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化学・薬品産業総合スレッド

1荷主研究者:2003/12/07(日) 23:23
これまで「石油・LNGなど=エネルギー総合スレ=」で扱ってきた化学系のネタを独立させます。

社団法人日本化学工業協会
http://www.nikkakyo.org/

石油化学工業協会
http://www.jpca.or.jp/

化学工業日報
http://www.chemicaldaily.co.jp/

石油化学データベース
http://kaznak.web.infoseek.co.jp/new.htm

1841とはずがたり:2017/04/24(月) 18:25:20
2016.2.23
旭化成・社長引責辞任で崩れた集団経営体制
http://diamond.jp/articles/-/86688
週刊ダイヤモンド編集部

「新生・旭化成」の旗振り役が、「杭問題」の幕引き役に転じた。

?旭化成は2月9日、ついに社長交代を発表した。子会社である旭化成建材の杭工事の施工データ改ざん問題を受けて、浅野敏雄社長が引責辞任し、4月1日付で小堀秀毅専務が新社長に就任する。

?旭化成にとって、4月1日はもともと、新しい中期経営計画をスタートさせる特別な日だった。同社は浅野氏が社長に就任した2014年、同氏や小堀専務を含む4人の代表取締役による集団経営体制に移行。この船出に向けて、着々と準備を進めてきた。

?重要なのは、この新体制には30年続いた会長による“院政経営”から卒業する意味が込められていたことだ。実権を握ってきた伊藤一郎会長は、新しい時代に対応するべく自分の代で院政に終止符を打つと宣言。新生・旭化成に向け浅野社長を抜てきした経緯がある。

?浅野社長は入社して以来、一貫してヘルスケア畑を歩んでおり、問題が起こった当時に建材事業の経営を執行していたわけではない。おまけに同社が次の成長の柱に据えるヘルスケア事業領域の担当役員としても社の要だ。

?小堀専務が「経営責任を取って退任する必要はない」と慰留したというのも無理からぬことだった。

?もっとも、問題発覚後、一部の首脳は代取4人総辞任の覚悟を漏らしていた。「でも、それをしちゃうと『やっぱり上が杭データの流用を指示したんじゃないか』って勘繰られかねない」と同社役員。結局、「旭化成の信頼回復に少しでも役立つなら」と、浅野社長が自らの首を差し出した。

集団経営体制が崩壊

?後任に就く小堀専務は、2600億円で買収した電池の主要部材大手、米ポリポア・インターナショナルといったエレクトロニクス事業領域を担当するとともに、経営戦略室や財務部を所管。全事業に精通している点が買われた。

?同じく代取で、中核の化学・繊維事業領域を担当する小林友二専務は強いリーダーシップで鳴らす。こちらの社長昇格もあり得たが、「会社を心配して社内やOBにいろいろ言ってくる人がいる今、話を聞いて事態を収拾できるバランス感覚の強い小堀さんが適任」(同社首脳)だとみられている。

?住宅・建材事業領域担当の平居正仁副社長の退任も決まり、新生・旭化成を担うはずだった4人衆は2人を残すのみ。集団経営体制はすっかり崩れてしまった。

?浅野社長がけじめをつけたとはいえ、杭問題は未解決。一方でポリポアの買収成果を挙げるなど、成長戦略を実行せねばならない。

?かつては大きな課題に直面すれば、カリスマ会長が解決に動いた。だからといって創業90余年の中で最大といえる危機を前に“脱院政”の看板を外すことになれば、「新生」の看板も同時に外れる。

(「週刊ダイヤモンド」編集部?新井美江子)

1842とはずがたり:2017/04/24(月) 18:25:32
>>1841

2017.4.24
旭化成で役員ら85人大異動、社長ワントップ体制鮮明に
http://diamond.jp/articles/-/125822
週刊ダイヤモンド編集部

 総合化学大手の旭化成で、小堀秀毅社長のワントップ体制がより鮮明になっている。

 2016年度は旭化成にとって、まさに変革の一年だった。グループの総合力を生かすため、素材領域に属す子会社群を持ち株会社に吸収合併。15年に子会社で発覚した杭工事施工データ改ざん問題に区切りをつけるべく、小堀氏を社長とする新経営体制に移行した他、25年度に売上高3兆円、営業利益2800億円に飛躍するための基盤固めを目指す新中期経営計画をスタートさせた。

 組織の在り方から経営陣まで、軒並み変わったことになる。

 社内は変化にようやく慣れてきたところだったはず。だが、小堀氏は平穏な日々に甘んじる気はなかったようだ。4月、変革2年目にして役員ら85人の異動と担当業務の変更を決行したのだ。

集団経営は一瞬だった

 経営のトップ層も例外ではなかった。そもそも旭化成は14〜15年度、浅野敏雄社長(当時)以下、小堀氏を含む同年代4人の代表取締役に担当する事業領域を割り振り、会社全体を運営するという集団経営体制を敷いていた。

 杭問題を機にそのうち2人が退任。集団経営の色が薄れていたのだが、今回、同社において最大規模の素材領域を担当していた小林友二氏がさらに退いた。代わりに代取に就いたのは、事業領域ではなく研究・開発を全社的に取り仕切る技術畑の中尾正文氏である。

「全社のガバナンスは小堀さんが一人で見るってことだろう。かつて目指した集団経営体制は、社内外に理解されにくかった。やっぱり日本企業はヒエラルキーの中でしか成り立たない」。旭化成関係者はこう分析する。

 小堀氏がガバナンスを行うに当たり、右腕になると目されるのが坂本修一取締役だ。旭化成の出世コースで、小堀氏も踏んだ経営戦略室長(現経営企画部長)を経験。現在は経営企画などを担当する。

 坂本氏は、エレクトロニクス畑出身の小堀氏とは異なり、化学畑の出身。性格も「馬車馬のように働く豪腕な人で、調整型の小堀さんとの相性はピッタリ」といった声も聞こえてくる。

 中尾氏を代取に据えたことにも意味がある。

 同社は03年に分社化し、持ち株会社制に移行した。それで各事業会社の自主自立が促され、収益力アップに成功したとの自負はある。ただ一方で、研究・開発を短期的に行う各事業会社の部隊と長期的に行う持ち株会社の部隊の連携がうまく取り切れないなど、新事業の創出力に欠ける部分があったのも事実だ。「分社化した後の停滞感はあった」と中尾氏も正直に心情を吐露する。

 大型買収を行ってきた旭化成だが、代表権を持った中尾氏の下、技術面でもグループ間の連携をさらに深め、自社開発品での成長加速も目指す。

(「週刊ダイヤモンド」編集部 新井美江子)

1843荷主研究者:2017/04/29(土) 21:48:52

http://www.sankeibiz.jp/business/news/170403/bsc1704030500003-n1.htm
2017.4.3 06:15 Fuji Sankei Business i.
オカモト、壁紙工場を来年新設 リフォーム需要見込み増産

現在の物流倉庫を移転後に壁紙工場として改修し、リフォーム需要に対応する=茨城県牛久市【拡大】

 ゴム・プラスチックメーカーのオカモトは2018年3月、茨城県牛久市に壁紙工場を新設する。住宅着工戸数が好調に推移していることから、将来のリフォームやリノベーションの需要を見込んで製造を強化するとともに、新製品開発に力を入れる。敷地面積は約4万3055平方メートルで、投資総額40億円。

 16年の住宅着工戸数は前年比6.4%増の96万7237戸で好調に推移し、20年の東京五輪・パラリンピックに向けて建築物件の増加も見込まれている。

 このため、従来壁紙を生産していた静岡工場(静岡県吉田町)に加え、新工場を稼働させて需要増に対応する。

 同社の製品は、産業用資材では壁紙のほか、フィルム、自動車内装材、食品衛生用品、吸水シートなどがあり、消費者向けの生活用品はコンドームをはじめ、カイロ、除湿剤、メディカル製品、手袋、シューズと多岐にわたっている。

 壁紙はプラスチックフィルムの製造技術で、ポリ塩化ビニール樹脂系壁紙、プラスチック系壁紙を生産。壁紙工業会が定める厳格な安全基準規格を満たしている。また、顧客のデザインに対するニーズに応えるため、ロータリー・スクリーン印刷、グラビア印刷、同調エンボスといった技術を用いている。

 同社では多様化する商品ニーズに対応するため、今後3年間で国内外において120億円超の設備投資を計画している。

1848荷主研究者:2017/05/06(土) 22:02:03

https://www.nikkan.co.jp/articles/view/00424511?isReadConfirmed=true
2017/4/13 05:00 日刊工業新聞
昭和電工、大分で12年ぶりエチレン増産-年70万トン 高稼働続く

大分コンビナートのエチレンプラント

 昭和電工は2018年に大分コンビナート(大分市)のエチレンの年産能力を現状の69万5000トン(非定期修理年)から数千トン上積みし、70万トン前後に引き上げる。同社がエチレン設備の生産能力を増強するのは06年以来12年ぶり。三菱ケミカルと旭化成も17年5―6月に水島工場(岡山県倉敷市)で増強し、年産能力を現在比1万トン増の50万トン超に引き上げる計画。総合化学業界では供給過剰によるプラント再編が相次いだ縮小均衡から、需要に応じた健全な増産に転じつつある。

 昭和電工は18年春の定期修理時に、エチレンプラントの一部設備を改良して生産能力を高める。ここ数年は90―100%の高稼働率を維持しており、国内外の需要増への対応と設備余力の確保を目的に増強する。

 設備投資額は数億円と見られる。大分コンビナートは10年にプラントの分解炉を更新したが、生産能力は変えていなかった。

 製造したエチレンは全体の約75%を大分コンビナート内で他社を含めて消費し、残りの約25%をアジア地域へ輸出する。アジア市況は他社の設備トラブルなどで需給が逼迫(ひっぱく)しており、輸出も堅調だ。

 ただ、今後は輸出を抑えて、自家消費比率を高める方針。コンビナート内のグループ会社で汎用樹脂の高機能化を加速して、燃料タンクやバンパーなど自動車市場を中心に開拓し、外部環境に左右されにくい事業体制を目指す。

 エチレンは汎用樹脂の原料で、包装材や容器、家電製品などに広く使われる。11年頃から新興国で石油化学設備の新増設が相次いだため各社は生産再編に動いた。

 しかし食品包装材の伸びや、自動車部品の樹脂化の進展などで、当初想定ほど内需が落ち込んでいない。石油化学工業協会によると2月までの国内エチレンプラントの平均稼働率は、損益分岐点の目安となる90%を39カ月連続で上回っている。

(2017/4/13 05:00)

1854とはずがたり:2017/05/13(土) 15:00:22

<チッソ>82歳最高顧問が社長復帰へ
毎日新聞社 2017年5月12日 21時21分 (2017年5月12日 22時51分 更新)
http://www.excite.co.jp/News/economy_g/20170512/Mainichi_20170513k0000m020106000c.html

 水俣病の原因企業チッソ(東京)は12日、水俣病対応を中心的に担っていた後藤舜吉(しゅんきち)最高顧問(82)が社長に復帰する人事を発表した。森田美智男社長(70)は健康上の理由で退任する。6月下旬の株主総会を経て正式決定する。

 後藤氏は1993年から社長、2003年から会長を務めた。水俣病未認定患者に対し一定の症状があれば一時金などを支払う95年の「政治決着」などに関わり、11年から最高顧問。森田社長の退任に伴い「水俣病問題に長く関わり精通しており、チッソとしての責任をしっかり果たすため」(同社広報室)に社長へ復帰する。

 また同社は同日、17年3月期連結決算を発表し、最終(当期)損益は14億600万円の赤字を計上した。赤字転落は13年3月期以来。熊本地震で一部の発電所が損壊して特別損失が出たことなどが要因。【笠井光俊】

1855荷主研究者:2017/05/14(日) 11:16:06
>>1739
https://www.nikkan.co.jp/articles/view/00426243
2017/4/27 05:00 日刊工業新聞
宇部興産と三菱ケミ、中国・電解液統合に遅れ 当局承認に数カ月?

EV市場が拡大する中国で19日に開幕した上海モーターショー(時事)

 三菱ケミカルと宇部興産が4月めどに予定していた中国のリチウムイオン二次電池用電解液事業統合が遅れている。中国当局の独占禁止法審査が当初想定より長引いているためだ。承認までは少なくともあと数カ月かかる見込み。2社合計の市場シェアはわずかで、市場への影響は限定的と見られる。自国メーカーの優位を脅かしかねない日本連合の誕生に神経をとがらせている側面もありそうだ。(鈴木岳志)

【高い補完性】
 両社の電解液事業は三菱が自動車向け、宇部がスマートフォンなど民生向けが主力と補完性が高い。特許や工場の相互利用を進めて、赤字からの早期脱却を目指していた。

 特に技術力には絶対の自信を持っており、起死回生の一打と期待していた。加えて、中国を端緒に米国や欧州でも協業を検討する方針なだけに、もくろみが始動前に狂ってしまった。

 中国政府は近年、エコカー補助金で電気自動車(EV)中心に自国の車産業を後押しし、基幹部品のリチウムイオン二次電池、そして電池部材メーカーの育成に力を入れている。すでに巨大市場に牙城を築く中国の電解液メーカーを邪魔するライバル誕生を黙って見過ごすわけにはいかないだろう。

【低い参入障壁】
 一方で、日本勢にとって電解液事業が今後の重点領域かどうかは不透明だ。中国メーカーが世界シェアの75・3%(2015年、矢野経済研究所推計)を握る現状が表すように、参入障壁は低い。「原料を買ってきて混ぜればいい」(化学大手幹部)と技術的な難易度は高くない。

 添加剤が電池性能を左右する各社の秘中の秘だが、「分析機器の進化で中に何が入っているかすぐに分かってしまう」(同)と打つ手がない。そうなると、最後は補助金をバックに大型投資を仕掛ける中国勢にはコスト競争で勝ち目がないのが現状だ。

 三菱・宇部をはじめ日本勢が活路を見いだすのは高機能化・安全性ニーズだ。現状はEV生産と販売ともに中国が世界トップだが、20年前後からドイツや日本の自動車メーカーもEVの新車種を相次ぎ投入する計画。より厳しい性能要求に対して日本の技術力を生かせる余地が増えるはずだ。今は耐え忍ぶ時期であり、事業統合で体力温存を図る戦略は間違っていない。

(2017/4/27 05:00)

1856荷主研究者:2017/05/14(日) 14:44:09

http://www.sankeibiz.jp/business/news/170503/bsc1705030500002-n1.htm
2017.5.3 06:04 Fuji Sankei Business i.
車載電池素材へ積極投資 化学大手など需要増見込む

 化学や石油元売りの大手企業などが、自動車に搭載するリチウムイオン電池素材の増産や開発に相次いで乗り出している。電気自動車をはじめとする電動車両への需要増が見込まれるためで、積極的に投資し収益を拡大させたい考えだ。

 化学メーカーでは、旭化成が電池に使われる「セパレータ」と呼ばれる絶縁体の製造能力を現在の年間6億平方メートルから2020年までに約8割増の約11億平方メートルに拡大する。世界最大手として「さらなる成長に備えたい」(広報担当者)との考えで、250億円程度を投資する方針だ。

 スマートフォンやパソコン向けのセパレータを扱っている帝人も車載向けへの参入を検討している。17年度中にも約30億円を投じて韓国にある子会社の製造ラインの増設を予定する。

 石油元売りの出光興産も車載用電池の新規参入を目指しており、石油精製の過程で培った技術を応用し、電池の容量や耐久性を高める材料の開発に力を入れる。自動車メーカーと連携し、25年ごろには量産化にこぎ着けたい考えだ。

 世界的に環境規制が厳しくなる中、自動車各社は電気自動車やプラグインハイブリッド車といった環境対応車の開発を急いでいる。国内ではトヨタ自動車が20年までに電気自動車に本格参入することを検討しているほか、ホンダも30年をめどに四輪販売台数の3分の2を電動車両にする方針を示している。

 リチウムイオン電池市場について、出光興産事業化推進室の山本徳行室長は、「電動車両の技術の軸は電池だ。これから需要が本格化する」と話している。

1857荷主研究者:2017/05/14(日) 14:48:49

https://www.nikkan.co.jp/articles/view/00426850?isReadConfirmed=true
2017/5/4 05:00 日刊工業新聞
低燃費タイヤ合成ゴム、日本勢が世界3強 軒並み年20万トン体制

低燃費タイヤ用のS-SBRは年率6ー8%の成長が見込まれる

ZSエラストマーは、20年にも生産能力が埋まると予測する(ゼオンケミカルズシンガポール)

 低燃費タイヤ用合成ゴム(S―SBR)を手がける日本勢が、その確固たる地位を確立しつつある。業界3位の日本ゼオンと4位の住友化学が同事業を統合したZSエラストマー(ZSE、東京都千代田区)が4月に始動。業界トップの旭化成と2位のJSRを合わせ、世界3強体制が完成した。ZSEの伊藤敬社長は「1社でできなかった設備投資を決断しやすくなる。競合の背中も見えてくる」と明言。2020年度までに現状比1.5倍の450億―500億円の事業に育て、遠のくばかりだった先行2社を射程に捉える。(堀田創平)

【路面抵抗を軽減】
 S―SBRはタイヤの接地面(トレッド)に使われる。走行時に路面の抵抗を減らすことができ、燃費改善に寄与する。耐摩耗性や雨天時の安全走行を実現するグリップ性能も高い。韓国大手などの大型投資と価格競争に“支配”された汎用合成ゴムと異なり、今も日本勢が高いシェアを握る領域だ。伊藤社長も「技術は今も進化し続けている。そう簡単に追随はさせない」と言い切る。

 低燃費タイヤは環境規制の厳格化などを受け需要が拡大。特に足元は中国で始まったラベリング制度を追い風に、S―SBRも年率6―8%の成長が見込まれている。

 これを踏まえ、旭化成は18年度にシンガポール工場を3割増強して、全社の生産能力が年26万トンになる見通し。JSRもタイ工場の増強やハンガリー工場の新設により、18年度の生産能力を同22万トンにする戦略を打ち出している。

【アジア重視】
 これに対し、ZSEはゼオンと住化のシンガポール工場のほか、ゼオンの徳山工場(山口県周南市)と住化の千葉工場(千葉県市原市)で一気に計17万3000トンの年間生産能力を手に入れた。ただ、伊藤社長は「あと3年もすれば、キャパシティーの大半は埋まってしまう」とうれしい悲鳴を上げる。2年後をめどに描くのは、最低でも年3万トン分の増強で同20万トン規模の能力を持つシナリオだ。

 実際、ZSEはシンガポールをその最有力候補として検討に入っている。急ピッチで環境対策に取り組むアジアは、今や厳しい環境規制を敷く欧州を上回る最大の需要地。日本勢にドイツのトリンセオを加えた主要各社も、アジア重視の姿勢は同じだ。現時点で建設費はかさむものの、原料となるブタジエンの調達はもちろん、ユーティリティーやインフラが整備されている利点も大きい。

【こだわりの品質】
 ZSEがもう一段の増強を実現すれば、日本勢は軒並み20万トン台の生産能力を持つ。他業界からは日本勢同士でパイを奪い合いかねないと心配する声も聞こえるが、JSRの小柴満信社長は「各社には競合と補完関係の両面がある」と指摘する。S―SBRはそもそも、例えばエコ性能に強いA社製品と操縦安定性を付与するB社製品などと混ぜて効果を引き出す。それだけに、各社がこだわるのが品質の差別化だ。小柴社長は「S―SBRの販売はJSRだけで年率15%伸びており、タイヤ全体の成長率を上回っている。まさに差別化が効いている感触だ」と目を細める。

 日本ゼオンの田中公章社長も「タイヤの摩耗性や燃費性を向上するには、ポリマーとシリカの相性を良くする末端変性技術がカギを握る。低燃費タイヤ用の合成ゴムを初めて世に送り出したゼオンが磨いてきた技術だ」と自信をみせる。

 その技術力を引き継いだZSEには、住化が蓄積してきた独自技術も加わった。研究開発部門では生産拠点に先駆けて統合に着手し、すでに特許の共有やテーマの絞り込みといった成果は着実に表れている。「広くゴム文化という意味で共通点が多いし、同じ大学院の先輩後輩といったつながりも奏功している」(伊藤社長)。“第三極”の挑戦は、おのずと日本勢全体の存在感も高めそうだ。

(2017/5/4 05:00)

1860荷主研究者:2017/05/21(日) 22:01:21

http://www.sankeibiz.jp/business/news/170516/bsc1705160500005-n1.htm
2017.5.16 05:00 Fuji Sankei Business i.
大塚製薬、徳島県5カ所目の工場

 大塚製薬は15日、徳島県美馬市に医薬品の新工場を建設すると発表した。同日着工し、2020年の稼働を目指す。高品質な医薬品を安定して供給するため、日米欧の製造基準に対応する。徳島県は大塚グループの創業地で、大塚製薬の県内5カ所目の工場となる。新工場の敷地面積は約15万平方メートルで、操業開始時の従業員数は86人を予定している。投資額は公表していない。大塚製薬を発展させた故大塚明彦大塚ホールディングス元会長が「製造拠点の徳島回帰」を唱え、12年に大塚製薬と徳島県、美馬市が新工場建設についての覚書を締結していた。

1862荷主研究者:2017/05/21(日) 22:15:10
>>1861-1862 続き

■日本から三菱ケミHDのみ仲間入り

 日本勢で「3兆円クラブ」に入っているのは三菱ケミカルホールディングス(HD)だけ。M&Aと、収益性の低い事業を分離を続け日本の化学首位として君臨する。この後に続くのは、16日午後に決算発表を控える住友化学など売上高1兆〜2兆円の企業群。塩化ビニール樹脂の信越化学工業、炭素繊維の東レなど特定分野に強い大手はあるものの、売上高、時価総額の両面で世界の顔といえる企業に乏しいのが現状だ。

 世界各地で地球温暖化や人口増加、都市化などの課題は山積し、化学メーカーの出番はまだある。中国勢は素材だけでなく機械もセットに「非連続」の買収を続け、欧米勢はお手本のようなM&Aで再編・集約を主導する。日本勢がどう存在感を示していくのかが試される。

(加藤貴行)

1864とはずがたり:2017/05/23(火) 22:48:35
<久光製薬>「サロンパス」世界シェア1位
https://news.goo.ne.jp/article/mainichi/business/mainichi-20170524k0000m020061000c.html
20:07毎日新聞

 久光製薬(佐賀県鳥栖市)の貼り薬「サロンパス」が国際市場調査で鎮痛消炎貼付剤の世界シェア1位となり、中冨一栄社長が英調査会社から認定証を受けた。

 1934年の発売開始から80年以上売り続けるロングセラー。現在は米国や東アジア、欧州など40カ国以上で販売され、昨年の売上高は約233億円に上る。

 売り上げの約6割を海外が占め、生産拠点も世界4カ国に。各国に“密着”しての記録達成に、同社広報室は「これからも世界の人々のこりをほぐしたい」と喜びの声。【中村敦茂】

1868とはずがたり:2017/06/05(月) 22:08:45

東洋紡の岩国事業所から薬液流出 海上汚染は確認されず
http://www.asahi.com/articles/ASK645X1SK64TZNB01S.html?ref=goonews
2017年6月4日22時44分

 東洋紡は4日、同社岩国事業所(山口県岩国市)で薬液が海に流出する事故があったと発表した。

 同社によると3日午後11時20分ごろ、海沿いのポリマー工場で、缶の洗浄に使う薬液メチルエチルケトンが何らかの原因で沸騰。排水路を通じて海に最大で108リットル流出したと推測されるという。今のところ、従業員や周辺住民の健康被害、海上汚染は確認されていない。

1871荷主研究者:2017/06/11(日) 13:24:17

http://www.sankeibiz.jp/business/news/170530/bsc1705300500007-n1.htm
2017.5.30 05:00 Fuji Sankei Business i.
三井化学 3年3500億円投資計画 高機能素材へのシフト加速

 三井化学は29日に経営説明会を開き、2017年度から3年間で3500億円を投資する計画を明らかにした。同社は悪化した業績の改善を優先し、14年度から3年間の投資を1580億円に抑えていた。不採算事業の整理が進み、16年度に本業のもうけを示す営業利益が過去最高を更新するなど、業績が上向いてきたことから積極投資に転じる。

 3500億円のうち、65%を成長3分野と位置づける自動車関連とヘルスケア、食品包装を中心とする収益性の高い高機能素材に振り向ける。一方、既存設備の維持・更新にかける投資は前の3年間の55%から35%に低下。基礎化学品への依存度は下がる見通しだ。

 成長分野への投資案件では、軽量で、自動車用バンパーなどに使われる樹脂材料「ポリプロピレン(PP)コンパウンド」を19年から欧州生産することを挙げた。現在、候補地を選定中で、投資額は数十億円になる見通し。燃費規制の強化で軽量化ニーズが高まる中、欧州自動車メーカーの要望に応え、委託生産を自社生産に切り替えて生産を増やす。マレーシアで食品包装用の接着剤を増産する方針も示した。淡輪敏社長は説明会で「自社の事業の周辺領域や、保有していない技術に関するM&A(企業の合併・買収)は積極的にやっていく」と語り、複数の案件が候補にのぼっていることを明らかにした。

1872荷主研究者:2017/06/11(日) 14:37:22

https://www.nikkan.co.jp/articles/view/00430743?isReadConfirmed=true
2017/6/5 05:00 日刊工業新聞
日産化学、殺虫剤向け原体を生産−設備投資14億円、18年稼働

 日産化学工業は約14億円を投じ、小野田工場(山口県山陽小野田市、写真)に殺虫剤「グレーシア」の原体となるフルキサメタミドの生産設備を設ける。2018年7月に稼働させる計画。グレーシアは広範囲の重要害虫に有効ながら、ミツバチへの悪影響を抑えられる特長を持つ。19年をめどに市場投入し、21年までに国内外で30億円の販売を目指す。

 グレーシアは進行中の16―21年度中期経営計画で、農業化学品事業の重要テーマに位置付ける開発品の一つ。

 同社は除草剤や殺虫剤を手がける農業化学品事業が好調で、17年3月期連結決算では全社の営業利益314億円のうち132億円を担った。18年3月期連結決算業績予想は、同事業で営業利益156億円を見込んでいる。

1873荷主研究者:2017/06/25(日) 11:09:36

https://www.nikkan.co.jp/articles/view/00431616
2017/6/13 05:00 日刊工業新聞
ニュース拡大鏡/米建設コスト高騰-化学大手、新工場計画に影

米国のシェールオイル掘削現場。人材不足などで建設コストが上昇(ブルームバーグ)

 米国の建設コスト高騰が化学大手の新工場計画を狂わせている。三菱ケミカルはアクリル樹脂原料プラントの稼働時期を直近計画の2020年から22年に遅らせるほか、三井化学も自動車向け合成油工場などを先延ばしする。堅調な米国景気や人材不足を背景に建設コストは日本の3倍に上昇していると言われ、拙速な建設断行は将来の減損リスクを生みかねない。ただ、需要増加は待ってくれず、各社は難しい経営判断を迫られそうだ。(鈴木岳志)

 三菱ケミカルは三井物産と共同で、米国にメタクリル酸メチル(MMA)工場を建設する計画。総投資額は1000億円規模。当初は18年の稼働を目指していたが、その後に20年頃へ延期していた。

 18年度までに立地など詳細を決める方針だが、稼働まで4年程度かかる。三菱ケミカルはMMA世界最大手で4割のシェアを持つ。市況は好調であり、需給バランスを乱しかねない年産25万トンの工場新設を急ぐ必要がない側面もある。

 三井化学は15年頃から自動車向けで需要旺盛な合成油と樹脂改質材の米国工場新設をそれぞれ検討してきた。ただ、建設コストの高止まりに加えて、プラント運転要員の採用難も重なり、最終決定に至っていない。

 同社は19年度までに決める方針だが、当座の増産対応として日本や欧州で小規模プラントの建設も検討する。

 クラレは15―17年度の現中期経営計画中に決める予定だった米国での酢酸ビニル(VAM)の生産能力増強を見送った。VAMは、接着剤や繊維加工剤などに使う機能性樹脂の原料だ。ラポルテ工場(テキサス州)に製造設備を導入することを軸に検討していた。次期中計で再度検討する考え。

 石油化学産業が集積するテキサス州やルイジアナ州は、人材不足などにより建設コストが高騰している。特にトランプ政権発足以降はインフラ建設やシェール増産が活発化しており、新工場の競争力を損なうコストアップ要因になりつつある。

(2017/6/13 05:00)

1874荷主研究者:2017/07/02(日) 11:22:26

https://www.nikkan.co.jp/articles/view/00432016
2017/6/15 05:00 日刊工業新聞
ニュース拡大鏡/三菱ケミ、8年越しプロ始動 サウジのMMAプラント

三菱ケミがシンガポールに持つMMAプラント

 三菱ケミカルがサウジ基礎産業公社(SABIC)との合弁でサウジアラビアに建設中だったアクリル樹脂原料のメタクリル酸メチル(MMA)プラントが、8月に商業運転を始める。世界シェア4割のMMA最大手が世界屈指の安い原料を使い生産する“最強タッグ”だ。検討開始から8年越しの一大プロジェクトが満を持して動きだす。(鈴木岳志)

 「ラマダン(イスラム教の断食月)明けの6月後半からテスト生産を始める」と、三菱ケミカルMMA部門長の宮木敬常務執行役員は準備を進める。原料であるエチレンの安定調達問題などで当初計画より遅れたものの、ようやく商業運転にこぎ着けた。

【高い競争力】
 両社折半出資の合弁会社がサウジアラビア東部・アルジュベイル地区に工場を建設し、MMAモノマーとアクリル樹脂成形材料(PMMA)を製造する。総投資額は1000億円規模。生産能力はモノマーが世界最大の年25万トン、PMMAが同4万トンとなる。シンガポール工場と同じ独自製法「新エチレン法(アルファ法)」で高い競争力をもつ。

 製品引き取り比率は当面、事業経験の豊富な三菱ケミカルが8―9割と多く、5年程度をかけて5割まで下げて均衡させる方針だ。

【生産調整小さく】
 サウジ新工場の仕向先はアジアが主だが、欧州向けも当初計画より出荷量を15%増やす。宮木常務執行役員は「当初より欧州の不足感が強く、ここ1、2年は結構出さざるを得ない」と軌道修正を図る。2018年春の自社工場の定期修理入りも一因。これにより、アジアの工場で予定していた生産調整幅も想定より小さくて済む見通しだ。

 足元の市況は好調だ。アジアのモノマー価格は昨春比で2倍近い1トン=2300ドル近辺で推移する。「PMMAが液晶テレビ(用導光板)向けに増えだした」(宮木常務執行役員)のに加えて、塗料や人工大理石向けの需要増が理由だ。

【住化も生産開始】
 ただ、住友化学も今秋めどにサウジ西部でMMAモノマーなどの生産を始めるため、年末にかけて潮目が変わりそうだ。「特に需給が緩むのは18年1、2月だろう。中国の旧正月で需要が減る」(同)と一時的な市況悪化はありうる。

 「世界需要(モノマー)が約400万トンで、年3%伸びると仮定すると能力増強分が埋まるのに約2年かかる。ただ、4、5年でまた不足する」と宮木常務執行役員は先読みする。それを見据えて、米国やアジアでの新工場計画を慎重に練る。

(2017/6/15 05:00)

1875荷主研究者:2017/07/02(日) 11:41:19

https://www.nikkan.co.jp/articles/view/00432901?isReadConfirmed=true
2017/6/22 05:00 日刊工業新聞
三菱ケミHD、グループの防災・減災商材 新組織発足し一括提案

ウェルシィの地下水膜濾過システム

 三菱ケミカルホールディングス(HD)は2018年4月をめどに、防災・減災分野に向けグループの商材を一元的に扱う組織を立ち上げる。4事業会社とその関連会社が手がける約2万点の商材から「インフラ強化」「避難支援」「被災者支援」の3領域で役立つ約100点を集約。これまで手薄だった中央省庁や自治体、建設コンサルタント会社などへの提案を強める。(堀田創平)

 このほど三菱ケミカル、田辺三菱製薬、生命科学インスティテュート、大陽日酸の4事業会社と関連会社の製品を網羅した冊子を完成し、配布を始めた。参画する日本防災産業会議など社内外からの情報収集・意見交換を踏まえ、17年度中に組織の下地やマーケティングツールを整える。18年4月に専門組織を始動し、最終製品のほか競争優位に立つ素材の拡販につなげる。

 例えば、インフラ強化では水道管との直結給水に比べ災害時の強みが再認識された受水槽を訴求する。三菱ケミカルインフラテック(東京都中央区)は16年に専門部署を立ち上げ、独自の工事手法で差別化しやすい繊維強化プラスチック(FRP)製タンクの需要開拓で成果を出している。地震発生時に弁を閉じ、生活用水の流出を防ぐ緊急遮断弁システムも併せて伸ばす。

 また被災者支援ではウェルシィ(東京都品川区)の「地下水膜濾過システム」の引き合いも増えている。くみ上げた地下水を膜濾(ろ)過処理し、安全・安心な飲料水として供給する。公共水道との併用で水源を二分化でき、防災力の向上にも寄与する。

 16年4月に発生した熊本地震では同システムを運用する熊本市内の病院が近隣住民に飲料水を提供し、存在感を発揮した。

(2017/6/22 05:00)

1876荷主研究者:2017/07/02(日) 11:41:44

https://www.nikkan.co.jp/articles/view/00432899?isReadConfirmed=true
2017/6/22 05:00 日刊工業新聞
コニシ、浦和工場を廃止

コニシは浦和工場(さいたま市桜区)を7月1日に廃止する。同社は国内生産拠点の集約化を進めており、同工場の廃止で国内の生産工場は栃木工場(下野市)と滋賀工場(甲賀市)の2拠点となる。浦和工場は主に水性系接着剤を生産していたが、1年前から栃木、滋賀の両工場へ生産の移管を進めていた。従業員の多くもすでに両工場に異動した。ただ浦和工場のある浦和事業所や、同事業所内の研究所は存続する。同工場の跡地の利用方法に関しては検討中。

(2017/6/22 05:00)

1877荷主研究者:2017/07/02(日) 11:51:02

https://www.nikkan.co.jp/articles/view/00433100?isReadConfirmed=true
2017/6/23 05:00 日刊工業新聞
旭化成、セパレーター生産能力2.5倍 積極投資で世界首位堅持

中国ではEVの普及が進む見通し(ブルームバーグ)

 【米シャーロット(ノースカロライナ州)=鈴木岳志】旭化成は2020年までにリチウムイオン二次電池用セパレーター(絶縁材)の年産能力を最大で15億平方メートル(現状比2・5倍)に増強する。従来計画の11億平方メートルから大幅に上積みする。上積み分の総投資額は300億円規模とみられる。自動車メーカーが電気自動車(EV)などの開発を加速しており、電池部材市場の成長スピードも当初想定以上。積極投資で世界首位の座を堅持する。

 旭化成はリチウムイオン二次電池用セパレーターの設備投資計画を見直し、20年時点で年産能力を湿式・乾式合計で13億―15億平方メートルに拡大する検討を始めた。自動車・電池メーカーへの採用が固まり次第、17年度内にも正式決定する見通し。

 セパレーターは湿式と乾式の2種類に大別される。同社は両方手がけており顧客の要求に応じて供給できる。年産15億平方メートルの内訳は、現在主力の湿式が約10億平方メートル(現状比2・9倍)、乾式が約5億平方メートル(同2倍)を見込む。

 スマートフォンなど民生用も多い湿式セパレーターの増産は守山製造所(滋賀県守山市)が中心。ただ、建設事情などによって、宮崎県日向市の工場も活用する。乾式は15年に買収した米ポリポアの工場を増設する。価格を抑えやすいため、特にコスト意識の高い車載用途を想定する。

 世界のセパレーター市場は16年の15億平方メートル程度から20年に最大で35億平方メートルまで成長する見通し。用途別では車載が7割を占める。国別では、環境規制の強化でEV需要が伸びる中国が、全世界の過半を占める最大市場となる。

(2017/6/23 05:00)

1878荷主研究者:2017/08/06(日) 22:11:48

https://www.nikkan.co.jp/articles/view/00435226?isReadConfirmed=true
2017/7/11 05:00 日刊工業新聞
挑戦する企業/旭化成(1)多角化DNA、第3次成長期へ

http://tohazugatali.web.fc2.com/industry/img2_file59634.jpg

新事業創出へ総力/「車市場の開拓」共通目標へ

 旭化成が焦燥感を募らせている。2016年度の当期利益は過去最高の1150億円と業績は好調。ただ、多角化を社是としながら、00年以降、新事業創出ペースが落ちている。社長の小堀秀毅は16年度に大規模な組織改革を約13年ぶりに断行。石油化学や住宅事業が主導した第1次、第2次成長期と異なる収益の柱づくりを急ぐ。25年度に売上高3兆円(16年度比59・3%増)を達成する第3次成長期を迎えられるかの重要な局面にある。

【変化すること】
 「成長するには新しいこと、変化することにチャレンジしなければならない」。4月3日、旭化成発祥の地の宮崎県延岡市で小堀は377人の新入社員へ語りかけた。それは自らへ言い聞かせる言葉でもあった。

 電気自動車(EV)普及で需要急増のリチウムイオン二次電池用セパレーター(絶縁材)に、スマートフォンに欠かせない電子コンパス、高級裏地に使われるキュプラ繊維。同社には世界トップシェア製品が少なくない。

 祖業は化学と繊維。今は住宅や電子部品、医薬品、医療機器まで手がける世界でも類を見ない多角化企業だ。一方で開発着手から30年以上経過した“中堅・ベテラン選手”の活躍が目立つという課題がある。

【リソース集結】
 新事業創出のペースが鈍った一因が、03年の分社・持ち株会社制への移行だ。化学や住宅、医薬など7事業会社へ分社化した。「新規事業開発の力が分散してしまった」(旭化成幹部)と、多角化の足かせとなった側面は否定できない。

 16年4月に社長に就任した小堀が最初にした大仕事が、事業持ち株会社制の導入。リソースを再び集結するのが狙いだ。17年4月には同期入社で技術畑の中尾正文を副社長へ昇格させ、二人三脚で新事業創出に挑む。

 中尾は「今やっておかないとダメだ」と強い危機感を隠さない。その上で「(研究開発の)土壌を整えるのが役割」と決意を語る。

 各部門の融合を促進するために「自動車市場の開拓」という共通目標も掲げた。技術融合でグループスローガンの「昨日まで世界になかったもの」を生み出し、顧客網を各部門で共有。軽量化や環境負荷低減につながる関連製品を総合的に提案する。25年度に自動車関連の売上高を15年度比約3倍の3000億円に伸ばす計画だ。

【米社を買収】
 自社のリソースを結集する一方で、他社との連携も進める。12年に救急救命医療機器大手の米ゾール・メディカルを約1800億円で、15年にセパレーター大手の米ポリポア・インターナショナルを同社では過去最大の約2600億円で買収した。ただ、巨額買収の明確な効果はまだ出ていない。小堀は「事業の成長戦略と人財戦略を連動させる重要性を痛感している」と人材不足の悩みを吐露する。

 これまで同社を支えてきた“多角化のDNA”はまだ生きているのか―。第3次成長の行方が、その答となる。(敬称略)

(2017/7/11 05:00)

1879荷主研究者:2017/08/06(日) 22:12:23

https://www.nikkan.co.jp/articles/view/00435440?isReadConfirmed=true
2017/7/12 05:00 日刊工業新聞
挑戦する企業/旭化成(2)攻めどきのセパレーター

乾式新製品で反転攻勢

ポリポア復活が成長のカギを握る(旭化成提供)

【拡大路線】
 旭化成のリチウムイオン二次電池用セパレーター(絶縁材)事業は今、拡大路線の真っただ中だ。2015年に米ポリポア・インターナショナルを過去最大の約2600億円で買収したほか、この2年間で工場増設に260億円以上の投資を決めた。一部は当初予算外で対応するほどの市場成長スピードだ。

 常務執行役員セパレータ事業本部長の高山茂樹は「トップの理解があり、うちの提案は非常に気持ち良く通してもらっている」と相好を崩す。ただ、電気自動車(EV)向け需要が急拡大する中で、工場建設期間を考慮すると「設備投資戦略そのものが最大のカギで、遅れると中国勢の製品を使われてしまう」と成長期特有の難しさに苦心もしている。市場の成長は間違いない。20年の世界市場は最大35億平方メートル(16年約15億平方メートル)に拡大し、うち7割は車載用途が占める見通し。

 旭化成は20年までの投資計画を見直す。20年時点の生産能力を約1年前に決めた年11億平方メートルから13億―15億平方メートルへ上積みを検討している。高山は「市場の3割は獲得しないと、メジャーになれない」と首位堅持の決意を語る。

 ポリポア買収は旭化成になかった乾式セパレーターを取り込むためだった。ただ、足元は苦戦している。社長の小堀秀毅も「乾式は当初計画より(利益改善が)遅れている」と認める。

【慌てずに】
 市場が想定ほど立ち上がらなかった10年頃の“EVショック”の被害者だったポリポア。過剰設備を抱えて経営が苦しくなり、身売りを余儀なくされた。そのせいで研究開発など投資を極端に絞り、買収時点で製品力がかなり弱まっていた。

 高山は「新製品が一番のキーだ。性能設計が(旭化成の)湿式と比べて遅れていたので、最先端の電池で使う上での問題点を解決すべく、旭化成の技術陣が全面支援している」と建て直しを急ぐ。

 製造工程が単純で低コストな乾式こそ車載の本命なのは変わらない。小堀は「19年、20年の新車採用に向けサンプル供給をしている」と慌てずに吉報を待つ。(敬称略)

(2017/7/12 05:00)

1880荷主研究者:2017/08/06(日) 22:13:54

https://www.nikkan.co.jp/articles/view/00435566?isReadConfirmed=true
2017/7/13 05:00 日刊工業新聞
挑戦する企業/旭化成(3)先陣切る高機能ポリマー

先陣切る高機能ポリマー、車・海外展開で布石

数億円かけたコンセプトカーの成果は上々だ

【市場開拓の旗手】
 旭化成の高機能ポリマー事業は自動車市場開拓の旗手だ。軽量化のエンジニアリング樹脂や低燃費タイヤ用合成ゴムで先陣を切り、グループ全体のまとめ役も担う。

 5月には実走行可能なコンセプトカー「AKXY(アクシー)」を電気自動車(EV)ベンチャーのGLM(京都市左京区)と共同開発した。そこには旭化成が手がける、樹脂やゴム以外に電池材料や繊維、電子部品など合計27の製品・技術が搭載されている。

 常務執行役員高機能ポリマー事業本部長の吉田浩は「思った以上にアクシーの反響は大きい。国内外の自動車メーカーや自動車部品メーカーから『一度ミーティングをしたい』との申し出があった」と喜ぶ。旭化成だけが顧客に招かれて製品・技術を披露する「プライベート展示会」も5月から始めた。

 社長の小堀秀毅は「他社のコンセプトカーがモックアップ(模型)なのに対して、うちのは走るので全然違う。採用実現性が高いことを表している」と断言する。

【総合力を結集】
 強気の理由は自動車こそ旭化成の総合力を結集しやすく、化学メーカーで珍しい電子部品などで競合他社と差別化を図れるからだ。

 高機能ポリマー事業は全社の基本戦略であるグローバル展開の先兵でもある。「だからこそ、いろいろな海外展開の課題をグループで最初に経験する」と、吉田は開拓者ゆえの苦労を口にする。

 現在、中国国有化学大手の中国化工集団(ケムチャイナ)傘下の中国藍星(集団)と、エンジニアリング樹脂の変性ポリフェニレンエーテル(PPE)樹脂の合弁事業へ詰めの作業中だ。8月に合弁会社設立を予定する。

 吉田は「国内他社と違って、これまで旭化成は中国で現地大手との合弁はゼロだった」と意外な事実を明かす。社運をかけた“初体験”だ。「合弁で先方の力を活用しながら事業を大きくするやり方も今後必要になるので、その第1陣だ」と布石を打つ。順調にいけば、ケムチャイナとの第2、第3の合弁事業が見えてくる。今の苦労も将来の成果が癒やしてくれるはずだ。(敬称略)

(2017/7/13 05:00)

1881荷主研究者:2017/08/06(日) 22:14:31

https://www.nikkan.co.jp/articles/view/00435810?isReadConfirmed=true
2017/7/14 05:00 日刊工業新聞
挑戦する企業/旭化成(4)再び夢を見る石化

アクリロニトリルで攻勢

韓国のANプラント

【共同運営】
 水島地区(岡山県倉敷市)のエチレンプラントが2日、定期修理明けで再稼働した。三菱ケミカルと旭化成が2016年4月から共同運営しており、2基から1基への集約後、初めての大きな共同作業だった。

 旭化成上席執行役員石油化学事業本部長の小野善広は「日本メーカーは往々にして止めようとしたが、急に足元の市況が良くなると計画を撤回しがちだ。ただ、2社ともに一切動じずに取り組んだ」と胸を張る。目先の石化市況高に基づく「拙速」との批判など意に介さない。

 相手の三菱ケミカル専務執行役員石化部門長の岡本純一も「それぞれ得意分野があり、自分たちにないものを吸収し合っている。(昨夏の)設備トラブル以外は良い運営ができている」と語る。

 小野は順調な滑り出しに「ユーティリティー連携など関係を進化させたい」と次の段階へ思いをはせる。

 現状はプラントから出てきたエチレンを半分ずつ引き取るだけだが、それぞれの工場で原料需要は異なる。プロピレンなど他の基礎化学品も併産されるため、未活用留分をお互いに融通できればさらなる競争力強化につながりそうだ。

【新たな生産増強】
 同じく構造改革が奏功している繊維・樹脂原料のアクリロニトリル(AN)。「大きくもうけられる仕組みを約20年かけて構築してきた」と、旭化成常務執行役員の坂本修一は主力製品の出来を誇る。スイス・イネオスに次ぐ世界2位だ。

 足元の需要のけん引役は汎用樹脂のABS向けで、自動車や家電製品などに多く使われる。世界のAN生産能力は年間約700万トンで、需要が同600万トン。今後も年率3%強の成長は見込める。小野は「プラントの新・増設を言っているのは今のところ中国勢だけだ。旭化成としてこの市場でどうするか」と思案する。

 当面は水島と韓国で稼働率を上げるとともに、韓国での設備改良による能力増強などで対応する。だが、次の段階として「新たなキャパシティー(生産能力)を持つことを考えたい」と小野は話す。石化は再び夢を見られるのか。(敬称略)

(2017/7/14 05:00)

1882荷主研究者:2017/08/06(日) 22:29:15

http://www.kensetsu-sinbun.co.jp/menu/Daily_kensetsu_jyouhou.htm
2017/07/21 建設新聞
新東北化学工業 仙台市上愛子 2F約2900㎡、工場・倉庫の新築
中央設備エンジの施工で10月完成へ

 天然ゼオライトの採掘・加工・販売などを行う新東北化学工業(仙台市青葉区上杉1の4の10 松本浩代表取締役社長)は、仙台市青葉区上愛子で仙台工場を新築する計画で中央設備エンジニアリングの設計・施工を決め、着工した。

 建設用地は仙台市青葉区上愛子大森62番ほか地内の敷地6372.23㎡。計画ではここに、S2F延べ2886.66㎡の工場および倉庫を建設する。

 完成は10月末をめざすとしている。

2017/07/21付一面に掲載。

1883荷主研究者:2017/08/06(日) 22:33:12

http://www.kyoto-np.co.jp/economy/article/20170721000024
2017年07月21日 09時38分 京都新聞
リチウムイオン電池、京都で競争 三洋化成や新規参入組も

 リチウムイオン電池(LiB)の性能向上を巡る競争が、京都でも激しくなってきた。三洋化成工業は20日、電気容量を2倍以上に増やす技術の確立にめどがついたと発表。村田製作所や第一工業製薬といった異業種からの進出も相次いでおり、既存の蓄電池メーカーであるGSユアサも高容量製品の開発を急いでいる。

 三洋化成工業は、LiBの中に組み込まれているシート状の電極(正極、負極)の厚みを、現在の限界とされる0・2ミリ程度から数倍以上にできる要素技術を開発した。厚みが2倍になれば単位面積当たりの電気容量も2倍になるため、蓄電システムのコンパクト化につながるという。

 約10年前から大学などと共同研究を進め、今回初めて成果を公表した。2020年をめどに住宅や工場、ビルなどの定置用電源として商品化を目指す。スマートフォン用バッテリーなどの一般商品向けの展開も見据える。

 昨年秋には、電池開発用の新施設を愛知県半田市の衣浦工場に5億円かけて建設しており、「大型ビジネスとして将来の収益の柱に成長させたい」(広報部)と強調する。

 電子部品大手の村田製作所も、9月1日に完了するソニーの電池事業の買収を機に、産業用LiBの開発を加速させる。両社の技術を生かし、電池の小型化や軽量化、容量増大に取り組む。

 成長が見込まれるエネルギー分野の中核事業に育てる計画で、住宅向けのほか、携帯電話や電動工具などでの需要を狙う。電池事業単体で18年度に黒字化、20年度には売上高2千億円を目指す。

 第一工業製薬は昨年末、LiBの少量生産を行う子会社エレクセルの本社を、事業拡大に向けて京都府精華町から三重県四日市市の工場内に移した。特殊用途のLiBの需要が増えるとみて、新拠点で材料開発などを進める。

 一方、GSユアサは、車載用LiBのエネルギー密度増加を目指している。正極の物質組成の変更などで20年には15年ごろと比べてエネルギー密度を2倍に、25年ごろには3倍に増やす計画だ。

 今後、電気自動車の普及や住宅用蓄電池の需要増加などで世界の蓄電池に占めるLiBの割合は高まるとみており、自動車用LiBで培ったコストダウン技術などで産業用途でも収益拡大を図る。

1891荷主研究者:2017/09/14(木) 23:30:17

https://www.nikkan.co.jp/articles/view/00440464?isReadConfirmed=true
2017/8/24 05:00 日刊工業新聞
星光PMC、CNF生産増強 複合材の実用化にめど

 星光PMCは竜ケ崎工場(茨城県龍ケ崎市)にあるセルロースナノファイバー(CNF)実証生産設備を増強する。同設備では微細な木質繊維であるCNFを化学処理で疎水化し樹脂の補強材(複合材)として扱いやすくした疎水変性CNFを製造する。2017年末までに生産能力を従来の約3倍にあたる年間70トン強に引き上げる。投資額は約2億円。

 CNF実証生産設備は14年に、経済産業省のイノベーション拠点立地推進事業「先端技術実証・評価設備整備費等補助金」の助成を受けて建設した。「自動車、建材、電子機器などの構造材料用途を中心に、サンプルワーク(用途開発)を進めてきた」(滝沢智社長)という。「サンプル提供先の製品試作が最終段階に近付き、年内の商業化(実用化)も見えてきた」(同)ため、供給体制を整える。

 同社は紙力増強剤などの製紙用薬品メーカー。製紙原料の木材パルプからセルロースの改質技術を応用して疎水変性CNFを製造し、ポリエチレン(PE)とポリプロピレン(PP)などの樹脂と混練するペレット加工まで手がけている。

 補強材となるCNF配合樹脂ペレットの供給能力は年間200トン超になる見通し。竜ケ崎工場での設備増強は今回で限界となり「製紙会社との協業も検討する」(同)としている。

(2017/8/24 05:00)

1893荷主研究者:2017/09/16(土) 18:57:35

https://www.nikkan.co.jp/articles/view/00441293?isReadConfirmed=true
2017/8/31 05:00 日刊工業新聞
室町ケミカル、医薬品原薬の合成本格化 福岡・大牟田に設備

室町ケミカルの新製造ラインに設けられた原薬の合成装置(左下)など

【福岡】室町ケミカル(福岡県大牟田市、村山哲朗社長、0944・41・2131)は医薬品原薬の合成を本格化する。大牟田市内の工場に専用ラインを設置。5月に吸収合併した東進ケミカル(埼玉県川口市)の生産を新ラインに移管し9月に稼働を始める。従来に比べ4―5倍の生産能力拡大を見込む。平屋建てで延べ床面積約420平方メートルのスペースにラインを新設。投資額は約4億5000万円。開発品の試作も行い、2019年をめどに量産体制を整える。

 室町ケミカルグループでは医薬品合成技術に強みを持つ東進ケミカルが原薬合成を行っていた。ただ同社の生産設備は小ロット生産に適しており、一定の生産量を求めるユーザーからの要望に対応できないことが課題となっていた。そのため室町ケミカルが吸収合併し、技術の集約と生産拠点の新設へ準備を進めてきた。

 室町ケミカルは医薬品、健康食品、イオン交換樹脂などの製造などを手がける。青木淳一常務は「各事業のつながりを生かしながら生産の幅を広げたい」としている。

(2017/8/31 05:00)

1896荷主研究者:2017/10/01(日) 11:34:20

https://www.nikkan.co.jp/articles/view/00442834?isReadConfirmed=true
2017/9/13 05:00 日刊工業新聞
水島の現在地・エチレンセンター統合1年半(上)定修データで保安強化

三菱ケミカル旭化成エチレンのプラント外観(分解炉)

 三菱ケミカルと旭化成が水島地区(岡山県倉敷市)のエチレンセンターを統合して1年半がたつ。7月の頭に当面の目標だった定期修理が終わり、第一関門をクリア。この1年半は石油化学品の市況高が続いたことで、「決断は時期尚早だった」との一部批判も受ける。ただ、当の2社は過去に興味はない。中長期視点で高付加価値化の成長路線を突き進む。(3回連載)

【後悔は皆無】
 三菱ケミカルと旭化成は水島地区のエチレンセンターを従来の2基から1基へ集約したことに後悔は皆無だ。センターを運営する三菱ケミカル旭化成エチレン(東京都千代田区)の坂元誠社長は「2基とも残っていたら、年間約30万トンのエチレンを外販しないといけない。その量が市場に出てくると、今と様相は全然変わる」と強調する。同社の沼田宏明副社長も「状況が悪くなった局面でもフル稼働を維持できるのがみそだ。ダウンサイドのリスクが発現した時の影響を最小化できる」と、時期尚早との指摘に反論する。装置産業にとって高稼働の維持が鉄則だからだ。

 「エチレンが足りず、他社から少し買うぐらいの現状でこういう(需給逼迫(ひっぱく)の)環境になっているなら、両親会社にとって今の方がいい」(坂元社長)と割り切る。市況変動に煩わされる無駄な時間を排除し、経営陣が成長戦略の立案・遂行に集中できる利点は大きい。

【半月稼働停止】
 この1年半には悔しい思いもした。統合早々の2016年7月末から半月の間、プラントが冷媒系の不具合により停止してしまった。同社の江原誠二水島工場長は「これまで予想していなかった設備でトラブルが起こった」と反省しきり。稼働開始から50年近く経過しているが、老朽化を親会社への原料供給責任の言い訳にはできない。

 約2カ月の定期修理では設備点検を今まで以上に徹底した。「我々は本当に自分たちの設備を隅から隅まで見ていたのかと原点に立ち返った」(江原工場長)といい、ゼロベースで点検項目・範囲を見直した。「その結果、やって良かったという箇所が数件確認できた」(同)と転んでもただでは起きない。

【新たな財産】
 今回の定修データは新たな財産となる。「我々の予想の範囲を超えた(腐食などの)データが出ている部分で要因を解析する。設備保全のサイクルに関して予想精度の向上に生かしたいし、配管などの材質変更まで発展する可能性はある」(坂元社長)と工場の基盤強化に余念がない。

 次の目標は高圧ガスの自主保安の認定取得で、18年末を目指す。現在は実際の設備運営は三菱ケミカルへ委託している形だが、同認定取得をもって名実ともに三菱ケミカル旭化成エチレンの自主運営体制へ移行する。

 立ち止まっている暇はない。

(2017/9/13 05:00)

1897荷主研究者:2017/10/01(日) 11:34:49

https://www.nikkan.co.jp/articles/view/00443023?isReadConfirmed=true
2017/9/14 05:00 日刊工業新聞
水島の現在地・エチレンセンター統合1年半(中)三菱ケミカル 未利用留分で工場新設

三菱ケミカル・水島事業所のBTXプラント

【定修後の課題】
 三菱ケミカル・水島事業所はエチレンセンターから出てくる基礎化学品のうち未利用留分を活用する検討に入った。執行役員の羽尾務水島事業所長は「C5以上の未利用留分をうまく使って、付加価値のある製品を生産したい。事業部門などと一緒に取り組みを始めた。それでプラントが新設できればいい」と展望を語る。

 お隣の旭化成とセンターを統合したが、当然ながら未利用留分の構成は異なる。「両社で手を組んだ(未利用留分活用の)可能性はある」(羽尾所長)とさらなる連携は定期修理後の重要課題の一つとなる。

 水島事業所は現在の三菱ケミカルの事業構造の縮図だ。石油化学全盛のころは東の鹿島事業所・西の水島事業所と評されたものだが、今は空き地も見られる。

 そして、敷地内の一画に重点分野である機能商品地区として樹脂フィルムや光ディスク、発光ダイオード(LED)材料などの窒化ガリウムの拠点が同居する。

 事業所の競争力を高める手段として他社への技術ライセンス事業に力を入れる。羽尾所長は「ここには自社技術のプラントがいくつかあり、関連の技術スタッフも常駐している。今、攻めようとしている」と意気盛んだ。

【ライセンス協業】
 直近でも仏エア・リキード子会社とブタジエン製造技術ライセンス分野での協業を決めた。水島事業所のデモプラントで培ったプロセス技術などを活用。製造に必要な触媒は三菱が提供する。培った技術も未利用ではもったいない。新規プラント誘致とともに、人材育成は製造現場の重要ミッションだ。

【“西の水島”健在】
 水島事業所には地元の岡山県にちなんで「モモタロウプロジェクト」なる取り組みを進めている。2016年度から製造系で選抜型人材育成を始めた。「技術力を高めるとともに、“選ばれた感”からみな生き生きとする」(同)と、やる気を醸成したい考え。設備技術系や運転員へ対象を広げて、それぞれ十数人を選抜して1期2年で将来の幹部候補を養成している。

 三菱ケミカルホールディングス(HD)として17年度から工場などへのデジタル技術の本格導入を打ち出した際に、真っ先に立候補したのが水島事業所だったという。

 “西の水島”ここにあり。健在アピールへ意欲を燃やす。

(2017/9/14 05:00)

1898荷主研究者:2017/10/01(日) 11:35:30

https://www.nikkan.co.jp/articles/view/00443228?isReadConfirmed=true
2017/9/15 05:00 日刊工業新聞
水島の現在地・エチレンセンター統合1年半(下)旭化成 改革から攻めに転換

旭化成・水島製造所の新研究棟

【新研究棟に期待】
 「『昨日まで世界になかったもの』をいかにこれから創っていくか。製造と研究がさらに“コネクト”してやっていく」。旭化成上席理事の室園康博水島製造所長は8月23日に稼働した新研究棟に大きな期待を込める。

 水島製造所(岡山県倉敷市)は石油化学の中核拠点だ。6階建ての新研究棟が仲間に加わり、「基礎研究、プロセス開発、ベンチ・パイロット・本プラントの全てを製造と研究がいっしょになって取り組む」(室園所長)ための体制づくりが着々と進む。隣接する既存研究棟の改築が2018年6月に終われば、技術の融合・高度化を阻む壁はなくなるはずだ。

 研究開発の速度を上げて、早く新たな仲間を誘致したい。三菱ケミカルとのエチレンセンター統合により停止した旭化成側の設備は、今後2年かけて撤去する。「土地が空いてくるので、そこを何とか活用していきたい」(同)と空洞化への危機感は強い。

 一方で、ここ数年の構造改革から攻めに転じる機運が高まりつつあるのは朗報だ。「プラントが全部止まって、大きな節目の定期修理も乗り越えて、いよいよこれから攻めていく雰囲気になっている」と室園所長の表情は明るい。

【生産能力を増強】
 特に製品で好調なのは、リチウムイオン二次電池用セパレーター(絶縁材)などに使う超高分子量ポリエチレンだ。電気自動車(EV)などエコカー向けの需要急増を背景に、同製造所の既存プラントの生産能力を段階的に増強している。

 構造改革前と比べて需要は数倍に伸びている模様。そこで旭化成は現在、新たなプラント建設も同時に検討中だ。事業継続計画(BCP)の観点を含めて立地を議論しているが、室園所長は「水島は各企業との連携がかなり取れている」とアピールを忘れない。

【25年の姿を議論】
 旭化成は今秋から製造所を含む全社で25年のあるべき姿について議論を始めたばかり。「事業環境も踏まえて、何か誘致できないか、もっと増強できないかを含めて製造所全体の25年の姿の議論に入った」と、室園所長は工場の基盤強化へ本腰を入れる。

 後ろ向きから前向きへの方向転換は製造所だけではなしえない。社内外に残る構造改革時代の負のイメージを払拭するためには、結果で示し続けるしかない。

(鈴木岳志が担当しました)

(2017/9/15 05:00)

1899荷主研究者:2017/10/01(日) 11:48:06

http://www.kagakukogyonippo.com/headline/2017/09/20-30981.html
2017年09月20日 化学工業日報
宇部興産 アンモニアの出荷能力倍増

 宇部興産は国内主力拠点の宇部ケミカル工場(山口県宇部市)で、合成繊維などの基礎原料に使うアンモニアの出荷能力を2倍に増強する。貯蔵・出荷設備を更新し、現在の半分の時間でタンカーに積み込めるようにする。同社は生産するアンモニアのうち約3分の2を外部企業に供給する。海上輸送の利便性を高める投資で安定受注の確保につなげる。

【写真説明】宇部藤曲工場で生産するアンモニアのタンカー向け出荷能力を2倍に高める

1901荷主研究者:2017/10/14(土) 21:33:31

http://www.sankeibiz.jp/business/news/170925/bsc1709250500003-n1.htm
2017.9.25 05:00 Fuji Sankei Business i.
旭化成、CO2原料のポリカーボネート 環境負荷を低減、工程も短縮

透過性や耐久性の高さからポリカーボネートは車のライトのカバーに使われている(ブルームバーグ)【拡大】

 旭化成が二酸化炭素(CO2)を原料に、車のライトのカバーやスマートフォンのボディーなどに使用されるポリカーボネート(ポリカ)を製造する技術を開発した。今年1月に稼働した同社水島製造所(岡山県倉敷市)の実証プラントでデータを蓄積し、来年度から製造プラントのライセンス販売を始める方針だ。従来はナフサ(粗製ガソリン)を熱分解させたエチレンオキシド(EO)を原料に使用してきたが、EOを使わずにCO2自体を原料にして、製造工程も短縮して消費エネルギーも低減した。同製造法の実用化はCO2削減や資源の有効活用で環境負荷の低減にもつながる可能性を秘めている。

 ポリカは化学物質のビスフェノールAを重合(連結)してできる無色透明な樹脂だ。熱に強く、割れにくくて丈夫なことから、DVDやCDのほか、ガラスの代替素材として車のライトのカバー、飛行機の客室内の窓などに使われ、自動車のフロントガラスへの採用に向けた動きも加速している。富士経済の推計によれば、2020年に市場規模は、15年比で約17%増の429万トンに達する見通しだ。

 ◆安全な製造法を実用化

 ただ、従来の製造法では製造過程で有毒ガスとして知られるホスゲンが必要だった。このため、近年は毒性の高さから製造に対する規制強化の動きがあるほどだ。

 こうしたなか、旭化成では1977年からホスゲンを使わないポリカ製造法の開発に着手。2002年にEOとCO2を原料にジフェニルカーボネート(DPC)を合成し、ビスフェノールAと反応させる製造法を実用化。ホスゲンを使用しないことで消費エネルギーも減らすことができ、製造時のCO2排出量は約3分の1にまで削減した。現在、サウジアラビアや台湾などの化学メーカー5社が年間製造能力66万トンのプラントを稼働中で、今年に入り6社目の契約を締結したことから同79万トンとなる。ただ、プラント最適地はEO生産周辺地に限られるため、旭化成では、脱EO化に向けてポリカ製造法を発展させる基礎研究に00年から着手し、14年度にEOを使わない今回の製造法確立にこぎ着けた。

 旭化成の白井博史執行役員兼研究・開発本部化学・プロセス研究所長は今回の製造法は「単純化すれば、ビスフェノールAとCO2を原料に、アルコールとフェノールがあれば、ポリカができる」と話す。

 ◆プラント設計スリム化

 今回のポリカ製造は3段階の化学反応に分割される。反応(1)ではCO2とアルコールからジアルキルカーボネート(DRC)を作る。反応(2)はDRCとフェノールからジフェニルカーボネート(DPC)を作る。最終段階では、ビスフェノールAとDPCを反応させてポリカができる。副生成物は(1)では水、(2)ではアルコール、最終段階ではフェノールが出るが、アルコールとフェノールは(1)と(2)の反応工程で再利用される。

 「CO2は化学的に非常に安定した物質なので加温加圧下でないと反応しにくい」(白井氏)が、独自開発した触媒を用いることで効率的に反応させる技術を確立。1月に稼働を始めた年間製造能力1000トンの実証プラントで、(1)と(2)の連続合成の稼働1000時間を今夏、達成した。

 ナフサ由来のEO自体を使用しないことに加えて、白井氏によると、EOを使用する場合に比べて反応工程が減るため、プラント設計がスリム化できて消費エネルギーが減り、製造時CO2排出量の削減が見込まれるという。化学メーカーのトレンドは「低炭素化と原料の多様化」だ。その両方にかなう今回のポリカ新製法は注目を集めそうだ。(日野稚子)

1905荷主研究者:2017/10/27(金) 22:49:20

https://www.nikkan.co.jp/articles/view/00446311?isReadConfirmed=true
2017/10/12 05:00 日刊工業新聞
トクヤマ、半導体材に110億円投資 多結晶シリコンなど増産

徳山製造所の多結晶シリコンプラント

 トクヤマは半導体材料事業で、2020年度までに総額110億円規模の投資に乗り出す。シリコンウエハー材料の多結晶シリコンと生産関連部材の生産増強・品質向上に着手。スマートフォンやIoT(モノのインターネット)機器向けを中心に旺盛な需要を取り込む。同社は計2000億円の特別損失を計上したマレーシアの多結晶シリコン事業を売却した。不採算事業の整理を終え、戦略投資を再開する。

 トクヤマは10億―20億円を投じ、多結晶シリコンの生産能力を現在の年8500トンから最大同1万トン弱に高める。徳山製造所(山口県周南市)の休止ラインを再稼働。高品質な半導体向けに特化し、収益を強化する。

 品質向上に20億―30億円を充て分析装置や評価機器などを更新。「イレブンナイン」と呼ばれる超高純度製品の品質を高め、信越化学工業などシリコンウエハー大手からの品質要求に応える。

 能力増強と品質向上には、マレーシア事業で蓄積した知見も転用する。マレーシアのプラントでは前工程・後工程ともに徳山製造所と異なる生産設備を採用し、高い品質と生産効率を両立する仕組みを構築した。こうしたノウハウを生かす。

 半導体生産関連の部材も増産する。フォトレジスト用の現像液、シリコンウエハーの洗浄に使うイソプロピルアルコール、研磨する乾式シリカなどの増産にも、それぞれ10億―15億円を投じる計画。

 半導体製造装置の部材である高純度窒化アルミ粉末は21年春をめどに、徳山製造所の生産能力を現在比50%増の年720トンに高める。投資額は10億―15億円となりそうだ。

(2017/10/12 05:00)

1908荷主研究者:2017/11/07(火) 22:32:33

http://www.kagakukogyonippo.com/headline/2017/10/24-31423.html
2017年10月24日 化学工業日報
昭和電工 大分でNPACを1割強増産

 昭和電工は大分コンビナート(大分市)で2018年4月をめどに食品包装用インキなどに使う溶剤の酢酸ノルマルプロピル(NPAC)を1割強増産する。トルエンなどを代替する溶剤として環境対応型の特殊グラビアインキ向けで販売が拡大。塗料やコーティング剤用途でも引き合いが強い。こうした需要に応えるため、一段の増産が必要と判断した。

1910荷主研究者:2017/11/07(火) 23:05:16

http://www.kagakukogyonippo.com/headline/2017/10/30-31482.html
2017年10月30日 化学工業日報
日揮触媒化成 機能性シリカ増産 化粧品やディスプレイ向け

 日揮グループで触媒大手の日揮触媒化成は、化粧品や液晶ディスプレイフィルム向けに機能性シリカを増産する。化粧品の高機能化やディスプレイの高画質化などを背景に、感触改良や光反射防止の材料として採用が拡大。これに対応して今夏までに国内2拠点の生産能力を2016年度比2―5割引き上げた。さらなる需要増が見込めることから、このほどもう一段の増強を図る。旺盛な需要を取り込み、世界トップクラスのシェアの維持・拡大に努める。

【写真説明】北九州事業所では光反射防止フィルム向けにシリカゾルの生産能力を引き上げる

1911荷主研究者:2017/11/07(火) 23:09:41

https://www.nikkan.co.jp/articles/view/00448696?isReadConfirmed=true
2017/10/31 05:00 日刊工業新聞
精製ゲルマニウム国産化 カーリットHD、来年めど試作販売

レンズは軍事用が中心だが今後自動車用途も期待される(インゴット製品例)

 カーリットホールディングス(HD)は赤外線カメラのレンズ材料などに使う精製ゲルマニウムの国産化に乗り出す。原料を北米から輸入して2018年3月までにインゴット(塊)などの試作販売を始める。不良品や加工工程で出る切りくずの回収・再生事業も行う。レアメタル(希少金属)であるゲルマニウム製レンズは軍事用途と一部の高級民生用途が中心。ただ、中国への原料依存度が高く、国産化や安定供給を望む声が上がっていた。

 カーリットHD傘下のシリコンテクノロジー(長野県佐久市)が信濃工場(同)で精製ゲルマニウムの一貫生産を行う。輸入した二酸化ゲルマニウムの還元から精製、インゴット製造、単結晶化まで手がける。

 設備導入が完了する12月以降の年産能力は2トンになる。切断などの後工程についても、協力会社へ委託できる体制を敷く。現在、国内のレンズ加工業者は精製ゲルマニウムのインゴットや単結晶を中国などから輸入して、切断や研磨を施してレンズ製品に仕上げている。原料精製から日本国内で行っているメーカーはないと見られる。

 同社は既設の半導体用シリコン製造装置を転用でき、大規模な設備投資をせずに参入できる。18年から試作販売し、2年後をめどに採用を目指す。

 ゲルマニウム製のレンズは高屈折率や高透過率が特徴だが、価格が高いのがネック。そのため、熱を追尾するミサイルや暗視スコープなど軍事用途が中心となる。

 精製ゲルマニウムの生産量は中国が全世界の約7割を占めていると言われ、市況変動や政治情勢などによって中国外への供給が安定しないリスクがある。レンズ原料の国産化は日本の安全保障の観点でも重要な取り組みと言える。

(2017/10/31 05:00)

1912荷主研究者:2017/11/12(日) 11:21:27

https://www.nikkan.co.jp/articles/view/00448925?isReadConfirmed=true
2017/11/1 05:00 日刊工業新聞
大阪油化、蒸留塔新設 能力50%増強 電子材・医薬受託加工が拡大

本社工場の蒸留塔

 大阪油化工業は3年後をめどに10本強の蒸留塔の新設を行い、物質を分離・精製する蒸留能力を最大で現状比50%引き上げる。既存設備の改良や研究開発人員の増員を図りつつ、本社工場(大阪府枚方市)と地理的に連携しやすい新工場の建設も行う方針だ。関連設備で投資額は約10億円を計画する。受託加工で堅調な電子材料分野や成長が見込まれる医薬分野などの需要拡大に対応する。

 設備投資の内訳は50%を蒸留塔などの新設、25%を既存設備の更新、残りを研究開発に関わる人員増強に当てる計画。蒸留能力は現状比30―50%増やす。本社工場と新工場を合わせ、1000―2000リットルの中規模クラスの蒸留塔と10―20リットルの小規模クラスの蒸留塔を、各5本程度新設する。将来の需要動向を見据えながら、現在35本ある蒸留塔を45―50本まで増設する。

 新工場は現時点で場所を選定中だが、蒸留塔の新設と連動させて建設していく。小規模生産に対応した設備を中心に導入する。また受託加工、研究開発支援、蒸留精製装置のプラントサービスといった現行3事業の活動拠点は、2工場体制の中で最適配置する。

 同社は素材の出発原料や中間体を精製する精密蒸留専門の化学メーカー。化成品の高純度精製の実績は試験を含めると3000品目以上ある。10月5日付で東証ジャスダックに上場した。

(2017/11/1 05:00)

1914荷主研究者:2017/11/12(日) 11:37:39
>>1913-1914 続き

 それを打破し市場をグループ全体で俯瞰(ふかん)するために設けたのがマテリアル領域。1年半あまりが過ぎ成果は実り始めている。代表例が繊維に樹脂を混ぜて高い強度や軽量化を実現した自動車部品向け新素材だ。

 プレス成型への摩擦に強く引っ張り強度もある「ポリアミド66」という繊維とガラス繊維を混ぜ合わせた糸で織った布に樹脂を染み込ませてプレス成型する。競合する鋼材に比べ強度を3〜4倍に、重量を最大半減させることができ、自動車メーカーとテストの真っ最中だ。

 ほかにも綿花由来の再生セルロース繊維「ベンベルグ糸」の知見と、合成樹脂のポリマー技術を掛け合わせたセルロースナノファイバー(CNF)の開発も進める。CNFは日本製紙など製紙大手が先行するが、樹脂ポリマーや加工では旭化成が一枚上手。創業の地である宮崎県延岡市に実証生産設備を設け、20年の商用化を目指している。

 研究開発の現場で部門間の接着力を強めようとするのは、裏を返せば「しばらく産業を変える技術革新を起こせていない」(同社幹部)からだ。坂本取締役も決算会見で「会社の柱となる新事業の構築は課題」と認めた。

 技術を人に置き換えれば、セパレーターやスマートフォンの位置を割り出し道案内に欠かせない「電子コンパス」、低燃費タイヤに欠かせない合成ゴム「S―SBR」など利益を稼ぐ世界トップの製品は働き盛りの壮年期。だが、幼児期の技術を見回すと次の20年、30年を託せるほどの優良児は育っていない。

 社内の限界を突き破るべく、6年前に米シリコンバレーに設けたCVC(コーポレートベンチャーキャピタル)事業は、ベンチャーへの投資先が12社になった。昨年には投資基金枠を40億円程度まで引き上げた。

 壮年期の製品が老年期に入った時、幼児だった製品が青年に育っているか。旭化成が好決算に浮かれていないのは、技術のライフステージへの危機感があるからかもしれない。

(上阪欣史)

1919とはずがたり:2017/11/27(月) 22:35:34
>>1918-1919
 いまのところ、他の化学メーカーは沈黙している。ある関係者は「90年代の『ポリ長戦争』を思い出す」と話す。

 1993年、合繊各社はポリエステル長繊維の在庫が膨らんだ結果、従来の慣例に従って協調減産を企てた。だが当時、東レの中興の祖といわれた社長の前田勝之助は減産には加わらなかった。各社が80年代のバブルで設備増強を続けるなか、東レは国内で足りない繊維は海外から輸入するという手段を選んだからだ。バブルの先を見越して過剰設備を抱えなかったことが不況時に生きた。

 「現実直視による自主判断」。この前田の経営哲学は現社長の日覚昭広にも引き継がれている。経済合理性や自由競争にそぐわなければ、非難されようが自主判断を貫く。その相手がトヨタグループであってもということなのだろう。

■社長の「懐刀」

 東レの自動車関連材料の売上高は約2300億円とここ数年、年率10%で成長している。自動車生産台数の伸び率が平均2%であることを考えると、その健闘ぶりは際立つ。それでも日覚は「もっと稼げるはず」と満足していない。

 実は、トヨタへ異議申し立てをした森本はこの6月まで東レ主要子会社の東レ・デュポン社長だったが、日覚が急ぎ本社に呼び戻した。森本はエアバッグ材料の一貫生産をグローバル展開させた立役者。米国現地法人のトップも務め、歯に衣(きぬ)着せぬ物言いは社内外でも知られる。東レ関係者は「日覚氏が森本氏を戻したのも、事なかれ主義で堅実な習い性が強い樹脂部門を改革したかったから」と明かす。

 訴えを受けたトヨタなどの系列部品メーカーは「社内で説明する」「トヨタ本体に上げて相談したい」と曖昧な回答に終始しているという。ナフサ連動を取りやめると自らの懐を痛めるだけに慎重だ。

 車体開発は「まず鉄ありき」という日本の自動車メーカー特有の設計思想もある。樹脂や炭素繊維、アルミ材など素材を並列において取捨選択するのではなく、鉄から考え次に異種材料を取り入れるというのが日本式の部材調達アーキテクチャーなのだ。

 だが、自動車大手も世界的なEVの潮流を見過ごすことはできない。自動車が電装品の塊になれば、軽量化はますます求められる。あるトヨタ自動車幹部は、「高機能樹脂に一日の長を持つ東レをむげにはできない」と話す。

■日本がダメなら欧州から

 自動車大手の調達担当者が社内調整に動いているさなか、遠くドイツのミュンヘン近郊で10月、「東レオートモーティブセンター欧州」の開所式が開かれた。

 樹脂から炭素繊維まで、単に材料を開発するだけでなく、自動車メーカーと一体になって部品設計や加工技術を産み出す研究開発拠点だ。周辺には独BMWやボッシュなど自動車関連企業が集まる。東レは軽量化や電装化を目指すサプライチェーンの仲間入りを目指している。

 副社長の阿部晃一は「自動車のEV化はもちろん、自動車部品の樹脂化に向けた開発でも欧州メーカーは先行している」と言ってはばからない。東レの欧州自動車市場への本格進出は、「日本だけにとどまっていられない」という心境の表れとも読み取れる。

 シェールを引き金に、石油化学品市場が構造変化を迎えるなか、企業努力による樹脂原料コストの吸収は限界に近い。東レが26年の蜜月を犠牲にして自動車大手に投げかけた異議と欧州進出への決意。それはサプライヤーを通して日本の自動車メーカーが直視せざるを得ない現実ともいえる。

=敬称略

(上阪欣史)

1921とはずがたり:2017/12/01(金) 13:17:59
ペイントは此処かな?

米アクサルタ、日本ペイントの買収提案拒否 交渉打ち切り
https://news.goo.ne.jp/article/reuters/business/reuters-20171201018.html
08:56ロイター

米アクサルタ、日本ペイントの買収提案拒否 交渉打ち切り
 11月30日、米塗料大手アクサルタ・コーティング・システムズは、日本ペイントホールディングス(日ペイントHD)が提案した買収交渉を打ち切ったと明らかにした。22日撮影(2017年 ロイター/Thomas White)
(ロイター)
[30日 ロイター] - 米塗料大手アクサルタ・コーティング・システムズ<AXTA.N>は30日、日本ペイントホールディングス(日ペイントHD)<4612.T>が提案した買収交渉を打ち切ったと明らかにした。関係筋によると、91億ドルに上るとされる現金での買収案を拒否したという。

日ペイントHDは今月22日、アクサルタに買収提案を行ったと発表した。

アクサルタの筆頭株主は米著名投資家ウォーレン・バフェット氏が率いる投資会社バークシャー・ハザウェイ<BRKa.N>。アクサルタは今月、オランダの同業アクゾ・ノーベル<AKZO.AS>との合併協議を打ち切ったと明らかにしていた。

アクサルタは「どちらの案も実を結ばなかったが、これら企業による強い関心はアクサルタの世界での主導的地位を明確にしている」などとする声明を発表。

アクサルタは、企業価値を巡って日ペイントと考えが一致しなかったと説明。事情に詳しい関係筋2人によると、日ペイント側は1株37ドルでの買収を提示したが、アクサルタが応じなかったという。

アクサルタ株は30日の米株市場で取引停止前まで37.25ドル付近で推移していたが、再開後に15.7%安の31.66ドルで取引を終えた。

1922とはずがたり:2017/12/01(金) 13:49:06
荒川林産化学が火事だっ

化学工場で火災、1人死亡11人けが 静岡・富士
http://www.asahi.com/articles/ASKD130T3KD1UTIL00D.html?iref=com_alist_8_02
2017年12月1日12時56分

 1日午前8時半ごろ、静岡県富士市厚原の荒川化学工業富士工場で爆発音が聞こえたと、110番通報があった。市消防本部によると、工場から出火し、作業員の男性(64)が死亡、3人が重傷、ほかに8人がけがをしているという。工場からの黒煙に有害物質が含まれている可能性があり、市は午前9時半すぎ、周囲100メートル以内の住民に避難指示を出した。火は正午すぎにほぼ消し止められた。

 県警富士署によると、工場は4階建てで、当時十数人が働いていたという。同社によると、工場では製紙用の薬品や印刷用インキの樹脂を製造。樹脂に混ぜる可燃性の有機溶剤も保管していたという。

 工場はJR身延線入山瀬駅の南東約900メートルの工場が立ち並ぶ地域にある。近くには民家もあり、警察官が「有毒ガスが出ている」として近くの住民らに避難や屋内待機を呼びかけた。市は近くの小中学校5校の体育館などを避難場所として準備した。

 この火災で、JR東海は午前8時40分ごろから身延線富士―富士宮駅間で運転を見合わせた。再開後、2次災害の恐れがあるとして午前9時15分ごろから再び一時、見合わせた。

 工場の向かいに住む女性(88)は「居間の椅子に座って休んでいたら、ドーンという大きな音がして、下から突き上げるような揺れで飛び上がった。地震だと思って外に出たら、黒い煙が上がっているのが見えた。本当に恐ろしかった」と話した。

1923荷主研究者:2017/12/02(土) 19:33:17

http://www.kagakukogyonippo.com/headline/2017/11/02-31542.html
2017年11月02日 化学工業日報
三洋化成 名古屋工場でウレタンビーズ増強 鹿島ではSAPなど

 三洋化成工業は、基盤事業および高付加価値製品群への設備投資を拡大する。名古屋工場(愛知県東海市)に20億円を投資し、自動車内装用ウレタン系表皮材料(ウレタンビーズ)の設備増強を実施する。来年3月の稼働を予定しており、内装表皮を薄膜化した新グレードの生産を強化する。鹿島工場(茨城県神栖市)では重合トナー用ポリエステルビーズの新製品の増産体制を整えたほか、高吸水性樹脂(SAP)や潤滑油添加剤への投資も検討している。成長が期待できる戦略製品へ重点的に投資を行うことで将来の安定成長につなげる。

1924荷主研究者:2017/12/02(土) 19:35:52

http://www.kagakukogyonippo.com/headline/2017/11/08-31609.html
2017年11月08日 化学工業日報
日本合成化学工業 BVOH増産 水島・熊本の2拠点体制へ

 日本合成化学工業はブテンジオール・ビニルアルコール共重合樹脂(BVOH)の増産に乗り出す。水島工場(岡山県)のポリビニルアルコール(PVOH)生産設備をBVOH用に改造し、既存の熊本工場(熊本県)と2拠点体制を構築する。BVOHは主力の3Dプリンターのサポート材用途が拡大するほか、欧州で生分解性容器向け、米国ではシェールオイル・ガスの掘削用途でサンプル評価を進めている。すでに水島工場でBVOHのテスト生産に取り組んでおり、需要に合わせて順次、設備改造を進めていく。

1928荷主研究者:2017/12/10(日) 10:45:59

https://www.kobe-np.co.jp/news/keizai/201711/0010760777.shtml
2017.11.24 神戸新聞
バイエル薬品、神戸に医薬品分野の起業支援拠点

バイエル薬品が開設する「コラボレーター神戸」のイメージ(同社提供)

 ドイツの製薬大手、バイエルのグループ企業であるバイエル薬品(大阪市)は来年上半期に、医薬品分野のベンチャー企業を支援する拠点を、神戸・ポートアイランド2期の医療産業都市に開設する。同グループとしては米、独に続く世界3カ所目の施設で、設備や学術面でさまざまな支援サービスを提供。バイエル薬品は研究成果を持つベンチャー企業との協業を通して、新たな医薬品や創薬手法の開発を目指す。(長尾亮太)

 新拠点は「コラボレーター神戸」(仮称)。ポーアイ2期の神戸国際ビジネスセンター内に開設する。実験室とオフィスを備え、医薬品やバイオなどの関連ベンチャーを誘致する。

 バイエル薬品は、最先端の研究成果や事業化のノウハウを利用企業に供与するほか、ベンチャーキャピタル(VC)からの資金調達を手助けする。利用企業の拠点の使用料は近隣施設と同水準に抑える。

 バイエル薬品は循環器や腫瘍、血液などグループが注力する領域で、優れた研究成果や技術を持つ国内ベンチャーとの関係を強め、新たな事業化につなげる狙い。利用企業も、グローバル展開するバイエルグループとの協働を通じて、世界市場進出への足掛かりになる可能性があるという。

 独バイエルは世界的な医薬品メーカーで、2016年の売上高は468億ユーロ。12年に米サンフランシスコで、14年にはベルリンで、それぞれベンチャー企業の支援施設を開設した。いずれも複数企業を誘致して協業を進めている。

 日本では、バイエル薬品の大阪本社に近く、企業や研究機関などの交流が盛んなポーアイ2期を選んだ。同社の担当者は「大学や行政などとともに、創業間もない企業を支援する枠組みをつくりたい」としている。

1934とはずがたり:2017/12/28(木) 21:30:40
エジソンが実験で友人に飲ませて具合を悪くしたらしいが普通に飲めるみたいだ。ほんとは何を飲ませたんだ!?

沸騰散
https://www.google.co.jp/search?q=%E6%B2%B8%E9%A8%B0%E6%95%A3&oq=%E6%B2%B8%E9%A8%B0%E6%95%A3&aqs=chrome..69i57j69i60.40203j0j4&sourceid=chrome&ie=UTF-8

1939荷主研究者:2018/01/02(火) 11:32:30

https://www.nikkan.co.jp/articles/view/00455903?isReadConfirmed=true
2017/12/27 05:00 日刊工業新聞
化学各社の研究開発拠点、関西で相次ぐ 内外連携重視で活性化

大阪ソーダが10月に稼働した「総合研究開発センター」。フリーアドレスを取り入れた執務スペース

 化学メーカーが関西地区で相次ぎ研究開発(R&D)拠点を新設している。各社が重視するのは“フリーアドレス”と“オープンイノベーション”の機能だ。汎用化学品から機能化学品にシフトしてきた化学産業だが、各部門や社内だけにこだわる壁を壊し、新製品の開発や新規事業の迅速立ち上げにつなげる狙いがある。(大阪・日下宗大)

【アイデアに期待】
 「太平洋でクジラを釣れ」。大阪ソーダの佐藤存会長は、独特の例えで大きな成果となる新製品の開発を号令する。同社は研究センター(兵庫県尼崎市)の敷地内に「総合研究開発センター」を新設、10月に稼働した。

 力を注ぐヘルスケア領域の研究設備などを充実させ、120人を収容可能なフリーアドレスの執務スペースを設けた。随所で研究員同士が議論できる空間も用意。予期せぬ出会いやコミュニケーションで、新製品のアイデア出しを期待する。新棟の周囲には、今後の増設余地を残した。寺田健志社長は「水槽は大きくしないといけない」と話し、ニッチ(すき間)な高機能化学品の開発を強化する。

 宇部興産は2016年に堺工場(堺市西区)内に「大阪研究開発センター」を設置した。

 17年4月には、ダイセルが兵庫県姫路市の総合研究所と姫路技術本社を集約し、新執務棟「アイ・キューブ(iCube)」を設けた。両社のR&D拠点も、フリーアドレスとオープンイノベーションの機能を目玉に掲げる。

【事業化の可否】
 この2機能はR&D拠点で必須となってきた。ダイセルの札場操社長は「開発段階で事業化の可否も同時に考える必要があるからだ」と解説する。新製品の開発競争が加速するなか、性能が良くても需要がない製品の開発は回避したいところ。

【国際競争力強化】
 R&Dや生産技術、営業などの各担当者、さらに大学やベンチャーなどと交流が活発になることで、実用的な新製品が生まれ、実現可能な新規事業を創出することができる。

 ある化学メーカーの研究所長は「フリーアドレスを取り入れたいが、施設棟が旧来型なので難しい」とこぼす。各研究員が自発的に開発に取り組む環境をどう構築するか、研究棟という“ハコ”が果たす役割の重要性が、再認識されている。

 老朽化した設備や施設の更新を迎える化学メーカーは増えている。国際競争力を高めるべく、フリーアドレスとオープンイノベーションの機能でR&D拠点を活性化する動きは、今後も増えそうだ。

(2017/12/27 05:00)


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