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ガルパン みほルートGOODエンド

353名前なんか必要ねぇんだよ!:2016/12/15(木) 00:56:12 ID:eVc2Z042
 「ふぅ……」

 鍋の中をすっかり空にし、ふたり揃って寝転がる。片付けは一休みしてからでいいだろう。

 「……」

 こたつの反対側の彼女はなにも喋らない。もう眠ってしまったのか、あるいはただ黙っているだけなのかは見えないのでわからないが、まあどちらでも構わない。麻子と二人で過ごすと、こうした沈黙の時間がちょくちょく存在する。しかし、それがまったく不快ではなく、むしろ心地良ささえある。他の女性陣―――みほや沙織たちと居ることが嫌だなんてことはまったくないが、やはり女性相手ということもありどことなく気を遣ってしまう部分がある。会話をなるべく途切れさせないようにしたり、言い回しを柔らかくしたりといったことだ。この辺りのことが麻子相手の場合、ほとんど必要がない。麻子はいい意味で女性らしさ、というのが薄い性格をしているのだ。

 「……何か失礼なことを考えてないか」

 起きていたらしい。というかすごい勘だ。

 「お前の考えていることくらい、何となくわかる」 

 そう言うと麻子はムクリと起き上がり、鍋や食器の片付けを始めた。手伝おうとこちらも身を起こすと、

 「お前は寝てていい。片付けくらいは私がやる」

 夜になったからか、あるいは鍋でエネルギーが充填されたか、テキパキと動く麻子。そんな姿を見て、思わず意外といい嫁さんになりそうだな、と呟いた。

 「……」
 
 どうやら聞こえたらしく、手を止めてこちらを睨みつけてくる。しかし、先ほどよりも赤くなった顔では迫力も何もない。

 「……まったく。妙な忘年会だ」

 そう言って麻子は再び手を動かし始めた。まったくもって彼女の言う通りだ。だが、おそらくここ数年では、一番いい年の瀬になった。

 「……そうだな。私もそう思う」

 こちらを振り返らずに言った麻子だが、耳は真っ赤になっていた。


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