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それは連鎖する物語Season2 ♯2
116
:
どあにん
:2014/11/04(火) 06:32:37 ID:J5/sM53A0
「見苦しい所を見せたな、聡治」
「あー……うん、いいよ気にしなくて……」
はだけた衣装を直しながら今更威厳たっぷりに言っても遅いよ爺ちゃん、とそっと呟いた。
第一に筋骨隆々の老人がソウジの足元でゴロゴロと転がりまわるカオス過ぎる光景を見た劔や朝霞に夕霞も苦笑いしていた。
伏神一族は変人一族だと思われそうで怖い。
「ま……何はともあれ、お祖父様もお元気d」
「お前には話しておらん、黙っておれ」
何故か楯一郎は劔に対して厳しいと言うより嫌ってるようなフシがある。
息子を未だ溺愛する姑の如き嫌われっぷり、短く笑う劔だったけどその眼には微かな涙。
そして夕霞と朝霞の冷ややかな眼が劔に追い打ちをかける、その眼はあぁやっぱり変人一族だ、と無言の罵倒。
夕霞さんの表情が"なんでこんな奴と結婚しちまったんだろ、今から離婚届出そうかな"みたいな顔をしている。
ソウジは内心"やめてくれマジで"と叫び続けた、そんな事になったら余計劔が楯一郎にあーだこーだ言われそうだからだ。
「うむ、長旅で疲れたろう 上がっていけ。 夕霞さんにその妹さんもな」
背を向けて一人家の中へ入っていったのを皮切りに、女中達が本来やるべき仕事へと戻っていくのを脇目に、劔と夕霞さんは歓談しながら、朝霞は面倒くさそうなしながら家の中へ入っていった。
ソウジはと言うと荷物を置く為に自分が使っていた部屋に行こうとした際、楯一郎がソウジの名前を連呼しながら跳ねるような音が聞こえたので、ソウジはそっと聞こえないフリをした。
部屋に荷物を置いて面倒くさそうに必要最低限身支度を整える、ソウジにとって最も嫌いな時間である御意見役の老人達への報告があるからだ。
最終決定権は楯一郎にあるものの、近頃は暴走が目に余ると劔から言われていた上に楯一郎を決定を待たずして執行する事が多くなってきたからだ。
幼い頃からずっと御意見役の老害に嫌われていたソウジ、唇を軽く噛み締めてから力無く歩き始めた。
◇
一方その頃。
「俺のセンサーがビンビンに感じてるぜ!多分あっちだ!」
「言っとくけど、股間にぶら下がってる粗末なモンの事指してるならブン殴るからな!」
「ま、待って……おいてかないで……」
三馬鹿はジョエルの無駄に元気な一声を元に道なき道を行っていた。
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