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鏡の国、偽りの唄。
1
:
月峰 夜凪
◆XkPVI3useA
:2011/06/14(火) 21:31:05 HOST:softbank221085012010.bbtec.net
初めまして。月峰夜凪と申します。小説を投稿させていただくのは今回が初めてなので、はっきり言ってかなりの初心者です。もしかしたら基礎から駄目駄目かもしれません;
ジャンルは恋愛中心だと思いますが、もしかしたら物語が進むにつれて、戦闘等が増えていく可能性があります。
ちなみに視点は変わる事が多く、色々な人物が主人公と言う立場になる予定です。
注意事項を幾つか書かせて頂きます。
注意事項
・感想やアドバイス等はお気軽にどうぞ! しかし、荒らしや中傷、暴言等は一切禁止です。
・グロテスクな描写はなるべく控えますが、もしかすると時々出てくるかもしれません。苦手な方はUターンをお勧めします。
・更新は非常に亀です。むしろ亀より遅いです(( その上、かなりの駄文ですのでご了承ください。
他にも幾つかあるかもしれませんが、最低限の掲示板のマナーは守って下さるよう、ご協力お願いします。
それでは始めに、物語に少しでも馴染んでいただけるように、ちょっとしたプロローグです。プロローグ、と言うより説明と言った方が正しいかもしれません。
舞台はクローン技術が優れている、通称『鏡の街』。その街は、その優れた技術は世界でもトップクラスだった。しかし、正体不明の胎児のみが発症する病気が流行りだした事によって街には新しい命がが生まれなくなり、その上、世界からも隔離されるようになった。
行き場所をなくした街の住人は街から人が絶える事は無いようにと、街のクローン技術を使い、自分達のクローンを生み出した。
こうして街からは住人達が絶えることは無く、その上病気は胎児以外には害が無いとされているため、今でも平和に過ごしている。
これは、そんな街に住む人々による物語。
68
:
月峰 夜凪
◆XkPVI3useA
:2012/01/10(火) 16:31:25 HOST:softbank221085012009.bbtec.net
>>霧月 蓮さん
コメントありがとうございます!
晴れの(ryは、とにかく行動&心が読めない奴にしたかったので、嬉しいです!そしてそれに加えてヤンデレ気味……少なくとも、私は関わろうとしないでs((
はい、潤(この場合「雨の人」になるのでしょうか?w)が好きなんででしょう。ライクではなくラヴの方で((
でも、ある意味危険ですよね。日常生活の必需品も彼女にとっては武器になるので…((
はい、噂と共にどんどん広がっていきますw 余談ですが、月峰も殆ど面識のない人にあだ名で呼ばれる事がたまにありまs((
はい、ありがとうございます!
期待に応えられるよう頑張りますね^^
>>ライナーさん
コメントありがとうございます^^
ファンシーなワンピースって、ある意味凶器だと思うのは私だけでしょうk(( でも最近寒いのでワンピース着ている人はあまり見れないと言う罠((作中ではまだ五月くらいなのにw
とにかくビビッ!!と来たのでしょうw 普段ファッションに気を遣う子じゃないので((蹴
はい、でも後々晴れn(ryが潤に執着する理由も書いていこうかな、と思います。というか書きます←
何だかそれだけ聞くと可愛い奴ですねw でも潤の事を褒めるためだけに学校サボるってどんな人d((
文房武具って凄くかっこいいですね! 作中で使おうかな((
わお、そんな術があるんですか!? 今度調べてみますw もしかしたら本当に前世は凄腕忍者なのかも((
あと、まだまだ最初の方ですが『係争の異能力者(アビリター)』読ませて貰ってます^^
月峰は小説を書くのが遅い上に読むのも遅かったりするのですが、読み終わり次第感想を書かせて頂きますね(*´∀`)ノ
それでは、お互い頑張りましょう^^
69
:
月峰 夜凪
◆XkPVI3useA
:2012/01/15(日) 11:34:15 HOST:softbank221085012009.bbtec.net
◆◇◆
「(――帰るにはまだ早いか)」
携帯で時刻を確認すると、碧は心の中で呟く。液晶に映し出されている時刻は18時46分。――深い意味も当てもなく街をフラフラして、帰る時間を遅らせたいと思うのは、いわゆる『お年頃』という奴だろう、と以前架神がそう言っていたのは余談だ。
ふと、向こうから携帯を弄りながら(というより悪戦苦闘しながら)歩いてくる少女が碧の目に入る。細身でスタイルの良い――しかし胸は控えめな、白いワンピースを着た美少女だ。
――それが雨空 潤だと理解するまで、碧には時間がかかった。
「雨空……さん?」
「ん? あぁ、霧崎か」
携帯から顔を上げて、潤はそう言う。携帯を弄るのは諦めたのか、パタン、と閉じるとポケットへ滑り込ませる。携帯に付いていたストラップが可愛らしい兎なのは意外だった。
「……人違いかと思った」
「何言ってんだ、あたしは正真正銘、雨空 潤……の、12体目のクローンだよ」
呆れた様に笑う潤。何故彼女の格好がいつもと違うのか気になったが――碧には他にも気になることがあった。
「12体目?」
――現在(いま)の碧は、『霧崎 碧』の3体目のクローンだ。そして、この街に病気が流行る前からクローンが作られていた『原点』の祀木 華魅でさえ、まだ7体目だ。12体目、という数が多すぎるのは明らかだった。
「……殺されてるんだと。あたしのクローンは全員すぐに――晴間 輝に」
心底腹立たしそうに――悲しそうに、潤は言った。
「全員すぐに……って、」
あの人は……晴間 輝は――確か頭の螺子が多少外れているような人だとは思っていたが――まさかそこまで狂っていたのか、と碧は驚き、言葉を失う。しかし、どこか『やっぱりか』と思っている自分もいて、妙な気分だ。
「でも、あたしは殺されない。殺されてたまるかよ。だからそのために――そうなるために、あたしがあいつを殺す」
「殺された全ての『雨空 潤』と、あたしの元(オリジナル)の恋人の復讐のために」
70
:
月峰 夜凪
◆XkPVI3useA
:2012/01/15(日) 12:57:26 HOST:softbank221085012009.bbtec.net
「元(オリジナル)の……恋人?」
「ああ。名前は知らないけど、あたしの元(オリジナル)にとって大事な人だ――そいつも殺されたんだよ。雨空 潤と付き合ってた、ってだけで」
潤は拳を強く握る。掌に爪が食い込んで僅かに痛みを感じるが――そうでもしないと、泣き出してしまいそうな程、悔しくて辛いのだ。
嫉妬で人を殺すのはドロドロとした恋愛物ではよくある話だが、それを実行した人間が身近にいる、となると当然客観的には見られなくなる。――大抵の事では動じないつもりの碧でも流石にこればかりは無理だった。
愛した人を殺し、その人が愛した人もまた殺す――そんな人間を異常(おか)しくないと言える者などいるだろうか。
――しかし、輝はいつもこう言っている。彼女とこうして殺し合っている――遊んでいる時間が何より楽しい、と。全ての雨空 潤を殺している、となると、何故その『楽しみ』をわざわざ自分から終わらせるような事をするのか、そもそも何故こんなにも彼女に執着するのか……碧はますます輝の事が解らなくなる。
「あいつを理解しようとする事自体無駄ってもんだ」
碧の考えを悟って言ったのか、自分に言い聞かせるために言ったのかは判らない。すると、潤は「――前々から気になってたんだけどさ、」と無理矢理話を逸らす。
「あんた――祀木と付き合ってるのか?」
「…………はい?」
思いもよらなかった質問に碧は驚く。しかし、その表情は『驚き』より『疑問』と言った方がよく当てはまった。
「……そういう風に見えますか?」
「そういう風にしか見えないんだよ」
即答だった。確かに二人の様子を見てると付き合ってると思うのが普通だろう。
碧の反応から、潤は『二人は付き合っていない』と言う事を悟る。
「で、それがどうかしたんすか?」
「いや、どうもしてないよ――まぁ、どっちにしろ一つ忠告」
そう言うと、潤は碧のネクタイを引っ張り――自分の目の前に、彼の顔を引き寄せた。
「――――!?」
目の前――僅か10センチ程先の美しい金色の瞳に、碧は思わず息を呑む。傍から見れば、口付けを交わす5秒前のカップルにも見えるだろう。
しかし、当の彼自身からすれば、そんなムードもへったくれもない。ネクタイを掴む手には結構な力が込められている上、綺麗だと感じた瞳は、まるで獲物を狙う狩人のようだから。――そんな状況で、潤は言葉を紡いだ。
「あの子を泣かせるような事があったら――幾らお前でも『怒る』からな」
低く、ドスの聞いた声。聞き方によっては忠告と言うより脅迫と言ったほうが正しいだろう。
「……悪いけど雨空さん、それ、俺には必要ない忠告っすよ」
しかし、碧は臆する事もなく、自分のネクタイを掴んでいる潤の手を掴む。
「あいつを泣かせる奴は俺が許さない。あいつは俺の、」
――友達だから。
それを聞いた潤は呆然としていたが、すぐに嬉しそうに笑みを浮かべ、ネクタイを掴んでいた手を離す。そして、その手を碧の頭の上に置きわしわしと撫でる。まるで、母親が子供を褒めるように。
「変わったな、霧崎。……ったく、マセてんなぁ、ちょっと前まで無愛想なお子様だったのにさ」
「……俺が変わったとかどーかは置いといて、一歳しか違わないじゃないっすか……」
嬉しそうな潤とは対照的に、碧は複雑な心境だ。幾ら相手が年上であるとはいえ、思い切り子ども扱いされているのだから。……まぁ、傘同盟の人間からは、物凄く羨ましがられるのだろうが。
とはいえ、こうして見ると、あまり身長差が無い事を碧はつくづく実感させられる。潤の身長は彼より2〜3センチ程低い――大体165センチ位だろう。
「それじゃ、あたしは一旦帰るとするよ。まぁ、また後で会うだろうけどな」
そう言って潤は碧に背中を向け、歩き出した。
〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜
偶然とはいえ、碧一回華魅泣かせてた気が((
にしても、このレスだけ異常に長かったorz
71
:
ライナー
:2012/01/15(日) 15:04:56 HOST:222-151-086-008.jp.fiberbit.net
コメント失礼します、ライナーです^^
携帯に苦戦する……な、何という機械音痴なんでしょう。そう言う自分も機械音痴ですが^^;
そして、少し飛びますが、ネクタイ掴んで一言バシッ!っと言ってやるのは、格好いいですね! 自分も出来ることならやってみたい思いです(笑)
続きも楽しみにしております! ではではwww
72
:
月峰 夜凪
◆XkPVI3useA
:2012/01/15(日) 15:15:38 HOST:softbank221085012009.bbtec.net
>>ライナーさん
コメントありがとうございます^^
潤は何だかんだで不器用なんですwそして性格も不器用でs(( 月峰もかなりの機会音痴だったりしますwそして携帯でメールを打つのが異常なほど遅いです(これは慣れの問題ですが((
ちなみに最初はネクタイではなく胸倉を掴む、にするか迷いましたが、胸倉ryはジャージがいつかやってくれるかなぁ、と思ったので((どんな変え方w
ありがとうございます!お互い頑張りましょう^^
73
:
竜野翔太
◆sz6.BeWto2
:2012/01/15(日) 21:18:10 HOST:p4147-ipbfp1503osakakita.osaka.ocn.ne.jp
コメント失礼します。
潤様がカッコよすぎて、いつしか潤様の台詞を、沢城みゆきさんで再生してましt((
そして潤様と晴れの人の間に何があったのか、ますます気になってきました!
もー、碧君もとっとと華魅に告れよ(( きっと今ならオッケーをもらえるはずさ((
僕は応援してるぜw
続き頑張ってくださいw
74
:
月峰 夜凪
◆XkPVI3useA
:2012/01/16(月) 17:16:10 HOST:softbank221085012009.bbtec.net
>>竜野翔太さん
コメントありがとうございます^^
みゆきちさんですか!月峰も大好きですよw 確か某一族の復讐に燃える子の役もやってたn(( 余談ですが、作者の頭の中では弘川さんは勝手に斎賀さんの声で再生されておりまs((
はい、期待に応えられるような話作り、頑張ります!!でも流石に引っ張りすぎかなぁ、という自覚はあります;
碧と華魅は多分『潤&輝編』が終わる頃には……ごほんごほn← あの二人はまずお互い名前で呼び合う所から始めないとw
ありがとうございます^^ これからも頑張りますね!!
75
:
月峰 夜凪
◆XkPVI3useA
:2012/02/09(木) 17:21:16 HOST:softbank221085012009.bbtec.net
第六章 未だ雨は止まず
男子寮の寮長室。――その部屋は、生活や仕事に必要なものしか置いていない、といった様で、今時の学生らしいものなど殆ど置いていなかった。
不気味なほど静まりかえったその部屋は、まるでそこだけ別世界になっているような、そんな印象さえ受ける。ただ、そこに存在する音といえば19時丁度を指す時計の音ぐらいだ。
殺風景としか言いようのないそんな部屋の主を特定するのは困難だ。しかし、そこには『寮長室』という肩書きがあるため、部屋の主を特定するのは実に容易くなる。
「まったく……どうやったらこんな壊れ方するんだろうねぇ」
男子寮の寮長、もといこの部屋の主の晴間 輝は、机の上に無造作にばら撒かれた『それら』を眺めながら呟く。
『それら』の中には、二つに分解された鋏、200°以上は開いているであろうコンパス、割れて先が尖った定規、奇妙に折れ曲がった、というより捻れた鍵と500円玉――他にも、色々なものがあった。
「……今日は何を使ってくるのかなぁ」
ガラクタとも言える『それら』の中から、輝は刃が赤黒く錆び付いたカッターナイフを手に取り、彼は再び呟く。まるで、デートの約束をしている恋人が、一体どんな服で来るのだろう、と期待しているかのように。
そして、手に取ったそれを眺めて、彼は愛おしそうな――寂しそうな表情を浮かべた。
そう、『それら』は今までに潤が使った武器、もとい凶器の一部なのだ。
「……いつになったら、僕は――」
コン、コン、と。
輝の言葉を遮るように、ドアを叩く音が静かな部屋に響いた。そして、続いて聞こえてくる「はれまくんー、いるー?」というのんびりとした幼い声。
「うーん、残念だったね。今はオトモダチとお出かけ中だよ」
「えー、嘘だよ! だってきみ友達いないじゃんー!」
ズレたツッコミとともにドアが勢いよく開く。現れたのは、ぱっちりとした若草色の瞳が印象的な、ぶかぶかの白衣を羽織った少年、玄行 架神だった。
「ツッコミむ所がズレてないかい、玄行くん――それに、まだ入っていいなんて言ったつもりは無いけどなぁ」
「ズレてなんか無いよー! だってきみに友達がいたら、街を揺るがす大事件になっちゃうでしょー?」
随分と酷い言いようだが、恐らく輝に関わった人間なら、架神の言葉を否定する者は殆どいないだろう。しかし、輝は気を損ねる事無く、それどころか「ハハ、それは褒め言葉だね」と笑う。
そして、大げさに手を開いてみせると、こう言い放った。
「この街(セカイ)を揺るがす事ができるなんて――まるで神様のようじゃないか」
その言葉を聞くなり、架神はドン引きしたように表情を引きつらせる。まぁ、実際ドン引きしているのだが。
「はれまくんのそういう『ぽじてぃぶ』な所、笑えるくらい笑えないよねえ……折角持ってきた『つばさ特製パンケーキ』が駄目になっちゃうよ」
そう言って架神は持ってきた白い袋を掲げてみせる。恐らく、これを渡すために来たのだろう。――弘川が不器用なりに頑張って作っている様子が輝の頭に浮かぶ。
「笑えるくらい――って、物凄い矛盾だけど、君なら仕方ないか。……あ、ケーキは有難く貰っとくよ」
ケーキの入った袋を輝が受け取ったのを確認すると、架神は役目は終えたと言わんばかりに、くるりと背中を向け、部屋の外へ歩き出す。
〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜
受験やら何やらが重なり、更新が遅れてしまいました;
読んで下さっている方々、大変申し訳ないです;;
これからも更新の頻度は上がったり下がったりですが、きちんと完結させるつもりなので、どうか温かい目で見守っていただけたら嬉しいです(・ω・`)
ちなみに分割したので、次のはすぐに上げるかt←
76
:
月峰 夜凪
◆XkPVI3useA
:2012/02/09(木) 17:23:57 HOST:softbank221085012009.bbtec.net
「そーだ、はれまくん。きみのその『目』を見る度思うんだけどさー、」
ドアに手を置くと、架神は振り返り輝の深緑色の瞳を見つめる。
「――――いつまでうるむちゃんを、騙すつもりなの?」
厳しく問い詰める訳でもなく、ただ純粋に疑問を投げかけるような架神から目を逸らすと、「……何の事、かなあ」と曖昧な返事をした。
「その目、『からこん』でしょ? うるむちゃんの元(オリジナル)と同じ色の」
輝の瞳を指差しながら、架神は淡々と言葉を紡いでいく。
「ぼく、知ってるんだよー。うるむちゃんの元(オリジナル)は事故で両目を失くした事。――その目の代用品(代わり)が、はれまくんの目のコピーだって事。それを悟られないために、きみは自分の目……今のうるむちゃんと同じ色の目を、『からこん』で隠してる事。それから、」
止めてくれよ、と輝が呟くのをスルーして、さらに架神はこう続けた。
「本当はきみは――晴間 輝は、雨空 潤を殺していない事」
その言葉が紡がれた刹那、架神の細い首筋に、カッターナイフが当てられる。赤黒く錆び付いたそれは、先ほど輝が眺めていた――そして、以前に潤が使っていた物だ。
「止めろ、って言ってるだろ?」
いつものへらへらしている様子からは想像出来ないような余裕の無い表情を浮かべた輝は、今すぐにでもカッターナイフを引いて、架神の喉を切り裂いてしまいそうだ。
しかし、当の架神は動揺する事も無く、むしろ「『おどし』だったらさー、もっと良い凶器(もの)使いなよー」なんて言い出す始末。身長差があるため、輝を見上げる形にはなっているのだが、表情や態度はどこか見下しているようにも見えた。
「……まあ、はっきり言っちゃうと、ぼくにとってはどうでもいいことなんだよねえ」
ぼくはあくまで中立な立場だから、と続けると架神は輝の手を退(の)け、輝に背中を向けると廊下の向こうへ消えていった。それに対して輝は何もせずに、ただ辛く、悲しそうな表情を浮かべ、俯く。
――その表情は、いつかの潤と、どこか共通するものがあった。
77
:
竜野翔太
◆sz6.BeWto2
:2012/02/10(金) 20:42:32 HOST:p4147-ipbfp1503osakakita.osaka.ocn.ne.jp
コメント失礼いたします!
久々の更新、待ってました!受験などで忙しいとは思いますが、頑張ってください^^
にしても架神くんの言葉の真実が気になりますね。
ますます晴れの人と雨の人の過去が気になってきました!早くも続きが楽しみです!
何故か晴れの人の声が神谷浩史さんで再生されr((
若干焦っている晴れの人が珍しいですw
続きも楽しみにしておりますので、頑張ってくださいね^^ノ
78
:
月峰 夜凪
◆XkPVI3useA
:2012/02/18(土) 10:49:08 HOST:softbank221085012009.bbtec.net
>>竜野翔太さん
コメントありがとうございます!そのお言葉だけで志望校に受かる気すらしてきまs((蹴
合法ショt……ごほん、架神は事情を知っていても、自分から行動に移そうとはしない奴です。
某CMの『知っているけど、していない』とは、まさにこの事ですね((
みゆきちさんに神谷さん……何とも豪華な声優陣ですねw
ちなみに晴れの人は某愉快な情報屋さんと頭の中でダブる、と友人にも度々指摘されました((
確かにいつでも余裕ですからね、晴れの人w 多分その余裕を崩せるのも結構限られてくると思いますw
はい、ありがとうございます^^ お互い頑張りましょうノ
79
:
月峰 夜凪
◆XkPVI3useA
:2012/02/21(火) 15:10:08 HOST:softbank221085012009.bbtec.net
◆◇◆
「霧崎ィー、その資料はこっちだってよ」
翌日、午後14時半。本来なら碧達は学校で授業を受けている時間だ。しかし、今日はいつもと違い、街に大雨警報がでているので、授業は午前中だけだった。生徒達が喜びそうなそんな状況の中、碧、秋寺、華魅、潤の4人は弘川と共に、地下研究室のさらに奥の資料室で資料の整理をしていた。
――事の発端は、「午後から暇なんだったら、ちょっと掃除につきあってほしいなあー」という架神の一言。日頃から彼には世話になっているため、半ば仕方ないと思いつつ皆手伝っていた。
「いやー、翼ちゃんの頼みってなると、ここはやるしかねーよなあ!」
袖を捲くって、やる気満々の様子の秋寺(実際は架神からの頼みなのだが、彼の頭の中では都合よく『弘川からの頼み』と変更されてしまっているらしい)。何気にこの5人の中で一番力が強い彼は、皆より明らかに多い数の資料を軽々と運んでいく。
「つーかヒロカワ、お前の部屋を汚す能力は尋常じゃないな」
資料の一つを棚にしまうと、碧は呆れたように呟く。数週間前にもこんな事があったっけな、などと考えながら碧は資料やら何やらが散乱した部屋を改めて見渡した。
「いえ、それほどでも、」
「ちょっと待て、褒めてない」
若干照れたように頬をかく弘川に、碧はすかさずツッコむ。
ちなみに、碧は今前髪が伸びて邪魔だという事で、華魅が持っていたヘアピンで留めているが――ここまで視界がクリアなのも新鮮だとすら彼には思えてくる。そして、深い意味も無く「……そろそろ髪、切ろうかな」と呟いてみた。
「霧崎くん、初めて会ったときより伸びたもんね」
ヒロカワさんより長いんじゃない? とクスリと笑う華魅。大量の資料を抱えているため、足取りが覚束なく、歩くたびに桜色の髪がふわふわと揺れる。
「つーか、大丈夫か? そんなに持って、」
「う、うん。全然大丈――って、わわっ!」
その刹那だった。小さな悲鳴と共に、バランスを崩した華魅の身体が傾く。しかし、傾くだけで倒れてはいない。何故なら――
「……言った傍から、かよ」
偶然何も持っていなかった碧がすぐ傍にいて、華魅を受け止めたからだ。いや、例え彼なら、何かを持っていた所で――それを放り投げてでも同じ行動をとるだろう。
もっとも、体勢的には『抱きしめている』と言った方が正しいのだろうが。
「……あ、ありがとう……」
碧の腕の中の華魅は、若干頬を赤らめて言う。しかし、彼女はすぐに軽くなった両手に気づくと足元に目をやる。
――案の定、足元には先ほど華魅が持っていた資料が散乱していた。
「ごっごごごめんなさいっ!!」
盛大に噛みながら、慌てて資料を拾い集める華魅。そして、一緒になって拾い始める碧。
「……別に、いーよ」
――お前が無事だったんだし。
「拾えば良いことだし」
弘川と潤がニヤニヤしながらこちらを見ている事に気づき、出掛かっていた言葉は声になったときには別のものへと変わっていた。
ふと、華魅は資料を拾う手を止めた。
「……これ、」
そこにあったのは、オレンジ色の髪の少年の写真が写った資料だった。
「晴間先輩……だよね?」
写真に写る少年の顔を見て、華魅は呟く。顔立ちは幼く、髪型は今とは違うが、醸し出す独特の雰囲気が晴間 輝だという事を悟らせた。
「はい――輝さんの特異体質についての研究資料なんです」
特異体質――天気が『晴れ』の日にち、時間帯を正確に予測する、輝の特別、そして異様とも言える能力の事だ。
まぁ、珍しい体質だから、研究者達が興味を持つのも、研究資料を作ろうとするのも別におかしな話ではないだろう――などと、碧が納得した矢先だった。
「ちょっと、待てよ」
しかし、そう納得しなかったのが――自己解決しなかったのが、一人いた。
輝と対の――しかし同等の能力を持つ、雨空 潤だった。
「じゃあ、何であたしは研究資料にされない?」
似てる事は似てるけど、仕組みとかは違うかもしれないじゃんか、と潤。それに対して弘川は、失言だったと言わんばかりに口を噤む。
「あーあ、駄目じゃんつばさ――はれまくんに口止めされてるんだからさー」
資料室の入り口の方から、のんびりとした声が響く。誰というまでも無い――架神の声だ。
そして彼は、実にわざとらしく、聞こえよがしに「とくにうるむちゃんには、って」と付け足した。
80
:
月峰 夜凪
◆XkPVI3useA
:2012/02/22(水) 17:10:43 HOST:softbank221085012009.bbtec.net
「どういう事だよ、ヒロカワ」
一歩、潤は弘川の方へと詰め寄る。彼女の金色の瞳は、10センチ近く身長差があるため、見上げる形になってはいるが、しっかり弘川を捕らえて離さない。弘川は思わず目を逸らして、一歩後ずさろうとするが、潤はそれを見逃さず、両手で彼女の胸倉を掴む。
「どういう事かって訊いてんだよ! あんた何か知ってんだろッ!!」
「ちょっ、落ち着けよ潤ッ!」
秋寺は猛々しく吼える潤を、弘川から引き離して押さえる。秋寺と自分の力の差を解っているのか、彼を振りほどこうとはしないが、威嚇するような目つきは変わらない。
「……すみません、潤――」
「まーいいよ、つばさ、言っちゃっても。よく考えたら、ぼくらがはれまくんの約束守っても、なんにも『めりっと』はないんだし」
バツの悪そうに俯いていた弘川に対し、架神は当たり前の事のように言う。
「まあ、これからはれまくんに命狙われる事になるかもしれないけどさ――そんなの、『でめりっと』の内に入らないでしょー?」
あっさりと先ほど言った事を覆す架神を、弘川は驚きと呆れが入り混じったような表情で見つめる。どんな掌の返し方ですか、と言わんばかりに。
そんな彼女の視線をスルーすると、架神は潤の目の前まで歩み寄る。
「それじゃあ、うるむちゃん……最初のきみの疑問に答えておこうかな」
最初の疑問――『何故、晴間 輝が研究資料にされているのに、自分はされなかったのか』という所だろう。
――簡単だよ、と架神。
「はれまくんが……いや、はれまくんの元(オリジナル)が断ったんだよ。きみを研究資料にしないのを条件に、はれまくんは資料になったんだ」
「……はぁ? 何であいつが、わざわざそんな事を……」
「あれ? 解らないって、うるむちゃん……それは『ばか』としか言いようが無いよー。はれまくんが毎日毎日、飽きもしないで言ってるのにさあー」
毎日毎日。
輝が飽きもしないで言っている事。
「はれまくんが――きみの事を、誰よりも愛しているからだよ」
パチン、とクリップで留めた資料の束を架神は背の低い棚の上に置く。
「取りあえず、ぼくが知っている全てを教えてあげるよ。……もっとも、この話が終わった後、きみがどう動くかは、大体予想できているけどね」
潤は催促する事も無く、ただ黙って架神を見つめる。先ほどより幾分落ち着いているように見えるが、目つきは真剣そのものだ。そんな彼女を見ては、架神は幼い顔に子供らしくない笑みを浮かべ(実際中身は子供ではないのだが)、言葉を紡ぎ始めた。
「――むかーしむかし、ある所に、一人の男の子がいました。……その男の子には好きな子がいました。とっても可愛い女の子です。
しかし、その女の子は、事故で両目を失いました」
不慮の事故、って奴だよね、可哀想に。そう架神は言う。それは他人事と言うより、絵本の中の出来事のように。
「それを知った男の子は、お医者さんに迷わず言いました」
そう、架神が言ったところで、
「僕の目を、彼女の目の代わりにしてください、と」
架神の声ではない、別の誰かの声が響いた。
――いや、誰かではない。ここにいる誰もが知っている声だ。
「晴間 輝……!」
資料室の出入り口のドアにもたれ掛かっている少年の――先ほどの声の主の名を潤は呼んだ。
フッ、と笑ってみせる輝に、架神は頬を膨らませて「ぼくの事『きょーはく』しておきながら、今更『かみんぐあうと』かよぉー」と言う。
「それを言うなら、君だって僕がせっかく脅迫したのに、あっさりバラしてるじゃないか」
……まぁ、折角だから後で玄行くんを解体(バラ)す、ってのもありかなぁ、と。あっさりそんな事を言ってのける輝に、碧は本気で思った。
――やっぱり、この人は『不気味』だ、と。
「君にバラされるくらいなら、僕の口から話した方が良いと思った――ってのは、さすがに言い訳だね」
一歩一歩、輝は潤の元へ歩み寄る。そして、真っ直ぐ彼女の目を見てこう言い放った。
「僕から、全て話すよ」
――輝は両目のカラーコンタクトを外す。表れたのは、潤と同じ、金色の瞳だ。
「もう、君を騙すのは、終わりにしようと思う」
〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜
流石に詰め込みすぎかなぁ、とか思ったり思わなかったり((
次回は晴れの人のマシンガントークになるかと(・ω・`)
81
:
霧月 蓮_〆
◆REN/KP3zUk
:2012/02/27(月) 22:56:14 HOST:i121-114-186-133.s04.a001.ap.plala.or.jp
晴れの人、俺だ、結婚してくr(ry
さて、少々やかましいのがやってきましたが大丈夫でしょうか?((
なんでしょうか、晴れの人が妙にかっこよく見えます。
潤さんと晴れの人の関係、だんだんと目が離せなくなってきました。きっと晴れの人にも後ろめたさ(?)があったのかなぁ、と思いながら読ませていただいています
それにしても架神君……。可愛いです(オイ
言い回しもかっこよくて素直に尊敬です。
どうやったらそんなに綺麗な文章がかけるのでしょうか?
そして、部屋を汚す能力は尋常じゃない、その言葉に対する翼さんの答え……何処までも天然なようで安心しました((
それでは今回はこの辺にして。
続き、楽しみにしています
82
:
名無しさん
:2012/02/27(月) 23:03:06 HOST:wb92proxy03.ezweb.ne.jp
生きてて楽しいことある?(笑)
83
:
館脇 燎
◆SgMmRiSMrY
:2012/03/04(日) 16:12:51 HOST:222-151-086-008.jp.fiberbit.net
コメント失礼致します。
こちらの小説にコメントを頂いておいて、返すのが遅れてしまいました(汗) 申し訳ありません。
まず最初に。とても文章力が高く、比喩などの表現が参考になるものばかりでした!
キャラクターの関係線も面白くて、心の葛藤が良く伝わります。
ですが、小説の部分で一番大切な動機、抑圧、目的の達成が欠けているかと……
この小説は、何を伝えたいのかというのが、これによって大幅に欠けてしまっています。
代表的な「桃太郎」を例に挙げてみても、鬼退治をして人々を救うという動機がありますよね。
つまり、「主人公が目的に向かって行動し、それを妨害する敵(環境)と戦って、最終的に目的を達成する」というのが必要なのです。
一見、バトルファンタジーに限ったもののように見えますが、恋愛物だったら好きな異性の気を引く(目的)、恋敵が存在する(敵)、好きな異性と付き合う(目的の達成)。推理物なら正義感から事件を解こうとする(目的)、事件に奥に潜む犯人(敵)、事件をズバリと解き明かす(目的の達成)。などなど、これが応用されていますよね。
僕が読んだ参考書だと、これがないと「駄作になる」とまで書き綴ってあります。
何だか素人が生意気な口聞いちゃいましたが、僕は小説においてこの部分は一番大切だと思ったので、書かせて頂きました。
それでは、コメント失礼致しました。
84
:
◆XkPVI3useA
:2012/03/16(金) 16:27:57 HOST:p24060-ipngn100102matsue.shimane.ocn.ne.jp
受験と卒業式を終えて戻ってきました。
暫く日にちが開いてしまいましたが、また更新を再開しようと思います(´・ω・)ノ
まず、コメントをしてくださった方々、返信が遅くなってしまい、大変申し訳ありません><
>>霧月 蓮さん
コメントありがとうございます!
はい、あんな奴でよろしければどうz((
やかましいだなんてとんでもないです、むしろコメントを頂けることに大感激ですよ!
何故でしょう、月峰は「晴れの人うぜぇw」という感想が来ると思っていたのですが、まさかかっこいいとまで言って貰えるとは……!←
ちなみに現時点ではヤンデレ担当っぽくなっていますが、私も晴れの人は結構気に入っていますw
でも彼、一番曲がってるようでいて実は一番真っ直ぐな奴なんじゃないかなぁ、と書きながら思ったりしてます。しかし彼は一途過ぎて愛が重i((
ありがとうございます!でも、プロットの段階で架神が若干悪っぽいポジションなので、これから先そう言ってもらえるか不安ですw
言い回しですか!?かっこいいと思っていただけるにはまだまだ遠いですよ!
でも、これじゃあ答えになっていないので、強いて言うなら「この言い回しかっこいいなぁ」と思った本をガンガン読むことでしょうか?
私は料理本を読んだだけで料理がうまくなった気がして満足するようなタイプなのでw(あれ、あんまり関係ない気が←
とにかく弘川の部屋を汚すスキルは半端じゃないです。某都市に行けばレベル5までいけるかt((
はい、ありがとうございます!お互い頑張りましょう^^
>>館脇 燎さん
コメントありがとうございます^^
いえいえそんな、コメントを頂けるだけで嬉しいですよ!
ありがとうございます!まだまだ修行中とはいえ、比喩は以前指摘を受けたことがあって力を入れたので、評価して貰えて嬉しいです><
キャラ同士の関係については、「こういう関係って面白いかなぁ」などと思いながら繋いでます。はっきりいって私の趣味と妄想が入り混じったものですg←
動機、抑圧、目的、ですか……たしかにお伽話や昔話に例えてみても共通していますね。
それを踏まえて読み返してみると「結局の所、この子はなにがしたかったんだろう?」や「障害物少ないなぁ」と思う所が多々ありました。そもそも今の章からしてそうですね((
とりあえず、この章が終わり次第、主人公達の恋路を妨害するものをまず入れていこうと思います。
アドバイスをすぐに、尚且つちゃんと反映できるかどうかは不安ですが、少しでもいい作品に出来るように頑張ります!
いえ、生意気だなんてとんでもないですよ! 貴重なアドアイス、そして大切なことに気づかせて頂き、本当にありがとうございます!
それでは、お互い頑張りましょう^^
85
:
月峰 夜凪
◆XkPVI3useA
:2012/03/20(火) 15:19:48 HOST:p24060-ipngn100102matsue.shimane.ocn.ne.jp
「それじゃあ、さっきの続きから話そうか。……いや、それより先にこれを言わないとね。
大方解っていたと思うけどさ――僕は『元(オリジナル)』と今までの全ての『僕(クローン)』の記憶を継いでいるんだよ。僕のこの特異体質の研究資料になる事と引き換えにね。
さて、それじゃあ話を戻そうか。
――――それで、その男の子は、ある女の子を誰よりも愛していたんだ。
だってその子は、いつだって内気で何もできなかった自分を、暖かい日の当たる場所へと連れ出してくれたんだから。
そんな彼女のためなら、何だってできる。男の子はそう考えていたんだ。
だから、両目を失った女の子に、自分の目を――自分の目のコピーを、彼女に差し出した。
いやあ、クローン技術って便利だよねぇ。……とりあえず、ここまでだったら女の子の視力が戻ってめでたしめでたし、だったんだけど、そうはいかなかったよ。
本当、運命って酷いよねぇ。何食わぬ顔で僕らを裏切るんだからさ。
――――女の子に、恋人が出来たんだ。
それは、その男の子とは全然違うし、面識も無い。確か二人より三歳くらい上だったっけか。
……辛かったけど、男の子は祝福したよ。おめでとう、って。彼女の幸せのためだ、と自分に言い聞かせながら。
でも、それは全然祝うべき事じゃなかったんだよ。むしろ呪うべき事だった。
最低だったんだよ、そいつは――女の子の恋人は。
特異体質を持つの彼女を解体(バラ)して、闇市や研究者に高値で売りつけようと企んでいた――言葉じゃ言い表せないくらい、どうしようもない奴だった。
だから、男の子は。
僕は、そいつを殺してやった。
彼女にしようとしていた事を、やってやった。流石に幾つに解体(バラ)したかは覚えていないけど――まあ、ざまあみろってか。
女の子は……何も知らなかった潤ちゃんは、泣いたよ。ひたすら泣いて、恋人の名前を叫んで――――僕を罵った。
その時、僕は気付いた。気付いてしまったんだ。
今まで僕が彼女のためにしてきた事は――――結局は全て自分のためだったんだと。
彼女に自分の目を差し出したのも、あいつを殺したのも、全部。彼女が自分だけを見るためにと……見返りを求めて、していた事を。
結局潤ちゃんは自殺した。あいつの後でも追うように。
だから僕は、その潤ちゃんを追って、自殺した。
自分の首に包丁刺すの、思った以上に痛かったよ。……痛みははっきり覚えているのに、その痕跡(あと)が残っていないなんて、変な話だよね。
……でも、僕は死んでもすぐに作られる。次の『晴間 輝(クローン)』として、生き返る。生まれ変わる。継ぎたくもない、でも継がなければならない記憶を、全て継いで。
だからこそ、僕は。今度こそ潤ちゃんを幸せにしようとした。
元(オリジナル)に出来なかった事を、しようと思った。
でも、駄目だったよ。
潤ちゃんのクローンは、元(オリジナル)からメッセージを預かってたらしいんだよ。『晴間 輝を殺せ』って。まぁ、何も知らない彼女からしたら当然の事だろうさ。
でも、僕は死ぬ気なんて……殺される気なんて、さらさら無かったよ。
潤ちゃんを幸せにしないと、いけないんだから。
でも、駄目だった。彼女はまた自殺した。
多分、『今の雨空 潤では晴間 輝に勝てないから、全てを次のクローンに託す』っていう所じゃないかな。
でも、潤ちゃんは僕に勝てない。……考えてもみてよ。僕の何十年、何百年分の記憶は『君(雨空 潤)』で占められているんだからさ――君の行動、仕草、癖なんてものは、何でも解るよ。次、どんな攻撃が来るか……どんな攻撃に潤ちゃんは対処できないのかも当然、ね。
それが、無意味だと知らずに、何度も繰り返されて。
彼女は、何度も僕を殺そうとして、失敗して。
僕は、何度も彼女を救おうとして、失敗して。
その、繰り返し。エンドレス。それが何十回、何百回と、気が遠くなるくらい何度も、繰り返されて」
そして、今の僕らがある訳――――と、輝は締めくくった。
誰も相槌を打つ暇が無かった言葉は締めくくっても尚、誰も返事を返すことが出来なかった。
ただ、唇を震わせる潤に、ずっと黙っていた架神は言った。とどめを刺すように。
「ま、要するに――――『雨空 潤』の人生を狂わせていたのは、他の誰でもない、きみ自身だったって事だよ」
〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜
久しぶりの更新です(`・ω・)ノ
そして予告通りマシンガントークな晴れの人。滑舌が悪い私には到底できない芸当でs((
86
:
竜野翔太
◆sz6.BeWto2
:2012/03/23(金) 18:23:39 HOST:p4147-ipbfp1503osakakita.osaka.ocn.ne.jp
コメント失礼いたします。
では、まず一言。ご卒業おめでとうございます!
最近自分の事より他人の事に感嘆の声を上げてしまう、自分の事を全く意に介していない老人みたいな思考になってしまいました((
さてさて、晴れの人のマシンガントーク!
常にへらへらと、軽い感じの彼でしたがそんな事があったとは……結構晴れの人好きになったかも((
だが、潤様を愛してるのには変わりないんだZE☆((殴
架神くんの何とも言えん立場もいいですねw まさか、晴れの人と架神くんは共謀していたのk((
この事実を知った潤様がどう動くか楽しみですね!
続きも楽しみに待っておりますので、頑張ってください^^ノ
87
:
月峰 夜凪
◆XkPVI3useA
:2012/03/25(日) 12:05:14 HOST:p24060-ipngn100102matsue.shimane.ocn.ne.jp
>>竜野翔太さん
ありがとうございます!志望校にも合格できたので、ひとまず安堵している月峰ですw
いえいえ、それは竜野さんが人の良い所を見つけるのが上手い、という事だと思いますよ!
それにしても、あれって結構喉渇くと思うんですよね。しかし水分補給など出来ない空気((
おお!本当ですか!相変わらずジャージ推しの作者ですが、嬉しい限りです!!
ただ、これからの展開で潤(それより架神ですね←)の好感度が下がってしまうのでは、と心配していますw
いえ、架神は独断かつマイペースです。しかしそろそろROM専卒業しまs((
彼は何もかも『中立だから』と割り切って、輝の約束をあっさり破ったり、刺のある言葉をガンガン言い放ったり……うーむ、作者がひねくれているせいか、キャラがどうもひねくれてきています((
はい、今までの事は全て無駄だった、となると結構精神的にきますからね。……あれ、自分で潤発狂フラグ立てちゃってr((
ありがとうございます!そろそろこの編の完結も近いところですが、お付き合い頂けると嬉しいです^^ノ
88
:
月峰 夜凪
◆XkPVI3useA
:2012/03/30(金) 13:48:41 HOST:p24060-ipngn100102matsue.shimane.ocn.ne.jp
「…………嘘だ」
震える声で、潤は呟く。
「嘘だ、嘘だ、嘘だ、嘘だ嘘だ嘘だ嘘だ嘘だ嘘だ嘘だ! そんなの、嘘だァッ!!」
潤は頭を抱えて、同じ言葉を吐き出す。何度も、何度も、壊れたレコードのように。
そんな彼女に、碧達は声をかけることが出来なかった。
彼女を、不器用ながら良き先輩として慕っていた碧も、
彼女の、中学の頃からの後輩の華魅も、
彼女と、中学校時代を共にしてきた秋寺も、
彼女が、怪我をする度手当をしていた弘川も、
何も――虚しいほど何もできなかった。
「じゃあ……あたしが今までしてきた事は、一体……」
「無駄だったんじゃない?」
――――ただ一人、玄行 架神を除いて。
「だって、はれまくんはずっときみを助けようとして、今までの人生を全て費やしてきたんだよ? それをきみは容赦なく裏切った。無駄にした――全く、恩知らずも良いところだよねえ」
その言葉が決定打だったのだろう――潤は資料室を飛び出した。
「雨空さんッ……!」
真っ先に彼女の名を名を呼んだのは、碧だった。しかし、結局彼女は立ち止まるどころか、振り返ることもなかった。
「ねえ、つばさ。うるむちゃんの好きな場所って、あの無駄に高い廃ビルの屋上だったよねえ」
あそこは星がよく見えるから、と。
まるで先ほどまで何も無かったかのような――何も無かったら、世間話になっていそうな、架神の言葉。その馬鹿馬鹿しいほどいつも通りな調子の彼の言葉を聞いた刹那だった。
先ほどまで何も言えなかった――もとい、何も出来なかった秋寺は架神の胸倉を掴みかかった。
「テメェ、さっきからいい加減にしろよッ!! 大体、こんな状況作っといて何呑気に――――」
「のんき? ぼくはのんきな事なんて、一言も言った覚え無いよー?」
胸倉を掴まれて宙に浮いた状態の架神は、首を傾げながら「最初に言ったじゃん、ぼく。『この話が終わった後、うるむちゃんがどう動くかは、大体予想できてる』って」と続ける。
そして、彼は秋寺を見下すように見上げると、こう言い放った。
「ぼくは、自殺志願者がこの街(セカイ)で何より嫌いなんだよ」
あんな自分から命捨てるような奴ら、一人残らず死んじゃえばいいのに、と。
相変わらず矛盾した言葉だが、秋寺にはそれだけで充分だった。秋寺は架神を突き飛ばすと、資料室を飛び出し――親友の後を追った。
「霧崎くんっ……!」
私たちも追いかけよう、と。華魅は碧の服の裾を引っ張る。
そして碧は無言で頷くと、資料室を後にした。
〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜
分割したので、続きは数分後に上げると思いますノ
89
:
月峰 夜凪
◆XkPVI3useA
:2012/03/30(金) 13:53:48 HOST:p24060-ipngn100102matsue.shimane.ocn.ne.jp
碧達が去り、輝、架神、弘川だけとなった資料室に静寂が訪れる。
「きみは行かないの?」
しかし、その静寂を打ち破ったのは架神だった。
「言いたい放題の君に僕から言わせてもらうけどさぁ、玄行くん。僕はアニメや漫画の主人公(ヒーロー)じゃ、ないんだよ。……世界どころか、大切な人一人救えない、ただ逃げてるだけの臆病な偽物(クローン)、」
だから、と輝が続けようとした時だった。
「そんなの、知ってるよ」
肯定の言葉。残酷すぎるほど、純粋で真っ直ぐな瞳が輝を射抜く。
「きみは主人公(ヒーロー)なんかじゃないし、強いて言うなら、仮面を被った道化師だ。……でも、ひとつ間違ってるかなー」
そう言って架神は目を伏せると、白衣のポケットに無造作に手を突っ込む。そして、彼は再び目を合わせると、こう言い放った。
「――『救えねぇ』じゃなくて『救わねぇ』の間違いだろ、臆病者が」
輝は思わず自分の耳と目を疑った。
そこにはのんびりとした口調の架神も、子供らしい笑顔の架神もいなかったのだから。
見下すような、ではない、本気で見下している彼の表情を見て、輝は思わず固唾を呑む。息をするのも辛く感じるほどだ。ましてや声など出るはずもなく、彼はただ黙っていることしかできなかった。
――すると、輝の後ろから「輝さん、」と凛とした中性的な声がした。
「確かにあなたは潤を騙していた――でも、あなたの潤に対する想いは、本物でしょう?」
声の主、弘川は振り返った輝の目の前まで歩み寄る。
「なら――ぶつかってくれば、良いじゃないですか」
率直すぎるほど、率直な言葉。これだけ抜き出せば、友人への恋愛相談とも取れるだろう。とはいえ、これが弘川の、弘川らしい素直な言葉だった。
そんな彼女を、輝は驚いたように見つめる。すると、彼女は少し照れ臭そうに、男性顔負けの王子様スマイルを浮かべて、輝の背中をぽん、と叩いた。――行ってあげて、そう言うかのように。
すると彼は、珍しく困ったような笑みを浮かべると、
「当たって砕けてくるよ」
と言って、資料室を飛び出した。
――――弘川と架神二人だけの資料室。
「……架神さん、あなたも人が悪いですね。幾ら演技とはいえ、あそこまで罵らなくても良かったと思いますよ?」
「あはは、やっぱり気づいてたんだ、演技だって。でも、あの二人は色々と吹っ飛んじゃってるんだからさ、ちょっとやりすぎたくらいが丁度良いんだよー」
どうせ結果は似たようなものばっかりなんだからさあ、その中でも一番面白いのを選ぶのが吉でしょ? と、どこから持ってきたのか、そして何時の間に持って来たのか、涼しい顔でココアを飲みつつ架神は言う。
「まったく、取り返しのつかないことになったら……いや、そうなったら僕が全力で防げばいいか。……で、まさかあなたはここからもどうなるのかも、全て予想がついていると?」
「ここからは予想というより理想だね――後ははれまくんの行動しだいでハッピーエンドかバッドエンドかが決まるよ」
「……もしかして、心配してるんですか? 輝さんの事、」
「まさか。ぼくが心配したところで、はれまくんの肩が重くなるだけだよー」
――恐らく『片想い』と『肩重い』を掛けたのだろう。架神は得意気にしているが、弘川は苦笑いを浮かべて頬を掻いている。ここで敢えて上手くないと言わないのは彼女の優しさだろうか。
「――まあ、大丈夫でしょ、きっと」
ココアを飲み干し、空になったマグカップを机の上に置くと、架神はいつもどおりの子供らしい笑顔で、こう続けた。
「道化師は――人を笑顔にする天才なんだからさ」
90
:
竜野翔太
◆sz6.BeWto2
:2012/03/30(金) 17:13:35 HOST:p4147-ipbfp1503osakakita.osaka.ocn.ne.jp
コメント失礼します。
最近僕のコメントが多いから、なるべく間を空けようと思ったのですが、今回はそんな言葉を無視してしまうほど良い展開だったので、無意識に手がキーボードを叩いております((
最初の『嘘だ』の連呼は某作品の竜宮○ナさんを彷彿させるような感覚がしましt((
しっかし、架神くん容赦ないっすな……。僕が潤様の立場なら、その場で泣き崩れてます。
しかし碧くん台詞なし……。秋寺や弘川が久しぶりに喋ったのに……。まあ僕の場合も似たようなもんですがw
今までは断トツで潤様好きだったのですが、今回の章で晴れの人と弘川さんも好きになりそうですw
いやぁ、魅力的なキャラが作れて羨ましい限りです!僕も見習わねば((
続きがすっごく楽しみです!物語も佳境(でいいのか?)なので、是非頑張ってください^^ノ
91
:
月峰 夜凪
◆XkPVI3useA
:2012/04/02(月) 10:48:09 HOST:p24060-ipngn100102matsue.shimane.ocn.ne.jp
>>竜野翔太さん
いえいえ、竜野さんのコメントはいつも私の励みになってますよ^^
それにしても、回が増すごとに展開がカオスになっていきます((
やっぱりですかw 流石にあれはマズかったかなぁ、とちょっと反省中です((
架神は基本他人には容赦ないです(とはいえ、あれは演技なのですが←)。ちなみに潤を資料室から出したのは単に場所を変えたかったからとかそういう理由では決して(ry
はい、潤の名前呼んだだけですからね、主人公なのに……やっぱり人数が増えるとどうしても喋る人と喋らない人がはっきりしてしまいますorz
本当ですか!嬉しい限りです>< 晴れの人に関しては、最初はとことん嫌な奴にして、後から実は悪い奴じゃなかった、って感じにしたかったのですが、果たして上手くいったのでしょうk←
いえいえ、私はまだまだですよ!よく見ると王道ツンデレが一人もいないですし……いつか登場させたいです((
むしろ竜野さんから学ばせて貰ってるくらいです!あの迫力&疾走感溢れる戦闘シーンから、日常的なキャラのコミカルな掛け合いまでも、凄く上手くて尊敬してます!
ありがとうございます! 期待に沿えられるよう、頑張ります^^ 碧のセリフが増えることを祈りつつ……←
92
:
月峰 夜凪
◆XkPVI3useA
:2012/04/07(土) 12:33:44 HOST:p24060-ipngn100102matsue.shimane.ocn.ne.jp
――――空が、泣いている。
廃ビルの屋上。一歩踏み出せば、すぐにでも落下するような場所。そんな危険な場所に立った潤が、ここに来て真っ先に思った事だ。
いや、雨自体は彼女が外に飛び出した時には既に降っていた。ただ、彼女はそれすら気に掛ける余裕も無いほどに、無我夢中で走っていたのだ。
(――ああ、そうか。そういえば。この瞳(め)も、あたしのじゃあ、なかったんだよな)
そんな事を思いつつ、彼女は目を手で覆い、雨に打たれながら指の隙間越しに街を見下ろす――もとい、見下す。
皮肉なまでに『平和』で、『いつも通り』な街も、風景も、日常も、全て潤には霞んで見えた。
それは、潤の瞳に溜まった雫(ナミダ)のせいなのか、
或いは、空から降りしきる雨(ナミダ)のせいなのか。
――そんな事は、潤には知る由もない。
「――――潤ッ!!」
その刹那、雨音に紛れて彼女を呼ぶ声が響いた。聞き慣れた声に、無意識の内に潤は振り返る。そこにいたのは、息を切らしている、金髪ピアスの親友――秋寺 敦也だった。
「お前っ……ぜぇ、危ねぇ、ぞ……ぜぇ、だから早く……、こっちに、」
「人生にはさ、リセットボタンなんて無い、ってよく言うじゃんか」
秋寺の言葉など聞いていなかったかのように、潤は言葉を紡いでいく。
「とんだ思い違いだよな――この街の住人にとっては。あたしが死んだところで、あたしの代わりなんて幾らでも作れるんだからさ」
空いた穴を埋めるように。
空いた穴なんて、元々無かったかのように、と。潤は唄うように続けた。
「――雨空、せんぱいっ……!!」
と、そこに碧と華魅が到着する。秋寺と同じように、息を切らせながら。
「だからあたしは、この復讐劇に……いや、この無駄だった時間に、終止符(ピリオド)を打つことにしたよ。最期に最も憎むべき奴を殺して」
そして、潤は右手の親指と人差し指でピストルを作ると、自らの頭部に当てる。
「これがあたしなりの――後始末(リセットボタン)の方法(押し方)だよ」
そう言って、潤は――笑った。
それは、息を呑むほど美しく、そして悲しい笑顔だった。
「そんなの……勝手すぎる」
碧はしっかりと潤の目を見つめ、強い口調で言い放つ。
「結局はそんなの……あなたの、自己満足だ」
碧の言葉に潤は俯く。
「……なんでだよ、」
潤はぽつりと呟くと、顔を上げ声を荒げた。
「雨空 潤(あたし)の人生を狂わせていたのは、紛れもない自分(あたし)自身だったんだよッ! 晴間 輝じゃない! むしろあいつの人生までも狂わせていたんだッ! だから……だから……ッ!!」
雨に紛れて金色の瞳から大粒の雫を流しながら、潤は強く、強く拳を握った。
爪が手のひらに食い込み、そこから流れた紅い雫は雨粒と混ざり、廃れたコンクリートへと落ちていく。
「そんなあたしを殺したって、構わないだろッ……?」
そう言って、潤は一歩足を踏み出した。
――――文字通り、その先に道がないことを知って。
93
:
月峰 夜凪
◆XkPVI3useA
:2012/04/07(土) 12:36:58 HOST:p24060-ipngn100102matsue.shimane.ocn.ne.jp
墜落。転落。落下。急降下……そう、なるはずだった。
「良いわけ、ないだろ」
晴間 輝が、潤の手を握っていなければ。
なんで、あんたが。そう驚いた表情の潤が言おうとしたのを遮って、輝はこう言った。
「君がいない街(セカイ)なんて、僕にとって何の意味も無い」
――君がいない学校なんて、行く意味が無い。
以前輝が口にした言葉と似たものだった。冗談としか聞こえなかったあの時の言葉だが、彼からすれば真面目な、そして素直なだったのだろう。
「なんでそこまで……あたしはッ! あんたの人生まで狂わせてたってのに!! それなのに、なんでッ……、」
「なんで、って?……決まってるじゃないか」
輝は握っていた潤の手を引き、彼女の震える身体を引き寄せ、抱きしめる。強く、壊れないように。
「君を――誰よりも愛しているからさ」
そして、輝は何百回、何千回と紡いできた愛の言葉を唄った。
潤は何も言わない。ただ、彼女の息を吸う音だけが彼の耳に入った。
「僕が憎ければ、今すぐここから突き落としてくれて構わないよ――それで君が幸せになれるなら、僕は本望だからさ」
同時に、
僕の役目も終わる、と。そう言って輝は、潤から離れ、手を広げる。笑顔のまま――金色の瞳から、一筋の涙を流しながら。
「……なれない、」
潤の口から、微かな声が漏れる。
「あたしはあんたから何もかもを奪った。それをあんたに全部返さないと、あたしは幸せになんかなれない。なっちゃいけないんだよ。――あんたを殺すなんて、もっての外(ほか)だ」
だからあたしは、と続けようとした潤に、輝は「いらないよ」と言った。
「僕の今までの人生なんていらない。奪ったとか、返そうとか君はそんなこと考えなくていい。……僕は充分幸せだよ。君が生きていれば、それで」
冷えきった潤の頬に輝は自身の手を当てると、優しく微笑んだ。
「ただ、一つ欲しいものがあるんだ」
そして、輝は。
最愛の人に、最初にして最大の『願い』を言った。
「明日、僕の隣にいてほしい。明後日も、明明後日も、その次の日も――そんな、君の隣で過ごす『日常(これから)』が、僕は欲しい」
――潤は驚き、目を見開く。さらにこみ上げてきた涙に耐えるように、目元を手の甲で擦ると、右手を差し出した。
「……カラコン、」
こっちに渡せ、という意味なのだろう。予想外の言葉に輝は目を丸くしつつも、カラーコンタクトを彼女に渡す。
「――――!?」
びゅん、と。
彼女は振りかぶり――それを、街の方へと投げ捨てた。
「――それなら、輝。あたしに嘘は絶対つくな。明日も、明後日も、明明後日も、その次の日も。ありのままの『晴間 輝(あんた)』でいろ」
屋上から落ちていく彼の『嘘』。そして、それが見えなくなった所で、潤は輝に向き直った。
「それが――あたしの答えだ」
〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜
結論で言うと、潤さんは不器用なんでs((
ちなみに次は『潤&輝編 後日談(エピローグ)』です。
94
:
白鳥夕
:2012/04/08(日) 14:51:34 HOST:248.237.accsnet.ne.jp
はじめまして。月峰 夜凪さん 月峰 夜凪さんの鏡の国、偽りの唄。とっても熱く情熱的とっても素敵でした。 とっても熱く,情熱的
95
:
月峰 夜凪
◆XkPVI3useA
:2012/04/14(土) 13:23:06 HOST:p24060-ipngn100102matsue.shimane.ocn.ne.jp
>>白鳥夕さん
遅くなって申し訳ありません、コメントありがとうございます。
情熱的、ですか……初めて言われましたw
これからも頑張りますね^^
96
:
竜野翔太
◆sz6.BeWto2
:2012/04/14(土) 21:49:17 HOST:p4147-ipbfp1503osakakita.osaka.ocn.ne.jp
コメント失礼します。
輝さんイケメソ!あんなカッコいい告白なんて同年代の男子で出来る奴いませんよ!碧くんにも台詞があって良かったでs((
今までの輝さんの印象は『潤様に近づくんじゃねぇ、この変態!』だったのですが、今回の話で『潤様と末永くお幸せに、輝さん』に変わりましたw
輝さん最高。潤様最高。弘川さん最高((
続きに期待しております、頑張ってください^^
97
:
月峰 夜凪
◆XkPVI3useA
:2012/04/21(土) 13:37:19 HOST:p13045-ipngn100102matsue.shimane.ocn.ne.jp
>>竜野翔太さん
コメントありがとうございます!
ありがとうございます!告白のセリフはなるべく彼らしいものにしたつもりだったのですが、そう言って頂けると凄く嬉しいです!
ちょっとキザにしすぎたかなぁ、という気持ちも正直あったのですが、それも輝らしいと言う事d((
おおw実はそれが月峰の真の(?)狙いだったりしますw 「何あいつ→実は優しい?」というのは少女漫画でよくあるのですg((
いつか輝と弘川で『残念コンビ』を結成しちゃおうと思っていたのですが、輝が残念キャラを徐々に卒業していってるので少し迷っていたりしますw
ありがとうございます^^次ぐらいで『潤&輝編』が終わると思うので、もう少しお付き合い頂けると嬉しいです!
98
:
月峰 夜凪
◆XkPVI3useA
:2012/04/30(月) 15:23:49 HOST:p13045-ipngn100102matsue.shimane.ocn.ne.jp
Epilogue. 虹
あれから数日後。
輝と潤の長きに渡った戦争が終結したのは、当然街の住人に物凄い衝撃を与えた。街の住人の誰もが『何かの前兆なのでは』と騒ぎ、それが原因でギャングが一つ潰れた、なんてとんでもない噂もあるほどだ。
「……どこに行ってもあの二人の話ばっかだな」
昼休みの屋上で、碧はぽつりと呟く。そんな彼の隣で、華魅はクスリと笑った。
「そりゃあもう、この学校が廃校になるくらいの大事だもん」
「どんな例えだよ――つーか、なったことないだろ」
「もちろんだよ、なったら大変じゃない」
どこか噛み合っていない日常会話ならぬ超常会話。――しかし、碧にとっては、恐らく話の噛み合っている、噛み合っていないよりも、『今、祀木 華魅と話している』という事実の方が大切なのだろう。とはいえ、華魅は勿論、本人もそれに気づいているのか定かではないが。
ふと、碧は空を見上げる。特に意味もなく、そして何気なく。
偶然目に映った、『それ』を呆然と眺めると、顔を華魅の方に向け、「祀木、」と彼女の名を呼んだ。
「?」
きょとんとした顔で首を傾げる華魅に、あえて何も言わず――ただ微笑んで空を指さした。
――同時刻、廃ビルの屋上にて。
そこでは、どこかクールな印象の水色の髪の少女と、楽しそうに笑みを浮かべているオレンジ色の髪の少年が背中を合わせて座っていた。
その光景は、一言で表すなら『奇妙』だ。
正反対の印象の二人は、あまりにも不釣り合いで、あまりにも不自然すぎて――むしろ、それらの概念を通り越して、『普通』、そして『自然』となっていた
まるで、初めからこうであったかのように。
まるで、初めからこうでなくてはいけなかったかのように。
そう取れるこの光景に、『奇妙』以外に――それ以上に当てはまる言葉は、果たして存在するのだろうか。
「――あんた、晴れの日は好きか?」
唐突に少年に向けて紡がれた少女の言葉。しかし、彼は驚くことなく、猫のように体を伸ばすと、振り返らず遠方を見据えたまま「もちろん、」と返す。
「何だか、空が笑ってるみたいで良いじゃない」
「……だから、あんたはいつも笑ってるのか」
「ハハ、逆だよ逆――僕が笑うから、空も笑うのさ」
サラリと紡がれた少年の言葉に、少女は「どんなブッ飛んだ理論だよ」と呆れるが、その金色の瞳は穏やかに笑っていた。
「じゃあ、雨の日は好きか?」
「好きだよ? 君の事思い出すからね」
「やめろ、気色悪い」
少女は少年の言葉をバッサリと斬り捨てる。――しかし、正反対の意味であるとはいえ、以前は自分も同じような事を思っていたのだ。彼女もそれ以上追い打ちをかけなかった。
でも、と少年は続けた。
「それ以上に僕が愛しているのは――――」
「――――わぁっ、綺麗!」
華魅は碧が指さした方向を――空を見上げるや否や、子供のように無邪気な声を上げた。
二人の見上げるその空には、見事なまでの美しい虹が架かっていた。
それはまるで、雨と晴れの『ナカナオリ』を象徴しているかのように。
――――たとえ、自分が元(オリジナル)の代わりに作られた偽りの存在でも、それでも彼らは、ただ愛を唄い続ける。それが生きている証であるように――――
99
:
月峰 夜凪
◆XkPVI3useA
:2012/04/30(月) 15:27:41 HOST:p13045-ipngn100102matsue.shimane.ocn.ne.jp
あとがき。
どうも、恐らくここで初めましてになるチャレンジャーさんはいないと思うのでこんにちは、月峰 夜凪です。気軽に『ナギー』と呼んでいただけるとマジで喜びまs……ごほんごほん((
さて、読者様の支えもあり、『潤&輝編』を無事完結させることができました!ありがとうございます!
とはいえ、作者は非常に飽きっぽいので、ここまで私の小説が続いたのは正直驚きです。もうすぐレスが100に達するなんて、夢みたいです!……マジで夢だったらどうしよう((
それにしても、今回は潤と輝が中心……もとい、当事者だったのですが、何度もプロットを練り直して大変だったのをよく覚えています。なんかもう、好き放題動き回るんですよ、当事者二人。
ちなみに、この二人の関係は、私が覚えているだけで二回は変わっています。
最初は、潤に『一番』に愛されることは無いと悟った輝は、わざと嫌われることで彼女の『一番』になろうとした、という設定だったのですが、話が進むにつれて輝が救いようもないヤンデレになってしまったので没。
もう一つは、潤が自分の前からいなくならないように、輝は彼女の元(オリジナル)を含めたクローンと恋人を殺したという嘘で、あえて嫌われるように仕向けた、というものです。こっちは、いざ書いてみるとインパクトが皆無だったので没。……輝が嫌われたがりのドMになるところでしたね((
それ以外の変更点は、潤と深海の食い倒れツアーが無かったりだとか、碧が死にかけたりだとか、輝とジャージのバトルシーンが消えたこととか……でも、バトルシーン書きたかったなぁ、と今更ながら思います(´・ω・`)
あと、バッドエンドにする、って考えもあったのですが、それも無くなりました。折角だから、二人とも救ってやろうと思ったので。
さて、あとがきだけで長くなってしまいましたが、次は碧と華魅の恋路に障害物でも置いていこうと思います。何事もスムーズに行く恋など無いのだよ、お二方。
そして、それに加えて、碧の過去なども明らかにしていこうと思います。
それでは引き続き、「鏡の国、偽りの唄。」をお楽しみください!
……いつかジャージが主人公の話も書いてみたいなぁ((
100
:
森間 登助#
:2012/04/30(月) 17:07:25 HOST:222-151-086-004.jp.fiberbit.net
せっかくの100レスですが、コメントさせて下さい、元ライナーこと森間登(もりま とうすけ)です。あ、HNは気にしないで下さいw
最近は自分未熟さを見極め、世界観から生活水準まで新作で書き直そうとしているのですが、と、そんなことはどうでも良いとして。
『潤&輝編』完結、おめでとうございます!
個人的には主人公の碧が中心でなかったのが「ん?」となってしまいましたが、とても面白かったです! 自分には全然出来ない分野で、ウラヤマのシイタケです((
全体的にしっかり纏められていて、ストーリーのシンプルさが後味の悪さを残さず、料理だったら四つ星でしょうか。
やはりもう一つの星は、主人公が関係なかったことですかね…… 結果、あまり冒頭と関係せず、後付けのように見えてしまったのが少々残念に思えました。
最後の方アドバイスになって、何だか自分が後味悪い書き方にしてしまいましたが、新編楽しみにしております!
頑張れ、ナギーw((
ではではwww
101
:
竜野翔太
◆sz6.BeWto2
:2012/04/30(月) 21:26:27 HOST:p4147-ipbfp1503osakakita.osaka.ocn.ne.jp
コメント失礼いたします。
まず初めに100レス到達おめでとうございます!これもナギーが頑張った証拠ですy((
『潤&輝編』感動いたしました!
結局、潤と輝は付き合っているのでしょうか?そこら辺を明記しないところも、ナギーの策略だと僕は思っています(( まあ、碧くんも早く華魅さんに告白しようk((
そして二人の恋の障害物、だと……?
むしろ今まで障害物が無かった事が珍しいような……二人の恋路も上手くいけばいいですw
そもそも華魅は碧のことどう思ってんでしょうね??
碧くんの過去も気になります!
ジャージの話もぜひとも読みたいですね!
いや、なんか……歌留多ちゃんとの絡みを我は所望すr((
歌留多ちゃんの出番増えないかなー、なんて思ってます。結構好きなキャラなのでw
では、続きも楽しみにしておりますので、頑張ってください^^
102
:
月峰 夜凪
◆XkPVI3useA
:2012/05/05(土) 15:19:57 HOST:p13045-ipngn100102matsue.shimane.ocn.ne.jp
>>森間 登助さん
コメントありがとうございます!
ということは、今書いているものは打ち切り、という事でしょうか?でも、森間さんの新作という事なら、是非とも見てみたいです!
ありがとうございます!完結まで随分と時間がかかってしまい、私の詰めの甘さを実感してしまいましたが……orz
とはいえ、私は自分の作品には中々自信が持てない奴なので、面白いと言って貰えると、とても励みになります><
あわわ、まさか星を四つも付けてもらえるとは……恐縮です((
うーん、やっぱりですか……途中から主人公が背景になってしまいましたからね。
一人(今回の章では二人ですね;)のキャラにこだわりすぎると、他のキャラから視点を外してしまうのは月峰の悪い癖です;
いえいえ、いつも参考になるアドバイスが頂けて、むしろ感謝ですよ!
ありがとうございます! まだまだ未熟ですが、ナギーも頑張らせていただきますw((
>>竜野翔太さん
コメントありがとうございます^^
ありがとうございます!いえいえ、竜野さんを含めた読者の皆様の支えがあってのことですよ!
感動、ですと……!?私には勿体無いお言葉ですy((
おお、正直この質問は来るんじゃないかなぁ、と予想……もとい、期待しておりましたw((
言ってしまうと、二人は今まで過ごせなかった『当たり前の日常』を埋めるために、常に『隣にいる』関係です。
色々と正反対なハズなのに、隣にいるのが当たり前のような、強いて例えるなら磁石みたいな関係ですね。……あ、常に二人一緒ってことは、靴下って言っても正しい気がすr((
とりあえず、二人が付き合ってるかどうかは、皆様の捉え方と想像にお任せしますw
はい、障害物ですwそれも結構厄介なw(( 華魅が碧をどう思っているのかも、次の章で明かしていこうと思います^^ノ
碧の過去については、実は前々から書きたかったものだったりしますw
私が考えていた話がジャージ&歌留多係だとあっさりバレてしまったz((
彼女は次の章で出せていければなぁ、と思ってますw
はい、続きも頑張らせていただきますね^^
103
:
月峰 夜凪
◆XkPVI3useA
:2012/05/05(土) 15:26:12 HOST:p13045-ipngn100102matsue.shimane.ocn.ne.jp
コメント失礼しますノ
まず始めに、第三章完結おめでとうございます!毎度ながら遅れてしまって申し訳ないですorz
そして綾芽さんの告白された回数を二度見したのは私だけでは無いはず((
いやはや、魔界側が本気ですね!「明日から本気出そう」な私とは大違いでs((
それにしても、白髪の彼女が気になりますね!勝手な予想ですが、彼女はかなりの実力者と見た((
そして真冬ちゃんと涙様の掛け合いktkr!!
基本涙様は昴くんとセットなイメージがあったので、また違う良さを見れました!
さて、新キャラの銀髪ツインテール&眼帯という、いかにも私得(Σ)な子も登場で、続きも楽しみです!
彼女が『金瞳』の子なのでしょうか……後々分かることなのでしょうが、それでも気になりますw
それでは、続きも頑張ってください^^ノ
104
:
月峰 夜凪
◆XkPVI3useA
:2012/05/05(土) 15:28:25 HOST:p13045-ipngn100102matsue.shimane.ocn.ne.jp
>>103
うわああ、コメントするスレを間違えてしまったorz
このレスはスルーの方向でお願いします;
105
:
霧月 蓮_〆
◆REN/KP3zUk
:2012/05/30(水) 23:55:07 HOST:i125-202-253-70.s04.a001.ap.plala.or.jp
さて、お久しぶりです。
ついに、潤&輝編終了ですか……遅れましたがおめでとうございます!!
なんかもう二人が可愛すぎて、終始ニヤニヤしっぱなしだった変な物体です
普段なら爆発しろ、と言うところですが今回は祝福します。なぜかって二人とも大好きだから((
潤さんの「ありのままの〜」のあたりの台詞。もう凄くかっこよかったです!! ……兄貴と呼ばせていただいてm(ry
次は碧君と華魅ちゃんですか……障害にぶつかった彼らはどうなるのか……
ニヤニヤしながら続きを待たせていただきます。
それではなんかもう、大したことを書いていませんが、今回はここまでで
続きも頑張ってください。応援しています
106
:
月峰 夜凪
◆XkPVI3useA
:2012/06/24(日) 15:31:03 HOST:p22207-ipngn100102matsue.shimane.ocn.ne.jp
>>霧月 蓮さん
コメントありがとうございます!そして、せっかくコメントを頂いたのに、ひと月近く返信が遅れてしまい、大変申し訳りませんでした
はい、ありがとうございます^^ 読者の方々の支えもあり、無事完結することができました!
それにしても、こんなに祝福されて輝と潤も幸せ者です!だからあえて私から言おう、気象コンビ、もとい潤と輝爆発しろt((
兄貴ですかw是非とも呼んでやってくださi((潤は女性キャラの中でも恐らく群を抜いて男前(に書いたつもり)なのでw
……あれ、あの時のファンシーなワンピースが彼女の中の黒歴史になる予感g……ごほんごほん←
はい、次の当事者は碧と華魅です!とりあえず二人が逃げ出さないことを祈っていたr((
続きも頑張らせていただきますね^^
107
:
月峰 夜凪
◆XkPVI3useA
:2012/08/08(水) 18:58:27 HOST:p22207-ipngn100102matsue.shimane.ocn.ne.jp
第八章 止まった時間
六月半ば。GW明けの集中豪雨のせいか、空は少し曇ってこそはいるものの、今は太陽が顔を覗かせていた。
「今年は例年より梅雨明けが早いかもしれませんね」
珍しく研究室の外に出て喫茶店で昼食をとっている弘川は、空を見上げて眩しそうに目を細めた。
王子様風のイケメン(しかし女性)がオープンテラスに白衣姿でコーヒー、という彼女はどこか浮いていて、道行く人の中に何人か振り返る者もいたが、本人は気にせずコーヒーを啜る。
「そうね……まぁ、あのバカップル……いえ、晴間さん達に聞くのが確実なのでしょうけど」
向かい側に座っていた、髪の長い少女、神樹 歌留多は紅茶入ったカップを置くと、そう答える。……先輩をあっさり『バカップル』呼ばわりするのも、彼女ならではだろう。それもそうですけどねぇ、と小さく笑みを浮かべる弘川に目をやると、ふと歌留多にある疑問が浮かんだ。
「思ったのだけど、あなたその白衣暑くないのかしら?」
唐突な質問に、きょとんとした顔をする弘川。しかし、すぐに得意気な笑みを浮かべ、「ちっちっち、甘いですよ歌留多さん」と人差し指を左右に振る。
「なんとなんと、僕の手作りなんですよ、この白衣! 通気性にも優れていて、蒸し暑い梅雨でも、日差しが強い夏でも快適に過ごせるように加工を施した超高性能――」
「暑い時は普通に脱げばいいじゃないの」
バサリ、と。まさにそんな効果音が聞こえそうな勢いであっさり斬り捨てる歌留多。
手間暇かけた力作だっただけに、かなりダメージが大きかったらしく弘川は涙目で「……そうか……最初からそうすればよかったのか……」などと呟きながら手をブルブル震わせていた。
「なんということでしょう……そうだ、歌留多さん! 二度と同じ過ちを繰り返さないよう、これからもずっと僕のそばにいてください!」
「なんということはないでしょうよ……というか、どうしてそうなるの」
ぎゅっ、と歌留多の手を握って、愛の告白にも聞こえる事を言い放った弘川は、道行く人の視線を更に集めていた。流石に先ほどまで気にしていなかった彼女でも、今度は顔をトマトのように真っ赤にさせて、テーブルに勢いよく突っ伏した。しかし、それとは対照的に、歌留多は涼しい顔で紅茶を啜る。こういったクールなところもまた、彼女ならではだ。
〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜
久々の更新です。長らく放置してしまい、申し訳ありませんでした。
本文が長すぎると出たので分割してあります(*´∀`)ノ
108
:
月峰 夜凪
◆XkPVI3useA
:2012/08/08(水) 18:59:43 HOST:p22207-ipngn100102matsue.shimane.ocn.ne.jp
少し経った後、「……そうだ、そういえば、」と不意に弘川が顔を上げる。わずかに額が赤くなっているが、先ほど机に突っ伏した時にぶつけたのだろう。
「『あれ』から三年、経つんですね」
突如訪れた沈黙。静寂。無音。まるで、世界が音を失ったような、そんな錯覚を歌留多は覚える。
「……ええ、」
明日で、ね。と。静かに答えた歌留多の手は、微かに震えていた。
「きゃうっ!?」
すると、二人の席のすぐ近くで、小さな悲鳴が上がった。そこに目をやると、栗色の髪をポニーテールにした、ぱっと見小学校低学年程度の小さな女の子が丸まっていた。恐らく何かにつまずいて転んだのだろう。
「(研究所から出たばかりの子、かしら)」
クローンたちはあくまで『街の住人の埋め合わせ』が目的であるため、培養槽で5歳程度まで急成長させられたものが外に出されることになっている。数年前にも何度か『培養槽の中で成長させる年齢をもう少し上げても良いのではないか』という議題が持ち上がったらしいのだが、それ以上だと身体的にも影響が出るとの事だ(しかし、今基準となっている年齢もかなりギリギリだという噂もある)。
――まあ、その幼い容姿からして、研究所から出たばかりと考えるのが妥当だろう。
「――大丈夫ですかっ?」
転倒した少女の元(もと)に駆け寄ると、慣れた手つきで彼女を抱き上げて立たせてやる。さすが紳士ね、と歌留多は呟くと、同じく少女のところへ行った。痛みに涙が滲んだのか、少女はがしがしと服の袖で目元を擦ると、ニカッ、と笑みを浮かべた。
「へーきへーき! きぃ、強い子だもんっ!」
『きぃ』というのは恐らく自分のことだろう。自分が元気だとアピールするかのように彼女はぴょこん、と小さく跳ね、右手でピースをした。
「うん、お嬢さんは強い子ですね――それじゃあ、いっぱい遊んでくるんですよー?」
ニコリと笑みを浮かべた弘川は、自らを『きぃ』と称した少女の優しく頭を撫でる。
「うん! ありがとう、おねーちゃんたち!」
少女は元気いっぱいに手を振ると、向こう側にいた、恐らく友人であろう数人の子供達の集団へと駆けていく。そんな微笑ましい光景を、弘川は聖母のように優しく見守っていた。
「……やるわね、あの子。一発であなたを女だと見抜くなんて」
「ちょっと、歌留多さん! 酷いですよぉっ!」
神妙な顔をする歌留多に、子供のように言う弘川。そして、お互い顔を見合わせてまた笑う。その光景は、弘川の性別を知らない者からすれば、さながら仲のいいカップルのようだった。
しかし、歌留多の中では、弘川の言葉が何度もリフレインされていた。
――『あれ』から三年。
彼女が思い浮かべるのは、延々と降り続く雨と、
――――霧崎 碧の顔だった。
109
:
竜野翔太
◆sz6.BeWto2
:2012/08/11(土) 13:58:19 HOST:p4147-ipbfp1503osakakita.osaka.ocn.ne.jp
ナギーさん>
コメントさせてもらいます。
新章に突入、ということでこれからナギーさんと呼ばせてもらいますね^^
歌留多ちゃんktkr!
実は最初辺りの碧との会話や、ジャージとの絡みで再登場密かに期待してました! 本編に『神樹歌留多』と出た時は思わずニヤけてしまいました……。部屋に誰もいなくてよかったぜw
そしてまたもや僕の好きな弘川さん。
弘川さんは基本架神くんと一緒のイメージがあったのですが……、まさか歌留多ちゃんと絡ませるとは。GJですっ!
はてさて、弘川さんが言った『あれ』とは何なのか。
もしかしたら『あれ』には碧や、きぃちゃんも関わってくるのでしょうか? 続きが気になります。
次回も楽しみにしてますね!
110
:
月峰 夜凪
◆XkPVI3useA
:2012/08/11(土) 17:01:16 HOST:p22207-ipngn100102matsue.shimane.ocn.ne.jp
>>竜野翔太さん
コメントありがとうございます!
了解です!というかマジ嬉しいですありがとうございます!← あ、ちなみにさん付けでなくても大丈夫なのですが、そこはお任せしますね^^
はい、久々の登場です! マジですかw 実は私もあなたのコメントを見てテンションが上がったりしてしまいましt((
おお、それは良かったです! 実は、この二人の絡みは最初入れる予定がなかったので^^;
弘川は私も気に入っているので、何気に出番増やすことが多かったりしますw
そして彼……ごほんごほん、彼女は友人の輪が意外と広いです。男子寮の地下にいるにもかかわらず女子人気の方が高い、という設定ですがw((
架神は……うーん、あいつ今何やってるんだろう((
はい、『あれ』についてはいずれ明かそうと思います。でも、『潤&輝編』に比べたらあっさり明かされるかもですw
きぃちゃんは……さて、どうでしょうw もしかしたらただの元気でちょっぴりドジなロリっ娘かもしれませんn(( お察しの通り、碧はバッチリ関わってますね。
続きも頑張らせていただきますね!
111
:
月峰 夜凪
◆XkPVI3useA
:2012/09/02(日) 14:24:05 HOST:p10226-ipngn100102matsue.shimane.ocn.ne.jp
街のゲームセンター。そこは、小規模ではあるものの、学校から結構近くの所にあるため、夕方頃に行くと学生やらカップルやらが大勢いる。
しかし、その夕方頃に大勢いる学生のなかでも、一際目を引く美少女がいた。
「霧崎くん、霧崎くん! 見て見て、取れたよっ!」
嬉しそうにウサギのぬいぐるみを抱きしめる、桜色の髪の少女――言うまでもなく、祀木 華魅の事だった。
「……良かったじゃん」
そう言って、どこかクールな印象の少年、霧崎 碧は彼女の頭にぽん、と手を乗せる。すると、彼女は一層嬉しそうに微笑(わら)い周囲からは当然碧に羨望と『この野郎爆発しろ!』といわんばかりの刺々しい視線が集まっていたが、彼もこれまた当然の如くスルーしていた。
一見カップルのデートともとれるこの光景。しかし、元々は華魅の『買い物に付き合って欲しい』という頼みを碧が聞き入れたのがきっかけだ(世間ではそれをデートというのだが)。それが終わった今、華魅が『ゲームセンターには行ったことがない』という、教科書通りの優等生発言をしたため、碧が連れてきたというわけだ。
それにしても、と。碧は華魅に目をやる。
「(……まさか、ここまで喜ぶとは思わなかった)」
彼がそんな事を思っている間にも、彼女は射的やらUFOキャッチャーやらでどんどん景品を獲得していく。……初めてなのにここまで上手いのもまた予想外だが。碧の視線に気付くと、華魅は左手に射的銃、右手にぬいぐるみを抱えてドヤ顔。しかし、それもイラッとくることは無く、むしろ微笑ましいのがまた不思議だ。
――すると、ポケットの中で振動する携帯。取り出してみると、秋寺からのメールだった。
「……?」
珍しいと思いつつメールを開いてみると、画面に映ししだされたのは、たった一文。
『俺はきのこ派だッ!!』
「知るか!」
突拍子もない内容に、碧は思わず突っ込むが、恐らく送る相手を間違えたのだろう。とはいえ、どんなやりとりだったのかも気になるところだ。スルーする、という手もあったが、敢えて『俺はたけのこ派だ』とだけ返しておいた。
「ねね、霧崎くん何か欲しいのある?」
「平和」
「えっ!? 射的って世界救えるんだ!?」
華魅をからかうつもりで言ったボケが、ずれたツッコミどころか、さらなるボケで返ってくる。予想外の事に碧は困ったように頬を掻くと、ふとつり目で口角の上がった猫のぬいぐるみが目に入った。
「あの人形、晴間さんに似てないか?」
「わかった! あのぬいぐるみね!」
「えっ、!? ……い、いや、別に欲しいってわけじゃ、」
彼が言い終わるより早く、射的銃から破裂音が響き、撃ち出された弾丸(コルク)が輝似のぬいぐるみの方へとまっすぐ飛んでいく。そして、ぬいぐるみの頭部に弾丸がぶつかり、そのまま後方へと落ちていった。
「(……晴間さん、ご愁傷様です……)」
心の中だけで手を合わせる碧。それとは対照的に華魅はニコニコと満足気に笑っており、そして撃ち落とされた輝似のぬいぐるみも相変わらず笑っていた。
〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜
晴れの人似ぬいぐるみェ……華魅がブラックな子に見えちゃうのですが、勿論彼女に悪気はありませんよ!
余談ですが、ぬいぐるみの顔は、顔文字の『(*`∀´)』に近い感じのをイメージして頂ければry
112
:
月峰 夜凪
◆XkPVI3useA
:2012/09/02(日) 14:27:11 HOST:p10226-ipngn100102matsue.shimane.ocn.ne.jp
あれから数十分後。華魅の勢いが止まりそうになかったので、キリのいい所で碧はストップをかけた。予想通り、彼女は『もう少しだけ』と言わんばかりにそわそわしていたが、碧がまた連れて来る、と約束してやると思いの外すぐに納得した。
「うーん! 楽しかったぁ!」
満面の笑みでそう言う華魅。正直な所、碧は200円程度しか使っていなかったのだが、彼にとってはその笑顔を見れただけで充分だった。
――夕陽が差す街。信号を待つ二つの影は長く延びていて、二人の身長を大きく超えていた。
「今日も見てて思ったんだが……お前って本当何でも出来るよな」
突然の碧の言葉にきょとんとした華魅は、数秒おいて「そんな事ないよー、私絵とか描くのすっごく苦手だし、」と苦笑する。
「いや、ほら。勉強も運動も出来て……」
「あ、でも凄く憧れてる子がいて……その子みたいになりたかったから、自分なりには頑張ったつもりだよ」
へぇ、と相槌を打つ碧。彼女が目指す程とは、一体どんな奴だろう、などと少し気になると同時に、その顔も知らない『誰か』を、彼は少し羨ましく感じていた。
「凄く優しくて……強い子、だったんだ」
再び相槌を打とうとして、碧はある事に気づく。
「『だった』?」
碧の問いに、無言で首を縦に振る華魅は。すると一瞬、彼女はどこか遠い目をして、
「その子はもう、次の『その子(クローン)』として生きてるよ」
哀しげに、寂しげに、そして綺麗に笑った。その美しくも儚い笑顔に、言葉に、碧は言葉を失う。
「……悪い、」
数秒の間。やっとの事で口から出たのは、謝罪の言葉をだった。バツの悪そうな表情を浮かべる碧。そんな彼に華魅はふるふると首を左右に振る。『気にしないで』、そう言うように。
「ううん、良いの。本当に出会えて良かった、って心から思える子だったから……」
そう言った後に、否、そう言い終わる前に。信号が青に変わった事を確認した華魅が歩き出したときだった。
――碧の視界に入ったのは、猛スピードで華魅に迫ってくる大型トラック。
「――え?」
自分と距離を詰めていくトラックを見つめる華魅。彼女自身何が起こっているのか分からない様子で、ただ呆然とトラックを見つめている。それはもう、『おかしいなぁ、今信号青だったのに』などと言いだしそうな表情だ。
――碧の中で、あの日の記憶がフラッシュバックする。
鮮血。
悲鳴。
そして――目の前で命を落とした親友。
「――華魅ッ!!」
とっさに叫んだ彼女の名前。碧は、呆然と立ち尽くす華魅を自分の方へと引き寄せ、強く抱き締めた。
きゃっ、という、小さく短い悲鳴。
そして、彼女が先ほどまでいた場所では、トラックが躊躇も減速もすることもなく通り過ぎていく。突然の出来事に、未だ華魅は何が起こったのかわからなかったようだが、次第に顔が赤くなっていった。
「あ、……き、霧崎くん、ありが、とう……」
しかし、トラックが離れていっても、碧は彼女を離さない。むしろ、抱き締める力が先ほどより強くなっているほどだ。
「う、ああ……、うう、う……っ……!!」
ふと、華魅は碧の異変に気づく。うめき声にも似た、声にならない声。自分を抱き締める腕は――いや、腕だけではない。体が痙攣しているように震えていて……
「き、霧崎くん、私は大丈夫……だよ?」
震える碧を安心させようと、華魅はそう言うが、彼の耳には届いていないようだった。いきなり碧は華魅から離れたかと思うと、その場に崩れ落ちる。
「うう、う、あ……あ、ああああああッ……!!」
自分の髪をぐしゃぐしゃにかき混ぜる碧。街行く人々がざわついているが、これも耳に届くはずもなく、次第に呻き声は叫び声へ、そして泣き声へと変わっていく。そして、いつも涼しげだった彼のディープブルーの瞳からは、止めどなく涙が溢れていて……普段のクールでドライな彼からは到底想像のつかない姿だった。
「霧崎くん……!? 霧崎くん!」
当然、彼女には何が起こったのかわかるはずもなく、ただ、彼の名を何度も呼ぶ。すると、碧の身体は力が抜けたように、ゆっくりと傾いていき、そんな彼を慌てて華魅は抱きしめた。
霧崎くん、ともう一度名を呼んでも、やはり返事は無く、その代わりに気を失った彼の口から漏れたのは、
『ごめんなさい』
という、今にも消えてしまいそうな弱々しい声だった。
113
:
月峰 夜凪
◆XkPVI3useA
:2012/09/02(日) 14:29:55 HOST:p10226-ipngn100102matsue.shimane.ocn.ne.jp
「まぁ、暫くすれば目ぇ覚めるだろうよ」
「……ありがとうございます」
あれから数十分後。あの時たまたま近くに潤が通りかかったのが幸いで、碧は彼女に自室へと運ばれたのだ。……潤が彼を猫を扱うように片手で軽々と持ち上げた時は、華魅も驚きを隠せなかったが(流石に最終的には背負う事にしたのだが)。
ベッドの上に横たわる碧。今は落ち着いて眠っているが、睫毛はまだ濡れており、髪も乱れたままだった。彼の髪を軽く整えるように撫でると、華魅は顔を上げ「……あの、」と潤に話し掛ける。
「霧崎くん、一体どうしたんでしょうか?」
華魅の言葉に、潤は少しの間黙っていたが、独り言のように「……あんたになら言っても良いか」と呟く。そして、ポケットから可愛らしいウサギのストラップがついた携帯を取り出すと、『ある人物』に電話をかけた。
「へい! たけのこよりきのこ派な皆のアイドル、ジャージお兄さんだぜ!」
2、3回コールしたときだろうか。電話越しに謎の自己紹介が聞こえた。
「アツヤ、仕事だ――今すぐ来い」
「……! 潤、お前今どこにいる?」
潤の声を聞くと、途端に秋寺の声色が変わる。別人と錯覚しそうになる冷静な声――只事ではない、そう判断したのだろう。こうなった時の秋寺は物凄く便りになる。それは潤もよく理解していた。
「あんたの部屋。霧崎と祀木もいるよ」
「了解。5分……いや3分、時間をくれ」
「……一秒でも遅れたら捻り潰すぞ」
あっさりと恐ろしいことを言う潤。いつもの秋寺なら、「なにそれ怖ぇッ!?」などとツッコむところだろう。しかし、彼はツッコミを入れることも、茶化すこともなく、むしろ電話の向こう側で笑ったようにも思えた。
「お前との約束は、俺の中じゃあ最優先事項だぜ。……安心して待ってろ、相棒」
そんな心強い言葉に、彼女もまた笑い、「安心してまっててやるから安全に来なよ、相棒」と返す。お互いがその場にいれば、恐らく少年漫画のように拳を合わせているシーンになっていただろう。ふと彼は「あ、そうだ、」となにか思いついたように言う。
「お礼は今度アイスでも奢ってくれれば、」
「今ので全部ぶち壊しだ、ばか」
そう言うと潤は電話を一方的に切った。そして、ポケットに無造作に携帯を突っ込むと、彼女は呆れたようにため息をつき、それを華魅は不思議そうに見ていた。どうやら内容が全て伝わっていたわけではないらしい。
「――さて、あいつがあたしの3分を使っている間に、あたしもあいつの3分を有意義に使わせて貰おうか、」
潤は座り直して無造作に髪をかきあげると、そう切り出す。たったそれだけの仕草だというのに妙に男前で、傘同盟のメンバーがきゃあきゃあ騒ぐのも華魅は納得できてしまう。
そして、一度ベッドの上の碧に目をやるが、すぐに華魅の目を見据える。あまりにも真っ直ぐで美しい金色の瞳に思わず目を逸らしてしまいそうになるが、それでも華魅はしっかりと目を合わせる。
「これから話すのは霧崎の心の闇だ――どっかで聞いた事もあるだろうけど、心して聞いておきな」
114
:
森間 登助
◆t5lrTPDT2E
:2012/09/02(日) 14:55:49 HOST:180-042-153-143.jp.fiberbit.net
久しぶりにコメントしに来ました、森間です^^
ゲーセンでデートですか……うらやま((
にしても華魅さんのゲームセンス半端無いですね! しかも射撃とは。
自分なんてUFOキャッチャーで二万円スった事があります(笑)
碧の過去が出る模様ですね。あのリアクションなら相当辛いことがありそうで、期待が膨らみます。
それでは、短文ですがこれにてw
115
:
竜野翔太
◆sz6.BeWto2
:2012/09/02(日) 17:16:07 HOST:p8152-ipbfp4204osakakita.osaka.ocn.ne.jp
コメントさせてもらいますね。
碧くんと華魅ちゃんのデートひゃっほォォォう!!
何だかあの二人を見てると妙にきゅんきゅんします。しかし華魅ちゃんから誘っていたとは、さすがの碧くんでも断れんでしょう((
それよりも気になるのがジャージお兄さんのメールなんですがw 山とか里系のお菓子だったら僕もきのこ派ですw
輝似のぬいぐるみが欲しi((
華魅の過去をちらっとやって、碧くんの過去へ突入ですか。
続きが気になるところです。潤様の出たので、僕としてはうはうはでしt((
続き楽しみにしてます^^
116
:
霧月 蓮_〆
◆REN/KP3zUk
:2012/09/02(日) 19:51:23 HOST:i121-115-63-50.s04.a001.ap.plala.or.jp
興奮が抑えきれないためにコメントです((
華魅ちゃんマジ天使!! ただ、晴れの人そっくりな人形が少々かわいそうに思えました((
なんだか碧くんと華魅ちゃんのやり取りを見ていると、ほっこりします。荒んだ心が洗い流される気分です((
ただ、私がその場にいたらきっと、周りの方々と同じような視線を送っていると思います(矛盾乙
そしてあえて言おう、私はたけのこ派だと!!
そしてジャージのお兄さん。謎のメールの後、何が伝えたかったんでしょうね((
あ、ジャージさんかっけぇと思った瞬間の「お礼は今度アイスでも奢ってくれれば、」……なんだかもう通常運転なのかコイツは? となってしまいました((
そしてそして! 潤さん、相変らず男前のようですね。さすが兄貴です
と、まぁとりとめもなく書き連ねましたが、碧くんの過去が気になりますね。やっぱり。
wktkしながら正座待機しています。
続き頑張ってくださいね!
117
:
月峰 夜凪
◆XkPVI3useA
:2012/09/05(水) 18:34:59 HOST:p10226-ipngn100102matsue.shimane.ocn.ne.jp
>>森間 登助さん
コメントありがとうございます^^
ゲーセンでデートって学生ならではだと思うんです。しかし金を使いすぎて帰る頃には後悔という((
華魅のゲームセンスについては、少し子供っぽさを出したかった結果ですw
にしても華魅、射的銃を左手で持ってるという……まさかのサウスポーがここで発覚←
マジですかwでもUFOキャッチャーはうまく儲けるなぁ、とゲーセンに来る度思いますw
はい、今回は前回と違い、結構あっさり過去が出ます。期待を裏切らないように頑張ります^^
>>翔
コメントありがとうございます!早速(?)言っていた呼び方で呼ばせてもらいます(´・ω・`)
実はこの二人のデート、『潤&輝編』でカットしてたものだったりします。カットした後に「いつか使おう」と思っていたのでw
おお、嬉しい限りですwあの二人の絡みはどうしても少女漫画チックになってしまいますがw そうですね、誘われた時はきっと、碧も表情に出さずとも内心ドキドキだったのではないでしょうk((
彼もきっと大変な修羅場を切り抜けてきたのでしょう……(( ちなみに月峰はたけのこ派ですw
晴れの人似のぬいぐるみ、きっと疲れた時には良いサンドバッグになると思いますy((
はい、でも華魅の過去は本当にちらっとですね。そして碧の過去はどうやって語るかちょっと悩んでいたりします;潤に語らせるか、碧に語らせるか……
潤はこれから結構出番増えていくと思いますw 女性キャラの中だったら華魅の次に出番が多くなる気g((
はい、続きも頑張りますね!
>>霧月 蓮さん
コメントありがとうございます!嬉しい限りですw
ただ、華魅のようなふわふわした感じの女の子は書くのが難しく、いつも苦戦しております; 銃弾を受けても笑っていられる、それが晴れの人クオリテイでs((
クールキャラ×おっとり系は結構王道なせいでしょうかwでも、やっぱり恋愛物のこういった描写もやっぱり月峰には難しく、むむむ……となってしまいます。何だか苦戦してばっかりです(´・ω・`)
多分私もそうだと思いますwそして地球温暖化はリア充が一番の原因なのではないかと主張しまs((
やった!同士見つけたよ!((黙 たけのこ良いですよねたけのこ((
さて、どうでしょうw ただ一つ言えるのは、彼の前できのこ系のお菓子の悪口は禁句という事ですね。
というか、間を作るために入れたこのメールがここまで反応を頂けるとはw嬉しいですw
はい、シリアスブレイカーが通常運転なジャージお兄さんです(( もしかしたら彼はこういう空気が苦手で(というより照れくさくて)わざとやっている……わけないか←
あわわ、潤に関しては正直男前にかけたかどうか不安だったので、そう言っていただけると嬉しいです><
ありがとうございます!正座では足が痺れてしまうので、ゴロゴロしながらで大丈夫でs((
相変わらず更新頻度が安定しない月峰ですが、頑張らせていただきます^^
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