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それは連鎖する物語Season2 ♯2
158
:
数を持たない奇数頁
:2014/12/01(月) 00:27:02 ID:K4xcidQs0
邸内の杉林の奥、離にひっそりと佇む茶室に、無数の灯りが微かに揺れる。薄暗い茶室の中には、昏い眼光とか細い息遣いが潜んでいた。
その一つがため息を吐くように発す。
「まさかあれが帰ってくるとはのぉ」
他の一つが口の中を汚く鳴らす。
「あれを呼んだは劔のようじゃ。まだあれに情があったか……」
また他の一つが鼻息で灯を崩す。
「それよりまさかあの朝霞の娘を娶るとは……。なんぞ企みがあると見た……」
そのまた他の一つが音もなく笑う。
「然り……朝霞にあれ、時が時だけに臭いよる……」
それのまた他の一つが歯を擦る。
「それならようやっとあれに使い道が生まれたのぅ。あれも駒に成れる日がくるか……」
それらは一同に灯りと共に身体を揺らし、浮かぶ顔に数多のしわを刻んだ。
「そりゃあええ……そりゃあええ……」
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