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イベント優先スレ

1名無しさん:2011/05/01(日) 01:39:06 ID:???
・イベントの無い時はここも使えます。
・イベントの開催はここと「雑談用スレ」にイベント情報を貼り付けて告知すると親切。

320零なか:2011/08/08(月) 01:14:26 ID:BQ990e1A
>>317-319
『勝ち?だからそんなのは…』
「アネさんアニさんがいない!」

蛙になったメデゥーサ見て、少しだけ可哀そうだとは思ったが
関係ない赤の他人なのでそれほど深入りはしなかった。

「外国の砂妖…サンドマンって妖怪を知ってるよ。でも…何処へ…?」

321夜行集団 メデゥーサ:2011/08/08(月) 01:18:59 ID:bJBnsqT6
>>318
叡肖のこちらへの目線を感じ、
氷亜はゆっくりうつむきながら首を横に振る。

「違うんだ。でも、僕の説明不足が原因だから、先に謝っておくよゴメン。
 君は早く殺しておいたほうが楽だ、と言ったね?
 でもそれじゃあだめだ。それこそ蛙になっちゃった彼女の思う壺さ」

こつこつ、と靴の音を床で響かせながら、
叡肖から零れ落ちた砂のほうへ歩み寄る。
そしてそこで肩膝をついてしゃがみこみ、砂を片手で掬い上げた。

「アネさんアニさん、穂産姉妹はね。簡単な言葉で説明すると、半不死身の体を持っているんだ。
 たとえ腕がもがれようと、体中が粉々になろうと、彼女達のご神体があれば、
 何度でもどこでもだって復活できる。

 例えばここで破壊されて、彼らの拠点で復活させることだってできてしまうんだ」

つまりメデゥーサは、最初から彼女をここから救い出そうなんて考えておらず、
彼女達を破壊して、そのまま自分も逃走する気だったのだ。
叡肖が懐を探れば、役目を果たして死に絶えている、
いつの間にか忍び寄った小さな蛇を見つけるかもしれない。

>>319.>>320
「メリーちゃん、アネさんアニさんは、逃げ出したんじゃない、
 粉々になって、この場から一度消失したんだよ」

無力感と、そして自身の説明のいたらなかったことを悔やみ、
下へ視線を落としたままメリーに話しかける。

「今から探してもここにはいない。
 だって今この世界に、アネさんアニさんはご神体以外存在していないんだ」

氷亜の姿に、蛙となったメデゥーサはさも満足そうにその姿でにやりと笑う。
その姿はいかにも挑発的で、
むしろ巴津火に食べてくれ、とでも言っているようだった。

322叡肖「」 巴津火『』:2011/08/08(月) 01:29:59 ID:1gBuqmPQ
>>319-321
「つまり、神体はここにないのか。
 氷亜殿がそれを知りながらこの二人の拘束しかしていなかった、というのも俺には解せないね」

(さっさと話せばいいものを。この女の手伝いした方が面白かったかな)

夜行集団はまだ何か隠しているだろう。叡肖は氷亜にも少なからぬ不信感を持った。

「それなら殿下、これ食べて良いよ。そのかわり」

やたっ!と蛙になったメデゥーサをひったくろうとした巴津火の手から、叡肖は自分の手を
素早く遠ざけた。

「食べる時にコレの記憶もできるだけ多く受け継いで、皆に教えなさい」

その為にはできるだけゆっくり、じっくりと味わう必要があるので、叡肖の要求は酷く残酷でもある。
しかし、食べて良いと言われた巴津火は、力いっぱい首を縦に振っている。

323メリー:2011/08/08(月) 01:36:15 ID:c1.PBF/s
>>320>>321>>322

「なるほどだよ……
ちょっと待ってだよ?まさか坊ちゃん達が神様殺してまわってるのはお姉ちゃん達の御神体を手に入れる為だよ?
神様たちが御神体に結界をはってるんだよ?」
そう考えればつじつまがあうのだが…果たしメリーの考えはあってるのかメデゥーサをチラ見する。

「…お兄ちゃんは何処まで知ってたんだよ?」
とりあえず事情を知ってるのか?と氷亜に聞いてみる事にした。

324露希「」&稀璃華『』:2011/08/08(月) 01:44:18 ID:BQ990e1A
>>321-323
「一時的な消失…。でも御神体があれば…。
…氷亜さん、何か知ってるの?」

『(確かに結界を張っている神が殺されれば結界は無くなるとして。
その御神体を手に入れて…どうするんだ?結局、何がしたいんだ…。)』

姉妹との付き合いの長い氷亜ならば、必ず何かを知っているかと思った。
そんな氷亜に詰め寄り、露希は問う。

325夜行集団 メデゥーサ:2011/08/08(月) 02:02:49 ID:bJBnsqT6
>>322
「おいおい、それじゃあどうすれば彼女達を止められたって言うんだい?
 結界を張ったって、能力を封じたって体が崩壊した時点で、
 彼女達の逃走は成功するって言うのに?だから彼女に近づくなって言っていたのに?」

叡肖の言葉に、少し投げやりな風をしてソファーに座り込む。
しかしその実心は冷静で、鈍感な彼が珍しくも彼の手下を使い、
すでに手下のいる全山脈、全地域に穂産姉妹の妖気が集中する場所を探すよう、
近くにいた彼の側近たる妖怪に指示を出していた。

>>323
―ふふ、その通りですわよぉ、賢いお嬢さん?
 穂産姉妹は死を選びたくとも、その自身の神体との能力のせいで容易には死ねませんのぉ―

蛙が短く、ゲコ、と一鳴きすると、全員の頭の中にその声が響いた。
いくらその身が蛙となろうとも、腐っても大妖怪。
念動力によってその場にいる全員に、彼女は意思を伝えることができるらしい。


>>324
露希の問いかけに、側近に命令を下してから黙っていた氷亜は、
ぱっと口を開いて喋りだした。

「僕や、特に夜行集団が知っていることはごく僅かなことばかりだよ。
 あのアネさんアニさんは、かたくなに自分の過去を隠していたからね。

 まず、穂産姉妹含む、坊ちゃんとやらを中心とした集団は、
 別段西洋妖怪ばかりではない6人ほどの集団らしいこと。
 そして、その目的の一番最初の段階は、穂産姉妹のご神体を手に入れること。
 最後に、これを知っているのは僕くらいだけど、
 彼女達が姫に喋っているのを盗み聞いたんだ、自分達の行うことは、壮大なペテンだ、と」

でもこれ以上は知らない、と氷亜はため息交じりに締めた。

326叡肖「」 巴津火『』:2011/08/08(月) 02:10:57 ID:1gBuqmPQ
>>323-325
『神様?ご神体?そっちも美味しそうだな』

巴津火がこれ以上余計な事を言う前に、その口に蛙と化したメデゥーサを叡肖が放り込む。
歯の間でぷつんと弾けてとろりと溶けてゆく感触と、その旨みにうっとりとした巴津火は、
しばし無言になった。
蛙と化してはいるが、蛇妖という意味では同族である。
その旨みはかつて、同じ舌で黒蔵が味わった同族食いの味でもあった。

「一番最初、ね」

叡肖が少し皮肉めいて氷亜の言葉を繰り返す。
それならその坊ちゃんとやらを手助けしていったほうが、落ちが着くまでの道は短そうだ。
彼らが他にも手に入れたいものがあるというのなら、その神体を壊すとは限らない。
むしろ、全てを集め終わるまでは、姉妹の神体も無事なのかもしれない。

まだ押し黙ったままの巴津火は目を閉じる。
じんわりと力が染み透って来る。己の力として、それを思うままに操れる。
メデゥーサの力が巴津火のものに変わってゆくその様子を、叡肖は腕を組んで見つめていた。

(少なくとも二人をあの女と行かせたよりはマシな結果だな。
 これで殿下も少しは育つし情報も得られるんだ)

坊ちゃんの正体と、日本神話人世第34章禁伝第2項について、何か巴津火の得る情報はあるだろうか。

327メリー:2011/08/08(月) 02:21:19 ID:c1.PBF/s
>>324>>325>>326

「……立ち悪すぎなんだよー。私を産み出した奴くらにだよ」
思い浮かべるは自分を作りだし、なんらかに利用してる《青行燈》。
アレが何の為に噂を作りだし、今何をしてるかわからないが…それなりの悪意をメリーは感じた。

そして氷亜の話を聞いて

「お姉ちゃん達を抜かすと4人って事だよ?坊ちゃんとメデゥーサのお姉ちゃんとマンドラゴラのお兄ちゃんと……後一人いるんだよー」

「坊ちゃんの正体がわかれば…っていっても日本の古い妖怪の神様クラスの可能性が高いんだよ?」
思い出すはメデゥーサが言ってた《日本神話》…つまりはその時から生きてるモノの可能性があると…

「叡肖さん。ハツビー。何かわかったら教えてだよー」

328露希「」&稀璃華『』:2011/08/08(月) 02:30:57 ID:BQ990e1A
>>325-327
「ペテン…。そんなに隠したかったことなんだね…。」

何やら事は余程重要な事なのだろう。
でも氷亜の言葉の中にヒントがあるようにも聞こえた。

『神様クラスとなった場合、かなり厄介だな。
……場合、じゃなくてそうかもな。』

329夜行集団 メデゥーサ:2011/08/08(月) 02:37:32 ID:bJBnsqT6
>>326
蛙となって表情は読み取れなくとも、
彼女の残り僅かに残っていた妖気が、彼女の精神にある悲壮を感じさせていた。

―自画自賛して蛇にされて、守ろうとしたら蛙にされて。
 わたくしは一体、なにをすることが正解だったのでしょう?―

そう絶命する前に彼女は言い残し、巴津火の口へと放り込まれた。
そして彼女の命が潰えたとき、巴津火の頭の中にはさまざまな情報が溢れ出すだろう。

最初は美貌を讃えた自分が怪物となる記憶、そして英雄に倒される記憶。
しかしその先へと続けば続くほど、その記憶は混濁し、読み取りづらくなっていく。
それはまるで、何者かの意志によって改ざん済みのデータのようで。

だが、それでも巴津火は日本神話人世第34項の、
部分掛けた記録と坊ちゃんの妖気は知ることができた。

―大きな力を手に入れた二柱の神は、
 人々に結実豊作と、子宝児童安全の恵みを与え、より江戸の人から信仰を集めていました。
 しかしそんな優しい神々にも憎い存在があったのです。
 それは、妖怪と人との垣根を越え、固い愛によって結ばれているとある夫婦でした。

 結実の神であるのに、子供を産む事の叶わない二柱の神はそんな夫婦を逆恨みし、
 彼らの出産の際、とある呪いをかけました。それはその時生まれた子供は、怪物になると言うものでした。
 そして彼女達の思惑通り二人には怪物が生まれ、二人は悲しみのあまり死んでしまいました。

 呪いの成就に喜んでいた;k≫k;卯≫/yンでしたが、
 その所業に天界の神々は怒り、彼女達から神格を奪ってしましました。
 そして神々は、その恐ろしく強大な力を持った怪物に使命を下したのです。
 それは−成熟した後、お前から全てを奪った;k≫k;卯≫/yンへ正義の鉄槌を与えよ−
 というものでした。 ―

330叡肖「」 巴津火『』:2011/08/08(月) 02:52:29 ID:1gBuqmPQ
>>326-329
長いように思えた時間の後、ようやく巴津火が目を開けた。

「氷亜殿、水を少し貰いたい」

叡肖がトレイにコップから水を注いで差し出すと、巴津火はそこに指を浸す。
そこには巴津火の得た記憶が映し出されていった。

「天界がらみかよ」

それを見て呆れたように叡肖が溜息をついた。
巴津火なら天界へ上がって直談判する資格もあるのだが……いかんせん、まだ幼い。
天界の神々に交渉する技術もともかく、まだ一人で天に昇る力すら蓄えていないのだ。

「実のところ俺は、この『坊ちゃん達』の手伝いを皆でした方が、出し抜くチャンスもあると思うがね」

少なくとも相手を知り、詳しい目的とその手段も知ることができるのだ。

「江戸期ってことは、まだせいぜい400歳ちょっとか。確かに坊ちゃんだな」

よしよし、と巴津火の頭を撫でる叡肖。今回はちゃんと巴津火が役に立った。

(それに、上手く行けば殿下に坊ちゃんを食べさせてやれそうだ)

巴津火はまだまだ成長過程である。栄妖もたっぷり必要なのだ。

331メリー:2011/08/08(月) 12:19:25 ID:c1.PBF/s
>>328>>329>>330

ハツビーが得た記憶が映った水を見て

「……神様より厄介だったよ…
……それにこの話…なんか夜お姉ちゃんと澪お兄ちゃんが見たらショック受けそうだよ」
その夫婦とその子供の話を聞いて悲しそうな顔をするメリー。


「けど…なんかひっかかるんだよ…
お姉ちゃん達に正義の鉄槌をくわえると言うのに……なんで神様たちはお姉ちゃん達の御神体をワザワザ結界をはっているんだよ?コレじゃあまるで御神体を守ってるみたいなんだよ?
それにお姉ちゃん達を破壊するだけなら、ワザワザ結界はってる神様たちを殺してまわる必要もないんだよ?
それに…正義の鉄槌ならなんでマンドラゴラのお兄ちゃんは自分達の行動を悪って言うんだよ?」
メリーは疑問を感じた。
話を聞くかぎりでは姉妹が悪いのだが……ソレならば何故姉妹を完全に閉じ込めなかったのか?なんで結界をはってる神様をワザワザ殺し回るのか?謎だらけである。
それに《ペテン》というのも気になる。

「まさか……復讐対象はお姉ちゃん達以外にもいるんだよ?」
ポツリとそう呟き

「私は反対だよー。確かにソレは速い方法かもしれないけど…相手が素直に教えるとは限らないし危険なんだよ」
叡肖の提案にメリーは首をふった。

332露希「」&稀璃華『』:2011/08/08(月) 13:06:18 ID:HbHPxpxY
>>329-321
『お・・・おい、なんだよコレ!?天界が相手じゃあ、私達は何も出来ないじゃないか!』

「・・・フォードさんなら・・・これをどう解くかな。」

ダンっと机を叩き、少し悔しそうな表情をする。

『でも叡ちゃん、坊ちゃんを手伝うって言っても不信がられないか?万が一、こちらの目的もばれたら・・・』

「でも稀璃華、こちらから近づかないと相手側の情報は得られないよ。叡肖さんの意見はいいと思う。

メリーちゃん、ボクもまだよく分からないけどね。
時には危険を犯してでもしなきゃいけないこともあるんだよ。それだけは頭に入れておいてね。」

首を振るメリーを優しく撫でる。

333氷亜:2011/08/08(月) 14:16:54 ID:bJBnsqT6
>>330
叡肖に手渡してから氷亜も、
全員と同じようにその水に映るものを覗き見る。
光景が再生されるなか、彼は終始それを顔に表情なくみていた。

顔を上げてもとの体勢に戻った後、深くため息を。
それは他の者たちの天界、という驚きとはちがって、
彼は今まで側にいたあの姉妹の犯した、残酷な罪に言葉を失くした事による物だった。

「ああ、君のその意見に反対はしないよ。
 僕達夜行集団としても、それいがいに手は無いのかもしれないしね」

そして叡肖に、少し遠い目をして賛同する。

>>331>>332
感じた疑問に、首を傾げるように思考するメリーのほうを、
ちらりと横目で見て顎に手をやり、氷亜はしばらく黙り込んだ。
それからしばらく後、氷亜は気づいたように、あ、と口から言葉を漏らした。

「・・・これは仮定にもならない推論だし、
 もしかしたらはずれて、いや、合ってはいない、ことかもしれないけど、
 少し浮かんだことがある」

氷亜は自分の中で発生したある仮定を、忘れないように一言一言、
繋げ確かめるように話し出した。

「もし、だけどもしかしたら・・・神々はその坊ちゃんが成熟するまでに、
 なにかしらの原因でもあのアネさんアニさんが滅されることを恐れたんじゃないかな?
 だから、こうしてそのご神体を結界で守っていた。坊ちゃんに退治させるために。

 その理由は分からないけど、彼女達を退治するものがその坊ちゃんなら、
 正義の名の下に穂産姉妹の信者の反対もなく、退治できると思えば筋が通る

 でも、坊ちゃんは神の意思とは違い、そこまで正義の使者ではなかった。
 だからご神体を守る神々ごと、殺してしまっているのかもしれない」

「露希も賛成か。だとすると手助けの振り、をしたほうが良いと言う結論になるのかな?」

334叡肖「」 巴津火『』:2011/08/08(月) 14:55:46 ID:1gBuqmPQ
>>331-333
メリーの言うとおり、この受け継がれた記憶にも嘘があるのだろう。
完全な書き換えは無いとしても、例えば時間軸のすり替えのような
意図的に誤解を誘うような改竄くらいはあるはずなのだ。

(天界による神格剥奪は本当だろうが、正義の鉄槌だの言う下りはどうも胡散臭い)

元々この国の神々は正義だの悪だのという単純な区分のできるシロモノではない。
同じ神格が時と場合により、災いも福も授け得るものなのだ。

「その、天界が使命を下したってのにも裏がありそうだな。本当にそれは天界の意なのか?」

そもそも双子神への罰であれば、天界による神格の剥奪そのものが罰と言えよう。
それに逆恨みの理由にも夫婦の死にも、どこか不自然さを感じざるを得ない。

『人と妖の間に普通じゃない子供が生まれる事の、一体何が死ぬほど辛いんだ?
 むしろ化物が生まれてこない方が何かの呪いだろ?』

巴津火は巴津火で死んだ夫婦の軟弱さ加減に文句があるようだ。

「なあ殿下、そこにも嘘があると思っても良いんだよ?
 坊ちゃんに『報復』を課した奴が、実はその両親を殺した張本人ということもありえるんだぜ?
 もし俺がその張本人の立場だったら、双子神の罪悪感につけこんでいいように操る位はやるな。
 二人は自分に罪があると思い込んでるんだからちょろいもんだ」

悪企みを語る時の叡肖は、実に楽しそうである。

「さて問題は坊ちゃん達に接触するなら誰が行くか、だ」

335メリー:2011/08/08(月) 17:23:19 ID:c1.PBF/s
>>332>>333>>334

氷亜と叡肖の予測を聞いて、メリーは何かを考える。

「もしかして…坊ちゃんは全てを怨んでるんじゃないんかな?だよ?
自分の運命を狂わしたお姉ちゃん達も…自分に正義の鉄槌を促した神様達も………
《自分の産みの親》も」

《人を大量に殺す為に産みだされた都市伝説のなりそこない》はなんとなくそう考えた。自分も自分を産み出した《青行燈》を怨んでるから…

「その考えだったら氷亜お兄ちゃんの言う通りに神様たちも危機感を感じるんだよ
お姉ちゃん達が死んだら次は自分達の番なんだよ」

「叡肖お兄ちゃんの言う通り黒幕がいるのだとしたら…ソレはソレで厄介なんだよ」
まあ…考えても全て予想だからわからないんだよ……っと溜息を吐きながら付け加え

「むむむ…わかったんだよ」
露希に撫でられ、納得し


「露希お姉ちゃんや氷亜お兄ちゃんはやめといた方がいいんだよ。お姉ちゃん達の友達だからまずは怪しまれるんだよ
私は…マンドラゴラのお兄ちゃんに絶対警戒されるんだよ
ハツビーは………………………………うん。だよー」
おい。何故ハツビーを見て目を反らした!
多分ハツビーの事だからそのまま仲間になりそうな気がしてしまったからだろう。

何よりマンドラゴラはハツビーに興味を持っていたから警戒はされないと思うが…


「となると、何かと知恵がまわる叡肖お兄ちゃんかお姉ちゃん達とあまりかかわるのなさそうな稀璃華お姉ちゃんになるんだよー」

336零なか:2011/08/08(月) 17:48:44 ID:HbHPxpxY
>>333-335
「うん、やっぱりそうでもしないと真相は掴めそうにないし・・・。
氷亜さんの意見があってても、その何かしらの理由を様々な視点から思慮する必要もあることだし。」

『不思議だよな。退治だって、坊ちゃんの他にも条件を満たした奴はいたかもしれないのに。
単に自分の全てを奪っただけで天界からの命令はおかしいし・・・。やはり行くしかないな・・・。』

稀璃華も納得したのだが、叡肖の言う通り、誰が行くかだ。
行くなら、それほどの危険を弁えなければいけないし、いかに坊ちゃんに近づき、情報を入手するかなど、個々の能力も必要になってくる。

「メリーちゃんの言う通りかもね・・・。ここは稀璃華と叡肖さんに・・・。」

『私か叡ちゃんか、どちらかか・・・。』

337氷亜:2011/08/08(月) 17:56:42 ID:bJBnsqT6
>>334
「うん、アネさんアニさんの神話の箇所以外にも、
 あのメデゥーサの記憶にはところどころ混濁した部分がある以上、
 そのまま鵜呑み、ってわけにはいかないだろうね」

叡肖に小さく頷いた氷亜。
叡肖やメリーの上げていった点ももっともだが、
穂産姉妹とは短からず、同じ館で生活していた彼はそれ以上に、
言葉にできない何か違和感に似たものを感じていたのだ。

坊ちゃん側とこちら側との仲介となる者の決定を始めようとする叡肖に、
氷亜は彼に向かって挙手し、申し訳なさそうに苦笑いをしていた。

「何と言うか・・・すっご〜く言い辛いことなんだけどさ、
 以前、僕達夜行集団はね?
 ・・・神格持ちをヤッチャッタことがあるんだよ・・・成り行きでね。

 だから〜多分。僕達夜行集団の者じゃ、悪目立ちすると思うんだよ。
 ほら、一応天界も絡んでるかもだしさ。華音ちゃんならともかく」

喋る彼の目線は水泳選手並みに泳いでいて、顔からは冷や汗が。
そう、氷亜含め夜行集団は以前、
そんなあまりにも不都合すぎることをやってしまっていたのだ。

>>335
氷亜はふむ、と相槌を打ったかと思うと床を見つめ、
顎に手をやって再び深く黙り込む。

「復讐対象は全て、それも十分にありえないことではないね。
 もしそうであればやみくもに、結界の守護神達を消した理由も、
 メデゥーサなんかの大妖怪と手を組むのも頷ける」

と思わせたい第三者が仕組んだこともありえる。
考え始めれば浮かぶ可能性は多く、そのあまりにもの情報の少なさが、
氷亜に思わずため息をつかせていた。

「でも、もし天界を含めた脅威なのだとしたら、
 なぜ竜宮の叡肖さんや黒像君がそのことを知らないんだろう?下界にも増援は求めると思うのに。
 まあ、神格持ちですらない僕が考えても、特に意味はないんだろうけど。」

>>336
「稀璃華ちゃん、かな?
 出会って直ぐだし関係ないはずだしで申し訳ないんだけど、
 僕達のためにも頑張ってくれないかい?」

そこで氷亜は稀璃華の手を握り、顔を近づけ頼みごとをする。
その裏で、露希が行く事にならなくてよかったとか考えているのだが、
彼のイケメンオーラーは大きく、彼女にはなにか効果があるかもしれない。

338叡肖「」 巴津火『』:2011/08/08(月) 18:24:21 ID:1gBuqmPQ
>>335-337
「動けるものなら動きたいが、俺は裏に回った方が良いと思う」

叡肖はメリーの指名に首を横に振った。

「さっきメデゥーサは初対面の筈の俺に『竜宮の』と言っただろ?
 てことは、喫茶店の周辺の妖怪は既にある程度調べられていると見て良いんじゃないかね」

メリーの言うとおり、穂産姉妹に関わりのある夜行集団も動けないことは判っていたが、
氷亜の告白には叡肖もしばし頭を抱え、やがてニヤリと笑いながら顔を上げる。

「氷亜殿も、その神格が穂産姉妹のように再生できる可能性は考えなかったんですかい?
 もし今後その件で罪に問われたら、、神格とはそういうものだと思っていた、と抗弁してみましょうか。
 もっとも、言い訳にすらならぬ詭弁ですがね」

なりゆきという事情もあるのだし、今は無事でも確かに次は無いだろう。

「しかし天界に伝手となると……先代の主の伝手しかないからなぁ。
 誰かが天界を騙って仕組んでるだけなら、色々楽なんだが」

稀璃華一人と言うのも、気掛かりである。何かあったときのために、複数は欲しい。
メリーの危惧するとおり、巴津火ではかなり危なっかしい……のだが。

「殿下、その坊ちゃんとやらの友達になってみる気は、ないですかね?」
『友達?それどうやってなるんだ?遊べば良いのか?』

巴津火の言う「遊ぶ」は、かなり物騒な意味合いである。

339メリー:2011/08/08(月) 19:49:49 ID:c1.PBF/s
>>336>>337>>338

「そんなーだよ……まさか、喫茶店と普通じゃない田中家で特定されちゃってただよ?」
メリーよ…それは特定されるよ。

「けどハツビーじゃちょっと危ないような気がするんだよ」
ハツビーの発言を聞いてやっぱり不安を感じるメリー。

「《ノワール》を調べられたなら田中家や澪やミナクチさまに瞳と零も警戒されてるんだよ……
誰かいい人選いないんだよ?」

340露希「」&稀璃華『』:2011/08/08(月) 20:06:17 ID:HbHPxpxY
>>337-339
『え?あ・・・ぁぁ、分か、りました・・・///』

ホスト1のイケメンであり、魅力する雪男であり、そんなイケメンに手を握られる。虚冥の時とは比べものにならい勢いで鼻血が吹き出した。
そして、成り行きで氷亜に抱き着こうとする。

もしも抱き着いたのなら、氷亜の耳元で露希はこう言うだろう。
「・・・氷亜さん、稀璃華は・・・女の子じゃないのは頭に入れておいてね・・・。」

「田中家絡みも駄目となると・・・かなり厳しいかな?
前に瞳から聞いたんだけど、宝玉院家っていうのがあってね、そこの人は主を目指してるらしいんだ。その人なら・・・大丈夫かな?」

『巴津火か?もし興味あるなら、一緒に行かないか?』

確かに関係ない宝玉院家だけど・・・三凰君は素直に引き受けてくれるのだろうか。

341叡肖「」 巴津火『』:2011/08/08(月) 20:54:24 ID:1gBuqmPQ
>>340-341
「メリーちゃんがそのマンドラゴラに会ったのはノワールから牛神神社へ黒蔵が出た後だから、
 殿下がマークされていることはない、かな」

それでも坊ちゃん達が八岐大蛇を知っている事は、想定しておく方が良さそうだ。

「殿下。もしその『坊ちゃん』達に出くわしたら破壊を手伝って当たり障りの無い妖怪を食ってみてもいいよ」
『うん、もう手伝って食ったぞ』

巴津火の回答に叡肖は呆気にとられた。

「はぁ?一体何時?」
『この前蛇女が、寺で仏像を壊してたぞ?
 そこに巻き込まれたから、ボクに怪我させた寺の奴らを祟って食った』

あの時は露希も一緒だった。
そして相手を食ったのは攻撃されたことへの正当な報復だと巴津火は思っている。

「殿下、今さっき食ったのがその蛇女だよっ!」

そうだった、巴津火はメデゥーサが蛙になった後からしかいないのだ。

(全く、うちの坊ちゃんも坊ちゃんだよ)

叡肖は苦笑いしていた。
そして、露希の提案には頷いた。

「既にそういう形で接触してるなら殿下が潜り込む隙はありそうだな。
 その宝玉院家には俺も心当たりがあるが、交渉するなら三凰殿単独を相手にしたほうが良さそうだ。
 お目付けの飛葉という老人は、三凰殿が無茶をするようならまず止めるだろうからな」

『お前と一緒でも良いけど、変なとこ触るなよ?』

巴津火は稀璃華にまだツンツンしている。

「そういう訳で氷亜殿、夜行集団の皆には裏側での支援と神体探しをお願いしたい。
 巴津火殿下と稀璃華殿が接触、俺と露希ちゃんが宝玉院家へ出向こう」

どうやら巴津火は稀璃華と「坊ちゃん達」への接触を、露希と叡肖は宝玉院への接触を図る事になりそうだ。
しばらくホストクラブで相談をし手順を煮詰めてから、叡肖達は店を後にした。

//夜行さんが来られないようなので、自分はこういう形で〆ようかと思います。

342露希「」&稀璃華『』:2011/08/08(月) 21:21:24 ID:HbHPxpxY
>>341
「稀璃華、一度フォードさんに会った方がいいよ。きっとそれなりの対応はしてくれるだろうし。
宝玉院家のことは聞いただけなので、ボクはよくわかりません。まずはその子の視察からですね。」

『対応にしても、あの人はちょっと怖いからな。変なとこ触らなければいいんだな、巴津火っ!』

巴津火のツンに少し萌えつつも、ワクワクしてきた稀璃華。

この後、稀璃華は露希からフォード宅を教えて貰い、フォード宅へ。
露希は氷亜の店にしばらく残るだろう。

343メリー:2011/08/08(月) 22:06:29 ID:c1.PBF/s
>>340>>341

「けど喫茶店に二匹のヤマタノオロチがいるってメリー喋っちゃったんだよ」ショボーン
少し落ち込み

「一応牛神神社の荒事得意そうなお姉ちゃんにも声かけてみるんだよー。人間なんだけどだよー
皆も頑張ってだよー」
そう言うと、メリーは蛸さんにケータイを渡すとケータイを通じ喫茶店《ノワール》に移動していった


/皆さん三日間絡みありがとうございました
/お疲れ様です

344???:2011/08/08(月) 22:33:54 ID:/AfNAO.Q
とろりと粘つきのある夏の夜。
肌に纏わりつくような暑さの中でも、黒い雲の間から覗く月は涼やかに空に浮かんでいた。
時刻は三時を回っている。
そこは、ある程度の広さを有する公園だ。
こんな真夜中、普通にカンが手人がいるはずがない。
現に今晩も、その公園に人「は」いなかった。

「あーっもぉ最悪ぅぅぅ!!」

静かな公園の真ん中から、甲高い声が響いた。

「せっかく気晴らしに来たのにぃ、服汚れちゃったんですけどぉ!」

そこにいたのは、赤と黒で纏められたゴスパンク風の服を着た少女だった。
先ほどまで乗っていたのだろうか、後ろでブランコが揺れている。
文句を呟きながら短いスカートをはたく少女は、一見普通の少女に見える。
だが「普通の少女」が、果たしてこんな時間に公園にいるだろうか?

――そう、彼女もまた人ならざる者である。
そして同時に、妖怪ならざる者でもあった。
彼女から発せられるそれは、妖気でも、人の気配でもない。その両方を備えた奇妙なものだった。

345黒蔵:2011/08/08(月) 22:43:14 ID:1gBuqmPQ
>>344
(今日は散々だったかもしれない)

ホストクラブからの帰り道、ふらふらと公園の前を横切った小柄な少年は月を見上げる。
ちょっぴり覚束ない足元の彼の耳に、甲高い声が飛び込んできた。

「いっ?」

何時もはこの公園、この時間には人がいないのだ。
そのつもりでだだ漏らししていた妖気を、きゅっと収束させて気配を消そうとする。

(人?じゃない?)

なぜか黒蔵はその妖気を知っているような気もした。
黒いズボンのポケットのなかで、掌がじっとりと汗ばみ始める。
人の姿に化けた蛇は、本能的に公園の真ん中からは見えない木の陰に隠れようとした。

346宇佐田満月:2011/08/08(月) 22:56:52 ID:8w5oeMbU
異様な空気が包むその場を見下ろす月に、影がかかる
影、と言ってもそれは月を覆うような影ではない、とても小さく、胡麻粒のように月に被さる
その影は段々と大きく……と、言うより、近付いて来て…!?

「…ぅぅぅううううううううああああああああああああああ!!!!!」

それに比例して、サイレンの様に長く長く遠くまで響き渡る雄叫びも近くなっていく
その影が、声が、限界近くまで近付いた時、そこに振動が起こる
ピタリと声が止み、上がった土埃の真ん中から生えているのは、真っ白い兎耳

「…まだまだ、か……」

土埃が晴れたそこには、白い兎耳を生やした青年が少女の前に立っていた

347斬嶋 一郎:2011/08/08(月) 23:05:50 ID:zbqWp5t.
>>344
妙な気配に支配された夜の公園に、また一つ何かが加わる。
噎せ返るような血の香りを従えた、学ランの青年だ。
異様なほど若い顔は、下手をすれば中学生にまで見えるだろう。

「何だ?何だろうなァ?……君たちはどう思う?」

と、誰にとも無く自分の胴体に向けて語りかける。
気配の正体が何か、と問いかけているように見える。

学ランの腹部から背中にかけ、もぞり、と何かが一瞬せり出し、蠢く。
同時に木の葉がすれるような音で、何かが呻き声を上げる。

その異様な青年は、微笑みとともに、妙な気配が濃くなる方向へ歩き出した。

348???:2011/08/08(月) 23:09:24 ID:/AfNAO.Q
>>345
土で僅かに汚れたスカートの端を持ち上げて、人ならざる少女は唇を尖らせている。
黒髪の長いツインテールに、薄いメイクを施しているらしい幼い顔。恐らく中学生だろうか。
厚底のブーツを履いているが、それでも身長は150cmに満たないようだ。

「もー最悪ぅ……泥跳ねちゃってるし、ありえなーい」

怪しい素振りは見せていないが、気配を隠すだか探すだかの努力もしていないらしい。
この公園には自分しかいないと思い込んでいるのか、黒蔵が隠れていることにも全く気付いていなかった。
――同時に、彼女の気配に集中すれば気付くかもしれない。
彼女から、「生気」が感じられないことに。

>>346
「……」

突然の激しい轟音に、少女は目を点にして開いた口がふさがらない。
土煙が晴れると同時に現れた兎男を見た途端、公園中に少女のつんざくような叫び声が響いた。

「超ありえないんですけどーーーー!!??」

が、次の瞬間には、

「でも超おもしろーい! きゃはははははは!!」

盛大に笑いだし、ポケットから取り出した携帯で写真を連写しはじめた。
パシャパシャパシャパシャというけたたましい音と共に、まばゆいフラッシュが宇佐田を照らす。
気が済んだのか少女はそのままの勢いで宇佐田に駆け寄った。

「ねぇねぇねぇお兄さんどっから来たの!? 月!? ねぇ月!? ていうかこの耳本物!? 超可愛いんですけどえっていうかお兄さんイケメンじゃんねぇアドレス交換しようよ!!」

>>347
青年が次に見るのは、番町ルックな兎男を携帯片手にまくしたてるゴスパンクな少女の姿だろう。
シリアスとはかけ離れたこの状況に、果たして彼はどういう反応を見せるのだろうか。

349黒蔵:2011/08/08(月) 23:17:18 ID:1gBuqmPQ
>>346-348
(何あれ?何アレ?)

また変なものが落っこちて来た、と、植え込みの影でgkbrしている小柄な少年。
ゴスパンク少女と兎男からは隠れたつもりでも、反対側からくる青年からは丸見えである。

「…何なのアレ?生きてる気配ないのに、人??」

そこへ漂ってきた血の匂いも注意を引かれた。
振り向けば歩いてくるのはどこかで見たような服装の青年?だ。

(あ、あれ俺に似てるんだ)

あの服装は覚えがある。ただし冬の時に黒蔵は来ていたのだった。
今の黒蔵の服装は、夏の学生服に近い。
それに同じような童顔でついでに低身長……と思ったが近づいてくる相手をみれば
あちらの方がまだ高そうである。

(ちくしょう、ちくしょう)

なぜか黒蔵は無性に悔しくなった。

350宇佐田満月:2011/08/08(月) 23:23:58 ID:8w5oeMbU
>>347>>348>>349
周りの人間(妖怪)達に全く気付く様子が無く、青年は顎を上に上げて月を見上げる
かなり高く跳んだ筈だが、まだ届かない、山のてっぺんから跳んだ筈だが、勢い余って全く違う場所に来ていたが、本人はまだ気付いていない

「うーん…」

どうしたものか、と、使わないので意味のない策を練っている所で、何だか声が聞こえる気がした
そんなのに構っている暇も無いので無視していると、何だか眩しい気がした



「うるせぇぇぇえええええええ!!!!!」

結果、少女にキレた

「何だよテメーさっきから!?いきなり現れやがってうるせーんだよ!?」
「アドレス!?アドレスって何だごるぁ!!?」

ドスを効かせた大声を張り上げ少女にメンチビームを飛ばしまくる
いきなり現れたのもうるさかったのも自分であるが、それに気付いている筈も無い
そしていくら怒っても、頭の耳のせいで勝手に『ぷんすか』という単語が目に見えてしまう

351斬嶋 一郎:2011/08/08(月) 23:31:53 ID:zbqWp5t.
>>348
「……見えたよ。あれかなぁ?どう?」

またしても、独り言のように呟く。
風の音にも似た響きで、いくつかの声が交わる。
それは彼の声でも彼女の声でもなく、他の『何か』が発していた。

「…人間かな?女の子だね。……もっと近くで見たいのかい?」

異様な光景ではあるが、彼は意に介さず、問いかけてから歩み寄る。
ねば付くような血の匂いとともに、彼はゆっくりと近づく。

>>349
「あれはなんだろうね?……男みたいだ。残念だね」

視線を感じ、眼を向ける。
直後、左の脇腹へと慰めるような声をかけた。
脇腹から細い息にも似た音が発せられる。

>>350
大声を聞き、その場で、二人に近づこうとしていた足を止める。
怖気づいた様子でもなく、表情はいたって平静。
むしろ、何が起こるのかを期待してる節もある。

「……アレは何?流行ってるのかな?訳がわからないよね」

虚空に言葉を投げかけ、その眼は彼の耳を見据えた。

352???:2011/08/08(月) 23:45:09 ID:0rvvBuFg
>>349
確かに少女は動いている。
確かに少女は生きている。
――だが、死んでいた。
そういえば、少女の肌は化粧のせいではなく、不健康なほど青白い。
人形のようだとか、陶磁器のようだとか、そんな白さではなく、
その色は、人間の死体を思い描かせた。

>>350
などと、傍から見られていることに気付くこともなく、相変わらず少女は宇佐田に絡み続けていた。
「髪白いね染めてんの? もしかして自前? あっ外人だったりする? ねぇねぇてかその耳触らせてよねーいーでしょー?
 てか目ぇ赤っ! あっ結構筋肉すごーい触っていry
と、続けようとしたところで、ついに宇佐田がキレた。

「!?」

怒鳴られた少女は、しかし萎縮するわけでもなく、逆にぷはっと噴出した。

「いきなり現れたのあんたの方だし!! 超ウケるんですけどwwwww
 アドレス知らないとか携帯持ってないの? 買えよあっおススメauね私のアドレス教えとくから買ったら教えてよねっ! ……あ、ゴメン紙もってなかった」

「ねっ、私黄道いずみっていうんだけど、お兄さんなんて名前?」

黄道(こうどう) いずみと名乗った少女は宇佐田に近寄ると、軽いノリでその肩に触れようとする。
振り払うのもいいだろう。
そして触れたなら、その手のひらが「人の温度」を持っていないことが分かるはずだ。

>>351
「?」

斬嶋が近づいてきたことで、黄道はようやくその存在に気付いたらしかった。
学ランの青年を見て、むぅっと首を傾ける。

「この時間なら流石に人いないだろうと思って来たんだけどなー。……あ、もしかして近くで何かやってんのかな?」

思いついたように言うと、斬嶋の方に向かって呼びかける。

「ねーお兄さーん! こんな時間になにやってんの? 近くで何かやってんのー?
 てかお兄さんどこの学校の人ー?」

353黒蔵:2011/08/08(月) 23:48:04 ID:1gBuqmPQ
>>350-352
(うひぇっ!)

いきなり大声で兎男が怒鳴ったので、黒蔵は思わず耳を押さえた。
相手が気づいていないのだから身をすくませる必要も無い筈だが、今はどうにも気力体力が無い。
それがどこか臆病な行動を取らせる結果となっていた。

(こっちから来たのは独り言の危ない人だし!)

仕事疲れのたまった深夜である。もういい加減にしてもらいたい状況なのだ。

「なんなのもう、訳がわからないよ」

奇しくもその言葉の後半は、青年?の台詞と綺麗にシンクロしていた。
そして、気づかれないのを良いことに、こそこそと逃げ出そうとする。
気配を察知されても青年の方が先にあの2人に突っ込みそうなのだ。

植え込みの影に身を潜めて、じりじりと暗がりを移動をする。
そして暗がりなのと、園内の二人に気を取られていて
気づかずに植栽の蔭に投げ捨てられたそれを踏む。

(うおっ!)

踏んだ靴の下から転げたコーヒーの空き缶は、かっぽんころころと路面に転げ出て
アスファルトに響く派手な音を立てた。
兎男とゴスパンク少女が音の方を見れば、木の下ですっころんで地べたにキスをしている
小柄な少年を見るかもしれない。

354宇佐田満月:2011/08/09(火) 00:03:15 ID:8w5oeMbU
>>352
「だぁああああかぁああああらぁあああああら!!!」
「うるせーから黙れってんだよおおおおおおおおおおお!!!!!」

怒りをものともせず、逆に笑うような少女の態度が逆鱗に触れ、宇佐田の怒りが有頂天になる
耳の毛を逆立たせて、アンテナのようにピンと立たせ怒りが表現されている

「俺の名前は宇佐田満月だああああああああああ!!!!」
「よろしくなんてしねえぞおおおおおおお!!!!」

こんなに怒っているのに聞かれれば素直に名前は答える、でも五月蝿い

「気安く触んじゃねええぇ!!!」
「冷たい手しやがって!!冷え症かごるぁ!!!」

握り拳を力強く握って目の前で震わせ熱り立つ
いずみの手が触れる肩が冷たさを感じた、が、それがまさか死人だからという理由とは思いもしない

>>351>>353
「あと、てめぇらあああああああぁぁ!!!!」

今の今までいずみに怒り、いずみにしか気付いていないかと思えば、他の二人に急に怒り顔を向ける

「さっきから何見てやがんだあああああああぁぁ!!!!!見せモンじゃねえぞおおおおおおお!!!!」

理不尽だ、目立つのは自分なのに
倒れている者にも容赦無しに怒りの矛先を向けている

355斬嶋 一郎:2011/08/09(火) 00:08:17 ID:zbqWp5t.
>>352
「……話しかけられちゃったよ。予想外だね。……え、近づけば反応されるだろって?それもそうだね」

『何か』に問いかけ、『何か』に相槌を打つ。

「…えー、あ。俺?……学生じゃないよ」

学ランを着たまま、そんな事を言う。
説得力は皆無。

>>353
「何だろう。……え?『殺せ』だって?」

幻聴を聴いているかのように、突拍子も無い事を口にした。
懐に手を差し入れ、銀色に光る、よく研がれたメスを懐中で握り締める。

「……だめだよ。まだまだ全然知らない人じゃないか」

懐中にメスを握ったまま、誰かを諭すように言う。

>>354
「…怒られちゃったね」

ぽかんとして、誰にとも無く同意を求めた。
しかし、一体誰に話しているのか。
この場にいる誰かでは無い事はもはや明白。
かといって独り言という訳でもなさそうだ。

「見せ物じゃないなら何なんだろう?」

つらつらと言葉を綴るその調子は、淡々として、感情を持たないかにも見える。

356黄道 いずみ:2011/08/09(火) 00:15:35 ID:0rvvBuFg
>>353
スチール缶がアスファルトに衝突した音は、思っていたよりもずっと静かな夜の空間に響き渡った。
激しく動かしていた唇の動きを止めて、黄道は体ごと振り向いた。
小柄な少年が、顔から地面に突っ伏して倒れている光景。
先程の行動から察すると、再び携帯で連写をおっぱじめそうではある。
だが、そうしなかった。
顔を上げた黒蔵を見て、黄道は僅かな狂気を含ませた目を見開いた。



「お兄ちゃんじゃん!」



>>354
「満月ね! いいじゃんよろしくしようよあっ私のこといずみって呼んでいいから! てか満月のほうがうるさいんだけどwwwwwwww」

さっそく下の名前を呼び捨て。かなり馴れ馴れしい。
だが冷え性か、と尋ねられた瞬間、ふと黄道の表情が変わったように見えた。
しかし勘違いかと思えるほどの速さで、すぐに笑顔に戻る。

「なになに心配してくれてんのー? あっていうかねぇ満月この耳触らせてよ!」

高くて届かないー! と厚底で背伸びして、宇佐田の頭の上にある耳に手を伸ばそうとする。

>>355
「お兄さん誰と話してんの?」

きょろきょろと辺りを見回すも、誰もいない。
首を傾げるが、「まあいいや」と済ませてしまった。

「じゃあ何で学ラン……あっもしかしてコス? いいじゃんお兄さん学ラン似合ってるし! そうだ写メ撮ろうよ写メ! ねえこっち来てよ!」

すちゃっと携帯を取り出し、斬嶋をこちらに呼ぼうとする。

357黒蔵:2011/08/09(火) 00:23:24 ID:1gBuqmPQ
>>354-356
「しっかりヨロシクしてるよでっかい声でヨロシク言っちゃってるよ何あの人何なのさっきから
 こんな深夜にご近所迷惑だよ全く……」

うつ伏せでぶつぶつ呟いているので叫ぶ兎男の兎耳に聞えるかどうかは判らない。

「自分で見世物オンステージしてるのに何なのあの人どう見ても可笑しいよっていうかこのままだと
 人間あつまってきちゃうじゃんやばいじゃんマジ俺疲れてるじゃん…」

多分、今日は色々あって疲れやらなにやらでピークに来ちゃったものと思われる。
ぶつぶつと呟きながら起き上がった黒蔵は、ふと僅かな狂気を感じ取った。

「お、にい、ちゃん、だと?」

きゅうっと三日月形に釣りあがった口がそう呟くと、思わぬ素早さでゴスロリパンク少女のもとへ駆けつけた。
陰の気を好むこの蛇妖、疲労のピークに狂気が作用して、完全にラリっているご様子。
兎男の耳をモフろうとする妹?をひょいと抱き上げて、その耳へ届くように持ち上げようとする。

「緋桐!生きてた!緋桐!」

壊れた笑いをあげながらゴスロリパンク少女を持ち上げるその瞳に正気の気配はない。
回路の壊れたお兄ちゃんスイッチ入りましたーな状態である。

358宇佐田満月:2011/08/09(火) 00:34:14 ID:8w5oeMbU
>>355
「うるせーんだよてめー!!さっきからぶつぶつぶつぶつと!!」
「誰と話してやがんだごるぁ!!話す時は相手の目を見て話しやがれ!!!」

先程から何かと話している男を睨みつけて叫ぶ
その何かが何なのか、そもそも彼には男が何かと話しているという発想もないようである

>>356
「いずみいいいいいいいいぃぃ!!!!てめー馴れ馴れしいんじゃぁあああああああああ!!!!」

かなり人懐っこそうな様子で絡んでくるいずみに怒鳴り付ける、が、ちゃっかり言われた通り呼び捨てしてたり、そもそもこいつも人の事を言えない

「だぁっ!やめっ!!この…!!やめええええぇい!!!!」

耳に触ろうとするいずみの手をうざったそうにかわしていたが、余りのしつこさにとうとう、いずみの手首を掴んで無理矢理制止する
やはり、掴んだ手首も冷たかった

「こんにゃろーてめー!!夏だっつーのに冷たい手しやがって!!死人か!?手だけ死人かごるぁ!!!」

口から出る言葉は冷え症を罵倒する為の精一杯の言葉、少しズレている感じもするが
そのズレた罵倒が、まさか正解を引き当てているとは本人は気付いていない

>>357
「おめーもぶつぶつうっせーよ!!!言いたい事あんならはっきり言えごるぁああああああああああ!!!!」

黒蔵の呟きもしっかりと聞こえていたようだ、今までは気付いていなかっただけで、流石の耳と言うべきか

「あっこら持ち上げんなこら」

「ふざけんなてめええええええええええ!!!!」

黒蔵がいずみを持ち上げた事でいずみが耳に手が届く範囲まで来てしまう
…が、がっちりといずみの手を掴んでガード、意地でも触らせたくないらしい

359斬嶋 一郎:2011/08/09(火) 00:41:47 ID:zbqWp5t.
>>356>>357>>358
「……え?俺?……でも、これどうしよ……」

呼ばれている事に気付き、懐の中で握ったメスをどうしようか考えている。
常識的に考えて、しまえばいいのだが。

「…抜いちゃったしなぁ。……あ、そうか。あの子に使えばいいんだよね?」

ほのかな凶器とともに、メスを握り締めながら近づいていく。
その足取りは、静かながらも、距離を詰めていく猫科の動物のように――……。
「……って、あれ?」

近づくより遥かに速く、倒れていた青年が彼女に近づき、担ぎ上げる。
もはや、彼の目論見は遠くへと流れたようだ。

「……『隠せ』?……うん、分かったよ」

兎耳の男の警告(?)も意に介さず、ぶつぶつと続けながらメスを袖にしまい、近づく。
三人のやり取りを楽しむ振りをし、ゆっくり、声を交わせる距離まで近寄った。

360黄道 いずみ:2011/08/09(火) 00:43:50 ID:0rvvBuFg
>>357-359
「わっぷ!」

突然抱き上げられ、黄道はきょとんとした顔で黒蔵を見下げた。
だが「緋桐」という聞き覚えのない名前で呼ばれ、少し不機嫌そうな顔をする。

「はぁ? 誰それ? 私緋桐なんて名前じゃないんだけど、ちょっと、お兄ちゃん、離してよっ!
 あ、ちょっと満月そんなに手首引っ張ったら――」

黒蔵に持ち上げられ、宇佐田に手首を掴まれ、体を揺らしたことで、ぐいっと腕に思わぬ負担がいってしまう。
その瞬間の黄道の表情は、まるで、何かに怯えているようだった。
そして、

「あ」

どさっ、と。
突然、何かが地面に落下した。
何かの拍子に壊れてしまった、人形のパーツのように。
少女は地面に落ちたものを、無表情に眺めていた。


自分の腕を。


肘あたりからちぎれた右腕の断面は、グロテスクに血に濡れている。
もちろん少女の腕からも、ぼたぼたと血が垂れているのだが、本人はまるで痛みなど感じていないようだった。

「……壊れやすいんだってば、もう。超最悪なんですけどー」

チッと軽く舌打ちをしてから、黄道は体を捻った。
その小さな体から出ているとは思えないほどの力で、黒蔵の腕から抜け出そうとする。
抜け出せれば、落ちた腕を拾いあげ、三人から距離を取ろうとするだろう。

361黒蔵:2011/08/09(火) 00:56:43 ID:1gBuqmPQ
>>358-360
わめく宇佐田の赤い瞳と焦点の合わない黒い瞳がかち合った。
その要求どおり目を見たのだが、黒い目はどこも見ていない。
どこか遠くを見て笑い声をあげながら、小柄な少年は涙を流していた。

「生きてた!生きてた…!」

ソレナノニ コノイモウトノカラダハ ドウシテコンナニツメタイノダロウ

動いていて、喋って、笑って、怒って、なのに冷たくて、色を失って、生気が無い。
覚めたくない夢の中に逃避するかのように、黒蔵の思考は頑なに理解を拒んでいた。

イル ココニイル イモウトガ アレハ ユメ デ コレガ ホントウ

最初にどことなく覚えがあるように思ったその妖気は、黒蔵自身のそれに似通っていたのだ。

しかし

ちぎれ落ちた腕に黒蔵の動きが止まった。その腕の中からいずみは難なく逃れ出る。
表情を失った黒蔵は、呆然とその腕を見つめている。


――あれは、妹の肉。
そうだ、妹は居ない。自分が食べたのだから。

「うわああああぁぁぁぁぁっ!!!」

いずみが落ちた腕を持ち去ろうとした瞬間、それを奪われまいとした黒蔵が、
蛇体となって奪い返そうとした。
しかし成功はせずに、その丸太のような長い黒い身体は地をのたうつばかりである。

(緋桐!緋桐緋桐緋桐緋桐ぃぃぃぃぃぃっ!!!)

宇佐田も青年も、その傍に居れば巻き込まれかねない。

362宇佐田満月:2011/08/09(火) 01:07:11 ID:8w5oeMbU
>>359>>360>>361
「やめろっててめーら!!やーめー…」

まるで子供のような押し問答を、かなり激しくしていたその最中

ぶちっ、とも、ぺきっ、ともとれぬ、生理的に嫌な感じの感覚がした
それが起きたのは、自分の手の中で

よく見たら、いずみにある筈の物が無くて、その足りないパーツが落ちていた

全てを理解する間、実に二秒程度、尤も本人はもっと長く感じたが

「う、うわああああああああああああああ取れたああああああああああああ!!!!!!」

ちょっとだけ静かだったと思えば、結局また叫ぶのである

「わりいいいいいいぃ!!!まさか取れるとは思わなかったんだああああああああああ!!!!」
「大丈夫か!!?セロハンテープでつきそうか!!?」

とはいえ、慌てるベクトルがすこしばかり違うようでもある
んで、「お前も原因の一つなんだから謝れ」と、黒蔵に言おうとして顔を向けるが

「なんじゃこりゃああああああああああああああああ!!!!??」

そこには巨大な蛇がいました、ていうか目の前なのに何故今気付いた

363斬嶋 一郎:2011/08/09(火) 01:13:32 ID:zbqWp5t.
>>360>>361>>362
「…………え、腕?…俺、何もしてないよね?……うん、そうだね」

もはや彼の基本姿勢となりつつある、問いかけるような独り言。
目の前で少女の腕が落ち、血を流す。
しかし痛がる様子でも、何が起こっているか理解できないという様子でもなく、不平を口にするのみ。

「……って、えぇ?あれ、さっきの人は?……え、化けたって何?意味わかんないよ」

言って、右手を学ランの背中に下から差し入れる。
数秒ほどして、やがてその手は何かを探り当てた。
のたうつ大蛇を前にして、流石にうろたえて自衛しようとしているようだ。

「…どうしよっか?キミ、何かプランあるかい?」

そこで初めて、独り言ではなく、周りの人間に向けて言った。

すなわち、兎耳の男に。

364黄道 いずみ:2011/08/09(火) 01:19:08 ID:0rvvBuFg
>>361-363
黒蔵の腕から抜け出し、厚底のブーツで地面を蹴った黄道は、三人から距離をとった。
蛇体となってのたうちまわる黒蔵を遠目で見、げえっと舌を出す。

「うわキモ、超ひくんですけどー」

宇佐田から奪った腕をくるくる回しながら、黄道は溜め息をついた。

「あーあ、そういえば小鳥遊センセーに人に見られるなって言われたような〜〜……。どうするべ、この状況」

ツインテールを弄りながら、むむっと思案する。
それからしばらくもしない内に、黄道はピンっと指を立てた。

「そっか消しちゃえばいいんだ。私超頭いいー」

ふふんと得意げに笑うと、片手に持った自身の右腕を高く放り投げる。
弧を描きながら飛ぶ腕は、空中でぼこぼこと沸騰するような音を立てはじめた。
そしてついに弾け飛び、肉片が地面に落ちた。
それらの肉片が蠢きはじめ、もごもごと形を変える。

「ほら早く、私の肉兵たち」

黄道が呟いた瞬間、肉片は人の形に姿を変えた。
人の形とはいえそれは人とは程遠い、グロテスクな九個の肉塊である。
くぼみだけで表現された顔ともいえない顔が、無機質な感情を三人に向けた。

「さっさとこの場にいるやつら、全員消しちゃって……あ、お兄ちゃん見逃してあげるつもりだったのに忘れてた! ごめんね☆」

てへ、と右腕で頭を掻く。
そう、右腕でだ。
ちぎれたはずの彼女の右腕は、いつの間にか再生していた。
だがその理由を考える暇も与えないほど早く、肉塊は呻き声を上げながら、それぞれに迫りくる。
のたうちまわる蛇の頭を潰そうと、三個が。
宇佐田の体を引き裂こうと、三個が。
斬嶋の首をちぎろうと、三個が。

365黒蔵:2011/08/09(火) 01:25:29 ID:1gBuqmPQ
>>362-364
でっかくって長い黒い物は、ドン引きされようが吃驚されようが、のったのったと辺りをのた打ち回っております。
時折かっと巨大な口を開きますが何か目標物に食いつくわけでもなく、
虚空を噛んでは頭で地を叩き、己が身を締め付けるかの如くくねっております。正に蛇踊り。

しかし全く人畜無害かというとそうでもなくて、振り回される尾やらくねる身体にうっかり巻き込まれたら
楽しい結果など到底待っては居りません。
どかっ!とされるか、ぷすっ!とされるか、あるいはゾンビにぺたぺたされるのか、
いずれにせよその逃げる気配の無いでっかい長物は格好のターゲットではありました。

そこへ迫り来る肉塊の一つは尻尾でホームランされ、もう一つは巻き込まれてすり身となりました。
しかし残りの一つは、今正に蛇が己で大地に叩き付けているその頭を狙って、飛び掛るのでありました。

べち!

やったね!肉塊のアタック成功したよ!これで黒蔵大人しくなるね!

366宇佐田満月:2011/08/09(火) 01:37:59 ID:8w5oeMbU
>>363>>365
「あぁ!?ねぇよ、そんなもん!!」
「とりあえずぶん殴れ!!顎狙えば大人しくなるだろ!!」

プランはあるか、と聞かれれば、ぶっちゃけ無い
とりあえず力押しで気絶させろとの事、そんな無茶苦茶な

>>364
「えーとなんだ腕が取れて爆発してなんか増えてまた生えて…」
「えぇい解らん!!!もうめんどくせえええええええええええ!!!!!」

一度に色んな事が起こりすぎて大混乱、目をぐるぐるにして向かってくる人型に戦闘体制

「おりゃ!!おりゃ!!おるぁああああああああああああ!!!!!」

飛び蹴り、空中回し蹴り、着地と同時の回し蹴りで人型を蹴り飛ばす
鉄下駄の重さを物ともしない脚力と、重さが加わった脚での攻撃は、そのまんまの表現だが思い

367斬嶋 一郎:2011/08/09(火) 01:45:20 ID:zbqWp5t.
>>364>>365>>366
「はははっ……!凄いね?俺、ラリってないよね?これ、実際起きてるんだよね?」

興奮冷めやらぬ様子で何かへ問いかける。
答えが返ってくるのを待たず、彼は背中から、大振りのナタを取り出した。
背が低く童顔の、この青年が保持できるのかどうかも怪しい一品だ。

「……なんだァ。キミがあれにわざと呑まれて、内側から何かする、とか言うのを期待したのにねェ。残念だね?」

ぼそぼそと物騒な事を言ってのけ、自分に向かって来る三体の肉塊を見て取る。

「いっただきィ!」

自分へ向かってきた肉塊の一体へ、脳天に相当する部分から縦一文字にナタを振り下ろす。
片手で振ったにも関わらず、その速度は相当なもの。

返す刃で肉塊の首へ相当する部分へとナタを水平に撃ち込み、そして――残りの一体には、背を向けた状態になる。

368黄道 いずみ:2011/08/09(火) 01:54:00 ID:0rvvBuFg
>>365
大蛇の尻尾に吹き飛ばされた肉塊は、公園の木にぶつかりその周辺を血塗れにした。
くねる動きに巻き込まれた肉塊は、地面を赤黒い血に染めた。
最後の一匹が、その体全身を使って黒蔵の頭に迫る。
そして勢いよく肉がぶつかる音がした。

「いえーい、攻撃成功☆」

フリルがあしらわれたスカートを揺らし、無邪気にはしゃぐ。
落ち着くと、頭に血と肉片をつけた大蛇を指差した。

「そこで大人しくしててね〜? ぶっちゃけお兄ちゃん殺したら私が小鳥遊センセーに殺されるし! ぎゃはは!!」

>>366
どっ! どっ!! どっ!!!
三連続コンボは、宇佐田に向かい真正面から突っ込んでいった肉塊を簡単にバラバラにした。
肉片があたりに飛び散り、噴き出した血が白い服や周辺を汚していく。
その様子を遠くから眺める黄道は、「ふーん」とつぶやき唇を吊り上げた。

「やるじゃん満月! ごめんね、もっとあんたと話してたかったけどさー」

ぶちっ!
言うなり、黄道はみずからの腕で、右肩から腕を引きちぎった。
鮮血が吹き出し、ゴスパンク風の服を真っ赤なドレスに仕立て上げる。
再び右肩を投げると、今度は十五体の肉塊が出現した。
先程の肉塊より少し体が小さく、しかしすばしこい。
肉塊たちは素早い動きで宇佐田に近付き、周辺を取り囲んだ。
そして一斉に襲いかかる。

>>367
「わお、でっかい武器ぃー。超写メりたいんですけど!!」

肉塊が弾け飛んでいく様子を、遠くからけらけらと肩を揺らしながら見ている。
一体目は、振り下ろされたナタによって真っ二つになった。
人の形を保っていられなくなった肉塊が地面に転がる。
二体目は、水平に撃ち込まれたナタによって首が吹き飛んだ。
同じく、肉塊が地面に転がる。
そして三体目――背後から、斬嶋に太い腕を振り上げる。

「てかさー、お兄さん超強くない? いずみ心配だからさぁー」

言うと、黄道は自らの歯で左腕の一部分を噛みちぎった。
指はぼこぼこと形を変え、するどい杭になる。

「えい☆」

肉塊の攻撃に加担するように、勢いよく杭を投げた。

369黒蔵:2011/08/09(火) 01:56:57 ID:1gBuqmPQ
>>366-368
ひくりひくりと震える大蛇の身体は少しづつ元の人型に縮んでゆき、生き残った肉塊は主の命令どおり
その頭を潰そうとしてまだピョンピョン跳ねている。なかなか忠実な奴だ。
しかしその足元でうつぶせに倒れた少年の頭は半ば地中に埋まり、その為にどうやら肉塊の使命は
成功していなかったらしい。

これは大蛇が散々のた打ち回って地面を荒らしたせい、である。
己で頭を打ち付けて、柔らかくなった地面に窪みも作っていたのだ。

この状態で顔をあげたら色々と酷い事になっているのが予想されるので、
心無い人がいたら黒蔵を起してあげよう。

370宇佐田満月:2011/08/09(火) 02:07:22 ID:8w5oeMbU
>>367>>368>>369
「ぬおおおおおおお!!?また増えやがったああああああああああ!!!!?」

華麗な三コンボで人型を吹き飛ばしたと思えば、すぐに数が追加される
しかも今度は二十、今とはまさに桁が違う

だが

「こおおおおおおおおなったらあああああああああ!!!!」
「とこっとんやってやるぜ鰓亜あああああああああああ!!!!!」

人型の大群に向かって、空気を揺るがす程の大声で雄叫びを上げると、力を溜めて高く跳び上がる
ちいさなビルなら軽く飛び越しそうなくらいに高く跳び上がると、当然のように落下する

落下に向かう場所は大群の中心、真ん中に位置する人型を思い切り踏み付け、衝撃波で周りの人型達も纏めて吹き飛ばそうとした

371宇佐田満月:2011/08/09(火) 02:09:36 ID:8w5oeMbU
>>370
/すいません
/二十→十五
/中心の人型→中心の地面です

372斬嶋 一郎:2011/08/09(火) 02:13:19 ID:zbqWp5t.
>>368>>369>>370
「……あ、無理かも?」

気配で真後ろに肉塊が迫っている事を悟るも、その姿勢からは反撃が間に合わない。
ナタを振るにも、もはや猶予は無い。
しかし。

ぼこ、ぼこ。
青年の後頭部が音を立てて変形し、人間の顔を持つ大きな腫れ物を三つほど生じさせる。
その腫れ物―――『人面疽』達は、後ろに迫った肉塊へと、酸性の液体を勢い良く吹きつけた。
まともな人間であっても、浴びれば全身がケロイド状になり、酷い有様へとなるような強い酸だ。

「……あぁ、見られちゃったかな?どうしよう?どうしようかなァ?」

後頭部に人面疽を発生させたまま振り向き、黄道が投げた杭を、分厚いナタを盾にするように両手で構えて防ぐ。

373黄道 いずみ:2011/08/09(火) 02:24:39 ID:0rvvBuFg
>>369
「ねぇお兄ちゃん、私の声聞こえる?」

黄道は地面に顔をうめる黒蔵に向かって、遠くから独り言のように呟きはじめた。
肉塊は未だに頭の上で飛び跳ね続けている。
聞こえるわけないかもしれない。別に、聞こえていなくてもいい。

「お兄ちゃんは私が誰だか知らないだろうけど、私は知ってる。私の中には、お兄ちゃんの血だって混ざってるんだから。
 小鳥遊センセーから聞いたよ。お兄ちゃんがいなくちゃ私は蘇れなかったって」

にたり、と口許が歪む。

「ありがとね。生きてるって超最高だよ、お兄ちゃん」

>>371-372
落下の衝撃波によって、宇佐田の思惑通り、肉塊は一気にその形をなくした。
小さくなった分、よけいにもろくなっているようだ。
呆然とする黄道を後目に、斬嶋の後頭部が変化する。
肉塊をドロドロに溶かし、さらに最後っ屁の杭まで防がれてしまった。

「……そんなのってアリィ?」

ぱらぱらと舞う土煙。
風に揺れるツインテールを抑えながら、黄道は呆れたように呟いた。
右腕はまだ再生途中。となれば左腕だが、この二人相手どるには一本だけではキツい。
黄道はどう動くべきか迷っている。距離をつめるなら今だ。

374黒蔵:2011/08/09(火) 02:30:45 ID:1gBuqmPQ
>>370-373
肉塊に踏まれつづける黒蔵を、まだ誰も引っこ抜いてくれない。
なので誰のアクションにもついてゆけない。

今日も、働く、こける、滑る、そして、泣きを見る。
そろそろ息が詰まってるんじゃないかな〜♪
そっと、起してみようかなーんて?

多分、誰も思っちゃくれないのが彼の日常。
おそらく遠くからの泉の独り言は聞えていないのではないだろうか。
頭に跳ねる肉塊を載せながら、静かに横たわっているのみである。

375宇佐田満月:2011/08/09(火) 02:37:14 ID:8w5oeMbU
>>372>>373>>374
神の所業か、本能か、とにかく宇佐田はいずみが倒すべき相手だと悟った
土埃の中、赤い眼を光らせ、何処かの決戦兵器暴走モードを思わせるように立ち上がる

「ごぉぉちゃぁぁあ…ごぉぉちゃぁぁあ……!」

グググ…と右足を後ろに曲げて力を溜める
弓なりになるくらいに脚を後ろに伸ばす

「うるせえええええええええええええええ!!!!!」

そして、その場で思い切り蹴り上げる、当然の如く蹴りは空振り
だが、代わりに鉄下駄が足からすっぽ抜けていずみ目掛けて飛んでいく
二発限定最終奥義、鉄下駄飛ばしと命名した、今命名した

376斬嶋 一郎:2011/08/09(火) 02:47:28 ID:zbqWp5t.
>>373>>374
「……あーァ。ほんっと、どうしちゃおっかなー?」

後頭部の人面疽をなんとなく手でさすりながら。

『殺セよ。はらワたヒキずリ出して並ベちまオう』
『ダメよ、そんナノ。子宮からに決マってルでしョ』
『ミンチだよ、ミんチ。切リ刻ンで試そーゼ。どうセすぐは死なナイっテ』

後頭部にできた三つの人面疽が、好き勝手に、かつ身震いするような事を喋りまくる。
低い声。異常に甲高い声。少年のように純粋な声。
これこそが、「彼」の口調の種明かしだ。

「…いやァ、無理だよ。こんなんじゃ殺しきれないってば。試すのもいいけどさ、殺せないとイライラするだけじゃん?」

ナタについた肉片を振り落とし、刃を指でなぞる。

ちらり、と横目で蛇だった男を見つける。
顔面から埋まりながら、肉塊と戯れているようだ。

「……面白いもの見せてくれたしネェ。うん、いいよね?」

言って、ナタを右手で本気で投げつける。
黒蔵を踏みつけている肉塊の、胸から頭のあたりへと縦回転しながらナタが飛んでいった。

彼女については、兎耳の男に任せるつもりらしい。

377黄道 いずみ:2011/08/09(火) 02:50:11 ID:0rvvBuFg
>>374>>376
斬嶋のナタにより、黒蔵の頭の上で飛び跳ねる肉塊が飛び散った。

「ダサいのー」

助けられている黒蔵を見て、ぷぷっと噴出す。

>>375
「そ、そんな怒んないでよ満月ぃ〜」

猫撫で声を上げるが、今更もう遅いだろう。
じり、と一歩後退する。宇佐田が脚を後ろに伸ばす。
そして、鉄下駄が凄まじい勢いで飛んできた。

「!!」

それを視界に捉えるも、とんでもない脚力から繰り出される鉄下駄を避けるにはいたらなかった。
咄嗟に腕で頭を庇う。しかし、鉄下駄はその僅か下に直撃した。
衝撃に数m吹き飛び、地面に投げ出される。

「…………あー……もう最悪ぅ……」

体を持ち上げて、ひょいっと立ち上がった黄道の体は。
心臓部分から右側が、完全に吹き飛んでいた。

「服ボロボロだしぃ。超ありえないんですけど……」

はあ、と溜め息をつく黄道は、痛みを感じていないようだった。
吹き飛んだ部分は完全に向こう側の景色が見えている。

378黒蔵:2011/08/09(火) 02:55:32 ID:1gBuqmPQ
>>375-377
ずーーーっとこのままかと思いきや、肉塊に鉈が飛んできた。
すぱーん、と鮮やかに切られた肉塊がどろりと黒蔵の頭の上で崩れた。
水をぶっ掛けられるより気色悪い冷たさであろうことは想像がつく。

「……う……く………臭ぇっ!!!!」

がぼっと頭を地中から抜いて、ようやく起きたらしい。
折角助けてもらったのに、黒蔵の第一声がこれだった。

「なにこれ、超気持ち悪い!」

顔は泥だらけ、頭は死肉片と血まみれである。
しかしながら、正気には戻ったらしく。

「あー!お前、緋桐じゃねぇっ!」

ひょこんと起き上がると、騙された!といわんばかりに声を上げた。

379宇佐田満月:2011/08/09(火) 03:06:10 ID:8w5oeMbU
>>376-378
体の大部分が無くなってもまだ健在のいずみは、それはそれは大した生命力である
が、それでも、その体の大部分を無くすに至った攻撃を二度くらったらどうか?
もしかしたら、四肢のどれかが無くなって身動きが取れなくなるかもしれない、さっき最優先に守った頭部に当たるかもしれない
もし、少しでもそんな危機感があるなら、いずみは身構えるべきだ、あるいは逃走か

「もう一丁ぉぉぉおおおおおお…!!」

既に宇佐田は、次の鉄下駄を弾倉に込め終えていた

380斬嶋 一郎:2011/08/09(火) 03:13:04 ID:zbqWp5t.
>>377>>379
「あー……いやいや、もしかして俺幻覚見てる?キメちゃってる?知らない間に?いやいやいや……」

体に大穴が開いてなお、こたえていない。
もう、確実に手に余るだろう。
不死性を試してみたいと思わなくはないが。

>>378
「……生きてる?それとも、トドメいる?サービスしよっか?なんつったっけ、アレ。『介錯』?」

と、先ほど袖にしまったメスを指で弄びながら、問う。
後頭部に生じた人面疽はもう引っ込み、見た目は普通の学ランの青年へと戻っている。
違っているのは、肉塊の体液にまみれ、血の匂いをぷんぷんとさせている事ぐらいか。

381黄道 いずみ:2011/08/09(火) 03:22:59 ID:0rvvBuFg
>>378
「緋桐って人じゃないって言ったんですけど?」

起きるなりそれか。
やれやれ、とでもいうように緩く首を振る。

「ま、いっかあ……小鳥遊センセーには怒られるだろうけど、死ぬのはゴメンだしぃ。
 ていうか妖怪超強いじゃん! こりゃ勝てないっての」

人に見られるな、というのは完全に破ってしまったが、秘密を掴まれていないならば大丈夫。
そう踏んだ黄道は、この場からの逃亡を決意した。

>>379-380
「さすがにもう一回はキツいってば」

今にも鉄下駄を飛ばそうとする宇佐田を見て苦笑する。
既に体は回復しつつあるが、脚を失えば動けなくなるし、黄道は完璧な「不死身」ではない。
先程の攻撃で頭を庇っていたのを見れば、勘のいいものなら気付くだろう。

「んじゃっ、私は逃げるから! じゃあね、追っ掛けてこないでよ!」

たんっとその場から跳び、近くの木に飛び移る。
体に大穴が開いていてもそのスピードは変わらない。顔色一つ変えない(既に青白いのだが)ところを見ると、痛覚は完全にないように思えた。


逃げていく、少女の気配が遠のいていく。
人でなく、妖怪でもない――否、去り際に残された気配を感じれば分かるだろう。
彼女は人であり、妖怪でもある存在。
小鳥遊によってつくられた薬で、半妖として死から蘇った少女なのだ。

382黒蔵:2011/08/09(火) 03:29:37 ID:1gBuqmPQ
>>379-381
「うわぁーっ!話しかけられた!?」

ドロデロに汚れた黒蔵が、斬嶋青年を指差して驚愕した。
独り言の得意な人だと思ったのに、まさか自分に話を振って来られるとは。
…しかし、助けてくれた恩人に色々と失礼である。

「サービスは嫌ぁ!!!……ってか、誰?!何をするのさ!」

メスとサービスに黒蔵は飛びのいた。コイツは中学生な見た目によらずホストのバイトをしている。
「サービス」という語には嬉しくない思いをすることが多いので、嫌悪の対象なのだ。
そして斬嶋青年にかまけている間にいずみは逃げていってしまった。

383宇佐田満月:2011/08/09(火) 03:38:04 ID:8w5oeMbU
>>380-382
「チッ!二度とくんな!!!」

逃げていくいずみの背中に声をかけると、足を降ろして飛ばした鉄下駄を取りに行く

鉄下駄を履いて、よし、と満足げに鼻息を漏らす
何かを、忘れているような…

「…そうだ!それ所じゃねえ!!さっさとしねえと!!」

そういえば、そうだった、と、やるべき事を思い出して、二人に挨拶もせずに駆けていく

またしばらくしてから、山からは雄叫びが響くようになった

/お疲れ様でした

384斬嶋 一郎:2011/08/09(火) 03:44:07 ID:zbqWp5t.
>>381
「おおー……速い速い。どうなんだろ?試したいなぁ。……ハンバーグ?刻んでタマネギと混ぜろ?趣味悪ぃーよ……今日は肉食おうと思ったのに」

意味不明な独り言とともに、走り去る彼女を見送る。
おそらく、彼にはまだ、人面疽の声が聞こえるのだろう。
それでもそのやり取りを楽しんでいるように見えるあたり、彼も通常の神経ではない。

>>382
「あ?……いや、俺は『変な人』じゃないよォ?話しかけられるから答えてるだけなんだよ。……そうだよね?」

最後の一言は、眼を閉じて自らの左肩あたりへ語りかけた。
ナタを拾い上げ、学ランの袖で丁寧に拭い、街灯の光で確認する。

「………いや、もし痛いんなら『楽に』してあげようと思ってさァ。いらない?」

左手に分厚いナタを握り締め、街灯の光を反射させて問う。
体液をその刃にべっとりと滴らせ、その顔はあくまであどけない無表情。

>>383
「……騒がしィ人だねー。……え、人じゃないかもしれない?あ、そう?かもねぇ、うん」

鉄下駄の音を響かせて『脱兎の如く』駆けて行く男を見て。
人だと思っていたが、もしかすると違うのか。
そんな事を考え、ぼんやりとしながら見送った。

//お疲れ様でした!

385黒蔵:2011/08/09(火) 03:53:59 ID:1gBuqmPQ
>>383
目の前の物騒な青年には強く否定した。

「そういうのはいらない。しつこくしたら、息をかけるぞ」

今は毒牙があるのでちょっぴり気が大きい黒蔵。
青年に警戒しつつも公園の水道に近寄ると、盛大に水を流して被りはじめた。
その間に、あの時の少女の妖気は自分の他に、あの狼の気配もあったことに思い至る。

そして、こびりついた肉片と血を洗い流して初めて、あの少女の残した香りに
薬のそれが混じっていた事に気づいたのだった。

(あの医者、一体何をやったんだ)

「お前も洗うといいよ」

一応話が出来ると知ったので、水道を指して青年にそう言った。
そしていつの間にか兎男は消えていた。

(なんだか不吉な予感しかしない)

重い気持ちを引きずって、黒蔵も公園の外に出て行った。

//皆さん、絡みありがとうございました。

386黒蔵:2011/08/09(火) 03:57:24 ID:1gBuqmPQ
//安価ミス >>383-384でした

387斬嶋 一郎:2011/08/09(火) 04:06:19 ID:zbqWp5t.
>>385
「遠慮しなくていいのにさァ。全く、つれないねェ?」

ナタを背中にしまいつつ。
まくれ上がった学ランの裾から、ベルトに仕込んであるメスがちらりと見える。

「………洗う?どォして?……こんなに良い匂いなのに?」

水道を指差しての提案に、狂気を宿した返答をする。
肉塊の体液を浴び、学ランの背には強酸の残りが筋を走らせ、
拭ったとはいえ、背中のナタからはいまだに体液が滴っている。

「…………いやァ、面白いんだね?世の中って。人なんて殺してる場合じゃなィね?」

水道で体を清める事無く、その場を、ぶつぶつと呟きながら立ち去る。

ふと、風に飛ばされた新聞が公園の街灯にぶつかり、広がる。
一面の見出しは、『またしても学生服の殺人鬼が出没。女子大生二名が殺害され、現在も遺体捜索中』と書かれていた。


//絡みありがとうございましたっ

388《魔人》 屍鬼の大群:2011/08/13(土) 21:27:27 ID:c1.PBF/s
送り妖怪達が住まう《袂山》に向かう道。

そこに大量の古代の日本神話に出てきそうな屍人みたいな男女の鬼の軍団――《黄泉軍》《黄泉醜女》……本来なら現世に出れない黄泉の鬼共だ。

「「「「ウォー!!!……ウォー!!!……ァァァア………」」」」

その屍鬼共を率いるのは一人の魔人

「ジャマをスル奴は蹴散ラセ………我ラが目的は…コノ先ノ祠ダ」
黒い鎧を着た黒い肌の白髪の大男――《魔人》が鉄塊のような巨大な太刀を背中に背負いながらその大群を率いて行進している。

さあ…彼らの邪魔をする物たちは現れるのか?

389:2011/08/13(土) 21:36:43 ID:BQ990e1A
車椅子の少年が、その道に居た。
ゆっくりと車椅子を走らせて。

……アレは何?――と脳裏に浮かんだ時、車椅子の向きを逆にする。
見た物は大勢の軍勢と太刀の男、放たれる大量の妖気。
何を目的とするか分からないが、とりあえず逃げようとした。

390:2011/08/13(土) 21:42:03 ID:SmXQZqJk
>>388
木の上に立ち、黄泉軍達を眺める瞳。

「あいつらは…そうか、来たのか…」

瞳に緊張が走る。呼吸を整え、右手を刀に変化させる。
戦闘準備は万全だ。

391インコレツジ:2011/08/13(土) 21:44:35 ID:???
近隣の山だ。根元から原因を断たねば自分が縄張りとしている小山も被害を受けないとも限らない。
精鋭は山に何匹かいた。そいつらには山を守ってもらうことにしたのだ。
今回出張るのは、自分だ。

山。軍勢が見えた。
「(くだらん争いに)チッ

392インコレツジ:2011/08/13(土) 21:45:13 ID:XOqdYxzE
//途中送信しました

393威月:2011/08/13(土) 21:50:38 ID:zbqWp5t.
煙草を加えて、木に寄りかかりながら妖気の塊を感じている黒尽くめの女。
右掌から鬼火を灯らせ、煙草に火をつける。
深く吸い込むと同時に掌で鬼火を握りつぶし、虚空に紫煙を吐き出す。

「……さて、と。どっちについた方が面白くなるかな」

無気力な表情に僅かな愉悦を乗せ、その者達の到着を待つ。

394インコレツジ:2011/08/13(土) 21:50:52 ID:XOqdYxzE
近隣の山。そこで軍勢が動いた。
自分の山にも侵攻を受けないとも限らない。
縄張りは、己が手で守る。(当たり前のことだ)
精鋭三匹を山の守護にあたらせた。それによって、攻撃に回れるのは己一人となったのだ。
「(俺がタタカウ)チッ/俺様の相手(くだらん争いに)は誰だ(/巻き込まれたな)
 チッ。グオオオ」
雄叫びをあげ、袂山へと四速歩行で駆けて行く。急速に、その軍団に接近していた。

395餓羅 屍鬼の大群:2011/08/13(土) 22:05:28 ID:c1.PBF/s
>>389>>390>>393>>394

『ウォォォォォオ!!!!』
『キィィィァァァア!!!』
突然、大群から50人の《黄泉軍》が片手に青銅の剣を持ちながら、零と瞳に

50人の《黄泉醜女》が、素早い動きで、その鋭い爪で空を裂きながら威月とインコレツジに

向かおうとするが


「待テ……」
だが先頭の魔人がその行為を一旦止める。




「ソコの妖怪達……ジャマをシナイなら手は出サナイ。
ダガ邪魔をスルなら潰ス」
不気味で吐き気を催すような邪悪な《妖気》を放ちながら、《魔人》はその行進を一旦止める。


「名乗りヲ忘れてイタ。
俺ハ《七罪者》が一人。
《憤怒の大罪》ヲ背負う《魔人》餓羅(がら)ダ」
礼儀正しく《魔人》は名乗りを上げ、背中の鉄塊のような太刀を抜く。

「再び言オウ!!!!戦う意思ナキ者は去レ!!!
我ラが目的はコノ先の《祠》ナリ!!!邪魔スルなら容赦ナク叩き潰ス!!!」


《魔人》は貴方達に忠告を入れる。
まるで武人のような行動だが…
もし貴方達が逃げる気がないなら《大群》は容赦しないだろう。

396:2011/08/13(土) 22:13:29 ID:BQ990e1A
>>390-395
「(七罪者……。)」

逃げるのを止め、振りかえればそこには瞳と知らぬ妖怪が二名。
少なくとも瞳は味方、後は不明。この状況をどうするか。

「…私は、零。本当に七罪者なのならば、私はやりますよ。
…で、そちらの二名はどちらの味方?」

397:2011/08/13(土) 22:18:59 ID:SmXQZqJk
>>391,>>393
(彼らはいったい…奴らと戦うつもりなのか?それとも…?)


>>395
右手を構えたところで、魔人の制止が入る。

(こいつ…わざわざ目的まで…よっぽど自信があるのか?)
「七罪者…私は、逃げるつもりなど毛頭ない!あなた達を倒してみせる!」


警戒しながらも、威勢よく言った。


>>396
「零…その状態で戦えるのか?」

心配な声で瞳が話しかける。

398威月:2011/08/13(土) 22:21:26 ID:zbqWp5t.
>>395
「……『七罪者』」

明らかにレベルの違う妖気を放つ、魔人。
その口から漏れた言葉に、聞き覚えがある。

「共に往くも良いが、……折角なんだ。その強さを、その暴威を、是非とも見たいものだな」

言葉と共に、木陰から姿を現す。
煙草を咥えたまま右手の袖から縄を3mほど引き出して、立ちはだかる。
左手は木陰に隠し、魔人と黄泉軍の死角に置いたままだ。

>>396
「誰の味方でもないが、そうだな。……『今日』は、連中の敵だ」

問いかけに答え、咥えた煙草を動かして黄泉軍を指す。

399インコレツジ:2011/08/13(土) 22:21:30 ID:XOqdYxzE
>>395
いつその目的が我が支配下にある山に及ぶか分からない。
やはり根本の原因を破壊しておくのが安全な考えに思えた。

大砲をゆっくりと、黄泉醜女に照準を合わせる。
照準を合わせること自体は、自身が砲台なので感覚で、素早く行なうことができる。
鉄球を装填した。この鉄球は不思議な力(妖力)によって、何度でも大地から汲み出したエネルギーで装填することができる。

ただ、ただの鉄球で、地面に落下しても爆発したりしない。
範囲は狭いので、距離をとって戦う時と威嚇する時にしか使わないのだ。そして今は両方の意味を持つ。

「俺様はジャマする。(ジャマする)」
大砲を揺らして示威した。

>>396
「俺様は魔人の敵ダ。そうだな、敵の敵はミカタだ
  ・・・後ろから弾撃つことならタマにやるがな」
意見が食い違ったりしたら、先に味方でも背後からの不意撃ちで殴っておく、といってるのだ。

400餓羅 屍鬼の大群:2011/08/13(土) 22:39:38 ID:c1.PBF/s
>>396

「……キサマが零か…
俺ハ怪我人とて容赦はシナイ」
零に向かい、そう言い

「………奴ラの死顔ハ満足してタカ?」
その意味がどういう事か零はわかるかもしれない。


>>397

「……ソウカ。なら容赦ハ一切しないゾ《戦士》ヨ!!」

瞳に向かい、大気を揺るがすような大きい声を上げる。

>>398

「その言葉ハ敵と見ナスぞ?」

威月に向かい静かに言い放つ。


>>399

「……………モウ、イツでも撃てるト言うコトか」
インコレツジの行動を見て、そう呟く。



>>全員

「全員来るカ……なら」
その太刀を大きく振り上げ

「後悔スルナァァァァァア!!!!!!!!!!!」
ドンッ!!!!!と大地に向かい鉄塊のような太刀を振るう!!!
すると彼を中心に、大地がひび割れ、周りの木々や岩などが各自に飛んでくるだろう。

更にその破片に混じり
零と瞳に《黄泉軍》各10体が素早い動きで剣を振るい

威月とインコレツジに《黄泉醜女》各10体が素早い動きで、その鋭い爪で襲い掛かるだろう。


だが、黄泉軍と黄泉醜女は本来は地上に出れない妖怪。それを《何者》かにより無理矢理召喚されている。
その為に本来の力も動きもかなり劣化している。
その為、貴方たちなら簡単に倒せるだろう。

401:2011/08/13(土) 22:52:41 ID:BQ990e1A
>>397
「脚は使えなくとも、手がある、大丈夫です。」

そう言って、剣を振るって見せた。

>>398-399
「そうですか、心強いです。
その代り、私も何かあったら容赦なく切りますよ。」

二人の詳細が不明なため、何が起こるか分からない。
それを警戒して、戦うことになるだろう。

>>400
「こちらも、全力で行かせて頂きます。
あの二人は…はい。本当は良い妖怪だったんですね。
もう…戻ってこないですが…。」

魔人が本当の事を知っているか分からないが、零の演技は完璧だった。
声が少しだけ擦れ、妖気が少し弱まった。

飛んでくる破片を剣で払いのけ、地に剣を刺す。
すると、黒い紋様が浮かび上がり、それは黄泉軍の頭や体にも同じ紋様が出来る。
再び、剣を抜き、そこへ剣を突き刺すとどうだろう。

紋様の部分から、黒い剣が突き出るだろう。

402インコレツジ:2011/08/13(土) 22:58:45 ID:XOqdYxzE
>>400
照準を合わせた。黄泉醜女の足元に鉄球を砲撃した。
木々はまだよかったが、岩はインコレツジにダメージを与えた。それでも不動の巨木のように、動かなかった。
黄泉醜女の歩行を乱して爪を鈍らせる。そして、一体一体、握りつぶす。
残り三人。黄泉醜女の爪が腹に突き立った。
「浅いわ」
横に腕を振るう。黄泉醜女が腕によって吹き飛ばされ、地面を転がり消滅した。
「うっ」
少なからずダメージにはなったようだった。表情にも少しずつ表れ始めている。

>>401
「小僧に俺様が切れるものかっ
 驕るなよ。生きて、また会おうぞ」

403:2011/08/13(土) 22:59:59 ID:SmXQZqJk
>>398,>>399
「良かった…二人ともとりあえずは味方なんだな。」

(とはいえ、二人とも侮れないな。今は味方というだけ…)

二人にも一応の警戒をしておく。


>>400
「はあっ!!」

左手も刀に変化させ、両手を広げ、その場で回転する。

「双転瞳斬っ!!」

まず、回転により木々と岩を弾く。そして、そのまま黄泉軍に突撃していく。


>>401
「そうか…まぁ、あなたは強いから大丈夫だと思うが、無理はしないようにな。」

技を決め、着地してから言った。

404威月:2011/08/13(土) 23:04:29 ID:zbqWp5t.
>>401
「……手負いに斬られるかな。脚はともかく、首は大切にする事だな」

痛烈な嫌味とともに、首輪を軽く持ち上げて見せる。
どうも、他の者への思いは誰も彼もが似たりよったりのようだ。

>>400
「……ふん、それでいいさ」

殺気を感じ取り、腰を落とす。
瞬間、大地の揺れとともに飛来物、そして黄泉軍が動き始めた。

「…都合がいいな」

右手の縄で、人の頭ほどの大きさの岩を掴み止めた。
先端に岩が結ばれたそれは、簡素なフレイルとして機能するだろう。

木立の中に飛び退き、飛来物から身を守ろうとする。
飛来物に紛れて飛び込んできた黄泉醜女3体の首を目掛け、樹上から落ちてくる3本の輪付きの縄。
威月の左腕から伸びているそれは、首にかかれば木の枝から釣り下がらせ、何度も揺さぶりをかけて命を断つだろう。

更に右の縄が飛び、別の黄泉醜女一体の頭を目掛け、先端の岩が遠心力を得て振り抜かれる。
命中すれば――『中身』を撒き散らして、頭が吹き飛ぶ。

405餓羅 屍鬼の大群:2011/08/13(土) 23:18:09 ID:c1.PBF/s
>>401>>403

「………ソウか
ナラ友二人に恥じヌよう、俺も全力でイク!!!」
彼は知らない…彼らが蘇った事は。
しかし彼らの事を言われ、表情が少し笑った。
すると魔人は黙り始める。

《黄泉軍》は零の攻撃により、身体中に紋様が浮かび上がり、そこから剣が突き出てやられていく。

そして、瞳により切り刻まれていく。

残りの黄泉軍の大群もそれぞれ二人に向かって来るだろう。
どんどん黄泉軍の数が減っていく。貴方達ならすぐに彼等を殲滅できるだろう。

…………ん?《魔人》の様子が…


>>402>>404

インコレツジの猛攻と威月のトリッキーな攻撃に、黄泉醜女の肉や血が飛び散っていく。

更に残りの黄泉醜女の軍団は二人に襲い掛かる彼女らを全滅させるには貴方達なら時間はかからないだろう

………だが………明らかに《魔人》は静か過ぎる。

406:2011/08/13(土) 23:26:04 ID:BQ990e1A
>>402-405
「(友二人…もしかしたら、この人も助けられるのかな……。
それにしてもなぜ黙って……!)

瞳さん、油断しないでください。
あそこに居る太刀の人…まだ本気を出していない!」

残りの軍勢を裂きながら叫ぶ。
だが、魔人はなぜ黙っているのだろうか?

407インコレツジ:2011/08/13(土) 23:29:04 ID:XOqdYxzE
>>405
「むん」
鉄球を二発。黄泉醜女に向けて発射した。
近づいてくる者は腕や爪でダメージを蓄積させ、その後動きの鈍ったものを纏めて両手で握り潰した。
「誇りを持たぬものには負けん
 しかし、その武人の如き姿。一体、祠に何があるのか知らぬが、相当の脅威のようだ
 直(じか)に手合わせ願おう・・・いや、それとも手合わせできぬ理由でもあるのカ?」

408:2011/08/13(土) 23:34:05 ID:SmXQZqJk
>>405
「大群で来るか…ならば!」

両手を広げた瞳は全身に、退魔のオーラを纏う。

「瞳幻流奥義!退魔連瞳斬!!」

一気に、黄泉軍に向かって走りだし、素早く連激を叩き込む。
そして、右手、左手、両手と次々に黄泉軍を切り裂いていく。

魔人の様子がおかしいのに気づかずに――


>>406
「何っ!?」

零のその言葉でようやく魔人の様子がおかしいのに気がついた。
しかし、瞳はすでに刃が届くくらいの距離ほど魔人に接近してしまっていた。

409威月:2011/08/13(土) 23:41:11 ID:zbqWp5t.
>>405-408
更に、3本。
樹上に仕込んでおいた縄を操り、更に三体の黄泉醜女を同じように縊り殺す。
引き戻した右の縄をヨーヨーのように正面に繰り出し、黄泉醜女の顔面を空気をも焦がす勢いで先端が直撃する。
しかし、残りの内の一体に、懐に入られていた。

「クッ……!」

爪が首を捉える寸前で、煙草を飛ばす。
それは眼を直撃し、怯ませる事に成功した。
瞬間、引き戻された右の縄、その先端の岩が黄泉醜女の後頭部へとめり込む。


淡々と黄泉軍をさばいている中、わずかな違和感に気付く。
容易くいきすぎるのだ。
七罪者と名乗った者が、動いていない。
目の前で手勢が散っていくというのに、動く気配が無い。
吐き気を催すような違和感とともに、最初に左手の縄で縊り殺した三体を下ろし、袖に巻き戻した。

410餓羅:2011/08/13(土) 23:58:47 ID:c1.PBF/s
>>406>>407>>408>>409

屍鬼の大群が全滅し、残ったのは《魔人》一人。

だが…なのにこの不安はなんだ?

「スマナイ……《兵》達よ……」
そう言いながら、太刀を地面に突き刺す。

わかるだろうか?
倒した《屍鬼達》は本来なら黄泉に帰る筈なのに……《魂》が《魔人》に集まっていってるのを!

「イヤ……手合わせスルゾ?ダガ………コレは戦いニ有らズ!!!!!」
インコレツジに向かい、そう言うと身も毛もよだつような邪悪な妖気が更に膨れ上がり……

「俺の………理不尽ナ怒りヲ撒き散ラシ暴れ回ル、魔人の暴力ダァァァァァア!!!!!」

そして彼から吹き上がる、その妖気にも負けぬ怨念のごとき怒り!!!!

自分に近づく瞳を吹き飛ばそうとするだろう。

「改めテ名乗ロウ!!!かつて土蜘蛛ノ一人とこの國ノ敵とシテ戦い!!敗れ!!!!妖怪《土蜘蛛》にナレズ!!
個人の怒りノママ暴れ!!周りの骨や魂ヲ力にする俺をォ!!!」

その姿は山のように巨大な鎧を着た骸となり、右手にもったビルのような巨大な太刀を振るうだろう。

動きは遅いが………当たれば一たまりもない。その理不尽な攻撃――まさに魔人。

《魔人》……その正体は大和朝廷に敵対した土蜘蛛と呼ばれる者達の中で、本来はその怨念は《土蜘蛛》になるはずが何の因果か《がしゃどくろ》になってしまった哀れな一人の戦士の魂だった。


がしゃどくろ―――――戦死者や野垂れ死にした者など、埋葬されなかった死者達の骸骨や怨念が集まって巨大な骸骨。夜中にガチガチという音をたててさまよい歩き、生きている人を見つけると襲いかかり、握りつぶして食べると言われる。

411零なか:2011/08/14(日) 00:06:19 ID:BQ990e1A
>>407-410
「大きい…。この怒りをどうやって沈めれば…。」

動きが鈍いだろうが、巨体や範囲の広さ、零にとってはかなり不利な状況。
そんな太刀を振るわれてしまった。

「…ぐぅっ…?」

直撃は免れた。だが、地面の亀裂の割れる反動で吹き飛ばされる。
車椅子は勿論大破。零はそのまま地面に叩きつけられた。

412インコレツジ:2011/08/14(日) 00:06:59 ID:XOqdYxzE
>>410
いかんな。(とてもいけない/。)
「哀れ、とでも言って欲しいか
 ただ、ただ愚かだ。怨念のままに生きるなど
 はっきり言う。シね。それが、最良の考えだ」
大砲の照準を、骸の額に合わせた。
鉄球を発射する。
「あれに一度でも当ればひとたまりもナいゾ・・・/」

「深手を負うまで、魔人に鉄弾を連射する
 ただ、俺様は死ぬわけにはいかん
 深手を負えば逃げるぞ。悪いな、俺様にも守るものがある」

413インコレツジ:2011/08/14(日) 00:09:24 ID:XOqdYxzE
>>412
追記

巨大な斬撃はインコレツジの頭上を通り過ぎていった。
妖気が乱れ、そして、僅かずつ、顔が蒼褪めていくのだった。

414:2011/08/14(日) 00:14:14 ID:SmXQZqJk
>>410
「!!しまっ…」

怨念により、吹き飛ばされる瞳。そのまま、木に激突する。

「ガッ…ゴフッ……」

木にもたれかかる形で倒れ、吐血する瞳。しかし、なんとか立ち上がり変貌を遂げた魔人を見据える。

「な…なんて巨大で強大なんだ…」

思わず怖じ気づく瞳。

「ダメだ!あんな奴を放っておいたら大変な事になる!…ここで止めなければ!」

その場で跳び上がり、木の上へ移動する。しかしいまだに全身が見渡せない。想像以上の大きさだ。
そこへ来る巨大な太刀。それは、瞳の乗った木を切り倒し、再び瞳を吹き飛ばす。

「うああっ!!」

衝撃により、空中に投げ出される瞳。隙だらけだ。

415威月:2011/08/14(日) 00:19:36 ID:zbqWp5t.
>>410->>414
「……は、ははっ。……そうか、これが……『七罪者』の一角か」

震える手で、新しい煙草を取り出し、口の端に咥える。
その巨大さ、空気を震わすような咆哮、そうか――今までは、小さく化けていたのか。
乾いた笑いが思わずこぼれる。
直後、あまりにも巨大な一撃が空を凪ぎ、咄嗟の判断で身をかがめて避ける。
まるで草でも刈るかのように、木々がなぎ倒される。
そしてサイズに見合った――刀風、と呼ぶにはあまりにも強烈な突風が襲う。

「………参ったな、これは。……本気なんじゃないか」

足が凍りついたように動かない。
煙草に火をつける事さえ忘れて、見入ってしまう。

「……いや、しかし……『大王』より勝ち目はあるか?」

右の縄から岩を解き放ち、代わりの攻撃手段を探す。
絞め殺す事など無理だ。
拘束しようにも、あの膂力に効果は薄いだろう。

とりあえず、右手の縄に結びついた岩を解き、一回り大きな岩を結びなおす。
どれだけ巨大であろうとも――いや、巨大であればあるほど、足への攻撃は有効なはずだ。

416餓羅:2011/08/14(日) 00:25:51 ID:c1.PBF/s
>>411>>412>>414>>415

「ソノ通りダァァア!!!だからァア!!!俺を殺せ!!死ニタクナイなら!殺しテクレ!!!!!」
怒りのまま暴れ回る《魔人》はインコレツジの言葉にそう返した。

コイツは……自分の死を望んでる?


そして、頭に鉄球が当たり、一瞬動きが止まる。

更に、偶然にも瞳は彼の背骨辺りに落ちるだろう。



確かに一人ならこの怪物を倒すのは無理だろう。

だが同時に背骨、右足、左足に貴方たちの最大攻撃を放ったら?

今、インコレツジの攻撃で一瞬だけ魔人は止まる。なら、タイミングを合わせるのは可能だろう……

さあ貴方たちはソレに気付けるか?
上手く協力できるか?

失敗は……許されない。

417インコレツジ:2011/08/14(日) 00:36:02 ID:XOqdYxzE
>>416
確実に、倒せそうなタイミングが巡って来た。
「今しか、ナい」
照準を変える。刹那に巨大な的、左足に向けて鉄球を砲撃した。
インコレツジの全霊をかけた砲撃は、きちんと狙いを定めていたのだ。

//零さんが車椅子無くて動けないから俺が左足担当だよね?
 読み違ってたらすまない。

418零なか:2011/08/14(日) 00:36:25 ID:BQ990e1A
>>412-416
黒い影が、ゆらりと現れる。
それは吹き飛ばされる瞳を受け止めると、ゆっくりと背骨へ下ろした。
その体は冷たくも暖かい。

『………。』

その黒い物は零の手に収まると、巨大な双刀へと変化する。
懐かしい、この感覚。胸は鼓動を早くさせ、脚は自然と動き出す。

「…行こう、皆。」

419インコレツジ:2011/08/14(日) 00:43:05 ID:XOqdYxzE
>>417
//このレスは無かったことに!


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