結局、韓国は1974年に発効した米韓原子力協力協定によって、使用済核燃料を再処理ができないでいる。しかし今回は、米国が欧州原子力共同体(EURATOM[European Atomic Energy Community])と結んでいる協定の内容をモデルにして、「同意や承認という直接的な単語を使わずに、「条件付き再処理」や使用済核燃料の形状変更を容認する「包括的事前同意」の方法で新協定の内容を整理」しているそうだ。
?そのように「わかりにくい」が故に、メディアではわかりやすそうな部分を切り出して報じることも多かった。そこでは「隠蔽して逃げる悪 vs. それを懲らしめる正義の味方」や「朝日 vs. 産経」の二項対立など、吉田調書に限らず、機会があるごとにメディアで何度も再生産される「わかりやすい構図」が繰り返されてきた。センセーショナリズムに走り、その根本に迫ろうとするものは少なかったと言わざるをえない。