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NT受けonly小説
7
:
イル
:2014/05/03(土) 23:42:35 ID:???
学園パロ ④
放課後の職員室は、授業のプレッシャーから解放された教師達が各々の仕事に従事しつつも、何処かのんびりとした雰囲気が漂っていた。
NTも引き出しに隠しておいたチョコのお菓子をこっそり頬張っていると、音楽教師のATがデスクに近寄って来た。
「NT先生、サッカー部の練習見てもらえませんか?」
「俺が…ですか?」
「はい、急な打ち合わせが入りまして」
「はぁ……」
極力tskと関わらない様にしたいNTは、tskが主将を務めるサッカー部の練習など近寄りたくもないのだ。
だが、先輩であるATの頼みを断る理由も無い。
「俺で良ければ…」
「ありがとうございます」
見た目は怖いが人当たりが良く生徒からの信頼も厚いATの笑顔に、NTも引きつった笑顔を返すしかなかった。
これからの事を想像すると、あんなに甘くて美味しかったはずのお菓子の味もすっかり忘れてしまったNTだった。
重い足を引きずる様にサッカー部員が集まるグランドにNTが姿を現すと、NTが来る事を知らされていなかった部員達は一様に驚いた顔をした。
NTが面子を見渡すとそこには勿論主将であるtskの姿もあった。
「あ〜、AT先生が急用入ったんで、今日は外周やるから」
視線が合いそうになったNTはすぐに視線を戻すと端的に用件を告げた。
部員達はNTが来た理由を理解した様で「はい」と運動部らしい威勢の良い声で返事をした。
「っていう事だから、tsk頼むな」
主将に声を掛けないのも不自然な為NTは声を掛けるが、NTを真っ直ぐに見るtskとは違いNTの視線はそれに絡む事は無かった。
部員達は今日のメニューを知ると、ストレッチしながらグランドの外に出ていった。
NTも部員達の後を付いて行くが、tskが絡んで来る事はなかった。
いくらtskでも部員達の居る前であからさまなアピールをしてくる事は無いと知ると、NTは安堵する思いと何処か拍子抜けする思いの両方を抱いた。
外周が始まると、最初は固まっていた部員達もいつしかそれぞれペースが変わっていき、並走していたNTの周りからも部員の姿は無くなっていた。
NTは見通しの良い所で立ち止まると人数確認の意味も込め、ATから渡された名簿を手に走ってくる部員達に声を掛ける事に専念した。
人気のあるサッカー部なので部員数も多いが、体育教師でもあるNTにとっては殆ど知った顔であった為、走り去っていく部員達も笑顔でNTの声に応えていた。
「人数多いからチェックするの大変だよな〜」
目の前を駆けて行く部員の顔と名前を頭で一致させ名簿にチェックしていると、突然明るかった筈の名簿に影が差した。
不思議に思い顔を上げると、そこには腕組みをしながらNTを見下ろしているtskが居た。
「tskっ!」
「なんで、来る前に教えてくれなかったんすか?」
逃げる隙も無く、tskに腕を捉えられてしまうNT。
「俺だって、急に頼まれたんだよ!」
ジリジリと近付いてくるtskから少しでも体を遠ざけようと後退りするも、すぐ後ろの金網に進路を阻まれてしまう。
「ばっか!誰かに見つかったどうすんだよ!」
「見つかんない所だったらいいの?」
「そうじゃないっ!」
どうにかしてやり込めようとするtskにNTも必死に抵抗する。
人通りが少ない道とはいえ、ジャージ姿の男二人が取っ組み合ってる姿は傍目から見ても異常だろう。
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