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それは連鎖する物語Season2 ♯2
734
:
どあにん
:2015/08/16(日) 23:43:53 ID:HIIzzawA0
ザクッと進めて次の人が頑張って!ぼくはもう一方を頑張る!
「がっ……はぁっ……!」
その口から真っ赤な塊がゴボリと漏れ、空色の鱗がドス黒い血で染め上げられて行く。
何が起きたのか教えてくれ、と言いたげな表情でベイバロンもソウジも朝霞も、突如飛来した巨大な剣を見やる。
『間に合ったようですね、ミスター。』
突如上空から知った声がする、何事かと思って上を見上げると、前時代的甲冑が空を飛んでいる。
背部に装着されたバックパックから青白い炎を吹かしながら機械甲冑《アギョー・スタチュー》がその場で静止しており、
舞い上がる砂埃を腕を防ぎながらソウジが吠える。
もしやクロガネが、クロガネが操るアギョー・スタチューが、こんな事をしたのかと。
「クロガネェ!お前、何のつもりだ!」
『申し訳ありませんミスター……私には、やるべき事があるのです』
それだけを言い放つと同時に空中で姿勢を変え、ベイバロンに向けて急降下する。
まさかと、ソウジが走りだすも視界は熱を帯びた爆風で塞がれ、鼓膜を痛い程叩く轟音が阻み続ける。
アギョー・スタチューがベイバロンに突き刺さった剣を乱暴に引き抜き、刀身に付いた血を払うと木々とソウジの服にその飛沫が付着し、ドロリとした感触が服越しに伝わる。
やめろ、やめろとソウジが反芻するもそれがアギョー・スタチューに届くはずが無い。
『往ね、蜥蜴』
刀身に青白い文字、大凡ソウジが知り得ない物であったが、それから発せられるのは魔力であると言うのは理解出来た。
振り上げ、一閃。
ベイバロンの巨体に頭頂から赤い筋が走る、断末魔を上げる間も無く竜の巨体はその中身をブチ撒けながら、真っ二つに別れた。
光が失われ鉄塊を思わせる無骨な剣の刃が根本から折れて地面に突き刺さる、奇しくもベイバロンの墓標となるかのように。
『"竜"一体に対しこの有り様ではコストパフォーマンスは最悪ですね、"竜の墓標"<ドラゴングレイヴ>の完成は程遠い、か』
その行為に対して怒りを顕にするのは、ソウジ。
拳を握り締め地へ降り立ったばかりのアギョー・スタチューの腰部を思い切り殴りつけると
小気味の良い金属音が辺りに響き渡り、拳に電撃を流されたような鋭い痛みが走る。
機械、総じて金属をカルシウムとタンパク質とその他諸々の微細な化学物質を入り混じった物<肉体>でどうにか出来るとは微塵も考えていない。
考えては居ない……が、ソウジはそれを忘れる程の怒りを、この前時代的甲冑型にぶつけたかった。
『ミスター、いきなり何をするんです? あぁ、トドメを刺す役割を取られて怒ってるんですか?』
「違う!そうじゃねぇ!コイツには聞きたい事が山ほどあった!何故殺した!?」
クロガネの明らかな疑問を抱いているような唸り声が聞こえる。
何故こんなにも怒るのか、憎き敵を殺して何が悪かったのか理解出来ていない様子が伝わってくる。
『ミスター、この蜥蜴は罪無き街の人々を虐殺したのですよ、今殺さずして何時殺すと言うのですか?』
「何故こんな事をしたのか色々聞いてからでも遅く無かっただろうが!コイツ……竜の目的が分からず仕舞い!それになんだ、あの巨大な剣は!?」
頭がグチャグチャになって、自分でも何を言ってるのか半分程分からなくなっているとソウジは自覚している。
だが、聞かずにはいられなかった。
竜を真っ二つに断つ程の武器を、誰が、何の目的を持ってしてクロガネに装備させたのか。
カメラアイがソウジを見据え、スピーカーからそれについて話そうとした、その時だった。
突如アギョー・スタチューがガクンと揺れたかと思うと、機械的な口調でそれが聞こえてくる。
『――セキュリティ・クリアランスに抵触、この情報の開示は認められておりません。
情報の開示が認められるのは創造者、若しくは管理者の立ち会いの元のみとなっております――』
それだけ言うと、アギョー・スタチューは何も言わずに飛び去ってしまった。
何が何だか分からない、もはやもう何も物言わぬベイバロンを亡骸を殴りつける事でしか、やり場の無い怒りを発散出来なかった。
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