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【バンパイアを殲滅せよ】資料庫
12
:
菅 公隆
◆GM.MgBPyvE
:2019/01/26(土) 06:43:08
「皆様、どうかお静かに願います。質問にお答えしましょう」
左手首を掴む右の手に力を込め、両の足を肩幅大に開いて姿勢を正す。
一度閉じた目の奥に強く力を籠めつつ……ゆっくりと瞼を上げる。
眼に入ったのは、黄金一色に染まる景色。
そう。これが答えだ。一番最初に受けた、「貴方は本当にヴァンパイアなのか?」っていう質問のね。
凍り付く空気。一心にこの眼を見つめる……瞬きという行為自体を忘れてしまったかの人間たち。
避難勧告が出たんだろう、議事堂周囲を取り囲むいつもの喧騒――行き交う人の会話や靴音、車の走行音の類は一切しない。
その中で、歩行者用の信号だけがはるか遠くで囀(さえず)っている。
ゴクリ……とそばに立つ記者が喉を鳴らす。兵が手にするライフルがカタカタと震えだす。
わたしは力を抜いて、虹彩を人間のそれに戻した。
今のはただ質問に答える為にこうしただけで、「威嚇」じゃない。過剰に刺激したりして、ハチの巣にされるのは御免だからね。
「信じて下さい。わたくしは決してあなた方の敵ではありません」
父から学んだ発声法と会話術。
決して急がず、低くボリュームのある声質かつ出来得る限りの親しみと誠意を籠めて。
順繰りに相手と目線を合わせる事も忘れずに。……まずは……皆の心を捕えなければ。
「次の質問はあれでしたね、わたしをヴァンパイアに変えたのは誰か」
記者達が一斉に頷く。その素振りに少なくとも敵意はない。いい傾向だ。
「答えは『Not anyone』。誰でもない、わたくしは生まれながらのヴァンパイア、いわゆる真祖と呼ばれる者です。
つまりわたくしの周囲にヴァンパイアは居ない。少なくとも閣僚には」
ペンを走らせる記者たち。
戦闘員らはじっと様子をうかがったまま。広場中央、黄金色の馬に乗る如月だけが、こちらとその周囲に眼を光らせている。
おそらくは沢口が大まかな指示を彼に送り、兵の指揮を任せているのだろう。
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