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102竜野翔太 ◆sz6.BeWto2:2012/08/31(金) 20:26:22 HOST:p8152-ipbfp4204osakakita.osaka.ocn.ne.jp

「いや、霧野……さすがに無理があるだろ」
 霧野の発言に、大きな声を出したもののやはり信じられなかった折宮はそう言う。
 そんな折宮の傍らで、同じ意見を持つ雪路はこくこくと頷いている。
 そう言われても、という表情で霧野と篠崎はお互いの顔を見合わせた。
「……いや、私でも信じられないけど……本当なんだって」
「お前も信じてないのかよ」
 霧野の言葉に折宮はそう返す。
 言いながら、折宮は身長の関係上見下ろすように篠崎を見つめるが、元々目つきが悪い彼女が、凝視しているためさらに目つきが鋭くなり、睨みつけているような状態になっているため、篠崎は僅かに怯えている。
 彼女が注目しているのは、篠崎の顔でも体型でもない。男か女かを見極めるために彼女が見ている先は……。
「……できれば、これは実行したくなかったが……篠崎、すまん」
 折宮は言うと、スッと両手を伸ばし、

 篠崎の胸に自分の両手を押し当てた。

 押し当てて数秒、篠崎が恥ずかしいと思い始めた瞬間に、折宮はゆっくりと胸から手を離し、未だ相手の胸に触れていた官職が残る手の平を見ながらぶるぶると震えていた。
 その光景を不気味に思いながら雪路が折宮に問いかける。
「折宮さん。どうかいたしましたの?」
「……ない」
 雪路はよく聞き取れなかったため『は?』と声を漏らす。
 何でもない、と言ったのか深く言及はしなかったものの、折宮はゆっくりと雪路の方を見て告げた。

「……胸なかった……」

「えぇーっ!? う、嘘でしょう!? そんな、胸がな……、えぇーっ!?」
 雪路も雪路で相当混乱しているようだ。
 恐らく彼女の言いたいことは『女性なのに胸がないなんておかしいですわー』的な事だと思う。篠崎は僅かに頬を赤くしながら、
「だ、だから男だって言ってるじゃないですかっ!」
 混乱する折宮と雪路に篠崎はそう言い放った。
 そんなこんなで四人は潜入先である剣木浜航行の門の前へと到着していた。
 四人は門の奥にそびえる校舎を見つめて言葉を交わす。

「……やっと着いたな、いや。着いちまったな」
「あらあら、まだ嫌がってるんですの? いい加減覚悟を決めたらいかがです?」
「そうですよ。……私だって学ランが良かったんですから」
「いや、お前が着たら着たで違和感ありまくりだろ」
「まあそれは同感ですわ」
「まあまあ、とりあえず工藤会長から任された任務……しくじるわけにはいかないよ!」

 四人は誰が言うまでも無く、校舎の中へと脚を踏み入れていく。
 そうしながら折宮が全員に呼びかけた。
「行くぜ」

103竜野翔太 ◆sz6.BeWto2:2012/09/02(日) 00:32:28 HOST:p8152-ipbfp4204osakakita.osaka.ocn.ne.jp

 とりあえず、工藤に言われたキャラ(設定)で剣木浜高校の中に潜入する事になった霧野、篠崎、雪路、折宮の四人はそれぞれ行動を開始する事にした。

 一、霧野七瀬の場合。
 転校生、という設定であるため、一時間目の授業が終われば彼女の周りには数名の生徒が集まっていた。比率的には女子の方が多めだが、男子も三、四人程度視界に映っている。
 彼女はクラスメート達に囲まれながら、内心ではこう思っていた。
(……はあ、まさか二ヶ月程度の間で転校生としての自己紹介を二度もするなんて。どんだけ親が転勤してる家庭なのよまったく……)
 設定をつけた工藤への愚痴にも思えるが、彼の言ったとおり、霧野の噂は『謎の美少女転校生』となっていた。
 本人では『美少女』という自覚が無いため、そう囃し立てられるのには少し抵抗があり、本人としても恥ずかしい。
(うぅ、早く戦場原学園に帰りたい……)
 真っ先に思い浮かんだのは藤村の顔だった。
 彼が一番最初に思い浮かぶ、ということは彼に何か特別な感情を抱いてしまっているのでは、と考えてしまうが首を左右に大きく振って思考を無理矢理に変える。きっと一番身近にいるから思い浮かんだだけなんだ、という思考に。
 一方で、霧野に質問してくる男女はこっちの気などお構いなしである。

「ねーねー、霧野さんってどんな男性が好みなの?」
「音楽とか聴く? 好きなアーティストとかは?」
「得意科目は何かな? 私は英語が得意なんだけど……」
「霧野さんっていい匂いするけど、何か香水使ってるの?」
「どうやったらそんな綺麗な髪を維持できるのー?」

 クラスメートの質問攻めに目をぐるぐると回す霧野。
 彼女はその場の全員を牽制するように、手の平を前に突き出して制止を促した。
 それから呼吸を整えて全員に告ぐ。
「……ちょっと待って。質問には答えるから……答える代わりに、私が聞きたい事、先に聞いてもいいかな?」


 二、篠崎唯の場合。
 潜入した教室では休み時間中であった。
 隣の男子が友達と仲良く話している内に、話しが盛り上がり僅かなアクションが交えられる。しかし、アクションが大きかったため、篠崎の机に男子の手が当たり、篠崎は『ひゃっ!?』という声を漏らす。
「あ、悪い……」
 男子は思わず謝罪をした。
 『クラスにこんな可愛い子いたっけ?』という設定の篠崎は、涙目になって男子生徒二人を見つめている。
 その光景を目の当たりにした男子生徒は僅かに頬を赤くして、ひそひそと会話を始めた。地獄耳の篠崎には聞こえていたが。

「(……おいおい、あんな可愛い子クラスにいたか?)」
「(……いや、覚えてないけど……でも確かに超可愛いよな)」
「(ちょっと誘ってみよーぜ)」

 二人は意見がまとまったのか、にっこりと笑顔を浮かべながら篠崎に問いかけた。
「え、えーと……今日時間ある? 良かったら俺らと喫茶店でさぁ……」
「……あ、あの、えっと……私、その……」
 急な誘いに頬を赤くしてもじもじしだす美少女に見える少年篠崎唯。男と分かっていない男子生徒二人の心はもう篠崎の可愛さに射抜かれている。
 僅かに困ったような表情を浮かべたまま、小さな声で返答を返す。
「……べ、別に構いませんけど……。……その、私なんかでいいなら……」
 男子生徒二人は小さくガッツポーズをする。
 篠崎は座ったままなので、どうしても男子生徒二人には上目遣いになってしまうため、その状況を利用して篠崎は上目遣いに訊ねる。
「その代わり、私が聞きたい事を聞いてもいいですか?」

104竜野翔太 ◆sz6.BeWto2:2012/09/02(日) 17:46:45 HOST:p8152-ipbfp4204osakakita.osaka.ocn.ne.jp

 三、雪路冬姫の場合。
「ヲーホッホッホッホッ!! ホホホホホホ!!」
 高笑いをしながら廊下を闊歩する雪路冬姫。これで回りに二、三人程度取り巻きの人がいればより偉そうかつ、周りの生徒も座めきだすだろうが、今一人の彼女ではただの痛々しい生徒である。
 彼女は表では笑っているものの、内面では大号泣していた。
(……はぁ、何でわたくしがこのような役回りなんですの……? 工藤会長様もわたくしの事を勘違いなされていますわ。とりあえず、嫌でも課せられたお役目はまっとうしなければ。少しでも有力な情報を入手し、会長様のお役に立って見せますわ!)
 彼女が自分で自分を奮い立たせた頃、丁度男子生徒がひそひそと会話を始めていた。
 雪路は高笑いをしながら、その会話に聞き耳を立てていた。
 適当に笑えばいいのだから、と考えている雪路であったが、聞き耳を立てるあまり高笑いが『おほほほ』から『うへへへ、ぐへっぐへっ』という下品な類の笑いに変化してしまっているが、雪路本人は気にしていないのだから、勿論気付いてなどいない。
 彼女が聞いた会話を整理するとこういうことだ。
 『あの女子ちょっと可愛いよな』『一年生の子か?』『俺、ああいう黒髪ロングがタイプなんだよなー』『ちょっと話しかけてみようぜ』といったところである。
 雪路は心の中で思い切り叫ぶ。

(―――キタァァァ!!)

 雪路は会話をしていた生徒の方へと振り向き、踵で音を鳴らしながら近づいていく。
 それから動揺している生徒達に向かって、『高飛車なお嬢様キャラ』を全面に出した台詞を言う。
「あらあら貴方達、わたくしに興味がおあり? ならば傅(かしず)いても構わなくってよ? ただし!」
 やるべきことを失念していない雪路は、しっかりと条件をつける。
「わたくしの知りたいことに、何でも答えてくださる?」


 四、折宮明日香の場合。
 学校の裏庭辺りで、折宮は表情を引きつらせながら戸惑っていた。
 彼女が思うことは『どうしてこうなった?』である。
 それもそのはず、彼女が転校してきていきなり不良グループに突っかかられたからリーダー格をぶっ飛ばしたところ、新たなリーダーとして担ぎ上げられたのだ。元々男っぽい顔立ちで学ランを着ているので、皆からは『兄貴』と呼ばれている。
 工藤から出された彼女の設定は『不良少年』であるが、ここまで思い通りに行くとは思ってもいなかったであろう。
(……ちっくしょー、すんなり設定を達成しちゃった。案外工藤の考えも的を射てたってことかよ、納得いかねーし。しかも私、『兄貴』じゃないし)
 とも言えず、彼女は仏頂面で座っており、頬杖をついている。
 妙に不良スタイルが板につく少女だ。
「兄貴! 校内に美少女転校生と謎の影薄い美少女と高飛車な美少女がいるらしいですが、人目見ておきますか?」
 一人の不良がそう言ってきた。
 何でもかんでも美少女かよ、とツッコミたくなるのを抑え、彼女は軽く息を吐いた。
 不良が言うに霧野と篠崎と雪路も上手く潜入できたようだ。彼女は一安心すると、
「いや、そこまで興味もねーし見る必要もねーよ。とりあえず腹減ったから焼きそばパンといちごミルク買ってこい」
 へい、と返事をした不良とその他二人ほどが購買へと駆け足で向かっていった。
 折宮は近くにいた地位的に二番目くらいの奴に、『耳を貸せ』と指で合図をする。
 彼女は男に耳元で囁いた。
「今から俺が聞くことに全て答えろ。一つでも答えられなかったら叩き潰すからな」

105月峰 夜凪 ◆XkPVI3useA:2012/09/05(水) 19:51:08 HOST:p10226-ipngn100102matsue.shimane.ocn.ne.jp
コメント失礼しますノ

さて、明日香姉さんがかっこよすぎるのですがどうしましょう←
毎度のことですが、どうも月峰は翔が書くかっこいい系の女の子を好きになるみたいです(´・ω・`)
というか、明日香姉さんと七瀬ちゃんの絡みが凄く好きです!なんというか、クールな子が一人だけに心を開くというか、そういうのが大好きなんですw某都市最強な白い人然り((

さて、無差別に生徒が襲われる事件……怖いですね。主犯は果たして誰なのでしょう。
それでは、今後も藤村ハーレム……じゃなくて、幽鬼くんの活躍を楽しみにしてます!
さらにいうと、翔一くんが何気に好きなので、彼の活躍も楽しみにしてますw

ではでは、続きも頑張ってください^^

106竜野翔太 ◆sz6.BeWto2:2012/09/06(木) 16:43:03 HOST:p8152-ipbfp4204osakakita.osaka.ocn.ne.jp
ナギー>

コメントありがとうございます。僕の方もこの呼び方でいきますね^^

いきなり姉さんと呼んでもらえるとはw きっと明日香も喜んでいますw
本当は明日香は一人称『俺』でもっと男みたいなしゃべり方にしようかと思っていたんですけど、今更ながら男性キャラの個性がそげぶされそうなので、一人称は普通の女性キャラと一緒にしました。
自分の中でもかっこいい系の女性が好きなので、それで結構多めになっちゃったりしてるかもですw 明日香が出てからは、かっこいい系女性の登場はほとんどなくなると思いますw
明日香と七瀬の絡みはやろう、と思っていたことなのでw 構想どおりにできてホッとしていたりしますw 白い人……いいや、彼はロリコンなだk((

この話で風紀委員いっぱい出てきてもいいはずなのに、一人だけに任すとか委員長さん大胆(( ともあれこの事件で懐かしい(?)人物が出てきますw
あー、明日香もハーレムに加わるという嫌な予感が……。幽鬼に好意を寄せる女性を少なめにしようと思っていたのに((
彼は中々目立たない幽鬼の親友です。僕も彼が好きなので活躍させようかな、とは思っていますw 今のところ可愛そうな場面しかありませんがw

はい。期待に沿えるようがんばります^^

107竜野翔太 ◆sz6.BeWto2:2012/09/08(土) 17:55:33 HOST:p8152-ipbfp4204osakakita.osaka.ocn.ne.jp

『というわけで、私の聞き込みでは有力と思われる情報は手に入りませんでした。皆さんも事件のこことは知っているものの、黒幕などは全く知らないらしいです』
 携帯電話から聞こえてくる可愛らしい声を聞きながら、生徒会長工藤政宗は静かに『そうか』と返した。
 彼の電話の相手は戦場原学園の生徒を襲った主犯がいる剣木浜高校に潜入している四人のうちの一人、篠崎唯だ。彼は事件の詳細を知るために、篠崎以外にもう三人、霧野七瀬、雪路冬姫、折宮明日香を潜入させており、彼女達から情報を受け取る、という方法を実行していた。
 今は篠崎唯から情報をもらっていたのだが、本来情報を教えてくれた側がする表情を工藤はしていなかった。どこかまずいような、同じことを何度も繰り返し言われたような顔だ。勿論のこと、篠崎は何度も繰り返し言ったわけではない。
「……なるほど」
『すいません。有力な情報を掴むことが出来なくって……』
 申し訳なさそうに謝る篠崎に、工藤は慰めるように優しく言葉をかけてやる。
 慰める、というより皆もこんな感じだから、というようなニュアンスで。
「いや、別に謝る必要はないよ。そうだろうと、俺も予想していたからね」
『へ?』
 篠崎はきょとんとしたような、間のぽっかり抜けた声を思わず漏らした。
 工藤はきわめて落ち着いた様子で、受話器の向こうにいる篠崎に語りかける。
「実は君からの連絡のちょっとだけ前に霧野さんと雪路さんからも連絡があってね。二人ともこう言ったよ『事件を知っていても黒幕を知っている人はいない』ってね」
 それって、と篠崎が気付いたような声を出した。
 四人のうち三人からの情報が全て同じ、ということは剣木浜高校に黒幕を知っている一般生徒はいないということになるのではないか。
 篠崎も工藤も僅かにそんなことを感じ始めていた。
『そ、それじゃ……、私達が潜入しても意味なんてないんじゃ……っ!』
「すまないがそうかもしれない。でも、これは君が悪いわけじゃないから大丈夫だよ」
 篠崎は唇を噛むような声を漏らすと、
『……何かあったら、また電話します』
 すっかり落ち込んだ様子で、向こうから一方的に電話を切られた。
 しばらく携帯電話を眺めて黙っていた工藤に、彼のルームメイト真田紫はお茶を入れたコップを運んできながら彼に聞いた。
「で、どうだったの? 貴方が送った潜入隊達は。上手くやってた?」
 彼女の言葉に工藤は僅かに表情を曇らせ、
「んー、上手く溶け込めは出来たようだよ。ただ、情報の収集に手間取ってるみたい」
 そう言うと、工藤の携帯電話がコール音を鳴らした。
 表示された名前は『折宮明日香』。あれ、番号教えてたっけ? と不審に思う工藤だったが、携帯電話を開き、耳に当てると、

『工藤、テメェこの野郎ッ!! ふざけてんのか!!』

 とんでもない怒号が飛んできた。
 そんな怒らせるようなことしたかなー、と思う工藤だったが、今の大音量に携帯電話が壊れてなくてよかったと本気で思う。
 彼は再び携帯電話を耳に当て、嫌そうな応対をする。
「……えー、何? 明日香ちゃん、何をそんなキレてんの? 俺なんか悪いことしちゃった?」
『そうじゃねぇよ。お前私にだけ連絡先教えてなかったろ! 折角の情報を手に入れてやったのに、どういうことだ。わざわざ霧野に教えてもらったよ!」
 情報、という言葉を聞いて工藤は、
「あー、いいよ。結局君も黒幕までは掴めてないだろ? 実は他の三人もさー」
『ってことは私が一番乗りってことだな』

 その言葉に、工藤の目つきが変わる。

「ってことは……」
『ああ。黒幕まで掴めたよ』
 工藤は声色を真面目な調子に戻して、折宮に言う。
「明日香ちゃん、教えてくれ」
『いいよ。ただし、「教えてください折宮サマ」って言ったらな』

108竜野翔太 ◆sz6.BeWto2:2012/09/10(月) 15:28:59 HOST:p8152-ipbfp4204osakakita.osaka.ocn.ne.jp

 言われたとおりに工藤は『教えてください折宮サマ』と言ったが、折宮の方が中々話してくれなかった。それもそのはずで、工藤の言い方が棒読みだったことが気に入らないらしい。結果的に工藤は五回ほど言い直させられて、ようやく折宮の口から情報を聞き出すことに成功した。
 さすがに五回もやれば面倒になってきたのか、折宮もきっと妥協してくれたのだろう。
『まず情報の確認といこうか。お前が手に入れた情報をもう一回言え』
「……折宮さんってさ、俺が先輩だって忘れてない?」
 命令されたことに怒りはしないものの、工藤はため息をついてそう言った。本人である折宮は特に何も言わない。代わりに『知るか』とだけ返ってきた。彼女は一生自分に敬語を使わないだろう、と工藤は確信した。
 とりあえず話が進まないので、工藤は折宮の言ったとおり情報の整理と考えて知っていることを話した。
 とは言っても、犯人に繋がる情報は『剣木浜高校の生徒』ということしかないが。
 工藤は話し終わると、折宮に問いかけた。
「俺の情報が全然役に立たないことは分かってるよ。君はそれほど勝ち誇りたいのかい?」
『嫌な奴みたいな言い方するな。そんなんじゃないし、お前より優位に立とうとも思ってない』
 こりゃ失敬、と工藤は素直に謝るが、真剣にではないだろう。
 そんな工藤とのやり取りにも慣れたのか、折宮のため息も今まで長い間工藤と接してきたような感じがした。身近な人物でたとえると、真田紫あたりがつきそうなため息だ。
 折宮が話を戻そうと、真剣な口調で再び口を開く。
『犯人の数って、大体何人ぐらいか把握できてるか?』
「さあね。そこまではさすがに分からないや。人数も把握できたのかい?」
『まあ、そんなところだが……』
 最後の方だけ、自信に溢れてた口調から頼りなさが突出してきた。
 ? と工藤が首を傾げていると、折宮は先程の工藤の情報をもう一度確認するように聞き直した。
『さっき確か、犯人は「剣木浜高校の生徒だ」って言ったよな?』
「ハズレだったかい? 少し自信があったんだけど―――」
『いや当たってるよ』
 折宮は一泊置いて答える。

『一人を除いてな』

 工藤の表情が一瞬にして変わる。
 犯人は複数。そのうちの一人が、剣木浜高校と関係が無い外部の人間だとでも言うのだろうか。
 折宮は落ち着けるような口調で、
『主犯は五人。四人はれっきとした生徒だが、一人だけ名簿を見ても確認できなかったんだ。実際に私が見たわけじゃなく、舎弟どもが言ってたから、ガセの可能性もあるんだけどな』
「……さすがだね、もうそんなところまでたどり着いたって言うのか」
『マグレだよ。実際私が霧野達と同じようなやり方だったら、手に入れられてなかっただろうしな。そこは感謝しとくよ』
「はははっ、やめてくれよらしくない。しかし、さっき舎弟って言った? 反論してた割にはノリノリじゃないか」
「うっせーよ。ノってるんじゃなく、ノせられてるんだよ』
 折宮は嬉しそうに言う。
 その後も情報が続いたが、主犯五人の名前は判明していないようだ。聞こうとしたが舎弟達も知らないらしく、ただ五人が犯行を行ったのは知っているらしい。
「とりあえず、情報ありがとう。明日藤村くん達にも伝えておくよ。潜入組への伝達はよろしくね」
『オイオイ、私任せかよ』
 折宮は軽く笑いながら言ったが、素直に了解した。
『あ、そうだ』
 思い出したように、折宮は工藤が電話を切るのを止める。
 工藤が眉をひそめていると、折宮は確認というよりは、質問的なニュアンスで問いかける。

『お前、篠崎が男だって知ってた?』
 数秒の沈黙。
 工藤の回答は『もちろんさ』という自信に満ちたものでもなければ、『えぇっ!? そうだったの!?』というオーバーなものでもなく。

「……うっそーん……」
 言葉の割にはテンションの低いリアクションだった。

109竜野翔太 ◆sz6.BeWto2:2012/09/17(月) 21:00:29 HOST:p8152-ipbfp4204osakakita.osaka.ocn.ne.jp

「へぇー、戦場原学園の生徒が無差別にねぇ」
 武器屋『ウェポン』の女店主、那月流生は売り物の刀の刀身を入念に磨きながら言った。何度も何度も磨いた刀身は元の輝きを取り戻し、ぎらぎらと銀色に光っている。見てるだけで切り裂かれそうだ。
 しかし、流生はまだ満足してないのか刀を眺め『うーん』と声を漏らすと、再び磨き始めた。
 どうも納得していないようだ。やはりこういうものは素人には分からない職人のこだわりみたいなのがあるのだろうか。ドライな流生にあるとも思えないが。
 流生の言葉に藤村は頬杖をつきながら言い返す。
「とか言って、本当は知ってたんでしょ、工藤会長とかの連絡で」
「あはは、やっぱバレたか!」
 流生は笑い飛ばしながら言った。
 やっぱり知ってたのか、と藤村は心の中で思う。こういう重大なことを工藤は伝えてそうだなと思い『ウェポン』に来て正解だった。
 流生は刀を磨きながら、
「まあそれはそうとして、お前らも大変だな。つーか敵地への潜入メンバー誰一人知らないんだけど」
「あ、そうだった……」
 霧野も篠崎も折宮も『ウェポン』に来たことがなかった。修行場所がここであることは伝えてはいたが、紹介はしてなかったな。今度連れて来ようと藤村は思う。意外と神乃院もここを雪路に教えてなかったようだ。彼女もついでに連れて来よう、と藤村は再度思う。
 藤村が来たことに気付いた『桜っち』こと桃音ミルが明るい表情をして藤村にまとわり付く。
 流生との戦いで藤村に好意に最も近い興味を抱いたらしく、藤村が来るのをずっと心待ちにしていたのだ。彼女は幸せそうな表情をしながら藤村にくっついている。藤村もどう対処すればいいか分からず、宙を泳がせていた手を落ち着かせ、彼女の頭の上に軽く乗せた。
「しっかし政宗も頑張ってやがるな。会長に向いてないとか言いやがって、相変わらず適当な奴だなー」
「いや、今も適当っすよ? でも意外としっかりしてるよな。潜入メンバーを選んだ基準はよく分からんが」
「まあそういうもんだって。私だってそこは適当に選ぶ自信しかねーし」
 自信持つとこか? と藤村は心の中でツッコむ。
 桃音が顔を上げて藤村を見つめると、彼女はテレパシーを使って藤村に問いかける。
『犯人のシルエットは掴めても、事件を起こした理由は分からずじまいですか。ちょっと手こずりそうですね』
「そうなんだよ。一体どんな理由が……」

「ただ喧嘩を売りたかった―――ってのは考えられねぇか?」

 流生が口を開く。
 彼女は磨いてた刀をようやく鞘に収めて机の上に優しく置いた。
 藤村が聞き返すよりも早く、彼女の次の言葉が紡がれた。
「襲撃事件には因縁ってのがつきものだ。だが、それは特定個人に対してだけ。襲われた奴同士には何の関係もなかったんだろ? 同じ場所にいたってこと意外は。だったら、『喧嘩を売りたかった』ってのも考えられない理由じゃない」
 藤村は納得してしまう。
 確かに無差別な襲撃事件ならばいちいち理由をつけることもないはず。
 この意見に意義を発したのが桃音だ。
『でもそんな子供っぽい理由でやりますかね? いくらなんでも単純すぎるというか……』
「単純で良いんだよ、こういうのは。ぐだぐだ考えたら良い理由ってのは中々浮かばないもんだしな」
 桃音も納得してしまった。
 流生は藤村の方を見つめて言う。
「卒業生の考えだ。そこまで深く考え込むこともない。―――だが、」
「ないとは言い切れない、ですよね」
「分かってんじゃん」

 藤村は椅子から立ち上がって扉のドアノブに手をかける。
「ありがとぐおざいました、流生さん」
「政宗によろしくな」
 藤村は勢いよく扉を開け、逃げ出すように店内から飛び出していった。

110竜野翔太 ◆sz6.BeWto2:2012/10/27(土) 17:27:48 HOST:p8152-ipbfp4204osakakita.osaka.ocn.ne.jp
ACT.13「脱出開始」

 流生に言われた可能性の情報を、『ウェポン』から飛び出した藤村は生徒会室に戻りその場にいた工藤、真田、神乃院、神山に伝える。二年生メンバーと狩矢は見回りのようだ。いつ事件が起きてもおかしくないため、ゲームセンターに近寄る生徒を早く帰らせているらしい。
 藤村が流生の言っていたことを話すと、工藤は考えるような仕草をしながら頷く。
「そうだね。可能性としてはありそうだ。それにしても、何処に行ってたのかと思ったら『ウェポン』にねぇ」
 苦笑いをしながら工藤は言った。
 どこか自分も行きたそうな感じに聞こえたが、仕事のせいで行けない。子供と約束していた遊園地を仕事が入ってしまい行けなかったお父さんみたいだった。
 椅子に腰を掛けながらプリンを食べている真田が口を開く。
「流石、と言ったところかしら。あの人は私達みたいなカチコチの頭じゃ考えられないような思考回路をしてるからね。こういうところではかなり頼りになるわ」
 まるで他はてんでダメみたいな発言だった。
 流生が聞いたらどういう反応するんだろう。多分怒りも泣きもせず『あっはっはっはっ! 言うようになったじゃねぇか!』とか言ってむしろ喜びそうだ。
「でも、そうだとしたら疑問があるんですけど……」
 神乃院が遠慮気味に手を挙げながら言った。
 工藤と真田の視線が彼女に集中し、彼女は泣きそうな顔になりながらも質問の内容を伝える。
「工藤会長が折宮から手に入れた情報は『犯人の一人は学生ではない』。そして流生さんは『喧嘩が売りたかっただけ』。一体こんなことやって何になるって言うんですか? 大体、喧嘩を売りたいなら別に私達じゃなくてもいいでしょうに」
「そこが不思議なのよね」
 真田がプリンを食べ終わり、溜息をついた。
 犯行理由が分かっても動機が不純で目的が掴めない。彼らが一体何のためにこんな事を行ったのか。それが掴めないというのは何だか気持ちが悪い。
 すると黙っていた神山が口を開く。

「んじゃ、その学生じゃない奴がうちに因縁があったんじゃねぇの?」

「―――!」
 神山の言葉に工藤が表情を変える。
 それに気付かない他のメンバー。真田が神山に呆れたように溜息をつく。
「それも考えたわよ。でもだったら何故在籍中の奴らがそいつの指示に従ってるのよ。突付けばいくらでも質問が出てくるわよ?」
「……いや、あの……あくまで可能性であって……」
 真田の鋭い指摘に神山が完全に萎縮する。彼女は改めて怖いと全員が確認した。
「……一人、いるんだ」
 工藤が口を開く。
 意味深かつ意味が分からない言葉に全員が注目する。
 工藤は全員の視線を感じたのか、彼らが駆動の方へと向くと話を始めた。
「あの学校でたった一人いたんだ。かつて俺と戦ってボロ負けした奴が。そいつは剣木浜高校で一番強く、信頼されている奴だった。あいつは俺達より一つ上だったから今回の事件とは関係ないと思ってたけど、かつての最強が声を出せば、全員が協力態勢に入るだろうね」
「……懐かしいわね。二年前だったっけ?」
 真田が口を開いた。
 彼女は一年の時から工藤といるため、彼に関する事件や出来事には彼女も関わってきた同然なのだ。だから覚えていたのだろう。

「奴の名前は東城影史(とうじょう かげふみ)。戦場原を去った後、剣木浜で最強に返り咲いた男さ」

111竜野翔太 ◆sz6.BeWto2:2012/11/17(土) 22:39:44 HOST:p8152-ipbfp4204osakakita.osaka.ocn.ne.jp

「……剣木浜、かつての最強?」
 工藤の言葉に藤村、神山、神乃院の三人が復唱した。
 彼らは今年の四月に入学したばかりだ。工藤と剣木浜の最強、東城との事件は二年前。彼らがまだ中学二年生の頃だ。知らないのも無理はない。同じ高校の一年と二年が決闘した、という噂を神乃院が耳にした程度だ。
 真田は二つ目のプリンカップを開けながら口を開いた。
「政宗くんと東城先輩の事件は、二人の苗字の頭文字を取って『東工(とうこう)事件』と呼ばれてるわ。ま、事件と言うほど大きなことじゃなかったんだけどね」
 プリンを食べながら真田は淡々と述べる。
 その事件に直接とは言わずとも、現場は目撃していたはずだ。その割には噂だけを耳にしたような、自分はそのことをほとんど知らなかったような口調だ。
 あまりに淡々とした口調に違和感を覚えた藤村の心中を読み取ったのか、工藤は口を開いた。
 こういう時は、何かと鋭い男が工藤政宗だ。
「紫ちゃんは決闘の場面を目撃したわけじゃないからね。彼女が駆けつけたのは決着がついた後さ」
「そうなんですか?」
 反応を示したのは藤村ではなく神乃院の方だった。
 彼女も真田の反応には違和感を覚えていたようだ。当の真田は冷蔵庫から三つ目と四つ目のプリンを取り出している。かなり上機嫌だ。
 神乃院の反応に、真田はプリンを取り出しながら言葉を返す。
 あくまでも淡々と。自分は無関係だ、とでも主張するように。
 彼女の口調はさらりとしていて、聞きやすいといえばそうだが、違和感を覚えずにはいられない。
「まあ、二人が決闘するなんて知らなかったし。クラスメートから聞いて初めて知ったわ。柄にも無く血相変えて飛び出しちゃったし」
 真田は冷静さを失わない人物だ。それは今までのやり取りからでも、藤村や神山は分かっていた。
 能天気な工藤を支え、苛立つことが多い那月をなだめ、控えめな明智を牽制し、神乃院に好かれるような非の打ち所の無い彼女だ。よって生徒会メンバー四人の中でも群を抜いて冷静なはずだ。そんな彼女が血相を変えて飛び出すほど、工藤と東城の決闘は恐ろしいものだったのだろうか。
「当時の生徒会長は緩かったからね」
 今でもそんなに変わらないだろうが、彼女は誤解を生まぬように『今よりもね』と付け加えた。
 真田は四つ目のプリンも食べ終わり、再び冷蔵庫からプリンを取り出そうとするが、既になくなっていることにショックを受けていた。
 ショックを受けたまま、彼女は説明を続ける。
「……当時の会長さんは形だけの置物のような会長さんだったわ。仕事を部下に任せ、実力があるくせにそれを振るわない。良いように言えば平和主義者。悪く言えばただのヘタレ。それが当時の会長だった。だから政宗くんと東城先輩の決闘を知っていても何も言わなかったんでしょう。仮にも当時の二年最強だったんだから。東城先輩は」
「あの時は俺もびっくりしたよ。いきなり先輩に喧嘩売られたんだもの。それを言うなら俺も藤村くん達に似たようなことしちゃったね」
 工藤はあはは、と笑い飛ばす。
 そこで、神山ははっとする。
「って待てよ。じゃあ本拠にいる七瀬チャン達が危ないんじゃ?」
「大体そうですよ! そんな危険人物がいるなら、早く退却させた方が大体良いですって!」
 そうだね、と工藤が呟くように言う。
「紫ちゃん。俺から連絡しとくから、打ち合わせておいた場所へ向かってくれないかい」
「了解」
 二人はまるで長年連れ添った夫婦のように必要以上の言葉を交わさなかった。
 真田は部屋を出て、工藤は携帯電話で連絡を取る。

 連絡先は折宮明日香の携帯電話だ。

112竜野翔太 ◆sz6.BeWto2:2012/12/02(日) 14:28:46 HOST:p8152-ipbfp4204osakakita.osaka.ocn.ne.jp

 折宮はグランドに出ていた。
 工藤政宗からの退却命令のメール。それを見た瞬時に彼女は他の潜入メンバーである、霧野、篠崎、雪路にメールを送った。内容は『グランドに集合。四人揃って退却する』という内容だ。
 学ランを着た彼女がグランドで待っていると、篠崎と雪路が到着した。
 あとは霧野だけか、と折宮は小さく呟いた。
「いきなり退却なんて急ですわね。取り巻きに妙な表情をされましたわ」
「俺だって納得いってないっつの。舎弟にメシ頼んでたんだぞ」
 不機嫌そうに返答する折宮を見ながら、篠崎は口元に手を寄せてくすっと笑った。
 それに気付いた折宮が鋭い眼差しで篠崎を見る。というより、睨んでいるという方が合うくらい眼光が鋭い。
 目だけで『何笑ってんだよ』という質問を感じ取ったのか、篠崎は軽く謝ってから、
「折宮さん、今回のこの役。楽しかったでしょ?」
「なっ……!?」
 篠崎の言葉に折宮はドキッとする。
 彼女は僅かに頬を赤くしながら、叫ぶように反論する。
「そ、そんなわけねぇだろ!! 何で俺が工藤のお遊びに楽しさを感じてると―――ッ!」
「一人称。ちゃっかり『私』から『俺』に変わるほど役にハマってますわ」
 ぎくり、と折宮は自分でも気付かないほど自然な今の状態を雪路に指摘されて、ようやく気がついた。
 確かに潜入するまでは彼女は自分のことを『私』と呼んでいた。潜入した頃はうっかり『私』と言いそうになっていたが、今はそんな危うさも無い。むしろ、自然に『俺』と言ってしまうほどだ。
 折宮は地面に手と膝をつきながら、どんよりとしたオーラを漂わせている。
「……忘れてくれ……。覚えててもいいが、役になりきっていたことは工藤に言うな……」
「分かっていますわ」
「大丈夫ですよ。言ったら工藤会長が折宮さんをいじり倒すの目に浮かびますし」
 篠崎の言葉が、妙に折宮の心をえぐったことに本人は気付いていない。
 篠崎は校舎の方に視線を移し、
「それにしても、霧野さん遅いですね。ちゃんとメールは送ったんですよね?」
「送ったよ。そこら辺は忘れないって」
「あ、そういえば」
 すると雪路が思い出したように、
「中間試験中に神山さんが『最近出来た女の子の友達のメール返信が異様に遅い』と言ってましたわ。翌日教室で出会ってメールが来てたことに気付くとか。時期的に、その友達というのは霧野さんでは?」
 全員が固まった。
 中間試験といえば藤村、神山のいるD組に霧野が転入してきて数日後の出来事だ。女友達のいない神山が『最近出来た』というくらいなのだから、霧野のことで間違いないだろう。
 もしかしたら折宮の連絡も気付いてないかもしれない。
「……折宮さん、どうしましょう……?」
 折宮は無言で携帯電話をポケットから取り出し、
「あんにゃろう! 手間取らせやがって! ちょっと待ってろ、今すぐ電話をかけて―――」
 じゃり、と地面を踏みしめる音が三人に届く。
 気付けば周りには数人の剣木浜高校の生徒。彼らの手には鉄筋やバール、金属バットなどの鈍器が握られていた。これからどこかに攻めに行くような様子だ。
 だが、この状況を見た三人が『どこかに攻めに行くんだな』とは思っていなかった。
 自分達を襲うとしている目を、彼らがしていたからだ。
「……目測十人前後か。いけそうか?」
「いいえ、もっと多くなりそうですわよ?」
「なりそう?」
 雪路のその言葉に折宮が彼女の視線の先を見つめる。
 見れば校舎からさらに何十人と押し寄せてきていた。
「まさか、校舎の中が敵だらけってことはないよなあ?」
「ありそうですね。だとしたら」
 一番危ないのは誰か。

 折宮も雪路も篠崎も。それはすぐに答えが出てきた。
 今ここにおらず、校舎にいる可能性が極めて高い霧野七瀬だ。

 折宮はこめかみに青筋を立て、
「……篠崎、雪路。とっととこいつら潰して霧野を連れて帰るぞ!!」
 彼女は短刀を逆手に持ち、臨戦態勢に入る。


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