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【バンパイアを殲滅せよ】資料庫
1
:
◆GM.MgBPyvE
:2017/02/26(日) 08:11:43
タイトル通り、使用武器の資料庫です
それって小銃? サイズは? 口径は? 使う弾は? 威力は? 使い勝手は?
知る限りの情報を記載してください。
注:参加者がいちいちググる手間を省くもので、必ず読まなければ本スレが読めない、というものではありません。
銃に関するエピソード、実際に撃った事ある人はその経験談を載せるのもいいでしょう。
2
:
◆GM.MgBPyvE
:2017/02/26(日) 08:16:32
記載例
ワルサーPP(Walther PP)
設計:ワルサー社
製造:ワルサー社
口径:.22(5.6mm)、.32ACP(7.65mm)、.38ACP(9mm)
銃身長:99mm
使用弾薬:.22LR弾(5.6mm×15) .25ACP弾(6.35mm×16) .32ACP弾(7.65mm×17) .38ACP弾(9mm×17) 9×18mmマカロフ弾
装填数:8+1発(.32)、7+1発(.38)
作動方式:ダブルアクション、ストレートブローバック
全長:173mm、重量:660g
銃口初速:320m/s
安全装置:
手動の回転式セフティレバーを下げると、セフティレバーがファイアリング・ピンを固定、
ハンマーはシアから解放されるがハンマーブロックが下降し撃発位置までの前進を阻止され、安全装置が掛った状態になる。
セフティレバーを発射位置へ戻してもハンマーブロックは下降したままハンマーの前進を阻止しており、安全性が保たれている。
シクナルピン:
薬室に実弾が装填されると、薬莢の底部の縁にシグナルピンが当たり、ハンマーの上部に露出して、銃を握った時に親指で確認できる。
ただし、.22口径はリムファイヤー式(薬莢の底部の外周を叩いて発火させる)のため、シグナルピンとの接触で暴発の危険があり、省略されている。
スライド・ストップ:
最終弾を撃ち終わるとスライド・ストップによりスライドが後端で保持される。スライドストップを押し下げるレバーは無く、
弾倉交換後にスライドを少し後ろに引いて離せば初弾が薬室に装填されて射撃可能となる。
通常分解:トリガー・ガードを下に引き下げ、そのままスライドを最後端まで引き、上に持ち上げてから前に戻せば抜けるようになっている。
参考:ドイツ将校が好んで使用した拳銃。
(こんな感じ。参考文献はウィキペディア先生)
3
:
◆GM.MgBPyvE
:2017/03/01(水) 04:17:17
コルトM1903、M1908
設計:アメリカ・コルトファイヤーアームズ
製造:コルトファイヤーアームズ、ブローニングアームズ
口径:.32口径(7.65mm、M1903).38口径(9mm、M1908)
銃身長:127mm
使用弾薬使用弾薬:.32ACP弾(M1903)
.380ACP弾(M1908
作動方式:ブローバック
全長:171mm、重量:675g
装弾数:8+1発(M1903)、7+1発(M1908)
安全装置:二つ。ハンマーがコッキングポジションにあるときのみマニュアルセフティがオンになり、
同時にグリップセフティも握りこむことができるという仕組み。
第2次世界大戦時に高級将校が好んで使用、大日本帝国陸軍でもM1910に次ぐ人気があった。
尚、水流の使用するM1903はサプレッサー機能搭載の上、サイガ式(※)に改造済
※サイガとはロシアのイズマッシュ・サイガ散弾銃のこと。
銃身が長く、タマの軌道がより精密、銃弾の弾速・破壊力も増している。
(水流氏の記載より抜粋)
4
:
◆GM.MgBPyvE
:2017/03/01(水) 04:40:45
イズマッシュ・サイガ12
設計:イズマッシュ社(ロシア)
製造:イジェフスク機械製作工場
銃身長:580mm
使用弾薬:12ゲージ
装弾数:5/8発
作動方式:セミオートマチック
全長:1,145mm
重量:3.6kg
AK-47をベースに開発された散弾銃。AK-47同様、耐久性、信頼性に優れる。SVDのスコープを付けての使用も可能。
ボックスマガジンを使用しての銃弾の装填が可能なため、散弾銃のマッチレースなどでも注目を浴びている。
(日本で所持ができる散弾銃の1つであり、それには410番・20番・12GAの3種類の口径がある。
日本の法律に合うよう、ピストルグリップからライフルストックの形式に変更されているのが特徴で、
弾倉の装弾数も2発に改造されている。また、ライフルストックでは握りにくいこともあり、
所持者によってはSVDタイプのストックに改造しているものも見られる)
(参考文献:ウィキペディア)
5
:
◆GM.MgBPyvE
:2017/03/01(水) 05:13:37
M249(ミニミ軽機関銃)
種類:軽機関銃
設計・製造:FN社
種別:分隊支援火器
口径:5.56mm
銃身長:465mm
ライフリング:6条/右回り
使用弾薬:5.56x45mm NATO弾
装弾数:100発・200発(M27弾帯)、30発(M16用マガジン)、100発(C-Mag)
作動方式:ガス圧利用(ロングストロークピストン式)、ロータリーボルト式、オープンボルト
全長:1,038mm
重量:6.9kg(無装填状態)、10kg(200発装填状態)
発射速度:毎分725初(ベルト給弾時)、毎分1,000初(マガジン装着時)
有効射程:1,000m(FN発表値)
肩撃ち・点標的で600m、肩撃ち・面標的、伏射・点標的共に800m(アメリカ軍の方針)
伏射・点標的で400m(オーストラリア陸軍の方針)
ミニミ(MINIMI)とは、フランス語で「小型機関銃」を意味する「MINI Mitrailleuse」を略したもの。
1982年にベルギーで設計された機関銃。現在も製造され、湾岸戦争、イラク戦争ほか多数で使用。バリエーションも多数。
弾帯のほか、小銃用のSTANAG マガジンでも給弾を行えるが、装弾不良が起こりやすいため非推奨。
冷却は空冷式で、銃身交換も容易。
射撃は連発(フルオート)のみ。
二脚(バイポッド)が標準装備。
銃弾の薬室への装填:
ベルト給弾方式の場合は引き金を引くと同時に遊底が前進、それに合わせるように装填機能により給弾が開始、
ベルトリンクから弾が1発ずつ押し出されて薬室に押し込まれ、遊底で固定されセットされた撃針が雷管を叩く。
弾倉方式の場合は遊底部分が直接弾を押し出し、薬室に装填される。
銃把(グリップ)上部に押しボタン式の安全装置が備わる。右側に押し出す(左側から押す)と安全装置がかかり、
左側に押し出す(右側から押す)と解除となる。
(参考文献:ウィキペディア)
6
:
◆GM.MgBPyvE
:2017/12/08(金) 17:31:02
ベレッタBU9 NANO(ナノ)
開発:ベレッタUSA
口径:9mm
銃身長:78mm(3インチ)
装填数:6+1発
作動様式:ダブルアクション、ストライカー、ショートリコイル
全長:143mm
重量562g
携帯性を重視した拳銃(麻生はインサイドパンツホルスターに収納)
アメリカのベレッタUSAが2011年に開発したストライカー方式のポケットピストル。用途は、セルフディフェンスやコンシールドキャリーなど。
ロープロファイルのサイトシステムの採用や、外装式の操作レバーを廃止するなど、携行時に衣類等への引っ掛かりを防ぐために、徹底的に凹凸を無くしたスナッグフリーのデザインとなっている。
作動方式はショートリコイル、閉鎖方式はティルトバレル。トリガーはダブルアクションオンリーで発射する。グロックタイプのトリガーセイフティはあるが、手動で操作できるレバーは無い。スライドストップ機能はあるが手動のリリースレバーは無いので、ホールドオープンを解除するには、直接スライドを操作する必要がある。テイクダウンレバーは無く、フレーム右側にあるネジを薬莢のリムを使って回すことで分解する。フレーム右側後部には、ストライカーをデコッキングする「ストライカー・ディアクティベーター」というボタンがあり、細いピンなどを差し込んで操作する。マガジンリリースボタンは左右で交換が可能。アイアンサイトには、視認性を高めるためのホワイトドットが入っている。レーザーマックス社のセンターファイアレーザー(トリガーガードに固定するタイプのレーザーサイト)も用意されている。
弾倉の装弾数は標準では6発だが、マガジンプレートをエクステンションパーツと交換することで、2発分増やすことができる。
インナーシャーシとポリマーフレームは分割可能で、フレーム左側にはシリアルナンバー確認用の覗き穴が設けてある。銃の購入時には、シリアルナンバーが刻まれたシャーシ側が登録費として課税対象となるので、別売りのフレームカラー(FDE、ODグリーンやピンクなど)を購入しても新たに課税されることはない。
BU9 ナノはマニュアルセイフティを備えていないので、銃規制に厳しいアメリカ・カリフォルニア州では販売することができない。
MEDIAGUN DATABASEより
7
:
◆GM.MgBPyvE
:2018/08/04(土) 11:25:03
コルト・パイソン357マグナム
設計:コルト社
製造:コルト社
口径:.357(9mm)
銃身長:102mm
使用弾薬:.357マグナム弾
装填数:6発
作動様式:ダブルアクション/シングルアクション
全長:241mm
重量1,092g
1955年にコルト社が9mm弾を発射できる高級リボルバーとして発表。
手作業での調整箇所が多く、生産しにくい構造であるため仕上げが念入りに施されている。
その為ライバル社のS&W製品と比べると高価格、リボルバーのロールス・ルイスとも。
魁人の持つパイソンは初期製品で、コルトロイヤルブルーフィニッシュと呼ばれる仕上げを施された骨董品。
彼の祖父の遺品であり、作動方式はシングルアクション。
(参考文献:ウィキペディア)
8
:
◆GM.MgBPyvE
:2019/01/22(火) 05:27:27
本スレが容量オーバーとなりましたので、以下、続きを投下します
9
:
佐井 浅香
◆GM.MgBPyvE
:2019/01/22(火) 05:30:03
あたしは外の様子を黙って見つめてた。
菅さんがみんなの前で両膝をつかされて、その姿勢のままマイクを向けられる様子を。
ほんとはわたしも出たかった。たったひとりで群衆に立ち向かう、菅さんの傍に居たかった。
でも二木総理が許さなかった。危険だからって。流れ弾に当たるといけないからって。
その総理が、あたしのそばに寄って来て言ったの。
「菅くんの事が好きかね?」って。
――心臓が飛び跳ねちゃったわよ! 総理ったら、こんな場所でいきなりそんな事!!
総理に遠慮したのか、あたしの両脇に居た黒服が一歩下がる。
「あああのあたしは――」
「慌てなくても、隠さなくてもいい。はたから見て良く解る。彼の力になりたいかね?」
あたしを見下ろす二木総理の優しい笑顔に、あたしも笑顔を返さずに居られなくって、素直になっちゃって。
「ええ」って答えて、そして……あら? って思ったの。
急に総理が大きく見えたから。背丈があって、肩幅もがっしりした感じで。
不思議。気持ちの大きい人は、見た目も変わるものかしら。
「嬉しいね。私も菅くんを買っているからね」
「本当に? 彼、ヴァンパイアなのに?」
「ヴァンパイアだろうが何だろうが、本質という物は変わらんよ。道を外さずには居られぬこの世界で、
彼は実に良くやっている。王道を行く政治家へと成長しつつある。思えば、人の身では難しい。皮肉な事だがね」
そう言って横を向いた総理の、その背中はとっても広くて……なぜだろう。とっても懐かしい感じ。
「二木総理、あたしもっと前から貴方を知っていた気がするの」
「……それはまあそうでしょう。貴方の物心がついた頃には、すでに政治に携わっていたからね」
言いながら、総理の眼が再び外を向いた。最前列にずらりと陣取る記者達の、菅さんに対する「質問責め」が始まったから。
10
:
如月 魁人
◆GM.MgBPyvE
:2019/01/25(金) 06:22:46
「菅大臣! 貴方はヴァンパイアだそうですが、それは事実ですか!?」
「一体誰に噛まれたのですか!? 貴方の身辺近くにヴァンパイアが居る、と受け止めて宜しいですか!?」
「あなた以外の閣僚、または官僚の中にヴァンパイアが居るとすれば、大変な問題ですが!?」
「今までの業績はすべて、反社会的な意図でなされたものでしょうか!?」
「自身はこれからどうなさるおつもりですか!? お答えください!」
「大臣!」
「大臣!」
ろくに返事も待たねぇで我先にと質問繰り出す記者ども。不味いな、兵どもまでそっちを気にしてやがる。
『如月だ。各自、持ち場に集中しろよな。狙撃、いるか?』
『こちら狙撃班長。伯爵を目標とする3名がジュモク上で待機中』
ジュモクは樹木だ。
議事堂ってのは前が開けっぴろげだからな、狙撃出来る建物なんかありゃしねぇのよ。
霞が関のビル(この位置だと、外務省か国土交通省か?)から狙えばいいって思うかも知んねぇが、そうも行かねぇ。
目標の位置が地面スレッスレで、しかもこの混みだろ? 植え込みも邪魔してぜんぜんだ。
だからその植え込みに自体に登っちまおうってな? 常緑の木ぃ選んで待機させたのよ。
(もちろん普段は無理だ。木によじ登る怪しい奴なんか即刻見つかっちまうからな)
『目標、見えてっか?』
『何とか。記者団が退去すれば狙撃は容易です』
『タイミングはここにヴァンプどもが結集した、その時だ。菅が本性出す前にカタつけんだぞ?』
『りょ……了解』
班長がドモったのも無理はねぇ。狙えって言われた目標は、亡き親父さんの遺志を継いだ政界のサラブレットで、
しかもあの若さで次期総理候補のメンバーのうちの一人って言われてるくれぇの実力者だもんよ。
……っと……女医とクロイツ達が玄関口の奥から外をうかがってやがる。
クロイツとSPに混じって立ってんのは……二木総理か!? なんでんなトコに!?
『ボス。閣僚はぜんぶ官邸だろ? 総理も行かなくていいのかよ』
『私もそう申し上げたのだが、ここで見届けると仰ってな。どうも覚悟を決めておられるようだ』
『覚悟だとぉ? 指示だす訳でもあるめぇし、俺らに取っちゃあ邪魔なだけだぜぇ?』
『君の口は相変わらずだな』
『どうすんだ? 弾当たったら誰が責任取んだよ?』
『もしもの時は担いででもお連れする。君は自分の仕事の事だけ考えていればいい』
沢口がこっち睨みつけてやがる。……やれやれだぜ。
『狙撃。伯爵の後ろ、建物んの奥に総理が居る』
『……何ですって!?』
『いざって時は逃がすらしいが、居たとしても容赦すんな』
『……しかし……!』
『何かあったら沢口が責任取るらしいぜ。てめぇらは目標の頭とドテッ腹に弾ぶち当てる事だけ考えな』
『……了解しました』
ったく……国家の代表サマは意地張ってねぇで下々の立場も考えろってんだ。
『第1小隊は記者の奴ら見張ってろ。サーヴァントが居ねぇとも限らねぇ』
『了解、監視を続行します』
『第3小隊、どさくさで入っちまったパンピーは退避させたか?』
『遂行中です。終わり次第持ち場に戻ります』
『各個、足元と頭ん上にも気ィつけろ? 敵は人間の形してるとは限らねぇ』
言ったとたん、兵どもが慌てて上と下をキョロ見し出した。
ネズミとコウモリが居るかもって意味だったんだが……こりゃ下手に言わねぇ方が良かったかもな。
11
:
如月 魁人
◆GM.MgBPyvE
:2019/01/25(金) 06:23:32
おっと、大人しく膝ついてた伯爵が男の手ぇ振り払って無理やり立ちやがった。
ごっついクロイツどもが頑張ってるがどうにも抑え込めてねぇ。
だから言ったんだ。あんなワッパ、その気になりゃあ効きっこねぇって。
こりゃ囮に〜なんて悠長な事言ってらんねぇな。
案の定、ゆっくり瞬きした伯爵の眼が金ピカに変わってやがる。
そん時だ。騒ぎがぴったり収まっちまった。
見りゃあみんながみんな、一斉に硬直してやがる。
軽い眼力(がんりき)って奴だ。伯爵クラスなら、この人数相手にすんのもワケねぇはずだ。
ただ佐伯のそれと違ってぜんぜん浅ぇ。心にビンビン来ねぇもんよ。んなしょぼい眼力、脅威でも何でもねぇ。
『……みんな落ち着いとけよ。息を吐け。ゆっくり……そうだ。深呼吸だ』
……軽い操舵ならこんな軽いアドバイスで十分だ。ほらよ、空気がちょっとは緩んでらぁ。
俺ぁ左耳のキー押しながら、自慢の眼ぇ凝らして奴を見たぜ。
『狙撃、出番だ。俺の合図で撃て』
タイミングは奴の眼が金から赤に変わる瞬間(とき)だ。
狙撃はスコープで胸と眉間狙ってかから眼の色なんか確認してられねぇ、俺がGOサイン送ってやんねぇとな。
だがよ?
奴の眼が黒に戻ったんだ。犬っころみてぇな真っ黒い眼にな。
俺ぁその眼に吸い込まれたぜ。……なんて、なんてぇ顔してやがんだ……
悔しがるって顔じゃねぇ、怒ってもいねぇ、泣いてもいねぇ、奴はただ笑ってたのよ。
桜子の屋敷で見た、あの企み顔じゃねぇ。まるで懺悔の時の神父みてぇなジアイに満ちた顔っつーか?
人類を脅かす敵にゃあとても見えねぇ、むしろ救世主みてぇな面なんだ。
俺ぁその姿にイエス・キリスト重ねちまったのよ。
……らしくねぇって?
仕方ねぇだろ。クリスチャンの司令のせいで、俺ん頭の中にも「ありがたい説教」が棲みついてんのよ。
ゴルゴダの丘で十字架にかけられたあのキリストは、ユダっつー弟子にリークされたせいでパクられたんだってな。
死ぬほどひでぇ拷問受けて、とうとう磔にされちまって、それでもキリストは、「許せ」っつったんだ。
自分自身の事じゃねぇ。自分を裏切ったり傷つけたりしたすべての人間を許してくれって神サマに頼んだのさ。
伯爵も同じだ。片腕だと信じてた司令に裏切られて取っ捕まって、なのにあんな……「君達を許す」って顔……
……いけねぇ。俺もどうかしてるぜ。
これぁ奴の手だ。政治家でしかもヴァンプ、人たらしこむワザに長けてるだけだ。この手で人様を味方につけて来たに違いねぇ。
12
:
菅 公隆
◆GM.MgBPyvE
:2019/01/26(土) 06:43:08
「皆様、どうかお静かに願います。質問にお答えしましょう」
左手首を掴む右の手に力を込め、両の足を肩幅大に開いて姿勢を正す。
一度閉じた目の奥に強く力を籠めつつ……ゆっくりと瞼を上げる。
眼に入ったのは、黄金一色に染まる景色。
そう。これが答えだ。一番最初に受けた、「貴方は本当にヴァンパイアなのか?」っていう質問のね。
凍り付く空気。一心にこの眼を見つめる……瞬きという行為自体を忘れてしまったかの人間たち。
避難勧告が出たんだろう、議事堂周囲を取り囲むいつもの喧騒――行き交う人の会話や靴音、車の走行音の類は一切しない。
その中で、歩行者用の信号だけがはるか遠くで囀(さえず)っている。
ゴクリ……とそばに立つ記者が喉を鳴らす。兵が手にするライフルがカタカタと震えだす。
わたしは力を抜いて、虹彩を人間のそれに戻した。
今のはただ質問に答える為にこうしただけで、「威嚇」じゃない。過剰に刺激したりして、ハチの巣にされるのは御免だからね。
「信じて下さい。わたくしは決してあなた方の敵ではありません」
父から学んだ発声法と会話術。
決して急がず、低くボリュームのある声質かつ出来得る限りの親しみと誠意を籠めて。
順繰りに相手と目線を合わせる事も忘れずに。……まずは……皆の心を捕えなければ。
「次の質問はあれでしたね、わたしをヴァンパイアに変えたのは誰か」
記者達が一斉に頷く。その素振りに少なくとも敵意はない。いい傾向だ。
「答えは『Not anyone』。誰でもない、わたくしは生まれながらのヴァンパイア、いわゆる真祖と呼ばれる者です。
つまりわたくしの周囲にヴァンパイアは居ない。少なくとも閣僚には」
ペンを走らせる記者たち。
戦闘員らはじっと様子をうかがったまま。広場中央、黄金色の馬に乗る如月だけが、こちらとその周囲に眼を光らせている。
おそらくは沢口が大まかな指示を彼に送り、兵の指揮を任せているのだろう。
13
:
菅 公隆
◆GM.MgBPyvE
:2019/01/26(土) 06:46:43
「では今までの公務についてはいかがですか?」
「と仰いますと?」
「被災地の訪問、法案作成とその決議、その他すべての公務を執行する上で……その……」
「貴方がた人間の不利になるよう画策しなかったか? と?」
「そうです、特にあの吸血鬼被害対策法などは如何ですか?」
わたしは正直に答えたよ。ヤマしい事なんかほんとにありゃしないんだ。
「わたくしは誠心誠意、国の為に尽くしてきましたよ。いやむしろ、政治家としては綺麗なくらいだ。
真祖であるわたくしはほぼ不眠不休で仕事が出来、日々の食糧を必要とせず、身体も汚れを気にする必要もなく、
故に着の身着のまま数日間外を出歩く事が可能です。不老不死であるから、暴力を以て近づく輩の脅しに屈する必要もない。
政治家としてこれ以上の適材はないのではないかとすら思える。
吸対法? もちろんあれは世の為人の為に作った法律ですよ。
ヴァンパイアに対する扱い、弱点、有事の際の支援機関からハンター協会の細かな運営規定に至るまで、記載は正確です。
いまこの場に設置された対策本部も、詰めている自衛隊もSATも、すべて吸対法に基づくものです。
わたくしは決してあなた方に取って、不利となる仕事はしていないと断言いたします」
「ではご自身の進退については如何ですか!? 辞職の意思はありますか!?」
「とんでもない。辞職するつもりなどありません」
「ヴァンパイアに議員、まして大臣になる権利などないのでは!?」
焚かれるフラッシュ。流石にこれには辟易する。
「それについては面白い説を耳にしました。我々ヴァンパイアが――あなた方と全く同じ、人間だと言うのです」
水を打つ会見の場。しかしすぐに騒ぎとなった。
一部のアナウンサーなど、自局のカメラ向き直り、「ヴァンパイアが人間とはいったい!?」などとまくし立てている。
沢口が「何を言い出すんだ」って顔をしてる。
彼は事前に指示したのさ。記者には「潔く辞職し投降する」と言うように。その上で仲間達に命じろ、「即刻この場に集結しろ」と。
わたしが画面に大写しになっている姿を見て、各地のヴァンパイアはどう思うか。助けなければと思い焦るだろうか。
否だ。捕まった者は仕方ない、次の伯爵は誰にしようなどと考えるだけだ。
だが……「命令」となると話は違ってくる。ヴァンパイアに取って「上」の存在は絶対。その命令には本能的に逆らえない。
だから「命じろ」と彼は言った。
そうすれば仲間に危害は加えない。特別会計から衣食住と身の安全を保障する設備の費用を出すからと。
……冗談じゃない。この場の空気、「殺す気」満々じゃないか。これだけの人員に持たせた銀弾……余計な予算つぎ込んだものだ。
14
:
菅 公隆
◆GM.MgBPyvE
:2019/01/26(土) 06:47:10
「大臣! その説に根拠はあるのですか!?」
「無論あります。一度噛まれた人間がワクチンにより治癒した事例を3例聞いています」
「ワクチン!? ヴァンパイアは何らかの病原体による感染症だという事ですか!?」
「その通り。ヴァンパイアは狂犬病と良く似たウイルスによる伝染病であり、我々はただの伝染病患者、つまりは人間です」
「それを証明するものはあるのですか!?」
「今この場にはありませんが、じきわたくしの秘書が持参するでしょう」
いちいち大げさに反応する記者達が面白いね。
沢口が凄い顔してこっち見てるよ。悪かったね、君の言うとおりにしなくてさ。
『菅さん……これ以上余計な事を言ったら……解ってますよね?』
耳打ちしながらチラッと彼が昇降口の内側に視線を送る。
……そう、彼は万一の為に人質を用意したのさ。逆らえば浅香を殺すってね。
微かな悲鳴と、空を裂く発砲音。
記者達に見える位置ではない、サイレンサー付きの銃声は彼らには聞こえない。
沢口が勝ち誇った顔をする。
『今彼女の腕を撃ち抜いた。次は足だ』
眼の奥が熱い。手足の枷が焼ける。だがまだだ。今はまだ「その時」じゃない。
『命じて下さい。ヴァンプ達に……ここに来いと』
『沢口、君は大きな勘違いをしてるよ』
『……え?』
『彼女は確かに大事な人だ。心底そう思っているからこそ、血も吸わなかった。けどね? わたしは「伯爵」なんだよ。
同胞たちを導き、守る義務がある。彼女の命など、同胞と天秤にかけるに値するものか』
沢口が歯噛みする。……いい顔だ。
『さて……このわたしを殺せるかい? 出来ないだろ? 世にも残酷なショーを……子供達に見せるのかい?』
『黙れ! ピンチなのは貴方の方だ。自由も利かず、たった一人で何が出来る!?』
『出来るさ。わたしなりの戦い方でね』
さらに一歩、前に出る。大きく息を吸い、ゆっくりと吐く。
「先ほど、我々は人間であると申し上げましたが、人間に取って脅威である事には違いありません。
そこで提案があります。
わたしはヴァンパイアと人間が手と手を取り合い、豊かな社会を構築する共同体と成り得ると考えています。
この国は法治国家です。ですからその為の第一歩、施行済みの吸対法を廃棄とし、新たなる法案を提出したい」
遠くの歩行者信号が鳴り止んだ。陽が沈むまで――あと2時間。
15
:
佐井 浅香
◆GM.MgBPyvE
:2019/01/27(日) 06:04:06
黒服があたしに銃を向けたとこまでは覚えてる。
いきなり誰かに突き飛ばされて、プシュッと音がして、身体を起こして見てみれば総理がうずくまって腕を押さえてるじゃない。
あたしに向けた銃を構えたままの男が、あたしと総理とを交互に見てる。
咄嗟に総理に駆け寄ったわ。銃を向けるそいつを押しのけてね。
撃たれたのは右上腕の付け根に近い場所。貫通してない、つまり盲管(盲管銃創)。
ラッキーだったわ。
何がって、あたしが医者で、一応の処置道具を持って歩いてたこと。
止血帯やハサミはもちろん、血管縫合用の糸も針もあるわ、こんな傷お茶の子さいさい。
――んもう! こいつら、総理がこんなだってのに何で黙って見てんのよ!
って思って口を開いたあたしの口元に総理が人差し指を当てて、首を横に振って外の方をチラッと見るの。
ここは丁度外からは死角。沢口も菅さんも、たぶん総理が撃たれたなんて思って無い。
撃たれたのは佐井浅香、つまりあたしだって思ってる。
そう、あたしが撃たれた事にしときたいのね?
でも……それって……菅さんの為? 沢口の為? 単純に……あたしの為?
考えながら手だけは動かす。こう見えてもあたし、外科専門の闇医者よ。銃創の処置なんか眼を瞑っても出来るわ。
ただ……良く言われるのよね? あたしの処置は乱暴だって。麻酔も滅多にしてくれないって。
ほんと、何言ってんの? って思っちゃう。
いい? 処置はスピードが命なのよ? 乱暴なんじゃなくて、手早いだけ!
麻酔もね? 痛覚断ち切っちゃったらどの神経切れてんのか繋がってんのか解らなくなっちゃうじゃない。
大丈夫。こうやって抑え込めば、大抵の患者は動けない。
幸い苦情は出てないわ。先生のお尻最高! な〜んて喜ぶ人も居るくらい。
総理もね? ギュッと眼を閉じて、左腕の袖を口に咥えて恍惚としちゃって。
(え? 違う? たぶん唸りたいのを堪えてるだけって?)
と・に・か・く
暴れないでくれるのは助かるわ。血管傷つけちゃったら後がたいへんだもの。
……やん……もう……ちょっと……――
コロン、と鉛玉を絨毯に放る。黒服達の眼がそれに集中する。
総理の身体がビクッと跳ねる。
そうなの。縫合する時が一番痛かったりするのよね。
16
:
佐井 浅香
◆GM.MgBPyvE
:2019/01/27(日) 06:52:24
『腕がいいね、もうほとんど痛みは無いよ』
『あたしが処置したもの、当然よ。でも無理して動かさないで? 油断したら開いちゃう』
『……こんな風に巻かれたらそうしたくとも出来ないが……ありがとう先生。本当に』
『お礼言いたいのはこちらの方よ。でも。でもどうしてあたしを?』
『綺麗な娘さんを助けるのに、理由が要るのかね?』
昇降口からさらに奥へと移動したあたし達。
お互いに顔を耳元に顔近付けて、これ以上ないってくらいの小声で。
流石に外には漏れないだろうけど、でもヴァンパイアは耳がいいから、念のため。
最初は黙って見てた黒服たちも、いろいろと手伝ってくれた。水とか着替え、持ってきてくれたり?
玄関の外から菅さんの声がしてる。あたしが提唱(?)した、「ヴァンパイア=人間」的な事以外は、何言ってんの? って感じ。
そうよあたし、法律用語ってのも苦手なのよねぇ……
そんなあたしと違って、二木総理には菅さんの言ってる事が理解できるみたい。(って当たり前よね!)
熱心に耳を傾けて、うんうんって頷いてる。その顔は何だか……そっか、な〜んか解っちゃった。
「総理も菅さんの事、大好きなんですか?」
「……うんっ!?」
あらら、もし総理がお餅か何か頬張ってたら、喉に詰まらせてたところね。
「突拍子もないことを言うね」
「だってほんとは……あたしを助けたの、菅さんの為だったんでしょ?」
「……そんな事はない。と言いたいところだが、確かにそれもある。私は2度と戦(いくさ)を見たくないからね」
「あはっ! まるで大戦以前の人の物言いね!」
「……ここだけの話、私は年齢を詐称しているのだ。今年で102になる」
「え……?」
「信じるか信じないかは貴方次第だがね?」
そう言ってまた外に耳を傾けた総理の顔は、とても冗談に見えなかった。
「これからどうするつもりですか? 菅さんも何がしたいのか全然わからない」
「菅くんはヴァンパイアと人類の共存を望んでいるのだよ。法律を以て事態を解決しようとしている」
「法律が解決できるの?」
「日本人は法を遵守する意識が高いからね。流石は菅くんだ。政治家の……王道だよ」
「不思議。総理にはヴァンパイアに対する偏見がまるで無いみたい」
「そう見えるならそうなのだろう。現に私の父はそのヴァンパイアなのだから」
17
:
佐井 浅香
◆GM.MgBPyvE
:2019/01/27(日) 07:40:41
「信じるか信じないかは……貴方次第だがね?」
またまたそう言って、パチンと上手にウインクして見せた総理の顔は、どう見ても……60代。
……ホントかしら。でもわざわざ私に嘘をつく理由なんかないんじゃない?
だから少し突っ込んでみたの。お父さんってどんな人なの? って。
そしたら総理、遠い眼をして言ったわ。
「父はまるでそうとは見えない……人としても大成を極めた方でね」
「大成とはまた大きく出たわね。いったいどんな?」
「やはり『美』に対する執着だろうか。鳥肌が立つほどの執念だ。いつも問われたものだよ、『真なる美とは何か』をね」
「……なんだか、とっても深〜いお話ねぇ……」
「彼は1000の古壺を並べ、そこからたったひとつの『本物』を見分ける眼を持っている。無論、それは壺に限らない。
才能ある人材を探し、集め、派遣会社を作ったのだから。……昔から世の動きに敏い方だったらしい」
「…………」
適当に相槌を打つあたしの顔から、彼は一時も眼を離さない。
そしてその『お父さん』の話はどんどん……あたしにも思い当たる内容になってきて……どんどん……繋がって来て……
だって……お父さんが神戸支部の代表だったなんて言うんだもの!
「総理、そのお父さんって……もしかして500年近く生きてるとか?」
総理はあたしの顔を見たまま答えない。
「もしかして……田中、とか名乗ってない? 田中……与四郎って」
総理はやっぱり答えない。でもそれが答えよね。どうしよう、あたし、眼の前がぼやけちゃって良く見えない。
「菅さんに聞いたの。田中さんはあたしの祖父だって。お祖母ちゃんは言ってたわ。あたしのお父さんとお母さんは死んだって。
でもそれ……嘘だった? ほんとはお父さんは生きていて……そしていつかこうして――」
そっと抱きしめられた。
やっと解った。さっき懐かしいって、逢った事あるかもって思ったのは、その背中が田中さんに良く似ていたからだって。
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