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SSスレ「マーサー王物語-ベリーズと拳士たち」第二部

573 ◆V9ncA8v9YI:2016/10/12(水) 12:56:26
「あ、君たちがアンジュ王国の番長?話は聞いてるよ〜
 クマイチャンを苦戦させたり、マイミの特訓に耐えたりしたんだってね……なかなかやるじゃん。」

チナミが話しているのは先日の選挙戦でのことだ。
確かに言っていることに間違いは無いのだが、少なからず語弊もある。
クマイチャンを困惑させはしたものの倒しきることは出来なかったし、
マイミともガチの決闘をしていたら今ごろ命は無かったはずだ。
つまりは番長の力を持ってしても食卓の騎士を倒した実績はゼロだということ。
それほどまでに困難なことを彼女らは行おうとしているのである。
そんな中で、最も若いリカコ・シッツレイの様子がおかしくなってきた。
表情はグシャグシャになっているし、過呼吸になったように息が乱れている。
伝説の存在の1人と戦わねばならない状況に押し潰されたのか、今にも泣き出してしまいそうだ。

「うっ……ぐっ……」

そんなリカコの背中をサヤシが優しく撫でる。
敵の恐ろしさを知っているサヤシだからこそ、今のリカコに暖かく接することが出来るのだろう。

「落ち着くんじゃ。大丈夫。君の先輩たちはとても強い。」

リカコとサヤシの数歩前では、カナナンとリナプーとメイの3人が凛とした顔で立ち構えていた。
3人が3人とも、先輩であるマロ・テスクから教わった化粧を施している。
ガリ勉タイプ、道端タイプ、ヤンキータイプ、これらの化粧は彼女らの持つ潜在能力を更に引き出すことが出来るのである。
そんなリナプーがリカコの方をチラリと向いて、低めの声で言い放った。
その声色にはいつものような気だるさは感じられなかった。

「リカコ、"カクゴして"」

その一言にリナプーは以下のような思いを込めていた。

覚悟が無いならお止しなさい。(機械では無いと)生身の女子には敵わない。
経験不足なんて問題ない。勇気を見せて欲しいだけ。
完全無欠なんて関係ない。傷だらけカッコイイでしょ。
真剣なら痛いくらいでもいいわ。
正々堂々とやりましょ。怖くて当たり前でしょ。
負ける気は無いわ。でも期待してるわ。
君の声聞かせて。


その思いに応えるように、リカコは涙を手で拭いながら声を発した。

「泣いて……無いし!」


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