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それは連鎖する物語Season2 ♯2

162数を持たない奇数頁:2014/12/01(月) 00:44:23 ID:K4xcidQs0
 邸内の杉林の奥、離にひっそりと佇む茶室に、無数の灯りが微かに揺れる。薄暗い茶室の中には、昏い眼光とか細い息遣いが潜んでいた。

 その一つがため息を吐くように発す。
「まさかあれが帰ってくるとはのぉ」

 他の一つが口の中を汚く鳴らす。
「あれを呼んだは劔のようじゃ。まだあれに情があったか……」

 また他の一つが鼻息で灯を崩す。
「それよりまさかあの柳瀬川の娘を娶るとは……。なんぞ企みがあると見た……」

 そのまた他の一つが音もなく笑う。
「然り……柳瀬川にあれ、時が時だけに臭いよる……」

 それのまた他の一つが歯を擦る。
「それならようやっとあれに使い道が生まれたのぅ。あれも駒に成れる日がくるか……」

 それらは一同に灯りと共に身体を揺らし、浮かぶ顔に数多のしわを刻んだ。
「そりゃあええ……そりゃあええ……」


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