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「ぼっち社員」の増加は集団意思決定への警鐘か? 似た者同士の寄り合いが組織をダメにする理由
――処方箋⑱「違う考えのヤツ」を面白がることから組織変革が始まる
【第18回】 2013年3月27日
渡部 幹 [早稲田大学 日米研究機構 主任研究員/客員准教授]
2013年3月27日(水)10:20
■仲がいい集団を見るとキモチ悪い?
「ぼっち」を自覚する若者が増加
昨年、私がある大学で受け持った社会調査の授業で、簡単なアンケートを自分で作成して分析するような課題を出したことがあった。
数十名の学生がレポートを提出してきたが、そのうちの1人が行った分析の結果が興味深かった。彼は自分と同じ大学の学生70名ほどにアンケート調査を行い、「ぼっち」現象について尋ねた。
「ぼっち」は一人ぼっちの略で、大学でもサークルやクラスで仲間と行動を共にするよりも、1人でいる方が多いような人を指す。友達が少なくコミュニケーションが苦手で、極端な場合には、皆が集まる食堂などで昼食をとるのが嫌で、トイレの個室で食事をとる「便所飯」なる行動を取る者もいる。
その学生のレポートはそんな「ぼっち」についての意識調査であった。調査の結果を見ると、自分のことを「ぼっち」と思っている学生は70%近くにも上っていた。さらに、そのうち半数以上は「ぼっち」であることの方が「楽」だと考えていることがわかった。
そして、「皆で仲良くしている集団を見るとどう思うか」という設問については、「ぼっち」に相当する人の90%が「気持ち悪い」と回答していた。
このような結果を述べたのは、先日ある企業の人事部の方と話していたときに、「明らかに『ぼっち社員』が増えている」という指摘があったからである。そして、そういう社員は、特に反抗的ではないものの、決して自分から友人を増やしたり、仲間に加わったりするするような行動をしない。
そういう人物が稀にしかいない場合ならば、それほど問題にはならない。しかし、最近の新入社員は4〜5人に1人がそんなタイプだそうだ。そうなると、グループでプロジェクトを進める場合、グループ全体の士気が上がらない、頑張りどきに一丸となることが難しくなるなどの問題が出ているという。(続く)
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「ぼっち社員」の増加は集団意思決定への警鐘か? 似た者同士の寄り合いが組織をダメにする理由
――処方箋⑱「違う考えのヤツ」を面白がることから組織変革が始まる
【第18回】 2013年3月27日
渡部 幹 [早稲田大学 日米研究機構 主任研究員/客員准教授]
■仲がいい集団を見るとキモチ悪い?
(続き)その人事の方は、「今の若いものは……」という言い方で、世代の違いを理由だと考えていた。特に、ゆとり教育が集団での協調性を育たなくしたのではないかと述べていた。
たぶん、そうではないと私は考えている。
自分を「ぼっち」と思う人が多いのは、実は今に始まったことではない。アメリカでの社会調査でも、自分が他の人よりも孤立していると感じている人は、一貫して多い。それは、社会ネットワーク理論によって説明されている。
今、人気者のAさんがいたとしよう。AさんはBさん、Cさん、Dさん、Eさん、Fさん、Hさんと仲が良く、分け隔てなく付き合い、必ず誰かとつるんでいる。一方、Aさん以外の人たちは、それぞれ特に知り合いではない状況だとしよう。このような状況のときに冒頭に挙げたアンケートをとると、7人中、Aさん以外の6人は「自分は友達が1人しかいない」と感じ、自分は「ぼっち」だと思うだろう。
つまり、友人のネットワークが誰かに集中しているような場合、残りの大多数は自分のことを「ぼっち」と思うようなネットワーク構造になっているのである。大学や職場にいわゆる「リア充」と呼ばれる友人の多い人物が稀にいると、その周囲は必然的に「ぼっち」と感じやすくなるのだ。ネットワークが誰かに集中しているような不均一な状態ほど、この状況は起きやすい。
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「ぼっち社員」の増加は集団意思決定への警鐘か? 似た者同士の寄り合いが組織をダメにする理由
――処方箋⑱「違う考えのヤツ」を面白がることから組織変革が始まる
【第18回】 2013年3月27日
渡部 幹 [早稲田大学 日米研究機構 主任研究員/客員准教授]
■集団になると独自の考えを出しにくい
「隠れたプロフィール実験」が語る事実
したがって、「ぼっち」と感じている人が多いという現象自体はあまり不思議なことではない。それよりも不思議なのは、集団を「気持ち悪い」と感じ、「ぼっち」の方が居心地がよいと思う心理である。前述のような職場の問題を引き起こす一番の問題は、この心理だからだ。
この現象について、社会心理学に面白い実験がある。ステイサーらが行った「隠れたプロフィール実験」というものだ。
これは、3人の学生に集団で、ある容疑者を有罪にするかどうか討論させるという実験だ。その容疑者については、有罪になる証拠Aが4つ、無罪になる証拠Bが7つある。証拠の重要度が皆同じならば、全体を勘案すると無罪になるべき状況だ。ステイサーは、容疑者のシナリオや証拠の種類をうまく練り上げ、ほぼ同じ重要度を持つ証拠群をつくって実験を行った。
ところが、この実験での情報の与え方には仕掛けがあった。有罪証拠の4つは予め3人全員に与えられていた一方で、無罪証拠の7つは1人に3つずつ与えられていた。つまり、個人の中では有罪証拠4つ、無罪証拠3つで、有罪になりやすい状況をつくったのだ。
集団で意思決定を行うならば、各人が独自に持っている無罪証拠が提出され、全体を見て無罪の決定が行われやすいはずである。しかし、結果は全く違っていた。個人のとき以上に、集団になると有罪決定ばかりが行われるようになったのだ。
ステイサーらは、これらの決定を行う際の会話を分析した。そこでわかったのは、人々が自分の持つ独自の情報よりも皆が共有している情報の方を話題に載せやすかったことだった。そのため、有罪情報の方によりウエイトがかかり、有罪決定が出やすくなったのだ。
このことは、人が集まると共有している考え方の方ばかりを口にし、自分独自の考えを出しにくくなることを意味している。そしてそのような「皆が同じ考え」の集団で固まってしまうことにより、ますますこの傾向が強くなってしまう。
その結果、その集団と違う考え方の人間はアクセスできなくなってしまう。その極端な例がカルト集団だ。カルト集団内では同じ価値観が共有されているが、部外者から見ると気味の悪い集団に思えてしまうことが多い。
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「ぼっち社員」の増加は集団意思決定への警鐘か? 似た者同士の寄り合いが組織をダメにする理由
――処方箋⑱「違う考えのヤツ」を面白がることから組織変革が始まる
【第18回】 2013年3月27日
渡部 幹 [早稲田大学 日米研究機構 主任研究員/客員准教授]
■同じ考え方を共有することは
良い効果と悪い効果をもたらす
「ぼっち」の人々が、集団を「気持ち悪い」と感じるのは、「同じような考え持った人々だけで集団をつくるようになった」からだと私は思っている。
そしてこの傾向は、良い効果と悪い効果を招く。良い効果としては、ヴィジョナリー・カンパニーという考え方に代表されるように、ある種の価値観を共有することで、組織を強固にしていくといった例が挙げられる。
GEやザッポスなどの会社は、独自のヴィジョンや文化を社員に浸透させることで、業績を上げてきた。このように、ある考え方の共有は良い結果ももたらす。
しかし、その効果はオウム真理教のテロ活動のようなものの温床ともなってしまう。あるいは、オリンパスの不正会計事件のように、長年誰もが知っていた問題を隠ぺいするような体質が組織に備わってしまうことにもなる。
隠れたプロフィール実験が示した、諸刃の剣の効果をどうやってマネージするかは、今後経営者や管理職にとって重要な問題となるだろう。なぜなら、労働力の流動性が高まっている今は、「同じ考えのもとで集団をつくる」ことが割と容易になっているからだ。
ネット上でも、自分のお気に入りの情報をくれるサイトのみを回り、そのようなコミュニティのみに入り浸って、それ以外の考えを全く受け入れないようになれば、ヴァーチャルなカルト集団ができ上がる。私には、実際にそういうことが多く起こっているように思える。
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「ぼっち社員」の増加は集団意思決定への警鐘か? 似た者同士の寄り合いが組織をダメにする理由
――処方箋⑱「違う考えのヤツ」を面白がることから組織変革が始まる
【第18回】 2013年3月27日
渡部 幹 [早稲田大学 日米研究機構 主任研究員/客員准教授]
■強固な集団をつくりつつも
異質な考えを排除せずに面白がれ
考え方の共有がもたらす負の効果をなくすには、「同じ考えを持つ者同士で強固な集団をつくりつつ、異質な考えを排除しないで、面白がる」という規範が必要である。実際、イノベーションはそのような「異質の考え」から起こることが多い。
このように強固でありながら、柔軟な組織をつくるためにはどうしたらいいか、学問的にも十分にはわかっていない。ただ、経験的に言えることは、少なくとも組織のリーダーには、同一の価値観のもとに部下をまとめ上げる能力と、異質な考えを持つ者を排除しない能力という、一見矛盾する能力を併せ持つ必要があるということだ。
本田宗一郎、松下幸之助、盛田昭夫など、日本の高度成長期を支えた経営者は、そうした能力を持っていたと思われる。翻って、今の日本ではどうだろうか。同じ考えを共有するだけの集団になっていないだろうか。異質なものを排除する規範ができてしまい、リーダーもそれに従うようになっているのではないだろうか。
「ぼっち」のアンケートが示しているのは、現在の若者の特殊な心理ではない。日本の集団が持つイノベーション力の低下という問題の底にある、問題提起なのである。
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「ぼっち社員」の増加は集団意思決定への警鐘か? 似た者同士の寄り合いが組織をダメにする理由
――処方箋⑱「違う考えのヤツ」を面白がることから組織変革が始まる
【第18回】 2013年3月27日
渡部 幹 [早稲田大学 日米研究機構 主任研究員/客員准教授] (>>2-6)
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「企業の採用難」というのは本当?
「就職難」だけではない採用の実態
【第34回】 2012年5月24日
徳永英子 [リクルート ワークス研究所 研究員]
「就職が厳しい」「就職氷河期はいつ終わるのか」
このような声が、聞かれない日はない。その一方、企業側からは「採用が厳しい」との声が上がる。
どちらかというと買い手市場であり、企業有利と思われているのだが、実は企業側は採用難であるという現実もあるのだ。
何故か。ワークス研究所では、2011年4月入社者についての、採用計画(予定)数、内定総数(延べ人数)、採用(実績)数や、内定出しの開始および終了時期等についての調査を行った。この調査結果で、採用の厳しさが垣間見られたのだが、その理由について、探っていきたい。
■予定通りにいっていない
「採用」の実態
新卒者を何人採用するかの予定数を「100」とした場合(図表1)、内定をどのくらい出したかを示す内定総数は104.8と、予定数よりも多く内定を出していることがわかり、特に、従業員規模が大きい企業ほど内定を多く出している。また、どれだけ採用したかの採用数は82.6と、100を下回っていることがわかる。
つまり、採用予定より多く内定を出しているにもかかわらず、予定通りに採用できていない実態が明らかとなったのである。
より多くの内定を出しているにもかかわらず、採り切れていない状況の背景には何があるのか。企業から、「応募者の数が少ない」「応募者はある程度いるが、基準に合う者が少ない」などの声が聞かれるが、「内定式後に、辞退を申し出られた」など、内定辞退の問題についての声も決して少なくない。そこで、「内定辞退」がどのような状況になっているか、見てみよう。
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「企業の採用難」というのは本当?
「就職難」だけではない採用の実態
【第34回】 2012年5月24日
徳永英子 [リクルート ワークス研究所 研究員]
■「内定辞退」の実態はいかに
大企業で多い傾向がある
内定辞退者がいたかどうかを聞いたところ、3割以上の企業で内定辞退者がいたと回答した。(図表2)特に、1000人以上企業では、約8割におよんでいる。
たとえ、内定辞退者がいたとしても、採用活動期間内であれば、追加の内定を出すことも可能である。しかし、内定辞退者がいた企業のうち、採用が終了した後に内定辞退者がいたと回答した企業は46.7%と、半数近くにおよんでいるのである。特に、1000人以上企業では、6割以上である。(図表3)
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「企業の採用難」というのは本当?
「就職難」だけではない採用の実態
【第34回】 2012年5月24日
徳永英子 [リクルート ワークス研究所 研究員]
■「内定辞退者あり」すなわち
「採用できていない企業」なのか
では、図表2の調査で「内定辞退者がいた」と答えた企業は、計画通りに採用ができていない企業なのかというと、そういう企業ばかりではない。筆者が行った研究から、この状況を解説しよう。
まず内定辞退者の有無で大きく分類し、図表1で示したように、採用予定数を「100」とした場合の、内定総数および採用数を見てみよう。(図表4)
ここで分かるのは、内定辞退者がいない企業では、内定辞退者がいた企業よりも、予定通りに採用できているということである。内定辞退者がいる企業は、予定に対してより多くの内定を出していながら、採用できていない状況が顕著となっている。
データを注意深く分析すると、「内定辞退者がいた企業」のなかで、企業規模別に、その後の採用活動の継続の正否に大きな差が見られる。
内定辞退者がいた企業のうち、結果的に採用が予定通りできている企業とできていない企業(※)の割合は、できている企業41.2%、できていない企業58.8%と、できていない企業の方が多い。(図表5)とりわけ従業員5〜49人企業では、できていない企業が7割である。
※採用できている企業=採用予定数に対して、同じかそれ以上を採用している企業
採用できていない企業=採用予定数に対して、予定数を下回る企業(予定数未満)
予定通り採用できなかった事情については(図表6)、採用の門戸は開けていたものの、結果的に「予定数に満たなかった」が6割強。その一方で、約3割の企業では、「採用をあきらめて途中で止めた」り、中途採用など「他の手段で補った」としている。特に、5〜49人企業では、半数におよんでいるのである。
この背景の一因として、応募者の数が影響していると考えられる。採用基準に合う応募者の数について聞いたところ、「採用できている企業」では、6割以上の企業が「数の面でも十分に集まった」と回答しているが、「できていない企業」では、「数の面でも十分に集まった」のは4割で、約6割が「数は少なかった」と回答している。
採用意欲がありながら、採用をあきらめて中止したり、他で採用したりしているということは、言い替えれば、“採用の座席が失われた”と同義である。
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「企業の採用難」というのは本当?
「就職難」だけではない採用の実態
【第34回】 2012年5月24日
徳永英子 [リクルート ワークス研究所 研究員]
■内定辞退がいると
採用活動期間は長くなる?
内定辞退者がいたため、採用数を満たすべく採用活動を続けた企業のなかで、「採用の門戸を開けていた企業が、結果的に予定数に満たなかった」ということは、採用期間が長くなっている可能性も考えられる。
そこで、「採用期間」を内定出しの開始から終了までの期間として、見てみよう。
内定出しの開始から終了までの1社当たりの期間の平均は、採用できている企業で2.77カ月、「できていない企業」は2.15カ月と、「できている企業」の方が長いのだが、最も長い期間採用活動を行なった企業は、できていない企業であった。
また、従業員規模別に見ると、1000人未満企業では、「できていない企業」の方が短いのだが、これは、途中であきらめたり、他の手段で補ったりしていることからだろう。
一方1000人以上企業では、「できている企業」は3.45ヵ月に対して、「できていない企業」は3.54ヵ月と、「できていない企業」の方が長くなっている。
以上のことからまとめると、内定辞退者の有無により、
○内定辞退者がいない企業では、採用予定通りに内定を出し、採用できている。
○内定辞退者がいた企業では、採用予定よりも多くの内定を出しているにもかかわらず、予定通りに採用できている。
内定辞退者がいた企業でも、
○採用できている企業では、採用基準に合う応募者が数の面でも十分に集まっている。
○採用できていない企業では、採用基準に合う応募者がいたとしても、数が少ない。従業員規模が大きい企業ほど、採用できるまで採用を行っているため、期間が長くなっている可能性もあるが、規模が小さい企業ほど、採用を途中であきらめたり、他で補充したりとしているため、期間は短くなっている。
企業において「内定辞退問題」が決して小さなことではなく、採用に影響を与える一因でもあることをご理解いただけたのではないだろうか。しかし、「内定辞退をすることが悪い」ということを、言いたいのではないこともご理解いただきたい。
学生の就職活動は、「有名≒知っている企業≒大手企業」から活動をし始め、中小企業へと目を向けるといった、時期とともに幅を広げる構図が想像される。企業の採用活動の開始が、緩やかに大手企業から始まるので、上記のような構図になると思われる。
就業経験がない学生にとっては、大手企業よりも知名度の低い中小企業について知るには、ある程度の時間を要するだろう。学生には、少しでも多くの人たちに相談などをして、様々な企業を知って欲しい。時間の余裕が比較的ある時期に、色々な人、たとえば先輩やOB・OGから話を聞いたり、もちろん家族に相談したりしても良いだろう。
また、インターンシップを活用するのも良いと思うが、これは学生側から働きかけるのは難しい面もあろう。企業側に検討をお願いしたいのは、中小企業を含めて、比較的長めなインターンシップを実施してはどうだろうか。企業を認知してもらえる機会や企業理解を高めることができる場になり得るなど、プラス面も多いはずである。また、学生においては、キャリア教育の観点でプラスとなろう。
本連載第33回の「大卒求人倍率でみる2013年卒の就職動向 」の中で、就職を希望する学生が、中堅企業へ目を向けていることを書いているが、学生には規模にとらわれず、本質的な企業研究を行い、就職活動を行っていただきたいと願う。
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引きこもりの社会復帰を阻んでいるのは誰か
「エントリーシート」と「ハローワーク」の高い壁
【第56回】 2011年2月17日
池上正樹 [ジャーナリスト]
■外に出るきっかけを
天変地異に求めてしまうほどの孤独
真っ暗な部屋の中で、テレビのブラウン管からは、「たったいま、飛行機が墜落した模様です」などと、キャスターの上ずった声の映像が流れてくる。
2001年9月11日。アメリカ同時多発テロ事件の第一報を伝えるニュースだ。
30代の高木明雄さん(仮名)は、当時、都内のアパートで1人暮らし。その日の夜10時過ぎ、何気なく報道番組を見ていて、突然、CNNのニュースが流れ始めたときのシーンを鮮明に覚えている。しかし、その前後の記憶が、なぜかない。
テレビでは、当初の事故報道から、現地駐在ジャーナリストが「テロの情報が入った」と伝え、2機目がビルに衝突。そして、ビルの崩壊へと延々と続いていく。そんな映像を、高木さんはただ茫然と眺めていた。
「自分の関係のないところで、歴史がつくられているなあ」
時代が動いている傍らで、引きこもってテレビを見ている自分がいる。高木さんには当時、この大きな事件が、まるで映画のように感じられた。
「あの頃は、自分からはどうにも動くことができなくて。自然災害などの外の要因をどこかで待っていました。アパートが火事になればいいのに…とか」
天変地異があれば、外に出られるような気がしていた。
「失われた10年」が続く中で、21世紀に入り、世の中がテロなどのぼんやりした社会不安へと向かっていく。そんな時代のどこかに展望を見いだせそうだった一方で、それらも自分につながる話には思えなかった。
その頃の高木さんは、誰とも関わりを持っていなかったからだ。
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引きこもりの社会復帰を阻んでいるのは誰か
「エントリーシート」と「ハローワーク」の高い壁
【第56回】 2011年2月17日
池上正樹 [ジャーナリスト]
■「うつ」へと追い込んだ
多忙な日々と超就職氷河期
高木さんが最初に体調を崩したのは、ちょうど9・11事件の起こった2001年、大学を卒業する直前頃のことだ。そんな状態のときに、超就職氷河期も重なり、就職活動が思うように行かなかったのがきっかけとなり、引きこもるようになったという。
学生時代は大変だった。都内にある大学のゼミに入ると、いろいろな役目が自分に回されてきて、それらを「できます」といって、すべて引き受けていた。しかも、新たな役目が次々にできてしまう。
多数の学生たちのなかでうまく立ち回れず、押し切られてしまったのだ。平均睡眠時間は1日2時間。そんな多忙な状態が、2年ほど続いた。
こうして業務がひと区切り終わると、3日間、70時間くらい寝続けた。目覚めたとき、「あれ、曜日がおかしいな…」と思った。
アパートのポストには、新聞がたくさん溜まっている。週明けだと思っていたのに、天気は週末の予定を伝えていた。
休むつもりはなかった。ただ、身体中が重たくて、痛かった。
近くのクリニックの内科に診てもらったが、何も悪いところはない。そんなだるさを抱えたまま、就職活動をした。
企業が、学生を事前にふるいにかけるための「エントリーシート」を導入するなど、採用試験が複雑になりつつあった時代。高木さんは、エントリーシートを書く過程で行う「自己分析」を前にして、「自分には何もない」「アピールすることなどない」と感じたという。
高木さんは、就職面接の会話のやりとりを覚えていられなかった。エントリーシートの文章も、2〜3行書くのに1日中かかる。スケジュールもバッティングして、思うような活動ができなかった。
就職活動につまずいた高木さんは、進路を大学院への進学に切り換えた。そして、大学院の受験には失敗したものの、ある研究室から「まだ進路が決まっていないのなら、うちの研究室で受け入れます」という連絡があった。
そこで、きちんと身体を治しておこうと思い、初めて精神科の病院に行ってみた。すると「うつ」と診断され、通院を開始する。しかし、薬を飲んでも、状態はなかなか良くならなかった。
結局、高木さんは進学をあきらめざるを得なくなり、地方の実家に戻ることになる。その間、様々な精神科で受診したものの、状況は一向に改善しなかった。
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引きこもりの社会復帰を阻んでいるのは誰か
「エントリーシート」と「ハローワーク」の高い壁
【第56回】 2011年2月17日
池上正樹 [ジャーナリスト]
■引きこもりからの脱出を導いた
ある医師との出会い
4〜5年くらいは、地元のクリニックにだけ通っていた。ずっと家には居づらいので、夕方近く、図書館には出かけた。
とくに図書館へ行く目的があったわけではない。他に行くところがなく、本の背表紙を見ているだけで、何となく落ち着いた。
朝、起きたときからずっと考えて、何時間でも過ごすクセがあった。ぷらぷらと散歩したりもしたが、散歩しようと思うまでに時間がかかった。
頭の中では行こうと思っているのに、身体が動かない。「もう夕方だから、行かなければ…」という感じだ。
そんなとき、現在通っている病院の精神科を紹介された。
「君はうつ病の薬を飲んでも良くならない。強迫性の傾向が強いから、そちらの薬を飲んでみよう」
医師からいわれた薬に変えたところ、「こんな感じに頭がスッキリするのか」と思うくらい、見違えるように変わった。朝、起きたときからずっと考えて過ごす傾向も、減ったように思える。
いまの病院でのカウンセリングや、当事者の集まる集団認知行動療法なども、社会性を養うのに役立っているようだという。精神科や心療内科などで診てもらっても、そこに必ずしも「引きこもり」のメカニズムに精通した医師がいるとは限らない。
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引きこもりの社会復帰を阻んでいるのは誰か
「エントリーシート」と「ハローワーク」の高い壁
【第56回】 2011年2月17日
池上正樹 [ジャーナリスト]
■ひょんなことから新聞配達のバイトとパソコン講師に
社会復帰は“行きあたりばったり”がいい
高木さんは、1年くらい前から、新聞配達のバイトの仕事を続けている。
始めるきっかけは、ひょんなことだ。前任者の配達人が病気で亡くなった。そこで、新聞配達の専売所の人が「誰かできる人はいないか?」と探していると、たまたま知り合いだった高木さんの家族が「うちに何もしていないのがいるから、配達できる」と話を進めてしまったのだという。
高木さんは、新聞配達の専売所からの電話で「仕事があるんだけど、明日からやらないか?」と誘われて、「私、できます」と答えてしまった。あっというまに雇用が決まった感じだ。
このように、高木さんは自ら動き出したわけではない。ただ、彼の動き出せるところが、たまたま社会とマッチングしたのだろう。高木さんも、「とくに抵抗感はなかった」と話す。
新聞を配る先は、地方の数十軒という限られたエリアで、朝刊のみ。最初は1時間くらいかかったが、いまは30分ほどで仕事をこなせるようになった。
ピンポイントで「やってくれないか?」と役割を求められ、最初は時間を気にせずに、少しずつ覚えていけるような仕事であれば、社会につながっていくことができるのかもしれない。
高木さんは半年ほど前から、朝の新聞配達に加え、パソコン教室でも、平日の朝から夕方頃まで、講師として働き続けている。
これもまた、教室に通っている人から「誰か講師はいないか?」と紹介され、巡りめぐって回ってきた仕事だ。電話で「パソコン教室を見に行かない?」といわれ、見学に行ったら、「明日から来て!」といわれた。
かつて、ハローワークへ行くと、「あなたみたいな経歴では就職なんてできませんよ」と説教された。それからは、求人票をみても「自分にできることは何も無い」「志望動機なんてない」と思い、行かなくなったという。
「主体性がないんです。仕事に就けたのも、動き出さなければという、それなりのドクターからのプレッシャーがあって、始めただけかもしれません。治療の結果を出さなければ、と思ったんです」
ハローワークへ行くのも、「エントリーシート」のような履歴書を書くのも敷居が高い。「そこで、自分がダメになる」と、高木さんはいう。
「ピンポイントで吊りあげる方法があると動き出しやすいのではないでしょうか。なかなか自らは動けないし、ピンポイントでも動けない人は、まだそういう状態ではないのかもしれません」
とりあえず、きっかけがあればそれに乗っかってみる。わけがわからなくても働いてみる。そして、ちょうどいいくらいに疲れているほうがいい。
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引きこもりの社会復帰を阻んでいるのは誰か
「エントリーシート」と「ハローワーク」の高い壁
【第56回】 2011年2月17日
池上正樹 [ジャーナリスト]
■「1人立ち」するためには
自己分析もハローワークの説教も必要ない
「まだ身体が慣れていない。体力的にも精神的にも、もっと余裕ができたらいいなと思う」
そうこぼす高木さんだが、生活はだいぶ様変わりして、家でゴロゴロすることもなくなったという。
ただ、生活設計ができるほどの余裕はない。いつまでパソコン教室が続くのかもわからず、「行きあたりばったりの人生だ」と高木さんはいう。
一度レールを外れると、ハードルが高くて、レールに戻りにくい社会。そんな中で、時代から置き去りにされ、孤立した状況から「1人立ち」を模索する人たちに、「エントリーシートのための自己分析」も「ハローワークの説教」も、何の意味があるのだろう。
発売中の拙著『ドキュメント ひきこもり〜「長期化」と「高年齢化」の実態〜』(宝島社新書)では、このように、いまの日本という国が、膨大な数の「引きこもり」を輩出し続ける根源的な問いを追い求め、当事者や家族らの語る“壮絶な現場”をリポートしています。ぜひご一読ください。
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「企業の採用難」というのは本当?
「就職難」だけではない採用の実態
【第34回】 2012年5月24日
徳永英子 [リクルート ワークス研究所 研究員](>>8-11)
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引きこもりの社会復帰を阻んでいるのは誰か
「エントリーシート」と「ハローワーク」の高い壁
【第56回】 2011年2月17日
池上正樹 [ジャーナリスト](>>12-16)
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新卒学生を中小企業へ“橋渡し”
ハローワーク「大学常設」の功罪
【第183回】 2012年6月18日
週刊ダイヤモンド編集部
6月12日、政府は深刻化する若年層の就業状況をてこ入れしようと、「若者雇用戦略」を決定した。その目玉政策として据えられたのが、ハローワークを大学に常設させるというもの。大企業志向の強い新卒学生を中小企業へ“橋渡し”することで、就職内定率の底上げを狙っている。はたして、持続的な効果は得られるのか。
新卒学生がハローワークで就活する時代になった。ジョブサポーターは、学生一人ひとりの就活状況、悩みを書き留め、カルテのように情報を蓄積する(写真は東京電機大学理工学部キャンパス)
埼玉県にある東京電機大学理工学部キャンパス。校舎入り口の最も目立つ場所に、ハローワークの専用出張室が設けられている。
週に2度、「ジョブサポーター」と呼ばれる専門相談員がハローワークから赴き、就職活動をする学生の個別指導を行っている。ジョブサポーターには、民間企業の人事部出身者やキャリアカウンセリングの有資格者が多い。
6月初旬、生命理工学を専攻する4年生の矢島信人さん(仮名)が、相談に訪れていた。10社ほどは面接のステップへ進んだが、まだ内定は得られていない。
「面接では、取り繕うことをせずにありのままの自分を見せればいい、とアドバイスをいただいて、気持ちが楽になった」という。「ハローワークに悪いイメージはない。求人情報を紹介してもらって、希望の営業職に就きたい」。
角田剛紀・東京電機大学主事は「リーマンショック以前ならば、ホンダ系部品メーカーが一気に10人を採用してくれた。もはやそんな奇特な企業はない」と嘆く。大学にとって、学生の就職内定率の高低は入学者数の増減に直結する。大学運営の生命線なのだ。
埼玉労働局では、2010年4月から全国に先駆けて、傘下のハローワークと大学との協業を実践してきた。最初は、「一所一大学制」と銘打ち、ハローワーク1所につき、綿密な連携が得られる管内の1大学を選んで集中支援を行った。出張相談だけでなく、学生情報(学生の学部、専攻、自己評価、希望職種などを一覧にした情報)を労働局ホームページに張りつけて、中小企業が欲しい人材をリクエストできるようにした。「学生一人ひとりに対して、継続的に個別支援をしている。地道な作業の積み重ねに尽きる」(小野寺徳子・埼玉労働局職業安定部長)という。
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新卒学生を中小企業へ“橋渡し”
ハローワーク「大学常設」の功罪
【第183回】 2012年6月18日
週刊ダイヤモンド編集部
■フリーター“撲滅”目指し
新卒者の就活を集中支援
12年3月の大学卒業者数は55万人と高止まりしているが、内定者数は35.6万人。大企業を希望する学生は依然として多いが、非常に狭き門となっている。
「今の大学生の就職活動は、1990年代の高校生のそれと同じレベル。でも、高校教師のように大学就職課は手取り足取り面倒を見てくれない。そこに、ハローワークの役割がある」と、廣瀬誠人・ハローワーク新宿所長は説く。
政府が示した若者雇用戦略の最大の目的は、「フリーターをつくらないこと」にある。2000年前後に就職活動期を迎えた氷河期世代の中には、大企業への就職がかなわず、フリーターなどの非正規社員となった者は少なくない。日本の大企業は「新卒一括採用」を続けていることもあり、正社員のレールからはずれて非正規社員となると、正社員へ這い上がるのは至難の業だ。40歳超えの氷河期フリーターを増殖させてしまったゆえんである。
無策が事態を悪化させた教訓から、「卒業する3月までに(場合によっては4月以降も)、正社員として送り込む」政策を打ち出した。それが、新卒者向けの集中支援だ。10年秋より、全国の労働局に新卒応援ハローワークを設置するとともに、直接アドバイスを行うジョブサポーターを約2300人に増員した。
主として、二つの効果が期待できる。一つ目は、大企業志向の強い学生と、採用意欲はあるものの慢性的な人手不足に悩む中小企業をマッチングできること。従業員5000人以上の大企業の有効求人倍率は0.6倍だが、従業員300人未満の中小企業のそれは3.27倍。このミスマッチを解消できれば効果は絶大だ。
二つ目は、4年生の活動後半戦まできっちりと支援ができることだ。10月になると、大学3年生の就職活動が本格化するので、大学就職課では4年生の支援にまで手が回らない。そうした“手薄”になったところは、ハローワークからの要員が中心となって面倒を見る。すでに、今年1〜3月中の内定率を4.1%押し上げる効果があった(グラフ(1)参照)。
これらに投じた費用は、12年度予算では約87億円である。その期間中にジョブサポーターが就職させた内定者数(既卒者と新卒者の合計)は約16.3万人。「1人当たり約5.3万円のコストで就職させており、投資効率がよい」(久知良俊二・厚生労働省若年者雇用対策室長)と胸を張る。
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新卒学生を中小企業へ“橋渡し”
ハローワーク「大学常設」の功罪
【第183回】 2012年6月18日
週刊ダイヤモンド編集部
■ハローワークは対症療法
ミスマッチ解消は一時的
今年度はさらに連携を強化させる。出張相談よりも一歩進んだハローワークの大学常設も検討する。「ハローワークの常設窓口を最終的には500程度の大学に設置することを目指す」。5月中旬、一部報道で想定外の数字が躍った。
だが、「当初、常設は30大学程度で検討していたが、(記事で大きな数字が出てしまったことを鑑みて)80大学程度へ上方修正する方向」(厚労省幹部)というのが実際のところで、必ずしも、学生・大学のニーズに基づいて常設の動きが出てきたわけではない。
すでに出張相談は632キャンパス(大学の重複を含む)で実施しており、出張ベースでも十分に対応できる。「ハローワークの通常業務に支障が出ては困る」(厚労省幹部)という慎重な意見も根強い。
「ただでさえ、ジョブサポーターの能力にはバラツキがある。常設にするなら、彼らの“品質”を一定水準まで高めるほうが先決だ」(高田茂・敬愛大学キャリアセンター長)と、運営上の視点から常設に異を唱える大学関係者もいる。
「実は、ハローワーク常設を積極的に進めたのは、それを所管する厚労省ではなく、文部科学省のほうだ」と若者雇用戦略策定に関わったあるメンバーは漏らす。近年、文科省の就職関連予算は削られる方向にある。例えば、10年の事業仕分けで廃止判定となり、実際に予算も途切れた「大学生の就業力育成支援事業」がそうだ。これは簡単に言えば、5カ年計画で大学生の職業意識を高めるためのカリキュラムを構築する事業。1人当たり約5.3万円で就職させられる、といった短期的で可視化できる効果は、確かに見えにくい。
一方で、厚労省予算で行う就職集中支援事業は、今期も巨額の予算枠を獲得できる見込みだ。常設の規模次第では、さらなる上積みさえ期待できる。文科省が常設に躍起なのは、「就職関連予算を厚労省から引っ張り、結果的に大学の就職内定率を守りたいから」(人材会社幹部)とみる向きもある。
職にあぶれた大学生を中小企業へ誘導する。現時点で、全国ベースの豊富な求人情報を持つハローワークが、その誘導役に適していることは確かだ。だが、やがて大企業と中小企業間のミスマッチが解消されれば、就職内定率の底上げにも限界はくる。加えて、中小企業へ押し込まれた若者の“歩留まり”がいいとも限らない。「大卒・大学院卒の学生が思い描いたキャリアと入社後のキャリアには、大きな質のミスマッチがある(グラフ(2)参照)」(山田久・日本総合研究所調査部部長)。
そもそも、ハローワークによる誘導によって一時的にミスマッチを解消したところで、それは対症療法にすぎず、労働市場のゆがみを解決したことにはならない。漫然と大企業を希望するのではなく、しっかりとした職業観を基に企業を選択できる学生を育てることが先決だ。
(「週刊ダイヤモンド」編集部 浅島亮子)
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新卒学生を中小企業へ“橋渡し”
ハローワーク「大学常設」の功罪
【第183回】 2012年6月18日
週刊ダイヤモンド編集部(>>19-21)
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求人が増えても就職できない!?
ハローワークに集まる“怪しいお仕事”の実態
【第145回】 2013年3月28日
池上正樹 [ジャーナリスト]
近年、働き盛りの人たちが「引きこもり」状態に陥る事態の背景には、リストラや体調不良、親の介護などで仕事を辞めざるを得ないことや、社会復帰しようとしてもなかなか仕事に就くことのできない、雇用制度の不備も大きく影響している。
そんな35歳以上の人たちの実態は、『「未来が見えない!」35歳以上「無職・独身者」のリアル』という特集記事として『週刊SPA!』(4月2日号)にも取り上げられるまでになった。
今年1月の有効求人倍率は0.85倍で、3ヵ月続けて上昇し、求人も増えるなど、このところ改善しつつあるといわれる日本の雇用情勢。ところが、「実態は悪化しているのに、それが数字には反映されていない」と、ハローワークの利用者は言う。
仕事は本当にあるのだろうか。確かに、全国のハローワークで受理された求人件数は3月26日現在、88万4019件にも上る。
ハローワークインターネットの求人情報を検索してみると、求人数は40歳のフルタイムで47万1028件。50歳でも43万6613件もあり、仕事は溢れているように見える。
厚労省によると、2011年度の求人数は、815万7140人。しかし、実際、同年度中に就職できた人は219万810人で、わずか26.9%に過ぎないことがわかった。つまり、これだけの求人数がありながら、4分の1程度しか雇用につながっていないことになる。
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求人が増えても就職できない!?
ハローワークに集まる“怪しいお仕事”の実態
【第145回】 2013年3月28日
池上正樹 [ジャーナリスト]
■200社中面接にこぎつけたのは5社
元教員男性が語る“カラ求人”の内実
「実際に、求人は出しても採用しない“カラ求人”の企業が多いんですよ」
こう話すのは、本格的にハローワークで仕事を探し始めてから2年半の間に、200社以上応募し続けてきたという50歳代前半の元学校教員のAさん。
「ハローワークの中に求人開拓員という人がいて、開拓はしているそうなんです。地元の企業を回って“無料だから出してください”って。まったく採用する気がないのに、融資や助成金目的で出す場合もあるそうですし、単に、有力者に頼まれたから仕方なく出すということも結構あるようです。よほどいい人材が来れば採用するけど、あまりそういう人はいない。だから、1ヵ月ごとに求人が更新され続けるという、ずっと開店休業のような状態なんです」
こうしたハローワークの実態は、身近な問題でもあるにもかかわらず、これまであまり触れられることはなかった。
有効求人倍率だけでなく、失業率などの数字についても、一定のものに保とうとする力がどこかで働いて、現場の実態が数字に反映されていないのではないか。日本の雇用の状況は悪化しているのに、その深刻さがそれほど数字に出ないような仕組みになっているのではないか。
実際、Aさんがこれまでハローワーク経由で応募して、面接までこぎつけたのは、わずか5社。「50歳を過ぎて、人脈もない営業未経験者は本当に厳しい」という。
Aさんは、学校に勤務した後、心が壊れて、1年ほど空白期間があったという。
その後、大手企業などを渡り歩いた後、最終的に勤めていた会社は、人件費削減の流れの中で辞めざるを得なくなった。
ハローワークで仕事を探しているいまは何の手当てもなく、200万円ほどの貯蓄を少しずつ食いつぶしている状況だという。
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求人が増えても就職できない!?
ハローワークに集まる“怪しいお仕事”の実態
【第145回】 2013年3月28日
池上正樹 [ジャーナリスト]
■「仕事なんていくらでもある」はウソ!?
求人に忍び込む“ブラック企業”
Aさんが3月9日、都内のハローワークで「東京及びその近隣」の求人を調べたところ、1週間以内に受理された求人は、50歳でもパートを含めて2万832件(フルのみ1万2215件)。1ヵ月以内に受理された求人は、7万1418件(フルのみ4万1733件)あった。
「仕事を選ばなければ、仕事なんていくらでもあるではないか」
時々、読者の方からも、そんな声が寄せられてくる。
しかし、Aさんはこう言う。
「じゃあ仕事を選ばなければ雇ってもらえるのかというと、そうともいえない。例えば、介護職の人材が足りないと言われていますが、採用側も人を選んでいるんです。たとえヘルパーの資格を取っても、中年男性の需要はないと言われています」
求人情報の仕事の内容にも、目を向ける必要がある。
求人の中には“ブラック企業”も少なくないという。
「例えば、 “保険会社の調査員 中高年も歓迎”と書いてあったので応募してみたんです。すると、交通事故の現地へ調査に行き、警察や当事者に話を聞いて、分厚い事故調査レポートを書く仕事が交通費込みで1万円という歩合制でした。宅配弁当などの配達でも、自分の車を使う安い賃金の求人がある。最近こうした、信じられない金額で個人事業主として委託契約を結ぶような仕事が多いんです」
民主党政権は、「最低賃金1000円」をうたっていたが、最低時給600円台から上がるどころか、最近は「個人事業主の契約にして、実質時給300円台」だと、Aさんは説明する。しかも、「車も保険も自己負担」と言われるなど、どんどん追いつめられているという。
「応募した中には、“経営コンサルタント 中高年歓迎”という求人がありました。すると、“HPを見てくれ”と言われたので見てみると、別のHPがあるんです。それをクリックしたら、経営コンサルタント部門もあるのですが、仕事の内容は、お金を貸す怪しい感じの金融業。取り立てをやらされるのかなと思いました。経営コンサルタントなら、日本政策公庫から融資が出る。法的にも微妙な感じがしました。いろいろと怪しい仕事が多いですよね」
Aさんは、こうしたハローワークでの経験をきっかけに、どのように求人を載せているのか、どれくらいの人数が採用されているのか、求人の実態に疑問を抱いた。
それでも、妻からは「会社員になってほしい」と言われ続けているため、怪しい企業にも応募してきたという。
「ハローワークでは違う業務で募集が行われていて、実態は振り込め詐欺だったという違法行為の求人もあるようですよ。ハローワーク側でも、つかめないんでしょうね」
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求人が増えても就職できない!?
ハローワークに集まる“怪しいお仕事”の実態
【第145回】 2013年3月28日
池上正樹 [ジャーナリスト]
■厚労省も把握できていない
“カラ求人”の全容
いったい、求人を出した企業は、実際にどれくらい採用しているのだろうか。
ハローワークを管轄している厚労省の職業安定局に確認してみると、
「なかなか埋まらない求人もあるので、全体を通して集計していない」
という。つまり、採用が決まるまでの求人の充足期間という基準は、設けにくいということらしい。
また、“カラ求人”などの求人の実態についても「把握できていない」という。
それでは、求人で募集している仕事内容が違う、あるいは、違法行為であることがわかった場合、どうなるのか。
「そういうことがわかった場合、適宜、ハローワークから指導が行きます」
さらに、“指導”というのは、どういうものなのか?悪質な場合、罰則が伴うのか?と突っ込んで聞いていると、他の担当者が出てきて、こう答えた。
「ハローワークとしては、労働条件と違う求人票を記載されるのは、非常に問題がある。実際に働く内容で申し込みするようにと指導し、必要に応じて求人内容を訂正することになります」
万一、申し込まれた求人の仕事内容が法令に違反している場合は、「紹介保留」の措置がとられる。
何ヵ月経っても採用しようとしない企業の情報が確認できた場合には、求人者の求める人材をきちんと確認したうえで、それに見合った人を紹介するように努めているという。
「ハローワークでは、未充足求人のフォローアップを行っていて、何が原因なのか、分析したうえで対応することになります」
それにしても、企業にとって、採用につながらない求人を出し続けることに、どんなメリットがあるのか。この担当者は、「何か助成金がもらえるということはない」と否定したうえで、こう付け加えた。
「ハローワークに求人を出すということは、人を採用したいからで、それ以外の何ものでもないと思う。応募する側のほうの問題もあるかもしれません」
2011年度の新規求人数のうち実際に就職が成立した「充足率」は、26.9%。今年1月の実数をみても17.6%と、採用した会社は4〜5社に1社の割合という状況が続いている。にもかかわらず、厚労省としては、求人を出す企業側というより応募する個人の側の問題と認識しているようだ。
このように「まともな雇用がない」という状況に加え、賃金などの雇用条件も悪化していると、Aさんは指摘する。
「国がデータ入力作業などの仕事をたくさん出しているのに、特定の大企業や団体に発注されている。国が中高年向けの仕事を発注するようなシステムができるといい。入札案件も山ほどありますが、中高年には仕事が回ってきません。十分利益を上げているような企業が持って行ってしまうのです」
Aさんは、「このままでは、ますます生活保護が増える」と危惧する。そこで、今後、地方自治体の「シルバー人材センター」の中高年版ともいえる「中高年人材センター」を民間で立ち上げる準備を進めていて、一緒に協力してくれる人を探している。
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求人が増えても就職できない!?
ハローワークに集まる“怪しいお仕事”の実態
【第145回】 2013年3月28日
池上正樹 [ジャーナリスト](>>23-26)
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手足を切るような”大リストラ”が始まる 城繁幸氏と考える「日本に依存しないキャリア」(上)
(東洋経済)2013年2月2日(土)14:20
http://toyokeizai.net/articles/-/12745?page=2
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解雇は当たり前、ニッポン雇用の修羅場
http://toyokeizai.net/articles/-/11748
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「ド派手な自殺対策広告」の話題- いまトピ 20,832トレンド
2013年03月28日(木)14:19 (編集:いまトピ編集部 http://twitter.com/ima_topics)
三宮駅の広告に賛否両論
goo画像検索
地下鉄三ノ宮駅ホームに神戸市が設置した自殺対策の広告が物議を醸している。ありがちな悩みを羅列しており、皆同じ思いをしていると思わせる反面、悩みを助長するのではないかなど様々な感想が集まっている。
賛否両論? 神戸・三宮駅にド派手な自殺対策広告 | あなたの健康百科 by メディカルトリビューン
http://kenko100.jp/news/13/03/27/01
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「頭痛薬の真相」の話題- いまトピ 32,808トレンド
2013年3月29日(金) 21時42分 (編集:いまトピ編集部)
勘違いしがちな頭痛薬の真相
http://www.biranger.jp/archives/66435
これで痛み解消できる!勘違いしがちな「頭痛薬」の真相4つ
2013/03/29 13:00 by 高木沙織 | ライフスタイル
頭が痛いと物事に集中できなくなったり、余裕がなくなって周囲に気配りができなくなったり、テンションが上がらなかったりと、いいことはありませんよね。それなのに、「頭痛薬は飲みたくない」と痛みを我慢する人は実はとても多いんです。
今回は、薬の服用を敬遠している人に知ってもらいたい、頭痛薬の正しい知識についてお話ししていきます。
■1:我慢するほど効きづらくなる
頭痛薬は飲むタイミングが大切。本格的に痛みだしてから頭痛薬を服用しても、痛みの原因物質が体内に増殖してしまい効果が出にくくなることもあります。その結果、服用回数が増えるなんてことも……。
そうならないためにも、痛みが酷くなる前に頭痛薬を服用しましょう。用法用量を守って服用すれば、頭痛薬が効きづらくなることはないそうですよ。
■2:1か月に10回以上は飲まないように
頭痛薬を必要以上に連用すると、痛みに対して敏感になり薬物乱用頭痛を引き起こす可能性があります。1カ月に10回以上頭痛薬を服用するようであれば、自己判断をやめて病院の診察を受けるようにしましょう。
■3:胃に優しいタイプの頭痛薬を選ぶ
頭痛薬の種類によっては胃を荒らす成分が入っているものもありますが、最近では胃粘膜を保護して、胃が荒れるのを防いでくれるものも市販されています。
だからといって空腹時の服用は胃を荒らす原因になりますので、何か食べた後に水か白湯で服用するようにしましょう。
■4:鎮静成分が入っていなければ眠くならない
鎮静成分が含まれた頭痛薬を服用した場合、眠くなる可能性があります。仕事中だったり運転したりする予定があるので眠くなったら困るという人は、鎮静成分が入っていないものを選びましょう。
日本人の4人に1人は頭痛持ちだというのに、頭痛と上手に付き合えていない人が多いのが事実です。頭痛が治れば気分も晴れてアクティブに過ごせるので、頭痛薬を飲むのは抵抗があるという人は、薬に対する考え方を改めてみるのもいいのではないでしょうか。
【薬シリーズ】
※ 危険だから絶対にやめて!薬と食べ物のNG組み合わせ8つhttp://www.biranger.jp/archives/46099
※ 緊急事態でも他人に薬を飲ませるのはNG?意外と知らない法律違反http://www.biranger.jp/archives/43545
※ ホイットニー・ヒューストンの死因…危険な「薬×酒」事例集http://www.biranger.jp/archives/32485
※ ベストはどれ?覚えておきたい「風邪薬を選ぶコツ」6つhttp://www.biranger.jp/archives/24699
※ えっ!アメリカでは●●が女性の常備薬ってホント?http://www.biranger.jp/archives/7552
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小学生より勉強しない日本の大学生 1日に授業を含めたった3.5時間!
(東洋経済)2013年3月30日(土)08:20
国内350人に対して、海外1100人(パナソニック)。国内500人に対して、海外950人(ファーストリテイリング)。これは、2013年度の新卒採用の人数だ。
日本の大学生はいま、海外の大学生と職を奪い合う状況におかれている。そんな中、ついに大学教育のあり方そのものが問われ始めた。あまりに勉強しない日本の大学生に対して、海外の大学生は4年間みっちりと知的能力を鍛えられており、日本の大学生の不利が徐々に明らかになってきているからだ。
日本の大学生は本当にそれほど勉強していないのだろうか? リクルートで全国採用担当者を務めた後、様々な角度から就活にかかわり、大学教育と就職活動のねじれを直す活動を著書『なぜ日本の大学生は、世界でいちばん勉強しないのか?』にまとめた筆者が、「勉強しない大学生」の実態をレポートする。
「海外の大学生は、優秀だ」――これが25年間ずっと企業の採用活動にかかわってきた私の、偽らざる本音です。カドが立つので大っぴらに言う人は少ないですが、多くの採用担当者も同じ気持ちだと思います。
ここで言う「優秀」とは、海外の大学生が、
・すでにある知識を組み合わせて新しいことを生み出す力
・問題を分解・分析して解決策を導く力
・さまざまな新しい情報を既知の知識と組み合わせて状況判断する力
に秀でていることです。正確に言えば、こういった能力をみっちりと鍛えられている。これは、激変する昨今のビジネス環境の中で仕事をするうえで、最も必要な力です。「知的能力の本質的な部分」と言ってもいいでしょう。この点で、海外の大学生は日本の大学生よりも優れているのです。
続きは 東洋経済オンライン で
http://toyokeizai.net/articles/-/13446?page=2
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三宮駅を神戸三宮駅に 阪急・阪神、神戸の中心アピール
(朝日新聞)[PR]2013年4月30日16時29分
阪急電鉄と阪神電鉄は30日、それぞれが神戸市中央区に設置している「三宮」駅を、いずれも「神戸三宮」駅に変更すると発表した。阪急は、他3駅の名前も変更する。また、両社とも駅名変更にあわせ、駅に番号をつける「駅ナンバリング」を導入するという。
阪急は、ほかにも宝塚線服部駅を服部天神駅、中山駅を中山観音駅、嵐山線松尾駅を松尾大社駅に変える。今年度中に予定する京都線西山天王山駅(京都府長岡京市)の開業にあわせた措置で、今年度下半期に変更する方針という。阪神は来年4月の予定だ。
阪急によると、三宮駅が神戸の中心にあることが観光客らにわかりにくいのではないか、と神戸商工会議所などから意見が寄せられていた。阪神も、神戸の中心地であることを明確にするという。
関連リンク
• 阪急三宮駅、再開発へ 震災後急造の東館、高層ビルに(3/26) http://www.asahi.com/business/update/0326/OSK201303260044.html
• JR三ノ宮駅、再開発へ 高さ160m商業ビル計画(3/11) http://www.asahi.com/business/update/0311/OSK201303110020.html
• 兵庫県のニュースは地域情報ページでもhttp://www.asahi.com/area/hyogo/
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「押尾学 悲鳴」の話題- いまトピ 91,104トレンド
2013年5月16日(木) 16時28分 (編集:いまトピ編集部)
押尾学が獄中生活を告白
「虫だらけで臭く、食事もひどい」と手記に記した押尾受刑者について元検事の前田恒彦氏がそんなことはないと反論したが、堀江貴文氏はコバエは湧いていたなどと反論した。
http://www.j-cast.com/2013/05/15175136.html
以下、つけたし
http://jbbs.livedoor.jp/bbs/read.cgi/study/446/1280339927/171
http://jbbs.livedoor.jp/bbs/read.cgi/study/446/1280339927/142
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二審も「いじめ自殺」認めず=北本市の両親敗訴−東京高裁
(時事ドットコム)
2005年に自殺した埼玉県北本市立北本中学1年の中井佑美さん=当時(12)=の両親が、自殺はいじめが原因で、学校側がいじめ防止義務を怠ったとして、国と市に計約7600万円の損害賠償を求めた訴訟の控訴審判決が25日、東京高裁であった。設楽隆一裁判長は「自殺を決意するような『いじめ』があったと認められない」として、訴えを退けた一審東京地裁判決を支持し、両親の控訴を棄却した。
設楽裁判長は「常態的、一方的攻撃で佑美さんだけが常に強い苦痛を感じ、加害者と被害者が固定化していたとまでは認められない」と判断。「証拠上、佑美さんが自ら死を選んだ理由は、解明されなかった」と述べた。(2013/04/25-17:16)
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