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【場】『 歓楽街 ―星見横丁― 』 その3

450雑賀 王城『候補生』:2024/05/03(金) 20:53:38
>>449

「これでも学生の身分ですんでね!
 持ち合わせってヤツが足りなかッたんですよ」

失礼でめちゃくちゃな店員だが、
これはこれで味のある接客なのか?

「ったく……ん?」

改めて立ち去ろうとしたが、
そこで追いかけてきた『エリー』に気付く。
そして、手に持っているものにも。

「………………………ああ」
「これは『金で買う』事はどっちにしても出来ない。
 プライスレスの贈り物、喜んで受け取りますよ」

            スッ

      「ありがとうございます。
       改めて、負けられないな」

改めて、膝をついて恭しくそれを受け取る。
現代……『王』に冠を授ける者がいるとすれば、
それは『神』ではなく彼女のような『民』だろう。
受け取らないとか金を払うとかそういうのは、
きっと正しくはあっても『誠』に欠けている。

       クルッ

「ああ全く、美しくて、気品がある銀色だ。
 こればっかりは店員さんに同意ですね」

美しい銀の髪に真っ直ぐに視線を向け、そう告げた。

「きっと本当のことをいつか話しますよ。
 お礼にお礼をするッてのはキリがないですが、
 案外、人と人との付き合いってのはそういう物」

「……でも今日は、さようなら。
 また会いましょう、小さな魔法使いさん」

              ザッ

          「次に会う時には、
           この帽子に恥じない姿で」

そうして……普段使いには向かない赤い帽子を被り、
あくまでも堂々と、店から歩いて出て行くのだった。


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