った弱めの人除けの結界のお陰である。
 ちなみに打ち止め、滝壺と郭はそれぞれの自分のクラスと、黒子は何故か来ていた寮監に捕まってしまい一緒ではない。
 日本出立前に上条達に挨拶しておきたい初春、そろそろ移動しないといけないと思って席を立つが当然ながら神裂が心配そうに声をかける。

「か、飾利? どうしたのですか、まだ前半は終わってませんよ。何か用事があるなら私も」
「大丈夫ですよ火織お姉ちゃん。美琴お姉さんと涙子さんが一緒ですから。火織お姉ちゃんは待っていて下さい」
「御坂と佐天が一緒ならやはり私も! 飾利のお姉ちゃんとして…………っ!!」

 神裂の追求を止めたのは初春からのハグで、これだけで神裂は借りてきた猫のように大人しくなってしまう。
 普段は神裂から初春へのハグばかりだがその逆、つまり初春から神裂へのハグは極めてレアなのだ。

「(さすが対馬さん、火織お姉ちゃんのこと分かってるなぁ)じゃあ行ってきます。私が帰って来るまで待って下さいね、火織お姉ちゃん♪」
「ええ♪ 飾利も気をつけて。御坂に佐天、飾利のことはお任せします」
「「は、はぁ……」」
「では行きましょう2人とも」

 少し席を外すだけで大げさな神裂に呆れる美琴と佐天だが、神裂のシスコン(初春限定)レベルを考えると妙に納得してしまった。
 席を立って全天候型スタジアムの屋内へと先頭に立って進む初春から美琴と佐天に思いがけない言葉が投げかけられる。

「あの調子なら火織お姉ちゃんも2週間は大丈夫でしょう。後は当麻お兄ちゃん達にロンドン行きを報告するだけです」
「「…………2週間? ロンドン? 飾利、どうゆうこと?」」
「お2人への報告が遅くなってゴメンなさい。私、今からロンドンに短期留学すはわわわわわっ!」

 初春のロンドン行きを聞かされた美琴と佐天は事情を詳しく聞く為に初春の肩を掴んでユサユサと揺さぶりながら話を聞こうとした。
 しかしそれでは話を聞けないことにようやく気付いた美琴と佐天は軽いパニックから回復、同じく目を回していた初春が回復するのを待って事情を聞いた。

「キャーリサさんとヴィリアンさんと一緒に思い出作り、ねぇ。飾利ってホントにお姉さん達に愛されてるわね。というか留学じゃなくてただの旅行でしょ、それ」
「う〜ん、キャーリサ姉さまとヴィリアン姉さまと遊ぶのは後半の一週間で前半の一週間は本当に勉強するから嘘は言ってませんよ」
「そう考えるとさっきの神裂さんへの言葉も嘘じゃないってことか。飾利って本当にいい性格になりつつあるよね……」
「涙子さんったら褒めても何も出ませんよ♪ じゃあ行きましょう」

 佐天は口を滑らせて出た言葉で初春に怒られると思っていたので少々驚いていた。
 当の初春は全く気にするどころがやや上機嫌で美琴と佐天と一緒に上条チームの控え室へと向かうのだった。

――――――――――

 一方のステイルVS翔太だがこちらの一対一はまだ続いていた。
 というのもステイルも翔太もこうもお互いの距離が近いと自分の炎で相手に直接攻撃してしまうということで能力使用を控えたのだ。
 膠着状態に入った2人の対決、45分経過してロスタイムが1分と発表された所でついに動きを見せる。

189ё:2011/05/04(水) 10:12:12 ID:IlWp8kFM
(仕方ない。この少年が火傷しないように地面に炎を放ってその熱気に怯んだ隙に)
(本当は危険だけど今の僕ならきっと出来る。この人の目の前で一瞬だけ炎を出してその怯んだ隙に)
((ボールを奪う!))

 お互いに炎で相手を怯ませた隙にボールを奪おうとし行動に移ろうとするが、それは起こらなかった。
 ステイルと自分を【座標移動】で入れ替え、恋人の翔太と一対一をしたくなった結標の仕業である。

「さー翔太、少しの間だけど私と2人っきりで遊ぼっか♪ あんな老け顔相手するよりかいいでしょ?」
「あ、淡希……えっと……」
「結標! 君は何を考えているんだ! 今は試合の最中だというのには、放せエツァリ!」

 入れ替えられたステイルが試合中にも関わらず結標に詰め寄ろうとするも良識あるエツァリに羽交い絞めにされてしまう。
 翔太は突然のことに最初は呆然とするものの、結標が自分をじっと見ていてボールを奪いに来る気配を見せないので謝りながら自分の恋人を抜き去った。
 それでも結標が追いかける気配を見せなかったので翔太が完全にフリーになるが、

「全く結標さんってばいざという時に使い物にならないんですから!」
「うわっ!」

 五和の鋭いスライディングタックルで翔太からボールを奪い、自ら上条チームゴールへと攻め上がる。
 一方通行は麦野に、白雪はステイルにマークされているので五和は猛然と駆け上がるかと思われたが、後ろからの気配に気付く。
 その気配に気付いた五和は上条チームゴールに背を向けてボールをバックパスすると、すぐさまそこから退避した。

「任せましたよ削板さん!」
「さすがだぜ五和! 俺並みの根性を持ったいい女、以心伝心ってやつだな! むっ」
「させないっ! たとえ怪我することになってもこの追加点は守るんだから!」
「口から衝撃波撃つ女か、俺の前に立つたぁいい根性してんじゃねぇか! いくぜ、手加減無しだ!」

 気配の主は削板で本人も以心伝心と言ってはいるが、単に妙に暑苦しさを感じただけに過ぎない。
 削板のオーバーラップに気付いた茜川は今までなら真横から衝撃波を撃ってシュートを防いでいたが、残り時間と後半の士気を考えて真っ向勝負に出たのだ。

「すごいパーンチ!!」
「ワアアアアアアアッ!!」

 衝撃波を撃ち出す2人、しかしレベル5とレベル4では真っ正面からのぶつかり合いでは勝負にならず、

「キャアアアアアアッ!」

 削板のすごいパーンチがボールを撃ち出す形になり、茜川も真っ正面に居たせいで吹っ飛ばされてしまう。
 しかも意図的かつ直接的に茜川を能力で吹っ飛ばしたわけではないので削板の反則は取られなかった。
 だがボールは上条チームゴールの遥か上を通り過ぎて得点にはならずゴールラインを割った所で前半終了のホイッスルが鳴った。

「ふっ、得点にはならなかったが前半最後にいい根性勝負が出来て満足だあだっ!」
「そんなこと言ってる場合ではないでしょう。女性に対してあのような……全く」

 削板の反省無しの態度を諌めたエツァリは怪我を負った茜川に削板を伴って謝罪しようとしたが、上条チームが集合して慌ててるのを見て後回しにすることに。
 それよりも問題なのは結標の翔太絡みのプレーの数々だが、こちらは心理掌握が考えを練り始めてる所だ。

「どうするメン子。淡希が自分の恋人に対してあの様子では2点リードでも危ういぞ」
「ええ、その辺は私に考えがありますわ。あまり人の想いに細工を施すのは好きではありませんが……」
「まさか淡希の恋人に対する感情を愛情から憎悪へと変えるつもりなのか?」
「そのような恐ろしいこと、するわけがありませんわ。ただ暴走しない程度に愛情を抑えるだけですわよ、2時間ほど」

 ショチトルは心理掌握の処置に安心すると、結標が控え室に着く前に目覚めたら気絶させるように頼まれると【歩く教会】チームメイトと一緒に控え室に戻って行った。
 一方、上条チームは体を張って追加点を阻止した茜川の心配をしていた。

「赤音ちゃん! 赤音ちゃん!」
「だ、大丈夫だよ月夜ちゃ〜ん。ゴメンね、2人で活躍して勝とうって頑張ってたのに……」
「あまり無理するなよ茜川。後は俺たちが頑張ってチームを優勝に導くからお前はゆっくり休んでてくれ」
「あはは、か、上条君が言うと何か力強く感じるね〜。うん、分かった。私は試合終了まで寝ることに……する……よ」

 妙な説得力を持つ上条の言葉に安心した茜川、ようやく意識を手放して気絶すると白雪に背負われて医務室へと運ばれる。
 白雪と茜川を見送った土御門は東原が右腕を痛そうに抑えてるのを見て、冷静な判断を下した。

190ё:2011/05/04(水) 10:45:23 ID:IlWp8kFM
「東原、お前さんも医務室へ行け。その様子じゃあ試合はもう無理だ」
「ま、まだだ、まだやれる! 後半も」
「怪我人のキーパーであのチームの猛攻は凌げると本気で思ってるのか? ハッキリ言ってやる、今のお前じゃあ足手まといだ」

 土御門の真剣な、それでいて容赦の無い言葉に東原は言い返すことが出来ず、頷くことでしか返事を返せなかった。
 落ち込んだ東原を見た土御門は普段のおちゃらけた(?)感じになって東原を労う。

「ま、お前さんはホントによくやってくれたぜよ。予想以上の戦果をあげてくれたにゃー。女の子へのアピールも十二分に出来てるぜい」
「女の子のアピール……? そ、そういえばそうだったな、すっかり忘れてたぜ」
「ありゃりゃ、てっきりお前さんは女の子にモテたい一心で頑張ってると思ってたんだが。オレの目算もまだまだ甘いってことかにゃー?」

 意外と熱い男だった東原が医務室へと向かうのを見て、ベンチで気絶してる野原に気付いた土御門は服部に野原を医務室へ運ぶように頼み込む。
 服部はそれを快く引き受けて野原を背負って医務室へ向かおうとするが、一つの事実を突きつけた。

「土御門、後半になったら真夜は絶対に出場する。そのことをよーく考慮しておけよ」
「おー、井ノ原弟が試合に出てくれるのか、そいつは好都合ってもんですたい。茜川が不慮とはいえ怪我したからにはあいつも怒って……怒って?」
「そうゆうことだ。始業式での怒れる真夜の復活だ、冷静で容赦の無いあの真夜がな……」

 土御門は思い出していた、始業式のゴタゴタで妙に礼儀正しいのに呼び方はフレンドリー、だけど麦野の【原子崩し】のダメージを精神力だけで耐えていた色々と異常な真夜を。
 とはいえ【歩く教会】チームに勝つためにはこれ以上は無い人材なのでその点では素直に喜んでいたが、別の問題が発生した。

「さて、問題は交代するメンバーぜよ。キーパーはカミやんに変えて、空いたMFとDFに2人。オレと姫神と井ノ原弟で3人、あと1人か」
「つっちー、そないなことは控え室に戻って考えたらええ。今ボクらに必要なのは休息なんやからね」
「青ピ、5分くらいしか参加してねぇお前さんが言うことじゃないと思うぜい」

 後半の出場メンバーについて考えるのは青ピの言う通りに控え室に着いてから考えることにした土御門。
 しかし上条チームの控え室を開けると美琴、初春、佐天が出迎えることはまだ知らない。

――――――――――

 東原と野原は球技大会だけの活躍で考えてます、というかどうしてこうなったのか……。
 出番あるとしても青ピが『嫉妬ファミリー』を動かした時だけにしかならないような気がします。
 ただ、真夜のマジ切れの性質上、東原と野原の名前も考えないといけなくなりましたが。

191:2011/05/04(水) 11:05:30 ID:aP/y/MGE
紫木がもう少しで暗部か魔術に関わりそうでひやひやするなあ。
この人、将来そういう裏方面の情報屋になりそう。
東原…うん。もてていいと思うこの人。

192:2011/05/04(水) 11:07:54 ID:aP/y/MGE
今更だけれど>>168はハーフタイムの時に入れた方がよかったかなと思いました。
急遽閃いたアイデアだったので、あせって時期を間違えてしまった…。

193:2011/05/04(水) 14:18:54 ID:5LrHNQt2
観客席(スキルアウト+剣道部員)

ハーフタイムでガヤガヤと周囲がざわめき、スキルアウト達もてんでんばらばらになりはじめたころ、剣道部員2人は現在の展開について話し合っていた。
「ハッ。思ったよりやるわねあのチーム。」
「やっぱり統率がとれていますからね。」
「……あら、でも後半はまだ分からないわよ。どうも選手交代があるみたいだし。」
(でも、正直な話……私、ホッとしている。)
 苑内の胸の中にあったのは、この勝負の先…隣にワクワクとした様子で座っている少年との賭けの内容について。
 勝ち負けにおける内容を事前に設定しておいて、どっちに転んでも自分にとって得になるように設定したトトカルチョ。
 だが、予想外のことがあってその様相が少し…いや、大きく変わった。
(こいつら(不良達)を連れたら色々うるさそうだし、悪ノリしてせっかくの雅な雰囲気、風流が台無しになりそう。ここはあのまま【歩く協会】のリードを許して彼と1日泊まった方が・・・・あーあ。せっかくこいつの趣向に合わせて用意してあげたのにこれ・・・・)

 一方、少年の方も、その胸の中に去来していたのは、言葉とは逆の想い。
(蛍の光、見てみたいなあ…)
 その願望は、彼の能力にも関係があったのかもしれない。
 新坂礼男の能力は、【発光現象(ダイオード)】。対象を発光させ、微かな熱と光の放射源とする力。
 低能力故に、それこそ蛍の発光のような淡い光でしかなく、本人にとっても暗闇の中で便利というぐらいのものだった。
 だが、
(でもやっぱり、本物の蛍や星には敵わないですよはい。)
 彼が幼少期見た蛍や満点の星空。何より、その後写真なんかで見た蛍の光のカーペットや乱舞。天の川。
 それはまさしく、自分が作り出した人造の光とは比べ物にならない…そう、本物の星空とプラネタリウムぐらいの差があった。
 暗闇の中でこそ、ポウ、ポウ、と見える光。それが彼はこの上なく好きだった。
 この学園都市の人造の光、ネオンで埋め尽くされた夜の街の光景は、一種の趣といえたが、やはりギラギラとまばゆ過ぎて、毒々しすぎるものがあり、長くいれるものではなかった。
 長く学園都市にいて、自然や田舎といったものに触れる機会がなかなかなかった新坂は、麗奈に紹介されたときから、急激にそれへの・・・・田舎や自然の闇の中で見える光への警鐘に襲われた。
 いや、長らく奥にしまってあったそれへの願望が噴き出たといった方がよかった。
 彼が父親に頼めば、たとえ負けても夏休みにそれへ連れて行ってもらえただろうが、それは彼の中の何かが許さなかった。
 1度賭けとして出されて、それに敗れて行きそこなった以上、強引に行こうとするのは一種のルール違反…そう、彼が麗奈と初めて関わったときに言われた「金持ちぶっている」ことに感じられたからだ(もっとも、今も無意識的にそれを行って麗奈の不興を買っているのだが)。
(友愛高校チームには…少し取り返してほしい…かな…)

「まだ負けてないわよ。友愛高校チームは。」
「【歩く協会】の方がこのまま押し切りますよ。」

 当初はお互いの予見によって始まったトトカルチョ。
 だが思いつきと気遣い、そして思わぬ番狂わせにより、お互いがひそかに応援しているチームが逆になってしまっていることに、2人は気付くよしもなかった。

194:2011/05/04(水) 14:21:02 ID:5LrHNQt2
(でもやっぱり、本物の蛍や星には敵わないですよはい。)

(でもやっぱり、本物の蛍や星には敵わないよ。)

195sage:2011/05/05(木) 13:14:31 ID:g93V3HLk
3バカ更新されてないんですけど、どうなんですか?

196読者:2011/05/05(木) 16:24:27 ID:GD0XVGiI

書いてあったら、悪いんですけど
青ピって、レベル0の設定ですか?
あるなら、使ってもいいかな〜なんて思ったんですけど…

197読者B:2011/05/05(木) 16:55:46 ID:HNVmeSh2
>>196
青ピは能力とレベルはまだ不明だと思いますけど

198■■■■:2011/05/06(金) 06:13:00 ID:gdh4pl/k
>>196
原作での上条の言動から推測される上条の高校のレベルから、青髪のレベルは0〜2だと思われる
ただ、青髪が何らかの理由で上条の高校のレベルに甘んじている可能性もあるため、断定はできない

199読者:2011/05/07(土) 22:31:21 ID:BmFT8eJc
確かにそうでした(汗)

200ё:2011/05/11(水) 08:07:08 ID:0X8t.Dtk
「とーうまっ♪ お疲れ様♪」

 上条が自分達のチームの控え室のドアを開けると、笑顔と愛嬌全開で美琴が抱きついてきた。

(み、美琴がどうしてここに? けど正直こんな嬉しいお出迎えは無いわけだから……ま、いっか♪)
「きゃっ♪ もう当麻ったら」

 控え室に美琴が居た疑問など上条にとっては大した問題ではなく、美琴のハグに自分も答えるようにハグしている腕に力を入れる。
 そんな上琴バカップルを上条チームの面々が呆れ顔で見つめる中、勇気ある(?)2人がツッコミを入れた。

「もー、当麻お兄ちゃんったら私達のことは気付いてくれないんですね。美琴お姉さんに夢中なのは分かるんですけど」
「しょうがないよ飾利。美琴姉さんが大好きだからこその当麻兄さんなんだからさ」

 美琴と同じく控え室に居た初春と佐天の言葉にハッと我に返ると上琴はすぐさま離れる。
 上条は舞い上がっていたことを反省すると、自分を訪ねてくれた義妹の2人の頭を優しく撫でた。

「飾利と涙子もわざわざ来てくれてありがとな。気付くのに遅れてゴメン。けどとっても嬉しいぞ」
「えへへ〜♪」
(これ、普通の女の子なら誤解するよね……。飾利はとっくに吹っ切ってるしあたしも当麻兄さんのことはそんな風に思ってないから平気だけど)
「そういえばどうして3人だけなんだ? 確か神裂も一緒って聞いてたけ」
「ひいいいいいいいいいいいいいっ!!!」

 上条と初春&佐天の義兄妹のほのぼの雰囲気をぶち壊したのは情報屋、理由は初春の姿を見たからである。
 初春と神裂がトラウマになっている情報屋は控え室の隅っこに座り込んで「花飾りこわい」を呟き始める。
 情報屋の急変に驚いた吹寄、姫神、翔太が駆けつける中、土御門は初春と小声で話し始めた。

「う〜ん、今の情報屋を見るとあの時はやり過ぎたって改めて思うぜよ」
「私もです。いくら土御門さんのシナリオ通りにやったとはいっても実際にあの紫木さんを見たら……」
「初春ちゃん、全部が全部オレのせいにするってのは酷くないかにゃー? お前さんとねーちんの演技力にも責任はあるんだぜい」
「そ、それはそうですけど……。そ、それよりも皆さんに伝えないといけないことが!」

 土御門の意地悪な追及から逃れる為に、初春はここに来た目的でもあるロンドン短期留学のことを告げる(魔術の話は一切伏せて)。
 話を聞いた上条、土御門、青ピ、浜面が寂しそうにする中、日頃から初春に思う所がある一方通行だけは喜んだ。

「そっか頑張れよ初春。いっそのこと短期じゃなくて永住でもしちまったらどうだ? そうすりゃあっちのテメェの義姉どもも大喜びだぜェ」
「一方通行さんにそこまで応援されるなんてちょっと嬉しいです。でも安心して下さい、私が居ない間はオルソラさんが私の代わりとしてこっちに来ますから♪」
「よしキッチリ勉強してちゃんとココに帰って来い(冗談じゃねェぞ! コイツがロンドンに永住したらババアシスターがこっちにずっと居る……そンなのはゴメンだァ!)」
「ありがとうございます♪ とはいっても2週間で帰ってきますからご心配なく」

 学園都市最強を唯一オモチャに出来る初春が渡英すれば自分の身は安泰と考えた一方通行だがオルソラと比較した結果、すぐさま手の平を返した。
 一方通行の態度に満足した初春は今すぐここを発つことを告げた後で皆に挨拶をする。

「じゃあ皆さん、行ってきます♪ 私が居ない間、火織お姉ちゃんと建宮さんのこと、宜しくお願いしますね」

 初春の挨拶に上条たちはそれぞれに激励の言葉を初春に贈ると、絹旗への挨拶もあるということで控え室を佐天と共に後にしようとした。
 しかしいきなり初春が振り返ると、上条に対してギュッと抱きついた。

「か、飾利?」
「えへへっ♪ しばらく会えないから当麻お兄ちゃん分を補充です〜。美琴お姉さん分はすでに補充してますから」

 美琴と佐天以外が呆然とする中、初春は満足げな笑顔を浮かべて今度こそ佐天と一緒に控え室を後にするのだった。

201:2011/05/12(木) 00:35:20 ID:n2W2/Tu.
(……会っちゃったなぁ、よりによってこいつに……)
カツン・カツン、と杖を突きながらもトイレに行って用を果たしたセレナは、その帰りの通路で最も会いたくない人物と会ってしまっていた。
「あーらセレナおっ久しぶりねえ。怪我してんの今日?」
「え、ええ麦野様。試合での活躍、見事でしたね。」
「んふふー。そうでしょー。でえもねえ。私としてはあんなロリ好きの変態白モヤシなんかよりは浜面のお相手をしたかったなあ。」
(うーん、セレナとしては一方通行様の大活躍の方楽しみにしていたんだけどなぁ)
「後半にも……出るんでしょう?」
「もっちろんよう。後半こそみっちりお相手しなくちゃねえ。」
「……楽しみにしていますよぉ。」
 とりあえず今回は機嫌がいいみたいで安心し、例えて言うなら寝ている猛獣の側を通過するような気持ちで麦野の側を通ろうとしたのだが……
ゲシッ!!
「ッッッッ!!!!」
 鳩尾に強い打撃を食らったセレナは声にならない悲鳴を上げてのたうった。
「あーれー?何か知らないけど思わず蹴飛ばしちゃった―☆まあいいか、小さすぎてよく分かんないんだしー。」
 ゲシ、ゲシ、ゲシ!
 その後も、浜面の相手ができなかった鬱憤を晴らすかのように何度も麦野足蹴にされ続け、せっかくこのイベントで高ぶった気持ちを
台無しにされながら、ああ、私は将来レベルが上がったとしてもこんな女のようにはなりたくないなとしみじみ感じたセレナは、ふと、
いつもと違って『反撃』ともよべないながらも『獲物』があることに気付いた。
「ありー?なんだったかなー。まあいいや」
 そう言って、麦野がセレナと入れ替わりにトイレへ行こうとしたそのとき。

 パシ、と、足首辺りに刺激を感じた。

 その途端、グルン!!と般若の形相で振り向き、ついさっき足元に当たった松葉杖を見咎めた麦野は、グワッとセレナを掴み、その顔を、ガン、と殴った。
「テメエエエエエ!!なあに調子こいてんだああ!?せえぇっかくスッキリしようとしていた気分がブチ壊しじゃねぇかぁぁぁぁぁ!!
 ああ、おい!?何?聞いてる?フレンダの奴がいなくなってちょっと調子こいてんの?どうしてくれるってんだこれ、ああ?」
 そう怒鳴り散らした麦野はバキイ!!と松葉杖を腕力でへし折った。
「ああムカつく、おい、続きトイレでしよう。とりあえずあんたの顔便器にでも突っ込んで洗わないとどうも見るに堪えそうにないなあんたのそのバタ臭い面。」
怪物か暴君の如き女が捕虜のようにズリズリと引きずり、引きずられた少女が、チッと舌打ちながらされるがままにされていたとき。

「………何をやっているんですか………」

 飴玉を転がすようでいながら、麦野にすらもゾッとするものを感じさせるものを秘めた声が。
 2人の女がそちらの方向を向くと。
 花型のヘアピンを付けた髪の長い少女が茫然としている側で、
頭にお花畑みたいな飾りをつけた少女が拳を握りしめ、仁王立ちし、正面切って怪物に対峙したいた。

202:2011/05/12(木) 00:40:42 ID:n2W2/Tu.
既出キャラ×オリキャラの絡みはこんな感じでどうでしょう?
麦野のやな女っぷりに納得していただけるといいんですけど。

203:2011/05/12(木) 01:17:57 ID:n2W2/Tu.
そう怒鳴り散らした麦野はバキイ!!と松葉杖を腕力でへし折った。
 ↓
そう怒鳴り散らし、バキイ!!と松葉杖を腕力でへし折られた様を見せられたセレナは
思わず恐怖で顔を引きつらせて「ヒッ」と声を漏らした。

引きずられた少女が、チッと舌打ちながらされるがままにされていたとき。
 ↓
引きずられた少女が、ガタガタと歯を震わせはじめたとき、

セレナが麦野を嫌いながらも恐れている様を表現できたらなと。

204:2011/05/12(木) 01:20:03 ID:n2W2/Tu.
「松葉杖を腕力でへし折られた様」じゃない
「松葉杖を腕力でへし折る様」だった

205■■■■:2011/05/12(木) 07:00:59 ID:lG2sEStg
オリキャラ出すより、黒夜とかシルバークロース出した方が………

206■■■■:2011/05/12(木) 13:07:51 ID:BogqY6rM
>>205
黒夜出すくらいならフィアンマの出番を増やす方が良いと思う

207±:2011/05/12(木) 20:54:58 ID:hUH1LC0Q
 一方、医務室ではずっと試合の様子をモニターで見ていたあの男が黙々と準備を始めていた。

「真夜ー?何処行く気だ?」
「ん?真昼さん、ただ少し調子にのっているみんなを黙らせに行くだけだよ?」

 満面の笑顔でさらりと怖いことを言ってのける男―――井ノ原真夜。
 そんな笑顔を見て、真昼は心の中で『歩く教会』チームの面々にご冥福を祈った。

(………とりあえず赤音の奴を故意ではないにしても怪我させた削板ってやつが一番危ねーな)
「あ!でも俺が行っちゃうと、誰が真昼さんやこの後入ってくる赤音さん達の面倒は一体だれが―――」
「――その役目は僕に任せて貰おうか。一応本職だからね」

 扉の方からそんな声が聞こえ、真夜が振り向くとそこにはカエルが立っていた。
 いや、正確にはカエルではなくカエル顔の医者―――冥土帰しだった。

「………少し頼まれてね。多分凄い事になりそうだから医務室に居てくれってね」
「………木山先生かな?」
「木山先生だろ」

 そんな風に頼むのは木山先生しかいない、と真夜と真昼は推測した。
 しかし、本当は彼に頼んだのは木山先生ではなくブレインこと雲川芹亜である声を彼らは知る余地もない。
 するとその時、また扉が開く音が聞こえた。

「にゃー!井ノ原弟、出番だにゃー!」
「あ、元春くん。準備はバッチリだよ」
「………って最初っからぶちぎれてるぅ!?俺らが戦ってる間に何があったんだにゃー!?」
「………土御門、察しろ」
「ああ、茜川か………そういや井ノ原姉、風邪は大丈夫かにゃー?」
「ああ、だいぶ良くなってきた」

 そのままたわいもない会話を始める真昼と土御門。
 するとその話が盛り上がる前に冥土帰しからストップがかかった。

「まあ、元気になったのはいいけど君はまだ安静だよ。それと怪我がないならそろそろ戻ってくれないかい?もうすぐ怪我人が大量に運ばれてくるからね」
「おお、それは失礼だったにゃー。行くぜい、井ノ原弟」
「うん。じゃあ真昼さん、あとで勝利の報告にくるから」

 そう言って真夜と土御門はそのまま医務室をあとにした。
 しかし彼らは知らない。
 ちょうど今、上条は初春の件でクラスメイト達からしばかれている事を………

208ё:2011/05/12(木) 22:50:37 ID:t4RqTvj2
「上条てめぇこの野郎! 可愛い恋人の次は可愛い妹か! リア充爆死しろ!」
「まさか中学生にお兄ちゃんって呼ばせてるなんて……上条くん不潔!」
「どうゆうことか説明しろ上条! そしてそのポジションは是非俺に!」
「せ、説明って言われても海よりも深く山よりも険しい事情があるような無いような……つーか爆死とか不潔ってあんまりだろ!」

 最初は純粋に選手達を励ましに来た上条のクラスメイト達だったが初春が最後に上条に抱きついたシーンを間の悪いことに目撃してしまったのだ。
 初春と佐天に気付かれないように隠れた後、2人の姿が見えなくなってから上条強襲を実行したのだった。
 上条とハーフタイム中だけでも一緒に居る為に控え室に残った美琴、本当なら雷撃を上条を襲ってる人間全員にみまってやりたかったのだが、

「み、美琴ちゃん。ここはガマンせんでもカミやん助けるために雷撃かましてもええと思うで?」
「そうしたいのは山々なんですけどああも当麻に密着してると当麻も攻撃することになっちゃいますので……」
(それって要は上条さえ居なかったら躊躇わずに攻撃するってことだよな……)

 【幻想殺し】で防げない所から感電して上条にダメージを与えるという理由で敢え無く断念。
 ちなみに吹寄と姫神も参加しているはずなのだが、情報屋の状態の方が気になっていたので上条に起こったことの経緯が分からず不参加。
 そうゆう意味では上条の不幸もランクダウンとはいっても不幸なことには変わりないわけだが、その不幸を終わらせる者が控え室へと入ってきた。

「何してるんですか皆さん。当麻くんは疲れているんです、更に疲れさせるなんてことは止めて下さい」

 控え室に入ってきた真夜の喋り方に彼のマジ切れを知らない者達は呆気に取られた。

「い、井ノ原弟、だよな? いや、そんなことよりもだな、上条が何したの」
「どうでもいいです。当麻くんに限って悪いことはしないと僕は信じてますから。応援に来てくれた皆さん、嫉妬するくらいなら出て行ってください」
「し、嫉妬くらいって……。お、俺たちは」
「いいから出て行って下さい。選手の皆さんの疲れが取れませんから。気持ちだけ受け取ります、ですから観客席で応援宜しくお願いします」

 必要以上に丁寧な言葉遣いと有無を言わせぬプレッシャーに上条を責めていたクラスメイト達は真夜に抗議すること無く控え室を後にした。
 ようやく静かになった控え室で真夜のマジ切れを知ってる人間代表として浜面が尋ねた。

「な、なぁ井ノ原弟。もしかしてさ、茜川が削板の奴に吹っ飛ばされたことで怒ってるのか?」
「仕上くんにも皆さんにも誤解の無いように言っておきます。僕はそれに関しては試合中のプレーとして捉えてるので怒ってはいません。赤音さんも頑張ってましたし」
「それで怒ってたわけじゃないの? じゃあ一体」
「簡単です、赤音さんを傷付けておいて何の謝罪も無かったからですよ。そんな礼儀知らずの人に赤音さんの愉しみを奪われたと思うだけでまた怒りが込み上げて来ます」

 だから優勝したがっていた赤音さんの頑張りを無駄にしない為にも勝利しましょう、真夜の言葉に選手全員が共感を覚えて頷く。
 真夜の今の状態が初見な吹寄、姫神、翔太、情報屋(立ち直り済)は彼の妥協の無さに驚き、残る者達はマジ切れのベクトルがかなりマシなことに安心していた。
 これで自分達の勝率が上がったと確信した土御門は実はこっそり考えていたあるプランを提示する。

「さー、後半戦に向けて頑張るとするぜい! そこでだ、美琴ちゃんも居ることだしここでオレから1つ提案がある」
「提案?」
「後半戦になって必要になってくるもの、それは応援だ。てなわけで美琴ちゃんにチアリーダーになってもらってオレ達の応援をぐぎゃっ!」
「土御門、貴様バカなの? 大体御坂さんがそんなことに応じて……」

 美琴にチアリーダーになってもらうと宣言した土御門を殴った後で吹寄はてっきり本人が猛反対するかと思っていた。
 しかし吹寄は目を疑った、視線の先に照れくさそうにチアリーダーの件を上条に聞いている美琴の姿があったから。

「ね、ねぇ当麻。当麻はさ、わ、私がチアの格好して応援してくれたら……嬉しい?」
「本音を言えば上条さんは美琴のチアリーダー姿は見たいです。しかし今考えると美琴の可愛い姿を衆目に晒すってのは……。けど美琴の応援は欲しいわけで」
「分かった。ちょっと恥ずかしいけど当麻が望んでくれるなら私、頑張るわ♪」

 美琴が引き受けてくれたことに上条は心の底から喜んだ、何せキャプテンを快くやっている動機がこうやって叶ったのだから。

209ё:2011/05/12(木) 23:36:01 ID:t4RqTvj2
 その数分前、女子トイレでは初春の怒りにもろに触れてしまった麦野が青ざめていた。
 時間も無いということで初春はうろたえながら言い訳をしている麦野を、

「とりあえず悪い事をしたのでお説教です♪」

 この一言で黙らせて個室へと一緒に入っていった、その前に佐天とセレナに特製耳栓を渡して。
 特製耳栓の意味を知っている佐天は状況が全く呑み込めていないセレナに急いで特製耳栓を着けた。
 それから30秒後、個室から出てきたのは平然としている初春と彼女に続くように出てきたのではなく倒れこんだ麦野だった。

(き、絹旗から聞いたことはあるけどここまで精神的に追い込むなんて……。初春の怒りに触れるようなことだけはや、止めよう)

 初春の裏モードを初めて目の当たりにし、気絶する前に麦野は思った、生活態度を初春に怒られない程度に改善しようと。
 特製耳栓を外すようにというジェスチャーを初春がしたのを見ると、佐天は自分とセレナの特製耳栓を外すと気絶した麦野を抱えた。
 セレナがキョトンとしていると、麦野から救ってくれた初春が頭を下げてきたことに大いに驚いた。

「すみませんでした。あなたのことは知らないですけど麦野さんが迷惑をかけてしまったようで。後で本人にもよく注意しておきますから」
「え、えっと痛っ!」

 セレナが所々に傷を負っているのを見た初春は時間が無いながらも迅速にスタジアムに居る浦上に連絡、すぐ来てもらうように手配した。

「今、私の友人にあなたの傷を治すように頼んでおきました。他にも困ったことがあったらその方に言って下さいね」
「あ、ありがとうございます。と、ところであなたは」
「飾利急いで! 挨拶する時間無くなっちゃうよ!」
「私はどこにでも居る普通の風紀委員で麦野さんのお友達です。縁があったらお話しましょうね♪」

 麦野を背負って移動してる佐天に追いついた初春はもう一度セレナの方を向いて丁寧におじぎをして小走りで去って行った。
 セレナは初春の言葉を信じられない気分で聞いていたがそれとは別の感情も生まれていた。

(麦野を友達だなんて奇特な人ですねぇ。でも……私には無い強さを持ってて憧れちゃうなぁ。飾利さま、かぁ♪)

 その後、浦上が来てくれて回復魔術(セレナは魔術とは知らずに)で麦野に負わされた傷を治療、そのまま浦上に連れられて両親の所へと戻るのだった。

「ねぇ飾利。誰にメールしてるの?」
「当麻お兄ちゃんと美琴お姉ちゃんばかり幸せなのは不公平ですからね。他のカップルさんにも幸せをと♪」

――――――――――

 時間は戻って上条チームの控え室、そこに打ち止め、黒子、滝壺、郭が訪れていた。
 4人とも、初春のメールで恋人の応援をするようにハッパをかけられてここに来たのだ。

「にゃー♪ こいつはちょうどいいぜよ。美琴ちゃんだけでなく4人のチアリーダー追加決定ですたい」

 そうして土御門が出したのは5人分のチアリーダーの衣装、しかし土御門の趣味が入っているのかメイドを思わせるようなものではあるが。
 しかも最初から図っていたかのようにサイズも5人にピッタリというおまけ付きで。
 医務室に野原を運んでいてここには居ない服部を除いた一方通行、青ピ、浜面の反応はというと実に正直なものだった。

210:2011/05/13(金) 00:24:50 ID:mPokQjlg
ёさん、ありがとうございます!!
初春が麦野にどう立ち向かうのか、正直全く考えていませんでしたから!!

211:2011/05/13(金) 00:30:05 ID:mPokQjlg
観客席(セレナード)

「ただいまぁ。」
 少し時間がかかったものの、元気そうな様子で戻って来たセレナードが、彼女より年上の少女に背負われて来たのを見て父親が尋ねた。
「おかえりセレナ。ところでそこの方は?」
「あ、私浦上と申しまして、ちょっと…」
「あのねえ、セレナと話があってねぇ、一緒に応援しようってことになったのー」
「えっええ!?」
「あっ。でっでもぉ、浦上お姉ちゃんも用事とかあったぁ?」
「い、いえ、そんなことは……」
「ありー、じゃぁどうしますぅ?」
「ど、どうするって……?」
「セレナ達と応援するぅ?それともやっぱり別のとろろへ行くのぉ?」
(うーん……この少女も悪い人じゃなさそうだし……一緒にはしゃぐぐらいなら……)
「分かりました。一緒に応援しましょう。」
「わーい♪セレナの方はねぇ、友愛高校チーム応援しているんですよぉ。」
(ああ、分かる、あんなことがあったら……)
「ありがとうございますね。浦上さん。」
「い、いえ、お母さん、ですよね?私も他の人との方が………」
「あらうれしい。あれ、セレナード、あなた松葉杖は?」
「あ?ええっと……」
「ああ、すいません。私がうっかり壊してしまいました。安心してください。この試合が終わるまでになんとか新しいのを取り寄せますから。」
「そう……」
 セレナードの「深く追求しないでください」という雰囲気を感じ取り、両親はこのことに関してこれ以上は聞き出さないことにした。
 こうしてロイヤル一家と共に後半のサッカーの応援をすることになった浦上が観客席でスタジアムに魅入っているいる間、セレナは
両手をワキワキさせる何てことのない仕草をしていたのは全く気付かず、それを見た両親が
(何を『探って』いるんだ?)
と考えたことも知る由もなかった。
(初春飾利……私の一つ上の中学2年生。風紀委員をしていること以外は普通の女子中学
生……能力も低能力の『低温保存』。『書庫』から知り得る情報はこれだけ。でも……何かありそうですねぇ。麦野をああもあしらう気迫といい、
この謎の少女[浦上]といい、そもそも急に転校してきた『アイテム』の構成員が1人、絹旗最
愛との仲……聞き出してみますか。)
 このときはまだ魔術の存在すら知らなかったセレナが、初春飾利という少女の本当の凄さを知るの
は、もう少し後の話であった。

212:2011/05/13(金) 00:33:40 ID:mPokQjlg
私の一つ上の中学2年生。
 ↓
私と同じ柵川中学の一つ上の学年。

213:2011/05/13(金) 00:43:36 ID:mPokQjlg
話があってねぇ、
 ↓
話が合ってねぇ、

214:2011/05/13(金) 00:46:10 ID:mPokQjlg
もう本当にすみませんが、セレナの秘密については
「いつでも『書庫』を除ける。」
「『誰が』『今』『どこに』いるのかがわかる」
「絹旗並みの怪力を出せる」とだけ言っておきます。
いつか彼女が、初春か一方通行か側室同盟達に心を開く描写と共に書き出したいです。

215:2011/05/13(金) 01:27:40 ID:krdsdqZM
あともう一つ失敗としたのは、
両親はセレナを「ナターシャ」と呼びます。

216±:2011/05/13(金) 18:25:14 ID:VzeaMxbg
「似合うかな?ってミサカはミサカは少し恥じらいながらあなたに聞いてみたり」
「どうですか、〇〇様!こんな黒子は!!」
「はまづら……………似合う?」

 着替え終わった3人は各々の相手に感想を求めた。
 そして各々の相手はすぐさま土御門の方を向いて叫んだ。

「「「土御門(ォ)(ツッチー)!!!」」」
「ん?どうしたぜい、3人共?」
「「「グッゥゥジョォオォォブッ!!!」」」

 ひとしきり叫び終えると3人はそれぞれの相手の方を再び見始め、誉め始めた。
 そんな様子を寂しそうに眺めていた郭はボソッと愚痴を漏らした。

「ハァ………何でこんな時に半蔵様はいらっしゃらないんですかぁ………」
「ん?半蔵なら野原を医務室に連れて行ったぞ?」
「ほっ、本当ですか上条氏!!?よーし、ちょっと行ってきます!」

 そう言うや否やすぐさま走り去っていく郭。
 その様子を上条は眺めているとふとご立腹な白雪の姿が目に入った。
 当然、白雪がご立腹な理由は馬鹿な上条にも易々と想像できた。

「なーんで、サイズがピッタリな服ばかりなのかなぁー?」
「月夜さん、そんな事は後でどうにでもなりますから今は作戦をたてましょう」
「………まあ、あとでもいっか」

 怒っている白雪を軽く落ち着かせる真夜。
 その2人はすぐさま作戦会議に入った。

――――――――――

 所変わって、『歩く教会』チーム控え室。
 そこでは今ちょっとした大事件が発生していた。
 そう、トイレから帰ってきた麦野が凄まじいほどにやつれていたのだった。

217Ψ:2011/05/13(金) 20:02:42 ID:QyMLtpxo
超久々に書くわ。
ほんとうにいつ振りだろう? もう最後に書いたのが分かりませんww
ってか、こんなことして良いのだろうかね? 月曜から中間テストなのに…… しかも高校三年生ですからねw
ちなみに、書き方は昔みたいな感じではなくて今小説で書いている書き方で行きますので。
ってか、初春の説教がどうしてもなのはを思い出す俺は何だ?

−−−−−−−−−−−

「む、麦野超どうしたのですか!?」

 絹旗は戻ってきた麦野のやつれ具合を見て尋常ではないという事をすぐに察した。
まぁ麦野がやつれているのは当然だろう。あの初春の説教ことO☆HA☆NA☆SHIを先ほどまで聞かされていたのだから。
絹旗の言葉で『歩く協会』チーム全員が麦野の方を向き、一体トイレに行っている間に何があったのかと思っていた。

「何でもないわ。この世では無いものを見せられたようなだけだから……」

 いや、だから一体何があったのだよ。と、絹旗以外の者はそう思った。
絹旗はそれを聞いて麦野に何があったのかすぐに分かった。多分初春に説教でもされたのだろうと。それ以外に麦野がこれほどやつれる事なんてないだろうと思ったのだ。
また絹旗は前に自分も同じ目にあっている身でもあるので、麦野が初春を怒らせる事をしたのに対しては自業自得だとは思ったが、反して同情する面もあったりしていた。

「それでどうするの?このままじゃ作戦会議も出来ないわよ」
「確かにそうですよね。麦野さんには今すぐにも復活してもらわないと」

 結標とエツァリの言うとおりであり、麦野が復活してもらわないと後半のサッカーにも影響が出てしまう。そのためには今のうちに麦野を復活させる必要があるのだ。
しかし心理掌握はある事を思いついたのか、『歩く協会』チームにある事を伝える事にする。

「とりあえず皆さんは後半への準備をしておいてください。麦野さんを元に戻すのに時間が掛かりましたら試合の始まる少し前に念話で作戦を言いますので」
「(超)分かった(わ)(んだよ)(りました)(りました。とミサカは早速準備に取り掛かります)」

 心理掌握の言葉を聞き、心理掌握と麦野以外の『歩く協会』チームのメンバーはそれぞれ後半への準備をし始めた。

「まぁ、麦野さんがやつれている理由の記憶を一時的に消せば良いので、そんなに時間は掛からないと思いますが……」

 心理掌握は麦野のほうを向くと、早速能力を使って麦野がやつれている理由である初春の説教の記憶を消す事にしようとした。
しかし心理掌握は予想もしていなかった。初春の説教が自分の思っていた予想より遥かにすさまじいものだったと言う事を。

(な、なんですのこれは!?こんなの、私の方が保てる訳がないじゃない!!)

 そう、記憶を消すという事はその記憶を見るということでもある為であり、それは初春が麦野にした積極を全部聞かされると同じなのであるのだ。
そんな記憶を見てしまったら、心理掌握がその記憶の内容を見るのをやめようと拒絶反応を起こしてしまい、能力の使用を中断してしまったのだ。

(これは少し時間が掛かりそうですわね。少しずつやっていくしかなさそうですし)

 そんな事を思いながら、心理掌握は後半の試合が始まる前に何とかしようと頑張ってみるのだった。

−−−−−−−−−−

変だったら言ってください。

218■■■■:2011/05/13(金) 23:47:39 ID:ut2wm0Jw

オリキャラ増えすぎてよみにくいかも

219ё:2011/05/14(土) 07:22:59 ID:LFlcCsII
 絹旗が後半の準備として軽くストレッチを始めようとすると、控え室のドアの近くに遠慮がちに立っている初春と佐天を発見する。
 先程の麦野の件について尋ねようとした絹旗だが、聞いてはいけないと思いスルーすることに。

「来てくれて超嬉しいですよ飾利、涙子♪ お姉ちゃんと神裂さんは?」
「美琴姉さんは当麻兄さんの所、神裂さんは飾利の事情で観客席だよ」
「飾利の事情、ですか?」

 佐天から初春の事情で神裂を連れて来ていないと言われて不思議に思ってる絹旗に初春からロンドンへの短期留学のことを聞かされる。
 初春は絹旗なら笑顔で送り出してくれると思っていたのだが、おもむろに肩に手を置かれて真剣かつ寂しそうな表情で尋ねられた。

「……ってきますよね?」
「は、はい?」
「ちゃんとここに超帰ってきますよね? 私は超嫌ですよ! あっちに飾利が超永住するなんて!」
「あ、あの最愛さん? 2週間の短期留学ですからちゃんと帰ってきますよ」
「そんなの超当てにならないです! ヴィリアンさんならまだしもキャーリサさんが居るんですよ! 無理矢理飾利を超手元に置きたがって」
「その心配は無用だよ絹旗。闇咲と対馬、出発は違えども僕も一緒なんだ。それにキャーリサ様でも公私混同で下手な真似はしないはずさ」

 絹旗にここまで心配されるとは思っていなかった初春が嬉しさを感じつつも困っていると、ステイルが現れて助け舟を出してくれた。
 ステイルの言葉に絹旗は何とか納得し、ステイルに初春を絶対に学園都市に帰すように約束するとようやく笑顔を初春に向けた。

「飾利、GWに超遊べないのは残念ですけど頑張って下さい。その分、帰ってから超思いっきり遊びましょう♪」
「はい♪ あ、それと麦野さんに言伝をお願いします。私はもう怒ってないから安心して下さいって。最愛さんは試合頑張って下さい」
「飾利、そろそろ行こう。スタジアムの外で対馬さんと闇咲さんが待ってるんだよね?」

 そして初春は佐天と一緒に控え室を後にした、絹旗とステイルに見送られながら。
 絹旗は初春からの言伝を麦野に伝えると麦野の調子がいつものものに戻ったことに驚いた、心理掌握と一緒に。

「ま、まさかあんな伝言1つで復活するなんて……。人間というものはますますもって不思議ですわね。では次は結標さん、こちらへ」
「私が? 何で?」
「前半での失態、忘れたとは言わせませんわよ。後半でもあの調子なら私たちの勝利も危ういものになります。なので少し気持ちを試合中だけ変えさせて頂きますわ」
「気持ちを変える? もしかして翔太への愛を憎悪に変えるとか?」
「しませんわよ、というか私へのイメージが悪すぎませんか? 優先順位を変えるだけです、恋人さんへの愛情よりも私たちチームの友情と勝利を優先させるだけですわ」

 翔太への愛情を操作されるかと焦った結標だが、心理掌握の提案が比較的優しいものだったので受け入れることに。
 【歩く教会】チーム、後半への準備はほぼ万全、後は後半戦における作戦会議のみである。

――――――――――

 一方の上条チーム、土御門からこんな提案が出される。

「後半はオレらのボールから始まる。そこでまずは奇襲だ。井ノ原弟、始まったら全力でシュートを撃て」
「分かりました。ただ僕のサッカーのポジションはリベロ、DFですからダッシュしてからのシュートになりますけど構いませんか?」
「むしろその方がいい。DFがいきなり攻め上がってシュートって……読まれるかもしれんがお前さんの力なら問題は無いぜよ」

 土御門の提案に真夜は頷いて答えた、それを見た土御門が考えたのは一方通行のことだった。
 実は一方通行、前半の45分+ロスタイムの1分、ずっと能力使用状態にしており残る能力使用時間は9分だけなのだ。

(ったくアクセラの奴、動かない時は電極のスイッチオフにしろって言っといたのに張り切りやがって。しゃーない、一旦ベンチに引っ込めるか)

 土御門は考えた結果、一方通行をベンチに下げて残り時間9分で再投入することを決意し、その旨を一方通行へと伝える。
 しかし打ち止めのチアリーダー姿でテンション上がりまくりの一方通行に反対されることに。

220■■■■:2011/05/14(土) 09:35:36 ID:KTmg3NbI
>>217
それは初春が麦野にした積極

積極ではなく説教だと思うのですが

221Ψ:2011/05/14(土) 13:03:37 ID:s9gxD1dY
>>220さん
すみません。気づいていたのですけど、すっかり言っているつもりでいました。
訂正しておいてください。
後、今書いているのって☆さん、ёさん、±さんの三人だけですか?

222■■■■:2011/05/14(土) 14:11:40 ID:ANY76TTY
すいません、いつも楽しく見てます。
ところでサッカーっていったん抜けた選手もう一回入れましたっけ?
そこだけ気になったので

223±:2011/05/14(土) 14:46:43 ID:JQGkUHQw
「なンでだよ!そンなンじゃ打ち止めにかっこいィ姿を見せられねェだろォがァ!!」
「黙ってろ、一方通行!電池切れかけのお前なんかお呼びじゃないにゃー!!」
「そうだぜ、一方通行!電池切れで途中退場になるより、最後に出てきてカッコ良く決めた方が打ち止めも喜ぶぞ!」
「当麻くんの言うとおりです。ここは僕に任せて少し休んでいて下さい」

 打ち止めにかっこいい姿を見せられないと駄々をこねはじめる一方通行。
 しかし土御門、上条、真夜の3人続けての正論意見を浴びて仕方なく一方通行はその作戦にのる事にした。
 一方、そんな様子を眺めていた姫神は浜面と半蔵を呼びつけた。

「浜面。半蔵。こっちに」
「「はい!お呼びでしょうか、姫神様!」」
「最初に。行っておく事がある。なにやられているの」
「「ほっ、本当に申し訳ありません、姫神様!!」」
「まあ。2人じゃ仕方ない。あなた達の力は。私がいて。初めて凄さがわかるもの」
「「まっ……まさか姫神様………アレを!」」

 姫神の浮かべる不吉な笑みに対し何かに気付く2人。
 そしてすぐに身構えた2人に対して姫神は自分の作戦を話し出した。

「――浜面。半蔵。私が合図したら……」
「「分かっております、姫神様!」」
「ならいい。解散」

 その言葉を聞いて2人は姫神に一礼してからその場を立ち去った。
 そして1人ポツンと残った姫神に白雪は近づきながら話しかけた。

「姫神さん、ついさっき2人が言ってたアレって一体何なの?」
「私たち。バスケの時に使ってた作戦。ちなみに今までの試合じゃ。一度も見せてない」
「………サッカーでも使える作戦なの?」
「大丈夫。問題ない」

 そう言うと姫神は控え室の扉を指差した。

「時間。行こう」
「あっ………うん」
「白雪さん」
「えっ……なっ、何、姫神さん?」
「勝ちましょう」
「………うん、そうだね!頑張ろう!」

 そう言うと白雪は姫神の手を引いて控え室の外に出た。

――――――――――

 両チームとも準備が終わり、遂にグラウンドに出てきた。
 スタジアム内の観客達は両チームの姿を見て再び歓声をあげ始めた。

224ё:2011/05/14(土) 22:48:00 ID:LFlcCsII
選手交代の件ですが、本当なら一度下がったらピッチに戻れないことは知ってましたが特例ということで是非。
【歩く教会】チームがあまりにも精鋭ばかりだったのでこれくらいは上条チームにサービスと考えた次第です。

――――――――――

 スタジアム内の大歓声を初春と佐天はスタジアム出口付近で聞いていた。

「わぁ、すごく盛り上がってますね。涙子さんもお見送りはここまでで大丈夫ですので観客席に戻って下さい」
「分かった。けど飾利、美琴姉さんや当麻兄さんや最愛や神裂さんにはしてくれてあたしだけ無しって不公平じゃない?」
「もちろん分かってます。涙子さん、皆さんのことを宜しくお願いします。えいっ♪」

 別れのハグをされた佐天、意外と初春のハグが心地良かったのか予想以上の満足を得ていた。
 佐天から離れた初春が対馬たちとの待ち合わせ場所に向かおうとしたのだが、

「あーっ! 佐天お前さん、姫からの熱い抱擁を受けるとは何と羨ましい! 飾利姫、この建宮斎字にもお情ごふっ!」
「建宮のくせに飾利のハグを要求するなんて生意気!」

 魔術師達の得物を預かっていた建宮に偶然見つかってしまい阻止されてしまう。
 初春は佐天の金属バット攻撃には目をつぶり、建宮への対処をすることにした。

「建宮さん、どうしてここに居るんですか?」
「実は魔術師達の危険とみなされた得物を預かるという仕事を任されたのよ。飾利姫はこれからどちらへ?」
「ここ(学園都市)を離れなくてはいけない用事があるんです。でもご心配なく、私はちゃんと建宮さんの居るここ(学園都市)に帰って来ますから」
「成程、ここ(スタジアム)を離れなくてはいけない用事でしたか。ならばこの建宮斎字もお供……にっ!」

 建宮も神裂同様に自分に付いて行くと言うと思った初春は、神裂と同じ方法で大人しくさせる、つまり建宮にハグをしたのだ。
 これにはハグをされた建宮、その様子を見ていた佐天も呆然するしか出来なかった。
 ハグの実行者の初春は建宮から離れると愛らしい笑顔で建宮に言った。

「じゃあ行ってきます♪」

 そんな初春を佐天と建宮は彼女が見えなくなるまで手を振り続けて見送った。
 佐天は初春のハグでデレデレしてる建宮に心の底からイラッとすると、思いっきり脇腹を肘で小突く。

「はうっ! さ、佐天、い、いきなり何をしやがるのよ……ゲホッゲホッ」
「うっさい調子に乗るな! 言っとくけどさっきのハグ、建宮とあたしだけされたわけじゃないからね。美琴姉さんも当麻兄さんも神裂さんも最愛もされたんだから!」
「お、俺は別に調子に、の、乗ってるわけではないのよな。いや、勿論至福の時間だったとは理解してるわけだが」
「大体ね、飾利はあんたのことはお父さんのような人って認識しかしてないの! 恋人になれるかもとか考えないでよね! お父さんは一生お父さん止まりなんだから!」

 佐天の容赦無い物言いに建宮が凹むのを見て溜飲が下がった佐天は建宮と一緒にスタジアムの中へと戻って行った。
 一方、佐天達と別れた初春を出迎えたのは対馬と闇咲、そして初めて出会う一人の魔術師だった。

「えっと、オリアナさんでいいんですよね?」
「あら、お姉さんのことを知ってるなんて噂通りの勤勉屋なのね。では改めて自己紹介するわ。私はオリアナ=トムソン、ロンドンまで無事にあなた達を送り届けるのが今回の仕事よ」
「こ、これはどうもご丁寧に。私は初春飾利でイギリス清教のサポートをさせてもらってます」
「よろしくね初春♪ 今回は特に危険も無さそうだから楽しみながらロンドンに向かいましょう」

 訳あってイギリスの為に働いてる運び屋のオルソラと共に初春、対馬、闇咲は彼女がレンタルしたワゴンに乗って第二三学区へと向かうのだった。

(行きはあの2人が騒々しくて大変だったけど帰りは安心できる旅路になりそうね。それにしてもこの初春、確かに可愛いけど王女2人が熱を上げるほどかしら?)

――――――――――

 一方のグラウンドでは各チームが後半前の準備運動に勤しんでいた。

225ё:2011/05/14(土) 23:22:33 ID:LFlcCsII
「あれ? アクセラがベンチに超引っ込んでますね。あれっていいんですか?」
「絹旗、あんた知らなかったの? あっちのチーム、私らみたいな精鋭だけで組んだチームじゃないから1人だけ一度引っ込んでももう一度出られるのよ」

 絹旗は麦野からルールを説明されるとは思っていなかったので少し驚いていた、本人に失礼とは思いながら。
 【歩く教会】チームは後半から出てきた選手に注目を集める。

「とうとう土御門が出てきたか。あいつのことだ、恐ろしい作戦でも練ってるに違いない」
「自分も同感です。土御門さんならどんなえげつない手でも平気で使いますからね。油断大敵です」
「確かに土御門は脅威だけど私達の結束には敵わないわよ。翔太には悪いけどこの試合、絶対に勝つ」
(メン子の能力で変わった淡希……不思議な感じがするな)

 土御門をよく知るステイルとエツァリは彼に対する警戒を今まで以上に強めた(結標は心理掌握の影響でそうでもないが)。

「浜面と服部を超下僕のように扱ってストレッチをしてるあの人、神経を超集中させてようやく認識出来るレベルの影の薄さですね」
「そうなの? 私はあいさのことはそんな風に思ってないから平気だよ。大丈夫、あいさは私が何とかするから」

 姫神という影の薄い女性を平然と認識できるインデックスを絹旗はしょうもない理由と分かっていても尊敬することにした。
 レベル5の麦野、心理掌握、削板が注目しているのは意外(?)にも真夜1人だった。

(ちっ、よりにもよって化け物が後半から登場かよ。一方通行が引っ込んで楽になるかと思ったが前半以上にきつくなりそうね……)
(井ノ原先輩にも私の成長の証を見ていただけるのは嬉しいのですが前半の茜川さんのことで怒ってらっしゃるのなら……これ以上無い脅威ですわ)
(あのにーちゃん、初めて見るツラだな。さっき俺と根性張り合った女の代わりならまたいい根性勝負が出来そうだ)

 交代メンバーに特に注目していない御坂妹と五和はというと、

(後半は当麻さんとスキンシップをとって勝利してミサカをアピールします、とミサカはもっとやる気を出します)
(このまま試合に勝利して当麻さんが私への愛に目覚める、まさに理想通りの展開が待ってるわけですよ♪)

 いつも通り上条のことを考えていた、試合のことも忘れずに。
 一方、上条チームでは土御門からポジション交代されたメンバーと後半から参加したメンバーと話し合っていた。

「後半はオレと月夜の2トップでいく。月夜もそのつもりで動いて欲しいぜよ」
「うん♪」
「カミやんはキーパーだ。これなら右手も使い放題だ、きっちり役目を果たすんだにゃー」
「美琴の応援をゲットした上条さんに全て任せろ! 0点に抑えて勝利を掴んでやるぜ!」

 白雪と上条の2人にはアドバイスするべき内容がすぐに湧き出てきたが、姫神と真夜に関してはかなり迷っていた。
 仕方ないので土御門は多少無責任と思いながら、2人にアドバイスをする。

「姫神と井ノ原弟は……自由。とはいっても姫神は基本MFだから本分を忘れるなよ。井ノ原弟はリベロだから本当に自由にさせるしかないんだにゃー」
「任せて。私と浜面と半蔵。3人居れば勝利は確実」
「勝ちましょう元春くん。赤音さんが望んでいたクラスの勝利と優勝、そして制理さんと友くんの恋の成就の為に」

 自分でもすっぱり忘れていた吹寄と情報屋の恋、それをマジ切れしてる真夜の口から聞かされてとても驚いていた。
 しかし裏を返せばそこまで頭が回るほどに冷静な真夜という存在がやけに頼もしく思えた。
 いよいよ後半戦開始と思われたが、スタジアムにスピーカーから木山からの思いがけないイベントが発表される。

『さて、後半開始の前に選手激励の為に各チームへの応援タイムを設ける。まずは【歩く教会】チームからは繚乱家政女学校の有志による応援だ』

 木山からの紹介を受けて繚乱家政女学校の生徒達による可憐で華やか、それでいて可愛らしさを残す応援が始まった。
 その瞬間、土御門は地面に突っ伏した、何せ舞夏が応援の指揮を楽しそうに執っていたのだから。

226:2011/05/15(日) 11:20:43 ID:a8kwde1c
初春って外国語できるってことでいいんだよね?
「交渉人」なんだからさ。

227Ψ:2011/05/15(日) 11:35:51 ID:AtcD.tJA
☆さん
まぁ、出来なかったとしても別にそんなに影響が無いかと。
向こうが初春にあわせれば言いだけですし。

228■■■■:2011/05/15(日) 13:01:00 ID:/zVG9Kf6
ハワイ行った時に使われた学園都市製翻訳機を使えばいいかと。

229:2011/05/15(日) 18:06:02 ID:HDCFoRqM
>>227
マナー悪くないそれって?

230Ψ:2011/05/15(日) 19:54:19 ID:AtcD.tJA
>>229
それは……どうなんだろう?
一応俺は読み専に近い立場なので、そういう事は他の書き手にも聞いくれた方がいいかもしれません。一応参考程度にっていう感じで。

231ё:2011/05/15(日) 21:24:06 ID:Dj4mFJt2
私の中では初春は英語は日常会話が出来るレベルにまで達してます。
1月に入って正式にイギリス清教のサポーターとして活動するようになってそれに伴って英語を学び始めました。
周りにはインデックス、ステイル、シェリーも居るし、何より神裂が居るので英会話の勉強には事欠かないでしょう。
いつ、日常会話が出来るレベルに達したのかは他の方のご想像にお任せします。

232±:2011/05/20(金) 21:30:55 ID:IfQ6mGLE
「フッフッフッ、土御門さんにダメージを与える為に用意したこの計画がここまで効くとは………予想以上です!」
「うわー、えげつねーとミサカは若干この行動に対し引きながら答えます」
「………そんな事してるって当麻お兄ちゃんにバレたら超嫌われますよ」
「えっ……!さ、さすがにバレる筈は――」
「何やら集まっているみたいですよ、とミサカは事実を報告します」
「えっ!何でぇ!!」

 そう言いながら御坂妹はピシッと指差し、五和もそれにつられるようにその方向を見た。
 するとそこにいたのは地に倒れている土御門を心配して集まった上条と白雪、そして情報屋であった。

「………おいおい、大丈夫かよ土御門ぉ!」
「大丈夫だって上条くん。いつものようにシスコンがぶり返しただけだって」
「いやいやいや!なんでシスコンが持病みたいになってんだよ!!さすがにありえねえからな!!」
「いや、実際土御門のシスコンは病気みたいなものだろ。元シスコン軍曹だし。なあ、白雪?」
「うん、しかも不治の病だね。メイド萌えと同クラスの」
「……お前らちゃっかり酷いなー」

 2人の土御門に対する容赦ない発言にひいている情報屋。
 しかしそのとき彼らの足元に転がっている何かが動き出した。

「……俺は月夜一筋だにゃーぁあ!!」
「うわっ!いきなり蘇りやがった!」
「もとより死んでないにゃー!つーか、カミやんも月夜も酷いぜよ!」
「いや、事実だろ」
「こないだだって私にメイド服着せようとして何言ってんの?」

 上条と白雪の同時攻撃にたまらなく再び倒れかける土御門。
 それを遠目で見ていた3人は各々呟きはじめる。

「………良かったー、バレてない」
「……もう少し注目すべき点があるのでは?とミサカはさすがに可哀相な元シスコン軍曹に同情します」
「まあ、超土御門さんですからね。しょうがないでしょう」

 上条に土御門にダメージを与える計画がバレてない事に安堵する五和。
 その一方で絹旗と御坂妹はみんなから扱いが酷い土御門に多少なり同情した。
 そしてちょうど繚乱家政女学校の応援も終わり、次のアナウンスが入った。

233ё:2011/05/22(日) 10:27:35 ID:qfBQJ1Zc
『次は上条チームへの応援だ。つ……長いので略すが白雪ファンクラブと上条チームの関係者達による応援だ』

 本当なら【月夜様に氷付けにされたい同盟】という名前があるのだが、木山の感性で長いと判断されたことに殆どのファンクラブ会員は納得していなかった。
 しかしここで騒いだら白雪に一生氷付けにしてもらえないという推測、前日に注意してきた真夜が居たことを受けて抗議には出なかった。

「L・O・V・E、ラブリー月夜様ーーーーーーーーーーーーーーーーっ♪」×【月夜様に氷付けにされたい同盟】
「とーまーーーーっ! がんばってーーーーーーーー!!」
「○○さっまー、黒子がついてますわよー!!」
「頑張れ一方通行ー、ってミサカはミサカは一生懸命エールを送ってみたり♪」
「半蔵様の勝利の為にこの郭、力の限り応援します!」
「はまづらが無事に戻ってきますように」

 【月夜様に氷付けにされたい同盟】を率いるように先頭で応援している美琴、黒子、打ち止め、郭、滝壺の効果も相俟ってスタジアムは更に盛り上がる。
 上条、青ピ、浜面、半蔵は恋人の応援に士気を向上させるが一方通行、白雪、おまけで土御門はそうでもなかった。

「は、恥ずかしい、恥ずかしすぎるよ……。こうゆう時にちゃんと仕切ってくれる万彬ちゃんと絹保ちゃんが居ないのはやっぱり痛いよ……」
「ク、クソォ……。打ち止めが頑張って応援してくれてるってのに俺はベンチ……すっげェ申し訳ねェ気分だぜェ」
「カミやん達が羨ましいぜい。舞夏は学校の関係上、五和のチームの応援。んでもって月夜はチアメイドに着替えてくんねぇし不幸としか言いようが……月夜?」
「も、もう恥ずかしい体験したからき、着てあげてもいいよ。ベンチに置いてある紙袋の中にあるんでしょ? 私のサイズぴったりのチアメイド衣装」

 衆人環視の中で死ぬほど恥ずかしい思いをした白雪の思考状態は普段なら絶対に受け入れないチアメイドを着るという決意をさせる程に麻痺していた。
 即興で雪の更衣室を作って中に入った白雪、上条チームの応援が終わると同時に雪の更衣室を派手に壊してチアメイド姿で現れた。

「さ、これで元春も試合に集中できるでしょ? 感想は試合が終わって聞くから後にしてよ。私のファンクラブの皆、騒いだら分かってるよね?」

 先手を打つことで周囲を黙らせた白雪、伊達にレベル5に上り詰めたわけではない。
 土御門も白雪の先手にやられたと思いながら、自分の恋人の姿を見て何かを閃くと白雪に小声で作戦を指示する。

「とまあそうゆうわけだから月夜、手筈通りに頼むぜよ」
「オッケー♪ ここは1つ派手に決めてあげるよ」

 土白の2人が話しているのを見ていた絹旗、御坂妹、五和、インデックスは相手の出方を予想する。

「きっと前半の私達みたいに奇襲を超仕掛けるんでしょう。白雪さんには超注意が必要です」
「ここに学園都市最強ぺドが居るなら彼を使うでしょうからミサカたちは新しい第五位に注意を払えばいいでしょう、とミサカは結論付けます」
「そうですね。主導権を握るという意味なら白雪さんのあの格好で得点を奪うのが効果的でしょうし」
「私もみんなと同意見だけど一応あいさにも注意するね。つきよの方は他の皆に任せるんだよ」

 4人以外も先手を打ってくるのは白雪と予想した、見た目も能力も派手で観客を味方につけるにはこれ以上無い人材ということで。
 各チームがそれぞれに円陣を組んで声を上げてポジションに就くと笛が鳴った、運命の後半戦開始である。

234ё:2011/05/22(日) 11:33:43 ID:qfBQJ1Zc
「じゃあ行くぜよ月夜」
「オッケー元春♪ とうっ」

 ボールを土御門に渡すと白雪は雪の翼を6枚展開させると思いっきり高く跳んだ、ほぼ垂直に。
 【歩く教会】チームは白雪の跳躍に目を奪われた、それが土御門の思惑通りとも知らずに。

「先取点、ゲットだぜい♪」
「ふっ!!」

 土御門はボールを白雪には繋げない、したり顔でバックパスをした、【瞬間超人】で全箇所70強化をしている真夜へと。
 真夜は全力疾走からの全力シュートを撃った、白雪に気を取られている【歩く教会】チームなどお構い無しに。

「ん? なんぐおっ!!」

 真夜のシュートは針路上に立っていた削板の前でホップして削板を吹っ飛ばした。
 こぼれ球にすぐさま詰めていた真夜はボール目掛けて跳躍すると、加減ゼロのオーバーヘッドシュートを撃つ。
 削板が吹っ飛ばされたことでようやく白雪から意識を離した心理掌握だが、気付いた頃にはボールは彼女の背後のゴールネットに激しく突き刺さっていた。

「まずは1点です」

 綺麗に着地した真夜は口元に少し笑みを浮かべる程度の喜びを見せた、開始わずか7秒で得点を決めたにも拘らず。
 作戦が見事に成功した土御門は白雪と真夜にハイタッチをして喜びを表現した、【歩く教会】チームにどや顔をしながら。

「ちょ、超やられました……。あの白雪さんを囮にするなんて土御門、超やってくれますね」
「しまったんだよ……。あの人、白い人とフィアンマの戦いの嵐の中、とうまを運んだ人だから警戒すべきだったのに……。もとはるの思い通りすぎるんだよ」
「派手な囮とはいえ気を取られる時間はそれほど稼げないだろう。その僅かな時間で得点を決められる伏兵と隠してるとはやってくれるね、土御門」

 絹旗、インデックス、ステイルが土御門の作戦に悔しがる中、麦野と結標と心理掌握は真夜への評価を下していた。

「くそっ、相変わらずデタラメな身体能力してやがるなあの化け物。次はこうはいかないけどね」
(仮に私が気付いて【座標移動】で誰かをシュートの壁にしても間違いなく真夜が詰めてたわね。取られるべくして取られた1点と考えた方が良さそうだわ)
「さすがは井ノ原先輩ですわ。しかも確実に怒りが振り切れている状態……脅威ではありますが負けませんわよ」

 そんな中、真夜は話の分かりそうなエツァリに頭を下げた後で削板への言伝を頼む。

「あの白い学生服の人に伝えて下さい。本来なら股抜きをした後でボールがホップするかと思ったんですが力が入り過ぎてホップするのが早まって怪我をさせてすみませんと」
「わ、分かりました。しかし驚きました、上条当麻の知り合いにあなたのような礼儀正しい人が居るなんて。しかしどうして自分に言伝を頼んだんです?」
「あなたが話の分かりそうな人だと思ったこと、もう1つは僕の怒りが勝利で収まるまで白い学生服の人と会話をしたくないからです。ではこれで」
「……世界は広いなエツァリ。ああゆうタイプの人間も居るんだな」

 そうですね、エツァリはショチトルにそう返しつつ削板が怒りを買った理由を察していた。
 当の削板が真夜のシュートの威力の強さに根性入ってると喜んで笑っているのを見てエツァリは軽いイラつきを覚えた。

「これで1点差……一気に余裕が無くなりましたね。今度は私が相手ゴールへと切り込みましょうか?」
「五和さん、ここは私に超任せて下さい。私の【窒素装甲】のパワーでお兄ちゃんの守るゴールから超ダイナミックに点を取ります」
「それでいきましょう、とミサカは前半の絹旗さんの活躍を考えていい案だと同意します」

 【歩く教会】チームボールからの試合再開、御坂妹から絹旗へボールを渡すと絹旗はボールを【窒素装甲】で掴み取る。
 それを見た土御門はチームメイトにサイドに散るように指示、上条チームゴールへの道をわざわざ作ってやった。

「成程、私のシュートをお兄ちゃんがキャッチしてこちらの出鼻を超挫くつもりですね」
「ま、そうゆうことだ。それにカミやんと遊ばせてやるってサービスも込みってのを忘れんで欲しいにゃー♪」
「……ふっ、超感謝しますよ土御門。さあお兄ちゃん、私の全力シュート、超受けて下さい!」
「来い最愛!」

 土御門のお膳立てというか目論見に乗っかった絹旗は【窒素装甲】でボールをフルパワーで殴りつけてシュートを撃った。

235±:2011/05/22(日) 15:54:13 ID:MklVHPd6
「最愛、確かに凄いシュートだ!だがな、この程度の力で俺からゴールが奪えるなんて思ってんのなら………まずはその幻想をぶち殺す!」

 そう叫びつつ上条は飛んできたボールを右手で殴った。
 いくら絹旗の【窒素装甲】でのシュートが強かろうと、幾度とない激しい戦いで鍛え上げられた上条の右拳にはかなわず、ボールは一気に【歩く教会】チームのゴール前へと飛んでいった。

「いっ、一発でこちらのゴール前まで飛ばすとは………化け物か、奴は」
「ショチトル、弱音をはいている余裕はありませんよ。僕らは彼らを倒さねばならないのですから」
「エツァリ………すまん、私とした事が」
「いいのですよ、ショチトル。さあ、反撃と行きましょう!」

 飛んできたボールをトラッピングして手に入れたエツァリ。
 ショチトルを引き連れてエツァリはすぐに前へと出るが、そこには上がってきた半蔵が立ちふさがった。

「ここで取り返してもう一点追加させてもらう!オリャッ!」
「くっ!ショチトル!」
「任せ―――」
「甘い」

 スライディングタックルをしてきた半蔵をかわし、フリーだったショチトルにパスを送った。
 しかし、そのパスをまるで待っていたかのようにどこかからいきなり現れた姫神が華麗にパスカット。
 そのままフリーとなった姫神はゴールとの距離を詰め始めた。
 しかし、その前に立ちふさがったのは【歩く教会】チームの中で唯一姫神を簡単に視認できるインデックスだった。

「あいさ、ここは行かせないんだよ!」
「インデックス。相手にとって。不足なし。だけど。私に勝とうなんて。考えが甘い」

 そう言いつつ軽いフェイントでインデックスを抜き去った。
 そして今度は心理掌握との1対1
 しかし相手が姫神という事で心理掌握は戸惑っていた。

「(………どうしましょう?表情からまったくどっちを狙っているのか分かりません)………こっちです!」
「残念。逆」

 姫神の駆け引き(?)によって見事に心理掌握を騙し、上条チームは追加点を入れた。
 しかし、一方の【歩く教会】チームは早急に集まり、作戦会議を行いはじめた。
 当然、議論の内容は真夜と姫神の対策である。

236ё:2011/05/22(日) 20:14:42 ID:qfBQJ1Zc
「正直、開始5分で同点にされるとは思ってませんでしたわ。井ノ原先輩はともかくあのような女性まで居るなんて」
「まずはあの2人をどうにかして抑え込まないとね。姫神の存在感の薄さはインデックスに通用しないけど」
「さっき簡単に抜かれたな。とはいえインデックスに同じフェイントは通用しない、心配無いだろう」

 姫神対策としては引き続きインデックスがマークに付くことが決定、抜かれた場合を考えてショチトルが常にフォローに入ることを自ら志願する。
 残るは真夜だがこちらは簡単に決まった、あくまで対策だけはだが。

「井ノ原先輩には五和さん、お願いできますね?」
「……仕方ないですね」

 【瞬間超人】で強化された真夜の動きに付いていける五和が真夜のマークに就くことにした、五和本人は相当大変だと覚悟の上で。
 ちなみに削板も考えた心理掌握だが、本人の性格を考えて比較的自由にさせた方がいいと判断して却下した。

「後は金髪サングラスの人ですが」
「土御門さんには自分が。付き合いの長さを考えるならステイルさんが適任ですが白雪さんを抑える役目がありますし」
「頼むよエツァリ。それに僕ではいいようにあいつにあしらわれる、むしろ君のような人間の方が適任だよ」

 土御門のマークはエツァリが名乗り出ることで問題なく解決。

「結標さんは全体のフォローと恋人さん、麦野さんはアク様が居ないので浜面さんとついでで相方さんのマークをお願いしますわ」
「了解」
「オッケー♪ 後半はたっぷりねっとり浜面と対決か、ゾクゾクするわ。おまけで浜面のダチも面倒見てやるよ」

 麦野のモチベーションを理解していた心理掌握は彼女に適切な指示を下す、半蔵に関して少し不安を感じはしたが。

「FWの絹旗さんと妹さんは守備を気にせず攻めて下さい。削板さんももっと攻め上がって構いません。結標さんの【座標移動】のフォローで対処可能ですから」
「わっかりました! 今度こそお兄ちゃんからゴールを超奪ってやります」
「当麻さんと触れ合えるチャンスは無駄にしません、とミサカは役得と感じつつも試合に勝ちたいと決意を新たにします」
「よっしゃーっ! 上条相手に得点する、何とも根性漲る展開じゃねぇか!」

 攻撃の核となる3人のやる気に満ちた表情に満足した心理掌握はチームメイトにポジションに就くように促す。
 4対4の同点で試合再開、絹旗はボールを持つと結標に向かって叫んだ。

「結標さん、妹さんを上に超飛ばして下さい!」
「上……なるほどね。じゃあ行くわよ!」

 結標に叫んだ直後、絹旗はボールを空高く放り投げるとその軌道上に【座標移動】で飛ばされた御坂妹がスタンバイしていた。
 
「絹旗さんナイス判断です、とミサカはこの好機に雷撃シュートを撃っちゃいます」
「井ノ原弟ばかりええカッコはさせへんでー。ボクの強くなったこの体でどんなシュートもあばばばばっ!!」

 高高度からの御坂妹の雷を纏ったシュート、いくら当たりが強くなった青ピでも雷の耐性などあるわけもなくダメージを受けた。
 しかし体が麻痺しても意識は途切れてはいないので途中退場ということにはならなかった。
 青ピのブロックを突破した御坂妹の雷撃シュート、威力そのものはかなり弱まっており上条の【幻想殺し】で雷を解除、簡単にキャッチする。
 上条はすぐさま近くに居た吹寄にボールを投げるが、

「甘いですよ当麻さん。でもそんな甘い所も」
「告白なんて余裕ですね。そうゆうあなたも充分甘いと思いますよ」

 変則的な強化術式の恩恵を受けている五和によってインターセプトされピンチに陥るも、真夜が素早く五和へと詰めていた。
 ドパン! ドパン! ドパン! と激しい音を出しているのは五和と真夜がボールを蹴り合っているもので、全く互角の展開を見せる。
 ボールはサイドラインを割って【歩く教会】チームのスローインで再開、絹旗はチームメイトが作戦通りにそれぞれにマークに就いてるのを確認すると削板へボールを渡した。

「ナイスだ絹旗! 行くぞ上条ぉ! すごいパーンチ!」

 削板のすごいパーンチで撃ち出されたシュートが上条が守るゴールへと襲い掛かる。

237±:2011/05/22(日) 22:22:17 ID:MklVHPd6
「カミやん、アッパーの要領で下から打ち返すんだにゃー!その方が簡単に弾き飛ばせるぜい!」
「分かったぜ、土御門!オリャァア!」

 土御門に言われたまま、上条は下から上へとアッパーの要領でボールを弾き飛ばす。
 しかし、すごいパンチの勢いも凄まじいもの。
 激戦の中で鍛え上げられた上条の力でも軌道を逸らしてゴールを免れるのが精一杯だった。

「っ!ゴールポストに!すぐに拾うんだにゃー!」
「あいにくそんな暇与えないわよ!それっ!」
「サンキューです、結標さん!!コレで超逆転です!!お兄ちゃん覚悟!!!」
「させないよ!燃えろ!!」

 ゴールポストに当たり跳ねたボールに対し土御門はすぐさま拾うように指示を出す。
 しかし、それより早く結標が反応し、【座標移動】で素早く絹旗を絶妙な場所に送った。
 そしてそのまま【窒素装甲】でシュートを撃とうとした絹旗に対してそれを防ぐ為に翔太は絹旗の回りを燃やして行動を制限、その隙にボールをクリアした。

「(……翔太が活躍したのに結標の奴、前半みたいに見とれてない……心理掌握に何かされたのか?)海原、ついさっきから邪魔にゃー、いい加減退くにゃー!」
「あいにく、僕の今の使命はアナタを行動させない事。退く事は出来ませんよ」

 土御門に徹底してマークして動けないようにしている海原。
 そのせいで土御門はつい先ほどから声による指示しか出せてなかった。

「元春が動けないなら、私が!いくよー!!」

 翔太がクリアしたボールを拾った白雪、相方である土御門が動けぬ事を確認するとグランドを凍らせてその上を滑るかのように1人でボールを持った駆け上がった。

「もっ、物凄く速いんだよ!!」
『今までにないパターンの攻撃……削板さん!氷に向かってすごいパンチを!!』
「おう、任せろ!すごいパーンチ!!」

 白雪がいきなり新しいパターンで攻めてきた事によってインデックス、心理掌握は驚いた。
 しかしすぐに対応策として削板のすごいパンチを発動、グランドの芝生を土ごと吹き飛ばしつつも白雪の氷のレーンとボールを吹き飛ばした。
 そしてこぼれたボールを一番近かったステイルが拾い、近くにいた麦野へパスした
 ボールを貰った麦野は駆け上がるが、それを止めるべく浜面と半蔵が目の前に現れた。

238ё:2011/05/24(火) 17:47:19 ID:swo2H0ZQ
「悪いがここから先はいどぅわっ!」
「邪魔すんな地味男ぉ! せっかくの私と浜面のイチャイチャタイムに割り込むんじゃねぇよ!」

 半蔵を【原子崩し】の威嚇射撃で黙らせた麦野の気持ちは既に目の前に居る浜面にしか向けられていない。
 浜面は思う、肉食獣に襲われる小動物の気持ちが痛いほど分かると。
 麦野は浜面との1対1(本人の感覚で)を少しでも長く愉しむ為に、浜面は麦野相手に不用意に動けない為に膠着状態に。

「どーしたどーしたはーまづらぁ。私からボールを奪うんだろぉ? 私は攻めるの大好きだけど浜面なら攻められるのは大好きなんだぞ♪」
(だから動きづれぇんだよ! 半蔵はさっきの威嚇ビームで動けねぇ、麦野からボールを奪えそうな奴らにはマークが付いてるし……)

 麦野に対抗出来そうな土御門、白雪、真夜、翔太にはそれぞれエツァリ、ステイル、五和、結標がマークに付いているので浜面の援護にすぐには来られない。
 状況打破について真剣に考えている浜面にテンション上がりまくりの麦野がバカっぽい宣言をした。

「よし、浜面のやる気が上がる為に私から提案だ。私が抜いたら両乳、浜面がボール奪ったら両尻を好き放題にしていいぞ♪」
「いいぞ♪ じゃねーんだよ!! 俺らの間にそんな賭け成立しねーっての! どんだけエロいんだお前は!」
「浜面……そんなに褒めるなよ、照れるじゃない♪」
「照れんなーーーーっ! ええいっ、このままじゃ埒が明かねぇ。イチかバチか」

 浜面は目の前の少女がこうなった原因が自分にもあることを反省しつつも、腹をくくって麦野のボールを奪うべく動こうとした。
 しかしその前に情報屋が上がってきて奪おうとした、麦野の怒りを買うことも知らずに。
 イチャイチャタイム(あくまで本人の感覚)を邪魔された麦野は閃光のアームで情報屋を薙ぎ払おうとするも、浜面が割って入ることで惨劇は回避された。

「止めろよ麦野。こんな所でお前にそんなことはさせたくねぇんだ。ちゃんと試合で決着着けようぜ、いいな?」
「……ちっ、わーったよ。じゃあ私らが試合で勝ったら浜面、お前を私の部屋に監禁するからな。つーわけでショチトル!」
「ちょ! 最後にとんでもねーこと言ってんじゃねーよ! ……分かった、その賭け乗ってやる(勝てばいいだけだしな)」

 さらっと賭けを成立させた麦野、フリーのショチトルにパスを送るも情報屋が決死のスライディングでカットする。
 情報屋は気付けば自分がフリーだということに気付き、そのままボールを持って【歩く教会】チームへと攻め、PA内へと入る。
 しかしそこに追いついたショチトルがボールを奪おうとしたその時、情報屋を呼ぶ声が聞こえた。

「紫木こっちよ!」
「吹寄! 任せたっ!」
「えいっ!」

 上がってきた吹寄の声を聞いた情報屋は反射的に左へとセンタリングを出した、しかも奇跡的にタイミングピッタリで。
 情報屋の綺麗なセンタリングに吹寄おでこDX状態の吹寄がヘディングシュートを撃つも、心理掌握のダイビングキャッチで得点は奪えず。
 一進一退の攻防に観客が大いに盛り上がる中、心理掌握は近くまで下がってくれていた結標にボールを渡す。

「どうするの? 上条がキーパーになってから絹旗と削板でも得点できないのは大きな痛手よ」
「そうですわね。それにあの背の高い青髪の人も意外と当たりは強いですし、真っ正面からの力押しでは……真っ正面?」
「メン子?」
「結標さん、とりあえず削板さんにボールを渡して下さい。上条当麻から得点を奪う一手を思いつきましたので」

 結標にメン子呼ばわりされたことなど気にも留めず、心理掌握はボールを持った削板ではなく御坂妹と絹旗に念話を送った。

《絹旗さん、削板さんがクリアされたボールをキープして妹さんに渡して下さい。妹さん、上条当麻を抜ける自信はおありですか?》
《まさかこんな時にメン子さんが当麻さんで抜けるなんて下ネタを言うとは、とミサカは常盤台の性の乱れを嘆かずにはいられません》
《いっ、言ってませんわよ! 私は妹さんに上条当麻を抜き去るフェイントがあるかどうかを尋ねてるのであって……》
《メン子さんメン子さん、妹さんは超分かっててやってるんですから流していいですよ。私の方は超了解です、確かにお兄ちゃんには効果的ですし》

 ちょっとしたイザコザはあれども、心理掌握の作戦を御坂妹と絹旗は受け入れることにし、削板の様子を注意深く見ながら走り出す。
 猛然と上がる削板はPAの少し手前でドリブルを止め、ボールを胸元まで上げるとすごいパーンチでシュートを撃ち出した。

239:2011/05/24(火) 19:52:31 ID:leTB6PGA
観客席(セレナード+浦上)
 初春に関する何気なさを装った追及を浦上がやんわりとかわし続けていた中、(彼女自身は
初春の「友達の一人」ということにしている)試合運びの中でようやくセレナが
話題を変えてくれた。
「じゃぁさあ浦上お姉さぁん。」
「何ですか?」
「あの浜面って人は麦野の恋人ぉ?」
「えっええっと……」
「あとねぇ、一方通行様と心理掌握ってできちゃってるのぉ?
 どっちも超能力者だしぃ、名門校出身(長点上機、常磐台)だぃし、女王様や
最強って何か凄い組み合わせだしぃ。」
「い、いや、それは……」
「それにぃ……なぁんかあの2人試合中も意識し合っている感じがしますしぃ……」
「えっ。そ、そうかしら……」
 前者の2人ならともかく、この超能力者カップル(と、思っている)に関して
こういうことに気付く辺り、一方通行への想いもあるもののかなり洞察力があるのかもしれない。

240:2011/05/24(火) 20:02:52 ID:leTB6PGA
「い、いや、それは……」→「いや、それはな…」
細かい指摘ですみません。

241±:2011/05/24(火) 21:14:49 ID:Ge6FXtBs
「いくぞ、上条ぉ!コレが俺の根性の詰まったすごいシュートだぁぁあぁぁあぁぁ!!」
「いいぜ、削板……お前が俺からゴールを奪えるっていうのなら、まずはその幻想をぶち殺す!」
「……それ以前に、削板くんから吹き出している謎の煙に対するツッコミはないの!?」
「翔太……気にするだけ無駄ぜよ。なんせ削板だからにゃー」

 自らの本気を相手にぶつけ合う削板と上条―――もとい、FWとGK。
 その2人の間にはいれる者はおらず、観客達も含めてすべての者が静かにその行く末を見守っていた。

「削板………お前の根性が凄い事はよく分かった…………だがな!この程度で、俺の美琴への愛に勝てると思うな!!」
「愛の力、だと……!俺の根性に勝つとは……なんつーパワーだ………」
 自称愛の力で上条は削板の『すごいシュート』を真っ正面から打ち破った。
 全員はその上条の力に圧倒されつつも、すぐに上条が弾き飛ばしたボールを取りに行った。

「全員、ボールとって速攻だぜい!相手は今のカミやんの活躍で隙が出来ている筈にゃー!」
『皆さん、落ち着いて下さい。今はボールをとって妹さんに回して下さい!』

 互いの指揮官の指令はすぐに両チームに伝わり、両チーム同時にボールを取るために動き出した。
 しかし、その中で1人だけ動かぬ者がいた。

『い、五和さん?何故そこで止まってらっしゃるのですか?』
『だって……ついさっき当麻さんが……』
『(まっ、まさか今頃気づいた――いや、ようやくと言うべきでしょうか?)そ、そんなにおち―――』
『――こんな大衆の中で私への愛を言ってくれるなんて!!』
『はぁ?』

 五和がつい先ほどの上条の叫びで、ようやく上条と御坂の関係に自分がはいれるものじゃないという事に気がついたのか、と思っていた心理掌握にはこの状況は理解できなかった。

『いっ、五和さん?』
「だってメン子さんも聞いたでしょう?ついさっきの当麻さんの告白!『俺の五和への愛に勝てると思うな!!』ってもう最高じゃありませんか!」
『アナタの耳はどんだけ希望に満ち溢れているんですか!?』

 心理掌握が五和の暴走を止めようとしている間に両チームほぼ全員参加のボール争奪戦は絹旗が勝利していた。
 そして絹旗は取ったボールを先ほどの指令の通り御坂妹に渡した。

242:2011/05/24(火) 23:12:56 ID:g7yV.jZI
観客席(セレナード+浦上)

「あれ?五和さんって人だけボーっと…」
「五和……(この威風堂々とした告白で流石に吹っ切れたか…ああ、でも、
あの希望に満ちた顔は……まさかまた変な風な超解釈を……)」
 浦上が他の観客達とはかなり違う意味でハラハラしているの見たセレナは
(よし、ならまず五和さんあたりから攻めてみるか)と、シフトチェンジしてみた。
「前半の活躍ぶりすごかったですねぇ五和さん。格好は派手ですけど。」
「ええ、人目を引く格好でありつつ、自らへの注目を力へと変換させる術式を織りこむ。
 よく生かしているわね。」
 小声とはいえ思わずぽろりと漏らしてしまった魔術用語にハッと口を押さえる浦上。
 しかしセレナは敢えてそのミスを突いてガードをより一層固められるようなことはせず、
あえて聞こえないふりをして更に掘り下げた。
「浦上お姉さんって、初春さんと同じく五和さんとも友達なんですねぇ、どんな
人なんですかぁ?」
「頑張り屋で純粋で……好きな人には尽くしまくるタイプよ。」
「いい人ですねぇ。」
「いいえ。」そこで浦上はかなり悲痛な様子に顔をゆがめた。
「問題はその相手が自分を見ていないとしても……いわゆる強引に自分を振り向かせようとする
のよ。それこそ、恋敵…この場合、美琴って人を…極端な話八つ裂きにしてでもね。」
「ママ、恋敵って恋のライバルのことだよね?」
 母が苦笑して首を縦に振るのを確認して、セレナは頭の中で『整理』した。
(それが本当なら『超電磁砲』美坂美琴と一人の男を取り合っていることになりますねぇ。
 五和さんについては…(わきわき)…浦上お姉さん同様詳細不明。
 最近突然学園都市に来て、繚乱学校で働いていること以外情報なし。
 未成年?にも関わらず、能力開発どころか正規の教育すら受けていない…)
「いつまでとどまっているのかしらね。」
「はい?」
 浦上は、心から憐れむような表情で、仲間の女をジッと眺めた。
「恐らく飾利もそうだったんでしょうけれど…彼、上条当麻に慕情を募らせる他の女達が、
次々とそれをふっ切って、本当の思いやりによって、彼と美琴の幸せを願い、成長し、そして新たな道を歩んでいるのに………
 一体いつまで彼女は自分勝手な愛に生き、全てを失っていくのかしら……」
「………私も………」
「え?」
 GK兼司令塔として仲間を引っ張っている心理掌握を見ていたセレナは、
つい先ほどまで彼女と相対して選手として活躍していた白い少年を思い起こし、無表情でポツリと呟いた。
「私も、一方通行様と心理掌握さんの間に割り込もうとしている時点で、もう…どちらかになっちゃう
のが決まっているのかなぁ。」
 浦上はポン、と、眼下のセレナの頭に手を置いて呟いた。
「応援しているわよ。」
「………ありがとう………」
 ニコッと、少しくすぐったそうに、でも、とてもうれしそうな笑顔を向ける少女を見て、思わずドキンとした浦上は、
一瞬、本当に一瞬だったが、打ち止めよりこの子を応援したいと考えたりした。

 流石に、その幼女が笑顔の裏で、浦上のガードがかなり緩んできていることに……
浦上自身と、上条当麻という現在フィールドで活躍している少年と、
初春、美琴、五和との関係を聞き出すまでに至ったことに
ほくそ笑んでいたことは知らなかったが。

243:2011/05/24(火) 23:16:14 ID:g7yV.jZI
美坂美琴→御坂美琴
でしたね。

244:2011/05/24(火) 23:21:57 ID:g7yV.jZI
「いつまでとどまっているのかしらね。」
「はい?」→「え?」


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