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NT受けonly小説

17イル:2014/05/07(水) 23:24:32 ID:???
カジノパロ ① カジノオーナーomi×客NT





「どうしよう……」

赤と黒に区切られた数字の上を転がっていた白い玉が3に入ったのは、今から10分以上も前の事だった。


友人に誘われた競馬で少しばかり儲けた金でふらりと入ったバー。
いつもなら安い居酒屋で済ます所だが、思わぬ臨時収入にNTは普段通らない細い道にあった隠れ家的なバーへと足を踏み入れた。

だが、そこはバーという名を騙った裏カジノだった。

カジノと分かるや否やすぐに退店しようとしたが、目の前で繰り広げられる非現実的な世界といつもより暖かい懐がNTを危険な世界へと誘っていた。

始めこそ小さな掛け金でお遊び程度に楽しんでいたが、大金を掛ける周りの客に呑まれる様に掛けるチップの枚数も増えていった。
しかし、運もいつまでも味方では無い。
手持ちが少なくなり、いい加減帰ろうとしていたNTに1人の男が擦り寄って来た。

「お金無いの?貸してあげるよ」
「えっ…いや、もう帰るんで」
「大丈夫、すぐに取り返せる。それに男ならやってみたいだろ?一発大逆転」

そう言って男が指差した先にはルーレットで大当たりし、抱えきれない程のチップを目の前に喜ぶ男性客の姿があった。

「ここはカジノだ。一瞬で何倍にする事も出来るんだよ」
「何倍……」

甘い誘惑にNTの心が揺らぐ。

「お金…貸して下さい」
「いいだろう。最初のお客には100万だが君には特別に200万貸してあげるよ」

男はコートの内ポケットから2つの札束を取り出すと、NTの手に乗せた。
200万という大金を手にしたNTは一瞬自らの言葉を後悔したが、このカジノに足を踏み入れた瞬間から一般社会の感覚など消え去っていた。


突如軍資金を手に入れたNTが向かったのは、先程男性客が大当たりを出したルーレット。
一発勝負には持って来いのギャンブルの定番だ。




そして、話は冒頭に戻るのである。

見事に200万を瞬時にしてパーにしたNTは薄暗い店の隅っこで頭を抱えていた。






「あんたか、人の金全部すったのは?」

いきなり頭上から降ってきた低い声にNTが顔を上げる。

そこには髪を後ろに流し、ロングコートを羽織ったサングラス姿の男がNTを見下ろしていた。
仁王立ちする男は、サングラス越しでも美麗な顔立ちをしている事が窺い知れた。
そしてその後ろにはNTに金を貸した男が立っており、目の前の男が金貸しの仲間である事は明白であった。

「初心者のくせに200万全掛けするとかバカか」
「ばっ、バカって…。別に返さないとは言ってないし」
「じゃあ、今すぐ200万返してくれる訳?」
「それは……」

フリーターのNTが200万なんて大金を持ってる筈など無く、もはや力づくでここから逃げるしかNTには道が残っていなかった。
だが、NTの浅はかな考えなど簡単に見抜かれた。

「逃げてもいいけど、裏社会は一般人が思ってるより怖いって事知ってる?」

ジリジリと間合いを詰められ、逃げ場を失ったNTの頬を男の長い指が撫で上げる。
時折触れる指輪の冷たさにNTの体が微かに震えた。

サングラスを取りNTを舐める様に見つめる男の鋭い瞳から思惑を読み取る事は出来なかったが、恐怖感と共に何故かゾクゾクする様な興奮を覚えた事をNTが知る由も無かった。
男にされるがままになっていると、突然腕を引っ張られた。


「何すんだよ!?」
「借金の返し方教えてやるよ」


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