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SSスレ「マーサー王物語-ベリーズと拳士たち」第二部
543
:
名無し募集中。。。
:2016/08/25(木) 23:12:38
なんじゃそりゃー!ww
とんでもないの連れてきたな…タイムボカンシリーズのミニメカ思い出す自分はじっちゃんか?
544
:
名無し募集中。。。
:2016/08/26(金) 03:55:57
ここにきていきなりの超ハイテク化?!
予想の遥か斜め上をいく展開に良い意味で笑いが止まらないww
今後の戦いがますます楽しみだ!w
545
:
◆V9ncA8v9YI
:2016/08/29(月) 20:03:44
漆黒の鎧で覆われた機械兵らは、そのどれもがチナミと同じ体型をしている。
つまりは長身のチナミと同じ身長。 そして手足の長さまで再現されているということ。
そんなものが1000体もやってきているのだから、恐怖を感じないわけが無い。
さすがに技術モチーフとなった1059号のように「意志」や「思考」、そして「感情」を持ち合わせるほどハイテクではないが、
近くの敵に向かって直進し、殴りかかることくらいは出来る。
つまりは機械兵一体一体が人間の兵と同じか、それ以上の実力を備えていると言えるだろう。
14対1と思いきや、その実は14対1001だったという訳だ。
人に非ざるものがあたかも本物の人のように襲ってくる光景を見て、連合軍のほとんどは混乱したが、
その中でもエリポン、サヤシ、カノンの3人だけは凛とした姿勢を崩さないでいた。
「相手は1000人……まるでお披露目の時のようじゃのう。」
「まぁ、今日はフクがおらんっちゃけどね。」
Q期の3人は、自分たちが帝国剣士としてデビューした時のお披露目会を思い出していた。
あの時は現フク王を加えた4名で1000の帝国兵を倒したのだ。
「あの黒い戦士がどういう理屈で動いているのかは分からないけど……兵が兵であることには変わりはないよね。」
顔面までフェイスガードで完全に覆った、フルアーマー状態のカノンはそのように分析する。
相手が機械であることに惑わされてはいけない。
やる事は変わらないのだ、と信じている。
ならばここはサヤシの独壇場だ。
「ウチが必殺技で攻め込む。 エリポンとカノンちゃんはカバーをお願い。」
「「分かった!!」」
サヤシは機械兵の密集する地帯に飛び込んでは、同時に居合刀「赤鯉」を鞘から解き放った。
機械もすぐに反応してパンチや蹴りを繰り出すものの、もう遅かった。
ただの一瞬にして細腕や細脚がスッパリと斬られてしまっていたのだ。
チナミをモデルにしたこの兵隊たちは、リーチこそ優れているものの耐久性には乏しい。
サヤシは形状から瞬時にその弱点を見抜き、刀でぶった切ったのである。
そして、サヤシの攻撃はそれでは終わらない。
(みんなの負担を減らすために……まだまだ斬って斬って斬りまくる!!)
この時のサヤシはいつものポンコツっぷりが嘘のようにキレッキレだった。
いや、これがサヤシの本来の姿なのかもしれない。
彼女の真骨頂は超スピードからなる容赦ない居合斬り。
相手が人間ではない「機械」だからこそ少しも力を緩めることなく全力で斬り捨てることが出来るのである。
もはや鬼神と化したサヤシはもう止まらない。誰にも止めることなど出来やしない。
超スピードで敵の元に走り込んでは、手足をスパスパと斬りまくる。
そして一仕事終えたと息をつく間も無く次の敵のところへとダッシュする。
この高速剣技こそサヤシ・カレサスがモーニング帝国最速の剣士であることの所以。
帝国で王を決める時の戦いでは模擬刀を用いていたため披露することが出来なかったが、
サヤシはこの真剣専用の必殺技「斬り注意」をずっと前からモノにしていたのだ。
近づくのも危険となったサヤシと共闘できるのは、気心の知れた戦友くらいしかいないだろう。
546
:
名無し募集中。。。
:2016/08/30(火) 06:17:40
サヤシかっこいい…やっと思い描いていたサヤシを見ることが出来たw
「キリ・ド・フォン・ルキアノス・・・」の曲が脳内で流れてくる
547
:
◆V9ncA8v9YI
:2016/08/31(水) 00:35:52
未知の敵に対して切り込んだのはサヤシだけではなかった。
機械兵が「斬れない敵」ではないことを証明したように、
カノン・トイ・レマーネも「受けられない敵」では無いことを確かめる。
「さぁ来い!!」
両手を広げて立ち止まったカノンは、攻撃を当ててくださいと言っているようなもの。
黒い兵隊たちは長い手脚を強く振っては、カノンの鎧にブチ当てた。
(うっ!思ったより効く……)
長鞭のようにしなる攻撃は遠心力も相まってなかなかの威力だった。
生身の身体であれば一発もらうだけで腫れあがってしまうことだろう。
だが、今のカノンは完全武装をしている。
分厚く重い甲冑を身につけるだけでなく、顔面まで覆っているのだ。
今の彼女は言わば動く鎧。 中身が本当にカノンなのか疑うほどに全身を鋼鉄で塞いでしまっている。
昨日から風呂の時以外は鎧を脱がないという徹底ぶりで、フルアーマーでの行動を可能にしているのである。
(よし!痛いは痛いけど、芯には届いていない!!)
カノンに攻撃を仕掛けた機械兵には一瞬の隙が生まれていた。
その隙を見逃すことなく打刀「一瞬」で斬りかかるのがQ期団団長のエリポン・ノーリーダーの役目だ。
この刀は、空気との摩擦で熱を発するほどに速く振るうことの可能な名刀と言われている。
それを帝国剣士随一の怪力を誇るエリポンが握るのだから、弱いワケがない。
兵は肩から腰にかけて、派手に袈裟斬りされてしまう。
「うん。エリ達の力なら倒せる!」
チナミの自信作である壱奈美から九九九奈美は決して弱くはない。
それでも、国を背負った戦いを続けてきた連合軍の面々に勝てない相手では無いのだ。
自分たちの力を見事に発揮すれば打ち勝つことが出来る。
言うならば乗り越えられる壁なのである。
だとすれば怖いのは総勢1000体という頭数だけだ。
もっとも、それは相手が機械であることを忘れなかった場合の話ではあるが……
「よーし!サヤシさんに続いてやるぜ!こっちだって必殺技は有るんだからさ!!」
先輩たちの活躍を見て気を大きくしたのはハル・チェ・ドゥーだ。
愛用する竹刀「タケゴロシ」をしっかりと握って機械兵に喧嘩を売っていく。
狙いはかつてアヤチョ王に教わった必殺技「再殺歌劇」。
一撃目で相手の注意を引きつけたところで、予想外の二撃目を放つという恐ろしい攻撃を繰り出そうとしているのである。
「この技はカノンさんを気絶させたことも有るんだぜ! 喰らえ!!」
ハルの動きのキレは申し分無かった。
一撃目は見事に敵の胴に命中していたし、
そこから間髪入れずの後頭部への二撃目だってよく打ち込めている。
大抵の人間は一撃目に意識を集中するあまり、再殺を意味する二撃目に対応しきれずクリーンヒットを受けてしまうことだろう。
だが忘れてはならない、今の相手は機械なのだ。
前にも述べたがこの機械兵には意志が無い。
ゆえに一撃目から身を守ろうだとか、二撃目への注意が疎かになったとか、そういうのが全く無いのである。
全ての攻撃がコイツにとっては均等。
その結果として、竹刀による合計二発の打撃を受けたとしてもピンピンとしていた。
「あれ?……ひょっとして効いてない?」
548
:
◆V9ncA8v9YI
:2016/08/31(水) 00:38:24
>>546
その曲は私の頭の中にも流れていましたw
ハルがサヤシに対抗するように走り出したのも、トライアングルを意識してます。
(必殺技名はステーシーズではありますが。)
549
:
名無し募集中。。。
:2016/08/31(水) 06:40:37
やはりあの曲は高ぶりますね〜
そして香音ちゃんはフルアーマーが似合う…某作品でもフルアーマーカノンだからイメージするのは皆一緒何だろうねw
550
:
◆V9ncA8v9YI
:2016/09/01(木) 12:55:20
慌てて逃げるハルのように、他のメンバーにも機械と相性の悪いものは存在する。
例えば番長のリナプー・コワオールド。
彼女の透明化は相手の脳に「見るな」という信号をサブリミナル的に送り込むことで実現しているので、
暗示の類の通用しない機械兵の前から姿を消すことは出来なかった。
「あ、無理だこれ。」
犬のように噛み付いてみたものの、文字通り歯が立たない。
愛犬のププとクランだってどうすれば良いのか分からず困惑しているようだった。
打つ手がなく呆然と立ち尽くすリナプーに黒い兵隊が殴りかかったが、
"サイボーグ"の異名を持つカリンがチクタク急いで駆け寄り、攻撃を肩代わりすることで事なきをえる。
「リナプー危ない!!」
「わっ!……カリン、ありがとう。」
興奮状態にある今のカリンの痛覚はかなり鈍っている。
ゆえに強烈な攻撃を生身で受けても、影響はほとんど無いのだ。
サイボーグと言うだけあって、カリンのスピードと耐久力はまさに機械並み。
機械VS機械の戦いになるのだから、そう簡単にへこたれてはいられないのだろう。
「ここは私が引き受けるから、リナプーは安全な場所に逃げて!!」
「はーい、後はよろしく〜」
「えっ、本当に行っちゃうの?……」
全く悪びれる事なく帰って行ったリナプーを見て、カリンは少し寂しく思った。
「私も一緒に戦うよ!!」といった言葉を期待していたようだが、
そうだとしたら大きな人選ミスだろう。
そうして落ち込んでいるうちに、カリンの周りを複数台の機械が集まってきていた。
いくらカリンが機械同然とは言っても、こうも相手が多ければ苦戦は必至だ。
最悪、命を落とす事になるかもしれない。
「大丈夫、私ならやれる。」
カリンは両頬をパシンと叩いて、気合を入れ直した。
無痛状態なのにそんなやり方で本当に気が引き締まるのか疑問ではあるが、
これはある種の儀式のようなものなのだ。
弱気な自分を変えて、とある地方で「男勝り」を意味する「はちきん」な女子にならないければ生き残れないと考えたのである。
「もっと加速しよう。もう1人の私が見えるくらい速く動いて対抗しよう……それが私の必殺技。」
551
:
名無し募集中。。。
:2016/09/01(木) 14:12:30
もうブッ込んできたかw
552
:
名無し募集中。。。
:2016/09/01(木) 16:51:07
はちきんってwむしろ最近帝国の見習い剣士に入隊した子ですね
553
:
名無し募集中。。。
:2016/09/01(木) 16:52:03
×むしろ
○ちなみに
554
:
◆V9ncA8v9YI
:2016/09/03(土) 13:11:53
この世の戦士は「技名を叫ぶ者」と「叫ばない者」に大別される。
声に出したからと言って威力や性能が特別変化するわけでは無いのだが、
人によっては言葉にすることで己のモチベーションをコントロールすることが出来るらしい。
一種の暗示のようなものだろうか。
そして、カリン・ダンソラブ・シャーミンは必殺技名を思いっきり叫ぶ側の人間だった。
「"早送りスタート"!!!」
技名を発した途端に、カリンの身体が小刻みにブレ始めた。
ただでさえチクタク時計が進むように素早いカリンの動きが、もう一段階加速したのだ。
まるでヘアアレンジ中の女子を見ていたら急に映像が早回しになったような、
発する音や声がキュラキュラ聞こえてくるような、そんな印象を受ける。
そう、カリンは己の意思でスピードを自在に操作ることが出来るのである。
通常の人間では実現不可能な超速度で機械兵の背後に回り込んでは、
両手に持った二本の釵(さい)「美頑針」で刺して刺して刺しまくる。
剣に比べると小さな針なんて機械相手には通用しないかもしれないと思われたが
装甲に叩きつけられるスピードが速すぎるあまりにショートして、火花まで起こしていた。
この行為はもはや「攻撃」よりは「溶接作業」。
ショートを利用してその熱で切断するので、「ショートカット」と呼ぶのが適切かもしれない。
武器にかかる負担が大きいため高リスクではあるが、機械相手にはこれがよく効くのだ。
まさに「何気に初めてのショートカット全然後悔してない(ちょっぴり嘘)」といった感じだろうか。
一体のボディーをあっという間に焼き切ったかと思えば、同様に他の兵隊たちも処理してしまった。
終盤にはカリンの影武者?にも思える残像が見える程のスピードだったので、真に恐ろしい。
「"早送りストップ"!……ふぅ、疲れたぁ……」
555
:
◆V9ncA8v9YI
:2016/09/03(土) 13:13:38
カリンの必殺技をスピード系にしようとは前から決めていましたが、
はちきんネタはせっかくなので入れましたw
556
:
◆V9ncA8v9YI
:2016/09/06(火) 12:44:13
すいません、多忙で書けていません……
明日の夜には時間を作れると思います。
557
:
◆V9ncA8v9YI
:2016/09/08(木) 01:50:16
申し訳御座いません。忙しい日々が続くため少しだけ更新を休ませてください。
来週の月曜に復活したいと思っています。
558
:
名無し募集中。。。
:2016/09/08(木) 06:32:11
ご無理をせずに…のんびりお待ちしてますよ
559
:
◆V9ncA8v9YI
:2016/09/12(月) 23:45:20
ギリギリでは有りますが復帰できました。 今夜中には必ず書きます。
アンジュルムの新曲PRコメント動画(と見せかけた別の動画)を見てのですが、
タケちゃんと相川さんが遠距離の的を狙うのが上手で、なんだか嬉しくなりました。
560
:
名無し募集中。。。
:2016/09/13(火) 00:15:25
俺にはこれしか言えねぇ…
頑張れ!
561
:
◆V9ncA8v9YI
:2016/09/13(火) 03:07:47
必殺技を解除したカリンは地面にぺたんと座り込んでしまった。
超高速での移動は身体に多大な負担がかかるため、
使用後はしっかりとした休息をとらなくてはならないのである。
カリンとしてはまだまだ戦いたいとは思っているが、どうしても身動きが取れない。
そんな風にして無防備状態に陥ったカリンは機械兵たちの格好の餌食だった。
「う、うごいて……!」
速度を前借りした代償として機能停止寸前になったカリンは逃げることすらままならない。
このまま無抵抗で殴られ続けるのだろうと思われた時、
自己流カンフーガールが黒い兵の顔面に飛び蹴りをかましてきた。
「ほぁちゃー!!」」
ピンチのカリンを助けに駆け付けたのは、同じKASTの一員であるサユキ・サルベだ。
常日頃のランニングによって鍛えられた、強靭な脚力からなる飛び蹴りはとても強力。
たったの一撃で機械の頭部を破壊してみせた。
そして自身の身体が地に落ちるよりも早く、ヌンチャク「シュガースポット」を振るうことで、
近くにいたもう一体の機械兵の胸部をも破壊する。
「なるほどねぇ、確かに倒せないほどの強さじゃないな」
「サユキありがとう!助けに来てくれたんだね!」
「カリン……あんたはジュースを飲んでも飲まなくても、結局ボロボロになっちゃうのね。」
「えへへ、面目ない……」
「まぁいいよ、今は身体を休めておきな。 ここは私とアーリーでなんとかするからさっ!」
左脚でしっかりと地面を踏みしめたままで、サユキは右足の連続蹴りを次々と敵にぶちこんでいく。
ジュースを飲んでフワフワしていた時と違って、地に足をつけた時のサユキの破壊力はなかなかのもの。
チナミと同サイズの兵隊が容易に吹っ飛ぶことからもそれが分かるだろう。
もっとも、サユキの真の狙いはただ吹き飛ばすだけのものではなかった。
「アーリー!私がこうしてたくさん送り込むから、全部絞っちゃって!」
「おっけー!」
サユキが機械兵を蹴った先には、アーリー・ザマシランが立っていた。
そんなところに立ったままだと鉄の塊と衝突する恐れがあるため非常に危険なのだが、
アーリーはむしろ自分から好き好んでこの場を陣取っていた。
「遠慮なしでいくよ!そりゃあ!」
562
:
◆V9ncA8v9YI
:2016/09/16(金) 06:54:15
サユキとカリン、そしてアーリーには奮起せねばならぬ理由があった。
その要因が、同じKASTに属するトモ・フェアリークォーツの存在だ。
彼女は今現在、キュートと共にベリーズらと直接対決をしている。
つまりは非常に過酷な戦いの真っ只中にいるということ。
ならば自分たちが気張らぬ訳にはいかないのだ。
「アーリー受け取って!!」
既にサユキは10数体もの敵を蹴っ飛ばしていた。
それらは全てがアーリーの方へと向かっている。
アーリーはこの状況を全く恐れることなく、両手を広げて、全身で受け止めていく。
「たああああああ!!!」
KASTの面々は、ジュースに頼らないと決めた日から自分自身を強化する特訓を続けてきていた。
これまでの期間にこなしてきた実戦式訓練の総数はなんと220回。
それだけの場数を踏んだからこそ、アーリーは自身の得意技を必殺技に昇華することが出来た。
やることはいつもと同じ。
相手を抱きしめて拘束するだけのこと。
では何が違うのかと言うと、"圧"が違う。
これまでのように表面だけ圧迫して搾るようなFirst Squeezeではない。
全ての力をもって、一滴も残さぬほどに搾り切るのである。
「"Full Squeeze"!!!」
束になった機械兵は超のつくほどの高圧に耐えきれず、胴から真っ二つに切断される。
一体を破壊するだけでも大変だというのに、
アーリーは複数体を同時に搾り切ってしまったのだ。
相当気合いが入った時にしか使えないという制限付きの技ではあるが、
この必殺技「Full Swueeze」を生身の人間に使用したらいったいどうなってしまうのだろうか。
563
:
名無し募集中。。。
:2016/09/16(金) 08:32:34
アーリーブリーカー!!w
いいネーミングだね
564
:
◆V9ncA8v9YI
:2016/09/17(土) 21:06:56
Q期団やKAST以外にも、機械兵相手に活路を見出したものが現れ始めていた。
例えばアユミンは、地面を滑りやすくする戦法が今回も有効であることに気づいたようだ。
転倒したままジタバタして起き上がらない敵を見て、逆に目を丸くしている。
「おぉ……一度転んだら起き上がれないんだ……
さすがにそこまでは人間様を真似できなかったってことね。
だったらこの辺り一帯を均しちゃえば勝利確定じゃん!」
いつもの得意技を活かしているのはオダ・プロジドリも同様。
太陽光を剣に反射させて機械兵の目元に送り込むことで、
視覚情報を取り入れる感知器をダメにしていた。
「機械さんも目を焼かれたら何も見えなくなっちゃうのね。
だったら、壊し方はヒトとおんなじ。」
活躍しているのはアユミンやオダのような中堅どころだけではない。
連合軍の中では最も若いリカコ・シッツレイだって良いところを見せている。
はじめはシャボン玉にかまわず突っ走る敵兵に恐れをなしていたが、
シャボンの駅を頭からぶっかければ故障することに気づいてからは撃破数をグングン伸ばしている。
「\(^o^)/た!\(^o^)/」
「\(^o^)/お!\(^o^)/」
「\(^o^)/し!\(^o^)/」
「\(^o^)/た!\(^o^)/」
「\(^o^)/ぞーーーーっ!\(^o^)/」
周りが順調な中、リナプーはつまらなさそうな顔をしている。
彼女の特性は「機械には通用しない透明化」と「堅い装甲を破れない噛みつき」なので、
いまいち本領を発揮しきれていないのである。
そんなリナプーに対して、足裏に着けたソロバンで移動速度を上げたカナナンが迫ってきた。
「なにやっとんねんリナプー、いくで!」
「いくってどこに?」
「決まってるやろ……人形なんかじゃなく、本体を直接叩きに行くんや。」
565
:
◆V9ncA8v9YI
:2016/09/17(土) 21:10:40
>>563
ありがとうございます。
ただ、肝心なところで誤字っちゃいましたけどね。
アーリーの必殺技の正式な名前は「Full Squeeze」
由来はLast Codeのタイトルです。
566
:
◆V9ncA8v9YI
:2016/09/20(火) 12:24:33
すいません、リアルの忙しさが解消しないので更新頻度がかなり減ります。
少なくとも9月いっぱいはほとんど更新できなさそうです……
チャンスがあれば書きますが、あまり期待しないでください。
567
:
名無し募集中。。。
:2016/09/20(火) 12:56:36
無理しないで大丈夫ですよ〜気長にお待ちしております
568
:
◆V9ncA8v9YI
:2016/10/09(日) 13:17:21
機械仕掛けの兵隊の対処法が割れた今、全てを倒しきるのは時間の問題だった。
やはりそこは各国を代表する戦士たち。血の通っていない攻撃など簡単に跳ねのけられるという訳だ。
このまま順調にいけば小一時間もかからずとも制圧できることだろう。
「ま、順調には行かないんだけどね。」
ドォンと言った轟音が突如鳴り響いた。
それも単発ではない。耳をつんざくような爆音が同時に4回も発せられたのだ。
その大きな音の発信源ではなんと鉄壁の防御力を誇るカノンが地に倒れてしまっていた。
フルアーマーの胴体部分に砲丸ほどの大きさの凹みが4か所見受けられている。
ひょっとしなくても、これらの箇所に強烈な打撃をもらったためにカノンは倒れたに違いない。
「カノンちゃん!?……え?……ついさっきまでピンピンしてたのに……」
突然の出来事に、同期のサヤシも戸惑いを隠せないようだった。
必殺技「斬り注意」の影響で修羅と化していたのに、集中力が切れてしまったのがその証拠だ。
それほどにカノンが一瞬のうちに倒されてしまったことがショックだったのだろう。
しかし黒い機械兵の攻撃がカノンの鎧の前では無力だったことは実証済みだったはず。
ではいったい誰がカノンを倒したというのか?
……いや、そんなことをわざわざ考える必要は無いだろう。
この場にいる脅威は機械兵だけではない。それは最初からわかっていたのだから。
「みんなここまで良くやったと思うよ。だけどさ、私を忘れてもらっちゃ困るな〜」
サヤシより一回りも二回りも大きい高身長。
常人では届かぬ距離にも簡単に伸ばせてしまえそうな長い手足。
そしてその両腕に装着された2機の筒状バズーカ型兵器。
敵の存在を知覚したサヤシの手足は、たちまち痺れてしまった。
「食卓の騎士っ!……ベリーズ戦士団の、チナミっ……!!」
「はいはーい。呼んだ?」
太陽のオーラこそシミハムに消されたものの、その圧倒的なまでの威圧感は健在。
過去に食卓の騎士と直接戦ったことのあるサヤシだからこそ分かる。カノンはチナミにやられたのだ。
両腕に着けられたバズーカはおそらく高速高威力の弾を発射可能なものに違いない。
通常の砲弾程度ならカノンは受け止めることが出来るが、
DIYの申し子と呼ばれるチナミの強化バズーカには流石に耐えられなかったのだろうと推測できる。
では、そんなカノンが受けきれなかった弾を、カノンより防御力が劣るサヤシがもらったらどうなるのか?
考えたくはないが、クマイチャンにぶった切られたり、マイミに殴り倒されるのと同等のダメージを負うことになるだろう。
つまりは、死だ。
ほんのちょっとでもチナミに隙を見せたら良くても重症。
それを想像するだけで息が苦しくなってくる。足取りが重くなってくる。
だが、それでは以前の何もできなかった自分と同じではないか。
サヤシ・カレサスは変わったのだ。
どんなに苦しかろうとも、辛かろうとも、歩みを前へと進めていく!
「サヤシ!!それはちゃうで!!」
「!?」
ソロバンをローラースケートのように足に着けていたカナナンが、サヤシとチナミの間へと滑り込んだ。
よく見るとカナナンだけではない。
メイにリナプー、そして新人のリカコまでこの場へと到達している。
「え?……カナナン?……みんなも……」
「適材適所ってやつや。サヤシの剣は複数相手に向いてる。せやからな、まだたくさん残ってる機械兵を始末して欲しいんや。
生憎、メイの演技もリナプーの透明化もアイツらには通用しなくてな……」
「じゃあ……」
「うん、チナミはカナ達アンジュの番長が仕留める……それが今の最善手やからな。」
569
:
◆V9ncA8v9YI
:2016/10/09(日) 13:17:55
久しぶりになっちゃいましたね……
まずは1日1回更新ペースに戻せるように努力します。
570
:
名無し募集中。。。
:2016/10/10(月) 11:09:50
待ってました!お帰りなさい
番長達の新たな力が見れるのか…
571
:
◆V9ncA8v9YI
:2016/10/11(火) 12:26:12
復帰早々時間が取れなくなってしまったので、
おまけ更新のみとします。
オマケ更新「マーチャンvs機械兵」
マーチャン「覚えたよ。」
ハル「ゲゲェー!マーチャンのヤツ、機械の壊し方だけじゃなくて修理方法と組み立て方法まで覚えてるーー!!
しかも新しく作った機械兵を味方につけてるーー!!!」
マーチャン「行くのよ!田辺!加賀!佐々木!」
ハル「いやいやいや、さっきジャスミン、クレマチス、ミモザって名付けてたじゃん。」
リカコ「(^o^)?」
572
:
名無し募集中。。。
:2016/10/11(火) 15:26:32
マーガレット親衛隊w
復帰早々お疲れ様です。気長にお待ちしております。
573
:
◆V9ncA8v9YI
:2016/10/12(水) 12:56:26
「あ、君たちがアンジュ王国の番長?話は聞いてるよ〜
クマイチャンを苦戦させたり、マイミの特訓に耐えたりしたんだってね……なかなかやるじゃん。」
チナミが話しているのは先日の選挙戦でのことだ。
確かに言っていることに間違いは無いのだが、少なからず語弊もある。
クマイチャンを困惑させはしたものの倒しきることは出来なかったし、
マイミともガチの決闘をしていたら今ごろ命は無かったはずだ。
つまりは番長の力を持ってしても食卓の騎士を倒した実績はゼロだということ。
それほどまでに困難なことを彼女らは行おうとしているのである。
そんな中で、最も若いリカコ・シッツレイの様子がおかしくなってきた。
表情はグシャグシャになっているし、過呼吸になったように息が乱れている。
伝説の存在の1人と戦わねばならない状況に押し潰されたのか、今にも泣き出してしまいそうだ。
「うっ……ぐっ……」
そんなリカコの背中をサヤシが優しく撫でる。
敵の恐ろしさを知っているサヤシだからこそ、今のリカコに暖かく接することが出来るのだろう。
「落ち着くんじゃ。大丈夫。君の先輩たちはとても強い。」
リカコとサヤシの数歩前では、カナナンとリナプーとメイの3人が凛とした顔で立ち構えていた。
3人が3人とも、先輩であるマロ・テスクから教わった化粧を施している。
ガリ勉タイプ、道端タイプ、ヤンキータイプ、これらの化粧は彼女らの持つ潜在能力を更に引き出すことが出来るのである。
そんなリナプーがリカコの方をチラリと向いて、低めの声で言い放った。
その声色にはいつものような気だるさは感じられなかった。
「リカコ、"カクゴして"」
その一言にリナプーは以下のような思いを込めていた。
『
覚悟が無いならお止しなさい。(機械では無いと)生身の女子には敵わない。
経験不足なんて問題ない。勇気を見せて欲しいだけ。
完全無欠なんて関係ない。傷だらけカッコイイでしょ。
真剣なら痛いくらいでもいいわ。
正々堂々とやりましょ。怖くて当たり前でしょ。
負ける気は無いわ。でも期待してるわ。
君の声聞かせて。
』
その思いに応えるように、リカコは涙を手で拭いながら声を発した。
「泣いて……無いし!」
574
:
名無し募集中。。。
:2016/10/13(木) 11:29:28
"カクゴして"か…アンジュルムは良曲揃いだなぁ〜次はどの曲使うのか楽しみ♪
575
:
◆V9ncA8v9YI
:2016/10/13(木) 12:46:18
番長らの覚悟も決まって、さぁ戦おうと言ったその時
不思議なことが起こった。
最大限に警戒しているはずのメイの顔面に向かってチナミが手を伸ばしたかと思えば、
いとも簡単に顔に装着されたガラスの仮面を奪い取ってしまったのだ。
「これが君の武器か〜。ちょっと見せてよ!」
「え……!?」
その略奪行為があまりにも自然過ぎたため、メイだけでなく他の番長までも反応することが出来なかった。
このような現象を起こした秘密はチナミの手脚の長さにある。
クマイチャン程では無いにせよ、チナミの体格はかなり恵まれている。
一歩の距離が常人より長いし、手を伸ばせば思ったよりも前に届く。
ゆえに、大袈裟なモーション無しで大きな行動をとることが出来るのである。
だからこそメイは自身の仮面が盗られることに対して処置することが出来なかった。
「透き通ってて綺麗なガラスで出来てるね!
これを着けていれば演技力が上がる……んだったっけ?
凄いなぁ。きっと私が着けたところで何にも変わらないんだろうなぁ……
でも、ちょっと力を加えただけで割れちゃいそう……」
「か、返して!」
「あははは、心配しなくてもすぐ返すよ。ほら!」
そう言うとチナミはメイに対してポイと投げ放った。
慌ててキャッチしてガラスの仮面の状態を確認するメイだったが、
そこに損傷のようなものはまるで見当たらなかった。
どうやらチナミは本当にただ見たかっただけのようだ。
「"仮面"、"ソロバン"、"犬"、それと"石鹸"か。
面白いよね。そんなのが本当に武器になっちゃうんだ。
今度はその武器を使っているところを間近で見せてよ!
一通り見終わって満足したら、1つ残らず壊してあげるからさ……」
576
:
名無し募集中。。。
:2016/10/13(木) 21:00:23
チナミが満面の笑顔で「壊してあげるからさ」って言ってる姿想像して恐怖を覚えた…
577
:
◆V9ncA8v9YI
:2016/10/14(金) 12:52:05
武器を壊す、と言った発言に一同はピクリとした。
おかしな武器とは言っても長年使用しているために愛着は人一倍感じている。
その愛用品を破壊されるのかもしれないのだなら穏やかではいられないだろう。
特にリナプーの愛犬ププとクランは生物だ。
壊すとは一体どういうことなのか……想像するだけで辛くなってくる。
だが、ここで尻尾を巻いて逃げ出すワケにはいかない。
「お望み通り見せてやろうやないか。アンジュ王国の武器をなぁ!」
カナナンが指をパチンと鳴らすのと同時に、リカコがバケツ一杯分の量に相当する石鹸水をチナミにぶっかけた。
チナミだけでなく、その両腕に装着された筒状の大砲までビショビショだ。
「なんだこれ!くぅ〜〜、目が痛い!」
この攻撃を避けられてしまったら幸先悪かったが、幸いにもチナミはまるで避けようとしていなかった。
武器性能を確認したいという好奇心からか、それとも格下相手には絶対負けないという自信からか、
そもそも攻撃を回避するつもりが無いように見えている。
番長たちのプライドが傷つかないと言えば嘘になるが、今はその慢心につけ込むしか道はない。
「石鹸水なんやからそりゃ痛いでしょう……そんな状態でリナプーの姿を追えますか?……」
「うわ……クマイチャンの言ってた通りだ……リナプーも、犬も、全然見えない……」
リナプーとププ、クランは暗示効果を利用して自らの姿を非常に見えにくくした。
これで透明化というアドバンテージを活かして優位に立ち回ることが出来る。
もっとも、食卓の騎士相手にはそれだけでは足りないだろう。
「メイ、頼むで!」
「任せて……全身全霊の演技を見せつけてあげるんだから。」
メイ・オールウェーズコーダーは勇敢にもチナミに向かって突撃していった。
ここ最近の彼女の勝ち筋と言えば、過去に見た食卓の騎士をほんの一瞬だけ真似る「1秒演技」を繰り出すことであったが、
シミハムが周囲一帯のオーラを無とする以上、その効果は薄いと考えている。
ならばメイは更なる奥の手を見せるのみ。
キャスト総勢10名、感動のスペクタル超大作。
メイの必殺技「1人ミュージカル」が幕を開ける。
578
:
◆V9ncA8v9YI
:2016/10/15(土) 11:41:22
「うーん……やっぱりここはちゃんとしなきゃダメなんだろなぁ……」
チナミは右腕に着けたバズーカの発射口を向かってくるメイの腹に合わせた。
火薬の爆発力によって発射される砲弾の威力は凄まじく、
フルアーマーのカノンをたった4発で倒した実績だってある。
生身の人間が直接受ければ死もあり得るが、
ヤンキータイプのメイの我慢強さはマイミのラッシュにも耐えられる程であると過去にチナミは聞いていた。
「1発くらいが丁度いいのかな? もっとずっと見ていたかったけど、しょうがないよね。」
開いていた手のひらをギュッと閉じる。これが砲弾発射のトリガーとなっている。
たったそれだけのお手軽操作で凶悪な砲弾が射出されるような仕組みになっているのだ。
これでもうメイはリタイア……と思われたが、
一向に弾は発射されない。
何かしらのトラブルが発生していることにチナミはすぐに気づいた。
「あ!さっき水をぶっかけられた時に火薬が湿気っちゃったのかぁ!これはヤバい!」
答えはチナミの思った通りだ。
リカコが多量の石鹸水をかけたことによって銃火器をダメにしたのである。
これでチナミは武器のメンテナンスを行うか、あるいは肉弾戦に応じるしかなくなる。
どちらにせよ一時的に戦力が大きくダウンすることは確定だろう。
となればメイにもチャンスが生じてくる。
しかしメイ・オールウェーズコーダーは番長の中では長身の部類に入ると言え、
体躯に恵まれたチナミから見たら小柄な少女に過ぎない。
長い脚によって繰り出される強烈なキックでも当てれば簡単にすっ転んでしまうに違いない。
そう考えたチナミは、突進してくるメイのお腹につま先をぶち当てた。
その一撃は全くブレれこともなく、クリーンヒットする。
「あれれ……なーんか、話と違うんだけど……」
結論から言うと、メイはチナミのキックに耐えていた。
それはまぁ良い。 ヤンキータイプのメイの根性ならそう言うこともあるかもしれない。
だが、話に聞いていた限りでは
メイがマイミのパンチを我慢していた時の表情はとても苦しそうなものだったはずだ。
だというのに今の彼女はそのような顔を全くしていない。
まるで、痛みそのものを感じていないような無表情だ。
サイボーグのように無痛状態になっているのだろうか。
579
:
◆V9ncA8v9YI
:2016/10/17(月) 12:55:35
メイがチナミを驚かせたのは耐久力だけではなかった。
2人の身長差から考えるとチナミが攻撃を受ける可能性があるのは脚部から胸部までの範囲内。
ゆえに頭部をガードする意識は持たなくても問題はないはず。
そう思っていた矢先にカナナンが叫び始めたのだ。
「跳べ!!」
仲間の指示が来るのと同時にメイは地面を強く蹴って跳び上がった。
そしてカンフーでもしているかのような雄叫びをあげてチナミの顔面を蹴っ飛ばしたのである。
「ほぁちゃあああ!!!」
「!?……痛ったぁ〜〜〜い!!」
いくら食卓の騎士でも、ノーガードで顔を蹴られたら痛くてしょうがない。
白兵戦に特化したスキルを持ち合わせていないチナミならなおさらだ。
だが、この一撃でチナミはやっと理解することが出来た。
メイ・オールウェーズコーダーの必殺技「1人ミュージカル」の全貌を把握したのだ。
(えっと、このメイって子は他の戦士の能力をコピーするのを得意としていたはず。
最初に無表情でキックに耐えてたのは、きっとマナカちゃんが言ってたアレだ。
サイボーグのように痛みを無くしちゃうカリンをマネしたんだ。
で、その次のアチャーってのはサユキの自己流カンフーだよね。間違いない。)
チナミの中で全てが繋がった。
「1人ミュージカル」とは複数人の演技を同時に行う技なのだ。
おそらくは小技程度しか連結できないのであろうが、それでもバリエーションの広さを考えると恐ろしい。
(う〜〜〜ん……いったい何人分まで同時に演技出来るっていうの?
まさか100人とか言わないよね?だったら末恐ろしすぎるんだけど……)
チナミが体勢を整えるよりも早く、メイは自分の顔につけていたガラスの仮面を取り外していた。
それでは演技力が落ちてしまうのではないかと思うかもしれないが、ご心配は要らない。
これも演技に必要な小道具なのである。
「光を……集める!!」
「ギャ!眩しい!」
メイはオダ・プロジドリがやったように、ガラスの仮面に太陽光を集めて反射させた。
その矛先はもちろんチナミの目だ。
いくら太陽のオーラを持つチナミであろうと、日光から目を守る術は持ち合わせていなかったようだ。
ここまでうまくいっている事を確信したカナナンは、次の石鹸を準備していたリカコに指示を出す。
「リカコ! 今がチャンスや。 メイと協力して思いっきりスベらしたれ!!」
「はい\(^o^)/」
580
:
◆V9ncA8v9YI
:2016/10/18(火) 02:40:39
℃-uteの新曲、夢幻クライマックスいい曲ですね。
タイトルも「ムゲン魂」と「クライマックスフォーム」を合わせたようでいかにも最強フォームっぽいです。
……仮面ライダーイクタの続編は生田が在籍しているうちに書けるのでしょうか
581
:
名無し募集中。。。
:2016/10/18(火) 11:03:54
流石に卒業しちゃったら難しいなぁ…仮面ライダーイクタも読みたい!でもマーサー王も続いて欲しい…わがままな読者でごめんなさいね♪
582
:
◆V9ncA8v9YI
:2016/10/18(火) 12:59:17
配役をアユミンに変えたメイは強烈なスライディングで地面をツルツルに均してしまった。
その一帯にリカコが石鹸水を流し込むものだから、チナミはもうまともには立っていられない。
生まれたての子鹿のようにプルプル震えながら自立するのがやっとだ。
それに対して、メイはウィンタースポーツの魔法を使用可能なエリポンになりきる事で
このスベりやすい地面でも耐えることの出来る安定感を確保していた。
メイの演技の恐ろしいのは、過去にエリポンがウィンタースポーツをやっているところを見たことがないのに演じているところにある。
「エリポンならこれくらいは出来るだろう」とイメージして、それを再現しているのだ。
女優には想像力も必要ということなのだろう。
「仕上げや!これを使え!!」
カナナンはメイに対して2つのソロバンと、1つの鉄球を投げつけた。
前者のソロバンはカナナン本人が愛用しているものであり、鉄球は同期タケから預かっている代物だ。
これによりメイは相手が強大な存在でも通用する攻撃手段を取ることができるようになる。
「まさか、タケとカナナンの演技を同時に?……」
「いいえ、ダブルキャストじゃまだ足りない……これから魅せるはトリプルキャスト!!!」
両足の裏にソロバンをセットしたメイは、更に自身の太ももにグググッと力を入れ始めた。
この挙動はモーニング帝国現帝王フクが見せた「フク・ダッシュ」。
ただでさえ高速なスケート移動に、ダッシュによる爆発的な加速力まで加えようとしているのである。
そして、そこからなる鉄球の投球は165km/hやそこらじゃ済まない域に達することとなる。
まさに爆速。強者が何重にも重なったからこそこの威力が出せたのだ。
……しかし、それでもチナミには届かなかった。
「あぶな〜〜〜〜い!ギリギリ間に合ったぁ!!」
なんとチナミは素手の右手で豪速球をキャッチしてみせたのである。
純粋な戦闘タイプではないとは言え、やはり食卓の騎士。
これくらいは出来て当然といったところだろうか。
だが、メイの表情に曇りはなかった。
「さすがねカナナン。」
メイが投球したタイミングから少し遅れて、カナナンも綺麗なフォームで鉄球をチナミに投げつけていた。
それもチナミがよろめく位置を計算して、確実に命中するように仕向けていたのである。
その結果として見事チナミに当てることができた。
ただし、その当たった箇所はチナミの左の手のひらだ。
「これも危なかった……よく反応できたなー私……」
何度も言うが、やはりチナミは食卓の騎士。
カナナンとメイ、リカコの3人の力を持ってしても両手しか塞ぐことが出来なかったというわけだ。
583
:
◆V9ncA8v9YI
:2016/10/19(水) 12:52:40
メイとカナナンの鉄球を受け止めたチナミの両手は、現在どちらも塞がっている。
そしてボールを放す間も無く、両足までも封じられることとなる。
今まさに、透明な二頭の獣に足首を噛まれてしまったのだ。
「あ!!……」
何故か忘却していたもう1人の番長の存在を思い出すよりも速く、
背後から刃物のように鋭い殺気が発せられるのをチナミは感じた。
今すぐこの場から去らないとソイツの鋭利な牙に噛まれてしまうと、本能が警告しているのがよく伝わってくる。
だが既に退路は断たれていた。
両手も両足も自由に動かせないために
いくら頭に警戒アラームが鳴り響こうとも、
いくら長年の勘が警鐘を鳴らし続けようとも、
相手の必殺技を甘んじて受け止めることしか出来なかったのだ。
「"Back Warner(後ろの警告者)"」
誰にも聞こえないような小さい声でリナプー・コワオールドは技名を呟いた。
そしてその後は間髪入れずに、チナミの背中を容赦なく喰いちぎるのであった。
いくらリナプーが存在を希薄に出来るとは言え、熟練の戦士相手に背後をとることは難しい。
それを可能にさせてくれたのが、味方の存在だ。
カナナンが、メイが、そしてリカコが目一杯目立ってくれたからこそ、
リナプーは相対的に影を薄くすることが出来たのである。
もちろん優れたその実力は埋まることなく、だ。
「やったなリナプー!!」
見事に決めてくれたリナプーを見て、他の番長らは歓喜した。
大技は確実にヒットしている。そして、背を千切られたチナミの出血量は尋常ではない。
ここまで来れば勝利は目前だ。
よほどの大番狂わせが無い限りは勝てるだろうとカナナン達は信じていた。
せっかくだからここで断言してしまおう。この戦いに番狂わせは存在しない!
壮大などんでん返しも、
圧巻のどんでん返しも、
運命の大逆転劇も、ここからは何もかも発生しないのだ!
全ては最初の筋書き通り。
「あ〜〜、やっぱりミーティングで聞いた通りだ。」
スッと姿勢を伸ばし、平気な顔をするチナミを見た番長一同は固まってしまった。
確かにリナプーの必殺技は決まったはず。
ならば何故にチナミはまだ立っていられるのか?
「"帝国剣士、番長、KASTは思ったよりも強い。"……うんうんそうだよね。身をもって感じたよ。」
言葉を続けながら、チナミはリナプーの頭を鷲掴みにした。
今のリナプーには返り血がベットリついているため容易に視認可能になっているのだが、
そんなことよりもリナプーが恐怖で少しも動けていないことの方が深刻だ。
「"思ったよりも強い。でも、想像を超えるほどじゃあ無い。"……全くその通りだ。」
チナミは力を下方向に入れて、リナプーを地面に一気に叩きつけた。
地面のコンディションが著しく滑りやすくなっているため、リナプーは少しも踏ん張ることが出来ず、
無抵抗で頭から落ちてしまう。
「よしっ! 一転び目!!」
他の番長らの声量はすっかり失われていた。
さっきまで優勢だったと言うのに、急に逆転されてしまったのだから無理もないだろう。
いや、厳密に言えばこれは逆転などではない。
そもそも番長らが優勢になったタイミングなど、一度も存在していないのだから。
「よーし、あと三転びいくよー!」
もう一度宣言しよう。
この戦いに番狂わせは存在しない。
584
:
名無し募集中。。。
:2016/10/19(水) 22:58:35
壮大な逆ドンデンガエシ…しかもこの後残り六転びさせられるのか…恐
最後にあの曲がきてくれる事を祈ろう。。。
585
:
◆V9ncA8v9YI
:2016/10/21(金) 12:57:24
「おっと、その前に……」
チナミはその場でしゃがみこみ、リナプーに駆け寄るププとクランの頭をそっと撫でた。
その瞬間から2匹の犬はひどく震えて、立っていられなくなってしまう。
「君たちは武器なんだよね?……だったら足止めなんかに使われるのはもったいないなぁ。
ご主人様が目を覚ましたら教えてあげなよ。自分たちをもっと有効活用した方がいいってさ!」
何やら助言のようなことを言うチナミだったが、2匹は既に地に転がっていた。
お腹を敵に見せると言う「降伏」のポーズをとっているのである。
何をしようが敵わないことを動物の勘で理解し、戦意喪失したのだろう。
「あ、壊れちゃったか、じゃあもういいや。」
続いてチナミは残りの番長3人の方を見た。
今すぐにでもリナプーと同じ目に遭わせるつもりなのかもしれない。
だがチナミと番長らの間にはツルツルに磨かれた地面がある。
この位置関係を維持している限りはそう簡単には追いつかれないだろう。
「やっぱこの地面邪魔だなぁ〜、よし!吹き飛ばしちゃお!!」
「「「!?」」」
チナミは両腕に装着していた小型大砲を取り外したかと思えば、
携帯用の工具を用いて神業の如きスピードで分解し始めた。
それもただ分解しているだけではない。
リカコにぶっかけられた石鹸水をふき取ったり、不具合の生じた箇所を補修したり
と言った作業をほんの10秒で完了させてしまったのである。
しかもこれから放つ必殺技のためにカスタマイズしたというオマケ付きでだ。
「大爆発(オードン)"派生・ピストンベリーズ"!!!」
小型大砲の両筒から合計11発もの炎弾が放たれた。
1発1発がサッカーボールほどの大きさを誇る火炎はたちまち地面を焼き払い、
あっという間に更地にしてしまった。
もちろんリカコの泡も完全に蒸発したため、もう滑ることはない。
「ば、化け物……」
兵器の威力もさることながら、修理とモデルチェンジを短時間で終えてしまったことが人間離れし過ぎている。
身体能力だけ見ても怪物。
武器を使えばさらに怪物。
どのようにすれば倒せるのか、もはや分からなくなってしまった。
586
:
名無し募集中。。。
:2016/10/22(土) 10:20:40
ほぅ、イナイレ3までチェック済みとは流石ですな
587
:
◆V9ncA8v9YI
:2016/10/22(土) 23:50:09
こうなったらもうチナミの独壇場だ。
たった数歩だけ脚を前に進めただけで、番長らに手が届くところにまで来てしまった。
もはや逃げても無駄。どれだけ遠くに行っても追いつかれるに違いない。
もっとも、番長3人は元より交戦する心構えが出来ていた。
カナナンにはソロバンがある。
メイにはガラスの仮面がある。
リカコには固形石鹸がある。
リナプーも含めて番長のほとんどが過去に「変わってるね」と嘲笑われ、
「よく言われるの」そっと笑い返した経験があると言う。
心の中じゃ牙を剥いて、だ。
普通と違った所があるならいっそ磨いて武器に変えてやればいい。
試練は尽きないが動き出さねば変わらないそれが人生だ!
「メイ!リカコ!ここからは気合い入れて……」
「あ、ちょっと借りるよ。」
掛け声を出そうとしたカナナンの出鼻をくじくように、チナミはメイとリカコの武器を取り上げた。
戦士の命よりも大事な武器を、いとも簡単に奪い取ってしまったのである。
特にメイは前にもガラスの仮面を取られた経験があるため別段警戒していたのだが、
そんな厳重体制も御構い無しに、チナミは友人から鉛筆でも借りるかのように掴み取っている。
また今回もすぐに返してくれれば嬉しいのだが、
残念なことにそうはいかなかった。
「可哀想とは思うけどさ、壊させてもらうよ。」
右手に持ったガラスの仮面と、左手に持った固形石鹸を、
チナミは勢いよく硬い地面に叩きつけた。
通常の人間のそれを遥かに超えたスペックの彼女がそんなことをするものだから
ガラスの仮面も固形石鹸も粉々になってしまった。
比喩表現とかではなく、衝撃力が強すぎるあまり本当に粉になったのである。
その光景を目の当たりにしたメイとリカコはショックを隠せないようだ。
「あ、ああ……」
しかしいくら武器が破壊されたとは言ってもまったく戦えないという訳では無いだろう。
ガラスの仮面をつけると演技力が上がるというのはつまるところ思い込みであるため、物理的な戦闘能力は変わらないはずだし、
リカコに至ってはカバンの中にまだたくさんの固形石鹸を詰め込んでいる。
要するに何も心配することは無いのである。
しかし、彼女らは簡単に割り切ることは出来なかった。
自らの信念とも言える武器をたった一瞬で砕かれた映像が目に焼き付いて離れない。
もうドン底に堕ちたような気分だ。
故にメイとリカコの耳にはカナナンの警告が入らず、
チナミに強くスネを蹴られて転倒してしまった。
起き上がる気力は、もはや無い。
「よーし、二転び目と三転び目!」
「メイ!!リカコ!!!……嘘やろ……」
588
:
◆V9ncA8v9YI
:2016/10/22(土) 23:52:25
イナズマイレブンはゲームまではやりませんでしたが、
アニメの方はベリーズの影響もあって結構見てましたね。
589
:
◆V9ncA8v9YI
:2016/10/27(木) 13:58:58
「嘘だろ……」
カナナンと同じような発言を、同じように青ざめながらする者が付近に立っていた。
それは天気組の雷の剣士、ハル・チェ・ドゥーだ。
同じく天気組の曇り剣士、マーチャン・エコーチームと共にこの場までやって来ていたのである。
加勢するつもりだったのだが、番長が秒殺されていく様を見て完全に震え上がってしまった。
それでも、苦しむ仲間を見ては黙っていられない。
「か、カナナン!今から助けに……」
「……いや、要らん。むしろ手を出さないで欲しい。」
「へ!?」
救助の要請を出すどころか、ハッキリと拒否の意を示したカナナンにハルは驚いた。
今のカナナンは誰がどう見ても絶体絶命。
要救助者に決まっている。
「おいカナナン!まさか番長が負けたことに責任を感じてそんなこと言ってるんじゃないだろうな!
変な気を使うなよ!ハル達は仲間なんだからさ!!
それともなんだ?ハルとマーチャンが加勢しても意味が無いとか言うんじゃ……」
「違う!!」
"違う"とカナナンは言ったが、実際問題ほとんど違ってはいなかった。
カナナンが責任を感じてチナミの攻撃を引き付けたいと思っているのも事実だし、
ハルとマーチャンの戦力を持ってしてもチナミに対抗できないことだって事実だ。
ただ、カナナンには一点だけ主張したいことがあった。
「手は出さないでいい……その代わりな、一部始終をマーチャンに見て欲しいんや。
全部覚えるまでカナが必死で耐え抜く!……せやからな、その眼で死ぬ気で見て欲しい。」
「!!」
なんとなくだが、ハルにはカナナンの考えが理解できた。
しかしそれを実現するには大きすぎる問題がある。
「カナナン!お前っ……1人で戦えるのかよ!?」
590
:
名無し募集中。。。
:2016/10/28(金) 01:03:05
カナナンカッコいい・・・マーチャンの超記憶がどこまで通じるか
591
:
◆V9ncA8v9YI
:2016/10/28(金) 22:09:28
まだ番長が表も裏も含めて6人だった頃。
カナナン、タケ、リナプー、メイの同期4名は死を覚悟するほどに過酷な訓練を受けたことがあった。
「アヤチョにはあなた達がピンクの仏像を壊したって嘘ついておいたから、後は頑張って。」
「「「「え?」」」」
怒り狂う鬼神アヤチョ王を倒す。
それがマロ・テスクの課したミッションだった。
とは言ってもそんな状態のアヤチョとまともに戦えるはずがなく、
たったの一撃でタケがやられ、
二撃目でメイもやられ、
そしてこっそり逃げようとしたリナプーも蹴り飛ばされてしまった。
となればあと数秒で訓練そのものが終わるだろうと思われたが、
なんとカナナンはそこから十数分もアヤチョの猛攻を耐えきったのだ。
とは言ってもモーニングのカノンのように鉄壁の防御力を持ち合わせている訳ではない。
全ての攻撃をギリギリで見切って、死に物狂いで回避したのである。
カナナンの暗算力をもってすれば、初動さえ見ればどこに攻撃が到達するのかを算出することが出来る。
そこで、そろばんローラースケートによる機動力を活かすことでなんとか逃げたというわけだ。
十数分も経てば一撃を受けて倒れた味方は回復するし、
ムラっ気の強いアヤチョ王のチカラも弱まる周期に突入する。
そのタイミングを見極めて一斉攻撃を仕掛けることで番長4名は見事アヤチョに勝利したのだった。
(あの時の感覚を思い出せば……カナは無敵になれる!)
ソロバンを取り上げようとするチナミの長い手を、カナナンは思惑通りに交わした。
その後も近距離では蹴りを、遠距離では砲弾を食らいそうになったが
全て例外無く回避することが出来ている。
「なるほどねー……生半可な攻撃は当たらないってことか……じゃあどうしよっかな。」
カナナンの特性は確かに厄介ではあるが、チナミにはいくらでもやりようがあった。
例えば超高速で放たれる銃弾なら避けられないし、
そもそも周囲の地面ごと爆破してしまえば避ける意味もない。
それでも、チナミはそのような手をとることはしなかった。
その方が彼女にとっては都合が良いのである。
「マーチャン、だっけ?……せっかくだからもっと近くで見ていきなよ。
もっと楽しいモノをたくさん見せてあげるからさ。」
592
:
◆V9ncA8v9YI
:2016/10/31(月) 12:55:21
「やっ、やぁぁぁ!!」
せっかくチナミが誘ってくれたと言うのに、マーチャンはつれなかった。
ひどく怯えた顔をしながら反対側の方を見ようとしている。
これからその眼で見なくてはならない対象がどれだけ恐ろしい存在なのか、肌で感じ取ったのだろう。
そんなマーチャンの顔をハルがしっかりと掴み、無理矢理にでもチナミの方を向けさせる。
「やだやだやだやだ!ドゥー!やめて!」
「ワガママ言うなよマーチャン……ちゃんと見ないと、カナナンの頑張りが無駄になるだろ!
ハルもここで一緒に見てやるからさ、マーチャンも頑張ってくれよぉ!!」
「ドゥー……」
ここでマーチャンはハルが大粒の涙をボロボロ流していることに初めて気がついた。
彼女だってマーチャン同様に怖くて仕方がないのだ。
リナプー、メイ、そしてリカコのようにいつ自分だって化け物に叩き潰されるのか分かったものではない。
可能であれば今すぐにこの場から立ち去りたいという思いを必死に抑え込んでいるのである。
それを感じたマーチャンは、少しだけ頑張ることを決意した。
「分かったよドゥー……マー、覚える。」
「そうだその意気だ!マーチャンに覚えられないものなんて無いんだからさ!!」
話がまとまったのを見届けてから、チナミはいくつかの工具を取り出した。
そして先ほど見せたような高速の手捌きで自身の小型大砲に手を入れていく。
「よーし、今造るとしたらやっぱりこれだよね……大爆発(オードン)"派生・metamorphose"……なーんちゃって。」
「は?……」
「え?……」
作業完了後に作り上がったものを見たカナナンとハルは、こんな状況だというのに、思わず呆けてしまった。
だって仕方がないじゃないか。
さっきまで小型大砲だったものが「鉄仮面」に変わっていたのだから。
「なっ……それはいったい……どういう……」
小型大砲にチナミが高速で手を加えているところまではギリギリ目視できていた。
だが、完了の瞬間がよく分からない。
いつの間にか鉄仮面に置き換わっていたのである。
もう技術力どうこうではなく、印象としては手品に近かった。
そんな風に呆然とする2人を気にすることなく、チナミは自前の鉄仮面をスチャッと装着する。
「いいでしょ〜。これを装着すると私でも演技力が上がりそうな気がしない?
それにさ、余った部品で"犬用の鉤爪"と"石鹸銃"なんてのも作って見たんだけどさ……マーチャン見てた?」
593
:
名無し募集中。。。
:2016/11/02(水) 00:46:45
春ツアーはノナカ・チェル・マキコマレルの独壇場となるのか…
https://pbs.twimg.com/media/CwKnhl2UAAAnrzR.jpg
594
:
名無し募集中。。。
:2016/11/02(水) 06:44:06
>>593
ごめん『JKニンジャガール』こぶしの舞台だった…が!これはこれでマーサー王的には面白いかもしれないw
595
:
◆V9ncA8v9YI
:2016/11/02(水) 12:46:13
おおー
なんだか演劇女子部というよりはゲキハロっぽいタイトルですね。
フジー、アヤノなどのメンバーは戦闘スタイルまでカッチリ決めちゃってますが、
ふわっとしているのも何人か居るので、気づけば忍者っぽくなってるかもしれませんね。
ただ、それでも刀や手裏剣を持たせることは無いとは思います。都合上。
更新の時間が取れてないので今回はオマケ更新にします。
オマケ更新「明日やろうはバカやろう」
※アンジュ王国にて
ムロタン「マロさん美味しそうなの食べてますね。なんですかそれ?」
マロ「ナンでもライスでもめちゃ美味しいカレー。」
マロ「カツカレー大盛りにすれば良かった。それでも美味しいわぁ、ここの。」
596
:
名無し募集中。。。
:2016/11/02(水) 23:36:54
たぐっち・れなこ・らっこがまだ出てないんだっけ?たぐっちが○○の術とかいって色々翻弄してくれそう…愛理BDで何か面白いネタあるかなw
597
:
名無し募集中。。。
:2016/11/03(木) 09:16:34
出てる
598
:
◆V9ncA8v9YI
:2016/11/04(金) 12:54:02
「ふあっ……」
気づけばマーチャンは右の鼻から血を流していた。
あまりにも不可解なチナミの動きに対して、脳が処理しきれなかったのだ。
心では「覚えたい」と願っていたとしても、肝心の頭にかかる負担が大きすぎる。
このまま見続ければマーチャンの脳はパンクしてしまうかもしれない。
「マーチャン!!だ、大丈夫なのか!?」
「だい……じょう……ぶ……」
ただ見ているだけでその眼は虚ろになっている。
誰がどう見ても大丈夫なワケがない。
そんなマーチャンに対してハルがしてやれるのは、自身の袖で鼻血を拭ってやることくらいだった。
「ごめんなマーチャン……無理して欲しくないけど、今は無理をしてくれ……」
「だいじょうぶだってば……」
ハルとマーチャンが話しているうちに、チナミはカナナンに対して飛びかかっていた。
顔には鉄仮面、右手には肉を裂くカギ爪、左手には石鹸水が射出される水鉄砲を構えているため
その姿はとても奇抜だった。赤い人ではないが〜異形〜と言っても良い程だ。
銃撃戦から肉弾戦に切り替えたチナミにカナナンは少し戸惑ったが、
それでもやること自体は変わらない。
(心を乱されたら負けや!敵がどんな武器や姿形で来ようとも、絶対に逃げ切る!)
時間を稼ぐためカナナンはお馴染みのソロバンローラースケートで後方に下がろうとする。
しかし、そのように逃走することはチナミにバレていた。
新武器の銃による石鹸水は、すでに地面にブチまけられている。
(やっぱりアレはリカコと同じ戦法を取るための武器!……す、スベる!!)
599
:
◆V9ncA8v9YI
:2016/11/04(金) 12:54:59
はい、こぶしファクトリーっぽいような人たちは8人登場してますね。
600
:
名無し募集中。。。
:2016/11/05(土) 17:07:58
また戦士が1人いなくなるようだね
601
:
◆V9ncA8v9YI
:2016/11/06(日) 09:23:26
カントリーをいつか卒業するのはなんとなく想像できてましたが
まさか芸能界までとは……
あくまで控える、なので
カントリーガールズ、Buono!、そしてBerryz工房の再開が何年後かにあることを期待しますか
602
:
◆V9ncA8v9YI
:2016/11/25(金) 12:40:47
更新がストップしていてすいません、来週月曜には更新できそうです。
書かなかった理由は熱が冷めたとかではなく単に忙しかったからです。
ハローの情報はちゃんとチェックしてますよ!
ムキダシで向き合っての歌詞は、マーサー王第3部に色々使えそうだなとか思ってます。
603
:
名無し募集中。。。
:2016/11/25(金) 15:42:53
良かった〜ももち引退ショックで書けなくなったのかと…
更新お待ちしてますね〜
604
:
◆V9ncA8v9YI
:2016/11/28(月) 23:46:14
カナナンは物凄い勢いですっ転んだ。
先ほど一転び、二転び、三転びさせられたリナプー、メイ、リカコの比では無い。
石鹸水で滑りの良くなった地面のせいで、カナナンはお腹を軸にグルグルと超高速でスピンしてしまっている。
それだけ派手に「四転び」させられてしまったのである。
食卓の騎士相手にここまでよく耐えたものだが、
こうも勢いよく転倒すれば気を失うのは必至だろう。
カナナンを含め、アンジュの番長は全滅……ということになる。
「さて、じゃあ次はキミかな。」
カナナンに興味をなくしたチナミは、次の相手としてハル・チェ・ドゥーを指名した。
鋭い爪の先を向けていることからも、その意思は十分に伝わる。
「う……やるしか……ないのか……」
いつもはビビりがちなハルも、ここは覚悟を決めるしかなかった。
本音を言えばマーチャンに代わりに戦ってもらいたいところだが、彼女は今、大事な仕事の真っ最中だ。
覚えるのに十分な時間を稼ぐために、震える足を前に出さねばならない。
「そんなに怖がらなくてもいいよ。潰す時は一瞬だから。」
「……!!!」
この時のハルは、目を剥いて驚いていた。
その表情の変化を恐怖からくるものだとチナミは予測していたが、
実のところはそうではなかった。
ハルは、信じがたい動きをする物体に驚愕していたのである。
その物体は、超高速でスピンしながらチナミの脚に衝突する。
「うわっ!!な、なんなの!?」
後方からいきなりフクラハギをぶっ叩かれたため、チナミはバランスを崩してしまった。
屈強とは言えない細脚の持ち主であるチナミは、
ソイツのインパクトに耐えきれず顔面から地面に突っ込んでいく。
そう、転ばされたのである。
「痛ーーーっ!!なにーーー!?」
鼻を打ったチナミは涙を少し流しながら後ろを振り返った。
新たな相手が不意打ちを食らわせて来たのかと予想をしたが、
その見通しは見事に外れていた。
勢いが弱まるにつれて、その回転物の正体も明らかになる。
「えっ……カナナン?……」
コマのようにグルグル回ってチナミを転ばせたのは、ついさっき戦闘不能になったばかりのカナナンだった。
白目を剥いているため、意識を失っていることは明らかだ。
それではそんな彼女が何故こんな強烈な攻撃を繰り出すことが出来たのか?
その要因はチナミの創り出した石鹸水がリカコのものと相違ないところにあった。
「そっか……再現しすぎちゃったのか。」
チナミの銃から発せられる液体が、リカコが愛用する石鹸水と同等のものであることにカナナンはすぐ気づいていた。
ならばどのようにスベれば、どのように転倒するのかは容易に計算できる。
自身の身体を武器にして、チナミにスピン攻撃をぶつける最適なすっ転び方だって難なく算出できたのである。
「すげぇ……カナナンのヤツ、一矢報いやがった……」
依然、最悪な状況であることは事実だし、
ハルが大ピンチだということは、1ミクロンも変わりゃしない。
事実、今もハル・チェ・ドゥーは震えている。
だが、その震えている箇所は身体や脚などではない。
震えているのは、心だ、
ハルの心は熱く、熱く滾っていた。
敵が強大な存在だろうと、対抗し得ることが出来ると知ったのだ。
605
:
名無し募集中。。。
:2016/11/29(火) 10:59:18
カナナン死して一矢報いるとは…流石だ
ついにヘタレチワワが狂犬に変わるときが来るか!?w
606
:
◆V9ncA8v9YI
:2016/11/30(水) 13:07:49
「それにしても凄い計算力だなー……」
チナミは起き上がるまでのほんの僅かな時間で石鹸銃を弄くり回し、ソロバンへと作り変えてしまった。
それもカナナンが使用するものよりも桁が多く、且つ軽量に出来ている。
「まぁ、私も円周率の計算なら誰にも負けないんだけどさ、
これを使ったらもっとgenius!になれそうじゃない?そう思うでしょ?」
マジックのように武器を改造する手捌きにはハルも今さら驚かない。
自身の眼でそれを目撃したマーチャンが苦しんでいるのが気掛かりではあるが
介抱してやる余裕も無いのだ。
「……もうおしゃべりは辞めにしませんか」
「ん?」
「決着をつけてやるって言ってるんだよっ!!!」
「……そっか。」
ハルが自身を無理矢理にでも鼓舞しようとしていることが、チナミにはすぐ分かった。
そんな相手をいなすことはとても容易い。
だがそれでは面白く無いし、本来すべきことからも反する。
どうしたものかと考えたところで、とある少女の声が聞こえてきた。
「ハル!私たちも加勢するよ!」
「アユミン!?……あれ、みんなも!?」
気づけばハルの周囲には仲間達が集っていた。
モーニング帝国剣士のエリポン、サヤシ、アユミン、オダだけでなく
KASTのサユキ、カリン、アーリーまでいる。
さっきまで機械兵と戦っていたはずの彼女らが何故ここにいるのか。
その答えは1つしか無かった。
「……全滅させられちゃったか。」
そう、総勢1000体の兵隊は若き戦士らの手によって1つ残らず破壊されてしまったのである。
となれば残るはあと1人。
チナミ本人を叩くのみだ。
「そっかそっか……番長たちもそうだけど、みんな思っていた以上に結構やるんだね。
う〜ん、う〜ん、どうすればいいのかな〜!」
うんうんと唸っていてはいるが、その表情は全く困っているようには見えない。
その後ニカッとした笑顔で結論をすぐに出したのも、はなから悩んでなどいなかった証拠だろう。
「よし!刀狩りだ!」
607
:
◆V9ncA8v9YI
:2016/12/05(月) 12:54:17
チナミが若い戦士たちと対峙している頃、
キュート+トモと、ベリーズ達は激戦を繰り広げていた。
オーラこそ可視化されなくなったが、ただならぬ気迫は色褪せてはいなかった。
「団長!一気に決めるぞオラアッ!!」
「よぅし!挟み撃ちだな!!」
瞬足のオカールとマイミは瞬き一回ほどの短時間でモモコの前後に陣取って見せた。
奇妙で不可思議なワザばかり使うモモコは後に残すと面倒なので、
早々に潰してやろうとの判断なのである。
いくらモモコが達人でも、達人級2人相手では分が悪い。
だが、こう来るであろうことはベリーズ側も承知の上だった。
「ぬあ゛あ゛あ゛ああっ!!!」
「げっ!クマイチャン!」
モモコの背後、つまりはオカールが到達するであろう地点に向けて
クマイチャンは既に長刀を振り下ろしていたのである。
長い得物ゆえに重量たっぷり。遠心力も十二分にかかっている。
こんな一撃をまともに受けたらどんなヤツだって御陀仏だろう。
「喰らってられっかよ!!」
オカールは落ちてくる長刀に対して、両手に着けたジャマダハルを秒間あたり数十回も叩きつけた。
一撃での威力で負けるなら何十何百何千回も当ててやれば良い。
そしてオカールの回転力ならそれが可能になるのだ。
同様にマイミに向けてもシミハムの重い棍が降りかかっていたが、
腕の先が見えなくなるほどの高速連打で凌いでいる。
破壊力で言えばベリーズ優勢だが、キュートは圧倒的な運動量でカバーしているのである。
しかし、今のマイミとオカールは身に降る攻撃を防ぐのに集中しすぎるあまり隙が生じていた。
そのため本来のターゲットであるモモコに逆に狙われてしまう。
「ガラ空きじゃないの。それじゃ遠慮なく……うっ!」
マイミに何か仕掛けようとしたモモコだったが、瞬時に思い直して中断した。
アイリがこちらを見ていることに気づいたのだ。
「怖っ!……はいはい分かりました。黙ってまーす。」
608
:
◆V9ncA8v9YI
:2016/12/12(月) 12:58:35
(やっぱり……次元が違う……!)
トモ・フェアリークォーツはひどく疲弊していた。
まだ戦闘開始してから何もしていないというのに、心が疲れきってしまったのだ。
口の中はカラカラだし、目はグルグルと回っている。
弓と矢を掴む手だってさっきから震えっぱなしだ。
これでは弓道家が取るべきとされている「残心」をきちんと行えそうにない。
しかも、トモの心はここから更に乱されることとなる。
「ヒッ!?」
WARNING WARNING WARNING WARNING
トモの頭には未来で起こりうる危機の警報、
すなわちWarning〜未来警報〜がうるさく響いていた。
化け物揃いのベリーズの中でも一目も二目も置かれているミヤビが自身目掛けて一直線に走ってきたものだから
トモのパニックは尋常ではなかった。
(うわ〜〜〜!なんで私なんかのところに!?)
この場にいる戦士の中でトモが最弱だというのは紛れも無い事実。
だが、ミヤビはそんなトモを低く見たりはしていなかった。
ここに居るからにはそれなりの理由があるはず。
そう考えたからこそ最優先に潰すべき対象として選んだのである。
ミヤビの仕込み刀と脇差の切れ味はチェーンソー級。
回避しきれなかった時点で真っ二つにされることも十分ありえる。
トモが死をも覚悟しかけたその時、
モモコのマークについていたはずのアイリがトモを護るように棍棒でミヤビの刃を受け止めた。
「アイリ様!?」
ヒーローの登場にトモはホッとした。
確かにミヤビは実力者。だがアイリだってそれに匹敵する力の持ち主なのだ。
簡単に切り捨てられるようなことは有り得ない。
「ん……今はアイリとやり合うつもりは無いんだけど」
「いやいや、そう簡単にあの子を切らせるわけにはいかないからね。」
「モモコのヤツをフリーにしたとしても守る価値があるってこと?」
「一つ正解、一つは間違い。」
「へぇ?」
「守る価値があるというのは大正解。 そしてモモコがフリーになったというのは……残念大ハズレ。」
609
:
◆V9ncA8v9YI
:2016/12/13(火) 01:59:50
オマケ更新「未来の剣士」
‐フクが帝王になってから数日後の出来事
ハルナン「マリアって、研修生の中ではトップの実力だったんですよね?」
エリポン「うん、そう聞いてる。」
ハルナン「ということは残りの研修生の実力はそれ以下ということなんでしょうか」
エリポン「そうなるっちゃね……」
ハルナン「だとすると将来が不安ですね……」
フク「ふっふっふ……」
エリポン「なん?どうしたと?」
フク「確かにマリアは成績トップだったけど、肩を並べるくらい凄い子がいるんだよ。」
ハルナン「そうなんですか?初耳です。」
エリポン「ウチらのような外部の人間は研修生には詳しくないけんね……」
フク「マリアは調子に並があるけど、その剣道家は常に安定している感じ。
派手な活躍は耳に入らないだろうけど多くの後輩に慕われているらしいよ。」
ハルナン「剣道家と言いました?ということは、ハルのように竹刀を武器に?……」
フク「ううん、違うよ。」
エリポン「意味が分からん、じゃあ木刀?それとも真剣?……」
フク「それも違う。彼女はね、剣士だけど、剣士じゃないんだ。」
ハルナン・エリポン「???」
フク「まぁ、将来のお楽しみかな」
ハルナン「それ何か月後になるんですかね」
610
:
◆V9ncA8v9YI
:2016/12/13(火) 02:00:09
オマケ更新「未来の剣士」
‐フクが帝王になってから数日後の出来事
ハルナン「マリアって、研修生の中ではトップの実力だったんですよね?」
エリポン「うん、そう聞いてる。」
ハルナン「ということは残りの研修生の実力はそれ以下ということなんでしょうか」
エリポン「そうなるっちゃね……」
ハルナン「だとすると将来が不安ですね……」
フク「ふっふっふ……」
エリポン「なん?どうしたと?」
フク「確かにマリアは成績トップだったけど、肩を並べるくらい凄い子がいるんだよ。」
ハルナン「そうなんですか?初耳です。」
エリポン「ウチらのような外部の人間は研修生には詳しくないけんね……」
フク「マリアは調子に並があるけど、その剣道家は常に安定している感じ。
派手な活躍は耳に入らないだろうけど多くの後輩に慕われているらしいよ。」
ハルナン「剣道家と言いました?ということは、ハルのように竹刀を武器に?……」
フク「ううん、違うよ。」
エリポン「意味が分からん、じゃあ木刀?それとも真剣?……」
フク「それも違う。彼女はね、剣士だけど、剣士じゃないんだ。」
ハルナン・エリポン「???」
フク「まぁ、将来のお楽しみかな」
ハルナン「それ何か月後になるんですかね」
611
:
名無し募集中。。。
:2016/12/13(火) 05:36:30
更新キテター
アイリの発言にワクワクドキドキ!
リアルの世界でもワクワクドキドキ!
612
:
名無し募集中。。。
:2017/01/03(火) 09:46:46
ホント再開何ヶ月後になっちゃうんだろうか?作者さん元気にしてるんだろうか?
613
:
名無し募集中。。。
:2017/01/04(水) 13:01:41
やっとたどり着いたこのスレ
正月で全部読んじまったわ
続きはよ
614
:
◆V9ncA8v9YI
:2017/01/04(水) 19:53:21
長らく更新できてなくて本当にすいません……
今夜の遅い時間なら書けそうです。
615
:
名無し募集中。。。
:2017/01/04(水) 20:49:51
おお!作者さん生存確認!!お待ちしております
616
:
名無し募集中。。。
:2017/01/04(水) 21:21:10
宣伝不足じゃね
めっちゃ面白いんだけど
617
:
名無し募集中。。。
:2017/01/04(水) 22:51:23
>>616
是非前作も読むことお勧めします
より楽しくなりますよ
作者さんの過去ログ(制作中)
http://hellomatome.html.xdomain.jp/index.html
マーサー王物語まとめサイト(6章まで)
http://ifs.nog.cc/ookami-bc.hp.infoseek.co.jp/txt/kingdom.html
マーサー王物語Wiki(6章〜最終章)
https://www29.atwiki.jp/masao001/sp/pages/62.html
618
:
◆V9ncA8v9YI
:2017/01/05(木) 04:08:35
「お、マーク外れた?そいじゃ遠慮なく……」
自身がアイリの視線から外れたことに気づいたモモコは、
己の10指に巻き付けられている"糸"をたぐり寄せようとした。
暗器使いであるモモコの現在のマイブームはこの"糸"。
一般的なイメージ通りの「か細く」「頼りない」代物などでは無いことは言うまでもない。
(まずはキュートの脚を奪う。その次は首……と行きたいところだけど、そう簡単には行かないよね。)
その糸は髪の毛よりも細いが、硬度は鉄線以上。
しかも既に辺り一帯の石やら瓦礫やらに結びつけてあるために、
少し引っ張るだけでそれは「罠」にもなり、「凶器」にもなり得るのだ。
モモコはこの場にいる味方や相手のように激しく動いて汗を流す必要などない。
ただ指先をほんの少しばかり動かすだけで十分な攻撃を行うことが出来るのである。
しかし、思惑通りにはなかなか行かなかった。
「確変"派生・秩父鉄道"!!!」
モモコが糸を引くよりも速く、ナカサキが超高速でタックルを仕掛けてきた。
その突進力はまるで汽車そのもの。
確変による身体強化を脚部に集中させたからこそ、この馬力が実現できている。
「ぐっ……!!」
モモコのヒラヒラとした服の中には重量感たっぷりの鎧が隠されているが
それでもナカサキの突撃には不意を打たれ、いくらかのダメージを受けてしまった。
体制を立て直すまではこのまま劣勢が続くのかもと思ったが、
モモコのすぐそばには心強い味方が駆けつけてくれていた。
「ナカサキ!よくもモモを……喰らえ!『ロングライトニングポール"派生・枝(ブランチ)"』!!」
その味方は巨人・クマイチャンだった。
長刀を勢いよく下方向に突き刺し、地面に亀裂を生じさせている。
クマイチャンの愛刀を幹として、枝分かれするかのように次々と地が避けていく。
もはやこの規模の災害は「地割れ」と言うのが相応しいのかもしれない。
これだけ地面が荒れてしまえばナカサキはもうSLの如く走り回ることは出来ないだろう。
「うう……流石クマイチャンね。でもこれで終わりと思わないでよねっ!」
「向こうは派手にやってるね……クマイチャンとナカサキが戦っているんだから、無理ないか。」
「ミヤビ、余所見をしている暇があるの?私はもう貴方の弱点を見抜いていると言うのに。」
アイリは自身の"眼"でミヤビを見ていた。
以前にも触れたが、アイリの眼にはヒト、そしてモノの弱点がハッキリと見えている。
更にアイリはそれだけでなく必殺技をも使用しているし、ミヤビもそれに気づいている。
「どう見えている?……"何打"で倒せると?」
「生憎パープレイとはいかないね。私の見積もりだとダブルボギーか、トリプルボギー……」
「ゴルフとかいうスポーツには詳しくないから、分かりやすく説明してもらえるかな?」
「簡単に言えば、腕や脚を2,3本犠牲にすれば勝利を掴める、ってこと。」
「へぇ……倒せる気でいるんだ。」
この時のミヤビの低い声を聴いたトモは、恐怖で心臓が止まりそうになってしまった。。
シミハムの能力でオーラの類は見えなくなったが、純粋な気迫そのものはかき消せないようだ。
トモがひどくビビったのを感じ取ったミヤビは、少し表情を和らげてからアイリに質問を投げつける。
「でもいいの?犠牲が少し大きすぎるような気がするけども。」
「うん、それなんだけどね……さっき言ったトリプルボギーというのは私一人で戦った場合の話なの。」
「アイリ一人の場合?……ということは……」
「そう、選手とキャディーが協力すればパーどころかバーディも狙える……私の眼にはそう見えてる。」
619
:
◆V9ncA8v9YI
:2017/01/05(木) 04:13:50
宣伝は確かに積極的には行ってませんねw
でもこうして新しく読んでくれる方も増えているので、
興味をもってくれた方が集まってくれれば良いかな、とは考えています。
そのためには過去ログの更新もせねば……
620
:
名無し募集中。。。
:2017/01/11(水) 22:58:05
>>617
ありがとう!仕事忙しいけど
一週間でやっと読み終えたわw
一つ気になってるところが有るんだけど
何でモモコはメグが味方だと気付いたんだ?
自分が読み落としてるだけかも知れんけど気になる
621
:
名無し募集中。。。
:2017/01/11(水) 23:00:38
>>619
過去ログは大分読めたけど
出だしから六章までの
皆の反応が見れないのが残念だな
宣伝は良いんじゃない
荒れても嫌です
622
:
名無し募集中。。。
:2017/01/11(水) 23:04:41
あと過去ログでRHYMESTER好き?
日本語ラップ好きの人が
かなりの頻度で書き込んでるのに
スルーされまくっててワロタ
623
:
名無し募集中。。。
:2017/01/11(水) 23:05:18
あと一応上げとく
624
:
名無し募集中。。。
:2017/01/12(木) 01:28:13
>>620
凄い!一週間で読み終えるなんてw
確か一部ログが抜けていたところあったんじゃないかな?でも、うろ覚えなんで…きっと作者さんが答えてくれるはず!w
625
:
名無し募集中。。。
:2017/01/12(木) 01:46:01
>>621
『マーサー王 2ch』とかでググれば過去ログ出てくるから、DAT落ちしたスレを読めるツール(Chromeの2chRevival等)で開ければリンクからさかのぼっていけるよ
626
:
名無し募集中。。。
:2017/01/12(木) 20:30:40
>>625
おーありがとう!
新作の方も早く続き読みたいっす
作者カモーン
627
:
◆V9ncA8v9YI
:2017/01/13(金) 12:51:26
前作を書いたのはかなり前のことなので理由は覚えてませんねw
過去ログ整理するときに読み返すので、そのときに思い出すかも、、、
次の更新は今夜遅くになりそうです
628
:
名無し募集中。。。
:2017/01/13(金) 13:22:24
流石に作者さんも覚えてないかw
更新楽しみにしてます
629
:
名無し募集中。。。
:2017/01/13(金) 20:31:04
マジかよー
一番気になる伏線だったのに
最後まで出てこないからモヤモヤするわ
あとキャラクター紹介も全員分読みたい
名前の由来とか
630
:
名無し募集中。。。
:2017/01/14(土) 01:14:09
キャラクター紹介は全員では無いけどどこかで作者さん書いてたはず二部のメンバーはまだだったかな?
631
:
◆V9ncA8v9YI
:2017/01/14(土) 06:29:36
力尽きたので更新はまた後になります、、、
第一部登場キャラの由来は前スレ後半にありますね。
第二部登場キャラの由来はそのうち、、、
632
:
◆wnfFWrhuHc
:2017/01/14(土) 17:30:51
ゴルフに疎いミヤビも、キャディーという言葉なら聞いたことがあった。
要は選手が気持ちよくプレイするためにサポートする役回りのことだ。
アイリを選手、トモをキャディーと位置づけるとすれば、
トモ・フェアリークォーツの支援によりアイリが戦いやすくなると言いたいのだろう。
「そうか分かった、じゃあその大事なサポート役を死ぬ気で守ってみな!!」
ミヤビは脇差を抜いてトモへと斬りかかった。
勿論ミヤビもここでの攻撃がそう簡単に通るとは思っていない。
重要なキーパーソンであるトモが狙われるのだから、先ほどのように阻止してくるだろう。
実際、すぐにでもアイリは棍棒で地面の石を叩いて飛ばしてきた。
来ることが分かっているからこそ、ミヤビは即時に対応できる。
(トモ・フェアリークォーツを狙うのはあくまで"フリ"だよ、本命はカウンター狙い。
それもとても強烈なね!『猟奇的殺人鋸"派生・美異夢(びいむ)"』!!)
今の今までトモを向いていたミヤビは
アイリの方へと急激に方向転換する勢いを利用して、脇差を強く素早く振り切った。
そうして発生した衝撃波の威力は斬撃そのものに匹敵し、
飛んできた石を弾くどころか、少しばかり離れたところにいるアイリに対して光線のように到達する。
「くっ……」
まったく目に見えない攻撃ではあったが、アイリは正確に棍棒で防いでみせた。
それでもガードした武具が破壊されてしまうほどに強い技を放ったつもりではあったので、
多少傷みこそしたものの元の形状を保っていた棍棒を見て、ミヤビはほんの少しだけ驚いた。
「ん……スッパ切れると思ってたんだけども。」
「生憎様、こっちにも優秀な整備士が付いているの。」
「なるほどマーチャンのことか、ああ見えてなかなか結構な腕を持ってるんだね…………ハッ!?」
何かに勘づいたミヤビはトモの方へと慌てて向きを変えた。
その時には既にトモは矢を射抜いた後だった。
怯え切った顔をしながらも強大な敵に向かって牙を向いていたのである。
この矢を受けたのが「背中」だったならば流石のミヤビも危うかった。
しかし、方向を変えてしまった今、攻撃が当たるのは「胸」となる。
見た目にはほとんど差が無いが、ミヤビの胸部には鋼鉄の板が埋められているため
矢が当たってもほとんどダメージは無かった。
「あっ……そんな……」
「上手く殺気を消せていた。ちょっと気づくのが遅ければ危ないところだったよ。
でも、結局は通用しない。 キャディーだったらキャディーらしくサポートに徹したほうが身のためじゃないかな?」
「……」
渾身の一撃を防がれてしまったので、トモはまたも落ち込んでしまう。
思えば橋の上での戦いの時もトモの矢はミヤビの鋼鉄の胸に阻まれていた。
やはり伝説の戦士との差は大きすぎるため、何度トライしてもダメなものはダメなのではないだろうか。
そう思っていたところに、いつの間にか背後にまで移動したアイリの声が聞こえてきていた。
「ミヤビ……あなた、何か勘違いをしているのでは?」
「勘違い?」
「私は一度もトモがキャディーだなんて言った覚えは無いよ。」
「えっ?……」
アイリはトモの首にそっと触れては、こう言い放った。
「私と同じ景色を見せてあげる。それがキャディーとしての私の務め。」
633
:
名無し募集中。。。
:2017/01/16(月) 21:56:54
愛理のゴルフ動画懐かしいなー
あのグダグダなやつ
そういえば何で愛理の武器って棍棒なの?
ゴルフクラブのウッドって事?
634
:
名無し募集中。。。
:2017/01/16(月) 22:00:36
ゴルフ漫画の風の大地のラストページみたいな
大阪弁ポエムを愛理が朗読するも
フガフガ過ぎて聞き取れない展開希望
635
:
名無し募集中。。。
:2017/01/16(月) 22:00:56
これ
http://i.imgur.com/v8wOHDE.jpg
636
:
◆V9ncA8v9YI
:2017/02/01(水) 12:32:09
アイリに首筋を触られたその瞬間、トモの全身に電流が走った。
とは言っても高圧電流のような強力なものではない。
微弱ではあるが、ピリッとしたSHOCK!を与えてくれる。
そう。例えるならば、それは「まるで静電気」。
瞬く間に惹かれ合い、気持ちが+(プラス)へなだれていく。
(え!?ええ!?こ、これは!!)
トモの目の前には、
いや、トモの「眼」の前には信じられない光景が広がっていた。
自身の手に持つ弓の傷んでいる箇所や、
(先ほどのクマイチャンの技の影響で)地面が脆くなっている部分、
そして目の前にいるミヤビの『弱点』等々が手に取るようにわかるのだ。
この摩訶不思議なビジョンに、トモは覚えがあった。
知識として知っていたのだ。
「これが……アイリ様がいつも見ている光景……」
「ふふふ、そう。 驚かせちゃってごめんなさいね。」
対象の弱点を見抜くアイリの眼。
アイリの身体に触れている間だけ、その能力がトモにも宿ったのである。
一流のキャディーは芝のコンディションや風の状態に気を配り、
プレイヤーに対して有益な情報を提供すると言うが、
敵の弱点を見抜く眼をそっくりそのまま譲るなんて世界中のどこのキャディーがマネ出来ると言うのだろうか。
「凄い……凄すぎます……アイリ様は他人に対して眼を与えることまで出来るのですね……」
「誰にでも、ってわけじゃないのよ。」
「え?」
「よっぽどフィーリングが合わないと無理。
どこにもいないのよ、ただただ、あなただけ。」
トモは何年も前からアイリを自身のヒーローとして慕ってきていた。
だからこそアイリの経歴や戦い方をよく理解している。
そして先日初めて出会ってから以降は、一緒にお茶するなどして親密度も上げていた。
そこまでしたからこそ、トモはアイリと通じる資格を得ることが出来たのである。
感激のあまり涙を流しそうになったトモだったが、そこはグッと堪えた。
涙なんかで視界を遮るワケにはいかないのだ。
ミヤビの弱点を、しっかりと観察しなくてはならない。
(それにしても弱点って……本当にそこなの? 信じられない……どういうこと?
いや、理由なんてどうでもいい。
そこに対して矢をぶち当てる事だけを考えなきゃ!!)
弱点に攻撃を当てるまでのプロセスについて、
アイリはゴルフをプレイする時の打数に例えている。
先の4打で相手のガードをこじ開けて、5打目でトドメを指す……といった具合だ。
それに対してトモは「将棋」をイメージしていた。
この将棋とは果実の国で大流行しているボードゲームであり、
複雑なCHOICEとCHANCEを迫られるため、戦略的な思考を養えるとして、戦士も嗜むことが推奨されていた。
アーリー・ザマシランは苦手にしていたようだが、トモはユカニャ王にこそ及ばないもののかなりの実力を誇っている。
(見えた……この方法なら"詰み"に持っていける。)
637
:
◆V9ncA8v9YI
:2017/02/01(水) 12:34:40
アイリの武器はまさにゴルフのドライバーをイメージしています。
単なる棒ではなく、球が上がりやすくなるように微妙な角度がついてるのかもしれませんね。
638
:
名無し募集中。。。
:2017/02/01(水) 20:39:12
更新キテターー
作者さんのハロプロネタ入れ込むセンス好きやな
639
:
◆V9ncA8v9YI
:2017/02/03(金) 12:18:27
「眼を与える?……そんなことが出来るなんて初耳なんだけど……」
トモにアイリの眼が宿ったなんて、にわかには信じ難いとミヤビは感じた。
少なくとも自軍の"眼"持ちである人魚姫(マーメイド)からは聞いたことのない情報だ。
(ま、あの子はあの調子だからそんな使い方に気づいてなくても不思議じゃないか。
そもそも、トモが私の弱点を見抜けるようになったとしても大した問題じゃない。
2人まとめて斬り捨てることに変わりは無いんだから。)
ミヤビは前に踏み出し、トモの首筋に接するアイリの手を切断せんとした。
そのために使う得物は自身のオーラに負けず劣らずの凶々しさを見せる脇差だ。
刃渡りこそ短いが、その鋭利さは人間1人の手首を切り落とすには十分すぎるほど。
アイリとトモの縁を強制的に断ち切ってやろうとしたが、
それをアイリが甘んじるはずもなかった。
「させない!!」
手に持つ棍棒をビリヤードのキューのように扱い、ミヤビの胸へと強打する。
「短い脇差」と「両手を伸ばしたほどの長さの棍棒」ならリーチが段違い。
ミヤビの胸にはご存知の通り鉄板が埋め込まれているため打撃の痛みを感じることはなかったが、
衝撃が強かったので後ろに押し出されてしまう。
「うっ……」
この一連の流れに、トモは感動に近い感情を覚えていた。
トモが考えた「詰み」への道筋の通りにアイリが行動してくれたことが嬉しいのだ。
それはつまり自分の考えとアイリの考えがピッタリ一致したということ。
こんなに嬉しいことはない。
(ひょっとしてだけど、アイリ様の能力か何かで私の思考がコントロールされてるとか?
……うん、それでもいい。
二人の思いが通じて、勝利することが出来るんだったらなんだっていい。)
640
:
◆V9ncA8v9YI
:2017/02/04(土) 14:18:41
今のトモには色々なものが見えていた。
ミヤビが普段より息を荒げているのも、意外にも多くの汗をかいているのも、
全部が弱点情報としてトモの眼に入ってきている。
頭の中の考えを100%読み取ることまでは流石に不可能だが、
ある程度の心理状態を判断したり、次の行動を予測することなら出来そうだ。
ではミヤビが次に何をするのかと言うと……
「邪魔な棒だなぁっ!!」
ミヤビは一度アイリの手首付近にまで伸ばした脇差を手前へと引き寄せて、
己の胸を叩いた棍棒に対して上から斬りつけようとした。
しかし、刀を引くまでの僅かなタイムロスが達人同士の決闘では致命的だった。
アイリはその間に迎撃準備を整えており、上から降る刃を弾くように棒を操作した。
これがミヤビを倒すための「二打目」。
マーチャンによって修繕された棍棒なら、扱い方次第では刀にも競り負けないことは実証済みだ。
「遅い!」
(くそっ……力の込もってない斬撃じゃ、やっぱり跳ね除けられるか。)
この攻防が開始する直前のトモは、ミヤビが脇差ではなく自身の顎に埋められた鋭利な刃物で棍棒を斬るだろうと予測していた。
剣を引き寄せて斬るよりは、顎を直に振り下ろした方が圧倒的に早いと考えたからだ。
だが、そのすぐ後に「眼」でよく見ることで考えを改めた。
ミヤビの顎の刃には細かな傷が無数に入っていたのだ。
その程度の傷が弱点だとは到底言えないが、メンテが行き届いているのは脇差の方であるのは明らかだ。
ベリーズにはチナミという凄腕の技師が存在するが、
流石の彼女もミヤビの肉体に直接埋め込まれている武具に限っては、
簡単に手渡すことの可能な脇差と同等のペースでメンテすることは困難だったのかもしれない。
(つまり、顎の刃よりも脇差の方を信頼しているってことなんだ。
アイリ様には整備がより行き届いている方の武器じゃないと通用しないと考えたのかも……
そして、もしそうだとしたら私の考えた「詰み」への道筋の説得力が増すことになる。
そのためにはアイリ様任せにしないで私も挑まなきゃ!!)
これまでの二打はどちらもキャディーが打ち込んでいた。
それではダメだ。本当に活躍すべきはプレイヤーで無くてはならない。
だからこそトモは弓を引いた。
手を伸ばせば届く程度の超至近距離からミヤビの弱点に当ててやろうとしているのだ。
641
:
◆V9ncA8v9YI
:2017/02/07(火) 12:55:01
ミヤビの弱点を狙ってトモは矢を放った。
今のトモはとても集中しており、且つ二人の距離も近いため
絶対に当たることを確信していた。
「通用しない……というのがまだ分からないのかな?」
殺気を瞬時に察知したミヤビは、矢が放たれる直前に身体をトモの方へと向けた。
胸の鉄板による防御を謀ったのだ。
いくらトモの射撃が強かろうとも、こうして鉄板に阻まれてはミヤビの肉体にダメージを与えることが出来ない。
(やっぱり……私の矢は鉄板で防がれる。100発打っても全部が全部そうなる。)
「私を倒すなら顎と胸以外に当てるといい。そっちは生身だからね。
でもそう易々と当てさせてあげるつもりは無いよ。
どんな攻撃でも顎と胸と剣の三点で防いでみせる!
そう、このアイリの攻撃のように!!!」
トモが矢を射ってミヤビがそれを胸で防いでいるうちに、アイリは棍棒をブチ込む準備をしていた。
大きめのスイングで勢いをつけて、ミヤビを叩こうとしたのだ。
しかしそれだけの攻撃なのだからコッソリやろうにも目立ちすぎていた。
そのため、これもミヤビの強固で平坦な胸板でガードされてしまう。
「アイリ、振りの速度がいつもより遅いんじゃないか?」
「そんなことは……」
「いや遅い。 何故だと思う?……それはね、棍棒を片手で持っているからだよ。
トモに触れている手を今すぐ放して、両手で棒を持ち直した方が勝率上がるんじゃない?」
ミヤビの発言は、トモの精神に影響を与えるようなものにも思えた。
心が弱ければ、責任を感じるあまり潰れてしまうかもしれない。
しかしそれでも、トモの表情は少しも歪むことが無かった。
ここまでミヤビに当ててきた「一打目」から「四打目」までの全てが自身の想定と一致していたので
むしろ自信を持つことが出来たのである。
(トドメの五打目は私が射抜く!!
狙いはそこ以外に有り得ない。 絶対に穿つ!!)
642
:
◆V9ncA8v9YI
:2017/02/08(水) 12:28:59
トモがまたも弓を構えたので、ミヤビはそれを受け止めるための体勢をとった。
さっきから幾度も繰り返している防御法によって、
矢による攻撃は無駄だと言うことを知らしめようとしたのだ。
これによってミヤビの肉体は守られる。
そのはずだった。
ドスッ
どこからか鈍い音が聞こえてきる。
その音の出所が自身の体内ということに気づくまで、そう時間はかからなかった。
そう、トモによって放たれた矢がミヤビの胸に突き刺さったのである。
胸に埋められた鉄板を突き破って、だ。
(何故……矢の威力が……急に強く?……
いや違う……矢が強くなったんじゃない。)
勉強が苦手なミヤビではあるが、頭の回転は速い。
これまでのアイリとトモの行動から、今回のような結末を迎えた原因を導き出した。
「胸の鉄板……ここが私の弱点だったというワケか……」
顎の刃が脇差と比べてメンテが出来ていないのは前に述べた通りだ。
簡単に取り外せないため、チナミも高い頻度で整備することが出来ないのである。
そしてそれは胸の鉄板も同じ。
しかもミヤビは昨日のゲートブリッジの戦いでもトモの矢を胸で受けている。
その時に生じた僅かなヒズミが、小さな小さな弱点として今日この場まで残ってしまったのである。
(思えばアイリの攻撃も、トモの攻撃も私の胸にばかり当たっていた。
私が胸で受け止めるしかないように攻撃してきたのか……)
本来なら戦闘に影響の無いような傷でも、ここまで徹底的に痛めつけられたら拡がりもする。
強固であることが自慢の鉄板を少しずつ壊していくことで
矢による射撃が通用する程の耐久力にまで落としてみせたのだ。
そうなったことは持ち主のミヤビにも気づくことが出来ない。
理解できたのは、「眼」を持つアイリとトモだけ。
「認めるよ。確かに若手は足手まといではなかった……脅威に立ち向かうためには必要……だ……」
ミヤビも底力を発揮すれば、ここからの逆転劇を見せれたかもしれない。
でも、それは今の本意では無い。
安心したような顔をしながら地に落ちていった。
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