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それは連鎖する物語Season2 ♯2

1数を持たない奇数頁:2014/09/05(金) 21:07:09 ID:LUyN3zHI0
つまりリレー小説なのだ

675エクリエル 4/4:2015/07/11(土) 17:29:16 ID:v1jyJ5Ek0
『ん、五時ね。りょーかい。直接受け取るよ。学園祭は図書文化委員が関わるからさ、その関係で連日委員長室に缶詰だから』
 折角の夏休みなのに嫌になる、と、心底嫌そうな口振りで吐き出された愚痴には、不本意ながら同意しか出来ない。
 委員長というのは、どこも似たようなものだ。何らかの行事が近づけば、行事に関係する書類仕事や会議に忙殺される日々を送る羽目になる。特に自身が率いる委員会と密接に関わる行事となれば、私的に勉強をしどころではない。だというのに試験は待ってはくれない。そうして、委員長というのは、大体成績を落とす破目になる。
 風紀委員会は、大規模な催し毎に忙殺される。安全に対する体制や、有事の対処などは風紀委員会の管轄である為、どのような方向性の催しでさえ、密接に関わる羽目となる。
 文化祭で忙殺される図書文化委員長、体育祭で忙殺される保健体育委員長に比べれば、瞬間的な負荷は幾分か軽い。ただ継続して負荷を掛けられる為、どちらがましなのかは兼任するか、あるいは幾つかの委員長を体験しなければ分からない。
『……あ、こっちの用件は終わり。そちらからは何かある?』
「……特には、ない。強いて言えば禁書盗難に関して、もう一度監視系統の確認をしたい程度だ」
『あー……まぁ、委員達には、生徒会に睨まれると言えば多少は協力的に出来るかもね。正直、エクリエルと私的に関わるのは真っ平御免だけど、委員長同士なら、程々には付き合いたい人物だからさ。分かったよ、とりあえず案内の人員は用意しておく。……ところでさ、具体的に言うとエ』
 用事が済めば、そこまでで良い。アシュリーの思いついた碌でもない考えに耳を傾ける事もなく、受話器を戻す。
 数秒程電話機を注視したが、掛け直しはなさそうであった。その為、優先順位の上がった、禁書関係の報告書の作成の為、作りかけのデータを開く。
 二冊分の事件概要と経緯、結果に関しては既に作成済みであり、そもそも提出し、確認印が入った原紙は文書保管用の棚に収められている。
 残り一冊文に関しては、それの流用で殆どどうにかなる。結果の部分が書けないだけであり、調査段階で判明した諸々を纏めていけば、それで良い。
「――どこの阿呆だか知らんが、全く以って煩わしい」
 足元の鞄からファイルを取り出したエクリエルは、纏める為にそれを捲っていく。

676数を持たない奇数頁:2015/07/11(土) 17:30:53 ID:v1jyJ5Ek0
結局アシュリーの甘やかし方がちょっとエロスヴァティに関わりそうな雰囲気になりつつあったりなかったりして、まぁ、その、なんだ、とりあえず二学期で委員会関係の話に持っていきたいなぁ、という俺の欲望を駄々漏れにした結果の産物をぶん投げてパスするんだぜ

677数を持たない奇数頁:2015/07/11(土) 18:45:11 ID:QdcNOZpU0
Kの人乙!
さて、読むのだ

678数を持たない奇数頁:2015/07/11(土) 19:17:29 ID:QdcNOZpU0
漂うは中間管理職の哀愁

679数を持たない奇数頁:2015/07/11(土) 21:45:15 ID:kf0sTmi20

実は西口のところから読めてないため時間がかかるかパスになりそう

680数を持たない奇数頁:2015/07/11(土) 21:46:22 ID:QdcNOZpU0
正直俺のパートは無駄に長いだけだから斜め読みでよい

681数を持たない奇数頁:2015/07/11(土) 21:48:41 ID:kf0sTmi20
全部読む!
あらゆるやりたいことが溜まっていってどうしようもないことになってきた!
ああ今日の分の録画を撮るために溜まったアニメ消化してこないと

682数を持たない奇数頁:2015/07/11(土) 23:28:36 ID:9lt2jb4o0
Kの人乙ポニ
学園祭に関しては俺も個人的にやりたい事があったりするが、それをやる為にはソウジくんに対する朝霞好感度が低すぎることがちょっと懸念
ドネルケバブの件で一切関わらなかったから、今度こそ少しでも好感度上げようと思った矢先に革命が発生したというね

683数を持たない奇数頁:2015/07/12(日) 23:48:50 ID:Wg4dPbsA0
よし読み終わったぞ
ソウジつえぇ
エクリエル素敵
俺もこのまま学院編しようそうしよう

684数を持たない奇数頁:2015/07/19(日) 21:36:47 ID:.TclDJl20
 夕焼けがにじむ旧校舎に生徒の影は無く、ただ木々の陰が少しだけ触れていた。
 窓ガラスから入り込む夕日が、教室の静けさの中に混じっていく。
 揃えられていない机だけが少し賑やかな、そんな風景だった。
 しかしたったひとつだけ、夕暮れを拒むかのように、カーテンに閉ざされた教室が最上階の隅にあった。
 電灯も点けられていない暗い教室ではあったが、揺れるカーテンが何かの存在をにおわせている。
 まったく夏休みだというのに。
 男は困ったように微笑み、大きな欠伸をしながらゆっくりと歩き出した。

 弦楽器の音色が薄暗い空気を震わせる。
 やがてそれは音楽となり、誰もいない廊下を駆け抜けていった。
「えらくご機嫌な音色だ。踊っているようでもある」
 どこからともなく低い声がした。
「ふふ……揃ったようだね」
 弦楽器を弾いていた者はそれを構えたまま語りかける。それはしっとりとした女性の声であった。
「集まってくれてどうもありがとう。さっそくだが我々へ幾つかの依頼が来た」
「どれでもいい。どれにしろ、面白いことにするのだから」
 話を割った声の主は、前髪を払う素振りをして気取る。声の調子も独特で、その抑揚には何らかの自負があった。
「私は全部承っても構いません。丁度新しいものが出来上がったところですので」
 その口調はお淑やかながら、少女のような高い声だった。
 それに答えるかのようなタイミングで弦がゆっくりと引かれる。
「君たちには悪いが……実はもう決めてある。“薔薇”からの依頼にね」
 静寂の中に微かなざわめきか生まれた。
 やがてそれはそっと消えて、笑い声や机を叩く音に変わった。
「気に入らない……が、それ故面白くもなる。気に入った」
「かつてない大仕事になりますね。きっと、そういう人です」
 奏者は曲に思えないような奇妙な演奏を始めながら、残る一人に尋ねる。
「貴方も踊りませんか?」
 どこからかしっかりと声がした。
「愚問」
「誰かいるのかい?」
 男が教室の戸を開くと真っ赤な夕陽が遠くに見えた。
 夕日を反射してきらきらと光る教室の中には、男しかいなかった。
 男は髪を掻き分けながら教室を後にする。
「おかしいなぁ。たしかカーテンは閉まっていたはずで、楽器の音もしてたのに」

685数を持たない奇数頁:2015/07/19(日) 21:39:52 ID:dPvjMmtc0
以上
久しぶりに参加できたぞ
この戦いが終わった後にやりたいことやるためのキャラを
色々伏せながら出しただけという

これ連鎖って呼べるのだろうか

タタリん頑張れ!

686数を持たない奇数頁:2015/07/19(日) 21:41:41 ID:j7ZQS/zo0
クロタンオツタン

687数を持たない奇数頁:2015/07/19(日) 21:45:01 ID:j7ZQS/zo0
あれ、旧校舎ってクロガネの巣じゃなかったっけ?

688数を持たない奇数頁:2015/07/19(日) 21:46:36 ID:.TclDJl20
え?そうなの?
もう色々完全に忘れてるやばい

689数を持たない奇数頁:2015/07/19(日) 21:53:08 ID:v12c9Rgc0
乙ポニ

最後に出てきた男は見回りかなにか?

690数を持たない奇数頁:2015/07/19(日) 21:53:24 ID:mmjvdezk0
クロおっつおっつ

>>687
いつから旧校舎が一つだと錯覚していた……?

691数を持たない奇数頁:2015/07/19(日) 21:56:35 ID:.TclDJl20
旧校舎は二つあったッ!!

>>689
先生です

692数を持たない奇数頁:2015/07/19(日) 22:12:01 ID:v12c9Rgc0
とりあえず二連チャンで番外みたいな流れになってるし、俺は本編に戻そう
ベイバロンどうしようかな。今のところ誰もあの設定拾ってないし、当初の予定とはちょっと変わるがリサイクルしてみようかな

693数を持たない奇数頁:2015/07/19(日) 23:13:53 ID:M.hriPlk0
おじいちゃん視点も進展させようとして書いてみたら「これ書いた奴は頭おかしいな」ってくらい酷くなった
なんかおじいちゃん、空とか飛びだした

694数を持たない奇数頁:2015/07/19(日) 23:15:43 ID:j7ZQS/zo0
余裕だろ

695数を持たない奇数頁:2015/07/19(日) 23:17:25 ID:M.hriPlk0
そうだよな、おじいちゃん先々代当主だもん、空くらい飛ぶよな
よかったよかった

696数を持たない奇数頁:2015/07/20(月) 05:23:17 ID:.wmKhde60
伏神家当主は化け物じゃないと務まらないのか……

697数を持たない奇数頁:2015/07/20(月) 06:59:42 ID:/Cm263U20
札を空中に投げ、それを足場に空を走ってもらおうか

698数を持たない奇数頁:2015/07/20(月) 11:50:13 ID:2o8K/DBg0
じいちゃん論外クラス認定
これにはソウジとベイバロンも思わず苦笑い

じいちゃん書くのクッソ楽しいんだ

699数を持たない奇数頁:2015/07/20(月) 11:57:09 ID:otOzjMIs0
爺ちゃんは何かいても許される感ある

700数を持たない奇数頁:2015/07/20(月) 16:21:02 ID:JUx8h7iE0
ベイバロン「あいつが何をしても不思議じゃない」
ソウジ「もう全部じいちゃんだけでいいんじゃないかな」

こんな感じでちょっぴり仲良くなっちゃったわ

701数を持たない奇数頁:2015/07/22(水) 23:00:46 ID:ZOalySwE0
戦闘前の軽い会話を入れようと思ったら、なんか哲学というか宗教じみた話になってきた
なんだこれは、俺はどこに着地しようとしてるんだ

702数を持たない奇数頁:2015/07/22(水) 23:01:40 ID:cQUxZEWc0
最近だらしねえな

703数を持たない奇数頁:2015/07/22(水) 23:05:32 ID:ZOalySwE0
ていうか俺の中でソウジくんの煽りスキルはカンストしてるのかってくらい相手を怒らせる天才になってきた
誰だよコイツそげぶかよ

704数を持たない奇数頁:2015/07/23(木) 19:43:31 ID:V9ZQhPu20
ぶっちゃけ伏神家騒動がこんなに長引くとは思ってなかった。
竜関係がダークファンタジーなら、兄からの電話はラブコメだー! とか書いた本人としては、聡治の方に許婚云々とする心算だったりしたんだよなぁ。まぁ今の方が面白そうだから良いけど

705数を持たない奇数頁:2015/07/24(金) 00:16:12 ID:jy3OXdSs0
正直、俺は番外編がくるまで、伏神家アシュリー乱入ルートを諦めてなかった
番外編にちょろっと出たくらいなら、学院から空間移動する流れで登場させるつもりだった
で兄や祖父(無理やり)公認の次期妻みたいなノリにするつもりだった>つまりラブコメ

もうここまで来ると終わらせた方が早く思えるがなんで宗教じみた話になってんだろ
そういやドネルクラルの時も似たような事しでかしてたな俺…

706数を持たない奇数頁:2015/07/24(金) 23:24:05 ID:gSnu/HMA0
もうちょいで終わりそうではあるのだが、これ完全にドネルクラル戦の焼き増しでしかない気がする
俺がこういう種類の戦闘しか書けない馬鹿のワンパターン野郎である事を主張してる様にしか思えない

707数を持たない奇数頁:2015/07/25(土) 19:31:15 ID:3g4uIO0o0
七つの大罪って【傲慢】と【憤怒】以外の設定出てたっけ?

708数を持たない奇数頁:2015/07/25(土) 19:34:09 ID:UGLhPfJk0
【怠惰】が魔法の解除で、【暴食】が飢餓感と結びついた槍っぽい攻撃かな?

709数を持たない奇数頁:2015/07/25(土) 19:41:51 ID:73E3ha3Q0
ありがたや、ありがたや

710数を持たない奇数頁:2015/07/25(土) 19:43:50 ID:A62hPzRc0
聡治の厨二シリーズの事なら暴食もあるな

出した本人としては↓のような設定で書いていた

古びた軍用札に複雑な構成式を多重筆記(言語の圧縮や重ねる事で式密度向上、省スペース化)で書いてコーティング(劣化防止、導通良好化)した物。
普通は複数枚の札を組み合わせて作る書記魔法だが、聡治が無駄に頑張ったせいで一枚で発動できるようになった。そのせいで携行禁止の扱いに。
(規定枚数以上に機能を分散させた場合なら問題なかった、という経緯を個人的には考えていたりする。)

711数を持たない奇数頁:2015/08/01(土) 09:09:29 ID:L7bBEMxc0
できちゃったみたいなの…(///

問題は、つい勢いに任せてベイバロンを倒しちゃった事だ
倒したのはクロガネだが

712数を持たない奇数頁:2015/08/01(土) 09:28:35 ID:mu4J7z6A0
かまへんかまへん
正直風呂敷広げすぎた

713数を持たない奇数頁:2015/08/01(土) 10:52:38 ID:vyrOqEag0
「よっこらしょ」
 間抜けな掛け声と共に、大型動物よりなお巨大な翼持つ竜が仰向けに倒れ込んだ。巨体は地面を抉り、クレーターと共に土埃を巻き上げる。
 竜が見に纏う強固な鱗はあらゆるダメージを軽減させる、鋼より硬質な素材である。ちょっとやそっとの事では傷一つ付くまい。地面に倒れたところで、その外装を貫通する事はできない。
 だが、衝撃は別だ。投げ飛ばされる速度は尋常ならざる、全体を高速で地面に打ち付けられた竜は致命傷とまではいかずとも、内臓や骨などの重要器官に重篤な振動を受け、その身を激痛が迸る。
 そして、激痛に耐えつつ起き上がるには、その身体はあまりにも巨大で、鈍重すぎた。
 尾を抱え込む様に投げ飛ばした張本人、伏神楯一郎は素早く回り込み、地面に仰け反る様に頭を垂らした竜の頭部に左手を添える。
 ──人外であっても、脳みそを鷲掴みにする様な圧迫感は理解できる。人間を木っ端の様に扱う超常の存在は、楯一郎を前に死を予感した。
 伏神無手流・万意穿孔浸通撃。浸透勁と呼ばれる、硬い外部から振動のみを全体に反響させる、伏神に伝わる内部破壊の拳技。
 鱗があらゆるダメージを軽減するというのであれば、鱗の内部を直接攻撃してしまえばいい。竜との遭遇直後、何手か試してダメージを殺してしまう鋼より硬質な皮膚を持つ竜を相手に、楯一郎はそう判断した。
 ストン、と。ともすればコミカルにさえ聞こえる軽快な音を鳴らし、楯一郎のゆったりと動く右拳が竜の頭部を打ち付けた。瞬間、竜の頭蓋の内部、脳や脊椎が衝撃を受けて爆発四散する。
 傍から見るならば、それは魔法の様に思えるだろう。この場に五界統合学院の研究室がいれば、どう判断を下しただろうか。
 が、現実には、楯一郎が使った魔法は肉体活性、賦活活性などの操作魔法一種しか用いていない。……と言ったならば、おそらくどんな魔法研究者も鼻で笑う事だろう。
 背後から迫る牙。楯一郎は今しがた殺害した竜の体を蹴って飛び上がり、巨大な竜よりなお高く、上空から地上へ打ち下ろす様に拳を振った。その拳は竜には到底届かぬ距離でありながら、鉄球重機(モンケーン)ほどもあろう巨大なハンマーを振り降ろされたが如く、首の伸びきった竜の頭部が圧し潰された。
 伏神無手流・大鵬点衝百歩撃。その名の通り、百歩の間合いにすら届く拳撃である。冗談でもなければ事実、楯一郎の拳は竜を圧殺したのである。
 竜の死骸に着地したと同時に疾走。魔界人の集落にある竜の姿は七頭。うち六頭が絶命し、残る一頭めがけて楯一郎は音を置き去りにする程の速度・脚力で駆ける。
 距離は至近とは言い難く、目測で二十メートル。それでも楯一郎にしてみれば一瞬だ。その程度の距離であれば、楯一郎の射程範囲に届いている。
 竜は大きく咢(アギト)を開き、全身全霊を持って慟哭を放った。人間の脆弱な肉体など、莫大なエネルギー量からなる衝撃波、魔竜の咆哮(ドラゴン・ロアー)を以てすれば弾け飛ぶ。
「こ・ざ・か、しいわッ!」
 弾け飛ぶ筈なのに、楯一郎は竜に匹敵する声量を発してこれを相殺した。仔竜が開けた大きな口が、呆れ果ててポカンと開いている様に見える。
 弾丸の様な速度で飛び上がり、生物であれば心の臓があるだろう位置に拳を当てる。外部から確認はできないが、内部ではダイナマイトが爆ぜる程の衝撃によって粉砕されている事だろう。
「よし。一丁上がり」
 轟音を立ててその場に倒れ込む竜の腹にどっかと腰を下ろし、空を見上げる。楯一郎は知る由もないが、ベイバロンと名乗る竜の眷属は未だ、空にも、本家にも、上伏町にも存在する。ようやっと半分ほどが討伐できた訳で、それでも上空を飛行周回する竜の群れは順次、上伏町を襲撃している。
「町には希口もおるし、そうそう心配する事もないじゃろうが。どれ、もうちっと数を減らすとするかの」
 上空をぼんやりと眺めながら、楯一郎は手を翳す。自分の手と竜の影を同時に遠近法で観察し、距離を測っているのだ。
 およそ五〇〇メートルと言ったところか。流石にこの距離では百歩撃も届くまい。百歩撃とは空気を打つ振動を百歩の間合いまで直線的に与える拳技である。距離が開くほど振動は拡散し、その威力は半減する。仮に届いたところで竜に致命傷を与える事は出来ない。
 竜が伏神山を降下する際に百歩撃で狙撃するという手もあるが、竜の行動に頼りすぎて積極性がないし、何より確実とは言えない。狙撃だのタイミングを合わせるだのと言った細かな作業は苦手なのである。
 そうなると、答えは一つしかない。実に単純で明快な話である。
 遠距離攻撃で撃ち落とすのが難しいのならば、直接出向いて討ち落とせばいいのだ。
「……こりゃあ、明日は筋肉痛じゃな」
 屈伸運動で軽く足腰を解した後、楯一郎は腰を落として力を溜め、全身の筋肉を爆発させるが如く跳び上がった。

714数を持たない奇数頁:2015/08/01(土) 10:53:02 ID:vyrOqEag0
 楯一郎は人間という理解の範疇に留まる存在でありながら、理外の能力を宿した、人間を超越した人間である。
 そも、楯一郎の一連の行動は魔法ではなく技術である。彼が唯一行った身体強化の操作魔法は、かつて太古の時代には「仙術」と呼ばれる森羅と肉体の調和による夢想の境地によるものだ。その強化率は、しかし、五界統合以後の八種魔法が確立した現在では不可能ではない──どころか他の魔法より一層劣る。
 故に、楯一郎の超常じみた行動は魔法に起因しない。それは楯一郎という人間が、幼少より培ってきた技術である。

 垂直跳びで、およそ五〇メートル。竜の群れが帯空している距離までまだ足りない。五〇メートルも跳び上がれる事自体が常識を超えているが、それでもまだ飽き足らず。
 楯一郎は空中で再び足を打ち付けた。まこと有り得ない事に、楯一郎の体が更に上空へと跳び上がる。
 彼は何をしたか。実に単純に、蹴って、跳んだのである。空気を。
 気体や液体は粘性があり、つまり抵抗がある。この粘性はぶつかる速度が増す毎に圧力が強くなり、圧力を受けた流体は硬度を増す。高所から落下した物が水面にぶつかる時、水面がコンクリートの様に固くなるという話の正体がそれである。
 楯一郎は超高速で空気の壁を蹴り、そこを地面として再度跳んだに過ぎない。故に、これは魔法ではなく技術である。例え楯一郎以外の何者にも再現できなくとも、これは決して魔法ではないのだ。
 数度ほど空気を蹴って跳び続け、遂には竜群と同じ高度まで到達する。よもや、竜もこれほど化け物じみた化け物が、空を跳んでくるとは予想だにしなかっただろう。
 最後の空中跳躍で竜の背に飛び乗った楯一郎は、振り落とそうとする竜が暴れようとも難なくバランスを取り続け、頸骨を軽く鳴らしてけたけたと笑う。
「さぁ、楽しく踊ろうぞ、羽蜥蜴ども。音頭はわしが取ろう」


「うん、日頃から化け物じみてるとは思っていたが、存外マジモンの化け物だな、あの人」
 ベイバロンと睨み合う最中、集落の方から祖父が空を飛んで行くという飲み込み切れない事実を目の当たりにしたソウジは、もはや笑う事しかできない。いつの日か受けた祖父の拳骨の痛みが想起(フラッシュバック)するが、あれは楯一郎にとって万分の一以下の出力だったのかも知れない。もう全部アイツ一人でいいんじゃないかな。
「……面妖な男よ、伏神楯一郎め」
「面妖とかそんなチャチな存在(もん)じゃ断じてねぇ。もっと恐ろしい論外クラスだよアレは」
 殺虫剤を喰らった蚊蜻蛉が如く、次々と墜とされていく竜群を呆然と眺めている二人の、何と滑稽な事か。二人に共通する感想は「もはや楯一郎なら何をしでかしても驚かない」である。
「口惜しいが、あれを相手に真っ向から攻める事は不可能じゃな。絡めとらねばならん。手数も時間も惜しい、貴様を喰ろうてさっさと目的を果たすに限ろう」
「そう言うなよ。宴もたけなわって時間でもねぇ。今なら大特価サービスだ、一瞬で焼き殺してやるぞ」
「くかか、ほだえるなよ、小童。楯一郎や劔ならいざ知らず、貴様ごときに討ち取られるわしではないわ」
「あっそ。人の親切心を無碍にする奴はロクな大人になれないぞ、聡理」
 じり、と両者が踏み締める砂利が音を鳴らす。ベイバロンはどうやら、劔の時のように仔竜の援軍を呼ぶつもりはないらしい。そもそも空を周遊する竜群は楯一郎と死闘を繰り広げているし、町を襲った竜も何者かに阻まれ、戦力を割いていられないのだろう。
 付け入る隙があるとすれば、ここだ。今、この瞬間こそが、ベイバロンを討ち取る絶好の機会なのだ。
 卑小な人間を圧倒的に超越する質量(エネルギー)。高次元の存在だからこそ抱く事ができる、徹底的な、決定的なまでの傲岸不遜。
 あとは手持ちの手札で、ベイバロンの身を一瞬でもいい、クロガネの対竜攻撃を確実に決める為の隙を作ればよいだけだ。
 問題はそれが出来るかどうか。確かに、ベイバロンは油断していよう。ソウジを相手に心底から慢心し、意識の欠片ほどしか気にかけていないだろう。
 絶対的強者。ドネルクラルに比べて、単体戦力としては数段は格が下がるだろうが、それでもなお余りある強大な存在。人間にとっては、獅子も虎もさほど変わりはない。どちらが強いか論じるのは大いに結構だが、しょせん人間ではどちらであっても太刀打つ事は出来やしないのだ。
 故に人間は知恵を得た。己より巨大な、強大な存在を、如何に効率よく御す事ができるのか。

715数を持たない奇数頁:2015/08/01(土) 10:53:23 ID:vyrOqEag0
 ──人間の歴史は殺害の文化である。古来より、有象無象、生者死者を相手に、様々な殺害方法を際限なく模索し続けてきた。
「……ドネルクラルは、殺す事が出来た」
「む?」
「損傷(ダメージ)による機能停止。お前たちドラゴンと呼ばれる存在は、人間より遥か高次元に位置する存在でありながら、まるで生き物の様に死んでしまう」
 黒龍(ファブニル)によって亜空間に連れ去られた時、エクリエルの魔法で干渉する事が出来た。赤龍(アドライグ)や緑龍(ウロボロス)はあれほど超常の天災を巻き起こしながら、互いに蹴ったり受けたりと物理的な攻防を行っていた。ドネルクラルは【憤怒】で焼け爛れ、真の姿は白龍の腕で引き裂く事が出来た。ベイバロンは言わずもがな、楯一郎の手により次々と子飼いを失っている。
 ドラゴンは世界を構成する存在でありながら、あまりにも「世界の影響を受けやすい」事は、ドネルクラル戦以後ずっと疑問に感じていた事だった。
「詰まるところ、お前たちには、この世界に干渉する為のルールがあるんだろ?」
「……なにを言っている?」
「簡単な話だ。お前たちドラゴンは──この世界に干渉する為に、この世界の生命体(ルール)に縛られてしまう。それが高次元存在(ドラゴン)のルールだ」
 高次元の存在、それこそ神に匹敵する存在であると言うのなら、人間ごときが敵う相手ではない。そも、万能であると言うのなら端から人間に憑依し、欲望を満たし、征服する必要すらない。
 にも関わらず、ドラゴンと呼ばれる存在は、どいつもこいつも回りくどい。赤龍(アドライグ)は初対面で言った、「探すのに苦労した」と。「人間は不便である」と。
 神が箱庭を弄ぶように、ドラゴンがこの世界に干渉できるというのなら、絶対に出ない言葉だ。人間の欲望を満たして乗っ取るなど愚の骨頂。初めから人間の意思などアリを踏み潰す様に消してしまえばいい。
「……消してしまえばいい、のに。お前たちにはそれが出来ないんだろ?」
「貴様……ッ!」
「お前たちは世界に干渉する為に、自らの情報量を削って、生命体にまで身をやつして、初めてこの世界での行動が可能になる。だから、その器として、最も知性のある人間を選ぶんだ。自らの能力制限を、選んだ人間に補わせるんだ」
 赤龍(アドライグ)たちがソウジ以外に干渉しない、否、できないのはそれが原因か。奴らはどれだけ情報量を絞ろうと、人間には耐えられない程の質量を持つのだろう。それは白龍(ヴェイパー)と同化したソウジだからこそ、辛うじて会話が成立しているに過ぎない。
「わしを愚弄するか! 貴様ら人間風情が、わしらと同等と吐(ぬ)かすか!」
「同等? 勘違いすんな、羽蜥蜴。お前は人間よりずっと優れた『生物』だよ。有象無象の塵芥を相手に、何をムキになる必要があるんだ? 図星でも突かれたか?」
「貴様、貴様、貴様ァ!」
「だけどな、覚えとけ。──人間は、自分より遥かに強い生物を相手に、殺害する為の方法を模索し続けてきたんだ」
 同胞を守る為に、食料を得る為に、繁栄を築く為に。あらゆる外敵を殺す為に、木の枝を槍として、石ころを弾丸として、自然な地形を罠として、手段の限りを尽くしてきた。
 ──人類の歴史は、殺害の文化である。曰く、
「……この世界に干渉する為に、世界の生命体(ルール)に縛られた存在。だがそれが、元がどれだけ絶望的な存在であろうとな、生きているのなら神様だって殺せる筈だ!」
 芝居がかった調子で空を指差しながら、激昂するベイバロンへ一歩踏み出す。
「頭上注意だよ、ベイバロン!」
「ぬっ!?」
 ほんの半歩ほど後退しつつ、ベイバロンは上を見上げる。先ほど、ソウジがバラ撒いた迷彩魔符による攻撃への警戒心を解いてはいなかったろうが、それでもこの攻撃は感知できなかったのかも知れない。その焦りが、竜の思考を鈍らせた。
 それもそうだろう。ソウジが指差す先には、魔法の気配など一切ないのだから。
 突如、ベイバロンの足元が炸裂した。それは魔竜の装甲を吹き飛ばす程の威力こそないものの、地面を抉り、体勢を崩させるには十分な程度のものである。
「こんな初歩の初歩みたいな口車に引っかかってんじゃねーよ爬虫類!」
 ベイバロンを指さして笑いながら、間髪入れずソウジは足元の砂利を蹴たぐる。小さな礫は空中の符を通過し、爆発的に加速してベイバロンへ襲いかかる。一撃一撃が散弾銃にも匹敵するそれを、足元を掬われたベイバロンは避ける事ができない。

716数を持たない奇数頁:2015/08/01(土) 10:53:50 ID:vyrOqEag0
 両腕で頭部のみをガードする。百を超える礫のほとんどは硬い外骨格に阻まれるが、いくつかは装甲の隙間を縫う様にベイバロンへ突き刺さる。下手な鉄砲でも、数を撃てば当たるの典型である。
 ここで今一度、【傲慢】を再動する。身体能力を向上させたソウジは一気に駆け、ベイバロンへ肉薄する。その手には【憤怒】を持ち、拳を叩きつけるついでにベイバロンへ貼り付ける。
 指向性を持たせた爆発が、ベイバロンの体を横殴りに吹き飛ばす。その圧力は、人間形態の質量しか持たない今のベイバロンでは抑え切る事は叶わない。
「小童、風情がぁぁぁあああ!!」
 二度、三度と地面をバウンドしながら、ベイバロンは体勢を立て直す。驚異的な耐久性だ。散弾攻撃や【憤怒】によるダメージなど意にも介さない。翼を広げて推進力を殺し、尾を地面に叩き付けて上体を起こし、俺に追撃する隙を一向に与えない。
 足に力を込め、ベイバロンを回り込む様に走る。【傲慢】の効果が活きてるうちに勝負を決めたいところだが、いくら単体性能が低いと言っても竜は竜。そう簡単には足止めさせて貰えないらしい。
 尤も、それはそれで構わないのだが。ソウジは決め手ではない。あくまでも囮、本命本丸は今まさに対竜攻撃の隙を窺っているクロガネに一任しているのだ。ソウジの目的は、出来る限りベイバロンを引き付け、クロガネの攻撃を正確に当てさせる事に過ぎない。
 それは、最悪、相打ちであっても構わない。人間一人と引き換えに竜を殺せるのなら破格の勝利だ。
 ベイバロンの死角へ向かって走りながら、空中で腕を振るう。迷彩魔符の一枚に触れた瞬間、ソウジの姿が三重にブレた。虚飾符、空間に術者の残像を投影する伏神オリジナルの符術である。
「小賢しいわッ!」
 残像は、羽虫を払う様に腕を振るったベイバロンの衝撃波が、蜃気楼の様に歪むソウジの残像を明るみにした。
 やば、と。声を上げる暇すらない。ソウジの体が一拍遅れて、衝撃波に殴り飛ばされた。如何に【傲慢】で身体能力を強化していようと、形なき空気の圧力からは逃げられない。巨大な壁に圧し潰された様だ。
「劔ならば、この程度の攻撃、難なく耐えたぞ。やはり貴様では、わしを倒すには力不足じゃ!」
「……俺はもともと、戦える系の人間じゃねぇんだ。兄さんや爺ちゃんみたいな化け物と一緒にするな」
 すかさず立ち上がりながら、カードケースから札を一枚引き抜く。魔符はたちまち巨大な槍に姿を変え、ソウジの手のひらの上で浮遊する。全身を巻き込む様に捻り、反発させて射出。
 【暴食】の槍がベイバロンへ飛来するが、その穂先は前へ突き出された右手と衝突するや、弾かれる様に消滅した。
「……ふぅ。俺の最大級の攻撃力を持つ【憤怒】や【暴食】を真っ向から受けて、全く堪えてないってのはちょいとショックでかいな」
「如何に貴様が天才だ神童だと持て囃されたところで、所詮は人間に過ぎん。人間一匹が、災害を抑えきれんのと同様に、わしに対抗できうるものか」
 悪竜の力を借りた劔や、世界の悪戯じみた故障(バグ)としか思えない楯一郎ならいざ知らず、と言わんばかりである。先ほどの礫によるダメージはもはや窺えない。化け物らしい回復力で完治している。
「むしろ、わしとしては不憫で仕方ない。同情も覚えよう、賞賛も贈ろう。この程度の実力しか持たぬ貴様が、よもや劔の代わりに立ち向かい、ここまで持ち堪えた事自体が奇跡。これ以上、何を望む?」
「世界平和」
「呵呵」

717数を持たない奇数頁:2015/08/01(土) 10:54:16 ID:vyrOqEag0
 ベイバロンの言葉に軽口を返しながら、ソウジは左拳を握り、力なく開いた。
 ──試してみるか。
 自分の記した書記魔法、その最大級・最高級の術式を施したカード、七大罪。序盤から景気よく使い続けてきた為に、残り枚数は僅かである。
 そして、一撃一撃が如何に強力であろうとも、それは人間規格での話だ。七大罪単品ではベイバロンの防御力を超える事が出来ないのは既に承知の上。
 ならば、初の試みに賭けてみるのも悪くはない。その結果がどうあれ、仮に自分が死したとしても、問題ない。
 ソウジは本命ではない。ベイバロンを確実に無力化できる術を持つのはクロガネであり、そのクロガネは先ほどからずっと勝機を窺っている。
 ベイバロンの意識をこちらに向けたまま、隙を作る。ソウジの役割分担はそれだけでいい。せいぜい、派手に立ち回って派手に散れればそれで構わない。
「右手に【暴食】を、左手に【怠惰】を」
 今一度、【暴食】の槍を展開する。巨大な槍は渦巻く暴風の鎧を纏う様に、空中に鎮座する。
 同時に。ソウジの全身を、まるで鉄の処女(アイアン・メイデン)に貫かれた様な幻覚の激痛が襲いかかる。
 魔力の奔流。明らかなオーバーフロー。ソウジのキャパシティを軽く超えた合成術式は、内側から回路を食い破らんばかりに回転数を増していく。
 そもそも、ソウジが七大罪を一度に一枚までしか起動させない理由は、それ一つが己の魔力放出量の限界値に設定していたからだ。
 貯水タンクが満タンであっても、蛇口から出せる最大水量には限界がある。ソウジが七大罪を開発した際、一枚あたりの魔力量の設定を、自身の限界値ギリギリに指定したからこそ、同時起動を行えないのだ。
 限界という事は、七大罪以外のカードとの併用も行えないという事だ。正確に言えば、七大罪のカードを起動してから次のカードを起動させる為の貯水時間(タイムラグ)が発生するのだ。
 五界統合以後の解釈に言わせれば、魔法は学問であって奇跡ではない。筋肉を酷使すれば筋肉痛になる様に、魔法を過度に行使すれば魔力炉が損傷する。
 故に、七大罪は設定段階(デフォルト)で同時起動ができない。更にそれを合成するとなれば、激痛に耐えながら暴発しようとする術式を制御し続けなければならない。
「捨て身の特攻でもしようと言うのか?」
 だからこそ、この場ではただ漫然と戦うより価値がある。奥の手が通用しないなら、自棄を起こして無茶を通そうとする。傍目から見て、これ以上に派手なパフォーマンスもあるまい。
 尤も、それだけで終わらせる気はないのだが。
「ぐ、クク、ぅがッあああ!!」
「民の為、命を賭す。その意気や潔し、と言いたいところだが……で、わしがそれを黙って喰ろうてやるとでも思うておるのか?」
 合成が終了するより先に、ベイバロンが駆ける。その速度は人間の知覚を容易く凌駕する。【傲慢】の能力強化がなければ目で追う事すらままならない。
 手のひらに浮かばせた未完成の槍を横薙ぎに振るう。ソウジの最大級の攻撃力を誇る【暴食】は擦過するだけで地面を扇状に抉りとった。
 が、その先にベイバロンはいない。視界に影が差し、飛翔(うえ)から背後に回り込んでの奇襲であると気付くのに数瞬を有した。単純に知覚速度の差と、合成魔法のフィードバックダメージで思考が鈍化しているせいだ。
「く、そがぁ!」
「如何な一撃に全てを賭けようと、当たらなければどうという事もない。戦況を見誤ったな、若輩の戦士よ!」

718数を持たない奇数頁:2015/08/01(土) 10:54:43 ID:vyrOqEag0
 背後から音速に達そう程の勢いで、竜爪が迫る。それは狙い過たずソウジの心臓を、背中から貫くには容易いだろう。
 時間にしてコンマ一秒にも満たない刹那。クロガネの対竜攻撃を今から行っても間に合うまい。ソウジは為すすべなく、死に至る以外の運命を選べない。
 ただし、それは。
 この場において、ソウジが一人で戦っている場合の話だ。
「なんつってな」
 己が命を削ってまで作り出そうとした未完成の合成魔法を、路傍に石を投げ捨てる様な気安さで放棄したソウジは、最後の力を振り絞り【傲慢】の膂力を以て背後からの攻撃を全力で回避した。ブチブチと無茶な機動を行った事で、全身の筋繊維や靭帯が千切れる音が聞こえてきた。
 ──如何に【傲慢】の効果で身体能力を強化しているとは言え、ソウジではそれを活かせる程、元の身体能力が高くない。故に背後からの一撃を避ける事など不可能な筈であった。
 それを理解していたからこそ、ベイバロンは最後の爪撃をかわされた事に驚愕を隠せない。
「馬鹿な……!」
 あからさまに、最後の攻撃ミスはベイバロンが原因であった。最後の最後で、全身の動きが鈍ったのを感じた。全身が重い……いや違う、動きが遅くなった。故に、ソウジは紙一重で回避する事が出来たのだ。
「いつからそこにいた、小娘ッ!」
「いつから? 馬鹿なのか、お前。あたしは最初から、テメェの最期まで、ずっとここに居たよ」
 ベイバロンの背後。朝の日差しを浴びて輝く長髪は雪原を想わせる蒼銀。冬の夜空の様に深く澄んだ紫の双眸に、それら全てと相反する要素である褐色肌が強烈な印象を与える少女。
 柳瀬川朝霞が、ほんの一瞬前までは誰もいなかった筈の場所に、まるで幽鬼の様に忽然と現れては、ベイバロンの背に触れていた。
「ぐぬ、この程度の、拘束など……!!」
 竜の膂力で正体不明の拘束を無理やり解除する。バキバキとベイバロンの全身から、何かがひび割れる音と共に、翼をはためかせて空へ飛び立つ。

 いつから、とベイバロンは問うた。ならばソウジはこう答えるべきだったろう。
 そんなの最初からに決まってんだろ! と。

 そもそも、理由をつけて劔をこの場から退散させたのは、注意を自分一人に引き付ける為であった。町の被害を食い止める事も理由の一つであったのは事実だが、それ以上に二人で戦闘を行うのはソウジにとって不利であった。
 まず、ソウジは劔と連携を取る事が出来ない。ベイバロンと劔の戦闘は、【傲慢】を起動させたソウジであっても付け入る隙のない高レベルなものである。むしろ、余計な手出しをして劔の足を引っ張る可能性すらあった。
 また、ソウジは対竜攻撃の為に隠密行動を取っているクロガネと連携を取れるのに対し、クロガネと劔の連携が取れない事もそうだ。竜をも破る攻撃性能を持つ二人が連携を取れないのは、乱戦において危険度が高すぎる。
 故に、ソウジはこの場で劔を撤退させ、ベイバロンと一騎打ちの構図に持ち込んだ。如何にドネルクラルと比べて見劣りするとは言え、ベイバロンとの戦力差は決定的に致命的でありながら、ソウジはその役を買って出た。

719数を持たない奇数頁:2015/08/01(土) 10:55:06 ID:vyrOqEag0
 唯一、ソウジにとって劔に勝る要素は、ソウジの戦闘スタイルは持久戦、耐久戦に富んでいる事だ。勝つ事は出来なくとも、負けなければ良い。数年間もエクリエルに鍛えられた戦闘スタイルは、より強力で凶悪な攻撃力を持つ仲間に繋げる為の引き分けゲッターとしてのものである。
 そして、最後に一つ。ソウジは闖入前に周辺に張り巡らされた伏神の結界を解析して、この場に朝霞が隠れて事に気付いていた。避難した筈の彼女が何を思ってこの場に戻ってきたのかは知らないが、これを好機と見たソウジは、ベイバロンに気取られないよう彼女と一切のコンタクトを取る事なく、思い付きの計画を決行した。
 魔符を周辺にバラ撒いたのは、自分に注意を向ける事より「姿を隠す物」の存在を自然にする事だ。事実、迷彩魔符を警戒するために、実際に姿を消した朝霞には気付きにくくなった。
 言葉による挑発は、周囲を警戒するベイバロンの意識を削ぐためでもあるが、もう一つ理由がある。移動させたり回り込んだのは、朝霞に背後を取らせるため。
 そして、ここぞというところで朝霞はベイバロンを攻撃する事に成功した。熱奪、即ち凍結。魔法の拘束では容易く引きちぎられる可能性を危惧した朝霞は、ベイバロンの内部の熱を奪って凍結させ、動きを封じる作戦を取ったのだ。
 ──超常の存在であるドラゴンは、しかし、この世に干渉する為に生物としてのルールに縛られる。生物である以上、活動する為の熱量は必要となり、熱を必要とするなら雪女にとって格好の獲物でもある。そして熱を奪われた生物は、その身体性能(パフォーマンス)を著しく損なってしまう。
 ソウジの言葉による挑発は、朝霞に言い聞かせ、攻撃パターンを誘導する為でもあった。【暴食】ほどの攻撃力でも通じない例を提示したのもその為である。
 ソウジは全てを即興で計画して、実行に移し、そして成功させた。神童と呼ばれた陰陽師、その所以は単に魔法適性が高いだけでは務まらないのだ。
 自身を二重に囮とした計画の実行中、最大の問題は、ソウジと朝霞の意思疎通が一切なかった事ではあるが……。

「お前、よく俺の考えてる事が分かったな」
「馬鹿にしてんのか? テメェの浅知恵程度、猿以上の知能があれば悟れる」
 上空に避難するベイバロンを他所に、全身の筋繊維や靭帯を傷め、倒れたままのソウジは、朝霞を見上げながら悪態を交換した。
 ──その、次の瞬間。どこかから飛来した巨大な剣が、ベイバロンの体を射貫き、地面に串刺した。

720数を持たない奇数頁:2015/08/01(土) 10:57:53 ID:vyrOqEag0
以上である

書いてる途中で気付いたが、俺いつの間にか三人称で書いてた
たぶん前回はお兄ちゃん視点、今回冒頭はじいちゃん視点で書いたから、そのままソウジ視点も三人称にしてたみたい
書き直すのも面倒だからそのまま投下したけどな!

721数を持たない奇数頁:2015/08/01(土) 11:11:04 ID:.nxapyfE0
じいちゃん強過ぎワロチ

722数を持たない奇数頁:2015/08/01(土) 11:19:52 ID:mu4J7z6A0
乙!

723数を持たない奇数頁:2015/08/01(土) 16:49:30 ID:L7bBEMxc0
じいちゃんはギャグみたいな強さにしようと思ってたらバグじみた強さになった
遠くを見たら自分のじいちゃんが空飛んでてみ。自分の正気を疑うよ

724数を持たない奇数頁:2015/08/01(土) 18:30:01 ID:L7bBEMxc0
毎回これ言うの忘れてすまん、次どあにんぜ!

725どあにん:2015/08/01(土) 19:24:52 ID:BccLWpmM0
まさかぼくもじっちゃがこうなるとは思わなかった……。
後はパパッとまとめて、賢者の書(真)でオチ付けて終わりかな

726数を持たない奇数頁:2015/08/01(土) 19:30:26 ID:mu4J7z6A0
ちょっと待て
となるとまたもや俺が新章の口火を切るのかッ!?

727数を持たない奇数頁:2015/08/01(土) 19:32:25 ID:L7bBEMxc0
兄ちゃんが革命する時、じいちゃん戦を入れようと思ったのよ
で、兄ちゃんは辺りの雑魚(という名の強者臣下)を容易く蹴散らすのにじいちゃんの異次元の強さに負けるってする予定だった

誰だよこんな化け物にしたの…

728数を持たない奇数頁:2015/08/01(土) 19:36:49 ID:L7bBEMxc0
事件後の後日談みたいなのを一周入れてもいいんじゃないかな
みんなで仲良く帰る的なあれ

729どあにん:2015/08/01(土) 19:37:44 ID:BccLWpmM0
>>727
それも私だ(全ての悪意を引き受ける)

730数を持たない奇数頁:2015/08/01(土) 20:17:23 ID:etGa8LEA0
おっつおっつ。

とりあえず冒涜的に昼寝した勢いのままに現状まででメモ帳纏めたから、追々wikiの方にぶん投げとくよ
ちなみに現在の文字数は約24万(厳密に言えば23万9千程度)文字。9万幾らかが禁書騒動編で14万幾らが伏神騒動編。
(大体文庫本サイズの小説2冊分と言えば視覚的な部分で通じやすいと思う)

意外な事に、一番長い行が俺ではないというね(最長はが一行で412文字。俺は以外にも211文字)
誰の文かを探しながら読み直すのも面白いかもしれない

731数を持たない奇数頁:2015/08/03(月) 20:27:52 ID:sP5.srVE0
文庫2冊分とすると、みんなで文章寄せ集めてるにしては意外と適切な文量で展開できてるってことなんかな

732数を持たない奇数頁:2015/08/03(月) 20:36:25 ID:OMRemYww0
希望があれば土曜日にでも全編通しての文章量の割合を出すんだぜ?

多分だけど西口が一番だと思う。次点で俺、たたりん、どあにん、クロの順になるはず

733どあにん:2015/08/16(日) 23:17:31 ID:HIIzzawA0
VIPRPG 夏の陣作品提出がかなり遅れそうなので全力で作ってます
連鎖も遅れちゃいそう、ごめんね

734どあにん:2015/08/16(日) 23:43:53 ID:HIIzzawA0
ザクッと進めて次の人が頑張って!ぼくはもう一方を頑張る!


「がっ……はぁっ……!」

その口から真っ赤な塊がゴボリと漏れ、空色の鱗がドス黒い血で染め上げられて行く。
何が起きたのか教えてくれ、と言いたげな表情でベイバロンもソウジも朝霞も、突如飛来した巨大な剣を見やる。

『間に合ったようですね、ミスター。』

突如上空から知った声がする、何事かと思って上を見上げると、前時代的甲冑が空を飛んでいる。
背部に装着されたバックパックから青白い炎を吹かしながら機械甲冑《アギョー・スタチュー》がその場で静止しており、
舞い上がる砂埃を腕を防ぎながらソウジが吠える。
もしやクロガネが、クロガネが操るアギョー・スタチューが、こんな事をしたのかと。

「クロガネェ!お前、何のつもりだ!」
『申し訳ありませんミスター……私には、やるべき事があるのです』

それだけを言い放つと同時に空中で姿勢を変え、ベイバロンに向けて急降下する。
まさかと、ソウジが走りだすも視界は熱を帯びた爆風で塞がれ、鼓膜を痛い程叩く轟音が阻み続ける。
アギョー・スタチューがベイバロンに突き刺さった剣を乱暴に引き抜き、刀身に付いた血を払うと木々とソウジの服にその飛沫が付着し、ドロリとした感触が服越しに伝わる。
やめろ、やめろとソウジが反芻するもそれがアギョー・スタチューに届くはずが無い。

『往ね、蜥蜴』

刀身に青白い文字、大凡ソウジが知り得ない物であったが、それから発せられるのは魔力であると言うのは理解出来た。
振り上げ、一閃。
ベイバロンの巨体に頭頂から赤い筋が走る、断末魔を上げる間も無く竜の巨体はその中身をブチ撒けながら、真っ二つに別れた。
光が失われ鉄塊を思わせる無骨な剣の刃が根本から折れて地面に突き刺さる、奇しくもベイバロンの墓標となるかのように。

『"竜"一体に対しこの有り様ではコストパフォーマンスは最悪ですね、"竜の墓標"<ドラゴングレイヴ>の完成は程遠い、か』

その行為に対して怒りを顕にするのは、ソウジ。
拳を握り締め地へ降り立ったばかりのアギョー・スタチューの腰部を思い切り殴りつけると
小気味の良い金属音が辺りに響き渡り、拳に電撃を流されたような鋭い痛みが走る。
機械、総じて金属をカルシウムとタンパク質とその他諸々の微細な化学物質を入り混じった物<肉体>でどうにか出来るとは微塵も考えていない。
考えては居ない……が、ソウジはそれを忘れる程の怒りを、この前時代的甲冑型にぶつけたかった。

『ミスター、いきなり何をするんです? あぁ、トドメを刺す役割を取られて怒ってるんですか?』
「違う!そうじゃねぇ!コイツには聞きたい事が山ほどあった!何故殺した!?」

クロガネの明らかな疑問を抱いているような唸り声が聞こえる。
何故こんなにも怒るのか、憎き敵を殺して何が悪かったのか理解出来ていない様子が伝わってくる。

『ミスター、この蜥蜴は罪無き街の人々を虐殺したのですよ、今殺さずして何時殺すと言うのですか?』
「何故こんな事をしたのか色々聞いてからでも遅く無かっただろうが!コイツ……竜の目的が分からず仕舞い!それになんだ、あの巨大な剣は!?」

頭がグチャグチャになって、自分でも何を言ってるのか半分程分からなくなっているとソウジは自覚している。
だが、聞かずにはいられなかった。
竜を真っ二つに断つ程の武器を、誰が、何の目的を持ってしてクロガネに装備させたのか。
カメラアイがソウジを見据え、スピーカーからそれについて話そうとした、その時だった。

突如アギョー・スタチューがガクンと揺れたかと思うと、機械的な口調でそれが聞こえてくる。

『――セキュリティ・クリアランスに抵触、この情報の開示は認められておりません。
 情報の開示が認められるのは創造者、若しくは管理者の立ち会いの元のみとなっております――』


それだけ言うと、アギョー・スタチューは何も言わずに飛び去ってしまった。
何が何だか分からない、もはやもう何も物言わぬベイバロンを亡骸を殴りつける事でしか、やり場の無い怒りを発散出来なかった。

735どあにん:2015/08/16(日) 23:44:25 ID:HIIzzawA0


倉庫の奥。
光源魔法の頼りない光の元、三人は一冊の本を囲みながら生唾を飲み、入念に確認を行っている。
倉庫の戸締まりは完璧、傍らにティッシュを用意し、そして書記魔法:言霊視の準備も整っている。
表紙は風化して読めない、かなり年季の入った本に、三人の期待は否応なしに高まる。

「しっかしフィル……まさか一冊取り上げられちまうとは参ったな」

ジョエルが股間を膨らませながら、精力剤を流し込む。

「僕も驚きました、まさか賢者の書が"2冊"存在していようとは……」

フィルは息を荒げながら、ゆっくりとズボンを下ろす。

「なんだっていい、シコるチャンスだ!」

リョタは頬を思い切り緩ませながら、言霊視の呪文を唱える。
皆、思い思いの準備を整え、時刻は12時を回った。
三人は一冊の本をまるで聖地へ祈りを捧げる信者の如く、手を合わせてお辞儀、そして深く土下座をした。
それを2分程維持した後、三人は顔を見合わせ、ゆっくりと、そのページをめくった――



本には派手な色の服を来た道化師が玉乗りをしながらジャグリングを成功させるコツを事細かに説明する内容。
三人は顔を顰めながら次のページをめくると、次はこれまた道化師が人を確実に笑わせる仕草、話題運び等を説明している。
そこで三人は気付いてしまったのだ、賢者の書……もとい、伝説のエロ本の正体を。
伝説のエロ本では無く、伝説の……ピ"エロ"本であったのだと――


それに気付いてしまった三人はあまりのショックとこれまでの疲労も相まって、泡を吹きながら倒れた。
隙間風でめくれた最後のページには、伏神家秘伝の隠し芸集 著・伏神楯一郎の文字が、刻まれていた――

736どあにん:2015/08/16(日) 23:44:47 ID:HIIzzawA0
短くてごめんね!

737数を持たない奇数頁:2015/08/16(日) 23:45:49 ID:Moet43D60
どあにん乙
……よし、締めるか

738数を持たない奇数頁:2015/08/16(日) 23:49:20 ID:Moet43D60
……ん?
なんでベイバロンの隙突く為に戦ってたのに、ソウジくんキレてんだ?

739どあにん:2015/08/16(日) 23:56:33 ID:HIIzzawA0
まーたガバガバだよ(白目)

740数を持たない奇数頁:2015/08/18(火) 09:04:21 ID:15RC/tf.0
まぁ、クロガネに一撃を任すとは言ったけど、殺すとは聞いてないし、多少はね
クロガネの対応を見るに生死に関わらずベイバロンとの以後の接触は出来なさそうだし

741数を持たない奇数頁:2015/08/18(火) 12:32:03 ID:7fqiAjXk0
これはもはや劔兄ちゃんのケジメ案件なのでは?

742数を持たない奇数頁:2015/08/18(火) 12:35:38 ID:n2UTfxb60
そもそも妹斬れなかった時点で…

743数を持たない奇数頁:2015/08/18(火) 12:42:44 ID:NEr3UD5E0
妹斬れない・町は守れない・弟に死地を任す
リレー民(主に俺)による壮絶なお兄ちゃんイジメ

744数を持たない奇数頁:2015/08/18(火) 12:50:03 ID:n2UTfxb60
お兄ちゃん株回復の為にもう一波乱起こす心積もりぞ我は

745数を持たない奇数頁:2015/08/21(金) 10:14:14 ID:qNWH5InI0
長々と引っ張った後に言うのも迷惑かかりそうなんで、早めに言っておく
パスさせて下さい

746数を持たない奇数頁:2015/08/21(金) 11:25:32 ID:.hER11tk0
Oh…しょうがないね

747数を持たない奇数頁:2015/08/28(金) 21:03:10 ID:X0fnQ.JI0
というか順番的に西口パスなら次俺?

業務的な問題と新企画の問題とで今回はおそらく無理だわ

748数を持たない奇数頁:2015/08/28(金) 21:11:22 ID:rsITA01I0
まさかのキラーパス
次はクロたん?

749数を持たない奇数頁:2015/08/28(金) 21:17:31 ID:X0fnQ.JI0
クロも参加してるからなぁ……とりあえず議論関係が落ち着いたら俺は動けるようになるかな
業務? 時間だけ掛かって疲れないか、時間はかからんけど精神的に疲れるかの二択だから、多少はどうにかなる

750数を持たない奇数頁:2015/08/28(金) 21:38:02 ID:rsITA01I0
向こうがある程度見通し立つまでこっち保留にしとく?
西口orKの人から再開って事にして

751数を持たない奇数頁:2015/08/28(金) 21:41:34 ID:Ro72k4Kg0
待ってくれるんなら西口から再開していただければ

752数を持たない奇数頁:2015/08/28(金) 21:47:59 ID:3Z5qS50o0
クロだけどそうしてもらえると助かる

753数を持たない奇数頁:2015/09/09(水) 22:56:38 ID:hcdPSX4I0
ソウジくんが田舎から帰って来たと思ったらガングロ雪女と仲良くなってたでござるの巻で
エクリエルが軽くおこするみたいなのを再開したら書きたいです(書けるとは言ってない)

754数を持たない奇数頁:2015/09/19(土) 23:14:54 ID:hec9CsAE0
出した本人としては、経歴的に色々と黒々とした物を抱え込んでいたりすると考えてる
その辺はいい感じのタイミングで出すとして、まぁリレー小説なんて書いたもの勝ちだからなぁ

755数を持たない奇数頁:2015/09/22(火) 16:36:34 ID:1SkWCWUI0
文化祭前になんとか少しでも朝霞の好感度パラメータを上げたい系男子

756数を持たない奇数頁:2015/09/22(火) 18:54:23 ID:0HI8lct.0
現状でもそれなりに上がってるんじゃないですかね(適当)

757数を持たない奇数頁:2015/10/03(土) 08:38:55 ID:oIHdZaBQ0
思い返してみたが、全くと言っていいくらい上がってない気がしてきた

①姉ちゃんの婚約者がウマの合わないクラスメイトの兄貴だった
②一夜のうちにクーデター発生、クラスメイトが行方不明(幻影朝霞に連れられ地雷原攻略中)
③打ち合わせなく対ドラゴン戦に巻き込まれる

朝霞視点だとこんな感じじゃない?

758数を持たない奇数頁:2016/05/12(木) 21:48:02 ID:vUc29hzI0
長らく止まってるので何か書こうかと思ったけどネタがない
SS書こうにも展開にがっつり制限掛けそうな奴しか思いつかんというね

759数を持たない奇数頁:2016/05/12(木) 21:50:59 ID:fd8sCiz.0
ええんやで

760数を持たない奇数頁:2016/05/12(木) 21:59:50 ID:vUc29hzI0
なら生きる天動説さんの過去話でも書いておこうかなぁ

761数を持たない奇数頁:2016/05/12(木) 22:01:46 ID:fd8sCiz.0
学園でしこたまソウジくんを殴ってから(風紀委員を)やりはじめたんや

762数を持たない奇数頁:2016/07/11(月) 15:05:08 ID:/bI6vi0.0
ちょっと間が空いたので再会させたいな、と思う
まあ書き始めるのは俺なので、俺の都合が良い日に俺が再会させる(クズ)

763数を持たない奇数頁:2016/07/11(月) 21:33:47 ID:/bI6vi0.0
全然文章かけてなかったのに、連鎖の続き書き始めたら何故か筆が乗ってる
リハビリテーションとして暫く書き進めよう
そしてKの人に無茶振りをする

764数を持たない奇数頁:2016/07/14(木) 00:19:16 ID:.idYcX5c0
とりあえず10KBほど
俺以外の人が書くかわかんないし、今度こそ終わらせよう
例えこの10倍かかっても…!

765数を持たない奇数頁:2016/07/14(木) 11:57:53 ID:SyMI/VhQ0
僕は書くタタリ!(語尾)
どんな展開だったか思い出す為に読み返したが、自分で書いた展開にちょっとドン引きしたわ
当時はそんなに気にしてなかったが、改めて読むと殺しすぎた感がすごい

766数を持たない奇数頁:2016/07/14(木) 13:04:05 ID:.idYcX5c0
お兄ちゃんの無能感

767数を持たない奇数頁:2016/07/15(金) 19:28:23 ID:ej82tHGQ0
なんとなく思い付いた、五郎兵衛佐さんの部下
雑談スレに誤爆してしもうた…

藤骨 三両寧(とうこつ みりょうね)
柳眉 関亭(りゅうび かんてい)
甲斐 夏央(かい なつお)
春針 紫杏(はるばり しあん)

768数を持たない奇数頁:2016/07/15(金) 19:30:18 ID:N6X/MhLg0
三両寧さんの生まれた頃から罰ゲーム感

769数を持たない奇数頁:2016/07/15(金) 19:33:06 ID:ej82tHGQ0
スカルミリョーネの難易度がハンパねぇ
最初は骨見 両寧(ほねみ りょうねい)にするつもりだったが、骨(ボーン)だと頭骨(スカル)にならないし…

770数を持たない奇数頁:2016/07/27(水) 13:28:59 ID:/vKQyRVU0
二週間かけて20KB(満身創痍)
改めて文章力の低下を感じることですね?

771数を持たない奇数頁:2016/07/27(水) 18:15:09 ID:2QGZdiJI0
最初から全部読み返したから、それなりにストーリーは思い出した
ずっと停止してたし、いくらでも時間かかってええんやで
一番いいのを頼む

772数を持たない奇数頁:2016/07/27(水) 18:57:36 ID:N/oBnvyY0
(ぶっちゃけラブコメ云々言っていた時、兄ちゃんじゃなくて聡治の方に許嫁発覚イベントで想定していた俺ェ……)

773数を持たない奇数頁:2016/07/27(水) 19:07:57 ID:/vKQyRVU0
あまり期待してはいけない(戒め)
自作以上に勢いで書いてる感あるので割としっちゃかめっちゃか

まあ何にせよ今回で終わらせたい

774数を持たない奇数頁:2016/07/27(水) 19:17:37 ID:O5n6WwGg0
>>772
俺の手番が回ってきたらソウジくんにめっちゃラブコメさせるつもりだぜ
別に新章でもできる事だから、回ってきた展開がよほどでない限りはいける


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