したらばTOP ■掲示板に戻る■ 全部 1-100 最新50 | |

それは連鎖する物語Season2 ♯2

1数を持たない奇数頁:2014/09/05(金) 21:07:09 ID:LUyN3zHI0
つまりリレー小説なのだ

113数を持たない奇数頁:2014/11/03(月) 01:53:26 ID:S7GYf0Kg0
家で起きた騒動とかソウジくんの病とか妹の死とかをこねくり回してたらまたソウジくんに設定生えてきたんだけど

114数を持たない奇数頁:2014/11/03(月) 08:54:21 ID:CjxIoM020
過積載いいじゃない

115どあにん:2014/11/04(火) 06:32:21 ID:d02w3gSM0
ようやく1500段を登り切って後ろを振り向くと空は橙色に染まり、麓の村々がまるで宝石をまき散らしたかのように輝いている。
幼い頃に幾度と無く見てきた光景は、今も変わらないままそこにあった事に、つい涙腺が緩みかける。
本当に泣きたくなるのは、これからだと言うのに。

「お帰りなさいませ、聡治様」

開けた瞬間、音の波がソウジの鼓膜を叩く。
屋敷中の女中全員が石道の脇で頭を深く下げている、そんな事など一切望んで居ないのに。
だからソウジは心を殺して無心になる、脇にいるのは全員石なのだ……そう考えていなければ居心地の悪さに押し潰されそうだから。
最も、玄関の前に佇んでいるのはその居心地の悪さの発生源とも言うべきか。

「……戻ったか、聡治」

伏神家27代目頭首、伏神楯一郎。
御年80を超える肉体は大きな隆起が彫り込まれている為老いによる衰えを一切感じさせない。
着物から見える肌からは勿論、顔にも巨大な傷痕が刻み込まれている事から、歴戦の強者だと言う事を認識させられる。
ソウジは幼い頃から自分の祖父はあまり好きになれなかった、なぜならば。

「……ただいま、爺ちゃん」
「ぬわぁぁあああああん!!!会いたかったよぉぉおおおお!そうじぃぃぃいいいい!!」

……超が千個付いても足りないくらいの孫LOVEだからだ。

116どあにん:2014/11/04(火) 06:32:37 ID:J5/sM53A0
「見苦しい所を見せたな、聡治」
「あー……うん、いいよ気にしなくて……」

はだけた衣装を直しながら今更威厳たっぷりに言っても遅いよ爺ちゃん、とそっと呟いた。
第一に筋骨隆々の老人がソウジの足元でゴロゴロと転がりまわるカオス過ぎる光景を見た劔や朝霞に夕霞も苦笑いしていた。
伏神一族は変人一族だと思われそうで怖い。

「ま……何はともあれ、お祖父様もお元気d」
「お前には話しておらん、黙っておれ」

何故か楯一郎は劔に対して厳しいと言うより嫌ってるようなフシがある。
息子を未だ溺愛する姑の如き嫌われっぷり、短く笑う劔だったけどその眼には微かな涙。
そして夕霞と朝霞の冷ややかな眼が劔に追い打ちをかける、その眼はあぁやっぱり変人一族だ、と無言の罵倒。
夕霞さんの表情が"なんでこんな奴と結婚しちまったんだろ、今から離婚届出そうかな"みたいな顔をしている。
ソウジは内心"やめてくれマジで"と叫び続けた、そんな事になったら余計劔が楯一郎にあーだこーだ言われそうだからだ。

「うむ、長旅で疲れたろう 上がっていけ。 夕霞さんにその妹さんもな」

背を向けて一人家の中へ入っていったのを皮切りに、女中達が本来やるべき仕事へと戻っていくのを脇目に、劔と夕霞さんは歓談しながら、朝霞は面倒くさそうなしながら家の中へ入っていった。
ソウジはと言うと荷物を置く為に自分が使っていた部屋に行こうとした際、楯一郎がソウジの名前を連呼しながら跳ねるような音が聞こえたので、ソウジはそっと聞こえないフリをした。
部屋に荷物を置いて面倒くさそうに必要最低限身支度を整える、ソウジにとって最も嫌いな時間である御意見役の老人達への報告があるからだ。
最終決定権は楯一郎にあるものの、近頃は暴走が目に余ると劔から言われていた上に楯一郎を決定を待たずして執行する事が多くなってきたからだ。
幼い頃からずっと御意見役の老害に嫌われていたソウジ、唇を軽く噛み締めてから力無く歩き始めた。



一方その頃。

「俺のセンサーがビンビンに感じてるぜ!多分あっちだ!」
「言っとくけど、股間にぶら下がってる粗末なモンの事指してるならブン殴るからな!」
「ま、待って……おいてかないで……」

三馬鹿はジョエルの無駄に元気な一声を元に道なき道を行っていた。

117どあにん:2014/11/04(火) 06:33:30 ID:J5/sM53A0
時間掛かった割にはここまでと言う体たらく
業務連絡が2つ程

・VIPRPG紅白祭りに専念したいんでちょっとローテからハズレます
・今日付けで25歳になりました

118数を持たない奇数頁:2014/11/04(火) 08:44:57 ID:/.zIbLUA0
乙ポニ&おめなんだぜぇ
じいちゃん…(^ω^)

紅白祭りって期限いつまでなのかな?
ローテ抜けるのって一時的にって事なんだよね?

119西口:2014/11/04(火) 08:55:54 ID:HKpU2GSg0
どあにん乙、そしておめでとう
さてどうしようか

120どあにん:2014/11/04(火) 09:16:22 ID:J5/sM53A0
>>118
そそ、一時的
12/23 23:59 期限内提出締め切り
 ・12/25 作品公開予定
 ・12/31 23:59 エントリー締め切り
 ・1/1 投票開始
 ・1/31 更新終了予定 ※遅刻、更新受付などもここで終了です。

正直MAP作り苦手なんでめっちゃ手間取ると予想される

121どあにん:2014/11/04(火) 09:24:07 ID:J5/sM53A0
じいちゃんのイメージは薙切仙左衛門みたいな感じ
性格は斉木 熊五郎になっちゃった☆ミ

違うんだ、ちょっとそーじが好きなだけのじいちゃんにしたかったのに 自分でもどうしてこうなった

122数を持たない奇数頁:2014/11/04(火) 09:25:50 ID:HKpU2GSg0
おう、分かった
多分木曜日には投下するぜ

123どあにん:2014/11/04(火) 09:27:53 ID:J5/sM53A0
ssmcみたいに適当なMAPを作るのは許されないんDA!
完成したらまたテストプレイ頼むかも

124数を持たない奇数頁:2014/11/04(火) 09:35:41 ID:/.zIbLUA0
色々ひっくるめて3ヶ月は厳しいって事か、了解

しかしビジュアルとメンタルのギャップが酷いなwwwwwwww

125数を持たない奇数頁:2014/11/04(火) 19:31:36 ID:HKpU2GSg0
朝霞ちゃんのお家の事情書こうとも思ったけど、なんか面倒になったから
劔と夕霧の会話だけ書いて投下するわ

126数を持たない奇数頁:2014/11/04(火) 19:42:44 ID:i3.smytw0
競作もあるしね

127数を持たない奇数頁:2014/11/04(火) 19:44:15 ID:HKpU2GSg0
せやな(完結できるとは言ってない)

128数を持たない奇数頁:2014/11/04(火) 19:52:01 ID:lebpsASc0
どあにん乙
そしておめでとう
テストプレイなら任せろー

129数を持たない奇数頁:2014/11/04(火) 20:48:54 ID:HKpU2GSg0
またもや変に盛大な設定が出てくる予感
頑張ってくれ(他力本願)

130数を持たない奇数頁:2014/11/04(火) 20:52:19 ID:QryxEgE.0
(実は密かにリレーキャラでもSW2.0妄想をしている)

131数を持たない奇数頁:2014/11/04(火) 20:55:15 ID:HKpU2GSg0
とりあえずリプレイ風に序盤仕上げてください! 誰かが何でもすると思いますから!

132数を持たない奇数頁:2014/11/04(火) 21:10:27 ID:QryxEgE.0
ダグダエル「今度こそ転校生の歓迎会を兼ねてTRPGをしよう(提案)」
ソウジ&朝霞&ダミアン「え、ヤだ…」
ダグダエル「ダンくんにGMを任せたから、詳しい事は彼に聞いてね」
三人「聞いてよ」
ダグダエル「PL三人じゃ厳しいだろうから、あと二人呼んどいたよ」
三人「なに余計なことしてくれてんの?」
エクリエル&アシュリー「呼ばれた」
三人「なんでこの二人選んだの!?」

ソウジ「…で、技能どうなった? 俺はタンクファターにするつもりだが」
ダミアン「前衛デーモンルーラー」
朝霞「前衛コンジャラー」
エクリエル「2H神官フェンサー」
アシュリー「投擲神官フェンサー」
ソウジ「前のめりにも程があるだろ!」

なんかこんな感じ

133数を持たない奇数頁:2014/11/05(水) 11:14:21 ID:30VxKSUY0
聡里が何年前に死んだかって、具体的な数字出てないよね?

134数を持たない奇数頁:2014/11/05(水) 11:52:53 ID:MKAcsOcs0
とりあえず小ネタとかを含めて中等部に上がる前辺りで考えてた
何となく中等部から入学したと考えれば、逃げ出した件とかとも合致しなくもないし

135数を持たない奇数頁:2014/11/05(水) 15:12:14 ID:lB57E22E0
つまり要約するとソウジはJC6の妹に剣道で負けていた

136数を持たない奇数頁:2014/11/05(水) 15:14:05 ID:lB57E22E0
JSだった

137数を持たない奇数頁:2014/11/05(水) 17:56:27 ID:30VxKSUY0
やべえ、考えが文章として纏まらん
これじゃ設定の羅列になっちゃうやばいやばい

138数を持たない奇数頁:2014/11/05(水) 18:09:32 ID:UFFqn54Q0
作中の設定説明は1回か2回でいいよなぁ、と最近思い始めた
あとの細かいのは場面と一緒に見せていきたい

139数を持たない奇数頁:2014/11/06(木) 08:54:39 ID:nCtYb.aA0
というかこれお兄ちゃんとじいちゃんのどっちが頭首なんだ

140数を持たない奇数頁:2014/11/06(木) 09:04:35 ID:1FPTg.nQ0
壮健と言っても既に80超えてるおじいちゃんに当主は任せられないんじゃないかな

141西口:2014/11/06(木) 09:37:08 ID:nCtYb.aA0
投下しますわ

142数を持たない奇数頁:2014/11/06(木) 09:37:25 ID:nCtYb.aA0
夜の森林は、月明かりすら遮る漆黒の要塞である。
人工灯のない人間界の奥地にあると来れば、それは言うまでもない。
獣すら近寄らぬそこに跋扈する魑魅魍魎は、はたして悪鬼の類か、それとも精霊か。
「彼」の容姿のみを見れば、誰もが前者だと答える事だろう。
草臥れた漆黒のスーツに身を包んだ、巌の如き頑健な肉体を持つ青年。
その眼光は右手に握る太刀のそれにも劣らぬほどに冷たく輝いており、その瞳で射竦められて正気を保てる者はそういないだろう。
地面に横たわり、首元に太刀の切っ先を突きつけられているローブ姿の女性は、その数少ない一人であった。
「届かせて貰ったぞ、キリ。些か手古摺ったがな」
青年――伏神劔は、普段弟に向けているそれとは打って変わったような、ゾッとするほどに冷たい声音で呟いた。
地面に横たわる夕霧を逃がすつもりなど毛頭無いのだろう。勝敗が決したと思しき場面でありながら、総身には未だ緊張が漲っている。
夕霧はその顔を無感情な目で見返し、やがて大きなため息を吐いた。
「……ええ、完敗ね。情けないことこの上ないわ、劔」
そうして彼女は恭順の意思を示すかのように両目を閉じる。
フードから投げ出された白雪色の髪は土に汚れ、見る影もなくなっている。
普段の彼女ならばこの上ない渋面を浮かべるだろうが、疲労の極致にいる今となってはそんな事言っていられないのか、何も言わない。
いや、ただ諦めているのだろう。
人は死ねば唯の肉。その見てくれを演出する必要などない。
彼女は死を覚悟しているのだろう。このような状況に陥ってしまったがゆえの、当然の報いだと。
「殺しなさい。一廉の戦士なら、敗者を辱める様な事はしないんでしょ? 私は守った事ないけど」
「そもそも尖兵たる露払いにそんな矜持は求められないものなんだが。というか、それ以前に――」
――約束をたがえる気か?
どこか砕けた声音で、劔は言う。
夕霧はいまさらといったタイミングで、この上ない渋面を浮かべた。
「ストーカー気質ね。何でまだ覚えているのよ」
「差し迫ってきたからだよ。早急に君が欲しくなった」
「斬新な婚活ね。まあ、貴方みたいな人間の所に嫁いでくる人間なんているわけないとは思うけど」
「……相変わらず、口が減らないな」
ぼやきながら刀を引き、納刀。
キン、という特徴的な金属音が、一瞬だけ夜のしじまを侵した。
「俺が勝ったら何でも言うことを聞くんだろう? 死ぬ事は許さんぞ」
手を差し伸べて、劔は言う。
渋々といった様子でその手を取り、立ち上がった夕霧は、「仕方ないわね」と本当に嫌々といった様子で呟く。
「14歳の頃から6年間、貴方に負ける日が来るなんて思わなかったけど、もうダメね。今後貴方に勝てるようになるヴィジョンが浮かばないわ
 よくもまあここまで鍛え上げたものだわ。何かきっかけでもあるの?」
「ああ、ちょっとな」
劔の顔に、微かに陰影が差す。その中に微かに灯るのは、憎しみの色だろうか。
夕霧が初めてみる表情だった。
戦争当時の機界人めいた冷徹さや無感動さを纏った彼の姿には慣れていたが、そこまで剥き出しの感情を面に出す劔の姿は、初めてだった。
「……本当に、何があったの?」
「――妹が死んだ」
表情を見られまいとしているのか、劔は天を仰いだ。
「母が死んだ。叔父が死んだ。祖母が死んだ。従兄弟が死んだ。使用人が死んだ。彼ら、彼女らの子供も死んだ。沢山、沢山な」
きつく握り締めた劔の右手から血が流れる。気付く夕霧だが、話の腰を折ることも出来ず、無言のまま続きを促す。
「父が、老害どもが見果てぬ妄執に取り付かれたせいで、皆死んだ。だというのに、伏神はまだ残り、そこにへばり付く老害どももまだ大量にいる」
「貴方、まさか……」
「伏神を潰す。あの死にぞこないどもを、一人残らず地獄に叩き落してやる」
劔の視線が、夕霧のほうへと戻る。
「夕霧。君たち雪女全体にではなく、君個人に頼む。力を貸してくれ」
そうして、頭を下げた。

143西口:2014/11/06(木) 09:37:47 ID:nCtYb.aA0
「あら、どうかしたの?」
伏神邸、自室。
伏神劔は開け放った窓から見える、茜差す伏神山の光景に目を細め、見入っていた。
じっとりと汗ばんではいるものの、薄手の甚平一枚という格好は妙に涼しげである。
それと正反対のような暑苦しいローブを纏った夕霧が、その後姿に声を掛けつつ、開け放たれた障子戸を閉めつつ入室する。
「物思いにふけるなんて、貴方らしくもない。耄碌でもしたのかしら?」
「いや、お前の手を取った日を思い出してな。そうか、あの日からもう四年も経つのか」
「走馬灯を見るには早すぎるわよ。まだ何も終わってはいないわ」
その傍らに寄り添うように座り、夕霧は忠告めいた口調でそう言う。
「ああ、そうだな。……チャンスは明日の夜。ソウジと朝霞ちゃんに気付かれる前に全てを終わらせよう」
「ええ、分かっているわ。そのためには、貴方の右腕の力が必要になる。ちゃんと使いこなせているのね、その竜の力」
劔は首肯のみで以ってそれに応じ、右腕を撫でる。
分厚い筋肉に鎧われたそれは、強靭ではあるものの、さしておかしな部分は見当たらない。
――今はまだ、であるが。
「しかし、まさかお前と結婚する事になるとはな。都合がいいとはいえ、流石に予想外だったぞ」
「それは私の台詞よ。伏神家は前々から嫌いだったけど、上が「ああ」じゃ腐ってて当然ね」
「耳の痛い話だ。全てが終わったら、婚姻関係を解消してくれて構わない」
「……して欲しいの?」
眉を顰めながら、不機嫌さの塊のような声でそんな事を言った夕霧に、劔は驚いた。
夕霧は劔の顔を真っ直ぐ見つめ、「私が妻じゃ迷惑かしら」と続ける。
「いや、そういう事じゃなくて、お前の自主性を重んじようと思ってだな」
「答えになってないわ。貴方はどうかと聞いているの」
ずずいと身を乗り出して聞く夕霧。その勢いに気圧され、仰け反る劔。その巨体を威圧する眼光はただ事ではない。
彼女は今、紛れもなく怒っている。
「あーと、それは、だな……」
「口ごもらない。好きか否かを、娶るに足るか否かだけを答えなさい。今すぐに。ナウ」
「す、あー。好き、だよ。お前が妻になってくれるのなら嬉しい」
「……そう、ならいいわ」
潮が引くように萎んで行く彼女の怒り。
睨んだ相手の心臓を鷲掴みにするかのような威圧感も、また同時に。
劔は心底からの安堵のため息を漏らした。
「貴方気付いていなさそうだから言っておくけれど、私貴方の事大好きなのよ。勿論恋愛的な意味で。
 突き放すような事言わないで頂戴。悲しくなるから」
「は、初耳なんだが」
「初めて言ったもの。ああ、恥ずかしい。顔から火が出そうだわ」
顔を逸らしながらそういうが、夕霧の声音は飽くまで平坦である。
だがそれが紛れない真実であることが分かる程度には、劔と彼女の関係は深い。
劔は無言のままその頭を抱き寄せ、夕霧もされるがままだ。
窓の外。伏神山に野鳥の声が木霊する。
少し紫がかった夕空に、沈み行く夕陽。徐々に降りてくる夜の帳が、それらを美しく演出する。
劔にとっては慣れ親しんだ光景だ。幾度となく流し見してきた光景だ。
だが改めて見ると、そのためいきでも出そうなほどに幻想的な風景はどうだ。
これで見納めかもしれない。
そう無意識かに思っているのだろう。二人はただ黙って、日が没するその時まで共にその光景を眺めていた。

144西口:2014/11/06(木) 09:40:22 ID:nCtYb.aA0
以上、今回は短めで

劔の夕霧への呼び方変わってたらいいな、とかいう妄想の下よくわかんない過去編の回想
説明不足の設定羅列
夕霧&劔のイチャイチャ(?)とデスノボリライジング
全部やれてるかは知らないけど、後は任せた

145数を持たない奇数頁:2014/11/06(木) 12:18:27 ID:o8ZmQX620
乙ポニ

何だよコイツら…末永く爆発しろよ…
キリって呼び名はいいね。今や形式的な婚姻関係だけど、つい素が出ちゃうとかなら俺得ですな

146数を持たない奇数頁:2014/11/06(木) 22:34:28 ID:nCtYb.aA0
次Kの人でいいんだっけ?

147数を持たない奇数頁:2014/11/06(木) 23:32:08 ID:.IjIfjkg0
西口乙
何やら事件が起こりそうな雰囲気
次はKの人だと思う

148数を持たない奇数頁:2014/11/06(木) 23:35:21 ID:cD9FtIOY0
あいむナナ砲布教中のPOK

西口おっつおっつ&パス了解だぜ。ただ競作の方の締め切り近いからそっち優先でちょっと遅くなるかも

149数を持たない奇数頁:2014/11/11(火) 00:23:08 ID:t.Uag8Yw0
伏神三兄弟はきっと幼い日劔onソウジon聡里で三連肩車とかやってたに違いない

劔「ハッハッハ、まるでトーテムポールだな」

ソウジ「そ、そうだな……」プルプル

聡里「兄さん、小刻みに震えないで下さい。私が重いとでも言いたいんですか?」

150数を持たない奇数頁:2014/11/24(月) 19:56:00 ID:snNFXz.A0
こっ↑ここ↓

151数を持たない奇数頁:2014/11/28(金) 08:44:09 ID:F8zmCKPg0
Kだけど競作で燃え尽きたのかまるで筆が進まないからパスしたい早漏

152数を持たない奇数頁:2014/11/28(金) 08:54:05 ID:3Rb/KDus0
残念だのう

153数を持たない奇数頁:2014/11/28(金) 09:04:38 ID:F8zmCKPg0
年のせいか寒くなってきたせいか、色々とモチベーションが上がらんのよねぇ……

154数を持たない奇数頁:2014/11/28(金) 09:12:58 ID:3Rb/KDus0
まあ今までドバッと出しすぎたんよ
バランスとってると思いなさいな

155数を持たない奇数頁:2014/11/28(金) 09:13:55 ID:F8zmCKPg0
うん、そうするわ

156数を持たない奇数頁:2014/11/28(金) 09:58:07 ID:4jd8kEXc0
Kの人は毎回ガッツリ気合い入ってるから、たまにはガス抜きも良かろうさ
乙ポニ

157数を持たない奇数頁:2014/11/28(金) 20:09:07 ID:k7zJ8ZMc0

続きは俺に任せろー

158数を持たない奇数頁:2014/12/01(月) 00:27:02 ID:K4xcidQs0
 邸内の杉林の奥、離にひっそりと佇む茶室に、無数の灯りが微かに揺れる。薄暗い茶室の中には、昏い眼光とか細い息遣いが潜んでいた。

 その一つがため息を吐くように発す。
「まさかあれが帰ってくるとはのぉ」

 他の一つが口の中を汚く鳴らす。
「あれを呼んだは劔のようじゃ。まだあれに情があったか……」

 また他の一つが鼻息で灯を崩す。
「それよりまさかあの朝霞の娘を娶るとは……。なんぞ企みがあると見た……」

 そのまた他の一つが音もなく笑う。
「然り……朝霞にあれ、時が時だけに臭いよる……」

 それのまた他の一つが歯を擦る。
「それならようやっとあれに使い道が生まれたのぅ。あれも駒に成れる日がくるか……」

 それらは一同に灯りと共に身体を揺らし、浮かぶ顔に数多のしわを刻んだ。
「そりゃあええ……そりゃあええ……」

159数を持たない奇数頁:2014/12/01(月) 00:28:42 ID:K4xcidQs0
短いけど以上に候!
次はタタリ殿お頼み申す!!

160数を持たない奇数頁:2014/12/01(月) 00:34:57 ID:YaxKR0Cg0
朝霞の娘…?
ここ夕霧(お姉ちゃん)じゃなくて?

161数を持たない奇数頁:2014/12/01(月) 00:38:51 ID:K4xcidQs0
いつの間にか朝霞が苗字だと錯覚していた
俺は悪くない!

162数を持たない奇数頁:2014/12/01(月) 00:44:23 ID:K4xcidQs0
 邸内の杉林の奥、離にひっそりと佇む茶室に、無数の灯りが微かに揺れる。薄暗い茶室の中には、昏い眼光とか細い息遣いが潜んでいた。

 その一つがため息を吐くように発す。
「まさかあれが帰ってくるとはのぉ」

 他の一つが口の中を汚く鳴らす。
「あれを呼んだは劔のようじゃ。まだあれに情があったか……」

 また他の一つが鼻息で灯を崩す。
「それよりまさかあの柳瀬川の娘を娶るとは……。なんぞ企みがあると見た……」

 そのまた他の一つが音もなく笑う。
「然り……柳瀬川にあれ、時が時だけに臭いよる……」

 それのまた他の一つが歯を擦る。
「それならようやっとあれに使い道が生まれたのぅ。あれも駒に成れる日がくるか……」

 それらは一同に灯りと共に身体を揺らし、浮かぶ顔に数多のしわを刻んだ。
「そりゃあええ……そりゃあええ……」

163数を持たない奇数頁:2014/12/01(月) 00:44:48 ID:K4xcidQs0
修正完了ギリギリセーフ

164数を持たない奇数頁:2014/12/02(火) 14:09:20 ID:wtnWyj5.0
そろそろ朝霞とフラグ立てとくか

165西口:2014/12/05(金) 21:02:39 ID:ORyPlius0
先に言っておく
1月22日から2月3日くらいまで、俺は死んだと思ってくれ

166数を持たない奇数頁:2014/12/05(金) 21:26:51 ID:kifkx6Xs0
いったい何が…研修?

167数を持たない奇数頁:2014/12/05(金) 21:34:45 ID:ORyPlius0
ヒント:発売日(人間の屑)

168タタリ@仕事なう 1/3:2014/12/13(土) 15:30:52 ID:7jPJxPCY0
 夜中、不意の気配に目が覚めた。
 片目だけを薄く開けて自室をゆっくりと見渡す。昔取った杵柄というか、エクリエル達と共に乱層区画に出入りしてるせいで、気配の察知が敏感になってるのは常人離れしている様でなんか嫌になる。
 俺が実家を逃げる様に飛び出してからも、使用人たちが甲斐甲斐しく手入れしてくれていたお陰で、自室はかつてと変わらない状態でいつでも使える様になっていた。寄宿舎よりも広いし、実に快適である。
 そんな光源一つない真夜中、薄らと目を開けると、そこには銀髪の女が立っていた。……自分で言っといてなんだが、このシチュエーションすごいコワイ。
「……お前、何やってんの?」
「チッ、起きたか。とりあえず蹴り起こそうかと思ってたんだがな」
 身を起こしながら銀髪の侵入者こと柳瀬川朝霞に答える。枕元に置いていた腕時計を手繰り寄せ、現在が午前一時である事を確認する。いやマジで何してんだコイツ。人の安眠妨げるとか万死に値するぞ。
 とりあえずはだけた寝間着を居直しながら、文机からランタンを取り出してマッチで火を付ける。ここでようやく視界が良好になった訳だが、朝霞の姿を見て怪訝に思う。
 彼女は寝間着ではなく、平時の私服だった。いや、私服というには厚手であり、肌の露出を限界まで制限している。昼に比べて夜は幾分かマシだと言っても、まだまだ熱帯夜は続いている。人間でも参る様な残暑を、雪女である彼女が厚手の服で耐えられるとは思えない。
「……クソ、マジ眠い。アタマ働かねぇ。殺されてぇのかお前」
「やれるもんならやってみろ人間風情が。……あ〜、いや待て、今のは言葉の綾だ。そうじゃなくてだな、何て言えばいいか」
「夜這いじゃなけりゃ相談だろ。ちょっと待て、準備するから。先に聞いとくが、俺の部屋に入る前に後ろは確認したか?」
「うんにゃ、それは大丈夫だ。魔界人の知覚をなめんなよ」
「自信過剰の自意識過剰で何よりだ。年頃の女を連れ込んだとか、使用人に見られて噂とかされたら恥ずかしいし」
 アクビを噛み殺しながら荷物を漁り、八枚のカードを取り出す。機能は単純な消音。それを部屋の四隅の天井と床それぞれに投げ放ち、部屋全域に結界を張る。
 書記魔法は事前準備が必要な分、準備さえ済ませておけばどんな魔法体系より早く発動させる事が出来る。また、文字や記号として保管する事が可能な性質上、一所のみに魔法効果を限定する結界魔法との相性は良い。
 あらかじめ文字を設置さえしてしまえば、任意のタイミングで時間差発動を行えるところもメリットの一つと言えよう。先日のドネルクラル戦では人質奪還のため敵拠点を攻撃する必要があったゆえ結界として使用する事はなかったが、伏神家は元より陰陽師の家系、攻勢より防衛に重きを置いている。実はこちらが正しい使い方なのだ。

169タタリ@仕事なう 2/3:2014/12/13(土) 15:31:23 ID:7jPJxPCY0
 そもそも普段から乱層区画で戦闘を行う場合には、エクリエルやルカと言った攻撃力カンストしてる様な化け物と一緒なのだから、わざわざ俺が前衛に立つ必要がないってのが一番の理由である。いやアイツら本当に凄いんだって。地面えぐったり地形変えたり焦土にしたりは当たり前なんだから。マジで。
「とりあえず音が漏れない様にしたから、普通に話していいぞ。このカードなら……まぁ十分がいいとこだがな」
「……お姉ちゃんから話は聞いてたが、お前って実は凄い奴なのか?」
「アホ吐かせ。この程度なら学院生は誰でも出来る」
「いや、確か書記魔法ってあらかじめ文書に込めた魔力で効果が上下するから、全て均等な魔力量でないと結界は維持できないだろ」
 魔力を別に保存しておき、術者の魔力に負担を掛けずに済むのも書記魔法の特徴だ。反面、作成後に魔力量を調整する事が出来ないので、複数枚を同時に使用する場合の運用が難しいというデメリットもある。
 現在構成している消音の結界にしても、カードに充填した魔力が均等・一定でなければ結界が崩壊してしまい、カード自体が消滅する事もある。故に、書記魔法使いは用途に応じて魔力量ごとにカードを分別するか、全て均一にして互換性を持たせるかのどちらかを選ぶものだ。ちなみに俺は基本的には後者である。【憤怒】や【怠惰】などの特殊な物を除き、どのカードを起点にしても連鎖(コンボ)を行えるよう調節している。
「魔力量を均等にするって事は、ミリ単位の誤差も許されない、機械の様な精密さが必要な筈だが……まぁいいか。テメェの技量には一切興味がねぇ。本題に移ろう」
「人の安眠を妨害してまで頼み事しようとしてる奴の台詞じゃねぇ!」
 なんなのコイツこんな夜中に喧嘩売りに来たの? 今なら高価買取期間中だよ?
「昼間、あたしが一人で行動してた事を覚えてるか?」
「ああ。神社でへばってたな」
「あれな。実は、伏神山を攻略しようとして失敗してたんだ」
「うん。ごめん、一から説明頼む」
 伏神山を攻略とかちょっと何言ってるか分かりませんね。あれかな、現実と仮想の区別もつかないRPG廃人の末路がこれって事かな。俺はこうならないよう気を付けよう。ゲームは一日一時間が基本だね。
「いや、この山が霊山で一般の立ち入り規制してるのは分かるが、あの警戒は正直、異常すぎるぞ。魔界人のあたしもドン引きだ」
「俺が上伏にいた頃はそんな事はなかった筈だが、具体的にどう異常だった?」
「簡潔に言うなら辺り一帯すべてが結界の地雷原。たぶん、伏神の中でもごく僅かな人間しか歩き方を知らないだろうってくらい密集してる。あれは侵入者や脱走者を殺す為の配置だと思った」
「それマジ? 俺の知らない間に上伏も物騒になったもんだ……。いつからここは世紀末になったんだか」

170タタリ@仕事なう 3/3:2014/12/13(土) 15:32:00 ID:7jPJxPCY0
 とは言うものの、だいたいの見当は付いてる。この場合、何を以て「侵入者」や「脱走者」とするのかが問題だが、現状の伏神の情勢を鑑みればすぐに解答は見えてこようと言うもの。
 上伏は伏神の領地である。市井は伏神の決定には逆らえないし、霊山立ち入れば祟られると教育されてる者が面白半分に立ち入る事はない。……いや、ごめん、あるわ。
 幼少期や少年期の一時期、その手の度胸試しが流行った事がある。子供ながらの怖いもの知らずによるものだが、爺ちゃんや親父にこっぴどく叱られた事を思い出した。主犯の俺は特に厳重に。
「で、お前はどうしたいんだ? というか改めて聞くが、俺に何をさせたいんだ?」
「もちろん、攻略のサポートをして欲しい。あれは明らかに──あたし達を敵視している。理由は反乱防止と、幽閉の為ってところか」
「十中八九そうだろうな。伏神が山の一部を開放してるってだけでも充分に異常事態なのに、きな臭いとは思ってたんだ」
 さて、朝霞の趣旨は理解した。理解した上で再三述べるなら、だからなんだ、である。
 見も知らず、特に仲の良い訳でもない──というか最大の天敵である──柳瀬川朝霞ちゃんの同胞の為とか言われたって、素直に従う理由も義理もあるまい。夕霧さんにでも頼めよ。
「そもそもお前、考えが足らなすぎるだろ。俺だって伏神の血族なんだぞ。探られてるなんて伏神に密告されたらどうするつもりなんだ。兄さんと夕霧さんが築いてきた物をお前のワガママで潰すつもりかよ」
「お前が本当に心底から伏神の人間なら、そんな忠告はしねぇだろ。あたしが起こしに来た時点で人を呼んでる。だからあたしの事情を話そうと思ったんだよ」
「どんな博打屋だよ。一か八かってレベルじゃねーぞ。勝率低すぎる賭けだろそれ」
「でも、勝った。ならあたしはそれでいい。さあ手伝え」
「すいませんね柳瀬川さん、朝一でいっぺん死んでくれませんかね」
 眠いっつってんのに隠密登山とか本当に勘弁してくれ。付き合う動機なんてないんだってば。
 仮に付き合うとしても、俺に出来る事なんてたかが知れてる。地雷の設置場所どころか存在そのものを今知ったのだ。探知しながら歩ける様ならいいが、曲がりなりにも伏神は陰陽師の名家だぞ。やってみない事には何とも言えんが、俺みたいな一介の学生が攻略できるならお前も最初から苦労せんだろう。
「頼めるなら地雷を無力化していきながら里まで行きたいんだが、最悪、あたしの前を歩いてくれるだけでいいからさ」
「本当に最悪すぎるだろ!」
 俺に死ねと!?

171数を持たない奇数頁:2014/12/13(土) 15:32:52 ID:7jPJxPCY0
攻略の流れまでいけなかった…無念

172数を持たない奇数頁:2014/12/13(土) 17:57:23 ID:7jPJxPCY0
次はどあにんかと思ったが、そういやしばらくパスって話だったっけか
じゃあ次は西口?

173数を持たない奇数頁:2014/12/13(土) 18:56:05 ID:TE3619920
タタリンおっつ

どうしようここから

174数を持たない奇数頁:2014/12/13(土) 18:58:59 ID:TE3619920
思いつかねえからクロガネ書くか

175数を持たない奇数頁:2014/12/13(土) 20:18:22 ID:3zm5GINc0
三馬鹿が地雷原攻略する話にしてもいいのよ?

176数を持たない奇数頁:2014/12/13(土) 20:19:22 ID:TE3619920
俺じゃああいつらを扱いきれない

177数を持たない奇数頁:2014/12/13(土) 20:33:39 ID:3zm5GINc0
実はこの夜会話イベントは、先に三馬鹿が邸内に侵入してるのをソウジが見つけて少し話をする
その後、部屋に戻ったら朝霞がいて登山計画の話をする
あれ、じゃあ地雷原を抜けてきた三馬鹿って実は何げに凄くない?ってソウジが考える流れにするつもりだったが、俺には書けなかった…

178数を持たない奇数頁:2014/12/13(土) 21:20:31 ID:htF7xwgI0
たたりん乙
これはそろそろソウジ死ぬな
新主人公の設定でも考えておこう

179数を持たない奇数頁:2014/12/13(土) 21:29:10 ID:TE3619920
また新キャラ出てきたんですが

180数を持たない奇数頁:2014/12/13(土) 22:08:04 ID:cTqyg5Vw0
たたりんおっつおっつ。
暇な時にでもwikiに纏めようかなぁ。そろそろ文庫本1冊くらいにはなってそう

181数を持たない奇数頁:2014/12/13(土) 22:22:53 ID:3zm5GINc0
ドネルクラル編で一巻
実家編(仮)で二巻でいいじゃないか

182数を持たない奇数頁:2014/12/13(土) 22:25:54 ID:/icVoA760
朝霞とエロ本の辺りまでで大体65000文字辺りだから、多分丁度今くらいで一冊になると思う

183数を持たない奇数頁:2014/12/13(土) 22:28:50 ID:TE3619920
自分なりの文章にアレンジしてドネルクラル編を書くのも楽しいかもな

184数を持たない奇数頁:2014/12/13(土) 22:32:16 ID:cTqyg5Vw0
(おっ、連鎖版の競作か?)

185数を持たない奇数頁:2014/12/14(日) 23:16:03 ID:I3VhgwF60
そういや結界の地雷原はどことどこを隔てるんですかね?

186数を持たない奇数頁:2014/12/14(日) 23:20:20 ID:glWR7u1.0
あ、ごめん、そのへん書いてなかったね
伏神の家周辺以外の山全部のイメージだった(一般人は立ち入れないので問題はない)
特に魔界人の集落周辺は特に厳重

187数を持たない奇数頁:2014/12/15(月) 14:41:04 ID:bBEsXoXg0
ちょっとみじかいけど、早くKの人の話が見たいという個人的な欲望と
未読本を積みすぎたという個人的な事情によって投下を敢行する(今から投下するとは言ってない)

6時ごろにやるわ

188数を持たない奇数頁:2014/12/15(月) 15:35:23 ID:fIV6ghss0
相変わらずはええなwwwwwwww
wktk

189数を持たない奇数頁:2014/12/15(月) 20:07:43 ID:bBEsXoXg0
6時ごろ(大嘘)
投下しますな

1901/2:2014/12/15(月) 20:08:19 ID:bBEsXoXg0
リリリ、リリリ、と静寂を侵すでもなく、寧ろ彩るような虫の声に聞き入るかのように、彼女は眼を閉じ、身動ぎもしない。
艶めく黒曜石の如き黒い髪。どこか陶磁器めいた無機質さを湛えた白い肌。
総身を包む瀟洒なドレスから覗く手足は、彼女の名前を象徴するかのように昏く、鈍い輝きを放っている。
半機人の少女――クロガネは一人、深夜の伏神山でひっそりと、静寂の渦中にいた。
「……これは、少々予想外の事態ですね」
誰にともなく、クロガネは呟いた。
周囲に人影はない。
だが彼女の言葉は夜闇の漆黒に溶ける事無く、「彼」の耳朶を打っていた。
「全面的に同意だヨ、01《ゼロワン》。いやはや、まさかこんな東の辺境に《竜》がいるとは。それも1や2では利かないほど。
 対策室の情報収集能力というのも、存外当てにならない。これでは作った意味がない」
電子的な通信手段によるものではない。それは紛れもなく肉声だった。
クロガネ以外の何物もいないはずのだというのに、「彼」の声は真実、周囲の大気を震わせていた。
「結果論的な物言いになってしまいますが、やはり貴方についてきて頂いて正解でした、室長」
「もうセンセイとは呼んでくれないのかい? おじさんは寂しいヨ」
おどけた調子で言う「彼」にクロガネは心底面倒そうにため息を吐いた。
あからさまにうんざりとした表情を浮かべる彼女を見たら、ソウジなどの普段のクロガネを知っている人間は驚くことだろう。
楽しそう、というわけではないが、今の彼女は驚くほどに喜怒哀楽に富んでいた。
恐らく彼女自身も自覚しているわけではないのだろう、その仕草はこの上なく自然であった。
「阿呆なことを言っていないで、早急に対象の護衛に向かってください。私は《竜》を追います。
 下手をすれば、貴重な《龍憑》のサンプルが失われる事態になりかねませんからね」
「サンプル、か。無機質な呼び方だね。お前もすっかりウチの連中と似てきてしまった」
「……室長」
「ああ、ああ、分かったヨ。怒らないでおくれ。はあ、若者に酷使されるのも老人の宿命かな」
肩を竦めているのであろう事がはっきりと分かるような声音で言い、「彼」はクロガネのそばを離れる。
周囲には、誰もいない。当然、誰かが走り去る音もなどするはずもない。
だというのに、鬱蒼と茂る樹木の間から降り注ぐ月光は、確かに「それ」を浮き彫りにしていた。
起伏に富んだ山肌を難なく駆ける影を。
疾走する影「だけ」を。
「さて、01ご執心の男の子か。ここはセンセイとして、しっかりと見極めなければね」
心の底から楽しそうに、「彼」は笑う。
人の形を失いながらも、一つの執念と、己の内で蠢く竜の力のみで存在を維持する異形。
人間でも、魔人でも、天使でも、機械でも、幽霊でもない第六の存在。
第六世界対策室長にして、悠久の時を生きる《竜憑》。
ズールー・イングリッド・エンド――ジ・エンドはまるで人間の

1912/2:2014/12/15(月) 20:09:09 ID:bBEsXoXg0
「彼」が去り、真に一人となったクロガネは依然として眼を閉じている。
比喩ではなく、瞼の裏に映し出される光景をただぼう、と眺めていた。
先日、伏神ソウジに渡した指輪から送られてくる彼の生体情報が、そこには所狭しと表示されている。
プライバシーを考慮して、映像・音声の類は送られてきてはいないが、彼の体内全てをリアルタイムでモニタリングしているので
少なくとも今どういう状態なのか、何をしているのかは完全に分かってしまう。
ソウジはこの事実を知らないのだ。
故に、クロガネはなんだか悪いことをしているような気分になるが、これもソウジの安全のためだと己に言い聞かせる。
これで彼が、いわゆる思春期の男性によくある「アレ」でもしていたら、その罪悪感も一入だったろうが、幸いにも今の所はそのような情報は送信されてきてはいない。
そういった類の現象に嫌悪感やいらぬ羞恥心を抱かないのだから、半分とはいえ機械の体というのは便利な物だ。
いつもは少々疎ましく感じることもあるが、今日ばかりは感謝しなければ。
網膜に映る情報は、ソウジが未だ深い眠りについていることを示している。
ジ・エンドも向かったことだし、今ばかりはいいだろうと、クロガネは瞼を開けた。
伏神山。腐っても霊地と呼ばれるだけの事はあり、青白い月光に照らされるそこは、どこか神聖な静謐が満ちている。
その光景を美しいと思えないのは、自分の半分が機械だからだ。
その様な言い訳は通用しないということを、彼女は知っていた。
機械人にも、芸術家はいる。詩人はいる。作家はいる。コメディアンだっている。
だからこの心の冷たさは、自分自身の問題なのだろう。
鈍く輝く己の腕を撫ぜると、指先のセンサーがその冷たく、つるりとした触感を生体脳に伝達する。
本当にそれが冷たいという感覚なのだろうか。
稼動年数10年。「調整」に要した時間を含めれば、生誕14年。自我が目覚めて以来抱いてきたその不安は、今尚褪せる事無く彼女の胸にあり続ける。
彼女はずっと、人間に憧れ続けてきた。
国際的な定義での「人間」ではない。生身の体と、感情などという非合理なタスクを保有する機・霊界以外全ての世界に存在する生物。
それになりたいと、ずっと、ずっと思い続けていた。
過去形だ。恐らくこの先ずっと、彼女の些細にして見果てぬ夢は、膨大な過去の底に埋もれたままだろう。
学園に編入し、自分と対策室員、研究者を除く人間に接したとき、彼女は悟った。
人であるのは、自分にはあまりにも荷が重過ぎると。
「普通」の人間に比べて、自分の心はあまりにも無味乾燥で、ズレていて、機械的だった。
何となく同じように振舞えるだけで、喜怒哀楽を理解できていない存在が名乗るには、人間というものはあまりにも重過ぎる。
こんな両腕では、支えきれないほどに。
「……仕事もせずに何をやっているんでしょう、私は」
クロガネは軽く息を吐くと、その思考をすぐに外へと追いやった。
いっそ完全な機械ならば、こんな感傷に浸る事もなくなるのだろうか。……いや、より一層人への渇望が強くなるだけだろう。
クロガネはまるで踊るような足取りで――結界をかわすためだ――その場を去る。
まぎれもない「人間」が一人、そこにはいたが、それに気付いているモノが果たして存在したろうか。
変わらぬ調子で鳴き続ける虫々の声が、真夏の夜空に音高く響いた。

192数を持たない奇数頁:2014/12/15(月) 20:10:14 ID:bBEsXoXg0
以上、短いね

あと一個目の最後間違えた

×ズールー・イングリッド・エンド――ジ・エンドはまるで人間の
◎ズールー・イングリッド・エンド――ジ・エンドはまるで人間のように、くつくつと。

193数を持たない奇数頁:2014/12/15(月) 20:23:04 ID:VaxfmItE0
西口おっつおっつ。
年末に向けて忙しい時期だから、ちょいと遅れるかも分からんが年内にはどうにかするわ

194数を持たない奇数頁:2014/12/15(月) 20:25:20 ID:wARm7Ds60
大丈夫、18時128分だ(彼真顔)

西口おっつおっつ
そして「竜は一体二体ではない」という辺りが俺の考えてる展開とマッチしててシンクロ二シティ

195数を持たない奇数頁:2014/12/15(月) 20:33:23 ID:bBEsXoXg0
今更だけど学校いってたら竜に殺されかけて、里帰りしたらそれと似たようなのがうじゃうじゃいるとかソウジくんハードすぎるな

196数を持たない奇数頁:2014/12/15(月) 20:37:04 ID:wARm7Ds60
よくあるよくある

197数を持たない奇数頁:2014/12/16(火) 10:28:08 ID:Es3piGSc0
旅行や観光の先々で死体に出くわす小学生グループを思うと全然序の口ですよ

198数を持たない奇数頁:2014/12/16(火) 18:34:34 ID:dy3bx9tY0
俺の番で大きく動かすべきか、無難に遠投するかで区切る場所が変わってきそうだなぁ

199数を持たない奇数頁:2014/12/16(火) 18:53:04 ID:p80IZB5g0
一応、それぞれの動きを俺の偏見主観で纏めると、
ソウジ&朝霞→夜のスニーキングミッション(未定)
劔&夕霧→明日から革命起こすわ(確定)
三馬鹿→真夏の夜のエロ本探索
伏神家→革命に気付いてないっぽい?

ってところじゃないかな

200数を持たない奇数頁:2014/12/16(火) 18:58:41 ID:dy3bx9tY0
とりあえず(時間的な意味で)夜の登山中。
兄夫婦と三馬鹿と伏神家の動向にはあまり触れない感じかなぁ

201数を持たない奇数頁:2014/12/16(火) 18:58:54 ID:1d/yIvTk0
ポケモンオメガルビー、一応殿堂入りしたぁ

あぁ^〜カガハルええんじゃ^〜
カガリに詰め寄られるハルカ想像すればメシは何杯でもいける

202数を持たない奇数頁:2014/12/16(火) 18:59:12 ID:1d/yIvTk0
ごめん、スレ間違えました

203数を持たない奇数頁:2014/12/16(火) 19:29:38 ID:z9VSx6K60
俺はKの人のがっつり長文が読みたい(人間の屑)

204数を持たない奇数頁:2014/12/16(火) 19:54:12 ID:5bCIopAo0
カガハルだと思うじゃん?
デルタやったらたまげるで

205数を持たない奇数頁:2014/12/16(火) 20:03:32 ID:1d/yIvTk0
別にいいよ
どっちにしろ二次創作でイラスト描くんで

206数を持たない奇数頁:2014/12/16(火) 20:15:55 ID:1d/yIvTk0
しかし最近のポケモンは変に重苦しいな
XYやったことないけど重いらしいし
半分読み飛ばしてるわ

207数を持たない奇数頁:2014/12/16(火) 20:21:30 ID:z9VSx6K60
たぶんソウジくんとエクリエルは論者

208数を持たない奇数頁:2014/12/16(火) 20:22:45 ID:1d/yIvTk0
ヤウジとヤクリエルですなwwwwwwww

209数を持たない奇数頁:2014/12/16(火) 20:27:31 ID:dy3bx9tY0
>>206
XYは過去の戦争で云々、ポケモンの生体エネルギーを使った兵器云々ってのが関わってたりする
敵方の目的は「この世界の幸福は上手く分配されてないから、生存者を選んで再配分する」って感じだったか
BW辺りからストーリーが重くなったような気がするなぁ……

210数を持たない奇数頁:2014/12/16(火) 20:40:59 ID:z9VSx6K60
「アドライグ」を「ウェールズの赤き龍」っていうととってもかっこいい

211数を持たない奇数頁:2014/12/16(火) 20:48:15 ID:1d/yIvTk0
>>209
まぁ元々、初代の頃から重い話はあったけど、BWからその上にクドい演出が入ってきて、俺はなんか嫌になったわ
特にBWは散々引き伸ばした挙句勝手に終わった感あって、2やる気起きんかったから買ってない、XYも同じ動機で買ってない
オメルビもミツル戦までにモチベ保てずに惰性で戦ったわ正直

グラードンイベが頂点であと惰性

個人的な感想でごめんね

212数を持たない奇数頁:2014/12/16(火) 20:52:55 ID:dy3bx9tY0
個人的に何が不満かって、リメイク前では波乗り入手時点で入手できた冷ビ(捨てられ船にて入手可能)が入手できなくなってた事だな
開始前「普段通りキモクナーイ。草四倍? 冷ビ拾えるから楽勝っしょwww」
開始後「冷ビ拾えないじゃないですかー! やだー! ……レベルをあげて物理で殴るか」
とかそんな感じだったわ

とりあえず競作に関しては今8kb。
朝霞がどれだけ伏神家の情報知ってるかで変わってくるんだよなぁ。主に設定との兼ね合いを利用した無茶苦茶理論で


新着レスの表示


名前: E-mail(省略可)

※書き込む際の注意事項はこちら

※画像アップローダーはこちら

(画像を表示できるのは「画像リンクのサムネイル表示」がオンの掲示板に限ります)

掲示板管理者へ連絡 無料レンタル掲示板