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「今の教え」と「本流復活」を考える・挨拶板

1385SAKURA:2013/02/26(火) 21:57:45 ID:1Xv3bE6g
トキ様 へ   観覧者の皆様 へ
こんばんは……。   ロ−マ字(大文字)の【SAKURA】で〜〜〜す。

先日からの?素敵な〜〜〜書籍との出会い〜〜〜☆
その中からの“投稿”をと…(微笑) 今日は…・…【NANCY】が、キーボードの打ち込み!!
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>>1378>>1379>>1384 投稿の続きです…。 

■ 臨死―――
―――|――救急車の旅  第三章  ――――― 【第 十六 回】 

一九八四年七月二日  午後一〇時三〇分

 警官は救急車の中で行なわれていることを一字一句聴き取ることができたのです。病院側と救急
車のドライバーとの間で交されれる会話からは、状況が大変芳しくないことが伝わっていました。
警官が私が助かるかどうかの見込みを話し合っていると、突然無線から緊迫した鋭い声が飛び込
んできました。救急車のドライバーが病院に、「患者が今、心臓停止を起こしました!」と報告した
のです。どうやら私はもう望みがなさそうです。

 遠く、本当にはるか彼方から声が聞こえたように感じました。私は必死にもがきながら、その
声に耳を傾けました。誰でもいい、誰かと話せたら……。私はまだ完璧な暗くて重たい闇の中に
いました。静粛、そして沈黙。するとまたはるか遠くに声が聞こえたのです。私の身体は浮き上
がり始めました。ゆっくりですが、確実に。まだとても遠くから聞こえるその声に向かって……。
 
「生命徴候が消えました!! もうだめだ!!」

 耳に飛び込んできた言葉で、ともかくびっくりしました。私は頭を上げて、何が起きてい
るのかを確かめようとしました。私は救急車の中に仰向けに寝かされていました。

脇にいる救急車に向かって顔を上げたとき、自分の頭ががくっと左側の方に落ちて、肩にく
っついたような気がしました。私は救命士と向き合っていました。彼に一生懸命自分は大丈夫な
のだと伝えようとするのですが、私の声が聞こえないのか気づいてくれません。彼は私がまるで
存在しないかのように、私の身体を通り越して向こうをみています。

 この時点で車内は大騒ぎでしたが、私にはそのことがさっぱり理解できませんでした。なぜな
ら私は上半身を起こし、気分も上々。でもドライバ―はアクセルをさらに踏み込み、無線で報告
しながらまっしぐらに病院へ向かっています。彼は病院に「患者は今、心停止を起こしました!」
と伝えました。ビルの悲鳴が聞こえてきました。

 「だめだぁ! あきらめるな! がんばるんだ! ほらがんばって! ああ、神様……!」
 
本能的に私はストレッチャ―を見下ろしました。救命士は死んだかに見える患者に覆い被さり、
あわてふためてなにやら処置を施しています。そして私は気づいたのです。寝台に寝かされて
いるのは自分自身だということに。

                        つづく


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