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【ミ】『A to Z』part2

720『浮世のF』:2025/04/05(土) 17:22:45
>>717(ニア)

外神田とニアは短い挨拶を交わした。
お互いの年齢は近いものの、その印象は大きく異なり、
客観的に見ても好対照な2人と呼べるだろう。
ニアがテーブル席に腰を下ろすと、
カウンターの向こう側から長身痩躯のマスターが歩み出る。

  「――かしこまりました」

                コト

ニアの注文を聞いたマスターは丁寧に頭を下げ、
おしぼりと水の入ったグラスを置いてキッチンに入っていく。

>>719(りん)

店内に飾られている美術品は様々だ。
雄鶏と蜥蜴が合わさった姿の『コカトリス』、
インド神話に登場する鰐に似た怪魚『マカラ』、
パイロットのような航空服を着た小人『グレムリン』……。
そうした幻想生物のブロンズ像と共に、
『ドッペルゲンガー』や『シャドーピープル』を描いた水彩画など、
民間伝承や都市伝説を題材にした作品も見つかる。

メニューを眺めてみると、やはりコーヒーがメインのようだが、
紅茶や日本茶や中国茶も記載されていた。

「ご注文いただく方が多いのはコーヒーですが、
 当店ではお客様から要望があった品を、
 随時メニューに取り入れております」

       ──ニコ

「そのような経緯で、徐々に増えていきました」

上品な微笑を湛えたマスターが、店の仕組みを説明する。
今からメニューにない品物を用意してもらうのは難しそうだが、
次回の来店時には追加されているかもしれない。
当然、人間が口にしても問題ないものに限られるだろうが。

「それでは、お決まりになられましたら、またお呼びください」

おしぼりと水の入ったグラスを置き、マスターはキッチンに向かう。

>>718(外神田)

ロダンのような『高い知性を持つ猫』は極めて少数に留まるだろうし、
少なくとも『試験会場に居合わせた猫』が1匹だけだったことは間違いない。

「『安心院譲』です。
 丁寧な挨拶をしてくださったのに申し訳ないですが、
 僕達には特別な身分はありませんよ。
 強いて言えば、清月学園高等部の『演劇部』というくらいですから」

「私は『頼成瑞月』です。
 安心院先輩は『部長』で、私は1年生です。
 えっと――私達はロダンさんの『知り合い』なので、
 ニアさんやりんちゃんとは少し『事情が違う』というか……」

それぞれ名乗った少年と少女が、外神田の言葉を補足する。

《彼らは我々と『密接な関わり』はないが、
 以前の事件で知り合った関係で、ある程度の勝手を承知している。
 分かりやすく例えるなら、『リュウカ』に近いと言えるのかもしれないな。
 ただし、彼女ほど『慣れてはいない』》

《そう紹介しようとしたのだが、
 ソトカンダの『目敏さ』の方が早かったようだ》

ロダンが言う『事件』というのは、
おそらく『スタンド』が絡んでいた可能性が高く、
安心院と瑞月が『どこまで知っているか』は不明ながら、
それが後から入ってきた2人と分けられた理由なのだろう。

>>717-719(ALL)

《料理を待つ間または注文を決める間に、私の話を聞いてくれたまえ。
 君達には『ある人物に関する調査』を手伝ってもらいたい》

マスターがキッチンに消えると同時に、ロダンが説明を始める。

《この店には何名かの『常連客』がおり、
 最近その内の1人に『いくつかの変化』が起きた》

         ────ス

『スフィンクスのスタンド』が翼を動かし、『2つのテーブル席』を指し示す。

《彼は、常に『奥側の席』を選んで座っていたのだが、
 ある時から『窓側の席』に座るようになったのだ》

前者の席は入口から見て遠く、最も奥まった場所にある。
また、さほど離れていない飾り台の上に、
『悪魔』を模したガーゴイルが置かれていた。
後者は採光用のアーチ窓に面した席で、入口と近い距離に位置するため、
入店した直後に座れる位置だ。
窓から差し込む光のお陰で、薄暗い照明の下でも明るく感じられる。
窓際には、『天使』をイメージしたコラージュアートが飾られていた。


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