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【バンパイアを殲滅せよ】資料庫

16佐井 浅香 ◆GM.MgBPyvE:2019/01/27(日) 06:52:24
『腕がいいね、もうほとんど痛みは無いよ』
『あたしが処置したもの、当然よ。でも無理して動かさないで? 油断したら開いちゃう』
『……こんな風に巻かれたらそうしたくとも出来ないが……ありがとう先生。本当に』
『お礼言いたいのはこちらの方よ。でも。でもどうしてあたしを?』
『綺麗な娘さんを助けるのに、理由が要るのかね?』

昇降口からさらに奥へと移動したあたし達。
お互いに顔を耳元に顔近付けて、これ以上ないってくらいの小声で。
流石に外には漏れないだろうけど、でもヴァンパイアは耳がいいから、念のため。
最初は黙って見てた黒服たちも、いろいろと手伝ってくれた。水とか着替え、持ってきてくれたり?
玄関の外から菅さんの声がしてる。あたしが提唱(?)した、「ヴァンパイア=人間」的な事以外は、何言ってんの? って感じ。
そうよあたし、法律用語ってのも苦手なのよねぇ……

そんなあたしと違って、二木総理には菅さんの言ってる事が理解できるみたい。(って当たり前よね!)
熱心に耳を傾けて、うんうんって頷いてる。その顔は何だか……そっか、な〜んか解っちゃった。

「総理も菅さんの事、大好きなんですか?」
「……うんっ!?」

あらら、もし総理がお餅か何か頬張ってたら、喉に詰まらせてたところね。

「突拍子もないことを言うね」
「だってほんとは……あたしを助けたの、菅さんの為だったんでしょ?」
「……そんな事はない。と言いたいところだが、確かにそれもある。私は2度と戦(いくさ)を見たくないからね」
「あはっ! まるで大戦以前の人の物言いね!」
「……ここだけの話、私は年齢を詐称しているのだ。今年で102になる」
「え……?」
「信じるか信じないかは貴方次第だがね?」

そう言ってまた外に耳を傾けた総理の顔は、とても冗談に見えなかった。

「これからどうするつもりですか? 菅さんも何がしたいのか全然わからない」
「菅くんはヴァンパイアと人類の共存を望んでいるのだよ。法律を以て事態を解決しようとしている」
「法律が解決できるの?」
「日本人は法を遵守する意識が高いからね。流石は菅くんだ。政治家の……王道だよ」
「不思議。総理にはヴァンパイアに対する偏見がまるで無いみたい」
「そう見えるならそうなのだろう。現に私の父はそのヴァンパイアなのだから」


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