>>3130-3131
Q. あ、ふくいち君のニュースでよくきく「燃料プール」って、もしかしてそのこと?
A. そうそう。ものすごくあぶないものなのに、かんたんに水をはったプールに入れておいただけだったから、地震や津波でこわれちゃって、そうそう近づけなくなっちゃってるんだよね。
Q. あぶないんだね。じゃあ、高速増殖炉をあきらめたら、自動的に核燃料サイクル計画もあきらめることになって......、「ボクたちには使用済み燃料をどうにもできません」ってみとめちゃうことになるのかな。
A. うん、そうだよ。ゴミのあとしまつができなくなっちゃうわけだから、「じゃあゴミが増えてゆく原発をつかいつづけるのか?」っておはなしになっちゃうでしょ。
Q. そっか! これまでは「ゴミのリサイクル方法はそのうち開発されますから、安心して原発を使いましょう」っていってきたんだね。でも、核燃料サイクル計画が破綻してるのをみとめちゃったら、それがウソだということがばれちゃう。
A. そうそう。そしたらふつうの原発を動かしつづけるのもむずかしくなっちゃって、脱原発しないといけなくなるでしょ。
Q. あー、だから核燃料サイクル計画をやめたくないんだね。
A. そういうことみたい。日本じゅうの原発の使用済み燃料プールは、もうかなりギリギリまでいっぱいになってきてるから、原発を動かしたくても、ゴミ置き場がなくて、動かせなくなっちゃうよね。
Q. へー。でも、核燃料サイクル計画ってお金がかかってるんでしょ。そんなにうまくいってない計画なのに、なんでやめようっていわないんだろう。
A. ボクもんじゅだけでこれまでに1兆円いじょう、六ヶ所村にいたってはそれの何倍もかかっているから、経産省さんも電力会社さんもかつては「正直、もうやめたい......」って考えてうちあわせを重ねていた時期もあったみたい。でもやっぱりやめるってことは「これまでまちがってました」って責任とることになるから、ふみきれなかったんだって。
Q. 動いていないっていったって、いまも予算は使っているんでしょ?
A. そうだよ。高速増殖炉もんじゅだけでも、1日に5500万円......。
Q. はげしいね。
A. そうだね。
Q. ほかに、核燃料サイクル計画をやめると困る人とかっているのかな?
A. 電力会社さんはこまっちゃうみたいだよ。
Q. なんで?
A. これまでは使用済み核燃料を「これはいつかリサイクルできるから役に立つんです。だからそれまでとっておくんです」といっていたものが、ぜんぶゴミになっちゃうわけでしょ。つまり、資産として計上していたものが、一瞬にして無価値なものに......、それどころか、お金をかけて処分しないといけないお荷物になっちゃう。
Q. あー、つまり、核燃料サイクル計画の破綻をみとめると、電力会社さんのPLが悪化するんだ。
A. そうそう、そういうこと。現実の持ち物はなにもかわらなくても、経営状態が悪くなっちゃうの。
Q. でも、実質はもう破綻してるわけだから、いつ認めるかっていう時間の問題なわけだよね。
A. そうだね。でも、それをずっと先のばししてるんだよね。
Q. でも、ここでもし規制委員会から「高速増殖炉もんじゅの使用停止」がじっさいに命令されたら?
A. うん。使用停止はただ「使っちゃダメ」っていうことだけど、それがながびいて、「もんじゅなんてムダだ」とか「廃炉しろ」「そもそも核燃料サイクル計画はムダ遣いはやめてしまえ」って議論に発展したら、それはとてつもないインパクトがあるよ。
Q. 「核燃料サイクル計画をあきらめる=原発を使いつづける理屈がなくなってしまう」ってことなんだよね。
A. うん。だから、もしも規制委員会が停止命令を出して、そのあいだに国の政治がもんじゅを見直すって議論をはじめるとしたら、それはそのまま、脱原発におおきく舵を切ることになるかもしれないの。