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【バンパイアを殲滅せよ】資料庫
9
:
佐井 浅香
◆GM.MgBPyvE
:2019/01/22(火) 05:30:03
あたしは外の様子を黙って見つめてた。
菅さんがみんなの前で両膝をつかされて、その姿勢のままマイクを向けられる様子を。
ほんとはわたしも出たかった。たったひとりで群衆に立ち向かう、菅さんの傍に居たかった。
でも二木総理が許さなかった。危険だからって。流れ弾に当たるといけないからって。
その総理が、あたしのそばに寄って来て言ったの。
「菅くんの事が好きかね?」って。
――心臓が飛び跳ねちゃったわよ! 総理ったら、こんな場所でいきなりそんな事!!
総理に遠慮したのか、あたしの両脇に居た黒服が一歩下がる。
「あああのあたしは――」
「慌てなくても、隠さなくてもいい。はたから見て良く解る。彼の力になりたいかね?」
あたしを見下ろす二木総理の優しい笑顔に、あたしも笑顔を返さずに居られなくって、素直になっちゃって。
「ええ」って答えて、そして……あら? って思ったの。
急に総理が大きく見えたから。背丈があって、肩幅もがっしりした感じで。
不思議。気持ちの大きい人は、見た目も変わるものかしら。
「嬉しいね。私も菅くんを買っているからね」
「本当に? 彼、ヴァンパイアなのに?」
「ヴァンパイアだろうが何だろうが、本質という物は変わらんよ。道を外さずには居られぬこの世界で、
彼は実に良くやっている。王道を行く政治家へと成長しつつある。思えば、人の身では難しい。皮肉な事だがね」
そう言って横を向いた総理の、その背中はとっても広くて……なぜだろう。とっても懐かしい感じ。
「二木総理、あたしもっと前から貴方を知っていた気がするの」
「……それはまあそうでしょう。貴方の物心がついた頃には、すでに政治に携わっていたからね」
言いながら、総理の眼が再び外を向いた。最前列にずらりと陣取る記者達の、菅さんに対する「質問責め」が始まったから。
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