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SSスレ「マーサー王物語-ベリーズと拳士たち」第二部

592 ◆V9ncA8v9YI:2016/10/31(月) 12:55:21
「やっ、やぁぁぁ!!」

せっかくチナミが誘ってくれたと言うのに、マーチャンはつれなかった。
ひどく怯えた顔をしながら反対側の方を見ようとしている。
これからその眼で見なくてはならない対象がどれだけ恐ろしい存在なのか、肌で感じ取ったのだろう。
そんなマーチャンの顔をハルがしっかりと掴み、無理矢理にでもチナミの方を向けさせる。

「やだやだやだやだ!ドゥー!やめて!」
「ワガママ言うなよマーチャン……ちゃんと見ないと、カナナンの頑張りが無駄になるだろ!
 ハルもここで一緒に見てやるからさ、マーチャンも頑張ってくれよぉ!!」
「ドゥー……」

ここでマーチャンはハルが大粒の涙をボロボロ流していることに初めて気がついた。
彼女だってマーチャン同様に怖くて仕方がないのだ。
リナプー、メイ、そしてリカコのようにいつ自分だって化け物に叩き潰されるのか分かったものではない。
可能であれば今すぐにこの場から立ち去りたいという思いを必死に抑え込んでいるのである。
それを感じたマーチャンは、少しだけ頑張ることを決意した。

「分かったよドゥー……マー、覚える。」
「そうだその意気だ!マーチャンに覚えられないものなんて無いんだからさ!!」

話がまとまったのを見届けてから、チナミはいくつかの工具を取り出した。
そして先ほど見せたような高速の手捌きで自身の小型大砲に手を入れていく。

「よーし、今造るとしたらやっぱりこれだよね……大爆発(オードン)"派生・metamorphose"……なーんちゃって。」

「は?……」
「え?……」

作業完了後に作り上がったものを見たカナナンとハルは、こんな状況だというのに、思わず呆けてしまった。
だって仕方がないじゃないか。
さっきまで小型大砲だったものが「鉄仮面」に変わっていたのだから。

「なっ……それはいったい……どういう……」

小型大砲にチナミが高速で手を加えているところまではギリギリ目視できていた。
だが、完了の瞬間がよく分からない。
いつの間にか鉄仮面に置き換わっていたのである。
もう技術力どうこうではなく、印象としては手品に近かった。
そんな風に呆然とする2人を気にすることなく、チナミは自前の鉄仮面をスチャッと装着する。

「いいでしょ〜。これを装着すると私でも演技力が上がりそうな気がしない?
 それにさ、余った部品で"犬用の鉤爪"と"石鹸銃"なんてのも作って見たんだけどさ……マーチャン見てた?」


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