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SSスレ「マーサー王物語-ベリーズと拳士たち」第二部

641 ◆V9ncA8v9YI:2017/02/07(火) 12:55:01
ミヤビの弱点を狙ってトモは矢を放った。
今のトモはとても集中しており、且つ二人の距離も近いため
絶対に当たることを確信していた。

「通用しない……というのがまだ分からないのかな?」

殺気を瞬時に察知したミヤビは、矢が放たれる直前に身体をトモの方へと向けた。
胸の鉄板による防御を謀ったのだ。
いくらトモの射撃が強かろうとも、こうして鉄板に阻まれてはミヤビの肉体にダメージを与えることが出来ない。

(やっぱり……私の矢は鉄板で防がれる。100発打っても全部が全部そうなる。)

「私を倒すなら顎と胸以外に当てるといい。そっちは生身だからね。
 でもそう易々と当てさせてあげるつもりは無いよ。
 どんな攻撃でも顎と胸と剣の三点で防いでみせる!
 そう、このアイリの攻撃のように!!!」

トモが矢を射ってミヤビがそれを胸で防いでいるうちに、アイリは棍棒をブチ込む準備をしていた。
大きめのスイングで勢いをつけて、ミヤビを叩こうとしたのだ。
しかしそれだけの攻撃なのだからコッソリやろうにも目立ちすぎていた。
そのため、これもミヤビの強固で平坦な胸板でガードされてしまう。

「アイリ、振りの速度がいつもより遅いんじゃないか?」
「そんなことは……」
「いや遅い。 何故だと思う?……それはね、棍棒を片手で持っているからだよ。
 トモに触れている手を今すぐ放して、両手で棒を持ち直した方が勝率上がるんじゃない?」

ミヤビの発言は、トモの精神に影響を与えるようなものにも思えた。
心が弱ければ、責任を感じるあまり潰れてしまうかもしれない。
しかしそれでも、トモの表情は少しも歪むことが無かった。
ここまでミヤビに当ててきた「一打目」から「四打目」までの全てが自身の想定と一致していたので
むしろ自信を持つことが出来たのである。

(トドメの五打目は私が射抜く!!
 狙いはそこ以外に有り得ない。 絶対に穿つ!!)


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