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( ,,^Д^)ビッグ・トレジャーの大冒険のようです!!!
252
:
名無しさん
:2018/07/06(金) 21:40:35 ID:yIsMsiPA0
.
从 ゚∀从「それで?単刀直入に聞くが、俺に話ってのは何なんだ?」
从 ゚∀从「まさかパパの愚痴でも聞かせようってんじゃないだろ?」
(゚、゚トソン「そうですね……何から話せばよいか」
(゚、゚トソン「ハイドさんは、ヒーローやヴィランが元は普通の人間だったという話をご存知ですか?」
从 ゚∀从「あ?あぁ、聞いたことあるぜ」
从 ゚∀从「その手の研究にゃ事欠かないメガネが知り合いにいるんでな」
(゚、゚トソン「では、彼らがどういった経緯で力を手にするかは知っていますか?」
从 ゚∀从「あぁ。なんでも奴らは、奇妙な夢を見るんだろ?」
(゚、゚トソン「ですね。夢の問いかけに答えることで、超常的な力を得るとか」
从 ゚∀从「だが、それがどうした?」
(゚、゚トソン「……もし、その夢を経由することなく力を手に入れることが出来るとしたら」
(゚、゚トソン「あなたはそれを得たいと思いますか?」
从 ゚∀从「……!!」
.
253
:
名無しさん
:2018/07/06(金) 21:41:31 ID:yIsMsiPA0
.
从 ゚∀从「どーいうこった。話が全然見えてこねぇが」
(゚、゚トソン「そうですね、順を追って説明しましょうか」
(゚、゚トソン「ヒーローやヴィランは、事前にその夢に望むことで、思った通りの特殊能力を得ることが出来る」
(゚、゚トソン「これは、様々な超常能力者たちに聞いてみた結果、明らかです」
(゚、゚トソン「ですが、その夢を見ることなく超常の力を得た人間が二人だけいるんです」
从 ゚∀从「誰だ、そいつは?」
(゚、゚トソン「それが、ビッグ・トレジャーと、恐らくファニー・フェイスもそうだと思います」
从 ゚∀从「……!!」
(゚、゚トソン「後者は推測に過ぎませんが、前者は確かな情報ですよ」
从 ゚∀从「待ちな、嬢ちゃん」
(゚、゚トソン「はい?何でしょうか」
从 ゚∀从「あんた一体、どこでそんな情報を手に入れたんだ?」
.
254
:
名無しさん
:2018/07/06(金) 21:42:55 ID:yIsMsiPA0
.
从 ゚∀从「あんたの言っていることは、機密性が高すぎる情報ばっかだ」
从 ゚∀从「ましてやあのトレジャーが、自分の能力の秘密をそうそう明かすたぁ思えねぇ」
从 ゚∀从「テメェ、デマ吹いて俺を担ごうってんならそこら辺にしとけよ?」
(゚、゚トソン「デマなんかじゃありませんよ」
从 ゚∀从「なら、情報元を開示しな。でなきゃこの話はここまでだ」
(゚、゚トソン「……」フゥ
(゚、゚トソン「クォッサ=サリエリ博士です」
从 ゚∀从「……なに?」
(゚、゚トソン「彼女は、トレジャーの秘密を打ち明けられた数少ないうちの一人です」
(゚、゚トソン「私も交流があったので、彼のパワーについての意見を求められたんですよ」
从 ゚∀从「あの多忙な博士が、一介のエンバーマーごときと接触を持つたぁ考えにくいんだがな」
(゚、゚トソン「証拠ならありますよ」
从 ゚∀从「あ?」
(゚、゚トソン「あの骨です。以前、私のおじがあなたにお渡しした、例の」
.
255
:
名無しさん
:2018/07/06(金) 21:44:13 ID:yIsMsiPA0
.
从 ゚∀从「……あれか!」
(゚、゚トソン「あれは私が、クォッサ博士から譲り受けたものです」
从 ゚∀从「だからヴィランの骨だって断定してやがったのか……」
(゚、゚トソン「えぇ。エンバーマーの私なら、工学博士の彼女より人体に精通してますからね」
(゚、゚トソン「これで納得していただけましたか?」
从 ゚∀从「……まぁいい。完全に納得した訳じゃねぇが、話を続けな」
(゚、゚トソン「はい。骨の話が出たついでに話してしまいますが」
(゚、゚トソン「私がクォッサ博士から話を聞いたとき、引っ掛かりを感じたのがそこだったんです」
从 ゚∀从「……」
(゚、゚トソン「彼女の話では、トレジャーはかつて雪山で遭難して、避難した先で七色に光る謎の石を発見したそうです」
(゚、゚トソン「それを握って眠りにつき、目覚めるとあの体になっていたと」
从;゚∀从「なんだそりゃ?どこの夢物語だよ」
从;゚∀从「じゃあ何か?トレジャーは寝て起きて一晩で、あのバカみてぇな体になったってのか?」
(゚、゚トソン「そうなりますね」
.
256
:
名無しさん
:2018/07/06(金) 21:45:15 ID:yIsMsiPA0
.
从 ゚∀从「アホくせぇ。信じてやろうにも荒唐無稽が過ぎるぜ」
(゚、゚トソン「そうでしょうか?」
从 ゚∀从「あんたは今の話のどこに、信じる根拠を見つけたんだよ」
(゚、゚トソン「それが、さっきの骨です」
从 ゚∀从「あ?」
(゚、゚トソン「覚えてませんか?おじがあの骨を折った時、その断面が何色だったかを」
从 ゚∀从「それは……」
从;゚∀从「……人の骨とは思えねぇ、綺麗な虹色だった」
(゚、゚トソン「それです」
(゚、゚トソン「トレジャーの言う石の色と、ヴィランの骨の色の類似」
(゚、゚トソン「それが私の引っ掛かりだったんです」
从;゚∀从「……」
.
257
:
名無しさん
:2018/07/06(金) 21:46:28 ID:yIsMsiPA0
.
(゚、゚トソン「そしてここが重要な点なのですが」
(゚、゚トソン「目を覚ました彼の手からは、その七色の石は消えてなくなっていたそうです」
(゚、゚トソン「そこで、私は考えました」
(゚、゚トソン「もしやその石は、彼の体内に融合してしまったのではないかと」
从 ゚∀从「……ほう?」
(゚、゚トソン「瀕死の彼の肉体を救うため、石は彼を超人化させた」
(゚、゚トソン「故に彼は、他のヒーローとヴィランを遥かに凌駕する力を手に入れたのでは……」
从 ゚∀从「……ない話じゃあねぇな」
(゚、゚トソン「もうひとつ、この説の裏付けになるエピソードがあります」
从 ゚∀从「なんだ?」
(゚、゚トソン「ファニーフェイスですよ」
从 ゚∀从「……」
(゚、゚トソン「彼は幼い頃、大人から暴行を受けて瀕死の重傷を負ったそうです」
(゚、゚トソン「しかしその傷はたった一晩で完治し、その日から彼は恐るべき怪力を発揮しだしたということです」
从 ゚∀从「おいおい、まーた妙な情報引っ提げて来やがって」
从 ゚∀从「ファニーフェイスの話なんざ、誰から聞いたんだよ」
(゚、゚トソン「ミスターダスティから」
从 ゚∀从「あぁ!?」
(゚、゚トソン「経緯は省きますが、私は彼とも親交がありますので」
从 ゚∀从「そうかい。そりゃ顔の広いこったな」
.
258
:
名無しさん
:2018/07/06(金) 21:47:47 ID:yIsMsiPA0
.
从 ゚∀从「だが、これまでの話を聞いて俺が思ったのは一つだけ」
从 ゚∀从「お前がクセェってことだけだ」
(゚、゚トソン「……!!」
从 ゚∀从「ダスティにしろクォッサ博士にしろ、用心深いタチなのは俺も知ってらぁ」
从 ゚∀从「どっちもそんなサクサク情報の得られる相手じゃねぇだろ?」
(゚、゚トソン「そうですね。時間はかかりました」
从 ゚∀从「だが、それを簡単にする推理がひとつだけある」
从 ゚∀从「お前がヴィランで、何らかの能力を使って情報を吐かせたとしたら?」
(゚、゚トソン「あら……お疑いになるんですね」
从 ゚∀从「そもそも、俺に会いに来てジョージに出くわしたってのも出来すぎてらぁ」
从 ゚∀从「お前の目的は分からんが、それが俺をたぶらかすことなら止めとけ」
从#゚∀从「俺ぁ身内に手ェ出した奴ァ、誰だろうと絶対ぇに許さねぇタチだからな」
.
259
:
名無しさん
:2018/07/06(金) 21:49:04 ID:yIsMsiPA0
.
从 ゚∀从「どうだ、何か反論の余地はあるか?」
(゚、゚トソン「……復讐」
从 ゚∀从「あ?」
(゚、゚トソン「したくありませんか?復讐」
(゚、゚トソン「あの、ファニーフェイスに」
从 ゚∀从「……どういうことだ」
(゚、゚トソン「先の話の二人は、どちらも人外の力で猛威を振るっています」
(゚、゚トソン「もし、あなたもその力を入れられるとしたら……」
(゚、゚トソン「たとえ私が悪魔でも、聞く価値のある話だとは思いませんか?」
从 ゚∀从「なんだと?」
(゚、゚トソン「ビッグトレジャーに関しては、謎の石があの力に関わり合いを持つということはハッキリしました」
(゚、゚トソン「そして彼らの共通項は、瀕死となることで能力に開花したということ」
(゚、゚トソン「そしてこれが、私の持つ最も重要な情報なのですが……」
(゚、゚トソン「もしこの街に、トレジャーの持った石と同じものがあるとしたら」
(゚、゚トソン「条件次第では、あなたもファニーフェイスに追いつけるかもしれませんよ?」
从 ゚∀从「……!!」
.
260
:
名無しさん
:2018/07/06(金) 21:50:10 ID:yIsMsiPA0
.
从 ゚∀从「そんなもんが、本当にあるのか?」
(゚、゚トソン「お話はここまでです。これから先は私への疑念を捨ててくださらないと話せません」
从 ゚∀从「ほう?警察と一丁前に心理戦やろうってか?」
(゚、゚トソン「黙秘権を行使する権利は私にもありますので」
从 ゚∀从「言っておくが、もし弟に手を出したのがテメェなら、黙秘権なんてもんは関係なくヤッちまうぞ?」
(゚、゚トソン「その時は、法廷でお会いしましょう」
(゚、゚トソン「腕の立つ弁護士なら何人か知っていますので」
从 ゚∀从「いーい度胸だ。それならそのつもりでやってやってもいいぜ?」
(゚、゚トソン「ただ一つ、間違いなく言えることは」
(゚、゚トソン「この機を逃せば、あなたに復讐のチャンスは二度と訪れないということです」
从 ゚∀从「……ッ!」
(゚、゚トソン「それと、私は暴行の犯人ではありません。誓ってそう宣言しましょう」
(゚、゚トソン「……長くなりましたね、今日はこの辺りにしましょうか」
(゚、゚トソン「連絡を取りたくなったら、この番号に電話してくださいね」
(゚、゚トソン「では、また」ペコリ
从 ゚∀从「……」
.
261
:
名無しさん
:2018/07/06(金) 21:51:19 ID:yIsMsiPA0
.
─────
────
───
──
从 ゚∀从「……」ガチャ
_
( ゚∀゚)「おう、おかえり兄貴」
从 ゚∀从「あぁ。ケガはもういいのか、ジョージ?」
_
( ゚∀゚)「まだ体はズキズキすっけどな。起きて何かやれないほどじゃねーや」
从 ゚∀从「そうか……」
_
( ゚∀゚)「……どうかしたか、兄貴?妙な顔してんぜ?」
从 ゚∀从「なんでもねぇ。それよりお前、仕事に差し支えはなさそうか?」
_
(;゚∀゚)「んぁっ……ま、まだ復帰には時間かかりそうかな……?」
从 ゚∀从「そうか。じゃあ早めに治しとけ」
从 ゚∀从「俺ぁ明日一日、休みをもらうんでな」
_
( ゚∀゚)「えっ?」
.
262
:
名無しさん
:2018/07/06(金) 21:52:25 ID:yIsMsiPA0
.
从 ゚∀从「ちっとばかし用事が出来た。お前も早く戦線に復帰して、俺の代わりに働きやがれ」
_
(;゚∀゚)「待てよ!なんでいきなり休みなんて……」
从 ゚∀从「俺が休み取っちゃいけねぇなんて法律はねーぞ?」
_
(;゚∀゚)「……トソンの姉ちゃんに、何か言われたのか?」
从 ゚∀从「あぁ?……バーカ、ちげぇよ」
从 ゚∀从「だったらなおさら警察の仕事なんざ休めねぇだろ?」
_
(;゚∀゚)「じゃあ、何の話をしてきたんだよ!」
从 ゚∀从「そいつぁ言えねぇな。まぁ、なんも悪い話じゃあねぇ」
从 ゚∀从「分かったらもう寝ろ。俺は飯はいらねぇからよ」
バタンッ
_
(;゚∀゚)「……」
.
263
:
名無しさん
:2018/07/06(金) 21:53:27 ID:yIsMsiPA0
.
─────
────
───
──
【翌日】
(゚、゚トソン「……」
从 ゚∀从 ザッ…
(^、^トソン「……」ニコッ
(^、^トソン「あなたなら、きっと連絡をくださると思ってましたよ。ハイドさん」
从 ゚∀从「うるせぇよ。見透かしたようなクチ聞いてんじゃねぇ」
从 ゚∀从「言っておくが、お前への疑いは晴れた訳じゃねぇぞ」
从 ゚∀从「道中ボロを出したら即刻逮捕してやる。いいな?」
(゚、゚トソン「構いませんよ。私も手に入れた情報を無駄にしたくないだけですから」
从 ゚∀从「あーそうかい、そいつぁ良かったな」
从 ゚∀从「それで、お前の言う例の石っつうのは、この街のどこにあるんだ?」
从 ゚∀从「そしてお前は、それを使って俺に何をさせたい?」
.
264
:
名無しさん
:2018/07/06(金) 21:55:01 ID:yIsMsiPA0
.
(゚、゚トソン「まぁそう焦らず。順を追って説明しますから」
(゚、゚トソン「まずはあなたの意思を確認したいのですが」
(゚、゚トソン「ハイド署長。あなたは、復讐に命を賭ける覚悟はおありですか?」
从 ゚∀从「さぁてな。俺が言えるのは、あのクソッタレのファニーフェイスの野郎は絶対許さねぇってことだけだ」
(゚、゚トソン「その程度では困りますね」
从 ゚∀从「あぁ?」
(゚、゚トソン「あなたは、私の情報へ本当に命を賭けることが出来ますか?」
(゚、゚トソン「私が望むのは、そのただ一点のみですので」
从 ゚∀从「そんなもん、お前が信用出来ねぇうちは出来るかってんだ」
(゚、゚トソン「でも、私へ電話して来たということは、その意思は少なからずあるのでは?」
从 ゚∀从「へっ……考えてみりゃ、こちとらヴィラン特別収容所とも結託してんだ」
从 ゚∀从「今さらどんな悪人にそそのかされたところで、どこ吹く風だわな」
从 ゚∀从「オメーがジョージに手さえ出してなきゃ、だがな」
(^、^トソン「えぇ、えぇ。とても良い判断です」
.
265
:
名無しさん
:2018/07/06(金) 21:56:35 ID:yIsMsiPA0
.
(゚、゚トソン「そこまで言えるのなら、私も最後のカードを切りましょう」
(゚、゚トソン「それを聞いてどうするかは、あなた次第ということです」
从 ゚∀从「勿体つけんじゃねぇ。早く言いやがれ」
(^、^トソン「フフフ……」
(゚、゚トソン「私の言うある石とは、あなたも絶対に見たことのある物です」
从 ゚∀从「なんだ、それは?」
(゚、゚トソン「このクラウン・シティの名前の由来ともなった、由緒正しき王冠」
(゚、゚トソン「市庁舎に飾られたあの王冠の宝石こそ、人を超人化させる力を持った石なんです」
从 ゚∀从「……!」
(゚、゚トソン「どうですか、この推理は?」
从 ゚∀从「俺ァまじまじと見たこたぁねぇが、言われてみりゃ確かに虹色の宝石だった気がするな……」
(゚、゚トソン「といっても現段階では、これは推測の域を出ませんがね」
(゚、゚トソン「そこであなたには、とある人物にアポイントメントを取って欲しいんです」
从 ゚∀从「あぁ?第三者に頼み事かよ?」
(゚、゚トソン「鉱物については私も門外漢ですので」
从 ゚∀从「まぁいい。それで、誰に連絡すりゃあいいんだ?」
(゚、゚トソン「ペニーナエレクトロニクスCEO、ペニーナ=カートレンですよ」
从;゚∀从「はぁ!?」
.
266
:
名無しさん
:2018/07/06(金) 21:57:54 ID:yIsMsiPA0
.
从;゚∀从「ちょっと待てよ。俺はあの女とのコネなんざ持ってないぜ?」
(゚、゚トソン「警察の捜査権限があれば、呼び出すことくらいは出来るのでは?」
从;゚∀从「あのなぁ……警察が何でも出来ると思ったら大間違いだからな?」
(゚、゚トソン「ハイドさん。先ほどあなたは、どんな悪人にそそのかされようともと言いましたよね」
(゚、゚トソン「あの言葉は嘘だったんですか?」
从;゚∀从「……チッ」
(゚、゚トソン「あなたはすでに警察として、大きすぎる規範を人々に示してきました」
(゚、゚トソン「これからは多少足をはみ出しても、きっとみんな許してくれます」
(゚、゚トソン「と、私はそう思いますけどね?」
从;゚∀从「他人事だと思って好き勝手言ってくれるぜ、ったくよぉ……」
从 ゚∀从「分かったよ!連絡すりゃあいいんだろ、連絡すりゃあよ!」
.
267
:
名無しさん
:2018/07/06(金) 22:00:04 ID:yIsMsiPA0
.
─────
────
───
──
【一時間後……】
从 ゚∀从「……」ボケーッ
('、`*川 ツカツカ
('、`*川「ハァイ、クソッタレのミスターハイド」
('、`*川「こんな喫茶店に私を呼び出して、何のご用かしら?」ドサッ
从 ゚∀从「おーう、クイーン。真っ当に会社経営してやがるか」
('、`*川「そうね。おかげさまで清廉潔白明朗会計でやってるわよ」
('、`*川「こんなとこで警察に呼び出される覚え、ないくらいにはね?」
从 ゚∀从「はっ。美術品売りさばいたカネで建てた会社が清廉潔白ねぇ?」
('、`*川「あら?何がおっしゃりたいのかしら?」
从 ゚∀从「とぼけんなよ。十五年前に活躍したヴィラン、怪盗クイーンはテメェだろ?」
从 ゚∀从「ヴィラン犯罪に時効はねぇんだ。今からでも起訴は出来るぜ?」
.
268
:
名無しさん
:2018/07/06(金) 22:01:02 ID:yIsMsiPA0
.
('、`*川「その前に、自分のクビを心配された方がよろしいんじゃなくて?」
('、`*川「警察の名前を借りて私人である私を呼び出したの、明らかに職権濫用よ」
('、`*川「行きすぎた警察の捜査、最近ではよく問題になってるわよねぇ?」
从 ゚∀从「ケッ、んなこた分かってんだよ。けったクソ悪ぃ」
从 ゚∀从「これが捜査ならどれだけ気が楽だったかな……ったくよぉ!」
(゚、゚トソン「ハイドさん。お話はそれくらいにして、本題を切り出してくれませんか?」
('、`*川「……さっきから気になってたけど、あなただぁれ?ハイドおじさんの恋人?」
(゚、゚トソン「ハイドさんの友人の、トソンと申します。よろしく」
('、`*川「へぇ。朴念人の署長さんも、若い娘をはべらせたりするのねぇ」
从 ゚∀从「うるっせ、バァーカ」
.
269
:
名無しさん
:2018/07/06(金) 22:02:14 ID:yIsMsiPA0
.
(゚、゚トソン「我々がお聞きしたいのは、これのことなんです」
スッ…
('、`*川「これは……市庁舎の王冠?」
(゚、゚トソン「えぇ、そうです。写真しか用意出来ませんでしたが……」
从 ゚∀从「美術工芸品に造詣の深いお前なら、こいつについても詳しいかと思ってな」
从 ゚∀从「てかぶっちゃけ、なんで怪盗時代のお前は、この宝を盗もうとしなかった?」
('、`*川「何のつもりか知らないけど、これを利用して私を捕まえようって腹ならお門違いよ」
(゚、゚トソン「ハイドさん、刺激するような言い方はよしてください」
从 ゚∀从「ケッ……」
(゚、゚トソン「率直に聞きますが、この王冠に価値はあると思いますか?」
('、`*川「さぁ?それなりにあるんじゃないの?」
(゚、゚トソン「そうでしょうか」
从 ゚∀从「あ?」
.
270
:
名無しさん
:2018/07/06(金) 22:03:30 ID:yIsMsiPA0
.
(゚、゚トソン「この王冠、素人の私から見ても造りが粗悪なんです」
(゚、゚トソン「地の金は色がくすんでるし、繋ぎ目もガタガタで……」
('、`*川「へぇ〜、そんなこと分かるんだ?」
(゚、゚トソン「けれど、あくまでも素人判断ですから、プロのご意見も伺いたいと思いまして」
(゚、゚トソン「ペニーナさんから見て、この王冠はどのような出来なのでしょう」
('、`*川「そうねぇ……不勉強な誰かさんと違って勤勉だから、特別に教えてあげるわ」
从 ゚∀从「悪かったな、不勉強でよ」
('、`*川「簡単に言うとこの王冠、私に言わせれば一文の価値もないわね」
('、`*川「土台の金も十八金ですらない混ざり物の多い物みたいだし」
('、`*川「そもそも、派手な色の宝石に金を合わせるセンスが最悪ね!」
('、`*川「そんなことしたら宝石のカラーが死ぬだけよ」
('、`*川「本来絶対しないような色の合わせをしてる辺り、これ作ったのプロの彫金師ですらないんじゃないの?」
('、`*川「つまりこれは何の価値もない、ただの模造品ってコト」
从 ゚∀从「んだよ、じゃあクイーンが狙わなかったのもそれが原因か?」
('、`*川「そんなの、私の知ったこっちゃないわよ」
.
271
:
名無しさん
:2018/07/06(金) 22:04:32 ID:yIsMsiPA0
.
('、`*川「ま、こんなもの狙うなんて見る目がないって宣伝してるようなものね」
('、`*川「あんたたちも、これ盗むならリターンはないと思ってた方がよくてよ」
从 ゚∀从「人聞きの悪ぃこと言いやがる。そんなにポリが嫌いか?」
('、`*川「いいえ、私は清廉潔白ですもの。嫌いなのはアナタ個人よ」
从 ゚∀从「そうか、俺もオメェが嫌いなもんでな。気が合うじゃねぇか」
(゚、゚トソン「ハイドさん……!」
('、`*川「聞きたいことはそれだけ?なら、私帰るわよ」
(゚、゚トソン「待ってください。最後に、ひとつだけ」
('、`*川「なぁに?」
(゚、゚トソン「この王冠に使われてる宝石、ペニーナさんは何だと思いますか?」
('、`*川「……さぁ、何でしょうね」
(゚、゚トソン「それは、あなたでも判らなかったということですか?」
('、`*川「……イヤなとこ突いてくるわね、あなた」
.
272
:
名無しさん
:2018/07/06(金) 22:05:08 ID:cth2sBBk0
支援んん!
273
:
名無しさん
:2018/07/06(金) 22:05:38 ID:yIsMsiPA0
.
('、`*川「これでも私、世界中の宝飾品を見てきたって自信はあるわ」
('、`*川「けど、これに類似該当するような石は見たことないわね」
('、`*川「オパールでもアレキサンドライトでも変色真珠でもない」
('、`*川「早い話、こんな石私にしても初めて見るのよ」
(゚、゚トソン「なるほど。分かりました、ありがとうございます」
('、`*川「これで満足かしら?じゃあ、帰るわね、署長サン」
从 ゚∀从「おう、帰れ帰れ。労いなんざ掛けてやらんからよ」
('、`*川「いらないわよ、横暴ねホント」
('、`*川「あ、それとお嬢さん?私からもひとついいかしら?」
(゚、゚トソン「はい?」
.
274
:
名無しさん
:2018/07/06(金) 22:06:07 ID:w3nA2pBk0
トソンみたいなキャラ嫌いだわー
275
:
名無しさん
:2018/07/06(金) 22:06:36 ID:yIsMsiPA0
.
('、`*川「……いたずらも程々にすることね」ボソッ
(゚、゚;トソン「……!!」
('、`*川「じゃあね〜♪」スタスタ
从 ゚∀从「あん?あいつ、何だって?」
(゚、゚;トソン「……署長の子守りをよろしくと言ってました」
从 ゚∀从「はっ。去り際にイヤミかよ、いい性格してやがる」
(゚、゚;トソン「……」
.
276
:
名無しさん
:2018/07/06(金) 22:07:35 ID:yIsMsiPA0
.
(゚、゚;トソン「……ともかく、これでやはりあの石が怪しいと判明しましたね」
从 ゚∀从「まぁそうなるか……あのペニーナが見たことないってんじゃな」
从 ゚∀从「本当なら、より詳しい専門家に見てもらった方がいいんだろうが」
(゚、゚トソン「仕方ありませんよ。それはの王冠の持ち主が許さないことには……」
从 ゚∀从「……ん?」
(゚、゚トソン「はい?」
从 ゚∀从「王冠の持ち主ってなぁ誰だ?」
(゚、゚トソン「知らなかったんですか?」
(゚、゚トソン「次はその方に連絡を取ってもらうつもりだったんですが」
从;゚∀从「おいおい、また俺かよ!」
(゚、゚トソン「使えるコネはフルに使わないと勿体ないですから」
从 ゚∀从「……てことは、あの王冠の持ち主は俺の知ってる奴か?」
(゚、゚トソン「えぇ、そうです」
.
277
:
名無しさん
:2018/07/06(金) 22:08:17 ID:yIsMsiPA0
.
(゚、゚トソン「あの王冠の持ち主は、クラウン・シティ前市長」
(゚、゚トソン「ピーター=ショボンニ氏ですよ」
从 ゚∀从「……!!」
.
278
:
名無しさん
:2018/07/06(金) 22:08:49 ID:yIsMsiPA0
十八話前編終わり
279
:
名無しさん
:2018/07/06(金) 22:09:37 ID:w3nA2pBk0
乙乙
ヒーロー出なかったな
280
:
名無しさん
:2018/07/06(金) 22:10:21 ID:yIsMsiPA0
【登場人物紹介】
(゚、゚トソン
トソン=コレーク
暗躍する謎多き女ヴィラン。その能力、目的は不明……。
.
281
:
名無しさん
:2018/07/06(金) 22:18:41 ID:cth2sBBk0
こんなに笑顔がムカつくトソンなかなかいないぜ
乙
282
:
名無しさん
:2018/07/06(金) 23:52:16 ID:E0rJbFs60
おつ
気になる終わり方
283
:
名無しさん
:2018/07/06(金) 23:55:50 ID:27TvAKco0
笑顔トソンはなんでどの作品でもクッソムカつくんだろうか……
284
:
名無しさん
:2018/07/07(土) 17:05:16 ID:IPvzWcY60
臨海学校…
285
:
名無しさん
:2018/07/09(月) 11:41:39 ID:9StgCKDw0
おつ
嵐の前の静けさって感じだ
286
:
名無しさん
:2018/07/22(日) 07:22:39 ID:XU2vwPDE0
ショボンニか・・・
287
:
名無しさん
:2018/07/26(木) 20:05:18 ID:kGtiVFWo0
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第十八話『PROLOGUE OF CLOWN DEVIL 〜中編〜』
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288
:
名無しさん
:2018/07/26(木) 20:05:46 ID:kGtiVFWo0
ビッグ1
─────
────
───
──
('、`*川「ハァイ♪お待たせアンディ」
(´・_ゝ・`)「別に待っちゃいないよ、君も忙しい身だろ?」
('、`*川「そうね。特に最近は警察に呼び出されたりしたし」
(´・_ゝ・`)「お?君もついに脱税か?」
('、`*川「変なこと言わないでよね。無実の罪よ」
(´・_ゝ・`)「ジョークだよ。君は仕事には人一倍熱心だから一層質が悪い」
('、`*川「ま、警察に呼び出されたのは本当よ。今日はそのことであなたに話があったの」
(´・_ゝ・`)「へぇ。わざわざ人を呼び出してまで、どういう話か興味があるね」
('、`*川「私を呼び出したのね、中央署のハイド署長だったのよ」
(´・_ゝ・`)「ほう?」
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289
:
名無しさん
:2018/07/26(木) 20:07:25 ID:kGtiVFWo0
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(´・_ゝ・`)「あの署長が出てくるなんて、君よほどのことでもしでかしたのかい?」
('、`*川「やぁねぇ、なんでみんな人をワルモノ扱いしたがるのかしら」
(´・_ゝ・`)「前科があるからに決まってるだろ?」
('、`*川「ふふふ、そりゃそうね」
('、`*川「それでね、その署長が女の子つれてたんだけどさ」
('、`*川「なぁんかそれが引っ掛かるのよねぇ」
(´・_ゝ・`)「引っ掛かる、か……どの辺りが?」
('、`*川「あの頭が化石の署長が、仕事に刑事でもない女の子を連れ歩くと思って?」
(´・_ゝ・`)「……それは確かに考えにくいな」
('、`*川「といって、プライベートで私を呼び出してするような話でもなかったし」
(´・_ゝ・`)「何の話だったんだい?」
('、`*川「市庁舎に飾ってある王冠について知りたいって」
(´・_ゝ・`)「王冠?」
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290
:
名無しさん
:2018/07/26(木) 20:07:59 ID:kdjPbx.o0
おリアタイ支援
291
:
名無しさん
:2018/07/26(木) 20:08:22 ID:kGtiVFWo0
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('、`*川「あなたの経験からして、あの署長が女になびくと思う?」
(´・_ゝ・`)「ないだろうな。彼は職務に誇りを持ってる、確率はほぼゼロだ」
('、`*川「私もそう思うわ。だからこそ、あんな行動を取るのはおかしいと思ったの」
(´・_ゝ・`)「それは確かに気になるな……」
('、`*川「まぁ正直、警察がどうなろうと知ったこっちゃないんだけど」
('、`*川「お仕事柄、あなたにだけは伝えといた方がいいと思ってね」
(´・_ゝ・`)「協力、感謝するよ。それで、今回の情報提供料はいくらだい?」
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292
:
名無しさん
:2018/07/26(木) 20:09:15 ID:kGtiVFWo0
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('、`*川「そうねぇ。20万ドルと言いたいところだけど、今回はロハでいいわよ」
(´・_ゝ・`)「おいおい。君がお代をロハにするなんて、何があったんだ?」
('、`*川「いつもは情報の裏を取るけど、今回は単純に怪しいってだけだから」
('、`*川「いわば女の勘ってやつ?」
('、`*川「その代わり、あなたの力でちょっと用意して欲しいものがあるの」
(´・_ゝ・`)「金より厄介なものでなければいいけどね」
('、`*川「安心なさい。あなたにしか用意出来ないけれど、難しいものじゃないわ」
(´・_ゝ・`)「意味深だね。一体何が望みなんだい?」
('、`*川「この街にかつて存在して、いまだに捕まってないヴィランをリストアップしてほしいの」
(´・_ゝ・`)「……!」
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293
:
名無しさん
:2018/07/26(木) 20:10:15 ID:kGtiVFWo0
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───
──
【クラウン・シティ中央署、待合室……】
(゚、゚トソン スタスタ
从 ゚∀从「……よう」
(゚、゚トソン「お疲れ様です、署長」
从 ゚∀从「職場にまで押しかけてくんなっつーの」
(゚、゚トソン「すみません、進捗のほどを伺いたかったので」
(゚、゚トソン「それで、前市長は捕まりましたか?」
从 ゚∀从「ダメだ、電話じゃあのジジィ何度かけても捕まらねぇ」
从 ゚∀从「秘書だかハウスキーパーだかが、後から取り次ぎますだとよ」
(゚、゚トソン「ペニーナさんの時のように、警察の名前を出してもダメですか?」
从 ゚∀从「相手は一線を退いたとはいえ政治家だ。実業家のペニーナとはワケが違う」
从 ゚∀从「下手に警察の名前なんざ出したら、雲隠れしちまうに決まってら」
从 ゚∀从「だから今回は、あくまでも俺の私的な用事ってことにしねぇとな」
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294
:
名無しさん
:2018/07/26(木) 20:11:22 ID:kGtiVFWo0
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(゚、゚トソン「では、あの王冠のことで話があると最初から伝えてみては?」
从 ゚∀从「なに?」
(゚、゚トソン「ショボンニさんは市長時代、あの王冠を由緒ある物として市庁舎に飾りました」
(゚、゚トソン「しかしあれが偽物の模造品であることは、もう明確です」
(゚、゚トソン「そこから彼を揺さぶって行けないですかね」
从 ゚∀从「なるほどな……いけるかもしれん。やってみよう」
(゚、゚トソン「お願いします。あなたの手腕にかかってますので」
从 ゚∀从「……ところでよ」
(゚、゚トソン「はい」
从 ゚∀从「あの王冠、結局お前はどうするつもりなんだ?」
从 ゚∀从「持ち主に掛け合ったってことは、何らかの交渉の余地があるんだよな?」
(゚、゚トソン「そうですね……最善手は我々があれを譲り受けること、次善が買い取ることでしょうか」
从 ゚∀从「それも叶わなかったらどーするんだよ」
(゚、゚トソン「最悪の場合、盗難も視野に入れてますが?」
从;゚∀从「やっぱりな……んなこと警察の俺が許すと思うか?」
(゚、゚トソン「あなたの是非はこの際関係ないのですよ」
从 ゚∀从「ああ?」
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295
:
名無しさん
:2018/07/26(木) 20:13:52 ID:kGtiVFWo0
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(゚、゚トソン「問題なのはあなたが悪に手を染めてでも、ファニーフェイスへ復讐したいかどうかだけです」
(゚、゚トソン「力を得るための過程など、些末なことでしかないでしょう?」
从 ゚∀从「……お前やっぱ、信用ならねぇな」
从 ゚∀从「仮にそうだとして、お前がなんでそんなことするかの説明にゃなってねぇぜ」
从 ゚∀从「なぜ俺に白羽の矢を立てて、超人にしようとするんだ?」
(゚、゚トソン「私としては、石の力の証明が出来さえすればそれでいいんですがね」
从 ゚∀从「……お前まさか、俺の命を狙ってここまでしやがるなんてこたないよな?」
(゚、゚トソン「そんなことありませんよ。邪推もいいところです」
从 ゚∀从「どうだかな。俺がいなくなれば、警察のヴィラン捜査能力は格段に落ちる」
从 ゚∀从「それにお前、俺に命を懸ける覚悟があるか聞いてきたよな?」
从 ゚∀从「結果として俺の命が目的なら、俺に命を懸けさせる理由も分かるんだがな?」
(゚、゚トソン「……では、逆にお聞きしますが」
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296
:
名無しさん
:2018/07/26(木) 20:15:03 ID:kGtiVFWo0
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(゚、゚トソン「仮に私のが狙いがあなたの命だとして、そうまでしてあなたを恐れる理由は?」
从 ゚∀从「今言ったろうが。警察の捜査能力の低下のため……」
(゚、゚トソン「では現在、警察はヴィランへの抑止力として正しく機能しているでしょうか」
从 ゚∀从「……!!」
(゚、゚トソン「多くはヒーローに取って変わられているのではないですか?」
从;゚∀从「……チッ。ぐうの音も出ねぇよ」
(゚、゚トソン「そんな状況で、署長であるあなた一人を、こんな回りくどい方法で殺して何になると思います?」
(゚、゚トソン「本当に殺しが必要なら、もっと合理的かつ簡単な方法があるでしょう」
(゚、゚トソン「例えばジョージさんを連れ帰ったあの夜、扉の隙間からあなたを撃つとかね?」
从 ゚∀从「……そら正論だな」
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297
:
名無しさん
:2018/07/26(木) 20:16:32 ID:kGtiVFWo0
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(゚、゚トソン「それに、命を懸けていただくのは我々が石を手に入れてからですよ」
从 ゚∀从「なに?」
(゚、゚トソン「トレジャーもファニーも、瀕死の状態から復活したとき、あの肉体になっていました」
(゚、゚トソン「つまりあなたには、何らかの方法で死の縁に立っていただかなければならない」
(゚、゚トソン「石がないのにそんなことしても、滑稽の極みでしょう?」
从 ゚∀从「そこまでするなら、自分で力を手に入れた方が早いだろーが」
(゚、゚トソン「私は復讐に興味ありませんので」
(゚、゚トソン「それに、前市長やペニーナさんへのコネも、あなたしか持ち合わせてはいません」
从 ゚∀从「早い話が、俺が最適だったってことか?」
从 ゚∀从「オメーみてぇな怪しいのに身を任さないと、復讐も出来ねぇなんてな」
(゚、゚トソン「それだけ敵は強大ってことです」
从 ゚∀从「んなことは死ぬほど噛みしめてるっつーの」
(゚、゚トソン「では、話はこれくらいにしてまた後で」
从 ゚∀从「おう。とっとと帰れよ」
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298
:
名無しさん
:2018/07/26(木) 20:18:46 ID:K9Bn2jgY0
支援!!
299
:
名無しさん
:2018/07/26(木) 20:18:54 ID:kGtiVFWo0
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从 ゚∀从 テクテク
_
(;゚∀゚)「兄貴!!」
从 ゚∀从「あ……?なんだ、ジョー」
_
(;゚∀゚)「仕事中にどこ行ってたんだよ」
从 ゚∀从「別にどこも行きゃしねーよ、小便だ小便」
_
(;゚∀゚)「……兄貴、なんか最近おかしいぜ?」
_
(;゚∀゚)「俺に隠れてコソコソしてるし、仕事にも集中してないだろ」
从 ゚∀从「ケッ、サボり魔のテメーに突っ込まれちゃおしまいだな」
_
(;゚∀゚)「茶化すなよ!俺がボコされて帰った日から、何があったんだよ!」
从 ゚∀从「なんもねーっつってんだろ?」
从 ゚∀从「それよりお前こそ、サウスガットとは縁が切れたんだろうな?」
_
(;゚∀゚)「うっ……そ、それは……まだ……」
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300
:
名無しさん
:2018/07/26(木) 20:20:11 ID:kGtiVFWo0
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从 ゚∀从「んなこったろうと思ったぜ」
从 ゚∀从「まぁ、いい。こいつぁお前が自分でケジメつけにゃならねぇことだ」
从 ゚∀从「時間かけてでも、テメーでしっかりケツ拭うんだな」
_
(;゚∀゚)「……」
从 ゚∀从「それより、デルタはどこにいる?」
_
(;゚∀゚)「あ、あぁ……特犯課の部署にいるけど……」
从 ゚∀从「そうか、ちょっくらあいつに話がある。お前は業務に戻れ」
_
(;゚∀゚)「待てよ、兄貴……!!」
从 ゚∀从「帰ったら好きなだけ話聞いてやんよ。お前もたまには真面目に仕事しろや」
_
(;゚∀゚)「……兄貴」
.
301
:
名無しさん
:2018/07/26(木) 20:21:50 ID:kGtiVFWo0
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从 ゚∀从「よーう、デルタいるか?」ドガバァンッ
(;"ゞ)「わっ!ドアは静かに開けてくださいって言ってるじゃないですか署長!」
£°ゞ°)「特犯課のドアー、署長のせいでいつもガタガタネー」
( ^ω^)「無駄ですお、デルタさん。署長の乱暴なのは生まれつきですから」
从 ゚∀从「オメーが俺の生まれの何を知ってるんだっつの」
从 ゚∀从「それよりデルタ、お前今時間あるか?」
( "ゞ)「え?えぇ、緊急の出動がなければ……」
从 ゚∀从「そうか、じゃあ署長室までツラ貸せ。話がある」
从 ゚∀从「先に戻って待ってんぜ」
(;"ゞ)「は、はぁ……」
(;^ω^)「何ですかおね、話って……?」
£°ゞ°)「何だロネー?借金のお願い?」
(;^ω^)「生々しいから止めてくださいお」
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302
:
名無しさん
:2018/07/26(木) 20:23:36 ID:kGtiVFWo0
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───
──
【署長室……】
( "ゞ)「署長、ポール=デルタニアン参りました」
( "ゞ)「話とは何でしょうか」
从 ゚∀从「おう。ちょっと座れ、デルタ」
( "ゞ)「はい」ギシッ
从 ゚∀从「……お前と俺がバディ組んでたのは、何年前になるっけか」
( "ゞ)「確か……ヴィラン災害より前ですから、十七年くらい前ですかね」
从 ゚∀从「そうか。お互いに老けたもんだな」
从 ゚∀从「あの頃はお前もまだ、ぺーぺーの新人だったのによ」
( "ゞ)「何です、署長?まだ老け込むような年齢じゃないでしょう」
从 ゚∀从「フッ……まぁそうだがよ」
从 ゚∀从「よくまぁこの街で二十年近くも、ヴィラン相手にドンパチやって生き残ってたもんだな」
( "ゞ)「それは署長の、卓越した慧眼と手腕によるものですよ」
从 ゚∀从「ハッ、そらお褒めに預り光栄ってか?」
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303
:
名無しさん
:2018/07/26(木) 20:25:13 ID:kGtiVFWo0
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( "ゞ)「署長、本当にどうかされたんですか?昔話から入るなんて、あなたらしくもない」
( "ゞ)「何だか、話を切り出しかねているような雰囲気を感じますが……」
从 ゚∀从「……お前にゃさすがに筒抜けだな」
从 ゚∀从「いいだろ、ごまかしや社交辞令はこの際ナシだ」
从 ゚∀从「デルタ、ジョージの奴をよろしく頼む」
( "ゞ)「頼む、とは……?」
从 ゚∀从「あいつは意気地無しで臆病な怠け者だがよ」
从 ゚∀从「十五年前、ここへ配属になってすぐヴィラン災害に遭ったのがトラウマになっちまっただけなんだ」
从 ゚∀从「本当なら人一倍正義感が強い、真面目なヤツだったんだがな……」
从 ゚∀从「転属させてやろうとも思ったが、甘やかすのもためにならねぇと思って時間だけが過ぎちまった」
从 ゚∀从「だからよ、お前があいつを手助けして、導いてやっちゃくんねーか?」
( "ゞ)「は、はい……ですが、署長。それは私でなく、署長ではいけないんですか?」
从 ゚∀从「……念のためだ。頭の隅っこにでも入れといてくれ」
从 ゚∀从「俺に次いでここのキャリアが長ぇのは、お前だからな」
.
304
:
名無しさん
:2018/07/26(木) 20:26:12 ID:kGtiVFWo0
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从 ゚∀从「本当ならこんなこと、お前に頼める筋合いじゃねーんだがな」
从 ゚∀从「まぁ、古いよしみだと思って聞いてやってくれ」
( "ゞ)「署長。何か思い詰めてらっしゃるなら、私で良ければ力になりますが……」
从 ゚∀从「心配すんな、跳ね馬ハイドはそんなヤワじゃねぇよ」
从 ゚∀从「ただ、あいつもいい加減性根入れ換えさせる時が来たかと思っただけよ」
从 ゚∀从「遅すぎるとかは言いっこ無しでな!」
(;"ゞ)「署長……」
从 ゚∀从「話はそれだけだ。悪かったなデルタ、仕事に戻りな」
(;"ゞ)「……分かりました、失礼します」
ガチャッ、バタン
从 ゚∀从「ふぅ……」
从 ゚∀从(これで万が一俺に何かあっても、後は任せられたか……)
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305
:
名無しさん
:2018/07/26(木) 20:27:58 ID:kGtiVFWo0
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prrrr、prrrr……
从 ゚∀从「……あん?」
【通知:×××ー×××ー×××】
从 ゚∀从「誰だこんな時間に……知らねぇ番号から電話?」
ピッ
从 ゚∀从「おい誰だテメー。番号違いじゃねぇなら名を名乗りな」
『ハハハ、これはこれは。君から連絡してきたというのにずいぶんな態度だね?』
从;゚∀从「……その声、まさか!?」
『ピーターだよ。前市長のピーター=ショボンニさ』
『署長殿から連絡があったとたった今耳にしてね。取り次ぎミスで返事が遅れてすまなかったよ』
.
306
:
名無しさん
:2018/07/26(木) 20:29:48 ID:kGtiVFWo0
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从 ゚∀从「……まさか、VIP直々に電話してくるたぁ思わなかったぜ」
『君とはまんざら知らない仲でもないからね』
『どうだろう、手が空いてるなら今から出てこれないかい?』
从 ゚∀从「引退したご老体と違って、こっちゃ忙しいんスよ」
从 ゚∀从「……と、言いてぇとこだが、どうせ今しか会える時間がねぇってんだろ?」
『察しが良くて助かるよ。この後トニー君と面談があってね』
『ちょうど署の近くに寄るから、そのついでで良ければ君も来るといい』
从 ゚∀从「……オーケー、だがお互い暇な身じゃねぇんだ。手短に行きましょうや」
『では、場所はカフェサンセットで』
从 ゚∀从「了解。すぐ向かうよ」プツッ
.
307
:
名無しさん
:2018/07/26(木) 20:32:03 ID:kGtiVFWo0
.
─────
────
───
──
【カフェ・サンセット】
从 ゚∀从 ツカツカ
(´・ω・`)「やぁハイド君!こっちだよ!」
从 ゚∀从「うぃっす」ドカッ
(´・ω・`)「いやぁ、久しいね。君のそのふてぶてしさも変わらないようで何よりだよ」
从 ゚∀从「久しいもクソも、選挙演説の時に会ったじゃねーっスか」
(´・ω・`)「あれはお互い仕事だったからね。プライベートで顔合わせしたのは久しぶりだろう?」
从 ゚∀从「出来りゃあ、あんまり合わせたくねぇツラではあるけどな」
(´^ω^`)「ハハハ!君を見てると、憎まれっ子世に憚るという言葉を思い出すよ!」
(´・ω・`)「さすが不世出の逸材といったところかな?」
从 ゚∀从「俺が思い出すのは、年寄りの冷や水って言葉だがな」
(´^ω^`)「いいねぇその口振り!いかにも敏腕刑事といった感じだね」
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308
:
名無しさん
:2018/07/26(木) 20:34:10 ID:kGtiVFWo0
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(´・ω・`)「君のような人間がこの街にいてくれたのは、この街にとって大きかったとつくづく思うよ」
从 ゚∀从「んなおべっかはどうでもいいんスよ」
从 ゚∀从「こっちも仕事の最中に抜け出して来てるんだ、サクッと本題に入らせてもらうぜ」
(´・ω・`)「ふむ、いいだろう。好きなように話したまえ」
从 ゚∀从「市庁舎に飾ってあるあの王冠、あれを俺に譲っちゃくんねーか?」
(´・ω・`)「ほう。これはまた、突拍子もないお願いをするね?」
(´・ω・`)「君はあれがどういう由来の物か、理解して言っているのかね?」
从 ゚∀从「あんたの話を信じるなら、この街の開発途中に地下から出土したモンらしいな」
(´・ω・`)「その通りだよ。あれはこの場所が特別な場所だという証明となるものだ」
(´・ω・`)「だからこそ、僕個人が持つのでなく、市民の誰しもが目にすることの出来る場所へ置いてあるんだよ」
从 ゚∀从「ウソつけよ」
(´・ω・`)「……!」
从 ゚∀从「由緒も由来も、真っ赤な嘘っぱちなんだろ?」
(´・ω・`)「そう断定する証拠はあるのかな?」
从 ゚∀从「土台の王冠は作りが粗悪、金も混ざりものが多くて純金ですらねぇ」
从 ゚∀从「一体これのどこが由緒あるモンなんすかねェ?」
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309
:
名無しさん
:2018/07/26(木) 20:36:43 ID:kGtiVFWo0
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(´・ω・`)「君は、その知識をどこから?」
从 ゚∀从「宝飾品関係の人間が知り合いにいましてね」
从 ゚∀从「そっから聞き齧っただけの知識でさぁ」
(´・ω・`)「ならばそれは誤解だと言わねばなるまいね」
从 ゚∀从「はぁ?」
(´・ω・`)「あれは年代測定の結果、約五百年前の王族の王冠ということが判明している」
(´・ω・`)「五百年も前の時代に、そんな上等な金の錬成技術があると思うかね?」
从 ゚∀从「……」
(´・ω・`)「王冠の制作技術が粗末なのも、時代背景と合わせれば合点が行くはずだ」
(´・ω・`)「君の知り合いは、宝飾品の歴史的価値を加味していなかったと見える」
从 ゚∀从「歴史的価値ねぇ……」
从 ゚∀从(あのペニーナがそこを見落とすとは思えないが……)
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310
:
名無しさん
:2018/07/26(木) 20:38:55 ID:kGtiVFWo0
.
(´・ω・`)「それに君は大きな勘違いをしているよ」
从 ゚∀从「……なんスか?」
(´・ω・`)「あれがニセモノだろうと本物だろうと、所有権は私にあるということだ」
(´・ω・`)「たとえ君があれを贋作と吹聴したところで、私が手放さなければ君に譲る道理はないということだよ」
从 ゚∀从「ま、それはそうでしょうね」
从 ゚∀从「なら、あんたの言い値で俺がアレを買い取ると言ったら?」
(´・ω・`)「それもムリだ。もし言い値でと言うなら、支払いに三代はかかる額を提示させてもらう」
从 ゚∀从「そーなりますわなぁ……じゃ、最後は強行策しかねぇってこった」
(´・ω・`)「それも止しておいた方がいいね。あれは人目につきやすい分、セキュリティは厳重にしてある」
(´・ω・`)「下手に手を出せば、即座に警備が駆けつけて君を発砲するだろう」
从 ゚∀从「……」
从 ゚∀从「あんた、俺がなんでこんなに王冠を欲しがるかは聞かねぇんだな」
.
311
:
名無しさん
:2018/07/26(木) 20:41:09 ID:kGtiVFWo0
.
(´・ω・`)「そりゃあ前市長としては、この街の歴史的財産に興味を持ってくれるのは有難いからね」
(´・ω・`)「実際、君ほどあの王冠について熱心に調べてくれる人間はこれまでいなかった」
从 ゚∀从「俺ァ今あの王冠には価値がねぇって言ったんだぜ?」
从 ゚∀从「なのにそんなもんを大枚はたいて買おうとする理由、気にならねぇのかよ?」
(´^ω^`)「ハハハ!人の趣味にとやかく言う無粋は持ち合わせてないんでね!」
(´・ω・`)「物の価値は相対的かつ流動的なものだ。違うかい?」
从 ゚∀从「……」
(´・ω・`)「もっとも、君が私に王冠を手放すよう仕向けるためにそう言っているなら、ムダと断ずるがね」
从 ゚∀从「……フゥーッ。元政治家相手に、化かしあいなんざするもんじゃねーな」
(´^ω^`)「君もまだまだ青いね。ピーター=ショボンニ、老いてますます健在といったところかな?」
从 ゚∀从「ならあんたは、どうすればあれを俺へ譲ってくれる?」
从 ゚∀从「カネも脅しも聞かねぇんなら、何であんたを動かせばいい?」
(´・ω・`)「それを本人に聞くかね。ならば私はこう答えるよ」
(´^ω^`)「私を楽しませてごらん、とね?」
.
312
:
名無しさん
:2018/07/26(木) 20:42:54 ID:kGtiVFWo0
.
从 ゚∀从「おうおう、いかにも悪党の好きそうなセリフじゃねぇっすか」
从 ゚∀从「あんたを楽しませれば、王冠をいただけるのかい?」
(´・ω・`)「やぶさかではない、とだけ言っておこうか」
(´・ω・`)「ただ、並みの手腕では私は喜ばないとだけは言っておくよ」
从 ゚∀从「オーケー、肝に銘じておくよ」
从 ゚∀从「なら俺も、あんたへ一言宣言しておこう」
(´・ω・`)「なんだね?」
从 ゚∀从「あれは恐らく、今の俺にとって最も必要なモンだ」
从 ゚∀从「だから俺はどんな手段に訴えても、あれを手に入れる覚悟はあるぜ?」
(´・ω・`)「承知した。ならば私もそのゲームに乗るとしようか」
(´^ω^`)「君にとっては、些か分の悪い賭けになるかもしれないがね」
从 ゚∀从「ヘッ。確実に勝てる賭けなんざこの世に存在しねーよ」
从 ゚∀从「確実に負ける賭けがねーのと同じでな」
(´^ω^`)「ハハハ、まったくだね」
.
313
:
名無しさん
:2018/07/26(木) 20:44:30 ID:kGtiVFWo0
.
从 ゚∀从「俺の用件はそれだけだ。そろそろ上がらせてもらうぜ」
(´・ω・`)「あぁ、ちょうどいい。私も面談の時間が近かったからね」
从 ゚∀从「そう遠くねぇうちにまた会いに来るぜ。あんたを楽しませるとっておきのネタを仕込んでな」
(´・ω・`)「そうしてくれたまえ。私も楽しみにしているよ」
从 ゚∀从「じゃーな、ボケジジィ。次に会うまでくたばるんじゃねーぜ」
(´・ω・`)「君も息災にな」
ザッ……
(´・ω・`)「……」
(´^ω^`) ニコッ
(´^ω^`)「王冠の真実にたどり着く者が、ついに現れたか」
(´^ω^`)「人生とはかくも楽しけり、だねぇ。ハハハ、ハハハハ!!」
.
314
:
名無しさん
:2018/07/26(木) 20:46:17 ID:kGtiVFWo0
.
─────
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从 ゚∀从「……」カツカツ
从 ゚∀从(あのジジィ、俺が王冠を欲しがる理由については一切尋ねなかった……)
从 ゚∀从(そいつぁつまり、俺があれを欲しがる理由を知ってた……いや、『察していた』んだ)
从 ゚∀从(てことはまさか、ジジィはあの王冠がただの宝飾品じゃねぇと知ってるのか……?)
从 ゚∀从(あのジジィはどこまで知っていやがるのか、それとも全部ブラフなのか……)
从 ゚∀从「……」
从 ゚∀从 ピッピッ
prrrr、prrrr……
从 ゚∀从「あー、デルタか?俺だ、ハイドだ」
.
315
:
名無しさん
:2018/07/26(木) 20:47:45 ID:kGtiVFWo0
.
『署長!?どこにいらっしゃるんですか!突然いなくなるから皆ビックリしてますよ!』
从 ゚∀从「悪ぃな、ちょっくら野暮用だ」
从 ゚∀从「ついでに事件の聞き込みもしてくるんで、しばらく帰らねぇからよ」
『事件って、何の事件ですか?』
从 ゚∀从「色々とだ、後はお前らで回せ。じゃーな」
『署長!!ちょっ……』
プツン、ツーッツーッ……
从 ゚∀从「……」ピッピッ
从 ゚∀从「もしもし。総合科学技術研究所か?」
从 ゚∀从「こちらはクラウンシティ中央警察署のハイドだ」
从 ゚∀从「今からそっちに向かうんで、クォッサ=サリエリ博士を呼び出してくれや」
.
316
:
名無しさん
:2018/07/26(木) 20:49:14 ID:kGtiVFWo0
.
─────
────
───
──
【総合科学技術研究所……】
从 ゚∀从 ウィーン
从 ゚∀从「よう、受付の姉ちゃん。ちょっといいか?」
从 ゚∀从「さっきアポを取ったハイドだが、クォッサ博士へ取り次いでくれ」
『ハイド様ですね、お話は伺っております。一番応接室へご案内しますのでどうぞ』
从 ゚∀从「あぁ、頼む」テクテク
『どうぞ、こちらでお待ちください。クォッサはすぐに参りますので』
从 ゚∀从「あぁ、分かった」ドサッ
.
317
:
名無しさん
:2018/07/26(木) 20:51:35 ID:kGtiVFWo0
.
从 ゚∀从「……」カツカツ
川 ゚ -゚) ウィーン
从 ゚∀从「よう、姉ちゃん。元気してたか」
川 ゚ -゚)「お久しぶりです、署長。その節はどうも」ペコリ
从 ゚∀从「そうかしこまるなよ。俺もあんたも、あのヴィラン災害を生き残った身だ」
从 ゚∀从「礼儀なんざ忘れて、ざっくばらんに行こうぜ」
川 ゚ -゚)「そうですか、では忌憚のない意見を述べますが」
川 ゚ -゚)「人の就業時間中に、警察の名を名乗って来たからには、それなりの理由があると思って良いんですね?」
川 ゚ -゚)「それは警察の業務に関わりのあることですか、別件ですか」
川 ゚ -゚)「そこをまずは明確にしていただかねば」
从 ゚∀从「まぁ単なる世間話だ、ちょっくら付き合えよ」
川 ゚ -゚)「そうですか、では」スタスタ
从;゚∀从「待て待て!ジョークだ、ジョーク!」
从;゚∀从「ガチの世間話にこんな時間割くわけねーだろ!」
川 ゚ -゚)「ならば最初からそう仰ってください。こちらも多忙ですので」
从 ゚∀从「あーあー、悪かったよ姉ちゃん」
从 ゚∀从「冗談が通じねぇんだからよぉ、ったく……」
.
318
:
名無しさん
:2018/07/26(木) 20:52:50 ID:kGtiVFWo0
.
川 ゚ -゚)「それで、用件は何ですか?」
川 ゚ -゚)「デミタスでなく私を呼び出したということは、重要性の高い情報と判断しますが」
从 ゚∀从「まぁそう焦れるなよ。二、三質問したら帰るからよ」
川 ゚ -゚)「あなたと駆け引きをしている時間が惜しい。簡潔に伝えるのが無理なら出直していただきたい」
从 ゚∀从「あーそーかい、じゃあバッサリ行かせてもらうがよ」
从 ゚∀从「あんたんとこから、トレジャーについての情報が漏洩している可能性はねぇか?」
川 ゚ -゚)「……それはたとえば、どのような情報ですか?」
从 ゚∀从「ある女から、トレジャーのパワーの源についての情報を聞いた」
从 ゚∀从「そしてそいつは、情報のリーク先をクォッサ=サリエリだと言っていた」
从 ゚∀从「それが本当なら、あんたが誰かにトレジャーの情報を漏らしたってことになるが」
从 ゚∀从「真偽のほどはどうなんだ?」
.
319
:
名無しさん
:2018/07/26(木) 20:54:50 ID:kGtiVFWo0
.
川 ゚ -゚)「あり得ませんね。こう見えて口は固い方なので」
从 ゚∀从「どうだろうなぁ。たとえば、自白を強要するような能力を持ったヴィランがいたとしたら?」
川 ゚ -゚)「その場合、まずはそのような能力を持ったヴィランに情報が漏れたと周知される」
川 ゚ -゚)「そこから敵を確保し、情報の拡散を防ぐのはそう難しい問題ではありません」
从 ゚∀从「なるほどな……対策は講じてると」
川 ゚ -゚)「はい。今のところ、致命的な情報の漏洩が起こったことはありません」
从 ゚∀从「だろうなぁ……となるとやっぱりあの女の情報はガセだったか」
川 ゚ -゚)「逆に私からもあなたに聞きたい」
川 ゚ -゚)「その女性から聞いた情報というのは、一笑に付すことも叶わないほど信憑性のあるものだったのですか?」
从 ゚∀从「いや、俺も頭っから信じてた訳じゃねーよ」
从 ゚∀从「確か雪山で遭難して瀕死になって……とか何とか言ってたな」
川 ゚ -゚)「……ッ」ピクッ
从 ゚∀从「……!」
.
320
:
名無しさん
:2018/07/26(木) 20:55:56 ID:kdjPbx.o0
トソン侮れないな
321
:
名無しさん
:2018/07/26(木) 20:56:40 ID:kGtiVFWo0
.
川 ゚ -゚)「……そのような事実はありません。騙されたのでは?」
从 ゚∀从「そうか、それならいいんだがな」
川 ゚ -゚)「何にせよ、その女性が何らかの意図を持って署長へ近づいたのは明らかですね」
川 ゚ -゚)「その方の名前は分かりますか?」
从 ゚∀从「トソン=コレークだ。聞き覚えは?」
川 ゚ -゚)「トソン……いや、ありませんね」
从 ゚∀从「だが、何かと動きに不審が多い女だった」
从 ゚∀从「てめぇらも何か起こる前に、気をつけておいた方がいいぜ」
川 ゚ -゚)「ご忠告、感謝します」
川 ゚ -゚)「では私は仕事を残してますので、この辺りで」
从 ゚∀从「待てよ。まだ話は終わってねーぞ?」
川 ゚ -゚)「何か有益な情報が得られたら私までご連絡を。それでは」ウィーン
从 ゚∀从「……案外、感情の出やすい女なんだなあいつ」
从 ゚∀从「動揺してんのバレバレじゃねーか」
.
322
:
名無しさん
:2018/07/26(木) 20:59:51 ID:kGtiVFWo0
.
─────
────
───
──
【クラウンシティ・セントラルパーク】
从 ゚∀从「……」
(゚、゚トソン テクテク
(゚、゚トソン「お呼びですか、ハイドさん」
(゚、゚トソン「今はまだ警察署にいる時間では?」
从 ゚∀从「よう、来たか。早かったな」
(゚、゚トソン「時間はありますので」
(゚、゚トソン「それで、何か進展があって私を呼び出したのですか?」
从 ゚∀从「あぁ、あったぜ」
从 ゚∀从「オメーはクロだって進展がな」
(゚、゚トソン「……!」
从 ゚∀从「今、クォッサ博士と顔合わせて話をしてきた」
从 ゚∀从「奴さん、お前の名前すら知らなかったが、あんたはどう弁明してくれるんだ?」
(゚、゚トソン「さぁ。匿名で話をしただけでしたので」
.
323
:
名無しさん
:2018/07/26(木) 21:01:25 ID:kGtiVFWo0
.
从 ゚∀从「だがクォッサ博士は、お前の言う雪山で遭難したって話も否定してたぜ?」
从 ゚∀从「それについて、何か言うことはねぇのか?」
(゚、゚トソン「仲間内の秘密を、あのクォッサ博士がはいそうですと肯定するでしょうか」
从 ゚∀从「そういう問題じゃねぇんだよ。てめぇ、やっぱ何か俺に隠してるだろ?」
(゚、゚トソン「隠し事のない人間など、いませんよ」
从 ゚∀从「そういうこっちゃねぇんだよ!!」
从 ゚∀从「俺はてめぇが俺に取り入って、何しようとしてんのか聞いてんだぜ?」
从 ゚∀从「さっさと答えろよ、トソン=コレーク!!」
(゚、゚トソン「では、あなたはクォッサ博士の話を信じ、クォッサ博士の側に着くと?」
从 ゚∀从「当然だ。お前の目的が分からねぇ以上、行動を共にするのはリスクでしかねぇ」
(゚、゚トソン「ということは、王冠を奪取するのも諦めるのですね?」
从 ゚∀从「そうだよ。テメーの口車に乗せられてたまるかってんだ」
(゚、゚トソン「では、ここでお別れですね」
从 ゚∀从「……あ?」
(゚、゚トソン「私は情報を提供した上で協力してくれる方を必要としていましたので」
(゚、゚トソン「あなたがその定義から外れるなら深追いはしません」
(゚、゚トソン「そうなれば次はまた、別の方を探すだけです」
.
324
:
名無しさん
:2018/07/26(木) 21:03:47 ID:kGtiVFWo0
.
从 ゚∀从「イヤにあっさり引き下がってくれるじゃねーか。却って怪しいぜ」
(゚、゚トソン「別に私には、あなたに執着するメリットがないというだけですよ」
(゚、゚トソン「あなたが私を選択するリスクを、負わなかったのと同じように」
从 ゚∀从「そうかい。なら俺とジョージに二度と近づくな」
从 ゚∀从「次に顔見たら、女だろうと問答無用でぶん殴らせてもらう」
(゚、゚トソン「分かりました。ではそのように計らいましょう」
(゚、゚トソン「今後あなたの前には現れないし連絡も取らない、それでいいですね?」
从 ゚∀从「いいだろう。それで手打ちだ」
(゚、゚トソン「では、ごきげんようミスターハイド」
(゚、゚トソン「あなたの前に、幸運が拓けますように」
从 ゚∀从「へっ。人のために白々しく祈ってんじゃねーよ」
从 ゚∀从「幸運なんてもんは、俺のやり方でこじ開けてやっからよ」
.
325
:
名無しさん
:2018/07/26(木) 21:06:08 ID:kGtiVFWo0
.
─────
────
───
──
从 ゚∀从 カリカリ
从 ゚∀从(……今俺が手にしてる情報は、こんなもんか)
トソン=コレークから得た情報
・トレジャーはかつて雪山で遭難してあの力を得た。
・それには謎の七色の石が関与している。
・その情報の発信源はクォッサ=サリエリ。
・市庁舎の王冠にその石が使われている可能性がある。
・力を得るには石を持って瀕死になる必要がある。
ペニーナ=カートレンから得た情報
・王冠に金銭的価値は皆無。
・王冠に使われている宝石はペニーナにも判別出来ない。
ピーター=ショボンニから得た情報
・王冠は五百年前のもの。粗悪な造りはそのせい。
・彼は何をしようと王冠を譲渡する気はない。
クォッサ=サリエリから得た情報
・トレジャーが雪山で遭難したという事実はない。
・クォッサ本人はトソン=コレークを知らない。
.
326
:
名無しさん
:2018/07/26(木) 21:09:02 ID:kGtiVFWo0
.
从 ゚∀从(見れば見るほど、情報が錯綜してやがんな)
从 ゚∀从(一体誰を信じればいいのやら……)
从 ゚∀从(……順を追って整理するか)
从 ゚∀从(まず発端になったのは、トソン=コレークが俺を訪ねて来たこと)
从 ゚∀从(暴行されたジョージを介抱したって話だったが、そこがまず怪しい)
从 ゚∀从(それから奴に引き回されるように方々を回っていったが……)
从 ゚∀从(そもそもなんで俺は、違和感なくあいつを受け入れたんだ?)
从 ゚∀从(アルのジジィの姪っ子だからか?)
从 ゚∀从(いくら初対面じゃねぇからって、女を家に招き入れる?)
从 ゚∀从(ジョージが怪我してたなら、引き取って女はタクシーで返しても良かったんだ)
从 ゚∀从(てか、普段の俺ならそうしてる)
从 ゚∀从(あの時の俺がそうしなかったのは、何故だ……?)
从 ゚∀从(あのタイミングで何かされた……あの短い時間で……?)
从 ゚∀从「……!!」ハッ
从;゚∀从「まさか……記憶の改竄か……!?」
.
327
:
名無しさん
:2018/07/26(木) 21:10:25 ID:kdjPbx.o0
気付くのか
トソンの能力がしょっぱいのかハイドが切れ者なのか
328
:
名無しさん
:2018/07/26(木) 21:10:48 ID:kGtiVFWo0
.
从;゚∀从(そうだ、それなら辻褄が合う)
从;゚∀从(ジョージの暴行は俺への接触のきっかけ……その後記憶を操作されたとしたら……)
从;゚∀从(短時間に一切の違和感を排除して、俺へ近づくことができる)
从;゚∀从(クォッサの姉ちゃんは俺の話を聞いて動揺していた……デマならあんな動揺はしねぇ)
从;゚∀从(つまりトソンの話は、真実だったってぇことになる)
从;゚∀从(なのにトソンの名前を知らなかったのは、奴に記憶をいじられてたから……?)
从;゚∀从(待て。それが可能なら、奴がアルのジジィの姪っ子ってのも信用ならなくなんぞ)
从;゚∀从(奴は骨を俺に渡したあの時から、俺に何かさせようとしてたのか?)
从;゚∀从(何か……決まってる。王冠を手に入れされることだ!)
从;゚∀从「なんてこった……自分の行動を省みにゃ気づかねぇなんて……」
从;゚∀从「トソン=コレーク……一体どこまでがお前の意図なんだ……?」
.
329
:
名無しさん
:2018/07/26(木) 21:12:28 ID:kGtiVFWo0
.
从 ゚∀从(どうする……もしも全てが奴の掌の上なら、このまま踊り続けるのは危険だ)
从 ゚∀从(それとも全て承知の上で、奴の思惑に乗り続けるか……?)
从 ゚∀从「……」ピッピッピッ
prrr、prrr……
『もしもし?』
从 ゚∀从「おう、カフェオレのか。俺だ、ハイドだ」
『ハイド署長。僕に電話とは、珍しいですね』
从 ゚∀从「あぁ。普段なら絶対電話なんざしねぇがな」
『どうされました。先ほどクー博士とも面会されたようですが……』
从 ゚∀从「率直に聞くぞ。お前、記憶を操作するヴィランに心当たりねーか?」
.
330
:
名無しさん
:2018/07/26(木) 21:15:01 ID:kGtiVFWo0
.
『記憶操作……いえ、今のところそのようなヴィランは記録にありませんね』
从 ゚∀从「そうか、なら気ぃつけな。俺はもしかしたら、もうやられちまったかもしれん」
『やられたというと……記憶を操作されたということですか?』
从 ゚∀从「あぁ。ついでに言うと、クォッサの姉ちゃんも記憶をやられてる可能性がある」
从 ゚∀从「トソン=コレークって女を見かけたら、問答無用で捕縛しろ。これは警告だ」
从 ゚∀从「身長160センチ程度、短めの黒髪を後ろで括った痩せ型で、瞳は鳶色の女だ」
『待ってください。あなたはその情報をどこから?』
从 ゚∀从「企業秘密だ。黙って聞いとけ」
从 ゚∀从「それともう一度聞くが、記憶操作かそれと同じような能力に、マジで覚えはねぇんだな?」
『ありません。今クォッサ博士とも話をしていますが、能力を使われた痕跡もない』
从 ゚∀从「そうか、分かった。思い出したらいつでも俺のケータイに連絡しろ」
『署長、よろしければこれから詳しい話を聞かせ……』
从 ゚∀从「……」プツンッ
从 ゚∀从 ザッ…
.
331
:
名無しさん
:2018/07/26(木) 21:16:39 ID:kGtiVFWo0
.
【翌朝、中央警察署…】
( ^ω^)「おはようございますお!」
( "ゞ)「あぁ、おはよう」
£°ゞ°)「グモニー、ブーン!」
( ^ω^)「……あれ?署長はまだ来てないんですかお?」
( "ゞ)「来てないみたいだな。署長室にも捜査資料室にもいなかった」
£°ゞ°)「珍しいよネー。いつもなら署員の誰よりも早く来てるのに」
( ^ω^)「寝坊ですかおねー……珍しい」
_
(;゚∀゚)「おぉい!!お前ら!!」バァンッ
(;"ゞ)「わぁっ!?扉壊れるって!!」
£;°ゞ°)「どしたノー、ジョージさん?そんなに慌ててー」
_
(;゚∀゚)「兄貴はこっちに来てるか!?」
( "ゞ)「え。いや、来ていないが……」
( ^ω^)「ジョージさん、署長と一緒じゃないんですかお?」
_
(;゚∀゚)「昨日兄貴は、家に帰って来なかったんだよ……」
_
(;゚∀゚)「そんで今朝起きたら、机の上にこれが……」パサッ
( "ゞ)「それは?」
.
332
:
名無しさん
:2018/07/26(木) 21:17:52 ID:kGtiVFWo0
.
【辞表】
ジョージへ
起きたらこいつを署まで届けてくれ。
これからはデルタたちと四人で協力するように。
ハイドより
(;"ゞ)「じっ、辞表!?」
£;°ゞ°)「嘘でショー!?」
(;^ω^)「そんな……突然過ぎますお!?」
_
(;゚∀゚)「俺だって信じらんねーよぉ……あの責任感の塊みたいな兄貴がこんないきなり……」
(;"ゞ)「……とりあえず、それを提出するのはまだ待ってくれ」
(;"ゞ)「もしかしたら署長は、何かの事件に巻き込まれたのかもしれない」
£;°ゞ°)「ショッキングネー……」
(;^ω^)「署長、まさかもう殺されてたり……」
_
(;゚∀゚)「縁起でもねぇこと言うんじゃねぇ!!」バンッ
(;^ω^)「す、すみませんお!!」
_
(;゚∀゚)(兄貴ィ……どうしたってんだよぉ……!!)
.
333
:
名無しさん
:2018/07/26(木) 21:19:59 ID:kGtiVFWo0
.
─────
────
───
──
【クラウン=シティ共同市営墓地…】
从 ゚∀从 ザッ…
从 ゚∀从「……フゥー」
从 ゚∀从「ここへ来るのはもう何度目だろうな」
从 ゚∀从「こうして、慰霊碑へ向けて手を合わせるのも」
从 ゚∀从「お前らは、あっちで元気にやってんのか?」
从 ゚∀从「窮屈な思いしてなきゃいいがな……」
.
334
:
名無しさん
:2018/07/26(木) 21:21:30 ID:kGtiVFWo0
.
从 ゚∀从「チャーリー、てめぇは熱心なクリスチャンだったな」
从 ゚∀从「あっちでも神様の訓示を聞いて、目ぇ輝かせてやがんのか?」
从 ゚∀从「チャック。お前はバスケが好きだったな」
从 ゚∀从「お前の贔屓のデトロイトオリオンズ、今年も優勝争いには絡めなかったみてぇだぜ」
从 ゚∀从「マイケル、フォーリー、サム、ケイン、トーマス、ベル」
从 ゚∀从「キース、ベン、ウォルト、リチャード、ハロルド……」
从 ゚∀从「お前らのこたぁ、一瞬だって忘れたこたぁねぇよ」
从 ゚∀从「お前らが殉職してから、ただの一度もな」
.
335
:
名無しさん
:2018/07/26(木) 21:23:16 ID:kGtiVFWo0
.
从 ゚∀从「なぁ、聞いてくれや。俺ァ一体どうすればいい?」
从 ゚∀从「このまま、奴の思い通りに動いちまっていいいと思うか?」
从 ゚∀从「俺はファニーフェイスへ復讐する。そいつぁいい」
从 ゚∀从「だが、トソン=コレークの目的も分からねぇうちに、それに乗っかっていいと思うかよ?」
从 ゚∀从「なぁ……誰か、教えちゃくれねぇか?」
ヒュゥッ……
从 ゚∀从「……ヘッ。そうだよな、分かってたんだよ」
从 ゚∀从「死人は結局、何も言っちゃくれねぇ。背中なんて押しちゃくれねぇんだ」
从 ゚∀从「お前らが望もうと望むまいと、答えは自分で出すっきゃねぇ」
从 ゚∀从「腹ァ括れよ、ハイド=ハートマン」
从 ゚∀从「てめぇは何のために警察官になった?」
从 ゚∀从「のさばる悪党をふん捕まえるためだろうが」
.
336
:
名無しさん
:2018/07/26(木) 21:24:11 ID:kGtiVFWo0
.
从 ゚∀从「お前らの仇は、俺が絶対に取ってやらぁ」
从 ゚∀从「悪魔に魂を売り渡してでも、復讐は成就させてやる」
从 ゚∀从「だからお前らはそっちで、ファニーフェイスが来るのを待ってやがれ」
从 ゚∀从「そっちで好きなだけ奴を囲んで、タコ殴りにしてやんな」
从 ゚∀从「……」ザッ
.
337
:
名無しさん
:2018/07/26(木) 21:25:06 ID:kGtiVFWo0
十八話中編終わり
338
:
名無しさん
:2018/07/26(木) 21:25:30 ID:kGtiVFWo0
後編は明日の同じ時間帯に投下します。
339
:
名無しさん
:2018/07/26(木) 21:26:06 ID:kdjPbx.o0
おつおつ
340
:
名無しさん
:2018/07/26(木) 21:34:42 ID:K9Bn2jgY0
乙ぅ!
ハイド、このあとどうするんだろう
341
:
名無しさん
:2018/07/26(木) 23:08:28 ID:S4g5aY3s0
乙!
ショボンニいいキャラしてる…!
342
:
名無しさん
:2018/07/27(金) 01:52:01 ID:mViQHq660
乙
やはり一筋縄ではいかない署長
343
:
名無しさん
:2018/07/27(金) 02:27:54 ID:5mIhdXj.0
かっこe
344
:
名無しさん
:2018/07/27(金) 19:34:52 ID:dinXch2k0
.
第十八話『PROLOGUE OF CLOWN DEVIL 〜後編〜』
.
345
:
名無しさん
:2018/07/27(金) 19:36:47 ID:dinXch2k0
.
─────
────
───
──
【ハイド辞職から三日後の深夜、ショボンニ邸……】
(´ーωー`)「……」スピー
prrr、prrr……
(´ーω・`)「んっ……」パチ
(´・ω・`)「誰だ、こんな夜更けに……」
【通話:ハイドくん】
(´・ω・`)「……!」
(´・ω・`)「もしもし、ハイドくんかね?」ピッ
『よう、ジジィ。思ったより早く電話に出たな?』
『まさかまだ起きてやがったのか?』
(´・ω・`)「起こされたに決まってるだろう?……いや、今はそんなことどうでもいいな」
.
346
:
名無しさん
:2018/07/27(金) 19:38:25 ID:dinXch2k0
.
(´・ω・`)「噂に聞いたよ。君、警察官を辞めたそうだね」
『ほう、もう話が届いてんのか。地獄耳なこって』
(´・ω・`)「君ほど仕事熱心な人間が辞めたとあれば、嫌でも耳に入るよ」
(´・ω・`)「それで、君は今何をしているんだい?」
『なぁに。この三日間、あんたを楽しませる方法をずっと考えてたのさ』
(´・ω・`)「それで電話してきたということは、何か算段がついたと考えても?」
『あぁ。あんた、今から市庁舎まで来れるか?』
(´・ω・`)「運転手はもう返してしまったんだがな……まぁ、何とか工面は出来るだろう」
『そうかい。なら、先にこっちで待ってるぜ』
(´・ω・`)「私がそちらに行かなかった場合、どうなるのかね?」
『あんたはただの証人だ。楽しみたくなけりゃ来なくても構わねぇさ』
(´^ω^`)「フフフ……そうかね。では、楽しみにそちらへ向かうとしよう」
.
347
:
名無しさん
:2018/07/27(金) 19:39:51 ID:dinXch2k0
.
【市庁舎前…】
キキィッ……
(´・ω・`)「あー、運転手くん、君は先に帰りたまえ。私を待っていなくて構わないよ」
(´・ω・`)「少々時間がかかるかもしれないのでね」バタンッ
(´・ω・`)「さて……誘われて来たはいいが、ここからどうすればいいのかな」
prrr、prrr
(´・ω・`)「……!」ピッ
『来たか、ジジィ。なら裏口から入って、北側の非常ドアから中に入りな』
『中に入ったらそのまま正面エントランスまで来い。鍵は開いてる』
(´・ω・`)「なぜ鍵が開いてるのかは、聞かない方がいいのかな?」
『それも後で説明してやんよ。とりあえずお互いにツラ合わせようや』
(´・ω・`)「……承知した。ひとまずは君の言うとおりにしてみようか」
.
348
:
名無しさん
:2018/07/27(金) 19:40:24 ID:dinXch2k0
.
カツ、カツ……
(´・ω・`)「やぁ、ハイドくん」
コツ、コツ……
从 ゚∀从「よう、ジジィ」
.
349
:
名無しさん
:2018/07/27(金) 19:41:58 ID:dinXch2k0
.
(´・ω・`)「今日は突然のお誘い、どうもありがとう」
(´・ω・`)「まずは君がどうやってここまで来たのか、聞いてもいいかな?」
从 ゚∀从「知人に超優秀な鍵屋がいてな。そいつのおかげだ」
从 ゚∀从「複製を作るのに三日もかかっちまったが、その分仕事は上等だぜ?」
(´・ω・`)「ほほう。電子ロックのキーを複製するとは、生半可な腕前じゃないね」
(´・ω・`)「そこまでして呼び出してくれたんだ。さぞや楽しい話題を提供してくれるんだろう?」
从 ゚∀从「まぁ落ち着けよ。ジジィのクセに早漏かっての」
(´・ω・`)「わざわざ王冠の飾ってあるエントランスに呼んでくれたんだ。期待もするさ」
(´・ω・`)「それはつまり、どうあっても王冠を我が物にするということだね?」
从 ゚∀从「さてな……それより、ジジィが来るまでに王冠をじっくり観察させてもらったんだがよ」
(´・ω・`)「ふむ、どうかね?」
从 ゚∀从「俺にゃあやっぱり、この手のモノの価値なんざ分からねぇよ」
从 ゚∀从「どこがどう粗悪で最低なのか、サッパリ見当もつかねぇわ」
(´・ω・`)「君ももう少しいいものを見るようにすれば、分かるようになるさ」
从 ゚∀从「……」
.
350
:
名無しさん
:2018/07/27(金) 19:43:38 ID:dinXch2k0
.
从 ゚∀从「……あんた、ここまで来ても俺が王冠を欲しがる理由、聞かねぇのか」
(´・ω・`)「言っただろう?そんなことは些末なことだ」
(´・ω・`)「大事なのは君が、どう私を楽しませてくれるかだけだよ」
从 ゚∀从「いいや、違うね。あんたは俺が王冠を欲しがる理由を、もう察してるんだろ」
(´・ω・`)「さぁね。皆目分からないな」
从 ゚∀从「とぼけるのも大概にしろよ」
从 ゚∀从「本当にその王冠が惜しいなら、偽物だと指摘された時点でそうだと言えばいいだけだ」
从 ゚∀从「王冠が無価値と分かりゃあ、普通の人間なら諦めるはずだからな」
从 ゚∀从「あんたがそうしなかったのは、その王冠に別の価値を見いだしているから」
从 ゚∀从「そして俺も、別の意味で王冠を欲しがっていると理解していたからじゃねぇのか?」
(´・ω・`)「想像力たくましいね、君は。うらやましい限りだ」
从 ゚∀从「ほーう?あくまでもシラ切ろうってのか?」
从 ゚∀从「ならこっちも、それなりの勝負札を切るっきゃねぇな」
.
351
:
名無しさん
:2018/07/27(金) 19:44:34 ID:dinXch2k0
.
从 ゚∀从「この三日間、俺ァ散々考えつくしたよ」
从 ゚∀从「どうすりゃあんたの興味を惹く話が出来るかってな」
(´・ω・`)「勤勉なことだね、実に君らしい」
从 ゚∀从「そして、ひとつの結論に至った」
(´・ω・`)「それは?」
从 ゚∀从「あんたは百戦錬磨の政治家だ。並の手練じゃ動じねぇ」
从 ゚∀从「だからいっそのこと、全部本当のことを話しちまおうと思ったのよ」
(´・ω・`)「ほう!まさかそんなことを考えていたとはね」
(´・ω・`)「面白い……続けたまえ、ハイドくん」
.
352
:
名無しさん
:2018/07/27(金) 19:46:51 ID:dinXch2k0
.
从 ゚∀从「あの王冠は……いや、王冠に収まってる石は、トレジャーのパワーの源となってるモンと恐らく同じだ」
(´・ω・`)「……!」
从 ゚∀从「奴はかつて、あれとそっくりな石を持ったまま雪山で遭難したらしい」
从 ゚∀从「そして生死の境をさ迷った末、起きた時に石は消え去り、今のバカげた体に成り果てたそうだ」
从 ゚∀从「恐らく石が体と同化したんじゃねぇかって話だったな……」
(´・ω・`)「その石が、王冠の石と同じものであるという証拠は?」
从 ゚∀从「ねぇよ。だからこれはバクチなんだ」
从 ゚∀从「見通しの効かねぇ、分の悪すぎるギャンブルよ」
(´・ω・`)「ふむ……全てを賭けたギャンブル、か」
(´・ω・`)「ならば私も、全てをさらけ出さないとフェアじゃないだろうね」
从 ゚∀从「なに?」
(´・ω・`)「君の話してくれたことは、私の持つ情報とはいささか違っていたようだ」
(´・ω・`)「私はてっきり、君がこの石を奪取して廃棄するつもりだと思っていたんだよ」
.
353
:
名無しさん
:2018/07/27(金) 19:48:37 ID:dinXch2k0
.
从 ゚∀从「なんで俺がそんなことをすると思った?」
(´・ω・`)「そりゃそうだ。君はヴィラン専門の刑事で、この石はヴィランを産み出すのだからね」
从 ゚∀从「なんだと?」
(´・ω・`)「教えよう、ハイドくん。全ての事の起こりを」
(´・ω・`)「この石は人をランダムに選び、夢を見させている」
(´・ω・`)「普通の人間を、超常能力者に変えてしまうあの夢をね」
从;゚∀从「なにぃ……?」
(´・ω・`)「つまり、ヴィランであれヒーローであれ、この石無くしては存在し得ないということだ」
(´・ω・`)「断言しよう。全ての元凶はこの石だ、それは間違っていない」
(´・ω・`)「だからこそ私は、君に王冠を譲る訳にはいかなったのだよ」
从;゚∀从「……なんてこった」
.
354
:
名無しさん
:2018/07/27(金) 19:50:08 ID:dinXch2k0
.
(´・ω・`)「君はおかしいと思ったことはなかったかね?」
(´・ω・`)「いかに大都市とはいえ、米国のヴィラン犯罪の約八割が、この街で起こっているという不思議を」
从 ゚∀从「……アメリカ1の都市なんだ。そんなもん普通だと思ってたぜ」
(´・ω・`)「そうではないんだ。答えは、この石が絶えず超常能力者を生み出していたから」
(´・ω・`)「だから必然的に事件数は増え、統計の割合は上がってゆく」
(´・ω・`)「そしてさらに憶測を言うならば……この石は、ここに飾られている物が全てではないはずなんだ」
从;゚∀从「そんな物騒なモンが、まだありやがるってのか?」
(´・ω・`)「統計の残り二割だよ、ハイドくん」
(´・ω・`)「石がヴィランとヒーローを生み出しているなら、この街以外で生まれた超常能力者も起源は同じはず」
(´・ω・`)「つまり、発生源となる石が他にもあることの証明になるんだよ」
从 ゚∀从「待てよ!なんであんたはそんなこと知ってんだ?」
从 ゚∀从「まるであらかじめ全部分かってやってたみてぇな言い方じゃねぇか」
(´・ω・`)「その通り、分かってやっていたんだよ」
(´・ω・`)「何故なら私も、この石の見せる夢を見た一人なんだからね」
从;゚∀从「……!!」
.
355
:
名無しさん
:2018/07/27(金) 19:51:44 ID:dinXch2k0
.
(´ーωー`)「……少しだけ昔話をしようか、ハイドくん」
(´・ω・`)「あれはこの街が近代化する以前、半世紀近くも前のことになる」
(´・ω・`)「この街はかつて、開拓民の安息所として栄えた街でね」
(´・ω・`)「名前もまだクラウンシティではなく、カウベルタウンという名前だった」
(´・ω・`)「その頃にちょうど、アメリカの象徴となる新しい都市を作ろうという計画があってね」
(´・ω・`)「白羽の矢が立ったのが、大陸の中央に位置するこの街だったのさ」
(´・ω・`)「当時の私は、中央からこの街へ派遣された役人として、様々な開発に奔走していたんだ」
(´・ω・`)「その頃はここもまだ、道路整備すらおぼついていなくてね……毎日が上を下への大わらわだったよ」
(´・ω・`)「ある日、工事の現場に赴いていた私は、廃土の中から不思議なものを見つけた」
(´・ω・`)「それは七色に光る、神秘的な石ころだった」
(´・ω・`)「私はそれが捨てられる前に、こっそり持ち帰って確保することに成功した」
(´・ω・`)「その石のあまりの美しさに、私はそれが希少な石なのではないかと思ったんだよ」
(´・ω・`)「業者が懐に入れる前に見つけたのは、奇跡としか言い様がなかったね」
从 ゚∀从「じゃあ、出土したのは王冠じゃなく石だけだったのか」
(´・ω・`)「そうだ。君の言うとおり、王冠部分は質の悪い、後付けの台座に過ぎなかったんだよ」
.
356
:
名無しさん
:2018/07/27(金) 19:53:10 ID:dinXch2k0
.
(´・ω・`)「その石を持ち帰ったその夜、私は不思議な夢を見た」
(´・ω・`)「石に象徴されるのと同じ、七色の光が私に問いかける夢だ」
(´・ω・`)「その光は、同じ言葉を何度も私へ投げかけてきた」
(´・ω・`)「『望め』、とね」
(´・ω・`)「そしてさらに不思議なことに、その夢は私の家族や使用人、全員が見ていたのだよ」
(´・ω・`)「屋敷にいた十人のうち、全員がだ。そんなことあり得ると思うかね?」
从;゚∀从「……」
(´・ω・`)「私は直感したよ。あの謎の石が、あの夢を見させていたのだとね」
(´・ω・`)「そしてその数日後、私はあの夢の意味も理解することになる」
.
357
:
名無しさん
:2018/07/27(金) 19:54:40 ID:dinXch2k0
.
(´・ω・`)「使用人の一人が、超常能力者として開花してしまったんだよ」
从;゚∀从「……!!」
(´・ω・`)「まだ特犯課の出来るはるか前だ。欲にまみれた彼は、最終的に警察に射殺されたよ」
(´・ω・`)「『俺は夢で、触れたものを金に換えることが出来るようになった』と、言い残してね」
(´・ω・`)「その意味が分かったのは、彼の体から黄金の弾丸が溢れ落ちるのを見た私だけだった……」
(´・ω・`)「あの夢は、願った者を望む通りの体に作り替えてしまう、恐ろしい夢だったのだよ」
从 ゚∀从「待てよ、ジジィ」
(´・ω・`)「なんだね?」
从 ゚∀从「ジジィは夢に向かって、なんて答えたんだ?」
从 ゚∀从「まさかあんたも、ヴィランの一人だったなんて言うつもりはねーよな?」
(´^ω^`)「ハハッ、安心しなさい。私は正真正銘、人間だよ」
(´・ω・`)「夢だって、答えに窮してる間に覚めてしまったんだ」
从 ゚∀从「どうだかな……政治家って輩が正直なはずねぇだろ?」
(´・ω・`)「疑うのも無理はないがねぇ。私は、ただの人間で十分なんだよ」
从 ゚∀从「……」
.
358
:
名無しさん
:2018/07/27(金) 19:57:49 ID:dinXch2k0
.
(´・ω・`)「私はいずれ老い、死んで行くただのピーター=ショボンニで十分だ」
(´・ω・`)「超人になどならなくても、この街はそれだけで楽しめる」
(´・ω・`)「私が死んでからも、世にスーパーマンは増え続けるのだろうがね」
从 ゚∀从「解せねぇな……なんでそんなことしやがるんだ?」
从 ゚∀从「あんた今、例の夢は恐ろしい夢だって言っただろうがよ」
(´・ω・`)「座興だよ。ハイドくん」
(´・ω・`)「私も最初こそ石を恐れたが、そのうちこれは面白いことになるんじゃないかと考えを改めたんだ」
(´・ω・`)「この街は年追うごとに大きく膨れ上がり、アメリカ中の都市のモデルケースとなりつつあった」
(´・ω・`)「その渦中にあって、ヒーローとヴィランが、街へどういう影響を与えるか見てみたくなったんだ」
(´・ω・`)「だからより人が多く集まる市庁舎へ王冠を飾り、都市の名前もクラウン・シティへと変更した」
(´・ω・`)「それに、ただの人間が超人を御していることこそ、真に面白いと思わないかい?」
从 ゚∀从「陰気な趣味だぜ。黒幕気取りで高見の見物かよ?」
(´・ω・`)「どちらかというと、映画監督とでも言って欲しかったね」
.
359
:
名無しさん
:2018/07/27(金) 19:59:52 ID:dinXch2k0
.
(´・ω・`)「ふぅ……短く語ると言った割に、長々しゃべってしまったね」
(´・ω・`)「そういう訳で、私の持ちうる情報はこれが全てだ」
(´・ω・`)「ご期待に沿えるものだったかは君次第だがね?」
从 ゚∀从「よーく分かったぜ。あんたが市民を危険にさらす、要注意人物だってな」
(´・ω・`)「そう言ってくれるな。危険人物という意味では、今の君もそう大差ないよ」
从 ゚∀从「……チッ」
(´・ω・`)「しかし……石が夢を見させていたのは知っていたが、石を取り込むとより顕著な力が発揮されるとは」
从 ゚∀从「あぁ。それで俺が石を欲しがる理由も分かったろ?」
(´^ω^`)「それどころか、今私は面白い推論を思いついたところだよ」
从 ゚∀从「あ?」
(´・ω・`)「ファニーフェイスだよ。もしかしたら彼のルーツも、この街にあるのかもしれない」
从 ゚∀从「……どういうこった?」
.
360
:
名無しさん
:2018/07/27(金) 20:01:06 ID:dinXch2k0
.
(´・ω・`)「さっき私は、廃土の中から石を見つけたと言ったろう?」
从 ゚∀从「あぁ、言ったな」
(´・ω・`)「その廃土、どこへ捨てていたか知っているかい?」
从 ゚∀从「んなもん、俺が知るかよ」
(´・ω・`)「スモーキータウンだよ。ファニーフェイスの生まれ故郷の、ゴミの町だ」
从 ゚∀从「……!!」
(´・ω・`)「もし廃土の中に、まだあの石があったのだとしたら……」
(´・ω・`)「それを吸収してファニーフェイスがあぁなった可能性は高いのではないかな?」
从;゚∀从「じゃあテメーが全ての元凶なんじゃねーか!!」
(´・ω・`)「当時の私は木っ端役人だからね。意図して悪いことしてたのとは違うよ」
(´・ω・`)「廃土を捨ててたのも上からの指示だし、不問不問」
从;゚∀从「くっ……なんか解せねぇな……」
.
361
:
名無しさん
:2018/07/27(金) 20:02:43 ID:dinXch2k0
.
(´・ω・`)「さて……ひとまず私の話せることはこれで終わりかな」
(´・ω・`)「これを受けて、君はどうコールする?」
从 ゚∀从「変わらねーよ。俺は過去に何があろうと、その王冠をいただくだけだ」
(´・ω・`)「それは、君も石を取り込んで超人となるということかね?」
从 ゚∀从「あぁ。そう取ってもらって構わねぇぜ」
(´・ω・`)「なるほどね……警察を辞めてまでここへ来るはずだ」
(´・ω・`)「だが、そう易々と目的は果たさせないよ」
从 ゚∀从「だろうなぁ」
从 ゚∀从「あんたの目的がヒーローとヴィランを増やすことなら、石は必要不可欠だからな」
(´・ω・`)「そういうことだ」
(´・ω・`)「君には悪いが、王冠はあきらめてもらおうか」
.
362
:
名無しさん
:2018/07/27(金) 20:04:00 ID:0JZGZDmA0
しえん
363
:
名無しさん
:2018/07/27(金) 20:04:33 ID:dinXch2k0
ビッグ64
从 ゚∀从「残念だが、俺も全てを捨ててここへ臨んでるんでな」
从 ゚∀从「はいそうですかと、引き下がる訳にゃいかねぇのよ」
(´・ω・`)「ならばどうするかね?」
(´・ω・`)「君の話は十分に興味深かったが、我々の対立を深める役目しか果たさなかった」
(´・ω・`)「このまま議論が平行線を辿れば、君は何も得ることなく舞台から下ろされるだけだぞ?」
从 ゚∀从「だから気が早ぇっつーの。遊びはまだこれからだろ?」
从 ゚∀从「俺はにはまだ、残されたカードがある」
(´・ω・`)「それは?」
从 ゚∀从「こいつさ」
从 ゚∀从っy=ー チャキッ
(´・ω・`)「……!」
.
364
:
名無しさん
:2018/07/27(金) 20:05:14 ID:JxesfVuI0
なんという食わせ者
365
:
名無しさん
:2018/07/27(金) 20:05:41 ID:dinXch2k0
.
(´・ω・`)「およそ考えうる最も下らない策を取ったものだ」
(´・ω・`)「銃で脅して、王冠を得るつもりかね?」
(´・ω・`)「言っておくが、私を殺したところで警備が解除されるはずもない」
(´・ω・`)「ショーケースに触れれば即座に警報が鳴り、君は追われる身となるだろう」
(´・ω・`)「それでも良ければ、好きにするといい」
从 ゚∀从「ジジィ、今日三度目だ。あんたせっかちすぎんだよ」
从 ゚∀从「結論を急ぐ前に、もっと楽しむ余裕を持ちな」
从 ゚∀从「あんたが俺に、そう教えたんだぜ?」
(´・ω・`)「……ほう?」
.
366
:
名無しさん
:2018/07/27(金) 20:07:55 ID:dinXch2k0
.
从 ゚∀从「さぁ、ショータイムの始まりだ」
从 ゚∀从「こいつぁ命を的に掛けた、俺の最後のバクチだぜ」
从 ゚∀从「瞬きしねぇうちに、よぉく目に焼き付けときな」
从 ゚∀从「演目は、ロシアンルーレットなんてどうだ?」
(;´・ω・`)「ロシアン……? まさか、待て!早まるなハイドくん!!」
ショボンニが止める間もなく、ハイドは銃身を自らの胸へ強く押し当て、その引き金を引いた!!
そして、無慈悲なる銃声は、高らかに鳴り響く!!
.
367
:
名無しさん
:2018/07/27(金) 20:08:38 ID:dinXch2k0
.
ドンッ、ドンッ…!!
.
368
:
名無しさん
:2018/07/27(金) 20:09:56 ID:dinXch2k0
.
从; ∀从「……」
从; ∀从:∵∴ カハッ
(;´・ω・`)「ハイドくん!!」
从; ∀从「へ……へへ……」
从; ∀从「これくらい、しねぇと……あんた……楽しめねぇだろ……?」
(;´・ω・`)「バカな真似を……すぐに止血するんだ!!」
从; ∀从「寄るんじゃねぇ……まだ俺の賭けは……終わっちゃいねぇ……!!」
(;´・ω・`)「……君は一体何を?」
从; ∀从「あー……クソが……やっぱ死ぬほど痛ぇなぁ……」
从; ∀从「けどよぉ……お前らはもっと……痛かった、よな……」
从; ∀从「なぁ……みんな……」
.
369
:
名無しさん
:2018/07/27(金) 20:11:18 ID:dinXch2k0
.
从; ∀从「あの日から……後悔しねぇ日は一日だって……なかった……」
从; ∀从「俺が……お前らをちゃんと止めてりゃ……」
从; ∀从「ファニー、フェイスを……追うなと……律していれば……」
从; ∀从「だから……俺が、仇を取る……取らなきゃ……ならねぇんだ……」ズリッ、ズリッ…
(;´・ω・`)「まだ動けるのか……!?」
从; ∀从「なぁ、王冠よぉ……聞こえるか……?」
从; ∀从「ここに……瀕死の、バカがいるんだ……力を貸せよ……」
从; ∀从「俺に……力をっ……!!」
.
370
:
名無しさん
:2018/07/27(金) 20:11:43 ID:crufaPc.0
石仮面みたいなものか
支援
371
:
名無しさん
:2018/07/27(金) 20:12:11 ID:dinXch2k0
.
从# ∀从「……力をッ、寄越せェェェェェェェェェェ!!!!!!」
从# ∀从「ウアァァァァァァァァァァァァァッッ……!!!!」
.
372
:
名無しさん
:2018/07/27(金) 20:13:17 ID:dinXch2k0
.
─── シィーン………
.
373
:
名無しさん
:2018/07/27(金) 20:14:58 ID:dinXch2k0
.
从; ∀从「……へっ」
从; ∀从「やっぱそんなに……甘く、ねぇってことかぁ……」
从; ∀从「あーあ……最後に、下手なバクチ……打っちまった、な……」
ドサッ…
(;´・ω・`)「ハイドくん!!」タタッ
(;´・ω・`)「……意識なし、脈拍なし、出血多量。胸部損傷はショック死に至るに十分」
(;´・ω・`)「これは……もう助からない……」
(;´ーωー`)「なんてバカな死に方をしたんだ、君は……」
.
374
:
名無しさん
:2018/07/27(金) 20:16:52 ID:JxesfVuI0
あらま
375
:
名無しさん
:2018/07/27(金) 20:16:57 ID:dinXch2k0
.
(´・ω・`)「君はバカだよ……本当に、バカな男だ……」
(´・ω・`)「こんなことで、私が喜ぶと思ったのかね?」
(´・ω・`)「こんなことで、賭けに勝ったと勇むつもりだったのかね……」
(´・ω・`)「君はもっと、賢い人間だと思っていたがなぁ」
(´ーωー`)「怒りはかくも、人の心を鈍らせるということか……」
(´・ω・`)「賭けは私の勝ちだ。なんとも虚しい勝利だよ、ハイドくん」
(´・ω・`)「死に場所を求めるだけのギャンブルなど、何の意味があるというのかね」
(´・ω・`)「賭けに負けた者は、惨めにその死に様を晒すといい」
(´・ω・`)「さよならだ。そして、もう二度と会うこともないだろう」
.
376
:
名無しさん
:2018/07/27(金) 20:18:05 ID:dinXch2k0
.
───カタンッ
.
377
:
名無しさん
:2018/07/27(金) 20:18:37 ID:crufaPc.0
おっ
378
:
名無しさん
:2018/07/27(金) 20:18:57 ID:dinXch2k0
.
(´・ω・`)「……?」
(´・ω・`)「今の音は……?」
カタンッ、カタンッ……
ガタガタガタガタッ……
(;´・ω・`)「……!?」
(;´・ω・`)「王冠が、動いてる……!?」
それはまるで、余震から本震への推移のように!!
沖のさざ波が、岸に着けば津波へと変貌するように!!
ガラスを打つ小さな挙動は、より大きく、より激しい動きへと連なってゆく!!
その波動の発生源は、ケースに収められた王冠であった!!
(;´・ω・`)「な、なんだ!?」
そしてショーケースが内部から打ち破られると同時に!!
王冠から、七色の強烈な閃光が迸った!!
.
379
:
名無しさん
:2018/07/27(金) 20:20:52 ID:dinXch2k0
.
(;´・ω・`)「うおぉっ!?」
まばゆい光線はショボンニの体を素通りし、一直線にハイドの方へと進む!!
その光が当たるや、ハイドの血の気の失せた肌に朱が差し、傷口が音を立てて修復された!!
(;´・ω・`)「な……なんと……」
同時に、ショーケースが破られたことで市庁舎の警報が鳴り響く!!
轟音と閃光の真っ只中、まるで自ら意思を持つように、石は王冠から外れ、ハイドの方向へと転がってゆく!!
(;´・ω・`)「ま、待て!!行くな!!」
制止の声も虚しく、石は仰向けに倒れたハイドの胸の傷へ吸い込まれてゆく!!
既に七割がた修復されていたその傷は、石が触れることにより跡形もなく消え去った!!
(;´・ω・`)「こんなことが……起こり得るのか……!?」
そうして石は、ハイドの体内へと吸収されたのだ!!
.
380
:
名無しさん
:2018/07/27(金) 20:22:04 ID:JxesfVuI0
どう転ぶかなぁ
381
:
名無しさん
:2018/07/27(金) 20:22:42 ID:dinXch2k0
.
从 ∀从 シュウゥゥゥ…
从 ∀从「……」ムクリ
骸のように!!灰のように!!そして不死鳥のように!!
ハイドはゆったりと、その体を起こす!!
(;´・ω・`)「あ……悪魔……」
常軌を逸したその光景に、ショボンニはそう呟かずにいられなかった!!
从 ∀从「悪魔、か……いいじゃねぇか……」
从 ∀从「一度死んだ俺には、ちょうどいい名だ」
从 ∀从「今この瞬間から、俺はもうハイド=ハートマンじゃねぇ」
从 ∀从「俺はクラウンシティの悪魔、復讐の鬼……」
.
382
:
名無しさん
:2018/07/27(金) 20:23:34 ID:dinXch2k0
.
从 ゚∀从「リベンジャー 、クラウン・デビルだ」
.
383
:
名無しさん
:2018/07/27(金) 20:25:37 ID:dinXch2k0
.
【同時刻、総合科学技術研究所……】
( ,,^Д^) 「……ムッ!!」ピキィーンッ
( ,,^Д^)「何だ……今の気配は……?」
.
384
:
名無しさん
:2018/07/27(金) 20:26:26 ID:JxesfVuI0
ネーミングが実にアメコミ
385
:
名無しさん
:2018/07/27(金) 20:26:32 ID:dinXch2k0
.
【同時刻、地下排水路……】
( ∀ )「グガァ……グゴォ……」
( ∀ ))) ピクッ
( ∀ )「アヒャッ……」
( ∀ )「アヒャッ……アヒャッ……」
( ∀ )「アヒャヒャヒャヒャヒャッ……!!」
(;´_ゝ`)「弟者ぁぁぁこいつ寝てるのにめっちゃ笑ってるよ怖ぇよぉぉぉ」
(´<_`;)「落ち着け兄者、害はない……多分」
.
386
:
名無しさん
:2018/07/27(金) 20:28:10 ID:dinXch2k0
.
─────
────
───
──
その後、警報を受けて駆けつけた警備員により、大きく破損した王冠と茫然とするショボンニ氏が発見された。
警察は周到に計画された盗難事件と判断し、捜査を進める。
破損した王冠は、犯人が腹いせに壊したものと見て捜査したが、
ハイド=ハートマンの関与にまで捜査のメスは及ばなかった。
現場には大量の血痕が残されており、警察は傷害事件としての立件も視野に入れると発表する。
また、事件の被害者である王冠の持ち主、ピーター=ショボンニ氏は、一切のコメントを拒み固く口を閉ざしたままだという。
.
387
:
名無しさん
:2018/07/27(金) 20:28:12 ID:crufaPc.0
ハイドー!かっこいいー!
388
:
名無しさん
:2018/07/27(金) 20:29:10 ID:dinXch2k0
.
絶世のスーパーヒーロー、ビッグ・トレジャー。
狂乱のスーパーヴィラン、ファニー・フェイス。
孤高のスーパーリベンジャー、クラウン・デビル。
今ここに、全く異なる三者が、全く異なる高みより、この街へ集結したのである。
.
389
:
名無しさん
:2018/07/27(金) 20:31:33 ID:dinXch2k0
.
ビッグ・トレジャー第十八話
『PROLOGUE OF CLOWN DEVIL(クラウン・デビルの序章)』
and…
『EPILOGUE OF HIDE HARTMAN(ハイド=ハートマンの終章)』
END.
390
:
名無しさん
:2018/07/27(金) 20:32:13 ID:dinXch2k0
十八話後編終わり
391
:
名無しさん
:2018/07/27(金) 20:33:27 ID:JxesfVuI0
おつおつ
3人がどうやりあうか楽しみだ
392
:
名無しさん
:2018/07/27(金) 20:35:47 ID:dinXch2k0
.
.
393
:
名無しさん
:2018/07/27(金) 20:37:39 ID:dinXch2k0
第十八話・裏「そして目的を果たした女」
394
:
名無しさん
:2018/07/27(金) 20:39:01 ID:dinXch2k0
.
─────
────
───
──
『こちらは、事件の現場となった市庁舎前です』
『関係者は必死の捜索を続けていますが、犯人の足取りは未だ掴めていません』
『現場には大量の血痕が残されており、警察は犯人グループが仲間割れしたのではとの見解を見せています』
『有力な目撃情報をお持ちの方は、クラウンシティ中央署までご連絡下さい……』
(//‰ ゚)「……」
.
395
:
名無しさん
:2018/07/27(金) 20:40:49 ID:dinXch2k0
.
「ハーイドさん」
(//‰ ゚)「……!」
(゚、゚トソン「こっちですよー」
(//‰ ゚)「……」
(゚、゚トソン「こんにちは、署長……いえ、今は元署長とお呼びしましょうか?」
(//‰ ゚)「……トソン=コレーク。テメェ、なんでここにいる……?」
(゚、゚トソン「無論、あなたに会うためですよ」
(゚、゚トソン「そんな変装したくらいで、バレないと思ってるんですか?」
.
396
:
名無しさん
:2018/07/27(金) 20:41:24 ID:JxesfVuI0
ハインがイボ太郎にッッ!
397
:
名無しさん
:2018/07/27(金) 20:41:28 ID:crufaPc.0
トソンはどう動く
398
:
名無しさん
:2018/07/27(金) 20:41:49 ID:dinXch2k0
.
(//‰ ゚)「なぜ俺がここにいると分かった……」
(^、^トソン「ウフフ……そのコート、よぉくお似合いですよ?」トントン
(//‰ ゚)「……チッ。発信器でも着けてやがったか」
(゚、゚トソン「いかに超人的能力を得ても、人間の技術力は侮らない方がいいですよ?」
(゚、゚トソン「まぁその迂闊のおかげで、またあなたに会うことが出来たんですけど」
(//‰ ゚)「……何の用だ。俺はお前に金輪際近づくなと言ったはずだ」
(゚、゚トソン「そう邪険にしないでください。私はあなたを祝福しにきただけなんですから」
.
399
:
名無しさん
:2018/07/27(金) 20:44:23 ID:dinXch2k0
.
(゚、゚トソン「ハイドさん。人間卒業おめでとうございます」
(゚、゚トソン「私も、影で暗躍した甲斐があったというものです」
(゚、゚トソン「あなたなら、たとえ私と決別しても、独力で事を成すと思っていましたよ」
(//‰ ゚)「……お前の目的は、結局なんだったんだ?」
(゚、゚トソン「言ったじゃないですか、石の力の真実を暴きたいだけだって」
(゚、゚トソン「そのために、あなたは最高のコマとして動いてくれましたよ」
(//‰ ゚)「そうか。だがそんな物言いして、俺が凶行に走るとは思わなかったのか?」
(゚、゚トソン「さぁ。あなたにはそんな暇ないと思いますが」
.
400
:
名無しさん
:2018/07/27(金) 20:44:57 ID:/7J5qTgs0
トソン腹立つわ
401
:
名無しさん
:2018/07/27(金) 20:45:32 ID:crufaPc.0
わかる
ムカつく
402
:
名無しさん
:2018/07/27(金) 20:46:07 ID:dinXch2k0
.
(゚、゚トソン「力を手に入れた今、あなたの目的はファニーフェイスの他にあり得ない」
(゚、゚トソン「ならば私なんかに関わっている時間、ないと思いますが」
(//‰ ゚)「……あぁ、そうだな」
(゚、゚トソン「でしょう?」
(//‰ ゚)「だがな」ヒュンッ
(゚、゚;トソン「……!!」
メキィッ…!!
( 、 ;トソン「ぐっ……!?」
(//‰ ゚)「テメェはジョージに手を出した」
(//‰ ゚)「その報いだけは、キッチリ受けてもらう」
ドスッ、ゴッ、バキッ…!!
( 、 ;トソン「うがっ……あっ……!!」
.
403
:
名無しさん
:2018/07/27(金) 20:47:27 ID:dinXch2k0
.
( 、 ;トソン ボロッ…
(//‰ ゚)「テメェの目的が何だったかなんざ、今さらどうでもいい」
(//‰ ゚)「だが、これに懲りたら二度と俺の前に姿を見せるな」
(//‰ ゚)「命だけは残してやる。さっさと俺の前から消えろ」
(//‰ ゚) ザッ…
(//‰ ゚)「……あぁ、そうか。まだ発信器付きのコートがありやがったか」
(//‰ ゚)「わりと気に入ってたコートだったんだがな……」バサッ
( 、 ;トソン「……」
( ー ;トソン「……」ニヤァ…
.
404
:
名無しさん
:2018/07/27(金) 20:48:46 ID:dinXch2k0
.
─────
────
───
──
( 、 ;トソン「う……く……」
( 、 ;トソン「うふ……うふふふ……」
( 、 ;トソン「やはり……とんでもない力を手に入れて……帰って来ましたねぇ……」
( 、 ;トソン「ゲホッ!!オェッ、ゲェェェッ……!!」ゲボッ
( 、 ;トソン「……ゲロに……血が混じってる……今にも死んじゃいそう……」
( 、 ;トソン「けど……『それ』が手に入るなら……安い買い物です……」
.
405
:
名無しさん
:2018/07/27(金) 20:49:52 ID:dinXch2k0
.
( 、 ;トソン「私が欲しかったのはぁ……あなたの、そのコート……」ズルッ、ズルッ
( 、 ;トソン「発信器があると知れば……あなたは必ず……それを捨てると踏んでいた……」
( 、 ;トソン「これさえあれば……我々はますます、磐石になる……」
( 、 ;トソン「手に入れましたよぉ……ボスぅ……最高の、至宝を……」
( 、 ;トソン「うふ、うふふ、ふふふふふ……」ギュッ
.
406
:
名無しさん
:2018/07/27(金) 20:50:26 ID:dinXch2k0
第十八話裏・終わり
407
:
名無しさん
:2018/07/27(金) 20:50:45 ID:JxesfVuI0
組織的なもんがあるのか?
408
:
名無しさん
:2018/07/27(金) 20:51:32 ID:dinXch2k0
【登場人物紹介】
(//‰ ゚)
CROWN DEVIL
本名:ハイド=ハートマン
王冠強奪未遂の犯人であり、クラウンシティに現れた第三の超人。
頭部を包帯で幾重にも巻いており、その素顔を見ることは出来ない。
その正体は元中央警察署署長、ハイド=ハートマン。
ファニーフェイスの首を狙い、今日も街を徘徊する。
(゚、゚トソン
MAD COLLECTOR
本名:トソン=コレーク
ついに目的を果たした謎の女。
コートを手に入れた後の消息は不明。
.
409
:
名無しさん
:2018/07/27(金) 20:54:02 ID:crufaPc.0
乙
コート、どんな品だったっけ
読み返さなくちゃ
410
:
名無しさん
:2018/07/27(金) 21:40:59 ID:X4dIgmGY0
なんというアツい展開
乙
411
:
名無しさん
:2018/07/28(土) 19:43:01 ID:rqh0/LYg0
乙
コートに一体なにが
412
:
名無しさん
:2018/07/28(土) 21:14:09 ID:IFEM/gw20
コレクターだからただの署長ストーカーの可能性もあるぞ!
413
:
名無しさん
:2018/07/29(日) 07:23:40 ID:9B/amdA60
>>412
へ、変態だぁー!!!
414
:
名無しさん
:2018/07/29(日) 07:42:22 ID:F329GUNA0
>>413
全裸のムキムキなおっさんが出てくるのに比べれば…
415
:
名無しさん
:2018/08/31(金) 19:58:46 ID:XCQ3iK3U0
.
─────
────
───
──
『王冠強奪未遂から五日が経過しましたが、犯人は現在も捕まっておりません』
『警察は捜査範囲をさらに拡大し、犯人の足取りを追うとのことです』
从 ゚∀从「……」プツッ
从 ゚∀从「俺も長く警察のメシ食ってきた身だがよぉ」ヴゥゥン…
从 ゚∀从「まさか犯人目線で事件のニュースを見る日が来るとは、思わなかったぜ」ヴヴゥン…
(´・ω・`)「だろうね」
从 ゚∀从「こうしてみると警察ってなぁ、滑稽なモンだったんだなぁ」ヴゥン…
从 ゚∀从「今までの俺の努力は何だったのかって、アホらしくなってくるぜ」ヴゥーン…
(;´ーωー`)「……ハァ」
(´・ω・`)「そんなことより君、いつまで私の家に居座るつもりだい?」
(´・ω・`)「そうして余裕ぶって見てるテレビも、私のものなんだがね?」
从 ゚∀从「ケチくせぇこと言うない。これだからジジィはみみっちくて困るぜ」ヴーン
(;´・ω・`)「そういう問題じゃないだろう……」
.
416
:
名無しさん
:2018/08/31(金) 20:01:13 ID:XCQ3iK3U0
.
从 ゚∀从「しょうがねぇだろ?俺の正体を知ってるのはあんただけなんだからよ」ヴン、ヴーン
(´・ω・`)「あのなぁ……私が市庁舎の監視カメラの映像握りつぶしてなかったら、君は今頃お尋ね者だぞ?」
(´・ω・`)「そこのところを考えて、少しは私に感謝してほしいものだがね」
从 ゚∀从「人のためみてぇな言い方してんじゃねーよ」ヴゥーン
从 ゚∀从「映像が出回ったら、あんたも王冠泥棒の共犯だと疑われるからだろ?」ヴゥ、ヴゥ
(´・ω・`)「それも無論あるが、どちらかというと石の力で君が変貌したのを、知られたくなかったんだよ」
(´・ω・`)「君は今や、争い事の火種となるのに十分すぎるほどの力を手に入れたんだからね」
(´・ω・`)「それなのにいざ逃げる段階になったら、私のとこに転がり込んで来るし……」
从 ゚∀从「元いた家にゃ戻れねぇし、しばらくここを拠点にしようと思っただけだ」ヴヴヴヴ
从 ゚∀从「迷惑はかけねぇよ」ヴーン
(´・ω・`)「いるだけで迷惑とは思わないのかなぁ……」
.
417
:
名無しさん
:2018/08/31(金) 20:02:59 ID:XCQ3iK3U0
.
(´・ω・`)「使用人たちもいきなり君が来て、ビックリしてるんだよ」
(´・ω・`)「彼らから君の情報が漏れても、私は責任を取れないぞ」
从 ゚∀从「心配すんな。今の俺は、並の人間がどうこう出来るレベルじゃねぇ」ヴォォン
从 ゚∀从「たとえ1000人が相手でも、無傷で切り抜けてやるさ」ヴヴヴ
(´・ω・`)「それに、私は君の食事まで工面するつもりはないが?」
从 ゚∀从「それがよぉ、この体になってから、食欲はあるが腹は減らねぇんだよな」ヴーン
从 ゚∀从「多分飲まず食わずでも、一週間はフルで活動出来んじゃねーかな」ヴヴゥ
(´・ω・`)「ずいぶんと人間離れしたものだ。それが超越者の特権なのかね」
从 ゚∀从「さぁな。今は俺もまだ模索してる段階だから、何とも言えねぇがよ」ヴヴ、ヴヴ
(´・ω・`)「……ところでさっきから妙な音がしてるが、君ハエでも飼ってるのかい?」
从 ゚∀从「これか?こりゃ企業秘密って奴だ、気にするこたねぇ」ヴォォン
(´・ω・`)「……」
.
418
:
名無しさん
:2018/08/31(金) 20:04:15 ID:XCQ3iK3U0
.
(´・ω・`)「やれやれ……石は失う、厄介者は増える、妙な音は聞こえる。私も災難続きだね」
从 ゚∀从「自業自得だろ。黒幕気取ってふんぞり返ってっからだよ」ヴゥーン
从 ゚∀从「ま、厄介払いしたくなる気持ちも分からなくはねーからよ」ヴーン
从 ゚∀从「ちったぁ家主の言い分に従って、お外でも散歩して来ますかね」ヴヴヴ、ヴッ
(´・ω・`)「どこへ行くつもりかね?」
从 ゚∀从「腕試しだよ。今の自分がどこまで出来るのか、奴と当たる前に確かめとかにゃな」ヴー、ヴー
(´・ω・`)「おいおい、外はマスコミが張り込んでるんだぞ?」
(´・ω・`)「君が出入りしてたら明らかに怪しいじゃないか」
从 ゚∀从「屋根づたいに跳んできゃまずバレやしねぇだろ」ヴンヴヴヴ
从 ゚∀从「あんたん家にあった包帯、ちょっくら借りてくぜ!」ヴゥンッ
シュンッ
(´・ω・`)「……消えた」
(´・ω・`)「日に日に行動が化け物じみていくなぁ」
.
419
:
名無しさん
:2018/08/31(金) 20:06:34 ID:p49nivnc0
来たか支援
420
:
名無しさん
:2018/08/31(金) 20:07:36 ID:XCQ3iK3U0
.
─────
────
───
──
【数十分後。クラウンシティ北西部、とある廃工場……】
(//‰ ゚)「……」ザッ
(//‰ ゚)(この工場は、サウスガットのアジトじゃねぇかって昔っから噂されてた場所だ)
(//‰ ゚)(潰れた工場だが、何故か毎月電気水道ガス代が支払われ、ライフラインが維持されてる)
(//‰ ゚)(登記簿の登録名にはトニー=バクスターとあるが、恐らくこいつぁサウスガットの用意した偽名だろう)
(//‰ ゚)(聞いた話じゃ、工場地下に秘密基地を増築して、そこに盗んだ品を溜め込んでるって話だ)
(//‰ ゚)(警察時代の俺じゃ、ここの堅牢なセキュリティは破れなかった)
(//‰ ゚)(だが、今の俺なら……)
.
421
:
名無しさん
:2018/08/31(金) 20:08:52 ID:prZItAgo0
支援
422
:
名無しさん
:2018/08/31(金) 20:09:16 ID:XCQ3iK3U0
.
(//‰ ゚)「……」コンコン
(//‰ ゚)「……」コンコン
(//‰ ゚)「……」カンカンッ
(//‰ ゚)(ここだけ地面の音が違う。この下に空間がありやがるな?)
(//‰ ゚)(どれ……)ググッ
ゴォンッ!!!
(//‰ ゚)(……固ぇな。どんだけ高い建材使ってやがる)
(//‰ ゚)(根気よくノックするしかねぇか……)
ゴォンッ、ドォンッ……
ドゴォォォンッ!!!
(//‰ ゚)(固い建材を壊すのに素手で四発……トレジャーとファニーならそれぞれ一発で壊せるだろう)
(//‰ ゚)(単純な腕力じゃ二人に劣る……あとは何でそれを埋めるかってとこか)
.
423
:
名無しさん
:2018/08/31(金) 20:10:51 ID:XCQ3iK3U0
.
@@@
@#_、_@
( ノ`)「うるさいよ!!誰だい!!」ヌゥッ
(//‰ ゚)(おっと、いきなり真打ちのご登場か)
(//‰ ゚)(ハハジャ=サウスガット……この体の試運転にゃあちょうどいい相手だ)
@@@
@#_、_@
( ノ`)「見ない顔だねぇ……人ん家にズカズカ上がり込んで来て、喧しいったらないよ」
@@@
@#_、_@
( ノ`)「ここがサウスガットファミリーのアジトと知っての狼藉かい?」
(//‰ ゚)「……」
@@@
@#_、_@
( ノ`)「まぁ、地下の入り口を壊してくれたんだ。知っててやったと考えるのが妥当だろうね」
(//‰ ゚)凸 クィ、クィ
@@@
@#_、_@
( ノ`)「……何だいそれは。ケンカ売りに来たのかい?」
@@@
@#_、_@
( ノ`)「だとしたらそのケンカ、高くつくよ」
.
424
:
名無しさん
:2018/08/31(金) 20:12:21 ID:XCQ3iK3U0
.
その台詞が終わらないうちに、ハハジャ=サウスガットの掌から衝撃が迸る!!
彼女の固有能力、空気弾である!!
空気を圧縮・放出し、その圧力で周囲の物体を吹き飛ばす!!
かつてその威力の前に立っていた者は、ビッグ・トレジャーのみであった!!
しかし!!
(//‰ ゚)「……」
空気は、ハイドの着衣の裾をはためかせるだけにとどまった!!
@@@
@#_、_@
( ノ`)(あれを耐えるのかい……それなら……!)
ハハジャは空気圧を連射しつつ、それを盾にハイドへ接近する!!
そして立ち尽くすハイドへ、至近距離から拳での打撃を加えた!!
.
425
:
名無しさん
:2018/08/31(金) 20:16:30 ID:XCQ3iK3U0
.
@@@
@#_、_@
(# ノ`)「るぁあっ!!」
それは速く、そして重い右ストレートだった!!
通常の人間が受けたなら、たとえ格闘技のチャンピオンでも、骨は粉砕され肉は断裂しただろう!!
その拳はハイドの顔面を捉え、遥か彼方まで吹き飛ばすはずであった!!
(//‰ ゚)「……」ミシッ
しかしハイドは、それを食らってなお平然とその場に直立していた!!
@@@
@#_、_@
(; ノ`)(なんだって……!?)
(//‰ ゚)(体の丈夫さはまずまずだな……ハハジャのパンチでも脳が揺れねぇ)
ハイドは繰り出されたハハジャの腕へ、無造作に手刀を振り下ろした!!
@@@
@#_、_@
(; ノ`)「っ……!?」ギシッ
さほどの力がこめられているようには見えなかったものの、それを受けたハハジャの顔は苦悶に歪む!!
その威力のほどは、後退することを知らないハハジャが思わず後ずさったことでも分かるだろう!!
.
426
:
名無しさん
:2018/08/31(金) 20:18:20 ID:XCQ3iK3U0
.
@@@
@#_、_@
(; ノ`)(こいつ……何者だい……!?)ズキンッ
ハハジャはそれまでの侮りを捨て、すぐさま最大級の警戒態勢へと移った!!
@@@
@#_、_@
(; ノ`)「アンネ!ナージャ!」
∬;´_ゝ`)「は、はい!」
l从・∀・;ノ!リ人「のじゃ!」
地下から顔を覗かせたのは、サウスガットファミリーの誇る超人姉妹だった!!
もしもの時にいつでもハハジャへ加勢できるよう、身を潜めていたのである!!
@@@
@#_、_@
(; ノ`)「二人とも、作戦Cだ。全力を持ってあいつを排除しな!!」
∬;´_ゝ`)「オーケー!」
l从・∀・;ノ!リ人「分かったのじゃ!」
二人はハハジャがトレジャー以外に苦戦する様を見たことがなかった!!
故に、目の前の謎の男が驚異であることを、即座に理解したのである!!
@@@
@#_、_@
( ノ`)「私に合わせな!!行くよ!!」
そうしてハハジャは、ハイドへ向けて火のごとく突進を開始した!!
.
427
:
名無しさん
:2018/08/31(金) 20:23:36 ID:XCQ3iK3U0
.
それと同時に動いたのはアンネである!!
∬´_ゝ`)「ハァッ!!」
アンネはハハジャの体の死角から、ハイドへ向けてナイフを投擲する!!
ハイドはそれを身をよじるだけでかわし、ハハジャの打撃へと備えた!!
@@@
@#_、_@
( ノ`)「かかったね!」
(//‰ ゚)「……!」
しかしそれは、サウスガットファミリーの仕掛けた巧妙な罠だった!!
@@@
@#_、_@
( ノ`)「ナージャ!!」
ハハジャはハイドへ真っ直ぐ突っ込んでいた巨体を避け、一本の道を作った!!
その道は後方に待機していた、ナージャ=サウスガットへと続く!!
l从・∀・;ノ!リ人「むむむむっ……!!」
l从・∀・ノ!リ人「マグネティカー!!なのじゃー!!」
ナージャ=サウスガットの手から放たれた波動は、ハハジャの作った道を真っ直ぐ駆け上がる!!
ナイフを避けるために体を捻っていたハイドは、その波動を避けることが出来なかった!!
ナージャ=サウスガットの能力、それは磁性体を生成し、敵のボディへ磁力を付与することである!!
その波動を受けたハイドは、自身の体が鉛のように重くなるのを感じた!!
.
428
:
名無しさん
:2018/08/31(金) 20:27:05 ID:XCQ3iK3U0
.
(//‰ ゚)「……」ズシィッ
@@@
@#_、_@
( ノ`)「鉄筋に足が引っついて、身動き取れないだろ?」
@@@
@#_、_@
( ノ`)「あとはこっちの好き放題ってところかねぇ?」
(//‰ ゚)「……」
そう言いつつも、ハハジャは油断なく間合いの一歩外から構え、ファイティングポーズを崩さない!!
ハイドに対し、一分の隙も与えない構えである!!
ハイドはその動向を見逃さないよう、一挙一動に目を見張っていた!!
動けない今、この場で最も警戒すべきはハハジャであると、知っているためだ!!
@@@
@#_、_@
( ノ`)「そぉら!ダメ押しだよ!」
ハハジャが再び空気弾を放つ!!それを弾くため、ハイドは両腕で体の前面をガードする!!
しかしそれこそ、ハハジャの思う壺であった!!
(//‰ ゚)(……!!)ビチィッ
ハイドの両腕は、空中で強烈に固定されてしまう!!
それは先ほどの物と違い、攻撃ではなく拘束のために使う空気弾であった!!
.
429
:
名無しさん
:2018/08/31(金) 20:28:55 ID:XCQ3iK3U0
.
(//‰ ゚)(そういやこんな技もあったな……圧縮空気の枷だったか……)
周囲の空気を固着させ、体の自由を奪うための技である!!
炸裂弾と圧着弾、ハハジャの二つの奥義がハイドの体の自由を奪う!!
そしてサウスガットの猛攻は、それだけに留まらなかった!!
サウスガットが殺しを行う場合、それは銃器でなく肉体を行使して行われる!!
万が一銃が発射されなかった場合を考慮し、トドメの一撃は
己が手で確実に仕留めることを鉄則としているのだ!!
それはハイドに対しても例外ではない!!
では、一体誰がその役目を買って出たか!?
彡⌒ミ(その命、俺がもらい受ける!!)
そう!!サウスガットファミリーの伏兵、チチジャ=サウスガットである!!
彼はハハジャと共に地下から這い出て、透明になり潜伏していたのだ!!
ハハジャの言う作戦Cとは、対象を全力で足止めした後、透明化した
チチジャが背後から対象の命を刈り取る作戦だったのである!!
.
430
:
名無しさん
:2018/08/31(金) 20:30:31 ID:XCQ3iK3U0
.
彡⌒ミ(驕ったな、侵入者!!ハハジャだけがサウスガットじゃないんだよ!!)
とかく目立ちがちなハハジャであるが、その実績は実のところほぼ囮にあると言っても過言ではない!!
彼女がその巨体を生かして暴れれば、他のファミリーへ警察の目が行くことがなくなるからだ!!
その後に汚れ仕事を請け負うのは、大抵がチチジャの役目なのである!!
それだけに彼の暗殺術は、他のファミリーの誰よりも抜きん出ていた!!
彼はアンネの投擲したナイフを拾い上げ、ハイドの背中へと迫る!!
そのナイフでハイドの首を掻けば、ジ・エンドだ!!
彡⌒ミ(誰かは知らんが、サウスガットを倒して名を上げようなんざ百年早かったな)
彡⌒ミ(これで終わりだ!)
そしてナイフは無慈悲にも、ハイドの首へ突き立ったかに見えた!!
.
431
:
名無しさん
:2018/08/31(金) 20:32:08 ID:XCQ3iK3U0
.
(//‰ ゚)「……」ギチィッ
;彡⌒ミ(なっ……何ィッ!?)
@@@
@#_、_@
(; ノ`)「……!!」
ハハジャが目撃したもの!!それは背後から奇襲したナイフが、あっさりと弾かれる様子だった!!
首に潜り込むかと思われたナイフは、まるで固い地面に投げられたかのように、容易に刀身を曲げたのだ!!
ハイドのしたこと!!それは攻撃に備えて体に力をこめただけである!!
逆に言うならば、それしか出来ることがなかったとも言える!!
磁力に足を吸着され、空気弾に腕を固定され、それでもハイドは内心に笑みを湛えていた!!
(//‰ ゚)(背後からの攻撃……恐らくはチチジャ=サウスガット……)
(//‰ ゚)(並の刃物なら皮膚すら通さねぇか……いいねぇ)
(#//‰ ゚)「……ッ!!」ミキミキィッ
奇襲を退けたと知るや、ハイドの体にみるみる血管が浮かぶ!!
それに応じるかのように、彼の体を固定していた空気の錠が破壊された!!
@@@
@#_、_@
(; ノ`)(枷を力で!? これじゃまるで、トレジャーと同じ……!!)
そして磁力をまとった体は、何の障害も感じさせずに動き始めた!!
.
432
:
名無しさん
:2018/08/31(金) 20:34:31 ID:XCQ3iK3U0
.
手始めにハイドは、見えないはずのチチジャへ向けて、正確な肘打ちを食らわせる!!
;彡⌒ミ(はぅっ……!?)カクンッ
それはチチジャの顎を射抜き、意識を体の外へ弾き飛ばすことに成功した!!
l从・∀・;ノ!リ人「マグネティカが効いてないのじゃ!?」
@@@
@#_、_@
(; ノ`)「違う!パワーだけで磁力を振り切ってるんだ!」
そしてハイドは、瞬く間にナージャへと接近!!その幼い体へ当て身を食らわせた!!
l从 ∀ ;ノ!リ人「あうっ……」
@@@
@#_、_@
(; ノ`)「ナージャ!!」
∬#´_ゝ`)「このぉっ……よくも妹を!!」
@@@
@#_、_@
(; ノ`)「止しな!!アンネ!!」
(//‰ ゚)「……」フォンッ
振り向き様の裏拳は、アンネの腹部へとめり込む!!
∬;´_ゝ`)「ぐぅっ!?」
その拳を受けたアンネは、滑るように五メートルほども吹き飛ばされていった!!
.
433
:
名無しさん
:2018/08/31(金) 20:35:46 ID:XCQ3iK3U0
.
∬; _ゝ )「がっ……はっ……」
l从 ∀ ;ノ!リ人「……」クテン
彡⌒ミ
(; _ゝ )「……」ドサッ
(//‰ ゚)「……」コキッ、コキッ
@@@
@#_、_@
(; ノ`)「……あんた、ただ者じゃないね」
@@@
@#_、_@
(; ノ`)「そのパワー、スピード、反射神経。まるでトレジャーでも相手にしてるみたいだ」
@@@
@#_、_@
(; ノ`)「だが、私も家族をやられて黙っちゃいられないんでね」
@@@
@#_、_@
(# ノ`)「たとえこの体弾け飛ぼうとも、あんただけは殺す!!」
@@@
@#_、_@
(# ノ`)「ハァァァァァァァァ!!!!!」
.
434
:
名無しさん
:2018/08/31(金) 20:36:41 ID:XCQ3iK3U0
.
気合いと共に、ハハジャの手のひらへ圧縮された空気が集まる!!
それは凝縮され、収斂し、まるで固体のように白く可視化された!!
@@@
@#_、_@
(# ノ`)「特大の空気弾だよ……当たれば骨も残さない……」
@@@
@#_、_@
(# ノ`)「食らいな!!」
(//‰ ゚)「……」ヴヴンッ
ハハジャはそれを、ナックルと共にハイドの顔面へと叩き込んだ!!
しかしハイドも、ただそれを受けるだけにとどまらない!!
二人の体は交差し、ハハジャの手のひらからは強烈な爆風が放たれた!!
从 ゚∀从「……ッ」
ハハジャの必殺技は、ハイドの顔の包帯を引き剥がす!!
@@@
@#_、_@
(; ノ`)「……ぐあぁぁぁっ!!!」
しかしダメージを負ったのは、ハイドではなくハハジャであった!!
@@@
@#_、_@
(; ノ`)「ハァ……ハァ……ぐぅっ!!」
ハイドの顔面を叩いたハハジャの腕は、肘が逆方向に折れ曲がり、無惨にも骨折させられていた!!
.
435
:
名無しさん
:2018/08/31(金) 20:37:46 ID:XCQ3iK3U0
.
@@@
@#_、_@
(; ノ`)「くうぅ……」ガクンッ
@@@
@#_、_@
(; ノ`)「あんた……ハイド=ハートマンかい……?」
从 ゚∀从「あーあ、せっかく隠してたのにバレちまったかよ」
从 ゚∀从「まぁいい。クラウン=デビルのデビュー戦はこんなもんだろ」
@@@
@#_、_@
(; ノ`)「あんた、どこでそんな力を……」
从 ゚∀从「オメーに話す義理はねぇな、サウスガット」
从 ゚∀从「さて、最後の仕上げだ」ヴゥゥンッ
ハイドの腕から、奇妙な音が鳴り響く!!
ハハジャはそれを空気弾で迎え撃とうと、折れた腕とは反対の腕を持ち上げる!!
だが!!
.
436
:
名無しさん
:2018/08/31(金) 20:38:41 ID:XCQ3iK3U0
.
@@@
@#_、_@
(; ノ`)(空気弾が出ない……!?)
ハハジャの体は痺れ、かろうじて持ち上げた腕にも力は入っていない!!
从 ゚∀从「知ってっか?お前ら超人の体は、強い振動を体の内部に叩き込むと機能を停止させるんだ」
从 ゚∀从「オメーの怪力も空気弾も、今じゃ何の用も成さねぇよ」
そうそれは、かつてハイドが収容所で見た風景そのものだった!!
アーサー=ピーコックの開発したショックウェーブアブソーバー!!
その機構を、自らの肉体で再現できるように修練したのである!!
彼を取り囲む羽虫のような音は、筋肉を微細に振動させ、敵の肉体へ衝撃波を送り込むためのもの!!
超人と化してからこの日までの数日、彼はショボンニの邸宅で絶えず振動の習得に明け暮れていた!!
その練習台となったのが、サウスガットファミリーだったのである!!
空気弾を顔面に受けながら、ハイドはハハジャの腕へ、振動衝撃波を叩き込んでいたのだ!!
まさに肉を切らせて骨を断つ、必殺の仕事と言えるだろう!!
.
437
:
名無しさん
:2018/08/31(金) 20:40:00 ID:XCQ3iK3U0
.
从 ゚∀从「今までサウスガットにゃ何度も煮え湯を飲まされて来たが、それも今日で終わりだ」
从 ゚∀从「眠りな、ハハジャ。次に起きたら、そん時ゃ収容所だぜ」
振動音と共に、ハイドはハハジャへ歩み寄る!!
@@@
@#_、_@
(; ノ`)「クッ……サウスガットを、舐めるんじゃないよ!!」
震える膝を無理に起こし、ハハジャは立ち上がる!!
しかし彼女にはもはや、抵抗する力は残されていなかった!!
从#゚∀从「オォォォォォッ!!!」ヴンンッ
掌底打に振動を乗せ、ハイドが放つ!!
その掌は、ハハジャの鳩尾へ正確に吸い込まれていった!!
@@@
@#_、_@
(; ノ`)「ぐはぁっ……!!」
衝撃はハハジャの体を伝い、鉄筋で固められた地面をも砕いた!!
そして彼女は、その巨体を地面へと横たえることとなったのである!!
.
438
:
名無しさん
:2018/08/31(金) 20:40:42 ID:XCQ3iK3U0
.
@@@
@#_、_@
(; ノ )
∬;_ゝ )
彡⌒ミ
(; _ゝ )
l从 ∀;ノ!リ人
从 ゚∀从 ザンッ
从 ゚∀从「あばよ、サウスガット。二度と会うことはねーだろうがな」
.
439
:
名無しさん
:2018/08/31(金) 20:42:18 ID:XCQ3iK3U0
.
─────
────
───
──
【中央警察署……】
_
(;゚∀゚)「はぁ……」
£°ゞ°)「オーウ、どしたノージョージさーん?」
_
( ゚∀゚)「あーん?何でもねぇよ」
£°ゞ°)「まだ署長から連絡ないの気にしてるノー?」
£°ゞ°)「署長も子供じゃないんだから、どっかで生きてるヨー!」
_
( ゚∀゚)「うっせぇなぁ、そんなんじゃねっつの」
£°ゞ°)「オーウ……じゃあどしたの?またサボり?」
_
(;゚∀゚)「あぁっ、もう!あっち行けロミス!しっしっ!」
£;°ゞ°)「オーウ……ファーック……ガッデーム……サノバビーッチ……」
_
(;゚∀゚)(兄貴もそうだが、アンネさんからも連絡ないなんて言えねぇだろ……)
.
440
:
名無しさん
:2018/08/31(金) 20:43:19 ID:XCQ3iK3U0
.
(;^ω^)「たっ、大変ですおー!!」ドカバァンッ
_
(;゚∀゚)「うわっ、ビックリした!ドアは静かに開けろって言われてんだろ!」
£°ゞ°)「お前モナー。んで、どしたのブーン?」
(;"ゞ)「のんびりしてる場合じゃないですよ、ジョージさん!」
_
(;゚∀゚)「なんだなんだ、デルタまで……祭りでも始まるってのか?」
(;^ω^)「今、署に匿名の電話があって……『サウスガットファミリーを確保した』って!」
_
( ゚∀゚)「はぁ?んなもんガセだろ、いちいち騒ぐなよ」
_
( ゚∀゚)「あのサウスガットがそうそう簡単に捕まるかっての」
(;"ゞ)「それが、指定された住所がサウスガットのアジトと目される場所で……」
(;^ω^)「警察関係者でもないのにその場所を知ってるってことは、マジ情報っぽいんですお!」
_
(;゚∀゚)「……ウソだろ?」
£°ゞ°)「オーウ、そりゃ一大事ネー!さっそく現場に急行しないと!」
_
(;゚∀゚)「いやいや、ちょっと落ち着け。情報の真偽を確かめてからでも遅くは……」
(;"ゞ)「何言ってるんですか!現場に走った方が確認するより早いでしょう!」
(;"ゞ)「今すぐパトカーを回します!皆で向かいましょう!」
_
(;゚∀゚)「お、おう……」
.
441
:
名無しさん
:2018/08/31(金) 20:44:49 ID:XCQ3iK3U0
.
─────
────
───
──
【サウスガットアジト近辺……】
(;^ω^)「通報があったのはこの辺りのはずですお……」ブロロロ
_
(;゚∀゚)「や、やっぱガセだったんじゃねぇの……」
( "ゞ)「工場の中も見てみましょう!奴らがいるとしたら、そこが一番怪しい」
£°ゞ°)「ワッホゥ!!本当にサウスガットいたら大手柄ネー!!」
_
(;゚∀゚)「ったくよぉ……んなしょうもない情報に踊らされるんじゃねーっての」
£°ゞ°)「どしたノー、ジョージ?なんかソワソワしてるネー?」
_
(;゚∀゚)「別にソワソワなんてしてねー!!」
(;^ω^)「あっ……ジョージさん、あそこ!!」
_
(;゚∀゚)「んあっ!?」
.
442
:
名無しさん
:2018/08/31(金) 20:45:43 ID:XCQ3iK3U0
.
@@@
@#_、_@
(; ノ )
∬;_ゝ )
彡⌒ミ
(; _ゝ )
l从 ∀;ノ!リ人
_
(;゚∀゚)「アンネさ……!!」ガタンッ
£°ゞ°)「?」
_
(;゚∀゚)「あっ、いや……姉(あね)さんまでいやがるぜ、サウスガットの!」
(;^ω^)「確かに、サウスガット勢揃いですけど……」
(;"ゞ)「気絶してる、のか?」
£°ゞ°)「何があったんだろネー?大惨事だヨーコレ」
(;^ω^)「でも、これはビッグチャンスですお!」
( "ゞ)「ジョージさん、奴らが起きないうちに早く逮捕しましょう!」
_
(;゚∀゚)「あ……あぁ……」
.
443
:
名無しさん
:2018/08/31(金) 20:46:37 ID:XCQ3iK3U0
.
_
(;゚∀゚)(ヤベェ……ヤベェぞこれは……)
_
(;゚∀゚)(どうにかしてアンネさんだけでも逃がしたいが、この状況じゃ無理だ!)
Prrr、Prrr……
_
(;゚∀゚)「だ、誰だこんな時に!?」ビクッ
【メール受信:アニキ】
_
(;゚∀゚)「……!!」
_
(;゚∀゚)「何だって、このタイミングで兄貴から……?」ピッ
【最後のケジメはテメーでつけな、ジョージ】
_
(;゚∀゚)「!?」
_
(;゚∀゚)(この文面、まさかサウスガットをやったのは兄貴なのか!?)
_
(;゚∀゚)(てことは、兄貴もまだこの近くにいるのか!!)キョロキョロ
.
444
:
名無しさん
:2018/08/31(金) 20:48:40 ID:XCQ3iK3U0
.
( "ゞ)「どうしたんです、ジョージさん。早く捕まえないと大変なことになりますよ!」
_
(; ∀ )「うっ……」
(;^ω^)「ジョージさん……?」
_
(; ∀ )「ぐぅぅぅっ……!!」
£°ゞ°)「ハリアーップ、ジョージ!!」
_
( ∀ ) プツンッ
ゴンッ!!
(;^ω^)「ジョージさん!?」
(;"ゞ)「何してんですか!?」
£;°ゞ°)「えぇ……」
.
445
:
名無しさん
:2018/08/31(金) 20:49:15 ID:XCQ3iK3U0
.
_
( ;∀;)「あぁぁぁぁぁぁっ!!!」ガンッ、ガンッ、ガンッ!!
(;^ω^)「ジョージさん落ち着いて!!」
(;"ゞ)「一体どうしたんですか!!」
£;°ゞ°)「オーウ……ジョージおかしくなっちゃったノー……?」
_
( ;∀;)「バッキャロー!!サウスガットが手錠で拘束できるか!!」
_
( ;∀;)「今すぐ本署に連絡して、拘束着持ってこさせるんだよォ!!」
(;^ω^)「そ、そうですおね!」
(;"ゞ)「今すぐ連絡します!」
£;°ゞ°)「でもナンで号泣!?」
_
( ;∀;)「るっせー!!さっさとしろバーカ!!」
£;°ゞ°)「オウフ……要求が理不尽すぎるヨー……」
_
( ;∀;)(うぅぅ……すまねぇ、アンネさん……!!)
.
446
:
名無しさん
:2018/08/31(金) 20:49:49 ID:XCQ3iK3U0
.
【サウスガットファミリーアジト、屋上……】
从 ゚∀从「……」
从 ー∀从 フゥ
ヒュンッ
.
447
:
名無しさん
:2018/08/31(金) 20:51:38 ID:XCQ3iK3U0
.
─────
────
───
──
从 ゚∀从「ただいまー」ガチャ
(;´・ω・`)「おぉうっ!?」ドキッ
从 ゚∀从「おうおっさん、今帰ったぞ」
(;´・ω・`)「いきなり顔出すの止めてくれないかな。心臓に悪いんだけど……」
(;´・ω・`)「というか君、どこから入ってきたの?」
从 ゚∀从「天井裏が開いてたんでそこからな」
(´・ω・`)「開いてたねぇ……どうせ君のことだ、力ずくで開けたんじゃないのかね?」
从 ゚∀从「しゃーねーだろ、玄関先にゃまだマスコミがいるんだからよ」
(´・ω・`)「フーッ……とんだ厄介者を抱え込んだ気分だよ」
(´・ω・`)「これで君を匿ってたなんて噂が立ったら、私は生きていけないんだがねぇ」
从 ゚∀从「ヘッ。あんた初対面の時より、だいぶ小物じみて来たな」
从 ゚∀从「黒幕ヅラしてた時より、よっぽど親近感わくぜ?」
(´・ω・`)「うるさいよ、君」
.
448
:
名無しさん
:2018/08/31(金) 20:52:21 ID:XCQ3iK3U0
.
从 ゚∀从「ところでおっさん、聞きてぇことがあるんだが」
(´・ω・`)「なんだい。明日の天気ならテレビに聞いてくれよ?」
从 ゚∀从「ちげーよ。この辺り、野良犬の溜まり場でもあんのか?」
(´・ω・`)「野良犬?そんなもの、ここに住んでから一度も見たことないよ」
(´・ω・`)「仮にもクラウン=シティ随一の高級住宅なんだ。野良犬の出るような立地じゃない」
从 ゚∀从「だよなぁ……だが、屋根から俯瞰して見たら、屋敷の周りに犬がわんさかいたぜ?」
(;´・ω・`)「えぇ……」
从 ゚∀从「しかも、パパラッチどもの目につかねぇよう隠れて潜んでやがった」
从 ゚∀从「もし心当たりがあんなら、出掛けに襲われねぇよう気をつけときな」
(´・ω・`)「……それ、君の方が心当たりあるんじゃないのか?」
从 ゚∀从
从 ^∀从
(;´・ω・`)「おいっ、何だその爽やかな笑いは!?明らかに何か知ってる顔だろそれ!!」
从 ^∀从「ンナハハハ、じゃーなおっさん!」
ヒュンッ
(;´・ω・`)「おーい!?ちゃんと説明したまえ!!おーい!!」
.
449
:
名無しさん
:2018/08/31(金) 20:53:29 ID:XCQ3iK3U0
.
こうして、ハイド=ハートマンは復讐の第一歩を踏み出した。
そしてそれと時を同じくして、再び始動した獣が、もう一人……。
.
450
:
名無しさん
:2018/08/31(金) 20:53:53 ID:XCQ3iK3U0
.
▼・ェ・▼「……」ヒョコッ
.
451
:
名無しさん
:2018/08/31(金) 20:54:25 ID:XCQ3iK3U0
第十九話終わり
452
:
名無しさん
:2018/08/31(金) 20:59:28 ID:XCQ3iK3U0
【登場人物紹介】
l从・∀・ノ!リ人
MAGNETICA
本名:ナージャ=サウスガット
サウスガットファミリー次女。アーニーとオットーの妹に当たる。
幼いながらも強力な能力を有し、ファミリーの盗みに貢献していた。
能力「マグネティカ」は、磁性体を生み出し敵の肉体に磁力を付与させる。
その強さは地面が鉄である場合、全く身動きが取れなくなるほどである。
.
453
:
名無しさん
:2018/08/31(金) 21:15:50 ID:prZItAgo0
ドルチェの出番キタコレ
乙
454
:
名無しさん
:2018/08/31(金) 22:22:15 ID:JTZurxy20
今回もおもしろかった!乙
455
:
名無しさん
:2018/09/01(土) 00:52:59 ID:ovQ7gdE20
乙
456
:
名無しさん
:2018/09/04(火) 12:38:47 ID:wCxcQFdo0
かなりの化け物だな
乙
457
:
名無しさん
:2019/02/12(火) 00:26:28 ID:4kEB1O9s0
待ってるやで
458
:
名無しさん
:2019/05/23(木) 00:59:42 ID:Y1FzIwFQ0
ビーーーーーッグトレジャーーーーーー
459
:
名無しさん
:2019/06/26(水) 21:33:08 ID:EF2jqLeg0
前回までのあらすじ!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!
460
:
名無しさん
:2019/06/26(水) 21:33:28 ID:EF2jqLeg0
.
从 ゚∀从 before…
↓
(//‰ ゚) after!!
ハイド署長、覚醒!!!
.
461
:
名無しさん
:2019/06/26(水) 21:34:03 ID:EF2jqLeg0
@@@
@#_、_@
(# ノ`)<Fuck!!
∬#´_ゝ`)<Goddam!!
l从・∀・#ノ!リ人<Son of a bitch!!
_
(;゚∀゚)<Oh,No!!!!
サウスガットファミリー、逮捕!!!
.
462
:
名無しさん
:2019/06/26(水) 21:34:27 ID:EF2jqLeg0
.
∧_∧
( ,,^Д^)
( ∪ ∪
と_)●__)
ビッグ・トレジャー、全裸待機!!!
以上!!!
.
463
:
名無しさん
:2019/06/26(水) 21:35:41 ID:EF2jqLeg0
.
─────
────
───
──
『本日、クラウンシティを震撼させたヴィラン、サウスガットファミリーが特別収容所へ収監されます』
『検察は主犯格であるハハジャ=サウスガットとチチジャ=サウスガットへ、無期懲役を求刑』
『それに対し裁判所は、訴えを全面的に認める判決を下しました』
『警察による厳戒態勢が予想されますので、周辺住民の方々は警察車両へ近づかないようご注意ください』
|゚ノ ^∀^)「はーあ、あのサウスガットが逮捕かい!」
|゚ノ ^∀^)「世の中なにが起こるか、分からんもんだねぇ〜」
( ∴)「……」
|゚ノ ^∀^)「この街も、ぼちぼち悪党どもの天国とは言えなくなってきたね」
|゚ノ ^∀^)「バカども相手に荒稼ぎ出来てた頃が懐かしいよ」
|゚ノ ^∀^)「あんたもそう思うだろ、ギャシャール?」
(,,;゚-゚)「いやあの……ボク最近越してきたばっかりなんで……」
(,,;゚-゚)(なんでボクこんな愚痴聞かされてるんだろ……)
.
464
:
名無しさん
:2019/06/26(水) 21:36:53 ID:EF2jqLeg0
.
|゚ノ ^∀^)「けど、こうまで街が騒がしいと、あんたにとっちゃ稼ぎ時だろ?」
(,,;゚-゚)「いえ、そんなことは……」
|゚ノ ^∀^)「嘘つきなよ。あんたが裁判所に張り込んでるって話、聞いたんだよ!」
(,,;゚-゚)「それは〜……サウスガットの入廷シーンが撮れればいいなって……」
|゚ノ ^∀^)「で?どうだったんだい?」
(,,;゚-゚)「けっこういい値段で売れましたけど〜……」
|゚ノ ^∀^)「ほれ見たことかい!あんたもけっこうやるじゃないか、この銭ゲバ!」グリグリ
(,,;゚-゚)(あぅぅ……帰りたいよぉ……)
(,,;゚-゚)(帰ってカメラのレンズ磨きたぁい……)
(,,;゚-゚)(ひたすら無心でキュッキュッキュッキュッキュッキュッ……)
( ∴)「……おい」
(,,;゚-゚)「は、はい!!」ビクッ
( ∴)「……コーヒー……おかわりいる……?」
(,,゚-゚)「あ、お願いします。砂糖とミルクアリアリで」
( ∴)「……あいよ」コポコポ
(,,゚-゚)
(,,゚-゚)(なんか普通に馴染んじゃってるのがダメなんじゃないかなボク)
.
465
:
名無しさん
:2019/06/26(水) 21:38:02 ID:EF2jqLeg0
.
( ∴)「ババァもその辺にしといてやれや……」
( ∴)「ほい……コーヒー……」コト
(,,゚-゚)「あ、どうも」
|゚ノ ^∀^)「あァン?ガキが口挟むんじゃないよ!」
( ∴)「年寄りは無駄話が長いんだよ……」
( ∴)「あんた、それ飲んだら帰っていいよ……」
(,,゚-゚)「あ、はい。そうします」
|゚ノ ^∀^)「私にもコーヒー淹れな!アメリカンでね!」
( ∴)「あんたは自分でやれ……客でもないクセに……」
|゚ノ#^∀^)「ジル、あんた最近ナマイキだよ!誰の金でメシ食ってると思ってんだい!」
( ∴)凸「うっせバーカ……有り金置いてさっさとくたばれ……」
|゚ノ#^∀^)「キィ〜〜〜!!!このクソガキがぁ〜〜〜!!!」
(,,;゚-゚)「あっあの!!そろそろボクおいとましますね!!」
( ∴)「おう……またな……」
|゚ノ#^∀^)「ジル!!あんたは殺してやるからそこに座りな!!」
( ∴)「やってみろ……返り討ちだババァ……」
(,,;゚-゚)「しっ失礼しま〜す!!」シュタタッ
.
466
:
名無しさん
:2019/06/26(水) 21:38:40 ID:EF2jqLeg0
.
(,,゚-゚)「はぁ〜、やっと出られた……一度つかまると話が長いんだよなぁ大家さん……」
(,,゚-゚)「今日はただ家賃払いに行っただけなんだけどなぁ〜……」
(,,゚-゚)「でもうちテレビないから、たまに厄介にならないと情報入って来ないしなぁ……」
(,,゚-゚)「それにしても、サウスガット今日収監なんだ……知らなかった」
(,,゚-゚)「また張り込んでれば、いい写真撮れないかな?」
(,,゚-゚)「……そうだ!アンドリューさんに連絡してみよう!」
(,,゚-゚)「そんなに有名なヴィランなら、ヒーローたちもきっと動いてるはず!」
(,,゚-゚)「それに便乗してれば、写真の一枚や二枚サクサク撮れるかも!!」
(,,゚-゚)「よーし、さっそく電話だ!」
ピピピッ
.
467
:
名無しさん
:2019/06/26(水) 21:39:25 ID:EF2jqLeg0
.
─────
────
───
──
(´・_ゝ・`)「……」カタカタ
( ,,^Д^)「デミタス!!」ウィーン
(´・_ゝ・`)「サー・トレジャー。お疲れ様です」
( ,,^Д^)「サウスガットの任意護衛の準備は出来たかね?」
(´・_ゝ・`)「えぇ、最善は尽くしました」
(´・_ゝ・`)「ここに所属するヒーロー総出で、サウスガットファミリーを収容所まで見送りますよ」
( ,,^Д^)「そうか、ご苦労!!」
(´・_ゝ・`)「しかし、あのサウスガットが捕まるとは……何があったんでしょう」
( ,,^Д^)「分からん……迂闊な敵に挑む一団ではないはずだがな」
( ,,^Д^)「私としても、彼女らを収容所送りにせねばならないのは心苦しいものがある」
(´・_ゝ・`)「ですが、逃走すれば市民に危険が及ぶのも事実です」
(´・_ゝ・`)「それだけは避けなければ……」
( ,,^Д^)「そのことなんだが、実は今ある人たちからサウスガットの情報を入手してな」
( ,,^Д^)「君も一緒に聞いてくれないか」
(´・_ゝ・`)「ふむ?どなたですか?」
( ,,^Д^)「入ってくれ!!君たち!!」
.
468
:
名無しさん
:2019/06/26(水) 21:40:13 ID:EF2jqLeg0
.
(゚A゚* )「やーどーもどーも!お久しぶりですー!」
¥・∀・¥「どうも、こんにちは」
爪゚ー゚)「ちぃーっす」
(´・_ゝ・`)「あなたたちは確か……交番勤務の人たち?」
(゚A゚* )「そうですそうです!交番勤務のノートンですわ!」
¥・∀・¥「同じく交番勤務のマニーです」
爪゚ー゚)「ジーノっす」
(´・_ゝ・`)「あなたたち、サウスガットの送監で忙しいんじゃ……」
(゚A゚* )「うちらのやること言うたら、一般人が護送車に近寄らんよう交通整理するだけですから」
(゚A゚* )「たまたま担当地域がこの辺やったんで、ついでにちょっと顔出しさせてもらったんですわー」
爪゚ー゚)「素直にサボりって言えよ」
(゚A゚* )「やかましわ!サボってなんかない!」
(゚A゚* )「ヒーローに助けを請うて何が悪いんや!」
¥;・∀・¥「警察としてそれでいいのかって気はするけどね……」
( ,,^Д^)「しかしそのおかげで、ひとつの有益な情報を得たぞ!!」
(´・_ゝ・`)「と言いますと?」
.
469
:
名無しさん
:2019/06/26(水) 21:41:09 ID:EF2jqLeg0
.
(゚A゚* )「なんや聞いた話なんですけど、ハハジャが捕まる時、えらい憔悴してたらしいんですわ」
¥・∀・¥「連行された時もほとんど抵抗らしい抵抗をしなかったそうです」
爪゚ー゚)「そんで、あのハハジャの鉄骨みたいなぶっとい腕が、誰かにブチ折られてたんですと」
(´・_ゝ・`)「なんだって?」
( ,,^Д^)「クラウン=シティでも有数の肉体強度を誇るハハジャが、そこまで追い込まれていたらしいのだ!!」
(;´・_ゝ・`)「まさか相手は、ファニーフェイス……!?」
( ,,^Д^)「いや。ファニーフェイスが相手なら、骨折などという生易しい怪我では済むまい!!」
( ,,^Д^)「あくまでも私見だが、その敵はハハジャを無力化したかったように感じられるな!!」
(´・_ゝ・`)「では、一体誰が……」
(゚A゚* )「それなんやけどなぁ。今うちの署内で、ミョーな噂が流れてましてね……」
(´・_ゝ・`)「噂?」
.
470
:
名無しさん
:2019/06/26(水) 21:42:58 ID:EF2jqLeg0
.
(゚A゚* )「ハハジャが捕まったとき、誰かに気絶させられてたらしいんですわ」
(゚A゚* )「そんで拘束してパトカーに乗せられる時に、ポツリとうわ言呟いた言うんです」
(゚A゚* )「『ハイド=ハートマン』……って」
(;´・_ゝ・`)「それは……!!」
( ,,^Д^)「うむ。行方不明の署長の名を、何故か呟いたというんだ!!」
¥・∀・¥「ですが、我々も署員総出で逮捕に当たったので、誰がそれを聞いたのか分からないんです」
爪゚ー゚)「誰かの空耳なんじゃねーかとも思うんスけどねぇ」
( ,,^Д^)「しかし、偶然や空耳にしてはあまりにタイミングが良すぎると思わないかね?」
( ,,^Д^)「署長の失踪、残された彼の名前、そしてハハジャを無力化した痕跡……!!」
(;´・_ゝ・`)「確かに……あまりに符号が合いすぎる……」
( ,,^Д^)「私は、その二つの事件に何らかの関係があるものとして見ている!!」
( ,,^Д^)「君もそのつもりで事に当たってくれ!!」
(´・_ゝ・`)「了解です。サー・トレジャー」
.
471
:
名無しさん
:2019/06/26(水) 21:43:47 ID:EF2jqLeg0
.
(゚A゚* )「まぁ署長がなんかしら噛んでるんやとしたら、こっちにもいずれ連絡来るんやないか思ってます」
¥・∀・¥「逆に警察にも話せないとなると、それなりの事件に巻き込まれてる可能性もありますし」
爪゚ー゚)「どっちにしろ、生きてる証明にはなるから楽観はしてますけどね?」
(´・_ゝ・`)「そうですか。ご協力感謝します」
(゚A゚* )「あとうちらにも守秘義務あるんで、このことは内密にな!」
( ,,^Д^)「無論です!!このことは我々だけの秘密としましょう!!」
¥・∀・¥「では、そろそろ交通整理に戻りますので」
爪゚ー゚)「ぼちぼち拘置所からサウスガットが出てくる時間だしな」
(´・_ゝ・`)「ご苦労様です。我々も準備しましょう」
( ,,^Д^)「うむ!!皆には私から声をかけておこう!!」
.
472
:
名無しさん
:2019/06/26(水) 21:44:34 ID:EF2jqLeg0
.
ティロリロリン、ティロリロリン
(´・_ゝ・`)「……おや?」
( ,,^Д^)「電話かね?」
(´・_ゝ・`)「誰からだろう……」
【from:ギャシャールくん】
(;´・_ゝ・`)「あー……ギャシャールくんからです……」
( ,,^Д^)「ふむ。出てはどうかね?」
(´・_ゝ・`)「いや、よしておきましょう」
(´・_ゝ・`)「今は多忙な時です。酷なようだが彼に応じている猶予はない」
( ,,^Д^)「そうだな!!申し訳ないが今はご遠慮願おう!!」
(´・_ゝ・`)「それよりサー・トレジャー、各々の護衛担当地域について相談が……」
( ,,^Д^)「うむ、聞こう!!」
.
473
:
名無しさん
:2019/06/26(水) 21:45:34 ID:EF2jqLeg0
.
─────
────
───
──
(,,;゚-゚)「……ダメだぁ、繋がんない」
(,,゚-゚)「そりゃそうか。忙しい最中だもんなぁ」
(,,;゚-゚)「あーこのままじゃ決定的なスクープ逃しちゃうよ〜〜!!」
( ∴)「……何してんの?」
(,,゚-゚)「あ、ジルさん。お外出てきたんですか?」
( ∴)「ババァがマジギレしたから逃げてきた……」
(,,;゚-゚)「そ、そうですか……」
( ∴)「あんたこそ……こんなとこで騒がれると迷惑なんだけど……」
(,,;゚-゚)「すみません!けど生活かかってるんで……これでも……」
( ∴)「まぁ……写真屋が写真撮れなきゃ飯の食い上げだからな……」
(,,゚-゚)「そう!そうなんですよ!だから困ってたんです!」
( ∴)「だからってこんなとこで地団駄されてもな……」
(,,;゚-゚)「ぐっ……正論なんて嫌いだ……」
.
474
:
名無しさん
:2019/06/26(水) 21:46:51 ID:EF2jqLeg0
.
(,,;゚-゚)「でもなー……このまま黙って見過ごすには惜しすぎるスクープなんだよなぁ……」
( ∴)「……」
( ∴)「良かったら車、出してやろうか……?」
(,,゚-゚)「え、ホントに?」
( ∴)「収容所近くは警備厳しいから遠目に見るだけになるが……」
(,,゚-゚)「やったぁ!!助かります!!でもなんで?」
( ∴)「……ババァ一度キレると三時間はキレっぱなしだからな……時間潰し……」
(,,;゚-゚)「な、なるほど」
(,,゚-゚)「でも本当にありがとうございます!前に一度殺されかけたけど!」
(;∴)「……あんたさては、意外と根に持つタイプだな?」
(,,゚-゚)「車出してくれるなら帳消しですよ!早く行きましょ!」
( ∴)「……現金なやつ」フゥ
.
475
:
名無しさん
:2019/06/26(水) 21:48:19 ID:EF2jqLeg0
.
─────
────
───
──
【一方その頃、中央警察署……】
( "ゞ)「ジョージさん。署員の警備配置、終わりました」
( ^ω^)「ヘリの出動要請もオーケーですお!」
£°ゞ°)「準備万端ネー!!」
_
( ゚∀゚)「あぁ、分かった」
_
( ゚∀゚)「これから拘置所へサウスガットを迎えに行く。お前ら気ィ引き締めて行けよ」
( ^ω^)「はいですお!」
£°ゞ°)「モチロンヨー!」
_
( ゚∀゚)「俺ァ小便済ませてくるから、先にパトカー乗っとけ」
_
( ゚∀゚)「じゃーな」バタン
.
476
:
名無しさん
:2019/06/26(水) 21:48:51 ID:EF2jqLeg0
.
( ^ω^)「……ジョージさん、最近ちょっと頼もしくなりましたおね」
£°ゞ°)「ホントにネー。まるで署長がいるみたいに感じることあるヨー」
( ^ω^)「サウスガットを逮捕して、一皮剥けた感じですかおねぇ」
£°ゞ°)「サボり魔だった頃とは大違いネー。これで特犯課も安泰だネ!」
( "ゞ)「あぁ、そうだな……」
( ^ω^)「これでデルタさんも一安心ですおね!」
( "ゞ)「……すまん、ブーナー、ロミス。私もトイレを済ませてから行こう」
( ^ω^)「あ、はい。分かりましたお」
£°ゞ°)ノシ「パンツ濡らさないようにネー」
.
477
:
名無しさん
:2019/06/26(水) 21:50:12 ID:EF2jqLeg0
.
_
(;゚∀゚)「……ふぅ」バタン
_
(!i! ∀ )「うっ……」ビクッ
_
(!i! ∀ )∵「オエッ……」ゲボッ
_
(!i! ∀ )「ゲェッ……ゲヘェッ……!」ボタボタッ
_
(!i! ∀ )「オェェェェッ……!!」ビチャァッ
_
(!i! ∀ )「ハァ……ハァ……クソがっ……!!」ゴシゴシ
_
(!i! ∀ )「バカか俺は……この程度のことにプレッシャー感じてんじゃねぇよ……!!」
.
478
:
名無しさん
:2019/06/26(水) 21:50:49 ID:EF2jqLeg0
.
_
(!i! ∀ )「こんなんじゃ兄貴の代わりなんて務まらねぇ……こんなんじゃ……!!」
コンコン
_
(!i! ∀ )「……!!」ビクッ
( "ゞ)「ジョージさん、いるんでしょう?」
_
(!i! ∀ )「デルタ……」
( "ゞ)「あぁ、大丈夫です。どうかそのままで」
( "ゞ)「顔色が優れなかったので、個室にいるだろうなとは思ってました」
( "ゞ)「ご気分は?」
_
(!i! ∀ )「……へへ、人生で一番の絶好調だぜ」
( "ゞ)「……そうですか。強がれるなら大丈夫ですかね」
.
479
:
名無しさん
:2019/06/26(水) 21:51:46 ID:EF2jqLeg0
.
_
(!i! ∀ )「悪いな、落ち着いたらすぐに行くからよ……」
_
(!i! ∀ )「どーも腹具合が悪くていけねぇや……」
( "ゞ)「人生で一番の絶好調じゃなかったんですか?」
_
(!i! ∀ )「ケッ……そうやってすぐ言葉尻掴みやがる……」
( "ゞ)「……ジョージさん。あまり無理はしないでくださいね?」
( "ゞ)「あなたはあなた、署長は署長です。署長の代わりを務めようとしなくてもいいんです」
_
(!i! ∀ )「るっせぇ!!俺じゃなきゃ誰が兄貴の代わりするってんだよ!!」
_
(!i! ∀ )「お前らだって本当は兄貴がいればと思ってるんだろ!?」
( "ゞ)「それは確かに、署長がいるといないとでは効率は段違いです」
_
(!i! ∀ )「ほらな、だから俺がやらにゃいけねぇんだ……」
( "ゞ)「ですがそれは、あなた一人が責を負えばいいという問題ではありません」
_
(!i! ∀ )「……!」
.
480
:
名無しさん
:2019/06/26(水) 21:52:56 ID:EF2jqLeg0
.
( "ゞ)「我々は何のためにチームを組んでるんです?」
( "ゞ)「一致団結して、ヴィランを逮捕するためではないんですか?」
_
(!i! ∀ )「……」
( "ゞ)「署長のいなくなった今こそ、我々の団結力が試されているんです」
( "ゞ)「あなた一人がプレッシャーを負う必要は何一つありません」
( "ゞ)「ですから肩の荷を下ろして、力を抜いてください」
( ^ゞ)「我々のためにも、ね?」
_
(; ∀ )「……」フゥ
ガチャッ
( "ゞ)「ジョージさん」
_
(;゚∀゚)「悪かったな、デルタ。ちょっと落ち着いた……」
.
481
:
名無しさん
:2019/06/26(水) 21:53:45 ID:EF2jqLeg0
.
( "ゞ)「お気になさらず。あの署長の実弟というだけで、重圧を感じるのは当然のことですから」
_
(;゚∀゚)「兄貴は毎回こんなプレッシャー感じてたんだな……」
_
(;゚∀゚)「よくもまぁあんなに平然としてられたもんだぜ」
( "ゞ)「バランス感覚に長けた人でしたからね……気を抜くべきところではちゃんと息抜きしてましたから」
_
(;゚∀゚)「……俺よぉ、ホントはサウスガット逮捕して、ビビってたんだよな」
( "ゞ)「と、いうと?」
_
(;゚∀゚)「実力でもねーのにたまたまサウスガットみてーな大物逮捕して、いつか報復されるんじゃねぇかって……」
_
(;゚∀゚)(アンネさんのことも気がかりだったし)
( "ゞ)「なるほど。それがサウスガットの搬送になって吹き出したと」
( "ゞ)「安心なさい。報復される時は我々も一緒ですよ」
_
(;゚∀゚)「何の慰めにもなってねーよ、それ」
( "ゞ)「四人いれば死ぬ確率は1/4ですから、くじ引きみたいなもんです」
_
(;゚∀゚)「ドライだなお前……いっぺんに死ぬ確率もあるだろうに」
( "ゞ)「さぁ、もう十時です。そろそろ行きましょう」
_
( ゚∀゚)「……あぁ、そうだな。気合い入れっか!」
.
482
:
名無しさん
:2019/06/26(水) 21:55:10 ID:EF2jqLeg0
.
【AM10:23】
サウスガットファミリー、拘置所から移送
< ゚ _・゚>「ご苦労様です、警部どの!」
_
( ゚∀゚)「おぅ、ご苦労さん。フィリップ」
( "ゞ)「ご苦労様です、フィリップ看守長。サウスガットの様子はどうですか?」
< ゚ _・゚>「大人しくしてますよ、えぇ」
< ゚ _・゚>「チチジャだけは消えたり現れたりして、落ち着かない様子ですがね」
_
( ゚∀゚)「そうか……奴らなら一目散に逃げると思ってたけどな」
( "ゞ)「観念したということでしょうかね……」
( "ゞ)「少なくとも、あのハハジャが拘束具程度で縛れるとは思えませんが」
< ゚ _・゚>「それも見ていただければ分かるかと」
< ゚ _・゚>「どうぞ、こちらです、えぇ」
_
( ゚∀゚)「おう」
( "ゞ)「はい」
.
483
:
名無しさん
:2019/06/26(水) 21:57:13 ID:EF2jqLeg0
.
< ゚ _・゚>「今は四人とも落ち着いてますが、ここへ連れて来られた時はそれはもう大騒ぎでしたよ」
< ゚ _・゚>「拘置所から出すときに一番手間取るのは、恐らくチチジャでしょうね、えぇ」
_
( ゚∀゚)「なんでだ?」
< ゚ _・゚>「消えると着衣ごと見えなくなるので、監視に苦労してるんですよ」
< ゚ _・゚>「なのでまずは、独房内に間違いなくいることを確認しなければなりません」
_
( ゚∀゚)「なるほどな、捕まえてからも確保が面倒なんだな」
ガッシャァァンッ!!
_
(;゚∀゚)「!?」
∬#´_ゝ`)「あいつだよ!ジョージ=ハートマン、ヤツが私に警察の情報を売ってたんだ!」
∬#´_ゝ`)「あんた、私が捕まってご満悦かよ!この恥知らずが!」ガシャンッ、ガシャンッ!
< ゚ _・゚>「あぁ、またか……気にしないでくださいね、警部」
< ゚ _・゚>「先日から錯乱してるようで、ずっと同じ台詞を繰り返してるんです」
( "ゞ)「警部、彼女と面識が?」
_
(;ー∀ー)「……あるわけねぇだろ。見たことも聞いたこともねぇよ」
< ゚ _・゚>「ですよね」
∬#´_ゝ`)「ふざけんな!この××××!死んで詫び入れやがれ!」
< ゚ _・゚#>「やかましい!静かにせんか!」
_
(;ー∀ー)(すまねぇ……アンネさん……)
_
(;゚∀゚)(後で上手いこと根回しすっから、今は我慢してくれ……!)
.
484
:
名無しさん
:2019/06/26(水) 21:58:40 ID:EF2jqLeg0
.
< ゚ _・゚>「そしてこちらが、ハハジャの独房です」
_
(;゚∀゚)「……」ゴクリ
< ゚ _・゚>「拘束具ごとこちらのストレッチャーへ乗せて、護送車へ運びます」
< ゚ _・゚>「拘置所員総出でかかりますので、ご安心を。えぇ」
_
(;゚∀゚)「なんか緊張してきた……」
< ゚ _・゚>「毎日ヴィランを相手取る特犯課の警部殿でも、やはり緊張なさいますか」
_
(;゚∀゚)「お、おう。そりゃサウスガットクラスともなればな!」
( "ゞ)(相手取ってないんだよなぁ)
< ゚ _・゚>「今、解錠しますので少しドアから離れてください」
< ゚ _・゚>「何をしでかすか分かりませんからね、えぇ」
.
485
:
名無しさん
:2019/06/26(水) 22:00:10 ID:EF2jqLeg0
.
< ゚ _・゚>「ハハジャ=サウスガット、拘置所より移送!全職員待機!」
< ゚ _・゚>「解錠!」ガコンッ、ギィィィ…
@@@
@#_、_@
(■■)「……」ズオォッ
_
(;゚∀゚)「いつ見ても迫力ありやがんな……」
( "ゞ)「……けど、あのサウスガットにしては嫌に大人しいですね」
_
(;゚∀゚)「まさか、死んでやしないだろうな……?」
< ゚ _・゚>「それが、ここへ勾留されてからはずっとこの調子なんですよ」
< ゚ _・゚>「今のところ、我々へは一言も喋りかけてはおりません。えぇ」
< ゚ _・゚>「まぁ話しかけられたところで、応じはしませんがね。えぇ」
( "ゞ)「それが無難な対応でしょうね」
< ゚ _・゚>「ハハジャ=サウスガット。今からお前を収容所へ連行する」
< ゚ _・゚>「抵抗は無駄と思え!!」
@@@
@#_、_@
(■■)「……フン」
.
486
:
名無しさん
:2019/06/26(水) 22:01:04 ID:EF2jqLeg0
.
ガシャンッ、ガラガラガラ……
@@@
@#_、_@
(■■)「……」
_
(;゚∀゚)「……ピクリともしねぇな」
(;"ゞ)「却って不気味ですね……何か企んでるんでしょうか」
< ゚ _・゚>「安穏としてはいけませんが、最大限注意を払い護送車へ連れて行きましょう」
_
( ゚∀゚)「あぁ、そうだな……ところであんた」
< ゚ _・゚>「はい?何でしょうか?」
_
( ゚∀゚)「あんた、ホクロがクソでかいってよく言われね?」
< ゚ _・゚;>「そ、それは言わないでください!気にしてるんですから!」
_
( ゚∀゚)「いやぁあんまり目立つからわざとやってんのかなと」
< ゚ _・゚;>「わざとって何ですか、わざとって」
(;"ゞ)「今はそんなこと言ってる場合じゃないでしょう、ジョージさん」
_
( ゚∀゚)「悪い悪い。一度気になりだすと止まんなくてよ」
(;"ゞ)「全く……あなたって人はデリカシーがないんだから……」
.
487
:
名無しさん
:2019/06/26(水) 22:02:20 ID:EF2jqLeg0
.
@@@
@#_、_@
(■■)「……その声、そこにいるのはジョージ警部かい?」
_
(;゚∀゚)「うぇっ!?」ビクッ
< ゚ _・゚#>「私語は慎め!ハハジャ=サウスガット!」
@@@
@#_、_@
(■■)「……フン。兄弟そろって、熱心なことだね」
_
(;゚∀゚)「兄弟そろって……?」
_
(;゚∀゚)「おい!お前、兄貴のこと何か知ってやがんのか!?」
@@@
@#_、_@
(■■)「……」シーン
_
(;゚∀゚)「おいっ!何とか言えよ!おいコラ!」
(;"ゞ)「どうしたんです?ジョージさん」
_
(;゚∀゚)「いや……すまねぇ、取り乱した」
_
(;゚∀゚)「実を言うと、こいつらを捕まえる前に兄貴からメールが来てたんだ……」
_
(;゚∀゚)「『あとはお前がケリをつけろ』……って」
(;"ゞ)「なんですって!?」
< ゚ _・゚;>「そんなことが……」
.
488
:
名無しさん
:2019/06/26(水) 22:03:38 ID:EF2jqLeg0
.
_
(;゚∀゚)「もしかしたら、サウスガットを潰したのは兄貴なのか……?」
(;"ゞ)「確たる情報はないですから、何とも……それに署長は普通の人間ですし……」
(;"ゞ)「ともかく今は、サウスガットの搬送に注力すべきかと」
( "ゞ)「気を抜いて手に負える相手ではないですから」
_
(;゚∀゚)「そ、そうだな。バシッと気合い入れねーと」
ガラガラガラ、ガシャアンッ…
( ^ω^)「ジョージさん!護送車の受け入れ手配、終わってますお!」
£°ゞ°)「途中で襲撃受けても問題ナッシングヨー!!」
_
( ゚∀゚)「おう、お前らお疲れ。ハハジャ乗せんぞ」
< ゚ _・゚>「運転は私にお任せを!」
( "ゞ)「ハハジャ=サウスガットは第一車両、アンネとナージャは第二車両」
( "ゞ)「チチジャ=サウスガットは第三車両にて連行します」
_
( ゚∀゚)「最後まで気ィ抜くんじゃねぇぞ、野郎ども!!」
( "ゞ)「了解!!」
( ^ω^)ゞ「はいですお!!」
£°ゞ°)ゞ「オーケーねー!!」
.
489
:
名無しさん
:2019/06/26(水) 22:05:37 ID:EF2jqLeg0
.
─────
────
───
──
【AM11:23】
サウスガットファミリー、特別収容所へ到着
ブロロロロ…
( ∴)「……ついたぞ」ガチャ
(,,゚-゚)「ありがとうございます!」ガチャ
( ∴)「ここなら遠巻きに収容所撮れるだろ……」
(,,;゚-゚)「んん〜……でもちょっと遠いなぁ。もうちょい施設の近くに行けません?」
( ∴)「アホ……この厳戒体勢の中に突っ込んだら、不審車両として一発逮捕だぞ……」
( ∴)「望遠で遠くから撮るだけにしときな……」
(,,゚-゚)「はぁい……仕方ないかぁ……」
.
490
:
名無しさん
:2019/06/26(水) 22:06:32 ID:YWRhz2R20
>>461
チチジャ…
491
:
名無しさん
:2019/06/26(水) 22:06:45 ID:EF2jqLeg0
.
( ∴)「じゃ、俺帰るから……後は好きにしな……」
(,,;゚-゚)「えっ!いっしょにいてくれるんじゃないんですか!?」
( ∴)「いや俺犯罪者に興味ないし……ババァも適当にあしらっときゃ機嫌治るし……」
(,,;゚-゚)「こんな荒野におっぽり出されたらハゲ鷹の餌ですよぅ!」
( ∴)「知らんがな……あんたが自分で選んだ仕事だろ……」
( ∴)「迎えには来てやるから、終わったら後で電話しな……」
(,,;゚-゚)「えぇ〜……心細いからいっしょにいてくださいよぉ……」
( ∴)「……前にあんたを殺そうとした俺といて、安心出来るのか?」
(,,゚-゚)
(,,゚-゚)「それもそうか」
.
492
:
名無しさん
:2019/06/26(水) 22:08:19 ID:EF2jqLeg0
.
( ∴)「じゃ、あとは適当に頑張れ……」ガチャ、ブロロ…
(,,;゚-゚)「あぁん……本当に行っちゃった……まぁいいけど……」
(,,;゚-゚)「でもどうしよ……せめてもうちょっと収容所に近づけないかな……」
(,,゚-゚)「徒歩で行けば気づかれずに何とかなりそう……かな……?」
(,,゚-゚)
(,,゚-゚)「これ一歩間違えれば射殺されかねないよね?」
(,,゚-゚)「やっぱりやめといた方が……」
(,,;゚-゚)「いや!ここまで来て諦める訳にはいかない!」
(,,゚-゚)「命を捨てる覚悟なんて、カメラマンになるときにとっくに済ませたじゃないか!」
(,,゚-゚)「やるぞ!ギャシャールやるぞ!」
(,,゚-゚)「うぉぉぉぉ!!」ザッザッ
……この時彼女は、後にこの決断を後悔することになるとは思いもよらなかったのであった。
.
493
:
名無しさん
:2019/06/26(水) 22:10:07 ID:EF2jqLeg0
.
─────
────
───
──
『指紋認証確認、虹彩認証確認』
『音声認証を開始します。AからGまでのアルファベットを発音してください』
_
( ゚∀゚)「えーびーしーでぃーいーえふじー」
『認証されました。ロックを解除します』
ガコンッ……
_
( ゚∀゚)「ふぃー……いつ来てもここは地獄の一丁目って感じだな」
( ^ω^)「我々は外で待機してますお!!」
£°ゞ°)「あとはお二人で頑張ってネー」
( "ゞ)「ジョージさん」
_
( ゚∀゚)「おう、なんだ」
( "ゞ)「ジョージさんの網膜が認証されたってことは、前にもここへ来たことがあるんですか?」
_
( ゚∀゚)「あー、一度だけ兄貴に連れられてな」
_
( ゚∀゚)「ろくでもない施設だってこたぁ知っとけって言われたんだよ」
( "ゞ)「なるほど……私は来たことがなかったものですから」
_
( ゚∀゚)「ま、来るもんじゃねーよこんなとこ」
_
( ゚∀゚)「お前も一度見たらそう思うようになるぜ」
( "ゞ)「……」
.
494
:
名無しさん
:2019/06/26(水) 22:11:16 ID:EF2jqLeg0
.
(-@∀@)「おやおや、ひどい言い方ですねぇ〜ジョージさん」ツカツカ
_
( ゚∀゚)「お、変態クソ博士じゃねぇか。ようやくお出ましか?」
(-@∀@)「あのサウスガットが収容と聞いて、いても立ってもいられなくなりましてねぇ!」
(-@∀@)「とはいえ、クソ博士はさすがに言い過ぎですよ〜」
( "ゞ)(変態なのは否定しないのか)
( ゚¥゚)「……」ペコリ
( "ゞ)「あ、どうも」ペコリ
( "ゞ)「ジョージさん、こちらは?」
_
( ゚∀゚)「看守長のミスターセモナと、ヴィラン研究家のアーサー博士だ」
_
( ゚∀゚)「実質この二人が、この施設のツートップだな」
(-@∀@)「よろしくどうぞ〜」
(-@∀@)「ハハジャ=サウスガットの状態……あ、健康状態はいかがです?」
.
495
:
名無しさん
:2019/06/26(水) 22:12:23 ID:EF2jqLeg0
.
_
( ゚∀゚)「そいつぁ本人に聞いてみてくれや。ほれ」
@@@
@#_、_@
( ■■) ズズゥウン…!!
(-@∀@)「おっほー!!素晴らしいですねぇ!!」
(-@∀@)「肌ツヤも申し分ないし健康きわまりない!!」
(-@∀@)「これは研究しがいがありますねぇ!!」
(;"ゞ)「な、何なんですこの人。ハハジャを研究対象としてしか見てないんですか?」
_
( ゚∀゚)「気にすんな、そーいう男だよこいつは」
∬#´_ゝ`)「おい、そこの変態メガネ!!人の母親にツバかけてんじゃねぇぞ!!」
l从・∀・#ノ!リ人「母者に手を出したら殺すのじゃー!」
彡⌒ミ
(#´_ゝ`)「こっちが捕縛されてなかったら命はなかったぞ、お前……!!」
(-@∀@)「オホホ、他の方々も素晴らしい元気でいらっしゃる」
(-@∀@)「これは研究家として腕がなるというものですよ〜」
(;"ゞ)「……」
_
( ゚∀゚)「こいつのがよっぽどヴィランっぽいよな、マジで」
.
496
:
名無しさん
:2019/06/26(水) 22:13:10 ID:EF2jqLeg0
.
_
( ゚∀゚)「それより、さっさとこいつら独房にぶちこんでくれねぇかな」
_
( ゚∀゚)「俺だって早く帰って休みてぇんだからよ」
(-@∀@)「えぇ、えぇ。分かってますとも」
(-@∀@)「セモナさん!彼らの搬送をお願いしますよ〜!」
( ゚¥゚)「はい」ペコリ
( "ゞ)「我々も行きましょう」
_
( ゚∀゚)「あぁ」
ガシャァン…
(-@∀@)「しかし、サウスガットのような大物が捕まるとは、何が起こるか分かりませんねぇ」
( "ゞ)「狡猾に立ち回っては上手く逃げ仰せていましたからね……」
_
( ゚∀゚)「これで少しゃ平和になればいいんだが、そうも行かねぇよなぁ」
( "ゞ)「そうですね……悪党のパワーバランスが崩れれば、どうなるか予想はつかない」
( "ゞ)「だからこそ我々も、最善を尽くさなければ……」
(-@∀@)「及ばずながら私もご協力しますよ〜」
(-@∀@)「ヴィランの研究こそ一番の防犯になると、私は信じてますから!」
_
( ゚∀゚)「間違っちゃねぇが、あんたが言うとろくでもないな」
.
497
:
名無しさん
:2019/06/26(水) 22:14:36 ID:EF2jqLeg0
.
─────
────
───
──
【同時刻】
ヴィラン特別収容所地下、下水道内部……。
▼ーェー▼「……」
▼・ェ・▼ カッ!
▼ーェー▼ スゥゥゥ…
▼ーェー▼「アォ〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜ン!!!!!」
『アンッ!アンッ!』
『キャオーン!!』
『ワウッ、バウッ!!』
▼・ェ・▼「……アンッ、アンッ」
ドドドドド…
▼・ェ・▼「アオンッ!!」
.
498
:
名無しさん
:2019/06/26(水) 22:17:47 ID:EF2jqLeg0
.
ドドドドド…
( "ゞ)「……ん?」
_
( ゚∀゚)「どした、デルタ」
( "ゞ)「今何か、変な物音がしませんでしたか?」
_
( ゚∀゚)「そうか?」
( "ゞ)「えぇ、何かこっちに近づいてくるような……?」
ウォーーーーーーーン!!!
ウォーーーーーーーン!!!
_
(;゚∀゚)「なっ……なんだ!?」
(-@∀@)「これは、緊急時のサイレンですねぇ」
(-@∀@)「何かあったんでしょうか?」
.
499
:
名無しさん
:2019/06/26(水) 22:18:51 ID:EF2jqLeg0
.
『緊急所内放送、緊急所内放送!!!』
『地下下水口より生物反応多数!!何者かが侵入しています!!』
『アーサー博士、セモナ看守長!!これより所内はレベル5厳戒体制に入ります!!』
_
(;゚∀゚)「なんだって!?」
(;"ゞ)「看守長!!」
( ゚¥゚)「落ち着いてください、お二人とも」
( ゚¥゚)「全所員、警戒体勢!!不審者は発見次第即射殺せよ!!」
(-@∀@)「これはヴィランの襲撃ですかねぇ〜!」
(-@∀@)「面白くなってきた!!」
(;"ゞ)「面白くって……そんな場合ですか!!」
(-@∀@)「こうしちゃいられませんね!私は監視カメラで侵入者の動向を観察しますので!」
(-@∀@)「サウスガットの搬送はお願いしますよ〜!!」
(;"ゞ)「ちょっと博士!!一般人は避難してください!!」
_
(;゚∀゚)「ほっとけデルタ!ここまで来たら残るも死ぬも自己責任だ!」
_
(;゚∀゚)「それより、何が来てもいいように銃は抜いとけ!!」
(;"ゞ)「は、はい!!」
.
500
:
名無しさん
:2019/06/26(水) 22:21:16 ID:EF2jqLeg0
.
(;"ゞ)「でも、ジョージさん」
_
(;゚∀゚)「あ?なんだ!」
(;"ゞ)「下水口って普通、蓋してありますよね?」
(;"ゞ)「ヴィランだとしても、人間大の生き物が通るのは不可能なはず……」
_
(;゚∀゚)「だとしたらなんだ?ネズミでも大量発生したってのか?」
『アォンッ!!』
_
(;゚∀゚)「うぉおっ!!?」
『ワンッ!!ワンッ!!』
『アォーーーンッ!!』
『キャンッ、キャンッ!!』
(;"ゞ)「こ、これは……犬!?」
(;"ゞ)「しかも愛玩犬ばかり……!!」
_
(;゚∀゚)「ぎゃあああ!!変な生き物が足にまとわりついてくるゥ!!」
(;"ゞ)「落ち着いて!!それただの濡れたプードルです!!」
_
(;゚∀゚)「ホントだ濡れたプードルって気色悪ッ!!」
.
501
:
名無しさん
:2019/06/26(水) 22:22:11 ID:EF2jqLeg0
.
(;"ゞ)「けどとんでもない数だ……百匹は下らないぞこれは……」
_
(;゚∀゚)「特に攻撃とかもしてこないから、所員も撃っていいのか図りかねてるな……」
(;"ゞ)「近くでペットショップからの脱走でもあったんですかね……?」
_
(;゚∀゚)「こんな荒野のど真ん中にペットショップがあるか!」
( ゚¥゚)「総員、撃ち方止めィッ!!犬は比較的大人しい!!」
( ゚¥゚)「攻撃反応を控え、犬の捕獲と保護に専念せよ!!」
( ゚¥゚)「ただし暴れる犬には銃の使用を許可する!!」
( ゚¥゚)「お二人はサウスガットの檻をお願いします。私は犬の捕獲に向かいますので」
(;"ゞ)「はい!」
_
(;゚∀゚)「わ、分かった!」
.
502
:
名無しさん
:2019/06/26(水) 22:23:19 ID:EF2jqLeg0
.
─────
────
───
──
【AM11:36】
謎の犬、捕獲作戦
_
(;゚∀゚)「デルタ!!そっちに一匹行ったぞ!!」
(;"ゞ)「ジョージさんも股ぐらから一匹抜けてます!」
_
(;゚∀゚)「あーもーちょこまか鬱陶しいな!何なんだこいつら!」
(;"ゞ)「サウスガットどころじゃありませんよこれ……」
(;"ゞ)「ほっといたら何をしでかすか分からないですし」
_
(;゚∀゚)「アーサー博士も呼んで捕まえさせろ!!」
(;"ゞ)「いやいや、博士も一応民間人ですから……」
_
(;゚∀゚)「もー!!やだー!!」
▼・ェ・▼ ヒョコッ
▼・ェ・▼「……アンッ」
三三三三▼・ェ・▼ タターッ
.
503
:
名無しさん
:2019/06/26(水) 22:24:52 ID:EF2jqLeg0
.
【収容所内、監視ルーム】
(-@∀@)「ふんふふんふーん♪」
(-@∀@)「知将とはこういうとき、高みから見物するものなのですよ〜♪」
(-@∀@)「しかし、侵入したのが攻撃意思の見られない小型犬ばかりなのは、いただけませんねぇ」
(-@∀@)「もっとこの施設のポテンシャルを発揮できるような、アグレッシブな敵が良かったのですが」
(-@∀@)「……おや?」
【 三三三▼・ェ・▼ 】
(-@∀@)「ふむ……この犬だけ、他の犬とは違う行動を取っていますねぇ」
(-@∀@)「しかも向かっているのは、危険なヴィランのみを集めた重犯罪者特区……」
(-@∀@)「これは偶然とは思えませんねぇ……念のため注意を促しておきますか」
(-@∀@)「所内放送ボタンぽちーっと」
(-@∀@)「あーあー、マイクテスマイクテス」
(-@∀@)「ただいま一匹の犬が、重犯罪者特区に向かって走って行きましたよー」
(-@∀@)「所員の皆さんは、その犬の捕獲を最優先事項としてくださ〜い」
(-@∀@)「犬種はチワワの一種、素早く動くので先回りして捕まえるのをオススメしますよ〜」
(-@∀@)「それでは皆さん、頑張ってくださいねぇ〜」
(-@∀@)「アーサーからのご連絡でした〜」
.
504
:
名無しさん
:2019/06/26(水) 22:25:45 ID:EF2jqLeg0
.
(;"ゞ)「……ですって、ジョージさん」
_
(;゚∀゚)「チッ。要するにこの大量の犬は陽動ってワケか?」
(;"ゞ)「我々も、そのチワワを追いましょう!」
_
(;゚∀゚)「待て待て。サウスガット置いてくつもりか?」
_
(;゚∀゚)「それに俺らじゃ、重犯罪者特区ってのがどこかも分かんねぇだろ」
_
(;゚∀゚)「追うのはここの所員に任せて、俺らはサウスガットどもを移動させるぞ!!」
(;"ゞ)「そ、そうですね……でも移動ってどこへ……」
_
(;゚∀゚)「とにかく、どっか安全なところだ!!」
ビキッ…
(;"ゞ)「……えっ?」
_
(;゚∀゚)「あっ!?」
.
505
:
名無しさん
:2019/06/26(水) 22:27:09 ID:EF2jqLeg0
.
@@@
@#_、_@
(#■■)「ぬぁぁああああああああああああ!!!!!!!!」
ビキッ、ビキビキビキィッ!!!
(;"ゞ)「拘束具が!!」
_
(;゚∀゚)「バカ!!逃げろデルタ!!」
バッキィィィィィィィン!!!!!!
@@@
@#_、_@
( ノ`)「フゥゥゥゥ……!!」
ゴゴゴゴゴゴゴゴ…
(;"ゞ)「さ、最悪だ……このタイミングでサウスガットが……!」
_
(;゚∀゚)「ボーッとすんな!!さっさと物陰に隠れろ!!」
(;"ゞ)「す、すみません!!」
.
506
:
名無しさん
:2019/06/26(水) 22:27:40 ID:EF2jqLeg0
.
@@@
@#_、_@
(# ノ`)「シャラァッ!!」ゴキンッ
@@@
@#_、_@
( ノ`)「アンネ、ナージャ、あんた!!無事かい!?」
∬;´_ゝ`)「だ、大丈夫よ!」
l从・∀・ノ!リ人「のじゃ!!」
彡⌒ミ
(;´_ゝ`)「問題ない!それより、お前こそ右腕折れてるはずだろ!?」
@@@
@#_、_@
( ノ`)「それこそ、何も問題ないね。さっさとこんなところずらかるよ!」
.
507
:
名無しさん
:2019/06/26(水) 22:29:09 ID:EF2jqLeg0
.
【AM11:46】
サウスガットファミリー、脱走
彡⌒ミ
(;´_ゝ`)「しかしまぁ、何だってんだろうなこの騒ぎ」
∬;´_ゝ`)「犬がどうとか聞こえてきたけど……なんで収容所に犬が?」
l从・∀・ノ!リ人「ワンちゃん!ワンちゃんなのじゃ!かわいいのじゃ!」
@@@
@#_、_@
( ノ`)「浮かれるのは後だよ、ナージャ!!」
@@@
@#_、_@
( ノ`)「あんたたち!!フォーメーション『サウスガットトレイン』、スタンバイ!!」
彡⌒ミ
(;´_ゝ`)「お、おう!!」
∬;´_ゝ`)「分かったわ!!」
l从・∀・ノ!リ人「のじゃ!!」
@@@
@#_、_@
( ノ`)「この千載一遇の脱出のチャンス、絶対に逃すんじゃないよ!!」
.
508
:
名無しさん
:2019/06/26(水) 22:30:54 ID:EF2jqLeg0
.
@@@
@#_、_@ 彡⌒ミ
( ノ`)∬;´_ゝ`)l从・∀・ノ!リ人( ´_ゝ`)
ガッシィィィィーーーーンッッッ!!!!!
@@@
@#_、_@
( ノ`)「サウスガットトレイン、ゴーッ!!!!」
@@@
@#_、_@
( ノ`)「ハァァァァァァァァァッッッ!!!!」
説明しよう!!
サウスガットトレインとは、サウスガットファミリーがハハジャを先頭として、1列に隊列を組んで進む!!!
かの有名なグレイシートレインに着想を得たフォーメーションである!!!
@@@
@#_、_@
( ノ`)「ここから先は混戦が予想される!!」
@@@
@#_、_@
( ノ`)「私から離れるんじゃないよ!!」
ただ1列に並んだだけと思うなかれ!!!
サウスガットトレインは、ハハジャが圧縮空気で周囲を防御することに真価を発揮する!!!
その堅牢な守りは、たとえマシンガンであろうと弾き返すほどなのだ!!!
.
509
:
名無しさん
:2019/06/26(水) 22:31:58 ID:EF2jqLeg0
.
@@@
@#_、_@
( ノ`)「このまま一気に進むよ!!後に続きな!!」
彡⌒ミ
( ´_ゝ`)「おうっ!!」
∬´_ゝ`)「分かったわ!!」
l从・∀・ノ!リ人「ついてくのじゃー!!」
ズドドドドドドッ!!!!!
(;"ゞ)「クソッ……サウスガットが止まらない!!」
_
(;゚∀゚)「あいつら、今の今まで猫かぶってやがったな……!!」
(;"ゞ)「このままでは脱獄されてしまいます!!止めなければ!!」
_
(;゚∀゚)「どうやって止める気だよ!?立ち塞がっても止めらんねぇぞ!!」
(;"ゞ)「こうなったら、私が……!!」
_
(;゚∀゚)「落ち着けって!!」
_
(;゚∀゚)「外にはヒーロー連中も待機してる!!サウスガットは奴らに任せろ!!」
(;"ゞ)「そうやってあなたはいつも人任せにして!!」
_
(;゚∀゚)「ちげーよ!!ここで俺らが足手まといになる方が迷惑なんだよ!!」
_
(;゚∀゚)「俺らのやることは兄貴の……ハイド署長の跡をしっかり継ぐことだろうが!!」
_
(;゚∀゚)「しっかりしろ!!」
(;"ゞ)「……すみません、取り乱しました」
.
510
:
名無しさん
:2019/06/26(水) 22:33:19 ID:EF2jqLeg0
.
─────
────
───
──
三▼・ェ・▼ シュタタタッ
「くそっ、こいつ妙にすばしっこいぞ!!」
「慌てるな、囲めば捕まえられる!!」
「待てぇ犬ッコロ!!!」
三▼・ェ・▼「アンアンッ」シャッ
「うおぉっ!?」
「こいつ、通気ダクトに逃げるぞ!!」
「出てきたところを捕まえるんだ!!」
.
511
:
名無しさん
:2019/06/26(水) 22:34:42 ID:EF2jqLeg0
.
『アーサー博士!例の犬は通気ダクトに逃げ込んだ模様です!』
『現在、所員総出で行方を追っています!』
(-@∀@)「通気ダクト?はて、妙ですねぇ……」
(-@∀@)「通気ダクトの先は排気用のファンが回っていて、行き止まりのはずですが」
(-@∀@)「それになぜあの犬は、重犯罪者特区まで迷いなく走ることが出来たのか……」
(-@∀@)「……これはもしかすると、こちら側に内通者がいるのかも」
(-@∀@)「となると、早めに捕まえないと大変なことになりますねぇ」
(-@∀@)「所内放送ボタンぽちっと」
(-@∀@)「えー皆さん、わんこちゃんは通気ダクトに入り込んだとの情報があります」
(-@∀@)「ひとまず他の犬はほっておいて、そちらを探してください」
(-@∀@)「あ、あとサウスガットも逃がさないようにお願いいたしますね〜」
.
512
:
名無しさん
:2019/06/26(水) 22:36:09 ID:EF2jqLeg0
.
【PM12:04】
サウスガットファミリー、前進
@@@
@#_、_@
( ノ`)「シャオラァッ!!!」
ズドドドドドドッ!!!!
「と、止まれ!!!」
「うわぁぁぁぁぁ!!!」
@@@
@#_、_@
( ノ`)「その程度で私が止まると思うかい!!」
彡⌒ミ
( ´_ゝ`)「さすが母さん。右腕が折れてるとは思えないキレだ」
∬´_ゝ`)「やっぱりうちの母さんってサイコーね!」
l从・∀・ノ!リ人「のじゃ!」
@@@
@#_、_@
( ノ`)「ナージャ!!あんたはマグネティカで援護しな!!」
@@@
@#_、_@
( ノ`)「圧縮空気で物理攻撃は通らないが、磁力なら向こうの武器を無効化できる!!」
l从・∀・ノ!リ人「おけーなのじゃー!」
l从・∀・ノ!リ人「マッグネティカー!!」ズビビビッ
.
513
:
名無しさん
:2019/06/26(水) 22:39:07 ID:EF2jqLeg0
.
「な、なんだ!?銃が、引っ付いて……!!」
「弾丸が発射されないぞ!?」
l从・∀・ノ!リ人「鉄砲は磁石になったのじゃ!!もう使えないのじゃ!!」
@@@
@#_、_@
( ノ`)「さぁ、どんどん進むよ!!」
@@@
@#_、_@
( ノ`)「まずはいったん、下水道に潜る!!準備しな!!」
∬´_ゝ`)「下水道?」
l从・∀・ノ!リ人「なんでなのじゃ?」
彡⌒ミ
( ´_ゝ`)「地上はヘリやら何やらで上空から追跡されるからな」
彡⌒ミ
( ´_ゝ`)「そうなったらたとえ俺たちでも、容易には逃げられん」
@@@
@#_、_@
( ノ`)「ほらほら、話は後にしな!!」
@@@
@#_、_@
( ノ`)「下水道を掘り当てたら、トレインを一旦解除する!!」
@@@
@#_、_@
( ノ`)「そしたらすぐに走って逃げな!!いいね!!」
∬´_ゝ`)「うん!!」
l从・∀・ノ!リ人「のじゃー!」
彡⌒ミ
( ´_ゝ`)「若いもんにはまだまだ負けんぞ!」
.
514
:
名無しさん
:2019/06/26(水) 22:41:00 ID:EF2jqLeg0
.
【PM12:12】
特犯課二人、右往左往
(;"ゞ)「あっ、そうだ!!」
_
(;゚∀゚)「どうした、デルタ!!」
(;"ゞ)「ジョージさん、対ヴィラン用の試作武器持ってきてましたよね?」
(;"ゞ)「衝撃を内部に伝えるって触れ込みの、あの銃!!」
_
(;゚∀゚)「お、おう」
(;"ゞ)「今は一刻を争う時です!それ使いましょう!!」
_
(;゚∀゚)「わ、分かった!」ゴソゴソ
(;"ゞ)「ともかく、ハハジャだけでも止めないと我々の存在意義が……」
_
(;゚∀゚)「……あっ」ピタ
(;"ゞ)「ジョージさん?どうしたんですか」
_
(;゚∀゚)「……デルタ。落ち着いて話を聞いてくれ」
(;"ゞ)「え、まさかあなたそんな……ウソでしょう?」
_
(;゚∀゚)「……護送車に武器、置いてきちゃった」
(;"ゞ)「あなたって人はーーーーーーーーーー!!!!!!!!」
.
515
:
名無しさん
:2019/06/26(水) 22:42:17 ID:EF2jqLeg0
.
_
(;゚∀゚)「すぐに、すぐに取ってくるから待っててくれ!!」
(;"ゞ)「もう!!バカ!!アホ!!早くしてください!!」
_
(;゚∀゚)「ごめんて!!急ぐから!!」
_
三三三(;゚∀゚) シュタタタッ
@@@
@#_、_@
(# ノ`)「ウオオォォォォォォォォォ!!!!!!」
ズドドドドドドドドドドドドッ!!!!!!!!!!!!
_
( ゚∀゚)「えっ、ウソ?」
_
(;゚∀゚)「ちょ、ちょまっ!止まれ、止まれハハジャー!!!」
.
516
:
名無しさん
:2019/06/26(水) 22:42:44 ID:EF2jqLeg0
.
@@@
@#_、_@
(# ノ`)「オォラァァァァァァァァァァァッッッッッ!!!!!!!!」
ドゴォォォォォォォォォォォォォォン!!!!!!!!!!!!!
_
(; ∀ )「ギャアァァァァァァァァァァァァ!!!!!!!!!!!!!」
(;"ゞ)「ジョージさんが轢かれたーーーーーーーーーー!!!!!!!!」
∬´_ゝ`)「……なんか前方不注意のアホが轢かれたわ」
∬´_ゝ`)「いい気味ね」
l从・∀・ノ!リ人「おどるアホウなのじゃー」
.
517
:
名無しさん
:2019/06/26(水) 22:44:56 ID:EF2jqLeg0
.
─────
────
───
──
この騒動から時は遡りーー。
【AM10:00】
その頃、ヒーローたちは……
(´・_ゝ・`)「みんな、よく集まってくれた」
(´・_ゝ・`)「これより、ハハジャ=サウスガットに対する任意護衛を開始する」
(´・_ゝ・`)「まずは編成の最終確認だ。聞きたいことがあれば今のうちに聞いておけ」
(´・_ゝ・`)「まずは先行部隊。サー=トレジャーとモララー」
( ,,^Д^)「うむ!!!」
( ・∀・)「あいよ!!」
(´・_ゝ・`)「君たちは、何か問題が起こった際に真っ先に現場へ駆けつけてくれ」
(´・_ゝ・`)「そのために、ヒーローの中でもスピードに特化した二人を選んでいる」
( ・∀・)「おう!!俺とおっさんの速さに任しときな!!」
( ,,^Д^)「ムハハ!!頼りにしているぞ、モララー!!」
.
518
:
名無しさん
:2019/06/26(水) 22:45:43 ID:EF2jqLeg0
.
(´・_ゝ・`)「次、中間護衛部隊」
(´・_ゝ・`)「ミシェーラくん、サダコくん、ギコ」
ミセ*゚ー゚)リ「あいなー」
川д川「はいはい」
(,,゚Д゚)「ういーっす」
(´・_ゝ・`)「君たちは、サウスガットが逃亡した際に施設周辺で迎え撃ってくれ」
(´・_ゝ・`)「戦闘力はもとより、捕獲力なら君たちの右に出るものはいない」
ミセ*゚ー゚)リ「バッチリオッケー!」
川д川「この辺乾燥してるから、上手いこと草木を調整しないとね」
(,,゚Д゚)「久々の出番だぁ、やってやんぜ!!」
.
519
:
名無しさん
:2019/06/26(水) 22:46:52 ID:EF2jqLeg0
.
(´・_ゝ・`)「最後、最終防衛ライン」
(´・_ゝ・`)「ヒクソンくん、マオさん、ダードリーさん」
(´・_ゝ・`)「それと特別増員のシンさん」
(;-_-)「は、はい!」
(#゚;;-゚)「アイアイヨー」
|(●), 、(●)、|「腕がなるわぁ〜、んっふふふふ」
( `ハ´)「フン!フン!」
(´・_ゝ・`)「あなた方は、前衛で対処出来なかった場合の最終手段です」
(´・_ゝ・`)「もしもの場合は遠慮せず、最大戦力で向かってください」
(;-_-)「き、緊張する……」
(#゚;;-゚)「お腹痛くしてる場合と違うヨ、ビシッとするネ」
|(●), 、(●)、|「あとで胃薬あげるから、飲んでおきなさい」
(´・_ゝ・`)「それと、本来なら特殊能力を持たない人間を引っ張り出したくはないんだが」
(´・_ゝ・`)「シンさん本人のたっての希望で、今回後衛として参戦していただくことになった」
( `ハ´)「当たり前ネ!娘が戦うのにお前らだけに任せておけないヨ!」
(#゚;;-゚)「年寄りの冷や水ネー」
.
520
:
名無しさん
:2019/06/26(水) 22:48:04 ID:EF2jqLeg0
.
(´・_ゝ・`)「編成は以上だ。何か質問は?」
ミセ*゚ー゚)リ「はいはーい」
(´・_ゝ・`)「なんだい、ミシェーラくん?」
ミセ*゚ー゚)リ「今うちらがいるのって、収容所から1キロくらい離れた場所じゃん?」
ミセ*゚ー゚)リ「なんでもっと近くで護衛しないのー?」
(´・_ゝ・`)「警察にも面子がある。表立って我々の助力を請う訳にはいかないんだ」
(´・_ゝ・`)「あくまでも我々は、警察と看守で対応出来なかった場合の補助ということだよ」
ミセ*゚ー゚)リ「なるほどね。警察との関係を悪化させないための配慮かぁ」
(,,゚Д゚)「メンドクセェやっちゃな、警察も」
川д川「それで対応遅れたら、うちらの責任になるのよね。やだやだ」
(´・_ゝ・`)「これだけのメンバーだ。いかにサウスガットでも取り逃しはしない」
(´・_ゝ・`)「そのために我々がいるということ、忘れないでくれ」
.
521
:
名無しさん
:2019/06/26(水) 22:48:53 ID:EF2jqLeg0
.
(;-_-)「すみません、僕からもひとつ……」
(´・_ゝ・`)「どうした、不安かい?」
(;-_-)「は、はい……僕みたいなぺーぺーが殿なんて……」
(´・_ゝ・`)「そう萎縮するな。君には、サー=トレジャーに膝をつかせた戦果があるんだからな」
( ,,^Д^)「そうだぞ!!君の能力は、すぐにでも実践で使える実用性がある!!」
( ,,^Д^)「もっと自信を持ちたまえ!!!」
(;-_-)「は、はい……」
(#゚;;-゚)「ハイハーイ。私からもひとつ聞きたいことあるヨー」
(´・_ゝ・`)「うん、どうしました?」
(#゚;;-゚)「うちのパパ、足手まといにならない?」
(;´・_ゝ・`)「あー……いやそれは……」
.
522
:
名無しさん
:2019/06/26(水) 22:49:37 ID:EF2jqLeg0
.
(;´・_ゝ・`)「正直な話、僕はシンさんの戦うところを見たことがないので何とも……」
( `ハ´)「案ずることないネ、小僧」
( `ハ´)「アメリカに渡って封印したワタシの拳、鈍ることはあり得ないヨ」
(;´・_ゝ・`)「そ、そうですか」
( ,,^Д^)「シンさんの拳なら、私が保証しよう!!」
(´・_ゝ・`)「サー=トレジャー」
( ,,^Д^)「氏の拳の鋭さとキレは、私ですら見切るのは困難なほどだ!!!」
(#゚;;-゚)「気を使わなくていいヨ。パパの拳、トレジャーに一回も当たったことないネ」
( `ハ´)「フン!こんな変態に本気だしてると思わないことヨ!」
(;´・_ゝ・`)「まぁ、後衛ですから出番はあまりないかと……」
( ,,^Д^)「もしもの時はよろしくお願いします、シンさん!!!」
( `ハ´)「言われなくてもそうするネ!!」
.
523
:
名無しさん
:2019/06/26(水) 22:50:42 ID:EF2jqLeg0
.
(´・_ゝ・`)「質問は以上かな?」
(´・_ゝ・`)「それなら各自、配置についてくれ」
( ・∀・)「オーケー!」
ミセ*゚ー゚)リ「りょかーい」
川д川「把握よん」
(,,゚Д゚)「よっしゃ、やるか!」
(;-_-)「うぅー……胃がキリキリするぅ……」
(#゚;;-゚)「観念するネ、お兄ちゃん」
|(●), 、(●)、|「紫外線対策しとかないと」
( `ハ´)「フン!フン!」
( ,,^Д^)「みんな、くれぐれも気をつけてくれたまえ!!!」
.
524
:
名無しさん
:2019/06/26(水) 22:52:36 ID:EF2jqLeg0
.
─────
────
───
──
【PM12:31】
アーサー博士、気づく
(-@∀@)「……おかしいですねぇ?」
(-@∀@)「排気ファンにぶつかったなら、とっくに犬が出てこないといけない」
(-@∀@)「だが、犬は一向にダクトから出てこない……」
(-@∀@)「なぜ……?」
(-@∀@)ハッ
彡(;-@∀@)キョロキョロ
シィーン……
(;-@∀@)「施設内の空調が止まってる!?そんなバカな……!!」
(;-@∀@)「これじゃあ通気ダクトを伝って、どこにでも行けてしまう!!」
(;-@∀@)「……電気系統のオンオフの権限を持つのは、私ともう一人しかいない」
(;-@∀@)「まさか、彼が……?」
.
525
:
名無しさん
:2019/06/26(水) 22:53:26 ID:EF2jqLeg0
.
( ゚¥゚)「……」
.
526
:
名無しさん
:2019/06/26(水) 22:54:28 ID:EF2jqLeg0
.
【PM00:37】
ドルチェ、目的地へたどり着く
▼・ェ・▼「……」サカサカ
▼・ェ・▼「……!」ピクッ
▼・ェ・▼「アンアンッ」ガサガサッ
バキッ!!
▼・ェ・▼「……」ストンッ
『……誰だい』
▼ーェー▼ スゥッ
ξ 'A`)ξ ファサッ
『おやおや……犬かと思ったら人間だったよ……』
『お初にお目にかかるけど、どちらさまかな……』
.
527
:
名無しさん
:2019/06/26(水) 22:56:51 ID:EF2jqLeg0
.
ξ 'A`)ξ「……やっと見つけたよ」
ξ 'A`)ξ「私はあんたに、協力してほしいことがあってここまで来た」
『へぇ……わざわざこんなところまで、ご苦労様……』
『ところで、君は何者だい……?』
ξ 'A`)ξ「私は、虐げられたヴィランを救いたいだけの人間さ」
ξ 'A`)ξ「だが、そんなことは今はどうでもいい」
ξ 'A`)ξ「あんたの力を貸りるために、ここから脱走させてやるよ」
『へぇ……いい案じゃない……』
『面白そうな話だね……』
ξ 'A`)ξ「ただし、交換条件だ。ここから出す代わりに、私の言う人間を一人暗殺してほしい」
ξ 'A`)ξ「あんたなら簡単に出来るはずだよ」
.
528
:
名無しさん
:2019/06/26(水) 22:57:23 ID:EF2jqLeg0
.
ξ 'A`)ξ「レイニーキッス……カルロ=フォクシー」
爪'ー`)「ふふふ……んふふふふ……」
.
529
:
名無しさん
:2019/06/26(水) 22:58:43 ID:EF2jqLeg0
第二十話前編終わり
530
:
名無しさん
:2019/06/26(水) 23:26:28 ID:LKwzX5yY0
乙
待ってたよ
531
:
名無しさん
:2019/06/26(水) 23:27:40 ID:ywhsiSvw0
>>526
【PM12:37】の間違いです。申し訳ない……
532
:
名無しさん
:2019/06/27(木) 00:03:58 ID:IjsY11fs0
乙
混沌としてきた
533
:
名無しさん
:2019/06/27(木) 06:58:29 ID:vSft6xNU0
お帰りおつ
534
:
名無しさん
:2019/06/28(金) 01:56:42 ID:Fuq5erHA0
やっと帰ってきた!読み直すわ
535
:
名無しさん
:2019/06/30(日) 23:35:14 ID:gMy1yqoc0
.
【PM12:40】
レイニー=キッス、解放
ガシャンッ……ガシャッ……
ξ 'A`)ξ「よし。これで拘束具は取れたよ」
爪'ー`)「ふぅ……辛かった……」
ξ 'A`)ξ「そりゃそうだ。拷問まがいの実験されて、辛くないはずが……」
爪'ー`)「こんなセンスのない拘束具に縛られるの、耐えられなかったんだよねぇ」
ξ;'A`)ξ「……は?」
爪'ー`)「やっぱりさ、相手を縛るのってすっごくセンスのいることじゃない?」
爪'ー`)「その辺分かってない人間に自由を奪われるの、嫌で仕方なかったんだよ」
爪'ー`)「分かる?お姉さん」
ξ;'A`)ξ「……ま、無駄口叩けるくらい体は丈夫ってことかね」
爪'ー`)「そんなことないよぉ。僕って繊細なんだから、体の方もボロボロさ」
.
536
:
名無しさん
:2019/06/30(日) 23:36:58 ID:gMy1yqoc0
.
ξ 'A`)ξ「あんたの体調なんざどうでもいいさ」
ξ 'A`)ξ「それより、さっさとここから逃げないとね」
爪'ー`)「そうだね。監視カメラもあるし、看守どももすぐここへ集まるだろうねぇ」
爪'ー`)「それで、どうやって逃げるかは考えてるの?」
ξ 'A`)ξ「頼りきりで悪いが、あんたの力を使わせてもらうよ」
ξ 'A`)ξっ[] チャキッ
爪'ー`)「何それ、爆弾?」
ξ 'A`)ξ「発煙筒だよ。こいつを外へ向かって投げる」
ξ 'A`)ξ「すると、どうなると思う?」
爪'ー`)「……あぁ、なるほどね。そういうこと」
.
537
:
名無しさん
:2019/06/30(日) 23:37:30 ID:gMy1yqoc0
.
ξ 'A`)ξ 三三三[] シュッ
と彡
シュゥゥゥゥ……ボンッ!!
ピーッピーッピーッ
シャァァァァァァァ……
ξ 'A`)ξ「発煙筒の煙を関知すれば、スプリンクラーが作動する」
ξ 'A`)ξ「爆弾でも良かったが、こっちの方が簡単に用意出来るからね」
ξ 'A`)ξ「あとは水を操るあんたの仕事だよ」
爪'ー`)「ふふふ……やるじゃない、お姉さん」
爪'ー`)「本当は雨水がいいところなんだけど、まぁ我慢しておいてあげるよ」
ξ 'A`)ξ「戯れ言はよしな。ここからどう足掻くか、見させてもらうよ」
.
538
:
名無しさん
:2019/06/30(日) 23:37:55 ID:gMy1yqoc0
.
爪'ー`)「そうだねぇ……とりあえず、外から人が来ないように扉押さえておいてくれる?」
ξ 'A`)ξ「分かった」ガシッ
爪'ー`)「じゃ、準備しよっか」
爪'ー`)「扉の下側に隙間が開いてるの見えるよね」
ξ 'A`)ξ「あぁ。それが?」
爪'ー`)「いや、見えてるならいいよ」
ξ 'A`)ξ「……?」
「なんだ、この水は?」
「スプリンクラーが作動してる!気をつけろ!」
「犬はレイニーキッスの独房にいるぞ!!」
「取り囲め!!発砲許可は出ている!!」
ザザザザッ
ξ 'A`)ξ「人が集まって来たよ!早くしないと!」
爪'ー`)「いいんだよ、そのままで。むしろ人は多く集まった方がいい」
ξ;'A`)ξ「何考えてるんだい!あんまり大人数で来られると私でも止められないよ!」
爪'ー`)「いいから、いいから。気にしなさんな」
.
539
:
名無しさん
:2019/06/30(日) 23:38:45 ID:gMy1yqoc0
.
「カルロ=フォクシー!!お前たちは完全に包囲されている!!」
「三十秒以内に投降しない場合、突入して銃撃する!!」
ガンッ、ガンッ!!
ξ;'A`)ξ「チィッ……あんた、何かやるならさっさとやっておくれ!!」
爪'ー`)「まぁ待ちなって。三十秒ギリギリまで待ってみようよ」
ξ;'A`)ξ「あんた、何がしたいんだい?」
爪'ー`)「んー?そうだな、強いて言うなら麦の刈り入れかな?」
ξ;'A`)ξ「はぁ!?意味がわからない!!」
爪'ー`)「天才の所業ってのは凡人には理解できないの」
爪'ー`)「いいから黙って見てなって」
ξ;'A`)ξ「ふざけるのも大概に……」
「三十秒経過した!!突撃する!!」
ξ;'A`)ξ「しまっ……!!」
爪'ー`)「オーケー。準備は整った」
爪'ー`) シュンッ
ξ;'A`)ξ「……!!」ゾクッ
.
540
:
名無しさん
:2019/06/30(日) 23:39:37 ID:gMy1yqoc0
.
スパァンッ!!
「ぎゃあぁぁぁ!!」
「どうした!!何があった!!」
「足が……足がぁぁぁぁ……!!」
スパンッ、スパァンッ!!
「ぎゃあっ!!!」
「うわぁぁぁぁぁ!!!」
「ひぃいいいい!!!」
スパァァァンッ!!!
爪'ー`)「ウォーターカッターって知ってるかい?」
爪'ー`)「ダイヤをカットするのにも使われる、水の刃さ」
爪'ー`)「今、僕の操る水はウォーターカッターと同じ圧力で噴出してる」
爪'ー`)「この狭い扉の隙間からじゃ、攻撃もろくに見えなかっただろうね」
爪'ー`)「麦の刈り入れより簡単な仕事だったよ」
.
541
:
名無しさん
:2019/06/30(日) 23:40:27 ID:gMy1yqoc0
.
ξ;'A`)ξ「あんた!私が気づいて飛び退かなかったら、巻き添えにしてたね!?」
爪'ー`)「いいじゃない、気づいたんだから」
爪'ー`)「それにこの程度避けられない相手の言うことなんか、聞く気にならないよ」
ξ;'A`)ξ「……噂以上のサイコ野郎だね、胸糞悪い」
ξ;'A`)ξ「こんな真似しなくても、水で溺れさせれば良かったじゃないか」
爪'ー`)「分かってないなぁ……僕が欲しかったのは、看守の血液なんだよ」
ξ 'A`)ξ「なんだって?」
爪'ー`)「僕の操る水と混ざれば、血液だろうと自由に操れるようになる」
爪'ー`)「ウォーターカッターは威力が高いだけに、水の消費も激しいからね。補給が大事ってワケ」
爪'ー`)「成人男性でだいたい5リットル。それが血液量の標準だ」
爪'ー`)「ここからは看守を殺した分だけ、使える水が5リットル増えるってことさ」
ξ;'A`)ξ「な……なんていう恐ろしい思考してるんだい、あんた……」
.
542
:
名無しさん
:2019/06/30(日) 23:41:21 ID:gMy1yqoc0
.
爪'ー`)「さ、厄介な看守どもも殺ったし、そろそろ出ようか」ピチャ、ピチャ
ξ;'A`)ξ「ま、待て!まだ全員殺った訳じゃ……」
「出てくるぞ!!撃て!!」
タァンッ、タァンッ、タァンッ!!!
爪'ー`)「甘いよ」ギュンッ!!
ギャリィィィッ!!!
ξ;'A`)ξ「ッ……!?」
爪'ー`)「水を高速で展開させれば、弾丸をも弾く盾になる」
爪'ー`)「そんなことも知らなかったのかい?」
スパァンッ!!
「ぎゃあっ!!」
爪'ー`)「あっははは!血だるまの一丁あがりだねぇ!」
爪'ー`)「この調子で、どんどん殺っていこうか」
.
543
:
名無しさん
:2019/06/30(日) 23:42:24 ID:gMy1yqoc0
.
ξ;'A`)ξ「待ちな!あんたやりすぎだよ!」
ξ;'A`)ξ「無関係な人間は極力殺すんじゃないよ!!」
爪'ー`)「おやおや。殺人鬼に助力を請うておきながら、人道を説くつもりかい?」
爪'ー`)「だったら最初から、僕を頼らなければ良かったじゃないか」
ξ 'A`)ξ「その通りさ。そこをどうこう言うつもりはない」
ξ 'A`)ξ「だが、今のあんたは見過ごせない。これ以上殺るなら私があんたを殺すよ!」
爪'ー`)「甘っちょろいねぇ……まぁいいや」
爪'ー`)「君に逃げる策があるなら、僕は殺すのを止めてあげるよ」
ξ 'A`)ξ「そうかい、案外聞き分けがいいじゃないか」
爪'ー`)「『僕は』、ね?」
ξ 'A`)ξ「は?」
.
544
:
名無しさん
:2019/06/30(日) 23:43:48 ID:gMy1yqoc0
.
爪'ー`)「さぁ、ショータイムはここからが本番さぁ!!」
爪'ー`)「牢獄に囚われ、憐れにも理不尽な扱いを受けるヴィランども!!」
爪'ー`)「今こそお前たちを虐げた収容所へ、復讐する時だ!!」
ξ;'A`)ξ「……!!」ハッ
バチッ、バチバチバチッ!!!
ξ;'A`)ξ「こいつ……水で電子ロックをショートさせてる!?」
爪'ー`)「重犯罪者特区に収容された同胞たちよ!!」
爪'ー`)「ドアの鍵は開いた!!今こそクラウン・シティに、再び混沌を与えてやるがいい!!」
ξ;'A`)ξ「なっ……バ、バカ野郎!!!」
.
545
:
名無しさん
:2019/06/30(日) 23:44:22 ID:gMy1yqoc0
.
『ウオオォォォォォォォォォォォォォォォォォォォォォォォ!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!』
.
546
:
名無しさん
:2019/06/30(日) 23:47:12 ID:Gv8g0frw0
.
─────
────
───
──
【PM12:56】
ヴィラン、脱走
『博士、大変です!!重犯罪者特区のヴィランが脱走しました!!』
『さらに、脱走したヴィランが通常区域のヴィランも逃がそうとしています!!』
『首謀者はレイニーキッス、カルロ=フォクシーで……う、うわぁぁぁぁぁ!!!』プツンッ
(;-@∀@)「もしもーし、もしもーし?」
(;-@∀@)「これは……大変にマズイ状況ですねぇ〜……」
(;-@∀@)「このままでは、私の大切な研究材料たちに逃げられてしまう……」
(-@∀@)「……やむを得ません、こちらも実力行使と行きましょう」
(-@∀@)「対ヴィラン用防護シャッター、作動!!」
(-@∀@)「所員の皆さんは、閉じ込められて行き場の無くなったヴィランから捕まえてくださ〜い!!」
.
547
:
名無しさん
:2019/06/30(日) 23:49:01 ID:xOeirsh60
.
ガッシャァァァァァンッ!!!!!
爪'ー`)「おや」
ξ;'A`)ξ「しまった!」
爪'ー`)「防犯シャッターか……まぁ、こういう施設には当然あるだろうね」
ξ;'A`)ξ「チィッ……調子に乗ってのんびりしてるからだよ!」
ξ;'A`)ξ「どうするんだい。私だけなら、通気ダクトから逃げれるけどね」
爪'ー`)「そしたら僕を利用出来なくなるから、そんなことはしないだろう?」
爪'ー`)「まぁ任せなって。流動的な水分なら、どんな狭い隙間も通せる」
爪'ー`)「ちょっとフェンスの向こうを探って、制御基盤でもショートさせてくるよ」シュルルルル……
ξ;'A`)ξ「たいそう便利な能力だね、全く……」
スパァンッ!!
「ぎゃあぁぁぁぁ!!!」
ξ;'A`)ξ「ついでみたいに看守を殺すな!!」
爪'ー`)「あ、バレた?」
.
548
:
名無しさん
:2019/06/30(日) 23:50:53 ID:xOeirsh60
.
爪'ー`)「ちょっと水分量が心許なかったもんでね、悪い悪い」
ξ;'A`)ξ「まったく、油断も隙もない……今度やったらぶん殴るからね!」
爪'ー`)「……おや?」
ξ 'A`)ξ「なんだい。またろくでもないことかい?」
爪'ー`)「……やっぱりそうだ。誰かが僕の能力に干渉してる」
ξ 'A`)ξ「なんだって?」
爪'ー`)「フェンスの向こうから、僕以外の誰かが水を操作しようとしてるみたいだ」
ξ;'A`)ξ「……あんた以外に水を操れるヴィランがいるのかい?」
爪'ー`)「別に、水分操作は僕の専売特許って訳じゃないしね」
爪'ー`)「このままどうなるか、あっちに水を操らせといてみようか」
.
549
:
名無しさん
:2019/06/30(日) 23:52:20 ID:gMy1yqoc0
.
爪'ー`)「うーん……どうも向こうはシャッターの様子を探ってるぽいね」
ξ 'A`)ξ「そうかい。でも、なんでそんなことを……」
ドッゴォォォォォォォォォォォン!!!!!!!!!!!
ξ;'A`)ξ「ふぎゃっ!?」
爪'ー`)「……あ?」
ノパ⊿゚)「お?」
爪'ー`)「お前、まさかヒート?」
ノハ*゚⊿゚)「おぉ、カルロォッ!!テメェこんなとこに居やがったか!!」
ノハ*゚⊿゚)「よぉ〜やく見つけたぜぇぇぇぇぇ!!!」
.
550
:
名無しさん
:2019/06/30(日) 23:53:49 ID:gMy1yqoc0
.
ξ 'A`)ξ「なんだい。もしかして知り合いなのかい?」
爪'ー`)「あぁ、昔ちょっとね」
爪'ー`)「まさか、お前もヴィランとしてここへ捕まってたのか?」
ノパ⊿゚)「話は後だ!!看守どもが追ってきてる!!」
ノパ⊿゚)「水があるなら俺に寄越しな!!」
爪'ー`)「今お前が使ったので最後だよ」
ノパ⊿゚)「チッ……ならさっさと逃げるぞ!!」
爪'ー`)「まぁ待てよ。お前も水を使う能力ってことで合ってるんだな?」
ノパ⊿゚)「そうだぞ。それがどーした?」
爪'ー`)「オーケー。姉さん、発煙筒ちょうだいよ」
ξ 'A`)ξ「あ?」
爪'ー`)「まさか僕を逃がすのに一本だけしか持ってないなんて、あり得ないだろ?」
ξ 'A`)ξ「……チッ。残り二本で最後だからね」ポィッ
爪'ー`)「十分だよ、二本もあればね」
.
551
:
名無しさん
:2019/06/30(日) 23:55:49 ID:gMy1yqoc0
.
シュゥゥゥゥ……ボンッ!!
ノパ⊿゚)「なるほど!!スプリンクラーか!!」
爪'ー`)「これで水はある程度使い放題だ。お前がどうするか、見せてみろよ?」
ノパ⊿゚)「ケッ、えらそーに!!お前がやれっつーの!!」
「いたぞ!!カルロ=フォクシーとヒート=マックスガイだ!!」
「撃てぇ!!」
ノパ⊿゚)「遅いんだよ、無能どもがよォ!!!」
ドォォンッ!!!
「ぐわぁぁぁぁぁ!!!!」
ノパ⊿゚)「俺の能力は水を爆発させる能力だ!!」
ノパ⊿゚)「さぁ、どんどん殺るぜェェェェェェ!!!!!」
ドゴォォォォォォォォォォン!!!!!!!
爪'ー`)「……シャッター壊した時点で予想はついてたけどさ」
爪'ー`)「何というかお前らしい、粗野で単純な能力だねぇ」
ノパ⊿゚)「うるせーよ!!」
.
552
:
名無しさん
:2019/06/30(日) 23:57:16 ID:gMy1yqoc0
.
爪'ー`)「お前、もしかして俺とバンド組んでる時からヴィランだったのか?」
スパァンッ!!
ノパ⊿゚)「んなワケねーだろ。俺がこの力を覚えたのは、お前が逮捕されてからだよ!!」
ズドオォンッ!!
爪'ー`)「なるほどね……つまり、水を爆破する能力は、僕の能力のパクりってことか」
スパァンッ、スパァンッ!!!
ノパ⊿゚)「誰がテメェの真似なんかするかよ!!たまたまだ、たまたま!!」
ボバァァァンッ!!!
爪'ー`)「で?重犯罪者特区に入れられるほど、何をやらかしたんだよ」
スパッ!!スパッ!!スパァンッ!!
ノパ⊿゚)「ヘッ!!今じゃ俺も、前科もんのテロリストだ!!」
ノパ⊿゚)「仲良くやろうじゃあねぇか、殺人鬼カルロよぉ!!」
ドッゴォォォォォォォン!!!!!!
爪'ー`)「やなこった」
スパァァァァァァァンッ!!!!!!
.
553
:
名無しさん
:2019/06/30(日) 23:58:52 ID:gMy1yqoc0
.
ξ;'A`)ξ(こいつら、目も合わせずに完璧なコンビネーションを……)
ξ;'A`)ξ(なんて化けもんだい、二人とも……!)
爪'ー`)「さてと。これで追ってきた看守はあらかた殺せたかな?」
ノパ⊿゚)「あぁ!つっても、ここまで大事になったら軍も出動するかもしんねーな!」
ノパ⊿゚)「そうなったらどうすんだ、カルロ?」
爪'ー`)「軍人なんて物の数でもないけど、それよりもっと厄介なのはヒーローたちの動向だね」
爪'ー`)「特に、ビッグ・トレジャーとは鉢会わせたら逃げようがない」
ξ 'A`)ξ「それなら、私に任せな」
ノパ⊿゚)「お?」
ξ 'A`)ξ「他のヒーローはともかく、トレジャーへの対策だけは講じて来たよ」
爪'ー`)「へぇ、やるじゃん?」
ノパ⊿゚)「なぁ、さっきからこのババァ何者なんだ?」
ξ 'A`)ξ「うるさいね、誰がババァだガキ」
.
554
:
名無しさん
:2019/07/01(月) 00:00:12 ID:K6ILwtHg0
.
─────
────
───
──
時は遡りーー。
【PM12:00】
ビッグ・トレジャー、悶絶
prrr、prrr……
(´・_ゝ・`)「もしもし」
『デミタス。こちらクォッサだ』
(´・_ゝ・`)「お疲れ様です。収容所の様子はどうですか?」
『それが、どうもおかしいんだ』
『内部で何かが起こっている可能性があるぞ』
(´・_ゝ・`)「なんですって?」
.
555
:
名無しさん
:2019/07/01(月) 00:01:47 ID:K6ILwtHg0
.
『サー・トレジャー、只今クォッサ博士から連絡がありました』
『収容所内部に不審な動きありとのことです。至急現場へ向かってください』
( ,,^Д^)「了解した!!!すぐに向かうぞ!!!」
( ・∀・)「……いっつも思うんだけど、おっさんて全裸なのに通信機どこに持ち歩いてんの?」
( ,,^Д^)「ム?しまう場所がないから、基本的に連絡はインカムでしか取らないぞ!!!」
( ・∀・)「だよな……でもたまにスマホとか使ってた気がするんだけど……」
( ,,^Д^)「それより、収容所に不審な動きありだ!!!先行部隊の我々から行く!!!」
( ・∀・)「お、おう。オッケー!」
( ,,^Д^)「全力で走るぞ!!!遅れるな!!!」
( ・∀・)「おっさんこそ、俺に抜かされんなよ?」
.
556
:
すみません抜けがありました、前のレスとの間に入れてください
:2019/07/01(月) 00:04:21 ID:K6ILwtHg0
.
【収容所上空100m地点】
川 ゚ -゚)「今、収容所内部から銃の発砲音がした」
川 ゚ -゚)「それと、人の叫び声らしきものも……」
川 ゚ -゚)「サウスガットが中で何かしでかしたのかもしれん」
『分かりました。すぐに駆けつけます』
川 ゚ -゚)「あぁ、頼む」シュゴォォォッ!!
今さらであるが説明しよう!!クーの両足は義足である!!
そして義足に仕込まれたジェットブースターで、空を飛ぶことが出来るのだ!!
今回、本人立っての希望で、上空からの収容所の監視を駆って出たのであった!!
.
557
:
名無しさん
:2019/07/01(月) 00:05:38 ID:K6ILwtHg0
.
( ,,^Д^)「行くぞモララー!!!レディ……」スッ
( ・∀・)「……」スッ
キュピンッ
『ワンワンワンワン!!!』
『アオーンッ!!!』
( ,,;^Д^)「ぬっ……ぬおぉっ!!?」
(;・∀・)「なっ、なんだこの犬!?どっから出てきた!?」
『アンアンッ、アオンッ!!』
『キャンッ、キャンッ!!!』
『ワーン、ワーン!!!』
ペロペロペロペロペロペロペロペロペロペロペロペロペロペロペロペロペロペロペロペロペロペロペロペロペロペロペロペロペロペロペロ
( ,,;^Д^)「ぬわぁぁぁぁぁぁぁぁぁぁぁぁぁ!!!!!!!!!!!!」
(;・∀・)「何やってんの!?」
.
558
:
名無しさん
:2019/07/01(月) 00:07:12 ID:K6ILwtHg0
.
( ,,;*^Д^)「わ、私は乳首が弱いのだアァァァファァァァ……!!!」
( ,,;*^Д^)「乳首を責められると弱体化してしまアォッフゥゥゥゥゥゥン……!!!」
ペロペロペロペロペロペロペロペロペロペロペロペロペロペロペロペロペロペロペロペロペロペロペロペロペロペロペロペロペロペロペロ
(;・∀・)「この非常事態に何してんだよ!!犬、どけコラ!!」
『ガルルルッ!!』ガブッ
(;・∀・)「ぎゃあ!!噛まれた!!」
( ,,;*^Д^)「も、モララーぁぁぁ……私を置いて先に行けアフヌゥゥゥゥン!!!」
( ,,;*^Д^)「これは敵の襲撃である可能性が高ァァァァァァァァン……!!」
( ,,;*^Д^)「私もすぐにイクゥゥゥゥゥゥゥゥゥゥ!!!!」
ペロペロペロペロペロペロペロペロペロペロペロペロペロペロペロペロペロペロペロペロペロペロペロペロペロペロペロペロペロペロペロ
(;・∀・)「もー本当なんなんだよ!!」
(;・∀・)「先行くからな!?いいんだな!?」
( ,,;*^Д^)「す、すまなオォォーーーーーーーーーン!!!!!!!」ビクビクーンッ!!
.
559
:
名無しさん
:2019/07/01(月) 00:08:52 ID:K6ILwtHg0
.
─────
────
───
──
ξ 'A`)ξ「あまり知られてない事実だが、ビッグ・トレジャーは乳首が弱い」
ξ 'A`)ξ「そこを利用して、犬たちに乳首を責めさせトレジャーを足止めする作戦」
ξ 'A`)ξ「名付けて、『ニプルアタッカーズ』!!」
爪'ー`)「君はバカなのかい?」
ξ 'A`)ξ「実情を知らなければそう思うさ。だがこれでも、トレジャーのことは知り尽くしてるんでね」
ξ 'A`)ξ「これで間違いなく、トレジャーの進行は阻止することが出来る」
ノハ;゚⊿゚)「ただの変態じゃねーか!!」
ξ 'A`)ξ「そうだよ。この街最強の変態さ」
ξ 'A`)ξ「だからこそ世界一厄介なんだよ」
爪'ー`)「……ま、どうでもいいよ。これでトレジャーを止められなかったら、姉さんに責任取らせるだけさ」
ξ 'A`)ξ「好きにしな」
ノパ⊿゚)「だったら次は、外に出る道を確保すればいいか?」
.
560
:
名無しさん
:2019/07/01(月) 00:10:17 ID:K6ILwtHg0
.
爪'ー`)「いや。まずは脱獄した囚人たちから、使えそうなのを仲間に引き込む」
爪'ー`)「それから屋上へ向かうことにしよう」
ξ 'A`)ξ「屋上だって?」
ノパ⊿゚)「そんなの、追い詰められたら飛び降りるしか出来ないぞ!」
爪'ー`)「頭が悪いねぇ、お前は……とりあえず、屋上までは黙ってついてきなよ」
爪'ー`)「それまではスプリンクラーを使って、水を切らさないようにするよ」
ノパ⊿゚)「なんか知らんが、とにかく屋上だな!?」
ノパ⊿゚)「そこまでは看守どもを蹴散らしてやるぜ!!」
ξ 'A`)ξ(……こいつ、何を考えてるんだろうね?)
.
561
:
名無しさん
:2019/07/01(月) 00:12:48 ID:K6ILwtHg0
.
【PM13:09】
あの人は今
ノパ⊿゚)「オラオラどけどけどけぇ!!」
ズドォン、ドゴォン、ボガァン!!!
ξ;'A`)ξ「あいつ、ノリノリかよ」
爪'ー`)「あんた、ヒートの殺しは止めないの?」
ξ 'A`)ξ「世の中、バカと物知らずは止まらないもんだよ」
爪'ー`)「あんな勢いこんでいって、どうなっても僕は知らないけどねぇ」
ノパ⊿゚)「やべぇ、カルロ!!水が涸れた!!発煙筒くれ!!」
爪'ー`)「水を消費するペースが早いよ、アホ」
爪'ー`)「屋上まで保たないから、自力でなんとかしな」
ノハ;゚⊿゚)「えー!?」
「爆発が止んだぞ!!」
「今だ、撃て!!撃て!!」
ノハ;゚⊿゚)「わぁああああ!!!!」
.
562
:
名無しさん
:2019/07/01(月) 00:14:17 ID:K6ILwtHg0
.
「キェェェェェェェェアアアアアアアアアアアア!!!!!!!!!!」
( <●><●>)( <●><●>)( <●><●>)( <●><●>)( <●><●>)( <●><●>)( <●><●>)( <●><●>)( <●><●>)
( <●><●>)( <●><●>)( <●><●>)( <●><●>)( <●><●>)( <●><●>)( <●><●>)( <●><●>)( <●><●>)
( <●><●>)( <●><●>)( <●><●>)( <●><●>)( <●><●>)( <●><●>)( <●><●>)( <●><●>)( <●><●>)
( <●><●>)( <●><●>)( <●><●>)( <●><●>)( <●><●>)( <●><●>)( <●><●>)( <●><●>)( <●><●>)
( <●><●>)( <●><●>)( <●><●>)( <●><●>)( <●><●>)( <●><●>)( <●><●>)( <●><●>)( <●><●>)
ズッラアァァァァァァァァァァァ!!!!!!!!!!!!!!
ノハ;゚⊿゚)「ぎゃあ!!な、なんだこれ気持ち悪っ!?」
(;<●><●>)「ハァ、ハァ……く、来るな……俺のそばに来るな……」
(#<●><●>)「クケェェェェェェェェェェ!!!!!」
( <●><●三#<○><○>三 <●><●>) ズリュリュリュウゥッ!!
「あ、あいつは!!」
「分裂能力のワコードです!!」
「早く無力化しろ!!通路が通れなくなるぞ!!」
.
563
:
名無しさん
:2019/07/01(月) 00:16:15 ID:K6ILwtHg0
.
ξ;'A`)ξ「うわっ!通路が完全に塞がれてる……!!」
爪'ー`)「へぇ……看守の進路を自由に制限できる能力か」
爪'ー`)「いいねあいつ。ちょっと勧誘してみよう」
ξ;'A`)ξ「あっ、ちょっとあんた!!」
爪;'ー`)「うわ、通路がヌチョヌチョしてる……」
爪;'ー`)「……見たところ、あの分裂体がヌルヌルの液を分泌してるみたいだね」
爪'ー`)「なら、こいつの使い時かな?」
シュゥゥゥゥ……ボンッ!!
シャァァァァァ……
(;<●><●>)「ケキャッ!?」
爪'ー`)「水とぬめりは相性が良さそうだね」
爪'ー`)「やぁ、囚人仲間。調子はどうだい?」
.
564
:
名無しさん
:2019/07/01(月) 00:18:43 ID:K6ILwtHg0
.
(;<●><●>)「お、お前は……!?」
爪'ー`)「カルロ=フォクシー。レイニーキッスって名乗ったら分かる?」
(;<●><●>)「あっ!!むかし新聞に載ってた、殺人鬼の男……!!」
爪'ー`)「そうそう」
爪'ー`)「ヒート!!僕、ちょっとこいつと話してるから、看守は頼んだよ」
爪'ー`)「水は好きなだけ使っていいから」
ノパ⊿゚)「おう!!任せとけェ!!」
爪'ー`)「君さ、良かったら僕たちと一緒に脱獄しない?」
爪'ー`)「このヌメヌメの分身、僕の水と合わせたら看守の足止めに使えそうだからね」
(;<●><●>)「なんでもいい!!ここから逃げれるならなんでもする!!」
(;<●><●>)「もう拷問も尋問もこりごりだぁ!!」
爪'ー`)「オーケー。それじゃ、決まりだね」
.
565
:
名無しさん
:2019/07/01(月) 00:20:19 ID:K6ILwtHg0
.
爪'ー`)「そうと決まれば、さっさと行こうか」
爪'ー`)「この能力は、分身を消すことは出来ないの?」
(;<●><●>)「時間が経てば消えるが、自由意思で消すのは無理だ……」
爪'ー`)「じゃあ、屋上までは遠回りしなきゃいけないか」
爪'ー`)「君、今後分身出すのは僕が声をかけた時だけにしてくれる?」
爪'ー`)「無思慮に使うとめんどくさそうな能力だからさ」
(;<●><●>)「わ、分かった!」
ノパ⊿゚)「話は終わったかぁ!!」
爪'ー`)「あぁ、屋上までちょっと遠回りしていくよ」
爪'ー`)「こいつは好きなように使ってくれていいってさ」
(;<●><●>)「そんなこと一言も言ってない……」
ノパ⊿゚)「なるほど、奴隷くんか!!よろしくなっ!!」
(;<●><●>)「……あぁ、もう命があるなら奴隷でいいや」
.
566
:
名無しさん
:2019/07/01(月) 00:22:56 ID:K6ILwtHg0
.
ξ 'A`)ξ「屋上に繋がる階段はこっちだよ!!」
(;<●><●>)「ゼェッ、ゼェッ……」
ノパ⊿゚)「うぉぉぉぉ!!行っくぜぇぇぇぇ!!」
爪'ー`)「気をつけろ、ヒート。階段で看守に出会ったら、不意に撃たれるぞ」
ノパ⊿゚)「大丈夫大丈夫……」
「待てぇ!!」
「動くな!!」
ノハ;゚⊿゚)「おぁあああ!!?」
爪'ー`)「フラグ回収早いよ」
ξ;'A`)ξ「一度ならず二度までも……」
ノハ;゚⊿゚)「お助けぇー!!」
.
567
:
名無しさん
:2019/07/01(月) 00:24:03 ID:K6ILwtHg0
.
「パンティ・スナッチャー妙技、金玉爆砕(ゴールデンボンバー)!!」
「はぎゅっ!?」ギュウゥゥッ
「ぎゃあぁ!!」プチュンッ
爪'ー`)「おや?」
ノパ⊿゚)「なんだ?看守が突然倒れた?」
( ν )「……あんたらの逃走劇、見させてもらったぜ」
( ν )「どうやら、あんたらについていくのがここを抜ける一番の策らしいな」
( ^ν^)「助太刀するぜ……この、パンティ・スナッチャーがな!!」ドォォォンッ!!
爪'ー`)「はぁ」
ξ 'A`)ξ「また変なのが来たね……」
.
568
:
名無しさん
:2019/07/01(月) 00:25:40 ID:K6ILwtHg0
.
( ^ν^)「この俺の、パンティを自在に操る能力があれば鬼に金棒だ」
( ^ν^)「俺もあんたらに同行させてもらうぜ」
爪'ー`)「……まぁ、勝手について分には止めないけど」
(;<●><●>)「何があったらパンティを操る能力なんて欲しがるんだ……」
ξ 'A`)ξ「変態のことなんてどうでもいいよ。それより、もうすぐ屋上だよ!」
ノパ⊿゚)「よっしゃ!!鍵は俺に任せろ!!」
ドガァンッ!!
ノパ⊿゚)「それで、ここから先どうするんだ!?」
爪'ー`)「僕の目的のものがここにある。それさえ掴めば、ゴールは目の前さ」
.
569
:
名無しさん
:2019/07/01(月) 00:27:38 ID:K6ILwtHg0
.
「脱獄犯ども、止まれ!!」
「神妙にお縄につけ!!」
ノハ;゚⊿゚)「げぇ!!看守ども、まだ追って来やがる!!」
ノパ⊿゚)「どーすんだカルロ!!水はもうないぞ!!」
爪'ー`)「バカだねぇ、ヒート。水なら目の前にあるじゃない」
ノパ⊿゚)「えっ?」
ξ 'A`)ξ「そうか……あんた最初からこれを狙って屋上に……!!」
爪'ー`)「そういうこと」
爪'ー`)「姉さん、あんたしばらくの間、看守たちの時間稼ぎしといてくれる?」
爪'ー`)「奴隷クンも、好きなだけ分身作って足止めしていいからさ」
(;<●><●>)「えっ、あっ……わ、分かった!!」
ノハ;゚⊿゚)「俺は!?」
爪'ー`)「お前は水がないと足手まといなんだから、黙って援護に回れ」
ノハ;゚⊿゚)「ち、チクショー!!」
.
570
:
名無しさん
:2019/07/01(月) 00:28:04 ID:K6ILwtHg0
.
( ^ν^)「パンティ・スナッチャー妙技、連続金玉爆砕(アンリミテッド・ゴールデンボンバー)!!」
(;<●><●>)「き、キェェェェェェェェェェ!!!!!!!!」
( <●><●>三; <●><●>三 <●><●>) ズニュゥゥッ
▼・ェ・▼ シュンッ
▼#・ェ・▼「ガルルルッ!!」ガブッ
ノハ;゚⊿゚)「こ、このやろー!!」
ノハ;゚⊿゚)「腕力だけでもやってけるってとこ、見せてやらぁ!!」
「こ、こいつら止まりません!!」
「怯むな!!銃弾を絶やすことなく撃ち続けろ!!」
「ま、待て!!屋上から何か妙な音がするぞ……!?」
ドドドドド……
.
571
:
名無しさん
:2019/07/01(月) 00:30:50 ID:K6ILwtHg0
.
▼・ェ・▼
ξ 'A`)ξ シュンッ
ξ;'A`)ξ「……来る!!」
ξ;'A`)ξ「みんな!!柱に掴まれ!!」
ξ;'A`)ξ「でないと流されるよ!!」
ノパ⊿゚)「流され……?」
(;<●><●>)「……!?」ハッ
(;^ν^)「上だ!!上を見ろ!!」
ズドドドドドドドドドドドドッッッッッッッッッッッッッ…………!!!!!!!!!!!!!
ノハ;゚⊿゚)「な、なんじゃありゃあーーーーーーーーー!!!!!」
ξ;'A`)ξ「奴の狙いは、屋上に据え付けられた貯水タンクだったんだよ!!」
爪'ー`)「お待たせ、諸君。それじゃ、脱出といこうか」
ノハ;゚⊿゚)「つ……つ……!!」
ノハ;゚⊿゚)「津波だーーーーーーーーーー!!!!!津波が来るぞーーーーーーーー!!!!!」
.
572
:
名無しさん
:2019/07/01(月) 00:33:15 ID:K6ILwtHg0
.
ドドォォォォォォォォォォォォォォォォォォォォォォンッッッ!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!
「うわぁぁぁぁぁぁぁぁぁぁ!!!!!」
「がぼっ……ごぼごぼっ……!!」
「た、助けてくれぇぇぇ!!!」
ノハ;゚⊿゚)「ぎゃあぁぁぁぁぁぁぁ!!!!!!!!!」
ノパ⊿゚)「……ってアレ?流されてない?」
爪'ー`)「僕が水流を調整してやってるんだよ、バカたれ」
ノパ⊿゚)「おぉ、助かる!!いきなりだったから対応出来なかったぞ!!」
爪'ー`)「まぁ正直、他は流されても構わなかったんだけど……」
.
573
:
名無しさん
:2019/07/01(月) 00:34:01 ID:K6ILwtHg0
.
▼・ェ・▼「……」ヒョコッ
爪'ー`)「ちゃっかり人の服に掴まってる奴もいるし」
(;<●><●>)「ハッ、ハッ……!!」プカー
ノパ⊿゚)「おぉ!!分身を浮き輪代わりにしたのか!!」
爪'ー`)「あっちに至っては意味が分からないよ」
( ^ν^)「咄嗟に集めた下着をサーフボード型に固めただけだ」スィー
爪'ー`)「……あっそ」
ノパ⊿゚)「しかしまぁ、これであとは脱出するだけだな!!」
爪'ー`)「その前に、これだけ水があるんだから、爆破で逃走経路を作ってくれると助かるんだけど?」
ノパ⊿゚)「ハッハー!!任せとけって!!」
爪'ー`)「察しの悪いバカはこれだから困るよ……」
.
574
:
名無しさん
:2019/07/01(月) 00:50:31 ID:K6ILwtHg0
.
【PM13:33】
サウスガットファミリー、脱走
@@@
@#_、_@
( ノ`)「オラァァァァ!!!」ドゴォンッ!!!
∬;´_ゝ`)「母さん、看守どもがまた……!!」
@@@
@#_、_@
(; ノ`)「チィッ……!!」
彡⌒ミ
(;´_ゝ`)「致命的な攻撃は食らわないが、こっちも逃げ道が確保できんなぁ……」
l从・∀・;ノ!リ人「ま、マグネティカー!!マグネティカー……!!」
l从・∀・;ノ!リ人「ハァ、ハァ……」
∬;´_ゝ`)「ナージャ、無理しちゃダメよ!顔色悪いわよ?」
l从・∀・;ノ!リ人「だ、大丈夫なのじゃ……」
l从 ∀ ;ノ!リ人 フラッ
∬;´_ゝ`)「ナージャ!!」
@@@
@#_、_@
(; ノ`)「能力を使いすぎたね……アンネ、ナージャを頼むよ!!」
∬;´_ゝ`)「分かった!!」
.
575
:
名無しさん
:2019/07/01(月) 00:51:58 ID:K6ILwtHg0
.
彡⌒ミ
(;´_ゝ`)「しかし弱ったな……このままじゃ看守を皆殺しにするまで出れないぞ」
@@@
@#_、_@
( ノ`)「それまでにヒーローや軍が来たらおしまいだよ!」
@@@
@#_、_@
( ノ`)「なんとか下水道までの道を確保するんだ!!」
彡⌒ミ
(;´_ゝ`)「おう!!」
ドドドドド……
∬´_ゝ`)「……あら?」
.
576
:
名無しさん
:2019/07/01(月) 00:52:22 ID:K6ILwtHg0
.
@@@
@#_、_@
( ノ`)「どうしたね、アンネ!」
∬´_ゝ`)「母さん。遠くから地鳴りみたいな音がするわ」
彡⌒ミ
(;´_ゝ`)「地鳴り?」
@@@
@#_、_@
(; ノ`)「まさか、軍がタンクでも呼んだんじゃないだろうね?」
@@@
@#_、_@
(; ノ`)「だとしたら、一巻の終わりじゃないか!!」
∬;´_ゝ`)「なんだろう、でもこれ……音が、近づいてきてる……?」
彡⌒ミ
(;´_ゝ`)「なっ、なんじゃありゃあああ!!?」
@@@
@#_、_@
( ノ`)「なんだい、あんた!!」
彡⌒ミ
(;´_ゝ`)「母さん、正面二時の方向!!大量の水が来てる!!」
ズドドドドドドドドドドドドッッッッッッッッッッッッッ……!!!!!
@@@
@#_、_@
(; ノ`)「なっ……!?」
.
577
:
名無しさん
:2019/07/01(月) 00:52:46 ID:K6ILwtHg0
.
@@@
@#_、_@
(; ノ`)「なんだい、あれは……津波!?」
∬;´_ゝ`)「母さん!!圧縮空気のバリア大丈夫なの!?」
@@@
@#_、_@
(; ノ`)「並大抵のことじゃ壊れないが……しかしなんであんな……!?」
彡⌒ミ
(;´_ゝ`)「来るぞ、二人とも!!備えろ!!」
ドォォォォォォォォォォォォォンッ!!!!!!!!!!!!
@@@
@#_、_@
(; ノ`)「くっ……!!」ビリビリッ
@@@
@#_、_@
(; ノ`)「大丈夫かい、二人とも!!」
∬;´_ゝ`)「こっちは平気!!」
彡⌒ミ
(;´_ゝ`)「なんともないぞ!!」
@@@
@#_、_@
(; ノ`)「そうかい!!」
.
578
:
名無しさん
:2019/07/01(月) 00:54:12 ID:K6ILwtHg0
.
@@@
@#_、_@
( ノ`)「けど、これはチャンスだよ!!」
@@@
@#_、_@
( ノ`)「見な!!今ので私らを追ってた看守が流されたよ!!」
彡⌒ミ
( ´_ゝ`)「逃げるなら今がチャンスってワケか!!」
@@@
@#_、_@
( ノ`)「アンネ!!今から私らの足元の床をぶち破る!!」
@@@
@#_、_@
( ノ`)「ナージャは私が抱える!!あんたと父ちゃんは落ちてもいいように構えときな!!」
∬;´_ゝ`)「う、うん!!分かったわ!!」
.
579
:
名無しさん
:2019/07/01(月) 00:54:56 ID:K6ILwtHg0
.
@@@
@#_、_@
(# ノ`)「ハァァァァァッッッ……!!!!」ゴゴゴゴ
@@@
@#_、_@
(# ノ`)「セヤァァァァァァァァァァァァァァァァ!!!!!!!!!!!!」
ズガシャァァァァァァァァァァァァン!!!!!!!!!!!
∬;´_ゝ`)「きゃぁぁぁぁ!!!」
彡⌒ミ
(;´_ゝ`)「アンネ、安心しろ!!下は下水だ!!」
ドッポォォォォォン……
@@@
@#_、_@
( ノ`)「このまま泳いで下水を出るよ!!」
@@@
@#_、_@
( ノ`)「力尽きたら、私に掴まりな!!」
580
:
名無しさん
:2019/07/01(月) 00:55:35 ID:K6ILwtHg0
.
【PM13:42】
そして、永遠の眠りへ
爪'ー`)「ヒート!!」
ノパ⊿゚)「おう!!なんだ!!」
爪'ー`)「僕、水を分岐させて別行動してくるから」
ノパ⊿゚)「どこ行くつもりだ!?」
爪'ー`)「なぁに、ちょっとお礼参りにね」
爪'ー`)「このまま流れに身を任せてればいいから、適当に看守ども殺っといてくれよ」
爪'ー`)「水が止まったら、僕が死んだと思ってくれていいからね」
ノパ⊿゚)「ハッ、殺しても死なないクセによく言うぜ!!」
爪'ー`)「じゃ、あとは任せたよー」スィー
( ^ν^)「……何をするつもりだ、あいつ」
(;<●><●>)「は、早く逃げ出したい……」ガタガタ
.
581
:
名無しさん
:2019/07/01(月) 00:56:04 ID:K6ILwtHg0
.
─────
────
───
──
【同時刻、監視ルーム】
『は、博士ェェェェェェ!!!!!』
『た、助け……ぎゃああああ!!!!!』
『く、苦しい……ごぼっ、ごぼっ……』
(;-@∀@)「な……なんということ……」
(;-@∀@)「あの犬の目的は、最初からレイニーキッスだったのですね……!!」
(;-@∀@)「おまけに大量の水まで奪われる始末」
(;-@∀@)「……セモナ看守長のいない今、指揮系統も何もあったものではありませんね」
(;-@∀@)「研究材料は惜しいが、命にまでは代えられない……逃げましょう!」
……バチッ!!
(;-@∀@)「……?」
.
582
:
名無しさん
:2019/07/01(月) 00:56:47 ID:K6ILwtHg0
.
バチッ、バチバチッ!!
(;-@∀@)「電子ロックがショートを……!?」
(;-@∀@)「これは、レイニーキッスの使っていた技……!!」
ドォォォンッ!!!
爪'ー`)「やぁ〜、博士。こんなところにいたんだ?」
(;-@∀@)「か……カルロ=フォクシー……!!なぜこの場所が……!!」
爪'ー`)「あんたなら、いの一番に安全な場所へ隠れると思ってね」
爪'ー`)「監視カメラに映らないように水を分岐させたから、気づかなかったろう?」
ガシィッ!!
(;-@∀@)「ヒィッ!!」
爪'ー`)「ここまで来たんだ。僕が何しに来たかは分かるよね?」
.
583
:
名無しさん
:2019/07/01(月) 00:57:40 ID:K6ILwtHg0
.
(;-@∀@)「ふ、復讐ですか……あなた方を虐げた、私への……!!」
爪'ー`)「そゆこと。まー他の有象無象のヴィランのことなんか知らないけどさ」
爪'ー`)「僕をあんな趣味の悪い拘束具で閉じ込めてたことは、許せないよねぇ?」
ズリッ、ズリッ……
爪'ー`)「ねぇ、どんな死に方がいい?」
爪'ー`)「溺死に水死、あと難しいけど鎰死も出来るかな?」
爪'ー`)「今なら君に選ばせてあげるよ」
(;-@∀@)「……ハッ、ハハハハ!!」
(;-@∀@)「そうですねぇ。私とて、ヴィランに好き勝手した身の上です!!」
(;-@∀@)「いつかはこうなることくらい、予測していましたとも!!」
(;-@∀@)「いいでしょう、甘んじて受け入れようではありませんか!!」
(;-@∀@)「自らの死を!!受ける報いを!!その全てを!!」
.
584
:
名無しさん
:2019/07/01(月) 00:58:16 ID:K6ILwtHg0
.
爪'ー`)「あっそう。案外聞き分けがいいんだね」
爪'ー`)「日頃から人徳を積んでれば、助けてくれる看守の一人もいたかもしれないのにね」
(;-@∀@)「それこそ余計なお世話というものですよ!!」
(;-@∀@)「そんなことより、殺すなら一思いにやってください!!」
爪'ー`)「死に方は?」
(;-@∀@)「ならば、焼死なんぞでいかがですかねぇ!!」
(;-@∀@)「水を操るあなたには、些か酷かもしれませんがねぇ!!」
爪'ー`)「おやおや、ずいぶんと意地の悪い博士だ」
(;-@∀@)「よく言われますねぇ、アハハハハ!!」
爪'ー`)「ふっ……ふふふふ」
(;-@∀@)「アハハハハハハハハ!!」
爪'ー`)「……死ねよ、クズ」
(;-@∀@)「死ぬのは、お前だ!!」
(;-@∀@)っy=ー ジャキンッ
タァンッ、タァンッ、タァンッ!!
.
585
:
名無しさん
:2019/07/01(月) 00:59:10 ID:K6ILwtHg0
.
爪'ー`)「……ふぅ〜」ギャギャギャッ!!
爪'ー`)「看守どもの銃が効いてないのくらい、ずっと見てただろうに」バキィンッ
(;-@∀@)「……はは、でしょうねぇ」
(;-@∀@)「水を高速展開させるあなたの技……見事でしたよ」
爪'ー`)「誉めなくていいからさ、さっさと死んでくれる?」ガシッ
ゴシャッ!!
(;-@∀@)「がふっ……!!!」
ゴシャッ、ゴシャッ、ガスッ!!
.
586
:
名無しさん
:2019/07/01(月) 00:59:34 ID:K6ILwtHg0
.
爪'ー`)「さ、これで一丁上がりかな?」バシャッ
バチッ、バチバチバチバチィッ!!!
(;-@∀@)「ぐぎゃあああああああああああ!!!!!!!」ビリビリィッ
爪'ー`)「漏電した電気で焼死させてあげたよ」
爪'ー`)「これで、お望み通りの死に方になったねぇ?」
( ∀ )プスプス…
爪'ー`)「……もう聞こえてないか」スタスタ
アーサー=ピーコック、死亡……。
.
587
:
名無しさん
:2019/07/01(月) 01:00:09 ID:K6ILwtHg0
.
【PM13:57】
そして、悪魔は遠くから眺める
(//‰ ゚)「……」
.
588
:
名無しさん
:2019/07/01(月) 01:00:43 ID:K6ILwtHg0
第二十話中編終わり
589
:
名無しさん
:2019/07/01(月) 01:05:18 ID:K6ILwtHg0
.
【用語解説】
・重犯罪者特区
懲役二十年以上の重罰を課せられたヴィランが収容される特別区域。
彼らを待ち受けているのは、通常より厳しい警戒と拷問である。
・金玉爆砕(ゴールデンボンバー)
パンティ・スナッチャーの技のひとつ。
下着で股間を締め付けることにより生殖器へダメージを与える、えげつない技。
・ヴィラン特別収容所
クラウン=シティから離れた荒野の真ん中にある施設。
荒野に建てられているため、貯水量は他の施設より多い。
今回はそれをレイニーキッスに見抜かれ、利用されてしまった。
.
590
:
名無しさん
:2019/07/01(月) 10:07:20 ID:rvIohkmU0
おつおつ!
待ってたよー嬉しい
591
:
名無しさん
:2019/07/01(月) 23:15:31 ID:k75KoJb60
おつ!いやーヴィラン大暴れだな
これは全員死刑だわ
592
:
名無しさん
:2019/07/01(月) 23:27:50 ID:MEMhRi4.0
乙
593
:
名無しさん
:2019/09/12(木) 18:10:01 ID:Iw3A2.YA0
.
【PM12:21】
ヒーロー、到着
(´・_ゝ・`) ザザッ
( ・∀・)「遅いぜ、デミのおっさん!他のやつらは?」
(´・_ゝ・`)「すでに所定の位置で待機してる」
(´・_ゝ・`)「何があっても、これで抜かりはないよ」
( ・∀・)「そっか、そうだよな」
(´・_ゝ・`)「……おや?サー・トレジャーの姿が見えないな」
(;・∀・)「あっ」ドキーン
(´・_ゝ・`)「予定では君と最前線を衛っているはずだったが」
(´・_ゝ・`)「モララー、サー・トレジャーはどちらに?」
(;・∀・)「あー……あー、うん。えーとな……」
(´・_ゝ・`)「どうした。まさかサー・トレジャーの身に何かあったのか?」
(;・∀・)「……犬が」
(´・_ゝ・`)「うん?」
(;・∀・)「犬に襲われて、ここには来てない……」
(´・_ゝ・`)「なんだって?」
.
594
:
名無しさん
:2019/09/12(木) 18:10:44 ID:Iw3A2.YA0
.
(´・_ゝ・`)「悪い冗談はよしてくれ。サー・トレジャーが犬に負けるはずがないだろう?」
(;・∀・)「そっ、そうなんだけどぉ!今回は状況がちがくて!」
(´・_ゝ・`)「モララー……報告は正確に頼む。僕も判断は揺るがせにしたくないんだ」
(´・_ゝ・`)「サー・トレジャーに何があったんだ?」
(;・∀・)「……ち、乳首」
(´・_ゝ・`)「うん?」
(;ー∀ー)「犬に乳首を舐められて足止めされてた……」
(;´・_ゝ・`)「えっ」
(;・∀・)「どっからか知んないけど出動前に犬が湧いてきてさぁ……」
(;・∀・)「トレジャーのおっさんにまとわりついて、乳首舐めて止まらなかったんだ」
(;´・_ゝ・`)「ちょ、ちょっと待て。それじゃあサー・トレジャーは本当にここへ来てないのか?」
(;・∀・)「……うん」
.
595
:
名無しさん
:2019/09/12(木) 18:11:19 ID:Iw3A2.YA0
.
(;´・_ゝ・`)「なんてことだ……モララー、お前一緒にいて犬を止められなかったのか?」
(;・∀・)「トレジャーのおっさんが先に行けって言ったんだよぉ!」
(;・∀・)「敵の襲撃の可能性があるからって……!!」
(;´・_ゝ・`)「……そうか、すまない。サー・トレジャーの判断なら仕方ないな」
(´・_ゝ・`)(だが、犬に乳首を襲わせるこの戦法……)
(;´・_ゝ・`)(まさか、ドルチェが何らかの関わりを……!?)
(;´・_ゝ・`)(だとしたらこの事件、サウスガットの収容だけで終わる気がしない……)
(;^ω^)「デミタスさん!」
(´・_ゝ・`)「ブーナーさん」
(;^ω^)「良かったー、ヒーローの方も来てくれてたんですおね!」
£°ゞ°)「ホッと一安心だヨー」
.
596
:
名無しさん
:2019/09/12(木) 18:12:32 ID:Iw3A2.YA0
.
(´・_ゝ・`)「中はどうなっているか、分かりますか?」
(;^ω^)「それが、ジョージさんからもデルタさんからも皆目連絡がなくて……」
£°ゞ°)「中で何かあったら連絡するって事前に言ってたんだけどネー」
( ・∀・)「あんたらは中入らなかったの?」
(;^ω^)「権限があるのが、年長者の二人だけだったんですお」
(´・_ゝ・`)「しかし、定期連絡がないとなると何か起こってる可能性が高いですね」
(´・_ゝ・`)「監視網より、包囲陣を敷いておいた方がいいかもしれないな……」
( ^ω^)「是非お願いしますお!」
£°ゞ°)「あ、そうだ!ヒーローのお兄さんにこれあげるヨー!」
£°ゞ°)っy=ー チャキッ
(´・_ゝ・`)「その銃は……?」
.
597
:
名無しさん
:2019/09/12(木) 18:13:33 ID:Iw3A2.YA0
.
£°ゞ°)「これ、対ヴィラン用のショックウェーブガンネー!」
£°ゞ°)「ホントはジョージさんに持たせるつもりだったんだけど、忘れてったみたいヨ!」
(´・_ゝ・`)「それならあなた方が持っていた方がよいのでは?」
£°ゞ°)「これ試作機だから、扱い難しいノヨネー」
£°ゞ°)「使えたのボクらの中で、ジョージさんとデルタさんだけだったネ!」
( ^ω^)「僕たちも警官ですから、自分の身は自分で守れますお!」
( ^ω^)「助けを請わないといけないとはいえ、ヒーローの皆さんも民間人ですおね」
(´・_ゝ・`)「そうですか……それなら、今だけお借りします」
( ・∀・)「あー、いいなー。デミのおっさんだけずりーんだー」
(;´・_ゝ・`)「あのなぁ……僕は再生能力以外何も持ってないんだから、見逃してくれよ……」
.
598
:
名無しさん
:2019/09/12(木) 18:16:24 ID:Iw3A2.YA0
.
【PM13:15】
ヴィラン包囲作戦
『デミタス、応答願う。こちらクォッサだ』
(´・_ゝ・`)「こちらデミタス。どうしました、クー博士?」
『様子が変だと思っていたが……どうやらヴィランどもが、中で暴動を起こしているようだぞ』
(;´・_ゝ・`)「なんですって!?」
『看守たちが応対しているが、外へ逃げるのも時間の問題に見えるな』
『私は収容所内の監視を続行する。君は他のヒーローたちへ伝達を頼む』
(´・_ゝ・`)「分かりました。すぐに包囲しましょう」
.
599
:
名無しさん
:2019/09/12(木) 18:17:01 ID:Iw3A2.YA0
.
(´・_ゝ・`)「どうにも中が騒がしいと思ってはいたが、最悪のパターンが訪れるとはな」
(´・_ゝ・`)「サダコくん、ギコ、ミシェーラくん、こちらデミタスだ」
『なぁに、デミさん。どうかしたの?』
(´・_ゝ・`)「緊急事態だ。収容所内部でヴィランが逃げ出したらしい」
『ウッソ!?ヤバいじゃん!!』
(´・_ゝ・`)「かなり大規模な暴動になることが予想される、心してかかれ」
『了解よ!』
(´・_ゝ・`)「それと、僕は周囲の警戒に走るから他のメンバーへ連絡を入れてくれ」
(´・_ゝ・`)「『我々の全力を持って、一人たりとも外へ逃すな』とね」
『……うん!』
.
600
:
名無しさん
:2019/09/12(木) 18:17:40 ID:Iw3A2.YA0
.
( ・∀・)「なんかやべーことになってきたなぁ」
(´・_ゝ・`)「あのサウスガットが関係している以上、ただでは済まないと思っていたよ」
(´・_ゝ・`)「それよりモララー。お前には少しキツい仕事を割り振るが、いいな?」
( ・∀・)「ダメっつってもやらすんだろ?分かってるから早く言えよ」
(´・_ゝ・`)「では、君は収容所の外周を走って、ヴィランが逃亡していないか報告してくれ」
(´・_ゝ・`)「この広さだ、クー博士の視界の及ばないところも絶対に出てくる」
(´・_ゝ・`)「君には足で、そのフォローを頼みたいんだ」
(´・_ゝ・`)「ヴィランを見つけたら、近くの仲間へ救援要請を出せ」
(´・_ゝ・`)「それと、一般人の保護とヴィランの確保が同時なら、保護を優先して行うようにな」
(;・∀・)「それもしかして、暴動が収まるまでずっと続けんの?」
(´・_ゝ・`)「そうだ。サー・トレジャーのいない今、君の足が最も早い」
(´・_ゝ・`)「任せたぞ、モララー」
(;・∀・)「チッキショウ、外周だけで何㎞あると思ってんだよ!!」
(´・_ゝ・`)「キャノンボールよりは短い距離だろう?」
(;・∀・)「ゴールのない徒競走は精神的にキツいんだぜ……ったくよぉ……」
.
601
:
名無しさん
:2019/09/12(木) 18:18:37 ID:Iw3A2.YA0
.
川д川「ミセリ!ギコ!二人とも聞いてたでしょ?」
川д川「今からヤバいヴィランがわんさか出てくるかもしんないから、皆で警戒するよ!!」
ミセ*゚ー゚)リ「オッケー!!」
(,,゚Д゚)「なぁ、サダコ。ここら一帯お前の植物で囲んだ方が早ぇんじゃねぇの?」
川#д川「辺りが乾燥してるせいでそれは出来ないってさっき説明したでしょこのバカ!!」
(,,;゚Д゚)「そ、そうだっけ!?すまん!!」
ミセ*゚ー゚)リ「ギコやんホント人の話聞いてないねー」
川д川「まぁ丈の低い灌木くらいなら生やせるけど、ここまで水気がないとジャングルとかは絶対無理だね」
(,,゚Д゚)「じゃあ植物で囲んで敵の探知も出来ねぇってことか」
川д川「そうね。だからあくまで私の役目は、敵の捕縛程度になるかしら」
(,,゚Д゚)「まぁどうにかなるだろ」
川;д川「楽天的ねぇ……」
ミセ*゚ー゚)リ「シッ!!来たよ、二人とも!!」
『オォォォォォォォ……!!!』
(,,゚Д゚)「おーおー、鼻息荒くして騒ぎやがって」
(,,゚Д゚)「目にもの見せてやりますかねぇっと!!」
川д川「カッコつけてんじゃないわよ、バーカ」
ミセ*゚ー゚)リ「さっさと済ませて、ちゃちゃっと帰るよ!!」
.
602
:
名無しさん
:2019/09/12(木) 18:19:20 ID:Iw3A2.YA0
.
(#`ハ´)「アチョーーーーーーーーーーーーーーーーー!!!!!!!!」シュババババッ
『ぐわぁぁぁぁぁ!!!』
『な、なんだあのジジィ!!クソ強いぞ!!』
(#゚;;-゚)「パパー。ちゃんと風下にいないと、私のガラス当たるヨ」パキパキッ
『目が!!目がぁぁぁ!!』
『死ぬぅぅぅぅぅ!!!!』
( `ハ´)「案ずることないネ。風向きくらい肌で感じて分かるアル」
( `ハ´)「こちとら伊達や酔狂で拳法修めてないってことアルヨ」
(#゚;;-゚)「刺さっても知らんぷりするから覚悟しておくネー」
|(●), 、(●)、|「はいはーい。気絶したヴィランは私に引き渡してねン☆」
|(●), 、(●)、|「間違いなく眠らせて、起きないようにしとくから」
(#゚;;-゚)「任せたネ、おじ……おば……オニばぁ」
|;(●), 、(●)、|「その呼び方だと私が鬼ババみたいに聞こえるから止めてくれない!?」
(#゚;;-゚)「だって名前がオニキスだから……」
|;(●), 、(●)、|「あぁそのオニね!だったらいいわよって言うわけないでしょおバカ!」
.
603
:
名無しさん
:2019/09/12(木) 18:21:45 ID:Iw3A2.YA0
.
パァンッ、パァンッ!!
『ぐわぁっ!!』
(´・_ゝ・`)「動くな!動けば容赦なく撃つ!」
パァンッ!!
『な、なんだ……!?』
『力が抜ける……』
(´・_ゝ・`)「なるほどね……」パァンッ
(´・_ゝ・`)「ロミスさんから預かったこのショックウェーブガン、なかなかのものだ」
(´・_ゝ・`)「電極が伸びて対象へ衝撃を加える仕組みなんだな」パァンッ
(´・_ゝ・`)「問題は衝撃のせいで狙いが定まりにくいところか……」
(´・_ゝ・`)「今度改良して、こちらも使わせてもらおう」パァンッ
『もしもーし!こちらモララー!デミのおっさん応答してくれー!』
(´・_ゝ・`)「どうした、モララー」パァンッ
『南側の防壁からヴィランどもが逃げようとしてる!近場にいるやつ寄越してくれ!』
(´・_ゝ・`)「了解。すぐに向かう」
『チックショー!!奴ら全然減らねー!!まだまだ収容所から出てくるぜ!!』
(´・_ゝ・`)「頑張れ、モララー。サー=トレジャーのいない今、君のスピードは生命線だ」
『わぁーってるよ!!じゃな!!』プツッ
(´・_ゝ・`)(……我々だけでの対処も限界があるな)
(´・_ゝ・`)(せめてあと一人、サー=トレジャークラスの人間がいれば……)
.
604
:
名無しさん
:2019/09/12(木) 18:22:28 ID:Iw3A2.YA0
.
(;-_-)「精神汚染、レベル5!!」
(;-_-)「ヤァァァァ!!」ブゥンッ
『ぐぉあぁぁぁぁ!?』
『げぼぉっ……』
(;^ω^)「おお、すごい……ホントに触れもせずヴィランたちが倒れていくお……」
£°ゞ°)「ブーン!!見とれてないで僕らも応戦するヨー!」
(;^ω^)「は、はいですお!!」
(;-_-)「無理はしないでくださいね!!銃が効かない相手もいますから!!」
£°ゞ°)「了解ネー!!」
(;^ω^)「にしても……これだけの被害が出てるのに、なんでジョージさんたちは連絡してこないんですお?」
£;°ゞ°)「おかげで軍との連携ガタガタだネー……」
(;^ω^)「まさかもう、死……」
£#°ゞ°)「それ以上言ったらダメよー!!ブーン!!」
£°ゞ°)「僕らが生存を疑ったら、本当にそうなっちゃうネー」
(;^ω^)「す、すんませんお!!」
£°ゞ°)「今は被害を食い止めるのが優先ヨ!オーケー?」
( ^ω^)「はいですお!」
(;-_-)「敵、第二波来ますよ!!迎撃準備お願いします!!」
£°ゞ°)「任せときナー!!」
( ^ω^)「了解ですお!!」
.
605
:
名無しさん
:2019/09/12(木) 18:23:08 ID:Iw3A2.YA0
.
【PM13:18】
孤軍のデルタ
(;"ゞ)「ハッ…ハッ…」ゼェゼェ
『サツがそっちへ逃げたぞ!!』
『追えー!!ぶっ殺せぇー!!』
『一人残らず皆殺しにしろォ!!』
(;"ゞ)(サウスガットファミリーに謎の犬、レイニーキッスまで脱走……)
(;"ゞ)(レイニーキッスは他のヴィランを逃がして、被害を拡大させようとしている)
(;"ゞ)(そしてこっちには、デカいお荷物がひとつだけ……)
_
(; ∀ ) 死〜ん
(;"ゞ)(なんでこの人は肝心な時にこうなんだか……!!)ズルズル
(;"ゞ)「もしもし、こちらデルタ。ブーン、ロミス、応答してくれ!!」カチカチカチ
(;"ゞ)「クソッ!!」ガシャァンッ!!
(;"ゞ)(こんな時に無線まで壊れてる始末……)
(;"ゞ)(いったん外に出なきゃ、支援要請も出せやしない……!!)
(;"ゞ)(今日はどこまでツイてないんだ……!!)
.
606
:
名無しさん
:2019/09/12(木) 18:24:02 ID:Iw3A2.YA0
.
(;"ゞ)「とりあえず、ここから逃げないことには……」
(;"ゞ)「サウスガットもレイニーキッスも他のヴィランも、一介の警察には手に余りすぎる!」
『いやがったぞ!!こっちだ!!』
(;"ゞ)「チッ……」
『死ねぇ!!』ドゴォッ
(;"ゞ)「くっ……!!」ダダッ
(;"ゞ)(せめて看守からの援護射撃でもあれば逃げられるのに……!!)
(;"ゞ)(……そういえば、看守たちはなぜこっちの囚人を追って来ないんだ?)
(;"ゞ)(いくらなんでも、私が襲われているのくらい分かるはず……)
(;"ゞ)(何か、連携に著しく齟齬が生じているような……)
.
607
:
名無しさん
:2019/09/12(木) 18:25:21 ID:Iw3A2.YA0
.
『逃げられるとぉ……思ってんのかぁ!!!』
ズガァァァァァァン!!!
(;"ゞ)「ぐぁぁっ……!!」ズザァッ
『追い詰めたぜぇ〜ポリ公がよぉ』
『クソでも食って命乞いしろや!!』
『ギャハハハハハハッッッ!!!』
(;"ゞ)「ハァ…ハァ…」
(;"ゞ)「レイニーキッス……奇妙な犬……サウスガット……」
(;"ゞ)「……サウス、ガット?」
『あばよ、ポリ公。地獄に落ちな!!!』
ブォンッ!!
.
608
:
名無しさん
:2019/09/12(木) 18:26:12 ID:Iw3A2.YA0
.
ヒュンッ!!
『……えっ?』ガクンッ
(;"ゞ)「ハァ…ハァ…フゥゥ……」
( "ゞ)「……ようやく、理解したよ」
( "ゞ)「通信器機の故障は、ナージャ=サウスガットの磁力の影響だ」
( "ゞ)「彼女の強力な磁界のせいで、精密機械は軒並み狂わされていたんだ」
『て、テメェ今何を……!!』ガクガクッ
( "ゞ)「ということは、監視カメラもとうぜん故障の対象となっているはず」
( "ゞ)「それがどういう意味か、お前らに理解出来るか?」
『死ねぇぇぇぇぇ!!!』
( "ゞ)「見られていなければ、どうとでも対処できるってことだよ」ビリッ
『ぐっ……ぎゃああああああああああああ!!!?』
.
609
:
名無しさん
:2019/09/12(木) 18:27:09 ID:Iw3A2.YA0
.
─────
────
───
──
_
(; ∀ )「う……うーん……」
_
(;゚∀゚) ハッ!!
_
(;゚∀゚)「うぎゃあああ!!!」
( "ゞ)「あ、起きた」
_
(;゚∀゚)「デルタ!?お前なんで……」
_
(;゚∀゚)「痛てててて!!?」ズキーン
( "ゞ)「動かない方がいいですよ」
( "ゞ)「骨折とかはないですけど、打ち身とか打撲がスゴいですから」
_
( ゚∀゚)「あぁ、そういや俺、ハハジャに轢かれて……」
_
(;゚∀゚)「って、なんだその倒れてる奴ら!?」
ズシィン…
( "ゞ)「ジョージさんが気絶してる間に、ヴィランどもが脱獄したんです!」
_
(;゚∀゚)「なんだって!?」
.
610
:
名無しさん
:2019/09/12(木) 18:27:54 ID:Iw3A2.YA0
.
( "ゞ)「こいつらは仲間割れ始めて、共倒れしたみたいで……」
( "ゞ)「ちょうどいいから、我々が隠れるための肉壁になってもらっていたところです」
_
(;゚∀゚)「お、おう。お前勇気あるな、倒れてようがヴィランだぞ?」
( "ゞ)「それと、サウスガットのせいで通信器機が全て破壊されてます」
( "ゞ)「外に出ないと、救助要請も出せません」
_
(;゚∀゚)「分かった。とりあえずここから脱出することが先決ってこったな」
( "ゞ)「えぇ。急ぎましょう!」
.
611
:
名無しさん
:2019/09/12(木) 18:29:28 ID:Iw3A2.YA0
.
【PM14:06】
カルロ帰還。パンティスナッチャー離脱。
爪'ー`)「やぁ、ただいま」スィー
ノパ⊿゚)「よぉ、帰って来たか!!何の用だったんだ?」
爪'ー`)「ちょっとゴミ掃除にね……ところで、彼どうしたの?」
ノパ⊿゚)「あぁ……」
(;<◯><◯>)「あぁ……あば、あばばばば……」ガクガク
爪'ー`)「さっきより数倍気色悪くなってるけど」
ノパ⊿゚)「なんか本人いわく、ヤクのフラッシュバックらしいぞ」
ノパ⊿゚)「定期的にこーなるからほっときゃいいってよ」
爪'ー`)「あっそ……ヤク中とか使えないなぁ……」
.
612
:
名無しさん
:2019/09/12(木) 18:30:00 ID:Iw3A2.YA0
.
( ^ν^)「おい、狐目の兄さん。悪いが俺は、ここらで別行動とさせてもらうぜ」
爪'ー`)「パンツ操る人は会話に参加しないでくれる?」
( ^ν^)「俺には監獄から救いだしてやらにゃならん仲間がいるんでな……」
ノパ⊿゚)「おいどーするこいつ、全然人の話聞いてないぞ」
爪'ー`)「いなきゃいないで問題ないから放っておけ」
( ^ν^)「パンティ=スナッチャー妙技、浮遊下着翼(フライング・パンティ)!!」フワッ
ノパ⊿゚)「パンティが飛んだ!!」
爪'ー`)「お前もいちいちリアクションしなくていいよ」
( ^ν^)「今後何かあったら、このパンティ=スナッチャーをいつでも呼びな。力を貸してやる」
爪'ー`)「いいから、さっさと逝け」
ノパ⊿゚)ノシ「達者でなー」
(;<◯><◯>)「あばばばばばば……」
.
613
:
名無しさん
:2019/09/12(木) 18:31:01 ID:Iw3A2.YA0
.
爪'ー`)「さて……大方の問題は片付いたところで、本題に入ろうか」
爪'ー`)「わんこ姉さん、いるんだろ?出ておいでよ」
▼・ェ・▼ ヒョコッ
爪'ー`)「あんたが僕をここから逃がした理由……まだ聞いてなかったよね?」
爪'ー`)「確か、殺してほしい相手がいるとか言ってたと思うけど」
▼ーェー▼「……」
ξ 'A`)ξ スッ
ξ 'A`)ξ「そうだね……そろそろ話しておこうか」
ξ 'A`)ξ「私の敵……そしてあんたに殺して欲しい相手」
ξ 'A`)ξ「それは……」
ノパ⊿゚)「待て!」
爪'ー`)「どうした、ヒート」
ノパ⊿゚)「あそこ、俺らの進行方向に誰かいるぞ!!」
爪'ー`)「ん〜、あれは……?」
.
614
:
名無しさん
:2019/09/12(木) 18:31:24 ID:Iw3A2.YA0
.
( ゚¥゚)「……」
爪'ー`)「おやおや……堅物の看守長殿は、まだ生きておられたか」
爪'ー`)「しょうがない、水で押し流して脱出を……」
ξ 'A`)ξ「待ちな!!」
爪'ー`)「うん?」
ξ 'A`)ξ「あの男は、私をここまで手引きした内通者だよ」
ξ 'A`)ξ「殺すんじゃない!!」
爪'ー`)「へぇ……収容所内部に裏切り者かぁ。やるじゃない姉さん」
.
615
:
名無しさん
:2019/09/12(木) 18:32:33 ID:Iw3A2.YA0
.
ξ 'A`)ξ「ここへ来て私に接触するってことは、向こうで何かあったのかもしれない」
ξ 'A`)ξ「一旦水を止めな!!話を聞く!!」
爪'ー`)「はいはーい……」
ピタッ…
ξ 'A`)ξ「なんだい、セモナ看守長!私に何か用かい?」
( ゚¥゚)「……」
ξ 'A`)ξ「……悪いが、寡黙なのは後にしてくれないかい?」
( ゚¥゚)「……私は」
( ゚¥゚)「この施設の在り方に、常々疑問を抱いていた」
( ゚¥゚)「いかに凶悪なヴィランといえど、人権を剥奪するような真似が許されるのかとな」
爪'ー`)「へぇ〜、話の分かりそうなおじさんじゃない」
( ゚¥゚)「だからこそ、ドルチェ。あなたの声かけに賛同した」
( ゚¥゚)「虐げられているのは人間でなくヴィラン。だからこそ私に協力してほしい、と」
( ゚¥゚)「空調を止め、あなたの侵入経路を確保し、看守側の連携を乱した」
ξ 'A`)ξ「……それで?」
( ゚¥゚)「だが……これはやりすぎだ」
( ゚¥゚)「レイニーキッスだけでなく、他のヴィランまで軒並み逃がすとは聞いていない」
ξ 'A`)ξ「予定外のことが起こってね……すまないと思っているよ」
( ゚¥゚)「これでは、守るべき市民にまで害が及んでしまう」
.
616
:
名無しさん
:2019/09/12(木) 18:33:44 ID:Iw3A2.YA0
.
ξ 'A`)ξ「だが、あんただってヴィランの脱獄に荷担した以上、綺麗事じゃすまないのは分かってたはずだろ?」
( ゚¥゚)「そうだな。だが、騒動の尻拭いは誰かが必ずせねばならない」
( ゚¥゚)「それが、絶対の理だ」
ノパ⊿゚)「アァン!?俺らがその尻拭い担当だってことかァ!?やんぞコルァ!!」
( ゚¥゚)「違う」
( ゚¥゚)「恥を濯がねばならないのは、ヴィランの口車に乗せられた私だ」
( ゚¥゚)「責任を取るべきは、私なんだ」
っy=ー( ゚¥゚) ジャキッ
ξ;'A`)ξ「まっ……待てっ!!」ハッ
タァーンッ…
.
617
:
名無しさん
:2019/09/12(木) 18:34:20 ID:Iw3A2.YA0
.
( ¥ )ドサッ…
ノパ⊿゚)「おーおー、何の躊躇もなく引き金引いたぞコイツ」
ξ;'A`)ξ「……あんた、バカだよ。なんで、そんなこと……」
爪'ー`)「まーまー。そのバカが責任取ってくれるってんだからいいでしょ」
ξ#'A`)ξ「テメェッ……!?」ピキッ
爪'ー`)「それより、さっさと逃げるよー」
ザザザァンッ……!!
ξ;'A`)ξ「……クソがっ!!」
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618
:
名無しさん
:2019/09/12(木) 18:35:32 ID:Iw3A2.YA0
.
ξ;'A`)ξ「胸糞の悪い結果になっちまったね……」
ノパ⊿゚)「ケッ。後悔するくらいなら最初からやんなきゃいいんだよ」
爪'ー`)「悪事を働くつもりなら、ここの人間皆殺しても罪悪感なんて持つべきじゃないね」
ξ 'A`)ξ「あんたらと一緒にするんじゃないよ、殺人鬼にテロリスト」
(;<●><●>)「こ、こいつら絶対頭おかしい……」
爪'ー`)「おや、お目覚めかいジャンキーくん」
ノパ⊿゚)「ラリパッパすんのは逃げ切ってからにしろよな?」
爪'ー`)「さぁ、そろそろ外に出る頃だ」
爪'ー`)「ここから先は、マンホールから地下に逃げる」
爪'ー`)「そしたらあとは水の流れに沿って、警察を撒けばいい」
ノパ⊿゚)「それより、さっきの話の続きは?」
爪'ー`)「……ん?」
ノパ⊿゚)「お前に殺してほしい人間がいるとかなんとか……」
爪'ー`)「あぁ、まぁ今はいいよ。逃げ切ってから聞くことにしよう」
ノハ;゚⊿゚)「適当だな!?」
ξ 'A`)ξ「勝手な男だね……」
.
619
:
名無しさん
:2019/09/12(木) 18:36:22 ID:Iw3A2.YA0
.
【PM14:15】
いてはいけない場所にいる人
(,,;゚-゚)「へはー……へはー……」ゼェゼェ
(,,;゚-゚)「や、やっと着いた……」
(,,;゚-゚)「なんで収容所ってこんなデカいの……敷地の一部に住まわせてよ……」
(,,;゚-゚)「……というか」
『ウォォォォォォォ!!!』
(,,;゚-゚)「なんだろうこの声……そこら中から聞こえてきてない?」
(,,;゚-゚)「中で運動会でもやってるのかな」
(,,;゚-゚)「よく分かんないけど邪魔しちゃ悪いし……裏手側から回り込も……」
.
620
:
名無しさん
:2019/09/12(木) 18:37:29 ID:Iw3A2.YA0
.
(,,゚-゚)「はぁー……でも心細いなぁ」トコトコ
(,,゚-゚)「どこかに知ってる人でもいないかな」
(,,゚-゚)「なんてね。収容所に知り合いなんているはずが……」
『マンホールからはここからすぐの場所にある。蓋は水でこじ開ければいい』
(,,゚-゚)「……ん?」
(,,゚-゚)「誰かの声?」
『ヒート、水で壁を爆破しろ』
『おうよ!』
ズドォォォォォォォンッ!!!!!
(,,;゚-゚)「にゃわぁ!?」
爪'ー`)「ん?」
(,,゚-゚)「……え?」
爪'ー`)「あっ、君は……!!」
(,,;゚-゚)「ぎゃっ……ぎゃぁぁぁぁぁぁぁぁぁぁぁ!!!!!」
(,,;゚-゚)「カルロ=フォクシー!?」
爪'ー`)「ギャシャールちゃ〜ん!!久しぶりじゃないか!!」
.
621
:
名無しさん
:2019/09/12(木) 18:38:31 ID:Iw3A2.YA0
.
(,,;゚-゚)「なっ、なんであんたがこんなとこに!?」
爪'ー`)「こんなとこってここそもそも収容所だけど」
(,,;゚-゚)「そうだったボクの方が異端なんだった!!」
爪'ー`)「ちょうどいいや。君これから僕らの人質ね?」
ザパァンッ!!
(,,;゚-゚)「わぎゃあーーー!!」
爪'ー`)「僕ら今、脱獄中なんだ。だから適当に盾になって協力してくれよ」
(,,;゚-゚)「誰が協力なんてするかー!!」
爪'ー`)「しないならこの場で殺すけど?」
(,,;゚-゚)「喜んで協力します!!」
ノパ⊿゚)「おい、誰だよそいつは?」
爪'ー`)「僕が逮捕される前に殺し損ねた女の子さ。名前はギャシャールちゃん」
ノパ⊿゚)「へー……テメェみてえな変態に好かれるなんざ、運がねぇな?」
(,,;゚-゚)「それ一番嘆きたいのボクだからね!?」
.
622
:
名無しさん
:2019/09/12(木) 18:39:32 ID:Iw3A2.YA0
.
爪'ー`)「まーこれで仮にヒーローが止めに来ても、逃げきれる算段が上がったね」
爪'ー`)「いざとなれば弾除けにもなるし、血液抜いて水分補給にしてもいいし」
(,,;゚-゚)「ろくな扱いされてねぇ〜〜〜〜……ボクの人生って一体なに……?」
ξ 'A`)ξ「まったく……危ないことに首を突っ込むからこうなるんだよ」ヒョコッ
(,,゚-゚)「あっ!ドルチェちゃ……さん!比較的まともな顔見知りがいた!」
(,,゚-゚)「お願いドルチェさん!あなたからボクを逃がすように、この人に言ってくれません?」
ξ 'A`)ξ「私の言うこと聞くくらいなら、最初から人質なんて取らせてないよ」
(,,;゚-゚)「ですよねー!!はぁ……」
(;<●><●>)「おい!喋ってる場合じゃないぞ!」
(;<●><●>)「前方に人影だ!警戒しろ!」
ノパ⊿゚)「まーたかよ!今度こそさっさと爆破して逃げるぞ!」
ξ;'A`)ξ「……!!」ハッ
ξ;'A`)ξ「ま、待て!!あれは……!!」
623
:
名無しさん
:2019/09/12(木) 18:40:17 ID:Iw3A2.YA0
.
(//‰ ゚)「……」オォォォォォ…
ξ;'A`)ξ ゾワッ
爪;'ー`)「!!」 ゾクッ
.
624
:
名無しさん
:2019/09/12(木) 18:41:44 ID:Iw3A2.YA0
.
ドパァァァァァァァァァンッ!!!!
ノハ;゚⊿゚)「うぉぉぉぉ!?なんだぁ!?」
爪;'ー`)「この量の水を弾いたのか……素手で……!?」
ξ;'A`)ξ「カルロ!!あいつがお前に殺してほしい相手!!」
ξ;'A`)ξ「ハイド=ハートマンだよ!!」
(//‰ ゚)「……!」ピク
爪;'ー`)「おやおや……警察署長殿がずいぶんと剣呑な姿になって……」
ξ;'A`)ξ「あんたも警察には恨みがあるだろ!!総掛かりでぶっ殺すよ!!」
爪;'ー`)「オーケー、いいでしょ。ここを切り抜けなきゃ、逃げるのは無理そうだ」
(//‰ ゚)「……」スウゥゥゥ…
.
625
:
名無しさん
:2019/09/12(木) 18:43:23 ID:Iw3A2.YA0
.
(//‰ ゚)「……お前のその体臭」
(//‰ ゚)「ショボンニのジジィの屋敷を嗅ぎ回ってた犬どもと、同じ臭いだ」
ξ;'A`)ξ「……!」
爪;'ー`)(水にまぎれた体臭を嗅ぎ分けられるのか……?馬鹿げた嗅覚だこと……)
(//‰ ゚)「そして複数の犬を操れるなら、マンホールで俺たちを襲ったやつと同一人物」
(//‰ ゚)「つまり、俺のことを監視してたのはテメェってワケだ……」
(//‰ ゚)「テメェは、トレジャーんとこのドルチェの真の姿ってとこか」
ξ;'A`)ξ「……それが、何だってんだい!!」
(//‰ ゚)「まぁ、今となっちゃあそれもどうでもいいことだ」
(//‰ ゚)「たかが犬ッコロに倒せるような俺じゃなくなったしな……」
(//‰ ゚)「だが、これでも元警察官なんでな」
(//‰ ゚)「市民の安全だけは守らにゃあ寝覚めが悪い」
(//‰ ゚)「ドルチェ。テメェのしたこたぁ市民の明日を脅かす行為だ」
(//‰ ゚)「万死に値するぜ」
爪;'ー`)「おっと、動くな!」グィッ
(,,;゚-゚)「にゃーっ!?」
爪'ー`)「動けば水の散弾が、彼女の体を穴だらけにするよ!!」
爪'ー`)「分かったら道を空け……」
.
626
:
名無しさん
:2019/09/12(木) 18:45:02 ID:Iw3A2.YA0
.
フォンッ
(//‰ ゚爪;'ー`)「消えっ……!?」
ブヂィッ!!
爪;'ー`)「がっ……ぐあああああああああ!!!!!」
(,,;゚-゚)「ぎゃああああああ返り血があああああああ!!!」
ノハ;゚⊿゚)「カルローーーー!!?」
ズブッ……
ノハ;メ⊿゚)「ぎゃあぁっ!?」
ゴリッ!!
(;<●><◯>)「ぎぃいいいいいい!!」
(//‰ ゚)「オメーらは、片腕と片目ずつで特別に許してやらぁ」
(//‰ ゚)「だがドルチェ。お前は生かしちゃおかねぇ」
(//‰ ゚)「諸悪の根源であること、地獄で懺悔してくるんだな」
ξ;'A`)ξ「……チィッ!」
.
627
:
名無しさん
:2019/09/12(木) 18:46:35 ID:Iw3A2.YA0
.
ξ;'A`)ξ(楽に殺せる相手じゃないとは思ってた……)
ξ;'A`)ξ(だからヒーローを頼らず、あえて脱獄の先導者として汚名を着るつもりでいた)
ξ;'A`)ξ(なのに……三人がかりでさえ、こんなにも差はデカいのか……!!)
(//‰ ゚)「どうした。来ねぇならこっちから行くぜ?」
ξ;'A`)ξ「……ハァァッ!!」ヒュンッ
(//‰ ゚)「トロい」ガシィッ!
ξ;'A`)ξ「ガハッ……!?」
(//‰ ゚)「分かったろ。天地が返ってもお前じゃ俺には勝てねぇ」
(//‰ ゚)「見逃すこたぁねぇが、お前の目的さえ喋れば、痛みも苦しみもなく楽に死なせてやる」
ξ;'A`)ξ「くっ……!!」ジタバタ
(//‰ ゚)「トレジャーのため……なワケないな?」
(//‰ ゚)「ヤツぁ脱獄なんて手段で喜ぶ外道じゃねぇ」
(//‰ ゚)「下水道で邪魔したことを考えると、ファニーフェイス絡みか?」
(//‰ ゚)「どうなんだ、えぇ?」
.
628
:
名無しさん
:2019/09/12(木) 18:47:26 ID:Iw3A2.YA0
.
ξ;'A`)ξ「あんたに話すことなんか……一言もないね!!」
▼;・ェ・▼ ヒュッ!
スルンッ
(//‰ ゚)「……!」
▼#・ェ・▼「ガルルルルッ!!」
ガブゥッ!!
(//‰ ゚)「……言ったろうがよ。犬ッコロに負ける俺じゃねぇってな」
(//‰ ゚)「このままテメェの脳天、地面に叩きつける」ググッ
▼;・ェ・▼(牙が抜けない……!!筋肉を締めつけてるのか……!?)
(//‰ ゚)「あばよ、ドルチェ。次に会うときゃ、地獄だぜ」ブォンッ
▼;・ェ・▼「……!!」
(;<●><◯>)「キ……キ……キ……!!」
.
629
:
名無しさん
:2019/09/12(木) 18:49:36 ID:Iw3A2.YA0
.
(;<●><◯>)「キェェェェェェァアアアアアアアアアアア!!!!!!!!!!!!!!」
( <●><●>( <●><●>( <●><●>三三三(;<●><◯>)三三三<●><●>)<●><●>)<●><●>)
ズリュリュリュリュリュウッ!!!
(,,;゚-゚)「ぎゃああああああ!!キモーーーーーーッ!!!」
(//‰ ゚)「……!!」ビタッ
▼;・ェ・▼(これは……禁断症状による能力の暴発!!)
爪;'ー`)「ハァッ……ハァッ……!!」
爪;'ー`)「ヒートォッ!!その分裂体、全て爆破させろォッ!!」
ノハ;メ⊿゚)「おっ……オォォォォォォォォォォォォォォォ!!!!!!!!!!」
ドドドドドドドドドドドドドドドドォォォォォォォォォォォォォォォォン!!!!!!!!!!!!!!!!!!
爪;'ー`)「水よ!!俺たちを安全な場所まで運べェェェェェ!!!」
ザパァァァァァァァァァンッ!!!
(//‰ ゚)「チッ……」ヒュンッ
(,,;゚-゚)「きゃぁぁぁぁぁぁ!!!」
ξ;'A`)ξ「……!!」ヒュンッ
.
630
:
名無しさん
:2019/09/12(木) 18:50:51 ID:Iw3A2.YA0
.
(,,;゚-゚)「ゲホッ、ゲホッ……」
(,,;゚-゚)「な……何が起こったの……?」
ξ;メ'A`)ξ「うっ……あ……!!」ボロッ
(,,;゚-゚)「わぁぁぁ!?ドルチェさん!!大丈夫ですか!?」
(//‰ ゚)「……どういうつもりだ、ドルチェ」
(//‰ ゚)「オメー今、人質を爆破から守ったろ?」
(,,;゚-゚)「えっ!?この怪我ボクのせいなの!?」
(//‰ ゚)「そうでなきゃそこまでダメージは負ってねぇ……違うか?」
(//‰ ゚)「脱獄先導なんつーゲスをした割には、ずいぶんと殊勝なことじゃねぇか」
(//‰ ゚)「地獄で情状酌量でも申し込むつもりかよ?」
ξ;メ'A`)ξ「ハッ……確かに、私は……忌むべき外道だよ……」
ξ;メ'A`)ξ「脱獄を、先導し……人々を混乱に陥れ……死者も山ほど出た……」
ξ;メ'A`)ξ「けどねぇ、私にだって……最後に通すべき義理はある……!!」
ξ;メ'A`)ξ「目の前で死にかけた民間人がいるなら……助けに走るのが、ヒーローだろ……!!」
(,,;゚-゚)「ドルチェさん……!!」
(//‰ ゚)「……惨めなもんだな、ドルチェよぉ」
.
631
:
名無しさん
:2019/09/12(木) 18:52:05 ID:Iw3A2.YA0
.
(//‰ ゚)「逃がした凶悪犯には逃亡され、俺を倒すこともままならねぇ」
(//‰ ゚)「爆破のキズで、放っておいても遠からず死ぬだろう」
(//‰ ゚)「テメー、もう終わってんよ」
ザッ…
ξ;メ'A`)ξ「ま、待ちな……まだ戦いは終わってない……!!」
(//‰ ゚)「いいや、終わりだ。そのままそこで、黙って死んでいきな」
(//‰ ゚)「それとも、立ち上がれるならかかってきてもいいんだぜ?」
ξ;メ'A`)ξ「く、そ、がぁっ……!!」
(//‰ ゚)「……」クルッ
(,,;゚-゚)「ぎゃあっ!!」ビクーンッ
(//‰ ゚)「あー……そんなビビんな。危害は加えねぇから」
(//‰ ゚)「怪我は……かすり傷程度か。奇跡的だな」
(//‰ ゚)「立ちな。他のヒーローんとこに連れていってやらぁ」
(,,゚-゚)「あ……ど、どうもすみません……」
(,,゚-゚)(なんだこの人……意外といい人?)
.
632
:
名無しさん
:2019/09/12(木) 18:54:02 ID:Iw3A2.YA0
.
『うぉぉぉぉぉぉぉぉぉぉぉぉぉぉぉぉぉ!!!!!!!!!!!!』
(//‰ ゚)「……?」ピク
(;・∀・)「ハイパーウルトラデリシャススーパーストロングモララーキーーーーーーーーーーーーック!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!」
メキャアアアアアアッ!!!!!
(//‰ )「……!!」グラァッ
(;・∀・)「ヘイ、こちらモララー!!西口防壁でヴィランに襲われてた民間人を確保!!」
(;・∀・)「現場には大量の血糊と爆発痕と、なんかすんごいヌルヌルした粘液が大量に飛び散ってる!!」
(;・∀・)「毒の可能性とかありそうだから、民間人つれてさっさと逃げるぜ!!」
『了解。迅速に頼む』
(;・∀・)「坊主!!俺に掴まれ!!」
ガシィッ!!
(,,;゚-゚)「んにゃっ……!」
ドギュゥゥゥゥンッ!!!!
(,,;゚-゚)「にゃあああああ!!?」
.
633
:
名無しさん
:2019/09/12(木) 18:55:17 ID:Iw3A2.YA0
.
(//‰ )「……」ゴリッ
(//‰ ゚)「……おー痛ぇ、さすがにあの速度の蹴りは多少効くみてぇだな」コキコキ
(//‰ ゚)「まぁ、ヒーローに受け渡したのは違いねぇからいいだろ」
ξ;メ A )ξ「……」クタ
(//‰ ゚)「……ふん。最後に意地見せやがったかよ。ドルチェよぉ」
(//‰ ゚)「オメーは外道だったが……その善行に免じて、遺言だけは残させてやらぁ」
ザッ…
.
634
:
名無しさん
:2019/09/12(木) 18:56:22 ID:Iw3A2.YA0
.
ギュワァァァァァァァァァァ!!!!!!!!!!
(,,;゚-゚)(ヒィィィ!!死ぬっ、死んじゃう!!早いっ、早いぃぃぃ!!!)
(,,;゚-゚)(何なのこいつー!?)
( ・∀・)「……」シュバババッ
ムニムニ
(;・∀・)(うーん……?)
(;・∀・)(なんか、背中にやわこいもんが当たってる……?)
(;・∀・)(こいつ男……だよな?ハトムネか?)
(;・∀・)(まぁいいや。とりあえず安全なとこまで運ぼ)
ズドドドドドドド……
.
635
:
名無しさん
:2019/09/12(木) 18:58:30 ID:Iw3A2.YA0
.
【PM14:30】
ビッグトレジャーとクラウンデビル
( ,,;^Д^)「オ、オ、オ、オォォォォォォォォォォン……!!」
『アンッ、アンッ!!』ペロペロペロペロペロペロペロペロペロペロペロペロ
『ワフンッ』ペロペロペロペロペロペロペロペロペロペロペロペロ
( ,,;^Д^)「ヌォォォォォォォォ!!私は負けなアフゥゥゥゥゥゥゥゥン!!」
( ,,;^Д^)「たとえ両の乳首が取れようとも、私は折れぬゥゥゥゥゥゥゥゥゥゥゥゥゥゥ!!!!!!!!」
『ワン……』ピタッ
『ワウ?』ピタリ
( ,,;^Д^)「お、おう?」
『アンアンッ』トトトーッ
『キャウンッ』スタスタ
( ,,;^Д^)「犬が帰って行く……?」
( ,,^Д^)「能力者の支配から解放されたのか!!」
( ,,^Д^)「……!!」ハッ
( ,,;^Д^)「これがドルチェの能力ならば……ドルチェの身に何かが!?」
( ,,;^Д^)「いかん!!急がねば!!」
.
636
:
名無しさん
:2019/09/12(木) 19:00:20 ID:Iw3A2.YA0
.
( ,,#^Д^)「ウォォォォォォォォォォォォォォォォォォォォォォォォォォォォォォォォォ!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!」
ズドドドドドドドドドドドドドドドドドドドドドドドドド!!!!!!!!!!!!!!!!!
( ,,^Д^)「ヌッ!!」キキィッ!!
(//‰ ゚)「……」ヌゥッ…
( ,,^Д^)「その異様……尋常の者ではないとお見受けした!!!」
( ,,^Д^)「何者だ!!!」
(//‰ ゚)「……収容所西側の防壁で、お前の犬が死にかけてる」
(//‰ ゚)「行くならさっさと行け。残された時間はねぇぞ?」
( ,,^Д^)「……!!」ハッ
( ,,^Д^)「その声……もしや、ハイド……!!」
ヒュンッ
( ,,;^Д^)「消えた……!!」
( ,,;^Д^)「ハイド署長……まさかあなたも、あの『石』を受け入れてしまったのか……!!」
( ,,^Д^)「……いや、今はそれも後回しだ!!」
( ,,^Д^)「ドルチェ、すぐに行くぞ!!」
ドギュゥゥゥゥンッ!!!!
.
637
:
名無しさん
:2019/09/12(木) 19:01:10 ID:Iw3A2.YA0
.
【PM14:32】
遺言
( ,,^Д^)「デミタス!!応答してくれ!!こちらトレジャー!!」
『サー・トレジャー!!お待ちしてました!!』
『事態は収束へ向かいつつあります。事後処理をおまかせしても?』
( ,,^Д^)「そうしたいのだが……ある筋から、ドルチェがここにいるという情報を得た!!!」
『なんですって!?やはりドルチェが……!!』
( ,,^Д^)「真偽を確認してからそちらへ向かう!!まずは西側防壁へ向かうので、何かあれば連絡を!!」
『了解です。ご武運を』プツッ
( ,,^Д^)「ドルチェーーーーー!!!どこにいる、ドルチェーーーーー!!!」
.
638
:
名無しさん
:2019/09/12(木) 19:02:50 ID:Iw3A2.YA0
.
( ,,^Д^)「おーーーーい!!!ドルチェーーーーー!!!」
( ,,^Д^)「ヌッ!!!」ピタッ
ボロッ…
( ,,^Д^)「ここが西側防壁……なぜここだけこんなにボロボロなのだ……?」
( ,,^Д^)「それに、この粘液……どこかで見覚えが……」
( ,,^Д^) ハッ!
ξ;メA )ξ「……」
( ,,;^Д^)「ど……ドルチェーーーーーーーーーー!!!!!!」
.
639
:
名無しさん
:2019/09/12(木) 19:03:28 ID:Iw3A2.YA0
.
ξ;メ A )ξ「う……」ピクンッ
( ,,^Д^)「良かった!!!まだ息はある!!!」
( ,,^Д^)「ドルチェ!!!しっかりするんだ、気を確かに持て!!!」
ξ;メ'A`)ξ「と、れじゃー……?」
ξ;メ'A`)ξ「はは……ついに、幻覚が見えてきたか……」
ξ;メ'A`)ξ「どうやら、お迎えも……近そうだね……」
( ,,^Д^)「幻覚ではない!!!私は実物だ!!!」
ξ;メ'A`)ξ「いいんだ……どっちに、しろ……私は、長く……ない、から……」
ξ;メ'A`)ξ「幻覚でも……本物でも、いい……私の、最後の願いを……聞いてくれ……」
( ,,;^Д^)「その前に応急手当てを……」
ξ;メ'A`)ξ「ファニー……フェイス、を……」
ξ;メ'A`)ξ「アヒャルドを……助けて、やって、おくれ……」
( ,,;^Д^)「!?」
( ,,;^Д^)「ファニーフェイスを……!?なぜ、ドルチェが……!!」
.
640
:
名無しさん
:2019/09/12(木) 19:04:18 ID:Iw3A2.YA0
.
ξ;メ'A`)ξ「筋違いは、承知の上で……頼む……お願いだ……」
ξ;メ'A`)ξ「あの子の生涯を……台無しに、したのは……私、なんだ……」
( ,,;^Д^)「もういい!!!喋るな、ドルチェ!!!安静にしていろ!!!」
ξ;メ'A`)ξ「あぁ……どれだけ懺悔しても……あの子は、許しちゃ……くれないだろうさ……」
ξ;メ'A`)ξ「けど、私は……私は……!!」
ξ;メ'A`)ξ「我が子の、幸せも……願っちゃ、いけないのかい……!?」
( ,,;^Д^)「なっ!?」
ξ;メ'A`)ξ「あの子は……スモーキー、タウンで……私が産んだ……実の子供……」
ξ;メ'A`)ξ「あの子はっ……私の……息子、なんだよ……!!」
( ,,;^Д^)「何ィィィィィィィィィィィィィィィィィ!!!!!!!!!!!!!!!!」
.
641
:
名無しさん
:2019/09/12(木) 19:05:02 ID:Iw3A2.YA0
.
ξ;メ'A`)ξ「お願いだよ……トレ、ジャー……」
ξ;メ'A`)ξ「あの子を、救って……あげ……て……」
ξ;メ'A`)ξ「……おね……がい…………」
ξ;メ A )ξ ガク…
( ,,;^Д^)「ド……!!」
( ,,;^Д^)「ドルチェーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーー!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!」
.
642
:
名無しさん
:2019/09/12(木) 19:05:48 ID:Iw3A2.YA0
.
─── ドルチェ=マッケンジー、永眠……。
.
643
:
名無しさん
:2019/09/12(木) 19:06:22 ID:Iw3A2.YA0
第二十話後編終わり
644
:
名無しさん
:2019/09/12(木) 19:07:26 ID:Iw3A2.YA0
.
【登場人物紹介】
( ,,^Д^) BIG TREASURE
二時間半もの間、犬に乳首を責められていたナイスガイ。
(´・_ゝ・`) CAFEAULAIT DEMITASSE
本名:アンドリュー=デミナンス
適切な対応で被害を最小限に食い止めた。
.
645
:
名無しさん
:2019/09/12(木) 19:08:04 ID:Iw3A2.YA0
.
( ・∀・) SUPER SPEED STAR
本名:モララード=マクレガー
今回一番の功労者。とても疲労したがやりきった感はしている。
(,,゚-゚) ギャシャール=ホプキンス
本名:キャサリン=ホプキンス
モララーにおっぱいが当たっていたことには気づいていない。
.
646
:
名無しさん
:2019/09/12(木) 19:08:36 ID:Iw3A2.YA0
.
ξ 'A`)ξ DOGGY POISON
本名:ドルチェ=マッケンジー
ファニーフェイスの実母。
( ゚∀゚ ) FUNNY FACE
本名:アヒャルド=マッケンジー
ドルチェ=マッケンジーの息子。本人はその事実を知らない。
.
647
:
名無しさん
:2019/09/12(木) 19:27:24 ID:0GbMVTvw0
ドルチェやっと死んでくれたか
648
:
名無しさん
:2019/09/12(木) 19:48:36 ID:7eeMu1I20
乙
二時間半も乳首責めされてんじゃねえよ!w
649
:
名無しさん
:2019/09/12(木) 19:48:47 ID:hX4DmIII0
乙
ドルチェ……
650
:
名無しさん
:2019/09/12(木) 21:13:29 ID:RsPOU2cU0
デルタは何者なんだ…
651
:
名無しさん
:2019/09/13(金) 07:51:59 ID:OsbdcdR.0
otu
652
:
名無しさん
:2019/10/28(月) 16:33:32 ID:KVMcTw3I0
ツイッターの話題で申し訳ないけど作者さん、もしかして打ち切りかい?
653
:
名無しさん
:2023/07/24(月) 17:12:31 ID:Y6VgHl2U0
まだかよトレジャー
654
:
名無しさん
:2024/07/22(月) 13:45:57 ID:21Sr4PYk0
初期轟絶みたいな仕様よね。
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