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('A`)はドクトラセブンのようです
1
:
名無しさん
:2018/07/27(金) 13:30:00 ID:2b9l/F6s0
第一話『侵略〇―チューバ―』
地球は狙われている
今、宇宙に漂う幾千の星から
恐るべき侵略の魔の手が
( ^Д^)「はーい!地球のお猿さんたち!」
( ^Д^)「話題の〇―チューバ―、プギャー星人だよ!」
( ^Д^)「今日も地球侵略のための動画をうpするぜ!」
( ^Д^)「というわけで今話題のゲーム、チェーン・ソウ・デスマッチPC版やっていきたいと思います。」
このチェーン・ソウ・デスマッチとは非対称対戦ホラーゲームである。
一般市民4人犯罪者1人に分かれ、一般市民は時間内にマップから脱出、犯罪者は逃げられないように一般市民を痛めつけて捕まえるゲームだ。
120
:
名無しさん
:2018/08/15(水) 02:22:45 ID:WKAJfq7U0
乙
ドックン成長してるな
怪人や宇宙人以外にも怪異がある世界観がいいね
121
:
名無しさん
:2018/08/15(水) 12:36:20 ID:wD4RGvTg0
ツンェ…
乙
122
:
名無しさん
:2018/08/16(木) 21:28:29 ID:FkFSIO1k0
乙る
123
:
名無しさん
:2018/08/18(土) 19:58:21 ID:1Z5FE2gg0
なかなか面白い、笑い村のデレはいいキャラだった
乙
124
:
名無しさん
:2018/08/19(日) 11:20:50 ID:JrSZlQPY0
第五話『あなたはどっち』
旦那「ただいまー」
深夜遅く、一人の酔っ払いサラリーマンが帰宅した。
遅くなったのは上司や同僚たちとキャバクラに行ったからだ。
結婚して一年ちょっと、新婚の頃は寄り道もせずに自宅直帰だったが最近はこのざま。
それを奥さんがキツイ目つきで出迎える。
奥さん「お帰りなさい。今日も楽しんできたようね。」
機嫌悪そうに口を開く。
旦那「いやーごめんごめん。これも仕事の付き合いだからさ。」
口ではそう言うが心は一切そう思っていない。
正直みんなでキャバクラに行って騒ぐのが楽しくて仕方ないのだ。
建前はみんなにいやいや連れていかれているという風だ。
奥さん「へーそう。」
その言葉を全く信じていないような返事をした。
125
:
名無しさん
:2018/08/19(日) 11:21:17 ID:JrSZlQPY0
奥さん「本当かねえタマ。」
二人が飼っているペットの猫にしゃべりかける。
ニャー!と返事をして首輪の鈴を鳴らす。
旦那「本当だよなタマ。」
適当な返事をしながら着替え始める。風呂にも入らず寝るつもりだ。
別に浮気をしているわけじゃないんだからこれくらいいいだろそう思う旦那。
これだから女はうるさくて仕方ない。
ストレス社会の現代において何らかの発散方法は必要だ。
キャバクラに行くことは別に違法でも何でもない、金を払ってるんだ当然の権利だろう。
そんな身勝手なことを考えながら寝巻に着替える。
だがこの旦那は気づいていない。
奥さんんはこんな遅い時間までしっかり自分の旦那が家に帰りつくまで起きて待っていたことに。
ずっと心配していたことに。
そういったことに気づかないで何と身勝手なことをしているのだろうか。
着替えている最中後ろの方で、奥さんが猫とじゃれているようで頻りにニャーという声が聞こえた。
着替えを終えて振り返ると奥さんがこちらの方を睨んでいた。
旦那「なんだ怒ってんのか?」
126
:
名無しさん
:2018/08/19(日) 11:21:40 ID:JrSZlQPY0
いや違う様子がおかしい。
睨んでいるようだがその目は人間のものではない。まるで猫のようだ。
それに爪もだいぶ伸びている。さっき見たときはそんなに尖ってたか?
歯もなんかギザギザじゃないか……
まるでゲゲゲの鬼太郎の猫娘の化け猫モードのようだ。
それが獲物を見つけたようなまなざしを向けてくる。
旦那「ど、どうした…調子悪いのか?」
汗を垂らしながら後ずさりをし、逃げようとする。
奥さん「シャー!!」
人間とは思えないような跳躍を見せ旦那に飛び掛かる。
顔を引っかき腕にかみつく。
旦那「ギャアァァァァ!」
127
:
名無しさん
:2018/08/19(日) 11:22:14 ID:JrSZlQPY0
ヴィプトラ警備隊基地の作戦室
ξ゚⊿゚)ξ「この時間、本当面白い番組ないわね。」
テレビのチャンネルを頻りに変えながらツンヌがつぶやく。
爪'ー`)「ニュースにしてもらっていいかなツンヌ。」
ξ゚⊿゚)ξ「ちきしょう。どのチャンネルも似たようなもん流しやがって。」
ξ゚⊿゚)ξ「個性を出せよ個性を!」
どこから持ってきたのか作戦室に似つかわしくないソファーであぐらをかきながら愚痴をこぼす。
爪'ー`)「あのぉツンヌさん?ニュースが見たいんですが……。」
ξ゚⊿゚)ξ「チッ」
渋々ニュースに変える。
爪'ー`)「どうもありがとうね。」
ニュースキャスター「続いてのニュースです。」
ニュースキャスター「昨晩遅く、仕事帰りの男性が自宅で妻に襲われ重傷の模様。」
ニュースキャスター「警察の発表では暴行した妻は記憶がないとのこと。」
( ^ω^)「ヒョーッ。おっかない事件だな。ウチも気をつけんといつこうなるか。」
(,,゚Д゚)「たまには休暇取って家族サービスでもした方がいいんじゃないか?」
128
:
名無しさん
:2018/08/19(日) 11:22:53 ID:JrSZlQPY0
( ^ω^)「いやいや、休みはしっかり体を休めんと。」
( ^ω^)「そう思って家帰ると家事手伝えだの子供の面倒見ろだのうるさくてかなわんよ。」
( ^ω^)「正直俺は休みより仕事してる方が心が休まるよ。」
('A`)「トンでもねえ社畜根性だな。」
( ^ω^)「なぁに、ドクオにもいずれわかr……」
(;^ω^)「すまん結婚できそうにない奴に言うことじゃなかったな。」
(#'A`)「おい!なめんなよコラ!」
確かに彼女いない歴=年齢だがそれでも可能性はゼロじゃないはず……
そうだよね?
ξ゚⊿゚)ξ「可能性という言葉を信じて0.00001%でも可能性があればとか思ってんのか?」
ξ゚⊿゚)ξ「やれやれ哀れな奴だな。」
ξ゚⊿゚)ξ「向き合えよ現実と。」
(#'A`)「ギギギギ」
_
( ゚∀゚)「同様の事件が十四件起きているようですよ。」
話をぶった切りながらジョルジュが入ってきた。
129
:
名無しさん
:2018/08/19(日) 11:23:46 ID:JrSZlQPY0
爪'ー`)「そうなのか?」
_
( ゚∀゚)「ただ、被害者と加害者の関係は肉親、友人、赤の他人と関連性は低いようですが。」
_
( ゚∀゚)「加害者は暴行当時の記憶がなく、被害者はみな化け猫のように襲われたと証言しているようです。」
_
( ゚∀゚)「また事件が起こる前に加害者はみな猫と戯れていたそうです。」
爪'ー`)「ふーむ。」
('A`)「はッそんのただ単に猫好きの本性が出ただけだろ。」
('A`)「普段は凶暴な本性を隠してイラっとしたらすぐ暴力を振るう。」
('A`)「本当猫そっくり、ただそれだけの事件だな。」
ξ#゚⊿゚)ξ「あぁ?テメー何言ってんだぁ?」
('A`)「おやおや俺の考えを証明するかのような人物がいましたか。」
('A`)「隊長今回の事件は解決しましたよ。犯人は猫派です。」
('A`)「猫なんて害獣は速やかに駆除するべきです。ペットは犬だけいれば十分ですよ。」
(*'A`)「犬はまさに人類の友。」
130
:
名無しさん
:2018/08/19(日) 11:24:43 ID:JrSZlQPY0
ξ#゚⊿゚)ξ「なんだテメー犬派か、通りで。」
ξ゚⊿゚)ξ「犬派なんて少数派はそうやって存在をアピールしないと誰も見てくれないもんな。」
ξ゚⊿゚)ξ「哀れな少数派にも発言権くらいはくれてやろう。寛大な猫派に感謝しろよ。」
('A`)「少数派?」
(#'A`)「少数派は貴様ら猫派の方だろう!」
(#'A`)「犬の良さもわからん知能指数の分際で。」
ξ゚⊿゚)ξ「はー、人間様に媚売ってへーこらしてるだけの犬畜生がそんなにいいか。」
(#'A`)「ギギギギギ」
(#'A`)「犬と人間は家族になれるんだよ!自分勝手な猫が家族になれるとでも?」
(#'A`)「あんな奴ら人間を利用しているだけに過ぎん。厚かましい獣害だ!」
ξ゚⊿゚)ξ「カッカッカッ!所詮犬派は犬を自分たちに都合のいい道具にしか見ていないってことだろ。」
ξ゚⊿゚)ξ9m「猫は違う。誇り高くて人間と対等な関係を築いている。犬などという下っ端根性丸出しの生物とは違うんだよぉ!」
131
:
名無しさん
:2018/08/19(日) 11:25:09 ID:JrSZlQPY0
('A`)「猫畜生ごときが誇りだと?」
(#'A`)「片腹痛いわ!便所虫以下の生物の分際で!」
ξ゚⊿゚)ξ「これだけは言っておいてあげる。」
('A`)「?」
ξ゚⊿゚)ξ「たとえテメーが犬を飼ったところで犬はテメーを主人と認めねえよ。」
ξ゚⊿゚)ξ9m「テメーは犬畜生以下だからな!」
(#'A`)「キィーー!!」
(#'A`)「ブーン!何か言ってやって!」
(;^ω^)「え?俺?」
( ^ω^)「まあ猫より犬の方が好きだけど。」
( ^ω^)「でも猫も好きよ。というかどうでもよくない?」
('∀`)「はい、犬派の方が多い。俺の勝ち!!」
ξ-⊿-)ξ「本当、犬派ってアホよね。」
ξ゚⊿-)ξ「ギコ!犬派にトドメをさしてあげなさい。」
(;゚Д゚)「いや、確かに俺は昔犬に噛まれてから犬は苦手だけど。」
ξ゚⊿゚)ξ「ほら見なさい。人間を襲うのはいつも犬じゃない。」
(;'A`)「グゥ……。」
132
:
名無しさん
:2018/08/19(日) 11:25:45 ID:JrSZlQPY0
(;'A`)「ジョ、ジョルジュ!」
_
(;゚∀゚)「あー、どっちも同じくらい好きなんだよぉ……。」
_
(;゚∀゚)「どっちかなんて決められないぜ!」
ξ゚⊿゚)ξ「ケッ」
('A`)「優柔不断ヤローが。」
_
(;゚∀゚)「……。」
ξ゚⊿゚)ξ「隊長は……。」
爪'ー`)「それがこう見えてハムスタたξ゚⊿゚)ξ「隊長はキツネ派とかいうオンリーワンだから仕方ないか。」
爪;'ー`)「……。」
('A`)「この事件、猫派が犯人だと犬派がしっかり証明してやる。」
ξ゚⊿゚)ξ「フン、こんな陰湿なことするのは犬派の仕業よ。猫派が証拠をつかんでやる。」
('A`)「行くぞブーン!」
ξ゚⊿゚)ξ「行くよギコ!」
(;^ω^)(;゚Д゚)「ちょ、ちょっと!」
そう言って四人は調査に出発した。
爪'ー`)「え?俺この事件調査しろなんて言ってないよ?」
爪;'ー`)「言ってないよね?ジョルジョ?」
_
(;゚∀゚)「……。」
133
:
名無しさん
:2018/08/19(日) 11:26:12 ID:JrSZlQPY0
猫派のツンヌとギコはヴィプンターで高級フランス料理店に来ていた。
(゚、゚トソン「噂には聞いてたけど実物見るとマジイケメンねギコ隊員って。」
ツンヌの親友のトソン。今日はトソンと昼を一緒に食べる日だったのだ。
(,,゚Д゚)「どうも。」
ξ゚⊿゚)ξ「先ずはハラ満たさないとな。」
(゚、゚トソン「写真撮っても?」
パシャパシャ
ギコの返事を聞くより先に写真を撮りまくる。
(,,゚Д゚)「……。」
(,,゚Д゚)「トソンさんって雑誌記者なんですか?」
(゚、゚トソン「ええそうよ。もっと笑ってもらっていい?」
パシャパシャ
(,,゚∀゚)「こう?」
(゚、゚トソン「いいね!次は決めポーズ!」
パシャパシャ
134
:
名無しさん
:2018/08/19(日) 11:26:42 ID:JrSZlQPY0
(,,゚Д゚)「何か今回の事件で調べたこととかないんですか?」
(゚、゚トソン「正直、警察の発表以上のことは何も。」
(,,゚Д゚)「そうですか。」
(゚、゚トソン「一応すべての現場の写真とかあるけど見る?」
(,,゚Д゚)「いいですか!ありがとうございます。」
(,,゚Д゚)「うーむ。」
次々と写真をめくる。
ξ゚⊿゚)ξ「しかし、食った食った。」
食べ終わり膨れた腹をポンと叩く。
(゚、゚トソン「何かわかりました?」
(,,゚Д゚)「いや何も。」
(,,゚Д゚)「でも少し気になることがね。」
ξ゚⊿゚)ξ「なんかあった?」
爪楊枝を使い歯の間の食べかすを落としながらツンヌが聞く。
135
:
名無しさん
:2018/08/19(日) 11:27:16 ID:JrSZlQPY0
(,,゚Д゚)「現場の写真自体はなんてことのない傷害事件の跡だが……。」
(,,゚Д゚)「これを見ろ。」
ξ゚⊿゚)ξ(゚、゚トソン「?」
ギコが見せたのは加害者が飼っていた猫の写真。
ξ*゚⊿゚)ξ(゚、゚*トソン「カワイイ!」
(,,゚Д゚)「よく見てくれ。」
(,,゚Д゚)「みんな同じ首輪をしているだろ?」
ξ゚⊿゚)ξ「ほーん、で?」
(,,゚Д゚)「ひょっとしたら何かあるかもしれない。この首輪を基地に持ち帰り調べてみよう。」
(,,゚Д゚)「すまないがトソンさん、この首輪の出所を調べてもらってもいいですか?」
(゚、゚トソン「報酬がたんまりなら。」
136
:
名無しさん
:2018/08/19(日) 11:27:55 ID:JrSZlQPY0
(,,゚Д゚)「お願いします。」
ξ゚⊿゚)ξ「よし、そうと決まれば会計よ!経費で落とすわ。」
(,,゚Д゚)「馬鹿、ダメに決まってるだろ!自腹だ自腹!」
ξ゚⊿゚)ξ「はぁ?うちの安月給でここの飯食えるわけないじゃん。」
(,,゚Д゚)「あのなぁツンヌ!」
(゚、゚トソン「落ち着いて二人とも。ここは店の中ですよ。」
(,,゚Д゚)「すみません。」
(,,゚Д゚)(よかったこの人は比較的まともかも)
(゚、゚トソン「じゃ会計よろしくギコ隊員。」
そう言って伝票を渡す。
(,,゚Д゚)「え?」
(゚、゚トソン「は?まさか女の子にお金出させるわけじゃないでしょうね?」
ξ゚⊿゚)ξ「おいおいギコ、男として見苦しいぞ。」
(,,゚Д゚)「あぁ、俺が馬鹿だった。淡い期待した俺が。」
渋々払うギコ。
支払いの料金を見てイケメンの顔が崩れたのはこれが初めてだった。
137
:
名無しさん
:2018/08/19(日) 11:28:22 ID:JrSZlQPY0
猫派の二人が加害者の飼っている猫を何匹かお借りして基地に一度帰還する。
ギコはジョルジョと一緒に猫と首輪を持ち研究室に向かった。
ツンヌはというと一匹だけ猫を借りてじゃれあいながら作戦室に帰りつく。
( ^ω^)「お帰り、何か成果があるといいな。」
ξ゚⊿゚)ξ「ぶたさんでちゅよー。」
猫「ニャー!」
(*^ω^)「お、猫もいいよなぁ。」
('A`)「おいブーン!貴様裏切るつもりか!!」
( ^ω^)「いや、俺はどっちも好きなんだが……。」
(#'A`)「キィー!!」
ξ゚⊿゚)ξ「あ、そっちのゴキブリ以下の下等生物には近づいちゃだめよぉ。」
猫「ニャー!」
(#'A`)「このクソ猫と猫派め。」
爪'ー`)「それで犬派のお二人さんは何か収穫あったのか?早々に帰ってきたが。」
('A`)「はっはっはっ隊長、そもそもが猫好きという人格に問題ある人種が起こした事件ですぜ。」
('A`)「そこに裏があるようなことはあいつらの知能じゃ無理ですよ。」
138
:
名無しさん
:2018/08/19(日) 11:28:50 ID:JrSZlQPY0
( ^ω^)「一応現場の周辺とか肉親、友人関係すべて聞いてきましたがこれといったことは……。」
爪'ー`)「そうなるとギコたちが持ってきた首輪の結果しだいか。」
( ^ω^)「そうですね。」
('A`)「どうせただの首輪だよ。」
('A`)「もうじきお前ら猫派の陰謀だということがわかるぞツンヌ!」
振り向きながら猫と戯れているツンヌに声をかけた。
(;'A`)「!?」
振り向くと戯れていたはずのツンヌがこちらを睨みつけている。
話で聞いた通りの猫のような目、鋭くとがった歯と爪。
獲物を見つけたような目をドクオに向ける。
(;^ω^)「隊長これは?!」
爪'ー`)「どうやらただの人間同士の事件というわけではなかったようだ。」
(;'A`)「ど、どうしたんだツンヌ?落ち着こう、な?」
震えながら声をかける。
その瞬間、ツンヌが動き出した。
両腕を高々と掲げた。
139
:
名無しさん
:2018/08/19(日) 11:29:50 ID:JrSZlQPY0
ξ゚⊿゚)ξ「百万パワー+百万パワーで二百万パワー!」
(;'A`)「!」
ξ゚⊿゚)ξ「いつもの二倍のジャンプで二百万×2の四百万パワー!」
そう言いながら天井ぎりぎりまでジャンプする。
ξ゚⊿゚)ξ「そして!三倍の回転を加えれば四百万×3の…ドクオお前を超える千二百万パワーだぁ!」
(;'A`)「どういうことなの???」
ツンヌが光の矢となって二刀流スクリュードライバーをドクオめがけて放つ。
寸前のところで少し軌道が変わり、ドクオの左頭部のただでさえ薄い髪の毛をごっそりそぎ落とす程度で済んだ。
(; A )「あ…あぁ……」
ξ ⊿ )ξ
(;^ω^)「二人とも大丈夫か?!」
二人のもとに駆け寄る。
どうやらツンヌは力を使い果たして気絶しているようだ。
140
:
名無しさん
:2018/08/19(日) 11:30:23 ID:JrSZlQPY0
爪;'ー`)「なんということだ。」
呆然と立ち尽くす。その時のだ。
_
( ゚∀゚)「隊長!検査の結果が出ました。」
ジョルジョとギコが戻ってきた。
(;゚Д゚)「「うぉ!なんだこりゃ?」
_
( ゚∀゚)「どうやらあの首輪には一部の人間に作用する洗脳装置になっていたようです。」
爪'ー`)「なんだと!!」
_
( ゚∀゚)「その一部の人間というのが猫好きというわけです。」
爪'ー`)「しかし一体だれがこんなことを。」
(,,゚Д゚)「出所も判明しました。○○ペットショップのみで販売されているそうです。」
爪'ー`)「よし、ブーン、ギコ、ジョルジョはそのペットショップに急行してくれ。」
_
( ゚∀゚)(,,゚Д゚)( ^ω^)「了解。」
141
:
名無しさん
:2018/08/19(日) 11:30:59 ID:JrSZlQPY0
爪'ー`)「ドクオは……。」
そっとドクオの肩に手を置く隊長。
爪'ー`)「いいかドクオ。男という生き物はな、苦労や辛い思いをした分だけ薄くなるんだ。」
爪'ー`)「だがそれはそいつがどれだけ頑張ってきたという勲章なのだ。」
爪'ー`)「誇りに思うんだ。」
(; A )「……。」
爪'ー`)「……。」
爪*'ー`)「プー!クスクス!」
爪*'ー`)「すまんドクオ、そこで休んでいろ。俺はツンヌを医療室まで運ぶ」
そうしてドクオを置いてみな作戦室を後にした。
(; A )「…い。」
(#'A`)「絶対に許さない!」
懐からドクトラアイを取り出す。
∞⊂('A`)
(∞)「デュワ!」
142
:
名無しさん
:2018/08/19(日) 11:31:31 ID:JrSZlQPY0
ドクトラセブンに変身してブーン達より先にペットショップにたどり着く。
(#'A`)「貴様らのくだらん侵略作戦はばれている!さっさと姿を現せ!!」
ドアを思い切り開け怒鳴り込む。
( ω )「ほぅ。もう我々の作戦を見破るとはなかなかやるな。」
('A`)「き、貴様は?!」
( ФωФ)「私は猫星人のロマネスクだ。」
見たまんま猫の星人が店の奥から出てきた。
( ФωФ)「やれやれ、猫好きな人間どもを我々猫星人の奴隷に洗脳して地球を征服してやろうと思ったんだがな。」
( ФωФ)「明るみになったのなら仕方ない、力ずくで地球を侵略してやろう。」
( A )「プ……。」
( ФωФ)「ん?」
143
:
名無しさん
:2018/08/19(日) 11:32:06 ID:JrSZlQPY0
('∀`)9m「プギャーー!!!」
('∀`)「やっぱり猫の仕業だったかwww!俺にはっ最初からわかってたからねぇwww!!」
('∀`)「やっぱ猫ってクソだなwww地球を侵略しようなんてクソの極みwww」
('∀`)「猫派が敗北することなんてわかってたことだけどwww」
('∀`)9m「おい!猫派の連中!!これからは犬派の皆様に頭下げて生活しろよ!!」
('∀`)「いや本当、こんなクソみたいな生物好きになるとかないだろwww」
('∀`)9m「プギャーー!!!」
( ФωФ)「なんだこいつ。」
('∀`)「くせぇwwwくせぇwww猫とかくせぇwww」
▼ ェ ▼「なんだ騒がしいようだな。」
(;'A`)「だ、だれだ!」
店の奥からまた声がした。
144
:
名無しさん
:2018/08/19(日) 11:32:47 ID:JrSZlQPY0
▼・ェ・▼「私は犬星人のビーグル。」
見たまんま犬の星人が出てきた。
▼・ェ・▼「だから言っただろうロマネスク。犬の首輪に洗脳装置を仕掛けるべきだと。」
( ФωФ)「ふん。結果は変わらん。」
▼・ェ・▼「これからは我々犬星人がのこ地球侵略の指揮をとろう。」
▼・ェ・▼「地球人どもは一人残らず我々の食料にしてやる。」
(;'A`)「あ…あぁ……」
( ФωФ)「それはいくら何でもやりすぎだ。地球人にも我々と同水準の知能を持った者もおるだろう。」
( ФωФ)「少しくらいは対等な立場の者を作るべきだ。」
▼・ェ・▼「何を馬鹿なことを。こんな未開の星にそんな知能を持つやつなどおらん。すべて食料にしてやるべきだ。」
( ФωФ)「まったく貴様は野蛮すぎる。」
(; A )「……だ」
▼・ェ・▼( ФωФ)「ん?」
('A`)「嘘だこんなのウソに決まっている……。」
ブツブツと独り言を言いながら頭のアイス・ラッガーを手に持ちゆっくりと近づく。
145
:
名無しさん
:2018/08/19(日) 11:33:23 ID:JrSZlQPY0
▼・ェ・▼「さてまずはこいつをどう処分してやるか。」
( ФωФ)「まあ待て。異星人同士まずははなs
ドスッ
アイス・ラッガーがロマネスクの腹に突き刺さる。
(;ФωФ)「うぐぅ!」
ドスッドスッドスッ
何かしゃべりながら何度も刺し続けるドクトラセブン。
▼;・ェ・▼「お前落ち着け!」
バッとロマネスクとドクトラセブンの間に入るビーグル。
(;ФωФ)「す、すまないビーグル。」
▼・ェ・▼「気にするな。」
普段は仲が悪いこの二人は実はまっとうなライバル関係でいつも切磋琢磨してきた中なのだ。
▼・ェ・▼「とりあえず貴様はおちt
ドスッドスッ
▼;・ェ・▼「がぁ!」
('A`)「これは夢。夢だ。」
ブツブツ言いながら二人をメッタ刺しにする。
▼;・ェ・▼(;ФωФ)「ちょっと待って……」
ギャァァァァ
146
:
名無しさん
:2018/08/19(日) 11:33:51 ID:JrSZlQPY0
十数分後
ヴィプトラ警備隊の三人が到着する。
( ^ω^)「いいか二人とも、これから敵の本拠地に行く。」
( ^ω^)「警戒を怠るなよ!」
(,,゚Д゚)「まかせろ!」
_
(;゚∀゚)「よ、よし、やるぞう……。」
腰の光線銃構えてペットショップに突入する。
( ^ω^)「全員手を上げろ!!」
( ^ω^)「!!」
▼ ェ ▼( ω )
そこには二体の星人が息絶えていた。
二人とも鋭利な刃物で切り刻まれていた。
_
(;゚∀゚)「な、何があったんだ?」
(,,゚Д゚)「仲間割れでも起こしたか?」
その後の調査でこの二体が今回の事件の首謀者であることが分かった。
そして仲間割れを起こして共倒れという結論に至る。
147
:
名無しさん
:2018/08/19(日) 11:34:17 ID:JrSZlQPY0
ξ゚⊿゚)ξ「かぁー。なんだかねぇ今回の事件。」
(,,゚Д゚)「ん?どうした?」
ξ゚⊿゚)ξ「猫の星人と犬の星人が今回の犯人だなんてね。」
ξ゚⊿゚)ξ「犬の星人だけならよかったのに。」
_
( ゚∀゚)「いいかいツンヌ。猫か犬かどちらか一方じゃなくて自分の好きな方の好きなとこだけ見ればいいんだ。」
_
( ゚∀゚)「それでたまにはもう片方のよさそうなところを見てあげればいつか分かち合えるはずさ。」
ξ゚⊿゚)ξ「チッ」
('A`)「優柔不断ヤローが。」
_
(;゚∀゚)「え?」
('A`)(クソ、ツンヌに毛をそぎ落とされてからついさっきまでの記憶がない)
('A`)(なんという失態だ)
('A`)「まあいい。ツンヌ!いずれこの決着はつけてやるぞ!」
ξ゚⊿゚)ξ「いいだろう。いつでもかかってきな。」
( ^ω^)「ふぅー。パトロール行ってきました!」
爪'ー`)「ご苦労。」
148
:
名無しさん
:2018/08/19(日) 11:34:40 ID:JrSZlQPY0
爪'ー`)「だがその荷物は何だ?」
( ^ω^)「いやー途中で腹減っちゃってお菓子買って来ました。」
( ^ω^)「どうぞ隊長。」
そうやってみんなに配りあとはドクオとツンヌのみとなった。
( ^ω^)「あと二つ、好きな方取ってくれ。」
そう言ってきのこの山とたけのこの里を見せる。
('A`)「おいおいブーン!そんなの一択だろ!」
('A`)「なんできのこの山と豚のえさが一緒の扱いなんだよ!」
ξ゚⊿゚)ξ「テメーその面だけじゃなくて舌もイカレてんのかよ。」
ξ゚⊿゚)ξ「きのこの山とか正気か?」
ξ゚⊿゚)ξ「病院で治療してもらって来いよ。その顔面も一緒に。」
('A`)「はー、このお嬢さんは少数派ということで喧嘩を売ることでしかアイデンティティを証明できないとは。」
('A`)「なんと哀れな少女でしょうか。」
('A`)「救いの手を差し伸べてあげましょう、これをお食べなさい。」
149
:
名無しさん
:2018/08/19(日) 11:35:02 ID:JrSZlQPY0
ξ゚⊿゚)ξ「宗教じみたことやり始めやがって。」
ξ゚⊿゚)ξ「こんなゲロ以下のものにすがらないといけないなんて、きのこの山好きはなんと救いのない人種だ。」
ξ゚⊿゚)ξ「あの世で後悔してろ。」
(#'A`)「ジョルジョ!言ってやれ!!」
_
( ゚∀゚)「うーむ、俺どっちも好きなんだが。」
_
( ゚∀゚)「気分次第で食べ分けるとかどう?」
ξ#゚⊿゚)ξ「カァーッぺッ!」
(#'A`)「優柔不断ヤローが!」
_
(;゚∀゚)「……。」
爪*'ー`)「俺はアルフォードが好きだよ。」
ξ゚⊿゚)ξ「聞いてねぇよ。」
('A`)9m「部外者は黙ってろ。」
爪;'ー`)「……。」
(,,゚Д゚)「アホらし。」
( ^ω^)「まったくだ。」
第五話『あなたはどっち』
終わり
150
:
名無しさん
:2018/08/19(日) 11:35:42 ID:JrSZlQPY0
今回は以上です。
いつもコメントなどありがとうございます。
151
:
名無しさん
:2018/08/19(日) 13:19:57 ID:CZKPJAoU0
ツンクズな上に猫派でタケノコ派とかもう救いようねぇな
乙
152
:
名無しさん
:2018/08/19(日) 15:18:24 ID:kIJ2LV5k0
対立煽りはマジ害悪
153
:
名無しさん
:2018/08/19(日) 15:43:58 ID:vVEPKwfc0
おつ
あれ?ドクオ何気に強くなってね?
敵二体を一方的に殺戮してるし
154
:
名無しさん
:2018/08/19(日) 23:20:39 ID:Xi32j1XY0
>>152
でもキノコってあんまり美味しくないよね
ビスケットにチョコ乗せただけだしタケノコと違って他でも食べられる味
タケノコ味はタケノコでしか得られない唯一無二のもの
そこが大きく違うね
155
:
名無しさん
:2018/08/20(月) 18:28:50 ID:hBgG6YBw0
ドクオがサイコ過ぎる
乙
156
:
名無しさん
:2018/08/29(水) 12:19:55 ID:D/8q.6A.0
第六話『隣人は宇宙人』
俺の名前は佐藤裕也。
四月からVIP大学に入学したばかりの大学生。
実家は田舎も田舎な地方の港町。周りに遊べるところもないつまらない街だ。
そんな田舎が俺は嫌いだ。だから地元の友達を置いて一人で都会に出てきた。
奨学金を貰いバイトをすれば一人暮らしでも十分だと思っていたが、結局親からの仕送りが必要だった。
本当は嫌だったがオヤジに頭を下げて仕送りをしてもらう。
親父は最後まで俺の大学進学に反対した。どうも俺に跡を継がせて漁師にしたいらしい。
ダメだの一点張りだ、どうしてダメなのか一切言わない。本当に面倒な奴だ。大っ嫌いで仕方ない。
こんな田舎の港町で一生を終えるなんて御免だ。
そう言った反対を押し切って俺は今、都会にいる。
都会はいい。ここに何でもある。そして常に時代の最先端を行っている。
Fラン大学ではあるが来たかいがあった。
157
:
名無しさん
:2018/08/29(水) 12:20:20 ID:D/8q.6A.0
友達A「なんだピャー、お前この後の講義ちゃんと出るのか?」
(`ェ´)「ああ、やっぱこういうのはちゃんと出ないと。」
友達B「じゃぁ俺たちの分も出席用紙に名前書いといて。」
友達C「お前何気にまじめ君だよなwww」
(`ェ´)「まかせとけ。」
友達A「よろしくー。」
そう言って友人たちは講義をサボり遊びに出て行った。ピャーというのは俺のあだ名だ。
確かに次の講義は数回サボったところで単位を落とす恐れはない。
それどころか出席用紙に名前さえあれば課題もなくそれだけで出席扱いになる。名前だけ書いて教室を抜け出す奴もよくいる。
たとえ役に立たないような講義でもしっかり出るべきだろ。そう思いながら渋々みんなの名前を書く。
(`ェ´)「はぁ。」
大学に入って友達はできた。
だがそれは何となく表面だけの友達のような気がした。
確かに一緒にいて楽しいがいざって時にみんなは俺のことを助けてくれるのか、不安になるときがある。
(`ェ´)「今日の講義はこれで終わりか。」
158
:
名無しさん
:2018/08/29(水) 12:20:44 ID:D/8q.6A.0
一人寂しく大学を後にして近場のバイト先のホームセンターに向かう。
そこで品出しやレジなどのバイトをしている。平日は毎日夕方から閉店まで。土日はどちらか一日。
その日のバイトが終わりアパートまでの帰路に就く。時間にして8時過ぎ頃だ。
(`ェ´)「今日はちょっと早いな。」
(`ェ´)「コンビニで時間をつぶすか。」
近くのコンビニに入りすでに一度読んだことがある漫画雑誌をもう一度読む。
チラリと時計を見ると二十分ほど経っていた。頃合いの時間だな。
時間をつぶしていたのは理由がある。毎日この時間にアパートに着く。これが狙いだ。
そこそこ古いアパートに着く。二階建ての計六部屋。ここの二階真ん中の部屋が俺の住んでいるところだ。
鉄の階段を上がると手前の部屋で一人の女性がドアを開けようとしていた。
(*`ェ´)「こ、こんばんわ!」
どもりながら挨拶をする。
ζ(゚ー゚*ζ「あら、こんばんわ佐藤くん。」
159
:
名無しさん
:2018/08/29(水) 12:21:29 ID:D/8q.6A.0
そのとても美しい女性は西川デレさんだ。近くの花屋さんで働いているらしい。
にこりと笑いながら挨拶をしてくれる。
こんなきれいな人がお隣で何と幸せなことだろう。
(*`ェ´)「毎日こんな時間までお仕事、お疲れ様です!」
ζ(゚ー゚*ζ「フフ、ありがとう。」
ζ(゚ー゚*ζ「でも佐藤くんも大学にアルバイトにで毎日大変でしょ。」
(*`ェ´)「いえ、毎日が楽しいんでそんなことないです!」
ζ(゚ー゚*ζ「元気があって羨ましいな!私も頑張んないとね!」
ζ(゚ー゚*ζ「それじゃぁおやすみなさい。」
(*`ェ´)「はい!おやすみなさい!」
お互い自分の部屋に入る。
毎日どんな嫌なことがあってもデレさんと会話できればすべてが吹き飛ぶ。
(*`ェ´)「はぁ。」
デレさんって彼氏さんとかいるのかな?そんなことばかり気になってしまう。
だが気になることはもう一つある。もう一つのお隣さんだ。
ここに引っ越してからまだ一度も会ったことがないのだ。
160
:
名無しさん
:2018/08/29(水) 12:21:58 ID:D/8q.6A.0
表札には『宇宙 人』とだけ書いてある。どう考えても怪しさMAXだ。
だがデレさんは何度も会っているそうでいい人だという。
男の人らしいがいったいどんな人なのだろうか。本当に宇宙人ということはないな。
流石に同じアパートで宇宙人が別々に部屋を借りるということはないだろう。
というのも実はこの部屋は前の借りていたやつが地球を侵略に来ていた宇宙人だったらいい。
そのおかげでこの部屋は家賃が一万円で済んでいる。だから流石にまたということはないだろう。
そんな日が何日か続いたある日のこと。
その日は珍しく、いつもの時間だがデレさんがいない。
今日は仕事が長引いたのかな?そんな日もあるだろう。
そう思いながら自分の部屋のドアに手をかけると奥の部屋で音がした。
(`ェ´)「あ、どうもこんばんわ。」
どうやらお隣さんがいたようなので挨拶をしておく。
どんな人なのだろうと目を凝らしてそちらの方に目を向けた。
≫(‘♀’)≪「どうもこんばんわ。」
返事を返してきたそれはチョウチンアンコウの宇宙人だった。
(`ェ´;)「ファッ!?}
あまりの出来事で身動きが取れない。
なんとかヴィプトラ警備隊に連絡しなくては……。
161
:
名無しさん
:2018/08/29(水) 12:22:39 ID:D/8q.6A.0
≫(‘♀’)≪「どうしたんだ?大丈夫か君?」
そう言いながら近づいて来る宇宙人。
ビビって声すら出ない。
(`ェ´;)「ひぃ…くるなぁ……」
そんな時、誰かが階段を上がってくる音がした。
デレさんだった。
ζ(゚ー゚*ζ「こんばんわ佐藤くん。あら、人さんもいるじゃない。」
≫(‘♀’)≪「ああ、デレさんこんばんわ。」
(:`ェ´)「へ?」
≫(‘♀’)≪「急にこの子が固まってしまってね。どうしたもんか。」
ζ(゚ー゚*ζ「フフ、それは人さんを始めて見た人はそうなりますよ。」
(:`ェ´)「???」
それからデレさんから説明を受けた。
どうやら宇宙(ウチュウ)人(ジン)と名乗る宇宙人は故郷の星を失い宇宙難民となって、たまたまこの地球を見つけたらしい。
そしてこの地球を第二の故郷として暮らしているらしいのだ。
(`ェ´)「そんなのウソに決まってるじゃないか!」
声を荒げて訴える。
侵略者がはいそうですというはずがない。
そうやって地球に侵入して侵略作戦を開始するに決まっている。
162
:
名無しさん
:2018/08/29(水) 12:23:02 ID:D/8q.6A.0
ζ(゚ー゚*ζ「私は少し前にある宇宙人に助けられたことがあるの。」
ζ(゚ー゚*ζ「だから全ての宇宙人が敵ではないことを知ってる。」
ζ(゚ー゚*ζ「その宇宙人と人さんは同じ感じがするの。だから私は人さんを信じるよ。」
まったくもって根拠のない話だ。
もし違ったらどうするのだろうか。
でもデレさんがいうなら……
(*`ェ´)「デ、デレさんがいうなら俺も信じるよ!」
ζ(゚ー゚*ζ「ありがとう佐藤くん。」
≫(‘♀’)≪「……。」
≫(‘♀’)≪「すまないねぇ佐藤くん。こんな魚臭い隣人だけどよろしく頼むよ。」
(`ェ´;)「は、はい……。」
≫(‘♀’)≪「……。」
ζ(゚ー゚*ζ「それじゃぁ二人ともおやすみなさい。」
そう言ってデレさんは自分の部屋に入っていった。
163
:
名無しさん
:2018/08/29(水) 12:23:38 ID:D/8q.6A.0
得体の知れない奴と残されてしまった。
デレさんの手前信じるとは言ったが正直どうも……
≫(‘♀’)≪「なあ佐藤くん。」
(`ェ´;)「な、なんです?」
≫(‘♀’)≪「君もデレさんのことが気になるのかい?」
(`ェ´;)「え?!い、やそんなことは……」
慌てて否定する。なんでそんなことがわかるのか。
≫(*‘♀’)≪「実はお恥ずかしながら私もデレさんのことが……ね。」
≫(*‘♀’)≪「あんな美しい女性はこの宇宙でもそうはいないよ。」
(`ェ´)「あんた宇宙人だろ?人間に欲情すんなよ。」
≫(‘♀’)≪「種族を超えても愛というのはあるのだよ。」
(#`ェ´)「デレさんには指一本触れさせないぞ!」
≫(‘♀’)≪「ハハハ、やはり気があるんじゃないか。どうやら私たちは同じ価値観の同士じゃないか。」
≫(‘♀’)≪「さて、私も今日はもう寝るとするよ。おやすみ。」
(`ェ´;)「……。」
こうして俺と奇妙な隣人との生活が始まった。
164
:
名無しさん
:2018/08/29(水) 12:24:06 ID:D/8q.6A.0
人さんは料理がすごくうまくてよく晩飯の時にはご厄介になった。とくにアンコウ料理が得意ようだ。
そこにはデレさんも来てよく三人で食事をした。
その時に人さんとは良く話した。人さんのことについて。
(`ェ´)「なあ人さん、そろそろ本当の名前を教えてくれよ。人ってのが本名じゃないだろ?」
≫(‘♀’)≪「教えてもいいけどどうせ発音できないぞ。」
≫(‘♀’)≪「いいかい、私の本当の名前は『―――』っていうんだ。」
(`ェ´)「???」
(`ェ´)「いまなんて?」
≫(‘♀’)≪「だから言ったろ人間には発音できない言語だから。」
そんなことから
(`ェ´)「人さんの星ってどんな星なの?」
≫(‘♀’)≪「星のほとんどは海に覆われていたけど、この地球よりはるかに進んだ文明を持っていたよ。」
ζ(゚ー゚*ζ「やっぱり海の中で生活してたんですか?」
≫(‘♀’)≪「そうだね。陸でも生活できるんだけどやっぱり海の中が落ち着くな。」
(`ェ´)「じゃぁ地球でチョウチンアンコウを見たらびっくりしたでしょ!しかも地球人は食べるし。」
≫(‘♀’)≪「いや、私の星でも地球と同じように魚のチョウチンアンコウはいたよ。」
(`ェ´)「なるほど、こっちで言う人間とサルみたいなもんか。」
≫(‘♀’)≪「まぁ、地球のように食用にはできなかったけどね。」
ζ(゚ー゚*ζ「え、それだとこっちに来て食べるようになったんですか?!」
165
:
名無しさん
:2018/08/29(水) 12:25:01 ID:D/8q.6A.0
≫(‘♀’)≪「ハハハ、それが私の星では地球のように国がいくつも別れておらず、一国だったんだがチョウチンアンコウを食べる食べないで国が割れてね。」
≫(‘♀’)≪「長年それで戦争が続いたものだよ。最終的に和解してまた混乱が起きないようにその手の議論が禁止されたけどね。」
ζ(゚ー゚*ζ「何だか変な話ですね。」
(`ェ´)「おいおい、進んだ文明のくせにだいぶアホなことで争ってんじゃん。」
≫(‘♀’)≪「本当、あいつも食べておけば死なずに済んだのに。」ボソッ
(;`ェ´)「え?」
≫(‘♀’)≪「まぁそれが8百億年続いた私の星の汚点ではあったけどね。」
(`ェ´)「8百億年??」
(`ェ´)「宇宙が誕生したのは百億年くらい前じゃなかったか?その前に星があるわけないでしょ人さん。」
≫(‘♀’)≪「ハハハハハ」
≫(‘♀’)≪「それは地球の化学が全然進んでいないからだよ。」
≫(‘♀’)≪「我々の文明の研究では数百兆年前だと考えられていたよ。」
(;`ェ´)「数百兆年前って…」
ζ(゚ー゚*ζ「何だか気が遠くなりそうな数字ですね。」
≫(‘♀’)≪「それも確かではないんだけどね。」
≫(‘♀’)≪「宇宙には寿命が数十億あるような宇宙人もいるんだ。そもそもが一番発達した文明の星ですらこの宇宙のことはほとんどわかっていないんだ。」
(`ェ´)「なんだよそれじゃぁ地球の馬鹿にしてるくせに大差ないじゃないか。」
166
:
名無しさん
:2018/08/29(水) 12:25:36 ID:D/8q.6A.0
≫(‘♀’)≪「そうなんだよ。この宇宙のほとんどの星は自分達こそが一番だと思っている。」
≫(‘♀’)≪「だから自分たちより遅れている文明は未開な星だとあざ笑い、進んでいる星にはほんの少し先にいるからっていい気になるなって嫉妬する。」
≫(‘♀’)≪「そんな物なんだ。」
ζ(゚ー゚*ζ「……。」
(`ェ´)「……。」
≫(-♀-)≪「私の星もそうだった。自分たちの星が滅ぼされるはずがないと思い込んでいた。」
≫(‘♀’)≪「宇宙連盟でもそれなりの地位についていたからね。」
≫(‘♀’)≪「ところがある日、メテオールというすさまじいエネルギーを秘める鉱石が大量に埋蔵されているという調査結果が出たんだ。」
≫(‘♀’)≪「そのメテオールって代物が大量に保有したものがこの宇宙を制すようなものでね。」
≫(‘♀’)≪「自称宇宙の正義の味方や宇宙連盟の星々が私たちの答えも聞かず星を解体し始めたんだよ。数日もかからなかったかな。」
≫(‘♀’)≪「あっという間に星が粉々さ。急すぎて人口の一割も脱出できなかったよ。」
≫(-♀-)≪「……。」
ζ(゚ー゚*ζ「人さん……。」
≫(‘♀’)≪「笑ってしまう話があってね。結局調査結果は間違っていてまったくメテオールは埋蔵されていなかったんだよ。」
≫(‘♀’)≪「ハハ、笑っちゃうだろ。自分たちは高度な文明を持っているってふんぞり返っていたらある日突然滅ぼされて。」
≫(‘♀’)≪「この通り宇宙難民さ。」
(;`ェ´)「ま、まぁ命があって何よりじゃん…。」
167
:
名無しさん
:2018/08/29(水) 12:25:58 ID:D/8q.6A.0
≫(‘♀’)≪「この星に来るまでも大変だったよ。」
≫(‘♀’)≪「宇宙難民ってのはどの星も扱いが厳しくてね。受け入れられても一生監視がつくし種を増やすことは許されないんだ。」
≫(‘♀’)≪「一人でも逆らえばみんなまとめてお陀仏さ。」
ζ(゚ー゚*ζ「そんなひどい!」
≫(‘♀’)≪「それが宇宙では当たり前なんだよデレさん。みんな侵略者だと思っているからね。」
≫(‘♀’)≪「受け入れる理由もただ単に自分たちがどれだけ寛容かをアピールするためさ、優しさからじゃないんだ。」
≫(‘♀’)≪「だから助けたつもりじゃないんだ。」
≫(-♀-)≪「そうやっていろんな星を渡り歩いてここを見つけたよ。」
≫(‘♀’)≪「私一人になってしまったがね、ハハ。」
(`ェ´)「……。」
そう言う人さんの眼は悲しみであふれていた。
ここに来るまでに失った人の中には人さんにとって大切な人もいたはずだ。
その人たちの分も生きようとしているのだろう。
168
:
名無しさん
:2018/08/29(水) 12:26:29 ID:D/8q.6A.0
ζ(゚ー゚*ζ「ここは人さん、あなたにとってのもう一つの故郷です。」
ζ(^ー^*ζ「何かあったら私に言ってください!力になりますよ!」
≫(*‘♀’)≪
(*`ェ´)
眩しいくらいの笑顔だった。
(*`ェ´)「俺も力になるぜ人さん!」
≫(‘♀’)≪「ありがとう二人とも!二人に出会えて本当によかったよ。」
そんな感じで盛り上がりながら人さんお手製のあんこう鍋を食べる。
(*`ェ´)「うっまーい!」
ζ(゚ー゚*ζ「本当、美味しいですよ!人さんの料理!」
≫(‘♀’)≪「当然ですよ!デレさんのために作ったんですから!」
(;`ェ´)「あれ?俺は?」
≫(‘♀’)≪「君はついでかな。」
「なんだよそれ!」
「フフフ」
「ハハハハハ!」
正直今までの人生で一番楽しい一時だった。
そして人さんとは初めて出会う心から通じ合える親友だと感じた。
パチンコに行けば勝った方が晩飯を奢りあったりした。
ほとんどが両方負けて人さんの行きつけの居酒屋でやけ酒を飲んだ。
169
:
名無しさん
:2018/08/29(水) 12:26:57 ID:D/8q.6A.0
(`ェ´)「ていうか人さんバイトしてたのかよ!よく宇宙人だとバレないね。」
≫(‘♀’)≪「水族館でバイトしとるんだがみんな着ぐるみ着てると思ってるよ。」
(`ェ´)「居酒屋のおっちゃんもそうだけどなんでそれで通るの?!」
≫(‘♀’)≪「これが人徳のなせる技かな?」
(`ェ´)「技っていうか……納得できないな。」
(`ェ´)「実は催眠術とか使えるんじゃない?」
≫(‘♀’)≪「そんな能力あればこんなオンボロアパートに住んでないよ。」
(`ェ´)「まあそうか。でも家賃一万なんてそうそうないよな。」
≫(‘♀’)≪「一万?私は二万だが……。」
(`ェ´)「安くなってるのは俺だけか。何でも前の住人が宇宙人だったらしくてね、そのおかげで安くなったんだよ。」」
≫(;‘♀’)≪「な……」
≫(#‘♀’)≪「それなら私も大家さんと話し合ってくる!宇宙人が住んでたら安くなるんだろ!!」
(;`ェ´)「落ち着けって自殺行為だろそれ。」
≫(#‘♀’)≪「君に負けていられない!」
人さんは変なところで負けず嫌いだ。
≫(#‘♀’)≪「私に勝ったと思うなよ!最後に勝つのはこの私だ!!」
(`ェ´)「……。」
170
:
名無しさん
:2018/08/29(水) 12:27:30 ID:D/8q.6A.0
(`ェ´)「話を戻すけど、人さんて人間にない特殊な能力とかないの?」。」
≫(‘♀’)≪「巨大化くらいかな?」
≫(‘♀’)≪「あ、でもこの頭のチョウチンの触手には……」
ζ(゚ー゚*ζ「こんばんわ二人とも。」
玄関先で話しているとちょうどデレさんも帰ってきたようだ。
≫(*‘♀’)≪(*`ェ´)「こんばんわデレさん!」
≫(*‘♀’)≪「そうだデレさん、この前見たい映画があるって言ってませんでしたか?」
ζ(゚ー゚*ζ「ええ、今話題のアメリカンヒーローVSジャパンヒーローがすごく気になってまして。」
≫(*‘♀’)≪「どうです、今週の土曜日にでも二人で行きませんか?」
(;`ェ´)「!?」
しまった出し抜かれた。
ζ(゚ー゚*ζ「ごめんなさい、土曜日は予定が……。」
≫(;‘♀’)≪「そうですか。」
(*`ェ´)「なら日曜日に俺と二人で行きませんか!」
ζ(゚ー゚*ζ「その…土日泊りで出かけるのでごめんなさい。」
≫(;‘♀’)≪(;`ェ´)「!?」
(;`ェ´)「そ、そうですか……。」
ζ(゚ー゚*ζ「また今度三人で遊び行きましょうね。それじゃおやすみなさい。」
≫(;‘♀’)≪(;`ェ´)「おやすみなさい。」
≫(;‘♀’)≪(;`ェ´)「……。」
言葉を交わさなくても目を見ればお互いに考えていることが分かった。
『土曜日に後をつけて野郎かどうか確認するぞ』
我々のデレさんに手を出す奴は許さない!
土曜日、日も登らないうちから玄関で待機してデレさんが出発するのを待つ。
朝7時ごろデレさんが階段を降りる音がするのでそっと後をつけていく。
171
:
名無しさん
:2018/08/29(水) 12:29:38 ID:D/8q.6A.0
(;`ェ´)(正直、人さん目立つのでは?)
≫(‘♀’)≪(なぁにあえて堂々としていれば逆に目立たないものだよ)
≫(‘♀’)≪(私の経験談からね)
(;`ェ´)(そうですか……)
そうやって後をついていくとデレさんは駅に入っていった。
どの電車に乗るのだろうか、そう考えている時に人さん誰かとぶつかった。
ξ゚⊿゚)ξ「痛いわねあんた!どこに目ぇつけてんのよ!!」
≫(;‘♀’)≪「す、すみません。ちょっとよそ見してましてね。」
ξ#゚⊿゚)ξ「テメー不細工な面しやがって!もう少し周りに気ぃ使えや!」
めんどくさそうな輩に絡まれてしまった。
≫(;‘♀’)≪「ごめんなさい。」
(;`ェ´)「……。」
(゚、゚トソン「まぁまぁツンヌ、相手さんも謝ってることだしさ。」
ξ#゚⊿゚)ξ「チッ」
(゚、゚トソン「でもまぁあんたが約束の時間に間に合いそうってんのも中々ないよね。」
ξ゚⊿゚)ξ「今回は割と簡単に外泊許可が貰えったからね。」
(゚、゚トソン「あんたの上司には同情するよ。」
ξ゚⊿゚)ξ「?」
ξ゚⊿゚)ξ「おっと、集合時間まであと少しじゃん。早くいこトソン。」
(゚、゚トソン「はいはい。」
ξ゚⊿゚)ξ「それと魚面のテメー!」
≫(;‘♀’)≪「!」
ξ#゚⊿゚)ξ9m「次はねぇぞ!」
≫(;‘♀’)≪(;`ェ´)「……。」
そう言ってその恐ろしい輩はどこかに行ってしまった。それと同時に完全にデレさんを見失ってしまった。
仕方ないので野郎二人で映画を見に行きいつもの居酒屋へ。その後デレさんに聞いたら女友達でネズミーランドに行ってきたらしい。
本当かな?
172
:
名無しさん
:2018/08/29(水) 12:30:12 ID:D/8q.6A.0
そんなこともあったが人さんといると本当に楽しかった。
大学の友達よりも信頼できる。
いや、地球人と宇宙人といったこと関係ない本当の友達なんだと思う。
そんな日々がずっと続くと思っていた。
ある日の大学で講義が終わった後いつものメンバーで話していると誰かの家で焼肉パーティーしようということになった。
友達A「じゃあさ、ピャーの家でやろうぜ!」
(`ェ´)「別にいいけど。」
友達B「お隣にすげぇ美人さんがいるんだっけ?」
(`ェ´)「あぁ。でも俺たちなんて眼中にないと思うぜ。」
友達B「それを落とすのが腕の見せ所だろ。」
友達C「よっしゃwww!焼肉パーティーだwww!」
その日はバイトも休み食材と酒を買いみんなで俺の家に行く。
準備も整いあとは焼くだけだ。
そんな時に友達Cが聞いてきた。
友達C「そういえば一番奥の部屋の表札に『宇宙 人』ってあったけどどんな奴が住んでんの?」
友達A「『宇宙 人』?なんだそりゃ?」
友達B「やべーじゃんwwwヴィプトラ警備隊呼ぶかwww」
どうやらみんな人さんに興味津々なようだった。
そんなに気になるならみんな合わせてやるかな。人さんも新しい友達欲しいだろうしな。
それは余計なお世話だったことにその時の俺は気づくことができなかった。
173
:
名無しさん
:2018/08/29(水) 12:30:50 ID:D/8q.6A.0
(`ェ´)「個性的な人だけどいいひとだよ。みんな会ってみるか?」
友達C「いいねぇ会おうぜwww何なら一緒に焼き肉食べようぜwww」
みんなで人さんの部屋の前に行きおれがドアをノックする。
(`ェ´)「人さんいる?」
そう声をかけると人さんが出てきた。
≫(‘♀’)≪「何だい佐藤くん?」
(`ェ´)「いやぁ、大学の友達が人さんも焼き肉一緒に食べないかってさ。」
そう言いながらみんなの方に振り返る。
友達C「あ…あぁ……」
友達A「う…宇宙人だぁぁあ!!!」
友達B「ヤベー!!ヴィプトラ警備隊呼べ!!ヴィプトラ警備隊!!」
174
:
名無しさん
:2018/08/29(水) 12:31:15 ID:D/8q.6A.0
≫(‘♀’)≪「「!?」
みんな騒ぎ出した。友達Cは腰を抜かし、友達Bはすぐさまスマホを取り出して電話をしようとしている。
(;`ェ´)「い、いやみんな落ち着けよ。人さんは悪い奴じゃないからな……」
必死に弁解しようとするがみんな聞く気がない。
その時、普段少し威張っている友達Aが人さんの前に立ちはだかる。
友達A「みんな早く逃げろ!」
友達A「おおおおお!来るなら来い!あ、相手になってやる!」
額は冷や汗が滲め出て足は震えているし腰も引けているが必死に人さんを威嚇する。
友達B「お、おぉ」
友達Bが俺と友達Cの服をつかむと無理やり下の駐車場まで運ぶ。
駐車場まで逃げたのをを見た友達Aも一目散に逃げていく。
prrr
友達B「早く出てくれぇ!」
175
:
名無しさん
:2018/08/29(水) 12:31:41 ID:D/8q.6A.0
prrr
(,,゚Д゚)「こちらヴィプトラ警備隊作戦室。どうされました?」
友達B「宇宙人が出たんです!!助けてください!!」
(,,゚Д゚)「なんだって!?場所は?」
友達B「場所は○○地区の××アパートです。」
(,,゚Д゚)「よし分かった。君は早く安全な場所に避難しなさい。」
(,,゚Д゚)「隊長、○○地区の××アパートに宇宙人が出現したようです。」
爪'ー`)「○○地区は今ブーンとドクオがヴィプンターでパトロール中だったな。至急向かわせろ!」
爪'ー`)「ギコとジョルジョはヴィプトラホーク1号で出動!」
_
( ゚∀゚)(,,゚Д゚)「了解!」
176
:
名無しさん
:2018/08/29(水) 12:32:21 ID:D/8q.6A.0
友達C「なんで宇宙人があんなとこにいるんだよ。」
友達B「もうすぐでヴィプトラ警備隊が来てくれるぞ。」
友達A「こえぇよ、はやくきてくれ……。」
(;`ェ´)「ああ、なんてことを……。」
アパートに行こうとする俺の手を友達Aがつかむ。
友達A「おい、どこに行くつもりだよ。」
(`ェ´)「はなしてくれ!俺は人さんに謝らないと!」
友達A「何言ってるんだ!あいつは宇宙人だぞ!」
無理やり手を振りほどき人さんの元に向かう。
友達A「おいピャー!!」
友達B「まさかピャーのやつ洗脳されてるんじゃ……」
友達C「マジかよ!やべーぞそれ!」
友達たちは追えるほどの勇気はもうなかった。
177
:
名無しさん
:2018/08/29(水) 12:32:45 ID:D/8q.6A.0
(;`ェ´)「はぁはぁ……」
(;`ェ´)「人さん、ごめん俺のせいで!」
≫(‘♀’)≪「いいんだ佐藤くん。」
≫(‘♀’)≪「きっと遅かれ早かれこうなっていたさ。」
(;`ェ´)「でも!」
≫(‘♀’)≪「なぁに今まで佐藤くんやデレさんのおかげで楽しく過ごせていたから十分さ。」
(;`ェ´)「そうだ!俺とデレさんでヴィプトラ警備隊に人さんが侵略者じゃないことを説明すればいいんだ!」
≫(‘♀’)≪「……。」
≫(-♀-)≪「それは無理だよ佐藤くん。」
(;`ェ´)「どうして?!」
≫(‘♀’)≪「それができないことは彼らヴィプトラ警備隊が一番よくわかっているよ。」
≫(‘♀’)≪「もし彼らが私のことを宇宙難民だと地球に受け入れたとして、この星を狙う侵略者はそれを見逃さないだろう。」
≫(‘♀’)≪「侵略者は私と同じように偶然この星に流れ着いた宇宙難民と主張するだろう。」
≫(‘♀’)≪「私という前例がある以上受け入れるしかない。そうなったらあとは簡単だ。」
≫(‘♀’)≪「地球人の目を盗んでゆっくりと侵略作戦を進行するだけさ。」
178
:
名無しさん
:2018/08/29(水) 12:33:12 ID:D/8q.6A.0
(;`ェ´)「そんなの可能性の話だろ!?」
≫(‘♀’)≪「その可能性がある以上この地球を守る彼らはその決断ができないのさ。」
≫(‘♀’)≪「たった一つの判断ミスで星なんて簡単になくなってしまうよ。」
(;`ェ´)「そんなのあんまりだ……」
≫(-♀-)≪「いいかい佐藤くん、この宇宙では優しさとは欠点なんだ弱さなんだよ。」
≫(‘♀’)≪「相手にやさしくするというのは隙を見せること、それを見せればみなそこに付け込んでくる。」
≫(‘♀’)≪「だからこそ私はこの星で佐藤くんやデレさんに会えてよかったよ。」
≫(‘♀’)≪「こんな魚臭い私にやさしくしてくれて本当にうれしかったよ。ありがとう。」
(;ェ;)「人さん……。」
≫(‘♀’)≪「佐藤くんも早くみんなのところに戻りなさい。あまりここにいると後でいろいろ検査されることになるよ。」
(;ェ;)「うぅぅ」
≫(‘♀’)≪「なぁに私は戦闘力は低いが少しは抵抗して何とか逃げて見せるよ。」
(;ェ;)「ごめんよ人さん!!」
泣きながらみんなのところまで走る。
≫(‘♀’)≪「さてやれることはやってみるか。」
179
:
名無しさん
:2018/08/29(水) 12:33:37 ID:D/8q.6A.0
友達A「ピャー!!よかった無事だったか!」
友達B「心配かけやがって!」
友達C「おいあれ見ろ!ヴィプンターだ!!」
ちょうどそこにヴィプンターが到着した。
( ^ω^)「君たち大丈夫か?」
('A`)「ブーン彼らを頼む!」
ドクオはブーンに大学生たちを頼んで単身、宇宙人がいるアパートに突入する。
光線銃を構えて部屋に入るが誰もいない。
('A`)「どこだ!!出てこい腰抜け野郎!!」
ドクオが部屋の中を捜索している時アパートの外が光る。
チョウチンアンコウ型の宇宙人が巨大化したのだ。
('A`)「なに?!くそう!」
とっさに懐からドクトラアイを取り出す。
∞⊂('A`)
(∞)「デュワ!」
180
:
名無しさん
:2018/08/29(水) 12:34:04 ID:D/8q.6A.0
ドクトラセブンも巨大化して応戦する。
チョウチンアンコウの宇宙人に飛び掛かるとすぐさま一本背負いをかます。
ドーンとすさまじい音を立てながら周りの住宅を押しつぶし宇宙人が倒れこむ。
馬乗りになり、何度も殴りつけるドクトラセブン。
(;ェ;)「あぁやめてくれよぉぉ!」
友達ABC「いいぞやれぇ!ぶっつぶせぇ!!!」
そこにヴィプトラホーク1号が到着する。
(,,゚Д゚)「珍しく押してるようだな。」
_
( ゚∀゚)「俺たちの出る幕はなさそうだが一応援護できる位置で待機しておくか。」
(,,゚Д゚)「オーケー!」
(#'A`)「デュワァ」
('A`)(こいつあんまり抵抗してこないな)
('A`)(俺の強さに戦意喪失したか?)
('∀`) ニヤリ
181
:
名無しさん
:2018/08/29(水) 12:34:30 ID:D/8q.6A.0
ドクトラセブンは立ち上がると無理やり宇宙人を起こして担ぎ上げるとブレーンバスターを決める。
すぐさま持ち上げると今度はパワーボムだ。
(#'A`)「ダァー!」
次々と大技を決めていく。
('A`)(そろそろトドメと行くか)
また宇宙人を持ち上げると高々とリフトアップする。そして回転しながら思い切り投げ捨てる。
これがドクトラセブンの必殺、ドクトラハリケーンだ。
高層ビルに突撃してビルを倒しながらピクリとも動かない。
目標が動かないことを確認して必殺のドクトラショットをぶち込む。
あえなく爆発四散する宇宙人。
('∀`)「ふぅ」
ひさしぶりに地球人の前で敵を倒した。しかも初めての完封での圧勝だ。
ご満悦の表情で空に旅立っていくドクトラセブン。
182
:
名無しさん
:2018/08/29(水) 12:34:57 ID:D/8q.6A.0
(;ェ;)「あぁなんでだよぉ……人さんが何したっていうんだ!!」
友達A「大丈夫かピャー?」
( ^ω^)「こりゃぁまずいな。洗脳の疑いがあるぞ。」
友達B「そんな!ピャーは元に戻るんですか?」
( ^ω^)「なんともいえんが、時間をかければ何とかなるかもしれない。」
( ^ω^)「まずはヴィプトラ警備隊の病院に連れていく。」
友達C「ピャー!あんな宇宙人なんかに負けるなよ!!」
友達A「毎日お見舞いに行くからな!」
そうして俺はヴィプトラ警備隊の病院に入院する羽目になった。
病院では毎日いろいろな検査をし、いろいろな薬を投与された。
そして最後に医者が「あの宇宙人と君の関係はどんなものかな?」と聞いてくる。
(`ェ´)「人さんは俺の親友だ!!」
それは曲げられない。だってそれが事実なんだから。
俺がそう言うと医者は険しい表情をしながら去っていく。そんなことが何日も続いている。
どうやらデレさんがきて人さんのことや俺のことを話してくれたらしい。そのせいでデレさんも入院させられそうになったが
『('A`)「何をしている!!デレさんは大丈夫だ!俺が保証する!」』
気持ち悪い顔の隊員が猛反発して事なきを得たらしい。
183
:
名無しさん
:2018/08/29(水) 12:35:24 ID:D/8q.6A.0
('A`)「なあ少年、いつまでここにいるつもりだ?」
('A`)「どうせ大学サボりたいからここで入院してるんだろ?」
( ^ω^)「確かにウチの看護師さんはレベル高いの多いからな。目の保養になるぜ!」
(`ェ´)「人さんは侵略者じゃない!なんでそれがわからないんだ!」
( ^ω^)「こいつは参った。なかなか強力な洗脳を受けたようだな。」
(`ェ´)「なんで人さんはダメでドクトラセブンとかいうのはいいんだよ!」
(`ェ´)「あいつだって侵略者かもしれないだろ!」
(#'A`)「何を馬鹿なことを言っている貴様!彼が侵略者なわけないだろ!!」
('A`)「なぁブーン。」
( ^ω^)「……。」
( ^ω^)「なるほど、確かにその可能性もあるな。」
(;'A`)「!?」
(;'A`)「まてよ冗談だよな?」
( ^ω^)「おいおい、あいつは俺たちの仲間じゃないか。冗談だよ。」
(;'∀`)「だよな!焦ったぜ。」
( ^ω^)(一応隊長に進言しておこう)
(`ェ´)「……。」
検査が終わると隊員たちが心配して毎日来てくれているが正直どうでもよかった。
でも一番つらいのは見舞いに来てくれることだ。
184
:
名無しさん
:2018/08/29(水) 12:36:01 ID:D/8q.6A.0
ζ(゚ー゚*ζ「佐藤くん、辛かったと思うけどもう大丈夫だから早く帰っておいで。」
そう優しく励ましてくれるデレさんを直視することができなかった。
俺のせいで人さんを失うことになってしまって申し訳ない。
友達A「今日も講義の出席簿にピャーの名前書いておいたぜ!」
友達C「びっくりだよな、入院してるやつが出席してんだもんwww」
友達B「課題もピャーの分出してあるから単位は心配するな!」
友達A「だから早く元気になれよ!」
(`ェ´)「……。」
俺の勝手な思い込みだったんだ。
みんな俺を心配してくれている。みんな本当に俺のことを友達と思ってくれていたんだ。
なのに俺が自分で勝手に壁を作っていただけだったんだ。
親父「今日は調子どうだ?」
親父「そう言えば山田君だっけ?裕也の小学校の時の友達。最近結婚したそうだよ。」
(`ェ´)「そう。」
実家からここまでかなり遠いはずなのに毎日見舞いに来てくれる。
今までそんな会話したことなかったくせに無理して何とか会話しようとしているのがまるわかりだ。
ただ単に口下手だけど俺のことが心配で仕方なかったんだろう。だから大学に行くのを反対していたんだ。
(`ェ´)「……。」
(;ェ;)
185
:
名無しさん
:2018/08/29(水) 12:36:29 ID:D/8q.6A.0
涙が止まらなかった。
自分がどれだけ自分勝手な人間か。
どれだけ他人のことを考えていないやつなのか。
自分が情けない。
結局のところ俺は人の外見としか付き合っていなかったのだ。
自分の都合ばかりで他人の中身を見ようとしなかった。
だから外見がすでにぶっ飛んでいた人さんとは中身同士の付き合いができたんだ。
ここを出よう。ここにいても人さんが戻ってくるわけじゃない。
くだらない自分のプライドなんて捨てなくては。
みんなを悲しませる。
きっと人さんも……
医者「あの宇宙人と君の関係はどんなものかな?」
(`ェ´)「……。」
(`ェ´)「彼は侵略者です。俺は洗脳されていました。」
医者「!」
医者「やっと洗脳が解けたようだね、よかったよ。」
ヴィプトラ警備隊が家まで送ってくれることになった。
気持ち悪い顔の隊員がヴィプンターを運転してくれた。
186
:
名無しさん
:2018/08/29(水) 12:36:55 ID:D/8q.6A.0
('A`)「よかったな少年、洗脳が解けて。」
(`ェ´)「はい……。」
ξ゚⊿゚)ξ「カッカッカッ!」
笑いながら俺の肩を叩いてくる。
本人はそんなに強くたたいているつもりはないようだがかなり痛い。
ξ゚⊿゚)ξ「そうか、お前はVIP大学か。つまり私の後輩じゃないか。」
ξ゚⊿゚)ξ「カッカッカッ!」
ξ゚⊿゚)ξ「○○教授はまだ生きてるか?あのジジイ。」
ξ゚⊿゚)ξ「××講義はとっておいた方がいいぞ!あれは出欠も課題もテストもないからな単位余裕だぞ。」
その後も大学での裏技みたいのをいろいろ教えてくれた。
ξ゚⊿゚)ξ「就職においてヴィプトラ警備隊だけはよしておけよ!ブラックだからな。」
ξ゚⊿゚)ξ「カッカッカッ!」
('A`)「しかし、少年のおかげでまたデレさんと再会できてよかったぜ。」
('A`)「今回はしっかり連絡先も聞けたしな。」
ξ゚⊿゚)ξ「おっせーなオイ。」
ξ゚⊿゚)ξ「私は村の時には聞いておいたぞ。」
ξ゚⊿゚)ξ「この前もトソンと三人でネズミーランド泊りで行ってきたしな。」
(;'A`)「な、それなら俺にも連絡先教えてくれればっよかったのに。」
ξ゚⊿゚)ξ「貴様のような金玉に脳みそが詰まっている人種に教えるわけなかろう。」
(;'A`)「ギギギ!」
187
:
名無しさん
:2018/08/29(水) 12:37:30 ID:D/8q.6A.0
そんなこんなしているうちにアパートに着く。
('A`)「ほら着いたぞ。」
ξ゚⊿゚)ξb「後輩よ、何か困ったことがあればこのツンヌさんを頼れよ。」
('A`)「!」
('A`)(そうかこういう時にカッコよくアピールすれば俺のファンが増えるかもしれない)
('∀-)「達者でな少年、頼るのは俺でもいいぞ。」
できる限りのキメ顔でウインクする。
(`ェ´)「……ありがとうございます。」
ペコリとお辞儀をする。
あの女の隊員はいろいろとんでもないことを言っていた気がするがきっと俺を励ますために言ってくれたんだろうな。
運転していた隊員もわざと変顔して笑わして元気を出させようと。
人のやさしさが今はつらかった。
そのあとは重い足取りで階段を上がる。
自分の部屋のドアを開けた。玄関に入ろうとしたときお隣の部屋から誰かが出てきた。
新しい入居人「ああどうも初めましてお隣さん。新しく越してきたものです。」
(`ェ´)「……どうも。」
顔を合わす気力もなかった。
188
:
名無しさん
:2018/08/29(水) 12:37:56 ID:D/8q.6A.0
新しい入居人「何やら大変だったみたいですね。」
新しい入居人「まあおかげでここの家賃8000円になったみたいなんですけどね。」
ハハっと笑いながら話す。
(`ェ´)(人さんに感謝しろよ)
(`ェ´)「そうですか、良かったですね。」
そのまま顔を合わせることなく自分の部屋に入ろうとした。
「まぁ何というか私の勝ちだな!」
(`ェ´)「え?」
慌てて新しい入居人の方を見る。
≫(‘o’)≪「言っただろう最後に勝つのはこの私だって。」
(;`ェ´)「な、なんで!」
≫(‘o’)≪「君に言い忘れていたが私の触手は自分に擬態させることができるんだよ。」
確かにご自慢の触手がなくなっていた。
≫(‘o’)≪「それを巨大化させてデコイのようにして逃げようと思ったら何やらいい感じに一人プロレスしてくれてね。」
≫(‘o’)≪「触手もそのうち元通りになるし本当に助かったよ。」
(;ェ;)「よがった。ほんどうによがっだよ!」
泣きながら人さんと抱き合う。
≫(;o;)≪「おいおい君ももう大学生だろ。そんな泣くんじゃないよ。」
そう言う人さんも泣いていた。
でも本当に生きていてくれてよかった。
ζ(゚ー゚*ζ「!」
ζ(^ー^*ζ(よかったね!二人とも!)
189
:
名無しさん
:2018/08/29(水) 12:38:18 ID:D/8q.6A.0
俺の名前は佐藤裕也。
どうやら隣人との奇妙な生活はまだまだ続きそうだ。
第六話『隣人は宇宙人』
終わり
190
:
名無しさん
:2018/08/29(水) 12:38:40 ID:D/8q.6A.0
今回は以上です。
いつもありがとうございます。
191
:
名無しさん
:2018/08/29(水) 15:21:11 ID:JLcfuWvQ0
乙!
めっっっっっっちゃ良かった
192
:
名無しさん
:2018/08/29(水) 16:08:04 ID:DWv0DGLQ0
一気に読んだ
めちゃくちゃ好き
193
:
名無しさん
:2018/08/29(水) 17:05:20 ID:fFq51UiE0
なんだよ、いい話じゃないか
ツンはクズ
194
:
名無しさん
:2018/08/29(水) 22:00:26 ID:X4ReU0460
佐藤くん、人さん…よかったなぁ (´;ω;`)
195
:
名無しさん
:2018/08/30(木) 08:26:12 ID:Wa/sasqg0
https://i.imgur.com/B8xidGM.png
https://i.imgur.com/xUvUV32.png
196
:
名無しさん
:2018/08/30(木) 17:59:36 ID:meMYhF/s0
なんじゃこりゃ!久しぶりにブーン系来たら、面白い新作始まっているじゃない
ドクオは正義のヒーローになれなかったようですみたいでwktk。続きまってるぞ〜('∀`)
197
:
名無しさん
:2018/08/30(木) 20:51:49 ID:FNqpi9wU0
イイハナシダナー
198
:
名無しさん
:2018/08/30(木) 22:47:50 ID:xuuaQkdg0
いつもコメントや支援などいただきありがとうございます。
今回は支援絵までいただき、本当に感謝です!
ドクトラセブンだけでなくξ゚⊿゚)ξとG師匠のようですの方も支援絵いただけてビックリです。
今後も頑張っていきますのでよろしくお願いします。
199
:
名無しさん
:2018/08/31(金) 00:49:34 ID:WEpzC2TI0
師匠もアンタだったのか
どっちも大好きだよ
200
:
名無しさん
:2018/09/02(日) 17:51:51 ID:dtxykwpQ0
第七話『侵略宗教』
夏の暑さも少し落ち着き、日が落ちるのも早くなってきたころ一人のサラリーマンが帰路についていた。
顔に精気は感じられず、その目はまるで死んだ魚のようだ。
現代では珍しくない社畜の一人。今日も上司に怒られ散々な一日だった。
その上親しい友人はあまりおらず、彼女もいない。なにより碌な趣味もない生きる屍といった方がいい人物だ。
しかし、それすら今の世では珍しいことじゃない。
サラリーマン「はぁ。」
ため息をつきながらいつもの道をいつもの時間にいつものように帰る。
家に帰っても、明日仕事に出てもループしているわけではないのに何も変わらない同じ日を繰り返すだけ。
なぜ自分は生きているのかと考えるが、特に答えが出ることもなく繰り返す毎日。
だがその日は違った。
( ∵)「迷える地球人よ、救いが欲しくはないか?」
サラリーマン「え?」
突然背後から声をかけられ振り返る。
お坊さんのような服装をした人物が立っていたが、その顔は人間ではなかった。
髪の毛や鼻が無く小さな穴のような目と口がポツンとあるだけだ。まるで呪いの人形のような顔。
サラリーマン「な…なんだお前?!宇宙人か!」
サラリーマン「ヴィプトラ警備隊に連絡しなきゃ。」
サラリーマン「えっと…あれ?」
慌ててスマホを取り出そうとするが焦って中々ポケットから取り出せない。
そういうところから日ごろの要領の悪さがうかがえる。
( ∵)「てい!」
201
:
名無しさん
:2018/09/02(日) 17:52:32 ID:dtxykwpQ0
恐ろしく速い手刀を首に撃ち込むと、声も出す暇もなくその場に倒れこむ哀れなサラリーマン。
倒れたサラリーマンを引きずりながら空き家に運んでいく。
サラリーマン「う…」
意識を取り戻し、周りを見渡すと見知らぬ家のようだ。
そして自分の体を見ると何やらいろいろな機械がついた椅子に拘束されているようだ。
( ∵)「気が付いたか地球人よ。」
サラリーマン「な…何をするつもりだ!」
サラリーマン「お願いだ助けてくれ!」
必死で命乞いをする。
( ∵)人「安心しなさい。私はあなたのような救いを求めている地球人を助けに来たのですよ。これから神のお告げがありますから。」
手を合わせながら優しく話しかける。
( ∵)人「身体の力を抜き頭を空にしなさい。」
そう言いながら椅子につながれているリモコンのスイッチを押す。
サラリーマン「あぎゃあぁぁぁ!!」
電流が流れるとともに悲鳴が上がる。
サラリーマン「が…」
しばらくしてから拘束を解きサラリーマンを起こす。
( ∵)「目が覚めましたか?」
サラリーマン「はい。ビコーズ様のおかげでこの世に希望が持てました。」
( ∵)「クックックッ。地球人なんぞこの洗脳装置でみなかわいい信者にしてやる。」
( ∵)「この私を神と崇めるがいい愚かな地球人ども!!」
202
:
名無しさん
:2018/09/02(日) 17:53:10 ID:dtxykwpQ0
それから数日後の日本上空。
ヴィプトラホーク1号がパトロールのため飛行していた。
('A`)「ヴィプトラホーク1号より本部へ、ヴィプトラホーク1号より本部へ。」
爪'ー`)「こちら本部、フォックスだ。」
('A`)「現在P地点上空を飛行中異常なし。どうやら今日も平和そうですよ。」
爪'ー`)「パトロール中は警戒を怠るなよ。」
('A`)「了解。このまま基地へ帰還します。」
本部への報告を済ませて帰路へと進路をとる。
(,,゚Д゚)「うん?なんじゃありゃ?」
一緒に搭乗していたギコが何かに気づき指さす。
空き地で十数名ほどの人間が集まり何かに対して祈りをささげていた。
('A`)「何してんだろ?こんな平日の昼間から。」
(,,゚Д゚)「宗教か何かか?」
('A`)「どっちにしろ平日のこの時間帯に暇そうなことができてうらやましい限りだよ。」
(,,゚Д゚)「それは俺たちが頑張っている証拠だよ。誇りに感じようぜ。」
('A`)「ハハ、それもそうだな。」
それ以上の深追いすることもなく飛び去っていく。
宇宙人の恐るべき侵略が進行しているとも知らず。
203
:
名無しさん
:2018/09/02(日) 17:53:41 ID:dtxykwpQ0
( ∵)(うーむ、一日一人二人信者にする程度ではペースが遅いな)
( ∵)(何かいい案を考えねば)
空き地で信者たちに自分を崇めさせている最中に新たな作戦を考える。
侵略地に来てから考えるなど愚の骨頂である。
もっと前もって用意周到に準備しないと。
そうしている時、空き地の前の道を一人の男性が歩いていた。
この時間にうろついている暇人ならこいつもこの世に希望が見いだせないやつか。
そう思い信者たちに襲わせ洗脳装置にかける。
敏腕プロデューサー「おいお前ら何するんだ?!」
捕まった彼はその業界では凄腕のプロデューサーだ。
彼の手で生まれたトップアイドルは数知れず。
今日は久々の休みでたまには実家に顔を出そうとこの辺を訪れていたのだ。
抵抗もむなしくあっさり洗脳されてしまう。
( ∵)「どうだね君、生まれ変わった気分は?」
敏腕プロデューサー「……。」
敏腕プロデューサー「なるほど俺がやるべきことは今のショックで分かったが、洗脳装置はこれだけか?」
( ∵)「?!」
( ∵)「ああ、これだけだが。」
あからさまにほかの信者たちとは違う何かを感じた。
204
:
名無しさん
:2018/09/02(日) 17:54:07 ID:dtxykwpQ0
敏腕プロデューサー「そうなると少し待て。」
そう言うなり手を顎に当てアゴヒゲをさすりながら数分考え事。
敏腕プロデューサー「じゃぁまずこの辺一帯の一人暮らしの老人に手当たり次第勧誘だ。」
敏腕プロデューサー「それと俺の叔母がこの辺の不動産やってるから一軒家借りて本拠地とするぞ。」
(;∵)「ちょっと!勝手に何言ってるんだ!」
敏腕プロデューサー「信者増やしたいんだろ?ならまずは一人暮らしで金を持っている高齢者に居場所を与えて数を増やす。」
敏腕プロデューサー「奴らはすることなく一人寂しくしているから人の集まる場所、つまりおしゃべりできる空間があれば喜んでくるだろう。」
敏腕プロデューサー「そうして入会料なりなんなりでこっちは金儲け…いや資金調達だ。その金を使い地球侵略をやるんだろ?」
敏腕プロデューサー「若い連中は碌な趣味もなさそうな敗者どもに強引に声をかけて入会。これはトーク力がいるな。」
(;∵)「お、おぉ…」
敏腕プロデューサー「これは俺の知り合いの凄腕営業マンを洗脳してやらせるとして……。」
敏腕プロデューサー「さぁ、みんなやることは多いぞ!」
( ∵)(これはいい人材をゲットできたのでは?)
205
:
名無しさん
:2018/09/02(日) 17:54:44 ID:dtxykwpQ0
凄腕営業マン「そこの方、ちょっといい?」
しょぼくれたサラリーマン「はぁ、なんですか?」
凄腕営業マン「いや、あなたのような幸薄そうな方にいいところがありましてね。」
凄腕営業マン「どうかなおばあちゃん、ここなら毎日みんなとおしゃべりできるよ!」
おばあちゃん「あらそうかい、それはよさそうだね。」
それから数日ほどで十数名だった信者が数百名ほどにも増えた。
敏腕プロデューサー「いやー増えた増えた。」
( ∵)「いい働きでしたよ敏腕プロデューサー、そして凄腕営業マン。」
凄腕営業マン「この程度朝飯前だよ。」
敏腕プロデューサー「だが、教祖様はこれから忙しくなるぞ。説法とか説き聞かせないとな。」
( ∵)「そこらへんは適当にやりましょう。」
敏腕プロデューサー「いいわけないだろ!そう思ってもう知り合いの映画監督を洗脳済みだよ。教祖の振る舞いとしゃべり方などを指導してもらえ。」
敏腕プロデューサー「説法の内容はこれに書いてきたから読んで。」
( ∵)「流石仕事が早いな。」
堅物映画監督「どれではやってもらおうか。」
( ∵)「では。」
( ∵)「―――」
自分なりにできる演技をした。
堅物映画監督も安物のパイプ椅子に座りながら、うんうんと頷きながらそれを見ていた。
説法が終わり堅物映画監督が立ち上がると笑顔でビコーズ星人に近づく。
近づくや否や全力でその顔を殴る。
206
:
名無しさん
:2018/09/02(日) 17:55:09 ID:dtxykwpQ0
( ∵)「え?」
正直人間程度に殴られたところで全く痛くないがびっくりした。
堅物映画監督「なんだこのゴミクズ以下の演技は!!」
怒鳴りつけながら首元をつかむ。その勢いで唾が飛び散る。
堅物映画監督「今時小学生でもこんなひどい演技せんぞ!」
そこから指導が入り何度やり直しても堅物映画監督からのダメ出しは止まらない。
それでも数時間、演技指導は続く。
堅物映画監督「あと一時間したら俺は帰るぞ。」
敏腕プロデューサー「監督さんそう言わずにさ、彼も頑張ってるから。」
すかさず敏腕プロデューサーがフォローに入る。
堅物映画監督「今抱えてる仕事があるんだよ!それわかってんのか!!」
またビコーズ星人をにらみつけながら怒り出す。
(;∵)「す、すみません……。」
堅物映画監督「わかってないだろてめぇ!!こっちは仕事の合間必死に探しておめぇのお遊びに付き合ってやってんだぞ!!」
パイプ椅子を蹴飛ばしながら吠える。
その後も指導してもらいながら最終的に堅物映画監督曰く中学生レベルにはなったらしい。
( ∵)(何かがおかしい)
207
:
名無しさん
:2018/09/02(日) 17:55:56 ID:dtxykwpQ0
それから数日で信者の数は数千人まで増えていた。
だが、その頃には感じていた違和感が確かなものになっていた。
例えばトイレで大きい方をしていた時
(*∵)「ふぅ、スッキリ。」
ガサゴソッ
( ∵)「!?」
トイレの後ろで物音がした。
何事かと思い窓を開けて外を見てみると信者Aが何か茶色いものをゴム手袋で持っていた。それもとても臭そうに。
あれはまさか……私の排泄物?
( ∵)「あなた何をしているのです?!」
声をかけると慌てて逃げていく。
あとを追いかけて問い詰めていると敏腕プロデューサーがやってきた。
敏腕プロデューサー「あ、ついにバレちゃった?」
( ∵)「は?」
今こいつなんて言った?
敏腕プロデューサー「いやさぁ、俺も本当はこんなこと信者に頼みたくなかったんだが、お前商品価値がありそうなもん生産できそうにないじゃん。」
敏腕プロデューサー「だからお前から生み出されるもの必死に探したわけ。そしたらクソしかなくてさ。まあ表面を加工して信者たちにお守りとして高値で売り出してるわけよ。」
(#∵)「何を勝手にやってるんですか!!」
敏腕プロデューサー「それよりお前そろそろテレビに行く時間だろ。早くいってこいよ。」
(;∵)「あ、あぁすぐ行くよ。」
208
:
名無しさん
:2018/09/02(日) 17:57:21 ID:dtxykwpQ0
何やら自分の知らないことが多すぎる。幹部たちがいろいろ勝手にやってくれるのはいいが、限度というものがある。
これから行く仕事も地方のローカル番組で芸人じみたことをしてこなければならない。私はそんなことを望んではいなかったが、敏腕が勝手に……。
市でイベントがあれば参加してゆるキャラめいたこともした。一般市民への露出を増やして信者獲得だと言っていたが。
そのせいで最近は分刻みのスケジュールだ。自分の時間が持てない。何より幹部たちは私を物として見ている気がする。
おかげでよく頭痛がするようになったし、悪夢も何度も見る。
あの洗脳装置がある部屋で幹部たちが笑いながら私を装置に座らせる夢だ。
( ∵)「お疲れ様でしたー。」
収録が終わり出演者たちに挨拶しながら自分の楽屋に戻る。
敏腕プロデューサー「なんだよあの収録。」
敏腕プロデューサーのダメ出しが始まる。
『もっとカメラの前で面白いこと言え、言ってることがまじめで硬すぎる。』『体張って笑いをとれ』『好感度を上げろ』
拠点に戻れば敏腕の持つて来た芸人のDVDを見せられ笑いの勉強が延々と続く。
信者たちの前で説法を説き聞かせている時は必ず堅物映画監督のチェックが入りその後で怒られる。
だがそのかいあって信者の数は増え続け収入もかなりのものらしい。
幹部連中はそれで私腹を肥やしているようだ。私は毎日幕の内弁当だが。
しかし、儲かっているならそれでいい……いや違う。
なんだろう大切な目的を忘れている気がする。……でも思い出せない。
敏腕プロデューサー「おい、いよいよ全国放送の番組での出演が決まったぞ!これで全国展開だ!」
敏腕プロデューサー「もっと儲けるぜ!」
凄腕営業マン「俺は別荘を購入したいと思ってたからよかった。」
堅物映画監督「俺は孫に新車買ってやるかな。」
敏腕プロデューサー「そう言うわけだからしっかり顔売って来いよ。」
( ∵)「はい、任せてください。」
言われた通り番組に出たものの、拠点に戻ればダメ出し、説教の嵐。
209
:
名無しさん
:2018/09/02(日) 18:00:02 ID:dtxykwpQ0
爪'ー`)「なんだこいつ?!」
( ^ω^)「どっからどう見ても宇宙人だよな。」
('A`)「こういう被り物でもしている売れない芸人じゃないの?」
(,,゚Д゚)「それにしたってこれは……。」
爪'ー`)「ジョルジョ、何かわからないか?」
_
( ゚∀゚)「ええ、とですね。」
コンピューターですぐさま検索をかける。
_
( ゚∀゚)「あったこれだ。」
_
( ゚∀゚)「どうやらあれは現在P地点周辺で新しく誕生したビコーズ教の教祖のようですね。」
爪'ー`)「宗教?」
爪'ー`)「胡散臭いな。」
_
( ゚∀゚)「P地点のローカル番組や市でのイベントなど積極的に参加してそこでの知名度はなかなかの模様。」
_
( ゚∀゚)「かなりのペースで信者を増やしており、今回初めての全国番組に出演。」
(,,゚Д゚)「なるほど、全国展開にするわけね。」
210
:
名無しさん
:2018/09/02(日) 18:00:27 ID:dtxykwpQ0
( ^ω^)「下手すると信者全員洗脳されている可能性があるわけか。」
('A`)「調査しようにも結構面倒な案件だな。」
爪'ー`)「だがこうも堂々とされたらな。」
_
( ゚∀゚)「お、これアイドルユニット『VIP340』のプロデューサーが幹部なのか!」
_
( ゚∀゚)「へー、幹部連中はかなりの羽振りがいいみたいですよ。」
ξ゚⊿゚)ξ「そいつは本当か?」
_
( ゚∀゚)「ああ。」
ξ゚⊿゚)ξ「ならばその調査は私に任せてもらおうか。」
('A`)「まじかよ大丈夫か?」
(,,゚Д゚)「不安しかねぇ。というかろくでもないこと考えてそう。」
ξ\⊿\)ξ「大丈夫よこのツンヌさんを信じなさい。」(臨時収入もらい!)
爪;'ー`)「ま、まぁ久しぶりにやる気ならツンヌに任せるか。くれぐれも慎重に頼んだぞ。」
ξ゚⊿゚)ξ「OK、それじゃ行ってきまーす!」
211
:
名無しさん
:2018/09/02(日) 18:01:22 ID:dtxykwpQ0
敏腕プロデューサー「はっはっはっ。全国区から入信したいとの問い合わせが殺到だぜ!」
凄腕営業マン「ビコーズストラップなどのグッズも工場に注文済みでいよいよ生産開始だよ。」
堅物映画監督「少しは頑張ったじゃないかお前も。」
( ∵)「皆様のおかげです。」
堅物映画監督「だがあまり調子に乗るなよ。」
( ∵)「……。」
なんだろう、やりたかったことはこれではなかったはず。
この地球で私は何をしようとしていたのか?今はそんなことより彼らが儲けていればそれでいいや。
そう考えている時、拠点の玄関で何か騒ぎ声が聞こえる。
信者A「大変です敏腕プロデューサーさん!とんでもない奴が押しかけてきました!」
敏腕プロデューサー「なに?!何事だ?」
ξ゚⊿゚)ξ「三下のザコじゃ話にならねぇ。幹部に合わせろ。」
ヴィプトラ警備隊のツンヌが押しかけてきた。
幾多の信者たちを押しのけ幹部たちが集まる部屋へ入り込む。
(;∵)「う…」
212
:
名無しさん
:2018/09/02(日) 18:01:49 ID:dtxykwpQ0
ξ゚⊿゚)ξ9m「お前がこの中で一番偉い奴か?」
敏腕プロデューサーを指さす。
敏腕プロデューサー「こ…これはこれはツンヌ隊員、どうされました?」
予想外の来訪者に戸惑いながらも何とか対応する。
ξ゚⊿゚)ξ「いやな、テレビ見てたら面白い奴が映っててな。気になったからここに来たわけよ。」
敏腕プロデューサー「ツンヌ隊員もビコーズ教に興味がおありですかな?」
ξ゚⊿゚)ξ「そんなところだ。」
そう言いながらビコーズ星人を睨む。
ξ゚⊿゚)ξ「これが地球人の顔ねぇ。」
(;∵)「……。」
敏腕プロデューサー「彼は整形に失敗しただけのちゃんとした地球の人間ですよ。」
ξ゚⊿゚)ξ「ふーん、まぁいい。本題に入ろう。」
ξ゚⊿゚)ξ「私をここの幹部にしろ。」
213
:
名無しさん
:2018/09/02(日) 18:02:14 ID:dtxykwpQ0
敏腕プロデューサー、凄腕営業マン、堅物映画監督、(;∵)「!?」
とんでもない申し出。
ξ゚⊿゚)ξ「悪い話じゃないはずだ。私のネームバリューもプラスされて知名度アップ。」
ξ゚⊿゚)ξ「それに実は教祖が宇宙人だろうが私がいればおいそれとヴィプトラ警備隊も手が出せない。」
ξ゚⊿゚)ξ「そして私は幹部として金をたんまりいただく。最高のギブアンドテイクじゃないか。」
敏腕プロデューサー(噂でツンヌ隊員はガチのクズだと聞いたことがあるが本当だったとは)
敏腕プロデューサー「それは名案だぜひともよろしく願いたい。」
ξ゚⊿゚)ξ「交渉成立だな。これは前金としていただこう。」
机の上に置かれていた札束をつかむとポケットにしまい込む。
敏腕プロデューサー「そうなるとツンヌ隊員にも洗礼を受けてもらわないとね。」
ξ゚⊿゚)ξ「洗礼?」
一同はツンヌを洗脳装置の部屋まで案内する。
(;∵)(なんだろうこの部屋にいるといやな気分になる)
敏腕プロデューサー「これに座っていただき、少し電流を流して洗礼完了ですよ。」
ヴィプトラ警備隊の隊員を洗脳できればもう我々を邪魔できる者はいない。
ξ゚⊿゚)ξ「面白そうじゃん。」
自ら洗脳装置に座りセットすると自分の手でボタンを押す。
ξ×⊿×)ξ「oh!」
一瞬電流が走るが大したことなさそうに立ち上がる。
ξ゚⊿゚)ξ「これで終わりか案外つまらんな。それで次は何だ?地球侵略の作戦でも考えるのか?」
敏腕プロデューサー「侵略だなんてとんでもない。金儲け……もとい、この世に幸せを見いだせない者に居場所を与える活動ですよ。」
( ∵)(侵略?)
( )「う…」
頭を抱えてうずくまる。頭の中で様々な記憶が渦巻く。
そして思い出すあの日の出来事を。
214
:
名無しさん
:2018/09/02(日) 18:02:43 ID:dtxykwpQ0
敏腕プロデューサー「教祖様、どうぞお弁当です。」
( ∵)「うむ、ありがとう。」
敏腕からもらった弁当を半分ほど食べると突然体が動かなくなる。
(;∵)「な、なんだ?」
敏腕プロデューサー「流石は宇宙人、人間なら死んでるくらいの量の睡眠薬入れても体が動かなくなる程度とは。」
(;∵)「なんのつもりだ貴様!」
凄腕営業マン「まぁまぁ教祖様、気になさらず。」
そう言いながら数人でビコーズ星人を担ぎ、洗脳装置の部屋まで運びセットする。
(;∵)「この私に逆らうのか貴様ら!地球人の分際でぇ!!」
敏腕プロデューサー「洗脳の設定はこうして。よし。」
(;∵)「あぎゃあぁぁぁ!」
抵抗すらできずにあっさりと幹部たちに洗脳される。
敏腕プロデューサー「お前の役目は何だ?」
( ∵)「はい、私の役目は幹部の皆様が私腹を肥やせるよう身を粉にして働くことです。」
堅物映画監督「俺たちの命令は?」
( ∵)「絶対です。逆らいませんご主人様。」
敏腕プロデューサー、凄腕営業マン、堅物映画監督「フハハハハハ!!」
215
:
名無しさん
:2018/09/02(日) 18:03:10 ID:dtxykwpQ0
( ∵)「思い出した……。」
(#∵)「貴様らよくも私の宗教を侵略したな!!」
(#∵)「私の宗教の目的は地球人を私の信者に洗脳し、征服することだ!!」
なんと間の悪いタイミングで洗脳が解けたのだろうか。
ξ゚⊿゚)ξ「なんだ思ったよりあっさり目的を暴露しやがったな。」
ξ゚⊿゚)ξ「地球侵略が目的だとよ隊長。」
おもむろに左手の通信機に話しかける。
どうやら通信状態のまま乗り込んでいたようだ。
爪'ー`)「よくやったツンヌ。全員ヴィプトラホーク1号で出撃だ!」
(;'A`)「正面突破過ぎない?慎重とはいったい……。」
(#∵)「おのれ小娘ごときが!!」
まだだ、こいつをすぐに始末して装置さえ持ち出せば別のところで宗教を再開できる。
すぐさまツンヌに念動力を浴びせようを両腕を向けようとする。が……
ξ゚⊿゚)ξ「おせぇ!!」
一瞬で距離を詰め目と鼻の先にツンヌがいた。
(;∵)「な?!」
ξ#゚⊿゚)ξ「オラァ!」
左のアッパーがビコーズ星人の腹に刺さる。
(;∵)「ゴァ!!」
凄まじい衝撃で体をくの字に曲げながら宙に浮く。
すかさず追撃。右の掌底打ちを顔面に放つ。
(;∵)「ギャァァァァ!」
もし鼻があれば折れ曲がっただろう。
派手に吹き飛びながら壁に激突する。すぐさま起き上がろうとするが、すでにそこに奴がいる。
216
:
名無しさん
:2018/09/02(日) 18:03:34 ID:dtxykwpQ0
ξ#゚⊿゚)ξ「ハイヤァァアァ!!」
シャイニングウィザードが決まり、メキッという音がする。頭蓋骨にひびが入ったのだ。
(;∵)「あががが……」
悲鳴を上げながら転がる。何という強さだ。こいつ人間か?
しかしチャンスが訪れた。なんとか距離を作ることができたのだ。
急いで念動力をツンヌに向けて放つ。これでおしまいだ。
ξ゚⊿゚)ξ「見切った!!」
腕を体の前でクロスしながら突っ込んでくる。簡単に念動力を突破してきやがった。
(;∵)「嘘やん?!」
右腕を軽くビコーズ星人のみぞおちに置く
ξ-⊿-)ξ「スー」
(;∵)「や、やめ――
ξ゚⊿゚)ξ『発勁!!』
そう叫ぶとツンヌの足元の床にひびが入り、ビコーズ星人が壁を突き破り家の外まで吹き飛ぶ。
(; )「―――」
悲鳴も上げられない。
217
:
名無しさん
:2018/09/02(日) 18:04:00 ID:dtxykwpQ0
ξ゚⊿゚)ξ9m「テメーは知らないだろうが覚えとけよ宇宙人。地球には男女平等って言葉があるんだよ。」
ξ゚⊿゚)ξ「私が顔がかわいいだけでヴィプトラ警備隊の隊員に選ばれたと思うなよ。」
事実、地球を守る防衛隊が顔だけで隊員を選ぶわけない。厳しい訓練を耐え抜ける者のみが選ばれるのだ。
当然その基準は男女別ではない。肉体的強さが一番。例外もいるが。
('A`)「うん?」
('A`)(なんだろ馬鹿にされた気がする)
そしてツンヌは戦闘面(素手)ではヴィプトラ警備隊最強!その戦闘力は一人次元が違う。
それ故に隊長も面と向かってツンヌに怒れないのだ。その暴力が自分に向きそうで。
しかし近年の戦闘は光線銃がもっぱらなのでそこまで必要とされていない。
ξ゚⊿゚)ξ9m「カッカッカッ!弱いのう貴様。私が戦ったことのある中(人間サイズの宇宙人)では下の上ってところだな。上の上になってから出直して来いよ。それでやっと対等。」
ξ゚⊿゚)ξ「まあ貴様が弱者なのはわかっていたがな。」
ξ゚⊿゚)ξ「宗教などという物に救いを求めるなどというのがそもそも弱者の考え。」
ξ゚⊿゚)ξ「当然ここに入る前に抵抗してきた連中も弱いこと弱いこと。」
敏腕プロデューサー「?!」
そう当然この拠点にはいつ警察などの捜査が来ても抵抗できるように信者が何十人といたのだがこれだけの音がしてもここに来ない。
つまり先ほどの玄関先の騒ぎで壊滅させてきたのだ。
ξ゚⊿゚)ξ「故に洗脳などに簡単にかかる。今までに洗脳装置は見たり食らったりしてきたからわかる。」
ξ゚⊿゚)ξ「そういうのは対象者とのリンクが重要。」
前の猫の洗脳装置にかかったのは猫が好きすぎるので物凄いかかりが良かったのだ。
218
:
名無しさん
:2018/09/02(日) 18:04:25 ID:dtxykwpQ0
ξ゚⊿゚)ξ「だから今回の装置はこの世に幸せを見いだせないような中身空っぽの哀れな連中ばかりかかる。」
ξ゚⊿゚)ξ「現に私や幹部連中を見ろ、まったくと言っていいほど洗脳されてないだろ。しっかりとした自分を確立しているからな。」
ξ゚⊿゚)ξ9m「そしてテメー、どうやら幹部連中によって洗脳されてたようだな。」
ξ゚⊿゚)ξ「つまり自分の星でだれからも必要とされなかったから地球で弱者から必要とされるような教祖として侵略を考えた。」
ξ゚⊿゚)ξ「そんな心の弱い奴に私は負けねぇよ。」
(; )「ぐ……。」
その通りだ。故郷ではみんな私のことを馬鹿にして必要としていなかった。だから自分が必要とされる世界を作りたかったのだ。
ξ゚∀゚)ξ「カッカッカッ!ここまでのようだな!」
勝ち誇るツンヌ。
信者A「それでも私には教祖様が必要なんだ!!」
信者B「負けないで教祖様!!」
腕があらぬ方向に曲がったり頭から血を流したりしている信者たちが押し寄せてきた。
ξ゚⊿゚)ξ「あぁん?」
信者C「そうだよあんたの言う通りだよ。俺たちは心の弱いもんだよ。」
信者D「だからこそ言う私たちには教祖様みたいな居場所をくれる人が必要なんだ!!」
信者A「私たちの生きる希望をなくさないでくれ!」
敏腕プロデューサー「お前たちの……」
所詮金儲けのための宗教だとしか考えていなかったがちゃんと彼らの心のよりどころになっていたのだ。
219
:
名無しさん
:2018/09/02(日) 18:04:57 ID:dtxykwpQ0
信者E「ワシはもうそんなに生きられないだろう。だがそんなワシに同じ孤独だった仲間と引き合わせて楽しい時間をくれたんんじゃ!!」
ξ゚∀゚)ξ「カッカッカッ!弱者どもがわめきやがって!!」
敏腕プロデューサー「お前自分がネット上でなんて言われているか知ってるか?ツンヌはクズだとか自己中だとか叩かれてんだよ!!」
堅物映画監督「そうだ人間のクズ!!」
ξ゚⊿゚)ξ「何とでも言うがいい。自己中?自己中で何が悪い!!」
ξ゚⊿゚)ξ「私は私の人生を生きているんだ!自分がやりたいことをやりたいようにやる。それのどこが悪いってんだ!!!」
ξ゚⊿゚)ξ「他人に気を使ってつまらん人生を歩んでたまるか!私はいつだって自分の幸せが一番なんだよ!!」
ξ゚⊿゚)ξ「貴様らのように自分の人生ですら主役になれずモブキャラで終わるような奴に何と言われようが何とも思わん!」
ξ゚∀゚)ξ「カッカッカッ!」
大いに笑う。
凄腕営業マン「なんでお前のような奴が地球防衛の仕事してんだ!やめちまえ!!」
信者F「この人格破綻者!!」
信者303「人間の心も忘れちまったのかよ!!」
信者53「胸が断崖絶壁!!」
信者C「今時暴力系ヒロインははやらねぇんだよ!!」
敏腕プロデューサー「サイコパス野郎!」
力ではかなわない彼らのささやかな抵抗。それすらも笑ってまったく効いていない。
本当に人格を疑うレベルだ。彼女が架空の人物で本当に良かった。実際に居たら関わりたくない人物№1だ。
ξ゚⊿゚)ξ9m
そんなツンヌが笑うのをやめ、信者や幹部をオオカミが獲物を見るような目でにらめつけながら確実に一人一人指をさしていく。
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