したらばTOP ■掲示板に戻る■ 全部 1-100 最新50 | |
レス数が900を超えています。1000を超えると投稿できなくなるよ。

【個】『学生寮 清月館』

1『星見町案内板』:2016/01/24(日) 23:51:17
月面を連想させる『灰色』のレンガで出来た『洋館』。
親元を離れた子供達だけでなく、一般学生もしばしば遊びに来る。
『自立心』、『向上心』を培う為、多くの『家事』は学生自身で行っている。

---------------------------------------------------------------------------
                 ミ三ミz、
        ┌──┐         ミ三ミz、                   【鵺鳴川】
        │    │          ┌─┐ ミ三ミz、                 ││
        │    │    ┌──┘┌┘    ミ三三三三三三三三三【T名高速】三三
        └┐┌┘┌─┘    ┌┘                《          ││
  ┌───┘└┐│      ┌┘                   》     ☆  ││
  └──┐    └┘  ┌─┘┌┐    十         《           ││
        │        ┌┘┌─┘│                 》       ┌┘│
      ┌┘ 【H湖】 │★│┌─┘     【H城】  .///《////    │┌┘
      └─┐      │┌┘│         △       【商店街】      |│
━━━━┓└┐    └┘┌┘               ////《///.┏━━┿┿━━┓
        ┗┓└┐┌──┘    ┏━━━━━━━【星見駅】┛    ││    ┗
          ┗━┿┿━━━━━┛           .: : : :.》.: : :.   ┌┘│
             [_  _]                   【歓楽街】    │┌┘
───────┘└─────┐            .: : : :.》.: :.:   ││
                      └───┐◇      .《.      ││
                【遠州灘】            └───┐  .》       ││      ┌
                                └────┐││┌──┘
                                          └┘└┘
★:『天文台』
☆:『星見スカイモール』
◇:『アリーナ(倉庫街)』
△:『清月館』
十:『アポロン・クリニックモール』
---------------------------------------------------------------------------

154常原ヤマト『ドリーム・ウィーバー』:2020/02/05(水) 01:25:26
>>153
 「いえいえ」

突然やってきた男は、箒を傍らに立てかけた。
ピンク色の魔法瓶を取り出し、プラスチックのコップに中身を注ぐ。

 「どうぞ」

コップを君に手渡してきた。
『ミルクティー』のようだ、湯気が立っている。甘い香りがする。
にこやかに笑う筋肉メイド男は片目に『眼帯』を付けていた。君が混乱するのも無理はない。

 「こちらこそ ありがとうございます!!」
 「枯葉のやり場に困っていたので!!!!」

155三枝千草『イッツ・ナウ・オア・ネヴァー』:2020/02/05(水) 01:42:36
>>154

「――いただきます」

ミルクティーが喉を通っていきます。
甘さと温かさで気持ちが落ち着いてきました。
後ろの『墓堀人』も、シャベルを地面に突き立てて休んでいます。

「その――この『穴』は……」

心の中で、どう説明しようかと思いました。
上手い言葉が思いつきません。
でも、その必要はなかったみたいです。

「そう……ですか?」

「少しでもお役に立てたのなら嬉しいです」

    ニコ

「あの、おかしな事を言ってしまったらすみません」

「ええと――『何か』……見えていますか?」

もしかすると『見えている』のでしょうか。
確認のため、『墓堀人』が動きます。
シャベルを肩に担いで、壁際の方向へ。

156常原ヤマト『ドリーム・ウィーバー』:2020/02/05(水) 02:06:07
>>155
君はよくわからない男が手渡してきた
よくわからないミルクティーを警戒もせずに飲んでしまった
砂糖がたっぷり入っているようだ。甘い。

……毒とかは入っていないみたいだ。
三枝の体は温まった。変なことは起きない。

    ザザザァ―――ッ

男は、君の掘った穴に『落ち葉』を流し込んでいる。

  「何って、なんです?」
   「なにか危険でもございますか?」
 
     ザザァ―――ッ 

竹ぼうきで大量に流し込んでいる。みるみる穴が埋まっていく。
そのあいだ、男は、その片目が『墓掘人』を追っているのが、
三枝には明らかに見えた。

  「ああ、穴は、危ないです」
  「しっかりふさいでしまいましょう!」
  「あぶなくなければ、良いのです」

157三枝千草『イッツ・ナウ・オア・ネヴァー』:2020/02/05(水) 02:22:35
>>156

「いえ、危ない事はないと……思います」

『穴』が埋まってしまいました。
その奥に『何か』が見えるかと思っていたのですが。
見えなくなってしまいました。

「そうですね」

「埋めてしまえば――危なくないです」

でも、この『墓穴』が誰かの役に立ったのです。
その事実こそが、千草の探していた『何か』かもしれません。
もしそうなら、きっと『意味』はあったのでしょう。

    カツンッ

墓堀人がシャベルを地面に打ち付けました。
その直後、『穴』は跡形もなく消えてなくなりました。
中に詰め込まれていた枯葉を道連れに。

「――――これで『危なくない』ですね」

158常原ヤマト『ドリーム・ウィーバー』:2020/02/05(水) 02:42:52
>>157
男は墓掘人のすることを静かに見ていた。

「―――はい!!!!!安全ですね!!!」

眼帯ムキムキメイド男は君に向き直った。

 「寮生のみなさまの身を (無許可で勝手に) 預かる身としましては」
 「あぶない事は見落とせないのです」

 「この寮には『変態の不審者』が出没するという話も!!ございます!」
 「なにか危険がございましたらこの『常原』にお任せを!!!俺に!!!!」

どうやら男の名は『常原』というようだ。ひとり張り切っている。

「……ところでお体は冷えていらっしゃいませんか?」
「お嬢様、ずっと掘っていらしたので……」
「屋内に戻られては如何でしょうか」

159三枝千草『イッツ・ナウ・オア・ネヴァー』:2020/02/05(水) 03:08:09
>>158

「『常原さん』とおっしゃるのですか。覚えておきますね」

    ニコリ

『不審者』というのは、『危険な人』という意味でしょう。
常原さんはミルクティーを下さいましたし、励ましてもらいました。
改めて見ると、少し変わった格好のように見えますが、
きっと『良い人』でしょう。

「『三枝千草』と言います。『三つの枝』に『千の草』と書きます」

           ペコリ

その姿は、『少女』にも見えるし『少年』にも見えました。
声質も同じような雰囲気です。
どうやら、平均よりも大分成長が遅れているようです。

「――そうですね。では、そろそろ部屋に戻ろうと思います」

少しぼんやりしていたせいで、
一部を聞き逃してしまったかもしれません。
具体的に言うと、
『身体が冷えている』と『ずっと掘っていた』の間くらいです。
でも、聞き返すのも失礼なので、挨拶しましょう。

「常原さん、ありがとうございました。美味しいお茶でした」

            ペコ

いつの間にか、『墓堀人』も消えていました。
そして、そのまま寮に入っていきます。
最後に、入り口の前でもう一度お辞儀をするのを忘れずに。

160今泉『コール・イット・ラヴ』:2020/04/07(火) 00:48:29

――――今、『私の部屋』にいるんだ。


          がら
              ん


っとした、何もないフツーの部屋なんだけどね。

引っ越してきた、ばっかりだから。
でもここが今日から私の世界なんだ。
家具とかも、後から届く予定。

友だちにも『ここに来た』ことを連絡した。
だから今は、別に何もせずに、誰かが来るのを待ってるんだ。

161???『???』:2020/04/07(火) 01:10:20
>>160
       〜〜〜♪

その時、外でドアのチャイムが鳴った。
『誰か』が来たようだ。
呼んだ相手かもしれないし、家具が届いたのかもしれない。

162今泉『コール・イット・ラヴ』:2020/04/07(火) 01:14:07
>>161

           『ぱち』

私は動き出す。

「はーいっ」

家具かな? 人かな?
どっちだって、嬉しいよね。
どっちも私が呼んだんだ。

だから急いでドアの前に立って、『覗き窓』から外を見た。

163夢見ヶ崎明日美『ドクター・ブラインド』:2020/04/07(火) 01:31:03
>>162

覗き窓から外を見ると、寮の廊下が見えた。
そこには誰もいない。
と――――。

      バ ッ

死角になっていた覗き窓の真下から、『誰か』が立ち上がる。
見覚えのある姿が、覗き窓の向こう側を見返している。
そう!!ワタシだ!!
イズミンがひっこししたんだってよ。
じゃあ、おいわいしにいこうぜ!!ってカンジできたぜ!!

      パクパク

以上の心中を、無音の『口パク』で語る。
イミ?ねーよ!!
これでも伝わるかなと思ったけど、
たぶん伝わらないから開けてもらおう。

164今泉『コール・イット・ラヴ』:2020/04/07(火) 01:37:42
>>163

「ああ」

            ガチャ…

「こんにちは、ユメミンっ」
「どうぞどうぞ上がってください〜。我が家に!」

ドアを開けて、出迎える。
ユメミンは一番に連絡した部類だと思うんだ。
そしたら一番に来てくれた。

こういうのが『嬉しさ』ってやつだよね。

「何もないところですけども……」
「ほんとに何もないですよ、まだ」

言葉通り、本当に何もないんだ。
どこにでも座れるし、寝転がれる真っ白な部屋だ。
備え付けの家具とかはあるけどね。

「いや〜、今日はうちに来てくれてありがとうございますっ」

165夢見ヶ崎明日美『ドクター・ブラインド』:2020/04/07(火) 02:24:48
>>164

「――それでは、おジャマいたします」

こういうのはハジメがカンジンだし、さいしょはテイネイにいこう。
イズミンのあたらしいスタートだし。
まあ、はいったあともテイネイをたもてるホショウはないけどな!!

          「うおッ」

       「おおおおおおおおッ」

   「おおおおおおおおおおおおおおお!!」

部屋の中央まで来たところで、室内を見渡しながら一回転する。
絵の描かれていないキャンバスのように、真っ白で何もない部屋。
未来に繋がる部屋。
『これから』に溢れた小さな世界。
こういうのを見ると、何だか無性にワクワクしてくる。

「いやぁ〜〜〜『イイ』!!
 なんか、こう……『ミライがいっぱい』ってカンジ??
 ついついたのしくなってくるね〜〜〜」

「これから『アレ』とか『ソレ』とか、いろんなモノがふえていくワケだ。
 あ!!もちろん『コレ』もわすれちゃいけないな!!」

       ドサッ

そのまま部屋の真ん中に座り込む。
持ってきた荷物は隣に置いておこう。
中身は『コレ』だ。

「きょうはさぁ〜〜〜『おいわい』しようとおもって。
 イズミンに『プレゼント』よういしたんだ〜〜〜」

          キョロ キョロ

「ココって『トケイ』ある??
 まぁ、トケイはいくつあってもこまんないからダイジョーブ!!
 『トキはカネなり』っていうし」

「『ジカンをおしえてくれるトケイはオカネみたいにやくにたつから、
 あればあるほどウレシイ』!!」

「――――ってイミの!!」

           ゴソ ゴソ

「ババン!!これぞ『ハトどけい』!!
 いちじかんおきにでてきてジカンをおしえてくれるカワイイヤツ!!
 よるのあいだは、ハトにねてもらうキノウつき!!」

取り出したのは、シンプルなデザインの『鳩時計』だった。
何がいいか悩んだ結果、選んだのが『時計』だった。
そして時計コーナーを見て回っている時、
ビビッと来たのが『鳩時計』だったのだ。

166今泉『コール・イット・ラヴ』:2020/04/07(火) 23:05:45
>>165

私は何もない部屋の真ん中に立つ。
それから、ユメミンが座ったのに合わせて座る。

「プレゼント!」
「わ、なんですか〜」「楽しみですっ」

「時計はないですねえ、スマホありますし」
「あ〜、あと目覚まし時計なら」
「時計のプレゼント、なんですかっ?」

「って」

そして現れた物を見たんだ。
それが何か、ユメミンが言うまで気付かなかった。
だって名前は聞いたことあるけど、見る事あんまりないよ。

「鳩時計」
「え、ほんとに出てくるやつですかっ?」「ハトが」

眺めてみる。

「え〜〜〜どうしよう、これ、『嬉しい』です」
「ありがとうユメミン」

それから持ち上げてみる。

「どこに飾ろうかな……どこにでも飾れちゃいますもんねえ」
「ほんとに、未来がいっぱいで」「きっと楽しいと思いますっ」

「……あ、お菓子とか食べますか? 甘いものしかないですけど」

167夢見ヶ崎明日美『ドクター・ブラインド』:2020/04/07(火) 23:58:16
>>166

「そうそう、『そのハトどけい』。
 ウワサにはきいていたが、ジツザイしていたとは……。
 セカイはひろいな!!」

「――――だいじにしてね!!」

鳩時計をイズミンに手渡した。
喜んでもらえて良かった。
イズミンがうれしいとユメミンもうれしい。

「イズミンのスキなトコにかざってくれ!!
 どんなインテリアにもあうように、シンプルなヤツをえらんだから!!
 おてごろなサイズだから、つくえにもおけるし……」

「あ、そうそう。『ココ』おしたらおためしできるんだった。
 いざ!!『ハトがでてくるボタン』!!」

     ポチッ

鳩時計は、大きすぎず小さすぎない程々の大きさだった。
それから、裏側にあるボタンを押してみる。
モニター機能というやつだ。

  サラサラサラ…………
           
         クルッポー クルッポー
                     
                 パタパタパタパタ

小川のせせらぎが流れ、小窓から出てきた鳩が羽を動かしながら鳴いた。
それを興味しんしんな様子で見つめる。
実は、自分も実際に見るのは初めてだったのだ。

「コレはいやされるな〜〜〜。ジツにイイかいものだった!!
 あ、オカシ??たべるたべる!!メニューはナニかな??」

168今泉『コール・イット・ラヴ』:2020/04/08(水) 01:17:18
>>167

「机に置くのもいいですね〜」
「壁に掛けようかなって思ってたけど……」
「お試しを見てから考えようかな」

  サラサラサラ…………
           
         クルッポー クルッポー
                     
                 パタパタパタパタ

「おお〜っ」
「こういう感じなんだ」
「お洒落ですねえ」

本格的な感じだ。
確かに、癒される気がする。
1時間おきに鳴るとしてもびっくりしなさそうだ。

「勉強中に出てきたら時間の意識できそうだし」
「壁よりは机かな〜」
「いやあ、いいものをありがとうございますっ」
「大事に使いますよ!」

         ニコ…

私は笑う。

「あ、お菓子は『クッキー』がたくさんあるんですっ」
「お腹すいたら食べようかなって思って、買いすぎちゃいまして……」

どれくらい食べ物を買ったら良いかとか、難しいんだ。
お腹は減るけど、クッキーしか食べないわけにはいかないし。栄養とかね。

169夢見ヶ崎明日美『ドクター・ブラインド』:2020/04/08(水) 01:39:38
>>168

「おっイイね〜〜〜。クッキーたべよう!!」

「あ、『クッキー』っていったらさぁ…………。
 ちょっとまえ、『バレンタイン』あったじゃん??
 そんで、『イカルガくん』にチョコあげちゃったよ〜〜〜」

「てづくりのヤツ。われながらイイできばえだったな〜〜〜。
 ハジメテにしてはじょうできだった!!」

「せっかくのイベントだし、あげたときのハンノウもみたかったし。
 まぁまぁのリアクションだったかな??」

取り合えず喜んではもらえた。
ただ、彼のナゾを解く手がかりのような反応を期待したところもある。
そういうイミでは、パーフェクトとは言えない。

「まあ、いっか!!きになるモノは、ほかにもイロイロあるし。
 このまえは、こうえんで『カマキリ』みたんだ!!
 こういうカンジのヤツ」

     ササッ

両手を上げて、『カマキリのポーズ』をしてみせる。
そういえば、アイツにはにげられたんだった。
いつかリベンジせねばな!!
とはいえ、みたいものはまだまだある。
たぶんリベンジするのは『2せいきご』くらいになるとおもう。

「そしたら『クロガネくん』が…………。
 イズミン、『クロガネくん』ってしってる??」

170今泉『コール・イット・ラヴ』:2020/04/08(水) 11:48:22
>>169

立ち上がって、備え付けの棚からクッキーを取った。
白い箱に入った、丸いクッキー。
真ん中にジャムがついてるやつだ。

「へぇ〜、イカルガ先輩に!」「しかも手作り!!」

イカルガ先輩。
あの人の『秘密』をユメミンは知ってるのかな。

「いいですねえ、バレンタインしててっ」
「私もクラスの男子には配りましたけど」
「フツーに、手作りはしませんでしたし」

どっちにしても、口には出さないようにしないとね。
顔には、出そうと思わなきゃ出ないし。

それにしても手作りチョコなんて、やっぱりユメミンは行動力が凄い。
本命だったりは……しないんだろうな。相手がイカルガ先輩だし。

「バレンタインからカマキリ……あは、落差がありますねっ」
「ユメミン、虫も好きなんでしたっけ」
「私はフツーですけど」

「クロガネ……『剣道部の鉄先輩』ですよねっ?」
「剣道が強いのと〜」「あと」「『女子が苦手』で有名な……?」

「鉄先輩が、カマキリをどうしたんですっ? 竹刀で倒しちゃったとかですか?」

171夢見ヶ崎明日美『ドクター・ブラインド』:2020/04/08(水) 19:57:01
>>170

「そうそう、そのクロガネくん!!」

「ワタシがもりのおばあさんにケーキをとどけようとしてたんだ。
 そしたら、『きょだいカマキリ』があらわれてさぁ〜〜〜。
 ちょうどクロガネくんがやってきて、
 『カマVSしない』のたたかいになったんだ!!」

「ソウゼツなしとうのすえに、イガイなシンジツがあきらかに!!
 ジツはカマキリはオナカがすいてて、
 ケーキのニオイにつられてでてきちゃったんだ。
 それで、ワタシがケーキをわけてあげて、いっけんらくちゃく!!」
 
「――――そんなんだったらオモシロかったんだけどね〜〜〜」

見つけたのは『ただのカマキリ』だった。
それでも、ナマで見たことのなかった自分にとっては大きな発見だった。
しかし、セカイはひろい。
みあげるような『きょだいカマキリ』が、どこかにソンザイするかもしれない!!
たぶん『ジャングルのおくち』とか『ぜんじんみとうのヤマのうえ』とかに。

「ホントはね、
 『カマキリをカンサツしてるユメミンをクロガネくんがカンサツしてた』ってだけ。
 そしたらカマキリがにげちゃったから、かわりにクロガネくんをカンサツするコトにした。
 なかなかたのしかったから、カマキリとイイしょうぶだな!!」

「そういえば、クロガネくんとイカルガくんってトモダチらしいよ。
 なんかイガイ…………でもないか??
 いや、やっぱイガイ??」

172今泉『コール・イット・ラヴ』:2020/04/08(水) 23:24:20
>>171

「ええ〜。森のおばあさん?」
「まあ、ケーキはみんな好きですもんねっ」
「おばあさんも」「カマキリも」

前半の話は、笑って頷いておく。

「……あは、やっぱりそういう展開でしたか」

ユメミンのこういうノリには慣れてきたんだ。

「それにしても、鉄先輩が観察ですか」
「それも、ユメミンっていう『女子』を」
「うーん」「何だろ」

もしかして、好きとか?
好きだから見てるってタイプにも思えない。
女子は苦手らしいけど、苦手なりにちゃんと言いそう。

わかんないけどね、人の『こころ』なんて。

「イカルガ先輩と仲良しなのも意外……かも?」
「雰囲気は違うっていうか」「文化系と体育会系?」

「ちなみに、なんで観察してたか言ってましたっ? 鉄先輩は?」

クッキーの缶を開けながら、気になったところを聞いてみるんだ。

173夢見ヶ崎明日美『ドクター・ブラインド』:2020/04/08(水) 23:53:08
>>172

「ん〜〜〜なんでだろね??
 クロガネくん、ナンかいってたっけ??」

思い出してみる。
あのトキは、カマキリをおいかけてて……。
そしたらスマホがなって、ふりむいたらクロガネくんがいたんだっけ??

「たいしたコトはしてなかったよ。
 ユメミンが『ほふくぜんしん』してたくらいで」

「それで、きづいたらクロガネくんがいたってカンジ。
 クロガネくんとは、まえにもあったんだけど。
 さいしょが『ジンジャ』で、つぎが『ゲーセン』だっけ??」

「イズミンはどこであったの??クロガネくんと」

    ヒョコッ

立ち上がって、缶の中身を覗き込みながら尋ねる。
『ガッコー』かな??
どうでもいいけど、ハトどけいのハトってジツは『カッコー』らしいぞ。

174今泉『コール・イット・ラヴ』:2020/04/09(木) 00:04:25
>>173

「な、なるほど〜〜〜」
「何となく分かりましたっ」

ユメミンがフツーじゃない事してたから観察してたんだ。
謎が解けてしまった。やっぱりユメミンはすごい。

「へえ、神社にゲーセンですか」
「ゲーセンはちょっと意外ですねえ」
「でも不思議ではないか」

遊ばない人、ってイメージではない。

「私はフツーに学校で、ですね〜」
「前から知り合いでして」
「そんな面白い出会いとかではないんですけどっ」

ユメミンの程、面白くはない。
でも、初対面のときの鉄先輩はある意味面白かったかも。
そんなこと言ったら失礼なんだけどね。

「そういえば、前に会った時……え-と」
「『烏兎ヶ池神社』? の巫女さんと知り合いとか言ってたかな」
「あの、パワースポット神社のっ」
「って私は行った事ないんですけども」

それに見たこともないけど、『スタンド使いの巫女』らしいんだ。

「ユメミンが会ったのもその神社で、だったりするんですか?」

175夢見ヶ崎明日美『ドクター・ブラインド』:2020/04/09(木) 00:27:31
>>174

「あ〜〜〜!!そうそう、ソレソレ。
 たしか、ソコいったんだよね〜〜〜。
 ちょうどクロガネくんがいてさぁ、
 イロイロとセツメイしてもらっちゃったよ〜〜〜」

あの時は、『漢字』が読めなくて困ってたんだ。
だから、クロガネくんがいてたすかった。
ちいさいコがこまらないように、『フリガナ』ふっとくべきだな。

「でも、『ミコさん』はしらないなぁ。
 ワタシがいったときはいなかったし。
 いや、ジツはいたのか??
 もしかしたら、おくのほうにいたのかも??」

そういわれると、なんだかキョーミがわいてきたぞ。
ナゾにつつまれたセイブツ・『ミコサン』のショウタイをつきとめねばなるまい!!
よていひょうにキチンとかいとかないとな!!

「その『ミコさん』ってどんなヒト??
 クロガネくん、なんかいってなかった??
 シュミとか、スキなたべものとか」

176今泉『コール・イット・ラヴ』:2020/04/09(木) 00:45:21
>>175

「ああー、じゃあ鉄先輩の『行きつけ』なんですかね」

あの時は行った事無かったって言ってたけど。

「巫女さんの話……えーと」

「……うーん」

「趣味とかは言ってなかったですね」
「町中で会って、連絡先を交換したってくらいで」
「あー、あと」
「ユメミンになら言っていいかな」

鉄先輩も、フツーに教えてくれたし。
『隠してる』わけじゃないよね、多分。

「『スタンド使い』らしいんですよね〜。巫女さんも」
「たしか、『ヴィルドジャルタ』っていうスタンドで」

「その『名前以外本人にも何も分からない』……とかっ!」
「『スタンドを誰かに貰った』わけでも、ないみたいなんですよね」

不思議な話ではあるよね、スタンドを『最初から持ってる』なんてあるのかな。

177夢見ヶ崎明日美『ドクター・ブラインド』:2020/04/09(木) 01:04:43
>>176

「へー、スミにおけないなぁ」

ああみえて、いがいにプレイボーイだったのか??
ジュンジョウそうにみせて、ケイカイされずにちかづくテクニック……。
あなどれんヤツだ!!

「『スタンドつかい』か〜〜〜。
 あえなかったのがくやまれるな……!!
 もったいない!!」

なんだか、ものすごくミステリアスなスタンドだ。
それをもっている『ミコさん』も、きっとナゾにつつまれた『フシギなソンザイ』にちがいない。
これは、なんとしてもカイメイしなければならないな!!

「『めずらしいスタンド』でおもいだしたケド、こんなコトがあってさ。
 『ユメのなかのハナシ』、チョットまえイズミンにしたよね。
 ジツは、そのまえにも『ベツのユメのセカイ』にいったコトがあって……」

「――――ん??」

そこで気付いた。
クロガネくんは、ミコさんがスタンド使いだって知ってるワケだ。
あれ??

「クロガネくんって『スタンドつかい』だったの??」

いまさら気が付いた。
そういえば、『ゲーセン』でナンかミョーなコトがあったような……。
もしかしてソレ??

178今泉『コール・イット・ラヴ』:2020/04/09(木) 01:46:21
>>177

「ねー、意外ですよね。連絡先なんて」

スタンド絡みでも意外だ。
年上の人なら平気だったりするのかな?

「あれっ……あー、鉄先輩ユメミンには言ってなかったんだ!」
「勝手に言っちゃった」「悪い事しちゃった」
「え〜〜〜とっ」

「あのー、そうなんです」
「能力とかは知らないんですけどっ」
「実は、鉄先輩もなんですよね」

「あ、ちなみに先輩も」

             シュルル

           『今泉サン、クッキー ノ タベスギデスヨ』
           『ソレニ 勝手ニ 人ノ 個人情報ヲ……』

「先生の能力までは知らないですね」
「本当に話の流れで知った感じだったので」

「こんにちは先生、すみませんフツーに口が滑りました」

           『コンニチハ 今泉サン 夢見ヶ先サン』

              ペコリ          

「それで……話の腰折っちゃってすみませんけども」
「『別の夢の世界』っていうの、興味ありますっ。どんなユメなんですか?」

179夢見ヶ崎明日美『ドクター・ブラインド』:2020/04/09(木) 02:10:57
>>178

「ハナシのナガレってコトは、いまみたいなカンジだったんだ??
 まぁ、よくあるよくある。
 ワタシだって、ベツにダレにもいうなとかいってないし」

街中で大音量の宣伝とかされたら、さすがに困る。
でも、信頼できる友達とかなら許容範囲だ。
たぶん、クロガネくんも同じような感覚なんじゃないかと思う。

「お〜〜〜!!『アイちゃんセンセー』ひさしぶり!!
 ゲンキだった??」

        ドシュンッ

『ドクター』を出して挨拶する。
特にイミはないけど、スタンド同士だし、その方がイイかなって。
『ドクター』は『センセー』みたいにコミュ力ないけど。

「で、なんだっけ??そうそう、『ユメ』だ『ユメ』。
 アレはねぇ……。とにかく『ヘンなユメ』でさぁ〜〜〜」

「『しあい』したんだよね。もうひとりのスタンドつかいと。
 で、そのときワタシがつかったのが『ドクター』じゃなかったんだよ。
 だそうとしたんだけど、でてこなくて。
 かわりに『ベツのヤツ』がでてきちゃったんだよねぇ〜〜〜」

「なんていうか……『マシンガン』??のスタンドでさぁ。
 バババババッ!!てうつと、
 『ヒ』とか『カゼ』とか『ミズ』とかの『ヨーセイ』がでてくんの。
 フシギなカンジのスタンドだったな〜〜〜」

あの出来事は、今でもよく分からない。
ただ、体験したのは確かだし、ただのユメでもなかった。
あの場所で見た女とは、『現実の世界』でも会っているのだから。

180今泉『コール・イット・ラヴ』:2020/04/10(金) 02:24:50
>>179

「そうですねえ、だいたいこういう感じです」
「鉄先輩の方から気付いたみたいでしたけどもっ」
「私自身も、特に隠しては無いんで」
「気付いたなら教えちゃおうかな、と」

そういえば、鉄先輩はどこで気づいたんだろう。
はっきりとコレ、ってわけじゃなかったのかな。

              『ハイ オ久シブリ デス』
              『先生ハ イツデモ 元気 デスヨ』

「先生、病気とかないですしねっ」
「疲れたりはするんでしたっけ?」

              『ズット 補修ヲ 続ケレバ アルイハ』『デスガ』
              『ソノマエニ 今泉サンガ 疲レテシマイマス』
              『試スノハ 先生 オススメ シマセンヨ』

「そうなんだ、そうかも」「じゃあ試すのはナシで」

「それで……そう、夢です夢!」
「戦う夢、ですか〜。『違うスタンドがいる』なんて、確かにフツーじゃないですね」

「それも、私が『ドクター』を出すとかユメミンが『先生』を出すとか」
「『知り合いと入れ替わってる』なら、なんとなく分かりそうですけども」
「『知らないスタンド使い』と『お互い知らないスタンド』で戦うなんて」

「私あんまり、夢とか見ないので、分からないですけどっ」
「何かの暗示だったりするのかも」「『新しいスタンド使いとの出会い』とか!?」

それにしても、スタンド使いってよくいる。お互い『引き合ってる』みたいに、見つかるよね。

181夢見ヶ崎明日美『ドクター・ブラインド』:2020/04/10(金) 04:35:41
>>180

「そうそう、めずらしいユメだったよ〜〜〜。
 でも、その『あんじ』ってヤツ??もしかしたらあたってるかも」

「『ユメでみたヤツ』と『ねてないとき』にであっちゃってさ。
 すごいグーゼンっていうか、よくできたサプライズっていうか」

「そのヘンは、まだよくわかんないんだけど」

いつか分かるのかもしれないし、分からないのかもしれない。
だけど、気にしない。
『アリス』には、一つのものに縛られている暇なんてないんだから。

「でも、『いれかわる』っていうのはナイスアイディア!!
 ソレたのしそう!!
 ユメミンが『センセー』で、イズミンが『ドクター』で……。
 たとえば、こんなカンジ??」

     サッ
            ササッ

自分は『先生』の隣に立ち、『ドクター』をイズミンの隣に立たせる。
それから、その場で軽くポーズを取ってみたりしよう。
ワルくないな!!

「くそッ……てごわいヤツめ……。
 コウゲキされてケガをしてしまった……!!
 『センセー』おねがい!!」

「――――みたいな??
 『オシャベリ』できるって、なんかシンセンなカンジ」

「かんがえてみたら、ちょくちょくケガしてるし。
 そういうときに『センセー』がいてくれたら、
 おおだすかりなんだけどな〜〜〜。
 『ナニかこわしちゃったとき』とかも!!」

「『イチニチだけコウタイ』とかできたらイイのにね〜〜〜」

入れ替わるなんて、そうそうあるコトじゃないと思う。
まぁスタンドってフシギだし、もしかしたらありえるのかもしれない。
実際、自分も『ドクターじゃないスタンド』で戦ったし。
『ユメの中』だけど。
どっちにしても、考えるのはタダだし面白い。

「もしイズミンが『ドクター』をだせたらさぁ。
 どんなカンジになるとおもう??」

182今泉『コール・イット・ラヴ』:2020/04/10(金) 23:46:11
>>181

「へえ〜〜〜っ。それは『フツーじゃない』ですね」
「知らないスタンドだけなら、まだしも」
「『知らない人』が夢に出てきて!」
「しかもその人が『ほんとにいた』なんて」

「謎が深いですね〜」

ユメミンが『よくわからない』って言っている。
つまり『フツーの人と偶然あった』だけじゃなさそうだ。
何かあったのかな。深追いはしないけど。

            『オヤ 夢見ヶ崎サン ガ 生徒デスカ』
            『カシコマリマシタ、補修ヲ 開始シマス』

                スッスッ

先生が『能力を使う真似』をする。もちろん何も起きない。

「先生ノリいいですねえ」
「うーん、『ドクター』を私が使えたら」

隣に立ってる『それ』を見た。
ユメミンの『こころ』から出て来たスタンド。
勿論私には動かせないけど。

「……」

「うーん」
「フツーに、『美味しいもの』を食べるとか?」
「『ドクター』の味覚があれば、『超味覚』ですもんねっ」

前にやった事あるね。喫茶店だったかな。違ったかも。

「それか、そうですねえ」「難しいなあ」
「私には、勝手に動いてくれる、先生が向いてるのかも?」

            『褒メテモ 甘クハ シマセンヨ』
            『クッキー ハ ホドホドニ シテオキマショウネ』

「あはは、そうしておきます。『ドクター』なら私、美味しくなってなんでも食べ過ぎちゃうかも」

183夢見ヶ崎明日美『ドクター・ブラインド』:2020/04/11(土) 00:39:45
>>182

「おっ、イイね〜〜〜。さすが『センセー』、わかってる!!」

『先生』は『イズミンのスタンド』だけど、イズミンと『先生』は違う。
フシギなコトだ。
だけど、ゼンゼンちがうってワケでもない。
やさしいトコロとか。
そういうブブンをみると、なんとなくナットクできるようなきもする。

「そういえばさぁ、やったコトあったよね。
 『グルメ』になれるウラワザ!!
 これさえあれば、『ウマさ100ばい』!!
 でも、『マズいモノ』はゼッタイたべたらダメだよ。
 このまえ、シッパイしたリョウリを『アジミ』してみたら、
 マジでヤバかったしな!!」

  シ ュ バ ッ

  「――――『クッキー』ならヨシ!!」

                    サ ク ッ

自分に『超味覚』を移植して、クッキーをかじる。
それぞれの素材が持つ『味』が鮮やかに感じられ、
ハッキリしたイメージとなって頭の中に浮かんでくる。
フムフム、なるほど…………!!

「バター・さとう・ミルク・タマゴ・アーモンドパウダー……。
 あ、フウミづけに『バニラビーンズ』はいってる??」

「ジブンでいうのもなんだけど、
 『ドクター』がでてきてからベンリになったな〜〜〜。
 とおくのオトもきこえるし、よわいニオイもきづけるし、
 ハダのカンカクで、いまの『シツド』もわかる!!」

「ん〜〜〜??きょうはチョット『かんそう』してるっぽい」

「もし『ドクター』がなかったら、こまるな〜〜〜。
 『ジョーホーシューシュー』しづらくなるし。
 『アリス』は、いろんなばしょにいかなきゃいけないから!!」

「イズミンには『センセー』があってるし、そういうのかんがえると、
 やっぱ『このまま』がイチバンってカンジするよね〜〜〜」

184今泉『コール・イット・ラヴ』:2020/04/11(土) 01:03:24
>>183

「さすが『ドクター』! 相変わらず結構なお手前で」
「えーっと、材料はそんな感じみたいです」
「試食のプロになれますよ、ユメミン」
「香水のテイスティングとかもプロになれそうだし」
「それに、それなら天気予報も出来ちゃうじゃないですか!」

「ユメミンが『使いこなしてる』のもあるでしょうけど」
「『ドクター』は、ほんとユメミンに合ってるんでしょうねっ」

旅をするにはみちしるべがいる。
しるべがあるから、歩くことが出来るんだ。
ドクターはユメミンには最高のしるべなんだろう。
私には、きっと違う。能力が違うように、人それぞれだ。

「…………もし」

「もし」「このままがよくなくっても」
「変えられないこともありますしねっ」
「『このまま』を『一番にする』のが、大事なのかも、しれませんね」

              『…………』

「あっ! 先生が良くないって意味じゃないですよ!」
「『機嫌』悪くしないでくださいねっ……!」

              『ワカッテイマスヨ 今泉サン』
              『先生ハ 怒ッタリ シマセンヨ』

「ならいいんですけど……あはは」

「たとえば〜。テストの次の範囲が苦手な所でも」
「向こうを変えてもらうわけにはいかないから、勉強をしなきゃですし?」

185夢見ヶ崎明日美『ドクター・ブラインド』:2020/04/11(土) 01:35:13
>>184

「あ〜〜〜『テスト』……『テスト』か……。
 ソレだと、あんまりやくにたたないんだよな〜〜〜。
 ソコはユメミンががんばらなきゃいけないトコだもんな〜〜〜」

得意な分野があれば苦手な分野もある。
それはヒトでもスタンドでも一緒だ。
でも、やらなきゃいけないときがあるのがツライところだ。

「でもさ、イズミンには『センセー』がにあってるとおもう。
 ピッタリっていうか、しっくりくるっていうか……」

「だから――『ソレ』でイイんじゃないかなぁ」

イズミンのコトをゼンブわかってるワケじゃない。
だけど、『トモダチ』だし。
だから、なんとなく『ダイジョーブ』っていいたくなったんだとおもう。

「もし、『このままがよくないな』ってコトがあってさ。
 でも、『かえるのがムズかしい』っておもったら――」

「そういうときは、てつだうから。
 『ヒトリ』だとムリでも、『フタリ』ならできるかもしれないし」

イズミンは『トモダチ』だ。
トモダチがこまってたら、たすける。
それは、ワタシでもわかるくらい『フツー』のコトだ。

「あ!!テストまえとかさぁ、いっしょにベンキョーしない??
 『ココ』で。『イズミンち』で。『おとまりかい』とかしてみたいし!!
 タノシソーじゃない??」

トモダチの家に泊まる。
一度やってみたかったコトの一つだ。
勉強の方が疎かになるかもしれないけど。

186夢見ヶ崎明日美『ドクター・ブラインド』:2020/04/11(土) 01:35:34
>>184

「あ〜〜〜『テスト』……『テスト』か……。
 ソレだと、あんまりやくにたたないんだよな〜〜〜。
 ソコはユメミンががんばらなきゃいけないトコだもんな〜〜〜」

得意な分野があれば苦手な分野もある。
それはヒトでもスタンドでも一緒だ。
でも、やらなきゃいけないときがあるのがツライところだ。

「でもさ、イズミンには『センセー』がにあってるとおもう。
 ピッタリっていうか、しっくりくるっていうか……」

「だから――『ソレ』でイイんじゃないかなぁ」

イズミンのコトをゼンブわかってるワケじゃない。
だけど、『トモダチ』だし。
だから、なんとなく『ダイジョーブ』っていいたくなったんだとおもう。

「もし、『このままがよくないな』ってコトがあってさ。
 でも、『かえるのがムズかしい』っておもったら――」

「そういうときは、てつだうから。
 『ヒトリ』だとムリでも、『フタリ』ならできるかもしれないし」

イズミンは『トモダチ』だ。
トモダチがこまってたら、たすける。
それは、ワタシでもわかるくらい『フツー』のコトだ。

「あ!!テストまえとかさぁ、いっしょにベンキョーしない??
 『ココ』で。『イズミンち』で。『おとまりかい』とかしてみたいし!!
 タノシソーじゃない??」

トモダチの家に泊まる。
一度やってみたかったコトの一つだ。
勉強の方が疎かになるかもしれないけど。

187今泉『コール・イット・ラヴ』:2020/04/11(土) 02:50:00
>>186

「『ドクター』でも『超記憶力』とか『超頭脳』とか〜」
「あとは……『超直観』!とかは、身につきませんしねえ」
「まあ、そこは『先生』でも同じですけど」

                 『塾ノ 先生デハ アリマセンノデ』
                 『テスト対策ハ 日々ノ勉強デ シテオキマショウ』

「ですよねえ。ドクターも『お医者さん』ですし」
「『先生違い』ってところですね」

お互いにはお互いの先生が似合ってるってことだ。
それがちょうどいいよね。違っても変えられないんだし。

「……あはは」「もし……もし、私が変わるとしたら」
「その時は、ユメミンのおかげになると思いますよ!」

『変わる』。   

「そんな気が、きっとします」

          ニコ

「でも」

私は『フツー』以外になれるんだろうか?
あるいは『フツーのまま』でいられるんだろうか?
『何か』――――になれるんだろうか?
ユメミンなら、その『しるべ』をくれるだろうか?

「今はとりあえずっ! まずはテストの点を変えなくちゃですね」
「いいですねえお泊り会、勉強会!」
「私、数学なら得意なんですよっ」
「えーと、ユメミンは得意教科なんでしたっけ?」

私にはできない事がこの友達にはできる。
それは間違いないんだ。私も、そうあり続けたいと思う。

「もし得意教科が被ってても……せっかくお部屋があるんですし、ぜひやりましょう!」

188夢見ヶ崎明日美『ドクター・ブラインド』:2020/04/11(土) 19:49:26
>>187

わたしは変わった。
『闇の世界』から『光の世界』にやってきて、
今まで見えなかったものが見えるようになった。
それは幸せなことだと思う。
変わるコトが必ずハッピーになるとは限らない。
だけど、変わっても変わらなくても、
イズミンには幸せでいて欲しいと思う。

「ユメミンは――――『ビジュツ』とかトクイかな!!
 『ゲイジュツカンショウ』とかスキだし!!」

やっぱり『視覚』に訴えてくるものにココロ惹かれる。
どんな作者のどんな作品も、そのゼンブが新鮮だ。
どれを見ても、刺激があってオモシロい。

    サッ

「ババン!!『ムンク』!!にてる??」

両手で耳の辺りを押さえて、口を大きく開けてみる。
有名な『あの顔』だ。
ところで、ビジュツってテストあったっけ??

「『スウガク』はトクイじゃないから、
 『イズミンセンセー』におしえてもらおっかな!!
 『リカ』も、『ジッケン』とかはスキなんだけどな〜〜〜」

「あ!!『レキシ』はトクイかも!!
 まえのテストで、わりとイイてんとってたから!!
 『ユメミンセンセー』とよんでもイイぞ!!」

歴史も結構、視覚的な要素が多い。
だから、興味はある方だ。
絵とか写真を見てると、意外に覚えられたりする。

「せっかくだし、そのときはゴハンつくったりしたいな〜〜〜。
 アジミはまかせろ!!なんてったって『グルメ』だし!!」

189今泉『コール・イット・ラヴ』:2020/04/11(土) 22:52:07
>>188

「美術ですか! 私は苦手な方ですねえ」
「絵の課題とか出たら手伝ってもらおうかな」
「って、そんなことしたらバレちゃいますか」

ユメミンの描いた絵、どんななんだろう。
私はあんまり得意じゃないんだよね。
インスピレーションとかそういうの。

「あはっ」

「芸術性高いです、その物まね」
「あの絵を描いたのがムンクだって覚えられました!」

テストには出ないかもしれない。
いや、多分出ない気がする。
けど、わざわざ言う事も無いよね。

「とりあえず歴史と数学で交換、うーん」
「そうなると現文とか英語とかが難敵ですねえ」
「他に、そういうのが得意な人も探すべきかな」

「でも、人数増えたら大変ですかね、『ご飯』作るにしても」
「量もですし」「好き嫌いとか」「好みの味付けとか?」
「私はちょっとだけ料理出来るから、その時は腕を振るいますけどね!」

ちょっととは言うけど、料理はフツーにできると思うんだ。
美味しいっていうのがフツーに分かるから、変なアレンジとかしないし。

190夢見ヶ崎明日美『ドクター・ブラインド』:2020/04/11(土) 23:40:57
>>189

「あ〜〜〜、ソレはある!!
 じゃあさ、ひとつのナベでつくれるメニューとかよさそうじゃない??
 『カレー』とかテイバンだな!!ガッシュクっぽい!!」

「キライなヒトは、そうそういないし、『シゲキ』がたりなかったら、
 たべるときに『タバスコ』でもかけときゃイイし!!」

「わたしはたべるのトクイだから、ダレよりも『した』をふるうぞ!!
 でも、てつだうくらいはできるな!!
 なきながらタマネギをきざむとか!!」

思いつくままに喋っていると、ドンドン『夢』が膨らんでいく。
『闇の中』から『光の世界』に渡り、『夢』を手に入れた。
大げさかもしれないけど、わたしにとっては大事なコトだ。

                  ゴトン

「――――おん??」

その時、遠くで『音』が聞こえた。
『超聴覚』だから聞こえた音。
大きな何かを下ろした音みたいだった。

「イズミン、なんかたのんでた??
 いりぐちのほうから、ダレかちかづいてきてるから。
 おおきな『ニモツ』もってきてるっぽいよ」

音は少しずつ近付いてくる。
向かってるのは、多分この部屋だろう。
ここで、めいたんていユメミンはひらめいてしまった!!

「まっしろなヘヤに、おおにもつ…………。
 はッは〜〜〜ん、このジケンのナゾがとけたぞ。
 きっと『カグヤ』だな!!
 『ツキ』にいかないほうの」

「『せっち』とか『くみたて』とか、そういうのない??
 てつだうから、チャチャッとかたづけちゃおう」

「『ヒトリ』より『フタリ』のほうがてっとりばやいから!!」

       ニコッ

そう言って、明るく笑ってみせる。
まもなく、外でチャイムの音が鳴った。
真っ白の部屋を彩る『色』が届いた合図――心の中で、そんな風に思った。

191今泉『コール・イット・ラヴ』:2020/04/12(日) 02:11:54
>>190

「カレー、良いですね!」
「食べる量も自分で調節できますしっ」
「余ったら次の日食べられますし」

「勉強会、兼カレー会。楽しみにしておきますねっ!」

きっと、それは楽しいんだと思う。
いつになるかとかはいいんだ。
そういう『予定』があるのが、楽しいと思うんだ。

「わっ、何か聞こえました?」

「荷物……」「きっと家具ですね」
「正解です、ユメミン」「お姫様じゃないほうですね」

「それで、設置とか……あるんですよね〜〜〜」
「『先生』に手伝ってもらおうかと思ってたんですけど」

              『モチロン 少シハ 手伝イマスガ』
              『今泉サンガ 一番 ガンバッテ クダサイネ』

「わかってますって、先生」「って」
「ユメミンも手伝ってくれるんですかっ!? ありがとうございます〜」

「それじゃあ……よろしくお願いしますねっ」

               ニコ…

私の『白い部屋』に届いたのは、いろんな色の家具だった。
ユメミンや先生に手伝ってもらって出来上がった、色とりどりの部屋。
その真ん中に座っている私には、どんな色があるんだろう。

分かる事は、ユメミンっていう友達がいる事が、私にすごく大事な事だって、それだけ。

192斑鳩 翔 『ロスト・アイデンティティ』:2020/04/24(金) 13:20:06
薄力粉:300g
ベーキングパウダー:小さじ3
無塩バター:40g
卵:2個
グラニュー糖(ない):大さじ8
牛乳:大さじ4
サラダ油:適量
グラニュー糖(まぶす用):大さじ4

(12個分の材料)

薄力粉、ベーキングパウダーは合わせてふるっておく。
……ふるいがあってよかった、随分と年代物だけど。

耐熱容器に無塩バターを入れて、ラップをせずに600Wのレンジで30秒加熱して溶かす。
キッチンタイマーが5個くらいあるがどれも電池切れだった、仕方ないので体内時計を使う

ボウルに卵を割り入れて混ぜ、グラニュー糖(ない)、牛乳の順に加えて、その都度混ぜる。溶かしたバターを加え、白っぽくなるまで混ぜる。
量が多い、腕は4つあるので足りているがボウルが欲しい、疲れる。

薄力粉を加えてゴムベラで切るようにして混ぜ、ラップで包んで冷蔵庫で1時間。
――省略

まな板にラップを敷いて、打ち粉をし、生地を置く。薄力粉をまぶし、ラップで挟む。めん棒で厚さ1㎝に……めん棒。
めん棒が無いのでコップで代用する(精B)消毒した定規で測ったので1cmだ。

ドーナツ型で、生地を……ドーナツ型?
型が無いのでふちの薄いコップを押し付ける、真ん中を切りぬくのはナイフで行う(精B)
残りは小さくまるめる。

鍋にサラダ油を入れて160℃に熱し、6をすべらせるようにして入れて、表面がふっくらとして、きつね色になったら裏に返し、カラッとするまで両面3分程揚げる。
……トングが見当たらないので僕のスタンドで代用する、こういう時に自分のスタンドは便利だ。
揚げた物を置く金網も『実体化した鎖』を並列状に並べた物で代用する、でも最初に用意しとけ。

完成品に粉砂糖をまぶす……出来た。

 「――できたよ!あがった物から持って行って!」

4月になり、新入生が寮に入り、そうなると歓迎会というものを開かなくてはならぬと思い至った。
そしていつの間にやら僕はドーナツ作成係(1人)とあいなった、どういう事だ。

 (おかしいな、僕はただ歓迎会の準備委員会で『(興味がないので)ドーナツ食べたい』と言っただけなのに。)

そんなこんなで寮に入るちび達にドーナツを振舞う羽目になった、作るのは5年ぶりで、僕はパティシエでもないが
……できたてあつあつというのは何にも勝ると、僕は勝手に思っている それが思い出の品になれば猶更だ。

 (理論的じゃないんだけどなー。 しかし、足りないかなコレ、もう少し追加で作るべきか?)

193朝山『ザ・ハイヤー』:2020/04/24(金) 21:12:02
>>192

>――できたよ!あがった物から持って行って!

「わあああああ!!! 美味しそうっス――!!」

『パウッ!』

チビ(朝山)な少女が、感嘆の声を上げてはしゃぎつつ
隣に陽気そうな柴犬も引き連れつつドーナツが置かれたトレイを掲げる。

「それじゃあ、若きパテシエよ!
デコレーション用の、きな粉に、コーディングチョコレート!
 ヨーグルトなども此処に置いておくので引き続き頼むっス!」

 ドサッ!!

少女は、追加用とデコレーションに使う具材が入った袋を少し勢いよく
貴方の前に置く。

因みに、この少女はチビだが貴方が知ってる範囲の新入生には該当しない。

194斑鳩 翔 『ロスト・アイデンティティ』:2020/04/25(土) 12:26:32
>>193

 「待てい」

おのれ、何処へ行く 羅生門ばりに老婆…ではないが襟首に手をかけ……届かないので
『孫の手』型に形成した『鎖』で軽く引っ張る、これは金属製の孫の手です、スタンドではない。いいね?

 「逃さんぞ…逃さんぞ首領……!僕がこれ以上手が空くように見えるのか…!」

現状僕は冷蔵庫で冷やしておいた大量の材料を、まさしく常人の倍の手数で形成せねばならぬのだ
開いている手とか『4本』あっても一つも無いのであった、猫の手プリーズ。

 「デコレートも自分でやる!いいのか!新入生にドーナツ足りない事態になってもいいのか!君がミケランジェロになるんだよ!」
 「というか犬をキッチンに入れてくるんじゃないよ、毛が飛ぶでしょう。」

195朝山『ザ・ハイヤー』:2020/04/25(土) 20:03:59
>>194

「おっとっとっス! いかるん先輩
行き成り襟首を掴むのは止めてほしいっス! 首がとれるかと思ったっス!」

『パウパウッン』

ドーナツも落っこちそうになったっス! 権三郎も抗議の声を上げるっス!!

>毛が飛ぶでしょう

「むむっ!! 失礼なっ! 権三郎は毎日ブラッシングしてるっス!
ちゃんと入る時も足拭きマットで綺麗に足の裏を拭いたんっスよ!!
ねー 権三郎!」

『パーウッ!』フンッ (`・ω・´)

勿の論だと、権三郎も息力強く肯定の一鳴きと鼻息を吹くっス。

「それに、私といかるん先輩の仲なんだし固い事は言いッこ無しっス!!
いちまっつんと、主人公ちゃんと一緒に。歩く大根軍団とリーダーを砂旋拳や
私のハイヤー・パンチ、いちまっつんの精密斬、そして先輩の鎖弾で薙ぎ倒し!!
 彼の辻蹴りだって一緒に倒した仲なんだからっスね!!」
(※自身のゲームプレイ内容です)

「思えば、あの時は大変だったスね……
ハイヤー・ラッシュを繰り出そうとしても、辻蹴りのスタン攻撃が
先に当たって倒すのも苦労したっス。一度修行し直す事にして
 倉庫街で皆で不良やモンスターくらげに魚をチマチマ倒しつつ
この寮で伝説のメイドガイ(常原PCの事)の御飯を食べに何度も往復したのも
今となっては良い思い出なんっスよ!

・・・ま!! そー言うわけだから私はこのドーナツを守り抜く
大事な役目があるので、食堂まで運んでおくっスよ!!」

これぞ、悪の首領のザ・必殺! エクリプス・ワードっス!!!

過去の思い出話でしんみりさせて! どさくさに紛れて手伝いから逃げるっス!!

196斑鳩 翔 『ロスト・アイデンティティ』:2020/04/25(土) 20:48:36
>>195

 「……賢いなこの犬……うん、その辺りの失礼は謝罪しよう『ゴンザブロー』。」
 「急に首を引っ張るのは良くない、悪いな。」

随分と賢い犬だ、言語を理解し、飼い主より知性が高そうに見える 見える。
そう考えながら、なにやら鋳造された過去を聞き流しつつ謝罪した、だれだよいちまっつん。

 「だがブラッシングされた毛並みを差し引いても、万が一新入生にドッグトッピングドーナツ等食べさせるわけにはいかんのだ。」
 「意気揚々と口に入れて、舌に髪の毛が絡みつくのは悲惨な事だ……この寮に入ってからの最初の思い出を悲惨にするわけにはいかんのだゴンザブロー、そこだけは解ってほしい。」

そして聞き流している話が倉庫街での仁義なきファイトクラブ〜倉庫街編〜に入る辺りで
我らが首領は独唱の才能が有るかもしれない等と閃いた、誰だよ辻蹴り。

 「……そういうわけだ、新入生にドッグアレルギーがいなければゴンザブローに歓待役を任せたかったが。」

 「そして騙されんぞ…騙されんぞ首領…!誰がいかるんだ!」

       ――ガッシャン! ドスン!

 「デコレートが出来ないなら小皿と粉砂糖も持って行ってくれ、ディップスタイルにして新入生になにをかけるか選ばせよう。」
 「知らなかったのか首領、労働からは逃げられない……!」

テーブルの上に粉砂糖の袋と小皿を置いた後に、冷蔵庫から別の生地を取り出して形成に取り掛かる
どの道店売りの品と味では勝負しようがないのだ、ならばできたてであるかどうかで勝負する他は無い。
やり合う以上はただ負けるとか認められないのが僕なのだ……!

197朝山『ザ・ハイヤー』:2020/04/25(土) 21:25:51
>>196

(´・ω・`)『パーウッ パウパウッ パウー パウッ!』

「あっ! 今のは『うん、僕も勝手にキッチンに入ってきて御免ねっ
大人しく お庭で待ってるから頑張って作ってね!』って応援の言葉を
いかるん先輩に投げ掛けたっスよ! 権三郎は優しいっスねー!!」

権三郎の言葉を通訳してあげるっス!! ついでに、私も一緒にドーナツと共に
退室する権三郎に続いて、この場から逃走する事にするっス!

>らなかったのか首領、労働からは逃げられない……!

あさやまはにげだした。しかし、いかるん先輩にまわりこまれてしまった!!

「おのれ くちおしや」

捨て台詞と共に地面に身を投げ出して、破壊神を呼び出そうにも
キッチンって寝っ転がったらドーナツを作るのに邪魔になっちゃうっス。

「しょ〜がねぇ〜なぁ〜 っス! お手伝いするっス!!」

とりあえず、言われた通りにデコレーションを開始してみるっス!

ドーナツにチョコを塗り付けたり、きな粉をまぶすっス!

「そう言えば、新入生ってどんな人達が来るんっスか?」

198斑鳩 翔 『ロスト・アイデンティティ』:2020/04/25(土) 22:25:52
>>197

 「色々だろ、色々……ええ?」

ぼくの心の中で首領はバウリンガル首領にレベルアップした。
なんでわかるのかとか凄い聞きたい所だが。まあ今は優先する事がある。

コップを酷使しながら次のドーナツ生地を油に浮かべていく
香ばしい匂いをキッチン内に漂わせながら、泡立つ油の中で白い生地がきつね色に染まっていく。

 「まあ……『遠隔地からの生徒受け入れ』が学校側の利点だし」
 「親元から離れてくる心細い子、都心と同じ教育を受けたい野心ギラギラの子、集団の責任感とかの教育の一環で放り込まれた子。」

そもそも孤児院の出で親がいない子……まあ色々だ
僕が詮索する事では無いし、傷口を態々えぐって塩を塗り込んで喜ぶ趣向は僕には無い。

 「いやぁ、勤勉さに頭が下がる想いだよぼかぁ。座右の銘が『人生イージーモード』の僕には(三日で飽きるから)到底無理だし。」

      シューッ……     カタン     

 「僕に出来る事といえば精々 これからの寮生活の緊張の緩和とかの為に、こうして美味しい物を振舞うくらいだな。」
 「――ホームシックとか馬鹿にならないんだよな。」

……実体験。

 「思い出は美しいほうがいいからな。 ……よし、第二弾の余熱を取って。」
 「穴の部分抜いた奴はそのままボールで良いか、下粉のせいで混ざらないし。」

金網(っぽいスタンド)からドーナツと揚げたお団子を皿に移し、朝山の前に滑らせる。

 「さあ次だぞ首領 清月寮ではドーナツが首領を作る 今日の労働英雄は君だ。」

199朝山『ザ・ハイヤー』:2020/04/25(土) 23:13:46
>>198(次レスで〆させて頂きます)

>僕に出来る事といえば精々 これからの寮生活の緊張の緩和とかの為に
>こうして美味しい物を振舞うくらいだな

「ふーーーーむ!!! いかるん先輩は優しい〜〜〜〜んスねぇーー!!
それなら、この悪の首領にも。もうちょっと労働を減らしてくれる
優しさを分け与えてもバチは当たらないと思うんスよ」

唇をタコのように突き出して、朝山は抗議の呟きを唱えつつ斑鳩を見る。
これぞ悪の首領たるモーニング・マウンテンが編み出した邪悪なる抗議の顔だ。

腕がパンパンになってきたっス。こんなに量があるとは見誤っていたっス!!

>思い出は美しいほうがいいからな

・・・思い出

…………思い出

「………………きっと」

「――きっと みんな あの頃のまま帰ってくるっス」

……朝山は手を止めて、何やら上の空の表情でそう呟いた。

「…………うん? なんかいまボーっとしてたっス。
んもーーー!! いかるん先輩がドーナツを作らせ過ぎた所為っス〜よ!
労働英雄なんて嫌っス! 悪の首領の称号には似合わないっスよ!」

ぶーぶー文句を煽るっス! ついでに、いかるん先輩の周りをチョコチョコ
移動しつつ回転してやるっス!!

200斑鳩 翔 『ロスト・アイデンティティ』:2020/04/25(土) 23:55:37
>>199

 「はいはい、これで最初の材料分は全部だから。」
 「――へぇ、結構奇麗にできたんだな、粉砂糖で充分だと思っていたけれど。」

そう言いながら鮮やかにデコレートされたドーナツの皿を見やり、その淵に指を這わせる
食は見た目から、例えどんなに美味しかろうと、見た目が悪いというのはそれだけで減点になる物だ

でなければフランス料理だのはああはなるまい、イギリス料理は知らない。

 「――『ロスト・アイデンティティ』」

       ――ズギュン!

 ジャラジャラジャラジャララララ……カチン!

鎖を伸ばし、皿の縁を覆って接続。
ドーナツが零れないように縁と、上部にそれにつながる半月状の『持ち手』を形成する。
接触分が溶接するように一体化する以上、強度は充分。持ち運びに便利なその皿専用の持ち手だ。

ブーブー口を尖らせる首領に、ドーナツの穴部分として切り取った『プチドーナツボール』をその口に放り込む。

 「ま、悪いとは思ってるんでそれで勘弁しろよ、――バウリンガル(ボソッ)――首領。」
 「『全てのドーナッツは共通の理想のドーナッツ性を有する』 ……誰だったかなープラトンだったか?」

調理場のガスと火を消して器具を水に浸し
取っ手を掴んで出来上がったドーナツを持って寮のホール……パーティー会場へ
今日は長い一日になりそうだ。

(……そういえば初対面の筈なのだけど、何故僕の名前を知ってるんだろうか?)
(ま、クラスメイトの話が耳に入ったとかだろう どうでもいいかな。)

201今泉『コール・イット・ラヴ』:2020/05/18(月) 01:23:39

荷ほどきをしてない箱が、まだあるんだよね。
開けたら、『写真たて』なんか出て来たんだ。
入れた覚え、なかったんだけどな。
写真も、もちろん何も入ってないし。

「……」

         コト

なんとなく、机に置いたそれを眺めて待っていた。

今日は家に人が来るんだ。
荷ほどきの手伝いをしてくれるんだって。ありがたいよね。
フツーに、それは口実で、遊びに来るだけかもしれないけど。

でも、それはそれで、ありがたいと思って、待っているんだ。

202ディーン『ワン・フォー・ホープ』&ヨシエ『一般人』:2020/05/19(火) 20:42:46
>>201

  タッ タッ タッ

幼い少女が小走りで廊下を進む。
背中には『リュックサック』を背負っていた。
ランドセルのように四角いデザインが特徴的だ。
スウェーデンのアウトドアブランド『フェールラーベン』製の『カンケン』。
現地の学校ではスクールバッグとしても愛用されている。

          コン コン

「こんにちはー、遊びにきましたー」

小さな手でドアをノックして、ヨシエは言う。
名目としては、確か『手伝いに来た』はずだった。
訂正すべきかどうかは迷うところだ。
だが、まぁ急ぐ必要もないだろう。
そう思い直して、俺はリュックの中でドアが開くのを待つことにした。

(――そもそも『手伝い』になるのか?)

(……却って邪魔にならなきゃいいけどな)

203今泉『コール・イット・ラヴ』:2020/05/19(火) 23:01:26
>>201

       ガチャ

ドアを開けた。

「ヨシエちゃん、ようこそっ」
「『我が家』へ〜。さ、入って入って」

やっぱり、手伝いじゃないよね。
というか手伝わせるの、悪いよね。
外で待たせるのは悪いし、家に入ってもらおう。

「来てくれてありがと〜。ゆっくりしてってね」
「何もないところだけどっ」

「あ、ジュース飲む? フツーのオレンジジュース」

それで、とりあえず座ってもらおうかな。
コップとかは今から用意するんだけどさ。

「今日は、ディーンさんはいないんだ?」
「って。あは、いつもお散歩してるわけじゃないよね〜」

犬にさん付けって、変な感じだよね。
でも、ヨシエちゃんの犬は、フツーの犬とは違うんだよ。

204ディーン『ワン・フォー・ホープ』&ヨシエ『一般人』:2020/05/19(火) 23:34:44
>>203

「お邪魔しますー」

    トトッ
         ――――トスッ

「えっとー…………」

「『お構いなく』ー」

少し考えてから、ヨシエは思い出した言葉を口にする。
そう言いながらも、目は泳いでいた。
欲しそうにしているのは『犬』でも分かる。

「ディーンもいるよー。今日も一緒!」

           ヒョコッ

ヨシエがリュックの口を開くと、黒い『チワワ』が顔を出す。
首輪に巻かれた『リボン』が、淡い光を発した。
『ワン・フォー・ホープ』を『リボン』と一体化させて発現したのだ。

《学校の近くとはいえ、
 初めての場所に一人で来させるのは心配なんだ。
 アンタに余計な面倒を掛けさせないためってのもある。
 何せ、まだ『小さい』からな》

《この話は、ヨシエには黙っておいてくれ。ヘソを曲げると困る》

これは『スタンド会話』だ。
ヨシエには聞こえていない。
だが、未来には聞こえているだろう。

205今泉『コール・イット・ラヴ』:2020/05/20(水) 00:44:34
>>204

「あはは、そんな言葉知ってるんだヨシエちゃん」
「賢いんだ〜」

笑いながら、冷蔵庫を開けた。
お構いなくって『あいさつ』みたいなものだよね。

「わ、そんなところに!」「重たくない?」

慣れてるのかな、けっこう重そうだよね。
とにかく。

「ディーンさん、こんにちはっ」

先生が出たがってるのが分かった。
別に都合とか悪くないし、出てもらおう。

           『オ久シブリデス。ディーン サン』

               ペコ…

           『エエ、カシコマリマシタ。ソノ件ハ ナイショデスネ』

《もちろん、私も内緒にしておきますっ!》
《ディーンさんは孝行犬ですね〜》
           
先生は、ヨシエちゃんには挨拶しない。
見えないもんね、ヨシエちゃんだけだと。

「あっどうしよ」
「犬用のジュースとかお菓子、無いかも」

            『今泉サン、"チョコ"ハ 禁忌デス。キヲツケテ』

やだな先生、それくらい分かってるって。

「えーと」「牛乳って飲めるんです? ディーンさんは」

とりあえず冷蔵庫の中を漁りながら、聞いてみるんだ。

ヨシエちゃんが答えてくれてもいい。
もちろんディーンさんが直接答えてくれてもいいんだよ。

206ディーン『ワン・フォー・ホープ』&ヨシエ『一般人』:2020/05/20(水) 01:46:41
>>205

「ううん、大丈夫ですよー」

《重そうに見えるかもしれないが、
 いつも背負ってる『ランドセル』程じゃあないさ》

現代の小学校三年生のランドセルは、
中身入りで『5kg』近くあるらしい。
近頃は入れるものが増えて、重さが問題になっているそうだ。
いつだったか『テレビ』で言っていた。
うろ覚えだが、俺の体重は『3kg』以下のはずだ。
ヨシエはまだ一年生だから、
その分ランドセルの中身も軽いだろうが、
それでも俺の方が軽い。

《『先生』――だったな。ああ、そうしといてくれ》

『スタンドと会話をする』というのは、
考えてみれば妙な気分だった。
少なくとも、『犬と会話する』程度には奇妙と言ってもいい。
今は『スタンド』と『犬』が会話しているのだから、
尚更風変わりな光景だろう。

「あっ、ちゃんと『おやつ』持ってきてますー」

     ゴソ

「これはー、みんなも食べられるんですよー」

           ゴソ

「おいしいですよー」

ヨシエがリュックから取り出したのは『無添加クッキー』だ。
一応『犬用』ではあるが、人間も食べられるように出来ている。
人間が食べると、『素朴な味』がするらしい。

《まさか『犬用ミルク』なんてものは置いてないだろうな?
 気持ちは有り難いが、人間用の牛乳は、ちょっと都合が悪い。
 栄養がありすぎて、俺達には『度』が強すぎる》

《まぁ、『水』でいい。人間じゃあないが、『お構いなく』ってことさ》

人間用の牛乳も、『味』は悪くない。
だが、あまり宜しくないのも確かだ。
もちろん、『チョコレート』よりはマシってもんだが。

207今泉『コール・イット・ラヴ』:2020/05/20(水) 14:36:43
>>206

           『ゴ家庭ノ "方針"ハ 尊重スベキデスカラネ』
 
「……」

《牛乳ダメなんですか! 覚えておきますね》
《猫にミルクあげたりするお話、よく聞くので》
《大丈夫なのかな〜って勝手に思ってました》

「やっぱり、牛乳は良くないかな〜」「お水にしよ」

ジュースと、それから水道水。
コップと……お皿がいいよね、犬だし。
ちょうどいい深さのお皿があってよかった。

「なるほど〜。確かに教科書とかの方が重たいもんね」
「絵の具とか、ある時もあるし」

習字は、一年じゃなかった気がする。

「ディーンさんそんなに大きくないしっ」
「言われてみたら、フツーに運べそう」

           『今泉サン、足元二 コードガ アリマス』
           『引ッカカラナイヨウニ。コボシタラ 大変デス』

《どうもどうも、気を付けます!》

     ヒョイ

先生はよく見てるなあ。
一人と一匹に答えながら、スマホの充電コードを跨ぐ。

「へえ〜っ、クッキー!」
「見た感じはフツーのクッキーと同じだね」
「味が、やっぱり違うのかな」

           『キット 人間ノ体ニモ 良イノデショウ』
           『普通ノクッキーガ "悪イ"トハ 言イマセンガ』

お砂糖とか、もちろんチョコチップとかも入ってない。
『赤ちゃんのお菓子』とか、こういう感じだっけ。

「さ、どうぞ!」

            コトン
 
で、写真たてを横にどけて、コップを机に置いた。
水は……床に直置きでいいのかな。ディーンさんに失礼?

208ディーン『ワン・フォー・ホープ』&ヨシエ『一般人』:2020/05/20(水) 20:00:47
>>207

《『毒』って程じゃあないが、あんまり良くはないな。
 もしも俺が衰弱しきってて、
 今にも飢え死にしそうだったら喜んで貰うところだが》

《ありがたいことに『栄養』は足りてる。
 だから――――『水』で十分さ》

  ジッ
        ピチャ ピチャ

俺は、目の前に置かれた皿を見た。
少し眺めてから、それに舌をつける。
安全に飲める水――これが手に入らない連中も大勢いる。
俺も一時期そうだった。
これ以上を望むのは『贅沢』が過ぎるだろう。

「ありがとー!」

  スッ

「……ございますー」

ジュースの入ったコップを持ち上げてから、
ヨシエは思い出したように付け加えた。
ヨシエはしっかりしている方だが、
『背伸び』をしている部分も多々ある。
こういうところも、その一つと言っていい。

           ゴクッ

「おいしいですー!」

「――未来のお姉さんも食べますかー?」

                  サクッ

『クッキー』を齧りながら、ヨシエは未来に袋を差し出した。
『人間が食べた時の感想』について、
ヨシエに意見を聞いたことがある。
それを纏めると、『優しい味がする』らしい。
ただ、『優しい味』というのがどういう味なのかは、
今一つ分からなかったが。
『優しくない味』があるとすれば、
それがどんなものかは少しばかり興味はあるな。

209今泉『コール・イット・ラヴ』:2020/05/20(水) 23:10:46
>>208

「あは。えらいねヨシエちゃん」
「礼儀正しくって」

「おかわり欲しかったら言ってね」
「買い込みすぎちゃってたくさんあるからっ」
 
まだ小一なのにね。
フツーに立派だと思うんだ。
出来なくても、やろうとしてるのが。

「わ、貰っていいの?」
「食べてみたかったんだ、それ」「美味しそうだし」

クッキーを一枚貰った。
食べてみる。

       ザク…

「わあ」

           『今泉サン』

・・・フツーに、『薄い』よね。
や、分かってたんだ。分かってますよ先生。
まあ私はほら、顔に出さなきゃ出ないからさ。

       ザク… ザク…

あ、でも噛んでたら味がしてきたかも。
これは、こういうものって思ったら……

                 ゴクン

「ほんとだ」「フツーに美味しいねっ」
「ディーンさん、いいもの食べてるんですねえ〜」

甘すぎないし、いいかも。
でもこう、口の中の水分が取られるよね。かなり。
美味しいけど、犬は大丈夫なのかな。口の中。

「あは、お水飲んでる」
「ディーンさん、こうして見るとかわいいですね」
「実際お喋りしてると、大人な感じですけども〜」

          『実際大人デスカラ、ネ』

水を飲んでるディーンさんを見て、そう思うんだ。
大人の人っていうか、まあ、成犬だもんね。人間で言う20代だっけ。

210ディーン『ワン・フォー・ホープ』&ヨシエ『一般人』:2020/05/21(木) 00:07:57
>>209

「おいしいですよねー」

      ニコッ

「『ほんのり甘い味』がしてー」

            サクッ サクッ

ヨシエは、既に何度か食べていて、この味に慣れている。
だが、他の人間はどうか知らない。
美味いと思うかはともかく、
体に入れて悪いものは入っていないはずだから、
気分が悪くなるってことはないだろう。

《そうだな。野良じゃあ考えられない『豪勢』な代物だ》

そう言われて、ふと気付いた。
今、俺は『良いもの』を食ってるということに。
要するに、恵まれた生活をしているわけだ。
当たり前になっているせいで、そのことを忘れかけていた。
皿から顔を上げ、水面に映る自分の顔を見下ろす。

《――いつの間にか、俺も『贅沢』を覚えちまったか……》

捨てられて飢え死にしそうだった時、俺はヨシエに拾われた。
そして、『メシが食える』ということに対して、
心の底から感謝の念を抱いた。
だが、その生活が続くと、感動ってやつも徐々に薄れていく。
今の言葉で、それを思い出した。
最初の頃の気持ちを忘れちゃあいけないってことだ。

《この『水』のお陰で目が覚めた。礼を言っておかなきゃあな》

           ブンッ ブンッ

短い尻尾を左右に揺らす。
意図的というより、無意識の行動に近かった。
『本能』と呼ぶことも出来るだろう。

《フ……ヨシエが未来と同じくらいの年になった時には、
 俺は『爺さん』になってるだろうな》

いつまで生きられるかなんてことは、誰にも分からない。
ただ、ヨシエが大人になる頃には、俺の寿命は尽きてるだろう。
それは確実だし、どうしたって避けようもない。
だが、そうなる前に死ぬ気はない。
少なくともヨシエが一人前になるまでは生きていなきゃならない。

《……そういえば、俺は前にも『ここ』に来たことがある。
 この部屋じゃあないし、建物には入らなかったんだが》

《いつか、ヨシエがここで暮らすことになるかもしれないからな。
 どんな場所なのか、少し見ておこうと思ったんだ》

俺が来た時は、『二人組の男』がいた。
確か、片方は『スタンド使い』だったか。
あいつらも、ここに住んでいる様子だったな。

211今泉『コール・イット・ラヴ』:2020/05/21(木) 01:40:01
>>210

「そうだね、噛んだらじわじわ甘くておいしい」
「いやな甘さじゃない、っていうのかな〜」
「何枚も食べられそう」

          『食ベスギハ ヨクナイデスヨ』
          『バンゴハンガ 食ベラレナク ナッテシマイマス』

《もののたとえですよ、先生〜っ》

私がたくさん食べすぎちゃうのも、悪いしね。
体にはいいのかもしれないけど。

というか、ディーンさん、野良だったんだ。
先生の視線を感じる。分かってる。口には出さない。
チワワの野良。『最初から野良だった』とは限らない。
そういうところに簡単には、踏み込んじゃ、いけない。

《ディーンさんには、ヨシエちゃん思いで》
《ヨシエちゃんは、ディーンさん思い》

《それって、すごく素敵だと思いますっ》

ずっとそうあったら良いな、って、思うんだよね。
そう思うのって、フツーだと思うよ。

《あは…………お礼なんて、とても》

《へえ〜っ。じゃあ今日は、下見みたいなものってことですね!》
《私も最近住みはじめたから、あんまり説明とかは出来ないですけどっ》

私も何回か下見とか来たよね。
住む部屋の事だし、気になるのは分かる。

《ちなみに、前に来たときは……ヨシエちゃんとお散歩とかです?》

そういえば小学部で住んでる子っているのかな?
中等部の子は、いるけど。

……そろそろ、ほんとに喉が渇いてきちゃった。

「よいしょっ」

               スッ……

「私、自分のジュース入れてくるけど」
「ヨシエちゃんは、おかわりいる? ディーンさんはどうです?」

212ディーン『ワン・フォー・ホープ』&ヨシエ『一般人』:2020/05/21(木) 08:13:49
>>211

「ディーンも食べるよね?」

  ソッ

ヨシエが俺の足元にクッキーを置く。
俺は遠慮なく、それに牙を立てた。
『犬用』なんだから当たり前といえば当たり前だが、
俺達にとっては素直に『美味い』と思える味だ。

         ガリッ ガリッ

俺は『愛玩用』として生まれてきた。
世渡りを知らない犬が『野良の世界』で長生きは出来ない。
だから、俺には人間達の中にしか生きられる場所はない。
たとえ、どれだけ人間という生き物に嫌気が差したとしても、
生まれ持った『しがらみ』からは逃れられない。
変えたくても変えようのない『サガ』ってやつだ。

「みんなで一緒に食べるとおいしいねー」

           ニコッ

だが、まだ俺は人間に失望しきっちゃいない。
一時期は、もう二度と心を許すまいと誓ったこともあるが、
結局そうしなかった。
それはヨシエがいたからだ。
初めて俺を見つけた時の寂しそうな目。
その奥底に、俺は自分と同じ『孤独の匂い』を感じ取り、
ヨシエを支えてやりたいと思った。

「えっとー」

「……じゃあ、お願いしまーす」

           スッ

《俺はいい。これで十分だ》

ヨシエは遠慮がちにコップを差し出した。
それを横目で見ながら、俺は思う。
無理をする必要はない――と。

《いや、前は『俺だけ』で来た。
 面倒なことになりそうだったから、
 なるべく見つからないようにな》

《まぁ、見つかっちまったが……。
 ここに住んでる男二人に見られた》

《名前は知らないが、片方は『スタンド使い』だ。
 もう一人は違ったらしいが、知識は持ってるように見えた》

《――ここの住み心地はどんな感じだ?》

213今泉『コール・イット・ラヴ』:2020/05/21(木) 23:15:52
>>212

「あは、食べてる食べてる」

「……」「そうだねっ。一人で食べるより、美味しいね」

きっとそうなんだと思う。
少なくとも、ヨシエちゃんがそう思えるのが、良い事なんだ。

「遠慮しなくていいよ〜」
「それじゃ、入れてくるね」

コップを受け取り、席を立った。

≪あ、そうだったんですねっ≫

冷蔵庫を開いてジュースを注ぎながら、振り返らずに答える。

ディーンさん、鎖で繋がれたりはしてないのかな。
これくらい賢かったらいらないのかな。

≪スタンド使い! ですかっ。意外とよくいますよねえ≫
≪男子二人組……私も心当たりはないです≫
≪『スタンド使いじゃないのに知識だけある』のは……≫

             『スタンド使いノ 側ガ モウ片側ニ 教エタノデショウ』
             『ソレダケ、信頼シテイル 間柄ナノデショウカ』

≪なるほど〜、それならありえますね≫

寮に他のスタンド使いがいる、っていうのはちょっと気になると思う。
名前も顔も分からないんだし、気にしてもしょうがないけどね。

≪住み心地は、いいですよっ。お部屋もフツーに広いですし。学校近いですし≫
≪それに≫≪いつでも学校のお友達と会えるので≫≪いろいろ助かりますっ≫

214ディーン『ワン・フォー・ホープ』&ヨシエ『一般人』:2020/05/22(金) 00:09:21
>>213

《『犬も歩けば』と言う言い回しがある。
 スタンド使いが歩けばスタンド使いに当たりやすいって所か》

《そいつらは危険な人間じゃあなさそうだったが……。
 世の中には、『そうでないの』もいるようだからな》

たとえば、あの『鎖の男』だ。
実際のところ、どういう人間なのか詳しくは知らない。
だが、あいつの体からは『暴力の匂い』を感じた。
俺の『本能』が、奴は『危険人物』だと告げている。
ああいう類の人間を、ヨシエに近付けてはならない。

《そう――か。それなら良かった
 もしヨシエが入ってきたら、その時は宜しく頼む》

《……いや、その頃には未来の方が他所に移ってるだろうな。
 やっぱり止めておこう。
 代わりに、ヨシエが一人前になってることを願っておくさ》

その頃には、俺はかなり体力が衰えているだろう。
一緒に走り回れる時間は長くはない。
せいぜい無駄にしないようにしなきゃあな。

 「ここがー、未来お姉さんの『おうち』なんですよねー……」

           キョロ キョロ

          「すごーい!」

改めて室内を見回し、ヨシエは感心したように言った。
部屋に対しての評価なのか、
一人で暮らしていることに対しての感想か。
それは分からないが、
ヨシエが未来を『年長者』として好意的に見ているのは分かる。

《あとで、この建物を案内してくれないか?
 前に来た時は、中までは入らなかったからな。
 今の内に見ておきたいんだ》

《――ヨシエも興味がありそうだし、な》

未来の背中を見つめながら、俺は思う。
十年後には、ヨシエもこんな風になるんだろうか――と。
未来を支える『先生』のように、
俺もヨシエを支え続けているのだろうか。
ヨシエが一人前になっていれば、
俺が支えてやる必要もなくなっているかもしれない。
それは俺にとって喜びだが、
少々の『寂しさ』を感じることも否定はしない――――。

215今泉『コール・イット・ラヴ』:2020/05/22(金) 01:14:55
>>214

≪スタンドは、『悪い事』にも使えますもんね≫
≪危ないことにも≫≪怖いことにも≫

              『先生ハ 手ヲ貸シマセンガ』
              『多クノ “スタンド”ハ、“本体”ノ意ノママ デスカラ』
              『改メテ 気ヲツケナクテハ ナリマセン』

≪そうですねえ、怪しいヒトには近づかないように≫
≪って、それはスタンド使いじゃなくてもフツーにそうか≫

ディーンさんの言い方は『そうでないの』を見たようにも聞こえた。
私も、そういう存在の話を、聞いたことがある。

「すごいでしょ〜」
「家具とか、選びの大変だったし」
「今も探してるし」

「もらったのもあるけどっ」

      ポッポー
               ポッポー

≪はいっ。『住むころ』には、私もここにはいないでしょうし≫
≪今の内に、『年上』として頼れるところを見せちゃいます≫

鳩時計が鳴る中、私はディーンさんに答えた。

「おまたせ、ヨシエちゃんっ」

入れ終わったジュースをテーブルに運んで、ヨシエちゃんを見る。
私は、この子にとって、フツーに頼れるお姉さんであれたらいいな。
私が人のお手本を『できる』かは分からない。けど、きっと悪い気は、しないと思うんだ。

とりあえず、これを食べ終わったら、『清月館』の案内から、はじめてみようかな。

216三枝千草『イッツ・ナウ・オア・ネヴァー』:2020/06/20(土) 22:44:18

こんにちは、千草です。
今、清月館の入口に立っています。
足元には小さな『ホワイトボード』が置いてありました。

    処分したい不用品お引き取りします。
       
        ※生き物はお断りします。

そこには、そのように書かれていました。
今日は『思いついた事』を実行してみようと思ったのです。
だから、こうして誰かが来るのを待っているのです。

217三枝千草『イッツ・ナウ・オア・ネヴァー』:2020/06/22(月) 21:35:21
>>216

今日は『店じまい』です。
また今度、お目にかかりましょう。
それでは――――。

218常原ヤマト『ドリーム・ウィーバー』:2020/06/28(日) 01:35:23

この学生寮は、『自立心』、『向上心』を培う為、
多くの『家事』は学生自身で行わせる方針となっている――


    バサッ バサ


とはいえ、家事に乗り気な学生が、
ほかの人のぶんを纏めてやってしまう、という事も、ままある。

中庭で、誰かが洗濯物を干している。
どうやってか集めた、生徒たちの制服や靴下、ハンカチなどを、
まとめて日に当てているようだ。

219関 寿々芽『ペイデイ』:2020/06/28(日) 01:43:27

清月学園の『通信制課程』に属する『関』は、
しかし『学生寮』の暮らしという訳では無い。
今日はあくまで、『知人』の様子を見に来ていた。
『家』では『大家族』が、彼女の帰りを待っている。

――――と。

>>218

「……?」

家事をしている誰かが、目に入った。
なんとなくそちらに近付いたのは、果たして『正解』か。

その『誰か』にも、エプロンを付け髪をお団子にした、
温和そうな少女の姿が目に入る……かもしれない。

220常原ヤマト『ドリーム・ウィーバー』:2020/06/28(日) 02:12:45
>>219
君が目撃したのは、『男』だった。
体格がいい。学生ではなく大人のように見える。

  バサッ    バサ

「…ズボンにハンカチが入ったまま」
「まったく…男子の皆さまはだらしがないです」


男の服装は『異常』だった。
フリルのついたエプロン、頭に付ける白いふわふわした奴、、
黒いワンピース。
―――『メイド服』だ!

221関 寿々芽『ペイデイ』:2020/06/28(日) 02:43:27
>>20

「えっ!!」

思わず声が出た。
エプロンを付けているのは自分もだが、
言ってはなんだが『フリル』は少ない。
あれではまるで……

「ふふっ、メイドさん……ですよう。ねえ?」

            タラ〜ッ

頬を伝った汗は暑さのせいだろうか? それとも。

「あのう……………『メイドさん』ですよねえ?」

自分に言い聞かせ、呑み込むような一度目と違い、
二度目は、その不し……『男』に、問いかける形になった。

222常原ヤマト『ドリーム・ウィーバー』:2020/06/28(日) 02:59:48
>>221

 「こんにちは!」
 「はい、『メイド』ですよ……見ての通り!!」

『メイド服』はフリルが結構たくさん付いててふりふりだった。
季節に合わせてか、ワンピの丈は短めだった。逞しい脚が覗く。
胸元も涼しげだ。おっぱいが大きい。

 「お洗濯をしております」
 「俺は『家政婦』なのでお気になさらず、どうぞごゆっくり…」

丁寧な口調でそう言うと、青年はまた洗濯物を始めた。
女子のスカートとかも皺を取りながら干している。

223関 寿々芽『ペイデイ』:2020/06/28(日) 03:24:18
>>222

「ふふ、そうですよねえ、私ったら分かりきった事。
 どう見ても……メイドさんにしか見えませんよう。
 ……その。男の人もするんですねえ……メイドさん」

          じー ・ ・ ・

思わずまじまじと観察して……自分と見比べる。
彼は、なんという堂々とした着こなしだろうか?
自分が『貧相』な体格だとは考えはしないが、
誇示するにして……やるだろうか? あの脚の出し方。
後ろめたさをまるで感じない……コスプレではないらしい。

「あぁ〜、お仕事なんですね!
 それはええと、お疲れ様です〜。
 ここ最近は暑くなって来て大変ですよねえ」

        「……あら?」

口に出す。……家政夫か? どちらにしても。

「……そのう、つかぬことをお伺いするんですけど、
 ここ、家政婦さんを雇うようになったんですねえ?」

「家事は学生が自分で……って、聞いたような」

スカートを洗う様子に手慣れたものを感じつつ、
関は固唾を飲んで、核心に迫る問いの答えを待つ…………

224常原ヤマト『ドリーム・ウィーバー』:2020/06/28(日) 03:48:57
>>223
 「男性の『メイド』や『メイド服』は如何なものか、との意見もありますが」
 「職業の自由の時代ですから。仕事ぶりで挽回いたします。」

学園の、様々なタイプの制服、時折混ざる改造制服を、
男は丁寧にハンガーにかけている。
『下着』などのプライベートな衣服は混ざっていないようだが……。


>家事は学生が自分で

「………この寮にはそんなモットーもございます、が」
「学生とて忙しいでしょう?『疎か』になってしまう方もいらっしゃいます」

「そんなわけで、俺は見かねて……あの、『お手伝い』、を……はい!!」
「学生時代はこの寮にお世話になったので、
 恩返しをと思って その、『自主的に』、……やっております!!」

関の『雇う』という文言に対して、青年は、はぐらかすような雰囲気を醸し出している。
このメイド男、まさか……!?

225関 寿々芽『ペイデイ』:2020/06/28(日) 20:19:21
>>224

「なるほど〜、そういう時代ですもんねえ。
 『服装の自由』 大事なことだと思いますよ〜。
 お国によっては、男子がスカートも普通らしいですし」  

改造制服とメイド服を見比べつつ、言う。
実際、そこにどれほど大きな違いがあるだろう?
見た目のインパクトを除けば……除ければだが……
しかも、ヤバいのは見た目だけではなさそうだが……

「そっ……そうなんですね〜っ
  
    『見かねて』……!
   
        ・・・
       『自主的』にい〜っ……!!」

『関 寿々芽』には、悪癖がある。
それは、『なあなあにしてしまう』事だ。
『見て見ぬふり』と言っても良いかもしれない……
ものすごく美化して言うならば、『慈悲』!

「それはきっと、み、皆さん助かってますよう、きっと。
 その……お手際も、とっても良いですもんねえ。さっきから……!」

不審者が不審者だと、完全に確定させることを拒んだ…………!

226常原ヤマト『ドリーム・ウィーバー』:2020/06/28(日) 22:48:57
>>225

「……」
「………いやあ、いい天気です!」
「絶好の洗濯日和ですね!!!!」

メイド男は君から目を逸らしながら洗濯をしている。
(ちなみにこの男、片目が眼帯だ。)
誤魔化せている気でいるのだろうか。

「…学ランがほつれている。あの方はすぐヤンチャをするんですから」
「む、こちらはポケットに飴玉が入ったままです 返してあげないと」


 「お嬢様は『寮生』ではございませんよね
   ……どなたかの『お友達』ですか?」


―――関だけでなく、生徒たちが『なあなあ』だから、
不審者がこうして寮に出入りできてしまうのだ。
危ないのでは?年頃の女子がいるんだぞ?
君のお友達のために、この不審者をなんとかしたほうが良いのでは?


 「仲良くしてあげてください…
  この寮のご子息方はみな、いい子たちなので」
 「親元を離れて、大変な方います、
  差し出がましいようですが、助けになってあげてください……!」


    ペコリ
 
矢継ぎ早にそう言うと、不審者は君にお辞儀をした。

227関 寿々芽『ペイデイ』:2020/06/28(日) 23:35:53
>>126

「そうですねえ、お日様がよく出ていて……
 これならシャツもすぐ乾きそうですねえ……」

         スイッ…

「朝からこれくらい晴れてくれてたら、
 いっそ、お布団でも干したかったのにい……」

関もまた男からゆっくり目を逸らす。
眼帯、は……気にはなるが……
メイド服など着ているために、
それも、『そういうもの』と捉えていた。

「まあっ、お嬢様だなんて……ふふふ。
 私、そんな、大層なものではありませんよう。
 友達……というか知り合いが住んでまして、
 ちょっとだけ〜、様子を見に来てたんです」

       「けど」

そうしたら、この不審者がいたのだ。

「…………」
「そ、そうですねえ〜。
 同じ町……同じ学園の生徒同士ですし、
 いろんな形で、助け合えればいいですねえ〜」

どういう目線なのだろうか……?
いい子たちはこの男について知っているのか?
いずれにしても……頭を下げて。

「あ、私、そろそろ帰らなきゃ……!
 お家で待ってる人がいますのでえ……」

「手を止めさせてしまいまして、すみませんでした。
 そのう…………『お仕事』頑張って、くださいねえ」

その場を立ち去ろうとする。深入りはヤバイ気がした。

228常原ヤマト『ドリーム・ウィーバー』:2020/06/29(月) 00:03:33
>>227
「なんでも、さいきんこの辺りに『ガタイのいい変態不審者』が頻繁に現れるとか…」
「危ない人に会ったらすぐに『逃げて』くださいね!!!!!」

「あっ、お知り合いが不審者とかに悩まされていないか、それとなく聞いてあげてください…」
「本当に、心配なんです………」

メイド男は、君を引き留める様子はない……優しいまなざしで洗濯物を干している…

「俺としたことが お客人に厚かましかったですね…お気をつけて。」

229常原ヤマト『ドリーム・ウィーバー』:2020/06/29(月) 00:05:10
>>227

230関 寿々芽『ペイデイ』:2020/06/29(月) 00:27:12
>>228

「怖……怖〜いですねえ、気を付けますよう。
 『知人』にも、気を付けるように言っておきます」

         ニコ ・・・

「……あの」

「こんなに天気がいいという日は、
 『日射病』や、『熱中症』がありますので。
 お体とか、いろいろ、お気を付けてくださいねえ」

             「……それでは〜」

どこまで『本気』なのか……
どこまで『自覚的』なのか……
『悪いひと』では、ないようだけれど。

謎はナアナアのまま、曖昧な笑みを浮かべ、その場を去った。

231三枝千草『イッツ・ナウ・オア・ネヴァー』:2020/08/05(水) 22:28:56

         ピン
                ポン

「――――はい?」

            ガチャ

チャイムが鳴って、ドアを開けました。
もしかすると事前に約束をしていた方かもしれません。
そうでない方かもしれませんが。

232小林『リヴィング・イン・モーメント』:2020/08/06(木) 19:56:32
>>231

「こんにちは」    

私が入室する。何時もの微笑を模りながら 
 片手には、甘い香りを放つ紙のバックを引き提げて。

 ヤジ「よぅ、千草ちゃん。元気?
ジョーが、ケーキ持ってきてさ。一緒に食べないかって、お誘い」

背後から、ひょこっと私の親友(ヤジ)も顔を出し挨拶をする。


「シロップスポンジプディング……宜しければ
一緒に召し上がりませんか? 多忙でなければ」

233三枝千草『イッツ・ナウ・オア・ネヴァー』:2020/08/06(木) 22:41:11
>>232

「あっ、お二人でしたか」

「どうぞ、上がって下さい」

部屋は綺麗に片付いていました。
机があり、ベッドがあり、テーブルがあります。
机の上には小さな『人形』が置いてありました。

「今、飲み物を用意しますね」

        トッ トッ トッ

キッチンに歩いていきます。
季節柄、麦茶にしようかと思いましたが、
ケーキに合わせるならコーヒーの方がいいでしょうか。
そう考えて、アイスコーヒーを出す事にしました。

「お久しぶりですね」

「先輩達は、いかがお過ごしでしたか?」

「千草は、最近『新しい事』を始めようと思っているのですが……」

手を動かしながら、口も動かします。
こういうのを『近況報告』というのでしょうか。

234小林『リヴィング・イン・モーメント』:2020/08/06(木) 23:28:00
>>233

出された冷たいグラスに入った氷も一緒に口の中に含みながら
アイスコーヒーを不良風の彼は先に半分程飲み干す。

ヤジ「おー、悪いね。丁度喉渇いてたんよ、今年は特別
猛暑って気がするし」

「貴方、何時も同じ事言ってる気がしますね」

ヤジ「いいじゃんかジョー。
 俺は、色々自由にやりたい事をやってるよ。
『新しい事』か。
 いいね。何でも出来る事ならやってみるもんだ!」

「私は、今は手探りです。新しい執筆は、頼まれればしてますが。
……最近の近況では、アリーナの『エクサーツ』と言う方に挑戦して
敗北を喫しましたね。あぁ、怪我はもう無いですしご心配なく」

ヤジ「それと、『関』って言うスタンド使いの嬢ちゃんにも会ったな。
なんとなく、あの子 商人(あきんど)って感じだったよ」

小林「随分、君の話を熱心に聞いてましたよね。
それと、千草さんの知り合いにも出会いました。
『斑鳩』と言う名の男子ですが……千草さんの御友人で間違いないです?」

話しつつ、小林は何やら白い感じの液体の入った丸い『水槽』を取り出す。

235三枝千草『イッツ・ナウ・オア・ネヴァー』:2020/08/06(木) 23:43:26
>>234

「『斑鳩先輩』――――ですか?」

「高等部二年生の先輩ですね。
 はい、確かに何度かお会いしています」

白い『水槽』を、じっと見つめて答えます。
最初にお会いした時も、その後にお会いした時も、
見かけた事がありました。
これが小林先輩の能力なのでしょう。

「斑鳩先輩が何か?」

       ズズ…………

千草の背後から、『影』が現れます。
フードを被り、シャベルを担いだ『墓堀人』。
小林先輩のスタンドを見たせいか、
無意識に表に出てしまったようです。

236小林『リヴィング・イン・モーメント』:2020/08/07(金) 12:31:07
>>235

小林は、視線や発現された『イッツ・ナウ・オア・ネヴァー』に
動じる事なく、食器の上に置いたシロップスポンジプディングに
『カスタードソース』。そう、先程の白い水槽を解除して振りかけた。

「イッツ・ナウ・オア・ネヴァーさんも、どうぞ。まだ幾つかあるので
別のもので良ければ『ゴールデンシロップ』もあります」

そう言って、テーブルに琥珀入りの水槽。蜂蜜シロップ入り水槽を置く。

ヤジ「千草ちゃんのスタンドって飲食出来るの? 
いや、まぁスタンドにも可能なものってあるらしいけど」

「人型のスタンドですし、問題ないのではと思いますけどねぇ。
あぁ、斑鳩さんが何があったと言う訳でないんですがね。
 話の延長線上で、知人の話が出て。千草さんの名称も偶然挙がったので」

御友人が多いのですね、と小林は微笑を濃くする。
 そして、おもむろに自分が菓子につけるマスカットジャム入り小瓶を
自然な流れでテーブルに置いた。

ヤジ「……千草ちゃん、君に聞きたい事があるんだ」

そのマスカットジャム小瓶を一瞥した親友は、重々しい口調と
真剣な顔つきで千草さんに声を掛ける。

……? 親友(ヤジ)が特に何か尋ねる事などあっただろうが?

237三枝千草『イッツ・ナウ・オア・ネヴァー』:2020/08/07(金) 20:45:40
>>236

「いただきます――――」

     スッ

          「――――おいしいですね」

                 ニコリ

ケーキを一口食べて、千草は笑いました。
『墓堀人』は、その様子を背後から見下ろしています。
何も言わず、動こうともしません。

「そういえば最近、
 『先輩の知り合い』が増えたような気がしていました」

「小林先輩、鉄先輩、斑鳩先輩、日沼先輩、
 猿渡先輩、今泉先輩、成田先輩……」

指を折って数えながら、
一人一人の顔を思い浮かべていきます。
皆さん立派な方ばかりです。
そういった所を、これからも見習っていきたいと思います。

     「 ? 」

              「はい、何でしょう?」

『マスカットジャムが好きかどうか』の質問でしょうか。
さっぱりしていて美味しいと思います。
でも、質問を聞く前に答えるのは失礼なので、
ちゃんと聞いてから答えましょう。

238小林『リヴィング・イン・モーメント』:2020/08/07(金) 20:59:09
>>237

彼(ヤジ)の目には真剣さが伴っていた。
 数秒、重いとも感じる沈黙が過ぎた。 そして、言葉が放たれた。

ヤジ「……素麺(そうめん)とか、山菜なり天ぷらとかあるじゃん?」

何か酷く重要な事を聞くのかと思ったが。私の予想に反し、どう言う
意図なのか奇妙な言葉が流れていく。

ヤジ「普通、アレってどう言うもので食べる?
まず、素麺とかは薬味プラスめんつゆで。山菜はさっと塩振ったり
天つゆとか、レモンとかだよな?
 …………マスカットジャムは、普通つけて食べないよね?」

 ガタッ

「親友、ちょっと待ちなさい。素麺には、伊予柑なりイチゴを練った素麺がある。
山菜に天ぷらもレモンをかけて食べる方もいます。
 ――マスカットジャムはそこまで可笑しくないでしょう??」

ヤジ「いや、無いと思うぞジョー。
それは、そう言う風にアレンジしてるから美味しいのであって。
お前は普通の素麺に天ぷらにマスカットジャムで包んで食べてるだけだろ。
今日のケーキに関しては、百歩譲って許すわ。
 ケーキだから果実類は普通に合うしな。

――だけど、てめぇ……たまに御飯にマスカットジャム掛けてるよな?」

俺は見逃したりしないぞ? と昏い視線が彼の中に宿っている。
 この論争には、負けてはいけない気がする……。

「――御飯の甘味と、ジャムの風味が合わさって意外と美味しいですよ?
食べてみればわかります。
 ……そう思いません? 千草さん???」

ヤジ「( ゚Д゚) 千草ちゃんを巻き込んでんじゃねぇよ!!!
おめー、これに関しては友達巻き込んで2対1の多数決で
ジョーの勝利とか無いからな!!?」


「千草さん……マスカットジャムは合いますよね??」

真剣な顔つきで、千草さんに聞いてみる。
 親友が喧しく、都合よく俺の声を無視するな! と騒ぎ立てているが
重要では無い……筈だ。

239三枝千草『イッツ・ナウ・オア・ネヴァー』:2020/08/07(金) 21:36:01
>>238

    「…………」

             「…………」

                      「…………」

どちらの意見も間違っていないと思います。
小林先輩は好きで、
宮田さんは好きじゃないという違いがあるだけです。
千草も肉や魚は食べられません。

「…………『ご飯』と『マスカットジャム』を、
 一緒に食べた事がないので、はっきりとは答えられません」

「でも、ご飯には何でも合いますから。
 『納豆』や『梅干』や『ノリの佃煮』が合うのと同じように」

「『納豆』を選ぶ人もいれば、『梅干』を選ぶ人もいますし、
 『ノリの佃煮』を選ぶ人もいます。
 『マスカットジャム』を選ぶ人がいても、いいと思います」

「同じ『納豆』でも、『醤油』をかける人もいれば、
 『マヨネーズ』をかける人もいます。
 『からし』を混ぜる人もいれば、
 『わさび』を混ぜる人もいます。
 『マスカットジャム』を混ぜる人がいても、いいと思います」

「ケーキに『わさび』や『からし』を乗せるのが好きな人も、
 いるかもしれませんし」

                ニコ

感覚は人それぞれ。
それでいいと思います。
お互いにケンカしないでいられたら、
それが一番だと思います。

240 小林『リヴィング・イン・モーメント』:2020/08/07(金) 22:23:31
>>239

「――親友 そう言う訳だ。謝罪してくれ」

ヤジ「(#゚Д゚) 何がそう言う訳、だ!!
おれ、絶対に謝んないからな!? ぜってー謝んないからなっ!」

「君は人の自由意思を著しく乏したんだよ?
それは『ジョジョ』と言う道を目指すとしても、ルールに反してるのでは?」

ヤジ「この論題で引き合いに出す事では無いってのー!
馬鹿、この馬鹿っ! マスカット馬鹿が!!」

罵倒はなされるものの、千草さんの前だし拳の応酬は無い。
少なくとも親友のTPOは私と同等で、友人の前で喧嘩をする気はないだろう。

ヤジ「ぜぇ ぜぇ……とりあえず、平行線を辿りそうだし話変えるか。
千草ちゃん、その先輩達って全員スタンド使いなの?」

「話題転換が急すぎるんじゃないか」

ヤジ「話の腰折らないでくれって。
まぁ、どうしてスタンド使いなのか聞き出そうとしてんのかって言うとな。
……『引力』って事しか言えないな。
スタンド使い同士が一緒にいると、自然と他のスタンド使いも
知らず知らず近くへ寄せ合うって言う説があるからさ。
千草ちゃん、多分だが大分スタンド使いの知人多いだろ?」

今は良い奴ばかりでも、先の中では悪人に出会う確率だって
高まるかも知れないからな。と彼(ヤジ)は不安さを少し口にする。

ヤジ「……千草ちゃんは、スタンド使いの組織とかどう思う?
自分に危険が及んでたら保護とかやっぱり必要かも知れないかい?」

親友は、先程の時と同じ真剣さだが。今度は至極冗談さを打ち消して尋ねてた。

241三枝千草『イッツ・ナウ・オア・ネヴァー』:2020/08/07(金) 22:58:08
>>240

「ご飯に『マスカットジャム』をかける人がいれば、
 『納豆』を乗せる人もいます」

「無理に好きになる必要はないと思います。
 千草も肉や魚を食べられませんが、
 無理に食べると戻してしまうので……」

「大切なのは、相手を尊重する事だと思います。
 自分を尊重するように、
 相手の事も尊重するのが一番だと思います」

好きなものは好き、嫌いなものは嫌い。
無理に変えたり変えさせる必要はないと思います。
多分、それはとても難しい事でしょうから。

「――――答えられません」

「あの……宮田さんが信じられない訳ではないです。
 ただ、『話してもいい』という許可を頂いていません。
 ですから、お話する事は出来ません」

「ごめんなさい」

           ペコッ

「だけど……『全員』ではないと思います。
 千草が知らないだけかもしれませんが……」

「…………分かりません」

「『優しさも真面目さも、それだけでは毒にも薬にもならない』」

「――これは『猿渡先輩』に言われた言葉です」

「『一人の力なんて大したものじゃないんだから、
 もっと周りに頼った方がいい』」

「――これは『成田先輩』に言われました」

「もし誰かが困っているなら、その人を助けたいです。
 そうじゃなければ、『毒』にも『薬』にもなりません。
 でも、『一人の力』だけだと出来ない事も多いと思います。
 そんな時に、誰かと力を合わせる事が出来れば、
 きっと『解決の道』も見えてくると思います」

「千草は『立派な人』になりたいです。
 『立派な人』というのは、
 ただ心で思ったり口先だけであってはいけません。
 『立派な人』というのは、自分から行動し、
 必要な時には力を合わせる事の出来る人だと思います」

猿渡先輩と成田先輩。
お二人の言葉から、それを学びました。
それらは、きっと大事な事なんだと思います。

242 小林『リヴィング・イン・モーメント』:2020/08/08(土) 21:54:56
>>241(レス遅れ大変申し訳ありません。次レス程で〆させて頂きたいと思います)

親友(ヤジ)は、千草さんの瞳を僅かに鋭い視線で射貫きつつ
無言で、その言葉を聞き終えた。

ヤジ「――そうか」

そして、満足気に歯茎を出しながら笑った。その笑顔は何処となく
眩しそうなものを見てるかのように、羨ましさや侘しさも入り混じっている。

ヤジ「じゃあ、俺からも一つ。千草ちゃんにlessonを教えるよ。
――『立派』ってのはさ。案外自分の視点からじゃ判らないもんさ。
既に完成してると周りから思えても、自分自身じゃ不十分に思っちまうから。
だから、向かう道筋に不安を感じて立ち止まりそうな時はさ」

――目指す過程で、認められた時の事、目指す切っ掛けになった気持ちを
思い出すんだ。

ヤジ「そうすれば、また力強く一歩踏みしめられるよ。
……へへっ、らしくもねぇ事を言っちまったな」

 ってか、千草ちゃんベジタリアンか。なら、今度美味い
わらび餅とか土産にするよ。と、雰囲気を何時もの飄々とした感じに戻る。

その横顔を一瞥しつつ、私も千草さんの前に跪き、視線を合わせて告げる。

「目指す方角は、未だとても高く首が疲れるようでしたら。
一度その場所を見ずに、肩の力を抜いて周りの広さを見る事も良いのかも知れません」

「一先ず、今はプディングを食べましょう
冷めてしまえば味が勿体ありません」ニコッ

 目指す場所、望みたい願い。人それぞれだ

『ジョジョ』と言う頂きが何処へ向かうかは知れないけれど
今はこの、安らぎと言う表現が相応しい席での茶会に魂の洗濯をなそう。

243三枝千草『イッツ・ナウ・オア・ネヴァー』:2020/08/08(土) 22:43:58
>>242

「…………そうですね」

目標を目指すきっかけになった時の事。
始まりは『死体』を見つけた事でした。
千草はベジタリアンになり、『死ぬ』のが怖くなりました。

「とても、いい事だと思います」

いくら嫌でも、人はいつか死にます。
だから、せめて『素晴らしい最期』を。
いつも、そう思っています。

「その時は、今日お二人と会った事も思い出そうと思います」

           ニコッ

誰からも尊敬されるような立派な人に。
そうすれば、きっと『素晴らしい死に方』が出来る。
それが千草の『目標』です。

「小林先輩、マスカットジャムを少し頂けますか?
 ケーキには合いそうなので……」

          パク

「――美味しいですね」

勉強も大切ですが、こうしてのんびり過ごすのも、
価値ある時間だと思います。
きっと『墓堀人』も、同じように感じている事でしょう。
小さな積み重ねが、
先に進むための『一欠けら』になってくれると、
そう信じています。

244三刀屋『ブラック・アンド・ホワイト』:2020/09/03(木) 21:52:15
ある休日の午後
部活帰りの学生や暇を持て余した学生がまばらにうろつく時間帯
スーツ姿の成人男性がデジカメを片手にうろうろしている

「学生寮の割りにすごくしっかりした建物だよねぇ
まあ、僕はずっと実家通いだったから、普通の学生寮なんて知らないんだけどねぇ」


時折、パシャパシャと建物や掲示物などを無遠慮に撮影している
腕の陰に隠れてよくは見えないが『腕章』のようなものをつけているようだが・・・・

245ディーン『ワン・フォー・ホープ』:2020/09/04(金) 19:28:00
>>244

離れた場所から、その姿を見つめる視線があった。
訝るような眼差し。
それを向けていたのは『人』ではなかった。

「…………」

(ここの人間――には見えないな)

(『匂い』が違う)

(――――怪しいヤツだ)

三刀屋を見ていたのは、一匹の『チワワ』だ。
『ブラックソリッド』と呼ばれる黒い毛並み。
野良ではないらしく、首輪が付いている。
名前が入っているようだが、距離があるせいで、よく見えない。
首輪には、細い『リボン』が結んであった。

246三刀屋『ブラック・アンド・ホワイト』:2020/09/04(金) 21:19:33
>>245
「・・・・・?」

      キョロ   キョロ

視線を感じてあたりを見渡す
『大人』の自分がここにいる事で周囲からは好奇の目が向けられている
しかし、ここまでの『警戒心』は・・・・?

「む・・・・? なんだい、君?僕の事が気になるのかな?
気になるだろうねぇ〜〜・・・・よそ者、だからねぇ、僕は」

きょろきょろと周囲を見渡すうちに『チワワ』の存在に気が付いた
その男はズンズンと遠慮のない足取りでディーンに向かう
近づくに従って、『匂い』の違いがはっきりとし始める
『学生寮』の住人は『若者』がほとんどであるのに対し、この男は明らかに年齢が上だ
ここに来たのは初めてであるため、まったく匂いに覚えがないだろう

247ディーン『ワン・フォー・ホープ』:2020/09/04(金) 22:39:14
>>246

俺達から見ると、人間の年齢というのは分かりにくいが、
大体の区別ぐらいはつく。
俺が感じた『匂いの違い』というのは、それとは違っていた。
こいつの『雰囲気』は、この辺りにはそぐわない。
例えば、『教師』なんかとは種類が全く違う。
『匂い』というのは、要するに『胡散臭い』という意味だ。

(『不審者』か何かか?
 だが、その手のヤツが堂々と歩いてる事は少ない)

          スン スン

(――――だからこそ引っ掛かる)

黒いチワワは立ち止まり、鼻をひくつかせて三刀屋を見つめる。
近付いた事で、首輪に入っている名前が見えた。
『DEAN』という名前のようだ。
リボンタイのようにして、リボンが首輪に結ばれている。
首輪に比べると、リボンの方は新しかった。

248三刀屋『ブラック・アンド・ホワイト』:2020/09/04(金) 22:56:41
>>247
「ワンコかー、いいねぇ
 小さくて可愛らしい動物は層を問わずに受け入れられやすいからねぇ
 ここの生徒さん達の飼い犬なのかな?」

近づいていくと、首輪に入っている名前が目に入った
首輪が付いて、誰かからの贈り物だろうか、リボンも巻かれている
『飼い主』からは随分と可愛がられていそうだ

「出来れば君も撮影しておきたいところだけど・・・
 うーん、やっぱり飼い主の許可もいるよなぁ」

近づいてみると男の『腕章』に書かれた文字が見える
『見学者』・・・・と書かれているようだ

「うーん・・・・どうかなぁ?」

手持無沙汰そうな感じで男はディーンの頭に手を伸ばした
どうやら頭を撫でようとしているようだが・・・・

249ディーン『ワン・フォー・ホープ』:2020/09/04(金) 23:27:00
>>248

飼い主は見当たらなかった。
当然といえば当然の事だ。
ここで飼われている訳ではないのだから。

(『外部の人間』なのは間違いない
 大手を振って歩き回っている所を見ると、
 『許可』されてるのか……)

         スス

頭を撫でようとすると、チワワは軽く後退した。
視線は三刀屋に向けられたままだ。
露骨に攻撃的な態勢ではないが、
距離を置こうとしているように見える。

(ただ――――念の為に、
 『どんなヤツ』なのか確かめておきたい)

後ろに下がったのは、反応を見るためだ。
『万一』って事もある。
ここで暮らしている訳じゃあない俺に、
この場所を守る義務も義理もない。
だが、隣にある学校には『大事な人間』が通っている。
そいつに危険が降りかかるかもしれない可能性は、
ほんの僅かであろうと見過ごせない。

250三刀屋『ブラック・アンド・ホワイト』:2020/09/04(金) 23:43:19
>>249
    スス
         ヒョィ・・・

「おっと ハハハ、警戒されてしまったみたいだね」

伸ばした手はあえなく空を切る
なんとなく伸ばしただけの手だ、簡単に逃げられてしまった
空を泳ぐ手を見つめながら男は乾いた笑いを漏らす


「フフフ・・・」   ニヤリ


しばらく手を泳がしていたが、男の口元が少し意地悪な感じに歪んだ
ちょっとした悪戯を思いついたぞ、というような顔つきだ

「あ〜〜、残念残念、君に嫌われてしまったみたいだねぇ
 ちょっと意地でも捕まえてみたくなってきたよ」

手掌を空に向けて大げさに肩を竦めてみせる
そして・・・・・・   最後の言葉を呟き終わると・・・・

        ズギャンッ!

              ヴィジョン
おもむろに男の体から人型の『 像 』が出現した!
スタンドはゆっくりとディーンに近づくと丁寧な手つきで抱きかかえようとする ス精CB

251ディーン『ワン・フォー・ホープ』:2020/09/05(土) 00:27:25
>>250

          「 ! 」

『この手のヤツ』には前にも出くわした事がある。
目の前にいる男より、もっと危険なヤツだ。
驚きが少なかったのは、そのせいかもしれない。

(……『確認』するだけの価値はあったな)

     ポウッ……
              シュルルルルルルルッ

首輪に結ばれている『リボン』が淡い光を発した。
次の瞬間、『リボン』が独りでに解け、
首輪との接続を維持したまま、『人型スタンド』の足元に走る。
『高速』だ。

(俺達と人間の違いは少なくない)

(『その内の一つ』が――――)

         シュルルルルルルルルッ

発光する『リボン』が、『人型スタンド』の片足に向かう。
蛇のように絡み付こうとしているようだ。
それが成功したなら、
引っ張ってバランスを崩させたい(パス精CBC)。

(――――『安定性』の違いだ)

252三刀屋『ブラック・アンド・ホワイト』:2020/09/05(土) 00:40:30
>>251

     ポウッ……
              シュルルルルルルルッ

「えッ? このワンコ・・・・・・ッ! まさかッ!」

   スッテ―――――――ンッ!

            「あ、痛―――ッ!」

男は完全に油断しきっていた!
同様のあまり、『リボン』が異様な動きを見せる様を眼で追いかける事しかできなかった
『ブラック・アンド・ホワイト』の足に絡みついた『リボン』が力を込めると
驚くほど容易にバランスを崩し、後ろ向きに尻もちをついた姿勢となる!

「ちょっ  ちょっとストップ!」

         ブォンッ!


スタンドの手が地面につくと同時に一瞬だけ地面に何か『四角い図柄』が浮かび上がった
―――――――――――その次の瞬間!

      シュタ―――――――――ンッ!

『人型スタンド』の姿勢が一瞬で変化した
先ほどまで確かに尻もちをつき、無様に体勢を崩していたスタンドだったが
一瞬にして『新たな姿勢』を取る・・・・・・ッ!


    ゴゴゴゴゴゴ・・・

両手を揃えて地面に置き、頭を床にこすりつける
人間たちの言葉でいうトコロの『土下座』・・・・最上位の謝意を示す姿勢である!

「すいませんでした―――――ッ!」

253ディーン『ワン・フォー・ホープ』:2020/09/05(土) 00:57:56
>>252

(『何か』出してきたな……)

     バッ

スタンドが姿勢を崩した瞬間、飛び退いて距離を取る。
それと同時に、足に絡んでいた『リボン』も、
『ブラック・アンド・ホワイト』から離れていく。
よく見ると、『リボン』の先端は『手』のような形に変化していた。

(コイツ……『一瞬』で……!?)

           ヒョイ

(どういうトリックだ……?)

近くに転がっていた小石を、『ワン・フォー・ホープ』で拾う。
『次の攻撃』に備えるためだ。
『スタンド使い』相手に油断は出来ない。

(さぁ――――『次』は何をしてくる?)

チワワは『リボン』の先に小石を握らせ、
三刀屋の様子を窺っている。
まだ警戒を緩めていないようだ。
やはり人間と犬では意思が伝わりにくいのか?


新着レスの表示


名前: E-mail(省略可)

※書き込む際の注意事項はこちら

※画像アップローダーはこちら

(画像を表示できるのは「画像リンクのサムネイル表示」がオンの掲示板に限ります)

掲示板管理者へ連絡 無料レンタル掲示板