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俺「ストライクウィッチーズなのさ……」
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: : : : : : : : : o: : : : : : : : : : : : : i! i ! `ト、., : : .rイ,.;,': : : : : :
: : : : : : : : : : : : : : : : : : : : : : : :i、..」」 」ヽ リハ; . : : :.ノ: : : : : : : : :
: . : . : . : . : . : . : . : . : . : . : . : . :.) , ┃ ,'!; . : :_:_!: . : .o . : . :
. . . . . . . . . . . . . . 〈゙゙゙ゝ-'':::: イ !; ノ´l |. . . . . . ストパンの世界に俺を入れてイチャイチャしようずwwww
:'´ : 丶. ノノ.;rrf´l l l ! というスレですわ
o ( . ;' `ト-‐'77′厂! j 八
` ゙´ |! 〃 ,′j `ヽ.
〇 .:´ : .、 |i ノ . イ { : ○ 妄想を垂れ流すのも、初SSに挑戦するのもよろしいのではなくって?
( : ; ( ((/´ノ l / そこの貴方も書いてみてはいかがですこと?
ヽ. . ' ,'⌒Y⌒ヽ | / iノ !/ / (
{::ハ::{ ∩_ノ--ノ./ /: :ノイ { ハ 最近寒くなりましたわね
〃´ ̄ll ̄ ̄`ヽ /: : : ノノハノリ
〇 {{ ll /: : . |
`ト--r'‐r‐,―― '′ |
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俺「ストライクウィッチーズは滅びぬ、何度でも甦るさ」
ttp://jbbs.livedoor.jp/bbs/read.cgi/otaku/14336/1314641060/
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ネウ子「聞くんじゃ、ない。見るの」スッ
俺「は?」
エフィがいつものように俺の額に手をかざし…
<ビリリッ!!
俺「フギュウッ!?」バタッ
エイラ「お、おお、おい!大丈夫なのか!?」
ネウ子「気絶させた、だけ。相手の意識が、ないほうが、記憶を、覗きやすい」
シャーリー「じゃあ、見せてくれるんだな?」
ネウ子「彼の、言うとおり。あまり、良いものじゃない。それでも、見る?」
エーリカ「もちろん!」
ルッキーニ「あたしも見たーい!」
エイラ(こいつら…)
良いものじゃない、の意味を取り違えてると思う
面白くないって意味じゃなくて、残酷って意味なんじゃ…
ネウ子「では、まず、彼が、13歳のときの、記憶から…」キィィン!
部屋が再び光に包まれ、一度暗転
今度は薄暗い、洞窟のような場所――地下道――が投影される
エイラ「ここは?」
ネウ子「2026年、ロサンゼルス郊外地下。機械軍の、襲撃を受け、多くの人命が、失われた」
宮藤「機械軍……――ひッ!?」
バルクホルン「どうした!みやふ…――いッ!?」
二人の視線の先には、
ミーナ「…骸骨」
それもいくつも横たわっていた
-
ルッキーニ「うじゃぁ…」
シャーリー「ルッキーニ、私の後ろに隠れてろ」
サーニャ「…」ビクビク
エイラ「…」ギュッ
怖がるサーニャの手を握る
ネウ子「言ったでしょ?いいものじゃ、ないって」
俺は、エフィの力か何かに支えられ、空中に座っていた
<ガチャン!バタン
坂本「なんだ!?」
ネウ子「彼の、登場」
地下道の天井にポッカリ丸い穴が開く。マンホールのようだ。その穴から、一人の少年が降りてきた
エイラ「俺…」
身長は今より低く、顔もどこか幼いが、紛れもなく俺だった
ネウ子「彼は昔から、単独での、偵察任務を、得意としてきた」
サーニャ「一人で…」
俺(13)『司令部、目標に到達。もぬけの殻だ。壁のあちこちに弾痕を発見。襲撃されたようだ』
ネウ子「今回の任務は、連絡の途絶えた基地の、生存確認」
俺(13)が使い込まれたAKを構え、地下道を進んでいく。この頃はプラズマライフルがない
エイラ「なぁエフィ。お前は、俺のこの世界での知り合いを真似たんだよナ?その知り合いはどこに?」
ネウ子「これから、会える」
エイラ「?」
俺(13)が、一つの扉に手を掛け、勢い良く開け放ち、中へ突入する
中に居たのは、
俺(13)『子供…?』
エフィ『…?』
薄汚れた服を着た、黒髪黒瞳でハーフの少女――幼い頃のエフィ本人だった
-
エイラ「あいつが…」
ネウ子「私の、モデル。この時点で、彼女の、年齢は、11歳。彼の、二歳下」
俺(13)『君、お父さんやお母さん、一緒にいた人たちは?』
エフィ『…』フルフル
俺(13)『そうか…ここは危険だ、移動しないと。歩けるか?』
エフィ『…』コクコク
俺(13)『よし、行こう』
<ドォォン!!
坂本「爆発?」
エフィ『…』ビクビク
俺(13)『…安心しろ。お前は、俺が連れて帰る』
ネウ子「このあと、彼は彼女を、連れ帰った」
再び部屋が暗転し、今度は放棄された地下鉄車両基地が映し出される
エイラ「今度はどこだ?」
ネウ子「彼の、当時の、所属基地」
俺(13)『ところで、名前は?』
エフィ『なま、え…?』
俺(13)『そう。あるだろう?』
エフィ『ある…でも…思い、出せない』
エイラ「どういうことダ?」
ネウ子「彼女は、目の前で、両親をなくし、そのショックで、一部の記憶を、失った。言葉も、うまく話せない」
サーニャ「記憶なくすほど…」
ネウ子「それだけ、残忍な、殺され方だった」
俺(13)『よし、じゃあ、今日からお前の名前はエフィだ』
エフィ『エ、フィ…?』
俺(13)『E・F・F・Yでエフィ。どうだ?』
エフィ『…気に、入った』ニコッ
俺(13)『そいつは良かった』ニッ
ネウ子「二人は、家族のいない、孤児同士、意気投合した。
彼は、彼女を、妹のように、大切にし、
彼女は、彼を、兄のように、慕った」
二人の映像が次々映し出される
楽しそうに笑い合っているもの
身を寄せ合い、一つの毛布で睡眠をとっているもの
髪と目の色が同じなので、はたから見れば、本当の兄妹のようだった
-
ネウ子「二人は、基本、いつも一緒」
シャーリー「エイラとサーニャみたいだな」
サーニャ「///」
ネウ子「私も、彼と、似たような、関係を、築きたい」
エイラ「え?」
ネウ子「恋人・兄妹を越えた、理想の、信頼関係。それに、あこがれた」
サーニャ「じゃあ、エフィさんの姿を真似たのは、そのため…」
ネウ子「そう…ネウロイ同士では、あんな関係は、存在、しなかった」トテトテ
エフィがバルクホルンに近づく
ネウ子「理解して欲しい」
バルクホルン「?」
ネウ子「私は…敵じゃない」
バルクホルン「……安心しろ。今すぐお前を追い出すようなことはしない」
ネウ子「じゃあ…」
バルクホルン「だが、おかしな真似をしたら…分かってるよな?」
ネウ子「…何度も、言われた」
バルクホルン「なら良し。改めてよろしく」
ネウ子「よろしく……お姉ちゃん」ニコッ
バルクホルン「!?///」
ミーナ「あらあら、懐かれちゃったみたいね」
エーリカ「新しい妹だね」ニシシ
バルクホルン「う、うるさい!///」
<ワー!オコッター!コラマテー!ハハハッ!
===
精神と時の部屋のような場所
俺「………………誰か起こしてくんねぇかな」
-
―次回予告―
俺「……」
エイラ「ドーシタ?遠い目して」
ネウ子「お姉ちゃん…!」キィィン!ビュォォン!!
俺「え?、あ、おい!エフィ!?」
バルクホルン「ふっ…魔力がないネウロイには、わからんだろうさ…」
ネウ子「……あなたには、死んで欲しく、ない」
――次回 ロマーニャ編第三話 "Sister&EFFY Trouble of Jet Striker"――
-
ご飯食ってたら本スレ落ちてたけどこっちでターミネートしてた乙!
-
今回分はここまで。説明会でしたが、くどくなっていたらごめんなさい。自分の技量不足です
次回はタイトルでわかるとおりジェット回。エフィとお姉ちゃんが仲良くなるお話です
ヒロインであるエイラが置いてけぼりな感じがしますが…三話と四話でカバーするつもりです
では、失礼します
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乙!
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おつ
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乙乙!
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今帰ってきたので投下します……
アウロラさんに飛びついて顔をぐりぐりと擦り付けたい
今回は第9話「全天と暗雲の使者」中編です
>>922からの続きとなります
前回
第2期6話ネウロイ「13kmや」
俺「なん……だと……?」
-
五分後に開始
それと抹殺者さんおつです!
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第9話「全天と暗雲の使者」中編
―エイラ&サーニャの部屋
部屋に入る前に表情を整えてからはいることにする。
特訓に失敗したので暗い気分になってしまうのは仕方ないが、少しでも暗い顔などサーニャに見せたくもないからだ。
私は扉の前で2,3度頬をぺしぺしと叩いて気分を変えて、部屋にはいった。
エイラ「……ふぅ」
だがやはりため息がでてしまっていた。
しかしこんなことではいけないと思い、顔を上げて部屋中を見渡す。
するとソファに自分の懐かしいコートが掛けられていて、私はふと思いたちそのコートを両手で持ち上げる。
エイラ「これは……」ヒョイ
サーニャ「エイラの、コートでしょ?」
エイラ「ん?」
サーニャ「成層圏は寒いから」
エイラ「そっか。そういえばこれも久しぶりだな!」
サーニャ「で、どうだったの?」
エイラ「……え?」
サーニャ「俺さんとペリーヌさんとリーネさんの特訓」
エイラ「な、なんだ……知ってたのか」
サーニャ「うまくできた?」
-
サーニャは期待あり気に尋ねているのだろう。
しかし私にとってあの結果はある意味すこしばかりショックで、サーニャの微妙に期待のはいった眼差しに私は目を合わせることが出来なかった。
乾いた笑いを伴いながら知りたがっている結果を話す。
エイラ「あはは……ムリ。だめだった……」
サーニャ「そう……」
横目でサーニャの表情を見る。
結構な時間一緒にいるからこそ微細な表情の変化ですら感じ取ることができるのが自慢ではあったが、今はそれがもどかしい。
……サーニャががっかりしたのがすぐにわかったからだ。
エイラ「……ん?あれ、マフラー、そんなに持っていくのか?」
サーニャ「ああ……これ?エイラと私と芳佳ちゃんのよ」
エイラ「……宮藤!?」
サーニャ「芳佳ちゃん、扶桑から何の用意もしないできちゃったから貸してあげようと思って」
エイラ「……」
サーニャ「でも……エイラも張れるようになるといいね、シールド」
エイラ「ムリだよ……やっぱり慣れないことはするもんじゃないな」
サーニャ「エイラ、諦めるの?」
エイラ「できないことを……いくらがんばったって仕方ないじゃないか」
サーニャ「できないからって諦めちゃだめ!諦めちゃうから……できないのよ……」
-
サーニャが私を心配して元気づけようと喝をいれようとしているのはわかる。
だが、今の私にその言葉はとても辛辣で、非常に心に堪えた。
当たり前だ……私ががんばろうとしたのはサーニャのためだったのに、それが自分の長年の癖のせいでできないのだから。
つんつんメガネだって、リーネだって、俺だって、私のためにやってくれたのに自分ができなかった……それも含めて。
私はいらいらが募った心をむき出しにし、サーニャに背を向けて、心の内に溜めていたものをついに吐き出した。
エイラ「じゃあ最初からできる宮藤に守ってもらえばいいだろっ!!」
振り返ってみなくてもわかる、きっとサーニャが悲しい表情をしていることが。
自分でも思う、なんて醜い嫉妬なんだろうと。
サーニャ「……!エイラのバカ!!」ブンッ
エイラ「サーニャのわからずや!!―――あっ」
なんでわかってくれないんだ、という言葉に返ってきたのは……辛い想いと以前サーニャにプレゼントしたクッションだった。
……それが飛んでくることはわかっていたのかもしれない、だけど私は避けなかった。
いや、避けることが出来なかった、というのが正しいだろう。
エイラ「おふっ……!」バフッ…
柔らかい感触と共に私の顔面へと当たる。
ぽふりとあたったクッションは一回だけ私の顔で跳ねて、すぐに重力に従って地面に落ちようとした。
受け止めようと思ったが、私はクッションが落ちて開けた視界の先にあるものを見て、やはり動けなくなった。
-
エイラ「―――!」
サーニャ「……」
悲しさと辛さと怒りが混じった表情のサーニャが……私の視界の先に立っていたからだ。
サーニャは続けて何かを言おうとしたが、それに耐え切れなくなったのか、目の端にわずかな涙を浮かばせる。
エイラ「あ……」
サーニャは私を攻めることなしに何も言わずに……呆然とした私をおいて、涙目のまま部屋を走ってでていった。
一気に罪悪感と申し訳なさと後悔が心の内のズシリとのしかかる。
その時、間違いなく私は……嫌われたと思った。
なぜなら、サーニャにあのような表情を向けられたのは初めてで、過去に例を見ないものだったからだ。
エイラ「サー……ニャ」
ぼそりとつぶやくと同時にドアがこんこんとノックされる。
私は首を向けることなしに突っ立ったまま、返事もしなかった。
-
俺「失礼。さっきサーニャが悲しそうな顔で部屋を走って出ていったが……どうした?というか大丈夫か?」
エイラ「あ、いや…………………大丈夫なんだな」
俺「大丈夫じゃない顔だ。何があった?」
エイラ「――ニャと―――した」
俺「ん?」
エイラ「さ、さーにゃと―――した」
俺「サーニャと……喧嘩しただって?」
エイラ「お、おれぇぇぇぇぇぇぇぇぇぇぇ……」
俺「おいおい、泣くなよ」
エイラ「ど、どうしようぅぅ……さぁにゃぁ……」エグエグ
俺「エイラがサーニャになんか言ったんじゃないのか?」
エイラ「み、ミヤフジに守ってもらえばいいじゃないかって……」
俺「……馬鹿。どれほどサーニャがお前に待っていたと思ってるんだよ……」
エイラ「さー……にゃぁ……」
俺が困った顔をしていた。
加えて、何か思案を巡らせるような感じで顎を触る動作。
私はそれが目に入らないほど精神不安定になって、激しい罪悪感と落ち込みを元に俺に泣きつく。
俺「ふむ……」
エイラ「さーにゃぁぁ……」
空にはうっすらと片方だけが欠けた淡い半月が、空に昇ろうとしていた。
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―滑走路先
サーニャ「……エイラのバカ」
気分転換に私は滑走路先にきていた。
前にリネットさんに風が気持ちいいと聞いていた場所で、変な気分も安らぐかもしれないと思ったからだ。
だが、今ひとつ快方に向かわない。
俺「こんな所でどうした?風邪引くなよ」
サーニャ「あ、俺さん……こんばんわ。ちょっと気分転換に」
俺「気分転換か。その表情、同僚で何度も見たことがある。察するに、エイラと喧嘩でもしたか?」
サーニャ「あう……。そうです。エイラが、シールドを張れないって諦めていたから励まそうとしたつもりで」
俺「それがエイラには突き刺さったか。……すまないな、エイラの力になれなくて」
サーニャ「俺さんはいろいろしてくれたと思います。でもエイラが……」
俺「エイラを責めてやるな。あの戦闘に関して飛び抜けた魔法だ。むざむざソレを殺してまでシールドを使う必要もない」
サーニャ「……」
俺「でも、言いたいことはそうじゃないんだろう?」
サーニャ「……はい」
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俺「エイラの今後を考えるというのもあるが、もしかしたら一緒に行きたかったんじゃないのか?」
サーニャ「そう、かもしれません。でも、私エイラに怒ってしまったからエイラももう……」
俺「……甘いな。そう簡単に諦められるもんでもないさ。特に大切な人を守ろうとするときはな」
サーニャ「大切な、人……」
俺「大切な人を守ろうと思ったらな、どんな困難でも乗り越えられるんだよ」
サーニャ「エイラにとって私は……大切な人、なんでしょうか?」
俺「えっと、今更感があるが、エイラにとってサーニャは本当に大切な人だろうな。疑いの余地なく」
サーニャ「……」
俺「だから守りたいんだよ。自分の手で、サーニャを。俺とかペリーヌさえも頼ってきたんだ、必死なんだよ」
俺は若干エイラの肩を持ちながらもサーニャの気持ちをなだめるように話す。
サーニャにとってもエイラは大切な人間だろう……だからこそシールドが張れるようになることを願ったのだ。
しばし考慮しているのか間が空くが、1分後ぐらいにサーニャが口を開いた。
サーニャ「……俺さんは、親しい友人と喧嘩したことはありますか?」
俺「もちろん。殴り合いもした。意見の食い違い、親切心の平行、理解不足からの喧嘩だ」
サーニャ「でも、仲直りできたんですよね?」
俺「……いや、できなかった」
サーニャ「え?なぜ、ですか?」
俺「そいつが、その次の日に戦死したからだ。ははっ……謝ることもできないし、酒を酌み交わすこともできないし、困ったさ」
サーニャ「すみません。嫌なことを聞いてしまって」
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俺「……サーニャにとっても、エイラは大切なやつなんだろ?だったら、お互いに仲直りしたほうがいい」
サーニャ「……もう少し冷静になってから会いに行きます」
俺「大切な人のことは確かに真剣に考えてやりたくなるよな。でも、それが逆に相手を傷つけることもある。たぶんサーニャもエイラも互いのことを真剣に考えたけど、行き過ぎてそうなってるんだと思うぞ」
サーニャ「俺さんのおっしゃるとおりかもしれません……」
俺「エイラだってサーニャを自分の手で守りたいんだ。それだけは本気であることを、わかってやってくれ
俺「……そして、サーニャ自身もエイラを心配していることを言葉で伝えてやるんだ」
サーニャ「……はい」
サーニャの微かな笑顔がこちらに向けられる。
半月の月光に照らされたその顔つきは、目がとらわれるほど美しい……エイラの気持ちもわかる気がした。
仲直りは思っているほど難しくない、なにせ時間が経った頃には大抵どちらも反省しているからだ。
俺「それじゃあ、早く寝るようにな」
サーニャ「わかりました。俺さん、おやすみなさい」
俺「ああ、おやすみ。……そうだ、作戦時に俺が仲直りできる状況を作ろう。それならお互い仲直りしやすいだろ?」
サーニャ「そんな……俺さんにまた迷惑が」
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俺「気にするな。俺はこういうことを好きでやってるから。まぁ明日緊張しないようにな」
サーニャ「俺さん……色々とありがとうございます」
俺「それじゃあ、また明日」
俺さんがタバコを懐から取り出して、火をつけながら基地のほうへと歩いていった。
服の腰のあたりにわずかな銀色の糸が輝く……何度も見たことがある、エイラの髪の毛だ。
サーニャ「俺さんはもしかして……」
半月が空で輝いていた。
サーニャ「ありがとう……俺さん」
だが、波に映えた月の残像は……ゆらりと揺らいで満月に見えていた。
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―翌日
ミーナ「本日未明にロマーニャの艦隊と航空部隊がネウロイと接触したそうよ」
坂本「結果は?」
ミーナ「返り討ちにあって、巡洋艦ザラとポーラが航行不能よ」
坂本「……我々の出番だな」
俺「だったら、早速取り掛かるか。あのネウロイの駆除に」
ミーナ「待って、俺さん。その前に伝えておきたいことがあるわ」
俺「どうした?」
ミーナ「ロマーニャの艦隊と航空部隊がここまで手痛い打撃を受けたのは、あのネウロイのせいだけではないの」
俺「どういうことだ?」
ミーナ「恐らく、例のネウロイとは別のネウロイがあの場にいるわ」
俺「恐らくって……どうにもあてにならんな」
ミーナ「どこからともなく攻撃されたと報告があるの。そいつの攻撃のせいで撤退さえ遅れたと」
坂本「……そのネウロイの情報は全くないのか?」
ミーナ「高高度からの狙撃のようなビームだったらしいから、確認が取れなかったそうよ。情報なんてそれくらい」
俺「なんにせよ、そいつも排除しないと……作戦はうまくいかないかもな」
ミーナ「そこで俺さんに特別任務を与えるわ。宮藤さん、サーニャさん両名に付き添って高高度まで上がり、その敵の索敵及び撃破をお願いしたいの」
俺「……ふむ、特別任務なんだ。報酬は?」
ミーナ「そうね。……シャーリーさんとのデートを一日だけ認めてあげるわ」
坂本「ふっ、そいつはいいじゃないか」
俺「おいおい、そいつはいい報酬だな。いいだろう、任務をいただこうか」
ミーナ「お願いね。だけど、くれぐれも注意するように」
俺「了解」
ミーナ「さて、全員作戦の準備に移らせましょう。やるなら早いほうがいいわ」
坂本「今回の作戦は、塔のようなネウロイと未確認正体不明なネウロイの撃破、だ。気を抜くなよ」
-
おっと、支援だ
-
第9話「全天と暗雲の使者」中編投下終了です
少しエイラとサーニャの会話が読みにくいかなと思ったので、少し訂正してwikiに掲載しておきます
後編はまた明日か明後日の夜に
読んでくれた方ありがとう
では、また
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支援したら終わった乙!
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乙!
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乙ー
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おつ!
-
さて、投下いたします
ちょっと用事をしながらなので投下が遅くなります
今回は第9話「全天と暗雲の使者」後編
作戦決行からです
>>972から
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第9話「全天と暗雲の使者」後編
BGM:ttp://www.youtube.com/watch?v=RqmX6HQkbJ0&feature=related
作戦決行……その時が来た。
特に待ち望んだわけでもないが、今回のネウロイはすこしばかり異質なため厄介にも緊張する。
ハンガーでは先程高高度の寒さに耐えられるように防寒具などを装備し、準備万端にしてきた。
ただ……リーネの入れたジンジャーティーは必要ではなかったように思える。
今でも喉が変だ。
坂本「作戦を開始する」
ミーナ「カウント10」
バルクホルン「9」
……カウントが始まる。
坂本がブリーフィングルームで説明していた作戦はこうだ。
まずウィッチを縦に三段編成で組み上げ、第一打ち上げ班の5名はストライカーユニットの通常動力により限界高度1万mまで上昇。
第1打ち上げ班離脱後、次にロケットブースターをストライカーに装備した第2打ち上げ班はそれに点火し、高度2万mまで上昇。
最後に宮藤芳佳、サーニャの両名はそこからロケットブースターに点火し高度3万mまで上昇した後、弾道飛行に移り、敵ネウロイのコアを叩くという作戦だ。
俺「TRANSFORM……NEUROI……」キキキッ
だが言うは簡単、実行は困難。
高度3万mは劣悪な環境故に、魔法力での生命維持が欠かせなくなる。
つまりネウロイとの戦闘で魔法力が尽きる瞬間がわずかでもあれば、それは死に至るということと同義だからだ。
-
エイラ(なんでお前がサーニャのマフラーつかってんだよ……)
エイラ「2」ジーッ
宮藤「1」
サーニャ「……」
俺「スタートだ」
第1打ち上げ班によるストライカーの通常動力で一斉に空へと動き出す。
急激な加速度を伴って空へとさらに上昇、高度1万mまであと少し。
坂本「時間だな。第1打ち上げ班、離脱!」
ミーナ「俺さんも、後は頼んだわよ」
俺「任せろ」
ペリーヌ「第2打ち上げ班、ブースターに点火!」
高度1万mで第1打ち上げ班は離脱、彼女らの真剣な見送る目に見つめられながら第2打ち上げ班はブースターに点火。
そして、ここで俺はここでネウロイ化させたロケットブースターに点火。
さらに加速度を増し、俺たちは高度2万mを目指す。
エイラ「……」
俺「エイラ」
エイラ「ん?なんだよ……」
俺「最後のチャンスだ。サーニャを見守るか、守るかを選べ」
エイラ「な、なんだよ急に」
俺「最後のチャンスをやる。お前が望むのなら……サーニャを守りたいと思うのなら俺が軍規違反を共に背負ってやる」
-
エイラ「俺……」
俺「サーニャが好きなんだろ?だったら自分の手で守ってみせろ」
エイラ「でも私はサーニャに昨日……」
俺「嫌われたって、傷ついたって、大事なものは守ってみせろ。大切なものを。諦めるんじゃねぇ!」
エイラ「わ、私は……」
ペリーヌ『時間ですわ!』
ペリーヌから第2打ち上げ班離脱の声がかかる。
リーネ、ルッキーニ、エイラ、ペリーヌが宮藤とサーニャを高度2万mまで運ぶ任務をちゃんとこなしてくれた。
後は……。
俺「なぁ、エイラ」
エイラ「……」
俺「手を伸ばせば届くんだ。いってこい」
エイラ「サーニャ……。俺、私……でも……」
-
エイラがサーニャの後ろ姿を見つめる。
……エイラは拳を固く握りしめたまま何を思っているのだろうか。
だが願いも虚しく、すでにかなわないことなのかもしれない、遅いことなのかもしれない。
しかし、それでも諦めてほしくはない。
誰かを守る、それがどれほど素晴らしいことなのかを知ってほしい……そして失う辛さを味わわないで欲しい。
エイラ「……」
サーニャ「……ん?」チラッ
エイラ「……あ……」カァッ
サーニャとエイラの瞳が一度微かに交差する。
もう時間はない。
だが絶対にいかせてみせる……なんとしても。
俺「諦めるんじゃねぇ!!エイラ!!お前がサーニャを守らなくてどうするんだ!!?」
エイラ「お、俺……私……!!」
俺「このまま行かせるな!嫌だと言ってみろ!!エイラぁッ!!!」
ttp://www.youtube.com/watch?v=FBNh27Ktw3o&feature=related
エイラ「くうぅぅううう!!!」
エイラ「――――――嫌だッッ!!!!……私がッッ!!!!」
俺「サーニャだってエイラを待ってる。いってこい、高度3万mの世界に!」
エイラ「 私 が っ ! ! サ ー ニ ャ を 守 る っ ! ! 」
人間は簡単に諦められる合理的な生き物じゃない。
だからこそ、大切な人を全身全霊をかけて守ることができる。
-
エイラのブースターが強く火を噴く。
魔法エーテルの奔流が空気を切り裂き、重力を跳ね飛ばすように急上昇を開始した。
エイラ「俺!!いってくる!!」
俺「はっ!いってこい!!」
サーニャ「え!?何をしているの?!エイラ!!」
エイラ「サーニャ言ったじゃないか!諦めるからできないんだって!私は……諦めたくないんだ!!!」
エイラ「私がっっっ!サーニャを守るんだぁぁぁぁぁぁぁぁぁぁぁぁぁぁッ!!!」
サーニャへと手を伸ばす。
だが、その手は空を切る。
伸ばす、まだ伸ばす、必死に追いつこうとする。もがき、あがき、必死で掴もうとする。
諦めない、諦めたくない、その気持ちの元に魔法力をブースターへとつぎ込む。
まだ手を伸ばす……天空へと、親愛なる人へと。
エイラ「あぐっ……!」
パシッ……
-
俺「ったくしょうがないな」
宮藤「えへへ、しょうがないですね」
俺はその手を取る……約束通り、あのこの元に導くために。
だが、その手を取ったのは俺だけではない、宮藤芳佳も同様だった。
エイラ「はっ!」
俺「エイラ、連れていってやる!!」グイ
宮藤「いきましょう、エイラさん!」グイ
エイラ「俺……ミヤフジ……!」
俺「無理するなよ、宮藤」
宮藤「大丈夫です!」
俺と宮藤両名が魔法力を一気にブースターにつぎ込み再上昇。
エイラを背中から押上げ、サーニャのところへと急激に速度をあげ、サーニャの元へと連れて行く。
軍規も、規律も、法律も何もいらない……まかり通るのは、意志のみ。
俺「お届けものだ、サーニャ。離すんじゃないぞ」
エイラ「サーニャ!」
サーニャ「エイラ!」ギュゥ
宮藤「さらに高度を上げますよ!」
リーネ『芳佳ちゃん!!俺さん!!』
ペリーヌ『無茶よ!魔法力が持ちませんわ!帰れなくなりますわよ!』
サーニャ『……私が、エイラを連れて帰ります』
リーネ『へ?』
サーニャ『必ず連れて帰ります』
俺『最後は二人に任せようじゃないか。俺はちょっと送ってくるよ』
ペリーヌ『む、むちゃくちゃですわ……』
ルッキーニ『いっけー!さーにゃ!えいら!!』
-
宮藤「俺さん、あともう少しだけお願いしますね」
俺「頼まれたよ、宮藤」
宮藤「はい!」
宮藤は魔法力の底が見えたのか、俺にあとを託しブースターを切った。
上昇加速度を失って、重力に段々と引きずられていく。
宮藤は軍規違反を犯した、だが後悔はしていないようだ……なにせ笑っているのだから。
俺「ぐぅっ……これだけ急激に魔法力を使うと体に堪えるな……!」
エイラ「無茶すんなヨ!」
俺「はははっ、二人の生存確率をできるだけあげるために、できるところまでいってやる!」
サーニャ「俺さん……ありがとうございます」
俺「ふたりとも、生きて戻って来い!帰ったら一緒にミーナと坂本に怒られるぞ」
サーニャ「はい!」
エイラ「わかってるって!」
俺「……これまでだ。高度3万。あと3000mほどは頼んだぞ」ガシャン
サーニャ「ありがとう、俺さん」
エイラ「あ、ありがとうな!俺!」
俺は親指をぐっとあげ、幸運を祈るとつぶやいてブースターを切る。
当然宮藤のように一気に重力にひっぱられ落ちていく。
-
俺「高度33333mまでたどり着いたか……後はエイラ次第だな」
サーニャとエイラが弾道飛行についたのを視認後、俺は準備を整え体勢を戻す。
特別任務の時間だ。
恐らく出現するとするなら……もうすぐのはず。
敵の塔型ネウロイの先端が開くのを確認した、敵の攻撃が……来る。
この時、俺は半信半疑だった。
俺『宮藤、心配してたか?あれを』
宮藤『いえ、エイラさんならやってくれると信じていましたから』
俺『宮藤め、やるな……俺は杞憂だったようだ』
宮藤『えへへ、私の勝ちですかね』
俺『やったな、エイラ』
赤い閃光が空に図太く走った瞬間――――――エイラはシールドを展開。
シールドに衝突し弾かれたビームが、いくつにも分かれて空に花のようなものを咲かせる。
エイラがサーニャの手を引きながらシールドをかき分けサーニャを守っているのが見えた。
それはまるで王子様のように勇敢な姿であった。
-
俺「まったく、アツいな。まぁこれなら後は大丈夫か……ん?」
ビシュゥゥゥゥゥゥゥゥゥゥゥゥゥゥゥン―…
俺「くっ!」ピシュゥゥン
視界の端、かすかに見えた黒い残像。
そしてすぐに湧きでた赤い光。
エイラの方に向かって放たれたビームであったが、反射で対抗ビームを俺が放ちすぐに無効化した。
俺「ちっ……さて、おでま……し―――――――――何、だと……?」
?ネウロイ「……フゥィィィン」ガシャ
俺「……は、はは……まさかな」
心臓―――コア―――の鼓動が一気に高まる。
体が熱くなり、視界がソレいっぺんに遮られるような錯覚を覚えた。
脳内麻薬があふれでているのがわかるほど、緊張と興奮に俺は包まれていた。
?ネウロイ「―――」
俺「……くくっ……ふははははっ!ははははははははははっ!!こんなに早く現れてくれるとはな!!」
来た……来た……現れた……待ち望んだ奴がッ……俺の前に来やがった。
こんなところで現れてくれるとは……感謝する、運命とやらに。
こいつを破壊すれば、俺の任務の1つを終わらせることができる。
こいつをッ!この目の前に突如現れた……人型をッ!!
ttp://www.youtube.com/watch?v=lwv2XGKg8Mk
-
ミーナ『俺さん!敵機を感知したわ!俺さんの直ぐ側に!』
俺『すでにいるさ!』
ミーナ『その高度まで私たちのストライカーではいけないわ。大丈夫?』
俺『大丈夫もなにも……こいつは……俺が探していた奴なんだからな!』
ミーナ『待って!どういうこと?』
俺『今目の前にいるんだよ。俺が探してた人型ネウロイがなっ!!』
ミーナ『人型ですって!?待って!俺さん!』
俺『誰にも手出しはさせない……こいつは俺の獲物……』
ミーナ『ち、ちょっと俺さ―――ブチッ
インカムを引きちぎって通信を強制的に終了させる。
すでに敵はいる。
俺の目の前に……俺がここロマーニャにきた理由の一つを叶える敵が……今ここにいる。
俺「消えろッ!」キュゥィィィィン!
人型「―――!」キュィィィィン!
ビシュゥウウウウウウウウウウウウウウウウ―――ドゴシュゥゥゥゥゥッ……!
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ミーナ「俺さん!くっ……インカムでも壊したのね。会話ができないわ」
バルクホルン「少佐、見えるか?」
坂本「……見えた。間違いない人型だ。だが以前に見た人型とはタイプが違う」
エーリカ「ってことはやっぱりあの巣からってことだよね」
坂本「……ミーナ、少し聞きたいんだが、ネウロイが人の真似をするということが以前あったが覚えているか?」
ミーナ「サーニャさんのやつね。あとはスオムスでも一件それがあったけど。どうしたの?」
坂本「あの人型……俺に似ている。敵は対戦車ライフルのようなものを装備しているが……」
-
シャーリー「少佐!俺は!俺はどうなってるんだ!?」
坂本「……信じられんが、俺が少し押されている。武装の違いだな」
ミーナ「加勢に行きたいけど、私たちは武器を持っていないわ。それにあの高度じゃ……」
シャーリー「俺……!」
バルクホルン「だが、俺が言っていた『探していた奴』というのはどういう意味なんだ?』
坂本「恐らくあのネウロイを血眼で探していたんだろう。何があるのかは知らんが」
ミーナ「なんにせよ、今は見守るしかないわね」
坂本「……ッ!いかん、俺と人型が高度を下げてくるぞ!」
ミーナ「くっ!まさかこっち狙いなの!?」
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俺と人型は激しい撃ち合い戦闘を続ける。
しかし、敵の所持しているビームライフルはかなりの速さと威力を持っているため、迂闊に近づくことができない。
どうにかシールドと機動で捌いているものの、攻撃の糸口がつかめないままに高度を下げられていく。
ついには第1打ち上げ班が見えるところまで降りてきてしまった。
俺「ぐぅっ!くそっ、このままじゃ……」
ネウロイ「ギィィィィィィィィィン!」ビシュゥゥゥン!ビシュゥゥゥゥン!
俺「げほっ!!こいつの攻撃結構いてぇな!!」
ミーナ「俺さん!」
俺「さがれ!こいつは危険だ!!」バシュッ
坂本「俺!!」シャキン
俺「何をする気だっ!」
バルクホルン「少佐!迂闊に近づいてはだめだ!」
坂本「はぁぁぁぁぁぁぁぁっ!」ヒュッ
人型「ヒュィィィィィン……!」ガシャッ、ビシュゥゥゥゥン
坂本「甘い!」ヒュッ、ザシュン
俺と接近していた人型ネウロイへと急接近、さらに刀を振るって人型のビームライフルでの反撃を切り裂いて無効化。
-
支援
-
そして、敵の懐まで忍び込んだ時魔法力を注ぎ入れゼロ距離での……。
坂本「 烈 風 斬 ! ! 」
キキキキキッ……ザシュンッ!!
人型「ギュィィィィィィィィィィィィィィ!!!」ガシッ
坂本「ッ?!」
俺「ちっ!!危ない!」
人型「キィィィィィィィィィィィィィィン!!」キュィィィィィン
ゼロ距離からネウロイを半身に分ける斬撃を与えたはいいものの、コアから外れており、すぐに距離を取れなかった坂本は腕を掴まれる。
加えて、人型ネウロイのゼロ距離ビーム。
血の気が引くほどの焦りを覚えた俺が坂本とネウロイとの間に割ってはいろうとするが……距離がある……!
だが。
だがしかし、エイラに言を張った手前、諦めるわけにもいかない!
俺「うぉおおおおおおおおおおおおおおお!!」
坂本「しまっ―――ッ!」
ビシュゥゥゥゥゥゥゥゥゥゥゥゥゥゥゥゥゥゥゥゥゥゥゥゥゥゥゥゥン!!
ミーナ「美緒っっ!」
バルクホルン「そ、そんな……坂本少佐」
-
シャーリー「……いや、待て。あれは……」
だが、この失望はすぐにかき消される。
白煙が舞う中、それをくぐり抜けてきたのは漆黒の腕。
坂本「く……し、死んでいない……?」
俺「ぐ、げほっ!がはっ……ごほっ」ガシッ
人型「―――!」
坂本「……俺?おい!俺!」
俺「おいおい、坂本大丈夫か?さすがに今のは冷や汗ものだったぜ……だが」
坂本「待て、俺!お前の体の再生が……!」
俺「これでこのネウロイを消し飛ばせる」
坂本をかばっての強力な攻撃をシールドと体で受け止め、さらにそれを凌いだ上でのネウロイを逃さぬよう首根っこを捕まえる。
俺は坂本からネウロイを引き剥がした。
坂本が微かに隙を作りやっと得たチャンスなのだ、見逃すわけにもいかない。
俺「右腕解放【デクストラー・エーミッタム】」ガシャン
敵の右肩を左腕でつかんだまま、右腕解放。
反撃にと俺を殴りつけてくるが、この程度で離すほどやわな男ではない。
さて、うっとしいから消えさってもらうか。
俺「ふぅ……!オラオラオラオラオラオラオラオラオラオラッ!」
ドゴドゴドゴドゴドゴドゴドゴドゴドゴドゴッ!!
人型「キュゥィィィィィィィィィィィィィィィィィン!!」
-
何発も何発も右手で殴りつける、休む間もなく息をつがせる間もなくもがく間もなく。
こいつを殺せば一つ終わる……俺の命をかける任務の一つが。
すでにネウロイの装甲は抉れへこんでいる。
だがそれでも手を緩めない……俺は最後に出力を80%まで引き上げ、終局の手を打つ。
俺が有する切り札の中でも一番使い勝手の良い技を。
俺「空に散れ……!右腕解放ッ切り札その3ッ……貫く槍拳【グングナール】!!」
俺「うぉおおおおおおおおおおおおおおおおおおおお!!!」ギュィィィン
背部のジェネレータがとてつもないうなりを上げ、魔法力の奔流が突風のように巻き起こる。
右腕に込められた極限の力は一気に収束し、拳一つに凝縮。
だがただの拳ではない。
この技の本意は……突貫力、その莫大なエネルギーを前方遙か彼方へと貫かせる力を有すること。
俺「らぁあああああああああああああああああああああああああああッ!!!」
ひゅんっ!
ドゴォオオオオオオオオオオオオオオオオオオオオオオオオオオオオオオオオオオ―…!!!
腹部にたたきつけられたエネルギーが尋常ではない衝動を伴って破壊力を生み出す。
殴られた瞬間、人型はエネルギー衝突による爆発を受け、さらに強力に収縮されたビームを喰らう。
はるか彼方へと貫かれてゆく人型ネウロイ……その描写はまるで紅き神槍に貫かれるようであった。
そして飛ばされた先は塔型のネウロイの麓――――――爆音をあげ衝突。
加え、衝突と同時にタワーネウロイのコアが砕け散る破壊された。
それは紛れも無いサーニャとエイラが、タワー型のネウロイの撃破に成功した証。
パキィイイイイイイイイイイイイイイイイイイイイイイイイイイイイイイイイイン―…
勝利を祝うように、白い塵が空に一斉に舞い散った。
-
俺「ぐぁ……はぁっ……はぁっ……」
シャーリー「俺!大丈夫か?」
俺「それより……ぐ、エイラとサーニャは?」
シャーリー「通信が入ってる。作戦は成功!ふたりとも生きてるって!やったな!!」
俺「はははっ……ってことは仲直りもできたな。エイラとサーニャにおめでとうと、言っておいてやってくれ」
シャーリー「言っておくよ。それにしても今日はつかれたなー」
俺「そう、だな。ちょっと、休むよ。すまな―――」トサリ
シャーリー「おう!……って俺!おい!俺!!///」
俺「……」
坂本「どうした、シャーリー……って。寝ているだけじゃないか」
ミーナ「あら、本当。シャーリーさんの胸で気持ちよさそうに寝息をたてているわね」
坂本「はっはっは!俺もこうしてみると可愛いもんだな」
バルクホルン「ふふっ、普段は結構ふてぶてしいからな」
シャーリー「って誰か手伝ってくれよ」
バルクホルン「リベリアンでも流石に恥ずかしいみたいだな」
シャーリー「当たり前だ!」
ミーナ「ふふふっ、俺さんはシャーリーさんに任せるわ。基地も近いし、お願いね」
サーニャ『……待ってください、まだネウロイの気配がします』
ミーナ『なんですって?サーニャさん、索敵を……』
坂本『……その必要はない。あそこにいる。はぁ……まさか死んでいないとはな』
サーニャ『……あ……間違いなく先ほど俺さんと戦闘していた人型ネウロイです』
坂本『あれほどの攻撃を喰らって生き延びているとは……まさかコアが移動していたのかもしれん』
サーニャ『ん……あ、人型ネウロイが撤退していきます。敵もダメージが多いようです。追撃しますか?』
ミーナ『いいわ。こちらも武装していないし、魔法力も少ない人が多い。俺さんも動けないから帰投するわよ』
サーニャ『了解しました。エイラ、帰ろう?』
エイラ『モチロンなんだな!』
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坂本「はぁ……まさか問題が残るとはな。帰ったらまた頭を悩ませないと」
ミーナ「でも少しは休憩ぐらいしましょう。今日のところは本命の作戦が成功したわけだし」
坂本「そう、だな。今はそれを喜ぶとしよう。あいつも久しぶりに寝ているみたいだしな」クイ
俺「すー……すー……」
シャーリー「まったく。き、今日だけだかんな」
エイラ『なぁ、俺って起きてるか?』
シャーリー『いや、疲れて寝てるよ。伝言で、仲直りおめでとうってさ』
エイラ『あ、あのさ……あ、あぁっ!ああ!ありが、ありがとうって!伝えといてくれ!!』
サーニャ『私からもお願いします』
シャーリー『はぁ、わかったよ。起きるまでちゃんと見とくさ』
サーニャ『それではまた基地で』
プツッ…
なんとなく寝ていた俺だが、少しだけエイラの声が聞こえた気がした。
……あんな声を聞くと、やはり誰かから感謝されることが俺はたまらなく嬉しいのだと改めて感じる。
敵を見逃したのは痛手だが、この声が聞けただけでも体を張った価値は十分にあったものだ。
……そんな俺だからこそ、死んでもヒーローなんて職業はやめられないのだろう。
そう思った、混濁する意識の中で。
第9話「全天と暗雲の使者」終了
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とりあえずこれで第9話「全天と暗雲の使者」の投下が終わりました
最後の方は急ぎ足な感じですみません
そして何か厨二病が悪化してきたような気がしていますが……
この話のおまけはまた後日投下いたします
読んでくれた方、支援してくれた方ありがとうございます
風邪をひかぬように
それでは、ありがとうございました
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