したらばTOP ■掲示板に戻る■ 全部 1-100 最新50 | |

それは連鎖する物語Season2 ♯2

675エクリエル 4/4:2015/07/11(土) 17:29:16 ID:v1jyJ5Ek0
『ん、五時ね。りょーかい。直接受け取るよ。学園祭は図書文化委員が関わるからさ、その関係で連日委員長室に缶詰だから』
 折角の夏休みなのに嫌になる、と、心底嫌そうな口振りで吐き出された愚痴には、不本意ながら同意しか出来ない。
 委員長というのは、どこも似たようなものだ。何らかの行事が近づけば、行事に関係する書類仕事や会議に忙殺される日々を送る羽目になる。特に自身が率いる委員会と密接に関わる行事となれば、私的に勉強をしどころではない。だというのに試験は待ってはくれない。そうして、委員長というのは、大体成績を落とす破目になる。
 風紀委員会は、大規模な催し毎に忙殺される。安全に対する体制や、有事の対処などは風紀委員会の管轄である為、どのような方向性の催しでさえ、密接に関わる羽目となる。
 文化祭で忙殺される図書文化委員長、体育祭で忙殺される保健体育委員長に比べれば、瞬間的な負荷は幾分か軽い。ただ継続して負荷を掛けられる為、どちらがましなのかは兼任するか、あるいは幾つかの委員長を体験しなければ分からない。
『……あ、こっちの用件は終わり。そちらからは何かある?』
「……特には、ない。強いて言えば禁書盗難に関して、もう一度監視系統の確認をしたい程度だ」
『あー……まぁ、委員達には、生徒会に睨まれると言えば多少は協力的に出来るかもね。正直、エクリエルと私的に関わるのは真っ平御免だけど、委員長同士なら、程々には付き合いたい人物だからさ。分かったよ、とりあえず案内の人員は用意しておく。……ところでさ、具体的に言うとエ』
 用事が済めば、そこまでで良い。アシュリーの思いついた碌でもない考えに耳を傾ける事もなく、受話器を戻す。
 数秒程電話機を注視したが、掛け直しはなさそうであった。その為、優先順位の上がった、禁書関係の報告書の作成の為、作りかけのデータを開く。
 二冊分の事件概要と経緯、結果に関しては既に作成済みであり、そもそも提出し、確認印が入った原紙は文書保管用の棚に収められている。
 残り一冊文に関しては、それの流用で殆どどうにかなる。結果の部分が書けないだけであり、調査段階で判明した諸々を纏めていけば、それで良い。
「――どこの阿呆だか知らんが、全く以って煩わしい」
 足元の鞄からファイルを取り出したエクリエルは、纏める為にそれを捲っていく。


新着レスの表示


名前: E-mail(省略可)

※書き込む際の注意事項はこちら

※画像アップローダーはこちら

(画像を表示できるのは「画像リンクのサムネイル表示」がオンの掲示板に限ります)

掲示板管理者へ連絡 無料レンタル掲示板