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【ミ】『ギャザリング・ガーデン』

1 『誰かさん』:2016/04/03(日) 23:51:15



散ればこそいとど桜はめでたけれ憂き世になにか久しかるべき

2『ある日のアリーナ―花鳥風月―』:2016/04/03(日) 23:58:07
あなたの前には一人の男がいる。
あなたは買い物をしていたのか散歩をしていたのか、それともなにか別の用事か。
とにかく、目の前に一人の男がいることが確かだ。
男性にしては長い髪をしていて、どこか爽やかな雰囲気のある男性だ。
そんな男があなたに花束を差し出し、頭を下げている。

「あなた、『スタンド使い』ですよね?」

「お願いがあります。えぇ、あります。」

男の背後には揺らめく人型。
それは一般人には見えていないらしい。
スタンドだ。

3姿月 真琴『ソドム』:2016/04/04(月) 00:27:26
>>2
聞いた事の無い言葉に首を傾げる。
だが、心当たりはある。
微かに存在を感じる『ソドム』と名づけられた奇妙な力の事だろう。

「もしかして、これの事を言っているのでしょうか?」

手の平に銀の銃弾を発現する。
そして解除する。

「困り事でも? お話ぐらいは聞きますよ」

男性の差し出した花束を受け取る。
ついでに匂いを嗅ぐ。

『所持品』
いろはす、携帯電話、財布、水風船三つ
水鉄砲 ( ttp://blog.goo.ne.jp/nao_show/e/aa95aa9abaac968c0bf153e4f0d845a8 )

『外見』整った顔の癖にゲゲゲの鬼太郎のような髪型をしている。
右眼の下に泣き黒子。
喪服を着ている。

『スタンド能力』
『弾倉』に発現される『弾丸』のヴィジョン。
『威嚇射撃』の『銃声』を聞いた人間を『人狼』に変身させる。

人外の膂力と『血』を嗅ぎ分ける『嗅覚』を有する『人狼』は、
『水』への『恐怖心』を常に抱き、浴びた際には『痙攣』を起こす。
毛皮を貫く『銃弾』は絶大なダメージを代償に、『人狼』化を解除する。

『ソドム』
破壊力:B(A)  スピード:B  射程距離:B(20m)
持続力:D     精密動作性:D 成長性:D

『人狼』
破壊力:B       スピード:B 射程距離:E(能力射程:200m)
持続力:A(6時間) 精密動作性:D 成長性:E

『能力詳細』
ttp://jbbs.shitaraba.net/bbs/read.cgi/comic/7023/1453050315/21-22

4『ある日のアリーナ―花鳥風月―』:2016/04/04(月) 00:37:10
>>3 (姿月さん)

「それです!それがいいんです。」

水風船や水鉄砲をもった喪服姿の姿月。
男性はその理由を問おうとしない。
切羽詰まっている、というよりは興味がないのかもしれない。

「困りごと……そうですね。」

「はっきりと、えぇきっぱりと言いましょう。」

「あなたにスタンドを使って闘っていただきたいのです。」

男の言葉を聞きながら花のにおいをかぐ。
花はどうやら造花のようだ。
それに香水をふっているらしい。
柔らかな甘い香りがかおる。

「アリーナと呼ばれる場所で。」

5姿月 真琴『ソドム』:2016/04/04(月) 00:48:30
>>4
「そんなものが星見町に? 猛獣と殺し合いでもさせられるとか?
人間でも構いませんが拳銃を用意してください。
『ソドム』には拳銃が必要です」

造花を弄りながら拳銃を要求する。
拳銃がなければ話にならない。

6『ある日のアリーナ―花鳥風月―』:2016/04/04(月) 01:00:50
>>5 (姿月さん)

「も……猛獣?いや、ウチはないです。えぇないです。」

ぶんぶんとかぶりを振る男。
しかし、拳銃について問う姿月の言葉でそれはぴたりと止まった。

「拳銃……拳銃ですか。」

「どうなんだ……いや、弾丸だし……うん……」

腕を組み、なにかぶつぶつとつぶやいている。

「……用意いたしましょう。」

「大丈夫です!きっと!」

そういって拳を握る男。
どうやら大丈夫そうだ。

「えっと、行きますか?」

「本人達……あ、闘う相手の人たちと会ってみてはどうか、という話で。」

「いらないなら、そう言っていただければ。」

7姿月 真琴『ソドム』:2016/04/04(月) 01:11:33
>>6
困り果てる男性に花を差し出す。
日本で拳銃を調達するのは難しいのだろう。

「はい、甘い匂いでリラックスしてください。
銃弾は要りません。銃だけでお願いしますよ。
じゃ、対戦相手に挨拶しましょう」

肩をポンポンと叩く。

「ちなみに『ソドム』は射程距離内の人間を狼人間に変質させます。
戦闘の素人ですけど頑張りますからよろしくお願いしますね」

8『ある日のアリーナ―花鳥風月―』:2016/04/04(月) 01:15:55
>>7 (姿月さん)

「あぁ、ありがとうございます。」

「すーはーすーはー。あぁぁ気持ちが楽にあってきたぁぁぁ。」

とろけたような顔をする男。若干危ない。
しかし咳払い一つ、気を取り直して姿月と向き合う。

「はい。では、案内させていただきます。」

「狼人間……ですか。はは……色々大丈夫かな……」

そう呟いて男が歩き出す。ついて来い。
そういうことだろう。

「あ、僕はコハル・トランプと言います。よろしくお願いします。」

9姿月 真琴『ソドム』:2016/04/04(月) 01:28:45
>>8
コハルと名乗った男性の後ろをついていく。
呆けた姿を携帯で撮り忘れたことを後悔しながら。

「僕の名前は調べてありますか。経歴とかも」

「狼人間になっても理性は消えませんよ。
力に溺れないか人間的な理性が試されるだけです」

10『ある日のアリーナ―花鳥風月―』:2016/04/04(月) 01:40:32
>>9

「経歴?いえ、全然。むしろ教えていただきたいぐらいで。」

「あはは。」

笑い飛ばすコハル。
明るい男である。

「人間的な理性ですか……」

「恐ろしいですね。えぇ本当に。」

コハルはそういうと黙り込んで歩みを続けた。

11『ある日のアリーナ―花鳥風月―』:2016/04/04(月) 01:46:05
>>9 (姿月さん)

コハルと姿月は廊下を歩いていた。
ここがアリーナと呼ばれる場所らしいことは
来る途中で聞こえてくる人の会話や
コハルが黒服たちと行うやり取りの中でなんとなく感じ取れた。

「ここにいます。」

コハルが立ち止まったところにはドアがある。
控室らしい。控室の扉にはいかにも手書きの文字で『ASCENSION CLUB』と書かれた紙が貼ってある。

「どうぞ。」

コハルがドアを開ける。

12姿月 真琴『ソドム』:2016/04/04(月) 02:04:56
>>11
「じゃあ、次からは調べておくべきですよ。
少し前に警官二人が女性に刺されて警官が死んだ事件、あれの生き残った方が僕なんです。
マスコミのパッシングが酷くて警官を辞めちゃいました」

さらっと元警官であることを明かし、部屋の中に入る。
彼は運が悪かった。

「失礼します、コハルさんに誘われて来ました」

部屋に居る人物に頭を下げる。

13『ある日のアリーナ―花鳥風月―』:2016/04/04(月) 02:24:39
>>12 (姿月さん)

「それはそれは……」

「いえ、問題はないですよ。少なくとも僕からすれば。」

「世の中広いです。色んな人がいます。あなたみたいな人がいても不思議でもないですし。」

「おかしくもないでしょう。」

運が悪いと考えていないようだ。少なくとも彼は。
部屋の中に入り頭を下げる姿月。

「お、あー……おい!お前ら!」

男の声だ。コハルの元は違う。低く男らしい声だ。
頭を上げてみれば不思議な風景が広がっていた。

まず、なぜか控室内にハンモックを設置し、そのうえで寝ている『浅黒い癖毛』の男。
部屋に似つかわしくない高級そうな一人用ソファーに腰かけ紅茶を飲んでいるらしい『ゆるふわウェーブ』の女。
跪いて『ゆるふわウェーブ』の白い足、その爪にペディキュアを塗る『黒縁メガネ』の男。
そしてそんな三人に大声で指示を飛ばす『オールバック』の男。

なんとも協調性、というか共通性のないやつらである。

オールバック:「どーも。あ、座って座って。立ち話もなんだろうしよ。」

ゆるふわ:「……透。そこのお方に椅子を。」

メガネ:「どうぞ。」

『黒縁メガネ』がパイプ椅子を広げてよこした。

コハル:「えっと、とりあえず、なにか質問は?」

14姿月 真琴『ソドム』:2016/04/04(月) 02:57:18
>>13
「懐が広くて好きになりそうですよ」

嬉しくなってニッコリと笑う。
人間相手に表情筋を使ったのが久しぶりで上手く笑えたか心配だ。

「おっと、ありがとうございます」

一礼してパイプ椅子に座る前に仕掛けでもされていないか見る。
警察学校では色々とやられたから確認する癖ができてしまった。

「質問ですか。ここで戦って欲しいとコハルさんに頼まれてついてきたわけですが。
どれくらいの怪我で戦闘不能と判定されるのか知りたいです。
手足を動かせなくなる重症でも意識が有る限りは戦闘不能と見做されないとか」

「そういったものですよね、スタンドって。
最近になってスタンドの存在を知ったのでよく知りませんが」

スタンドとやらは精神に依存した能力のはずだ。
何せ、夢の中で目覚めるようなものだから精神が関係していないはずがない。

15『ある日のアリーナ―花鳥風月―』:2016/04/04(月) 23:09:03
>>14 (姿月さん)

「え?あはは。ありがとうございます。」

笑い返すコハル。

>「おっと、ありがとうございます」

そう言いつつ姿月はパイプ椅子を確認する。
外見上なにか仕掛けられている様子はない。

メガネ:「それはここの備品です。なにも仕込みません。」

ゆるふわ:「お座りになってくださいまし。お紅茶とコーヒーどちらがお好みかしら?」

『ゆるふわウェーブ』がパチンと指を鳴らせば『黒縁メガネ』がポットを取り出す。
丁寧かつ素早い動きである。

コハル:「戦闘不能、ですか。」

オールバック:「やる気満々だねぇ。あんた、結構勝気な性格なのか?」

『オールバック』がクックッと笑った。

コハル:「このアリーナには決まりごとがあり、その中の一つは『不殺』。」

コハル:「手足が動かなければ、もはや死に体。その時点で止めますよ。」

コハル:「興奮した闘士が勢い余って殺さないとも限らないですしね。」

苦笑いを浮かべるコハル。
ギシリとなにか音がする。どうやらハンモックで寝ていた『浅黒い癖毛』が起きたようだ。

オールバック:「フェデリコも起きたし、他になんもないならお互いの自己紹介といこうぜ。」

オールバック:「闘う相手の名前くらい、覚えときたいだろ?勝つにしろ負けるにしろ、な?」

16姿月 真琴『ソドム』:2016/04/05(火) 02:01:05
>>15

「割りと警官は陰湿な事をする者がいるわけでして。
癖ですよ、確認した後にやり返すための」

全員に共通点が無いし、育ちの悪そうな感じはしない。
最低限の交流はしているのだろう。

「親切にありがとうございます。
珈琲をお願いします。香りが死臭に似ているから好きなんですよ」

黒縁眼鏡の方は従者みたいで面白い。
こういった人ほど怒ると怖いから怒らせないようにしよう。

「勝気な性格に見えますか? 競争とか苦手なんですよ。
と、言いつつもやる気満々だから勝気に見えてしまうのでしょう」

「さすがに手足の骨が粉砕されても戦闘不能と扱われず、執拗に向かって来られると困るので」

パイプ椅子を探して正面に設置する。
話をする先輩相手に椅子を用意しないのも失礼と思われるだろう。

「おはようございます、よく眠れましたか。
コハルさんに拾われた元警官の姿月真琴です。
よろしくお願いします」

頭を下げて挨拶と自己紹介をしておく。

18『ある日のアリーナ―花鳥風月―』:2016/04/05(火) 21:41:55
>>16 (姿月さん)

ゆるふわ:「ですって。」

メガネ:「かしこまりました。」

ぺこりと礼をした『黒縁メガネ』
その服装はベストを羽織ったスーツ姿。
寡黙ながら素早く仕事をする姿はまさに従者そのものだ。
そしてそのまま控室の隅に歩いていく。
どうやら控室の一角に準備があるようだ。

オールバック:「ほーん。」

オールバック:「あんた物騒だなあ!」

姿月の言葉を聞いてうんうん頷く『オールバック』
その口元には笑みが浮かんでおり、白い歯が見えている。

>「おはようございます、よく眠れましたか。
>コハルさんに拾われた元警官の姿月真琴です。
>よろしくお願いします」

浅黒:「グラシアス。アミーゴ。」

あくびをして椅子に飛び乗る『浅黒い癖毛』
椅子の上に三角座りである。

オールバック:「それじゃあ、自己紹介といくぜ。」

19『ある日のアリーナ―花鳥風月―』:2016/04/05(火) 22:30:39
>>16 (姿月さん)

オールバック:「まずは俺ら全体の話からだ。俺たちは『ASCENSION CLUB』」

オールバック:「表に張り紙がしてあったろ?」

思い出してみれば確かに張ってあったはずだ。
そんな珍妙な張り紙が。

コハル:「僕らは勝ち負けじゃなく、精神的な成長をモットーにしてる……最も甘っちょろいって笑うやつらもいるけど。」

コハル:「それと、いずれスタンド使いが犯罪を起こそうとしたときのための力をつけるためね。」

コハルが明るい口調で告げた。

コハル:「そして、彼らは『ASCENSION CLUB』の『花鳥風月』と呼ばれる四人さ。」

オールバック:「俺が花鳥風月の花、小鍛治 賢治(こかじ けんじ)」

『オールバック』が礼をする。

浅黒:「風の男!フェデリコ・ランダルセッ!またの名を!エル・シエロ!」

先ほどと打って変わってハイテンションの『浅黒い癖毛』

ゆるふわ:「花鳥風月が月、上埜 恵(うえの めぐむ)ですわ。」

髪をかき上げる『ゆるふわウェーブ』

カチャリ

カップが机の上に置かれる。中には湯気を上げるコーヒーが注がれており、苦い香りを漂わせる。

メガネ:「そして私が花鳥風月、鳥。迫水 透(さこみず とおる)と申します。」

四人。この四人の内の誰かと姿月が闘うことになる。

コハル:「あ、彼らの資料いる?」

(資料の閲覧で彼らの情報を見ることができます。しかし、それがヒントになるかはわかりません。)

20姿月 真琴『ソドム』:2016/04/05(火) 23:25:38
>>19
「そんなに嬉しそうな顔で物騒と言われると複雑な気分になります。
でも、自分のスタンド能力を見ていると否定する気になれないのが…」

「何故に花鳥風月なんでしょうか?」

戦隊モノっぽい名乗りと絶妙なタイミングで登場した迫水さん。
彼とはブラックの地位を争う事になるかもしれない。

「甘っちょろいと言われようが人間的なモラルが底抜けした犯罪者よりは良いじゃないですか


「資料は見たいです。特にコハルさんの資料は…」

ニッコリとコハルさんに微笑みながら珈琲を飲む。

21『ある日のアリーナ―花鳥風月―』:2016/04/05(火) 23:57:58
>>20 (姿月さん)

小鍛治:「いいんだよ。物騒で。後悔しないんならな。」

そういって豪快に笑う小鍛治。
心底楽しそうである。

コハル:「彼らのスタンド能力がそれぞれ花や鳥の能力だからですよ。」

上埜:「コハルさん?それ以上言うと口を縫い合わせますわよ?スタンドの情報は闘技場では値千金なのよ。」

コハルは背筋をぴっと伸ばして両手で口を覆う。
そのあとぶんぶんとかぶりを振った。

フェデリコ:「犯罪者?それってよくいる奴じゃないのか?」

上埜:「メキシカン・ジョークですわよね?」

フェデリコ:「ジョークじゃなくてマジにいるんだなぁ。」

やいやいと雑談を始める四人。
真面目さ、というか闘いに身を置くものの緊張感というものはあまりない。
いや、あるのかもしれないが感じられない。

コハル:「じゃあ、資料です。」

コハルが姿月に紙の束を渡す。
そこには顔写真と簡単な文が添えられていた。

>特にコハルさんの資料は…

コハル:「え?あ!あーあーあー駄目です駄目です!僕登録だけの非戦闘要員なんで!」

迫水:「資料になります。」

コハル:「嘘!」

迫水がどこかから紙を取り出し紙束の上に置いた。
コハルはともかく、この資料を見て対戦相手を決めることになる。

22『ある日のアリーナ―花鳥風月―』:2016/04/06(水) 00:10:03
>>20 (姿月さん)

※資料は以下の通り。
 このレスへの返答で対戦相手を選んでいただきます。
 なお、コハルは非戦闘要員なので選べません。

ランカー名:小鍛治 賢治(こかじ けんじ)
スタンド名:『ウィルド・マイ・ソード』
ランク:C
ステージ:『闘技場』
賞金額:『30万円』
上昇:精神的成長
入場曲:ttps://www.youtube.com/watch?v=PJjZM5zFGuA

格闘家。花鳥風月の『花』に位置する男性です。
粗暴で大雑把ですが鍛錬は欠かさず取り組んでいます。
彼の生涯はまだ続くもののそれが闘いによって彩られることは確定的です。
そんな彼のスタンドは格闘技……ではなく彼のバックボーンである剣道のようです。
彼の前に立つことは鋭く光る刃の前に立つことと同義です。

ランカー名:迫水 透(さこみず とおる)
スタンド名:『プリティー・ヴェイキャント』
ランク:C
ステージ:『闘技場』
賞金額:『30万円』
上昇:より早く、より丁寧に、より手際よく
入場曲:ttps://www.youtube.com/watch?v=i_0HUOeoXpY

使用人。花鳥風月の『鳥』に位置する男性です。
あらゆる仕事をそつなくこなし眼鏡が知的な印象を与えます。
花鳥風月の月、上埜さんが雇用主です。
心がけていることは蝶のように舞い蜂のように刺すこと。
常に優雅にそして時には一気呵成に攻め立てる、それが彼のスタイルなのです。
小鳥を自らのスタンドとする彼は一体どんな闘いであなたと対峙するでしょうか。

ランカー名:エル・シエロ
スタンド名:『ミスター・ブルースカイ』
ランク:C
ステージ:『闘技場』
賞金額:『30万円』
上昇:最高のルチャドール!
入場曲:ttps://www.youtube.com/watch?v=Y1rR8v687iE

ルチャドール兼大工。花鳥風月の『風』に位置する男性です。
非情に陽気で大らか、その姿はスペインの温かな太陽を思わせます。
メキシコ式のプロレスともいうべきルチャで鍛えられたアクロバッティックな動き
それは変幻自在な四次元殺法としてあなたの前に立ちはだかります。
しかし、彼の強みはその変幻自在なスタイルだけではないようです。
纏うタイプのスタンドで今日も彼は己のスタイルを見せます。

ランカー名:上埜 恵(うえの めぐむ)
スタンド名:『フライ・ミー・トゥ・ザ・ムーン』
ランク:C
ステージ:『闘技場』
賞金額:『30万円』
上昇:負けたくない相手に追いつく。
入場曲:ttps://www.youtube.com/watch?v=AnPNCMX5obs

ご令嬢。花鳥風月の『月』に位置する女性です。
常に上を見据えるブロンドヘアーがトレードマークのご令嬢。
いかにもなお嬢様口調は彼女を知らぬ人へのアピール材料のようです。
まばゆく輝く太陽を目指しており、『月』の立ち位置は少々ご不満のご様子。
しかし、裏では『月』という立場を気に入っているという情報もあります。
日課は月の観察。月の満ち欠けにどこか親しみを覚えるようです。

23『ある日のアリーナ―花鳥風月―』:2016/04/06(水) 00:13:36
>>20 (姿月さん)

ランカー名:コハル・トランプ
スタンド名:『ブラインド・アンチェイン・マイ・ハート』
ランク:C
ステージ:『闘技場』
賞金額:『30万円』
上昇:より格好良くなりたい
入場曲:現在なし

『ASCENSION CLUB』の小間使い。どのユニットにも属していません。
少し気弱。素直で社交性を高く持とうと思い日々精進しています。
花屋の息子で普段は花を売って生活している。
彼のスタンドは過去に起きた出来事で変質しているそうです。

24姿月 真琴『ソドム』:2016/04/06(水) 01:02:08
>>21-23
資料を手に取って真剣な顔で悩み始める。
コハルくんの指名は可哀想だからやめておく。

「シエロさんを指名させていただきます。
よろしくお願いします、シエロさん」

立ってシエロさんに一礼する。
迫水さんのスタンドは狙いづらく、本体を強化して手に負えなくなる気がする。
小鍛冶さんの場合は得意の剣技が使えなくなってしまう。
上埜さんはトラウマを与えそうなのでやめよう。

「月は自分のスタンド発覚と関係があるので戦うなら上埜さん、と思ったのですがトラウマを与えそうなのでやめました。
次があれば、上埜さんと戦いたいものです」

シエロさんは陽気で親しみがある。
初戦の自分には丁度良い気がするのだ。。

25『ある日のアリーナ―花鳥風月―』:2016/04/06(水) 01:40:21
>>24 (姿月さん)

姿月の選択は―――『エル・シエロ』
花鳥風月の風。陽気な男。

フェデリコ:「へぇ。俺かい?俺とやるんかい?アミーゴ?いいぜいいぜ。」

相手も乗り気のようだ。

上埜:「トラウマ?聞き捨てなりませんわ。」

上埜:「私、そうやすやすとトラウマを植え付けられませんわ!」

高らかに宣言する上埜。
迫水が彼女を制し、それを見て小鍛治はニヤニヤと笑っている。

フェデリコ:「いっひっひ!トランキーロ!」

ガタン、と椅子が揺れる。
三角座りしていたフェデリコが背もたれを掴んでバク転したのだ。
パイプ椅子は背もたれを持たれている影響でそのまま倒れそうになる―――
が、そのままフェデリコが持ち上げなんとか地面との衝突は回避された。

フェデリコ:「よろしく頼むぜ。」

コハル:「えっと。決定、だね。」

コハル:「姿月さん。その、入場曲とか異名……みたいなのって必要かな?」

コハル:「花鳥風月の風とか黒のカリスマとか千の顔を持つ男、みたいなの。」

そういって登録用紙らしきものを持ち出すコハル。
必要なら伝えておくといいだろう。

26姿月 真琴『ソドム』:2016/04/06(水) 07:26:37
>>25
彼は戦うのが好きなのだろう。
そして小鍛冶さんの楽しそうな顔。
さては自分の蛮勇を見て面白がっているな。

「おおっ。身軽ですね」

面白いものが見れたので拍手おくる。
さらさらと素早く書いてコハルさんに用紙を渡す。
入場曲
ttps://www.youtube.com/watch?v=lzNpbdWD-rU&list=PL2t0m6ogkxClRpzwWivZy7Z5kCO3z_HFR&index=25

「異名は『危険な隣人』でお願いします。
物騒、物騒と言われたので」

「いや、人間じゃない化物の姿で6時間も生活するのは女性的に嫌そうなものですが。
逆にフェデリコさんは喜び始めそう。
観客席から離れて使わないと大騒ぎになるから困るスタンドなんですよ」

威嚇射撃の発砲音を聞いた人間が人狼になるスタンド、悪人なら喜んで町中で使いそうだ。
どうにかして克服せねばならない。

「ねぇねぇ、コハルさんコハルさん。
サイレンサーも準備してくれませんか。
スタンド音とやらは防げないのでスタンド使いはアレになりますけどね」

「水風船に水を注ぎに行って良いですか?
案内をよろしく、コハルさん」

まだ花束を握っているなら造花を引っこ抜いて香水を嗅がせる。
ついでに携帯でトリップした顔を撮る。

27『ある日のアリーナ―ビエント・デ・エスパーニャ―』:2016/04/06(水) 22:49:56
>>26 (姿月さん)

コハル:「『危険な隣人』ですね……」

上埜:「……トラウマにはならないけれど、あまり相手取りたくないですわ。」

苦い顔で用紙を受け取る。
上埜は姿月の言葉に少し眉を顰めている。
相手取りたくない、トラウマになるかは微妙だが歓迎したくないという感じだ。

コハル:「さ、サイレンサー……?」

さすがに手に入るかわからないという顔だ。
それに能力の都合上(ttp://jbbs.shitaraba.net/bbs/read.cgi/comic/7023/1453050315/21)
>・『威嚇射撃』を含め、『銃声』は『スタンド音』。一般人には聞こえない。
>・但し、『一般人』であっても射程内に存在すれば『人狼化』の対象となる。
サイレンサーは有用ではなさそうだ。

コハル:「水風船、あぁはい。」

コハル:「! はあぁぁぁぁぁぁっ。」

造花につけられた香りでまた呆けた顔をするコハル。
姿月の携帯の写真フォルダに確かにその顔は保存された。

上埜:「コハルさん……」

フェデリコ:「薬でもヤってんのか?」

コハルが案内したのはトイレであった。
清潔である。ここの手洗い場で水を貯めろということだろう。

コハル:「他に準備することあります?」

コハル:「なければ控室に案内しますよ。闘い前の瞑想とかどうぞ。」

コハル:「それと、拳銃は控室で渡すことになります。」

28姿月 真琴『ソドム』:2016/04/07(木) 03:42:49
>>27
「リラックスさせようと香りを嗅がせてみたら危ない顔に…」

3つの水風船に水を注ぎ込んで漏れ出ることのないように強く結ぶ。
子供の頃に誰もが投げられた経験のありそうな水風船。
懐かしく思いながら注ぎ口を指の間に挟んで構える。

「コハルさんコハルさん。
昔の少年漫画でナイフを指の間に挟んで投げるキャラっていましたよね!」

阿呆な事をした後は左右のポケットに水風船を一つずつ入れる。
最後のひとつは量を調整しながら胸ポケットに入れる。
水鉄砲はアリーナに来る前に水を入れてあるので問題はない。

「時間を取らせてごめん。
案内よろしく」

方向音痴なので迷った挙句、立ち入り禁止区域に入るのは不味い。
控室に案内してもらう。

29『ある日のアリーナ―ビエント・デ・エスパーニャ―』:2016/04/07(木) 22:47:00
>>28 (姿月さん)

コハル:「……すいません。そういうのがあるんだって初めて知りました。」

構えた姿月へのコハルの返答はそれだった。
ともかく、水風船に水を灌ぐことはできた。
準備は万端だ。

コハル:「それでは、行きましょうか。」

――――――――――――――――――――――――――――――――――――――――

コハルに案内された控室は『ASCENSION CLUB』の面々がいた部屋とは別の部屋だ。
各々が好き勝手出来るように色々なものを持ち込んでいたあの部屋とは違う。
必要最低限度の物だけがそろった控室だった。

あれからどれだけの時間がたっただろうか。
じきに闘いが始まる。
それゆえなのか別の理由かは不明だが体感する時間が普通より長く感じてしまいそうである。

コンコン

ノックの音がして、一人の男が入ってきた。
スーツを着崩してアクセサリーをつけている。
男は姿月の元へと近づいてくる。

「あんた、姿月さんだね?」

「コハルから聞いた。あんたに拳銃を渡しに来た『ASCENSION CLUB』のメンバーだ。」

30姿月 真琴『ソドム』:2016/04/07(木) 23:09:09
>>29
暇だったので丸まって部屋の隅で寝てしまった。
拳銃を持ってきた男性に近寄る。

「あぁ、『ASCENSION CLUB』は部屋に居た人達で全員じゃなかったのか。
無理難題を頼んですみません」

男性が拳銃を差し出したら受け取る。

31『ある日のアリーナ―ビエント・デ・エスパーニャ―』:2016/04/07(木) 23:36:00
>>30 (姿月さん)

「まぁ、大学のサークルみたいなもんさね。」

「しかもサークルより緩い。名乗っちまえばみんなメンバーさ。」

クックと笑い、男が一丁の拳銃を取り出す。

「『あぶないなんたら』にも出てくる銃だよ。」

「あんたにピッタリだろ?」

『S&W M586』六発撃ちのリボルバーだ。

「貸しとくよ。終わったらコハルにでも渡しといてくれ。」

姿月の手に拳銃が握らされる。
その手に伝わる重みがいま手の中に拳銃があることを否応なく感じさせる。

「じゃあな。」

「俺は、元警察の防人 修治。」

「なんかあったら相手してくれや。」

部屋を出て行った。

32『ある日のアリーナ―ビエント・デ・エスパーニャ―』:2016/04/07(木) 23:39:08
>>31 (続き)

時計の針が進み、コハルに告げられた試合の時間が近づいていく。
途中、ここの関係者らしい黒服が入ってきた。

「それでは、試合開始の時間となります。」

「ここの扉より、闘技場へお向かいください。」

さあ、行こう。

33姿月 真琴『ソドム』:2016/04/07(木) 23:55:20
>>31-32
名乗ればメンバー扱いとは緩すぎるのではないだろうか。
手にした拳銃を無言で見つめ続ける。

「紛失したら始末書じゃ済みませんね、これは。
割りと元警官って多いのでしょうか」

危ない刑事は好きでも嫌いでもないが出演俳優は好きだ。
コハルさんの案内に従って闘技場に向かう。

34『ある日のアリーナ―ビエント・デ・エスパーニャ―』:2016/04/08(金) 00:13:17
>>33 (姿月さん)

その手の拳銃を見つめる。
彼がなぜ元警官なのかは不明ではある。
少なくとも確かなことは姿月はこれを持って闘うということだ。
相手はあの陽気な男だ。
一体何を仕掛けてくるだろか。

通路を歩く。
だんだん明るくなってきた。
人の声が聞こえる。観客だろうか。
マイク越しの声が聞こえる。コハルの声だ。
実況席にいるらしい。

『赤コーナーから登場するのは、アリーナ初参戦!』

『不思議な風貌、奇妙な経歴、底の読めない人間性。』

『一体彼はこのアリーナでどんな姿を見せるのでしょうか?』

『どんな人間性が現れるのでしょうか!』

『【危険な隣人】姿月 真琴ッ!』

入場曲
ttps://www.youtube.com/watch?v=lzNpbdWD-rU&list=PL2t0m6ogkxClRpzwWivZy7Z5kCO3z_HFR&index=25

                 ≪オオオオーーーーーー!!!!≫
                                                      ≪オオオオーーーーーー!!!!≫

  ≪オオオオーーーーーー!!!!≫

地鳴りのような歓声が君を迎えた。
相手はまだ来ていないようだ。

35姿月 真琴『ソドム』:2016/04/08(金) 00:30:22
>>34
拳銃を片手にシエロさんの登場を待つ。
たぶん、普通には登場しないと思う。

(観客が多いな。珍しいもの見たさに集まっているのか)

ズボンのポケットから水を手に取ってキャップを緩める。
水鉄砲はズボンとベルトの間に挟む。

(この歓声が遠吠えになると想像以上にうるさそうだ)

36『ある日のアリーナ―ビエント・デ・エスパーニャ―』:2016/04/08(金) 00:59:26
>>35 (姿月さん)

シエロの入場を待ちながら準備をする姿月。
準備は全て終わった。

突然、アリーナの照明が消えた。
そして、入場曲が流れ始める。
次に照明がついた瞬間、金網にしがみついた『シエロ』がいた。

シエロ:「ヒュー!」

そして大きく跳躍した。
着地、前転。そしてロンダートをはじめとするアクロバットプレイだ。

『オラ!アミーゴ!昼寝が済んだら運動の時間だ。今日の遊び相手はどんなやつだァ〜!』

『上昇するぜエルニーニョのように!』

『おっと、行き過ぎたぜトランキーロ!』

『うるさいアイツがやってきた!』

『『ASCENSION CLUB』花鳥風月の風ッ!』

『【スカイ・ウォーカー】エル・シエロッ!』

シエロ:「よう。遊びに来たぜ。」

『今回の実況はコハル・トランプ。解説は小鍛治賢治さんです!』

『この闘いのルールは単純。スタンド使いであること!』

『そして、人を殺さないこと!』

『構えの合図でスタンドの発現を認めます。それでは構えッ!』

『はじめッ!』

開戦だ。

37『ある日のアリーナ―ビエント・デ・エスパーニャ―』:2016/04/08(金) 01:37:09
>>36 (姿月さん)

シエロ:「『ミスター・ブルースカイ』!」

『シエロ』の体にスタンドがまとわりつく。
青い空を思わせるヴィジョンを持つスタンド、それが『ミスター・ブルースカイ』!
『シエロ』はその場で飛び、バク宙してみせた。
じきに着地するだろう。
『ミスター・ブルースカイ』に白い雲を思わせる模様が見える。

コハル:『おっと、シエロ選手。開始早々バク宙のパフォーマンスでしょうか?』

小鍛治:『さっきロンダートしただろう。意味のないパフォーマンスじゃないんじゃあないか?』

―――地図―――

∴∴∴∴∴∴赤赤赤∴∴∴∴∴∴
∴∴∴∴■■□□□■■∴∴∴∴
∴∴∴■□□□□□□□■∴∴∴
∴∴■□□□□シ□□□□■∴∴
∴■□□□□□□□□□□□■∴
∴■□□□□□□□□□□□■∴
∴■□□□□□□□□□□□■∴
∴■□□□□□□□□□□□■∴
∴■□□□□□□□□□□□■∴
∴■□□□□□□□□□□□■∴
∴∴■□□□□姿□□□□■∴∴
∴∴∴■□□□□□□□■∴∴∴
∴∴∴∴■■□□□■■∴∴∴∴
∴∴∴∴∴∴青青青∴∴∴∴∴∴

□:闘技場内。床はコンクリートで、タイルの大きさは1x1m。白い砂がまいてある。
■:観客席と闘技場を隔てる金網。GMの選択で高さや、素材への変更が可能。
∴:観客席。
姿:姿月
シ:エル・シエロ

―――天井付近まで上昇した視点から見た構図―――

∴∴∴∴■■□┃□■■∴∴∴∴
∴∴∴■□□□┃□□□■∴∴∴
∴∴■□□□□┃□□□□■∴∴
∴■□□□□□┃□□□□□■∴
∴■□□□□□┃□□□□□■∴
━━━━━━━籠━━━━━━━
━━━━━━━籠━━━━━━━
∴■□□□□□┃□□□□□■∴
∴■□□□□□┃□□□□□■∴
∴∴■□□□□┃□□□□■∴∴
∴∴∴■□□□┃□□□■∴∴∴
∴∴∴∴■■□┃□■■∴∴∴∴

38姿月 真琴『ソドム』:2016/04/08(金) 02:28:55
>>36-37
ウィーバー・スタンスと呼ばれる構えを取る。
何も無い真上に『威嚇射撃』をする。

「スタンド名は『ソドム』。すぐに能力は分かるのでご安心ください」

シエロの纏うスタンドを『人狼化』で塗り潰す。
彼は急激な変異と精密動作性の低下に抗えるだろうか。

「景気づけに一杯どうでしょうか?」

親指で緩めたキャップを弾き飛ばす。

39『ある日のアリーナ―ビエント・デ・エスパーニャ―』:2016/04/08(金) 23:20:48
>>38 (姿月さん)

コハル:『おっと姿月選手。真上を撃った。これは一体……』

構え、『威嚇射撃』を行う姿月。
『ソドム』そのスタンド能力を『シエロ』は身をもって知ることになる。

シエロ:「なっ!」

宙返りをするシエロ、いや『ミスター・ブルースカイ』その体に狼を思わせる毛皮が爪が生えてくる。
面食らったのと精密性の低下のせいか、シエロは両足で着地をせず
四つん這いになるように着地をした。
その隙に姿月はキャップを弾き飛ばした。

コハル:『こ、これはどういうことでしょうか!シエロ選手の空を思わせるスタンドが瞬く間に狼のような姿に!』

シエロ:「やるねぇ……ん?」

周囲の騒がしさを感じる。観客たちだ。
いや、正しく言えば人狼と化した観客たちだが。

                 ≪WOOOOOOOOOO!!!!≫
                                        

  ≪WOOOOOOOOOOOOOOO!!!!≫

狼たちの遠吠えがアリーナ中に響き渡る。

コハル:『シエロ選手だけではありません!実況席の我々や観客席までこの現象は巻き起こっています!』

コハル:『天然痘やペストなど恐るべきスピードで進行する恐怖というものは数多く存在していました!』

コハル:『しかし!しかし!このスタンドはそれらに勝るとも劣らないスピードと威力です!』

観客たちは姿月から離れるように観客席を走り回り始めている。

シエロ:「こええなぁ。これじゃあ俺がルードみたいだぜ。」

シエロ:「だが、それがいい!」

シエロ:「WOOOOOOOO!!!」

遠吠えを上げながらシエロが接近を始める!
人狼の速さは人のそれを上回るスピードだ。

―――地図―――

∴∴∴∴∴∴赤赤赤∴∴∴∴∴∴
∴∴∴∴■■□□□■■∴∴∴∴
∴∴∴■□□□□□□□■∴∴∴
∴∴■□□□□□□□□□■∴∴
∴■□□□□□シ□□□□□■∴
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∴■□□□□□□□□□□□■∴
∴■□□□□□□□□□□□■∴
∴■□□□□□□□□□□□■∴
∴■□□□□□□□□□□□■∴
∴∴■□□□□姿□□□□■∴∴
∴∴∴■□□□□□□□■∴∴∴
∴∴∴∴■■□□□■■∴∴∴∴
∴∴∴∴∴∴青青青∴∴∴∴∴∴

□:闘技場内。床はコンクリートで、タイルの大きさは1x1m。白い砂がまいてある。
■:観客席と闘技場を隔てる金網。
∴:観客(人狼)席。
姿:姿月
シ:エル・シエロ

40姿月 真琴『ソドム』:2016/04/09(土) 01:26:18
>>39
歓声が遠吠えに変わったことで余計に騒がしくなってしまった。
闘技場の防音が手抜きでないといいが。

「びっくりしましたか? じゃ、次は怖がってください」

ペットボトルの水を頭から浴びて全身ずぶ濡れになる。
顔の水を拭いながら水鉄砲を取り出す。

「水遊びしましょう。シエロさん」

近寄るシエロさんの前に水鉄砲を乱射する。
白砂が水を吸うだろうが上を歩くのには相当な覚悟が必要だ。

41『ある日のアリーナ―ビエント・デ・エスパーニャ―』:2016/04/09(土) 11:54:20
>>40 (姿月さん)

頭から水をかぶり濡れ鼠になる姿月。
それは普通ならなんでもない行為だ。
普通なら意味が分からない行為だと言われるかもしれない。
しかし今ここにおいては、絶大な意味を示す。

コハル:『水だァァァァァァ!水を被りましたッ!』

コハル:『なぜでしょうか!安全だと分かっている我々でさえ!この水には恐怖を覚えざる負えない!』

シエロ:「うぉおい!マジかよ!カブロン!」

姿月は続けて接近するシエロの前に水鉄砲を発射する。
シエロはそれに当たらぬように急ブレーキをかける。
その間にも水鉄砲は水を放ち続ける。

シエロ:「……キッツぅぅぅぅぅぅぅぅ〜〜〜〜〜」

シエロ:「いいぜ。なら、俺はお前に近づかない。」

シエロが大きく足を振るう。
素早く力強いが隙のある動きだ。
しかし問題はそこではない。
砂を蹴り上げる様に放たれた蹴り。
すると足元、そう足元だ。足元から小さな『竜巻』が発生した!
『竜巻』は濡れた砂の一部を巻き上げながら上昇して姿月の元へと飛んでいく!(スB)

コハル:『シエロ選手の足から竜巻です!暴風警報発令です!』

小鍛治:『竜巻が濡れた砂を巻き上げてる。あれで砂をのけてるんだろう。』

―――地図―――

∴∴∴∴∴∴赤赤赤∴∴∴∴∴∴
∴∴∴∴■■□□□■■∴∴∴∴
∴∴∴■□□□□□□□■∴∴∴
∴∴■□□□□□□□□□■∴∴
∴■□□□□□□□□□□□■∴
∴■□□□□□□□□□□□■∴
∴■□□□□□シ□□□□□■∴
∴■□□□□□竜□□□□□■∴
∴■□□□□濡濡濡□□□□■∴
∴■□□□□□□□□□□□■∴
∴∴■□□□□姿□□□□■∴∴
∴∴∴■□□□□□□□■∴∴∴
∴∴∴∴■■□□□■■∴∴∴∴
∴∴∴∴∴∴青青青∴∴∴∴∴∴

□:闘技場内。床はコンクリートで、タイルの大きさは1x1m。白い砂がまいてある。
■:観客席と闘技場を隔てる金網。
∴:観客(人狼)席。
姿:姿月
シ:エル・シエロ
濡:濡れた床。
竜:竜巻

42姿月 真琴『ソドム』:2016/04/09(土) 12:59:19
>>41
濡れた砂を巻き上げる竜巻に眉をひそめる。
竜巻を避けるように闘技場の左斜め上を目指して走る。

「名前からして空を飛ぶ能力と予想していましたが竜巻ですか。
スタンドとやらは面白いものですね」

拳銃は闇雲に撃っても当たるものではない。
それに舞い上がった砂が視界を邪魔するだろう。

「僕の全身が乾くまで砂嵐を起こしますか?
違いますよね? 何かするのでしょう?」

近寄って来ようものなら足を狙って水鉄砲を乱射する。
問題は竜巻に追尾性能が備わっていると逃げきれない事だ。

43『ある日のアリーナ―ビエント・デ・エスパーニャ―』:2016/04/09(土) 23:02:17
>>42 (姿月さん)

シエロ:「スカイ・ウォーカーってのは狼じゃない俺のあだ名さ。」

シエロ:「今はウルフマンだぜ。」

拳銃の使用を控え、移動する姿月。
シエロもそれに合わせて砂遊びでもするかのように地面をゴロゴロと二度転がって移動する。
姿月が移動する際、接近した『竜巻』が巻き上げた砂が右肩にかかる。
しばらくして『竜巻』は動きを停止した。心なしか弱まっているように思える。
心配していた追尾性能はない様だ。

シエロ:「乾くまで待つ?いや、どうだろうね。」

シエロ:「とにかく、俺はあんたに近づかない。」

シエロ:「どうするよ?撃ってみるか?狼のスピードで対応してやるぜ?」

心なしかその明るい精神が獣のごとく獰猛になっている気がする。

シエロ:「とりあえず、もう一発だぜッ!」

シエロがサッカーボールでも蹴るかのように足をふりあげるとまた小さな『竜巻』が生まれる。
先ほど同様砂を巻き上げて姿月の元へと向かう(スB)

―――地図―――

∴∴∴∴∴∴赤赤赤∴∴∴∴∴∴
∴∴∴∴■■□□□■■∴∴∴∴
∴∴∴■□□□□□□□■∴∴∴
∴∴■□□□□□□□□□■∴∴
∴■□□□□□□□□□□□■∴
∴■□□□□□□□□□□□■∴
∴■□□□□□□□□シ□□■∴
∴■□□□□□□□竜□□□■∴
∴■□□□姿濡□濡□□□□■∴
∴■□□□□□□□□□□□■∴
∴∴■□□□□竜□□□□■∴∴
∴∴∴■□□□□□□□■∴∴∴
∴∴∴∴■■□□□■■∴∴∴∴
∴∴∴∴∴∴青青青∴∴∴∴∴∴

□:闘技場内。床はコンクリートで、タイルの大きさは1x1m。白い砂がまいてある。
■:観客席と闘技場を隔てる金網。
∴:観客(人狼)席。
姿:姿月
シ:エル・シエロ
濡:濡れた床。
竜:竜巻

44姿月 真琴『ソドム』:2016/04/10(日) 00:16:14
>>43
ポジティブなシエロに苦笑いする。
見習いたいものだ。

「嫌でずよ。しっかり狙わないと観客に被害が出ます
水鉄砲で我慢してください」

竜巻の動きを読んで迂回しつつシエロを追いかける。
水鉄砲を彼に向かって乱射しながら追いつめる。

45『ある日のアリーナ―ビエント・デ・エスパーニャ―』:2016/04/10(日) 00:47:49
>>44 (姿月さん)

シエロ:「カブロン!カブロン!水は勘弁だぜ!銃弾も嫌だけどよー!」


追いかけつつ水鉄砲を撃つ姿月にシエロはビビった。
煽ったはいいものの水が脅威である点に変わりはない。
やはりゴロゴロと転がりながら移動する。

小鍛治:『ダッセェぞシエロ!スカイ・ウォーカーが地に這いつくばってどうするよ!』

シエロ:「うるせー!雌伏の時だぜ!」

移動の際、二つ目の『竜巻』が砂を姿月に飛ばす。
胸や肩に砂がかかり、べしゃりと付着している。
なお、一つ目はすでに消えているようだ。

シエロ:「ひゃっほう!」

地に這うような姿勢のシエロがその手で床から砂を巻き上げる。
『竜巻』は起こらない。
砂は姿月の方へと向かっている。

シエロ:「ところでお前さんよぉ〜?ずいぶんバンバカ撃ってるけど大丈夫か?」

水鉄砲の水に限りがある。
水の出も少々悪くなっている。
まだ使えるがあまり乱用が過ぎると水切れの可能性もありうる。
シエロは腕を振った勢いでさらに回転しようとしている。

―――地図―――

∴∴∴∴∴∴赤赤赤∴∴∴∴∴∴
∴∴∴∴■■□□□■■∴∴∴∴
∴∴∴■□□□□□□□■∴∴∴
∴∴■□□□□□□□□□■∴∴
∴■□□□□□□シ□□□□■∴
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∴■□□□姿□□□□□□□■∴
∴■□□□□□□□□□□□■∴
∴■□□□□竜□濡□□□□■∴
∴■□□□□□□□□□□□■∴
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∴∴∴■□□□□□□□■∴∴∴
∴∴∴∴■■□□□■■∴∴∴∴
∴∴∴∴∴∴青青青∴∴∴∴∴∴

□:闘技場内。床はコンクリートで、タイルの大きさは1x1m。白い砂がまいてある。
■:観客席と闘技場を隔てる金網。
∴:観客(人狼)席。
姿:姿月
シ:エル・シエロ
濡:濡れた床。
竜:竜巻

46『ある日のアリーナ―ビエント・デ・エスパーニャ―』:2016/04/10(日) 00:54:39
>>45
                                                ≪WOOOOOOOOOOOOOOO!!!!≫
コハル:『シエロ選手、ジリ貧かぁー!?』

       ≪WOOOOOOOOOOOOOOO!!!!≫

小鍛治:『逃げてても勝てないんだよなぁー』
                                    ≪WOOOOOOOOOOOOOOO!!!!≫

コハル:『しかし、なぜ先ほどのシエロ選手は竜巻を生み出さなかったのでしょうか?』

小鍛治:『あ?』
                      ≪WOOOOOOOOOOOOOOO!!!!≫

≪WOOOOOOOOOOOOOOO!!!!≫

コハル:『いえ、だって今までただの牽制で竜巻を出していたわけではないのでは?』

小鍛治:『そりゃそうだろうよ。アイツの能力は無制限に竜巻出すスタンドじゃあない。』

         ≪WOOOOOOOOOOOOOOO!!!!≫              ≪WOOOOOOOOOOOOOOO!!!!≫

小鍛治:『ビビッて逃げてるだけじゃないんだろう?なにせ雌伏の時らしいからな。』

小鍛治:『それにアイツは魅せる闘いがしたいんだぜ。そろそろスカイ・ウォーカーらしいとこ見せてもらわないとなぁ。』

≪WOOOOOOOOOOOOOOO!!!!≫     
                                     ≪WOOOOOOOOOOOOOOO!!!!≫

小鍛治:『うるせぇ!』

47姿月 真琴『ソドム』:2016/04/10(日) 01:38:54
>>45-46
観客の遠吠えがうるさくて銀弾の一発ぐらい撃ち込みたい気分だ。
それにしても走って逃げずに『回転』しているのは何故なのか。

「竜巻の発現に回転する必要がある。しかし、目が回りませんか?」

と、心配する素振りを見せながら脇で水鉄砲を挟みながら水風船を取り出す。
拳銃は空いたポケットに入れておく。

「そうですね、水鉄砲の残量が心許ない。
だから手榴弾を使わせてもらいます」

パンパンに膨らんだ水風船をシエロに投擲。
僅かながらでも水を浴びて『麻痺』した隙を狙って拳銃を取り出す。
水鉄砲を脇に挟んだまま構えて発砲。
狙いは太腿だが胴体に当たるかもしれない。

48姿月 真琴『ソドム』:2016/04/10(日) 01:42:48
>>46
>>47の動作は巻き上げられた砂を回避した後に行います。

49『ある日のアリーナ―ビエント・デ・エスパーニャ―』:2016/04/10(日) 23:20:03
>>47-48 (姿月)

狼たちにイラつきながらも行動する姿月。
砂を回避し、次の行動に動く。

シエロ:「バレエダンサーが目ぇ回すか?」

そう言っている間にシエロの回転が終わる。
そして、先ほどの竜巻も消える。

シエロ:「手りゅう弾だぁ?」

シエロ:「そういうのはあのお嬢様だけで十分だぜ。」

姿月は水風船を投擲しようとする。
しかし、投擲という狙いを定める行為、そして水鉄砲や拳銃の扱いもしていたためそれはとても遅い。
人狼という人間離れのスピードを持たずとも対応できるくらいに。

シエロ:「見せてやるぜ。『スカイ・ウォーカー』!」

姿月の投擲と時を同じくして、シエロが足をふる。
また『竜巻』が発生した。
しかしそれは先ほどまで姿月が見たものではない。
もっと大規模なものだ。
その大きさは身の丈を超え、二メートルいやそれ以上かもしれない。
とにかくとても巨大な『竜巻』だった。しかしそのスピードは先ほどまでよりは遅く感じられた(スC)
『竜巻』は砂を巻き上げ、姿月に迫る。
姿月の体にはまた砂が付着し始めた。

そして、その巨大な『竜巻』で隠されてしまったのか、シエロの姿が確認できなくなった。
水風船の残骸が巻き上げられるのが見える。
拳銃は取り出せたが、このままでは巻き込まれかねない。
どうする?

50『ある日のアリーナ―ビエント・デ・エスパーニャ―』:2016/04/10(日) 23:28:37
>>49

コハル:『出ました!スカイ・ウォーカーと呼ばれるシエロ選手の大技です!』

コハル:『まさに大嵐!天災です!この技とファイトスタイルで彼はスカイ・ウォーカーと呼ばれたのです!』

小鍛治:『アイツにとって最高の技だ。一気に勝負を決めるつもりだろう。』

コハル:『と、いいますと?』

小鍛治:『水が切れたり弾切れまで粘ればいいが、アイツはそういう性格でもない。それに。』

コハル:『それに?』

小鍛治:『不利な状況を大技で逆転した方が格好いいだろう?』

コハル:『あはは……』

小鍛治:『アイツ、ぶつかんなきゃいいけどな。』

―――地図―――

∴∴∴∴∴∴赤赤赤∴∴∴∴∴∴
∴∴∴∴■■□□□■■∴∴∴∴
∴∴∴■□□□□□□□■∴∴∴
∴∴■□□□□□□□□□■∴∴
∴■□□□□□□竜□□□□■∴
∴■□□□□□□□□□□□■∴
∴■□□□姿□□□□□□□■∴
∴■□□□□□□□□□□□■∴
∴■□□□□□□濡□□□□■∴
∴■□□□□□□□□□□□■∴
∴∴■□□□□□□□□□■∴∴
∴∴∴■□□□□□□□■∴∴∴
∴∴∴∴■■□□□■■∴∴∴∴
∴∴∴∴∴∴青青青∴∴∴∴∴∴

□:闘技場内。床はコンクリートで、タイルの大きさは1x1m。白い砂がまいてある。
■:観客席と闘技場を隔てる金網。
∴:観客(人狼)席。
姿:姿月
シ:エル・シエロ
濡:濡れた床。
竜:竜巻

51姿月 真琴『ソドム』:2016/04/10(日) 23:46:27
>>49
欲張ると良い事が無い。
それでも相手を強引にでも動かせることができる、かもしれない。
大体の場合は悪い方向に事態は動く。

「自分が回転する事で竜巻を起こす能力でしょうか。
回転の回数分だけ竜巻は強くなるが動きは鈍くなる、とか」

シエロを起点に竜巻が発生するなら一時的に上空まで舞い上がっている可能性がある。
異名が空に関するのは竜巻を起こし、舞い上がる姿が空を歩いているように見えるからなのかもしれない。

「ダンスを極めると空も飛べる。
勉強になりました」

巨大竜巻から離れつつ上に水鉄砲を向ける。
もし、彼が見えて水鉄砲の射程距離に入った場合は足を狙う。

52『ある日のアリーナ―ビエント・デ・エスパーニャ―』:2016/04/11(月) 00:29:18
>>51 (姿月さん)

コハル:『これは……』

コハル:『いえ、これこそがスカイ・ウォーカーです!』

コハル:『これがルチャ・ドール、エル・シエロの戦法であり闘技です!』

相手の能力を考察しつつ水鉄砲を上に向ける。
巨大な『竜巻』は目前に迫っている。
強い風が頬を殴るように吹いている。
しかし姿月は上を狙った。
そうしてそれが正解だったことを姿月は理解した。

狼だ。狼が空を舞っている。
人の形をした狼だ。鳥でもない飛行機でもない。
エル・シエロだ。
竜巻から飛び出た彼はまるで爆撃機のように君に向かって降下してきている。
鋭い爪が君に向けられている。
足に狙いを定めている。まだ射程距離には入っていないが、入ったときに引き金を引けば当たるだろうきっと。

シエロ:「これが、『スカイ・ウォーカー』の技法だ。ダンスじゃあねぇ。」

小鍛治:『ここまでくるとルチャじゃなくて無茶だよなぁ?』

シエロ:「水も銃撃も恐ろしいぜ。爺さんの説教並みにな。だけど、構いやしねえ。」

シエロ:「この爪が届けばいい。そしたらその肩から胸にかけて、バッサリ切ってトルティーヤみたいにしてやる!」

爪が君を狙う。

―――地図―――

∴∴∴∴∴∴赤赤赤∴∴∴∴∴∴
∴∴∴∴■■□□□■■∴∴∴∴
∴∴∴■□□□□□□□■∴∴∴
∴∴■□□□□□□□□□■∴∴
∴■□□□□□竜□□□□□■∴
∴■□□□□シ□□□□□□■∴
∴■□□□姿□□□□□□□■∴
∴■□□□□□□□□□□□■∴
∴■□□□□□□濡□□□□■∴
∴■□□□□□□□□□□□■∴
∴∴■□□□□□□□□□■∴∴
∴∴∴■□□□□□□□■∴∴∴
∴∴∴∴■■□□□■■∴∴∴∴
∴∴∴∴∴∴青青青∴∴∴∴∴∴

□:闘技場内。床はコンクリートで、タイルの大きさは1x1m。白い砂がまいてある。
■:観客席と闘技場を隔てる金網。
∴:観客(人狼)席。
姿:姿月
シ:エル・シエロ
濡:濡れた床。
竜:竜巻

53姿月 真琴『ソドム』:2016/04/11(月) 08:05:21
>>52
老人の説教と硫酸を一緒にされては困る。
爪で袈裟斬りにしてくるようだが胸ポケットには水風船を入れてある。
水風船の爆発で濡れるか、水鉄砲を当てるにしても不時着させるつもりだ。

「観客受けしそうな大技です。
互いに欲張りみたいで気が合いますねッ!」

横に全力で跳ねながらシエロの落下してくる地点に水鉄砲を乱射。
問題は精密性の低下した状態でどれだけ当ててくるかだ。

54『ある日のアリーナ―ビエント・デ・エスパーニャ―』:2016/04/11(月) 23:14:11
>>53 (姿月さん)

空を舞う人狼。
それから逃れるために姿月は大きく横に跳んだ。
シエロは攻撃の一点に絞っていた。
シエロの振った腕、鋭い爪が姿月の右腕を切る。
服が切れ、覗いた肌には一筋の赤い傷。血が流れている。
だが、姿月の狙いは確実にシエロを追い詰めた。

シエロ:「お……がァ……」

コハル:『シエロ選手転倒!着地の際、姿月選手の水の妨害を受けたのでしょうか!?』

コハル:『多くのアクロバットを多くの飛び技を見せてきた彼が今、体を大地に預けています!』

転倒。乱射した水鉄砲の水がシエロの右足にかかり、右足での正常な着地ができなくなった。
『痙攣』まるで電機でも流されたかのように、シエロの右足が異常を示す。
そして、それと同時に姿月の水鉄砲の水が切れた。

シエロ:「は……は……は……は……」 

シエロが舌を出す。体温調節機能は人狼化の際に失われた。

シエロ:「次で最後だ。正真正銘。どのみち、この足じゃあ風に乗れねぇ。着地が出来ないからな。」

シエロが構える。
クラウチングスタートにも似たそれは四足歩行の生物が獲物を狙うそれに似ている。

コハル:『シエロ選手。これは……狼です。獲物を狙う狼そのものです!』

あまりにも芸のない。
飾りっ気のない攻撃体勢。これから起こしうる行動が。
これから起こりうる行動が分かってしまいそうだ。

シエロ:「いくぜ。」

―――地図―――

∴∴∴∴∴∴赤赤赤∴∴∴∴∴∴
∴∴∴∴■■□□□■■∴∴∴∴
∴∴∴■□□□□□□□■∴∴∴
∴∴■□□□□□□□□□■∴∴
∴■□□□□□□□□□□□■∴
∴■□□□□□□□□□□□■∴
∴■□□□シ□□□□□□□■∴
∴■□□□□□□□□□□□■∴
∴■□□□姿□□濡□□□□■∴
∴■□□□□□□□□□□□■∴
∴∴■□□□□□□□□□■∴∴
∴∴∴■□□□□□□□■∴∴∴
∴∴∴∴■■□□□■■∴∴∴∴
∴∴∴∴∴∴青青青∴∴∴∴∴∴

□:闘技場内。床はコンクリートで、タイルの大きさは1x1m。白い砂がまいてある。
■:観客席と闘技場を隔てる金網。
∴:観客(人狼)席。
姿:姿月
シ:エル・シエロ
濡:濡れた床。
竜:竜巻

55姿月 真琴『ソドム』:2016/04/11(月) 23:42:32
>>54
拳銃で仕留める事も考えはしたが構えるまでに間に合わないと判断。
反動の無い水鉄砲による足の麻痺を選んだのだ。

「ええ、来るといいですよ。
互いにせっかちですからね」

ぶるるっ、剥き出しの暴力に震える。
水鉄砲をシエロに投擲して空いた手で二つ目の水風船を取り出す。
取り出した水風船をシエロが近寄ってきた同時に足元へ叩きつける。

「哀れだ。火に向かう蛾のようです。
しかし、僕より観客には貴方の方が輝いてみえるでしょうね」

派手な水飛沫を起こして移動そのものを封じる。

56『ある日のアリーナ―ビエント・デ・エスパーニャ―』:2016/04/12(火) 00:27:28
>>55 (姿月さん)

コハル:『我々はスターターピストルのような射撃から狼へと変貌しました。』

コハル:『今、シエロ選手はまるでスターターピストルをまつ陸上選手のようでもあります。』

コハル:『しかし、陸上選手というにはあまりにも野性的!敵意むき出し、殺意丸出し!』

シエロ:「……ッ!」

シエロが姿月に向かってとびかかる。
それに対応するため、姿月水鉄砲を投擲し、水風船を取り出しにかかる。
シエロは右足の痙攣と、それによって左右の足の感覚が違うためだろうか、少し対応が遅れた。
水鉄砲を腕で弾き飛ばして接近する。

シエロ:「俺の方が輝く?まさか。翼を折られた鳥より、首尾一貫の狼の方が俺は好きだぜ。」

牙をむき出しにしたシエロ。
今にも肩口に噛みつかんとする。
が、間に合った。
水風船の投擲。足元で破裂する水。
砂が水を吸う。しかし、シエロは近づきすぎた。

小鍛治:『両翼をもがれたな。』

シエロの両の足が痙攣している。
足の踏ん張りが一瞬効かなくなったのか前に倒れた。
せめて一撃と伸ばされた爪が姿月の鼻先をかすめた。

シエロ:「動くぜ足はまだ……」

最早立つことも簡単にはできないであろうシエロ。
まだ戦闘の意志はある。まだゴングは鳴っていない。
ゴングを鳴らすのは君だ。

―――地図―――

∴∴∴∴∴∴赤赤赤∴∴∴∴∴∴
∴∴∴∴■■□□□■■∴∴∴∴
∴∴∴■□□□□□□□■∴∴∴
∴∴■□□□□□□□□□■∴∴
∴■□□□□□□□□□□□■∴
∴■□□□□□□□□□□□■∴
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∴■□□□シ□□□□□□□■∴
∴■□□□姿□□濡□□□□■∴
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∴∴∴∴∴∴青青青∴∴∴∴∴∴

□:闘技場内。床はコンクリートで、タイルの大きさは1x1m。白い砂がまいてある。
■:観客席と闘技場を隔てる金網。
∴:観客(人狼)席。
姿:姿月
シ:エル・シエロ
濡:濡れた床。
竜:竜巻

57姿月 真琴『ソドム』:2016/04/12(火) 00:48:46
>>56
念には念を入れて身体の自由を奪い尽くした。
銃撃を警戒して回避に徹された場合を考えての行動だ。

「僕はせっかちでありながら臆病でもある。
それでも引き金を引くのは躊躇しない」

拳銃を両手で構える。
狙うのは頭部だ。

「意識が戻ったら会いましょう。
初めてがシエロさんで良かった」

頭部を撃ち抜いて気絶させる。
手足を撃ち抜くよりも一撃で楽にさせる。

58『ある日のアリーナ―ビエント・デ・エスパーニャ―』:2016/04/12(火) 01:22:48
>>57 (姿月さん)

シエロ:「いいぜ。躊躇しないってのは。」

シエロ:「せっかちなのはいただけないがね。トランキーロだぜ。」

シエロ:「じゃあな。次は狼になったとき用のパフォーマンスでも用意しとくぜ。」

      バンッ

アリーナに銃声が響く。
威嚇などではない。きちんと狙いを定めた射撃だ。
弾丸はシエロの毛皮を破り頭部に命中した。
シエロの人狼化が解ける。倒れたまま動かないシエロ。
決着はついた。

コハル:『決着ゥゥゥゥゥゥゥーーーーーーーーー!』

コハル:『どんな恐るべき病よりも早く驚異的な人狼化の病。』

コハル:『そして人狼を破る銀の弾丸の担い手が、大空を舞う闘士を撃ち落としました!』

コハル:『勝者!【危険な隣人】姿月 真琴ッ!』

≪WOOOOOOOOOO!!!!≫ 
                                                       ≪WOOOOOOOOOO!!!!≫
                       ≪WOOOOOOOOOO!!!!≫

さて、闘いは終わった。なにかパフォーマンスをするのもいいし、そのまま退場してもいいだろう。
全て君の自由だ。
それが勝者の特権の一つなのだから。

59姿月 真琴『ソドム』:2016/04/12(火) 01:49:07
>>58
最後に残った3つ目の水風船を頭上で握り潰す。
砂を洗い流すと真上に向けて発砲。
騒がしい観客を黙らせる。

「お静かに。最後まで見てくださった観客の皆様に感謝します
『ソドム』の効果時間は六時間です。
その間は本体の僕から離れない限りは『人狼』のままとなります」

「今、悪い事を考えた方は実行に移さないでくださいね?
やったら他の『人狼』を使って散々に追いかけ回し、手足の骨を銃弾で粉砕してやるからな」

馬鹿な事を考えないように脅しておく。
先程の銃撃で躊躇しない事は理解していただけたはずだ。

「じゃ、好きなだけ遠吠えしてください。
ストレス発散してくだされば嬉しい」

スタスタと闘技場を立ち去る。
この後は、何をしたら良いのだろうか?
控室に戻れる自信がない…

60『ある日のアリーナ―ビエント・デ・エスパーニャ―』:2016/04/12(火) 23:08:42
>>59 (姿月さん)

        パァンッ

風船が割れ、姿月に水が落ちてくる。まとわりついた砂が少し落ちていく。

≪WOOOO……≫

姿月の言葉を理解したのかそれとも本能からの怯えなのか、観客の人狼たちはみなおとなしくなった。
それは狼というよりも子犬のようなもので、今の彼らの姿には似つかわしくなかった。

コハル:『姿月選手はアリーナでの闘いは初めてです。』

コハル:『姿月選手が再びここに現れるかは謎です。しかし、あの人は我々に大きな衝撃を残したことは事実です!』

スタスタとアリーナを立ち去る。
先ほどいた控室に戻ってくると、そこには迫水がいた。

迫水:「お疲れ様でした。医務室までご案内させていただきます。」

迫水は人狼化していないようだ。
おそらく、射程の外にいたかそもそも闘いを見ていなかったのかもしれない。

迫水:「それと、拳銃をお返しください。」

迫水が手を差し出す。
拳銃を返せば医務室とやらまで行けるだろう。

61姿月 真琴『ソドム』:2016/04/12(火) 23:32:57
>>60
『ソドム』を解除して濡れた拳銃を迫水さんに手渡す。
ずぶ濡れなので少しばかり寒い。

「重傷を負ったわけでもありませんがよろしくお願いします。
ちょっとだけ疲れました」

初めてスタンドを本格的に運用したせいか精神的に疲れている。
爪で斬られた右腕を舐める。
大体の怪我は舐めれば治る、かもしれない。

「れろ、これは賞味期限が切れたトマトの味。
軽く怪我はしましたけど楽しかったですよ」

ニッコリと笑って迫水さんに案内してもらう。

62『ある日のアリーナ―ビエント・デ・エスパーニャ―』:2016/04/12(火) 23:58:51
>>61 (姿月さん)

迫水:「治療が終わるまでが闘い。そう思っていただいて構いません。」

拳銃を受け取り、迫水がぺこりと頭を下げる。
姿月は右腕の血をなめトマトの味を思い出した。
迫水はその姿をじぃっと見つめていたが、にっこりと微笑み返し医務室までの案内をしてくれた。

医務室は白を基調とした綺麗な空間であった。
大きさは控室より大きい。
白衣を身にまとった女性がおり、彼女が医者らしかった。

そこに担架に乗せられたシエロが運ばれてきた。

「よう。色男。」

担架に乗ったシエロの声だ。

「楽しかったぜ。いい経験になった。」

「……また遊ぼうぜ。」

63姿月 真琴『ソドム』:2016/04/13(水) 00:22:08
>>62
「シエロさんは丈夫ですね…
楽しんでもらえたようで何よりですよ」

次に戦った場合は勝てるか怪しいものだ。
自分も装備を変えて対策するので負けるつもりはない。

「色男ってものはシエロさんみたいな人ですよ。
僕は真っ平らすぎてつまらない男です」

ニコッとシエロさんに微笑む。
笑うのは上手くないから表情筋を鍛えないと。

64『ある日のアリーナ―ビエント・デ・エスパーニャ―』:2016/04/13(水) 00:45:33
>>63 (姿月さん)
 
シエロ:「へっへ。俺が丈夫なんじゃあないさ。」

シエロ:「応急処置を受けたからな……」

そういうとシエロが顔をゆがめた。
痛みがまだ残っているのだろう。

シエロ:「俺が色男?はっは。笑わせる。」

シエロ:「まぁ、それもいいか。」

「さて、おしゃべりの時間はそこまでだ患者諸君。」

「歓談は治療が終わってから。いいね?」

白衣を着た女が注意を促す。
特に何もなければ治療を受けよう。
それですべて終わるのだ。

65姿月 真琴『ソドム』:2016/04/13(水) 01:18:49
>>64
二回ぐらい着地を失敗した時の衝撃で身体を痛めたのだろう。
次は散弾型の水鉄砲でも用意しようか。
外国製は高いのが悩みだ。

「ふふっ、笑えるぐらい元気なら大丈夫ですよ。
殺しても死ななそうです」

今日は疲れたから寝たい気分だ。
治療が終わるまで『ソドム』の銃弾を親指で弾いて遊ぼうか。

66『ある日のアリーナ―ビエント・デ・エスパーニャ―』:2016/04/13(水) 01:35:26
>>65 (姿月さん)

シエロ:「殺しても死なないか。違いねぇ。」

「物騒なことを言うな。」

「では、治療を開始する。」

銃弾をはじいて遊ぶ姿月。
治療もすぐに終わる。
そうしたらじっくりと休むといい。
闘いが終わればまたいつもと同じ時間が流れるのだから――――

治療後、コハルが封筒を持って部屋にやってきた。
中には賞金が入っていた。
他には何もない。ただそれだけだった。
しかし他に報酬があるとすればそれは姿月の中にあるに違いなかった。

姿月 真琴『ソドム』→『勝利』
              『30万』入手
              『治療済み』

エル・シエロ『ミスター・ブルースカイ』→『敗北』
                        『治療済み』
                        『上昇意欲、いまだ消えず』

『ある日のアリーナ―花鳥風月―』【ビエント・デ・エスパーニャ】→終

67『ある日のアリーナ―ビエント・デ・エスパーニャ―』:2016/04/13(水) 01:44:17
>>66

空を思わせる空色と雲を思わせる白色で構成される纏うタイプのヴィジョン。
『回転』によって蓄えた力で『竜巻』を生み出す。

スタンドを纏った本体が一回転するごとに、このスタンドは力を蓄えることができる。
『回転』は縦でも横でもいい。
このスタンドは蓄えた力を『竜巻』に変えて放つことができる。
一回転につき『竜巻』一つを放てる。『竜巻』は小規模なもので全長30cmほどである。
『竜巻』はパスCBで飛んでいく。
『竜巻』は触れたものを巻き上げることが可能で
規模にかかわらず『ブルースカイ』はこの『竜巻』の風に乗って飛ばされることができる。
『竜巻』の射程は5m。そこを出るか『3秒』の経過で、回転しなくなり自然に消える。
また、より力を蓄えることでより大規模な『竜巻』を起こすことができる。
『竜巻』の最大規模は『4回分』の蓄えでパスBC、全長2.5mである。
蓄えの持続時間は『15秒』

『ミスター・ブルースカイ』
破壊力:C スピード:B 射程距離:E
持続力:B 精密動作性:A 成長性:E

★氏名― フェデリコ・ランダルセ
★スタンド― 『ミスター・ブルースカイ』
★性別―男  ★年齢―27 ★血液型―O
★スペイン生まれ ★髪の色―黒 ★瞳の色―こげ茶
★趣味―アクロバット ダンス ★身長―165cm
★好きな映画―デスペラード  ★好きな色―空色
★性格― 自由気ままで楽天家。
★外見―浅黒い肌に縮れた黒髪を持つ。
      見るからに陽気な外国人という見た目。
      服装はオレンジなど明るい色の服を着ている。

      かつてエル・シエロ、いやフェデリコ・ランダルセは大嵐に戦いを挑んだことがある。
      それは幼き日のこと、嵐が来ると他の人々が避難する中一人だけ嵐に向かってかけていった。
      彼の体は嵐によって巻き上げられた、当然意気揚々と進んでいったはずの彼は死を覚悟した。
      しかし、彼は死ななかった。それはスタンドのおかげだったかもしれないしまた別の理由かもしれない。
      とにかく、彼はその日を境にスタンドに目覚めた。
      彼が大嵐に向かっていった理由はただ一つ、『空を飛びたかった』だけだ。

68『ある日のアリーナ』:2016/06/05(日) 02:05:28
「ねぇ」

                   「なんですかぁ?」

ある日の控室。一人の女がいる。そしてその前に一人の男がいる。
女はスーツに身を包み、男もまたスーツに身を包んでいた。
女はワインレッドのシャツに黒い上下、しわ一つない。
男はスーツを着崩し、しわもはいっている。

「あなたどれだけ負ければ気が済むの?」

                   「俺に言われましてもねぇ。まぁ、勝負は時の運ですし」

「運だとかなんだとか、そういう言い訳は好きじゃないわ」

                   「はぁ……」

にへらと笑う男。女はつかつかと男に歩み寄り。

            パァンッ

平手打ち。

                   「痛っ!」

「いい加減にしなさいグズ。なに、その腑抜けた根性は?
 そろそろ私たちはあなたの扱いを考え直さないといけないようね」

                   「え? えー?」

「次に負けたらクビにされる覚悟をなさい」

                   「はい?」

「路頭に迷って、昔みたいに路地裏で這いつくばりなさいと
 そう言われたくないなら、死んでも勝ってみなさい。あなたに上昇意欲があるならね」

                   「……」

女は部屋から出て行った。
一人残された男は赤くなった頬をさすっていた。

                   「……どうすっかなぁ」

男はそう呟くと、ズボンと腰の間に挟んでいた拳銃を取り出した。

                   「……やるしかねぇのか」

防人 修治→戦闘準備開始

69『ある日のアリーナ―タチムカウ―』:2016/06/12(日) 22:32:04
「はっ……はっ……はっ! ……はぁ……はぁ……」

走る走る走る。
夜の街を掛ける。
アスファルトには足跡の代わりに血が落ちていることに気づいていた。
それでもなお走る。
自分を見て怯え、道を譲る人がいる。
自分を見て叫び、追いかけてくる人がいる。
味方などいない。
叫んでも喚いても助けはない。
泥沼。

「はぁ……はぁ……」

気づけば暗がり。
腰を下ろしていた。
なぜこうなった?
なぜ、こんな目にあっている?

「見つけたぜェ……!」

なぜ、誰が自分をこんな目に。

70『ある日のアリーナ―タチムカウ―』:2016/06/12(日) 22:33:36

過去と闘って何が悪い
昔を越えようとして何が悪い
未来は俺が創る
生きたいように生きる
なりたい自分になる

             ―――――――中邑真輔

71『ある日のアリーナ―タチムカウ―』:2016/06/12(日) 22:39:18
ある日のことであった。
夏も近く、じめじめと暑い日が続く。
幸か不幸かこの日は晴れ。
太陽が休みなしに大地を照らし、アスファルトからの照り返しは体を上と下から焼いていく。
まるでハンバーグのようだ。
いや、別の何かかもしれない。

あなたは道をぶらぶらと歩いている。
買い物だろうか、それとも散歩だろうか、それはあなたが知っていることで決めること。
何にも変わらない。普通の日。日常。
あなたはそれを味わっていた。

あなたは電信柱を見つけた。
そこに張り紙がしてある。
なにか書いてあるようだ。

……張り紙にはこうある。
『振り返れ』と。

72流星 越『バングルス』:2016/06/12(日) 23:07:23
>>71

   「――――はて」

小首をかしげる。
今日は休日である。
休日だが休日ではない。バイトであった。
そう、バイトの帰りである。
バイトに行って来て、業務が終わって帰るところなのだ。

   「いやいや、ホラー映画じゃないんですから……」

   「――――貴様何奴ッ!」

       バッ

とりあえず『振り返れ』と言われたので、勢いよく振り返った。



『名前』:流星 越(ながれぼし・えつ)
『年齢』:16
『外見』:栗毛の三つ編みを尾のように垂らした小柄な少女。
     赤ブチの眼鏡を愛用。鉄面皮。表情が微動だにしない。
『持ち物』:スマホ、財布、ハンカチ
『服装』:パンキッシュなシャツ、ダメージジーンズ
『スタンド』:
 本体が掌を翳した『光源』を媒介とし、『ランタンシールド』を作り出す。
 解除した『盾』は『パワー』を持つ光に代わり、物体を『制圧』する。
 『盾』も『光』も、光を『透過』する物体に『干渉』することは出来ない。

 『バングルス』
 破壊力:B  スピード:B  射程距離:E
 持続力:B  精密動作性:C 成長性:A
(詳細:ttp://jbbs.shitaraba.net/bbs/read.cgi/comic/7023/1453050315/2)

73『ある日のアリーナ―タチムカウ―』:2016/06/12(日) 23:12:48
>>72

一日の仕事を終え、歩いていた流星。
その不可思議な張り紙を見て、書かれた通り振り返る。

その時だった。
何か近づいてい来る。
黒い。黒いなにか。
だんだんとその姿が見えてきた。
手だ。巨大な手である。
開かれた手が自分の顔に向かって真っすぐ伸びてくる。

このままではサンドイッチだが、どうする?

74流星 越『バングルス』:2016/06/12(日) 23:17:46
>>73

   「あっスマブラで見たことある奴ですね」

   「いやアレは白ですが」

   「白と言っても下着の色とかではないのでお母さん方もご安心です」

……などとノンキしてる場合ではない。
『バングルス』……は発現できない。
周辺に『光源』が無いのだ。
今から『スマホ』を起動しても、『バングルス』の発現まで十数秒はかかる。
……ので、『スマホ』を取り出して起動しつつ、横に跳んで回避を試みて見る。

75『ある日のアリーナ―タチムカウ―』:2016/06/12(日) 23:56:25
>>74

迫りくる手はマスターな手かクレイジーな手か。
スタンド『バングルス』の発現はまだできない。
スマホを起動させながらの回避。

手は流星が本来いたであろう場所の手前で止まった。
動かない。まるで死んでしまったかのように。

「ほんと、危ないですって……」

「止めたのだから許しなさい」

「それ、俺が決めることじゃあ」

誰かが話しながら前から近づいて来ている。
二人だ。来ている服から男女であることが分かる。
一人はスーツに身を包んだ女性。もう一人は着崩したスーツを身にまとい、体のあらゆるところに包帯を巻いている。

「見えていたわね。この子。振り向いたし」

「……多分。そうだと思いますけど」

「まぐれ、かしら? 確かめてみましょう」

女が笑う。
すると、先ほどまで止まっていた手が再び動き出した。
デコピンの形を作り、流星に迫る。

76流星 越『バングルス』:2016/06/13(月) 00:14:49
>>75

   「いや見えてますが」

ジリジリ下がりつつ、二人組に声をかける。
『バングルス』は……もう少しか。
『光源』の定義は『十数秒連続的に光を発している物』だ。もう少し。

   「え、なんでしょう」

   「ワクワク通り魔チャレンジ?」

   「人間としての倫理を銀河の彼方に置いてきたみたいな会話がなされてる気がしますが」

   「そう……まるで『ベーダー卿』みたいに。フォースの暗黒面はいいぞ」

      「大きな手はアレですね。フォースで首絞める奴」

   「ハッ、つまり……父さん?」

無表情のまま、身振り手振りで感情を表現しつつ……言葉を投げかける。
相手の狙いがなんであれ、もう少し時間を稼がねば。

77『ある日のアリーナ―タチムカウ―』:2016/06/13(月) 00:29:07
>>76

「見えてるって」

「マジすか」

うんうんと頷き合う男女。
首を振るたび痛そうな顔を男はしている。

「ベーダ―卿?」

「あー俺昔蛍光灯持ってセイバー扱いしてましたよ」

「馬鹿ね」

「ていうか、誰が父さんだよ」

咳払いする女。
ため息をついて腕を組む男。
右腕に巻かれた包帯が痛々しい。

「あんた、スタンド使いよね?」

「ちょっと頼まれごとをしてくれないかしら」

「断ったら死人が出るかもしれないのだけど」

女は流星に告げる。
スマホは光源の条件を満たしている。
どうする?

78流星 越『バングルス』:2016/06/13(月) 00:53:05
>>77

   「クラスの男子が傘で『ライトセーバーごっこ』してましたね」

   「小学生のころの話ですが」

   「一方模範的な女の子であるところの私は『R2D2』っぽい掃除機で遊んでました」

なんかデカくてドラム缶みたいな形でぶおーってなるやつ。

   「……ともかく」

   「確かに私は『スタンド使い』と呼ばれる人種ですが」

   「まずは頼みごとの内容を聞かないことには」

   「まさか『宇宙船』を出してほしいってこともないでしょう?」

スマホを二人に突きつけ、様子を見る。
いつでも『バングルス』を展開できるように意識しつつ。

   「ナメクジみたいな人に借りたお金もなければ『ミレニアム・ファルコン』もありませんし」

   「冷凍保存される予定もありませんしね」

79『ある日のアリーナ―タチムカウ―』:2016/06/13(月) 01:13:16
>>78
 
「どうです? 俺と同じタイプの人間でですよ」

「だからなに?」

冗談っぽくいう男に対して女は冷たく言葉を返す。

「そうね。契約書の書面も見ずに判を押すようなものよねこのままだと」

「……」

男が思わず下を向く。
痛いところでも突かれたのだろうか。

「スマホを突き出してなにするつもりよ」

「まぁまぁ……えーと、俺を助けると思って闘ってくれないか?」

男は微妙な笑みを浮かべると流星に言う。
冗談ではなさそうだ。

「あ、俺は防人修治。で、こっちが」

「こっち?」

「……こちらが、俺の……上司の、周防 一稀……さん」

「よろしく」

男が包帯で巻かれた右手を差し出す。
そして、男の背後には人型のヴィジョンが浮かぶ。
血管のような赤い筋が入った骸骨のヴィジョンだ。

80流星 越『バングルス』:2016/06/13(月) 01:23:17
>>79

   「何をするつもりって……決まってるでしょう」

   「『ライトセーバー』が展開します」

……あながち、嘘ではない。

   「はぁ……闘う?」

   「それはその……『俺より強い奴に会いに行く』とかそう言うアレで?」

   「――――おっと、よろしくと言われましても困ります」

      「セクハラですよお兄さん」

一歩、二歩と下がる。
握手には応じない。相手の狙いが掴めていない。

   「話が見えて来ませんね」

   「『後ろ斜め下』にレバーを入力しつつ、話を伺いましょう」

   「私のようなキュートな少女にいきなり『戦え……戦え……』とか言っていいのはマスコットの小動物ぐらいですよ」

   「そう……『チューバッカ』みたいな」

それは小動物とは言い難かった。

   「で、実際ズバッと要求を教えて頂けると助かるのですが?」

81『ある日のアリーナ―タチムカウ―』:2016/06/13(月) 01:37:45
>>80

「『俺より強い奴に会いに行く』? おお、大体そんな感じ」

「馬鹿め、といってあげるわ」

「艦長……?」

黒い手が男の腹部にデコピンを決める。
息苦しそうにする男の足を女が踏んだ。

「呼吸困難とセクハラ呼ばわりで死にそうなんですけど……」

『後ろ斜め下』にレバーを入れる流星。
男は腹を抱えて苦しそうに呟く。

「ソニックブームかサマーソルトの二択かぁ……最近前進できるようになったんだよね……」

「はっきり言ってしまうと」

男の言葉を女が遮った。

「この町にはアリーナと言われるものがあるの」

「スタンド使い同士が闘う闘技場が。この男はそこで連敗中。
 誰も彼を対戦相手にしたがらないし運営側からの警告も来てる」

「そんな内部事情を……」

「うるさい。だから外部から引っ張ってくるのよ挑戦者を。こいつと闘う人間を」

「でなければこの男は負け犬にもなりきれず、ぬるい状態で生涯を終えることになる」

「だから、勝つなり負けるなりしてさっさと行く道を決めておきたいのよ。私が」

82流星 越『バングルス』:2016/06/13(月) 02:14:34
>>81

   「『波動拳』ならぬ『波動砲』ですね」

   「作品が変わってしまいますが」

目の前で繰り広げられる殴る蹴るの暴行はスルーの方向である。
『色んな人がいるんだなぁ』と内心思っていた。

   「……ふむ」

   「まぁ事情はわかりましたが……」

スタンド使いによる闘技場。
……まぁ理解できる。『リアル能力バトルモノ』ってわけだ。
『超能力者同士の戦い』となれば、集客は十分に見込めるだろう。

   「……しかし、ビックリするほど私に得がありませんね?」

無論、なにかしらの『エサ』は用意してあるのはずだ。金とか。
『エサ』もなしに負け続きの男とスタンドで戦ってほしいとか、承諾するのは戦闘狂か狂人レベルのお人よしぐらいである。
つまり正気じゃない。

   「なんかこう……あるんでしょう、『エサ』が」

   「『絶対アリーナで戦ったりなんかしない!』と叫ぶ私の尻尾を二秒でブンブン振らせてごろにゃんさせるものが」

   「かまんべいびー」

というわけで肘を曲げて『スマホ』を上に向け、尋ねる。
イメージとしては『銃口を逸らす』感じの所作か。表情は相変わらずの無表情で。

83『ある日のアリーナ―タチムカウ―』:2016/06/13(月) 23:00:12
>>82

得がない。
流星の意見はもっともだ。
なにか対価、そうエサでもなければ走る意味がない。
男女の方もそれを承知しているようだった。

「エサ?えぇ、あるわよ。あなたが尻尾を振るかは知らないけど」

女……周防は懐から封筒を取り出した。
細長い簡素な茶封筒だ。そこには男……防人の名前が書いてある。
茶封筒から周防はいくつかの紙の束を引っ張り出す。
それは紙幣であった。しかも千や五千ではない。万だ。万札だ。

「30万」

扇形に広げられる万札。
慣れた手つきで周防はそれを扱っている。
30万。容易に手に入る金額ではない。

「30万もあればそこそこの買い物とか旅行とかできるんじゃなくて?」

「まぁ、勝てば達成感とか色々あるかもしれないけれど、あなたからしたらこっちの方が魅力的かしら?」

闘いに魅力を感じない人間は金に魅力を感じるのか?
それが正しいかどうかはともかく、流星の前に今30万というエサがぶら下げられている。

「勝てば30万。治療費は不要で完全治療。負けたらまぁ、治療だけでごめんなさいって感じだけど」

「いかがかしら? 連敗中、負けっぱなしの負け犬一歩手前の男の首をとるだけで30万だけど、やってみる?」

84流星 越『バングルス』:2016/06/13(月) 23:30:36
>>83

   「『30万』……」

……結構な額だ。
少なくとも学生にとっては。
思案のポーズ。

   「……みっつ、確認させて頂ければ」

指を二本立て、『周防』に尋ねよう。

   「ひとつ」

   「『殺し』は原則ナシ、と考えても?」

立てた指を一本畳む。
『負け続き』がここにいる以上、ある程度は配慮されている可能性が高い。
もちろん、『事故』はありえるのだろうが……

   「ふたつ」

   「……少し考える時間を頂いてもよろしいでしょうか?」

もう一本、指を畳む。
惹かれるものは――――ある。
『30万円』という額もそうだし……他にも、少し。
それでも危険なのは間違いあるまい。喧嘩が好きな方でもない。
故に少し……考えてから結論を出したいと言うのは、それほどおかしなことでもないはずだ。

   「最後にみっつめ」

最後の指を畳む。

   「――――特にありません」

……無表情だが、どこか得意げでもあった。

   「あ、すいません、これ言いたかっただけです」

85『ある日のアリーナ―タチムカウ―』:2016/06/13(月) 23:44:46
>>84

「三つ?」

流星の言葉に自分も思案のポーズをとる周防。
というか闘う相手になるかもしれない防人は暇そうにぼーっとしている。
自分に決定権や拒否権がないことを理解しているのかもしれない。

「そう、『殺し』はない。死んだら治療もなにもできないし」

頷いて周防に同調する防人。
命がいくつあっても足りないというように。

「考える時間? そうね……まぁ、いいけれど」

周防の傍で黒い手がゆらゆらと揺れる。

「言いたかっただけ……?」

ひとり呟く防人。
周防は一つため息をつく。

「けれど、この男はともかく私は結構オクパードなの。オクパード。わかる? 忙しいの」

「トランキーロ……いえ、あなた女性だからトランキーラ、つまりはあっせんなよと言ってあげたいのだけど」

「そんなに長い時間をとってあげられるかは微妙かも」

86流星 越『バングルス』:2016/06/13(月) 23:52:02
>>85

   「おほん」

   「なるほど」

ひとつ咳払いして、もう一度指を一本突き出す。

   「では―――― 一晩」

   「一晩だけお待ちいただけますか?」

   「明日には結論を出すと約束しましょう」

   「今無理に結論を出して、急に『耳が痛いから出ない』と言うわけにもいきませんし」

   「じっくりたっぷり考えて、ちゃんと結論を出しますので」

87『ある日のアリーナ―タチムカウ―』:2016/06/14(火) 00:12:01
>>86

「一晩?」

「いいわ。待ちましょう。正直、ここまで話を聞いてくれた人は少なかったし」

周防は(防人もいるが)一晩の猶予を承諾してくれた。

「明日、この場所で会いましょう」

「いい? じっくりたっぷり考えなさい」

「人生、こういうところが大事だったりするのよ」

そう言って笑ってから、周防はすたすたと歩いて行った。
黒い手は軽く防人を小突くと消えてしまった。

「えっと……まぁ、よろしく」

ぺこりと礼をしてから防人は周防の後を追う。
この場には流星がただ一人残った。

88流星 越『バングルス』:2016/06/14(火) 00:36:24
>>87

   「どうもありがとうございます」

        ペコォーッ

   「…………」

折り目正しく、頭を下げる。
そして二人を見送って……家に帰ろう。
家に帰って、ゆっくり考えよう。
彼女の言う通り、『こういうところが大事だったりする』のだろう。
受けるにせよ、受けないにせよ。

      「……あっ、洗剤切れてますね……買ってこなくては……」

89『ある日のアリーナ―タチムカウ―』:2016/06/14(火) 00:52:10
>>88

二人の見送る。
時間にすれば15分か?それより短かったかもしれない。
とにかく帰ろう。
ただし洗剤を買って。
そう思い、流星は帰路についた。

90流星 越『バングルス』:2016/06/14(火) 00:58:22
>>89

   「あ、いやしかし洗剤は確か昨日セールやってたのでは……?」

   「不覚……ッ!」

91『ある日のアリーナ―タチムカウ―』:2016/06/14(火) 01:15:34
>>90

翌日。この日、空は雲っていた。
灰色の雲は重く、空を覆う。
今にも雨が降りそうである。

昨日見た電信柱の傍に彼らはいた。
相変わらず防人は包帯を巻き、周防はきっちりとスーツを身に纏っている。

「あら、来たようね」

「それじゃあお返事聞かせていただけるかしら?」

92流星 越『バングルス』:2016/06/14(火) 01:28:23
>>91

   「――――『YES』で」

特に何も前置きせず、そう答える。

   「お受けしましょう、その話」

言葉は短く。
『30万円』に惹かれた――――という部分は、やはりある。
だがそれ以上に、試してみなければ、と思ったのだ。

……思えば夢で謎の女性に出会い、この『腕輪』を手に入れてどれだけ経っただろう。
この力。戦う力。『立ち向かうもの』。
いつかこの力を振るわねばならなくなった時のため――――ここで『予習』しておくというのは、悪くないはずだ。
流星の夢、遠くへの旅に向かう時、きっと流星はひとりで苦難を乗り越えなければならないのだから。

93『ある日のアリーナ―タチムカウ―』:2016/06/14(火) 01:35:51
>>92

「へぇ、ずいぶんと簡単に」

「いえ、いいわ。こっちとしてもいい答えだし」

右手を差し出す周防。
握手を求めているのだろうか。
左手は腰のあたりに回し、前からでは見えなくなっている。

「それと、ついてきてもらえるかしら」

「場所の関係上、それでは今からとは言えないの。申し訳ないけれどね」

「下見とかあなたの登録とか色々なことを済ませてしまいたいし」

「まずはアリーナに行ってみるのはいかが?」

94『ある日のアリーナ―タチムカウ―』:2016/06/14(火) 01:40:16
>>92

決心。
『立ち向かうもの』
それを振るうための予習。
そう決心を決めた流星。

それを見ている防人は相変わらず気合の入っていない顔であった。
しかしほんの少しだけその顔は緩んでいた。

「用意してほしいものとかあったら、言っておきなよ」

「まぁ、アリーナ見てからでも遅くないけどね」

「見るなら、だけど」

95流星 越『バングルス』:2016/06/14(火) 01:42:09
>>93

   「おや、とてもとても悩みましたよ?」

   「一晩じっくり悩んで、今日は九時間しか寝れませんでした」

   「いつもは七時間ぐらいおやすみしてるんですが」

……少し気になるが、思い切って握手に応じる。
ポケットの中では、スマホの画面を点灯させたままだ。

   「ええ、まぁ」

   「色々処理はありますでしょうとも」

   「なんとなく察しております。テレパシーで」

   「……あ、テレパシーよりは未来予知の方がそれっぽいでしょうか?」

   「ともかくそんな感じで」

   「行ってみましょうか、『アリーナ』」

96『ある日のアリーナ―タチムカウ―』:2016/06/14(火) 22:55:31
>>95

「いつもより長いじゃない」

握手をする流星。
周防の手にはなにも仕込まれていない。
そして左手で何かをするということもなく、するりと握手は解かれた。

「未来予知ねぇ……」

「スタンド使いですから」

「そういうことじゃないの」

くるりと方向転換し周防は歩き出した。
そして防人は流星の後ろに着く、アリーナに案内してくれるようだ。

97『ある日のアリーナ―タチムカウ―』:2016/06/14(火) 23:10:50
>>95

つかつかと長い廊下を歩く。
しばらく歩いて、流星たちはアリーナの内部らしきところに入っていた。
黒服やここのファイターであると思わしき人。
そして時折けが人やけが人を乗せた担架などが行き来する。
アリーナ。スタンド使い同士の闘いの場。
その言葉に嘘偽りはない。

「……着いたわ」

周防が立ち止まったところにはドアがある。
控室らしい。控室の扉にはいかにも手書きの文字で『ASCENSION CLUB』と書かれた紙が貼ってある。
防人はドアに近づくと三度ノックをした。

「はい」

室内から声が聞こえる男の声だ。

「開けてくれ。防人だ」

「はいはい」

ガチャリと扉が開く。扉を開けた人物は黒い服に身を包んでいる。
ここにくるまでに何度か見た者たちと同じ格好だ。
ここのスタッフだろう。

「とりあえず、入ります?」

黒服が言った

98流星 越『バングルス』:2016/06/14(火) 23:42:47
>>96-97

   「いかにもアングラな地下闘技場という感じですね」

担架で運ばれた人を見つつ、コメントする。
内心ドキドキしてるのは内緒だ。

   「入ります、入ります」

   「というかここで置いて行かれても困りますので」

   「いいのかい……自慢じゃないが……泣くぜ」

   「……という感じです」

ともあれ、入っていいのなら入れてもらおう。

99『ある日のアリーナ―タチムカウ―』:2016/06/14(火) 23:56:41
>>98

「アングラもアングラよ。グロとナンセンスはあると思うわ」

「エロはどうなんです?」

「考え方次第じゃない?」

二人は見慣れているのだろう。
相変わらずの調子で話している。
担架に乗せられている怪我人に紛れても違和感を感じるかどうかという格好の防人である。

>「いいのかい……自慢じゃないが……泣くぜ」

「いや、泣かれたら困るから、どうぞ」

黒服に招かれて控室内に入る。
控室には一人用のソファやハンモック、ダンベルがある。
さらに小さな冷蔵庫やパソコンなどが乱雑に置かれてもいる。

「汚い」

「すいません……」

周防の言葉に黒服は素直に頭を下げた。

「えっと、僕はコハル。コハル・トランプ」

「ここのスタッフみたいなものです」

「とりあえずここのファイターの登録、でいいんですよね?」

「お名前とか聞いてもよろしいです?」

100流星 越『バングルス』:2016/06/15(水) 00:07:39
>>99

   「殺し合いは性交渉に等しい、みたいな理論ですね」

よく腐ったお姉さまとかが言ってる奴だ。
腐ってない人が言うことも結構ある。殺し愛とか。
まぁそうじゃなくてリョナとかそういう意味なんだろうけど閑話休題。

   「いかにもマッチョな男性の部屋と言う感じですね」

   「壁に『ブルース・リー』でも張ってあったらパーフェクトでしたが」

キョロキョロ、と部屋の中を見回しつつ。

   「これはどうもご丁寧に」

   「『流星 越(ながれぼし・えつ)』と申します」

   「どうぞエッちゃんとでもお呼びください」

           ペコォーッ

お辞儀をしてご挨拶だ。

   「……ふむ」

   「ファイターの登録と言うか、そちらの『防人さん』と闘って欲しいと言われたのですが……」

   「一度登録すると継続して闘わなければ罰則が存在する、とかあります?」

   「でしたらこのまま回れ右して騙されたと叫びながら帰りますが」

101『ある日のアリーナ―タチムカウ―』:2016/06/15(水) 00:33:49
>>100

「そうなんすか?」

「そうなんじゃない?」

「男と男の性交渉か……」

「あんたそういう趣味?」

ぶんぶんと防人はかぶりを振った。

>「どうぞエッちゃんとでもお呼びください」

「エッちゃん?」

小首をかしげるコハル。
その顔には疑問符が描かれている。

「罰則はありませんよ」

「そこの周防さんもウチのファイター……あれ? ランカーだったかかな? まぁ闘士ですけど」

「もうかれこれ三か月は闘ってませんし」

「オクパード」

「蛸ですか?」

やれやれといった風に肩をすくめる周防。
またコハルに疑問符。

「とりあえず、エッちゃんにはこちらの資料の空欄をお埋めいただければと」

「あ、あとこれ、防人さんの資料です。一応、念のため」

すっと白い紙がバインダーに挟まれた状態で差し出された。

氏名:
スタンド名:
異名:
入場曲:

「あ、異名っていうのは欲しかったらでいいですよ。必要なかったら空欄でお返しください」

とりあえず埋めてみよう。

102『ある日のアリーナ―タチムカウ―』:2016/06/15(水) 00:34:56
>>100

ランカー名:防人 修治
スタンド名:『ボーン・トゥ・キル』
ステージ:『闘技場』
賞金額:『30万円』
上昇:どぶみたいな人生に逆転を
入場曲:ttps://www.youtube.com/watch?v=hUWvKLwraF4

元警察官。現在はただのヤのつく仕事を追われたチンピラ。
『ASCENSION CLUB』の一員でかつて所属していた組織から持ってきた拳銃を持っています。
しかし彼の強さは拳銃ではなくほかのところにあると彼の雇い主は言います。
幽鬼を思わせる彼のスタンドは手を変え品を変えあなたの前に立つのです。

103流星 越『バングルス』:2016/06/15(水) 01:05:12
>>101

   「なるほど、一回闘ったらあとはもうそれっきり、というのも大丈夫なわけですね」

   「安心しました」

実際、これでズブズブこちらの世界に引き摺り込まれても困る。
バチバチやり合うのが好きなわけでは無いのだ。
やりたいのは『予習』であって、それを目的にするつもりはない。

   「……結構ショッキングなことが書いてありますね、これ」

元警官、元ヤーさんとは、なかなか波乱万丈だ。
しかし『異名』以上に悩むのは『入場曲』な気もするが……

   「…………私、こういうの結構悩むタイプなんですよね……」

まぁ、書類を埋めて行こう。



氏名:流星 越(ながれぼし・えつ)
スタンド名:『バングルス』
異名:『剣兵少女(ラ・ピュセル)』
入場曲:Got to Move
ttps://www.youtube.com/watch?v=2uWv8PBovo4

104『ある日のアリーナ―タチムカウ―』:2016/06/15(水) 01:26:14
>>103

「えぇ。一回でも構いませんよ」

予習が目的である流星に定期参戦の予定はない。
向こうもそれを強要しようとはしない。
そういうものらしい。

「去る者は追わず来る者は拒まず」

「敵対者は残らず殲滅?」

「……僕はしませんから。それと防人さん、プロフィールの内容変えません?」

「ヤだ。俺の人生だ。嘘ついてないんだからいいだろ」

ショッキングなこと。
波乱万丈。
間違いない。防人のような人生を送るものは恐らく少ないだろう。

「はい。ありがとうございます。エッちゃん」

資料を受け取るコハル。
記入漏れがないことを確認すると資料をクリアファイルに入れた。

「えっと、後は闘う際に置いて欲しいものとか聞いているんですけど……」

「能力の関係上こういうのが欲しいとか」

「あ、どんな感じの場所かとか知っときたいですかね?」

105流星 越『バングルス』:2016/06/15(水) 22:40:19
>>104

   「コハルさん以外はするんですね、殲滅」

まぁこの手のアングラ組織につきものの話ではあるし、どうとも思わないが。
ヤクザみたいなものだと思うべきなのだろう。
元ヤクザ今目の前で包帯巻いてるけど。

   「さて、地味に私の中で防人さんの好感度が若干向上しつつ」

   「置いて欲しいものですか」

   「焼き肉食べたいですね」

人の金で焼き肉食べたい。

   「……という冗談はさておき」

   「そうですね、まずはどういう場所なのか見せていただければ、と」

   「それに、ほら、防人さんの目の前でするのは恥ずかしいですし」

      「ぽっ」

無表情に恥ずかしがるジェスチャーをした。

106『ある日のアリーナ―タチムカウ―』:2016/06/15(水) 23:34:42
>>105

「俺もしないよ」

防人が慌てて宣言する。
同じ奴扱いされたらたまらないといった感じか。
そんな防人を周防が横目でにらみつけた。

「や、焼き肉ですか?」

「俺は構わないぞ。いいホルモンが食いたい」

乗り気な防人だがコハルと周防が言葉と暴力でそれを制止する。
冗談だとわかってやっているようだが、防人の目は本気であった。

「コハル、あれって照れてんのかな……?」

「僕に言われましても……」

とりあえず下見ということでコハルとアリーナに行くこととなった。

◆◆◆◆◆◆◆◆◆◆◆◆◆◆◆◆◆◆◆◆◆◆◆◆◆◆◆◆◆◆◆◆◆◆◆◆

アリーナに入ってみれば試合中らしかった。
片方は空色のヴィジョンを身に纏い、もう片方は裸足に上半身裸でその体は照明の光を照り返している。

「闘技場はこんな感じです」

「ここに柱とか冷蔵庫とか指定していただければ置きますよ」

―――地図―――

∴∴∴∴∴∴赤赤赤∴∴∴∴∴∴
∴∴∴∴■■□□□■■∴∴∴∴
∴∴∴■□□□□□□□■∴∴∴
∴∴■□□□□□□□□□■∴∴
∴■□□□□□□□□□□□■∴
∴■□□□□□□□□□□□■∴
∴■□□□□□□□□□□□■∴
∴■□□□□□□□□□□□■∴
∴■□□□□□□□□□□□■∴
∴■□□□□□□□□□□□■∴
∴∴■□□□□□□□□□■∴∴
∴∴∴■□□□□□□□■∴∴∴
∴∴∴∴■■□□□■■∴∴∴∴
∴∴∴∴∴∴青青青∴∴∴∴∴∴

□:闘技場内。床はコンクリートで、タイルの大きさは1x1m。白い砂がまいてある。
■:観客席と闘技場を隔てる金網。
∴:観客席。

空色の打撃を上裸は受ける。
が、どれも有効打とはいいがたく、体の表面で打撃が滑っているようだった。
上裸がつかみかかるがそれをかわし、空色は距離をとった。

「おぉ、シエロさん行くのか?」

突然闘技場内に巨大な竜巻が起きた。
白い砂が金網を潜り抜けて流星の元にも飛び散ってきている。

107流星 越『バングルス』:2016/06/15(水) 23:44:17
>>106

   「バカな、タン塩を忘れホルモンの重力に縛られた人類など」

   「私の中で防人さんの好感度が大幅にダウンしました」

焼き肉好きなのかな、この人……とちょっと思った。
まぁ焼き肉が嫌いな人間などいるわけがないのである。
人の金で焼き肉食べたい。


ともあれ…………


   「わぁ、暑苦しいですね」

闘技場が寒々としていても困るが。

   「『冷蔵庫』……結構色々置けるんですね」

   「大体どの程度自分に有利な……」

      「うわっぷ」

砂が飛んできた。

   「……自慢の眼鏡と長いまつ毛ブロックが無ければ『目が、目がー』と苦しんでいるところでした」

   「派手ですね。『嵐』を起こすスタンドですか」

大した規模の能力だ。
『バングルス』で対抗できるかどうか……自身が無いわけでは無いが。

   「…………あ、それでコハルさん」

   「どの程度有利な……というとアレですが、割と言い得って感じなんですか?」

観戦しつつ、尋ねておこう。
また、照明についても自分の目で確認しておく。
どの程度、どんな位置に照明が配置されているだろうか?
屋内だし、上にいくつかあるとは思うのだが。

108『ある日のアリーナ―タチムカウ―』:2016/06/16(木) 00:08:10
>>107

「どうしろと……」

「仲良くなれると思ったんだけどなあ」

「嘘くさいわ」

肩を落とす防人。
それを見下す周防であった。

◆◆◆◆◆◆◆◆◆◆◆◆◆◆◆◆◆◆◆◆◆◆◆◆◆◆◆◆◆◆◆◆◆◆◆◆

「熱気あふれる、それがアリーナです」

「あなたも上がる舞台ですよ」

そういってコハルはにこりと笑った

>「派手ですね。『嵐』を起こすスタンドですか」

「どちらかといえば嵐を呼ぶスタンドですかね」

照明について確認する。
天井に設置された鉄骨のようなフレームがある。
そこには照明がいくつか吊るされている。
光源にするのは困難だろう。足元に設置するタイプの照明などを用意してもらうべきか?

「言い得……まぁ、ものによりますよ。銃とかは簡単に用意できないですし」

「あくまで補助、ですね。真っ向勝負が苦手なら壁とか柱とか置きますけど」

「道具は普通に調達できる範囲のものなら調達しますよ」

―――天井付近まで上昇した視点から見た構図―――

∴∴∴∴■■□┃□■■∴∴∴∴
∴∴∴■□□□┃□□□■∴∴∴
∴∴■□□□□┃□□□□■∴∴
∴■□□□□□┃□□□□□■∴
∴■□□□□□┃□□□□□■∴
━━━━━━━籠━━━━━━━
━━━━━━━籠━━━━━━━
∴■□□□□□┃□□□□□■∴
∴■□□□□□┃□□□□□■∴
∴∴■□□□□┃□□□□■∴∴
∴∴∴■□□□┃□□□■∴∴∴
∴∴∴∴■■□┃□■■∴∴∴∴

109『ある日のアリーナ―タチムカウ―』:2016/06/16(木) 00:11:10
>>108

「くそっ!」

ごっと乾いた音が部屋に響く。
男は一人、壁に頭を打ち付けていた。

「くそっ! くそっ! くそっ! くそっがァ!」

額から血を流す男。
壁と額に一筋血の跡が出来る。

「負けねぇぞ……ふざけんじゃねぇ……」

「いつかこの地球に土下座させる……!」

ある夏の日の思い出。

110流星 越『バングルス』:2016/06/16(木) 00:33:26
>>108

   「ふむ。でしたら……」

   「コハルさん、ちょっと耳貸してください」

いくらなんでも、対戦相手の前で『能力に必要な物』を教えてやるのもバカバカしいというか。
あるいはどうせ明らかになることなのかもしれないが、用心に越したことは無いという奴である。
というわけでコハルに耳打ちする。

   「足元からライトアップするタイプの灯りを複数用意して頂きたく……」

   「それと、『ガラスか何かでできた透明の壁』を何枚か用意して頂けるとエッちゃん喜ぶのですが」

   「こちらはまぁ、『できれば』で構いません」

壁と言うか、『ついたて』だろうか。
無理なら無理で構わない、という感じである。
相手が銃を使うのなら、こちらに有利すぎる気もするし。

   「あ、それと……」

   「ちょっとした小道具の持ち込みぐらいなら構いませんよね?」

   「具体的には、『ペンライト』とか」

サイリウム的なアレではなく、小型の懐中電灯的なアレだ。

111『ある日のアリーナ―タチムカウ―』:2016/06/16(木) 01:06:45
>>110

「はいはい。足元からの明かりと……ガラスですか?」

「ちょっと相談してみます。あぁ、でも強度とか保証できるか分からないんで、えぇ……」

メモにさらさらと記帳するコハル。

「ペンライトですか? 必要でしたら構いません。それが能力の発動とかなんです?」

「……いえ、やめときましょうか。その時になればわかることですしね」

柔らかく笑んでそれ以上の追及をやめた。
メモをポケットに入れる。
闘技場の方にも動きがあったようだ。

「お」

上裸の体に砂が付着している。
すると先ほどまで滑って無効化されていた打撃が見事に決まっている。

「もう終わりですかね」

決着は一瞬だった。
空色が上裸の攻撃をかわし、相手が次の攻撃に備えようとしたところへの回し蹴り。
完璧に決まったらしく上裸はそのまま地面に身を預けた。
歓声がアリーナを揺らす。

「さて、戻りましょうか。他に必要なものは?」

「なければ日取りを決めて解散としましょう」

112流星 越『バングルス』:2016/06/16(木) 01:19:54
>>111

   「ええ、お願いします」

      ペコッ

こちらはお願いする立場だ。
キチンと頭を下げておこう。

   「何に必要かって……そりゃあ、『ライトセーバー』ですよ」

      「ふふふのふ」

無表情で唇に指を当て、秘密のジェスチャーをしつつ。

   「お」

   「お」

   「おおー……」

   「……『プロレス』とか『総合格闘技』の派手なの、って感じではありますね」

   「『見てる分には簡単そう』、という意味でもありますが……」

……もちろん、『見てる分には』だ。
これから自分はあそこに飛び込むのだ。
ぶるる、と武者震いがした。

   「いえ、他には特に何も」

   「あとは『勇気』だけです」

113『ある日のアリーナ―タチムカウ―』:2016/06/16(木) 01:35:40
>>112

「ライトセイバー?」

「なるほど。では心を乱さぬように」

アリーナ、その闘いの決着を見届ける流星。
見てる分には簡単そう。
この金網で隔てられた空間はそれぞれにしか分からないことがあるはずだ。
観客席で見た光景とは違うものが目の前の闘技場では見られるはずなのだ。
立ち向かうほかない。

「勇気。えぇ、大事です。とてもとても」

ぞろぞろと人が動き出す。
それに紛れて流星たちも控室へと戻っていった。

「さて、それでは最後に防人さんとエッちゃんの試合の日取りですが……」

コハルの言葉を遮るように防人が手を挙げた。
包帯がまかれた腕だ。

「俺は来週の金曜日を希望する。花金だ」

「……とのことですが、どうでしょうエッちゃん」

どうするかは君の自由だ。
頷けばすべて了承されたことになり、闘いを待つだけになるだろう。

114流星 越『バングルス』:2016/06/16(木) 01:47:05
>>113

   「金曜日ですか」

   「構いません。丁度バイトも入っていませんし」

こくり、と小さく頷く。
翌日、翌々日を休みに当てられるなら、願っても無いことだ。

   「あ、しかし最後にひとつ」

   「ずっと気になってたことがあったんですが――――」

ズビッ、と挙がった防人の腕を指さそう。

   「――――試合後には治療を受けられるというお話でしたが」

   「それならどうして防人さんは『ミイラ男』なんです?」

   「気になって夜も眠れなくなってしまいます」

   「はっ、よもや番外戦術からスタートとは……なんて卑劣なっ」

言いたい放題だが無表情である。
ともあれ聞きたいことはこれだけだ。
最後にそれだけ聞けたら、あとはもう帰って準備を整えるだけなのだ。

115『ある日のアリーナ―タチムカウ―』:2016/06/16(木) 23:35:54
>>114

「では金曜日で」

「……何でしょう?」

びしっと指さされた防人。
しかし気にする様子はなく頭をかいた。

「なんでって……そりゃあ、これは試合の傷じゃないし」

「試合前に頼み込んで治してもらうけど」

腕に巻かれた包帯をほどく防人。
しっかりとした腕があらわになり、そこにはニつ三つ打撲の傷がある。

「ブラインドですよ。ブラインド」

「折檻の痕の」

「人聞きの悪い……」

にへらと笑う防人と不機嫌そうに顔をそむける周防。

さて、全て聞き終えた。
帰ろう。後は闘いに備えるだけだ。

◆◆◆◆◆◆◆◆◆◆◆◆◆◆◆◆◆◆◆◆◆◆◆◆◆◆◆◆◆◆◆◆◆◆◆◆

時は来た。
流星は今、控室にいる。
先日いた場所とは違う。
無機質な空間。

(追加の持ち物があれば記載をお願いします)

116『ある日のアリーナ―タチムカウ―』:2016/06/16(木) 23:38:32
>>115

人だかり。人の群れ。
それを眺めている。
張り出された紙に並ぶ数字の羅列。
喜び合うもの、涙を流すもの。
電話をしてなにか報告をしているもの。

それをただ眺めていた。
手に握られた紙はくしゃくしゃに歪み、口からは血が出そうなほど歯を食いしばっていた。
叫びだしたいほどの気持ちを抱えて、群れに背を向け走り出した。

ある冬の日の思い出

117流星 越『バングルス』:2016/06/16(木) 23:55:42
>>115

   「あっ―――――」

   「あー……」

   「……『愛の証』でしたか。失礼しました」

          ペコリ

性癖って色々だなぁ、と思う流星であった。






――――――で。


   「ふぅ……緊張します」

下校して、制服を着替えて(学校バレはトラブルの元だ)、荷物を取ってここに来た。
スマホとか財布とかは、戦闘中に落としたりすると嫌なので置いておくとして。
ポケットの中には『ペンライト』がふたつ。
これがあれば、お願いしておいた足元の照明と相まって『弾切れ』にはならないだろう。

   「こういう時は……てのひらに『人』と書いて飲み込むといいのでしたか」

   「人を飲み込んでクールになるとか相当パンクですね」

   「カニバリズムによって緊張のステージを跳ね上げるとは……やはり天才……」

118『ある日のアリーナ―タチムカウ―』:2016/06/17(金) 23:26:41
>>117

「愛じゃねえ!」

「愛じゃないわ」

ハモる二人。相性はいいのかもしれない。

「では、また金曜日に」

◆◆◆◆◆◆◆◆◆◆◆◆◆◆◆◆◆◆◆◆◆◆◆◆◆◆◆◆◆◆◆◆◆◆◆◆

「……」

流星の独り言を聞いている黒服は何も言わない。
呆れている、というよりは返す言葉が見つからないらしかった。

「……闘技場には」

黒服が口を開く。

「闘技場にはガラス……正式にはステンドグラスですけど、その衝立があります」

「しかし、防弾や防刃の類ではないので衝撃で壊れることは十分あり得ます」

「ご注意を。それと数台、足元を照らすライトが。こちらも、衝撃で壊れる可能性があります」

「それでは、入場の時間ですので。どうぞ」

闘技場につながる通路の向こうから光が漏れる。
闘技場の照明がついたらしい。
この道を通れば後戻りはできない。闘いへの一方通行。
どう入場するのも自由だ。パフォーマンスも自由だ。
なにか出来そうな演出があるのなら注文してみるのもいいだろう。

119『ある日のアリーナ―タチムカウ―』:2016/06/17(金) 23:34:05
>>118

頭を下げた男がいる。
首を横に振った女がいる。
手紙を書いた男がいる。
手紙を撒いた女がいる。
手紙を渡した男がいる。
手紙を破った女がいる。
愛を告げた男がいる。
拒絶を告げた女がいる。

愛を告げた男がいる。
服従を告げた女がいる。

ある春の日の思い出。

120流星 越『バングルス』:2016/06/17(金) 23:54:22
>>118

   「なるほど」

   「パーフェクトです『Mr.ジェバンニ』」

   「それだけ用意していただければ、これ以上望むものはありません」

『ステンドグラス』の衝立……
……『有利』にも、『不利』にも働くものだ。上手く使わなければ。
ひとつ深呼吸をして、気を落ち着かせる。

特に注文することもない。
せいぜい派手にライトアップしてくれると嬉しい、というぐらいだ。

……『闘技場』に、臨もう。

121『ある日のアリーナ―タチムカウ―』:2016/06/18(土) 00:23:19
>>120

流星は黒服に返事を返し、闘技場へと向かう。
これが地獄への十三階段になるか
それとも栄光への架け橋になるかは流星次第だ。

闘技場は少し薄暗い。
天井のあたりに吊るされている照明から様々の色の光が現れる。
ゆっくりと変わっていくその光の束は不思議に美しい。

『青コーナー。登場するはアリーナ初参戦』

『不思議な少女、エッちゃんが現れた!』

スピーカーを通して聞こえる声。
コハルの声だ。

『鉄面皮の表情は動かない……しかし遊び心は止まらない』

『闘技場というワンダーランドに迷い込んだアリスは勝利の道を切り開けるか!』

『剣兵少女(ラ・ピュセル)! 流星 越!』
入場曲:Got to Move
ttps://www.youtube.com/watch?v=2uWv8PBovo4

                《エッちゃーん!》
                                                     《頑張れよー!》
     《エッちゃーん!》               《決めてやれ!》
                                                  《エッちゃーん!》
          《ぶっ潰せ―!》

歓声が流星の鼓膜を揺らす。
男から向けられるエッちゃんコール。
闘い好きからのヤジ。あらゆるものがごちゃまぜになって一つの音になる。

―――地図―――

∴∴∴∴∴∴赤赤赤∴∴∴∴∴∴
∴∴∴∴■■□□□■■∴∴∴∴
∴∴∴■□□□□□□□■∴∴∴
∴∴■□○□┃□□□○□■∴∴
∴■□□□□□□□□□□□■∴
∴■□□□━□□□━□□□■∴
∴■□┃□□□□□□□┃□■∴
∴■□□□□□□□□□□□■∴
∴■□□□━□□□━□□□■∴
∴■□□□□□□□□□□□■∴
∴∴■□○□□□┃□○□■∴∴
∴∴∴■□□□□□□□■∴∴∴
∴∴∴∴■■□越□■■∴∴∴∴
∴∴∴∴∴∴青青青∴∴∴∴∴∴

□:闘技場内。床はコンクリートで、タイルの大きさは1x1m。白い砂がまいてある。
■:観客席と闘技場を隔てる金網。強化ガラスか何かが金網と客席の間に立てられている。
∴:観客席。
┃:ステンドグラス衝立
○:足元の照明
越:流星

122流星 越『バングルス』:2016/06/18(土) 01:02:21
>>121

   「……おー」

   「…………ちょっと恥ずかしいですね」

   「いやん」

ちょっと恥ずかしげに両頬に手を当て、テトテトと所定の位置まで進む。
挙動が恥ずかしげなだけで表情は変わらなかったが。
それでも一応――――緊張はしているのだ。

   「……いぇーい、がんばります」

それを誤魔化すように、両手を広げて観客席に視線を送る。

   「さて、お相手は……」

123『ある日のアリーナ―タチムカウ―』:2016/06/18(土) 01:20:34
>>122

響く歓声に照れたしぐさをとる流星。
緊張は消えない。
そして、流星への声援も。

照明が暗くなり、曲が流れ始める。
防人の入場だ。
入場曲:ttps://www.youtube.com/watch?v=hUWvKLwraF4

《BOOOOOO!!!》                     《防人ー!》
                   《ひっこめー!》
     《今日こそ勝て!》
                                      《負け犬!》

賛否両論。
声援と罵倒。二つの声が飛ぶ。

赤コーナーに照明が当たる。
ゆっくりと防人が歩いてくる。
なぜかコートを身に纏い、体の大部分を覆っている。

『目下4連敗中。もはやアリーナ参戦も危ういか!?』

『それでも男はタチムカウ!』

『逃げも隠れもせずタチムカウ!』

『なぜならそれがこの男の存在証明だからだ!』

『【独立独歩(たった一人の帰り道)】』

『防人 修治!』

両手を上げる防人。
観客は歓声とブーイングを飛ばす。

『実況はコハル・トランプ。解説は……周防 一稀さんで送ります』

『それでは、はじめっ!』

戦闘開始だ。
防人は自らの人型スタンドを発現し、懐からなにか取り出した。

―――地図―――

∴∴∴∴∴∴赤赤赤∴∴∴∴∴∴
∴∴∴∴■■□防□■■∴∴∴∴
∴∴∴■□□□□□□□■∴∴∴
∴∴■□○□┃□□□○□■∴∴
∴■□□□□□□□□□□□■∴
∴■□□□━□□□━□□□■∴
∴■□┃□□□□□□□┃□■∴
∴■□□□□□□□□□□□■∴
∴■□□□━□□□━□□□■∴
∴■□□□□□□□□□□□■∴
∴∴■□○□□□┃□○□■∴∴
∴∴∴■□□□□□□□■∴∴∴
∴∴∴∴■■□越□■■∴∴∴∴
∴∴∴∴∴∴青青青∴∴∴∴∴∴

□:闘技場内。床はコンクリートで、タイルの大きさは1x1m。白い砂がまいてある。
■:観客席と闘技場を隔てる金網。強化ガラスか何かが金網と客席の間に立てられている。
∴:観客席。
┃:ステンドグラス衝立
○:足元の照明
越:流星
防:防人

124流星 越『バングルス』:2016/06/18(土) 01:53:56
>>123

   「――――――――」

……紹介文を鑑みるに、彼の手筋は相当広いものと考えた方がいいだろう。
油断はできない。
ばくばくと鳴り響く心臓の音を無視して、汗ばむ手をポケットに入れて……

   「……では」

   「よろしくお願い」

   「申しあげます――――!」

『ペンライト』を引き抜き、同時にそれを『光源』として『バングルス』を発現する。
既にポケットの中で『ペンライト』の電源を入れておいた(>>122メ欄)。
いつでも『光源』として利用する準備はできている、というわけだ。
何も最初から、自分の手の内を見せてやることも無い。
ともあれ『バングルス』を発現したら胸の高さで構え、相手の動きに気をつけつつ真っ直ぐ走っていこう。
『バングルス』は『ランタンシールド』のスタンド。近づかなければ戦えない。


……ところで、足元のライトの光量はどのぐらいだろうか?
咄嗟に直視すると目がくらみそうなぐらいの光量はあるだろうか?

125『ある日のアリーナ―タチムカウ―』:2016/06/18(土) 22:33:18
>>124

「こちらこそよろしく―――――」

「俺の久々の勝利をね」

『おおっと! 流星選手の腕になにかが現れる!』

『あれがエッちゃんのスタンドかァーーー!?』

『器具型ね』

『バングルス』を発現し構える流星。
器具型、それに剣を持つそのヴィジョンは近距離戦でこそ輝く。

「おっと、剣かい?」

「俺も持ってる」

まっすぐに走る流星、その眼前には幽鬼のような防人のスタンド。
その右腕が歪んでいる。
ぼこぼこと泡が出る様に肉体に凹凸が現れる。
そして、それが何か別の形を作る。
腕が伸びている―――――?

『どういうことでしょうか。防人選手のスタンド……腕が沸騰している? いや、溶けているのか? 形が崩れています!』

足元のライトを流星は確認する。
足元のランタンは家庭で使うようなものでおそらく電池化バッテリーかで点灯しているらしい。
急に見たからと言って目を潰すことはなさそうだ。

―――地図―――

∴∴∴∴∴∴赤赤赤∴∴∴∴∴∴
∴∴∴∴■■□□□■■∴∴∴∴
∴∴∴■□□□□□□□■∴∴∴
∴∴■□○□┃防□□○□■∴∴
∴■□□□□□□□□□□□■∴
∴■□□□━□□□━□□□■∴
∴■□┃□□□□□□□┃□■∴
∴■□□□□□□□□□□□■∴
∴■□□□━□□□━□□□■∴
∴■□□□□□越□□□□□■∴
∴∴■□○□□□┃□○□■∴∴
∴∴∴■□□□□□□□■∴∴∴
∴∴∴∴■■□□□■■∴∴∴∴
∴∴∴∴∴∴青青青∴∴∴∴∴∴

□:闘技場内。床はコンクリートで、タイルの大きさは1x1m。白い砂がまいてある。
■:観客席と闘技場を隔てる金網。強化ガラスか何かが金網と客席の間に立てられている。
∴:観客席。
┃:ステンドグラス衝立
○:足元の照明
越:流星
防:防人

126流星 越『バングルス』:2016/06/19(日) 22:59:47
>>125

   「……ヴィジョンの変形?」

『粘土細工』のように……その姿を変えることができるのか?
……とすると、斬撃が伸びて来る可能性もある。
接近は継続しつつ、相手の挙動に気をつける。
『バングルス』はやはり胸の高さに……体全体の姿勢を少し下げよう。
急な下段攻撃にも対応できるように、だ。

   「ちなみに『剣』ではありません」

   「『ランタンシールド』です」

   「りぴーとあふたみー?」

127『ある日のアリーナ―タチムカウ―』:2016/06/19(日) 23:24:47
>>126

「ランタンシールド?」

「ランタンシールド」

防人は知らないのようだ。
その間に防人は何かを取り出す。
棒、だろうか。切られた鉄パイプだ。

『流星選手。姿勢をかがめます』

『戦場では頭を下げるものよ』

そうこうしているうちに防人のスタンドの腕から肉らしきものがボトリと落ちた。
いやしかしそれはスタンド物質。すぐに霧散する。
そこから現れたのは刃だ。
日本刀ではない。しかし、どこか見覚えのある形だ。

「牙突。リピートアフターミー牙突」

刃となった腕を引く。
牙突。そう呼ばれる攻撃に向かうための構え。
来る――――!

―――地図―――

∴∴∴∴∴∴赤赤赤∴∴∴∴∴∴
∴∴∴∴■■□□□■■∴∴∴∴
∴∴∴■□□□□□□□■∴∴∴
∴∴■□○□┃防□□○□■∴∴
∴■□□□□□□□□□□□■∴
∴■□□□━□□□━□□□■∴
∴■□┃□□□□□□□┃□■∴
∴■□□□□□越□□□□□■∴
∴■□□□━□□□━□□□■∴
∴■□□□□□□□□□□□■∴
∴∴■□○□□□┃□○□■∴∴
∴∴∴■□□□□□□□■∴∴∴
∴∴∴∴■■□□□■■∴∴∴∴
∴∴∴∴∴∴青青青∴∴∴∴∴∴

□:闘技場内。床はコンクリートで、タイルの大きさは1x1m。白い砂がまいてある。
■:観客席と闘技場を隔てる金網。強化ガラスか何かが金網と客席の間に立てられている。
∴:観客席。
┃:ステンドグラス衝立
○:足元の照明
越:流星
防:防人

128流星 越『バングルス』:2016/06/19(日) 23:41:23
>>127

   「わぁエグイ」

というか気持ち悪い……が、ともかく。
よくわからないが、腕が『刀』になった。
他の形にもなりそうだが……しかし、なぜ『鉄パイプ』を手に取った?
本体の手に持っているものと対応する形に変化するのだろうか?
……まだわからない。
わからないと言えば、相手のスペックもだ。
『バングルス』よりも優れた格闘能力を有するのか?
……一合、やり合ってみればわかる。
幸いにして『バングルス』は『盾』のスタンドでもある。
このまま突っ切って……、正面から、『牙突』を『盾』で受けてみよう。
少なくとも、一撃で破壊されるということはあるまい。

   「でしたら私は、ティンぺーで攻撃を弾いてみましょうか……!」

129『ある日のアリーナ―タチムカウ―』:2016/06/20(月) 00:25:33
>>128

エグイ。確かにその表現がよく似合う。
まるでホラー映画のワンシーンだ。
防人はトントンと肩に鉄パイプを当てている。

「ティンぺーか。零式なら死んでるが、ねェッ!」

突き出される刃物。
切り取られた様な斜めの切っ先が迫る。

「とりあえず喰らってみない!」

グン! と切っ先が近づいてくる。
2、いや3mほどか?

ギンッ!

牙突を受ける盾。
体が押し返される。ほんの少し宙に浮いたのか体が大きく下がった。
人間を超えるパワー。しかしそのスピードは人間並みか。

―――地図―――

∴∴∴∴∴∴赤赤赤∴∴∴∴∴∴
∴∴∴∴■■□□□■■∴∴∴∴
∴∴∴■□□□□□□□■∴∴∴
∴∴■□○□┃防□□○□■∴∴
∴■□□□□□ス□□□□□■∴
∴■□□□━□刃□━□□□■∴
∴■□┃□□□刃□□□┃□■∴
∴■□□□□□刃□□□□□■∴
∴■□□□━□□□━□□□■∴
∴■□□□□□越□□□□□■∴
∴∴■□○□□□┃□○□■∴∴
∴∴∴■□□□□□□□■∴∴∴
∴∴∴∴■■□□□■■∴∴∴∴
∴∴∴∴∴∴青青青∴∴∴∴∴∴

□:闘技場内。床はコンクリートで、タイルの大きさは1x1m。白い砂がまいてある。
■:観客席と闘技場を隔てる金網。強化ガラスか何かが金網と客席の間に立てられている。
∴:観客席。
┃:ステンドグラス衝立
○:足元の照明
越:流星
防:防人
ス:防人のスタンド。『ボーン・トゥ・キル』
刃:『ボーン・トゥ・キル』の刃(左腕)

130流星 越『バングルス』:2016/06/20(月) 00:39:29
>>129

   「む……!」

パワーは同等、スピードはこちらが上か。
リーチが伸びるのはなんとなく想定していたが……これなら、正面からであればどうとでもなる。

   「なんにせよ『ティンぺー』で弾きましたので」

   「このまま『ローチン』で突きに行きましょうか……!」

再度、接近。
前にある『刃』は『バングルス』で思いっきり右方向に弾く。 パス精BBC
一度弾いてしまえばこれだけの長さ、引き戻しは簡単には行くまい。
もちろん、『トカゲの尻尾』のように切り離される可能性もあるが、いずれにせよ邪魔だ。
テコの原理というやつで、これだけ長いと横方向の衝撃に弱かろうという部分もある。
つまり、あんまり『踏ん張れない』はずだ。

131『ある日のアリーナ―タチムカウ―』:2016/06/20(月) 01:13:18
>>130

『牙突炸裂、が! 未遂!』

『直線攻撃だし、当然よね』

「うるせぇよ」

実況人に文句をつける防人。
その間に流星は『バングルス』によって刃を弾く。
抵抗の様子もなく、『ボーン・トゥ・キル』の刃が大きく弾かれる。
カン、と衝立の一つが巻き込まれる形で当たった。
衝立はあまり動いていない。そう簡単には動かせないようになってるのかもしれない。

「ゲェー! なんというパワー」

「ゴリラかよ」

軽口をたたきながら左腕を引こうとする『ボーン・トゥ・キル』
……右腕の様子がおかしい。
まるで先ほどの左腕のようにぐずぐずと変化している。

「こっちくんなよ」

『またです! 再び! 再びの異常! また刃がさく裂するのか!?』

『どうでしょうね……芸がないことをするのかしら?』

―――地図―――

∴∴∴∴∴∴赤赤赤∴∴∴∴∴∴
∴∴∴∴■■□□□■■∴∴∴∴
∴∴∴■□□□□□□□■∴∴∴
∴∴■□○□┃防□□○□■∴∴
∴■□□□□□ス□□□□□■∴
∴■□□□━□□刃━□□□■∴
∴■□┃□□□□□刃□┃□■∴
∴■□□□□□越□□刃□□■∴
∴■□□□━□□□━□□□■∴
∴■□□□□□□□□□□□■∴
∴∴■□○□□□┃□○□■∴∴
∴∴∴■□□□□□□□■∴∴∴
∴∴∴∴■■□□□■■∴∴∴∴
∴∴∴∴∴∴青青青∴∴∴∴∴∴

□:闘技場内。床はコンクリートで、タイルの大きさは1x1m。白い砂がまいてある。
■:観客席と闘技場を隔てる金網。強化ガラスか何かが金網と客席の間に立てられている。
∴:観客席。
┃:ステンドグラス衝立
○:足元の照明
越:流星
防:防人
ス:防人のスタンド。『ボーン・トゥ・キル』
刃:『ボーン・トゥ・キル』の刃(左腕)

132流星 越『バングルス』:2016/06/20(月) 02:24:11
>>131

   「こんなキュートなプリティガールを捕まえて『ゴリラ』とは失敬」

      「なっ」

栗毛のおさげを揺らしつつ、一気に飛びこんで接近しよう。
『ボーン・トゥ・キル』まで残り『2m』ほど。大股なら一歩か二歩の距離だ。
再び変化する右腕……『刃』か、何かしらの『ショートレンジ』の武器か。
大穴は『銃』だろうか。あるいは捕縛用の『網』ってこともあるかもしれない。
どんな武装がでてくるのか、現状未知数……だが、やることは変わらない。
結局のところ、どうあっても『接近しないことには勝負にならない』のだ、『バングルス』は。

というわけで『盾』を前に向けて構えたまま、低姿勢で接近する。
『バングルス』は肩まで覆う籠手付きだ、右腕を『L字』に曲げて盾を構えれば、存外防御半径は広い。
単純な攻撃であれば、『バングルス』のスピード・パワー・形状で対処できるはず。

そしてこの腕の形は、少し捻って腕を伸ばせば『斬撃』に転じることができる形でもある。
多分、一歩か二歩で『バングルス』の斬撃半径に入る。
相手の攻撃より早く踏み込めたのなら……左側から巻き気味に、横薙ぎの斬撃を繰り出そう。 パス精BBC

133『ある日のアリーナ―タチムカウ―』:2016/06/20(月) 23:46:54
>>132

『流星選手、さらに踏み込む! もはや射程距離にとらえたか!?』

「まぁ、謝るよ。でも、猿の腕みてーにその腕だけ強いのか?」

右腕が変化をやめる。先ほどのようにぼとりと腕のかけらが落ちる。
敵の手はどんなものか、流星は考える。
答えはすぐに分かる。目の前に現れるのだから。

「申し遅れたから言っておくよ。」

「『ボーン・トゥ・キル』 技名はそうだなぁ……」

「『スマッシュ・イット・アップ』」

右手……いや正しくは右の前腕。
本来それがあるべき場所には一本の棒があった。
先は平たく、若干円錐のような形をしている。

『防人選手のスタンドが第二の腕を現した!』

『次の一手ね』

「おっと!」

後方に跳ぶ防人と『ボーン・トゥ・キル』
右手が流星の方を向いている。
その操作に少し時間を使っためかほんの少し、『ボーン・トゥ・キル』の腹が切れる。

『斬撃ッ! 一閃!』

「いやいや。かすり傷だぜ」

フィードバックの影響か防人は両手で軽く腹部を抑えている。

カチッ

なにか、不穏な音がした。
流星の前から聞こえた。

―――地図―――

∴∴∴∴∴∴赤赤赤∴∴∴∴∴∴
∴∴∴∴■■□□□■■∴∴∴∴
∴∴∴■□□□防□□□■∴∴∴
∴∴■□○□┃ス□□○□■∴∴
∴■□□□□□□□□□□□■∴
∴■□□□━□越□━□□□■∴
∴■□┃□□□□□□□┃□■∴
∴■□□□□□□□□□□□■∴
∴■□□□━□□□━□□□■∴
∴■□□□□□□□□□□□■∴
∴∴■□○□□□┃□○□■∴∴
∴∴∴■□□□□□□□■∴∴∴
∴∴∴∴■■□□□■■∴∴∴∴
∴∴∴∴∴∴青青青∴∴∴∴∴∴

□:闘技場内。床はコンクリートで、タイルの大きさは1x1m。白い砂がまいてある。
■:観客席と闘技場を隔てる金網。強化ガラスか何かが金網と客席の間に立てられている。
∴:観客席。
┃:ステンドグラス衝立
○:足元の照明
越:流星
防:防人
ス:防人のスタンド。『ボーン・トゥ・キル』
刃:『ボーン・トゥ・キル』の刃(左腕)

134流星 越『バングルス』:2016/06/21(火) 00:09:17
>>133

   「チッ――――」

舌打ち。
仕留めそこなった。
無論、一撃で仕留められるとも思っていなかったが。

   「羨ましいですね、そういうの」

   「あまり器用な能力でもありませんの、でっ」

素早く腕を引き戻して盾を構えつつ、左側に跳んで回避行動をとる。
想定されるのは『棒が伸びる』か『実は短筒でした弾丸が飛んできます』あたり。
いずれにせよこのまま正面にいるのはまずい。
左側……防人から見て『右手側』には『ステンドグラス』がある。
ある程度、相手の邪魔になるはずだ。

135『ある日のアリーナ―タチムカウ―』:2016/06/21(火) 00:32:10
>>134

「はっは! そう簡単にやられたらきついぜ」

「器用? まぁ、けつに貧乏ってつくけどな」

次の瞬間、棒が伸びた。
早い。人のそれを超えるスピード。
回避する流星の右腕に棒が当たる。
衝撃。しかしバングルスを身に纏っていたおかげかダメージは薄い。
移動も問題なくできた。

『まるで如意棒です! その右腕が伸びる伸びる! ゴー・ウェスト!』

「そして、この腕刀を忘れちゃいけないぜ」

腕を操作し、刀を横に倒して構える。

『刀がまるで遮断機のように流星選手の前に立ちはだかる!』

『接近の手を殺しにいってるのかしら。まぁ、リーチは彼の方が上だけど』

防人はまたコートの内側、懐に手を入れる。
なにかを取り出そうとしている?

―――地図―――

∴∴∴∴∴∴赤赤赤∴∴∴∴∴∴
∴∴∴∴■■□□□■■∴∴∴∴
∴∴∴■□□□防□□□■∴∴∴
∴∴■□○□┃ス□□○□■∴∴
∴■□□□刃刃刃□□□□□■∴
∴■□□□━越□□━□□□■∴
∴■□┃□□□□□□□┃□■∴
∴■□□□□□□□□□□□■∴
∴■□□□━□□□━□□□■∴
∴■□□□□□□□□□□□■∴
∴∴■□○□□□┃□○□■∴∴
∴∴∴■□□□□□□□■∴∴∴
∴∴∴∴■■□□□■■∴∴∴∴
∴∴∴∴∴∴青青青∴∴∴∴∴∴

□:闘技場内。床はコンクリートで、タイルの大きさは1x1m。白い砂がまいてある。
■:観客席と闘技場を隔てる金網。強化ガラスか何かが金網と客席の間に立てられている。
∴:観客席。
┃:ステンドグラス衝立
○:足元の照明
越:流星
防:防人
ス:防人のスタンド。『ボーン・トゥ・キル』
刃:『ボーン・トゥ・キル』の刃(左腕)

136『ある日のアリーナ―タチムカウ―』:2016/06/21(火) 00:33:35
>>135

右腕(と棒)は地面に触れる様に降ろされている

137流星 越『バングルス』:2016/06/21(火) 01:13:58
>>135

   「ええ、貧乏ですね。このままですと『ジリ貧』です」

伸びる速度が速い……変化の際にパワーと速度を配分しているのか?
ともあれ、相手の非力のおかげかこちらの鎧のおかげか、敵の攻撃はまた防げた。
こういった直接攻撃であれば、やはり『バングルス』でどうにかなる。
となれば、搦め手を警戒するべきだ。
次はどうくる? 棒を伸ばして空を飛ぶか?
今度こそ銃が出て来るか?

   「しかしまぁ次から次へと……」

   「男だったら拳ひとつで勝負せんかい、という名セリフを知らないのですか。
    これ言ってるキャラ、散々悪逆非道のダーティファイト見せてますが」

ひとまず、また『テコの原理』だ。
『刀』自体に動くパワーが無さそうな以上、この長さはむしろ相手のパワーを十全に伝えることができない、という要素として働いている。
トップヘビーというわけでもなく、ましてや動いているわけでもなく『置かれた』刀などに、力比べで負ける道理が無い。
つまり、『バングルス』で上方向に切り上げてやればこの『遮断機』は開くはず。
左斜め前方に移動しつつ『バングルス』で刀を弾き、『ステンドグラス』の裏側に潜り込もう。
裏側というか、『ステンドグラス』を挟んで防人を向かい合う形になりたい。

138『ある日のアリーナ―タチムカウ―』:2016/06/21(火) 23:25:32
>>137

「いやいや。俺のスタンドは基本的に非力でね」

「人間だって熊にゃ力負けするが銃を持てば殺せるだろう?」

だからこそのスタンド。
防人は自分のスタンドを捉えているらしい。

「そして、こんな台詞を知ってるかい? エッちゃん」

「聖闘士なら一度見た拳は二度とは通用しないのだ」

切り上げ。
再びの弾きで遮断機をこじ開けようとする流星。
先ほど同様、なんなく刃は弾きあげられ―――――ない

『と、止まったァ!? 先ほどは風に舞う糸くずの如く弾かれた刃が……今! 流星選手とつば競り合い!』

『見なさい。右手が元に戻っていくわ』

『え?』

流星は斜めに構えられた刃から圧力を感じる。
押されているのだろう。
そして視界にある異常を捉える。

右腕が元に戻っている。
いや、正確には元に戻したのだ、防人が自分の意志で。能力を解除したのだろう。
なにかが床の上に落ちた。

「ひっひ。なぁんでそっちに行こうとしたかはわかんないが、どうする?」

「射程距離だぜ?」

再び、右腕が変化を始める――――

―――地図―――

∴∴∴∴∴∴赤赤赤∴∴∴∴∴∴
∴∴∴∴■■□□□■■∴∴∴∴
∴∴∴■□□□防□□□■∴∴∴
∴∴■□○□┃ス□□○□■∴∴
∴■□□□刃刃刃□□□□□■∴
∴■□□□━越□□━□□□■∴
∴■□┃□□□□□□□┃□■∴
∴■□□□□□□□□□□□■∴
∴■□□□━□□□━□□□■∴
∴■□□□□□□□□□□□■∴
∴∴■□○□□□┃□○□■∴∴
∴∴∴■□□□□□□□■∴∴∴
∴∴∴∴■■□□□■■∴∴∴∴
∴∴∴∴∴∴青青青∴∴∴∴∴∴

□:闘技場内。床はコンクリートで、タイルの大きさは1x1m。白い砂がまいてある。
■:観客席と闘技場を隔てる金網。強化ガラスか何かが金網と客席の間に立てられている。
∴:観客席。
┃:ステンドグラス衝立
○:足元の照明
越:流星
防:防人
ス:防人のスタンド。『ボーン・トゥ・キル』
刃:『ボーン・トゥ・キル』の刃(左腕)

139流星 越『バングルス』:2016/06/21(火) 23:34:35
>>138
質問です。

今まで見たところ、相手が腕の『変化』に要する時間は何秒ほどでしたか?

140『ある日のアリーナ―タチムカウ―』:2016/06/21(火) 23:36:04
>>139

3秒ほど。

141流星 越『バングルス』:2016/06/21(火) 23:50:55
>>140
回答感謝。

>>138

   「む―――――」

パワーが同等とはいえ、体勢的にはこちらの方が有利……の、はずなのだが。
刃自身にパワーがあった?
それともなにか……能力のからくりがあるか?
理由は不明。
いずれにせよ、このままジッとしているわけにもいかない。

   「あ、じゃあ逃げます」

トン、と後ろに退避しつつ、『バングルス』を解除。
隠し玉だったが、仕方あるまい。
『2〜3秒』ほどかけて『バングルス』は崩れ落ち……前方に、『圧力の光』を発する。
相手の腕が変化しきる時間と、そこからの攻撃のアクションを考えればギリギリ間に合うだろう。
一応、左手はMAP左上の照明に向けておこう。

   「なんだかこう……イマイチテンポが乗ってきませんね。
    実によくない感覚です。
    朝ごはんがイカの塩辛だったことと何か因果関係がある気がしないでもないのですがそこのとこどう思います?」

内心、これで結構歯噛みしているのだが。
こういう時、ポーカーフェイスの鉄面皮は便利だ。

142『ある日のアリーナ―タチムカウ―』:2016/06/22(水) 00:09:36
>>141

後方に退避する流星。
そして能力を解除する。

「じゃあ刺します」

完成する右腕の刃。
それがまた牙突の如く流星の元に向かおうとする。
が、『バングルス』から圧力の光が放たれた。

「げ……!?」

『眩いばかりの光です! まるでスタングレネード!』

「お、俺は泥仕合好きだぜ……俺のペースにずるずる入れてやれるからな……」

「じゃあ、今度の剣さばきはいかが?」

『ボーン・トゥ・キル』が踏み込む。
両腕が刃という異常な状態。
……思えば長さこそ同じだが右腕と左腕で形状が違う。
右腕は包丁のような形をしている。

「そーれ。つーいて、つーいて、ツキまくる」

「それが私だ……!」

交互に刃が突き出される。
刺殺のラッシュだ。

また、防人が懐に手をつっこんだ。

―――地図―――

∴∴∴∴∴∴赤赤赤∴∴∴∴∴∴
∴∴∴∴■■□□□■■∴∴∴∴
∴∴∴■□□□防□□□■∴∴∴
∴∴■□○□┃□□□○□■∴∴
∴■□□□□□ス□□□□□■∴
∴■□□□━□□□━□□□■∴
∴■□┃□□越□□□□┃□■∴
∴■□□□□□□□□□□□■∴
∴■□□□━□□□━□□□■∴
∴■□□□□□□□□□□□■∴
∴∴■□○□□□┃□○□■∴∴
∴∴∴■□□□□□□□■∴∴∴
∴∴∴∴■■□□□■■∴∴∴∴
∴∴∴∴∴∴青青青∴∴∴∴∴∴

□:闘技場内。床はコンクリートで、タイルの大きさは1x1m。白い砂がまいてある。
■:観客席と闘技場を隔てる金網。強化ガラスか何かが金網と客席の間に立てられている。
∴:観客席。
┃:ステンドグラス衝立
○:足元の照明
越:流星
防:防人
ス:防人のスタンド。『ボーン・トゥ・キル』
刃:『ボーン・トゥ・キル』の刃(左腕)

143『ある日のアリーナ―タチムカウ―』:2016/06/22(水) 00:14:03
>>141

『しかし気になりますね』

                               『なにが』

『いえ、なぜあれほど腕が変化するのかと』

                               『そういう能力なんでしょ』

『そういえば、防人選手鉄パイプどこにやったんでしょうね』

                               『鉄パイプ?』

『持ってたじゃないですか。懐から出してませんでした?』

144流星 越『バングルス』:2016/06/22(水) 00:28:31
>>142-143

   「んー……」

左手の先の『照明』を『光源』とし、『バングルス』を再発現。
今度は左腕に『ランタンシールド』が装着される。
で、相手の攻撃を捌きつつ左に逃げ込む。
『二刀流』とはいえ、『鎧と盾と剣』である『バングルス』が防御に徹すればとりあえず防御は可能なはずだ。
そして一度『ステンドグラス』を遮蔽にする。
無論、そう頑丈な壁ではないが……『刃物』であるのなら、硝子の破壊には向くまい。
仮に破壊できたとして、破片がこっちに跳んでくる心配も薄い。
なお、『バングルス』の解除によって手元に出てきた『ペンライト』はそのまま握りこんでおく。

   「一人称ブレてますよ。減点」

   (……さて、どうしましょうか。
    『ジリ貧』なんですよね、実際……絶望的ってほどじゃないにせよ)

   (ジリジリ……少しずつ、リーチと手数で追い込まれている感覚。
    というかあんな長い刀よく振り回せますねあの人)

   (まぁ……多分、『無尽蔵』ってわけでもなさそうですが)

『隠し玉』の『解除』も使ってしまったし……
……一発逆転できる派手な技もなく。
…………ここは、少しずつ詰めて行くしかないか。

    「ヘイ、来いよベネット」

    「銃とか剣とか色々捨ててかかって来いよ。
     私は普通に剣使いますが」

145『ある日のアリーナ―タチムカウ―』:2016/06/22(水) 01:00:45
>>144

「なんの減点だよ……」

再び発現する『バングルス』
その姿に防人が驚いた顔をした。

「なんだそれ……!? 俺と似たタイプか……?」

懐からまた鉄パイプを取り出した防人。
徐々に距離を詰めてくる。
『ステンドグラス』を突く音が止まる。

「野郎 オブ クラッシャー!」

「申し遅れたが言っておくぜ 『ボーン・トゥ・キル』その技名は」

「『スタッブ・ユア・バック』」

よく見れば、腕を広げて閉じようとしている。
挟みうちだ。
文字通りのハサミだ。
防げるか? それとも、ステンドグラスを利用するか?

―――地図―――

∴∴∴∴∴∴赤赤赤∴∴∴∴∴∴
∴∴∴∴■■□□□■■∴∴∴∴
∴∴∴■□□□□□□□■∴∴∴
∴∴■□□□┃防□□○□■∴∴
∴■□刃刃刃ス□□□□□□■∴
∴■□□□━□刃□━□□□■∴
∴■□┃□越□□刃□□┃□■∴
∴■□□□□□□□刃□□□■∴
∴■□□□━□□□━□□□■∴
∴■□□□□□□□□□□□■∴
∴∴■□○□□□┃□○□■∴∴
∴∴∴■□□□□□□□■∴∴∴
∴∴∴∴■■□□□■■∴∴∴∴
∴∴∴∴∴∴青青青∴∴∴∴∴∴

□:闘技場内。床はコンクリートで、タイルの大きさは1x1m。白い砂がまいてある。
■:観客席と闘技場を隔てる金網。強化ガラスか何かが金網と客席の間に立てられている。
∴:観客席。
┃:ステンドグラス衝立
○:足元の照明
越:流星
防:防人
ス:防人のスタンド。『ボーン・トゥ・キル』
刃:『ボーン・トゥ・キル』の刃(左腕)

146流星 越『バングルス』:2016/06/22(水) 01:24:50
>>145
質問。

先ほどの『交互に突く攻撃』の際、『ボーン・トゥ・キル』のパワーとスピードはどの程度のように感じられた?

147『ある日のアリーナ―タチムカウ―』:2016/06/22(水) 01:31:52
>>146

パワーは人並み以上(B)。スピードは人並み(C)に感じられる。
ステンドグラスは刺突の勢いでヒビが入っている。

148流星 越『バングルス』:2016/06/22(水) 03:04:54
>>147
回答感謝
重ねて質問です。

『ボーン・トゥ・キル』の『刀の腕』に『鍔』は存在するだろうか?
また、引く・突くなどの取り回し方を鑑みて、『刀』は『肘から先』が変化しているという認識で正しいだろうか?

149『ある日のアリーナ―タチムカウ―』:2016/06/22(水) 22:47:15
>>148

>『ボーン・トゥ・キル』の『刀の腕』に『鍔』は存在するだろうか?
存在しない。

>また、引く・突くなどの取り回し方を鑑みて、『刀』は『肘から先』が変化しているという認識で正しいだろうか?
正しい(サムスピの腐れ外道のイメージ)

150流星 越『バングルス』:2016/06/22(水) 23:06:43
>>149
重ねて回答感謝。

>>145
……やはり、『鉄パイプ』を『加工』しているか。
そのコートにいったいいくつの『鉄パイプ』があるのかはともかく、残弾は恐らく有限と見ていいだろう。

   「……キツイですね」

差し当たって、この『挟み撃ち』をどうにかせねばならないわけだが……
まぁ、『ステンドグラス』は盾にはなるまい。
既にひびが入っているし、もとより頑丈なわけでもない。
一瞬ぐらいなら堪えてくれるかもしれないが、それでは意味が無い。
仕方ないので……右斜め前に『突進』する。
もう、『跳びこむ』って言う方が近いぐらいに。

   「ええ」

   「そろそろ、人を斬る覚悟のひとつやふたつはキメとかなきゃなって現実が……!」

そうして『バングルス』で相手の『左腕刀』と『鍔迫り合う』。
レールの上を走る『ジェットコースター』みたいに、剣同士をカチ合わせて滑らせるのだ。
そのまま素早く、前へ踏み込む。彼我の距離は『1m』ちょっと。一歩で詰まる距離だ。
この『挟み撃ち』の厄介なポイントのひとつは『同時攻撃』であり、右側に寄ることでその脅威は多少薄れる。
少しだけだが、斬撃が到達するまでの『猶予』ができるはずだから。

   「――――ところで」

   「先ほど実況で『鍔迫り合い』と言われましたが……」
    『鍔迫り合い』とは刀同士をぶつけて押し合い、『鍔』を合わせることから来ていることはご存じでしょうか」

そう――――『鍔』だ。
刃と刃で押し合うと、刃は『強い』部分である根元へ滑って行く。
もとよりお互い金属の刃、まさしく滑るように抵抗なく根元へ移動して発生するのが『鍔迫り合い』。
『バングルス』に鍔は無い。が、『盾』と『籠手』がその役目を果たしている。
対して、腕が刃に変じた『ボーン・トゥ・キル』に『鍔は無い』。
つまり何が起こるのかと言うと……

      「――――つまり」

   「『鍔』が無ければ『鍔迫り合えない』――――」


   「――――その左腕、『いただきます』」


ギャリギャリと刃の上を滑ったすぐ先には、『ボーン・トゥ・キル』の肉の腕がある。
そう、生身の『二の腕』だ。
その『二の腕』を守る『鍔』が無い以上……前に進めば、『二の腕』を斬りつけることができる。
『二の腕』が射程圏内に入った時点で、縦に切り落としてしまおう。
同時に、その攻撃に合わせて低くしゃがむ。
これは相手の『右の斬撃』の回避のため、という狙いがある。
『ステンドグラス』……一瞬でも、刃がこちらに到達する時間を遅らせてくれればいいが。
最悪、一撃は受けてもいい。
左腕が『バングルス』の鎧で覆われている以上、左側からの攻撃は致命傷になりづらい。
右側に刃を向けている手前、こちらの左腕はやはり脇を閉めて『L字』に構える形になる。
まぁ、下段以外は鎧が邪魔になるはず。完全に防御できる、とまでは言い切らないが。
そして刃の長さ的に、相手は下段を狙えないはずでもある。

151『ある日のアリーナ―タチムカウ―』:2016/06/22(水) 23:44:42
>>150

「キツくしてんのさ、勝つためにな」

にやりと笑う防人。
自身の有効打を確信しているのか?
流星は自ら刀へと踏み込む。

『り、流星選手血迷ったか!? 自ら刃に吶喊!』

『血迷ってなんかないわよ。虎穴に入らずんば虎子を得ず。そういうものでしょ』

ギャリ          
           ギャリ
                 ギャリギャリギャリギャリギャリギャリギャリ

「お? おおおおおおお!」

「鍔競りあえな――――――!」

ザブッ

『ボーン・トゥー・キル』の左腕が落ちた。

『決まったァーーーー!!! 剣兵少女、一太刀のもとに防人選手の腕一本もぎ取ったァ!』

『油断してるからよ。馬鹿ね』

(ありえねェ! ありえねェ! 斬れた斬れた斬れた! 経験がないわけじゃないが、キツイ)

「だが、やり返す! そしてタチムカウ!」

しかし安心もつかの間、遅れてきた右腕がやってきた。
みしりと少し嫌な音が流星の内部から脳に響く。
斬られはしなかったが勢いのまま体が吹き飛ばされる。

「はぁ……はぁ……」

『ボーン・トゥ・キル』その右腕の変化が終わる。
元の右腕が現れる。

「舐めんな……」

鉄パイプを落とした右手がコートを開く。
隠れていた体の前面が現れ、ズボンと体の間に挟まれている拳銃が見えた。
防人が拳銃に右手を置く。
そして、『ボーン・トゥ・キル』の右腕が変化を始める。

「かかってこい……どうってことねぇよ……」

―――地図―――

∴∴∴∴∴∴赤赤赤∴∴∴∴∴∴
∴∴∴∴■■□□□■■∴∴∴∴
∴∴∴■□□□□□□□■∴∴∴
∴∴■□□□┃防□□○□■∴∴
∴■□□□□ス□□□□□□■∴
∴■□□□□□□越━□□□■∴
∴■□□□□□□□□□┃□■∴
∴■□□□□□□□□□□□■∴
∴■□□□━□□□━□□□■∴
∴■□□□□□□□□□□□■∴
∴∴■□○□□□┃□○□■∴∴
∴∴∴■□□□□□□□■∴∴∴
∴∴∴∴■■□□□■■∴∴∴∴
∴∴∴∴∴∴青青青∴∴∴∴∴∴

□:闘技場内。床はコンクリートで、タイルの大きさは1x1m。白い砂がまいてある。
■:観客席と闘技場を隔てる金網。強化ガラスか何かが金網と客席の間に立てられている。
∴:観客席。
┃:ステンドグラス衝立
○:足元の照明
越:流星
防:防人
ス:防人のスタンド。『ボーン・トゥ・キル』

152『ある日のアリーナ―タチムカウ―』:2016/06/22(水) 23:54:02
>>150

「見つけたぜェ……!」

俺は、なんでこんな目にあっているんだろう。
恋に破れ、試験に破れ、勝負に破れ、派閥争いに破れ、権力に破れ
破りに破れてここまで落ちた。
二番底どころの話じゃあねぇ。

「テメェ! どうカタつけるつもりだァ……?」

俺をにらむ男はひどく苛立っているようだ。
しかし俺はさめている。走馬燈も見えはしない。
だけど……やっぱり、負けたら悔しいなぁ……
勝ちてぇなぁ……

「おい! 聞いてんのか!?」

銃口が俺の方に向けられている。
あぁ……死ぬんだなって感じだ。

「ちにゃっ」

ちにゃっ? あ?
俺の目の間に黒い手があった。
俺を追っていたはずの男は地面に蚊のようにたたきつけられている。

「ねぇ」

女の声だった。
女は男が持っていた拳銃を俺に放った。

「あなたの人生、逆転してみない?」

「いやなら、それで死んだ方がいいと思うけど」

何を言ってるんだ?
いったい何が始まった?
いや、とにかく答えは決まっている。
俺は―――――

153流星 越『バングルス』:2016/06/23(木) 00:05:42
>>151
質問です。

・相手の攻撃はどのあたりに命中した?ダメージの度合いはどのぐらいだろうか?
・相手本体の左腕がフィードバックで切断されている様子はあるか?
・自分の今の体勢は?吹き飛ばされたということだが、倒れているのか?着地・受け身はできそうか?

154『ある日のアリーナ―タチムカウ―』:2016/06/23(木) 00:32:05
>>153

・相手の攻撃はどのあたりに命中した?ダメージの度合いはどのぐらいだろうか?
二の腕の辺り。鈍い痛みがあり、

・相手本体の左腕がフィードバックで切断されている様子はあるか?
腕自体が地面に落ちている様子はなく、見た感じ腕から大量の血が流れていることは分かる。

・自分の今の体勢は?吹き飛ばされたということだが、倒れているのか?着地・受け身はできそうか?
ステンドグラスの衝立の枠にぶつかっている。
倒れてはいないが膝が地面についている。

155流星 越『バングルス』:2016/06/23(木) 01:26:37
>>154
回答感謝。


>>152

   「――――ッ」

     ギャンッ

         ドグッ

   「〜〜〜〜〜〜…………ッ!」

斬撃の手ごたえ。
左腕に走る衝撃。
衝立への衝突。

     ハッ
          ハッ
       ハッ

痛い。
苦しい。
気持ち悪い。
思えば、人体を斬ったのは今日が初めてだ。
こんな重たい攻撃を受けたのも初めてだし、そもそも生まれてこの方喧嘩すらしていなかった気がする。
激しい嘔吐感。
そして、こみ上げて来る『高揚感』。

   「……舐めてなんか」「いませんとも」

知らない地平。
この地平を乗り越えられたら――――私はきっと、ひとつの『価値』を得る。

   「舐めるのは」「『アイス』と『傷口』と」「『かわいい女の子』ぐらいでして」

   「それともそんなに尻軽に見えますかね、私……!」

      ――――ニィ

不気味に、口元だけが不格好な弧を描いた。
『予習』だとか、そんな気分は――――そんな『言い訳』は、もうどこにもない。
勝ちたい、乗り越えたい、自分の価値を手に入れたい。
思考は不思議と、クリアなままだ。

右手で『衝立』を掴んで支えにしつつ、立ち上がる。
立ち上がりながら、『バングルス』を解除。
『圧力の光』を前方に向けて放ち、立ち上がれたら右手はMAP右上の『照明』に向けておこう。
間違いなく次は『拳銃』が来る。
だが、相手は重傷だ。決着はきっと、遠くない。

156『ある日のアリーナ―タチムカウ―』:2016/06/23(木) 23:17:35
>>155

人を切った感覚も
吹き飛ぶほどの衝撃も流星にとっては初体験であった。
こみ上げてくるのは痛みだけではない。
高揚感。高ぶる気持ち。
身を包むこの感覚は現実であり、金網を隔てた向こう側では味わえない感覚。

「俺は舐めたいぜ……男と汚ぇもの、後は……辛酸以外はな……! ひひっ」

笑う流星。笑う防人。
最早予習だとは言うまい。
そんな言い訳は口にしまい。
タチムカウのだ。価値を得るために。
切り開き、進むのだ。この道を行けばどうなることか。それは行けば分かるのだ。

『再び! 再びです! 再びのスタングレネード! またもや光の圧力が防人選手を襲う!』

『バングルス』の解除。防人のスタンドの変化は完了した。
しかし光の圧力に屈し次の行動はとれない。
立ち上がり、照明に手を向ける流星。
光から解放された『ボーン・トゥ・キル』はその変化した右腕。
前腕部が筒状になった右腕をまっすぐに伸ばしている。
防人本人の手から拳銃が消えている。
あれが、あの右腕が銃なのかもしれない。

―――地図―――

∴∴∴∴∴∴赤赤赤∴∴∴∴∴∴
∴∴∴∴■■□□□■■∴∴∴∴
∴∴∴■□□□□□□□■∴∴∴
∴∴■□□□┃防□□○□■∴∴
∴■□□□□ス□□□□□□■∴
∴■□□□□□□越━□□□■∴
∴■□□□□□□□□□┃□■∴
∴■□□□□□□□□□□□■∴
∴■□□□━□□□━□□□■∴
∴■□□□□□□□□□□□■∴
∴∴■□○□□□┃□○□■∴∴
∴∴∴■□□□□□□□■∴∴∴
∴∴∴∴■■□□□■■∴∴∴∴
∴∴∴∴∴∴青青青∴∴∴∴∴∴

□:闘技場内。床はコンクリートで、タイルの大きさは1x1m。白い砂がまいてある。
■:観客席と闘技場を隔てる金網。強化ガラスか何かが金網と客席の間に立てられている。
∴:観客席。
┃:ステンドグラス衝立
○:足元の照明
越:流星
防:防人
ス:防人のスタンド。『ボーン・トゥ・キル』

157流星 越『バングルス』:2016/06/23(木) 23:53:52
>>156

   「セクハラですよ」

   「減点です」

歪な笑みはすぐに消えた。
意識して作る自然体。
無理に肩肘はっていいことは無い。
思考はクリアに、身体はクールに、心だけはホットに行こう。

    殺しに向け生まれり
   「『ボーン・トゥ・キル』――――大した名前ですが」

   「その『サイコガン』でどうします、『スペースコブラ』」

                               腕  輪
   「気ィ張って面と向かえば……私の自慢の『バングルス』にとって、弾丸なんて大した相手じゃありません」

   「ましてやこの距離……私が踏み込もうと思えば、すぐですが」

右手の先の『照明』を『光源』に、三度『バングルス』を発現。
『バングルス』の動きは素早く、その形状は『鎧』と『盾』と『剣』。
ましてやこの距離……『銃口』に注意していれば、防御は容易い。
相手の動きに合わせ、弾丸が来るところに『バングルス』を置けばいいのだ。
よほど突き抜けた威力か弾速でも無ければ、この防御は貫けない。
それでも……『隠し玉』がある可能性もある。
腰を低く落として『バングルス』胸の前に構え、ひとまず様子を伺う。

158『ある日のアリーナ―タチムカウ―』:2016/06/24(金) 00:18:00
>>157

「はっ。また鉄面皮か。いい顔だったのによ」

「そうだろうなぁ……あんたのハンドスピードやパワーなら銃弾にも対応できるだろうなぁ……」

「あ、言っておくぜ。この技法の名前は『アローン』」

アローン。孤独。
たった一人の帰り道、その名に近づく言葉。
『バングルス』を発現する流星。
しかし防人は動じない。
腕から大量の血が流れていてもだ。

「サイコガン。まぁ、間違いじゃあねぇな」

「それじゃあな。グンナイ」

『ボーン・トゥ・キル』が銃口を斜め上に向け

ズガンッ

銃弾が発射される。
流星の少し上をいく軌道だ。
『ボーン・トゥ・キル』が肘を曲げると。そこからカランと薬莢らしきものが吐き出された。
そして再び銃口は流星の方へ。

「とっとと終わらせるぜ。俺も長く持たねぇからな」

―――地図―――

∴∴∴∴∴∴赤赤赤∴∴∴∴∴∴
∴∴∴∴■■□□□■■∴∴∴∴
∴∴∴■□□□□□□□■∴∴∴
∴∴■□□□┃防□□○□■∴∴
∴■□□□□ス□□□□□□■∴
∴■□□□□□□越━□□□■∴
∴■□□□□□□□□□┃□■∴
∴■□□□□□□□□□□□■∴
∴■□□□━□□□━□□□■∴
∴■□□□□□□□□□□□■∴
∴∴■□○□□□┃□○□■∴∴
∴∴∴■□□□□□□□■∴∴∴
∴∴∴∴■■□□□■■∴∴∴∴
∴∴∴∴∴∴青青青∴∴∴∴∴∴

□:闘技場内。床はコンクリートで、タイルの大きさは1x1m。白い砂がまいてある。
■:観客席と闘技場を隔てる金網。強化ガラスか何かが金網と客席の間に立てられている。
∴:観客席。
┃:ステンドグラス衝立
○:足元の照明
越:流星
防:防人
ス:防人のスタンド。『ボーン・トゥ・キル』

159流星 越『バングルス』:2016/06/24(金) 00:39:07
>>158

   「女性の褒め方が致命的にヘタクソですね」

   「さらに減点」

ジリ、と間合いを測り――――

   「…………!」

斜め上に放たれた弾丸。
普通に考えて『普通じゃない』。
今まで見てきた敵の能力は、『伸び縮みする刃』でしかなかったが……
……では、『弾丸』はどうなるのだろうか?
詳細不明。
理屈も不明。
何がどうなるかわからない。
曲がって後ろから迫ってくるか?
空中で別の形に変形するか?
予測がつかない。
かといってそっちの弾丸に気を取られていれば正面から撃たれてしまうし――――

   「――――ええ、おねむの時間ですよベイビー」

          ダッ

――――発砲直後、思い切って前に飛び出す。
飛び込むのは『ボーン・トゥ・キル』の方角。
姿勢は低く、低く、沈むような前傾姿勢。
背後や頭上から弾丸が飛んできたとして、狙いが頭や背中ならかわせるし、脚なら前進することで避ける。
それに、相手に密着したほうが小細工も減るだろう。
前からの弾丸は、『バングルス』で防げる。
姿勢を倒せば、必然相手が狙える位置が減る。
『バングルス』を相手の銃口に合わせて構えておけば問題ない。
飛び込めたら……構えた『バングルス』で、相手の『右腕銃』を切り上げよう。
これで『銃』を上に弾けるならよし。
弾けないなら、また『鍔迫り合い』だ。
いずれにせよ、『銃口』は余所に向けられる。

160『ある日のアリーナ―タチムカウ―』:2016/06/24(金) 01:17:33
>>159

「……なるほど」

「どうりで今まで女にモテなかったわけだ」

飛び出した流星。
まっすぐに『ボーン・トゥ・キル』へと向かう。

「俺の能力はな、道具がいるんだ」

「だから、たくさん道具がいるんだ」

「たくさんな」

ズドンとまた銃弾が発射される。
今度は流星に向かってきて飛んでいる。

「銃が二つありゃあな。あん時もらったきり調達してねぇからな」

まだ潰されていない右手で防人は懐を探り、道具を取り出す。
包丁だ。二本目の文化包丁。
流星は前方からの銃弾を構えていた『バングルス』で防御する。
衝撃が腕に伝わるが問題なく進む。
そして、腕の銃身をかちあげた。
弾かれる銃身。しかし、視界に入る不穏な影がある。
防人だ。包丁を流星の脇腹に突き刺そうとしている。
『バングルス』の射程ぎりぎりだ。当たるか当たらないかの距離だ。

「……後ろの正面だあれ」

―――地図―――

∴∴∴∴∴∴赤赤赤∴∴∴∴∴∴
∴∴∴∴■■□□□■■∴∴∴∴
∴∴∴■□□□□□□□■∴∴∴
∴∴■□□□┃□□□□□■∴∴
∴■□□□□ス防□□□□□■∴
∴■□□□□□越□━□□□■∴
∴■□□□□□□□□□┃□■∴
∴■□□□□□□□□□□□■∴
∴■□□□━□□□━□□□■∴
∴■□□□□□□□□□□□■∴
∴∴■□○□□□┃□○□■∴∴
∴∴∴■□□□□□□□■∴∴∴
∴∴∴∴■■□□□■■∴∴∴∴
∴∴∴∴∴∴青青青∴∴∴∴∴∴

□:闘技場内。床はコンクリートで、タイルの大きさは1x1m。白い砂がまいてある。
■:観客席と闘技場を隔てる金網。強化ガラスか何かが金網と客席の間に立てられている。
∴:観客席。
┃:ステンドグラス衝立
○:足元の照明
越:流星
防:防人
ス:防人のスタンド。『ボーン・トゥ・キル』

161流星 越『バングルス』:2016/06/24(金) 01:49:12
>>160

   「後ろじゃなくて横ですね」

右腕を覆う『バングルス』の間合いギリギリ――――ということは、相手の間合いの外だろう。
どう考えても、包丁よりは『バングルス』の方が長いのだから。
ならば心配はいらない。

勢いそのまま『ボーン・トゥ・キル』の左側に抜け、同時に『ボーン・トゥ・キル』の『左の二の腕』を斬りつける。
斬り落とせればいいし、無理そうでもざっくり切れ込みを入れられればそれでいい。

位置的に『ボーン・トゥ・キル』が遮蔽になってくれるだろうし、というか単純に左に避ければ包丁の到達が遅れる。
加えて相手は『本体が行動中』だ。
『ボーン・トゥ・キル』で対処しようとすると、防御も攻撃も散漫な動作になってしまう――――まぁ、これは流星は知らないことだが。

   「技名とかは特にないので恐縮ですが……」

   「もう一本――――『いただきます』」


   (しかし気になるのは最初の『ミスショット』――――何か仕込みでも……?)

攻撃の成否に関わらず……脇を抜けたら、即座に反転して敵に向き直ろう。

162『ある日のアリーナ―タチムカウ―』:2016/06/24(金) 23:48:12
>>161

「いや、後ろさ」

左側を抜ける流星。
そのまま『ボーン・トゥ・キル』の腕をもう一度切り付ける。
瞬間、防人の腕からまた大量の血が流れだす。
切断とはいかなかったがかなりのダメージを追っているのは事実だ。
反転。振り返り。流星の視線の先。

『銃弾はまっすぐに飛びます。当然のように』

『誰もその言葉を否定しませんでした。銃弾は直線を行くという大常識』

『それがいま! 否定されている!?』

流星の斜め上。
額の辺りを狙うように銃弾が飛んで来ている。
まるで流星の如くといった感じだ。

「『ボーン・トゥ・キル』やるぜ」

大きく飛びのく『ボーン・トゥ・キル』
斬れかけの腕を何とか伸ばして銃弾を放つ。
銃撃の反動がフィードバックしたのか防人が苦痛に顔をゆがめた。
ぐらりと片膝をつく。限界も近いのだろう。

「【独立独歩(一人ぼっちの帰り道)】」

「最後の大技ってだぜ。 『フィッシュ』」

銃弾がうねる。
跳ねる魚のように、ぐねぐねと異常な変化をしながら進んでいく。
タイミングを合わせて防御できるか?
それに頭上からの一撃もあるが、どうする?

―――地図―――

∴∴∴∴∴∴赤赤赤∴∴∴∴∴∴
∴∴∴∴■■□□□■■∴∴∴∴
∴∴∴■□□□□□□□■∴∴∴
∴∴■□□□┃防□□□□■∴∴
∴■□□□越□ス□□□□□■∴
∴■□□□□□□□━□□□■∴
∴■□□□□□□□□□┃□■∴
∴■□□□□□□□□□□□■∴
∴■□□□━□□□━□□□■∴
∴■□□□□□□□□□□□■∴
∴∴■□○□□□┃□○□■∴∴
∴∴∴■□□□□□□□■∴∴∴
∴∴∴∴■■□□□■■∴∴∴∴
∴∴∴∴∴∴青青青∴∴∴∴∴∴

□:闘技場内。床はコンクリートで、タイルの大きさは1x1m。白い砂がまいてある。
■:観客席と闘技場を隔てる金網。強化ガラスか何かが金網と客席の間に立てられている。
∴:観客席。
┃:ステンドグラス衝立
○:足元の照明
越:流星
防:防人
ス:防人のスタンド。『ボーン・トゥ・キル』

163流星 越『バングルス』:2016/06/25(土) 00:22:44
>>162

   「ま」「そう来ますよね」

弾丸が曲がって帰ってくる。
まぁ、想定できたことだ。
じゃあ対策ができていたかというと、別にそんなこともないわけだが。
この手の攻撃であれば『圧力の光』が有効だが、生憎あれは発動までに時間がかかる。
何が来るかもわからないし、やめておいたのだが……
これなら、やっておくべきだった気もする。
要するに博打に負けたわけだ。

とはいえ、これは文字通り『最後の大技』だろう。
驚異の二点同時攻撃、相手は死ぬ、というわけだ。
なので、ここで要求されるのは『死なないこと』のただ一点のみ。

   「問題ありません」

         腕  輪
   「私の『バングルス』は頑丈ですから――――」

左半身を引き、姿勢を低くして半身に構える。
そして右腕を曲げ、脇を閉め、『盾』で顔を覆う。
『鎧』は『胴』を守り、『盾』は『頭部』を守る。
タイミングを合わせる必要はない。
急所を守れば死にはしない。
これなら撃ち抜けるのは下半身ぐらいで、そのぐらいなら『必要経費』としてくれてやる。

   「――――私もきっと、頑丈なはずです」

来いよ、弾丸。
もとより小細工が得意なクチでもない。
『真側面』から、受けて立つ。

164『ある日のアリーナ―タチムカウ―』:2016/06/25(土) 00:53:13
>>163

「……あんたぁ。いいなぁ」

ぼそりと防人がつぶやいた。

「羨ましいぜ」

防ぐ。
顔を胴を守る。
死なない。人命最優先。攻撃的な行動ではない。
だが、この場合それが正解であったことを流星は感じ取る。

『凌ぎました』

『はぁ……』

コハルの声が聞こえる。
周防のため息が聞こえる。
アリーナの照明が視界を照らしている。
白く熱い光が闘技場を照らす。
防いだのだ。胴と頭、見事に致命傷となりうる箇所を狙っていた。
足を殺すことや腕を殺すことを考えずに狙ったのだ。

「まだだ……ギブアップも、終わりのゴングもまだなんだよ」

ゆらりと防人が立ち上がる。
もはや握る力も失せたのか包丁が床に落ちる。
ぬらりとした血が両腕を染めている。

「どうする? バイティングだって俺は使うぜ?」

「蹴り込んでやってもいいぜ? ひひっ」

限界なのか右腕の変化も終わる。
骸骨のヴィジョンが近づく。死に体の男が近づく。
死が近づく。終わりが近づく。
行進するかのようにゆっくりと二人が歩いてくる。
ゴングを鳴らすのは、闘技者の役目だ。

―――地図―――

∴∴∴∴∴∴赤赤赤∴∴∴∴∴∴
∴∴∴∴■■□□□■■∴∴∴∴
∴∴∴■□□□□□□□■∴∴∴
∴∴■□□□┃□□□□□■∴∴
∴■□□□越□防□□□□□■∴
∴■□□□□□□□━□□□■∴
∴■□□□□□□□□□┃□■∴
∴■□□□□□□□□□□□■∴
∴■□□□━□□□━□□□■∴
∴■□□□□□□□□□□□■∴
∴∴■□○□□□┃□○□■∴∴
∴∴∴■□□□□□□□■∴∴∴
∴∴∴∴■■□□□■■∴∴∴∴
∴∴∴∴∴∴青青青∴∴∴∴∴∴

□:闘技場内。床はコンクリートで、タイルの大きさは1x1m。白い砂がまいてある。
■:観客席と闘技場を隔てる金網。強化ガラスか何かが金網と客席の間に立てられている。
∴:観客席。
┃:ステンドグラス衝立
○:足元の照明
越:流星
防:防人(スタンドと並び立っている)
ス:防人のスタンド。『ボーン・トゥ・キル』

165流星 越『バングルス』:2016/06/25(土) 01:11:06
>>164

   「――――ヘイ」

半身のまま――――『バングルス』を構える。
鉄の拳を握りしめる。

   「なにちょっと『負け犬ムード』出してるんですか、お友達」

   「違うでしょう」

   「私はどうも、声を荒げると言うのがあまり得意ではありませんが――――」

   「――――叫びなさい、『Mr.スパルタ』」

――――曰く、テルモピュライで殿を務め切ったスパルタの300人は、死の間際まで戦い続けたという。
槍が折れれば剣を抜き、剣が折れれば拳を握り、拳が砕ければ蹴りを放ち、脚が潰れれば噛み付いて。
その最期は――――こんなにも、惨めったらしいものであっていいはずがない。

   「なにが『羨ましい』ですか」

   「なにを『嗤って』いるのですか」

   「笑いなさい」

   「叫びなさい」
                                             必 殺 の 宿 命
   「どうするもこうするも無いでしょう――――貴方の半身の名が、『ボーン・トゥ・キル』であるのならッ!」

私は、『乗り越えなくてはならない』。
ならばその決着は、こんなものでいいはずがない。
叫べ。かかってこい。
私が倒したいのは『負け犬』なんかじゃない。
鉄拳を握る。
剣を構える。
さぁ――――来い、来い、来い!

166『ある日のアリーナ―タチムカウ―』:2016/06/25(土) 01:30:52
>>165

『これは会話、ですか?』

『……そうね。負け犬は負け犬らしく死ねないみたいね』

『え?』

『何度も曲げられればどんなものでも跡がついて曲がりやすくなるわ。人間もそう』

『負け癖が付けば負け続き、燃え上がる反骨心も消えてしまうわ。それがあいつよ』

『……』

『防人君、いえ、マガツ君。死んできなさい。かつてのあなたに戻って、そして死になさい』

防人は黙っている。
流星の言葉にも周防の言葉にも答えない。
だが、言葉でなく行動で答えを見せる。
血まみれの腕でおぼつかない動きでコートを脱ぐ。
真っ赤に染まった白いシャツ。重々しく落ちたコートには色々な道具が仕込まれていた。
まるで漫画のように。

「あっはっはっはっはっはっは!」

笑う。大いに笑う。大声をあげて笑う。
重々しく手を顔にやり、顔を覆う。
ずるりと手が下りるとその顔にはべったりと血がついている。
あまりにも汚い地化粧。しかし、その顔は傍に立つスタンドによく似ている。
コートをまさぐり、何かを取り出した。
包丁とカッターナイフだろうか。

「いいねぇ。エッちゃん。惚れちまいそうだよ。どんどんお前に惹かれてくるみたいに」

「引き裂きたくなる。そのポーカーフェイスを歪ませてやりてぇな!」

「見せてやるよ。負け犬を捨てた狂犬を」

 殺すために生まれた
「『ボーン・トゥ・キル』 俺の能力をな」

167『ある日のアリーナ―タチムカウ―』:2016/06/25(土) 01:42:10
>>166

『ボーン・トゥ・キル』の両腕が変化する。
右腕はカッターナイフの刃のようなものに左腕は包丁の刃のようなものに。
そして同時に防人の手から二つの刃物が消える。

「ハンドスピードはお前のがはええ」

「つまり真っ向勝負は不利だ。なら、やるこたぁ一つ」

「ほんの少しの小細工だ」

「すぅ……」

息を吸い込んだ。

「アララララーイ! アララララーイ! アッララララーイ!!」

叫び声と共に『ボーン・トゥ・キル』が動く
二本の刃が地面をひっかく。
短い。先ほどまで見ていた3m尺のものとは違う。
1mほどだろうか。
まるですくい上げる様に回転しながら砂を巻き上げる。
流星の視界に砂。
両腕を広げた『ボーン・トゥ・キル』が砂に紛れる。
しかし長くは続かないだろう。
つまり砂に隠れての攻撃、それが肝なのだ。

「右か左かよく見て避けるか?」

「読み間違えりゃあぶった切るぜ。」

―――地図―――

∴∴∴∴∴∴赤赤赤∴∴∴∴∴∴
∴∴∴∴■■□□□■■∴∴∴∴
∴∴∴■□□□□□□□■∴∴∴
∴∴■□□□┃□□□□□■∴∴
∴■□□□越□防□□□□□■∴
∴■□□□□□□□━□□□■∴
∴■□□□□□□□□□┃□■∴
∴■□□□□□□□□□□□■∴
∴■□□□━□□□━□□□■∴
∴■□□□□□□□□□□□■∴
∴∴■□○□□□┃□○□■∴∴
∴∴∴■□□□□□□□■∴∴∴
∴∴∴∴■■□□□■■∴∴∴∴
∴∴∴∴∴∴青青青∴∴∴∴∴∴

□:闘技場内。床はコンクリートで、タイルの大きさは1x1m。白い砂がまいてある。
■:観客席と闘技場を隔てる金網。強化ガラスか何かが金網と客席の間に立てられている。
∴:観客席。
┃:ステンドグラス衝立
○:足元の照明
越:流星
防:防人(スタンドと並び立っている)
ス:防人のスタンド。『ボーン・トゥ・キル』

168流星 越『バングルス』:2016/06/25(土) 02:03:10
>>166-167

   「お褒めに預かり光栄ですが」

   「私、好みのタイプは『優しい人』なのです」

軽口を叩きつつ、静かに防人を見据える。

   「――――でも、ちょっと素敵な顔になりましたね」

そう、これだ。
これでいい。
そうこなくては、こうして闘っている意味が無い。

   「では――――」

       グッ

   「――――いざ」

巻き上がる砂塵。
視界を阻むが――――それは、相手にとっても同じこと。
つまりこれは『読みあい』だ。
『読みあい』とは『騙しあい』であり――――嗚呼、安心した。
この状況なら、『最後の手札』が残っている。

クルリと回転しながら、左に動く。
左――――MAPで言えば『上』。
『ステンドグラスの衝立』のあるところ。
この『ステンドグラス』は二人の間を阻む障害物となる。
お互いのパワーならば破壊は可能だが、その破壊に要する一瞬がこの状況では命取り。
つまり、相手にとって『ありえない場所』ということになる。
だが『バングルス』にとって、これは障害物たりえないのだ。
『バングルス』は光の剣――――光を『透過』するものを、すり抜ける性質があるのだから。
これは相手に見せていない性質。
故に、相手の想定外。
回転しながら『ステンドグラス』に張り付き、右腕を命一杯伸ばして、硝子越しに『防人』を横薙ぎに斬りつける。
相手が攻撃してくるなら一歩前に出て来るはずで、つまりそれは『間合いの中』ということだ。
相手はもう限界ギリギリ。
ここでさらなるフェイントを繰り出す余裕は、もう無いはず。

   「これが私の『バングルス』の」

   「正真正銘、『最後の一手』――――!」

169『ある日のアリーナ―タチムカウ―』:2016/06/25(土) 02:20:39
「あなたの人生、逆転してみない?」

「いやなら、それで死んだ方がいいと思うけど」

「俺は……俺は『勝ちたい』」

「それで?」

「ドブみてぇな人生を逆転して誰もかれもを土下座させる」

「自惚れ屋の粋がり男。でもいいわ。私があんたの面倒を見てあげる。名前は?」

女がいる。
あれ? なんでだ?

「……真賀津 了嗣(まがつ りょうじ)」

「マガツ? 縁起でもないわね。そうだ、人生逆転のついでに名前捨ててしまいなさいな」

「新しい自分になるために」

俺は闘ってたんだよな?
そうだよな? なのに、なんでこんなことを思い出してんだ?

「アンタ名前は?」

「周防 一稀」

「じゃあ、アンタから一文字もらって 防人 修治だ」

「そう、じゃあ行きましょうか。まずは治療に。それからたくさん闘ってもらうわ」

「なぁ」

「なに?」

「なんでこんなことする。見ず知らずのチンピラに」

「人生に本気になる人間が見たかったからよ」

やっぱり、意味わかんねぇ女だな。
……そうか。理解した。これは―――――

170『ある日のアリーナ―タチムカウ―』:2016/06/25(土) 02:30:48
>>169

ザブッ

『バングルス』から伝わる感触。
柔らかく弾力のある、しかしどこか硬いものを切った。
すっぱりと切った。切った。切った。切った。切った。

『やりました! 流星選手! 防人選手の腹を真一文字に切り裂いた!』

『ボーン・トゥ・キル』のとった行動。
それは突き。両腕での突きだ。
しかしそこに流星はいない。
光を透過するものをすり抜ける性質、それがあることを知らなかった。
それゆえの失敗。もし知っていたなら挟み撃ちで迎撃もあったかもしれない。
しかしそれはたらればの話。闘技場にあるのは、今ここにある結果のみ。

「あぁ……光なんだな、それ。ライトの……そうか……」

「やっぱお前、いいなぁ……」

切腹をした防人がひざを折る。腹に触れることもできない。
その腕はだらりと下がり、まるで正座をしているかのような姿勢でその動きを止めた。

                       《おおおおおおおおおおおおおおおおおお!》

瞬間、流星の鼓膜を破るかのような咆哮がこだまする。
観客たちだ。立ち上がる者もいる。流星の名前を叫ぶ者もいる。
失神しそうになる者もいる。バラバラだが一つだけ共通している。
皆、流星の勝利を祝福している。

《おおおおおおお!》                《エッちゃ――――――――ン!》

      《やったな、テメェ!》      
                        《おおおおおおおおおおお!!!!!》
                               
                                                      《格好いいーーーーーーー!》
          《エッちゃん!    エッちゃん!》

勝者の栄光が、勝者の愉悦が、勝利の美酒がそこにある。
なにか応えてやるべきだろうか。
帰るもよし。なにかパフォーマンスもするもよしだ。

171流星 越『バングルス』:2016/06/25(土) 02:38:31
>>170

   「だから、最初に言ったでしょう?」

        ヒュッ

剣を振るい、血を払う。

   「私のスタンドは――――『ライトセーバー』だって」

残心。
防人の動きが止まるまで、ピタリと動きを止めて……

   「…………………」

        フゥゥゥ〜〜……

大きく、息を吐く。
観客席を見渡す。
……『バングルス』を掲げて、解除する。


   「……………………ぶい」


中から出てきた手は、『Vサイン』を描いていた。

172『ある日のアリーナ―タチムカウ―』:2016/06/25(土) 03:03:30
>>171

ライトセイバー。
まさに光の剣だった。
防人はそれを身をもって知ったのだ。

観客の歓声が流星を包む。
そして挙げられたのは、勝利のVサイン。

『なんというお茶目さ! なんという強さでしょう! ポーカーフェイスの不思議少女』

『その強さに不思議なし! その輝きに不思議なし!』

『勝者ァァァァ! 剣兵少女(ラ・ピュセル)! 流星 越!』

再びの大歓声。拍手の海。
それに浸りながら、流星は闘技場を後にすることとなった。

医務室。
ベッドの上に流星は座る。
隣のベッドでは息も絶え絶えな防人が寝ている。
白衣を着た女が、防人に治療を施していた。

「ふぅ……まぁこんなもんでいいか。さて、次はお前だ」

「といっても、あまりケガしてなさそうだがね」

がちゃりと部屋に誰かが入ってくる。
周防だ。

「流星さん。おめでとう」

拍手を送る周防。
ちらりと横目で治療済みの防人を見て、また流星を見た。

「どうかしら、勝者の気分は」

173流星 越『バングルス』:2016/06/25(土) 03:22:27
>>172

   「不思議な気持ちです」

周防の問いに、やはり変わらずの鉄面皮で答える。
負傷と言えば、左腕に受けた衝撃ぐらい。
治療らしい治療は必要ではあるまい。

   「まだ少し……自分の中で、整理がついていないのかもしれません」

   「こういうの、初めてですから」

      「いやん恥ずかしい」

頬を抑えて、恥ずかしがるジェスチャー。
無論ジェスチャーだけだが。

   「……でも、なんでしょうね」

自分の手を見つめる。
ぐ、ぱ、と握ったり開いたりして……『斬撃』の感触を思い出す。
思い出すに、ゾッとする。
人を斬る感触――――

   「………………………『クセ』になっちゃう」「かも」

――――それがこんなにも、『甘露』だなんて。
きっとそれは、『なにか』を乗り越えた快感を勘違いしているだけなのだろうけど。
それでもその錯覚は、流星の中でふわふわと自分の居場所を探しているように感じられた。

174『ある日のアリーナ―タチムカウ―』:2016/06/25(土) 15:59:59
>>173

「そういうのいいから」

流星のジェスチャーに釣れない態度をとる周防。
その間に白衣の女が軽く流星の左腕に触れる。
少し傷が痛んだがすぐに消えた。
治療が済んだらしい。

「ふふ。」

「いいじゃない。あなた」

人を切ったことのある人間がこの世に何人いるだろう。
流星は貴重な経験をした一人なのかもしれない。
『クセ』になっちゃうかもと口にした流星。
それを聞いた周防はにこりと笑い、何度か流星の頭を撫でた。

「いつか縁があったらまた来なさいな。あなたが望むなら、だけど」

「これはどうしようかしら。最後の最後で頑張るかと思ったけれど……クビって約束だったものね……」

ぺちぺちと手の甲で防人を叩く周防。

「そういえば、約束の賞金はもうじき来るわ」

「楽しみにしておいて」

175流星 越『バングルス』:2016/06/26(日) 00:35:49
>>174

   「お褒めに預かり恐悦至極であります軍曹殿」

撫でられるがままに撫でられつつ、周防の目を見る。

   「……ええ、またトチ狂ったら遊びに来ます」

そう、トチ狂ったら。
こんなのは『正気の沙汰』じゃないのだ。
良くも悪くも……また、『トチ狂ったら』。

防人については何も言うまい。
そもそも『連敗中』という話だったし、それは彼の問題だ。
自分が踏み入るべきではない。

   「そちらも楽しみにしておきますね」

   「いつか『私の財力は無限だ』とか言ってみることにちょっとした憧れがあるので」

176『ある日のアリーナ―タチムカウ―』:2016/06/26(日) 00:53:17
>>175

「トチ狂ったら、ね」

「イカれた時代へようこそってならない限り無理かしらね」

髪をかき上げる。
異常な非日常。
本来は流星がいる世界ではない。
一線だ。あまりにも簡単に飛び越えられるがその溝は深い。

「ほら、お金が歩いてきたわよ」

「……」

ドアを開けて人が入ってくる。コハルだ。
手には封筒があり、両手で流星へと手渡した。

「お約束の30万です。お確かめください」

さて、治療も受け賞金も受け取った。
やり残したことはないだろうか?
なにか言っておくべきことはないだろうか?
なければ帰路につくだけだ。

177流星 越『バングルス』:2016/06/26(日) 01:32:21
>>176

   「さて、意外と既に手遅れかもしれませんが」

ま、ともかく。

   「ありがとうございます……」

         パララララララ…

   「……確かに」

   「『札束』のかおりってちょっと幸せな気持ちになれますよね」

封筒の中身をざっと確認して、礼を言う。
これで『冒険』はおしまい。
治療も済んだし、お金も貰ったし。
荷物を確認してからベッドを降りて……

   「……あ」

最後に、振り向いて周防と防人に視線を向ける。


   「ハードな『プレイ』は、ほどほどにしてあげてくださいね?」


それだけ言ったら……家に、帰ろう。

178『ある日のアリーナ―タチムカウ―』:2016/06/26(日) 02:00:41
>>177

「若い時からそういう匂いを覚えるとよくないわよ」

「手遅れだけど」

ぺこりと頭を下げて先に退室するコハルと白衣の女。
帰ろう。家に。元いた世界に。

「……」

最後の最後、流星が投げかけた言葉に周防はため息をついた。
そして、今まさに去ろうという背に周防は言葉を投げ返す。

「ウチの人、両方もいけるの」

なんの両方だろうか。
周防はそのあと舌打ちらしき音を出した後、また声をかけた。

「『次はお前の腹をかっさばく』ですって」

「それじゃあね」

今度こそお別れだ。
控室の扉は閉まり、闘いもなにもかもが終わりを告げる。
いつもの日常が帰ってくる。

「……あの」

「敗者は語らず、よ」

「いや、俺、再挑戦とか……」

「痛っ!」

全ての人に日常が訪れる。
だからこそ、非日常がエッセンスとなるのだ。

『ある日のアリーナ―タチムカウ―』→閉幕

流星 越『バングルス』→勝利
               『30万』獲得
               『左腕亀裂骨折』(治療済み)

防人 修治『ボーン・トゥ・キル』→敗北
                     戦闘の傷が消えたがその夜新たに傷を作る。

179『ある日のアリーナ―タチムカウ―』:2016/06/26(日) 02:02:27
【人生再生計画】防人修治のスタンド。
血管のような赤い筋が入った骸骨のヴィジョン。
触れた武器を取り込み、『肉体』を変形させる能力。
武器はレプリカでなく実際に使えるものでないといけない。

本体かスタンドが手で触れた武器を取り込む。変化には2秒を要する。
取り込まれた武器に応じて、触れた手などが変形する。
変形によって手のひらは失われ、モノを掴むことやさらなる変形が封じられるが
解除することで再度、手で触れることが可能になる。
普段は脆弱であるが武器に変化した部位のステータスは向上する。
しかしそれは武器を扱っている最中に限る。

器具型スタンドに触れた場合でも取り込んで変化出来るが
本体の許可がなければできず、能力の継承は起きない。
なお赤い筋は変化した状態でも引き継ぐ。

強度はパBのラッシュなどで破壊可能な程度
破戒されるほどのパワーを受けると、強制的に解除される。

『ボーン・トゥ・キル』
破壊力:D スピード:C 射程距離:D
持続力:D 精密動作性:C 成長性:D

『ボーン・トゥ・キル』の変化の一種。
『刃物』を手にしたときに起こる。

前腕が取り込んだ刃物と同じ形状になる。
長さは決められるが3mまでである。

第一の変化『スタッブ・ユア・バック』
破壊力:B スピード:C 射程距離:D
持続力:- 精密動作性:C 成長性:-

『ボーン・トゥ・キル』の変化の一種。
『銃』を手にしたときに起こる。

前腕が銃身となり、肘から肩にかけての部分が銃床のようになる。
弾丸を発射することが可能になる。
射程距離は10m。弾数は1で発射後肘を曲げて排莢することで、リロードする。
ただし一度肘を曲げて排莢する必要がある。
弾に回転を与えて軌道を変化させることが出来るが一度決定した軌道を変えることはできない。
また撃つ際は腕をまっすぐ伸ばす必要がある。

第二の変化『アローン』
破壊力:B スピード:B 射程距離:C
持続力:- 精密動作性:C 成長性:-

『ボーン・トゥ・キル』の変化の一種。
『長い棒状のもの』を手にしたときに起きる。

前腕が棒になる。
棒は本体の意志で三段階の伸長、縮小が可能で
縮小して1m二段階目で2m三段階目で4mまで伸ばすことが出来る。
伸縮のスペックはパスCB。

第三の変化『スマッシュ・イット・アップ』
破壊力:C スピード:C 射程距離:D
持続力:- 精密動作性:C 成長性:-

180『ある日のアリーナ―タチムカウ―』:2016/06/26(日) 02:03:24
★氏名―防人 修治
★スタンド―『ボーン・トゥ・キル』
★能力―武器を取り込み変形する人型スタンド。
★性別―男 ★年齢―35 ★血液型―B
★髪の色―黒 ★瞳の色―灰 
★趣味―猟 ★身長―172cm 
★好きな映画―酔拳 ★好きな色―金
★性格―面倒くさがり。
    割とネガティブ思想。
    悪態はつくものの根の部分が奴隷根性なところがある。
★外見―短髪。スーツを着崩しアクセサリーを多用する。
★備考―元警察。それ以降はヤクザとなるがスパイの容疑を掛けられ脱退。
    死にかけていたところ、現在の雇い主である周防 一稀に発見され助けられる。
    現在使っている名前は偽名であり、本名は『真賀津 了嗣(まがつ りょうじ)』
    最近の悩みは薄着で出歩けないこと。

181『ある夏の思ひ出』:2016/08/10(水) 00:11:17

『「できること」が増えるより、
「楽しめること」が増えるのがいい人生』

                              ―――――――斎藤茂太

182『ある夏の思ひ出』:2016/08/10(水) 00:22:40
それはある暑い暑い夏の日のことである。
まだまだ夏の日差しは強く、また日に日にその力を増しているように感じられた。
しかしそんな夏の脅威もなんのその。
空調のよく聞いた車内では夏の暑さなどスクリーン一枚隔てた作り物の世界のようだろう。
そんな快適な場所に遊部と葉鳥はいた。

「いやあ、どうもありがとうございます〜」

運転席に座る女性があなたたちに声をかける。
黒いおさげに眼鏡。私服の上にエプロン。おっとりした雰囲気。
お姉さんという感じの女性だ。

「短期といえどわざわざお越しいただけて、嬉しいですよ」

「えへへ」

にこにこと運転している。
辺りを見れば木、木、木。森だ、というよりは山の中だ。
彼女との出会いを回想するのも、日常会話に浸るのも、それとも目的地の到着を待つのも、自由だ。

183葉鳥 穂風『ヴァンパイア・エヴリウェア』:2016/08/10(水) 00:57:14
>>182(GM)
>遊部

――前回までのあらすじ。
私立清月学園の高等部一年生。ある事情から家出しており、1人暮らしをしている。
そんなある日、生まれて初めて『スカイモール』に足を踏み入れ舞い上がった穂風は、
思わず『夏服』を買いすぎて趣味費が危うくなったので、お金稼ぎをすることにしたのだ。
(参照:ttp://jbbs.shitaraba.net/bbs/read.cgi/comic/7023/1453647744/92-107)

そういうわけで――穂風には今、特にお金が必要だった。
海にだって行きたいし、水着も買わなきゃだし、お祭りも行ってみたいし。

「い、いえっ! あの……
 その。私、がんばりますので!」

        「……え、えへ。」

そして、あえてこの仕事を選んだのは、『興味があった』からだ。
穂風の強い好奇心は、新たな体験という甘露を求めている。

怪しい。危険かもしれない――
そう窘められもしたが、それは押し切った。

(お手伝いさん、かぁ……
 昔、よく見ていたけれど……やるのは初めて。)

     (上手く、出来るかな……
       ううん、やらなくちゃ……!)

窓の外の風景は樹、樹、樹……山の中を走っていると実感する。
どんな屋敷なんだろう。好奇心が刺激される。

  チラ

ふと、隣に座っている女性の事が気になった。
自分と同じ仕事を、この後一緒にする事になる相手。話しかけてみよう。

「……あ、あの。」

「今日は、その、よろしくお願いします。」

       モゴ


上手い言葉が思いつかず、やや煮え切らない口調であいさつした。
そういえば、車に乗る前にあいさつなどはしていただろうか――少し思い出してみる。

††††††††††††††††††††††††††††††††††††††††††††††††††††††††††††††††††††††††††††

自らを様々な『雨具』に組み立て直す、異形の半自立型スタンド。
能力は触れた液体の吸収と保管。そして、それを『雨』として降らせること。

『ヴァンパイア・エヴリウェア』
破壊力:D スピード:B 射程距離:C
持続力:A 精密動作性:C 成長性:C             

†能力詳細†
ttp://jbbs.shitaraba.net/bbs/read.cgi/comic/7023/1453050315/5-6

†持ち物†
スマートフォン、ティッシュとハンカチ、スポドリ(500ml)、財布(ぺらぺら)

†外見†
赤い髪と赤黒い瞳、大きな黒いリボンが特徴的な少女。身長163cm。
服装はゆったりした黒いシャツに、ショートパンツ(どちらもピカピカの新品)

キャラ詳細:ttp://jbbs.shitaraba.net/bbs/read.cgi/comic/7023/1453050739/7

††††††††††††††††††††††††††††††††††††††††††††††††††††††††††††††††††††††††††††

184遊部『フラジール・デイズ』:2016/08/10(水) 19:52:42
>>182(GМ)宜しくお願いします。レス遅れ失礼しました
>>183(葉鳥)

クーラーのついた車内。空調も良く出来ており、客人及び雇う者にも
気配りを忘れぬ笑顔と態度。運転席にいる、この『四人』の中で一番年上の方は
優しい容貌をしつつも『出来る』人であるのだろう。
 それに対し『私』も愛想を忘れない。
膝の上に両の手を重ね、『黒い髪』が肩にすこしドクロ巻くのを指で修正
しつつ穏やかな物腰で応じる。

>短期といえどわざわざお越しいただけて、嬉しいですよ

「いえいえ、『わたくし(私)』も。このような空気が爽やかで
緑豊かな所で、そちらのような気風良い方と共に過ごせて光栄ですわ。
 うちのものにも見習わせたいぐらいですもの
    ――ねえ? 『トレ』    」

 『……色々と返したい言葉もあるものの、概ね、その通りで御座います』

『二人』 だ。

 『私』以外にも、もう一人。
『ヴィクトリアンメイド』服を身に纏った。
 茶髪で眼鏡をかけ、少しきつめの目元と固い雰囲気を宿した人物がいる。
もう一人の娘(葉鳥)と私が同席であれば
その従者が助手席で、無乾燥に私の朗らかな声に背中越しで振り向きもせず返したであろう。
そして、続けて運転手である彼女に対し無造作に言葉をかけるだろう。

『改めての確認のようですみませんが、そのお世話する二人の名前に
それにお好きなものや趣味嗜好をお伺いして宜しいですか?
 何分、一メイドとして多少は相手の事を知らないと落ち着かないもので』
 そう、ぐいぐいと『メイド』は運転手である彼女に質疑をぶつける。

 そんな『トレ』に苦笑を少し浮かべてから、隣の女性が挨拶した事で顔を向ける。
>今日は、その、よろしくお願いします

 「いえ、こちらこそ宜しくお願いしますね。改めて私、『レミ』と言います
畏まらなくて良いのよ? 年も同じようですし、親しいお友達と思って
どうか私と接してくださいね?」

 そう、微笑んで手を差し出し握手を求める。
恐らく出発地点では軽い挨拶をしたものの、赤の他人ではあるし
社交辞令程度で、そこまで深く相手の事を掘り下げなかった筈だ。
 無論、私もそこまで深く自分の事を探られる気は毛頭ないが。

 彼女が誰であり、何故『私』がこの依頼を受けたのかは……。

それは、『数日前』に のぼる。

185遊部『フラジール・デイズ』:2016/08/10(水) 20:18:38
清月舘の一つの個室に、ピンク髪の女性が丸椅子に座りつつパソコンを凝視する。
 その画面に映ってるのは一つの簡素な仕事内容が表示された短期バイトだ。
「……これ、貴方はどう思う?」
 『答えがNOである事を承知で聞いてるのか? 俺に』

個室にいるのは少女以外、もう一人いた。歳月を経た太い男のような声だが
ピンク髪の女性が振り向いた視点には、奇妙にも瓜二つの外見した少女が
元は可愛らしさがある容姿を不愛想で半眼に近い顔つきで台無しにして
睨むようにパソコンを見る彼女を見ていた。

 「意見を聞きましょう」

『愚問だな。年が若いかも知れないが知らぬ異性二人と一つ屋根の下で
短いながらもいる。おまけに場所は山林の深く公共機関はなしに等しい。
電波が遮断され助けも求められない場合、お前はどうする? 
 例え俺が表に出る状況になってもだ。双方無事で終わる保証などない。
考え直してみろ、レミ。俺は、お前を、玲実が傷つく事態がないよう
最小限の道を選ぶべきだと思うがな』

 彼女、いや彼は『ライ』だ。
私、いや『私達』は玲実と言う存在の片割れ。一つの大きなパズルのピースの一つ
『多重人格』と言う社会で呼ばれるのが私達。
私が、私という自我や魂とおけるものを持ち合わせてたとして、それは『玲実』の
元の力でしかない。そう私を取り巻く世界は告げるだろう。それは構わない。

「けどねライ。前も言った通りよ。
私達は、変わらなければならない。穴倉に閉じこもるばかりでなく外を知らなければならない。
玲実は、いずれ巣立つべき存在よ。その時の為にも私達が力を付けなければいけない。
 貴方も出来る限り手伝うと約束してくれたじゃない」

『社会に反さぬと言う条件でな。そして、社会とは誰かの意見により容易に変化する。
レミ、何も無理に茨の道を進まなくても良いだろう? もっと、お前達に相応しい
安全で、子供にも優しい依頼を受けるべきじゃないか?』

「貴方が女性子供に気を遣ってくれるのは嬉しいわ。でも、これとそれは別の問題よ。
玲実は成長するべきだわ。フラジール・デイズと言う貴方と言う存在も含めてね
その為には実体験を学ばなければならない。知識だけではどうにもならない事を覚えなければ』

『そうは言うがな……』

そう言うやり取りを、私は、私達の一部である人格。ベソと、ある特殊人格を除いて
意思疎通の行える八人と仕事の許可についてを半日かけてフラジール・デイズを通し相談した。
 ライは長く肯定を渋ったが、私の決意と他の賛同のある事。そしてライを演じてるとはいえ
核はフラジール・デイズである。数分ていどしかストレスのない状況では活動できないのに関わらず
よほど指導が上手いのか、ほぼライと言う存在に等しい演者であるフラジール・デイズだったが
最終的には、投げやりな態度で勝手にしろと舌打ちまじりの返事ながらも許可を出してくれた。
 
フゥー...
 私は、一旦『フラジール・デイズ』を解除し吐息をつく。何はともあれ
これで腰を入れて『依頼』を受ける事が出来る。
そして、この『依頼』に合う従者が必要だ。私達の人格の内の、適した人物が。
 「……ダイヤの三番、彼女ね」 
 レミである私は、呟いて衣類を一旦脱ぎ捨て茶髪の鬘、そしてブルーの
カラーコンタクトを目に入れると共に。

   ズズズズゥ……

 『トレ』  『フラジール・デイズ』を再発現した。

186遊部『フラジール・デイズ』:2016/08/10(水) 21:07:15
『本体そっくり』な『役割を演じる』人型スタンド

『フラジール・デイズ』Fragile Days
破壊力:D スピード:C 射程距離:A(300m)
持続力:C 精密動作性:C 成長性:C
能力詳細→ttp://jbbs.shitaraba.net/bbs/read.cgi/comic/7023/1463236020/6

遊部 玲実
『レミ』の持ち物
ハンドバッグ
スマートフォン、ティッシュとハンカチ、赤い財布(金銭は五千円ほど)
化粧道具、整髪スプレー、カラーコンタクト、中身のない香水瓶

外見:ピンクのポニーテイル。カラーコンタクトで現在青色の瞳。身長161cm
ゆったりとした緑色の上着に、白系統のカットスカンツ

フラジール・デイズ『トレ』
外見:茶色の長髪、赤い瞳をしている(本体発現時の変装)。服装はヴィクトリアンメイド
持ち物:携行してるのはメモ用紙と筆記類、防犯ベル、バーべーキュー串数本
トランク
両側にちょっとした引っ掛けのようなのが付いたルーペ。普通のルーペ
パチンコ用ゴム。黒系統の財布(多少の小銭と二千円札が一枚)
バーべーキュー串十数本、洗面道具及び本体とトレの下着と衣類数着

性格『役』
ダイヤの3。『メイド』の『トレ』
性格は無味乾燥に近く元々のフラジール・デイズに近い。本体を『お嬢様』と呼ぶ
ハウスキーパーとしての仕事が自分の務めであると認識してる。
 仕事に対しての姿勢と意欲は大いにあり。その仕事で何をすれば相手に
より良い環境を築けるかを独自及び他者の意見とりいれ活動する。
 生理反応、涙、汗なし。異性同性からのセクハラ等に対し冷淡に言語で皮肉を返す、また
複数回行われれば本体が止めない限り『自衛』する。(自衛の内容は過度な肉体接触
でない限りは相手への張り手とする。過度な接触の場合相手の急所攻撃を許可とする)
 第一として『お嬢様(本体)』を守るのが務め、第二に依頼を遂行する事を
優先事項として動く。また、お嬢様との間柄は幼少期から顔見知りの上下関係の垣根
低い主従関係という成りあい。本体との関係を聞かれた場合、そう答える。
 昔の細やかな住処や、生活環境など詮索された場合。『そのようなご質問はお嬢様の
許可がない以外ではお答えしかねます』と無表情で返すと決めている。 
 また、第一のお嬢様を守ると言う事情から依頼をこなす事以外では本体の目に付く
傍に控えている。と言う行動を行う。

 また、スタンドが見える事が露見、示唆された場合。
『フラジール・リアクト(脆弱な反応)』と言う架空の能力を開示し
『私は自分自身に限り生理反応を自由に止める事が出来ます。御覧の通り
この太陽が照りさす中、私は汗一つないでございましょう?』と真の能力を隠蔽する。

187『ある夏の思ひ出』:2016/08/10(水) 23:26:54
>>183 (葉鳥さん)

「えぇ、一緒にかんばりましょうねー」

「ちょっとお泊りになっちゃうしれないけど大丈夫かしら?」

やはりにこにこ笑顔を崩さず話す。
車に乗る前の事を思い出す。
最初に集まったのは駅前であった。
定番ともいえるような待ち合わせ場所で、プラカードを上げていたのがこの女性だ。
名前を逢坂 冬美(おいさか ふゆみ)という。
挨拶もそこそこに始まったのは『審査』らしかった。
らしかったという表現を使われたのは、逢坂が何度かきていたメンツの顔を見回しただけだったからだ。
車に乗る直前、やはりにこにこ笑顔で「あなたなら大丈夫よ」と逢坂は言葉をかけた。
……葉鳥は知っている。『審査』と評して顔を見られているとき
逢坂の茶色の瞳はなぜか『エメラルドグリーン』になっていたことを

>>184-186 (遊部さん)

「はい。お世話、というか皆さんにお相手いただくのが鍋師 陽(なべし はる)君と伏見 響(ふしみ ひびき)君です」

「二人ともまだまだ子供で……というか、子供のままでいてほしいというか……えへへ」

「二人とも可愛い男の子ですよ。とってもとっても」

にこにこ笑顔の逢坂。しかしその笑みは先ほどよりも少し違う雰囲気を纏っているようであった。

「陽君は活発なタイプですね、響君は……うーん、本を読んだりするのが好きみたいですよ」

「仲良くしてあげてくださいね」

(>ミッションなど、GMや判定者が存在する場では、原則的にGMが『NPC』としてこのスタンドを動かす。
と、ありますが遊部PLが希望されるならスタンドの操作をお任せいたしますが、いかがいたしましょうか?)

「それと、肘肩張らなくても大丈夫ですよ。私、こうみえても長いんです」

運転中でなければどんと胸を叩いていただろう。

>>ALL

「あ、そういえば皆さんに質問なんですけれど」

「私の瞳、色変わったの分かります? 目の色変えるって意味でなく本当の意味で」

逢坂がそう問う。
車内のミラーなどで彼女の顔は確認できるだろう。

188葉鳥 穂風『ヴァンパイア・エヴリウェア』:2016/08/10(水) 23:46:42
>>184(遊部)

「あ、ええと、はい!
 私『穂風(ほふり)』っていいます!」

「仲良くしてください、レミさんっ!」

  ニコ

晴れ晴れとした笑顔で、握手を返した。
もう一人――『トレ』という女性も気にはなる。

(メイドさん、だよね……
 この人もバイトなのかな……?)

(レミさんとは、知り合い……みたいだけれど。)

話を聞くに、そのように思えはする。
どこか不思議な雰囲気の彼女には少し萎縮しつつ――

>>187(GM)

「あ……は、はい! 大丈夫です。
 私、お泊りって初めて、なのでその。」

「楽しみですっ!」

今の状況が長い長いお泊り――
だとは思わない。元の家に帰る気などない。

穂風は、新しい人生を楽しみたい。
日程的な意味でも、ちゃんと調整してある。

(陽くん、と……響くん。
 どんな子なんだろう。仲良く出来るかな……)

     「あ、はいっ?」

頭の中にまだ見ぬ二人を思い描いていると――

「瞳、ですか……? あっ。」

質問の言葉に、思い出した。
初めて出会い、受けた『審査』の時。

「あの、はい。分かります。
 けど……その、『あれ』って、どういう……?」

        モゴ…

    「何を、その……『視た』んですか?」

ややはっきりしない口調になりつつ、穂風は問う。
車内のミラーに写る『逢坂』の瞳の色は、何色だろうか――?

              ・・・あの時は、緑っぽく見えたけれど。

189遊部『フラジール・デイズ』:2016/08/11(木) 00:16:58
>>187-188
(GMのほうで操作をお願いします。よろしくお願いします)

泊まり込みになる可能性を予測して着替え数着を用意したのは
正しかったようだ。サスペンスなどなら、この後の展開でクローズドな
舞台となり惨劇が展開されるが。そんな急展開はないだろうと考えつつも
何が起きるか解らないのが未来だ。
 鍋師 陽(なべし はる)君
 伏見 響(ふしみ ひびき)君
前者は活発で大人しく、後者は物静かなタイプ。その提示された情報が
作為的なものかは不明だ。ミステリー作品などであれば、どちらも私と
フラジール・デイズのように瓜二つの双子のようで、取り換えっ子のような
トリックが生じたりしたりなどするが……と、止めよう。そのような妄想で
隣の少女との話を阻害するのは滑稽だ。
 私は微笑みを維持したまま軽く頷き。
「えぇ、宜しければ空いた時間にでも。色々と互いの事を話せればいいわね」

 葉鳥に、そう告げて置く。この少女も『依頼』を受けた者である以上。この運転手や
目的地にいる人間たちとは全くの部外者であり。少なくとも『私達』を脅かす意思
は限りなく低いだろうと受け取られる。なら、味方につけておくべきだ。
 
 ……気になるのは逢坂の雰囲気だ。
彼女の纏う気配。それが微妙に変化した気がする。これは……何だろう?
 変わった切っ掛けは『兄弟』の話からだ。ならば、推察されるに兄弟に何か
秘密がある、と考えるべきなのかも知れない。私達も他人に暴露されるのが
忌避されるのと同じように……。この事に関し追及するのは今の所避けるべきだ。
 『トレ』がもし、今の変化に追及するような事があれば直ぐに口を挟む事にする。
>私の瞳、色変わったの分かります? 目の色変えるって意味でなく本当の意味で

 「……そうですか? もしかすれば、変わったかも知れませんけど。
日の光の反射の関係などで見間違うこともありますからね」

 どう言う意図で告げてるのか。これは『選別』するための言葉かも知れない。
この質疑により、もしかすれば『私達』を脅かす要因が発生するかも知れない。
 型破りな発言もしようとすれば出来る。だが、今は普通の人間の振りをするべきだ。
『トレ』も、この質疑に関しては。無味乾燥に『知りませんね』と告げてくれる筈だ。
態度が鼻につかれるかも知れないが。知らずの内に虎の尾を踏む事になるより余程良い。

190『ある夏の思ひ出』:2016/08/11(木) 00:33:49
>>188 (葉鳥さん)
>>189 (遊部さん)

「視た。いい質問ですね」

それぞれ違う形で二人に思いをはせながら車は進んでいく。
そして、逢坂の問いに反応し、また問いを返す葉鳥。
遊部もその問いに答えを返す。
スタンドは、逢坂の変化に追求せず、また逢坂の問いにもそっけなく知らないという意思を告げる。

「信頼が必要です。私もあなた方も。だから、種を明かします手の内晒します。えへへ」

逢坂の瞳は『エメラルドグリーン』だ。
しかしそれ一色ではない。
白い忍冬唐草の模様、そして瞳の中央で唐草模様がハートを描く。
奇妙な目だった。

「『ルック・オブ・ラブ』」

「鑑定し、判定し、調べ、探す。私の瞳のスタンド能力」

「ま、超能力です。これによって適正の高い皆さんを今回のお手伝いさんに選んだってことです」

「謎が残るとすれば、私の隣のあなたですけどぉ。いいですいいです。気にしません」

からからと笑いながらハンドルを切る逢坂。
舗装されていない道に出ているのかがたがたと車が揺れる。
逢坂の緑色の瞳は一切ぶれずに前を見つめている。

「ここだけの話、陽君も響君もそういう超能力を持っています」

「勿論、それでイタズラしたりすることはないですけどね。そういうことがあるというだけ、ご留意くださいね」

「えっと、そろそろつきますけど、他にご質問あります?」

191葉鳥 穂風『ヴァンパイア・エヴリウェア』:2016/08/11(木) 01:01:31
>>189(遊部)
>>190(GM)

「は、はい! 私も……そう思います!」

穂風はレミの提案に、そう答えた。
快い思いからの答えだ。友達が増えるなら、それは嬉しい。

そして――

「あ……『スタンド』能力、」

               ≪――に御座いますか。≫

     パタ            穂風に重なるように、像が浮かぶ。
                   蝙蝠の頭骨のような顔、老爺の声。
         パタ        そのヴィジョンは、傘を人型にしたような。

「……もう。」

               ≪……失礼を、お嬢様。≫

穂風は勝手に出てきた『従者』に眉を顰める。
とはいえ、紹介が必要な状況と、分かっている。

だから任せよう。

「しょうがない、から。
 それじゃ、自己紹介、して。」

               ≪勿論で御座います――とはいえ。
                 どうか、手の内まではご容赦を。≫    

               従者は心配する。
               二人のスタンド使いの子供。
               敵ではないにせよ――心配は要る。

「…………」        ≪私めは『ヴァンパイア・エヴリウェア』。
                 お嬢様乃の忠実な従者にして――――≫

               ≪いえ、失礼……皆さま、どうかお見知りおきを。≫

「ありがと……じゃあ、解除する、から。」   

                ≪必要になりましたら、お呼び立てを。≫

「……分かってるよ。」   

               シュン

従者を名乗ったスタンドは解除され――穂風は小さく息を吐く。

「あの、ええと、その……
 今、言っていた通り、で。私も、スタンド使いです。」 

(……あ、じゃあ、レミさんやトレさんも、スタンド使いなんだ。)      

丸い目を、消えた従者から、レミに向いて。
それからミラーに写る『トレ』と――そして逢坂へと向けて。

「……それで、ええと。質問とかは……あのっ。
 聞いていいのか、分からないんです、けど。
 二人は、どういう能力を、その。持ってるん、ですか?」  

このあとするべきことのために、真っ直ぐに飛んでみることにした。

192遊部『フラジール・デイズ』:2016/08/11(木) 09:48:22
>>190(GМ)
>>191(葉鳥)

 ――まさか、こう言う事態が起きるとは……。
臍を噛む、とはいかぬものの。行き成り二人とも『スタンド使い』
である事を公言するのは、正直なところショックであった。
 人とは違う力、それはえてして周囲に良い感想を抱かぬというのが
どんな物語や作品の群像劇でも馴染み深いもの。故に私も、その力を開示するのは
避けるべきだと思ったが、そう言う鑑定の能力だからこそ採用された……か。

 (まぁ、まだ慌てるべきではないわ。何より……『こう言う場面』こそ
私が最も輝けるべき時)

 私は『レミ』 玲実の中で一番の交渉と話術に適した者。彼、彼女等の先導者。

「……トレ、許可しますから、お話しなさい」

 静かに、助手席にいる『トレ(スタンド)』に促す。
そうする事で、わかりましたと不愛想気味に呟きつつ設定した>>186
『フラジール・リアクト』の能力を説明する筈だ。

>『ヴァンパイア・エヴリウェア』 どうかお見知りおきを

「あら、まぁ……ご丁寧にどうも。こちらこそ、宜しくお願いしますね」

慌てず騒がず、隣に現れた穂風さんの傘たいなスタンドに会釈する。

そして、私の回答は……。
 
 「……私の能力は……そうね、あるにはあるけど、使い難いですし
どう説明すれはいいものか」

 そう、少し言葉を彷徨わせてから。

 「……私の力は、誰よりも心から信じてる相手にしか作用出来ませんの。
決して恐ろしい力でもありませんし、悪用するならば悪戯程度には使えますかも
知れませんが……いま、私がこの力を使えるとすれば、『トレ』のみですわね」

 そう、自分のスタンドの名前は開示せぬものの、微笑みを浮かべ受け答えする。

嘘は、ついてない。【望まぬ相手の指定】は『トレ(スタンド)』だけにしか
指定出来ない、そして自分はこの中で心から信頼出来るものは『トレ(スタンド)』のみだ。

 更に、能力の概要を教えて欲しい強請られた場合。少し目を伏せ、こう言うつもりだ。

 「御免なさいね……昔、人と異なる事で謂われない責め立てをされたので。
余り、公開したくないの」

 繰り返すが、間違った事は言ってない。ただ、完全に真実を曝け出すつもりはない。
私達は、私達の平穏を守り抜く為ならば如何なる手段も使うだけだ。それが
倫理や社会的な規範を激しく犯すようなものでない限りは。

193『ある夏の思ひ出』:2016/08/11(木) 14:18:32
>>191 (葉鳥さん)
>>192 (遊部さん)

逢坂:「あぁ、これはご丁寧に」

   「私は逢坂冬美。よろしくお願いしますね」

   「同じ従者どうし、ね」

逢坂は『ヴァンパイア・エブリウェア』に挨拶をする。
トレも含めれば従者三人という状況である。
お手伝いさんとしてこれから働くことを考えれば五人だ。

逢坂:「能力、ですか。そんなに大変なものではないですけれど」

   「陽君は他の人の力を借りる能力」
 
   「響君は……すいません。本人から言わない様にと言われてまして」

   「凄くデリケートというか本人もあまり人前で見せびらかすものでもないと」

   「私は見せびらかしますけど」

葉鳥の問いに答える逢坂。
あっさりと答える。その言葉に嘘があるようには思えない。
そこまで重要視していないということだろうか。
警戒を抱いていないとも取れるかもしれない。
子供たちに、そしてあなたたちに。

トレ:「はい。お嬢様」

逢坂:「お、あなたも従者さん?」

トレ:「……私は自分自身に限り生理反応を自由に止める事が出来ます。名前は『フラジール・リアクト』」

逢坂:「おおー」

トレ:「なにか?」

逢坂:「ううん。なんでもありません」

トレは事前の取り決め通り、架空の能力を開示する。
トレは主人のよき従者だ。あなたの与えた役割に反することはないだろう。
それをちらりと、運転中でありながら視線をよこす逢坂。
そして、目を真ん丸にしてから、視線を前方に戻す。

逢坂:「これはこれは……独特の能力をお持ちですねぇ……」

   「いえいえ、大丈夫です。普通なら一般の方々がするお仕事、問題はありません」

スタンドについての追及はない。
やはり気にしていないというか、それをする必要がないと認識しているのだろう。

逢坂:「さて、ここです。ここ」

車が止まる。目の前には一軒家。
山小屋、ロッジという雰囲気ではない。
別荘、そういう呼称が似合うものだ。華美な装飾こそないが綺麗に手入れされているのが分かる。

逢坂:「それではしばらくの間、よろしくお願いします」

車からでた逢坂がドアを開ける。
陽の光がきらきらと木の間から差し込んでいるが、不思議と街中よりも暑さを感じない。
頬を撫でる風は涼やかでおいしい空気を運んでくれる。

逢坂:「では行きましょう」

特に何もなければ家の中に通されるだろう。

194葉鳥 穂風『ヴァンパイア・エヴリウェア』:2016/08/11(木) 23:10:59
>>192(遊部)
>>193(GM)

蝙蝠傘の従者は、消える前に返答に礼を返した。
そして――残された穂風も、返答に小さく頭を下げて。

「力を、借りる……ええと。
 そのっ。ありがとう、ございます」

        「あの……教えていただいて」

具体的にどういう能力なのかは、図りかねた。
もう一人――『響』の言い分も、十分に穂風は理解できる。

(スタンド使いだって知られたら、危ないこともあるしね……)

つまり、『レミ』の言い分も理解できるということ。
穂風もそういう経験は、ある。内なる従者の頷きを感じる。

(『生理反応』? ……?)

『トレ』の能力については――これも、意味を図りかねた。
そうこうしている内に、車は止まって。

「わ…………」

      ストッ…

降車して、辺りを見渡した。
別荘――自分が住んでいた屋敷とは違う、晴れた雰囲気の一軒家。



(すごい……空気が綺麗だし……お日さまも、風も。
 きっと、雨も……こういうの、テレビとかで見た事だけはあったけど……)

      キョロ
           キョロ

「は、はいっ! よろしく、お願いします!」

          ト トトト

しばし辺りを眺めたり、見回したりしていたが――逢坂の言葉を受け、後に続く。

195遊部『フラジール・デイズ』:2016/08/11(木) 23:59:38
>>193(GМ)
>>194(葉鳥)

  鍋師 陽(なべし はる)…他者の力を借りる
 伏見 響(ふしみ ひびき)…不明。然しながら公衆に見せる事を
忌避する能力。予測として殺傷力のある広範囲系の能力者?

 真偽は解らぬものの、前者も後者も中々曲者らしい。
前者の少年の力の詳細によれば『トレ』が、私の力の一部である事を知られる
可能性もある。いや、逢坂の能力の『鑑定』と言うのも、もしかすれば既に『トレ』が
私の分身である事を看破してるのかも知れない。先ほどの、感嘆の声らしきものも
もしかすれば、だ。……だが、それに動揺を示す事はないだろう。他者の能力に悪戯に
関与するような性格では一先ず彼女等は無さそうだ…。

 >それではしばらくの間、よろしくお願いします

「えぇ、有難う御座います。こちらこそ……
トレ、トランクは重いでしょう? 私も運ぶのを手伝うわ」

 荷物で持ってきた衣類や洗顔道具類を詰めたトランクを車に
積むとすれば、普通考えれば後ろのボックスだ。平均的な女性並みの
力を『フラジール・デイズ』は所有してない。そして姿形から相応しく
『トレ』は華奢だ。私とトレがくっつき運ぶ事になっても何ら不思議でない。

 「……黙って聞いてて。少し演技に訂正と付け足しするわ」
近づいて、共に荷物を運びつつトレに耳打ちする。

「『フラジール・リアクト』について、また詳細聞かれた時。
生理反応でなく生理現象と次は告げなさい。彼女(葉鳥)、少し
不思議そうな顔してたわ。それと、続けて『私も一応女性ですので
品性が著しく欠ける話題になりますので、くれぐれも内密に』と、ね…」

 『生理反応』でもニュアンスで伝わったかと思うが、汗、涙、くしゃみ
げっぷ、及び月経などの女性ならではの生体の仕組みに及ぶものの
説明となれば、余り大っぴらげに話す事でもない。スタンドの力となると
尚更だ。こう内容を訂正すれば、次は自然と疑われる事ない。

 「それと、依頼の『兄弟』だけど。…貴方の判断で、『危害・危険』と思える行動。
スタンド能力を披露されれば、私と離れてる状態なら直ぐブザーで報せなさい。
 基本は私の傍にいる以外は逃走・回避だけども……
持ってる武器の『使用』も命の危険があれば許すわ」

  私は、良い人間ではない。もし、その『兄弟』が『私達』を脅かすものであれば
別荘と言う、この陽だまりに佇む壮観な中にいる如何に温和な人達であろうとも
容赦は出来ない。『私』は『私達』を守る為に生きている。

 『トレ』の服の裏地には『バーべーキュー串』が携行している。自衛が必須な
状況になれば、それを抜き放ち闘うだろう。殺傷力と言う意味合いよりも
相手を怯ませ、もし襲撃がある場合に時間を稼ぐ代物だ。平常、私の傍を離れる
時があるとすれば、最終的にそれは私が生き延びる時を作る状況であろう。

 「さぁ 行きましょう…
  つぼみを含んだ枝々が広がり
  そよ風を受け止めようとするのを見ると
  そこにもまた喜びがあると……
 (早春の賦:ウィリアム・ワーズワース)」

 詩を唱えると共に、『トレ』と共に荷物を運んで別荘に入る。
果たして、待ち受ける人々は一体どのようなものだろうか……。

196『ある夏の思ひ出』:2016/08/12(金) 00:35:18
>>194 (葉鳥さん)

図りかねる答えに内心小首をかしげる葉鳥。
しかし、なにはともあれ目的地についた。
温かな日差しと涼しい風に包まれながら葉鳥は逢坂に続く。

>>195

トレに近づき、持ち物を持つ。
トレはその行動に礼を述べ、遊部の傍にいる。

トレ:「はい。お嬢様。そのように」

武器の使用に関しても了承する。
あなたに従順なメイドはあなたの言葉を一字一句聞き逃さないだろう。
ただし、その武器の使用がどういう結果を生むかはまだ分からない。
逢坂曰く信頼が必要だ。

>>ALL

逢坂:「どうぞ」

扉を開ける逢坂。
そこは玄関口。通路と二階に続いているであろう階段も見える。
通路を進み、ドアを開けると広々とした空間が広がっている。

そこには、少年がいた。
ソファーに隣どうしで並んで座っている。
一つの本を一緒に読んでいるようだ。
片方は猫のような大きな瞳をした短髪で少し日焼けをした少年。
もう片方は本を隣の少年に見せている。
色素の薄い肌に長めの黒髪を結んでいて、髪は短い尻尾のようになっている。

パシャッ

後ろからそんな音がした。

197葉鳥 穂風『ヴァンパイア・エヴリウェア』:2016/08/12(金) 00:51:18
>>196(須々木)

「は、はい! どうもありがとうございます!」

     キュッ

靴を脱いで、屋敷内に踏み入った。
リボンの結びを、前髪を整える。

そして、非日常への扉が開いて。

「こっ、こんにちはっ!!」

「私、あの、葉鳥 穂風っていいますっ!
 今日は、あの、う……この家で、お二人の……」

挨拶は、はっきりと。
穂風は目を見開き、そうした。ある少女に教わったことだ。

       「あ、あのっ」

   「あ、う、ええと……」

        モゴ

そこから続く言葉が思い浮かばなくて、
二人の少年を前にモゴモゴと口を動かしていると――

「――――わっ!?」

  ビクッ

    ――後ろから妙な音が聞こえて、思わず振り向いた。

198遊部『フラジール・デイズ』:2016/08/12(金) 01:16:04
>>196(GМ)
>>197(葉鳥)

 扉を開きエスコートする逢坂に微笑と共に軽く礼を添えて別荘に入る。
トレは、このような時の反応を提示してなかったが、私に続けて感情は
伴ってないものの形式的に礼は告げてくれるだろう。

 玄関口、通路、二階。

(そう言えば、同室になる可能性もある……か)

 少々不味い想定も今になって思い浮かぶ。
『フラジール・デイズ』の能力を考えれば、睡眠・気絶が起これば自動的に
解除。携行してる持ち物や服を残して、そこで消えるだろう。
 自分とトレが同室で二人で過ごすならともかく。もし、葉鳥と三人の部屋
もしくはトレのみが使用人の部屋を使う事になった場合どうするべきか。

(幸い、まだ時間はある……部屋の間取りを覚えてからでも遅くはないわ)

懸念はあるものの、まずは部屋の造り、そして別荘にいる人物の認識が
先決だとレミは考える。葉鳥より少し遅れて進み、見えてくるのは
日に焼けた外で活動しそうな少年、それと書斎などで良く過ごしそうな
真逆な肌をした少年が仲良く二人で過ごしてる図だった。

(少なくとも、どちらがどちらで迷う事はないわね)

 「初めまして、私、レミと言います。宜しくお願いしますね…
鍋師君に、伏見君。そして、隣にいるのは私のメイドでトレと言います。
どうぞ、彼女とも仲良くしてね」

 自己紹介としては、こんな所だろう。
行き成り、下の名前で呼ぶ事はしない。そして、この二人の名字が違うのも
ある程度、その背景に抱えるものがあるだろうと判断し、追及はしない。

 >パシャッ

(……?)
 
 今の音は、何だろうか。私的にはカメラのシャッター音のようにも水音のようにも
聞こえた気がする。だが、振り向かない事に真実は認識出来ない。
 だが、これは『振り向く』のが正しいのか? もしかすれば、いまの音も
『普通』なら聞こえない音なのかも知れない……。

 レミは、その音に反応して振り向くよりも。その音に対し
『少年二人』の動向を見る事にした。
 無言で、微笑んで二人の言葉を待つ。

 今、彼らは私達の自己紹介に。
そして振り向いた葉鳥の反応及び、その発生源に対し
どのような出方を取るのだろうか……。

199『ある夏の思ひ出』:2016/08/12(金) 01:44:05
>>197-198

先に気づいたのは日焼けをした少年の方だった。

少年:「響お兄ちゃん。お姉ちゃん帰ってきたよ」

少年が話しかける。
黒髪の彼が伏見響だ。すると隣の彼は鍋師陽ということになる。
二人とも小学生ぐらいだろうか。二人とも幼さの残る顔だ。
陽の方が響より幼く感じるだろう。

響:「ん? あ。お姉さん、お帰りなさい。えっと、そちらが……」

陽:「新しいお手伝いさん!」

身を乗り出してあなたたちを見る陽。
急に膝の上に陽がきて、響は驚いた様子だ。
響の腕が陽の体に添えられる。膝から落ちないようにしているようだ。

響:「えっと、葉鳥さんとレミさんとトレさん、ですよね。よろしくお願いします」

響:「僕は伏見響です。葉鳥さん、ゆっくりでいいのでお話ししましょう」

響:「レミさんはメイドさんがいるんですね……そんな人がお手伝いさんってきんちょ……」

陽:「あっ! ピース!」

響:「え?」

二人と一体の顔を見て名前を再確認する響。
突然の音に思わず振り向く葉鳥。
後ろには後ろから歩いてきていた逢坂だった。
スマホを構えている。先ほどの音はスマホのシャッター音だったようだ。
顔には満足そうな笑みを浮かべている。

陽:「ねね! きれいに撮れた?」

逢坂:「撮れましたよぉ。ばっちりですばっちり」

陽:「もー撮る時言ってよー」

どうやら三人にとっての日常らしかった。

響:「あはは。すいません。えっと、お茶を」

逢坂:「響君。大丈夫、私がやります」

逢坂が部屋に入り奥にあるキッチンの冷蔵庫に歩み寄る。
ソファーに座って待つのもよし、それ以外をするのも、まぁいいだろう。

200葉鳥 穂風『ヴァンパイア・エヴリウェア』:2016/08/13(土) 00:42:29
>>199(GM)

    「……あっ!」

音の正体――それはこの家の日常。
非日常の予感に、張りきりすぎていたかもしれない。

(スマートフォンの、カメラの音……
 ううん、違う。それより、ちゃんと話さなきゃ。)

穂風は口下手を自認してはいる。
けれど。話し嫌いでは決してない。
大きく息を吸い込んで、それから吐き出して。

「…………はいっ。
 新しいお手伝いさんですっ!」

質問――ではないのかもしれないが、笑顔で答えた。

「響さん、陽さん、あの、よろしくお願いします!」

            ペコ

穂風は大きく頭を下げた。
相手が子供とか、そういうのは礼節に無関係の話だ。

「……あっ! あの、逢坂さん。
 お茶、私が……淹れましょうか?」

      ススッ

これは逢坂の仕事なのかもしれないが――穂風はお手伝いさんに真剣だった。

201遊部『フラジール・デイズ』:2016/08/13(土) 09:57:38
>>199(GМ)
>>200(葉鳥)

(カメラのシャッター音…)

 鍋師 陽、伏見 響。そして逢坂 冬美

当たり前ではあるが、この三人は家族当然、いや家族なのだろう。
その絆が今の1シーンだけでも見て取れる。

 「……トレ、貴方もお茶のお手伝い、お願いしてくれる?
本当は私も手伝ったほうがいいけど、貴方のほうがやはり慣れてるし…
それに、この家での淹れ方も学ばせて貰いなさいな」
 そう、葉鳥を含め三人。逢坂を手伝うとなれば台所も大所帯になるだろうし
自分のお役目は不足だ。上記の通り、お茶の一つでも、この家の通りに出来るほうが良い。

 葉鳥さんは意気込みをもって働こうとしてる。その熱意や純真に仕事を
こなそうとする姿勢は、素直に敬意は抱ける。
 私は、私で自分で他の役割を今は勤めよう。

 「ほら、髪が少し曲がってるわ…」

 そう、トレの髪を少し弄る為に顔を寄せ。

 ボソッ「『武器使用』と『ブザー』は一時リセット。また改めて支持を出すわ。
わかったのならば、無言で微かに私に解る通り頷いて」

そう、小声で演技に訂正を加える。

 ……先ほどのやり取りからも、この別荘の『家族』の絆は深いように思える。
三人ともスタンド使いであり、そしてその三人の内、一人でも何かしら被害が起きれば
残り二人の連鎖反応がどうなるか余り考えたくない。
 武器を取り出してまで自衛するとなれば、余計な波乱が目につきそうと思ってのリセットだ。
今は普通にメイドとしてトレには振る舞ってもらおう。

 トレが頷き台所へ向かったら、私は彼ら二人と少しばかり談笑する事にする。

少し彼らと適当な距離を保ち、座っていいかの許可をとりつつ口を開く。

「改めて、宜しくね。それで、余り畏まらなくて良いのよ? 伏見君
彼女と私は幼馴染のような間柄で、一応形式をもって主従関係は
保ってるけど、普段家では彼女も歯に衣きせない言い方だもの
多分、君たちのように明け透けのない付き合いだと思うわ。
あっ、こう言った事はトレに内緒よ?」
 
 そう、笑いつつ告げる。 
嘘はついていない。普段は他の人格達の演者をこなす時のフラジール・デイズは
曲解なく自分と意見のやり取りをするのだし。

 「あの…それで、お手伝いなのだけど。基本的に私は
どんな事をすればいいかしら? 私って、トレと違って他の方の
お世話ってするのは何分初めての経験だし……何に手をつけて
いいか暗中模索って状態ね」

 お手上げと、言うポーズをとる。こう言った自分の弱さ、を露呈する
事で少しは親近感がもてればいいと思う。

「鍋師君と伏見君は、私にして欲しい事って今ある?
あぁ、男の子のする遊びについては、ちょっと余り解らないけど…
それ以外なら何でもサポートするわよ」

 軽く、腕に力こぶを作るポーズと共に朗らかに告げる。
『依頼』は、通すつもりだ。私の心の内に、彼らとの信頼が紡がれるかは
ともかく。少なくとも彼らが私の領域を壊さなければ、私も彼らの領域を
極力傷つけぬように。良い関係を築けるなら、築く努力を行おう。

202『ある夏の思ひ出』:2016/08/13(土) 23:26:31
>>200 (葉鳥さん)

陽:「よろしくねー」

響:「よろしくお願いします」

頭を下げる響。陽はきゃっきゃと無邪気な笑みを向けている。
それから響に促され慌てたように頭を下げた。

逢坂:「え? んー……じゃあ、お願いしちゃおうかな」

そういうと逢坂は葉鳥を台所となっているスペースに呼ぶ。
行ってみれば調理場にガラス製の急須らしいものが三つおかれている。

逢坂:「えっと、お茶葉入れてください。そこにある奴です。大体スプーン三杯で。三つとも」

とんとんと指示を出していく逢坂。
指さしながらモノの置き場所などを伝えてくれている。
分かりにくいということはないだろう。

逢坂:「で、氷は冷凍庫のを入れてもらって、後は水入れてください。水道のじゃなくて、冷蔵庫のお水で」

どうやら水から出すお茶らしい。
やってみよう。

>>201 (遊部さん)

従者であるトレに指示を出す。
演技の訂正、それと家事の指示である。
トレは静かに、そしてあなた以外に気づかれない様に頷いた。
そして、台所へと向かう。
お茶の準備を葉鳥に任せているためか別の仕事を任されているらしい。

響:「あはは……お手伝いさんとか、慣れてなくて。ハルはそんなことないんですけど、ボクはちょっと……」

陽:「でも、お姉ちゃんには慣れたじゃん」

響:「うん」

柔らかな笑みを浮かべる響。
陽と話しているときは遊部や葉鳥に見せるような少し緊張した感じがない。
人見知り、というよりは距離感をどうつかむかが問題なのかもしれない。

陽:「どんな事……? 一緒に遊んだり?」

響:「家事はボクらもお手伝いする時あるし」

陽:「この間一緒にお風呂洗ったよね」

親近感が持てたのだろうか。
陽は相変わらずだが響は少しずつ話すときに考える間が無くなっていっている。

陽:「して欲しいこと? うーん……」

響:「お話とか?」

陽:「一緒にお散歩?」

響:「逢坂お姉さんはお勉強見てくれたり?」

パッとは出ないようだ。

203葉鳥 穂風『ヴァンパイア・エヴリウェア』:2016/08/13(土) 23:46:06
>>202(GM)

「はいっ! やらせて、いただきます!」

       ペコ

穂風は頭を下げて――仕事に入ろう。

指示を聞いて、頷く。
やってやれないことは、きっとないはず。

「これ、ですね。」

      「……」

  ス…

      トン  トン

まずは急須に、お茶の葉をすくって入れよう。
これは簡単な事だ。場所も、既にわかっている。
S県といえばお茶の名所――というのは最近知った事。

きっと、これもいいお茶だろう。
さて、この後はケトルを――

「あっ! あの、お湯じゃあないんですね……!」 

          「分かりましたっ!」

そういうわけで、冷蔵庫の方に行って戸を開けよう。
まずは氷を取って、それを急須に入れるのだ。

                 ・・・・ここまで問題ないだろうか?

204遊部『フラジール・デイズ』:2016/08/14(日) 18:18:31
>>202(GМ) (レス遅れ失礼しました)


 「お勉強のお手伝いね。それなら、私でも少しなら
力を貸せそうね。遊びは、あとで一緒にしましょうね。
葉鳥さんにトレ、貴方たちのお姉さんも誘ってね・・・」

 微笑んで相槌をうつ。

 「お散歩、いいわねぇ。私、森の中を歩くのって凄く好きなの
木陰で詩を朗読したりしてね……最近ではリルケを良く読むわ
鍋師君と伏見君は、詩が好き?」

 「お風呂掃除……あぁ、トレが良く排水溝部分を
重曹と酢で綺麗にしてるの、見た事あるわ。あぁ言う事かしら」

『私(レミ)』の知識は人格達の中では比較的に高い。家事は主にベソが
出れない場合は担当するので、特にこの別荘に異常がない限り
掃除、洗濯などは問題ないだろう。

 …少し、彼らについて踏み込もう。

 「それにしても、此処は良い所ね。まだ来て数分程度だけど
空気も美味しいし、鳥は歌い花は咲いてるし…
―光輝く夏の日に僕は庭を歩き回る。
 花たちが囁き話しかけても、僕は黙って歩き続ける(byハイネ)……ってね」

 茶目っ気を含んだ笑みを見せつつ、ハイネの詩を暗唱すると共に質問する。

「さっき、鍋師君が『新しいお手伝いさん』って言ってたけど…
お手伝いさんは、良く代わったりするの? それとも、以前いた
人が何か事故か、此処で粗相でも起こしたのかしら」

 そう、二人へと特にその事を気に掛けてる訳ではないが話題の
一つとして挙げたと言う感じ。何気ない様子で訪ねる。

 二人の名字が違う事や、この別荘に他に人がいるか、また彼ら二人の
家族構成など。余り最初に深く探るようなものでもない。おいおい、もう少し
機会と、そして葉鳥さんに若しくはトレを通じ情報を得れるだろう。

 今は、少しでも行動する事に対し情報が不可欠だ。ゆっくり、外堀から
この『依頼』の中に『私』が手出ししてはいけないものがないか見極めて行こう。

205『ある夏の思ひ出』:2016/08/14(日) 22:49:08
>>203 (葉鳥さん)

逢坂:「えぇ。水で出すお茶なの」

逢坂はそう答えると慣れた手つきで包丁を扱う。
桃を切っている。
瑞々しい果汁があふれているのか包丁で刺したり、切ったりするたびに包丁や逢坂の手が濡れていく。
ほのかに桃の甘い香りが漂ってきていた。
トレは皿などの準備をしている。

氷を取り出し、急須に入れる。
ガラスの急須は冷たく、それ自体が冷やされていたようだ。
それを横目で見てうんうんと逢坂は頷いている。
問題はない様だ。
 
>>204 (遊部さん)

陽:「詩の朗読? 僕はしないけど、お兄ちゃんは?」

響:「うーん……したことはないかなぁ。好きか嫌いかで言ったら、好きかなぁ……」

やはりというべきか陽はそういった方面への知識はあまりないようだ。
響はかろうじてあるだろうが、それが遊部の知識と重なるかは謎だ。
少なくともリルケについては知らないようだが……?

響:「いいところ……はい。とっても」

陽:「お姉ちゃん、お花とお話しできるの?」

響:「ハル、比喩だと思うよ」

陽:「ひゆ?」

響:「今度教えてあげる」

遊部の言葉に同意する響。陽は特にそれに感じるところはないのかもしれない。

陽:「お手伝いさんは変わんないよ。ここに遊びに来るときにお姉ちゃんが二人いたんだけど」

響:「逢坂お姉さんと、周防お姉さんです」

陽:「でも周防のお姉ちゃん色々あっていないんだよね」

響:「逢坂お姉さんも教えてくれないしね」

陽:「うん。でもレミお姉ちゃん達がきてるからいいのかな?」

206葉鳥 穂風『ヴァンパイア・エヴリウェア』:2016/08/14(日) 23:26:35
>>205(GM)

「そう、なんですね。
 わかりました、ありがとうございますっ!」

    コクリ

        「続けます……ね!」

ここまでは問題ない――らしい。
穂風は頷く。これは応答であり、納得の頷きだった。

(あの桃……美味しそう。)

・・・・包丁捌きに見惚れていてはいけない。

(お水も、きっといいお水なんだろうな……)

      ス

水道水も飲める――というのは穂風は知っている。
あえて使うという事は、この水もきっと、良い物なのでは?

ともかく――冷蔵室から水を出そう。
そして、戸を閉めよう。あとは急須に入れるだけ。

  ドキ
           ドキ

(こぼさないように……っと……)

    ソロ〜

          コポポポ…

ボトルから水が、氷で満たされた急須へと入って行く――はずだ。

207遊部『フラジール・デイズ』:2016/08/14(日) 23:34:13
>>205

>周防お姉ちゃん

 新しい人物が挙げられる。頭の中にその情報を入れる。

そして、逢坂 冬美が教えてくれない。と、言うのはどう言う訳なのか。
 子供たちに教えるには都合の悪い事情、もしくは相応の不慮の出来事が
起きたのかも知れない。子供に吹聴するには世間体に関わる男女の事柄などの
可能性もあるが『私』は、この今しがた入手した事柄は『依頼』に密接するのでは? と考える。

 「うん、そうねぇ…きっと周防お姉ちゃんも、大人の人だから
色々忙しいんだと思うわ。他の事が終われば、きっとすぐに二人の元に戻るわ」

 根拠はない。或いは最悪な想定もあるかも知れないが、子供にそれを示唆するべきでもない。
そう、当たり障りのない言葉を告げると共に頬に手を添えて呟く。

 「そう言えば、お姉さん。逢坂さんね……。私達に告げたわ
『信頼が必要』って。でも、それって難しい事よね?
 だって、二人からすれば。私と、トレ。それに葉鳥さんも
逢坂さんと言う、貴方たちのお姉さんが紹介した人とは言っても
全くの赤の他人でしょう? 誤解しないでね、私は貴方たちが
とっても良い子だって思ってるし、そう願ってるもの」

 けどね、と一度息を整えてから言葉を整理して二人へ緩急つけて喋る。

「けど、『信頼』って言うのは特殊な状況で過ごしたとか、そう言う背景が
ない限り、長い時間があってもそうそう築けるものではないと私は思うの。
 私は高校生で。貴方たちの倍ぐらいの学生生活を送ってると思うけど
それでも心から全て託せるぐらい貴方はクラスメイトを信じれますか? って
誰かに聞かれたら。そこはイエスと頷けられないと思うわ。
 それぐらい、『信頼』ってアバウトなもので。けど、それは作れたら
とっても素敵なものだと思うわ。だからね、二人には覚えて欲しいの。
 私は貴方達と初対面で、少なからずちょっと距離を置くような態度が
あるとしても、それは貴方たちと仲良くなれるスペースが残ってるって事だって。
 そして、私は二人とも、二人のお姉さんとも葉鳥さんとも。出来うるなら
自分が密かに抱えてるかも知れない秘密だって共有出来る仲になりたいって私は思ってる。
 此処で過ごす限り、お仕事が終わるまで・・・いえ終わっても私達の仲は続いていく
 ……ってね? 私と約束してくれる?」

 右の手を出し、小指を立てる形を作る。いわゆる『指切りげんまん』と言う奴だ。
この子たちが、根から邪悪でもない限り。『私』の嘘偽りはない、心からの言葉に
共鳴してくれるなら…彼ら二人はこの先、この別荘で何が起きても自分達と手を
合わせてくれる心強い仲間になってくれるかも知れない。むろん、依頼を考えるなら
この子たちを守る事こそ自分や葉鳥の務めなのかも知れないが。

 ともかく、鍋師 陽と伏見 響と『約束』を立てる。
不和になる可能性もなきしにも非ずだが、この子達に限り
誠意のある言葉と誓いを無下にはしないと『私』は想いたい。

208『ある夏の思ひ出』:2016/08/15(月) 00:10:54
>>206

逢坂:「はあい」

葉鳥の姿を見て逢坂は微笑む。
柔らかい笑みだ。ここに来るまでに見ている笑みなのだ。

冷蔵庫に入っていた水は天然水らしい。
スーパーなどでたまに見るものと同じだろう。
庶民的といえば庶民的なのかもしれない。
冷蔵庫の中には食料品や飲料、調味料が並ぶ。
どれもスーパーなどで買いそろえられるもので、おそらくそうしているのだろう。
いくつか口をつけて残したものもあった。なぜかエクレアが多かったが。

急須に水が入っていく。
適量を入れると既に桃を切り終えたらしい逢坂がスプーンを持ってきた。

逢坂:「後は軽く混ぜるだけです。とりあえず、向こう持っていきましょうか」

後ろには桃が盛られた皿を持ったトレがいた。

>>207 (遊部さん)

周防お姉ちゃんを脳に仕入れ、思案する遊部。
当たり障りのない言葉で反応を返すと、そうかとうなずく陽。
響は苦笑いを浮かべていた。

信頼についてはなし、指を出す遊部。
その言葉に陽は純粋なまなざしで小首をかしげた。
この鍋師陽という子供に、その話は難しかったのかもしれないし
元よりこの少年は人をあまり疑わない性質なのかもしれない。
信頼。たとえ初対面でも好印象ならそれに足る人間だと感じてしまうのかもしれない。

陽:「? 僕は」

響:「いいんだよ。ハル。ハルはハルで、お姉さんはお姉さんだから」

陽:「うん! これから仲良くなればいいもんね!」

さっと小指を絡める陽。それに続いて響も陽の指の上から重ねる様に指を絡めた。

陽:「あ、じゃあ僕のこと陽って呼んでよ!」

209葉鳥 穂風『ヴァンパイア・エヴリウェア』:2016/08/15(月) 00:49:34
>>208(GM)

穂風はすこし身構えていたが、水は普通だった。
冷蔵庫の中身までちゃんと確認する余裕は、なかったけれど。

「…………よしっ!」

    コト

ボトルを置いて、額をぬぐう。
どうにか初仕事は上手く行ったのだ。

穂風は少し、安心する。
やってやれないことは、まずはなかった。

(次は、ええと、何をすればいいんだろう。
 あの二人と、一緒にお話すればいいのかな。)

           「あっ、はいっ!」

   カチャ

急須を持って、逢坂の後に続こう。
この後のことは、これからきっとわかるはずだ。

(お手伝いさん……まだまだこれからだよね。がんばらなきゃ。)   

仕事はまだほんとうに、始まったばっかり。
穂風はまず、手に持った急須を落とさないよう、お茶をこぼさないよう。

      ソロ    ソロ

                    ・・・・気をつける。焦らないように。

210遊部『フラジール・デイズ』:2016/08/15(月) 19:32:13
>>208

三人分の小指が、重なり合い一つの熱となり約束の誓いの感触を一層増させる。

『レミ』は笑みを濃くして、こくりと頷いて適当な時間と共に指を離した。

「うんっ 陽(はる)君 響(ひびき)君。これで私達、信頼の第一歩を築けたわね。
…のど渇いちゃったっ! 色々と、お喋りしたものね。
私はよく紅茶を飲むけど、陽君や響君も飲むかしら? 後で
トレと私で、適当な時に美味しい紅茶を良ければ淹れるからね。
紅茶を入れる事だけは、自信あるの。私…」

 そう、笑いつつ一先ず話を締める事にする。そろそろお茶も出そうな頃合いだし
質問する事が起きれば、その度、時間を見計らって二人か逢坂に尋ねよう。
 まだ家に入って間もないのだ…ゆっくり、焦らずと進もう。

211『ある夏の思ひ出』:2016/08/15(月) 22:37:17
>>209 (葉鳥さん)

特別な水ではなかった。
急須に水を注ぎ、逢坂の後に続く。
急須はコップの置かれたお盆と共に持って行っていく。

>>210 (遊部さん)

約束の誓いを確認する遊部。
二人の名前を呼ぶと、陽は元気に響は少し恥ずかしそうに笑った。
そして、お茶や桃が運ばれてきたので、三人の指は解かれた。

響:「紅茶、買っておいてもらいますね」

>>ALL

逢坂:「えっと、お二人はお手伝いってことで色々と雑事をしてもらうんですけれど」

急須からお茶を注ぎながら逢坂が言う。
ソファーは二つ。二つが机を挟み、片方に陽、響、逢坂。もう片方に葉鳥、遊部、トレが座っている。
机には切られた桃、フォーク、急須、お茶の入ったグラスがある。

逢坂:「基本的には陽君や響君に危険がないように見守ってもらったり、家事とかですね」

    「買い出しは車使うので基本的に私がやりますね。この別荘は好きに使ってもらって構いませんよ」

    「私も好きに使っていますし。壁が壊れたりとかそういうのしなければ」

曰く、山の森には猛獣が出る可能性があるらしい。
その他、山を歩いていて危ないところにいかない様に見ておく役割などがあるようだ。
家の中での仕事も普段家事をしているならできる範囲のもので、特殊な技術は必要なさそうだ。

逢坂:「えっと、別荘の中ご案内しないといけないですね」

そういった時だった、逢坂のエプロンの下から軽快な音楽が聞こえる。
慌てたように逢坂が席から離れると携帯電話で通話を始めた。
どうやら携帯の電波は通じるようだ。

逢坂:「はい。こちら逢坂です。イツキさん? え、見つかったんです? はい……わかりました……向かいます」

通話が終了すると逢坂はまた席の方に戻ってくる。
顔はいつものように柔らかな笑みを浮かべて。

逢坂:「えっと……すいません。急用が出来まして、一度街に戻らないといけないんです」

    「それで、別荘の案内なんですけどぉ……そのぉ……陽君たちに任せてもいいですかね?」

陽:「僕はいいよ!」

響:「ボクも大丈夫」

逢坂:「ありがとうぅぅぅ〜〜」

響たちの頭を撫で繰り回す逢坂。
とても愛おし気で嬉しそうだ。

響:「わわっ……葉鳥さんやレミさんがよろしければ、ですけど」

212葉鳥 穂風『ヴァンパイア・エヴリウェア』:2016/08/15(月) 23:31:52
>>211(GM)

運び終えて、席に着いて――話を聞く。

       ソワ

お茶を入れるべきか?
とも穂風は思ったが、それはどうやら違うらしい。

「見守る……家事……」

(猛獣……って、熊さんとかかな?
 こんな山の中だもんね、いてもおかしくない……)

       「は、はいっ! 分かりました。
        壁とかは壊さないようにします」

もちろん元から壊す気なんてないけれど。
もしものことが無いように、気をつけよう。

   ムフー!

穂風は大きく、気合のこもった息を吐く。
そして、別荘内の案内について。

「あ、う……ええと。
 は、はい! 大丈夫です!」

可愛がりの様子に少し呆気にとられたが――

「その、陽くん、響くん、案内よろしくお願いしますっ!」

         ペコー

穂風はすぐに、響と陽に向けて、大きく頭を下げてみせた。

213遊部『フラジール・デイズ』:2016/08/15(月) 23:44:45
>>211(GM)

>イツキさん? え、見つかったんです? はい……わかりました……向かいます

(…………)

 >一度街に戻らないといけないんです

「あら、そうなんですか……街まで行かれるとなると、帰りは遅くなる
かも知れませんね。夕飯は、どうしておきます?」

 帰りの時刻を確認しておく。いま現在は昼下がり位だろうが、街までの
往復する時間を考えれば少なくとも陽が沈んで夕方にはなるだろう。

 「……えぇ、それじゃあお願いするわね。別荘の中、案内してくださいね
小さなジェントルマン方」

 微笑んで、陽君と響君に受けごたえする。だが、思考では別の事も考える。

特に、不穏な空気も出さなかったが。先ほどの会話……『イツキ』 『見つかった』
などの内容……先ほどの話に出てた『周防』に関係がある?

 いや、まだ変に勘くぐるべきではないのだろう。だが……『何か起こる』気がしそうだ。

 「あ……差し支えなければ、出かける前に逢坂さんの電話番号、登録させて下さい。
何がする必要な事あれば、すぐしますから」

 もしかすれば、車内などで番号の連絡を既にしてたかも知れないが。
念のために情報の共有が出来るようにしておく。報告連絡相談、ほうれんそう
とは良く言ったものだ。

214『ある夏の思ひ出』:2016/08/16(火) 00:10:51
>>212 (葉鳥さん)

お茶は逢坂がお盆を置いてからしばらくして淹れ始めた。
彼女自身の体にその動きが染みついているのだろう。
仕事の内容を復唱し理解する。
気合のこもった息に呼応するように逢坂はうなずく。
その様子に陽や響もまっすぐな視線を注いでいる。

撫でまわし頬ずりまで行きそうな逢坂だがきゅっと響に押されて残念そうに二人から離れた。

陽:「うん! よろしくね!おねーちゃん!」

>>213 (遊部さん)

逢坂:「帰る時間ですか? 夜までには帰りますし、大丈夫だと思いますが」

    「なにかあったときはよろしくお願いします」

陽:「じぇん、とる?」

響:「紳士、だよ。多分」

電話に出てきた単語や周防に考えを巡らせるが今はまだわからない。

逢坂:「電話番号? いいですよ」

逢坂はすぐにOKを出していた。

>>ALL

逢坂は二人に電話番号などの連絡先を渡して下山していってしまった。
見送った葉鳥や遊部たち。
それから陽が胸を張って二人と一体の前に立った。
響は陽の後ろについている。

陽:「じゃあ! 僕たちがご案内します」

響:「します」

陽:「どこから?」

響:「決めてないんだ……トイレとかお風呂は一階だから、そこから?」

陽:「あ、お部屋! お部屋行こ! 二階二階! トイレとかは一緒に案内したらいいし」

響:「お手伝いだったら倉庫とかの位置分かった方がいいのかな……?」

どちらの意見を取り入れても全部見ることになるだろう。
部屋と屋外にあるらしい倉庫、どちらに行くのも自由だ。

215葉鳥 穂風『ヴァンパイア・エヴリウェア』:2016/08/16(火) 00:39:34
>>214(GM)


      ・・・

          ・・・


逢坂の下山を見送り、気合十分の穂風。
さて――早速、二人に案内をしてもらうわけだ。

「はいっ! よろしく、お願いします!」

       コクリ

まずはどこから――と。

どうやらそれを決める必要があるらしい。
穂風は話を聞くが……

「ええと……あ、ええ……」

(どうしよう、順番……倉庫とかって、
 いったい、何があるところなんだろう?)

     (どっちからがいいんだろう……ううん。)

知らない家の知らない場所。
この仕事にどっちが大切なのか、大切な方から行くべきなのか?

穂風は少し、考えて。

「あ、ええと。あのっ。」

「先に、部屋の方がいいかなって。そう思います。
 べつに、深い理由があるとかでは、その、ないんですが。」

実際深い理由は無い――が、決めるべきことだ。

            チラ

穂風だけの意見で物事は動かない。
『遊部』と『トレ』の方を見て、彼女らの判断を待ってみるのだ。

216遊部『フラジール・デイズ』:2016/08/16(火) 19:05:29
>>214(GМ)
>>215(葉鳥)

 張り切って私達をエスコートしようとする少年二人。
そして、部屋の案内を先にお願いしたいと告げる葉鳥さん。
 それに対し特に別の意見はない。最終的に全部の部屋をチェック
するだろうし、それよりも気にかかる事も幾つかある。

 葉鳥の言葉に同意するように頷き、口ひらく。

「えぇ、私もお部屋の案内を先にお願いするわね。トランクも、一階に
置きっぱなしにするのも何だし…着替えとかも入れてるから、泊まる
部屋に一先ず置きたいわね。トレ、貴方も良いかしら?」

 基本的に、主人の言う事を先決するように演技として設定してる手前
このような確認は不必要とも思われるが。私と『トレ』は対等な関係でありたいと
個人的にも願ってるし、そして外聞でもこのような動きが良い。

 不愛想に了承を彼女が取るのを確認した後に、ふわりと微笑みを再度浮かべつつ
三人に頷いて告げる。

 「良いと言う事だし、それじゃあ行きましょうか…」

217『ある夏の思ひ出』:2016/08/16(火) 23:05:26
>>215 (葉鳥さん)
>>216 (遊部さん)

部屋を選択した葉鳥。
遊部もそれに賛成し、トレも賛成する。

陽:「じゃあご案内しまーす!」

響:「しまーす」

トイレや風呂の位置を確認する。
風呂は大きく三人ぐらいは入れそうであった。

トントンと階段を上がると二階。
途中で陽の話の話を聞くと、二階立てで三階は屋根裏部屋らしい。
ドアの並ぶ廊下、おほんと陽はわざとらしく咳ばらいをしてみる。

陽:「ここが、おねーちゃんの部屋!」

響:「逢坂お姉さんたちの部屋です」

階段から一番近い部屋が使用人の部屋らしい。
本来は二人で使う部屋である、と響がつけたす。
遊部は逢坂ともう一人は周防という女性が使う部屋だというのがわかるかもしれない。

陽:「隣が僕たちの部屋!」

はる、と木の札に書いてある。
僕たち、というのだから響と共同で使っているのだろう。

陽:「その隣がお父さんたちの部屋」

響:「なので、その隣二つが皆さんのお部屋、ですね」

三人で二つの部屋を使う形になる。
逢坂に確認さえすれば使用人の部屋も使えるだろう。

218葉鳥 穂風『ヴァンパイア・エヴリウェア』:2016/08/16(火) 23:22:01
>>217(GM)
>>216(遊部)

「あ、はいっ! お願いしますっ!」

   ・・・

 (お風呂、大きい……
  三人くらいは入れそう!)

            ・・・

  ・・・


         トン
             トン

二階に上がって――部屋の案内を受ける。

「わぁ……」

(周防、さん……? どんな人なんだろう?)

廊下に、たくさんの部屋。
思い起こすのはかつての暗い屋敷――

            ・・・それと、アパート。

「お部屋、あ、たくさんあるんですね。
 ええと……私たちのお部屋、その、確認しますねっ」

(お部屋、二つ……トレさんは、
 レミさんと一緒のお部屋だよね?)

     チラ

お手伝いの入れ子構造と化している『トレ』を一瞥してから。

    スス

穂風はやや心を高鳴らせて……
今回の仕事で『私室』となる部屋を、覗いてみる事にする。

             「お邪魔しますっ……!」

219遊部『フラジール・デイズ』:2016/08/16(火) 23:38:08
>>217(GМ)

別荘と言う事もあり、やはり風呂も相応の広さがある。
 トイレも特筆して目立つものもない。二人の導きに素直に従い見て回る。

 (屋根裏部屋も、あるのね…倉庫と言うのもあると言ったし
特に重要なものがそちらに置いてある事はないかも知れないけど…
まだ、時間はある。あとで時間あれば見ておけばいいわ)

 そして、二人の説明で二階の構図は大体判明した。

                    
 『両親の部屋』←『響/陽の部屋』←『使用人部屋(逢坂/周防)』←『階段』

と、言う図になり。両親の部屋が基本、私とトレ。葉鳥さんの部屋になると言う事だ。

 (二つ部屋がある。区切りがあるものの、何かあった場合すぐ出入りは可能として
施錠する器具はドアにあるのを想定しても『トレ』を再発現して瞬時に対応出来るか?
 と、考えると少し考えものね……早めに少し起きて下準備だけ考えましょう)

 葉鳥に続いて室内に入る。間取りに、ドアの構造や窓から見える景色など
トランクを置いてから確認出来る部分は確認しよう。

220『ある夏の思ひ出』:2016/08/17(水) 00:01:52
>>218 (葉鳥さん)
>>219 (遊部さん)

部屋の描写が不足していたので加筆します。
部屋の並びは
『空き部屋』『空き部屋』『主人の部屋』『陽たちの部屋』『使用人部屋』の並びです。
          ↑
上の矢印で指された部屋に入っています。
描写不足をお詫びします。

扉を開ける葉鳥。
遊部はそのあとに続く。
ドアは丸い回すタイプのドアノブがついていた。

部屋の中にはベッド、空の棚。テレビが置いてある。
後はクローゼットだ。
エアコンも完備している。
本来は客を案内する部屋らしい。
ベッドは大きく、二人でも問題なく眠れる大きさだ。
恐らく隣の部屋もそうだろう。
窓は部屋に一つだけ。陽の光を部屋の中に入れてくれている。

響:「あれ?」

陽:「どうしたの?」

響:「窓、空いてる」

響が指をさす。たしかに窓が開いている。
前回ではないが、スライドする窓は半開きであった。

陽:「お掃除のときに閉め忘れたのかな?」

響:「逢坂お姉さんが?」

陽:「うん」

陽はとことこと窓を閉めた。

陽:「あ、屋根裏行く?」

響:「え? あそこ行くの?」

陽:「うん!」

響は唇を尖らせる。
陽はにこにこと笑っている。

陽:「僕らの秘密基地なんだ!」

221葉鳥 穂風『ヴァンパイア・エヴリウェア』:2016/08/17(水) 23:46:23
>>220(GM)

「わ…………良い部屋、ですねっ。」

         キュ

    「おっきいベッド……」

穂風は部屋に入って、室内を見渡す。
ベッド、棚、テレビまであるし――エアコンもある。

   キョロ

        「良い部屋だなぁ……」

(本当に、お金持ちの別荘なんだなぁ……
 そうだ。私、ここでお泊りしてお仕事するんだ)

入って改めて、これからの仕事を実感する。
これからも何度も実感するかもしれないけれど。

             ――と。

「…………え?」

「あ、ホント、ですね。窓……」

      (……閉め忘れ?)

穂風は逢坂のことを思い出す――短い付き合いだ。まだ。
全く忘れ物をしない人間など、いないようにも思う。

・・・けど。

         チラ

「……」

(……なんだろう。ううん、気のせいだよね)

少しだけ、穂風は気になっていた。
けれど今何を出来るという話でも、ない。

それより――

「屋根裏――えっ! あ、え……秘密基地、ですか?」

      「いいんですかっ、その、私たちが入って。」

    「秘密、なのに。その。」

秘密基地! その素敵な言葉が穂風の目を見開かせた。困惑の色もあるけれど。

222遊部『フラジール・デイズ』:2016/08/18(木) 00:08:31
>>220(GМ)
>>221(葉鳥)

「本当、良い部屋ねぇ」

葉鳥さんに続けるように部屋を見渡して感想を唱える。三人の視点は
部屋へと意識が寄ってるだろう、さりげなく『トレ』に耳打ちする。

『後方に意識を配って。何が不審な事があれば直ぐ私に言いなさい』

そして、窓の件へと移る。穏やかな笑みを崩さず私は静かに二人へ告げる。

「…陽君、響君。暑いので換気のために開けてたって事はない?
今日、私達が来るから逢坂さんが気を利かせて開けてくれてたのかも知れないわ。
 因みに普段はお掃除が終わったら此処の窓は閉めてるの?」

 さりげなく、彼ら二人が窓を閉じた時に質問してみる。
 いま、彼ら二人に余計な不安な芽は植えつけないほうがいい。不自然な点が
あるならば、フォロー出来る点は私の機転で、そうかも知れないと納得させるのが
彼ら二人の為になるだろう。危険な状況になると判明したのならば
その時はその時で説明すれば良い。

トランクは一先ず、置いておく。後で、葉鳥さんと二人だけで
話す都合がある場合、トランクを置いていたと言う理由で入室出来る。

 『違和感』が、いまこの時生じている。彼ら二人のやりとりを見るに
私の気の所為とかでなく。何時もはこの部屋の窓は閉じているのが彼らの
日常の内の自然なのだろう。それが破られてると言う事は『非日常』なのだ。

 「屋根裏部屋が秘密基地なの…良いわね、そう言うの。
私も、もっと小さい頃。お友達とそう言う遊びがしたかったわねぇ」

 しみじみと呟きつつ三人の後ろに付いて行く形で次の場所、屋根裏に
向かう事にする。その前に、可能ならばもう一つの『飽き部屋』も窓が
空いているのか確認してみる。

223『ある夏の思ひ出』:2016/08/18(木) 00:56:13
>>221 (葉鳥さん)
>>222 (遊部さん)

十分な環境だ。
快適に過ごすことが可能だろう。

トレ:「はい。お嬢様」

トレはあなたの指示に従う。
さりげなく、後方に意識を向けている。
しかしおかしなことは起こりそうにない。
今は、とつく可能性は捨てきれないが。

陽:「お姉ちゃんは虫入るからって閉めてたと思うよ」

響:「換気はしてますけど、掃除が終わったら閉めてました……多分ですけど」

曖昧ながら答える二人。
二人は特に危機感を抱いていない様子だ。
逢坂が珍しく閉め忘れていた、くらいのものだろう。
二人はお互いの顔を見合わせて珍しいね、と言い合っていた。

陽:「いいよ!」

響:「ハル……ボクには一週間ぐらいしないと見せてくれなかったのに」

陽:「えへへ。いいでしょお兄ちゃん? お願い! おーねーがーいー!」

響:「むう……いいよ。ボクのお家でもないし」

陽:「あーお兄ちゃんスネてるー」

響:「スネてない」

部屋を出て、通路を進む。
三階、屋根裏部屋に続く階段があるようだ。
途中、もう一つの空き部屋を確認するが先ほどの部屋と変わらないものだった。
窓が閉まっているという点だけが違っていたが。

陽:「お山に川があってねー冷たいんだけど気持ちいいんだ」

響:「ハル。お姉さんたちいるから川遊びとかの時に裸になるのやめなよ」

陽:「えー」

扉の前に到着した。
ネームプレートはない。
ドアノブをまわし、扉が開く。
屋根裏部屋には様々な荷物が置いてあった。
結構天井までの空間には余裕がある。
立って歩くこともできる。

屋根裏部屋にも窓があり、そこからきらきらと日差しが差し込む。
物置部屋にもなっているらしいこの部屋。
なにやら箱を並べてあるらしいスペースには大きな布をかぶせてある。

そして、その上に一人の少女がいた。
少女は横になり、すぅすぅ眠っているようだ。

陽:「誰?」

224葉鳥 穂風『ヴァンパイア・エヴリウェア』:2016/08/18(木) 13:35:55
>>223(GM)
>>222(遊部)

(……あっ。レミさんたちはこっちを使うのかな……)

       チラ

トランクを置いた『レミ』を横目に見る。
まあ、どっちの部屋にも変わりはない……はずだ。

      ト
        トト

「あ、う……ええと。
 なんだか、その。ありがとうございます」

      「私、あの、来たばっかりなのに、その」

秘密基地を見る事は、なんだか大変な事に思えた。
いっそう気合が入る気もするが、緊張する気持ちは隠せない。

穂風はやや歩幅を広げながら、通路を、階段を進んでいく・・・ 

「今は、暑い……ですもんね。えへ…… 
 気持ちよさそうだけど、私、水着とか、持ってないし……」

         「……あ。ここ、ですか」

    ピタ

川遊びトークに興じていると――扉の前に着いていた。
穂風は息を飲み、開けられた『秘密基地』の中に視線を注ぐ――

        「わあ…………」

     「……?」

  「……あっ!? だっ、誰……」

            ≪――――お嬢様!≫   

   パタ
        バキ
     ペタン

   「ね……寝てる……!?」   

                  ジャキン!

体に重なるように発現した『従者』は、
            主たる穂風の身にまとわりつく。

即ち――『レインコート』形態への『雨具変化』を、発現と同時に実行する。
穂風は、従者の行動を咎めない。そんな場合じゃないし、明らかに何か異常な事態だから。

なお、ヴィジョンは『実体化』させておく。
一般人もいないのだし、見られて問題もない。

「……み、みなさんっ!
 あう……後ろに下がってくださいっ。」

   「もしかしたら、危ないかもしれない――――から!」

         バッ

陽や響、『レミ』と『トレ』は矢面に立たせられない。
戦いをするようには思えないからだ。
穂風も、別に荒事は好きではないけれど。

          ・・・・必要なら、やれる。

警戒心を強め、眠っている少女に視線を向ける。

                ・・・・動くような様子はないだろうか?

225遊部『フラジール・デイズ』:2016/08/18(木) 17:14:00
>>223(GМ)
>>224(葉鳥)

 (窓が、開いていたのは一つだけ。隣の空き室に異常はない。
誰が入ってきたとして、人数は少人数……)

 「山には川があるのね…うん、確かに水遊びをするにしても
全部脱ぐのは、あの…私も目に毒だわ」

 苦笑いになりつつ、会話を楽しみつつ屋根裏に進む。

 そして…『異常』が現れた。

    ゴゴゴゴゴゴゴ……。

「…子供?」

 そう、まさしく『異常』だ。陽君が誰? と唱えた事からも
実は遊びに来てたお友達、と言う可能性は皆無。あれば事前に
説明を受けていた筈だ。

 だが、『敵』なのか? と問われると確証なく断定出来ない。
不可思議な事が二点ある。何故、この少女は『寝てる』のか?
 陽君、響君たちの秘密基地で堂々と。彼ら二人を標的として
待ち構えていたとしても、目につく場所で眠りこけている、と言う部分が不明。
 そう言う『能力』があるとしても……いや、そもそも彼女は『敵』なのか?

もう一つの点は、この少女が窓から忍び込んでいた正体ならば…
何故『痕跡』を残した? 自分が襲撃を想定するなら、そんな分りやすいミスは
残さない。別荘の死角を熟知して、一人ずつ抹殺するだろう。

 葉鳥さんを見れば既に戦闘準備が出来ている。それは、状況を見れば
好ましくはある。だが……私はどう出れば良いか?

          ―――『レミ』

 (……いえ、『ライ』 貴方の手を煩わせる事ないわ)

此処には、護衛対象と言うのを含めても自分を含め四人スタンド使いがいる。
 そして   私には『相棒(フラジール・デイズ)』がいる。血腥い争いになり
私に対応出来ない状況となれば退くが…まだ大丈夫。

 「…陽君、響君。そこで動かないように。其処にいる女の子以外で
何か不審な事あればすぐ教えて?」

 「葉鳥さん、宜しければ其処から彼女に動きはせずに。此処は私に…
――この力 ご披露しましょう。
 トレ……私達の『舞台を始めましょう』 対象は『眠る少女』
その被せている布の場所まで近づきなさいな」
      『畏まりました、お嬢様…』

 【望まぬ相手の指定】の指名を行う。指で『眠ってる少女』を示しつつ
『トレ』へと動きを指示する。

 これにより『トレ』が接近する事に対し、五感の刺激かスタンドの感知で
迎撃する能力があっても、【望まぬ相手の指定】は五感の干渉不可を及ぼす。
 相手のスタンドも、対象の一部であると認識されるならば。そのスタンドの
迎撃があっても、トレに対し攻撃は加わらないだろう…。

 「そこまで、近づいたのなら『解除』するわ。そのまま、そこにいる
子を起こしなさいな。だけど、決して乱暴に扱わぬようにね」

接近したら、能力を解除し少女の体を揺するなりして起こすアクションを行う。
覚醒して行き成り攻撃される可能性もあるが…怪我をしても一晩経てば
再生も可能だし。何より、他三人が負傷するより余程良い。

 見た目は子供、それが危害を加えない理由にするのは乏しいかも
知れないが。私の予想の一つでは、その眠ってる少女は『敵』でない
若しくは別の可能性もある。その可能性が当たった場合、事態は更に
複雑化する事になると思うが…今はトレの動きを見守る事にする。


 「安心しなさいな…皆さんには、ただ無防備に近づいてるように
見える事でしょうけど。その子がいま何か力を使ってたとしても
『トレ』に危害を加えさせる事は無駄な事でしてよ」

 葉鳥、響、陽には。自分の能力の内容を教えておく。
あくまでも『信頼する者を一時的に無敵化する』ような能力であると
誤認させておく方が、私にとっては都合が良いのだ。今後の為にも

226『ある夏の思ひ出』:2016/08/19(金) 00:19:44
>>224 (葉鳥さん)
>>225 (遊部さん)

川遊びについて話す一行。
水着などは逢坂に確認してみるのもいいかもしれない。
しかしそれもいまここにある問題が済んでからだろう。
この別荘の住人である陽は少女を知らないらしい。
そして、響も同様だ。

葉鳥は自らの体にレインコート型の従者を纏う。
遊部は自らの従者に能力の行使を命じた。
響と陽は二人の後ろに隠れる様に、というよりは後方にも注意を払って警戒している。

陽:「お兄ちゃん……」

響:「大丈夫だよ。ハル。ボクがいるし、お姉さんたちだって」

陽:「いやそうじゃなくて」

響:「ん?」

陽:「お姉ちゃんたちもそういう能力があるんだなーって」

いまいち緊張感のない陽達のこえが聞こえてくるが、『フラジール・デイズ』がその能力を行使する。
舞台に上がれぬものは役者に指一本触れることはかなわぬ。
望まれなかったものは一切の干渉を封じられる。
『フラジール・デイズ』自身も相手を感じられなくなるが
箱という分かりやすい目印と時間がそれほどたっていないことから
容易に少女の元へたどり着くことが出来た。

ゆさゆさ

能力を解除すると体を揺する『フラジール・デイズ』

少女:「んっ……ん〜〜」

    「嫌よまだ寝ていたいわ」

少女は寝ぼけた口調で寝がえりをうつ。


少女:「ふぎゅっ」

箱から転げ落ちた。

少女:「いたいのだわ! ひどいのだわ! カレン! カレンは私のこと……」

駄々をこねる様にばたばたとする少女。
手をついて四つん這いのような姿勢になる。
そしてあなたたちを見て

少女:「知らない人がいるのだわ」

    「こわいわ……」

意思の疎通はとれそうだがどうか。

227葉鳥 穂風『ヴァンパイア・エヴリウェア』:2016/08/19(金) 02:10:59
>>226(GM)
>>225(遊部)

「……!? は、はいっ。」

        ピタ

『レミ』の声に確信めいた物を感じた。
何が起きるのかは分からないが――

        「……っ!」

   ジリ

(起こした……どういう能力なんだろう?
 いや、違う、それより……あの女の子が起きた!)

『トレ』が――『レミ』が何をしたのかは穂風には分からない。
口頭の説明も、雲をつかむように、真意が隠されている気がした。
 
               ≪お嬢様――≫

「分かってる……」

穂風は警戒心を高め、動向を見守る。
『トレ』以外が攻撃を受けないとも限らないからだ。

(普通の女の子、にしか見えないけど)

        (ここにいるのが、ふつうじゃない……!)

穂風はその少女を見守る。
箱から転げ落ちる様子を――それから。

「…………?」

その少女が――錯乱しているように見える、その様子も。

「あ、う……あのっ」

言葉は通じるし、攻撃して来るわけでもない。
だから穂風は、好奇心を燃やした。

「あ……なんで、ここで。
 この別荘で、寝ているんですかっ……その」

          「どこから……? どこから来たんですか?」

228遊部『フラジール・デイズ』:2016/08/19(金) 08:41:16
>>226(GМ)
>>227(葉鳥)

 >ひどいのだわ! カレン! カレンは私のこと

『カレン』  

 この別荘にいる人物。陽・響・逢坂・周防・イツキ

 そのどの名前にも当てはまらない新しい名前。正体不明の少女。

どう言う選択をとるべきか? 私の取るその一つの行動が、紡がれる
道沿いを渓谷とさせるか、穂の生い茂る草原となすか決まるのだろう。

 「……トレ、少しお下がりなさいな。『お嬢さま』が怖がるわ」

 命じる。そうトレに  そして、少女へと距離を置いたトレと同じ場所に
自分も近寄り、軽くカットスカンツの裾をつまみつつ頭を垂れて挨拶をする。
 そして、跪いて目線が合うようにしてから抑揚つけてゆっくりと喋る。
口早にしたり、問い詰めるような圧迫感を出してはならない。目の前の人物が
混乱してるのであれば、此処が安全であると認識させるのが重要だ。

「初めまして…わたくしはレミと言います、こちらは使用人のトレです。
良くお眠りになってたようですが、僭越ながら、もう夕餉に差し掛かる
時間ですので、起こさせて頂きました。何分、わたくしもトレも
『カレン』様に指導受けて間もないもので、どうかご容赦くださいませ…」

 …『賭け』と、少しなるが。
  私は『目上に対する敬意』を、この娘に示し応対する。
この子の零した『カレン』と言う人物と繋がりを仄めかす者として、対処する。

先程の、トレの体を揺すって起こす時の言葉。そして状況を理解する前の
だたをこねる動作等を観察する上に、この娘は一定の良家、それに連なる育ちが
垣間見えるのだ。そして、反応を見るに『敵』に相応しくない。
 想像になってしまうが、こうなるとスタンド攻撃を第三の人物から受けて
この家に逃げ延びてきた。と言うほうが未だ可能性としてはある。
 もし、そう言う可能性があるとして。いま目の前にいる娘には比較的冷静さを
保たせて、情報を入手しなくてはいけない。今後の為にも 
 その為には、私は葉鳥さんや周囲の者に不信感を募らせようと役割を務めよう。
今も、これからも玲実の為に。私は『先導』をするのみだ。

 >なんでこの別荘で、寝ているんですか
>どこから……? どこから来たんですか

 「…あぁ、それと。こちらは、わたくしのお友達のもので御座います。
お嬢様のような方が、なぜ、このような屋根裏の場所で寝てるのか
酷くご疑問覚えてるようですので…わたくしも、ソレは気にかかって
いますので、宜しければ教えて頂いても宜しいでしょうか? 
 勿論、内密の事でしてもカレン様にお叱りないように致しますゆえ…」

 葉鳥さんの質問を、とりなおすようにして、未知なる少女に
やんわりとした言い方になるようにして微笑みつつ答えを促す。

 可能性の一つとして…この少女自体、いまの状況になった事を完全に理解してない。
そう言った事が考えられる。多分、詰問しても反感覚えるか
 『知らない人』と言う事で頑なに黙秘を通す事も有り得る。

此処は、嘘も方便。この少女の関係者を匂わせて情報を聞き出す。

229『ある夏の思ひ出』:2016/08/19(金) 23:53:02
>>227 (葉鳥さん)
>>228 (遊部さん)

トレの説明に真意がどこかに隠れているのではと感じた葉鳥。
動向を見守っていると、トレがゆっくりと前に歩み出た。
恭しく礼をし、跪くトレ。その姿に少女は丸い目をさらにまん丸にする。
幼い。その見た目は小学生ぐらいに見える。もしかしたらもっと幼いのかもしれない。

少女:「ゆう……げ?」

陽:「ゆう……げ?」

響:「晩御飯、かな」

少女:「……はっ! 違うわ。あなた、カレンを知ってるの?」

少女はトレに視線を合わせる。
が、その眼は不審さが宿っている。

少女:「ほんとなの? ほんとにほんとなの?」

素直に疑問をぶつける。
少女の中の記憶にトレ達の姿はない。当然のことだ。
いきなり起こされ、自分の知る人物の名を上げる存在に混乱し、不安がり、不審がる。

少女:「……どこから? お城なの カレンと私はお城に住んでるの」

    「このお山のおっきなお城に住んでるのだわ。ねぇ、あなたたちはだあれ? 本当にカレンのお知り合い?」

響:「! お姉さん」

少女:「分からないのだわ、おかしいのだわ。カレンと一緒に来ていたのに、なぜなのかしら?」

    「あなた、本当にカレンを知っているの? ほんとにほんと? 嘘だったら、嘘だったら……」

響:「お姉さん! 窓!」

響が指をさす。窓だ。
天井裏のこの部屋、通常の天井に当たる部分は屋根だ。
しかし横はまだ壁である。ここを住居スペースとして考えていたのか陽の光を入れる窓がある。
トレや葉鳥たちの右手側に当たる。左手側にはものが入った棚。前には箱、後ろは扉である。
指をさされた窓からは陽の光が入っていた。しかし、いまはその光も影を落とす。
窓の先、住居の三階の位置に当たる窓の外には―――――子供がいた。
袖のないジップアップのパーカーを身に纏い、白いリボンを綺麗に切りそろえた髪につけている。
そして片手にはなにか工具箱らしきものを持っている。

230葉鳥 穂風『ヴァンパイア・エヴリウェア』:2016/08/20(土) 00:06:47
>>228(遊部)
>>229(GM)

「えっ…………」

     「えっ」
 
         「どうして」

穂風は『トレ』――いや、『レミ』を見た。

「お城、え……レミさん、あの、お知り合い、で――」

(本当に知ってるの……ううん、 
 それを私が聞いたら何の意味もない!
 でも……嘘だったら、それがバレたら、良くない……!)

            ≪…………!≫

カレンという人物を、知っている?
それが本当かどうかは……穂風には分からない。

             もちろん、従者にもだ。
             しかし――少女の不審は察せた。

「……えっ! 窓、って――!
 あ……う、また、知らない子っ……!?」

穂風は窓を見た。
外の景色ではなく、その子に目が留まった。

            ≪お嬢様! ここは三階で御座います!
               つまりあの子供も――スタンド使いッ!≫

「分かってる……!」

(もしかして、あの子が……カレン?
 でも、もしそうだとしてなんでここに……お城って??)

           (何がなんだか、分からないっ!!)

分からないことは好きだけど。
こんなに多いと食べきれない。

『少女』と『トレ』『レミ』の間に割って入るには、言葉も知恵も足りない。
それよりは、『窓』と『陽と響』の間に割って入る。

             ・・・・ほとんど反射的な動きだが、守らないよりはいい。

231遊部『フラジール・デイズ』:2016/08/20(土) 00:37:51
>>229(GМ)
>>230(葉鳥)

 随分、『不可解』な状況になってきている。

『レミ』は眉が顰めかねないのを。表情筋を保ち微笑みを意識しつつ
事態の混迷化に進んでいく空気に対し、心の中で首捻る。

 まず整理するに。
この少女は、状況と言葉から察するに大きなお城に住んでいる(言葉が真実である前提)
 『カレン』と言う人物と同行していた。
原因不明であるが、気づけば逢坂達の住居で眠っていた。

 ……随分と『奇妙』な出来事ばかりだ。まだ、スタンド使いである少年等を目当てに
襲撃してきたという構図のほうが、こちらも分かりやすくて済むのだが。

 務めて、冷静さを前に出して、この少女の関係者を匂わせて演じてみたが。
それも芳しくない。疑心暗鬼が生じてるようであるし、こちらとしても相手の正体が未知であり
また素性や、どう言う目的かも理解出来ない。まるで、こちらに選択肢を募らせて思考を停止
させるのが目的なのでは? と邪推すら出てくる。

 解れた糸がきつく絡み合えば、それはもう切断するしか道がなくなってしまう。今より
混乱が多くなれば、こちらとしても依頼人を守るほうが優先する。目の前の子も屋上の相手も
強硬策で排除する方策にならざらなくをえなくなる。

 「……一先ず、ですが」

 「こちらの皆さんに自己紹介して、まず一度冷たいお茶でも
一杯飲んで落ち着かれるべきでは? 因みに、そちらの方(葉鳥)と
少年二人は、お嬢様の事を把握されてません…」

 自分が『カレン』の関係者かどうか。の質問には答えない。
これにNOを言えば、酷くパニックに更になるに決まってる。
 嘘をつくのは悪い事だ。だが、目に見える地雷が動きだすのを
防ぐ為ならば、三人への被害を押し止める為にも今は口上を切らなければ。

 返答しつつ、屋根裏のほうに視線を向け、その子供の出方も見守る。
その子供が『カレン』であれば。こちら自分を含めた五人が『少女』を
拉致したと誤解される必要もある。また、逆に全くの無関係の新たなる
『謎』となれば…それは、もう収拾つきかねない。
 相手の登場に、目先にいる寝ていた『少女』の反応を伺う。
これで取り乱して逃走するなり、攻撃してくるようなら。前者ならば
『トレ』に捕獲を命じ、攻撃するなら以前にしてた命令で自分を庇うだろう…。
 どちらになるとしても、叶うならば避けたい事だが…。

232『ある夏の思ひ出』:2016/08/20(土) 02:19:23
>>230 (葉鳥さん)
>>231 (遊部さん)

混沌とする現状。
窓の外の子供は腕を組み、小首をかしげている。
窓と響、陽の間に飛び出す葉鳥。
その様子をみて子供はにっこり笑って手を振っている。
少女の方は窓をしっかりと見て、はぁと息をつく。
それから、頬を膨らませて。

少女:「別にそれはいいの。だけれど、私はあなたがカレンと知り合いかって聞いてるの」

    「なんで答えてくれないのかしら。答えてほしいのだわ。」

    「でも、もういいの。カレン! カレンカレンカレンカレン!」

    「聞けばわかるのだわ」

こんこんと窓を叩き、それから窓を開けた子供。
ほんの少しだが、トレや葉鳥たちは自分の体がぐっと上に持ち上がったような
エレベーターで移動している時に起こるような、そんな感覚を覚えた。

子供:「二つ謝罪しなければならないね」

宙を滑るように移動する子供。
その傍らには小さな地球のヴィジョン。
そして、最敬礼。

子供:「まず一に、勝手にこのお宅に侵入をしたこと」

    「二つに、裏の倉庫から、工具箱をお借りするということ」

    「ボクはカレン。そして、そこの子はタマキ。とりあえず怪しいものではあっても、敵ではないと思ってもらいたい」

    「まぁ、信じないと言われれば逃げるだけ。というか、今すぐにでも工具箱を借りて帰りたいな」

今度は両手を床についた。土下座に近い姿勢だ。
頭を上げた姿勢ではある。

タマキ:「カレン! 聞きたいことがあるのだわ」

カレン:「奇遇だね。ボクもある」

233葉鳥 穂風『ヴァンパイア・エヴリウェア』:2016/08/20(土) 10:11:27
>>231(遊部)
>>232(GM)

『レミ』の弁舌を、怪訝そうに見守っていた穂風だが――

           グン!

「うあっ…………!?」

謎めいた『浮上感』――地球儀のヴィジョン。
そして、浮遊し、氷上のように宙を滑る『カレン』。

           従者は察する物がある。
           レインコートのフードに着いた顔が話す。

          ≪――お嬢様、これは『重力』かと。≫

     コク

重力――馴染みは無いが、知っている言葉だ。
しかし、穂風は状況を見る。

「……工具箱、って。
 あ、う……何に使うん、ですか?」

     「それに……なんで、あの。
       タマキさんは、寝てたんですか?」

純粋な疑問がそこにあった。
それから、なぜ『タマキ』が寝ていたのかも気になる。

あるいは協力出来るかもしれない。
抵抗だけが、『この家を守る』ことではないはず。

        「……あ!」

「っわ、ええと、私は『穂風』……です。」

             ≪――――失礼いたしました。
              『ヴァンパイア・エヴリウェア』で御座います。≫

それから、少し遅れて頭を下げて、自己紹介を返した。
 
                     ――従者も、あるじに倣った。

234遊部『フラジール・デイズ』:2016/08/20(土) 17:06:35
>>232(GМ)
>>233(葉鳥)

   ――グンッ…

体に掛かる僅かな負荷、臓器が少し浮き上がるような。
展望楼塔のエレベーターを使った時のような感覚。

 >お嬢様、これは『重力』かと

葉鳥さんのスタンドの説明が聞こえる。私は、この能力の概要も
考えたいものの、まず先に打つべき行動をする。

 「トレ、まだ控えてなさい。私が良いと言うまで」

この今の、『カレン』と言う子供が使った能力。これが自分に対する『攻撃』
と解釈された場合、トレは演者としての設定で私を守るべく動きかねない。
 ここで、争いは不味い。トレへの命じを終えると共に次の行動へ移る。

 葉鳥、陽、響より前に出つつ。『タマキ』『カレン』との中間の位置へと
移動しつつ、その二人へ服の裾をつかみつつ会釈して口を開く。

 「ご丁寧に有難う御座います。わたくしの名はレミ。そして其処に控えてるのは
従者であるトレです。 こちらこそ、謝罪を一つ。
 そちら…『タマキ』様に、私はカレン様の関係者であると最初に名乗らせて頂きました。
無論、真実ではありません。タマキ様、貴方の訝しんでいた通り私の真っ赤な嘘です。
 行き成り出現した貴方に対し、未知なる超能力による攻撃である事を警戒して
関係者であると名乗る事が、こちらの利点になるだろうと軽率に考えて、そう行動しました。
 こちらの安全の為と言え、ご無礼をお許しください…タマキ様、カレン様」

 丁重に、まずタマキに深く頭を下げて詫びを行う。このように至った事情は未だ不明だが。
『嘘をついた』と言うマイナスな事実がこちらにはある。それに対しては
真摯な謝罪をしなければならない。相手が言葉で誠意を見せてるならば
こちらも誠意を取るべきだろう。

 「そして…葉鳥さまも申し上げていた通りですが。貴方がたは
どのような事情でこちらへと来たのでしょうか? そちらが何もせず
帰るとは言われても、関わった手前、何も知らずに悪戯な幽霊が工具箱を
消したと思い出残して、この暑中を過ぎるのは酷く心残るでしょう。
 宜しければ、私でも力を貸せる事があれば尽力する所存です。
わたくしも、『嘘をついた』と言う借りがある身ですので」

 …このまま、この二人を工具箱を何時か返るかと言う楽観さを残し
見送る、と言うのは味気ないし。きっと依頼が終えても尾を引く。
 『私達』の安全。と言う意味合いでは私の行動はセーフラインを越えてる
かも知れないが。関わった手前、その関わりを完全に遂げなければ
いずれ、それが私が居ない時に返ってくる可能性もある。ならば、私が
この玲実の体に居る間に、終わらせるべきだ。

235『ある夏の思ひ出』:2016/08/20(土) 23:32:50
>>233 (葉鳥さん)
>>234 (遊部さん)

カレン:「そう。重力―――ボクのはそういうのなのさ」

     「だからといってどうするつもりもないけれど」

特に隠し立てすることもなくカレンは話す。
それほど重要ではないのだろう。
トレはレミの指示に従っている。

カレン:「ご丁寧にどうも」

タマキ:「やっぱり違ったのだわ。カレン、もう聞きたいことはないのだわ」

箱に座り、再び横になるタマキ。
少し不機嫌そうな雰囲気はあるが、事実を明かしたことで突っかかってくることはないだろう。

カレン:「お城の修理をするためだけど? 工具を使う用事がある。雨漏りがひどくて」

     「それと、ボクはタマキを二階にあげたはずなのに天井裏にいて驚いたよ」

     「寝てたのは……眠かったんだと思うよ。そういう体だし」

タマキ:「カレン! 知らない人にあれこれ教えて欲しくないのだわ!」

怒り出すタマキ。それを見て薄く笑うカレン。問題などどこにも感じていない。
その様子を見て、陽もくすくすと笑い始めた。
ただし、響がすぐにそれをやめさせたが。
ここの子供たちは、響を除いてみな警戒心が薄いように思えるかもしれない。

カレン:「そう、穂風に『ヴァンパイア・エヴリウェア』。レミの話からして、キミたちもそういう人なんだね」

     「予想のとおりボクらもそう。それと、力は貸してもらわなくていいや」

     「ボクらの問題だし。安心して。明日には返すから。それは保証する」

タマキ、と声をかけるとタマキはカレンのもとに歩いていく。
カレンはタマキが横に着いたことを確認すると、工具箱を掴んで立ち上がった。

カレン:「まぁ、借りている身ではあるし、お城に来てくれたらそれなりのおもてなしはする、かもね」

     「じゃあ、そろそろ帰らせてもらおうかな。いい?」

(以前のレス等で『レミ』の名前を『トレ』とご表記してしまったことをここに謝罪いたします。
 以後はこのようなことはないように注意いたします。申し訳ありません)

236葉鳥 穂風『ヴァンパイア・エヴリウェア』:2016/08/21(日) 00:18:26
>>234(遊部)
>>235(GM)

「…………?」

      チラ

響と陽に視線を向けた。
お城――この近くにあるのだろうか。
もし知っていたら、彼らが何か言うのでは?

(来る途中に、そんなの見えなかったけど……ほんとに、あるのかな)

        「あ……う……」

   モゴ

「ありがとう、ございます。
 その、質問、答えてくれて」     

二階に上げた理由――が気になったのだけれど。
それは言えないか、意味は無いのか。

穂風は少し考えるが――

「響くん、陽くん……あの、どうしましょう」

           「工具箱、その……あ。
            貸しても、大丈夫……ですか?
            明日まで、え、返ってこないでも……」    

工具箱というのがどういうものか、穂風は知らない。
だから、そう聞いて――

「それとも……あのっ、私、行って見にいきましょう、か?
 工具箱のことも、その。お城のことも、気になる……から」

             「あの」

      「その」

「……お城に。あとで、家事とかが済んだら。
 あの、ダメなら、行かないです。えへ……お手伝い、ですから」

            「手伝えるなら、します」

好奇心に火が着いた。
工具箱の行方や、謎めいた彼らの住まう『城』――
正体不明の侵入者を知ることは、屋敷番に繋がる気もする。

        ≪……お嬢様! 危険で御座います。
          見た目は子どもでも――スタンド使い≫

            ≪それに――お手伝いの仕事の範疇では御座いません……≫

                 従者は反論するが、穂風が決めれば逆らえはしない。

237遊部『フラジール・デイズ』:2016/08/21(日) 00:33:40
>>235(GМ)(お気になさらず)
>>236(葉鳥)

 「……」

>じゃあ、そろそろ帰らせてもらおうかな。いい?

「……では、一つだけ。申し上げますが」

 「もし、火急を用し。私達の助けが必要である場合
直ぐに連絡する方法叶わない時もあるでしょう……ましてや
只の工具箱を、他の住居から借りる手段しかない程に切羽詰まってるのならば」

 この『カレン』と言う子供の素性も、目的も不明だが。
この子にとって大事なのは『タマキ』と言う少女であり。そして、自分達が
響、陽を守るのが今の使命であるように。この子にも遣り遂げなければならない
事があるのだろう。軽犯罪を犯してでも、だ。

「もし、大事になりそうであれば電話でも構いませんからご一報くださいな…
人は、一人で大事を全て成せませんので…」

 そう、会釈して、その場で『タマキ』と『カレン』を見送れるならば見送る。

>それとも……あのっ、私、行って見にいきましょう、か?

「――葉鳥さん……」

 私は、一言だけ呼びかける。だけど、目は鋭くなくも真っすぐと葉鳥を見る。

 私達の依頼は、『陽と響の面倒を見る』 それが一番の優先事項だ。
確かに、目の前のこの子達の目的も気になる…だが、それは最初の依頼を
放棄してまでする事では無い筈だ…陽と響が、その挙げられた『お城』
とやらに行きたいのならば、別だが…仕事を放棄してまで言うものではない。

238『ある夏の思ひ出』:2016/08/21(日) 22:59:55
>>236 (葉鳥さん)
>>237 (遊部さん)

陽:「お城ってどんなとこなのかな?」

響:「さぁ……?」

陽と響に心当たりはない様だ。
城と呼ばれるような場所はたしかにここまで来る途中では見ていない。
あくまでそういう表現なのかそれとも本当にそういう代物なのかはまだ謎だ。

陽:「んー……明日返してくれるらしいし……僕たち使わないし……いいんじゃない?」

響:「いいの?」

陽:「お姉ちゃんもいいって言ってくれるよ。多分」

カレン:「だって。よかったねタマキ。雨漏り直せるよ」

工具箱の貸し出しに陽は了承した。
実際に使うのは逢坂なのかもしれない。
しかし逢坂が使うかも謎であるし、少なくとも陽たちは必要なものと認識していないようだ。

陽:「僕も行きたい! お城! お城!」

葉鳥の言葉に陽が応じる。
この少年も好奇心に火がついているようだ。

カレン:「穂風さん……それとキミ……」

タマキ:「ダメなのだわダメなのだわ! カレンはすぐにデレデレするのがいけないのだわ!」

     「そうやって色んな人をお城に連れていくのは私反対なのだわ!」

きぃきぃと声を上げてぺシぺシとカレンを叩くタマキ。
苦笑いでそれにこたえるカレン。
そして、響もまたタマキ同様その意見に反対のようだった。
眉を歪ませ苦い表情で陽の腕を抱く。

響:「僕も反対かな。お城かなにか知らないけれど、そんなところにハルを行かせたくない」

陽:「お兄ちゃん……」

響:「ハル。他の頼み事なら聞いてあげられるけど、それはダメ。絶対」

  「お姉さんにも悪いですけど、ごめんなさい……」

カレン:「ふふっ」

くすりと笑みを浮かべるカレン。
タマキをぎゅっと抱きしめるとふわりと跳んだ。
ゆるやかな曲線を描きつつ、窓枠に座る。

カレン:「どうやらそこのキミは君たちがこっちに来るのが不満だって」

     「残念だけれど、またの機会だね」

     「穂風、陽。キミたちの好奇心が消えなかったならボクらを探すといい。お城でボクたちは待ってる」

タマキ:「待ってないのだわ」

カレン:「おいしいケーキでも準備しておくよ」

タマキ:「待ってないのだわ!」

ぐんっと後方に跳んだカレン。
今度は一直線。引っ張られるように跳んでいく。
すぐに姿は見えなくなった。

陽:「あ……行っちゃった……」

響:「……家の案内、続けましょうか? それとも、気分転換でも……?」

239『ある夏の思ひ出』:2016/08/21(日) 23:06:27
森の中。整備された道がある。
それを見下ろしながら跳ぶ子供。

カレン:「さて、どの木を切ろうかなぁ」

タマキ:「カレン」

カレン:「どうしたの?」

タマキ:「本当にあの子たちが来たらどうするの?」

不安そうな顔でタマキが問う。
ぎゅっとカレンの服を掴んでいる。

カレン:「歓迎しよう。いままでボクらにそういうことを言ってくれた人はいなかったし」

タマキ:「カレンはあの子たちがたどり着けると思っているの?」

カレン:「来たいなら来れるよ。隠されたような場所じゃないしね。でも、反対してる子には見つけられない」

     「だって、多分そういう子は情報を集めたがらないからさ」

     「ボクらを見つけても追いかけたりしないさ」

どんどんと高度を下げるカレン。
ふわりと着地し、首を上げる。
見上げるものはまさしく城。
西洋風の見た目の城がそこにある。

カレン:「さぁ、とりあえずボクらは修理だよ。修理」

タマキ:「人使い荒いの」

カレン:「どこで覚えたの?」

タマキの傍らに屈強な男性のヴィジョンがあらわれた。

240葉鳥 穂風『ヴァンパイア・エヴリウェア』:2016/08/22(月) 00:09:21
>>238(GM)
>>237(遊部)

遊部の視線――以上に、響からの否定。
穂風自身述べたように、自分は『お手伝いさん』だ。

「いえっ……悪いとかは、ないです。
 あの、私こそ、すみません! 勝手を、言って」

   ペコ

           ≪…………正しい御判断かと。≫

それをやり遂げる。
必要が無いのなら、『お城』は放っておこう。

           従者は『響』に対してそう述べた。

好奇心が消える事はないけれど――

           あるじの好奇心は、知っているけれど。

(また今度、でも……いいよね。
 今は、家のお仕事に集中しなきゃ。)

           (……気になるけど)

――抑えるという事は、出来る。
穂風はお手伝いさんに真剣だ。去って行く二人の背を見送る。

            ・・・・そして。


「あの……すみません、でしたっ。
 それで、その。お家の案内……続けて、もらっても」

           「いいでしょうか、あの、お外とかも」

『工具箱』がある――もとい、あったという倉庫なども気になる。
彼らが物色した後だろうから、それで何か予想外が無いとは限らない。

241『忍んだケーキ』:2016/08/22(月) 06:52:36
>>238(GМ)   (昨日は寝落ちしてました、すみません)
>>240(葉鳥)

 フゥー・・・

『カレン』 『タマキ』素性不明な、大きなお城に住んでいると言う『スタンド使い』

 「…つかぬ事を、伺うけど。響君と陽君は、この山の上に
そう言うお城があるって噂か、もしくは存在を知ってたりしたかしら…?」

 子供たち二人へと、先ほどの話の真偽を確かめてみる。
あの屋根裏に訪れた、謎の二人の信憑性を疑う訳でもないのだが
それが完全に正しい情報なのかも、私はこの目で確かめない限りは
鵜呑みにする事は出来ない。だからこそ、情報を求める。

 そして…。

「御免なさいね、三人とも」

 ぺこり、と一度頭を下げて謝罪を述べる。

「あの。タマキさんと言う方に関係者を名乗った事…
どう言う相手か知らないけど、先に嘘をついて色々聞き出そうとするのは
軽率な判断だったわ…逢坂さんが言ったように『信頼が大事』だものね…
これからは、必要な状況以外ではちゃんと正直に接する事にするわ…
悪戯に場を乱して御免なさいね…」

 『レミ』は決して、嘘をつくのが常套手段ではない。それが必要であるならば
するが、悪い事であると自覚しながらするし、それが不当であり周囲の人間を
巻き込む事であれば、正直にそれについて告白する。そうでなくば、後に
亀裂が関係に起きてしまう。それは、体が傷つくよりある意味怖い事だ。

 「そうね、響君と陽君に任せるわ…工具箱がなくなったのを
確かめる事も必要ね…」

 呟きつつ、三人の後をトレと一緒に付いて行く。また、何が起きる事は
早々にないと思うが、それにしても先ほど起きたのは余り心臓良くないものだった。
連続してこんな事は起きて欲しくないのが心情ではある。

242『ある夏の思ひ出』:2016/08/22(月) 23:12:32
>>240 (葉鳥さん)
>>241 (遊部さん)

陽:「知ーらない!」

響:「僕も……」

心当たりはない様だ。
この山に住む人物でその話を聞けるのはいまのところ逢坂ぐらいだろう。
他にも山で活動する人間がいれば別ではあるが。

陽:「んー嘘をつくのはダメだけどぉ、ごめんなさいしたからいいよね」

響:「葉鳥お姉さんも気にしなくていいですよ。これはボクのわがままなので……」

そうして、四人と一体は家を出る。
数分歩くと、どこにでもあるような物置が置いてあった。
どうやらこれが倉庫らしい。

陽:「えっと、向こうには畑があって、野菜とか果物とか作ってるんだって」

響:「倉庫、開けますね」

倉庫の扉はスライド式だ。当然というか鍵は掛かっていない。
でなければカレンは鍵を開ける手段を持っていなければならない。

響:「えっと、緊急用の食料とかあるんだよね?」

陽:「うん。乾パン? とかあるんだって」

段ボールなどが積まれている。
そして他には草刈機や手にもつ鎌。桑といった農作業の道具や釘などが入ったタッパーがある。
物置内の棚にはすっぽりと抜け落ちた部分があった。恐らくここに工具箱を置いていたのだろう。

陽:「あ! 釣り竿!」

響:「へ?」

陽:「釣り竿だよ釣り竿! 釣りしよう!」

がちゃがちゃと物置の中をひっかきまわしていた陽が釣り竿を三本持ち出してきた。
家族で使っていたものなのだろう。若干の使用感が見られる。

響:「明日行った方が時間いっぱい使えるよ?」

陽:「えー? ちょっとだけ」

響:「うーん。暗くなると危ないよ」

陽は川に行こうとしているが響はそれを止めている。
代案に響は読書などをすすめているが、陽はあまり乗り気ではないようだった。
響は時折複雑な表情で折れそうになっている。一方の陽もそんな響の顔を見るたびに勢いが悪くなる。
しかしどちらもいまいち譲れずに平行線上であった。
これからの行動はあなたたちの選択によって決まりそうだが、どちらの意見を採用するかはあなたたち次第だ。

243葉鳥 穂風『ヴァンパイア・エヴリウェア』:2016/08/22(月) 23:37:14
>>242(GM)
>>241(遊部)

「じゃあ、お城はこの山じゃない……?」

       「ええと、ありがとうございます」

  ペコ

返答に――つまり心当たりがない事に、礼を言う。

「……」

         ≪お嬢様、くれぐれも――≫

「分かってる、から……」
 
        シュ
               ゥウ

それから、レインコートの従者を解除して。

「あのっ、ええと。
 気にしないで、ください。」

     「怪しい相手、でしたし。
      その。嘘はよくない、ですけど」

  「あの……今のは、その。
   きっと、そんなに、よくなくない、です」

『レミ』の謝罪に、そう返した。
穂風もまた――悪事を好んでこそいないけれど。
むしろ、悪いことはするべきじゃあないなんて、思うけれど。


             ・・・

      ・・・
 
倉庫について、中を見る。

「えへ、お野菜です、か……」

畑に思いをはせつつも(鍵が無い事にやや驚きつつも)、中を見た。
積まれた段ボールや、機械、刃物――――

     「……釣り竿?」

釣り。

海を愛する知りあいは多い。
親友も、そうだし。

「私、あの。ちゃんとした釣りって、したことなくて。
 それで。ちゃんとできるか、分からない、です。けど!」

       「でも……やってみたい、ですっ、あの」

     チラ

           「すぐじゃなくても、ですけど」

お手伝いさんの仕事ではないし――響の言い分も確からしく思えた。
もっとも、陽と響の相手をする、という意味では合っているとも思う。

          ・・・そうなると、やはり『レミ』の意見が気になるのだった。

244遊部『フラジール・デイズ』:2016/08/22(月) 23:59:11
>>242(GМ)
>>243(葉鳥)

 「有難うね、三人とも…」

この三人は、良い子達だ。私よりも、よっぽど上等な人間だと思う。
それでも、私が何より大事なのは『玲実』なのだ。いずれは返さなくては良いけれど
(でも…あと、もう少しだけ。この体を借りさせてね…玲実)

 『レミ』は静かに一度、瞳を閉じて。そして、再び『レミ』として活動する。

「あら、良いわね野菜畑なんて…明日にでも、出来立ての野菜を取って
食べるって言うのも良いわね…二人は、野菜では何が好きなものある?」

 話しつつ、倉庫に進む。成る程、農作業に草刈り鎌など。用途さえ
間違わなければ、殆どが異常のないものだ…工具箱は、やはり無いのだろう。

 そして、少し『問題』が生じた。

 「……釣り、ねぇ」

正直な感想を言わせて貰えば、『どちらでも構わない』
 葉鳥は釣りをしたいらしい、陽もだ。そして、響はそれに反対してる。
……となれば、基本的な発想ではるのだが。

 「……葉鳥さんと、陽君で釣りに。
そして、私とトレ。そして響君で家の留守を任す。と言うのは駄目かしら?」

 『分担』だ。陽の意見を却下すれば余り楽しくないだろうし。だからと
言って響を折れさせれば、彼は陽より少し大人びてるが、それでも子供だ。
余りこう言う事で関係を悪化させるものではない。

 「葉鳥さんのスタンドは、装着タイプで。何かあっても私よりは素早く
動いて対処できるでしょうし…陽君は、それでも良い? やっぱり
響君と一緒に行くのが良いかしら?」

 「私は釣りをするのに、別に反対はしないけれども…まだ、家の中の
全部も案内されてないからねぇ…響君さえ良ければ、私をエスコート
してくだされば、助かるんだけど…」

 妥協案であり、結果的に双方の意見をどちらも取り入れる故に
最善な行動では無いけれども、これならば陽と響。どちらの意見も
無視してはいない。森の中に自分が入っても、何かあった場合トレと自分
その能力では自然の中では相性良いと思えない。まだ葉鳥のほうが役立てるだろう。

自分は、言葉通り屋内での他の場所も自分の目で確認しておきたい。
 それに、これを機に。もう少し響に陽との関係性などをじっくり聞くのも
良いかも知れない……。

245『ある夏の思ひ出』:2016/08/23(火) 23:16:34
>>243 (葉鳥さん)
>>244 (遊部さん)

陽:「僕は、きゅうり!」

響:「トマトが……」

二人はそれぞれ好きな野菜をあげる。
実際に栽培されているかは分からないが、少なくとも陽の好物であるなら栽培されている可能性は高い。

陽:「お姉ちゃんもやってみたいって!」

響:「お、お姉さんは関係ないよ……ハル〜」

釣りに興味を示した葉鳥。
構図としては一対二、というわけでもないか。
ここで、レミは妥協案を提案する。
別れるということ。その意見に陽は嫌がることはしなかった。

陽:「あー! うん。いいよ! お姉ちゃんも僕も釣りができるね!」

  「お家はお兄ちゃんたちがいてくれたら、だいじょーぶ!」

  「お兄ちゃんがいないのは、寂しいけど、しょうがないよね」

響:「あ、あう……むぅ」

  「ボクも賛成します……で、でもハル。怪我しちゃだめだよ? お姉さんに迷惑かけるのもだめだよ? 
   でも、危なくなったらお姉さんに助けを求めるんだよ。それと、暗くなったらすぐ帰るんだよ?」

響も賛成してくれた。
必要なものがあれば持っていく方がいいだろう。
陽たちに言えばあるものは貸してもらえるはずだ。

246葉鳥 穂風『ヴァンパイア・エヴリウェア』:2016/08/24(水) 00:48:16
>>245(GM)
>>244(遊部)

「トマト……私もすき、です。
 美味しいし、あの、栄養もある、そうですし」
  
      (今は旬じゃないけど)

八百屋で普段バイトに明け暮れる穂風。
野菜トークに顔をほころばせる。

それから――

「あ、別れる、ですか」

       「ええと」

穂風は、『レミ』の案はいいものだと思った。
自分達の仕事が、『子供たちの相手』を含んでいるのだから。

「いいと思いますっ、あの!
 陽くん、あ、よろしくお願い、しますね。えへ」

      「がんばります、ので!」

            ニコ
  
「レミさん、えと、それに、トレさん。響くん。
 その、家のこと……おまかせ、しますっ!」

            ペコ

一緒に行動をする、この山の先輩である陽に笑顔。
それが絶えない間に、家を任せる三人に大きく頭を下げた。

きっと、危険な目には合わせない。
穂風はやり遂げる決意を抱く。

「あのっ。道具って、釣り竿だけで。
 あの他に……何か、その、いるんでしょうか?」

        「餌、とかって……?」

――――それから、川釣りという『新体験』を心から楽しむ決意も!

247遊部『フラジール・デイズ』:2016/08/24(水) 19:52:09
>>245(GМ)
>>246(葉鳥)

 「森の中に入るのだったら、虫も結構いるでしょうし
虫よけスプレーが必要ね。それに、懐中電灯と…あ、トレに
防犯ブザーを持たせてたわ。トレ、貸してあげなさいな」

 釣り竿と餌以外で必要と言えば、万が一の事を想定するとして
これ位だろうか。熊などが出てくる危険も多少あるけど…葉鳥さんは
スタンド使いだし、陽君もそうだ。それに野生の熊は特殊でない限り
人を襲う確率は本来少ない…危険は低いだろうし、余り過剰に
心配するのも変だと思われる。

 「えぇっと、それじゃあ響君。他に見てない場所と言えば
何処だったかしら? 良ければ、それ以外でお薦めの本とか
あれば教えて欲しいわね…」

 他の不明な場所の探索、それ以外では彼の趣味に合わせ
本を見る事で良いだろうと私は思う。実際、詩を朗読したり
読書は好きだ…未だ知らない著名な作家の本があれば、正直読みたい。

248『ある夏の思ひ出』:2016/08/24(水) 23:20:33
>>246 (葉鳥さん)

野菜トーク。それから陽に笑顔を見せる葉鳥。
陽もそれに対して笑顔で返す。
決意を胸に陽と共に進むことになるだろう。

陽:「んーエサはミミズとかかなぁ……お店で買ったエサとかないし……」

現地調達するしかなさそうだ。
しかしそれでも十分なような気はする。

トレ:「はい。お嬢様」
   
   「こちら、防犯ブザーです。なにかあればこれを」

レミに支持され、トレは陽に防犯ブザーを手渡してくれた。
陽は家から持ってきたナップザックに『虫よけスプレー』『防犯ブザー』『懐中電灯』『水筒』ほかを詰め込んだ。
(他に必要な物品はレスにて提示していただければ持ってきたものとして扱います)
そして、山道を行く。
整備されてるとはいえアスファルトではない。
ざっざと普段とは違う感触の大地を進む。

陽:「ねぇお姉ちゃん」

  「お城ってあると思う?」

川に向かう途中、陽はそんなことを聞いてきた。

>>247 (遊部さん)

家に残ることになったレミとトレと響。
見ていない場所である畑を見に行く。
家庭菜園というものだ。夏に陽はここにきているらしく、それに向けてなのか夏野菜が栽培されている。

響:「ここぐらいですね。見てないところ」

  「……おすすめの本、ですか?」

野菜を撫でながら響は考える。
少女のようなその顔は眉にしわを作っている。

響:「100万回生きたねこ、ですかね」

249葉鳥 穂風『ヴァンパイア・エヴリウェア』:2016/08/25(木) 07:28:59
>>248(GM)

「あっ、そう……でしたか」

「この辺りなら、ミミズも……
 たくさんいそう、ですね。えへ……」

現地調達上等だ。
穂風はむしろ、その方が楽し気にすら感じた。

           ・・・蟲はそんなに怖くない。

「あっ。ありがとう、ございます。
 それじゃあ、あの、行ってきます、ね」

        ペコ

『トレ』に礼をして、出発する。
穂風の荷物は、持って来たカバン。それに釣り道具。

    ザッ

             ザッ

(すごい山道……虫もたくさんいる。
 動物も、きっと沢山住んでるんだろうな)

       (それにやっぱり、空気もおいしい)

   ザッ

穂風が大自然の喜びに胸を弾ませ、歩く。
――と、『陽』の言葉に小さく頷いて。

「はい、私は……ぁ、ええと。
 あるんじゃないか、なって。思います」

     「うそにしては、その。
      それに、良い場所かは……
       あの。分からないです、けど」

非現実への耐性は、穂風は高い方だと思う。

「でも、見当たらない、ですよね……えへ」

  キョロ

何気なく――周囲を見渡した。もちろんそれらしき風景はないはずだけど。

250遊部『フラジール・デイズ』:2016/08/25(木) 19:34:33
>>248(GМ)

「百万回生きたねこ」

 復唱するように、私は呟く。

内容は、確かこう言うものだった筈だ。とある死んでも何度も
猫として生まれ変わる不思議な猫がいた。猫が死ぬたびに主人は
激しく悲しむけど、主人が大嫌いで猫は気にしない。
 最終的に、野良猫となり。そして、ある猫と紆余曲折と共に
結ばれ、そして『愛』を知った事で、結ばれた猫が死んで百万回
生きた猫は、その猫の後を追うようにして生き返る事なく死ぬ。

 絵本では有名な作品だ。大人でも読める深い内容が詰まっている。

「いいわね、私も好きよ。百万回生きたねこ
他で絵本で言えば私、あらしのよるに、とかも好きよ…」

 本を話題にして、話を広げつつ。少し気になった事があるので
それをまず、響君に対し聞く事にする。

 「そう言えばね、逢坂お姉さんがお出かけする前に電話してたと思うけど。
『イツキ』さんって言う人だけど、どんな人が響くんは知ってる?
 それと、『周防』さんね…年は、私より上かしら? もしかすれば、この
別荘に来る事があるかも知れないでしょ? 良ければちょっとどう言う人が聞いて見たいの」

 『カレン』 『タマキ』と言う謎のお城の人物が出た事もあって
少し忘れてたが、この別荘の人間関係も少し整理しておきたいところだ。
 あの電話の受け応えから察するに、逢坂が戻ってくる時は一人から
二人に増えてる可能性もある…

251『ある夏の思ひ出』:2016/08/25(木) 22:48:13
>>249 (葉鳥さん)

陽:「お姉ちゃんは虫平気なんだね」

意気揚々と歩く陽。

陽:「僕、お城あると思う! 見つけて、行ってみたい!」

「お兄ちゃんは嫌がるかもだけど……」

「お姉ちゃんはもしも僕が探すっていったら協力してくれる?」

周囲を見回してもそれらしいものはない。
木々や植物、鳥などが視界にはいる。
それからしばらくすると、いっそう涼しい風が吹いてきた。
そのまままっすぐ進むとそこには川があった。
美しく澄んだ水。陽の光にきらきらと輝く。
よく見てみれば魚が泳いでいるのも確認できる。

陽:「ミミズ��ミミズ��」

陽は川の近くの草むらに足を踏み入れ、土を手で掘っている。
そしてそれから、やったと声を上げ何かを掴んだ。

陽:「いた! ミミズ!」

どうやら一匹捕まえたようだ

>>250 (遊部さん)

響:「えぇ。昔から好きなんです」
「あらしのよるに……いい本ですね。あれも」

ゆるく笑う響。

響:「不思議、ですね。猫が死んでしまうのに、死んでしまったことがめでたしめでたしになるなんて」

「あの猫はきっと呪われてたんだと思います。彼に足りないものに気づくまで解けない。猫になるまで転生を続ける呪い」

「最後の最後で愛を知って猫として死ねたから生き返らなかったのかもって」

それまでの猫は響にとって猫の皮を被った化物らしい。
奇妙な生き物なのだという。
そんなことを告げる響の瞳は真剣で嘘はない様子だ。

響:「ボクはあの猫がちょっと羨ましいかったです。でも、今はお姉さんやなによりハルがいてくれるから……ん。気にしないでください」

レミは響にイツキという人物について問う。別荘の人間関係を知るのだ。
響は少し、不思議そうな顔をして、それから

響:「イツキさんは周防お姉さんのお姉さんです。一度だけあったことがあります」

「周防お姉さんは、二十歳すぎだったかな……ボクはあんまり詳しく知らないですけど」

「逢坂お姉さんとは違う愛情の人でした」

252葉鳥 穂風『ヴァンパイア・エヴリウェア』:2016/08/25(木) 23:37:01
>>251(GM)

「あ、慣れてます、ので」

     コク

八百屋だから。
それに、元から、虫くらいのことは。

     キョロ…

穂風は見渡すのを止めた。

「わ……」

(すごく、綺麗なお水……お魚も、たくさんいる。
 海とも、町の中にある汚い川とも全然違うんだ)

それよりもっといいことがあるからだ。
自然は向こうから来てくれるし、お話もしたい。

「私も、行ってみたい……です。
 でも、その。お仕事も、大事だから」

「またいつか……あの。
 お仕事じゃない時、なら。えへ」

         ゴソ

     「探しに行って、みたいなって」

同じように、草むらへ分け入っていき、しゃがむ。
ミミズはいるだろうか? 似たような虫でもかまわない。

   「でも」

      「どこにあるん、でしょう。
        この町じゃ、ない……のかな」

253遊部『フラジール・デイズ』:2016/08/26(金) 18:40:20
>>251

>あの猫はきっと呪われてたんだと思います。彼に足りないものに気づくまで解けない。猫になるまで転生を続ける呪い
>最後の最後で愛を知って猫として死ねたから生き返らなかったのかもって

「…どちらか良いのかしらね。愛を知らないままに、永遠に生き続けるのと。
愛を知り、永遠からすれば刹那の時間でしか過ごす事が出来ないのは」

>ボクはあの猫がちょっと羨ましかったです

「……いずれ、響君も。この身を賭けても愛せる人がいれば考え方が変わるのかもね」

私は、彼の肩に優しく手を置いて。そう告げる 
 何が正しい、と言うのはないかも知れない。人間にとって、愛に対する思想に善悪の概念を
押し付ける事など烏滸がましいものなのだから。
 けど、私が。このような身なりで、こんな考えを起こす事こそ罪に等しいけれども
私が、私と言う堂々と一個人と言えるものであれば。私は……その愛する人に
もし出会えると言うのならば……私は。

 そこで、考えを途絶えた。たられば、は今はするべきでもない。
響の別荘の人物関係を聞いて、少しまた思考に耽る。

 「周防さんと、イツキさんは姉妹なのね…あの、私の理解が足りないのだと思うけど
『違う愛情』と言うのは……どう言う事なのか聞いても良いかしら。
 いえ、無理に答えたくないのなら良いけれど」

 複雑に考えるべき事柄なのか、どうか。私は少しコレに追及する事にしてみた。
恐らく、逢坂がスキンシップなどで親身に接する愛情表現であるならば。その『周防』と言う人は
動の表現よりも、陰ながら相手を支えるように。本人に知られぬ所で助けになるように動く人であった
と言う意味合いでの、違う愛情、と言う事なのかも知れない。

 実際の答えは、響に聞かないと解らないが…

254『ある夏の思ひ出』:2016/08/26(金) 23:48:13
>>252 (葉鳥さん)

陽:「おお〜」

感心している陽。
そして、広がる美しい自然の風景。
水清ければ魚棲まずの言葉があるが、目に見えるその川は美しく清い。

陽:「お仕事?」

  「じゃあ、僕のお城探す探検してるってことにすれば、一緒に探せるよね? ね? ね?」

ごろにゃんと甘える陽。
恐らく逢坂や響なら揺らいでしまうだろう。

草むらの中に入ると陽が掘り起こしたらしい場所に数匹ミミズがいるのが見える。
そして陽は釣り針にミミズを通す。
竿に針はすでにつなげられていた。

陽:「準備でーきた!」

  「お姉ちゃん、いっせーのででやろうよ!」

  「えへへへ」

>>253 (遊部さん)

響:「解釈は人それぞれですから。あなたが思ったことが正解ではないですかね」

  「それに、ボクはボクの白猫をすでに見つけてますから」

もじもじと恥ずかしそうに、よく見れば顔を赤らめながら響は言う。

響:「逢坂お姉さんはボク達に深い愛情を示してくれます。周防お姉さんは愛情は深いんですけれど」

  「それが内部で広がって、大きくなって初めて相手に到達するというか」

  「難しいです」

255葉鳥 穂風『ヴァンパイア・エヴリウェア』:2016/08/27(土) 00:02:50
>>254(GM)

「え、えへ……」

  テレテレ

照れる穂風。泥のにおい。

      スッ

ミミズを指先でつまんで、針に通した。

       プス

少しだけ、かわいそうな気もした。
穂風にはそういうロマンチストな面があった。

「え、あ……う、それは。
 あの、その。困っちゃい、ます」

           「えへ……」

甘えよりも、好奇心への刺激だった。
けれど――仕事には本気だ。裏切りはよくない。

穂風も中々、はいとは言いづらい。

「あっ、はいっ!私も、です」

「それじゃあっ」

     ヒョイッ

          「始めましょう、かっ!」

草むらを乗り越えて、陽の隣へと行こう。あとは合図を待つ。

256遊部『フラジール・デイズ』:2016/08/27(土) 18:03:28
>>254

「そうね。『愛情』って尊くて、輝いていて……
時に、人を傷つけてしまう事もある。難しいものよね」

 「胡瓜とトマト…少しだけ抜いて、ちょっとした
おやつを作って、二人に食べて貰いましょうか?
 白玉粉とはちみつ、それに豆乳…いえ牛乳があれば、お団子の
デザートが作れるわね…」

 彼ら二人の好きなものがあるなら、さきほど桃も頂いた
ばかりだけれど、釣りも結構体力を使うだろうし、二人は
何より子供だから体力の消費も私達よりは大きい。また軽いものを
食べても逢坂は別に顔を渋くする事はないだろう。

 「響君も、おやつ作り手伝ってくれるかしら?」

 彼も手伝ってくれるのなら、作業も効率よく進むだろう。
それに、大好きな兄弟に食べさせる為なら喜んで一緒にしてくれる筈だ。
 二人が釣りを終わる頃には、おやつも完成するだろうし…

257『ある夏の思ひ出』:2016/08/28(日) 17:02:11
>>255 (葉鳥さん)

魚を捕まえるためにはエサであるミミズの犠牲がつきものだ。
そのうえでなりたっている。
が、まぁとりあえずは目の前の釣りである。

陽:「ん、む〜」

唇を尖らせ不満気な陽。
しかし、顔はにっこり笑顔だ。

陽:「いっくよ〜!」

  「せーのっ!」

タイミングを合わせ、投げ入れられる二人の釣り針。
後は待つだけだ。待っている間になにも起きなければはあるが。

>>256 (遊部さん)

響:「え、あ、はい。手伝います」

とてとてと歩いて畑の中に入る。
綺麗なキュウリがなっていた。

響:「トマトはもうないみたいで。きゅうりだけですけれど」

一本、響がもぎる。
太く、がっしりとしている。とげのような突起もきちんとある。
スーパーなどで観る者と比べれば多少見栄えは悪いが、それでも味は一級品だろう。

響:「家、戻りましょうか。たしかめないといけないですもんね、白玉粉とかあるか」

ね、と言って響が手を差し出した。

258葉鳥 穂風『ヴァンパイア・エヴリウェア』:2016/08/28(日) 19:05:17
>>257(GM)

「あ、う」

     モゴ

不満そうな顔――な気がしたけど、
どうやら違うみたいで、煮え切らない声が出た。

「あ。はいっ、いきましょう!」

      「せー、のっ!」

   ヒュッ

穂風は針刺しミミズを水に投げ入れた。
毎日物を食べているし、今さらな話だ。
ちょっとした感傷だ。

「……」

    ギュ

釣り竿をしっかり握る・・・

   「……」

すぐには反応が無い。
それは知っているし、待てる。

        「……あの」

「陽くん、あの。ここって……この川って。
 どんなお魚が釣れるか、知ってます……か?」

穂風は水面に視線を落としながら、聞いた。
反応があるまでの時間、何か話したいと思った。

               ・・・何も起きなければ、だが。

259遊部『フラジール・デイズ』:2016/08/28(日) 19:40:16
>>257(GМ)

 「瑞々しくて美味しそうね。えぇ、行きましょう」

 胡瓜を取って家の中に戻る。

「あら、トマトは無いのね。それなら…胡瓜のサンドイッチ
それか、胡瓜の塩もみでも作ってみようかしら。
響君は、どんなデザートにしたら良いと思う?」

 リクエストを聞きつつ、家の台所まで向う。

幸い、料理の知識は私、『レミ』は豊富だ……殆ど冷蔵庫に
何もなくても、在り合わせで簡単なおやつは作れるだろう。

260『ある夏の思ひ出』:2016/08/29(月) 00:07:56
>>258 (葉鳥さん)

陽:「お魚?」

  「うーん……あ、フナとかかな? お父さん言ってた」

まだ見ぬ魚を待つ。
陽は待つのが少し退屈なようだ。
あくびをしている。

陽:「お姉ちゃんって普段はなにしてるの?」

  「お手伝いさんが本当のお仕事じゃないんでしょ?」

話したいのは陽も同じらしい。

>>259 (遊部さん)

響:「ハルは甘いものが好きなので……」

  「お野菜とは相性悪いかもしれないですね」

  「ボクはハルがいいならなんでも」

台所へと向かう。
冷蔵庫の中には牛乳や生クリームなどの他にゼラチンもあった。
デザートを作る分には困らないだろう。

261葉鳥 穂風『ヴァンパイア・エヴリウェア』:2016/08/30(火) 02:11:09
>>260(GM)

「ふな」

(どんなお魚だったかな……?
 毒があって、トゲがあるのはフグ、だよね?)

         (釣ればわかる。よし!)

「ありがとう、ございますっ」

     ギュ

気を引き締め直して、竿を少し揺らした。
それに意味があるかは、分からないけれど……

「あ、ええと。私ですか。
 あの……はい。普段は、他のお仕事で」

         「八百屋さん、の。
          お手伝いをしてます」

    ニコ…

笑みを向けて、また釣り竿の先に視線を戻した。
動きは無い・・・ように見える。

穂風はそれから、とっておきを見せるかのように――

「あっ、ええとっ。それから……
 学校に通ってます。『女子高生』なんです」

        ニコ ニコ

そう言って、笑った。

穂風は、働いているのと同じくらいに、
あるいはそれ以上に――学生という立場を、誇らしく思っている。

262遊部『フラジール・デイズ』:2016/08/30(火) 08:23:29
>>260(GМ)※レス遅れ大変失礼しました

「それじゃあね。響君。
ゼラチンをお湯で溶かして、その中に少しだけクリームか、あれば
はちみつも混ぜ合わせて貰っていいかしら?
 終わったら、冷蔵庫に適当な時間まで冷やすの。時間は私が指示するわ。
トレ、良ければお手伝いして」

 胡瓜をすりおろしたりする作業は、私がするべきだろう。金物を使うので
怪我などするリスクは響君に負わせたくない。

 響君とトレが一緒に作業する傍ら。胡瓜をすりおろしにして、その汁を
掬って白玉、無ければは米粉や蕎麦粉でも代用出来る穀物類の粉と一緒に
牛乳を混ぜ合わせて団子状にする。

 あとは、お湯で茹でて軽く氷水で冷やせば『胡瓜団子』の完成だ。
それを最初に指示した響君とトレで作った『はちみつゼリー』をかければ
午後の軽食としては、まぁまぁの出来だろう。残った胡瓜は
醤油や砂糖に生姜などをブレンドしたもので、軽く浅漬けにすれば良い。
 夕飯の時間にでも、おかずの一品として出せば陽君も喜んでくれる筈だ。

 「黄金の台の上から 絹の紐や、灰色のガーゼや、緑のビロード
  ブロンズの太陽のように黒ずんだクリスタルに囲まれ…♪」

 ランボーの詩を小さく鼻歌交じりに唱えつつ調理をする。

263『ある夏の思ひ出』:2016/08/30(火) 23:13:27
>>261 (葉鳥さん)

陽:「ふ、な」

「お姉ちゃん八百屋さんなんだ!」

馴染みのある職業ではないのだろう。
陽は目を輝かせている。
竿を握っているが川面からは視線を外して葉鳥を見ている。

陽:「じょしこーせー?」

「いいなぁ。お姉ちゃん、大人だなあ」

羨ましそうに陽が呟くと、葉鳥の竿に反応があった。
引かれる力。魚が釣れているのだ。

陽:「お姉ちゃん!」

>>262 (遊部さん)

響:「ゼラチン……はい。わかりました」

トレ:「お手伝い致します」

従者は響と共に料理を開始する。
そしてあなたもまた料理を始める。
太く固いキュウリをすりおろしていく。

響:「あの、何を作るんですか……?」

ゼラチンにクリームを混ぜる響。
響の知識にいま作っている料理はない。

響:「それと……それはなにかの詩ですか?」

264葉鳥 穂風『ヴァンパイア・エヴリウェア』:2016/08/30(火) 23:43:27
>>263(GM)

    「……フナ!」

「はいっ。八百屋さん、で。
 女子高生でも……ありますっ!」

         「えへ」

   「へ」

(……大人? そっか。
 私、陽くんからみたら、大人なんだ)

思わぬ形容詞に、笑みが少し変に崩れた。
穂風はそれが……嬉しい気がした。

      ――と。


「わっ!」

    「わ」

考えてる場合じゃなかった!
今は魚との闘いの最中だったのだ!!

   ギュ

          「え……えいっ!!」

    グイ
         ィィ

釣り竿を――どうすればいいのか分からないから、引き上げる!

265遊部『フラジール・デイズ』:2016/08/31(水) 08:24:48
>>264(GМ)(レス遅れ失礼しました)

「あ、御免なさい。言ってなかったかしらね。
『胡瓜団子』 胡瓜のお団子よ。響君が担当しているのは
お団子にかけるハチミツのゼリーね。これを掛けると、尚美味しいのよ」

 そう、微笑んで振り向きつつ響君に説明する。

「えぇ。イリュミナションって言う
ランボーの詩よ。アルチュール・ランボー フランスの詩人ね。
 独特の表現で、内容を好む人は分れるかもね。でも、私は好きよ」

 告げつつ、再度ランボーの詩を唄う。

「メノウの上に振りまかれた黄金色の断片 
エメラルドの天蓋を支えるマホガニーの樹木…♪」

 調理を続ける。リズムに乗って胡瓜をすろう。

266『ある夏の思ひ出』:2016/08/31(水) 22:29:21
>>264 (葉鳥さん)

それは不思議な感覚であった。
大人。子供にとって未知の存在であるそれに葉鳥はなっていた。

葉鳥達の手にある竿にリールはない。
とにかく引き上げる。
ぐっと重い感覚が手にかかる。
がこの勝負、葉鳥の勝ちだ。
川から一匹の魚が上がる。

陽:「フナ!」

釣果あり。
一匹目だ。陽が竿を置いて針の外し方見せてくれる。

陽:「お姉ちゃん! おめでとう!」

にっこり笑顔だ。

ザリ……ザリ……

>>265 (遊部さん)

響:「イルュミナション……ですか」

「本当に好きなんですね……詩」

そんなことを言っているとゼリーの素が完成したらしく、トレがそれを教えてくれる。

響:「まる たけ えびす に おし おいけ
あね さん ろっかく たこ にしき」

ゼラチンなどを片付けながら響が口ずさむ。

267葉鳥 穂風『ヴァンパイア・エヴリウェア』:2016/08/31(水) 23:18:53
>>266(GM)

「わ」

      「わ」

  「わっ」


  グイッ

「え、えへっ……釣れました……っ!!」


フナ――活きの良い魚がかかった。
上手く掴み取って、足元に……針の外し方を教わろう。

「ありがとうございますっ」

     「陽く」

          「ん……?」

    ピク

満面の笑みに、少しばかりの警戒の色。

穂風は――音を聞いた。
河原の砂に何かが擦れるような、音を。

         ≪……お嬢様≫

     ズギュ

「わかってる……
 陽くん、今、何か。あの、音が」
 
   キョロ

          キョロ

穂風は――陽に声を掛け、傍らに現れた従者と共に周囲を見渡す。
知り合い、つまり響や『レミ』『トレ』ならば……声を掛けてきそうな物だ。
 
                ・・・何者だろうか?

268遊部『フラジール・デイズ』:2016/09/01(木) 18:18:45
>>266(GМ)レス遅れ大変失礼しました。

>まる たけ えびす に おし おいけ
>あね さん ろっかく たこ にしき

「あら…? 何だか不思議な音頭の歌ね」

「それと、胡瓜は大体終わったわ。次はお団子作りね」

 詩の暗唱を止めて、響君のほうへ振り向いて呟く。
胡瓜は幾らか擦り下ろしたと思うので。それと一緒に白玉粉または
代用品として小麦粉と牛乳を混ぜ合わせ、良い具合になったら
響君とトレと一緒に、お団子を作る事にする。

 「まる たけ えびす……確か、京の地名だったかしら。
響君は、この歌がお気に入りなの? 私にも教えてくれるかしら」

 詩を好むので、その派生の歌などは知ってるが。今の歌詞は
余り自分には馴染みなかった。あとでスマホなどで調べるよりも
響君から直接教えて貰ったほうが早い。

 そう言えば、彼ら二人の出身も聞いていない。良い機会なので
今の内に何処で生まれたのかも少し触れてみよう。

269『ある夏の思ひ出』:2016/09/01(木) 23:31:43
>>267 (葉鳥さん)

びったんびったんと跳ねたフナ。
活きのいい証拠だ。

陽:「音?」

フナを持ったまま陽が両手を腰の前で構え、きょろきょろと辺りを見回す。
そして、葉鳥も音のする方向へと意識を向ける。

竿が引かれている。
引っ張られているのだ。
ずるずると川に向かって竿が動いている。

>>268 (遊部さん)

響:「お団子ですね」

トレ:「白玉粉などはこちらに」

すでにトレが用意してくれていたらしい。
牛乳と混ぜ合わせごねごねと準備をしていく。

響:「東西の通り名の歌です。ハルと逢坂お姉さんに教えてもらいました」

  「ボクはこの町の生まれですけど、ハルの生まれた場所、住んでる場所の歌だから」

どうやら二人の出身地は違うらしい。
そして団子をこね始める。

響:「まる たけ えびす に おし おいけ
   あね さん ろっかく たこ にしき
   し あや ぶっ たか まつ まん ごじょう
   せきだ ちゃらちゃら うおのたな
   ろくじょう ひっちょうとおりすぎ
   はっちょうこえれば とうじみち
   くじょうおおじでとどめさす」

歌に乗せてテンポよくこねる響。
丸太町通りから九条通りまで響が通りを一つ一つ数え上げる。

270葉鳥 穂風『ヴァンパイア・エヴリウェア』:2016/09/01(木) 23:58:56
>>269(GM)

「…………えっ!?」

       「なに」

   「これ」

(どう、しよう……なんで?
 川の中に、何か……いる!?)

          ≪……あまりに不自然!
            お嬢様、陽様、ご警戒を!≫

           従者が唸るように叫んだ。

穂風も内心、大きな焦りと、
困惑はかなりあるが……とにかく対応だ。

「あぅ、は、陽くんっ」
 
              「川から、離れてくださいっ」

   「危ないかもっ……
    しれませんっ!から!」

穂風は、声を張って呼び掛ける。
お手伝いさんとして、陽を危険な目には合わせられない。
 
・・・・彼もスタンド使いではあるにせよ。

「あぁっ!」

   ガッ

そして穂風は反射的に、右足で釣り竿を踏み押さえる。
手をわざわざ下げるより、その方が早い。

         ≪お嬢様! 釣り竿よりも身の安全を!≫

          従者は穂風に重なり、『レインコート』化を行う。

271遊部『フラジール・デイズ』:2016/09/02(金) 00:16:09
>>270(GМ)

「まる たけ えびす に おし おいけ
   あね さん ろっかく たこ にしき……」

私もまた響君に倣うように歌う。京の通り名の歌。
 雅な感じがある、日本ならではの侘寂と言うのが伝わる感じがする。

「そう、陽君は京都の生まれなのね。良いわねぇ
私もいずれ清水寺など観光で行ってみたいわ。星見町以外の場所には
余り行った事がないから」

 微笑みつつ、響君と談笑を続ける。

「いつか、機会があれば。京都だけでなく日本中、いえ世界中で
良いから星見町の外側を見に行きたいわ。
 テレビなどの情報じゃなく、自分の体で直接、色んな場所の
空気を味わってみたいわねぇ。私の夢の一つよ
 響君は、そう言う夢ってある?」

 響君の夢、を聞いて見る。

お団子が幾らか出来たら、次はお湯で茹でる。そろそろ完成も近づいてきた

272『ある夏の思ひ出』:2016/09/02(金) 01:16:36
>>270 (葉鳥さん)

陽:「う、うん!」

大きく飛びのく陽。
その腰にはベルトのようなヴィジョン。
さきほどまで見えなかったことを考えれば彼のスタンドなのだろうか。

陽:「お魚って動きじゃあないよね……」

流れに沿うこともなく逆らうこともなく、川を横断するかのような動き。
そんな奇妙な竿を葉鳥は踏む。
また従者はその体にまとわり、レインコートの形をとった。
ぐっぐっと引っ張られる感覚はあるが動きは止まった。
手繰り寄せるか? それとも別のことをするかは自由だ。

陽:「お姉ちゃん……」

不安そうに陽がつぶやいた。

>>271 (遊部さん)

響:「ハルの元気な感じはああいう雅な雰囲気には合いませんけどね」

にっと笑った響。
会ってまだ一日と経っていないが彼の普段のそれとは違う表情だった。

響:「町の外側……世界中」

  「僕の夢は……多分ハルと一緒にいることだと思います。これからもずっと。離れ離れになってもお互いを思える様に」

  「そうなりたいです」

トレが鍋に水を張って火をつける。
湯になるまでそこまで時間はかからないだろう。

273葉鳥 穂風『ヴァンパイア・エヴリウェア』:2016/09/02(金) 12:13:53
>>272(GM)

足に抵抗を――引きずり込む力を感じる。
しかし決して、力負けするほどの物でもない。

       ・・・?

穂風は眉を八の字にした。

「これ……なん、だろう……
 力はそんなに、あの、強くない、みたい」
 
        ≪何れにせよ、不自然です。
          尋常な沙汰ではありますまい≫

穂風はここからどうするかを考える。
手繰り寄せる……事も可能なパワーに思える。

・・・竿を放っておく、というのは浮かばなかった。

「あ、う……大丈夫、です。
 あの。釣り竿、ええと、引っ張ってみます!」

         ≪お嬢様、危険があればすぐ退避を≫

「分かってるってば……」

     グ

        グイ

身をかがめて、釣り竿を持ち上げるようにして手繰り寄せてみよう。

274遊部『フラジール・デイズ』:2016/09/02(金) 16:47:29
>>272(GМ)

>これからもずっと。離れ離れになってもお互いを思える様に

「離れ離れになっても、お互いに思い合える様に ね……」

コンロから昇る火を見つめながら、響君の言葉を反復する。

「素敵ね。その考え方、素敵よ響君
出来るなら、何時までもそう思って頂戴。大切な人の事を、何時までも」

私が、消える時。それは決して遠い時ではないけれど。
 いずれ、『玲実』として全てが一つになる時。その時、私と言う私は
無に返るのか、まだ解らないけれど。
 その時でも、出来るならば思いたい。大切な人の事を私も……。

「お湯、そろそろ良い加減ね。そーっと、お団子入れちゃいましょう
お皿のほう、お願いしても良い? 響君」

 三人で作った適当な数の団子をお湯で茹でる。時折菜箸などで柔らかさを
確かめて、良い具合になったら上げ、ボウルなどに入れて少し氷を使って
全体的に冷やすようにすれば完成だ。

 「釣り……まだまだ掛かるかしら」

時計を見る。おやつはそろそろ仕上がるが。魚釣りのほうはどんな具合だろう……
恐らくまだ十分そこらだと思うが、それでも帰りが遅くなると心配になる。

275『ある夏の思ひ出』:2016/09/02(金) 23:26:57
>>273 (葉鳥さん)

手繰り寄せる。
ずっ……ずっ……と何かが引かれていく。
ばしゃりと陸に上がった。
正体は魚であった。ただし、謎のおまけがついているが。
ひょろりとした人形のようなものがついている。
手のひらに乗るような大きさで、頭頂部から首にかけてなにやら背びれのような突起がある。
そして背には笛らしきものを背負っていた。

陽:「?」

テシテシテシ

陽:「お魚叩いてる……」

   「欲しいのかな……?」

>>274 (遊部さん)

響:「素敵、ですか……」

  「あ、お皿ですね。はい」

料理も終盤。
団子を茹でていく。
そしてまだ二人は帰らない。
時間的にはそこまで経っていない。
心配なら連絡を取ったりするのも自由だ。

276葉鳥 穂風『ヴァンパイア・エヴリウェア』:2016/09/02(金) 23:34:25
>>275(GM)

「あ……お人形、さん?」

      「動いて、る」

           ≪……未知の能力かと。
             害意は無い、ようですが≫ 

反応を見るに――
いや、状況的にも陽の仕業ではないだろう。

穂風は人形に視線を落とす。

「……??」

よくわからない。
何だろうか、この突起は・・・?

        ≪奇怪な……≫

         雨具と化した従者もうなる。
         その様子も、相当奇怪ではあるが。

「あ……う、あの。
 この、フナが、お魚がほしいんですか?」

「私の釣った、フナが……」

             ≪…………≫     

言葉が通じるかは分からない。
けれど、フナを差し出すように動かしてみる。

名残惜しいけれど……仕方ない、かもしれない。

              ・・・食いついてくるだろうか?

277遊部『フラジール・デイズ』:2016/09/03(土) 19:20:27
>>275(GМ)

「響君、トレ。少しだけ、お団子の具合を見ててね」

二人に告げ、少し離れてスマホを取り出す。

スマートフォンのsms、葉鳥さんと交換した番号を参照に
アプリのメッセージ機能を使用して、こう送る。

『いま料理を三人でしてます。美味しいおやつを作って待ってます。
釣りが終わりそうであれば連絡して下さい。レミ』

終わったら、二人に向き直り微笑んで告げる。

「おやつ、そろそろ作り終わりそうって連絡しておいたわ。
二人とも、喜んで食べてくれたら良いわね」

 団子も、そろそろ良い具合に茹であがり、食べ頃になるだろう。
茹であがったら丁度よく氷水で冷やせば歯応えも良く仕上がる。

「きな粉や、すりゴマとかもあれば。お好みで、まぶして
より美味しくなりそうだけど……あったかしら?
響君は、ハチミツゼリーで構わない? 陽君は、お団子だと
きな粉かゴマ、何か好きか解るかしら」

 ついでに、ハチミツゼリーを掛ける以外でも食べたければ
きな粉やらも用意するべきかも知れない。
 相方の好みを熟知してるのは彼だろう。響君に直接好みを聞いて見る。

278『ある夏の思ひ出』:2016/09/03(土) 23:14:03
>>276 (葉鳥さん)

ひょっこひょっこと頭を横に振る人形。
それからまたびたんびたんと魚を叩く。
自然のビートによって叩かれる魚はびくんびくんと跳ねていた。

フナを差し出す葉鳥。
固唾をのんで見守る陽。
そして人形は食いついた。
物理的に。

陽:「わぁ……」

あぶあぶと口を開いて噛みついている。
しかし歯は見られない。しかも魚もそれに合わせて跳ねるだけで傷一つついていない。
だがそれで十分だったらしい。

《ム〜ロロロロロ》           《ムム〜ロロロロロ》

魚を掲げてぴょんこぴょんこ跳ねまわる。
それから魚を葉鳥の足元へと放ると、背負った笛を加えて吹いた。
それが合図だった。
突起らしき部分と笛から美しい音色が流れる。
それと同時に川面が激しく動き始める。
跳ねる。川面が跳ねている。
一匹大きな魚が跳ねた。

陽:「おっきい! おっきいよ!」

  「川の主だ!」

  「お姉ちゃん!」

葉鳥のスマホに反応有り。
レミからだ。
内容は『いま料理を三人でしてます。美味しいおやつを作って待ってます。
釣りが終わりそうであれば連絡して下さい。レミ』とのことだ。

>>277 (遊部さん)

メッセージを送信し笑みを向ける。
トレは軽く頭を下げそれに同意した。
響も薄く笑って頷いている。

響:「ハルは、きな粉の方が好きだと思います」

  「黒蜜とかみたらしが好きだって聞いてますけど」

  「……完成したら、少し遊びませんか?」

279葉鳥 穂風『ヴァンパイア・エヴリウェア』:2016/09/03(土) 23:30:41
>>278(GM)

「……」      ≪なんとも面妖な……≫

   ゴクリ

謎めいた――少し不気味でもある状況。
穂風と従者は、それを見守っていたが・・・

   「わっ」

「わ……」

足元に投げられた魚。
謎めいた笛の音色。

           そして従者が、先に気づく。

           ≪――! お嬢様、水面を!≫

「……わぁっ!!」

       「川の、主……っ!?
        すごいっ、あんな大きな魚っ」

    チラ

足元にいる、『人形』を――軽く、一瞥した。

「……あの魚、は」

           メラ…

意図までは察せやしない。
けれど、川の主が姿を現したのだ。

穂風は好奇心が燃え上がるのを感じた。

       「あのっっ」

「あのっ! 川の主を、捕まえたいって!
 私は……思いますっ、あの、その……」

               「陽くん、は。どうですかっ!?」

――――連絡は目に入ったけれど、まだ『終わる』つもりはない。

280遊部『フラジール・デイズ』:2016/09/03(土) 23:51:41
>>279

>……完成したら、少し遊びませんか?

「遊び? えぇ、良いわよ」

 お手拭きなどで、茹であがった団子などを盛り付け適当に冷やしたり
きな粉などのトッピングを確認し終えた後。響君からの誘いを聞いて
向き直り、笑顔で答える。

 
(遊び、ね……)

 この子『響』は、最初から観察して解るが思慮深く、性質で言うと
『私』に近い。本音は告げるが、部分的に情報を意図的に守秘してる気がする。

 「何でしたら、賭けでもする? フフ、響君が
そう言う事が好きなら、と言う前提だけれどね」

 茶目っ気を交えて、トレに胡瓜を切った時に使用した包丁や、まな板類など
片づけたりするのを手伝いつつ、そう続けて返答する。

 どう言う遊びかは知れないが……興味はある。乗ろう

281『ある夏の思ひ出』:2016/09/04(日) 00:40:19
>>279 (葉鳥さん)

人形はなおも笛を吹き続ける。
美しき音色はやがて行進曲の如き力強さときらびやかさを持ち始めた。
まるで葉鳥を後押しするファンファーレだ。

陽:「勿論! 捕まえよう!」

川面で魚たちが跳ねる。
その中でひときわ大きく形も違うのが川の主だ。
それ以外の魚もいる。
笛の音に呼応するように魚たちが騒いでいる。

陽:「でも、大丈夫かな……一発であの主を釣れるのかな……」

なにか対策を立てるべきか。
それともそのまま一気に狙ってしまうか。

>>280 (遊部さん)

響:「ハルは遊びになるとなかなか冷めないんです」

  「だから、その、火が付くとなかなか……」

  「そういうところも好きなんですけど」

帰るのはもう少し遅くなるだろうと踏んだらしい。
響に自分と通じるところがあると感じたレミ。
その遊びに乗ることにした。

響:「賭け……ですか? それを望まれるなら」

  「僕は構いませんけれど」

片付けもいいところまでいくだろう。すぐにでも。

282葉鳥 穂風『ヴァンパイア・エヴリウェア』:2016/09/04(日) 01:17:11
>>281(GM)

「はいっ! ……でも、そう、ですよね。
 あんなに大きいし、それに、元気だし」

       「どう、しよう」

絶望や、諦めではない。
穂風は持てる好奇心と、意志を結集して考える。

            ≪……お嬢様≫

            雨具の従者が声を掛けた。
            あるじに手を貸すために。


「あっ…………うん!」

       ギコ
             パタ

         パタ

雨具から――蝙蝠傘のような、不完全な人型へ。

「……じゃあ、やって。……そのっ!
 陽くん、あの。ずるいかも、ですけど」

    「きっと――釣ってみせますっ!
      私と、あぅ……『エブリウェア』で」

   ニコ

               ≪畏まりました――
                  お嬢様の望むままに≫

         ヒュ
              ウウン

穂風の意思が半分。
                   従者の忠誠が半分。

        即ち、『半自立型』。

釣り針を持った『非・実体化状態の』従者が、魚へと飛ぶ。
その身は『水分』を意のままに吸収し――水は障害にならない。

従者の目的は、もちろん――『口に針を引っかける』事に、他ならない。

283遊部『フラジール・デイズ』:2016/09/04(日) 01:22:51
>>281(GМ)

 片づけを終わらせ、冷蔵庫などでお団子をラップにかけて
冷やして、あとは食べる時に出すだけ。

 「さて、それじゃあ始めましょうか。
どう言う遊びをするか、響君は既に決めてるのかしら。
 私が予想するとしては、うーん…思考ゲームとか、そう言ったもの?」

 トレと連れだって、最初に桃を食べるためにいた広間付近にでも
(響君が別の場所に移動する希望なければ)移動しつつ尋ねる。
 いままでを振り返っても、彼はインドア派だ。遊び、と言うのも
アグレシップに動くゲームを率先としてしたがるとは思えない。

 彼がどう言う遊びを試みるか、軽く期待と次の行動を予測しつつ返事を待つ。

284『ある夏の思ひ出』:2016/09/04(日) 01:44:53
>>282 (葉鳥さん)

群衆のような状態の魚たち。
あの笛の音に誘われて川中の魚が集まってきているのだろう。
その中で狙いの魚の所へ釣り針を放り、とらえることは困難だっただろう。
従者の力がなければだが。

陽:「?」

疑問顔の陽。
従者は水の中を進んでいく。
その体に水の妨害はない。
ばちゃばちゃと跳ねまわる魚たちであったが、従者のスピードでなんとか狙いを定め
見事、口の中に針を放り込んだ。
かかった。
ぐっと強い力で竿が引かれるのが分かるだろう。
強い。先ほどの魚のそれとは違う重さだ。

陽:「お姉ちゃん。すごい!」

>>283 (遊部さん)

団子などを冷やした後、響はしばらく黙っていた。
レミが言葉を投げても、思案顔。

響:「そうですね。ウミガメのスープなんていかがでしょう」

桃を口の中に入れた。
響が目を細める。桃の味を感じているというより、目の前のレミを見つめている。
少年らしからぬ色気の顔だった。

響:「やっぱり、賭けでもしましょうか。お互い、相手の命令を聞くとか、質問に答えるとか。なんでもいいですけれど」

  「それともなにか事前に賭けるものを宣言していただいてもボクはいいですよ」

ねぇ? と響が問うた。

285葉鳥 穂風『ヴァンパイア・エヴリウェア』:2016/09/04(日) 02:15:47
>>284(GM)

          ≪お嬢様、完了致しました≫

「んっ……!
 ありがと、う……っと!」

      「う、すごい力、だけどっ」

  グ
      グ       

穂風は目を輝かせ、釣り竿を振り上げる。
重たい、それに生きている。とんでもなく力強く。

「ん、んんんっ」

(釣られたく、ないんだ……当たり前だ!)
          
       ≪後は、お引き上げを……ッ!
         私めもいつまで、持つことか!≫
   
             従者は魚に取り付き、
             暴れるその身を抑え込む。

穂風の手に力がこもる。

「ぅあああぁーーーっ!!」

           グィィィッ

       「釣り、あ、が……れぇっ!」

大きな声で叫んで、全力をもって・・・躊躇うこともない。

                 竿を――振り上げるッ!!

286遊部『フラジール・デイズ』:2016/09/04(日) 08:22:41
>>284

 >ウミガメのスープ

「ポール・スローン。エドワード・デ・ボーノ……シチュエーションパズル、ね」

『ある場所で、ウミガメのスープを食べた男がいて。
 本当のウミガメのスープが店員に聞いた後日に自殺した。何故か?』

これに対し答える者は複数回の質疑を行い、問題を出したものはイエス・ノーで
その質疑に答えるか、この問題には関係ない旨で返事をする。
 質疑に比例し問題の幅は狭まり、真実を明るみにするのが増える。
独特のパズル問題である。私か得意かどうかは、まぁ後でそれは解る。


笑みを濃くして、響のその顔つきを見据える。
 やっぱり、彼と『私』は何処となく性質が似ている気がする。

「ふふふ。そうねぇ、賭けるものか……トレ、どうしましょうねぇ」

返答が不愛想な拒否か、演者の行動には含まれてないゆえに反応芳しくない
ものである事は分ってるけど。彼女と私は一心同体での道のりを進みたいと思うから。
 共に事前の相談するパフォーマンスを入れてから、彼の顔へ向き直り告げる。

「決めたわ……では、私 そして『トレ』
私達二人に対する命令権及び秘密にしてる事を一つだけ、する、聞ける……と言うのはどう?」

チップを『トレ』と自分、二人を代価に。

「捕捉だけど、私は犯罪的な事や、自分の通帳の番号とか言うナンセンスな事に答えたり
する気はないわね。これは『遊び』……そうでしょう?」

 最後にウインクしつつも告げる。

私とトレへの命令か、質問。出生やら、スタンド能力……主に後者は聞かれると
困る事にもなるが、相応の対価がなく、真実を隠蔽したまま質疑しても
こう言う相手は必ずその隠し事を見抜く。絶対命令権が一度だけとなっても
響君の思考に性質を考えれば。負けて何を命令、質問されるも悪い気はしない。
 彼が何を『賭け』とするかは、彼自身の回答に期待して返答を待つ。

「あと、ウミガメのスープのルールは。
20の扉方式で、回答数は20がいいかしら? 最終的にどちらの
質疑の回数が多かったかで勝敗を決めるより。こっちのほうが一層と
思考をスリリングに行えると思うわ」

 ルールについても聞いておく。有名どころだと、もう一つで亀夫君問題と
言うのがあるが、アレは自由の幅が多くて一対一だと余り好かれない。

287『ある夏の思ひ出』:2016/09/04(日) 23:47:01
>>285 (葉鳥さん)

もはや釣り糸をも引きちぎろうかという力だ。
竿はしなり、釣り糸も緊張の糸が如くピンと張っている。
だが負けない。
人形の笛の音が聞こえる。
従者の声が聞こえる。
自分の叫びが聞こえる。
陽の声援が聞こえる。
全てが葉鳥の味方であった。

ザブゥッという音と共に葉鳥は自分の腕にかかっていた重みの消失を感じる。
振り上げられた両腕。
宙を舞う主。いや、今ならその姿がハッキリとわかる。
ナマズだ。それも大きな。正しく主と呼ぶにふさわしい風格であった。

陽:「すごい……」

驚いたのか陽は尻餅をついていた。
そしてその目は輝きで満ちていた。

>>286 (遊部さん)

響:「はい。それで合ってます」

静かな響の答え。
そしてトレに言葉をかける。

トレ:「お嬢様、ご随意に」

従者はあなたに従う。
その様子を響は横目で眺めた。

響:「もちろん。ボクだってそれくらいは理解してます」

あくまで遊び。
その原則を響は守ると約束した。
その姿はほんの少し大人びて見える。

響:「そうですね。では20の扉ルールで。20に達しなくても真実が思い浮かんだなら、その場で回答してもらっても構いません」

ただし、回答は一度きりだ。
回答が間違っていればその場で負け。

響:「僕もアナタと同じものを賭けます。フェアにいきましょう」

288葉鳥 穂風『ヴァンパイア・エヴリウェア』:2016/09/05(月) 00:32:19
>>287(GM)

「・・・ っ!」

      「わあぁっ」

  グ
    オ
       ォ

       ≪――お嬢様。
         お手柄で御座いますッ≫

  ドサッ

穂風は思わず、尻もちを――つきながら、
巨大なナマズを見上げて、後ろに放り投げる。

               ・・・・釣れたのだ!!

「え、えへっ……」

   「釣れました! 陽くん、
     私、あの、釣れましたっ!!」

          パァァァ

晴れに晴れた笑顔で、穂風は陽を見て、そう言った。

             ≪お嬢様! まだ釣り上げただけ、
               捕えるまでが釣りに御座います!≫

                 従者が叫び、ナマズを抑えるべく強くしがみつく。

「う、うん……っ!」

穂風は頷いて、釣り上がったナマズの行方を視線で追う。

289遊部『フラジール・デイズ』:2016/09/05(月) 17:29:33
>>287(レス遅れ大変失礼しました)

ルールは決まった。
20以内での質問で水平思考パズルを解き明かす。
 トレと私、響君。互いに命令若しくは秘密にしたい事も出来る限り答える
権利をどちらも賭けて。ゲームを始める……。

 「それじゃあ、響君。
お題のほう、任せて貰って良いかしら?」

 どう言う内容のパズル問題を出してくれるのか。
期待が胸の中を満ちていくのを感じながら、私は問題の提示を待つ。

290『ある夏の思ひ出』:2016/09/05(月) 22:50:44
>>288 (葉鳥さん)

陽:「釣れた! 釣れたね、お姉ちゃん!」

はしゃぐ陽。
陽の顔には輝く笑顔。
葉鳥の顔もまたそうだった。
しかし釣りはまだ終わってはいない。

葉鳥はナマズの様子を見る。
ビタビタとはねるナマズ。
連れて帰るなら冬のナマズみたいに大人しくさせるべきだろうか。
このまま押さえ続ければ大人しくなるとも思えるが……

>>289 (遊部さん)

響:「それでは……即興の問題ですから題がないんですけど」

「……こうしましょう【平然とした男】」

響が問題を出す。

【平然とした男】
ある一人の男が地獄にいた。
阿鼻叫喚の地獄絵図、しかし男は一人平然としていた。
地獄の鬼が目の前にいても
亡者を前にしても男は平然としていた。
男は何者なのだろうか。

響:「男がなにものなのか。誰なのか。それを当てていただきます」

さぁ開始だ。

291葉鳥 穂風『ヴァンパイア・エヴリウェア』:2016/09/05(月) 23:12:01
>>290(GM)

「はいっ! ……でも、あの。
 これ、どうやって、持って帰……ううん」

        「うわ、こうしてみると……
         大きい、ですね、本当にっ」

   ザッ

穂風は立ち上がって、大ナマズの元に歩み寄る。
従者だけでは抑える力が足りない気がするからだ。

            ≪屠ったしても、重いのは同じ。
               担いで帰る事にはなりますな≫

「うん……」

     ガッ

穂風自身も、ナマズを押さえつけたい。
問題はおとなしくさせる事より、持ち替える事かもしれない。

             ≪応援を呼ぶのが善策かと≫

「……メールはしなきゃだしね」

スマホを取り出して、レミのメールを開く。
返信機能を使うためだ。使い方は大分、慣れてきた。

穂風は、考えることにした。
自分と従者――そして。

    「……あ」

「陽くん、あの。その。
 陽くん、って……どういう、能力なんでしょうか」

    「スタンドの能力、の。その、ことなんですけれど」

その場にはもう一人、スタンド使いがいる――陽に、聞いてみよう。

292遊部『フラジール・デイズ』:2016/09/06(火) 08:29:09
>>290

 「あら、地獄……また随分と怖そうなお題ねぇ」

と、怖がる素振りは見せず。笑みを薄っすら浮かべ呟きつつ思考する。

(……男が地獄にいた。阿鼻叫喚の地獄絵図)

普通、ここで常人ならば。天国、地獄である地獄を連想するだろう。
 だが、『ウミガメのスープ』は曲者だ。それは本物の『地獄』なのか?

ある問題だと、私は切り刻まれ真っ赤に染まった。と言うパズル問題では
その切り刻まれた私は、トマトや苺などであった。等と言うのは、この
論理パズルを解き明かすに至って、普通に起こり得るミスリードなのだ。

『地獄の鬼』『亡者』 これも比喩的な表現である可能性もある。
 
(中々難しいわ。内容が簡素である分、全貌は180度違う角度から見なければ
解き明かせないハードルが備え付けてるかも知れない……ここは)

 「それでは、まず『2つ』質問をさせて貰います。
第一に、それは宗教的死生観における霊界を指しますか?
第二に、『男』が平然としてたのは『地獄』に長くいるからですか?」

 まず、この二つだ。

第一の問いにより、問題の『舞台』の焦点を重ねる。これで成否が否となれば
フィクションや神話の類ではない、現実的な意味での地獄となりえる。

第二の問いにより、『男』のその平然とする理由の焦点も絞る。第一の問いと
重なり合い、この問いがパズルを解き明かすのに活かされる筈だ。

 
 少し息を吸って、回答を待つ。

293遊部『フラジール・デイズ』:2016/09/06(火) 11:45:29
すみません、>>292の質疑ですが。正確には
>第一に、それは宗教的死生観における霊界を指しますか?

>第一に、『地獄』とは宗教的死生観における霊界を指しますか?

と言う質問になります。意図は伝わるかと思いましたが。自信がないので
1レス余分に追記で投下して訂正させて頂きます。

294『ある夏の思ひ出』:2016/09/06(火) 23:37:09
>>291 (葉鳥さん)

ナマズを押さえつける。
力強い。少々抑えるのに苦労しそうだ。
スマホを取り出し、レミへの連絡をしようとするが……
その前に答えだった。

陽:「能力?」

   「他の人の力を借りる能力かな?」

腰の前で手を向ける。
ベルトのヴィジョン。バックルの中央には水晶のような物体。
そしてそこから陽の全身を覆うヴィジョン。
黒地に天色がはえる姿だ。

陽:「『ヒーロー』! それが僕のスタンドの名前だよ」

  「大人ぐらいの力しか出せないけど……お兄ちゃんのパワーを借りたら強くなれるよ!」

>>292-293 (遊部さん)

響:「あくまで男の話ですよ」

笑みを返す響。
そしてレミはウミガメのスープについて、そしてこの問題について考える。
比喩、ミスリード。そういうものがまかるものだ。

そして響の返答はこうだ。

>第一に、『地獄』とは宗教的死生観における霊界を指しますか?
響:「『はい』この地獄は『閻魔大王』もいる霊界です」

>第二に、『男』が平然としてたのは『地獄』に長くいるからですか?
響:「……『はい』ただし男はずっと地獄にいるわけではありませんでした」

響:「スマホ。使っても大丈夫ですよ。調べ物の必要があるのなら」

そう笑ってまた桃を口に入れる。
舌で自分の唇をなめた。

295葉鳥 穂風『ヴァンパイア・エヴリウェア』:2016/09/07(水) 00:03:53
>>294(GM)

「は、はいっ。人の力を借りる、って。
 それって。あの、腕の力とかの話、なのでしょうか」

         「もしそうなら、運ぶときに、便利かな。って」

穂風だけで運ぶのは骨が折れそうだ。

「わあ……」

          ≪纏うタイプ――で御座いますか≫

従者の手を借りても、まだ骨が折れる。
しかし『ヒーロー』の力があれば――話は別かもしれない。

             ・・・と、今はそれより。

「あ、う……それで、ええと。
 陽くん、お願い事、してもいい、ですか」

       「あの」

「『レミ』さんに、連絡するので。
 その間、ぇと、抑えるの、手伝って欲しい、です」

              ≪私めも抑え続けますが……
                あいにく老いぼれで御座います故≫

大人並みの力を発揮できる。
それは穂風と従者にとっては、十分な事に聞こえるのだ。

          ・・・もしお願い出来れば、メールを打ち始めたい。

296遊部『フラジール・デイズ』:2016/09/07(水) 06:00:08
>>294(GМ)
>>295(葉鳥)(お気になさらないでください)

>あくまで男の話ですよ
>『はい』この地獄は『閻魔大王』もいる霊界です
>男はずっと地獄にいるわけではありませんでした

 「ふぅむ……宗教上の地獄の話、ね」

回答を聞くにつれ、謎は出てくる。やはり、簡素な内容ほど
ウミガメのスープは想定していた答えを離れていく。それが楽しいのだが

(『閻魔大王』ではない。まぁ、この問題を聞いてすぐさま連想するといえば
閻魔様だ。けれど、響君は当然とばかりに口にした。だから、答えが閻魔はNO
そして、この話し方だと。地獄の門の作品に出る考える人、と言うのも。また
違ってくるような気がするわね……)

(いま笑顔で言ってくれた『あくまで男のはなし』と言うのが重要だ。
そして、地獄に長くいるわけではなかった……)


 「それでは、もう『二つ』質問を重ねて続けます。
第一に、『男』は人間ですか?
第二に、『男』が地獄に長くいるわけでなかったのは、役目を終えたからですか?」


 『男』の存在から絞っていこう。

297『ある夏の思ひ出』:2016/09/07(水) 22:52:56
>>295 (葉鳥さん)

陽:「んーん」

「スタンドの一部を借りるんだ!」

「アレンジしてね」

そして頼みごとをする葉鳥。
陽は二つ返事で了承した。

陽:「あわわわわわわわ」

ビチビチ跳ねるナマズを押さえる。
人並みではあるが葉鳥が押さえるよりは強く押さえられるだろう。

メールを打とう。

>>296 (遊部さん)

響:「はい」

響は落ち着いている。
静かに笑みを浮かべながら問を待っている。

響:「どうでしょう? わかりそうですか?」

ウミガメのスープ。
その独特の難易度がレミに立ちはだかる。
そして、次の問の答えはこうだ。

>『男』は人間か
響:「『はい』人間です」

>『男』が長くいるわけではなかったのは、役目を終えたからか
響:「……『はい』彼は仕事さえ終えれば長くいる必要はないのです」

【響の回答】
1 地獄とは『閻魔大王』のいる地獄
2 男は地獄に長くいるが常にいる訳では無い。
3 男は『人間』
4 男は仕事を終えれば地獄に長居する必要は無い

298遊部『フラジール・デイズ』:2016/09/07(水) 23:31:36
>>297

 「……響君、さき程スマホを使っても良いと言ったわね。
つまり、これは遠まわしにインターネットを使わないと回答が苦しい
そう言うアドバイスで言ってくれたのかしら? あぁ、言っておくけど
これは私独自の独り言よ。質問ではないからね」

 そう、笑いつつ呟く。

>どうでしょう? わかりそうですか?

「うーん……困ったわねぇ」

そう、本当に困り気味の笑顔で。

「『二人』 二人ほど、思いついてるの。
一人は特定の人物でスマホを使う事で何とか連想しそうな人物。
もう一人は、大多数の人が答えれば納得するであろう人物。
どちらを答えるべきか……それともどちらともミスなのか」

 そう、二人だ。

    けど         ――解ったと、『私』は思う。

「最初はね、人間であって地獄にも来て閻魔大王の補佐をした。
……平安時代の出身の野狂とも言われた小野篁って人を思い浮かべたけど。
 でも、これってマニアックすぎるでしょう? ウミガメのスープの題材としては
少しナンセンス。響君が大人びていても、ちょっと正答と言うにはくどいと思うのよ」

 そう思わない? と、微笑みつつ呟く。

「でね、もう一人は……『元』人間でインド……いえ、あの方って
確か出生はネパールの付近と言われてるのよね。まぁ、今はどうでも良いわね。
 『真理に目覚めた人』『体解した人』『悟った者』……」

前置きもそこそこに、いま私が考えてる人を質問してみましょう。

「恐らく、これが最後の質問になると思うわ。いえ、願望なのだけれどもね。
第五の質問。
 ―その方が仕事から戻る所は涅槃及び天界、若しくは
天国とも言える場所でしょうか?」

 これで『YES』がとれれば、既に答えを得た事になる。

『NO』と問われれば、もう少し別の切口を考えて見よう。

299葉鳥 穂風『ヴァンパイア・エヴリウェア』:2016/09/07(水) 23:37:20
>>297(GM)

「ありがとうございます!
 それで、ええと。スタンドの、ですか」

         ≪成る程、興味深い能力で。
           ……つまり、私めもその対象と≫

穂風はスマホに文字を打ち始める。

          従者は自分が貸される所を想像した。
          アレンジという言葉には、やや不満を感じた。

         ≪お嬢様、とにかくメールを≫

「分かってる。ええ、と……」

(顔文字は使わないほうがいいよね……)

    スス  スス

† † † † † † † † † † † † † † † † † † † † † † † † †

こんにちは、レミさん。穂風です。
釣りをしていたら大きなナマズが釣れました。

† † † † † † † † † † † † † † † † † † † † † † † † †

    「……あ!」

              スス

        パシャ!

カメラで、ナマズを撮って、それを添付してみよう。
ついでなので、従者を実体化させ、写るようにしてやる。

             ≪お嬢様、撮っている場合では――≫

「だって、この方が、
 分かりやすいかな、って……!」

† † † † † † † † † † † † † † † † † † † † † † † † †

こんにちは、レミさん。穂風です。
釣りをしていたら大きなナマズが釣れました。

【写真】

大きいですよね!

それで、そろそろ釣りは終わって、戻ろうと思います
もし手が空いてたら、ナマズを運ぶのを手伝ってくれたらうれしいです。

では、さようなら。

† † † † † † † † † † † † † † † † † † † † † † † † †

                           ・・・・完了したら送信する。

300『ある夏の思ひ出』:2016/09/08(木) 22:45:40
>>298 (遊部さん)

響:「……」

響は答えない。
あくまで彼自身も独り言としてわざと処理したようだ。

響:「二人ですか……それはそれは」

指先をくっつけてレミから視線を切った響。
どちらかが正解なのか。どちらも不正解なのか、まだ分からない。

>―その方が仕事から戻る所は涅槃及び天界、若しくは
天国とも言える場所でしょうか?
響:「いいえ。男は生身の人間でありそのような場所に向かうことはありません」

【響の回答】
1 地獄とは『閻魔大王』のいる地獄
2 男は地獄に長くいるが常にいる訳では無い。
3 男は『人間』
4 男は仕事を終えれば地獄に長居する必要は無い
5 男は仕事から戻る先は涅槃や天界、天国ではない

レミのスマホが振動する。
葉鳥からだ。メールには以下のように書かれている。

† † † † † † † † † † † † † † † † † † † † † † † † †

こんにちは、レミさん。穂風です。
釣りをしていたら大きなナマズが釣れました。

【写真】

大きいですよね!

それで、そろそろ釣りは終わって、戻ろうと思います
もし手が空いてたら、ナマズを運ぶのを手伝ってくれたらうれしいです。

では、さようなら。

† † † † † † † † † † † † † † † † † † † † † † † † †

301『ある夏の思ひ出』:2016/09/08(木) 23:02:00
>>299 (葉鳥さん)

陽:「スタンドだけじゃなくてね、特技とかも貸してもらえるんだって」

  「ただ、その、僕のスタンドが使える能力に変えなきゃいけないんだけど」
 
  「それと友達じゃないと貸してもらえないんだ」

色々と制約のある能力らしい。
その間に葉鳥はメールを打ち、送信した。
立派なナマズの写真を添えて。

陽:「ん? あはは」

人形もナマズを押え始めた。

302遊部『フラジール・デイズ』:2016/09/09(金) 07:13:53
>>300(GМ)

 「あらら、ほぼ正解かと思えたんだけど。ちょっとがっかりね」

目を少しパチパチして、響君の言葉に答える。
 お釈迦さま、と言うのを想定したのだが。これは違うらしい。
となれば、先入観は全て捨てて最初から観点を見直すべきだ。

(となると、此処は『現実』の舞台と考えるべきね。
男は生身の人間。けど、地獄に出入りが可能……。
 そう言う『スタンド能力』がある人なんです。って言うのは流石にちょっとね。
となれば……)

 「じゃあ、更に三つ質問を消費するわ
1:その『地獄』に居たのは『男』を除いて他にも生身の人間は居ましたか?
2:その『地獄』は現実に存在しますか?
3:『鬼』に『亡者』は、動きますか?

「……そう言えば、響君のご両親のお仕事って、どんな事してるのかしら?
あぁ、これはウミガメとは全く関係ない雑談だから気にしないで。
答えたくないのなら別に良いわ」

少し思いついたのは……。
 この『地獄』が何かしらの『アトラクション』と言う可能性だ。
それなら、『男』は技師か管理者であり。その地獄を題にしたアトラクションを
直すのに居たと言うのならば、常に見慣れて平然もしているのだから答えに合う。
 もしかすれば、響君、陽君のお父さんかお父さんが、そのアトラクション関係者だから
そう言う問題を作ったのかも知れない。そう思っての軽い問いかけだ。

「……あ、葉鳥さんからだわ」

 スマホの振動に気づいて、開いて連絡が来た事を知ると微笑む。

「あら、大きなナマズ。響君、見てちょうだい。二人とも凄いのを釣ったわねぇ。
ウミガメは二人の所に行きながらでもしましょう。何か大きな網か何か倉庫に
置いていたかしら……」

 スマホの画面を見せて、響君にも送られてきた写メを見せつつ
葉鳥さんと陽君と合流をする為に必要な道具を聞く。
 この別荘なら、大きな網か何かあるだろう。

303葉鳥 穂風『ヴァンパイア・エヴリウェア』:2016/09/09(金) 09:05:24
>>301(GM)

「へぇっ…………特技、って。
 足が速いとか、あの、そういう?」

         「すごい、なあ……」

陽の説明を聞いて、穂風は驚く。
難解なところもありそうだが、大きな大きな可能性を感じる能力。

               ・・・いや、それよりも。

「お友達……」

「…………あのっ! ええと。私も、いつかは。
 陽くんの、その。お友達に……なりたい、です」

         ニコ

「いろんな人と、お友達になりたいって……いつも、思ってます。私」

          《お嬢様、とはいえ今は主従に御座います》

穂風は、釘を刺すような従者の言葉に、少し眉を顰めて、ナマズに歩み寄った。
メールは打ち終えたから、抑えるのにもう一度参加出来るわけだ。

「あっ。人形さん、あの、ありがとう、ございますっ」

(人形さんも、抑えてくれてる……)

      (……それにしても、この人形さんは何なんだろう?)

穂風は、内心訝しむ。よくよく考えると、スタンドにしても妙だ。
本体らしき人物はどこにもいないし、目的もよく分からないし。

(まあ、でも、今は何でもいいよね。
 少なくとも、敵ではないみたいだし……)

      グイ

まあともかく、ナマズの空いているところを探して、そこを上から抑えよう。

304『ある夏の思ひ出』:2016/09/09(金) 22:59:10
>>302 (遊部さん)

響:「それはそれは……でも、お姉さんなら答えられると思います」

「その、とても聡明な方だと思うから……」

少し照れくさそうに笑った。

>1:その『地獄』に居たのは『男』を除いて他にも生身の人間は居ましたか?
響:「いいえ。彼だけが生身でした」

>2:その『地獄』は現実に存在しますか?
響:「いいえ。死後の世界が存在するかは分からないですけど。この世にはありません」

>3:『鬼』に『亡者』は、動きますか?
響:「はい。彼らは確かに亡者と鬼です」

響の両親について聞くレミ。
彼はその言葉に返答した。

響:「すいません……ボクの両親は……」

言葉を濁す響。
しかしその顔に影はない。

響:「祖父がボクの親代わりです」

「あ、古本屋さんですよ」

送られてきたメールと写真。
それを見せると響の顔から笑みがこぼれる。
年相応の笑顔だ。

響:「多分虫取りあみとかタモとかあったと思います」

倉庫に向かえばあるだろう。
なにか他にしたいことがあるならやっておこう。

>>303 (葉鳥さん)

陽:「なれるよ、きっと」

陽は屈託なく笑う。
きっと敵意という敵意を知らないのだろう。
生まれて今まで、純真に生きてきたのだろう。

葉鳥:「僕、しゅじゅーとか気にしないよ! オジサンも友達になれるよ!」

そう言って、あなたの従者にも笑顔を向けた。

テシテシテシテシ

人形はナマズを叩いている。
ただ先程のようによこせと言っているわけでなく、お前も押さえろと言っているようだった。

抑えられるナマズ。
心なしか元気もなくなっているのか跳ね方に覇気がない。
川の主も陸に上がればこのとおり。

305遊部『フラジール・デイズ』:2016/09/09(金) 23:55:35
>>304

「それじゃあ一緒に、倉庫へまた行きましょう。
大きなタモ網が一つあれば、五人で運べると思うわ」

 響君と一緒に向かおう……そして。
「トレ……メモ帳とペン少し貸して。えぇ、有難う
これとこれ……トランクから持ってきて」

 『ルーペ』『パチンコゴム』『バーべーキュー串数本』

これ等をトレに携行するように、筆談で命じておく。何が危険があるとは
言わないが、万が一の保険だ。

 その間に響君と自分でタモ網を用意しておこう。そんなに重いもの
じゃないしトレもすぐ合流して一緒に森の中へ入れる筈だ。

準備しながらウミガメスープの続きも行う。

「それじゃあ、問題の続きね……えっと。次は二つ質問。
これで計十の質疑を終えるわ。
1:『男』が平然としていたのは、鬼や亡者が絶対に危害を加えないと知ってるからですか?
2:『男』は外国人ですか?

 ……さっきの問いかけで
>>294『この地獄は『閻魔大王』もいる霊界です』と響君は言っていた。
……『も』と言うのが、少し気にかかる。
 となれば、この地獄は私がイメージする日本の鬼やら亡者の地獄でなく
西洋の鬼(デビル)やら死人が舞台の話の可能性もある。

(となれば、神曲ダンテのような人物が正答に。
いえ、それだと『お仕事』と言うのが逆説的に疑問視になるわ。
 いえ、焦らずゆっくりと答えを狭めていきましょう……)

 問題の解答を幾通りが考えて見つつ、響君と連れだって歩く。

「あ、連絡しないとね」

 『大きなナマズおめでとう御座います。
響君とトレと一緒にタモ網を持って行きますので。もう少し
お待ちください』

 こう言う内容で送信しておく。

306葉鳥 穂風『ヴァンパイア・エヴリウェア』:2016/09/10(土) 00:03:12
>>304(穂風)

「…………はいっ! きっと、必ずっ」

           ≪おじさん……いえ陽様、
             私めはあくまで従者ですゆえ≫

穂風は屈託のない笑みを返した。
生まれてつい最近まで、真っ赤な無菌室にいた少女。

              従者は困惑気味に否定する。
              しかしその声に、強い調子は無い。

     グイ

        グイ

「だいぶ、おとなしく……
 なってきましたね、あの、あ、このナマズ」

          「あの、ええと」

  チラ

(なんでお魚を、欲しがってたんだろう……)

人形に視線を向ける穂風。
抑える手の力、そして全身でかける体重は弱めない。

   ≪私めのような、意思あるスタンドか――≫

           ≪あるいは、スタンド能力の産物か――≫

              従者も私見を述べつつ、やはり手は緩めない。

307『ある夏の思ひ出』:2016/09/10(土) 23:24:36
>>305 (遊部さん)

従者はあなたに一礼すると指定したものを用意しに行く。
その間にレミたちは倉庫へと向かう。
タモはすぐに見つかり、トレとも合流できた。

響:「えっと、回答ですね」

>『男』が平然としていたのは、鬼や亡者が絶対に危害を加えないと知ってるからですか?
響:「はい。男は彼らに危害を加えられることのない立場であることを自覚していました」

>『男』は外国人ですか?
響:「それは……日本人か否かということですか? それなら答えはいいえ。男は日本人です」

【響の回答】
1 地獄とは『閻魔大王』のいる地獄
2 男は地獄に長くいるが常にいる訳では無い
3 男は『人間』
4 男は仕事を終えれば地獄に長居する必要は無い
5 男は仕事から戻る先は涅槃や天界、天国ではない
6 地獄で生身の人間は『男のみ』
7 地獄とは死後の世界であり、『現実に存在しない』
8 亡者と鬼は動く。正真正銘亡者と鬼
9 男は亡者たちに危害を加えられない
10 男は日本人

メールを返信し、響とトレと共に歩き出す。

>>306 (葉鳥さん)

葉鳥の笑み。陽の笑み。
日差しにも負けぬ笑顔だ。

人形は人の言葉を話さない。
話す、というかなにかを発することはあるようだが。

陽:「不思議だねぇ」

人形:『う……おぉぅ』

ぱくぱくと口を開閉している。
葉鳥のスマホに反応がある。レミからの返信だろうか。

308遊部『フラジール・デイズ』:2016/09/10(土) 23:38:03
>>307

 「それにしても、ナマズなんて…ね」

フフッと、口元に笑みを模りつつ手を抑える。
何とも、予想外なものを釣ったものだ。

「凄いものを釣ったものよねぇー二人とも。
けど、釣ってどうする気なのかしら? 飼育するにしても
大きすぎるでしょうし、食べるにしても…蒲焼? 逢坂さんは
ナマズを料理出来るのかしらねぇ」

 料理の腕は人並みはあるものの、ナマズの調理となると専門外だ。
逢坂さんは自分よりも料理の技術は高いだろうけれど……どうだろう。

「では、もう二つ質問を消費。
1:『男』の仕事は、地獄を描く、若しくは整備する職業ですか?
2:『男』は現代の人間ですか?」

 日本人で、地獄にいても平然としてる。
まず、『地獄』と言うのは霊界の地獄だが。それが『絵画』若しくは
お化け屋敷のようなものでも、居ると言う言葉はつかえるだろう。
また、過去の人間かどうかでも、誰なのかを当てるのに焦点となる。

 響君の歩幅に合わせて歩きつつ、葉鳥さんと陽君のいるだろう川を
目指して歩く。川の場所は隣の彼が私より熟知してるだろう。

309葉鳥 穂風『ヴァンパイア・エヴリウェア』:2016/09/10(土) 23:46:49
>>307(GM)

「…………?」

陽に同調し、頷いていた穂風――
その耳が、うめくような声を拾った。

「あれ、何か……言ってる?」

           ≪言語にはなっておりませんが≫

                 コク

            従者は肯定し、人形の口を見る。
            開閉している――『発話』なのか?

「……あっ、う、あの。
 すみません、メールの返信が」

      スッ

         「来た、みたいです」

ナマズから少し身を引いて、スマホを取り出した。
順当に考えるなら、『レミ』からの返信に間違いないはずだ。

(……ここに、来てくれるかな)

            スス

メールアプリを起動して、恐らく来ているであろう返信を確認してみる。

310『ある夏の思ひ出』:2016/09/11(日) 00:17:21
>>308 (遊部さん)

響:「逢坂お姉さん。四本足は机と椅子、飛ぶものは飛行機以外なら料理できるらしいです」

曖昧な笑みを浮かべて答える響。
逢坂はなんとかできそうらしい。
事実そうなのかはわからないが。

>『男』の仕事は、地獄を描く、若しくは整備する職業ですか?
響:「いいえ」

>『男』は現代の人間ですか?
響:「それもいいえです」

【響の回答】
1 地獄とは『閻魔大王』のいる地獄
2 男は地獄に長くいるが常にいる訳では無い
3 男は『人間』
4 男は仕事を終えれば地獄に長居する必要は無い
5 男は仕事から戻る先は涅槃や天界、天国ではない
6 地獄で生身の人間は『男のみ』
7 地獄とは死後の世界であり、『現実に存在しない』
8 亡者と鬼は動く。正真正銘亡者と鬼
9 男は亡者たちに危害を加えられない
10 男は日本人
11 男の仕事は地獄を描いたり、整備したりするものではない
12 男は現代人ではない

迷いなく響は進む。
そんなに時間はかからないだろう。

>>309 (葉鳥さん)

言葉になっていない。
パクパクと開閉する口。
そこに陽が指を突っ込もうとしているが、開閉でタイミングが合っていない。
ふにふにと人形の表面をつつくだけにとどまっている。

メールの返信を確認する。
『大きなナマズおめでとう御座います。
響君とトレと一緒にタモ網を持って行きますので。もう少し
お待ちください』

彼女たちがここにつくのにそんなに時間はかからないだろう。

311遊部『フラジール・デイズ』:2016/09/11(日) 00:48:31
>>310

 「うーん……」

微笑んで思考を続ける。

現代人ではない、地獄を描いたり整備したりはしない。
 地獄にいても平然としてた……日本人であり生粋の人間。

「やはり、該当するのが『一人』だけなのよね……うん
決めたわ。答えますわ 響君」

 外れても、これは『遊び』だ。次の私の提示するスープに対し
彼が外れたら、それはそれでイーブンなのだし。『解答』しよう。

「それでは、男の正体を答えます。
彼は平安時代の出身、『小野篁』です」

 小野篁……かつて地獄で閻魔の補佐をした事のある伝説のある人物。
それならばこのウミガメスープの提示する答えには合う。
 もっとも、ウミガメのスープは水平理論パズルだ。
これだと、理論は合うが水平となる問題の照合はなってるものの問題文全体を
捉えた回答に少し至ってない気もする……だが、もう八問でこのスープの
完全な答えを捉えそうにない。少し気が急いでる感じもするが少し賭けに出よう。

 「どうかしら?」

響君の解答を待つ。正解なら、嬉しいのだが……。

312葉鳥 穂風『ヴァンパイア・エヴリウェア』:2016/09/11(日) 00:49:30
>>310(GM)

         ≪面妖なばかりですな……
           何かを伝えたいのか、それとも……≫

         ≪陽様、危険かもしれません。ご注意を≫

          従者は、人形の口を注視する。
          中に何かあるのだろうか・・・?

「…………!」

メールを確認した。

    スス

「レミさんたち、あの、
 来てくれるみたい、ですっ!」

         ス

           ≪これで持ち帰るのが易くなりそうですな≫

穂風は喜々としてスマホを操作し、返信を打ち込む・・・

† † † † † † † † † † † † † † † † † † † † † † † † †

ありがとうございます!
それでは、近くの川で待ってます!

では、またあとで!

† † † † † † † † † † † † † † † † † † † † † † † † †

                       ・・・・そういうわけで、送信しよう。

313『ある夏の思ひ出』:2016/09/11(日) 01:00:24
>>311 (遊部さん)

響:「……」

レミの回答。それに対して響は沈黙する。

響:「正解です」

勝者はレミだった。
ふぅと息を吐いた響。
その口元に笑み。

響:「やっぱり当てると思っていましたよ」

  「でも、外れるかもと思いました」

水の音が聞こえる。
目的の場所が近づいてきている。

>>312 (遊部さん)

メールを返信し、報告する葉鳥。
それに対して陽は(スタンドで表情は分からないが)喜んでいた。

陽:「お兄ちゃんどんな顔するかなぁ……」

ドキドキで胸がいっぱいのようだ。
ざっざと歩く声が聞こえる。
誰かが近づいてきているようだ。
そして、ぴょんと人形がナマズから放れる。
地面に放ったフナを拾い上げる。

314遊部『フラジール・デイズ』:2016/09/11(日) 10:18:36
>>313

 「あぁ、当たったのね。良かったわ」

微笑を浮かべ、自分の正解に納得する。思考が性急すぎたのではないか
また、ウミガメのスープの論理からして少し直球すぎる答えだったのでは。
と不安があったものの、響君の答えに叶って良かったと思う。

「それにしても小野篁なんて良く知っていたわねー響君、歴史好きなの?」

素直に感心しつつ尋ねてみる。大人びてはいると感じていたものの
多少の伝説の人物としては日本で有名かも知れないが、彼の歳で小野篁を
知ってるのは少し驚きがあったのが事実だ。

 「それじゃあ、私からスープの問題出すわ。『二人の女』と言う問題よ」

響君の問題の答えを考えながらも、自分も既にスープの調理は終わった。
さぁ、召し上がれ。

 
「 ある場所に、二人の女がいた。
どちらも非常に美しい事で有名だった。
 けれど、どちらも美しい二人の女は
どちらにも全く関心がなかった。
 何故でしょう?」

 さて、響君はこの問題に答える事が出来るだろうか?

315葉鳥 穂風『ヴァンパイア・エヴリウェア』:2016/09/11(日) 15:19:53
>>313(GM)

「きっと、あの、驚くと思いますっ」

「だって! こんなに大きなナマズ、初めて見ました、私」

    スッ

穂風はそう言ってから、スマホを懐にしまい込んだ。
それから――人形に視線を遣る。

そういえば、フナを欲しがっていたんだった・・・

「……あっ」
         ≪アレがお目当てとして……
           どこに持ち帰るのでしょうか≫

「…………どこ、って?」

           ≪彼もまた誰かの従者なのでは、と。
             己の餌を取りに来た風には見えますまい?≫

穂風は合点した顔で、小さく頷いた。
従者の推測は、何となく正しい気もする。

とはいえ。      従者は同類ではないか、と推測する。
             確証は無いが……自分で食うとは思えない。

「でも、ううん、そう、だとして……
 この人形さん、あの、川の中から来たよね?」

      「川の中に、何か、いる……のかな、なんて」

穂風は川に、疑問の視線を向ける――川底に何かあるのか? それとも上流か?

316『ある夏の思ひ出』:2016/09/11(日) 23:36:15
>>314 (遊部さん)

響:「正直、名前を挙げられた時はひやっとしました」

  「賞品はいつでも対応しますよ」

あっさりとした敗北宣言。
悔しそうな様子はない。
柔らかな表情を浮かべている。

響:「祖父が教えてくれました。歴史は……嫌いじゃないです」

川への道を歩く二人。
今度はレミがスープの料理人となった。

響:「二人の女……」

  「まず1。その女性同士は別人ですか?」

  「2。場所とは川や湖など水辺ですか?」

  「3。二人はお互いの存在を知っていますか?」

  「4。二人は双子やいとこなどの親族の関係ですか?」

質問する響。
そんな間に川は目の前だ。
距離があるため小さく見えるが葉鳥たちの姿が見える。

陽:「あ、お兄ちゃん!」

陽が声を上げた。

>>315 (葉鳥さん)

陽:「僕も! ところでねぇ……」

  「ナマズっておいしいのかな?」

今スタンドを解除していれば緩んだ口元とよだれが見れたことであろう。

人形は敬礼のようなポーズをとった。
それからまたパクパクと口を開け。

人形:「さちあれ」

とだけ呟いて川の中に戻っていった。
川は美しく、底が見えてしまいそうだ。
じゃぶじゃぶと川を進む。川を渡り切るつもりだろうか。

陽:「あ、お兄ちゃん!」

陽が声を上げた。

317遊部『フラジール・デイズ』:2016/09/12(月) 08:35:25
>>316

>その女性同士は別人ですか?
「はい、別人です」
>2。場所とは川や湖など水辺ですか?
「いいえ。このスープの問題は少し難しいからヒントを出すわね。
ある建物に、その二人はいるわ」
>3。二人はお互いの存在を知っていますか?
「はい。その二人は互いの存在を知ってたわ、けど互いの事に興味がないの
>4。二人は双子やいとこなどの親族の関係ですか?
「いいえ、関係ありません」

 四つの問いに、微笑んで答える。
「難しいわよぉ? 文章通りに考えないほうが良いと思うわ」

解けないほうに自信を含めた笑みを投げかける。意地が少々悪いようにも
見えるが、必死に作ったスープ(パズル)だ。直ぐに閃いて答えられたら悲しい。

 >あ、お兄ちゃん!

陽君の声、そして遠目ながらも確認出来る。良かった、写真からは解ってたが
何事もなくてホッとする。

 手を少し大きめに振って来た事をアピールしながら近づく。

318葉鳥 穂風『ヴァンパイア・エヴリウェア』:2016/09/12(月) 15:06:48
>>316(GM)

「ナマズ……ううん、食べたこと、うん、ないような。
 こんなに大きいし、あの、食べられるところは多そう……」

          「美味しい、でしょうか……?」

   ゴクリ

穂風も、大ナマズの味に期待を寄せる。
果たしてどう調理するのか、その辺りは知らない。

美味しければいいと、心から思うけれど――どうだろうか?

「あっ……ありがとう、ございます」

穂風は人形に小さく頭を下げて、礼の言葉を述べる。
去って行く人形を、視線で見送る。

          ≪……追いましょうか?≫

          従者はあるじに尋ねる。
          あるじの好奇心、そして己の『警戒』。

「……どう、しよう。
 川、渡ろうとしてる……?
 向こう岸って、何があるん、だろ」

           「……ん」

正体不明の人形――川の向こうに、あるいは底には何があるというのだろうか?

    スッ

(響くん、と。レミさんたち――)

                  ・・・ともかく、今は陽の声に顔を上げた。

319『ある夏の思ひ出』:2016/09/12(月) 22:51:09
>>317 (遊部さん)

響:「……」

口を閉じ、考える。
んー、ともごもご口を動かす。

響:「では、5。女性は二人とも生きてますか?」

  「6。建物に他に人はいますか?」

  「7。互いに興味がないのはなにか二人の間に起きた問題のせいですか?」

響の質問。
そして、陽の声に対して手を振って近づいていく。

>>318 (葉鳥さん)

未知なる味への期待が募る。
陽自身も食べたことはない。
実際の味は食べてみないとわからない。

川の向こう側を見てみれば森が広がっている。
その中に向かって人形は進む。
じきに深いところに入り、姿は見えなくなるだろう。

とにかく、今は陽の声に顔を上げる。
レミが手を振って近づいてきているのが分かった。

>>ALL

響:「写真でも見たけど、大きいね」

陽:「うん! お姉ちゃんが釣ったんだよ!」

おぉと声を上げる響。
タモに入ったナマズ。
これにてまた全員が集まった。
気づけば日も落ちてきていた。

320遊部『フラジール・デイズ』:2016/09/13(火) 05:48:14
>>319(レス遅れ失礼しました)
>5。女性は二人とも生きてますか?
「はい、生きてますよ」
>6。建物に他に人はいますか?
「はい、これはとてもいい質問です」
 笑みを深める。
>7。互いに興味がないのはなにか二人の間に起きた問題のせいですか?
「いいえ、最初から二人とも相手に興味なかったと思うわ」

響君へ回答する。

「日も暮れてきたわねぇ。そろそろ帰りましょう」

 ナマズをうーんと重たそうに端を握り、トレも一緒に別の部分を持たせて
別荘へ帰ろうと行動する。

「他に、まだ何かしたい事ある?」
 
葉鳥さんと陽君には一応確認しておく。この川辺で、他にまだ何かしたい
事があるとは余り思えないが……。

321葉鳥 穂風『ヴァンパイア・エヴリウェア』:2016/09/13(火) 06:25:50
>>319(GM)
>>320(遊部)

穂風は森の向こうに目を凝らす――
しかし、恐らくそこには森しかないだろう。

「うん……追わなくていいよ。
 追わなきゃいけない事、したわけじゃないし」

         ≪畏まりました≫

敵でもない。
気になりはするけど……今は、良い。

「ぁ、響くん、レミさんっ、トレさんっ」

       ブンブン

穂風は大きく大きく手を振って、その姿を出迎える。
それから、ナマズを指し示して。

「えへ……あの、釣れました!」

      ニコ

穂風は満面の笑みを浮かべる。
文字通りの、『大手がら』――喜ばしいばかりだ。

            ≪――しかし、この大きさ。
              如何に処理いたしましょうか≫

                     ≪まずは運搬、ですが≫
 
「そうですね。お日さまも、
 その、沈んで、きましたし」
 
それから、空を見た。            従者は、改めてそこの所を思う。
夜が訪れる――きっと、良い夜が。    沈みゆく日に、やや空を仰ぎながら。

――と、穂風は『レミ』の問いかけに、丸い目を少し見開く。

「あ――ええと、その。したいことでは、
 ないですけど、ええと。見た物があって」

            ス

       「あっちの森の、方に――動く人形、が。
         あの、お魚を持って、歩いて行きました。つい今」

口に出してみると、かなり意味が分からない状況だが――事実なので、伝えて損はない。

322『ある夏の思ひ出』:2016/09/14(水) 00:04:02
>>320 (遊部さん)

響:「……じゃあ8。他の人々は大勢いますか?」

  「9.いる建物はショッピングモール他、買い物をする場所ですか?」

そういってから、いったん中断にしようと響は言った。
不思議そうにする陽を横目で見ながら。

ナマズはずっしりと重かった。

>>321 (葉鳥さん)

人形は見えなくなった。
追わないことを決めた葉鳥。

笑みを浮かべ手柄を告げる。
心なしか陽も誇らしげである。

陽:「お兄ちゃん運ぶ?」

響:「え?」

唇を尖らせて不満気な響だった。

葉鳥は先ほどまでの状況をレミたちに告げる。
響は本当? と念のために陽に確認を取り
陽は本当! と元気よく響に返していた。

323遊部『フラジール・デイズ』:2016/09/14(水) 00:31:35
>>322(GМ) (お気になさらず)
>>321(葉鳥)

 「…? 人形……」

目を少し瞬きさせて、少しだけ指された森の方角に顔を向ける。
 もう件の人形は居ないだろうけど、念のため。

 「うーん、いまは気にしないでおきましょう。
ナマズを持って帰るほうが大事だし、ね?」

 微笑んで、陽君と葉鳥さんにそう提案する事にした。
言葉が嘘だとは思ってない。けど、いま人形についてあーだこーだ
議論しても解決する事はないと思うからだ。
 
>8。他の人々は大勢いますか?
「はい、いい質問です。いっぱい居ると思うわ」
 そう響君に笑顔で応える。
>9.いる建物はショッピングモール他、買い物をする場所ですか?
「いいえ。……うーん、もしかすれば買い物出来る場所もあるかも
知れないけど。そう言う目的の建物ではないの」

 イエス・ノー以外の返答は基本的にルール違反になる事もあるが。
今回、私が出したスープ(パズル)は結構捻っている。これ以外の
口出しはセーフだろうと見当つけてのヒントだ。

 

 「まぁ良いじゃないの。皆で運べば…?」

少し困った笑顔で、ね? と言いつつ不満そうな響君に割って
入るようにして告げる。
 兄弟同士でも、こう言う喧嘩…とまでいかずも衝突あるのは
私は大いに理解してる。こう言うのを経験して成長していくのだろうけど
今は場所が場所だ。後でそういうのは別荘の中ですればいい。

324葉鳥 穂風『ヴァンパイア・エヴリウェア』:2016/09/14(水) 00:38:39
>>322(GM)
>>323(遊部)

「はいっ、あの。ええと――
 みんなで、持って帰りません、か?」

     「一人とか、二人じゃ、
       大変すぎるかな、って」

  スッ

穂風はしゃがみこんで、ナマズに手を掛けてみる。
ここにいるのは――5人、それから1体。

手分けして各部を持ち上げれば、楽な気がする。

「あ、う、それとも……
 ここで、切って分け、ますか」

    ジ

穂風はそう言うと、ナマズの表皮を軽く撫でた。
ぬめっているだろうか? そういうのも吸い取れるけど。

「切れるか、そのっ、分からない、ですけど」

      「運びやすくは、なる……かもです」

          ≪斬る術は、私めに御座います――
            お嬢様の仰る通り、可否は不明ですが≫

あまり自信は無いし――鮮度という面で、重大な問題は、出そうな気がする。

325『ある夏の思ひ出』:2016/09/14(水) 21:38:17
>>323 (遊部さん)

森の方を見るが、なにもいない。
やはりと言うべきかいなくなってしまったようだ。

響:「いえ、その……むう」

陽:「えへへ……ごめん」

響:「出来ないことないけどさ」

陽:「うんうん」

まだ少し不満げな響であったが陽にそこまで怒っているわけではなかった。
ただ注意する調子があるのは確かだった。

>>324 (葉鳥さん)

ナマズはヌメっていた。
ヌルヌルしている。

陽:「切れるの?」

響:「血抜きとか……ボクたちはわからないですし」

不思議そうに声を上げる陽。
切るのは切るので問題はある。

>>ALL

陽:「みんなで持っていこう!」

陽は高らかに言う。

響:「タモの持ち手のところと網のところ。分担して持てば大丈夫だと……」

全員で持っていくことになりそうだ。
反対しなければそれで行くことになるだろう。

326遊部『フラジール・デイズ』:2016/09/14(水) 21:54:59
>>325

 「重たいわねぇ。本当、よく釣ったわ二人とも……んーっ!」

五人もいるとはいえ、このサイズだとかなりだ。喰い応えも半端なさそうだし
と言うより、これを食べる想像も少し怖いものがある。調理すれば、この見た目
や不気味な表情も忘れるだろうけど……。

 「こう言うとき……あの屋根裏であったカレンって言う子?
あの子なら無重力とかで、ナマズも簡単に運べるのかしら。
 ……陽君や響君は、あの子達にどんな印象もったかしら」

 屋根裏部屋での回想を少しつつ話す。
後日、また陽君がお城を探しに行きたい体の欲求が再燃するとしても
それが起きるなら皆が居る時が一番良い。
 良い機会なので、ナマズを運ぶ間はお喋りするのに良い時間だ。
陽君や響君の、二人に対し屋根裏で出会った子達の印象等を聞こうと思う。

327葉鳥 穂風『ヴァンパイア・エヴリウェア』:2016/09/14(水) 21:58:34
>>325(GM)

    「うわ……」

   ヌメ

「……切れる、かも……でも、あの。
 私もみんなで持つのが、いいと思います」

切るというのはあくまで、第二の手段。
血抜きに関しては『得意分野』だが――それは今は良い。

「ええと、誰が、あの。どっちを……
 持ちましょうか。網の方がその、重いです、かね?」

穂風はやや網の方に視線を向けつつ、言う。
お手伝いさん――とはいえ、穂風にも秀でた腕力はない。

        ≪私めはどちらでも……
         決して力自慢では御座いません故≫  

         従者の腕力は、その穂風にも劣るほどだ。
         力よりも、役に立つことが彼の真髄だから。

――負担の大きい位置は『大人並み』の陽や、『凄い力』があるらしい響が適任か?

>>326(遊部)

「えへ……ありがとう、ございます」

(……そういえば、あの人形。
 あの二人と、何か関係、あるのかな)

            (……考えすぎ、かな?)

レミの賛辞に笑みを浮かべつつ――続く話に、小さく首を傾げた。
まるで従者のような――あるいは手下? 分からないが、どこかに『持ち帰る』様子。

                      ・・・・『城』の単語が、思考をかすめた。

328『ある夏の思ひ出』:2016/09/14(水) 23:32:40
>>326 (遊部さん)
>>327 (葉鳥さん)

陽:「どこが重いかな?」

響:「持ち手と網の真ん中とか?」

ぐっぐともって試してみる二人。
それから少し考えて。

陽:「両方持とう!」

響:「うん。そうしよう」

持ち手を響。網を陽が持つらしい。
陽は網の所を手伝ってほしいとあなたたちに頼んだ。

陽:「カレン」

響:「……」

明るい声を上げる陽。
対照的に黙り込む響。
二人にはカレンへの感情の違いがあった。

陽:「面白そうな子だよね! 僕もお城行きたいし!」

響:「怪しい子だよ、ハル。よくわからないですよね……目的とか、色々」

やはり、二人の間に違いがある。

陽:「えっと、持つ場所みんなここでいい?」

響:「いかがでしょう?」

問題がなければタモをもって家に戻ろう。

329遊部『フラジール・デイズ』:2016/09/14(水) 23:40:23
>>328(GМ)

 やはり、ではあるが。二人の認識には隔たりがある。

陽君は、ある程度あっさりと屋根裏の子達に好印象及び受け入れる姿勢あるが
響君に関しては未知なる存在だ……私も、どちらかと言えば響君依りの考えではある。

網を持ちつつ、二人のこの相違がいずれ取返しのつかない所にいくんではと
不安も考えてしまう事がある。この休み中で、その綻びも無くなればいいのだけど。

「さぁ、行きましょうか」

 五人いれば苦ではない。笑顔で音頭をとりつつ別荘へと運んで帰ろう。

330葉鳥 穂風『ヴァンパイア・エヴリウェア』:2016/09/14(水) 23:47:44
>>328(GM)
>>329(遊部)

「はいっ、行きましょうっ」

         ≪私めもお力添えを≫

5人、プラス1体だ。
苦でもないのを、従者はもっと楽にする。

              ≪ぐぬ≫

           ・・・出来ればいいな、と思う。

穂風は網を持ち上げて、歩き出す。
足元にはもちろん気を付ける。

(お城……この近くに、あるのかな。
 逢坂さんは、何か知ってたりするのかな……)

          ザッ

   ザッ

多少なり考える事はあるが、口に出すほどのことではない。

331『ある夏の思ひ出』:2016/09/15(木) 01:33:41
>>329 (遊部さん)
>>330 (葉鳥さん)

陽:「ほら、お兄ちゃん。準部準備」

響:「むう……ハル、今回だけだからね。ハルの頼みだから今回だけするんだからね」

  「『モンスター』」

5人足す1体が進む。
全員で持っているからか思ったよりも重くはないかもしれない。
家の前まで来てみると車が止まっており、逢坂が家に戻ってきているようだった。
そして、陽がお姉ちゃんと叫ぶと満面の笑みの逢坂が家から出てきた。

逢坂:「お帰りなさーい……って凄いもの持ってきましたね」

陽:「ナマズ! 葉鳥お姉ちゃんが釣ったの!」

逢坂:「はぁ、それはまた……あそこの川だったら泥抜きもいらないでしょう」

    「今日の晩御飯ですねぇ」

332 遊部『フラジール・デイズ』:2016/09/15(木) 18:51:43
>>331

「ただいま…戻りました」

微笑んで、ナマズを運びつつ逢坂へ応答する。
 一先ず、この家の長子と言える人が帰って来たのだ。留守番は
これにて終了、怪我も何もなかった。
 ……あの屋根裏での出来事を、話すべきかどうか。

 (……いえ、こちらからは何も言わないでおきましょう。
陽君に響君が言うのなら、構わないけど。彼ら二人が秘密にするのなら
私もそれに倣いましょう)

 「ナマズの晩御飯ですか……蒲焼にでもしますか?」

 ナマズをどう調理するかは間知の外だ。ウナギに似てるので
最近ではウナギのかば焼きの代用としてナマズを使うと聞いた事あるが……。

333葉鳥 穂風『ヴァンパイア・エヴリウェア』:2016/09/15(木) 23:28:17
>>331(GM)
>>332(遊部)

(『モンスター』……響くんの、スタンド。
 どういう能力なんだろう? 名前、強そうだけど)

          ザッ
       ザッ

「あっ」

逢坂の帰還に気づいて、何となく声が出た。

「あの、ただいま帰りました。
 釣りをしていたら、あの、これが釣れて――」

               「……えへ」

(あっ、人形の事――ううん、後で良いかな。
 あの二人のことも、聞いてみたいけど・・・・)

留守中にあったことを報告する時間は、後である気がする。
今はとりあえず、ナマズを運び込むことにしよう。

          ≪ナマズ料理で御座いますか≫

「私、あの、ナマズって食べた事ないです。
 逢坂さんは、その。知っているんですか……ナマズ料理?」

    クイ

        「私、何か手伝えます、か?」

言い出すという事はもちろん知っているのだろうけど――興味が沸いた。
邪魔にならないならだけれど、調理もお手伝いとしての仕事のような気もするし。

334『ある夏の思ひ出』:2016/09/15(木) 23:52:29
>>332 (遊部さん)
>>333 (葉鳥さん)

響の傍にヴィジョンは現れない。
ヴィジョンそのものがないか、それとも別の形なのか。

逢坂:「うーん……『ルック・オブ・ラブ』」

逢坂の瞳が変化する。
家の中に運び込んだナマズをじぃっと見つめている。

逢坂:「結構大きいのでなんでも出来そうですね……虫がいるので火を通さないといけないですけど」

    「フライとかにしちゃいましょうかね」

    「かば焼きも作っちゃいましょうかね。たれさえ用意出来れば大丈夫ですし」

手を打ちメニューを口にする。
料理はすぐにでも始まるだろう。

逢坂:「えっと、お手伝いをお願いできますかね?」

逢坂が問いかけた。
手伝いをするのもいいし、陽たちとなにかするのもいいだろう。

335 遊部『フラジール・デイズ』:2016/09/16(金) 00:14:42
>>334(GМ)

 「フライですか、それは良いですね」

「えぇ。勿論、お手伝いさせて頂きます」

 夕食の手伝いをしよう。この大きなナマズは、一人だけ陽君や響君と
遊んで、その間に逢坂さんに任せて終わり、とはいかないサイズだ。
 たとえ非力でも、料理の知識と腕はそこそこもっている。トレと二人でなら
多少の手伝いは行えるだろう。

 「あぁ、それと冷蔵庫で胡瓜のお団子を冷やしてます。
デザートとして出してくださいな」

 補足として、冷蔵庫で三時のおやつとして作った物を教えつつ
本格的に調理を手伝う事にする。まずは料理器具などの準備だ

336葉鳥 穂風『ヴァンパイア・エヴリウェア』:2016/09/16(金) 00:22:36
>>334(GM)
>>335(遊部)

(そういう事にも、使えるんだ)

便利なスタンドだ――と思う。

「……そろそろ、戻ってていいよ。お疲れ様」

            ≪勿体無いお言葉……
              では、失礼いたします≫

         シュン

それから、己の従者を解除する。
利便性では、劣らない――と思う。

しかし、今使えるような能力でもない。適材適所。

「あ、川魚は、虫が多い……
 でしたっけ。あんまり詳しく、ないですけど」

         「はいっ! 手伝い、ます!」

   スッ

少し前に出て、手伝いを申し出た。
もちろん陽たちとの交流も仕事。
しかし、こうなると、手伝いたくなるものだ。

「……胡瓜の、お団子? 
 あの、緑の、きゅうり……ですか?」

    キョトン

「胡瓜って、お団子にもなるん、ですね」

          「楽しみ、ですっ」

『レミ』達が作ったというデザートに、穂風は微笑む。
八百屋ではあるが、料理――特に、和食にはそれほど詳しくないのだ。

337『ある夏の思ひ出』:2016/09/17(土) 22:25:53
>>335 (遊部さん)
>>336 (葉鳥さん)

逢坂:「ありがたいです」

レミに礼をする逢坂。
食後のデザートにちょうどいいだろう。

逢坂:「えぇ。見えない虫がね。私のスタンドならしっかり見えますけど」

だから火を通すのだと説明する逢坂。

逢坂:「えっと、陽くんと響くんはなにか二人で」

陽:「うん!」

逢坂:「えっと、ナマズをシメるので、荒事になれてる方はキッチンに」

逢坂:「そうでない方は倉庫に袋に入ったヌカがあるので持ってきてもらえれば」

まずはナマズの下準備だ。
逢坂がタモを持つ。
流石に重そうだ。

逢坂:「あ、釘とか金づちいりますね……まぁ倉庫に行けば工具箱がありますし、大丈夫ですね」

移動しようとしていた響と陽の動きが止まる。
響の服を掴む陽。
抱きしめるようにして陽をかばう響。
カレンたちが持っていったのがその工具箱だからだろう。

338遊部『フラジール・デイズ』:2016/09/18(日) 09:02:46
>>337

「あらあら、ナマズって。色々と手間が掛かるんですねぇ」

 頬に手を当てつつ呟き、そして言葉のある部分でスッと一度目を細める。

>釘とか金づちいりますね……まぁ倉庫に行けば工具箱がありますし、大丈夫ですね

(……ふむ)

 二つの選択肢がある。

このまま正直に、屋根裏の件の事を話すか。
それとも、カレン達の事を秘匿するか。どちらか、だ。

 私個人の感想としては、本当に『どちらでも良い』のだ。
逢坂さんは、彼ら二人にとっての保護者なのだし。打ち明けるなら打ち明けるに
越した事がない。あの二人に何か恩や義理たてする必要性もないのだし。
 もし、響君や陽君が秘密にしたい、と言うのならば。その時はフォローするだけ。

「そうですね、それじゃあトレ。シメるのをお願い出来る? 私はヌカ袋を
持ってくるから」

 この場面で特にトレの補佐を求める事はない。状況的に自然な流れで別れよう。

「陽君に響君。どちらか、または二人でも良いけどヌカ袋の場所教えてくれないかしら」

 微笑んで、そう聞く。これで、最低一人にはカレンの事を逢坂に打ち明けるか
否かの意見を聞けるだろうから。

 (まぁ、隠し通す事に何か利点を見出せるかと言われると……ねぇ)

 『レミ』としては、安っぽい嘘や騙しで通しても後々に苦しくなるだろうと
言うのが正直な意見だ。

339葉鳥 穂風『ヴァンパイア・エヴリウェア』:2016/09/18(日) 23:29:27
>>337(GM)
>>338(遊部)

「見えない、虫……ですか。
 あっ、あの! 荒事、少しだけ、慣れてます」

『レミ』は、慣れていなさそうだ。
陽と響も同様だろう。

そう考えた穂風は――

「だから、私、キッチンに入らせていただきます!」

キッチンでの、ナマズとの格闘を志願することに決めた。
実際にナマズを料理してみたい、という好奇心も、あった。

そして。

「釘と、金づち……ですか」

(――――あっ)

工具箱。

(どう、しよう……あの二人は、
 黙っててとは、言ってなかった、けど)

穂風は……このことの決定権は自分一人には無いと思う。

『お手伝いさん』としては――『明かすべき』な気もする。
あの二人組を悪者に仕立て上げずとも、『貸した』という事実は。

           チラ

(陽くんは、明かしたらまずいって思ってる……?)

陽と響に視線を、少しだけ向けた。

カレン達に貸す事を決めたときこそ、
逢坂も良いと言ってくれる(多分)――と言ってはいたけど。

                         ・・・今は違うのだろうか?

340『ある夏の思ひ出』:2016/09/19(月) 00:01:59
>>338 (遊部さん)
>>339 (葉鳥さん)

逢坂:「えっとぉ、じゃあ葉鳥さんとトレさんがキッチン」

    「レミさんは陽君たちとヌカとかお願いしますね」

葉鳥は響と陽に視線を向ける。
たしかにあの時、逢坂もいいといってくれるといっていた。
多分という言葉があったが今がその多分なのだろうか。

陽:「……」

陽と響は目を合わせうなずき合う。
それから、響が手を挙げる。

響:「じゃあ僕が案内しますねレミさん。陽は先に部屋で待ってて」

陽:「うん」

陽はとてとてと部屋を出、自室に向かう。
響はトレのもとに歩み寄る。
その目線は柔らかかった。

逢坂はそれではというようにタモを握りしめ、キッチンに向かう。
さて、それぞれの仕事を始めよう。

逢坂:「えっと、サラダの準備もしましょうか葉鳥さん」

    「ナマズは、えっと、そこのバケツに入れておきましょう」

キッチンの隅には青い色のポリバケツがあった。

341 遊部『フラジール・デイズ』:2016/09/19(月) 00:45:47
>>340(GМ)

 「えぇ、かしこまりました」
逢坂に、ゆっくりと頷き。響君に振り返る。

 「それじゃあ、案内お願いしますね響君」

響君と連れだって、再び倉庫へと向かう。

 「……で」

「どうしようっか?」

 何が、と問うまでもない。使用人として主人に聞くと言うよりは
今は秘密を共有するもの同士、友達同士で自分の親に言い訳をするような
少々軽い感じを交えて切り出す。そんなに深刻に捉えなくて良い。

「響君に陽君が、逢坂さんに言いたくなければ、それはそれで構わないと思うわ。
別に、あの子達の事を言わずとも素直に見つからなかったと言っても、逢坂さんが
怒る事はないでしょうし。でも、あの二人の事を話すなら付き合うわ」

 自分の意見を素直に話して見る。隠すにしても打ち明けるにしても、二人に付き合うと。

342葉鳥 穂風『ヴァンパイア・エヴリウェア』:2016/09/19(月) 00:55:48
>>340(GM)
>>341(遊部)

「はいっ、よろしく、お願いします」

    ペコ


      「トレさんも、よろしくお願いします」

二人に頭を下げて、早速仕事にとりかかる事にしよう。
陽と響、そしてあの二人のことは――『レミ』が受け持つようだし。

「サラダ、ですか。分かりました、で、ええと。
 お野菜はその何が、あの、あるんでしょうか?」

           「冷蔵庫の中です、か?」

      キョロ

視線を巡らせて、冷蔵庫を見つけたい――『ポリバケツ』もだ。

           ≪私めもお手伝いさせて頂きます≫

           従者が現れ――バケツへと向かう。
           穂風の元へと、迅速に(スB)持って行く。

「……うん」
 
           ズ
              ォォ

    「よいしょっ……」

  グ

発現した従者を横目に見ながら――
ナマズを何とか持ち上げ、持って来られたバケツに入れてしまいたい。

343『ある夏の思ひ出』:2016/09/19(月) 22:54:58
>>341 (遊部さん)

響:「あはは……」

  「とりあえず今は隠しておいてもらえますか?」

  「逢坂お姉さん、料理の時は口出しできなくて」

苦笑いする響。
困った顔だ。

響:「熱中しちゃうっていうか、その時だけは僕らも邪魔できないんです」

  「あと、色々いたずら好きな人ですし……」

とりあえず黙っておいた方が響たちには都合がいいらしかった。

響:「えっと、これがヌカの袋ですね」

  「金づち……金づち……予備くらい置いてあるはず……あ、あった」

>>342 (葉鳥さん)

冷蔵庫はキッチンの一角にあった。

逢坂:「作り置きしたポテトサラダがあるのでレタスとかトマトを水洗いして添えましょうか」

    「おっと、ナマズ手伝いますよ」

ナマズを持ち上げバケツへと放り込む。
ぬるぬるとバケツの中でうごめくナマズは不気味であった。

逢坂:「葉鳥さんはなにか食べたいものとかあります?」

344遊部『フラジール・デイズ』:2016/09/20(火) 00:09:16
>>343(GМ)

「釘も大丈夫? 幾らかあれば良いのだけどね」

 自分は釘を探してみる。十数あれば、金づちと共に持って帰っても
不審に思われないだろうけど……無いのなら、釘はどうやら無かったと
嘘をつかないといけなくなる。

 「あぁ、あと…スープの質問は出来た?」

「別に制限時間は設けないけれど、出した以上は答えて欲しいわね。
ま、私も意地悪は言わないわ。気持ちに余裕が出来たらで良いの。
 そして、響君はもう少し肩の力を抜いて動いたほうがいいわ。
後先を考えず…とまで言わないけれど、私から見ても少し心配するもの」

彼との付き合いは未だ浅いが。
 陽君や、他の大切な者との繋がりの為に。彼は色々と自分の持ち前の
知性の高さを武器に、自分自身を軽くないがしろにしてる節が見える。
 それが悪いとは言わないが、後あとに彼の気性が彼自身の枷になっては
周りが悲しむ事になるだろう。だから、そう告げる。

 「ばれても仕方がないや、と言う気持ちでいきましょう。
私といまやってるゲームと同じで、ね?」

 響君へと、笑いつつアドバイスする。少しは、彼も子供特有の
楽観的な思考で過ごして貰いたい。子供は、少し馬鹿になって
生きるぐらいがちょうどいいのだから。

345葉鳥 穂風『ヴァンパイア・エヴリウェア』:2016/09/20(火) 00:10:57
>>343(GM)

「あ、はいっ。分かりました!」

   スッ

       「ありがとう、ございます」

ナマズは不気味だが、まあそこそこだ。
穂風は冷蔵庫を開けて、ポテトサラダと野菜を探したい。

              ≪お嬢様、野菜は私めが≫

「じゃあ、キャベツ持って……」

             ゴソ

見つけたなら、ポテトサラダとトマトは自分で。

              ≪畏まりました。
                落とさぬようお気をつけて≫
 
               キャベツは従者が運ぶ。
               当然、落とさないように気をつけよう。

「食べたいもの、ですかっ。
 あ、う……私、あの。トマトが好きで」

手に持っている――であろう、トマトに視線を向ける。

「他には、その、思いつかなくて……
 ぁ、ホットケーキとか、好き……だけど」
 
          「その。ご飯じゃない、ですし」

   モゴ
       モゴ

穂風の過去の食生活は豪勢であった。
ゆえに食を知らないわけではないが、そうした物は今、望まない。


            ≪…………≫

            従者は物を食べないので――――黙っている。
            あるじの嗜好は分かるが、余計な事は言わない。

346『ある夏の思ひ出』:2016/09/20(火) 23:13:00
>>344 (遊部さん)

釘は棚を探してみると抜いたものらしいのが固められていた。
曲がったものやさびのあるものもあるが、探せば比較的新しいものもある。

響:「えぇ、質問なら既に。そのためにボクがきたところもありますし」

  「それと、ご忠告ありがとうございます。でもボクも自由気ままに動いてるときだってあるんですよ」

それでは、と前置きをして

響:「10。二人は初対面ですか?」

  「11。場所は美術館など何かを見る場所ですか?」

  「12。二人は互いを群衆の一部としてみていますか?」

さて、用事が済んだら戻ろう。

>>345 (葉鳥さん)

トマトとキャベツは運び終わった。
キッチンには包丁とまな板。

逢坂:「うーん……じゃあホットケーキを今度作りますね」

    「バターとはちみつを掛けましょう。お好みでしたらクリームでもチョコでもなんでも」

逢坂はそういって笑う。
棚からフライの準備らしい粉類などを取り出している。

逢坂:「キャベツはあらってむしって、トマトは切りましょうかね?」

    「刃物、気を付けてくださいね」

347遊部『フラジール・デイズ』:2016/09/20(火) 23:27:54
>>346

>10。二人は初対面ですか?
「『いいえ』、スープの問題を出した状況の時、この二人は結構
長い期間両隣に居たわ。けど、関心はないの」
>11。場所は美術館など何かを見る場所ですか?
「『はい』それは、とても良い質問です」
 笑みを深めて、響君に頷く
>12。二人は互いを群衆の一部としてみていますか?
「うーん…『いいえ』かしらね。多分、どちらも互いの事も
周りの観衆に関しても、まったく興味がない。そう思うわ」

 「まだ難しいかしらね? 大ヒントを出すとしたら…
響君や陽君なら、この別荘などでも彼女達を見た事あるかも知れないわね」

 答えられないスープは、それはスープでない。
響君へと助言をしつつ、比較的新しい釘を十数本あるなら適当に
束ねて二人で逢坂さんのほうへ戻ろう。

348葉鳥 穂風『ヴァンパイア・エヴリウェア』:2016/09/21(水) 01:51:52
>>346(GM)

「あっ……はいっ、ありがとう、ございます」

        「あの、楽しみ……です!」

   スッ

包丁を手に取る――
使ったことは、もちろんだが、ある。

穂風は、少しくらいならば、刃物を扱うことは出来る。

「う、ええと……じゃあ、キャベツから、やります」

          コト

が、包丁の出番はこの後だ。
キャベツを丸ごと持ち上げて――

              キュ

           従者が、流しの蛇口を軽くひねった。
           流水がまさしく堰を切ったように溢れ出す。

「よいしょっ…………と」

       ザザザ

そこにキャベツをさらして、汚れを取って行こう。虫がいたらそれも取る。
恐れるような事はなにもない。

「…………」
 
         ザザザ

特に集中することでもない気もするが、集中する穂風。
ある程度洗い終わったと判断したら、まな板の上に置き葉を毟っていきたい。

349『ある夏の思ひ出』:2016/09/21(水) 23:01:58
>>347 (遊部さん)

響:「むう……」

悩む響。
顎に手を当て、考える。
握られた釘が少し危ない。

響:「13。場所は映画館ですか?」

「14。二人は人間ですか?」

響とレミは釘を持った。
金づちも響の手の中に。
さぁ戻ろう。

>>348 (葉鳥さん)

逢坂:「はい、はーい」

キャベツの水洗い。
しっかりとしたキャベツだ。
そして、それをむしり始める。
パキリ、パキリと音がする。
芯に近づくほどむしるのに力がいるが、問題はない。

>>ALL

レミたちは別荘に戻る。
そして葉鳥たちはそれを玄関の扉の開く音で察知した。

350遊部『フラジール・デイズ』:2016/09/21(水) 23:07:21
>>349
 >13。場所は映画館ですか?
「『いいえ』、違うのよね」
 >14。二人は人間ですか?
「『いいえ』、よ。そう、二人は人間ではないわ」

 響君へ回答する。大分、絞り込めてこれたと思う。
出来れば勝ち負け関係なしに正解して欲しいと思う。

 「ナマズってどんな味がするんでしょうねぇ。
ウナギに似た味に出来るとは、テレビで見た事あるのだけど」

 そう、雑談しつつ逢坂さん達のところへ戻る。

351葉鳥 穂風『ヴァンパイア・エヴリウェア』:2016/09/21(水) 23:23:55
>>349(GM)

     パキリ

  パキリ


「よい、しょっ・・・と!」

      「んんっ」

   パキッ!

穂風はどんどんキャベツを千切っていくだろう。
虫とかがついてたら払って、三角コーナーにでも捨てておく。

         従者が千切ったキャベツをまとめる。
         ポテトサラダは、端にどけておく。   

「…………」

    パキ

随分、パキパキしているような気がする。
そろそろ芯に達して、千切る所がなくなるだろうか――?

           ・・・と。

「……あ、響くんたち。帰ってきたみたい……です、ね」

        (あの二人の事、どうなったんだろう……?)

『レミ』は何らかの話をつけた――のではないだろうか。彼女は頭が良い気がする。

352『ある夏の思ひ出』:2016/09/22(木) 00:04:43
>>350 (遊部さん)

響:「じゃあ、15。建物にいる他の人物も人間ではないものですか?」

  「16。二人は同じ姿ですか?」

扉を開ける。
通路を抜ければ居間に着きキッチンが見える。

逢坂:「おかえりなさい」

>>351 (葉鳥さん)

キャベツは千切られる。
そして、そろそろいいころ合いだろう。
手元のキャベツも限界が近い。

逢坂:「じゃあ器にうつして……」

    「おかえりなさい」

そういって背面に声をかけた。

>>ALL

逢坂:「あぁ、釘と金づちですね。工具箱持って来れば一塊だったのに」

響:「ちょっとね。ねぇ? レミお姉さん」

響はレミにそう投げかける。
その眼は分かっているよねと言っているようであった。
葉鳥はどうやらこの二人はあのことを隠すつもりでいるらしいことに気づけるだろう。

逢坂:「じゃあ、失礼して」

逢坂は釘と金づちを持つとバケツの中に手を突っ込む。

逢坂:「見えました」

そして、ガンガンとくぎを打つ。
恐らくナマズの頭に釘を打っているのだ。
やりにくそうではあるが、しばらくするとバケツから手を出した。
釘はその手の中にはない。

353遊部『フラジール・デイズ』:2016/09/22(木) 00:33:12
>>352(GМ)

>15。建物にいる他の人物も人間ではないものですか?
「『いいえ』他の人達は人間だったわ」
>16。二人は同じ姿ですか?

「うーん……」
ここで、私は悩む素振りを見せた。この質問に回答するとなると……。

「……『はい』ね。確かに、どちらも似通った姿をしてました。
厳密には違うのだけど。と、ヒントを出し過ぎたかしら」

 余り情報を出し過ぎて答えを言ったら本末転倒だ。少し口を抑えてから
居間へ入る。

 「ただいま帰りました」

微笑んで、居間にいる皆へ告げる。ただいま、と言う人がいるのは良いものだ。

>工具箱持って来れば一塊だったのに

「うーん、そうでしたね。気が利かなくて御免なさい」

 少しだけ小首を傾げ、申訳なさそうな表情と共に逢坂へ謝罪する。
別に謝罪の意がないわけでない。これは私の本心だ。

「それにしても、逢坂さんの瞳は……ナマズを捌くのにも使えるんですね。
動体視力とかも上げるのかしら?」

 と、謝罪もそこそこに逢坂の作業の手際の良さに感心した面持ちと共に
そう尋ねてみる。まぁ、工具箱の件に関して別の話題に意識を逸らす為だ。
 最初で謝罪して、それで工具の事についてはおしまい。あとは他の事に
興味を惹いたと言う感じにすれば不自然でもないのだから。
 逢坂も、この行動と釘と金づちだけを持ってきた事に嫌疑はかけないだろう。

354葉鳥 穂風『ヴァンパイア・エヴリウェア』:2016/09/22(木) 00:40:53
>>352(GM)
>>353(遊部)

「あ、はい。分かりました」

       ヒョイ

    ヒョイ

千切ったキャベツを、どんどん器に入れていく。
さて、そうなると次はトマトを――

「……っと、響くん、レミさん、おかえりなさ――」

           「あ」

  キラ

二人が手に持っているのは――釘と、金づち。
そして、工具箱に関するごまかし(やはりレミの頭は良いらしい)

穂風は察する。隠す方向性で行く、というわけだろう。
それがずっとか――あくまで一時的かは置いておいて、穂風は了解した。

「ええと、釘……ナマズに、えと、打ち込むんですか?」

                 「わっ」

穂風は疑問を口にしたが――すぐに、答えは出た。
ガンガン打ち込んでいくさまを、トマトを手に取りながら眺めている。

                    ・・・そういえば。

(さっきから、『レミ』さんたち、なんのお話してるんだろう……?)

『レミ』と響の……なんだろうか? 問答? 
よくわからないが、ちらちらと耳に入ってくる。なんだろう?

355『ある夏の思ひ出』:2016/09/22(木) 23:21:58
>>353 (遊部さん)
>>354 (葉鳥さん)

響:「むう、あと一押しですね……17。二人は美術品ですか?」

  「……少し考えたいし、ハルも待ってるので部屋に戻っても?」

  「心配しなくともスープの質問は用意しますよ」

レミと響はなにか問答している。
スープ。そう言っている。それがなにであるか。
ウミガメのスープというものに関する知識があればわかるだろう。
もしくはレミか響自身に聞くのもいいだろう。

逢坂:「あいー。釘を頭に打ち込んで殺しますよ」

    「ぬめりとる前にしめとくと、ぬめりとる時に暴れません」

釘を抜く逢坂。
バケツを除けば動かなくなったナマズが見られるだろう。

逢坂:「じゃあヌカ受け取りますね」

    「それと、私のこれはあくまで目当てのモノを探し出し見極めるのです」

    「寄生虫だろうとナマズの急所だろうとどこだろうとわかります」

    「なにもかも。私の目の前には真実しか色づかないということです」

ヌカを受け取りバケツに入れる逢坂。
ぬめりをとっているのだろう。

356遊部『フラジール・デイズ』:2016/09/23(金) 00:25:22
>>355(GМ)

>17。二人は美術品ですか?

「『いいえ』。なるほど、確かに二人の女性がモナリザなり美しい肖像画であるなら
どちらにも関心なかった、と言うのも当たり前よね。
 でも、それだと5番目の返答の、女性は生きてますか? の問いに反してしまうわ」

ちょっとここで纏めましょう。


・女性同士は別人である
・二人は互いの存在を知っている
・二人は親族などの関係ではない
・二人は生きている
・建物には他に人がいっぱい居た。人間である
・二人は互いの事に最初から興味がない
・二人のいる建物はショッピングモール・映画館等ではない
ある物を見る為の建造物である
・二人は人間ではない
・二人は似ている。だが厳密にいって違うものである

 ここまでが、響君の回答による結果だ。そろそろスープも大詰めというべきか。

「どうぞどうぞ。ゆっくり考えて。陽君とも相談して結構だから」

誰かが自分の問題を一生懸命に考えてくれる。それは賢くとも愚かであろうと
とても嬉しい事だ。笑顔で頷いて応答する。

 >私のこれはあくまで目当てのモノを探し出し見極めるのです

「へえ、真実を見極める瞳……ですか」

 感心しつつ、逢坂の目を見る。

真実を見極める……この場合『フラジール・デイズ(トレ)』を看破しようとした時
『スタンド使いなのか?』と言うのを見極めようとした場合どうなるのだろう?
最初に逢坂さんはトレ(スタンド)に対し『謎が残るとすれば貴方(トレ)』と言っていた。
アレは言外に『実体化スタンドを能力で判断しても区別が出来ない』と言う事なのか
若しくは最終的に実体化スタンドである存在であると見当つけるものの危険性がないと
考えた上での言葉だったのか……まぁ、これは推測であり、成否を下しても私が少し満足感を
得るだけの下らない実験的思考だ。

……ただ、気になるとすれば。

 「私の今の姿は、『真実』でしょうか? 逢坂さん」

気づけば、無意識にうちに発していた口言。

  ―心の中にある、根源ともいえる、ささくれのような疑問。
今の『私』は『遊部 玲実』と言う者として『真実』に映るのだろうか?
多重人格と言う、約78人に分裂した中で最終的にいま現在、先導する役割として
表に出ている『私』は……『遊部 玲実』の『真実』に成り得るのだろうか?

 否定されるのは恐ろしい、けど聞かずにはいられない。

 無意識といっていい呟きは、漏れ出たのを撤回するには遅すぎる。
私の裏側で、幾多の影が揺れるのを感じる。けど、私は質問してしまった。

 ……返事を待つ。

357葉鳥 穂風『ヴァンパイア・エヴリウェア』:2016/09/23(金) 00:34:25
>>355(GM)
>>356(遊部)

「へえっ……わっ、ほんとです、ね。
 あんなに……ばたばた、してたのに」

        「すごい、ですね」

感嘆しつつ――トマトを、まな板の上に置く。

            ≪実際見事な物です≫

            従者も、異論などなかった。

しかし、スープ……穂風はますます謎に思う。
こうなったら、質問するのが一番良いに違いない。

そう思って――


「……っ」

   ゴクン

出そうとした声が、突っかかって、呑込んだ。
それは――『そんな場合でもなさそう』だからだ。

(今の姿、って――どういう、ことだろう。
 レミさんは、何を……聴いているんだろう)

         (……トマト、斬った方がいいのかな)

穂風は、『レミ』の質問には、何か……問答とは異なる『真剣』を感じた。

                   ・・・思わず、手が止まる。
                      『トレ』の方を、何となく見る。

358『ある夏の思ひ出』:2016/09/23(金) 23:34:31
>>356 (遊部さん)
>>357 (葉鳥さん)

響:「じゃあ部屋に上がる前に質問を」

  「では二人は植物ですか?」

そう言い残すと響は部屋から出ていき、自室に戻った。

逢坂:「まぁ、ナマズといえど生き物ですから」

キッチンの台の上に置かれた釘と金づちが生々しい。

逢坂:「んー? 質問の意図が少し、わからないですけど」

くるりと背を向けバケツに向かう。
ぐちゅぐちゅとバケツをかき回し始める逢坂。

逢坂:「真実か否か、それはとても難しい」

    「あなたはとってもまだら模様に色づいています」

    「でも遊部さん、あなたは確かにレミさんですよ。その事実が胸の中で揺らいでいるのなら」

    「自分探しでもしてみたらいかがでしょう。それかもっと多くの人と触れ合うことです」

    「ちなみに私は真実の私をそれほど出していません」

用が済んだのかバケツから手を出す。
手に着いたヌカとぬめりを水洗いでとる。

逢坂:「ま、私お姉さんですから、人生相談くらいならいくらでも乗りますよ」

    「あ、葉鳥さん。切って大丈夫ですよ」

レミにとって求める答えだったのかは不明だが少なくとも逢坂はそう考え、そう答えた。

359遊部『フラジール・デイズ』:2016/09/23(金) 23:46:02
>>358(GМ)
>>357(葉鳥さん)

>では二人は植物ですか?
「『いいえ』ね。でも、凄く惜しいところまでいってるわ。
頑張って考えてね響君」

 響君を見送る。夕飯が出来るまで兄弟だけで過ごす時間も彼らには大切だろう。


>真実か否か、それはとても難しい
あなたはとってもまだら模様に色づいています
遊部さん、あなたは確かにレミさんですよ。
その事実が胸の中で揺らいでいるのなら

 「……有難う御座います。そう言ってくださって」

目を軽く伏せ、頭を下げて逢坂の答えに返答する。

肩の荷が下りた、とは決して言えはしない。私は私の役割が終わるまで
無責任な発言は出来ないから。けれど、誰が一人に『私』が『私』であると
宣言して貰えただけでも、この世界で生きても良いように思える。

「……御免なさいね、葉鳥さん。変な事を聞いてるって思ったでしょ?
ちょっと、色々考える事があっての質問だったの。気にしないで……
私は大丈夫だから」

 視線には気づいていた。けれど、彼女に自分自身の出生というか秘密を
洗いざらい話すには、重い話であるし。この自分の事を語るには大多数の
自分の裏側にいる、私以外の人達と結論が出るまで話し合わなければならない。

 「それじゃあ、私も手伝いますね…」

 料理の手伝いをしよう。四人ですれば、直ぐだ。

360葉鳥 穂風『ヴァンパイア・エヴリウェア』:2016/09/24(土) 19:00:30
>>358(GM)
>>359(遊部)

「です、よね」

死んだら動かない、よく考えれば当然だ。
死ぬのは嫌だ――ナマズも、嫌だろうか?

そして『レミ』と逢坂の問答の、意味は――深くは、分からない。

「あっ、いえ、そんな……
 変な事、なんて。その、ええと」

     「きっと、大事な事――なんです、よね」

別に心配しているわけでもないけれど。
いや、なかったけれど――

きっと、何か真剣なだけじゃない、大変な事があるのだろう。
穂風が軽はずみに踏み込むような世界ではない、『自立』の世界。

             ≪…………≫

             従者は『トレ』から視線を外す。

「あ、えと、はい。じゃあ斬りますね」

            ス

      トン
        トン

ともかくトマトを切っていこう。へたを取って、食べやすい大きさに分ける。

361『ある夏の思ひ出』:2016/09/24(土) 22:10:13
>>359 (遊部さん)
>>360 (葉鳥さん)

逢坂:「ですよ。だからいただきましょうね。手を合わせて」

仕方のないことだ。食物連鎖なのだから。
逢坂にとってそれは普通であり、恐らく世の中の人間にとっても普通の理論だ。

逢坂:「お礼はいいですよ。その代わり料理手伝ってもらいますからね」

トマトを切り分ける葉鳥。
レミもトレも料理の手伝いに入る。
四人の料理が始まる。

……………………

料理の結果は大成功だ。
ナマズや冷蔵庫の中にあった野菜たちはフライされ
葉鳥が切り分けたトマトやむしったキャベツを盛り付けたポテトサラダもある。
また逢坂は味噌汁と卵焼きも用意した。

テーブルに並ぶ夕食。
匂いにつられてきたのか呼ぶ前に響と陽も戻ってきた。
さぁ、食事の時間だ。

362遊部『フラジール・デイズ』:2016/09/24(土) 23:04:47
>>361(GМ)

 「完成しましたねぇ」

 自然と、美しい色合いで並べられ調理された品々を見ると顔が綻ぶ。
家でも料理はする。だが、それは個人的な食事だ。
 このように誰かの為であり、誰かと一緒に共有しあうことが出来るのは
嬉しい事だと私は思う。

 「本当、美味しそう……葉鳥さんも、料理が上手ですね。
トマトも綺麗に切れていて……」

 一緒に作業した仲間を褒めながら、響君と陽君の椅子を引いてあげつつ
おしぼりや、箸を配ったりするのも忘れない。まだしてないのなら
食事前の手洗いも促しておこう、小煩いと思われるかも知れないが。

 「……いただきます」

 食事の用意が整い、全員席についたら手を合わせて食べ始める事にする。

363葉鳥 穂風『ヴァンパイア・エヴリウェア』:2016/09/25(日) 03:42:54
>>361(GM)
>>362(遊部)

「は、はい」

見透かされた――のだろうか。
真実を見抜く目に。

「…………一旦戻ってて」

        ≪畏まりました≫

  トントン

       トントン

従者の手伝いは、ここから先は不要だろう。
せいぜい油をぶちまけたりしたときくらいだろうか・・・

まあ、そんなミスもなく。

「わああ・・・」

食卓に並んだ、豪華なメニュー。
自分だけではとても作れない量だ。

「そんなっ、私はそんなに、上手ではない、です。
 逢坂さんや、レミさん、トレさんがいなかったら」

謙遜しつつも、内心喜びを感じる――役に立てたから。

「それじゃあ、あのっ」

     パンッ

手を洗って、席に着いて、手を合わせて――

               「いただき、ますっ!」

364『ある夏の思ひ出』:2016/09/25(日) 23:33:59
>>362 (遊部さん)
>>363 (葉鳥さん)

陽:「みんなすごいねぇ」

響:「ハル、卵割れないもんね」

陽:「割れるよぉ」

響:「殻入りならね」

陽:「もー」

にこやかな会話。
全員が席に着く。

逢坂:「ではいただきます」

食事が始まる。
とりあえずサラダから食べ始める響。
フライをとる陽。

陽:「んー」

逢坂:「どうしました? 小骨?」

陽:「魚って生きてるけど人間じゃあないよねぇ」

365遊部『フラジール・デイズ』:2016/09/26(月) 17:08:05
>>364(GМ)レス遅れ失礼しました

>魚って生きてるけど人間じゃあないよねぇ

和やかで、何の不穏もない食事。少し箸を休め陽君のほうを向く。

彼はいったい何を思い、このナマズを見て人と連想したのだろう?
 河原で起きた出来事を私は詳しく知らない。葉鳥さんが言っていた
人形と言うのが関わっての示唆なのだろうか?

 「そうね、魚が人間になれないように。人間も魚になれないわ」

「鳥でも他の動物でも、同じ事が言えるわね。……そう考えると
不思議ね。なぜ神様は、私達だけこんな複雑な体にしたのか」

 哲学的な話になるが、私、レミとしては正直ときどき思う考えでもある。
何故、人は人で在りえるのか? これは恐らく永遠に解決出来ぬ問なのだろうけど。

 「陽君に、響君や逢坂さん。葉鳥さんの意見も聞きたいわねぇ」

 他の人にも話を振る。こう言う、一人の発言から話題を膨らませるて
お喋りを楽しむのは、私としても関係するところだ。

366葉鳥 穂風『ヴァンパイア・エヴリウェア』:2016/09/26(月) 23:22:31
>>364(GM)
>>365(遊部)

「え、えへ……」

   ニコ 
     ニコ

喜び半分と、謙遜半分――いや。
実際はもうちょっと、色々入っている、そんな笑み。

      スッ
          バサッ

穂風はサラダを、遠慮がちに、やや多めに皿に取るだろう。

「…………??」

      コク

陽の言葉に、穂風は頷いて肯定する。
穂風には、それは何を意味するのか察せなかった。

異物でも混入していたのだろうか? 逢坂の能力的に、無いとは思うけど。

「お魚は、お魚で。人間じゃ、ないと思います。
 それに、あの……特別、複雑……なんでしょうか」

    「私達、えらとか、ないですし」

          「手足も、たくさんないですし」

それから――『レミ』の疑問には、あまり共感しなかった。
たしかに――人間の身体は確かに複雑だけど、他の生き物も複雑だ。

                    ・・・そういう意味ではないのだろうか?

367『ある夏の思ひ出』:2016/09/27(火) 23:29:35
>>365 (遊部さん)
>>366 (葉鳥さん)

陽:「?」

響:「……どうでしょう。僕にはまだなんとも」

逢坂:「まぁ、精神がある分魚より人間の方が複雑かもしれないですね」

三者三様……正確には陽は質問の意味が分かっていないか疑問符なので答えとして成立していない。

陽:「葉鳥お姉ちゃんの言う通りじゃないの?」

相変わらず疑問符の陽だ。
少し思案顔をしてから響はなにか察したように問うた。

響:「えっと、19問目でしたっけ。レミお姉さん、二人は魚ですか?」

逢坂:「?」

どうやらウミガメのスープの質問のようだ。

368遊部『フラジール・デイズ』:2016/09/27(火) 23:55:02
>>367

 >レミお姉さん、二人は魚ですか?

「……」

 一拍 沈黙  ――そして

 「『はい』二人の女性は『魚』です。
あぁ御免なさいね、響君以外、何の事か解らないでしょう?
ウミガメのスープと言うパズルを今まで響君とお昼からしてたんです」

 今までの響君との、お昼からのゲームの詳細を一部始終とまで言わずも
大部分は伝わるように説明する。

 「そして、いま響君は私のスープの核心へ至る問いを出した。と言うわけです
今の回答で、響君ならスープに対する答えを導き出せると思うわ」

  ある場所に、二人の女がいた。
どちらも非常に美しい事で有名だった。
 けれど、どちらも美しい二人の女は
どちらにも全く関心がなかった

 そして、響君の質疑

・女性同士は別人である
・二人は互いの存在を知っている
・二人は親族などの関係ではない
・二人は生きている
・建物には他に人がいっぱい居た。人間である
・二人は互いの事に最初から興味がない
・二人のいる建物はショッピングモール・映画館等ではない
ある物を見る為の建造物である
・二人は人間ではない
・二人は似ている。だが厳密にいって違うものである
・二人の女性は魚である

これ等の材料があれば、響君の次に開く口から私が望む答えが聞けると予感してる。
 そして。こう付け足そう

「皆さんも、良ければ楽しいスープを暇な時があれば仲の良い方に
振る舞ってください。このスープは、何処であろうと作れるし
時間が経つ事でも冷める事のない。人の脳を満たしてくれる素晴らしいものですから」

ある一人は、スープを作る事にとても長けていた。
彼は器具も何も必要なしに、知り合いにいつもスープを
どんな場所でもどんな時間でも好きなように振る舞えた
そして、彼のスープに概ね 彼の知り合い達は満足する事ができた
それはどうしてなのだろうか?


私がいずれ『玲実』として一つになる時、この問題を、スープを
私達の内に残せればいいと思う。私が得た経験が、私達の内の誰かの
趣味の一つとして残るのならば、これ程の栄誉はないのでなかろうか?

369葉鳥 穂風『ヴァンパイア・エヴリウェア』:2016/09/28(水) 00:07:04
>>367(GM)
>>368(遊部)

「ウミガメの、スープ」

           「……」

   モグ

サラダを口に運んで、野菜を歯ですりつぶす。
穂風は問答の名前を知ったが、ルールを知らない。

(今の質問も、そのクイズのヒント……だったのかな)

         ゴクン

「あ、ええと」

飲み込んでから、口を開く。

「響くん、あの。ええと。
 おめでとう、ございます」

クイズに正解した――そのことは、分かる。
だからそれはきっと、めでたいことなのだ。

・・・『レミ』の抱くものまでは見通せないけど。

(脳を満たしてくれる、スープ……お勉強とは、違うのかな)

            パリ

衣に覆われたナマズ――あの大ナマズを、一つ、箸で取ろう。

370『ある夏の思ひ出』:2016/09/28(水) 23:09:13
>>368 (遊部さん)
>>369 (葉鳥さん)

陽:「ウミガメのスープ」

響:「うん。前にしたでしょ?」

笑う二人。
そうして陽はまたパクパクと食事を再開する。

響:「えっと、それで、回答でしたよね」

  「二人は魚。いる場所はペットショップですかね。二人はたぶん同じ種類の魚なんでしょう」

姿のよく似た、けれど違う二人。

響:「えっと、こういうのでいいんですかね」

疑問符。
葉鳥はナマズを箸でつまむ。
あの時はあんなに重たかったのに、いまでは片手でとってしまえる重さだ。
まぶされた塩は衣の中でその色と姿をはえさせている。

371遊部『フラジール・デイズ』:2016/09/28(水) 23:26:54
>>370(GМ)

「解答として私が考えていたのは、希少種の魚の展示会と言う感じかしらね。
ペパーミントエンゼルと言う種は、最高で300万の値がするの。
同種で、クラリオン・エンゼルと言う魚がいるけれど。こちらは26万円よ。
この二匹の雌の魚は、一緒に展示されてたけど……魚ですものね。
どちらも観客や隣の仲間にも関心がなかったと言うわけ」

 解答を提示すると共に、雑談に興じる。

「因みに世界で一番高い魚と言われるのはプラチナアロワナ。
 その最高額で四千万。体にチップを埋めこんで
個体確認を幼少期に済ませるぐらいの徹底管理がしてるらしいわ」

 雑学を話す。むかし、そう言う展覧会を見かけた思い出がレミにはあった。
その思い出から編み出したスープだ。

 食事はとても美味しい。あの大きなナマズが、このようにサクッとした
食感に仕上がるのは逢坂の技能がとても優秀であるからだ。数日の間にでも
この技術を学べれば良いのだが。

 「逢坂さんの得意料理、暇があれば教えて貰っても構いませんか?」

 雑談を交えつつ、逢坂にお願いしてみる。暇あればレミとして私が
動くとき、誰かにこうやって振る舞う時がまた来ないとも限らない。

372葉鳥 穂風『ヴァンパイア・エヴリウェア』:2016/09/28(水) 23:38:20
>>370(GM)
>>371(遊部)

「…………」

(陽くんも、したことあるんだ。
 けっこう普通にやるものなのかな)

     ガブ

一度くらいやってみたいものだ。
今は食事中だし、出来れば学校の友達とかと。

(レミさんは色んなことを知ってるなあ……)

          (普段何してる人、なんだろ?)

後で一緒になる時間はあるだろうか。
『トレ』もだが、何かと謎の深い女性に思えた。


       ザク

   ザク

ともかく――穂風は歯で衣を破り、中のナマズに噛みつく。
その血肉を穂風の命の糧にするために。

              ・・・・味は良い感じだろうか?

373『ある夏の思ひ出』:2016/09/28(水) 23:52:28
>>371 (遊部さん)
>>372 (葉鳥さん)

陽:「でもあれ難しいよ」

陽はそれがあまり得意でないようだ。
そして数もあまりこなしていないのかもしれない。
単純に彼の知識量の問題かもしれないが。

響:「色々とご存じなんですね……」

驚いた顔の響。
陽もその知識に目を見張る。

逢坂:「チップですか……ふむ……」

なにか考えているらしい逢坂。

逢坂:「え? 得意料理ですか? だし巻き卵とかですけど」

逢坂に断る意志はない様だ。
明日にでも聞いてみるのもいいだろう。

ナマズのフライはふわふわとした白身にほんのりと塩の味がアクセントをきいている。
簡単に噛み切れる柔らかさ。
これが自身の肉となる。

食事は進む。そしてそれもやがて終わるだろう。

374遊部『フラジール・デイズ』:2016/09/29(木) 00:05:30
>>373(GМ)
  
 カチャ…

「ご馳走さまでした」

 食事を終える。とても、食事は美味しく、そして楽しい場だった。
また明日も、同じように笑顔で全員で食事を執り行いたい。

「出汁巻きダマコ……良いですね、では明日にでも教えてください」

微笑んで、そう返す事にした。ベテランの彼女の作る出汁巻きダマコだ。
私よりもきっと上手だろうし、人にとって異なる調理の腕は学んで損はない。
 食事が終わったら後片付けだ。トレと共に、逢坂さんもするだろう
洗剤をスポンジにつけて大きなものから、まとめて汚れを落とし付け置き
 小物も同じく洗い、適当な時間と共にさっとお湯で流して水切りだ。

 「葉鳥さんも、良ければ響君達とお話しを楽しんでみたら…?
新しい世界が広がるかも知れません」

 葉鳥さんには、一度響君ともお喋りをしてみるのが良いのでは? と思った。
自分もそうだが、響君と自分は日中で色々と互いの思想を伝え合った。午後から
多少でも良いからトレードして、私は陽君を、響君は葉鳥さんの人となりを
知るのも良い切っ掛けになるのではと考えての意見だ。

375葉鳥 穂風『ヴァンパイア・エヴリウェア』:2016/09/29(木) 00:21:06
>>373(GM)
>>374(遊部)

     モグ 
          グ

  ゴクン

「……ん、おいしい、ですね!」

     「ナマズって、柔らかいんですね」

食べたことのない魚だった。
けれど、味わってみれば美味しいものだ。

新体験というものは、いつやってみても――素晴らしい。

   スッ

       バリバリ

穂風の、そして皆の食事は進んでいく――
サラダも進んで口に入れる。野菜は大切だ。トマトは美味しい。

「……ふう」

一段落ついたら、手を合わせる。

「ごちそう、さまでした」

          ス

それを持って、食事は完遂される。
穂風はそれから、『レミ』の言葉に耳を傾けた。

「……えっ? あ、は、はい。そう、ですね」

(響くん、と……ええと、逢坂さんのこと、言ってるのかな?)

陽とは既に『お話』したのだ――
釣りの間無言だったと思われた、という可能性には思い至らない。

       「ええと」

「お片付け、お手伝いします、ね」

ともかく、響と話すのは、確かに楽しいかもしれない。
やや疑問符を浮かべつつも、穂風も食後の片づけを手伝おう。

            ・・・陽たちも食べ終えているのなら、だけど。

376『ある夏の思ひ出』:2016/09/29(木) 23:38:31
>>374 (遊部さん)
>>375 (葉鳥さん)

逢坂:「ふふん。みんなで頑張るとより一層おいしいんですよ」

誇らしげに胸を張って見せた逢坂。
実際そういうのもあるのかもしれない。
自分が当事者であるからこそ楽しめる味。

逢坂:「えぇいいですよ。いつでもどうぞ」

料理を教える約束を取り付け、それで食事が終わる。
陽や響も手伝って食器を片づける。
完食であった。

さすがにこれだけの数いればあっというまに終わってしまうというもの。
食事を終え、作っておいたデザートを味わう時間となった。
逢坂とトレは風呂を洗いに行っていて席を外してはいるが、ソファーにかけて四人は部屋に残っていた。

377遊部『フラジール・デイズ』:2016/09/30(金) 00:13:22
>>376(GM)

 浴槽の掃除はトレに任せて貰おう。
さて、これから何をするか……であるが。

 「さて、これから何をしましょうか
響君と陽君。葉鳥さんは何がしたい事がある?」

 遊ぶにしろ、何か雑用するにしろ。ここは二人
そして葉鳥さんの意見を聞くべきだろう。

 「私は……そうね、二人の昔の話とか
そう言うの聞きたいかしら。あ、葉鳥さんも
良ければ話してほしいわね」

 そう、ニッコリ微笑んで告げる。

 思い出を語り合う、それもまた信頼を深める行為として良いではないか

378葉鳥 穂風『ヴァンパイア・エヴリウェア』:2016/09/30(金) 00:39:18
>>376(GM)
>>377(遊部)

「何、しましょうか……
 何か、ええと、遊び、とか。
 おもちゃがなくても出来るような――」

       「昔の、話……?」

穂風の過去は夜に包まれていた。
それを、この場で、話していいものだろうか――?

(どう、しようかな……あんまり楽しい話、でもないし)

どうしても話せない事情、なんてことは別にないのだけれど。
話したことだって、ないわけじゃないけど。

まだ、己の過去を『思い出話』に出来る程の『成長』をしていない。

「あ、ぅ、えぇと……」

  モゴ

穂風はやや口ごもって――

「あの。二人は、何かしたいこと、は……?」

        キョロ

響と陽に、視線を向けた。彼らも、昔話を所望だろうか・・・?

379『ある夏の思ひ出』:2016/09/30(金) 23:30:43
>>377 (遊部さん)
>>378 (葉鳥さん)

陽:「昔の話?」

響:「僕らのですか?」

陽:「まぁ気になると言えば気になるけど」

ぐるりと見回す陽。
ぴたりと響と目が合って止まった。
二人は同じようにむうと考え込むポーズに入る。
この子供達には思い出はあっても語るほどに昇華されるものはないのかもしれない。
葉鳥が過去を思い出にできるほど成長していないのと同じように。
まぁ、聞けば答えてはくれるようなものではある気もする。

陽:「そういえばレミお姉ちゃん、自分だけ除外してるー!」

響:「あはは……どうするハル? したいことある?」

陽:「うーん……特には……あ」

響:「どうしたの?」

陽:「秘密の共有は?」

秘密の共有。
自分の秘密にしていることを一人ずつ話そうというのだ。
どうする?

380遊部『フラジール・デイズ』:2016/09/30(金) 23:41:03
>>379(GM)

昔話は余り感触悪かったようだ。
 特に落胆もしてない、ただ話題の一つとして提案しただけだ。

>そういえばレミお姉ちゃん、自分だけ除外してるー!

「フフ…でも、女性は秘密を着飾って美しくなるって言葉もあるぐらいよ?
私は綺麗なままでいたいわ、だから色々と自分から進んで言わないの」

 陽君の指摘に、茶目っ気をまじえて告げる。
自覚はしてるが、確かに自分の事は殆ど話してない……いや、どう話せば
いいのか解らないのだ。だって私は『レミ』で、その『レミ』と言う存在は
『玲実』の中にいる者たちの一部であるなどと、誰が予想出来る?

そう、思う矢先の 陽君の提案だった。

「秘密、秘密の共有ねぇ……困ったわ、どんな秘密を出そうかしら」

 微笑んで、困った様子の欠片も見せず呟くものの……本音は、悩んでいる。

多重人格者であること? トレは『フラジール・デイズ』と言うスタンドによる
私の内なる人格の中の一人をベーストしてること?

いや、そんな事言える筈がない 内なる私達と相談するまでもない。

「……そうね、葉鳥さんもそれでいい?」

 葉鳥さんへ顔を向け、柔らかい笑顔を向け確認を行う。
却下や賛成にするにしても、ここは全員の意思の有無を確認しなければいけない。
 一人でも自分の意思を無下にされ行えば、それは時間と共に罅となる。

381葉鳥 穂風『ヴァンパイア・エヴリウェア』:2016/10/01(土) 02:34:41
>>379(GM)
>>380(遊部)

(私も、女性なんだけど……
 秘密を着飾るって、どういう意味だろう?)

        (何かの本の言葉、とかかな?)

女性扱いされてないのだろうか。
穂風はやや首をかしげるが、冗談だと結論付けた。

「秘密の、共有……ですか」

       「ええと」

その矢先の、秘密話の提案。
穂風にも秘密というものはある。

何を話すかは迷ったところだけれど――

(昔話よりは、話しやすい……かな)

    (レミさんも、嫌じゃなさそうだし)

どちらにせよ、知ることは楽しいような気はする。
あるいは・・・何を話すのか、考える事は。

「あ……はい、じゃあ、あの。そうしましょう!」

穂風はやや逡巡したが、晴れた顔でそう言った。
自分の秘密を『整理』することが、『着飾る』ことなのかもしれない。

382『ある夏の思ひ出』:2016/10/01(土) 23:20:04
>>380 (遊部さん)
>>381 (葉鳥さん)

陽:「えー」

遊部の言葉に唇を尖らせる陽。
響はすっと横目で葉鳥の顔を見た。
気を遣っているのだろうか。
いや、ただ反応を確認しただけだろう。

響:「じゃあ、誰から話します?」

やることは決まった。
あとはやるだけだ。
だが、順番というものも。

陽:「じゃあお兄ちゃんから」

響:「なんで……?」

陽:「えーじゃあお姉ちゃんにお願いする?」

その言葉で響は二人の顔を見る。
困った様子はなく、助けてくれと言っているようにも思えない。
どうしますか? と問うているように思える。
秘密の整理であったり、後の方がいいのなら響が先に出るだろう。

383遊部『フラジール・デイズ』:2016/10/01(土) 23:52:56
>>382(GM)

 「そうね、それじゃあ折角だし 私から」

陽君と響君の会話が一段落したのを確認して、小さく挙手して告げる。

「まぁ、とはいっても大した秘密ではないわよ」

 青色の瞳で全員を見渡しつつ、全員の視線が集中したのを確認して……。

おもむろに自分の目に指を伸ばし 顔を伏せ……。

そして、顔を上げた次の瞬間に瞳は『青からヘーゼル色』になった。

 「……と、これが私の秘密。カラコンなのよ
どうして、目の色を変えてるかって言うのは……青い瞳が好きだからだわ
大した事でなくて御免なさいね」

 カラーコンタクトをしてたという『秘密』
それを三人へ明かす。暴露したところで拍子抜けするようなものだろう……他人には

 理由と言えば、元々『私』……レミとしての人格である『私』自身は
本来青い瞳の筈なのだ。この娘の『玲実』の体と異なる人格としての『私』は
玲実とは異なる姿形をしてる。その姿での私は青い瞳だった。
 傍から見れば愚行かも知れない。けれど少しでも『私』に似せたいが為の
カラコンだ。それを『秘密』として、皆に告げるのは……一種の自分自身が
玲実にはなれない事の『けじめ』を、誰に強制されるわけでもないけど
自分に対し納得したいが為に行う。その為だ

 「さて、次は誰が秘密を教えてくれるかしら……」

 微笑んで他の人の秘密に耳を傾ける。

384葉鳥 穂風『ヴァンパイア・エヴリウェア』:2016/10/02(日) 00:16:10
>>382(GM)
>>383(遊部)

「あっ、カラコン……そうだったん、ですね。
 なんだか意外、でした。あの、ありがとう、ございます」

       (これくらいの事でいいんだ)

どのくらいのヒミツを明かせばいいのか?
その辺り謎だったが、これでわかった。

あるいは、『レミ』が『ナプキンを取った』のかもしれない。
そして――

「えっ」

   アセ

        「えと……」

  アセ

          「ええと」

         アセ

何を暴露したものか、焦りを感じる穂風。
『レミ』が暴露したのだし、流れ的に自分の番では?
 
「次、あの、その、私でいいんでしょう、か」

      「あの、大した秘密でもない……ですけど」

なんとなくそのような、やや浮ついた気分になって、もごもごと口を開いた。

385『ある夏の思ひ出』:2016/10/02(日) 22:56:04
>>383 (遊部さん)
>>384 (葉鳥さん)

陽:「カラコン?」

響:「カラーコンタクトっていうんだよ」

コンタクトを外す真似をして指を瞳に突っ込もうとする陽を響が制する。
そのあと瞼をぐりぐりと指で撫でておしおきを始めた。

響:「えぇ、葉鳥さんがいいのなら」

  「まだ考えたいのであればボクが」

386葉鳥 穂風『ヴァンパイア・エヴリウェア』:2016/10/03(月) 00:07:48
>>385(GM)

「あ、ええと。そのぅ……
 ちょっとしたこと、なんですけど」

     「あっ、目は触らないほうが」

穂風もまた、陽の奇行を制する。
もっとも、響がいるから、その必要はないにせよ。

「ええと」

「ええと……その。
 品が無い、かもしれませんけど」

     グ  イ

穂風がしたことは――指で控えめに、唇を開くことだった。
穂風の声は小さくないけど、あまり大口を開く方ではない。

だから、それは多分、初めて見るだろう。
健康な色の歯茎、白い歯――

       キ
          ラ

「私、あの。見ての通り……
 歯が、ちょっとだけ……鋭いんです」

そして、二本の尖った歯。
もっとも、『八重歯』――と言えるもので、『人間離れ』はしてないけど。

             「え、えへ……驚きましたか?」

387遊部『フラジール・デイズ』:2016/10/03(月) 10:25:58
>>385(GM)    (レス遅れ失礼しました)
>>386(葉鳥) 

「陽君や響君は、カラーコンタクトを付けるのは余り私、お薦めしないわ。
元が綺麗な色だし、コンタクトって長く付けると視力も落ちるかも知れないし」

 用途さえきちんとすれば問題ないのだが、それでも注意を促すのが
年長者としての義務だろう。

 >えへ……驚きましたか?

そして、次に葉鳥さんが秘密を披露してくれた。少し手を数回たたいて
拍手し、微笑んで告げる。

 「えぇ、吃驚したわ。でも、八重歯ってチャーミングよ? 余り同い年の
男の子には見せつけないほうがいいわねぇ……」

恋愛事に関心はレミにはない、葉鳥さんは…どうだろう? 色恋沙汰に余り
積極性は感じないものの、意外とそう言うのに耳年増かも知れない。それとなく
話題を広げる言葉の牽制を入れておく。

 「けど鋭い歯が二本あると、やっぱりあれを思い出すわね
……チュパカブラ」

 そう、頬に手を当て吸血生物を思い返してみた。

388『ある夏の思ひ出』:2016/10/03(月) 23:43:51
>>386 (葉鳥さん)
>>387 (遊部さん)

響:「陽、目いいしね」

陽:「2.0!」

見えすぎだ。

陽:「ほうほう、健康ですねぇ」

葉鳥の歯を見てにっと笑う陽。
彼の歯もまた白い。

響:「八重歯」

陽:「吸血鬼みたい?」

響:「そうかなぁ?」

陽:「どうだろう?」

その歯に小首をかしげて疑問を口にする陽。
それに対して響も小首をかしげる。

響:「チュパッ……!」

陽:「?」

苦手なのか苦い顔をする響。
陽はわかっていないようだ。

響:「えっと、じゃあボクの秘密を……」

  「実は、ボク、手首が柔らかいんです」

そういってぐにっと手首を曲げる響。
手のひらが返り、天上を向く。
指の関節が腕に当たりそうだ。

389遊部『フラジール・デイズ』:2016/10/03(月) 23:51:12
>>388

 「あら? チュパカプラは苦手かしら、響君」

 少しだけ、可笑しそうに響君のほうに顔を向ける。

まぁ、彼は博識だ。本などに、チュパカプラの紹介図を見て
怖がった経験があっても不思議でない。
 『私』も、似たような経験はある。図鑑の中に怖いものが一つでも
あると結構な印象で中々忘れられないものだ。

 「あら、凄いすごいっ。そこまで柔らかい人、初めて見たかも知れないわ」

 パチパチと、響君の柔らかさに拍手する。
十人もいれば、一人は出来る特技かも知れないが実際中々いないものだ。

 「陽君は、どんな秘密を教えてくれる?」

こう言う小さな秘密でも、共有し合える事は楽しい事だ。微笑んで次に
陽君の秘密を聞いて見る。

390葉鳥 穂風『ヴァンパイア・エヴリウェア』:2016/10/04(火) 00:25:16
>>387(レミ)
>>388(GM)

「え、えへ…………」

あいまいな笑みを浮かべる穂風。
たぶん、『色恋』の話なのだろうけど――あまり、分からない。

(レミさんは、そういうの、興味あるのかな)

「歯磨き、毎日ちゃんとしてます、ので」

陽に返答しつつ、穂風はそのように考える。

穂風もないわけじゃないけど。
まだ実感が持てないのだ。

「チュパカ――?」

     「……う、吸血鬼ではない、です」

穂風は空想の生物の名前に、少し背を跳ねさせる。
別に怒ってるとかじゃない。けど、否定はしておく。

それから。

「わっ……!」

「え、あ、それ、骨……大丈夫、ですか、すごい……」

         ソワソワ

             「……!」

関節のやわらかっぷりに驚愕する穂風。そして視線は陽に向く。

391『ある夏の思ひ出』:2016/10/04(火) 23:08:48
>>389 (遊部さん)
>>390 (葉鳥さん)

陽:「チュパカブラ?」

響:「知らない方がいいよ」

響はそれが苦手なようだ。

陽:「おぉ……」

響:「ふふん」

得意そうに手首を曲げる響。
この時ばかりは年相応の表情である。
少し不気味だが。

陽:「じゃあ僕ね。僕ねぇ……」

静寂。勿体つけた間をあけて陽は宣言する。

陽:「暗いのとガラスとかの割れる音が苦手なんだ」

   「暗いとわーってなるし、パリーンってなるとついびっくりしちゃうんだ」

意外かどうかは各人の考え次第ではあるが、案外普通の秘密であった。
しかし、子供ではあるが一人の人間の隠し事には違いなかった。

392遊部『フラジール・デイズ』:2016/10/04(火) 23:51:30
>>391

「『暗所恐怖症』……それと『音恐怖症』 ね」

 秘密、とするには十分な内容だ。それは立派な恐怖症であり
治療が必要なものでもある。

 子供だから、と軽視する訳でもない。深刻なものだと
呼吸不全になるような症状も起き得る。

 (……そう言えば屋根裏で寝てた子 『タマキ』
ナルコレプシーか、そう言う疾患かしら?)

 ふと、病気と言う事柄もあってか屋根裏で出会った子達も思い返した。
彼女の周りにいる人たちは、彼女の其の突然起きる眠くなる事に関して
医学的に認知して対応してるのか……いや、保護者になりえる立場の人が
元々存在しないのかも知れない。けど、居ない人の事を一々気にしても
仕方がない。レミは頭の隅へ、考えた事を置いておく。

 「私も、怖いものはいっぱいあるわ。虫や雷も苦手だし
それに甘いデザートも怖いわね、ケーキとか」

 最後はジョークだが、そんな風にして会話をする。

「響君や葉鳥さんも、怖いものはあるかしらね?」

 二人にも、聞いて見よう。お喋りの種として『怖いもの』と言うのは
中々良い。話題を広げるものとしてはだが

393葉鳥 穂風『ヴァンパイア・エヴリウェア』:2016/10/04(火) 23:56:03
>>391(GM)
>>392(遊部)

「暗いの……割れる、音」

        「……」

自分には、怖くないものだった。
もちろん急に、何か割れたりしたら驚くけれど。
それから、急に部屋が真っ暗になるのも、きっと驚くけれど。

「ええと、ありがとう、ございます。
 これで……みんな、秘密を言った、ですよね」

           「・・・えへ」

意味があるとかじゃないけど。
何となく穂風は、それが楽しいことのように感じていた。

「……」

    ソワ

そういえば、風呂洗いはもう大丈夫だろうか。
手伝った方がいい感じはないか?

「あ、ええと、怖いもの……ですかっ。
 ……ううん、ええと。ちょっと、考えてみます」

         「……ううん」

穂風は考え込む――怖いもの、きっとあるけど、何を選ぼう。

「……」

          (死ぬ、こと……は皆怖いだろう、けど)

394『ある夏の思ひ出』:2016/10/05(水) 23:36:31
>>392 (遊部さん)
>>393 (葉鳥さん)

陽の秘密。
二人にとってそれは過剰な恐怖の対象ではないのかもしれない。
しかし陽という個人にとっては大きな問題らしい。
遊部はタマキについて考える、眠る少女について。

響:「ボクらのほうこそ付き合っていただいてありがとうございます」

そう礼を述べてから

響:「饅頭こわいじゃないんですから……」

と言った。
怖いものについて考える。
考えていると逢坂たちが帰ってきた。

逢坂:「あら、会議中ですか?」

395遊部『フラジール・デイズ』:2016/10/05(水) 23:44:16
>>394(GМ)

>饅頭こわいじゃないんですから

「ふふっ。今の時間だと、紅茶にマカロンが怖いわねぇ
目の前に出されたら、とても怖いわぁ」

 朗らかに響へ告げる。使用人と主人の関係だが、こう言う軽口も構わないだろう。

そして、風呂掃除も終わったらしい。お疲れさまですと告げつつ
彼女に口開く。

 「会議中だなんて、そんな大層なものじゃないですよ。
ちょっと、皆で各々 怖いものが何か言い合ってただけです」

 穏やかに、逢坂へ告げる。

「逢坂さんは、何か怖いものあります?」

 少し興味もある、そう彼女へ聞いて見よう。これも
コミュニケーションの一環だ。

396葉鳥 穂風『ヴァンパイア・エヴリウェア』:2016/10/05(水) 23:48:58
>>394(GM)
>>395(遊部)

「え……ケーキ……饅頭、ですか?」

        ・・・?

穂風は意味を察しかねた。
そういう――寓話のような物には、知識が強くないのだ。

(あっ……ほしいものを、
 怖いって言ってるのかな)

「……」

       (怖いもの――――)

思考はあまり、深くまで潜る事も出来ないけれど。

「あっ」

        「ええと」

「会議、ってほどでも、ない……ような。
 あの。ええと、お風呂掃除、ありがとうございます」

        ペコ

戻ってきた逢坂達に、すっかり顔を上げる事になった。
会議――というほどでもないけれど。

            (……確かに、気になるかも)

『レミ』の質問への答えは――気にならないというわけでも、ない。

397『ある夏の思ひ出』:2016/10/06(木) 00:35:40
>>395 (遊部さん)
>>396 (葉鳥さん)

逢坂:「いえいえ、別にそんな」

礼に対して逢坂はそう返す。
そして顎に手を当てて思案顔。

逢坂:「怖いものですか?」

    「うーん……あるような……ないような」

少し悩んで、答えを出した。

逢坂:「何もないのが怖いですかね」

    「暇だったり自由だったり、本当にモノが無かったり」

    「無っていうのが怖いですね」

398遊部『フラジール・デイズ』:2016/10/06(木) 18:59:43
>>397

 「何もないのが、怖い…ですか」

哲学的な考えだ、とレミは思う。

 空虚 無と言うのは怖いものなのかも知れない。
人は何かを持っている事で、自分と言う者を示せると考えている。
資格なり力なり、そのアドバンテージで自分と言うものを保つ。

 (……詮索する気はないけれど。逢坂さんも逢坂さんで
不思議な方ね)

 経歴を追及する気はないが。鑑定と言うスタンド能力を持ち
そしてスタンド能力を持つ二人の兄弟の保護者の代わりを務める
彼女の素性と言うのも、ある種謎だ。それは自分にも言える事だけれど

 「まぁ、人それぞれですよね。怖いものは……
私も……気づいたら何もない状況に陥れば、不安でしょうし」

 時計を見る事にする。現在の時刻はどの程度だろう?
夕食を食べ終えて結構会話したのを顧みても、七時か八時程度か。

 私にはまだ十分な活動時間だが。陽君や響君は、もう二時間もしたら
就寝したほうが良い時間だろう。

399葉鳥 穂風『ヴァンパイア・エヴリウェア』:2016/10/06(木) 23:16:28
>>397(GM)
>>398(遊部)

「何も、ないのが……恐い」

        「です、か……」

穂風はそう繰り返した。

(何もないのが怖い――)

それは不思議と、自分の口にも合った言葉のように感じた。

         ・・・とはいえ。

(でも……私は、自由なのが怖いなんてことはないかな……)

その点については、フィルタしていたけど。

自由とは、穂風にとって愛するべきもの――
逢坂がなぜそれを恐れるのかは、全くもって分からない。

         チラ

……『レミ』につられて、何となく時計に目をやった。夜はまだまだ。それから。

「………あっ」

「えへ、デザート……食べ忘れちゃって、ましたね。すっかり……」

穂風は、すっかり話し込んでしまっていた事に気付いた。

きゅうりから作られたデザート――
まだ、誰も手をつけてはいなかった、のではないだろうか?

400『ある夏の思ひ出』:2016/10/06(木) 23:57:11
>>398 (遊部さん)
>>399 (葉鳥さん)

逢坂の答えに二人は違う反応を抱く。
哲学であり、分からないものである。
時計は八時を指している。
そしてデザートは手を付けられていない状態だ。

逢坂:「まぁ、滅多にないですけれどね。何もないってことは」

    「なにかはしてますから」

仕事という意味でもそうであろうし、休日もそうなのだろうか。
なにかをしている。
自由ではあっても課題を持った状態。

逢坂:「もうじき、お風呂湧きますからね」

    「ぬるくならないうちにデザート食べちゃいましょう」

401遊部『フラジール・デイズ』:2016/10/07(金) 22:13:16
>>400(GМ) (レス遅れ失礼しました)

「それじゃあ、用意しますね。トレ、お手伝いお願い」

 食後のデザートとして、もう食べて良い頃合いだろう。
冷蔵庫から冷やした胡瓜の団子を出して皿に盛り付ける事にする。

 「あぁ、私達は。お風呂は最後で大丈夫ですから」

 人数が多い。それでも家主が先に入る事を考えれば逢坂や響君と陽君
葉鳥さんとも仲が深めてきたとは言え、一緒に入るのは流石に抵抗があちら
もあるだろうし、今日は色々あって疲れたろうから先に入って貰う事にする。

 自分は、入浴の間にでもトレと共に今日起きた出来事について
話し合いたい。故に最後のほうが色々と都合良いのだ。

402葉鳥 穂風『ヴァンパイア・エヴリウェア』:2016/10/07(金) 23:17:19
>>400(GM)
>>401(遊部)?

「あっ、準備、手伝います」

自分だけ、座って待っているのもなんだか変だ。
穂風はお客さんではない。お手伝いさんだ。

(こういうのが、逢坂さんの気持ち、なのかもしれない……)

何もしないのが怖い。
この、手持ち無沙汰感の延長上なのだろうか。

        カチャ

  カチャ

穂風も、デザートを食べる準備を手伝おう。
食器――取り皿やスプーンなどを用意する。

「あ、ええと……お風呂は。
 私も、後の方で大丈夫、です」

     「響くんたち、あの、お先にどうぞ」

子供二人を先に入らせてあげるのがいい、ような気がする。

          ・・・穂風もさすがに一緒に入る気は無い。
            『レミ』達ともだ。お互いそれは望むまい。

403『ある夏の思ひ出』:2016/10/07(金) 23:40:18
>>401 (遊部さん)
>>402 (葉鳥さん)

逢坂:「はいはい」

響:「お風呂の準備しておこうね。ハル」

陽:「えー」

響:「お風呂あがってからデザートは嫌?」

陽:「うーん……」

響:「ちょっとだけね」

デザートの準備も完了だ。
いの一番に陽が手を伸ばして口に入れる。

陽:「おいひい!」

それと前後するようにタイマーの音。
風呂が沸いたのだろう。

響:「はい終了ー」

不満そうにふごふごいいながら響に連れていかれる陽。
二人は風呂に行くだろう。

逢坂:「……」

そんな二人の姿をほうっと眺めていた逢坂。
それからぱっとレミや葉鳥に顔を向ける。

逢坂:「どうでしたか? とりあえず半日くらいお仕事してみて」

404遊部『フラジール・デイズ』:2016/10/07(金) 23:56:17
>>403(GM)

「楽しいです」

 即答だ。そして、これは『私』自身の本心だと言い切れる。

「響君も陽君も、良い子達ですし……この別荘の雰囲気も
暖かくて、貧相な語彙ですけど安らげる気がしますね。
 数日しか、あの子達のお世話出来ないのが。少しばかり
今から心苦しいです。ずっとは難しいのは解ってるんですけれど」

 そう最後の部分を話す時は、顔にも寂しい微笑が出てた事だろう。

 この別荘は良いところだ。子供たちも、良い子達。

けれどずっとはいられない。そして、私自身も長くは居られない。

 理解はしてる。けど、出会いがあれば別れは当然ある。それは自然だから

「悔いがないように、残りの時間も響君と陽君と一緒に生活したいと思います。
勿論、逢坂さんにも。何かあれば徹底的にご指導して貰いたいと思ってますので」

 頭を下げて告げる。彼女は私達よりベテランだ、何かある時に正しい答えをくれるだろう。

405葉鳥 穂風『ヴァンパイア・エヴリウェア』:2016/10/08(土) 00:20:21
>>403(GM)
>>404(遊部)

「あ、はいっ! 凄く、楽しい……です」

         「ええと」

   「あの」

『レミ』のように――
言葉で巧みに説明は出来ない。

穂風自身はそれは分かっているから、
言葉の雨はすぐに止んで、言うことは決めた。

「すごく……」

   ニィ

笑みが浮かんだ。
ほとんど、無意識だった。

穂風は晴れ渡る笑顔で、こういうのだった――

「私、楽しいです。だから……
 響くんも、陽くんも、楽しんでくれてたら」

        ニコ

           「もっと――嬉しい、です!」

406『ある夏の思ひ出』:2016/10/08(土) 23:17:35
>>404 (遊部さん)
>>405 (葉鳥さん)

逢坂:「そう言ってもらえてよかったです」

逢坂は二人のその言葉に笑う。
嘘のない笑い。それから彼女もデザートを口に入れる。

逢坂:「ただ、気を付けてくださいね。あぁ二人のことじゃあなく山の中のことです」

    「動物とか後、潰れちゃった建物とか、人間とか」

ちゃっと眼鏡を触る。
その瞳は穏やかさよりも真剣さが強かった。

逢坂:「リョウコちゃんが言ってたんですけど、色々出るらしいので」

    「なにか変なものとか人に会ったりしました?」

407遊部『フラジール・デイズ』:2016/10/09(日) 12:15:39
>>406(GM)

>なにか変なものとか人に会ったりしました?

「……リョウコちゃん、ですか? 同じ使用人さんでしたっけ。
えぇ、それで変なもの……ですね。あぁ!
 そう言えば、川で何か凄いものを見たって話してたわね? 葉鳥さん」

 思い出されるとすれば、屋根裏での彼女達。
だが、彼女達は出来る事なら出会った自分達だけの内密に収めて欲しいと
言う感じも出ていた。なら、それを口に出すのは控えておこう。

 あれ以外で印象的だと言うのなら、葉鳥さんが川で出会った
『人形』だろう。私自身は目撃してないが、これに関しては屋根裏の
一件と結ばせるのは難しい。それに実際起きた事だから、逢坂さんが
不審に思う事もないだろう。

 「つかぬ事を伺いますけど、山には今言ったような
潰れた家屋やら、何か危険な不審人物が居るんでしょうか?」

 さり気なく逢坂さんへ聞いて見る。

408葉鳥 穂風『ヴァンパイア・エヴリウェア』:2016/10/09(日) 23:14:16
>>407(GM)
>>408(遊部)

「変な、もの」

(あの二人も――不思議だったけど。
 お城とかのことも気になるけど、私が『見た』のは)

あの二人もかなり『変』だった。
しかし――説明はつきやすい。スタンド使いなのだろう。

      ・・・だが。

「ええと、はい。確かに、あの! 見ました……変な、『人形』」

          「背びれみたいなのが、あって」

   「笛……みたいなのを背負ってて」

『あの人形』は――謎すぎる。
『そういうスタンド』だとして、何の目的があるのだろう?
『スタンドではない』としたら……一体、どういうものなのか?

「ナマズを釣る前に、フナを釣ったんですけど、
 そのフナに、くっついてきて……それで、あの。
 人形が……ナマズを呼び寄せた、ように見えたんです」

          「人形が笛の音を鳴らして、ええと。
           あの。すぐ……現れた、から。ナマズが」

穂風は自分が目にした光景を、なるべく分かりやすく逢坂に伝える事にした。
それでも――あの不思議な光景を紡ぐには、まだまだ言葉が足りないけれど。

      「それで……ええと」

「ナマズを釣ったあと、フナを持って、川の向こうに行きました」

          ス

               「それが見たここ、ですっ」

川の方向を指さして――あまり意味は無いかもしれないが、やや興奮気味にしめた。

409『ある夏の思ひ出』:2016/10/09(日) 23:31:14
>>407 (遊部さん)
>>408 (葉鳥さん)

逢坂:「えぇ、本来なら一緒に働いているはずなんですけど」
 
    「まぁ、彼女がいない分お二人に来ていただいているっていうのもありますけど」

それから人形について話す葉鳥。
遊部もそれを葉鳥に促した。
屋根裏の二人の話はまだだ。

逢坂:「人形……?」

    「うーん……ココペリ、ですかね?」

そういって逢坂はスマホをいじる。
それから、画面を見せる。
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後頭部の背びれ、笛。葉鳥があの時見た人形もこのような姿をしていた。

逢坂:「これですかね。五穀豊穣の神様らしいですよ」

    「それと、潰れた家屋っていうか、昔作られた施設が潰れちゃったんですよね」

    「そこに誰か出入りしてるってリョウコちゃんが。まぁ、会うこともないかもしれないですけど」

410遊部『フラジール・デイズ』:2016/10/10(月) 17:50:34
>>409

「ココペリですか……」

 山にいる神……自立型の特殊なスタンド、と表現するべきか?

そもそもスタンドなのかも不明だが……まぁ究明する事でもない。
神秘は神秘のままのほうが、美しい場合もある。

 「潰れた施設に出入り、ですか。それは少し怖いですね
もし見かけても刺激しないように気を付けます」

 『カレン』 『タマキ』。あの子達は、『お城』に住んでると言った。
そして、それに工具箱が必要とも……となると、その崩れた場所を修理
するのに工具箱を欲したと言うのなら、その『潰れた家屋』こそが
あの子達の住む場所の可能性があるのかも知れない。

 「因みに、その廃屋と言うのは別荘から近いのですか?」

 方角、大体の場所を駄目元で逢坂さんに聞いて見る。
工具箱を返す、という体で。また二人と会う可能性もあるのだ。
 敵対する可能性は低かれど、聞けることは聞くべきだろう。

411葉鳥 穂風『ヴァンパイア・エヴリウェア』:2016/10/10(月) 23:21:59
>>409(GM)
>>410(遊部)

「ここ、ペリ……? ココペリ……」

頭の中に、先ほどよりしっかり――
あの人形の姿が、像として結ばれた。
それはスマホの画面を見て、おおよそ一致した。

「神さま、なんですか」

         「……」

(ゴコクホウジョウ――多分、豊穣だよね)

言葉の意味が全て……
しっかりわかるわけではないけど。

何となく、あの『神さま』の意味は分かるような気がした。

           ・・・そして。

「潰れた廃屋、ですか」

「……」

「あっ」

(もしかして――お城っていうのと、関係がある?)

思い当たる節は――ある。質問は『レミ』がしてくれた。
『城』――そのものなのかは分からない、が。

「あ、怪しい人、かも。しれませんねっ……だとしたら怖い、なあ」

何となく、隠した方が良いように思って、あまり上手ではなくごまかした。

412『ある夏の思ひ出』:2016/10/10(月) 23:48:43
>>410 (遊部さん)
>>411 (葉鳥さん)

逢坂:「ま、私はあったことがないのでどんな人か知らないですがね」

    「それと、そんなこと聞いてどうするつもりです?」

廃屋の場所について質問するレミに逢坂は質問で返す。
その瞳は真剣であった。
彼女にも使用人としての自覚と少年たちを守るという使命がある。

逢坂:「……」

    「信用しましょう。今日、たった半日程度ですが陽君たちと仲良くされているようですし」

    「あの子たちの笑顔は嘘偽りがありませんから」

だから信用する。
そう、逢坂は言った。

逢坂:「ここよりずっと上。山を登って行って二手に別れた場所を右手に上るっていくと道路が見えます」

    「正規のルートではなく獣道ですけど、その道路の先にありますよ」

    「でも、くれぐれも危険には気を付けてください」

413遊部『フラジール・デイズ』:2016/10/11(火) 19:27:00
>>412(GM)

 >そんなこと聞いてどうするつもりです?

「どうとも。こちらから近づく気は一切私にはありませんよ。
ただ、何が事が起きた場合。少なからず指向性が有るほうが助かりますから」

 そう、こちらから。『レミ』から何かする気はない。
自分自身を纏め上げなくていけない状況下で、外部の事に悪戯に干渉する気は
一切私にはないのだ。もし事件が起きるとすれば、それは外側からだ。
 そして、その外側を幾らか理解しなければ対処も出来ない。

 「情報有難うございます。繰り返しますが、私はその情報を悪戯に
自身の利益の為に活用する事はありません。この別荘で私がするべき事は
陽君と響君の心身を守りサポートする事。この別荘での雑事
 その為に私がいる事は解っています」

 仰せつかった事は理解してる。私はその為だけに動くだけ
冷たいようだが、それ以外で何が起きても。こちらに被害が向かわない限り
積極的に動く気は私にはない。目に映るもののみが、今の私の全てだ。

414葉鳥 穂風『ヴァンパイア・エヴリウェア』:2016/10/11(火) 23:31:25
?>>412(GM)
>>413(遊部)

「………………」

      (山の……ずっと上)

穂風一人でなら、危険を冒してでも行ってみたい。
あの二人に逢わないまま帰るのは――気持ちよくない。

    『羽』があるし、従者もいる。
    『冒険心』だって、欠けてはいない。

しかし今は違う――穂風が従者なのだから。
穂風が陽たちを危険な目に逢わせては、
冗談や、面目の話では済まないのだから。

  チラ

(……陽くんがこれを聞いたら、きっと行きたがる)

            (私も、きっと、連れて行きたくなる)


穂風は冷静になって――今考えれば、それは良くない。

「……はい、もし行くとしたら。あの、気をつけます」

       コク

良くないけれど――
その時は、来てしまうかもしれないから。

穂風は、逢坂の言ったことを、頭から外さない事にしておく。

415『ある夏の思ひ出』:2016/10/11(火) 23:44:14
>>413 (遊部さん)
>>414 (葉鳥さん)

逢坂:「……」

    「ま、信頼していますよ」

そういって逢坂は笑う。
陽と響はじきに風呂から上がりまた静かに時が流れていく。

二人、いや二人と一体はそれぞれあてられた部屋にいる。
レミとトレは同じ部屋。葉鳥は一人で一つ部屋を使っている。
なにか逢坂たちやお互いで確認しておきたいことがあれば確認するのもいいし
部屋が気に食わなければ逢坂に進言すればいいだろう。

416遊部『フラジール・デイズ』:2016/10/12(水) 19:34:22
>>415(GМ)

 ザブン……。

 一糸纏わぬ状態へとなる。その隣にはトレこと『フラジール・デイズ』も一緒だ。
現在一人と一体で入浴をしている。

 「それじゃあ、トレ。今日、逢坂さんと共同で仕事する時があったわね。
台所で立った時と、風呂掃除の時。
 その時に交わした発言で良いから教えなさい。また、その時に瞳の色が
スタンドで変化したりなどはあったかしら?」

 『トレ』は『主人に忠実なるメイド』の役柄。私のこの質問に対して
正直に包み隠さず答えてくれるだろう。逢坂のスタンドが正真正銘の
鑑定であるのなら、トレに虚偽を植え付ける事は出来ないだろうし、また
そう言う能力があったとしても。本日睡眠をとる場合自動的にリセットの
状態にフラジール・デイズは戻る。警戒し過ぎかも知れないが、用心に超す事はない。

 お風呂から、上がったら葉鳥さんの部屋へトレと共に向かう事にする。
ドアをノックし、声をかける。

 「葉鳥さん、今よろしいかしら?」

 『使用人』同士で、少し相談だ。今日起きた事に対し、幾つかの点に
対処するにあたって、彼女の力は必要となるだろうから。

417葉鳥 穂風『ヴァンパイア・エヴリウェア』:2016/10/12(水) 23:22:18
>>415(GM)
>>416(遊部)

「……はいっ。ありがとう、ございます!」

逢坂の信頼は、ウソではないと思った。
穂風は笑みを浮かべながら、内心、責任を強く意識する。

     そして。

彼らの後に――そして『レミ』達の後に風呂に入った。
一日の疲れを取るためにも、ゆっくりと。
(※サービスシーンとかは、そういう話でもないし割愛する)

         ・・・

    ・・・


――――風呂上り。

         ギ…

「…………」

部屋の窓から、夜の空を眺める。
昂ぶる気持ちは――今宵はそれ程強くもない。仕事だからか?

穂風は特に何をするでもなく、強いて言えば――星を数えていたが。

           ≪――――お嬢様≫

「早く寝ろ、でしょ……」

主を諫めるべく発現した従者に不満を示す――よりも早く。

「あっ」

       「レミ、さん」

「はい、今大丈夫です。ええと、入って、くれても」

        トコ
             トコ

ドアを開けて、頼れる『使用人仲間』を部屋に迎え入れることにしよう。

418遊部『フラジール・デイズ』:2016/10/12(水) 23:35:04
>>417(葉鳥)
>>415(GM)(一通り相談が終わったらメ欄に会話終了の旨を出します)

 まだ寝てなかったことに安堵した表情と共に会釈する。
 「夜分遅くに御免なさいね? 実はね、少しお話したい事があって。
中で少し宜しいかしら?」

 盗聴されるような事もないだろうが、ドアを開放したまま立ち話するような
内容のものでもない。葉鳥さんの許可を貰い、扉を閉めて会話する。

「逢坂さんも告げてたと思うけど、山のほうにある廃屋……ね。
恐らくは、屋根裏で出会った『タマキ』『カレン』と言う子供たちの事でしょう?
 明日に、早ければ朝方にでも来ると思うけど。その時に陽君とかであれば
好奇心で一緒に付いて行く可能性もあるかも知れないと思ってね。
 そうなった場合、葉鳥さんとしてはどうする? 逢坂さんには秘密にして
おくように陽君や響君は言っていたけれど」

 屋根裏の件、そして山の廃屋。
工具箱の件は明日にでも解決すると言う内容だった。何事もなく明日になって
物置に元通り収められてたとして、あの子達の住処に好奇心旺盛な子供が
無視出来るかと言うと不安なものだ。

 「響君が陽君の傍にいれば、諫めるでしょうけど……けど、陽君が強く
強請れば彼も折れるかも知れない。最悪、そのお城に行くのは私は良いの。
 一番良くないのは、その行きの過程や城内で逃れられない事故に遭う事ね。
二人ともスタンド使いだけど、それでも不安だわ
だから、葉鳥さんの意見も聞きたいの。そうなった場合、何がベストか」

 葉鳥さんに、そう告げる。こう言うのは内なる私達やフラジール・デイズに
相談しても解決出来るものでない。第三者の意見が必要なのだ。

419葉鳥 穂風『ヴァンパイア・エヴリウェア』:2016/10/12(水) 23:51:26
>>418(遊部)

「あ、はい。大丈夫、です。まだちょっと、寝れないので」

               ≪…………≫

ドアを閉めることを止める理由もない――
『窓の鍵』は開けているのだから、万が一もない。

「あ、ええと。
 座り、ますか……?」

     「下、か……ベッドに」

ベッドは大きいから、二人が坐るには十分だろう。

穂風は勧めつつ――
自分は何となく立ったまま、話に耳を傾ける。

    「……」

――話というか、『相談』であることにはすぐ気づいた。

「私、は……」

状況次第、ともいえる、けれど。
『レミ』が望んでいるのはそういう事ではないだろう。

つまり――『どう判断するか』の、ひとつの『仮定』の話だ。

「二人は、だって。あの。
 私達が、帰った後も……ここにいる、から」

               「私達もここに、いるうちに」

    「あのっ……『着いて行く』のが。
     私たちで、守るのが……
     いいと……あの、その。思います」

行かないように止める――というのは、勿論ある。
だが、これは『止めるのを振り切られた場合の話』をしているのだ。

穂風自身の『好奇心』も――無いというわけでは、ないかもしれないけれど。

420遊部『フラジール・デイズ』:2016/10/13(木) 00:05:09
>>419

>あのっ……『着いて行く』のが。
 私たちで、守るのが……
 いいと……あの、その。思います


「……」

 『レミ』は、答えに対し。言葉を探すように天井を仰ぐ。
そして、少ししてから柔らかい笑みを伴い葉鳥へ顔を戻した。

「私はね、葉鳥さん」

「どちらかと言えば、臆病な性格なの。意外と思われるでしょうけども
何が起きたら嫌、対応出来なかったらどうすればいいんだろう。
 天地崩墜(てんちほうつい)して身の寄るべき所亡きを憂へ、寝食を廃する者あり
……そう言う、杞憂ばかり考え漠然と畏れてる。
 だからね、出来る事があるならば出来る限りの最善を尽くそうとね。無暗やたらに
動こうとしてるんだと思うわ。時には、自分でも気づかずに限界まで
自分の事を追い込んでしまうかも知れない。そんな時、誰が一人が制止してくれると心強いの。
 ……何があれば、頼りにしてるわ。葉鳥さん、明日も宜しく頼んでいいかしら?」

 葉鳥さんは、少し内気な部分もある普通の少女だ。学子女として何処にでもいる
感性を宿している。その普通さは、特異な空間にいる時 異常によって感覚が麻痺し
自分がなくなりかけた時に、私の 『レミ』の歯止めになれると思う。

 私に出来る事は限られている。内なる彼ら彼女達の力もあるが、それでも外部を
変えるまでの力には至らない。だからこそ、誰かの力を借りなければいけない。

 葉鳥さんを、頼ろう。この、穏やかな時が弛まなく終わりの調べを告げるまでは。

421葉鳥 穂風『ヴァンパイア・エヴリウェア』:2016/10/13(木) 00:23:35
>>420(遊部)

「……」

つられて天井に目を向けて――
何もなくて、それが思案の意味だと気づいた。

         ≪……≫

         従者は静かに佇む。 
         これは、『主』達の会話だから。

「私……は。あの。
 難しい事は、まだ得意じゃない、です」

      「ので」

   コク

穂風は――自分の中の答えを束ねて頷いた。
それは、一本の支柱に――骨になるように思った。

「そういう時は、レミさんに任せます。
 その代わり……レミさんも、私に任せて、くださいっ」

               「……えへ」

自分に出来ないことは、誰かに頼ってもいい。
穂風はそのことを、ずっと前に学んでいる。

「……あと、ええと」

「それ以外で、あの……何か、ありますかっ?」

急かす意図はない――が、従者は「早く寝ろ」というだろう。
従者。『トレ』に視線を少し向けてみるが、なんとなく反応はない気がした。

422遊部『フラジール・デイズ』:2016/10/13(木) 08:33:18
>>421

 「いえ、用件はそれだけよ。
それじゃあ葉鳥さん、今日は色々と有難う。
 また明日も宜しくお願いするわね」

 葉鳥さんへ礼を告げて部屋から出る、トレと共に部屋へと戻り。
ベットへと腰をかけ、カラコンを外して薄い寝巻へと着替えて
今後の事を考える。

(……人格の中で私は先導が任されてるとは言え、基礎の人格として
過ごすのは『ベソ』。けど、あの子には使用人を任すのは荷が重すぎる
 何より記憶を引き継がす事を任せてない、あの子を突然今の状況に
放り出したとして、パニックになるのは目に見えている。
明日も私が動くのは間違いなく決定事項として……あの屋根裏の一件)

(あの子達の動きによっては、主人である響君や陽君の動きも変わってくだろう。
……危険性はそれほど低い、と考えて大丈夫だと思う。
 だが、緊急性が高くなれば『ライ』が出なくてはいけなくなる。そうなれば
自ずと私達の事も暴露する。けど、それは他者の命を天秤にかける事でない。
 ……明日も、今まで通りの流れ通りで行こう)

 「それじゃあ、トレ……『フラジール・デイズ』 有難う。
明日も宜しくお願いするわね?」

 眠りにつく、明日は早い時間に起きて今日のトレの外見通りの恰好になり
フラジール・デイズを発現。そして再度色違いの服装になり今日と同じ
『レミ』の恰好通りになろう。

423『ある夏の思ひ出』:2016/10/13(木) 23:36:58
>>416-

トレ:「はい。お嬢様」

   「台所では食器や調理道具の場所を伝えられました」

   「風呂場では洗い方の指示を」

忠実なるあなたの従者は決して嘘偽りを伝えない。

トレ:「その際にスタンドを使用された様子はありませんでした」

   「また、会話の内容も食べたい料理や明日の天気などです」

逢坂はトレにスタンドを使用していない。
そして、なにか突っ込んだことも聞いていないようだ。

相談を終え、眠る二人。
明日が始まればまた仕事も始まるのだ。

朝。希望の朝だ。
といっても休みの少年たちの朝は遅い。
軽い炊事洗濯を済ませてしまえばゆるゆると少年たちが起きてくる。
一息ついて時計を見れば昼前であった。

陽:「今日は川遊びがしたい!」

元気よく宣言する陽。

響:「僕は山を散歩したい、かな……」

控えめに伝える響。

さて、どちらを採用しようか。

424遊部『フラジール・デイズ』:2016/10/14(金) 18:08:19
>>423(レス遅れ失礼しました)

 「成る程ね、有難うトレ。また明日もお願いするわね」

 報告を聞いて、礼を告げ就寝。
六時前ほどに起きて、トレの外見を模した格好と共に『フラジール・デイズ』を発現。
トレには昨日と同じ持ち物をルーペと串も服の裏に忍ばせ携行。
 私も着替えだけトランクに用意してたのを着替えてカラコンを付けて出る。
更に『打ち合わせ』を行う(※暗号スレッド エニグマの表示してる
暗号サイトが機能してないようなのでttp://www.mcrypt.click/の
サイトを引用したのを【記】『暗号スレッド エニグマ』に記載する)

 一通りの準備を終えた後に、今日を始めよう。

「あらあら」

 陽君と響君の言葉に、少し手を添えて困ってない声色で二人を見比べる。
普通なら、どちらかを優先するか、若しくはどっちかの相手を別々にする事だ。
昨日と同じように、自分が響君と一緒に山を散歩し、陽君が葉鳥さんと川遊びで
良いだろうか? それでも構わない気がするが……。

 「私は、昨日と同じく響君と一緒に山を散策しても良いですが……
葉鳥さん、どうしますか?」

 一人で先走る事もない、昨日、何かあれば頼りにすると約束した
葉鳥さんへと視線を向け少しだけ確認をとる。別に、こちらは陽君の相手でも問題ない。

425葉鳥 穂風『ヴァンパイア・エヴリウェア』:2016/10/14(金) 23:15:01
>>423(GM)
>>424(遊部)

二日目――見慣れない天井やベッドに困惑した穂風も、
すぐに自分がいる場所を思い出して、相応しい仕事に入った。

「ふうっ……」

     グイ

額の汗をぬぐって――時計を見た。
もうお昼前だ・・・少年たちの声を聴いた。

「ええと――」

どちらかにする、というのもなんだか、今さらな気がした。
昨日そうしたように、『どっちも』……というのは無理ではない。

「私は、陽くんと川遊び――でも、いいです。
 けど。ええと、『逆』でも……いいかな、って思います」

穂風が思い出しているのは昨日の晩の話だ。
親交を深める――陽だけではなく、響とも。

人間の相性としては、『昨日の形』がいいのかもしれない――けど。

           「私が響くんと――――で」

    「レミさんが、陽くんと、でも」

「あ、ええと……二人が、その方が良いなら……です、けど!」

穂風は思う。決めるのは陽と響だ、結局のところ……自分達はお手伝いさん。

昨日と同じ組み合わせが良いなら、それもいいだろう。時間は有限だから。
二人、自分達含め四人そろって遊びたい――と彼らが望むなら、それでも合わせるだろう。

                      ・・・その場合、やはり『山』になるか?

426『ある夏の思ひ出』:2016/10/14(金) 23:29:47
>>424 (遊部さん)
>>425 (葉鳥さん)

逆の組み合わせ。
レミが陽、葉鳥が響に対応することを提案する。
二人の答えはイエスだった。

陽:「うん。いいよ」

響:「それで、よろしくお願いします」

逢坂:「じゃあ、今日はゆっくり遊んで来てみるのもいいですよ」

    「お弁当、用意しますよ」

どちらを選ぶのも自由だ。
今から遊び始めれば昼頃に帰るか、昼を過ぎても遊んでいるかのどちらかだ。
昼を過ぎても遊ぶのならお弁当があった方が便利だろう。

427遊部『フラジール・デイズ』:2016/10/15(土) 18:52:25
>>426

 「それじゃあ、お弁当お願いします」

お弁当を逢坂さんに作って頂き、それを適当な袋を貸して貰い持って行く。
 予感だが、今日は別荘へ戻るのは遅くなりそうだと、そう感じたのだ。

 「陽君、今日は宜しくね。川遊びは、昨日と同じ場所がいいのかしら?」
それと、泳ぐとしても水着は持っていきましょうね」

 丸裸になって泳がれても、私は女性だ。人格がライであったとしても
そこは許容しかねる。

 「何かあった場合は携帯にでも直ぐ連絡しますので……」

 緊急事態がそう起きる事はないと思うが、陽君か響君が
山中で野生の動物に襲われそうになったりすれば大変だ。
 スタンドも、陽君のは直接的なパワーがあるものでないようだし私も同じだ。
そう言う事が起きないように、十分警戒はしておこう。

428葉鳥 穂風『ヴァンパイア・エヴリウェア』:2016/10/15(土) 23:34:40
>>426(GM)
>>427(遊部)

「お弁当! あの、ええと。
 お願いしても、いいですか」

レミに続いて、穂風も弁当を求める。

「……楽しみ、ですっ」

穂風はこの言葉は逢坂だけではなく、
今日を共にする響にも向けているつもり。

山。遊び場としては、かなり未知の世界だ――何がある?

(……『廃屋』、あの二人の、住んでるところ。
 そんな遠くまでは、行くつもりはない……けれど)

     チラ

         (響くんは、山で何がしたいんだろう)

響に同行する――というのは穂風が決めた事。
しかし、山歩きは響が決めた事。

「あのっ」

穂風はややしゃがみ、響に問いかける。

「その……今日は、よろしく、です。
 それで。散歩道とか、って、あるんですか?」

       「それとも……えへ、冒険、ですか?」

彼は山に詳しいのだろうか――それとも、『未知』を味わおうとしているのか?

429『ある夏の思ひ出』:2016/10/15(土) 23:55:16
>>427 (遊部さん)
>>428 (葉鳥さん)

逢坂:「ではちょっとお待ちを」

逢坂は台所へと消えていく。
料理をしているらしい音が聞こえ、いいにおいが漂う。

陽:「うん。昨日と同じところでいいよ」

むしろそこがいいと陽。
水着の用意に部屋に戻る。

響:「ボクの好きな場所があるんです」

そこに行きたいと響。
散歩道らしい。

待っていると逢坂が風呂敷に包んだ弁当箱を四つ持ってきた。
各々の分だろう。

逢坂:「行ってらっしゃい」

430『ある夏の思ひ出』:2016/10/15(土) 23:58:55
>>429

響と陽は別の道を行くらしい。
川と響の好きな場所そこにつくまで何をするかは各々の自由だ。

431遊部『フラジール・デイズ』:2016/10/16(日) 18:37:43
>>430(GМ)

 「今日は暑くなるかしらねぇ…」

 空を仰ぎ、目を細める。空模様によっては雨が降る可能性もある
そうなった場合は早く別荘に戻る事も考えよう。

 陽君と自分達のお弁当は、トレと自分で持つ事にする。四つの分と言う事は
逢坂さんが、看破してないのであれば。一つのお弁当はトレと自分の分が
入った大きさのお弁当の筈だ。そうでなく一人分の量なのなら、恐らく
彼女は既に自分のスタンドがトレ『フラジール・デイズ』だと気づいてるのだろう。

「昨日であった人形って、ココペリって言うらしいわね。
また会えるといいわね、私も会えるならあってみたいわ」

 陽君に、そう言葉を投げかけて一緒の速度で歩く事にする。
陽君は活発な少年だ。歩くスピードが速ければ、少し歩行を緩めて
貰えるように、やんわりで良いのでお願いしよう。

432葉鳥 穂風『ヴァンパイア・エヴリウェア』:2016/10/16(日) 23:42:37
>>429-430(GM)
>>431(遊部)

「分かり、ましたっ。
 じゃあそこに、行きましょう」

      「あっ」

「ありがとう、ございます……行ってきますっ!」

逢坂から弁当を受け取って――
彼女と、『レミ』に頭を下げてから、散歩の始まりだ。

「……」

「ええと」

穂風は話題を切り出す。
とはいっても、深いことは思いつかない。

趣味の話とか、そういう……世間話をしたい。

「響くん、は。いつも山に登るん、ですか?」

          「私、あまり経験がなく、て」

    エヘ…

遠慮がちな笑みを浮かべる穂風。
それから。

「気をつけた方がいいこと、とか。ありますか?」

お手伝いさん――としては、こういうのは知っておくべきだろう。
穂風という個人としても、危険には備えておきたいし――興味も、ある。

433『ある夏の思ひ出』:2016/10/17(月) 00:02:41
>>431 (遊部さん)

陽:「うん。また会いたい」

   「笛をブォーって吹くんだよ」

陽はレミと歩幅を同じにして歩いている。
そして弁当は陽の分ともう一つ。
陽や他の者たちの弁当箱より少し大きい。
だが二人分というのには少ないかもしれない大きさ。

陽:「昨日寝る前にお兄ちゃん言ってたよ」

   「レミおねえさんはいろんなこと知ってるって」

   「ほんと?」

>>432 (葉鳥さん)

響:「山、ですか?」

むむむと少し考えて。

響:「ハルや逢坂お姉さんのお世話になるまではたまに登っていました」

   「ここに来てからはよく登るようになりましたけど」

それから、と葉鳥の問いに対して笑顔で答えた。

響:「虫とか、注意しないと刺されると大変ですから。蚊とかでもかゆいのは辛いですし」

   「スタンドがあるとはいっても蛇とか熊が出たら大変ですね。熊、見たことないですけど」

それから響は山の天気が変わりやすいことや上り下りや日差しによるスタミナの消費の話をした。

434遊部『フラジール・デイズ』:2016/10/17(月) 20:03:11
>>433(GM)

(一人分に近い、お弁当…)

やはり、逢坂さんは私のスタンドに気づいてるのだろうか?
 もっとも、彼女は人の深く秘密にしたい領域を侵そうとはしない。
常識のある人物だと見受けられる。私も。この秘密が何かしらの事故や
仕方がない要因で暴かれたからと言って、強硬手段で其の当人を脅したり
抹消するなんて馬鹿げた行動はしない。まぁ、スタンドに人間の振りさせてるのは
色々と家庭の事情なりだと言えば、納得して貰える事だ。そこまで動揺する事ではない。
 仮に陽君や響君、葉鳥さんにも知られそうな時があれば、その時は謝罪と共に
素直に吐露する事にしよう。決して、悪い事にはならないだろうから

>レミおねえさんはいろんなこと知ってるって

「まぁ、余り外に出ずに読書なりネットなり……知識を溜め込む事が
半分趣味のようなものだから、自然とそうなっただけで、自慢にはならないわ」

 小さく笑みを浮かべ、穏やかに陽君に言う。
何もかも知ってる訳ではなし、知ってる事だけだから。

 「年輪によって方角を見極めるとか、森の中で通じる雑学とかも知ってるわ。
けど、知ってるだけだもの、私。突然、パニックになるような事があれば
私よりずっと陽君のほうが頼りになると思うわ」

 意外と打たれ弱いしね、私。と付け加え陽君の頭を軽く撫でる。
これぐらいのスキンシップは、構わないだろう。

 『私』は打たれ弱い。もし、人死や誰かが傷つく状況になれば
『レミ』は保てない。それは私以外の『誰か』に任せるしかないのだ。

 「陽君は、いま何か知りたい事があるかしら?」

 少し暗い事を考えそうになったのを振りきるように、明るく陽君に質問する。
彼は、響君にはない山彦のような。明るさを倍にして返してくれる、そんな
元気を秘めている。彼と長くいれば、私のなかに眠る暗闇も薄れると期待して聞く。

435葉鳥 穂風『ヴァンパイア・エヴリウェア』:2016/10/17(月) 23:24:58
>>433(GM)

          …ピク

(……そうだ。二人は苗字が違う。
 逢坂さんも、違う。それって、つまり)

       (当たり前のこと、なのに)

穂風は見落としていた――
あるいは気づいていて欠落していた。

『ここに来るまでの二人は一体どこで何をしていた?』

(私と同じなのかもしれない……ううん、もしかしたら)

穂風は良くない想像を頭の中で渦巻かせて、やめた。
それは良くないと分かっているし、今は楽しい時間だから。

「すごい山、ですもんね」

   ニコ

笑顔で答えた。
穂風は空気の読み方を、少し覚えている。

「夏ですし、虫は、多い……ですよね。
 熊は、あの、分からない……です、けど。いるか」

            「いたら、逃げないと」

    コク

熊には勝てないかもしれない。
穂風は大自然の厳しさを、耳から頭に入れていく。

……そして足からも。中々疲れる物だ、山登りとは。

「響、くん。あの。その好きなところって、どんなところ、ですか?」

               「えへ、見てのお楽しみ……でしょうか?」

436『ある夏の思ひ出』:2016/10/17(月) 23:58:55
>>434 (遊部さん)

そのお弁当に悪意はない。
少なくとも逢坂の今まで見てきた人間性を鑑みれば。

陽:「えーでも僕、年輪で法学とは分かんないや」

   「そういうの、物知りっていうんだよ」

頼りになる、その言葉に心地よさそうな顔をしながら頭を撫でられる陽。

陽:「うん。女の子を守るのがヒーローだからね!」

   「? 知りたいこと?」

   「お城の場所と、今日は楽しい一日になるかなってこと!」

   「でも、きっと楽しい一日になるよ!」

無邪気に陽は笑う。
そろそろ川に付きそうだ。

>>435 (葉鳥さん)

構い合わない苗字の三人。
逢坂はあそこの管理人と関係があるのだろう。
ならこの子供たちはどうなのだろう。

響:「はい。すごい山です」

熊というのは強大な存在だ。人間にとってみれば敵う相手ではない。
山にいなければ遭遇もしないだろうが。

響:「行く場所、ですか?」

   「内緒、です。じきにつきますけど」

437遊部『フラジール・デイズ』:2016/10/18(火) 21:10:12
>>436

 「お城。そうね、お城にも行ってみたいわよね……」

陽君の言葉に、ゆっくりと縦に頷きつつ思考する。

彼の好奇心に、やはり廃城は占めてるようだ。
 強制的に駄目だと言っても納得を示さないだろうし、それに強制する
理由も、常識的に危険であると言う部分を除けば、彼を抑制するものがない。
 この年の子に、駄目なものは駄目だからと言う事で大人しくして貰うと言うのは
酷な事だ。それなら、いっその事好奇心の元手を完全に渡す事も必要かも知れない。

 
 川に着いたら、陽君には適当な木陰なりで着替えて貰う。その間
自分は川を見て涼んでおこう。トレにも、一定の配慮と共に陽君が着替える間は
背を向けて、人のカーテンとして他に危険なものがないか見張って貰う。

 「そう言えば、陽君は京都のほうが住まいって響君から聞いたわ」

「私、京都と言えば清水寺とか。色々と名所の多い場所って言う
イメージしかないけど……住み心地とかどうなのかしら?」

 着替える間など、雑談として彼に話を振ってみる。

438葉鳥 穂風『ヴァンパイア・エヴリウェア』:2016/10/18(火) 23:50:33
>>436(GM)

「でも熊って……図鑑でしか見た事ない、ので。
 遠くからなら、見てみたい、かも……しれないです」

           「危ないです、けど」

     コク

これだけすごい山なら、本当に会ってもおかしくない。
絶対に遭遇はしたくないけど、見てみたい気はする。

          ・・・でも、逃げるべきだとは強くわかる。

「内緒、ですかっ」

「えへ……じゃあ、楽しみにして、ます!」

そういうわけで、楽しみにしつつ着いて行こう。
足元とか、虫や動物には気を配っておく。響の分もだ。

439『ある夏の思ひ出』:2016/10/19(水) 00:20:06
>>437 (遊部さん)

陽の頭はあの少女たちとお城でいっぱいのようだ。

川の水はひんやりと冷たい。

陽:「ん?」

陽はレミの問いにうーんと考えた。
それから水着に着替えた陽が現れる。

陽:「住み心地はよくわかんないけど、いいところだよ」

   「僕は清水寺とかあんまりいかないけど」

>>438 (葉鳥さん)

響:「あはは……ボクもですよ」

熊に対する好奇心は響も同じらしい。
しかし実際会えば大変である。

響:「えぇ、お楽しみに」

歩いているとそろそろ道がなだらかになってきた。
山を登っている感覚はなくなってくる。
そして周りに見える木々の数も徐々に減ってきた。
目的地は近い。

440遊部『フラジール・デイズ』:2016/10/20(木) 14:08:00
>>439

 「私も、時間があれば京都に行ってみたいわね。
……もし、旅行する時があれば。その時、陽君に案内
して貰う事は可能かしら? そうすれば、とっても楽しくなると思うわ」

 将来は解らない。この約束が実を結ぶ日に、『私』がいる保証はない。
けど、彼に希望を持たせる為なら、この約束も良いものだと、レミは思う。

 「……あぁ、そう言えば響君の生まれた場所は聞いてなかったわね。
陽君、知ってるかしら?」

 響君も響君で、謎がある程度ある少年だ。知識が深く、両親が一緒に
別荘でいない事を考えると、二人ともどちらとも両親とは都合あって
余り一緒になれない関係か、家庭に問題あるのか……詳細は解らずも
何かしらある事は知っている。追及する事ではないと思うが

 お喋りしながら、川の流れを眺めつつ何か動くものがないか探す。
葉鳥さんの言っていたココペリが、いるかも知れない。

441葉鳥 穂風『ヴァンパイア・エヴリウェア』:2016/10/20(木) 23:34:58
>>439(GM)

「はいっ!」

そう答えて穂風は、響の後を着いて行く。
足元が少しずつ、楽になってきた気がする。

道がなだらかになってきたからか――
あるいは、山歩きに適応できてきた、か。

       ザッ

    ザッ


(木が、減ってきた……開けた場所に出るのかな)

              (好きな場所ってところかな)

山に詳しい、というわけではないけれど。なんとなくそんな気がする。

442『ある夏の思ひ出』:2016/10/21(金) 00:06:15
>>440 (遊部さん)

陽:「うん! 約束だよ!」

希望に満ちた瞳で陽は答える。
きっとレミの考えていることだと浮かびもしないだろう。

陽:「お兄ちゃん? んーここで生まれてここで育ったって聞いてるよ?」

   「お父さんとお母さんがいないからおじいちゃんと暮らしてるんだって」

川を眺めるがココペリらしきものはいない。
ぱちゃぱちゃと陽が川で遊んでいる。
ぱちゃぱちゃぱちゃぱちゃ。遠くでもなにか聞こえる。

>>441 (葉鳥さん)

響:「はい。ここですよ」

響が立ち止まる。
その先には青々と草の生えた野原がある。
そしてそんな緑と空の青と雲の白の間に黄色いアクセント。
ひまわりだ。何本も何本もひまわり畑のように生えている。

響:「ここが好きなんです。風も気持ちよくて」

ひゅうっと心地のいい涼やかな風が吹いた。

443遊部『フラジール・デイズ』:2016/10/21(金) 20:02:06
>>442(GM)

 「お爺ちゃんと、二人暮らし……そうなの」

 ウミガメのスープの問答をしてる最中、それとなく響君と会話をして
家庭の話をした。その時、言葉を濁したのは やはり、こういった複雑な
 過程の事情があったからだ。陽君も、そうなのだろう。

「となると、この別荘で休みを満喫し終わったら……陽君も響君も
離れて暮らすのね……」

 本当の兄弟以上の暮らしをしてる彼らだ。休みの日など欠かさず会う事
あっても、そうなってしまうだろう。
 いや、これは私の杞憂で。今はどちらも一緒に共通の保護者と一緒に
暮らしてると言う可能性もあるのだから。まぁ、この疑問は直ぐ 今の
呟きを耳にした陽君が答えてくれる。

 >ぱちゃぱちゃ

 「…? 何か遠くから聞こえるわね。ちょっと見にいきましょうか」

 陽君に遠くからの水音を伝え、トレを呼びつけ一緒に、そちらを
見に行く事にする。野生生物である可能性もあるが……トレが防犯ブザーを
持ってるし、遠巻きに慣らせば普通の動物なら驚いて逃げてくれる。
 件のココペリならば、そんなに危ない事は無いだろう。

(まぁ、第三の……可能性もあるのだけど)

 『カレン』 『タマキ』の姿をフッと脳裏へ浮かばせ。また頭から消して
陽君、トレと三人で固まって音源へ歩いて行く。

444葉鳥 穂風『ヴァンパイア・エヴリウェア』:2016/10/21(金) 23:57:21
>>442(GM)

「わ……」

    オ ォォ

良い風を受けて――穂風はきっと、
言われなくてもここがそうだと気づいたろう。

あるいは――1人で来ても、ここはお気に入りになったろう。

「ここっ……響くんが、
 あの。見つけたんですか……」

       「すごく、綺麗な場所」

     ザッ

 「すごくいい風っ」


「ひまわり……あんなに、たくさん。
 誰かがあの、育てているん、ですかね……?」

            ザッ

足元に花とかがあれば――それは踏まないように。
穂風は、ゆっくりとひまわり畑に歩み寄っていくだろう。

445『ある夏の思ひ出』:2016/10/22(土) 01:21:20
>>443 (遊部さん)

陽:「次に僕らがここに来るとき、今度おじいちゃんに会わせてくれるんだって」

   「うん。寂しいけど……しょうがないよね。たまたまなんだから」

そう答えた陽。
川を歩き、音の元凶を探す。

川下の方へと歩いていた先にそれがいた。

?:「うん? ははあ、見つかっちゃった」

陽:「わ」

   「カレン」

>>444 (葉鳥さん)

響:「はい。散歩していたら」

   「綺麗でしょう?」

ひまわりはその名前の通り太陽に向かって並んでいる。
整列して話を聞いている人間たちのようだ。
陽の光を浴びてすくすくと育っていくのだろう。

響:「自生とは思えないんですけど……」

ひまわり畑が揺れる。
風のせいではない。なにか揺らしているものがいる。
それはどんどんと近づいてきているようだった。

446遊部『フラジール・デイズ』:2016/10/22(土) 19:33:11
>>445

 「あら……」

川下を歩けば、昨日に出遭った彼女 『カレン』だ。

 こちらにまで聞こえるぐらい大きな音を立てて川に足つけてたと言う事は
魚でも捕っていたのか? だが、彼女の能力は重力を操れる……
室内などの、限定的な空間でしか発動出来ないとかの可能性もあるが
 便利な能力があるのに、魚捕りで自分の手を使う事はないだろう。

 「こんにちは、カレンさん。
工具箱は、もう物置に戻したのでしょうか? それと、魚釣りですか?
 あぁ、あと。矢継ぎ早ですみませんが、タマキさんは今どちらに……?」

 三つ、質問してみる。
最初はさして重要でない事から、後半にかけて重要な事を。

 彼女にとっても、陽君と響君の関係のように大事な片方の存在であろう……『タマキ』
目の付く場所に居ないのなら、別行動中の筈だ……何処にいるのだろう?

 (彼女達の目的と意図も、昨日の一件では不明瞭だ……危険性は低いと見受けられるも
陽君の気持ちとしては、いま好奇の原因と遭遇したのだ。浮足たつでしょう。
 ……ふぅ、仕方がないわね)

 毒を食わらば皿まで、と言う東洋の諺あるが。会った以上、仕方がない
陽君が行きたい旨を告げたら、頷こう。その前にスマホで葉鳥さんと連絡
する時間があれば良いのだが。

447葉鳥 穂風『ヴァンパイア・エヴリウェア』:2016/10/22(土) 23:36:58
>>445(GM)

「はいっ、すごく…………」

    「町中には、こんなところない、から」

感激した――
凄く嬉しい――

穂風はそう言う言葉の雨を頭の中に降らせていた。

      ≪――お嬢様、何か来ます≫

      それは、『従者』の発現と共に遮られた。

「……!」

「響、くん……私の、後ろに隠れていて、くださいっ。
 ひまわりの中に、何か……こっちに、たぶん来てますっ!」

穂風は響と――近づいてくる『音』との間に遮るように位置する。

            ≪お気を付けを。獣ならば、
              脆い我々では壁にもなれません≫

              従者は穂風に位置を重ね己を『纏わせる』

448『ある夏の思ひ出』:2016/10/23(日) 16:51:56
>>446 (遊部さん)

カレン:「ん? どうしたの急に」

「工具箱はもうちょっと借りるよ。もう八割がた作業は終わってるけど」

昼食にと魚を取りに来たと告げるカレン。
既に捕まえたらしい魚が何匹か石の上に寝転がされている。

カレン:「タマキは遊んでもらってるよ。ボクの友達にね」

陽:「あ、あの! カレン!」

興奮した様子の陽。
それに対してカレンは微笑む。

カレン:「ははは。お城に行きたいのかい?」

陽:「うん……」

カレン:「うーんどうしようかな。キミを連れていくと彼が怒りそうだし、多分タマキも怒るかな」

「レミはどう思う? ボクはこの子をお城に連れていくべきかな?」

>>447 (葉鳥さん)

ひまわりの背、1.5mはあるだろうか。
その中に隠れているものがいる。

響:「動物だったらボクが……」

葉鳥の後ろで響がいう。
その間にもなにものかは近づいて来る。
そして、ひまわり畑を抜け姿を現す。

響:「ん?」

人形だ。
丁度川で見た人形と同じ、ココペリであった。
そして、それを追いかけてくるようにもう一つ何かが飛び出した。

?「捕まえたのだわ!」

響:「タマキ、さん?」

449遊部『フラジール・デイズ』:2016/10/23(日) 21:33:02
>>448

 案の定ではあるが、陽君の目には『カレン』しか映ってない。
好奇心が目下で爆発してる。傍目微笑ましくも、関係者としては
素直に楽しめる事ではない。許されるなら大きく溜息をつきたい所だ。

 >タマキは遊んでもらってるよ。ボクの友達にね


「それは……もしかして、小さなサイズの人形。ココペリの事ですか?」

 この山に精通してるのなら、『ココペリ』 そのスタンドと思える者も
彼女達と既に知り合っていて可笑しくない。

 >レミはどう思う?

「私ですか?」

 問いかけられ、まじまじとカレン、陽君を交互に見て顎に指を添える。

 思考する素振りであるが……ほぼ、答えは決まってる。流れとしては
陽君を彼女達の住処に案内する他、その欲求を消す術は無いだろうから。
 響君は、きっと良い顔しないだろう。そして、彼女も……。

 「私は……構いません。それに、タマキさんについて
少し気になってた事があるんです。出来れば、直接伺って聞きたいと思いまして。
 修理に関しても、そのついでて良ければ手伝いますよ? 工具箱も、別荘に
戻る時に私達が運べば、手間も省けるでしょうし」

 そう答える。陽君と共に彼女達のいる場所に行く事を肯定する。

実際、タマキの屋根裏で眠っていた事……ナルコレプシーなのかも知れない
症状に関しては、少し頭に引っかかっていた。いま目の前のカレンがタマキに
ついて良く知ってたとしても、年相応の知識しか無いのなら、血縁か友人か
不明ながら、タマキの眠くなる事が病気だとしても気づいてない可能性もある……。

 「カレンさん、タマキさんが屋根裏で寝ていた事ですが。
そう言う事は、以前から度々ある事なんですか? 突然、眠気が襲ったり
興奮したら力が抜けたりとか……」

 そう、視線を合わせ尋ねてみる事にする。
医者ではないが、私の知識は人格の中では一番豊富だ。回答してくれれば
幾つか見当もつく事あるかも知れない。

450葉鳥 穂風『ヴァンパイア・エヴリウェア』:2016/10/23(日) 23:28:06
>>448(GM)

「…………あっ」

     シ

           バッ


――――穂風は反射で体を動かす。

それ、が『ココぺリ』だと分かった瞬間に。
はたき落とす、などではなく『キャッチする』動きをした。

その動きは人間よりも、むしろまさに、『動物的』な物に近い。

「えっ」

        「あっ?」


「タマキ――さんっ、この、
あの……この、人? ココペリ、って」

タマキである、と気づいたのは響の声を聴いてからだった。
そうなると、人形は。

        「……あっ」

   「え、えと」

              「タマキさん、のお知り合い、ですか」

そうだ、人形だ。
穂風は自分が、人形をキャッチできたかを確かめる。

もし出来ていないなら――どっちに行っただろうか? 探す。

451『ある夏の思ひ出』:2016/10/24(月) 23:12:28
>>449 (遊部さん)

カレン:「ん? アレを知ってるの? じゃあアレの本体は? まだ会ってない?」

ココペリはどうやらカレンの関係者のようである。
そして本体も。

カレン:「ふうん。そうかそうか。なるほど。ま、ボクはそんなに気にしないけど」

     「気にするのはタマキの機嫌と天気ぐらいのものさ」

やれやれと言った風に肩をすくめるカレン。

カレン:「別に伺いでもなんでもボクはいいけど、タマキ今お城にいないよ?」

    「度々っていうか、タマキはそういう病気だよ。ナルコレプシー」

>>450 (葉鳥さん)

人形は葉鳥の手中に収まっている。
特に抵抗する様子もなく笛を加えて頭を上下させている。
ヘッドバンキングだ。

タマキ:「お知り合いなのだわ」

    「でもカレンのお友達なのだわ」

    「って! いうか、なんでここにいるの?」

452遊部『フラジール・デイズ』:2016/10/25(火) 22:52:01
>>451(GM) (レス遅れすみません)

「ココペリさんの本体ですか? いえ、私も又聞きでして。葉鳥さんと
こちらに居る陽君が実際に会ったので……陽君は見かけた?」

 首だけ陽君に向け、聞いて見る。トレは、背後に控えさせておく

 「……カレンさんは、タマキさんが私達が絶対に。そのお城へ
来て欲しくないと言われれば、私達の事を止めますが?」

 「私は、陽君、そして響君の使用人です。彼らの意思をなるべく
尊重したいと言うのが本心です。無論、そちらの都合を完全に
無視して動く気はありませんが」

 「一先ず、タマキさんの方に私達も一緒に。カレンさんと行っても
よろしいでしょうか?」

 『タマキ』の病状は、予想通りらしい。そして、あの川辺にいたと言う
人形のスタンド。本体が存在するらしいが……いや、これ等に対しては
いま処理すべき問題ではない。いま肝心なのは、陽君と響君が共にお城へ
行けるか? と言う部分に焦点を置かなければならない。

 タマキとカレン。この二人で最終的な決定権をどちらか持つかと言えば
タマキが、ある程度その権利を掌握。そして、タマキをそれとなく誘導
してるのはカレンと言う印象が見受けられる。
 どちらを、ないがしろにすると言う選択はない。陽君、響君
カレン・タマキ。互いの欲求が完全に合致する事がないのであれば
妥協点を作り上げなければならない。そして、その妥協部分を見定めるのが
今の私の仕事だろう。カレンの意見を、それとなく探りつつ会話を続ける。

453葉鳥 穂風『ヴァンパイア・エヴリウェア』:2016/10/25(火) 23:34:18
>>451(GM)

「……っ、……っ」

   マゴ

        マゴ

手の中で妙な動きをするココぺリ――
を持て余しつつ、タマキに顔を向ける穂風。

「そうなんです、か」

(敵同士……とかじゃなさそうか)

       (仲は良くないのかな)

わざわざカレンの、といった。
穂風はそこに、何か意味がある気もした。

が、そういうのは今はあまり関係もなさそうだ。

「え、ええと。あの。
 山に、お散歩に来ていて」

      「その」

  キョロ

「このひまわり畑、は……
 タマキさん、達の……畑、なんですか?」

穂風は視線を走らせるのは、
たった今目の前に広がるひまわり畑。

             ・・・彼女らの『庭園』なのか?

454『ある夏の思ひ出』:2016/10/26(水) 23:08:22
>>452 (遊部さん)

陽:「ううん。見てない、けど」

カレン:「彼のスタンド広いからね射程」

ココペリのスタンド使いはいない。
そして背後にトレが控える。いうでもあなたの思うように動くだろう。

カレン:「止めるよ? 当然」

「ふむ……そうかそうか。ま、使用人なんだからそうか……」

「タマキ、嫌がるだろうなあ」

そう呟いてへらりと笑う。
あの時のタマキは自分たちの場所に招き入れることは嫌がっていた。

カレン:「好きにするといいよ。ボクはどうなっても困らないし。どうする?」

>>453 (葉鳥さん)

タマキ:「私たちの畑といえばそうなの」

「ぶおーって吹くとにょきにょきするのだわ」

ね? とタマキがいえば呼応するようにココペリは笛をフーフー吹いている。
それにあわせてひまわりが揺れる。

タマキ:「もの上げたらいっっぱいすごいこと起こせるのだわ」

455遊部『フラジール・デイズ』:2016/10/28(金) 20:07:48
>>454(レス遅れ本当にすみません)

 トレには自分の後ろに付き添って歩いて貰うようにする。

「何が不審な事に気づいたら、教えてね? トレ」

 人並みでも、背後から何か来たら気づく事は出来る。限界はあるものの
無いよりは余程マシだ。

 >どうする?

「私は……極力、陽君の希望を尊重する。今は、それが仕事でもあり
私の正直な気持ちです。タマキさんは、屋根裏でも嘘をついた手前
こんなセリフを言える資格なんてありませんが……私達
いえ、私を『信用して欲しい』。それが、お二人の居住する場所に
進む事に対しての返答です。いまカレンさんが不愉快なら……
 私は、目前から去りましょう」

 カレンに対し、しっかりと目を向け、そう告げる。
逢坂さんの言葉が蘇る  ――信用が大事

 いま、この二人を。陽君と響君の行動と……葉鳥さんの進むべく道が
明るくなる流れを、私は信じるしかない。
 この三人と私には、『違い』がある。彼女、彼らは未知なる先行に
『期待』を覚える。けど、常に私は『憂い』を覚える。
私は、そう言う役目を『玲実』の中で請け負ってるのだから当然、とは言えない。
 例え役割がそうであれど、心のままに自由に進む人であれば……こうでないのだろう。
『人』と『人格』を隔たるものがあるとすれば、いま、この場で感じる齟齬こそが
大きな隔たりだと思える。私は、陽君・響君・葉鳥さんとは『違う』
 けど……異なれど、同じ道を願わくば……歩んでみたい。

 「……どうか、お願いします。私も共に行かせてください」

 真摯こそ、一切の穢れなき節度だ。

 頭を深く下げ、カレンさんへ頼む。

456葉鳥 穂風『ヴァンパイア・エヴリウェア』:2016/10/28(金) 21:56:18
>>454(GM)

穂風も直感で物事を捉えるタイプなので――
タマキが言わんとしている事はなんとなく(多分)わかる。

「ココぺリ、さん……は。
 あの、お魚も、呼んでくれました」

    コク

「昨日も、会ったんです」

      ≪鯰は鮒の対価だったのでしょうな≫

穂風は川でのココぺリを思い出す。
フナをあげたら、大鯰を呼んでくれた。

それと同じように――ひまわりも、ということなのだろう。

「この花畑も、ココぺリさん、が」

        キョロ

            キョロ

「タマキさん、が……ええと、
 ココぺリさんに、お願い……したん、ですか?」

          「それとも……ココぺリさんが、自分で?」

花畑の出自が何となく気になる穂風。
その一方、もっと気になることが頭の中で渦巻いていた。

(お城は逢坂さんが言ってた廃屋だとして……
 もし違っても、ここから案外近いのかもしれないな……)

          (気になるけど……)

たしか、タマキについては城に穂風たちを入れるのは嫌がっていたか。
自分が今日、同行している響についても――積極的ではない、はず。

                   ・・・今は仕事だ。我慢する。

457『ある夏の思ひ出』:2016/10/28(金) 23:41:54
>>455 (遊部さん)

はい、と従者は静かに答える。
まだ周りに不審な影はない。

カレン:「別に不愉快とかじゃあないよ」

     「頭上げてよ。下げられても、行くのを決めるのはたぶんボクじゃないしね」

     「行き場所はタマキの所でいいんだね」

あわわという陽の声が聞こえる。
音の位置が高い。自分の頭より上で聞こえている。

>>455 (葉鳥さん)

タマキ:「カレンにひまわりが見たいってお願いしたら、連れて来てくれたの」

     「カレンがココペリに食べ物を上げたら咲かせてくれたの」

このひまわり畑は人口のモノらしかった。
その時、ひときわ大きくココペリが笛を吹いた。

タマキ:「? きたの。この子の本体」

少し遠くに人影が見える。
それはゆっくりと確かに近づいてきている。

タマキ:「?」

人影は近づきながら何かを投げた。
それはまっすぐにタマキの方に向かっている(スC)

458遊部『フラジール・デイズ』:2016/10/29(土) 20:04:44
>>457(GM)

 
 陽君の狼狽えるような声が聞こえる。しかも頭上……?

屋根裏での回想をする。地球のようなヴィジョン……重力の制御

 「空を飛んで行くのですか?」

 カレンさんに聞きつつ、浮遊してるであろう陽君を仰ぐ。
心配はあるが、この娘が危害を加える可能性は低い……。
 ついさっき信頼すると言ったばかりだ。成り行きを見守る事にする

恐らく、次ぐらいで私もトレも重力を失い 体は浮かび上がるのだろう。

459葉鳥 穂風『ヴァンパイア・エヴリウェア』:2016/10/29(土) 22:44:17
?>>457(GM)

「そう、なんですか……
 優しいんです、ね。カレンさ」

            「……ん」

     ス

人影――

穂風の目に、姿は確認できるだろうか。
『カレン』のスタンドは明らかに、別種のものだった。

            ・・・何者だ?

「タマキ、さん。あの人が……ええと、あの人もお城の――」

         ――投擲。

    「っ!」
               「何を……」

     ≪お嬢様、お気を付けを≫

身に纏う雨具――
レインコートと化した『ヴァンパイア』が囁く。

(大事な物――だとしたら落としたりするとまずい。
 もし危ない物なら……止めないとまずい。
 そうじゃなくても、タマキさんは反応が遅れてる)

           (私の仕事は響くんを守る事……)

            バッ

だがそれは――『タマキはほっておく』事ではない。
タマキの前に出る。そして飛んでくる『何か』――を、
纏ったレインコートを広げ、『闘牛』のように布地部分で受ける(スB)

少なくとも飛来の速度は見切れないほどではないし、
この受け方なら勢いを殺せる。大事な物でも壊れないだろう。
ただし、タマキから妨げられることがあれば、素直にやめておく。

460『ある夏の思ひ出』:2016/10/30(日) 23:52:40
>>458 (遊部さん)

カレン:「だって、疲れないよ」

陽:「あわわ」

カレン:「慌てないで。大丈夫。」

大丈夫大丈夫と口にしつつ陽を落ち着かせるカレン。
陽はというとカレンの足の間に挟まれていた。
それから右手でレミ、左手でトレに触れると二人もふわりとした浮遊感と共に浮き上がる。
腕に取ったらしい魚を貼り付け空を飛び始める。

そろそろだとカレンが言うと下にはひまわり畑が見える。
そこにタマキがいる。それと大柄の男性。加えて見慣れた二人の人影も。

>>459 (葉鳥さん)

タマキ:「あの人は違うの。雨が降ったら来るくらいで……」

投擲に気づいたのかタマキがその場にしゃがみこんで身を固める。
そして葉鳥は従者を広げ投擲物を受け止める。
口の縛られた布はレインコートに受け止められ地面に落ちる。

?:「それを食べるといい。タマキ」

人影は近づいてくる。それは大柄の男であった。
タマキは袋を広げて中身を出してみる。
ひまわりの種だった。とりあえずそれをタマキは齧り始めた。

?:「ん?」

男が顔を上げる。空の上。太陽と我々の間に人影。
四人ほど人が合体している。そこにいるのはレミやトレ、陽。そしてカレンだった。

461遊部『フラジール・デイズ』:2016/10/31(月) 00:11:57
>>460

 「空を飛ぶ と言うのは。不思議な感じですね……。
陽君、カレンさんの言う通りにしましょう。目を瞑って風だけを
感じる事や別の事に集中すれば、怖がる事も少ないです」

 『レミ』も、幾らか空中を浮遊すると言う刺激に対して思う所が
ないわけでもない。だが、切羽詰まった命を脅かす危険でなければ
ライに代わる事はない……何時もと違う角度の景色を今は楽しもう。

「カレンさんが少し羨ましいですよ 私。何時だって自由に
こうして空を鳥のように飛べる。それは 素晴らしい事でしょうから」

 
 「……あら?」

暫し、宙の散歩を楽しんだあとに。見かけたのは予想ついてたが
タマキ、そして少し安心する姿として響君と葉鳥さん。
 そして……謎の男性。誰だろう?

 「こんにちは、タマキさん。先日はどうも……して、貴方は誰でしょうか?
私は、レミと言います。こちらの二人の、使用人です」

 降り立ったら、常識を以て挨拶をする。タマキは、余り自分に対して
良い印象を持ってないのは解る。顔を顰められるなどして冷遇されても
甘んじて受け入れよう。気にかかるのは新しい人物だ。
 ……敵か? 味方か?

462葉鳥 穂風『ヴァンパイア・エヴリウェア』:2016/10/31(月) 05:36:34
>>460(GM)

「雨が降った、ら…………?」

(じゃあお城の人じゃない……でも、雨?
 ううん、なんで雨の時にだけ……来るんだろう?)

         (雨宿りとか?)

――雨宿りなら自分の家にするだろうか?

穂風はそうは思わない。
家がない人間というのは、それなりにいるものだからだ。

「……」

       バッ

             「ひまわりの、種?」

       ≪貴方は一体……≫

袋の中身の確認と、思わず従者が漏らした疑念。
それらが実を結ぶ前に――

「っ」

        ≪――お嬢様、上で御座います≫

「わかってる……陽くん、たち。
 その『能力』、は……カレン、さん」

          「どうして、こっちに」

川遊びをする――最中に、カレンと遭遇して、何かあったのだろう。
穂風にもそれは分かったけれど、分かったからどうなるという話なのだ。

「レミ、さぁん!」

        「何かあったんですかあっ」

ここに降りてくるとは限らないので、大声を張って、一番返答が期待できる相手に問う。

463『ある夏の思ひ出』:2016/10/31(月) 23:05:43
>>461 (遊部さん)

カレン:「ちょっと難しいけどね」

自転車より少し早いくらいだろうか。
不思議な感覚を味わいながら空を飛ぶ。

葉鳥の声が鼓膜を揺らす。
そのままゆっくりと地面へと降りていく。

タマキ:「むー……」

カレン:「怒ってる?」

タマキ:「ふん」

カレン:「拗ねないでよー」

うりうりとカレンがタマキをいじるがタマキはむくれた顔でレミから顔をそらした。

>>462 (葉鳥さん)

レミに声をかける葉鳥。

カレン:「レミと陽が望んだことだよ」

カレンが下りていく。それはレミや陽たちが下りてくることと同じだ。

>>ALL

?:「誰か、か」

   「カレン……」

少したどたどしい日本語。
浅黒い肌の男。

カレン:「ボクの知り合いだよ」

?:「そうか……俺はロビン……」

ロビン:「それで、何をしに来た? 俺はタマキの世話」

響:「陽、なんでカレンといるのかな?」

厳しい表情で響が口をはさんだ。

464遊部『フラジール・デイズ』:2016/11/01(火) 17:01:07
>>463(レス遅れ失礼しました)

「川辺で遊んでいた時に、釣りをしていたカレンさんと
出遭ったんです。それ以外で特に他意はないですよ?
 響君に、葉鳥さん」

事情を簡潔に説明する。

>顔をレミから背けるタマキ

 「……」

僅かに諦観な笑みを浮かべ見つめるも、声をかける事はしない。
このような場合……謝罪や、その他の話しかけをしても。余り聞いてくれないだろう。
 あとで話し合う機会も設けられるかも知れない。今は、カレンさんや
葉鳥さんに相手をして貰う……そう、レミは考える。

 「ロビンさん、ですね。改めて言いますが、私はレミです。
宜しくお願いします。後ろにいるのはトレで、大切な私の付き人です」

 再度自己紹介をかわす……ロビンさんの体格、身長など特徴的な
部分も見て解る場所は大体記憶しておく。

 そして、険しい顔つきになる陽君。

……『ウミガメのスープ』の賭け事にした事の勝利を条件に
お城に行くのを呑んで貰う?

 いや、それは駄目だろう。そう言う、お遊びの事を題材にして納得して貰う
なんて、今まで築きあげた関係を容易に破綻させてしまう。

 「……響君、私からもお願いします。タマキさん、そしてロビンさんにも……
お城のほうに、私達が遊びに行くのを、許して貰えませんか? この通りです」

 頭を下げる。断られる事を承知の上ながらも、今は誠意と正直さを
以てお願いするべきだろう。

465葉鳥 穂風『ヴァンパイア・エヴリウェア』:2016/11/01(火) 17:58:39
>>463(GM)

「望んだこと、って――――」

それはいいけどどこに行くのだ、と言おうとしたけど、
どうにも着陸地点はここなのだと気づいて、口を閉じた。

「あ、そうだったんです、ね」

そして『レミ』の説明に納得する。
特に疑う意味も、糾弾する余地もない。

    クイ

浅黒い肌の男――ロビンに向き直る。

(ロビン、外国の名前……だよね、たぶん)

「カレンさんの、知り合い。
 あの、私たちは、お散歩に来たんです。
 この山にあの、すごく、素敵な場所があるんだって」

(入ったらいけない……ことはないはず。
 今までにも、響くんはここに来てるわけだし)

         「ここは、あの、貴方の場所――」

場所か? と言い掛けたところで、響が、そしてレミが言葉を発した。

響の疑問は、穂風にとっても聞きたいことだった。
なのでこれは、ちょうどよかった。『レミ』の提案も――願ったりだった。

「えっ」

          「あっ」

ただ、『レミ』がその提案をしたのは意外で、少し穂風は動揺してしまうけど。

466『ある夏の思ひ出』:2016/11/01(火) 23:27:35
>>464 (遊部さん)
>>465 (葉鳥さん)

ロビンは180は超えるだろう長身に筋肉質な肉体を持つ。
そしてバンダナを腕に巻いていた。

ロビン:「そうか……ここは俺の土地ではない……好きにするといい」

そういうとごろりと寝ころんだ。

ロビン:「ココペリ様」

ココペリが手から這い出て、ロビンの元へと行く。
それからすうっと電気が消えるように消えてしまった。

響:「納得が出来ません。ハル、ボクはこういうのは止めてって」

陽:「いいじゃん!」

響:「良くない!」

タマキ:「そうやってカレンは誰彼構わず連れていこうとするのはよくないのだわ!」

カレン:「えぇ……あはは」

対立する響と陽、カレンとタマキ。
強引であったり数の優劣で押し切ることもできるが、どうか

467遊部『フラジール・デイズ』:2016/11/02(水) 10:04:17
>>466(GМ)

 『ロビン』と言う方は、何と言うか……言葉で全て表現するには
難題な風格と言うか、何か秘めてる方だと感じられた。
 そして、ざっくらばんな言い方と共に草むらに横たわる様を見ると
傍若無人 若しくは達観しうる故に在りのままの自身のまま生きてるとも見える。
 とりま、彼の事を深く調べるのは後回しで良い。ココペリと彼の付き合い方は
スタンドを使役すると言うより、敬意を抱く感じなのを見ると部族的な感じも
あるが……追及するのは後で出来る。

(予想は、ついていた事だけれども)

 両者の口論を眺め、眉を軽く顰めつつ、これからを考える。
強制も、多数による意見の有効性も……この場合、×(ぺけ)だ。

(そう言うものは、のちのち禍根になるのは『私』が良く身に染みている)

(かと言って、このまま傍観すれば口論が熱くなり冷静に話し合う余地が
無くなるのも火を見るより明らか……ならば)

 パン パン。

少し注意を引けるように、手拍子を鳴らす事にした。四人の視線が
集まったら、少し咳払いと共に告げる事にする。

 「……えぇっと」

「陽君は、お城へと行きたい。響君は、陽君を危険な目に遭わせるのは嫌だし
何より殆ど初対面なカレンさんやタマキさん達に対して、まだ信用が出来ない
だからお城へ行くのは反対」

「タマキさんは……これは私見交じりな推測ですが。自分達のお家に、見ず知らずの
誰かが勝手に荒らすような真似されたくない……だから反対、と言う事で良いですよね?」

「間違っていれば、間違ってるとおっしゃって下さい。
ひとまず、お互いの意見を聞き合いましょう。それで納得できない部分があれば
その部分がどうやって解決出来るか考えれれば……と、思います」

まず、両者の言い分をちゃんと聞こう。話し合う場を設けなければ
平行線を辿るばかりだ。互いの事を、ちゃんと見て、一方的でなく相手の
事を知って、理解して。そして理解した上で意見しなければ。

葉鳥さんのフォローも期待しよう。彼女も私と同じく。この場で
先導出来る年長者なのだから。もし苦しいようなら、『私』も手助けをする。

468葉鳥 穂風『ヴァンパイア・エヴリウェア』:2016/11/02(水) 21:48:25
>>466(GM)
>>467(レミ)

「あっ、はい。ありがとうございます」

     ペコ

好きに過ごしたいところだが……
そういう状況でもなくなってきた。

(どう、しよう)

(私は行きたいけど、仕事だから……
 危ないことになりそうなら、止めるべきだ)

       (でも)

          (レミさんは行きたい側で。
            人数はちょうど同じになってる)

多数決――――

穂風は学校に通い出して、
この概念を本格的に学んだ。

どちらも捨てがたいなら、
多数が支持している方を重視する。
それはそうおかしな判断ではないという安心。

(どっちも! なんて、こういう時には出来ない。
 響くんは陽くんに行って欲しくないし、タマキさんは誰もいれたくない)

          (私は……行きたいけど……)

――――行きたい、けど。

(家に来てほしくないって、
 そんなにおかしなことでもないし……)

『来るな』というのを押し切ってまでではない。
行かなくて失われるものは……機会くらいだろうか?
しかしそれは穂風にとってで、陽にとってはどうだろう。
お城に行きたい、という気持ちは、どれほど強いのだろう……?

> パン パン。

「わっ」

「……え、ええと」

『レミ』の考えにはほぼ同意できる。
納得できないことがあるなら、話し合うのがいいだろう。

         「あの」

「レミさんと同じ意見、です。
 行きたい人も、行かせたくない人も。
 あの。なんでそうなのかって、もう一回」

「その方が、みんな、
 ええと。納得出来ると、思います」

               ≪同感に御座います≫

言っていることはほとんど『レミ』と同じ――しかし、複数人が言うことに意味がある。

469『ある夏の思ひ出』:2016/11/02(水) 23:46:25
>>467 (遊部さん)
>>468 (葉鳥さん)

多数決は世の中でよく使われるものだ。
葉鳥はそれを知っていた。
そして今のまま進めば冷静な話し合いが出来なくなるであろうことをレミは知っていた。

カレン:「ボクらの意見ねぇ……タマキ」

タマキ:「ふんっ」

カレン:「やん。拗ねないでよ。ほら、お話ししてよ。そしたら諦めてくれるかもよ」

タマキ:「……知らない人間を家に上げるのは危険だし、嫌なのだわ」

     「何をするか分からない人なのだわ」

響:「ボクだって知らない人間の家に行って危険な目に合わない保証がない以上、行くなんていない」

   「スタンドがあるっていってもハルの安全が確保されてるとも言い切れないし」

陽:「いいじゃん! きっと楽しいよ! お城。漫画みたいで! 変なことなんて起こっても大丈夫!」

カレン:「……まぁ、ボクは何でもいいかな。お城ったってボクらの所有物じゃあないしね」

反対派である響、タマキはお互いに安全性などが気になるらしい。
陽は好奇心から賛成している。
カレンと、返事はないがロビンはどちらでもいいらしい。

470遊部『フラジール・デイズ』:2016/11/03(木) 19:52:03
>>469(GM)

 整理をしよう。『レミ』は思考する 
『私』には戦う力は低い。誰かを傷つける術よりも、誰かと諍う方法よりも
誰かと結び合う為に 何が出来るか。その為に『私』は司どるべきなのだ

一連の流れだ。この中で一番の優先順位
『タマキ』 『陽君』
『響君』
『穂風』『カレン』
この、上から下の順番だ。そして、『タマキ』の反対意見だけを
解消する事が出来れば、全員でお城に行く事が可能になるだろう。

(強硬策は、してはいけない……彼女の反対する理由は最もだし
何より屋根裏部屋での遭遇も、決して好印象で終わるものでなかったのだから
……ならば、『私』がするとすれば)

 「タマキさん……では、私に一つアイデアがありますが。
其の前に恐縮ですが、一つだけご質問を……
 ――『ロビン』さんは、貴方にとって信頼に値する方ですか?」

 こう、『タマキ』へ視線を合わせる体勢になり聞く。
これに『YES』であれば……こう続ける。

 「……二つのチーム、それに分かれるのはどうでしょう?
『タマキ』さん。そして『ロビン』さんに『陽』君…それに、私。
 
続けて『カレン』さんと、『葉鳥』さん、『響』君、そして『トレ』。

このようにチームに分かれれば、タマキさんは信頼出来る方がロビンさんが居ます。
……私は、スタンド使いですが。能力は流石に完全に暴露はしませんが
使い勝手が良いものでないですし、貴方がたを傷つける力も 意思もありません。

響君やカレンさんも、こうなると相手が心配でしょうが。
分れる事で、互いの相手の牽制になります……疑心暗鬼も生ずるかも
知れませんが、どちらも傷つける事が生じればどうなるリスクが発生するか
解りやすい構図となるわけですし、こうして分断して『お城』を探索すれば
不和による危険を減らす事は出来ます……どうでしょうか?」

 分散、そして相互の監視と緩慢な束縛。
陽君の力は、まだ詳細は全て把握せぬものの、他者の力を借りるもの。
トレと離れても、陽君が私の能力を扱う事が出来るのなら。二人一緒であれば
打開策も生まれる。それに、まだ素性が未知な『ロビン』を自由に私達の目に見えない
ほうで動くのは得策でないと判断するからだ。
 『カレン』は、広範囲系の重力操作能力者だ。自分の力には自信があるだろうし
葉鳥や響君、それにトレが何をしようと対応出来ると自負してるだろう。
 そして、彼女の軸には『タマキ』が加さっている。カレンはタマキと分離して動くのに
抵抗感を得るかも知れないが、ロビンと行動する事でタマキが納得を示して肯定すれば
最終的に彼女もYESとなる……この提案が通れば良いのだが。

 葉鳥さん、他の者の提案も募って耳を傾けよう。最悪、ロビンと言う方が
この提案を頷かない事だってあり得るのだから。

471葉鳥 穂風『ヴァンパイア・エヴリウェア』:2016/11/03(木) 22:53:21
>>469(GM)
>>470(レミ)

† † † † † † † † † † † † † † † † † † † † † † 

【反対】
タマキ・・・城に知らない人を入れたくない。
響・・・知らない人の家に陽を行かせたくない。

【賛成】
陽・・・城は楽しいに違いないし、きっと大丈夫。

【中立】
ロビン・・・特に返事はない。
カレン・・・城は自分達の所有物でもないし、何でもいい。

† † † † † † † † † † † † † † † † † † † † † † 

レミや、穂風自身なんとなく『陽寄り』に意識が傾いてはいるが、
正論を言っているのはどう考えてもタマキや響の方に違いはない。
穂風も頭ではそれを理解しているが、陽の気持ちもすごく、わかる。

「ううん……」

レミの『チーム案』はどうだろうか。
何となく正当な気はするが……

(お互いに人質みたいにして、
 本当に楽しめるのかな……それに)

(私達のチームは、別に私以外探索とかしたくないんじゃ)

タマキと響がチーム案を飲んだとして、
今回城に行きたいのは『楽しみたいから』だ。
楽しみを曇らせるような方法は、果たして正しいのか――?

(かといって、みんなで陽くんを見張る……のも。
 やっぱり陽くんは楽しくないような気がする。
 それに、タマキさんは見張りがいても、嫌なんじゃないかな)

       「……あのっ」

「私とレミさんが、陽くんを全力で、あの。見張ります。
 見張りながら、あの、全力で守ります。
 それで、その私達をタマキさんとカレンさんが見張ります。
 あの……そうしたら、響くんとタマキさんは安心しますか?」

つまり、二重の見張りだ。
陽を見張る二人のお手伝いを、城の主たちが常に見張る。

「陽くんは、見張られてても楽しめ、ますか?」

陽にとってはかなり窮屈だろうが、
全員の意見を守るなら仕方ない気もする。

これはあくまで叩き台であり――
レミの策案が通るなら、別にそれはそれでいい。
そもそも穂風とレミだって、タマキからしたら全然信用できないはずだから。

472『ある夏の思ひ出』:2016/11/04(金) 00:08:22
>>470 (遊部さん)
>>471 (葉鳥さん)

タマキ:「ロビンは……カレンのお友達、しんよーできるの」

タマキ:「?」

レミと葉鳥の意見を咀嚼するタマキ。
響と陽も聞いている。
といっても陽はお城に行けさえすればオーケーだろうが。

タマキ:「カレンの安全はどうなるの?」

     「安心出来ないのだわ」

カレン:「んー? 心配してくれるの?」

タマキ:「うるさい!」

     「それだったら、そっちの人の案の方がまだいいのだわ」

そういって葉鳥の方を指さしたタマキ。
その指をカレンが握って下げさせる。

陽:「うん。みんな一緒でしょ!」

見張りという言葉は理解しているだろうが束縛されていると陽はあまり感じないようである。

タマキ:「じゃあ、あなたたちがキチンと見張りをするか、ほしょーできる?」

     「何か起きてからじゃあ遅いの」

     「それが出来るなら……来てもいいのだわ」

見張りの保証。
そこへの信用をタマキを求めているようだ。

473遊部『フラジール・デイズ』:2016/11/04(金) 21:37:40
>>472

 「わかりました。葉鳥さんの意見が採用、と言う事ですね」

タマキさんの言葉に頷きつつ思考は巡らしておく。

 葉鳥さんの案……集団で行動し、陽君などが勝手に城の中で
動かない事を約束して、行動……随分と優しい条件にも思えるが。

「見張りの保証……ですか」

 また、中々随分と示し辛いものが題となったものだ。

未来は予測出来ない、しっかりと陽君や響君が何か仕出かさないか
口約束しても。それは、たらればだろう。何が、そのお城で起きた場合に
スタンドを使って身の安全を二人が図ろうとしても、それを留める事はないだろうし
自分自身も、その時は文字通り居られるかも不明だ。

 「難しいですね……私から言える事は、しっかりと
二人の事を守り、お二方……ロビンさんを含めると三人でしたわね。
お三方の安全にも気遣いつつ傍で行動します。と口でしか言えません……。
 スタンドで、約束を確証させるとか出来れば良いんですけどね」

 無論、そんな力もこちらにはない。ただ誠意を示すしか道は私にはない。

「……」チラ

 葉鳥さんを見る。
彼女ならば、約束の保証を提示出来るだろうか?

474葉鳥 穂風『ヴァンパイア・エヴリウェア』:2016/11/04(金) 23:07:18
>>472(GM)
>>473(遊部)

穂風は思う――『レミ』は頭が良い。
だから、難しいことを考える事が出来る。

だが、穂風は自覚していないことだが――
穂風の方が、『単純思考』は得意なのかもしれない。

「はいっ、みんな一緒――」

         「ほ、しょう」

タマキの言い分はもっともだ。
穂風は、考える。自分が見せられる保証は何だろう。

「保証は」

「あの、出来ます。
 して、みせます、私」

それは単純な答えだった。
穂風がすべき仕事でもある、単純なやり方だった。

        タンッ

  タンッ
              タンッ

「私はっ」

            「この場の誰よりっ」

    「速く」

           「動けるのでっ!!」

人知を超えた速度と、軽やかさによる――猛烈な『跳ねまわり』。
時には『数メートル』の跳躍も含め、タマキ、カレン、ロビンに見せ付ける。

「絶対に、見張り切れないことはない、です。
 あの。気持ちの方は、信じてもらうしか、ない。ですけど」

           「しっかり、やる、ので」

                タンッ

最終的には――タマキの前で動きを止めて、『合否』を尋ねてみよう。

475『ある夏の思ひ出』:2016/11/05(土) 23:03:33
>>473 (遊部さん)
>>474 (葉鳥さん)

タマキ:「……」

レミの言葉と葉鳥の行動。
その二つを前にタマキは考える

カレン:「いいんじゃない? タマキ」

タマキ:「……しょうがないのだわ」

カレン:「じゃあいいね?」

タマキは首を縦に振る。
二人の行動にタマキは首を縦に振った。

陽:「やったあ!」

響:「むう……」

カレン:「じゃあ、みんな一緒でいい、かな?」

476遊部『フラジール・デイズ』:2016/11/05(土) 23:16:14
>>475

 「有難う」

頭を二人に下げる。
 元々、部外者に近い私達を受け入れるのは。彼女の年頃では
かなりの苦渋を、小さな体に収めてる事だろう。

 未だ、互いの事も余り理解し合えない関係ながらも
これがスタートになればと、切に願う。

 大所帯で、お城に向かいつつカレンさんとタマキさんに質問をしてみる。
トレへの命令は、このように大多数の目で行う事は出来ない。

 「お城は、使用人の指導をしてくださる方から廃れた場所だとは
聞きましたが……その、カレンさんやタマキさんは何処にどのようなものが
あるのかなどは……何処までご存知なのでしょう?」

 カレンの口振りからも、廃屋を一時的に自分達の暮らしやすいように
使ってるだけであり、本来彼女達の所有物でないのだと感じられた。

 となると、彼女達の知らない未だ見ぬ『何か』も有り得るのだ。

主観的に、現在あるものだけの情報を統合するだけでない。既知の外を
見過ごして行動しなければならない。

477葉鳥 穂風『ヴァンパイア・エヴリウェア』:2016/11/05(土) 23:33:36
>>475(GM)
>>476(遊部)

         「ふう」

呼吸を整えて。

「……ありがとう、ございますっ」

      ペコ

まずは一つ、認められた。
もちろん、『納得』とそれは異なるだろう。

今は『妥協』かもしれないが――この先で変えたい。良い方に。

(廃屋が、お城だって……
 決まったわけじゃないと思うけど)

        (でもまあ、多分そうだよね)

『レミ』の言葉を疑問に思いつつも、
まあ……その可能性はかなり高いだろう。

「はい、みんな一緒、で……」

カレンとの間で情報確認があったのかもしれないし。

           「ええと」

「響くん、あの。すみません。
 絶対に陽くんを、危険な目には、合わせないので」

穂風は強い口調で約束する。
響の心が軽んじられるのは、良くないだろう。

彼が心底納得できないなら、今からでも進路変更はあり得る。
自分達は陽のお守ではなく、二人の世話を任されたわけだから。

478『ある夏の思ひ出』:2016/11/05(土) 23:53:04
>>476 (遊部さん)
>>477 (葉鳥さん)

カレン:「どこまで?」

     「さぁ? 昔探検とかしたけど、タマキが色々しちゃったし」

タマキ:「虫がいるのが悪いのだわ」

カレン:「形、変わっちゃってるんだよね」

不穏である。

響:「いいんです」

  「決まったことに文句は言いません」

  「それに、いざとなればなんとでもできます。ボクのスタンドなら」

カレン:「さぁ、行く人はボクの体に触ってちょうだいよ」

     「乗り遅れないようにね」

479遊部『フラジール・デイズ』:2016/11/06(日) 00:11:41
>>478(GM)
>>477(葉鳥)

 「ふむ……わかりました」

城の内部の詳細に関しては、自分の目で確かめない限り
危険か安全かも分からない。
 蛇が出るか鬼が出るか……。

「……うん、そうですね響君。
けど、何かあれば頼ってください。私を、葉鳥さんを、そして陽君もね……」

 響君の言葉に、振り向いて微笑みを浮かべ告げる。

彼は強い子だ。そして、強いけれど『子供』だ。
 いずれ悲しい事も苦しい事も それ以上に今より素晴らしく得難い経験が出来る。
だからといって、強すぎる挫折を経験させて良い筈もない。私達の力が
大きな身も切る風を、幾らか和らげ木枯らしに出来れば……。

 「はい、わかりました。よろしくお願いします」

 カレンの適当な位置……二の腕などで良いだろうか? 触れて返答する。

480葉鳥 穂風『ヴァンパイア・エヴリウェア』:2016/11/06(日) 00:27:51
>>478(GM)
>>479(遊部)

(……思ったより城って、
 すごいところなのかもしれない)

(タマキさんはどういう能力なんだろう)

城の全容によくない想像が浮かぶ。
そして――タマキのした『色々』とは何だろうか。
 
           ・・・まあ、考えても仕方ない。

(見れば分かる)

「……そう、ですか」

      「あの」

何か言おうとしたけど、
それは『レミ』に近いことだ。

「頼りに、しますので、あの。
 私たちの事も、頼ってください、ね」

まあ――『レミ』が言ったから、
自分は言わなくていいというわけでもない。

    スッ

「お願い、します」

カレンの身体に軽く触れて――『その時』を待っておこう。

481『ある夏の思ひ出』:2016/11/06(日) 00:47:52
>>479 (遊部さん)
>>480 (葉鳥さん)

響:「……はい」

小さく頷き、響は黙った。
そして手をカレンに伸ばす。

その場にいる全員がカレンに手を伸ばした。
なんとも奇妙な光景である。

カレン:「では、上にいくよ」

カレンの傍に現れる地球のヴィジョン。
そして浮遊感。浮き上がる体。
風を切る感覚が下から上にやってくる。
飛んでいる。空を。

風を切りながら空中浮遊を味わっていると下に建造物が見えた。
いかにもという城の形。

カレン:「あそこがお城だよ」

     「昔はホテルだったみたいだけど」

482遊部『フラジール・デイズ』:2016/11/06(日) 22:47:28
>>481(GM)

 相手の立場に考えてみれば『響』君の心情を考えると、だ。
父母の愛情を余り受けず、大切な人がいるけれど別れなくてはいけない。
 兄弟同然の子との大切な思い出を作る日に、突如不審者らしき子が
舞い込んできたのだ。良い気がしないのは当然だ。

 (陽君を見張る。それも大事だけれど、響君の事も案じないと)
暫しの空中遊泳をしつつ、響君を一瞥しつつレミはそんな考えをした。

「あれが、お城……」

 元はホテルであったと言うのなら、相応の部屋や設備もあるのだろう。
電源も、タマキやカレンが手を加えてるのなら幾らか使える場所もあるかも知れない。
 もっとも、それ以上に危険も考えうるのだが……。

 『お城』の周囲に何か特筆して目立つものや異常がないか観察しよう。
若しくは、城の外観で何か不審な点が何かないかも。

 カレンさんに、それとなく気になった点も聞く。

「お城ですが。修理道具も持っていったと言う事は。電気なども
既に通してるんでしょうか?」

 外観は古風でも、ホテルとして機能してたと言うのなら
そんなに古い建築物でもない。手を加えて直してると言うのなら
 自動で開閉する扉もあるだろう。

483葉鳥 穂風『ヴァンパイア・エヴリウェア』:2016/11/06(日) 22:58:23
>>481(GM)
>>482(遊部)

「…………」

    グ

口は堅く閉じておく――舌を?まないように。

穂風は、空を飛ぶのは初めてではない。
滑空と上昇では違うが、心構えは幾分か、楽だ。

(お城――)

       「わっ」

(ホントに……お城だ。ホテルって大きいなあ)

思わず声が出た。
もう少し……廃墟を想像していたのだ。

穂風の心の中にある、お城のイメージがそこにある。

         ≪お嬢様、着地にお気を付けを≫

「私がするんじゃないよ」

         ≪意識の問題に御座います≫

「……」

カレン任せにはなるだろうが、
着地時に足元や姿勢には気を配ろう。

気になるものが視界にあれば、それは確認しておきたい。

484『ある夏の思ひ出』:2016/11/07(月) 00:10:54
>>482 (遊部さん)
>>483 (葉鳥さん)

レミは響の顔を見るが、いたってフラットだった。
無表情、ともいう。

カレン:「通ってないけど?」

     「通し方知らないし」

城は写真で出てきそうな見た目こそしているが汚れが目立つ。
駐車場らしきものもあるがゴミが積まれている。
ベッドらしきものも確認できるが、どれも使用できないぐらいにぼろぼろになっている。

カレン:「あらよっと」

静かに着地。飛ぶ前と同じ状態だ。

カレン:「着いた着いた」

     「さ、どうぞどうぞ。狭いというかあまりいい環境じゃあないけど」

かつては自動であったらしいドアが半開きになっている。
そこから入れということだろうか。
ロビンがドアの方に近づいていく。

485遊部『フラジール・デイズ』:2016/11/08(火) 16:49:49
>>484(GM) (レス遅れすみません)


 「廃墟……ですね」

周囲に見渡す限り、特に差し当たって危険となるものは見受けられない。
 何かアクシデントが発生するとなれば、やはり中か。

「トレ、先行をお願いするわ。何が異常が見られたら報せて
あぁ、ロビンさんの邪魔には出来るだけならないように、ね?」

 トレ(フラジール・デイズ)に前の守りを務めて貰う。こう言えば
ロビンより少し後ろを歩くだろう。基本的に自分と響君 陽君の守りを
優先するのは昨日と変わってない。何かの拍子でロビンが敵対しても
トレが時間を稼いでくれる……筈だ。

 「慌てず、ゆっくり歩きましょうね、陽君 響君」
どちらか近い方の手を握って、一緒に城の中へ入ろう。ここまで来たのだ
探索を楽しんで、お弁当をあとで食べて切りの良いところで帰ろう。
使い終わった工具箱も、ついでに持ちかえれば良い。

(何事も……無ければ、ね)

 一抹の未来に対する憂いはあるものの、それを表に出さず自然な態度で
他の皆と共に前進する。

486葉鳥 穂風『ヴァンパイア・エヴリウェア』:2016/11/08(火) 23:19:05
>>484(GM)
>>485(遊部)

(いつから使われてないんだろう……)

電気が通っていない事におどろきは無い。
穂風なりに、電気というのは難しいと知っている。

     「っと」

従者の心配した着地については問題なかった。
穂風は「ほら」という顔をするが、まあ気をつけるに越したことはない。

そして――

「えっと、陽くん、響くん、
 あの、がんばりましょう。探索」

          ス

         ≪慎重に参りましょう。
           お足元はお気をつけて≫

         ≪危険な生き物や、罠があるやも≫

陽の手を取って――それが叶わないなら
響と陽が入った後に、『城』の中に踏み込もう。
言葉通り足元には気をつける。

           レインコートの『背部』に存在する、
           従者の視界も、主のため最大限利用したい。

(タマキさんたちが昨日、ここに来てる。
 だから、怪しい人とかは……住み着いてないはず、だけど)

         ギュ

           (何かあったら、まず私が戦わなきゃ)

――先ほど見せつけたフットワークが役立つ場面は、そもそも来ないようにしたいが。

487『ある夏の思ひ出』:2016/11/08(火) 23:40:26
>>485 (遊部さん)
>>486 (葉鳥さん)

トレがロビンの後ろを歩く。
レミは響、葉鳥は陽の手をとる。
そしてお城の中に入っていく。
なにやらカウンターらしきものがあり、近くには階段。
いくつか部屋。
全体的に薄暗いが、歩くのに難儀な程ではない。
外からの光が視界を広げる。

カレン:「危険な生き物や罠なんてないさ」

一行の後ろからカレンがいう。

カレン:「欲しいなら用意するけど?」

ロビン:「カレン」

タマキ:「カレン!」

カレン:「ははは」

さてどうしようか

488遊部『フラジール・デイズ』:2016/11/09(水) 22:19:45
>>487

 「私 ドッキリは止めて欲しいですね。
余り、精神的にショックな出来事には慣れないんですよ」

 真面目に、そうカレンには応答しておく。冗談である事は解っていても
万が一の事もある。事前にこう言う事は告げておかねば。

 そして、どうしたのもか……。

探索といっても、周囲の事の情報が不明な故に足掛かりとなるものがない。
 なら、この場合欲すべきは地理的な把握だろう。

「……そうですね。近くに案内図は有りますか? スマホで
ある程度の構造を把握したいのですか」

 廃墟である事も踏まえ、城内に掲示された案内図が既に消失してる
可能性もある。だが無いと決めつけるのも早計なので、一応周りを見て調べる。

 「二階へ上がるのも良いですけど、まず近くの部屋を見て周るのも
良いですね……私は、陽君と響君達の意見を優先しますよ」

 何処を探検するかは自分の意思より、まず主人である彼らを優先すべきだろう。
響君と陽君に、笑い掛けつつ返事を待つ。

489葉鳥 穂風『ヴァンパイア・エヴリウェア』:2016/11/09(水) 23:29:37
>>487(GM)

(ふつうの建物……だ。変な動物とかもいない)

「い、いらない、です。
 危ないことなんて、いらないです」

          ブン  ブン

穂風は首を横に振る。

冒険は良いが、不要な危険まで増やす必要はない。
一人ならまだしも、陽と響が傷つくと大変なことだし、いやだ。

「…………」

「どこから、あの。行きましょうか。
 結構広い、ですよね。お二人は、どっちがいい、ですか?」

『レミ』と同じ事を聞くのもなんだが、
黙っていても意図が伝わりづらいだろう。

2人だと1:1になりかねないが、レミも実質『1階』派だ。
そうなれば順当に、1階の探索をすることになるだけだろう。

「カレンさんたちは、昔探検した……んですよね?」

          「その時は、何か見つかりましたか?」

      「珍しい物、とか」

490『ある夏の思ひ出』:2016/11/10(木) 00:03:57
>>488 (遊部さん)
>>489 (葉鳥さん)

カレン:「そ。ま、そうだよね」

あっけらかんと答えるカレン。

カレン:「ん? 案内図か。いや、ないけど、簡単だよ」

     「階段登ったら大体一階と同じ風景なんだ。つまり僕らの目の前には五つ、部屋があるだろう?」

確かに眼前には五つの部屋。
右手側にはカウンター。
左手側はぼろぼろのソファ。
そしてソファの側には階段。

カレン:「上に上がったら、部屋が八つくらいになるわけさ」

     「どうする?」

陽:「んーとりあえずあの部屋を見たい!」

響:「……」

元気よく前の部屋を指さす陽。
そして黙ってそれを見ている響。

491遊部『フラジール・デイズ』:2016/11/10(木) 20:56:41
>>490(GM)

「なるほど・・・」

元々はホテルとしての役割であった事もあり、宿泊施設としての機能が
大部分らしい。1部屋も比較的広いだろう、実用性は期待出来ないとしても

(野生動物か、毒虫などの類は気を付けませんとね)

陽君の言葉に、部屋を見る。
 あの部屋は、どう言う場所ですか? とカレンやタマキに逐一聞いて
入ると言う手段もあるし。若しくは、自分達が先導して入ると言う方法もある。

(だが、こう言う年頃の子達に。自分達が先に危険だから中の安全を確認して
から入りなさいと命じても、幾らか時間が経つと好奇心が勝って勝手に何処かの
部屋へ入る欲求が増すだろう)

 
『レミ』は、人の心理を勉学として務め。玲実の体にいる。
 全ては、玲実の環境が少しでも改善される為。
如何に彼女が『幸福』に向かえるかを模索するため、全ては玲実と自分達の保身の為。

「それじゃあ、こう言うゲームにしませんか?」

 そう、人差し指を掲げ陽君と響君に提案をする。

「最初は、陽君と響君が部屋を開けて中に入る。
次の部屋を探索する時は、私かトレ、または葉鳥さんが部屋を……そしてまた陽君と響君。
こう代わりばんこに開けるんです。そんなに面白くはないかも知れませんが……」

 これは、主に陽君の欲求を抑圧せぬための対処であり。また、陽君と響君の
強固たる結びつきを安定する為でもある。

 彼らの別荘での日々は、短い。思い出となる日々も、出来る限り二人で作れる
事が何よりも響君も多ければと胸の中では望んでる筈だ。それなら、一人で陽君のみ
部屋を開けて入るよりは、響君と共同でする方が一番良い筈だ。

(……一階の室内。高所からの転落及び、野生動物が棲みついてるとしても
一階付近で危険なものがいればカレンやタマキが、もし私達に危害を加える意思が
万に一つあったとして、それを隠す一種の不審感が生じ得ない筈がない。
 なら、一階は幾らかセーフラインに入る筈。ここから先、どう言う探索をするかで
また変わってくるけど、やり方としては悪くないはず)

 「床が脆くなってるかも知れませんし、楽しいかも知れませんけど
いきなり走り出すのは止めておきましょうね……」

やんわり注意を促しつつ、陽君と響君が一緒に扉の前に立つのを後ろで見守ろう。

492葉鳥 穂風『ヴァンパイア・エヴリウェア』:2016/11/11(金) 01:36:14
>>490(GM)
>>491(遊部)

「じゃあ、ええと。あの部屋からにしましょうか」

      (ふつうの、泊まる部屋かな……)

部屋の扉に視線を向ける。

          スッ

それから、穂風は陽の手を引いた。
それは一緒にドアを開けようと思ったからで――

「あ……ええと」

       「レミさんのゲームに、します、か?」

   クイ

『レミ』の提案するゲームを二人が飲んだ場合は、それに任せる。
あくまで穂風と『レミ』の仕事は二人を満足させることにある。

「私は、陽くんと、響くんが、楽しい方がいいです」

         「お手伝いさん、ですので」  

     ニコ…        

二人で一緒に開けたいなら、
そうさせたうえで守るべきに違いないのだ。

しかしそうでないのなら――
穂風が陽の傍にいた方が『守りやすい』
響に関しては、不用意に危険に近付く必要もない。
戦えるのだろうけど、出来れば戦わせたくなどない。

思い出は二人の無意識で作って欲しい。だから穂風から何か強制はしたくない。

493『ある夏の思ひ出』:2016/11/12(土) 00:07:36
>>491 (遊部さん)
>>492 (葉鳥さん)

陽:「? どうしよう?」

響:「……いーんじゃない」

そうぶっきらぼうに言って陽の手を引く響。

響:「探検らしくなってきたんじゃない?」

陽:「? うん」

鍵はかかっていない。
ドアノブは簡単に回った。

陽:「せーの」

響:「はい」

がらんどう。
汚れた壁があった。中にはバスルームらしい場所もある。
だが本来ありそうなベッドなどはない。

陽:「なにもないね……」

響:「そうだね」

カレン:「まぁ色々ね」

ロビン:「……ん」

カレン:「んー?」

494遊部『フラジール・デイズ』:2016/11/12(土) 23:16:47
>>493

「予想はついてましたけど、やはり見渡しても廃墟 ですね」

周囲を一瞥しつつ呟いて、カレン・ロビン・タマキのほうに視線を向ける。
 どうも、やりとりが気になったからである。
 
(ベットはない……すでに、このホテルが機能しなくなった頃に
撤去したか。またはカレン・タマキが自分達の生活の為に使ってるのか……)

 二つほど可能性は考えられる。だからといって自分達に危険が及ぶものでもない
彼女らのプライベートな部分に対して、いまは余計な詮索をする気はない。
 
カレン達のほうに意識を向けつつ、不審な点がなければ
陽君と響君に、次は二階に向かうか、または更に一階の部屋を調べるか尋ねる事にする。

495葉鳥 穂風『ヴァンパイア・エヴリウェア』:2016/11/12(土) 23:35:57
>>493(GM)
>>494(遊部)

「…………」

当然だが、この時陽の手は離しておく。
ただし――『響と陽が手をつなぐ』ということは、
目を離すことは絶対に許されないという事にもなる。

(響くんは楽しいのかな…… 
 響くんが楽しい事、ここでできるかな……)

         ソワ

手持ち無沙汰に二人の様子を見守る穂風――と、ドアが開き、中は空。

(カレンさんたちが、片づけちゃったのかな)

「あ……ええと」

「次のお部屋、あのっ、行きましょうか――――」


              「……?」

何もない暗闇を見ていては気分も暗くなるし、
ここは次の部屋を開けてしまおうと思っていると・・・ロビン。

「どうか、しました……か?」

          クイ

首をかしげる。ここを良く知るであろう彼は、何かに気づいたのだろうか――?

496『ある夏の思ひ出』:2016/11/13(日) 00:40:49
>>494 (遊部さん)
>>495 (葉鳥さん)

響の心配をする葉鳥。
室内の状況を見て思考するレミ。
なにもない室内から移動するかと聞く葉鳥。
レミもまたカレンたちを確認してからであるが次は一階か二階か尋ねようとする。
声をかけたのは葉鳥だった。

ロビン:「コヨーテ」

ロビンの足元に狼のような、ロビンの言葉を借りるならコヨーテが座っている。
先ほどまでいなかった。そして、その姿は生物のそれとは違う。スタンドだ。

ロビン:「俺のスタンド、の一部。遊びたがっているのか?」

カレン:「やだな。我慢してよ。ボクがイタズラするの我慢してるのに」

ロビン:「どうする?」

響:「……」

陽:「いい……! わわわ、お兄ちゃん」

響が陽の腕を引っ張る。
陽は了承しようとしていたが……響は反対なのだろう。

ロビン:「嫌なら、いい。この家を回るのがお前たちの目的」

     「好きにするといい」

497 遊部『フラジール・デイズ』:2016/11/13(日) 19:09:16
>>496(GM)

 (……ロビンさんのスタンド)

『ココペリ』 『コヨーテ』

 (ココペリは……ホピ族のカチナ(神・精霊)の人柱。
あれ以外でロビンさんにコヨーテの形をしたスタンド……)

 「……」

 少し、屈んでコヨーテと目を合わせて見る。

ロビンが本体であるならば、彼は周囲の事に関し余り干渉しない性質に見える。
 操作してるのならば、私がコヨーテに干渉しようとする様子が
あっても特に関心いだかずコヨーテも動かない可能性も高い。

ココペリは、話を聞くのと少しの間だけ見かけた際は
 自立型に近く、私のフラジール・デイズに近いと見受けられた。
コヨーテも、私の想像が確かなら屈んで目線を合わせる私へと首を向け
何かしら反応するだろう。唸るなり、敵意が見えたら離れる事にしよう。
 じゃれついてくるなら、特にソレは構わない。すぐ近くにトレも居る。

498葉鳥 穂風『ヴァンパイア・エヴリウェア』:2016/11/13(日) 19:20:44
>>496(GM)
>>497(遊部)

「犬――――」

     バッ

突如現れた『犬』――
穂風は警戒心を高めるが、すぐに真相が分かった。

「スタン、ド」

        「……一部」

(ええと、『群体型』……のスタンド?
 あの人と同じように、色んなスタンドを持ってる……?)

可能性はいくつかあるだろうが、まあ今すぐ危険な物ではない。
それが分かったらから、穂風は一安心するけれど。

「遊びたい、って。あの、ええと」

        ≪――自立した意思のあるスタンド。
         私めと違い、言葉は通じないようですが≫

「…………それは、分かってるけど。
 あの、ロビンさんには、分かるんですか?」

      「どんな遊びを……」

楽しいかもしれない。

     しかし。

穂風は冒険や好奇心は好むが、好き好んで危険に身を置きたがりはしない。
ただでさえ得体のしれない環境、これ以上の『追加』は望まない。

「……」

『レミ』は何か――思考をしているようだが、
穂風の判断を述べるにはそれを待つ必要もないだろう。

「あの。私は遠慮させて、もらいます。
 ロビンさんのコヨーテさんには、悪いです、けど」

         「すみません」

   ペコ             ≪賢明かと≫

穂風は、やめることを選択する。   従者も、それに同意した。
陽と響の様子を見ても、ここはそうするべきだと思った。

              ・・・願いを叶えるだけが忠ではない。

499『ある夏の思ひ出』:2016/11/13(日) 23:18:30
>>497 (遊部さん)
>>498 (葉鳥さん)

レミは一人コヨーテによる。
コヨーテはレミの瞳を覗き込むように見つめている。
星が見えた。月が見えた。コヨーテの瞳の中に夜が広がっている。
しかしなにか深い深い海のような雰囲気もあった。

ロビン:「分かる。感覚的にだが」

そう答えるロビン。
今葉鳥やレミの前には二つの道がある。
乗るか、乗らないかだ。
答えたのは葉鳥だった。

ロビン:「……そうか。まぁ、問題はない」

     「俺が相手をするだけだ。そこのお前も異論ないな?」

レミを指さすロビン。
響は首を縦に振り、陽は響の気迫に押されたのか静かにしている。

500遊部『フラジール・デイズ』:2016/11/14(月) 10:04:59
>>499(GM)

(『奥行き』が……ある。底が見えない
石を投げたとして、その波紋が何処まで続くのか予想だにしえないような……)

 「はい、私も……葉鳥さんと同じ意見です」

軽く、コヨーテに会釈するように頭を下げて。持ち場を再び陽君と響君の
近くの位置へ戻る。ロビンの経歴やら、素性に関しても幾分興味が出てきたが
今は義務が大切だから。

 ロビンへ応答して、陽君と響君に顔を向ける。

「それじゃあ、次の部屋は……私は、隣室を覗こうかと思います。
葉鳥さんも、同じで宜しいでしょうか? 何が気になる事があれば
そちらの意見に従います」

 先程の提案が通ってるのなら、次は私と葉鳥さんが入れる場所を
決めれる。特に入手したいと思えるものも無いので、余り移動をして
危険なものに遭遇する確率を低くしたいと言う単純思考であるが。
 近くの部屋、隣の部屋へ行くのを提示する。

501葉鳥 穂風『ヴァンパイア・エヴリウェア』:2016/11/14(月) 12:05:08
>>499(GM)
>>500(遊部)

「なる、ほど…………」

納得する穂風。

とはいえ感覚的にわかる――というのが、
どういう感覚なのかは穂風にはわからないが。

「……」

   コク

『レミ』の答えを肯定するように頷く。
それから。

「あ……私も、それでいいかな、って。
 何があるか分からないから、気をつけましょう」

       コクリ

提案にも、特に異論はなかった。

「レミさん、あの……ドアは私が開けるので。
 それでいい、ですか? レミさんが開けたい、ですか?」

二人せーので開けるのでは両者の手がふさがる。
陽と響に逐一指示を下したりはしないが、監視の目は必要だ。

彼らが着いてくるのを確認した上で、隣の部屋へと足を進めたい。

502遊部『フラジール・デイズ』:2016/11/15(火) 21:26:14
>>501(葉鳥さん)   (※会話1レスのみ)


>ドアは私が開けるので。それでいい、ですか?

「えぇ、それで問題ありません
私自身スタンドを見聞き出来ても、その力を基本的に第三の人間に振るえる事は無いんです
 何か起きた時は葉鳥さんや、その他の方に任せる事になりますけど……
そこは宜しくお願いします」

 良い機会なので、他の方にも伝わる声で葉鳥さんを含め伝えておく。

既に『トレ(フラジール・デイズ)』もいる中、何か起きた際に
私がスタンド使いだから、自分の事は自分で守れるだろうと軽視されても困る。
 力(暴威)で成す事は、私には不得手であり、する意義も意思も無い。
また、トレをそのような用途で使う気も一切ない。あくまで、私は知能で物事を
解決したいし、また平和的な解決を図るのが務めなのだから……。

早急な判断かも知れないが、私は短いやりとりながらも
『ロビン』や『カレン』『タマキ』を外部の敵として想定に入れる事を除外する事にした。
彼女、彼等は私達の関知の外の者ではあるが……それは、あちら側からも同じだし
 何より、双方に特筆として命が差し迫るような、いがみ合う理由も無いのだ。

(手札を全て公開する事がベスト……とは言わぬものの。『私』の幾つかの
真実を晒す事は問題ないでしょう。元より、無力に近しいのは事実……だが
それは『弱さ』でなし。私のやるべき事を見失わず、進みましょう)

503『ある夏の思ひ出』:2016/11/15(火) 21:36:25
>>500-502

そうか、とレミの返事を聞いてロビンは部屋から出る。
彼のスタンド、コヨーテを連れて。

カレン:「ふうん」

「真面目だね。まぁ、その子達見なきゃいけないんだからそうだよね」

タマキ:「遊んでる暇なんてないのだわ」

「自分の仕事投げ出すなんてしんよーできないのだわ」

ふんすと鼻を鳴らすタマキ。
そうして一行は隣の部屋の前にやってきた。
鍵はかかっていないとカレンがいう。

504遊部『フラジール・デイズ』:2016/11/15(火) 22:17:23
>>503
(GM)
(葉鳥さん)

 「タマキさんは、真面目な方なのですね。
信用出来ない事は……御免なさい。それは私の至らなさですから
 誰でもなく、私の不始末です。機会あれば、タマキさんにも
私達の良さを知って欲しいです。今はそれが難しくても」

「あと、老婆心で言わせて貰いますが。余り張りつめすぎると
時に心にも体にも悪いですからね。
 たまには、何も考えない事も良いですよ。好きな音楽を頭の中で
思い浮かべて流したりとか……適度に肩の力は抜かすのが、人間必要ですから」

 彼女は、ナルコレプシーであるのは『カレン』からも知ってる。

時に感情が昂ぶり、過激な発言がある事も予想付ける。けど、それは
疾患であると前提を把握していれば対処出来る。まず、必要なのは
彼女にとって真摯であり、望みに値する態度と行動をとる事。
後者で出来ない部分も出てくるだろう。けど、態度はどうとでもなる。

彼女の疾患を表立って彼女に真正面から告げるのは、余り印象良くない私が
追及するような形で言えば、弱味を握ろうと邪推される可能性もある。
 何より、彼女も自分が病人です。と未だ信用おけない人物もいる観衆の中で
言えば、どう悪い結果に転ぶかは火を見るより明らかだ。だからこそ
真摯である対応を望んで、語り掛ける。
 反感を買う事になるかも知れないが、彼女とも幾らか信頼を築こうと
努力するのは大事だ。最初から仲が悪いから、と遠慮して最後まで垣根を
作ったままでは、心残りが出来るかも知れない。なら、玉砕するとしても
彼女に出来る限り語り掛けるべきだ。私には、言葉を統べる以上も以下の武器もない。

 「それでは、葉鳥さん宜しくお願いします。響君と陽君は、私の傍にいてね
何が起きた時、守ってくれると嬉しいわ。頼りにしてるもの」

葉鳥さんには、決めた通り扉を開くのを頼む。纏うスタンド……
 彼女のスタンドパワーは不明瞭ながらも、特殊な自立型のトレ
私のスペックと同等の非力な女性の力以下である事は、無いだろう。
 

 彼ら(陽君・響君)には、私の騎士と言う役目を それとなく任命する。
男の子にとって、ただ危ないから傍に居て。と告げるより 
 私を守って。と言う別の言い方にするだけでも心象は全く異なって来る。
>>502で言ったように、無力である事を公言してくれれば。響君と陽君も
 黙って傍から離れる。と言う確率は低くなるはずだ

505葉鳥 穂風『ヴァンパイア・エヴリウェア』:2016/11/15(火) 23:19:38
>>503(GM)
>>504(遊部)

「不真面目すぎるのは、
 あの、良くないと思うので」

     「仕事は、やります。ちゃんと」

   コク

穂風はいつでも真面目に、真剣に取りくむ。
それが善か悪か――は、また別の話だけど。

「それじゃあ……開けます、ね」

      スッ

特に躊躇などはせずに扉を開ける。

一応、背後は従者の視界で確認しておこう。
もしものこと――仕事が出来たならすぐ動けるよう。

506『ある夏の思ひ出』:2016/11/16(水) 23:41:09
>>504 (遊部さん)
>>505 (葉鳥さん)

タマキ:「はっする、ろいやりてぃー、りすぺくと、なのだわ」

カレン:「気迫、忠義、敬意だね」

タマキ:「カレンは一つも持ってないの」

カレン:「そうかなあ。でも、持ってなくてもボクは信用できるんだろう?」

タマキ:「……うん」

気迫、忠義、敬意。それがタマキの信用の条件なのだろうか。
忠義という意味で言えば主人を守るという行為はそれであろう。
それがすべて、という訳でもないようだが。

陽:「うん」

響:「……はい。『モンスター』」

響が歯を食いしばる。
陽は素面のまま。
カレンとタマキはそれを見つめる。
葉鳥はドアノブに手をかけ扉を開いた。
部屋の内部は先ほどとあまり変わりはない。
ただぼろぼろになった箱がおいてある。

507遊部『フラジール・デイズ』:2016/11/17(木) 20:02:54
>>506

 少しばかり、響君の雰囲気に苛立ちに似たものが見え始めた気がする。
元より、此処に来るのは反対だったのだ。自制出来るだろうと言うのは
希望観測でもある。捌け口と、私がなれれば良いのだが……

 「箱、ですか……葉鳥さん、私とトレで近くで確認しますけれど」

宜しければ、と言うのを省略しつつ彼女を見て告げる。

 鍵が掛かってないとカレンは言ってた。つまり、この部屋の内部を
カレンは知ってると言う事だ。なら、その箱の中身が危険性の高いものである
と言う可能性も低い、とレミは考える。

 (葉鳥さんだけに危険な任を任せる事は出来ない……相互ともに
補助出来る関係。それが理想的だわ)

 葉鳥さんが、箱を確認すると言うのならば……そこは引き下がろう。
戦力的な意味で私の順位は低い。葉鳥さんが箱を確認する間は
響君に特に注意を払いつつ二人の傍にいよう。

508葉鳥 穂風『ヴァンパイア・エヴリウェア』:2016/11/17(木) 23:10:46
?>>506(GM)
>>507(遊部)

「しょっ……と」

穂風は戸を開けて、中の様子を見る。

「あ……さっきと、同じような部屋……ですか、ね」

「ホテル、って。たしか、どの部屋も同じ感じ、なんですよね」

二人の主人や、『レミ』に声出し確認する。
とはいえ、先程の部屋から考えて大きな変化らしき物は――

          《…………》

         響が食いしばる、歯の意味。
         従者には察せるが、全ては分かりかねる。
         分かったとして、最適解などは導けない。

「ん……あっ、箱……?」

穂風はそこで、奇妙な箱を見つけた。
ボロい。置きっ放しにされているのか――?

「あの、タマキさん。カレンさん。
 あそこにある、箱……?って、なんだか」

        「あの。分かります、か?」

ここに詳しいのは、彼女たちだろう。
不用意には近づかない――『レミ』達にも少し待ってもらおう。

509『ある夏の思ひ出』:2016/11/18(金) 00:39:38
>>507 (遊部さん)
>>508 (葉鳥さん)

響の変調。
それに陽は気づいていないようだった。
もしくは気づいていてるが何もしないのか、できないのか。

カレン:「ん?」

葉鳥の言葉にカレンが反応する。
カレン、タマキ、この城の住人であれば部屋の箱が何なのか分かるだろう。
カレンたちが設置したものであれば。

カレン:「あれは……おもちゃ箱じゃないかな」

     「たまに山で捨てられてたりするからね」

510『ある夏の思ひ出』:2016/11/18(金) 00:40:42
>>509

カレン:「だから、使えそうなのは拾って箱に入れておくんだ。あれもそのたぐいだよ」

511遊部『フラジール・デイズ』:2016/11/18(金) 23:22:41
>>509(GM)

 「……響君」

「あまり、思いつめないで何か言いたい事があるなら。私にだけでも
今、教えて貰って良いですか? また、次に部屋に入る時にでも
宜しかったら私と響君だけになるよう取り計らいますので、その時でも良いです」

 しゃがんで、『私』は響君のそばに近づいてそっと小声で告げる事にする。

いま現在、彼がとても思い詰めてるように思えるのは。
 自分の意見に反し、大切な弟同然の陽君が信用出来ない人たちと和気藹々と
居るから……以外でも、何か理由があるかも知れない。

一日だけ、ゲームなどを通じての細い絆だけど。それでも響君と私には
幾らかの信頼があると思う。
 今話せずとも、あとで二人になれる状況で言い合う約束を取り付ける。
陽君のほうは、葉鳥さんに其の時任せて大丈夫だろう。

 「玩具箱ですか……中身の確認は、お願いします」

先導は葉鳥さんに任せると決めた。中に危険物があっても
急に対処を出来る力は私にない。葉鳥さんを信じ 任せ
 私は陽君と響君に異常が起きないかチェックする。それが役目だ

512葉鳥 穂風『ヴァンパイア・エヴリウェア』:2016/11/19(土) 01:29:54
>>509(GM)
>>511(遊部)

響に声でも掛けるべきだろうか――?
穂風は、掛けてやるべきだろうとは思った。
しかし、ふさわしい言葉が浮かんでこない。
適当なことを言っても、きっと意味はない。

(レミさんに、ここは任せよう……
 私は、危ないかもしれない事に集中しよう)

「おもちゃ箱……カレンさんが、
 置いたもの、じゃ、ないんですか?」

口ぶりからそんな気がする穂風。
とはいえ、躊躇ってばかりは楽しくない。

『レミ』の言葉に、頷く。

「……はいっ。任せて、ください」

箱に近付く穂風。
このまま開けないなら安全だ。

しかし、穂風が思うにそれは探索ではないだろう。

「……」

  ゴクリ

(山に落ちてたものが入ってる……
 危ない物を入れておくことはないだろうけど)

「開け、ますっ」

            ≪…………≫

箱の蓋に手をかけ、静かに開いてみる。
まずは自分にだけ――中にある何かが見えるように、だ。

                ・・・動いたりはしてないか?

513『ある夏の思ひ出』:2016/11/19(土) 23:24:28
>>511 (遊部さん)
>>512 (葉鳥さん)

響:「ありがとうございます。でも、ボクの問題ですから」

響はレミにそう返して玩具箱に目を向ける。
葉鳥は玩具箱のふたを開ける。
段ボール箱を開くように玩具箱を開いた。
どれも汚れていたり壊れていたりするものばかりだ。
なかでも目を引くのはぼろぼろになったくまのぬいぐるみだった。
千切れた手足が痛々しく中から綿が出てしまっている。

動くものはない。

514遊部『フラジール・デイズ』:2016/11/20(日) 09:15:13
>>513

 「そう……無理はしないでね」

そう響君に返答して玩具箱に目線を向ける。悩みを晒してくれなど
強制出来る立場でも状況でもない。彼の意思を尊重して、時が来るのを待とう。

玩具箱を開けて見て、特に葉鳥さんに何が起きた様子はない。
 心配が取り越し苦労で終わるなら、それで良い。

「何がありましたか? 葉鳥さん」

 呼びかけつつ、陽君にカレンさん達のほうも見ておく。意識が集中していて
彼女等が気づけば誰が居なくなっていた、となっては悪い。

515葉鳥 穂風『ヴァンパイア・エヴリウェア』:2016/11/20(日) 11:01:48
>>513(GM)
>>514(遊部)

「…………」

      ジロ
           ジロ

(特に目ぼしい物はない……かな。
 捨てられてたものだったら、当たり前だけど)

        「……ん」

そのぬいぐるみも、当然穂風の目に入った。
ずいぶんボロボロだと思った。

(誰かが山に捨てたのかな……
 なんでそんなことをするんだろう)

あるいは――何か不幸なことでも、あったのかもしれない。

「壊れた玩具が、たくさん……
 それから、ええと。これも、壊れた玩具だけど」

            「熊の、ぬいぐるみがあります」

穂風は従者の視界で、『レミ』やカレン達の様子も常に伺っている。
怪しい動きがあれば――ここは屋内。遠くに行くまでに追いつけるはず。

516『ある夏の思ひ出』:2016/11/20(日) 22:35:36
>>514 (遊部さん)
>>515 (葉鳥さん)

二人は様子を確認するが誰かが消える様子はない。

陽:「ぬいぐるみ?」

カレン:「んー? そんなもの拾ってきたの? タマキ」

タマキ:「可愛かったから拾ったの」

     「……ぼろぼろだけど」

陽は玩具箱に近づいてくる。
その手を握る響も一緒に。

陽:「ぼろぼろだね」

響:「うん」

陽:「直せないかな?」

響:「……ボク、道具持ってないよ」

517遊部『フラジール・デイズ』:2016/11/21(月) 20:36:16
>>516(GM)

「此処は、元々ホテルとして作られてるのなら
何処かに古くても裁縫セットなり置いてますかね?
 または、代用出来る糸なり針を用意出来れば良いのですが……」

綿など出ていて、かなり解れているのなら『針』と『糸』が必須だ。

「カレンさんにタマキさん、ロビンさんでも構いませんが
何か、裁縫の針や糸の代わりになるものが何処にあるか知りませんか?
 陽君や響君も、持ってるなり有りそうな所など把握出来そうなら
言ってみてください。」

一応、トレには忍ばせてる『バーベキュー串』があるが
 あれは、ぬいぐるみを縫い合わせるのに使用するには太すぎる。

釣り道具は昨日に陽君が持っていた。だが、今日は川遊びで
そう言う釣り糸は持ってきてない。このホテルの宿泊客なり何なりが
使う道具が、まだ残ってるのなら良いのだが……。

 全員で、考えて見よう。
一致団結すれば、出来ない事はない。

518葉鳥 穂風『ヴァンパイア・エヴリウェア』:2016/11/21(月) 23:24:36
>>516(GM)
>>517(遊部)

「直す、ですか……」

裁縫――家庭科の時間で少しやった。
別に苦手じゃあないけど、道具がないなら同じだ。

(裁縫にいるのは、針と糸と、ええと。
 ……ホテルにあるのかな、そういうものって)

『レミ』の方が詳しい、様な気がした。
ホテルの中のことなどは、カレン達が詳しいし。

穂風はやや手持ち無沙汰に様子を見つつ――考える。

「うう、ん」

「糸なら……布をばらばらにする、とか。
 ほつれ、引っ張ったら糸が出ます、よね。
 その、どこかに無いでしょうか。ボロ布、とか」

不確実な方法、ではある。
ボロ布――あればいいな、で言うなら糸を探す方が早い。

      「あっ」

と、穂風はここで思い出した。
今朝もポケットに入れておいた、それの存在を。

「それに、それで。ええと」

それとはすなわち――

「あの、一応。その、私……
 ハンカチなら。持っています。あの」

        「高いハンカチではない、ので……」

519『ある夏の思ひ出』:2016/11/22(火) 00:26:45
>>517 (遊部さん)
>>518 (葉鳥さん)

レミはカレンやタマキ達に声をかける。
ロビンはいない。先ほどの部屋を出てからいなくなっている。
タマキはつんとした顔でそっぽを向く、響や陽はポケットをまさぐってみるがめぼしいものは見つからない。

カレン:「昔どっかから借りた道具に裁縫箱があったかな」

     「布はカーテンとかしかないけど」

     「ん?」

カレンは葉鳥の言葉に反応した。

カレン:「ふうん。なるほど」

     「貸してくれるのかな? それを。といっても貸したら帰ってこないけど」

ぬいぐるみの補修に貸してくれるのか、そうカレンが問う。

520遊部『フラジール・デイズ』:2016/11/22(火) 21:05:16
>>519(GM)   (お待たせしました)
>>518(葉鳥さん)

ロビンはいない。

 「あら? トレ、ロビンさんはどちらに行かれたの?」

最後尾に居たのなら、トレには周囲に対する見守りもお願いしていた。
 彼が何処へ行ったのか彼女なら見てた筈だ。

(詳細が不明な人物なのは、カレンやタマキも同じ……けど
本日出逢ったココペリの本体である彼『ロビン』
 態度からは特に私達に関心もないようだけど)

 危険性は、低そうには見える。気質として自分のルールを基準として
動くタイプとレミには感じる。誰かと団体行動とっても勝手に気まぐれに
一人になって動く感じではあるのだろう。

 (ただ、注意は必要ね。勿論、過敏になりすぎるのも良くないわ)

 心中で考えつつ、葉鳥とカレンのやりとりを見守る。
そして、会話が区切られそうな所で口をはさむ事にした。

 「あの……水を差すようですけど。
ハンカチを解いて長い糸にすると言うのは、確かにアイデアとしては素晴らしいですけど。
 ……ここ、ホテルなんですよね?
それでしたら一階の何処かに襤褸タオルなりあると思いますから、それを解すほうが
早いのではと、思ったものでして……」

 ハンカチを解れて糸にする。それは確かに良い考えだし糸の代用品にはなる。
だが、新品に近いハンカチとなると解らすにしても手間もかかるし、何が怪我した時に
無いのも困るだろう。それなら元々ホテルに備え付けられており、まだ残ってる
可能性が高いタオルなりを解らすほうが余程良いのではと思った故の意見だ。

 「いえ、葉鳥さんの気持ちも立派だと思います。タオルが無ければ
私もハンカチを持っていますし、一緒にぬいぐるみの為に使いましょうね」

 タオルなりが無い可能性もある。その場合は私も一緒に葉鳥さんと
ぬいぐるみの為に使おう。それで、信頼が僅かにでも結びつくのなら。

521葉鳥 穂風『ヴァンパイア・エヴリウェア』:2016/11/22(火) 21:28:23
>>519(GM)
>>520(遊部)

「ロビンさん、は……
 コヨーテさんと遊んでるん、じゃ?」

そのようなことを言っていたような気がする。
穂風はハンカチをポケットから出した。

「あっ、はい」

   コク

穂風は、カレンに頷いて返す。

「他に布がないなら、です……けど。
 カーテンよりは、ほどきやすいかな、って」

カレン達が『布はカーテンなどしかない』と言っている。
ということは、襤褸タオルなどがない可能性は十分あるだろう。

彼女たちを妄信はしないが――参考にはなる。

「レミさん、あの、ありがとうございます。
 もし、良い感じの布がない、なら……お願いします」

              ペコ

『レミ』に感謝をこめて小さく頭を下げ、カレン達の返事を待つことにした。

522『ある夏の思ひ出』:2016/11/23(水) 01:05:53
>>520 (遊部さん)
>>521 (葉鳥さん)

トレ:「ロビンさんはコヨーテを連れて出ていかれました」

   「葉鳥さんのいうようにコヨーテ遊んでいるのかと」

トレは淡々と説明した。

カレン:「?」

     「ハンカチを解くのかい?」

     「ボクはてっきり、穴ふさぎとかに使うのかなって思ったけど」

     「なるほど、糸か。まぁ、それでもボクは構わないや」

523『ある夏の思ひ出』:2016/11/23(水) 01:09:41
>>522

カレン:「いやそうか。糸の話だったんだからそうだよね」

     「まぁ、葉鳥の言うようにカーテンよりは楽だ。それでも大丈夫大丈夫」

へらりと笑うカレン。
貸しておくべきだろうか。

524遊部『フラジール・デイズ』:2016/11/23(水) 19:07:33
>>522-523(GM)

「では、私のハンカチも宜しければどうぞ」

 カレンとタマキにハンカチを差し出す。ハンカチは幾らでも後で
買うなりして取り戻せる。けど、信用は今でしか得られない

 「ロビンさんも、自分の時間が必要でしょうしね……後で
見かけた時に声をかけましょうか」

 ロビンを追う理由は今のところない……今はぬいぐるみの修繕
そして響君と陽君の面倒を見る。それが大事だから

 「当て布は、カーテンで問題ないと思います。長く置かれてるなら
幾らか切りやすいでしょうし」

 残るは『針』だ。この城の何処にあるだろうか?

「裁縫道具は、何処ら辺に置いたか覚えてますか?」

カレンは置いてあると言った。場所を聞こう。
トレの忍ばせてる串を小さく折って代用するのでも問題ないが……。

525葉鳥 穂風『ヴァンパイア・エヴリウェア』:2016/11/23(水) 23:36:42
>>522-523(GM)
>>524(遊部)

「それじゃあ、ええと。
 カーテンと、裁縫道具」

「探索しながら、あの。見つけましょう!」

探検ごっこのお宝は『未知』でもいいが、
全て未知のままではモチベ不足にもなる。
既知の何かも、目標としておく方が楽しいだろう。

――とまでは穂風は考えていない。楽しそうなことを言っただけ。

「響くん、陽くんも、あの」

「もし見つけたら、教えてください、ね。
 私たちだけじゃ、見つけられない、かも」

   コク

穂風は二人にも協力を呼びかける。
部屋内の目立つところに置いているとは、限らないし――蚊帳の外にはしたくない。

526『ある夏の思ひ出』:2016/11/24(木) 01:35:43
>>524
>>525

カレン:「どこって……そりゃ覚えてるけど」

     「探索はいいのかい?」

葉鳥の言葉に同調のような後押しの意見を出すカレン。

陽:「うん!」

響:「……はい」

陽と響も乗り気のようだ。

カレン:「じゃあ、ボクは先に部屋に行ってるからかくれんぼだ」

527遊部『フラジール・デイズ』:2016/11/24(木) 22:13:52
>>526

 >じゃあ、ボクは先に部屋に行ってるからかくれんぼだ

「かくれんぼ、ですか……解りました。
それじゃあ、此処で私達 少し待ったほうが良いですね」

 彼女がゲームをするのは、私達に少しでも心を預けてくれたからか。
または、裏で私達に危害を企てる意思があるからか……。

 (っと、いけない いけない……邪推するのは悪い癖だわ)

僅かに頭を振って邪念を振り払う。信用をする そう決めたばかりだ

 「時間は、今から二分ぐらい経ってからが良いでしょうか。
あぁ、それと……タマキさんも、何処かに隠れますか?」

 タマキにも、かくれんぼをするのか聞いて見る。彼女の意思も
確認しておくのは大事な事だ。あちらが歩み取る態度が消極的な以上
こちらから手を差し伸べる行動と発言をとらなければいけない。

528葉鳥 穂風『ヴァンパイア・エヴリウェア』:2016/11/25(金) 00:31:57
>>526(GM)
>>527(遊部)

「かくれんぼ……はいっ。
 必ず、見つけてみせます、ので!」

        チラ

(タマキさんは、どうするんだろう……?)

穂風も『レミ』と同じ疑問を持った。

「あの、タマキさんもお隠れになるなら。
 それでも、ちゃんと、見張ってます。私」

「信用できない、かも……しれませんが」

とはいえ――タマキまで隠れてしまえば、
余所者である4人は実質、野放しと同じになる。

穂風の事を信頼してくれているなら、見張りがいるから平気だが。

「それとも、あの。タマキさんは、私たちと一緒に……?」

まさかここに残るということはないだろうけれど、どうだろうか――?

529『ある夏の思ひ出』:2016/11/25(金) 01:21:27
>>527
>>528

タマキ:「私は」

カレン:「タマキはみんなといなよ。仲よくするといい」

タマキ:「……」

カレン:「いいでしょ? 信用できる人なのかって考えてみなよ」

タマキは静かに首を縦に振った。
カレンは部屋を出る。
響や陽はそれを見つめている。

カレン:「いつでもどうぞ。きっとボクの方が早い」

     「タマキにヒントでももらってね」

530遊部『フラジール・デイズ』:2016/11/25(金) 18:36:13
>>529

 「……そう言えば、タマキさんとカレンさん。
お二人は姉妹、なのですか?」

 カレンが去り、タマキがこちらに残った。
「いえ、色々と聞き出して何かしようって訳ではないのですけど。
ただ、二人とも姉妹でないのなら。どう言う風な出会いをしたのかなど
気になったもの、ですから」

「私は、身も心も任せられる人物はトレ以外に居ないですけど。
けど、響君や陽君と最初に出逢った時。私は共に信じあえる関係になる、と
約束してるんです。タマキさんにも、出来る事なら互いの人となりを知って
仲良くなれればと、そう思ってるんですよ」

 こう言う風な内容なら、気を許してくれるだろう、と言う計算ではない。
『レミ』は、響と陽に約束した。信頼を築く、と それを反故にしない。
 タマキもまた、深い事情があってカレンと共に
社会的に通ずる保護者なく過ごしてるであろう事は見て取れる。
 彼女等にも、差し伸べられる手があっても構わないだろうと、私は考える。

 「長話をして、すみません。
……そろそろ、探しに行きましょうか。私は上の層から探してみるのが
良いのでは、と。葉鳥さん、そう思いますけど、どうします?」

 カレンの能力は重力を操作する。上昇が可能な能力なら直ぐに上の階へも
向かえる。なら、必要な道具も上に置いてるのではと考えて見た。

 葉鳥さんの意見も聞いて、次の行動をしてみよう。

531葉鳥 穂風『ヴァンパイア・エヴリウェア』:2016/11/26(土) 22:32:22
>>529(GM)
>>530(遊部)

「はいっ。タマキさん、よろしく、お願いします」

          ≪よろしくお願い致します≫
 
        ペコ

信用を勝ち取る、絶好のチャンスと言える。
穂風に打算は薄いが、上手くやりたいところだ。

(仲良くなるには……信用してもらわなきゃ。
 気迫、忠義、敬意……私にどこまでできるかな)

「あっ、ええと」

「本当に。あの、仲良しそう……
 ですよね。カレンさんと、タマキさん。」

      コク

話題を持ちかけた『レミ』にやや遅れて穂風は追随した。
穂風は詮索しない――ただ純粋に、絆の強さに感心を見せる。

(……『身も心も任せられる』人。
 私にそんな人がいるのかな……ブリスさん?)

     (自立してない……のとは、違う。
       いざという時に頼れる人なのかな)

「……あっ、ええと」

     モゴ

「私は……下の方からでも、良い気がします。
 上がってから下がる、より疲れません、し……
 カレンさんは飛べます、けど。ここは屋内、ですし」

「それに足で階段を上ったら、その。
 音でわかる……気がします。古い建物、ですし」

        ≪然し、彼女の能力は未だ未知数。
          僅かに浮かぶコントロールがあれば、
           階段を鳴らさず天井に当たらず……
            ということも、不可能では無い――かと≫

一度上に上がってしまえば下の探索に戻るのが面倒となる。
穂風としては、このまま――下の階から順番の方が、探索としてもいい気がする。


「……そう、だけど」

         モゴ

        「陽くんと響くん……と。あの。
         タマキさんは、どう思いますか?」

二人の『主人』を――そしてタマキを蚊帳の外にするのも、良くないだろう。
『レミ』と自分で意見が対立するなら、各々の『従者』もまた同じになるはずだから。

532『ある夏の思ひ出』:2016/11/26(土) 23:19:09
>>530
>>531

タマキはあなた達に対していい感情を抱いているとはいいがたい。
しかし、今は彼女と交流する絶好の機会ではあった。

タマキ:「カレンは私のおねーちゃんでもおにーちゃんでもないのだわ。仲良しなのは、そうだけど」

     「でも、あなた達にはかんけーない話なのだわ」

     「……しんよーできる人っていうなら話してもいいのだわ」

ぷいとそっぽを向いた。

陽:「うーん……上、かな? なんとなく」

響:「そういうものを置いている部屋があるならそこでしょうけど……」
   
  「でも……本当に裁縫箱があるんですかね……」

感覚の陽。響は部屋に役割を持たせてカレンたちが使ってきた可能性を考えるがどれも裏付けはない。
この城の住人であるタマキ。
そっぽを向いたままだったが、いや今もなおそっぽを向きながらも口を開いた。

タマキ:「カレンがスタンドをここでつかって浮いたら、お城もほんのちょっぴり浮き上がるのだわ」

     「ぐーって上に持ち上がる感覚があるはず」

カレンたちと出会ったとき、天井裏での出来事。
あの時、エレベーターで上階に行くときのような浮遊感があったことを思い出せるだろう。

タマキ:「それがないってことは、まだカレンはあがってないって……」

その時、二人をいやこの部屋にいる全員がそれを感じた。
エレベーターのような浮遊感を。

533 遊部『フラジール・デイズ』:2016/11/27(日) 22:02:00
>>532

 タマキが会話に応じてくれたことに、笑みを零し
屈んで目線を出来る限り合わせて返答する。

「仲良しなのは、良い事ですね。
タマキさんには、カレンさんと言う唯一無二の大切な人がいる。
 それは、この世でもっとも掛け替えのないモノです」

「あぁ、無理に話さなくても良いんです。あとで、話したい気分であれば
お話しして下さい。お弁当もありますし、みんなで一緒に食事しながらでも
色々とお互い知れたら、と思うんです」

 持ってきている重箱を見せつつ告げる。量もあるだろうし、カレンとタマキが
あとで御飯の時間になって共に食べても大丈夫だろう。自分が食べずにいる
選択もあるし、それは何とかなる。

 話し合ってると、浮遊感が突如襲った。カレンのスタンドだ

「……スタンド、使ったようですね。となると、上……ですか」

 「行きましょうか、皆さんで」

全員で上に行く事にしよう。これに関して葉鳥さんも反対はないだろう
 わざとカモフラージュとしてスタンドを使った、と言う可能性は低いと思う。

534葉鳥 穂風『ヴァンパイア・エヴリウェア』:2016/11/27(日) 23:35:20
>>532(GM)
>>533(遊部)

(……関係ない。そうだよね、今はまだ友達でもない)

穂風だって、昔の事は中々言いたくはない。
だから、タマキになにかを追求したりは自分の役目ではない。

「上……ううん。隠れるなら遠く、
 ここから遠くだと、上、ですかね」

「裁縫箱がありそうなお部屋、は……
 私には、あの。ちょっとわからない、ですけど」

           「わ」

    グ

          ウゥン

(この感じ―――――!)

「タマキ、さんっ。今の……です、よね!」

         「行きましょう、上の階にっ」

階段から上がったのか、
それとも窓から出て上がったのか?

          ≪障害物があるやもしれません。
            足元には十分お気を付けを――≫

「……わかった」

詳しいことは穂風にも分からない。だけれど、これで追える。      
ないとは思うが、カレンは悪戯嫌いには見えない。罠などに気をつけよう。

535『ある夏の思ひ出』:2016/11/28(月) 00:47:58
>>533
>>534

腹が減っているのかタマキは弁当箱に目を向けはしたものの二人の言葉に返事はしなかった。
完全に心を開くにはまだ時間がかかりそうだ。
諦めなければ、の話だが。

部屋を出て上階に向かおうとする一行。
階段の前にたどり着く。
階段の上、踊り場。
そこにはソファなどが置いてあった。

タマキ:「カレン! いらないことをしないで欲しいのだわ!」

響:「変なことを……!」

障害物といえば障害物だ。
どうするべきか。

536遊部『フラジール・デイズ』:2016/11/28(月) 16:42:33
>>535

「まぁまぁ、お二人とも落ち着いて。可愛らしい悪戯じゃないですか」

タマキと響へ、宥めるように手を掲げ告げる。
 直接的な罠とかでない限り、レミもレミのままでいられる。

「こんなに人数がいるんですし、ソファーぐらいでしたら直ぐに脇に
移動するのは大丈夫ですよ。それに、動けばお昼ご飯も一層美味しいです」

大きなソファーだとしても、此処には響・陽・タマキ・葉鳥・トレ・私
女子供でも六人で力を合わせればソファーぐらいどけれるだろう。

「こう言う風に妨害すると言う事は、間違いなく上に裁縫箱かカレンさんは
いるんですから。前向きに行きましょう」

 ソファーをどけれたらトレに先導を任せ自分は陽君に響君を傍に一緒に歩く。
タマキが許してくれれば、タマキとも手を繋いで上に行こう。

「タマキさんは、食べ物で何が好きです?
 私は、甘いものが基本的に好きですけど……」

何か別荘でおやつでも持って来れば良かったですね。
 そう呟きながら話しかけよう。

537葉鳥 穂風『ヴァンパイア・エヴリウェア』:2016/11/28(月) 23:12:54
>>535(GM)
>>536(遊部)

「あっ」

          ≪やはり≫

穂風は声を上げた。従者の想像は当たっていた。
――とはいえ、この短時間。

(ただ、物が置いてるだけ。
 ……だとは、思うんだけど)

  トン

(まだどういう能力か分からない。何かある、かも)

ソファなどをどける前に――穂風は軽く跳ねる。
向こう側に何か妙な物が無いか、確かめるために。

「……はいっ。そうですね、前向きに!」

            ≪…………≫

何もなければ『レミ』に従って、脇に障害物をどける。
完了したなら、トレの少し後ろを歩こう。自分は彼女より早く対応できる。

            従者は主の一つの変化に気づいている。
            とはいえ――言うべき事でもない気もする。
            己の判断は完璧ではないことを知っている。

538『ある夏の思ひ出』:2016/11/29(火) 00:28:46
>>536
>>537

響:「……邪魔だなぁ」

陽:「まぁまぁ、いいじゃん。別に」

呟く響と励ますように肩を叩く陽。
葉鳥は軽く跳ねてみる。
ソファの向こう側には紙が落ちていた。
カレンの字だろう、大きく『お疲れ様』と書いてある。
ソファをのけたら見つかるというものだったのだろう。

ソファを壁に寄せる一行。
たどり着いた二階。
ちらりと見てもカレンの姿はない。
もう部屋の中に入ってしまったのか?

タマキ:「……」

響:「タマキさん、カレンのいきそうな場所、知らないの?」

539遊部『フラジール・デイズ』:2016/11/30(水) 19:14:34
>>538(GM) (遅くなりました)

 「うぅん……何処を探しましょうか」

上がったものの、カレンの姿は見えない。案の定だが『かくれんぼ』だ。
 能力を使ったとして、天井裏などに潜めるだろうか?

それと、ソファーの中身に関しても、上がる前に軽く叩いたりして調べたい。
 障害物として設置していたが、実はその中身に隠れていた……なんて事が
もしかしたら有り得るかも知れないからだ。

 「そうです タマキさんの意見を参考にさせて貰いたいです。
カレンさんは、何と言うか飄々としていて内面が見えない方ですけど
高い所のほうが好きとか、そう言う一面を知りませんか?」
 
 タマキの意見を聞く。こう言う団体行動で心を開いていただくには
まず優先的に彼女の声に耳を傾けるべきだ。

 (それにしても、何が危険な事でも待ち受けてるかと思ったけど
今のところそんな気配の欠片もないわね……このまま、終われば良いけど)

 脳裏で、そう考えつつトレには周囲の異変などに直ぐ報せるように
言いつけつつ周囲を見てカレンの痕跡がないか皆の傍を離れず見回す。

540葉鳥 穂風『ヴァンパイア・エヴリウェア』:2016/11/30(水) 22:09:30
>>538(GM)
>>539(遊部)

「……」

穂風はあっ、と口に出しそうになった。
少し損した気分にはなるが……黙っておいた。

「うう、ん」

「客室、は。全部に似た内装、
 だと……でも、おもちゃ箱もあったし」

カレンが行きそうな場所――
仮に分かっても、そこに裁縫箱があるのか?

とはいえ、情報が0よりは探しやすいだろうけれど。

「タマキさん。あの、『ちがう形の部屋』ってありますか?」

質問は最小限にしておく。
何でもかんでもみんなで聞いたらうるさいだろうし。
客室とは全然違う部屋があるのなら、そこはきっと怪しいと思う。

             ≪…………≫

             従者は視界を可能な限り巡らせて、
             廊下の『扉』を確認する――半開きはないか?

541『ある夏の思ひ出』:2016/12/01(木) 23:38:26
>>539
>>540

ソファを叩いてみる。
特に怪しい様子はなく、どこを叩いてもクッションの感触だ。

タマキ:「……」

タマキは黙っている。
先ほどのレミの何が好きかという質問にも無言が答えであった。

響:「……葉鳥さん……レミさん……」

タマキ:「あるの」

響:「え?」

タマキ:「三階の部屋は形、違うの。それにカレンは広いところが好きで……」

「部屋の数少ないけど、広くてカレンが自分の好きにしてる部屋ならあるの」

「そこにいるほしょーはないけど」

廊下から部屋の確認。
あった。一つだけ扉が閉め忘れたかのように開いているドアが。
ただし、そこにカレンがいる確証もない。
そのまま階段を上がるか、部屋を見るかは自由だ。

542遊部『フラジール・デイズ』:2016/12/02(金) 09:53:09
>>541(GM)

「あぁ、有難う御座います。タマキさん」 ニコッ

破顔を浮かべ、タマキの顔を見つめ礼を告げる。
 やっと、小さな一歩かも知れない。けど、歩み寄れた そう思えたから。

「それじゃあ善は急げ、ですね。部屋のほうに向かいましょう」

タマキの言う通りに三階のほうに向かう。順列はトレが先、ほかの
順序は好きで構わないが私の後ろに響君と陽君、タマキさんも一緒に
連れて行きたい。葉鳥さんの順番は葉鳥さん自身が決めたいだろうから
私の意思に構わず自由に決めて貰う。もっとも、タマキさんが今の集団で
息がつまると言うのなら、すぐに抜け出せるよう最後尾にいても構わない。
彼女の意思は最優先にしてあげるべきだから。

543葉鳥 穂風『ヴァンパイア・エヴリウェア』:2016/12/02(金) 20:20:28
>>541(GM)
>>542(遊部)

「…………!
 ありがとう、ございますっ」

「響くん、陽くん、
 もうちょっとで見つかる、かも」

         ≪――――お嬢様。
           それに皆さまも。
           その前に、あちらを≫

「……ん」

     チラ

     「あっ」

「ドア……開けっ放し、だ……」          

ドアの開いた部屋――
とても気になる。穂風はそれを見てしまったから。

(もしかしたらあの中にいるのかも……
 でも、いないかもしれないし、皆は上に行く雰囲気だ)

          ≪ソファの出どころやもしれません。
            無から出てくる物でも無いでしょう≫

「あ、そうかも……
 ……確認、してみますっ」

         バッ

『レミ』達に続いて三階を目指すとき――
穂風は少し先行して列を抜けて、戸の中を覗いてみる。

抜けたとしても先行している以上、背中の従者の目が列を見張れる。
もし陽や響がこれを『好機』と見るなら、それは違うと教えることができる。

544『ある夏の思ひ出』:2016/12/03(土) 22:39:29
>>542
>>543

タマキ:「だから……」

そういうとタマキは黙り込んで視線を外す。
照れているとか嫌っているとかそういうのではなさそうだ。

トレを先頭に進んでいく。
タマキは一行と離れた位置からじっと監視するような視線を向ける。
葉鳥は扉の空いた部屋を確認する。
内装は前に見た部屋と大きく変わってはいないが床になにかの跡がある。
ソファの足で出来たもののようだ。

タマキ:「……意外と用心するタイプなのかしら?」

タマキが呟く。
その時、陽が動いた近くの部屋の戸を開こうとしている。
響は葉鳥の方に気を向けて反応できていない。
だが、葉鳥の従者はそれをしっかりと捉えていた。

545遊部『フラジール・デイズ』:2016/12/03(土) 22:50:58
>>544

「あら? 陽君、其処の部屋がどうかしましたか」

陽君が移動して、扉へと近づくのなら。私はトレを先導として他の二人を
気を配りつつ後ろに引き連れていたのなら、陽君の近くに私はいる筈だ。
 声をかけ、すぐ傍へ小走りに駆け寄る。トレも、私を守るのを優先するように
命じている。自然と私の声に気づき、後ろに従うように戻って傍に来るだろう。

 陽君のすぐ後ろの位置に私は立つ。何が扉から急に出てくるようであれば
直ぐに後ろへ引くか、庇えるようにしておく。

546葉鳥 穂風『ヴァンパイア・エヴリウェア』:2016/12/04(日) 02:02:16
>>544(GM)
>>545(遊部)

穂風は――この仕事に『本気』だ。

「……ソファを出した跡、でしたっ。
 あの、見ただけですが、カレンさんはいない、です!」

         ≪――――!≫

「!」

       バッ

大きく飛び跳ねて、穂風は隊列に戻る。
ちょうど陽の近くにだ――扉を開けるのはだめではない。

これは探索だし、カレンもタマキも、それを許してはいる。
必要なのは、何かがあったときにここにいる全員を守る決意だ。

「何かっ……気になる物、が、ありましたか?」

穂風は『レミ』に続くように、そう問いかける。

「開けてみます、か……?」

「カレンさんはいなくても、あの。
 何か楽しい物、は、あるかもしれません」

無論だが警戒はしておく。
穂風はいざという時は陽を掴んででも逃がす。
当然ながら、響やタマキの様子も従者が見逃さない。

何もかも予定通り、決めた通りでは今度は陽が楽しめないだろう。
陽と響、カレン――全員が嫌な思いをしないようにするべき。なのだ。

547『ある夏の思ひ出』:2016/12/04(日) 23:23:24
>>545
>>546

陽:「ここに隠れてるかもしれないでしょ?」

好奇心から扉に寄っていったようだ。
そんな陽についてレミや葉鳥も移動する。

タマキ:「……」

響:「危ないよ」

陽:「平気だよ!」

勢いよく扉を開く陽。
そこは誰もいない。何もない部屋だった。

タマキ:「カレンはそんなところにはいないの」

     「だってカレンは……やっぱりいいの」

     「……その子から目を離さずにちゃんと注意してくれるのは、ちゃんとお仕事してるのだわ」

548遊部『フラジール・デイズ』:2016/12/05(月) 22:28:21
>>547

(……)

>だってカレンは……やっぱりいいの

 気に掛かりはする。だが、まだ私達に打ちとけられない彼女に
追及するのは酷だ。今は、少し私の立場だとそっとしておくべきだろう。

「それじゃあ、陽君に響君 上へと行きましょうか」

 促して、階段のほうへ向かう。順番は先程と同じ通り。トレを先導にして
歩いて上がる事にする。古いビルだし、一応上がるさいは足の踏み場が
しっかりしているかの確認は行う。

549葉鳥 穂風『ヴァンパイア・エヴリウェア』:2016/12/05(月) 23:11:10
>>547(GM)
>>548(遊部)

「確かにそう、かも……しれません」

        ジ

穂風は部屋の中を覗く――
誰もいないことに落胆や意外さはない。

きっとカレンのやりそうな事は、
タマキが一番知っていると分かったから。

「ありがとう、ございます。
 私の、仕事ですので。これも」
 
        ペコ

穂風はタマキに礼をして――廊下の先を見た。
この上の階に、カレンはいるのだろうか。あるいは。

「……では、はい。あの、上に行きましょう!」

           バッ

「また何か、邪魔な物、とか……
 あるかもしれません。ので。
 あの。みなさん、気を付けてください」

言葉通り、自分自身も警戒は怠らない。
穂風は再び隊列のやや前に移動し、三階を目指す事にする。

550『ある夏の思ひ出』:2016/12/06(火) 00:36:37
>>548
>>549

一行は再び歩き始める。
三階へと至る階段に障害物はない。
部屋に繋がる扉がずらっと並ぶ廊下。
六つ。部屋の数は六つだ。
どれも同じ見た目でどこの部屋がカレンがいる部屋なのかはわからない。

タマキ:「ここが最上階なのだわ」

陽:「全部開けようよ」

響:「カレンがよく居る部屋とか分かれば一発だよ」

タマキ:「……くぁ」

あくびをするタマキ。
ごしごしと眠そうにまぶたをこする。

551遊部『フラジール・デイズ』:2016/12/06(火) 22:23:23
>>550(GM)

欠伸をして、目をこするタマキへ 少し心配な声と共に告げる。

「大丈夫です? カレンさんが見つかる前に休みたいのでしたら
何処かの一室を使用して休みましょうか?」

 彼女の眠気は、病気であり彼女自身の責任ではない。カレンが
見つかる前に倒れそうなら、自分が背負うのも吝かではないが
タマキが嫌がるのなら、響君、陽君の背丈だと危なっかしい。
トレか、もしくは葉鳥さんに任せて背負って移動するにしても何かあった時には
困るだろう。なら、一旦安全な場所で休んでもらうのがベストだ。

「適当に近い場所から、見ていきましょうか 陽君、響君」

六つの部屋の一番近い場所から見て行く事を提案する。
ベットなどは完全に撤去されてるだろう。だが、ある程度寝そべられるのに
適した場所もあるかも知れない。なければ、カーテンなどを外して
タマキが横になれる場所を作る事にする。

552葉鳥 穂風『ヴァンパイア・エヴリウェア』:2016/12/06(火) 23:04:17
>>550(GM)
>>551(遊部)

「ここが…………ゴールはもうすぐ、ですね!」

     ジ

(だめだ、特に違いはない……
 大きな部屋でも、ドアは同じ大きさ)

全部開けていくしかないだろう。
穂風は廊下を見渡す目を、隊列に向けて止めた。

「よくいる、部屋」

「扉を見ただけ、じゃ……あ。
 その。分からないです、けど。
 全部順番に、開けていきましょう、か?」

       ス

だから当然、穂風の視線は、
何か知ってそうなタマキに向く。

(眠そうにしてる……確か、寝ちゃうんだった)

「あ、う。ええと」

『レミ』の気配りの早さに内心、感心する。

「ベッドが、あれば……いいんです、けど。
 ソファとか、あ。あの、タマキさんが寝ても」

         「仕事は、ちゃんとやりますのでっ」

不信感から眠りを我慢し、体調を崩されたりしてもいやだ。

553『ある夏の思ひ出』:2016/12/06(火) 23:46:32
>>551
>>552

タマキ:「ひつよー……ないのだわ」

眠そうに呟くタマキ。
陽は近くの扉を開ける。ベッドはないがソファはあった。
階段に置いてあったものと同じものだ。すこしぼろいが眠る分には問題ない。
床も人が眠るには十分なスペースがある。
そして、部屋にカレンはいない。

陽:「お姉ちゃん。ソファならあるよ」

タマキ:「……カレン……どこかしら……」
   
     「気まぐれで……いたずら好きだから……ただ隠れて……すぅ」

その場にへたり込むとタマキは眠ってしまった。
タマキをどうするかという問題があるが、カレンの居場所を探すということもある。
どうするかはあなたたちの自由だ。

554遊部『フラジール・デイズ』:2016/12/06(火) 23:53:11
>>553
 眠り込んだタマキをソファーへ運ぶ。
上着を一枚脱いで、彼女の体に被せよう。

 「トレ、暫くで良いので。タマキさんの方をお願いするわ。
何も起こらないでしょうけど、万が一変な事が起きたらブザーで報せて」

六つの部屋の距離はそこまで遠くないだろう。トレとの射程距離を考えれば
この階層で何かアクシデントが起きない限り、強制解除などは起きない筈だ。

トレをタマキの側に置いて、護衛にする。

「私達は、このまま三階を散策しましょう。ひとまず残りの五部屋を
探して、隠れられそうな場所もないか注意して見ましょうね」

 戦力は、陽君と響君、葉鳥さんに任せる事になるが、このままカレンと
裁縫箱を探す事にする。陽君と響君と一緒に手を繋いでカレンを捜しに行こう。

555葉鳥 穂風『ヴァンパイア・エヴリウェア』:2016/12/07(水) 01:28:11
>>553(GM)
>>554(遊部)

「あっ」

眠ってしまったタマキ。傍につく『トレ』――

私も――と言いかけたがやめた。
これは『トレ』が『レミ』に任されたこと。

(……そうだ、全部私がやるのは無理。
 トレさんは、私やレミさんと初めから対等なんだ)

(メイドさんだし、私よりずっと、お世話は得意なはず)

穂風は頭のどこかで――『トレ』を小さく見ていた。
それは『レミ』の添え物のような、彼女の態度故か?
しかし違う。彼女も同じ仕事仲間だと頭に響かせた。

「トレさん、あの、ええと。
 タマキさんの事、よろしくお願いします」

       ペコ

穂風は頭を下げて、『レミ』達とともに行く。
自分が護衛し、見張る仕事の対象は、響と陽なのだ。

             ・・・仕事を果たすのだ。

「……レミさん。あの。
 トレさんの分まで、頑張ります、私」

         「早く見つけましょうっ!」

気合十分の穂風は、何もなければ手近の扉へ先導する。
こうなってしまえば『順番』を決める要因も、もはやない。気合だ。

556『ある夏の思ひ出』:2016/12/07(水) 23:37:41
>>554
>>555

レミは自分の上着をタマキにかける。
深い息で眠っている。しばらくは起きそうにない。

トレ:「はい。お嬢様。ご随意に」

トレはレミの指示にしたがいタマキの護衛を務める。
一行は部屋を出て、隣の部屋の扉に手をかけた。
押して開くドアだ。これまでのドアもそうだった。
ごんっと何かがぶつかる。半開きだろうか、通れるか通れないか微妙なサイズの隙間からはソファが見える。
部屋の中にあるソファが扉を開くのを邪魔しているらしい。

響:「……僕の能力でのけましょうか?」

陽:「僕が部屋の中に入ろうか?」

響:「え?」

陽:「ん?」

このままこの部屋を調べるべきだろうか。
いたずら好きのカレンはここにいるのだろうか。

557遊部『フラジール・デイズ』:2016/12/08(木) 11:40:30
>>556(昨日PC調子悪くレス遅れました。すみません)

 「うーん…そうねぇ」

確実性から考えれば、響君が使う能力でソファーを除けたほうが良い。
 だが、カレンが居ないのなら直ぐ陽君が覗き込んで戻るだけの方が
時間短縮ではある。然しながら、私は響君の案を採用する理由があった。

「そう言えば、わたし響君のスタンドについて全然知らないのよね。
見せてくれるのなら、嬉しいわ」

 今は、一応共通の仲間しかいない状況だ。この辺で、響君と陽君の能力について
多少教えて貰えるほうが、後々何かある時の解決策も考えられる。

「因みに、私の能力は心の底から信頼する相手、一人を指定する事で
発動する能力よ。誰かを傷つけるパワーとか、そう言うのは皆無なの。
 それで、私の能力をかけているのはトレね。
トレも、スタンド使いよ。能力は知ってるけど、私にとってトレは
掛け替えのないパートナーなの。だから、自分から聞いて頂戴ね?」

 そう、自分の能力の一端を告げておく。
嘘はついてない。既にスタンド(トレ)はずっと発現しており、彼女は
自分と人格達除き善悪問わず任せられるパートナーだ。そして、スタンドの
『対象を部外者にする指定の演技』は、スタンド(トレ)にしか出来ない。
 また、今の段階では多数の中の一人の人間、としてトレは自分の付き人であり
スタンド能力者、であると周囲に見せておいた方が都合良い。何処に、自分達を
見ている目が隠れてないとも限らないのだから。

558葉鳥 穂風『ヴァンパイア・エヴリウェア』:2016/12/08(木) 23:13:30
>>556(GM)
>>557(レミ)

「ええ、と」

「響くん、あの、お願いしていいですか」

        ジ

穂風は『レミ』とほぼ同時にそう言う。
スタンドを見たい――とかではない。

単純に、自分の力ではどけるのが難しいから。

(ここにいるかは分からないけど……
 いる可能性は、高い気がする。出づらいし)

        (飛んだかんじは、してない)

この状況、『カレンが部屋から出る』のも難しいはず。
能力で窓から出たにしては、あの『浮遊感』は感じていない。

「中に危ないものとか、あったら。
 一人で入ると、危険かもしれない、ですし」

(レミさんの能力も気になるけど、今はいいよね)

穂風は、陽の要望は危険が多いと判断する。
ソファそのものや部屋内に危険がないとは限らない。
カレンがいたとして、陽一人で相対するのもどうだろう。

「あの、危なそうなら引っ張ります。
 部屋から何か出てきそう、とかなら」

       「響くんを後ろに、引っ張って逃がします」

スタンドを出した響含む全員が対処する方が、まだ安全だろう。
なにより『陽一人』の状況は、あまりよくない。穂風はそう考える。

559『ある夏の思ひ出』:2016/12/09(金) 00:18:11
>>557
>>558

陽:「うん! トレお姉ちゃんに聞くね!」

レミは自分の能力の一部を響達に告げる。
葉鳥もレミも響が扉を開けることを希望した。

響:「残念ですが、ボクのスタンドをお見せすることはできません」

  「こいつはずっと前から発現し、ボクの体内に潜んでいるんですから」

響が片足を上げる。
そして、響の顔や服から除く肌には血管のようなものが浮かび上がる。
ただしそれは血管というにはあまりにも赤黒すぎるものであった。

響:「葉鳥さん。なにかあったらお願いしますね」

  「『モンスター』」

引かれた弓から矢が放たれるように、響の足がまっすぐに足を伸ばす。
扉の隙間に響の細い足、やはり赤黒い血管のようなものが浮いているそれがソファを狙い打った。
正確にはドアに少しぶつかったがそれでも減速せずソファを蹴りにいったのだ。
どんっという鈍い音と共にソファが転げる。

響:「さ、行きましょう」

560遊部『フラジール・デイズ』:2016/12/09(金) 00:31:39
>>559

>こいつはずっと前から発現し、ボクの体内に潜んでいるんですから

(赤黒い筋……血管……それとも神経かしら?)

 人間の体表から浮かぶ筋があるとすれば、それは血管、若しくは神経だけだ。
神経の異常発達により、元々の子供の筋力よりもすさまじい力を引き出す。
 そんな能力かも知れないと、少し推測をしておく。

「凄いわね、それでいて便利だわ。スタンドが体にあれば
誰にもスタンド使いであるとは普通は気づかれないしね」

 隠蔽、の意味合いでは自分も似たような事をしてるが。使い勝手では
響君のほうが便利そうだ。戦闘も、単体なら私より上であろう。

 部屋に入る先頭は葉鳥さんに任せ、後続と自分はなり陽君が行き成り
何処かへ走り出さないよう気を配りつつ進もう。

 「カレンさーん?」

 部屋に入る前に、居るかも知れないカレンに声をかけておく。

561葉鳥 穂風『ヴァンパイア・エヴリウェア』:2016/12/09(金) 03:18:05
>>559(GM)
>>560(遊部)

「わ……っ!」

     「すごい」

         ≪本体の身体に住む……
           そのようなスタンドがあるとは≫

「はいっ! 何かあったら、
 あの、私に、任せてください!」

        どんっ

と転がったソファを見て、穂風は部屋の中に入る。
出来る限り――先頭か、響のすぐ後に。

「ソファだけ……なら、
 危なくはない、んですけど」

        キョロ

    キョロ

         ≪そこそこ手間の掛かる妨害。
           全ての部屋にあるのなら、
           そう複数もないはずですが……≫

大きな動きはせず、ソファがあった位置に足を運ぶ。
それから部屋の中を素早く見回し、怪しい物を見つけたい。

562『ある夏の思ひ出』:2016/12/09(金) 23:44:36
>>560
>>561

響:「そんなに……便利なものでもないですよ」

眉をしかめる響。
人の中に潜むスタンド。それは葉鳥のものともレミのものとも違う。
部屋に入る前にレミは声をかけるが返答はなかった。

部屋の中にはぼろぼろのタンス。ベッド。部屋に備え付けられているらしい風呂。
そして少し空いた窓。
この部屋にカレンがいるのならどこかに隠れている可能性もある。

563遊部『フラジール・デイズ』:2016/12/09(金) 23:52:03
>>562

 「じゃあ、私は。お風呂と窓付近を調べて見ます」

風呂の中を覗いてみる。いる可能性は低い気もするが、タンスなど
行き成り誰かが飛び出してきそうなのは、早い回避が行える葉鳥さんに
任せたほうが良い。適材適所と言うやつだ

そして、少し空いた窓を大きく開放させる。
 「陽君、ちょっと窓を抑えてくださいね。お願い」

顔を出したら、急に窓が閉じる。なんて恐ろしい事は起きないと思うが
 もし、カレンが窓の向こうの上で身を潜めてる。なんて事があれば
反射的に上半身が外に出て転落しかける危険だってある。陽君には自分が
落ちそうな時に支えてくれるように近くに居てもらう。

陽君が窓を押さえてくれるのを確認してから、頭だけ出して上や下
左右を確認してみる。

564葉鳥 穂風『ヴァンパイア・エヴリウェア』:2016/12/10(土) 08:47:42
>>562(GM)
>>563(遊部)

「…………」

穂風は響の言葉の深い所を知らない。
彼がその能力ゆえに感じる何かを知らない。

「でも、あの。すごく……
 助かりました。ありがとう、ございます」

    ペコ

      「では、私はタンスを!」

穂風は響に改めて礼をする。
それから――『レミ』と手分けして、カレンを探す。

部屋の隅々、天井まで見渡して、タンスに視線を。

(中に隠れられる……ように見える。
 ベッドの下とかも、怪しいかもしれないけど)

まずはタンス……開けるときは、慎重に。
もし何かが飛び出したり、飛び出そうとしたりしたら――警戒する。

565『ある夏の思ひ出』:2016/12/10(土) 23:10:31
>>563
>>564

二人はそれぞれで部屋を探し始める。

レミは風呂の中を覗いてみるがそこにカレンはいなかった。
洗われていないのだろう、汚れの目立つ大きな浴槽があった。
またトイレもあったが特になんということもない。

響:「はい。大丈夫です」

響はしっかりと窓を押さえる。
そしてレミは窓から顔を出す。
カレンの能力であれば宙に浮いて窓から見えないところに隠れるというのも可能ではあるが
窓周辺にカレンはいなかった。

陽:「じゃあ、僕こっちー」

葉鳥のそばに陽が立つ。
そして、タンスを開ける。
二つ扉の上段部と下には引き出し。

陽:「隠れてるとしたら、上だよね……」

陽は葉鳥の傍、一歩半ほど下がって葉鳥を見つめる。

見た目のとおり中身もぼろぼろなのか、ぎぃっと音を立てて扉が開いた。

陽:「あ」

カレン:「しぃっー」

カレンがいた。
上着などをかける用途で設置されてたであろうスペース。
そこに体を収め、手には裁縫道具とぬいぐるみ。
いままさにぬいぐるみの修理中であった。

566遊部『フラジール・デイズ』:2016/12/10(土) 23:20:04
>>565

 「こちらは、見つかりませんでした。
葉鳥さん、そっちは?」

 窓から顔を引っ込めて、葉鳥さんへ首を向け聞いて見る。

 特に異常もない、ここまでは平和なものだ。

少し頭に引っかかるものといえば、彼(ロビン)の行方だろうか。
 三階、二階付近で彼の人影は見当たらなかった。既に、外の方へ
出ていると言う事だろうか?

 「ちょっと、掘り下げて聞くけど。
響君の能力だと、パワーもそうだけど、スピードもどの位
最高で上げれるのかしら?」

 響君の『モンスター』。その性能の詳細を少し情報を出して貰おう。

「御免ね。ちょっとした好奇心なの
余り言い出したくなかったら、別に構わないわ」

 目的は、一見必要性のない情報でも後に役立てるための保険としての
情報収集だ。彼、彼女らの気持ちに配慮するのも大事だし。そう
付け加えて響君のスタンド能力を聞いて見る。

567葉鳥 穂風『ヴァンパイア・エヴリウェア』:2016/12/11(日) 00:40:17
>>565(GM)
>>566(遊部)

「あっ!!!」

        「あっ……」

思わず声を上げてしまった。
穂風の目にカレンの姿が映った。

そして、一瞬真に受けて、口を手で押さえて。

(しぃーって言われても、
 私たちはカレンさんを探してるし)

(探検はこれで終わったし、隠すのは良くないよね)

陽ではなく見つけたのが響なら。
陽が見つけるまで黙っていてもよかった。

(陽くんたちの性格は全部は分からないけど)

けれど陽がカレンを見つけていて、
響はきっと黙っていられる方が嫌だ。

      コク
              コク

    コク

『レミ』には興奮気味に頷いて返した。

見つけたとき、声は我慢できなかったが……
自分が大声を出すより、陽が言うのを待つ方がいい。
これは彼の探検で。穂風はお手伝いで。カレンを見つけたのは彼だ。

568『ある夏の思ひ出』:2016/12/11(日) 23:26:34
>>566
>>567

カレンを発見した葉鳥。
それを見てカレンはにししと笑う。
レミに対して頷きで返す彼女に対してだ。

響:「速さも……動物レベルにまでは」

  「すみません。あまり人に見せびらかしたい能力ではない、というか必要な時以外は……」

そういうと響は黙り込んだ。
その時だった。

陽:「あー!」

  「カレン!」

陽がそう叫んだ。
糸と針を口にくわえてカレンは耳をふさいでいる。

カレン:「ほへへほう」

     「もとい、おめでとう。ぬいぐるみの修理も終わったところさ」

そういってピッと糸を糸切狭で切る。
そこには完全に修復されたぬいぐるみがあった。

カレン:「ハンカチ、使っちゃった」

     「ところで、タマキはどこかな?」

569遊部『フラジール・デイズ』:2016/12/11(日) 23:49:27
>>568

>速さも……動物レベルにまでは
>あまり人に見せびらかしたい能力ではない、というか必要な時以外は

「いえ、御免なさいね 不謹慎で。ただ、少し好奇心が膨れ上がって
しまっただけなの。もう聞かないわ」

 そう、謝罪の意を込め。軽く響君の肩に手を置いて頭を下げる。
彼を困らせたり、嫌な気持ちにする為に聞くつもりではなかったのだ。
 
「あぁ、そこに居たんですね。見つかって良かったです」

 ホッと一安心した顔を浮かべ、カレンの方へ響君と一緒に
近寄る事にする。

>タマキはどこかな?

「少し離れのソファーのある部屋で横になってます。また、眠気が
来たようでしたので、無理に連れて行くより自然と起きるまで
楽な体勢で休んでるほうが良いですから。トレも一緒に居ますので
危険はないと思いますよ」
 
 万が一の事があれば、防犯ブザーで報せるように告げている。
トレはスタンドなのだし、一般の人間に見えない不自然なものが
現れれば直ぐに解る。

570葉鳥 穂風『ヴァンパイア・エヴリウェア』:2016/12/12(月) 00:08:00
>>568(GM)
>>569(遊部)

    「っ」

「……あっ、はい。
 修理、ありがとうございますっ」

      ペコ

「あの、ええと……」

穂風はタマキの事を言おうとしたが――
それについては『レミ』が先に言ってくれた。

「そういうこと、です。
 それじゃあ、タマキさんのところに」

         「迎えに行き、ましょうか」

    トンッ

穂風は率先し、先の部屋に向かおうとする。
何かがあったとき、トレだけでは心もとない。

とはいうものの、陽を放置することはしない。

「探検の続きは、その後、でも。
 まだ見てないお部屋も、ありますし」

「タマキさんも、トレさんも、あの、みんなそろって」

陽に、他の皆にも、そのように声をかける。
もっとも……彼がもう満足なら、それはそれでいいけれど。

571『ある夏の思ひ出』:2016/12/12(月) 23:28:20
>>569
>>570

響:「……いえ、いいんです」

  「気になるのはしょうがないことです」

響はそういってレミの言葉を打ち消した。

カレン:「うん。そうかそうか。そういうことか」

     「ありがとう。それと、修理はボクが勝手にやったことだから、お礼はいいよ」

薄く笑うカレン。
よっとなどといいながらタンスの中から出てきた。
手にはぬいぐるみをもって。

カレン:「ボクは行こう。寝起きのタマキはちょっと喧嘩っ早い」

     「危害は加えなくても暴言は吐くかもしれないからね」

     「君たちはどうする?」

響:「……行きます。探索は、また今度でも」

陽:「んー。んー……どうしよう……」

572遊部『フラジール・デイズ』:2016/12/12(月) 23:34:24
>>571

>君たちはどうする?

 「そうですね……時間は、どの程度でしょう?
そろそろ、お昼時でしたら。皆さんで御飯でもどうでしょう。
屋上か、また見晴らしの良い場所のあたりで全員で食事出来ればと思うのですが」

時間的には、もう昼食の時間帯でも問題ない筈。

「カレンさんに、そしてタマキさんも起きて頂いて皆さんで一緒にどうでしょう?
全員で食べれる量はあると思いますが……」

 最悪、自分は食べなくても良い。
食事を全員ですれば、まだ蟠りと言うか溝はあるのだ。その裂け目を
少しでも小さくするのには、全員で食事するのが近道としては一番良いと私は思う。

573葉鳥 穂風『ヴァンパイア・エヴリウェア』:2016/12/13(火) 00:27:02
>>571(GM)
>>572(遊部)

「でも、あの。
 ありがたかった、ので」

「もちろん私も、行きます。その。
 レミさんの言う通り、で……
 ご飯も、そろそろ。食べたいですし」

        「えへ、へ」

穂風は小さく自分の胃をさすった。
従者は黙して、肯定する。主の食事は大切だ。

まあ、そうでなくとも――迎えは自分で言いだしたこと。

「それじゃあ、あの。行きましょうかっ」

          「よかったら、陽くんも」

      ザッ

陽から了解が得られたなら、この部屋を出て迎えに行こう。

574『ある夏の思ひ出』:2016/12/14(水) 07:17:40
>>572
>>573

カレン:「そうだねぇ。そろそろお昼にちょうどいい時間じゃないかな」

部屋、というかお城には時計がなかった。
ただ窓の方を見てカレンはそういった。
日の高さで判断しているだろう。

カレン:「屋上、ないんだよね」

「タダ飯は大歓迎だけど」

陽:「うん。行こう、みんなで」

カレン:「じゃ、タマキのところに行こう。問題が起きなれけばいいけど」

そうして、カレンを加えた一行はタマキの眠る部屋に向かう。

トレ:「おかえりなさいませ」

トレは一礼で迎え入れてくれた。
そして、タマキはまだ眠っている。

カレン:「無理に起こすとちょっとヒステリックになるんだ」

「どうする? 待つ? トランプでもしてさ」

ポケットに手を入れてカレンが笑った。

575遊部『フラジール・デイズ』:2016/12/14(水) 09:23:32
>>574

 「ただいま。有難う」

トレに、微笑みを向け労う。
 大事ないのは、警報の有無で承知はしていたものの。やはり
目で無事を確認出来ると、よっぽと安心がある。

 「トランプですか、いいですね。
とは言うものの……どのルールのゲームでします?」

 無理に起こして機嫌悪くなるのなら、気長に少し待つのも問題ない。
ただ、トランプのゲームとなると。ポーカーなりブラックジャックなり
大富豪なり……数多に種類がある。

 不得意は別にない……したいものがあれば、カレン若しくは陽君に響君の
したいゲームで良い。

576葉鳥 穂風『ヴァンパイア・エヴリウェア』:2016/12/14(水) 23:20:44
>>574(GM)
>>575(遊部)

「ただいま、帰りました」

      ペコ

「ありがとうございます」

『トレ』に礼を言って、部屋の手前の方へ。
万が一の時扉を守れる位置というわけ。

「そう、なんですね。
 寝起きはつらい、ですしね」

「それで……トランプ、ですか……」

穂風はトランプをもちろん知っている。
このくらいの事は昔から知っている。

「ええと」

「あの。そうです、ね。
 何をしましょうか……?」

      ≪いつ起きてくるか分かりかねる故、
        ワンゲームは短い物がよろしいかと≫

「……」

   コク

穂風は首肯した。
従者の意見に、特に跳ねのけたい理由もなかった。

          寝起きの機嫌が悪いならなおさら、
          周りだけ遊んでいる状況は短い方がいい。

577『ある夏の思ひ出』:2016/12/15(木) 00:16:39
>>575
>>576

カレン:「大富豪でいいかな?」

一行は床に座し、トランプを始める。
ゆっくりとただし着実に時間は過ぎていく。
陽やカレンは積極的に会話を始める。
はじめはカレンに対して微妙な顔だった響も徐々に慣れてきたようだった。
流石に腹の虫もなるかという頃。
タマキが目覚めた。

タマキ:「ん……カレン?」

カレン:「やぁ、見つかってしまったよタマキ」

タマキ:「そう……」

カレン:「えっと、なんだっけいうことがあったんだよね。ご飯だっけ」

578遊部『フラジール・デイズ』:2016/12/15(木) 19:23:50
>>577

 「おはようございます」

タマキに、笑顔で挨拶をする。まだ心の距離はあれど
彼女とも絆を結べるならば結びたい。それは計算なく『レミ』の本心だから。

 カレンに続くように、言葉を紡ぐ。

「えぇ、そろそろお昼なんて。私達、重箱で量はある
御飯もありますので、良かったら皆さんでどうかと……」

 そこで、言葉を止める。大事な事に気づいたからだ

「……皆さんで一緒に。となれば、ロビンさんも同席して
貰ったほうが良いですよね。うーん……大声で呼べば来てくれますでしょうか」

頬に手を当てて、少し困った声色で呟く。

『ロビン』 殆ど親交なく、タマキとの接点以外繋がりない為に
放置していたが。彼も廃墟まで同行していた仲であるし 仲間外れするのも
心象悪いのでは、と考える。白雪姫の仲間外れにされた悪しき魔女ではないけども
知り合った人は、全員で食べるのが良いと自分は考える。

「カレンさん、上に向かう途中でロビンさんを見かけました?
 タマキさんも、あの方がどういった場所を好んでるか教えてくれると
助かるんですけども……私達は上に向かう中では見かけませんでしたし」

 ロビンの事について話を振る。特に、タマキはロビンと一番この中で
一緒だった時間が長いのなら、少しは向かう場所の把握に役立つ筈だ。

579葉鳥 穂風『ヴァンパイア・エヴリウェア』:2016/12/15(木) 23:31:22
>>577(GM)
>>578(遊部)

「あっ、おはようございます」

          ペコ

タマキに頭を下げる。
トランプは裏のまま、床に置いた。

・・・どういう戦局だったかは、あえて言わない。

「はいっ、多分ごはんの事です。
 それで。ええと。ロビンさんは……」

           ≪外では≫

「遊ぶって、言ってたしね……」

コヨーテと彼の遊びがどういうものか?
穂風はそれをもちろん知らないが……大人しくもないだろう。

「みんなそろって、ご飯を食べようって。
 そう話してたん、です。だから、あの。ロビンさんも」

『レミ』も言ってることだけれど、穂風の口からもタマキに説明しておく。

580『ある夏の思ひ出』:2016/12/15(木) 23:55:05
>>578
>>579

カレン:「ロビン? 外じゃないかな」

     「まぁ、彼は自由人だからここに帰ってくるかもわからないしね」

頭をかくカレン。
ロビンはこの二人の仲間、という組み分けの外にいるようだ。

タマキ:「で」

     「どーやったら、この人たちとご飯を食べることになるの?」

カレン:「まぁまぁ……一緒にいたんだし、この人たちがどういう人かちょっとは分かったでしょ?」

     「わざわざちゃんと眠れるように配慮までしてくれたんだしさ」

タマキ:「……ま、まぁ。ちょっとはしんよーできる人たちなのだわ」

タマキはレミや葉鳥たちを信用のおける人物として認識したようだ。

カレン:「ふふ。じゃあ行こう。折角のお天気だ。山のてっぺんでご飯にしようじゃないか」

そういって手を差し伸べるカレン。
その傍らにはスタンドのヴィジョン。
ここに来た時のように飛ぶつもりなのだろう。
手を取るのも自由だ。
取らずに別の場所を提案するのも自由だ。

581遊部『フラジール・デイズ』:2016/12/16(金) 21:28:19
>>580

「そうですか……では、見かけたら声掛けすると言う事で」

心当たりがないのなら仕方がない。ロビン 彼には少々悪いと思うが
今はこのメンバーで、お昼を伴にする事にしよう。


「私達は、その……数日しか此処には居られません。
なので、冷たくても構いませんけれど。それでも、短い間ながらも
思い返して、あの時は楽しかったと回想出来る間柄を築きたいんですタマキさん。
 もちろん、それはカレンさん、響君や陽君に、葉鳥さんにも同じこと言えます」

主体をタマキとして返答はするものの、全体を通して告げておく。

私や葉鳥さん、いや……この数日の別荘での仕事を終えれば。また星見町での
日常を戻る事になる。また全員一緒で会おうと携帯やらで次の交流を取り付けても
普通の人でも、遠方だと関係が疎遠になる事はザラなのだ。今の面子で再度一緒に
遊んだり御飯を食べれる時が来る可能性が高いと胸張って私は言えない。

「思い返しても楽しくないよりは、多少は楽しかったかなと感じられる思い出のほうが
ずっと良いですから。私は、出来る限り輝く宝石が頭の中に納まる事を望んでます」

 『レミ』として、玲実にも言える事。
辛すぎる過去は、幾多の心に分裂する事だってある。
 目の前に映るこの子達が、第二の、今の『私』になるような事がないように
出来るだけ楽しい時を過ごして欲しいと言うのが親心と言うものだろう。

 「えぇ、それではお願いします。カレンさん」

カレンの肩が二の腕か、近くの部位を一度断り入れて触れる。トレにも
自分に重ねるようにして触れて貰う。

582葉鳥 穂風『ヴァンパイア・エヴリウェア』:2016/12/16(金) 23:19:03
>>580(GM)
>>581(遊部)

「あ、やっぱり」

「じゃあ、ええと」

『レミ』の言葉には深い意味がきっとあるのだろう。
穂風は言葉を弄するのは、得意ではない。

「えへ……ありがとう、ございます。
 きっと、もっと信用されるよう、頑張ります」

        ペコ

考えて、素直に動く。
出来ることを行動する。

タマキに、礼を言ってから――

「山の、てっぺん……楽しみ、ですね」

        ス

          「行きましょうっ」

    「……お二人も」

カレンの手を取る穂風。
陽と響にも、そうするように――促す。

強制ではない。彼らが別の場所を望むなら、それは仕方ない。

583『ある夏の思ひ出』:2016/12/17(土) 00:09:31
>>581
>>582

タマキ:「……ふんっ」

     「あなた達となら楽しい思い出、できると思うのだわ。多分」

タマキはカレンの服をぎゅっと掴んだ。
それを見て、カレンが淡く微笑んだ。
レミはカレンの肩に手を置き、トレもレミの手に自分の手を重ねる様に置いた。

陽:「お兄ちゃん」

響:「……ま、いっか」

陽:「うん! 行こう!」

カレンの手を取った葉鳥。
そして、葉鳥を追うように陽と響も手を重ねる。

カレン:「ようし、ちょっとばかりトバすよ」

一行の体が浮く。宙を舞う。
素早く、針の穴を通すように正確に窓から外に出た。
本日二度目の空中浮遊であった。
一気に上昇していく。空に近づいていく。

タマキ:「カーレーンー! 早いのだわ!」

カレン:「ははっ楽しいだろう?」

タマキ:「ちょっと怖いのだわ!」

カレン:「ごめんごめん」

カレン:「……穂風、レミ、トレ、陽、響」

     「ありがとう。タマキと一緒にいてくれて。あの子に気を遣ってくれて」

     「他人と関わることが少ないから、きっとタマキも喜んでると思うから。感謝するよ」

きゃーきゃーと騒ぐタマキをよそにカレンが君たちに囁いた。
それはカレンの本心からの言葉であろう。

584『ある夏の思ひ出』:2016/12/17(土) 00:13:42
>>583

山の頂上に一行は降り立った。
太陽は暑くまぶしい日差しを大地に注ぐ。
一本、大きな木があった。その木陰に入る。

カレン:「おや。ロビン」

ロビン:「あぁ……お前たちか」

カレン:「コヨーテは?」

ロビン:「終わった」

木に寄り掛かるように座ってロビンが眠っていた。
その顔や見える肌には擦り傷があった。
それはコヨーテとの遊びの影響なのだろうか。

ロビン:「どうした?」

陽:「みんなでご飯食べるの!」

そうか、とロビンは呟き

カレン:「君もお呼ばれしなよ」

     「いいだろう?」

さぁ、食事の時間だ。

585遊部『フラジール・デイズ』:2016/12/17(土) 00:49:18
>>584

「素敵ですね……鳥のように空を飛ぶ。
一つの夢ではあったんですよ。叶って嬉しいです」

大空を生身一つで舞う。スタンド使いである少女の力を借りてはいるものの
誰もがもつ憧れを叶えてくれているのだ。これほど嬉しい事もない。

降り立つと、ロビンさんが居た。少し生傷あるものの無事だ
コヨーテと遊んで出来た傷と言う事は、やはり其のスタンドは中々自分の
フラジール・デイズとは違った意味合いで特殊(自立型?)なのだろう。

「えぇ、ロビンさんも是非一緒に良ければご同伴ください。
食事は賑やかなのが一番ですし」

 「それじゃあ、お食事にしましょうか」

ニコニコと、重箱を開ける。
 
 「皆さん、各自好きなものを取り分けて食べて下さいね。
えぇっと……人数分の割りばしはあったかしら…?」

 皿はなくても、少し行儀悪いが箸があれば思い思いに全員それで
とって食べれば良い。箸が無かったら、トレの忍ばせてるバーベキュー串を
各自に渡して大丈夫だろう。本来の用途として串は使ってもらうほうが嬉しいだろうし。

586葉鳥 穂風『ヴァンパイア・エヴリウェア』:2016/12/17(土) 04:49:46
>>583-584(GM)
>>585(遊部)

「わ」

       「わ」

  「わっ」

       ≪お嬢様、舌を噛みます。
          声は出さない方が良いかと≫

そんなことを言われたって、
声を出さずにいられるはずはない。

穂風は怖いからじゃない。楽しいから声を出す。

「…………はい」

  ニコ

カレンの感謝には、笑顔で返した。
舌をほんとに噛みそうな気もしたし、
今はうまく言葉を作れない気がしたから。

(誰かが嬉しいと、私も嬉しい)

         ・・・

    ・・・
            ・・・


「――っと、と」

着地する。大きな木だ。
景色を堪能するには、道中がすごすぎた。

きっとここでしか見られない景色もあるだろうけど。

「ロビン、さん。あ、う、お疲れさまです。
 あの、ご飯……ロビンさんも、いっしょに」

           「どうでしょう!」

ロビンを誘わない理由なんてどこにもない。
重箱を開けたり、お箸を取り分けたりするのを、穂風も手伝う。

587『ある夏の思ひ出』:2016/12/17(土) 22:22:20
>>585
>>586

ロビン:「あぁ」

ロビンも食事を共にすることを決めた。
もしも山中での食事で橋を落とした時の配慮なのか予備の割りばしも入っていた。
全員に箸がいきわたる。
ロビンは少し首を傾げている。

陽:「じゃあ、いいかな」

カレン:「うん」

タマキ:「お腹がすいたのだわ」

響:「僕も」

  「では手を合わせて」

子供たちが手を合わせる。
つい昨日お互いを知らなかった者同士。
だが今はほんの少しの友情でつながっている。
君たちがいたから繋げた絆なのだろう。

「いただきます!」

青空や山の中に響き渡りそうな声だった。

588遊部『フラジール・デイズ』:2016/12/17(土) 22:27:27
>>587GM(少し早いですが、長い間のミッションお疲れ様です。
そして有難う御座いました)

 「――いただきます」

 この別荘で、この子達と出逢えて良かった。
最初こそ、他のスタンド使いの人達と一緒と言う事で
何か大きな苦難が訪れる事も覚悟していた。
 けど、信頼を以て接すればソレは返って来る…
今日 私はそれを学べたのだ。

 空に映る澄み切った青のように、美しい空色を心に広がせながら
笑顔で皆を見渡し、楽しい食事の一時を得た……。

589葉鳥 穂風『ヴァンパイア・エヴリウェア』:2016/12/18(日) 01:23:00
>>587(GM)
>>588(遊部)

「…………はいっ!それでは」

       パンッ

穂風は子供たちに合わせて手を合わせる。

自分だってまだ子供だけれど。
今日は、少しだけ大人になる日だ。

「いただきますっ!!」

          ≪――いただきます≫

          従者は主の成長を喜ぶ。
          無事、と言って差し支えなく、
          主の力になれたことを――喜ぶ。

けれどまあ。

今は難しいことはどうだっていい。
いい天気の青空の元で、みんなで手を合わせて――ご飯の時間だ。

590『ある夏の思ひ出』:2016/12/18(日) 14:33:34
>>588
>>589

青空の下。
爽やかな風が吹き、木の葉を揺らす。
いつかは別れる運命ではあるが、今この瞬間を楽しんでいた。
陽の光が輝いた。
笑い声が響いた。
か細くも確かな絆の輪がそこにあった。

591『ある夏の思ひ出』:2016/12/18(日) 14:55:49
それから数日。
別荘のリビングに陽と響はいた。
葉鳥やトレ、逢坂の姿はそこにはない。

陽:「行っちゃったなぁお姉ちゃんたち」

響:「見送り、山の下まで一緒に行かなくてよかったの?」

陽:「泣いちゃうから。お姉ちゃんたち心配しちゃうだろうし」

ぐでっと机に体を預ける陽。
それを見てふぅと息を吐いた響。

陽:「僕が帰っても、お兄ちゃん泣かないでね」

響:「泣かないよ」

陽:「お兄ちゃんだから?」

響:「ううん。いつかまた会えるからだよ。お姉さんたちともすぐに会える」

  「だって人の出会いも重力だから」

陽:「重力かぁ……」

響:「うん。だから大丈夫だよ」

笑いあう二人。
テーブルの上に置かれた工具箱を響がなでる。
どれだけの遠く離れていても心の距離は離れることはない。
そしてその心の距離がある限り重力もまた弱まることはない。

592『ある夏の思ひ出』:2016/12/18(日) 15:51:58
山道を登る車があった。
運転席に座るのは逢坂だ。

逢坂:「んー葉鳥さんやレミさん、もうちょっと長く居てもらってもよかったかなぁ」

    「遼子ちゃん帰ったからって……お客様としていてもらうべきだったかなぁ」

しばらくの間だが行動を共にした者たちを思い出す。
しかしそれが約束であったからしょうがないと思う心もある。

逢坂:「……あの子たちが落ち込んでないといいけど」

    「ま、私は私の仕事しないと。葉鳥さんやレミさんが頑張ってくれたんだし」

    「ねぇ熊ちゃん」

助手席で熊のぬいぐるみが揺れる。
つぎはぎだらけの熊。
本来であれば捨てられるような存在だがそれは一つの友情の証明だった。
葉鳥やレミ、トレ達が陽やカレンたちと築いた友情の。

空は青く、太陽は暑すぎるほどの日差しを放つ。
いつもと違う日常が過ぎ、いつもと変わらない日常が過ぎていく。
いつまでも。

『ある夏の思ひ出』→おしまい。

葉鳥 穂風『ヴァンパイア・エヴリウェア』→『10万』獲得

遊部『フラジール・デイズ』→『10万』獲得

鍋師 陽『ヒーロー』
伏見 響『モンスター』
白峯 カレン『フィール・インヴィンシブル』
諏訪 タマキ『コメトス』
                           →『新たな友情』獲得

593『ある夏の思ひ出』:2016/12/18(日) 16:23:06
「ヒーローはみんなと仲良くなくちゃいけないんだよ。
 みんなと仲良しな人がみんなの喧嘩を止められるんだ」

【無邪気な弟】鍋師 陽のスタンド。
黒と天色の纏うヴィジョン。腕輪などの装飾を装備してる。
中央に水晶玉を思わせる物体をはめこまれたベルトを持つ。
『友達』から力をもらい、強化される能力。

『ヒーロー』
破壊力:C スピード:C 射程距離:E
持続力:C 精密動作性:B  成長性:B

★氏名―鍋師 陽(なべし はる)
★スタンド―『ヒーロー』
★能力―友達から力を借りる
★性別―男 ★年齢―? ★血液型―A
★山羊座生まれ ★髪の色―黒 ★瞳の色―灰 
★趣味―キャッチボール 川遊び
★好きな映画―ライオン・キング ★好きな色―天色
★性格―好奇心旺盛。無邪気さも相まって色々なことに挑戦するが、性根はビビり。
★外見―きれいに切られた短髪。大きな猫のような瞳を持つ。
      半ズボンに半袖のシャツや袖のないシャツを好んできている。
★備考―夏休みを利用して山にある別荘に遊びに来ていた少年。
      両親は仕事で忙しく、代わりにお手伝いさんである逢坂冬美とやってきた。

      突然の来訪者である伏見響とは出会ってからの期間は短いものの、親友関係。
      というよりもたまにぼんやりと響の横顔を見つめているときもある。
      その感情がどういう類のものなのか彼は分かっていない。

594『ある夏の思ひ出』:2016/12/18(日) 16:26:03
「キミがヒーローなら、ボクはモンスターだ。正義がいるから悪がある」

【未詳で未熟な蕾】伏見響のスタンド。
本体の中に潜む寄生虫。
皮膚の下や筋肉、神経、血管内などを移動する触手によって本体の体を強化する。
また寄生虫は寄生虫として繁殖する機能を持つらしい。

『モンスター』
破壊力:B スピード:C(B) 射程距離:D
持続力:B 精密動作性:D  成長性:D

★氏名―伏見 響
★スタンド―『モンスター』
★能力―本体の体内に潜む寄生虫
★性別―男 ★年齢―? ★血液型―?
★山羊座生まれ ★髪の色―黒 ★瞳の色―黒 
★趣味―散歩 絵を描く
★好きな映画―? ★好きな色―竜胆色
★性格―歳に合わない余裕さと年相応の無邪気さを持つ。気に入った相手にはとことん尽くしてくれる。
      いたずら好きな一面もある。
★外見―色素の薄い肌に長めの黒髪を結んでいる。短い尻尾のようになっている。
      幼さの少し残る顔で、数多くの少年を見てきた逢坂冬実曰く「(鍋師陽同様)可愛い系の顔」
      女性っぽい。
★備考―どこからともなく現れた少年。
      本人は他人と自分の間に線引きがあるらしく
      自分にとっての大切な相手にのみ大切なことを晒せるらしい。
      物事に対して一歩引いたような時があるが
      まだ子供らしさが残る顔同様、内面も子供らしさが残っている。
      鍋師陽とは親友であるが、陽の行動に振り回されることもしばしば。

595『ある夏の思ひ出』:2016/12/18(日) 16:27:22
【素人鑑定士】逢坂 冬美のスタンド。
本体の瞳に発現するコンタクトレンズ。
発現すると本体の瞳は忍冬唐草の模様で彩られる。
彼女の好きなエメラルドグリーンに白の唐草、瞳の中央の唐草はハート形を作っている。

鑑定し、見比べ、欲するものを探すのが能力。
このコンタクトを通してみる世界は黒と白と灰で構成され非常に色のない風景が広がっている。
しかし、使用者が念じ意識することで対象となりうるものは色づく。
「今の状況を打破する道具」などアバウトでも一応探し出すことはできるが
どう利用するかは本体次第である。

このスタンドの影響か本体である逢坂冬美はプロ並みではないが、見比べる能力にたけている。

『ルック・オブ・ラブ』
破壊力:- スピード:- 射程距離:D
持続力:B 精密動作性:A 成長性 :C

★氏名―逢坂 冬美
★スタンド―『ルック・オブ・ラブ』
★能力―見比べることで自分の欲するものを発見するコンタクトレンズ
★性別―女 ★年齢―28 ★血液型―O
★さそり座生まれ ★髪の色―黒 ★瞳の色―茶 
★趣味―ショッピング 観察日記
★好きな映画―サマーウォーズ ★好きな色―エメラルドグリーン
★性格―優しく、どこか抜けたところがある。
★外見―眼鏡でおさげ。いかにもお姉さん系という雰囲気を持つ。
      普段着の上にエプロンを着ている。
★備考―鍋師一家のお手伝いさん。
      家族自体が鍋師一家に仕えている。
      今回は鍋師当主の息子である陽からの指名で別荘地での世話を任されている。
      少年が好き。鍋師陽も好き。伏見響も好き。少年が好き。

596『ある夏の思ひ出』:2016/12/18(日) 16:29:14
【落ちる人】カレンのスタンド。
小さな地球の象徴ヴィジョン。本体にかかる重力を操る。

本体、詳しくは本体の触れているものも含めて
受ける重力の向き、重さ軽さと操ることが出来る。
上からの重力を強くかけることでものを押しつぶすことが出来るが
それは本体もつぶれることと同義である。
重力を操ることによって身体に影響を及ぼすことはないが
操った重力には本体も逆らうことは出来ない。

『フィール・インヴィンシブル』
破壊力:- スピード:-  射程距離:E
持続力:D 精密動作性:-  成長性:E

★氏名―カレン(白峯 カレン)
★スタンド―『フィール・インヴィンシブル』
★能力―本体にかかる重力を操作する
★性別―男? ★年齢―? ★血液型―?
★いて座生まれ ★髪の色―薄い金 ★瞳の色―鳶色 
★趣味―散歩 誰かと遊ぶ 昼寝
★好きな映画―? ★好きな色―桃
★性格―大人っぽさに憧れる。心開いた相手以外には素直になれない。
★外見―袖のないジップアップのパーカーを愛用し、きれいに切りそろえた髪に白いリボンをつけている。 
★備考―山中にあるお城(廃業したホテル)で遊んでいる。
      町中に秘密基地という隠れ家を持っており、そこを転々としているらしい。
      お城もその一つらしい。いつも遊び相手を探している。
      鍋師陽と伏見響らと友情が芽生え、友達となる。

597『ある夏の思ひ出』:2016/12/18(日) 16:29:58
★氏名―タマキ
★スタンド―『コメトス』
★能力―?
★性別―女 ★年齢―? ★血液型―?
★牡羊座生まれ ★髪の色―黒 ★瞳の色―黒 
★趣味―昼寝
★好きな映画―? ★好きな色―白
★性格―癇癪もち。寂しがり屋。
★外見―カレンがどこかからもらってきた服を着ている。
★備考―ナルコレプシーの少女。
      眠っていたところをカレンに見つけられ以後行動を共にする。
      両親などは不明。ただタマキは両親を嫌っている。
      自由奔放なカレンに振り回されているが信用からかなんだかんだ許している。

598『ある夏の思ひ出』:2016/12/18(日) 16:43:41
【精霊といっしょ】ロビンのスタンド。
特定のヴィジョンを持たない。
精霊やシンボル、モチーフをヴィジョンとして発現。
半自立スタンドとして発現したヴィジョンは動く。
また自身に対して有益であったり敵意を持つものへ能力を行使する。

本体であるロビン特有のスタンドではなく
彼の部族の人間など数人が持つ能力。
本来呼べる精霊は一種類だが他の能力の使い手と出会うことで他の精霊を呼び出すことが出来るらしい。

『ウェン・ユー・ビリーブ』
破壊力:? スピード:?  射程距離:A
持続力:D 精密動作性:?  成長性:E

★氏名―ロビン
★スタンド―『ウェン・ユー・ビリーブ』
★能力―精霊などを呼び出す能力。
★性別―男 ★年齢―? ★血液型―?
★射手座生まれ ★髪の色―黒 ★瞳の色―黒 
★趣味―昼寝
★好きな映画―? ★好きな色―青
★性格―自然や精霊といったものを愛し、自らのルールを守っている。
★外見―浅黒い肌を持つ大柄の男。
★備考―山の中に住み着いているどこかの部族のもの。
      パスポートを持っているかは不明。

599『アルカトラズから連れ出して』:2017/01/10(火) 00:29:10


人生は呑気な楽しい休日でも、気の利いたことが記されている書物でもありません。


 
                                           フローレンス・ナイチンゲール

600『アルカトラズから連れ出して』:2017/01/10(火) 00:35:11
「どうする?」

「何です?」

「ネット。書き込みたくさんだ」

「書き込みたくさん! いいことです!」

パソコンを前に笑う男。
そしてパソコンを前に眉を顰める男。

「なんで?」

「だって、それとてもいいことです。人、たくさん来ます」

「そして人たくさん来たらたくさん調べられます。それ私望んでいること」

「なんか変なのもついてくるかもよ。義憤、というかなにか正義感的なモノが」

「それはそれ、いいことです。どのみちやることは一つ」

「あいあい」

「「『光を追え』」」

暗い部屋をランタンの火が照らしていた。

601『アルカトラズから連れ出して』:2017/01/10(火) 01:32:05
小石川文子はマイクロバスに揺られる。
理由は一枚のチケットにある。
「星見町新春宝くじ」
町内で買い物をすると付いてくるもので、新年の祝いに抽選が行われる。
小石川はそれの二等、バスで行く泊りがけの旅行の権利を得たのだ。
なんでも遠島高校(えんとうこうこう)という廃校になった学校を宿泊施設として利用しているらしい。

バスが揺れる。
山道の中を進んでいく。
他にも乗客がいる。
旅館となる学校側が車を出してくれた。
小石川を含めて十数名。
同じように二等で招待されたもの、旅行会社から予約して来たもの、まちまちだ。

小石川の横には仏頂面の男が外を眺めている。
長い髪に隠れがちな横顔、爬虫類のような眼。
そして顔立ちから察するに外国人らしかった。
時々髪をいじる右手の薬指に輝く真鍮の指輪には羽の模様が彫ってある。

到着までには少々時間がある。
隣の男と話してもいいし、ただ到着を静かに待っていてもいい。

602小石川文子『スーサイド・ライフ』:2017/01/10(火) 22:29:07
>>601

椅子に座る時は背もたれにもたれず、背筋をきちんと伸ばして、姿勢を正して座る。
両手は軽く重ねて膝の上に置き、顔は真っ直ぐ正面を向く。
幼い頃から、席に着く時はそうしなさいと教えられてきた。
その習慣は今も抜けていない。
こうして外出している時だけではなく、家にいる時も同じだった。

車体が大きく揺れた際に、腕に小さな痛みが走る。
袖に隠れた右腕には真新しい包帯が巻かれていた。
昨夜、不意に『自殺衝動』の高まりに襲われた結果、また『鎮静剤』に頼ることになった。
いつも手元に用意してある『果物ナイフ』で、自らの腕を傷付けたのだ。
それが良くないことは分かっているが、自分にとっては、なくてはならない行為だった。

世の中には煙草を吸わなければ何も手につかない人もいる。
そういう人達は、煙草が体に悪いと知っていても吸い続ける。
自分は煙草を吸わないが、そこにある意味は同じだ。
何よりも甘美な『死の誘惑』は、『自傷行為』でなければ抗えない。
逆に言えば、『自傷』さえしていれば抑えることができるのだ。

  ――今、どの辺りなのかしら……。

外の景色を見ようとして、隣に座っている男性が目に入った。
特徴的な容貌に注意を引かれ、無意識の内に、その姿を見つめてしまう。
しかし、すぐに失礼だと気付き、目線を正面に戻した。
はしたない振る舞いを避けて、常に慎みある行動を心がける。
これもまた両親から教わったことだった。

振り返ってみると、両親の教育は現代的ではなかったと思う。
良く言えば古風であり、悪い言い方をすれば時代遅れとも言えた。
ただ、それに対して反感を抱いたことは一度もない。
もちろん人並みに反抗期は経験したが、あくまで一般的な感情であり、
両親の教育方針に反対するものではなかった。
なぜなら、その教育の結果が、自分が生きる上で良い方向に働くことが多かったからだ。

だから、今も二人の教えに従い、こうしてバスに揺られながら、
静かに到着を待つつもりでいた。
その間、現在の時刻と到着予定時間を頭の中で照らし合わせ、
どれくらいで着きそうか計算する。
また、パンフレットか案内のようなものがあれば、この旅行の日程を確認しておきたい。



◆◇◆簡易プロフィール◇◆◇
結婚直後に最愛の夫と死に別れ、自身も後を追うことを望んでいた。
しかし、自分の分も生きて欲しいという彼の遺言を受けて、生き続ける道を選ぶ。
常に果物ナイフ(鎮静剤)を持ち歩き、それを用いた『自傷』によって、
不意に湧き起こる『自殺衝動』を抑制している。

◆◇◆能力詳細◇◆◇
ttp://jbbs.shitaraba.net/bbs/read.cgi/comic/7023/1453050315/41

◆◇◆持ち物◇◆◇
自傷用の果物ナイフ、包帯、携帯電話、財布、ハンカチ、ティッシュ、
500mlミネラルウォーター、化粧品を入れたポーチ、以上の品物を入れたハンドバッグ。
寝巻きや替えの衣類が入った鞄。

◆◇◆外見◇◆◇
身長170cm、長い黒髪をうなじの部分でまとめたアップヘア、
洋装の喪服、黒いキャペリンハット、喪服とは色味の異なる黒いコート
色の白い肌、すらりとした細身の体型、穏やかで憂いを帯びた顔つき。

603小石川文子『スーサイド・ライフ』:2017/01/10(火) 22:45:59
>>602

年齢:28歳

604『アルカトラズから連れ出して』:2017/01/10(火) 23:47:54
>>602

親からの教育。
その姿が体に根付いた姿勢ならば
腕に走る痛みは心に根付いた行為から生まれたものなのだろう。

隣の男性から目線を外し、両親のことを思い出す。
手にとった小さな冊子。
手作りかとも思われる簡素なものだ。
そこには11:00到着とある。
現在時刻は10:40。まだ少し時間はある。
が、車内でなにかが起きるという訳でもない。
特にすることがなければそのまま待てばいいだろう。

冊子には今回の旅行の予定も乗っていた。
二泊三日。一日目である今日は到着してから職員挨拶。
それから荷物を割り振られた部屋に置き、時間がたてば昼食。
また自由時間になりそれからは山を歩いたり夕食の時間には軽いレクリエーションがあるとのことだ。
二日目は特になにかがあるという訳でもなく各人の好きにする、という感じらしい。

605小石川文子『スーサイド・ライフ』:2017/01/11(水) 01:09:18
>>604

出発前にも目を通していた冊子を再び一読する。
ざっと見た限り、予定表には特に目新しい記述は見受けられなかった。
しかし、何よりも目を引くのは、廃校になった高校が宿泊施設だという点だろう。
自分の高校時代を思い出し、不思議と懐かしい思いが胸をよぎる。
そういった『ノスタルジー』や『非日常感』のようなものを売りにしているとも思えた。
この冊子自体にしても、自分達が学生時代に手作りした『旅行のしおり』のようで、
どこか親しみが湧いた。

この小旅行は、自分にとってどんな体験になるのだろうか?
何か変わった経験ができるかもしれないし、案外と何事もなく終わるかもしれない。
もし、何も珍しいことがなかったとしても、それはそれで問題はない。
少しの間、賑やかな町を離れて静かな場所で時間を過ごすことは、
良い気分転換になってくれるはずだ。
目的地である遠島高校に着いたら、この二泊三日を出来る限り楽しむことにしたい……。

  ――あと20分……。もうすぐね……。

時間と日程を確認した後は、これといってすることはない。
先程までと同じように、マイクロバスが遠島高校に到着するまで待つことにする。

606『アルカトラズから連れ出して』:2017/01/11(水) 22:11:04
>>605

チープとも言えるその冊子は廃校となった施設と合わさって遠足のしおりとなる。
小石川の心に学生時代のことが思い出されるようだ。
この旅行について少し考えている内にマイクロバスは目的地に到着した。
そこはグラウンドだった。
大きな校舎が建っている。
今も学び舎としての姿を残している。

「はーい! こんにちはー! 皆さんどうぞどうぞ前へー!」

元気のいい女性の声だ。
ジャージに身を包み、太陽に負けない笑顔で話している。
栗色のポニーテールが元気に揺れる。
どうやら職員挨拶のようだ。
サッと小石川の横を過ぎ去る人影。
それは先ほど隣に座っていた男性だ。
彼は旅行者の塊から抜けると既に並んでいた職員たちに混じった。

607小石川文子『スーサイド・ライフ』:2017/01/11(水) 23:18:45
>>606

  ――治生さん……。

ただ一つ残念なのは、この場に『彼』がいないこと。
もし、『彼』が生きていたなら、今も自分の隣に座っていてくれただろう。
この移動中も楽しい会話をしていたはずだ。

  ――できることなら、あなたと一緒に来たかった……。

叶わぬ願いに思いを馳せていると、次第に表情にも陰りが差してくる。
バスが目的地に到着したのは、その直後だった。
まだ陰の残る表情のまま荷物を持ってグラウンドに降りると、元気のいい声に迎えられる。
明るい笑顔が眩しいジャージ姿の女性。
第三者から見ると、今の自分と彼女とは、まさしく対照的な人間に思えるだろう。

  「――……?」

職員の列に加わったということは、彼も職員なのだろうか。
旅行者達に混じって来るというのは、なんだか不思議な感じがした。
こういう場合、何か理由がない限りは、現地で待っているのが普通だろうと思う。
しかし、だからどうという訳でもない。
事情は分からないが、きっと何か理由があったのだろう。
頭に浮かんだ小さな疑問は脇に退けて、女性に従い他の旅行者達と同じように移動する。

608『アルカトラズから連れ出して』:2017/01/11(水) 23:59:26
>>607

思いを馳せるのは学生時代の時のことだけではない。
もしもやたらればの話にはなるが今この瞬間に小石川の隣に座っていたかもしれない男性。
だがそれは現実ではない。
やはりもしもの話なのだ。

ポニーテールの女性が声をかけて誘導している間、青年は一人の職員に近づいた。
青年と比べるとその職員は年老いている。
ブロンドの髪が陽の光に輝いている。
黒い革の手袋をしており、その手には杖……いや、ステッキがある。
派手な装飾こそないものの美しい。

「はーい! 私は一ノ瀬仁美! 皆さんの担任の先生、なにか困ったことがあったら呼んでください!」

彼女に続いて職員たちが挨拶する。
今回の旅行では職員達は学校の先生、旅行者は生徒、そういう体らしい。
雰囲気作りの一環だろう。
青年の番が回ってきた。

「クリス・ジャクソン。生物の先生、と思ってもらってもいい。バードウォッチングや山登りの際はお声がけを」

「遭難しないように、危険のないようにしたいます。ただし、望まないならお好きなように」

軽く会釈する。
続いて耳打ちをされていた男の番だ。

「リンゴ・ナイチンゲール。保健のセンセイです。カウンセラーも出来ます、もちろん治療も」

そう言って手を挙げた。

609小石川文子『スーサイド・ライフ』:2017/01/12(木) 01:03:10
>>608

  ――そう……楽しい趣向ね……。

到着前から何となく察していたが、やはり雰囲気を大事にしているようだ。
さしづめ、大人のための林間学校といったところだろうか。
中には、こうした演出を快く思わない人もいるかもしれない。
ただ、旅行という楽しみの場なのだから、遊び心というものは必要に思う。
それを大切にしようとする学校側の心遣いには、素直に共感を覚えた。

  「――カウンセラー……」

年配の男性の紹介を聞き、思わず呟いた。
自分には一番必要な人物のように思え、自嘲するように薄く微笑む。
カウンセリングを受けたことはないが、受けようとしたことはある。
しかし、やめてしまった。
どんな精神治療を受けても、心に負った傷が消えるとは思えなかったから。

  ――なんだか。

ふと、頭の中に、また小さな考えが浮かんだ。
些細なことだが、気になることがある。

  ――外国の方が多いようね……。

一ノ瀬という女性以外の二人の男性は外国人らしい。
個人的な感覚だが、彼らはこの場所にはあまり似つかわしくないような気がした。
英語の先生というのなら分かるが……。
もっとも、この旅行に英語の先生が必要とは思えない。
『先生』というのは雰囲気作りのために設けられた『役柄』であり、
彼らはあくまで宿泊施設の職員だとしても、三人中二人が外国人というのは不思議だった。

確かに気にはなるが――ひとまず今は置いておくことにする。
質問する機会があれば、この学校のことも含め、色々と尋ねてみるのもいいかもしれない。
今は、ともかく彼ら『先生達』の支持に従って行動しよう。

610『アルカトラズから連れ出して』:2017/01/12(木) 01:32:03
>>609

カウンセラー。
心に傷を持つ人を癒す心の医者。
しかし小石川はそのカウンセラーに頼らず生きている。
それをどうとらえるかは人それぞれだ。

外国人。
小石川の思うように今この場にいる三人の職人のうち二人は外国人だ。
他にも職員はいるのかもしれないが、日本の学校という雰囲気を大切にしていそうな施設で外国人二人。
だが、その謎はいまは解けるものではないのかもしれない。

一ノ瀬の誘導に従い、各々教室を改造した部屋に通された。

―――――――小石川文子『スーサイド・ライフ』⇒到着。

611『アルカトラズから連れ出して』:2017/01/12(木) 23:06:59
遊部玲実はマイクロバスに揺られる。
理由は前に座る男にある。
「治験」
治療の臨床試験、詳しいことはともかく薬に関係することだ。
薬の法上の承認を得るための仕事だ。

バスが揺れる。
山道の中を進んでいく。
思い返せば自分がなぜここにいるか思い出せる。

昨日のことである。
遊部は喫茶店の中にいた。
目の前には一人の男、名前をコハル・トランプという。
君と彼の関係はどうであっただろうか。
ともかくとしてコハルは君に頼みがあるようだ。

「治験ってご存知ですか?」

・簡易的なプロフィール
・能力詳細のURL
・持ち物
・外見情報
上記四つと希望があれば『コハルとの関係』をお願いします。
コハルとの関係は特に希望がなければ『コハルの張ったチラシを見てやってきた』ということになります。

612遊部『フラジール・デイズ』:2017/01/13(金) 10:45:35
>>611(返信内容に長考して寝落ちしておりました。
大変すみません、以後連絡の旨忘れずにします)

>「治験ってご存知ですか?」

「ご存知も何も、十数回は受けましたよ。
 まぁ、こんな若い身空で何度も薬の世話を受けるのは
如何なものかと思えるかも知れませんが、けど、この通りの健康体ですから
 えぇっと、その時にもお会いしましたっけ? 少し、記憶がおぼろげで……
クスッ、駄目ですね。20も満たぬのに物忘れが激しいだなんて」

普段、ベソとして精神的重圧に苦しんでる事など、まるで端からないように
穏やかな大人びた笑みで『レミ』はトランプにハキハキと返答する。

「本日も、向精神薬関係の臨床かと思ってたんですが。
トランプさんの其の様子だと、どうやら異なるようですね……
私の力添えで役立てるのでしたら、何なりと。
 とは言うものの、虎穴に入るようなものでしたら、サポートをお願いしますね?」

そう、コハル・トランプに微笑みを投げかけた。
 
――――――――――――――――――――――――――――――

『簡易プロフィール』
多重人格者、いま現在11の人格を内部に携えている。
交渉・交友に関して『レミ』が表に出る。

『能力詳細』
ttp://jbbs.shitaraba.net/bbs/read.cgi/comic/7023/1463236020/6

『持ち物』
スマホ・財布・生理用品・カマグ・アロマキャンドル・マッチ
化粧用品(※ファンデーションスプレー含む)筆記用具
上記を入れる少し大きめのバック

『外見』
身長161cmの肩まであるピンク色の髪の毛。瞳はカラコンで青色に。
服装は赤を基調とした上着に、ゆったりとした黒のスカート。

『依頼主との関係』
希望が通るのならば、『治験』に関し
過去にレミの状態でコハルと面識がある、と言う関係で。

613『アルカトラズから連れ出して』:2017/01/13(金) 23:18:07
>>612

「えぇ、確かそこそこ前、でしたっけ」

「すいません。僕も物忘れ激しいのかな」

治験。それはレミにとって馴染みのあるものでコハルとの関係をつないだものでもあった。

「話が早くて助かります。えぇ、少しおかしな治験でして」

「とりあえず、これを見ていただければ」

コハルはカバンからノートパソコンを取り出す。
その画面には掲示板がうつっている。

――――――――――――――――――――――――――――――――――――――――――――――
51 名前:名無しさん 投稿日:XXXX/XX/XX(X) XX:XX:XX
前に治験のバイトしたんだけど、バイト中の記憶がない。

52 名前:名無しさん 投稿日:XXXX/XX/XX(X) XX:XX:XX
>>51
そマ? やばくね? 薬の副作用とか?

53 名前:名無しさん 投稿日:XXXX/XX/XX(X) XX:XX:XX
>>52
わかんね。今までこんなことなかったのに
―――――――――――――――――――――――――――――――――――――――――――――――

「ここ最近、こういう書き込みがよくあるみたいで」

「調べてみたんですけど、記憶を失った方はみんな同じグループの治験に参加しているらしいんです」

「『アサイラム・コーポレーション』そこの治験の調査を手伝っていただきたい。我々と共に」

614遊部『フラジール・デイズ』:2017/01/13(金) 23:48:58
>>613

 ノートパソコンへと、少し身を乗り出して内容を視認する。

「確かに……これは『おかしな』ものです」

 呟いて、コハルのほうに顔を向ける。

「『アサイラム・コーポレーション』と言うのが、どの程度の規模が
私は把握しかねませんが。このように記憶が一時的に治験中の出来事が
全て忘れてしまうような、企業的には著しくイメージダウンする事が
どうも立て続けに起きている……なのに未だに存続されてるんですよね?」

そう、これは明らかに『妙』だ。
 医療企業に、そこまで精通してる訳でなくも、その製品や試薬で
記憶が喪失するような症状が起きたとして、だ。
 ネットに書き込まれるくらいには伝播してるのに、その治験がまだ行われてる。
普通なら、企業側が自然と中止して良いものだが……。

「……あの、つかぬ事を聞きますが。コハルさんは『スタンド』と
いうものに聞き覚えはあります? いえ、ガソリンスタンドとかでないものですけど」

「それと、依頼に関しては解りました。微力にしかなりえませんか、宜しくお願いしますね」

微笑むと共に、軽く頭を下げてコハルに返答した。

コハルが『スタンド使い』がどうかで、サポートの範囲内も変わって来る。
 『フラジール・デイズ』が、こちらにはあるとは言え。戦力的に強力なパワースタンドなどに
力での闘いは不得手である。コハルに、スタンドでの戦いの資格があるか聞こう。

依頼については、既に運命の輪ならぬ車輪は回り始めている。

 軽率かも知れぬが、この前の別荘でも比較的最良な結末を添えられた。
その自信は未だレミの中にある。内部の数人の不承を黙殺した上で依頼に応じる。

615『アルカトラズから連れ出して』:2017/01/14(土) 00:21:02
>>614

記憶喪失は重篤な問題だ。
『アサイラム・コーポレーション』
それがまっとうな組織ならば治験を取り下げているはずだ。

「『アサイラム・コーポレーション』はいくら調べても企業のホームページが出てこないんです」

「よほど小さいか、それとも別の何かか……」

「スタンド? えぇ、知っています。僕もそうですから」

コハルはそういってノートパソコンをしまう。
それから、と前置きをしてからレミの後ろの席を指さす。

「彼らも同伴します。防人 修治さんと葛西 百合江さんです」

背後で席を立つ音がする。
レミの横に彼らは立っている。
一人は包帯を巻いた男。二人目は色気のないシャツとズボンの女性。
協力者、ということだろう。

「決行は明日。夜に向こうからの迎えが着ますから、それを利用して潜入、調査します」

616遊部『フラジール・デイズ』:2017/01/14(土) 19:08:49
>>615

>よほど小さいか、それとも別の何かか

「後者の可能性が高いと思いますね。
記憶だけ失う以外で、被害者と思しき方達に目立った外傷があれば
ネットでも、そう記すでしょうから、患者の肉体への執着は皆無。『記憶喪失だけ』
 この不可解な点は、単なる医療企業の治験で説明つきないと思います」

本心からレミは感想を唱える。言った通り、被験者の体を悪戯する為に
一時的に記憶を薬品なりで消したと言う可能性は薄い。
『スタンド能力』が、ほぼ間違いなく絡んでいるであろう。

 (危険性は……高い。私【レミ】の心で……耐えれる程の出来事だけなら良いけど)

前もって、大作に連なる映画や小説に出てくるような想像出来る最悪の事態ならば
レミも、多少覚悟を以て望めれるかも知れない。
 けど    想像外の恐怖が、其処に満ちていたら……?

(今は、止そう。他にも頼れる方達がいる。
 信頼には信頼を以て返す。この前に学んだばかりだ)

「宜しく、お願いします。短い間かも知れませんが、精一杯
出来る事はするつもりです」

 こちらも立ち上がり、防人 修治 葛西 百合江へ頭を下げる。
コハルも使い手と言う事に、少しだけ畏れがないと言えば嘘になる。
だが、彼らは彼らなりの信念あってこそ。悪があるかも知れぬ企業の隠蔽を
暴くべく白銀の意思を掲げるからこそ、この任に就いてる。
悪戯に私が不審を抱くのは、不毛だ。

コハルの挙げた時間と、潜入の方法に頷くと共に、他に確認する事を聞く。

「まず、二つお願いが。一つ、私が内部で調査を行う時 出来る限り皆さんと
同行はしますが、時々妙なタイミングで三人から離れる事があるかと思います。
 そのような事があっても、無理を承知で言いますが表面上は疑っても良いです。
けど、どうか心の中では信じて下さい。それは必要な行動なのだと」

……今回の調査にあたって。『フラジール・デイズ』を活用するとなれば
私の『影武者』。自分自身の今の役割を植えて、私はその間に死角から
他の重要時点と思える場所を探索するのが、ベターに入る。
 その時にあたり、他のメンバーが私の行動を奇妙と思っても、制止されると
全体の足並みを乱す要因になる。スタンドプレーを事前に行う旨は前もって告げたほうがいい。

「それと、宜しければ三人のスタンドの大まかな内容を教えて頂いて構いませんか?
勿論、話さなくても結構です。ただ、戦力がどの程度が把握させて貰えれば
実地で動くにあたって、便利ですから。
 話して頂けるのでしたら、私の能力も開示します」

二番目は、このチームの戦力確認だ。
 スタンド能力は、事前に公開するようなものでないことは知ってる。
だが、今回のような危険が高いミッションの場合。事前にどの程度の
事が出来るか。少なくともパワー型が、調査・探索を得意とするかの
簡単な事は知っていたほうが良いだろう。

言った通り、教えて貰えればこちらの能力も簡単ながら告げる。
 詐称するメリットはないだろう。

617『アルカトラズから連れ出して』:2017/01/14(土) 23:42:20
>>616

コハル:「まぁ、僕からはどうとも言えないですが」

コハル:「ヤバイっていうのは確かです」

敵となるかもしれない、事件となるかもしれない存在への感情。
それを心の中に押し込め、レミは防人たちに挨拶をする。
レミはお願いとして二つ、彼らに提示する。
スタンドプレーを行う旨を伝えると葛西が口を挟む。

葛西:「異なことを言う。表面上疑い心の中で信じる、ではなく」

   「表面上は信じて心の中で疑うというのが普通では?」

コハル:「ユリ……レミさん、我々は依頼者です。あなたの行動を疑うつもりはありません……その、彼女はすいません」

    「ただ、僕たちから離れるってことはもし危険があっても助けられない、助けるのが遅くなる。」

    「それを覚悟してください」

一つ目のお願いに対しての反応はそれだけだった。
二つ目のお願い、戦力の確認。

葛西:「傷を癒す。以上」

防人:「武器持ってるとヴィジョンが変化する……」

コハル:「スタンドとかによる影響を打ち消すって感じです。後精神に関わる問題とかを打ち消したり」

防人とコハルの傍に人型のヴィジョンが現れる。
葛西の傍に人型はいないが彼女に巻き付くように鎖のヴィジョン。
彼らの中で戦闘が得意なのは防人ぐらいだろう。
しかし防人のヴィジョンも屈強な見た目とはいいがたい。

コハル:「他に確認したいことは?」

特になければこの場は解散となるだろう。

618遊部『フラジール・デイズ』:2017/01/15(日) 00:15:00
>>617

 「有難う御座います。教えて下さって
では、私のほうも僭越ながら披露させて頂きます。
少しだけ離れます。   ――『フラジール・デイズ』」

 ズズ ッ゛   ブゥン

 現れるのは、半身。それでいて、今の遊部と瓜二つの姿をする
普通の人間でも触れる事できる実体化スタンド。それが受け持つ力
 大きな違いは、自分と違い表情は能面のように喜怒哀楽を映してない事だ。

「彼女は、私が命じれば其の通りに動いてくれます。制限はありますが
かなりの距離でも支障なく、普段の私通りに動いて欲しいと頼めば動いてくれます
 そして、彼女は『生身の体』を持ってます。……この意味を、皆さんは理解してくれますね?」

そう、『フラジール・デイズ』は。幾らかの継ぎ目、それも化粧で隠せば
『レミ』として動いて欲しいと告げれば、迷いなく其の状況下で自然と動いてくれる。
これは、諜報をする上で大きな力になる。

 スタンドを消しつつ、軽く息をついて話を続ける。
 「もちろん、欠点も存在します。私と同じ力しかないので、多少対人の心得が
ある方であれば、容易に倒せるでしょうし。酷使して動き続ければ、人が気絶する
レベルに到達すれば、その場で消えてしまいます。
 ここまで、教えるのは。私は貴方達が確かなる信を持ってると考えた上です」

そこで、再び頭を下げる。

「私は、火中の栗を拾う真似をするのは大抵浅慮な人の行動であるとは認識してます。
ですが、目の前に突き付けられた無関係な人物を害す真似と仕事を割り切る程の器量良しでもありません。
 皆さんと離れる行動による危険も承知してます。然しながら、誰かが一人でも動く事が
見えない誰かを救う結果になると知ってる場合……私は自分と他者の天秤に、他者を傾けるでしょう」

 自己犠牲や、正義漢の塊であるなどと言わない。
だが、目の前で誰かが傷つき命散らそうとするのは放っておけない。そう言う
良識さが無いわけでない。玲実の事を守るのもそうだけど、他者をないがしろにして
私が、私達が一つになっても。きっと、その先で後悔するのは私でもあり、玲実でもあるだろうから。
 だから、危険に踏み込む決心を予め抱いておく。

(御免なさい 『ライ』 『ベソ』 そして他の皆さん……。
ですが、別荘で私は穏やかな光を見ました。その陽だまりで見た『光』は
 ここに待ち受ける倫理に背くものを避けては褪せてしまう。そう思うんです)

「いえ、他はありません。くどいかも知れませんが、改めて言います。
微力ながら、精一杯お手伝い致します」

619『アルカトラズから連れ出して』:2017/01/15(日) 00:40:50
>>618

防人:「ほう。なかなかのモンをお持ちで」

レミの言葉を静かに聞く一同。

防人:「立派なもんだ」

ただ防人だけがレミに対してそう言った。
最後の言葉にコハルは頷く。

コハル:「えぇ、よろしくお願いします」

それが昨日の出来事だ。
レミの隣には不機嫌そうに前の席を見つめる防人。
その体には昨日と同じく包帯が巻いてあり、右手の薬指には銀の指輪が光る。
前に座るのはコハルと葛西だ。
二人はなにやら小さな声で話し込んでいる。

さて、到着まであと少しだがどうする。

620遊部『フラジール・デイズ』:2017/01/15(日) 20:18:13
>>619

防人が、何を思い機嫌が悪いのかは私には判別つかない。
 キラリと光る結婚指輪を一瞥する。

コハルと葛西は何やら私的な事で相談しているようだ。
 事前に注意すべき事があれば、報せてくれるはず。詮索はしなくて良いだろう。

「……ご結婚されて、長いんですか?」

 何か準備をするにしても、いまの時間だと中途半端に思える。軽く
自分の緊張を解す意味合いで防人に聞いて見た。
 彼がどう言う人となりが余り知らないが、この手の質問で気分を損ねる事は
経験上少数だろう。

 コハルと葛西の話が途切れたのを見計らい、一つ聞いておく。

「そう言えば、当たり前と思い質問しませんでしたが。私達も
治験を受けるグループ、と言う形で潜入すると考えて良いんですよね?
 その場合は、コハルさん達と私の関係も軽く作るべきでしょうか……。
以前、別の治験を一緒に受けて。その経緯での友人として治験を一緒に受けようと希望したとか」

アサイラムから迎えが来るとして、彼らは私達が陰謀を暴くために来たとは
当然知る由もないだろう。

然しながら、不自然な挙動を見せれば嫌疑を抱く。前もって関係性を決めるべきだろう。

「それと、潜入地で私が『入れ替わる場合』。入れ替わった方には分かりやすく
戻った時に、小さく咳払いやスカートの裾を直すなどで合図します。
 入れ替わったほうが突然消えるような事が起きた場合。私の身に何が起きたと
思ってくださって良いです。その時の選択は皆さんにお任せします」

 固まって治験を受けても、相手のスタンドを馬鹿正直に受けて他の被害者と
同じく帰るだけに留まる。単独行動をする場面は高い確率で起きる。

 その際の報せは、仲間内だけで決めておくべきだ。前もってその旨を告げておく。
もっとも、スタンドなしに動き回るのは自殺行為に近いのも承知だ。限定的な状況と言う
条件でもあるが、通用すると思える場面なら単独行動も選択の一つだと私は思う。

621『アルカトラズから連れ出して』:2017/01/15(日) 22:47:27
>>620

防人:「してねぇよ。結婚」

「してたら家でしっぽりさ」

防人が手術前の医者のように両手を上げる。
隠れていた左手には薬指以外に指輪がある。
見えていた通り右手には薬指だけだ。

防人:「結婚指輪は左の薬指であってるよな?」

レミにそう問いかけてから

防人:「なァァァァ……コハルゥ」

コハル:「なんで僕に聞くんです……」

葛西:「嫉妬は醜いぞ」

防人:「んだよ……俺だってよォ人生にはな咲かせてえよォ……
なにが楽しくてこんな人生オクラにゃならんのだ。
ついに手にした幸せも失敗続きで失いかけるんだよ……」

くだを巻く防人。
レミは質問をコハルに投げかける。

コハル:「あぁ……そこは……」

?:「すいません。お客様、私語は少々控えてもらっても?」

コハルの言葉を遮ったのは剃り込みの入ったオールバックの男。
ヨレ一つないとしたスーツを身にまとっている。

防人:「すんませんねぇ……どぅツレと一緒だと気が緩んじまって。
悪気はないんだ、許してくれ」

男:「そうですか。ほかの方の迷惑にならないようにお気をつけください」

よれたスーツの防人が言葉を返した。
男は運転席の方へと向かっていく。

防人:「ま、ツレでいいだろ」

コハル:「えぇ、入れ替わりの件についても了解しました」

622遊部『フラジール・デイズ』:2017/01/15(日) 22:56:09
>>621

(……? 誰でしょうか)

 オールバックのスーツの男。身なりが整っており、何処ぞの執事と
言われても可笑しくない雰囲気を秘めている。

 三人に聞こうかと思ったが、私語を謹んで欲しいと言われたばかりだ。
 口を閉じて、大人しくしておく。
まだ……危険地帯ではない、と思いたい。

 防人とコハルの了承に軽く頷きつつ、窓に視線を向けて治験の行ってる場所が
どの程度の距離か眺めて見る。

 そして、運転席側にも一応注意を払っておこう。

623『アルカトラズから連れ出して』:2017/01/15(日) 23:57:19
>>622

突然現れたオールバックの男。
彼は運転席の傍に立ち、前を見つめている。

窓を見てみると山の中をマイクロバスは進んでいるらしい。
そして開けた場所に出た。
どうやら目的地に着いたらしい。これまでの道と違いなめらかな道を進む。
窓から学校の校舎が見えた。

男:「それでは、下車をお願いします」

男が車の扉を開く。男は治験のスタッフなのだろう。
外に出れば次の案内があるのだろう。

624遊部『フラジール・デイズ』:2017/01/16(月) 19:29:02
>>623

 (治験のスタッフ……そうよね)

記憶を思い返す。このアサイラムが用意しただろうマイクロバスに
乗り込んだ時に、オールバックの男は居ただろうか?
 
回想を巡らしつつ、他の乗客が何人かも確認しておこう。スタッフと思しき人も

(学校の校舎……林間合宿をモチーフにしてるようね。
別に、それは変でもない……)

 (スタンドを出す場面でもなし。学校を舞台にしてるけど
監視カメラなどもあるのかしら?
 外見だけ古びていて、実は最新の機器が備えてる。と言うのは
よく娯楽映画でのサスペンスの趣向としては、あるけれど)

 まだ、能動的に動く時ではない。大人しく後尾のほうで歩いていく。
スタンドを出して入れ替わりたい時は、トイレなり何なり言えば
極度に異常でない限り、一人になるのは許して貰えるだろうし。

625『アルカトラズから連れ出して』:2017/01/16(月) 23:41:45
>>624

レミはマイクロバスに乗り込むときのことを思い出す。
自分たちの他に四人、乗客がいた。
スタッフは誘導していたオールバックに縛った長髪の男。
それと運転手の三人だ。

スタッフが一行を誘導したのは体育館だ。
すでに集められていたらしい被験者が数名いる。
そして壇上にはドレスを纏った女性が二人。
彼女たちの前にはテーブルとトレイが置かれており、レミ達が中に入るとオールバックがトレイとペットボトルを持ってきた。
トレイの上に載っていたのは錠剤に入っていた包み紙。
ペットボトルは薬を飲むための水だろう。
ここで受け取れば治験が始まるだろう。

防人:(コハル、葛西。お前ら飲むなよ。お前らが無事なら薬でなんかされても対抗できるんだから)

葛西:(わかってる)

防人たちが話している。
彼らはすでに錠剤を受け取ったようだ。

626遊部『フラジール・デイズ』:2017/01/17(火) 00:13:25
>>625

 さっそく、スタンドを活用するタイミングがやって来た。

「あの……すみません、来てそうそうで申し訳ないんですが
その……花摘みに」

 バスに乗り込んでいたのなら、多少の時間は拘束されていたのだし
この理由を疑う余地はない。近くのスタッフに、直ぐに戻りますのでと
言ってトイレを借りて、個室に入る事にする。一応、天井付近などに
カメラらしきものが無いかなども念頭に入れておく。

 ズズッ……。

そして、半身『フラジール・デイズ』を発現する。
 
「指示をするわ。体育館のほうに戻って、何時もの私通りに。
他の人に愛想の良い態度で。コハルさん達には、前もっての合図で
小さく咳払いをして、お時間とらせてすみませんと謝罪しつつ戻って。
なるべくは、此処に帰還するまで三人の傍に居る事。
そして、薬を受け取ったらなるべく直ぐ。スタッフにも見える通りに
【薬を飲む事】。仮に、スタッフなどが時間を置くように指示されたら
了承の旨を告げてから、その通りに飲んで。
 恐らくは説明会なりが始まると思うから。それが終わったら、少し
化粧を直すと言い訳して此処に戻って来て。お願いするわね フラジール」

 『フラジール・デイズ』なら。どのような薬かは不明ではあるが
彼女は『自立型スタンド』。飲んだとしても、その効果は彼女のみだ。また
私の元に戻って、一度解除して再発現すれば薬の効能とやらもリセットされるだろう。

(いきなり、彼ら三人と別々になる事になったわね……)

ファンデーションスプレーで、フラジール・デイズの継ぎ目を
違和感ないように塗装しつつ、次の行動を考える。

 説明会などあるとしても、たぶん数分で終わるだろう。その間に
トイレの個室に籠ってるとして、別のスタッフの誰かがトイレに入って
きて締め切った個室に不審を抱かないとも限らない。

 フラジール・デイズが出る前に。トイレまでの道のりに大体どう言う部屋か。
また、窓などの出入り口があったかを思い返す。

627『アルカトラズから連れ出して』:2017/01/17(火) 00:59:18
>>626

葛西:「だそうだ。薬は私が受け取っておく。いいだろう?」

男:「えぇ。ですが、今回の治験の薬についてお話ししますのでお急ぎください」

一度体育館を出て、校舎に移動する。
男曰く、体育館に併設されたものは使用できないらしい。
屋根や肘くらいまでの壁で囲われた道を進んでいく。
グラウンドにはマイクロバスが止まっている。
反対側、体育館の付近にはテニスコート。
校舎に入ってすぐの所にトイレはあった。
トイレの入口の前には窓。
隣は何かの資料室らしい。

レミは『フラジール・デイズ』に化粧を施し体育館に向かわせる。
そんなに時間はないが何かしたいことがあるならしておいてもいいだろう。
なければ待つだけだ。

628遊部『フラジール・デイズ』:2017/01/17(火) 23:31:28
>>627

 (『資料室』 ……気になるわね)

トイレの入り口より、少し聞き耳を立てて人が近くにないか確認する。
 近くに人が来るようならトイレの個室に潜伏していよう。

居ないのなら、『資料室』に忍び足で入口に聞き耳を立て、誰も其の
部屋に入っていないようなら扉の施錠を確認して、開いてるのなら
室内を軽く覗いてみる。監視カメラの類が見えたら、入るのは止めて
トイレに戻る事にする。一見して無さそうなら室内の中を少し見渡し
重要そうなものがあれば、スマホのカメラで写真をとって記録する。

629『アルカトラズから連れ出して』:2017/01/18(水) 23:12:14
>>628

トイレの周りに人はいない。
夜という時間もあるのかもしれない。

資料室に忍び寄るレミ。
施錠はなされていない。
しかし室内に侵入してみてもなにもない。
資料室と看板には書かれているが、この部屋自体は資料室としては機能していないようであった。
部屋の棚は空でなにもない。
一つだけあるとすれば教員が使うような机の上にランタンが一つ置いてあるくらいだった。

630『アルカトラズから連れ出して』:2017/01/18(水) 23:31:57
レミと『フラジール・デイズ』が入れ替わり、治験が始まる。
ドレスを着た女性が薬についての軽い説明を行う中、防人はあくびをしていた。

(だりぃなあ……しかもここ遠島高校じゃねえか)

(なんで母校の体育館で治験なんてしねえとならねえんだ)

女性:「それではお飲みください」

女から合図があり、防人は薬を口に放り水を口に含む。
そして、薬だけを器用に水の入っていたコップに吐き出した。

女性:「さて、それでは皆さんには」

    「殺し合いをしてもらいます……なんて」

(……?)

女の意味不明な言葉に防人が心中で首を傾げた。
その時であった。
突然周りの被験者が頭を抱えて膝をつく。
皆顔に汗を浮かべ、苦痛に顔をゆがめている。
そして誰からともなく叫び声を上げ始め、『乱闘』が始まった。
男も女も関係なく、殴り蹴り投げ飛ばし我を忘れたかのように争い始める。

防人:「コハル! 葛西! 嬢ちゃん! 下がってろよ」

防人が人型のヴィジョンを発現すると、ドレスの女性がそちらを見つめた。

女:「来たようですね。ですが……今はお相手できません。報告が最優先、ですから」

女が笑えばドレスが純白のものに変わる。
そしてそこからどんどん白い霧のようなものがあふれだす。
防人たちが壇上に上がると霧が晴れ、そこには誰もいなかった。

防人:「ちっ」

コハル:「……ここの方々を治療します『ブラインド・アンチェイン・マイ・ハート』」

『フラジール・デイズ』は主人からの指令を思い出す。
そしてそれを果たすため、一言断ってから体育館を去った。

631『アルカトラズから連れ出して』:2017/01/18(水) 23:49:13
>小石川

あなたは夜に目を覚ました。
外の物音が耳に飛び込んだからだ。
教室を大部屋として利用している部屋。
小石川以外は眠っている。
いや、もしかしたら起きているものもいるかもしれないが誰も動こうとはしないようだった。
音のした方向には窓。そこには職員のリンゴ・ナイチンゲールが立っている。
リンゴは廊下を歩いていく。
こんな時間になぜ?

>遊部

資料室にレミがいるとパタパタと廊下を走る音が聞こえてくる。
しかし目を向けてみてもそこには誰もいない。
そしてしばらくしてから『フラジール・デイズ』がやってきた。

632小石川文子『スーサイド・ライフ』:2017/01/19(木) 00:57:14
>>631

  「――ン……」

物音を聞いて、うっすらと目蓋が開く。
頭上にあるのは見慣れない天井。
それを見て、旅行に来ていたことを思い出した。

  ――誰かが歩いている音……?

他の人達を起こさないように静かに起き上がり、下ろしていた髪を簡単に縛る。
寝巻きである白い薄手のワンピースの上から黒いコートをガウンの代わりに羽織る。
窓際に近寄ると、職員の一人であるリンゴの姿を目撃した。

  ――あの人は……リンゴ・ナイチンゲールさん?

  ――でも、どうして?

  ――もしかしたら……何かあったのかしら……?

心の中に小さな疑問が生じる。
振り返ってみれば、ここに来てから、そういうことは何度かあった。
あるいは、これは今までの疑問を解決する機会なのかもしれない。

ふと、今の自分の格好を一瞥する。
あまり人前に出るような服装ではない。
しかし、着替えている暇はない。
そんなことをしていたら、彼を見失ってしまう。
いったん部屋を見渡し、全員が眠っていることを確認し、そちらに背を向ける。

     スラァァァァァ―――z____

左手に自らのスタンドである『スーサイド・ライフ』を発現する。
そして――。

     ザグゥッ! 
              スゥゥゥゥゥ―――z____ッ
                                     スパッ

何の躊躇いもなく、自らの眼窩に『ナイフ』を突き立てる。
そして、外科手術のように素早く精密な動作で、『左目』を摘出した。
この部屋にスタンド使いがいなかったとしても、この光景を見られたら大事だろう。
少しだけドアを開けて、『眼球』を送り出す。
そして、リンゴに悟られないように気をつけながら、彼の後をついて行かせたい。
自分は先行させた『眼球』の後から、リンゴに見られない程度の距離を保って追いかける。

633小石川文子『スーサイド・ライフ』:2017/01/19(木) 01:00:32
>>632

外見:左手の薬指に結婚指輪、右手の薬指に亡き夫の結婚指輪

634遊部『フラジール・デイズ』:2017/01/19(木) 09:21:33
>>629-631(レス遅れ失礼しました)

(……? 『何もない』 …………)

妙な『違和感』 そして、それは静かにゆっくりと形となった疑問となる。

普通の治験であるなら、資料室と言う場所であるなら。そこに治験をする
人達のプロフィールなり、その行程を記すファイルなり入れても可笑しくない。
 なのに、関わらず何も入れてない……『不必要』かのように。

『ランタン』を手に提げる。不審に思われないように、フラジール・デイズのほうに
バックは預けてるだろうから、今の所持品はスマホぐらいだ。

 (他に、調べれそうなものはない)

 痛いぐらいの静けさだ。既に日は没し暗闇が世界を覆うとしている。

>パタパタ

 (誰?)

目線を向けるものの、資料室に入ったら扉は閉めておいただろう。内側から
廊下に目を通す事が出来たとしても、自分には何も人影を見いだせなかった。
 暗闇の所為か、それとも……?

 「あぁ、帰ってきたわねフラジール。何が起きたのか、簡潔に
話してくれないかしら?」

 廊下から戻って来たスタンドに、一安心を覚えつつ報告を
トイレへと戻って聞く。こちらの収穫と言えば、一つのランタンだが
彼女のほうはどうだっただろうか……。

635『アルカトラズから連れ出して』:2017/01/19(木) 23:53:24
>>632 (小石川)
小石川以外は寝静まっている。その中で小石川が目覚めたのは何かの縁なのかもしれない。

杖をつき、時々それをくるんと回す。
小石川はそれを切断した目で見る。そして自分自身でも彼を追う。

廊下の角を曲がり、ニ階と三階を繋ぐ階段。
階段を一弾降りたところでリンゴは止まった。

リンゴ:「どう、ですか?」

小さな声で廊下にも響かないように気をつけた声だ。
誰かと会話している。女性の声だ。だが姿はこの位置では見えない。

女:「変な虫が来ちゃった。何してんのよ」

リンゴ:「私のせい、違いますから」

女:「で、どうしましましょうねぇドクター。撃退する?」

リンゴ:「そうしましょうか」

女:「じゃあ護衛をつけましょう」

「種はまいたし、向こうがその気なら追ってくるはず」

リンゴ:「ですか……とりあえず場所変えますか?」

リンゴはつま先を廊下の方向に向ける。
このままだとかち合ってしまうかもしれない。
リンゴは小石川の目に気づいていない。
ごまかしようもあるかもしれない。

>>633 (遊部)

資料室の謎。
資料を必要としていない、のか?
コハルは治験の前日にレミに手助けを要請した。
もし先方にレミの身体の状態などの提出を求められていたらこの手助けは実現していたのか?

足音がした後には白い霧のようなものが漂っていた。
足音は遠くに行ったが廊下の向こうではない。
上階に向かって行ったようだ。

帰ってきたフラジールは体育館での出来事(>>630)をレミに告げる。
一通りフラジールが話した後、防人たちが資料室にやってきた。

防人:「嬢ちゃん。変な奴ら来なかったか?」

636小石川文子『スーサイド・ライフ』:2017/01/20(金) 00:49:59
>>635

  ――もう一人……?

深夜の校内で行われる謎めいた密談。
リンゴの話し相手の女性が誰なのかは分からない。
『撃退』や『護衛』という内容から判断すると、少なくとも穏やかな話ではなさそうだった。
分かったことは、この遠島高校で、人知れず何かが起きているらしいということだけだ。
もしかすると、それはこの旅行とも無関係ではないのかもしれない。

  ――こっちへ来る……!

        シュパンッ

リンゴの動きを見て、即座に右手の『人差し指』を切り落とす。
それを床スレスレに、できるだけ暗い場所を通らせて、
二人に気付かれないように階段まで移動させる。
行き先は、リンゴと女性がいる位置よりも、さらに下の段だ。

そこまで移動できたら、階段のどこかを『人差し指』の先で叩く。
静まり返った校舎では、少しの物音でもよく響くだろう。
これで二人の注意を引き、こちらに来ることを防ぎたい。

それができたら、『人差し指』は二人の死角を潜り抜けるようにしてこちらに戻す。
どうしても見つかってしまうようなら、『左目』ごと解除して消してしまう。
また、もし二人が近付いてきた場合に備えて、
どこか隠れられそうな部屋でもないか、ざっと見回す。


(現在地は三階で、私は曲がり角のこちら側、
 二人は向こう側の階段付近にいるということでよろしいでしょうか?)

637小石川文子『スーサイド・ライフ』:2017/01/20(金) 01:04:47
>>636

『左目』は引き続き追跡と観察を続ける。
二人に気付かれないように死角となる位置を維持しておきたい。

638遊部『フラジール・デイズ』:2017/01/20(金) 10:28:21
>>635

『フラジール・デイズ』が報告した内容は、レミにも少なからず衝撃を与えるものだった。

「乱闘……人々の暴走」

 覚悟していた部分はある。けど、こんなに予想より早くハプニングが起きたというのを
実際に目にした訳でなくも、起きてしまったと知るのは。やはりショックがある

「貴方は大丈夫? 薬を飲んだ時に、何かしら感じた?」

薬と白い女。それが治験者が暴走した原因。
 けど、『フラジール・デイズ』には効果がなかった……
フラジール・デイズは自分の指示した行動以外で、命の危機の際の抵抗など除き
人のようにコロコロ行動を変えない。薬は純粋な人間にしか効かないのろうか。

思案していると、防人さん達がきた。

「いえ、人影は特に……ですが、足音と白い霧のようなものが。
上階に向かったようです」

 シュッ……ボッ。

『ランタン』に持っているマッチで火を点け明かりを灯す。
バッグを戻し、フラジール・デイズは『解除』しよう。
 
 「私達も追いますか?」

人々の暴走。三人とも目撃したのなら、白い女はクロだ。弁明の余地もない

逮捕するなり、倒すなりするにしろ。四人で固まって行動するなら、早いほうが良い。

639『アルカトラズから連れ出して』:2017/01/20(金) 23:37:42
>>636 (小石川)

深夜の学校に起きる事件の予感を感じつつ小石川は自身の指を切断した。
『人差し指』はリンゴの足元をするりと抜け、確かに階段を叩いた。
音が響いた。コンコンと冷たく硬い音だ。

リンゴ:「フロー……フローレンス、物でも落としました?」

リンゴの問いに答えたのはフローレンス……先ほどまで会話していた女ではない。
男の声だ。そして小石川の耳にも聞き覚えがある。
クリス・ジャクソンだ。

クリス:「違う。指だ。指があるぞドクター。ランス!」

ランス:「おうよ兄貴!」

まだいる。いたのはリンゴとフローレンスだけではない。
クリスもその他の誰かもいる。もっといるかもしてない。
小石川は左目ごとそれを解除した。
辺りを見渡せば教室が見えた。
誰もいないのか電気が消えている。

リンゴ:「どこから、来たんでしょう」

クリス:「放っておこう。階段で話すと首が痛い」

│△△△│▲▲▲│□□□□□
│△△△│▲▲▲│□□□□□
│△△●│▲▲▲│□□□□□
│□□□□□□□│□□□□□
│□□□□□□□│□□□□□
│□□□□□□□└──▽▽▽
│□□□□□□□□◇□□□□
│□□□□□□□□□□□□□
│□□□□□□□□□□□□□
│□□□□□□□□□□□□□
└─────────────
●:リンゴ
◎:眼球
◇:小石川
△・▲:段差
▽:教室のドア

640『アルカトラズから連れ出して』:2017/01/20(金) 23:49:53
>>638 (遊部)

フラジール:「割れるような頭の痛み……それと、危機感と不安」

        「今すぐにでも周りの人間が襲ってくるという不信感も」

フラジール曰くそんな感覚から逃げ出したくなった時コハルがその症状を消してくれたらしい。
スタンドにも効果はあるが人間ほどではないのかもしれない。

防人:「……上に上がったか。あの四人とも」

ランタンに火を灯し、フラジールを解除する。

葛西:「追うのか、と? 私たちは追うために来た。当然、追う」

葛西、コハル、防人は資料室を出て上階に向かうつもりのようだ。

641遊部『フラジール・デイズ』:2017/01/21(土) 00:04:41
>>640

 「スタンドにも効果があるのね……」

彼女が、フラジール・デイズ(スタンド)であるからこそ、症状も
軽くて済んだのだろう。
 次に、その白いドレスの女や。いま居るメンバー以外の他人を見れば
警戒しなければならない。気を引き締めて進まないと

 「私も一緒に行きます……どこまで力になれるか分かりませんが」

 三人と共に上へ向かう。このまま何かしら準備するにしても
相手の陣地だ。時間は彼女らに余計な優位を持たせてしまう。

 ランタンを提げ、三人へ付いていく。

642小石川文子『スーサイド・ライフ』:2017/01/21(土) 01:02:41
>>639

  「!!」

『人差し指』を密かに戻そうとしていた時、新たな二人の声が響いた。
彼らの言葉から、『指』が見つかったことを知る。
この状況では戻せないと判断し、すぐさま解除した。

  ――『四人』……いたのね……。

気付かれないよう注意していたが、それはあくまでフローレンスとリンゴに対してのものだ。
予想外の人物が二人もいたのでは、見つかったとしても無理はなかった。
それにしても――謎は深まるばかりだ。

クリス・ジャクソンとリンゴ・ナイチンゲールは知っている。
残りの二人であるフローレンスとランスは未知の存在だ。
彼ら四人の共通点といえば、真っ先に思いつくのは『外国人』であることだろう。
そう考えると、日本人である一ノ瀬仁美だけが無関係であるとも思える。
いずれにしても、何が起きているか判断するには、まだ情報が足りない。

まず手近な教室に入る。
続いて、教室内に隠れられそうな場所がないか素早く見渡す。
その後、廊下に面した窓(またはドア)を、ほんの少しだけ開ける。

     ズブシュッ
             ポロッ

自身の顔に『ナイフ』を突き刺し、『右目』を摘出する。
そして、先程開けておいた隙間から教室の外へ送り出し、四人の下へ向かわせる。
『指』の時と同じように、彼らに気付かれないような軌道で移動させたい。

彼らが見たのは『指』だけであり、見つかった原因は、こちらが音を立てたからだ。
それをしなければ、まだ観察を続けることは可能だと判断した。
『右目』が外に出たら、窓(またはドア)を閉じる。

そして、身を隠せそうな場所まで手探りで進み、そこに隠れる。
その際は、何かにぶつかって音を立てないよう気を配る。
隠れられそうな場所がなければ、『ナイフ』を持ってドアの横に片膝を立ててしゃがんでおく。


【『再生時間』⇒『左目(20秒)』+『人差し指(20秒)』=『40秒』】

643『アルカトラズから連れ出して』:2017/01/21(土) 01:44:23
>>641 (遊部)

レミは三人について階段をのぼる。
二階着いたとき、上から声がした。

女:「ドクターと私は先に、ランス達が後。オッケー?」

男:「オッケー」

男と女の声がする。

防人:「……おしゃべりとは危機感がないな」

葛西:「一気に上がってしまうか?」

防人:「一気はどうかねぇ……どのみち上がるが『ボーン・トゥ・キル』」

浮かぶ人型。
そのまま上がって敵を狙うらしい。

>>642 (小石川)

教室に隠れ右目を摘出する。
教室は横長の椅子がたくさん置いてある。
それらの下なら隠れ場所になりそうだ。

右目を外に出し彼らの様子をうかがう。
廊下の曲がり角の辺りまで彼らは来ている。
クリス、リンゴ、フローレンス、ランス……そしてもう一人、いた。
白いドレスを身に纏った女性だ。

フロー:「ドクターと私は先に、ランス達が後。オッケー?」

ランス:「オッケー」

フロー:「『マーチ・オブ・ザ・ブラック・クイーン』。フュンフはドクター、サンとドゥーエはシャーリー姉様に」

フローが指を鳴らすとその傍に五人の人型のヴィジョンが現れる。
スーツ姿の人型のヴィジョンだ。

フロー:「アンとスゥは自由に。侵入者をお出迎えしてあげて」

644小石川文子『スーサイド・ライフ』:2017/01/21(土) 17:50:03
>>643

  ――『五人』……。

また素性の分からない人物が増えた。
会話の内容からするとシャーリーというのが新たに現れた一人の名前だろう。
今のところ、彼らが仲間同士であるということ以外は分からないままだ。

  ――『スタンド』!!

フローレンスの傍らに出現したヴィジョンに目を見張る。
いわば『道具型』である自分のスタンドとは異なるヴィジョン。
その能力も注意すべきだが、それより需要なのは彼女がスタンド使いだということだ。
一人がスタンド使いだということは、他の四人もスタンド使いである可能性が高い。
仮にそうだとしたら、この山奥の廃校に五人ものスタンド使いが集まっていることになる。

何のために?
この静かな安息地で一体どんな事件が起きようとしているのだろうか?
いや――既に起きていると言った方が正しいだろう。
フローレンスは『侵入者』と言っていた。
つまり、五人と対立する何者かが来ているということだ。

ひとまず椅子の下に隠れる。
『右目』は観察を継続しよう。
今は『この状況で自分がどう動くべきか』を決めることが最優先だ。
そのためには、現状を正確に把握することが必要になる。
情報を収集していれば、今後の方針も自ずと決められるだろう。

     サクッ  
                 サクッ
          ストンッ

念のため、両手の『小指』を切り落としてから、『右手』も切断する。
『小指』は自分の背中に隠すようにして浮かばせておく。
『右手』は、手探りでドアの横辺りまで移動させたい。

645小石川文子『スーサイド・ライフ』:2017/01/21(土) 18:21:15
>>644

『右手』を切断する前に、右手薬指の指輪を抜き取って、コートのポケットに入れておく。
『彼』の形見を外すことは心苦しいことだが、これを付けたままでは『右手』を解除できない。
今の事態が命に関わるものになるかもしれない以上、止むを得ない選択だった。

  ――ごめんなさい、治生さん……。

  ――少しの間だけ……あなたを肌から離すことを、どうか許して下さい。

646遊部『フラジール・デイズ』:2017/01/21(土) 20:19:59
>>643

 「お喋りするぐらい、自分たちの力量に自信があるのではないでしょうか……」

不安気に、と言うより本当に不安があっての言葉を小さく上げる。
 相手の力量は未知数なものの、突如出てきた自分達に対して
余裕のある様は、単なるブラフとはレミには思えない。

 とは言うものの、いま自分の力では補助出来る事は少ない。

スタンドは、本当に自分と同じ程度の腕力しかないし。単体で殴り合うとなれば
この中で治療系のスタンドが使えるらしい葛西さんにも後れをとるだろう。

指示も複雑化するとなれば一々口頭によるもので不便。攻撃されて大きく損傷すれば
一週間は発現出来ない。いま、スタンドを出すメリットはない。

 (ひとまず……武器になりそうなものは)

学校の備品で、使えそうなものといえば『消火器』 
とは言え、治験として使用されてる此処の施設に置いてあるか不明だ。
 近くにあるか目を走らせてみる。

いま携行してるものと言えば、筆記用具類のペンぐらいしか凶器になり得ないが。
『レミ』は、そのようなもので相手を突き刺せる意思があるかと問われれば、それは答えに窮する。

(焦っていはけない。焦っては……本当に危険な時は
『彼』に任せる他ない  ……  ――けど)

    彼   ……『ライ』には極力、現れないほうが良い。

 (……今は、冷静に。自分に、出来る事を)

最後尾につきつつ、役立てそうな道具がないか確認しつつ
地形を把握して周囲を警戒する。片手で胸元にバッグを盾のように構え
ランタンを片手で提げておく。

647『アルカトラズから連れ出して』:2017/01/21(土) 23:22:18
>>644-645 (小石川)

自らの道具型のスタンドとは違う人型。
人型も入れて計10人。
そこまでの人数で対抗する相手がいるということだ。
小石川はそれがなぜかわからない。
だからこそ、どう動くかは重要なものであった。

愛しき人の指輪を抜き取り、両手の小指を切断、右手もまた切断する。
右手はひたひたと扉の傍に移動した。

リンゴ:「では、私とフローは先に行きましょう」

フロー:「じゃあ、お願いね」

リンゴとフローレンスは急ぎ足で廊下を進んでいく。
足音が遠のく。

ランス:「途中で二手に分かれて分散するか。アンとスゥは?」

クリス:「……一人は待ち伏せでも」

それに頷き、スゥと呼ばれた方のタキシードも廊下の向こうに行ってしまった。

>>646 (遊部)

防人:「……面倒くせぇ」

ぼそりと防人がつぶやいた。
コハルたちの中で人型のヴィジョンを持つのは防人だけだ。
戦闘能力は彼ら自体は低い。
冷静に。そう冷静に対処しなければならない
消火器は見つかった。廊下の一角に入れる箱がある。
ただし片手でバッグを持っており、もう片方にはランタン。
どちらかを置くなりなんなりする必要があるだろう。

カツカツと廊下を進む音が聞こえる。

葛西:「移動しているぞ。逃げているのか?」

防人:「かもな……」

三階へと続く階段。
その踊り場にランタンが見えた。
↑と書かれた張り紙を張られ、それは中の火で輝いていた。

648小石川文子『スーサイド・ライフ』:2017/01/22(日) 00:39:28
>>647

二人が立ち去り、三人が残った。
『侵入者』に対応するための準備だろう。
彼らの様子から、本格的に事態が動き出した気配を感じ取る。

『侵入者』とは一体どんな人物なのだろうか。
五人ものスタンド使いを相手にする以上、まさか一人で来るとは思えない。
勿論その可能性もなくはない。
しかし、何人かでまとまって来ていると考える方が自然だ。
いずれにせよ、自分にとっては、外国人達と同じように謎の存在であることは間違いない。

その渦中で、自分は何をすべきなのだろう。
あるいは、何もしないべきなのかもしれない。
今ここにいる自分は、おそらくは無関係の部外者なのだから。

それでも、もし自分の近くで争いが起きたとしたら、自分にできる何かをしたいと思う。
誰かが傷付いたり、悲しんだり、不幸になるのを無視することはできない。
この世から苦しみをなくすなどと大袈裟なことは言えない。

  ――でも……。

でも――せめて自分の周りの人達には幸せでいてもらいたい。
その結果、自分が代償を払うことになったとしても構わない。
他の誰かに払わせるよりは、ずっといい。

今は現状を維持し、状況把握に努める。
この教室に誰かが入ってこない限りは、今の状態を続けるつもりだ。
しかし、状況次第によっては、自ら出て行くことになるだろう。
ただ、『目』が一つしか使えないのは、いささか都合が悪い。
今の内に、最初に切り離していた『左目』と『人差し指』の再生具合を確認する。

649遊部『フラジール・デイズ』:2017/01/22(日) 19:10:46
>>647

 「この辺りの土地勘は、あちらの方が上でしょう。
……私達は、あちらを追い詰めてるのでなく。あちらの巣に
自ら入りに行っている、と言う方が。今の状況を表すのに適してるでしょう」

 消火器に軽く目を走らせるも、女子子供の腕力で消火器は容易に振り回せない。
それに、噴射するなりして攪乱するにしても。相手の出方によっては、こちらの
視界を阻害して逆に邪魔となる。今は置いてある事だけ記憶する

「……ですが、無力化するにしろ倒すにしろ。接近しない事には始まりませんよね。
ひとまず、二階を上り終えて敵の動きを警戒。ほかの一般人の方たちも、
先ほどの薬の影響下に置かれてるかも知れません。
 近くの教室の扉などにも、十分気を付けましょう」

 自分では目にしてないが、フラジール・デイズの言葉が正しいなら
薬を飲んで治験者達は暴走した。そう言う兵士を作りあげるスタンドを
持っていても可笑しくない。どんな可能性も懸念に入れておくに越した事ない。

この言葉を防人達が念頭に入れるかは、別の話だ。
 いまの自分には力も、道具も十分にない。出来るのは考える事だけだから

周囲の警戒、最後尾で何か動きか周囲にないか他の皆と同様に気を配っておく。

650『アルカトラズから連れ出して』:2017/01/22(日) 23:29:57
>>648 (小石川)

侵入者が小石川の敵なのか味方なのかそれともそのどちらでもないのかはわからない。
ただし、それは小石川の立ち位置にもよるだろう。

小石川の中にある意志は黒と白の白の側であるだろう。
現状維持に徹する小石川。

ランス:「にしてもまさか治験に潜り込んでくるとはねぇ」

クリス:「ネットでうわさになってるから気を付けようと言ったのに」

ランス:「ドクターのやることは分からんよ」

白い霧が立ち込める。
廊下に白い霧が流れているのが見える。

>>649 (遊部)

防人:「敵の巣窟か」

葛西:「まぁ、お前の言うとおりだ。接近しないと話にならない」

コハル:「治験の薬でやられてるなら僕が対処します……複数人は厳しいけど」

防人:「まぁ、いい。三階に上がるぞ」

かつかつと階段を上がる。ランタンを防人は足で壁に寄せた。
葛西はちらっと見てからため息を吐き、コハルは見もしなかった。
踊り場を歩き、上るために階段に足をかける。
いた。敵だ。
白いドレスの女、長い髪をした男、オールバックの男、タキシード姿の人型が三人。
ただし、ドレスの女と長髪の男は壁によっかかっている。戦闘の意志は薄そうだ。
また人型二人はドレスと長髪の傍にぴったりとついている。
護衛、というところだろうか。

>>ALL

ランス:「ようこそドラッグパーティーへ。ま、お前らそこから抜けてきたわけだが」

レミ達にオールバックの男がいう。

ランス:「身構えんなよ。お前らに手出しはしない。俺たちはな。お前らの戦力が分からないから」

    「だから、ちょっと試させてもらうぜ」

白い霧が立ち込める。
そして人型のヴィジョンが階段を降り始める。

人型:「初めまして紳士淑女諸君。俺はアン。アン、つまり1だ。一番だ」

   「手合わせ願おう」

白い霧の中の人物。つまりはアン以外の者たちの姿が徐々に見えなくなっていく。

651小石川文子『スーサイド・ライフ』:2017/01/23(月) 23:29:52
>>650

  ――『治験』?

こんな所で聞くとは思っていなかった言葉だ。
自分は二泊三日の旅行に来ていて、ここは宿泊施設だと思っていた。
しかし、どうやら他の目的にも利用されているようだ。

さらに続けて、『ドラッグパーティー』という不穏な言葉が耳に入る。
それは単なる皮肉かもしれない。
しかし、開催側と思われる側の人間が発しているという点が気にかかる。
もし、本当に言葉通りの意味なら、正当な『治験』でもなさそうだ。
もしかすると、違法なものかもしれない。

人里から離れた山奥の廃校。
考えてみれば、秘密裏に何かをするには、うってつけの場所だろう。
ここで密かに不法行為が行われていると考えるのは、それほど突飛な発想ではない。

考えを巡らせていると――状況が動いた。
四人の男女が階段を上がってくる。
おそらく彼らが『侵入者』だろう。
そして、人型のスタンドが四人を迎え撃つらしい。
次に予想されるのは、言うまでもなく『争い』だ。

ここで行われている『治験』が不正なものであるというなら、
それが原因で不幸が生まれているかもしれない。
『侵入者』である四人が、それを止めるために行動しているなら、
自分は彼らの味方でありたいと思う。
行動の指針は決まった。

隠れていた場所から出る。
この分だと、誰かが入ってくることもないだろう。
今すぐに見つかる心配はない。

『左目』と『人差し指』の再生は完了しただろうか。
出て行くにしても、体は万全の状態にしておきたい。
自分にとっては文字通り体が資本なのだから。

再生の完了を待って、まずドアの前まで移動する。
少しでも射程距離を伸ばすためだ。
ドアを少し開けて、その隙間から『右手』と『小指二本』を送り出す。
その際に、右手の中に収まりそうな物(チョークか何かを2、3本)を探して、
右手の中に握り込んでおく。
そして、切り離した『パーツ』を四人の下へ行かせたい。
三人に見つかりそうなら、『右手』に握った物を放り投げて音を立て、その隙に移動させる。

  ――落ち着いて……。大丈夫。落ち着いて……。

意思を固めたものの、スタンド使い同士の争いに身を投じるのは初めての経験だ。
無意識に早くなる鼓動を抑えるため、深呼吸して気を静める。
冷静に行動しなければならない。

できれば、ここから出て行って四人と合流したい。
しかし、『スーサイド・ライフ』は本体を防御するには向いていない。
不用意に姿を見せることは、この命を危険に晒すことになる。

それは『彼』との約束に反することになってしまう。
四人の味方をしつつ、約束も守らなければならない。
相反する思いを抱えながら、『パーツ』の操作と、それによる四人の援護に徹する。

652遊部『フラジール・デイズ』:2017/01/23(月) 23:47:52
>>650

 白い霧……まただ。

資料室の時も、この白い霧が漂っていて。足音はあれど誰かの人影は
視認出来なかった。……この白い霧は、操っている本体を隠蔽する能力が
あるのは間違いない。だが、そのように暗殺や不意打ちが可能なスタンド能力
であるに関わらず、一気に攻め込まないのは何故だろう?

 (白い霧も気になるけど……この目の前にいるスタンド)

階段を降りてくる人型スタンド。人の形で、精度も普通の人並みにありそうだ。
 まず、ただのパワー型には見えない。それに、遠隔操作よりは私の
『フラジール・デイズ』と同じような自立型の可能性が高いかも知れない……。

 口を開いて、聞いてみる。スタンドに対して何を、と思われるかも知れないが。
下手に動いて皆さんの動きを邪魔するより、相手に対して自分だけに意識を集中させたほうがいい。

「手合わせ、と言いますが……それは、一対一ですか?」

 そのスタンドに対し質問してみる。

「あと、これは最後通牒ならぬ、忠告ですが……貴方がたに良心の呵責があるのなら
最後のチャンスです。此処で、止まってくれませんか?
 どのような理由であれ、罪のない人たちに、あのような所業を行う道理はない筈です」

 こんな言葉で止まる等とは思っていない。だが、形だけでも
犯罪を行う相手に対し、制止を促すのが正義の務めであろう。

653『アルカトラズから連れ出して』:2017/01/24(火) 00:24:41
>>651 (小石川)

治験、ドラッグパーティー。
小石川とは違う施設の利用方法。
そして外国人たちと侵入者の対峙。
左目も人差し指も完全に回復している。
小石川は右手にチョークを二本握らせ、ドア前に移動させた。

>>652 (遊部)

立ち込める白い霧。
その中の相手はどんどんと見えなくなっていく。
先ほどもこうして逃げたのだ。
不可視、だが決してそれを攻撃には使用しない。

アン:「……一人で勝てるなら一人で来な」

   「それと、やっぱりお前たちとは気が合わねえみたいだ」

   「俺たちには俺たちのせーぎってやつがあるんだぜ」

>>ALL

アン:「行くぜ」

段の上でニ三度アンが飛び跳ねる。
その時、何かが四人の前に現れた。
手だ。右手が浮いている。

アン:「?」

アンが腕を伸ばす。右手を掴みにいく。

654小石川文子『スーサイド・ライフ』:2017/01/25(水) 02:17:32
>>653

空中を浮遊する切り落とされた人間の『手』。
そんなおかしなものが現れれば、それを無視する者はまずいない。
期待通り、アンの気を引くことができた。
これで侵入者の四人が今すぐ攻撃を受けることはなくなったはずだ。
『スーサイド・ライフ』を握り締め、七人とアンから離れた教室の中で次の思考を働かせる。

  ――できるだけ時間を稼がないと……。

『右手』を操作して、できるだけ掴まれないように動かす。
それによって、アンの注意を逸らし続けると同時に、彼の力をある程度計りたい。
もし、『右手』が掴まれそうになったら、手の中のチョークをアンに投擲する。
スタンドに通用しないことは分かっている。
それでも、一瞬くらいは動きを遅らせることができるかもしれない。

また、『右手』を追うアンの背後から『小指』で肩をつつき、さらなる撹乱を試みる。
彼が『小指』の方を向いたら、もう一本の『小指』で再び背後から肩をつつく。
そうやって、まるで羽虫のように、アンの周りをまとわりつかせておきたい。

  ――上手く……伝わってくれればいいのだけど……。

この行動は、おそらく侵入者側の四人を混乱させることにもなるだろう。
ただ、これを彼らがチャンスだと受け取ってくれることを願う。
自分がアンを引き付けることが、四人が何かしらの行動を起こす助けになることを期待したい。

655遊部『フラジール・デイズ』:2017/01/25(水) 09:45:47
>>654

 (? 浮かんでる、手?? あれは……)

「っ 防人さん、アンに攻撃をお願いします!」

 アンと名乗るスタンドは、突如出現した浮遊する手に対して
不思議そうに、手を伸ばした。
 つまり、あちらの援軍ではない。となれば、この治験の舞台である
校舎に来ている第三者の介入である可能性は高い。

となれば、この襲いにかかるアンの前に出てきたと言う事は。
少なからず私達の邪魔より、アンの妨害の為に現れた、と思える。
 なら……この『手』はきっと味方だ。

 この状況だと、自分のスタンドを出して指示する。その動作だけでも
大幅に行動が全員より遅れてしまう。バックなりランタンも、スタンドが
透過してしまうだろう。それなら、分かりきっている事でも防人さんに
今の隙を逃がさないように発破をかける。それが私の出来る事だ

656『アルカトラズから連れ出して』:2017/01/26(木) 23:14:21
>>654 (小石川)
>>655 (遊部)

浮かぶ手。動く手。
それをアンは追う(ス精CC)
その動きは人間並み。そして少しイラついてきているようだった。

ランス:「アン! なにしてる! 狙いはそこじゃあねえだろうが」

アン:「うるさい黙れ! 全てはスマートにエレガントに」

背中を小指で突かれ、振り向いたその時だった。

防人:「あいよお嬢ちゃん。全く何やってんだか」

いつまでか刃に変化した防人のスタンドの右腕がアンを貫いた。

クリス:「シャーリー」

白い霧が収まりつつある。
広がっていたものが狭まっている。
範囲が狭くなっていく。

シャーリー:「指」

クリス:「さっきの手の友達かな。妨害をしている奴がいる、のか。それとも相手の内の誰かか」
     
     「分からないまま叩くのも少し面倒くさいな」

また白い霧が辺りに広がり始め、敵の姿が消えていく。
逃げるつもりだろう。

657小石川文子『スーサイド・ライフ』:2017/01/27(金) 01:19:46
>>656

  「!!!」

防人と呼ばれた男性のスタンドがアンを貫くのを目撃する。
初めて目にする明確な戦いの場面に、思わず息を飲む。
間接的とはいえ、自分もそれに手を貸したのだ。

今までの話を聞いてきた限り、彼らが良くないことを行っていることは分かった。
それでも、たとえどんな人間であっても、傷付く姿を見るのは心苦しい。
そうした姿に、『彼』の死に際を重ねてしまうのだ。
彼らにも愛する者がいるなら、彼らが傷付けば、その人達が悲しむだろう。
愛する者を失った自分と同じように。

しかし、シャーリー達が平然としている所を見ると、効果は今一つだったらしい。
防人達には申し訳ないが、そのことを安心する気持ちが心の中にあった。
霧の動きを見て、まだ事態は終わっていないと自分に言い聞かせ、意識を集中する。

霧が全てを覆う前に、アンを突いたのとは別の『小指』を操作して、
見つからないように三人に近付かせる。
そして、シャーリー、クリス、ランスの内の誰かの衣服のポケットに『小指』を滑り込ませたい。
本当は『指先』くらい小さな方が気付かれないと思うが、今は時間が惜しい。

切り落とした『部位』の位置は常に感知できる。
厳密な位置までは分からなくとも、どの方向に進んでいるかという程度なら分かるだろう。
それを利用して、『小指』を探知機代わりに使いたい。

658遊部『フラジール・デイズ』:2017/01/27(金) 19:18:26
>>656

 また霧が立ち込め始めてくる……。

相手は、積極的にこちらに攻撃を仕掛ける様子はないようだが
だからといって相手の戦力がこちらより小さいと言う事はないだろう。
 この霧自体に、何らかの能力が隠されてるのは間違いないのだろうけど。

「今の、手は……私達の味方のようですね。
アンが、こちらに攻撃するのを防いでくれたようですし」

 防人さん達へ、告げつつ立ち込めている霧に注意を払いつつ
壁のほうに少し移動する。視界が悪いのなら、なるべく死角を減らす
為にも壁を背に出来る場所にいたほうが良いからだ。

 「このまま無暗に霧の中に入っても良い的ですね……
なにか、霧を払う方法があれば良いのですか」

 良い案はありますか? と三人に聞く。

自分のスタンド能力は、事前に説明したドッペルゲンガーを作る事以外で
舞台の指定は説明を行ってないものの、この霧をどうにかできる力があるとは
三人も期待してないだろうし、何より実際ないのだ。

 (この場面で、フラジールを発現しても。敵方に悪戯に情報を
流すのと同じ……今は焦らず、機会を待とう)

 『手』に関し、味方である事を示唆して周囲を継続して警戒する。
まだ、こちらの『力』は温存しておくべきだ。来るべき時の為に

659『アルカトラズから連れ出して』:2017/01/27(金) 23:38:09
>>657 (小石川)
>>658 (遊部)

アンは直に動かなくなり、霧散した。
人間でなくスタンドでありそれは確かに死であった。
かつての思い人を思い出す小石川。

立ち込める白い霧。
やれやれと言った風にランスが首を振ると、それに合わせる様に霧が動く。
実体化しているものらしい。
小石川は指を操作して彼らのポケットを狙った。
霧の中ゆえあたりはつけにくい。
やれるかどうかは一か八かか。

葛西:「私とコハルは後出しじゃんけんのような能力だ」

コハル:「あれに触れた瞬間効果が表れるなら僕が有効ですが」

防人:「ま、瞬間移動の能力じゃあないんだったら、斬り払い……いや霧払いでも」

防人が階段を上がる。人型のスタンドが構える。
しかし敵もまた動き出していた。完全に姿が消えたが足音が聞こえる。
廊下の向こう側に向かっている。
白い霧が塊のようになって動いている。
逃げた。敵はそれ以上何をするわけでもなく逃げた。
しかし小石川は自分の部位が動いていることを感じている。
指の潜入は成功だ。

660小石川文子『スーサイド・ライフ』:2017/01/28(土) 20:56:38
>>659

  ――感じる……。離れていってるのね。動いているのが分かるわ……。

自分が動かしていないにも関わらず指が移動している。
その感覚から、潜入が成功したことを悟った。
後を追わなければならない。
射程外に出てしまうと彼らの居場所が分からなくなってしまう。
しかし、その前にやることがある。

      フワリ
               フワリ
          フワリ

四人の眼前で浮遊した『目』、『手』、『指』が、まるで幽霊のように音もなく闇の中を進んでいく。
『目』と『指』は、小さく開いたドアの隙間から近くの教室の中に入った。
しかし、『手』だけは中に入らず、ドアの隙間の所で静止した。

一見すると、誰かがドアの向こうから『手』だけを出しているように見える。
だが、その『手の先』には何もないはずだ。
先程までは確かにそうだった。

        スウゥゥッ……

不意に、その『手』が静かにドアを開いた。
その『手の先』には、はっきりと人間の『全身』が存在する。
長い髪をくくり、薄手のワンピースの上に黒いコートを羽織った色白の女だった。

  「――はじめまして。私は小石川という者です」

  「失礼ですが……先程までのやり取りを見させていただき、事情は把握しています」

  「ご迷惑でなければ私にも何かできることがあればと思い、こうして出てきた次第です……」

侵入者側の四人に向き直り、深く頭を下げたのち、簡単に自分の素性を説明する。
その後、三人が逃げていった方向を一瞥し、再び四人に顔を向ける。

  「今――私の『指』があちらにいます」

  「私はその位置を感じ取れるので、三人のおおよその位置も確認できます」

  「ですけど……距離が離れすぎると分からなくなりますから――」

  「詳しい説明は歩きながら……ということにしたいのですが……」

  「よろしいでしょうか?」

そう言って、四人の顔を見渡す。
自分がここにいる経緯も話しておく必要があるだろう。
だが、三人を見失うわけにもいかない。
そのために四人に提案する。
また、『指』の感覚を頼りに、三人が今どれくらい離れているか、
どの方向に向かっているかを確認する。

661遊部『フラジール・デイズ』:2017/01/28(土) 21:27:32
>>659-660

人型のスタンドが、倒れ 消失する。
 気分の良い光景ではない。ただ、頭の中でこれは生きてる存在ではないと
言い聞かせているから、私『レミ』の心は未だ保たれている。

 >スウゥゥッ……

「っ扉が ……女性」

 新手の敵? と一瞬思ったが、直ぐに上げた名乗り。
それに、黙考を少し行い。静かに口を開いて、こちらも挨拶をする。

「レミ、と言います。私達は、この治験が何かしらの人の記憶を消して
危険な実験を行ってるのを聞いて、それを調査しに来た次第です」

「理解が早くて助かります。そして、力を貸して頂ける事も大変有難く
思います。では、歩きながら」

 先ほど、予想した第三の介入。今の状況では、正に光明を得る力を
持った人らしい。礼を言いつつ、彼女の歩くスペースを作る。

 (手助けは、この場では大きい。
しかし、まだ白い霧をどうこうする術が思いつかない。
本体を、何とかするしかないのでしょうか)

 思考を巡らしつつ、四人との歩調を合わせ進む。
警戒は怠らない。

662小石川文子『スーサイド・ライフ』:2017/01/28(土) 23:08:45
>>660
『右手』が握っていたチョークはコートのポケットに入れておきたい。

663『アルカトラズから連れ出して』:2017/01/28(土) 23:37:00
>>660
>>662 (小石川)
>>661 (遊部)

小石川は姿を現した。
その奇妙な部位の操作によって。
小石川には敵の位置が分かる。確実に遠ざかっている。
名乗るレミと小石川に続いて防人、コハル、葛西も自分の名前を告げた。
四人は廊下を歩き始める。
長い長い廊下を。
歩き始めると右手に渡り廊下が現れた。
小石川はこの学校を案内されたときにこの建物がローマ数字の二、Ⅱの形をしていることを思い出せるはずだ。
そして小石川はいつのまにか敵を探知する自分の部位が止まっていることを感じる。
敵が動きを止めた。だが、目の前に敵はいない。
とても遠いという訳でもない。視界に入るくらいの距離のはずだ。
だが廊下の先には誰の影もない。
ただ床を這うように白い霧が流れているということ以外は。

(会話が必要な場合はお二人がメ欄で会話レスを行っていただければGMは介入いたしません)

664小石川文子『スーサイド・ライフ』:2017/01/29(日) 21:35:22
>>661

簡単な挨拶が終わると、四人に目礼を返し、彼らと共に歩き出す。

  「それで……私がここにいる理由ですが――実は『旅行』で来ているんです」

  「ご存知かもしれませんが、この廃校は今は宿泊施設として使われているそうで……」

  「私が参加した二泊三日のバス旅行は、ここが宿泊地になっていたんです」

そこまで言って、何かに気付いたように、いったん言葉を切る。

  「――こんな格好ですみません。さっきまで眠っていたものですから……」

  「ですので――私がこの学校にいるのは本当に偶然のことなんです」

  「ここで治験が行われているということも、ついさっき知ったことで……」

そして、おもむろに左手を上げる。

         ギラリ

そこには、鋭利な刃を備えた抜き身の『ナイフ』が握られている。

              キラッ

それを目で追えば、薬指にはまっている指輪も、自然と視界に入るだろう。

  「これが私の『スーサイド・ライフ』です」

  「『何が出来るか』は先程お見せしましたが……」

  「改めて『正確に』お伝えします」

      ズブシュッ
                      ツツゥゥゥ……
              ポロッ

そう言うと、『ナイフ』を自らの眼窩に突き刺した。
外科の名医を思わせる手捌きで、素早く精密に『眼球』を摘出する。

      フワリ
         スゥゥゥゥゥ―――z____
                          ピタッ      

肉体を離れた『眼球』は、その場で浮遊し、やがて独りでに元通りの場所に収まった。
グロテスクかつ奇妙な光景。
それが『スーサイド・ライフ』の能力だ。

  「……?」

切り離した『指』が止まっている。
しかし、その辺りに人影らしきものは見えない。
だが、『指』の反応があるのなら、見えなくとも『いる』ことは確かだ。
どうやら、あの霧には姿を隠すような力があるらしい。

  「レミさん、皆さん――『指』が止まりました」

霧に近付く前に足を止めて、四人に注意を促す。
考えられる可能性は二つある。
姿を消して追跡をやり過ごそうとしているか、待ち伏せして反撃しようとしているか。
先程の彼らの様子から考えると、前者のように思えるが、断言はできない。

  「人影は見えませんが、『指』の反応は確かに感じます」

  「おそらく――あの霧の辺りに……」

  「もし、賛同していただけるなら、私の『一部』に霧の中を進ませてみようと思いますが……」


(お気遣いありがとうございます)

665遊部『フラジール・デイズ』:2017/01/29(日) 22:52:26
>>663-664

 「旅行、ですか。それは……不運でしたね」

よもや、人を実験するような治験の場とは彼女も思わなかっただろう。
 同情禁じえず、そう返答しながら彼女の能力の説明を受ける。

「肉体の部位を切り取る……そして、それを基に探知も出来ると」

 成程と、呟きつつ感心する。その力は、いまの状況では正しく
私達に必要なものだったからだ。白い霧の空間内では、射程が幾らかある
探知能力は、かなりの影響力を持つ。
 
 そして、彼女の言葉で自分達も歩みを止める。
視界内には、人影はない。これは、資料室に忍び込んだ時からも同じ。

「……宜しければ、小石川さん。指の反応が一番強く示す
場所を、指して教えて頂いても宜しいですか?」

 思考して、白い霧を打破する術は。余り良い方法は思いつかなかった

だが然し……白い霧に潜む刺客を『引きずり出す』方法なら、思いついた。

 「『これ』を、そこに投げつけてみたいと思います」

提げてる『ランタン』を、少し持ち上げて告げる。

 視界内に敵の姿が映らない。そして、相手がこちらに攻撃を仕掛けない。
この二つから、私が一番身近な能力として想像したのは自分の力『フラジール・デイズ』だ。

フラジール・デイズは。一人だけを対象だが、相手との相互不干渉を行う事が出来る。
 仮に、いま現在も。白い霧が同じような能力を作用させるスタンドであるならば……。

(いま、この状態で互いの物理的な接触が不可能だとして……
間接的に起きる事象……ランタンが破壊される事で、床に生まれた
火などは干渉されるのならばっ)

 一つの可能性だ。白い霧の特性が、予想と外れてるなら
悪戯に相手を刺激する危険性も高い。

 小石川さんの判断も聞いてみる。

666小石川文子『スーサイド・ライフ』:2017/01/30(月) 22:34:12
>>665

  「……分かりました。私には異論はありません」

  「反応が感じられるのは『あの辺り』です」

  「どうか気を付けて下さい……。反応が移動したら、すぐお知らせします」

感知している場所を指で指し示す。
彼女には、何か考えがあるようだ。
あるいは、それは能力と関係があるのかもしれない。
いずれにせよ、自分が提案した行動は様子見以上のものではなかった。
ここは彼女の案に従うことを選ぶ。

      ス……

もし何かあれば守れるように、自分は近くに控えておく。
あとは手はず通り、ランタンが投げられるのを待つ。
果たして何が起こるのか――。

667遊部『フラジール・デイズ』:2017/01/31(火) 09:02:04
>>666(レス遅れ失礼しました)

「分かりました。それじゃあ、防人さん 葛西さん コハルさん
――投げますっ」

 ぶんっ……!

 仮に、この霧が『フラジール・デイズ』と同じように。
互いの相互干渉を無くす特性だとして、ランタンが投げられ
それが床に延焼して燃え盛るとすれば。その火は、相手がたにも
干渉する事が可能な筈だ。

 (誰かを傷つける行為……それは重々承知してる。
けど、私は宣言した。それを『ライ』や、他の人たちに任せる事は出来ない)

傷つける事も覚悟の上。意を決し、小石川さんの指す場所にランタンを投擲する。

668『アルカトラズから連れ出して』:2017/01/31(火) 23:26:56
>>664-667 (小石川)(遊部)

小石川がここに来た理由。
『スーサイド・ライフ』の解説。
そして、指の反応。
床を這うような白い霧。そして廊下。
指の反応、廊下の向こう側にレミはランタンを投擲した。

宙を進むランタン。
進んだ後、何かが起こった。
空間が歪んでいる。ランタンの空間ではない。
ランタンの近くの空間が歪んでいる。

止まった。ランタンが止まった。
空中で止まった。そして見える手。ランタンを掴む手。
ランタンが止まった位置に指の反応がある。
今度は空間が切り裂かれる。
腕一本が現れ、ランタンをレミに向かって投げ返した(パス精CCC)
まるで壁一枚を隔てたかのように隠れているものがいる。
しかし、それはすぐに誰か分かった。
空間がまた引き裂かれ、進んでくる者。
オールバックの男だ。

「よう。手荒いじゃねえのよ」

男はそういって笑った。

669<削除>:<削除>
<削除>

670小石川文子『スーサイド・ライフ』:2017/02/01(水) 01:22:23
>>669

  「あれは……!手が……!」

空中から現れた手がランタンを受け止めた。
その予想外の光景に驚きを隠せない。
空中に手があるという構図は、少し自分の能力に似ているようにも思える。
それに驚かされるというのは、少々皮肉でもあった。

  「!!」

ランタンが投げ返されたのを見て、それに対応するべく即座に動く。
このままでは投擲したレミ自身が火を受けてしまいかねない。

         シ
           ュ
             ピ
               ッ

飛んでくるランタンの持ち手の部分に『ナイフ』の刃を引っ掛けてキャッチする(パス精CBB)
それが難しければ、ランタンを『ナイフ』で弾いて離れた所に落ちるようにしたい。

  「――はじめまして。私は小石川という者で、こちらには旅行で来ています」

  「あなたは――『ランス』という方でしたね……」

  「一つ……お聞きしてもよろしいでしょうか?」

空間から現れたオールバックの男性に顔を向け、言葉を発する。
正確には既に切り離した『手』を見せているが、一応は初対面だ。

  「私は、この場所は廃校を利用した宿泊施設だと思っていたのですが、
   お話を伺ったところ、『別の利用』もされているようですね」

  「『宿泊施設』としての利用と、『治験の場』としての利用――」

  「この二つは、どのような繋がりを持っているのか教えていただけませんか?」

宿泊施設というのは表向きであり、治験場としての顔が本命。
そのような答えが頭に浮かぶが、念のために確認しておきたかった。
今回はたまたまここが治験場として利用されただけで、本来は真っ当な施設かもしれない。

少なくとも自分は、ここに来てから不当な扱いを受けたことは一度もない。
偶然目を覚まさなければ、何事もなく旅行を終えて帰っていたのではないだろうか。
だから、危険な治験が行われていることを知っても、
それが学校ぐるみであることを疑いきれない部分もあった。
学校側も利用されているだけということも考えられなくはない。
それに、治験が行われている場所が、ここだけとも限らない。

相手の目的が追跡の回避だったのか、それとも待ち伏せての不意打ちだったのか。
いずれにしても、こうして彼が姿を見せた以上、その両方を防げたことになる。
しかし、一緒にいたはずのクリスとシャーリーの姿が見当たらない。
眼前に立つランスの余裕ある態度も気になる所だ。
何か分からないが――まだ何かありそうだった。

671遊部『フラジール・デイズ』:2017/02/01(水) 18:38:59
>>669

 「っ手が……」

 投げたランタンを受け止める二の腕。
そうだ、相手がこちらの有効打と思える攻撃であれば
 相手が掴み、投げ返す事だって当然の出来事だ……!

 「くっ」

 パッ と一旦後方に飛びのき。持ってるバッグを
ランタンの投げ返してくる軌道へと翳す。

 こちらも、同じくランタンをキャッチする。と言う行動は出来なくもない。

だが、投げ返したランタンが。元の、ランタンであると誰が証明出来る?

もしかすれば、手で触れて何かしらのスタンド能力が付随してるかも知れない。
 それを考慮しても、ランタンをキャッチするのでなく防御に徹する事がレミの決断だ。

「私の事は良いので、あちらの男性に注意をっ!」

 出てきた男性。次にこちらを相手するのは、オールバックの男と言う事だろう。
笑いつつ登場してきた男性は、先程のアンと違い自信がありそうなのは
何か秘策があるのだろうか、またはブラフか……。

 考えるよりも、相手の行動を見定めるのが先決だ。
コハルさん、葛西さん、防人さんには。レミよりも相手を警戒する事を促す。

672『アルカトラズから連れ出して』:2017/02/02(木) 22:55:17
>>670 (小石川)
>>671 (遊部)

投げ返されたランタンに対して行動する二人。
後方に飛びのいたレミが防御するよりも早く小石川の動きが先に終わった。
ランタンの持ち手に素早く、そして正確にナイフが通される。
レミは周りの人間に警戒を促し、小石川は質問を投げる。

ランス:「そう。ランス・ジャクソン」

     「それと、その言葉に対する返事は簡単だ」

     「同じなのさ。治験も宿泊地も指揮を執っている人間がな」

     「宿泊で心を癒し、治験で人間をいじる。方法は違うが目標は同じ」

     「光を追っているのさ」

ランスの両手と足にヴィジョンが現れる。
ボクシンググローブとボクシングシューズのヴィジョン。
蝶の意匠をあしらわれている。
そして、ランスが構えた。

ランス:「さぁ、始めるかい?」

グローブを動かし、かかってこいと挑発した。

673小石川文子『スーサイド・ライフ』:2017/02/03(金) 21:28:50
>>672

  「ジャクソン?やはり、あなたは――」

クリス・ジャクソンとランス・ジャクソン。
同一の姓と、先程の二人のやり取りから考えると、兄弟と考えるのが自然だろう。
どうやらクリスが兄でランスが弟らしい。

  「――『光』……?」

予想もしていなかった言葉に戸惑いの表情を浮かべる。
様々なイメージが脳裏に浮かぶが、当然ながら答えは出てこない。
分かったのは、それが彼らの目的であるということだけだ。

  「やはり、あなたも……!」

そして発現するランスのスタンド。
そのヴィジョンから、自分のスタンドとの共通点を連想する。
おそらくは、本体自身の身体能力を高めるタイプなのだろう。

  「どうしても……どうしても争わなければならないのですか?」

  「私は――傷付け合うことをしたくはありません……」

悲しげに表情を曇らせ、喉から絞り出すように呟く。
お互いの間に問題があるなら、話し合いで解決したいと思っている。
それが自分の理想であり信条だ

  「ですが……本当に――本当にそれしかないというのであれば……お相手します……」

ただ、全てが話し合いで片付けられる訳ではないことも理解している。
時には、力が必要な場合もあるという事実も認めなければならない。
しかし、力による解決を最終的な解決にするのが正しいとは思いたくなかった。

  「……一つ、お願いがあります」

  「もし、私達があなたを破ることができたら――
   せめて、あなただけでも……話し合いの可能性を考えていただけませんか?」

人の考えはそう簡単に変わるものではない。
彼らにも彼らの信念があるとしたら尚更だろう。
それでも、最終的な解決は、やはり話し合いであるべきだと信じている。
力による解決は、あくまでもそのための過程だ。
その思いを込めて、言葉を投げかけた。

  「……『行きます』」

構えたランスに対し、静かに宣言してから行動に移る。
投げ返されたランタンは『ナイフ』に引っ掛けて釣り下がっているはずだ。

     ザッ……
           ブンッ!

そこから『ナイフ』を振るうことで、そのランタンを再びランスに向けて投擲する(パス精CBB)
狙いは胴体。
ランタンの大きさや重さによる投げにくさは、
鋭く踏み込みつつ全身の力を使って大きく『ナイフ』を振ることでカバーする。

目的は二つある。
一つは、彼のスタンドの性能を確認すること。
もう一つは、準備する時間を作ることだ。
ランスがランタンに対応している間に、再び『小指』と『右手』を切り落とす。

674遊部『フラジール・デイズ』:2017/02/03(金) 22:36:25
>>672-673

「光を 追う……?」

その言葉に、僅かに呆然と言った表情を。私は浮かべてたと思う

「貴方は ……貴方がたは」

 「誰かの、大多数の犠牲によって積み上げられる道筋の果てに
本当に、光があると思えるのですか?」

 『レミ』にとって、彼の答えは予想にしていなかったものである。
それと共に、そうしなければならない形をとる目の前の男性に。
ひどく 悲しみも芽生えた。

 だが、言葉に囚われてもいられない。まずは 今の状況を判断しなければならない。

(ボクシングスタイル、それを表すヴィジョン。
蝶は……知識としては『蝶のように舞い、蜂のように刺す』と謡われた
モハメド・アリが最初に思い浮かばれた。身体能力を上げるであろう事は勿論の事
 能力としては、回避に重視している……?)

 小石川さんが動く。他三人も攻撃に構えるだろう

 (地形は……どうだろう?)

 防人・葛西・コハルの後ろに移動しつつ。廊下に面してランスとの間に
教室の扉など無いか確認する。教室を迂回して背後をとる事が可能かも知れないからだ

それが出来ないなら、ランスの相手は小石川さんか他三人に任せるしかない。
いま、スタンドを出して仕掛けても。大した牽制にならない……

675『アルカトラズから連れ出して』:2017/02/03(金) 23:45:57
>>673 (小石川)
>>674 (遊部)

ランス:「そうクリスと俺は兄弟だ。二卵性双生児」

     「それと、俺からもお前らに言わなきゃならんことがあるんだよ」

こきりと首を鳴らすランス。
その眼は冷たく、鋭い。

ランス:「なぜ誰も彼もが幸せなまま結末に迎える気でいる?」

     「お前たちは勘違いをしている『俺たちが悪いことをしている』と」

     「犠牲という面で言えば看護の分野でもフローレンス・ナイチンゲール女史はじめ」

     「多くの人間が医療現場や治療法に新たな風を吹かせるまでに何人が死んでいる?」

     「話し合いも俺とするな。俺は興味がない。するなら兄貴かドクターとしな」

小石川はナイフをふってランタンを投擲する。
全身での行動、飛ぶランタン。再びランスの元へ。

ランス:「ひゅう」

ランスの拳がランタンを砕いた。
素早い。小石川のナイフをふる速度と同程度か(ス精BC)指の切断は完了した。
レミは思考する。モハメド・アリ。
蝶の意匠を持つランスのスタンドと関りがあるのかもしれない。
三人の後ろに下がりつつ状況を確認する。
ランスの後ろには扉があるだろう。
前から見ているからわかりにくいが、レミたちの横に教室の入り口となるドアがある。
そこから教室に入れば回り込めるかもしれない。

白い霧を出していたシャーリーや長髪の男、人型のスタンドはいない。
どこかに隠れているのだろうか。それとも離れているのか。
ランスが白い霧の能力で隠れていたのなら近くにいるのかもしれない。

676『アルカトラズから連れ出して』:2017/02/03(金) 23:54:49
■■■■■■■■■■■│□□□□□│
■■■■■■■■■■■│□□□□□│
■■■■■■■■■■■│□□□□□│
■■■■■■■■■■■│□□□□□│
■■■■■■■■■■■│□□□□□│
───────────┘□□□□□└─────
□□□□□□□□□□□□□□□□□□□□□□□
□□□□□□□□□□□□ラ□□□□□□□小□□
□□□□□□□□□□□□□□□□□□□防コ レ□
□□□□□□□□□□□□□□□□□□□□□□□
──────△△△△──────────△△△△



コ:コハル&葛西
防:防人
レ:レミ
小:小石川
ラ:ランス。ランタンを叩き割った。足元にはガラス片など。
△:ドア

677小石川文子『スーサイド・ライフ』:2017/02/04(土) 21:22:27
>>675-676

淡々と語られた言葉が胸に刺さる。
自分にも心当たりがあった。
決して忘れることのできない記憶だ。

  「――発展のために必要な犠牲ということですか」

『彼』の最期の姿が鮮明に蘇る。
すすり泣く私を残して、『彼』は静かに息を引き取った。
あの時、もっと医療技術が進歩していれば、『彼』も助かったのだろうか。
今も、お互いに触れ合うことができたのだろうか。
そう思うと、胸が締め付けられるように痛んだ。

  「皆が幸せなまま結末を迎える」

  「確かに綺麗ごとかもしれません。そんな事は不可能かもしれません」

  「ですが、それを望む権利はあるはずです」

幸福な結末。
それが実現できるのなら、『彼』は命を失わなかった。
私も愛する人を失わなかった。
私には、手にすることができなかった。
だからこそ、幸せな結末を望む強い気持ちが、私の心の中にある。

  「……分かりました」

レミを初めとした四人と出会い、ここで危険な治験が行われていることを知った。
そして、自分は彼らを助けたいと思った。
ただ、治験を取り仕切る側にも、そうしなければならない理由があるように思える。
何故ここまでするのか――そこにある背景を知りたい。
しかし、ランスから話を聞くことは難しいだろう。

  「では、そのお二人から話を聞くことにします――」

だが、まだ可能性はある。
ランスの言葉通りなら、話ができる人間はいるのだ。
クリス・ジャクソンとリンゴ・ナイチンゲール。
彼らと対峙できれば、きっかけが掴めるかもしれない。
あるいは、二人が教師役だったことも、治験と何か関係しているのかもしれない。

  「あなたを破った後で」

『ナイフ』を握る手に力を込め、表情を引き締めて、ランスを見据える。
切り離した『指』は自分の背後に浮かばせておく。
まだ『右手』を切り落としていなければ切り落とし、自分の傍らに浮遊させる。

      チラリ

レミが移動するのを横目で確認する。
彼女には何か考えがあるようだ。
それをフォローするためにも、彼女に注意が向かないようにしなければ……。

  「コハルさん、葛西さん――お願いがあります」

  「宿泊用となっている教室に私の荷物があります。それを取ってきていただけませんか?」

  「それから……できれば帽子もお願いします。近くにあるはずですから」

ランスの動きに注意しながら、コハルと葛西に呼び掛ける。
自分が泊まっていた部屋の場所を二人に教えて、ハンドバッグを持ってきてもらいたい。
どこに危険があるか分からない。
一人に行ってもらうより、二人の方が安全だろうと思う。

  「防人さん……まだ彼の能力は分かりません」

  「ですから、まず私が当たってみます」

  「もし、失敗したら……その時はお願いします」

防人に声を掛け、動く。
レミが向かう方向とは逆方向からランスの側面に回り込むような足取りでじりじりと移動する。
相手の能力が分からない以上、迂闊に距離を詰められない。
少なくともスピードは同等、ランタンを容易く砕いた所を見るとパワーもありそうだ。
『ナイフ』を構え、ランスの次の行動を警戒する。

678遊部『フラジール・デイズ』:2017/02/04(土) 22:50:52
>>675-677

 ランスが、三人の人垣の向こうで話すのが聞こえる。
その内容は、私達との意思疎通の拒絶を露わにしていた。
 あとは拳で語れ、と言うのだろう。

 (今は、小石川さんが意識を惹いてくれる……)

MAP下の教室入口より、静かに入る。
 そして、入り終わって入口を閉めると同時に『フラジール・デイズ』を発現。
もし、教室内に人が沢山いたり。誰かが待ち伏せているのなら、上記の行動は
取りやめて三人の傍に声を上げて戻る事にする。無ければ引き続き行動だ。

「とは言うものの、彼(ランス)も気づくでしょう……」

 背後から、自分が教室の入口を開けると共に不意打ちをする。
それが、成功するとは想像しても上手くいくとは思えない。相手だって馬鹿じゃない
 自分が居ない事を直ぐに気づいて教室から迂回して背後に回る。
そんな浅知恵など見抜くだろう……だから。

 「フラジール・デイズ。近くの掃除用具から長めの自在箒かモップ、お願い。
貴方と私で携帯するので二つよ。その後に、貴方はもう一つの出入り口に
移動して頂戴。なるべく、物音を立てないよう静かにね……」

 武器として、長めのモップ。棍の代わりとして使用する
フラジール・デイズと自分で各自装備する。

そして、フラジール・デイズに。ランスの背後の位置になる扉へ移動、待機。

「いい? 私が手を上げたら、扉を開いて
 相手に向かうのよ……」

 レミは、入ったほうの扉で廊下の状況に聞き耳を行い、意識を集中する。
小石川さんの動きも邪魔しちゃいけない。すぐ、チャンスは訪れる筈だから……

679『アルカトラズから連れ出して』:2017/02/04(土) 23:53:08
>>677 (小石川)
>>678 (遊部)

ランス:「望むのと叶うのは別なんだぜ」

小石川の愛する者の死。
それもまた彼に言わせれば犠牲の一人なのだろう。
その犠牲を払ってでも到達する未来を望んでいるのかもしれない。
最も彼はそれに興味がなく、彼の話す通りならそれを望むのはドクターということになるが。

右手の切断も完了だ。
コハルと葛西はカバンを取りに行った。
レミは教室に向かう。
小石川が意識を引いていていたためか妨害は喰らわなかった。
『フラジール・デイズ』を発現し、モップをもってドアの前へ。

ランス:「面倒くさいねぇ。多対一ってのは」

小石川は渡り廊下の方に移動する。
北校舎に繋がる廊下を背にした。
ランスはぐるりと周囲を見渡す。

ランス:「足りねえな。ちょっとそっちに注意向いてたからか。いねえやつがいる。あの男女ペアじゃねえもう一人の治験の女だ」

     「どこだろうなぁ……下の階に降りたか上の階に上がったか、それともどっかに行ったか?」

     「なぁ、ナイフのあんた。後ろに気を付けな」

小石川の背後から足音がした。
何かが近寄ってくる。ランスは自分の背後、教室の方に意識を向ける。
レミは教室の窓から外の様子を知る。人型が小石川の背後から近づいてきている。
防人は隙を狙っているのかスタンドに構えさせて待機している。

680小石川文子『スーサイド・ライフ』:2017/02/05(日) 21:02:19
>>679

頭の中に響く『犠牲』という言葉。
ある意味では、『彼』の死もそうなのかもしれない。
事故に遭った時、『彼』の身体がクッションになって、私は助かった。
それは、『彼』が私のために犠牲になったと言えなくもない。
でも――私はそんなことは望んでいなかった。

共に生きることができないなら、せめて共に死ぬことが私の望みだった。
それは叶わない想い。それは許されない願い。
今の私に許されているのは、『彼』のいない世界で生き続ける道だけ。

  ――だめ……!集中しないと……。

心に生じる雑念を必死に振り払う。
気持ちを切り替え、目の前のことに専念する。
この危機を乗り越えるために……。

  ――どうか……。どうか私に力を貸して下さい……。治生さん……!

ランスは消えたレミに気付いたらしかった。
彼の言動を見ると、レミの居場所にも大体の見当がついているようだ。
当然といえば当然だろう。
いくら意識が逸れていたとはいえ、いつまでも悟られないとは考えにくい。
それなら、それを逆に利用する。

多対一の状況で、そこにいる全員に同時に注意を払うことは難しいはず……。
ランスの意識がレミへ向くなら、こちらへの注意は、ある程度は逸れるだろう。
そこを狙って、ひそかに『右手』を操作する。

ランスの視界に入りにくくするため床に下ろし、『右手』を彼の背後に向かって移動させたい。
気配で気付かれないよう、移動させる際はランスとの距離を保ち、あまり近付かせない。
もし途中で見つかってしまったら、その時点で止め、そこで待機させる。

       ゾクリ――

  「!!」

その時、ランスの警告と共に足音が聞こえ、思わず身を固める。

  ――コハルさんと葛西さんが帰ってきた?

一瞬そう思った。
でも、いくらなんでも戻ってくるのが早すぎる。
それに、足音が二人分ではないことが気になった。
嫌な予感がした。
しかし、ここで不用意に振り返ったら隙を作ってしまう。

だから――こうする。

眼窩に『ナイフ』を突き刺して、素早く『左目』を摘出。
そのまま浮遊させて肩越しに背後を確認する。
右目はランスから視線を外さない。
身体も動かさない。
ただ、すぐに動ける心積もりはしておく。

681遊部『フラジール・デイズ』:2017/02/06(月) 19:14:57
>>679(レス遅れ失礼しました)

 (! 誰かが小石川さんの背後から近づいてきてる。
新たな刺客?)

 時勢は、私達に良くない方向へいこうとする。此処が、敵のテリトリーなら
それも当然だ。白い霧、治験に参加した一般人。悪条件は目立つ

 とはしても、臍を噛んで傍観とはいかない。今は小石川さんの援護だ。
私は片手をあげて、向かい側の出入り口の前で待機するスタンドに合図を送る。
 そして……。

――ガラッ!

 フラジール・デイズと。自分は勢いよく教室の扉を開く
二人でいっぺん同時に。ランスへの意識をこちらに寄らせる。
 相手にとっても、こちらがスタンド使いである事は把握されても
自分と瓜二つであれば、どちらか本体が一瞬迷う。その隙を逃さず……!

「防人さん、小石川さんの後ろを! 私と彼女で……倒します!」

 駆ける! フラジール・デイズと同タイミングで一気にランスへとだ!

 (まず一人ずつ、確実に無力化を……!)

棒を振り下ろす構えで、ランスに向かって走る。
 口に空気を含んで、相手がこちらに迎撃の姿勢を見せる動きに目を配らせ
タイミングが来たと判断すると同時に『合図』を行う!

682『アルカトラズから連れ出して』:2017/02/06(月) 23:47:28
>>680 (小石川)

思い起こされる記憶。
しかし、今すべきことに集中する小石川。
愛する人の力を望み、祈りながら。

右手は床に下り、ランスの元へと近づいていく。
小石川の耳に入る足音は一人分。徐々に早くなっていく。
その謎の存在を相手に小石川は自分の左目を摘出することで対応した。
人型だ。アンと似たような恰好をした人型。
人型は左目を視認したらしい。
小石川に飛び蹴りを見舞った(パス精CCC)。
足が後頭部を狙う。

防人:「おい、あんた!」

防人が小石川の傍に向かっている。

>>681 (遊部)

防人:「あいよ」

ドアを開け、指示をするレミ。
防人は小石川の援護に向かう。
フラジール・デイズもいる。
それを見て、ランスはこきりと首を鳴らした。

ランス:「どっちから殴ろうかねぇ」

ランスの右手のグローブが変化する。
徐々に浸食されるかのように蝶の意匠が消えていく。

ランス:「お前にするか」

ランスのステップ。フラジール・デイズへと接近。
早い、それは人の速度ではない(スB)
ランスが跳ねた。まるで前に踏んだかのように足が床を離れる。
そして矢のような速度で向かうランスが左腕を振った。
ジャブだ。当然、人を超えた速度でそれは放たれる。
矢のような拳がフラジールを狙う。

>>All

■■■■■■■■■■■│□□□□□│
■■■■■■■■■■■│□□□□□│
■■■■■■■■■■■│□□人□□│
■■■■■■■■■■■│□□□□□│
■■■■■■■■■■■│□□小□□│
───────────┘□□□□□└─────
□□□□□□□□□□□□□手□□防□□□□□□
□□□□□□□□□□ラ□□□□□□□□□□□□
□□□□□□□□□フ□□□□□□□□レ□□□□
□□□□□□□□□□□□□□□□□□□□□□□
──────△△△△──────────△△△△

レ:レミ
フ:フラジール・デイズ
小:小石川(使用部位4 小指×2 右手 左目)
手:小石川の右手
防:防人
ラ:ランス

683小石川文子『スーサイド・ライフ』:2017/02/07(火) 21:50:45
>>682

  「――分かっています」

    スゥッ

背後から迫る新手の人型に対し、身体を捻りながら左足を斜め後ろに引く。

               グ ル ッ

人型が飛んでくるのに合わせて、引いた足を軸にして、反時計回りに大きく半回転。

         シ
           ュ
            バ
              ッ
               !

バレリーナのような一連の動きと共に、流れるように『ナイフ』を振るう(パス精CBB)
これにより、紙一重ですれ違うようにして飛び蹴りを回避する。
今は回避が最優先なので、『ナイフ』の一撃は当たらなくても構わない。

『左目』は時計回りに半回転させ、本体の背後に回す。
そうすることで、先程までとは逆に『左目』でランスを、右目で人型を見張るという形にする。
背後から襲われるような隙は、もう決して見せない。

そして、回避が成功してもしなくても、『小指』の指先で人型の額を小突く(パス精DCC)
普通に立っている状態なら、どうということもない軽い衝撃――。
でも、飛び蹴りを放った直後は姿勢が不安定になっているはず。
パワーの差があるから、バランスを崩させるまでには至らないかもしれないけど……。
少しでも不安定な状態を持続させることができれば、次の行動の助けになってくれる。

  「ッ!防人さん!援護をお願いします!」

余裕があれば防人に呼び掛ける。
荒事に縁遠い自分とは違い、どうも彼は戦闘に慣れているように感じる。
彼の詳しい素性は知らないが――この場では頼もしい存在には違いない。

  ――!レミさんが……『二人』……?

レミと彼女の分身(ドッペルゲンガー)が並び立つ光景に驚く。
おそらく、あれが彼女のスタンド能力なのだろう。
彼女はランスに攻撃を仕掛けるようだ。

『右手』は更に進み、引き続きランスの背後を取らせに行く。
レミが引き付けてくれていることを考慮して、やや距離を近付ける。
サポートするためには、その方がいい。

ランスのスピードはレミのそれを上回っている。
ただ、レミには策があるように見受けられる。
今は、彼女の策が成功することを信じる……!

684遊部『フラジール・デイズ』:2017/02/07(火) 22:56:41
>>682

>お前にするか

 そう呟き、軽やかで普通の人間の速度ではないステップでのジャブが
もう一人の私(フラジール・デイズ)を襲う。

 けど  それは『予期』していた事だ

 (教室の扉の立ち位置からして、スタンドのほうが私よりも位置関係で近い。
距離が近い事を考えれば、薄暗い屋内の視界の悪さ そして本体の私が防人さんや
小石川さんと近い事を踏まえても、そちらを狙う確率が高いのを私は分かっていた。
貴方がフラジール・デイズを狙う事は……!)

 (フラジール・デイズ     『機』は実ったわっ)

  「っ   ピーィィイ!」

叫ぶでもなく、スタンドに何か指示をするでもなく。
 『口笛』を吹く   と同時に……

 フッ…   ブゥン――ッ

防人や小石川さんには、分からないだろうが……ランスには
フラジール・デイズが『消えた』と目視で感じるだろう。

>>678メ欄で、『指定を口笛で合図』すると、フラジール・デイズに設定した。
 フラジール・デイズは。舞台上で除外する相手を一名指定出来る。
指定された相手とスタンドは、直接的に見たり聞いたり触れたりする事も出来ない
相互不干渉状態になる……ランスのスタンド能力が近接攻撃以外を使用しない限り
降りぬく前に指定となったフラジール・デイズへの攻撃は、擦り抜ける!

 更に

「――解除!」

 相手のジャブがフラジール・デイズに接触。
舞台上の指定を行った事により、疑似的な透明と化したフラジール・デイズと
ランスが接触化した瞬間に、解除を行う!

 フラジール・デイズと相互不干渉になった相手が、重なった時に解除された場合。
その人物は立ち位置的な事もあるが、触れ合ってる面積と逆の方角に弾かれる(スC)
 相手(ランス)も攻撃が通ったと思ったが、それが蜃気楼のように抜けたと思いきや
良く分からない内に、見えない力で後方に弾かれれば当然隙が出来る!

 「暫く……動かないで下さいなっ!」

吹き飛んだ相手へと、その足部分を狙い掬うようにして柄の部分を振って打ち付け
転倒させるのを試みる!(スパ精CCC)
 
 これで、多少ダウンしてくれれば。起き上がるまでに小石川さんや防人さんに
向かってきてる相手と挟み撃ちになるのも防げる。

685『アルカトラズから連れ出して』:2017/02/07(火) 23:14:10
>>684 (遊部)

質問、確認します。

・柄で叩くのはフラジール・デイズで正しいですか?

・現在のフラジール・デイズの役はなんですか?

686遊部『フラジール・デイズ』:2017/02/07(火) 23:55:01
>>685(GM)

 ・柄で叩くのはフラジール・デイズで正しいですか?
いえ、本体である自分が『フラジール・デイズ』と重なり解除された時に
反発しあう事で吹き飛ぶランスの足を柄で叩きます。

 ・現在のフラジール・デイズの役はなんですか?
本体の言葉のままに素直に従うだけで、特にこれといった細かい役柄は指定してません。
教室内で合図したら、そのまま敵に向かって攻撃しろと言う指示だけをしてるので
そのままランスに向かって突撃するだけと思います。
 重なりあって反発して軽くスタンドも吹き飛んでも、レミが指示しない限り
ランスに攻撃を継続して行うと思います。

687『アルカトラズから連れ出して』:2017/02/08(水) 02:13:08
>>686
了解。ありがとうございます。

>>683 (小石川)

ぐるりと小石川が回る。
ナイフの切れ味と共に回る。
敵の攻撃は空振り、その脚はナイフによって切り裂かれる。

?:「アイヤー……」

左目は後方を確認、ランスの動きを確認している。
小指の動作も成功。

?:「っととと」

足の痛みで着地が不完全であった。
小突かれて少しバランスを崩す。
防人に援護の指示は出せていないが何かしようとしているらしい。
防人のスタンドの左腕が崩れる。右腕は刃になったままだ。

>>684 (遊部)

口笛で指示をするレミ。
それでフラジール・デイズとランスはお互いを認識できず、ランスが弾かれる。
はずであった。
>【望まぬ相手の指定】
>1.『役を与える』際、それに併せて『演技の舞台に上げない対象』(以下『対象』)を本体が指定できる。
>・現在のフラジール・デイズの役はなんですか?
>本体の言葉のままに素直に従うだけで、特にこれといった細かい役柄は指定してません。
役を与えられていないフラジールは舞台上の演者ではない。
誰とも変わらない、ただの観客だ。役割を与えられていない演者は舞台に上げない人間を選べない。

みしりと思い音がする。
ランスのジャブはしっかりとフラジールの顔面を捉えた。
フラジールがよろける。

ランス:「出来上がりだぜ」

ランスの変化した右腕。そこに蝶の意匠はない。
蜂だ。蜂の意匠を宿した拳だ。
レミはランスに接近するが、この距離とランスが弾かれなかったためにその行動は起こせない。
ランスの右拳がフラジールに叩き込まれる(スC)
フラジールは苦しそうに体を折り曲げる。そして、その殴られた部分には半分になった蜂の印が浮かんでいた。

688小石川文子『スーサイド・ライフ』:2017/02/08(水) 21:41:29
>>687

初めての経験だった。
この『ナイフ』で誰かを傷付けたのは。
相手はスタンドであり、人間ではないし、生き物でもない。
それでも、この手で誰かを傷付けたことは事実。
胸が――痛む。

先へ進むために襲い来る敵を力で退ける。
それは、結局は目的のために誰かを犠牲にするということなのかもしれない。
やり切れない思いに唇を噛む。
だが、ここまできた以上、迷いは捨てなければ……。
お互いに全力を尽くす戦いの中では、それが命取りになりかねないのだから。

改めて決意を固め、覚悟を決める。
傷付けられる覚悟と傷付ける覚悟。
その両方を。
秘めた意思の下で今は力を奮う。
力に拠らない結末を迎えるために。

           タ ン ッ

人型がよろけている隙に踏み込んで距離を詰める。
そして――。

   ザ  ン  ッ  !

間髪入れず『ナイフ』を振り、胴体をなぎ払う(パス精CBB)
これまでのことから、彼ら自身が何か特別な能力を持っている可能性は低い。
このまま畳み掛ける。

  「――防人さん!お願いします!」

防人に呼び掛ける。
彼が何をしようとしているかは分からない。
けれど、それに託そう。
念のために、できそうなら『小指』は人型の後頭部付近に回り込ませる。
できないなら自身の傍らに戻しておきたい。

  ――!!

『左目』を通して背後の光景が見える。
発動するランスの能力の片鱗。
しかし、今はそれさえも気にならない。

ほんの少し前に出会ったばかりとはいえ、目の前で仲間が傷付いている。
ランスに攻撃されているのは、レミ自身ではなくスタンドだ。
しかし、そのことは知る由もないし、その考えさえ頭から抜け落ちていた。
苦しむフラジールの姿が、記憶の中にある『彼』の姿と重なる。
無意識の内に鼓動が高まり、自然と身体が熱くなる。

  ――だめッ!!

思わず叫びそうになるのを抑えながら、さらに『右手』を進ませ、ランスの背後に配置したい。
今なら気配で感付かれることもなさそうだ。
必要以上の慎重さは捨てて、気付かれない程度に可能な限り近付けて配置する。

689遊部『フラジール・デイズ』:2017/02/08(水) 22:02:52
>>687

 (っフラジール……!)

私の ミスだ。
 細かい役柄を決めなくても……指定化は出来ると思っていた。
誰か適当な相手で実験をする真似をする気もなかった。理論だけで
頭の中で出来るだろうと思い込んでいた……私『レミ』のミスだ。

 『蜂の印』 そしてダメージを受けて苦しむフラジール・デイズ。

どうすれば良い? どうすればフラジール・デイズを助けられる??

私の所為だ。私が何とかしなければならない。
 小石川さんを 葛西さんを コハルさんを 防人さんを
最悪の事態から守る為に 最善手を尽くす為に 考えなくては。

 どうすれば、どうすればどうすればどうすればどうすればどうすれば。
嗚呼 どうすればどうすればどうすればどうすればどうすればどうすれば
どうすればどうすればどうすればどうすればどうすればどうすればどうすれば

 どう   すれば……わた   しは

        

  ――――――――――――――――――――――――――――

  ―――――――――――――――――

  ――――――――――――

  ―――――




 「――レミ。  『俺』と同じ物真似をしろ」

 ランスとか言う男の攻撃を受けたフラジール・デイズに対し鋭くそう命じる。
いまの立ち位置は、挟み撃ちにして攻撃しようとて失敗した形だが
ほぼ直線状だろう。フラジール・デイズが未だ続行可能な状態なら俺と同じ
動きをしようとする筈だ。『物真似の役』 簡潔で簡単な演技だ。

 演技が出来ると視認出来たら、棒を軽く片手で構えつつMAP上。
ランスがランタンを破壊したガラスのある直線状の地点にさりげなく横移動を行う。
 相手が、再度フラジール・デイズに殴りかかるか自分へと攻撃を行うようであれば。
前者であるなら、口笛を吹いて舞台に上げない対象に。
後者であるなら、棒を回転させつつランスの胴体に当たる方向に投擲を行いたい。

690小石川文子『スーサイド・ライフ』:2017/02/09(木) 00:19:55
>>688

最初にランスが立っていた場所には、彼が砕いたランタンの残骸が落ちているはず。
『右手』を移動させる途中で、その中からガラス片を拾い上げる。
その際は、一番サイズが大きく、握りやすい形のものを選ぶ。

691『アルカトラズから連れ出して』:2017/02/09(木) 00:20:46
>>688 (小石川)

そのナイフを自傷ではなく他人を傷つけるために振るった小石川。
覚悟は決めた。あとは行動をするだけだ。
その先に小石川の光があるかはわからないが。

「ぐっ……!」

腹を切られ、人型がうめく。
防人に呼びかけると、防人と人型が敵に向かっていった。

防人:「エッちゃん。技を借りるぜ」

変化したスタンドの左腕。それが強烈な光を発した。
視界が一瞬真っ白に変わるほどの光。
それを敵に向かって照射した。

防人:「タイトロープを照らせってな」

そして、刃となった右腕が目つぶしを喰らった敵を真っ二つに切り裂いた。
上半身と下半身で別れた敵は確実にその機能を停止する。
小指は自分の傍らに。右手は……ランスの背後に移動させる。
だが、ランスはフラジールの追撃を狙わなかった。

>>689 (遊部)

演技でない本来の無味乾燥なフラジール。
些細なミスだが確実にフラジールは手傷を負った。

「……おう」

苦し気にフラジールが返す。
指示が届いた。物真似、姿かたちこそ本体と同じフラジールだがその性格は違う。
演技が始まる。

ランス:「指示出したってことたあ、お前が本体か?」

     「まぁ、なんでもいいが。挟み撃ちはちょっと面倒くせえな」

     「しかし、距離取ってぶん殴るのも面倒くせえ。はぁ……やれやれ」

ランスの足が床を一瞬はなれる。
跳んだ。また矢のような攻撃が出る。
今度は右。蜂の意匠から蝶の意匠に戻った手が拳を放つ。
左腕のスタンドは変化を始めている。
狙いは本体。するとあなたはランスめがけてモップを投げる。

ランス:「あ?」

ランスの足が止まる。ジャブでモップを弾いた。
カランと音を立ててモップが落ちる。

>>ALL

■■■■■■■■■■■│□□□□□│
■■■■■■■■■■■│□□□□□│
■■■■■■■■■■■│□□□□□│
■■■■■■■■■■■│□□人□□│
■■■■■■■■■■■│□□小防□│
───────────┘□□□□□└─────
□□□□□□□□□□□□□□□□モ□□□□□□
□□□□□□□□□□□□□□手ラ□□レ□□□□
□□□□□□□□□フ□□□□□□□□□□□□□
□□□□□□□□□□□□□□□□□□□□□□□
──────△△△△──────────△△△△

レ:レミ
フ:フラジール・デイズ
小:小石川(使用部位4 小指×2 右手 左目)
手:小石川の右手
防:防人
ラ:ランス
モ:モップ
人:人型スタンド。上半身と下半身に分離されている

692小石川文子『スーサイド・ライフ』:2017/02/09(木) 08:22:00
>>690
申し訳ありませんが、上の追記は取り消させていただいてもよろしいでしょうか。
お騒がせして大変すみません。

693小石川文子『スーサイド・ライフ』:2017/02/09(木) 22:05:35
>>691

  ――ごめんなさい……。ごめんなさい……。

真っ二つに分断されて倒れる人型スタンドを前にして、心の中で懺悔する。
その顔に浮かぶのは、眉根を寄せた苦悩の表情。
いくら覚悟を決めても、一切の感情を殺すことはできない。

ふと左手の『ナイフ』に視線を落とす。
人型スタンドを切り裂いた時の感覚は、まだ手と心に残っている。
それは容易に払拭することのできない感覚だった。

愛する者の死を悼みながら、対峙する者を死に至らしめる。
それは矛盾した行い。それは罪深い所業。それは背徳的な行為。
目に見えない大きな重圧によって心が責め苛まされる。

  ――治生さん……。私は……。私は……。

罪悪感に押し潰されそうになる心を、やっとの思いで押し留める。
今は折れるわけにはいかない。
まだ――まだ為すべきことがあるのだから。

  「――ありがとう……ございます……」

人型スタンドに背を向けて、防人に感謝の言葉を伝える。
内心の動揺は完全には隠し切れず、その言葉は途切れ途切れだった。
それでも気を落ち着けて、次のことを考える。

  「防人さん。レミさんを助けましょう」

ランスとレミ。
睨み合う両者に視線を向けて、防人に声を掛ける。
何故かは分からないが、彼女の纏う雰囲気が変わったように感じた。
彼女の身に何が起こったのだろうか?
ともかく、彼女を助けなければ……。

  ――チャンスは一度だけ……。慎重に……。落ち着いて……。

自分に言い聞かせ、ランスの側面に向かって駆け寄っていく。
『左目』は自分の背後を見張る。
『小指』は頭の後ろ側に隠すように浮遊させておく。
スタンド使いである自分がランスに近付けば警戒するだろう。
その分だけレミに対する注意は薄れるはずだ。

そして、ランスが足を止めてモップを弾いた直後を狙い、行動に移る。

                ド ン ッ

まずは『右手』を操作し、浮遊させて、ランスの背中を突き飛ばす(パス精DCC)
彼がそれに反応したら、今までポケットの中に隠していた『小指』を操作する。

          ヒ ュ ッ

狙いは、ランスの顔に向かって『小指』を飛ばし、目をつついて怯ませること(パス精DCC)
失敗したとしても、予想外の場所から何かが顔に飛んでくれば無視することは考えにくい。
少なくとも隙を作ることはできるだろう。

   シ ュ バ ッ !

その間も接近を続け、『ナイフ』の届く距離に入り次第、『ナイフ』を振る(パス精CBB)
狙いは足。あの素早い動きは脅威だ。
スピードは同等なのだから、少しでも速度を落とすことができれば、こちらが有利になれる。

ランスのスタンドは『スーサイド・ライフ』と似たタイプ。
本体の動きが損なわれることは大きな痛手になるはず。
自分も同じようなスタンドを持っているからこそ、それがよく分かる。

距離が離れていて『ナイフ』が届かないか、
ランスの立ち直りが早くて攻撃が間に合わない場合、
彼の手前で立ち止まり、『ナイフ』を構えてランスを牽制する。
自分の行動が成功しても失敗しても、その間レミと彼女のスタンドはフリーになる。
彼女を救うと同時に、この局面を乗り越えるきっかけを作ることはできるはず……。

694遊部『フラジール・デイズ』:2017/02/09(木) 22:35:37
>>691

 目の前の男(ランス)が、『俺』の投げたモップを弾き
怪訝な顔をする。考えてる事は、何でこいつ自分から武器を失うような真似したんだ?
 投げたって、まともにダメージなんて与えられる筈ねぇだろう。ってとこだろう

フゥ……   タッ

 俺は走る。目の前の奴(ランス)に向かって 距離は攻撃する間合いとしては十分だろう。
普通なら、無手で向かってくる相手に対し。ボクシングに関係してそうな
スタンド能力を持った相手なら余裕もってカウンターで、さっきフラジール・デイズにやったように
カウンターで玲実の顔にパンチでも繰り出せるだろう。

 ……これが『さっきのような状況』ならな。

「お前にも、レミにも言える事だが。ちゃんと人の言葉は聞いとくべきだ」

 そいつの向こう側を見据えつつ、誰ともなく呟く

「で、お前さんに告げておくが  ――『物真似』なんだよ」

 そう、物真似。……『俺とそっくり同じ行動をフラジール・デイズが演じる』
>>691さっき、俺はモップをどうした?   『あいつ向かって回転させつつ投げたんだ』

 ブンブンブンッ!

スタンドとランスの立ち位置だと。多少距離はある 遠心力を多少つけて
相手に長い棒を投げつければ背中に衝撃が走る、運が良ければ……相手にとって
不運なら後頭部に棒が当たる。どっちにしても隙が生まれる筈だ。

 背後からの不意打ち、そして俺は奴の腹目がけて助走つけた勢いで蹴りつける。

 フラジール・デイズの腕力(パスDC)は女子供並みだが。それでも勢い付けて
回転した棒が背中に不意打ちで入る衝撃と痛みは、一瞬でも確実に隙となる。
 あいつは俺のほうを見てる。俺は、フラジールと奴を同時に見れる位置関係にいる。
モップが奴に当たるタイミングを見計らって勢いよく蹴って攻撃する事は可能な筈だ。
 
 まぁ、さっきスタンドに何か奴のマークが刻まれたのが懸念材料だが。
レミからの情報で、精神系の干渉にもフラジール・デイズに及ぼす効果は
常人よりは低いようだしな。それに、人形でも女子供を平然と殴る野郎だ。
『俺』はそう言うのを許す気はない。

695『アルカトラズから連れ出して』:2017/02/11(土) 01:03:03
>>693 (小石川)
>>694 (遊部)

駆け寄る小石川。
フラジールに指示する遊部。
物真似は声や態度、身振りを真似するものではあるがフラジールに意志は通じたらしい。
乱暴にモップを投擲する。しかし距離と力の問題はある。
確実にランスに向かって飛んでいく。
その当たるまでの時間を潰したのが

ランス:「お?」

右手と小指による攻撃。
本体も行動しながら操作しているので精密性は少し落ちるが右手は彼の背中を押した。
小指は顔には当たらないもの確実に彼の集中をとぎらせる。

遊部の蹴り、小石川のナイフ、フラジールのモップ。
それらは確かにランスの体を捉えた。

ランス:「あー。だから一対多は面倒くせえ」

     「ただ、お前ら連携はしてねえのか……? 援護に入ったって感じだもんな」

     「ナイフのあんたは後回しだ。面倒くさいからな。行けるところから行くぜ」

飛びのいたランスは舌打ちをした。
脚からは血。少し動きが悪い。
だがそこからランスが跳ねた。狙いはフラジールだ。
それに反応してフラジールも防御の構えを取る。
また矢のようなジャブで狙う(パス精CBC)。

■■■■■■■■■■■│□□□□□│
■■■■■■■■■■■│□□□□□│
■■■■■■■■■■■│□□□□□│
■■■■■■■■■■■│□□□□□│
■■■■■■■■■■■│□□□防□│
───────────┘□□□□□└─────
□□□□□□□□□□□□□□小□モ□□□□□□
□□□□□□□□□□□□□□手□レ□□□□□□
□□□□□□□□□フ□□ラ□□□□□□□□□
□□□□□□□□□□□□□□□□□□□□□□□
──────△△△△──────────△△△△

レ:レミ
フ:フラジール・デイズ
小:小石川(使用部位4 小指×2 右手 左目)
手:小石川の右手
防:防人
ラ:ランス
モ:モップ

696小石川文子『スーサイド・ライフ』:2017/02/12(日) 04:21:41
>>695

  ――レミ……さん……?

勢いよく走り出し、ランスに蹴りを叩き込む『レミ』の姿。
荒々しさと力強さを感じさせる男性的な動きだ。
直感的に、その光景に多少の違和感を覚える。
先程までのレミと同じ人間とは思えない。
まるで別人が乗り移っているかのように見える。

  ――!!!

  ――あぁ……!この感覚は……!!

しかし、左手に生じる感覚によって、頭に浮かんだ疑問は霧散する。
思わず『ナイフ』を手放してしまいそうになった。
スタンドではない生きている人間を切る生々しい手応え。

それは初めて味わう感覚であり、ある意味では馴染み深い感覚でもあった。
自分の肌を傷付ける時に、いつも味わっていた感触だからだ。
死の誘惑に屈服しそうになった時、自分自身に痛みを与え、流れる血を見て気を鎮めていた。

                     トランキライザー
自分にとって欠くことのできない 鎮 静 剤――。

それなのに、今は少しも気が休まらない。
なぜなら、痛みを受けたのも血を流しているのも、自分ではない別の人間だからだ。
その事実に一瞬戸惑い、心の中に再び躊躇いが湧き起こる。

それでも、その思いを抑えて、『ナイフ』の柄を握り締める。
自分が――私自身が選んだことだから……。
それに、まだ状況は終わっていない。

  「――『浅い』……!」

確かに『ナイフ』は命中した。
しかし、その当たりは浅く、決定打には程遠い。
今の状態では、機動力も大きく落ちてはいないだろう。

しかし、その小さな差が結果を左右することもある。
決して無意味ではない。
気を取り直し、ナイフを構え直す。

レミのスタンドに向かっていくランス。
助けに入りたいが、やや距離がある。
ランスのスピードを考えると、間に合わない可能性が高い。

                サ ッ

コートのポケットに入れていた二本のチョーク。
その内の一本を、浮遊させている『右手』で取り出し、宙に放る。

          シ ュ ッ 
   カ ッ !

そして、空中のチョークめがけて左手の『ナイフ』を振る。
卓球のラケットのように刃の腹を叩きつけ、ランスに向けてチョークを飛ばす(パス精CBB)
狙いは後頭部の下の首部分だ。

二本の『小指』は自分の頭の後ろに浮遊させる。
『左目』は引き続き背中を監視し、新手の出現に備える。

697遊部『フラジール・デイズ』:2017/02/12(日) 11:29:42
>>695

(少し……決め手が欠ける)

蹴った感触は、浅くないが深くもない感じ。
 小石川、と言う名前だったろうが。レミからは仲間と言う情報がある、この場ではだが。

有効打が余りない。小石川のナイフが今のところ戦力で一番の攻撃
 フラジール・デイズは、その牽制に使うべきだろう。

 ピーィ!

 フラジール・デイズに殴りかかる男(ランス)に対し、こちらは短く口笛

『物真似演技』は継続してる。そして、口笛で舞台上の外にする指定は未だ続行の筈だ
 これにより、男のパンチはフラジール・デイズには通じなくなる筈だ。

更に、MAP上に落ちてるモップを拾い上げる。
 防人が対峙してる敵はどうだ? 一瞥して様子を見る。

 「あんた、遠慮すんな。
そのまま、そいつの足の腱でも爪先でも良い。 刺しな」

 小石川に顎をひゃくって淡々と告げる。
目の前の男の始末が優先事項だ。フラジール・デイズが目前で消失(したように相手は見える)
して相手も蹈鞴を多少は踏んだたろう。

698『アルカトラズから連れ出して』:2017/02/12(日) 23:55:46
>>696 (小石川)
>>697 (遊部)

自分の攻撃に対して浅いと感想を抱く二人。
それらは彼の体に打ち込まれたが打ち倒せてはいなかった。
しかし確実にダメージは与えている。
ランスの足から流れる血がそれを表していた。

ランス:「あぁ!?」

口笛。そしてフラジールが消える。
自分のジャブが空をきったことにランスは驚いた。
その無防備は首にチョークが飛ぶ。
『スーサイド・ライフ』そのスピードと精密性でランスの首筋にチョークが叩き込まれる。
小指と目の行動も完了だ。

ランス:「痛ッ〜〜〜!」

     「だが、今お前なんかしたな……口笛か? お前が指示したのか?」

小石川と遊部の方を向き、確認する様に口にするランス。
モップを掴んだ遊部は防人の方を確認する。
敵である人型はいない。すでに倒されている。
防人は廊下の向こうに敵がいないか目で確認していたようだが、こちらに振り向いた。

ランス:「……お前の指示でスタンドの態度も変わったような……というか、お前自身の真似をしたのか」

     「なら変わったのはお前の態度なのか?」

ランスがゆっくりと後ろに一歩ずつ下がる。
そこは先ほどまでフラジールのいた位置だ。

699小石川文子『スーサイド・ライフ』:2017/02/13(月) 21:53:37
>>698

空振りするランスの拳。
しかし、レミのスタンドは確かにそこにいたはずだ。
現に、今もそこに立っているのが見える。
にもかかわらず、ランスの攻撃は命中しなかった。
どうやら、レミのスタンド能力が発動したらしいことを悟る。

  ――良かった……。

一安心したところに、レミの言葉が耳に届く。

  「……えっ……?」

ぶっきらぼうな物言い。
淡々とした口調。
そして、伝えられた内容に戸惑いの表情を浮かべる。

レミとは長い付き合いがあるわけではない。
知り合ったのは、ほんの少し前のことだ。
自分は彼女のことをほとんど知らないし、それは彼女にしても同じことだろう。
それでも――このような指示を顔色一つ変えずに出せる人間でないことは分かった。
だからこそ、レミの言葉には驚きを隠せなかった。

……今ここにいるのが本当に『レミ』であるなら。

何かの理由で演技をしていたということも考えられなくはない。
けれども、今までの彼女の言動には真実味があった。
あれらは確かに偽りのない真実のレミだった。
今の彼女は、外見だけが同じで中身は全くの別人に入れ替わったように見える。
そこまで考えた時、一つの考えが脳裏に浮上した。

スタンドは本体の精神を映し出す『鏡』。
自分は『ナイフ』。そしてレミは『彼女自身』。
もしかすると――。

  「レミさん――」

  「いえ……。『あなた』は……」

頭に浮かんだ疑問が直感的な確信に変わり、自然と口から言葉が漏れる。
長いまつげが震え、まぶたが軽く下りていき、右目が細められる。

   コクン

  「――分かり……ました……」

躊躇いがちな同意の言葉と共に、小さく頷く。
出来ることなら、したくはなかった。
しかし、この先へ行くためにはランスを退けなくてはならない。

彼の両足を一時的に使えなくし、後を追ってこれなくすること。
現時点では、それが一番の解決策だと思えた。
彼にとっても、私達にとっても。

チョークが命中した直後に、『右手』を床の上に下ろす。
そして、そのまま『右手』を彼の足元に向けて移動させる。
血を流している足。そこを目指して、横から回り込むようなルートで少しずつ近付けたい。
自分自身は、『右手』とは逆の方向から、同じく回り込むようにして徐々に接近していく。

まだ踏み込まない。
『ナイフ』の分だけリーチがあるとはいえ、こちらの攻撃の距離は、ほぼ相手の距離でもある。
一定の距離を保って機会が訪れるのを待つ。

700遊部『フラジール・デイズ』:2017/02/13(月) 23:28:54
>>699

防人とか言う男のほうは終わったようだ。
となれば、目の前の男だけだ。白い霧から新たに敵が出ない限りはな。

あとは、目の前の品の良さそうな娘さん(小石川)か。レミもそうだが、こう言う手合いは苦手だ
まだ荒々しい野郎や、目の前の女でも平然と顔にパンチを振るうド腐れ野郎の
相手のほうが、精神的には楽なんだがな。

一般人 この場合、精神的な意味合いで『一般人』な人間には
少し冷淡な言い方だと思うが。俺はこれ以外で柔らかな言い方するような
気の利いた奴じゃないし、装っても不気味で気持ち悪いだけだ。

「色々と、この話し方とか。敵とは言え刃物で刺せって言う
生々しいやり取りはきついかも知れんがね、お嬢さん」

いま、フラジール・デイズとランスの立ち位置は『ほぼ重なった』状態だろう。
このままだと、少々勝手が悪い。だから、『半歩ほど位置を後退する』
俺は分かりやすくモップの柄をコンコンと床を叩きつつ少しだけ立ち位置を後ろに。
スタンドも意図を汲むだろう。その行動をしつつ、相手にこちらがしようとする
素振りを理解させないよう小石川との会話もする。


「一先ずね、俺が思うにだが   演技『解除』」

 瞬間、フラジール・デイズの『舞台上指定化』を解除。
半歩位置をずらした事によって。相手はこちら側に『弾かれる』筈だ。

 こう言う手合いには、何気なく仲間と雑談してる最中に唐突に
行動した方が、不意打ちは成功しやすい。

もっとも、事前の打ち合わせなんてないから娘さん(小石川)も行動が
少々遅れるかも知れないが。肉体を分離して動かせるようだからな
 ランスが次に回避行動とるより、娘さんのナイフが奴の足を刺すほうが早いだろう。

それが駄目そうなら、回避してる隙をついて俺がモップの柄を頭部に振り下ろすようにして
昏倒するのを試して見るがね。

701『アルカトラズから連れ出して』:2017/02/14(火) 00:30:38
>>699 (小石川)
>>700 (遊部)

変わった遊部の態度。
小石川はそれに反応し、思考する。
一方の遊部も小石川について思考する。
ただやることは同じ。
ランスという目の前の敵を退けることだ。
小石川は右手を操作する。
そして小石川自身も移動する。
徐々に円を描くように動き、距離も近づく。

ランス:(……ちょっと距離取るか?)

フラジールと重なるランス。
こんこんと床と叩く。少々分かりにくいものだったかもしれないがフラジールはなんとかその意図をくんだ。
ただし、ランスは少し警戒したのか歩みを止めたが。

ランス:「ん?」

急なことであった。
一度は歩みを止めたものの再度後ろに下がろうと体重移動をした時だ。
前につんのめった。現れたフラジール。
前受け身。四つん這いに近い状態になるランス。

ランス:「ふうん。演技解除ね。理解した。演技だな。お前が指示した。さっきもお前が指示した」

     「さっきぶん殴れた時は演技してなかったのか? ん?」

     「ま、とりあえずこんにちは、だ」

クラウチングスタートのような姿勢を取るランス。
その右足。怪我をしていない方の足のスタンドが変化する。
突っ込むつもりだろうか。それとも別の何かか。

702小石川文子『スーサイド・ライフ』:2017/02/14(火) 22:21:51
>>701

  「いえ……。私は大丈夫です――」
  
  「ちゃんと……ちゃんと『出来ます』……から……」

投げかけられた言葉に静かに答える。
その表情に、先程のような戸惑いはない。
自分は――ただ一人慎ましく暮らしているだけの人間だ。

今しがた指摘された通り、人を刺したり切ったりすることに一切の迷いがないほど、
荒事に慣れてはいない。
けれども、それなりに人生は経験しているつもりだ。
もちろん、自分より年上の人達から見れば、まだまだ青いかもしれない。

それでも子供と呼ばれる時代はとうに越している。
だから、この場で本当に必要と思われることに対して、
頭ごなしに反発したり、感情的に拒絶したりはしない。
だからこそ、自分は先程、首を縦に振ったのだ。

確かに辛いことなのは間違いない。
でも――やらなければならない。
それは既に決めたことだから。

  「――はい」

慎重に移動しながらレミの――いや、『彼』の言葉に耳を傾ける。
今までの印象から、彼は抜け目ない性格であることが分かった。
ついさっき見せたスタンドとの連携でも、それは明らかだ。

そんな人物が、明らかな敵意を持った相手の前で意味のない話をするとは思えない。
それは彼の性格とは矛盾した行動だ。
だからこそ、そこには何か別の思惑があると直感した。

果たして状況は再び動き始めた。
姿勢を崩して受身を取ったランスに対して『右手』を向かわせる。
傷を負った左足の足首を『右手』で掴んで引っ張り、ランスの動きを妨害する(パス精DCC)

『部位』の力は弱い。普通なら、苦もなく振り解かれてしまうだろう。
しかし、負傷している足なら多少は力も落ちているはず。
そうだとしたら、振り解くのにも少しはもたつかせることができる。

                   タ ッ

同時に、自分自身はランスの側面から右足側に向かって距離を詰めていく。
ランスのスタンドが変化するのが見えた。
彼のスタンド能力は未だ不明。

それに対する不安はあるが、次の機会がいつ訪れるか分からない。
レミと同じ姿をした彼が作ってくれたチャンスを無駄にはできない。
一瞬迷ったが、攻めることを優先することを選ぶ。

             ク ル ッ

手の中で『ナイフ』を回して逆手に握る。
あの足のスタンドを使って攻撃してくるつもりかもしれない。
それを考慮して、できるだけ蹴りの届くような角度に入ることは避けたい。

   ブ ン ッ !

ランスに接近したら、『踏み込み』に入る。
瞬間的に発揮される人間を超えた瞬発力。
そして、下に向けた刃でランスの右足を切り裂くために『ナイフ』を振る(パス精CBB)
ただ、相手の考えが分からない。
反撃を警戒して、不用意に踏み込み過ぎないように意識する。

703遊部『フラジール・デイズ』:2017/02/15(水) 18:56:06
>>701(レス遅れすみません)


 ピーィ

再度、口笛を吹く。『舞台除外の指定』は同じく、目の前の男(ランス)だ。

クラウチングスタートを切るような男。直線状ではフラジールと俺が挟んでる。
すぐ近くには、お嬢さん(小石川)……次に攻撃されるとなれば、それが入れば
幾らかのダメージは覚悟するべきだろう。

(ふぅむ……まぁ、位置的には『大体この辺り』だな)

 口笛を吹きながら、俺はモップをゴルフのように構える。柄を持って
先端のモップ部分が振ったら地面に当たるようにな。

 「まぁ、何をする気かは知らんがね。よくよく、思い返して見るもんだ」

 「――最初に『何を殴った』かぐらいな。有備無患(備えあれば憂いなし)」

 ブンッ !

 この地点は……『ランタンをランスが殴った地帯』。
つまり周囲に『ランタンのガラスの破片』は撒かれている。

 (前傾姿勢で受け身をとっても、グローブで手は傷つかないだろうが
モップを思いっきり振れば、ガラスの散乱した破片はお前向かって飛ぶ)

 (拳でガードするなりしても、1アクションは確実に遅れる。
直撃すれば、目にガラスの破片だ。人体急所を受けて平気な生物は殆どいない
その間に、隣のお嬢さんのナイフがお前に命中するだろうよ)

それでも攻撃をしてくるならだ。突っ込む際に、モップの棒を体の軸へと
構えてガードを試みよう。玲実の体に余計な負担や傷害は与えたくない

704『アルカトラズから連れ出して』:2017/02/16(木) 23:36:09
>>702 (小石川)
>>703 (遊部)

レミの口笛。
役を与える際に指定できる舞台に上がらない人間。
今も『遊部の物真似』は続いており、指定されている相手は変わらずランスのままだ。
切り替えられてはいない。
ゴルフをするようにモップをふればガラス片がランスに向かう。
少し、モップが振りにくいのと距離があるが。

小石川には決意がある。
人と争い、傷つけ斬りつける世界に生きてはいない。
だが、今この瞬間だけ小石川はそちらに足を踏み入れる。
手と足が動く。

ランスのした動きは蹴りであった。
変化した右足。それによって後方のフラジールを蹴り上げようとしたのだ。
しかしそこにフラジールの姿はない。いや、正確にはあるのだがランスは干渉が出来ないのだ。
左足を引っ張られ少しバランスを崩す。
片足を欠いた椅子や机がそうであるようにランスも姿勢を崩したのだ。
小石川の切り付けが命中。
遅れてガラス片の到着。

ランス:「あーマジかよ」

腕で顔を防ぎつつ転がって回避する。
彼の腕にガラス片が命中した。
体を起こそうとするランス。
足が痛むのか少し時間がかかっている。

■■■■■■■■■■■│□□□□□│
■■■■■■■■■■■│□□□□□│
■■■■■■■■■■■│□□□□□│
■■■■■■■■■■■│□□□□□│
■■■■■■■■■■■│□□□□□│
───────────┘□□防□□└─────
□□□□□□□□□□□□□□□□□□□□□□□
□□□□□□□□□□ラ□□□□□レ□□□□□□
□□□□□□□□□フ□□□□□□□□□□□□
□□□□□□□□□□小□□□□□□□□□□□□
──────△△△△──────────△△△△

レ:レミ
フ:フラジール・デイズ
小:小石川(使用部位4 小指×2 右手 左目)
手:小石川の右手
防:防人
ラ:ランス
モ:モップ

705小石川文子『スーサイド・ライフ』:2017/02/17(金) 21:56:44
>>704

  ――当たった……!

左手に感じる確かな手応え。
ランスは顔を庇いながら距離をとった。
ダメージが蓄積されているらしく、彼の動きは確実に鈍くなっている。
決定打を与えるなら今が絶好の機会。
すぐに駆け寄ってもう一度切り付ければ、彼の足を封じられるかもしれない。

けれど――ランスのしたたかさは油断できない。
動きが落ちているとはいえ、彼のスタンドも素早い。
こちらが距離を詰める僅かな間に体勢を立て直される可能性もある。
再接近するほんの少しの時間。それを埋める一つの方法。

  「……ごめんなさい」

           ク ル ン ッ

静かに呟きながら、再び『ナイフ』を回転させて握り直す。
しかし、その持ち方は最初のそれとは違っていた。
その構え方は、まるで――。

   シ ュ バ ッ !

『投げナイフ』――その場で踏み込みながら腕を振ると同時に『ナイフ』から手を離す。
投げ放たれた『ナイフ』は、さながらダーツの矢のように一直線に飛んでいく(パス精CBB)
狙うのはランスの右足。
もっと正確に言うなら、たった今ランスの右足に付けた『傷』だ。
そこに『ナイフ』を命中させて、彼が起き上がる前に追い討ちをかける。

  「ごめんなさい――」

            フワッ

さらに、『ナイフ』を投げた直後に『右手』を操作する。
切り離された『右手』はランスの左足を掴んでいた。
『投げナイフ』が狙い通り当たったなら『右手』と『ナイフ』はごく近い位置に存在しているはず。

  「……ごめん……なさい……」
   
                     ガ シ ッ

          グ グ ッ …… !

   ズ バ ッ !

ランスの足首から『右手』を離し、代わりに『ナイフ』の柄を握らせる。
そして、そのまま刃で傷口を切り裂きながら、『ナイフ』を斜めに引き抜く(パス精DCC)
非力な『部位』では大きな傷を作ることはできなくとも、既にある傷を大きくすることはできる。

彼の右足を完全に封じるための手段。
でも――本当はこんな方法は使いたくなかった……。
自分の行為に表情が曇り、暗く濃い憂いの影を帯びる。

706遊部『フラジール・デイズ』:2017/02/18(土) 10:24:37
>>704

 フゥー ゥー……

長く、細い吐息と共に。胡乱気な目で目の前の男(ランス)の動きを見つつ。
左右に怪しい動きや変化がないかも見ながら次の行動を思考する。

(女性に任せっぱなしと言うのは、情けないがね。
まぁ、適材適所と言う熟語に背を預けるしかないか)

『彼』にとって、彼女(小石川)は行きずりの仲間でしかないが
別に、玲実達の人格の中で際立って冷酷である訳ではない。

(奴が動く場所に、スタンドを動かせるようにしておくか……)

立ち位置はほぼ変わらないが、フラジール・デイズがなるべく
お嬢さん(小石川)のナイフの軌道上に合わさらないように注意をしつつ
ランスに干渉出来る近くの位置に来れるように、立ち位置を変えておく。

(この距離だと、お嬢さんが攻撃される間合いだからね。
まぁ、やって来ようものならフラジールは解除させるが)

 何時でもフラジールを解除出来るようにしておく。相手が近接攻撃を
続ける以上は、フラジールに通じはしない。例え、今になってフラジールを
脅威に感じて、間接的な攻撃を思いついたとしても。小石川のナイフが
直撃するほうが早いだろう。

707『アルカトラズから連れ出して』:2017/02/18(土) 23:53:01
>>705 (小石川)
>>706 (遊部)

適材適所。
ナイフは投げられた。
射程距離ギリギリ。見事命中。
このナイフを扱う小石川にとって動く相手であってもそこまで困難でもないのかもしれないが。
立ち上がろうとするランスの足にナイフが刺さった。

ランス:「あー……」

右手がナイフを掴む。右足、その太ももに刺さったナイフを大きく足の先の方に動かしていく。
肉がゆっくりと裂かれ、血が流れだす。
右手は血を浴びながらも切り裂く。

ランス:「くそ、掴めんな。グローブじゃあなぁ」

     「だが……見えてきたか……体を分離する能力のナイフ……」

     「お前の能力は……お前の指示でスタンドを消す……だけじゃないと思うがそんな感じか」

     「あいつはヴィジョンが変化するタイプ」

痛みに顔を歪ませながらもランスはいう。
小石川の右手を押えようとしている。
だが、それだけだ。

コハル:「荷物、取ってきました!」

コハルたちも戻ってきたようだ。

708小石川文子『スーサイド・ライフ』:2017/02/19(日) 21:58:26
>>707

  「……ッ……!!」

深々と皮膚を裂き、肉を切り裂く感覚が、操作している『右手』を通して伝わる。
同時に、思わず顔を背けたくなるような血生臭い光景が視界に入る。
今すぐ『ナイフ』を手放して、顔を背けたい思いに駆られる。

けれども――そんなことをしてはいけない。
唇を噛み締め、左手を強く握り締めて掌に爪を立てる。
その痛みで気力を保ち続ける。

少しでも気を抜けば遠くなりそうな意識を持ち直し、ランスの姿を正面から見据える。
自分の行いの結果をしっかりと目に焼き付けるために
彼を傷付けた私には、その責任があるから――。

   フワリ

『右手』を操作して、ランスに押さえられないように動かす。
そして、彼が怯んでいる間に左足の傷も同じように『ナイフ』で切り裂く。
これが成功すれば、両足はほぼ完全に封じることができるはず……。
一連の行動が終わったら、『ナイフ』を持った『右手』をランスから離れさせる。
自分とランスの中間辺りに浮遊させ、そのまま待機させる。

もし『右手』が押さえ込まれそうなら、本体である自分に向かって『ナイフ』を投げつける。
『ナイフ』が自分に刺さったとしてもダメージはない。
だから、わざわざキャッチする必要はない。
自分の身体に突き刺して受け止める。
突き刺さったら、左手で『ナイフ』を引き抜いて握り直す。

  「――ありがとうございます。
   バッグの中に持病の『薬』が入っているので……。
    持ってきていただいて助かりました」

切り離している『左目』でコハル達の姿を確認する。
右目はランスに向けたまま動かさない。
何はともあれ――二人が無事に戻ってきたことに安堵した。

  「すみません……。今、手が離せないので……。
   それを私の足元に置いていただけますか?」

バッグと帽子(あるなら)を、足元に置くようにコハルに頼む。
今ちょうど必要なものが、バッグの中に入っているはず。
ランスの動きを封じられたことを確認できたら、それを取り出したい……。

  ――でも……。

一つ気にかかることがあった。
ランスは明らかな劣勢に立たされている。
彼は深手を負っているし、人数の面でもこちらが上回っている。

それなのに、彼は相変わらず余裕のある態度を崩さない。
この状況を覆せる程の奥の手があるのだろうか。
それとも、別の狙いがあるのかもしれない。

クリスとシャーリー。
ランスと一緒にいた二人のこともある。
姿を見せないのは立ち去ったからなのか、それとも潜んでいるからなのか――。
念のために『左目』をぐるりと動かして、周囲の様子を改めて観察する。
360度――浮遊している眼球を回転させることで、見える範囲を全て確認する。

709遊部『フラジール・デイズ』:2017/02/19(日) 22:35:51
>>707

距離は、このままで良い。周囲は、レミの知り合いも集まっており
あちらの娘さんも警戒を怠ってない。俺はひとまず奴(ランス)に意識を向けよう

後の祭りかも知れないが……まぁ、気づいたところで
どうしようもないが。強硬手段に走っても、子供等が知る事になったら良い気分じゃない。

 自分の顎をかるく持ちつつ、ランスの表情を観察しながら話しかける。

 「ふむ……女子供を殴るような愚図だが
仲間に対して、こちらの情報は送る覚悟はあるかい。別に感心しないがね」

「あんた等の仲間の一人の能力は、この白い霧に任意の人間を混じらせる。
その間は相互不干渉って所かね? まぁ、いまのあんた見たいに
直接的でない干渉は届かせられるようだねぇ。」

 あえて、言葉にして目の前の男(ランス)が喋ってるのは
『白い霧』 この能力で隠蔽してる仲間に対して聞かせる為だろう。
恐らくながら、フラジール・デイズとこの白い霧の特性は似通っている。
レミも気づいてたみたいだが。あの娘は甘い所があるからね
 危険だと知ってるなら、直ぐに俺を頼れば良かったが……まぁ今更だ。

 まぁ、既に声にしてしまってるのだ。慌てて攻撃を仕掛けた所で
こちらがスタンドの姿を現して口を封じようとしても、お嬢さん(小石川)に
奴が抵抗したら、手元が狂って当たるかも知れないからな。

 「まぁ、それ位の事なら喋っても構わんよ。
だが、もう口を噤んで大人しくするんだねぇ、あんたも。
余計な怪我をこれ以上負いたくないんならねぇ」

 淡々と男(ランス)へ告げる。
今までの攻撃や能力の披露は……最良とは言えずも、別に知られても
問題は今のところない。『強味』は別のところにあるんでね

 「出来るなら、こちらのスタンドに付けた刻印を解除して欲しいんだがねぇ。
力尽くでも構わんが、そんな事に労力は使いたくないもんでね」

 フラジール・デイズの顔についたマークの解除を、期待はしないが促す。
まぁ、どっちみち気絶なり何なりはさせるがね。そう言う方法が周囲に
反対されるなら、一度スタンドを解除して状態をリセットしてみるが。

710『アルカトラズから連れ出して』:2017/02/20(月) 23:57:05
>>708 (小石川)
>>709 (遊部)

辺りにただよう血の臭い。
鉄くさい、人から生み出されるものの臭い。
だがそれだけの負傷を負いながらもランスは苦し気な表情を見せない。
痛みは感じているはずだ。
だが、その傷に恐怖は覚えていなかった。
右手が投擲し、小石川の体に刺さったナイフを左手が抜く。

コハル:「は、はい……」

恐る恐る、コハルはカバンと帽子を小石川の足元に置いた。
遊部はランスに話しかける。
彼が戦闘中、話している時間が長かったことは否定できない。

ランス:「俺たちの誰もお前と話は合わんらしい。女子供も平等に扱えんのだから」

     「ドクターの見立ても必要ないな」

     「ははあ、お互いよく喋る。三人じゃああんたが一番戦闘力ないんだろ」

     「まぁ、解除してやるのはいいぜ。負けたようなもんだし」

     「ただし、お宅のスタンド見える様にしてもらえる? これじゃあ解除できねえんだよ」

     「蜂の毒を吸い取るのは蝶でないとなあ」

そう言うランス。
だが、罠の可能性もある。どうするべきか。
小石川は目玉であたりをぐるりと見渡した。
ランスの奥にある教室、そこの扉が少しだけ空いている。

■■■■■■■■■■■■■■│□□□□□│
■■■■■■■■■■■■■■│□□□□□│
■■■■■■■■■■■■■■│□□□□□│
■■■■■■■■■■■■■■│□□□□□│
■■■■■■■■■■■■■■│□□□□□│
──────────────┘□□□□□└─────
□□□□□□□□□□□□□□□□防□□□□□□□□□
□□□□□□□□□□□□□ラ□□□□□レ□□□□□□
□□□□□□□□□□□□フ□□□□□□□□□□□□□
□□□□□□□□□□□□□小コ□□□□□□□□□□□
△△───────△△△△──────────△△△△

レ:レミ
フ:フラジール・デイズ
小:小石川(使用部位4 小指×2 右手 左目)
防:防人
ラ:ランス
コ:コハル、葛西、カバン、帽子

711小石川文子『スーサイド・ライフ』:2017/02/21(火) 22:07:24
>>710

  ――あれは……?

扉の隙間に注意を引かれた。
調べてみる必要がありそうに思える。
見つかりにくいように『左目』を床の上に下ろす。
それから扉の隙間の前まで進ませる。
隙間から教室の中の様子を覗いてみたい。

ランスの様子を確認したのち、左手に持っている『ナイフ』を自身の右肩に突き刺す。
そして空いた左手でバッグを開けて、中を探る。
鞘に収まった果物ナイフが指先に触れた。
自分にとって欠かせないもの。
けれど、今必要なのはこれじゃない。

包帯とハンカチ、未開封のミネラルウォーターを取り出す。
その三つを携えてランスに一歩歩み寄る。
そして、それらを彼の前に置く。
ペットボトルの隣に包帯、その上にハンカチを乗せる。
手を伸ばせば届く程度の距離に置いておきたい。

  「――良ければ……このハンカチで血を拭いて下さい。洗い立てなので清潔です」

  「まだ栓は開けていませんから、これで傷口を洗って下さい。
   沁みるでしょうけど、雑菌を洗い流しておいた方が傷の治りが早くなるので……。
   それと止血を……」

    ドクター   ナース
自分は医者でも看護師でもない。
どちらかといえば患者ということになるだろう。
精神的な傷と身体的な傷という二つの意味で。
だから、これは単なる経験論だ。
いつもこの身体でやっていることに過ぎない。

  「……余計なお世話だと思われるのは承知の上です。
   必要なければ無視していただいても構いません。
   でも――これは置かせてもらいます」

偽善だと呼ばれてもいい。
ただの自己満足だと言われても構わない。
でも、そうしないではいられなかった。

そして、二人の会話が耳に入る。
レミのスタンドに刻まれた蜂の紋章。
その効果は未知数のまま。
ランスの顔を見て、次にレミへと視線を移す。
緊張が身体を走る――。

『右手』はまだランスの近くにいるはず。
それはそのまま待機させておく。
もし何かあればレミ――いや、『彼』を守れるように。

このまま何事もなく済むことを期待はしている。
ただ、期待は裏切られることもある。
何かが起こる可能性もゼロとは言えない。
万一のことも考えておかなければならない。
穏やかな解決を望むことは、備えをしないことではないから。

712遊部『フラジール・デイズ』:2017/02/21(火) 23:01:47
>>710

 >まぁ、解除してやるのはいいぜ。負けたようなもんだし
 >ただし、お宅のスタンド見える様にしてもらえる? これじゃあ解除できねえんだよ

フゥー……

 溜息を一つ。言葉は返さない、代わりに『フラジール・デイズ』に目線と
右手を掲げ指を曲げてこちらに来るようにジェスチャーで示す。左手にモップは持ち替える。

接触して、自分の能力を解除する。そう言う解除方法もあるかも知れない。
 ただ、会話は少ししかしてないが。この手の類は『信用出来ない』
暗にこちらを見下している発言や、躊躇なくフラジール・デイズとレミを交互に見て
息を吸って吐くような気軽な調子で殴りつけた部分含めても、だ。
 遠慮しなくて良いのなら、このまま解除して倒れてる男(ランス)の首にでも
勢いよく蹴りつけたいが、それはお嬢さん(小石川)も気が咎めるだろう。
 何より、そう言う過剰行為はレミ達が嫌うのだ。

「怪我はどうだ? 解除……そして再発現だ」

 『フラジール・デイズ』をこちらまで戻したら、多少怪我の様子を観察して
演技指定の解除とかでなく、実際にスタンドを消して、再発現を行う。
 一旦解除すれば、発現時の記憶などは消去される。確か俺の知る限り不都合はない筈
(※レミが体育館に向かう旨のスタンドへの指示は、共有に重要な事柄でないので
今の人格の情報としては所得してない)
 さて、此処で問題なのが、記憶の解除と共に他スタンドの能力の影響からも外れるか……だ。
これに関しては実際行わないと分からん。まぁ、やってみて駄目なら駄目で奴(ランス)を
実力行使で気絶させるなりすればいい。どのみち、他スタンドの影響から外れるかの検証は
良い参考に今後ともなるだろう。

 「あんた達のどっちか、そっちのお嬢さんか目の前の倒れてる奴に付いてやってくれ」

扉が開いてる教室……誘導されてる感が強いので、入る気は殆どない。まぁ
お嬢さんが偵察するだろうし、そこは置いといて良い。
 
 「で、行ってる道中何が目ぼしい発見とかあったのか?」

 口調の違和感とか、そう言う細やかな事は後回しにして貰いたい。
必要な情報だけ、バッグを取りに行ってた面子に聞く。何もなければ越した事はないがな。

713『アルカトラズから連れ出して』:2017/02/22(水) 00:05:49
>>711 (小石川)
>>712 (遊部)

ランス:「釣れないねぇ。この足もうイカれてる。ステップも踏めねえよ」

     「攻撃する気なんてさらさらない」

解除と再発現。
再び現れたフラジールに蜂の印はない。
解除は完了している、ということだろう。

ランス:「……ん? おいおい、おいおいおいおいおい」

ナイフを肩に突き刺し、ランスの近くにハンカチとペットボトルを置く小石川。

ランス:「自分で刺しといてこれか。後、掴めねえって」

スタンドを解除したランス。
ペットボトルとハンカチを握ると傷口を洗い拭う。
残った水を飲んで、ランスは言った。

ランス:「あんた、心臓やら腹やら刺さんと人間は死なんし、倒せねえぞ」


小石川と彼女について来たコハルは教室を覗き込む。
敵の姿はない。というかあらゆるものの姿がない。
机や椅子がない。掃除用具入れもない。
ここに来た時の説明では寝泊りする部屋や遊び場として開放されている教室以外は机や椅子がある、とのことだったが。

葛西:「道中は何もなかった。宿泊しているのか布団と寝ている人間は何人もいたがね」

遊部の質問に葛西が答えた。

■■■■■■■■■■■■■■│□□□□□│
■■■■■■■■■■■■■■│□□□□□│
■■■■■■■■■■■■■■│□□□□□│
■■■■■■■■■■■■■■│□□□□□│
■■■■■■■■■■■■■■│□□□□□│
──────────────┘□□□□□└─────
□□□□□□□□□□□□□□□□防□□□□□□□□□
□□□□□□□□□□□□手ラ□□□□□レ□□□□□□
□□□□□□□□□□□□フ□□□□□□□□□□□□□
□小□□□□□□□□□□□□□□□□□□□□□□□□
△△───────△△△△──────────△△△△

レ:レミ
フ:フラジール・デイズ
小:小石川(使用部位4 小指×2 右手 左目)コハル
手:小石川の右手
防:防人
ラ:ランス
コ:コハル、葛西、カバン、帽子

714小石川文子『スーサイド・ライフ』:2017/02/22(水) 21:30:02
>>712-713

ランスの言葉に答えるように、彼の近くに浮いていた『右手』が動く。
返事の代わりに『右手』が包帯を差し出した。
彼が受け取ればそれでいいし、受け取らなければ元通り置いておく。
それが済んだら、『右手』は自分の傍らに戻す。
もうランスの近くに配置しておく意味もない。

  「……心に留めておきます」

最後にそう一言だけ言って、ランスの傍から離れる。
またバッグの所へ行き、無言のまま帽子を手に取って被る。
普段から愛用している帽子があることが少し気を落ち着けてくれる。
一度深呼吸し、肩に突き刺したナイフを左手で抜き取る。
それからコハルと共に教室を覗き込んだ。

  ――『誰も』いない……。『何も』ない……。

初めて遠島高校に来た時のことを思い出す。
その説明通りなら、現在使われていない教室には机や椅子が残っている。
つまり、この空っぽの部屋は使われているということになる。

けれど、ここが宿泊用の部屋として使用された形跡はない。
かといって、遊び場として開放されているにしては殺風景だ。
では、ここは何のための部屋なのだろう。

そもそも――いつから扉が開いていたのか。
昼間に誰かが閉め忘れて、それがそのままになっていただけなら何も問題ない。
でも、もしそうでなかったとしたら。

  「――私が調べてみます。何もないようですけど、一応……」

   フワリ
        スゥゥゥ……
                グルッ
 
切り離された『左目』をドアの隙間から中に侵入させる。
そのまま進ませ、部屋の真ん中まで行かせる。
そこで静止し、部屋全体を見渡してみたい。

隈なく確かめることで、もしかしたら何かしらの発見があるかもしれない。
本当に妙な点がないことが確認できれば、少なくとも安心することはできる。
『目』が教室内を調査している間、自身は教室に背を向けて、四人に向き直る。

  「すみません……。あの――ちょっと集まっていただけませんか……?」

やや遠慮がちに四人に呼びかける。
これから話す内容をランスに聞こえないようにするためだ。
声を低くし、自分の考えを話し始める。

  「一つ……提案があります。
   『二手に分かれる』……というのはどうでしょうか」

  「効率が良くなりますし……。
   五人で行動していると、どうしても目立ちます」

  「スタンドのことを考えると――
   私と防人さんは別々の組に分かれた方がいいと思うのですが……」

まず考えなければいけないのは戦闘のこと。
防人のスタンドは、それに向いているようだった。
彼ほどではないにしても、『スーサイド・ライフ』も立ち回りはそれなりにこなせる。
今まで考えもしなかったことだが、スタンドを初めて荒事に向けてみてそれが分かった。
話を終えたら、四人の反応を待つ……。

715遊部『フラジール・デイズ』:2017/02/22(水) 23:05:06
>>713-714

 蜂の刻印は、消えた。肉体の損傷も浅い
『フラジール・デイズ』の解除は、その時に受けた毒やスタンド能力も
リセット出来る。今は、そう考えて問題ないだろう。収穫はあった

そして、お嬢さん(小石川)の呼びかけに近づく。

 「俺は、特にそれについて反対はせんよ。
だが、ペアを考えるなら。あんたと俺のほうが幾らか能力的な相性は良いと思うがね。
 まぁ、誰とでも一緒になろうと文句は言わんよ」

あちらのナイフ、肉体の分離は。こちらのスタンドが、あちらの浮遊する肉体を
持って舞台外の指定など行った場合。小石川のナイフのスタンド、分離した体も一緒に
隠れさせ不意打ちを行う事も出来る。

 まぁ、それは一つの切り札として温存するべきかも知れない。先で何か起きてるか不明だしな。

「あと、この学校の設備は不明だが。美術室や家庭科室とかあるなら向かいたいんだがね。
モップの柄だけじゃ、少々心許ない」

 武器の調達をするなら、包丁があるなら調理できる場所だろうし。図工などの場所なら
工具が置いてる可能性もある。何処を敵が拠点にしてるのか知れないが、向かう先にあるなら
立ち寄りたいのが本音だ。スタンドも戦闘に徹してる訳でなし

 「あと、適当にあいつ(ランス)はどうする? 引き摺って連れてくかい?」

ランスの処分も全員に聞く。まぁ、何処かに縛って拘束しておいたほうが良いと思うがね。
それと、奴(ランス)が携帯持ってるなら。ちょっと借りていく
 敵の居場所を知るとかじゃない、フラジールと遠距離からでも連絡する手段が欲しいんでな。

716『アルカトラズから連れ出して』:2017/02/22(水) 23:32:25
>>714 (小石川)
>>715 (遊部)

ランス:「Thanks」

包帯を手に取り足に巻き始める。
傷口に当てるというより止血のために巻いているようだ。
ぺたり、と音がする。ランスが寝ころんだらしい。

帽子をかぶり、ナイフを左手に。右手は自らの傍らに。
そして覗き込む教室。そこに進む左目。

ランス:「お、なんだよ。携帯? ははあ、人の計画潰すついでにこの携帯で悪さするつもりだな?」

    「いいぜ、くれてやるよ。料金はお前が払えよ」

ランスのスマホを手に持ち、小石川と対話をする遊部。
小石川は異常を感じ取った。
その目から入る情報。
この教室の様子。それは白く染まっている。
教室をのぞいても自分の左目は見えない。
不可視。全くの無。
この教室にあるべきはずであった机や椅子同様、消えてしまっている。

717小石川文子『スーサイド・ライフ』:2017/02/23(木) 21:08:54
>>715-716

  「そう――ですね……。
   では、防人さん、コハルさん、葛西さん。
   それから私と『レミ』さんで……。いえ……あの……」

話している途中で、思わず言い淀んでしまう。
これまで通り『レミ』と呼ぶのも何だか気が引ける。
何と呼べばいいのだろう……。

ともかく――組分けに関しては、それで問題ないように思えた。
レミのスタンドは本体と瓜二つで、その性質も人間に近いタイプらしい。
『彼女』を『一人』と数えるなら、人数もちょうど半分になる。

  「……彼のことは、あのままでもいいような気がします。
   確かに甘い考えかもしれません。
   でも、なんとなく、そんな気がします」

ランスの姿を軽く目で追い、そう告げた。
しかし、自分は荒事に関しては素人だ。
もし、何かしておいた方がいいという指摘があれば、素直に従うつもりだ。

  「――分かりました。私達はまず美術室か家庭科室を見つけましょう」

レミのスタンドの性質を考えれば、武器が必要という意見は最もだ。
自分がこの学校に来たのは昼間のこと。
その間に見た校内の様子を思い出して、それらしい部屋がなかったか考えてみたい。

ただ――武器になりそうなものなら、今この場にもある。
持ってきてもらったバッグの中には『果物ナイフ』が入っている。
武器として強力とは言えないが、ないよりはマシだろう。
もしかしたら、それがレミの助けになるかもしれない。
渡そうかどうか悩んだが――どうしても言えなかった。

あれは自分を傷付けるために持ち歩いているものだから。
自分以外の誰かを傷付けるためのものじゃない。
たとえ、それを使うのが自分ではなかったとしても。
今は非常時だということは分かっている。
それでも――この考えだけは変えられなかった。

  「それから――」

さっと表情が変わり、その言葉が急に途切れる。
『目』から得た情報が入ってきたからだ。
そこにあるのは明らかな異常。

  「……異常を見つけました。
   少し前に見た『白い霧』のようなものが、この教室全体に立ち込めています。
   この中に私の『目』があるのですが……外からは見えません」

  「霧の中に入ったものは、やはり見えなくなるようです。
   それに、霧そのものも外部からは見えなくなっているようです。
   ……もう少し、詳しく調べてみます」

『目』を操作して、そのまま直進させる。
白い闇に閉ざされていても、教室の中なら壁にぶつかるはず。
ぶつかったら、壁に沿うようにして動かし続け、教室を一周させる。

終わったら少し壁から離れ、また一周させたい。
                   パーツ
外から見えなくとも、切り離した『部位』の位置は感知できるので、それを利用したい。
この一連の操作を壁以外の何かに当たるまで繰り返す。

本当に空っぽの部屋なら何かにぶつかることはない。
机や椅子か、そこに何か物があるなら当たるはず。
あるいは、誰かが潜んでいるという可能性も否定できない。

718遊部『フラジール・デイズ』:2017/02/24(金) 21:35:33
>>717

 「……」

 お嬢さん(小石川)の言葉に返さず、暫し一考する。

今までの敵は、自立型と言える階段で現れた人型スタンド。
次はランス……統一性がなく、戦闘力も不明だった。

 「さっきの敵は、どんな能力だったんだ?」

防人に対し、先ほど飛びかかってきた敵について尋ねる。
 瞬殺に近かったようだし、能力の概要も把握せず倒したかも知れないが
考察の一つにはなるだろう。

 パカ

そして、ランスのスマホの履歴を一応ざっと確認する。
 治験のメンバー内で此処を拠点に活動していたのなら。
少し所用などで離れた場合に、連絡をとった可能性もある。
 電話をかけて、その着信音で相手の居場所が探れる。なんて
希望的観測は無いが、メンバーと思しき特有の名前が出れば
此処を根城にした敵の人数を、多少は把握出来るだろう。

 (……こいつ『フラジール・デイズ』にはどういった演技をさせておくかな)

再発現したスタンドを一瞥しつつ考えを重ねる。
 前にレミが行ったメイドのトレは、この場でそれ程役立たない。
幾らか戦闘を行える性格の役柄が良いのだろうが……。

719『アルカトラズから連れ出して』:2017/02/24(金) 23:52:46
>>717 (小石川)
>>718 (遊部)

ランス:「へぇ……優しいねえあんた」

うつぶせに寝ころんだランスが小石川の言葉に茶々を入れる。
組み分けのこと、戦力の補充のことそれも考えながら目から入る状況を伝え、部位を操作する。

防人:「あ? いや、すまん。知らない。バッサリだったからな。はは」

へらりと笑った防人。
人型のスタンドはアンの時と同じだと付け加えた。

教室内は相変わらず白い霧だ。
こつん、と目が止まった。
なにかある。大きなものだ。よく見てみる。教室の机だ。
視界が悪く上の方は見えにくい。

一方、遊部はランスのスマホを操作する。
セキュリティがかけられている。画面上部にいくつかのマーク。
スワイプをしてみれば詳細が分かる。
グループ通話中だ。グループ名は『Follow the Lights』
光を追え、だ。

■■■■■■■■■■■■■■│□□□□□│
■■■■■■■■■■■■■■│□□□□□│
■■■■■■■■■■■■■■│□□□□□│
■■■■■■■■■■■■■■│□□□□□│
■■■■■■■■■■■■■■│□□□□□│
──────────────┘□□□□□└─────
□□□□□□□□□□□□□□□□防□□□□□□□□□
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□□□□□□□□□□□□フ□□□□□□□□□□□□□
□小□□□□□□□□□□□□□□□□□□□□□□□□
△△───────△△△△──────────△△△△

レ:レミ
フ:フラジール・デイズ
小:小石川(使用部位4 小指×2 右手 左目)コハル
手:小石川の右手
防:防人
ラ:ランス
コ:コハル、葛西、カバン、帽子

720小石川文子『スーサイド・ライフ』:2017/02/25(土) 21:24:15
>>719

ランスの軽口を聞いて、ちらりと彼を一瞥する。
深手を負った人を相手に、これ以上乱暴なことはしたくない。
彼がそのまま休んでいてくれることを、心から願った。

  ――やっぱり……。

机があるということは、この教室は空っぽじゃない。
『目』と同じように、この教室を満たす白い霧によって見えなくなっているだけ。
霧がなければ、他の使われていない教室と同じく机や椅子が並んでいるのが見えるはず。

ただ気になるのは、なぜこの教室に霧が立ち込めているかということ。
ただの机や椅子を隠すために霧を発生させたというのは考えにくい。
何の目的もなしに、こんなことをするとは思えない。

最初は誰かが隠れているのかと思った。
けれど、そうでもなさそうだ。
ということは、人ではない何かを隠すためかもしれない。

      スィィィィィ……

『目』の高度をできる限り上げて机に近付けてみる。
そこにあるのは普通の机だろうか。
どこか変わった所はないか確認したい。

霧で包まれているこの教室には、何かがあると思える。
けれども、その推測が当たっていたとしても、この霧の中を探すのは一苦労だ。
ただ、それを軽減する方法ならある。

『ナイフ』を振って、新たに『左耳』を切り落とす。
そして、『右手』、『小指二本』と共に、教室内に送り込む。
                             パーツ 
『目』と併せて、切り離しの最大数である五つの『部位』の遠隔操作。

これらを使って、さっき行ったのと同じ探索行動を行う。
          パーツ
ただし、五つの『部位』は、それぞれ異なる高度で浮遊させて動かす。
こうすることで、より立体的な探査が可能になるはず。

いっそ教室の中に直接入ってみようかと考えもした。
けれど、本体である自分が教室に入ったとしても、結局は手探りで探すことになる。
それを考えると、自分が入ったとしても入らなかったとしても、大きな違いはない。
            パーツ
位置を感知できる『部位』なら、少なくとも自分の現在位置は常に把握していられる。
それに、まだ未知の部分が多い白い霧の中に自ら入っていく気にはなれなかった。

   ガララッ――

その代わり、自身は教室の扉をいっぱいに開けてみる。
もし霧に流動性があるなら、これで多少なりとも中の霧が薄くならないだろうか。
もちろん、この霧が普通の自然現象ではないことは分かっている。
この程度でスタンドの霧をどうこうできるとは思えない。
でも、今はこれくらいしか思いつかなかった。

     パーツ
五つの『部位』はしばらく探査を続け、机や椅子以外に変わったものがないか調べたい。
『目』以外の部位は見ることができないが、触れて大体の形やサイズ程度は推測できる。
                         パーツ
しばらく続けても何もなさそうなら全ての『部位』を自身の下へ戻す。

721『アルカトラズから連れ出して』:2017/02/25(土) 22:38:01
マップに間違いがあったので訂正させていただきます。
既にレスされている小石川PLは希望されるのでしたらレスの訂正をしていただいでも大丈夫です。
本日24時までであれば受け付けさせていただきます。

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□□□□□□□□レ□□□□□□□□□□□□□□□□□
□小□□□□□□□□□□□□□□□□□□□□□□□□
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レ:レミ
フ:フラジール・デイズ
小:小石川(使用部位4 小指×2 右手 左目)コハル
手:小石川の右手
防:防人
ラ:ランス
コ:コハル、葛西、カバン、帽子

722遊部『フラジール・デイズ』:2017/02/26(日) 21:04:16
>>719

 「光を追え……か」

 こいつらにとっての『光』が何なのか不明だ。
だが、今まで起こしてる所業からして、俺の価値観とは相容れないだろうとは思えた。

 『フラジール・デイズ』に自分の持ってるモップは渡す。
 こちらは無手で良い。攻撃手段は後々に増やせる。

お嬢さん(小石川)のほうへ、スタンドと共に近づく。この距離からして
何があった時にこちらが庇うとなれば遅くなりかねない。

723『アルカトラズから連れ出して』:2017/02/26(日) 23:16:50
>>720 (小石川)

目の高度を上げる。机は普通に教室にある一人用の机だ。
しかし、上に何か乗せてある。机の上に机を置いているらしい。
そして新たに左耳を切り落とす。
まるでかつて実在した画家のように耳を切ったのだ。
最大数である五つの部位を使っての探索。
部位になにか当たる無機物の冷たさではない、人の着る衣服の感触だ。
中に誰かがいる。

小石川が扉を開ける。
その時、小石川に向かって霧が動いた。
それと同時に二本の腕が小石川に向かって伸ばされる。
霧が小石川を包み込み、白い空間が広がる。
腕が迫る。それと同時にその腕の持ち主も。
シャーリーとクリスだ。
二人は片耳にイヤホンをしている。

クリス:「……」

>>722 (遊部)

ランス:「おい、お前さん。獲物のモップ渡しちまって大丈夫なのかい?」

     「お嬢ちゃんなんだからよぉ。気ぃ付けた方がいいぜぇ。はは」

フラジールにモップを手渡す。
小石川の方に歩いていく。
異常ありだ。小石川の姿が徐々に消えていき、完全に消えた。

724『アルカトラズから連れ出して』:2017/02/26(日) 23:18:29
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□小□□□□□□□□□□□□□□□□□□□□□□□□
△△───────△△△△──────────△△△△

レ:レミ、葛西
フ:フラジール・デイズ
小:小石川(使用部位4 小指×2 右手 左目 左耳)コハル
防:防人
ラ:ランス

725小石川文子『スーサイド・ライフ』:2017/02/27(月) 20:53:14
>>723

  「!!」

二人の姿が眼前に迫ってくる。
それに対し、咄嗟に飛び退いて後ろに下がる。
ともかく今は距離をとらなければ。

それでも触れられそうなら二人の手を薙ぎ払うような軌道で『ナイフ』を振る(パス精CBB)
牽制が目的なので、『ナイフ』の刃が二人の手にギリギリ当たらないようにしたい。
二人を警戒させることができたら、その間に後ろに下がる。

イヤホンをしているクリスとシャーリー。
それを見た時、先程のレミの言葉が脳裏に蘇る。
ランスは情報を仲間に伝えている、と。

おそらく――その推理は当たっている。
そういえば、彼女はランスから携帯電話を拝借していたようだった。
それを使えば、この霧の中に情報を送ることができる。

そうだとすれば、こちらの能力は知られていることになる。
しかも、こちらは向こうの能力をほとんど知らない。
そして今、自分は二対一という状態にある。
レミ達との距離も少々離れている。
この状況は――『とても良くない』。

                パーツ
もし可能なら、それぞれの『部位』の現在位置を確認しておきたい。
この霧の本体が、霧の中にあるものを把握できるのかは分からない。

                    パーツ
できないとすれば、この霧の中で『部位』を視認することは難しいはず。

                        パーツ
けれど、こちらは霧の有無に関わらず『部位』の位置を常に感知していられる。
今の状況で利があるとすれば、その点だけということになる――。

726遊部『フラジール・デイズ』:2017/02/27(月) 21:16:27
>>723

 「ん……」

 (お嬢ちゃん『小石川』が消えた……白い霧の能力……か)

 (…………)

 「防人、小石川が消えた。白い霧の能力だな」

 「あと、出来れば立たせて貰っ良いか? そいつ。
そして、此処の教室まで連れて来てくれると有難い。
 あと、フラジール。『レミ』の役だ。それと共に俺の護衛だ」

 防人に命令してランスを立たせる。そして、鞄から自分のスマホを出して
『フラジール・デイズ』に渡す。レミの役と言うのは
大人びて、落ち着いた人物。交渉に適しており戦闘でも誰かを傷つけるよりは
組み伏せたりなどして無力化しようと心掛ける。そう言う奴だ、俺の知ってる『レミ』は

練習してないが、俺の知ってる記憶通りの『レミ』を出来る限りやるだろう。
 そう思いつつ、鞄の中に入ってる筆記用具から一つ鋭いペンを取り出す。

 「……」 フゥー……。

鋭い目で、小石川が消えた白い霧が満ちる教室の中を見つめる。
 分離した肉体があるのなら……それを元に居場所を辿れる筈。

727『アルカトラズから連れ出して』:2017/02/27(月) 23:49:50
>>725 (小石川)

二人の手から逃れるために飛びのく。
薄く微笑むシャーリー。ため息をつくクリス。

クリス:「……」

シャーリー:「クリスさん、頑張ってくださいね」

シャーリーが下がる。
白いドレスからは霧が出る。
小石川を追って白い霧が伸び、依然として小石川自身の周りは白い霧だ。
外側から見れば透明だがひとたび中に入ればそれが白い霧であることが理解できる。

パーツの現在位置を確認。
それぞれは今停止している。
またこれらすべてを動かせば小石川自身の行動に支障が出るかもしれない。

クリスの傍に孔雀のヴィジョンが現れた。
今小石川が視認しているのは二人だけだ。

室内
┌──△△△△──────────△△△△───┐
│■■■■■■■■■■■■□□□□□□クシ□□□│
│■■■■■■■■■■■◎□□小□□□□□□□□│
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│■■■■■■■■■■■◎目□□□□□□耳□□□│
│■■■■■■■■■■■◎□□□□□□□□□□□│
│■■■■■■■■■■■◎□手□□□小□□□□□│
│■■■■■■■■■■■■□□□□□□□□□□□│
└───────────────────────┘

>>725 (遊部)

防人:「ん? 霧……か。あれだな。面倒なやつだ」

命令され防人はランスを立たせた。
そしてフラジールに演技指示。レミだ。

レミ:「えぇ、わかったわ」

スマホとペンを受け取るレミ。
その位置で教室の中を見つめる。教室の中には何もない。
何もない教室の風景が広がる。

レミ:「それと」

レミが耳打ちをする。

レミ:「分かっていると思うし確認のために言っておくわ」

   「舞台に上げない相手の指定、それは役を与える際に指定できるってことをね」

>>ALL

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□小□□レ□□□防□□□□□□□□□□□□□□□□□
□□□□□□□□□□□□□□□□□□□□□□□□□□
△△───────△△△△──────────△△△△

レ:レミ、葛西
フ:フラジール・デイズ
小:小石川(使用部位5 小指×2 右手 左目 左耳)コハル
防:防人 ランス

728小石川文子『スーサイド・ライフ』:2017/02/28(火) 21:45:29
>>727

  「――クリス・ジャクソンさんでしたね。
   昼間は、お世話になりました。
   山中散策に同行していただいて……。
   その時に見た、梢に巣を作っていた鳥――
   あれは……何という名前だったでしょうか?」

  「……弟さんから、あなた方の目的は『光を追う』ことだと、そうお聞きしました」

  「教えて下さい。『光』とは何なのですか?」

                パーツ
クリスに問いかけながら、『部位』の位置を確認する。
話を聞きたいという気持ちは間違いなく本心からのもの。
ただ、この場においては時間稼ぎという意味もあった。

                         パーツ 
元々探査していたのだから、それぞれの『部位』は教室の中に散らばっている。
本体である自分との距離も、それなりにある。

                  パーツ
『スーサイド・ライフ』は本体と『部位』による連携を行うことができるスタンド。

                         パーツ
それでも、自分が行動しながら五つもの『部位』の同時操作は無理がある。
操作に集中すると本体の動きは鈍くなってしまうし、
本体が通常通り動くなら操作の精度は落ちることになる。

短い思考の末に、『目』と『耳』は今は置いておくことにする。
まず『手』を床の上に下ろし、クリスの背後に回らせる。
やや離れているから時間はかかるかもしれないけれど止むを得ない。
続いて、二本の『指』も同じように床に下ろして、クリスの右側面と左側面に配置したい。
少なくとも一本の『指』は近い位置にいるから早いはず。

  「それが――あなたのスタンドですか」

現れた孔雀に対して『ナイフ』を構える。
クリスのスタンドは全くの未知。
能力はもちろん、パワーやスピードといった基礎的な情報さえ分かっていない。
ランスのスタンドとは違い、ヴィジョンから次の動きも予想しずらい。
警戒しつつ、クリスと彼のスタンドの一挙手一投足に神経を集中する。

729遊部『フラジール・デイズ』:2017/02/28(火) 22:27:48
>>723

 レミの助言に、淡々と言い返す。

「つってもなぁ……俺としては敵戦力を見極めてから
レミ、お前には適したサポートをして貰いたい。って……」

(こいつは『レミ』じゃない、あくまでも『レミの役のしたスタンド』だ)

 「……まぁ、攻撃されたら。そいつを『演技外の指定』で構わん
危険だと思えたら、俺から再度口笛か口頭で告げる」

調子が狂う。いつも、あの塔の中で会話するのと同じ感じで対応してしまった。
 気を取り直すように首をゴキリと鳴らしてから、防人が教室へと近づけてくれるだろう
ランスへと近づく。あと、ペンは俺が持ってる 玲実のスマホが俺が持っていて
あの男(ランス)のスマホはフラジール・デイズが携行だ。

 ……さて、と。

 ランスに冷ややかな声で告げる。

 「お前 さっき『お嬢さんなんだから気を付けろ』って言ったな?」

 玲実の、レミが選んだバックは手提げ鞄だ。その手提げ部分を
おもむろに、ランスの首へ巻き付けるようにする。
 まぁ、犬か何かをリードするのと同じだ。こうすると、ある程度の重圧を
心理的に掛けられるし、首を制されると大抵の生き物は大人しくなるもんだ。

 んで、軽く首を絞められるようにして。ペンを首筋に突きつける。
首の何処ら辺に頸動脈があり、どう言う風に刺したら死ぬか、俺はよーく把握してる。
――『死刑囚』なんでな。

 「お前、こいつ(玲実)がお嬢ちゃんで弱いって高括ってんなら
玉付いてんだろうが。女の盾ぐらいになってみろ。
 あぁ、抵抗してもいいぞ? 言っておくが……

    ――俺は『やれる』からな。

……理解したなら、教室へと歩け。あぁ、ゆっくりで構わん」

 冗談でも何でもない。玲実に危害を加え、それでいて危険を振りまくような奴を
黙認するほど、俺は善人でも何でもない。躊躇なく、こいつが暴れるようなら
首へと刺す。スタンドを出しても同様だ。
 まぁ、肉盾にするのも一つの目的だが。こいつ等が少しでも仲間意識を持ってるような
めでたい連中なら、俺が人質とる行動でも少しはリアクションして、いま能力下に
囚われてるお嬢さん(小石川)も、少しはやりやすくなるだろうって言う事も考えてだけどな。

 レミ(フラジール・デイズ)には、俺の後を少し離れた距離で付いて貰う。
身体能力は、俺とスタンドは同等だ。長物(モップ)を持たせて動きが制限される
レミより、肉盾(ランス)のある俺が先に教室へ入ったほうが何かといいだろう。

730『アルカトラズから連れ出して』:2017/02/28(火) 23:26:05
>>728 (小石川)

昼間に見た鳥。
その話にクリスは意外そうに眼を丸くした。

クリス:「……」

シャーリー:「いいですわよ。別に私は」

クリスがイヤホンを外した。
シャーリーは下がる。

クリス:「あれはウソという鳥だ。本来であれば低地で越冬する」

    「名前は日本の古語で『うそ』が口笛を意味し、笛のような鳴き声だから。うそひめとも呼ばれていたらしい」

    「それと、『光』についてだが。より良い世界を作りたい。この世界は病んでいる。すべての人間が平等に強くあるように」

    「そんな世界を作りたい。世界に処方する薬をドクターが作るはずだ」

会話をしながら手を操作する。
そして、指もだ。
まだ完全ではないが確実に移動している。

クリス:「兄貴のスタンドが蝶と蜂ならおれはさしずめ鳥といったところだよ」

    「安心しろ。俺のスタンドは優しい」

羽が開く。青と緑の美しい羽。
それが動いたとき羽の一枚が小石川に向かって飛んでいく(スB)
羽の付け根、針のように細く長いそれが向かってくる。

室内
┌──△△△△──────────△△△△───┐
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│■■■■■■■■■■■◎□□□□□□□□□□□│
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>>729 (遊部)

レミ:「……与える際は与える時、与えられている状態とは違うといいたいのだけど」

   「まぁ、問題ないってことだと信じているわ」

ランスの首に手提げを巻き、締める準備とペンを指す準備をする。

ランス:「ははぁ。ずいぶんと面白いなぁあんた。多重人格者か? はじめに見た子はそんなことしなさそうだったがね」

    「女子供を殴った俺を愚図と罵りながらも女の盾になれというその神経は理解できんね」

    「お前はドクターの嫌いなタイプの人間だ。俺はやれるなんてよく言えたもんだ」

    「人殺した経験ある? 俺はないね」

挑発を繰り返すランス。
足を怪我しているせいか動きはゆっくりだ。

ランス:「あーじゃあ俺も言っとくよ。俺たちは皆やれる」

教室に近づく。
小石川の声が聞こえる相手と会話しているようだ。
それと男の声もだ。入口の傍から聞こえる。

>>ALL

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□□□□□□□□□□□□□□□□□□□□□□□□□□
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レ:レミ、葛西、ランス
フ:フラジール・デイズ
小:小石川(使用部位5 小指×2 右手 左目 左耳)コハル
防:防人

731小石川文子『スーサイド・ライフ』:2017/03/01(水) 21:10:32
>>730

  「……ありがとうございます。お詳しいんですね」

そう言って、穏やかに笑う。
できれば、もっと話を聞いてみたかった。
今のような状態でなければ。

  「あなた方の考えは……分かりました。立派な志だと思います」

全ての人間を平等に、という言葉に心が揺らぐ。
悪いことだとは思えない。
むしろ、とても良いことのように感じられる。

平等という言葉には、個人としても惹かれるものを覚える。
頭に浮かぶのは自分と『彼』のこと。
同じ事故に遭ったのに、『彼』だけが死んで、私は生きている。

それは不平等ではないだろうか。
私だけでなく『彼』も助かることが平等というもの。
あるいは『彼』と共に事故死することも平等と言える。

それを考えると、平等とはなんて素敵な響きだろうとさえ思う。
でも――私は不平等の道を選び取った。
『彼』の遺言を守ると誓ったのだから。

ただ、誓いを破ることに対する抗いがたい魅力が、心の中から消え去ることはない。
有り得ないことではあるけど――
もし『彼』がたった一言『こっちに来てくれないか』と呼び掛けてくれたら。
私は、すぐにその声に従うだろうから。

  「――ですが、私はドクターにもお話を聞いてみたいと思っています。
   そのために……この場は切り抜けさせていただきます」

話を聞く限りでは、彼らのことを芯から悪い人達だとは思えない。
けれども、聞いた話をそのまま鵜呑みにすることもできない。
最終的な判断を下すためには、全てを知る必要がある。
そのために、彼らをまとめる人物であろうドクターに会いたい。
だからこそ、今ここで倒れる訳にはいかない。

  ――兄……?

聞き間違えだろうか。
ランスはクリスを兄だと言っていた。
それなのにクリスもランスを兄だと呼んでいる。

矛盾している。
けれど、今は気にしていられなかった。
孔雀のスタンドから放たれた羽が、かなりの速度で飛んできている。

  ――まだ……あと『二つ』……。

『指』の一方の移動は完了。
でも、もう片方の『指』と『手』は、まだ時間がかかる。
配置が整うまでは、こちらから大きな行動は起こせない。

『ナイフ』を振って飛来する羽を切り払う(パス精CBB)
本当なら、未知の能力に触れる危険は、できるだけ避けたい。
ただ、あのスピードでは避けたとしても当たってしまうだろう。

人型に襲われた時のように、『踏み込み』を応用した回避なら避けられるかもしれない。
しかし、大きく動いた直後の隙を突かれることも否定できない。
後のことも考慮して、可能な限り最小限の動きで羽に対応したい。

732遊部『フラジール・デイズ』:2017/03/02(木) 09:23:27
>>730

 盾として使用してる男(ランス)に対し告げる言葉はない。
盾は盾だ。俺は玲実を守る為に行う事をする、それだけの事。

 盾越しに、小石川の声のする方向に意識を傾ける。
男の声……俺に聞き覚えはない。新たな障害物か

 (フラジール・デイズで襲撃するにしても。姿が見えない分
お嬢さん『小石川』まで巻き込む危険がある。
 このまま、この盾と共に前へ進むか……)

 近くには、葛西 防人もいるが。どちらも白い霧で俺と同じ手出し出来ないだろう。

声のする方に近づく事を決めつつ、その前に二人へ尋ねる。

 「あんた等に、聞くが」

  「明確に、敵の位置が把握出来ると確信したら。攻撃は出来るな?」

733『アルカトラズから連れ出して』:2017/03/03(金) 00:54:57
>>731 (小石川)

クリス:「立派か……そう言われるだけで俺達の行動が光に向かっているのだろうと思える」

シャーリー:「浮気、許しませんよ」

クリス:「……」

平等を目指す相手。
不平等を歩む小石川。
彼の言葉の如く、羽が小石川に向かってくる。
それをナイフで切り払う。
素早く精密に動けば羽が宙を舞う。

クリス:「ふぅ……」

シャーリー:「クリスさん。1時2時くらいの所を」

静かに呟くと、クリスの孔雀が羽を飛ばす。
小石川の方向ではない、斜め前。
小石川を狙ってはいない。

室内
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└───────────────────────┘

>>732 (遊部)

ランス:「ははは! シカトか。いいぜ」

「ところで時計持ってないかいお兄さん。今何時ぐらいかねぇ」

「1時か2時ぐらいかな?」

防人:「あぁ? 時計?」

防人が自分の腕にした時計をランスに見せる。
遊部の質問。見えずとも把握できれば敵を討てるか。

葛西:「私のスタンドは戦闘には向かん。期待はするな」

防人:「おー? まぁ、出来るだろうよ。刃のサイズに気を付けながらな」

その時、男の声がした場所から何かが飛来する。
羽だ。付け根の部分が鋭い針のように狙ってくる(スB)
その数は多い。何枚もの羽が機関銃の弾丸のように向かってきているのだ。

>>ALL

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レ:レミ、葛西、ランス
フ:フラジール・デイズ
小:小石川(使用部位5 小指×2 右手 左目 左耳)コハル
防:防人

734小石川文子『スーサイド・ライフ』:2017/03/03(金) 20:21:43
>>733

クリスとシャーリーの会話。
それを聞いて、二人の関係性が垣間見えた。
もしかすると、彼らは単なる仲間以上の間柄なのかもしれない。

そうだとするなら、シャーリーの前でクリスを攻撃することは心が痛む。
愛する者が傷付く姿を見ることは、とても辛いはず。
その気持ちは知っているから。

              スゥゥッ……

一瞬の後、わずかに目を細める。

         パーツ 
動かしていた『部位』の静止を感じ取る。
今――配置が完了した。

  「――ッ!!」

放たれる孔雀の羽に身構える。
しかし、羽はこちらには飛んでこなかった。
では、何を狙ったのか。
考えられる可能性は一つしかない。
あの方向にレミ達がいるのだろう。

        タッ――

それを認識した直後、クリスに向かって駆け出す。
目の前にいる自分が動けば、それを無視することはできないはず。
こちらに注意が向く分だけ、霧の外にいるレミ達への攻撃の手が緩むことに繋がる。

クリスがこちらに注意を向けた時を狙い、彼の背後に配置した『手』を操作。
浮遊させて、彼の後頭部を思い切り押す(パス精DCC)
成功したなら、彼の目線は下に向くことになるはず。

その後に彼が取りそうな行動は二つ。
正面から向かってくる私を見るために顔を上げる。
または、頭を押した『手』を確認するために後ろを向く。

どちらだったとしても、こちらの行動は変わらない。
クリスの両側面に配置した2本の『指』を浮遊させ、彼の両目を突く(パス精DCC)
目線が下に行っている状態なら、すぐに顔を上げたとしても、
左右から飛んでくる『指』には気付きにくいはず……。

もし目潰しが失敗したとしても、隙を作ることさえできれば十分。
その間に更に距離を詰め、踏み込む。
そして、『ナイフ』を振る(パス精CBB)

  『あんた、心臓やら腹やら刺さんと人間は死なんし、倒せねえぞ』

不意にランスの言葉が蘇り、胸に響く。
彼の言うことにも一理ある。
争いとは、戦いというのは、そういうものかもしれない。

  ――でも……。でも、私は……。

『ナイフ』の切っ先が狙うのは心臓でも腹でもなく足。
ランスの時と同じ場所。
性懲りもなく、とも言えるかもしれない。

けれど、クリスを死なせる気などない。
もちろん、自分自身も死ぬ気はない。
それが私の戦い方だから。

735遊部『フラジール・デイズ』:2017/03/04(土) 18:18:59
>>733

 『一時』 

        『二時』

 『羽根』   『白い霧』
 
  (……死を厭わぬか  それは、こいつらの望む『光』の為か)

この状況下では可笑しなタイミングの発言。
 まず間違いない、『合図』だ。仲間内へのな 
 俺や、他の奴らも纏め。自分も刺される覚悟、か?

 「  愚蠢(おろか)…… 」    

  ズ  ンッ――!

 警告は した。
抵抗をするようならば、や(殺)る と。
 俺の心の中にいる子達は、悲しむだろう。
それでも、俺は護る。  全ては玲実の為に。
 決意と共に 一気に俺は首に突き立てていたペンを首に浮く動脈に……。

 ……

 (……)

 『ペンが』 『刺せない』 『腕が 動かない』

 (……甘過ぎる。それが答えか? ……玲実)
 (ならば、それでも良い。……血で汚れぬのは俺でも、この器はお前なのだから)

  グイッ――ゴンッ!!

 「伏せろッ! てめぇら!!」

 ペンで肉盾(ランス)を刺して、死体を盾にして羽根をやり過ごそうとするのは止める。
代わりに、首に引いてるバックの紐を引くと共に後頭部を自分の頭で頭突きして
身を屈ませ、同時に自分もその背を遮蔽物にして密着し羽根をやり過ごす。
 羽根が、追尾機能があるとしても。玲実の体がランスの背に密着していれば
少なくとも目や急所部分への直撃は免れる。 
 レミ(フラジール・デイズ)も、この攻撃は回避しようがない。指定する相手が
不明だし、何より羽根は舞台上の指定する『相手』にはなれないからな。
 ダメージを最小限にする事だけを今は考える。

736小石川文子『スーサイド・ライフ』:2017/03/04(土) 19:20:07
>>734

もしクリスに接近する時に孔雀が羽を飛ばしてきたら、
踏み込むために前に出した足を軸にして身体を大きく回転させて身をかわし、
できる限り回避する。
けれど、一度に大量の羽を飛ばされたら避けきれないかもしれない。
それでも構わない。
何本かの羽が当たることは覚悟の上。
回避する動きと共に流れるような動作で『ナイフ』を振るい、狙いの位置を切りつける。

737『アルカトラズから連れ出して』:2017/03/05(日) 23:48:13
>>734
>>736 (小石川)

クリスが行った攻撃は小石川を狙わない。
その隙に駆け出した小石川。
それに反応したクリスの孔雀がそちら側にも羽を放つ。
たった一枚の羽。回転の動きでそれをかわしながら接近する。
それと同時に小石川の部位も動いていた。
押される頭。白い霧で彼も反応が遅れたらしい。
押された頭が下を向く。そして目つぶしが迫る。
この時、人間は顔面や眼球への攻撃に顔を強張らせた回避を試みる。
クリスは後ろに飛びのいた。
それに伴って白い霧が揺れる。だが小石川はすでにクリスを射程にとらえた。
斬りつけられる足。流れる血とクリスのうめき声。
そして揺れる白い霧。シャーリーは静かにそれを見つめている。

クリス:「サン、ドゥーエ」

白い霧を抜けて何者かが現れる。
そいつは盾を構えていた。人ひとりを隠してしまえるような長方形の盾を構えて小石川に接近する(スC)

室内                          ↓↓空いている扉
┌──△△△△──────────△△△△───┐
│■■■■■■■■■■■■□□□□□小手小□□□│
│■■■■■■■■■■■◎□□□□ク□盾□シ□□ │
│■■■■■■■■■■■◎□□□□□□□□□□□│
│■■■■■■■■■■■◎目□□□□□□耳□□□│
│■■■■■■■■■■■◎□□□□□□□□□□□│
│■■■■■■■■■■■◎□□□□□□□□□□□│
│■■■■■■■■■■■■□□□□□□□□□□□│
└───────────────────────┘


>>735 (遊部)

ランス:「Easier said than done.(言うは易し、行うは難し)」

    「はっはっはっはっはっはっはっはっはっは!」

ランスへ向けられたペンは止まっている。
それが遊部の中の理性というものなのだろう。
ランスに頭突きをして羽の盾とする。

レミ:「……ッ!」

レミや葛西、防人は防御の手段を持たない。
体に羽が突き刺さる。

防人:「ん……?」

   「痛くもなんともねえな。なんだ、これ」

防人が自分に刺さった羽を抜いてみる。
するとその瞬間、彼のスタンドが消え失せた。

葛西:「おい、何スタンドを解除してる早く出せ」

羽を放ったと思われる場所には孔雀のヴィジョン。
透明に見えていた空間が引き裂かれたように向こう側が見える。
足を押える男が見えた。その次に小石川に向かう盾。

葛西:「防人、お前のスタンドを出せと言ってるんだ」

防人:「その……悪いんだけどよォ……」

   「スタンドってなんだ……?」

>>ALL

■■■■■■■■■■■■■■│□□□□□│
■■■■■■■■■■■■■■│□□□□□│
■■■■■■■■■■■■■■│□□□□□│
■■■■■■■■■■■■■■│□□□□□│
■■■■■■■■■■■■■■│□□□□□│
──────────────┘□□□□□└─────
□□□□□□□□□□□□□□□□□□□□□□□□□□
□□□□フ□□□□□□□□□□□□□□□□□□□□□
□小□レ□□□□□□□□□□□□□□□□□□□□□□
□□□防□□□□□□□□□□□□□□□□□□□□□□
△△───────△△△△──────────△△△△

レ:レミ、葛西、ランス
フ:フラジール・デイズ
小:小石川(使用部位5 小指×2 右手 左目 左耳)コハル
防:防人

738小石川文子『スーサイド・ライフ』:2017/03/06(月) 22:00:12
>>737

今夜だけで、自分以外の人の身体を斬るのは何度目だろう。
何度やっても、この嫌な感覚に心が慣れることはない。
それも、いずれは麻痺してしまい、何も感じなくなる時が来るのだろうか。

少なくとも、この身体は慣れてきているのかもしれない。
対峙している相手を迎え撃つために、自然と反応しているのだから。
争いの場に身を置いていると、いつか自分が自分でなくなってしまいそうな気がして怖い。

けれど――心までは染まりたくない。
たとえ刃を血で濡らしたとしても、決して心まで血には染まらない。
強く想いながら顔を上げ、正面の霧を見据える。

  「三人目――ですか」

霧の中から現れた新手を見て、そう呟く。
盾に隠れて姿は見えないが、おそらく人型の一人だろう。
これまでの経験から、そう判断した。
彼らの動きは人並みであることは分かっている。
盾を持っていたとしても、1対1であればこちらの方が有利に動ける。

けれど、今は3対1だ。
数の上では、圧倒的に不利な状況。
慎重に立ち回らなければいけない。

一度霧の中から脱出し、レミ達と合流することも考えた。
でも、こうして自分が注意を引いておけば、その間レミ達はフリーになる。
それを考慮して、自分はこのまま三人と対峙することを選んだ。

この白い霧には直接的な攻撃能力はない。
本体であるシャーリー自身も、あくまでサポートに徹するつもりのようだ。
だから、今はこちらからも手は出さない。

そうなると、問題になるのはクリスと盾持ち。
普通なら、近付いてくる盾持ちを優先するところ。
ただ、クリスのスタンドは遠距離から攻撃することができる。
盾持ちに対応している間に羽が飛んでくる可能性が高い。
二人から同時に攻撃されることは避けなければならない。

クリスが先か盾持ちが先か――。
選んだのはどちらでもない。
『スーサイド・ライフ』――両方を同時に対処する。

まず『手』を操作し、接近してくる盾持ちの足を掴み、引っ張って足止めする(パス精DCC)
盾の下に隙間があるならそこから通し、ないなら側面に回り込ませてから行う。
もし盾持ちが強引に足を前に出そうとするなら、
それに対応して引っ張る動きから押す動きに変える。
急に力の方向を変えることで不意を突きたい。
これで相手のバランスを崩させることを狙う。

そして、自分自身はクリスへ接近する。
こちらから見て、彼の右側面に回り込むようにして近付いていく。
2本の『指』は、自分の後を追従させておく。
接近しようとすれば孔雀が羽を飛ばしてくるだろう。
『ナイフ』を構えて、それに備える。

一つ予想したことがある。
クリスのスタンドは遠距離からの戦いに秀でている。
それは逆に言うなら、接近戦には向いていないのかもしれない。
盾持ちからは離れ、クリスには近付く。
それが、自分が選んだ方針だった。

739遊部『フラジール・デイズ』:2017/03/06(月) 22:27:12
>>737

(……スタンドを忘れる、羽根……)

防人の変調を見て、瞬時に能力の大まかな概要を知る。

 「葛西、羽根を悪戯に抜くな。レミ、あの足を押さえる男へ向かって。
駆けろ――『指定』 棒を翳して走れ、タイミングは笛で告げる!」

 こちら(遊部)の体にも、スタンドの羽根が刺さってる可能性もあるが
触る事はしない。DFは、フラジール・デイズと俺(本体)にはない。
 だが、それでも羽根を抜いて解除されない理由もない。
なら、この厄介なクジャクの本体を倒すしか手はない。
 相手との距離は幾分あるものの、フラジール・デイズの脚力でも
十分に接近できる間合いだ。指定して見えない間に、助走をつけて
相手の間合いに入ると同時に姿を現し(解除し)
 虚をつくと同時に思いっきり棒(モップ)で殴り昏倒させる。他の敵は
小石川へと任せる。短期決戦に持ち込まなければ、こちらの他の
保有する能力も失う可能性がある。

 尚、こいつ(ランス)は。首を鞄の紐で締め付け、窒息寸前で拘束を
維持する。もう、合図は出させん

740『アルカトラズから連れ出して』:2017/03/07(火) 00:00:09
>>738 (小石川)

人を斬る感触が小石川に伝わる。
流された血が小石川の心も染めてしまうかは分からない。

霧の中で顔を上げ、脱出ではなく接近を選んだ小石川。
手を操作し、盾を持つ敵の妨害を行う。
そして自身はクリスの右側面に回ろうとする。
その時であった。

シャーリー:「『マーチ・オブ・ザ・ブラック・クイーン』」

      「フローレンスさんのスタンド。その特技は護衛」

シャーリーがつぶやく。
アンという人型のスタンドとの闘いの際、クリスとシャーリーにぴったりとくっついていた人型がいた。
フローが呼び出したスタンドは五体。内二体は倒された。一体はリンゴたちと共に移動した。
今盾を持った一体がいる。残りの一体。それが現れたのだ。
盾を持った人型。小石川が確かに妨害し、動きを止めた人型の後ろから。
黒い棒を持った人型が飛び出した。
転がるように逃げ、立ち上がるクリス。接近する人型。
棒が横薙ぎに小石川を狙う。

クリス:「俺の仕事は終わりだ。戻らせてもらう。サービス残業はない」

室内                          ↓↓空いている扉
┌──△△△△──────────△△△△───┐
│■■■■■■■■■■■■□□□□刃□□□□□□│
│■■■■■■■■■■■◎□□□□□棒盾□シ□□│
│■■■■■■■■■■■◎□□ク□□□□□□□□│
│■■■■■■■■■■■◎目□□□□□□耳□□□│
│■■■■■■■■■■■◎□□□□□□□□□□□│
│■■■■■■■■■■■◎□□□□□□□□□□□│
│■■■■■■■■■■■■□□□□□□□□□□□│
└───────────────────────┘

刃:小石川
◎:机

>>738 (遊部)

葛西:「あぁ、わかった。コハル! どこだ!」

コハル:「ここ……」

透明であった場所から歩み寄ってくるコハル。
その手の甲には葛西たちと同じ鳥の羽。
盾のおかげか遊部の肉体には刺さってはない。

レミ:「……」

指示をする遊部。
舞台に上げない指定と接近の指示。
だがそれはなされない。

レミ:「すでに伝えてあることだけれど、もう一度伝えておくわ」

   「舞台に上げない相手の指定は役を与える際にできる」

   「今は与えられた後ですでに完成された状態」

   「私はそう認識しているし、私はそう行動する」

   「あなたが指示したことを一分一秒でも早く実行することはできるわ」

   「だけど、実行できないものは出来ない。それでもそうしろと言うのなら私はそうするわ」

役を与えられた後のフラジールには舞台に上げない者の指定はできない。
それを改めて伝えるレミ。
それでもなお接近の指示を出すのならばレミはその通りに従ってくれるだろう。

ランス:「クックックック……」

首を絞められ浅い呼吸を繰り返すランス。
その口は三日月のように歪んでいた。

>>ALL

■■■■■■■■■■■■■■│□□□□□│
■■■■■■■■■■■■■■│□□□□□│
■■■■■■■■■■■■■■│□□□□□│
■■■■■■■■■■■■■■│□□□□□│
■■■■■■■■■■■■■■│□□□□□│
──────────────┘□□□□□└─────
□□□□□□□□□□□□□□□□□□□□□□□□□□
□□コ□フ□□□□□□□□□□□□□□□□□□□□□
□□□レ□□□□□□□□□□□□□□□□□□□□□□
□□□防□□□□□□□□□□□□□□□□□□□□□□
△△───────△△△△──────────△△△△

レ:レミ、葛西、ランス
フ:フラジール・デイズ
コ:コハル
小:小石川(使用部位5 小指×2 右手 左目 左耳)
防:防人

741小石川文子『スーサイド・ライフ』:2017/03/07(火) 22:06:07
>>740

  ――四人目……!

クリスを追うことをやめて、咄嗟に足を止める。
その眼前に、盾の後ろに隠れていたもう一人の人型が迫る。
『マーチ・オブ・ザ・ブラック・クイーン』の奇襲を前にして、驚きと共に焦りを感じる。
完全に意表を突かれてしまった。
ともかく今はこの状況を切り抜けなければ――。

  「くぅッ――!」

迫ってくる棒の攻撃を『ナイフ』で受け止める。
切り離された2本の『指』は自分の近くにあるはず。
棒を止めた直後、その『指』2本を人型の両目に向けて突っ込ませる(パス精DCC)
同時にではなく、1本目と2本目の間に少し間隔を置き、時間差をつけて飛ばす。
タイミングをずらすことで、1本目に対処されたとしても2本目を命中させたい。

人型は、人間と同じように目で見てこちらを認識している。
そして、痛みも感じていたようだった。
おそらく目潰しも通じるはず……。

たとえ成功しなくても隙を作れたならそれでいい。
僅かでも隙が生じたなら、即座に踏み込む。
人間で言えば心臓の部分。
そこを狙って『ナイフ』を突き刺す(パス精CBB)
できることなら、この一撃で決着をつけたい。

それが無理なら、斬れそうな場所を斬る。
ダメージを受ければ人型も怯むはず。
それを狙って追撃し、畳み掛けたい。

すぐ近くに盾持ちもいる。
片方の人型に時間をかけていると、挟み撃ちにされるかもしれない。
まず一人を倒さなければ。

盾を持った人型に対しては『手』による妨害を続ける。
けれど、パワーは向こうの方が上回っている。
いつまで足止めしていられるか分からない。
もし振り解かれたら、盾持ちを『手』で突き飛ばして動きを妨げたい(パス精DCC)
棒持ちを倒すまでは、こちらに近付かれるわけにはいかない。

立ち去るクリスに対しては攻撃することはできないし、攻撃する気もなかった。
距離をとったということは、接近戦は不向きという予想は当たっているのかもしれない。
でも、戦う気のない相手に刃を向けるつもりは毛頭ない。
それが、私の心が血に染まっていないという証。
争いの中にいる今も、私が私であり続けているという証明なのだから。

742遊部『フラジール・デイズ』:2017/03/08(水) 09:15:31
>>740GM(能力詳細から、演技の途中で舞台外の指定が可能が不明な点
申し訳ありません。ミッション終了後にでもこちらより確認させて頂きます。
小石川PL含め、足を引っ張ってしまいましたが、今後は可能な限り修正したいと思います)

 「ふむ……」

 レミ(フラジール・デイズ)の言葉に、顎でもしゃくる雰囲気を伴いつつ呟く。
もっとも、しゃくる手は目の前の奴(ランス)の首絞めで塞がってるが。

 (舞台外の指定は、演技中でも可能だと思ってたが……まぁ
その情報を保有しなかったのは俺のミス、だ)

 「すまない、以後は胸に収めて戒める。
お前の事を軽視していたんだ」

 レミ(フラジール・デイズ)に真顔で謝罪する。
スタンドは半ば道具。そう認識を俺はしてるが、だからといって
下の存在に注意されて癪に障るとかの心持ちはない。
 俺だって、謂わば『玲実』を補うパーツの一つだ。そう言う意味合いでは
こいつ(スタンド)と俺は同等の存在なのだろう。

「それと、こいつの面倒代わってくれ。いい加減
不愉快になってきた。締め落として構わん、と言うか口を塞げれば良い」

レミ(フラジール・デイズ)にランスの相手を任せる。小石川への援護は
止めておこう。指定演技が出来ないままでは、恰好の良い動く的が関の山だろうから。

防人・葛西・コハルに首を巡らして聞く。

「あんた等のうち、どれか猿轡になるもん持ってないか?
 こいつの声は耳に煩わしくてかなわん。今先ほどの射撃も
何らかの合図をしたようだしな」

三人もいればハンケチが何か持ってるだろう、煩わしい奴(ランス)から
離れて、お嬢さん(小石川)の様子を見守る。

情けない話だが、レミ(フラジール・デイズ)も俺も彼女より能力や
戦闘力からして低い。加わっても下手すれば邪魔になる。

 (憤懣やるせなし。だが、今はそれも呑もう。
口惜しさも、歯痒い気持ちも。忘れなければいずれ道を開く)

 「レミ、お前とは違う奴の演技に変えれば。その時に
指定は行える。これに関しては間違いないな?」

 ランスの相手をしてるレミ(フラジール・デイズ)へ聞く。
入手してる情報から知識にあるが、念のためだ。

743『アルカトラズから連れ出して』:2017/03/08(水) 23:53:45
>>741 (小石川)

人型の振るう棒を刃で防ぎにかかる。
刃と棒がぶつかり合ったその時だった。
バチチと音がする。それと共に棒から放たれた電気。
スタンガンのように電撃が棒から放たれたのだ。
もしも棒が直撃していたならあの電撃が小石川を襲ったのだろう。

小石川の指が人型の目を狙う。
それを防ぐためにドゥーエは確かに顔をそむけた。
鈍痛。指からではない、手からだ。
人型の足を掴んだ右手、その右手を上から押しつぶすように盾が押し付けられている。

人型:「ドゥーエさん」

ドゥーエ:「おっけーサン」

視界の外から来る攻撃。
それに対処するために彼らがとった行動は連携であった。
足を上げたドゥーエ。その足は盾にくっついた。
無理やりの姿勢を変えたのだ。
といっても完全な回避が出来たわけではない。
彼の体を刃が抉った。

サン:「せーの」

ドゥーエ:「あらよ」

ぐりっと盾が動く、右手にさらに圧力が加えられる。右手がちぎれそうなほどに痛い。
その勢いと自身の体捌きを使ってドゥーエは回転した。
まるで裏拳でもしようかという動きだ。バチバチと音をたてる棒が小石川に襲い掛かる。

クリス:「お前の体には随分と手を焼かされた」

    「体を分離するのが能力なのだろう。一対一ならそのハンドスピードも含めて厄介」

    「だから、その体とナイフの連携を崩す。それがお前への処方だ」

室内                          ↓↓空いている扉
┌──△△△△──────────△△△△───┐
│■■■■■■■■■■■■□□□□刃□□□□□□│
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└───────────────────────┘

刃:小石川
◎:机

744『アルカトラズから連れ出して』:2017/03/09(木) 00:27:13
>>742 (遊部)

レミ:「そう。別に私は構わないわ」

レミが遊部の代わりに手提げ袋の紐を握る。
モップは床に置かれた。
ぐいっと紐を引っ張ればランスが赤い顔をする。
しかし肺からしぼりだすような声でくっくと笑い続けている。

コハル:「あぁ、僕ハンカチ持ってます」

葛西:「コハル、防人に渡せ。ちょっとでも動くと乳歯みたいに羽がぐらぐらしてくる。抜けると大変だ」

防人はコハルのズボンのポケットからハンカチを取り出すとランスの口に丸めたハンカチを入れた。

コハル:「これ大丈夫かなぁ……」

ランスの顔を覗き込むコハル。
教室の中は透明ではなくなっていた。
何かが積み重ねられているものが見える。
白い霧が教室に充満しておりよく見えない。
人型二人と小石川が闘っているようだ。
羽を撃ちだしたスタンド使いの男は見えない。

レミ:「えぇ、その通りよ」

遊部の質問にレミはそうとだけ返した。

>>ALL

■■■■■■■■■■■■■■│□□□□□│
■■■■■■■■■■■■■■│□□□□□│
■■■■■■■■■■■■■■│□□□□□│
■■■■■■■■■■■■■■│□□□□□│
■■■■■■■■■■■■■■│□□□□□│
──────────────┘□□□□□└─────
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□□コ□フ□□□□□□□□□□□□□□□□□□□□□
□□□レ□□□□□□□□□□□□□□□□□□□□□□
□□□防□□□□□□□□□□□□□□□□□□□□□□
△△───────△△△△──────────△△△△

レ:レミ、葛西、ランス
フ:フラジール・デイズ
コ:コハル
小:小石川(使用部位5 小指×2 右手 左目 左耳)
防:防人

745小石川文子『スーサイド・ライフ』:2017/03/09(木) 22:46:58
>>743

  ――電……気……?

迸る電流を見た時、心の中に生じたのは『困惑』と『戦慄』だった。
自分にとっては、テレビか映画でしか見たことのないような道具。
そんな非日常的な代物を、ドゥーエは当たり前のように繰り出してきた。
偶然から自分が入り込んだ争いの世界の『異質さ』。
改めて、その底知れない現実を思い知らされた。

  「――ッ!?」

踏み込んだ直後、唐突に感じた痛みに顔を歪める。
その感覚から『手』の現状を把握する。
妨害するつもりが逆に取り押さえられてしまった。

  ――『手』が……動かない……!だめ……。
     この盾を押し退けられる力はない……!

  「あぁぁ――ッ!!」

さらに容赦なく襲ってくる激痛。
自ら切り落としているのに痛いというのはおかしなことかもしれない。
けれど、この痛みは本物。
こらえきれずに甲高い悲鳴を上げ、瞬間的に背筋が仰け反る。
その眼前に、電撃を放つスタンガンが迫ってくる――。

自分が人型を引き付けておくことが、レミ達のためになると思っていた。
だからこそ、自分は脱出ではなく闘うことを選んだ。
けれど、それは間違いだった。
相手のテリトリーに一人で足を踏み入れたこと。
なにより、ここで自分が倒れてしまえば戦力が一人減ることになる。
それは、レミ達にとってのマイナスだ。
本当にレミ達のことを思うなら、ここから脱出して合流するべきだった。

後悔の念に駆られた瞬間、クリスの冷静な言葉が耳に響く。
的確な『診断』に基づく適切な『処方』。
これが――私に与えられた『治療』なのだろうか。

                      クランケ
そう、私は心と身体を病んだ哀れな『患者』。
そして今、それに対する『処方』が下された。

          ドクター
これが運命という医者の与えた『治療』だとするならいっそ受け入れるべきかもしれない。

そんなことを考えた時、ふと――ある一つの意思が心に浮かんだ。
      
          『諦めよう』、と。

                    ス タ ン ガ ン
一切の抵抗をやめて、このまま『電気治療』を受けてしまえばいい。
そうすれば、もしかすると『彼』の下へ行けるかもしれない。
会いたいと願いながらも決して会うことのできない『彼』の下へ。

そう思うと、自分の中で立ち向かおうとする気力が急速に萎えていくのを感じた。
自ら命を絶つのではなく、自分以外の誰かによって命を奪われたとしたら。
それなら、『彼』も許してくれるかもしれない。
今にして思うと、自分はそのために争いの中に入ることを決めたようにさえ思える。
誰かに、この命を奪ってもらうために――。

746小石川文子『スーサイド・ライフ』:2017/03/09(木) 22:48:01
>>745

  ――治生さん……。きっと、あなたも許してくれますよね……。

このまま『彼』の下へ旅立てたなら、どんなに素敵なことだろう。
穏やかな微笑みを浮かべ、その『希望あふれる未来』へ想いを馳せる。
『彼』に会えたら、また昔のように一緒にいられる。

一瞬の間に、『彼』と過ごした過去の思い出が走馬灯のように次々に現れては消えていく。
出会い、愛し合い、結婚し、そして……。
そして――事故が起きた。
その時の記憶が、まざまざと蘇ってくる。
痛ましい姿でベッドに横たわっている『彼』、涙を流しながら『彼』の手を握る自分。

        『彼』は何と言い残した?

        それに対して――自分は何と答えた?

  「……治生……さん……!」

不滅の愛を捧げた存在である『彼』の名前を呟くと同時に、心に気力が戻ってくる。
諦めることはできない。そんなことは決して許されない。

                       パーツ
その意思と共に――切り離している『部位』を『解除』する。
痛みに耐えかねたからではない。

        パーツ
解除された『部位』は即座に灰のように崩れて消え去る性質を持つ。

今――『手』は盾によって力を込めて押さえつけられている状態にある。
その『手』が突然消え失せれば、『手』の上に乗っている盾は『傾く』はず。
盾が傾けば、盾を押さえているサンも姿勢を崩すだろう。
サンの姿勢が崩れたなら、サンの補助を受けているドゥーエも体勢を崩すことになる。
それは、ほんの僅かなものに過ぎないかもしれない。

けれど、ドゥーエは回避のために強引に姿勢を変えていた。
半ば不安定さをはらんだ体勢であったのなら、ほんの僅かな一押しでも効果はあるはず。
この試みが成功したなら、スタンガンめがけて『ナイフ』を振る(パス精CBB)
クリスが分析した通りの速度と精密性で、スタンガンをドゥーエの手から弾き飛ばしたい。
もし可能ならば、その後で後ろに飛び退いて人型達から距離をとる。

ここは退くべきだ。
この霧に支配された教室から脱出する必要がある。
外にいるレミ達と合流しなければならない。

サンとドゥーエの連携は侮れない。
それに立ち向かうためには一人では困難。
こちらも連携して事に当たらなければ対抗できない。

防人とレミの助けが要る。
全貌は分からないが、防人のスタンドは強力な攻撃力を備えていた。
そして、レミのスタンドは特定の相手に対して見えなくなるような能力を持っている。
彼女のスタンドなら、確実に相手の不意を突ける。
今を切り抜けるためには、彼らの力が必要不可欠。

もっとも、先の行動が失敗していたなら、
これらの考えは全て『泡沫の夢』ということになる――。

747遊部『フラジール・デイズ』:2017/03/09(木) 23:34:19
>>744

 >えぇ、その通りよ

その言葉に、小さく頷いてモップを拾い上げる。

教室に入れる程度の間合いに距離を縮める。レミ(フラジール・デイズ)と
一緒にだ。奴(ランス)は他の者に任せておけば良い


 「よし、演技内容に関しては……そうだな。
まず、この『二人』を教える。
 これは、『俺』が管理してる存在であり。玲実の中から外に出た事は
実質ない奴らだ……そう言うものを抑え込んでおくのが、役目だからな」

 「だが……誰かを助ける為ならば暴力は必須となる。
一時『解放』させるのも、奇妙ながら『看守』と言う立場の俺の権利なのだろう」

レミに囁くようにして教える。他人に大っぴらに聞かせられるものでもない。

 
【スペードの十】『創傷』の『ネオン』
快楽原則破綻者
自身への『苦痛』『傷害』に快感を覚える異常者。
 マゾヒズムとも異なる独特の精神を宿してる。
自分に怪我を与えてくれる人物が存在するのなら、その為に
幾らでも其の相手を痛めつける事も嬉々として行う。
性別:女性 趣味:拷問

【クラブの5】『反骨』の『ウー』
競技熱狂者(フーリガン)又はルールポリス・ルールブレイカー
 簡潔に言って『負けず嫌い』な性格。
普段は何処にでもいる少し調子に乗りやすい若者と言う感じだが。
それが『競技』として枠組まれるものになると目の色を変える。
例えばボクシングであれば、そのボクシングに勝つ為なら
殺す事だって最終的に厭わない。それが団体戦であれば平気で
非道な手段を敵対するチームに行おうとする。観戦者の立場でも

748『アルカトラズから連れ出して』:2017/03/10(金) 00:20:14
>>745-746 (小石川)

青白い電流。
バトン型のスタンガン。
護身具としても扱われるようなものだ。
手加減なし。容赦なし。そこに優しさはない。

ミシミシと盾が押し付けられ、バトンも迫る。
小石川は抵抗を諦め、その治療を受けようとする。
彼の元へ進むために。
が、そうはならなかった。
部位の解除。そのすべての部位が解除される。
手の粉砕は防がれ、敵の攻撃がぶれる。
盾のぶれ、それゆえに彼の姿勢も崩れる。

ドゥーエ:「ぬぁい!」

より不完全な姿勢での攻撃。正確さが欠ける。
スピードは小石川が上だ。
後出しであっても間に合う。
がちんと音がする。
尻餅をつくドゥーエ。
バトンを落とし、小石川から目をそらさずにそれを掴みなおした。

サン:「手が消えました……」

クリス:「能力を解除したんだろうよ。サンお前の盾で攻撃に備えてろ」

後ろに飛びのいて距離を広げた小石川。
敵は攻撃を仕掛けてはこなかった。むしろ後ろに下がっている。
というより様子をうかがっている。

クリス:「よーいドンでやりゃあこっちが負ける。隙みて叩き込め」

小石川の傍に窓がある。
すりガラスだ。向こう側がぼんやりと見える。

『部位』の修復時間→120秒

室内                          ↓↓空いている扉
┌──△△△△──────◆◆──△△△△───┐
│■■■■■■■■■■■■□刃□□□□□□□□□│
│■■■■■■■■■■■◎□□□□□□□□シ□□│
│■■■■■■■■■■■◎□□□□□□棒盾□□□│
│■■■■■■■■■■■◎□□□□□□□□□□□│
│■■■■■■■■■■■◎□□□□□□□□□□□│
│■■■■■■■■■■■◎□□□□□□□□□□□│
│■■■■■■■■■■■■□□ク□□□□□□□□│
└───────────────────────┘

刃:小石川
◎:机
◆◆:窓。閉じられているが鍵は開いている。

>>747 (遊部)

レミはランスの拘束をコハルに任せ、遊部自身はモップを掴む。

レミ:「二人?」

レミに耳打ちをして二人について説明をする。
ネオンとウーの二人だ。

レミ:「……ありがとう」

彼女は確かにこの二人について理解した。
演じる際にも問題はないだろう。

>>ALL

■■■■■■■■■■■■■■│□□□□□│
■■■■■■■■■■■■■■│□□□□□│
■■■■■■■■■■■■■■│□□□□□│
■■■■■■■■■■■■■■│□□□□□│
■■■■■■■■■■■■■■│□□□□□│
──────────────┘□□□□□└─────
□□□□□□□□□□□□□□□□□□□□□□□□□□
□□□□□□□□□□□□□□□□□□□□□□□□□□
□遊□□□□□□□□□□□□□□□□□□□□□□□□□
□□□防□□□□□□□□□□□□□□□□□□□□□□
△△───────△△△△──────────△△△△

遊:遊部、レミ
防:防人、コハル、葛西

749小石川文子『スーサイド・ライフ』:2017/03/10(金) 23:25:24
>>748

  「……はぁっ……はぁっ……」

窓を背にして肩で息をし、呼吸を整える。
ひとまず危機を乗り切ることができた。
これで仕切り直しだ。

  ――治生さん、ありがとうございます。

心の中で『彼』に感謝する。
もう少しで『死の誘惑』に負けてしまうところだった。
『彼』のおかげだ。
この世を去った後でも『彼』は私を支えてくれている。
今、確かにそう思えた。

けれど、未だに危険な状況であることは変わらない。

 パーツ                         パーツ
『部位』を解除してしまった今、さっきまでと同じ『部位』との連携はできなくなっている。

        パーツ
結果として、『部位』と本体の連携を崩すというクリスの狙いは成功した。

 パーツ
『部位』の解除は個別にはできず、一括でしか解除できない。

          パーツ
切り離している『部位』が多ければ多いほど、再生に要する時間が増えることになる。

          パーツ
現在再生中の『部位』は操作可能な最大数である『五つ』。
それらの再生が完了し、身体が元通りの状態になるまで2分かかる。
今の緊迫した状況では、この時間が無限にも思える程に長い。

                    パーツ
もちろん、まだ切り離していない『部位』を新たに切り離すことはできる。
ただ、目の前にはサンとドゥーエがいる。
彼らは、こちらが隙を見せるのをじっと待っている。
そんな相手の前で堂々と『切り離し』を行うのはためらわれた。
今は、迂闊な行動をすることはできない。

教室から出るためには扉から出るのが一番手っ取り早い。
すぐに走り出せば、もしかしたら出られるかもしれない。
でも、それは向こうも分かっているはず。
ここからだと扉まで少し距離もある。
邪魔されずに出られるかどうかは確実じゃない。

  ――窓……。

   チラリ

顔を動かさず、横目で一瞬だけ窓の大きさを確認したい。
人が通り抜けられるサイズだろうか?
窓の位置は自分のすぐ近く。
大きければ、そこから出られるはず。
ただ心配なのは、窓を開ける時に大きな隙が生まれること。

今の自分には『右手』がない。
窓を開けるなら『ナイフ』を持っている『左手』を使うことになる。
そうなると、『ナイフ』による牽制が維持できなくなる。
彼らがそれを見逃すだろうか。
その隙に接近されてスタンガンを打ち込まれるかもしれない。

  「――……」

   スッ……

ほんの少しだけ、片足を扉側の方向へ動かす。
目的は二つ。
一つは扉から脱出しようとしていると思わせること。
もう一つは、左手の動きから注意を逸らすこと。

『ナイフ』を握っている左手。
その『親指』だけを刃の上をスライドさせるように僅かに動かす。
気付かれないようにするため最小限の動きで。

そうすることで、親指の第一関節から上の部分である『末節』を切り落とす。
切り落とせたなら、すぐ自分の身体の後ろに移動させ、正面から見えないように隠す。
そして、自分の背後にある窓へ取り付かせたい。

『指先』だけでも鍵のかかってない窓を開けるくらいはできるはず。
ただ、問題は時間。
『指先』だけだと、場合によっては少し手間取るかもしれない。
どこか『指先』を引っ掛けられる場所があるなら引っ掛ける。
ないなら窓ガラスに直接『指先』を押し当てる。
そして、窓を開ける時の方向に、音を立てないよう軽く力を入れてみる。
抵抗がないか、スムーズに開けられるかどうか確かめたい。

750遊部『フラジール・デイズ』:2017/03/11(土) 19:02:04
>>748

「演技する人物は俺が数字で点呼する。
で、指定は簡潔に俺が目前の相手を指して教えておく。
 演技変更時も数字で点呼だ。指定は口頭で告げる」

 そう告げて、『フラジール・デイズ』を先頭に教室に徒歩で入る。
いま、俺達の装備はモップと鋭いペンのみ。普通なら心許ないが……
 (――問題ないな)

 教室に入る。霧があっても小石川と対峙してる二体のスタンドは目視出来る筈だ。

 フゥ――
「……さぁて、あんまり気乗りはせんが。けど、またご対面と言う奴だ。
 ――スペード 十  指定は盾持ちの相手」

俺が行使する奴の性格上。『盾』より『棒』持ってる敵のほうが
気分的に昂るだろうと直感故の舞台外にする指定は盾持ちの敵だ。
 どちらにせよ相手する敵が不憫なのは変わりないがね。

 瞬間、『レミ』の演技していたフラジール・デイズは止まる。
温和で知的な雰囲気は消えて、無個性な人形に一瞬ブレ……。

 『  ……ヒヒッ♡ 』

 垂涎を浮かばせる口元の、病的な顔つきに変わっていく。
それに対し、躊躇なく俺は……。

 ――ザシュッ!!

 ・・・・・
 ペンを刺す  二の腕付近で、動く事に支障ない程度。だが、ペン先を
出血で濡らす程度には深く。刺したペンは引き抜きそのまま『ネオン』へ渡す。

「久しぶりだな、おい。 無論、絶対に表で再会するのは被りたかったが……。
もっと『欲しいだろ』?
 なら、敵を滅多刺しにしろ。そのペンでな
ペンが壊れたら、目でも何でもお前の得意な方法で傷つけてやれ。
そうすれば、もっとしてやるよ」

 ペン先は出血により当然朱に染まっている……『スタンドの血で』

(こんな事せんでも、事前にフラジール・デイズの唾液なり何なり
施せば良いとも思うが……。ネオンの性格上、傷つけないと言う事を聞かないし
 何より唾液が乾くと、スタンドがスタンドに対する干渉が薄れるのか? って言う
不安もある。それなら付着しやすい血でペンにコーディングするほうが良い)

 (……ネオンは、異常者だ。傷つけられたいが為に誰かを喜んで傷つける。
それで相手が死んでも。……あんた等に相手が務まれば良いが)

盾と棒の敵のスペックは不明だが。これで実質一対一だ。
指定してる故に、敵は棒持ち以外眼中にない。
 『ネオン』であれば、攻撃されても。それを喜ぶだけだ。
歓喜しながら、棒持ちの敵の急所を俺の命ずるがままにペンを突き刺そうとする。
無ければ、無ければで笑いながら目なり狙って爪で刺そうとするだけだ。
身に覚えがある手前、そうするであろうと言う確信を俺は持ってる。

 他の敵の動きに本体である俺は警戒する。入口のほうにいるが
またクジャクの羽根らしきものを攻撃する奴がいれば、教室外の壁に張り付いて
回避出来るように心構えはしときたい。

751『アルカトラズから連れ出して』:2017/03/12(日) 00:08:29
>>749 (小石川)
>>750 (遊部)

クリス:「はぁ����」

サン:「すいませェん」

ため息をつくクリスと謝罪をするサン。
シャーリーは教室の外を見ている。
そのまま全員が下がる。
距離を取りつつ様子を見ている。
外に射出した羽のために霧が払われポッカリと向こうが見える穴が空いていた。

横目で窓を確認する。
しっかり人ひとり通れるサイズだ。
目線による視線誘導により親指末節の切断は成功。
扉を開けに行く。
その時だった

誰かが入ってきている。
遊部達だ。
敵の視線が遊部に向けられる。

クリス:「増えたぞ」

ドゥーエ:「確かに」

そして自らのスタンドの腕にペンを刺す遊部。
そして指示を出す様子を静かに見ている。

サン:「どうしますか?」

クリス:「どうするかねぇ」

豹変するスタンド。
ネオン。その人格を演じる。

ネオン:「痛いなぁ痛い痛い痛い痛い」

「でも、もっともっともっとぉ、欲しい」

「あんたが相手になってくれるの? それとも別の誰か?」

渡されたペンを手でくるくると回す。
そして視線はバトンを持った人型へ。

ネオン:「あれを刺せばいいの? お前があたしに痛みを与えてくれるの? ねぇねぇねぇねぇ」

シャーリー:「ドクターに見せます?」

クリス:「����はぁ」

ドゥーエ:「おい、見えんくなったぞ」

サン:「さっきのランスさんと同じ状況では?」

クリス:「����だろうなぁ」

クリスが窓を開け、指笛を吹くと上から降りてくる縄。
窓の外から垂れ下がる縄が見えた。

クリス:「シャーリー」

シャーリー:「ええ、もちろん。『ホワイト・クイーン』」

霧が教室に満ちる。
敵の姿が消えた。誰もここにはいない。
自分以外はこの部屋にはいないのではないかとすら思わせる。

室内                          ↓↓空いている扉
┌──△△△△──────◆◆──△△△△───┐
│■■■■■■■■■■■■□刃□□□□□遊□□□│
│■■■■■■■■■■■◎□□□□□□□□□□□│
│■■■■■■■■■■■◎□□□□□□□□□□□│
│■■■■■■■■■■■◎□□□□□□□□□□□│
│■■■■■■■■■■■◎□□□□□□□□□□□│
│■■■■■■■■■■■◎□□□□□□□□□□□│
│■■■■■■■■■■■■□□□□□□□□□□□│
└───────────────────────┘

刃:小石川
遊:遊部
◎:机
◆◆:窓。閉じられているが鍵は開いている。

752小石川文子『スーサイド・ライフ』:2017/03/12(日) 07:52:41
>>751

  「――『レミ』さん……!」

教室に入ってくる遊部に気付き、視線を向ける。
彼女の傍らに立つ『ネオン』となった『フラジール・デイズ』。
傷付けられることを至上の悦びとする歪んだ人格の一端を垣間見る。

  ――もしかしたら、私も狂っているのかもしれない。

その狂気に彩られた姿に少しだけ自分との相似点を感じ、複雑な思いが胸を掠めた。
もっとも、自分にとっての自傷行為は、あくまで自殺衝動を抑えるための手段。
彼女のように傷付くこと自体を目的とはしていないし、快楽を感じてもいない。

一瞬の後、心に生じた思いは、すぐに打ち消された。
今は目の前の闘いに集中しなければならない。
垂れ下がる縄が見え、霧が教室内に満ちてくる。

  ――消えてしまった……?

立ち込める白い霧の中で目を凝らす。
彼らの姿が消える前、窓の外には縄があった。
あれを使って逃げたのかもしれない。
窓のある場所へ行って、窓の外を覗いてみれば答えが分かる。
けれど、本当にそうだろうか?

縄で逃げたと思わせて、まだ霧の中に留まっている可能性もある。
窓に近付いた時を狙って背後から攻撃されるということも十分に有り得る。
それを考えると下手に動けない。

できるなら、『目』を切り離して窓の外を確認してみたい。
でも、片目しかない今の状態で『目』を切り離すのは危険すぎる。
本体である自身が襲われた時に対応できなくなる。

  「……『レミ』さん、どうしますか?一旦、外に出ますか?」

迷いを含んだ口調で問い掛ける。
少なくとも、外に出れば不意打ちされることは避けられる。
その代わり、彼らの行方を見失ってしまうことになるだろう。

彼らは、ドクターの居場所を知っているはず。
彼らが立ち去ったとするなら、ドクターの所へ行ったのかもしれない。
その後を追えば、ドクターまで辿り着けるかもしれないという思いもあった。

窓の所にいる『指先』は、そのまま待機させておく。
窓は開けない。
身体の再生が完了するまで、あとどれくらいかかりそうだろうか?
文字通り身を削るのが『スーサイド・ライフ』の能力。

        パーツ
使用可能な『部位』を欠いた今の状態は、とても不安だった。

753遊部『フラジール・デイズ』:2017/03/12(日) 22:19:32
>>751-752

 「ちっ、またか……」

思わず舌も打ちたくなる。物理的な干渉は相互は出来なくなるだろうが
 不利だと感じた瞬間に、あの態勢を立て直せるようになる能力は厄介だ。

 (やはり、霧を払う手段が必須だな……恐らく、開放的な空間では
あの能力も効果が薄い気はするが)

 学舎と言う、霧が充満しやすい中だからこと適用される。
外でも能力は使用出来るかも知れないが。それに関しては少し試して見よう。

 ゴッ……

『ネオン(フラジール・デイズ)』の後頭部を殴りつけつつ、命令する。
一々痛みを与えないと、従順にならないのは。そう言う人格である事を
踏まえても正直気分は良くない。とは言って演技を甘くするのも、元々
そう言う生き方だった、こいつを否定する気がする。ジレンマと言うのを感じた。

「ネオン、とりあえず窓を全部開いてみろ。そうすりゃ、痛めつけてくれる
相手が見えるかも知れんぞ? まぁ、居なくなってたとしても、安心しろ。
ちゃんと俺が代わりにしてやる」

この教室の窓を全部開放して、霧の能力が無効化するか試して見る。
 敵が現れるようでも。盾持ちなら通用しないし、奇襲してもネオンなら
嬉々として受けつつ、迎撃するだろう。

 「一先ず、そちらは三人の元に戻って構わんよ。
俺はあいつ(ネオン)を見てなくちゃならん。あと、悪い知らせが一つ
防人は、あの羽根を受けて引き抜いてスタンドって概念を忘れちまった。
 他の治験を受けた奴らの原因も、あのクジャクが関わってるかもな」

小石川へ、防人の状態を告げておく。
 肉体の分離がまだ再生しないのは、能力のデメリットか?
まぁ、時間がたてば戻るのなら三人のほうに戻っても良いだろう。

754『アルカトラズから連れ出して』:2017/03/15(水) 01:31:58
>>752 (小石川)

変化したフラジール・デイズ。
姿かたちは変わらずともその内面は確かに変化している。

しかしその思いを打ち消した。
まだこの空間に敵がいるのかもしれないのだから。
白い霧は濃く、遠くの位置が見えにくい。
教室自体が暗いのもあるだろうが、視界良好とはいかない。

目を切り離し、縄の見えた窓の方へと移動させる。
これで小石川は両目を失うこととなった。
くぼみとなった部分からでは何も見えないが、進む部位が周囲の状況を教えてくれる。
白い霧を押しのけつつ進む。視界の端に何かが見えた。
黒い影だ。それは確かに動いている。
視界が開ける。霧が払われてぽっかりと穴が開いているのだ。
窓の外には縄に掴まるクリスの姿。他には誰もいない。
目と目が合う。クリスは小石川の目を攻撃せずに、指を一本立てて口に当てて見せた。
彼が上に移動する。誰かが縄を引っ張り上げているのだろう。

そして遊部たちに声をかけた。
開けないことを決めた窓であったがそれは開かれた。
それは小石川の意志によるものではない。
フラジールだ。
彼女が進んできてであろう道に霧はない。
白い霧をきりとったように向こう側が見える。

ネオン:「あんた。いいもん持ってんなあぁ……あんたがそれで、よくしてくれんのか?」

にやにや笑いながら教室の中を移動するフラジール。
そして遊部からの返事も帰ってくる。

>>753 (遊部)

ネオン:「あぁ? いってえなぁ……まぁ、あたしはそっちのがいいんだけど」

病的な瞳が遊部を見つめる。
鏡に映ったような顔なのに違っている目つき、口元。
少なくとも今は従順でいてくれている。
痛みを与えられることでその凶暴性が静かになる。
霧をかき分けて進んでいく。
霧の中にのまれて見えなくなるということがない。
そして勢いよく窓を開いていく。霧は動かない。
今度は教室の奥の窓を開けに行く。
小石川が見える。
その顔に目はない。もう片方の目も切り離しているようだ。

>>ALL

それは突然のことだった。
白い霧を突き破るようにバトンが現れた。
それは遊部に向けられている。
バトン全体が霧から現れれば今度は腕が見え、確実に近づいてきている。

(あいつら、ランスを挟み撃ちしようとした。近距離型じゃあない)

(遠距離型の弱点は俺やフローでも知っている。近距離戦が苦手ということだ)

(そしてもう一つ。本体から離れれば本体は自分で自分の身を守る羽目になる)

(ランスが干渉できなくなったのは脅威だが、それが使えない状況にしてやればいい

(まぁ、お前からそうなったんだがね。これがお前への処方だよ)

(まずはお前からだ。一つ一つこの場から摘出してやる)

室内                          ↓↓空いている扉
┌──△△△△──────◆◆──△△△△───┐
│■■■■■■■■■■■フ□刃□□□□□遊□□□│
│■■■■■■■■■■■◎□□□□□□□棒□□□│
│■■■■■■■■■■■◎□□□□□□□□□□□│
│■■■■■■■■■■■◎□□□□□□□□□□□│
│■■■■■■■■■■■◎□□□□□□□□□□□│
│■■■■■■■■■■■◎□□□□□□□□□□□│
│■■■■■■■■■■■■□□□□□□□□□□□│
└───────────────────────┘

刃:小石川
遊:遊部
フ:フラジール
◎:机
◆◆:窓。閉じられているが鍵は開いている。

755『アルカトラズから連れ出して』:2017/03/15(水) 01:57:35
>>754

窓は開いている

756小石川文子『スーサイド・ライフ』:2017/03/15(水) 23:14:58
>>753-754

  「『レミ』さん……孔雀は、この場から離れたようです――」

『自殺衝動』を持つ自分の精神の象徴である『スーサイド・ライフ』――
そのヴィジョンである『ナイフ』を見て、歪な悦びを露にするネオンに対し、
複雑な感情を抱きながらも、遊部に呼び掛けてクリスが消えたことを伝える。
その時、バトンが見えた。
続いて腕が伸びてくるのが見える。

  「!!」

霧の中から現れて、遊部に襲い掛かろうとしているドゥーエ。
その光景を見て、すぐに彼女を助けに行きたい衝動に駆られる。
でも――『行かない』。

お互いに力を奮い合う争いの中で、学んだことが一つある。
それは、その場しのぎの対応ではいけないということ。
後手に回ると、結局は追い込まれてしまうことになるから。

常に一歩先を考えて行動しなければならない。
そうすることが遊部を助けることに繋がるはずだ。
だからこそ、自分はそう行動する――。

     タタッ

急いで『目』を自分の下へ戻す(『指先』は自分のコートのポケット内に移動させる)
同時に、自分自身も『目』に向かって駆け寄る。
こうすることで少しでも早く双方の距離を縮める。
『目』と接触でき次第、『目』を自身と接合し、本体の視力を回復する。
これが第一の目的。

第二の目的は、『ドゥーエの死角の位置に陣取る』こと。
ここから更に移動をする必要はない。
なぜなら、直線状に存在していたであろう自分と『目』が同時に直進したならば、
両者の接触する位置――つまり、今自分の立っている位置は、
ドゥーエの側面か斜め後方辺りになるはず。
だから、『ドゥーエの死角になる位置に移動する』という目的は、
この時点で自然に達成されることになる。
しかし、ドゥーエを攻撃することが狙いではない。

本当の目的は、『隠れていると思われるサンを誘き出す』こと。
ドゥーエは姿を見せたものの、サンはまだ姿を見せていない。
けれど、ドゥーエが残っているのなら、サンも残っているのはまず間違いない。

こうして自分が移動してみせることで、
『もしかするとドゥーエが攻撃されるかもしれない』とサンに思わせたい。
成功したなら、サンはドゥーエを援護するために姿を見せるはず。
そして、サンが姿を見せたのなら、『ナイフ』を構えて牽制することで、
その行動を妨害してドゥーエと合流できなくしたい。

この局面を乗り切るために何よりも必要なのは、彼らの連携を崩すこと。
身を持って彼らの連携を受けたからこそ、それがよく分かる。
だからこそ、ドゥーエの対処は遊部と『ネオン』に任せ、
自分はサンを抑えることに専念したい。



(※お手数ですが、部位の残り再生時間を逐次表記していただけるとありがたいです)

757遊部『フラジール・デイズ』:2017/03/16(木) 17:15:34
>>754-756(レス遅れ失礼しました)

 「……」

 霧から突き破るように、生みだされたバトン。

さっきの棒持ち(ドゥーエ)である事は分かる。

 (こちらの武器は、モップの柄。そして、ネオンの距離……)

今から『フラジール・デイズ(ネオン)』に助けを呼び掛けても
距離からして、こちらは間に合わない。立ち位置からしても
教室の出入り口に……間に合うと思うが。そうなると、またお嬢さん(小石川)
が一人っきりになる。文字通り身を削って動いてるらしいし、形成は不利だ。

 (……バトン、この形状は)

 棒持ち(ドゥーエ)の武器を注視する。それと共に、思い描く。
俺に 

――『ライ』に出来る事を。

カランッ

 ・・・ガシッ

 「……既然把我痛快淋漓地骂了一番(啖呵をきったからには)
    就请做好心理准备吧(覚悟をしろよ)」

  ゴゴゴゴゴゴゴゴゴゴゴゴゴゴゴゴ……!

  ……モップの柄を落とす。と、同時に。
『バトン』、それとソレを握る奴(ドゥーエ)の腕を両手で掴む。

 (この棒の形状は……『スタンロッド』に似てる。
ならば、俺のとるべき最適手は。……奴の武器を握りしめ、そして
同時に奴の手首も握る事。これによって、奴の武器の真価が電撃でも
発動する事は困難になる……スタンドの特性。
何かに捕まった際、解除は出来ない。それは生身の肉体でも有効な筈だ。
 そして、奴が電撃を放つのであれば。握られてる箇所は当然俺の体を通して感電する。
リスク・リターンを考えれば。俺のリスクは重くも……けれども)

 「ネオン、掴んだぞ……やれ!」

 (フラジール・デイズは、必ず倒す事をやり遂げる。
それが、可能なスタンドだ)

758『アルカトラズから連れ出して』:2017/03/16(木) 18:50:36
>>756 (小石川)
>>757 (遊部)

小石川は指先をポケットに戻し、目を自分のもとに戻しに行く。
小石川自身は両目がない。
自分に接近する目に向かっての接近。
目の位置は正確にわかる。ゆえに少しおぼつかない足取りであったがなんとかその行動は成功する。

一方の遊部はそのバトンを掴む。
同時に敵自身の腕も。
ネオンは主人のもとに近づいてくる。
感電のリスクを負いながらも遊部は行動した。
誤算がそこにあったのかは遊部の心次第だ。

電撃が遊部の体を流れる。
小石川はドゥーエのいるらしい位置の死角に入った。
その時、白い霧が揺らぐ。
黒い影が見える。黒く大きな影。サンの盾だろう。
そしてネオンがドゥーエを迎撃すればすべてが滞りなく終わる、はずであった。

スタンドのスタンバトン。その威力は通常のスタンバトンとそん色がないものだっただろう。
もしかすればそれよりももっと強いものだったかもしれない。
ただ一つ間違いないのは、それを素手で触ってしまったことだ。

電撃が遊部の体を流れる。血が沸騰するような感覚。痛み、苦しみ、電気椅子の受刑者はこれの何倍もの痛みを味わっていたのだろうか。
痛みから逃げず、覚悟を決めた行動はとても尊いものだ。
だが、現実は非常である。
ヒーローの姿が薄れる。普通ならばヒーローとしてあることが難しかったであろうネオンの姿が揺らぐ。
視界も揺らぐ。
護身具たるスタンガンなどに言えることだが相手が厚着をしていてもその電気を体に流してしまう威力を持つ。
それを生身で食らうことは危険なのだ。一瞬なら痛みで済んだかもしれない。しかし、掴んだのならば話は別だ。
肉体が反射的にそれを拒んでも、ドゥーエは追ってくるのだから。

ごとりと音がする。
白い霧が揺らぎ、消える。
それと同時に遊部の意識もまた、消えた。

シャーリー:「いまのは何と言ったのでしょう」

サン:「スゥの方が詳しいでしょう。私の得意な言語ではなかったのですから……」

シャーリー:「ドゥーエは?」

サン:「消えました。彼も彼の電撃には耐えられなかったということでしょう」

シャーリー:「なるほど」

759『アルカトラズから連れ出して』:2017/03/16(木) 19:10:54
シャーリー:「取引をしませんか?」

白い霧の中、シャーリーの声が聞こえる。
彼女はあまり大きく移動していなかったらしい。
姿こそ見えないが先ほどいた位置からあまり変わっていないようだ。

シャーリー:「あなたには今二つ、道があります。『諦めるか』『このまま進むか』」

       「現実、いまこうしてあなたのお友達が倒れられ、恐らく戦闘力の高かったであろう男性もスタンドを忘れ使用不能」

       「残りの二人は戦いに参加していなかったことを考えると、補助系の能力の方でしょう」

       「まともに闘えそうなのはあなただけです」

静かな声であった。
特に取り乱した様子もなく、落ち着いた言葉だ。

シャーリー:「どちらも道を選んでいただいても構いません。私たちはどちらも道も推奨せず、禁止もしません」

        「選ぶのはあなたです」

霧が晴れる。
何も視界を遮るものはない。
盾を背中に回し、遊部の傍に座り込むサン。
そして、ただ立っているシャーリー。

シャーリー:「対価は必要ですが、どちらの道も悪いものではないでしょう」

       「お好きなように」 

『部位』の修復時間→90秒
(書き洩らし、申し訳ございませんでした。今後は逐次報告させていただきます)

室内                          ↓↓空いている扉
┌──△△△△──────◆◆──△△△△───┐
│■■■■■■■■■■■□□□□□□□□遊□□□│
│■■■■■■■■■■■◎□□□□□□□盾シ□□│
│■■■■■■■■■■■◎□□□□□□□□□□□│
│■■■■■■■■■■■◎□□□□□□□□□□□│
│■■■■■■■■■■■◎□□□□□□□□□□□│
│■■■■■■■■■■■◎□□□□□□□□□□□│
│■■■■■■■■■■■■□□□□□□□□□□□│
└───────────────────────┘

刃:小石川
遊:遊部
盾:サン
シ:シャーリー
◎:机
◆◆:窓。開いている

760『アルカトラズから連れ出して』:2017/03/16(木) 19:29:31
>>759

以後、意識が飛んだものとし回復するまで小石川のレスのみを反映する。

761遊部『フラジール・デイズ』:2017/03/16(木) 20:13:48
>>758-760
ペナルティ享受。
 そして、『許可』をGMに望みます。
小石川PLには、ご負担おかけする事を。このレス内で謝罪いたします。

ミッション以前に他人格に対して所持品の『スマホ』または
筆記用具に含まれてるであろうメモ帳類に『メッセージ』を
事前に緊急時に記している。と言う設定がある事を許して頂ければと思います。
 
ミッション進行時に阻害になる程にはならないと思いますが。
この先の途中で覚醒する際に、いま現在行動していた人格が再起する可能性が
PCの設定上、フレーバーな要素ですが困難になると思うからです。
 PL的な目線や意見からすれば面倒な行動を起こさず
今の人格、いわゆるミッションを遂行する上で簡潔に出来るレスが望ましいと思います。
ですが私情ながら、出来る限りPCの要素を引き出せる行動をしたい願望があります故
勝手ながら、このような許可を申請します。

勿論、却下であるなら。その旨で覚醒可能時に今の出来る限りの
行動をしたいと思います。長文失礼しました

762遊部『フラジール・デイズ』:2017/03/16(木) 20:15:27
>>761
一部訂正。
 緊急時におけるメッセージ、でした。

763小石川文子『スーサイド・ライフ』:2017/03/16(木) 21:45:16
>>759

白い霧の中から現れた黒い影。
その白と黒のコントラストを視界に捉える。
ドゥーエを援護するために現れたサン。

けれど、それは予想していた行動。
彼らの連携を考えると、ドゥーエを攻撃する素振りを見せれば、
サンが出てくる可能性が高いことは分かっていた。
その時――何かが倒れる音が聞こえ、そちらに視線を向ける。

  「――『レミ』さんッ!」

意識を失った遊部の姿を目撃して、思わず叫ぶ。
ドゥーエも姿が消えている。
どうやら、彼女が自らを犠牲にした結果らしい。
自分が傷付くこと、痛みを受けることを恐れない覚悟の行動。
それを無駄にはしたくない。
けれども、状況は良くない――とても。

  「取引――ですか……」

この場において、シャーリーの言葉は的確だった。
確かに、彼女の言う通りだ。
事実、自分も同じようなことを考えていたのだから。

それに、唯一闘える自分のコンディションも万全ではない。
身体の再生には、まだ時間がかかる。
今の状態では『スーサイド・ライフ』の力を十分に発揮することはできない。

  「……『今は』退きます」

考えた結果、選んだのは教室からの撤退だった。
シャーリーに自らの意思を告げ、『ナイフ』を持っている腕を下ろし、
倒れている遊部に近付いていく。
命に別状はないと信じたいけれど、具合が心配だ。

シャーリーは、推奨も禁止もしないと言った。
それは、少なくとも今は干渉しないという意味だろう。
彼女がそう言ったのなら、残っているサンも手出しはしてこないと思いたい。

764『アルカトラズから連れ出して』:2017/03/16(木) 23:44:11
>>761 (遊部)
メモ帳によるメッセージを許可します。

>>793 (小石川)

シャーリー:「少々きついことを言いますが、はっきりしろよ日本人」

「〇か��か、そう聞いたら答えは〇か��かだけ、△はありません」

遊部の元へと進む小石川。
眠るように意識を失っている遊部がそこにはいた。
サンが遊部を転がし、持ち上げ肩に担ぐ。

シャーリー:「彼女は人質にして差し上げましょう。安心してください、殺しはしません」

にっこりと微笑みシャーリーは言う。

「『諦める』なら少しの償いに帰りの足を『進む』なら少しの償いと闘いをプレゼント」

「あなたの先ほどのお答えに変わりはありませんね?」

「今は、というのならまた闘いに来るのでしょう?」

「私はそう受け取りました」

『部位』の修復時間→80秒

765小石川文子『スーサイド・ライフ』:2017/03/17(金) 00:40:58
>>764

眠るように倒れている遊部を見て、少しだけ安心する。
無事で良かった、と心から思った。
しかし、彼女がサンに担がれたのを見て、すぐに表情を引き締める。

  「一つだけ――教えて下さい」

  「もし『諦める』と答えれば……彼女を解放していただけるのですか……?」

自分は偶然から紛れ込んだ部外者に過ぎない。
けれど、真実を――彼らの真意を知りたいという思いはある。
彼らの行っていること、彼らの目的を知り、その善悪を見極めたい。
しかし、今は遊部の身が危ない。
シャーリーは殺さないと言ったが、人質にすると明言している以上、
何をされるか分からない。

  「彼女を解放すると約束していただけるなら――」

  「『諦めます』」

それと同時に――『ナイフ』を解除する。
『スーサイド・ライフ』の完全解除。
それが意味するのは、争いを放棄するという意思表示。

真実を知ることよりも、遊部の――『レミ』の身の安全の方が遥かに重要。
彼女とは知り合ったばかりで、決して親しい間柄ではない。
けれど、捕らわれた彼女を無視することなどできない。

そのためなら、真実を知るという意思を曲げることも、少しも惜しくはない。
けれど、シャーリーが『諦める』と答えても『レミ』を返さないと言うかもしれない。
万が一そうなったら、また答えは違ってくることになる。

その場合は、『ナイフ』は解除せず、『進む』と答える。
闘って奪い返す。
それが『レミ』を助けることになると思うから。

766『アルカトラズから連れ出して』:2017/03/17(金) 01:48:17
>>765 (小石川)

遊部の開放。
それを問う。シャーリーは耳を押えた。
それから数度頷くと耳からイヤホンを外した。

シャーリー:「えぇ、勿論。ただし、先ほども言ったように償いはいただきますわ」

       「クリスさんは足を負傷、ランスさんも足を負傷ついでに首も絞められて危険な状態」

       「我々はそういう損害を出している。それに加えてあなた方の帰る足の分も出す」

       「私たちばかりが損をしていますわ。少しばかり損をしてもらわないとね」

       「償いは十秒もしないうちに終わること。今後の人生に影響があるほどの重傷は与えません」

シャーリーの白いドレスが消える。
サンはいったん遊部を床に寝かせて両手を後ろで組む。
こちらも武装解除。
お互いに戦闘の意志がないことを証明した。

シャーリー:「あなたの望み通り解放しましょう。そしたら私たちの望みを聞いてください」

        「そうすればあなた方のおいたを水に流し、許します」

        「私たちを許す必要はありません。ただ決着はまたいつか、ということになりますけれどね」

767『アルカトラズから連れ出して』:2017/03/17(金) 01:48:49
>>766

『部位』の修復時間→70秒

768小石川文子『スーサイド・ライフ』:2017/03/17(金) 22:24:36
>>766

  ――ごめんなさい……。

解放された『レミ』を見つめ、心の中で彼女に謝罪する。
彼女はどう思うだろうか。
自分のことは気にせず先へ進み、真実を突き止めて欲しいと思うかもしれない。

けれど――自分には出来ない。
目の前で仲間が捕らわれながらも、なお先へ行くという選択は『心』が拒否する。
それでも、『レミ』が解放されたことに軽く安堵した。

  「――……」

イヤホンをしていた所を見ると、今も誰かと会話をしていたようだ。
おそらくどうするか相談していたのだろう。
その向こう側にいるのはクリスか、それともフローか。
あるいは、自分が話を聞きたかったドクターだろうか。
気にはなるが――今となっては関係のないことかもしれない。

  「……寛大な対応に感謝します」

そう言って、軽く頭を下げる。
皮肉ではない。
本気で刃を交えた人間に対する対応としては相当に良心的だ。

やはり彼らのことを心から悪い人間とは思えない。
けれど、善い人間かどうかも同じように分からない。
今は、それを判断することができない。

玉子なしでスクランブルエッグを作れないのと同じこと。
判断するための材料が不足している状態で、真偽や善悪の区別は出来ない。
そして、その材料を得る機会も失われようとしている。

  「分かりました――」

取引というのなら、お互いに平等であるべきだろう。
日常的に行っている自傷行為で、身体が傷付くことに躊躇いはない。
けれど、今考えているのは別のことだった。

  「償いを受ける覚悟は出来ています」

今夜、私は人を傷付けた。
これは、その罪に対する罰なのかもしれない。
ふと――そんなことを思っていた。

769『アルカトラズから連れ出して』:2017/03/18(土) 00:16:46
>>768 (小石川)

進行と退避の天秤。
小石川は進行を選び取らなかった。
天秤は傾く。

シャーリー:「いえ、寛大というのはこの場合我々が言うべきこと」

      「正直、これで抵抗されたら困ってしまったことですしね」

そういうシャーリーの言葉にどこまで真実があるのかは分からない。
ただ、シャーリーは大きく息を吐き出して天上を見つめていた。

こつこつと足音が聞こえる。
窓の外には一本の縄。
入ってきたのはリンゴとクリス、そしてフロー。

リンゴ:「おしまい、ですね」

クリス:「ドクター。本気でやるのか」

リンゴ:「えぇ、私だって心が痛みます。ですがそうすると決めました」

クリス:「……」

クリスは小石川に一礼すると教室を出る。
廊下から話し声が聞こえる。クリスの開放を訴える。

リンゴ:「選んでください。右腕、左腕、右足、左足。それで手打ち、です」

『部位』の修復時間→50秒

770<削除>:<削除>
<削除>

771小石川文子『スーサイド・ライフ』:2017/03/18(土) 08:33:33
>>769

続々と集まってくるシャーリーの仲間達。
少し前なら、大きな危機感を感じていただろう。
それも、今は感じない。

諦めたから、ではない。
問題の解決には、確かに力が必要なこともある。
けれど、そうではないこともある。

彼らとも分かり合えるのではないかという淡い可能性。
そんな儚い期待を抱いたからだ。
気持ちは分からないでもないが甘い考えだ――
『レミ』……いや、『彼』なら、そう返したかもしれない。

  「……左腕を……お願いします……」

ランスとクリスを傷付けたのは自分の『ナイフ』。
そして、その『ナイフ』は自身の利き腕である左腕と連動している。
だからこそ――左腕を選ぶのが自分なりの誠意。

  「ドクター……。確か『カウンセラーもできる』と、そう仰っていましたね」

      「――私には……愛する人がいました。
       彼も私を愛してくれました。
       けれど、事故が起きて……彼は……私を置いて行ってしまいました……」

顔を上げ、おもむろにドクターに語り始める。
その姿は、まるでカウンセラーと向かい合う患者のようだった。
しかし、その話し方は落ち着いていて、そこに焦りや動揺は見えない。

      「彼がこの世を去った時、すぐに私も後を追うつもりでいました」

      「ですが、彼は『自分の分も生きて欲しい』と言い残しました」

      「だから――私は今、彼のために生きているのです」

      「けれど、彼の後を追いたいという想いは私の中から消えず、
       今も発作的な衝動に駆られることがあります」

      「それでも、私は生きるつもりです――これからも」

そこまで言ってから、言葉を切る。
そして、再び口を開く。

  「……お話したのは、治療をしていただきたいから……ではありません……。
  人の身の上を尋ねる時は、まず自分のことを話すのが礼儀だからです。
   だから――私の身の上をお話しました」

また言葉が途切れる。
躊躇いを含んだ口調で、また話し始める。

  「これは……身勝手な我侭かもしれません」

  「ですが――もし許しが得られるなら、あなた達のことを聞かせて下さい。
   勿論、教えていただける範囲で結構です」

  「……お願いします、ドクター……いえ――リンゴ・ナイチンゲールさん」

最後に、そうドクターに問い掛ける。
そして、彼の顔を見つめる。
彼が話してくれなくても構わない。
自分にそれを強制する権利はないのだから。
だけど――せめて彼の思いだけは、しっかりと汲み取りたい。

772『アルカトラズから連れ出して』:2017/03/18(土) 23:46:30
>>771 (小石川)

「左腕、ですね。失礼」

小石川の左手を取るリンゴ。
誠意をもって選ばれた左腕。その腕を見つめるリンゴの目は暗いものであった。

「お話、感謝します。治療を望まれない。だから、一人の人間として一言いいます」

「あなたはいいパートナーに恵まれました。素晴らしいことです。そして、急ぎ過ぎないでください」

「発作はこれから多くの時間、付きまとうかもですが。ゆっくりと付き合ってください」

左手を握る手に力がこもる。
ほんの少し湿った感触。リンゴの手に汗がにじむ。

「では、お話ししましょう。私の話を」

かつてリンゴ・ナイチンゲールは若さあふれる医者であった。
人の心を癒し、人生をより良いものにする手伝いこそが自分の使命だと感じていた。
しかし現実はそうではなかった。
彼は理想論者ではないが、人間というものは複雑で案外単純であった。
彼のもとに来る患者の悩みは重く悲しい。
リンゴ・ナイチンゲールは真面目であったがゆえに、真面目すぎたがゆえに患者に入れ込み過ぎ、その心が圧迫されていった。
縁あって友人に日本で勤務しないかと問われた時に彼が飛びついたのは無意識の逃避であったのかもしれない。
ただ、日本で待っていたのは明るい生活ではない。
変わらない景色がそこにはあったのだから。
イギリスで目にした人種差別は生まれや育ちの差別に変わったくらいで、集団生活で人が人を苦しめる構図は一切変わっていなかった。

彼が深く絶望した転機は一人の日本人女性の存在だ。
一ノ瀬仁美。彼女は彼が日本で出会った患者の一人であった。
人間関係に悩み、嫌がらせに悩み、上司のハラスメントに悩み、両親の今後に悩み、彼女は心を病んでいた。
患者と医者という関係であったが、彼らはお互いの良き理解者となった。
苦しみ続けた二人はお互いに依存する様に道を歩いた。
しかし、限界が来たのだ。
彼が親族の葬儀でイギリスに戻っているときのことだ。
仁美が飛び降りたと電話が入った。

773『アルカトラズから連れ出して』:2017/03/18(土) 23:58:41
悲しみに包まれたリンゴ。
すぐさま日本に戻ればベッドの上で静かに眠る彼女がいた。
たまたま木がクッションになり、全身打撲やそれに伴う体のいたるところで骨折。
一命をとりとめていた。
主治医でありながらなぜ気づかなかったと仁美の家族に糾弾され彼女の意識が戻るまでイギリスに戻った。

どこで間違ったのかと彼は自分を責めた。
しかし生活には金が要る。
彼はそんな状態になってもまだ人を救うという可能性を信じていた。
寒村に赴き患者と出会う。赤い髪の大きな男だった。
彼は家族を不幸な事故で亡くしたらしい。
それまでは孤児で養親との折り合いが悪く、妹と彼の友人だけを信じる札付きのワルだった。
実際に会ってみれば患者は浮浪者のような姿で座っていた。
患者はリンゴの言葉に答えずランタンを見せた。
ランタンの中で燃える光。その中に彼は笑い合う人々の姿を見た。
そして、自分と自分の傍に立つ謎のヴィジョン。
男はただ一言だけ言った。
『光を追え』と。

「世界は病んでいる。それが私の結論。だから、世界を癒す薬、作りたかった」

「クリスさんやフローさんに出会ったとはまた別の時。でも赤毛の彼と出会い、自分の人生の道を見つけたのは同じ」

リンゴは語り終えると笑った。物悲しそうに笑って見せた。

「『チェンジ・ザ・ワールド』それが製薬する私のスタンド」

「薬で人の心と体をドーピングし、弱い人を強くする。私の薬が皆が平等に意見しあえる世界を作ると思っていました」

「ただ、それだけです」

774小石川文子『スーサイド・ライフ』:2017/03/19(日) 01:44:04
>>773

リンゴが語ってくれた彼の過去。
その話を黙って聴き続けた。
興味を引かれる要素は幾つもあった。

一ノ瀬仁美という名前には覚えがある。
彼女は、この施設の職員の一人だったはずだ。
しかし、彼女からはリンゴが語ってくれたような印象は全く感じられなかった。

そして、彼が診察に訪れたという赤毛の男性。
その何者かがリンゴのスタンドを目覚めさせたのだろうか。
現在のリンゴにとっての転機となったのが、その経験だったのかもしれない。

しかし――今はそれらのことを気にはしていなかった。
気にすることはできなかった。
彼の過去から伝わってきた深い悲しみが、心を覆い尽くしていたから。
悲しい話だった。
あまりにも悲し過ぎる話だった。

自分の境遇との共通点が、より一層その思いを強くしていた。
一ノ瀬仁美――リンゴという唯一の支えがいなくなったことで、
彼女は身投げをしてしまったのだろう。
それは、どこか自分とも似ていると感じられた。

私も、『彼』の遺言という支えがなければ、すぐさま自ら命を絶ってしまうだろうから。
私と彼女に違いがあるとすれば、死を求める動機だろう。
彼女は『愛する人がいなくなった絶望』から逃れるために死を選び、
私は『愛する人に会える希望』を得たいという思いから死に惹かれている。

  「……ありがとう……ございます……」

話をしてくれたことに対して感謝の言葉を告げる。
その時だった。
リンゴに握られた左手。
結婚指輪がはめられているその手の甲に一滴の雫が落ちる。
それは涙の雫だった。

自分でも気付かない内に、涙の雫が頬を伝っていた。
潤んだ瞳でリンゴを見つめる。
彼の姿がぼやけていた。

  「――謝って許してもらえるとは思いません……。
   謝罪の言葉なんて、あなたも聴きたくないかもしれません」

  「でも――私の気持ちとして言わせて下さい」

  「ごめんなさい……。そんなあなたを傷付けてしまって……ごめんなさい……」

泣く声もなく、ただ涙だけが流れていく。
慰めの言葉だけで本当に心が救われることはない。
自分も、そうなのだから。
それでも、言わずにはいられなかった。
たとえ意味がないことだったとしても、そうしたかったから。

  「あの……一ノ瀬さんは――彼女は……」

やや落ち着きを取り戻し、そう呟く。
『あなたのスタンドで治られたのですか?』と言うつもりだった。
けれど、心に生じた躊躇いがそれを遮り、言葉を途切れさせた。

  「――『世界を癒す薬』……その薬は完成できそうなのですか……?」

今後の見通しをリンゴに問う。
この施設で彼が行っている行為。
それは、コハル達にとっては阻止すべきもの。

自分も、そう思っていたから、彼らに手を貸していた。
確かに、ある側面から見れば、リンゴの行いは許されないことだろう。
しかし一方で、別の側面から見れば、それは必要なこととも言えるのかもしれない。

自分は、リンゴの行動に積極的に賛同しようという意思はない。
けれど、彼の真意を知った今となっては、
積極的に止めたいという意思も湧いてこなかった。
ただ、ここで見た事実、ここで知ったことから目を背けないようにしようと、そう思った。

775『アルカトラズから連れ出して』:2017/03/19(日) 22:53:35
>>774 (小石川)

リンゴの言葉に涙を流す。
絶望し死を選び取った女性と希望を求めて死に惹かれる自身。
口から出たのは感謝の言葉。そして続けて出る謝罪の言葉。
リンゴは慌てたようにポケットからハンカチを取り出し、その涙をぬぐった。
涙で歪む景色が少しだけマシになる。
思えば能力によって欠けていた目も元通りだ。
他の部位も問題なく回復している。

リンゴ:「大丈夫です。仁美も元気に生きています。私は私の思うようにしています」

     「世界を癒す薬。世界への処方箋。まだ道は遠いです」

     「スタンドの理解をするのがもう少し早ければよかったのかも……彼はスタンドを知りませんでしたから」

困ったように笑ったリンゴ。
心のドーピングのバランスや肉体への影響など彼は自身で問題だと思っていることを口にする。
その行いは人の体を使うものだ。
非人道的人体実験。しかしそれも彼の信念に基づく行動であった。

クリス:「ドクター。いつまで昔話してる。こっちは終わった。情が生まれる前に終わらせるぞ」

     「やろうと思えばなんでもやるけど、人を傷つけることに慣れてるのは兄貴くらいのもんだ」

リンゴ:「すいません。では、いいですね。これで今夜のことは全て水に流し、日が昇ればいつもと同じ」

     「始めましょう」

リンゴの傍らに現れる看護師の人型ヴィジョン。
スタンドがリンゴの手に何か手渡す。
錠剤だ。その錠剤をリンゴが飲み込む。
彼の指から伝わる力が変わる。とても力強い。

サン:「ドクターこの人は?」

リンゴ:「お好きなように。右腕とかでいいでしょう」

サン:「わかりました……」

小石川の左腕にリンゴの指の力が加わる。
償いが始まる。
それは一瞬のうちに終わるだろう。

776小石川文子『スーサイド・ライフ』:2017/03/20(月) 00:20:26
>>775

仁美が元気に生きていること。
それは何よりも素晴らしいことだ。
一度は死を選んだ彼女が、今は希望と共に生きている。
それを聴いて、私も生きなければならないと改めて思う。
同時に、愛する者と共にいられる彼女が少し羨ましくも思えた。

世界を癒す薬の完成も、道は遠くとも、リンゴの意思がある限り可能性は有り続ける。
それが世界にとって、どういうものになるかは分からない。
本当に救いとなるのか、それとも――。
けれど、リンゴの心から生まれたものが世界に害を為すとは自分には思えなかった。
いずれにしても――彼が諦めない限り、いつかはその薬も出来るのだろうと思う……。

  「――分かりました」

会話を終えて、リンゴに向き直る。
彼を見つめる表情に迷いはない。
表情と同じように、心の中も穏やかだった。

自分の目的を果たすことが出来たからだ。
リンゴ達の真意を知り、それに対する自身の判断を定めること。
それが、この事件における自分自身の、個人としての目的だった。

私は彼らの真意を知った。
そして、心から納得した。

その結果、彼らに対して『もう何もしない』という結論に達した。

だからといって、人体実験を肯定し、賛同した訳ではない。
けれど、彼らの切実な思いを妨げようという意思も、また無い。

もしかすると――いつか彼らを止める者が現れるのかもしれない。
けれど、それは私じゃない。
私には、それは出来ないことだから。

  「こんなことを言うのは、おかしなことかもしれません」

きっと、彼らはこれまで通りなのだろう。
そして、私達もこれまで通りに時を過ごす。
今まで通り、何も変わらない――。

  「でも……あなたに会えて良かった。こうして、お話できて良かった」

それでいい。
心残りはない。悔いはない。
今この瞬間、不思議と満たされた思いを感じていた。

  「どうか――どうか、お元気で……」

そう言って、静かに目を閉じる。
リンゴの手で施される償いの処方。
ただ、それにこの身を預けるために――。

777『アルカトラズから連れ出して』:2017/03/20(月) 00:52:35
>>776 (小石川)

穏やかにリンゴを見つめれば、それを返すようにリンゴもまた見つめる。
賛同こそしないものの小石川の心には納得がある。
彼らと共に歩くことはなく、そして立ちはだかることもない。
リンゴ達と小石川達の道はこの一夜のみ交わる。

リンゴ:「……あなたは不思議な人ですね。お元気で、は言えないのでこの言葉を差し上げます」

     「あなたの人生に幸あれ」

鈍い音がした。
鼓膜から聞いた音ではない。
体の内部に響く音。
骨が折れた音だ。リンゴの手によって小石川の肘は本来とは違う方向に曲げられた。
しばらくの無痛の後、鈍い痛みが押し寄せる。

リンゴ:「車の準備はどうですか? できていないなら早く。痛みは短い方がいい」

しばらくすれば帰りの車を用意できるだろう。

>>遊部

体中に流れる電流を味わい、意識を飛ばした遊部。
深い眠りについていたがその眠りは荒々しく破られることとなる。
鈍い音がして目が覚める。
なにかが変だ。右腕の感覚が少しおかしい。
ないわけではない。だが、普通ではない。
痛み。ずきずきと内側から痛む。
それが徐々に増していき眠気も吹き飛ぶ痛みが走り続ける。
右腕が折れている。

サン:「はじめてにしてはうまくいきましたね」

感覚の薄い右手首を掴んでいる人型のヴィジョン。
肘であった部分には彼の膝。
うつぶせに寝かされている体。
それが現在視覚から得られる情報だ。

778小石川文子『スーサイド・ライフ』:2017/03/20(月) 22:54:15
>>777

  ――……?

そっと目蓋を閉じた直後、身体の内側から響いた奇妙な音。
最初は何が起きたか分からなかった。
ごく普通の日常生活を送る中では聞く機会のない音だったから。

  「……ッ!」

そして――痛みがじわじわと押し寄せてくる。
先程までの争いの中で受けた鈍痛と似た痛み。
しかし、それとは比較にならない程に大きな苦痛。

  「……うッ……あッ……くぅッ……!!」

そこで、ようやく左腕の骨が折れていることに気が付いた。
両脚から力が抜け、がっくりと膝をつき、うなだれるように頭を垂れる。
ぐっと目を閉じたまま、唇を強く噛み締めて、苦悶の声を押し殺す。

  ――ランスさん、クリスさん……。
     今夜、あなた達を傷付けてしまったことを、どうか許して下さい……。

心の中で懺悔しながら、この身を責め苛む苦痛に身を震わせ、ただ耐える。
きっと彼らも、同じような痛みを味わっていたはず。
だからこそ、その報いとして、私も同じ苦しみを受けなければならない――。

やがて――目を開くと同時に、ゆっくりと頭を持ち上げる。
そして、視線の先にあるリンゴの顔を見上げる。
その表情には、弱々しい微笑みがあった。

未だ苦痛に歪んではいるが、それでもその口元は確かに笑っていた。
無理に強がっている訳ではなく、本当に心からの微笑みだった。
その微笑からは、腕を折ったリンゴに対する『感謝の念』が見て取れた。

  「……ありがとう……ござい……ます……」

注意していなければ聞き取れないような小さな声で、静かに呟くように言う。
なぜなら、これで『心』が救われるから。
自分が人に与えてしまった痛みと同じような苦痛をこの身に受けることで、
私の心は罪悪感から解放される。

このまま無傷のままで帰る方が、腕が折られた痛みなどよりも、
よほど大きな『心の痛み』を感じていたはずだ。
そちらの方が、自分にとっては遥かに耐え難いことだった。
だからこそ、たった今リンゴの施してくれた『償いの処方』は、
罪悪感の苦しみから自分を救ってくれるものだった。

身体が苦痛を受けることによって、逆に心は落ち着き、安らぎを得る。
その点では、自分自身が自殺衝動を抑えるために行っている自傷行為と似ている。
今、私は間違いなく彼の『治療』を受け、心を癒してもらったのだと思えた。

  「――シャーリーさん……。お手数ですが……あなたに、お願いがあります」

  「『着替え』を……手伝っていただけないでしょうか……?
   ……左腕が……使えないもので……」

少しだけ痛みに慣れてきた時、シャーリーの方に顔を向け、彼女に話しかける。
今の自分は、寝巻きの上にコートという格好のまま。
最後の別れは、このような服装ではなく、きちんとした格好で迎えなければならない。

そんな風に、幼い頃から両親に教えられ、躾けられてきた。
そういった習慣は今も抜けていない。
普段の日常生活の中だけでなく、今のような状況でも、それは変わりなかった。

シャーリーが承諾してくれるなら、宿泊していた部屋に戻って、
ここに来た時に着ていた『喪服』に着替えたい。
それから荷物をまとめて帰り支度をする。
着替えを入れたバッグと、手荷物を入れたバッグの二つを持って、
車が用意されるのを待つ。

779遊部『フラジール・デイズ』:2017/03/21(火) 07:39:07
覚醒してのロールを行っていいと解釈しつつ、行動前に質問行います

・いま現在、霧は晴れてる? 継続して覆われている?

・小石川PCと、こちらのPCの位置関係。また
遊部PCの傍にいるのは『サン』のみ?

・この質問は、PLとしての質問ともなり 内容として
答えて頂かなくても結構ですが。
状況的にエピローグに向かいそうな状況なんですが
ミッション遂行をする上では、失敗として終わるだろうなぁと
考えており。出来る限り、PLとしては、やれる事をやって
終わろうと考えてるので。ミッション成功を目指して目覚めてから
行動しても大丈夫でしょうか?

780『アルカトラズから連れ出して』:2017/03/21(火) 12:54:53
>>779 (遊部)

・霧は晴れている

・位置関係。傍にいるのはサンのみ

室内                          ↓↓空いている扉
┌──△△△△──────◆◆──△△△△───┐
│■■■■■■■■■■■□□□□□□□□遊□□□│
│■■■■■■■■■■■◎□□□□□□□盾□□□│
│■■■■■■■■■■■◎□□□□ク□□□□□□│
│■■■■■■■■■■■◎□□□□□刃□□□□□│
│■■■■■■■■■■■◎□□□□□リ□□□□□│
│■■■■■■■■■■■◎□□□□□□□□□□□│
│■■■■■■■■■■■■□□□□□□□□□□□│
└───────────────────────┘

遊:遊部
盾:サン
ク:クリス
刃:小石川
リ:リンゴ

・まもなく数レスでプロローグに移行する予定です。
なにをもって成功、失敗とするかは人それぞれなのでそのように考えてレスして行動していただいても構いません。
が、現在の進行状況は変わりません。
行動によっては高い確率で失敗になったり、さらなる負傷を得ることがあります。

781遊部『フラジール・デイズ』:2017/03/21(火) 16:06:03
>>780(回答感謝)



 ――いつも、『わたし』は眠りにつく前に、お祈りをするように、こう思っている。

次に目覚めた時も、変わりない、普段の場所で何もなく目覚めますように と……。

 ……わたしは病気のようだ。病院でも、先生にそう告げる。
先生は、わたしの話を真摯に聞いて。精神的なものだろうと言う事。
 根気よく、投薬治療などせず自然のままに過ごすほうが良い事。難しい事も
沢山あるけど、自然のままのほうがわたしには良いらしい。

 最近は、目が覚めて二日か三日気づけば休みの日が飛んでた事にも気づいた。
けど、それ以外では何もなかった。長い日数記憶が飛ぶのは、とても不安な事だけど
 特に怪我も何もない。きっと、一日中家で過ごしていただけだ。
そう、思えた。思い込めた だから……。



  ―――――――――――――――――――――――――――


 ボ    キッ゛・・・


 
 (……ぅ …?……っ)

 わたしは、何か体に違和感を覚えた。特に、腕の片方に。
寝違えたんだろうか……? それにしては 痛い。

 痛い

 痛い痛い


 痛い痛い痛い痛い痛い痛い痛い痛い痛い


 「いっ……ぁ」


 ぇ     何?????


 何か、が居た。半透明に見える何か。わたしは横たわっていた。
景色も  周囲の音も  普段過ごしている場所と何一つ合致しない。


 瞬間、本能的な不快感と  奥底からにじみ出るような僅かな諦観と共に

 わたし は

 「ぃ」


 ―――きゃあああああああああああああああああああああああ!!!!!


   腹の底から    そう声を迸っていた。



 「ひぃ   っ゛   ひぃ ひぃ  ひぃいいいぃぃぃぃ!!??!!!?!!」


 「あ  あな   あなっ た
だ  誰 ですかっっ???!!?  こ 此処  ど、どどどどどこ??!!!!?」



 可能なら、体を反らさせ出来る限り目の前の存在から後ずろうと『ベソ』はする。

782『アルカトラズから連れ出して』:2017/03/21(火) 18:02:51
>>778 (小石川)
>>781 (遊部)

痛みを伴う償い。
それを受け、痛みを感じながらも微笑む。
罪悪感からの解放。
荒々しいまでの荒治療。

リンゴ:「����いえ、私は何も」

無傷のはずのリンゴの方がかえって辛そうな顔をしている。

シャーリー:「えぇ、もちろん」

シャーリーは着替えを承諾する。
共に部屋に行こうとした時だ。
サンが自分の仕事を終えた。

切り裂くような悲鳴。
痛みで遊部が目を覚ます。

クリス:「ドクター」

リンゴ:「ええ、彼女がどういう人間なのか、私は理解しています。いつも通りに」

遊部は体をそらす。
右手首を掴まれているのであまり離れることは出来ない。

サン:「どうしましょう����」

シャーリー:「こちらのセリフですよ。行きましょう。サンさん達が何とかしますわ」


室内                          
┌──△△△△──────◆◆──△△△△───┐
│■■■■■■■■■■■□□□□□□□□遊□□□│
│■■■■■■■■■■■◎□□□□□□□盾□□□│
│■■■■■■■■■■■◎□□□□ク□□□□□□│
│■■■■■■■■■■■◎□□□□□刃□□□□□│
│■■■■■■■■■■■◎□□□□□リ□□□□□│
│■■■■■■■■■■■◎□□□□□□□□□□□│
│■■■■■■■■■■■■□□□□□□□□□□□│
└───────────────────────┘

遊:遊部
盾:サン
ク:クリス
刃:小石川
リ:リンゴ、シャーリー

783<削除>:<削除>
<削除>

784小石川文子『スーサイド・ライフ』:2017/03/21(火) 22:38:55
>>781-782

  「『レミ』さ――」

意識を取り戻した遊部を見て、彼女に呼び掛けようとした。
自分の選択した道は、彼女の意に反するものだったかもしれない。
許してもらえるかどうかは別としても、せめてそのことについて謝りたかったから。

彼女達とは違い、私は偶然紛れ込んだだけの人間に過ぎない。
それでも、一度でも手を貸した以上は彼女達に対する責任がある。
けれど、それは遮られることになった。

  ――……

自らの置かれた状況に混乱し、絶叫する遊部――『ベソ』を見て、
思わず言葉を失ってしまう。
覚醒した彼女は『レミ』ではなく、先程まで行動を共にしていた『ライ』でもなかった。
今の彼女の姿は、平均的な人間よりも脆くか弱い一人の少女に見える。

彼女が多重人格であるということは、これまでの経緯で察していた。
おそらく、今の彼女もその人格の一人なのだろう。
どう接するべきか迷いながらも、『ベソ』に歩み寄ろうとした。

けれど、シャーリーに声を掛けられて、その足が止まる。
心配そうな表情で『ベソ』とシャーリーを交互に見比べ、しばし逡巡する。
そして、躊躇いながらも、シャーリーに共に行くことにした。

  「ドクター……。どうか……『レミ』さんを――
   いえ……。『彼女』を落ち着かせてあげて下さい……」

恐怖と困惑に襲われ、怯える『ベソ』を落ち着かせることを、リンゴに頼む。
『レミ』や『ライ』のような強さを持たず、
恐慌状態に陥っている彼女のことは心配だった。
けれど、リンゴには何か考えがあるようだ。

彼は医者であり、カウンセリングの心得もある。
医学的な知識や経験など何もない自分が何かしようとしても、
かえって逆効果になってしまうかもしれない。
だから、この場は彼の判断に任せることにした。

少し前まで本気で争っていた相手に任せるというのは奇妙なことだった。
けれど、これ以上彼らが『ベソ』に危害を加えることはないと信じたい。
なぜなら、闘いは終わったと思えたから。
今は眠りについているであろう『レミ』や『ライ』がどう思うかは分からない。
少なくとも――私自身の闘いは終わった。

       コクリ……

シャーリーに小さく頷き、共に教室を出るために入口の扉へ向かう。
部屋を出て行く間際、最後にもう一度、慰めるような表情で『ベソ』の方を見る。
そして、そのまま部屋を出て、着替えをするために宿泊していた部屋に向かう。

785遊部『フラジール・デイズ』:2017/03/22(水) 19:55:55
>>782(レス遅れ大変失礼)

 「なななな あ、ああああ 貴方なに 何なになにナに何なにっっ!?!!」


 混乱 恐怖 不安 危機感 生理的な不快感、鈍痛 激痛 熱に更に恐怖。

 普段なら『ベソ』は泣き出すことも選択の内にあった。だが、何が
わからずも本能的に、いつものように泣いてもどうしようもない。


       ・・・・・・・・・
このままでは『取り返しのつかない事になる』。それだけは感じられた。

 「ふ、『フラジール・デイズ』っ!!」

 ブゥンッッ!

 傍らに発現する『フラジール・デイズ』。無表情で、その一部分は
今の玲実の怪我も再現している。それでも、『ベソ』は本能のまま小さく
叫ぶようにして懇願する。

 「たっ 助けてっ。助けてフラジールっっ!!!」

右手は掴まれてる。華奢なベソ子では振り払う事も至難であり
それに異様な状態なのは感じ取れる。
 
 フラジールが掴んでる相手(サン)が手を離したなら、直ぐに
脇目も振らず後ろへと我武者羅に彼女は走ろうとするだろう。

786『アルカトラズから連れ出して』:2017/03/23(木) 00:02:02
>>784 (小石川)

今の遊部の姿は小石川がまだ会っていない姿だ。
リンゴは小石川の言葉に静かにうなずいた。
そしてシャーリーと共に歩いていく。
廊下に出ると拘束から解放されたランス。
首にはくっきりと痕が残る。
そして座り込むコハルたち。
彼らもまた償いを受けたらしく足や手の甲を骨折しているらしい。

コハル:「あたた……」

葛西:「あぁ、無事だったか。よかったな。いやこの場合腕一本折れているから無事ではないか」

そう皮肉っぽくいってみせる。

宿の部屋に戻れば同室の面々が眠っている。
シャーリーはその都度聞きながら着替えを手伝う。

シャーリー:「喪服、でしょうか。私の白いドレスとは対照的なまでの黒……」

>>785 (遊部)

クリス:「ドクター」

リンゴ:「全て、終わりました。だから、優先すべきことも変わっている」

「一に彼女が戻るまでに彼女を落ち着かせるか、寝かしつける。二に宿泊客を誰も起こさない」

「一応、あなたのスタンドの準備を」

クリスが動く。静かにドアを閉めた。そして傍に孔雀のヴィジョン。
『フラジール・デイズ』は遊部に忠実に従う。
右腕は使い物にならない。
だが従う、助けるために主を縛る男に攻撃を仕掛ける。

サン:「おっと」

リンゴ:「手を離して」

フラジールは蹴りを放った。
それはサンの顔面を捉えることはなかった。
もう片方の手によって防がれる。
リンゴの指示でサンが手を離す。
後ろに走りこもうとするがドアは既に閉じられている。

リンゴ:「紹介が遅れました。私はリンゴ・ナイチンゲール。二人も自己紹介を」

クリス:「?」

リンゴ:「紹介を」

クリス:「クリスだ」

サン:「サン。太陽ではなく、三番目のサン」

クリス:「ドクター。会話が通じそうにないぞ」

リンゴ:「ないならないでいいです。話す気がない人と無理に話すことは無い」

「この世はアルカトラズのようですが、我々が看守になる必要は無いのです」

「あなたの名前を聞かせてもらえませんか? あなたの質問には出来得る限り答えましょう」

室内                          
┌──△△△△──────◆◆──△△△△───┐
│■■■■■■■■■■■□□□□□□□ク遊□□□│
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└───────────────────────┘

遊:遊部、フラジール
盾:サン
ク:クリス
リ:リンゴ

787小石川文子『スーサイド・ライフ』:2017/03/23(木) 23:23:36
>>786

『ベソ』のことをリンゴに任せ、教室の外に出る。
すると、そこにはコハル達がいた。
彼らの姿を見て、その状態を察した。

  「いえ。無事ですよ。腕一本で済んだのですから」

葛西の皮肉に、そう言って笑い返す。
命があることが何よりも大事なこと。
無傷ではないとはいえ、コハル達も無事で良かったと思う。

  「……償いを受け入れることを選んだのは私です。
   ですから、皆さんが怪我をしたのは、私の責任でもあります」

  「私の選んだ道は皆さんの意に反するものだったかもしれません。
   私の一存で決めることになってしまったことと重ねて、お詫びします。
   
  「本当に……申し訳ありませんでした……」

そう言って、深々と頭を下げる。
命があったとはいえ、骨を折られた彼らの姿は痛ましいものがあった。
彼らがそうなったのは、自分の選択が原因なのだから。

  「あの――防人さんのスタンドはどうなったのでしょう?」

『ライ』が、防人が羽を抜いてスタンドを忘れたと言っていた。
おそらくクリスのスタンド能力なのだろうが……。
それは元に戻してもらえたのだろうか。

  ――元通りの部屋……。まるで、さっきまでの光景が夢のようね……。

自分が出て行った時のままの部屋を見て、ふと思う。
けれど、それは夢ではない。
左腕に感じる痛みが、それを証明している。
ここで眠っている他の宿泊客は、この施設で何が起きていたのか知ることはない。
それを知っているのは自分達だけ。

  「ええ……。愚かな女と思われるかもしれませんが――私の、ささやかな執着です」

  「あなたの白と私の黒――
   二つがここに揃ったのは何かの運命だったのかもしれませんね……」

  「あの――もし間違っていたらごめんなさい。あなたとクリスさんは……?」

シャーリーと会話を交わしながら、喪服に着替える。
先程までの争いが嘘のようだった。
実際、もし今誰かが起きてこの光景を見たとしても、闘いの後だとは思わないだろう。

788遊部『フラジール・デイズ』:2017/03/24(金) 09:09:29
>>786

 周囲には馴染みのものが存在しない。
清月学園に、少しだけ周囲は似ているように見える。だが、取り巻く
匂いや感覚は、何時もの学園と合致しない。直感で此処は全く別の何処かの
校舎であり、そして わたしはきっと場違いなのだろうとぼんやりと少しだけ
感覚が麻痺して、冷静に近い意識が薄っすらと考えていた。

 「ひ ひぃ ひぃ……ぃ ひぃ」

嗚咽お漏らしながら、フラジール・デイズの背後に隠れるようにして
肩を上下に小刻みに揺らしつつ精一杯息を整えようとする。

 見知らぬ人、見知らぬスタンド、見知らぬ場所、そして 痛み。

分からない事ばかりだ。

 「こ 此処 此処で、何が 起きてるんですか。
あ、貴方 だ、だだだ誰なん、です?
 い、一体全体何が、何が……ぅ えぐっ ひぐっ……」

 痛みが脳をかき乱す。それだけ告げて、フラジール・デイズに
精一杯藁をも掴む思いと言う感じでしがみつく。

789『アルカトラズから連れ出して』:2017/03/24(金) 12:43:56
>>787 (小石川)

葛西:「ふっ……骨折り損にならずに済んだのなら私は満足だ」

   「謝罪はいい。私たちも覚悟の上だ」

   「遊部にもすまないことをした。戦闘向きの癖にスタンドを忘れる阿呆。鉄火場に飛び込む非戦闘員ではお荷物だったろう」

防人:「ん? スタンドねぇ。帰る時に返してくれるってよ」

スタンド自体はまだ返してもらってはいないが返してもらう約束はしているらしい。
返して暴れられても困るということだろう。

シャーリー:「そうですね。黒だけならフローさんですけど、白と黒のコントラストもきれいです」

皆が寝静まった部屋に布が擦れる音だけが聞こえる。
小石川の質問にシャーリーはこともなげに答えた。

シャーリー:「婚約者ですわ。元々は使用人でしたけどね」

      「フローさんはランスさんと婚約を。姉妹で兄弟と婚約してるというのも変な感じですけど」

二人の会話に刃のような鋭さはなく。
霧のようなはぐらかしもない。
穏やかな時間。穏やかな会話だ。
着替えが終わる。荷物は大きなものであればシャーリーが持ってくれるだろう。

>>788 (遊部)

自分のよく知る学園とは違う空間。
似てはいても合致はしない。
ある種、学園の偽物の空間である。
フラジールの背後に隠れる。それによって彼らが何かをするということはなかった。

リンゴ:「一つずつ、落ち着いて聞いてください。そして忘れていただいても聞かなくても結構です」

    「私はリンゴ・ナイチンゲール。そこの彼がクリス。そしてもう一人がサン」

    「ここで起きたことは全て終わりました。ここには戦いがありましたがもう終わったことです」

    「我々はあなたに危害を加えるつもりはない。じきに帰りの車を出しましょう」

    「それに乗って帰ればまた明日からいつもの生活が始まります」

リンゴは落ち着いた口調で一つ一つ確かめる様に発していく。

室内                          
┌──△△△△──────◆◆──△△△△───┐
│■■■■■■■■■■■□□□□□□□ク遊□□□│
│■■■■■■■■■■■◎□□□□□□□□□□□│
│■■■■■■■■■■■◎□□□□□リ□盾□□□│
│■■■■■■■■■■■◎□□□□□□□□□□□│
│■■■■■■■■■■■◎□□□□□□□□□□□│
│■■■■■■■■■■■◎□□□□□□□□□□□│
│■■■■■■■■■■■■□□□□□□□□□□□│
└───────────────────────┘

遊:遊部、フラジール
盾:サン
ク:クリス
リ:リンゴ

790小石川文子『スーサイド・ライフ』:2017/03/24(金) 19:23:28
>>789

  「そう――ですか……」

シャーリーの口から語られた人間関係を聞いて、感慨深げに答える。
頭に浮かぶのは、自分が愛した人のこと。
意識せずとも、つい自分自身の過去と重ね合わせてしまう。
表情が僅かに複雑な色を帯びる。
それは痛みのせいではない。

  「……お幸せに。ランスさんとフローさんも……」

自分も幸せになるはずだった。
けれど、その幸せは失われてしまった。
だからこそ、彼らには幸せになって欲しいと、心から思った。

  「――手伝って下さってありがとうございます。
   すみませんが、こちらの大きいバッグを持っていただけませんか?
   『彼女』の様子が気になるので、少し戻ってみたいのですが……」

小さいバッグの方は自分で持ち、教室に戻って中の様子を覗いてみたい。
先程の『彼女』の状態は、傍目から見ても相当ひどい取り乱し方だった。
少しは落ち着いていてくれるといいのだけど――。
おそらく彼女にとっては、全く知らない場所に突然放り出されたようなものなのだろう。
それを考えると、落ち着けと言われても無理な話かもしれないけれど……。

791遊部『フラジール・デイズ』:2017/03/24(金) 23:20:20
>>789

>私はリンゴ・ナイチンゲール。そこの彼がクリス。そしてもう一人がサン
ここで起きたことは全て終わりました。ここには戦いがありましたがもう終わったことです

 「った たた、かいっ!!?!!??
お、お終わり??? な、 何がっ  どっ  う 言うっ!!?!」

 理解不能 理解不能 理解不能。

『ベソ』には分からない。当然だ 目覚めたばかりの彼女には
何も察する事が出来る筈がない。『レミ』であるならば、状況を見極めて
会話もなせるだろうし、『ライ』なら戦闘可能が判断をして無理と知れば
潔く降伏を呑む事もする。けど、『ベソ』には出来ない
 まだ、単純に誘拐して貴方は身代金の人質だと言われれば
恐怖は身を縛っても納得は出来たかも知れない。然し、リンゴの言葉は
彼女には複雑であり、望むような回答でなかった。
 
ガタガタガタガタ

蒼褪め、歯はカチカチと鳴る。
 
(わ、わかんないわかんない 何が起きたの? 何でわたし怪我してるの??
 な、何もわかんない。わ、わたしが悪いの?? 此処が何処かも
何で居るのかも、何が正しいのかも、何が
 何が何が何が何が何が何が何が何が何が何が何が何が何が何が何が
何何何何何何何何何何何何何何何何何何何何何何何何何何何何
何何何何何何何何何何何何何何何何何何何何何何何何何何何何
何何何何何何何何何何何何何何何何何何何何何何何何何何何何


           ――塔   が…                    )


  
「――   …」   フッ…

 狼狽えていた遊部は、唐突に沈黙して頭を下げてフラジールの
肩の死角へ俯くようになる。

 そして、数秒後 顔を上げた。



   「……」


                   ――ニコッ

カツカツ        スッ…

 「――こんばんわ    初めまして、ドクター」

 「お会い出来て、光栄です」

 流暢に、この空間には不釣り合いな穏やかな音声。
芝居かかった片腕を緩やかに上から下に振るようにして足を軽く組み
頭を下げると共に、上げられた顔には微笑が遊部から放たれる。

 フラジール・デイズの前に歩き、リンゴに距離が近づく。
攻撃する素振りはない、右腕の激痛は未だ続いてる筈だが。
 今の彼女? には、その素振りは欠片ほど感じられない。

「彼女が醜態をなした事、わたくしが代わって詫びを申します。
 えぇ、そして……僭越ながら、わたくしの名を告げるとすれば――」

「――絶対なる牢獄から抜けた囚人の三名の一人。(※アルカトラズからは三名が脱走した事件がある)
貴方のアンリ……と」
    (↑※赤十字の創始者でありフローレンス・ナイチンゲールの相談相手)

 「えぇ、ドクター。では、もう少しだけ、真に勝手ながら、この身から貴方に対して……えぇ、そうですね。
我々は、お互いの事を全く何一つとして 存じ上げていない 
 ただ、何一つとして。貴方がお医者様であり、わくたくしは、見ての通り頭の中と腕に怪我をしている哀れな道化。
それしか知り得ていません。それはいけない、まことにいけない……無知は罪、互いを知らぬからこそ人は平気で
他者を傷つけ、戦場では兵士が兵士を冷酷で惨殺する。無知は罪ですよ、先生。
まずは、そうですね……そちらの過去について、そしてこの学び舎で
どのような事が起きたのかを、お聞かせ願いたい。わたくしは、少し特殊な身でして
普段は殆ど、このように外に出ないのですよ。ははははは、先生 これは、わたくしと先生だけの秘密
そう、先生とわたくしだけの秘密、ですよ? ふふっ。
 あぁ、そうだ先生。立ったまま話すのも酷でしょう。宜しければ、フラジールが椅子を運びます。
それとも、先生はフラジールが椅子の代わりになるほうが良いですかね? ねぇ ――先生」

>>772-773の話を、良ければもう一度聞く。

 彼女? は、きっと先生の話を穏やかに受け入れて耳を傾ける。
話が終わったあと、そして、 彼女? はこう告げるだろう。

 「有難う御座います先生。まことに、お辛い胸の内を曝け出した痛み。
無礼と存知つつ述べれば、まことに感じ入る思いです。
 そして、あえて。もう一つわたくしから言わせて頂ければ。
許されるならば……こう言わせて頂きます。


     ――何故    何時まで嘘をつくのですか?   ――先生」

792『アルカトラズから連れ出して』:2017/03/25(土) 00:19:25
>>790 (小石川)

無意識のうちに浮かぶのはかつてのパートナーのことだ。
その表情と言葉にシャーリーは静かに微笑む。

シャーリー:「いえ、あなたはあなたの幸せを願いなさいませ」

シャーリーが大きなバッグを持ち、小石川自身は小さいバッグを持つ。
元の教室に戻ろう。
かつかつと響く自分の足音を聞きながら廊下を進む。
部屋のドアは閉まっていた。聞こえる会話。
遊部の姿は先ほどとはまた様子が違う。

シャーリー:「これは?」

ランス:「さあね。フュンフは?」

フロー:「解除しちゃってねえ」

シャーリー:「あらドクター丸腰?」

ランス:「サンも兄貴もいるよ」

>>791 (遊部)

理解が追い付かない。
知らないこと、分からないことだけが耳に入る。
混乱と沈黙ののち、入れ替わる。

クリス:「ドクター」

リンゴ:「いちいち私に伺いたてなくても大丈夫ですよ」

クリス:「了解」

>>ALL

リンゴはふぅと息を吐いた。
そしてもう一度彼の過去について話した。
それに対しての遊部の返答を聞き、もう一度今度は先ほどのような浅い息ではなく、深いため息だ。
手を上げればその手の上に『チェンジ・ザ・ワールド』が錠剤を置き、それをリンゴは口の中に放る。

リンゴ:「嘘? 嘘とおっしゃいましたか? そうですか。ならばいうことはドクターではなく個人としての言葉」

    「ふざけろ。お前は自分の頭の中でお前の思うように世界が回っていると思っているのかもしれないが現実はそうではない」

    「お前がしたことは冒涜だ。何か格好をつけて芝居がけてなんとする」

    「さて、その言葉の理由を問おう。返答をしたくないなら必要なし」

遊部の発言は彼の逆鱗に触れたらしい。
声を荒げはしなかったが確かに怒りの感情が込められている。

793『アルカトラズから連れ出して』:2017/03/25(土) 00:20:04
>>792

室内                          
┌──△△△△──────◆◆──△△△△───┐
│■■■■■■■■■■■□□□□□□□ク□□□□│
│■■■■■■■■■■■◎□□□□□□遊□□□□│
│■■■■■■■■■■■◎□□□□□リ□盾□□□│
│■■■■■■■■■■■◎□□□□□□□□□□□│
│■■■■■■■■■■■◎□□□□□□□□□□□│
│■■■■■■■■■■■◎□□□□□□□□□□□│
│■■■■■■■■■■■■□□□□□□□□□□□│
└───────────────────────┘

遊:遊部、フラジール
盾:サン
ク:クリス
リ:リンゴ

794小石川文子『スーサイド・ライフ』:2017/03/25(土) 10:28:01
>>792

  ――……?

教室に戻ると、そこに待っていたのは意外な光景だった。
予想とは違い、遊部は随分と落ち着いている。
いや――あまりにも落ち着き過ぎている。
先程までの取り乱し方と比べると、不自然な程の落ち着きようだ。
そこから、自分が席を外している間に再び別人と入れ替わったのだろうと察した。

今の彼女が誰なのかは、もちろん知らない。
ただ、まるで道化を思わせるような捕らえ所のない性格の持ち主らしい。
彼女が何を考えているのかは、自分には分からなかった。
考えてみれば、とても奇妙なことかもしれない。
この場で最も真意が読めないのが、今まで対立していたリンゴ達の方ではなく、
ここまで共に行動していたはずの遊部の方なのだから。

  ――ドクター……。

リンゴに視線を移すと、彼の姿からは強い憤りが感じられた。
これまで冷静だっただけに、彼の中にある感情の激しさが目に見えて分かった。
このままでは、遊部との間に何かしら良くないことが起こるのは明らかだ。

二人の間に割って入りたい衝動に駆られるが、その思いを抑えて事態を静観する。
自分は中立であることを望んだのだし、遊部自身がリンゴ達とどう関わるかは、
彼女自身が決めるべきことだと思うからだ。
とはいえ――もし本当に危ない状況になれば、それを止めるつもりでいる……。

795遊部『フラジール・デイズ』:2017/03/25(土) 17:42:37
>>792
 (『布石』内容は『暗号スレッド エニグマ』にて
passは『塔は影に呑まれ暁に消える』)

 >ふざけろ。お前は自分の頭の中でお前の思うように世界が回っていると
>思っているのかもしれないが現実はそうではない
 >お前がしたことは冒涜だ。何か格好をつけて芝居がけてなんとする
 >さて、その言葉の理由を問おう

冷静な言葉遣いながらも、膨れ上がるような節々から感じる憤りを匂わす音色は
遊部の体にも伝わる。
 だが、尚も彼女? は微笑んでいた。柔らかく 尚も穏やかに場違いに

「……お怒りはごもっともです、ドクター。ですが、わたくしは何も
単なる推察、悪戯な挑発で妄言を下したのではありません。
 順を追って、お話致します。どうか、今しばらくそのままで。
拳を振り上げるのは、もう少し後にしましょう……」

まぁ   『そうでなくても』『そうであっても』 どちらであっても、『都合が良い』のですが……。

「……では、話を戻すようですが。貴方の過去を今一度わたくしは反復いたします。
若きカウンセラーであったリンゴ・ナイチンゲール。夢と希望、光る正義を宿す貴方は
日々心に疾患を負う患者を助けるべく奮闘していた。ここまでは良いですね?
 家族間での不和、虐待、愛の亀裂。尽きぬ差別や虐め、精神的な暴虐
先生はご立派です、本当に……ご立派だと思います。
 ……ですが、貴方は『見捨てた』」

……

「……次に、リンゴ・ナイチンゲール。貴方は故郷を離れ、この国で最愛の人物と出会った。
とても、感動的な話です。一ノ瀬さんとの邂逅、そしてアクシデント
わたくしはね、先生。貴方に責は無い、貴方を許しますよ
 どうしようもなく、暗い闇の中を互いに行きかう男女。人は不完全な生き物です
心を専門とするお医者様だからと言って、愛する人の自殺未遂を救えなかった咎人と
糾弾するなんて事、それこそ告げるほうが無責任ですよ。
 話を戻しますが、先生。貴方はそして心を鉄のようにして使命を遂行し
神の啓示を受けるに等しく、スタンドに目覚める切っ掛けを得た。
 非常に……えぇ、とても非常に感動的な話です。
 ……ですが、貴方は『見捨て』ている」

    「――何が言いたいんだ? そうですね……『貴方自身』の事ですよ 先生」

「リンゴ・ナイチンゲール。貴方は故郷に未だ自分が診察するべく人間は沢山いる事を知りながらも
此処へ来た。逃げなければ貴方自身が『押し潰される』から
 この国に訪れ、最愛の人と出会いスタンドに目覚め。世界を癒す為、と言う大義の為に幾つかの治験で
罪のなき一般市民が悶え苦しむ事も、これは 必要なのだからと必死に自分に言い聞かせ処方箋を
作ろうと躍起になっている。そうでなければ『圧し潰される』から
 ……ねぇ 先生。 本当はご自分でもお気づきなのでしょう?
   ――世界を癒す前に、本当に癒さなければならないのは『ご自分』である事を。
   ――世界が病んでる、と告げるのは。本当に病んでるのが『ご自分』である事を。」

 ただ 遊部の顔には微笑みだけが保たれていた。 屈託のない、静かな微笑が

 「リンゴ・ナイチンゲール。貴方は今も傷つき倒れそうな自分の精神をないがしろにしている。
他者と向かい合う事が出来ても、己と向き合えば崩れてしまいそうな自分自身を、あえて無視している。
 それでもね、先生……わたくしは  貴方のその罪を  赦します」

796『アルカトラズから連れ出して』:2017/03/26(日) 00:13:43
>>794 (小石川)
>>795 (遊部)

小石川の側からは声こそ閉じられた扉で聞こえにくいがつけられている窓から中の様子が分かる。

静かながらも確かに怒りの火を燃やしていたリンゴ。
だが時間が経つにつれ段々と張り詰めた雰囲気は収まっていく。
リラックス。落ち着いたリンゴは先ほどまでと同じような表情でいる。
呼吸に乱れなく、穏やかに欠伸をする。

リンゴ:「そうですか。そうですね。そうかもしれません」

「教えてくれてありがとう。それに許してまでくれるだなんて光栄です」

二三度頭をかいている最中にピアノのメロディが響いた。
リンゴがポケットに突っ込んでいたスマホの着信音らしい。
彼は失礼と一言いってから通話を始めた。
体を横に向ける。
警戒しているようすも特に見えない。

リンゴ:「えぇ、えぇそうですか。頭を低く、参じましょう」

「車が来たようです。どうです? お乗りになられますか?」

リンゴが通話を終了する。
その時、リンゴの片足が浮き上がった。
ランスの拳、小石川のナイフさばき、それらに劣らないスピードでリンゴの足裏が遊部に向かう(スB)
それに反応するようにサンが姿勢を低くしてタックルを仕掛けた(スC)


室内                          
┌──△△△△──────◆◆──△△△△───┐
│■■■■■■■■■■■□□□□□□□ク□□□□│
│■■■■■■■■■■■◎□□□□□□遊□□□□│
│■■■■■■■■■■■◎□□□□□リ□盾□□□│
│■■■■■■■■■■■◎□□□□□□□□□□□│
│■■■■■■■■■■■◎□□□□□□□□□□□│
│■■■■■■■■■■■◎□□□□□□□□□□□│
│■■■■■■■■■■■■□□□□□□□□□□□│
└───────────────────────┘

遊:遊部、フラジール
盾:サン
ク:クリス
リ:リンゴ

797小石川文子『スーサイド・ライフ』:2017/03/26(日) 23:40:48
>>796

遊部とリンゴ。
声は聞き取りにくいが、二人の間に流れる空気が変わったことは分かった。
きっと彼女も自分の決着を着けようとしているのだろう。
私は手を引くことを望んだ。
けれど、彼女は別の道を進もうとしているようだった。

私が選び取らなかった道。
彼女は意思と力を持って、その道に臨んでいる。
リンゴとクリスとサンを前にしても、決して怯んではいない。
今、彼女の身体から力強い輝きが放たれているように見えた。
その姿に眩しいものを感じ、目を細める。

サンとリンゴが動くのが見えた。
止めるべきかもしれない。
けれど、止めた。

今、割り込むことは失礼なように思えたから。
彼女に対しても、リンゴに対しても。
私の闘いはもう終わっている。

その代わり、彼女と『フラジール・デイズ』の闘いを見届けよう。
ふと、コートのポケットに手を差し入れる。
指先で触れて、その中にあるものの感触を確かめるために。

798遊部『フラジール・デイズ』:2017/03/27(月) 09:42:11
>>796

  ――ありがとう ドクター。

遊部は、リンゴ・ナイチンゲールが自身の発言によって激怒するでもなく
穏やかな表情に移り変わる異常さに対し反応しなかった。

ピアノの着信音、自分に対する声かけ。それに対しても反応はしなかった。

ただ『待っていた』 彼が 自分に対して絶対に起こすであろう『攻撃(リアクション)』

 それこそが、『わたくし』が待ち望んでいた事であり、悲願だから。

 自分に向かって接近してくるリンゴ。それに対し長く話す事はない。
ただ、少し残念だと思える事はある。だが、それは想像する事で楽しもう。

   ……自分が『誰を攻撃』したかと言う事で、彼が後で苛む事なんて……。

でも、こう一言だけ投げかけておこう。 それが、誰に対してかなんて告げないけれど

 「   ――貴方に   幸あれ」


    ズ   ンッ゛

  蹴りが、遊部の体に吸い込まれる直前。


 『…………えっ??』

 遊部は    『ベソ』に戻った。何が起きてるのか分からない
無垢で一時呆然とした顔つきに。


 

 >>795『布石』内容

わたくしは攻撃を察知すると同時に『ベソ』の人格を表に出す。
『ベソ』は人格達を表に出す為の『門』である。
彼女が精神を完全に破壊される一撃を受ける事により
人格達の基点は崩壊し一時的に保たれていた秩序は消失する。
抑制されている他人格達は復活し、再び『遊部 玲実』の主導権を
握る権利はすべての人格達に舞い戻る。



――――――――――――――――――――――――――――――――

 酷い 悪夢を見た。

現実のような 腕の痛み。少しばかり褪せた自分が通う場所とは異なる校舎
 謎のスタンド、そして少し怖くて悲しそうなお医者さんと名乗る男の人。
何もよく分からない場所。あぁ、これはきっと悪い夢。

 少しノイズが入る。景色が暗くなり、そして場面は同じようになる。
でも、きっとこれは現実ではないから。

 だって……。


   「な゛    ん゛   ぇ゛  」


 カエルの体が一気に潰れるような音が、凄く場違いに聞こえた。
能面のような男の人   玲実の名を叫ぶ男の人
天井が見える    キレイなソラが見える
わたしは落ちている   ワタシは落ちている
 ひどく馴染みのある塔が見える  
わたしは手を伸ばそうとするけど、どんどん離れていく。
 いや、塔が遠ざかってるんじゃない。わたしが  塔から落ちているんだ。

 
 そう、これはきっと とても悪いゆめ。

きっと、次に目が覚めたとき    何もかもおわって 普通の 日常  が――……

799『アルカトラズから連れ出して』:2017/03/27(月) 23:38:28
>>797 (小石川)

遊部は小石川と違う道を進む。
戦い、そしてその先にあるものを掴みに行く。
小石川はその姿を見届ける。
闘争の舞台に上がっているのはこの教室にいる者たち。
扉一枚が演者と観客を切り取る線である。

コートのポケットに手を入れれば触れる指輪。
右手薬指についていたものだ。
肌から離れてはいたがそれは確かに小石川の傍にあったものだ。

>>798 (遊部)

遊部が待っていたのはリアクションだ。
そしてそれは予定通り実行された。
ベソの人格が戻る。周囲におびえるその人格が攻撃を受ける。
するとどうなる? 秩序が崩壊する。
ただ待っていればいい。攻撃が自身に到達するのは一瞬だ。

鈍い音がする。先ほど聞いた音に近いが当たった場所は顎、幾分耳に近い。
その膂力はスピード同様人間のものではない。
ハンマーで武装した人間の一撃であり大型動物の一撃に匹敵するレベルのものだ。
それを受けて人体が無事なはずもなく、顎が砕ける。
脳が揺れる。塔が倒れる。
サンはドリフトでもするかのように床を進み、たどり着いたのは遊部の背後。腰に両腕を巻き付いた。
蹴られた勢いそのままに体が浮き上がりそうなその体を捕らえた。
サンが倒れる。遊部に押しつぶされるのではない。自発的に後ろに倒れ込みブリッジの体勢になったのだ。
遊部の視界はジェットコースターのようであった。
前方に見えていたものが足元に移動し、視界は天井へ
そのまま背後にあったはずの壁が見えてきて、最後には視界が逆さまになった。
顎への衝撃、そして後頭部への衝撃。人格の入れ替わりを確認しないうちに遊部の視界が歪み、溶ける。
腰の拘束がなくなり、ゆっくりと体が横に倒れた。
微睡むようにぼんやりとした意識。定まらない視界。

リンゴ:「……はぁ」

クリス:「記憶は」

リンゴ:「奪わなくていいです。必要ありません。覚えていてもいなくても変わらなかったらショックです」

ベソにとって今夜は悪夢だっただろう。
もしも目覚めることがあったのならば、きっといつも通りの日常が待っているだろう。

800『アルカトラズから連れ出して』:2017/03/28(火) 00:07:17
>>ALL

リンゴが咳をするとその口から赤い塊が飛び出す。
手に着いたその赤をリンゴはポケットから出したハンカチで拭う。

リンゴ:「終わりましたよ」

クリスは扉を開けた。
ランスはフローに肩を貸され立ち上がる。

リンゴ:「サンはそこの女性を運んでください」

    「あの足が折れている二人は私が運びます」

サンは遊部の傍に近寄る。
目の前で手を振っている。
ぼんやりと視界ではそれは影にしか見えなかった。
目を閉じれば深い眠りに落ちてしまいそうだ。
意識を保とうと努力をすればそれはなされる。
しかし何か大きなことが出来るかといえばそれも微妙だ。
声を発することはできるだろう。

リンゴ:「……車までご案内しましょう。私が運転します」

801小石川文子『スーサイド・ライフ』:2017/03/28(火) 09:49:34
>>800

目の前で繰り広げられる闘争の舞台。
それを客席である室外から見届ける。
そう、自分の闘いは既に終わっている――。

そして彼女の闘いも今、終わったのだろう。
これで、今夜の闘いの全てに幕が下ろされたことになる。
心の中で舞台の終幕を感じ取っていた。

   スゥゥゥッ……

闘争の中で紛失してしまわないように、闘いの前に外しておいた指輪。
それを慈しむように左手で取り、元通り右手の薬指にはめ直す。
なぜなら、もう外しておく必要がないから。

折れている左腕を動かすことは大きな痛みを伴った。
もし、自分でやらずに誰かにはめてもらったなら、その痛みを味わうこともない。
けれど――それはできなかった。

たとえ腕が折れていようとも、この指輪だけは他人の手に委ねることはできない。
これは愛する者の形見であり、決して消えることのない絆の証。
自分にとって、命の次に大切なものなのだから。

  「分かりました……」

リンゴの案内に従い、用意された車の下へ向かう。
サンの横に並ぶようにして歩き、彼に抱えられている遊部を見つめる。
その怪我が自分以上に重いことは、医学の心得がない自分でも分かる。

彼女の意思を汲み取った結果、止めることはしなかった。
それでも、こうして傷付いてしまった姿を目の当たりにすると胸が痛む。
自分を含めた怪我人達の中で最も負傷が重い彼女には、
特に一刻も早い治療を受けさせてあげたい……。

  「――ドクター……。あなたの身体は……?」

歩きながらリンゴの方に顔を向け、先程の吐血について問い掛ける。
瞬間的とはいえ、あれほどの膂力と速度を、彼は生身で発揮していた。
リンゴ自身の身体にも相応の負担がかかっていたと考えるのは、
それほど突飛な考えではない。

もしかすると、それは薬によるドーピングの副作用なのかもしれない。
それを考えると、遊部と同様にリンゴの具合も気にかかった。
遊部自身が半ば受け入れていたとはいえ、
リンゴの手で重症を負った彼女に申し訳ないという思いもありながらも、
同時にリンゴを心配する気持ちも胸の内に存在していた。

802遊部『フラジール・デイズ』:2017/03/28(火) 19:06:16
>>799-800

我々はあなたに危害を加えるつもりは

 こちら  クリス  サン  リンゴ・ナイチンゲール

        光を追っているのさ  

ネオン 掴んだ……やれ!

                    私は自分と他者の天秤に、他者を傾けるでしょう
               
                         はじめまして。私は小石川という者です

  

 幾つもの記憶の濁流。
わたし は   落ちている。

  わたしの 知っている   知らない  映像が  声が  映っていく。

どんどんと  わたしは   落ちていく。

 そして  ワタシは


                      ――何処へ   行きつくのだろう


      「      ひ   か  り……。    」


――――――――――――――――――――――――――
(※以下、ミッションには ほぼ干渉しえない一人劇)

   ……何処とも違う、深い 奈落の意識の底で。


   パチパチパチパチパチパチパチパチパチパチパチパチパチパチパチパチ!!!!

数十人から盛大なる拍手を、大統領のように受ける人物がいる。
 ゆったりと、片手を鷹揚にあげて、その人物は周囲で賛辞の拍子を鳴らす人達に
微笑みを浮かべて会釈を何度か行う。男女の性は不明だ。

?「やってくれますねぇ! 見事、やってくれました!
 これで、おいら達も自由に動けるってもんですよっ。よっ、大統領っ!」

調子のついた、よいしょを行う若者らしき者に。ゆったりと、告げる。

「大した事はしてません。正直、あぁ言う遊戯(ゲーム)は、わたくしの
得意とする所ですから。それに、彼は凡夫である事は話を聞き反応から直ぐ
察せられたものでして……人となりが分かれば、簡単な事ですよ」

?「凡夫? 世界を癒すと言う使命感に燃える医者が、ですか……?」

平凡な、普通の人物。そうリンゴ・ナイチンゲールを称する事に疑問を
覚える幾つかの周りの人間に。優しく、その人物は述べる。

803遊部『フラジール・デイズ』:2017/03/28(火) 19:07:11
>>799-800


「世界を癒す、処方箋を創る、人々が平等に意見を言い合える世界
 光を目指す。わたくしは、その目的を否定するつもりありません。
それどころか、素晴らしい夢だと思っておりますとも。
 ……ですが、主旨と目的が彼の場合異なるでしょう?
 十を救う為に1の犠牲に目を瞑る。大多数の人間が癒せる薬を作るなら
その過程で、その大多数の何割かの何も知らぬ一般人を苛める事も厭わない。
 ははは、滑稽すぎますね。
苦しんだ過程は、スタンドでアフターケアをしますから問題ありません。
 我々はクリーンな人体実験をしてますので正義です。だなんて
その理屈が通るのなら、人体を完全に元通りに出来るスタンドがあれば
どんなにメスで刺しても、医学の為なら問題ないって事でしょう?
 本当に、その道を突き通したかったら。彼が清貧であり本当に善なる
人間を目指すのなら、大多数の自分の同僚や、スタンドに通ずる人達を
頼っていき自分の理念を正当に行う基盤を作り団体を設立すれば良かった。
 隠れてネズミのようにコソコソやるから、今日のような事が起きる。でしょう?
 彼は、医者でありながら其の理念を破綻してます。だから凡夫なんです
他にも理由がありますが、」

 そんな風な説明が一通りなされた時だ、傷だらけの体ながらも
下卑な病的な笑みの女性が口を挟んできた。『ネオン』だ

 ネオン「ヒヒッ♡ でもでもぉ〜、あのドクターめっちゃ切れてたよね。
殺されそうなぐらい、超やばッ💛て感じで。
 あの泣きべそちゃんじゃなくて、うちが受けたかったなぁー。
で……最後、なんであんな事言ったのぉ〜ん? 
 たしか ひかり、あれ??」

 「幸あれ、ですよ。まぁ……気紛れ、ですかね。まぁ、彼が
その真意に気づくかどうかは分かりませんけど。わたくしとしては
気づいてくれた方が、愉しい、と言う。ちょっとした呪(まじな)いですよ」

よく分からない、と言う表情のネオンの傍らで、シャドーボクシングを行う
ような動作で若者が語り掛ける。

ウー「けど、悔しいなぁーえぇぇ!!? 格闘で、良いようにボコボコに
されちまってよぉぉぉおいっ!
 俺が出れば、目ん玉に指つきぬけでのアッパーぐらいやってやったのによぉぉ」

苛立つウー。だが、それに対して意味深な笑みで其の人は返す。

「そう、完膚なきまでの敗北ではありませんよ?
 彼(リンゴ)には『毒』を埋め込みました。いずれ、その毒で落ちるかも知れません。
まぁ、これも当たるも当たらぬも八卦なんですがね」

ウー「あぁぁぁんっ!!?? 毒ぅぅうっ??」

 シャドーボクシングを止め怪訝そうに振り向く。他の人物達も
興味を浮かべ、注視する。

 彼ら彼女らに対し、ゆっくりと首を回してから。
また、その静かながらも周りに良く通る声は響き始めた……。

 「では、冒頭から語っていきましょう」

804遊部『フラジール・デイズ』:2017/03/28(火) 19:08:28
>>799-800

「御存知の通り。わたくしと、リンゴ・ナイチンゲールの問答の末
彼は、わたくし……ベソを攻撃しました。
 これにより、今や基点は崩壊して、わたくし達、抑圧されていた者達も含め
全て表で行動出来ます(この部分で、再度盛大に歓声が起きる)
 静粛に……静粛に、騒いでも結構ですので話しの続きを行う許可を。
ゴホンッ
 彼は、前提で遊部 玲実を攻撃しない事を条件に、わたくしの話を
聞き入れた後に攻撃を行った。衝動を消し去れず……その内容を
否定できず『肯定』して『真実』と受け取ってしまった事に。
 ゆくゆく気づくでしょう。彼がベソと言う何も知らない少女に対し
殺しかねない攻撃をした事を。そして、告げた出来事を否定出来ずに
自分が最初に掲げた、平等に意見しあえる場。それを自分から破壊してる事を。
 全ての結果は彼を圧し潰す要因として苛む事でしょう。
さぁ、それ彼はどうするのか?
 また、起きた出来事を。仕方がない出来事だったと逃避して大義の為に活動するのか。
わたくしの話を後に回想して、自責の念に苛まれ。それすらもスタンドの薬で押し殺すのか。
 いずれにせよ、わたくしの簡単な問診の結果。彼はね、とても弱い人物です。
遅かれ早かれ自滅する、取るに足らぬ病人なんです。それが、わたくしの言葉でどう作用するのか……
 望むとすれば、何か違う切っ掛けで裏返り。わたくしの言葉を肯定か論破する人間になれる事を望みますがね。
若しくは、実はスタンドで世界を混沌に陥れる為の実験が今回の治験であった。先ほどの昔話も全て嘘
とかの方がよっぽど愉快なんですが。一杯食わされたと、そうなると悔しいしもっと楽しめるんですけど。
 まぁ、どうであれ。いずれ破滅するような、か弱く 壊れ切った存在。
壊れてる玩具には興味ないんです。壊れるか壊れないかの瀬戸際がね」

 話に対し、羨望の目、若干引いたり感心など十人十色の中。
一人の声が口を挟む。

?「因みに。先ほど起きた出来事も、単なる妄言だと切り捨てて忘れる。
ベソも疾患の一部、そんな風に受け取るドクターだったと言う可能性はないんですか?」

 その言葉に、少しだけ真顔になった思案するように頬に手を当てる
ジェスチャーを答弁者は行った。その後、特に変わった様子なく答えた。

「ふむ……そう言う人物かも知れません。わたくしの言葉を病巣の世迷い事だと、ね。
でも、そう考えるなら。突発的に攻撃なんてしないものですよ。
 わたくしの予期していた最悪のパターンは、彼がわたくしの言葉に対し憤りを浮かべつつも
貴方は病んでいる、私の手に負えない程。だが、世界を癒す目的の為に貴方の言葉も受け取ろう。
……とか、何とか正義を振りかざして暴力を振るわずライやレミに。わたくしの存在を教える。
 そう言う想定も覚悟してたんですよ。そうなると、今後わたくし達が出られる機会も殆ど無くなる。
まぁ、相手が愚かで本当に良かったです。杞憂でしたから
で、彼が。わたくしの言葉を否定出来ず衝動的に攻撃する且つ、後で病理の言葉ゆえ切り捨てる。
矛盾しながら世界を癒して光を追うと言う向こう見ずな人間だった場合、ですね。それこそ……」

 そして、肩を竦め 言い切った。


             「―――馬鹿につける薬なんて この世に存在しませんとも」


                  ――――――┣¨ッ!!!


 嘲笑、冷笑、爆笑。
様々な負の笑いが、巻き起こるなか両手を掲げて中心の者は謳う。

 「さぁ、些細な事なんて捨て置き わたくし達の旋律を奏でましょう。
『光を追え』 そう小鳥たちが歌うならば。
 光を見れぬ我らは囀りましょう、『闇を産め』と」

 クスクス

「世界は病んでいる? そうでしょうとも。けど語弊がある
『病理』こそ、『混沌』こそ。世界の一角であり、真実であり無くてはならないもの。
 
この、なだらかな平和と思える底では。超常な現象と悪意が混ざり合い静かに蔓延する。
 本当に『世界』が『変革』出来るのか? 
盲目的に、深く深く抜けれない泥の道に埋まっていく彼に、わくたしから向けれるのはたった一つの言葉のみ
   ――幸 あれ」

805『アルカトラズから連れ出して』:2017/03/28(火) 23:43:22
>>801 (小石川)
>>802 (遊部)

痛みに耐えながら小石川の指に指輪が通る。
絆の証は元いた場所へと戻った。

夜の冷たさの満ちる校舎を歩いていく。
階段を下りている時にリンゴは質問に答えた。

リンゴ:「連続した服薬はどうも体に悪いようでして」

柔らかく笑う。
口から見える歯は血で少し赤くなっていた。
能力の反動なのだろう。

校庭に出るとそこには車が一台止まっていた。
大きめの車でこの人数でも席が余りそうだ。

リンゴ:「お乗りください」

扉を開け、コハルと葛西を後ろに座らせる。
サンはその近くの席に遊部を座らせた。
後は小石川だけだ。

806小石川文子『スーサイド・ライフ』:2017/03/29(水) 16:18:56
>>805

         ザッ……

車に乗る前に、もう一度だけ今夜の舞台となった遠島高校を振り返る。
昼間に到着してから今まで、まだ半日程度しか経っていないはず。
それなのに、ずいぶん長い時間を過ごしたような気がする。

ここに来る前は、こんな事件に遭遇することなど想像もしていなかった。
改めて思い返すと、心の中に感慨深いものを感じる。
達成感とも虚脱感ともつかない不思議な思いが、胸の内に存在した。

そのまま少しの間立ち止まり、夜の闇に浮かぶ校舎を見つめ続ける。
気のせいか、物言わぬ校舎も、こちらを見つめ返しているような気がした。
少しの間、校舎との無言の見つめ合いが続く。

          クルッ

  「はい――」

リンゴに声を掛けられて振り向き、車の方へ歩いていく。

  ――さようなら……。

心の中で別れの言葉を告げる。
それは遠島高校に対するものでもあり、またリンゴ達に対するものでもあり、
この事件自体に対するものでもあった。
心なしか、一抹の寂しさが胸をよぎる。
    
        ザッ ザッ ザッ

    ガチャ

     そして、私は……この舞台から去るために、用意された車に乗り込んだ――。

807遊部『フラジール・デイズ』:2017/03/29(水) 19:18:58
>>805(お疲れ様です。長きに渡り、お付き合い有難う御座いました)


(※精神内)




             ―――オォォォォ……


 「……ベソが、倒れた」   ギリッ…

 長身の、筋肉質な男が。何処でもない風が強く吹きすさぶ場所の中
傅いて、握りしめた拳は。その憤りと悔恨からか血が一筋流れていた。

 「枷が……外れた。囚人達は開放され、制御が、出来なくなった。
混沌が、咲き返る。もう、元の生活には至れない。俺が、いながら……」

 「御免なさい……っ。御免なさい……っベソ。
私がっ、私が向かう事を決めなければ……嗚呼っ、ベソ ベソっ……ぅぅ」

両手で顔を覆い、体を崩れて泣き付す20後半程の女性も見える。
 彼女は何度も一人の名前を呟き、謝罪を口にする。

 「レミ、お前だけじゃない……責任は、俺に。いや、全員にある……
直接的な原因は、外にも内にもあった。……目に見えない闇が、俺達の
追っていた光を遮った……けど、諦めたら そこで終わりだ」

 「まだ、最悪では、ない。ベソは倒れた、だが……まだ目覚められるだろう。
負の感情を受け持つ、あの娘は簡単には倒れられない運命(さだめ)だ。
 傷つき、瀕死でも玲実の外に出るだろう。混沌を、引き連れながら……」

「それでも……『光を追わなければ』『星を目指さなければ』
玲実を、本当の意味で救うには。ベソは、あの娘は鍵なんだ……
 悪かったよ、レミ……今回の事で良い意味でも悪い意味でも気づかされた。
変わる時は、今であり。これから、始まらなくちゃいけない
 ――光を追え……そうだ」

 「……そう、そうよ。私達全員で、変わらなくては、始めなくては。
例え大海の程のミルクピースの山に埋もれ、息が出来ないとしても……。
 私は、私はそれでも……ピースを嵌めてみせる。
それが、私の……あの子に出来るたった一つの償いなのだから」

 

                        オオオォォォ-ォォオオォ

 「……今は安らかに眠れ ベソ」

「暫し安息の時を お前に……そして、俺達全てに、光が宿らん事を」

808<削除>:<削除>
<削除>

809『アルカトラズから連れ出して』:2017/03/29(水) 23:29:36
>>806 (小石川)
>>807 (遊部)

遠島高校は変わらずそこにあった。
ここに来た時に見た太陽の光を受けた校舎とは違う雰囲気だ。
闇を飲み込む校舎がこちらを見つめている。

心で別れを告げ、小石川は車に乗りこんだ。
エンジンがかかる。発進する車が整備されていない道で揺れる。

校舎が遠のいていく。
終わりだ。全てが終わった。
日がのぼればまた一日が始まる。
幕が降りた舞台に演者はいない。
この演目の終わりに拍手を送る者はいない。
誰も知らぬまま幕が降りるのだ。

後日、二人には謝礼という形で送金があった。

小石川文子『スーサイド・ライフ』→『左腕骨折』全治一か月
                      『15万』獲得

遊部『フラジール・デイズ』→『右腕骨折』
                  『下顎骨骨折』
                  『頚椎捻挫』
                  『後頭部打撲』
                  『脳震盪』全治四か月
                  『15万』獲得

※完全なクリアではないものの失敗という結果でもないため本来の報酬の半額を差し上げます。

コハル・トランプ『ブラインド・アンチェイン・マイ・ハート』→『右足骨折』
葛西 百合江『スティール・ユア・ハート』→『左足骨折』
防人 修治『ボーン・トゥ・キル』→『両手骨折』

リンゴ・ナイチンゲール『チェンジ・ザ・ワールド』→無傷
シャーロット・レヴァイン『ホワイト・クイーン』→無傷
フローレンス・レヴァイン『マーチ・オブ・ザ・ブラック・クイーン』→無傷
クリス・ジャクソン『シェイク・ア・テイル・フェザー』→『右足刺傷』
ランス・ジャクソン『スティング』→『両足刺傷』

『アルカトラズから連れ出して』→終了

810『アルカトラズから連れ出して』:2017/03/29(水) 23:35:37
【世界への処方箋】リンゴ・ナイチンゲールのスタンド。
看護師の格好をした女性的な人型のヴィジョン。
ビタミン剤などの薬を生み出すことが可能。
生み出した薬による『ドーピング』を行うのを得意とする。

○薬○
全て錠剤の形で生成する。薬は『1km』の射程を持つ。
一般的に市販されている薬であれば錠剤の形で再現できる。
生成した薬にドーピングの特性を付与することができる。

○ドーピング○
肉体面と精神面をスタンドの生み出す薬でドーピングが可能。
肉体面へのドーピングを行えば、筋肉量は見る見るうちに膨らみ運動能力を向上させる。
精神面へのドーピングを行えば、人の心の中にある思考や感情を強めることが出来る。
ドーピングする部位や強さはある程度制御可能。
ドーピングの効果は『3分間程度』

○副作用○
ドーピングを行うと、対象には副作用も同時に現れる。
肉体面なら疲労と筋断裂などを含む負傷。
精神面なら情緒不安定、パラノイア。また精神に引かれる形で行動の変化が現れる。
ドーピングの効果時間が過ぎてから『12時間』の休養が必要。
それを待たずに再度ドーピングを行ったり効果時間中に行うと副作用がより重篤なものになる。

『チェンジ・ザ・ワールド』
破壊力:D スピード:C 射程距離:E
持続力:B 精密動作性:D 成長性:D

★氏名―リンゴ・ナイチンゲール
★スタンド―『チェンジ・ザ・ワールド』
★性別―男 ★年齢―48歳 ★血液型―AB
★イギリス生まれ ★髪の色―ブロンド ★瞳の色―青っぽい灰色
★趣味―格闘技観戦 ★身長―178cm
★好きな映画―300 ★好きな色―緑
★性格―陽気で楽観主義的な人間を装っている。本心では悲観的で常に不安でいる。
★外見―短くきった清潔感のある髪型。シャツにスラックス、ネクタイ。白衣を羽織っている。
★備考―医者。精神関係らしい。
       レヴァイン姉妹やジャクソン兄弟は患者でなく個人的な友人とのこと。
      人の心から悩みがなくならず、力関係によって苦しめられる人間に悲しみ悩んでいたが
      赤毛の男と出会い、人が平等になる薬を作り出す道を見出す。

811『アルカトラズから連れ出して』:2017/03/29(水) 23:36:28
【ミス・ファビュラス】フローレンス・レヴァインのスタンド。
純白のイブニングドレスのヴィジョン。
ドレスから霧を生み出し、それによって光の屈折を変化させる。

◇霧◇
霧はドレスからドライアイスのように発せられている。
本体の意志で5mまでの範囲に広げることが出来る。
実体化したスタンド物質で周りのものが大きく動くことで散ってしまう。

◇屈折変化◇
霧が満たされた場所の光の屈折率を変化させることが出来る。
蜃気楼を発生させたり、レンズの要領で距離感を崩したり、姿を見えなくもできる。
ただし対象となるものの周りの霧が薄ければ屈折変化を使用しても十分な効果を得られない。

『ホワイト・クイーン』
破壊力:C スピード:C 射程距離:E
持続力:C 精密動作性:C 成長性:D

★氏名―シャーロット・レヴァイン
★スタンド―『ホワイト・クイーン』
★性別―女 ★年齢―26歳 ★血液型―B
★イギリス生まれ ★髪の色―茶 ★瞳の色―茶
★趣味―ショッピング ★身長―164cm
★好きな映画―ローマの休日 ★好きな色―薄紅色
★性格―優雅でマイペース。ちょっとぽやぽやしている。
★外見―豊満な肉体とすらりとした手足を持つ。泣き黒子がある。
★備考―イギリスのセレブ。シャーロットとは姉妹の関係。愛称はフロー。
      姉としてしっかりと思い、妹に少し厳しいが妹に頼って生きている部分がある。
      あまり刺激のない人生に悩んでいたが
      赤毛の男と出会い、我慢しない生き方を見出す。

812『アルカトラズから連れ出して』:2017/03/29(水) 23:38:14
【ミス・ゴージャス】シャーロット・レヴァインのスタンド。
スーツ姿の人型のヴィジョン。群体型でそれぞれが自分の意志を持ち行動する。
彼らは本体が指定することで他人を『警護』することが出来る。

◆人型◆
呼び出せるのは全部で『五人』
DFは原則的にないが、人型が撃破され強制解除されると本体にDFが発生する返ってくる。
視聴覚の共有はない。普段は本体が指定した任務をこなす。
指定した任務をこなすまで新たな指令を出すことはできない。

◆警護◆
人型に対して『警護対象』を指定することが出来る(口語かつ警護対象の顔などが確認できる状態にする必要がある)
また『警護対象』が確定した段階で『警護対象』からの『10m』が射程距離となる。

◆装備◆
『警護任務』につくさいに限り、人型は装備品を持つことが出来る。
それ以外は常に丸腰である。『警護対象』に危害が加えようとした相手にのみ使用できる。

◆性格◆
No.1 アン:美意識を重視する頑固者。人を見下したところがある。
No.2 ドゥーエ:マイペースでのんびり屋。
No.3 サン:控えめで周りの様子をよく見ている。付和雷同なところがある。
No.4 スゥ:鷹揚で細かいことは気にしない。少し強引。
No.5 フュンフ:堅物で完璧主義者。神経質。

『マーチ・オブ・ザ・ブラック・クイーン』
破壊力:C スピード:C 射程距離:A(警護時C)
持続力:C 精密動作性:C 成長性:B

★氏名―フローレンス・レヴァイン
★スタンド―『マーチ・オブ・ザ・ブラック・クイーン』
★性別―女 ★年齢―24歳 ★血液型―B
★イギリス生まれ ★髪の色―茶 ★瞳の色―黒
★趣味―コーディネート ★身長―164cm
★好きな映画―ローマの休日 ★好きな色―銀色
★性格―姉に比べ常識人。根の部分は勝気。
★外見―豊満な肉体とすらりとした手足を持つ。長い髪をウェーブさせている。またアクセサリーを好む。
★備考―イギリスのセレブ。シャーロットとは姉妹。愛称はフロー。
      自由奔放な姉に振り回されながらも、姉に好意と尊敬の心を持っており姉妹仲は悪くない。
      姉と比べられること嫌気がさしていたが
      赤毛の男と出会い、自分も姉に負けない個性を得ることを見出す。

813『アルカトラズから連れ出して』:2017/03/29(水) 23:39:57
【鳴けない鳥】クリス・ジャクソンのスタンド。
孔雀のヴィジョン。その羽を広げれば美しい模様が浮かび上がる。
羽を飛ばし、刺さった人間を『鳥頭』にする能力。

▽羽▽
緑と青で彩られた美しい羽。羽の真ん中あたりに円の模様がある。
このスタンドはそれをスBで撃ちだすことが出来る。
着弾時に痛みは感じないが、羽が刺さった場合『鳥頭』にする。

▽鳥頭▽
羽が刺さった生物がなる状態。見た目の変化は特にない。
ただし、羽が抜け落ちることで『記憶が抜け落ちる』。
抜け落ちる記憶は射出時に本体が指定したもの。
記憶が抜け落ちてしまった場合、その記憶は思い出せない。
そしてそこで得た経験や技能も忘れ去り、今までそんな経験をせずに生きてきたと錯覚してしまう。
記憶を取り込んだ羽は『三枚』までストックできる。

再度抜けた羽を刺しなおすか、本体が能力解除時に指定することで記憶を取り戻すことが出来る。

『シェイク・ア・テイル・フェザー』
破壊力:D スピード:C 射程距離:D
持続力:B 精密動作性:C 成長性:D

『羽』
破壊力:E スピード:B 射程距離:C
持続力:C 精密動作性:C 成長性:―

★氏名―クリス・ジャクソン
★スタンド―『シェイク・ア・テイル・フェザー』
★性別―男 ★年齢―20歳 ★血液型―A
★イギリス生まれ ★髪の色―黒 ★瞳の色―黒
★趣味―野鳥観察 ハイキング ★身長―160cm
★好きな映画―ライフ ★好きな色―ピーコックブルー
★性格―動物好きで自然好き。人間はあまり好きでない。気難しい。
★外見―長い髪を縛っており、爬虫類のような眼をしている。
★備考―ランス・ジャクソンの双子。
      レヴァイン姉妹とは使用人とは異なる関係らしい。
      特にフローレンスに気に入られ彼女と共にいることが多い。
      彼らの中で唯一赤毛の男と出会い何も見出さなかった。

814『アルカトラズから連れ出して』:2017/03/29(水) 23:41:00
【蜂の一刺し】ランス・ジャクソンのスタンド。
本体の手に発現する蝶の意匠を持ったボクシンググローブとボクシングシューズのヴィジョン。
普段は蝶のように素早く動き回るが、素早さを犠牲に蜂の毒を生み出す。

▼蜂の毒▼
グローブとシューズに『3秒間』で毒を貯めることが出来る。
この毒を貯めきるまでその部位での攻撃は出来ない。
また毒を貯め終わったグローブやシューズは蜂の意匠を持つものに変化する。

▼毒▼
毒が発現した部位での攻撃はより正確になるが、その代わりにスピードを失う。
攻撃が命中すると当たった場所には蜂の印が浮かぶ。
毒を発現した部位で蜂の印を叩くと、相手を『1秒間』だけ止められる。
印をつけられるのは『二か所』だけ。印の持続時間は『15秒』
印をつけた毒が発現した個所は蜂の印が消えるまで毒の発現が出来ない。
一度の攻撃で毒を出し切るので外れるともう一度溜める必要がある。

『スティング』
破壊力:C スピード:B 射程距離:E
持続力:B 精密動作性:C 成長性:D

『毒による攻撃』
破壊力:C スピード:C 射程距離:E
持続力:B 精密動作性:B 成長性:D

★氏名―ランス・ジャクソン
★スタンド―『スティング』
★性別―男 ★年齢―20歳 ★血液型―A
★イギリス生まれ ★髪の色―黒 ★瞳の色―黒
★趣味―ボクシング ★身長―180cm
★好きな映画―シャーロック・ホームズ ★好きな色―ピーコックグリーン
★性格―粗暴な面が強く、面子を気にしたり舐められることを嫌う。
★外見―剃り込みの入ったオールバック。
★備考―兄のクリス・ジャクソンと共にレヴァイン姉妹の寵愛らしきものを受ける。
      シャーロットと共にいることが多く、仲もいい。
      元ボクサーでスタンド使いのボクサーとの勝負に負け失意の中にいたが
      赤毛の男と出会い、確実な一撃を狙う戦法に目覚める。

815『オープンチャレンジin星見町』:2017/04/25(火) 01:28:04
ようこそ皆さま。
私(わたくし)はラブクラフト。ペンネーム、ロックキー(Lock key)・ラブクラフト……
いえ、ロッキー(Lockey)・ラブクラフトと言います。えぇえぇ。
ま、私の友人達は私のことをミスターと呼びますがね。

私共は自由にこの街で生きております。
ですので何分ご迷惑をおかけするかもしれないですが、そこはご愛敬。
巻き込まれるのも悪くはないでしょう。多分。
良い子悪い子普通の子。幸せな人そうでもない人。
全世代の紳士淑女、そして子供達も
一度きりの人生、楽しく生きようじゃありませんか。

あなたと私の出会いが楽しいものになることを祈っていますよ。
それでは煌めく今を……

816『オープンチャレンジin星見町』/『映画スター編』:2017/04/25(火) 01:46:25


――――鍵が落ちている。

それはある日の昼下がりの駅前である。
人通りが少なく天気もいい。
昼寝にも散歩にもちょうど良い感じだ。

ただ目を引くものがあるとすればなにやら外国人の集団が駅までどたばたと暴れているらしいことだ。

「あーダメダメダメ。ジョー! 遅いんだよ反応が! オクトはもっと背筋伸ばす!」

                                            「じゃあミスターがやれよ……」

「私のはこの映画に向かないって言うんだよ」

                                            「誰が言うんだよ」

「監督がだよ」

                 「バルバロ。おいバルバロ、起きてるか? グラサンで表情が見えないんだよ、タコ野郎」

「……タコはお前だ。オクト」

                 「そいつぁイワナいって話だよな? こっちはお前にハタハタ……
                                        いや、ほとほと愛想が尽きてるんだぜ」

二人組のグループが三つ出来ている。
一つ目はイライラとした様子で声を出しているもの。
二つ目は落ち着いた様子でイライラした男に対応するもの。
そして三つ目は。

「いえー! バルバロ・ベイベー!」

「ベイベー!」

テンション高く路上で踊っている達だ。
彼らはなぜかその二組の間を行ったり来たりしながら踊っていた。
その集団は目立っているが野次馬がいないのは人が少ないからだろうか。

鍵を拾うか否かは自由だ。
そして通り過ぎようとするのもまた自由だ。

817薬師丸 幸『レディ・リン』:2017/04/30(日) 00:00:15
>>816(GM)

「……ん?」

駅から出て当たりを見渡すと、
ちょうどその奇妙な風景を目にした。

それから、『鍵』も。
近くに落ちていたそれを、反射的に拾う。
これは幸か不幸か――

(うーん、なんか胸騒ぎはするけど)

    (拾っちゃったものはしょうがない)

謎の外人集団は気にかかるが、
落とし物の鍵なら駅員にでも届けよう。

何もなければ駅の構内へ戻り、駅員を探す。

818『オープンチャレンジin星見町』/『映画スター編』:2017/04/30(日) 00:34:39
>>817 (0時40分までにレスされた方がいればその方も参加者として認められます)

駅から出た薬師丸は鍵を拾う。
古めかしいデザインのものでスケルトンキーと呼ばれる形のものだ。
銀の色の鍵である。

「ん、んー。もう一回シーン確認するか……バルバロ、協力するように」

ミスターと呼ばれていた男性は手に持っているステッキをくるりと回した。
それに応じたバルバロが手をニ三度頭の上で振ればなにかが空中で動く。
ドローンの形をしている。
カメラがついているようだ。
ミスターは何度か頷き振り返って歩き出す。
その目は薬師丸をしっかりと見つめている。

「ウェルウェル。あなた、鍵をお持ちでしょう……あぁ、いえ。ご返却は結構。差し上げます」

「代わりといっては何ですが、少し遊んでいきませんか?」

「お時間あまり取らせません。えぇえぇ、うまくいけばご報酬もお渡ししますよ」

笑いかけるミスター。
その背後では先ほどの集団が何か言葉を発し始める。
その時だ。オクトと呼ばれていた男の周囲に巨大なタコのヴィジョンが現れた。
しかしそのタコに通行人は何の反応も示さない。スタンドだ。

「そうこれはオープンチャレンジ。資格さえあれば誰だってチャンスがあります」

「あなた、映画スターになりませんか?」

819薬師丸 幸『レディ・リン』:2017/04/30(日) 00:56:40
>>818(GM)

(んん、でもこれ、何のカギだろ?
 家とか自転車って雰囲気じゃ――)
 
        「……ん」

謎の鍵を見ていたが、
笑いかけてきた男に顔を挙げる。

「……映画スターねぇ。
 ま、ギャラ次第ってとこかな」

       「安い女じゃなくてね」

隠してもいい場面だったが、
攻撃されないという保証もない。

薬師丸は余裕ぶった笑みを浮かべた。

「具体的に何をしろって話なのさ」

「遊びなんて言って、乱暴する気なら――
 こっちも何もできないってわけじゃないけど」

      リ  ィン――

『タコのスタンド』に呼応するように、
薬師丸の背後に彼女の『女神』が立つ。

悪意は感じないが、『無防備』で良いとも思えないから。

820『オープンチャレンジin星見町』/『映画スター編』:2017/04/30(日) 01:15:09
>>819

「ギャラ……ギャラときましたか。何分ポケットマネーですので」

「出来高制で5万円。どうでしょう?」

笑いながらくるりくるりと何度かステッキを回す。
薬師丸のスタンドにひるんだ様子もない。

「映画スターというは少し言い過ぎたかもしれませんが……あちらをご覧ください」

ミスターのステッキが集団とは少し離れた位置にいるバルバロを指す。
黒いスーツに黒いハット、黒いサングラスをしている。
腕組みをして、時折手を動かしている。
それに合わせてドローンが動く。

「彼の名前はバルバロ・ベイ。映画監督を夢見る純朴な青年です。ただ少し恥ずかしがり屋ですがね」

「彼はスタンドを撮影できるスタンドを持っていまして、スタンドをCG代わりにショートムービーを撮りたいとのこと」

「しかしいくらやっても監督の満足する画は撮れません。はっきり言って手詰まり、マンネリでございます」

頭を抱えるようなジェスチャーをするミスター。

「それで私(わたくし)考えました。新たな風を吹かせることがこの現状を打破するのではないか、とね」

「だからあなたに映画の出演者になっていただきたい」

「お客様。何も難しいことはありません。大筋の流れは決まっていますから、それにそっていただければ」

「むしろ、あなたの思うように演じていただいても構いません」

いかがです? とミスターは笑う。
ひと段落着いたのかタコのスタンドは消えた。

821薬師丸 幸『レディ・リン』:2017/04/30(日) 01:30:04
>>820(GM)

「うーん、悪くない額ではあるね。
 危険はないんでしょうし……ねえ?」

       「どれどれ」

   チラ

あちらの方を見てみよう。
あのドローン――あれもスタンドか。

「ふ〜ん」

話を聞いて、薬師丸は微笑する。
悪い話でもない、気がする。

「ま、スタンドの映像ってのは
 経験がないわけでもないし――」

「撮られちゃまずい身分でもない。
 運が良かったわね、私ゃ役に立てる」

思えばこの鍵から『仕込み』なのだろう。

ともかく目立っちゃ困る生き方はしていない。
自分のスタンドが知れ渡るのが危険だが。

「で。どれくらい出回るのさ。
 そのフィルム……地上波って事はないでしょ」

        「あんたらの身内用?」

いちおう、その辺は確認しておきたい。
役に立つのは嫌いじゃないが、ビジネスの線は引くべきだ。

822『オープンチャレンジin星見町』/『映画スター編』:2017/04/30(日) 01:36:48
>>821

「勿論。私共大体クリーンにやっております」

ドローンは四基だ。
集団を取り囲むように飛んでいる。

「役立てる。ウェルウェル。実に結構。大いに結構でございます」

「フィルムはもちろん身内用ですよ。素人が豪華なCG設備を持っているなど誰が信じましょう」

「よろしければDVDにしてあなたに差し上げるのも大丈夫ですよ」

823薬師丸 幸『レディ・リン』:2017/04/30(日) 01:43:43
>>822(GM)

「そりゃいいね。
 クリーンで安全が一番」

「DVDは……ま、出来次第かな」

      フ

これでもう乗り気になった。

スマホを取り出し、連絡を確認。
特に着信はない――電源をオフ。

「カッコ悪いと見られたくないし。
 持って帰って……家族とかに、さ。」

      「なんちゃってね」

スタンドの発言を保ったまま、歩み寄る。
ドローンに囲まれた空間の、目前まで。

「撮影はここでしちゃうわけ?
 大丈夫でしょーね、警察とかは」

     「私ゃお縄につくのはごめんだよ」

まあ、撮影している事は認識されないだろうが。
とはいえ駅の前で大騒ぎはちょっと、良くない気はする。

824『オープンチャレンジin星見町』/『映画スター編』:2017/04/30(日) 02:10:27
>>823

「えぇ撮影はここで」

「警察に関しても問題はありません。そういう風に彼のスタンドは出来ていますから」

全く人が気にしていないのはそういう理由らしかった。

「皆さん! 私、連れてまいりました。新たな風を」

ミスターは彼らを集めると高らかにそう宣言した。
男たちが三角座りで薬師丸を見上げている。

「彼女は……あ、お客様。名前をお聞かせ願えますか?」

「……」

ミスターの言葉が終わるか終わらないかの内にバルバロが手を挙げる。
挙げたが何も話さない。オクトが横から突くと、オクトに何かを耳打ちした。

「あーそこのイカしたお嬢さん。こいつが……監督が聞きたがってるんだが」

「あんた、悪役とヒーローどっちがいいってな」

825薬師丸 幸『レディ・リン』:2017/04/30(日) 02:24:42
>>824(GM)

「そりゃ〜便利ねえ。
 映画撮るには最適じゃん」

至れり尽くせりの能力――
感心しながら、男たちの前に出る。

「私は幸(さち)」

「薬師丸 幸(やくしまる さち)だよ。
 今日はよろしく、ええと……
 なんて集団なんだっけ、あんた達」

逆に呼び名に困っていると、
『バルバロ』からの要望に余計困る。

小さな顎に指を添えて、少し考える素振り。

「うーん、悪役かヒーローねぇ〜え」

馴染みの薄いカテゴリーだった。
薬師丸は商売人で、善意はあるが英雄じゃない。

「そういうはっきりしたの、
 私のガラってわけでもないけど」

        「ヒーローのが良いかな」

とはいえ、これはビジネス。
まあここで悩んでいるより、近い方を選ぼう。

826『オープンチャレンジin星見町』/『映画スター編』:2017/04/30(日) 22:58:06
>>825

「私達……我々なんの集団なんでしょう?」

「まぁとりあえずはベストフレンズと呼びましょうか」

「よろしいですな。ミス・ヤクシマル」

悪役とヒーロー。
その二択を前に薬師丸はヒーローを選んだ。
バルバロは静かに頷くと薬師丸にサムズアップした。

「それでは、全体の流れを説明してもよろしいですかな?」

827『オープンチャレンジin星見町』/『映画スター編』:2017/04/30(日) 22:58:26
>>826
メ欄ミス。

828薬師丸 幸『レディ・リン』:2017/04/30(日) 23:15:15
>>826(GM)

「ベストフレンズね。
 そうなれる事を祈っとこう」

薬師丸は微笑む。
半分、リップサービスだ。


      「説明よろしく」

  カチャ

かばんから手鏡を取り出して、
スタンドの手櫛で少し髪を整える。

       グイ
   
それから、恐らく動く。
ゴムひもで後ろ髪を縛ろう。

そういった準備をしながら、説明を待つ。

829『オープンチャレンジin星見町』/『映画スター編』:2017/04/30(日) 23:28:05
>>828

「ウェルウェル。私共もそう願っておりますよ」

そういって笑う。
それから全員が立ち上がり映画についての説明が始まった。
説明するのはミスターだ。

「バルバロの能力の範囲内にあなたを入れます。そう、あなたはそのままです……どうです?」

目の前に広がっているのはいかにも特撮の撮影場所という感じの廃れた工場だ。
そしてどこか遠くから音楽が流れているのも感じられる。
これもバルバロの能力なのだろう。

「あなたに課されたミッションは三つ。それをご紹介しましょう」

830『オープンチャレンジin星見町』/『映画スター編』:2017/04/30(日) 23:55:16
バルバロ・ベイのアクション映画。
あなたはそれの参加者です。しかもヒーロー、主役です。
おっと、ヒロインと言った方がよろしいですか?
それでは三つのミッションについて説明しましょう。

#1 ヒーロー登場

あなたはヒーローです。
戦う理由は世界を守るためでも家族を守るためでも雇われたからでも構いません。
そして場面は最終決戦。まさにクライマックスでございます。
そんな時、ヒーローに求められるものは何かご存知ですかな?
エンタメ的にはド派手な登場です。
ほこりが舞う中、あなたがエントリー。そこで『決め』をお願いします。
画になるようなポージングや台詞で魅せてください。
必要であれば蹴とばす用のガベージ缶や工場の爆破もいたします。
……あくまでヒーローとしての範囲で、ですよ?

#2 ヒーローの強さ

敵のボスとの一戦、と行きたいところですがボスの配下が邪魔をします。
ここに二人、構成員役の男がいます。
彼らがあなたに飛び掛かる!
それを撃退するのです。しかし注文があります。
『あなたのスタンドの能力を使う』のです。それを勝利の鍵にして欲しいのです。
スタンドのスペックだけで勝つことは出来るかもしれませんが、出来れば使っていただきたいですな。

#3 最終決戦

敵を倒せばあなたはボスとの一騎打ち。
相手はオクト。そう、タコのスタンド使いでございます。
オクト・フィッシュのスタンド能力は巨大なタコ。敵に吸盤を付ける能力を持ちます。
しかしご安心を。今回この能力は使われないですから。
さてあなたが何をするか、ですがね。
タコの足は八本ございます。オクトのスタンドも同様です。
八本の足による波状攻撃。それをかいくぐってオクトに接近。
そして必殺の攻撃。ラッシュでもキレのある一撃でも構いませんよ。
さてご注文です。『先ほどとは違う方法でタコの足を対処してください』
先ほどが基本編とすればこちらは応用編ですな。
それと、一つ覚えておいてください。『タコの足同士がぶつかり合うと吸盤でくっつき合う』
それで足を一塊にして手も足も出ない状態にしてただいても構いませんよ。
オクトを倒す攻撃はなんでも構いませんよ。
あ……倒した後も出来ればポーズや言葉、表情で『決め』ていただきたいですがね。

これがあなたに課せられたミッション。
さて、ここまででご質問はございますか?

831薬師丸 幸『レディ・リン』:2017/05/01(月) 00:23:04
>>829(GM)

「範囲内――わかっ」

     「と。これは……」

         キョロ

    キョロ

「凄い能力ねぇ〜え」

思わず、周囲を見渡す。
撮影現場を作り出す――『天才』か。

と、続く説明に感心顔のまま振り向く。

「三つね、了解」

三つのミッション。
映画的にも重要なのだろう、
活躍が出来を左右するはず。

(ま、やるからにはがんばろう)

「だいたいわかったし、
 善は急げって言うからね」

       「質問とかはないよ」

課せられる試練を重いとは思わない。
『レディ・リン』は――薬師丸の『女神』だ。出来る。

832『オープンチャレンジin星見町』/『映画スター編』:2017/05/01(月) 00:35:12
>>831

「はっはっは。そんな事を言うとバルバロが照れてしまいますよ」

くるりとステッキを回すミスター。
バルバロはというとミスターの後ろに隠れて小さくなっている。

「本当に照れてるんじゃないよバルバロ!」

「んんっ! それでは始めましょうか」

「お楽しみください、煌めく今を……」

撮影が始まる。

833『オープンチャレンジin星見町』/『映画スター編』:2017/05/01(月) 00:42:06
さぁ映画の撮影開始です。
あなたの目の前には大きな工場。
廃工場ですな。あたりは砂が風に舞い、車などのスクラップが山のようになっています。
あなたは工場に近づいていく。
胸には使命かそれとも指令か。とにかくここが戦いの場所になるとあなたは知っている。
劇の都合上そうなっているから?
いいえ。あなたはいまヒーローなのです。

#1 ヒーロー登場

あなたは今工場内に足を踏み入れました。
何やら大きな機械がありますが当然動いていません。
機械の上には憎き敵のボス、オクト・フィッシュが座っている。
そして二人の構成員があなたをにらみつける。

「んだテメェよぉ……」

さぁあなたのエントリーです。
あなたの言葉が戦いのゴング。合図、きっかけです。
しっかりと決めてくださいね?
何事もはじめが肝心ですよ。

(能力詳細の提示をお願いします)

834薬師丸 幸『レディ・リン』:2017/05/01(月) 00:58:26
>>832-833(GM)

頭の中に台詞を受かべて、整える。
演じるのは苦手じゃない。よくやること。

      ザ

                 リ

「名乗るほどの名前じゃあないけど」

        「あんたたちに用がある」

  リ  リン

両耳に『ビー玉』程の金鈴を一つずつ、
さらに『レディ・リン』の右の手首にも一つ。

「あんたたちは『不幸の元』」

鳴り響く儚い音――


「私は……」

「『幸せ売り』」

             リン

  リン


鈴の音と共に、黒衣の少女が踏み出す。
兎のような赤い目を光らせ、口元に微笑を浮かべ。

「この先――あんたたちに運命の女神は微笑まない」

あくまでゆっくり、二人の構成員へと歩を進める。

♪能力詳細
ttp://jbbs.shitaraba.net/bbs/read.cgi/comic/7023/1453050315/49-50

835『オープンチャレンジin星見町』/『映画スター編』:2017/05/01(月) 01:21:45
>>834

#1 ヒーロー登場→great!

あなたの登場。そして口上。
……決まった! 実にグッド。演技に物怖じせず見事なキメ台詞でございますお客様。

美しくも儚い鈴の調べと共にあなたは現れた。
決して激しく燃える炎のようではなくとも静かに牙をむく清流のようであります。
凄んだ相手であるあなたのその態度に構成員は少したじろいでいる様子です。

#2 ヒーローの強さ

オクト:「おい」

構成員1:「は、はい……」

構成員2:「ようお嬢ちゃんよぉ……俺達が不幸の元だあ? その通りだよ」

「お前も不幸にしてやるよ。人生の違反切符もくれてやるぜ」

ゆっくりと近づくあなたと同じようにゆっくりと立ち上がり近づく構成員たち。
その顔は真剣そのものです。
ただし、少し恐怖心も感じます。それは誰に関する恐怖でしょうか。

構成員1:「俺の美しさを味わいな『ワンス・アポン・ア・ドリーム』」

構成員2:「『エルクンバンチェロ』!」

構成員の一人が取り出したのは手鏡。
そこに手を突っ込んで彼は何か取り出しました。それは……鉄パイプ。床にも同じようなものが落ちていますがこれは一体……
もう一方は人型のスタンド。
二人と一体があなたに近づき……呼吸を合わせて飛び掛かる。
このままではあなたは彼らの攻撃を受け入れることとなります。
出来れば二人一気に倒したいところですが……
あなたはどう立ち回りますか?

836薬師丸 幸『レディ・リン』:2017/05/01(月) 14:08:31
>>835(GM)

「――『レディ・リン』」

(どういう能力かは分からないけど、
 これは『撮影』……見える事だけでいい)

認識外の攻撃はないものと思っていいはず。
それならば、薬師丸の行動は極めて単純だ。

          リ

   ィ
       ン

「なにも貰う物なんてない。
 あんた達には……『与える』だけ」

          シュ

    バ

             「んじゃ、行くよ」

両耳の鈴を鳴らし、『二つ分の幸福』を呼び込みながら――
スタンドを前に出し、襲い掛かる二人の『悪漢』を迎撃する。

 「……ぃぃぃる」

     その手段は極めて単純だ。

               「ぃるいるいる」

                バ
   ババッ

        「いるいるILIL」


両手を使ったラッシュによる――『突きの弾幕』。
『レディ・リン』の速度と精密性ならば『撃ち落とせる』。   

      ババババ  バババ

             「ILILILILILッ!」

――もし普通は不可能だとしても、自分には『運命』が味方しているから。

837『オープンチャレンジin星見町』/『映画スター編』:2017/05/01(月) 23:47:56
>>836

鳴る鈴。それはあなたに幸運を呼び起こす音。
運命があなたの背中を押します。
行く未来は幸か不幸か……

#2 ヒーローの強さ→great!

当然! 幸福でございます!

構成員:「ぐああああああああ!」

哀れ、構成員は地面に倒れ伏しました。
起き上がろうとする彼らですが突如として彼らの眼前には巨大な物体が現れます。
それは彼らを押しつぶし、どこかへ吹き飛ばしてしまいました。
舞った埃が流れていき異形の物体があなたの前に姿を現す。

オクト:「アラアラアラ、これはオオボラ吹きかと思ったらマジかよぉ」

気だるげに話す敵、オクト。
その割にはくねくねと動いておりますが。
彼の後ろには機械に覆いかぶさる巨大なタコ。
その足がうねうねとあなたを狙う。

#3 最終決戦

オクト:「教えておいてやろう。『エイト・デイズ・ア・ウィーク』」

「お前みたいなタコ野郎を打ちのめすんだぜぇ」

八本の足があなたに迫る(スC)
八本の足による波状攻撃は荒れ狂う波の如く。
これを崩すのは至難の業ですがいかがか。
先ほどの連撃でも対処できなくはないかもしれませんが、この数や大きさが相手なら押しつぶされかねません。
……あなたの両耳の鈴。錆びておりますよ。

838薬師丸 幸『レディ・リン』:2017/05/02(火) 00:11:59
>>837(GM)

     「……ふう」

  リ”
       リン

「……おっと――」

眼の前に表れた異形を見上げる。
そしてその本体、『オクト』を。

――恐れはない。

(今の私は、ヒロイン。
 本気で戦うなら不味い相手だけど)

      (『動きを封じる』だけなら)

死闘を演じるならば不足の手かもしれない。
両耳の鈴も、大きな不安要素になる。

だが、今は撮影だ。
それに甘えるのではなく、
それだからこそ有効な手を打つ。

     それは。


「タコ野郎……ってのは、自虐でいい?
 ああ、私ゃ『脱兎』みたく逃げたりはしない」

         「『レディ・リン』」


先ほどと同じ突きの連打――いや、違う。
精密動作性と速度の優位を最大限に活かし、
8本の脚それぞれに全力の殴打を打ち込めばいい。
足同士をぶつけるよう打ちたいが、これは『出来れば』だ。

   ヒュ
           バババババ

延々と撃ち合い続ければ、いずれ物量で負けるだろう。
だが、一撃ごとに設置されていく『最大鈴』が動きを縛る。

>オクト・フィッシュのスタンド能力は巨大なタコ。敵に吸盤を付ける能力を持ちます。

『脚が8本ある』事が能力ではない以上、
操作とスペックの相関には限界があるはず。

(規格外、って事もありえるけど……
 そんな不幸まで考えてちゃあキリがない)

       (今は見えてる事だけでいいでしょ)

8本の脚に本体との繋がりがあるなら、なおさら――
『物量を保ち操作し続ける事』自体が、困難になるはずだ。

839『オープンチャレンジin星見町』/『映画スター編』:2017/05/02(火) 01:35:25
>>838

現れた異形。
見るも恐ろしきタコの形。
しかしあなたは恐れない。ヒロインとしてこの使命を全うするのです。

オクト:「俺がタコ野郎だと……それはキンメ……いや、禁句だろうが」

「潰すぞ。『エイト・デイズ・ア・ウィーク』」

巨大なたこ足があなたに迫る。
ラッシュでの応戦。しかしそれはただのラッシュではありません。
あなたの攻撃がタコ足を弾くたびにその足には巨大な鈴がついているのですから。
ダンベルを持ったまま走り回れるものが果たしてこの世にいるでしょうか。

オクト:「んあ……?」

答えは、いるにはいるでしょうが少なくともオクトと彼のスタンドは違うということです。
多数の鈴が彼のたこ足の動きを鈍らせ、鈍れば鈍るほど叩くのは容易。
見事。あなたは彼を手も足も出ない状態にしました。

……さて、どう〆ましょうか。
敵を倒す最後の一撃はお好きな方法でどうぞ。
それと、キメの言葉も忘れずに。

840薬師丸 幸『レディ・リン』:2017/05/02(火) 01:49:57
>>839(GM)

薬師丸は笑みを浮かべ、
ゆうゆうとたこ足の間を抜ける。

「言ったでしょ?
 運命はあんた達に味方しない」

    「『運』が、悪かったわねぇ〜え」

              ニコ

『レディ・リン』の、蹴り。
鈴を設置しない――見栄えを優先した回し蹴り。

『オクト』の顔を狙って放つ。

     ヒュ

         ン

「――あんたの来世に、幸あれ」

もちろん殺す気で放ってなんかないし、
鈴を付けながら殴り飛ばす方が威力は上だろう。

しかし、鈴と殴打はもう十分魅せた。
これは撮影だ。薬師丸はギャラを貰うのだ。

           ――リン

蹴り脚を下ろした時、『レディ・リン』の手の鈴が鳴る。

                ――それで、終幕だ。

841『オープンチャレンジin星見町』/『映画スター編』:2017/05/02(火) 23:24:20
>>840

「運河……運が悪かっただとぉ……」

「お前……」

オクトの言葉を遮るように、居合切りの如くオクトに蹴りが叩き込まれる。
あなたの言葉も彼には届かないでしょう。
すでに意識の深い海の底に落ちて言っているのですから。
鈴が鳴り、舞台に幕が下りました。
あなたの戦いはこれで終わり。
そしてこの撮影もこれで終わり、です。

#3 最終決戦→great!

842『オープンチャレンジin星見町』/『映画スター編』:2017/05/02(火) 23:34:35
「グッド!」

撮影が終わり、ミスターはそんな言葉と共に賞賛の拍手を送る。
倒れていたオクト達も起き上がり集まる。
監督のバルバロは腕組みをしている。

バルバロ:「……実によかった」

「お?」

バルバロ:「初めに鈴をつける能力を見せたね。敵地に入るシーンでそれはより印象深いものになったね」

「構成員との戦闘シーンはラッシュっていう単純ながらスタンドの強力さを見せつけるにはぴったりだ」

「タコとの戦いではそのラッシュと鈴をつけるっていう今まで見せた技の組み合わせ」

「それに大きな鈴っていう新しい面も見れて実によかった」

饒舌に語るバルバロ。
その表情は読みづらいが君のことを賞賛しているのは確かだ。

843薬師丸 幸『レディ・リン』:2017/05/03(水) 00:19:14
>>841-842(GM)

「…………ふう」

      シュン

『レディ・リン』を解除する。
両耳の錆び鈴は消えないが――
まあ、それはおいおい処理すればいい。

「いやー、ありがと。
 けっこう面白いね、こーいうのも」

      ニコ

拍手に小さく手を振って応えつつ、
監督――『バルバロ』の方に振り向く。

「そりゃよかったよ。
 こっちもギャラもらってるし」

      「お気に召したならさ」

『レディ・リン』の手札はまだまだある。
『不都合』も、ほとんどない。

まあ、打算抜きでも、
喜ばれるのは悪い気はしない。

「それで、これで全部おしまい?」

「別に急いでるってほどでもないけど……」

844『オープンチャレンジin星見町』/『映画スター編』:2017/05/03(水) 00:49:35
>>843

ミスター:「楽しんでいけたのならなにより」

「いい映画が出来たようですし、ギャラも満額払いますよ。えぇえぇ」

ミスターも満足そうに笑っている。
映画の撮影は成功だ。

ミスター:「えぇ、これでおしまいです」

「ですがこれで終わりというのも少し寂しいですかな」

「ちょうどいい天気ですし。青空の下肉でも焼きますかな?」

食事の誘いのようだ。
別に裏はないだろう。
ベストフレンズを名乗る。

845薬師丸 幸『レディ・リン』:2017/05/03(水) 01:47:05
>>844(GM)

「ありがたいねそりゃ。
 楽しいだけじゃあ困るしね」

     フ

頷いて、薬師丸は時計を見た。
魅力的な誘いを受けたから。

「悪くないかな」

そして、そう決めた。

「お腹もすいてるし……
 次の仕事まで、時間もあるし」

       「場所はとってるの?」

問題ないならば、同席を願おう。
このまま帰るのは、確かにちょっと惜しい気分。

846『オープンチャレンジin星見町』/『映画スター編』:2017/05/03(水) 23:17:07
>>845

ミスター:「決まりですな」

頷くミスター。
歩き出す一行。
足取りは軽く冗談を誰かが飛ばす。

ミスター:「場所。えぇ、大丈夫ですとも。我々、いつも飯の心配はしなくていいようにしておりますので」

胡散臭げに笑いステッキを回す。
同席も大丈夫だろう。

847薬師丸 幸『レディ・リン』:2017/05/03(水) 23:48:50
>>846(GM)

「んじゃ、善は急げって事で」

        「よろしく」

胡散臭いようにも見えるが、
少なくとも、今は味方だろう。

それは――お互いに言える事か。

(『ベストフレンド』)

(スタンド使いの集団なんて、
 いかにも厄ネタではあるけど)

『少なくとも今は問題ない』。

それならば薬師丸は、望んで食卓を囲む。

848『オープンチャレンジin星見町』/『映画スター編』:2017/05/04(木) 00:27:04
>>847

彼らの素性は明らかではない。
彼らが善人であることを証明するものはない。
しかし彼らが悪人であることを証明するものもない。
『少なくとも今は問題ない』
その判断はきっと正しいものだろう。

「ミスター。A5の肉が食いたい」

「A3が一番ちょうどいいんだよ」

「俺はゲソを食いたい」

オープンチャレンジはひそかに幕を閉じる。

薬師丸 幸『レディ・リン』→『5万円』獲得

849『オープンチャレンジin星見町』/『映画スター編』:2017/05/04(木) 00:40:55
主役 スネークマン・ジョー『クローイング・キング・スネイク』×
     →薬師丸 幸『レディ・リン』○

構成員1 タイ"GPA"ミラー『ワンス・アポン・ア・ドリーム』
構成員2 サルサ『エルクンバンチェロ』

ボス オクト・フィッシュ『エイト・デイズ・ア・ウィーク』

監督 バルバロ・ベイ『ウィー・キャン・ドゥ・イット』

『オープンチャレンジin星見町』/『映画スター編』

劇終

850『一彩合彩』:2017/08/19(土) 00:52:18
『俺ってヤツは時にクールだったり、クソ野郎だったりする。
                          でも、誰だってそうだろ。』

                                    ―――――エミネム

851『一彩合彩』:2017/08/19(土) 01:44:48
ある夜のことであった。
斑鳩、硯は理由があって夜の街を歩いていた。
それは夜食の買い出しかもしれないし、何か急な用であったかもしれないし、どこかからの帰りなのかもしれない。
ともかく理由は君たち自身が知っている。

「♪       ♪
     ♪       ♪」

鼻歌が聞こえた。(ttps://www.youtube.com/watch?v=thQWqRDZj7E)
発しているのは一人の少年。
黒い髪、白い肌。
水色の薄手のパーカー。黒いズボン。汚れたスニーカー。
手に握られているのは一本のスプレー缶。
彼の足元にも似たような缶がいくつか転がっている。

「♪    ♪            ♪
             ♪
  ♪       ♪      ♪」

彼が向き合っているのは一軒の商店。
もう営業が終わっているのだろう、シャッターが下ろされている。
少年はシャッターにスプレーを吹き付け塗料を乗せていた。
……彼の動きがぴたりと止まる。鼻歌も止まる。

(・簡易的なプロフィール ・能力詳細のURL ・持ち物 ・外見情報を入れてレスをお願いします)

852斑鳩 翔『ロスト・アイデンティティ』:2017/08/19(土) 03:15:21
>>851

――勉強は学生の本分だ
だからより良い学習の為に夜食でアメリカンドッグを買うのはいけない事でしょーか?
ビニールの袋からは香ばしい匂いが漂ってくる

――そうして
ヘッドホンから流れる曲を聞きながら、帰りついでに散歩してた時にそれが目に付いて
僕は声を掛けた、偶然か必然かは知らないけれど。

「こんばんは、良い夜だね。」

遠巻きに眺めた後 ヘッドホンを外し、近づいて挨拶する
(つい目に留まったけど、邪魔しちゃったかなあ?)
鼻歌まで歌っていたし…今のは確かバッハの…?

「気分が良さそうなのを邪魔したのは謝るよ。」

事実近づいて手を止めさせたのは僕の方だ
買い物袋を手に提げながら、砕けた笑顔でもう片方の手を握手の為に差し出す。
彼とも仲良くなれると良いけれど。

「僕斑鳩、斑鳩 翔 ……ところでその足元の缶って空のやつ?拾って捨てたいんだけど。」



・簡易プロフィール 星見町に転校して来た高校2年生 心を治せる『スタンド使い』を探している。
一部の他人からは過去の天才 自分だけが知るのは三重人格 本人は気づいてないがマザファザコン。

・能力詳細 (ttp://jbbs.shitaraba.net/bbs/read.cgi/comic/7023/1453050315/l50)

・持ち物 財布 スマホ ヘッドホン お家の鍵

・外見情報 白のドレスシャツに黒のジャケットとグレーのジーンズ 男性 176cm 身体は絞ったワイヤのよう
左手首にミサンガを3つ、首に赤く短いマフラー、右手首に古い手巻き式腕時計 有名モデルの去年発売最新スニーカー
笑顔は何処か間抜けな印象を与えるが、目が笑っていない。

853硯 研一郎『RXオーバードライブ』:2017/08/19(土) 13:41:36
>>851
夏休み、何時もの様に近所に住む友人の家に遊びに行った帰り道、
目の前に現れたは閉鎖したシャッターをキャンパスにグラフィックを描くストリート系の少年。
一体何を描いてるのだろうかと覗き込んでみる。


「……」

「確かに、ここ最近の空前絶後のフリースタイルブームのお陰で
HIPHOPのアングラなイメージも大分払拭されつつありますが、
やっぱり未だに『HIPHOP』=『ヘイ!YO!チェケラッチョ!』」


ビシッ!

「みたいな」

「印象が未だ根強く残ってるでしょうし、
君みたいな『ペインター』は『HIPHOP』ではなく単なる『軽犯罪者』として扱われる事も少なくないでしょう。
なのですッげェ〜〜〜良いと思うんですよッ。
ワックなオトナたちの鼻を明かす為に夜な夜な『創作』に勤しむッ」


「俺は応援しますよ」

そして、上を見上げ少年がペイントしてる商店の看板を確認する。

「君が『ラクガキ』してる店が、
多分というかひょっとして『俺ん家』じゃなかったらの話ですけど」


自分が帰り道を間違えていないのならば、少年がスプレー缶をぶちまけてる店の軒上には
とびっきりポップな字体で『おもちゃとゲームのすずり』と書かれた看板が掲げられている筈だ。
もしかしたら、自分の『勘違い』かもしれないが。
===========================================
◆『簡易プロフィール』&『外見』
特筆すべき要素のない何処にでも居る不良男子高生。
真っ金金に染めた伸び放題の長髪、両耳にはピアスがギッシリ。
服装は上は黒のタンクトップに、下は軍パン、履き古したスニーカー。


◆『所持品』
スマホ、小銭入れをポケットに、
袋に入ってない無加工のカボチャを小脇に抱えてる。


◆『スタンド概要』
手足で触れた物に『車輪』を取り付けるスタンド。
車輪を取り付けた対象を『安全運転状態』にする事で、
速度抑制と精密動作、一度限りの衝撃吸収を与えられる。
 
『RXオーバードライブ』Rx Overdrive
破壊力:B スピード:A 射程距離:E(1m)
持続力:E 精密動作性:E 成長性:B
(詳細:ttp://jbbs.shitaraba.net/bbs/read.cgi/comic/7023/1453050315/58)

854『一彩合彩』:2017/08/19(土) 23:16:24
>>852 (斑鳩)
>>853 (硯)

少年に声をかける二人。
硯が覗き込むとシャッターに描かれた絵が見える。
イルカやペガサスなど存在するしないに関わらず様々な動物達がシャッターの上でポーズを決めている。
ただ一つ。ど真ん中に描かれているマークだけがその中で微妙に浮いている。
SとT。二つのアルファベットが組み合わさったような見た目だ。

「あ?」

少年が振り返った。
目の所に青いあざがある。
頬には何か切ったような傷もある。
少年の顔に幼さはない。少々彫りが深く、髪は整髪料でオールバックにされている。
コワモテという感じだ。鋭い目線。ただ敵意は感じられない。

「……一つずつ。一つずつ」

「まずはあなたから」

彼が硯の方を向いた。
少年がパーカーを脱ぐと、半袖のシャツと彼の腕が現れる。
彼の顔同様、腕にも生々しい傷跡があった。
あざや擦り傷切り傷、黒ずんだ火傷のようなあともある。
そして少年はパーカーを地面に落とし、膝を折った。
手を着き、土下座の状態だ。

「非礼をお詫びします」

「シャッターの塗りなおしの業者等々手配いたします。ただこの絵の完成だけ待ってもらえませんか」

「身勝手な頼みというのは理解していますが、絵が完成した後はどうしていただいても構いません。『ケーキ屋さん』」

軒上に上がっている看板は『Cafe Carnival』
『おもちゃとゲームのすずり』の看板が隣に並んでいる。
帰り道は間違えていない。ただ店が隣だったというだけだ。

「それと、そこのあなた」

土下座の状態から斑鳩の手を掴む。
ゆっくりと立ち上がる少年。

「良い夜、とは俺は思えないですが、月がきれいな夜ですね」

「それとこの缶はまだ使えます。捨てられると絵が描けない」

855硯 研一郎『RXオーバードライブ』):2017/08/19(土) 23:30:57
>>854


     「あァ」

「いえ、どうやら『勘違い』だったみたいで。
 俺ん家は一軒横のおもちゃ屋です。
 てっきり『Switch』を手に入れられないクソガキが腹いせに、
 俺の家を襲撃して憂さ晴らししていたのかと」

『グラフィティ』をペイントされたのが、
自宅ではなく隣の『ケーキ屋』だと気付き、安堵の表情を浮かべる。
そして、『ペインター』の『少年』の服の下の生々しい傷跡に気付く。

           「あの」

眼前では普通じゃあない様子の『少年』が、
真夏にも関わらず『マフラー』を巻いてる別の少年
中々に『電波』な会話を繰り広げているわけだが、

「失礼を承知の上でお尋ねするが、
 もしかして君達は、気が狂ってるのかい」

856斑鳩 翔『ロスト・アイデンティティ』:2017/08/19(土) 23:53:00
>>855
>>854

手を握って立ち上がらせると少年の肩を払おうとする
そして二人の顔を見比べてニッと笑った

「そっちも、ハロウィンは二月先だと思いますよ。」

喧嘩にはならずに済んだのかな…まあ暴力沙汰にならないのは良いか
そういや買い物袋どうしよう…アメリカンドッグまだ3本残ってたよなあ

「それと、もう一度名乗っときますけど……僕は斑鳩、斑鳩翔 空は飛びませんけどね。
缶は使うのかぁ……早とちりしたのも悪かったよ ごめんね。」

――痛々しいな
目線を動かさないようにしてはみるが、どうしても傷に目が行く
後ろの絵を見てみるか。

「後ろの絵、ペガサスと…イルカかな?空を飛んだり海を泳いだり…このTとSはシンボルかしら。」

「ところで2人とも名前、聞いて無いんだけど。」 ニッ

857『一彩合彩』:2017/08/20(日) 00:29:38
>>855 (硯)

「あぁなるほど。勘違いでしたか」

「いいですね。swich。スプラなんとかとか、ゼルなんとかとか」

硯に言葉を返す少年。
相手の目をしっかり見て話すタイプであった。
黒い瞳からの視線が硯に向けられる。

「いえ、その。気が狂ってると言われると困りますね……」

開いている方の手で頬をかく。
指先には絆創膏がまかれている。

「俺は狂ってないと思うんですけど、そもそも狂ってないやつは狂ってるかなんて聞かれないもので……」

>>856 (斑鳩)

「あぁそうですか。ハロウィンは……よくわかりませんが」

少年が手を放す。
そしてパーカーを拾った。
しゃがみこんだ際にほんの少し顔をゆがめる。

「……TとSじゃなくて、SとTなんです」

地面に転がっているスプレー缶を一本拾い上げる。
ラベルを見て色を確認すると小首をかしげてそれをまた地面に置く。

>>ALL

「申し遅れました。俺は夏目慶(なつめけい)」

「これはグラフィティアート。ちょうど、『おもちゃ屋さん』が行ったみたいにヒップホップの一部ではあります」

そういって慶は深く頭を下げた。

「えっと、何から話せばいいでしょうかね」

「聞きたいことがあるならそれから答えますが」

858硯 研一郎『RXオーバードライブ』:2017/08/20(日) 00:55:08
>>856>>857(斑鳩・GM)

 「これですか」
「ハロウィン用にくり抜くには適さないですが、
 煮つけにでもしたら美味いんじゃあないですかね」

         コンコンッ

バスケットボールの様に小脇に抱えた南瓜を
空いてる手で軽く叩き音を鳴らす。
実がぎっしりと詰まっている音だ…。

「硯 研一郎(スズリ ケンイチロウ)。
 お察しの通り、そこの玩具屋の倅です。
 最も、今日は家には俺以外誰も居ませんが」

「慶さん、翔さん、とりあえずお話しをしませんか。
 そもそも慶さんは何でそんな傷だらけなんですか。
 何故『病院』に行かず、鬼気迫る様子で『グラフィティ』を描いていたのですか。
 
 ――慶さん、ひょっとして保険証を忘れたのかい」

的外れな質問を『夏目』に降る。
(だが実際、『夏目』の負っている傷はちょっと尋常ではない)

859斑鳩 翔『ロスト・アイデンティティ』:2017/08/20(日) 01:00:29
>>857
>>858

「夏目 慶君、と 研一郎君、かあ……これで聞きたい事は聞いちゃったな」

僅かに微笑んでみせる 
事実僕が彼らに聞きたい事は殆ど無い、聞いていいのか解らない事はあるけれど。

「グラフィティアートって言うんだろ?帰り道に偶々目に入っちゃって
こんな絵を描く人の名前が知りたかったんだよね ほら、名前って大切な物だし
自分の名前、他人の名前、大切な物の名前、呼ぶにしても、「おい」とか「こら」とかじゃ
呼びたくないし、僕も呼ばれたくないなあ。」

(主に狂ってるとか狂ってるとか、こっちは声に出さないけど。)

「『自分が嫌がる事を他人にしてはいけません』耳に蛸が出来るほど聞いたけど同時に正しいよ、これは。」

そこまで言って肩をすくめて困ったように笑う、事実僕がここに居るのはそのせいだから。

「それに、『僕が聞きたい事』と『君が言いたい事』は必ずしも合わないだろうから。
……例えば、なんでそんな怪我してるのにここで絵を描いてるのかな、とか。」

僕が想像できた理由は
あまり楽しい事とは思えないし、誰かが怪我をした経緯を聞いても笑えやしない。

860『一彩合彩』:2017/08/20(日) 01:49:08
>>858 (硯)
>>859 (斑鳩)

「……なるほど」

「硯さんは怪我とグラフィティの理由。斑鳩さんはまぁ特になしと」

夏目はにこりとも笑わない。
表情が変わらず仮面をつけたようだ。

「怪我とグラフィティは繋がっています。グラフィティを描いているから怪我をした……いえ、させられたという感じで」

「一つずつ。一つずつ。お答えしましょう」

「まず第一に。このSとTのグラフィティは俺の描いたものではありません」

それ以外は確かに自分が描いたということでもある。
SとTの組み合わさったシンボルだけが違う。だからか違和感のあるものである。

「グラフィティには暗黙の了解がある。『他人のグラフィティの上に描く時はより完成度の高いものにすること』」

「俺はこのグラフィティとこれを描いたやつが気に食わない。だからその上によりいいものを描く」

「そして了解の一つには個人商店や個人宅は狙わないというのもある。だから、この絵は消す」

ただ消すのではなく、自分で絵を描いてから消す。
無駄とも思えるその行為が大事らしい。

「で、怪我とこのSとTのグラフィティもまた繋がっています」

「俺の怪我の原因はこの下手くそなグラフィティを描いたやつらですから」

「そいつらと俺はかつてオトモダチでした。だけど、俺は……」

                 ワンワン

犬の鳴き声……のような音が聞こえる。
それは妙に高い音でそれでいてかすれたような音だった。
鳴き声はどんどんと近づいていき、やがて止まった。
慶の足元に音の原因がいる。
そいつはなにやらべったりとした緑色の外見をした犬だった。
いや、それを犬と言っていいのかは判断が分かれるところではある。

    ワンワン

「……しまったなぁ」

「ちょっと一時中断でいいです?」

861硯 研一郎『RXオーバードライブ』:2017/08/20(日) 11:51:00
>>860
「成程」


顎に手を添え、
頭の中で自身の感想を適切に表現する言葉を探る。
少しの間を置き、その言葉を口に出す。


「中々に――『ギャングスタ』ですね。

 俺もこの偏差値の低そうな見てくれの通り、
 そこそこ荒れた生活を送っていた、と思っていたのですが。
 慶さん、君に比べたら俺の日常は児戯だったみたいだ…」

   
      「ゲットーシティー星見町。
       ジャパニーズ・デトロイトへようこそ」


                ワンワン

「おや、犬ですか。いや…犬か?
 ちょっと待ってくれ、これはどう考えても犬じゃあないでしょう。
 え、いや、犬なのか。犬か。緑色の犬…」


『夏目』の足元にすり寄ってきた、
異様な風体の『犬?』の姿を見て混乱する。


「翔さん、俺にはこの犬が『緑色』に見えるんだが
 君の目にはどう映っている?
 ―ーひょっとして俺は狂っているのか?」

862斑鳩 翔『ロスト・アイデンティティ』:2017/08/20(日) 13:12:38
>>860
>>861
――オトモダチ SとTのグラフィティ 怪我の原因
 暗黙の了解 させられた 緑の犬 しまった 気に食わない 
繋がり やつら シンボル ……ああ

「君って良い人だよな……僕、感動したよ、夏目 慶君。
それに君って推理小説みたいだ……一つ聞くと次に聞きたい謎が沢山湧いてくる
ますます君と『友人』になりたくなってきた。」

星見町…ここに来てよかった数日もたたないうちに……
これは多分『スタンド』かもしくはそれに類するものだ。
――やった。

「今度、幸さんに会ったら…お礼を言わなくちゃ
彼女は僕に幸運を運んできてくれた。」

一歩ずつ僕は『目標に近づいている』…笑顔が止まらない
右手首に巻いた腕時計のゼンマイを巻きながら口角が上がっていく。

キチキチキチ・・・

「硯健一郎君 僕もそう見えるよ、そしてこれを…これを僕は探してたんだ。
狂うのは困るけど、この『緑色の犬みたいなの』を探してたんだ。
『今日』は『良い日』だ、後で三人で『アメリカンドッグ』食べよう!
夏目君のグラフィティも見てみたいなぁ〜ッ!僕描かれてる所は見た事ないんだよね!」

買い物袋を掲げて見せる、確かまだ三本丁度入ってた筈だ。

「でもこれには今答えなくていいや、今僕が聞きたいのは
これが『君達の犬か』って所かな…『YES』か『NO』か?」

YESって言ってくれたらこれは危険の警告をしてくれてるかもしれない
けど、もしNOなら…この『犬』は彼を傷つけている物だ……『敵』になる。
しかも何方にしろ『近づいてきている。』

863『一彩合彩』:2017/08/20(日) 23:20:28
>>861 (硯)

「……いや、純粋にあいつらに問題があったんですけど」

「エクリプスだのなんだのと……」

硯の言葉に困ったような顔をした。
と言っても若干眉がハの字になったくらいだが。

>>862 (斑鳩)

「幸さん? ……まぁいいか」

「そして残念ですが、アメリカンドッグはいりません。そういう状況でも心境でも状態でもないので」

スプレー缶を掴んではケーキ屋と硯の店の間の空間に投げ入れていく。
犬はもう鳴かないが慶の周りをくるくると回る。

「これは俺の犬……であり作品です。それと、グラフィティが見たいならそのシャッターでもこの犬でも好きなように」

>>ALL

「俺はストリートギャング気取りのアホどもと一緒にいたことがある」

「色々あってそのグループを抜ける時に俺に恨みを抱いたのがそいつらのリーダーという訳で」

店と店の間。
街灯の光も届き切らず薄暗い空間。
先ほど地面に転がっていたスプレー缶を放り込んだ場所。
そこに向かって手を向ける。

「『クラウンシティ・ロッカーズ』」

手の中に現れたのは一本のスプレー缶だ。
けばけばしいデザインをしている。そしてほんのりと透けている。
『スタンド』だ。

「この傷はそいつらからのもんで。まぁ、俺にも責任はあるんですけど」

『クラウンシティ・ロッカーズ』から色が吹き出る。
黒い色だ。それはまるで空間を着色する様に店と店の隙間を塗っていく。

「説明が面倒くさいので、これについては後で話します。必要なら」

「とりあえず俺は隠れます。多分、変なやつらが来るので適当にごまかしてもらうか、帰ってもらえれば」

慶が色を塗った場所に一歩ずつ足を踏み入れていく。
黒い色の中に少年の姿が溶け込んでいき、やがて見えなくなった。

864硯 研一郎『RXオーバードライブ』:2017/08/20(日) 23:36:14
>>863(GМ)

「『エクリプス』。
 知らない単語です。
 多分、説明する方も面倒くさいし、
 説明される方も面倒くさいことになる事案でしょうし、
 俺はあえて訊かないでおきますよ」

     シュウッ   「あれ」

     プシューッ  「………あれ」


慶の手の中に現れた半透明の『スプレー缶』。
そしてあれよあれとその姿を隠してしまった。
目の前の光景に絶句し、感嘆の表情を浮かべる。


            「翔さん、コレは何なんだい」


「隠れた慶さん曰く、割とすぐに『追手』が来るらしい。
相手が明らかな『輩』だった時に備えて、
自宅から何か『武器』になるものを持っていきたい所だったが……
せっかくだしその『アメリカンドッグ』を頂けないかい」


斑鳩にお願いをし、貰えたのならば
アメリカンドッグを食べながら『追手』を待つ。

865斑鳩 翔『ロスト・アイデンティティ』:2017/08/20(日) 23:43:18
>>863
「うーん、強敵だなあ……僕だけ浮かれすぎたな。」

けれど予想は正しかったな…
肩を回しながら自分の考えを口に出して整理しておこう。

「取り合えずあの子は僕と同じ『スタンド使い』なのか
もう少し話を聞きたいんだけど隠れてしまったし……。」

周囲を見渡す、人影が有れば即座に対応できるから

「エクリ……は良く解らないけど もうすぐ『危険な人』が来るって認識で間違いは無いか。
あの『緑の犬』は彼にとって危機探知の出来るセンサーなんだ」

あれは後で説明してもらおうかな…知りたい事が沢山出てきたし。

「あのカラースプレー…『使う色によって効果の違うスタンド』なのかな
まあ取り合えず心の準備をしたほうが良いんだろうな…『次の出会い』の
やつらって言ってたけど複数人来たのかな。」

スニーカーの靴紐を縛って足を解しておく
もしかしたらだけど使う機会が有るかもしれない。

「控えめに言っても『あまり良くない人達』みたいだし。」

866『一彩合彩』:2017/08/20(日) 23:44:08
店と店の間の空間に『クラウンシティ・ロッカーズ』で色を塗り、そこに姿を隠した慶。
緑の犬も慶を追うように色の中に飛び込んだ。

音が聞こえた。
それは徐々に大きくなる(ttps://www.youtube.com/watch?v=5qm8PH4xAss)

「ヒップホップ ギャングスタ」
                      「ヒップホップ マニーマニー」

まず目に入ったのは一人の黒人だった。
金髪をとさかのようにおっ立てた背の低い男。
ダメージジーンズ。白いタンクトップ。綺麗なスニーカー。
そしてジーンズのベルトの場所に引っ掛けられた黒地に緑の模様が入ったバンダナ。
胸からコードが伸びていた。
それは彼の右手に伸びており、右手の中にある不思議なマイクとつながっている。
これも慶の『クラウンシティ・ロッカーズ』と同様透けている。

次に目に入るのは対照的に背の高い黒人。
コーンロウの黒髪。ダメージジーンズ。白いタンクトップ。汚れたスニーカー。
そして頭には鉢巻のように隣の小男同じ黒地に緑の模様のバンダナを巻いている。

彼ら二人の周りには何人かの男たち。
男たちは彼らのような恰好はしていない。いかにも日本人という顔といかにも現代人という装いだ。
ただ、目の焦点が若干あっていない。
男たちの中の一人の手にスマホが握られている。そこからこの音楽が鳴っているようだ。

小男:「くそ、K。K。K。ケイよォ……あの馬鹿どこ行きやがった?」

大男:「G9」

小男:「……あ? へぇ……」

黒人と集団が絵の前で止まる。
それから小男が硯と斑鳩に目線を向ける。

小男:「なァあんたら。ここで日本人の男見なかったか? スプレー缶とか持ってるやつなんだけどよォ」

    「知らね?」

867『一彩合彩』:2017/08/20(日) 23:45:22
>>866

>>864 (硯)
>>865 (斑鳩)

868斑鳩 翔『ロスト・アイデンティティ』:2017/08/20(日) 23:50:11
>>863
「あれ?健一郎君 見えてたから僕と同じだと思ってたんだけど…実体化してたのかなあ。」

アメリカンドッグを手渡しながら頭を描いて苦笑いする

「でも君も帰らないんだなあ、赤の他人なんだけど
結構僕たち似てるのかもね、『行動原理』とか……あ、ケチャップとマスタード いる?」

869硯 研一郎『RXオーバードライブ』:2017/08/21(月) 00:00:20
>>868>>867(斑鳩・GМ)

「翔さん、『研一郎』のイントネーションが違う。
 『健』やかではなく『研』ぎすます感じの発音だ」

             モグモグ

『アメリカンドッグ』を咀嚼して待っていると、
やって来たはラップミュージックをBGMにした
これまた随分と『ヒップホップ』な集団。


         「『50セント』か。
          中々に『クラシック』だが悪くない」

こちらに訊ねてきた、
黒人の小男の前に立つ。

「知らないですよ。
 黒人さん、此処は俺の家だ。
 悪いが今日の処は帰ってくれないか」

870斑鳩 翔『ロスト・アイデンティティ』:2017/08/21(月) 00:02:10
>>866
2人の姿をざっと見て、努めて笑顔のまま
「こんばんは、人を探してるんですか?」
「日本人なら見たよ?名前も聞いた
でも君達と入れ違いに何処かへ行ってしまったんだ」

一応噓をつかないに越した事は無いな…『嘘』は言ってない
……『言ってない』事はあるけど。

…あの『マイク』あれも『スタンド』か、目線が行かないように注意しないとな。
多分この人達から見て僕らは『スタンドが見えてない事になってる』し。

「僕は斑鳩、空は飛べないけどね……君達なんて言うの?」

871『一彩合彩』:2017/08/21(月) 00:26:39
>>869 (硯)
>>870 (斑鳩)

小男:「どう思う。ビッグ……おい聞いてんのかミスタービッグ!」

大男:「……」

大男はサムズアップで返した。
イライラした様子の小男が二人の顔を交互に見る。

小男:「知ってる奴と知らねェ奴がいる……おい、そっちのマフラー。なんでこの季節にマフラーなんだよおい」

   「斑鳩っつったか。おい、そいつどっち行ったよ?」

小男は斑鳩の方に話の相手を決めたらしい。
落ち着きなく動く彼の体に合わせて髪が揺れる。

小男:「名前、んだよ……俺はG9。ジーでナインでG9。こいつは……」

    「ビッグ? おい、ビッグ。お前名乗れよ」

ビッグと呼ばれる大男は斑鳩の方ではなく硯の方を見ている。
腕を組み、片方の眉をくっと上げた。

ビッグ:「50セント。いいだろう……悪く、ないだろう?」

G9:「……こいつはミスタービッグ。ちょっとアホだ気にすんな」

    「それで、どこ行ったよ」

872『一彩合彩』:2017/08/21(月) 00:26:55
>>871
メ欄ミス

873斑鳩 翔『ロスト・アイデンティティ』:2017/08/21(月) 00:42:34
>>869
「『研一郎』か、ごめんごめん 国語のテスト赤点ギリギリのせいかなあ…
次は間違えないと思うよ…ごめんやっぱ50回くらい言って言い慣れれば間違えないと思う。」

>>871
「G9さんとミスタービッグさん、だね よろしく。
マフラーは僕にとっての『50セント』みたいな物かなあ。」

笑顔で腕を差し出す、勿論握手のつもりだ 相手が答えてくれたらだけど。

「それで何処行ったか何だけど…ごめんなさい
見えなかったんだよね、すぐに影になっちゃって。」

……これも嘘は言ってない、何処行ったかは彼が隠れたので事実解らないし
『スプレー』の影になったのも見えなかったのもそうだ。

(嘘を付くと人間、妙な癖が出かねないからなあ
でも研一郎君には悪い事したかなあ……後で謝ろう。)

――荒事にはなりたくないけれど
後ろの人たちはどう考えても『普通』じゃないよな…
『マイク』のせいなのかな?

874硯 研一郎『RXオーバードライブ』:2017/08/21(月) 00:54:58
>>871

          プッ

咥えていた『アメリカンドッグ』の櫛を吐き捨てる。
どうやら連中、かなり『面倒』なようだ。

「G9さん、ミスタービッグさん、
 君達は『ラッパー』のようだ。
 だったら『ラップ』で返答をさせていただきます。
 別に俺は『ラッパー』ではないし、拙いとは思うが
 せっかくだし『日本語ラップ』を聴いてみれくれ」



       「…ン”んッ」

       「ヘイヨォ、ヘイヨォ」

咳払い、喉の通りを良くし
眼前に立つ2人の黒人を眼前に見据え、
『50セント』の音源に合わせて体を揺らし――

875硯 研一郎『RXオーバードライブ』:2017/08/21(月) 00:59:28
「ヘイヨー ・・・・           ・・
 俺はMC『スズケン』、イケてる奴らは俺に続けッ
 ブチャヘンザ!ブチャヘンザ!」

   
               ズチャズチャッ
   ・・      
「何がG9だァ?  
大層な名前の割には随分、ちんちくりんッ
   ・・・・
背が、小さいんだなぁHaッ!ウけるぜ」


   ズチャズチャッ
「G9の連れのミスタービッグ?Ahッ?
 それじゃあヒップホップじゃなくてッ、ロックバンドじゃねーか!
 マイクじゃなくてピックでも摘まんでろカスがッ!」

     ズチャズチャッ
 ・・・・・
「エクリプスだが何だかしらねーが、
    ・・・         ・・・
 お前ら熱気球みたいに萎んで絶滅危惧種〜ッ!                         
 此処は日本だクソニガー、とっとと帰りなマザファッカァ〜〜♪」



手下がスマホから流している『50セント』の音源をビートに、
フロウを出す為に若干強引に言葉を詰めた即席のラップでアンサーをする。
『韻』も安いし、小節もかなり際どかったが、
『硯』は別に『ラッパー』ではないし、拙さは『ご愛敬』だろう。


         びしぃっ  中指を立てる。


「適当にはぐらかしてお帰り頂くよりも、
 とっとと追い返した方が手っ取り早いと気付きましたよ。
 G9さん、ビッグさん、大変申し訳ないが『ファックユー』だ」

876斑鳩 翔『ロスト・アイデンティティ』:2017/08/21(月) 01:17:14
>>875
「研一郎君……喧嘩っ早いの良くないと思うなあ、僕
せっかく『友達』になれそうだったんだけどなあ。」

少し考えてから肩をすくめてへらりと笑う
差し引いても案外悪くない物が聞けたし 日本語ラップ。

「それに相手はやたら多いんだぜ?見た感じ1対…2…えーと…たくさん。
君一人で喧嘩するの?全員と?」

「……あ、後でそこの串捨てさせてね。」

877『一彩合彩』:2017/08/21(月) 01:41:27
>>873 >>876 (斑鳩)
>>874-875 (硯)

G9:「知らねェってよ。ビッグ、別んトコ行くぞ」

そういって集団は去っていく……とはいかなかった。

G9:「ビッグ聞いたか今の?」

ビッグ:「お前のラップよりうまい。大物になる逸材かもしれない」

G9:「え、俺そんなに下手か? いや、そこじゃねえよ。ナメられんのは俺達のポリシーに反するだろ?」

    「俺達ストリートサグのルール。『ナメられっぱなしじゃ終わらねえ』ってのあったろ?」

    「俺らだって植物みてェに穏やかに暮らしたいって訳でもねェしよ?」

    「そんな時どうするよ。どうするよブラザー。なァおい、お返事は拳だろ?」

G9が手に持ったマイクをもって男たちに話しかける。
なんだか曖昧な返事を返す男たち。
50セントの音は止まった。硯たちに男たちが近づいてくる。
反対にビッグとG9は離れていく。

G9:「ムカつくよなァ。そういうのはよォ。ビッグ、お前のも出せ」

ビッグ:「だるいな……『アウトキャスト』」

ビッグの腕に二枚のディスクのヴィジョンが浮かび上がった。

G9:「あいにく俺はこんな季節にマフラー巻いてる奴と友達にはなりたくねェし、ナメられんのも好きじゃねェ」

    「暴れろお前ら。日頃のストレスたまってんだろ? 解放しろよ。ほら、ぶっ放せ」

集団の中の一人。
髪を染めいかにも不良ですと言った感じの男が飛び出し、拳を振り上げた。
標的は硯らしい。

878硯 研一郎『RXオーバードライブ』:2017/08/21(月) 05:56:24
>>877
質問です。『ビッグ』が発現した『ディスク』の大きさはCD大程ですか?
また発現された『ディスク』は『ビッグ』の胸元で浮遊している?

879『一彩合彩』:2017/08/21(月) 13:31:53
>>878
CDのサイズ
CDほどのものが二枚

発現された場所
ビッグの左腕(前腕部)に二枚が重ならない様に並んでいる。

880硯 研一郎『RXオーバードライブ』:2017/08/21(月) 18:25:48
>>879(GM)
解答に感謝。


>>876(斑鳩さん)
「翔さん、此処は俺の家の前だ。
騒いでる連中に『文句』を言う権利くらいある筈でしょう」

淡々と隣の『斑鳩』に返す。
その語調に苛立ってる様子はない。

「それに俺は、『小物』ですからね。
ついキャンキャンと吠えてしまうんですよ」


>>877(GM)

「Mr.ビッグさん、
出来の悪い『兄弟』を持つと気苦労が絶えないだろうな。
先に言っておくが、君の事は嫌いじゃあない。
『王様』らしく飄々としてる所にグッときた」


(拙いラップを褒められて嬉しい、
というのもあるが)

「それに『Mr.BIG』が『アウトキャスト』の『CD』を出すとは、中々に『ユニーク』……
今の俺は、君のギルバートの『ドリル奏法』みたいにド畜生そうなプレイを想像してハートがハードに恐々で焦燥だ」


ザッ

向かって来る『不良少年』に向き直り


「G9サン、俺は気が違ってるのかな。
君の目にはーー俺はどう見える?」


ズギュン!


『装甲車』を連想とさせる機械的、そして屈強な体躯の人型の『スタンド』を傍に発現。
その『スタンド』で見様見真似の『八極拳』の『鉄山靠』のような当て身を、殴りかかってきた少年目掛け放ち、吹き飛ばしたい。パス精BAE。
(上半身全体を『面』として使う事で精密動作性をカバー)
また『不良少年』に当て身を放つ際に、真正面に固まってる、いわゆる『モブ』の『不良少年』達の方向へ飛ばす事を意識して、あわよくば何人か巻き込む形にしたい。
あくまでも、あわよくばだが。

881斑鳩 翔『ロスト・アイデンティティ』:2017/08/21(月) 19:49:56
>>880
「そっか…君の家の前でもあったな 僕が考えたらずだった
それじゃあ仕方ないかなあ……友達になりたかったんだけどなあ
でも良い事も有ったな、『スタンド使い』に4人も出会えるなんて。」

関係ない人の為に戦う理由なんて無い
さっさと帰ってしまおう斑鳩、お爺ちゃんとお婆ちゃんが心配している
何にも悪い事じゃあない…彼らの目的は硯 研一郎君だけだ

「……多分解ってると思うけど
少年たちを操っているのはG9さんが手元に握ってるマイクだ
スマホのBGMを消したから、多分あれには音声で入力する
距離を取ったけど僕たちから隠れる程じゃないっていうのは
きっと簡単な命令だけしか出せないんだと思う。」

腕時計の螺子を巻いておく、次は下手をする巻けないかもしれない。

「ビッグさんの方は解らないな、でも一緒に距離を取った
ディスクからして音か、あるいは射出するか……何方にしろ
『遠距離から攻撃できる』……んだと思う
『火傷に出来る攻撃』も有るかもしれない。」

ヂャララララ……ギリィ

「G9さんだけを『気絶』させれば相手の数の利は無くなるよ」

カチン!カチン!カチン!

「そして……今の君の動き的には」

斑鳩の全身に鎖が巻き付いていく
そして足首から2メートルほどの鎖を三本伸ばして切り離し
をねじりながら結合する。

「全長2メートルの『鎖の槍』
適当に下半身を狙って振り回せば、君のパワーなら転倒させられるし
逆に前で振り回せば多少の防御も出来る 壊れても僕にダメージは無いから安心して。」

研一郎君に出来た槍を渡そうとする(可能なら)

「君の……かっこいい装甲車の『スタンド』が使うなら、だけど。」 ニッ

近くに電信柱が有れば其方に移動しておきたい
足場部分のボルトに手首の鎖を伸ばしかけて結合させ、鎖を伸縮させて上に移動する
可能ならそのまま登って行って何処かの屋上に移動しておきたい

882『一彩合彩』:2017/08/21(月) 23:06:09
>>880 (硯)
>>881 (斑鳩)

ビッグ:「……そうか」

G9:「嬉しそうにすんなって」

温度差のあるG9とビッグ。
イライラしているのはG9だけだ。

ビッグ:「スズケン、一つ言っておく……G9はラップの素人だが……」

     「俺は素人DJだ」

硯のスタンドが発現し敵に鉄山靠のような動きを行う。
装甲車のような屈強なスタンドが陸の船と呼ばれる八極拳の一撃を繰り出した。
その膂力、そのスピード。共に人のそれを超える。
背中の辺りをぶつけるという面の攻撃はその精密性をカバーし一人の敵を吹き飛ばす。
吹き飛んだ敵は近くの敵を巻き込んで倒れる。
巻き添えを食らったものは立ち上がろうとするが直接攻撃をされたものはうめき声をあげているのみだ。
敵の数『八名』そのうち立っているものは『五名』だ。
残りの五人は広がりつつ硯に接近する。

敵の能力に予想を立てながら斑鳩はスタンドを発現する。
そして鎖を伸ばし切り離す。
それには少々時間がかかる。三本分を作る時間がだ。
槍は完成したが電柱への移動は完了していない。

G9:「ビッグ、あいつ速いぜ。恐ろしく速い体当たりだ。俺じゃなきゃ見逃しちゃうね」

    「合わせてやれ、あいつに」

ビッグ:「……」

ビッグの右手が左腕に発現したディスクの一つに触れる。
ディスクをこするように手が動き、腕が振り抜かれた。
回転。ディスクが回転を始める。
それに反応する様にもう一枚も回りだした。
まるで歯車がかみ合って回るような動きだ。

G9:「『アウトキャスト』のけ者って名前の割にはのけ者にしねェってのは変な話だなァ?」

883硯 研一郎『RXオーバードライブ』:2017/08/22(火) 00:01:33
>>882(GМ)


 
      「凄いです」


もしかして、と思ったが
敵は『МC』と『DJ』のコンビ。
あまりにも愉快な光景に、感嘆の声を漏らす。


「翔さん、彼ら、操られていると言うよりも、
 渋々従っている感じがしてならないんだ。
 俺はどうにも考察が苦手なんだが」

      スッ

『G9』と『ビッグ』に注意を向けつつも、
周囲を囲む『不良少年』達の様子を視界の端で観察しておきたい。
『不良少年』達の顔から、例えば顔に生気が感じられない、
白目を剥いてる、涎を垂らす等…
明らかに『操られている』様子は伺えるのだろうか。


       「ビッグさん、安心してくれ。
        俺も『こちら』に関してはクソ程の素人だ」

  ズギュンッ!

『RXオーバードライブ』でスタンド自身の右掌に触れ、
『車輪』を1輪、発現。『車軸』は当然触れた『右掌』。
発現する『車輪』は――直径30㎝程の、『オートバイ』の『車輪』。
(参考画像:ttps://images-na.ssl-images-amazon.com/images/I/81wFZ3qhFiL._SL1500_.jpg )
『二輪車』の構造上、『車軸』と『車輪』の間には『シャフト』が現れる為、
『車輪』が直接『オーバードライブ』の腕に触れる事はないだろう(※)。


  「翔さん、ビッグさん、あとG9さん。
   せっかくだ――楽しい『ライヴ』にしよう」

          スワッ

『車輪』の設置が完了したのならば、
背後から攻撃される可能性を排除する為に、
『グラフィティ』が塗られた『シャッター』を背にし
彼我らの正確な距離を把握したい。



※『車輪』設置の大まかな図


=========←『ホイール』
=========
    ||←車軸
 ̄腕 ̄ ̄ ̄ ̄}←手のひら
 ̄ ̄ ̄(_.|.←握り拳

884斑鳩 翔『ロスト・アイデンティティ』:2017/08/22(火) 01:04:12
>>882
>>883

――どうしようかな あまり愉快な状況じゃあない
敵は8名、スタンド使いも含めて計10名
数の差は「喧嘩」において絶対的だ

「まあ確かに最初に会った時から目の焦点があってなかったし
最初から『マイク』が出っぱなしだったから『スタンドの能力』かなって決めつけてたかな。
控えめに表現して…『キメてる』感じはするけど、襲ってくることに変わりないんじゃないかな。」

3名が吹っ飛んでるけど、2名は起き上がって来る。

(ビッグさんに時間は与えないほうが良かったかな。)

投擲……却下だな
向かってきている人が僕の壁になっている
今の所は健一郎君に向かっているが、投擲のモーションに入れば狙われるのは僕だ。
羽交い絞めにされたら僕のパワーじゃ脱出は難しい。

「そっち、楽しそうだし任せていいよね 研一郎君
……薄々気づいてたけど君『喧嘩』大好きだよね?」

あの八名は任せても問題ないだろう
彼のパワーとスピードは僕には無い物だ
彼がひきつけているうちに『行動』を起こさないと。

――問題は射程距離か
切り離した『ロスト・アイデンティティ』の鎖は『約20メートル』が限界
槍を投げ飛ばすにしても届く前に消えたら意味が無い。

「音楽は趣味じゃないんだけどなあ…
…何だか仲間外れにされてる気分だ」
……ヂャリン

引き続き電信柱が有れば傍に移動して
足場用の『ボルト』に右腕の鎖を『伸ばす』
投げて巻き付け、鎖同士が触れた個所を『連結する』パス精CCB
そのまま上に登りつつ『縮めて』大まかな距離を確認する

可能ならそのまま足場の安定している屋上が
『5メートル以内』の到達可能な距離にあるか知りたい。

885『一彩合彩』:2017/08/22(火) 22:39:35
>>883 (硯)
>>884 (斑鳩)

G9:「……フックとロックは?」

ビッグ:「呼び出しのメッセージは送っている」

硯は敵に目を向ける。
敵の不良たちは年齢がバラバラだ。
明らかに社会人的な見た目のものもいる。
ただ共通して目の焦点が合っていない。
加えてみな同じような表情をしている。眉間にしわを刻みイライラしたような顔だ。

右こぶしに車輪が取り付けられる。
そして後退。
彼我の距離――――大体『3m』ほどだろう。
G9達は後ろに下がっており『8m』ほど離れている。

槍を拾う斑鳩。
投擲。その攻撃的な行動を取れば確実に斑鳩も標的になるだろう。
スタンドを展開している時点でG9達の標的にならないとも限らないが。
ボルトに鎖を絡ませて電信柱を登る。
そして足場となる屋上を探す。
グラフィティを施されたシャッターを持つケーキ屋の屋根は5メートル以内だろう。
敵の距離は不良たちがだいたい『4m』G9達は『9m』ほどだ。

■■■■■┌───┐■■┌───┐■■■■■■■■
■■■■■│○○○│■■│○○○│■■■■■■■■
■■■■■└───┘■◎└───┘■■■■■■■■
□□□□□□□□□□□鎖□車□□□◆□□□□□□□
□□□□□□□□□□□□□□□□◇◆□□□□□□□
□□□□□□□□□□□□□□□◆□□大九□□□□□
□□□□□□□□□□□□□□□□□□□□□□□□□

車:硯
鎖:斑鳩
九:G9
大:ビッグ
◆:敵。二人三人ぐらいで固まっている。
◇:敵。転倒している奴。
◎:電信柱

886硯 研一郎『RXオーバードライブ』:2017/08/22(火) 23:05:24
>>884>>885(斑鳩・GM)


      「翔さん、違うんだ」

ザッ

この位置関係なら『背後』を取られる事はないだろう。
万が一、『不覚』を取った場合でも、
これから電柱に登る『斑鳩』が『フォロー』してくれる筈だ。

「俺は別に『ヒップホップ』も『喧嘩』も、
 好きな訳じゃあないんだ。
 俺は――そうじゃあない、ああ」


「俺は『格好良い』ものが、好きなんだ。
 カッコさえ良ければ何でもいい。魂やスキルは二の次。
 何もかも、どうでもいいんだ、
 ――例え彼らが『洗脳』されようとなかろうと」
 

            ズッ

             ザァァァーッ!


「俺には知った事ではないんだ」


傍らに発現した『オーバードライブ』と共に、
『車輪』の設置された右腕を大きく掲げた後、地面と水平に広げ、
飛び込み台からスタートを切る水泳選手の如く不良達めがけ一気に駆ける。
つまり、(所謂)ランニング式の『ラリアット』を不良達にお見舞いしたい。
パス精BAE(本体スC)

887斑鳩 翔『ロスト・アイデンティティ』:2017/08/22(火) 23:39:48
>>886
>>885
「僕を引っ張れよ『ロスト・アイデンティティ』!……何だって研一郎君?君、『カッコイイ』ってだけで
10対1をする気だったのかい!? 負けたらリンチで済めばいい方なんだぜ!?
君のスタンドが『装甲車』でも君にその『装甲』は無いのに!」

――あの二人は約9メートルって所か 射程内だ ここまで高さが有れば『取り巻き』は『投擲』の『壁』にならない
連中を壁にしているようだが、流石にここじゃあ足場が悪いな。

「『僕』には理解できないけど……ま、君には『大切』なんだろうな
ついでに悪いけど君の店の屋上借りるからね!代金は君が食べた奴で!」

『ロスト・アイデンティティ』の鎖が伸びる射程は約5メートルだ
あの店の屋上に『柵』があれば、それに伸ばした鎖を搦めて『結合』
『跳躍』からの『伸縮』で『飛び移れる』

(『電信柱』でも出来ない事は無いけど投擲には安定した足場が無いとな……槍は硯の救助用として
やっぱり『ボーラ』だな あれがいい!)

「僕の『スタンド』が『戦闘用』なのかもわからないってのに…!
まあ『鎖』と『車』か 出来れば『スタッドタイヤ』みたいな関係になりたいね!」

屋上に飛び移った後に両腕の鎖を解除して『影の腕』を発現させる
足から二本ずつ50センチ鎖を伸ばし切断、先端10センチと30センチほど先の10センチの鎖を握りこんで『結合』する
『自分の腕』でボーラを作成した後にそれをそのまま『影の腕』で『G9』に二発投げつける。
狙いは『首』と『足』首の方はこめかみへの打撃、足の方は動きを封じる 何方も動揺狙い。 パス精CCB

同時行動による時間短縮
自分とスタンドの同時行動による弊害は『ロスト・アイデンティティ』には無い。

888『一彩合彩』:2017/08/23(水) 00:38:02
>>886 (硯)

格好良いものが好きだの斑鳩に告げる。
そして『RXオーバードライブ』が駆動し、硯自身も彼らに突進していく。
スタンドは人外のスピードだが、硯自身は人間のスピードだ。
『オーバードライブ』の本来のスピードほど速くはなかった。
ラリアット、腕を振り、ぶつけ不良共を薙ぎ払う。

ビッグ:「『アウトキャスト』」

ビッグの呟き。
回転するディスク。その回転が増していく。
硯が目にしたのは二種類の不良だ。
一種類は『オーバードライブ』の腕に薙ぎ払われる不良。
もう一種類は『オーバードライブ』と同じ速度で動いた不良だ。

ズッ

硯の腹に不良の拳が叩き込まれた。
人を超える『オーバードライブ』と同じ速度でだ。
腹の中が圧迫される痛みと共に一瞬動きが止まる。

G9:「おめェのスタンド……近距離型だなァ? そのパワースピード、近距離型じゃねェとありえねェ」

    「お前のそれは爆弾みてェなもんさ。触れたくねェ。ただな、スタンド使いってのは弱点があるのさ」

    「本体はあくまで人間ってことだぜ」

痛みは一瞬だ。
『オーバードライブ』は再び動き出せる。
そして硯自身も。

>>887 (斑鳩)

硯に声をかけつつ、硯の店の屋上に上がる。
そしてボーラの作成。
影の腕と本体の間にタイムロスはない。
ただし、鎖を伸ばす時間は必要だ。
もっとも、それも長くはない。

G9:「おめェのスタンド……近距離型だなァ? そのパワースピード、近距離型じゃねェとありえねェ」

G9は硯に向かって話している。
どうやら硯が攻撃を受けているようだ。
そして、ボーラの投擲。
よそ見をしていたG9のこめかみと足元に当たる。
『ロスト・アイデンティティ』の精密性ならば直接こめかみを狙うことも可能かもしれない。

G9:「痛ゥゥゥ」

    「ははァ……てめェ、さっきまでそんな腕なかったなァ? 鎖を使うのがお前の能力だと思ったが」

    「そうじゃねェみてェだな」

笑うG9。
こめかみからは血が一筋流れる。

ビッグ:「……G9」

ビッグがズボンのポケットからスマホを取り出した。

ビッグ:「そろそろだ」

G9:「あァ? ……フック達か」

ビッグ:「あぁ」

G9:「……わかったよ」

889『一彩合彩』:2017/08/23(水) 00:40:47
■■■■■┌───┐■■┌───┐■■■■■■■■
■■■■■│○○鎖│■■│○○○│■■■■■■■■
■■■■■└───┘■◎└───┘■■■■■■■■
□□□□□□□□□□□□□□□□◆□□□□□□□□
□□□□□□□□□□□□□□□車◇□□□□□□□□
□□□□□□□□□□□□□□◆◆□□大九□□□□□
□□□□□□□□□□□□□□□□□□□□□□□□□

車:硯
鎖:斑鳩
九:G9
大:ビッグ
◆:敵。二人三人ぐらいで固まっている。
◇:敵。転倒している奴。
◎:電信柱

890斑鳩 翔『ロスト・アイデンティティ』:2017/08/23(水) 01:37:48
>>888

「研一郎君ッ!」

(敵は投擲に対しての防御は無し、スタンドのビジョン的にも防御も回避も出来ないと見た!
問題は僕のパワーとスピード そしてこの投てきじゃあ、彼の足を搦めて転倒させる事もできないし
気絶させる事も出来そうにない……!)

「……そういう貴方たちは『味方を作る能力』と『味方を敵の力と一部同じにする能力』か!」

――でも味方を作る方は何か条件が有るな
でなけりゃ僕たちを操れば済む話だからだ。

「もし!『アウトキャスト』が『二つ以上の能力』を同じにできたら
『スタンド』のパワーとスピードで研一郎君が無事じゃあ済まなかったからな…!
そして『対象』に出来る『敵』と『味方』も『一体ずつ』だろ!
もう一人は巻き込まれたかんだらな!」

「おまけに仲間を呼んでるな…『フック』と『ロック』って聞いたぞ、此処に来るな。」

2本の腕でビッグとG9を指刺し、もう二本で『槍』を構える

「……でも逃げ帰るのは貴方達だ!
貴方達には遠距離の攻撃手段もないし、屋上に来ることも出来ないんだからな!
逃げないなら僕にここから鴨打ちにされるんだぜ!」
                                         ピルム
(この槍!この槍を投げて相手のこめかみに当てる かつてローマの歩兵が使ったという『投槍』の『有効射程』は『約20メートル』まず間違いなく…いける!
足に鎖だって絡みついてる、『位置と運動エネルギー』の合わせ技なら、防御も回避も難しいはず!
『G9』さえ気絶させる事が出来れば…『アウトキャスト』を発動させる相手もいなくなる、9人は襲ってこなくなるかもしれない!)

「これが『誇り』を傷つけたことによる『タイマン』の『決闘』なら!
僕だって手も口も出さなかったさ、でも貴方達は『10人がかり』の『私刑』をしてる。
だったら……僕だってな、僕を愛してくれる人と、僕が愛した人の『誇り』と『信頼』に誓って
手も口も出さずには、いられないんだッ……!」

首から鎖を伸ばして先程の手順で本体の左腕で『ボーラ』を作成、再び『G9』に影の左腕で投擲する。
精神的な目晦まし、狙うのは足首部分 出来るなら両足に絡みつかせて転倒させたい、成功失敗にかかわらず防御か回避をさせてから間髪入れずに

右腕二本で続けて『槍』を投擲する 狙うのは頭部、かつ こめかみへの命中による本体=『G9』の気絶。

「『ロスト・アイデンティティ』もう一発だッ!」

891硯 研一郎『RXオーバードライブ』:2017/08/23(水) 09:10:40
>>888-889(GМ)


           ズッ

    「〜〜〜ッ」   コロォッ

ある種の『予感』はしていたが、
『予想』を遥かに超えた敵の速度、
ハラワタに伝わる痛みに思わず抱えていた『南瓜』を足元に落とす。


「スタンドは『爆弾』だが、
 俺はあくまでも人間――」


        ギャル   「そうか」

「俺は、この『スタンド』よりも速く動けない、
 殴られれば傷を負う、腹を割けば血が出てくる。
 飯を食わなければ飢えて死ぬ、そして飯を食えば糞を垂れる。
 間違いなく――『人間』だ」


「だけれど」「俺は」


            ギャルギャルギャルギャルッ!!

自身も『オーバードライブ』も未だ動ける。
『ラリアット』をぶっ放し広げたままの腕は『残心』の状態。
腕のその先、『オーバードライブ』の右手首を捻らせ、
更にその先の『右拳』に設置した『車輪』を一気に右回りに『回転』させる(スA)。
(『車輪』の回転には『一瞬』、強く集中する必要があるが、
 >>886のメル欄の通りラリアットを放った時点で『回転』を『意識』をしている。
一連の動作は淀みなく完了するだろう)


  「『爆弾』でありたいと、願うんだ」

そして、『車輪』の回転面を向けた
渾身の『ラリアット』を『不良』達に薙ぎ払い気味に放ち、
囲んでいる不良達を纏めて吹き飛ばしたい。
(パス精BAE+『車輪』の回転スA+『車輪』のリーチ)

いくら『不良』が『オーバードライブ』と同じ速度で動けようとも、
それは『ビッグ』の『アウトキャスト』の力を借りているに過ぎない、
『G9』の『マイク』の力で操られている只の『木偶』だ。
意思なき『木偶』にこの距離での『車輪』のリーチ差を埋める術はない、筈だ。

『G9』が『マイク』で指示を与え、回避させようと試みるかもしれないが、
(あるいは『ビッグ』が『スクラッチ』で『ビート』を乗せる対象を変える)
『マイク』という『スタンド像』を象っている以上、
新たに『洗脳』及び『操作』するには『G9』自身の『発声』が不可欠だろう。
『G9』も『Мr.ビッグ』も『人間』だ。
至近距離でなら未だしも遠巻きから此方を眺めている2人の『黒人』達に、
この『超速度』で繰り広げられる攻防に割り入る『技術』などない筈だ。

892<削除>:<削除>
<削除>

893硯 研一郎『RXオーバードライブ』:2017/08/23(水) 09:44:57
>>892はなかった事に。大変申し訳ありません。

894『一彩合彩』:2017/08/23(水) 23:40:25
>>890 (斑鳩)

G9:「だってよ」

ビッグ:「……そうか」

斑鳩の考察を聞いても特に驚いた様子のない二人。
G9が足に軽く絡まった鎖をチャリチャリ鳴らす。

G9:「鴨打ち? よくわかんねェな。俺らガイジンだからよォ」

『ロスト・アイデンティティ』での投擲武器の作成。
やはり少し時間はかかる。鎖を伸ばす時間だってあるのだから。
それに彼らに見栄を切っている都合上G9の視界や意識の中に斑鳩は確かに存在する。

ヒュッ

投げられたボーラ。しかし投擲のモーションや飛距離の関係上、射線からG9が動くのは容易だ。

G9:「外れだ」

そして槍の投擲。これも勿論投擲のモーションがある。
それとこれは現時点で起きた事実であるが、『ロスト・アイデンティティ』が発現するのは鎖だ。
実体化したスタンド物質であるが、通常の鎖同様ねじれるし曲がる。
三つ編みの糸が揺れるのと同じように揺れる。
そのために作られた投げ槍とは違う物体だ。
射程距離も変わるだろう。

ビュッ

鎖の槍は風を受けながらもG9の所へと飛ぶ。
ただ、命中はしなかった。

G9:「おら、どんどん投げてこいよ。その安全地帯からよォ」

    「てめェだけが安全だァ。どんどんやれ」

>>891 (硯)

腹部の痛み。
それは硯が爆弾ではなく人間である証明でもある。
だが、硯はまだ動けるのだ。

回転。
素早く力強い車輪の回転。
そして再度『オーバードライブ』の攻撃。
敵は超高速で動く力を得た者たちもそれは予測していなかった。
命中。力の一撃だ。
タイヤが敵の衣服を切り裂くように駆動する。

敵が倒れる。巻き添えを食らい、団子のように倒れる。
残りは『3人』だ。

ビッグ:「はぁ……いくら高速で動けようと避ける意思がなければ意味もなし」

     「反応出来ていかも怪しいな」
>>ALL

音が聞こえた。
エンジンの音だ。何かが近くにやってくる。車だ。
一台のバンがG9達の近くで止まる。

「G9。何してるの? Kを探してたんじゃないの?」

車から出てきたのは一人の青年だ。
彼もまたジーンズにタンクトップ。
そして左腕に黒地に緑の模様のバンダナを巻いている。

■■■■■┌───┐■■┌───┐■■■■■■■■
■■■■■│○○鎖│■■│○○○│■■■■■■■■
■■■■■└───┘■◎└───┘■■■■■■■■
□□□□□□□□□□□□□□□□◇□□□□□□□□
□□□□□□□□□□□□□□□車◇□□□□バババ□
□□□□□□□□□□□□□□◆◇□□大九□バババ□
□□□□□□□□□□□□□□□□□□□□□□□□□

車:硯
鎖:斑鳩
九:G9
大:ビッグ
バ:バン
◆:敵。二人三人ぐらいで固まっている。
◇:敵。転倒している奴。
◎:電信柱

895『一彩合彩』:2017/08/23(水) 23:40:58
■■■■■┌───┐■■┌───┐■■■■■■■■
■■■■■│○○鎖│■■│○○○│■■■■■■■■
■■■■■└───┘■◎└───┘■■■■■■■■
□□□□□□□□□□□□□□□□◇□□□□誰□□□
□□□□□□□□□□□□□□□車◇□□□□バババ□
□□□□□□□□□□□□□□◆◇□□大九□バババ□
□□□□□□□□□□□□□□□□□□□□□□□□□

車:硯
鎖:斑鳩
九:G9
大:ビッグ
バ:バン
誰:出てきた青年
◆:敵。二人三人ぐらいで固まっている。
◇:敵。転倒している奴。
◎:電信柱

896斑鳩 翔『ロスト・アイデンティティ』:2017/08/24(木) 01:20:55
>>894
――バンから出てきた、あれが『ロック』か『フック』かだ
バンの中には少なくとも二人はいる。

経験とかの差では向こうに利が有る、これが現実
不意打ちでなければ飛び道具に効果なし。

(声を出すのは駄目だ、槍も投擲には効果は無い 近接武器として使おう
――でも精密性ならこめかみだって狙える感覚はある。)

落ち着いて僕にできる事を考えるんだ…
『4本の腕ならボーラの二つは即座に投擲出来る』
『僕にはパワーもスピードもないが精確さはある』
事実これは効果があった。

(早くなくていい、正確に急所を狙うんだ 僕ならできる。)

もっと重いものを作るには時間がかかる
前にいるのは残りの3人…

「もう一度だ、『ロスト・アイデンティティ』……僕なら出来る。」

首と両手から鎖を50センチ伸ばしてボーラを三つ自分の腕で作成、完成次第
そのまま三つとも前にいる健一郎君のそばにいる敵に一つ一体ずつ影の腕で投擲する。パス精CCB
狙うのはこめかみで気絶か転倒させたい。

行動終了後に両足から伸ばした鎖を再び伸ばして両手首に巻き付ける。

897硯 研一郎『RXオーバードライブ』:2017/08/24(木) 13:30:34
>>895

「翔さん」

ズォォッ


硯自身は後ろに一歩後退し、
まだ立っている『不良少年』達との間に『オーバードライブ』を割り入れる。
これでもう本体狙いの攻撃は封じた。


「『チキン野郎』呼ばわりされたみたいだが、
まだそこに居て投擲を続けるつもりかい。
俺は、別に君がどうしようと一向に構わないが」

「それに『援軍』が来たようだが、
君はフックさんかい、それともロックさんかい。
別にどちらでも良いんだが、俺は動き回ってノドがカラカラなんだ。
『加勢』する前にちょっくらーーポカリを買って来てくれない」「かッ」


そして『オーバードライブ』で眼前に立つ不良少年達に対して『回し蹴り』を放ち、纏めて吹き飛ばしたい。
『不良少年』達に意思がないというのは分かったし、
背後で一心不乱に『投擲』を行う『斑鳩』のフォローがあるなら、
蹴りを命中させる事は容易な筈だ。パス精BAE

898『一彩合彩』:2017/08/25(金) 00:23:59
>>896 (斑鳩)

手首と首から鎖を伸ばそうとする斑鳩。
首からの鎖が伸びる。
手首の鎖はない。
影の腕を発現する能力の都合上手首からの鎖はない。

そうしている間に硯のスタンドが敵を蹴り飛ばした。
足首からの鎖は少し伸びている。

>>897 (硯)

『オーバードライブ』を挟むことで敵からの直接攻撃を防ぐ。
そして強烈な後ろ回し蹴りがさく裂する。
敵は高速の動きでそれを避けようとするが各々がぶつかり合い回避は出来なかった。

男:「え、僕はロック。よろしくねぇ」

へらりと笑って手を振っている。

>>ALL

ロック:「あーあー。G9、また他人に喧嘩任せていけないんだぁ」

G9:「うるせぇ」

ロック:「乗りなよ。こんな時間に起こしたからフックが怒ってる」

     「あ、なんだっけ。ポカリ? うん、買ってくる買ってくる」

ロックやG9達が車に乗り込もうとする。

■■■■■┌───┐■■┌───┐■■■■■■■■
■■■■■│○○鎖│■■│○○○│■■■■■■■■
■■■■■└───┘■◎└───┘■■■■■■■■
□□□□□□□□□□□□□□□□◇□□□□誰□□□
□□□□□□□□□□□□□□□車◇□□□□バババ□
□□□□□□□□□□□□□□◇◇□□□□□バババ□
□□□□□□□□□□□□□□□□□□□□□□大九□

車:硯
鎖:斑鳩
九:G9
大:ビッグ
バ:バン
誰:ロック
◆:敵。二人三人ぐらいで固まっている。
◇:敵。転倒している奴。
◎:電信柱

899斑鳩 翔『ロスト・アイデンティティ』:2017/08/25(金) 01:45:08
>>898
(畜生!鎖が巻いてあるのは両足だ!
自分だけ安全な所にいるくせに、焦って間違えるなんて!
これじゃあチキン野郎なんて言われても言い返せないじゃあないか!)

汗がこめかみを伝って顎からアスファルトに落ちる

――今更『投擲』も意味が無い
両足の『鎖』を『両手首』に巻き付けて両腕の鎖の鎧を『再発現』させる。

(何だ?帰るのか? 有難いけど…畜生、酷く怖いぞ
何でこんなに怖いんだ、あの人達は車に乗って何処かに行こうとしてるのに!)

――ボーラや槍を投げる選択をしたのも、人を殴る感触を嫌ったからでは無いのか?

「なんであんな事出来るんだよ……
怪我をするのも人を殴るのだってこんなに怖いじゃないか
僕に『覚悟』なんて出来るわけないんだ…!」

巻き付けた腕で顔を覆い
屋上に座り込む 顔だけはくしゃくしゃの笑顔にして。

900硯 研一郎『RXオーバードライブ』:2017/08/25(金) 05:10:35
>>888-890(GM・斑鳩)

「翔さん、落ち込んでいる所悪いが」


  ギャルギャルギャル…   スゥ


未だ時間的に余裕はあるだろうが、
念の為、手の甲の『車輪』を解除しておく。

「君が座り込んでいるのは人様の家の屋根だ。
 もし通報でもされたら、俺はお母さんに怒られるんだ。
 ――もう投擲しないのなら、降りてくれないか」

       ザッ  ザッ  ザッ


「『バン』に乗った大量の黒人達、
 まるでUSラップのミュージックビデオみたいだ。
 もしくは『クールランニング』だ」

「なあ」
「君達は後何人『黒人』を残しているんだい。
そして、君達『ギャングスタ同好会』の頭は誰なんだい」

新たに出現した『ロック』に警戒を払いつつも、
『バン』へと駆け出す。

901『一彩合彩』:2017/08/25(金) 23:32:34
>>899 (斑鳩)

行動の失敗について考えつつ両腕の鎖の再発現に入る。
当然、それにも時間がかかるが。

G9のこめかみから流れていた血は止まったらしい。
そこまで深い傷でもなかったのだろう。
ただ服や首筋に血の赤いあとが残っている。
人を殴るのを恐れたかどうかは定かではないが、少なくともこの結果を生み出したのは斑鳩だ。
その腕に彼を傷つけた感触はない。
事実だけが手の中に残る。

座り込む。どんな顔をしていても斑鳩の状況は変わらない。
変わるのには行動が必要である。
前に進む行動がだ。

>>900 (硯)

手の甲の車輪の解除。
そして斑鳩に声をかける。
どうやら座り込んでいるようだ。

ロック:「僕らは『ストリート・サグ』黒人は僕含めて三人。日本人が一人。全員で四人」

     「頭……あーヘッドはG9。でも僕もフックもそういうのに興味はない」

G9とビッグが車に乗り込みドアを閉めた。
それを確認してロックも車に乗り込もうとする。
エンジンはすでにかかっている。

ロック:「なんでこっち来るの? もう帰るんだよ。僕も早く戻りたい。僕はG9の喧嘩に興味ないんだ」

     「こいつが何かしたんなら謝るよ」

■■■■■┌───┐■■┌───┐■■■■■■■■
■■■■■│○○鎖│■■│○○○│■■■■■■■■
■■■■■└───┘■◎└───┘■■■■■■■■
□□□□□□□□□□□□□□□□◇□□□□誰□□□
□□□□□□□□□□□□□□□□◇車□□□バババ□
□□□□□□□□□□□□□□◇◇□□□□□バババ□
□□□□□□□□□□□□□□□□□□□□□□□□□

車:硯
鎖:斑鳩
九:G9
大:ビッグ
バ:バン
誰:ロック
◆:敵。二人三人ぐらいで固まっている。
◇:敵。転倒している奴。
◎:電信柱

902斑鳩 翔『ロスト・アイデンティティ』:2017/08/26(土) 00:30:27
>>901
――才能の名前は『stand』英語で『立つ事』
そんなこと解っていた筈だ、頭の中なら。

(立たなきゃいけないんだ、その為に足は『よっつ』もある)

誰かの為に人に暴力をふるうのは正しい事なのか?
解らない、自分が正しい事の『白』の中にいる確証がない。

(降りて、彼らに言うんだ 『僕』の『目的』を)

『ロスト・アイデンティティ』で彼らと戦おうと考えた時に
思いついた方法はどんな相手だろうと試してはいけない事だ。

(人間の着地安全限界点は約5メートル…電信柱のボルトを足場にして降りればいい)

親指を噛んで『痛み』を再確認し、膝を押えて立ち上がる
『夏目 慶の傷』はこんな痛みじゃない筈だ。

(嫌だ……ああ、嫌だ嫌だ嫌だ!相手は4人のスタンド使い、
僕達は2人でなり立て、勝ち目なんか無いじゃ無いか!『立ち向かう』なんて『できるわけがない!』
こんな怖い事やめて逃げてしまえばいいんだ! ……なのにどうして僕の足は。)

――電信柱伝いに地上に降りてバンに向かって笑顔で歩いていく
その過程でスタンドの『解除』と『再発現』を実行する。

――手の震えを止めてG9達に向けて指を刺す

「あなたには……貴方達には『夏目 慶』からは手を引いてもらう!
彼は酷い怪我をしていたのは、貴方達が無関係とは言わないだろうな」

903硯 研一郎『RXオーバードライブ』:2017/08/26(土) 04:19:04
>>901-902(GM・斑鳩)

    「『ストリート・サグ』。
     中々、『らしい』名前ですね」


無遠慮に車に近づき、『ロック』の話を聞く。
(念の為に『オーバードライブ』は傍らに発現したまま)

「ロックさん、俺は近所の住人なんだ。
 家の前で騒がれてついカッとなってしまったんだ。
 本心ではないとは言え、『G9』さんを『チビ』呼ばわりしてしまったよ」

           「G9さん」
「ごめんなさい」

G9に軽く頭を下げたい所だ。

904『一彩合彩』:2017/08/27(日) 00:58:20
>>902 (斑鳩)

親指の痛み。
立ち上がる。
思考は行動を嫌がるがその足は進んでいる。
スタンドの解除と再発現。
指を指しG9達に宣言する。

ロック:「え、夏目慶? あぁ、Kね。別に僕としてはどうでもいいんだけど、G9が気にしてるだけだよ」

「向こうは向こうで喧嘩売ってきてるしね」

>>903 (硯)

バンに近づく硯。

ロック:「いや、G9がチビなのはマジだからさ」

「謝ってくれるなんて君良い奴だねぇ」

「じゃあもう帰るね」

スタンドを解除しロックはバンに乗り込んだ。
バンが走り出す。


■■■■■┌───┐■■┌───┐■■■■■■■■
■■■■■│○○鎖│■■│○○○│■■■■■■■■
■■■■■└───┘■◎└───┘■■■■■■■■
□□□□□□□□□□□□□□□□◇□□□車□□□□
□□□□□□□□□□□□□□□□◇□バババ□□□□
□□□□□□□□□□□□□□◇◇□□バババ□□□□
□□□□□□□□□□□□□□□□□□□□□□□□□

車:硯
鎖:斑鳩
九:G9
大:ビッグ
バ:バン
誰:ロック
◆:敵。二人三人ぐらいで固まっている。
◇:敵。転倒している奴。
◎:電信柱

905硯 研一郎『RXオーバードライブ』:2017/08/27(日) 06:22:08
>>904
「『ストリート・サグ』さん達、ネズミ捕りには気を続けるんだ。
日本の警察官は不法滞在者には容赦しないからね」

奥底にモヤモヤしたものが残っているが、
走り去って行く『ストリート・サグ』達を見送る。
また>>903のメル欄で『バン』に設置した『キャスター』は解除しておく。


「拍子抜け、だな。
もっと『バチバチ』するものだと思ったんですが」


『慶』への対応は『斑鳩』に任せて、倒れている『不良』達の怪我の具合を確認する。
致命傷を負ってるのはいるだろうか

906斑鳩 翔『ロスト・アイデンティティ』:2017/08/27(日) 17:04:17
>>904

「――行ってくれた?」

――何もしてない筈なのに疲労感だけが肩に重くのしかかる気がする
『目的』も果たせたのかどうか解らない

「はぁ……如何しようかなこれ、救急車呼んだほうが良いのかな……それとも警察かな
朝になったら『夢でした』みたいに消えるわけじゃないもんな……。」

スマホに手を伸ばす前に
腕時計を見て時間を確認しようとする

「参ったな…2人とも心配してないといいけど。」

907『一彩合彩』:2017/08/27(日) 23:41:04
>>905 (硯)
>>906 (斑鳩)

ロック:「はいはーい。ありがっとー」

バンが走り出していく。

◇◇◇◇◇

慶:「あー。大丈夫ですか?」

隙間から慶が這い出てきた。

慶:「えっと、話の途中でしたけど、どうしましょうか」

硯は不良たちに駆け寄った。
致命傷を負ったものはいないが、『オーバードライブ』のパワーの都合上そこそこの怪我は負っているだろう。

908斑鳩 翔『ロスト・アイデンティティ』:2017/08/28(月) 01:07:52
>>907

「はい!」

元気に鎖が巻き付いた手を挙げる
半分ヤケ気味な笑顔を添えて

「あのバンの人たちは何ですか!」
「君が怪我してるのは彼らのせいですか!理由も!」
「君がこれ以上怪我するのを避けるのには僕はどうすればいいですか!」
「関わる理由としては僕が安眠できないんだよ!」
「あと救急車呼んでいいよね!?割とボロボロに見えるし」
「あ、『心を治せるスタンド使い』って知ってる?」


そう矢継ぎ早に質問していくと同時にスマートフォンを懐から取り出した。

909硯 研一郎『RXオーバードライブ』:2017/08/28(月) 05:33:26
>>907-908
「救急車を呼ぶのはいいが、
保険証は持っているのかい」

気を失ってる連中の安否を確認した所で、
のこのこと出てきた慶に。

「慶さん、『ストリート・サグ』の人達は
そこまで悪い連中じゃあ、なさそうだったよ」

910『一彩合彩』:2017/08/28(月) 12:51:22
>>908 (斑鳩)
>>909 (硯)

「とりあえずボリューム落としてもらっていいですか」

「それと答えられるのは一ずつ」

慶が自分の口元に立てた人差し指指を寄せる。

「はぁ……一、あいつらは『ストリート・サグ』ストリート・ギャング気取りのアホどもです」

「二、この傷は前に話した通り、そいつらから受けたものです」

「三、俺がこれ以上怪我しないようにするには俺を入院させるか、あいつらをぶん殴るか」

「四、救急車、必要なし」

「五、心を治せるスタンド使い? 知らねぇし、今それ関係あります?」

緑色の犬が慶の足元にいる。
それが彼の足に触れるたびにズボンが緑色に染まっていく。

「保険証? 俺は持ってません。それと、多分そこの人たちも」

「G9はスタンドでいじくった他人の財布やらなにやらを盗みますから」

「あと硯さん、怪我とかないですか」

911<削除>:<削除>
<削除>

912硯 研一郎『RXオーバードライブ』:2017/08/28(月) 17:04:45
>>909>>910(斑鳩・GM)

「翔さん、これは俺の意見だが、
他人に任せて一発で治して貰うのはやめた方がいいんじゃあないかな。

そんな『荒療治』では必ず『ガタ』が来る。
それに『抗うつ剤』の『副作用』はキツイらしいし、
その辛さから逃避する為に『酒』や『ドラッグ』に溺れるのは絶対に駄目だ。

時間は掛かるかもしれないが心療内科の先生や友人に相談して、
ゆっくりでいいから、『寛解』を目指そう。
自分の病気とーーきちんと向き合って行こう」


斑鳩に優しく微笑みかける。
そして自身の怪我の具合を確認する。
腹に一発良いのを貰ったがとっくに痛みは引いてる筈。


「俺は大丈夫ですよ。
全然、平気。何でもない。何もないんだ。
慶さん、これから君はどうするんだい。彼らは戻って来るのかな」

913斑鳩 翔『ロスト・アイデンティティ』:2017/08/28(月) 22:20:07
>>910
>>912

「大丈夫かなこの…えーっと…不良?達
『保険証』持ってない人とか聞いたことないぞ僕。」

首の裏を描きながらスマートフォンを収める
今時こんなステレオタイプの人間がいる事すら驚いているのだ

「うん『かんかい』が何か知らないけど
この人達が君の家の前に倒れたままでいいならまあ……えーっと……」

……チッ チッ チッ

「あれ?研一郎君、今僕に凄く失礼な事言いだしてなかった?
というか僕は『7年前』から病気になったことないよ!」

――でもこの人達に話す事でもないよなあ。

「ああ、いや早く帰らないと…僕、家に連絡入れてないし。
慶君は……あれから逃げ続けるのかな。
僕だとあの人達病院送りにはできないし、そもそもしたくないし。」

914『一彩合彩』:2017/08/29(火) 23:10:41
>>912 (硯)
>>913 (斑鳩)

慶:「持ってても盗まれますからね、あのチビに」

慶がニ三度撫でると犬はその姿を消した。
まるで蒸発するかのように風景と溶け合い消えていったのだ。
慶の手には緑色の塗料がべったりとついている。
硯は自身の腹部を確認するが、怪我などはない。

慶:「俺ですか。まだあいつらのグラフィティがあるかもしれないのでそれを探しますよ」

   「またあいつらに出会ったら、今度は俺も喧嘩しようかなって」

   「はぁ……」

ガラガラとスプレー缶を隙間から取り出していく。

慶:「俺、元々友達だったとはいえ、あいつらが嫌いなんですよ」
 
   「この怪我もあいつらと喧嘩して、その時にあのG9のスタンドで操作された奴にやられたんですけど」
 
   「このぐらいの怪我で逃げるのは性に合わないんで……」

慶の手が止まる。

慶:「あぁ……えっと、まぁ斑鳩さんは早く帰らないといけないとかあると思うんであれですけど」

   「俺の喧嘩に付き合ってもらえませんか」

915斑鳩 翔『ロスト・アイデンティティ』:2017/08/29(火) 23:28:42
>>914
「……おい、おいおいおいおい……慶君」

 「君、『喧嘩』って…その『怪我』!」
   「素人の僕が見たって酷い怪我だってわかるぞ!」

「なあなあなあ……『もう一度怪我したらどうしよう』とか『怖い』だとか考えないのかい?」
  「『元友人』だからって許してもらえるんじゃないんだろ?」

「なのに……なのに行くつもりなのか?」
 「『性分』って言ったって、『自分は間違った事をしていない、なら逃げ回るのは筋違いだ』とかじゃないだろうな。」

「その……僕は怖かったよ 情けないけど、『戦う』のは正くても『暴力』が正しいと思えなかった
 『血』を見たら…僕がやったことに、その  びびってしまった……」

斑鳩の全身の鎖が崩れていく、スタンドを解除した。

「グラフティに書き直して消すのだって立派に『戦ってる』じゃあないか『尊敬』もするよ」
   「……でも慶君はそれだけじゃあ駄目なのか? 何故? ……その、理由が詳しく知りたい。」

916硯 研一郎『RXオーバードライブ』:2017/08/30(水) 04:27:56
>>914

「いいですよ」

即答した。
とりあえず『オーバードライブ』は解除しておく。


「君達の『ビーフ』に興味はないし、
後俺は『Mr.ビッグ』さんの事がちょっと好きだし、
正直な所君に協力する理由はないんだが、
中途半端に首を突っ込んでしまいましたからね。
せっかくだしーー協力しよう」

「それにまだ『チビ』さんに、『アンサー』を貰っていないからな」

917『一彩合彩』:2017/08/30(水) 23:29:02
>>915 (斑鳩)
>>916 (硯)

「感謝します」

慶は硯に深々と頭を下げた。

「お礼はします」

それから頭を上げて今度は斑鳩の方を見た。

「怪我してるからなんだってんです?」

慶の瞳は揺るがない。
まっすぐな目だ。

「ムカつくから殴りたいんですよ。へこましてやりたいんですよ」

「あいつらが芸術家ならグラフィティで勝負しますけど、ギャング気取りですから」

「当然、拳が手っ取り早い。男の子ですから」

「別に理解してもらおうとも思いませんよ」

それは彼の本心からの言葉であった。
それから視線を外して

「あいつらのしてることは反吐が出る」

「でも俺だけじゃあG9はまだしもフックやロックの相手になりませんから」

918硯 研一郎『RXオーバードライブ』:2017/08/30(水) 23:39:45
>>917(GM)

「決まり、だな」

「慶さんが、『グラフィティ』、G9さんが『マイクロフォン』、
 そして『ビッグ』さんが『DJ』――。
 こんな事を聞く自分がダサいという事を承知で尋ねたいんだが、
 君は『フック』さんと、『ロック』さんの『特技』を知っているのかい」


慶に、フックとロックの『スタンド』を尋ねる。
この流れならば、恐らく『ヒップホップ』に関係する能力だろうが

「そういえば『G9』さんは、
 『携帯電話』を持っていたな。
 『グラフィティ』を塗りつぶして『宣戦布告』するよりも、
 直接呼び出した方が早いんじゃあないか。『粋』じゃあないが」

919斑鳩 翔『ロスト・アイデンティティ』:2017/08/30(水) 23:58:55
>>917
真っすぐな慶の瞳をのぞき込んでから夜空を見上げる
星をいくつか数えてから口から絞り出すように言葉を吐き出す

「……情けないけど僕だって『男の子』ではあるんだ。」

 「怖いけど行くよ、僕の『鎖』と『影』がどれだけ役に立つか知らないけどね
 ……祖父母には後で謝らないとなあ〜怒られるの確定だよぉ〜。」

  (――でも、僕たちの時は誰も助けてくれなかったんだよな)

「でも、君が歩き出すのには必要そうだしね、僕にもそうだ。」

首元に巻いたマフラーを外して左肩に巻き付ける
黒いジャケットに赤が良く映えた

       「けじめだとかケリだとか、つけるんだよな。」

920『一彩合彩』:2017/08/31(木) 00:19:59
>>918 (硯)

硯はフックとロックの能力について尋ねた。
慶が首をひねる。

「ストリート・サグはG9が始めたヒップホップグループもどきでもあります」

「俺、G9、ビッグ、フックが初期のメンバー。フックの役目はダンスです」

「ただ、あいつのスタンドはあんまりダンスとは関係ないですかね」

ヒップホップグループ。
スタンドがヒップホップに関わっているから集められたのだろうか。

「あいつ、船乗りの子供らしいんですよ。揺れる船の上でもバランスを崩さない。だからダンスをやらされてたってのもあります」

「その他はフリーズとパワームーブが好きって事と、昔一度だけ見たことがありますけど」

「水兵みたいだった。それと錨を持ってた。だからフックなんだと思いますけど」

それから携帯電話の話題を出すと慶はバツが悪そうに眉を動かした。

「前にそれやって思い切り殴ってやったんですけど、普通に取り巻き連れてきてて」

「根性焼きされました。後、着信拒否」

>>919 (斑鳩)

空には星が輝いていた。
星を見る斑鳩。一方の慶はただ前を見ていた。

「そうですか。ありがとうございます」

斑鳩の言葉に頭を下げた。
祖父母への言い訳なりなんなりは後で考えた方がいいだろう。

「正直、ちょっと意外でした」

「付き合ってもらえないと思ったので」

マフラーを外した首を風がなでる。
涼しい風ではない。生ぬるいなんともいえない風だがそれを感じるという事がマフラーを外したことの証明でもあった。

921硯 研一郎『RXオーバードライブ』:2017/08/31(木) 00:34:11
>>920(GM)
  

   「『ヒップホップ・グループ』モドキ」

慶の言葉を繰り返す。


「実に良い響きだ。
 慶さん、『ストリート・サグ』を倒した暁には、
 俺がそっくり丸ごと『グループ』を貰う、っていうのはどうだい。
 昔から『学級委員』に憧れていたんだ。
 
 ――俺が『学級委員』になれたら、
 『黒人』達には悪事から足を洗ってもらって、
 強制的に月イチで『ボランティア』とかして貰おう」

真顔で、本気なのか冗談なのか伺えない発言。


「慶さん、家に『バイク』を置いてあるんだが、
 取りに行っていいかい?
 別に徒歩で行ってもいいんだが、
 相手は『ギャングスタサークル』。
 
 せっかくだし、『それっぽい』事をしたいんだ」

922斑鳩 翔『ロスト・アイデンティティ』:2017/08/31(木) 01:12:57
>>920
「――もし、君と僕の立場が逆だったら ……僕は助けてほしいな」
  「それじゃあ駄目かな?喧嘩でむかつくヤツを殴る理由」

それだけ言って肩をすくめながらニッと笑う
恐怖がなくなったわけでは無いが、首を撫でる風で少しだけ息が楽になった気がする。

「ま、僕は行き方を知らないから 移動手段も徒歩かチャリンコだし。」 

   「場所は今から探すじゃなくて君が知ってると助かるけど。」

(それに……戦って負けなきゃ『負け犬』にもなれないんだもんな。)

「アイデンティティ、アイデンティティ……っと。亡くす前に掴んで正解だ。」

923『一彩合彩』:2017/08/31(木) 01:54:13
>>921 (硯)

「グループを?」

「別にいいんじゃないですかね。G9はともかくとしてビッグもロックも普段は気のいいやつですしね」

冗談とも本気とも分からない発言をする硯。
慶自身も真顔で言葉を返した。
彼もまた冗談か本気は分からない。

「あぁそうだ。ロックについて話し忘れていました」

「彼はその、俺が抜ける少し前に来たんです。だからスタンドについてもあまり」

スタンドそのものも見たことがないのだろう。
硯自身も彼の人型スタンドの像を見たが能力は確認できていない。

「バイク? えぇ、別に俺は大丈夫ですよ」

>>922 (斑鳩)

「十分ですよ」

「あいつらの場所は俺が知ってます。俺も元メンバーでしたから」

彼らの場所は慶が把握しているようだ。
自転車が必要なら言っておく方がいいだろう。

戦いの結果が勝ちになるか負けになるかは不明だが、戦わなければそのどちらにもたどり着けないのだ。

>>ALL

「あいつらは多分、いつものたまり場にいます」

「ネオンストリートの方のバーです。ロックがバーテンをしてる」

「そこに乗り込むか、それとも別のやり口か。俺は乗り込むつもりですけど」

慶がスタンドを取り出し、空中を着色していく。
立体的な青い鳥が作り上げられる。

924硯 研一郎『RXオーバードライブ』:2017/08/31(木) 05:37:05
>>923(GM)

「根城を知ってるのかい。
探す手間が省けて助かるよ」

「おっと」


目の前で見る見る内に形成されていく青い『鳥』に、
感嘆の声をあげる。


「慶さん、そりゃあなんだい。
『ツイッター』かい、あるいは『いきものがかり』か『酒井法子』。

ーー酒井法子は、『碧いウサギ』だったけかな。
えっと。いや、鳥だったような…あれ?まあ、いいか。
兎に角『G9』さんに『のりピー』や『清原』みたいな末路を差し上げよう」

慶がアジトを知っているのなら話が早い。
一旦自宅の駐車場に戻りバイクを取りに行って即合流しよう。

925斑鳩 翔『ロスト・アイデンティティ』:2017/08/31(木) 22:02:36
>>923

「まあ徒歩でいいかな、別に使う用が有るわけじゃあ無し」
 「ん、案内よろしく……ワァオ。」

グラフィティってこういう物なのか…いやスタンドだよな。
 …少し羨ましい か も

 「幸せの青い鳥か……もしかして君って空飛べたりする?」

   「――その場合すっっっごく乗りたいんだけど、いや駄目なら歩くけどね?」

腕の時計のゼンマイを巻きなおして、靴の具合を確かめる
G9達の所へ行く準備は万端だ。

 「…これで幸運(Luck)か、後は勇気(PLUCK)が僕にあるかだな。」

926『一彩合彩』:2017/08/31(木) 23:08:38
>>924 (硯)

「俺は小泉今日子の方が好きですね」

「ヤマトナデシコ七変化が好きで」

スズメぐらいのサイズの青い鳥が次々と出来ていく。
慶はその鳥たちを首をひねりつつ作る。

「チルチルとミチル以外にも青い鳥いるんですね」

「それと、G9は別にヤクはやってませんよ」

「あ、待てよ。やってるかもしれない」

>>925 (斑鳩)

「飛べますけど、乗ったら落ちて死にますよ」

「そんなパワーないし」

慶の手の中でスプレー缶が回る。

「幸運も勇気も俺にはどうすることもできないですけどね」

>>ALL

「ふぅ。さてと」

八羽の青い鳥が完成した。
慶はその一羽一羽に手を触れて撫でる。
すると鳥たちが彼の手に反応するかのように羽ばたきだす。

「『クラウンシティ・ロッカーズ』描いたものに命を吹き込む」

「さて、行きましょう。真っ向からで異論はないですか?」

927斑鳩 翔『ロスト・アイデンティティ』:2017/09/01(金) 00:50:09
>>926

「ガーン……僕の空を飛ぶ夢が、グッバイ鳥人間。」
「…ま、『スタンド』が精神力で動くなら……真っ向からと言うのが精神に力を与えてくれる。」

「それに僕に策は考えつかないし……『ロスト・アイデンティティ』も出来て精々
裏口を鎖で封鎖して逃げられなくするとか足ひっかける罠作成くらいだし。」

「……流石に公共物破損で御用も嫌だし、うん『喧嘩』なんだしね。」

「普通に行きましょ、それでいい。
……武器は作るけどねー。」

右腕の腕時計のゼンマイを巻き終え、鎖で2mの槍を作っておき
65cm間隔で結合を解除して三つ折りにする、そのまま腕の鎖に結合。

928硯 研一郎『RXオーバードライブ』:2017/09/01(金) 05:24:33
>>926
「正面突破で異議なし」

ブロロ

家から引っ張り出したバイクのエンジンをふかし、
とっとと『アジト』へと向かいたい。

929『一彩合彩』:2017/09/01(金) 22:18:20
>>927 (斑鳩)
>>928 (硯)

斑鳩は鎖の槍を作る。
やはり槍として使うには少し頼りないかもしれない。
三つ折りにして右腕につける(現状、三つ折りの状態だが固定はされていない。このまま放置すればまっすぐになる)

「行きましょうか」

三人と八羽が夜の街を歩いていく。
たどり着いたのは一軒のバーだ。
外見的には少し広い。
客が入りやすいようにするためなのかドアはすでにあけられている。
オレンジ色の光がドアから差し込み、話し声が聞こえる。

「俺が鳥を店内に入れて、とりあえずG9の取り巻きとかの視界を奪います」

「最悪、鳥のインクを顔面につけてやればいい」

「正面突破ですし、そのまま勢いでなだれ込んで貰ってもいいですよ」

「他にやりたいことがあるならそれをしてもらって」

慶の手が揺れる。
鳥たちがくるくるとその場で回る。

「3、2、1でやりましょうか」

慶が手を上げると鳥の動きがその場で止まる。
ホバリングをする鳥たちはまっすぐに店の入り口を見据えていた。

「3、2、1」

慶の手が店を指さす。

「ゴーゴーゴー」

鳥たちが店内に殺到する。
ピーピーと甲高い声を上げている。
突入の時が来た。

930斑鳩 翔『ロスト・アイデンティティ』:2017/09/02(土) 02:48:47
>>929

「3、2、1……!」

――さっきの戦闘…あれを戦いと言っていいのか解らないが…で理解したことが一つだけある

(観察だ、まずは落ち着いて……観察しないといけない よく見る事 よく聞く事。)

ドアから店内に右腕で防御しながら突入する
……そして店内を観察する

(相手は何人か、位置と店内の器物の配置、今何をしているのか、利用できそうな物体
 ――これは奇襲だ、それから動いても遅くない筈だ。)

(狙うのは『G9』だ、それ以外は目的じゃない)
(この『槍』元は『鎖』なんだ、結合は自分の意識で解除できる)

(相手に振った瞬間結合を解除して、その『反動』で『G9』に巻き付かせれば……)
(巻き付いた後に再び結合させれば即席の『枷』になる筈だ。)
(――後はそのまま引きずって店外に引っ張り出せばいい!)

(首か、次いで腕か…僕の精密さならさほど難しい事じゃあない筈だ。)
(問題は射程と、それを埋める隙……でもあの『鳥』がいる。)

(運搬が駄目でも、腕と首を巻き込んだ枷として結合した状態で切断して
距離を取ればいい…三重の鎖の枷はそうそう外せない筈。)

「――stand up to『Lost Identity』!」

931硯 研一郎『RXオーバードライブ』:2017/09/02(土) 05:37:41
>>929-930

「翔さん、さっきから君が呟いてる、
『ロスト・アイデンティティ』とは一体、何だい。
俺も『真似』しても良いかい」

斑鳩に続き無遠慮にバー店内へと進入し、
室内の間取り及び『ストリートサグ』の居る位置を把握したい。


「G9さん、皆、遊びに来たよ。
『未成年』でも飲めるノンアルコールカクテルでもくれないか。
最近、『Instagram』を初めてね。『いいね』がいっぱい欲しいんだ」


ズギュン


『ストリートサグ』達に対する『牽制』は先に進んだ『斑鳩』がやってくれている。
『RXオーバードライブ』を発現して、その右拳に『バイク』の『車輪』を設置したい。

932『一彩合彩』:2017/09/02(土) 23:31:26
>>930 (斑鳩)
>>931 (硯)

三人が店内に突入する。
そしてお互いに観察。
バーの中にはストリート・サグのメンバーの他、またG9がどうこうしているらしい不良がいた。

ロック:「やぁいらっしゃい。ずいぶんご機嫌な入店だね」

G9:「おい流暢に言ってる場合かよ。おいおいおいおい! K! K!」

慶:「うっせぇなぁ。喧嘩の時間だ」

青い鳥が不良たちに襲い掛かりその顔面にぶつかる。
彼らの顔に青い塗料がぶっかけられ視界が塞がれている。

ロック:「フック、フック! 起きてる?」

フック:「あぁ……」

フックと呼ばれた男が机の上の酒瓶を掴んで口に酒を流し込む。
ストリート・サグの面々の中で彼だけが日本人だった。

硯はオーバードライブの右こぶしにタイヤを発現した。
そしてストリート・サグもスタンドを発現。
フックの体には水兵服のようなヴィジョンが重なり、ロックの傍には人型のスタンドが浮かぶ。
G9は元から発動中。ビッグはあのディスクが浮かんでいる。

□□□□□□□□□鳥□□□□□
◇□□□■九□□□□□□□フ◎
◇□□□■□□□□□□□□●●
◇□□□■大□□□□□□□●●
□□ろ□■□□□□□□□□敵敵
□□□□■◎□□□鳥□□□□□
■■■■■□□□□□□□□□□
□◎□◎□□□□□□□□□◎◎
□□□□鳥□□□□□□□□●●
□□□□□□□□□□□□□敵◎
□□□□□□□□□□□□□□□
□◎◎□□□□敵◎□□□□□□
□●●□□□□●●□□□□□□
□◎◎鳥□□□◎◎□□□□□□
□□□□□□□□□□□鎖車□□

車:硯
鎖:斑鳩
敵:不良
大:ビッグ
九:G9
フ:フック
ろ:ロック
■:バーカウンター
◇:棚
●:机。四つで一つ
◎:座椅子。固定はされていない。

933硯 研一郎『RXオーバードライブ』:2017/09/03(日) 00:00:03
>>932(GM)


          「ロスト・アイデンティティ」


『RXオーバードライブ』の左拳に、
『右拳』と同じ『二輪車』の『車輪』を設置。
『オーバードライブ』を硯本体と重ねたまま一気に駆ける。


         「G9さん、
          俺がこの『ストリート・サグ』を頂きに参上したんだ。
          今日をもって俺がこの『部活動』の『頭』だ」

         「俺はまだ君に『アンサー』を貰っていない。
          ラッパーなら『即興』くらいできるだろう」

先ずは厄介な『ビッグ』の能力を処理したいが、
この位置では『フック』の邪魔が入る事は必至。
なので一直線に『フック』へと駆ける。
(『オーバードライブ』は本体に重ねた状態で)


「翔さん、君はビッグさんをどうにかしてくれないかい。
 それともチビのG9さんの相手をしてくれるのかい。
 俺は、別に、どっちでもいいんだが」

「慶さん、君は『不良』達を、
 何とかしてくれると助かるのだが、できるかい?」

934斑鳩 翔『ロスト・アイデンティティ』:2017/09/03(日) 13:17:22
>>932
>>933

「いやちゃんと君の『スタンド』の名前言ってあげなよ……可哀そうでしょ?」

G9達の方向へ歩きながらその方向途中にいる不良の足を狙って
鎖を伸ばしながら回し蹴りを放つ

狙いはダメージではなく反動で伸びた左足の鎖を不良の両足、または片足と机に巻き付け
結合、後に切断しての拘束からの転倒による無力化だ。

(ロックさんとフックさんは人型と纏う形…僕や健一郎君と同じか。)
(フックの方へは研一郎君が行っている…あの三人の方に警戒しなくっちゃあな)

「そうそうG9さん、僕の人生でも初めての事なんですけど……あなたの事『ぶん殴り』に来ました。」
「ビッグさんやロックさん、そしてフックさんに僕は用は無いので、邪魔しないでくれると幸いです。」

935『一彩合彩』:2017/09/03(日) 23:25:55
>>933 (硯)

慶:「任された」

ロスト・アイデンティティと言いながら『オーバードライブ』の左拳に車輪を発現する。

ロック:「だってさ、G9?」

G9:「あぁそうかよ。そうなんだなテメェ」

   パーティ マウス
「そのpotty-mouth、黙らせるぜMIC」

「このparty-time、水を差すなMAD」

「オマエ、mother-fucke」

キャン ユー  ディギ サッカ
「Can you dig it Sucka(分かったかタコ)」

「出てくる言葉、馬鹿話ばっか」

「テメェが頭? ハッ、笑わせるぜ」

一息置いてG9が言う。

「ストリート・サグは俺のモンだ」

その下手くそな歌が彼の返事だった。
だが硯が目指すのはG9ではない。一直線に向かうのはフックの方向だ。

ロック:「フック!」

フック:「……おいお前、ちょっと殴らせろ」

硯めがけて何かが飛ぶ。
フックが右手で何かを投げたのだ。手のひらよりも一回り大きな塊が硯の顔面に向かって飛んできている。
そして投げた本人であるフックは酒瓶をもって、椅子から離れる。
姿勢を低くしながら。

>>934 (斑鳩)

鎖を伸ばしての拘束。
視界を奪われた敵の足をその場にとどめさせることに成功する。
その際2mばかり鎖を切断した。

ロック:「G9どうしたの、すっげぇ嫌われてんじゃん。いつも以上」

G9:「うるせェ」

ロック:「おい君。ただ言っておかないといけない事があるんだ。こいつの喧嘩に興味はない」
   
    「自業自得だ今までしてきたことのツケが返ってきただけだからな」

    「ただここは俺の店だ。暴力行為をする奴の意見を通す気はない。俺にも客を選ぶ権利があるからね」

    「君も俺らも正しい人間じゃない」

ロックが棚から酒瓶を一本取り出しカウンターの上に乗る。
G9は反対にカウンターの内側へと移動した。

ロック:「ウェルカムドリンクになります。テキーラですってね」

ロックが笑った。

936『一彩合彩』:2017/09/03(日) 23:27:46
□□□□□□□□□鳥□□□□□
◇□□□■□□□□□□□フ◎◎
◇□□九■□□□□□□□□●●
◇□□□■大□□□□□□□●●
□□□□ろ□□□□□□□□敵敵
□□□□■◎□□□鳥□□□□□
■■■■■□□□□□□□□□□
□◎□◎□□□□□□□□□◎◎
□□□□鳥□□□□□□□□●●
□□□□□□□□□□□□□敵◎
□□□□□□□□□□鎖□車□□
□◎◎□□□□敵◎□□□□□□
□●●□□□□●●□□□□□□
□◎◎鳥□□□◎◎□□□□□□
□□□□□□□□□□□□慶□□

車:硯
鎖:斑鳩
慶:慶
敵:不良
大:ビッグ
九:G9
フ:フック
ろ:ロック
■:バーカウンター
◇:棚
●:机。四つで一つ
◎:座椅子。固定はされていない。

937硯 研一郎『RXオーバードライブ』:2017/09/03(日) 23:33:43
>>935
『フック』はスタンドを纏っているようだが、『フック』の投擲物の速度はどれ程?
また現在のフック、硯の距離を教えて欲しいです

938『一彩合彩』:2017/09/03(日) 23:36:50
>>937

投擲物の速度はC(人間が全力で走ってくるぐらい)
フックと硯の距離は4m

939硯 研一郎『RXオーバードライブ』:2017/09/04(月) 00:14:23
>>938(GM)
回答に感謝。

>>934(斑鳩)


     「『スタンド』…?
      それは何だい」

頭に疑問符を浮かべる。
『硯研一郎』は『スタンド』を知らない。

>>935(GM)




           「ヘイヨーッ!イェッ!」

           「G9、いくら即興でもそんなロークオリティはお断りィ
            俺と戦いたなら充分に仕込んでおけよ、
           『ネタ』と『防弾チョッキ』アーイィ?」

           「ニガーだらけのクソみてえな『パーティータイム』に、
           『ANARCHY』みてーな『Heartbeat』『rhyme』持った俺、参上ぉ〜。
            そう、俺は『MAD』いや違えな。真ん中『a』じゃなくてファック&『U』。
            マッドなモンスターはゲテモノもペロリ、ご馳走様!ハイ!星3つ!」
           
           「星見のモンスター今、乞食に止め刺す。今、リロード。
                   (一拍)お食事代かわりに小節ちょっとサービス」

『G9』達の怒号を『ビート』代わりにして、
フロウを推した『アンサー』を返す。

「――やはり『ビート』の質が悪いと、
 良いアンサーが出ないよ。
 いや、俺の、実力不足かい…
 うむ、人のせいにするのは良くないと思わないかい?
 『研一郎』の『研』は自らを研磨する事ができる子になって欲しいと、
 親父が付けてくれた名前なんだ」


                「そりゃあ避ける。
                 それとも君がこれを踊らせて、
                 僕にぶつける算段かい?」

見た所『フック』の投擲物の速度はそれ程でもない。
投擲物の正体を見極めたいが、避ける事が第一優先。
『フック』と同じく低空姿勢になり『投擲物』を避け、
そのまま『フック』目掛けスタンドと共に『タックル』を放ちたい。

940斑鳩 翔『ロスト・アイデンティティ』:2017/09/04(月) 21:47:00
>>939

「――君のそばに立っている装甲車だよ
名前は大事だ、それが何か決めている物だ、だから正しい名前で呼んだほうが絶対に良い
――無かったら今付ければいい。」

>>935

――ニッ

「――違うね」

(――必要なのは『成長』だ『恐怖を克服する事』)

「僕は17で、未成年です…それに」

(僕が希望に向かって歩むと同時に、こういう悪意が目の前に現れるなら)

「正しい人間と言うのは、尊敬する相手に胸を張って自分を正しいと言える人間の事だ」

(人を殴る恐怖も殴られる恐怖も踏み台にして、悪意をはねのけて奇跡を掴む、でなけりゃ)

「自分の正しいと考えた、自分の信じられる道を歩く人間の事だ……」

(――僕達も両親も救えない。)

「自分を正しいとすら言えない人に――邪魔はしないで貰う、『アウトキャスト』も発動させない。」

ロック及びビッグの動向を注視しつつビッグの射程5メートル以内まで接近する。
ロックの行動が見られなければビッグに対して走る
ロックが攻撃するなら其方に対処する為に視界を向ける。

941『一彩合彩』:2017/09/04(月) 23:15:45
>>939 (硯)

G9にラップで返す。
小さな男はカウンターの向こう側でイライラしている。

フック:「あ? あぁ、俺だってそんなの飛んで来たら避ける」

     「いや、算段なんてねぇよ。お前を殴るにはどうしたらいいかって考えてただけだ」

姿勢を低くすると頭上を投擲物が通過する。
そしてそのままの姿勢でフックにタックルを仕掛けた。

フック:「『スターシップ』」

フックがそう呟いて何かを投げた。
それは硯に向かってではない、天井に向けてだ。
硯と『オーバードライブ』の体がフックの体めがけて進んでいく。
インパクトの瞬間。
肩の痛み。右肩に鈍い痛みが走る。

フック:「行き過ぎたな」

フックの声が聞こえる。
前ではあるが真正面ではない。
斜め前だ。
硯の肩は彼にぶつかったのではない。
視界に移るのは一本の鎖だ。
床に置かれた酒瓶から一本の鎖が天井に向かって伸びている。
そしてその先には何か黒い塊があった。

慶:「『クラウンシティ』!」

フック:「邪魔だ。K」

青い鳥がフックの顔面に飛ぶが彼が右腕を振ると真っ二つに切断された。

フック:「お前についてはビッグから聞いてる。速度とパワーが厄介、だったな」

フックの右手には鎖の先についているものと同じ黒い塊がある。
それは錨だ。手のひらよりも大きな錨が握られていた。

>>940 (斑鳩)

斑鳩が発したのは意志だ。
少なくともあの時とどまっていた姿はない。

ロック:「はは。いや、関係ないよ。君の意見は」

    「でもいいな。そういうの、いかにも青春って感じだ」

    「ガキの時分は酒を飲まなくても酔っていられる。大人になってから酒も飲まずに酔っていると馬鹿にされるからな」

    「来なよ青春野郎。『アウトキャスト』はワンタッチで発現可能だよ」

カウンターに座りロックが酒瓶を開けて酒を飲む。
斑鳩はビッグに接近する。目標の射程距離5m以内まであと少しだ。
その間に彼の人型スタンドがカウンター近くの椅子を斑鳩に向けて蹴っ飛ばした。
椅子は倒れた状態で床を滑るように進んでくる(スC)

942『一彩合彩』:2017/09/04(月) 23:15:57
□□□□□□□□□□フ□□□□
◇□□□■□□□□□□□車◎◎
◇□□九■□□□□□□□□●●
◇□□□■大□□□□□□□●●
□□□□ろ□□□□□□□□敵敵
□□□□■□□□□鳥□□□□□
■■■■■□□◎□□□□□□□
□◎□◎□□□□□□□□□◎◎
□□□□鳥□□□□鎖□□□●●
□□□□□□□□□□□□□敵◎
□□□□□□□□□□□□□□□
□◎◎□□□□敵◎□□□□□□
□●●□□□□●●□□□□□□
□◎◎鳥□□□◎◎□□□□□□
□□□□□□□□□□□□慶□□

車:硯
鎖:斑鳩
慶:慶
敵:不良
大:ビッグ
九:G9
フ:フック
ろ:ロック
■:バーカウンター
◇:棚
●:机。四つで一つ
◎:座椅子。固定はされていない。

943硯 研一郎『RXオーバードライブ』:2017/09/04(月) 23:39:34
>>941
『鎖』の太さはどれ程?酒瓶の口と同じくらい?
また酒瓶から出ている『鎖』の先についている『錨』は天井に刺さってる状態?
>>935で『フック』が投擲した物体の正体が『錨』(フックが握っているものとは別のもの)?

944『一彩合彩』:2017/09/05(火) 00:04:21
>>943

鎖の太さは一般的なものと同じ。
酒瓶の口に接続されている。

錨は天井に刺さっていない。

>>935でフックが投擲した物は錨。
フックが現在持っている錨と先ほど投げられた錨は別のもの。

945硯 研一郎『RXオーバードライブ』:2017/09/05(火) 07:21:04
>>944
続けて質問です。
上に放られた『錨』は固定されている?
それとも慣性に従い上昇している?
>>941で『フック』を投擲したとありますが、
これは>>935の投擲をもう一度描写したということですか?
質問が細かくなってしまい申し訳有りません。

946『一彩合彩』:2017/09/05(火) 12:18:28
>>945

錨は上昇も下降もせず止まっている。

『フック』を投擲したという部分がどこなのか私がいまいち分かっていないですが
今回のフックの行動でフック及び錨を硯に向かって投擲してはいません。
>>941で硯PLがそう感じられた部分は>>935の投擲を再度描写しただけだと思われます。
はっきりとした返答ができず申し訳ありません。

947硯 研一郎『RXオーバードライブ』:2017/09/05(火) 12:34:27
>>945
『フック』を投擲したではなく、
『フック』が『錨』を投擲した〜です。申し訳ありません。

948『一彩合彩』:2017/09/05(火) 12:45:51
>>947
承知しました。
回答としては変わらずフックは今回の行動で硯に向かっての投擲は行っていません。
過去のレスの描写を再度行った状態です。

949硯 研一郎『RXオーバードライブ』:2017/09/05(火) 19:56:54
>>940>>941-942(斑鳩・GM)


  「ぐえッ」

肩に伝わる鈍痛に、うめき声を漏らす。



「翔さん、違うんだ。
 君はそれで、いいかもしれない。
 けれど俺は――君みたいにはなれない。

 フックさんも、君も同じ『鎖使い』だが、
 君達は顔も、声も、体躯も、性格も、
 そしてその『スタンド』も違うじゃあないか」

「俺は君じゃあない」「だから」

「俺は、俺の『スタンド』の名前を叫ばない」

                 
                 「フックさん」

ギャルルルルッ
      ギャルルルッ


発現した時点で『車輪』の『回転』を意識していた(>>933>>939メル欄)。
『オーバードライブ』の両拳に設置した二つの
『バイク』の『車輪』を『スC』で『右回転』させる。


「空中の『錨』は固定されているみたいだが、
 俺の眼前に転がった『酒瓶』は、どうなんだい。
 結果はどうであれ、俺のやる事は変わらないが。
 ……『固定』さているのならば」


   「その時はその時だ」         ドォゴォッ!


『RXオーバードライブ』の右拳を、眼前の『鎖』に思い切り叩き込む(パス精BAE+車輪スC)。
『鎖』を殴った結果、『オーバードライブ』のパワー、スピード、そして『車輪』の『回転』が『鎖』に伝播し、
『鎖』に繋がれた『酒瓶』は緩い『右カーブ』の軌道で『フック』へと飛んでいくハズ。
(ただ『鎖』を思い切り殴るだけだ。精密さはそこまで影響しないと思いたい。
 また、『フック』が咄嗟に『錨』を解除すれば『酒瓶』は慣性に従い、
 命中するかどうか別にして『フック』の方向へ吹っ飛んでいくだろう)

950硯 研一郎『RXオーバードライブ』:2017/09/05(火) 20:01:23
>>949
緩い『右カーブ』の軌道
⇒膨らむ『右カーブ』の軌道

951斑鳩 翔『ロスト・アイデンティティ』:2017/09/05(火) 21:06:13
>>949

「そこはもっともだから尊重する――けどね」

  「それは元々僕の『希望』の名前なんだぜ……別のカッコイイのを考えな」 

 「自分のCDに他人の名前が書いてあるくらいには面倒だし。」

>>941

(――もっと考えろ斑鳩、射程5メートルで相手は椅子を蹴飛ばしてきた、これが意味する事は何だ?)

見た目は人型、蹴り飛ばした椅子のスピードはそこまで早くない
蹴り飛ばすのにスピードが関連しないならパワーは精々人並みって所か?

射程が長いか飛び道具が有るなら、蹴り飛ばす必要はない
スタンドの射程は短いと考えていい、精々1〜2m前後だ

研一郎君のように触れて発動する能力?
…しかし椅子に何か付いてるようには見えない

これはただの牽制か、それとも布石か?
観察はずっとしていた、牽制なら鎖の鎧の障害にはならない、弾ける
だが布石なら……避けたほうが良い……

「――オペラ座の怪人」

(この奇襲、僕の足が間に合うか?)

両足の鎖を解除して椅子を影の足で跳躍左に跳躍し回避しつつ四本の足でロックに走り出す
射程2m時点で右腕の鎖を展開して右から薙ぎ払い、狙いはロックの頭部部分

ロック、もしくはスタンドが防御した場合、命中した瞬間、命中した先端部分から65cm部分の結合を解除し
稼働するようになった先端部分でこめかみを狙う、失敗時には巻き付いたまま結合を狙い
何方の場合でも腕からは切断する

その後即座にビックに方向転換して走り出す。

952『一彩合彩』:2017/09/05(火) 23:54:44
>>949 (硯)

スタンドの名は叫ばない。
それは主義の違いでもある。
硯には硯のやり方というものがある。

拳についた車輪の回転。
そしてそのまま拳を鎖に叩き込む。
鎖が風にあおられる葉のように揺れる。
だが酒瓶は動かない。

フック:「G9、そこのアホどもをこっちにやるのはよせよ」

    「これはこいつの俺の喧嘩だぜ」

フックの左手にもう一つ錨が現れる。
右手のものと同じサイズだ。

そして、大きくフックが踏み込んだ。

フック:「お前、名前なんだっけか。まぁどうでもいいか」

右腕が袈裟切りの起動を描く。
横から硯の左肩めがけて錨が振り下ろされようとしている(スC)

>>951 (斑鳩)

敵の行動、その意味を推理する。
敵の射程、能力。未知であるそれらについて考える。

ロック:「はぁ? 何言ってんの?」

足の鎖を解除、現れた影の足によって跳躍した。
そして進むのはロックの近くだ。
右腕に結合された鎖の槍。それを振り彼に攻撃を行う。

ロック:「ん?」

ロックはカウンターから降り、彼の前にスタンドが立つ。
自身から見て左方向から鎖がやってくる。
左腕を上げて防御の体勢。そしてスタンドは右手を上げて顔の左側、少し前に持ってきた。
鎖の命中。ただしそれは斑鳩の思った成功の形ではない。
鎖が千切れたのだ。
スタンドの手が触れた部分から鎖が千切れる。
勢いが乗った鎖がロックに命中するが腕によってダメージを与えるには至らない。
そして鎖が巻き付くこともない。
槍の結合を解除したことによって合計『8m』の鎖が切断されたことになる。

ロック:「どこに行こうっていうのかな」

ロックが行く手を阻む。
トスでもするかのような手軽さで下から斑鳩の胸に胸に向かって酒瓶が投げられる。

□□□□□□□□□□□□□□□
◇□□□■□□□□□□フ車◎◎
◇□□九■□□□□□□□□●●
◇□□□■大□□□□□□□●●
□□□□■ろ□□□□□□□敵敵
□□□□■□□□□鳥□□□□□
■■■■■□鎖□□□□□□□□
□◎□◎□□□□□□□□□◎◎
□□□□鳥□□□□◎□□□●●
□□□□□□□□□□□□□敵◎
□□□□□□□□□□□□□□□
□◎◎□□□□敵◎□□□□□□
□●●□□□□●●□□□□□□
□◎◎鳥□□□◎◎□□□□□□
□□□□□□□□□□□□慶□□

車:硯
鎖:斑鳩
慶:慶
敵:不良
大:ビッグ
九:G9
フ:フック
ろ:ロック
■:バーカウンター
◇:棚
●:机。四つで一つ
◎:座椅子。固定はされていない。

953斑鳩 翔『ロスト・アイデンティティ』:2017/09/06(水) 01:05:22
>>952

スタンドの触れた『鎖』が千切れたのは『破砕』ですか?『切断』ですか?『劣化』ですか?

954『一彩合彩』:2017/09/06(水) 13:00:51
>>953

スタンドの手が触れた所からバラバラになった。
その三つの中ならば破砕が一番近い

955硯 研一郎『RXオーバードライブ』:2017/09/06(水) 21:45:38
>>951(GM)

「俺は『硯研一郎』。
 そうだな…社会的立ち位置は、
 二代目の『ストリート・サグ』の『ボス』かな」


「慶さん」

「お手すきなら『鳥』を一羽、
 フックさんの『顔面』に寄越してくれないかな。
 今、フックさんに殺されかけてるんだ」


こちらの左肩に迫る『フック』の『錨』。
『慶』に『ペンキの鳥』による『暗幕』を張る事を指示しつつ――


        「フックさん」  ギャルルル…

「『車輪』ッてのは車が力強く進む為にあるモノだろう?
 にも関わらず、このスタンドが備えた『車輪』…
 なんでこんなに『緩い』速度で回っているんだろうか。
 
 この程度の回転じゃあ、決して車は速く走れない。
 何故、こんなに『遅い』か知ってるかい?知らないよな」


『オーバードライブ』は既に『安全運転』状態に切り替わってる(>>949メル欄)。
設置された『車輪』を『スC』で回転させる事によって『オーバードライブ』は
人智を超えた速度を失う代わりに、『弱点』である『精密動作性』が向上する。
これで彼我のスタンドの速度は『同じ』。
『ビッグ』の『ディスク』による『速度』操作はとりあえず封じれる。
カウンター側で戦う『斑鳩』もこれで幾分かは戦いやすくなるだろう。
(『オーバードライブ』の『パワー』を乗せられた場合は、また面倒だが)


「『硯 研一郎』が
 見た目通りの『小物』だって事をさ」
                                 『ドォン』


鎖の右側から一気に飛び込み『フック』目掛け、
渾身の『タックル』を放ち、壁に叩きつけたい。パス精BCC。
(『フック』が硯本体を狙ってるようなので、重ねたヴィジョンを気持ち硯をかばう様にずらし)
『安全運転』状態の『オーバードライブ』は動作中に限り『安全装置』を備える。
ある程度以上の『衝撃』を受けた時に『車輪』が崩壊し『空気のクッション』が噴き出す。
これにより『パB』までの攻撃は完全に無効化可能。
(パA以上の攻撃も完全にではないが衝撃吸収が可能)
『オーバードライブ』に設置した『車輪』は『2つ』。一撃あるいは二撃は確実に耐えられる。
よって『フック』対し『安全』に『カウンター』ができるハズだ。

956斑鳩 翔『ロスト・アイデンティティ』:2017/09/06(水) 23:59:13
>>952

 「鎖が!?」

(――これで能力は解った『手に触れたものを砕くスタンド』だ)
 (観察は大事だな…よく見えた、『左腕でガード』したのではなく『手で触れた』)

(問題が有るとすればこのスタンド相手だと僕の鎖はほぼ役立たずって所か…)
(この酒瓶も攻撃と考えれば…触れたものを時間差でも『破砕』できると考えれば!)

(中の液体とガラスの破片! 『破砕』された破片は鎖で防げても液体は防げない!)

「――ッ!」

体制を崩すほどに右に倒れ込みつつ回避する
転倒は影の足と自分の足で防ぎ、体制を立て直して再びフックに接近する。

「……何かの間違いだ、もう一度だ!『ロスト・アイデンティティ』!」

(――そしてこの一度で決めなければならない、後は僕に覚悟が有るかだ!
『人の顔面を思い切り殴りつける覚悟』が!)

(もう一度両腕を振って、左右から鎖を放つ!…それをガードしようとした時が勝負だ!
『破砕』は手に触れなければいいのだから鎖を破砕しようとした時!
ガードする両腕を『影の腕』で掴む!)

(無防備になったスタンドの頭部を伸ばした首からの鎖を巻いた僕自身の拳で全力のラッシュを仕掛ける)
(チャンスは一度 この奇襲で次は無い)

957斑鳩 翔『ロスト・アイデンティティ』:2017/09/07(木) 00:06:13
>>956

酒瓶を右に倒れ込みつつ跳躍して回避
転倒は影の足とで自身の体を支えるようにして回避する
その後、可能ならロックに突撃

射程2m前後で両腕を交差するように降り、再度ロックの頭部を狙って鎖を伸ばしながら攻撃を仕掛ける
パス精密CCB

ガードされた場合ガードしたスタンドの腕を両腕の鎖を解除して発現して掴み
接近するまでに延ばした首の鎖を自身の両手に巻き付けてスタンドの頭部に全力でラッシュを叩き込む
パス精CCC(本体の為)

この時可能ならラッシュの最中に握りこんだ首の鎖をフックのスタンドの首にかけて
締め上げた状態で結合、更に可能なら追撃として四本の腕で再びラッシュを叩き込む
パス精CCC及びCCB(本体&スタンドの為)

958『一彩合彩』:2017/09/07(木) 00:46:24
>>955 (硯)

フック:「まだ頭じゃねぇだろ」

錨を持った男が笑う。

慶:「オッケーです」

青い鳥が一羽フックの顔面へと飛ぶ(スC)
ただフックはそれに反応しない。

フック:「知らねぇな。それが能力なんだろ?」

安全運転。
それが『オーバードライブ』の能力である。
速度を落とす代わりに精密性を上昇させる。
大雑把で荒っぽい操縦はそこにはない。
精密な操作によって制御されている。

フック:「あ?」

タックルを仕掛ける硯。
その移動ごとフックの攻撃もついてくる。
体をねじっているのだ。
顔の右側に鳥の塗料を食らいながらも硯への攻撃をやめていない。
再度のタックル。
今度は彼の体に命中した。
インパクトの際、彼の腕が肩にぶつかったが空気のクッションによってその衝撃波殺されている。
同時にフックのスタンドが空気のクッションを作動させるほどの威力を持つことが知れた。

フックが壁に吹っ飛ぶ。
腕が当たり完全なダメージを通したわけではないが壁にぶつかった痛みはあるだろう。

フック:「G9……これは聞いてなかったぜ」

    「いいなお前。そのクッション。安全でよ。俺はいらないが」

フックが右手の錨で壁に触れる。

フック:「ふん!」

錨を持ち替えオーバースローで投擲した。
まっすぐに錨が飛んでいく。
錨には鎖がつけられており、それは壁と錨を繋いでいた。
まっすぐに飛ぶ鎖を潜りながらフックは横に移動した。

959『一彩合彩』:2017/09/07(木) 00:46:36
>>956-957 (斑鳩)

敵の能力に察しを付けた。
そして行動。
右に跳躍して酒瓶をかわす。

ロック:「なにビビってんだよ。ねぇ、ビッグ、のいて」

ビッグ:「客だぞ」

ロック:「非常事態だぞ」

椅子に座っていたビッグがしぶしぶ席を立つ。
ロックのスタンドが右手で椅子を持ち上げた。

斑鳩はすでにロックの半径2m以内にいる。
接近の必要もなく両腕の鎖を振るう。
当然、伸ばす必要があるので行動に若干のラグが出来る。
両腕の鎖が敵を挟み込むようにして振るわれる。
それガードすれば相手の両腕を掴むのだ。

ただし成功すればとの注釈がつくが。

ロック:「おっと、そりゃ避けるよ。お前が鎖を伸ばしたりするってのは分かってるからね」

敵はスタンドごとしゃがみこみ頭に来る鎖を避けたそして鎖自体を開いている左手でつかんだ。

ロック:「で、何? 鎖をばらして欲しかったの?」

ロックのスタンド、『ジグソー』が椅子の中心を手で押すとそれは真っ二つに分かれた。
なにか破片のようなものを生み出しながらだ。
ちょうど『ジグソー』の手の幅と同じくらいの幅が椅子の右半分と左半分の間に出来た。

ロック:「えい☆」

ロック本人が椅子の右半分を蹴り飛ばして斑鳩の方へ転がす(スC)
スタンドの方は鎖を引っ張って上半身の動きを制御している。

□□□□□□□□□フ │□□□□
◇□□□■□□□□□│車酒◎◎
◇□□九■大□□□□│□□●●
◇□□□■□□□□□錨□□●●
□□□□■ろ□□□□□□□敵敵
□□□□■□□鎖□□□□□□□
■■■■■□□□□□□□□□□
□◎□◎□□□□□□□□□◎◎
□□□□鳥□□□□◎□□□●●
□□□□□□□□□□□□□敵◎
□□□□□□□□□□□□□□□
□◎◎□□□□敵◎□□□□□□
□●●□□□□●●□□□□□□
□◎◎鳥□□□◎◎□□□□□□
□□□□□□□□□□□□慶□□

車:硯
鎖:斑鳩
慶:慶
敵:不良
大:ビッグ
九:G9
フ:フック
ろ:ロック
酒:酒瓶
│:鎖。錨と接続されている。
■:バーカウンター
◇:棚
●:机。四つで一つ
◎:座椅子。固定はされていない。

960斑鳩 翔『ロスト・アイデンティティ』:2017/09/07(木) 20:32:47
>>959

――鎖では攻撃にならない、それは最初に鎖をパズルのピースのように崩された時解っていた

当てるか、拘束するなら左右からの鎖で上下を攻撃したほうが良い それも解っていた

だが あえて……あえて『頭部だけを二度も攻撃した』 何故か?

(――心理トリックだ、『此奴は無駄だと解っていても頭部を攻撃する』そういう思い込みをさせる)
(僕が『考えなしの正義感に酔っぱらってるクソガキ』だと思わせなけりゃあならなかった)

掴まれた方の鎖を伸ばしながら両腕を背後に回し、再度突撃する
もし、この時点で鎖を少しでも引っ張られるなど動きに阻害が有れば即座に切断する

     (――もう鎖は必要ない)

    「――慶!」

    (だから二度も仕掛けた、だからこれも使わなかった)

(射程2メートル以内に近づく必要があったから!)

――人間が歩くというのは地面に対しての脚力の作用から反作用を得て前に移動する
故に足を交互に出人間には2本分の加速力の限界がある

もしもう二つ…もう2本の重量の無い足が走る人間にあったら?

(4本分の地面を蹴る足の加速力!……同時操作が僕に与える負の影響は無い)

4本の足で交互に地面を滑るように駆け出し、本来人間では不可能な初速と加速でロックに向かう

(さっき椅子の半分を飛ばした、あれはロックの能力を使っている)
(その能力を解除したら? …前からか後からか、僕自身に向かって『半分の椅子が飛んでくる』)
(僕を動けなくして攻撃するつもりだ だからそれは回避する …回避するがそのまま前進する)

――ロックの右方向(ロックから見れば左側)にスライディング
この行動は飛んでくる椅子の回避と、ロックの背後へ抜けるための物だ
そしてこれから距離を取ろうとしてもロックの右側にはカウンターがある

そしてスライディング、その最中 体制をロックの方に向ける

(彼の狙いは上半身だ、何故なら椅子を飛び道具に攻撃するつもりだから
彼は僕がこうする事に意表を突かれる筈だ、
何故なら『両腕を後ろに回したのは慶の援護も使って再び頭部に攻撃を仕掛ける為』だと思うからだ
もうその前例は『向こうの研一郎君が披露している』からだ
だから慶にはさっきの言葉は『伝わらなくてもいい』)

(単にロックに『前と鎖を警戒させるため』だから……そして!)

スライディング、その最中に影の足でロックの膝関節に『蹴りを入れる』

(――これで更に僕に対しての対応は遅れる、人間は転びかけると、とっさに体制を立て直そうとするから
僕への対処と背後への旋回は鎖の予想を外したことで遅れ、前を警戒したことで遅れ、更に体制の崩しで送れる
これで僕が『背後を取れる』)

そのまま滑り気味にロックの背後をうつ伏せで取るや否や、即座に飛ぶように立ち上がりロックを羽交い絞めにしようとする

(――普通の人間なら、倒れてうつ伏せの状態から即座に起き上がる事は出来ない
『足が四本ある人間』でもなければ!影の足で垂直に跳躍するように立ち上がれば僕は例外になる!)

ロックを自らの両腕で羽交い絞めにした状態で手を頭部の後ろで交差して組み、ロックの頭部を前に押しこむ
――フルネルソン(パス精CCC)

そして同時に『両腕の鎖を解除して現れた影の両腕』で、片腕を頸部に回して手首にあてた、もう一方の腕で絞める。
――スリーパーホールド(パス精CCB)

『影の腕は本来の部位の動作を阻害しない』
故に普通なら可能ではない二つの技を同時にかけ
頸動脈を絞め塞ぎ、頚動脈洞性失神を狙う

(――この状態ではどんな筋力が有ろうとほぼ脱出不可能
本来ならこの技も長年の熟練した精密さが必要だが…僕の『影の腕』はその精密さを持っている!
失神にはスリーパーホールドだけでも10秒とかからない!同時にかければ即座に眠るように落ちる筈。
……いや、何秒かかったって攻撃は頭部と胴体の鎖で受ければいい『ロックが気絶するまで解除しない』!)

「――二つの失敗は認める、だがそれも布石にしてやる。
成長とは転んでも立ち上がる事だ!」

961硯 研一郎『RXオーバードライブ』:2017/09/07(木) 21:41:07
>>958(GM)>>960(斑鳩)


「『スタンド』ッていうのを、
 『出し惜しみ』した甲斐があったみたいだ」

『オーバードライブ』の状態を確認する。
『車輪』はまだ『一つ』残っているのだろうか。

            「翔さん、いや」

「――『翔ちゃん』、
俺の判断は間違っていたようだ。
一度、合流して『共闘』しよう。今、そちらに行く」



「フックさん」
     
        ――ズオォォッ  


『フック』の足目掛け本体と共に『スライディング』を放つ事で、
伸びる『鎖』の下を掻い潜ると同時に『フック』の脚を攻撃し、
派手に転倒させたい。パス精BCC。

『鎖』の伸びるスピードは『普通』。
また(把握している感じでは)『フック』は投擲した『錨』を
空中で『固定』させる事は可能だが、その『軌道』自体は操作できない。
(もし操作が可能ならば既にやっている筈)
『フック』と同じように姿勢を低くすれば避けるのは容易な筈。

(更に『フック』の顔面には『青のペンキ』(>>958)が付着している。
 程度はわからないが確実にその視界を阻害しているだろう)

962『一彩合彩』:2017/09/07(木) 23:27:25
>>960 (斑鳩)

二度の頭部への攻撃。
それは相手の意識を逸らすトリック。
ロックがそれにはまっているかを確認するすべはない。
しかし進むしかない。

ロック:「ん?」

四本の足でかける。
それは人ひとりで出せるスピードではない。
ロックの蹴った椅子が転がっていく。
敵の狙いは上半身ではない。転がっていく椅子の狙いは足だ。

ロック:「K?」

言葉では慶を警戒するが斑鳩から視線をそらさない。
ロックのスタンドが掴んだ鎖を振ると鎖がボロボロと壊れていく。
1mほどバラバラの破片となって千切れた。

斑鳩がスライディングをする。
そして彼の膝を蹴とばした。
そのまま彼の背中を取った。
その時、ロックのスタンドと目があった。
ロックはスタンドを操作して自分と背中合わせの状態にしている。
それと同時に斑鳩の体をビッグが蹴り飛ばした。
鎖の上からとはいえ重みのある蹴りだ。
鎖自体が斑鳩に当たった痛みもある。
斑鳩が滑り込んだ位置はビッグとロックの間だ。
この状態でのフルネルソンも裸締めもできない。

ロック:「おいおい、何考えてるんだい」

    「二つの失敗は分かった。じゃあこれは成功って事でいいんだね?」

ロックのスタンドが手を上げる。
斑鳩の目の前に何かが集まってくる。
それはパズルのかけらのような形をしている。
店の床からそれらが集まり手の形を作り出す。

>>961 (硯)

空気のクッションが発動したのはフックの攻撃のみだ。
車輪は一つ残っている。

フック:「あぁ?」

フックの錨を避けるのは容易だ。
姿勢を低くすれば避けられる。
そしてスライディングキックをフックに対して仕掛ける。
錨の回避と攻撃が同時に行える。
フックの顔面の右側には青い塗料。
右側の視界が殺されている。左側にも多少の問題があるだろう。

フック:「あぁ!」

フックが無理やり足を振る。
スライディングと蹴りがかち合う。空気のクッションが破裂し、硯へのダメージはない。

フック:「ちっ」

舌打ちをしつつフックが鎖を掴んでジャンプする。
彼の両足が鎖の上に乗るが鎖が少したわむだけで床に落ちはしない。
すでに固定されているようだ。フックが鎖の上で左手の錨を振り上げている。

□□□□□□□□□車│□□□□
◇□□□■□□□□□フ□酒◎◎
◇□□九■大□□□□│□□●●
◇□□□■鎖□□□□錨□□●●
□□□□■ろ□□□□□□□敵敵
□□□□■□□□□□□□□□□
■■■■■□□□□◎□□□□□
□◎□◎□□□□□□□□□◎◎
□□□□鳥□□□□◎□□□●●
□□□□□□□□□□□□□敵◎
□□□□□□□□□□□□□□□
□◎◎□□□□敵◎□□□□□□
□●●□□□□●●□□□□□□
□◎◎鳥□□□◎◎□□□□□□
□□□□□□□□□□□□慶□□

車:硯
鎖:斑鳩
慶:慶
敵:不良
大:ビッグ
九:G9
フ:フック
ろ:ロック
酒:酒瓶
│:鎖。錨と接続されている。
■:バーカウンター
◇:棚
●:机。四つで一つ
◎:座椅子。固定はされていない。

963斑鳩 翔『ロスト・アイデンティティ』:2017/09/08(金) 00:10:15
>>961

(研一郎君か……悪いけど今喋れないんだよなあ……くそう)

 (僕だと相性が悪すぎるのか、攻撃が下手糞なのか、覚悟決まってないのか……多分全部だな。)

(でも『ちゃん』は何か詰まった気がする。)

>>962

「――かッ」
重い蹴り、今まで受けた事の無かった痛み
肺から空気が漏れ出て声帯を震わす打撃――それでも思考を止めぬように必死に息をしようとする


(逃走――駄目か、前後を挟まれてる
鎖は触れると崩される――攻撃には使えない)

(殴打……アウトキャストがパワーを移植か、相手が僕以上なら殴り負けるな
それにビッグも無視できない、攻撃されたら僕の手が止まる)

(――参ったな、もう僕にできる事が無い
如何すれば攻撃できる?)

(でもひとつ解った、やっぱり『無機物』しか『パズルのピース』に出来ないんだ
僕自体を崩せばあっさり無力化できるはずなのに)

(まだ考えろ……僕にできる事)

(足元からのパズルの腕……僕を攻撃する腕だ)
(蹴りは効いて無いように見える……転倒はしてない)
(僕の腕、まだ鎖が巻き付いてるよな……床からの腕……)

切り離したすべての鎖を解除し両腕の鎖も排除した上でロックのスタンドの肩を影の腕で掴み
四本の足で跳躍
逆立ちの状態で跳躍と同時に伸ばした鎖を両手に巻き付け
四つの腕と二つの足で上からラッシュを仕掛ける
その反動で距離を取る

964硯 研一郎『RXオーバードライブ』:2017/09/08(金) 00:23:09
>>962(GM)

      「ヒューッ」

華麗な身のこなしを魅せる『フック』に対し、
思わず唇を尖らせ口笛を吹く。

「流石は『ダンサー』。
 素晴らしいダンスだ。
 俺にはとても真似のできない動きだ」

「フックさん」

「これだけは『ダサい』からやりたくなかったんだが、
 やむを得ない状況、と言うか。
 俺は君に言いたい事があるんだ」

          グッ

その場で踏ん張り、
張られた『鎖』の上に立つ『フック』を見上げる。


「俺の『鎖』を砕いてくれて、
 サンキューベリーマッチってヤツだ」

         シュババババッ!

『フック』の蹴りによって『オーバードライブ』の『車輪』はすべて解除された。
これにより『オーバードライブ』は『速度』と『荒々しさ』を取り戻す。
本来のスペックの『オーバードライブ』による拳の連打を『フック』に叩き込む。
(パス精BAE)
『安全装置』が壊れた本来の『RXオーバードライブ』は、
『フック』が手に持った『錨』を投擲するよりも、
『錨』から『鎖』を伸ばすよりも、
張った『鎖』の上から飛び降りるよりも、解除するよりも、
不安定な『鎖』の上から蹴りを放つよりも、
『斑鳩』側に居る『ビッグ』が咄嗟に『スピード』を合わせるよりも――『速い』。

欲を言えば『足首』を砕き、完全に動きを止めたいが
本来の『オーバードライブ』は『荒い』。
『フック』を倒せさえすれば、何でも良い。
この近距離ならば狙いを定めるのは難しいが、『フック』の体の何処かしらに当たる、筈だ。

965『一彩合彩』:2017/09/08(金) 02:00:03
>>962 (斑鳩)

前はロック。背後はビッグ。右手側はカウンターで阻まれている。
退避するには左側しかない。
パズルの手は足元ではなく目の前にある。(>斑鳩の 目の前に 何かが集まってくる。)
出来ることはないと思考にいたるが何か行動せねば止まってしまうことも事実であった。

両腕の鎖を解除しロックのスタンドの肩を掴む。
そして倒立を行う。
それはスタンドの精密性ならば可能だろう。
ただ問題があるならば逆立ちというアクロバティックな行動をしたことで行動完了までの隙を作ったこと。
そして首の鎖を手に巻くという行動だ。
それは倒立の行う間に完了する行動ではない。

ビッグ:「甘い」

ロック:「そう、甘すぎる」

パズルのピースでできた手が逆立ちした斑鳩の首にめり込む(パスCB)
呼吸が止められラッシュまでの手がさらに遅れその隙にビッグの飛び蹴りも腹部に見舞われる。
倒れ込むようにして床に叩きつけられる。
そちらはロックのいる側だ。

ロック:「手と足が多くて結構なことだ。タコみたいだね」

ロックの声が遠い。
もうしゃがみこんでもいないのだろう。

>>964 (硯)

フック:「褒めても何も出ねぇ……」

硯はフックを見上げる。
その視線にフックの肩眉が上がる。

フック:「……俺は馬鹿か」

ようやく自分のしたことを悟ったらしい。
フックの攻撃が決まるよりも早く『オーバードライブ』が駆動する。

フック:「あああああ!」

鎖を解除してフックが体を固める。
当たる場所が少しずれたが確実に命中している。
吹っ飛んだフックはテーブル叩きつけられ床に落ちた。

フック:「……マジかよ」

G9:「なにやってんだよフック!」

骨も数か所折れているだろう。
血を流しながらフックが倒れている。

□□□□□□□□□車□□□□□
◇□□□■□□□□□□□酒◎◎
◇九□□■□□□□□□□フ●●
◇□□□■大□□□□□□□●●
□□□□■ろ□□□□□□□敵敵
□□□□■□□□□□□□□□□
■■■■■鎖□□□◎□□□□□
□◎□◎□□□□□□□□□◎◎
□□□□鳥□□□□◎□□□●●
□□□□□□□□□□□□□敵◎
□□□□□□□□□□□□□□□
□◎◎□□□□敵◎□□□□□□
□●●□□□□●●□□□□□□
□◎◎鳥□□□◎◎□□□□□□
□□□□□□□□□□□□慶□□

車:硯
鎖:斑鳩
慶:慶
敵:不良
大:ビッグ
九:G9
フ:フック
ろ:ロック
酒:酒瓶
│:鎖。錨と接続されている。
■:バーカウンター
◇:棚
●:机。四つで一つ
◎:座椅子。固定はされていない。

966硯 研一郎『RXオーバードライブ』:2017/09/08(金) 13:32:59
>>965(GM)


「これで、もう踊れない」


ズギュン!

『オーバードライブ』の胸元に自動車の『車輪』を1つ発現。
(『車輪』のタイヤ側が『オーバードライブ』の胸部と垂直になるように)
倒れている『フック』へと駆け寄り、一気に距離を詰める。


「フックさん、君は渋々『ダンサー』をやっているらしいじゃあないか。
その怪我じゃあ、踊りはもう無理だ。逆にラッキーなんじゃあないかな」

「これでもう嫌な『ダンス』をしなくていいんだから。
これからは父さんのような立派な船乗りを目指すも良いし、
君の好きなように生きればいいと思うよ。
ーーだが最後に、もう一度だけ踊ってもらうがね」

ドガガガゴガガガガガガガガガガガガガガッ!


倒れている『フック』に対して『暴風』と形容するに相応しい、
『オーバードライブ』の『ストンピングキック』を何度も何度も叩き込む。パス精BAE。
そのまま『フック』を気絶させてしまいたい。

967斑鳩 翔『ロスト・アイデンティティ』:2017/09/08(金) 20:25:43
>>965

(――僕は何て馬鹿なやつなんだ)

喉をパズルの手に掴まれて息が出来ず、声も出ない中
腹部と背中に鈍い痛みを感じながら意識を保っていた

しかし彼の言う『馬鹿』は自分の策が失敗した事でも
無様に床に叩きつけられている事を刺している物でも無かった

(心か頭の隅で…考えてしまった、一瞬かもしれ無いが確かに考えてしまった……
『このまま倒れていよう』『もう充分怖い思いをした』『後は研一郎君に全部任せればいい』
……考えてしまった。)



(怖いのは『痛み』じゃあない筈だ、怖いのは……『恐怖に怯えて立てない事』だ)

影の両腕を床に叩きつけ、足を揺らす反動で起き上がろうとする

(息が出来ないのも、カッコ悪いのも全部5年前、こういう連中に両親を殺されてからずっとじゃあないか
恐怖そのものを恐れるんだ……)

――首のパズルの腕を影の両腕と自らの鎖を巻いた拳で掴む

(この腕は厳密には僕の首に巻かれた『鎖』を掴んでる、パワーも人間並み
だから首の鎖を解除しつつ影の頭部を発現させれば、掴んでいる物が無くなる『引き剥がせる』)

喉の隙間から微かに漏れた息が声帯を揺らす
取った腕は足元に放り投げて影の足で蹴飛ばす

(此奴が何故片っ端から僕をパズルのピースにしないのか…命あるものは無理、もしくはできる量に限界が有るかだ
無機物なら『両手』で『触れば』崩せる……そういう能力だ。)

『ロスト・アイデンティティ』を解除し再発現する
全身に再び鎖が鎧のように巻き付く

(今やってはいけないのは……此奴らを『研一郎君』の方に行かせない事
もう一度首を絞められたり、殴られた時は その部分をその前に『結合』させてしまえばいい
パズルの腕は『分解できない』みたいだし人間並みのパワーなら鎖も破壊できない)

(ロックさんに鎖は効かない、力比べでは影の腕も精密さも役に立たない
だけど僕は腕も足も折れてない、血を流してもいない だから)

(足止めの為にも、弱点を探すためにも、僕が彼を倒すためにも――こいつらに殴られに行かなくちゃあいけない。)

――息を整えて再びロックに向けて走り出す。

968『一彩合彩』:2017/09/08(金) 22:58:23
>>966 (硯)

『オーバードライブ』の胸に車輪が発現される。
ランドセルを逆に背負ったように車輪が前に突き出ている。

フック:「その通りだ……」

硯の言葉に蚊の鳴くような声が返ってくる。
そしてその言葉がフックの最後の言葉となった。
嵐のような勢いと荒々しさの踏みつけがフックを襲う。
秋の日に落ちた木の葉を踏むようにフックの骨や肉が砕かれていく。
床に赤い血の池が作られる。
フックの呼吸も聞こえはしない。

ロック:「フック? フックー? ……悲しいねぇ」

>>967 (斑鳩)

首にパズルの拳が叩き込まれた。
背中の痛みも腹部の痛みも本物だ。
しかし斑鳩の心は折れていない。
立ち上がった斑鳩がパズルの手を掴む。
放ったそれを蹴り飛ばす前にパズルの手はパズルの破片に戻ってしまった。

ロック:「G9ーお酒取って」

G9:「なんでだよ」

ロック:「いいじゃん、別に……」

    「フック? フックー? ……悲しいねぇ」

スタンドの再発現。
それは敵にとって行動できる間でもある。

ロック:「『ジグソー』」

「分解と再構築、固めると砕く。それが『ジグソー』の能力」

カウンターがボロボロと崩れる。
それがロックと斑鳩を隔てる壁になる。
まだ前進はしていない。
どうするかは斑鳩次第だ。

□□□□□□□□□□□□□□□
◇□□□■□□□□□□□酒◎◎
◇九□□■□□□□□□車フ●●
◇□□□□大□□□□□□□●●
□□□□□ろ□□□□□□□敵敵
□□□□□壁壁□□□□□□□□
■■■■■鎖□□□◎□□□□□
□◎□◎□□□□□□□□□◎◎
□□□□鳥□□□□◎□□□●●
□□□□□□□□□□□□□敵◎
□□□□□□□□□□□□□□□
□◎◎□□□□敵◎□□□□□□
□●●□□□□●●□□□□□□
□◎◎鳥□□□◎◎□□□□□□
□□□□□□□□□□□□慶□□

車:硯
鎖:斑鳩
慶:慶
敵:不良
大:ビッグ
九:G9
フ:フック
ろ:ロック
酒:酒瓶
壁:パズルの壁。カウンターとぴったりくっつけられ隙間はない。
■:バーカウンター
◇:棚
●:机。四つで一つ
◎:座椅子。固定はされていない。

969硯 研一郎『RXオーバードライブ』:2017/09/08(金) 23:18:29
>>968(GM)


       「……」

「フックさん、申し訳ない。
 このスタンドってのは『手加減』が下手なようだ。
 俺もとても悲しいんだ。
 だが君が『日本人』で本当に良かった――」

       「『保険証』が使えるからな」


         パリィンッ!

倒れているフックの近くに落ちている『酒瓶』(注ぎ口の方)を本体で持ち、
テーブルに叩き付け、ビン底を割り『鋭利』にする。
そして『オーバードライブ』を従え、
『ロック』達の方へ向き直り――

「ようやく一人片づけた。
 翔ちゃん、今加勢に行く。
 もう少し、もう少しだけ頑張ってくれないか」

『オーバードライブ』に設置した『車輪』を回し(スC)、
『ロック』達の元へ、歩きで距離を詰める。

970斑鳩 翔『ロスト・アイデンティティ』:2017/09/08(金) 23:35:36
>>969

「――研一郎君」
 「自分が現金かつ情けないが感謝するよ!頼もしい事に!」

>>968

「……その割には僕を壁に埋め込んで止めなかったな、能力の射程も精々数メートルか
両手で触れた無機物を分解し、その質量分操作もできる か。」

(向こう…どうなったんだ?壁で見えないけど……いや今は迷わない事だ)

両腕の鎖を伸ばしながらカウンターを越えて左から進む 無論時間はかかるが…

(此奴の右側から研一郎君が来る…『挟み撃ちにする』には左からかカウンターを越える必要がある)

両腕を背後に回しながらロックの側面に躍り出ようとする

(……けどあのパズルの手、離れたが僕の首を掴んだままここまで来てたな
埋め込まれるのは警戒しなくては)

971『一彩合彩』:2017/09/08(金) 23:57:52
>>969 (硯)

硯の言葉にフックの返答はない。
すでに意識もないのだろう。
酒瓶は彼の能力の影響を離れている。
机に叩きつけ割れたそれは立派な凶器だ。

『オーバードライブ』の車輪を回しながら近づいてく。

>>970 (斑鳩)

ロック:「え? してよかったの?」

     「なあんだ。してよかったんなら言ってよぉ」

     「俺もカウンターに人間が埋まってるなんて面白いなぁって思ってたんだ」

ロックの気楽そうな声が聞こえる。
カウンターを乗り越えた斑鳩。
それはカウンターの内側への接近でもある。
先ほどまで前にあった壁はお辞儀をするようにめくれ卵のような形になった。
近くにいればあれの中に閉じ込められていただろう。

G9:「よう、何が飲みてぇ?」

カウンターの上に乗った斑鳩を捉えたのはG9だ。

ロック:「ビッグ!」

ビッグ:「G9!」

G9:「ロック!」

ロックのスタンドがその手で床を叩く(スB)
そしてそのまま床を撫でるようにこすった。
ビッグの腕のディスクが回転を始める。

G9:「上がってきたのはお前だぜ」

G9が酒瓶を投げる(スB)
それは人の速度ではない。ビッグのスタンドの後押しによるものだ。
G9の手を離れた酒瓶が斑鳩に迫る(スC)。

□□□□□□□□□□□□□□□
◇□□□■□□□□□□□□◎◎
◇九□□■□□□車□□□フ●●
◇□□□□大□□□□□□□●●
□□□酒□ろ□□□□□□□敵敵
□□□□鎖壁壁□□□□□□□□
■■■■■□□□□◎□□□□□
□◎□◎□□□□□□□□□◎◎
□□□□鳥□□□□◎□□□●●
□□□□□□□□□□□□□敵◎
□□□□□□□□□□□□□□□
□◎◎□□□□敵◎□□□□□□
□●●□□□□●●□□□□□□
□◎◎鳥□□□◎◎□□□□□□
□□□□□□□□□□□□慶□□

車:硯
鎖:斑鳩
慶:慶
敵:不良
大:ビッグ
九:G9
フ:フック
ろ:ロック
酒:酒瓶
壁:パズルの壁。カウンターとぴったりくっつけられ隙間はない。
■:バーカウンター
◇:棚
●:机。四つで一つ
◎:座椅子。固定はされていない。

972硯 研一郎『RXオーバードライブ』:2017/09/09(土) 00:26:21
>>971(GM)


「蚊帳の外、かい。
 翔ちゃん、随分とモテモテだな」


     ギャルルルギャルルル

                『カラァ』

「翔ちゃん、ロックさんの相手を頼む」

『車輪』の回転、
心中で『安全装置』を発動。

「だいぶ、気分が乗ってきた。
 一つ、歌でも歌うか」   「せえの」

              ダッ!!

 
    「月が空に、張り付いてらぁぁ!!♪
       銀紙の星が 揺れてらぁぁぁぁ!!!♪
     
     誰もがぁぁポケットの中にぃ 孤独を隠し持っているぅ〜!!♪」

斑鳩といえど1vs3は流石に分が悪いだろう。
自らを鼓舞する為、そして連中の気を引く為に、
力の限り、腹から声を出しブルーハーツの名曲を熱唱しながら、
一気に駆けるッ!狙いは連携の要である――『ビッグ』ッ!

     「あまりにも突然にィ〜ッ!!!
      昨日は砕けていくぅ〜ッ!!!
      それならば今ここでぇ〜ッ!!!」

973斑鳩 翔『ロスト・アイデンティティ』:2017/09/09(土) 00:57:54
>>971

(突進したら捕まっていた…!?でも大量の物を操作するのは流石に遅いみたいだ)

「――変わってもいいんだぜ研一郎君」
 「僕だって女性にモテたいんだからな!」

鎖を背後に隠した両腕から二メートル乗り越えた時から延ばしつつ
酒瓶に対応しようとする

(G9さん……最初に「鬱憤がたまってるだろ?」って言ってたな
僕たちを操作しなかったのは、何か条件が有る筈だ)

「――5年前から降りるつもりは ない!
『酒気』を帯びさせるのが操作の前提条件なら
直撃してはやれないし、攻撃も緩めない!」

酒瓶に対して姿勢を横に狙いはあくまでロック一人……だが
上体を逸らして棚のある壁に背を向けて倒れ込む
酒瓶の回避と同時に両腕を既に伸ばした鎖の鞭と共にロックに振り下ろす
狙うのはスタンドの手を回避しつつ両腕回り、巻き付けばその時点で結合させる

――同時に両足の鎖を解除し、影の足を支えにして床への転倒を回避する。

974『一彩合彩』:2017/09/09(土) 02:27:29
>>972 (硯)

ロック:「そういうなよ。優先順位ってあるんだから」

     「慶もよく言ってなかったか? 一つずつ一つずつって」

車輪の回転が始まる。
ビッグは硯に視線を向ける。
G9は意図的に硯の方を向いていない。
ロックは……スタンドの目で見ているのかもしれない。

ロック:「砕けるさ。簡単に」

店の床が揺れる(パC)
それはそのまま人の勢いを超えて弾けた(パスCB)
少し走りにくいが行動は出来ている。
そのまま進むことも可能だが弾けた床のピースが当たることを覚悟しないといけない。

ビッグ:「……」

ビッグは自分が狙われていることを理解している。
体を守りの体勢に固め、ディスクに指を添える。

>>973 (斑鳩)

閉じ込められていれば今頃戦線には立てていないだろう。
酒瓶を避けつつ斑鳩は攻撃を開始する。
倒れ込む勢いを利用した鎖である。

ロック:「!」

『ジグソー』が両手を上にあげる(スB)。
それと同時に店の床が揺れて(パC)
同時に床のピースが弾けた(パスCB)
鎖はガードの体勢になったロックの両腕に命中しているが、『ジグソー』も両手を上げているため前までと同じように砕かれるかもしれない。
倒れるのは影の足で回避できたが体勢の都合上、ピースを回避するのは多少困難だろう。

□□□□□□□□□□□□□□□
◇□□□■□□□□□□□□◎◎
◇九□□■□車□□□□□フ●●
◇□□□□大□□□□□□□●●
□□□□□ろ□□□□□□□敵敵
□□□□鎖壁壁□□□□□□□□
■■■■■□□□□◎□□□□□
□◎□◎□□□□□□□□□◎◎
□□□□鳥□□□□◎□□□●●
□□□□□□□□□□□□□敵◎
□□□□□□□□□□□□□□□
□◎◎□□□□敵◎□□□□□□
□●●□□□□●●□□□□□□
□◎◎鳥□□□◎◎□□□□□□
□□□□□□□□□□□□慶□□

車:硯
鎖:斑鳩
慶:慶
敵:不良
大:ビッグ
九:G9
フ:フック
ろ:ロック
酒:酒瓶
壁:パズルの壁。カウンターとぴったりくっつけられ隙間はない。
■:バーカウンター
◇:棚
●:机。四つで一つ
◎:座椅子。固定はされていない。

975硯 研一郎『RXオーバードライブ』:2017/09/09(土) 05:37:58
>>974
床を『ジグソー』化したとの事だが、
床に貼ってある『床材』化したという事?
それとも床ごと『ジグソーピース』化した?
もし後者なら床には穴が空いている状態?

976『一彩合彩』:2017/09/09(土) 12:50:13
>>975
床ごとパズルのピースとなった。
穴はあいていない。
ピースが弾けた床は表面をうすくスライスしたかのような状態で、通常の床よりほんの少しだけ沈んでいる。

977斑鳩 翔『ロスト・アイデンティティ』:2017/09/09(土) 20:42:54
>>974

(ど、どうすればいいんだ……?)

(このまま奴のスタンドが触れたら、触れた個所から崩れてしまう 結合も意味が無い)

(ガードしている間にタックルするか?自分ごとピースに埋め込むのは出来ないだろう
……いや、僕は『倒れ込んでいる』んだ、このまま跳んでも間に合わない……僕だけが壁に埋め込まれる!)

(触れる箇所の鎖を解除すれば……長さが足りなくなる、ロックさんを捉えられない
今を逃せば『研一郎君』の方へ妨害しに行くのは火を見るよりも明らかだ!)

(ど、どうすれば…拘束しつつ…ピースも迫ってきて……)



(――いや、ピースは回避しない 解除しても精々木片だろう
足以外全身を鎖で覆う僕にはかすり傷にもならない 足へのダメージは覚悟すればいい
あれはどちらかと言えば、踏み入れた相手の足をあの場所に拘束するための爆発と見た)

「『ロスト・アイデンティティ』!奴のスタンドの『両手』が触れる範囲は切断する!」

(――だが 残っている部分は未だに勢いで下に行く 本体の下半身へ だから
切り離した残りの僕が持っている鎖は『鎖の輪全てを結合』させる これなら『湾曲した細い鉄の棒』だ 
強度は足りないが問題はそこじゃあない 必要なのは『固まる事』だ)

(影の足で起き上がりつつ『結合した二本の鎖を前に押し込んで!ロックの腰に左右から薙ぎ払う!』
薙ぎ払うのは少しでいい 引っかかりさえすれば!)

(薙ぎ払う瞬間に再び結合を解除!そして二つの鎖が巻き付いた瞬間、その箇所を再結合する!)
これで……うまくいけばロックを捉え、囲んだ『鎖の輪』になる)

(そしてロックのスタンドが上げた腕を戻す前にこちらに引っ張りながら!
ロックさんに4本の足で跳躍する!タックルだ!)

(向こうは近づき、僕も近づく! ……いけるか!?)

978『一彩合彩』:2017/09/09(土) 21:31:11
>>977
>『鎖の輪全てと結合させる』
とはどの鎖の輪をどの鎖との輪と、どのように結合させるのでしょうか。

979斑鳩 翔『ロスト・アイデンティティ』:2017/09/10(日) 00:25:47
>>978

11.このスタンドの鎖同士は触れさせて意識すれば『連結』させられる。
   連結部は鎖の輪と輪が融合したようになり、連結器などは発現されない。

より一本の鎖でも『結合』すれば鎖の輪と輪を融合出来ると拡大解釈しました
不可能なら申し訳ありません。

980『一彩合彩』:2017/09/10(日) 00:36:54
>>979

回答に感謝します。

981硯 研一郎『RXオーバードライブ』:2017/09/10(日) 21:18:23
>>977(GM)


          ボゴォ

「!!」    バッ!!

剥離するように『ピース』化する床。
触れまいと咄嗟に跳躍ッ。


「僕ら何かを始めよおぉぉッ!
 僕ら何かを始めよおぉぉッ!!!!」

そして、跳躍と同時にガードしている『ビッグ』目掛け、
(酒瓶を持っていない方の手で)拳をふるうッ!
『オーバードライブ』の精密性では咄嗟のこの状況では
当たりはするかもしれないが『致命傷』を与えられないかもしれない、
なので、此処はあえて『硯』自身の拳を叩き込む(パス精CCC)

この位置ならば『ロック』と『G9』の手助けが入る事はまずありえない。
(例え『ロック』がピンチのビッグを見かねて硯に意識を向けるのならば、
『斑鳩』に背中を向ける事になるだろう)
今、この状況はとりあえずだが『タイマン』だ。

982『一彩合彩』:2017/09/10(日) 23:07:22
>>977 (斑鳩)

ピースは回避しない。防御も行わない。
鎖の切断を斑鳩は選んだ。
斑鳩の体に無数のピースが叩きつけられる(パスCB)
一つ一つは小さな木片だが無数のそれが高速で体を押し込む。
それは確実な痛みを生み出す。

両腕から伸びる鎖。
一本の鎖自体を折りたたんで連結する。
それは鎖を一つの塊にする行為だ。
しかし三本の鎖が固まったものが槍としての機能を持たないのと同様
鎖を折り畳み二本にしたとして棒としての完全な機能は望めないだろう。

二本の鎖の塊は左右に薙がれロックの腰に引っかかる。
しかしロックは何もしない。
両腕や脚を使って前面を完全に防いでいる。

ロック:「……」

そこからどうするかは自由だ。
(行動にかかる時間などにより腰に鎖を引っ掛けるまでの行動を行っています)

>>981 (硯)

飛んでくるピースを回避しようと跳躍する。
硯の跳躍と同時にビッグの指がディスクをこする。
彼のスタンドの発動。
ビッグの手が突き出された硯の拳を掴んだ(パス精CBC)

ビッグ:「あぁ……始めるといい……存分に」

手首から彼の握力が伝わる。
あくまで片手だ全力を出せば振り切れるだろう。
硯の持つスタンドの怪力を使ってもいい。

ビッグ:「お前のスタンドは素早い。そして恐ろしいほどに強い」

     「羨ましい限りだ」

ビッグは静かにそう呟いた。

□□□□□□□□□□□□□□□
◇□□□■□□□□□□□□◎◎
◇九□□■□車□□□□□フ●●
◇□□□□大□□□□□□□●●
□□□□□ろ□□□□□□□敵敵
□□□□鎖壁壁□□□□□□□□
■■■■■□□□□◎□□□□□
□◎□◎□□□□□□□□□◎◎
□□□□鳥□□□□◎□□□●●
□□□□□□□□□□□□□敵◎
□□□□□□□□□□□□□□□
□◎◎□□□□敵◎□□□□□□
□●●□□□□●●□□□□□□
□◎◎鳥□□□◎◎□□□□□□
□□□□□□□□□□□□慶□□

車:硯
鎖:斑鳩
慶:慶
敵:不良
大:ビッグ
九:G9
フ:フック
ろ:ロック
酒:酒瓶
壁:パズルの壁。現在は卵型。
■:バーカウンター
◇:棚
●:机。四つで一つ
◎:座椅子。固定はされていない。

983硯 研一郎『RXオーバードライブ』:2017/09/10(日) 23:15:19
>>982
ビッグが硯の手を掴んでいない方の手は『ディスク』に触れている状態?

984『一彩合彩』:2017/09/10(日) 23:21:26
>>983

『ディスク』には触れず、腹部の辺りのガードに使われている。
(イメージとしては右足を下げて半身。左手で硯の手首を掴み、右手で脇腹を覆うようにしている)

985硯 研一郎『RXオーバードライブ』:2017/09/10(日) 23:48:08
>>984>>982(GM)


   「未来はぁぁぁ〜ッ!!」

      ビュオォォッ

手首を掴まれた状態のまま、
右手に持っている割れた『酒瓶』を『ビッグ』の顔面に突き立てる。
この一撃で終わらせたい。

――当然、フックは『オーバードライブ』の速度を自身に乗せ、
『速度』による『力押し』で此方が動いた瞬間に、
反撃して潰してくるだろうが、それは『無駄』だ。
(おそらく互いの位置関係的にガードしている右手で腹部を殴ってくる筈)

「僕らのッ!!!」

>>969のメル欄で『バーカウンター』側に向き直った時に、
誰にも見えないように『手押し車』の小型の『ゴム製車輪』を
スタンドではなく自身の背中に設置。
更に>>972のメル欄で『安全状態』に切り替えている。
『オーバードライブ』の『車輪』を回し続け、
大声で歌い続けていたのは、背中の『車輪』の『回転音』をかき消すため。
悟られない為細心の注意を払いながら行動をしていた。絶対に気付かれていない。

『ビッグ』がいくら速く動けようと、
あくまで相対的に『速度』が上昇しているだけだ。
決して『多重行動』『同時行動』が可能になっている訳ではない。
また『ビッグ』はスタンド像を持つ此方に対し攻撃できる手段を持っていない筈。
ならば確実に本体である硯に対して攻撃をしてくるだろう。

『パンチ』『キック』『張り手』『手刀』『目潰し』『肘』『膝』
『頭突き』『踏みつけ』『金的』『首絞め』『足払い』を食らうが、
背中の『安全装置』が衝撃を確実に『無効化』し、
『ビッグ』が次の行動に移るよりも速く『酒瓶』がその顔に突き刺さる。

986硯 研一郎『RXオーバードライブ』:2017/09/11(月) 00:09:24
>>985
フック⇒ビッグ

987斑鳩 翔『ロスト・アイデンティティ』:2017/09/11(月) 22:10:35
>>982

「ッ……ぐ!」

(分解されたものが木片になるのも解ってた、防御も回避も出来ないから刺さるのも解ってた。)

(それと声を出さずに耐えられるってのは……別の話だよなあ)

奥歯を痛いほどに嚙み締めて隙間から苦痛を漏れ出すに留める
すぐさま行動をする必要がある故に

(やっと掴んだが……なぜ逃げないのか?何故『防御』しているのか?
考えろ斑鳩、僕がこいつなら目指すのは僕の早急な無力化だ、そうすれば『研一郎君』を3対1に出来る。)

(手っ取り早いのは僕を『分解したカウンターで埋め込む』事だ、一撃を耐えて接近したところをカウンターで埋め込む
けど僕には彼を一撃で倒すパワーとスピードは無い……なら!)

――腰に引っかけた鎖同士をロックの背面で結合させそのまま引っ張り
バーカウンターから離れつつロックを棚側に引きずろうとする。

988『一彩合彩』:2017/09/11(月) 22:45:51
>>985 (硯)

ビッグ:「たしかその曲の続きは『僕らの手の中』だ」

    「未来は僕らの手の中」

ビッグが選択したのは足を踏むという行為だ。
それはただ一歩踏み出すという単純な行為であった。
思い切り踏み抜かれたが安全装置によってそれは防がれる。
硯の背後の車輪が弾けた。
ビッグの足が硯の足の上に乗っている

ビッグ:「俺はあの歌が好きなんだ。トレインと何度も続くあの歌が」

顔面に迫る酒瓶。それを避けようとする動きもない。
ただ静かにビッグが語る。

ビッグ:「栄光に向かって走る電車には……乗れなかったな」

彼の顔に酒瓶が突きたてられた。
鋭利な突起が彼の頬などを突き破る。
頭に巻かれたバンダナに血がにじむ。
ビッグに叩き込まれた一撃はビッグを戦場から取り除ける一撃である。

ビッグ:「未来は……ぼくら……の……」

ビッグの体が傾く。
そのまま膝をつき顔が硯の腹につく。
彼から流れた血が服を汚していく。
未だ掴まれた手首から力が伝わる。それはビッグの生命の灯火だ。
今までよりも強く強く握られている。

>>987 (斑鳩)

ロックは攻撃をしない。
ただ体を固め守りの姿勢。
敵の立場になって斑鳩は思考する。
自分の無力化が完了すれば三人で硯を相手に出来る。
強力なパワーとスピードを持てる硯を攻撃できる。
なのに彼はビッグのフォローに入るわけでもなくただそこで固まっている。
彼の腰元で鎖を結合、引きずりに行く。
手から伝わる感覚が重い。
体重を後ろにかけているのだろう。

ロック:「……掴むってことは、掴まれたのと同じだぜ」

ロックが腰の鎖を掴む。
彼の手は鎖を分解しない。ただ鎖を掴んでいる。

989『一彩合彩』:2017/09/11(月) 22:46:07
>>ALL

G9:「ビッグ!」

ロック:「うるさいぞG9」

G9:「お前、ビッグがよォ」

ロック:「しょうがないね。俺達、そういう目にあっても仕方ないからな」

    「ただ、バトンは引き継いだぜ」

卵型の壁が動く。
ぐらぐらと揺れたかと思えばそれは大きな四つの塊に変わる。
二つずつ、それらが斑鳩と硯の元へと向かう(スB)
鎖でロックを捕獲し、その鎖はロックに掴まれている斑鳩。
酒瓶を突きたてた相手であるビッグに手首を掴まれたままの硯。
その二人に人間を超えるスピードの塊が迫る。
距離の都合上、斑鳩の腕に塊の一つが叩きつけられる(パスCB)
腕に伝わる感覚はピースとは比べ物にならない。
まるで木製バットをぶち込まれた様な痛みだ。

その塊のラッシュが二人を狙う。

□□□□□□□□□□□□□□□
◇□□□■□□□□□□□□◎◎
◇九□□■□車□□□□□フ●●
◇□□□□大塊□□□□□□●●
□□□□鎖ろ□□□□□□□敵敵
□□□□□塊□□□□□□□□□
■■■■■□□□□◎□□□□□
□◎□◎□□□□□□□□□◎◎
□□□□鳥□□□□◎□□□●●
□□□□□□□□□□□□□敵◎
□□□□□□□□□□□□□□□
□◎◎□□□□敵◎□□□□□□
□●●□□□□●●□□□□□□
□◎◎鳥□□□◎◎□□□□□□
□□□□□□□□□□□□慶□□

車:硯
鎖:斑鳩
慶:慶
敵:不良
大:ビッグ
九:G9
フ:フック
ろ:ロック
酒:酒瓶
塊:パズルの塊。一つのマークにつき二つ。
■:バーカウンター
◇:棚
●:机。四つで一つ
◎:座椅子。固定はされていない。

990硯 研一郎『RXオーバードライブ』:2017/09/11(月) 22:54:45
>>989
塊の大きさはどれ程?
またどのような形状?

991硯 研一郎『RXオーバードライブ』:2017/09/11(月) 22:55:25
>>991
また『塊』は実体化していますか?

992『一彩合彩』:2017/09/11(月) 23:14:06
>>990-991

バランスボールほどの大きさ。直径70cmほど。
形は球状。

塊は実体化している。

993硯 研一郎『RXオーバードライブ』:2017/09/11(月) 23:48:53
>>988-989(GM)

「未来は僕らの手の中、だ」


   バリィ・・・


     「ビッグさん、
      やはり君とは趣味が合う」

     「だが、『スタンド』というのを信用しすぎだ。
      
      ――ある日、急に発芽した得体の知れない、
      いつ使えなくなるかもわからない『スタンド』を、
      何故、『自身』だと錯覚できる?」

     「俺には」     「理解できない」
 
          「とても」


     「俺は、この『超能力』を
      一切信用していないんだ」     「だッて」


     「『コレ』だけじゃあ、君を守れない。
      
      今の君を守るには『コレ』を使う『俺』が、
      『頭』を使わなきゃいけないんだ」



『安全装置』の発動により自壊した『車輪』の再発現には、
『一分間』の『冷却時間』を要す。
『オーバードライブ』に最初に設置した2つの『車輪』が『フック』の攻撃による、
『衝撃』で自壊してから、避ける飛ぶの攻防を交わした後に、
『フック』を倒し『酒瓶』を仕込み、『ビッグ』へ向き直り、歩き、走り、
フルサイズで『2分26秒』ある『THE BLUE HEARTS』の『未来は僕らの手の中』の『1番』を歌う。
上記の行動を考えたら『一分間』はとっくのとうに経過している筈だ。
(『ビッグ』との攻防の時に歌ったのは、背中の『車輪』の『回転音』を隠す為が第一だったが、
 『冷却時間』を『測る』為という意図もあった)

                  スッ


   シュバババババババババババ!!

一瞬集中し既に設置してある胸元の『車輪』の『安全装置』を発動。
(胸元の『車輪』は継続して回し続けている)
『オーバードライブ』の腰元に触れ『原付』の『車輪』を発現。
そして、その流れのまま向ってくる2つの『球体』目掛け
『オーバードライブ』の拳の『弾幕』を叩き込み、迎撃したい。パス精BAE。

994硯 研一郎『RXオーバードライブ』:2017/09/11(月) 23:57:02
>>993
×パス精BAE
〇パス精BAE⇒パス精BCC(安全装置発動により変化する)

995斑鳩 翔『ロスト・アイデンティティ』:2017/09/12(火) 00:34:33
>>989

鎖を切断して逃げる、ラッシュで殴られた反動でG9の方へ行く
出来ないわけじゃない、少なくともただ殴られているよりはずっといい

『ロスト・アイデンティティ』はただ全身に鎖を何重にも巻き付けているだけだ。

防御力は有っても重ね着したチェインメイル程度だろう
耐久力にも限度はある

それも斬撃には有効だが打撃にはあまり意味が無い
腕の痛みだけでまだ骨が折れてないのも、まだ一撃しか受けてないからだ

(――この感覚じゃ、まだ骨は折れてない)

逃げるべきだ、ラッシュの速度は人間を越えている、下手すれば腕を折られかねない

(……まだ足に木片が刺さっただけ
 まだ背中と腹に鈍い痛みが有るだけ
 まだ腕を思い切り殴られている……だけ)

逃げるべきの筈だ



(――これは僕の『奇跡』何だ 信じるべき『奇跡』
 例え信じられなくても信じなくてはいけない『奇跡』

 『矛盾』した僕達の『才能』では救えなかった両親を救う『奇跡』
 最後にすがる 僕が息をするための『奇跡』

 だからこの『鎖』と『影』はもう二度と離さない為の物だ
 『僕達』がもうこれ以上何も取りこぼさないための

 一度死んだ僕が生きるための……だから……)



鎖を掴む力を緩めず、自分を反動で前に動かすように引き、接近
『塊のラッシュ』に晒されるであろう
右半身に巻き付いた鎖を関節部を除き防御の為に全て結合させる

何重にも巻かれた鎖の中でロックの眼を黒い瞳がみつめ

「――勝負だ、僕が気絶するのが先か 貴方が倒れるのが先か」

(悪意を跳ね除けて奇跡を掴むんだ――『りょうしん』のために)

そう言うやいなや左腕の鎖を解除しロックを影の腕で殴りつけようとする
(パス精CCB)

首の鎖を伸ばしながら本体の左手がメリケンサックのように握りこむ
鎖はスタンドだ、握りこめば本体の拳でもスタンドを殴れる
握ったと同時に影の腕と共にロックを殴りつける
――『左腕だけのラッシュ』を試みる
(パス精CCC)

――更に影と本体の左足が同時にロックを左方から蹴り飛ばし、ガードを崩そうとする
バランスが崩れる可能性も有るが、それは右足の二本で支える
(パス精CCB)
(パス精CCC)


『ロスト・アイデンティティ』は本体とスタンドを同時に動かすことに支障はない。


  「――aaaaaaaaaa!」

996『一彩合彩』:2017/09/12(火) 01:49:09
>>993 (硯)

超能力、スタンド。
硯はそれを信用しない。
それもまた人の持つ心の一つだ。
急に現れたそれがいつ消えるのか。
それはまるで思春期に見た白昼夢だったかのように消えてしまうのかもしれない。
その答えは誰も知らない。
スタンドというものを定義できこそすれ、それがどこに向かうのかは誰も分からない。

『安全装置』の作動。
そして腰元への車輪の発現。
それまでの間にも塊は迫る、流れるように出した拳が何とか塊に命中した。
車輪の一つが爆裂する。
『オーバードライブ』の拳が塊にめり込む。
すぐにもう一つの塊が接近。
そのスピードは『安全装置』を作動している『オーバードライブ』の手よりも早い。
空気のクッションに持続性はない。
塊のラッシュによって直に二つの車輪が爆裂する。
何度も何度も迫りくる塊を迎撃する『オーバードライブ』
何発か食らってダメージがやってくる。腕や腹に鈍い痛みがやってくる。
それは大振りの攻撃だ。
しかし塊は大きい。それに四つの塊を動かすのにロックは意識を使っている。
細やかな動作をしない塊を『オーバードライブ』の怪力は削っていく。

ビッグ:「……み、ごと……だ」

ビッグの手が硯の手から離れる。
そして目の前の塊が砕け、石ころほどのサイズになってしまった。
もはや脅威ではない。

>>995 (斑鳩)

奇跡。それは神など超自然の起こす出来事。
奇跡。それは人や物理法則を飛び越えた出来事。
人ひとりには重すぎる出来事、なのかもしれない。
しかし人は、前に進もうとする勇気ある人は時に奇跡を起こす。
それはキンシャサの奇跡や東洋の奇跡などという後世に語り継がれるものだけではない。
一歩踏み出したものにもたらされる奇跡というものがある。

影の左腕がロックを殴る。固めたガード。その腕に叩き込む。
その隙に斑鳩は手に鎖を巻き、ロックは鎖を掴んでいた手を再びガードの状態に戻す。
左腕の鎖を解除したことによって彼の腰に巻かれた鎖は消えている。
そして『ジグソー』の放つ塊は容赦なく迫りくる。
斑鳩の体を攻めたてる。
何度も何度も塊が叩きつけられ肉体が悲鳴を上げる。
尋常ならざる痛み。
右腕に思い切り塊が叩きつけられみしりと体内に音が響く。
骨がいかれた。

そして斑鳩はキックを狙う。
右足でバランスを取りつつそれを行う。
『ロスト・アイデンティティ』と本体は同時行動に支障をきたさない。
だが本体はどうか。左腕と左足の同時行動。
そこに無茶はなかったのか?
何よりも右足に集中した軸の部分が責められたらどうするのか。

ドグッ

塊は精密な動きをしない。
ただし大きさがあるため広い範囲に攻撃が出来る。
滅茶苦茶に振り回される塊によって斑鳩の右足に衝撃が来た。
転倒。大したダメージにはならない。
今まで全身に受けた打撃に比べれば。

ロック:「はぁ……はぁ……耐えたぜ……」

    「再びだ『ジグソー』」

二つの塊が上から下に振り下ろされ再びのラッシュを斑鳩に浴びせにかかる。

997『一彩合彩』:2017/09/12(火) 01:49:57
□□□□□□□□□□□□□□□
◇□□□■□□□□□□□□◎◎
◇九□□■□車□□□□□フ●●
◇□□□□大□□□□□□□●●
□□□□鎖ろ□□□□□□□敵敵
□□□□□塊□□□□□□□□□
■■■■■□□□□◎□□□□□
□◎□◎□□□□□□□□□◎◎
□□□□鳥□□□□◎□□□●●
□□□□□□□□□□□□□敵◎
□□□□□□□□□□□□□□□
□◎◎□□□□敵◎□□□□□□
□●●□□□□●●□□□□□□
□◎◎鳥□□□◎◎□□□□□□
□□□□□□□□□□□□慶□□

車:硯
鎖:斑鳩
慶:慶
敵:不良
大:ビッグ
九:G9
フ:フック
ろ:ロック
酒:酒瓶
塊:パズルの塊。一つのマークにつき二つ。
■:バーカウンター
◇:棚
●:机。四つで一つ
◎:座椅子。固定はされていない。

998硯 研一郎『RXオーバードライブ』:2017/09/12(火) 06:14:14
>>997(GM)

「ビッグさん、君は」


床に倒れるビッグに対する罪悪感。
耳に連なったピアスに触れ、金属のひんやりとした感触を確かめる。


「…」「翔ちゃん」


「君は少し気負いすぎなのかもしれない。
君も歌ってみると良い。頭がスッキリする。

ロックさんは君にご執着で、俺の事なんて相手にもしてくれない。
それって、つまりロックさんが君を『恐ろしい』って感じてるって事じゃあないかな。
ーーあァ、マジで腕、痛ッたいなァ」


『ロック』は『球体』の操作に集中している。
『ロック』のスタンドも、ロック自身も動く様子はない。
つまり『球体』の操作にはそれ程の『集中力』を要するのだろう。
なのでその『隙だらけ』のロックの背中に『オーバードライブ』の蹴りを放ち、
派手に転倒させ『斑鳩』を執拗に攻め立てる『球体』の動きを止めたい。パス精BAE

999斑鳩 翔『ロスト・アイデンティティ』:2017/09/12(火) 10:41:19
>>997

ロック:「はぁ……はぁ……耐えたぜ……」

    「再びだ『ジグソー』」



全身の打撲痛 右腕の骨から伝わるいかれた音 他人の声が遠くから聞こえる
バランスを崩して転倒した眼前に球体がゆっくりと迫ってくる ……ように見える。

(やっと右腕が壊れたかな……やっと、今ので覚えた)

  (痛いし怖い……そしてここまで追い詰められた)

 (もう逃げるのは無理だな、向こうの方が早い。)

――人間が悲鳴を上げるのは何故か?それは『社会性』を持つ生き物だからに他ならない
人間は自身の痛覚から来る苦痛によって大きな悲鳴をあげ、気絶すら起こりうる
敵に居場所を教える事になる上に自身の生存には致命的だというのに……

(それに、逃げるつもりもない あるがまま受け入れればいい
  『恐怖の中で追い込まれてこそ人間は成長できる』
    奇跡もその先にある――逃げる理由は無い。)

悲鳴を上げるのはそれにより別の個体からの救援や、危険がここにある事を知るためだ
結果としてその個体が生き残る確率が増えるか、その個体を犠牲に多が生き残る為の『進化』

(――だから『悲鳴』はあげない『社会』そのものが私から
 『両親』『りょうしん』『良心』を奪っていったのだから。)

左拳を二つとも握りこむ 親指を支えに4つの指を固めて

(僕は今、恐怖を乗り越えるために勇気と共に叫んだのか。)

――二本の左腕はまだ動く
逃げるには向こうの速度が速いが迎撃なら問題は無いと踏む

(それとも、恐怖を振り払おうとする逃避のために叫んだのか?)

もう一度塊に左腕でラッシュを叩き込む
(パス精CCB CCC)

  (――今答えが出るぞ。)





(――ああ、僕は興味が無いんじゃあなかったんだな、歌えなかったんだ
 だって息の出来ない人間に歌なんか歌えるわけないんだから
  ……もうそれを聞かせる相手もこいつらが奪っていったんじゃないか。)

1000『一彩合彩』:2017/09/12(火) 23:32:56
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