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FRAME・GHOST

102竜野翔太 ◆sz6.BeWto2:2012/08/31(金) 20:26:22 HOST:p8152-ipbfp4204osakakita.osaka.ocn.ne.jp

「いや、霧野……さすがに無理があるだろ」
 霧野の発言に、大きな声を出したもののやはり信じられなかった折宮はそう言う。
 そんな折宮の傍らで、同じ意見を持つ雪路はこくこくと頷いている。
 そう言われても、という表情で霧野と篠崎はお互いの顔を見合わせた。
「……いや、私でも信じられないけど……本当なんだって」
「お前も信じてないのかよ」
 霧野の言葉に折宮はそう返す。
 言いながら、折宮は身長の関係上見下ろすように篠崎を見つめるが、元々目つきが悪い彼女が、凝視しているためさらに目つきが鋭くなり、睨みつけているような状態になっているため、篠崎は僅かに怯えている。
 彼女が注目しているのは、篠崎の顔でも体型でもない。男か女かを見極めるために彼女が見ている先は……。
「……できれば、これは実行したくなかったが……篠崎、すまん」
 折宮は言うと、スッと両手を伸ばし、

 篠崎の胸に自分の両手を押し当てた。

 押し当てて数秒、篠崎が恥ずかしいと思い始めた瞬間に、折宮はゆっくりと胸から手を離し、未だ相手の胸に触れていた官職が残る手の平を見ながらぶるぶると震えていた。
 その光景を不気味に思いながら雪路が折宮に問いかける。
「折宮さん。どうかいたしましたの?」
「……ない」
 雪路はよく聞き取れなかったため『は?』と声を漏らす。
 何でもない、と言ったのか深く言及はしなかったものの、折宮はゆっくりと雪路の方を見て告げた。

「……胸なかった……」

「えぇーっ!? う、嘘でしょう!? そんな、胸がな……、えぇーっ!?」
 雪路も雪路で相当混乱しているようだ。
 恐らく彼女の言いたいことは『女性なのに胸がないなんておかしいですわー』的な事だと思う。篠崎は僅かに頬を赤くしながら、
「だ、だから男だって言ってるじゃないですかっ!」
 混乱する折宮と雪路に篠崎はそう言い放った。
 そんなこんなで四人は潜入先である剣木浜航行の門の前へと到着していた。
 四人は門の奥にそびえる校舎を見つめて言葉を交わす。

「……やっと着いたな、いや。着いちまったな」
「あらあら、まだ嫌がってるんですの? いい加減覚悟を決めたらいかがです?」
「そうですよ。……私だって学ランが良かったんですから」
「いや、お前が着たら着たで違和感ありまくりだろ」
「まあそれは同感ですわ」
「まあまあ、とりあえず工藤会長から任された任務……しくじるわけにはいかないよ!」

 四人は誰が言うまでも無く、校舎の中へと脚を踏み入れていく。
 そうしながら折宮が全員に呼びかけた。
「行くぜ」


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