[
板情報
|
カテゴリランキング
]
したらばTOP
■掲示板に戻る■
全部
1-100
最新50
|
1-
101-
201-
301-
401-
501-
601-
701-
801-
901-
この機能を使うにはJavaScriptを有効にしてください
|
レス数が900を超えています。1000を超えると投稿できなくなるよ。
SSスレ「マーサー王物語-ベリーズと拳士たち」第二部
632
:
◆wnfFWrhuHc
:2017/01/14(土) 17:30:51
ゴルフに疎いミヤビも、キャディーという言葉なら聞いたことがあった。
要は選手が気持ちよくプレイするためにサポートする役回りのことだ。
アイリを選手、トモをキャディーと位置づけるとすれば、
トモ・フェアリークォーツの支援によりアイリが戦いやすくなると言いたいのだろう。
「そうか分かった、じゃあその大事なサポート役を死ぬ気で守ってみな!!」
ミヤビは脇差を抜いてトモへと斬りかかった。
勿論ミヤビもここでの攻撃がそう簡単に通るとは思っていない。
重要なキーパーソンであるトモが狙われるのだから、先ほどのように阻止してくるだろう。
実際、すぐにでもアイリは棍棒で地面の石を叩いて飛ばしてきた。
来ることが分かっているからこそ、ミヤビは即時に対応できる。
(トモ・フェアリークォーツを狙うのはあくまで"フリ"だよ、本命はカウンター狙い。
それもとても強烈なね!『猟奇的殺人鋸"派生・美異夢(びいむ)"』!!)
今の今までトモを向いていたミヤビは
アイリの方へと急激に方向転換する勢いを利用して、脇差を強く素早く振り切った。
そうして発生した衝撃波の威力は斬撃そのものに匹敵し、
飛んできた石を弾くどころか、少しばかり離れたところにいるアイリに対して光線のように到達する。
「くっ……」
まったく目に見えない攻撃ではあったが、アイリは正確に棍棒で防いでみせた。
それでもガードした武具が破壊されてしまうほどに強い技を放ったつもりではあったので、
多少傷みこそしたものの元の形状を保っていた棍棒を見て、ミヤビはほんの少しだけ驚いた。
「ん……スッパ切れると思ってたんだけども。」
「生憎様、こっちにも優秀な整備士が付いているの。」
「なるほどマーチャンのことか、ああ見えてなかなか結構な腕を持ってるんだね…………ハッ!?」
何かに勘づいたミヤビはトモの方へと慌てて向きを変えた。
その時には既にトモは矢を射抜いた後だった。
怯え切った顔をしながらも強大な敵に向かって牙を向いていたのである。
この矢を受けたのが「背中」だったならば流石のミヤビも危うかった。
しかし、方向を変えてしまった今、攻撃が当たるのは「胸」となる。
見た目にはほとんど差が無いが、ミヤビの胸部には鋼鉄の板が埋められているため
矢が当たってもほとんどダメージは無かった。
「あっ……そんな……」
「上手く殺気を消せていた。ちょっと気づくのが遅ければ危ないところだったよ。
でも、結局は通用しない。 キャディーだったらキャディーらしくサポートに徹したほうが身のためじゃないかな?」
「……」
渾身の一撃を防がれてしまったので、トモはまたも落ち込んでしまう。
思えば橋の上での戦いの時もトモの矢はミヤビの鋼鉄の胸に阻まれていた。
やはり伝説の戦士との差は大きすぎるため、何度トライしてもダメなものはダメなのではないだろうか。
そう思っていたところに、いつの間にか背後にまで移動したアイリの声が聞こえてきていた。
「ミヤビ……あなた、何か勘違いをしているのでは?」
「勘違い?」
「私は一度もトモがキャディーだなんて言った覚えは無いよ。」
「えっ?……」
アイリはトモの首にそっと触れては、こう言い放った。
「私と同じ景色を見せてあげる。それがキャディーとしての私の務め。」
新着レスの表示
名前:
E-mail
(省略可)
:
※書き込む際の注意事項は
こちら
※画像アップローダーは
こちら
(画像を表示できるのは「画像リンクのサムネイル表示」がオンの掲示板に限ります)
スマートフォン版
掲示板管理者へ連絡
無料レンタル掲示板