[
板情報
|
カテゴリランキング
]
したらばTOP
■掲示板に戻る■
全部
1-100
最新50
|
1-
101-
201-
301-
401-
501-
601-
この機能を使うにはJavaScriptを有効にしてください
|
【ミ】『A to Z』part2
1
:
『Monster Freak』
:2022/10/22(土) 15:22:39
「You're next」
―――――――――――――――――――――――――――
◆ここは『小石川』がGMのミッションを行うスレです。
前スレ
【ミ】『A to Z』
ttps://jbbs.shitaraba.net/bbs/read.cgi/comic/7023/1612673497/
636
:
『ストーリーテラー:S』
:2023/12/25(月) 21:24:02
『称えられない英雄』を意味する『アンサング・ヒーロー』という言葉がある。
大きな功績を上げたにも関わらず、その事実を誰も知らず、
場合によっては本人さえも気付かない。
実際、歴史上こういった者は数多く存在する。
後世に名を残す『称えられる英雄』よりも、遥かに多いと言っていいだろう。
清月学園に芽吹いた『ささやかな事件』は、
『三人の活躍』によって静かに幕を下ろした。
この町では様々な事件が起きているが、
それらに比べれば小さな出来事に過ぎないかもしれない。
しかし、『世界を揺るがす大事件』も、最初は『些細なきっかけ』から始まる。
今回のケースも例外ではない。
もし早期に解決されなければ、
やがて『大きな事件』に発展する可能性は否定できなかった。
『将来に起こり得る災い』を未然に防ぐ事が出来たのは、
紛れもなく彼らの行動がもたらした結果だ。
これも『称えられない英雄』の実例として数えられる。
そして――――それが『我々の本分』でもあるのだよ。
もっとも、『私の目的』は少々違うがね。
『謎』の探求こそ、『スフィンクス』としての我が望み。
この世に『最大の謎』があるとするなら、それは『心の中』に存在する。
では、また『次の事件』でお目にかかろう。
637
:
『縁結のM』
:2023/12/25(月) 21:27:43
【縁結のマンドラゴラ】『頼成瑞月』のスタンド。
『一夜の間だけ咲く』と称される『月下美人』を擬人化したようなフォルムの人型スタンド。
右目からは『眼帯』のように『大輪の花』が咲いている。
器用ではあるものの、非力かつスピードも平均程度に留まり、基本的に戦闘には向かない。
『伝達手段』に触れる事で、そこに『種』を植える。
『伝達手段の定義』は『作成した本人以外が意味を理解できる物』であり、
必ずしも『誰かに見せる事』を前提としない。
ただし、『スマホに表示された電子メール』などに触れても、
対象になるのは『そのスマホのみ』で、それを送信したとしても無意味。
誰かが『種を植えた伝達手段』を視認する事により、
『種』から『芽』が出て『花』が咲く。
『花』は即座に枯れるが、その直前に『濃密な香り』を周囲に発散し、
それを嗅いだ者は『最初に目にした相手』に対する『好意』を『増幅』される。
距離が近ければ効力は強さを増し、逆に離れると効き目は薄くなってしまう。
なお、あくまでも『好意の増幅』である為、
『好意』が『ゼロ』の場合は意味を為さない。
『クローバー』Clover
破壊力:D スピード:C 射程距離:C
持続力:B 精密動作性:B 成長性:B
638
:
『M』⇒『F』
:2025/02/13(木) 14:58:36
「――休みの日に出てきてもらって悪かったね」
一組の若い男女が連れ立って歩いている。
声を掛けたのはチェスターコートを着た少年だ。
真面目な人柄が窺える『優等生風』だが、それでいて堅苦しさは感じさせない。
「いいえ!ちょうど暇でしたから。
『若園先輩』には秘密にしておきますから安心して下さい。
あっ、変な意味はないですよ!」
ダッフルコート姿の少女が、慌てたように訂正を挟む。
こちらは真っ直ぐ切り揃えた前髪が特徴的だった。
整った身だしなみからも『しっかり者』といった印象を受ける。
「でも、私で良かったんですか?
『奈津川先輩』や『龍先輩』や『朱鷺宮さん』に相談しても……」
「彼女達に迷惑は掛けられない。
その分、君を頼ることになってしまうけど。
念の為に『スタンドが見える人間』が必要なんだ」
互いに言葉を交わしながら、2人は『ある場所』を目指して歩き続ける。
「……『あの人』が何か知ってるかもしれないんですよね。
私には優しそうな人に見えましたけど、『心の中』までは分かりませんし……」
「あぁ――『彼』には聞かなきゃならないことがある」
639
:
『ストーリーテラー:S』
:2025/02/26(水) 16:18:00
よく目を凝らして注意深く観察すると、
何気ない日常の中にも『謎』は見つかるものだ。
例えば、普段は『ラム肉』を好んで食べる私が、
突然『イワシ』に宗旨替えしたとする。
私の嗜好を知る者は疑問を覚え、『何かあったのか』と思うだろう。
それは単に気分を変えたかったせいかもしれないし、
あるいは体調に問題を抱えているのかもしれない。
どちらにせよ、何らかの『原因』が存在することは確かだ。
『今回の事件』も、そうした些細な変化から始まった。
では、『解決』に至るまでの道筋を辿ることにしよう。
640
:
『浮世のF』
:2025/02/26(水) 16:21:18
>(外神田)
『漣派』主導による『アリーナ』の面接を終えた後、
『見学者』の一角である『ステュアート派』から通知が届いた――――。
要約すると、『その気があれば派閥に迎え入れたい』という内容だ。
これには『ロダン』からの『推薦』もあったらしい。
『実技』を観戦した彼は、外神田の『知性』を高く評価しているようだ。
また、勧誘とは別に『ちょっとした仕事を頼みたい』と付け加えられていた。
時間と場所が指定されており、当日は『代表』と顔を合わせて話す形になる。
………………ザッ
そして、『外神田千秋』は『現地』に到着した。
賑やかな表通りを抜けて、静かな裏通りに踏み入ると、
まもなく一軒の『喫茶店』が現れる。
店の名前は『Priceless(プライスレス)』。
『至上の価値』を意味する言葉だ。
重厚な木製のドアには『CLOSED』と表記されたプレートが掛かっているが、
『そのまま入ってきて欲しい』と言われているので、入店しても構わないだろう。
駐車スペースには『真紅のクーペ』――『フェアレディZ』が停まっていた。
641
:
『浮世のF』
:2025/02/26(水) 16:24:00
>(りん)
ある日の昼下がり、『りん』は『喫茶店』を目指して歩いていた。
『Priceless(プライスレス)』という名前の店だ。
表通りから外れた立地にあり、認知度そのものは低いが、
来店した客からは概ね肯定的な評価を得ている。
マスターは『初老の西洋人』で、丁寧かつ柔らかな物腰で接客してくれるらしい。
また、『バリスタ』としても『料理人』としても一流の腕前という評判だった。
落ち着いた雰囲気の店内は、日常の喧騒から離れてリラックスした時間を過ごせるそうだ。
こうした意見に反して知る者は少なく、
いわゆる『隠れた名店』のような扱いを受けている。
数日前、その存在を噂で聞き、今まさに向かっている状況だ。
まだ店は見えてこないが、そう遠い距離ではないだろう。
――――――パッ
目の前の横断歩道を渡る前に、歩行者用信号が『赤』に変わってしまった。
そういえば『Priceless』には『珍しい猫』もいるとか。
どう珍しいかは定かではないが、その辺りも行ってみれば分かることだろう。
>(ニア)
その日の午後――『藪雨仁愛』は、明確な目的を持って街中を歩いていた。
行き先は『Priceless(プライスレス)』という『喫茶店』だ。
目立たない裏通りに位置しているせいで、
あまり広く認知されていないものの、訪れた客からの評価は上々らしい。
『知る人ぞ知る名店』といったところだろう。
つい先程、店の噂が耳に入り、そこに向かうことを決めて現在に至る。
オーナーであるマスターは、流暢な日本語を話す『初老の西洋人』という話だ。
礼儀正しく穏やかな態度で接客をこなし、
提供されるメニューの数々は、いずれも高品質という評判を聞いた。
店内は落ち着いた雰囲気に包まれ、その居心地の良さに、
つい長居してしまう常連客も少なくないのだとか。
まだ見える範囲に店はないようだが、もう少しで辿り着くはずだ。
――――――パッ
横断歩道の手前に差し掛かった時、信号が『赤』に変わり、何台かの車が通行し始めた。
『Priceless』に関する噂で、他に目立つものは『珍しい猫』だ。
『猫がいる喫茶店』というのは時々ある。
642
:
外神田千秋『デジタル・ブラックアウト』
:2025/02/26(水) 23:34:49
>>640
「ここか……」
千秋は『ステュアート派』の連絡に応じ、そこにいた。
勧誘に関しては条件次第だと思っているが、高く買ってくれているのであれば、吝かではない。
それよりも『ちょっとした仕事』の方が興味津々だった。
赤い車が停まっているとしても、それが関係者のものであると断定はしない。可能性は高いだろうが。
どうであれ綺麗だなと思った。
喫茶店が待ち合わせ場所だなんてことも、それだけなら『ありふれた話』だと思うだけだったが──
閉店中であるにも拘らず入っていいということは、派閥の経営する店だということなのだろうか。
「お邪魔します」
千秋はまだ、『ロダン』が猫であることなど思いもよらない。
初老の『イケオジ』だったらアガるなあ……などと考えていた。
入店する。
---------------------------------------------
能力詳細
ttps://jbbs.shitaraba.net/bbs/read.cgi/comic/7023/1453050315/281
外見
学生にも若い社会人にも少年にも見える女性。痩せ型。背は少し低い。
髪型は肩までの長さの片目が隠れたウルフカット。髪の色はダークグレー。瞳の色はモスグリーン。
上半身は柄物(とあるゲームのロゴ)Tシャツの上にジャケットを羽織る。
下半身はパンツスタイル(長ズボン)にスニーカー。
右手首に腕時計。
所持品
手提げバッグ(以下中身)
財布、スマホ、ハンカチ、ハサミ、マッチ、リップクリーム、ハンドクリーム、豆菓子
プロフィール
20歳無職
元レトロゲーマー
(コレクションを『収集家』にあげてしまったため、『元』)
643
:
ニア『セレクター』
:2025/02/27(木) 00:08:12
>>641
ニアは交友関係が少ない。
学生時代の希少な友人とも連絡はほとんど取らなくなったし、
アルバイト先でも業務の外での付き合いは皆無だ。
そもそも、孤独を苦痛に感じないタイプではあるのだが。
そのニアが、いったい誰から『Priceless』の噂を聞いたのか?
そして、なぜそこに足を運ぼうと決めたのか──
(ふん)
そんなことはどうでもいい。
重要なのは、ニアが今日の昼食を『Priceless』で取ることを『選んだ』──
その『選択』の事実だけなのだから。
(『ネコ』は嫌いじゃあないけどね)
ポケットに両手を突っ込み、行き交う自動車どもを眺める。
────────────────────────────
人型スタンド。
指差したものに対して実行可能な『選択肢』を表示する。
『選択』した行動は、因果の収束によって強制的に完遂される。
『セレクター』
破壊力:C スピード:C 射程距離:C(25m)
持続力:C 精密動作性:A 成長性:B
▶︎能力詳細
ttps://jbbs.shitaraba.net/bbs/read.cgi/comic/7023/1453050315/277-278
▶︎外見
ボサボサの金髪にニット帽を被り、大量のピアスを着けた女性。
身長158cm。垂れ目だが三白眼で上がり眉のキリッとした顔立ち。
服装は、タンクトップにパーカー、ジーンズ、スニーカー。
▶︎所持品
財布、スマートフォン、ヘアピン数本。
▶︎プロフィール
本名は『藪雨 仁愛』(改名済み)。19歳、フリーター。
『選ぶ』ことに執着する自由人。他者からの指図や強要を嫌う。
協調性は人並みにあり、納得できる意見や提案には従うことを『選ぶ』。
644
:
りん『フューネラル・リース』
:2025/02/27(木) 14:15:27
>>641
「In einer kleinen Konditorei da saßen wir zwei
Bei Kuchen und Tee♪」
りんは人間が好きだし、人間の文化も好きだ
だから喫茶店も好きだ
喫茶店という文化もそうだ
喫茶店は名前通りお茶やコーヒーを喫する場所だが、
店が違えば淹れ方も違い、店ごとの個性というものがある
単にお茶やコーヒーを飲むだけではなく、
その店の雰囲気に浸りながらゆったり過ごすのも喫茶店の楽しみ方だ
呪文みたいな注文を詠唱して召喚するフラペチーノを楽しむスタバ
逆写真詐欺の狂ったサイズのカツパンやシロノワールやメロンソーダのコメダ
そんなチェーン店ももちろん良いが、個人店には個人店にしか出せない味がある
『Priceless』
話に聞くと落ち着いた雰囲気の店のようだが、実際に入ってみないと分からない
分からないからこそ、どんな店がわくわくだ
『赤』
渡ろうとしたら赤信号、よくある事だ
赤信号、みんなで渡れば怖くない
なんていうが、みんなで渡ればその数だけ死体が増えるだけだ
りんは信号を考えて作った人間は凄いなぁと思う
この信号が多くの人間の命を守っているんだ
人間の文明にはほんとに感心させられてばかりだ
能力詳細:ttps://jbbs.shitaraba.net/bbs/read.cgi/comic/7023/1453050315/279-280
外見:頭に鈴蘭が咲いてる10歳くらいの少女
身長は134㎝、髪は白いセミショートちょろっとアホ毛、瞳の色は黄緑色
鈴蘭柄の白いワンピースを着ている
所持品:スマホ、財布、鈴蘭柄のハンカチ、特製鈴蘭飴
プロフィール:
自分の事を人間だと思い込んでいる精神異常花(鈴蘭)
自然公園内にある少女の遺体が眠っていて時折少女の霊が現れる、という噂の鈴蘭畑のすぐそこの小屋に住む
鈴蘭畑を始めとした公園の植物の世話が仕事、鈴蘭畑の鈴蘭は家族
無類の人間マニアでもある
645
:
『浮世のF』
:2025/02/27(木) 16:10:38
>>642
(外神田)
閉まっている店に出入りするというのは、通常あまりないことだ。
外神田の見立て通り、『ステュアート派』の所有する物件であることは間違いない。
その目的は『資金調達』か、もしくは『別の意図』なのか…………。
カ ラ ァ ン
来客の訪れを告げるドアベルが鳴り響き、外神田は『Priceless』に足を踏み入れる。
最初に感じ取れたのは、ほの暗い明るさの照明と、馥郁たるコーヒーの香りだった。
年代物らしい調度品で統一された内装は格調高く、
日常から離れて落ち着いた時間を過ごすことのできそうな雰囲気だ。
用意されている座席は『テーブル席』と『カウンター席』。
壁際の片隅に『木彫りのパーテーション』によって仕切られたスペースがあり、
反対側の様子は窺えない。
カウンターの奥には『キッチン』が設けられているようだ。
当然ながら『トイレ』もある。
また、入口から近い位置には『別の扉』も見えた。
「――――ようこそ、『外神田千秋』様」
出迎えの言葉を返してきたのは、
チャコールグレーの『ギャルソンベスト』を着こなした長身痩躯の西洋人だった。
頭髪は白髪混じりで、外見から判断できる年齢は『60歳前後』だろうか。
カウンターの向こう側に佇み、彫りの深い顔に穏やかな笑みを湛えている。
「本日はご足労いただいたことに感謝します。まずは私からご挨拶を」
「『スティーヴン・ステュアート』と申します。
この店の『主人』であり、『ステュアート派』の『代表』を務める者です」
――――――スゥッ
簡潔な自己紹介と共に、ステュアートは恭しく頭を下げる。
「そして、『彼女達』は――――」
今、店内にいるのは彼だけではなく、カウンター席には『3人の女性』が座っていた。
『ワインレッドのパンツスーツ』を纏い、『フォックス型の眼鏡』を掛けた女。
『マッシュルームボブ』のヘアスタイルに、『部屋着風』のゆったりした服装の女。
最も目立つのは、古代ギリシャの装束である『キトン』に身を包んだ女だろう。
両腕は『羽毛』で覆われ、踵からは『蹴爪』が生え、背中には『翼』が備わっている。
一言で表現するなら、まるで『鳥人』のような姿だった。
「『ステュアート派の関係者』です。
今日は別件のために集まってもらったのですが、
良い機会ですから紹介させていただきましょう」
スッ
ステュアートの声を受けて、その場で全員が立ち上がる。
646
:
『浮世のF』
:2025/02/27(木) 16:12:52
>>643
(ニア)
『ニア』が噂を知ったのは『つい先程』だが、
それは文字通り『数分前の出来事』だった――――。
小学生くらいの少年と大学生風の女性が会話する声が、自然と耳に入ってきたのだ。
『過眠症』とか『黒い馬』がどうとか、そんなことを話していたような気がする。
その中に『Priceless』の話題があり、同時に『ニアの予定』は決定した。
……………… ……………… ………………
この瞬間、『信号待ち』をしているのはニアだけではなかった。
10歳ほどに見える少女が隣に立っているのだが、
真っ先に視界に入るのは『彼女の頭部』だろう。
この少女――『頭に花が咲いている』。
より正確に言えば、この花は『鈴蘭』だった。
ニアのピアスのように『アクセサリー』の一種なのかもしれない。
しかし、それにしても精巧な出来映えだ。
あるいは『珍しい猫よりも珍しい存在』なのかもしれないが。
>>644
(りん)
もし信号機が設置されていなければ、
交通は大混乱に陥り、死傷者が続出したことだろう。
無論、ここで白昼の惨劇は起こらない。
何ら問題なく車は通り過ぎていく。
……………… ……………… ………………
信号が変わるのを待っていると、高校生らしい『一組の男女』が、
横断歩道を挟んだ反対側の歩道を歩いているのが見えた。
チェスターコートを着た『優等生風』の少年と、
ダッフルコートを羽織った『しっかり者』といった印象を受ける少女。
2人で話し合っているようだが、その内容までは聞き取れない。
ただ、彼らの表情や話し方から、なんとなく『秘密』めいたものを感じた。
これも『人間らしさ』の一つと言えるだろうか。
日頃から『人間』に深い関心を抱くりんだからこそ、
そうした細かな点に気付けたのかもしれない。
そんな風に解釈すれば、この『信号待ち』の時間も有意義に過ごせそうだ。
647
:
ニア『セレクター』
:2025/02/28(金) 01:28:23
>>646
趣味である『競馬観戦』を終えた帰り道。
普段なら自宅でカップ麺でも食べて済ますところだが、
『即断即決』を旨とするニアにとって、突然の予定変更は茶飯事だ。
…………それにしても。
チラッ
隣の少女の頭に咲いた『鈴蘭』が気になる。
『アクセサリー』なのだとしたら、ずいぶん珍妙な趣向だ。
まあ、誰がどんなおしゃれをしようと知ったことではない。しかし。
「…………」 ジロ ジロ
つい先日、『普通の人間には見えないもの』が、
自身の『セレクター』だけではないと知ったばかりなのだ。
あの『奇妙な言葉遣いの女』──『稲崎』の『ナイフ』を思い出す。
もし『そう』なら、観察すれば判別できるだろう。
人目も憚らず、『鈴蘭』をガン見する。
648
:
外神田千秋『デジタル・ブラックアウト』
:2025/02/28(金) 14:03:50
>>645
「どうも、ええと……」
直前の妄想から彼がロダンなのかと思ったが、別人のようだ。
声が違う。
「あなたが代表さんなのね。わざわざ代表自ら歓迎してくださるとは光栄です。
外神田千秋です」
頭を下げる。
思わず素の自分よりずいぶん丁寧な言葉遣いになってしまったのは、
ステュアート氏の人柄に影響されてしまったから──
いや、『気圧された』と言ってもいいかもしれない。
そして巡り合わせた三人の関係者の女たちにも会釈を返す。
ステュアート氏の口ぶりからすると、別段私に会いに来たわけではないのだろうか?
「──はじめまして」
649
:
りん『フューネラル・リース』
:2025/02/28(金) 20:57:31
>>646
少年と少女が内緒の話をしている
何か甘酸っぱい青春って感じでその様子をほほえま〜な感じで見ていた
実際、そんな甘酸っぱい雰囲気なのかどうかは分からないが
彼らの話が聞こえてしまってもりんのせいじゃないが、
秘密の話なのでりんに聞かれるなんてヘマはそうそうしないだろう
そもそも、『秘密』の話ならこんな所でするなよって話だが
こ ん な と こ ろ
でする話なら、そこまですっごい秘密ってわけでもないのか?
信号が変わるのを待つ時間も、周囲を見渡して見ると結構楽しかったりする
行きかう車や通行人を観察したり
信号の何か押すやつとかあったりすると押したくなるし
この信号にはあの何か押すやつあったりするんだろうか?
650
:
『浮世のF』
:2025/02/28(金) 21:53:07
>>648
(外神田)
記憶しているロダンの声は『バリトン』だったはずだが、
ステュアートは『テノール歌手』のように柔らかな声色だ。
そして、目の前にいる男性はステュアートだけで、『ロダンらしき者』の姿はない。
少なくとも見える範囲には確認できなかった。
「はじめまして、『ステュアート派』構成員の『紅儚』です。
『ロダン先生』に伺いましたが、
かなりの『技巧派』でいらっしゃるとか…………。
私も『戦闘員』の端くれとして、
機転を利かせた立ち回りは是非とも見習いたい所存です」
最初に挨拶したのは『スーツ姿の女』だった。
年齢は『二十代半ば』だろうか。
過剰なまでにキビキビした所作からは、
『堅物』と思える程の生真面目な性格が窺い知れる。
ズズズ…………
その傍らに『人型スタンド』が出現する。
漆黒の外套を身に纏い、フードを目深に被っているせいで顔の上半分は見えない。
両手には『爪』があり、紅を引いたような口元からは、鋭い『牙』が顔を覗かせていた。
ヴァンパイア
『吸血鬼』――――そういったイメージのヴィジョンだ。
先の『実技』において、外神田は『炎の鞭』を繰り出そうとしたが、
『小さな偶然の符合』といったところか。
「『外神田さんのスタンド』は聞き及んでいますので、
勝手ながら『礼儀』としてお見せしました」
――――――フッ
姿勢を正して深々と一礼した後、紅は『吸血鬼のスタンド』を収め、一歩前に進み出る。
「それから、こちらをどうぞ。私の『名刺』になります」
ソッ
┌─────────────────┐
│ 株式会社Belladonna │
│――――――――――――――――――――――│
│ 研究開発部 │
│ │
│ 調香師 │
│ │
│ 紅 儚 │
│ │
│ KURENAI HAKANA │
└─────────────────┘
「これは『表の名刺』なのですが、
もし何かお聞きになりたいことがありましたら、
その際は応対いたしますので」
『調香師』というのは、主に香水を調合する職業だ。
差し出された名刺は、どうやら『化粧品メーカー』のものらしい。
名刺を手渡した紅は後ろに下がり、『マッシュボブの女』に目配せする。
651
:
『浮世のF』
:2025/02/28(金) 21:55:42
>>647
(ニア)
この『花』がアクセサリーだとしたら、あまりにも奇抜すぎるセンスだろう。
服装も『鈴蘭柄のワンピース』なので、こだわりのファッションなのかもしれない。
いずれにせよ風変わりな姿だった。
ただ、『子供』という点が問題を微妙なものにしている。
たとえ突飛なことをしていたとしても、
大抵の人は『子供だから』という理由で片付けてしまいがちだ。
しかし、ニアは『普通の人間には見えない力』を持っている。
眼前の『奇妙な少女』が、それに関わる者だとしたら、ひとまず納得しても良さそうだ。
物事の本質を見極めるためには、やはり観察することが重要だろう。
『即断即決』――速やかに決断を下し、少女の頭にくっついている『鈴蘭』を凝視する。
………………?
見れば見るほど『本物』にしか見えない。
どこからどう見ても『本物の鈴蘭』だ。
お互いの距離が近いせいで、微風に乗って漂う『僅かな花の匂い』さえ感じられる。
と――――――
キョロ キョロ
何かを探すように、『鈴蘭の少女』が辺りを見回す。
彼女の視線が、鈴蘭を眺めていたニアの目線と交差する。
バッチリ『目が合ってしまった』。
>>648
(りん)
あくまでも『何かがありそうな雰囲気』を感じただけであり、
それ以上のことは分からなかった。
ただ、『聞かれていないから話している』というのは察せられる。
現に、りんには聞こえないし、彼らの周囲には他の人もいない。
りんが思ったように、『カップル』というのは大いに有り得る線だ。
『秘密めいたもの』というのも、
『付き合いたての初々しさ』だと考えれば、何の不思議もないだろう。
キョロ キョロ
『ボタン』を探してみるが、それらしいものは見当たらない。
と――――――
ジロ ジロ
…………『視線』を感じる。
そちらを見ると、『隣に立っていた人間』と目が合った。
『大量のピアス』が目立つラフな服装の女性が、りんを見下ろしている。
さっきから『鈴蘭』を『ガン見』されていたようだ。
652
:
ニア『セレクター』
:2025/03/01(土) 18:42:39
>>651
視線は逸らさず、真顔も崩さず、『鈴蘭』を指差して少女に尋ねる。
「それ、本物?」
一切の躊躇はない。
そうすることを『選んだ』のだからそうするまでだ。
少女や周囲の人間にどう思われるかは、気にすることではない。
そして、もし『鈴蘭』が本物だったとして──
それは何を意味するのだろう。本物の『鈴蘭』を髪飾りにしている?
しかし、カチューシャなんかを着けている様子はない。
まさか『頭から生えている』……なんてことは、ないだろうし。
653
:
外神田千秋『デジタル・ブラックアウト』
:2025/03/02(日) 09:26:25
>>650
「それは恐縮の極みです。ゲーム好きが高じて小手先には多少の自信もあるけれど
スタンド使いとしては駆け出しもいいところですし、私が皆さんを見習う側だと思います」
先日の面接会が初バトルだったのだ。
そこまで高評価されると嬉しいを通り越して困惑してしまう。
「このスタンドヴィジョンは……『吸血鬼』!」
そのモチーフは『キャッスルヴァニア』の専売特許ではもちろんなく、ゲームにおいてだけでも無数に見られる。
世に様々な『ヴァンパイア』が存在することを思えば、彼女のスタンドも見た目だけで能力は推測しきれないが……
「これはどうもご丁寧に。お返しする名刺を持ってなくてすみませんが……株式会社ベラドンナ?」
名刺を受け取る。
化粧品メーカーの調香師。ベラドンナの社名と合わせて、『吸血鬼』の雰囲気にはよく合う。
「なるほど。私、あまり化粧っ気がある方ではないので聞いたことはないですけど。
すごく、なんというか、素敵ですね」
香りに関する仕事をしている人の、吸血鬼のスタンド。
ほのかに香ったけれど、まだ『嗅ぎ分けられない』。
……嗅ぎ回るのは野暮か。
654
:
りん『フューネラル・リース』
:2025/03/02(日) 17:56:52
>>651
少なくとも険悪ではないし深刻な話をしている雰囲気でもなさそうではある
聞こえてしまったらしかたないが、聞こえないもんは聞こえないし
人の内緒話をわざわざ暴こうとも思わない
それより
しんこくと言えば、確定申告嫌だなぁ〜
と頭の中で面倒な仕事を思い出し気が滅入る
人間の文化が好きなりんでも、嫌なもんは当然ある
確定申告なんてその最たるものだ、何だよこのわけわからない制度は
超脇道に逸れた考え事をしていると、ふいに隣の女の人と目が合ったりん
鈴蘭にすっごい視線を感じる
怖いか人間よ!!
「こんにちは〜」
なんという事もなく、いつものように朗らかな笑顔で挨拶をする
655
:
『浮世のF』
:2025/03/02(日) 19:35:49
>>653
(外神田)
紅からの評価は大仰に感じられたが、おそらくは『性格』に由来するものなのだろう。
彼女自身、さほど搦め手が得意な方ではないのかもしれない。
場合によっては、その辺りも分析の参考になるか。
「『ナイトシェイド』――それが『吸血鬼』の名前」
密かに思考を巡らせる外神田の内心を読んだかのように、
『マッシュボブの女』が気怠そうに口を開いた。
「それから、私の名前は『雛形弥生』」
雛形は『ソバカス』が目立つ顔立ちで、どこか斜に構えた表情は『皮肉屋』を思わせる。
「一応、『闘技場』の『実況』を任されてる。
といっても、基本的にウチで試合をやることは少ないから、
もっぱら『技術職』ってところ。
まぁ、せいぜい『小細工』程度よ」
いや、どちらかといえば『自虐的』な傾向が強いようだ。
「…………とりあえずよろしく。
仲良くなる程の付き合いがあればいいけど」
蛇足気味な一言を付け加え、雛形は自己紹介を終える。
紅とは対照的に称賛の言葉はなく、自らの『スタンド』を披露することもなかった。
外神田を軽んじている訳ではないはずだが、同じ派閥の中でも価値観は様々あるようだ。
バ サ ァ ッ
最後に残った『鳥人のような女』が、芝居がかった動きで両腕を広げてみせる。
656
:
『浮世のF』
:2025/03/02(日) 19:39:36
>>652
(ニア)
一般的に『頭に花が咲いた少女』と出会う者は少ない。
世の中の人間の大半は、一度も会うことなく生涯を終えるだろう。
ましてや、それが『本物の鈴蘭』だとしたら、
遭遇する確率は限りなくゼロに近いはずだ。
「こんにちわ〜」
視線を合わせた少女が、屈託のない笑顔を向けてくる。
ヘアバンドらしき物は何処にもなく、まるで『直に生えている』ように見えた。
しかし、そんなことは有り得ないのだ。
ニア自身にも当てはまる『可能性』を除いては。
土曜日の公園で目撃した『稲崎』の『刃』は、
『セレクター』とは全く異なるヴィジョンを持っていた。
『スタンド』が人によって違うなら、
眼前の異様な光景にも説明がつけられるかもしれない。
――――――パッ
ふと気付くと、車の通る音は聞こえなくなっていた。
顔を上げてみれば、『青信号』に変わっている。
『鈴蘭の少女』も気に掛かるが、早めに渡っておいた方が良さそうだ。
>>654
(りん)
高校生らしいカップル風の男女は、何事もなく通り過ぎていった。
もし彼らに何かがあるとしても、
りんに大きな影響を及ぼすような事態は起こらないはずだ。
りんの方から踏み込んだ場合は、また別かもしれないが。
それはそうと――――
ス
「それ、本物?」
『鈴蘭』を凝視していた女性が、
りんの頭を指差しながら、単刀直入に質問を投げかけてくる。
あからさまに目立つ『それ』が気になるのは、ごく自然な反応だろう。
『真剣』な面持ちだ。
――――――パッ
そんなやり取りの中、信号が『青』に変わった。
そう急ぐ必要もないが、あまりノンビリしていると渡れなくなるかもしれない。
隣の女性は、りんの答えを待っている。
657
:
ニア『セレクター』
:2025/03/03(月) 22:07:08
>>656
「こんにちは」
挨拶には挨拶で返す。それが『正しい』。
「……………………」
手を引っ込め、返答を待つ。
少女が立ち止まっているなら自分も立ち止まるし、
横断歩道を渡るなら、それに合わせて渡ろう。
もっとも、答えるかどうかはこの少女が『選ぶ』ことだが。
658
:
外神田千秋『デジタル・ブラックアウト』
:2025/03/04(火) 01:45:48
>>655
「えっ」
このソバカスの女、いま仲間のスタンド名を勝手にバラしたのか?
私が興味深そうにしていたから親切にしてくれたのか、
あるいは紅と仲が悪いのか、単に『そういう人』なのか。
『その程度のことは深刻に考えていないだけ』という可能性もあるけど。
「……あっ、ハイ。はじめまして。よろしくお願いします」
挨拶を返し頭を下げる。
ちょっと雛形の人となりを測りかねている感じが顔に出ていた。
「技術屋なのに実況もやるんですか?」
裏方の技術屋と言われれば、彼女はすごくそんな感じだ。
逆に、実況担当っぽさはまったく感じられない。
もっとこう、『レディース・エンド・ジェントルメェーン!!』みたいな人がやる感じじゃないか?実況って。
(朝の将棋番組みたいに淡々と実況しそう……)
失礼なので口に出さないが、そんな風に感じてしまう。
むしろ一周回って見てみたさがあった。
雛形がスタンドを見せたり賞賛したりしないことは、むしろそれが普通だろうと思う。
ちょっと掴みかねる場面もあったがこの人は自分に近いタイプかもしれない。
などと思いを馳せていたが──
バ サ ァ ッ
(な、なに!?) バッ
鳥人のような女が急激なモーションを見せたため、身構えてしまった。
659
:
りん『フューネラル・リース』
:2025/03/04(火) 18:46:14
>>656
若い子達のひそひそ話、どこにでもある普通の風景
偶然また見る事もあるかもしれないし、無いかもしれない
それが過ぎて行くと同時に、信号は青へと変わった
青信号といえば、何で緑なのに青って言うんだろう?
りんも最初はそれに強烈な違和感を覚えていた
元々日本では緑を青と表現する習慣があった事から、という説もあるが
他にも三原色がどうだとか、新聞が青と報じたからだとかとも言われている
ややこしいんだよ!
そうも思ったが、こういう所が人間の面白い所でもあると感じるりん
>それ、本物?
「ん?そうだよ〜」
真剣って感じではあっても深刻ではないだろう、と思う
初対面の人間に鈴蘭の事を聞かれるのはよくある事だ
たまに解剖したがるマッドサイエンティストやハンターが居たりするが
大体はマジかよかっけぇ!という反応になる
急ぎの用事ってわけでもなく、のんびりするのも良いが
歩きながらでも別に話は出来る
渡れる時には渡るのが良い、それが道路だ
660
:
『浮世のF』
:2025/03/05(水) 19:43:13
>>658
(外神田)
「ええ、雛形さんは『語彙』が豊富な方ですからね。
こう見えても『ラジオ』の仕事をされていた経験があるのです。
もちろん『裏方』ではなく『演者』として」
今度は、紅が『雛形の経歴』を補足する。
雛形の発言に対し、彼女が咎める様子はない。
また、雛形自身は外神田の表情を見つめていた。
推測できる可能性は複数あるが、このように考えることもできる。
『スタンドの情報』を重要度の高い順に並べると、
『能力』・『ヴィジョン』・『名前』だ。
紅は最も重要度の低い名前を飛ばし、まずヴィジョンを見せた。
その『サイン』を受け取った雛形が、
自らの口から『スタンドの名前』を教えることで、
『外神田の反応』を引き出したとしたら――――。
紅と雛形は相性が悪いように見えて、実際は信頼関係ができているのかもしれない。
そして、紅も『搦め手は苦手』のようなことを言っていたが、
必ずしも『考えるのが苦手』ではないのだろう。
ロダンが説明していたように、『ステュアート派』の方針は、
『早期発見』による『早期解決』だ。
そのためには『洞察力』が欠かせない。
こうした一連の流れによって、
『外神田の思慮深さ』を知りたかったとも解釈できる。
スゥゥゥゥ────────ッ
『鳥人』を思わせる女が、頭を垂れて『お辞儀』をした。
ヘアスタイルは『ポンパドール』。
カラーは青・白・紫の『トリコロール』だ。
「お初にお目にかかります。
ワタクシは『ストリートパフォーマー』の『ハーピー』でございます」
ハーピーといえば、ギリシャ神話に登場する半人半鳥の怪物だ。
本名とは思えなかった。
おそらく『芸名』のようなものか。
『大道芸』を生業とするなら、この人目を引く格好は、
『舞台衣装』だとしてもおかしくない。
よく観察すれば、『羽毛』も『蹴爪』も『翼』も本物そっくりな質感で、
かなり手が込んでいるように見える。
「こちらでは『選手』を含めて色々やらせてもらっておりますが、
ワタクシ『バードショー』が『本業』なのでして。
街で見かけた際は是非ご覧いただければ」
いわゆる『ファイター』の経験者らしいので、
外神田と同じく『戦えるスタンド使い』であることは間違いない。
フワァ…………
ハーピーからは『不思議な匂い』も漂う。
なかなか形容しにくいが、
『お日様』のような『焼き菓子』のような『柔軟剤』のような…………。
少なくとも不快な匂いではなかった。
「――――ヨロシクお願いいたします、ハイ」
661
:
『浮世のF』
:2025/03/05(水) 19:43:31
>>657
(ニア)
少女が動き出したことを確認し、それに合わせてニアも歩き始める。
「ん?そうだよ〜」
何気ない口調で返ってきたのは明瞭な『肯定』だ。
彼女曰く『本物』らしい。
これで一つの疑問は解けた。
依然として『謎』は残っているが…………。
――――ザッ
横断歩道を渡り終え、さらに歩道を進んでいく。
『鈴蘭の少女』も同じ方向のようで、自然と並んで歩く形になっていた。
もし必要なら、まだ質問するチャンスはありそうだ。
ニア達の10mほど前方には、『二人組の男女』が見える。
チェスターコートの少年とダッフルコートの少女。
おそらく私服姿の高校生だろう。
一見するとカップル風だ。
実際の関係は分からないが、その辺りが妥当なのかもしれない。
今、彼らも『同じ方向』に進んでいる。
>>659
(りん)
あまりにも複雑怪奇な人間の営みを、一朝一夕に把握することは難しいだろう。
人間側にとっても、りんの存在を理解するのは簡単ではないはずだ。
いずれにせよ大切なのは、知ろうとする心なのかもしれない。
「こんにちは」
『ピアスの女性』から、真顔で挨拶が返される。
人間に関心を寄せるりんでも、その表情から内心を窺い知ることは困難だった。
りんが歩き始めると、それに合わせて彼女も動き出す。
――――ザッ
無事に横断歩道を渡った後も、お互いの『進行方向』は変わらないままだ。
『目的地』まで同じとは限らないが、少なくとも今は一緒にいる。
晴れた空の下、りん達は並んで歩道を進む。
また、約10m前方には先程の男女が歩いていた。
彼らも『同じ方向』らしい。
こうして『2人』と『2人』になり、『4人』は歩いていく。
662
:
ニア『セレクター』
:2025/03/05(水) 22:33:37
>>661
「ふーん」
子供ゆえの嘘か冗談と考えられなくもないが、
『鈴蘭』を観察するに、やはり本物であることは確からしい。
それ以上の質問はしない。手っ取り早い方法がある。
「ちょっといい?」 ズギュン!
『セレクター』を発現し、『鈴蘭』にそっと手を伸ばす。
少女が『スタンド使い』なら何かしら反応を見せるだろう。
もし反応がなくても、『鈴蘭』の感触も確かめてみたくはある。
嫌がるなら止めるが、そうでなければ触ってしまおう。
少女の様子を見るのは『セレクター』の視覚に任せ、
ニア自身は前を向いて歩く。『男女2人組』のことも見えているが、
特に何か気になる部分があるわけでもない。
663
:
<削除>
:<削除>
<削除>
664
:
外神田千秋『デジタル・ブラックアウト』
:2025/03/07(金) 13:25:04
>>660
「へぇ……そうなんですか。機会は多くないという話でしたが、見てみたいです」
失礼だと思うので言葉にはしないが、すごく意外だと思ったのは事実だし、顔にも出ただろう。
マイクを握れば人が変わるタイプなのだろうか?人にはいろんな面があるものだし、あり得そうだ。
そして、ハーピーに挨拶され……
「失礼しました、はじめまして。
『ファイター』で……『パフォーマー』?それは……生業として、ですよね?」
まずは異様なものを見たような反応をしてしまった非礼を詫び、挨拶を返す。
ステュアート派が派閥として彼女にパフォーマンスをさせているとしたら奇妙な話だったが、
「あっ、情報収集の一環としてならパフォーマンスを通じて多くの人と交流するのは理に適っているのか」
彼女が『情報リサーチ担当』だとすれば派閥のためにパフォーマーをしている可能性もあると気付いた。
「ハイ。実は『バードショー』って何だろう?ってレベルで無知で申し訳ないですが
街でお会いできたら楽しませていただきますね。
……?」
漂ってくる香りに気付き、不思議に思う。
(紅さんのところの香水を付けている……?いや、香水の匂いじゃないな。
お菓子を食べてきたばっかりとか、いい香りの柔軟剤を使っているだけかもしれないけど……)
思案するが、ハーピーがお菓子好きかどうかも柔軟剤を愛用しているかもわからない状況では
なにか特別な意味があるとも断定できないのでとりあえずこの件は保留した。
665
:
りん『フューネラル・リース』
:2025/03/07(金) 19:44:43
>>661
ただ、こうして道を歩いているだけの日常
和だ
そこに大きな何かが起こるわけでもない
もちろん、何かが起きれば面白いが
こうした緩やかな時間を享受するのは人生を豊かにするひと時だ
件の喫茶店までは後どれくらいあるのだろう?
ここからそう遠くはないはずだが
ちょっとだけ喉が渇いてきた
ポケットから鈴蘭飴を一粒出すりん
口に入れると鈴蘭の香りと、普通の人間には味わえない鈴蘭の蜜の味が広がる
爽やかだ
666
:
『浮世のF』
:2025/03/07(金) 20:57:51
>>663
(外神田)
「ちょっとだけ違います。
ワタクシ、『ストリートパフォーマー』は『個人事業』として始めました。
こちらに加わったのは『その後』でございます」
本人の弁によると、『ストリートパフォーマンス』自体は、
『ステュアート派』が主導している訳ではないということだ。
「鋭いご指摘ですね。
やはり『平時の様子』を知らなければ、
いざという時に『前兆』を察知することはできません。
彼女が色々な場所で見聞きした情報は、私達の活動にも活かされているのです」
ハーピーの言葉に対し、紅が『肯定』を含めた補足を入れる。
外神田の読み通り、『情報の共有』はしているらしい。
あるいは『情報収集に適した人材だから目を付けた』とも取れそうだ。
「…………『こういうもの』よ」
スッ
おもむろにスマホを取り出した雛形が、液晶画面を見せてきた。
『動画』が再生されており、
指揮者を思わせる動作で指を振るハーピーの周囲で、多種多様な鳥の群れが飛び交う。
これが『バードショー』なのだろう。
無秩序な動きではなく、規則正しい『編隊飛行』だ。
両腕を伸ばしたハーピーの身体に、十数羽の鳥達が着地した場面で映像は終了する。
「ワタクシ、鳥類と意思の疎通が行える『特技』が自慢です」
フフ
薄く微笑みながら、ハーピーが口元に片手を添える。
「――――――外神田様」
一通りの挨拶が済んだタイミングで、ステュアートが外神田に呼びかける。
「どうぞ、こちらにお掛け下さい」
コト
「当店の『オリジナルブレンド』です」
湯気の立つコーヒーを注いだカップとソーサーが、空いているカウンター席に置かれた。
それと同時に、自己紹介を終えた3人は席を離れる。
おそらく、ここから『本題』に入っていくのだろう。
「我々の概要は、ロダンからお聞きになっているものと思います。
その上で、外神田様ご自身が、
『ステュアート派』をどのような派閥として考えておられるかをお教え願えますか?」
667
:
『浮世のF』
:2025/03/07(金) 20:59:07
>>662
(ニア)
少年は『優等生風』の風貌で、少女からは『しっかり者』という印象を受けた。
時折、何かを話し合っているようだが、カップルの会話にしては硬い雰囲気に見える。
まだ付き合い始めて日が浅いのかもしれない。
ズギュン!
『スタンド』を出して、相手の反応を探る。
全ての相手に通じる保証はないが、手っ取り早い選択肢であることは確かだろう。
ニアの意思が『セレクター』に伝わり、少女の『鈴蘭』に手を伸ばす…………。
……………… ……………… ………………
また、ここで別の発見もあった。
『スタンドの視界』と『本体の視界』を両立させようとすると、
どうしても意識が散漫になってしまう。
今は『セレクター』の操作に集中しているので、前方に対する注意が疎かになっている。
もっとも、特に障害物はなかったはずなので、大きな問題は起こらない。
ただ、今後このような状況になった場合は、どちらか片方に専念した方が安定しそうだ。
>>664
(りん)
特製の鈴蘭飴を味わいながら、りんは歩みを進める。
あと数分も歩けば、例の店に到着するはずだ。
人類の歴史は『スピード』に挑戦してきた歴史でもある。
そして、現代は1秒でも速く移動することが求められる。
そうした観点から見ると、これは無駄な時間と言えるだろう。
しかし、ゆっくり進むからこそ見つけられるものもあった。
トッ トッ トッ
前方を歩く二人連れ――その横合いにある脇道から、一匹の『猫』が姿を現す。
どことなく知的な顔立ちの『無毛の猫』だ。
体色はブルー、瞳の色はゴールド。
おそらく『スフィンクス』と呼ばれる品種だろう。
普通に街中で見かける種類ではない。
――――――『変わった猫』だ。
チラ
スフィンクスが『りんの隣』を一瞥した。
視線の先を追うと、『ピアスの女性』が『人型スタンド』を発現している。
全身の『雨の模様』と『矢印マーク』が特徴的だ。
そのスタンドが『鈴蘭』に手を伸ばしている。
見たところ『敵意』はなさそうだが…………。
668
:
ニア『セレクター』
:2025/03/08(土) 21:29:02
>>667
(あー。いけない)
スタンドと自分の視界を両立することの難しさを忘れていた。
仕様がないので、ニア自身も横目で少女へ視線を向ける。
『セレクター』の操作は、先ほどと変わらない。
『鈴蘭』に手を伸ばして触ろうとしつつ、
少女が嫌がる素振りを見せれば、すぐに手を引っ込める。
669
:
外神田千秋『デジタル・ブラックアウト』
:2025/03/09(日) 18:43:56
>>666
「おお〜……これはすごい!
実際に見るともっと迫力がありそうですね!」
子供のようにはしゃいでバードショーの映像を食い入るように見る。
服装も相まって、ハーピーが鳥に扮したショーをすると思っていたので
まさか実際に鳥を操るとは、いい意味で裏切られた。
(これはスタンド能力ではなく、純粋な技能……?
さっきの香りもこれに関係したものなのかも)
そして、
>「どうぞ、こちらにお掛け下さい」
「はい」
座るよう促され、席に着く。
出されたコーヒーに砂糖とミルクを、砂糖多めに入れ、スプーンで混ぜる……
「うーん、まだロダンさんの話といまご紹介いただいた皆さんのことしか知らないですから
ロダンさんの話を鵜呑みにした認識しか無いですよね。
アリーナバトルよりも問題や異変の解決に重きを置いた組織だと。
『どう考えているか』というのが『どう認識しているか』という意味ならそれだけです。
その上で、私がそのことを『どう感じているか』という話であれば、
能力的にも向いてそうだし興味のうえでもそっちの方が面白そうかな、って」
コーヒーをグルグル混ぜながら、会話と並行して自分の考えをまとめるように語る。
「私のスタンド、道具や環境を利用する能力なんですよ。
有利な道具を持ち込めるか否かで戦況がずいぶん変わってしまうし、
無節操に大量の道具を持ち込むのは興行としてちょっと、って部分もある。
先日の体験会を受けて、闘技は、特に挑む側としてだと
『とにかくバンバン闘(や)る』って気にはなれないかな、って思って」
そこまで言うと混ぜるのは終えて、コーヒーに口を付けた。
カクゲー キャッスルヴァニア
「ゲームでも対戦格闘よりも探索アクションの方が好きなんですよね。
あとはロダンさんの知的な雰囲気が気に入ったってこともあるかな」
長々と語ったが、要は『気に入った』ということなのだ。
670
:
りん『フューネラル・リース』
:2025/03/09(日) 21:11:08
>>667
この時期は空気が乾燥しているから喉も乾く
乾いた喉を飴ちゃんがすっきりと潤す、良い感じだ
「あっ」
脇道から出て来た無毛の猫
思わず「このハゲエエエエエエエエーーー!!!!!」
と叫びそうな見た目をしているが、実は違う
スフィンクスは極めて短い産毛に覆われているという事をりんは知っている
それにしてもだるだるの皮膚だ
「おいでー」
なんて珍しい猫に手招きしたら、猫がりんの隣を見ているじゃないか
何かな、と思って視線の先を見ると
「わぁっ!」
色んな意味でびっくりだ
いきなり視界にスタンドが入って来たのももちろんびっくりだ
「あ、待って!触ったら危ないよ」
色んな意味で危ないんだ
それは鈴蘭には毒があるという事もあるが、
何かの拍子に抜けたりしたら
671
:
『浮世のF』
:2025/03/10(月) 19:42:38
>>669
(外神田)
上品な笑みを湛えたまま、ステュアートは口を挟むことなく、外神田の話に耳を傾けていた。
「先程の問いは、お互いの認識に『齟齬』がないことを確認するためです」
………………フワリ
コーヒーカップからは優雅な香りが漂い、鼻腔を優しく刺激する。
「正しくご理解いただけているようで、私も安心いたしました」
……………… ……………… ……………… ……………… ………………
黒色から褐色に変化した液体を口に含むと、一言では表現できない『奥深さ』を感じ取れた。
フルーツを思わせる華やかな舌触りから始まり、
熟成したワインにも似た芳醇な風味の深奥で、
ダークチョコレートのように豊かなコクのある苦味が余韻を残す。
まさしく『至上の価値』と呼ぶに相応しい一杯だ。
「『Priceless』の店主として、私は『価値ある時間』を提供することを誇りとしております」
――――――ス
柔らかな声色で語りながら、ステュアートが店内に目線を移す。
「…………また、『ステュアート派』の代表として、日々の『変化』に気を配っているのです」
注意深く観察すると、この店には様々な『芸術作品』が飾られている。
小さな彫像や、額縁に収められた絵画など、種類は色々あった。
それらの共通点としては『伝説の生物』をモチーフにしているものが多いようだ。
「外神田様の『才覚』は、他の派閥でも十二分に活かせるものと確信しております」
「そして、我々が扱う『領域』において、『目の前の敵に打ち勝つ』といったケースは稀です」
初老の西洋人は静かに、緩やかに言葉を紡ぐ。
「『力押しで物事を進めた結果どうにかできてしまう』――――」
「そういった結末に遭遇することもないでしょう」
それは、先の『バトルロイヤル』の最中に、外神田自身が口にしたことだ。
おそらくロダンから聞いているのだろう。
外神田千秋という人間の『性質』を、ステュアートも理解していることが窺える。
672
:
『浮世のF』
:2025/03/10(月) 19:51:52
>>670
(りん)
産毛のみが生えたスフィンクスの肌は、
『スエード』を思わせる滑らかな手触りだと言われている。
あまりにも特徴的な外見が、SF映画『ET』のモデルになったというのは有名な話だ。
一般的な猫とは明らかに違う異質な姿から、
『地球外知的生命体』のイメージを連想するのは無理もない。
「――――?」
クルッ
生憎、スフィンクスは寄ってこなかったが、
先を歩いていた男女がりんの声を聞き、その場で足を止めて振り返った。
しかし、2人は『別々の方向』に視線を向けている。
少年は『鈴蘭』を見ているが、少女は『スタンド』を見つめているようだ。
……………… ……………… ………………
『鈴蘭』が秘めた恐るべき『危険性』は、りん自身も理解していることだ。
いや、この場においては『りんしか知らない』。
そんな中で、少女が少年の前に歩み出た。
ス ゥ ッ
りんが嫌がる素振りを見せた直後、『人型スタンド』は手を引っ込める。
『警告したから』という理由もあるが、あくまで『様子見』の行動だったらしい。
とりあえず『即座の危険』は回避できた。
>>668
(ニア)
少女の方に集中することで、『彼女の様子』を観察しやすくなった。
「おいでー」
ふと、『鈴蘭の少女』が『何か』に呼びかける。
そちらに意識を向けたなら、一匹の『猫』が視界に入るだろう。
ブルーの体色とゴールドの瞳を持つ『変わった猫』だった。
高い頬骨、非常に大きな耳、レモンのような形の目。
何よりも目立つ特徴は『被毛がない』ことだ。
また、猫らしい髭も生えていない。
『思索に耽る者』を思わせる顔立ちからは、どことなく『知性』を感じる。
『古代エジプトの猫』に似た容姿を持つことから、
その品種は『スフィンクス』と名付けられた。
それよりも…………
「わぁっ!」
唐突に『鈴蘭の少女』が驚きの声を上げた。
彼女には『セレクター』が見えている。
ニアと同じ『スタンド使い』だ。
「あ、待って!触ったら危ないよ」
さらに、この少女はニアに『注意』を促す。
可憐な外見に反して『鈴蘭』は『有毒』。
それによる死亡事故も起きている。
確かに『危険』ではあるかもしれない。
ともかく嫌がっていることが分かったので、『セレクター』は行動を中断した。
673
:
『浮世のF』
:2025/03/10(月) 20:01:31
>>668
(ニア)
>>670
(りん)
こうして『りん』と『ニア』は、お互いに『スタンド』を持つ者であることを認識する。
さらに――――――
………………ズズズッ
男女の片割れである少女の背後に、『人型スタンド』が出現した。
『一夜だけ開花する』という逸話で知られる『月下美人』。
その花を擬人化したヴィジョンが佇んでいる。
右目の辺りからは、眼帯のように『大輪の花』が咲いているのが印象的だ。
ほっそりしたシルエットからは、あまり力強さは感じられない。
ド ド ド ド ド ド ド ド ド ド ド ド ド ド ド ド ド
本体である『前髪を切り揃えた少女』は、連れの少年を庇うような構えを見せている。
ニアの『セレクター』に反応して『それ』を出したらしい。
積極的に何かをする様子はなかった。
そして――――男女の近くに立つ『スフィンクス』が、
この場に現れた『2体のスタンド』に視線を向けていることは、
ニアとりんの二人とも気付くことができた。
674
:
ニア『セレクター』
:2025/03/11(火) 23:03:57
>>672-673
「やっぱり『スタンド使」
『鈴蘭の少女』の反応を見て、『セレクター』を引き戻す──が。
「い』…………」
『人型スタンド』を発現した『前髪を切り揃えた少女』。
明らかに『スタンド』を認識している様子の『スフィンクス』。
予期せぬ1人と1匹の登場に、しばし目を丸くする。
しかし、まずやるべきことは──
スッ
『セレクター』を解除。
両手をポケットから出し、『ホールドアップ』の姿勢を取る。
「ごめん、驚かせた。2人ともだ。何かしようって気はないから」
不用意に『スタンド』を出すとこんなことも起こりうるのか。
つい最近まで他の『スタンド使い』と会ったことがなかったので、
気付かなかったが……今後は注意しなければ。
しかるべきとき、『正しい選択』を見誤るかもしれない。
目を細め、眼前の『人型スタンド』に視線を注ぐ。
675
:
外神田千秋『デジタル・ブラックアウト』
:2025/03/12(水) 02:25:16
>>671
「……おいしい」
意図せず口をついて出た言葉だった。
千秋はカフェインを嗜むが、その接種はどちらかといえばコーラをはじめとした飲料からだ。
コーヒーはあまり飲まない。だから今、一級品のコーヒーを初めて口にした。
素直な感想であった。
コーヒーのお陰か、静謐さと柔らかさが混在する空気を感じつつ、ステュアートの言葉を聞いている。
収集品にモチーフがあることには気が付いたが、その意味までは測りかねたし、
いま話題を逸らしてまで聞く程のことでもなさそうに思った。
> 「『力押しで物事を進めた結果どうにかできてしまう』――――」
> 「そういった結末に遭遇することもないでしょう」
「フフッ、アレはどちらかといえば嫉妬混じりの弱音として言ったんだけどね。
『向いている』ことは有難いけど、それが約束されていることに甘んじるのは違う」
自分としては『お前らパワーがあって羨ましいなあ!』と感じてつい出た、失言とも見做しうる発言だった。
いつかは鷲見や桃園のような者とも渡り合える自分でありたいのだ。
そういった局面から逃げるために来たつもりはない。
……とはいえ、別に拘束されるわけでもないのだからステュアートらの与り知らぬところで励めばいい話だ。
それと、コーヒーでリラックスしたおかげか敬語が鳴りを潜め、千秋本来の口調に戻っている。
676
:
りん『フューネラル・リース』
:2025/03/12(水) 19:02:33
>>672-673
「もう、いきなり人の花に触ろうとするのはマナー違反ですよ」
マナー違反というか
普通の人間でいえば痴漢に近いだろうか
花の感覚を普通の人に当てはめるのは難しいが
「言ってくれれば…」
言えば触って良いのか?
まぁ、そこは相手にもよるかもしれないし
手洗いとかの準備は必要かもしれないが
今はそんな場合じゃない!
> ………………ズズズッ
あっちからもこっちらもスタンドが!
ただならぬ状況だ
その時りんは…
「……」
『月下美人』のスタンドを見て小さく震え…
「きれい!」
目を輝かせている
『月下美人』が咲くのは夜の間だけ
それがこんな昼間に見られるとは、数々の花を育てて来たりんも初めての体験だ
「それ、おねえさんのですか?」
もっと近くで見ようとスタンドに近寄る
ある意味、銃口を向けられている状態で銃に近寄っているようなものだろうか
677
:
『浮世のF』
:2025/03/12(水) 21:23:22
>>675
(外神田)
ステュアートは穏和な表情を崩さないが、内心の考えは読み切れない。
「はい――――外神田様が『立ち向かった』ことは、私も聞き及んでおりました」
…………ニコリ
外神田の宣言を聞き届け、ステュアートが笑みを深める。
「その上で、ご本人の口から『力強い言葉』をいただけるのは喜ばしい限りです」
戦略の一環で撤退することはあっても、外神田は最後まで諦めることなく戦い抜いた。
その光景をロダンは目撃しており、ステュアートも承知しているはずだ。
外神田千秋という人間が、決して『甘んじない』ことも。
「豆の種類、焙煎度合い、抽出時間……一杯のコーヒーには様々な要素が複雑に絡みます」
「このオリジナルブレンドも、まだ『完成』ではありません」
「『より良い一杯』を求め、私が生きる限り『研鑽』を続けております」
ス ッ
そこで言葉を切ると、ステュアートはカウンターの上に片手を乗せ、『名刺』を差し出した。
しっかりした厚みと美しい発色が特徴の『プライク紙』だ。
マットな黒地に金の箔押しが施されたデザインは、見る者に『高級感』を感じさせる。
「外神田千秋様、あなたの器量を見込んで『ステュアート派』にお招きいたします」
『ステュアート派・代表:スティーヴン・ステュアート』
――――――そのように明記されていた。
「こちらの招待を受けていただけるのであれば、『これ』をお取りください」
カウンター上の名刺を手に取った瞬間、
外神田は『ステュアート派』と『明確な繋がり』を持つことになる。
678
:
『浮世のF』
:2025/03/12(水) 21:27:21
>>674
(ニア)
にわかに緊張した雰囲気の中で、『セレクター』を解除し、ニア自身も両手を上げる。
危害を加える意思がないことを伝えるには十分だ。
それを見た少女は、深呼吸を一つしてから口を開く。
「あ、いいえ!私も過敏になっちゃったみたいで……」
ペコッ
ニアの謝罪に対し、少女も軽く頭を下げる。
「――瑞月さん、そこに『スタンド』がいたのかい?」
「はい、部長。もういませんけど、ちょっとビックリしました」
少年の言葉から判断すると、『瑞月』というのが少女の名前らしい。
そして、『部長』と呼ばれた少年は『スタンド使い』ではないのだろう。
恋人にしては、少し妙な呼び方だった。
トコトコトコ
そんな中で、ニアの横を通り過ぎた『鈴蘭の少女』が、
『月下美人を思わせるスタンド』に近付いていく。
『花』という共通点があるせいか、なにやら興味を持っている様子だ。
正面から堂々と歩み寄っているが、
ニアが適切に対応したお陰で、目に見える危険はなさそうだった。
>>676
(りん)
りん自身も含めれば、『3人』と『1匹』のスタンド使いが居合わせている。
その一瞬、緊迫した空気が流れていく。
しかし、ニアが事情を説明したことで大事には至らなかった。
「…………え?あ、ありがとう」
りんの言葉に戸惑いながら、『瑞月』は返答する。
いや、戸惑っている理由は『言葉』だけではないだろう。
頭から咲いた『鈴蘭』も、その一つに違いない。
『鈴蘭』と『月下美人』のスタンド。
それらが同じ場に揃うというのも、なかなか珍しい状況だ。
トコトコトコ
『月下美人を咲かせたスタンド』に近付くが、銃口から弾丸が飛び出す気配はない。
りんの無邪気な態度に、瑞月も毒気を抜かれたようだ。
問題なく距離を詰め、彼女のスタンドを間近で観察することができた。
――――――フワァ
美しく咲き誇る神秘的な花からは、ほのかに『甘い香り』が漂ってくる。
679
:
『浮世のF』
:2025/03/12(水) 21:51:48
>>674
(ニア)
>>676
(りん)
華やかな『月下美人』を咲かせた『瑞月のスタンド』は、
どこか『マンドラゴラ』を思わせるフォルムを有していた。
そして――――
両者がそれぞれの行動を取った時、さらに『新たな変化』が訪れる。
ズ ズ ズ
目の前のやり取りを静観するスフィンクスの傍らに、『ヴィジョン』が浮かび上がった。
『人』の頭部、『獅子』の胴体、『鷲』の翼。
それらの異なる特徴を併せ持つ姿は、まさしく『スフィンクス』だ。
また、その表面は『石造り』のように無機質な質感を備えていた。
『神話の怪物』と『実在の石像』のハイブリッドといったところか。
《………………》
『石造りのスフィンクス』は、その場から動こうとしない。
人間である瑞月と違い、相手は『猫』だ。
果たして話が通じるのだろうか?
680
:
ニア『セレクター』
:2025/03/14(金) 18:36:17
>>676
「『マナー』? ふん」
「他人の身体には勝手に触らない、なんて。
そんなのは『マナー』じゃあなくて『常識』でしょ」
鼻を鳴らしてそう言い放った。
さっき自分がやろうとしたことを棚に上げている、訳ではない。
『常識』など、必要に応じて捨てるべきものだ。
>>678-679
空気から緊張が失せたのを感じ、ゆっくりと両手を下ろす。
新たに現れた『緊張の種』を睨みつけながら。
「へえ。みんな『スタンド使い』と会うのには慣れてるのかな。
あいにく、僕はあまり経験がないんだけど」
「『動物』の『スタンド使い』って見たことある?」
『スタンド』を発現したということは、『目的』があるはずだ。
先程、ニアが『鈴蘭』を触ろうとしたように。
……あの『スフィンクス』は、何をしようとしている?
異形の『ヴィジョン』の動きを見逃さないよう、視線を注ぐ。
681
:
外神田千秋『デジタル・ブラックアウト』
:2025/03/15(土) 20:23:10
>>677
「光栄です。でも……」
差し出された名刺に手を添えて、ステュアートを見る。
「これを受け取る前に、ひとつだけ聞かせてください。
ロダンさんも言っていましたが──
『大事件に発展する前の段階で解決する治安維持活動』がここの方針だと。
……なぜ、そのような活動を?
金のためや、名誉のためではないようにお見受けします。
ロダンさんは『謎解きに興味がある』とおっしゃっていましたが、
それは彼自身の個人的な嗜好であって派閥の見解とは異なるとか。
では、派閥として、ステュアートさんとしては、なぜ活動を買って出ているのか。
入る前に知っておきたいです」
無職だからなにかしたいと思ってあの試験に参加した千秋と異なり、
この喫茶店、経営する会社、パフォーマー……皆、ここにいなくても生きていける生業がある。
さらには資金が潤沢だとロダンは言っていた。
では、彼らの目的はなんだ?事情はなんだ?動機はなんだ?
もしも、それは純然たる善意のみであると言われたら、逆になんだか信用できない。
そう思った。
682
:
りん『フューネラル・リース』
:2025/03/15(土) 20:50:06
>>680
それはごもっともだが、
やろうとした本人が言うとお前が言うな過ぎる!
常識は必要に応じて捨てるものだが、今は捨てる時だったのだろうか?
>>678
それはもう、ヒュン ヒュン ヒュン
というくらいにあちこちの角度から『月下美人』をいっぱい見ている
人の花ジロジロ見てんじゃねえよ!
と怒られたらそれはそうなので謝るしかない
「わぁ、何か良い匂い」
自分の鈴蘭とは異なる香りに、何かぽわ〜〜〜っとなる
>>679
何かぽわ〜っとした感じになっている所にまたしても新しいスタンドが!
まるでスタンド使いのバーゲンセールだな
「スフィンクスからスフィンクスが!」
新しいスタンドが出てくる度にビックリだ
いい加減慣れろと思われるかもしれないが、驚くもんは驚くもんだ、しょうがない
683
:
『浮世のF』
:2025/03/16(日) 15:50:54
>>681
(外神田)
「…………外神田様は『無人販売所』をご覧になったことがおありですか?」
「お金を料金箱の中に入れ、金額分の商品を持ち帰る。
売る側と買う側の『信用』によって成り立つ販売形態ですね」
「私の故郷では、多くの者がこう思ったでしょう。
『これなら簡単に盗めそうだ』と――――」
スッ
外神田に語りながら、ステュアートが棚に腕を伸ばし、そこからカップを手に取る。
「ただ、実際に行うかどうかは別問題です。
盗む途中で見つかってしまうかもしれない。
盗るのは可哀想だという良心が働くかもしれない。
そうした要因から『実行』に至らない可能性もあるでしょう」
コト
まもなくカップを元の位置に戻すと、彼は再び話し始めた。
「しかし、『特異な力』が後押しした場合、それらは簡単に塗り潰されてしまうものです」
ふと、離れた場所に立つ紅と雛形が、それぞれ神妙な表情を浮かべてみせる。
「誰にも阻止されることなく、彼あるいは彼女は罪を重ね続ける。
やがて小さな悪事では満足できなくなり、犯罪の規模も大きくなっていく。
あまりにも目に余るようになれば、『アリーナ』も動かずにはいられません。
そして、スタンド使い同士の闘争は、時として命懸けの戦争に発展するのです」
ステュアートは両目を閉じ、おもむろに開く。
「深入りさせなければ『惨事』を避けられる――――それが私の『信条』です」
全てを明かしているとは限らない。
だが、嘘はないように感じられた。
いずれにせよ、彼は言葉を続ける。
「もし『私自身』についてお聞きになりたいとおっしゃるのであれば、
『勧誘する側の義務』として、ある程度お話いたしますが」
684
:
『浮世のF』
:2025/03/16(日) 15:51:51
>>680
(ニア)
神話の『スフィンクス』といえば、何よりも『謎』を好むことで知られている。
旅人に対して『謎掛け』を行い、答えられなかった者を食い殺すという。
あくまで伝承の類であり、必ずしも参考になるかどうかは分からない。
だが、眼前に鎮座する怪物からは、そういった剣呑な雰囲気は感じられなかった。
少なくとも『攻撃』が目的ではなさそうだ。
「あっ、はい。なんというか一応…………」
ニアの問い掛けに応じたのは瑞月だった。
「やっぱり初めて見ると警戒しちゃいますよね。でも、『大丈夫』ですから」
そう言う瑞月の表情は、至って落ち着いたものだった。
先程『セレクター』に反応した時と比べると、ずいぶん大きな違いがある。
どうやら、この猫を『知っている』らしい。
>>682
(りん)
大輪の『月下美人』から漂う芳香は、妙に『心に残る匂い』だった。
例えるなら、まるで心を直接くすぐられているような、不思議な心地良さを感じる香りだ。
それが『りんの精神状態』に影響を与えているのかもしれない。
フワァ………………
今は『なんとなく安らぐ程度』だが、この『香りの出力』を更に上げたら、
もっと強烈に『心の奥まで食い込んでくる』のではないだろうか?
――――――そんな感覚を覚える。
「あは……そんなに見られると、ちょっと恥ずかしいかも……」
瑞月は照れくさそうに笑うが、りんの態度が好意的なので、悪い気はしていないらしい。
「あなたの花は『鈴蘭』……だよね?」
彼女の視線は『鈴蘭』に向き、瑞月の傍らに立つ少年も、
同じく関心を示している様子が窺える。
685
:
『浮世のF』
:2025/03/16(日) 15:53:58
>>680
(ニア)
>>682
(りん)
《もし、私が『何をしようとしているか』を考えているのなら…………》
突如として、空間に『声』が響く。
《――――その答えは『挨拶』だよ。
君達も『知り合い』に出会った時、無視して通り過ぎてしまうことはないだろう》
理知的な壮年の男性を想起させるバリトンボイスは、
『スフィンクスのスタンド』が発する『スタンド音声』だった。
《『ロダン』さん、こんにちは。
今日は部長と一緒にお邪魔するつもりです》
『瑞月のスタンド』が、同じく『スタンド音声』を用いて、
本体の『スフィンクス』に話しかける。
少年は猫を見下ろし、何事かを思い出すような表情を浮かべた。
彼にも『見覚え』があるようだ。
《『ミヅキ』――君も健勝のようで大いに結構だ》
《『アジム』……彼には、君から『こんにちは』と伝えてくれるとありがたい》
ザ ッ
そして、『石造りのスフィンクス』は、ニアとりんに視線を移す。
《『私の声』が聞こえる君達にも、この場を借りて『挨拶』させてもらおう》
《私の名は『ロダン』――――『謎の探求』に魂を捧げる『スフィンクス』だ》
新着レスの表示
名前:
E-mail
(省略可)
:
※書き込む際の注意事項は
こちら
※画像アップローダーは
こちら
(画像を表示できるのは「画像リンクのサムネイル表示」がオンの掲示板に限ります)
スマートフォン版
掲示板管理者へ連絡
無料レンタル掲示板