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【場】『 歓楽街 ―星見横丁― 』 その3

1『星見町案内板』:2022/08/03(水) 13:44:17
星見駅南口に降り立てば、星々よりも眩しいネオンの群れ。
パチンコ店やゲームセンター、紳士の社交場も少なくないが、
裏小路には上品なラウンジや、静かな小料理屋も散見出来る。

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                 ミ三ミz、
        ┌──┐         ミ三ミz、                   【鵺鳴川】
        │    │          ┌─┐ ミ三ミz、                 ││
        │    │    ┌──┘┌┘    ミ三三三三三三三三三【T名高速】三三
        └┐┌┘┌─┘    ┌┘                《          ││
  ┌───┘└┐│      ┌┘                   》     ☆  ││
  └──┐    └┘  ┌─┘┌┐    十         《           ││
        │        ┌┘┌─┘│                 》       ┌┘│
      ┌┘ 【H湖】 │★│┌─┘     【H城】  .///《////    │┌┘
      └─┐      │┌┘│         △       【商店街】      |│
━━━━┓└┐    └┘┌┘               ////《///.┏━━┿┿━━┓
        ┗┓└┐┌──┘    ┏━━━━━━━【星見駅】┛    ││    ┗
          ┗━┿┿━━━━━┛           .: : : :.》.: : :.   ┌┘│
             [_  _]                   【歓楽街】    │┌┘
───────┘└─────┐            .: : : :.》.: :.:   ││
                      └───┐◇      .《.      ││
                【遠州灘】            └───┐  .》       ││      ┌
                                └────┐││┌──┘
                                          └┘└┘
★:『天文台』
☆:『星見スカイモール』
◇:『アリーナ(倉庫街)』
△:『清月館』
十:『アポロン・クリニックモール』
---------------------------------------------------------------------------

※前スレ
ttps://jbbs.shitaraba.net/bbs/read.cgi/comic/7023/1607077443/

403甘城天音『ビター・スウィート・シンフォニー』:2024/03/24(日) 17:53:37
>>402
紅茶のカップを口に付け、一口飲む
薄目の味で、花の香りがする紅茶は
お菓子の甘い味に支配された舌の上を爽やかに洗浄して仕切り直してくれる

>あのぉぉ……、とっても失礼かもですがぁ……
>お名前をお伺いしてもいいでしょうかぁぁ……?

コトリ

紅茶のカップを置き、真雅致の顔を見る

「甘城天音」

真雅致 ありやはその名前に覚えはあるだろうか?

404<削除>:<削除>
<削除>

405<削除>:<削除>
<削除>

406真雅致 ありや『デビルズインレイ』:2024/03/27(水) 19:17:22
>>403 (甘城様・訂正レス)

 「『あましろあまね』 様」


 少女の唇の動きをなぞるように復唱し、
 酒精で蕩けた己の脳にその名を問いかけてみる。

 ……『天音』の名前に覚えはない。
 彼女とは初対面だ。

 そう思いつつも、『甘城』の姓には何かをひっかかりを感じる。
 しかしアルコールに浸かりきった頭では、
 その先の理路に思索が進むことはなかった。


「やっぱりわたくし……甘城様とは『初めまして』、
 ですよねぇぇ……?」

 座席から腰を浮かし、対面の甘城へと顔を近づける。
 泥酔者特有の据わった目を寄せ、
 甘城の瞳をとろんと見返す。


「それでぇ、初対面の甘城様と『何でここでお茶してる』のかぁ……?
 謎ですねぇぇ…………
 わたくしが逆の立場だったら『姉活』って即答できるんですがぁぁ……」

「うぅ〜〜〜〜〜、お手上げですぅぅぅ(両手を高く掲げる)……
 答えはなんですかぁぁぁ……?」

407甘城天音『ビター・スウィート・シンフォニー』:2024/03/28(木) 18:49:24
>>406
顔を近付け、
顔を見つめる真雅致の顔を見つめる
その瞳の中にはあま公の瞳を見つめる真雅致を見つめるあま公が映っている

何でもないような顔をしているが、
こうして間近に見られるのは慣れていないのか
少し照れのような表情を見せる


「……本当に覚えてないの?」

「あんな事があったのに……」

落胆したような顔で言う


まぁ、そう言う演技だろう
騙される奴はそうそういない
適当にあしらってやれば答え合わせもすぐされるだろう

408真雅致 ありや『デビルズインレイ』:2024/03/29(金) 00:43:18
>>407 (甘城様)


「…………えっ」 

     ピクッ


 口を半開きにした酩酊者の笑顔で固まったまま、
 その顔からスゥーっと音を立てて血色が引いていく。

 (直前に甘城が見せた『表情』が
  さらに意味深な想像を加速させた)


「………………………………………………
 ………………………………………………」


      サ サ サ サ サーッ


 素早く無言で自分の身体を検めるありや。 (←なぜ?)


「い、いやいやいやいやいやぁぁ……
 いくらわたくしといえどもぉぉ、
 酔った勢いでそんなぁ…… ねぇ? (←なにが?)」

「ね、ねぇぇ?
 だって甘城様、十代ですもんねぇぇ? (←?)」

「だからぁ、これも『冗談』ですよねぇぇ?
 冗談です……よねぇぇぇ〜〜〜? ねぇ……?
 ね、冗談、冗談ですよねぇぇぇ?」


 甘城の言葉にどんな想像力を働かせたのか知らないが、
 年下の女の子にすがりつくように言質を求めるシスター。
 これは……『初犯』の人間には決して出せない必死感だ……


「……………………………………
 ……………………あの……(急に真顔で)
 ほんとうのところどうなんですかぁ……?」

「し、真実を教えてくださぁぁぁぁい……」

409甘城天音『ビター・スウィート・シンフォニー』:2024/03/29(金) 19:44:44
>>408
このシスター、初犯ではない……
では一体何回目なのか、そんな事は考えてもしょうがない事か

想像よりも面白い反応が返ってきて楽しめたあま公
が、あまり引っ張るような事でもない

「……うん、冗談」

「銀行に用があったのは本当」
「銀行から出て来た所に酔っ払った貴方に絡まれた」

それが何故、カフェで一緒にお茶をしているのか

「……一人で来るつもりだったけど」

補足すると、友達と一緒にカフェに来るはずだったが
急遽用事が入ったので行けなくなったのだ
決して友達がいないとかそういうわけじゃない

だからってついさっき会った酔っ払いのシスターを誘うか?
ってところだが

「……寂しかったから……」

410真雅致 ありや『デビルズインレイ』:2024/03/29(金) 22:31:39
>>409 (甘城様)

「………………ですよねぇぇぇぇ〜〜〜〜!
 ですよねぇぇぇぇぇぇええええ〜〜〜〜!」


 身を投げ出すように卓上に崩折れながら、
 ものすごく力の籠もった安堵の息を
 吐き出すありや(本日2回目)。


 力込めすぎて前傾になっていた腰を座席に戻すと、
 両手を膝の上に置いてうんうん頷きを入れつつ
 甘城の語る真実(リアル)を聴く。


「………………なぁぁ〜んだぁぁ……
 そういうことだったんですねぇぇぇ〜〜……」


 そして最後、控えめに付け足された
 『寂しかったから』という甘城の独白(リアル)を受け、
 両頬に手をあてて目を細める。


    「まぁぁ…………」  ポワワ


 シスターの心中に、言葉にしがたい何か……
 『あったかぁ〜〜いきもち』 が砂漠の滴露のように
 ジワ〜っと湧き出てくる。


  これが……『愛』……?

   いや…………
   『母性』…………?

    いや…………………
    『姉性』…………………か?



「まぁまぁまぁぁ…………うふふ」

「それではぁ、謎も解けたことですし……
 お茶会の続きに、しましょうかぁぁ…………」

「甘城様、なにか食べたいものはありますかぁ……?
 好きなものを頼んでいいですからねぇぇ……
 ここはお姉ちゃんの……あ、いえ、間違えました、
 わたくしの、奢りですよぉぉ……」


 そう言ってメニューを広げるありやの顔には、
 酒気とは別の暖かな色味が加わっていた………。

411甘城天音『ビター・スウィート・シンフォニー』:2024/03/30(土) 18:41:18
>>410
「……
 お姉ちゃん……」

お姉ちゃん
その言葉に反応を示す

実の所、
お姉ちゃんだとかそういったものに飢えている所があるあま公
だからたまに、そういう人に甘えたくなる時がある


「じゃあ…」

好きなものを頼んでいいと言い、
メニューを広げるありやに遠慮なく好きなものを頼む


「名前……教えて」

「それと…これ」

ここまで相手の名前を知らなかった
今更ながらシスターの名前を聞く
そしてポケットからスマートフォンを取り出す

412真雅致 ありや『デビルズインレイ』:2024/03/30(土) 21:54:25
>>411 (甘城様)

「……! あらぁ……」


「これはこれはぁ……
 わたくしとしたことがぁ、
 たいへん失礼いたしましたぁぁ……
 わたくしぃ……」

   マ ガ チ
 「『真雅致 ありや』と申しますぅ……。

  星見の小さな教会で、このとおり、
  だめぇ〜なシスターをやっておりますぅぅ……。
  えへへぇ……
  これからもよろしくお願いしますねぇぇ……」

 酒気で定まらぬ頭をペコーっと下げると、
 バッグを漁ってこちらもスマホを取り出す。


「それでぇ、こちらがわたくしの……あっ、
 間違えましたぁぁぁ…………。
 (スマホをバッグに戻し、別のスマホを
  あらたに取り出して画面を見せる)」

  「はいぃ……こちらわたくしの、
   『QRコード』ですぅぅ……」


 シスターなのになぜかスマホを『2台持ち』していることも含め、
 連絡先交換に『妙に手慣れすぎている』気がしなくもないが、
 ともかくみずからの連絡先を甘城に提示するありや。


「甘城様が寂しくなったらぁぁ……
 いつでも連絡していいですからねぇぇ……」

 スマホを顔の横でフリフリと揺らしながら、
 親愛の情でいっぱいの微笑みを甘城へと向ける。

413甘城天音『ビター・スウィート・シンフォニー』:2024/03/31(日) 18:50:12
>>412
シスターだろうがなかろうが、
スマホ2台持ちしている人は特に珍しいという事もなく
普通なら仕事用・私用で使い分けているんじゃないか考えられるが
この堕落シスターの場合は…どうなのだろう…

その手慣れた動きも気にならなくもないが、あま公は別に気にしない


「……ありやお姉ちゃん…」

新しいお姉ちゃんの名前を呼んでみる

「天音って呼んで」

甘えたい相手には苗字よりも名前で呼んでほしい
そういうものなんだろう

>甘城様が寂しくなったらぁぁ……
>いつでも連絡していいですからねぇぇ……

「…うん」

あまり人に見せない満面の笑みを浮かべ

「今度、ありやお姉ちゃんに私の作ったお菓子食べてほしい…」

ケーキのさくらんぼを摘まみながら言う

ありやが酔いから醒めた後、どうなるのか
それは分からないが、今はこうしてお姉ちゃんに甘えていたい

414真雅致 ありや『デビルズインレイ』:2024/03/31(日) 22:56:43
>>413 (天音ちゃん)


>「……ありやお姉ちゃん…」

 「っは」 (動揺)


>「天音って呼んで」

   「いっ ひ」 (震え)


>「今度、ありやお姉ちゃんに私の作ったお菓子食べてほしい…」


    「 は ひ ィ っ ! 」 (白目)



   ボベェ ―――― ッ


 予期せぬ『三連撃』を心のやわらかい部分に浴び、
 吹っ飛ぶように背もたれに身を投げ出すありや。

 その唇の端から涎が垂れそうになったのに気づき、
 慌てて修道服の裾でごしごし拭う。

 そうして赤ら顔をまっすぐ甘城へ向けると、
 残像が残る速さでウンウンウンと三回うなずく。


「っっ……た、食べますっ食べますぅぅ!
 食べますよぉぉぉぉぉおおお!」


 「お、おお、『お姉ちゃん』んん、
  あ、甘城様のぉ……いえぇ!
  あ、あまぁ、あ、『天音ちゃん』の作ったものならぁ、
  なぁんでもぜんぶいただきますぅぅぅ〜〜〜!」


「だからあ、あっ、天音ちゃんもぉ、
 食べたいもの、欲しいものがあったら、
 あ、あなたのお姉ちゃんになぁんでもぜんぶ
 言ってくださいねぇぇ……!」
 

      「………でへぇっ、えへへぇ、
       うぇへへぇ……(前科三犯の笑顔)」



 そうして――――
 先ほどの『追加メニュー』を頼むべく、
 ありやは呼び鈴を手に取る。


 いつか、この甘い酔夢から醒めるときが来るのだろう。
 (ひょっとしたら『通報』という形で)
 だが少なくとも……今はまだ。


 彼女にとって、なによりも『幸福』な……いや、
 幸福を超えた『ハピハピハッピハッピ〜』な夢の時間は、
 もうすこしだけ続きそうだ――――。

415ペネロペ『ハックスラッシュG4』:2024/04/04(木) 21:56:05

   
     「………」

ラテン系の外国人女性が、
パチンコ屋の前に設置されたベンチに腰掛けて
道行く人々を恨めしそうな目で眺めている。


グウゥゥ〜〜〜〜…


女の腹の虫が鳴った。

416ペネロペ『ハックスラッシュG4』:2024/04/05(金) 22:39:53
>>415
去った。

417聖川篤虎『ドゥルセ・ネクタル』:2024/04/06(土) 00:15:25

「ちぃッとばかしの『臨時収入』があったわけだが、
 思いつく『贅沢』がコレとはなァ。
 本当、我ながら貧乏たらしくてみっともねぇ」


4月にしては冷え込むある日の夜、
歓楽街の裏にある数坪程の広さしかない公園にて。
今年も見事に咲いた1本の『桜の木』を眺め、
ベンチに腰掛けながら『コロッケ』を入れた『カップそば』を食べていた。


       「…あァー」

「カップそばのお汁ってなんでこんな美味いのかねぇ。
 良く『蕎麦は最初の一口はつゆをつけずに食べろ』なんて聞くが、
 蕎麦って食い物は結局『めんつゆ』を美味しく食べる為の食いもんだし、
 俺みてぇなバカ舌にはそんなオツな楽しみ方はまだ早ェみてぇだ。
 『乾燥めん』も昔に比べて明らかにクォリティがあがってるし、
 本モンの蕎麦に近付ける事はせずに独自の方向性に突き進んで、
 別モンとして考えれば全然美味ェ。
 食品メーカーさんの『企業努力』には本当に頭があがらねぇ。

 そばは勿論の事だが、この甘塩っぱいつゆも『唯一無二』の味で、
 つゆを吸ってぐずぐずになった『コロッケ』を食べるのが待ちきれねぇや…」


       「うめェなァ…」

418小野塚 遥『ブリリアント・レジリエンス』:2024/04/07(日) 19:18:07
>>417
「やあこんばんは、聖川くん」「夜はまだ冷えるねえ」

ふらふらと頼りない足取りで、どこかで会ったことのある女が近づいてきた。
ただしその雰囲気は、聖川が知っているそれとは少し異なるかもしれない。
表情はだらしなく緩み、顔には寒さのせいどころではなく紅色が差し、
手に持った『ワンカップ』からは薄ら白い湯気が立っている。
とどのつまり、酔っ払っていた。

「『一人夜桜』を楽しみたかったのなら、残念としか言いようがないね。
 あたしに通りかかられた不運を嘆くといいよ」

そのまま馴れ馴れしくも隣に腰を下ろそうとしている。
もっとも、無遠慮な口ぶりに反して目はチラチラと聖川の表情を伺っており、
それは『NO』と言えば問題なく一人花見を続行できることを意味していた。

419聖川篤虎『ドゥルセ・ネクタル』:2024/04/07(日) 20:16:44
>>418

「おやァ?『お姉様』じゃあねぇですか。
 まぁた随分と変な所でお会いしましたねぇ。
 いやはや、こんなみっともねぇ食いもんを食ってる所に出くわすとは、
 全くもってお恥ずかしいでさぁ」


            「あーっと」

「これでいいか」

羽織っていたジャケットを脱ぎ、
自身の座っている横に置き『お嬢様』の席を確保する。


「お姉様に『花見』に誘われて断る馬鹿な男はいねぇ。
 かくいう俺も実はこの後こっそりお酒を飲もうと考えていましてですねェ。
 相席できるなら嬉しい限りでさぁ」

カップそばが入っていたであろうビニール袋から
スーパーのプライベートブランドの安価の酎ハイを取り出す。

420小野塚 遥『ブリリアント・レジリエンス』:2024/04/07(日) 22:32:53
>>419

「じゃあ遠慮なく。

 ──なんて言えるほど素直な女じゃないなァ、あたしは。
 人様の上着を尻に敷いてお酒なんて、体は温まっても肝が冷えて仕方がない」
「でもまあ、ふむ」

しばし考えた後、ベンチに敷かれたジャケットを拾い上げ、
袖を通さずに肩に羽織ると、改めて聖川の隣に座る。

「この辺りで手打ちにしようじゃないか」

にまあっと満足げな笑いを漏らしつつ、酒を一口呷った。

「こちらこそ、これ一杯で君と同席できるのが申し訳ないくらいだよ。
 君なら、お金を払ってでも一杯を共にしたいって女の子には困ってないんじゃないのかい?
 ホスト……なんだろう?君」

421聖川篤虎『ドゥルセ・ネクタル』:2024/04/08(月) 05:33:27
>>420

「へへッ、お心遣い痛み入る限りでさァ。
 男のチャチなプライドを立てさせる形になって申し訳ねェ。
 それじゃあ………いただきます」

       
        『カシュ』

取り出した酎ハイのプルタブを起こし、
小野塚が手に持つワンカップグラスの底に缶の飲み口を合わせ乾杯。
口元に缶を持っていき安酒を一気に煽る。


「ぷはぁー!!
 こりゃあ、たまらねぇ。
 てめぇの『スタンド』を使えばロハで酔っ払う事はできるんですが、
 ありゃあどうにも味気ねェし不健全だから駄目だ」

 
          「ええ」

「確かに俺ァ『ホスト』をやってますが、
 所詮は『お嬢様』達にタカってメシを食う『カス』の仕事だ。
 皆様のおかげでなんとか困窮せずに生きていけてはいますが、
 『ホスト』って肩書きを通して飲んでいる時ァ、
 俺なんかの為に決して安くねぇ額を使わせているという、罪悪感があってねェ」

「お姉様は中々に『ご機嫌』な様子ですが、
 今日はお散歩ついでのお花見ですかい?」

422小野塚 遥『ブリリアント・レジリエンス』:2024/04/08(月) 22:33:26
>>421

「お?」
「おお、乾杯」

ややぎこちなく、差し出された缶にワンカップの瓶を当てる。
誰かと一緒に酒を飲むのはこれで二度目だが、
一度目は乾杯をしなかったことを思い出した。

…………

「君はずいぶん自分を卑下するね」
「ホストってのはもっとこう、自信に満ちていて、
 無闇にキラキラしている人がなるものだと思っていたな」

あいにく『夜の店』には縁がないが、
この聖川という青年は、ホストという人種の中でも
珍しいタイプの人間なのではないか──そんな気がした。

「散歩なら毎日、朝から晩までやってるよ。
 お酒飲みながら町をぶらつけば、なんでも楽しく感じるものでね。
 お金も掛からないし、効率的に時間を潰せる」
「まあ、他にやることもないからなあ」

何が面白いのか、けらけら笑っている。
ずいぶん不健全な生活を送っているようだ。

423聖川篤虎『ドゥルセ・ネクタル』:2024/04/09(火) 03:09:07
>>422


「水商売、お笑い芸人さん、ヤクザ。
 当時東京に上京した篤虎少年にはこの3つの選択肢くらいしかなくてですねェ。
 本当になりたかったのは芸人さんですが、
 大成しねぇのは火を見るより明らかでしたし、ヤクザは論外。
 妥協して水商売の世界に飛び込んだだけの話でさぁ。
 まァ、よくある話でさァ…」

    
       ずずずず… ズズズ!!


一旦缶チューハイを置き、カップそばをひと啜り。
その後に汁を吸ってふやけたコロッケを頂く、


       「あ"ぁ"ーッ。美味え」


「お姉様と一緒で何か『鬱屈』としたものを抱えて生きちゃあいますが、
 それなりに楽しくやっちゃあいますよ。
 
 どういう訳か『スタンド』なんて超能力に目覚めたのは勿論、
 この町の『お姉様』『お嬢様』は良い人達ばかりでさぁ。
 昼夜逆転の生活で時間を合わせるのは難しいですが、
 今度、是非お姉様と一緒にお散歩してぇもんだ」

424小野塚 遥『ブリリアント・レジリエンス』:2024/04/09(火) 17:36:29
>>423

「芸人ねえ。好きなのかい? お笑い。
 あたしは……家にテレビがないし、子供のときは見せてもらえなかったから、どうにも」
「今時はテレビじゃなくても『サブスク』で色々見られるんだろうけど、」

スッ、とポケットからスマホを取り出し、電源を点けてみせる。
画面に映るのはデフォルトの壁紙と、これまたデフォルトのアプリ群。
申し訳程度に追加された『LINE』アイコンを除き、使用の形跡は見られない。

「これだからねェ」

どうやら本当に、酒を飲んで町を歩くのが、小野塚の生活の大半であるらしかった。

「火曜と土曜は『休肝日』だから、それ以外でよろしくね……と」

「ンン?『昼夜逆転』?
 あたしはてっきり、『仕事終わりの晩ご飯』だと思っていたんだけど……
 もしかして、違ったかな?」

よくよく考えてみれば、昼間にホストクラブに行くイメージは無い。
手に持ったスマホで時刻を確認してみる。
今は何時ごろだろうか?

425聖川篤虎『ドゥルセ・ネクタル』:2024/04/09(火) 19:45:47
>>424


「歌舞伎町でホストやっていた時は出勤前に、
 週4くらいの頻度でキャパ50人や100人の劇場に通っていましたぜ。
 テレビにまだ出てない駆け出しの人達や、完全に辞め時を見失ったオジサン達の
 笑いから生きる為の『パワー』を貰ってましたぜ。
 
 前観たカーリングの石の代わりに取り出したウンチの小道具踏んで、
 物凄い派手に滑って吹っ飛んじまって、
 そのまま金メダル取ってお家芸のバーンナックルのネタも


 ……………フヒッ!!……プッ!
 くはっ!!だ、駄目だッ!(プルプル)
 今、思い出しても腹が……クッ、クククク……!!! 
 ヒーーーッ!!!ヒヒヒヒヒヒーーー……」


余程の琴線に触れる衝撃的な出来事だったのか、
腹部を両手で押さえて蹲り、必死に込み上げる笑い声を押し殺す。


           「ひー!ひーッ!」


スマホで現在時刻を確認、
現在時刻は23時を過ぎた頃。
飲み屋街から徐々に人気が失せつつある時間帯だろう。


「あ、お、俺は今日は『休み』でさぁ。
 ホストは給料自己責任完全歩合制の個人事業主ですから。
 最近は適度に休みを取る事にしてるんでさぁ。
 26歳は世間的には若造だが業界的にはもう立派な『お爺ちゃん』だ。
 夜勤業と過剰な飲酒で自律神経と肝臓がぶっ壊れてやがッから、
 こうやって肝臓と身体を休めて英気を養わなきゃいけねェ。
 ーーーーーッて、こうやってつい飲んじまってますがねェ」


       「まァ」

「『上昇志向』のあるギラギラしている店の若い男の子達に、
 ちょいと気圧されちまってるってのもありますが…。
 あーいう何としても成り上がってやるってギラついた情熱は今の俺にはねェし、
 連中のモチベーションに水を刺すのも悪ィし、なんとなくバツもよくないんで………
 とどのつまり、半分は『ズル休み』でさァ」

426小野塚 遥『ブリリアント・レジリエンス』:2024/04/09(火) 23:14:31
>>425

「小さな劇場での出来事なら、撮影もされなかったんだろうね?
 いやもったいない、あたしも見てみたかったな」

腹を抱える聖川の隣で、くつくつと静かなつられ笑いを漏らす。
実のところ、どこらへんがそんなに笑えるのか話だけではピンと来ないが、
思い出し笑いでこのレベルとなれば、劇場は爆笑の渦だったのだろう。きっと。
スマホをしまい、酒を舐めつつ聖川の話に耳を傾ける。

…………

「なるほどねえ」

話を聞き終えると、意外そうに片眉を吊り上げた。

「しかし──
 『妥協』で身をやつしたにしては、かなり熱心に見えるけれど。
 それこそ、私生活でも『お嬢様』主義を貫くくらいにはさ」
「なりたくてなったワケじゃなくても、
 一度はその『ギラついた情熱』ってのが燃えるものなの?」

そこが気になるなァ──そう付け加え、酒を一口含む。
自分もかつては本意でない道に進まざるを得なかったが、
その仕事に『情熱』を感じたことなど、一度も無かったから……
ということは、黙っておく。

427聖川篤虎『ドゥルセ・ネクタル』:2024/04/12(金) 19:36:52
>>426


「俺らみてぇな『女衒』は世界にお嬢様が居るから存在価値があるんでさァ。
 女手一つで育てられて、今もこうして女性に生かして貰っている。
 そりゃあ、世の中の女性に『敬意』を抱くのは当然でさァ。
 ホストがくだらねぇ仕事だって言われれば「そうですね」で済ませられますが、
 こんな連中に金と手間を注いでくれる『女性』って生き物に、
 恥をかかせちまったら男じゃあねェ」


        ズズズ ズズズ

          「あぁ、美味ぇ」

カップそばの器を傾け、お汁を口内に流し込む。


「お嬢様達の為ならいくらでも命燃やしますが、
 てめぇの野心の為に命燃やせる日なんて来るんでしょうかねェ」

          「と…」

「俺ァここらでお暇させて戴きますが、
 お姉様は?ご自宅までお送りしましょうか?」

428小野塚 遥『ブリリアント・レジリエンス』:2024/04/13(土) 20:33:52
>>427

「ふゥーン……女手一つで」

「………………」
「やっぱり君は変わってるな。
 『情熱』とか『誇り』はないのに、『誠実さ』だけはあると言えばいいのか。
 どっちがより大切なのかは、分からないけど。
 あたしからすれば、自分じゃない誰かのために命を燃やせるほうが、よほど──」

「なんだか、うん」
「うらやましいよ」

すっかり湯気の途絶えたワンカップをちゃぽちゃぽ揺らす。
聖川に続いて、半分ほど残った中身を一息に飲み込んだ。

「……おや、もう帰るのかい?
 そうだなあ……せっかくだし、もうちょっとお花見してるよ。
 今日は客でもない女相手に長々と、ありがとね。楽しかったよ」
「じゃーね」

羽織っていたジャケットを返し、去っていく聖川の背を見送った。
話し相手と別れた後の静寂は、弥が上にも孤独を感じさせるものだ。
散り始めた夜桜を見上げ、ぼんやりした表情で、深く息を吐く。

「ふぅ……。
 もう一杯買ってこようかな、熱燗」

429エリー『サドゥンリー・アイ・シー』:2024/04/27(土) 08:49:59
歓楽街のどこかの帽子屋
ここに一人、5歳くらいの女の子がいる

猫耳のついた子供向けの白いニット帽を被り、頭を隠しているが
帽子からは綺麗な銀色の髪がはみ出している
隠したいのか見せたいのかどっちなんだ


「あ、あぁぁ、ぁの…」

帽子を見ていたら店員に話しかけられてしまったようだ
用があったらこっちから話しかけるから話しかけてこないでくれ!

430雑賀 王城『候補生』:2024/04/27(土) 12:03:26
>>429

「すみません店員さん……ちょっと良いですか?」

と、そこで店員に声をかける人物が登場!
やや目つきは悪いが貴公子然とした顔立ちの青年だ。

「ああ〜っと、貴女にもすみません。
 横入りする形に、なってしまって」

        ペコリ


子供相手とはいえ、一礼はしておく。

  特に助け舟を出してやったとかじゃあなく、
  他に店員が見当たらず、見たところ『エリー』は
  用があって店員と話している風でもないので、
  割って入っても良いと考えた……それくらいだ。

(…………『コヤコヤ』が来るまでの時間潰しだが、
 さて、舞台衣装になるような帽子があればいいがな)

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431エリー『サドゥンリー・アイ・シー』:2024/04/27(土) 13:44:29
>>430
周囲に他に店員はいないが、決してワンオペではないはずだ
たまたまタイミング的に外していただけだ…多分

店員「あらいらっしゃいお客様」

話しかける雑賀の声に振り返る女性店員
顔は雑賀の方に向いているが
目はチラチラとエリーの方を見ている
その目つきは中々ヤバい、変質者染みている


エリー「あ、あの…」
エリー「あ、ありが…と……」

エリー「……サン……ガツ……」

雑賀にしてみれば別に助けたつもりはないだろうが
結果的には助けられた形になるので礼を言う

しかし使い方はこれであっているのだろうか?
何か違う気もする

432雑賀 王城『候補生』:2024/04/27(土) 13:55:14
>>431

         (なんだ? この店員……
          妙に気になる目つきだが、
          そこの子供の関係者か何かか?)

    チラ
 
        (……そういうわけでもなさそうだがな)

「……」
「後で横入りのお詫びをさせていただきますよ。
 だから、あー……外で待っててもらえますか?」

『お礼』を言われたのも含めて、
どうにも『怪しげ』な雰囲気だ。
とりあえず、合法的にこの少女を『逃がす』よう誘導する。

変質者『みたい』ってだけで店員にどうこうする道理もない。


「ちょっとばかり『あいまい』な質問になるんですが、
 『舞台』で映えるような派手な帽子を探してましてね。
 どの辺りにあるか――――案内してもらっても?」

              クルリ

「帽子屋、というのに来ることがなかなか無いもので、ね」

店内を見回しながら、店員にはそのように続ける。
別に悪人ってわけでもないのだろうから、セールスを邪魔した詫びは、
自分がセールストークを受けることで償うのが王道というものだろう。

433エリー『サドゥンリー・アイ・シー』:2024/04/27(土) 15:34:29
>>432
店員が子供の関係者かどうかは分からないが…

エリー「は、はぃ……」

外へ出ていけぇ!
という雑賀に応え出て行こうとするエリーだったが

店員「ちょっと待って」

行こうとするエリーを引き留める店員

店員「ここで見てたいんですけど」
店員「私ロリコンだから」

直球過ぎる!
何の事もなく、誰にも臆せず威風堂々と言い放つ店員

見ているだけだし何の問題も無いはずだが
声をかけているので声かけ事案になるのだろうか?
けど店員が客に声をかけるのは別に法律に違反はしていないはずだ


>ちょっとばかり『あいまい』な質問になるんですが、
>『舞台』で映えるような派手な帽子を探してましてね。
>どの辺りにあるか――――案内してもらっても?

店員「舞台映えですか、そうですねぇ」
店員「俳優か歌手の人ですか?」

だが接客は真面目にこなすようだ

エリー「あ、え、え…と…」
エリー「だったら、あそこに……」

何故か店員に代わって案内するエリー
この店の事にも詳しそうだ

434雑賀 王城『候補生』:2024/04/27(土) 17:44:03
>>433

「なッ……おい! そういう事は冗談でも……
 いやッ、別に冗談じゃあないんだろうが……
 わざわざ人に公言するもんじゃあないでしょう?」

          ツゥー

「全く……びっくりする人だな……」

いきなりの暴露に若干の冷や汗が出る。
自分自身にそのようなケはないにせよ、
『嗜好』自体にとやかく言うつもりはないが……

「……まァ、『何か』するわけでもないなら、
 僕がどうこう言うことでもないんでしょうが」

      (……どういう関係なんだ?
       それに接客はしっかりしている。
       妙な店も多い通りとは知ってるが、
       『アタリ』を引いたって事か……)

「あーっ、と。本業ってわけじゃあなくて、
 『サークル活動』みたいなものなんですよ。
 ……ああ、どうもありがとう。詳しいんですね?」

店員と子供に応じつつ、そちらに移動してみる。

「『羽』でもついたのを被れば、絵映えはしそうなんですが……っと」

『衣装選び』はこの試験の本質でもないし、
なんなら『貸衣装』でも借りるのもいいが、
ラインナップは広い方がいい……どんな感じの品揃えだろうか?

435エリー『サドゥンリー・アイ・シー』:2024/04/27(土) 19:06:33
>>434
ざっと見た感じ、品揃えは中々良いようだ
今時のオシャレな帽子から、古式ゆかしい物
異国の民族衣装と思わしき物まで様々だ

そんな店内を歩き回り
女の子が連れて来た所は


二角帽子、三角帽子が並んでいるコーナーだった
ナポレオンなんかが被ってるアレだ
中には羽根つきの物まであるが…

エリー「舞台映え、すると思う…やで…」

いや舞台って、そういう舞台じゃないかもしれないだろ

店員「へー、こんな所あったんですね、初めて見ました」

436雑賀 王城『候補生』:2024/04/27(土) 19:19:53
>>435

(……? 関西出身か……にしては、
 なんとなく妙なイントネーションに聞こえるが)

       ・・・
ふと、唐突な『関西弁』には気を取られるが……

「ふぅン……中々『雰囲気』があるじゃないか。
 ナポレオンに自分を擬えるのは不吉さもあるが、
 アイコンとしてはこれ以上ない『分かりやすさ』だ」

      「ッて、なんで店員のお……
       いや、貴女が知らないんです?
       ちゃんと売り物なんだろうな……」

商品に手を伸ばし、値札を確認してみる。
当然、『サポーター』をつけている以上、
この場で衝動買いするつもりはないけれど。

「いや、良い帽子なのは間違いないんですがね。
 その被ってる帽子も良いセンスだし……
 お好きなんですか? 『帽子』ッてものが」

この帽子が実際買えるのかはどうかはさておき、
子供の店ごっこにしては高レベルだ。

『恐竜マニア』の子供は時に大人も知らない図鑑をねだるように、
彼女も『帽子』については店員顔負けの知識といったところか?

437エリー『サドゥンリー・アイ・シー』:2024/04/28(日) 13:27:46
>>436
店員「私今日がバイト初日なので」
店員「かわいい幼女が通ってるって聞いて
   合法的に話しかけるために経歴詐称してバイトの面接に受かりました」

聞いてもいない事までぶちまける店員
値札を確認してみるが、ちゃんと付いている
店員と違って詐称はしていないようだ

しかし、1万だとか3万だとかべらぼうに高い
衝動的に買ったら無駄な買い物過ぎて後で後悔しそうだ

>いや、良い帽子なのは間違いないんですがね。
>その被ってる帽子も良いセンスだし……
>お好きなんですか? 『帽子』ッてものが

エリー「帽子……
    髪の毛隠せる、から……」

そう言ってニット帽を深く被るが
やはり銀髪を露出させている

エリー「ま、マッマが
    どうせ帽子を被るなら本物を被れって…」

438雑賀 王城『候補生』:2024/04/28(日) 18:38:19
>>437

「あぁ……なるほど、それなら。
 いや……納得するのはかなり癪なんだが、
 なんとか飲み込めそうですよ、お陰様でね」

イカれた店員だ……
だが、世の性犯罪者どもとは違い、
単なる性癖異常者の域にいるし、
方向性はともかく社会の一員ではあるか。

「…………流石に中々。いや、妥当ではあるが」

『王』を目指すとはいえ今はまだ高校生。
いや、『王座』についたとすれば尚のこと、
『無駄金』に割くリソースは無い。
帽子から手を離し…………と、その時。

「……そうですか、いや、不躾な事を聞きました。
 ただ、良いセンスだッてのは確かな事です。
 …………不躾ついでにもう少し聞きますが、
 『本物』? というのはつまり、偽物の……
 あー、例えば『折り紙の帽子』みたいな、
 そーゆーのと比較してって話ですか?」

引っかかる表現だ。
『帽子を被る理由』を深掘りするのはよしておく
(当然、話したいなら耳を傾けようじゃないか)が、
『本物の帽子』という言い方に何か違和感がある。

『雑賀』も『コヤシキコヤネ』も、知る魔法の数も、
種類も少ない……だからこれはあくまで、『勘』でしかない。

439エリー『サドゥンリー・アイ・シー』:2024/04/29(月) 15:54:23
>>438
エリー「そういうのじゃ、なく…やくて…」
エリー「マッマが、どんな物も、本物と偽物に分けられるって言ってて」
エリー「だから、本物を見極める目を養えって、言われて…」

本物と偽物、その基準は何なのか
まずそれを考えるところからがエリーの親の教育

エリー「マッマ…マッマは、
    学校の先生で、本物の魔法、使い…で…
    本物の魔法使い探してるのに偽物ばっかりでがっかりしてた…んやけど…」
エリー「わた、し…
    わたし将、本物の魔法の帽子、手に入れて…」

エリー「【朗報】わたし将、魔法の帽子を手に入れてマッマに褒められる」

帽子を目深に被り、表情はよく見えないが嬉しそうな声で話す

440雑賀 王城『候補生』:2024/04/29(月) 16:42:33
>>439

「『本物の魔法』……………………なるほど」

        (『わたししょう』?
         ……流行りの言い回しか?)

告げられた内容は『雑賀』の心を動かすに相応する。
単に偶然の一致という可能性もあるにせよ、
『近すぎる』……だからこそ焦りはしない。

(試験の関係者という可能性すらある……
 だが、だからこそ。『媚びる』のは間違いだ。)

「いや、興味深い話ですね。
 僕も……『魔法』を手に入れられたら、
 きっとどんな衣装より舞台映えするだろうな」

人々の目を引く、ただそれだけであっても、
王になるためには喉から手が出るほど欲しい。

「もしよければ…………その『魔法』について、
 もう少しだけ、僕にも聞かせてくれませんか?
 お礼できるようなものは、それほどないけれど」

(話すのがイヤ、ってわけじゃあないんだろうが、
 『無理やり聞き出す』のは……試験のルール抜きで間違いだ)

『嫌だ』と言われれば強要はできないが、話の続きを促してみる。

441エリー『サドゥンリー・アイ・シー』:2024/04/30(火) 18:04:26
>>440
エリー「魔法……あ、あのっ…」

エリー「わたし、銀髪からかわれるの嫌で
    でも見てほしくって…」
エリー「道具屋って言う人に言ったら、魔法の帽子もら…もろて」

エリー「それで、隠れられるようになったんやけど…」

エリー「デザインがあんま好きやないねん…」


そう言うエリーの手には『ベースボールキャップ』が握られていた
ちっちゃいエリーの頭にもジャストフィットする小ささだ
さっきまでそこに無かったそれこそが、エリーの魔法…スタンドだろう

442雑賀 王城『候補生』:2024/04/30(火) 19:50:35
>>441

「そうなんですね。……それが、その『魔法の帽子』」

(『道具屋』…………? なんだ、そいつは?
 ……多分、『道具の形をした魔法を渡す人間』か。
 コヤコヤが違う時点で完全に分かってはいたが、
 『魔法学校』とは別の後天ルートもある……当然だな)

『望めば魔法を渡す存在』はかなり気にかかるが、
自分にとっては『試練』もまた必要なものだ。
あるいは霧島や木崎にとっても同じだろう。

「そうですね、僕には……貴女の『銀の髪』は、
 多くの民草の中で眩く輝く『個性』に思えます。
 人に見せたくなるのも当然だし…………
 だから隠したい……その気持ちも分かります。
 ほんの少しだけ、似た経験がありますから」

秀でた容姿、恵まれた家庭、優れた能力。
あらゆる輝きは、望まないものも惹きつける。
そして、だからといって隠すべきとも思わない。

「そうなると、その『野球帽』……あー、
 失礼、『名前』は、何かあるんでしたっけ?」

『試験の為に聞き出したい』気持ちも当然あるが、
実際、真摯に話してくれるこの少女に対し、
呼び名は、『会話に必要』だから聞きたい部分が大きい。

「魔法と言えば全てを叶えてくれるイメージだけど、
 魔法使いには魔法使いの苦労がある……身につまされます」

『王』の道も……当然、魔法のみによって築けはしないだろう。

443エリー『サドゥンリー・アイ・シー』:2024/05/01(水) 15:54:12
>>442
ニット帽を外し、代わりにキャップを被る

エリー「あ、アイシー…」
エリー「『サドゥンリー・アイ・シー』…」

店員「突然気付いた、ですか」

エリーが帽子の名前を教え
名前の意味を店員が補足する

店員「プラダを着た悪魔の主題歌ですねぇ、見た事無いけど」

444雑賀 王城『候補生』:2024/05/01(水) 17:24:34
>>443

「ああ……あの映画の」「……」

店員とハモったのがやや気まずいが、置いておく。

            「んんッ」

ついでに咳払いを一つ。

はっきり言えば『隠れられる』という能力を聞き、
『サドゥンリー・アイ・シー』という名前を知った。
それで『試験』に対する材料としては完結だ。

               ・・・だけど。

「話してくれてありがとうございました。
 ……何かお礼を差し上げたいけれど、
 今すぐ出来るッてことが思いつかない。
 逆に聞きますが、僕に何かしてほしいことは?」

        スッ

膝をつき、圧の無い程度に視線を顔に向け、
『エリー』の返答を待ってみることにした。

特に何もないのであれば、それはそれで問題はない。

445エリー『サドゥンリー・アイ・シー』:2024/05/02(木) 13:05:52
>>444
エリー「お、お礼?」

エリー「あの……
    お礼してもらう事…何もしてないんです…やけど…」

エリーからしてみればちょっと話をしただけだ
お礼をしてもらう事じゃない

エリー「お礼っていうのは…違う気がするけど……
    『魔法』の事凄く気になってたみたいだけど…何で…?」

446雑賀 王城『候補生』:2024/05/02(木) 13:31:41
>>445

「ああ…………それは」

・・・
『万が一』この子供が親から試験内容を聞いていたら?
彼女の親が魔法学校の関係者という可能性は低いし、
仮にそうだとして、守秘義務という物はあるだろう。

「単刀直入……シンプルに言ってしまうと、
 僕は『魔法が見える』……けれど『使えない』んです。
 だからこそ、人一倍、魔法には興味がありまして」

    だが、万が一……『そうじゃなかった』なら?

現状を伝えれば『試験』なのがバレるかもしれない。
そして万が一『後から聞いた意図を知った』場合でも、
話した内容が試験上、無効になるのだとすれば……

            (……いや)

「そして…………魔法を知ることによって、
 僕の夢に、理想に近づけるんです。
 詳しいことは今はまだ明かせませんし、
 それが『悪い事』ッてつもりもないですがね。
 ある種、打算で貴女の魔法を聞いたわけです」

適当な嘘を並べて逃げる道もあったし、
そちらでも特に問題はなかっただろう、が。
     
        スッ

「だから僕が本当にしたかったのはお礼じゃあなく、
 『聞き出す』ような真似をした、お詫びなのかもしれません」

     「どちらにせよ、自己満足では、
      あるかもしれませんが……ね」

頭を少し下げ、告解する。
殊更に『嘘』を厭うわけでもないが、
純粋な子供を口車に乗せた感は否めない。
エリーの純真さが、それを余計に際立てる。

(何も悪いことはしちゃあいない……だが良いことでもない。
 王にはシビアな判断も求められるが、故に誠実でなくてはならない)

447エリー『サドゥンリー・アイ・シー』:2024/05/02(木) 19:49:29
>>446
エリー「はえ^〜……
    そう…なんや…」

帽子のツバを上げて
雑賀の顔をよく見て話を聞いている

エリー「あの…えっと…
    話してくれてありがとう…やで…」
エリー「魔法があっても、思い通りにならない事もあるかもしれな…しらんけど…」
エリー「わたし…魔法あっても思うようにならないし…」

エリー「でも…夢、叶うと、ええやね…」

448雑賀 王城『候補生』:2024/05/03(金) 07:52:57
>>447

「……ありがとうございます。
 貴女は良い人ですね」

             スッ

「あぁ、そうなるように頑張りますよ。
 背を押す手を無駄にしない為にもね」

見ず知らずの人間相手に、
よくわからない夢を応援できる。
『子供の純真』と言えばそれまでだが、
少なからず、背を押すものではあった。

「さてッ。知り合いと会う予定があるので、
 僕はそろそろ行かせてもらいますが……
 ここの帽子は結構気に入りました」

(――――――現実的に考えてだが、
 『魔法の小道具』を集めるのは非現実的だ。
 はっきり言って、そこまでの時間的余裕はない。
 魔法集めの過程で道具も探すのが妥当だ)

      (『元からツテがある』わけでもなきゃあ、だが。
       ……その点では『コヤコヤ』は頼れないからな)

『衣装』や『小道具』はプラスアルファであって、
そこが試験の本題とは考えられないが、
『提示されたルール』である以上、意味はある。
何かしらの対策は打つ必要があるだろう。

「今度、また来ると思います。
 ……ちゃんとお金も持って。
 今日は持ち合わせがないって意味です」

妙な店員に一声かけて、何かなければこの店を去るだろう。

449エリー『サドゥンリー・アイ・シー』:2024/05/03(金) 18:35:33
>>448
店員「お金も無いのに店に入ったんですか」

お客さんに対して無礼な物言いをする店員だが
買い物をしないのなら客じゃないとも言うし
いや、今度はお金を持って来ると言ってるんだからやはり客なのだが

エリー「ちょ、ちょっと待って」

立ち去ろうとする雑賀に少し待ってくれと声をかけるエリー

            タタタ

小走りでどこかへ行ったかと思うとすぐに帰って来た
その手には帽子が一つ握られている

エリー「ま、魔法使いに、近付けるように…」

ファンタジー物の創作なんかで
よく魔法使いが被っているような三角帽子
赤い帽子に白い羽飾りが付いている
こんなの被って街中は歩けないだろう、とても普段使い出来る代物じゃない

エリー「その、まず、形からって…言うでしょ…やろ?」
エリー「話出来て、楽しかったから、お、お礼…」

これは代金はエリーが立て替えてくれるという解釈でいいだろう


エリー「全部ちゃうけど……本当の事話してくれたから」
エリー「わたしの、髪も、ちゃんと見せる…」

野球帽を外し、ありのままの髪の毛を見せるエリー
明るいライトシルバーの長めの髪の毛を曝け出す

店員「…良い髪の毛ですね」

450雑賀 王城『候補生』:2024/05/03(金) 20:53:38
>>449

「これでも学生の身分ですんでね!
 持ち合わせってヤツが足りなかッたんですよ」

失礼でめちゃくちゃな店員だが、
これはこれで味のある接客なのか?

「ったく……ん?」

改めて立ち去ろうとしたが、
そこで追いかけてきた『エリー』に気付く。
そして、手に持っているものにも。

「………………………ああ」
「これは『金で買う』事はどっちにしても出来ない。
 プライスレスの贈り物、喜んで受け取りますよ」

            スッ

      「ありがとうございます。
       改めて、負けられないな」

改めて、膝をついて恭しくそれを受け取る。
現代……『王』に冠を授ける者がいるとすれば、
それは『神』ではなく彼女のような『民』だろう。
受け取らないとか金を払うとかそういうのは、
きっと正しくはあっても『誠』に欠けている。

       クルッ

「ああ全く、美しくて、気品がある銀色だ。
 こればっかりは店員さんに同意ですね」

美しい銀の髪に真っ直ぐに視線を向け、そう告げた。

「きっと本当のことをいつか話しますよ。
 お礼にお礼をするッてのはキリがないですが、
 案外、人と人との付き合いってのはそういう物」

「……でも今日は、さようなら。
 また会いましょう、小さな魔法使いさん」

              ザッ

          「次に会う時には、
           この帽子に恥じない姿で」

そうして……普段使いには向かない赤い帽子を被り、
あくまでも堂々と、店から歩いて出て行くのだった。

451エリー『サドゥンリー・アイ・シー』:2024/05/04(土) 16:06:38
>>450
エリー「うん…
    あの……頑張って……」

お互いに名前も名乗っていない
名前も知らない二人だが、縁があればまた会うかもしれない

エリー「ほ、ほな…また…」

とんでもなく目立つ帽子を被り
街へ繰り出す堂々としたその姿は王の風格と言ったところか


店員「本当に可愛いですね
   ガチ恋しそうです…ん?」

そうこうしていると、帽子屋にエリーの母親が迎えに来た
その母親の姿を見た店員はこう思った


これがお母さん!?若くね?w

452雑賀 王城『候補生』:2024/05/09(木) 11:54:15

      (…………さて)


         ガヤガヤガヤ


歓楽街を突き進むその青年は、
『物語』から出てきたような三角帽を被っている。
概ね整った身なりと堂々としたサマもあって、
『ハロウィン』か何かに見えなくもないが……


(今日は妙に『流れ』が来ている。
 『コヤコヤ』と落ち合うまでに、
 もう一人ぐらい見つかる事もあるんじゃあないか?)


妙な格好なのは間違いないだろう。
声を掛けたくなるか、避けられるかは別として。


    (……あるいは『追加の衣装』か。
     と言ってもそうそう都合良く、
     マントだのなんだのは売ってないだろうが)


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