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マト ー)メ M・Mのようです

367名も無きAAのようです:2014/01/18(土) 20:04:04 ID:un0.uF.U0

 ミィは、意を決していつもの問いを投げかける。


マト゚−゚)メ「……あなたは私を知っていますか?」

(-、-トソン「はい。とてもよく」


 都村トソンはまた平然と言った。
 この問いに「よく知っている」と答えたのは彼女が初めてだった。
 否が応でも心臓の鼓動が早まるが、次いで「ですが」と続ける。


(゚、゚トソン「私はあなた方が何処までご存知なのかを把握していません。なので少し、自己紹介をさせて頂きたいのです」

(;^ω^)「自己紹介だって?」

(-、-トソン「はい。誤解があっては困りますから」


 私がではなくあなた方が、と言わんばかりのクールな口振りと表情で彼女はそう告げた。


( ^ω^)「望むところだお。こちらが訊こうとしていたことをわざわざ語って聞かせてくれるのならば幸いだ」

368名も無きAAのようです:2014/01/18(土) 20:05:06 ID:un0.uF.U0

 よろしかったらどうぞと対面のソファーを示し席を勧めた後。
 駒を並べ終えた彼女は、では手短に、と前置き言う。


(-、-トソン「都村トソンと申します。あなたのお父様には母がお世話になったようで」

(;^ω^)「…………母?」


 なんだって?


(゚、゚トソン「『都村トソン』のことです。私の血筋では長女に必ず『トソン』という名を付けるという風習があります。なので、母も私と同じ名です」

(;^ω^)「じゃあ、お前はあの……」

(-、-トソン「はい。『都村トソン』の実の娘であり、人工的に作り出された能力者の最初にして最後の一人。都村トソンです」


 彼女は『都村トソン』ではなかった。
 その『実の娘』の方だったらしい。

 あまりに似ているあまり動揺していて気付かなかったが、年齢的に彼女が『都村トソン』ということはありえない。
 考えてみればちょうど彼女は二十歳〜二十代半ばくらいで『実の娘』の年と一致する。
 写真の女性と生き写しのようにそっくりで、しかも同じようにスレンダーで高身長ということもあってすっかり勘違いしてしまっていた。

369名も無きAAのようです:2014/01/18(土) 20:06:05 ID:un0.uF.U0

(-、-トソン「現在は軍部に務めさせて頂いています。尤も、今日は非番ですが」


 そうか、彼女がそうなのか。

 『都村博士の忌み児』。 
 『絶対正義』。
 そして『ファーストナンバー』と呼ばれる――天才の最初にして最後の傑作。

 だとしたらミィの態度も理解できる。
 目の前の女はあの『殺戮機械』以上に強力な力を持つと伝わる、史上最高とまで謳われる能力者なのだから。


(゚、゚トソン「自己紹介は以上です。何かご質問は?」

( ^ω^)「……お前は、ミィのことを知っていると言ったな」

(゚、゚トソン「ミィ?」

( ^ω^)「コイツのことだお」


 僕が隣のミィの肩を叩くと、都村トソンはなるほどという風に頷く。
 こちらの情報を把握していないのか、それとも興味がないのか、表情からは伺えない。

370名も無きAAのようです:2014/01/18(土) 20:07:04 ID:un0.uF.U0

(-、-トソン「『ME』で『ミィ』ですか。……良い名前ですね。人間の受動的側面を意味する単語であり、『摸倣子(meme)』の最初の二文字です」

( ^ω^)「お前はさっきミィのことを知っていると言ったな」

(゚、゚トソン「ええ、その通りです」

( ^ω^)「質問があるのかと言えば、そのことだ。知っていることを話してくれ」


 都村トソンは暫し黙った。
 しかしすぐに「構いませんよ」と答え続けた。


(゚、゚トソン「ですが、その前に確認したいことがあります」

( ^ω^)「確認?」

(-、-トソン「はい。そのミィという子に私とゲームをして頂きたいのです。それで確認が可能だと思います」


 どうされますか?と彼女は問い掛けてくる。
 僕はミィを見て、ミィは僕を見つめて頷いた。
 答えなど決まっている。

371名も無きAAのようです:2014/01/18(土) 20:08:05 ID:un0.uF.U0

 *――*――*――*――*


 チェッカーとは西洋碁とも呼ばれるボードゲームの一種である。
 チェスボードと二色の丸い駒を十二個ずつ用意し、ルールに従って双方の駒を取り合っていく競技だ。
 交互に動かし、相手の駒を全て取るか、あるいは動けない状態にすれば勝ちとなる。

 国によって知名度は異なるが、ジャンル的にはチェスやオセロなどと同じく偶然の要素がなく、純粋なプレイヤーの実力が表れる。
 都村トソンが提案してきたのはそんなゲームだった。


( ^ω^)「さっきから駒を並べていたからまさかと思ったが……。本当にチェッカーをするつもりだったとは」

(-、-トソン「チェッカーはお好きですか?」

( ^ω^)「僕はオセロ派だ。チェスならともかく、チェッカーなんて戦術の基礎も分からないお」


 一見すると訳の分からない申し出だが、ミィの能力を踏まえれば意図は理解できる。
 チェッカーはチェスと同じく二人零和有限確定完全情報ゲーム――つまり、必要な情報が公開されているので全ての手を計算できる人間は絶対に負けない。


( ^ω^)「(普段の戦闘より考慮すべき要素は圧倒的に少ない。『未来予測』の能力を持つミィならば負けるはずがない。そういう意味での、確認か)」

372名も無きAAのようです:2014/01/18(土) 20:09:06 ID:un0.uF.U0

 都村トソンは対面のソファーに腰掛ける。
 それを見て、ミィも座った。
 チェステーブルを挟んで向かい合った形になる。
 こちらは黒の駒、向こうは赤だ。

 勝負を前にして都村トソンは二つルールを付け加えた。
 一つ、僕はミィに助言をしないこと。
 二つ、一手は必ず十秒以内に指すこと。


(-、-トソン「競技の円滑化の為にも体内時計で結構ですので十秒以内でお願いします」

マト゚ー゚)メ「分かりました」


 ミィはあっさりと同意する。
 負けることはありえないと思っているのだろう。


( ^ω^)「……こちらはゲームに付き合う身だ。勝った場合にはリターンが欲しいところだな」

マト;゚−゚)メ「ブーンさん、それは、」

(-、-トソン「構いませんよ。負けた場合のリスクを承知して頂けるのならば」

373名も無きAAのようです:2014/01/18(土) 20:10:06 ID:un0.uF.U0

 今度は彼女が同意する番だった。
 僕はこの手のゲームでミィが負けるとは少しも思っていない。
 都村トソンがどう考えているのかは分からないが、何かトラブルが起きない場合は大丈夫だろう。

 では、と彼女は言った。


(-、-トソン「私が負けた場合はあなた方の質問に全て正直に答えましょう。正直に答えたことを証明する手段はありませんが」

( ^ω^)「……万が一、ミィが負けた場合は?」

(-、-トソン「そうですね」


 一拍置いて、


(゚、゚トソン「あなた方が負けた場合は、以後、この国での一切の調査を禁じます」

(;^ω^)「ッ! ……お前が僕達の目的を知ってるかは分からないが、その目的を諦めろってことかお?」

(-、-トソン「そう聞こえなかったのであれば言い変えましょう。即刻この国から立ち去り、二度と国境線を跨がないでください」

(;^ω^)「(コイツ……)」

374名も無きAAのようです:2014/01/18(土) 20:11:08 ID:un0.uF.U0

 僕達の調査を禁じる意図。
 ミィの記憶や、僕の父親について探し回られると困る理由。
 どういうものが考えられるか。
 やはり都村トソンは関係者なのか?

 言葉に詰まった僕を後目に、ミィはまた「分かりました」と即座に同意した。
 ハイリスクハイリターンなこの勝負を。


マト-ー-)メ「分かりました。それで構いません」

(;^ω^)「…………お前、意味分かってるのか?」

マト゚−゚)メ「理解しています。大丈夫です。この勝負はそもそも賭けになっていないんですから」


 そうして彼女は、その両の瞳に淡く微かなアカイロを宿す。


マト ー)メ「ああ、あなたは本当に私のことをよく知っているんですね。知っているのであれば、そんな条件を提示した意味も理解できます」


 ミィはあのふわふわとした特徴的な笑みを浮かべた。
 一瞬だが、それを見て都村トソンがフッと微笑んだ気がしたが、多分気のせいだろう。

375名も無きAAのようです:2014/01/18(土) 20:12:04 ID:un0.uF.U0

 目の前の女とよく似た目を細め、ミィは言う。



マト ー)メ「あなたの思惑もこの勝負の行方も、もう既に、目に見えている―――」



 それが勝負の合図だと言わんばかりに彼女は一手目を指した。
 先攻後攻は決めていなかったが、都村トソンは特に気にした様子もなく即座に自分の手番を終わらせる。

 二手目。
 三手目。
 お互いにほとんど考えていないのではないかと思えるような早さで続けていく。

 遊戯室に駒の音が響く中、僕は少し逡巡してから訊いた。


( ^ω^)「なあ、質問していいかお?」

(-、-トソン「構いませんよ。まだ負けたわけではないので答えるとは限りませんが」


 黒い駒を取りながら都村トソンは答えた。
 声を掛けると邪魔になるだろうかと思っていたのだが、そんなことはなかったらしい。

376名も無きAAのようです:2014/01/18(土) 20:13:04 ID:un0.uF.U0

 僕は言う。


( ^ω^)「お前の母親……『都村トソン』は生きているのか?」

(-、-トソン「私の知る限りではとうの昔に死んだはずですね」

( ^ω^)「行方不明じゃなかったのかお?」

(゚、゚トソン「違いますよ。殺害されました」


 暫し手を止め、彼女は答える。
 特に感慨深くもなさそうに。


(-、-トソン「当時のあの人は軍の研究所に所属していました。彼女は比類なき頭脳を持っていましたから、その生死で諸外国や諸団体の対応は明確に変化します」

(;^ω^)「……だから、軍は周囲にプレッシャーを掛け続ける為に『行方不明ということにした』ってことか?」

(゚、゚トソン「はい。死亡後数年は『生きている』と主張し続け、情報が漏れそうになると『行方不明になった』と発表した、というわけです」


 軍にとっては幸運なことに露出の少ない人物でしたから、と付け加えた。

377名も無きAAのようです:2014/01/18(土) 20:14:08 ID:un0.uF.U0

 企業においても社長や重役、その中でも特に極めて有能な人間の逝去で株価が変化することがある。
 人間の死という悲報でさえも現代社会では情勢に影響を与えるカードの一枚でしかないのだろう。
 況してや今回の場合は空前絶後の天才科学者だ、生きているのと死んでいるのでは核兵器を持っているのと持っていないくらいの差がある。


(-、-トソン「上手くして死を偽装し現在も生きている可能性もあるでしょうが、私は寡聞にして存じません」


 嘘を言っているのかどうかは僕には分からなかった。
 まあいい。


( ^ω^)「じゃあ、僕の父にはついては何か知っているか?」

(゚、゚トソン「ここに来るまでに調べましたので、多少は。母がお世話になったようで。アルバムにも写真があったので勘違いということはないでしょう」

( ^ω^)「写真?」

(-、-トソン「集合写真です。あまりそういう物は好きではない人でしたから、仲が良かったのかもしれませんね」


 これについては僕達が集めた情報との矛盾もない。
 ひょっとして質問には答えるつもりで勝負を挑んできたのだろうか?
 最初から負けるつもりだったというか。

378名も無きAAのようです:2014/01/18(土) 20:15:07 ID:un0.uF.U0

 随分と駒も減ってきた。
 終わりが近いことを察しながら僕は訊ねる。


( ^ω^)「……そもそも、なんでここに来たんだお」

(-、-トソン「忠告ですよ。小説や映画でもよくあるでしょう? 調査を続ける探偵の元に刺客が忠告に現れるというようなシーンが」


 そういう場合のお決まりの台詞をいくつか思い浮かべる。

 「お前の為にならない」。
 「世の中には知らなくとも良いことがある」。
 「自分の身が可愛いならば手を引け」。


( ^ω^)「確かによくあるな。だがそれで実際に忠告に応じる主人公は見たことがない」

(-、-トソン「その通りですが、あなたが脇役ならば間違いなく訪れるのは死ですよ。賢明な選択を期待します」

( ^ω^)「嗅ぎ回られるとお前に不都合があるのか?」

(゚、゚トソン「特にはありませんね。あったとしても誤差の範囲内です。かと言って純粋な親切心で忠告しているわけではありませんが……」

379名も無きAAのようです:2014/01/18(土) 20:16:09 ID:un0.uF.U0

 なら、と僕は続けて訊いた。


( ^ω^)「……お前はミィについて、本当に何か知っているのか?」

(-、-トソン「知っていますよ。ですが――時間切れです」


 言われて気付く。
 チェス盤。
 先の一手で勝負は決していた。

 そして、その結果は―――。


(;^ω^)「…………引き分け……?」

(-、-トソン「その通りです。チェッカーというゲームは双方が最善手を指し続けた場合、必ず引き分けに終わる競技なんです」


 チェッカーの全ての手は計算し終わっている。
 故にそのデータベースを持つコンピューターに対しては世界チャンピオンであろうとも勝つことは不可能なのだという。
 実力や演算速度の問題ではなく、ゲームの性質的に引き分けにしかならない。
 たとえ『未来予測』の能力を持つミィだとしてもだ。

380名も無きAAのようです:2014/01/18(土) 20:17:08 ID:un0.uF.U0

マト-ー-)メ「言った通りです」


 なるほど、とミィの言葉を思い出し僕は納得した。
 最終的に引き分けに終わるのならば、確かにこれは賭けになっていなかった。

 待てよ?


(;^ω^)「なら、お前も……」

(-、-トソン「はい。私には『未来予測』の能力はないですが、最善手を指し続けられる程度の頭脳は持っています」


 都村トソンはミィを試していた。
 ただし、引き分けになるかどうかを見ていたのだ。
 自分と同等以上の演算が可能かどうかを。

 僕はあの情報屋から聞いた話を思い出した。
 『都村トソン』はチェスで世界チャンピオンに勝ち、コンピューターにも勝る思考速度を有していた、と。


( ^ω^)「(全く……洒落になってないな)」

381名も無きAAのようです:2014/01/18(土) 20:18:08 ID:un0.uF.U0

 やれやれだ。


(-、-トソン「……さて、勝負の決着は付かなかったので、私には正直に質問に答える義務はありませんね。自分の都合のいいように答えましょう」


 都村トソンは立ち上がりそう告げた。
 最初からこの展開に持っていくつもりだったのだと思うとクールな横顔も憎たらしく見えてしまう。
 ただ、それでも質問には答えてくれるようだ。 
 本当のことを言うかどうかは分からないにせよ。

 だったら改めて僕は聞こう。
 この女がどんな回答をするのかを。


( ^ω^)「それでも僕が訊ねるべきことは変わらない。お前は本当に、ミィについて何か知っているのか?」

(-、-トソン「知っていますよ」


 僕を真っ直ぐに見据えて彼女は言った。


(゚、゚トソン「何よりも、このまま進み続ければあなた方は必ず後悔する――ということを知っています」

382名も無きAAのようです:2014/01/18(土) 20:19:07 ID:un0.uF.U0

 彼女は言った。
 自分は忠告にやって来たと。
 僕達の歩みを止める為に現れた使者。

 沈黙した僕を見かねてか、ミィは僕の隣に立つと口を開く。


マト-ー-)メ「『後悔』は物事の後になってからしかできないものです。それに後悔するかどうかは私達の問題です」

(-、-トソン「その通りです。ですが、その物事の後に後悔できる状態だとは限りませんよ?」


 そう、例えば。


(゚、゚トソン「行方不明になったという、あなたのお父様のように」

(;^ω^)「!!」

(-、-トソン「そもそも後悔すらできないような状況に陥るかもしれない。だから私は忠告しに来たのです。『手を引け』と」

(;^ω^)「お節介にも、僕達のことを考えてか?」

(-、-トソン「その通りです」

383名も無きAAのようです:2014/01/18(土) 20:20:04 ID:un0.uF.U0

(゚、゚トソン「別にいいじゃありませんか。過去なんて分からずとも」


 「過去が分からなくても生きていけます」と彼女は続ける。
 仮に向き合わなければならない真実ならば必ずいつか対決することになるのだから、急いで探しに行く必要はないのだと。

 都村トソンは言う。

 知らないままならば、今のままでいられるのに。
 見ないフリをしていれば、ずっとこうして生きていられるのに。
 どうしてですか?と彼女は問い掛ける。


マト-ー-)メ「それでも私は【記憶(じぶん)】を探します。きっとブーンさんもそうです。私達にとって過去はそういう大切なものなんです」

(゚、゚トソン「これだけ言っても、まだ分かりませんか」

( ^ω^)「ご忠告は痛み入るが、僕達の行く道は僕達が決める。後悔するかどうかも、だ」


 僕とミィの言葉を受け、都村トソンは「そうですか」と目を伏せた。
 だが直後に顔を上げ言った。


(゚、゚トソン「口で言って分からないのならば仕方ありません。『ファーストナンバー』都村トソン――対象を撃滅します」

384名も無きAAのようです:2014/01/18(土) 20:21:05 ID:un0.uF.U0

 *――*――*――*――*


 え?
 言葉を認識する暇はなかった。
 疑問符を浮かべることさえ許されなかった。

 「一瞬」。
 そんな単語ではまるで表せない刹那の瞬間に全ては始まり――そして終わっていた。



マト; -)メ「がっ……ぁ……!」



 都村トソンの姿が消えた。
 低い音が響いた。 
 ミィが、壁に叩き付けられていた。

 何が起こったのかまるで理解できなかった。
 今の今まで隣に立っていたはずのミィが僕の背後で呻いている。
 首を締め上げられ宙に浮いた両足をばたつかせ苦しんでいる。
 あの都村トソンがそうしている。

385名も無きAAのようです:2014/01/18(土) 20:22:04 ID:un0.uF.U0

 彼女はミィと壁の方を向いている。
 こちらに背を向けている。

 だから僕は、即座に行動を起こした。
 予め取り出しやすい場所に入れておいたワイヤー針タイプのスタンガンを抜いた。
 だが。


(-、-トソン「大人しく見ていなさい」


 言葉に呼応し、電撃銃がひしゃげた。
 ゴミ処理場でしか聞かないような音と共に銃身がまるで何十倍もの重力に押し潰されたかのように用を成さない残骸へと変わった。


(゚、゚トソン「『未来予測』という能力は知覚(分析)、演算、予測という三つのプロセスから成るそうですね」

マト; -)メ「……ぃっ!!」


 都村トソンは語りながら片腕でミィを投げ捨てる。
 彼女は受け身も取れず毛足の長い絨毯に転がった。
 駆け寄る僕を冷めた目で見下ろし、史上最高の能力者は淡々と続ける。

386名も無きAAのようです:2014/01/18(土) 20:23:05 ID:un0.uF.U0

 ですが、と。


(-、-トソン「仮に一瞬で相手の攻撃を予測し終えたとしても、それだけでは意味がない」

(;^ω^)「ミィっ!! 大丈夫か、しっかりしろ!」

(゚、゚トソン「何故ならば予測しただけでは未来は変わらないから。相手の攻撃を避ける為には、先の三つのプロセスの後に『行動』が必要です」


 都村トソンがそこまで言ったところでミィが立ち上がった。
 咳き込んではいるが、無事らしい。


マト; -)メ「……だから私では、あなたには勝てない」

(-、-トソン「その通りです。あなたが私の次の一手を予測したとしても、あなたがその一手を避ける為の一手を打つ前に、私は行動を終える」

マト; -)メ「空間歪曲能力を用いた……ディーン・ドライブによる、亜光速移動……。それが、『ファーストナンバー』が最高の能力者足り得る理由……」

(゚、゚トソン「そこまで理解してなお、私の前に立ったことは尊敬に値します。いい覚悟です、感動的ですね。だが無意味です」


 ミィが未来を見通すのだとすれば、その未来を光速で書き換えるのが――『ファーストナンバー』都村トソン。

387名も無きAAのようです:2014/01/18(土) 20:24:08 ID:un0.uF.U0

 そう、これもどうしたって勝ちようのない勝負だった。
 それを理解したからこそミィはあれほどまでに都村トソンに恐怖していたのだ。

 都村トソンは勝負も覚悟も無意味だと告げた。
 だがそれでも。
 いや、だからこそ僕はミィの行動には意味があったと思う。

 それはつまり――どんな真実が待っているとしても、その過去と向き合うという覚悟と同じものなのだから。


(-、-トソン「忠告はしました。どんな選択をするかはあなた方の自由です。ですが今のまま進み続ければ、間違いなく後悔します。これが最後のチャンスです」

マト; ー)メ「……目に、見えています」

(-、-トソン「そうですか」


 一方はいつものような笑みを浮かべ。
 もう一方は、笑わなかった。

 彼女はそう言い残し部屋を出て行った。 
 それで終わりだった。
 後には僕達と、初めて足を踏み入れた時と何も変わらない静寂だけが残った。

388名も無きAAのようです:2014/01/18(土) 20:25:09 ID:un0.uF.U0

 *――*――*――*――*


 都村トソンとの邂逅から丸一日が経った。
 僕達は二人で夕陽を眺めていた。

 ある地方の展望台。
 肌寒い季節のせいか今日が平日なせいかどちらの要因が大きいのか分からないが、辺りには誰もいない。
 秋風に吹かれながら二人で沈み行く夕陽を見ていた。

 理由などない。
 なんとなく歩き続けている内にここに辿り着いてしまっただけだ。
 それだけのこと。
 意味なんてなくて良かった。


( ^ω^)「なあ、ミィ」

マト-ー-)メ「なんですか?」


 僕は問い掛け、彼女は応じる。
 この数週間で幾度となく繰り返したやり取り。

389名も無きAAのようです:2014/01/18(土) 20:26:31 ID:un0.uF.U0

 僕は紅い夕陽に、先月まで毎日見ていたはずの故郷の景色を妙に懐かしく思い出しながら言った。


( ^ω^)「あの都村トソンの言ってたことを全部信じるわけじゃあないが……でも、やめるなら今だと思うお」

マト-ー-)メ「ブーンさんこそ、後悔するかもしれませんよ? あるいは後悔できなくなるかもしれません」

( ^ω^)「かもしれないな。だから、やめるなら今だと思う」


 やめたいんですか?と彼女は訊ねる。
 どうだろうなと僕は答えた。


( ^ω^)「父のことは知りたい。だけど、命だって大事だと思うんだ。僕は臆病なのかな」

マト゚ー゚)メ「……いえ。人間は過去の為だけに生きるものではありませんから」

( ^ω^)「それは、そうかもな」

マト-ー-)メ「私は『現在』とは今この一瞬のことだけではないと思います。今の日常が『現在』なんです。過去も未来も、少しずつ『現在』に含まれる」

( ^ω^)「……なるほど。確かにそうかもしれない」

390名も無きAAのようです:2014/01/18(土) 20:27:11 ID:un0.uF.U0

 過去と現在も、現在と未来も。
 そこまで厳密に分けられるものではないのかもしれない。

 少なくとも人間が普段思う『現在』には、彼女が言うように過去も未来も少しずつ含まれている。
 大学に行ったり、友達と談笑したり、父の荷物を整理して悲しんだりする。
 それが僕の『現在』だった。

 だとしたら僕にとっての『過去』は何になるのだろう?
 父と過ごした日々だろうか?

 なら、『未来』は?


マト-ー-)メ「こうして生きていられる以上、『過去』よりも『現在』を重視することは当然のことなんです。それは悪いことではない」

( ^ω^)「そうかもしれないな」


 僕は呟き、けれどそれだけでは終わらず続けた。


( ^ω^)「……だけどさ、『過去』を知ることによって初めて開ける『未来』もあるんじゃないのかお?」

391名も無きAAのようです:2014/01/18(土) 20:28:05 ID:un0.uF.U0

 確かにこのまま生き続けていけば『現在』が緩やかに続いていくのだろう。
 続いていく先にある『現在』はそれも一つの『未来』だ。

 けれども、『過去』と向き合うことによって初めて選べるようになる『未来』もあるはずだ。
 僕はそう思う。
 だから。

 僕の言葉に彼女は笑った。


マト^ー^)メ「それも、そうかもしれません」


 あの特徴的な、掴みどころのないふわふわとした笑み。
 それが何よりも彼女の答えを表していた。

 最早、口にするまでもない。

 だからもう少しだけ進んでみよう。
 これからの『未来』を選ぶ為に。
 この先に、何が待っていたとしても。

392名も無きAAのようです:2014/01/18(土) 20:29:08 ID:un0.uF.U0

 僕も彼女もそれからしばらくの間、黙っていた。
 黙って夕陽を眺めていた。 


マト゚ー゚)メ「ブーンさん。どうせですから写真でも撮りませんか?」


 写真を撮るということは記憶を一つの記録に変える行為だ。
 父が大学時代の一枚をずっと持ち続けていたように。
 だから彼女との写真も僕にとって大切な思い出になるはずで。

 だからこそ、僕は言った。


( ^ω^)「……いや、今日はやめておこう。もう暗くなる。また何度でも来ればいいだけの話だ」


 そうだ。
 ここに来たことに意味なんてなくていい。
 たとえ後悔したとしても、これからも僕達は生き続けるのだから。

 何度でも訪れる今日には特別な意味なんてなくったっていい。

393名も無きAAのようです:2014/01/18(土) 20:30:05 ID:un0.uF.U0

 *――*――*――*――*



 ―――そして、終わりが始まった。


 始まりが唐突であったように、終わりも同じように突然だった。

 前触れなど一切なかった。
 伏線もお約束もない。
 始まりと同じように純粋な偶然が終わりを告げる。

 それはたまたま僕がミィと離れた時だった。
 二人で買い物に行って、たまたま買い忘れた物があることに気付き、一人で走って店へ戻る最中だった。


ミセ* ー)リ


 夜の街を走る僕は道の先に少女を見つけた。
 黒のパーカーを着た小柄な子で、フードを被っている為に顔は隠れていた。
 こちらへと歩いてくる少女と夜道で僕はすれ違う。

394名も無きAAのようです:2014/01/18(土) 20:31:07 ID:un0.uF.U0

 それだけのはずだった。



「―――なーんだ、こんな所にいたんだぁ」



 すれ違う瞬間に少女はそう口にする。
 次いで、パチンと指を鳴らした。
 その仕草に僕ができれば二度と会いたくない相手を思い浮かべた瞬間。

 僕は――その場に崩れ落ちた。


(; ω)「…………え?」


 膝から力が抜ける。
 呼吸ができない。
 意識が遠のく。 
 光が消える。
 コンクリートに打ちつけた肩だけが、熱く痛い。

395名も無きAAのようです:2014/01/18(土) 20:32:04 ID:un0.uF.U0

 目を開けているはずなのに何も見えない。
 声を出そうとしても喉は動かない。
 何が起こったのか分かるはずもない。

 どういうことだ?
 ……僕は、どうなった?




「―――ブーンさんっっっ!!」




 暗闇の中で最後に残った感覚が彼女の声を捉えた。
 ああ都村トソン、お前の言う通りだ。
 確かに後悔することになった。

 僕は泣き出しそうな声音のミィにどうすることもできないことを悔やみつつ、緩やかに意識を手放していく。

 もし今度目が醒めることがあったなら、泣いているであろう彼女をどうやって慰めようか。
 最後にそんなことを考えた。

396名も無きAAのようです:2014/01/18(土) 20:33:05 ID:un0.uF.U0


  この時の僕にとっての『現在』はあの住み慣れた家と大学を往復する日々ではなかった。
  この時の僕にとっての『現在』は即ちミィとの日常だった。

  街をぶらつき、買い物をし、喫茶店でコーヒーを飲み、他愛もない雑談をして、今日の宿を探し、明日以降の『未来』を夢見て眠る。

  『未来』を夢見る僕達は忘れていた。
  『未来』が夢見た通りのものではないかもしれないということを。
  ……分かっていたつもりになっていた。 

  後悔がないと言えば嘘になる。
  だけど、もう僕達のあの『現在』は――あの『過去』は、戻ってこない。




        マト ー)メ M・Mのようです


        「第七話:シ者」





.

397名も無きAAのようです:2014/01/18(土) 20:34:13 ID:un0.uF.U0

ラスト三話です(予定)。
よく考えたら次回予告したのに投下時間知らせてなかったですね、すみません。

398名も無きAAのようです:2014/01/18(土) 22:33:46 ID:M28cgDGM0
乙!!

399名も無きAAのようです:2014/01/18(土) 23:25:36 ID:MP6XHE4I0
乙です!
続きが気になる!

400名も無きAAのようです:2014/01/19(日) 00:25:53 ID:ITWXKTcA0
おつ!
トソン強すぎと思ったら一気に話し進んだな
楽しみにしてる

401名も無きAAのようです:2014/01/19(日) 00:33:55 ID:VSGE3dDA0

続きを楽しみにしてる

402名も無きAAのようです:2014/01/21(火) 07:12:27 ID:LURJ7k1I0

【現時点で判明している“少女”のデータ】

マト゚ー゚)メ
・名前:不明
・性別:女
・年齡:不明(外見年齡は15〜17程度)
・誕生日:不明
・出身地:不明
・職業:不明
・経歴:不明
・特記:『未来予測』の能力を持ち、限定的ながら未来が見える。精確に予測できるのは数秒先までで一分以上先のことは可能性が見えるのみ。
    能力を発動している間は瞳の色が変わるがデフォルトでもある程度未来は見えている。
・外見的特徴:身長160代前半。癖のある赤みがかった茶髪。白い肌。起伏の少なめな体型。整った容姿。ニット帽。ボーイッシュな服装。
       やや鋭めな双眸。瞳の色は橙に近いヘーゼル。能力発動中は左目が紫に輝き、更に集中すると色が濃くなり紅色に変わる。

・備考:
 気が付いた時には記憶(エピソード記憶)を全て失っていた。
 その当時の所有物は細工の入った銀の指輪のみ。 
 一人称は恐らく「私」。この国の言語で話しているので海外に住んでいたとは考えにくい。
 服を着る、買い物をする等のごく一般的な知識も備えている。
 知識(意味記憶)として一般には知られていない生体兵器についての知識を有する。
 顔立ち、特に目元が超能力の研究をしていたと言われる科学者『都村トソン』及びその娘に似ている。

403名も無きAAのようです:2014/01/21(火) 07:13:20 ID:LURJ7k1I0

【現時点までに使われた費用(日本円換算)】

・前回までの合計 14,921,520円
・宿泊費 約37,000円
・生活費 約8,000円
・武装費他 約22,000円
______

・合計 14,988,520円


【手に入れた物品諸々】

・情報

404名も無きAAのようです:2014/01/21(火) 07:14:05 ID:LURJ7k1I0

今の予定では九話の終わりに安価を実施するので、どうぞよろしく。
結末が変わる類のやつです。

405名も無きAAのようです:2014/01/21(火) 11:12:53 ID:54k.3/g.0
この安価は熱いでぇ…!

406名も無きAAのようです:2014/01/21(火) 19:15:43 ID:LIogIj56O
おつ
結末が変わるっておい、今から緊張してきたわ

407【第七話予告】:2014/02/04(火) 17:39:18 ID:uPTw4gTQ0

「……彼等は今の彼等が知らない過去によって出逢った。
 運命、偶然、因果、意図、あるいは――記憶。
 きっと彼等だけではありません。
 人間は誰だってそうなのでしょう。
 私達は自分で選択したわけでもないのに気付いた時には既に状況に拘束されている。
 そういうものです。

 ですが、それはそれまでのこと。
 それだけのこと。
 彼等が出逢った後で、彼等がどうするか、何を目的に生きていくかは彼等自身が決めることです。
 たとえトマトの一つに過ぎないような存在だとしても。

 何処へ行ったって同じ。
 今は嘘になんてなりはしない。

 だけど、いえだからこそ、できることならば彼等は何も知らないまま、自由に生きていて欲しかった―――」



 ―――次回、「第八話:Memorable Meme」

408名も無きAAのようです:2014/02/04(火) 17:40:12 ID:uPTw4gTQ0

第八話は2月6日夜〜深夜に投下予定です。
予定は未定。

2月中に終わればいいなー。

409名も無きAAのようです:2014/02/04(火) 18:19:56 ID:uZEybl360

待ってる。

410名も無きAAのようです:2014/02/04(火) 18:50:35 ID:2xzgv5D2O

マトマトだからトマトってか
楽しみだな

411名も無きAAのようです:2014/02/04(火) 19:48:59 ID:1huACYRAO
>>410
お前頭良いな

412作者。:2014/02/06(木) 21:27:12 ID:ZpAV6Pkw0


書き直したいところができたので投下は延期します。
満足の行く出来になり次第、また投下したいと思っています。

それでは。

413名も無きAAのようです:2014/02/06(木) 21:59:16 ID:Qzgu.j9w0
待ってる

414名も無きAAのようです:2014/02/07(金) 00:17:55 ID:BbEYPUScO
期待

415名も無きAAのようです:2014/02/08(土) 03:45:18 ID:iEUzuBzM0


  少し難しい話をしよう。

  古典的な決定論によれば未来は決定しており、そこに僕達の自由意思が介在する余地は存在しない。
  全てを知覚し全てを演算し全てを予測している知性のことをある数学者は『ラプラスの悪魔』と名付けた。


  少し難しい話をしよう。

  才人は運良く才能を持って生まれただけに過ぎず、成功はその才能がたまたま社会に需要されただけに過ぎず、故に社会は根本的に不平等だ。
  人間の人生の結果、その全ては究極的には偶然性に依っているのだとある哲学者は語り、現代経済学の礎を築いた。


  少し難しい話をしよう。

  全ての選択肢で世界が分離していくという量子力学的な多世界理論を取るとすれば、どのようなハッピーエンドも単に幸運な分岐が選ばれただけに過ぎない。
  個人の行動も選択も何もかもがなんの意味も成さない無限分岐の世界をある文学者は題材にした。


  少し難しい話をしよう。

  大いなる神が創りたまいしこの世界は神の摂理の下にあり、人の全ての歴史は神の配慮によって起きており、救済に与る者は遥か昔より決定している。
  神は選ばれし者の為だけに言葉を残されたのであり善行と救済は関係がないとある神学者は提唱し、現世に議論と改革を残した。

416名も無きAAのようです:2014/02/08(土) 03:46:06 ID:iEUzuBzM0

  未来は全て決まっている。
  人の意思には価値がない。
  それは、そうなのかもしれない。

  だけど僕はそれでも言いたい。
  僕達の選択が未来を作ると、未来への切符はいつも白紙なのだと。

  自由が無価値よりも遥かに過酷なことだとしても――僕はそう叫び続けたい。





        マト ー)メ M・Mのようです


        「第八話:Memorable Meme」




.

417名も無きAAのようです:2014/02/08(土) 03:47:07 ID:iEUzuBzM0

 
 ―――『過去』。

 『現在』。
 『未来』。
 選択、意思、人生、後悔、才能、価値、意味―――自由。


 ……ああ、そうだよな。
 分かってるんだ。

 僕は大して神を信じちゃいない。
 だから、こんな時だけ都合良くその神の使いとやらが現れて。
 行くべき道を。
 後悔しない選択を、示してくれるとか。
 そんなこと、期待するのも馬鹿らしいんだ。

 僕達は自由だ。
 だから自分で未来を選んでいくしかない。
 何も分からなくたって、そうしていくしかないんだ。

 だってそれが生きるってことだろう?

418名も無きAAのようです:2014/02/08(土) 03:48:06 ID:iEUzuBzM0

 だから。
 うん、分かってるよ。
 こんな暗闇で言葉を並べていたって何も変わりはしないことくらい。

 言葉っていうのは一人で悩む為にあるものじゃない。
 他人と繋がって考える為にあるものだ。

 あるいは――無知な自分を奮い立たせる為に、大切な誰かを慰めてその涙を止める為にあるものだから。


 ……さて、じゃあ。
 分からないことばかりだし、悔やんでも悔み足りないし、それはこれからも続いていくんだろうけど。
 もしかしたら今度こそ死んでしまうかもしれないんだけれど。

 それでもこれは僕の人生だから。
 まだ僕は生きているから。


 ―――そろそろ、目を醒まそうか。



.

419名も無きAAのようです:2014/02/08(土) 03:49:06 ID:iEUzuBzM0

 *――*――*――*――*


 右手の手の平が温かい。

 そんな感想を抱きながら僕は目を開ける。
 ぼんやりとした頭で考えるが、そのコンクリートの天井に見覚えはなかった。


( ^ω^)「ここは……」


 ここは何処だ?
 どうなったか、は幸いにも覚えている。

 明るさの足りない室内で僕は上半身を起こし、そこで気が付く。
 手の平に伝わる熱の正体。
 ベッド脇のパイプ椅子に座っている少女が僕の手を強く握っていたのだ。
 彼女の名前だって、僕はちゃんと思い出せる。


( ^ω^)「……ミィ?」

マト -)メ「…………」

420名も無きAAのようです:2014/02/08(土) 03:50:06 ID:iEUzuBzM0

 その名前を呼ぶ。
 答えはなく、彼女は俯いたままだった。

 寝ているのだろうか?
 だが直後にそうではないと気付く。
 小さな肩が震えていた。


マト -)メ「…………なさい」

( ^ω^)「え?」

マト -)メ「……約束したのに。守れなかった、ごめんなさい……」


 守れなかったというのは約束のことだろうか。
 それとも、僕のことだろうか。

 僕の彼女の契約。
 約束。
 僕達はお互いの目的の為に手を結んでいたわけで、それで。


( ^ω^)「何言ってるんだお。僕はこうして生きてる」

421名も無きAAのようです:2014/02/08(土) 03:51:06 ID:iEUzuBzM0

 それだけで重畳だし、と言いながら両手両足の感触を確かめる。
 一つもおかしな部分はない。


( ^ω^)「護衛としての役目には、まあ……不備があったかもしれないが、僕だって傷を負うことくらい覚悟してた」


 父親が失踪し。
 痕跡がなく。
 部屋が荒らされ。
 最初から危険など承知で、僕はこうして父の足跡を探している。

 無傷で安全に終われればそれが一番だったし、その為にミィを雇ったという面もあったが……。
 トントン拍子に上手くいくほど甘くないということは分かっていたつもりだ。


( ^ω^)「そんなに気にするほどのことじゃないお。僕はこうして五体満足なんだし」

マト -)メ「違うんです、ブーンさん……」

( ^ω^)「何が違うって言うんだ?」


 と。

422名も無きAAのようです:2014/02/08(土) 03:52:06 ID:iEUzuBzM0

 彼女がその答えを口にする前に部屋の扉が開いた。
 そこに立っていたのは顔に大きな古傷のある黒髪の少女だった。

 纏う底知れぬ異常さに思わず冷や汗が流れる。
 二度と遭いたくなかった相手。
 その少女は咥えていた棒付きキャンディをパキリと噛み砕き、僕に笑みを見せた。

 奴が、立っていた。


(#^;;-^)「なんや、えらい元気そうやん?」


 悪魔の右腕を持つ超越者。
 『殺戮機械』と呼ばれる少女がそこに立っていた。


(;^ω^)「…………なんで、お前が?」

(#゚;;-゚)「へぇ、なるほどなあ」


 彼女――という呼称が正体不明の奴に相応しいかは分からないが、とにかく彼女は言った。

423名も無きAAのようです:2014/02/08(土) 03:53:06 ID:iEUzuBzM0

(#^;;-^)「てっきり勘違いしとると思とったけど、そうでもないみたいやな」

( ^ω^)「何の話だ?」

(#゚;;-゚)「兄さんを襲ったていう奴、指鳴らしとったらしいやん。だから、うちと勘違いしとるんやないかってな」


 ああ、そのことか。
 首を振って僕は答えた。


( ^ω^)「あのパーカーの子はお前じゃない。確証はないが、それくらいは分かる」

(#゚;;-゚)「へぇ? 勘か?」

( ^ω^)「というよりも、印象の違い……と言うべきかな。姿を変えられる相手に印象も何もないだろうが」


 それでも、僕を襲った相手とこの『殺戮機械』は別人だと思うのだ。
 あの少女の異常性に気付いたのは意識が途切れる寸前の最後の一瞬だけだったが、威圧感があることは同じでも決定的に何か違う部分があった。
 具体的に何かは分からない。
 分からないが、きっと別人だと思う。

 『殺戮機械』のこちらの根幹の脅かすような恐怖とは、何かが違った。

424名も無きAAのようです:2014/02/08(土) 03:54:06 ID:iEUzuBzM0

( ^ω^)「それにミィが襲われるなら分かるが、お前には僕を襲う理由がないだろ? お前は『未来予測』の能力が目当てなんだから」

(#^;;-^)「おっしゃる通りやな。誤解を解く暇が省けて嬉しいわ。尤も、もし勘違いしとった場合は殴って分からせとったけど」

(;^ω^)「…………」


 殴って分からせる?
 確かコイツ、クレーン車でも動かすのが難しそうな巨大な棒を振り回していてなかったか?
 そんな力で殴られたら顔がアンパンのヒーローよろしく僕の頭が吹き飛ぶぞ。
 洒落になってない。

 一息置いて、僕は言った。


( ^ω^)「最初の質問に戻ろうか。どうしてお前がここにいる?」

(#゚;;-゚)「一言で言えば……成り行きやな。変わった魔力震を感じたもんやから行ってみたら兄さんが倒れとった」

( ^ω^)「……イマイチ分からないな」

(#゚;;-゚)「魔力震やなくて呪波とか揺らぎとかでもええんやけど、とにかく超能力使った痕跡ってことや。うちが持ってない能力のな」

( ^ω^)「で、それを収集する為にワープしたら、僕がいたわけかお」

425名も無きAAのようです:2014/02/08(土) 03:55:06 ID:iEUzuBzM0

 泣いとるお嬢ちゃんと一緒にな、とディは付け加える。


(#゚;;-゚)「で、まあ……扱いに困ったから今の寝床に連れてきた」

( ^ω^)「……じゃ、とりあえずお礼を言っておくお。ありがとう」


 僕の言葉に、彼女は薄笑いを浮かべた。
 ミィの笑顔とは全く異なる、ゾッとするような微笑だ。

 彼女は言った。


(#^;;-^)「そんなことよりも兄さんには礼を言うべきことがあるんやで。というよりも、頼むべきことか」

( ^ω^)「どういうことだ?」

(#゚;;-゚)「すぐに分かるわ。そのお嬢ちゃんがなんで泣いとるかもな」


 そうして『殺戮機械』は軽く指を弾く。
 乾いた音。
 彼女が能力を使う合図。

426名も無きAAのようです:2014/02/08(土) 03:56:07 ID:iEUzuBzM0

 そう。
 その瞬間だった。

 ―――僕が光を失ったのは。


「…………え?」


 暗闇の中、状況を理解できない僕に特徴的な口調が答えを教える。


「今、兄さんからうちが貸しとった力の一つを取り上げた。つまり今の状態がアンタの本当の状態や」

「いや、そんな……これは、」


 戸惑う僕に対して彼女は淡々と告げる。
 目の前の現実を直視できない。
 最早その「目の前」は認識できず、「直視」することも叶わない。


「ご愁傷様、失明や。五体満足には程遠いな。……もう二度と、その両目に何かが映ることはないんやから」

427名も無きAAのようです:2014/02/08(土) 03:57:06 ID:iEUzuBzM0

 *――*――*――*――*


 僕はどうにか口を開く。


「…………頼む」


 上手く言葉が紡げない。
 声音が震えている。

 暗闇がこんなに怖いものだとは知らなかった。
 何も見えないことがこんなにも恐ろしいだなんて。
 できることならば、知りたくなかった。


「何をや?」

「分かってるんだろ……頼む」


 必死で声の震えを止めて、僕は言う。

428名も無きAAのようです:2014/02/08(土) 03:58:06 ID:iEUzuBzM0

 視覚以外の感覚が異様に鋭くなったような錯覚。
 右手から伝わってくるミィの温度が熱い。
 その焼け付くような熱さを拠り所として言葉を紡ぐ。


「……僕の目を、見えるようにしてくれ」

「ええけど、効果は一時的やで?」

「構わないお」

「せやかてすぐにまたその暗闇に戻ることになるんや、そんなん何度も失明する恐怖味わうみたいなもんやん。そもそもさっきまでうちが使っとった能力は、」

「いいからッ!!」

「…………はあ。分かったわ」


 敏感になった聴覚が少女の特徴に口調と溜息を捉える。
 次いで、鼓膜が小さな破裂音に震えた。

429名も無きAAのようです:2014/02/08(土) 03:59:08 ID:iEUzuBzM0

 瞬間――僕の世界に光が戻った。

 視界に満ちる光の量に一瞬ふらつきながら、僕は思い切り右手を引く。
 ミィと繋がったままのその右手を。


マト; -)メ「え……」


 そうして僕は彼女を抱き寄せ、抱き締めた。
 僕と同じか、それ以上に恐怖に震えている少女を。

 自分自身に大丈夫だと言い聞かせ。
 そして、言う。
 精一杯の強がりを。


( ^ω^)「―――お前のせいじゃない。お前のせいなんかじゃ、ないから」


 強がりだっていいんだ。
 後で泣いたっていい。

 でも、今だけはそう言うんだ――大丈夫、男の子だろう?

430名も無きAAのようです:2014/02/08(土) 04:00:06 ID:iEUzuBzM0

マト; -;)メ「でも……ッ! ブーンさん、目が……!」

( ^ω^)「気にするな……って言うのは無理か。僕だって流石に気にするお。まったく、こんなことになるならボウリング場で……って、そうじゃないか」


 でも、と僕は涙を流し続ける彼女に告げる。


( ^ω^)「もし負い目を感じるなら、僕の目になってくれないか?」

マト; -;)メ「目……?」

( ^ω^)「ああ、そうだ」


 僕の目はどうやら見えなくなったらしい。
 今こそこうして君を見ることができるけれど、それも短い間のことだ。
 だから、その代わりを。


( ^ω^)「少しの間だけでいいから――僕の代わりに『過去』を見据え、僕と一緒に『未来』を夢見る、僕の目になってくれないか?」


 僕はそう言った。

431名も無きAAのようです:2014/02/08(土) 04:01:07 ID:iEUzuBzM0

 彼女は僕の腕の中で小さく頷く。
 どうやら涙も止まったらしい。

 それだけで、今はとりあえず良いことにしよう。


( ^ω^)「にしてもお前、酷い顔してるお。トイレに行って顔でも洗ってこい。いつものあの笑顔を見せてくれ」


 僕がそう続けると、ミィは再びコクリと頷いて部屋を出て行く。
 彼女の足音が遠くなったことを確認してから息を吐く。

 ミィもいないことだし、少しくらい泣いてもいいだろうか?
 ……いや駄目だ。
 ミィの瞳ならば同じ建物の出来事くらいは全て把握する。
 だから、我慢。

 もう一度溜息を吐いた時、ずっと立ったままだったディが言った。


(#゚;;-゚)「呆れるくらいの強がり……いや、そこまで行ったら一つの強さか。尊敬するわ、ホンマに」

( ^ω^)「そうか? 思ったことを言っただけだお」

432名も無きAAのようです:2014/02/08(土) 04:02:12 ID:iEUzuBzM0

 折角の強がりが無駄になるような余計なことを言われない内に、それよりも、と話題を変える。
 状況の把握に努めなければ。


( ^ω^)「……そもそも僕はなんで失明してんだお。何があった?」

(#゚;;-゚)「原因を訊いとるんやったら『分からん』とだけ答えられるな。ある意味でこれほど分かりやすいこともないんやけど」

( ^ω^)「どういうことだ?」

(#゚;;-゚)「兄さんに危害を加えたんはそのパーカーの女や。当然、今の状態もその女の能力の結果やな」


 やけど、と続ける。


(#゚;;-゚)「目を潰されたんやったら分かりやすいわな。眼球がないから見えない。やけど、そうやない。原因が一切不明なんや」

( ^ω^)「なんだか分からないが、『目が見えない』という結果だけがあるってことか。そしてそれは能力の結果だと」

(#^;;-^)「そういうことやな。まあ実際んところは、今すぐ心臓発作で死ぬ可能性はゼロやないってだけの話なんやけど……」


 そうして『殺戮機械』は語り出す。
 僕が意識を失った後、世にも珍しい能力を持つ少女が何を起こしたのかを。

 どんな風にモラトリアムの終わりが始まったのかを。

433名も無きAAのようです:2014/02/08(土) 04:03:08 ID:iEUzuBzM0

 *――*――*――*――*


 僕が倒れた後――いや厳密には、倒れる直前にはミィは全てを察して僕の元へ向かった。

 しかし如何せん気付くのが遅過ぎた。
 彼女が目にしたのは、アスファルトに倒れ伏した僕の姿。
 そしてその傍らに立つ小柄な少女。

 遅過ぎた。
 それだけは明白だった。



マト; -)メ「―――ブーンさんっっっ!!」



 駆け付けてきたミィを見て、少女は微笑む。
 戦慄したという。
 サイズの合っていないブカブカの黒のパーカー、そのフードの奥から覗く瞳を見て、ミィはゾッとした。

 いや、少し違うだろうか。
 アカイロに染まった両目で知覚した瞬間に背筋が凍り、実際に目の当たりにした時には心臓が止まりそうになったらしい。

434名も無きAAのようです:2014/02/08(土) 04:04:08 ID:iEUzuBzM0

 そう。



ミセ*^ー^)リ「こんな所で会うだなんて、奇跡的だねぇ」



 その鮮烈さに、少女以外の色が世界から消え失せたようだった。
 『未来予測』という能力を持つミィだからこそ分かる、少女が秘めたチカラの大きさ。

 それほどまでに――熾烈で。
 それほどまでに――強烈な。
 いっそ『絶望』と呼んでも過言ではないような、そんな在り方の化物だった。


マト; −)メ「ブーンさんに……何をしたんですか……!」

ミセ*^ー^)リ「そんなこと、その目で分かるでしょう? ねぇ、『プロヴィデンス』」


 宗教における摂理や因果を表す単語でミィを呼ぶと、少女はいとも無邪気に笑ってみせた。
 そして彼女の言う通りでもあった。

435名も無きAAのようです:2014/02/08(土) 04:05:07 ID:iEUzuBzM0

 「何をしたか」なんて、ミィの目を以てすれば自明だった。
 その時の僕の状態は言葉にはできない。
 不整脈を原因としたアダム・ストークス発作、原因不明の虚血性心疾患、心筋梗塞、脳貧血による意識障害……。
 医学的な単語だけを並べるだけでは実情を表すには至らない。

 詰まるところ、その瞬間の僕という人間は『運悪く死にかけていた』。
 心臓が動いておらず、呼吸の継続が不可能で、脳への血流が止まっていたのだ。

 ただ、『運悪く』―――。


ミセ*^ー^)リ「はじめまして『プロヴィデンス』。私は『クリナーメン』」


 それがどういうことなのかを、恐らく世界中の誰よりもミィは理解していた。
 だからこそ戦慄し恐怖したのだ。
 絶望した。

 ……例えば、自分の頭上に隕石が落ちてきて運悪くそこにいた自分だけが即死する確率。
 そんな死に方をした人間は歴史上にも数えるほどしかいないだろうが、もしかしたら一人もいないかもしれないが、それでも理論上はありえる。

 確率上では飛行機は一年間毎日乗り続けても一度も墜ちることがないくらいに安全な乗り物だが、それでも不運にも墜落事故で命を落とす人間はいる。
 毎日ハンバーガーを食べ続けても健康そのものな人間も、ポックリと心筋梗塞で亡くなってしまう人間もいる。
 極端な話になるが、量子力学におけるトンネル効果によれば壁にボールを投げ付けた場合、そのボールが壁を通り抜けてしまうことも可能性としては存在する。

436名も無きAAのようです:2014/02/08(土) 04:06:09 ID:iEUzuBzM0

 可能性はゼロじゃ、ない。
 そして、ゼロではないということは起こり得るということだ。

 原子論における偶然性を表す単語を名乗った少女、彼女が行ったのはつまり、そういうことだった。



ミセ*^ー^)リ「この奇跡的な出逢いに感謝しましょう? この素敵な偶然に」



 『量子干渉』。
 『確率変動』。
 『運命操作』。

 名称はなんでもいい。
 『クリナーメン』と自称する彼女は、偶然を操る異能を持っていた。


マト# −)メ「……!」


 そうして偶然にも――あるいは、必然に。
 因果に纏わる異能者と奇跡を服わす異能者は出遭った。

437名も無きAAのようです:2014/02/08(土) 04:07:07 ID:iEUzuBzM0

 *――*――*――*――*


 少し考え、僕は言った。


( ^ω^)「あのパーカーの少女は確率を操る異能を持ってたってことかお?」

(#゚;;-゚)「そういうことになるわな。コペンハーゲンなんちゃら的に言えば量子の不確定性に干渉する能力。だから兄さんが失明した理由もそういうことや」


 失明の原因が「分からない」というのはそういうことなのだろう。
 どういうことかと問われれば、ただの不運でしかない。
 あの少女が行ったのは僕にとって不幸な偶然が起こり得る確率を跳ね上げただけなのだ。

 心筋梗塞の危険因子なんて誰もが少しは持っている。
 いきなり心臓だか血管だかが御機嫌斜めになって死ぬ確率は誰だってゼロではない。
 極端に言えばそれは今日の運勢やラッキーアイテム次第だ。


( ^ω^)「『確率論(クリナーメン)』ね……」


 起こる可能性がある事象を、確率を操作することで起こりやすくする。
 壁に投げ付けられたボールがそのまま壁を通り抜けるという事象が確率的にはありえる以上、確率を操作できるならば全能と言っても過言ではない。

438名も無きAAのようです:2014/02/08(土) 04:08:07 ID:iEUzuBzM0

 僕は訊いた。


( ^ω^)「思った以上にヤバい相手だということは分かった。けど、その話の通りだと僕が死んでるんだが……」

(#゚;;-゚)「心臓動かなくなってもすぐ死ぬわけやないやん」


 そりゃそうだけども。
 そして僕は生きてるけども。


(#゚;;-゚)「その後、お嬢ちゃんはそのガキを相手にせんかった。応急処置せんと兄さんが危ない状態やったからな。で、ソイツは去っていったと」


 なるほど。
 彼女の賢明な判断に感謝するばかりだ。
 激昂して相手に襲い掛かっていたら、対処が遅れ、僕は本当に死んでいたかもしれない。
 やはりミィはちゃんと僕を守ってくれたのだ。

 それはそうと心臓が止まっている相手に対しての応急処置なんて、連想されるのは一つしかない。
 思わず、最早無意識的に自らの唇を指でなぞってしまう。

439名も無きAAのようです:2014/02/08(土) 04:09:07 ID:iEUzuBzM0

(#^;;-^)「一応言うとくと、うちは心を読むような能力を持っとるんやけど」

( ^ω^)「…………今発動していないことを祈るばかりだ」


 閑話休題したいという僕の思いを読み取ったのか、数え切れないほどの異能を持つ少女は話を再開する。


(#゚;;-゚)「その『クリナーメン』いう女が能力を使った瞬間、うちはそれを察知し現場へ向かった。えらい強烈な能力やったからな……」

( ^ω^)「お前が、『殺戮機械』とまで呼ばれる存在がそこまで言うほどか?」

(#゚;;-゚)「そこまで言うほどや」


 彼女は即答する。
 アレはヤバい、と。


(#゚;;-゚)「確率操作する能力なんて無敵みたいなもんやからな……。昔、『運命の輪』って能力を持つ奴がおったらしいけど、ソイツも相当やったらしい」

( ^ω^)「らしい?」

(#゚;;-゚)「当事者にとって不都合な運命を変え続けるって能力やったらしいから、うちみたいに害意を持っとる奴は出逢うことすらできんかったんや」

440名も無きAAのようです:2014/02/08(土) 04:10:07 ID:iEUzuBzM0

 自分にとって都合の良いように運命を変えていく能力。
 そんなもの、世界を支配しているのと何が違うのだろうか?
 そのなんとかという能力と同じではないだろうが、『確率論(クリナーメン)』という確率を操作する異能が彼女曰く「ヤバい」のは事実なのだ。

 ……そして多分、そんな力を察知して迷わず手に入れようと行動を起こしたこの『殺戮機械』も相当ヤバい。
 仮に運命が敵に回っても勝てる算段があったということなのだから。


(#^;;-^)「ただ上手く行かんもんでなあ。行動自体はすぐに起こしたけど、すぐには辿り着けんかった」

( ^ω^)「それも、例えば『邪魔が入らないような確率』を跳ね上げることで誰かが横槍を入れることを妨害したってことか? 無茶苦茶だな……」

(#゚;;-゚)「そやな。頑張って対抗して辿り着いた時には既にお目当ての相手はおらず、しゃーなしに兄さんを少し治療して、その場から退避したってわけや」


 やはり確率操作能力にも彼女なら対抗自体はできるらしい。
 同じ能力を持っていれば容易いか。
 向こうはサイコロの目を全部一に変えているようなものなのだから、それを元に戻すとは行かずとも、一の目を半分くらいにできればどうにかはなるだろう。

 だがとりあえず、お礼を言わなければならない。


( ^ω^)「何かしてくれたって言うなら、ありがとう。感謝するお」

441名も無きAAのようです:2014/02/08(土) 04:11:07 ID:iEUzuBzM0

 ん、とディは短く応じた。
 奪ってばかりだからか感謝されることに慣れていないのかもしれない。


(#゚;;-゚)「で、他にご質問は?」

( ^ω^)「お前と同じようにそのパーカーの少女も指を鳴らす癖があったらしいが、知り合いか?」

(#゚;;-゚)「知り合いやったらとっくの昔に能力奪っとるわ。必要とあらば命もな」


 サラリと恐ろしいことを告げて、次いで指を鳴らしてから言った。


(#゚;;-゚)「ゆーてもこんなん、探せば見つかる程度のありふれた癖やしなあ……。うちの場合も他人の仕草を真似したものやし」

( ^ω^)「なるほど……」


 『殺戮機械』と『クリナーメン』に共通している要素があるとすれば、有する異能力の膨大さだ。
 やろうと思えば大抵のことができてしまう。
 だとしたら、自分の中でメリハリを付ける為に一つ動作を挟むのは自然なこととも言える。
 指を鳴らすことで一つ一つを区切っているのだ。

442名も無きAAのようです:2014/02/08(土) 04:12:07 ID:iEUzuBzM0

( ^ω^)「なら、そのパーカーの少女は何者で、何処にいるのか分かるか?」 

(#゚;;-゚)「うちは分からんけども、」


 と、言い掛けてディは部屋の入り口へと視線を向けた。
 そこにはお手洗いから戻ってきたミィが立っている。
 残念ながら僕が望んだ笑顔ではないが、真剣な話題の最中だ、仕方がない。

 そうして彼女はあの『ファーストナンバー』にも似た毅然とした表情で告げる。


マト-−-)メ「『暗闇の底で、私はずっと、あなたが訪れるのを待っている』――そう言い残して去って行きました」

( ^ω^)「……待っている、か」

マト゚−゚)メ「はい。『ずっと待っていたし、ずっと待っている』と」


 言い残されたメッセージの意味を考えて僕は沈黙する。

 その言葉に偽りがないのならば。
 あの使者は、ミィが失った過去からの刺客だ。

443名も無きAAのようです:2014/02/08(土) 04:13:08 ID:iEUzuBzM0

 *――*――*――*――*


 ――『暗闇の底で、私はずっと、あなたが訪れるのを待っている』
 ――『過去も、未来も、全ての真実はそこにある』
 
 パーカーの少女はそんな言葉を言い残して去っていったとという。
 待っている、と。
 そのことを伝えに来たのだと。


マト-ー-)メ「私の『過去』や【記憶(じぶん)】の真実が分かるという確証はありませんが……ですが、関係者であることは間違いないと思います」

( ^ω^)「……そうだな。誘いに応じ、行くべきだ」


 全ての答えがそこにあるというのなら行かなければならないだろう。
 たとえ、罠だったとしてもだ。

 と。


(#゚;;-゚)「『行くべきだ』なんて甘いことが言える状況やないんやないの?」

444名も無きAAのようです:2014/02/08(土) 04:14:07 ID:iEUzuBzM0

 壁にもたりかかり、新たに取り出した棒付きキャンディーを味わいながらディが言う。
 ミィのそれとはまるで異なる嫌な笑みを浮かべながら。


(#^;;-^)「話聞いた限りでは、どう考えても脅しやん、それ」

( ^ω^)「脅しだって?」

(#゚;;-゚)「そや。気付かんか? その『クリナーメン』いう女が何者かは分からん。けど、口振りから察するに、うちと同じで用があるのはお嬢ちゃんだけや」


 ぶっちゃけ兄さんのことなんてどうでもええんや、と続ける。


(#゚;;-゚)「でもそしたら分からんことがある。なんで兄さんに危害を加えたのかが分からんのや。戦闘力もない相手にやで?」

( ^ω^)「それは……」

(#゚;;-゚)「無論、その女がキチガイ野郎で理由なく人を傷付ける奴って可能性はあるし、うちらが知らんだけで兄さんに恨み持っとったんかもしれん」


 だが、そうではないとしたら。
 もっと妥当な推測ができるのではないか?

445名も無きAAのようです:2014/02/08(土) 04:15:09 ID:iEUzuBzM0

 ……なるほど、そういうことか。
 脅し。
 その言葉を噛み締めつつ、僕は言った。


( ^ω^)「『来なければどうなっても知らないぞ』……そういうことかお」

マト゚−゚)メ「私が行かなかった場合には、またブーンさんを傷付ける、と?」

(#゚;;-゚)「そうやろな。わざと殺さずにおいたんや。『次はこんなもんじゃないぞ』って意味でな」


 要するにミィを動かす為の人質……のようなものだろうか。
 「その男に危害を加えられたくなければ、大人しく指示に従え」というわけだ。


(#゚;;-゚)「兄さんの命が惜しいなら、お嬢ちゃんに選択の余地なんてない。行くしかないんや」


 そう平然とディは言ってのけた。
 その様は状況を楽しんでいるようですらある。
 まるで他人事だなと思い、いや他人事なのかと思い直す。
 所詮、彼女にとっては他人事なのだ。

446名も無きAAのようです:2014/02/08(土) 04:16:13 ID:iEUzuBzM0

 そして、僕達にとっては自分のこと。
 自分で決めなければならないこと、だった。


( ^ω^)「そうまでして呼び寄せるってことは……やはり、罠かお?」

(#^;;-^)「どうやろなあ? 案外、茶でも一緒に飲みたいだけかもしれんで? ほら、同窓生とかで」

マト-ー-)メ「なんにせよ行くしかありませんね」


 ここでようやく、ミィはあの特徴的な笑みを浮かべた。
 ふわふわとした掴みどころのない笑顔。
 場違いだとしても、それでこそミィだと僕は思い、少しは気も楽になったのかと安心した。

 だが。
 直後にミィははっきりと宣言した。


マト゚ー゚)メ「ですが――行くのは、私一人です」


 有無を言わせぬような口調で彼女はそう告げた。

447名も無きAAのようです:2014/02/08(土) 04:17:06 ID:iEUzuBzM0

(;^ω^)「、」

マト-ー-)メ「『なんで』なんて、言わないでください」


 言葉通りに、有無を言わせぬ。
 ミィはその両の瞳に宿した能力を用いてか、僕が声を出す前に疑問の言葉を封殺した。

 そうして言うのだ。


マト゚ー゚)メ「ブーンさん。はっきり言って、ブーンさんが一緒だと迷惑です。邪魔でしかありません」

( ^ω^)「ミィ……」

マト-ー-)メ「先ほども述べられていましたが、なんの戦闘スキルも持たないブーンさんがついて来たところでマイナスにはなれどプラスにはなりません」

(  ω)「ミィ、もういい」


 分かってる、と僕は告げた。 
 分かっているのだ。
 だからもう、そんなことは言わなくていい。

448名も無きAAのようです:2014/02/08(土) 04:18:07 ID:iEUzuBzM0

 何が分かってるって?
 一緒に行ったところで何の役にも立たないこと?
 そんなこと、百も承知だ。
 言われるまでもない。

 僕が分かっているのはそうじゃない。
 そういうことじゃない。


( ^ω^)「辛辣な言い方をすれば僕が大人しく引き下がると思ったか? あるいは怒って見放すとでも考えたのかお?」


 あまり僕を舐めるなよ、と一拍置いてから言う。


( ^ω^)「そうやって必死に自分から、危険から遠ざけようとしてるんだろ? 僕を守ろうと」

マト −)メ「!」

( ^ω^)「……まったく。いつだったか言っていたように、お前は未来が見えるだけで他人の気持ちは全然分からないみたいだな」


 僕の言葉にミィは降伏するようにゆるゆると首を振る。
 そして「ブーンさんには敵いませんね」とあのふわふわとした笑みを浮かべた。

449名も無きAAのようです:2014/02/08(土) 04:19:14 ID:iEUzuBzM0

 僕はミィのように未来が見えるわけではない。
 いつだって分からないことだらけだ。
 でも、できることならば彼女の気持ちくらいは見えていたいと思っている。
 彼女の心の動きが『目に見えて』分かるようでありたいと。

 だから。


( ^ω^)「……僕が足手まといにしかならないことは分かってる。だから、お前一人で行くといい」


 情けなさに拳を握りしめて。
 無力感を噛み締めつつ、そう言う。

 でも、と僕は続けた。


( ^ω^)「代わりに僕はずっとお前の帰りを待ってる。真実も過去も、何も分からなくたっていいから。……だから、必ず帰って来い」


 真実なんて。
 過去なんて。
 これから先もずっと探していけばいいのだから。
 見つかるまでずっと一緒に探すから、と。

450名も無きAAのようです:2014/02/08(土) 04:20:07 ID:iEUzuBzM0

 彼女は顔を伏せ、暫し黙った。
 そうして一度息を吐くと、小さく、声を震わせて呟いた。


マト ー)メ「……本当に敵いませんね、ブーンさんには」

( ^ω^)「当たり前だお。僕はお前の雇用主なんだから」

マト ー)メ「そっか。そうですよね……」

( ^ω^)「ああ。だからもう一度契約だ。……必ず戻ってこい」


 お前のことだけを信じてる、と僕は言った。
 私もブーンさんのことを頼りにしてます、と彼女は応えた。


(#^;;-^)「……甘ったるくて付き合ってられへんわ。うちはもう寝るし、ここは好きに使ったらええ」


 僕達のやり取りを見ていたディは口元を歪めて笑いつつ、そう言い残すとさっさと部屋を出て行ってしまった。
 好きに使えと言われてもここにはベッドと椅子が一つずつしかなく、とても二人で眠れるようなスペースはないのだが……。
 狭量なのか寛容なのか分からない。

451名も無きAAのようです:2014/02/08(土) 04:21:07 ID:iEUzuBzM0

 二人っきりになった部屋。
 薄暗い室内で、改めて見つめ合うと何を話すべきか迷ってしまう。

 彼女の橙にも近い色合いの瞳。
 目が合った瞬間にふっと心が絡め取られて、目が離せなくなる。
 この両目の色はあの都村トソンと全く違うなあなんて、そんなことをぼんやりと考える。

 と、その時、ミィが言った。


マト゚ー゚)メ「ブーンさん。ブーンさんが勉強していることについて教えて頂けませんか?」

(;^ω^)「え? なんで、いきなり……」

マト^ー^)メ「なんだかそうした何気ない会話が大切なような気がして。折角なので、詳しく聞いておこうと思いました」

( ^ω^)「また何か未来が見えたのかお?」

マト-ー-)メ「いえ、そういうことではなりません。そんな気がしただけです」


 乙女のカンですよ、と彼女は笑って答えた。
 それを見て、僕はやはりミィにはこの笑顔が一番似合うと素直に思った。

452名も無きAAのようです:2014/02/08(土) 04:22:06 ID:iEUzuBzM0

 *――*――*――*――*


 それから何時間かミィと話しながら過ごした。
 話の内容は、なんてことのない、取り留めのないものだった。

 社会と個人の関係といった小難しいことから好きな食べ物に至るまで。
 特に目的のない話をして、一緒に時間を過ごした。
 いつも移動の合間にしていたような他愛のない世間話をして……。

 そしてふと気付いた時には、彼女は僕の隣で寝息を立てていた。


( ^ω^)「……良かったよ」


 もう二度と何も見えなくなるんだとしても。
 今、彼女のこんな寝顔を見ることができて良かったと。

 そんな風に思った。


( ^ω^)「感傷だな……」

453名も無きAAのようです:2014/02/08(土) 04:23:07 ID:iEUzuBzM0

 ミィを起こさないようにベッドから抜け出す。 
 『殺戮機械』の宿の一つであるという、この建物。
 打ち捨てられたテナントビルだと聞いた通りに、廊下に出ると使われていない建築物特有の寒々しさがあった。

 近くで見つけた階段を上ってみると、その先は屋上だった。
 いつだったかスーツと男と戦ったのもこういう場所だったなと思い出し苦笑する。
 たった数日前のことなのに酷く昔のことのようだ。
 あんな出来事も今では一つの『過去』だった。

 ドアノブを捻り屋上へと出ると、あの時と同じように先客がいた。


(#^;;-^)「なんや、えらい早いお目覚めやん」


 あの時よりもずっと狭い屋上に和傘を差した少女が立っていた。
 夜明け前の薄暗い空の下で一体何をしているのだろう?と疑問に思いつつ、ディの元へと向かう。


(#゚;;-゚)「でもええ時間に起きたな。そろそろ夜明けや。綺麗なんやで、ここから見る景色」

( ^ω^)「ああ……。なんて言えばいいか分からないんだが、ありがとう」

(#゚;;-゚)「朝日はタダやで?」

454名も無きAAのようです:2014/02/08(土) 04:24:17 ID:iEUzuBzM0

 心底不思議そうにそう返す彼女を見て、思わず笑ってしまいそうになる。
 なんでそうなるんだ。
 どうやら本当にお礼を言われ慣れていないらしい。

 そうじゃない、と僕は続けた。


( ^ω^)「宿を貸してくれたこととか、助けてくれたこととか……。そういうことに関しての礼だお」

(#゚;;-゚)「ああ、それか。別にええよ。うちの能力では兄さんの目は治せんかったわけやし」

( ^ω^)「……ひょっとして、良い奴なのか?」

(#^;;-^)「そんなわけないやん。単にあのお嬢ちゃんの近くにおったら『確率論(クリナーメン)』の能力奪う機会があるかもー、て思ただけや」


 僕の言葉を笑って否定する。
 それは威圧感もなく嫌な感じもしない、素朴な、人の良さそうな笑みだった。


(#゚;;-゚)「それはそうと、お嬢ちゃんが誰に似とるか思い出したで。今度会ったらそれを言おうと思っとったんや」

( ^ω^)「あー……それか」

455名も無きAAのようです:2014/02/08(土) 04:25:06 ID:iEUzuBzM0

 というか、そんなことわざわざ覚えてるなんて、やっぱり良い奴なんじゃないだろうか?
 戦闘以外の場面ではあの本能に訴えかけてくる恐怖が薄れていることもあるし、やはり怖いことは怖いのだが。
 でも怖くても良い奴がいてもおかしくないとも思う。

 そんなディは言った。


(#゚;;-゚)「あのお嬢ちゃん、纏間って奴に似とる」

(;^ω^)「…………なんだって?」


 初耳だ。
 誰だソイツは。


(#゚;;-゚)「でもアレやな、もう纏間、『都村』って名前になったんやっけか」

( ^ω^)「ああ、そのことなら知ってるお。『都村トソン』って名前の科学者だろ?」

(#^;;-^)「なんや知っとるんかいな。思い出した甲斐がないなあ」


 そうして「『纏間』っていうのはソイツの母方の名前や」と補足する。

456名も無きAAのようです:2014/02/08(土) 04:26:06 ID:iEUzuBzM0

(#゚;;-゚)「ソイツの娘も能力者で、今はなんとかって言う軍の部署におるんやけどな」

( ^ω^)「そのことも知ってるお。こないだ本人に会った」

(#^;;-^)「なんや、つくづく思い出し甲斐のない」


 なら、と彼女は続けた。


(#゚;;-゚)「その娘の同僚に精神干渉……記憶操作とかができる奴がおるって話も知っとるんか?」

(;^ω^)「……え?」


 それは、初耳だ。
 それこそ初耳の情報だ。

 記憶操作――ということは、つまり。


(#゚;;-゚)「もしかしたらあのお嬢ちゃんの記憶を奪ったのは、その娘――『ファーストナンバー』こと都村トソンやないかと思っとったんやけど」

457名も無きAAのようです:2014/02/08(土) 04:27:06 ID:iEUzuBzM0

 都村トソン。
 最初で最後の人工能力者。
 ミィのことを「よく知っている」と語った女。

 何かしら関係のあるものだと考えていたが……。
 もしかしたら、彼女がそうなのか?

 ミィの記憶を奪った、彼女の全ての過去と真実を知る黒幕―――。


( ^ω^)「……なんにせよ、行くしかないみたいだお」


 朝焼けに染まっていく空に僕は呟く。
 口に出して、「僕はついて行けないんだったか」と思い出し自嘲するように笑う。

 向かう場所に真実はあるのか。
 因果の集う先、暗闇の底へ向かう君に。
 ここで待つしかない僕に。

 一体、何ができるのだろう?
 一体、何ができたのだろう?

 僕は小さく彼女の名前を呼んで、その無事をただ祈る。

458名も無きAAのようです:2014/02/08(土) 04:28:06 ID:iEUzuBzM0


  明けない夜はない。
  止まない雨はない。
  それはきっと正しい。

  だが穿った見方をすれば、朝がいつか終わることも再び夜が訪れることも必然だ。
  止まない雨の向こうに必ず希望に満ちた空があるとは限らない。
  今日より明日が良い日になるなんて根拠は何処にもない。
  そう、誰も保証してくれやしないのだ。

  だけど、それでも僕達は、確かな『現在(イマ)』のその先に何かがあると信じてる。
  いつも、いつでもそうやって、まだ見ぬ『未来』の夢を見る。




        マト ー)メ M・Mのようです


        「第八話:この身に流れる知」





.

459名も無きAAのようです:2014/02/08(土) 04:29:07 ID:iEUzuBzM0

この作品が安価モノだったなら今回も選択肢が出たと思います。

 ①大人しくここで待つ
 ②ディと交渉し、一緒にパーカーの女を迎え撃つ
 ③ミィと一緒に行く(親密度70以上で選択可能)

今回は①を選んだわけですが、②や③でも話としては面白かったかもしれません。
ブーンはお留守番ということで今日はこれまで。



予定では次回、第九話の最後に、最初で最後の安価を実施します。
あくまでも予定では。

エンディングを決める安価。
二択です。
どっちがどんな終わり方なのかは選んでみてのお楽しみですが、何エンドと何エンドなのかは先に言っておいた方が良いのでしょうか……?

460名も無きAAのようです:2014/02/08(土) 04:47:49 ID:7z/eXkFQO
何故高橋裕之が警察から目をつけられないかわかるか?

簡単な理屈
書いていないと把握しているからだろ?

461名も無きAAのようです:2014/02/08(土) 10:23:26 ID:FyiZXd1EO

ミセリ怖すぎ

462名も無きAAのようです:2014/02/08(土) 13:02:47 ID:tYrKYNEc0

おもしろい

463名も無きAAのようです:2014/02/08(土) 13:42:25 ID:E2jxDmWg0

今回の安価だったら確実に②を選んでただろうなあ…
何エンドかは知らない方が楽しいかと

464名も無きAAのようです:2014/02/09(日) 01:47:43 ID:6M8ECO320
おつ
安価は選択肢だけに一票

465名も無きAAのようです:2014/02/13(木) 09:27:42 ID:qECNox/Q0
おつ
殺戮機械なんやかんや好きだなあ

466名も無きAAのようです:2014/02/13(木) 17:23:57 ID:EqzSeX3A0
ようやく纏間がまとまって読むのに気付いた


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