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【ミ】『ギャザリング・ガーデン』

799『アルカトラズから連れ出して』:2017/03/27(月) 23:38:28
>>797 (小石川)

遊部は小石川と違う道を進む。
戦い、そしてその先にあるものを掴みに行く。
小石川はその姿を見届ける。
闘争の舞台に上がっているのはこの教室にいる者たち。
扉一枚が演者と観客を切り取る線である。

コートのポケットに手を入れれば触れる指輪。
右手薬指についていたものだ。
肌から離れてはいたがそれは確かに小石川の傍にあったものだ。

>>798 (遊部)

遊部が待っていたのはリアクションだ。
そしてそれは予定通り実行された。
ベソの人格が戻る。周囲におびえるその人格が攻撃を受ける。
するとどうなる? 秩序が崩壊する。
ただ待っていればいい。攻撃が自身に到達するのは一瞬だ。

鈍い音がする。先ほど聞いた音に近いが当たった場所は顎、幾分耳に近い。
その膂力はスピード同様人間のものではない。
ハンマーで武装した人間の一撃であり大型動物の一撃に匹敵するレベルのものだ。
それを受けて人体が無事なはずもなく、顎が砕ける。
脳が揺れる。塔が倒れる。
サンはドリフトでもするかのように床を進み、たどり着いたのは遊部の背後。腰に両腕を巻き付いた。
蹴られた勢いそのままに体が浮き上がりそうなその体を捕らえた。
サンが倒れる。遊部に押しつぶされるのではない。自発的に後ろに倒れ込みブリッジの体勢になったのだ。
遊部の視界はジェットコースターのようであった。
前方に見えていたものが足元に移動し、視界は天井へ
そのまま背後にあったはずの壁が見えてきて、最後には視界が逆さまになった。
顎への衝撃、そして後頭部への衝撃。人格の入れ替わりを確認しないうちに遊部の視界が歪み、溶ける。
腰の拘束がなくなり、ゆっくりと体が横に倒れた。
微睡むようにぼんやりとした意識。定まらない視界。

リンゴ:「……はぁ」

クリス:「記憶は」

リンゴ:「奪わなくていいです。必要ありません。覚えていてもいなくても変わらなかったらショックです」

ベソにとって今夜は悪夢だっただろう。
もしも目覚めることがあったのならば、きっといつも通りの日常が待っているだろう。




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