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【ミ】『ギャザリング・ガーデン』

693小石川文子『スーサイド・ライフ』:2017/02/09(木) 22:05:35
>>691

  ――ごめんなさい……。ごめんなさい……。

真っ二つに分断されて倒れる人型スタンドを前にして、心の中で懺悔する。
その顔に浮かぶのは、眉根を寄せた苦悩の表情。
いくら覚悟を決めても、一切の感情を殺すことはできない。

ふと左手の『ナイフ』に視線を落とす。
人型スタンドを切り裂いた時の感覚は、まだ手と心に残っている。
それは容易に払拭することのできない感覚だった。

愛する者の死を悼みながら、対峙する者を死に至らしめる。
それは矛盾した行い。それは罪深い所業。それは背徳的な行為。
目に見えない大きな重圧によって心が責め苛まされる。

  ――治生さん……。私は……。私は……。

罪悪感に押し潰されそうになる心を、やっとの思いで押し留める。
今は折れるわけにはいかない。
まだ――まだ為すべきことがあるのだから。

  「――ありがとう……ございます……」

人型スタンドに背を向けて、防人に感謝の言葉を伝える。
内心の動揺は完全には隠し切れず、その言葉は途切れ途切れだった。
それでも気を落ち着けて、次のことを考える。

  「防人さん。レミさんを助けましょう」

ランスとレミ。
睨み合う両者に視線を向けて、防人に声を掛ける。
何故かは分からないが、彼女の纏う雰囲気が変わったように感じた。
彼女の身に何が起こったのだろうか?
ともかく、彼女を助けなければ……。

  ――チャンスは一度だけ……。慎重に……。落ち着いて……。

自分に言い聞かせ、ランスの側面に向かって駆け寄っていく。
『左目』は自分の背後を見張る。
『小指』は頭の後ろ側に隠すように浮遊させておく。
スタンド使いである自分がランスに近付けば警戒するだろう。
その分だけレミに対する注意は薄れるはずだ。

そして、ランスが足を止めてモップを弾いた直後を狙い、行動に移る。

                ド ン ッ

まずは『右手』を操作し、浮遊させて、ランスの背中を突き飛ばす(パス精DCC)
彼がそれに反応したら、今までポケットの中に隠していた『小指』を操作する。

          ヒ ュ ッ

狙いは、ランスの顔に向かって『小指』を飛ばし、目をつついて怯ませること(パス精DCC)
失敗したとしても、予想外の場所から何かが顔に飛んでくれば無視することは考えにくい。
少なくとも隙を作ることはできるだろう。

   シ ュ バ ッ !

その間も接近を続け、『ナイフ』の届く距離に入り次第、『ナイフ』を振る(パス精CBB)
狙いは足。あの素早い動きは脅威だ。
スピードは同等なのだから、少しでも速度を落とすことができれば、こちらが有利になれる。

ランスのスタンドは『スーサイド・ライフ』と似たタイプ。
本体の動きが損なわれることは大きな痛手になるはず。
自分も同じようなスタンドを持っているからこそ、それがよく分かる。

距離が離れていて『ナイフ』が届かないか、
ランスの立ち直りが早くて攻撃が間に合わない場合、
彼の手前で立ち止まり、『ナイフ』を構えてランスを牽制する。
自分の行動が成功しても失敗しても、その間レミと彼女のスタンドはフリーになる。
彼女を救うと同時に、この局面を乗り越えるきっかけを作ることはできるはず……。




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