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「今の教え」と「本流復活」を考える・挨拶板

1386SAKURA:2013/02/27(水) 19:16:38 ID:1Xv3bE6g
トキ様 へ   観覧者の皆様 へ
こんばんは……。   ロ−マ字(大文字)の【SAKURA】で〜〜〜す。

先日からの?素敵な〜〜〜書籍との出会い〜〜〜☆
その中からの“投稿”をと…(微笑) 今日は…・…【NANCY】が、キーボードの打ち込み!!
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>>1378>>1379>>1384>>1385 投稿の続きです…。 

■ 臨死―――
―――|――救急車の旅  第三章  ――――― 【第 十六 回】 

一九八四年七月二日  午後一〇時三〇分

 救急車のスピ−ドが落ちるのを感じました。二股に分かれている道を曲がるためにブレ−キを
踏んだのです。カ−ブを曲がった救急車が再びスピードをあげて走り去った時、私は車の屋根か
ら飛び出して中空に浮いていました。そこから、木々に囲まれた道を救急灯を点滅させながら疾
走し、遠ざかっていく救急車を眺めていました。

 この新しい状態を理解するまでにしばらく時間がかかりました。私は道路から一二、三メート
上空に、宙ぶらりんの格好で浮いていました。体勢を立て直しながら、下をみると私のロ−レ
ックスがなくなっているのです。遠くへ消えていく救急車に目を向けました。救急車の連中がロ
―レックスを踏んだんだ。お金も服までも……。もう一度バランスをとろうとしながら、もう一つ
なくなっているものがあることに気づきました。私の身体です。

 私はもう一度真っ暗な道路を見下ろしました。救急車が私の身体と一緒に行ってしまってから
久しく時がたっています。ひょっとして自分は、理解をはるかに超えたものすごい詐欺にまんま
とひっかかった犠牲者なのではないかとおもいはじめました。私は真っ暗な寂しい道路の上空に、
ロ−レックスも、お金も、洋服もなく、身体さえ失ってぽっかりと浮いていました。
 
この状況はある意味ではノ−マルに感じられましたが、次にとても奇妙なことが起きました。
私の意識に、自分の人生で手に入れた「おもちゃ」すべてが次から次へと万華鏡のように展開し
ていったのです。矢継ぎ早に、これらの物が現れては消えていきました。不動産や家、ベンツや
ヘリコプタ−。水上飛行機にリムジン。すべてが蒸発してしまったかのように目の前で無の中へ
消えていきました。まず高校生のときに乗っていた最初の車、次に私のバスケットボ−ル、テニ
スラケット、自転車、それから子供時代にもっていたおもちゃ全部。一瞬私は幼くなって、祖母
の地下室のプレイル−ムで自分のおもちゃの電車がレ−ルの上をくるくる回るのを見ていまし
た。やがて、その情景はすべて蒸発してしまいました。私は、まだハイウエイの上空に引っかか
ったままです。独りぼっちです。おもちゃも全部なくなってしまいました。

                            つづく


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