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鏡の国、偽りの唄。
70
:
月峰 夜凪
◆XkPVI3useA
:2012/01/15(日) 12:57:26 HOST:softbank221085012009.bbtec.net
「元(オリジナル)の……恋人?」
「ああ。名前は知らないけど、あたしの元(オリジナル)にとって大事な人だ――そいつも殺されたんだよ。雨空 潤と付き合ってた、ってだけで」
潤は拳を強く握る。掌に爪が食い込んで僅かに痛みを感じるが――そうでもしないと、泣き出してしまいそうな程、悔しくて辛いのだ。
嫉妬で人を殺すのはドロドロとした恋愛物ではよくある話だが、それを実行した人間が身近にいる、となると当然客観的には見られなくなる。――大抵の事では動じないつもりの碧でも流石にこればかりは無理だった。
愛した人を殺し、その人が愛した人もまた殺す――そんな人間を異常(おか)しくないと言える者などいるだろうか。
――しかし、輝はいつもこう言っている。彼女とこうして殺し合っている――遊んでいる時間が何より楽しい、と。全ての雨空 潤を殺している、となると、何故その『楽しみ』をわざわざ自分から終わらせるような事をするのか、そもそも何故こんなにも彼女に執着するのか……碧はますます輝の事が解らなくなる。
「あいつを理解しようとする事自体無駄ってもんだ」
碧の考えを悟って言ったのか、自分に言い聞かせるために言ったのかは判らない。すると、潤は「――前々から気になってたんだけどさ、」と無理矢理話を逸らす。
「あんた――祀木と付き合ってるのか?」
「…………はい?」
思いもよらなかった質問に碧は驚く。しかし、その表情は『驚き』より『疑問』と言った方がよく当てはまった。
「……そういう風に見えますか?」
「そういう風にしか見えないんだよ」
即答だった。確かに二人の様子を見てると付き合ってると思うのが普通だろう。
碧の反応から、潤は『二人は付き合っていない』と言う事を悟る。
「で、それがどうかしたんすか?」
「いや、どうもしてないよ――まぁ、どっちにしろ一つ忠告」
そう言うと、潤は碧のネクタイを引っ張り――自分の目の前に、彼の顔を引き寄せた。
「――――!?」
目の前――僅か10センチ程先の美しい金色の瞳に、碧は思わず息を呑む。傍から見れば、口付けを交わす5秒前のカップルにも見えるだろう。
しかし、当の彼自身からすれば、そんなムードもへったくれもない。ネクタイを掴む手には結構な力が込められている上、綺麗だと感じた瞳は、まるで獲物を狙う狩人のようだから。――そんな状況で、潤は言葉を紡いだ。
「あの子を泣かせるような事があったら――幾らお前でも『怒る』からな」
低く、ドスの聞いた声。聞き方によっては忠告と言うより脅迫と言ったほうが正しいだろう。
「……悪いけど雨空さん、それ、俺には必要ない忠告っすよ」
しかし、碧は臆する事もなく、自分のネクタイを掴んでいる潤の手を掴む。
「あいつを泣かせる奴は俺が許さない。あいつは俺の、」
――友達だから。
それを聞いた潤は呆然としていたが、すぐに嬉しそうに笑みを浮かべ、ネクタイを掴んでいた手を離す。そして、その手を碧の頭の上に置きわしわしと撫でる。まるで、母親が子供を褒めるように。
「変わったな、霧崎。……ったく、マセてんなぁ、ちょっと前まで無愛想なお子様だったのにさ」
「……俺が変わったとかどーかは置いといて、一歳しか違わないじゃないっすか……」
嬉しそうな潤とは対照的に、碧は複雑な心境だ。幾ら相手が年上であるとはいえ、思い切り子ども扱いされているのだから。……まぁ、傘同盟の人間からは、物凄く羨ましがられるのだろうが。
とはいえ、こうして見ると、あまり身長差が無い事を碧はつくづく実感させられる。潤の身長は彼より2〜3センチ程低い――大体165センチ位だろう。
「それじゃ、あたしは一旦帰るとするよ。まぁ、また後で会うだろうけどな」
そう言って潤は碧に背中を向け、歩き出した。
〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜
偶然とはいえ、碧一回華魅泣かせてた気が((
にしても、このレスだけ異常に長かったorz
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