したらばTOP ■掲示板に戻る■ 全部 1-100 最新50 | |

ガルパン みほルートGOODエンド

359名前なんか必要ねぇんだよ!:2016/12/16(金) 01:16:14 ID:L6s0rNZ.

 【番外編 聖グロリアーナのある冬の日】

  
 「こんな格言を知っている?『鍋は大勢で食べると美味しい』って」

 「……お言葉ですがダージリン様、それはもう格言ではないのでは……」

 「まあ真理ではありますけど……。あっ!ローズヒップ!まだ蓋を開けてはいけません!しかもなんで菜箸で開けようとしているの!?」

 「私の箸使いを皆様に見ていただこうと思いまして!それに今のうちに自分の分を確保しておかないとすべて食べられてしまいますわ!」

 ……なんだろう、この状況は。鍋から立つ湯気の具合を見つつ、思わず嘆息する。思えば数時間前、携帯にかかってきた一本の電話が始まりであった。

 『鍋パーティーをやるのですけど、ご一緒にいかが?』

 冬休み。特にすることもなく部屋でゴロゴロとしていると、いつも通りの優雅な声と口調によるお誘いを受けた。断る理由もないのでほとんど二つ返事で了承したのだが、開催の日時を聞いて耳を疑った。

 『今からよ?まあ、正確には始まるのは数時間後だけれど』

 あっさりと言い放たれたダージリンさんの言葉に、咄嗟に部屋の窓から外を見てみると、やはり優雅に笑顔で手を振る彼女の姿があった。
 その後はあれよあれよという間に聖グロリアーナの学園艦に拉致―――もとい案内されてしまった。この間ダージリンさんに同行していたオレンジペコさんとアッサムさんは無言で『諦めてください』と言わんばかりに揃って首を振っていた。……この二人も大概苦労しているのだろう。
 そして最終的には、現在我々がいるこの部屋―――サロンと思しき豪奢な装飾と赤い絨毯が敷かれた場所へと連れてこられ、その中央に鎮座する、明らかに不釣合いな大きいこたつに入ることとなった。形自体は一般的な正方形だが、詰めれば女性なら一辺に二人ずつ入れるくらいの大きさだ。その内の三辺にはそれぞれダージリンさん、オレンジペコさん、そして自分。もう一辺にはアッサムさんとローズヒップさんが二人で入った。やり取りを見る限り、お目付け役、という意味なのかも知れない。


新着レスの表示


名前: E-mail(省略可)

※書き込む際の注意事項はこちら

※画像アップローダーはこちら

(画像を表示できるのは「画像リンクのサムネイル表示」がオンの掲示板に限ります)

掲示板管理者へ連絡 無料レンタル掲示板