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【ミ】『A to Z』part2

1『Monster Freak』:2022/10/22(土) 15:22:39

「You're next」

―――――――――――――――――――――――――――

◆ここは『小石川』がGMのミッションを行うスレです。

前スレ
【ミ】『A to Z』
ttps://jbbs.shitaraba.net/bbs/read.cgi/comic/7023/1612673497/

493龍美丹『チーロン』:2023/08/22(火) 18:17:08
>>490

「猫に期待されるのも不思議な気分だね」

「とはいえ、とはいえだね」

そう言ったのは奈津川の話を聞いたからだ。

「筆跡は確実だ。確かに疑いようがない」

「ただ、ボクとしては妹さんの可能性を感じている」

494『縁結のM』:2023/08/22(火) 19:17:11
>>491(涙音)

《なるほど――――つまり君は、こう考えている。
 『予定外』が起きた事で『強制解除』された、と》

《発想としては興味深いが、
 『意図的に入れられた手紙』から始まった能力が、
 『偶発的に混入した付箋』で終わるというのは、
 少しばかり繋がりが弱いようには思うがね。
 その説を補強できるだけの根拠があれば別だが》

《しかし、思い付いた考えを口に出せる『勇気』は素晴らしい。
 物怖じしていては推理は出来ないのだ》

《君は幾つかの『可能性』を挙げた。
 今は絞りきれなくとも、『真実』に辿り着く過程で役に立つ機会もあるだろう》

ロダンは『正解』を明示しなかった。
余計な先入観を与えない為だろう。
涙音達が部室を出る前にも言っていた事だ。

  《ところで…………『タイミングが変だ』というのは私も同意見だ》

ロダンが付け加えた結びの一言は、何らかの意味があるように感じられた。

「――――朱鷺宮先輩は、どう思いますか?」

恋子が『推理』を披露し、美丹が自身の考えを口にする中、
三枝は涙音に意見を求める。

>>492(奈津川)

「奈津川先輩、凄いです!
 それじゃあ二人の内『どちらか』が――――」

「あれ?早川さんが隠した下駄箱は『三年生』でしたよね。
 でも、その隣は確かに『二年生の下駄箱』でしたし…………」

記憶を辿るようにして、人差し指で宙をなぞりながら、三枝が口を開く。
早川の後ろにあったのは『三年生の下駄箱(>>469)』だった。
恋子自身も予想していた通り、『下駄箱の部分』には穴があったようだ。
しかし、恋子の推理が的外れなのかというと、そうではない。
ほんの少し『ズレ』が生じただけだろう。

「ひょっとしたら早川さんが立っていた位置は、
 『二年生』と『三年生』の『境界』だったんじゃないでしょうか?」

三枝の意見が恋子の言葉を補足した。
有り得ない話ではない。
そして、そうだとすれば推理も変わってくる。

《コイコ――――『ご明察』だ。
 多少の『誤差』は修整すればいい。
 君のように知的な者と出会える喜びは、
 私にとって何物にも代え難い『価値』がある》

     《願わくば『続き』を拝聴させて頂こう》

ロダンが先を促す中、美丹は『別の可能性』を示唆している。

>>493(龍)

恋子が発見した『筆跡』の違いは、確かな論拠であり物証だ。
若干の『齟齬』はあったものの、彼女の推理は筋が通っている。
しかし、美丹の直感は恋子とは違う方向を見ていた。

  「『頼成先輩』…………」

         「ええと、『瑞月先輩』ですか?」

三枝は、あまりピンと来ていないようだ。
だが、ロダンは興味深そうに美丹を見つめる。
黄金色の輝きを秘める瞳が、血のように赤い瞳を見つめていた。

《――――何故そう思うのか、尋ねても構わないかね?》

落ち着き払ったロダンの声が、美丹の耳に届く。

495奈津川恋子『クワイエット・ガーデン』:2023/08/22(火) 20:19:44
>>494
「はっ、そうでした。恋子不覚です。
不覚の多い人生です。
もう少しシンプルに考えれば良かったですね。
そもそも、なぜ早川さんは庇うことができたのか?」

「それは勿論、早川さんは手紙が投函される現場を見たからに他なりません。
そうしなければ、彼女が誰かの下駄箱を見ているという状況は生まれませんからね。
恋文というものの性質を考慮すると
受け取る側よりもを出した側を庇っている方が自然ですし……」

「つまり先程の話をスライドさせて、
早川さんが庇う程の関係性のある人物が差出人。
すなわち若園さんということになるでしょう。
そうなると必然的に、本来恋文を受け取る側の人物も明らかになりましたが……」

それは3年生である事、恋文作成に関わっていない事、
そして苗字の並びからも明らかだろう。
とそこまで考えたが、首を振って立ち上がる。

「私達の目的は他人の恋路に首を突っ込む事でなく、
あくまで『スタンド使い』の特定ですからね。
もはや自明となりましたが、
そちらの方は言及せずとも良いでしょう。
さて、恋子は早速若園さんとお話しさせていただこうと考えておりますが、
皆さんはいかがでしょうか?」

496朱鷺宮 涙音『フォートレス・アンダー・シージ』:2023/08/22(火) 23:18:07
>>494-495
「むぅ、たしかにそうですね…
 手紙と付箋がおんなじ紙であるとかでもなければ
 関連性は薄いですねぇ。」
思いつきはしたものの、どうにも考えが届いてないようだ。

「…タイミング的には変…
 でも、その『変』なタイミングこそが重要なんでしょうか」
ロダンの結びの言葉に何かを感じずには居られない。

「三枝さん…そうですね。
 私にわかることというと…
 下駄箱云々よりも、みんなが外に出たことが
 能力を解除するのにいいタイミングだったのかも…見学者が全員外に出てから…かな…」


「…個人的には構いませんけど、
 龍さんの意見も聞いておきたいですね。」
恋子の推理はよくできていると感じる。
しかし龍の考えていることも気になっているようである。

497龍美丹『チーロン』:2023/08/23(水) 09:22:25
>>494

「いやまぁ」

「ボクとしても奈津川先輩の推理はかなりイイと思ってるし、ボクの発言が大ハズレの可能性もあるよ」

その前提で話をする、と前置きをして。

「演劇の台本を恋文にした、ということは前提として恋文のシーンがあることを知っていて、なおかつそれを盗める状況にないといけない」

「一番近くにいる人だからこそできることだと思う」

そういえば誰だったか『並木道にそういうシーンはなかった筈』と言っていたが、それは誰だったか。
少し思い返しつつ。

「二人と話していて感じたのは、お姉さんはなにか準備をしている雰囲気だったこと」

それはつまり、こういった状況を想定していたということ。

「そもそも台本が盗まれたのなら多少気にはするし、その話をしてもいいはずだよね」

自分が疑われるのを嫌った可能性は十分ある。
とはいえ、話せば分かる事だし被害者であると主張することも出来た。
それをしなかった理由はなんだろうか。

「……個人的に気になるのは朝に弱いお姉さんを起こしに行くという話をした時に」

「今朝の話を避けたことだけど、ここに関しては詳細には分からないから、どうだろうね」

「あぁ……奈津川先輩、どうぞ」

若園との会話を促す。

498『縁結のM』:2023/08/23(水) 13:06:10
>>495(奈津川)

部外者である早川と深い関わりを持つ演劇部員は一人しかいない。
恋子の推理は、より完成度を高めたと言えるだろう。
そして、『本来の受け取り先』についても的を得ている。

「奈津川先輩、きっとそうですよ。
 それで『受け取る予定だった人』は…………」

       「…………あ」

「あ、あの――――若園先輩に話を聞くなら皆で行くべきでしょうか?」

三枝も察したらしく、慌てた様子で話題を変えた。

《『馬に蹴られて』…………という言葉の通りにならないとも限らない。
 君達が望むなら、我々の中だけに留めておく事にしよう》

  《『解かれる謎』があれば、『解かれない謎』が存在するのも、また一興》

この『小事件』と対峙した恋子達は、全体の輪郭を次第に浮かび上がらせ、
真相に至る道筋を明らかにしてきた。
『解決』も近付いた今、本当の意味で『詰め』に入っている。
ロダンの眼差しが、その事実を雄弁に物語っていた。

>>496(涙音)

『丁度いいタイミングだった』というのは、妥当な解釈に思えた。
涙音の答えに三枝も頷いている。
ロダンも同様だ。

「でも、どうして『もっと早く』そうしなかったんでしょう?」

ふと三枝が疑問を投げ掛けた。

「皆が日向神先輩に気を取られていた間に『解除』しておけば…………」

涙音の考えは正しい筈だ。
一方で『何故すぐに解除しなかったのか』という謎が残る。
手紙を間違えて入れてしまった事に気付かなかったとしても、
あの騒ぎが起きた後なら流石に気付く。
手違いが生じた時点で解除してしまった方が、大きな問題にはなりにくい。
しかし、実際は解除されなかった。

《この点は『考慮の余地がある』と、私は思っている》

涙音に告げられたロダンの助言は簡潔だが、確かな響きを伴っていた。

>>497(龍)

美丹の言及は極めて的確だった。
盗むという行為は少なからずリスクを伴う。
そして、盗まれた本人には当然それが分かる。
思い返すと『並木道』について答えていたのは瑞月だった(>>425)。
これに関しては同じ部員なら知り得る事ではある。

「龍先輩の言われる通りだとしたら…………
 『台本』じゃなくて『小道具』だったのかもしれませんね」

三枝が悩みながら口を開く。

「…………最初に千草達が入ってきた時、
 花蓮先輩は『ノートの頁』を投げ捨てました。
 そんな風に捨てた物なら、もしかして利用できたんじゃないでしょうか」

ただ、三枝の意見には穴がある。
仮に拾った物を転用したとしても、書いたのは花蓮だ。
文面を目にした時に気付いたのは間違いない。
彼女の態度には、何かを知っているような節が見受けられた。
そこに至る事が出来たのは、三人が下駄箱に向かった後も、
部室に残って聞き込みを続けていたからこそだろう。

《コイコはワカゾノに話を聞くとして、君がどう動くのかを聞いておきたい》

美丹の言葉を受けたロダンの声色からは、ある種の『納得』が感じ取れた。

499龍美丹『チーロン』:2023/08/25(金) 09:51:48
>>498

「たしかにね」

三枝の言葉を肯定しつつ。

(やっぱり、あの人はなにか知ってるはず)

何かを知っていながら隠す理由を知りたい。
何を気にしていたのか、それを明らかにしたい。

「もう一度、話をしよう」

「何を知っていて、何を知らないのか」

話を聞くべきは花蓮だ。

500朱鷺宮 涙音『フォートレス・アンダー・シージ』:2023/08/25(金) 23:39:11
>>498
「うーん、たしかにそうですけど…」
ロダンの証言から見ても、解除のタイミングは
見学者が外に出たあとだ。

「あのときに解除しておけば怪しまれないでしょうけど…
 逆にあのときに解除したらバレるようなものだったんでしょうか?」
そう言って首を傾げる。
一体何を見られたくなかったのだろうか?

501奈津川恋子『クワイエット・ガーデン』:2023/08/26(土) 21:44:38
>>498
「つまり盗まれたのではなく、協力していた……という事ですね。
能力の『解除』についてはわからないのですが、
そもそもこの能力、使い方が変です」

考えながら喋るように首を傾げる。

「能力によって起こった事は話しかけた、あるいは至近距離にいた者に能力の対象となった人物が惚れた……ということですが。
もし、本体が自分に惚れさせなければいけないのなら、
いつ開くかわからない手紙に能力を込めては台無しです。
混乱を引き起こしたいとしても同様の事が言えるでしょう」

「あくまで仮説ですが……
このスタンド能力、本体はまだ未熟な状態なのではないでしょうか?
無意識の『スタンド使い』とでも言いますか。
この能力について使い熟せておらず、気持ちによって能力だけが暴発してしまった……とか」

「もしそうだとするならば、
解除されたのは単に『持続時間』か『射程距離』のどちらかの条件が満たされたという事でしょう」

502『縁結のM』:2023/08/27(日) 08:20:49
>>499(龍)

これまで経てきた過程で、多くの部分は明らかに出来ただろう。
少なくとも、解決は間近に迫っている。
残すは『核心』のみ。

《私は何よりも『知性』を尊いものとして見ている。
 そして、君には優れた洞察力がある》

《君の輝きが深奥に届く事を、私は心から望んでいる》

ロダンの言葉を背に受けて、美丹は改めて花蓮の下へ向かう。

     「『調査』は進んでる?」

傍まで歩み寄った時、花蓮の方から声を掛けてきた。
瑞月は他の部員と話し合っており、今は近くにいない。
邪魔の入らない一対一の状況だ。

>>500(涙音)

全員が日向神に意識を向けていた時と、見学者が揃って外に出た時。
これら二つは、ほぼ同じ状況だ。
たとえ何かを見られるリスクがあったとしても、大した差はなかっただろう。

《ルネの考え方は『方向性としては正しい』と言える。
 異なる側面から検討すれば、別の何かが見えてくる事は少なくない》

    《結論を急ぐ必要はないが…………覚えておきたまえ》

わざわざロダンが注意する所を見ると、これは重要な点らしかった。

「朱鷺宮先輩、どうしましょうか?」

恋子は若園に、美丹は花蓮に話を聞くようだ。
涙音も部員の誰かと話すか、ロダンや三枝と情報を整理してもいい。
さらに思考を深めていけば、疑問の『答え』が見つかるかもしれない。

>>501(奈津川)

確かに使い方そのものが妙だった。
『無自覚のスタンド能力』による暴発なのだろうか。
しかし、そういった事が起こり得る可能性は十分に考えられる。

《『本体が気付かない間に能力が発現する』という事例は存在した。
 それが解除されたのは、本人が自らの能力に気付いた為だが…………》

   《――――この辺りにしておこう》

ロダンが言い終わると同時に、美丹が動いた。
彼女は花蓮と話すつもりのようだ。
恋子も『次の行動』を起こす頃合いだろうか。

「千草は朱鷺宮先輩と一緒にいますね」

気を利かせたらしく、三枝は恋子を一人で行かせようとしている。

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505龍美丹『チーロン』:2023/08/29(火) 11:41:29
>>502

「言うじゃないか」

ロダンにそう言い、花蓮に向き合う。

「やっぱり役者にも向いてますよ」

「偽りを本当のように見せるのが演技ですから」

506奈津川恋子『クワイエット・ガーデン』:2023/08/29(火) 18:45:02
>>502
「間違いに端を発する『事件』なのですから、
無自覚だとしても、自覚していたとしても、若園さんと話が通じることを恋子は期待しております。
それでは、行って参ります」

3人と1匹に軽く会釈をしてから、若園を探し声をかける。

「若園さん、お話をしましょう。
恋のお話です」

507朱鷺宮 涙音『フォートレス・アンダー・シージ』:2023/08/29(火) 18:57:36
>>502
「ふーむ…
 まぁ考えておきますね。
 …日向神さんに意識が向いていたときと
 みんなが外に出た時…なにか状況が違うところがあったか…ですね」
ひとまず頭の中にとどめておくことを考える。
ロダンは素振りを見ていないようなので
見られる可能性とは違う可能性もあるが…

「そうですね…」
それぞれが話をすると聞いて
自分にできることはないかと考える。

「解除のタイミング…についてもうちょっと考えてみます…
 見られる懸念とはまた別の理由なんでしょうかね」
異なる側面、というロダンの言葉を聞いて
一つ、別の可能性を提示してみる

508『縁結のM』:2023/08/29(火) 20:10:12
>>504(龍)

「それは良かったわ」

「部員数が少ないから、少しは出来ないと困るもの」

         ス ッ

片手を差し出した花蓮が、美丹に着席を勧めた。

「私は、こう思ってる」

「トラブルが起きて良かったとは言わない。
 だけど、起きてしまったなら活かしたい」

「私は常に『新しい刺激』を求めているから。
 そして、あなた達が『解決』してくれる事を期待してるの」 

「ただ――――」

「私が喋るのは簡単だけど、それじゃあ何にもならない。
 あなたが自分の考えを聞かせてくれたら、私も私自身が知ってる事を話す」

「あなたの話が的外れでなければ、ね」

つまり、花蓮は次のように言いたいのだろう。
『美丹の推理』を確認した上で、それが的確であれば口を割る。
おそらくは、これも『インスピレーション』を得る為なのかもしれない。

>>506(奈津川)

若園は日向神と話していたが、近付いてきた恋子に視線を向けた。

「――――こ、『恋』ですか…………?」

唐突に発せられた恋子の一言に、若園が言い淀む。
明らかに反応している。
本人は動揺を隠そうとしているようだが、その試みが成功しているとは言い難い。

   「なに、恋の話かい?それは見逃せないねぇ〜。
    恋子ちゃん、誰か好きな相手がいるのかな?」

        「あぁ、ひょっとするとオレだったりする?」

ただ、問題があるとすれば日向神だ。
若園と話す為には、どうしても彼の存在が邪魔になる。
何とかして他所へやってしまう必要があるだろう。

>>507(涙音)

美丹に続いて恋子も動き、涙音は三枝やロダンと共に残る事を選んだ。

「例えば…………『逆』はどうでしょう?」

しばらく黙り込んだ後、三枝がポツリと呟いた。

「まだ何か分かった訳じゃないのですけれど、
 『別の側面』というと、そういう風に考えてもいいのかなと…………」

果たして、三枝の意見に一考の価値はあるだろうか。

「朱鷺宮先輩、参考になりそうですか?」

それを解釈するのは『涙音次第』だ。

《君が『猫の手も借りたい時』――――》

    《すなわち『私の見解が必要な時』は言ってくれたまえ》

それだけを告げると、ロダンは沈黙した。
『知性』を尊重する彼は、『涙音の考え』を知りたいのだ。
無論、『助言』を求められたならば、ロダンは何かしらの言葉を示すだろう。

509奈津川恋子『クワイエット・ガーデン』:2023/08/31(木) 21:44:17
>>508
「ああ、お話中失礼しました。
日向神さん、よろしければ少しだけ外していただいてもよろしいでしょうか?
若園さんと、少しだけお話しがしたいのです」

直球で日向神へとお願いして頭を下げる。

(この手紙に『スタンド能力』を行使できたものは『2人』。
彼女に話を聞くことで、はっきりすれば良いのですが……)

510朱鷺宮 涙音『フォートレス・アンダー・シージ』:2023/08/31(木) 22:10:30
>>508
「逆…つまりそれは…
 今まで私、私達が考えていたのと逆の理由だと…?」
三枝の言葉を聞いて少し不思議そうな顔で答える。

「うーん、だとするとバレないようにするのではなく
 ヒントを与えたいとか…」
うーん、とうなりながら考える。
果たして自分の考えは的を得ているのだろうか

511龍美丹『チーロン』:2023/09/02(土) 00:55:32
>>508

着席、相手と向き合う。

「解決を期待……ということは」

「この状況はイレギュラーでしたか?」

そう微笑みかけて。

「奈津川さんが筆跡鑑定をしてくれましたよ」

「あのラブレターは貴方が書いたものですね?」

ひとつずつ、確認をするように。

「でもそれが手元になく、なんならトラブルの種になったのに何も言わなかった」

「わかってたんですよね? 誰が持っていったのかも、本当は」

彼女の性質もあるだろうが、持っている情報に差があったのは確かだろう。
でなければ、何らかのアクションがあるはずだ。
なにより、なにか言葉を用意していたような感覚があった。

「恋文を持っていったのは妹さんかなと、ボクは考えてます」

「本来並木道にそういうシーンがなかったということですから、書き下ろししました?」

「シーンを足すためか、好奇心か、あるいは」

「それが誰かの助けになるからか」

「どうでしょう?」

512『縁結のM』:2023/09/02(土) 06:33:35
>>509(奈津川)

どんな人間が相手だろうと、恋子は常に『真っ直ぐ』だ。
それが通じない状況もある。
しかし、今回はそうではなかった。

「おおっと、失礼!
 でも、恋子ちゃん――『恋の悩み』なら、オレにも相談してくれていいんだよ?
 これでも経験は豊富にあるからさ!」

         「ま!今回は譲るけどね!」

何やら『勘違い』されたようだが、今回に限っては都合がいいだろう。
日向神は話が聞こえない距離まで離れ、邪魔者はいなくなった。
日向神の背中を一瞥した若園が、改めて恋子の様子を窺う。

「あ、あの…………『恋の話』というのは…………?」

そして、ここからが『本題』だ。

>>510(涙音)

涙音の意見を聞いて、三枝は意外そうな表情を浮かべた。

「…………朱鷺宮先輩のお話だと、
 『自分で能力を仕込んで自分でヒントを残した』という事になりますよね。
 不思議ですけれど、そういう人もいると思います」

『ヒントを与えたい』というのは、まさしく『逆の発想』と呼べるだろう。
可能性の一つとして有り得なくはない。
ロダンや三枝の言葉とも合致している。

「でも、『すぐに能力を解除しない事』が、どういうヒントになるのでしょうか?
 ヒントなら、伝わりやすくないといけませんし…………」

一方で、三枝の疑問も無視できない。
何らかのヒントにするからには、最低限の条件として、相手に理解させる必要がある。
だが、今まで誰の目にも留まらなかった。
つまり『ヒントとして適切ではない』。
涙音の着眼点は決して悪くなかった筈だが、この仮説は信憑性が今ひとつのようだ。

    ……………… ……………… ……………… ……………… ………………

ふと涙音は感じた。
三枝の顔を見ていると、何か思い付きそうな気がしてくる。
どこだったか…………『三枝から聞いた言葉』にヒントが隠されているような…………。

>>511(龍)

丸眼鏡の奥にある花蓮の瞳と、赤く輝く美丹の瞳が相対する。
両者の間に生じるのは静かな空気だ。
それでいて、どこか張り詰めたような雰囲気が漂う

「そう――――書いたのは『頼成花蓮』よ。
 私にとって今の状況がイレギュラーだというのも正しい」

「今回みたいなトラブルが起こらなくても、私の目的は達成されていたから」

花蓮が口を開き、迷いなく肯定する。
既に証拠が上がっている以上、隠し通す事は出来ない。
彼女自身も、隠そうとする意思はないのだろう。

「あなたの言う通り、あのラブレターを誰が持っていたかも分かってた。
 ここまでは間違いないわ」

「だけど、そこから先は違う。
 『書き下ろし』ではあるけど、ね」

そこで花蓮は言葉を切った。
どことなく伝わってくるのは、彼女が楽しんでいるらしいという事だ。
美丹とのやり取りを、『新作の材料』にするつもりなのかもしれない。

513朱鷺宮 涙音『フォートレス・アンダー・シージ』:2023/09/03(日) 22:00:20
>>512
「ふーむ…
 ヒントを残すというのは考えられそうな話ですけどね…
 ある意味私達を試そうとしてるのかも…
 いや、なんで試そうとしているかはわからないですけど。」

そうしてから何かを考えるように三枝の顔を見る。

「ふーむ…
 そういえばその…
 すいません…何かが思いつきそうなんですけど…」
より深く思い出そうとしている。
いつ頃聞いた言葉か、よりはっきりするかもしれない。

514龍美丹『チーロン』:2023/09/04(月) 01:03:13
>>512

「おや、アテが外れた」

とはいえ、その可能性は見えていた。

「となると、奈津川先輩の推理通り安心院さんかな?」

その辺の答え合わせもしておきたいが。

「そうやって言葉の尻尾を区切られるとついつい追いかけたくなる」

「ボクも少し楽しくなってきました」

「……一応聞いておきますが、貴方が恋文を書いたのはネガティブな背景があるわけではないんですよね?」

つまりは、強要やそうせざるおえない契約があった訳では無いはずだと。

515奈津川恋子『クワイエット・ガーデン』:2023/09/05(火) 21:13:53
>>512
「そうですか、それは重畳です。
恋子の相談なら、今度乗ってください。日向神さん」

丁寧に礼をしてから去っていく日向神を確認し、
若園に向き直る。

「あなたは、恋文を出しましたね。
花蓮さんに協力してもらって………」

「ええ、それ自体は何も問題はないのですが。
そう、あなたの『手紙』には『仕掛け』がありました」

それだけを言って、反応を見るように言葉を区切る。

516『縁結のM』:2023/09/06(水) 10:02:09
>>513(涙音)

『すぐに能力を解除しない事』が『どういうヒントに成り得るのか』。
そこを説明できれば、推理としての完成度は上がっていた。
もちろん、必ずしも『真実』と一致しているとは限らないが。

  「朱鷺宮先輩、本当ですか?」

            「千草は静かにしていますね」

目を丸くする三枝を前にして、涙音は思考を深めていき、自らの記憶を遡る。

    ……………… ……………… ……………… ……………… ………………

しばしの黙考を終えると、おおよその範囲は絞れた。
主に引っ掛かるのは、『部室を出てから昇降口に着くまでの間』だ。
『思い付きそうな何か』は、きっと『その中』にあるのだろう。

《君達と同じように、私も『私の答え』を持っている。
 しかし、それを明かす事は差し控えよう。
 人という種の持つ『知性の煌めき』を、私は見せてもらいたいのだ》

厳かなロダンの言葉を背景に、涙音は更に考え続ける――――。

>>514(龍)

「――――『部長』?」

安心院の名前を出された花蓮は、片眉を上げて怪訝そうな顔をした。
その表情は芝居ではなく、純粋な疑問を感じている様子だ。
何かを考えるように美丹を見つめる。

「あぁ、そういう事…………」

やがて得心したように、彼女が呟く。

「いえ、違うわ」

それに続く一言には、明確な否定の意が込められていた。

「そう――私は『自分の意思で書いた』。
 事情があったと言えなくもないけど、嫌々だった訳じゃあない」

>>515(奈津川)

「――――――!?」

恋子が言い放った言葉に、若園は驚愕の表情を浮かべた。
おそらく『予想通り』だろう。
『若園が花蓮の手を借りて恋文を出した』というのは、ほぼ間違いなさそうだ。

  「え、えっと…………」

           「その…………」

                 「わ、私は…………」

そして、『仕掛け』という単語にも、彼女は反応を示した。
さまよう視線は、目の前に立つ恋子から逃れようとしている。
これが『演技』とは思えない。

517朱鷺宮 涙音『フォートレス・アンダー・シージ』:2023/09/06(水) 21:51:13
>>516
(うーむ、確か部室を出てから昇降口につくまでの間に聞いたことといえば)
ふとその時のことを思い出す

  千草達の『邪魔』をしたい

                   荒っぽい事はちょっと苦手

  いわゆる『泳がせる』という手です

「うーむ…もしかして…
 私達を…泳がせる、みたいなこと?
 目的は日向神さんではなく、我々の観察みたいな…?」
記憶を掘り起こした中でふと、呟いた。
目的は完全に『別』なんだろうか?

518龍美丹『チーロン』:2023/09/07(木) 21:38:21
>>516

「それは経験のためですか?」

「ラブレターを使うシーンは並木道にはないという話でしたから」

「次の舞台に使うつもりです?」

519奈津川恋子『クワイエット・ガーデン』:2023/09/08(金) 23:01:55
>>516
「誰が誰に恋文を出そうが自由です。
恋は自由ですから。
しかしながら……『スタンド』を用いて人心を惑わすことは、
『スタンド』を持たない人にとってはアンフェアな行いだと恋子は考えます。
目には目を、スタンドにはスタンドを……。
若園さん、もしあなたがそうだとしたら、
恋子のエゴとして、少し痛いメに会ってもらうかもしれませんね」

真顔で喋る恋子の後ろには、
いつのまにか『クワイエット・ガーデン』の像が重なるようにして立っている。

「恋子にだけ、話していただけませんか?
そうしたら、私達はお友達ということですから……。
恋子は恋のお手伝いが出来るかもしれません。もちろん他のことでも」

520『縁結のM』:2023/09/09(土) 11:28:01
>>517(涙音)

『泳がせる』――――涙音が思い出しながら口にした言葉には、確かに説得力があった。
すぐに解除しなかった理由は、
『そうしないとデメリットが生じるから』ではなく、
『そうする事でメリットが得られるから』だと考えれば、全体の辻褄は合う。
涙音達が『早川を泳がせた』のと同じように、手紙に能力を仕込んだ本体によって、
『泳がされていた』のだろうか…………?

「きっとそうですよ!
 最初に騒ぎが起きた時、朱鷺宮先輩以外の全員が『スタンド』を出していました。
 だから、千草達の動きを探ろうとして、
 わざと解除しなかったんじゃないでしょうか?」

少なくとも、三枝は『涙音の閃き』に同意している。

《推理というのは、『石』を掘り上げて『彫刻』に作り変える工程に似ている。
 一つの方向からだけではなく、あらゆる角度から削っていかねばならない。
 『異なる側面』から見つめ直す事で、君は『新たな可能性』を導き出した》

         《――――見事な発想力だ》

そして、ロダンも太鼓判を押す。
この仮説を生み出せた事は、大きな足掛かりになるだろう。
おそらくは恋子や美丹にとっても。

>>518(龍)

机上からボールペンを取り上げ、それを器用に回しながら、花蓮は静かに頷いた。

     「ええ、そうよ。次回作の参考にしたかったから」

              クルリ

  「『経験がない事をやる』のは、なかなか簡単にはいかないの」

              クルリ

      「私はインスピレーションが欲しかった。
       彼女は相応しい恋文が欲しかった。
       さしづめ『利害の一致』という所ね」

演劇部の関係者は、早川を含めた六人。
これまでの調査に基づいて考えれば、花蓮の言う『彼女』を特定するのは、
それほど難しい作業ではないだろう。
しかし、美丹達の目的は『スタンド使いの特定』であり、
『差出人探し』は過程に過ぎない。

>>519(奈津川)

恋子の背後に佇む『クワイエット・ガーデン』。
物言わぬ像ではあるが、同時に何よりも雄弁な存在でもある。
スタンドのヴィジョンを見せるという行動は、
それを行使する可能性を示す意思表示に繋がるからだ。

   「――――い、『痛い目』!?」

             ジリッ

        「ど…………どういう意味ですか…………?」

恋子の迫力に気圧されたように、若園が怯えた表情で後ずさる。

        ・・・・・・・
    ここで、恋子は気付いた。

若園の目線が、『クワイエット・ガーデン』に向けられていないという事に。
彼女は『恋子のみ』に注意を払っている。
『顔に出やすいタイプ(>>370>>382)』の若園が、少しも目をくれていない。
しかし、確かに『仕掛け』という言葉には反応があった。
その事実は、若園が『何かをした事』を暗示している。

         どうやら――――『推理』する必要がありそうだ。

521龍美丹『チーロン』:2023/09/11(月) 00:27:22
>>520

「ぶっちゃけ、渡した相手についてはもう教えてもらってもいいと思います」

「差出人自体はボクにはそこまで重要ではないですから」

「それから……単刀直入に聞きますが」

「貴方のいうイレギュラーというのは、日向神さんのことですか?」

踏み込む。
というよりも、外側から少しずつ確かめる。
ここまでは分かっていることの確認の面が強かった。
見えていないところを、より見たい。

522朱鷺宮 涙音『フォートレス・アンダー・シージ』:2023/09/11(月) 20:36:08
>>520
「やはりそういうことでしょうか。
 となると、最初から目的自体は
 観察することなんでしょうかね…」
自分たちを泳がせて、観察するということ
それは他の二人が引き出した情報と合致するかもしれない。

「とりあえずこの可能性は他の二人にも
 知らせておいたほうがいいでしょうね」
こっそりと、これらの情報を二人に伝えようと考えた。

523奈津川恋子『クワイエット・ガーデン』:2023/09/12(火) 22:38:35
>>520
「しらばっくれるおつもりですか!
もうネタはあがって……エッ」

あまりにも反応の悪い若園に呆気にとられて口を開く。

「で、ではあなたは一体何の『仕掛け』を……?」

(ならスタンドの本体は『花蓮』さんだった……ということですか。
『仕掛け』……『スタンド』でないなら、そう……例えば、『入れ違い』。
あくまで入違ったと考えたのは早川さんであり、それが間違いだった?
もう少しなにか、発想の一助になるものがあれば……)

考えながら演劇部内を見回す。

524『縁結のM』:2023/09/13(水) 11:45:38
>>521(龍)

花蓮の掌中で回転を続けていたボールペンがピタリと止まる。

「悪いけど、そういう訳にはいかないわ。
 ただ教えるなんて退屈でしょう」

「日向神の件は、本当に予想外の事だった。
 彼が三枝さんに矛先を向けるなんて考えもしなかったから。
 だから、あれが私にとっての『イレギュラー』だという考えは正しい」

その言葉に偽りがあるようには見えなかった。
事実、彼女は露骨な嘘をついた事はない。
自分が恋文を代筆した事を言わなかったが、それは嘘には当たらないだろう。

「他にも『二つ』程あったけど、驚いたという意味では日向神の事が一番ね」

『イレギュラーは日向神だけではなかった』と花蓮は言う。
それらが核心に触れるものであるかどうかは不明だ。
しかし、手掛かりの一つにはなるかもしれない。

>>522(涙音)

恋子や美丹も、それぞれ情報を入手している筈だ。
照らし合わせてみれば、より目に見える形で、
真実を浮かび上がらせる事が出来るだろう。
少なくとも、涙音は十分な仕事を果たした。

  《『あるいは』――――》

            《という所か》

涙音と三枝の後ろで、ロダンが呟きを漏らす。
彼には、まだ気に掛かる事があるらしかった。
だが、それ以上は何も言わず、静観に徹している。

「…………どうやって知らせましょうか?」

三枝が涙音の考えを聞いてくる。
部員達の近くで話す訳にはいかないが、
こちらに呼ぶのも少しばかり難しい状況だ。
『スタンド会話』を使ったら、
恋文から咲いた『花』の本体にバレてしまう。
二人の連絡先は知らないので、スマホも頼れない。
上手く伝える方法はないだろうか?

>>523(奈津川)

若園は『本体』ではない。
恋文に関わっていると思われる人間は、これで一人に絞られた。
今、彼女は美丹と差し向かいで言葉を交わしている。

「わ、私…………きっと『怒られる』と思って…………」

「で、でも…………『自分の言葉』で伝えたくて…………」

さらなる問い掛けに対し、若園は独り言のように曖昧な言葉を返す。
その声が耳に入ってくる。
恋子の視線の先には、ボールペンを弄ぶ『花蓮』が見えていた。

525奈津川恋子『クワイエット・ガーデン』:2023/09/13(水) 22:02:16
>>524
「すみません!痛い目云々は
言葉のあやというかなんというか……奈津川あや子ちゃんでした。
忘れてください」

若園に少し顔を近づけて、ひそひそと喋る。

「自分の言葉で……
それは、花蓮さんの書いた恋文に付け足した、という話でしょうか。
もしそういうお話でしたら、あるいはそういったお話でなくとも
この奈津川恋子、私の親愛なる母に賜った名前一文字に賭けて、
あなたの恋路を邪魔するつもりはありませんし、
花蓮さんに告げ口する気もありませんので。
そして恐らく、どうやら私の探し人は花蓮さんだったようです。
色々と詮索してしまい、申し訳ありませんでした」

がばりと頭を下げる。

526朱鷺宮 涙音『フォートレス・アンダー・シージ』:2023/09/14(木) 22:31:53
>>524
「あるいは…
 もう一つ可能性があるとするなら何でしょうかね…
 泳がせて観察…他にもなにか…」
役割を果たしたかのように思えるが、
ロダンの言葉を聞いて少し首を傾げる。
だがとりあえず今までの話を伝えたいところだが…

「困りましたね…
 この際バレても…とは思いましたが
 相手がわかるまではちょっと…」
少し考え事をしてから、視線をロダンに向ける。

「まさに『猫の手も借りたい』ですね。
 ロダンさん、この際お知らせをお願いしていいでしょうか?」
猫がその辺をうろつくのはとりあえず変には見えないかもしれない。
そう思ってロダンにお願いをしてみた。

527龍美丹『チーロン』:2023/09/15(金) 00:54:55
>>524

「他にもイレギュラーが?」

少し、髪を撫でつつ。

「まさかボクたちが、なんて」

「そんなことは無いと思いますが」

こんなものはイレギュラーとは言わないはずだ。

「貴方と差出人は計画を練っていたとボクは思ってます」

「手紙を書いてはい終わりというよりは、その顛末を貴方も知りたかったんじゃないですか?」

あるいは、観察をしたかったのでは無いのか?

528『縁結のM』:2023/09/15(金) 02:13:20
>>525(奈津川)

名前に『恋』を持つ恋子が、今回の小事件に関わったのは、
ある種の『運命』だったのかもしれない。

     それはそれとして――――――

「あ、あや…………?」

若園は戸惑っているものの、怯えている様子はない。
誤解があった事は分かってもらえたようだ。
そして、恋子は勢い良く頭を下げる。

「…………もういいよ」

落ち着きを取り戻した若園の声が、恋子の頭上から静かに降ってきた。

「奈津川さんの言う通り、私が副部長に頼んで書いてもらったの…………。
 でも、受け取った後で、こっそり書き足して…………。
 副部長は、自分の作品を弄られるのがキライな人だから…………」

「私が焦って間違えたりしなきゃ、きっとこんな事には…………。
 ううん、最初から自分で書かなかったのが悪かったんだわ。
 だからバチが当たったのかも…………」

自らの行動を振り返りながら、若園は少しずつ語り始める。
『恋子の推理』は正しかった。
他にも聞きたい事があれば、彼女は今度こそ素直に答えてくれるだろう。

>>526(涙音)

まだ『解決』を迎えた訳ではない以上、用心しておく事には意味があるだろう。

《悪くない提案ではあるが…………私が室内に入っていけば、
 確実に『全員の注目』を集めてしまう。
 それに『私から知らせる』というのは、
 どうしても『スタンドを通した声』を使わざるを得ない》

涙音の頼みに対し、ロダンは『問題点』を挙げる。
いきなり『知らない猫』が入ってくれば、そちらを見るのが自然だし、
彼が恋子や美丹と話す為には、『スタンド会話』を用いなければならない。
たとえロダンが行ったとしても、『こっそり伝える』のは困難だ。
 
《言い換えれば――――私に注意が向いている間、『君達は自由に動ける』》

涙音と三枝を見やり、ロダンは続ける。

《古式ゆかしき『恋文』に倣い、我々も『手紙』を用意するのだ。
 私が部員達の気を逸している隙に、君達が二人に渡せばいい》

ロダンが授けたのは、より確実性の高い策だった。
『授業中に行う手紙のやり取り』のようなものだ。
『通学用の手提げ鞄』を持っている涙音は、
『筆記用具』や『適当な紙』には困らない。

「そういう事でしたら、『奈津川先輩』には千草が渡しますね」

         サラ サラ サラ

「朱鷺宮先輩は『龍先輩』に渡して頂けますか?」

三枝は自分の鞄からペンとメモ用紙を取り出し、『手紙』を書き始めた。
涙音も同じようにするのであれば、『文面』を考える必要がある。
書き終わったら、ロダンに合図すればいい筈だ。

>>527(龍)

烏の濡羽を思わせる黒髪を見つめながら、花蓮は再び口を開く。

「あなた達が来た事も、少し意外ではあるかしら。
 でも、知っての通り『見学者』は募集してる訳だから、
 ここに来ていても全然おかしくない」

「だから、イレギュラーとは呼べないわ。
 一度に『三人』も来てくれたのを除けば、ね」

花蓮は美丹の否定を肯定する。
『見学者が訪れる』くらいは、部員なら考えて当然の状況だ。
無論、それが想定外には成り得ない。

「確かに私達は事前に話し合った。
 それは『必要な事』だったから。
 ただ、私が『全て』を知っていたかどうかは別だけど」

一拍の間が空いた。

「――――まぁ、そうね。
 さっきも言ったように、私が引き受ける気になったのは、
 この経験を参考にしたかったからよ。
 作成者として、事の顛末だって興味は持ってた」

「より良い脚本を仕上げる為には、材料は多い方がいいでしょう?」

花蓮が『結果』を知りたがっていたのは確実だ。
また、彼女の言葉には、何かを匂わせるような部分があった。
おそらく、『そこ』がイレギュラーに関わっているのだろう。

529朱鷺宮 涙音『フォートレス・アンダー・シージ』:2023/09/16(土) 22:01:37
>>528
「…たしかにそうですね。
 このまま言っては危ないですが…」
そう言って頭を抱える。

「ロダンに注意を向ければいい…か…
 わかりました。手紙で話を伝えればいいんですね。」
ロダンの提案は確かによくできている。
この情報をさり気なく伝えてしまう事ができれば
きっと大きな助けになるかもしれない。

「それじゃあ早速…なにか書いてみようかな…と」
バレないようにこっそりとペンとノートを取り出す涙音。
能力解除の理由はこちらの観察、泳がせることにあるのかもしれないと
そう示すような文章を記載したいところだ。

「せっかくだから、三枝さんの書いた文章を
 参考にして書かせていただきましょうかね…」
そういいつつも涙音も割と順調に書けているようだ。

《龍さん、例の手紙のスタンド能力者の目的は
 もしかしたら、こちらを観察することかもしれません》

530龍美丹『チーロン』:2023/09/17(日) 19:33:22
>>528

「望む顛末は見られなかった、とか?」

「まぁ、おかしなことにはなりましたしね」

顎に手を当てて考える。
なんとなく、のらりくらりな雰囲気だ。

「話し合った計画に大きなズレがありましたか?」

「日向神さんの件を抜きにしても」

531奈津川恋子『クワイエット・ガーデン』:2023/09/19(火) 15:05:10
>>528
「いいえ、恋に悪い事などなにもありません。
ですが、一つだけ最後に教えていただけますか?
何を言っているのかわからないかも知れませんが、
あの手紙には『細工』がありました。
若園さんには気づかない『細工』が。
あの手紙に関わった人物は、あなたを除けばただひとり。
副部長こと頼成花蓮さんだけ……それで間違いはありませんでしょうか?」

下げた頭を上げながら、じーっと若園の目を見つめて尋ねる。

532『縁結のM』:2023/09/19(火) 16:39:14
>>529(涙音)

ペンとノートを取り出す動きは、部員達の注意を引いていない。
特に不審な行動ではないので、見られたとしても言い訳は簡単だ。
何ら問題なく、涙音は手紙を書き始める。

《外見上は『猫に興味を抱いた振り』をするといい。
 初めて私を見た時と同じように装うのだ。
 そうすれば自然な形で二人に近付ける》

《君達が書き終わったら『合図』をくれたまえ》

三枝の手元を眺めると、次のように綴られてあった。

――――――――――――――――――――――――――――――――――――――――――――

恋文の能力について朱鷺宮先輩と話し合いました。
すぐに解除しなかった理由は、こちらを泳がせる為じゃないでしょうか?
最初に騒ぎが起きた時、
見学者の中にスタンド使いが複数いる事は分かった筈ですから、
様子を窺っていたのかもしれません。

――――――――――――――――――――――――――――――――――――――――――――

ペンが止まった所を見ると、三枝は書き終わったようだ。
涙音の方は、どうだろうか?
まだ完成していないのなら、仕上げる為の時間はあるだろう。

>>530(龍)

目の前に座る花蓮は、自分の口から『正解』を言おうとしていない。
おそらく美丹に突き止めて欲しいのだ。
その為に、敢えて遠回しな言い方をしているのだろう。

「『ズレ』はないわ。
 むしろ予定通りに進んだ。
 もちろんトラブルが起きる事は計画の内に入ってなかったけれど」

「私の役目は『用意した手紙を渡す所まで』だから。
 それの使い方は彼女次第だった」

つまり『出し方にはタッチしていない』と見ていい。
では、『他のイレギュラー』とは何なのか。
少しずつ歩み寄りながら、美丹は可能性を一つ一つ埋めている。

「確かに考えていた顛末とは違ってた。
 ただ――――私としては『この顛末』も悪いものじゃない」

「だって、『貴重な体験』には違いないもの。
 彼女には申し訳ないと思うけど、お陰で新しい脚本が作れそう」

「あなた達を主役にしてね」

満足げな花蓮の微笑みが、美丹の赤い瞳に映り込む。

>>531(奈津川)

『細工』――――すなわち『恋文に仕込まれた能力』。
恋子の前には、最も解決すべき問題だけが残された。
果たして、どういう意思によって、それは行われたのだろうか?

「うん…………だって他の人には言ってないから…………」

若園は首を縦に振る。
彼女の心を早川が知り得たのは、交流が深かったからだろう。
付き合いの長い人間なら、口に出さずとも気付いたかもしれない。

「あの…………お願いがあるんだけど…………」

「この事は黙っていて欲しいの。
 私、勇気がなくて『自分の名前』も書けなかった…………」

「でも、自分の言葉で自分の気持ちを伝えたくなったから。
 いつになるか分からないけど…………ちゃんと伝える」

「だから…………この事は秘密にしてくれる?」

どうやら期せずして、もう一つ『謎』が解けたようだ。

533龍美丹『チーロン』:2023/09/20(水) 20:32:37
>>532

「……手紙を渡した人と手紙を出した人が別だった、とか?」

「いやいや、だとしたらそれを確かめる方法はないですよね?」

自分で言って、言葉を打ち消す。
あらゆる可能性がまだ残っていそうだが。

「手紙を出すと聞いていた相手が違ってたの方がまだありそうですよね」

「並木道についての言葉は後から足されたんですから」

>>529

「……」

朱鷺宮の言葉を聞き、少しばかり考える。
もしもそれが真実なのだとしたら、そうしたいと思う人間は。

「そういえば」

「貴方は見える人間ですか?」

534『縁結のM』:2023/09/20(水) 20:49:16
>>533(龍)

>>529における涙音の美丹に対する呼び掛けは、
言葉ではなく手元で書いている文面だと判断する。
訂正があればどうぞ。

535奈津川恋子『クワイエット・ガーデン』:2023/09/20(水) 21:20:43
>>532
「ええ、勿論ですとも。
大丈夫です……なんて無責任な言葉は申しません。
しかしこの奈津川恋子、あなたの恋を応援しております。
そして、そんな友達はどうやらあなたには何人もいるようですから。
心強いではないですか」

軽く頭を下げて若園と別れて、龍と花蓮の方へと向かう。

536朱鷺宮 涙音『フォートレス・アンダー・シージ』:2023/09/20(水) 21:54:00
>>532
「よし…わかりました。」
少し考えてから、涙音は手紙を書き記した。


《龍さん、例の手紙のスタンド能力者の目的は
 もしかしたら、こちらを観察することかもしれません
 この中の誰かがスタンド使いだとすれば、日向神さんと手紙の騒ぎのときに
 おそらく私達のスタンドを見ているはずです。そのまま泳がせていたのかもしれないですね。
 観察の目的は…きっとこの部活のことを考えると概ね理解できます。
 誰がそうなのか、見当がついてたらいいのですが…》

「…こんな感じかな」
うなずいてから手紙をこっそりと持つ

「よし…」
そして、彼女は違和感を持たれないくらいの動きで
親指をロダンのいる方に立てた。
ロダンが『行動』を起こしたら…
興味深そうに猫に近寄って、さり気なく龍に手紙を渡すつもりだ。

537龍美丹『チーロン』:2023/09/21(木) 00:59:05
>>534

声を聞き→朱鷺宮のメモに視線を一瞬移しに行動を変更します。
内容としては変わりないです。

538『縁結のM』:2023/09/21(木) 18:21:53
>>536(涙音)

ロダンに向けて親指を立てると、彼は速やかに反応し、『行動』を起こした。

     ストンッ

         「フミャアァ〜〜〜〜オ」

                    トッ トッ トッ

突如として窓から現れた『毛のない猫』。
狙い通り、全員の視線はロダンに注がれている。
今が『チャンス』だ。

     ソ ッ

『猫に近寄る振り』をしながら、美丹に『手紙』を渡す…………。

        ――――――『作戦成功』!

あとは適当に話を合わせておけば、部員達を上手く誤魔化せるだろう。

>>535(奈津川)

若園に挨拶し、美丹と花蓮がいる方向へ行こうとする。

     その時――――――

             「フミャアァ〜〜〜〜オ」

不意にロダンが部室内に入ってきた。
あたかも『普通の猫』のように振る舞っている所を見ると、
何らかの『考え』があるのだろう。
この瞬間、部員達の視線は彼に向けられている。

            …………ススッ

さりげなく三枝が近付いてきて、折り畳んだ『メモ用紙』を差し出した。

――――――――――――――――――――――――――――――――――――――――――――

恋文の能力について朱鷺宮先輩と話し合いました。
すぐに解除しなかった理由は、こちらを泳がせる為じゃないでしょうか?
最初に騒ぎが起きた時、
見学者の中にスタンド使いが複数いる事は分かった筈ですから、
様子を窺っていたのかもしれません。

――――――――――――――――――――――――――――――――――――――――――――

受け取って開けば、上記の内容が読み取れる。

>>533(龍)

「『相手が違ってた』っていうのは惜しい答えね」

      「フミャアァ〜〜〜〜オ」

               「――――――?」

唐突に聞こえた『鳴き声』で、花蓮の目線が逸れる。
ロダンが入ってきたのだ。
そちらに気を取られている隙に涙音が歩み寄り、『ノートの切れ端』を渡された。

――――――――――――――――――――――――――――――――――――――――――――

龍さん、例の手紙のスタンド能力者の目的は
もしかしたら、こちらを観察することかもしれません
この中の誰かがスタンド使いだとすれば、日向神さんと手紙の騒ぎのときに
おそらく私達のスタンドを見ているはずです。
そのまま泳がせていたのかもしれないですね。
観察の目的は…きっとこの部活のことを考えると概ね理解できます。
誰がそうなのか、見当がついてたらいいのですが…

――――――――――――――――――――――――――――――――――――――――――――

素早く文面に目を通すと、そのように書かれている。
涙音も独自に推理していたのだろう。
美丹は花蓮に問い掛けるが、
『スフィンクス』という品種が持つ特異な姿が彼女の興味を引いたらしく、
タイミング悪く聞こえなかったようだ。

539奈津川恋子『クワイエット・ガーデン』:2023/09/21(木) 22:23:48
>>538
「ム……ロダンさん、演技派ですね。
ん、これはまさか……手紙を授業中に回す『アレ』ではないですか……!
恋子、感激です!」

ひとしきり感激した後手紙を読む。

(なるほど。三枝さんと朱鷺宮さんもそのようにお考えですか。
確かに……花蓮さんがスタンド本体であるなら、
まさしく『様子を伺っていた』というのは正しいように思えます。
彼女の目論見は恋の成就ではなかった……
というか、それが主目的ではなかった。といったところですか)

ひとしきり読んだ後は花蓮と龍の話を聞きに行こう。

540朱鷺宮 涙音『フォートレス・アンダー・シージ』:2023/09/21(木) 22:49:46
>>538
「わ、猫ちゃん!
 こんなところに猫がいるなんて珍しいですね!
 それに…毛がない猫なんて!」
猫、ロダンに近づいて涙音は驚く演技をする涙音。
さり気なく渡すことには成功したようだ。
後は不自然にならないように行動すればいいだろう。

「迷い込んじゃったのかな〜
 おはなしの最中だから、遊ぶなら私とお願いね〜」
いかにも猫を可愛がるように
顎などをワシャワシャ撫でる

「あ、すいません…
 つい…猫、結構好きなもので」
そして周囲の人に頭を下げる。
席に自然に戻るには、ロダンを抱えて戻るのがちょうどいいだろう。

541龍美丹『チーロン』:2023/09/22(金) 10:31:18
>>538

「……」

(ロダン?)

そして、ノートの切れ端に目をやる。

(なるほど)

「では、出した人間が違っていた?」

カバンに触れ、筆箱を取り出す。
多分、カッターナイフがあったはずだ。

「それとも、お互いの本当の目的が違っていた?」

「貴方、もしかして」

「ボクたちと同じ側ですか?」

『チーロン』を発現する。

542『縁結のM』:2023/09/22(金) 18:58:10
>>539(奈津川)

『新しい友達』が出来た事に加えて、
思いがけず『学生らしい体験』を味わえたのは幸いだ。

さておき恋子の意識は『恋文』に立ち返る。
涙音達が推理した話の辻褄は合う。
あの時、涙音だけがスタンドを出していなかった。
『四人の見学者』の内、『三人』までがスタンド使いだったのだから、
『残る一人もスタンド使いなのではないか』と思われても不思議はない。
それを炙り出す狙いもあったとも考えられる。

『花蓮が本体』――――それが正しいとすれば、どうするべきだろうか?

        ズズズズズズズズズズズ

視線を移せば、美丹の肌に『龍の紋様』が浮かび上がっていく。
彼女が自らのスタンドを発現しているのだ。
二人の会話は佳境に入っており、その内容は恋子の耳にも届いている。

>>540(涙音)

涙音の演技は無事に通った。
即興ながら、なかなかの女優ぶりと言えるだろう。
今なら『舞台』にも立てるかもしれない。

    ワシャ ワシャ ワシャ

            「ウニャンウニャン」

顎を撫でられて、文字通り『猫なで声』を漏らすロダン。

「珍しい猫ですね。
 それは『スフィンクス』ですよ。
 今まで見かけた事はありませんが、近所で飼われているのかもしれません」

「朱鷺宮さん、しばらく相手をしておいてもらえますか?」

猫と戯れる涙音を見た安心院が、そのように頼んでくる。
もちろん涙音にとっては『願ったり叶ったり』だ。
両腕でロダンを抱え上げ、三枝と共に元の位置へ戻る事が出来た。

>>541(龍)

鞄の中を探る指先が筆箱に触れた。
花蓮の前で、それを取り出す。
無論、カッターナイフも入っている。

「さっきも言ったでしょう。
 私が『全てを知っていたかどうか』は別だって。
 つまり、私には『知らない事』があった」

「それを踏まえた上で『手紙を出す相手』について考えてみたら、
 私が『何を知らなかったか』が分かるんじゃないかしら?」

      ズズズズズズズズズズズ

『チーロン』の発現と同時に、その身に『龍の紋様』が現れる。
『同じ側』の人間なら見落とす事は有り得ず、ある程度の反応が想定されるだろう。
『見えない振り』をする場合を除いて。

      「………………………………」

おもむろに目を細めた花蓮は、
『美丹の真意』を計りかねているかのように沈黙を保つ。
まもなく、二人の傍らに恋子が近付いてきた。
彼女も『手紙』を受け取ったようだ。


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