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ガルパン みほルートGOODエンド
1
:
名前なんか必要ねぇんだよ!
:2016/10/25(火) 21:51:24 ID:g.8oTIO2
「おかーさん!おとーさん!はやくはやくー!」
「慌てると危ないよー」
日曜日。
休日と澄み渡る晴天が重なった絶好の外出日和ということもあって、家族三人で訪れた遊園地はまだ早い時間にも関わらず大勢の人で賑わっていた。
そんな中、ひとり目当ての乗り物に向かって駆け出す娘に隣のみほが声をかける。といっても、普段からあの子は活発なタイプだ。みほも口で言うほど心配はしていない様子だ。むしろ元気にはしゃぐ姿を嬉しそうに見ている。
「……それにしても、私もあなたももあまり活発な方じゃないのに、いったい誰に似たんだろう?」
ふとそんなことを呟いた彼女に、小さい頃のみほにそっくりじゃないか、と答えた。
「小さい頃?……あぁ、確かに戦車道を本格的に始める前は結構やんちゃなタイプだったかも……あれ?でもそんな昔のこと、あなたに話したことあったっけ?」
納得したような表情を浮かべたかと思ったら、すぐに怪訝そうにこちらを見てきた彼女の視線を受け、思わずしまった、とつぶやいてしまう。
「誰かに聞いたの?お姉ちゃん?もしかしてこの間実家に帰ったとき?」
彼女には珍しいじとっ、という擬音がつきそうな視線と矢継早な質問に早々に白旗を上げ、その推理が正しいことを認める。本人がいると恥ずかしがって止めに入るだろうから、という理由で、まほさんがわざわざみほが席を外している時に教えてくれたのだ。
「自分の知らないところで話される方がもっと恥ずかしいよ」
ごもっとも。しかしせっかくの家族水入らずの外出だ。夫としてすっかりむくれてしまった妻をこのままにしておくわけにはいかないだろう。
「小さい頃のみほも、あの子に負けず劣らず可愛かったよ」
そう言いながら、軽く彼女の頭を撫でる。サラサラとして心地よいその髪の感触を味わいながら、我ながらキザすぎるな、と呆れる。知人がいたらとてもじゃないができなかっただろう。
もしもみほにまで同じ感想を抱かれていたら、と不安になり彼女の顔を覗き込むと、少し頬を赤らめながらも、クスクスと手で口元を隠しながら笑っている。
「もう、格好つけすぎだよ?今恥ずかしいでしょ」
ばっちりとこちらの予想が的中したらしい。自分の顔まで熱くなるのを感じるが、どうやらみほの機嫌が直ったらしいことに安堵する。
「ふたりともー!イチャイチャしてないではやくー!」
「い、イチャイチャなんてしてません!……さ、私たちも行こう?」
そういって差し出された彼女の手を握り、娘のもとへふたりで歩き出す。もうひとりのお姫様にまでへそを曲げられたらたまらない。
「今日は頑張ってね?あの子への家族サービスと、私へのお詫びのために♪」
……どうやらこちらの姫にもまだ奉仕が必要なようだ。世界で一番贅沢なため息をつきつつ、このあとのプランを脳内で練り始める。まったく、夫と父という役割は、幸せすぎて楽じゃない―――。
341
:
名前なんか必要ねぇんだよ!
:2016/12/12(月) 01:06:57 ID:xjUPpzrY
というわけで柚子ちゃん小ネタでした
明日こそは妙子ちゃんを書きたい(希望)
342
:
名前なんか必要ねぇんだよ!
:2016/12/12(月) 01:11:00 ID:RGESWomI
サンダース組書いてどうぞ
343
:
名前なんか必要ねぇんだよ!
:2016/12/12(月) 01:40:34 ID:kamBjZBw
たかちゃんはカルパッチョの444%を日常的に味わっているという事実
344
:
名前なんか必要ねぇんだよ!
:2016/12/12(月) 01:52:19 ID:Mn8KuNMI
444%はシェアハウスが最後には一軒家になっちゃう、やばいやばい
柚子ちゃんは会長に勝てますかねクォレハ・・・
今思うと金髪美少女CV早見沙織ってとんでもないスペックっすね
345
:
名前なんか必要ねぇんだよ!
:2016/12/12(月) 02:17:26 ID:Pj70DnsU
普段おっとりしてる子が病むとやはりヤバイ(確信)
346
:
名前なんか必要ねぇんだよ!
:2016/12/12(月) 23:46:41 ID:xjUPpzrY
<妙子>
好感度10%(顔見知り程度):「あっ、おはようございます!すみません、今は朝の走り込み中なので失礼しますねっ!」
好感度50%(仲の良い先輩):「おはようございます!この間はありがとうございました!男性相手の練習は体格の良い強豪校との試合を想定するのにちょうどいいって、キャプテンも喜んでました!私もジャンプレシーブをもっと磨きたいですし、またぜひお願いしますね!」
好感度100%(恋人) :「あっ……おはよう、ございます……。な、なんだか恥ずかしいですね、昨日散々見られたはずなのに……。お、お尻のことは言わないでください!これでも気にしてるんですよ!……ま、まあ?貴方がこういうのを好きなら、それでいいですけど……うぅ、やっぱり恥ずかしいからあっち向いててください!服着れないじゃないですか!それに私はこのあと朝練があるんですからっ!」
好感度444%(???) :「あっ!おはようございます!ご飯もう少しでできるので、もうちょっと待っててくださいね。え?朝練?ああ、バレー部なら辞めましたよ?なんで、って。だってバレーなんてしてたら、その分貴方と一緒にいる時間が減っちゃうじゃないですか。まあキャプテンは何かいろいろ言ってましたけど、忘れちゃいました。だって貴方の言葉じゃないから。そんなのいちいち覚えてられませんよ。さ、そんなことよりご飯にしましょう?美味しいですよ、貴方のために作ったから。私の分?必要ないですよ、食べている貴方を見つめるので忙しいので、ご飯なんて食べてられません。―――さ、遠慮なく召し上がってください。ここで見ていますから。貴方だけを」
347
:
名前なんか必要ねぇんだよ!
:2016/12/12(月) 23:48:25 ID:xjUPpzrY
というわけで妙子ちゃんルートでした
バレーのことはん、まあそう、よくわかんないです
明日は来れるか微妙です
ファッキン職場の忘年会
348
:
名前なんか必要ねぇんだよ!
:2016/12/12(月) 23:52:15 ID:StdAIvO.
忘年会は大事だから仕方ないね。
サンダース組badオナシャス
349
:
名前なんか必要ねぇんだよ!
:2016/12/12(月) 23:56:50 ID:Mn8KuNMI
妙子ちゃん待ってました、ありがとナス!
100%これは事後ですね、たまげたなぁ・・・(歓喜
柚子ちゃんGOODとBADもいずれ見たいけどな〜
350
:
名前なんか必要ねぇんだよ!
:2016/12/13(火) 06:42:01 ID:NI.8/jTc
興奮する
351
:
名前なんか必要ねぇんだよ!
:2016/12/15(木) 00:55:00 ID:eVc2Z042
【番外編 麻子と冬のある日】
ぐつぐつと耳に心地よい音が届く。目の前の小さめな土鍋からは、湯気が立ち始めていた。
「おい、そろそろいいんじゃないか」
こたつの反対側に座る少女―――麻子は、身を乗り出して鍋を見ながら言った。クリスマスプレゼントを前にした子供のようにそわそわとしている姿は大変可愛らしいが、もう少し待て、と制した。食べごろまで大体あと2〜3分だ。
「……」
恨めしそうな目でこちらを睨む麻子。しかし、せっかく作った料理なのだ、どうせならしっかりと美味しく食べたいと思うのが人情だろう。
「……おい、2分たったぞ。さあ開けよう」
土鍋の蓋に手をかけようとする麻子を再び制止する。ただし今度は食べごろ云々の話ではなく、単純に彼女が素手で蓋を取ろうとしたからだ。こういう食べ物関連の話になると、日頃天才の名を欲しいままにしている才女も隙だらけになる。
鍋つかみを渡して、今度こそ御開帳である。鍋からは一気により多くの蒸気と食欲を誘う香りが広がった。
「おぉー……!」
麻子は目をより一層キラキラと輝かせると、ものすごい速さで自身の取り皿に具を掬っていく。しかも肉ばかり。こちらが自分の分をよそう頃には、すでにもっしゃもっしゃと取った分を頬張っていた。早業にも程がある。
「……ふぅ、美味しい」
ゴクリと口に含んでいたものを飲み込むと、麻子は満足げに息をついた。食べているのが温かい鍋料理ということもあり、頬がわずかに上気している。
さて、なぜ我々が二人で鍋をつついているのかと言うのは、数時間前に遡る。学校が冬休みに入り、普段つるんでいる面子が軒並み実家に帰ってしまい、暇を持て余した結果、たまには料理でもするか、と思いたち、スーパーへと向かった。するとその道中、コンビニの店内に見慣れた友人―――冷泉 麻子の姿を見つけた。無視するのもどうかと思い店に入ると、彼女はコンビニ弁当を両手にひとつずつ持って、難しい顔でそれらを交互に睨みつけていた。声をかけると、
『ん……ああ、お前か。ちょうどいい、この『特盛カツ丼弁当』とこっちの『20%増量ナポリタン』のどっちがいいと―――』
麻子はそこまで言いかけたが、こちらをじっと見つめると、
『お前、確か料理が出来たよな?』
その後、なし崩し的に二人で手料理を食べることになった。当初はこちらにすべてやらせようとしていたが、流石に割に合わないので押し問答の末、麻子が場所と食器を提供し、こちらが料理のメインを担当、材料費は折半、という形になった。
352
:
名前なんか必要ねぇんだよ!
:2016/12/15(木) 00:55:44 ID:eVc2Z042
「―――お前は実家に帰らないのか」
そして現在。鍋の中身が3分の1程度まで減った頃、麻子が不意に聞いてきた。一応、大晦日と元旦は帰るつもりだと答えると、
「せっかくだから正月くらいは実家で過ごせばいいだろう。私も明日から3日まではおばあのところに行くつもりだぞ」
ちなみに冬休みに入ってすぐ行かなかったのは、お祖母さんの通院の都合だと言う。
「……歳、だからな。今は元気だが、それを維持するためにも病院通いは必要らしい」
少し表情に影を作りながら麻子が言った。そればかりは仕方のないことなのだろう。
「……まあ、とにかく家族は大切にしろ。こういう時くらいしかお前は帰らなそうだからな」
彼女の過去を知っている人間からすれば、その言葉がどれだけの重みを持っているか、どれだけ真剣に言っているかを理解できる。ここは忠告に従って、実家への滞在日数を少し延ばすとしよう。
「そうしろ。……ああ、でもあまり長居をするのもアレだからな、4日には帰って来い。うん、その方がいい」
そう言うと、再び鍋の具を取ろうとする麻子。そんな彼女から取り皿をひったくった。
「あっ!何をする!」
そのままその皿に、鍋に残った具の内、野菜を盛りまくって彼女に返した。肉ばかり食べられては彼女の健康とこちらの食事の満足度に関わる。
「お前は沙織か……」
恨めしそうにしながらも素直に野菜を口に運ぶ。なるほど、沙織が何かと麻子の世話を焼くのも納得できる。彼女ほど世話好きというわけでもない自分でも放っておけない、という気持ちになってしまう。
353
:
名前なんか必要ねぇんだよ!
:2016/12/15(木) 00:56:12 ID:eVc2Z042
「ふぅ……」
鍋の中をすっかり空にし、ふたり揃って寝転がる。片付けは一休みしてからでいいだろう。
「……」
こたつの反対側の彼女はなにも喋らない。もう眠ってしまったのか、あるいはただ黙っているだけなのかは見えないのでわからないが、まあどちらでも構わない。麻子と二人で過ごすと、こうした沈黙の時間がちょくちょく存在する。しかし、それがまったく不快ではなく、むしろ心地良ささえある。他の女性陣―――みほや沙織たちと居ることが嫌だなんてことはまったくないが、やはり女性相手ということもありどことなく気を遣ってしまう部分がある。会話をなるべく途切れさせないようにしたり、言い回しを柔らかくしたりといったことだ。この辺りのことが麻子相手の場合、ほとんど必要がない。麻子はいい意味で女性らしさ、というのが薄い性格をしているのだ。
「……何か失礼なことを考えてないか」
起きていたらしい。というかすごい勘だ。
「お前の考えていることくらい、何となくわかる」
そう言うと麻子はムクリと起き上がり、鍋や食器の片付けを始めた。手伝おうとこちらも身を起こすと、
「お前は寝てていい。片付けくらいは私がやる」
夜になったからか、あるいは鍋でエネルギーが充填されたか、テキパキと動く麻子。そんな姿を見て、思わず意外といい嫁さんになりそうだな、と呟いた。
「……」
どうやら聞こえたらしく、手を止めてこちらを睨みつけてくる。しかし、先ほどよりも赤くなった顔では迫力も何もない。
「……まったく。妙な忘年会だ」
そう言って麻子は再び手を動かし始めた。まったくもって彼女の言う通りだ。だが、おそらくここ数年では、一番いい年の瀬になった。
「……そうだな。私もそう思う」
こちらを振り返らずに言った麻子だが、耳は真っ赤になっていた。
354
:
名前なんか必要ねぇんだよ!
:2016/12/15(木) 00:58:32 ID:eVc2Z042
俺はこんな感じの忘年会が良かったんだ!よりにもよって昨日は職場の忘年会だったからチクショウ!!
というわけで麻子の番外編でした
サンダースは……アリサをどうするかなあ
まあ思いついたら書きます(適当)
355
:
名前なんか必要ねぇんだよ!
:2016/12/15(木) 00:59:03 ID:mQ216Zjk
ああ^〜いい冬っすねぇ〜
356
:
名前なんか必要ねぇんだよ!
:2016/12/15(木) 01:06:38 ID:J4pUimAg
番外編もいいんじゃ〜
サンダースもみたいけど他の忘年会も見たいんじゃ、鍋つついて締めのおじやまで楽しむダー様とか。
357
:
名前なんか必要ねぇんだよ!
:2016/12/15(木) 07:20:38 ID:j4/XUqEQ
麻子と一緒に年末年始過ごしたいけどな〜俺もな〜
358
:
名前なんか必要ねぇんだよ!
:2016/12/15(木) 20:22:08 ID:uTvfCqPw
ようやく全部見終わったけど、ペパロニの444%が一番よかった(小並感)
359
:
名前なんか必要ねぇんだよ!
:2016/12/16(金) 01:16:14 ID:L6s0rNZ.
【番外編 聖グロリアーナのある冬の日】
「こんな格言を知っている?『鍋は大勢で食べると美味しい』って」
「……お言葉ですがダージリン様、それはもう格言ではないのでは……」
「まあ真理ではありますけど……。あっ!ローズヒップ!まだ蓋を開けてはいけません!しかもなんで菜箸で開けようとしているの!?」
「私の箸使いを皆様に見ていただこうと思いまして!それに今のうちに自分の分を確保しておかないとすべて食べられてしまいますわ!」
……なんだろう、この状況は。鍋から立つ湯気の具合を見つつ、思わず嘆息する。思えば数時間前、携帯にかかってきた一本の電話が始まりであった。
『鍋パーティーをやるのですけど、ご一緒にいかが?』
冬休み。特にすることもなく部屋でゴロゴロとしていると、いつも通りの優雅な声と口調によるお誘いを受けた。断る理由もないのでほとんど二つ返事で了承したのだが、開催の日時を聞いて耳を疑った。
『今からよ?まあ、正確には始まるのは数時間後だけれど』
あっさりと言い放たれたダージリンさんの言葉に、咄嗟に部屋の窓から外を見てみると、やはり優雅に笑顔で手を振る彼女の姿があった。
その後はあれよあれよという間に聖グロリアーナの学園艦に拉致―――もとい案内されてしまった。この間ダージリンさんに同行していたオレンジペコさんとアッサムさんは無言で『諦めてください』と言わんばかりに揃って首を振っていた。……この二人も大概苦労しているのだろう。
そして最終的には、現在我々がいるこの部屋―――サロンと思しき豪奢な装飾と赤い絨毯が敷かれた場所へと連れてこられ、その中央に鎮座する、明らかに不釣合いな大きいこたつに入ることとなった。形自体は一般的な正方形だが、詰めれば女性なら一辺に二人ずつ入れるくらいの大きさだ。その内の三辺にはそれぞれダージリンさん、オレンジペコさん、そして自分。もう一辺にはアッサムさんとローズヒップさんが二人で入った。やり取りを見る限り、お目付け役、という意味なのかも知れない。
360
:
名前なんか必要ねぇんだよ!
:2016/12/16(金) 01:17:00 ID:L6s0rNZ.
「……そろそろ頃合ではなくて?」
ダージリンさんがそう声をかけてくる。確かにそろそろいいだろう。鍋の蓋を開けると、旨みがそのまま匂いになったかのような食欲をそそる香りが鼻腔に届いた。
「わぁ……美味しそう……!」
それまで少々疲れた顔をしていたオレンジペコさんが瞳を輝かせながら呟いた。ほかの面々も、すまし顔ながら鍋の中を気にするダージリンさんに、先ほど菜箸を取り上げられたためか自分の箸で早速具材(肉)を取ろうとするローズヒップさん、それをなんとか制止しつつも鍋に熱い視線を送るアッサムさん……と、大体同じ、早く食べたい、という気持ちが丸出しの状態であった。なんともわかりやすい。
「コホン……。では、食事を始める前に私から挨拶を。こういった年の瀬に親しいもの同士で集まって鍋を囲むというこの会は―――」
「ダージリン様!それよりも私早く肉!お肉を食べたいですわ!」
「ちょっ、ローズヒップさん!?」
「こらローズヒップ!貴女いくらなんでも失礼が」
「それもそうね。ではいただきましょう」
「「早ッ!」」
「よーし!それじゃリミッター外しちゃいますわよー!」
「「こっちも早ッ!」」
これはコントなのだろうか。すでにローズヒップさんは自身の取り皿にものすごいスピードで具材(肉)を取っては食べ取っては食べしており、よく見ればダージリンさんもちゃっかり肉を咀嚼している。残りの常識人二人も呆気に取られた状態からなんとか復帰し、自身の分を確保し始めた。さて、と自分もまた鍋に向かった。
361
:
名前なんか必要ねぇんだよ!
:2016/12/16(金) 01:18:01 ID:L6s0rNZ.
「……さて、そろそろ締めにしますか」
たっぷりと用意してあった具材もあらかた参加者の腹に収まったところで、ダージリンさんが言った。
「お米は用意してありますわ。早速雑炊にしましょう」
そう言いながら彼女はどこからか米櫃を取り出し、鍋の横に置こうとするが、それを遮るものがあった。
「おほほほほ!さっすがダージリン様!こんな時でもジョークを忘れないなんて淑女の鑑ですわ!お鍋の締めと言ったらおうどんに決まっていますのに!」
「もう、ローズヒップさんったら。でもダージリン様、それを言うためにわざわざ米櫃まで用意されたんですか?ジョークのためとはいえそれは……」
「「……はい?」」
ローズヒップさんとオレンジペコさんの言葉に、残る二人の目つきが鋭くなる。ああ、これはまずい。
「……オレンジペコ?貴女こそジョークが随分上手くなったのね?わざわざ使いもしないおうどんを用意するなんて」
「ローズヒップ、貴女の言動は日頃から目に余るものがあると思っていましたが、流石に今のは看過できません。締めが、なんて?」
ダージリンさんはオレンジペコさんの手元、パックのうどんを、アッサムさんは腹を抱えてケラケラ笑っているローズヒップさん自身を睨みつけながら言う。
「……お言葉ですがダージリン様。このおうどんはこれから使うものです。そのお米と違って」
「そうですわ!お鍋の残り汁で雑炊なんて、都市伝説みたいなものでございますわよ!」
オレンジペコさんは状況を察し、鋭くダージリンさんを見据えて言葉を返す。そこには敬意や親愛はなく、ただ己の矜持のために戦う少女の姿があった。一方ローズヒップさんはまだジョークだと思っているらしく、笑いながら言った。カオスである。
「「「……」」」
「?」
三人の沈黙と一人の疑問符で場が埋め尽くされてどれくらい時間が経っただろうか。数秒とも、数十分とも感じられる時が過ぎ、三人が急に、しかも同時にこちらへ視線を向けた。
「「「貴方はどう思います!?」」」
「当然、雑炊ですわよね?ええ、ええ、私よーくわかっていますわよ。貴方が賢い人だと。ここで判断を誤るなんて愚を犯さない人だと」
「ダージリン様、脅迫はやめてください!さ、怖がらずに正直に言っていいんですよ、締めはおうどんだって」
「貴女のそれも脅迫みたいなものよ、オレンジペコ!貴方も貴方よ、男だったらはっきりしなさい!ほら、雑炊なんでしょ!?」
「???」
三人の視線と勢いに押され、思わず後ずさる。しかし、ここで答えを出さねばそれこそ男が廃る、というものだ。勇気を振り絞り、先程から用意していた自分の考えをぶつける。そう―――
雑炊とうどん、半々ずつでいいんじゃないですか、と。
「「「……」」」
「おお、なるほど!さすがでございますわね!」
そして。
「なるほど……案外、おうどんでもいけるものね。スルスルと食べていけるわ」
「雑炊も思っていたよりも美味しいです。少しお下品ですけど、掻き込むとたまりません……」
「ふむ……。うどんの一本一本に汁が絡みついて、この味になるのね。理にかなっているわ」
「モゴゴゴゴ!!フゴガゴゴゴ!!」
なんとか意見は通り、こうして和やかな(?)パーティーに戻ったのだった。
362
:
名前なんか必要ねぇんだよ!
:2016/12/16(金) 01:19:26 ID:L6s0rNZ.
「今日はありがとう。おかげでとても楽しい時間になったわ」
その後雑炊もうどんも完食し、鍋パーティーは無事お開きとなった。来た時と同様、自宅まで送ってもらったのだが、別れ際に声をかけられた。
「戦車道の選手を集めての大きなパーティーもあるのだけど、やはりこうして親しい間柄の人だけで慎ましく、というのもいいわね」
満足気に言うダージリンさん。しかし、こうして考えるとなぜ自分が呼ばれたのか不思議に思える。今回招かれたのは本当に彼女と親しいメンバーばかりだ。
「あら。女にそこまで言わせる気?」
こちらの頬に手を沿え、息が当たるほど顔を近づけてダージリンさんが言う。そのうるんだ瞳に見つめられると―――。
「「ストーーップ!!」」
「んなっ!?アッサム様!?なんで私の目を抑えるんですの!?なにも見えないでございますわ!」
送ってくれた車からアッサムさんとオレンジペコさんが飛び出してきた。その声に我を取り戻し、あわててダージリンさんから距離を取る。
「あら、残念」
「ダージリン様!そういうことはお二人だけの時にしてください!」
「そうですよダージリン!情操教育によくありませんわ!」
「アッサム様〜、そろそろ手を離してくださいませ〜。あんまり目を閉じていると私眠くなってしまいますわ〜」
二人の叱責にもダージリンさんはどこ吹く風、といった様子だ。
「はいはい。……さて、名残惜しいけれど私たちはこれで。今日は本当にありがとう」
「はぁ……。でも、私も楽しかったです。またご一緒しましょうね」
「やれやれ……。今度はティータイムにご招待しましょう。サンドウィッチも用意します」
「なんだかよくわかりませんけど、私も楽しかったですわ!またお会いできるのを楽しみにしてますことよ!」
―――こうして、聖グロリアーナ女学院で開かれた鍋パーティーという不思議な忘年会は幕を閉じたのだった。
363
:
名前なんか必要ねぇんだよ!
:2016/12/16(金) 01:20:38 ID:L6s0rNZ.
そんなわけで聖グロ忘年会でした
明日は書けても小ネタかなあ
364
:
名前なんか必要ねぇんだよ!
:2016/12/16(金) 01:21:29 ID:uBJ2D.Vc
待ったかいがあったやったぜ
聖グロには鍋が似合う
365
:
名前なんか必要ねぇんだよ!
:2016/12/16(金) 01:25:36 ID:J5VfiOAQ
あぁ^〜混ざりたいっすねぇ〜
ローズヒップちゃんが平常運転だから安心!
366
:
名前なんか必要ねぇんだよ!
:2016/12/17(土) 01:04:47 ID:nYFEOk0s
<アリサ>
好感度10%(顔見知り程度):「……やっぱりデートに誘うのは気が早いかしら。まずは段階を踏んでもっと複数人で遊びに行ったりして……なによ、私は今忙しいの!後にして!」
好感度50%(仲の良い友人):「うぅ……どうなってるのよ……なんで私がこんな目に……。うるっさいわね!!アンタにわかるの!?惚れた相手が他の娘を好きのは千歩譲って仕方ないとして!なんで!最終的にその娘の奉公人?の男と彼が付き合うことになるのよ!?おかしいでしょ!どんな確率よ!どんだけ私の希望を叩き潰すの!?くっそぅ……もう今日は一日ヤケ食いよ!!もちろんアンタには最後まで付き合ってもらうから覚悟なさい!!」
好感度100%(恋人) :「おはよ。……なによその顔は。言っとくけど、私はタカ……ゴホン、アイツの代わりとしてアンタと付き合うわけじゃないから、そこはキチンと分かっときなさいよ。……ああもう、とにかく!私の彼氏はアンタだけで!アンタの彼女は私だけ!以上!……ほら、さっさと行くわよ!映画始まっちゃうじゃない!」
好感度444%(???) :「ねぇ、ちょっと。コレ、どういうこと?アンタ、昨日私と喋った時間が他の娘たちとの合計より20秒も少ないじゃない。……ねぇ、どういうことかって聞いてんだけど!!?アンタわかってんの!?アンタは、わ・た・し・の・も・の・な・の!!私以外の人と仲良くするなんて許さない!私以外の人を好きになるなんて許さない!!アイツみたいに私を傷つけるなんて絶対に許さない!!!」
367
:
名前なんか必要ねぇんだよ!
:2016/12/17(土) 01:06:55 ID:nYFEOk0s
というわけでアリサ小ネタでした
次はナオミかなあ
明日は仕事で来れないです、すみません
社畜だからね、しょうがないね
そのうち
ローズヒップ「迫真お嬢様部……?」
とか書きたいね
368
:
名前なんか必要ねぇんだよ!
:2016/12/17(土) 01:07:06 ID:gEKrFUYE
アリサすこ
369
:
名前なんか必要ねぇんだよ!
:2016/12/17(土) 01:25:15 ID:9FQlo0Z.
ヤンデレアリサかわいい
平野綾ボイス込みですき
370
:
名前なんか必要ねぇんだよ!
:2016/12/17(土) 01:25:50 ID:SJQJejAU
このスレを見るとガルパンキャラをより好きになれる
371
:
名前なんか必要ねぇんだよ!
:2016/12/17(土) 02:15:43 ID:s3Z45Fzw
ちゃっかり新三郎がホモになってませんかね・・・
372
:
名前なんか必要ねぇんだよ!
:2016/12/18(日) 22:41:37 ID:9uVErc0I
<ナオミ>
好感度10%(顔見知り程度):「ああ、おはよう。ん?少し疲れているんじゃない?顔色が良くないね?保健室に連れて行こうか?」
好感度50%(仲の良い友人):「おはよう。……朝からそんな顔をするな。昨日のことならアンタは悪くないよ。言いたい奴には言わせておけばいいさ。心配しなくても私はアンタの味方だ、いつでも相談してくれていい」
好感度100%(恋人) :「やぁ。……なんだか照れるな、デートなんて女らしいことをするのは初めてだから。本当にもの好きだよ、お前は。こんな男っぽい奴と付き合おうだなんて……ふふ、そうだね、そうだった。言いたい奴には言わせておけばいい、だった。それじゃ、改めてよろしく頼むよ、彼氏さん?」
好感度444%(???) :「おはよう、今朝は随分と気分が良さそうだね……おっと、逃がさないよ。昨日はアイツとあんなに楽しそうにしてたんだ、今日は私に付き合ってもらう。なんで知ってるのか、って?ああ、私は目が良いんだ。でもアリサと違って耳はそんなに良くなくてね、だから聞かせてもらう。昨日アイツと何をどんな風に話したのか、1から10までひとつ残さず」
373
:
名前なんか必要ねぇんだよ!
:2016/12/18(日) 22:42:59 ID:9uVErc0I
というわけでナオミ小ネタでした
イケメンすぎてイマイチ病ませられないという
近いうちに柚子ちゃんの長いのを書けたらいいな
374
:
名前なんか必要ねぇんだよ!
:2016/12/18(日) 22:46:11 ID:ZgwGaoeU
ナオミに狙撃されたいけどなー俺もなー
375
:
名前なんか必要ねぇんだよ!
:2016/12/18(日) 23:51:16 ID:/MKPf4C2
新作を見るたびに興奮する
376
:
名前なんか必要ねぇんだよ!
:2016/12/19(月) 01:14:26 ID:tIBvcH3c
レオポンチーム見たいですオナシャス
377
:
名前なんか必要ねぇんだよ!
:2016/12/20(火) 00:54:38 ID:jzHfdtps
明日にはなにかしら書きたい(適当)
レオポンさんは自動車の知識がね……
378
:
名前なんか必要ねぇんだよ!
:2016/12/20(火) 05:44:57 ID:y1VUdInU
楽しみにしてるゾ
379
:
名前なんか必要ねぇんだよ!
:2016/12/21(水) 01:24:46 ID:fQE25/Kc
<優季>
好感度10%(顔見知り程度):「あ、おはようございます〜。今日も素敵ですね〜」
好感度50%(仲の良い先輩):「おはようございます〜。あ、そういえばぁ、今度一緒にお出かけしませんかぁ?私、観たい映画があるんですけどぉ……あ、いいですかぁ?じゃあ、一緒に行きましょうね〜。他のみんなも喜びます〜……え?ウサギさんチームの他のみんなのことですけど、何か〜?」
好感度100%(恋人) :「おはようございますぅ。どう?似合ってますかぁ?良かったぁ。これ、私の勝負服なんですよ〜。さぁ、じゃあ行きましょっか〜。……あ、この下も可愛いの着てきたんですけどぉ、それは夜のお・た・の・し・み……ですよぉ♪」
好感度444%(???) :「あ、おはようございますぅ。もう、お休みだからってお寝坊さんじゃダメですよ〜?……なんでも何も、未来の奥さんなんだから家にいるのは当たり前じゃないですかぁ。ね〜?酷いパパですね〜?……そうですよぉ?もちろん、このお腹にいる、貴方と私の愛の結晶ですよぉ?うふふ、妄想、だなんてぇ。な ん で そ う 言 い 切 れ る ん で す か ぁ ?」
380
:
名前なんか必要ねぇんだよ!
:2016/12/21(水) 01:26:39 ID:fQE25/Kc
というわけで優季ちゃん小ネタでした
レオポンさんは勉強してからで
明日明後日は来れるか微妙です
また忘年会とかチクショウ鬱がハンパねェ
381
:
名前なんか必要ねぇんだよ!
:2016/12/21(水) 01:30:46 ID:7st6v8rI
>>380
相変わらず素晴らしい文章書いちゃって誇らしくないの?
続きを気長に待ってるゾ
382
:
名前なんか必要ねぇんだよ!
:2016/12/21(水) 01:40:13 ID:gSTF7t4w
じゃあ先にアキとミッコを
383
:
名前なんか必要ねぇんだよ!
:2016/12/21(水) 02:33:10 ID:iRPGWQEg
やっぱ・・・優季ちゃんの444%は様になるんやなって・・・
他のウサギチームも気になりますねぇ!
384
:
名前なんか必要ねぇんだよ!
:2016/12/21(水) 05:38:59 ID:g3/Q7Bys
興奮する
385
:
名前なんか必要ねぇんだよ!
:2016/12/21(水) 23:59:25 ID:fQE25/Kc
<アキ>
好感度10%(顔見知り程度):「あ、おはよう。ねえ、ミカを見なかった?……そっか。もう、どこ行っちゃったんだろ。探す方の身にもなってほしいよ、まったく……」
好感度50%(仲の良い友人):「おはよう!ね、今朝はあったかいと思ったらマイナス1度だって!この時期にこの気温はありがたいよねぇ。……え、充分寒い?うそ……風邪でも引いてるの?大丈夫?」
好感度100%(恋人) :「あ……おはよう。そっか……どうりであったかいと思った。そうだよね、昨日は……。不思議、だね。ふたりとも何も着てないのに、くっついてるだけでこんなにあったかいなんて。ミカだったらまた小難しいことを言うんだろうけど……私はこの一言で充分かな。―――幸せ、って」
好感度444%(???) :「おはよう!って……もう、なんで逃げようとするの?……おかしい?私が?あはは、やめてよ、ミカじゃあるまいし。ミカもね、いつも以上に変なことを言ってたんだ。アキはおかしい、だとか、彼が可哀想、だとか。私も貴方もこんなに幸せなのに、ひどいよね。私もさすがに怒っちゃったよ。―――だから大丈夫。ミカも、それからミッコも、誰も邪魔をしに来ないよ。ずっと、ずっとずっとずっと私たちだけの幸せな―――」
386
:
名前なんか必要ねぇんだよ!
:2016/12/22(木) 00:00:34 ID:ATD7M0Sw
というわけでアキ小ネタでした
次はミッコかな
明日は来れるか微妙です、すみません
387
:
名前なんか必要ねぇんだよ!
:2016/12/22(木) 05:38:59 ID:XKzDga1Y
継続いいゾ〜これ
もしかして麻子SS書いてた方かな?
違ってたらセンセンシャル!
388
:
名前なんか必要ねぇんだよ!
:2016/12/23(金) 19:18:43 ID:gxiSUKR6
<ミッコ>
好感度10%(顔見知り程度):「ん、あ、ああ、おはよう……あ、私用事あるから、もう行くね!」
好感度50%(仲の良い友人):「おー、おはよう。昨日?いやーダメダメ、ボウズだったよ。あ、そうだ、今度一緒に釣り行かない?アンタなんか運良さそうだし、二人でやれば大漁かもよ!」
好感度100%(恋人) :「おはよう。……あのさ、今日って一応デート、なんだよね?本当に釣りでいいの?しかもBT-42で海までって……。いや、アンタがいいんならいいんだけどさ。ま、変に気を遣うのもガラじゃないしね。アタシとしても、その……アンタと一緒ならなんでも、ね。……ああもう!なんかスッゴい恥ずかしい!ほらさっさと乗った乗った!出発するよ!」
好感度444%(???) :「お、お目覚め?悪いね、もうすぐ着くから。ここ?BT-42の中だよ。今は履帯外して公道走ってるから普段より速度出てるよ。……目的?理由?決まってんじゃん。ムカついたからだよ。あの娘と付き合うとか、アンタがバカなことするからだよ。ああ、責めてるんじゃないよ。もうほとんど終わったことだしね。あとはアンタをキチンと他の娘から隔離すればカンペキ。だからもうちょっと我慢してね、鉄臭いだろうけど。―――いやあ、もうちょっとキレイにやれれば良かったんだけどね。魚を捌くみたいにはうまくいかなかったよ」
389
:
名前なんか必要ねぇんだよ!
:2016/12/23(金) 19:20:33 ID:gxiSUKR6
というわけでミッコ小ネタでした
次は未定だけどなにかしら書きます
(明日かどうかはわから)ないです
390
:
名前なんか必要ねぇんだよ!
:2016/12/23(金) 19:30:04 ID:7AsZCxSc
ミッコとドライブしたい
391
:
名前なんか必要ねぇんだよ!
:2016/12/24(土) 04:37:50 ID:wntqSiNo
ミッコすき
392
:
名前なんか必要ねぇんだよ!
:2016/12/25(日) 00:01:16 ID:ZIwmvIb.
<西住みほ クリスマス>
ごめんね、待たせちゃって。寒かったでしょ?さ、早く行こう?
ああ、あの人なら来ませんよ。どうしても都合が付かないんだって、伝言を頼まれたの。
だから今日は私が代わりに……ダメ?あの人じゃないと意味がない?
そっか……でも、私が帰っちゃうと貴方ひとりになっちゃうよ?せっかくのクリスマスなんだし、一緒に楽しく過ごした方が良いと思うな。
他の人?うーん……多分来られないと思う。少なくとも私が思い当たる人はみんな。沙織さんも華さんも優花里さんも麻子さんも会長も小山副会長も河嶋先輩もカエサルさんもエルヴィンさんも左衛門佐さんもおりょうさんも磯部さんも近藤さんも佐々木さんも河西さんも澤さんも山郷さんも丸山さんも阪口さんも宇津木さんも大野さんも園さんも後藤さんも金春さんもナカジマさんもスズキさんもホシノさんもツチヤさんも猫田さんもももがーさんもぴよたんさんもダージリンさんもオレンジもアッサムさんもローズヒップさんもルクリリさんもケイさんもアリサさんもナオミさんもアンチョビさんもペパロ二さんもカルパッチョさんもカチューシャさんもノンナさんもニーナさんもアリーナさんもクラーラさんもエリカさんも赤星さんも西さんも福田さんも玉田さんも細見さんもミカさんもアキさんもミッコさんも愛里寿ちゃんも愛里寿ちゃんのお母さんも優花里さんのお母さんも私の母さんも蝶野さんも―――お姉ちゃんも、誰も。
393
:
名前なんか必要ねぇんだよ!
:2016/12/25(日) 00:02:11 ID:ZIwmvIb.
だから、ね?私と過ごそう?それが一番いいよ。私なら貴方が今夜したいこと、全部してあげられるよ?経験はないけど、きっと満足してもらえるように頑張るから。
ふふふ、隠さなくったっていいよ?あの人とそういうこと、するつもりだったんでしょ?恥ずかしがらなくったって大丈夫。男の子だもんね。
―――ねえ、なんで逃げようとするんですか?おかしいよね?だって私、貴方を傷つけるようなこと、何もしてないよ?理不尽に話も聞かずに行動や考えを否定したりしてないし、嫌がることを脅してやらせようとしたりしてないし、居場所を奪おうとしたりしてないし。
ねえ、どうして?説明してください。ねえねえねえねえねえねえ。
……はあ、しょうがない、か。じゃあ、私から貴方へこのクリスマスプレゼントをあげます!さ、遠慮せずに開けてみて。ね、素敵なマフラーでしょ?付けて見せて?―――わあ、思った通り、すごく良く似合ってるよ!
―――ああ、それ?ごめんね、ちょっと汚れちゃってて。あの人、最後までそれを離してくれなかったから。
なにもおかしくないよ。全部普通で当たり前。貴方を喜ばせるのは私だけ、だなんて、すごく普通のことだよ。だからそれを渡すのが私なのも、今夜一緒に過ごすのが私なのも、全部当たり前。
貴方は今夜当たり前に私を好きになって、当たり前に私と幸せになるの。―――それが、それだけが私たちのクリスマスだよ。
394
:
名前なんか必要ねぇんだよ!
:2016/12/25(日) 00:05:15 ID:ZIwmvIb.
というわけでクリスマスネタ(?)でした
これもうわかんねえな
あ、ちなみに自分は麻子SSの人ではないです
ぶっちゃけあの作品に触発されて書き始めたのでパチもんくさくなってるのは仕様です
(紛らわしくて)すまんな
395
:
名前なんか必要ねぇんだよ!
:2016/12/25(日) 00:19:57 ID:kScTPmDM
いいっすね^〜
もっと病んだクリスマスネタ書いてくれよオラァン!
396
:
名前なんか必要ねぇんだよ!
:2016/12/25(日) 07:27:45 ID:Z0E.qwZU
あんこうチーム残りみんなのぶんも見たいけどな〜俺もな〜
年末年始版も期待してますんで!(無茶ぶり
397
:
名前なんか必要ねぇんだよ!
:2016/12/26(月) 23:15:23 ID:KhUcp46A
【柚子ルート BADエンド】
「これ、どういうことかな」
ある日、小山副会長から大洗女子学園の生徒会室へと呼び出された。
『明日の夜9時に来て。大事な話があるの』
指定された時間が日も落ちた頃だというのもそうだが、それ以上に電話越しの声が恐ろしく無機質であったことが不安を煽った。そしてそれは見事に的中した。
机を挟んだ向かい側の小山副会長が示したのは、数枚の写真。そこには、自分と女性―――恋人である河嶋 桃さんが唇を重ねる姿が写っていた。血の気が一気に引くのを感じる。
「この場所、うちの艦にある公園だよね?学園のすぐ近く、他の生徒もよく使う公園」
淡々と、しかし明確にこちらを責める意図が見える口調で小山副会長は言う。言い訳のしようもないくらいに鮮明なその写真を出されては、ただ頷くことしかできなかった。
「困るなぁ、こういうの」
はぁ、とわざとらしくため息をついてから、今度は呆れを含んだ物言いになった。どこかこの部屋の本来の主―――角谷会長を彷彿とさせる言い方により恐怖が増す。
「うちの学校が不純異性交遊禁止って知ってるよね?まあ貴方たちがお付き合いしてるのはなんとなく察してたけど……。節度は持ってくれてると思ってたんだけどなぁ」
さらに声に失望の色まで交えつつ、小山副会長は写真とこちらを交互に見た。その視線に普段の柔和さは微塵もなく、ただひたすらに暗かった。
「しかもこんな場所で。人に見られたらどうなるか、とか考えなかったのかな?仮にも桃ちゃんはこの学園の広報なんだよ?変な噂が流れればそのまま会長や学園の名前に傷がつく、って普通わかるよね?」
トントンと、小山副会長が机の端を指で叩く音が部屋に響く。それすらもこちらへのある種の威嚇に感じられた。
そして、ついにその言葉が告げられる。
「悪いけど、二人には別れてもらわないと。あと、桃ちゃんには責任を取るってことで生徒会を辞めてもらうから」
398
:
名前なんか必要ねぇんだよ!
:2016/12/26(月) 23:16:02 ID:KhUcp46A
写真を片付けながらあっさりと言うと、小山副会長は席を立った。話はこれで終わりだと言わんばかりだ。あわててその行く手を遮り、ためらいなく土下座をした。恥も外聞もなく、それだけは勘弁してください、と必死に頭を床に打ち付ける。彼女の提示した二つのものが、いかにこの場にいない恋人を傷つけるか、想像に難くない。
「やめてよ、そんなことしてほしくてやってるんじゃないんだから」
こちらの肩に手を置き、動きを制する小山副会長。顔を上げると、困ったような表情が見えた。
「ごめんね、追い詰めちゃって。意地悪で言ってるわけじゃないんだよ?」
普段のものに近い、先ほどより柔らかい声が聞こえた。
「でも、いきなり別れろだとか、生徒会を辞めろ、だとかは酷だよね」
交渉の余地が出てきたと感じ、すぐさま何か別の方法で自分に責任を取らせてください、と訴える。
「そうだねぇ……。まあ、この写真に関しては私が見なかったことにすればいいし、二人には今後自重してもらうってことにすればいいのかな」
口元に指を当て、思案するように言う。ようやく希望が出てきた。一転して小山副会長が女神か天使にも見えたのだが。
「でも、ただってわけにはいかないよね。悪いことをしたんだから罰は受けてもらわないと」
もとよりこちらはそのつもりだ。なんでも言ってください、と覚悟を決めて言う。桃さんと別れたり、彼女の生きがいである生徒会を辞めさせること以上に最悪なものなんてない。それ以外の罰で済むのなら喜んで受け入れよう。
「本当?じゃあ」
不意に小山副会長は距離を詰めこちらとの―――唇を重ねてきた。
さらに彼女の右手がこちらの股間をズボン越しにまさぐってきた。突然のことに呆然としてしまったが、なんとか正気を取り戻し、その体を突き放した。どういうことですか、と問うたが、小山副会長は動揺した様子もなくあっさりと言った。
「だからこれが罰だよ。罰なんだから貴方が嫌がることじゃないと意味がないでしょ?」
当然のように、まるで母親が子供に1+1=2と教えているかのように言う。
「だから、抵抗したり拒絶したりしたら―――どうなるかわかるよね?」
ここでようやく気付いた。彼女の目つきに。それは被告を弾劾する裁判官でも、刑を執行する刑務官でもなく―――獲物を狙う獣の目そのものだった。
399
:
名前なんか必要ねぇんだよ!
:2016/12/26(月) 23:16:31 ID:KhUcp46A
もはや抵抗は無意味どころか逆効果だと悟り、彼女の要求を受け入れる。言われるままに愛撫し愛撫され、唇を何度も重ねた。その度脳裏には愛しい恋人の笑顔が浮かんだが、その笑顔を守るため、と言い訳して行為に没頭した。体に走る快感に耐えることは、もはや不可能であった。唯一、不幸中の幸いと言っていいのかわからないが、小山副会長が避妊具を使ってくれたのは助かった。もちろんそれが不貞をごまかすことにはならないが。―――それを彼女の良心からの行い、と考えた自分は本当に馬鹿としか言い様がない。
「はい、笑ってー。チーズ!」
行為がひとしきり終わり、そのまま床で呆然としていたら、突如としてシャッター音が聞こえた。目線を上げると、そこにははだけた服装のまま、携帯のカメラをこちらに向けている小山副会長の姿があった。そう、撮影されたのだ。裸で床に横たわり、性器に避妊具をつけた姿を。
「うん、良く撮れてるね。全身しっかりと」
携帯を操作しながら彼女は言う。起き上がりその手を止めさせようとしたが、
「もう遅いよ。データは私の部屋のPCに送っちゃった。これを壊しても解決しないよ?」
その宣告に、がくりと肩を落とした。行為の疲れと相まって、もはや動くことすら億劫だった。
「さて、と。私の言いたいことはわかるよね?この画像と、さっきの写真。この二つが同時に流出しちゃったら、責められるのは誰かな?」
もはや自分と桃さんの社会的生殺与奪権は、目の前の女性に完全に握られた。少なくとも今の働かない頭ではどうにもできず、絶望するくらいには。
「貴方が私の言うことを聞いてくれてれば、誰にも言わないし見せないって約束するよ。だから」
こちらの耳元に口を近づけ、囁くように彼女は告げた。
「これからよろしく。末永く、ね」
400
:
名前なんか必要ねぇんだよ!
:2016/12/26(月) 23:17:19 ID:KhUcp46A
「さて、と」
―――がチャリ。
「桃ちゃん、大丈夫?生きてる?」
「―――ッ!!―――ッ!!!」
「ああ、どうどう。今解いてあげるから。とりあえず口だけね」
「プハッ……!!柚子……!お前、どういうつもりだッ!!なんで……なんでこんなひどいことをッ!!」
「あーあ、本当に泣き虫だね、桃ちゃんは。そんなにベソかいちゃって」
「巫山戯るなッ!!」
「巫山戯てなんてないよぉ。それにどういうつもり、って。さっき彼に言った通り、『罰』だよ」
「……ッ!確かに我々のしたことは不用意だった!それは認める!でも……だからってここまでする必要があるのか!?お前がただ欲求を満たしたくてやったことなんじゃないのか!?」
「そうだよ?」
「なッ……!」
「ああ、あとひとつ訂正ね。さっき彼に言った通りって言ったけど、本当は嘘が一個混ざってるの」
「嘘……?」
「うん。それはね、この『罰』はふたりの行いへのものじゃない、ってこと」
「……どういう意味だ」
「つまり、この『罰』は―――」
401
:
名前なんか必要ねぇんだよ!
:2016/12/26(月) 23:17:50 ID:KhUcp46A
「私から大切な人を奪って、でもそんなことも知らずにのうのうと幸せそうな間抜け面をさらしてた『誰かさん』への『罰』、なんだよ」
402
:
名前なんか必要ねぇんだよ!
:2016/12/26(月) 23:19:07 ID:KhUcp46A
というわけで柚子ちゃんルートBADでした
エロシーンは童貞なのでキャンセルだ
403
:
名前なんか必要ねぇんだよ!
:2016/12/26(月) 23:24:13 ID:P.4I.7A2
犯りますねぇ!
404
:
名前なんか必要ねぇんだよ!
:2016/12/27(火) 00:21:06 ID:ZUKTZTDY
なんで・・・?(キャンセル
でも柚子ちゃんBADあぁ^〜いいっすねぇ〜書いてくれてありがとナス!
普段おとなしい子ほど振り切れた時はやはりヤバイ(確信
405
:
名前なんか必要ねぇんだよ!
:2016/12/27(火) 01:14:34 ID:HxRjDots
柚子ちゃんみたいな人ほど怒らせると本当に怖いって、はっきりわかんだね。
406
:
名前なんか必要ねぇんだよ!
:2016/12/27(火) 03:05:51 ID:HHLEtkRw
なんでもすると言ってはいけない
407
:
名前なんか必要ねぇんだよ!
:2016/12/27(火) 06:09:06 ID:hEn/8JvA
やべぇよやべぇよ…
408
:
名前なんか必要ねぇんだよ!
:2016/12/27(火) 23:47:05 ID:MjmlH9BQ
<そど子>
好感度10%(顔見知り程度):「はい、おはよう。……ちょっと貴方、ネクタイはしっかり締めなさい。校則以前の常識でしょう?」
好感度50%(仲の良い友人):「おはよう。……はぁ、ちょっと貴方、寝癖がついてるわよ、ほらここ。まったく、服装はちゃんとしてても、それじゃあ台無しよ」
好感度100%(恋人) :「遅いわ!女性を待たせるのはマナー違反よ!まったく、身だしなみは合格だけど30分も待たせてたら意味が……な、なによ。そりゃあ確かに私も早く来すぎたこともなくもないこともないかもしないけど……う、うるさいわね!楽しみにしてたとかそういうことじゃないんだから!本当よ!」
好感度444%(???) :「他の異性との会話、他の異性への笑顔、他の異性への気遣い……全部規則違反よ。覚悟はできてるんでしょうね?とりあえず勝手な外出は禁止、どうしても必要な場合は必ず私が同行するから。あと、携帯も没収ね。……学校?ダメに決まってるでしょ。貴方まだわかってないの?この規則がある意味を。……そう、ならもういいわ。説明しても意味ないんでしょ?じゃあ、黙って従いなさい。逆らわず、考えず、ただ従ってればいいの。それが貴方のためなのよ」
409
:
名前なんか必要ねぇんだよ!
:2016/12/27(火) 23:48:54 ID:MjmlH9BQ
というわけでそど子小ネタでした
そろそろレオポンも考えなきゃ(使命感)
410
:
名前なんか必要ねぇんだよ!
:2016/12/27(火) 23:57:35 ID:zT3iRxZ2
そど子すこ
411
:
名前なんか必要ねぇんだよ!
:2016/12/27(火) 23:59:48 ID:lJvvoDLU
ああ^〜
412
:
名前なんか必要ねぇんだよ!
:2016/12/28(水) 00:58:17 ID:P2qVje/2
バミューダ娘オナシャス
バミューダ娘ってショタコンっぽい
413
:
名前なんか必要ねぇんだよ!
:2016/12/28(水) 01:47:10 ID:q.LS4sP2
バミューダ三人も見た〜い見た〜い
ショタとは言わないまでも年下のほうが好きそう感ありますねぇ!
414
:
名前なんか必要ねぇんだよ!
:2016/12/29(木) 22:42:03 ID:q0IQ08tg
<アズミ>
好感度10%(顔見知り程度):「んー……?あー……おはよう……。ゴメン、大きい声出さないでくれる?昨日ちょっと飲み過ぎちゃったから……」
好感度50%(仲の良い後輩):「あ、おはよう。……あー、昨日はごめんなさいね?巻き込んじゃって。勝手だけど、できればアレは忘れてくれると嬉しいかな。一応私たちも嫁入り前の女だから、ね?」
好感度100%(恋人) :「おはよ。ん?ふふ、さすがに昨日は飲んでないわよ。せっかくのデートですもの、体調はバッチリ。そのかわり、今日はしっかりエスコートしてよね?お酒を飲んでいるよりも素敵な時間にしてくれないと、お姉さん怒るわよ?」
好感度444%(???) :「おはよう。昨日はどうも。……あら?覚えてない?じゃあほら、これ観て?よく映ってるでしょ。もう、お酒の勢いとは言えあんなに激しくして……お姉さん驚いちゃった。彼女持ちなのにこんなことしちゃ、イケナイぞ?ああでも、私も謝らないとね。さっきの動画、あの娘に間違えて送っちゃったの。え?人聞きが悪いわね、わざとじゃないのよ?でも、ちゃんとそのことの責任は取るから、ね?」
415
:
名前なんか必要ねぇんだよ!
:2016/12/29(木) 22:44:10 ID:q0IQ08tg
というわjけでアズミさん小ネタでした
長めのはどうしようかと思ってます
やるとしてもバミューダまとめてとかになるけど絶対スマブラみたいになる(確信)
416
:
名前なんか必要ねぇんだよ!
:2016/12/29(木) 23:59:57 ID:sMVmyiKQ
GAMESET
417
:
名前なんか必要ねぇんだよ!
:2016/12/29(木) 23:59:58 ID:sMVmyiKQ
GAMESET
418
:
名前なんか必要ねぇんだよ!
:2016/12/30(金) 05:46:29 ID:qI6OYlF2
アズミさんいいゾ〜これ
大学生なのに色っぽくてすき
419
:
名前なんか必要ねぇんだよ!
:2016/12/30(金) 07:32:17 ID:e16Y6xLE
(スマブラみたいでも)なんの問題ですか?(レ
444%も計算ずくと考えるとぞくぞくしますね(興奮
420
:
名前なんか必要ねぇんだよ!
:2016/12/30(金) 23:10:58 ID:Ed0zVixY
クラーラオナシャス
421
:
名前なんか必要ねぇんだよ!
:2016/12/31(土) 23:52:18 ID:AmFpebyg
【年越し】
「……そろそろいいかな?蓋、外すね」
12月31日の夜。みほの自宅のマンションでふたりで鍋を囲むことになった。普段なら一緒に過ごす旧大洗女子あんこうチームはそれぞれ帰省などの予定が入り、自分と同じく特に予定のなかったみほの提案でこうなった次第である。ひとりで年越しというのも味気ないので、彼女の誘いは正直ありがたかった。
「本当は実家に帰ってもよかったんだけどね。お姉ちゃんが『この時期は色々忙しいからそれにお前を巻き込むのは悪い』、て。だからお正月が終わった頃に顔を出すことにしたの」
ひょいひょいと箸で鍋の具を取りつつ、みほが語った。なるほど、妹想いのあの人らしい。こちらとしても結果的にこうしてみほとこの時間を過ごせるのだから、感謝しなければ。……まあ直接言うと話がややこしくなるだろうから心の中だけにしておくが。
「それじゃあ、改めて……。今年一年、お世話になりました。来年もよろしくお願います」
こちらこそ、と返し、彼女に倣って頭を下げる。顔を上げると、みほの少し照れたような笑顔があった。
「あはは、改まって挨拶するとなんだか恥ずかしいね。さ、冷めちゃう前に食べよう?……あ、その前に乾杯だね。今持ってくるから」
そういうと立ち上がり、冷蔵庫から缶ビールを持ってきた。みほは普段飲み会(大半があんこうチームとのものだが)に顔は出しても酒はほとんど飲まない。当人曰くあまりアルコールの味は得意ではないから、らしい。しかし今日はふたりで行った買い出しの際に、
『私もそろそろ慣れないとね。こういう時に練習しておかないと』
ということで、珍しくビールを数本購入した。まあ場所は彼女の自宅だし、こちらも酒はそれほど飲まないのでいざとなれば自分が介抱すれば良いだろう、と考え、それを止めなかったのだが……。
「うふふ〜……。なんだかふわふわします〜……」
乾杯して数十分後。まだ缶の中身は半分も減っていないはずなのに、みほはすでに出来上がっていた。紅潮した顔は妙に色っぽいが、頭を左右にメトロノームのように揺らしている姿のコミカルさが勝ってしまっている。
「酔ってないよ〜。いつも通りだよぉ〜……。うふへへへへ」
普段からそんな不気味な笑い方をしていたらおそらく友達にはなっていない。とりあえず口の端から垂れている涎を拭ってやりつつ、どうしたものかと考える。とりあえずベッドに一旦寝かしつけてしまおうか……。
「でも今年は助かったなぁ〜。実家にはあんまり帰りたくなかったから〜」
……これは……。もしやと思い、試しにみほに質問をしてみる。
422
:
名前なんか必要ねぇんだよ!
:2017/01/01(日) 00:08:24 ID:5dGHLCB6
あんこうチームをどう思う?
「え〜?う〜ん……。沙織さんはぁ、私が大洗に転校したとき最初に話しかけてくれた恩人で〜……。だけど大学に入ってからますます彼氏が欲しい彼氏が欲しいっていうのはちょっとアレかな〜。華さんはさりげない気遣いができる人だけど、消化器官どうなってるのって思う時がありますね〜。優花里さんも色々なことができる人だから助かるけど、パンツァー・ハイはそろそろどうにかしてほしいよ。麻子さんはいざという時頼りになるんだけど、いまだに朝起こさないといけないからね〜」
……やはり。どうにも酒の入っている現在の彼女は、普段表に出さない本音がダダ漏れになるようである。幸いこの場には自分とみほの二人だけだ、せっかくの機会なので色々聞いてみることにする。
旧大洗生徒会のカメさんチームはどう思っている?
「角谷元会長はね〜、すごい人だと思うけど最初の時に私を脅したのはね〜。小山元副会長も優しいけど怒るとなにするかわからない感じがするし〜、河嶋先輩は一生懸命だけど肝心な時に外すから〜……」
姉のまほさんは?
「優しくて自慢のお姉ちゃんだけど〜……。いい加減過保護すぎるんだよね〜。私も20歳過ぎてるってわかってるのかな〜?」
元黒森峰の……えーと、逸見?さん?については?
「う〜ん……いい人だと思うよ?うん。ちょっと面倒くさい時があるけど」
―――さて、予想以上に本音が聞けた。しかしこれ以上は何か人間関係の闇が浮き彫りになりそうなので自重しておこう。そう思ったのだが。
「あと、貴方のことはね〜」
聞いてもいないのに話し始めるみほ。本格的に酔いが回ったのかすっかりテーブルに突っ伏していた。まあ確かにここまで聞いておいて自分のことは聞かない、というのは卑怯かもしれないので、そのまま彼女の言葉に耳を傾ける。
「戦車道以外に取り柄のない私に優しくしてくれて、家のこととかで偏見も持たずに接してくれて、いざという時に頼りなって……」
……思った以上のベタ褒めに顔が赤くなるのを感じた。普段はこんなことを思っていたのか。
「あ〜、でもひとつだけ」
みほが付け加えるように言う。相変わらず顔を伏せたままなので表情はわからない。
「私の気持ちに気付いてくれないのは困るかなぁ」
―――思わず息を飲んでしまった。この場合の気持ち、というのは間違いなく……。
「……」
それきり黙ってしまったみほ。―――これ以上はさすがになにも聞けない。いや、先ほどの時点でアウトだろうが。
とりあえずみほを抱えてベッドに運ぶことにする。残った鍋もすっかり冷めてしまったし(ある程度は酔いみほ問答の間に食べてはいたが)、このまま彼女を寝かしつけてお開きにするべきかと考えながらベッドにみほを寝かせ離れようとすると。
423
:
名前なんか必要ねぇんだよ!
:2017/01/01(日) 00:09:08 ID:5dGHLCB6
「どこに行くの?」
いきなりみほの両手がガシリとこちらの首を掴み、ベッドに横たわる彼女の上に引き倒される。間近に迫ったみほの顔は、先程までとは違う笑みに満ちていた。
「酷いよ、私にあれだけ言わせておいて自分は何もなし、なんて」
しっかりとした口調、目線で言う。これはつまり……。
「うん。酔ってないよ、最初から。そもそも私、お酒は好きじゃないとは言ったけど弱いとは言ってないし」
最初から計算ずくだったということか。今日誘ってきた時からずっと。
「違うよ」
みほは笑顔のままで言う。
「最初の飲み会の時からだよ。まあ貴方を好きになったのは高校の時だから、その頃からって言ってもいいのかもね」
ならおおよそ3年越し、ということになる。それだけの間、彼女は―――。
「……あ。年、明けちゃったね」
低音量で点けていたテレビから新年の挨拶の声が聞こえるた。しかしすぐにみほがこちらから目線を外さないまま、リモコンで消してしまう。部屋は彼女と自分の呼吸と鼓動の音のみで満たされた。
「今度は貴方の『本音』、聞きたいな。貴方は私をどう思ってるの?」
―――こうして1月1日、間違いなく誰よりも可愛らしいが、もしかしたら誰よりも恐ろしい恋人ができたのだった。
424
:
名前なんか必要ねぇんだよ!
:2017/01/01(日) 00:10:30 ID:b.IgrAxM
あっ(勃起)
425
:
名前なんか必要ねぇんだよ!
:2017/01/01(日) 00:12:40 ID:5dGHLCB6
というわけであけましておめでとナス!
せっかくなので病んでないみぽりんで行きました
クラーラはロシア語がね…
426
:
名前なんか必要ねぇんだよ!
:2017/01/01(日) 00:46:51 ID:.hPX4jB2
やっぱ
>>1
の…SSを…最高やな!
427
:
名前なんか必要ねぇんだよ!
:2017/01/01(日) 01:04:02 ID:qhi6/mNU
いいゾ〜
428
:
名前なんか必要ねぇんだよ!
:2017/01/01(日) 08:04:31 ID:sVxjoGwg
あぁ^〜やっぱり可愛いんじゃあ〜
あけましておめでとナス!
>>1
くんのSS、今後も期待してますんで!
429
:
名前なんか必要ねぇんだよ!
:2017/01/01(日) 21:29:54 ID:5dGHLCB6
【年の初めの誕生日】
「いやー、ごめんごめん。待たせちゃった?」
1月1日の午前9時頃、待ち合わせ場所である駅前に待ち人である彼女―――角谷 杏さんが現れた。彼女の言葉に、ほとんど待ってないですよ、と答える。
「本当はもうちょっと早く着くつもりだったんだけどねぇ。服選びに手間取っちゃってさ」
そう言う杏さんの服装は、随分可愛らしいものだった。コートにマフラー、スカートにブーツというオーソドックスなスタイルではあるが、少しサイズが大きいからかコートに半分着られている、といった感じがあった。しかしそれがかえって彼女のもつ容姿の愛らしさを引き立てていた。彼女を知らない人が見れば女子大生と見抜くことはできないだろう。……まあ杏さんの内面のしたたかさを知っている身からすれば、その辺も計算ずくなんだろうな、と感じてしまうが。
「何言ってんの、服装なんてほとんどの人が計算ずくでやってるよ。相手によく見られたい、っていうね。特に女の子はなおさら。よっぽど近しくなければ何も考えてない格好なんて見せないよ」
なるほど、言われてみれば当たり前だ。しかしなんとなくそのまま納得するのは癪なので、つまり杏さんにとって自分はまだ考えた格好を見せるくらい距離が離れてるんですね、と言い返してみた。
「そりゃそうでしょ。私にとってキミはまだ『常に考えに考えた服で一番可愛く見られたい』相手だからね。気を抜いた姿を見せられるのは『どんな私でも絶対に好きでいてくれる』って確信が持ててからかな。だからもうちょっと先」
ニッ、と笑ってそういう杏さん。ストレートな言葉にこっちの顔が熱くなってしまった。やはりまだまだこの人にはかなわないらしい。
430
:
名前なんか必要ねぇんだよ!
:2017/01/01(日) 21:30:27 ID:lL01i1BE
もう始まってる!
431
:
名前なんか必要ねぇんだよ!
:2017/01/01(日) 21:30:28 ID:5dGHLCB6
「あー、やっぱりすごい人だねぇ」
目的地である神社に着くと、そこは大勢の人でごった返していた。まあ元旦なのだから当たり前だが、境内にたどり着けるのは随分先になりそうだ。
「ま、しょうがないね。のんびり並んで待とうか。……っと」
不意に人波に押され、杏さんがよろけた。あわてて彼女の小柄な身体を支える。この人混みではふとした拍子にはぐれてしまいかねないと思い、袖からちょこんと出た彼女の手を握った。
「おー、気がきくねえ。なかなかポイント高いよこれ」
神社の混み様を見て苦笑気味だった表情が晴れやかな笑顔になった。
「これなら人混みも悪くないかな、なんてね」
そう言いながら身体を寄せてくる杏さんに、まったく同じ感想を抱いたのは言うまでもない。
432
:
名前なんか必要ねぇんだよ!
:2017/01/01(日) 21:30:58 ID:5dGHLCB6
「ふー、結局2時間くらいかかっちゃったね」
参拝を終え、再び神社の前の大通りまで戻ってきた頃には、すでに時刻は11時半を回っていた。途中おみくじで杏さんが大吉、自分が凶を引くということがあり、それを杏さんが『一緒に結んでおけばちょうどいい感じになるよ、きっと』と言って二枚のおみくじを重ねて結びつける、なんてことがあったりしたが、それはさておき。
「んー……、そろそろあっちに行かないとまずいかな」
携帯を見ながら杏さんが言った。なんでも誕生日会としておから友人たちと一緒に過ごす約束をしているらしい。
「一応女子会だからね。申し訳ないけどキミは参加できないかな」
彼女の交友関係は学内外男女問わず広がっているが、元が女子校育ちということもあり比率としては女子の方が多く、本人的にもそちらの方が気楽らしかった。参加できないのは残念ではあるが、無理に行って空気を壊すのも本意ではない。
しかし、それならばここで渡しておかなければならないだろう。鞄から用意していた誕生日プレゼントを取り出そうとしたが
「あ、ちなみに今日は遅くとも9時には解散、ってことになってるから。明日朝から実家に帰らなきゃいけないって言ってあるんだ」
それは初耳だ。酒を嗜みイベントごとも好きな彼女のことだから、てっきりオールするのかと思っていたが……。まあ家のことなら仕方ないのだろう。
「……こういう察しは悪いんだねぇ。私は『夜は空いてる』って言いたいんだよ。もっと言えば実家に帰る予定も本当はないよ」
……さすがにそこまで言われれば自分でも理解できる。出しかけたプレゼントをしまい直す。
「小山もかーしまも今日は実家から参加してそっちに帰るから、夜は家に私だけだよ」
ルームメイトが不在、となれば、か弱い女性を守るために部屋に行くのもやむなしだろう。
「あ。ところで朝の話の続きなんだけどさ」
「女の子が一番考えに考えて気合を入れる格好は、裸なんだよ。そこのところを今夜キミには身を持って知ってもらうから、そのつもりで」
433
:
名前なんか必要ねぇんだよ!
:2017/01/01(日) 21:33:02 ID:5dGHLCB6
というわけで会長お誕生日おめでとうございます
考えてみたら会長はBADしか書いてなかったからね
明日は来れないので明後日以降に何か書きたいね(適当)
434
:
名前なんか必要ねぇんだよ!
:2017/01/01(日) 21:33:53 ID:5QvCQuqg
いいゾ〜これ
435
:
名前なんか必要ねぇんだよ!
:2017/01/01(日) 21:35:12 ID:b.IgrAxM
セックス!SEX!正月から会長とSEX!あーサイコ
436
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名前なんか必要ねぇんだよ!
:2017/01/01(日) 21:46:17 ID:wExSEt1A
ヌッ!
437
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名前なんか必要ねぇんだよ!
:2017/01/02(月) 03:00:41 ID:ozCMr3Yo
ねこにゃーオナシャス
438
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名前なんか必要ねぇんだよ!
:2017/01/03(火) 22:32:39 ID:lVZeoIOE
<ねこにゃー>
好感度10%(顔見知り程度):「うひゃあっ!?……お、オハヨウ……あ、えーとあーと……や、約束があるのでこれにて!」
好感度50%(仲の良い友人):「おお、昨夜はどうも!おかげで大勝利だったにゃー!ただボクとしてはあそこは包囲を崩してでも突撃した方がよかったんじゃないかといやあくまで個人的なアレなんだけど何故かというと」
好感度100%(恋人) :「あ、おは……あっ!ちょ、ちょっと待つにゃー!い、今眼鏡かけるから……どうでもよくない!眼鏡は体の一部だから……っていうか恥ずかしいから!いや、昨日全部見られたけど……ううぅぅ、とにかく向こうを向くにゃー!」
好感度444%(???) :『おはよう。メールの返事くれなから電話しちゃったんだけど……え?送りすぎ?たった92通なのに?……それはともかく、ドアを開けて欲しいにゃー。外は寒くて……。開けられない?部屋が散らかってるから?あは、そんなの気にしないよ。だから開けて?そっちが開けなくても自力で開けられるけど、修理費がすごいことになると思うよ?だから開けて?』
439
:
名前なんか必要ねぇんだよ!
:2017/01/03(火) 22:40:24 ID:lVZeoIOE
というわけでねこにゃー小ネタでした
キャラがイマイチつかめないゾ……
440
:
名前なんか必要ねぇんだよ!
:2017/01/03(火) 22:51:02 ID:Z9J8sTtk
50%のめっちゃ早口で言ってそうな感じすき
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