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それは連鎖する物語Season2 ♯2

170タタリ@仕事なう 3/3:2014/12/13(土) 15:32:00 ID:7jPJxPCY0
 とは言うものの、だいたいの見当は付いてる。この場合、何を以て「侵入者」や「脱走者」とするのかが問題だが、現状の伏神の情勢を鑑みればすぐに解答は見えてこようと言うもの。
 上伏は伏神の領地である。市井は伏神の決定には逆らえないし、霊山立ち入れば祟られると教育されてる者が面白半分に立ち入る事はない。……いや、ごめん、あるわ。
 幼少期や少年期の一時期、その手の度胸試しが流行った事がある。子供ながらの怖いもの知らずによるものだが、爺ちゃんや親父にこっぴどく叱られた事を思い出した。主犯の俺は特に厳重に。
「で、お前はどうしたいんだ? というか改めて聞くが、俺に何をさせたいんだ?」
「もちろん、攻略のサポートをして欲しい。あれは明らかに──あたし達を敵視している。理由は反乱防止と、幽閉の為ってところか」
「十中八九そうだろうな。伏神が山の一部を開放してるってだけでも充分に異常事態なのに、きな臭いとは思ってたんだ」
 さて、朝霞の趣旨は理解した。理解した上で再三述べるなら、だからなんだ、である。
 見も知らず、特に仲の良い訳でもない──というか最大の天敵である──柳瀬川朝霞ちゃんの同胞の為とか言われたって、素直に従う理由も義理もあるまい。夕霧さんにでも頼めよ。
「そもそもお前、考えが足らなすぎるだろ。俺だって伏神の血族なんだぞ。探られてるなんて伏神に密告されたらどうするつもりなんだ。兄さんと夕霧さんが築いてきた物をお前のワガママで潰すつもりかよ」
「お前が本当に心底から伏神の人間なら、そんな忠告はしねぇだろ。あたしが起こしに来た時点で人を呼んでる。だからあたしの事情を話そうと思ったんだよ」
「どんな博打屋だよ。一か八かってレベルじゃねーぞ。勝率低すぎる賭けだろそれ」
「でも、勝った。ならあたしはそれでいい。さあ手伝え」
「すいませんね柳瀬川さん、朝一でいっぺん死んでくれませんかね」
 眠いっつってんのに隠密登山とか本当に勘弁してくれ。付き合う動機なんてないんだってば。
 仮に付き合うとしても、俺に出来る事なんてたかが知れてる。地雷の設置場所どころか存在そのものを今知ったのだ。探知しながら歩ける様ならいいが、曲がりなりにも伏神は陰陽師の名家だぞ。やってみない事には何とも言えんが、俺みたいな一介の学生が攻略できるならお前も最初から苦労せんだろう。
「頼めるなら地雷を無力化していきながら里まで行きたいんだが、最悪、あたしの前を歩いてくれるだけでいいからさ」
「本当に最悪すぎるだろ!」
 俺に死ねと!?


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