ケース③ 嘘と沈黙
実はこの嘘と沈黙の題名とその英文サブタイトルは、結末において破綻
していくストーリー内でも、バタイユのエロティシズム論ならばその不
条理な人間模様をいともあっさりとミもフタもないほどに曝け出せる。
・嘘と沈黙
・Those women longed for the touch of others lips, and thus invited their kisses.
まずは英文サブタイトルの意味を踏まえてみよう。
これはTV版がビデオ発売されたときの、ケースの裏側にも紹介として
書かれていることだが、「女たち」に該当するのは明らかにミサトとア
スカであり、彼女たちは他者の唇との触れ合いに焦がれ、そしてそれは
結果的に「彼ら」、すなわち加持とシンジを、各自それぞれとのキスへ
と誘った(いざなった)ことを意味するといえる。