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NT受けonly小説

1イル:2014/05/03(土) 23:37:42 ID:???
初めまして、イルと申します。

NT受けスレでお世話になってましたが、この度初スレを立ち上げました。
相変わらずの駄文&遅筆ですので、生暖かい目で見守って頂けたら幸いです。

名前表記は伏字アルファベットです。
分かりにくいとは思いますが、危ないジャンルですのでご理解お願います。

また、複数のシリーズ物&短編が入り混じる為見にくくなります。
CPはNT受けしかございません。
ほぼほぼ、omiNTになるかと思われます。


至らぬ部分も多々ありますが、宜しくお願いします。

2イル:2014/05/03(土) 23:38:26 ID:???
学園パロ① omi×NT←gn

※冒頭のシーン、NT受けスレ見てない方にも分かる様にちょっとだけ補足しました。



「ほら、さっさと寝た!寝た!」

体育館倉庫で踏み台から足を踏み外し、サッカー部主将でもあるtskに受け止められた上に何故か抱きしめられてしまったNT。
頭を打ったと訴えるtskを保健室まで連れてくると、カーテンで遮断されたベッドの一つに強引に寝かせた。

「受け止めてあげたのに、雑じゃないですか」
「うっさい!先生の言う事聞け!」

NTは赤くなった顔を見られない様に毛布を頭から被せtskをベッドに押し付ける。

「責任取って看病してくれるんじゃないんですか?」

しかし、自分よりも体格の良いtskに力で勝る訳も無く呆気無く腕を捕まえられてしまう。

「今度の試合、出れなくなったらどうするんですか?」


倉庫での出来事を思い出させる様な体勢にNTはもはや言葉を発する事も出来ずに、ただtskに至近距離で見つめられるまま固まっていた。

「今回だけはこれで許してあげますから」

混乱しているNTを余所に勝手に自己解決したtskは、更に強い力でNTを引っ張ると硬直したままのNTの唇に自らの唇を重ねた。


チュッと小さなリップ音に今まで停止していたNTが我に戻った。

「……って、何すんだよ!!!」
「いって!!」

漫画で言えばバチーンと効果音が付くのではないかという程の平手打ちをtskに喰らわせると、NTはさすがは体育教師といった素早さで保健室を出て行ってしまった。



「……はぁ。マジいってぇ…」

一人ベッドに残されたtskは一瞬感覚が無くなる程の平手打ちを浴びた左頬を撫でながら、真っ白な天井を見上げていた。

「……キスしたんだよな…」

ジリジリと火照りを持ち痛む左頬とは違い、NTに触れた唇だけはいつまでも違う熱さが残っていた。

3イル:2014/05/03(土) 23:39:20 ID:???



「ったく、なんなんだよ……」

tskの腕から逃れ、保健室を出ると真っ赤であろう自らの顔に手を当て大きく息をついた。
ただただ、NTの頭と心は混乱していた。

美少年でサッカー部主将、傍目から見てもモテるtskが男で教師でもある自分に執着する理由がNTには分からないのだ。
初めは教師といえど、歳が大して変わらないNTに先輩的な感覚でじゃれついて来るのかと思っていたが、さっきの出来事はそれだけでは片付けられない事態であるのは明らかだ。


「本当、意味分かんねぇ……」

tskの行為をすんなり受け入れる事など到底出来そうには無いが、嫌悪感は不思議と無かった。

「てか、絶対腫れるよな……」

綺麗な顔を引っぱたいてしまった右手を呆然と見つめ、自らのしてしまった行為をNTは少しだけ悔やんだ。








「NT先生」
「うわぁっ!」

突然名前を呼ばれ思わず変な声を上げてしまったNTが声のする方を見ると、そこには正に今NTを混乱させている張本人tskに負けず劣らずの美少年で学園の人気者のiwtが立っていた。

「いきなりすいません。お話したい事があるんですけど、いいですか?」
「俺に……?」

学園一の秀才で、その容姿から女子生徒から絶大な人気を誇るiwtからの申し出にNTは困惑した。
品行方正で運動も出来るiwtはNTの手を煩わせる様な生徒でもない為、授業以外で話す機会も無いのだ。

「はい、ちょっと他の先生には言いにくくて。けど、NT先生は話しやすいんで…、ダメですか?」

普段はニコニコと人懐っこい笑顔を浮かべているiwtの何処か悩んでる姿についさっきまでの疑問は消え去り、困っている大事な生徒の力になりたいと思う様になっていた。
何よりも、教師の中でも若く、人生経験も生徒と大差ない自分を相談相手選んでもらえた事に喜びを感じた。

「よし!じゃあ、進路室行くか」
「はい」

先程まで生徒かと見紛う程の幼い顔を真っ赤にしていた姿は何処へやら、すっかり先生の顔になったNTにiwtは顔には出さないが心の中でこっそりと微笑んだ。



続く……

4イル:2014/05/03(土) 23:40:29 ID:???
学園パロ②



旧校舎の端にあり、あまり使われなくなった昔の進路室にNTとiwtの姿はあった。
テーブルを挟み、向かい合う形で椅子に座ったiwtにNTは口を開いた。

「話したい事って、進路の事?友達の事?」

神妙な面持ちでテーブルを見つめているiwtにNTは優しく語りかける。

「好きな人の事で相談したいんです」
「好きな…人?」

ようやく口を開いたiwtの悩みに、思わずNTは目を丸くした。
どう考えても女子にモテるであろうiwtから、恋愛についての悩みが語られるとは思わなかったのだ。


「こんな相談、友達には恥ずかしくて出来なくて。けど、NT先生なら年も近いし話せるかなって」

伏し目がちだった顔を上げ、口元にいつもの愛らしい微笑みを浮かべたiwtがNTに向き合った。

「そっか…。そうだよな」

教師として頼ってきた訳では無いと分かり少し残念だったが、それでも一人の人間として頼りにされている事にNTは目の前の悩みに全力で応えようと思った。

「同級生の女子?それとも先輩?」

テーブル越しではあるが、身を乗り出しiwtを質問攻めにする姿はもはや教師ではなく友達の恋愛事情を楽しむ高校生と変わりなかった。
そんな姿にiwtはにやけるのを必死に抑え、恋に悩める男子高校生を演じた。

5イル:2014/05/03(土) 23:41:02 ID:???





「今日はありがとうございました」

iwtの恋愛相談が終わった頃にはすっかり日も暮れ、グランドで部活に励んでいた生徒達も帰宅の途につき始めていた。

「結局、iwtの好きな人分かんなかったな」

根掘り葉掘り聞いた割には、iwtの好きな人を突き止められなかったNTは口を尖らせた。
その顔はNTの幼さを際立たせ、隣に立つiwtの目を楽しませた。

「NT先生、最後にもう一つだけ頼みがあるんです」
「頼み?」


西陽を避ける為に引いていたカーテンを開けながらNTが振り返ると、この部屋に来た時と同じ様に思いつめた様子のiwtがすぐ後ろに立っていた。


「抱きしめてもいいですか?」
「えっ……?」

iwtが言い終わる前にNTの体はiwtに抱きしめられていた。

混乱する頭でどうにか今の状況を理解しようとするが、tskの時同様あまりに突然の出来事にNTはiwtの腕の中で動けずに居た。
どれ程の時間抱きしめられていたのかなど、NTに分かる訳がなかったが、そっとiwtはNTを解放した。


「いきなりごめんなさい。先生が好きな人と重なっちゃって」

本当に申し訳ないという表情で頭を下げるiwtにNTは怒る気など沸かなかった。
寧ろ、勉強も運動も出来て欠点など無いと思っていたiwtの子供っぽい部分を垣間見た気がして、何処か得した気分にすらなっていた。

「そういう時もあるよな!いいって!」
「はい、ありがとうございます」


まさか自らに好意が向けられてるなど思いもしないNTにiwtは苦笑しつつも、NTの懐に入り込む事に成功した事に満足していた。
力で封じ込める事も可能だったが、手に入れるなら全てを完璧に手に入れなければダメだ。
今まで何でも手に入れてきたiwtだからこそ、欲しい物を手に入れる手段に抜け目などあってはならないと強く自覚していた。

「NT先生、また相談乗って下さいね」
「もちろん!」

可愛いと評判の微笑みでNTに懇願すれば、NTも笑顔で応えた。
この笑顔が近い内に自分の物になると思うと、同じ事の繰り返しでつまらない学園生活も悪くないとiwtは思った。




続く……

6イル:2014/05/03(土) 23:41:50 ID:???
学園パロ ③



tskがクラスメイトのimicと次の体育に備え廊下を歩いていると、前方から女子生徒の黄色い声が聞こえた。

「あっ、iwtだ」

二人の目の前に現れたのは、学園一の秀才でtskと人気を二分するiwtだ。
教室移動なのだろう、他にも二年の生徒達が教科書を手に廊下を歩いていた。


決定的な証拠は無かったが、iwtに何処か危険な印象を抱いていたtskは向かってくるiwtを睨みつけた。
学園の人気者二人の姿に色めき立つ周りとは裏腹に、二人はお互いから視線を外さないまま距離を詰める。


「NT先生って抱き心地いいですよね」
「……っ!?」


tskはすれ違い様に自分だけに聞こえる様に放たれた言葉に一瞬耳を疑った。
すぐさま振り返るが、既にiwtの姿は生徒でごった返す廊下に紛れてしまっていた。



「omi、どうした?」

一人だけ立ち止まったtskにimicが話しかける。

「あいつ……」
「iwtと仲良かったっけ?」

imicはtskとiwtの接点を考えてみるが、二人共女子にモテる以外特に共通点は思い付かない。
考えてはみたが、元来頭を使う事が得意ではないimicはすぐに思考を捨て、窓の外に目をやった。


「あっ、NT先生じゃん」

NTいう単語にtskの肩が僅かに揺れた事にimicが気づく訳もなく、まるで飼い主を発見した犬みたいに窓から顔を出し、授業の為にグランドに居たNTに手を振った。

「NT先生ー!今日は野球やりましょう!」
「やんねーよ!今日はマラソン!」
「えー!!」

提案をあっさりと退けられたimicは大げさに悲嘆の声を上げた。
二人のやり取りを見ていたtskが何かを思い付いた様に窓から身を乗り出した。

「NT先生、今日はサッカー!決まりだから」

imicを押し退け、グランドに居るNTにtskは言い放った。

「サッカー?omi、どんだけサッカーしたい訳?」

無理やり退かされた不満と、部活でもサッカーをやり授業でもサッカーをやりたがるtskにimicは呆れ顔だ。


「いいんだよ。さっさと行くぞ」
「ちょっ、omi!?」

窓から体を戻すとimicを置き去りに、tskはそそくさとグランドに向けて走って行ってしまった。


広いグランドに残されたNTは何も言い返せず、ただ校舎の窓を見上げていた。






案の定、体育はtskの提案通りサッカーとなった。

先程まで野球が良かったと不貞腐れていたimicも、いざ始まってみれば先頭を切ってゴールを攻め立てていた。
NTは審判として試合に参加はしていたが、tskの考えている事が分からず心此処にあらずといった感じだ。

試合はサッカー部主将tskが率いるチームが有利に進めていたが、imic率いるチームも負けじと食らいついており、体育の授業とはいえ白熱した展開となっていた。
暫く互いの得点板が止まっていたが、同じサッカー部の仲間からボールを受けたtskが敵チームのクラスメイトを次々と交わし、豪快にゴールネットを揺らした。


「先生!決まった!」
「うわぁ!?抱きつくな!!」

さすがはサッカー部主将と拍手したくなる様なゴールを決めたtskがNTの元に走り寄り、tskのゴールに目を奪われていたNTに抱きついた。

「お〜い、tskがまたNT先生に抱き着いてるぞ〜」

二人にあった出来事を知るはずも無い周りの生徒達は、いつもの事だといった具合に囃し立てる。
NTはバタバタと暴れて腕から逃れようとするが、今日のtskはいつまでもNTを離さなかった。





「さすがですね…」
「iwt君、何か言った?」
「ううん、何でもないよ」

思わず漏れた言葉を隣の女子に聞かれたiwtは慌てて否定すると今一度窓の向こうに目を向けた。

そこにはまだNTにじゃれついているtskの姿があった。
明らかにこちらを意識している。

NTにカッコイイ姿を見せる事が出来、尚且つ人前でNTに抱きついても不思議がられない様に仕向けたtskにiwtは賞賛と嫉妬の視線を送った。


「まぁ、負けませんけど」




続く……

7イル:2014/05/03(土) 23:42:35 ID:???
学園パロ ④




放課後の職員室は、授業のプレッシャーから解放された教師達が各々の仕事に従事しつつも、何処かのんびりとした雰囲気が漂っていた。
NTも引き出しに隠しておいたチョコのお菓子をこっそり頬張っていると、音楽教師のATがデスクに近寄って来た。

「NT先生、サッカー部の練習見てもらえませんか?」
「俺が…ですか?」
「はい、急な打ち合わせが入りまして」
「はぁ……」

極力tskと関わらない様にしたいNTは、tskが主将を務めるサッカー部の練習など近寄りたくもないのだ。
だが、先輩であるATの頼みを断る理由も無い。

「俺で良ければ…」
「ありがとうございます」

見た目は怖いが人当たりが良く生徒からの信頼も厚いATの笑顔に、NTも引きつった笑顔を返すしかなかった。
これからの事を想像すると、あんなに甘くて美味しかったはずのお菓子の味もすっかり忘れてしまったNTだった。



重い足を引きずる様にサッカー部員が集まるグランドにNTが姿を現すと、NTが来る事を知らされていなかった部員達は一様に驚いた顔をした。
NTが面子を見渡すとそこには勿論主将であるtskの姿もあった。

「あ〜、AT先生が急用入ったんで、今日は外周やるから」

視線が合いそうになったNTはすぐに視線を戻すと端的に用件を告げた。
部員達はNTが来た理由を理解した様で「はい」と運動部らしい威勢の良い声で返事をした。

「っていう事だから、tsk頼むな」

主将に声を掛けないのも不自然な為NTは声を掛けるが、NTを真っ直ぐに見るtskとは違いNTの視線はそれに絡む事は無かった。


部員達は今日のメニューを知ると、ストレッチしながらグランドの外に出ていった。
NTも部員達の後を付いて行くが、tskが絡んで来る事はなかった。
いくらtskでも部員達の居る前であからさまなアピールをしてくる事は無いと知ると、NTは安堵する思いと何処か拍子抜けする思いの両方を抱いた。





外周が始まると、最初は固まっていた部員達もいつしかそれぞれペースが変わっていき、並走していたNTの周りからも部員の姿は無くなっていた。
NTは見通しの良い所で立ち止まると人数確認の意味も込め、ATから渡された名簿を手に走ってくる部員達に声を掛ける事に専念した。
人気のあるサッカー部なので部員数も多いが、体育教師でもあるNTにとっては殆ど知った顔であった為、走り去っていく部員達も笑顔でNTの声に応えていた。


「人数多いからチェックするの大変だよな〜」

目の前を駆けて行く部員の顔と名前を頭で一致させ名簿にチェックしていると、突然明るかった筈の名簿に影が差した。
不思議に思い顔を上げると、そこには腕組みをしながらNTを見下ろしているtskが居た。


「tskっ!」
「なんで、来る前に教えてくれなかったんすか?」

逃げる隙も無く、tskに腕を捉えられてしまうNT。

「俺だって、急に頼まれたんだよ!」

ジリジリと近付いてくるtskから少しでも体を遠ざけようと後退りするも、すぐ後ろの金網に進路を阻まれてしまう。


「ばっか!誰かに見つかったどうすんだよ!」
「見つかんない所だったらいいの?」
「そうじゃないっ!」

どうにかしてやり込めようとするtskにNTも必死に抵抗する。
人通りが少ない道とはいえ、ジャージ姿の男二人が取っ組み合ってる姿は傍目から見ても異常だろう。

8イル:2014/05/03(土) 23:43:06 ID:???




「NTさんじゃないっすかー!」
「あっ、ほんまや」

tskと不毛な攻防を繰り広げていたNTを呼ぶ声に、二人の動きも止まる。
声のする方に目をやれば、嬉しそうな笑みを浮かべる黒髪の男と、体格が良くハーフと思われる顔立ちをした褐色の肌をした男が立っていた。

「knjrとelじゃん!」

NTはtskの手を慌てて振り払うと、二人の元へ駆け寄った。
思わぬ事態にNTを手放してしまった事に加え、嬉しそうに見知らぬ男達の所へ行ってしまったNTにtskは苛立ちを覚えた。


「会えてマジ嬉しいっす!」
「はは、el大袈裟でしょ〜」
「いや、マジですって!」

elと呼ばれた男が、強面な見た目に反して満面の笑みでNTに擦り寄る。
もう一人の男、knjrも同じ様に笑顔でNTとの再会を喜んでいた。

自らが好意を伝えれば、それは迷惑そうな顔をするくせに、二人には嬉しそうに応えるNTの姿にtskのイライラは増していく。


「……先生、誰っすか?」

あからさまな敵意剥き出しの声で問えば、tskの様子に気付いたknjrがelとの会話に夢中なNTの代わりに口を開いた。

「NTさんの大学の後輩やけど」

"NTさん"という部分を強調した、何処か刺を感じる様なknjrの言葉にtskの表情は更に険しくなる。

「俺はNT先生に聞いたんですけど」
「そら、ごめんな」

tskも負けじと嫌味ったらしく返すが、knjrは予想通りといった具合にさらりと受け流す。
再会に盛り上がるNTは気付いていないが、tskとknjrは互いに同じ匂いを感じた様だ。


「NTさん、また三人で飲み行きましょうよ」

knjrのtskにだけ伝わる様な刺のある言い回しにNTは気付かない。
tskには踏み入れない領域で展開する話に、tskの目つきは鋭くなるばかりだ。


「先生、もう時間だから帰んねぇと」
「おい、何すんだよ」

会話を遮る様にNTの腕を掴みその場を後を離れようとするtskに、それまで笑顔だったelの顔が一瞬にして怒りの顔になる。
大抵の人間ならば怯んでしまうelの睨みにも、tskは動じる事なくNTを引き寄せる手を緩め無い。


「ごめん、部活中だから戻るわ!また連絡するから!」

さすがに不穏な空気を感じたNTがelを宥める様に言うと、elと睨み合うtskの背を押しその場を後にした。







knjrとelから見えなくなる所までtskを連れてくると、NTは大きなため息をついた。
だが、そんなNTをtskはすぐに人目から見えない建物の影に連れ込むと、先程の分まで堪能するかの様に激しく口付けた。

いつかの保健室のキスとは違い、濃厚な口付けにNTはもはや身を任せる他無かった。



「はぁ……先生って、本当チョコ好きですね」

ようやく唇を離したtskの表情は、茶化す口とは裏腹に今にも泣いてしまいそうだった。
"泣きたいのはこっちだ"とNTは言ってやりたかったが、tskの目を見てしまえばそんな言葉を言えるはずも無くただ口を噤んだ。


「先生…すっげぇ好きだから…」


きっと女子が言われたら一発で落ちてしまう様な愛の告白にNTが答える間も無く、NTの唇は今一度tskによって塞がれた。




続く……

9イル:2014/05/03(土) 23:43:37 ID:???
学園パロ ⑤



元からアピールの強いtskだったが、ここ最近は一人で居るNTを見つけるや否や人気の無い場所へ連れ込んでいた。
始めの内は抱き締めたりキスをしてくるだけであったが、段々と行為はエスカレートしていった。

今も体育の授業終わりに、生徒が居なくなった更衣室でNTに迫っていた。


「次の授業始まるって!」
「サボる。体育以外興味無いし」

あっさりと言いのけ、ロッカーにNTを押し付け強引に口付ける。

「tskっ…マジやめっ…」

NTの懇願も受け入れられる事は無く、NTの腕を押さえつけていたtskの右手がジャージの中に入っていく。
右手は慣れた様に下着の上からNT自身の形をなぞる。

「くっ……」

唇を噛み締めながら刺激に耐えるNTを眺めていたtskはNTの耳元に口を寄せた。

「ねぇ、この前パンツ履いたままイっちゃったけど、あの後どうしたの?」
「っ……!!」

目をきつく瞑っていたNTの目が大きく見開かれた。
言葉は発しないが、涙が溢れる目でこちらを睨む姿にtskの手の動きは激しさを増していく。


「ノーパンで居たの?」
「ちがっ…あっ!!」

慌ててtskの言葉を否定しようとしたNTだったが、口を開いた事によって我慢していた声を上げる結果になってしまった。

「今日もこのままイっちゃう?」
「や…だぁ……」

NTは頭を振って意志表示するのが精一杯だ。

「今日は脱がせてあげますよ」

自らがそうしてるのに、まるで仕方なく譲歩してあげたかの様な口ぶりのtskにNTは怒りをぶつけたかったが、もはやそれすら叶わずtskにされるがままだ。


tskはジャージと下着を膝までずり下げると、既に勃ち上がり先走りを滴らせているNT自身が外気に触れたせいで小さく震えた。

「先生…俺のも触って」

押さえ付けていた手を離し、NTの小さな手を興奮している自身へと導く。
ジャージの上からでも分かるモノにNTは反射的に手を引こうとするが、tskはそれを許さず取り出した自身を再度NTに握らせた。
何度か強いられている行為だが、慣れる筈も無いNTは声を我慢する事も忘れ声を上げながらtskが望むままに手を動かした。


「せんせ…上手くなったね」
「あっ、あぁ……!」


頬を合わせ吐息混じりに囁かれたNTの目からは大粒の涙が溢れていた。
tskは流れる涙に口付けながら、一気にNTを追い詰めて行く。


「はぁ…あっ、あぁ――!!」

先端を爪で引っかかれ、NTは一際高い声を上げて果てた。


「くっ…やべっ……!」

イク瞬間にNTに強く握られ、tskも続く様に熱を解放した。


暫く息を整えていた二人だったが、先に復活したtskが肩を上下させるNTに触れるだけのキスをする。



「わりぃ、先生付いちゃった」


言葉とは正反対に愉しそうに口元を歪ませるtskの指先を辿れば、お気に入りのジャージに自身とtskの放ったモノが付着しておりNTは言葉を失った。
そんなNTを気にする事無く、tskは嬉しそうにNTの顔にキスの雨を降らせる。


「と…と…tskのバカ―――――!!!!!」


ようやく正気を取り戻したNTが発したのは、情緒の欠片も無い心からの叫びだった。

10イル:2014/05/03(土) 23:44:30 ID:???





「はぁ、マジ疲れた」

tskとの行為で疲労困憊なNTだったが、放課後にまたiwtに相談を持ちかけられていた為、旧校舎の進路室に向かっていた。



「iwt、遅れてごめん!」

古びたドアを開ければ、iwtが窓際で静かに佇んでいた。
その姿は雑誌のまるで雑誌に載ってる様なモデルみたいだとNTは思った。


「いえ、大丈夫です。あれ?ジャージ変えました?」

午前中にNTの授業を受けたiwtが、NTのジャージが変わってる事に気付き疑問をぶつける。

「あっ…うん、お茶こぼしちゃって」

思わぬ質問にNTは慌てて取り繕うが、かすかに声が掠れてしまっていた。
他の人間なら不審に思わない様な答えだが、目を泳がせながら答えるNTをiwtは見逃さない。


「泣いたんですか?目、充血してますよ」

iwtが窓際を離れ、NTの顔を覗き込む。

息がかかる程の至近距離で見つめられNTは息を呑んだ。
tskとは違う幼さが色濃く残る可愛らしい顔立ちと、見た目に反する低い声にNTの鼓動は早くなる。


「誰ですか?先生を泣かせるのは?」
「はは…iwt、何言ってんの?」

笑ってはぐらかそうとするも、iwtの真剣な目がそれを許さない。
動揺するNTの頬に手を当て、NTの視線を自ら外さない様に仕向ける。



「先生、俺が好きな人は……あなたなんですよ」
「えっ……」


瞬時にキスされるとNTは思ったが避ける暇も無く、iwtの唇がNTのそれに重なる。

瞼を閉じキスをするiwtはtskと同じ綺麗な顔なのにtskの唇とは全然違う気がして、大きな恐怖感に襲われたNTは思わず触れている唇を噛んでいた。


「いった……」


思わぬ抵抗に咄嗟に体を離したiwtの唇からは微量だが血が滲み、それを見たNTの顔は一気に青ざめた。


「ごめっ……俺……」
「謝らないで下さい。俺が悪いんですから」

上手く言葉が出て来ないNTにiwtは優しく微笑みかけるが、混乱するNTには聞こえない。



「でも、先生が好きなのは本当ですから」


そう言って、震えるNTを優しく抱きしめる。

だが、抱きしめられたNTの脳裏に浮かんでいたのはiwtの事では無く、何故か憎らしいtskの顔だった。





続く……

11イル:2014/05/03(土) 23:45:29 ID:???
学園パロ ⑥



学園の人気者故、少しの変化でもあろうものならば、すぐにその情報は学園中を駆け巡った。
それが色恋沙汰を匂わすものであれば、皆の食付きも違うというものだ。

学園一の秀才で美少年のiwtの唇に傷が出来た。

たったそれだけの事だったが、学園中の女子達は大いにショックを受けた。
それが偶然出来た傷では無く、明らかに誰かに噛まれたと分かる傷だったからである。
女子達はiwtの綺麗な唇に傷を付けた姿の見えぬ女子に嫉妬の炎を燃やしたのであった。



勿論、噂はtskが居る三年の教室にも届いていた。

「朝からiwtの話ばっかだわ〜」

imicがパックジュースのストローを噛みながら、近くの女子達の会話から漏れてくる情報にこっそり耳を傾けながらぼやいた。

サッカー雑誌を読みながらimicの話を興味無さそうに聞いていたtskだったが、実際の所心中穏やかでは無かった。
なぜなら、先程廊下ですれ違った時にNTがtskを見た瞬間に明らかな動揺を示していたからである。
普段からtskを見るなり逃げようとするNTだったが、今までの比ではないぐらいにtskを避けようとしていたのだ。

誰よりもNTを見つめているtskにはiwtの噂を耳にした瞬間から嫌な予感がしていた。


「あのiwtでも彼女怒らせんだ〜」
「喧嘩ぐらいすんだろ」

嫌でも耳に入ってくるライバルの名前に不機嫌さを隠せなくなったtskは、サッカー雑誌を机に突っ込むと席を立った。

「omi、どこ行くの?」
「フケる」

それだけ言うとtskは昼休みで賑わう教室を出て行ってしまった。





教室を出たtskが向かったのは同じく騒がしいiwtが居る二年の教室だった。

「iwt呼んでくれる」
「きゃっ、tsk先輩!!」

声を掛けられた女子生徒は憧れのtskに驚きと歓喜の声を上げた。
それに気付いた周りの生徒達も突如現れたtskに更に騒がしさを増した。

「iwt君!tsk先輩が!」

興奮した女子生徒の声にiwtがドアの方を見ると、射抜く様な眼差しを向けるtskが居る事に気付いた。



「ちょっと付き合えよ」

tskがわざわざ自らの教室にまで足を運んだ理由を瞬時に理解したiwtは、すぐにいつも微笑みで了承した。

「いいですよ。tsk先輩」






後を付いて来ようとする野次馬をiwtがやんわりと制し、二人がやって来たのは本来なら立ち入る事が禁止されてる屋上。
誰かの手により壊された南京錠をtskが少し力を入れて開ければ、屋上への侵入など容易い事だった。

屋上に出れば、ここ最近続いている強風が二人の髪を揺らした。。



「せっかくのイケメンが台無しだな」

先制攻撃の様にtskがiwtに投げかける。

「tsk先輩にイケメンなんて言ってもらえるとは嬉しいですね」

tskの言葉にiwtが笑みを崩さずに返す。
微笑む唇には真新しい傷があり、改めて傷を直視したtskは眉を顰める。


「思いの外深いんですよね。まだ血が滲んじゃうんですよ」

tskの視線に気付いたiwtが愛おしそうに傷に触れ、指に付いた血を舐めた。

「なら、絆創膏でも貼っとけよ」

吐き捨てる様に言うと、iwtはtskの返しを予測していた様に不穏に微笑んだ。


「嫌ですよ。だって、この傷を見る度にNT先生がキスの事を思い出すんですから」
「てめぇ!」

遂にtskの手がiwtを捕らえた。

iwtの胸ぐらを怒りに任せて掴み上げるが、iwtは笑みを崩す事無くtskに辛辣な言葉を返した。


「先輩は先生の恋人なんですか?」


tskにとって一番触れられたくない部分を指摘され、思わずiwtを掴む手が緩む。
iwtはすぐに力の弱くなったtskの手を外すと、シワになった制服を直しながら言葉を続ける。


「恋人じゃないなら、NT先生にキスした事怒られる筋合い無いと思いますけど」

理路整然と放たれる言葉にtskは何も言えなかった。



「今までは先輩に譲ってあげてましたけど、これからは遠慮しませんから」

宣戦布告とも言える言葉を残し、iwtは教室へと戻っていった。




一人残されたtskはiwtを掴み上げた手をキツく握り締め、無言でコンクリートの地面を睨み付けた。



続く……

12たろ:2014/05/04(日) 09:46:37 ID:???
イル様
スレ立ておめでとうございます!
NTスレでのお話、見てました!!
ドキドキしながら「あの書き手様、来ないかな〜///」と、待ってたら!
スレが!!出来てる!!
うわっほーい\^∀^/
早速ストーカーしていきますのでww
更新頑張って下さいね!!

13名無しさん:2014/05/04(日) 11:18:30 ID:???
イルさまスレ立ておめでとうございます!
NT受スレからのファンです!おうちができたなんて感激です///
今までの学パロに、さらに新作も!
逆境すら武器に変える、iwtの強さ手強い…!!
NT先生が2人の間で翻弄される姿が本当に小動物みたいに愛らしくて///
NT受け、特にomiNT大好きな私待望のomiNTメインスレ、しかも憧れの書き手さまと、まさに私ホイホイなこちらのおうち←
たろさまと一緒にストーカーさせていただきますね♪まみでした^^

14イル:2014/05/05(月) 00:31:18 ID:???
たろ様

コメント有難うございます。
書き手の先輩である(勝手にすいません)たろ様にストーカーして頂けるなんて光栄ですヽ(*´∀`)ノ
ちゃんと更新して行けるか早速不安ですが、せっかくスレを持ったので頑張りたいと思います!!
書く力無いくせに妄想だけは吹き出してますので(笑)
たろ様もご多忙かとは思いますが、更新楽しみにしてます✩



まみ様

コメント有難うございます。
NT受けスレから読んで頂けてたとの事で有難うございます♪
しかも、omiNT好きという事で少しでもご期待に添えられれば嬉しいです。
無自覚小悪魔NTさんと美形でドSなomi様を見て妄想するなって方が無理ですよね←
学パロ以外の作品も投下していく予定ですので、宜しくお願いします(´∀`)

15イル:2014/05/05(月) 23:53:06 ID:???
櫻PVパロ omi×NT





激しく打ち付ける雨の中、刀を持ったまま地面を睨み付ける男とそれを静かに見守る男の影が二つ。
周りには息絶えた黒装束の男達の亡骸が無残にも転がっていた。

「NTさん。なんで、人は戦わなあかんのですか」

感情の無い京訛りの言葉にNTは何も言えずに口を噤んだ。

「輪廻転生は結局戦う事の繰り返しなんですか」
「knjr……っ!!」

knjrに歩み寄ろうとしたNTだったが、微かに息のあった男に足首を捉えられてしまった。
だが、NTが振り払うよりも先にknjrが目にも止まらぬ速さで刀を抜き、男に斬りかかった。

「ぐぁっ!!!」

男は重い音を立て再び地面へと崩れる。

傷口からは真っ赤な血が吹き出したがそれも激しい雨に流され、本来は凄惨な現場にも関わらず雨音だけが木霊していた。



「なんで人は運命を変える事が出来ひんのですか…」


今度こそ息の根が止まった男を見つめていたNTにknjrが縋り付く。

体を強く抱き締める腕が震えてるのは寒さから来るものでは無い事はNTにも分かった。
NT同様、避けられぬ運命を背負ったknjrに掛ける言葉など見付からなかった。

なぜなら、NT自身も自らの運命を呪っていたからである。
邪悪な人間どもから伝説の樹を守るなど言葉は良いが、実際は人の命を奪うだけ。
選ばれし者という肩書きが無ければ、人を斬るなんて所業が出来る訳など無かった。

抱きしめられながら、NTの頬には雨では無い熱い何かが伝っていた。

16イル:2014/05/05(月) 23:53:58 ID:???








桜の下で一人瞑想をしていたhromが足音に気付く。
いつもならば、すぐに臨戦態勢に入るが今回ばかりは刀を抜く事もせずに唇だけを開いた。

「NTさん、斬られたいんですか」


hromの背後に現れたのは濡れた服もそのままに虚ろな目をしたNTが佇んでいた。

何も答えないNTにhromは腰を上げ近付く。
足音を消す事など容易いはずのNTが初歩的な事もせず、更には雨に濡れたままの格好で現れた事にhromは驚いた。



「この桜が無ければ、人は戦わずに済むのかもしれない…」

hromの横を通り過ぎ、櫻の太い幹に手をやりながら目を伏せるNTをhromは静かに見守る。
NTの言わんとしてる事はhromにも痛い程分かったが、NTの言葉に答える事は出来なかった。


「そうしたら、俺達は誰も斬らずに居られるのに」

寂しそうに呟くNTにhromは堪らずその小さな体を抱き寄せるが、雨の匂いに混じって違う男の匂いがする体に思わず唇を噛む。
その匂いを掻き消す様にNTの体を樹に押し付け激しく口付ける。
NTも抵抗する事無く口付けを受け入れ、自らも必死に応える様に舌を動かした。

hromが濡れた服に手をかけると現れたのは絹の様に手触りの良い白い肌。
常に修羅場をくぐり抜けているにも関わらず傷一つ無いのは、NTの身のこなしの良さを表していた。
その肌に一秒でも早く跡を刻み付けたいhromは無心で貪り付いた。





「あっ、はぁ……んっ」

幹に体を預け、緩急をつけ仕掛けられる愛撫にNTは熱い息を上げる。
誰も掠り傷すら付けられない肌に紅い跡が散らばっていく。
時折舞い落ちる薄紅色の花びらもNTの白い肌に彩りを添えた。


「NTさん……我慢出来ない……!」
「やぁ……あぁぁ―――!!!」

体の奥に侵入してくる熱い物にNTは悲鳴にも似た声を上げる。
力一杯肩を掴まれるhromも声が出てしまうのを堪え、NTの中に自らを刻み付ける。
愛撫とは違い、ただただ欲望だけを満たす様な動きにここが伝説と謳われる桜の下である事など忘れてしまいそうであった。


膨張し続ける熱にNTは解放が近い事を感じる。

「hromっ、ひぁぁ―――!!」
「NTさん……!!」

NTが白濁の欲望を解放するとhromも最奥に火傷してしまう程の欲望を吐き出した。




手放しそうになった意識をどうにか繋ぎ留めたNTがふと目を開ければ、頭上には満開の桜が揺れていた。
そして、強く吹いた風に舞う花びらが先程見た鮮血が蘇らせた。


「嫌だ……見たくないっ……!!」


泣き叫ぶNTの目をhromが手で覆う。
それでも止まる事の無い涙は掌の間をすり抜けNTの頬を濡らした。

人の死を目の当たりにしたばかりにも関わらず、生きてる事を痛い程に実感している浅ましさと喜びの狭間で心は今にも押し潰されてしまいそうだった。



止めど無く流れる涙を拭う事も出来ないNTをhromはきつく抱き締め、NTにそして自らに言い聞かせる様に言葉を絞り出した。

「絶対にNTさんを離さない。誰を傷付けても……」


NTはhromの誓いとも言える言葉を聞きながら、静かに二人を見下ろす桜を今一度見つめた。


桜の樹は無数の人間の想いを黙って受け止め、樹としての天命を全うし続けるだけ。
NTもまた、この桜が朽ち果てるまで何人もの命を奪いながら、結局はたった一人の男の腕の中で存在価値を確かめながら生きていくのだと悟った……――






17イル:2014/05/07(水) 23:24:32 ID:???
カジノパロ ① カジノオーナーomi×客NT





「どうしよう……」

赤と黒に区切られた数字の上を転がっていた白い玉が3に入ったのは、今から10分以上も前の事だった。


友人に誘われた競馬で少しばかり儲けた金でふらりと入ったバー。
いつもなら安い居酒屋で済ます所だが、思わぬ臨時収入にNTは普段通らない細い道にあった隠れ家的なバーへと足を踏み入れた。

だが、そこはバーという名を騙った裏カジノだった。

カジノと分かるや否やすぐに退店しようとしたが、目の前で繰り広げられる非現実的な世界といつもより暖かい懐がNTを危険な世界へと誘っていた。

始めこそ小さな掛け金でお遊び程度に楽しんでいたが、大金を掛ける周りの客に呑まれる様に掛けるチップの枚数も増えていった。
しかし、運もいつまでも味方では無い。
手持ちが少なくなり、いい加減帰ろうとしていたNTに1人の男が擦り寄って来た。

「お金無いの?貸してあげるよ」
「えっ…いや、もう帰るんで」
「大丈夫、すぐに取り返せる。それに男ならやってみたいだろ?一発大逆転」

そう言って男が指差した先にはルーレットで大当たりし、抱えきれない程のチップを目の前に喜ぶ男性客の姿があった。

「ここはカジノだ。一瞬で何倍にする事も出来るんだよ」
「何倍……」

甘い誘惑にNTの心が揺らぐ。

「お金…貸して下さい」
「いいだろう。最初のお客には100万だが君には特別に200万貸してあげるよ」

男はコートの内ポケットから2つの札束を取り出すと、NTの手に乗せた。
200万という大金を手にしたNTは一瞬自らの言葉を後悔したが、このカジノに足を踏み入れた瞬間から一般社会の感覚など消え去っていた。


突如軍資金を手に入れたNTが向かったのは、先程男性客が大当たりを出したルーレット。
一発勝負には持って来いのギャンブルの定番だ。




そして、話は冒頭に戻るのである。

見事に200万を瞬時にしてパーにしたNTは薄暗い店の隅っこで頭を抱えていた。






「あんたか、人の金全部すったのは?」

いきなり頭上から降ってきた低い声にNTが顔を上げる。

そこには髪を後ろに流し、ロングコートを羽織ったサングラス姿の男がNTを見下ろしていた。
仁王立ちする男は、サングラス越しでも美麗な顔立ちをしている事が窺い知れた。
そしてその後ろにはNTに金を貸した男が立っており、目の前の男が金貸しの仲間である事は明白であった。

「初心者のくせに200万全掛けするとかバカか」
「ばっ、バカって…。別に返さないとは言ってないし」
「じゃあ、今すぐ200万返してくれる訳?」
「それは……」

フリーターのNTが200万なんて大金を持ってる筈など無く、もはや力づくでここから逃げるしかNTには道が残っていなかった。
だが、NTの浅はかな考えなど簡単に見抜かれた。

「逃げてもいいけど、裏社会は一般人が思ってるより怖いって事知ってる?」

ジリジリと間合いを詰められ、逃げ場を失ったNTの頬を男の長い指が撫で上げる。
時折触れる指輪の冷たさにNTの体が微かに震えた。

サングラスを取りNTを舐める様に見つめる男の鋭い瞳から思惑を読み取る事は出来なかったが、恐怖感と共に何故かゾクゾクする様な興奮を覚えた事をNTが知る由も無かった。
男にされるがままになっていると、突然腕を引っ張られた。


「何すんだよ!?」
「借金の返し方教えてやるよ」

18イル:2014/05/07(水) 23:26:39 ID:???





タバコの煙が立ち篭める店内から離れ、腕を引かれて連れて行かれたのは黒を基調とした中に大きなベッドが置いてあるだけの部屋だった。

暗さの中にも華やかさがあったカジノとは違った雰囲気にNTが目を奪われていると、力任せにベッドへと突き飛ばされた。


そして、そのまま腕を押さえつけられ唇を奪われる。
あまりの展開について行けず、硬直するNTの唇を割って男の舌が侵入する。
男の舌は何も出来ないNTの口内を好き勝手に動き回り、NTの思考回路を停止させた。


「はぁ……!俺っ、男なんだけどっ!!」
「知ってる。女だったらさっさとソープに売り飛ばしてるよ」

自身に起きている現実にようやく気付いたNTが口付けを振り切り、男を睨み付ける。
しかし、全く動じる事の無い男はTシャツを捲し上げ素肌を撫で回し始めた。

「ふ〜ん、意外といい体してんじゃん。なんかやってんの?」
「っ……」

NTが答えずにいると胸の突起を強く摘まれた。

「ひっ……!」
「なんかやってんの?」
「だっ…ダンス……」

念を押す様にギリギリと指に力を加えられ、危険を感じたNTが声を絞り出す。
けれども、力は緩まる所か更に力を増していく。

「名前は?」
「なっ……NT……」

息も絶え絶えに答えると、男は満足したのか指を離すと首筋に顔を埋めた。


「つーか、お前はなんて言うんだよ!」

やられっぱなしなNTがどうにか反抗しようと声を上げる。

「名前?hrom」
「くっ……」

首筋から唇を離さないまま答えられた為、敏感な場所に息がかかりNTは思わず声が出そうになる。
どうにか口で攻撃する事は出来ても、力では勝つ事が出来ないNTにhromは一気に攻勢をかける。


「ちょっ!!何すんだよ!!」

hromはNTのジーンズに手を掛けると下着ごと剥ぎ取ってしまった。
そして、NT自身を手に取るといきなり激しく上下に動かし始める。


「なっ!あぁ…やめっ!!!」
「気持ちいいだろ?」

hromの言う様に自分でするよりも快感を覚える手淫にNTは歯を食いしばる。
頑なに声を出そうとしないNTに痺れを切らしたhromは、NTの先走りで濡れた指を無防備な秘部へと移した。


「やだっ!やめろ!!!」

hromがしようとしている事に気付いたNTが手を掴み止めさせようとしたが、それよりも先に目的地にたどり着いた指がNTも知らない場所を撫でた。

「ここ使った事ある?」

NTがブンブンと頭を振るとhromは嬉しそうに口角を上げると、その長い指を秘部へと1本突き入れた。

「いたっ!!!痛い!!」

何も馴らされていない場所にいきなり異物を入れられた痛さにNTは悲鳴を上げた。
けれど、NTの声が受け入れられる訳も無く埋められた指はNTの性感帯を探す様に動き始める。

19イル:2014/05/07(水) 23:28:19 ID:???





「や…うぅ……」

中を動く指はいつしか3本に増え、グチュグチュと卑猥な音を立てるまでにNTの秘部を犯していた。
感じた事の無い刺激にNTはいつしか目の前のhromの腕にしがみついていた。

「そろそろだな……」

散々NTの中を探っていた指が引き抜かれ、代わりに熱く硬いモノを押し付けられる。
刺激に酔っていたNTがそれがナニかと判別する間もなく、遠慮無しに侵入してくる熱に悲鳴と必死に堪えていた涙が溢れ出した。


「力抜けよ……!!」
「無理…分かんないっ……!!」
「ったく!」

あまりのキツさにhromがNTに注文を付けるが、泣き叫ぶだけのNTに通じるはずもない。
hromはNT自身に手を掛けると緩急を付けて扱き出した。

「ふぁ…あぁ、んぅ……」

前への刺激と痛みに馴れてきたNTの孔穴はhromへの締め付けを少しだけ緩やかにした。

それを見計らってhromの手が激しく動き出し、その結果高価な指輪が嵌められた指がNTの白濁に汚れた。
既に達した事すら理解出来ないNTにhromがこれ見よがしに白濁にまみれた右手を目の前に晒す。

「この指輪、イタリアでしか手に入んない代物なんだぜ」
「そんな…知らなっ……」

これも弁償しろと言うのか?とNTは怒りを覚えたものの、この状況では勝ち目など無い。


「ほら、動けよ…。いつも人前で厭らしく腰振ってんだろ?」
「あっ……あん……」

理性が途切れるかギリギリの線を辿るNTにはhromの要求を受け入れる事しか出来なかった。
どう動かしていいかも分からなかったが、自然と自らが気持ち良くなる様に腰を動かしていた。

「ふっ……、案外素質あんじゃねぇの」

NTの腰使いにhromも感じているのか、皮肉交じりにNTを称えるが限界が近い事を察したhromはNTの腰を掴むと一心不乱に腰を打ち付けた。

「ひぁ…やっ!あっあっ……!!」

泣き叫ぶNTに瞳映ったのは、部屋に入った時には気付かなかったシャンデリア。
まるで2人の行為を監視する様に煌めいていた。

「ちゃんと飲めよ……!」
「ひぁ……あぁ――――――!!!」

20イル:2014/05/07(水) 23:29:16 ID:???






意識を飛ばすまでhromに攻め立てられたNTが目を覚ますと目に入ったのは、昨晩嫌という程目に入ったシャンデリア…ではなく、綺麗な顔をした男だった。

「うぁっ!!」

驚いて飛び起きると、男は綺麗な顔を不機嫌にさせた。

「お前ねぇ、人の顔見て驚くとか失礼じゃね?」
「あっ、いや……そういう訳じゃ……」

慌てて否定するが男の顰められた眉が戻る事は無い。
hromとは違う気の強そうな綺麗な顔立ちにNTは口ごもる。


「つーかomiの奴、いつの間にショタコンになった訳」
「しょっ、ショタ…コン……!?」

男から発せられた思わぬ言葉にNTは開いた口が塞がらなかった。
だが、男はそんなNTを気に留める事も無くNTを珍しそうに眺めていた。

「うっわぁー、キスマークだらけじゃん!」
「うぐっ!」

いきなり顎を掴まれ、首を自分の意思とは違う方向に無理やり向けられ思わず情けない声が出る。
体中を見渡しながらキスマークの在り処を報告され、NTは昨晩の激しい行為を思い出し1人顔を赤くした。

「あっ、あの…そのhromって人は何者なんですか?」

ずっと疑問に思っていた事を人の体を見て楽しむ男にぶつけてみる。


「omi〜?ここのオーナー。まぁ、金貸しもやってるけどね。ちなみに客に金貸してるのもomiの下っ端」
「オーナーで金貸し……!!」

点と線が繋がったNTは目を見開き、嵌められた…と悔やんだが、もはや後の祭り。
あんなタイミング良く金を貸してくれる人間が居た事に疑問を持つべきだったと、今となっては無駄な後悔をした。


「あっ!そうだ、これomiから」

キスマークを数えていた男が思い出した様に上着のポケットから出したのは、綺麗に整えられた1万円札が数枚。
その1万円札をNTの膝の上に無造作に置くと、男はNTへの興味も一瞬にして失った様にベッドから腰を上げドアへと歩き出した。


「あの!これは……」

NTの呼びかけに男の歩みが止まる。
振り返ったその顔は先程までの好奇心に溢れていた表情は影を潜め、hrom同様に裏社会を生きる男の顔をしていた。

「今のお前の価値。omiに抱かれて金貯めるのも良し。コツコツ働いて金貯めるのも良し。せいぜい頑張ってよktok NT君」
「価値って…。てか、なんで名前……」

hromに苗字までは名乗っていないNTは疑問の声を上げた。

「これ。つーか、omiより年上じゃん」

男が得意気に取り出したのは、見慣れた黒の財布とその中に入っている免許証だった。
今よりも更に若い顔の写真を見ながら、顔と年齢のギャップに驚いている様だ。

「ちなみに俺はTE。長い付き合いになるだろうからよろしく。ちなみに、十一だから」

綺麗さと可愛さが同居した顔に悪戯っ子の様な笑みを浮かべると、TEは部屋を出て行った。




続く……

21名無しさん:2014/05/08(木) 03:13:10 ID:???
イルさま更新ありがとうございます!
いろんなお話がこちらにお引っ越ししてる〜///
はぁ…もう何度も何度も繰り返し読んだのに、また読み返しても同じように悶えてしまいます(笑)
櫻のほうは、knjr印象的でしたもんね〜!まさにこんなイメージ!
超人的な動きで次々と敵を薙ぎ倒していくNTにもこんな葛藤があったと思うとたまりません
美しい櫻の景色の中で鋭い瞳のomi様が麗しくて、その鋭い眼差しに、
こうやって強く儚いNTを守り抜くのだという覚悟が宿っているんですね…///
相手と繋がり互いを確かめあうことが、果てしない運命に耐え抜く唯一の支えとなるomiNTがせつないです///
そして最新作家事乃♪
omi様、あの年齢にしてこの役柄がハマりすぎ(笑)
美しくてセクシーで、最高にキケンなオトコ。
そしてまったく普通の暮らしから一晩で人生が変わってしまったNTですけど、
その魅力そのままに実は抱かれるほうの素質が知らず備わっていたのかも…///
NTはどうやってここから脱却しようとするのか、そしてomi様は…?こちらも気になります!まみでした♪

22イル:2014/05/10(土) 14:08:10 ID:???
まみ様、こんにちは。

櫻のknjrいいですよね〜♪
普段との違いもあるでしょうけど、一番冷徹な顔が出来るのがknjrだと思うんですよ。
そういった部分を引き出して頂いた監督さんには本当感謝です✩
櫻PVはカッコイイだけじゃなく、重い宿命みたいな物も感じられる作品で本当に我々には良い餌ですね。
実はもう1本櫻パロの話を書いてるんですが、いつ日の目を見れる事やら……(´ε`;)

家事野オーナーomi氏は、本当に似合いすぎてて恐ろしいです。
夜の6本木に立ってても何にも不思議じゃないですしね。
その危ない雰囲気で本物のNTもメロメロにしちゃってるんでしょうね( ´艸`)

学パロも家事野もこの先修羅場しか待ってない気がしますが、NTさんが最後は幸せになる様に頑張ります!

23名無しさん:2014/05/10(土) 23:27:39 ID:???
どのお話も素晴らしいですありがとうございます!
その設定によって全く違うお話になってどのお話にも引き込まれます
そしてNTを求めるomiのクールさと激しい熱さ、手にいれたくなる無垢な耀きを放つNTが魅力的です…!

24イル:2014/05/11(日) 23:24:29 ID:???
>>23

こんばんは。
お褒めのお言葉頂き有難うございますヽ(*´∀`)ノ
omi氏とNTさんの雰囲気を少しでも感じて頂けた様で幸いです。
本当はラブラブな感じで書きたいんですが、つい重苦しくなっちゃうんですよね。
まぁ、虐めたくなるNTさんが悪いんですけどね←
ノロノロ更新ではありますが、これからも気長にお付き合いお願いします♪

25イル:2014/05/18(日) 22:29:58 ID:???
学パロ ⑦





「先生、この間は驚かせてごめんなさい」

体育の授業が終わり、職員室へ戻ろうとしていたNTにiwtが声を掛ける。
iwtの声に体を震わせたNTだったが、逃げる訳にも行かず後ろを振り向く事無く小さく口を開いた。


「俺の方こそ…噛んだりして、悪かった……」


好きでもない人間に突然キスされて抵抗するのは当然の事なのに、自らを責める様に謝るNT。
そんな姿にiwtは少しばかり心が痛んだが、せっかくのチャンスを逃す理由など無いiwtは続ける。


「けど、NT先生が好きだって事は信じて下さい」
「iwt……」

思わず振り返るとそこには真っ直ぐNTを見つめるiwtが立っていた。


「今すぐじゃなくてもいいです。先生が俺の事好きだって思える時が来たら答えて下さい」
「………」
「NT先生に俺の事知って欲しいんです。俺もNT先生の事もっと知りたいんです」


真摯に訴えるiwtに、NTも少しだけiwtを受け入れられる様な気がした。






それからというもの、iwtは時間を見つけてはNTの元にやって来てNTに付いて回った。
それは今までtskのしてきた事だった。

特定の誰かと一緒に居る事が少ないiwtが常に誰かと居るだけでも注目の的だが、それが教師ともなれば更に周囲の注目度は上がる。
周囲の目にNTは困惑していたが、まるで自らの行為を償う様にNTに寄り添うiwtをNTも拒む事が出来ずに居た。


しかし、それも時間が経てばNTも周囲も慣れるもので、次第にNTの隣にiwtが居る事が当たり前になっていた。






そして、iwtがNTの隣を独占する様になってから、tskはまるで何かに取り憑かれた様にサッカーに打ち込んでいた。
部員達は大会前だからと気にする事もなかったが、親友であるimicにはそれが普通では無い様に思えた。




「omi、何かあった?」

互いの部活が終わり、暗くなった帰り道を並び歩くtskに気になっていた事をぶつけた。


「別に……」
「ふ〜ん」

何となく予想していた答えにimicも相槌を打つしか出来なかった。

普段は感じない気まずい沈黙が二人を包む。
時折横を追い越していく車だけが、二人を明るく照らした。





分かれ道に差し掛かった時に沈黙を破る様にimicが口を開いた。

「じゃあさ……NT先生と何かあった?」


imicの言葉にtskの歩みが少しだけ緩やかになる。


「最近、先生と喋ってるの見ないからさ」

tskのスピードに合わせる様に歩幅を狭めながら言葉を続ける。

「先生もomiじゃなくてiwtと一緒にいるし、喧嘩でもしたのかな〜って」
「なんでもねぇよ。気にしすぎだろ」


耐え切れなくなったtskは、言葉を吐き捨てるとimicに別れも告げずに暗がりの細道に去って行ってしまった。
imicは追いかける事も出来ず、自らの言葉を後悔しながらも小さくなっていくtskの背中を見送るしか出来なかった。










「喧嘩なんかじゃねぇよ……」


imicから見えなくなる所まで歩いてきたtskは苦々しく呟いた。

言葉の通り喧嘩をした訳では無い。
喧嘩する事すら出来ない状況と言った方が正解だった。

あの日、屋上で言われたiwtの言葉が頭を支配し、NTに今まで通り接する事がtskには出来なくなっていたのだ。
結局は生徒である事を利用し、NTに好意を押し付けていた事を認めざる得ない状況になっていた。



「どうしたらいいんだよ……」



消える事の無い想いと決して応えてくれない相手に、tskの心は壊れそうだった。

どんなに大人ぶった所で所詮は17歳の高校生である事に変わりない。
大した人生経験も無い高校生が、教師でましてや同性に恋をした時点で高過ぎるハードルであった事を今更ながら思い知ったtskであった。

26イル:2014/05/18(日) 22:30:57 ID:???












翌日、親友のimicにも心配をかけてる事を思い知ったtskは、ある覚悟を決めて職員室のドアの前に立っていた。


「失礼します。NT先生、お時間いいですか」
「tsk……」


突然の訪問にNTは手に持っていたファイルを落としそうになったが、他の教師も居る手前必死に平静を装った。

「先生、グランドの事で相談があるんですけど。来てもらっていいですか」
「あっ、うん……」

周りは二人に注目していないのにNTは二人の関係を知られる気がして、tskと一緒に足早に職員室を後にした。









グランドへと続く渡り廊下をtskの後に付いて歩いていると、いきなりtskの足が止まりNTは思わずぶつかりそうになった。

だが、tskはそんなNTを気に留める事無く、体をNTの方へ向けるとNTが予想していない事を喋り始めた。



「iwtと仲良いんですね」
「えっ…そうかな……」

NTの顔が一瞬にして強張る。
しかし、tskは構わずに続ける。


「iwtは俺と違って優しいんでしょうね」
「何言ってんの?」
「良く一緒に笑ってるじゃないですか」
「それは……」


iwtと一緒にいる所をtskに見られていたのを知ったNTは何故か心が軋むのを感じた。
自分の意思とは関係なくこみ上げてくる涙がNTの黒目がちな瞳を濡らす。

そんな今にも泣き出しそうになるNTの顔を見ない様に、tskは突き放す様に最後の言葉を放った。


「今まで迷惑かけました。すいませんでした」
「tsk……」


そう深く頭を下げると、tskはNTを置いて渡り廊下を一人で歩いて行ってしまった。








「なんだよ…。なんなんだよ……」


暫く呆然としていたNTが事態を少しずつ把握する。

tskの突然の謝罪と理不尽さに堪えきれなくなった涙が次々と頬を零れ落ちていく。
けれど、涙は拭っても止まる事は無くNTを底の無い暗闇へと突き落とした。






「先生、大丈夫ですか?」
「………iwt」






続く……

27名無しさん:2014/05/20(火) 04:10:29 ID:???
イルさま更新ありがとうございます!
iwtの逆境すら次の駒に変えてしまう強かさに、tskもNTも見事にやられてますね…
押しに弱くて、純粋なNTの心には、あくまで真摯に、慎重に迫ってみせるし、
tskには直接的にも、NTの様子からも、深いダメージを与えた。
今までのtskの全てを一瞬にして打ち砕き、あっという間にとってかわったiwt恐ろしい…!!
im、何も考えてないようで←親友tskの変化にちゃんと気づいてたんだ…
とは言っても、本当にtskとNTの間で喧嘩なんかがあったわけではなくて、
それなのにこんなにも開いた距離…tskが追いかけていないとNTは遠くにいるままのようで…
強引に隣にいたtskが、いつの間にかNTの中でただの生徒ではなくなって、
その唇や向けられる好意に嫌悪感もなくて、iwtの事を知られることも別れも心を掻き乱すのに、
その涙に特別な感情がありそうなことは、NTはまだ気づくことはないのでしょうね…
いつだって身勝手なtskに振り回されて、でもその身を焦がすような熱に溶かされて、
なのに勝手に去っていく彼を止めることすらできず涙するNTにたまらなくきゅぅんとした、まみでした///

28名無しさん:2014/05/22(木) 21:16:16 ID:???
イル様
ついにtskが別れを告げてしまいましたか…
2人の関係がバレるのを気にしてたってことは、iwtの存在は増えたけど
NTの中でtskとの関係は変わってないままのつもりだったのかな…
iwtとのことがあってから今まで以上にtskから逃げてきたけれど
tskのほうから距離を開けられるなんて全く想像もしてなかったんでしょうね
どうなってしまうのか、気になります!

29イル:2014/05/22(木) 22:56:25 ID:???
まみ様

いつも感想ありがとうございますo(^▽^)o
学パロ、一体どうなっちゃうんでしょうか←
書いてる自分がどうやって最後まで持ってくか悩みまくってる次第です(大汗)
rj、考えてない様で意外と見てるんですよ(笑)
単に鈍感なrjにすら気付かれるくらいtskが余裕無いのか…。
好き勝手やってるつもりで実はtskも必死だったって事が少しでも伝われば嬉しいです。
そして、iwtは押してダメなら引いてみな作戦実行中です(。-∀-)
tskと違って本当に引いたりはしてないので、今はiwtが一歩リードですかね。
NTもようやくtskへの想いに気付いたかな〜って所なんで、もう少し可哀想なNT先生にお付き合い下さいませ♪


>>28

tskが遂に決断しちゃいました(>_<)
いつもイケイケドンドン(笑)なtskだっただけにNTも衝撃的だったかなと。
ただ、本心からの別れではないのでtskも苦悩する事になりますけどね。
二人の隙を狙ってiwtがどれだけ迫れるか頑張って書いていきたいと思いますので、また読んで頂けると幸せですヽ(・∀・)ノ

30イル:2014/06/08(日) 23:55:57 ID:???
櫻パロ ② omi×NT


>>15 櫻パロの昔話です omi×NT




村外れにある村長の屋敷。

村長を前に口を固く結び、冷たい床の上に正座しているのはrjとhromの二人。
十五となった二人は、大きな覚悟と決意を持って村長を見据えていた。



「お前達を桜守護の任に命ずる」


村長の凛とした声が屋敷に響き渡った。








「じっちゃん、話しなげぇ〜。腹減って来たし」

たった今、人生を決定付ける宣告を受けたばかりだというのに、緊張感の無いrjにhromは呆れた。

同い年の二人は常に比較されて育ってきた。
それにも関わらず敵対する事なく成長出来たのは、rjの真っ直ぐな心のお陰だとhromは口には出さないが感謝していた。



他愛ない会話をしながら道を歩いていると、hromが突如足を止めrjに別れを告げた。


「道場寄ってから帰るから」
「そっか、じゃあ」


rjは右手を上げると田んぼのあぜ道を歩いて帰って行った。
hromはその背中を見送ると、一人道場へと向かった。





村長の屋敷同様、人目につかぬ林の中にある道場に辿り着いたhromの目に飛び込んできたのは一心不乱に木刀を振るNT。
その姿に見入っていると、視線に気付いたNTが手を止めhromの方を見た。

hromは高まる鼓動を抑えながら、NTに軽く頭を下げる。
そんなhromの姿にNTは笑みを浮かべるとhromを中へと呼び寄せた。



「NTさん、rjと俺が桜の守護人に選ばれました」
「hromも遂に守護人か、おめでとう」

道場に入るなり、守護人として先輩でもあるNTに自らも同じ立場になる事を報告する。
NTは祝福の声を掛けると木刀を片付ける為にhromに背を向けた。

開け放たれた戸から吹き込んでくる春風がNTの切り揃えられた髪を揺らす。
hromは揺れる髪を見つめながら、NTへの想いを巡らせていた。
兄弟の様に育ってきたNTに兄弟以上の感情を覚えたのは何時からだなんて忘れてしまった。

今でこそhromの方が背格好も大きくなり、子供の頃みたいにじゃれつく事も無くなったが、NTに対する想いは成長と共に膨らみ続けた。



「NTさん、あの約束覚えてますか。俺が桜を守る人間に選ばれたら…」
「約束……?」


NTが振り返る。
その顔はhromの言葉を初めて聞いたかの様な表情をしていた。

hromはずるいと思った。

十五になったばかりの少年が、桜の守護人に命ぜらる以上に覚悟を決めて伝えた想い。


「俺がNTさんを好きだって。守護人に選ばれたらNTさんを抱くって」
「約束は無効」


hromの言葉を遮る様にNTが口を開く。


「何言ってんの?NTさん」


予想もしない言葉にhromが声を上げる。
しかし、NTは再びhromに背を向け木刀の手入れを始めた。

「だって、hromとrjが選ばれる事なんて分かりきってた事だろ」
「なら、なんであの時言わなかったんだよ!」


NTの腕を掴み強引にこちらを向かせる。
hromが告白した時、NTは拒絶する事無くhromが番人に選ばれる事を楽しみにしていたのだった。


「人の気持ち弄んだだけかよ!」

普段感情を顕にしないhromにNTも一瞬驚いた様子を見せたが、すぐにいつもの顔に戻る。


「弄んでなんかない。けど、あんなに苦しそうに話す奴を突き放す程、俺も子供じゃないよ」


hromは目の前が真っ暗になるのを感じた。
結局は自らが子供過ぎた事を突きつけられたのだった。

NTは決してhromの想いを受け入れた訳ではなく、hromを傷付けぬ様に対応していただけであった。



「hrom、俺達は命を懸けて桜と村人を守っていかなきゃいけないんだよ」



力強く、そして優しくhromに告げるとNTは道場から出て行った。





「俺は桜なんかより、あんたの方が……」


頬を伝う涙が傷だらけの床板に零れ落ちた……――――

31イル:2014/06/08(日) 23:57:38 ID:???




hromとrjが正式に桜の守護人として、村人に伝えられたのはそれから十日後の事だった。
本物の刀を手にしたrjが嬉しそうに皆と話している傍らで、hromはあれから会っていないNTの事を考えていた。


三年前、同じ様に桜の守護人に選ばれたNTは幼い顔立ちに真新しい刀を持ち、村人から祝福を受けていた。
rjと連れ立ってNTを祝福しに訪れた筈のhromはその輪に入る事が出来なかった。

昨日まで周りの子供達同様に遊んでいたNTが手の届かない所へ行ってしまった気がした。
そして早くNTの位置へ自らも行きたいと強く思った。

刀を見つめながらようやくNTと肩を並べる事が出来たのだと実感すると同時に、NTのあの言葉通りに生きていかねばいけない事を痛感した。







村を挙げた盛大なお祝いが終わり、hromが母屋から離れた自室で床に就こうとした時だった、外から小さな声が聞こえてきたのは。


「hrom、起きてる?」
「NT……さん」



hromが慌てて戸を開けると、そこには祝いの席には姿を見せなかったNTが血に塗れた刀を手に立っていた。

その光景に思わずhromは息を飲んだが、すぐに裸足のまま外へ出ると井戸から水を汲み上げNTの手に付いた血を洗い流した。
春先の水は更に体を冷たくさせたが、hromはNTの手を汚している誰の物かも分からない血を一刻も早く消し去りたかった。
NTは何も言わずに黙ってhromの好きな様にさせた。

血を洗い流す事だけを考えていたhromが、NTの着物を大いに濡らしてしまったのに気付いたのはもう少し後の事だった。








「桜を守る為には人を殺す事なんて当然だと思ってた。なのに、この頃本当にこれでいいのかって思えてくるんだ」


濡れてしまった着物の代わりを持って、部屋に戻ってきたhromにNTは唐突に話し始めた。

畳の上に座り込み、自らの手を血で染めた相手を思い出しているのだろう。
人を斬るなんて苦しみは、本物の刀を今日初めて持ったhromには想像すら出来ない。
hromはどうしたらいいのか分からず、着物を持ったままNTの話を聞く他無かった。


「hrom、本当はhromの気持ちに応えたかった」
「え……」


立ったまま話を聞いていたhromを見上げ、NTが打ち明ける。


「けど、受け入れたら守護人である前に一人の人間である事を選んでしまう気がするから」
「どういう事?」


突然の展開にhromの思考が追いつかない。
NTはhromの想いには応えないと言った筈だ。
それが、本当は自らもhromが好きだったと言うのだろうか。


「守護人として生きるのを決めたのに、hromを好きだって認めたら人なんて斬れなくなる」
「だってこの前は……」

上手く言葉が出て来ない。
NTの言葉が本心ならば、すぐにでもその体に触れたいと思うのに、hromはまた拒絶されたらと思うと踏み出せない。


「怖かった。守護人として生きれなくなるのが。hromに寄りかかってしまうのが……」
「NT…さん……」
「それなのに、人を斬った瞬間に思い浮かんだのは、hromの顔だった」


hromはNTの前に膝をつき、恐る恐るNTの手に触れた。
そして、その手は振り払われる事無くhromの手を握り返した。


「NTさん、いいの…?」

怖々と尋ねるhromにNTは静かに頷く。
hromは一度唾を飲み込むと、NTの唇に自らの乾いた唇を重ねた。

32イル:2014/06/08(日) 23:59:41 ID:???


ただ触れるだけの口付けだったが、想いを積み重ねてきたhromを少年から男にするには充分だった。
触れるだけの口付けは次第に深くなり、そのまま布団の上へと二人で倒れ込む。

NTを組み敷いたはいいが、子供の頃からNT以外目もくれずに育ってきたhromは体の交わりを経験した事など無い。
また、自身は全てNTが初めてだが、NTは違うかもしれないという不安が突如襲い動きが止まる。
万一にでもNTの体が他の人間に穢されていたらと想像しただけで、NTを神聖な者の様に想い生きてきたhromは気がおかしくなってしまいそうだった。



「hromだけだから……」
「NTさん」

不安を感じとったのか、NTが安心させる様に微笑む。

hromは戸惑いながらも小さく頷き、淡い明かりの元にNTの素肌を晒した。
その肌は何度も夢で見た物よりずっと白く、濡れてもいないのに煌めいてる様にさえ思えた。
hromの手は鎖骨を撫でるとそのまま薄く色付いた胸の飾りに辿り着く。
微かに触れただけなのに体を跳ねさせるNTに、hromの心は振り切れた。







「はぁはぁ、hrom……!!」
「NTさん、気持ち良かった?」


NTの物を握るhromの手が白濁の液で染まる。

それが何を意味してるのかはhromにだって簡単に理解出来る。
NTがhromの手によって、快楽を得た事を証明していた。



時間を掛けてNTの体を征服したいという思いとは裏腹に、hromの手は臀部へと滑って行きNTの秘部を探るが思う様に指が進まない。
乏しい知識を引き出しながら部屋を見渡せば、椿油の入った瓶が目に入った。

hromは瓶を手に取ると掌に油を垂らし温めると、今一度侵入を試みた。


「くっ、うぅ……」
「痛い?NTさん?」

NTの反応を見ながら少しずつ中を解していく。
常に鍛錬しているNTといえど経験した事の無い痛みに苦痛の声が出るが、油によって滑りが良くなった指はNTの中へとゆっくりだが確実に侵入していった。

指が一本、二本と増えていくにつれ、NTの口から苦痛では無い熱情を帯びた声が上がる様になったのを見計らい、hromは自らの着物に手を掛けた。
着物を押し上げていた自身を取り出せば、hromすらも驚く程の興奮を示していた。


「hromも、興奮…してるんだ」
「あっ、NTさん……!」

肘をつき上半身を起こしたNTがhromの物に触れる。
予想していない事態に慌ててhromがNTの手から逃れようとするが、NTが構わずに根元から先端に向かって手を滑らせるとその小さな手に収まりきらぬ程の精液が溢れた。


「はぁはぁ…NTさん、ごめん」
「どうして、謝んの?俺だってhromの事好きなんだから」


優しく微笑むNTに敵わないと悟ったhromは人知れず白旗を上げた。

33イル:2014/06/09(月) 00:01:12 ID:???



体を今一度布団の上に押し倒すと、激しく口付けを交わす。
口の端から唾液が流れるのも構っていられぬ程に夢中になって舌を絡ませれば、ぎこちなかったhromの手は自然とNTの肌を撫で上げる。



再び天を向き始めた自身を指で充分に解した秘部へと宛てがうとNTの体が小さく震えた。
そんなNTの中を傷付けぬ様に、しかし興奮のままにhromが進んでいく。


何度も頭の中でNTを犯し続けたhromだったが、NTの中は想像とは比にならぬ程に熱くすぐに達してしまいそうだった。

hromは歯を食いしばり積年の想いをぶつける様にNTを攻め立てた。


「ん、はぁ……あっあっ……!」
「熱い…。熱いよ、NTさんっ」


NTは乱暴とも言える様な快楽を与えられ、苦しげな声を上げながらもhromの熱に酔いしれていた。

もう何が痛みで何が快楽なのかも考える余裕など無く、互いの熱を分け合うだけで精一杯だった。
激しく抜き差しが行われる結合部からは淫靡としか言い様の無い水音が聞こえ、容易に二人を絶頂へと導いていく。

「あっ…hrom、んぁぁ……!!!」
「NT…さ、ん!!あぁ……!!」



草木も眠る時間に木霊する絶頂を迎えた二人の声。

二人から吐き出された大量の精液は着物と体を汚し、hromに夢ではなく現実にNTとの交わりあった事を実感させた。




「NTさん、NTさん……」


放たれた精液を呆然と見つめるhromの瞳から涙が溢れ、額から流れる汗と交わり輪郭をなぞる。


「なん…で、hromが泣くんだよ…。俺の方が、辛いの…に……」

茶化す様にNTは言うが、hromの涙は止まる事無くNTの滑らかな肌の上に零れ落ちて行く。

心が張り裂けそうな程に膨らんだ想いをようやく叶えたhrom。
その反動はあまりにも大きく、hromは子供の様に声を上げて泣いた。


NTは痛みの走る体を起こし、自分よりも大きいhromの体を優しく包んだ。
こんな風にhromを抱きしめたのは何時振りだろうか。
hromは怒るだろうが、NTは何処か懐かしく嬉しい気持ちにすらなった。


だが、想いが通じ合った二人を待ち受けるのは、終わりの見えない過酷な道。
NT自身もその残酷な運命に苦悩し、涙を流した事は数え切れない程にあった。
そして、この先もそれは何度となく訪れるだろう。
けれども、腕の中の男が居れば人間の心を忘れずに歩んでいける気がした。


泣き咽ぶhromの背中を摩りながら、まるで母親が子に言い聞かす様にNTが囁いた。


「hrom、好きだよ。一緒に生きていこう」










34イル:2014/06/09(月) 00:06:34 ID:???
あとがき

お子ちゃまなomi×大人なNT(精神的に)を書きたくて…。
純粋過ぎるが故にNTの事を軽く(いや大分)危ない域で想っちゃってるomiが書きたくて……。
現代版で書いたら単にomiが危ない奴で終わる気がするので、こういう時代に当て嵌めたら純愛(風)なるかなと。
俺様omi様を望んでいた方には申し訳ないですが、いつもと違うキャラに挑戦出来て個人的には良かったです。
暗くて重くて意味なく長い作品を最後まで読んで頂き有難うございましたm(_ _)m


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